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特表2023-537974性能を強化した構成可能な多目的クロスフロー風力タービン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】性能を強化した構成可能な多目的クロスフロー風力タービン
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/06 20060101AFI20230830BHJP
   F03D 3/04 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
F03D3/06 Z
F03D3/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509758
(86)(22)【出願日】2021-08-09
(85)【翻訳文提出日】2023-02-17
(86)【国際出願番号】 US2021045216
(87)【国際公開番号】W WO2022035759
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】63/063,955
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523046512
【氏名又は名称】ベロシティ ウィンド タービンズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】VELOCITY WIND TURBINES LLC
【住所又は居所原語表記】PO Box 9004. Austin, Texas 78766 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】パーデン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】セブリン,ポール
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA12
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB31
3H178CC02
3H178DD27X
(57)【要約】
風力タービンロータは、軸と、軸の周りに等間隔に配置された複数の一次ブレードと、複数の一次ブレードの一次ブレードの間の軸の周りに配置された複数の二次ブレードとを含む。複数の二次ブレードのおのおのの二次ブレードは、複数の一次ブレードのおのおのの一次ブレードよりも小さい。
【選択図】 図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンロータであって、
軸と、
前記軸周りに等間隔に配置された複数の一次ブレードと、 前記複数の一次ブレードの一次ブレード間の前記軸周りに配置された複数の二次ブレードであって、前記複数の二次ブレードのおのおのの二次ブレードが前記複数の一次ブレードのおのおのの一次ブレードよりも小さいものとを含む風力タービンロータ。
【請求項2】
請求項1に記載の風力タービンロータであって、おのおのの二次ブレードの長さが前記風力タービンロータの直径の20%から50%の範囲であるところの風力タービンロータ。
【請求項3】
請求項1乃至請求項2に記載の風力タービンロータであって、前記おのおのの二次ブレードの頂点が前記おのおのの二次ブレードの内周点から前記おのおのの二次ブレードの前記長さに沿って40%乃至90%であるところの風力タービンロータ。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の風力タービンロータであって、前記おのおのの二次ブレードの長さが前記おのおのの一次ブレードの前記長さの20%乃至85%であるところの風力タービンロータ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の風力タービンロータであって、前記おのおのの二次ブレードの内周点が前記風力タービンロータの前記軸から外径まで延伸する半径に沿って45%乃至85%であるところの風力タービンロータ。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載の風力タービンロータであって、前記おのおのの二次ブレードの内周点が前記おのおのの一次ブレードの内周点よりも前記軸から離れているところの風力タービンロータ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の風力タービンロータであって、前記おのおのの二次ブレードと前記おのおのの一次ブレードとの間の出口点における面積が前記おのおのの二次ブレードと前記おのおのの一次ブレードとの間の入口点における面積よりも小さいところの風力タービンロータ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の風力タービンロータであって、前記おのおのの二次ブレードと前記おのおのの一次ブレードとの間の出口点における面積が前記おのおのの二次ブレードと前記おのおのの一次ブレードとの間の入口点における面積の65%乃至90%であるところの風力タービンロータ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の風力タービンロータであって、前記おのおのの一次ブレードの内周点が前記風力タービンロータの前記軸から外径までの半径に沿って5%乃至50%であるところの風力タービンロータ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の風力タービンロータであって、前記おのおのの一次ブレードの長さが前記風力タービンロータの直径の40%乃至90%であるところの風力タービンロータ。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の風力タービンロータであって、前記おのおのの一次ブレードの曲率深さが前記おのおのの一次ブレードの前記長さの10%乃至60%であるところの風力タービンロータ。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の風力タービンロータであって、前記複数の一次ブレードと前記複数の二次ブレードとの間に配置された複数の三次ブレードをさらに含むところの風力タービンロータ。
【請求項13】
請求項12に記載の風力タービンロータであって、前記複数の三次ブレードのおのおのの三次ブレードが前記複数の二次ブレードの前記おのおのの二次ブレードよりも小さいところの風力タービンロータ。
【請求項14】
請求項12に記載の風力タービンロータであって、前記複数の三次ブレードのおのおのの三次ブレードが前記風力タービンロータの直径の10%乃至25%の相対長さを有するところの風力タービンロータ。
【請求項15】
請求項12に記載の風力タービンロータであって、前記複数の三次ブレードのおのおのの三次ブレードが前記おのおのの三次ブレードの長さの8%乃至22%の曲率深さを有するところの風力タービンロータ。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか一項に記載の風力タービンロータであって、前記風力タービンロータの前記軸が垂直に配置されるところの風力タービンロータ。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれか一項に記載の風力タービンロータであって、前記風力タービンロータの前記軸が水平に配置されるところの風力タービンロータ。
【請求項18】
電気を生成するための風力タービンシステムであって、前記風力タービンシステムが、
発電機と、
風力タービンロータであって、
前記発電機に機械的に結合された軸と、
前記軸周りに等間隔に配置された複数の一次ブレードと、
前記複数の一次ブレードの一次ブレード間の前記軸周りに配置された複数の二次ブレードであって、前記複数の二次ブレードのおのおのの二次ブレードが前記複数の一次ブレードのおのおのの一次ブレードよりも小さいものとを含むものとを含む風力タービンシステム。
【請求項19】
請求項18に記載の風力タービンシステムであって、前記軸が機械的に直接結合されるところの風力タービンシステム。
【請求項20】
請求項18に記載の風力タービンシステムであって、前記軸が、チェーンおよびスプロケット、ギア、ベルトおよびプーリーシステム、摩擦駆動、流体駆動、または連続可変トランスミッション(CVT)を使用して機械的に連結されるところの風力タービンシステム。
【請求項21】
請求項18乃至20のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記風力タービンロータの周りに分配された固定位置に配置された複数のオーグメンタをさらに含む風力タービンシステム。
【請求項22】
請求項21に記載の風力タービンシステムであって、前記複数のオーグメンタの1つのオーグメンタがまっすぐであるところの風力タービンシステム。
【請求項23】
請求項21に記載の風力タービンシステムであって、前記複数のオーグメンタの1つのオーグメンタが湾曲しているところの風力タービンシステム。
【請求項24】
請求項23に記載の風力タービンシステムであって、前記湾曲したオーグメンタが放物線形、円形、楕円形、双曲線形、インボリュート曲線形、または複雑な曲線を含む形状を有するところの風力タービンシステム。
