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特表2023-537965セルフヒーリングを有するモデムリセットパッケージ
<図1>
  • 特表-セルフヒーリングを有するモデムリセットパッケージ 図1
  • 特表-セルフヒーリングを有するモデムリセットパッケージ 図2
  • 特表-セルフヒーリングを有するモデムリセットパッケージ 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】セルフヒーリングを有するモデムリセットパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/0686 20220101AFI20230830BHJP
   H04L 43/0805 20220101ALI20230830BHJP
【FI】
H04L41/0686
H04L43/0805
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509610
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-04-04
(86)【国際出願番号】 US2021040039
(87)【国際公開番号】W WO2022035521
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】63/065,224
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.macOS
(71)【出願人】
【識別番号】521311654
【氏名又は名称】アリス エンタープライジズ リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ハルシタ ガングワール
(72)【発明者】
【氏名】ハリッシュ シャンカラチャリ
(57)【要約】
ケーブルモデムのアプリケーション又はソフトウェアは、ケーブルモデム(CM)のリセットと関連付けられた1つ以上の問題点に関する報告を提供する。マルチプルサービスオペレータ(MSO)の上流(US)リンク及び/又は下流(DS)リンクに関連する問題点は、MSOネットワークに結合されたCMの再起動を引き起こし得る。Data Over Cable Service Interface Specification(DOCSIS)は、様々なCMリセットコードを定義するが、これらのコードは、USリンク、DSリンク、又はその両方に関連するCMのリセットを引き起こした問題点を識別することに失敗する。提供されるシステムは、MSOがUSリンク、DSリンク、又はその両方の課題又は問題を判定するために必要な情報を有するようにMSOに通信又は報告され得る1つ以上のリセットコードとして、CMのリセットの原因を判定するためのCMを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチプルサービスオペレータ(MSO)ネットワークで使用するためのケーブルモデムであって、
1つ以上のコンピュータ可読命令を記憶するメモリと、
前記1つ以上のコンピュータ可読命令を実行して1つ以上の動作を実施するように構成されたプロセッサと、を備え、前記1つ以上の動作が、
リセットを実施することと、
下流チャネル、上流チャネル、又はその両方のスキャンを実施することであって、前記下流チャネル及び前記上流チャネルが、前記MSOネットワーク内のMSOに通信可能に結合される、実施することと、
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、問題点が前記リセットを引き起こしたかどうかを判定することと、
前記問題点が前記リセットを引き起こしたという前記判定に応答して、
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、前記リセットと関連付けられた1つ以上のリセットコードを判定することと、
前記1つ以上のリセットコードを前記MSOに報告することと、を含む、ケーブルモデム。
【請求項2】
前記プロセッサが、前記1つ以上のコンピュータ可読命令を実行して1つ以上の更なる動作を実施するように更に構成され、前記1つ以上の更なる動作が、
前記下流チャネル又は前記上流チャネルが回復されたかどうかを判定することを含む、請求項1に記載のケーブルモデム。
【請求項3】
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、前記リセットと関連付けられた前記1つ以上のリセットコードを前記判定することが、
前記下流チャネルの電力レベルが閾値を下回っていると判定することと、
下流チャネル損失を示すように、前記1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む、請求項1に記載のケーブルモデム。
【請求項4】
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、前記リセットと関連付けられた前記1つ以上のリセットコードを前記判定することが、
前記下流チャネルを取得することの失敗を判定することと、
一次下流損失を示すように、前記1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む、請求項1に記載のケーブルモデム。
【請求項5】
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、前記リセットと関連付けられた前記1つ又はリセットコードを前記判定することが、
上流チャネルを取得することの失敗を判定することと、
上流チャネル損失を示すように、前記1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む、請求項1に記載のケーブルモデム。
【請求項6】
前記プロセッサが、前記1つ以上のコンピュータ可読命令を実行して1つ以上の更なる動作を実施するように更に構成され、前記1つ以上の更なる動作が、
前記1つ以上のリセットコードに少なくとも部分的に基づいてセルフヒーリングを実施することを含む、請求項1に記載のケーブルモデム。
【請求項7】
前記1つ以上のリセットコードを前記MSOに前記報告することが、シンプルネットワーク管理プロトコル(SNMP)メッセージを前記MSOに送信することを含む、請求項1に記載のケーブルモデム。
