(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】コクシジウム症の代替治療としてのバリオボラックス微生物の使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/739 20060101AFI20230830BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230830BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20230830BHJP
A61K 35/74 20150101ALI20230830BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230830BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20230830BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230830BHJP
A23K 20/163 20160101ALI20230830BHJP
A23K 50/75 20160101ALI20230830BHJP
【FI】
A61K31/739
A61P43/00 105
A61P37/04
A61K35/74 Z
A61P31/04
A61P1/00
A61P29/00
A23K20/163
A23K50/75
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509572
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 US2021045744
(87)【国際公開番号】W WO2022036096
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522444645
【氏名又は名称】ジボ バイオサイエンス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー エー.ダール
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ピー.ファンド
(72)【発明者】
【氏名】エイミー イー.ステフェク
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
2B005DA21
2B150AA05
2B150AB10
2B150DC14
2B150DD12
4C086AA01
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4C087CA15
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4C087ZA66
4C087ZB09
4C087ZB11
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4C087ZC01
4C087ZC61
(57)【要約】
TLRシグナル経路を選択的に調節することができる化合物は、動物およびヒトの両方における広範な疾患に対する改善された治療方法を提供する。コクシジウム症および腸の炎症に関連する他の疾患の治療および/または予防における作用機序は、自然免疫経路および適応免疫経路への直接的な影響を介している。その結果、腸内微生物の変化、要求率、体重増加などを含む腸の健康に関連するパフォーマンスパラメーターが改善される。動物に投与された場合、開示された本発明化合物の生物活性は、寄生虫、例えば、アイメリア寄生虫に対する直接的な効果ではなく、強化された免疫応答を介してコクシジウム症の影響を軽減させる。開示された本発明化合物および方法の作用機構は、病原体に対する直接的な効果よりもむしろ免疫系のプライミングを介してであり、したがって、治療抵抗性が発現するリスクはない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物におけるコクシジウム感染を軽減するための方法であって、グラム陰性菌由来のリポ多糖を含むバイオマス由来の組成物の有効量を前記動物に与えることによって、Toll様受容体経路を調節することを含み、コクシジウム症の影響が、広範囲の免疫調節による免疫応答の強化を介して軽減される、前記方法。
【請求項2】
前記組成物が、前記動物に与える前に、飼料配給部分と混合される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記グラム陰性菌がロドバクター属またはバリオボラックス属由来である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記グラム陰性菌が、バリオボラックスのグループのメンバーである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記バリオボラックスのグループのメンバーがバリオボラックス・パラドクサスである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