【請求項25】
請求項21に記載の風力タービンシステムであって、前記複数のオーグメンタの1つのオーグメンタが前記軸から延伸する半径方向に対して10°乃至90°の範囲の角度で配置されるところの風力タービンシステム。
【請求項26】
請求項21に記載の風力タービンシステムであって、前記複数のオーグメンタのうちの1つのオーグメンタが前記風力タービンロータの直径の0.1乃至10倍の範囲の長さを有するところの風力タービンシステム。
【請求項27】
請求項26に記載の風力タービンシステムであって、前記長さが前記風力タービンロータの前記直径の0.5乃至5倍であるところの風力タービンシステム。
【請求項28】
請求項18乃至27のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記おのおのの二次ブレードの長さが前記風力タービンロータの直径の20%乃至50%の範囲内であるところの風力タービンシステム。
【請求項29】
請求項18乃至28のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記おのおのの二次ブレードの頂点が前記おのおのの二次ブレードの内周点から前記おのおのの二次ブレードの前記長さに沿って40%乃至90%であるところの風力タービンシステム。
【請求項30】
請求項18乃至29のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記おのおのの二次ブレードの長さが前記おのおのの一次ブレードの前記長さの20%乃至85%であるところの風力タービンシステム。
【請求項31】
請求項18乃至30のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記おのおのの二次ブレードの内周点が前記風力タービンロータの前記軸から外径まで延伸する半径に沿って45%乃至85%であるところの風力タービンシステム。
【請求項32】
請求項18乃至31のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記おのおのの二次ブレードの内周点が前記おのおのの一次ブレードの内周点よりも前記軸から離れているところの風力タービンシステム。
【請求項33】
請求項18乃至32のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記おのおのの二次ブレードと前記おのおのの一次ブレードとの間の出口点における面積が前記おのおのの二次ブレードと前記おのおのの一次ブレードとの間の入口点における面積よりも小さいところの風力タービンシステム。
【請求項34】
請求項18乃至33のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記おのおのの二次ブレードと前記おのおのの一次ブレードとの間の出口点における面積が前記おのおのの二次ブレードと前記おのおのの一次ブレードとの間の入口点における面積の65%乃至90%であるところの風力タービンシステム。
【請求項35】
請求項18乃至34のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記おのおのの一次ブレードの内周点が前記風力タービンロータの前記軸から外径までの半径に沿って5%乃至50%であるところの風力タービンシステム。
【請求項36】
請求項18乃至35のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記おのおのの一次ブレードの長さが前記風力タービンロータの直径の40%乃至90%であるところの風力タービンシステム。
【請求項37】
請求項18乃至36のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記おのおのの一次ブレードの曲率深さが前記おのおのの一次ブレードの前記長さの10%乃至60%であるところの風力タービンシステム。
【請求項38】
請求項18乃至37のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記複数の一次ブレードと前記複数の二次ブレードとの間に配置された複数の三次ブレードをさらに含む風力タービンシステム。
【請求項39】
請求項38に記載の風力タービンシステムであって、前記複数の三次ブレードのおのおのの三次ブレードが前記複数の二次ブレードの前記おのおのの二次ブレードよりも小さいところの風力タービンシステム。
【請求項40】
請求項38に記載の風力タービンシステムであって、前記複数の三次ブレードのおのおのの三次ブレードが前記風力タービンロータの直径の10%乃至25%の相対長さを有するところの風力タービンシステム。
【請求項41】
請求項38に記載の風力タービンシステムであって、前記複数の三次ブレードのおのおのの三次ブレードが前記おのおのの三次ブレードの長さの8%乃至22%の曲率深さを有するところの風力タービンシステム。
【請求項42】
請求項18乃至41のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記風力タービンロータの前記軸が垂直に配置されるところの風力タービンシステム。
【請求項43】
請求項18乃至42のいずれか一項に記載の風力タービンシステムであって、前記風力タービンロータの前記軸が水平に配置されるところの風力タービンシステム。
【請求項44】
発電方法であって、前記方法が、風力タービンシステムを風の通り道に設置するステップを含み、前記風力タービンシステムが、
発電機と、
風力タービンロータであって、
前記発電機に機械的に結合された軸と、
前記軸周りに等間隔に配置された複数の一次ブレードと、
前記複数の一次ブレードの一次ブレード間の前記軸周りに配置された複数の二次ブレードであって、前記複数の二次ブレードのおのおのの二次ブレードが前記複数の一次ブレードのおのおのの一次ブレードよりも小さいものとを含むものとを含む発電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月10日に出願された米国仮出願第63/063,955号の利益を主張したものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、再生可能エネルギーの分野に関し、より詳細には、クロスフローまたは横断軸流用途向けに設計された風力タービンに関する。
背景
【0003】
風力タービンは、風力タービンから生成された電力を配備場所で直接使用したり、送電網に誘導したり、エネルギー貯蔵システムに蓄えたりできる特定場所に容易に配備することができる。風力タービンは、地域のマイクログリッドにも寄与しており、複数の施設にサービスを提供している。そのため、風力発電は、多くの状況で望ましい代替エネルギー源となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の風力タービンは、非効率性および低電力状況に悩まされている。特に、従来の抵抗式風力タービンは、風が戻りブレードに衝突するときに生じる非効率性に悩まされている。このような従来の抵抗式風力タービンは、自己始動の問題でも知られている。
【0005】
したがって、改良された風力タービンが望まれている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面を参照することにより、当業者には、本開示がよりよく理解され、その多数の特徴および利点が明らかになるであろう。なお、図面は、本発明の理解を助けるために提供されており、おのおのの図面内に具体的に示されているものに限定することを意図していない。本発明は、本明細書で説明したのと同じ動作原理を利用するさまざまな構成で利用することができる。
【0007】
図1は、風力タービンの例を示す部分断面図である。
【0008】
図2は、風力タービンロータの構成例を示す断面図である。
【0009】
図3は、風力タービンロータアセンブリの例の断面図である。
【0010】
図4は、風力タービンロータアセンブリの例の断面図である。
【0011】
図5は、軸に対する風力タービンロータの配置例の等角投影3次元表示である。
【0012】
図6は、風力タービンロータの例の断面図である。
【0013】
図7は、4つの一次ブレードと4つの二次ブレードとを使用した風力タービンロータの例の断面図である。
【0014】
図8は、4つの一次ブレードと8つの二次ブレードとを使用した風力タービンロータの例の断面図である。
【0015】
図9図10、および図11には、風力タービンシステムの例のイラストが示されている。
【0016】
図12図13図14図15図16図17図18図19図20、および図21には、オーグメンタを含む風力タービンシステムの例のイラストが示されている。
【0017】
異なる図面において同じ参照記号を使用している場合、類似または同一の項目を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
一例では、風力タービンは、回転中の風力タービンの性能を向上させるために互いに作用する一次および二次ブレードを使用する。強化された性能は、一次ブレードと二次ブレードの両方の凸面と凹面を流れる風力をさらに集中させ、有用なエネルギーに変換するために、二次ブレードを一次ブレード内に配置することによって達成される。
【0019】
