(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】カメラによる飲料分注監視
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20230830BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20230830BHJP
G01N 21/85 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
G01N21/27 A
G01N21/85 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509863
(86)(22)【出願日】2021-08-11
(85)【翻訳文提出日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 US2021045565
(87)【国際公開番号】W WO2022035976
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】キャロル,サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】ロマノ,アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ビュッキング,トーレ マイナルト
(72)【発明者】
【氏名】キング,ティモシー チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ドルフィン,ジョセフ アルバート
(72)【発明者】
【氏名】ミリントン,ロジャー ブラッドリー
【テーマコード(参考)】
2G051
2G059
3E082
【Fターム(参考)】
2G051AA48
2G051AB20
2G051BA01
2G051CB03
2G051EA17
2G051GC04
2G059AA01
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2G059EE01
2G059EE02
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2G059MM01
3E082AA04
3E082BB02
3E082BB04
3E082CC01
3E082FF09
(57)【要約】
飲料ディスペンサは、飲料を分注するためのノズルを含む。飲料ディスペンサは、飲料がノズルから分注される際に飲料の画像を取り込むカメラを更に含む。カメラは、飲料を含む視野を有する。飲料ディスペンサは、カメラの視野を照明する光源を更に含む。飲料ディスペンサは、コンピュータを更に含む。コンピュータは、飲料の画像を解析し、かつ飲料の特性を判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料ディスペンサであって、
飲料を分注するように構成されたノズルと、
前記飲料が前記ノズルから分注される際に前記飲料の画像を取り込むように構成されたカメラであって、前記飲料を含む視野を有する、カメラと、
前記カメラの前記視野を照明するように構成された光源と、を備える、飲料ディスペンサ。
【請求項2】
前記ノズルは、複数の飲料を分注するように構成されており、
前記飲料は、前記複数の飲料のうちの1つである、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項3】
前記画像は、光学データを含む、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項4】
前記カメラは、RBGカメラである、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項5】
前記カメラの前記視野は、方向であって、前記方向に沿って前記飲料が分注されるように構成されている、方向に対して垂直に延在する、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項6】
分注ベイを更に備え、
前記カメラは、前記分注ベイの外側で、前記ノズルの上方かつ側方に角度を付けて取り付けられている、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項7】
前記光源は、前記カメラの前記視野に対向する、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項8】
飲料ディスペンサから分注される飲料を監視する方法であって、
前記飲料ディスペンサのノズルから前記飲料を分注することと、
前記飲料を分注する間に、前記飲料ディスペンサのカメラを使用して、前記飲料が前記ノズルから分注される際に前記飲料の画像を取り込むことと、
前記画像を解析して、前記飲料の特性を判定することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記特性は、前記飲料の他の成分に対する前記飲料の添加剤成分の濃度又は比率を含む、添加剤成分特性である、請求項8に記載の飲料ディスペンサから分注される飲料を監視する方法。
【請求項10】
前記添加剤成分は、風味料、増強剤、甘味料、及び着色料のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の飲料ディスペンサから分注される飲料を監視する方法。
【請求項11】
前記他の成分は、基本成分及び補助基本成分のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の飲料ディスペンサから分注される飲料を監視する方法。
【請求項12】
前記基本成分は、消費可能な液体を含み、前記補助基本成分は、消費可能なガスを含む、請求項11に記載の飲料ディスペンサから分注される飲料を監視する方法。
【請求項13】
前記特性は、炭酸化の存在である、請求項8に記載の飲料ディスペンサから分注される飲料の特性を評価する方法。
【請求項14】
前記特性は、水の存在である、請求項8に記載の飲料ディスペンサから分注される飲料を監視する方法。
【請求項15】
前記飲料の前記特性に基づいて、前記飲料の前記分注における誤差を判定することを更に含む、請求項8に記載の飲料ディスペンサから分注される飲料を監視する方法。