グラム陰性菌からなる前記バイオマスに由来する前記組成物が、完成飼料1トン当たり約20.0gの組成物から完成飼料1トン当たり約250.0gの組成物の提供量で前記動物に与えられる、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
グラム陰性菌からなる前記バイオマスに由来する前記組成物が、完成飼料1トン当たり約125.0gの組成物から完成飼料1トン当たり約175.0gの組成物の提供量で前記動物に与えられる、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
グラム陰性菌からなる前記バイオマスに由来する前記組成物が、完成飼料1トン当たり約100.0gの組成物から完成飼料1トン当たり約150.0gの組成物の提供量で前記動物に与えられる、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
グラム陰性菌組成物由来の前記リポ多糖を含む前記組成物が、家禽での使用に適合している、請求項1記載の方法。
【請求項10】
グラム陰性菌組成物由来の前記リポ多糖を含む前記組成物が、家禽のコクシジウム症の軽減のためのものである、請求項1記載の方法。
【請求項11】
動物におけるコクシジウム症を軽減する方法であって、グラム陰性菌由来のリポ多糖を含むバイオマス由来の組成物の有効量を前記動物に与えることによって、Toll様受容体経路を調節するステップを含み、当該組成物は、完成飼料1トン当たり約20.0gの組成物から完成飼料1トン当たり約250.0gの組成物の量で前記動物に与えられる、前記方法。
【請求項12】
グラム陰性菌からなる前記バイオマスに由来する前記組成物が、完成飼料1トン当たり約125.0gの組成物から完成飼料1トン当たり約175.0gの組成物の提供量で前記動物に与えられる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
グラム陰性菌からなる前記バイオマスに由来する前記組成物が、完成飼料1トン当たり約100.0gの組成物から完成飼料1トン当たり約150.0gの組成物提供量で前記動物に与えられる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記グラム陰性菌がロドバクター属またはバリオボラックス属由来である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記グラム陰性菌が、バリオボラックスのグループのメンバーである、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記バリオボラックスのグループのメンバーがバリオボラックス・パラドクサスである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
グラム陰性菌組成物由来の前記リポ多糖を含む前記組成物が、家禽での使用に適合している、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
グラム陰性菌組成物由来の前記リポ多糖を含む前記組成物が、家禽におけるコクシジウム症の軽減のためのものである、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
動物において腸の炎症を引き起こす疾患を予防または最小化する方法であって、グラム陰性菌に由来するリポ多糖を含む組成物の有効量を動物に与えることによって、自然免疫経路および適応免疫経路に直接効果を生み出すことを含み、腸の炎症を引き起こす前記疾患の影響が強化された免疫応答を介して軽減される、前記方法。
【請求項20】
グラム陰性菌からなる前記組成物が、完成飼料1トン当たり約20.0gの組成物から完成飼料1トン当たり約250.0gの組成物の提供量で前記動物に与えられる、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国仮特許出願第63/064、706号、名称「Use of Variovorax Microbes as a Coccidiostat」、2020年8月12日出願のその全体がすべての目的のために援用された米国特許出願である。
【0002】
本発明は、疾病の予防および治療における細菌に基づく化合物の使用に関する。より詳細には、本発明は、動物およびヒトの両方における疾患の予防および治療において、Toll様受容体(TLR)経路を選択的に調節するグラム陰性菌のリポ多糖(LPS)由来の化合物およびそのような化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