【請求項8】
ケーブルモデムが、前記ケーブルモデムのリセットと関連付けられた1つ以上のリセットコードを、マルチプルサービスオペレータ(MSO)に報告するための方法であって、前記方法が、
リセットを実施することと、
下流チャネル、上流チャネル、又はその両方のスキャンを実施することであって、前記下流チャネル及び前記上流チャネルが、前記MSOネットワーク内のMSOに通信可能に結合される、実施することと、
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、問題点が前記リセットを引き起こしたかどうかを判定することと、
前記問題点が前記リセットを引き起こしたという前記判定に応答して、
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、前記リセットと関連付けられた1つ以上のリセットコードを判定することと、
前記1つ以上のリセットコードを前記MSOに報告することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記下流チャネル又は前記上流チャネルが回復されたかどうかを判定することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、前記リセットと関連付けられた前記1つ以上のリセットコードを前記判定することが、
前記下流チャネルの電力レベルが閾値を下回っていると判定することと、
下流チャネル損失を示すように、前記1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、前記リセットと関連付けられた前記1つ以上のリセットコードを前記判定することが、
前記下流チャネルを取得することの失敗を判定することと、
一次下流損失を示すように、前記1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、前記リセットと関連付けられた前記1つ以上のリセットコードを前記判定することが、
上流チャネルを取得することの失敗を判定することと、
上流チャネル損失を示すように、前記1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上のリセットコードに少なくとも部分的に基づいてセルフヒーリングを実施することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上のリセットコードを前記MSOに前記報告することが、シンプルネットワーク管理プロトコル(SNMP)メッセージを前記MSOに送信することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
1つ以上のリセットコードをマルチプルサービスオペレータ(MSO)に報告するためのプログラムを記憶するケーブルモデムの非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記ケーブルモデムのプロセッサによって実行されるときに、前記ケーブルモデムに、
リセットを実施することと、
下流チャネル、上流チャネル、又はその両方のスキャンを実施することであって、前記下流チャネル及び前記上流チャネルが、前記MSOネットワーク内のMSOに通信可能に結合される、実施することと、
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、問題点が前記リセットを引き起こしたかどうかを判定することと、
前記問題点が前記リセットを引き起こしたという前記判定に応答して、
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、前記リセットと関連付けられた1つ以上のリセットコードを判定することと、
前記1つ以上のリセットコードを前記MSOに報告することと、を含む1つ以上の動作を実施させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記プログラムが、前記プロセッサによって実行されるときに、前記ケーブルモデムに、
前記下流チャネル又は前記上流チャネルが回復されたかどうかを判定することを含む1つ以上の更なる動作を更に実施させる、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、前記リセットと関連付けられた前記1つ以上のリセットコードを前記判定することが、
前記下流チャネルの電力レベルが閾値を下回っていると判定することと、
下流チャネル損失を示すように、前記1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、前記リセットと関連付けられた前記1つ以上のリセットコードを前記判定することが、
前記下流チャネルを取得することの失敗を判定することと、
一次下流損失を示すように、前記1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記スキャンに少なくとも部分的に基づいて、前記リセットと関連付けられた前記1つ以上のリセットコードを前記判定することが、
上流チャネルを取得することの失敗を判定することと、
上流チャネル損失を示すように、前記1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記1つ以上のリセットコードを前記MSOに前記報告することが、シンプルネットワーク管理プロトコル(SNMP)メッセージを前記MSOに送信することを含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くのホームネットワークは、ケーブルプロバイダなどの複数のサービス(又はシステム)オペレータ(MSO)から様々なコンテンツにアクセスするために1つ以上のプロトコル、例えば、Data Over Cable Service Interface Specification(DOCSIS)及びテレフォニーサービス用のPacketCable標準に従って動作するケーブルモデムを含む。DOCSISは、例えば、通信信号が、ケーブルモデム(CM)又は電話モデム(TM)から下流(DS)方向のハイブリッドファイバ同軸ケーブルネットワーク(HFC)を介して送信されると想定する。HFCはまた、通信信号をCM又はTMから上流(US)方向で、MSOの又はそれと関連付けられたケーブルモデム終端システム(CMTS)に向かって転送する。