抵抗式クロスフロー構成が説明されるが、ここでは、風力タービンの性能(または出力)を向上させるために例示的なロータ設計が利用される。性能の向上は、例えば、回転軸によって画定される軸の周りの複数の一次ブレード(またはスクープ)を備えたロータを構成し、さらに、一次ブレードの間に二次ブレードの追加のセットを配置することによって達成され、ここで、二次ブレードの位置および形状(または構成)が、風から追加のエネルギーを直接取得すると同時に、追加の風力を一次ブレードセットにリダイレクトする。
【0020】
本明細書では、「ブレード」および「スクープ」という用語は、説明中に交換可能に使用される場合がある。一般に、風と直接作用する風力タービンの部品はブレードと呼ばれる。典型的な実用規模の風力タービンのブレードは、フォイルまたはリフトベースの設計である。抵抗式風力タービンのブレードは、一般的にスクープの形をしているが、一般的にブレードとも呼ばれる。「ロータ」という用語は、軸を取り囲み、オプションで、軸を定義する中央軸または軸に取り付けられたブレードの完全なセットを指す。
【0021】
「構成」という用語は、個々の一次または二次ブレードの全体的な形状、サイズ、曲率、深さ、および角度を表すために使用される場合がある。構成の同じ用語は、完全なロータを記述するために使用することもできるが、ここで、ロータの構成は、それぞれが独自の構成を持ち、中心シャフトまたは軸を取り囲むか、または中央シャフトに取り付けられた、一次および二次ブレードの個々のセットを含む完全なロータを表す。
【0022】
図1は、風力タービンの例の部分断面を表す。部分断面図は、風力タービンの動作原理を示すために提供されている。風力タービンは、垂直または水平の向きにすることができる。図1において、風向きが右から水平に向かう場合の部分断面が示されている。図1のさらなる指標は、風が風力タービンと作用して回転するときの風の通り道を示している。明確にするために、風の作用は点線で示され、回転の方向は破線で示されている。
【0023】
この図で、この角度では、一次ブレード101Aは、凹面がほとんど風に面しており、軸103を回転させるために風の力を受けている位置に示されている。この図では、軸の回転は反時計回りである。
【0024】
別の一次ブレード101Bが、この回転点の間の軸に対する位置で示されている。この位置にある間、一次ブレード101Bは、一次ブレード101Bの上を通過する気流を一次ブレード101Aにリダイレクトことによって、一次ブレード101Aに作用するように示されている。
【0025】
二次ブレード102Aは、追加の風捕捉表面積をロータに加え、また、その前後の一次ブレード(101A、101B)と作用して、効率を高めるプラスの効果をもたらす。
【0026】
風が一次ブレード101Bの上部を横切って流れると、部分的に二次ブレード102Aに導かれ、回転トルクを増加させ、一次ブレード101Aにも導かれ、回転トルクにさらに寄与する。この方法では、おのおののブレードの周りを流れるバイパス空気を利用して、風のエネルギーを隣接するブレードに集中させながら、風の一部をロータに流すことでプラスの効果を得ることができる。
【0027】
二次ブレード102Aはさらに、その位置および構成(または軸に対する形状および角度)を通じて、流入する風に基づく空気流の加速をリダイレクトし、ロータの一次ブレードと二次ブレードの間でわずかに圧縮できるようにすることによって寄与する。
【0028】
回転中、一次ブレードと二次ブレードの両方が、直接的な風力によって、および他のブレードへのリダイレクトによって、軸に伝達されるトルク全体に寄与する役割を交互に果たす。この効果は、添付の図2を使用してさらに詳細に説明されるように、「連続サイクル」と呼ばれる。
【0029】
図2は、ロータの例の断面図を示す。風はここでも右から来るように示され、ロータは、3つの一次ブレード201A、201B、201C、および3つの二次ブレード202A、202B、202Cと共に示されている。
【0030】
回転中、このロータ構成は、複数の利点を提供する風の作用の連続サイクルを形成する。前述のように、一次ブレードと二次ブレードの両方が軸に回転トルクを提供する役割を果たし、風の流れをブレードに隣接する、またはほぼ隣接するブレードに集中させる。
【0031】
ロータへの風の流れは、個々のブレード(一次および二次ブレード)によって捕捉されて直接トルクを軸に伝達するとともに、隣接するブレードにリダイレクトされる。この効果により、ロータ内のおのおののブレードが軸の回転に寄与できるトルクの量がさらに増加する。
【0032】
図2は、特定の風の向きに対して特定の角度にあるロータを示しているが、記載されたロータの利点は、例えば、図4でさらに示されているように、特定の回転角度または入ってくる風の向きに限定されない。
【0033】
本明細書に記載の例示的なロータ構成から実現される追加の利点は、クロスフロー風力タービンのブレード数を増やす際に、一般に「戻り抵抗」と呼ばれるものが減少することである。
【0034】
図3に示されるように、例示するロータ構成は、回転中に軸に作用するブレードへの風の集中の連続サイクルを超えた追加の利点を提供する。例示するロータ構成は、回転中に風の中に戻るクロスフロー風力タービンロータの部分の戻り抵抗を低減する遮蔽効果を提供する。従来のクロスフロー風力タービンにおける戻り抵抗の影響は、そのような風力タービンの性能特性における周知の制限要因となっている。
【0035】
戻り抵抗低減の利点をよりよく理解するために、この時点で、サボニウス型風力タービンのブレードの数を増やすことに関連するいくつかの問題を簡単に説明することが有益であろう。サボニウスベースの風力タービンでブレードの数を増やすと、性能が低下する可能性があることがわかっている。これは直感に反するように思えるかもしれないが、簡単に説明できる。例えば、一次ブレードの数を3から6に増やすと、ブレードの内側の点(軸に最も近いブレードの点)は、より直接軸に向けられ、追加のブレードに必要なスペースに対応する。この場合、より多くのブレードを追加することによるパフォーマンスの向上という意図された効果は、さまざまな理由で減少または無効になる可能性がある。例えば、入ってくる風は、入ってくる風の方向に対して、おのおののブレードの前にある次のブレードによって、おのおののブレード上で実質的に遮られる可能性がある。また、ロータの戻り抵抗は、同じ構成のブレードをさらに追加することから期待されるプラスの効果と比較すると、不釣り合いに増加する可能性がある。さらに、風は中心軸に向かってより内側に導かれるため、横方向に流れる風を有効な回転トルクに変換する効果が低下する。
【0036】
現在の風力タービンとロータの実施形態は、クロスフロー風力タービンロータにブレードを追加することを可能にするソリューションを提供し、リターン抵抗の悪影響を低減しながら性能の有益な向上を提供する。軸の周りに交互のブレードプロファイル構成を使用することにより、上記の問題を有益な効果に変えることができる。図3は、6つのブレード(3つの一次ブレードおよび3つの二次ブレード)を使用するロータ構成を示す。性能を向上させるために、一次ブレードセットと二次ブレードセットは異なる構成になっている。
【0037】
図1で特に示されているものは、二次ブレード302B、一次ブレード301C、および二次ブレード302Cについて、風に戻る回転の戻り側におけるタービンロータと流入風との間の作用である。ロータに流入する風の向きは、ロータの軸の中心点を直接指す破線で示される。図3にも示されているものは、「回転に向いた風向き」および「回転と反対の風向き」という追加の指標であり、風の中心点の上と下の軸に直接向いた点での、点線で示されているロータへの風の流れを示している。
【0038】
この図では、二次ブレード302Bは、入ってくる風に最も直接的に対向しており、回転している。風パターンは、入ってくる風に対して二次ブレード302Bのほぼ前方で変位する。変位した風のパターンは、「変位風」を示すテキストの上下に点線の矢印で示されている。二次ブレード302Bは、風の一部を変位させて、風力タービンロータに流入させ、最も直接的に一次ブレード301Bに流入させ、ここで、一次ブレード301Bからの排気風の一部が一次ブレード301Aに作用し、回転トルクにさらに寄与する。さらに図示されるように、二次ブレード302Bは、回転の中心から外向きに別の部分を変位させる。このロータ構成の効果により、回転軸の周りで二次ブレード302Bに追従する一次ブレード301Cに遮蔽効果が与えられる。さらに、図示の風角に対するこの位置では、一次ブレード301Cに続く二次ブレード302Cが一次ブレード301Cによって完全に遮蔽される。
【0039】
風力タービンロータがその回転軸の周りを回り続けると、一次および二次ブレードのそれぞれが、軸にトルクを伝達し、隣接するブレードを補強し、後続のブレードを遮蔽する機能を果たす。
【0040】
実施形態の主な機能および利点をさらに説明するために、図4を示すが、ここで、図3に図示されたロータ構成は、図3に図示された角度に対して、中心軸、例えば、軸(303または403)の周りに反時計回りに60度回転される。
【0041】
図4において、風は、図3に示すように、実質的に右から風力タービンロータに向かうように示されている。図4に示すロータの回転角において、二次ブレードは、ここで、図3に示されるように、風と軸(303、403)に対して一次ブレードの位置に移動される。
【0042】