リポ多糖は、エンドトキシンとも呼ばれ、グラム陰性菌の外膜の主要な構成成分である。LPSのリピドA部位は、グラム陰性菌の毒性の大部分を担っている。LPS化合物の中には、Toll様受容体4(TLR4)と相互作用し、そして活性化するものがあることが知られている。TLR4の活性化は、炎症性サイトカインの産生と自然免疫系の活性化をもたらす。病原体の認識を介したTLRの活性化は、自然免疫反応における重要なステップである。しかし、この防御機構の異常な活性化は、非特異的な炎症反応を引き起こし、自己免疫反応を永続させる可能性がある。
【0004】
TLR4は、全身の免疫系細胞や、心臓、肝臓、脂肪細胞などの他の細胞タイプに存在し、近年、食事、腸内細菌叢及び代謝の健康を結びつける共通因子として浮上した。
【0005】
感染を介して又は炎症を介して活性化されるにしろ、TLR4は、ヒトや動物における多くの急性および慢性疾患に関係している。TLR4は、家禽生産における非抗生物質治療の魅力的な標的であり、家禽生産においては寄生虫による炎症、例えば、アイメリア(Eimeria)寄生虫による炎症によって、腸内環境が悪化し、栄養利用率の低下や成長阻害を引き起こされる。さらに、TLR4の活性が低い遺伝子の違いは、ニワトリのサルモネラ感染に対する抵抗性の増加と関連している。TLR4は慢性的な腰痛や椎間板変性に関与しており、骨関節炎の病態生理に関与している。この骨関節炎は、世界的に人間の身体障害原因の第8位であり、7歳以上の犬の60%以上が罹患している。このように、TLR4は様々な疾患に対する価値の高い治療標的として、現在研究が進められている。
【0006】
TLR4に関連する炎症性疾患および自己免疫疾患のいくつかの例が知られている。これらの例には、以下の敗血症、狼瘡、多発性硬化症、炎症性腸疾患、関節リウマチ、乾癬、喘息、アレルギー、神経変性、および神経炎症に関連する中枢神経系疾患、がん、ウイルス感染、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、神経因性疼痛、糖尿病関連合併症(例えば、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経障害など)、COPD、多くの心血管疾患(アテローム性動脈硬化症、高血圧、脳卒中など)の発症、肥満に関連した代謝性炎症、薬物乱用、大うつ病性障害、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)が含まれるが、これらに限定されない。
【0007】
多くのTLR4モジュレーターが、ヒト臨床試験で評価されている。例えば、乳がん、大腸がん、肺がんを合わせたよりも致命的な状態である重症敗血症の治療薬の候補であるTLR4阻害剤エリトラン及びレサトルビドは、初期のヒト臨床試験で有望視された。しかし、これらの化合物は、第3相臨床試験で死亡率を減少させることができなかった。同様に、米国では10万人中860人が罹患していると言われる関節リウマチに対するTLR4阻害剤の可能性も、初期には有望視されていたが、第2相臨床試験では有効性を示すことができなかった。2型糖尿病のインスリン抵抗性肥満患者の炎症を抑え、糖代謝を改善するエリトランの第2相臨床試験は、2018年に中止された。最近終了した多発性硬化症の第2相試験では、TLR4アンタゴニストのイブジラストは、プラセボと比較して脳萎縮の進行が遅いことが示されたが、胃腸の副作用、頭痛、うつ症状が高い割合で発生した。自己免疫性肝炎に対するJKB-122、ALSに対するイブジラストなど、現在活発に臨床試験が進行している候補がいくつか存在する。さらに、ある疾患において最適な治療法ではないことが示された候補についても、過剰なTLR4シグナル伝達に関連する他の疾患への使用について評価することができる。
【発明の概要】
【0008】
開示された発明概念は、動物およびヒトの両方における広範な様々な疾患に対する改善された治療方法を提供するものである。コクシジウム症(coccidiosis)、壊死性腸炎、および腸の炎症に関連する他の状態の治療および/または予防における作用機序は、自然免疫経路および適応免疫経路に対する直接的な効果を介している。2021年6月25日に出願された共同出願で、出願継続中の米国出願番号第17/358、878「Immune Priming to Accelerate/Enhance Immune Response Through Administration of Natural Immune Modulator」を参照してもよく、その全体があらゆる目的のために援用される。
【0009】
コクシジウム症と壊死性腸炎の発生は、通常、同時発生する。コクシジウム症感染のダメージがコクシジウムの寄生が盛んになる理想的な環境を作り出すので、コクシジウム感染により動物が壊死性腸炎になりやすいことが知られている。下流の結果は、腸の健康(腸内細菌の変化を含む)、飼料要求率、体重増加に関連するパフォーマンスパラメーターが改善されることである。家禽の飼料または飲料水に投与された場合、開示された本発明化合物の生物活性は、アイメリア寄生虫などの寄生虫に対する直接的な効果というよりはむしろ、免疫反応の強化を介してコクシジウム症の影響を軽減することである。