【0002】
場合によっては、様々な問題点に起因してCMが再起動し得る。例えば、CMは、共有無線周波数インターフェース(US及びDSリンク、接続又は通信と称される)に関連する問題点に起因して再起動し得る。リセット又は再起動時、CMは、典型的には、リセット又は再起動を示すメッセージをMSOに送信又は報告する。しかしながら、従来のCMは、CMの再起動を引き起こした問題点に関する任意の指示をメッセージ内に含めることに失敗し、例えば、メッセージは、リセット又は再起動が、例えば、USリンク、DSリンク、又はその両方に関連する問題点によって引き起こされたかどうかを示すことに失敗する。
【0003】
そのため、CMのリセット又は再起動と関連付けられた原因の改善された報告を提供する必要性が存在する。そのような改善は、MSOのUS及びDSリンクに関連する任意の問題又は問題点を判定又はデバッグする能力を顕著に増強することになる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様によると、ケーブルモデム(CM)のリセット又は再起動と関連付けられた1つ以上の問題点を通信又は報告するための新規の解決策が提供される。例えば、マルチプルサービスオペレータ(MSO)の上流(US)リンク及び/又は下流(DS)リンクに関連する問題点は、MSOネットワークに結合されたCMのリセット又は再起動を引き起こし得る。Data Over Cable Service Interface Specification(DOCSIS)は、様々なCMリセットコードを定義するが、これらのDOCSIS CMリセットコードは、USリンク、DSリンク、又はその両方に関連するCMのリセット又は再起動を引き起こした問題点を識別することに失敗する。提供される新規の解決策は、MSOがUSリンク、DSリンク、又はその両方の問題点又は問題を判定するために必要な情報を有するようにMSOにその後に通信又は報告され得る1つ以上のリセットコードとして、CMの再起動の原因を判定するために提供するCMにおけるアプリケーションを含む。
【0005】
本開示の態様は、マルチプルサービスオペレータ(MSO)ネットワークのケーブルモデムを提供する。ケーブルモデムは、1つ以上のコンピュータ可読命令を記憶するメモリと、1つ以上のコンピュータ可読命令を実施して1つ以上の動作を実施するように構成されたプロセッサと、を含み、1つ以上の動作が、リセットを実施することと、下流チャネル、上流チャネル、又はその両方のスキャンを実施することであって、下流チャネル及び上流チャネルが、MSOネットワーク内のMSOに通信可能に結合される、実施することと、スキャンに少なくとも部分的に基づいて、問題点がリセットを引き起こしたかどうかを判定することと、問題点がリセットを引き起こしたという判定に応答して、スキャンに少なくとも部分的に基づいて、リセットと関連付けられた1つ以上のリセットコードを判定することと、1つ以上のリセットコードをMSOに報告することと、を含む。
【0006】
本開示の一態様では、プロセッサが、1つ以上のコンピュータ可読命令を実行して1つ以上の更なる動作を実施するように更に構成され、1つ以上の更なる動作が、下流チャネル又は上流チャネルが回復されたかどうかを判定することを含む。
【0007】
本開示の一態様では、スキャンに少なくとも部分的に基づいて、リセットと関連付けられた1つ以上のリセットコードを判定することが、下流チャネルの電力レベルが閾値を下回っていると判定することと、下流チャネル損失を示すように、1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む。
【0008】
本開示の一態様では、スキャンに少なくとも部分的に基づいて、リセットと関連付けられた1つ又はリセットコードを判定することが、上流チャネルを取得することの失敗を判定することと、上流チャネル損失を示すように、1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む。
【0009】
本開示の一態様では、プロセッサが、1つ以上のコンピュータ可読命令を実行して1つ以上の更なる動作を実施するように更に構成され、1つ以上の更なる動作が、1つ以上のリセットコードに少なくとも部分的に基づいて、セルフヒーリングを実施することを含む。
【0010】
本開示の一態様では、1つ以上のリセットコードをMSOに報告することが、シンプルネットワーク管理プロトコル(SNMP)メッセージをMSOに送信することを含む。
【0011】
本開示の一態様は、ケーブルモデムが、ケーブルモデムのリセットと関連付けられた1つ以上のリセットコードを、マルチプルサービスオペレータ(MSO)に報告するための方法を提供する。方法は、リセットを実施することと、下流チャネル、上流チャネル、又はその両方のスキャンを実施することであって、下流チャネル及び上流チャネルが、MSOネットワーク内のMSOに通信可能に結合される、実施することと、スキャンに少なくとも部分的に基づいて、問題点がリセットを引き起こしたかどうかを判定することと、問題点がリセットを引き起こしたという判定に応答して、スキャンに少なくとも部分的に基づいて、リセットと関連付けられた1つ以上のリセットコードを判定することと、1つ以上のリセットコードをMSOに報告することと、を含み得る。
【0012】
本開示の一態様では、方法は、下流チャネル又は上流チャネルが回復されたかどうかを判定することを更に含み得る。
【0013】
本開示の一態様では、スキャンに少なくとも部分的に基づいて、リセットと関連付けられた1つ以上のリセットコードを判定することが、下流チャネルの電力レベルが閾値を下回っていると判定することと、下流チャネル損失を示すように、1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む。
【0014】
本開示の一態様では、スキャンに少なくとも部分的に基づいて、リセットと関連付けられた1つ以上のリセットコードを判定することが、下流チャネルを取得することの失敗を判定することと、一次下流損失を示すように、1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む。
