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特表2023-537950ウイルス感染症を治療するための組成物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】ウイルス感染症を治療するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20230830BHJP
   A61K 33/00 20060101ALI20230830BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20230830BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20230830BHJP
   A61K 36/06 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230830BHJP
   A61K 31/337 20060101ALI20230830BHJP
   A61K 31/704 20060101ALI20230830BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230830BHJP
   A23L 33/115 20160101ALI20230830BHJP
   A23L 33/16 20160101ALI20230830BHJP
   A23L 33/14 20160101ALI20230830BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
A23L33/10
A61K33/00
A61K47/44
A61K31/122
A61K36/06 Z
A61P31/14
A61P31/18
A61P31/04
A61K31/337
A61K31/704
A61K39/395 N
A61P43/00 121
A61P35/00
A23L33/115
A23L33/16
A23L33/14
A23L2/00 F
A23L2/52
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509528
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(85)【翻訳文提出日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 US2021045399
(87)【国際公開番号】W WO2022035869
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】63/063,542
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519118496
【氏名又は名称】シャー,ホウン・サイモン
【氏名又は名称原語表記】HSIA, HOUN SIMON
【住所又は居所原語表記】14791 MYFORD ROAD, TUSTIN, CALIFORNIA 92780, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】シャー,ホウン・サイモン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B117
4C076
4C085
4C086
4C087
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB08
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(57)【要約】
アポトーシスの調節不全を修正し、炎症誘発性サイトカインの産生を減少させ、宿主抗ウイルス化合物の産生を増加させることによって、栄養補助食品がウイルス感染症(例えば、コロナウイルス、HCV、HIV)の治療で利用される組成物及び方法が提供される。前記栄養補助食品は、公知抗ウイルス療法、並びに腫瘍性疾患の前記治療で従来使用される低レベル放射線療法及び/又は化学療法薬と組み合わせて使用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体をウイルス感染症に対して治療する方法であって、
魚油とセレンとを含む栄養補助食品を得ること、及び
前記個体に、前記ウイルス感染症又は前記ウイルス感染症の後遺症を治療するのに有効な量で前記栄養補助食品を投与することを含み、
前記ウイルス感染症が、ウイルスに感染した細胞においてアポトーシスの調節不全を誘導するウイルスによる感染に起因し、前記栄養補助食品が、投与に際して、前記ウイルスに感染した細胞におけるアポトーシス事象を改変するために充分な量で魚油とセレンとを提供する、方法。
【請求項2】
前記魚油及び前記セレンの量が、さらに、前記個体における炎症誘発性サイトカインの血清濃度を減少させるように選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セレンがセレン酵母の形態で提供される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記セレンが、一日当たり1,000μg~10,000μgで提供される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記栄養補助食品がコエンザイムQ10をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記栄養補助食品が、1mg~5,000mgのコエンザイムQ10を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記魚油が、一日あたり1,000mg~20mgで提供される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記栄養補助食品が、表1に列挙する三つ以上の成分を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ウイルスがコロナウイルスである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記コロナウイルスがSARS-CoV-2である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ウイルスがHIVである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ウイルスがHCVである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記治療が、活動性感染症の治療を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記活動性感染症が無症候性である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記治療が予防的である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
放射線療法の適用を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記放射線療法が、2remまでの非ゼロ放射線量を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記放射線療法が、放射線の単回適用を含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項19】
前記放射線療法が、放射線の複数回適用を含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項20】