【0010】
開示された本発明化合物および方法の作用機序は、病原体に対する直接的な効果というよりはむしろ、免疫系のプライミングによるものであり、したがって、治療抵抗性が発現するリスクはない。広範囲に使用される免疫調節により、動物の成長と発達が全身的に促進される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、異なる構成された実施形態について、様々なオペレーティングパラメータおよび構成要素を説明する。これらの特定のパラメータ及び構成要素は、例として含まれ、限定することを意図していない。特に断らない限り、ここで使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって理解されるであろう一般的な意味が用いられるものとする。
【0012】
治療に用いられる化合物
【0013】
開示された治療方法は、これのみに限定されないが、好ましくは、一般にグラム陰性菌のリポ多糖(LPS)に由来する化合物を利用する。生育段階の初期のブロイラーに化合物を投与することにより、免疫調節を介した疾病予防および治療が達成される。ここで使用される「阻害剤」という用語は、別の分子、受容体、細胞構造、または器官によって誘導される活性を低減または減衰させる分子を指す。例として、宿主免疫細胞の表面に存在するTLR4のLPS依存的な活性化を阻害する可能性のある化合物は、この特定の経路の阻害剤と見なされる。
【0014】
ここで使用される「モジュレーター」は、活性化剤、阻害剤、またはその両方を指す。調節は、TLR4や場合によってはTLR2など、少なくとも1つのToll様受容体(TLR)による活性の結果である可能性がある。ここで使用されるように、「阻害剤」という用語は、別の分子によって誘導される活性を低減または減衰させる分子を指す。例として、ヒトや動物の免疫細胞の表面に存在するTLRのLPS依存的な活性化をブロックする可能性のある化合物は、この特定の経路の阻害剤とみなされるであろう。
【0015】
ここで使用される場合、用語「藻類培養物」は、液体培地中で一緒に増殖する藻類生物及び細菌(1種又は2種以上)として定義される。明示的に別段の記載がない限り、用語「藻類バイオマス」は、藻類細胞及び細菌細胞(液体培地を除去したもの)を指す。「藻類バイオマス」は、湿潤材料であってもよいし、乾燥材料であってもよい。
【0016】
明示的に別段の記載がない限り、用語「藻類上清」は、藻類バイオマスが生育した培養液であって、藻類バイオマスから排泄された化合物を含むものと定義される。藻類上清は、藻類バイオマスを培養液中で適当な期間培養し、その後、ろ過及び/又は遠心分離によって藻類細胞及び細菌細胞を除去することによって得られる。
【0017】
バリオボラックス属(Variovorax)やロドバクター属(Rhodobacte)の細菌は代謝が多彩であることが知られている。バリオボラックスは、グラム陰性好気性細菌で、様々な条件下で生育することができる。バリオボラックスは、プロテオバクテリア亜綱に属し、植物や藻類が生成するいくつかの天然化合物を代謝的に利用することができる。ロドバクターは、光合成と化学合成の両方を含む、幅広い条件下で成長することができる。また、嫌気性、好気性のいずれの条件下でも生育することができる。ロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)は、グラム陰性の通性嫌気性細菌で、プロテオバクテリアのα-3亜門に属する。
【0018】
本明細書に記載される疾患の治療において使用される化合物の実施形態は、TLR4シグナル伝達経路の選択的モジュレーターとして使用するための、グラム陰性細菌株によって産生される1つ以上のLPS/リピドA化合物を含む。開示された発明概念は、3つの基本的なステップの任意の組み合わせを含む:
(1)グラム陰性菌がLPS/リピドA化合物を産生する;
(2)LPS/リピド化合物が、活性化または阻害を通じてTLR4活性を調節する;
(3)下流効果として、コクシジウム症、壊死性腸炎、および腸の炎症に関連する他の状態による健康や成長への悪影響が軽減される。
【0019】
1つの実施形態において、TLR4シグナル伝達経路の選択的モジュレーターとして使用されるLPS/リピドA化合物は、バリオボラックス・パラドクサス(Variovorax paradoxus)株から生産される。バリオボラックス・パラドクサス株は、藻類バイオマスに見出される天然由来の株であってよい。(上記段落[0015]で述べたように、生物学的に活性な副産物[排泄物または構造成分のいずれかを含む]が藻類上清中に見出される場合がある)。藻類バイオマスは、藻類種クレブソルミディウム・フラクシダム(Klebsormidium flaccidum)を含んでいてもよい。より具体的には、藻類バイオマス培養物は、藻類株クレブソルミディウム・フラクシダム・var. ZIVO(Klebsormidium flaccidum,var.ZIVO.)を含んでいてもよい。