【0015】
本開示の一態様では、スキャンに少なくとも部分的に基づいて、リセットと関連付けられた1つ以上のリセットコードを判定することが、上流チャネルを取得することの失敗を判定することと、上流チャネル損失を示すように、1つ以上のリセットコードのうちの少なくとも1つを設定することと、を含む。
【0016】
本開示の一態様では、1つ以上のリセットコードをMSOに報告することが、シンプルネットワーク管理プロトコル(SNMP)メッセージをMSOに送信することを含む。
【0017】
本開示の態様は、1つ以上のリセットコードをマルチプルサービスオペレータ(MSO)に報告するためのプログラムを記憶する、ケーブルモデムの非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。ケーブルモデムのプロセッサによって実行されるときに、プログラムは、ケーブルモデムに、上記に説明される方法のステップを含む1つ以上の動作を実施させる。
【0018】
上記に説明された新規の解決策は、1つ以上の例示的な実施形態に従って、ハイブリッドファイバ同軸(HFC)を介してなど、CMがMSOに直接的又は間接的に結合されるMSOネットワークの結合されたCMで実装され得る。
【0019】
したがって、本明細書に説明される本開示の様々な態様によると、CMは、DSリンク、USリンク、又はその両方と関連付けられた問題点を示す1つ以上のリセットコードを、CMのリセット又は再起動時にMSOに報告することができる。本明細書に説明される新規の解決策は、DSリンク、USリンク、又はその両方の問題によって再起動が引き起こされたかどうかを判定するためにMSOにとって必要な情報の伝送を可能にしない、CMのリセット又は再起動の問題に対処する。特に、新規の解決策は、現在設置されているCMの交換を必要とせずに、MSOネットワークのCMのリセット又は再起動をデバッグするための改善を提供する。例えば、ソフトウェア又はアプリケーションが、加入者の場所に位置するCMにネットワーク接続を介してインストールされ得、その結果、CMの物理的な交換の必要性が発生しない。
【0020】
図面では、同様の参照番号は、概して、同一、機能的に同様、及び/又は構造的に同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の1つ以上の実施形態による、マルチプルサービス(又はシステム)オペレータ(MSO)ネットワークの概略図である。
【0022】
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、図1のMSOネットワークに実装された例示的なケーブルモデム(CM)の様々な構成要素を例解する、より詳細なブロック図である。
【0023】
図3】本開示の1つ又は実施形態による、CMの再起動と関連付けられた1つ以上のリセットコードをMSOに報告するための方法を例解するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の詳細な説明は、添付の図面を参照して行われ、本開示の様々な例示的な実施形態の包括的理解を支援するために提供される。以下の説明は、その理解を支援するために様々な詳細を含むが、これらは、単に例としてみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される本開示を限定する目的ではない。以下の説明で使用される語及び句は、単に、本開示の明確かつ一貫した理解を可能にするために使用される。加えて、明確性及び簡潔性のために、周知の構造、機能、及び構成の説明が省略されている可能性がある。当業者は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、実施例に様々な変更及び修正が行われ得ることを理解するであろう。
【0025】
図1は、1つ以上の例示的な実施形態による、マルチプルサービス(又はシステム)オペレータ(MSO)ネットワークの概略図である。
【0026】
本明細書に開示される発明の概念の様々な例示的な実施形態は、デバイスの特定の数又は組み合わせに限定されず、システム内に上述の電子装置のいくつかのうちの1つ又は複数が存在し得、システムは、それ自体が、複数の通信ネットワーク、及び様々な既知若しくは将来開発される無線接続技術、プロトコル、デバイスなどから構成され得る。
【0027】
図1に示されるように、MSOネットワーク100の主な要素は、例えば、インターネットサービスプロバイダ(ISP)又はプログラミングプロバイダなどの、コンテンツプロバイダ1に接続されたケーブルネットワークシステムオペレータなどのMSO2を含む。1つ以上の実施形態では、コンテンツプロバイダ1は、任意のソースからコンテンツを受信し、例えば、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、任意の他の配線システム、無線システム、衛星、又はそれらの組み合わせのうちのいずれかを使用する接続3を介して、コンテンツをMSO2に伝送する。MSOは、接続5を介して、ケーブルモバイル終端システム(CMTS)4を含むか、又は接続され得る。CMTS4は、例えば、MSO2のヘッドエンドに位置し得る。CMTS4は、例えば、加入者の場所で、例えば、ケーブルモデム(CM)8との通信のための上流(US)インターフェース10及び下流(DS)インターフェース12を含み得る。CMTS4は、MSOネットワーク100内の任意の1つ以上の要素によるデータ及び/又は情報の通信のためのデータオーバーケーブルサービスインターフェース仕様(DOCSIS)標準を利用し得る。例えば、DOCSISは、USインターフェース10及びDSインターフェース12の関係を指定する。USインターフェース10及びDSインターフェース12の関係と関連付けられた情報は、データベース、シンプルネットワーク管理プロトコル(SNMP)MIBにプロビジョニングされ得る。このデータベースからの情報は、システム100内の各ファイバノードと関連付けられたメディアアクセス制御(MAC)ドメイン及びCM8を関連付けるようにUSインターフェース10及びDSインターフェース12をセットアップするためにCMTS4によって適用され得る。
【0028】