がん化学療法薬との併用療法を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記がん化学療法薬が、タキソール、アドリアマイシン、及びアバスチンからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記がん化学療法薬が、がんの治療のために投与される場合、前記がん化学療法薬の用量の1%~50%に相当する用量で適用される、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
個体におけるウイルス感染症の治療のための魚油とセレンとを含む栄養補助食品の使用であって、前記栄養組成物が、前記ウイルス感染症又は前記ウイルス感染症の後遺症を治療するために有効な量で提供され、前記ウイルス感染症が、ウイルスに感染した細胞においてアポトーシスの調節不全を誘導するウイルスによる感染に起因し、前記栄養補助食品が、投与に際して、前記ウイルスに感染した細胞におけるアポトーシス事象を改変するために充分な量で魚油とセレンとを提供する、使用。
【請求項24】
前記魚油及び前記セレンの量が、さらに、前記個体における炎症誘発性サイトカインの血清濃度を減少させるように選択されている、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
前記セレンがセレン酵母の形態で提供されている、請求項23又は24に記載の使用。
【請求項26】
前記セレンが、一日当たり10,000μgまでで提供されている、請求項23~25のいずれか一項に記載の使用。
【請求項27】
前記魚油が、一日当たり20グラムまでで提供されている、請求項23~26のいずれか一項に記載の使用。
【請求項28】
前記栄養補助食品がコエンザイムQ10をさらに含む、請求項23~27のいずれか一項に記載の使用。
【請求項29】
前記栄養補助食品が1mg~5,000mgのコエンザイムQ10を含む、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
前記栄養補助食品が、表1に列挙した三つ以上の成分を含む、請求項23~29のいずれか一項に記載の使用。
【請求項31】
前記ウイルスがコロナウイルスである、請求項23~30のいずれか一項に記載の使用。
【請求項32】
前記コロナウイルスがSARS-CoV-2である、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記ウイルスがHIVである、請求項23~30のいずれか一項に記載の使用。
【請求項34】
前記ウイルスがHCVである、請求項23~30のいずれか一項に記載の使用。
【請求項35】
前記治療が活動性感染症の治療を含む、請求項23~34のいずれか一項に記載の使用。
【請求項36】
前記活動性感染症が無症候性である、請求項35に記載の使用。
【請求項37】
前記治療が予防的である、請求項23~34のいずれか一項に記載の使用。
【請求項38】
前記使用が、放射線療法と組み合わせられている、請求項20~37のいずれか一項に記載の使用。
【請求項39】
前記放射線療法が2remまでの非ゼロ放射線量を含む、請求項38に記載の使用。
【請求項40】
前記放射線療法が、放射線の単回適用を含む、請求項38又は39に記載の使用。
【請求項41】
前記放射線療法が、放射線の複数回適用を含む、請求項38又は39に記載の使用。
【請求項42】
前記使用が、がん化学療法薬との併用療法と組み合わせられている、請求項20~41のいずれか一項に記載の使用。
【請求項43】
前記がん化学療法薬が、タキソール、アドリアマイシン、及びアバスチンからなる群から選択される、請求項42に記載の使用。
【請求項44】
前記がん化学療法薬が、がんの治療のために投与される場合、前記がん化学療法薬の用量の1%~50%に相当する用量で適用されている、請求項42又は43に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年8月10日に出願された米国仮特許出願第63/063,542号の優先権を主張するものである。これらや他の全ての参照された外部資料は、参照によりその全体が本明細書で援用される。参照により援用される文献中の用語の定義又は使用が、本明細書中で提示される用語の定義と矛盾しているか又は反対である場合、本明細書中で提示される用語の定義を優先するものとする。
【0002】
(技術分野)
本発明の分野は、ウイルス感染症、特にコロナウイルス感染症を治療するための組成物及び方法である。
【背景技術】
【0003】
背景の説明には、本発明を理解する上で有用であり得る情報が含まれている。本明細書中で提示される情報のいずれかが先行技術であること、若しくは現在請求される発明に関連していること、又は具体的若しくは暗黙的に参照される刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【0004】
コロナウイルスは、種の壁を繰り返し越えてヒトや動物において疾患を引き起こしてきた、ポジティブセンス一本鎖エンベロープ型RNAウイルスである。過去20年で、2003年の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)、2012年以降の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、そしてごく最近では2019年12月以降のSARS-CoV-2を含む、三つの新規ヒト病原性コロナウイルスが出現し、ヒトにおいて重度の呼吸器感染症の流行を引き起こした。SARS-CoV-2に感染すると、著しい炎症反応が、特に呼吸器系で起こる可能性があり、死に至る可能性がある。
【0005】
レムデシビル、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、ナファモスタット、カモスタット、及びイベルメクチンなどの多くの既存薬が、インビトロで抗SARS-CoV-2活性を示すことが報告されている。レムデシビルは、広範囲の抗ウイルス活性を有するヌクレオチドアナログである。クロロキン及びヒドロキシクロロキンは、自己免疫疾患の治療に使用される軽度の免疫抑制剤であり、COVID-19の治療のために提案されているが、最近の研究では、明らかな臨床的有用性はなく、罹患率を増大させる可能性があることが示されている。ナファモスタット及びカモスタットは、SARS-CoV-2の細胞への侵入を妨害するとされる、慢性膵炎及び逆流性食道炎の治療で使用されるセリンプロテアーゼ阻害剤であるが、これらの薬物に関する充分に策定されたランダム化対照試験のデータはまだ得られていない。
【0006】
したがって、COVID-19の治療への安全かつ有効なアプローチを特定することが急務である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主題は、例えば、アポトーシスの調節不全を修正し、炎症誘発性サイトカインの産生を減少させ、天然の抗ウイルス化合物(例えば、インターフェロン)の産生を増大させることによって、ウイルス感染症(例えば、コロナウイルス、HCV、HIV)の治療で有効な栄養補助食品(nutritional supplement)が提供される、組成物及び方法を提供する。そのような栄養補助食品は、公知の抗ウイルス療法(治療用抗体、低分子抗ウイルス薬)、並びに腫瘍性疾患(例えば、がん)の治療で従来使用されていた低レベル放射線療法及び/又は化学療法薬と組み合わせて使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の概念の一実施形態は、ウイルス感染症に対して個体を治療する方法であって、魚油とセレン(例えば、セレン酵母の形態)とを含む栄養補助食品を得、前記栄養補助食品を前記個体に対して、ウイルス感染症又は前記ウイルス感染症の後遺症を治療するために有効な量で投与することによって治療する方法である。