【0020】
別の実施形態では、TLR4シグナル伝達経路の選択的モジュレーターとして使用されるLPS/リピドA化合物は、ロドバクター・スフェロイデス株から産生される。ロドバクター・スフェロイデスの構造及び機能に関して広範な研究が行われてきた。また、ロドバクター・スフェロイデスの光合成の特徴についても研究が進められている。ロドバクター・スフェロイデスのリポ多糖は、ヒト細胞において、LPS/TLR4シグナルを遮断することにより、TLR4を介した炎症を防ぐ有効なTLR4アンタゴニストであることが知られている一方、本発明者らは、家禽の生育成績の複数のパフォーマンスパラメーターに対応する試験方法を採用し、ロドバクター・スフェロイデス由来のLPS化合物がコクシジウム症の代替治療法として有効であるとの結論に達した。さらに、ヒトのin vitro試験でTLR4阻害剤として作用する化合物とTLR2活性化剤(グラム陰性菌由来のLPSなど)を組み合わせることで、抗コクシジウム効果が得られることを明らかにした。
【0021】
したがって、本開示による疾患の治療に使用される化合物の実施形態は、TLRシグナル伝達経路の選択的モジュレーターとして使用するためのバリオボラックスグループまたはロドバクターグループのグラム陰性細菌株によって生産される1以上のLPS/リピドA化合物に向けられている。開示された発明概念の特定の実施形態は、バリオボラックス・パラドクサス株及びロドバクター・スフェロイデス株から生産されるTLR4シグナル伝達経路の選択的モジュレーターとして用いられるLPS/リピドA化合物の使用に向けられたものである。
【0022】
ここで使用されるLPS/リピドA化合物は、任意の適切な方法によってバリオボラックス・パラドクサス株及び/又はロドバクター・スフェロイデス株から得ることができるが、特定の実施形態では、それらは標準の多段階LPS抽出プロトコルを使用して抽出される。
例えば、以下の通りである。
(1)凍結乾燥した細菌をフェノール/グアニジンチオシアネートの溶液で抽出し、そして凍結乾燥用に水相を回収し;
(2)凍結乾燥画分を水中で再可溶化し;
(3)可溶化画分を限外ろ過し、低分子量物質や塩類を除去し;
(4)アフィプレップポリミキシンマトリックスマテリアル(バイオラッド社製)などのポリミキシンB樹脂カラムを用いて高分子量画分をアフィニティ精製し、そこから1%デオキシコレートで活性画分を溶出させ;
そして、任意に
(5)サイズ排除クロマトグラフィーを用いてさらに精製を行う。
【0023】
いくつかの例では、細菌からLPS化合物を得るために、複数種類のLPS抽出プロトコルが採用され、抽出手順は複数回行われてもよい。LPS化合物が菌体から抽出・精製されたら、酸加水分解法又は他の適切な技術によってリピドA画分を調製してもよい。
【0024】
いくつかの例では、LPS化合物の構造の分析は、質量分析、ガスクロマトグラフィー、又はその両方を用いることを含む、当該技術分野における一般的な方法を用いて実施される。非限定的な例として、1実施形態では、バリオボラックス・パラドクサス株から単離したLPSの液体クロマトグラフィー分析の結果は、リピドA部分上にヒドロシデカン酸及びヒドロシオクタン酸の両方の脂肪酸が存在することを示した。さらなる非限定的な例として、別の実施形態では、バリオボラックス・パラドクサス株から単離されたLPSのガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)分析の結果は、主な飽和脂肪酸がラウリン酸であり、リピドA構造当たり1分子または2分子であることを示した。
【0025】
バリオボラックス・パラドクサス又はロドバクター・スフェロイデスなどのグラム陰性細菌株に由来する1つ以上のLPS/リピドA化合物は、TLR4シグナル伝達経路を選択的に調節して炎症反応を変え、そして様々な用途及び応用における免疫健康を向上させ得る。1実施形態において、バリオボラックス・パラドクサス又はロドバクター・スフェロイデス由来のLPS/リピドA化合物は、家禽の腸の健康を改善するために藻類ベースの飼料成分内に組み入れられ得る。
【0026】
バリオボラックス・パラドクサスまたはロドバクター・スフェロイデスに由来する開示されたLPS/リピドA化合物は、様々なメカニズムを通じて家禽の健康を改善するために使用され得る。例えば、LPS/リピドA化合物は、TLR4発現のダウンレギュレーション及び典型的な炎症カスケードにおけるNF-κB活性化の下流阻害を介して炎症メディエーターを負に制御することにより、家禽の内部炎症から保護し得る。別の例では、LPS/リピドA化合物は、システイン残基を介した受容体二量体化を妨害することにより、家禽におけるTLR4の活性化を阻害することができる。さらに別の例では、LPS/リピドA化合物は、非感染性および感染性刺激がTLR4と相互作用して炎症性反応を誘発する能力を阻害し、それによって家禽の腸の健常性を改善することができる。さらなる例として、LPS/リピドA化合物は、リガンド依存性またはリガンド非依存性の活性化のいずれかを介してTLR4を調節してもよい。別の例として、LPS/リピドA化合物は、他のTLRアゴニストと協調して作用し、宿主の代謝コストを低減しつつ、免疫反応を高めてもよい。