図4に示すように、有益な風の集中効果は、この回転角度の間、発生し続ける。この角度で見ると、二次ブレード402Bは、入ってくる風に最も直接に対向している。風が二次ブレード402Bの上部を横切って流れると、風は、一次ブレード401Bに集中する。二次ブレード402Bの下を風が流れると、この位置では、上向きに二次ブレード402Bの凹面に向かう風がさらに集中する。この構成で、また、この位置では、ブレード402Bとブレード401Cを通過する風の別の部分がロータ軸を通過して出て、一次ブレード401Aに下向きの力を与える。これは、一次ブレード401Aの上の「排気風」の破線矢印線およびラベルによって図4で示されている。
【0043】
別の利点は、排気風の有益な利用である。図4に示されたロータ構成は、一部の排気風を風力タービンロータの流入風とは反対側から流出させることを可能にし、排気風がさらにロータアセンブリによって軸に伝達される回転トルクに寄与する下向きの力にさら寄与する。
【0044】
図1~4で表示された一次および二次ブレードの角度、曲率、相対サイズ、および位置は、タービンおよびロータの実施形態の基本的な作動原理と利点を理解することを目的としている。一次ブレードと二次ブレードの角度、曲率、形状、相対的なサイズ、および配置は、ロータのさまざまな構成に合わせて変更しても、同じ利点を実現することができる。
【0045】
図4図3と比較すると、追加の利点は明らかである。図4で示す別の角度からも明らかなように、回転中、軸の回転を駆動する風力の分布は、回転中に軸に伝達される全体的な力と組み合わせた力に対する一次および二次ブレードの寄与の継続的なサイクルのため、おのおのの回転中に比較的一定のままとなる。風力タービンロータに一次ブレードと二次ブレードを使用すると、通常のクロスフロー風力タービンロータよりも安定したトルクを軸に伝達できる。
【0046】
例えば、典型的なサボニウス様式の構成といった2枚または3枚のブレードのあるドラッグ式風力タービンロータでは、動作中にロータから車軸に伝達されるトルクの不均一な、または断続的なパルスに見舞われる可能性がある。この不均一なトルクは、振動や騒音を引き起こす可能性があり、そのような設計の潜在的な用途や配置場所を制限することになるかもしれない。これらの力は、ロータや関連部品の機械的疲労の原因になるだけでなく、風に対向するロータの有効表面積が回転中に増減するため、取り付けられた発電機や交流発電機にかかるトルクが変動し、充電制御装置やグリッドタイインバータに接続した場合に非効率になる可能性がある。これは、2ブレードのドラッグ式サボニウススタイルの風力タービンロータで特に顕著である。
【0047】
さらに、2ブレードロータ構成では、自己始動の問題が発生する可能性がある。2ブレードのクロスフローロータが、将来入ってくる風に対して実質的に平行な静止点に位置する場合、有用なエネルギーまたは仕事を提供するためにロータを回転速度になるよう強制するために、より多くの風が必要になる場合があり、これがさらに運転中の全体的な効率低下の一因となる。
【0048】
上述したように、同じ構成のブレードを増やすという一般的な方法では、同じブレードが風を受けて軸を回転させるときに加わる有効なドラッグよりも、風に向かって戻るドラッグが高い割合で増加するため、性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0049】
本発明のロータおよびブレードの実施形態では、一次ブレードの構成に対して異なる構成の二次ブレードを追加することにより、ロータの性能を損なうことなく、増強する異なる構成の二次ブレードの追加によってもたらされる空力的利点を利用することで、同じ構成の一次ブレードの追加による負の(または有害な)効果を低減することが可能である。
【0050】
有益な空力学的効果を有する風力タービンロータを構成する一次および二次風力タービンブレードの有用性および利点は、これまで、一次および二次ブレードの1つの可能な構成の中心点の二次元断面図を用いて説明されている。別の例では、説明した有利な方法を使用したロータ構成の三次元図が図5に示されている。
【0051】
図5は、3つの一次ブレード(501A、501B、501C)および3つの二次ブレード(502A、502B、502C)が軸またはシャフト503に対して配置されて示される実施形態の三次元図を示す。
【0052】
一次ブレード(501A、501B、501C)および二次ブレード(502A、502B、502C)を含むブレードは、固定相対位置で軸の周りを回転するように一緒に、または軸に対して固定することができる。例えば、ブレードは、軸に固定されたエンドキャップに固定することができる。別の例では、ブレードは、構造バー、ストラット、トラスなどを使用して互いに固定することができる。さらなる例では、ハブおよびオプションのバー、ストラット、トラスなどを使用して、ブレードを軸に固定することができる。
【0053】
ブレード、ロータ、および軸の間の特定の寸法関係が図面に示されているが、特定の構成は、特定のサイズまたは構成に限定されない。より長い軸またはシャフトに複数のロータを取り付けることができ、取り付けられたおのおののロータは、シャフトの潜在的な動力出力全体に寄与する。
【0054】
図2図3図4、および図5に示すように、特定のロータ構成、ならびにその個々の可能なブレード構成は、特定の利点を説明するために提供されており、ここで、交互の一次ブレードと二次ブレードとの間の関係により、実際の同様の設計よりも、ロータから車軸へのトルクへの伝達に利用可能な風力エネルギーのより効率的な使用が可能になる。
【0055】
性能の向上は、一次および二次ブレードの両方の表面を利用して、風力エネルギーを直接軸に伝達し、直接取り込まれていない風力エネルギー(またはオーバーフロー/排気風)を隣接ブレードにリダイレクトすることによって部分的に導き出される。
【0056】
前に説明し、図4に示したように、追加の性能と効率の利点は、風力タービンロータを通る排気またはバイパス空気を促進するように一次ブレードと二次ブレードを構成して配置することによって実現でき、ここで、ロータからの排気が、ロータから軸に伝達される全体的なトルクにさらに有益な効果を与える。有利な風力タービンロータ構成において一次および二次ブレードを利用する、本明細書に記載された連続サイクル方法の有益な効果は、図1から図5に示された特定のロータおよびブレード構成に限定されるものではない。
【0057】
風力タービンロータの多くのバリエーションが想定される。図示の例示的な実施形態では、3つの一次ブレードおよび3つの二次ブレードを使用するロータ構成が使用されている。図示されたロータ構成の例は、向上した性能の利点を得るために、特定の数のブレード、ロータのサイズ、または特定のブレードのサイズまたは形状に限定されると考えられることを意図したものではない。例えば、2つの一次ブレードと2つの二次ブレードを使用する風力タービンロータは、2つの一次ブレードのみを使用するドラッグ式クロスフロー風力タービンの性能を大幅に向上させる可能性がある。したがって、2つの一次ブレードと、一次ブレード間の2つ以上の二次ブレードとを使用する風力タービンロータは、さらなる利点を提供することができる。別の例では、4つの一次ブレードと4つの二次ブレードとを使用する風力タービンロータも使用することができる。
【0058】
所与の一連の一次ブレード内で複数の二次ブレードを使用することができる。例えば、4つの一次ブレードを備えたロータは、一次ブレード間に間隔を置いて配置した2つ以上の二次ブレードを含めることで利点を得ることができる。したがって、例えば、3枚の一次ブレードと9枚の二次ブレード(ここで、おのおのの一次ブレードの間に3枚の二次ブレードが配置される)を有するロータを使用することもできる。
【0059】
別の例では、作用する二次ブレードを有する5つ、6つ、または7つ以上の一次ブレードを有するロータも、有利な構成で利用することができる。
【0060】
実施形態は、横軸またはクロスフロー風力タービン用途、特にドラッグ式風力タービンの改善された性能を提供する。実施形態は、水平軸用途または垂直軸用途のいずれにおいても有利に使用することができる。実施形態は、高度に構成可能であり、複数の用途に適した風力タービンロータを含む。
【0061】
図6は、3つの一次ブレードおよび3つの二次ブレードを有するロータの例を使用して、記載の風力タービンロータの構成可能な性質を示すために提供される。3つの一次ブレードのそれぞれは601として示される。二次ブレードのそれぞれは611として示される。追加のインジケーターは、ロータ設計の構成可能な性質の方法を示すために、ロータ設計の例示的な実施形態を定義する幾何学的ポイントを示す。この設計例では3つの一次ブレードと3つの二次ブレードが提供されるため、幾何学的インジケーターは三角形である。3つを超える一次ブレードまたは二次ブレードを含む設計では、他の多角形の幾何学的インジケーターが生成される。
【0062】
一次ブレード601の外周点は、点線の三角形602の頂点にある。一次ブレード601の内周点は、点線の三角形603の頂点にある。二次ブレード611の外周点は、点線の三角形612の頂点にある。二次ブレード611の内周点は、点線の三角形613の頂点にある。
【0063】
頂点は、一次および二次ブレードのおのおのの組の形状および曲率の両方を定義できる。一次ブレード601の頂点は、本実施形態では、破線の三角形604の頂点にある。二次ブレード611の頂点は、本実施形態では、破線の三角形614の頂点にある。