CMTSは、接続7を介して、ハイブリッドファイバ同軸(HFC)ネットワーク、受動光ネットワーク(PON)、又はそれらの組み合わせなどのネットワーク6に直接的又は間接的に接続される。ネットワーク6は、接続9を介してケーブルモデム8に接続する。DOCSISは、通信信号が、接続9及び7を介してDSインターフェース12を利用して、例えば、MSO2のヘッドエンドで、CMTS4からDSチャネル12Aを介してDS方向にネットワーク6を介して送信されると想定する。ネットワーク6はまた、接続9及び7を介して、USインターフェース10を利用して、CMからUS方向にUSチャネル10Aを介してCMTS4に通信信号を転送する。単一のUSチャネル10A及び単一のDSチャネル12Aのみが示されているが、本開示は、任意の数のUSチャネル10A及び任意の数のDSチャネル12Aを企図する。
【0029】
コンテンツプロバイダ1は、例えば、ストリーミングビデオプロバイダ又はMSO2を任意のコンテンツソースに接続するための任意のコンピュータであり得る。CMTS4とCM8との間の接続7及び9のうちの任意の1つ以上は、DOCSISネットワーク及び/又は光ファイバネットワーク(例えば、FTTH(ファイバトゥザホーム)又はFTTX(ファイバトゥザx)、又はハイブリッドファイバ同軸(HFC))、デジタル加入者回線(DSL)、公開切り替えデータネットワーク(PSDN)、グローバルTelexネットワーク、又は2G、3G、4G、5G若しくは6Gネットワークを使用して実装され得る。
【0030】
図1に示されるCM8の例示的な内部構成要素の詳細な説明が、図2の考察で提供される。しかしながら、一般に、CM8が、メモリ又はコンピュータ可読記録媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)に記憶されたコンピュータ可読命令の実行と一貫してコンピューティングタスクを実施するように適合された任意の好適な処理デバイスを包含する、MSOネットワーク100と関連付けられたデータ及び情報を受信、伝送、処理、記憶、及び/又は管理するように動作可能な電子部品又は電子コンピューティングデバイスを含むことが本開示によって企図される。
【0031】
更に、CM8のコンピューティング構成要素のうちのいずれか、全て、又はいくつかが、Linux(登録商標)、UNIX(登録商標)、Windows(登録商標)、MacOS、DOS、及びChromOSを含む任意のオペレーティングシステム、並びにカスタマイズされた及び専有のオペレーティングシステムを含む特定のオペレーティングシステムの実行を仮想化するように適合された仮想マシンを実行するように適合され得る。CM8は、MSOネットワーク100内の通信を可能にする任意のネットワークを介して他のコンピューティングデバイスとの通信を容易にする構成要素を更に備える。
【0032】
図2は、いくつかの例示的な実施形態による、図1のMSOネットワーク100における例示的なCM8の様々な構成要素を例解する、より詳細なブロック図である。
【0033】
図2は、1つのCM8のみを示すが、図に示されるCM8は、ネットワーク、例えば、図1に示されるMSOネットワーク100の1つ以上のCM8を表すことを意味する。CM8とネットワーク6との間の接続9、及び図2に示されるネットワーク6とCMTS4との間の接続7は、例示的な接続であることを意味しており、これらの構成要素又は要素の間の全ての可能な接続を示すことを意味せず、例えば、本開示は、間接的及び直接的な接続を企図する。加えて、CM8の数が図1及び図2に示される数に限定されないことが本開示によって企図される。
【0034】
ここで図2を参照すると、CM8は、コントローラ26、メモリ24、ネットワークインターフェース21、及び電源28を含み得る。CM8は、例えば、ケーブルモデム、インターネットプロトコル(IP)/セットトップボックス(STB)(限定されるものではないが、直交振幅変調(QAM)STBを含む)を含む任意のデバイス、又はオーディオ/ビデオコンテンツを復号化し、OTT又はMSO提供コンテンツを再生することが可能である他のデバイスのうちのいずれかの1つ以上の機能を組み合わせ得るハードウェア電子デバイスであり得る。電源28は、CM8の内部構成要素に電力を供給する。電源28は、コンセント(例えば、直接又は別のデバイスを介して)に接続された充電器を通じて給電されるインターフェースを有するバッテリパックなどの自己完結型電源であり得る。電源28はまた、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li-ion)、又はリチウムポリマー(Li-pol)バッテリなどの交換を可能にする、取り外され得る充電可能なバッテリを含み得る。
【0035】
ネットワークインターフェース21は、限定されるものではないが、CMTS4、ネットワーク6、MSO2、又は接続9、7、5のいずれか、若しくはそれらの組み合わせに従って通信プロトコルを使用するMSOネットワーク100の任意の他の要素若しくは構成要素との通信を可能にするために、ソフトウェア及び/又はハードウェアに実装された様々なネットワークカード、インターフェース、及び回路を含み得る(例えば、図1を参照して説明される)。例えば、ネットワークインターフェース21は、USチャネル10A、DSチャネル12A、又はその両方上のCM8の間の通信を可能にする。示されるように、ネットワークインターフェース21は、ネットワーク6との直接的な通信、及びCMTS4を介したMSO2との間接的な通信を可能にする。しかしながら、本開示は、MSOネットワーク100の任意の1つ以上の構成要素間の直接的及び/又は間接的な通信を企図する。
【0036】
ネットワークインターフェース21は、接続9に従う通信プロトコル(例えば、図1を参照して説明されるように、例えば、DOCSIS、PON、又はそれらの組み合わせ)を使用して、ネットワーク6との通信を可能にするために、様々なネットワークカード、並びにソフトウェア及び/又はハードウェアに実装された回路を含み得る。
【0037】