【請求項16】
飲料ディスペンサであって、
飲料を分注するように構成されたノズルと、
前記飲料が前記ノズルから分注される際に前記飲料の画像を取り込むように構成されたカメラと、
コンピュータと、
前記コンピュータに動作可能に接続された非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、前記飲料の前記画像を解析させ、かつ前記飲料の特性を判定させる命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体と、を備える、飲料ディスペンサ。
【請求項17】
前記命令は、前記コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、前記飲料の前記特性に基づいて、前記飲料の分注時の誤差を判定させる、請求項16に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項18】
前記特性は、前記飲料の他の成分に対する前記飲料の添加剤成分の濃度又は比率を含む、添加剤成分特性である、請求項17に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項19】
前記画像の前記解析は、線形分離解析を含む、請求項16に記載の飲料ディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される実施形態は、概して、飲料分注に関する。
具体的には、本明細書に記載される実施形態は、カメラによる飲料分注監視に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料ディスペンサは、水、添加剤成分(例えば、シロップ)、及び任意選択的に炭酸化などの2つ以上の成分を混合することによって飲料ディスペンサ内で作られる飲料を分注することができる。成分はキャニスタ内に貯蔵され得、単一のディスペンサが複数のキャニスタを含み得、各々が様々な飲料又は風味と関連付けられている。2つ以上の成分の不適切な混合は、味の悪さ及び顧客の不満をもたらし得る。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、飲料を分注するように構成されたノズルと、飲料がノズルから分注される際に飲料の画像を取り込むように構成されたカメラであって、飲料を含む視野を有するカメラと、を含む、飲料ディスペンサに関する。飲料ディスペンサは、カメラの視野を照明するように構成された光源も含む。
【0004】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、ノズルは、複数の飲料を分注するように構成され、飲料は、複数の飲料のうちの1つである。
【0005】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、画像は、光学データを含む。
【0006】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、カメラは、RGBカメラである。
【0007】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、カメラの視野は、方向であって、その方向に沿って飲料が分注されるように構成されている、方向に対して垂直に延在する。
【0008】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、飲料ディスペンサは、分注ベイを含み、カメラは、分注ベイの外側でノズルの上方かつ側方に角度を付けて取り付けられる。
【0009】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、光源は、カメラの視野に対向する。
【0010】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、飲料ディスペンサから分注される飲料を監視する方法であって、飲料ディスペンサのノズルから飲料を分注することと、飲料を分注する間に、飲料ディスペンサのカメラを使用して、飲料がノズルから分注される際に飲料の画像を取り込むことと、
画像を解析して、飲料の特性を判定することと、を含む、方法に関する。
【0011】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、特性は、飲料の他の成分に対する飲料の添加剤成分の濃度又は比率を含む添加剤成分特性である。
【0012】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、添加剤成分は、少なくとも1つの風味料、増強剤、甘味料、及び着色剤を含む。
【0013】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、他の成分は、基本成分及び補助基本成分のうちの少なくとも1つを含む。
【0014】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、基本成分は、消費可能な液体を含み、補助基本成分は、消費可能なガスを含む。
【0015】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、特性は、炭酸の存在である。
【0016】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれでは、特性は、水の存在である。
【0017】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、方法は、飲料の特性に基づいて飲料の分注における誤差を判定することを含む。
【0018】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、飲料を分注するように構成されたノズルと、飲料がノズルから分注される際に飲料の画像を取り込むように構成されたカメラと、コンピュータと、コンピュータに動作可能に接続された非一時的コンピュータ可読媒体であって、コンピュータによって実行されると、コンピュータに飲料の画像を解析させ、飲料の特性を判定させる命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体と、を含む、飲料ディスペンサに関する。