前記ウイルス感染症は、ウイルスに感染した細胞においてアポトーシスの調節不全を誘導するウイルスによる感染に起因する可能性があり、前記栄養補助食品は、投与に際して、ウイルスに感染した細胞におけるアポトーシス事象を改変するために充分な量で魚油とセレンとを提供する。いくつかの実施形態では、魚油及びセレンの量はまた、炎症誘発性サイトカインの血清濃度を減少させるように選択される。いくつかの実施形態では、セレンは一日当たり1,000μg~10,000μgで提供される、及び/又は魚油は一日当たり1,000mg~20mgで提供される。前記栄養補助食品は、コエンザイムQ10(例えば、1mg~5,000mgのコエンザイムQ10)も含み得る。いくつかの実施形態では、前記栄養補助食品は表1に列挙された三つ以上の成分を含み得る。想定されるウイルス感染症としては、コロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)、HCV、及び/又はHIVでの感染に起因するものが挙げられる。そのような治療は、無症候性感染症を含む活動性感染症に適用できる。他の実施形態では、そのような治療は予防的であり得る。いくつかの実施形態では、前記栄養補助食品は、低用量放射線療法(例えば、単回又は複数回用量として提供される2remまでの用量)及び/又はがん化学療法薬(例えば、タキソール、アドリアマイシン、及びアバスチン)と組み合わせて提供できる。そのようながん化学療法薬は、がんの治療で適用される投与量よりも低用量(例えば、1%~50%以下)で提供できる。
【0009】
本発明の概念の別の実施形態は、魚油とセレン(例えば、セレン酵母の形態)とを含む栄養補助食品の使用と、前記栄養補助食品を個体に対して、前記ウイルス感染症又は前記ウイルス感染症の後遺症を治療するために有効な量で投与することである。前記ウイルス感染症は、ウイルスに感染した細胞においてアポトーシスの調節不全を誘導するウイルスによる感染に起因する可能性があり、前記栄養補助食品は、投与に際して、前記ウイルスに感染した細胞におけるアポトーシス事象を改変するために充分な量で魚油とセレンとを提供する。いくつかの実施形態では、魚油及びセレンの量はまた、炎症誘発性サイトカインの血清濃度を減少させるように選択される。いくつかの実施形態では、セレンは一日当たり1,000μg~10,000μgで提供される、及び/又は魚油は一日当たり1,000mg~20mgで提供される。前記栄養補助食品は、コエンザイムQ10(例えば、1mg~5,000mgのコエンザイムQ10)も含み得る。いくつかの実施形態では、前記栄養補助食品は表1に列挙された三つ以上の成分を含み得る。想定されるウイルス感染症としては、コロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)、HCV、及び/又はHIVでの感染に起因するものが挙げられる。そのような治療は、無症候性感染症を含む活動性感染症に適用できる。他の実施形態ではそのような治療は予防的であり得る。いくつかの実施形態では、前記栄養補助食品は、低用量放射線療法(例えば、単回又は複数回用量として提供される2remまでの用量)及び/又はがん化学療法薬(例えば、タキソール、アドリアマイシン、及びアバスチン)と組み合わせて提供できる。そのようながん化学療法薬は、がんの治療で適用される投与量よりも低用量(例えば、1%~50%以下)で提供できる。
【0010】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様及び利点は、添付の図面と共に、好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、アポトーシスが減少した細胞(この場合は原発腫瘍細胞)におけるBAX発現に対するセレン及び魚油の適用の効果を示す。
図2図2は、アポトーシスが減少した細胞(この場合は転移性腫瘍細胞)におけるBAX発現に対するセレン及び魚油の適用の効果を示す。
図3図3は、アポトーシスが減少した細胞(この場合は原発腫瘍細胞)におけるBcl-2発現に対するセレン及び魚油の適用の効果を示す。
図4図4は、アポトーシスが減少した細胞(この場合は転移性腫瘍細胞)におけるBcl-2発現に対するセレン及び魚油の適用の効果を示す。
図5図5は、アポトーシスが減少した細胞(この場合は腫瘍細胞)におけるカスパーゼ3発現に対するセレン及び魚油の適用の効果を示す。
図6図6は、アポトーシスに関連するタンパク質マーカー(VEGF、p53、及びHIF-α)の発現に対するセレン及び魚油の適用の効果を示す。
図7図7は、アポトーシスに関連するカスパーゼ8の発現に対するセレン及び魚油の適用の効果を示す。
図8図8は、アポトーシスに関連するチトクロムCの発現に対するセレン及び魚油の適用の効果を示す。
図9図9は、ある特定のウイルス感染細胞のアナログとして機能し得る、培養中の腫瘍細胞の成長に対するセレン、魚油、及びセレンと魚油との組み合わせの適用の効果を示す。
図10図10は、トリパンブルーで染色することによって示されるような、ある特定のウイルス感染細胞のアナログとして機能し得る、培養中の腫瘍細胞の生存に対するセレン、魚油、及びセレンと魚油との組み合わせの適用の効果を示す。
図11図11は、炎症の動物モデルにおける血清TNF-α濃度に対するセレンと魚油とを含む栄養補助食品の適用の効果を示す。
図12図12は、炎症の動物モデルにおける血清IL-6濃度に対するセレンと魚油とを含む栄養補助食品の適用の効果を示す。
図13図13は、ミトコンドリアでみられ、炎症に関連する筋肉関連タンパク質(UCP3、UCP2)及び炎症関連サイトカイン(IL6)の発現に対するセレンと魚油とを含む栄養補助食品の適用の効果を示す。
図14図14は、VEGFの発現に対するセレンと魚油とを含む栄養補助食品の適用の効果を示す。
図15図15は、VEGFの発現に対するセレンと魚油とを含む栄養補助食品の適用の効果を示す。
図16図16は、TNF-αの発現に対するセレンと魚油とを含む栄養補助食品の適用の効果を示す。
図17図17は、TNF-αの発現に対するセレンと魚油とを含む栄養補助食品の適用の効果を示す。
図18図18は、IL-1β及びIL-10の発現に対するセレンと魚油とを含む栄養補助食品の適用の効果を示す。
図19図19は、IL-1βの発現に対するセレンと魚油とを含む栄養補助食品の適用の効果を示す。
図20図20は、IL2の発現に対するセレンと魚油とを含む栄養補助食品(N)の適用の効果を示す。
図21図21は、IL2及びIFN-γの発現に対するセレンと魚油とを含む栄養補助食品(N)の適用の効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(発明の詳細な説明)
本発明の主題は、COVID-19において調節不全になる炎症反応の低減と、細胞のSARS-CoV-2感染によって破壊されるアポトーシス経路の調節において効果を有する栄養補助食品が提供される組成物及び方法を提供する。複合効果は、(1)感染細胞におけるアポトーシス経路の回復によるSARS-CoV-2ウイルス量の減少、及び(2)COVID-19における炎症反応の低減によって、COVID-19の治療において非常に有益であると考えられる。本発明者は、感染細胞においてアポトーシスが破壊され、及び/又は活動性疾患(例えば、インフルエンザ、HIV等)において臨床上重要な炎症成分が存在する他のウイルスにも、ウイルス感染症治療のこのアプローチが適用可能であると考えている。
【0013】
ウイルス感染症のそのような治療は、活動性ウイルス感染症の治療であり得ると理解すべきである。そのような活動性ウイルス感染症は症候性であり得るか、又はいくつかの実施形態では無症候性感染症であり得る。あるいは、いくつかの実施形態では、ウイルス感染症の治療は、防止的又は予防的であり得る。そのような実施形態では、本発明の概念の栄養補助食品での治療は、(例えば、病原性ウイルスへの初期曝露の間の細胞の有効なアポトーシスを増強することにより)活動性ウイルス感染症を防止するのに有効であり得る。