【0064】
指定された円周点602、603、612、613、および頂点604および614のサイズまたは角度のいずれかを変えることによって、ロータの構成を調整して、展開の種類や展開する現場の特定の風の条件に合わせて利点を提供するさまざまな性能特性を可能にすることができる。例えば、優勢な風向きに面する建物の屋上に横軸流水平軸構成で展開する場合、ロータ構成は、建物の屋上に集中して加速される気流を利用するように設計され得る。このタイプの展開では、共通の軸に沿って複数のロータを有利に使用することができ、構造の上部を横切って流れる風による自然な結果として、それぞれが上方向から集中した風を受けることができる。
【0065】
垂直軸(またはVawt)構成では、共通の軸またはシャフトに沿って複数のロータを使用することもできる。その利点は、風力タービンのロータまたはロータの垂直または水平展開の両方で利用できる。前述したように、おのおののブレードまたはスクープの曲率、サイズ、長さ、幅、深さ、および相対角度は、所望の効果を得るために変え得る。
【0066】
例えば、一実施形態では、単一のロータの回転直径を1メートルと指定してもよい。図6を例として使用し、特に示される一次ブレード601の組を説明するために、おのおのの一次ブレードの内周点のそれぞれは、軸を直接指していない。一例では、内周点は、ロータの半径に沿ってロータの中心から5%~50%の範囲内の点に配置される。例えば、内周点は、ロータの半径に沿って外径まで、ロータの中心から10%から40%または20%から30%の範囲内の点に配置できる。一例では、一次ブレード601の内周点は、半径に沿って回転の中心軸から約25%に配置できる。おのおのの一次ブレード601の内周点は、(内周点における一次ブレードの接線に沿って投影したときに)内周点603によって、図6に図示されるように、軸から離れ、別の一次ブレードに指向される。
【0067】
図6に示されるように、おのおのの一次ブレード601の長さは、外周点602と内周点603との間の一次ブレード601に沿った距離によって定義され、ロータ直径の40%~80%の範囲内にある。例えば、この長さは、ロータ直径の45%から75%または50%から60%の範囲内にある。一次ブレードの長さは、提供されている例を使用して、全体の直径の約55%にすることができる。
【0068】
頂点604から外周点602と内周点603との間に延在する直線までの最短距離として定義されるおのおのの一次ブレードの曲率深さは、一次ブレードの長さの10%から60%の範囲内にある。例えば、曲率深さは、一次ブレードの長さの15%から40%または20%から35%の範囲内にすることができる。曲率深さは、おのおのの一次ブレードの長さの約25%である。
【0069】
この構成の一次ブレード601を用いると、一次ブレード601の外縁602の回転点が実質的に風に向かっている一次ブレード601の凹面および凸面の両方を通過する風の一部が次の一次ブレードに導かれる。
【0070】
1つの一次ブレード601から次の一次ブレード601(受け入れ一次ブレード)への風の再指向は、おのおのの一次ブレードの内周点からの距離の5%から65%の範囲にある受け入れ一次ブレード601内の点で、ブレードの長さに関連して起こる。例えば、点は、ブレードの長さに対するおのおのの一次ブレードの内周点からの距離の15%から45%の範囲、もしくは20%または40%の範囲内であり得る。1つの一次ブレードから別の一次ブレードへの風の再指向は、約33%、または受け入れブレードの内周点からの距離の約3分の1に位置する点で行うことができる。
【0071】
図8に示す例では、図6に示すように、一次ブレード601の頂点604は、一次ブレードの内周点603から測って、一次ブレードの長さの20%から80%の範囲内の位置にある。例えば、範囲は45%から75%、例として50%から70%、すなわち長さの66%である。このような頂点は、複雑な半径の曲率を形成することができる。別の例では、頂点603は、一次ブレード601の長さに沿って中心に配置することができ、円弧または曲線のいずれかであるブレードプロファイルまたは断面を形成し得る。例えば、円弧または曲線は、放物線、円形、楕円形、双曲線、インボリュート曲線、または複雑な曲線が可能である。前に定義したように、一次ブレードの深さは、外周点602と内周点603の間の距離によって定義されるように、頂点604をおのおのの一次ブレード601の長さ点から外側に移動することによって調整し得る。
【0072】
本明細書で説明したように、二次ブレード611が追加される。二次ブレード611は、一次ブレード601の間に配置され、ロータの性能を高める曲率、サイズ、長さ、および角度を使用するように構成される。
【0073】
図8に示す例では、図6に示すように、二次ブレード611は、ロータ直径全体の10%から55%の範囲内の長さ(内周点613から外周点612まで測定)を有する。例えば、この長さは、全体のロータ直径の20%から50%の範囲、または30%から45%の範囲内であり得る。一例では、二次ブレードは、40%の長さまたはロータ直径全体の約5分の2を有することができる。二次ブレードの頂点614は、ブレードの内周点からブレードの長さの40%から90%の範囲内の位置に配置できる。例えば、頂点は、ブレードの内周点からブレードの長さの45%から75%、または50%から60%の範囲内の位置に配置できる。頂点は、ブレードの長さの50%、またはほぼ中央にあり得る。二次ブレードの長さは、一次ブレードの長さの20%から85%であり得る。例えば、二次ブレードの長さは、一次ブレードの長さの40%から80%、または50%から75%の範囲内であり得る。一例では、一次ブレードの長さに対する二次ブレードの長さは、70%とすることができる。二次ブレードの内周点は、軸から外径までの半径に沿って45%から85%の範囲内の位置に配置できる。例えば、内周点は、軸から外径までの半径に沿って50%から75%、または55%から70%の位置に配置できる。一例では、二次ブレードの内周点は、回転中心からロータの半径に沿って65%の距離にあり得る。二次ブレードの内周点は、一次ブレードの内周点よりも実質的に軸から離れて配置される。
【0074】
図6に示されるこの例では、二次ブレード611の凸面と凹面の両方を通過した空気は、隣接する一次ブレードにも導かれ、二次ブレードは、隣接する一次ブレード601の外周点602から測定したときに、その長さの15%から50%の範囲内にある点でバイパスエアを隣の一次ブレード601に導く。例えば、この点は、一次ブレード601の外周点602から測定した場合、20%から45%、または30%から40%の範囲内であり得る。この点は、一次ブレード601の外周点602から測定した場合、一次ブレード601の長さの33%または約3分の1であり得る。
【0075】
二次ブレード611の凹面と一次ブレード601の凸面との間隔は、二次ブレード611の外周点612と一次ブレード601の外周点602との間から、二次ブレード611の内周点613と一次ブレード601の内周点603との間に対してわずかに減少している。一次ブレード601と二次ブレード611との間を通過する空気は加速され、隣接する一次ブレード601の凹面に指向される。
【0076】
「入口点」は、二次ブレード611の外周点612と一次ブレード602の頂点付近との間にある。「出口点」は、おおよそ、二次ブレード611の内周点613と一次ブレード601の内周点602との間にある。出口点の断面積は、入口点の断面積の65%から95%である。例えば、出口点の面積は、入口点の面積の70%から90%、または75%から85%の範囲内であり得る。一例では、入口点の面積に対する出口点の面積は80%にできる。
【0077】
図7に示すロータ構成では、4つの一次ブレードと4つの二次ブレードを使用する。図7の実施形態は、連続サイクル効果の利点を提供し、風力タービンロータの構成可能な特性を実証している。図7では、4つの一次ブレード(701、702、703、704)および4つの二次ブレード(711、712、713、714)が回転の中心軸に対して配置されるように示されている。
【0078】
一次外側ブレードフレーミング705、一次内側ブレードフレーミング706、および一次ブレード頂点フレーミング707は、一次ブレードの長さ、深さ、および曲率を示す。同様に、二次外側ブレードフレーミング715、二次内側ブレードフレーミング716、および二次ブレード頂点フレーミング717は、二次ブレードの長さ、深さ、および曲率を示す。一次および二次ブレードは、図6に関して説明したものと同様の長さ、サイズ、曲率、および位置を有し得る。
【0079】
風ベクトルは、風力タービンロータを指している破線に近接しており、風は図面の向きに対して右側から来ている。この図では、風ベクトル線は、風が一次ブレード702の凸面の上を通過し、二次ブレード711の凹面の下を通過するときの一般的な経路または流れを表している。
【0080】
「入口点」は、二次ブレード711の外側フレーミング点と一次ブレード702の頂点付近との間にある。「出口点」は、おおよそ、二次ブレード711の内側フレーミング点と一次ブレード702の内側フレーミング点との間にある。図7で使用される例では、出口点の断面積は、入口点の断面積の65%から95%である。例えば、出口点の面積は、入口点の面積の70%から90%、または75%から85%の範囲内であり得る。一例では、入口点の面積『に対する出口点の面積は80%であり得る。
【0081】