【0019】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、命令は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、飲料の特性に基づいて飲料の分注における誤差を判定させる。
【0020】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、特性は、飲料の他の成分に対する飲料の添加剤成分の濃度又は比率を含む添加剤成分特性である。
【0021】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、画像を解析することは、線形分離(linear unmixing)解析を含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示を例解するものであり、説明と合わせて、本開示の原理を更に説明し、当業者が本開示を作製及び使用することを可能にする役割を果たす。
【
図1】一実施形態による例示的な飲料ディスペンサの斜視図を示す。
【
図2】一実施形態による、例示的な飲料ディスペンサの概略図を示す。
【
図3A】
図1の飲料ディスペンサのカメラの視野を示す。
【
図3B】
図1の飲料ディスペンサのカメラの視野を示す。
【
図4】一実施形態による、飲料ディスペンサの例示的なコンピュータを示す。
【
図5】一実施形態による、分注された飲料を監視する例示的なプロセスを示す。
【
図6A】一実施形態による、第1の飲料についての較正済み光学データを使用した、第1の分注された飲料の添加剤成分の推定濃度百分率のヒートマップを示す。
【
図6B】
図6Aの推定濃度に関連付けられた誤差のヒートマップを示す。
【
図7A】一実施形態による、第2の飲料についての較正済み光学データを使用した、第1の分注された飲料の添加剤成分の推定濃度百分率のヒートマップを示す。
【
図7B】
図7Aの推定濃度に関連付けられた誤差のヒートマップを示す。
【
図8】一実施形態による、線形分離解析と形態素解析との組み合わせを使用して分注誤差があるかを判定する例示的なプロセスを示す。
【
図9A】一実施形態による、炭酸飲料流及びフラット飲料流の画像を示す。
【
図9B】
図9Aの画像に対して実行された縁部検出解析を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に例示される代表的な実施形態を詳細に参照する。以下の説明は、複数の実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。それに対して、本発明は、特許請求の範囲によって定義される実施形態の趣旨及び範囲の範囲内に含まれ得る代替物、変形物、及び均等物を包含することを意図している。
【0024】
飲料分注システムは、2つ以上の成分、例えば、基本成分及び添加剤成分を混合して、飲料を形成することができる。例えば、多くの飲料ディスペンサは、基本成分として水を供給するための水ラインと、添加剤成分として風味料を保持する1つ以上の容器と、を有する。成分は、複数の異なる飲料を分注することができる単一のノズルから分注することができる。ノズルごとに単一の飲料を分注することができる複数のノズルを利用することもできる。
【0025】
所定の飲料レシピに従って成分が分注されることを確実にすることは、飲料品質にとって重要である。例えば、使用される添加剤成分が少なすぎる場合、分注された飲料は希釈される可能性があり、飲料の所望の風味プロファイルを達成しない。同様に、炭酸飲料の場合、ガスが多すぎたり、又は少なすぎたりすると、分注される飲料の炭酸化を変化させる可能性がある。
【0026】
飲料ディスペンサのオペレータは、所定の飲料レシピに従って成分が供給されることを確実にする。飲料製造業者は、特に、レストラン、映画、劇場、又は食品及び飲料が一般に販売される他の場所などの第三者雇用者によってオペレータが管理されるとき、オペレータに対する制御が制限され得る。分注の問題は、分注された飲料について消費者の印象を低下させる可能性がある。飲料ディスペンサに関する消費者の否定的な経験は、将来の販売に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、分注された飲料の一貫した品質を保証するために、分注された飲料の監視を低コストで自動化する必要がある。
【0027】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、飲料を分注するように構成されたノズルを含むことができる飲料ディスペンサに関する。飲料ディスペンサはまた、飲料がノズルから分注される際に飲料の画像を取り込むように構成されたカメラを含むことができる。カメラは、ノズルを含む視野を有することができる。飲料ディスペンサはまた、カメラの視野を照明するように構成された光源を含むことができる。
【0028】
実施形態では、飲料ディスペンサは、コンピュータと、コンピュータに動作可能に接続された非一時的コンピュータ可読媒体と、を含むことができる。非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに飲料の画像を解析させ、飲料の特性を判定させる命令を含むことができる。
【0029】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、飲料ディスペンサから分注される飲料を監視する方法に関する。本方法は、飲料ディスペンサのノズルから飲料を分注することを含むことができる。本方法は、飲料を分注している間に、飲料ディスペンサのカメラを使用して、飲料がノズルから分注される際に、分注された飲料の画像を取り込むことを含むことができる。本方法は、分注された飲料の特性を判定するために画像を解析することを含むことができる。
【0030】
本開示の実施形態は、分注された飲料の監視の効率的な自動化の必要性に対処し、分注された飲料の一貫した品質を改善する。例えば、本開示の実施形態は、分注された飲料中の不適切な成分比又は量を検出することができる。
【0031】
図1は、本開示の態様による、例示的な飲料ディスペンサ100の斜視図を示す。