【0027】
開示された発明概念を細菌バイオマスとして動物飼料に含む場合、配合されたバッチは、好ましくは完成飼料1トン当たり約20.0g組成物から完成飼料1トン当たり約250.0g組成物の間の量で提供され、より好ましくは完成飼料1トン当たり約125.0g組成物から完成飼料1トン当たり約175.0g組成物の間の量で提供され、そして最も好ましくは完成飼料1トン当たり約100.0g組成物から完成飼料1トン当たり約150.0g組成物の間の量で提供される。理想的に提案され、非限定的な比率は、最大の効果を得るために、完成飼料1トン当たり約125.0g組成物である。
【0028】
研究1
【0029】
開示された発明概念の化合物の有効性および治療方法の有効性を実証するための最初の研究は、動物、特にニワトリ、より具体的にはブロイラーニワトリに飼料として投与した場合の比較抗コクシジウム効果を明らかにすることを目的としたものである。
【0030】
研究1-治療法
【0031】
コクシジウム病を発症したブロイラーニワトリの成長効率を向上させるための方法の非限定的な例を挙げる。以下の方法は、唯一の治療法であることを意図したものではなく、例示に過ぎないことが理解される。この研究では、4つの治療レジメンを比較した。
(1)飼料中に添加物を加えず、家禽にコクシジウム症を曝露させない。
(2)飼料中に添加物を加えず、家禽にコクシジウム症を曝露させる。
(3)飼料中にサリノマイシンを加え、家禽にコクシジウム症を曝露させる。
(4)飼料中に本発明化合物を加え、家禽にコクシジウム症を曝露させる。
サリノマイシンは、ストレプトマイセス・アルブス(Streptomyces albus)から単離されたポリエーテルイオノフォア抗生物質であり、コクシジウム症の治療に抗生物質として一般的に使用されている。
【0032】
研究対象動物はニワトリ、特に雄のブロイラーニワトリである。孵化後1日目の雄のブロイラーヒヨコを入手した。孵化場で雌雄を判別した。10羽のヒヨコを無作為に選び、グループごとに体重を測定してケージに入れた。割り付けに使用されなかったすべての鳥の数と処分が記録された。研究期間中に鳥を交換することはなかった。各処理グループには80羽の鳥がいた。
【0033】
ニワトリケージは、同一ブロックサイズのバタリーケージによって遮断した。研究は、鳥、特にブロイラーニワトリが孵化した日(DOT 0)に置かれ、その時点で実験ケージに割り当てられたときに開始した。健康な鳥だけを選んだ。配置の際、鳥には処置用の飼料を与えた。ケージ内の温度は、サーモスタット制御のガス炉/エアコンで均一に維持した。
【0034】
米国で一般に使用されている家畜飼料が配合されている市販型のニワトリスターターを処方した。この飼料は、抗生物質、有機酸、NSP酵素、および直接投入微生物を含まない全植物性飼料であった。この飼料は、ヒナ到着日から試験28日目まで自由摂取とした。飼料処方はソースデータに含まれていた。実験処置用飼料は、この基礎スターター飼料から調製した。処置バッチを調製するために使用されたすべての基礎飼料および試験品の量を記録した。
【0035】
処置飼料の各バッチの最初、中間、最後からそれぞれ1つずつ採取し、混合して混合飼料とした。分析のため、各処置について複合試料を1つずつ採取した。
【0036】
DOT 0、14、20、28に全鳥の体重をケージで測定した。飼料はDOT 0で計量した。残りの飼料はDOT 14、20、28に計量した。
【0037】
コクシジウムのオーシスト接種処置を実施した。試験の14日目に、T1を除くすべての鳥は、1.0mlの容量に希釈したアイメリア・アセルブリナ(E.acervulina)、アイメリア・マキシマ(E.maxima)およびアイメリア・テネア(E.tenella)の混合コクシジウム接種物を経口投与した(p.o.)。接種量は中等度の曝露を試みた。
【0038】
DOT20に各ケージから数羽を選び、犠牲にして体重を測定し、コクシジウム病変の存在の程度を調べた。Johnson and Reid(1970)のコクシジウム症病変スコアリング法を用いて、腸の感染部位をスコアリングした。スコアは0から4で、0が正常、4が最も重篤である。また、20日目には各ケージから混合糞を採取した。各サンプルは、糞便浮遊法により、糞便1グラムあたりのオーシスト数を調べた。
【0039】
研究1-データ
【0040】
集められたデータは以下の表に示されている。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
それぞれの結果で示されているその文字は、統計的有意性を示している。同じ文字の結果は、互いに統計的な差異がない。
【0041】
研究1-分析方法論
ケージの質量増加、飼料の消費、飼料要求率、病変スコア、オーシストカウント(OPGs)、及び死亡率についての平均を、計算した。
【0042】
研究1-結果