図面に示されるように、一次ブレード702の凸面上および二次ブレード711の凹面の下を通過する風は、一次ブレード701の凹面に指向される。この構成により、一次ブレード701に指向される風力量が増加する。
【0082】
図1に関連して説明したように、図7において、二次ブレード711、712、713、および714は、形状、角度、および位置を介して、一次ブレード702と二次ブレード711との間に示された入口点、および一次ブレード702と二次ブレード711との間に示された出口点に通る風に対して加速効果を引き起こすように構成され得る。
【0083】
入口点は、出口点よりも約10パーセント大きくし得る。二次ブレードの長さ、または外側および内側フレーミング点からの距離は、一次ブレードの長さの約50%にし得る。
【0084】
一次および二次ブレードの相対的なサイズおよび配置は、多くの要因に基づいて変化し得る。このような要因には、ロータの直径、一次ブレードおよび二次ブレードの数、配置のタイプ(水平または垂直)、および配置に外部シールドまたは拡張を利用するかどうかがある。
【0085】
「フレーミング」という用語は、図7および図8の両方で、一次ブレードおよび二次ブレードのそれぞれの内側点および外側点を定義するために使用されるが、これは、ロータを取り囲むブレードの特定の構成方法を限定することを示唆するものではない。一次ブレード内側フレーム、一次ブレード外側フレーム、二次ブレード内側フレームおよび二次ブレード外側フレームとして図6で示されている三角形のインジケーターは、風力タービンロータが中心回転軸を囲む3つの一次ブレードおよび3つの二次ブレードからなる一つの可能な実施形態におけるおのおののブレードの関係幾何形状を図示することを意図するものである。一次ブレードと二次ブレードとの両方の頂点としてラベル付けされた図6の三角形のインジケーターは、おのおののブレードの最深点を示すために提供されたものである。
【0086】
同様に、図7で提供されるラベル、具体的には705、706、707、715、716、および717は、4つの一次ブレードおよび4つの二次ブレードを備えるロータ構成を使用するこの実施形態の幾何学的形状の理解を容易にすることも意図したものである。一次ブレードおよび二次ブレードのそれぞれの内側点および外側点を構造フレームで使用することは有利であるが、他の構造フレーム方法も考え得る。風力タービンブレードを中央軸またはハブに取り付け、または固定するためのさまざまな方法が存在する。
【0087】
図8は、ロータが4つの一次ブレードと8つの追加ブレード(例えば、4つの二次ブレードと4つの三次ブレード)を使用するロータ構成の別の例を示す。4つの一次ブレードは、801A、801B、801C、および801Dとして示される。二次ブレードのセットは、811A、811B、811C、および811Dのラベルを使用して示される。三次ブレードのセットは、821A、821B、821C、および821Dのラベルを使用して示される。図8の説明を明確にするために、三次ブレードのセットを「ブースターブレード」と記載することがある。このロータ構成で、おのおのの一次ブレードは、図6に関して上述したような長さを有するか、ロータ直径の約60%とすることができ、円弧状ブレードの中心におけるブレード深さは、図6に関して上述したようにするか、おのおのの一次ブレードの長さの約30%とし得る。二次ブレードはそれぞれ、図6に関して上述したような長さを有するか、ロータ直径の約30%とすることができ、図6に関して上述したような深さを有するか、おのおのの二次ブレードの長さの約20%とし得る。
【0088】
三次ブレードは、一次ブレードよりもサイズを小さく、二次ブレードよりも小さくし得る。例えば、ロータの全直径と比較した三次ブレードの相対長さ(ブレードに沿った内周点から外周点まで)は、10%から25%の範囲内であり得る。一例において、相対長さは、ロータ直径の12%から18%、または14%から16%の長さの範囲内であり得る。一例では、三次ブレードの相対長さは、15%とし得る。三次ブレードの内周点の位置は、一次および二次ブレードよりもロータの中心軸から離れている。例えば、内周点は、半径に沿って80%から95%など、軸または中心点から外径まで半径に沿って70%から90%に配置し得る。三次ブレードの深さは、ブレードの長さの5%から25%の範囲内であり得る。例えば、この深さは、ブレードの長さの8%から22%、または10%から20%の範囲内にし得る。一例では、深さはブレードの長さの15%とし得る。
【0089】
図8において、風力タービンロータに対向する風の向きは、図面の向きに対して実質的に右からである。ロータブレード801Aの内側を指す破線に近接する、風ベクトルとラベル付けされた3つのインジケーターがある。一次ブレード801Bと二次ブレード811Bとの間を通過する1つの風ベクトル線が図示されている。二次ブレード811Bとブースターブレード821Bとの間を通過する第2の風ベクトル線が図示されている。第3の風ベクトル線は、ブースターブレード821Bの上を通り、一次ブレード801Aに入ることが図示されている。
【0090】
「集中風域」は、一次ブレード801Aの凹状領域内の位置にあり、破線の風ベクトル線は、ロータのその領域に実質的に対向している。この実施形態で、風力タービンロータは、二次ブレードから可能になった一次ブレードへの集中風の流れの結果として、軸またはシャフトにより多くのトルクを与える可能性がある。
【0091】
「偏向風」の風は、回転中に風に戻る風力タービンの部分に流れ込む。図示された回転方向は反時計回りである。図示の回転位置では、ブースターブレード821Cは、風の一部を上向きに一次ブレード801Bの凹面領域に偏向させ、風の一部を二次ブレード811Cの凸面の部分的に露出した領域に向けて下向きに偏向させる。
【0092】
さらに図示されるように、二次ブレード811Cはまた、図8の向きに対して下向きに風を実質的に偏向させる。「下向き」は、図面の理解を助けることを目的とするものである。下向きとは、外向きとして説明することもでき、風の偏向は、回転の中心から離れるように指向される。
【0093】
一次ブレード801Cは、ブースターブレード821Cから発生する風偏向により、流入する風から実質的に遮断され、その後、二次ブレード811Cによってさらに偏向される。その結果、一次ブレード801Cは、二次ブレードまたは三次ブレードを使用せずにロータに実装された場合よりも、風に戻る際により、より低い背圧を受ける。
【0094】
さらに注目すべき利点は、一次ブレード801Cが、図示の回転位置にある間、後続のブースターブレード821Dおよび二次ブレード811Dを戻りドラッグからほぼ完全にブロックできることである。これは、前述の利点を示しており、追加の戻りドラッグを追加することなく風の捕捉を増加させ、風力タービンロータの性能を向上させる追加のブレードをドラッグ式クロスフロー風力タービンロータに追加することができる。
【0095】
ロータのブレードは、様々な構造を使用して、互いに、またはシャフトまたは軸に結合することができる。例えば、ブレードは、シャフトまたは軸に結合されたエンドキャップに結合することができる。別の例では、別個のハブとストラットまたはバーを使用して、ブレードをシャフトまたは軸に取り付けることができる。
【0096】
例えば、図9に示すように、ロータのブレード904は、シャフト902に結合するエンドキャップ906に取り付けることができる。ブレード904は、エンドキャップ906によって他のブレード904に対して固定される位置に保持される。エンドキャップに結合された一組のブレードを含む1つのロータが示されているが、2つ以上のロータをシャフト902に結合してもよい。オプションとして、シャフト902は、軸方向磁束発生器などの発生器908に直接接続することができるか、あるいは、他の機構を介して発生器に間接的に接続することができる。例えば、シャフト902は、チェーンおよびスプロケット、ギア、ベルトおよびプーリーシステム、摩擦駆動、流体駆動、無段変速機(CVT)、または他の伝達方法などの機械的伝達方法を使用して、発電機に結合することができる。
【0097】
図10に示す別の例では、ブレード1004または1006は、ハブ1008を使用してシャフト1002に取り付けられる。ブレード1004または1006は、ハブに直接、またはブラケット、ストラット、またはトラスを使用して取り付けることができる。例えば、ロータアセンブリのブレード1004は、それぞれシャフト1002に取り付けることができ、別のロータアセンブリのブレード1006は、それぞれシャフト1002に取り付けることができる。一例では、シャフト1002は、チェーンおよびスプロケット1014、ベルトおよびプーリーシステム、または別のレシオ駆動機構を使用して、発電機1012と結合することができる。
【0098】
図11に示すさらなる例では、ロータアセンブリのブレード1104は、発電機ハウジング1006に取り付けることができる。発電機ハウジング1106は回転し、静止した状態のシャフト1108を有する。シャフト1108は、タワー1102の頂部に接続される。
【0099】
さらなる例では、1つ以上のオーグメンタを1つ以上のロータの周りに配置することができる。オーグメンタは、より広い範囲から風を集める、風を集中させる、または風を部分的に遮断する機能を果たす。一例では、オーグメンタは、1つ以上のロータに対して固定位置にある。ロータのブレードが軸、シャフト、または回転軸の周りを回転するのに対し、オーグメンタは軸、シャフト、または回転軸に対して固定できる。例えば、オーグメンタの数は、4から10の範囲または6から10の範囲など、1から12の範囲内にし得る。