【0014】
以下の考察は、本発明の主題の多くの例示的実施形態を提供する。各実施形態は、発明の要素の単一の組み合わせを表すが、本発明の主題は、開示された要素のあらゆる可能な組み合わせを含むと考えられる。したがって、一実施形態が要素A、B、及びCを含み、第二の実施形態が要素B及びDを含む場合、本発明の主題は、明確に開示されていなくても、A、B、C、又はDの他の残りの組み合わせも含むと考えられる。
【0015】
いくつかの実施形態では、本発明のある特定の実施形態を説明し、請求するために使用される、成分の量、濃度などの特性、反応条件などを表す数値は、用語「約」により場合によっては修飾されると理解されるべきである。したがって、いくつかの実施形態では、明細書及び添付の特許請求の範囲に記載する数値パラメータは、特定の実施形態で得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、報告された有効桁数に照らし、また通常の丸め付け技術を適用することによって、解釈されるべきである。本発明のいくつかの実施形態の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に記載されている数値は可能な限り正確に報告されている。本発明のいくつかの実施形態で提示されている数値は、それぞれの試験測定でみられる標準偏差から必然的に生じるある特定の誤差を含み得る。
【0016】
本明細書及び以下の本特許請求の範囲全体で使用される場合、文脈で明らかに別段の指示がない限り、「a」、「an」及び「the」の意味には、複数の指示対象が含まれる。また、本明細書で使用される場合、文脈で明らかに別段の指示がない限り、「~の中に」の意味には、「~の中に」及び「~の上に」が含まれる。
【0017】
本明細書中の値の範囲の記載は、範囲内にある個々の値を個別に言及する簡単な方法としての役割を意図するに過ぎない。本明細書中で別段の指示がない限り、個々の値は、本明細書中で個別に記載されているかのように本明細書で援用される。本明細書中に記載するすべての方法は、本明細書中で別段の記載が無い限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書中のある特定の実施形態に関して提示されるありとあらゆる例、又は例示的用語(例えば、「など」)の使用は、単に、本発明をより良好に説明することを意図し、別段の請求のない限り、本発明の範囲に制限を課さない。本明細書中のいかなる文言も、本発明の実施に不可欠な請求されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0018】
本明細書中に開示された本発明の別の要素又は実施形態のグループ分けは、限定として解釈されるべきではない。各グループのメンバーを、個別に、又は前記グループの他のメンバー若しくは本明細書中でみられる他の要素と組み合わせて言及し、請求できる。利便性及び/又は特許性の理由から、グループの一つ以上のメンバーを、グループに含めたり、グループから削除したりできる。そのような包含又は削除を行う場合、本明細書は、ここでは、添付の特許請求の範囲で使用されるすべてのマーカッシュグループの記述を満たすように変更されたグループを含むとみなされる。
【0019】
本発明者は、他のサポート成分及び栄養成分に加えて、高用量の魚油及びセレンに基づいた栄養補助食品を開発した。そのような製剤の例を表1に示す。前記セレンは、好ましくは、セレン酵母又はその成分(例えば、セレン酵母から調製されるペプチド及び/又はアミノ酸)として提供される。したがって、魚油及びセレン酵母の研究で見いだされた効果は、この栄養補助食品の使用に拡張できる。この製剤は、耐容性良好であり、高レベルの許容性を有することが判明している。
【表1】
【0020】
いくつかの実施形態では、一つ以上のミネラル(例えば、セレン、モリブデン、クロム)を、酵母調製物及び/又は金属置換アミノ酸の形態で提供できる。好ましい実施形態では、セレン、モリブデン、及び/又はクロムは、それぞれ、セレン酵母、モリブデン酵母、及びクロム酵母の形態で提供される。好ましい実施形態では、前記栄養補助食品は、表1に示されるような少なくとも三つの成分、例えば、魚油、セレン(例えば、セレン酵母の形態)、及びコエンザイムQ(例えば、10~5,000mgのコエンザイムQ10、50mg~3,000mgのコエンザイムQ10、又は200mg~1,500mgのコエンザイムQ10)を含む。そのような追加の成分は、必要なビタミン、ミネラル、及びアミノ酸を高レベルで補給する。他の成分(例えば、酵素、レシチン)は、摂取されると、前記組成物の成分の消化及び吸収を助ける働きをする。これらの相補的な活性の組み合わせは、個々の成分の単純な相加効果を超える相乗効果を提供する。表1に示す組成物は、嗜好性及び許容性を改善する働きをするある特定の香味料(flavorant)(例えば、ブラウンシュガー、ハチミツ、バニラフレーバー及びマスキング剤)も含むことを理解されたい。ある特定の成分(例えば、ハチミツ、ブラウンシュガー、乳、米タンパク質、カゼイン)は、風味とカロリーの両方を提供できる。本発明者は、上記の香味料の組み合わせが有効量での前記栄養補助食品の消費のコンプライアンスを提供するのに有効であることを見出した。いくつかの実施形態では、前記栄養補助食品の有効性に対してマイナスの影響を及ぼすことなく、そのような香味料を除外できる。
【0021】
表1に示す成分は、単一の製剤として(例えば、丸薬、錠剤、カプセル、粉末、液体、懸濁液等として)提供できるか、又は異なる製剤(例えば、丸薬、錠剤、カプセル、粉末、液体、懸濁液、又はそれらの組み合わせとして)に分離できる。表1に示す量は例示的であり、正常身長で、その他の点でも健康な成人に対して提供される典型的な一日投与量である。これらの量は、体重、性別、医学的状態などの違いを考慮して調節できる。例えば、体重40キロ以下の比較的小柄な患者は、提示されている範囲の下限以下で提供される投与量から恩恵を受ける可能性があり、体重100キログラム以上の比較的大柄な患者は、記載された範囲の上限(又はそれ以上)で提供される投与量を必要とする可能性がある。いくつかの実施形態では、そのような一日用量は、一日を通して複数の用量として分配できる。そのような実施形態のいくつかでは、そのような分配された用量の各々の組成は同一であり得る。他の実施形態では、そのような分配された用量の組成は異なるものでもあり得る。ただし、そのような用量の合計は必要とされる補給を提供するものとする。
【0022】
同時係属中の特許出願に示めされているように、本発明者は、そのような栄養組成物を、特に従来の療法と組み合わせて、がんの治療において効果的に使用できることを実証した。いくつかの実施形態では、そのような併用療法において相乗効果が見られる。本願の明細書の文脈では、相乗効果は、併用療法の効果が前記併用療法を構成する単独療法の個々の効果の合計を超えるものである。この現象の分子基盤の調査に際して、本発明者は、魚油とセレンとを含む補助食品の適用が、アポトーシスに関連するマーカーの調節並びにこれらの疾患プロセスの炎症作用を緩和する効果があることを見出した。
【0023】
本発明者は、ウイルス、特にコロナウイルスでの感染が、感染細胞内でのアポトーシスプロセスの破壊をもたらす可能性があること、そして感染した個体で起こり得る炎症誘発性「サイトカインストーム」が炎症プロセスの調節不全を指すことに注目した。これに基づいて、本発明者は、腫瘍細胞が、ある特定の態様において、ウイルス感染プロセスの要素の適切なモデルとしての働きをすると結論づけた。
【0024】