メモリ24は、限定されるものではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、データベース、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、EEPROM、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)の論理ブロック、ハードディスク、又は任意の他の様々な層のメモリ階層を含む、単一のメモリ又は1つ以上のメモリ若しくはメモリ場所を含む。メモリ24は、本開示に説明される実施形態によるCM8の再起動後に、メモリ24に記憶された1つ以上のイベントログ204と関連付けられたメモリ24に記憶された1つ以上のリセットコード202をCMTS4に報告するための、任意のタイプの命令、ソフトウェア、又はアプリケーション若しくはソフトウェア200を含むアルゴリズムを記憶するために使用される非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり得る。
【0038】
コントローラ26は、CM8の一般的な動作を制御するとともに、ネットワーク6を介したCMTS4への及びそれからの通信に関連する管理機能を実施する。例えば、CM8は、USチャネル10Aを介してCMTS4の上流に情報を通信し、DSチャネルDS12Aを介してCMTS4から下流で情報を受信し得る。コントローラ26は、限定されるものではないが、中央処理装置(CPU)、ネットワークコントローラ、ハードウェアマイクロプロセッサ、ハードウェアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、シングルコアプロセッサ、FPGA、マイクロコントローラ、ASIC、DSP、又は限定されるものではないが、CM8の再起動後にイベントログ204と関連付けられたアクセスコード204を報告することを含む本開示に説明される実施形態による1つ以上のリセットコード202を報告するためのアプリケーション200を含む任意のタイプの命令、アルゴリズム、若しくはソフトウェアを実行することが可能である他の同様の処理デバイスを含み得る。コントローラ26はまた、概して、プロセッサと称され得る。
【0039】
図3は、本開示の1つ又は実施形態による、CM8のリセット又は再起動と関連付けられた1つ以上のリセットコード202、イベントログ204、又はその両方をMSO2に報告するCM8のための方法を例解するフローチャートである。
【0040】
1つ以上の実施形態では、CM8は、CM8の再起動と関連付けられた1つ以上のリセットコードをMSOに報告するためのステップを実施するために1つ以上の命令(例えば、ソフトウェア又はアプリケーション200)でプログラムされた電子デバイスであり得る。図6では、図1及び図2を参照して上記に考察されたように、デバイスが、それらのそれぞれのコントローラ及びそれらのそれぞれのメモリに記憶されたそれらのそれぞれのソフトウェアを含むと仮定され、それらのそれぞれのコントローラによって実行されるときに、本開示の例示的な実施形態による機能及び動作を実施する(例えば、ソフトウェア又はアプリケーション200を含む)。
【0041】
CM8は、実行されるときに、ステップS110~S122の動作のうちの1つ以上を実施する、メモリ24に記憶された1つ以上のコンピュータ可読命令を実行するコントローラ26を備える。1つ以上の実施形態では、1つ以上の命令は、1つ以上のソフトウェアアプリケーション、例えば、1つ以上のソフトウェア又はアプリケーション200であり得る。ステップS110~S122が特定の順序で提示されるが、本開示は、任意の1つ以上のステップが、同時に、実質的に同時に、繰り返し、任意の順序で実施することができるか、又は全く実施しない(省略する)ことができることを企図する。
【0042】
ステップS110では、リセットがCM8で実施される。本開示は、「リセット」という用語を使用するが、本開示は、CM8の初期化及び/又は再初期化、例えば、構成のリセット、CM8の再起動、又はCM8の任意の他の再初期化若しくは初期化を引き起こす1つ以上の命令の任意のサイクルを企図する。
【0043】
ステップS112では、CM8のソフトウェア又はアプリケーション200は、DSチャネル12A、USチャネル10A、又はその両方のスキャンを実施し、DSチャネル12A及びUSチャネル10Aは、MSOネットワーク100のMSO2に通信可能に結合される。例えば、ステップS114に示されるように、CM8は、まずDSチャネル12Aがロックされているかどうかを判定するためにDSチャネル12Aをスキャンするか、CM8は、CM8のリセット前に保守が失敗したかどうかを判定するか、又はその両方である。1つ以上の実施形態では、保守障害のこの判定は、少なくとも部分的に、1つ以上のイベントログ204に基づき得る。DSチャネル12Aがロックされ、かつCM8の保守がリセット前に失敗しなかった場合、方法は、CM8に動作状態を完了させるための既定の手順に従って継続する。DSチャネル12がロックされていない場合、及び/又はCM8のリセット前にCM8の保守が失敗した場合、CM8は、USチャネル10Aをスキャンすることによっても継続し得る。次いで、DSチャネル12A及びUSチャネル10Aのスキャンが、ステップS116の診断の一部として使用される。一例として、図1に例解されるように、CM8は、CMTS4が接続5を介してMSO2に更に接続される接続7を介してCM8をCMTS4に接続するネットワーク6にCM8を接続する接続9のDSチャネル12A及びUSチャネル10Aをスキャンする。各スキャンは、DSチャネル12A、USチャネル10A、又はその両方と関連付けられた1つ以上の問題点を示し得る。
【0044】
ステップS116では、CM8のソフトウェア又はアプリケーション200は、ステップS114のスキャンに少なくとも部分的に基づいて、DSチャネル12A、USチャネル10A、又はその両方における問題点がリセットを引き起こしたかどうかを判定する。MSO2が、CM8をリセットさせる、USチャネル10Aと関連付けられたUSチャネル10及び/又はDSチャネル12Aと関連付けられたDSインターフェース12に関連する任意の問題点に直面するときはいつでも、MSO2にとって、USチャネル10A及び/又はDSチャネル12Aのうちのどれが問題点を有したか、又はリセットの原因がUSチャネル10A及び/又はDSチャネル12Aに少しでも起因する場合などであっても、CM8のリセットの原因を判定することは難しい可能性がある。例えば、1つ以上の命令を備えるソフトウェア又はアプリケーション200は、プロセッサ26によって実行されて、USチャネル10A、DSチャネル12A、又はその両方の問題点が、CM8をリセット又は再起動させたかどうかを判定する。ソフトウェア又はアプリケーション200は、CM8のリセットが、例えば、電力障害、電力リセット、又はCM8の電力の切断に起因したのではなく、むしろDSチャネル12A、USチャネル10A、又はその両方の障害に起因したと判定し得る。