【0100】
オーグメンタは、例えば、ロータに最も近い点からオーグメンタに沿って最も遠い点まで測定された長さを有することができる。一例では、オーグメンタの長さは、ロータの直径の0.1から10倍の範囲内であり得る。例えば、オーグメンタの長さは、ロータの直径の0.5から2倍など、ロータの直径の0.5から5倍の範囲内であり得る。
【0101】
さらに、オーグメンタは、軸または回転軸から延びる半径方向に対してある角度で配置することができる。一例では、この角度は、15°から70°の範囲、15°から60°の範囲、または25°から50°の範囲など、10°から90°の範囲内であり得る。
【0102】
追加の例では、オーグメンタは、直線または曲線などの形状を有し得る。一例では、曲線形状は、放物線、円形、楕円形、双曲線、インボリュート曲線、または複雑な曲線が可能である。例えば、曲線は、インボリュートまたは複雑な曲線が可能である。別の例では、曲線は放物線曲線とし得る。さらなる例では、形状は真っ直ぐであり得る。
【0103】
例えば、図12および図13は、ロータ1202の周りに分配されたオーグメンタ1204を図示する。オーグメンタ1204は、ロータ1202の直径の1.2から2倍など、ロータ1202の直径よりも大きな長さを有する。オーグメンタ1204は、回転軸1202から延伸する半径方向に対して45°の角度で配置される。図示のように、オーグメンタ1204は、ロータの周りに均等に分配された固定位置に配置される。例えば、4つのオーグメンタ1204は、ロータ1202の周りに90°のオフセットで分配される。図12において、風1206は、固定オーグメンタ1204に対する方向から入るものとして図示されている。風の大部分はロータに集中する。図13は、オーグメンタ1204の固定位置に対して異なる方向から入る風1306を図示する。風1306の一部は、オーグメンタ1204によって集中され、その一部はオーグメンタ1204によって偏向される。風1306のごく一部が、ブレードが戻る位置でロータに衝突することがある。上述のロータの設計は、有利には、従来の設計よりも、そのような衝突の影響を受けにくく、そのような衝突をより偏向させることができる。
【0104】
図14および図15は、ロータ1402の周りに分配されたオーグメンタ1404を図示する。オーグメンタ1404の長さは、ロータ1402の直径よりも小さい。例えば、その長さは、ロータ1402の直径の0.5から0.95倍の範囲内であり得る。オーグメンタ1404は、ロータ1402の回転軸から延伸する半径方向に対して45°の角度で配置される。図14に示すように、風1406の多くがロータ1402に集中している。風1506がオーグメンタ1404に対して異なる方向から入ると、例えば図15に示されるように、風1506のより多くが、オーグメンタ1404の異なるセットによって偏向または集中され得る。ここでも、風1506のごく一部が、ブレードが戻る位置でロータに衝突することがある。上述のロータの設計は、有利には、従来の設計よりも、そのような衝突の影響を受けにくく、そのような衝突をより偏向させることができる。
【0105】
図16および図17は、オーグメンタ1604または1704といったストレートオーグメンタの使用を図示している。図16に示されるように、ロータ1602の直径よりも小さい長さを有するオーグメンタ1604がロータ1602の周りに均等に分配される。例えば、8つのオーグメンタ1604がロータ1604の周りに分散され、ロータ1602単独よりも多くの風1606を集め、風1606の一部をロータ1602に集中させる。別の例では、図17は、ロータ1702の周りに分配された、より大きなストレートオーグメンタ1704を図示する。一例では、オーグメンタ1704の長さは、ロータ1702の直径よりも大きくし得る。
【0106】
さらなる例において、図18および図19は、ロータ1802の周りに分配された8つの湾曲オーグメンタ1804を含む。図18に示すような方向に入る風1806は、集中されるか、偏向される。同様に、図19に示す異なる方向から入る風1906は、異なるオーグメンタ1804によって集中されるか、ロータ1802から離れて逸らされる。
【0107】
さらなる例では、建物の単一のオーグメンタまたはパラペット壁を使用して、風を部分的に遮断し得る。例えば、図20に示されるように、オーグメンタまたはパラペット壁2004は、水平面2006上に配置された水平ロータ2002に接近する風を部分的に遮断するように配置し得る。風を受ける位置に戻るロータブレードに風が当たるのを防ぐことができる。
【0108】
別の例では、単一のオーグメンタまたはパラペット壁は、風が戻り側に衝突するのを阻止しながら、風をロータに導くように角度を付けることができる。例えば、図21は、建物の屋根などの表面2104の上に水平に配置されたロータ2102に風を向ける角度付きオーグメンタ2104を示す。オーグメンタ2104は、15°から80°の範囲、25°から70°の範囲、または35°から60°の範囲内の角度など、表面に対してある角度aで配置される。
【0109】
実施形態は、ドラッグ式クロスフロー風力タービンロータ設計に様々な改良を提供する。主な利点は、ロータ内の一次および二次ブレードのさまざまな構成を使用することによる性能の向上である。
【0110】
この風力タービンロータ設計を使用する場合、多くのバリエーションが可能である。例えば、横軸(またはクロスフロー)水平軸構成で使用する場合、風力タービンロータアセンブリの周囲の上部および下部領域のいずれか、または両方に外部補強を追加して風をさらにロータに集中させると、集中した風の力と方向を利用するためにロータ構成を調整することができる。
【0111】
垂直軸風力タービン用途で使用する場合、ロータは、展開時の風の条件に合わせて特別に構成できる。自立型の垂直軸展開では、本明細書で説明した連続サイクル方式の利点と効果が、すべての風向きの角度から実現される。
【0112】
風力タービンロータ構成の様々な構成は、微調整により、低風、中風、または強風の条件に適している場合がある。例えば、提示された風力タービンロータ設計の実施形態は、特定のサイズに限定されない。一実施形態では、完成したロータアセンブリの部品は、標準出荷パレットで1つ以上のロータを輸送できるサイズで設計してもよい。場合によっては、より大きな、またはより小さなロータアセンブリが望ましい場合がある。
【0113】
ロータは、様々な材料から形成できる。例えば、ガラス繊維、プラスチック、またはアルミニウム、鋼、合金、繊維、または他の材料、またはそのような材料の任意の組み合わせなどの材料を、ロータおよびそのブレードの構築に使用し得る。
【0114】
ロータおよびその個々のブレードのさまざまな構成または形状を使用できる。例えば、添付の図面に示される断面図は、各ブレードの単一軸に沿ったブレードの曲率を使用する特定の空力的改善の実施形態である。個々のブレードの表面には、複数の軸にわたって異なる曲率または形状があってもよい。例えば、各ブレードの表面がX軸とY軸の両方に沿って湾曲し、ほぼ長方形の形状を使用している場合、ブレードは、長方形の放物線状の皿と同様の形状に似ていてもよい。図5に示すように、ブレード表面が単一の軸に沿って湾曲している場合、側壁またはエンドキャップを追加して、外径点から内径点までブレードの両側の領域にまたがり、ブレードの曲率まで領域を完全に広げてもよい。側壁の形状も変更してもよい。
【0115】
風力タービンは、機械エネルギーを他の装置に伝達するために、様々な機械システムまたは電気システムに接続し得る。例えば、風力タービンを発電機に接続し、風から集めた機械エネルギーから電気を生成し得る。別の例では、風力タービンは、ポンプや運動量貯蔵システムなどの機械システムに接続し得る。
【0116】
第1の実施形態では、風力タービンロータは、軸と、軸の周りに等間隔に配置された複数の一次ブレードと、複数の一次ブレードの一次ブレードの間の軸の周りに配置された複数の二次ブレードとを含む。複数の二次ブレードのおのおのの二次ブレードは、複数の一次ブレードのおのおのの一次ブレードよりも小さい。
【0117】
第1の実施形態の例で、おのおのの二次ブレードの長さは、風力タービンロータの直径の20%から50%の範囲内である。
【0118】
第1の実施形態の別の例および上記例において、おのおのの二次ブレードの頂点は、おのおのの二次ブレードの内周点からおのおのの二次ブレードの長さに沿って40%から90%である。
【0119】
第1の実施形態の更なる例および上記例において、おのおのの二次ブレードの長さは、おのおのの一次ブレードの長さの20%から85%である。
【0120】
第1の実施形態の追加の例および上記例において、おのおのの二次ブレードの内周点は、軸から外径まで延伸する半径に沿って45%から85%である。
【0121】
第1の実施形態の別の例および上記例において、おのおのの二次ブレードの内周点は、おのおのの一次ブレードの内周点よりも軸から離れている。
【0122】
第1の実施形態のさらなる例および上記例において、おのおのの二次ブレードとおのおのの一次ブレードとの間の出口点における面積は、おのおのの二次ブレードとおのおのの一次ブレードとの間の入口点における面積よりも小さい。
【0123】