理論に拘束されるものではないが、本発明者は、魚油とセレン(例えば、上記の通り)とを含む栄養補助食品は、ウイルス感染細胞におけるアポトーシスの調節不全を修正するため、及び/又はウイルス感染症を伴う可能性のある炎症を低減するための類似の効果を有すると考え、そのようなウイルス感染症は、(例えば、炎症誘発性サイトカイン発現又は放出による)アポトーシス及び/又は炎症の調節不全を引き起こすと考える。そのようなウイルスの例としては、コロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)、HIV、HCVなどが挙げられる。ウイルス感染症に対する防衛ラインは、ウイルス感染細胞におけるアポトーシスの誘導であることを理解すべきである。例えば、Fung and Liu(Frontiers in Microbiology,vol.5,June 2014)は、コロナウイルスが、コロナウイルス感染細胞をプログラムされた細胞死へと向かわせるいくつかの細胞経路を破壊して、細胞の生存を延長して、前記ウイルスをより多く生成し、放出させることを示した。本明細書の全ての刊行物は、それぞれの刊行物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同じ程度に参照により本明細書中に組み込まれる。援用される文献中の用語の定義又は使用が、本明細書中で提示される用語の定義と矛盾しているか又は反対である場合、本明細書中で提示される用語の定義が適用され、文献中の用語の定義は適用されないものとする。同様に、Hanauske-Abel et al.(PLOS ONE,vol.8,2013)は、HIVでの感染がアポトーシス経路を遮断すること、そしてこれらの回復がHIV感染細胞のアポトーシスにつながることを示している。
【0025】
理論によって拘束されることを望むものではないが、本発明者は、がん細胞におけるアポトーシスマーカーの調節に有効であることが示されている魚油とセレンとを含む補助食品の適用が、ある特定のウイルスによる感染と関連するアポトーシスの調節不全の修正に有効であると考えている。そのようなウイルスには、限定されるものではないが、SARS-CoV-2(例えば、COVID-19において)、HIV、及びHCVが含まれていた。加えて、そのような補助食品は、炎症を軽減するのに有効であることが証明されているので、本発明者は、それらがそのようなウイルス感染症に起因する炎症においても有効であると考えている。
【実施例
【0026】
図1及び2は、減少したアポトーシス活性(T)を示すBAX発現細胞、この場合は、原発腫瘍BAX発現及び転移性(肺)腫瘍BAX発現(それぞれ)に対する魚油とセレンとを含む栄養補助食品での処置による効果を示す。BAXはアポトーシスのマーカーと考えられる。アポトーシスはある特定のウイルス(例えば、コロナウイルス)に感染した細胞でも抑制されるので、本発明者は、この系が、ウイルス感染症に関して関連性が非常に高いと考えている。図示されるように、アポトーシス活性が低い細胞(すなわち、未処置の腫瘍細胞、T)におけるBAX発現は低い。魚油とセレンとを含む栄養補助食品(PTN、TN)での処置の結果、BAX発現が劇的に増加し、BAX発現が上昇した。したがって、発明者は、魚油とセレンとを含む組成物(例えば、表1のとおり)の投与が、ある特定のウイルス(例えば、コロナウイルス、HIV、HCV等)に感染した細胞におけるBAX発現の増加に有効である可能性があり、そのような感染細胞におけるアポトーシスの抑制を修正するように作用できると考える。アポトーシスのそのような修正は、細胞間伝播を低減する働きをし、ウイルス量を減少させ、ウイルス性疾患を予防又はその重症度を低減することができる。
【0027】
Bcl-2はアポトーシスの低減に関連する。図3及び4に示すように、Bcl-2の発現は、アポトーシス活性が低い細胞(T)、この場合は、腫瘍細胞及び転移性(肺)腫瘍細胞(それぞれ)において上昇することが判明した。Bcl-2の発現は、魚油とセレンとを含む栄養補助食品(PTN.TN)でのいずれかの処置によって減少した。したがって、発明者は、魚油とセレンとを含む組成物(例えば、表1のとおり)の投与が、ある特定のウイルス(例えば、コロナウイルス、HIV、HCV等)に感染した細胞におけるBAX発現の増加に有効である可能性があり、そのような感染細胞におけるアポトーシスの抑制を修正するように作用できると考える。アポトーシスのそのような修正は、細胞間伝播を低減する働きをし、ウイルス量を減少させ、ウイルス性疾患を予防又はその重症度を低減することができる。
【0028】
図5は、アポトーシスが減少した細胞、この場合は腫瘍細胞(T)におけるカスパーゼ3の発現に対するセレンと魚油とを含む補助食品での処置の前記効果を示す。図5に示すように、カスパーゼ3の発現は、そのような細胞(T)では低下している。そのような細胞におけるカスパーゼ3発現は、魚油とセレンとを含む栄養補助食品(TN、PTN)での処置によって増加する。したがって、発明者は、魚油とセレンとを含む組成物(例えば、表1のとおり)の投与が、ある特定のウイルス(例えば、コロナウイルス、HIV、HCV等)に感染した細胞におけるカスパーゼ3発現の増加に有効である可能性があり、そのような感染細胞におけるアポトーシスの抑制を修正するように作用できると考える。アポトーシスのそのような修正は、細胞間伝播を低減する働きをし、ウイルス量を減少させ、ウイルス性疾患を予防又はその重症度を低減することができる。
【0029】
表2は、アポトーシス活性が低い細胞、この場合は腫瘍細胞におけるアポトーシスマーカー(Bax、Bcl-2、及びカスパーゼ3)の発現に関するqPCR研究の典型的な結果を示す。
【0030】
【表2】
【0031】
示されるように、Bax/Bcl-2発現比率はアポトーシス活性が低い細胞(T)では低い。驚くべきことに、魚油とセレンとを含む栄養補助食品(TN、PTN)での処置により、この比率が有意に増加し、アポトーシスの増加を示す。カスパーゼ3は魚油とセレンとを含む栄養補助食品での処置によって劇的に増加した。本発明者は、本発明の概念の栄養補助食品が、ウイルス感染細胞、例えば、コロナウイルス、HIV、及び/又はHCVに感染した細胞において類似の変化を誘導し、それによって感染細胞におけるアポトーシスを増加させることができると考えている。
【0032】
アポトーシス及び/又はアポトーシス事象は、ある特定の細胞周期相と関連する。細胞周期相分布の研究により、魚油とセレンとを含む補助食品での療法は細胞周期相分布を調節し、これが次に処置された細胞及び/又は処置された個体の細胞においてアポトーシス及び/又はアポトーシス事象を誘導できることが示唆される。発明者らは、ウイルス感染細胞のアナログとしての働きができると本発明者が考える乳がんのインビボモデルにおいて、魚油とセレンとを含む栄養補助食品が腫瘍におけるアポトーシスを増強するのに効果的であることを見出した。例えば、図6は、腫瘍細胞上でのある特定のアポトーシスマーカー(p53、VEGF、HIF-α)の発現と、乳がん細胞を注入したマウスにおける進行性腫瘍でのアポトーシスマーカー(具体的には、VEGF、p53、及びHIF-α)の発現に対するそのような栄養補助食品(N)、ある特定の治療用低分子(アバスチン、タキソール、アドリアマイシン)、及び併用療法の使用の効果を示す。図示されるように、前記栄養補助食品の使用は、VEGF及びHIF-αの発現を減少させつつ、p53の発現を増加させる。カスパーゼ8についての同様の研究の結果を図7に示す。図8は、ウイルス感染細胞のアナログ又はモデルとして機能できると本発明者が考える腫瘍細胞におけるチトクロムC発現に対する魚油とセレンとを含む栄養補助食品(「N」)、ある特定の低分子薬物(タキソール、アドリアマイシン、アバスチン)、及び併用処置での処置の効果を示す。本発明者は、本発明の概念の栄養補助食品が、ウイルス感染細胞、例えば、コロナウイルス、HIV、及び/又はHCVに感染した細胞において類似の変化を誘導し、それによってそのような感染細胞のアポトーシスを促進できると考えている。
【0033】