【0045】
ステップS118では、USチャネル10A、DSチャネル12A、又はその両方における問題点が、CM8のリセットを引き起こしたという判定に応答して、CM8のソフトウェア又はアプリケーション200は、ステップS116からのスキャン、イベントログ204、又はその両方に基づいて、CM8のリセットと関連付けられた1つ以上のリセットコード202を判定する。CM8は、CM8と関連付けられた任意の1つ以上のイベントと対応する1つ以上のイベントログを記憶し得る。例えば、DOCSISは、ケーブルモデムのリセットと関連付けられた様々なコードを定義するが、これらのコードは、USインターフェース10/USチャネル10AとDSインターフェース12/DSチャネル12Aとの間で問題点を区別しない。しかし、ソフトウェア又はアプリケーション200は、USチャネル10A、DSチャネル12A、若しくはその両方のスキャン、1つ以上のイベントログ204、又はそれらの組み合わせを利用して、CM8のリセットを引き起こした問題点と関連付けられたチャネルに関する追加の情報を含む1つ以上のリセットコード202を判定し得る。1つ以上の実施形態では、イベントログは、1つ以上のリセットコードを含む。
【0046】
一例では、CM8のソフトウェア又はアプリケーション200は、DSチャネル12Aが、DSチャネル12Aの電力レベルによって示されるようにエネルギーの損失を有するかどうかを判定し得る。典型的には、DSチャネル12A当たりの下流電力レベルは、+15デシベルミリボルト(dBmV)~-15dBmVである。ソフトウェア又はアプリケーション200は、DSチャネル12Aをスキャンして、DSチャネル12Aの電力レベルを判定し得る。DSチャネル12Aの電力レベルが、閾値、例えば、-15dBmVを下回ると判定される場合、1つ以上のリセットコード202は、下流チャネル損失(例えば、DS_Loss)を示すように設定され得る。
【0047】
一例では、CM8のソフトウェア又はアプリケーション200は、例えば、DSチャネル12A上の減衰/ノイズに起因して、CM8がDSチャネル12Aを取得することに失敗したかどうかを判定し得る。例えば、64QAMの典型的な下流信号対ノイズ比(SNR)は、23.5dB以上であり、256QAMかつ-5dB~+15dBの下流電力レベルでは、30dB以上であり、-6dB~+15dBの下流電力レベルを有する256QAMでは、33dB以上である。ソフトウェア又はアプリケーション200は、DSチャネル12Aをスキャンして、SNR又は減衰/ノイズを判定し得る。SNR又は減衰/ノイズが、DSチャネル12Aを取得することの失敗を示すとして判定された場合(例えば、SNR又は減衰/ノイズを閾値と比較することによって)、ソフトウェア又はアプリケーション200は、そのような一次下流障害又は損失(Prime_DS_Loss)を示すように1つ以上のリセットコード202を設定し得る。1つ以上の実施形態では、DSチャネル12Aの電力レベルは、例えば、約-11.0dBmVで、典型的な電力レベルの間であり得るが、一方、SNR又は減衰/ノイズは、1つ以上のリセットコードが、Prim_DS_Lossを示すが、DS_Lossを示さないように設定されるように、障害を示すレベルにある。
【0048】
一例では、CM8のソフトウェア又はアプリケーション200は、USチャネル10Aを取得することの失敗を判定し得る。1つ以上の実施形態では、ソフトウェア又はアプリケーション200は、例えば、USチャネル10Aが、USチャネル10Aの電力レベルによって示されるようにエネルギーの損失を有するかどうかを判定し得る。USチャネル10A当たりの典型的な電力レベルは、1つのチャネルに関して35dBmV~57dBmV、2つのチャネルに関して35dBmV~54dBmVである。ソフトウェア又はアプリケーション200は、USチャネル10Aをスキャンして、例えば、USチャネル10Aの電力レベルを判定し得る。USチャネル10Aの電力レベルが、閾値、例えば、35dBmVを下回ると判定される場合、1つ以上のリセットコード202は、上流チャネル損失(例えば、US_Loss)を示すように設定され得る。1つ以上の実施形態では、ソフトウェア又はアプリケーション200は、DSチャネル12Aが、USチャネル10Aを取得することの失敗を判定する前に取得されたかどうかを判定する。
【0049】
本開示は、上記に示されるように例示的な出力レベル、SNR、減衰/ノイズ、又は他の境界を提供するが、本開示は、任意のタイプのCM8の任意の様々な許容可能な又は指定のレベル又は範囲を企図する。
【0050】
ステップS120では、CM8のソフトウェア又はアプリケーション200は、1つ以上のリセットコード202、イベントログ204、又はその両方に少なくとも部分的に基づいて、セルフヒーリングを実施し得る。例えば、DOCSISは、CM8のための1つ以上のセルフヒーリングプロトコル又はステップを含み得る。
【0051】
ステップS122では、CMは、CMが動作していると判定し、それにより、MSOとの接続又は通信リンクが確立され、それにより、CMがMSOへの/からの通信を送信/受信し得る。
【0052】
ステップS124では、CM8のソフトウェア又はアプリケーション200は、1つ以上のリセットコード202、イベントログ204、又はその両方をMSO2に送信する。例えば、CM8は、1つ以上のリセットコード202をMSO2に通信するMSOネットワーク100のCMTS4にイベントログの一部として、又はイベントログとは別に、1つ以上のリセットコード202を送信し得る。1つ以上の実施形態では、1つ以上のリセットコード202、イベントログ204、又はその両方は、シンプルネットワーク管理プロトコル(SNMP)メッセージの一部としてMSOに送信される。例えば、1つ以上のリセットコード202、イベントログ、又はその両方をMSO2に送信することは、MSOが、CMに向けられたSNMP管理情報ベース(MIB)ポーリングを開始し、その後で、CMがMSOへのSNMPメッセージの一部として1つ以上のリセットコードで応答すること、又はCMが、1つ以上のリセットコードを示すSNMPトラップ(例えば、ペイロードの一部として、又は固有の物体識別子(OID)として)を用いてMSOにSNMPトラップを送信することを含む。