試験結果は、曝露されたコントロールグループと比較して、化合物処置グループにおいて、全般的にFCRが減少することを示した。当該発明化合物を与えた動物群は、サリノマイシン(医薬用の)処置グループと類似のFCRを示した。
【0043】
研究2
【0044】
開示された発明概念の化合物及び処置方法の有効性を示すための2番目の研究は、動物、とくに、ニワトリ、より具体的に、ブロイラーニワトリにおける、クロストリジウム・パーフリンゲンス(Clostridium perfringens)に起因する壊死性腸炎を制御するために飼料に投与した本発明の化合物の比較効能を確認するように設計した。
クロストリジウム・パーフリンゲンスは、芽胞形成嫌気性菌である。クロストリジウム・パーフリンゲンスは、一般に、土、ごみ、飼料、家禽厩肥、糞便、及び腸内で発見される。
【0045】
研究2-処置方法
【0046】
本発明化合物を使用した他の処置方法の例の1つが示されている。以下の方法は、唯一の処置方法ではなく、例にすぎないことを理解されたい。研究は5つの処置レジメンで比較した。
(1)飼料中に添加物を加えず、家禽に、コクシジウム症/クロストリジウム・パーフリンゲンスの曝露なし
(2)飼料中に添加物を加えず、家禽に、コクシジウム症/クロストリジウム・パーフリンゲンスの曝露あり
(3)飼料中に0.039%の割合で化合物を含んでおり、家禽に、コクシジウム症/クロストリジウム・パーフリンゲンス曝露あり
(4)飼料中に0.077%の割合で化合物を含んでおり、家禽に、コクシジウム症/クロストリジウム・パーフリンゲンスによる曝露あり
(5)飼料中に0.551%の割合で化合物を含んでおり、家禽に、コクシジウム症/クロストリジウム・パーフリンゲンスによる曝露あり
以下に示すように、研究は、それぞれ9匹のヒヨコからスタートする40のケージからなっていた。処置は、それぞれ5つのケージについて、8つのブロックの中で再現した。ヒヨコは0~28日齢であった。
【0047】
米国で一般的に使用されている家畜飼料と配合された非医薬用ニワトリスターターを処方した。飼料は、ローカルの市販製剤及び全米研究評議会(NRC)のブロイラースターター要件に適合するか又は超えた計算された分析を代表した。その飼料は、ソースデータに含まれていた。実験用の処置飼料は、この基礎的なスターター飼料から準備した。すべての基礎飼料の量及び処置バッチの準備に使用された試験物の量は記録した。それぞれの試験物の均一の配分を保証するため、処置飼料を混合した。相互汚染を妨げるためミキサーは洗い流した。飼料は同じ処置のケージの間で配給した。この(どろどろの状態の)飼料は、研究の間与えた。処置飼料の各バッチの最初、中間、最後からそれぞれ1つずつ採取し、混合して混合試料とした。
【0048】
孵化後1日目の雄のブロイラーヒヨコを入手した。ブリーダーフロックインフォメーションは記録された。孵化場で雌雄を判別した。健康的に見えているヒヨコのみを、研究に使用した。配置に使用されなかったすべての鳥の処分は記録した。処置グループにつき、72の鳥があった。
【0049】
到着してすぐに、ヒヨコは、ピーターシーム(Petersime(登録商標))バッテリーケージで育てた。そこで、鳥に処置飼料を与えた。サーモスタット制御のガス炉/エアコンは均一の温度を維持した。照明さえ提供した。ケージダイアグラムを記録した。ケージはバッテリーにおける場所によってブロックした。鳥が置かれたとき(孵化日)(DOT 0)、その際に実験ケージに割り当てられ、実験を始めた。研究の合間、鳥は取り替えなかった。
【0050】
DOT 0、14、21、及び28に、すべての鳥の体重を測定した。飼料はDOT 0に測定し、そして、残りの飼料は、DOT 14、21及び28に測定した。
【0051】
DOT14に、すべての鳥に、アイメリア・マキシマの5000個以下のオーシストを経口投与した。DOT 19に開始し、処置1(Treatment 1)を除くすべての鳥に、クロストリジウム・パーフリンゲンスのブロス培養物を投与した。その鳥たちに、3日間(DOT 19、20、21)、1日に1回新鮮なブロス培養物を投与した。
【0052】
研究2-分析方法論
【0053】
DOT 21において、それぞれのケージから3匹の鳥を選択し、屠殺し、体重を測定し、そして壊死性腸炎の病変の存在の程度を調べた。スコアリングは、0から3のスコアに基づいており、0が通常、3がもっとも重篤とした。DOT 28において、それぞれのケージから一匹の鳥を選び、屠殺し、体重を測定し、そして、消化管の全体を回収した。DOT 28において、それぞれのケージから一匹の鳥を選び、安楽死させ、腸の小さい横断面を切断し、そして凍結した。ケージの質量増加、飼料の消費、飼料要求率、NE病変スコア、及び壊死性腸炎の死亡率についての平均を計算した。
【表8】
【0054】
研究2‐データ収集
【0055】
表は、以下の収集したデータを示している。
【表9】
【表10】
【表11】
それぞれの結果に示されている文字は、統計的有意性を示している。
同じ文字の結果は、互いに統計的な差異がない。
【0056】
研究2-結果