アポトーシスの生化学マーカーに加えて、アポトーシス効果は、ウイルス感染細胞のアナログとして機能できると本発明者が考える腫瘍細胞で直接観察できる。例えば、図9で示すように、培養中のA549細胞の成長は、セレンを含む補助食品又は魚油を含む補助食品への曝露によってわずかに影響を受けるが、魚油とセレンとの両方を含む補助食品によって劇的に影響を受ける。同様に、図10に示すように、培養中のA549細胞のトリパンブルー染色は、セレンを含む補助食品又は魚油を含む補助食品に曝露した場合には、細胞死の誘導にごくわずかしか効果を示さないが、魚油とセレンとの両方を含む補助食品に曝露した場合には、細胞死の劇的な増加を示す。本発明者は、本発明の概念の栄養補助食品が、ウイルス感染細胞、例えば、コロナウイルス、HIV、及び/又はHCVに感染した細胞における成長及び細胞死の誘導に対して類似の効果を誘導できると考える。
【0034】
ウイルス感染症はまた、血清中の炎症誘発性サイトカインの存在によって特徴づけることができる炎症をもたらす可能性がある。一部のウイルス(特に、コロナウイルス)は、いわゆる「サイトカインストーム」を誘導することが知られており、これは、重篤なショックをもたらす可能性があり、場合によっては、死に至る可能性がある。身体の防御的炎症反応の緩和は、そのようなウイルス感染症の処置における重要な要素である。炎症誘発性サイトカインによって媒介されるものなどの炎症反応は、腫瘍を担持する動物においても見られる。したがって、本出願人は、そのような動物が炎症状態(ウイルス感染症によって誘導されるものを含む)のモデルとして機能できると考えている。
【0035】
炎症は、少なくとも部分的には、炎症誘発性サイトカインの産生(elaboration)によって媒介される。本発明者は、そのようなサイトカインのレベルの上昇が一部の腫瘍でも見られることに注目した。理論に拘束されるものではないが、本発明者は、そのような状態において炎症反応の調節(例えば、炎症誘発性サイトカインの減少及び/又は抗炎症サイトカインの増加)に有効な療法が、ある特定のウイルス感染症(例えば、コロナウイルス、HCV、HIV等)を有する個体における炎症反応の緩和において有用であり得ると考える。
【0036】
図11及び12は、腫瘍を担持するマウスにおける炎症誘発性サイトカインの濃度に対する魚油とセレンとを含む栄養補助食品の投与の効果を示す。図11は、炎症誘発性サイトカインである血清TNF-αの値を示す。未処置の腫瘍を担持する動物(T)は、非常に高濃度の、炎症誘発性サイトカインであるTNF-αを示すことは明らかである。魚油とセレンとを含む栄養補助食品(TN、TPN)での処置の結果、血清TNF-αが減少し、炎症の軽減が示された。本発明者は、セレンと魚油とを含む栄養補助食品での処置が、(例えば、コロナウイルス、HCV、HIV等での)ウイルス感染症を有する個体における炎症を同様に軽減することができ、また、炎症-特に、サイトカインストームの発生につながる炎症の発生又はその重症度を軽減できると考えている。
【0037】
図12は、炎症誘発性活性を有するIL-6の血清濃度を特徴づけた同様の研究の結果を示す。図示されるように、未処置の動物(T)は、IL-6のレベルの上昇を示す。セレンと魚油とを含む栄養補助食品(TN、PTN)での動物の処置は、血清IL-6の減少を示し、炎症の軽減を示す。本発明者は、本発明の概念の栄養補助食品が、例えば、コロナウイルス、HIV、及び/又はHCVでのウイルス感染症において類似の変化を誘導できると考えている。本発明者は、セレンと魚油とを含む栄養補助食品での処置が、(例えば、コロナウイルス、HCV、HIV等での)ウイルス感染症を有する個体における炎症を同様に軽減することができ、また、炎症-特に、サイトカインストームの発生につながる炎症の発生又はその重症度を軽減できると考えている。
【0038】
魚油とセレンとを含む栄養補助食品での処置による炎症関連マーカーの減少は分子レベルでも明らかである。本発明者は、そのような栄養補助食品の使用が、炎症に関連する特定の生化学マーカーの発現における変化を防止又は逆転させるのに有効であることを観察した。このことはまた、図13に示すように、分子レベルでも明らかである。図13は、ミトコンドリアでみられ、炎症と関連する筋肉関連タンパク質(UCP3、UCP2)及びサイトゾルにおける炎症関連サイトカイン(IL6)の発現を示す。本発明者は、本発明の概念の栄養補助食品が、ウイルスでの感染、例えば、コロナウイルス、HIV、及び/又はHCVでの感染において類似の変化を誘導できると考えている。
【0039】
VEGFは、炎症プロセス中の血管新生の増加と関連し、COVID-19に関連する炎症に寄与する。驚くべきことに、本発明者は、魚油とセレンとを含む栄養補助食品がVEGFのレベルを調節できることを見出した。図14に示すように、(ウイルス感染細胞のアナログとしての働きをすると本発明者が考える)乳がんのインビボモデルにおいて、そのような栄養補助食品(N)を単独又はある特定の低分子薬物(本実施例では、タキソール、又は「tax」、及びアドリアマイシン、又は「adria」)と組み合わせて使用することで、血漿VEGF濃度が減少することが判明し、(例えば、コロナウイルス、HCV、HIV等での)ウイルス感染症において抗炎症及び抗血管新生効果を提供できることを示す。同様の結果はアバスチンでも見られる(図15を参照)。かかる効果は、前記補助食品単独で見られ、そのような補助食品との併用療法は、化学療法薬のVEGF低下効果を増強する。
【0040】
図16及び図17に示すように、本発明者がウイルス感染症のアナログとして機能し得ると考える、処置された動物(TN)対未処置の動物(T)におけるインビボ乳がんモデルにおける炎症誘発性サイトカインTNF-αの減少で同様の効果が見られる。同様の効果は、未処置の動物(T)に対して処置された動物(TN)における炎症誘発性サイトカインIL1-β及びIL-10(図18を参照)の減少に見られる。同様に、乳がんのインビボモデルにおける、魚油とセレンとを組み合わせて含む栄養補助食品(N)の、単独又はある特定の低分子薬物(タキソール及びアドリアマイシン)との組み合わせでの、血漿IL-1βに対する効果を図19に示す。本発明者は、本発明の概念の栄養補助食品が、ウイルスでの感染、例えば、コロナウイルス、HIV、及び/又はHCVでの感染において類似の変化を誘導でき、それによって、そのようなウイルス感染症の場合に炎症を軽減し、患者の予後を改善すると考える。
【0041】
逆に、本発明者は、魚油とセレンとを含む栄養補助食品の使用が、個別及び化学療法薬との組み合わせの両方で、一部のサイトカインの血漿濃度を増加させ得ることを見出した。例えば、図20及び図21(右のパネル)に示すように、IL2の血漿濃度は、処置された乳がんのインビボモデルで増加する。IL2は、T細胞の増殖や、ウイルス感染症(例えば、COVID-19)に対する応答で重要なエフェクター及びメモリーT細胞の生成の増殖において有用であると考えられると理解されるべきである。IL2はまた、COVID-19を有する患者の寛解及び回復においても重要であると認識されている。もう一つの免疫活性化サイトカインであるIFN-?の血漿濃度も、図21(左のパネル)で示すような研究で観察されている。特に、インターフェロン療法は、様々なウイルス感染症の処置に有用であることが判明している。本発明者は、本発明の概念の栄養補助食品が、ウイルスでの感染、例えば、コロナウイルス、HIV、及び/又はHCVでの感染において類似の変化を誘導できると考えている。
【0042】