【0053】
本明細書に開示される発明の概念のいくつかの例示的な実施形態によると、CMのリセットと関連付けられた1つ以上のリセットコードをMSOに報告するための新規の解決策が提供される。加えて、1つ以上のリセットコードとともに、1つ以上のイベントコードを利用する方法が提供される。1つ以上の実施形態では、CM8は、ソフトウェア又はアプリケーション200が、DSチャネル12A、USチャネル10A、又はその両方が取得又は回復されるかどうかを判定するまで、ステップS110~S122のうちの任意の1つ以上を実施するように、ソフトウェア又はアプリケーション200を実行することを継続する。
【0054】
本発明の各要素は、構成要素のうちのいずれか又はその組み合わせの機能を実施するように、プロセッサを制御するメモリ上に専用ハードウェア又はソフトウェアプログラムを実装することによって構成され得る。構成要素のいずれかは、例えば、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体からソフトウェアプログラムを読み出し、実行するCPU又は他のプロセッサとして実装され得る。上記に開示されるプロセスは、ソフトウェア、アプリケーション(アプリ、若しくはモバイルアプリ)、又はコンピュータプログラムによって影響され得るアルゴリズムの例を構成する。ソフトウェア、アプリケーション、コンピュータプログラム、又はアルゴリズムは、電子装置内のプロセッサなどのコンピュータを命令するための非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されて、本明細書に説明され、図面に示される方法又はアルゴリズムを実行し得る。また、プログラム、アプリケーション、コンポーネント、又はコードとも称され得るソフトウェア及びコンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサ用の機械命令を含み、高水準の手続き言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数プログラミング言語、論理プログラミング言語、又はアセンブリ言語若しくは機械言語で実装され得る。
【0055】
「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータ可読信号として機械命令を受信するコンピュータ可読媒体を含む、機械命令又はデータをプログラマブルデータプロセッサに提供するために使用される、磁気ディスク、光ディスク、ソリッドステートストレージデバイス(SSD)、メモリ、及びプログラマブル論理デバイス(PLD)などの任意のコンピュータプログラム製品、装置、又はデバイスを指す。一例として、コンピュータ可読媒体は、DRAM、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、若しくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、若しくは他の磁気ストレージデバイス、又は命令若しくはデータ構造の形態で所望のコンピュータ可読プログラムコードを担持若しくは記憶するために使用され得、かつ汎用若しくは専用コンピュータ、又は汎用若しくは専用プロセッサによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含み得る。本明細書で使用される場合、ディスク(disk)又はディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、及びブルーレイディスクを含む。上記の組み合わせはまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0056】
特許請求の範囲で使用されるとき、「備える」又はその派生語は、特許請求の範囲の構造又は方法における他の要素又はステップの存在を除外することを意図するものではない非排他的な意味で使用される。明細書における説明において、及びそれに続く特許請求の範囲にわたって使用された場合には、「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に他のことを指示していない限りにおいて、複数の参照を含む。また、明細書における説明において、及びそれに続く特許請求の範囲にわたって使用された場合には、「in」の意味は、文脈が明確に他のことを指示していない限りにおいて、「in」及び「on」を含む。1つ以上の実施形態では、「することが可能である」、「するように構成される」、又は「するように動作可能」という句の使用は、特定の様式でその使用を可能にするように設計された、いくつかの装置、論理、ハードウェア、及び/又は要素を指す。
【0057】
本発明の概念の原理が、特定のデバイス、装置、システム、アルゴリズム、プログラム、及び/又は方法に関連して上記に説明されてきたが、本説明は、限定としてではなく、単に例として行われることが明確に理解されるべきである。上記の説明は、特定の実施形態の態様がどのように実装され得るかの例とともに様々な例示的な実施形態を例解し、以下の特許請求の範囲によって定義される特定の実施形態の柔軟性及び利点を例解するために提示され、唯一の実施形態であるとみなされるべきではない。当業者は、上記の開示及び以下の特許請求の範囲に基づいて、特許請求の範囲によって定義される本明細書の範囲から逸脱することなく、他の配置、実施形態、実装態様、及び均等物が採用され得ることを理解するであろう。本開示の構成要素及び機能の実装態様は、上記に実装された技術のいずれかを置き換え得る、任意の新たに発生する技術を用いて行われ得ることが企図される。したがって、本明細書及び図は、制限的な意味ではなく、例解的な意味でみなされるべきであり、そのような修正は全て、本発明の範囲内に含まれることが意図される。任意の利益、利点、若しくは解決策が生じるか、又はより顕著になることをもたらし得る利益、利点、問題に対する解決策、及び任意の要素は、請求項のいずれか一項又は全ての重要な、必要な、若しくは不可欠な特徴又は要素として解釈されるべきではない。本開示は、本出願の係属中になされた任意の補正を含む添付の特許請求の範囲、及び発行されたこれらの請求項の全ての同等物によってのみ定義される。
図1
図2
図3
【国際調査報告】