第1の実施形態の追加例および上記例において、おのおのの二次ブレードとおのおのの一次ブレードとの間の出口点における面積は、おのおのの二次ブレードとおのおのの一次ブレードとの間の入口点における面積の65%から90%である。
【0124】
第1の実施形態の別の例および上記例において、おのおのの一次ブレードの内周点は、軸から外径までの半径に沿って5%から50%である。
【0125】
第1の実施形態のさらなる例および上記例において、おのおのの一次ブレードの長さは、風力タービンロータの直径の40%から90%である。
【0126】
第1の実施形態の追加例および上記例において、おのおのの一次ブレードの曲率深さは、おのおのの一次ブレードの長さの10%から60%である。
【0127】
第1の実施形態の別の例および上記例において、風力タービンロータは、複数の一次ブレードと複数の二次ブレードとの間に配置された複数の三次ブレードをさらに含む。例えば、複数の三次ブレードのおのおのの三次ブレードは、複数の二次ブレードのおのおのの二次ブレードよりも小さい。別の例において、複数の三次ブレードのおのおのの三次ブレードは、風力タービンロータの直径の10%から25%の相対長さを有する。さらなる例において、複数の三次ブレードのおのおのの三次ブレードは、おのおのの三次ブレードの長さの8%から22%の曲率深さを有する。
【0128】
第1の実施形態のさらなる例および上記例において、風力タービンロータの軸は垂直に配置される。
【0129】
第1の実施形態の追加例および上記例において、風力タービンロータの軸は水平に配置される。
【0130】
第2の実施形態において、電気を生成するための風力タービンシステムは、発電機と風力タービンロータとを含む。風力タービンは、発電機に機械的に結合された軸と、軸の周りに一定の間隔で配置された複数の一次ブレードと、複数の一次ブレードの一次ブレードの間で軸の周りに配置された複数の二次ブレードとを含む。複数の二次ブレードのおのおのの二次ブレードは、複数の一次ブレードのおのおのの一次ブレードよりも小さい。
【0131】
第2の実施形態の例において、軸は機械的に直接結合される。
【0132】
第2の実施形態の別の例および上記例において、軸は、チェーンおよびスプロケット、ギア、ベルトおよびプーリーシステム、摩擦駆動、流体駆動、または連続可変トランスミッション(CVT)を使用して機械的に連結される。
【0133】
第2の実施形態のさらなる例および上記例において、風力タービンシステムは、風力タービンロータの周りに分配された固定位置に配置された複数のオーグメンタをさらに含む。例えば、複数のオーグメンタのうちの一オーグメンタはまっすぐである。別の例では、複数のオーグメンタの一オーグメンタは湾曲している。さらなる例において、湾曲したオーグメンタは、放物線、円形、楕円形、双曲線、インボリュート曲線、または複雑な曲線を含む形状を有する。追加例において、複数のオーグメンタの一オーグメンタは、軸から延伸する半径方向に対して10°から90°の範囲内の角度で配置される。別の例において、複数のオーグメンタのうちの1つのオーグメンタが、風力タービンロータの直径の0.1~10倍の範囲の長さを有する。例えば、長さは、風力タービンロータの直径の0.5から5倍である。
【0134】
第2の実施形態の例において、おのおのの二次ブレードの長さは、風力タービンロータの直径の20%から50%の範囲内である。
【0135】
第2の実施形態の別の例および上記例において、おのおのの二次ブレードの頂点は、おのおのの二次ブレードの内周点からおのおのの二次ブレードの長さに沿って40%から90%である。
【0136】
第2の実施形態のさらなる例および上記例において、おのおのの二次ブレードの長さは、おのおのの一次ブレードの長さの20%から85%である。
【0137】
第2の実施形態の追加例および上記例において、おのおのの二次ブレードの内周点は、軸から外径まで延伸する半径に沿って45%から85%である。
【0138】
第2の実施形態の別の例および上記例において、おのおのの二次ブレードの内周点は、おのおのの一次ブレードの内周点よりも軸から離れている。
【0139】
第2の実施形態のさらなる例および上記例において、おのおのの二次ブレードとおのおのの一次ブレードとの間の出口点における面積は、おのおのの二次ブレードとおのおのの一次ブレードとの間の入口点における面積よりも小さい。
【0140】
第2の実施形態の追加例および上記例において、おのおのの二次ブレードとおのおのの一次ブレードとの間の出口点における面積は、おのおのの二次ブレードとおのおのの一次ブレードとの間の入口点における面積の65%から90%である。
【0141】
第2の実施形態の別の例および上記例において、おのおのの一次ブレードの内周点は、軸から外径までの半径に沿って5%から50%である。
【0142】
第2の実施形態のさらなる例および上記例において、おのおのの一次ブレードの長さは、風力タービンロータの直径の40%から90%である。
【0143】
第2の実施形態の追加例および上記例において、おのおのの一次ブレードの曲率深さは、おのおのの一次ブレードの長さの10%から60%である。
【0144】
第2の実施形態の別の例および上記例において、風力タービンロータは、複数の一次ブレードと複数の二次ブレードとの間に配置された複数の三次ブレードをさらに含む。例えば、複数の三次ブレードのおのおのの三次ブレードは、複数の二次ブレードのおのおのの二次ブレードよりも小さい。別の例において、複数の三次ブレードのおのおのの三次ブレードは、風力タービンロータの直径の10%から25%の相対長さを有する。さらなる例において、複数の三次ブレードのおのおのの三次ブレードは、おのおのの三次ブレードの長さの8%から22%の曲率深さを有する。
【0145】
第2の実施形態のさらなる例および上記例において、風力タービンロータの軸は垂直に配置される。
【0146】
第2の実施形態の追加例および上記例において、風力タービンロータの軸は水平に配置される。
【0147】
第3の実施形態において、電気を生成する方法は、風の経路に風力タービンシステムを設置することを含む。風力タービンシステムは、発電機と風力タービンロータを含む。風力タービンロータは、発電機に機械的に結合された軸と、軸の周りに一定の間隔で配置された複数の一次ブレードと、複数の一次ブレードの一次ブレードの間で軸の周りに配置された複数の二次ブレードとを含む。複数の二次ブレードのおのおのの二次ブレードは、複数の一次ブレードのおのおのの一次ブレードよりも小さい。
【0148】
前述の明細書において、特定の実施形態を参照して概念を説明した。しかしながら、当業者は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることを理解できる。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味と見なされるべきであり、そのような変更はすべて、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0149】
本明細書で使用される場合、用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、またはそれらの任意の他のバリエーションは、非排他的な包含に対応することを意図している。例えば、特性のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの特性のみに限定されるわけではなく、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の特性を含んでいてもよい。さらに、明示的に別段の記載がない限りにおいて、「または」は包括的なものを指しており、排他的なものを指さない。例えば、条件AまたはBは、次のいずれかによって満たされる:Aが真(または存在)でBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)でBが真(または存在)、AとBとの両方が真(または存在)である。
【0150】
また、「a」または「an」の使用は、本明細書に記載の要素および構成要素を記載するために使用される。これは、単に便宜上、および本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、別の意味であることが明らかでない限り、単数形は複数形も含む。
【0151】
利点、他の効果、および問題の解決策は、特定の実施形態に関して、上で説明されている。ただし、利点、効果、問題の解決策、および利点、効果、または解決策が発生したり、より顕著になったりする可能性のある機能は、いずれか、またはすべての請求における重要な、必要な、または必須の機能と解釈されるものではない。
【0152】
本明細書を読んだ後、当業者は、特定の特性が、明確にするために、別個の実施形態の文脈で本明細書に記載され、単一の実施形態で組み合わせて提供されてもよいことを理解するであろう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特性は、別々に、または任意の副次的な組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲内に記載された値への言及は、その範囲内のすべての値を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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【国際調査報告】