上記したように、本発明者は、魚油及びセレン(好ましくは、セレン酵母の形態)での治療は、炎症を効果的に軽減され、アポトーシスの調節不全を改善できることを見出した。なお、炎症とアポトーシスの調節不全はどちらもある特定のウイルス(例えば、SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルス、HCV、及びHIV)による感染と関連する。好適な治療プロトコルは、平均的な体格の人に対して一日あたり少なくとも1g、2g、3g、4g、5g、6g、7g、8g、9g、10g、12g、14g、16g、18g、20g、30g、又は50gの魚油を提供する魚油を含む組成物での治療を含み得る。そのような魚油は、約3:2のEPA:DHA比を有し得る。同様に、そのような治療プロトコルは、平均的な体格の人に対して一日あたり少なくとも1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、15mg、20mg、30mg、40mg、又は50mgを提供するセレン(好ましくは、セレン酵母の形態)を含む組成物での治療を含み得る。これらの量は、平均を上回るか又は平均を下回る体格の個体に適合するように調節できる。同様に、そのような量は、ウイルス感染症の重症度に適合するように調節できる(例えば、治療過程で調節される)。
【0043】
セレンと魚油とを含む栄養補助食品のそのような用量は、任意の好適なスケジュールで提供できる。例えば、一日用量は、一日を通して(例えば、一時間に一回から12時間ごとに一回まで)分配できるか、又は単一用量として提供できる。いくつかの実施形態では、そのような用量の栄養補助食品を、毎日、二日ごと、三日ごと、毎週、二週間ごと、又はそれ以上の間隔で投与できる。いくつかの実施形態では、治療期間は、一日から継続的なものであり得、一週間、二週間、三週間、一カ月、二カ月、三カ月、六カ月、一年、又は一年超に限定することができる。
【0044】
本発明の概念のいくつかの実施形態では、ウイルス感染症の治療において有用な一つ以上の追加の薬物(supplementary drug)を、セレンと魚油とを含む栄養補助食品での治療と組み合わせて投与できる。例えば、SARS-CoV-2に対するモノクローナル抗体、レムデシビル、コルチコステロイド(例えば、デキサメタゾン)、IL-6阻害剤、バリシチニブ(barictinib)、及び/又はトシリズマブは、COVID19を治療するために使用されている。プロテアーゼ阻害剤及び逆転写酵素阻害剤は、HIV感染を治療するために使用されている。インターフェロン、リバビリン(Ribavarin)、ダクラタスビル、エルバスビル、グラゾプレビル、グレカプレビル、ピブレンタスビル、オムビタスビル、パリタプレビル、リトナビル、ダサブビル、シメプレビル、ソホスブビル、ベルパタスビル、及びボキシラプレビルは、HCV感染を治療するために使用されている。いくつかの実施形態では、一つ以上の追加の薬物を、セレンと魚油とを含む栄養補助食品のスケジュールと同じスケジュールで提供できる。他の実施形態では、一つ以上の追加の薬物を、セレンと魚油とを含む栄養補助食品のスケジュールと異なるスケジュールで提供できる。そのような併用療法は、ウイルス性疾患の治療において、相乗効果(すなわち、併用療法の個々の成分での治療から観察される相加効果よりも大きい)を提供できる。
【0045】
本発明者は、これらの研究の生成中のデータにより、放射線療法の適用が、栄養補助食品魚油及び/又はセレンでの治療の観察される効果を増強できることが示されることに注目した。これらのインビボ研究では、2rem以下程度の低線量の放射線を使用した。図1~5並びに図11及び12で示されるように、セレンと魚油とを含む栄養補助食品と組み合わせたそのような低レベルの放射線を用いた併用療法(TRN、PTRN)は、前記栄養補助食品のみを使用した治療で見られる効果を増強でき、相乗効果を提供できる(すなわち、放射線及び前記栄養補助食品を個別に用いた治療の相加効果より大きい)。したがって、本発明の概念のいくつかの実施形態では、魚油及びセレンは、ウイルス感染症を治療するために、低用量(例えば、2rem以下)の放射線療法と組み合わせて提供される。放射線療法と組み合わせられたそのような栄養補助食品の使用に際して得られたデータに基づいて、本発明者は、上で詳述したウイルスに感染した個体での炎症の軽減及び調節不全のアポトーシスの修正におけるそのような放射線療法がセレン及び魚油での療法の効果を高めることができると考える。そのような放射線は、好適な栄養補助食品の適用前、前記栄養補助食品の適用中、又は前記栄養補助食品の適用後に提供できる。そのような放射線療法は、一回適用できるか、又は一連の反復適用として提供できる。前記放射線療法の反復適用の頻度は、毎日、隔日、三日ごと、一週間に二回、毎週、又は二週間ごとであり得る。
【0046】
本発明者は、これらの研究の生成中のデータにより、がんを治療するために使用される低分子薬物(例えば、タキソール又は「tax」、アドリアマイシン又は「adria」、アバスチン)での化学療法の適用が、栄養補助食品魚油及び/又はセレンでの治療の観察される効果を増強できることが示されることに注目した。図6~8及び図13~18に示すように、セレンと魚油とを含む栄養補助食品と組み合わせたそのような化学療法薬を用いた併用療法は、前記栄養補助食品のみを使用する治療で見られる効果を増強することができ、相乗効果(すなわち、前記化学療法薬及び前記栄養補助食品を個別に用いた治療の相加効果より大きい)を提供できる。本発明者は、セレンと魚油とを含む栄養補助食品の効果のそのような増強は、がん化学療法で用いられるものよりも低い化学療法薬の用量(例えば、従来の用量の1%、3%、5%、10%、20%、30%、40%、又は50%)で観察でき、がん化学療法に関連する副作用が最小限であるか又は副作用無しにそれらを使用することが可能になると考える。したがって、本発明の概念のいくつかの実施形態では、魚油及びセレンは、ウイルス感染症を治療するためにがん化学療法薬と組み合わせて提供される。化学療法と組み合わせたそのような栄養補助食品の使用に際して得られたデータに基づいて、本発明者は、上で詳述したウイルスに感染した個体における炎症の軽減並びに炎症及び/又はアポトーシスの調節不全の修正において、一つ以上のそのようながん化学療法薬を用いた併用療法が、セレン及び魚油を用いた療法の効果を高めることができると考える。そのような実施形態では、がんの治療で使用される一つ以上の化学療法薬は、好適な栄養補助食品の適用前、前記栄養補助食品の適用中、又は前記栄養補助食品の適用後に提供できる。がんの治療で使用される一つ以上の化学療法薬とのそのような併用療法は、一回適用できるか、又は一連の反復適用として提供できる。がんの治療で使用される一つ以上の化学療法薬を用いた反復併用療法の頻度は、毎日、隔日、三日ごと、一週間に二回、毎週、又は二週間ごとであり得る。
【0047】
本明細書中の本発明の概念から逸脱することなく、すでに記載したもの以外にも多くの改変が可能なことは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲の主旨を除いて限定されるものではない。さらに、本明細書及び本特許請求の範囲の両方の解釈において、全ての用語は、文脈と一致する可能な限り最も広範な方法で解釈されるべきである。特に、用語「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」は、要素、成分、又はステップを非排他的方法で言及すると解釈されるべきであり、言及された要素、成分、又はステップが存在してもよいか、又は利用されてもよいか、又は明確に言及されていない他の要素、成分、若しくはステップと組み合わされてもよいことを示す。本明細書及び特許請求の範囲が、A、B、C・・・及びNからなる群から選択される何かのうちの少なくとも一つを指す場合、かかる文脈は、A+N、又はB+N等ではなく、群からの一つの要素だけを必要とすると解釈するべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図15
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図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2023-04-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イルス感染症又は前記ウイルス感染症の後遺症の治療のための魚油とセレンとを含む栄養補助食品であって、