曝露されたコントロールグループと比較して、化合物処置をしたグループでは、全般的にFCRが減少したことを、試験結果は示している。本発明化合物を与えられた動物は、曝露されていないコントロールグループと類似のFCRを示した。発明化合物を与えた鳥について、壊死性腸炎の死亡率%は、有意に減少した。
【0057】
研究3
【0058】
開示された発明概念の化合物及び処置方法の有効性を示すための第3の研究は、ブロイラーパフォーマンス及び消化系の健康に関しての、抗コクシジウム薬又は他のABF製品を添加せずに、通常の調合されたコーン/SBM飼料で育てられた高床飼いのブロイラーと、病気を曝露する環境(コクシジウム症曝露+蓄積敷料(Built up litter))で育てられたブロイラーとに投与した発明化合物の効力比較を同定するために設計した。
【0059】
研究3-処置方法
【0060】
本発明化合物を使用した他の処置方法の非限定的な例が示されている。以下の方法は、唯一の処置方法を意図したものではなく、ただの例であることを理解されたい。研究は5つの処置レジメンを比較した。
(1)飼料中に添加物を加えず、家禽にコクシジウム症を曝露させない
(2)飼料中に添加物を加えず、家禽にコクシジウム症を曝露させる
(3)飼料1トン中にコバン(Coban)を9g加え、家禽にコクシジウム症を曝露させる
(4)飼料1トン中に本発明化合物を125gの包含率で加え、家禽にコクシジウム症を曝露させる
コバン(Coban(登録商標) (モネシン(Monensin)、USP)は、コクシジウム症の治療における抗生物質として、一般に使用される。
【0061】
研究動物は、民間孵化場で糞便の混じったフロックから孵化して12時間以内に得られた性別が混じった商業用のブロイラーニワトリであった。孵化場又は研究のいかなる時にも、コクシジウム症ワクチンは投与しなかった。鳥の快適さを確保するために、温度管理された状況下の研究小屋に、ヒヨコを移した。到着してすぐ、ヒヨコを、それぞれの実験小屋にランダムに割り当てた。
【0062】
ブロイラーニワトリを、少なくとも3世代前のフロックからの蓄積された敷料が敷かれた床寝床を含む小屋に置いた。小屋は4.5’x10’の寸法を取り、鳥あたりおよそ0.87平方フィート(ft2)を与えた。最初は(0~10日目)、鳥を、一部の(鳥あたり0・45平方フィートの)ハウス育雛システムに置いた。処置グループにつき、240匹の鳥が存在した。
【0063】
鳥に、通常の栄養配合のスタンダードコーンーSBM飼料を与えた。飼料は、それぞれの配合段階のはじめに質量を測定し、2つのフェーズで与えた:スターター飼料(0-14日目)、育成飼料(15-28日目)。
【0064】
試験7日目、曝露されたグループのすべての鳥は、3つのアイメリア種の混合物を含んでいるオーシスト混入飼料を与えられた。十分な飼料は正確に質量を測定し、鳥に与え、平均して100%の満タン容量の割合で消費された。この割合は、それぞれの小屋の前日の24時間以内に消費された飼料の量を測定することで決定した。50#ミキサーを使用して、10分間、オーシストは飼料と混合され、トリアイメリア・アセルブリナにつき、100,000オーシスト、トリアイメリア・マキシマにつき、50,000オーシスト、トリアイメリア・テネアにつき、75,000のオーシストを提供した。曝露前に、すべてのコクシジウム接種鳥を8時間飢えさせた。混入飼料は、同時に、それぞれのブロック(又はレップ)に置き、2時間保持した。2時間のプログラムの後、すべての残っている混入飼料を取り除き、そして、質量を測定し、小屋ごと及び鳥ごとの等しい消費量を保証した。
【0065】
研究3-分析方法論
【0066】
計測評価項目は、成長生存成績に対して、それぞれの処置グループに取り入れられ、そしてそれには、死亡率、飼料摂取、それぞれの期間の後の体重増加、及び0‐14日目、0‐21日目と0‐28日目の飼料摂取評価(すなわち、飼料要求率)が含まれていた。
【0067】
14日目に、十二指腸病変スコア及びコクシジウム症/アイメリアの病変スコアが、小屋ごとに2匹のオス及び2匹のメスから測定し、28日目には、小屋ごとに4匹のオス及び4匹のメスから測定した。
【0068】
研究3-データ
【0069】
集められたデータは、以下の表に示されている。
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
それぞれの結果で示されている文字は、統計的有意性を示している。
同じ文字のそれらは、互いに統計的な差異がない。
【0070】
研究3-結果
15日目初めの曝露されたコントロールグループと比較して、化合物処置をしたグループにおいて、全般的にFCRが減少したことを、試験結果は示した。発明化合物を投与した動物は、15日目から(28日目の)研究終了までのすべてのグループで最も数字の低いFCRを示した。発明化合物を投与した動物の平均体重は、研究を通じて、非接種コントロールグループと統計的な差異はなかった。死亡率も有意に減少し、そして、非接種コントロールグループまたはコバン処置グループと統計的な差異はなかった。
【国際調査報告】