前記栄養補助食品は、前記ウイルス感染症又は前記ウイルス感染症の後遺症を治療するのに有効な量で提供され、
前記ウイルス感染症が、ウイルスに感染した細胞においてアポトーシスの調節不全を誘導するウイルスによる感染に起因し、前記栄養補助食品が、投与に際して、前記ウイルスに感染した細胞におけるアポトーシス事象を改変するために充分な量で魚油とセレンとが提供されている栄養補助食品
【請求項2】
前記魚油及び前記セレンの量が、さらに、個体における炎症誘発性サイトカインの血清濃度を減少させるように選択されている、請求項に記載の栄養補助食品
【請求項3】
前記セレンがセレン酵母の形態で提供されている、請求項1又は2に記載の栄養補助食品
【請求項4】
前記セレンが、一日当たり10,000μgまでで提供されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の栄養補助食品
【請求項5】
前記魚油が、一日当たり20グラムまでで提供されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の栄養補助食品
【請求項6】
エンザイムQ10をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の栄養補助食品
【請求項7】
mg~5,000mgのコエンザイムQ10を含む、請求項に記載の栄養補助食品
【請求項8】
10,000mg~50,000mgのマルトデキストリン、5,000mg~60,000mgの乳漿タンパク質単離物、1,000mg~50,000mgの乳漿タンパク質濃縮物、40mg~15,000mgのフラクトオリゴ糖/インスリン、1,000mg~9,000mgの粒状ハチミツ、500mg~15,000mgのオート麦繊維、500mg~20,000mgの天然フレンチバニラフレーバー、500mg~50,000mgのダイズタンパク質、500mg~10,000mgの褐色粉糖、500mg~5,000mgの天然バニラマスキングフレーバー、200mg~10,000mgのレシチン、50mg~5,000mgの無脂肪乳、50mg~5,000mgのコメタンパク質粉末、50mg~2,000mgのカゼイン酸カルシウム、100mg~7,000mgの亜麻油、100mg~7,000mgのキャノーラ油、100mg~7,000mgのルリヂサ油、100mg~7,000mgのオリーブ油、100mg~1,000mgの純粋レモン油、50mg~1,000mgの純粋オレンジ油、0.5mg~200mgの混合トコフェロール、200mg~1,500mgのリン酸カリウム、100mg~5,000mgの炭酸カルシウム、150mg~2,500mgの酒石酸水素コリン、100mg~2,000mgの塩化ナトリウム、100mg~2,000mgの三塩基性リン酸カルシウム、50mg~3,000mgのアスコルビン酸、50mg~2,000mgの塩化カリウム、50mg~500mgの酸化マグネシウム、30μg~3,000μgのクロム酵母、30μg~2,000μgのモリブデン酵母、10mg~5,000mgのイノシトール、5mg~200mgの硫酸亜鉛一水和物、5IU~2,000IUの乾燥酢酸ビタミンE、5mg~500mgのナイアシンアミド、3mg~100mgのオルトリン酸第二鉄、3mg~200mgのパントテン酸カルシウム、3mg~100mgの硫酸マンガン一水和物、1mg~100mgのβカロテン、1mg~15mgのグルコン酸銅、25IU~5,000IUのビタミンD3、2μg~1,000μgのビタミンK2、0.5mg~200mgのピリドキシンHCl、0.5mg~1,500mgのヨウ化カリウム、0.5mg~1,000mgのリボフラビン、0.5mg~2,500mgのチアミン塩酸塩、1μg~500μgの乾燥ビタミンK1、500IU~100,000IUの酢酸ビタミンA、100μg~10,000μgの葉酸、10μg~10,000μgのd-ビオチン、1μg~3,000μgのビタミンB12、300mg~30,000mgのL-カルニチン、500mg~60,000mgのL-グルタミン、500mg~30,000mgのL-アルギニン塩基、50mg~2,000mgのタウリン、50mg~2,000mgのL-リジン、10mg~1,000mgのαリポ酸、15mg~1,500mgのレスベラトロール、10mg~5,000mgのコエンザイムQ10、5mg~1,000mgのグリシン、5mg~1,000mgのプロリン、2mg~500mgのLact.Acidophilus(合計約100億)、2mg~500mgのBifido Bifidium(合計約100億)、2mg~500mgのLac. Bulgaricus(合計約100億)、2mg~500mgのBifido Longum(合計約100億)、2mg~500mgのStrep.Thermophilus(合計約100億)、5mg~100mgのパパイン、5mg~100mgのペプシン、5mg~100mgのリパーゼ、5mg~100mgのブロメライン、0.5mg~100mgのパンクレアチン4X、1mg~100mgのラクターゼ、3mg~100mgのベタインHCl、2mg~500mgのパイナップル果汁粉末、2mg~500mgのパパイヤ果実粉末、30mg~3,000mgのケルセチン、25mg~600mgのEGCG、15mg~500mgのOPC、15mg~5,000mgのアントシアニン、10mg~300mgのエラグ酸、2mg~90mgのアスタキサンチン、20mg~1,500mgのフコイダン、5mg~6,000mgの冬虫夏草、15mg~10,000mgのマンネンタケ、40mg~15,000mgのシイタケ、30mg~15,000mgのマイタケ、および、30mg~15,000mgのカワラタケをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の栄養補助食品。
【請求項9】
前記ウイルスがコロナウイルスである、請求項1~8のいずれか一項に記載の栄養補助食品
【請求項10】
前記コロナウイルスがSARS-CoV-2である、請求項に記載の栄養補助食品
【請求項11】
前記ウイルスがHIVである、請求項1~8のいずれか一項に記載の栄養補助食品
【請求項12】
前記ウイルスがHCVである、請求項1~8のいずれか一項に記載の栄養補助食品
【請求項13】
前記治療が活動性感染症の治療を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の栄養補助食品
【請求項14】
前記活動性感染症が無症候性である、請求項13に記載の栄養補助食品
【請求項15】
前記治療が予防的である、請求項1~12のいずれか一項に記載の栄養補助食品
【請求項16】
前記栄養補助食品が、放射線療法と組み合わせて使用するために製剤されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の栄養補助食品
【請求項17】
前記放射線療法が2remまでの非ゼロ放射線量を含む、請求項16に記載の栄養補助食品
【請求項18】
前記放射線療法が、放射線の単回適用を含む、請求項16又は17に記載の栄養補助食品
【請求項19】
前記放射線療法が、放射線の複数回適用を含む、請求項16又は17に記載の栄養補助食品
【請求項20】
前記栄養補助食品が、がん化学療法薬と組み合わせて使用するために製剤されている、請求項1~19のいずれか一項に記載の栄養補助食品
【請求項21】
前記がん化学療法薬が、タキソール、アドリアマイシン、及びアバスチンからなる群から選択される、請求項20に記載の栄養補助食品
【請求項22】
前記がん化学療法薬が、がんの治療のために提供されている前記がん化学療法薬の用量の1%~50%に相当する用量で提供されている、請求項20又は21に記載の栄養補助食品
【国際調査報告】