図2は、飲料ディスペンサ100の概略図を示す。実施形態において、飲料ディスペンサ100は、飲料104を分注するノズル102を含む。本明細書で使用される場合、「飲料」という用語は、補助基本成分108を伴う又は伴わない、単独で又は1つ以上の添加剤成分110と組み合わされた、基本成分106を指し得る。飲料104は、カップ112に分注されてもよい。
【0032】
本明細書で使用される場合、「基本成分」という用語は、とりわけ、水などの任意の自由流動性の消費可能な液体、又は牛乳などの乳製品系飲料を指し得る。
【0033】
本明細書で使用される場合、「補助基本成分」という用語は、基本成分106に注入又は溶解され得る、二酸化炭素、加圧窒素、又は他の好適なガスなどの任意の消費可能なガスを指し得る。本明細書で使用される場合、「炭酸塩」又は「炭酸化」への言及は、二酸化炭素又は任意の他の補助基本成分108を基本成分106に注入又は溶解することを含む。
【0034】
本明細書で使用される場合、「添加剤成分」という用語は、とりわけ、コーラ、ブドウ、オレンジ、レモンライム、チェリー、又はバニラなどの特定の風味料を指してもよく、又は、増強剤(例えば、マルチビタミン錯体、ミネラル、及びエネルギーブースタ)、甘味料、又は着色剤を指してもよく、液体、シロップ、若しくは濃縮物の形態か、又はその他の形態かを問わない。
【0035】
実施形態では、飲料ディスペンサ100は、1つ以上のノズル102を含んでもよい。複数のノズル102の各々は、1つの専用飲料104を分注してもよい。本明細書で使用される場合、「各」への言及は、任意の数の名前付き構造を含む飲料ディスペンサ100の実施形態を包含する。例えば、各ノズル102への言及は、単一のノズル102のみを含む、任意の数のノズル102を含む飲料ディスペンサ100の実施形態を包含する。
【0036】
実施形態では、各ノズル102は、複数の異なる飲料104を分注してもよい。すなわち、単一のノズル102は、複数の異なる飲料104を分注するように構成されてもよい。
【0037】
代替的な実施形態において、飲料ディスペンサ100は、1つのノズル102のみを含むことができる。単一のノズル102は、複数の異なる飲料を分注するように構成されてもよい。
【0038】
実施形態では、飲料ディスペンサ100は、1つ以上の基本成分106をノズル102に供給する1つ以上の基本成分供給部114を含むことができる。基本成分供給部114は、少なくとも1つの基本成分106(例えば、前述したように、水、ミルクなど)を各ノズル102に供給することができる。基本成分供給部114は、局所的な水供給部に接続された水ラインであり得る。水ラインは、フィルタを含むことができる。基本成分供給部114は、基本成分106を収容する1つ以上の容器であり得る。基本成分供給部114は、本明細書で更に論じられるように、成分経路120を通して基本成分106を圧送するためのポンプを含むことができる。
【0039】
実施形態において、基本成分供給部114は、単一の基本成分106を各ノズル102に供給することができる。代替的な実施形態では、基本成分供給部114は、各ノズル102に2つ以上の基本成分106を供給することができる。
【0040】
2つ以上のノズル102を有するいくつかの実施形態では、基本成分供給部114は、1つの基本成分106を1つ以上のノズル102に供給し、別の異なる基本成分106を1つ以上の異なるノズル102に供給することができる。実施形態において、基本成分106は、補助基本成分108を伴って又は補助基本成分108を伴わずに、ノズル102に供給することができる。
【0041】
実施形態では、飲料ディスペンサ100は、基本成分106との注入又は溶解のために1つ以上の補助基本成分108を供給する1つ以上の補助基本成分供給部116を含むことができる。補助基本成分供給部116は、少なくとも1つの補助基本成分108(例えば、前述の二酸化炭素)を各基本成分106に供給することができる。補助基本成分供給部116は、補助基本成分108を収容する容器であり得る。
【0042】
実施形態において、補助基本成分供給部116は、大気圧よりも高い圧力で補助基本成分108を貯蔵することができる。
【0043】
実施形態では、補助基本成分供給部116は、容器内で補助基本成分108を液相に維持するのに十分な圧力で補助基本成分108を貯蔵することができる。補助基本成分108は、補助基本成分供給部116を出た後に液相から気相に転移することができる。
【0044】
実施形態では、補助基本成分供給部116は、成分経路120を通して補助基本成分108を圧送するためのポンプを含むことができる。補助基本成分108は、成分経路120の任意の点において、基本成分106と共に注入され得るか、又は基本成分106の中に溶解され得る。
【0045】
実施形態において、飲料ディスペンサ100は、補助基本成分供給部116を含まなくてもよい。例えば、補助基本成分108は、基本成分106と共に注入され得るか、又は基本成分106の中に溶解され得、基本成分供給部114から基本成分106と共に供給され得る。
【0046】
実施形態では、飲料ディスペンサ100は、1つ以上の添加剤成分110をノズル102に供給する1つ以上の添加剤成分供給部118を含むことができる。添加剤成分供給部118は、少なくとも1つの添加剤成分110(例えば、前述のように、風味料、増強剤、甘味料、着色剤など)を各ノズル102に供給することができる。添加剤成分供給部118は、添加剤成分110を含有する1つ以上の容器であり得る。添加剤成分供給部118は、成分経路120を通して添加剤成分110を圧送するためのポンプを含むことができる。
【0047】
実施形態において、添加剤成分供給部118は、単一の添加剤成分110を各ノズル102に供給することができる。
【0048】
代替の実施形態では、添加剤成分供給部118は、各ノズル102が2つ以上の飲料104を分注し得るように、2つ以上の添加剤成分110を各ノズル102に供給することができる。
【0049】
2つ以上のノズル102を有するいくつかの実施形態では、添加剤成分供給部118は、各ノズル102が専用の飲料104を供給することができるように、1つの添加剤成分110を1つ以上のノズル102に供給し、別の異なる添加剤成分110を1つ以上の異なるノズル102に供給することができる。
【0050】
実施形態において、基本成分106は、添加剤成分110を伴って又は添加剤成分110を伴わずに、ノズル102に供給することができる。添加剤成分110は、成分経路120の任意の点において、基本成分106と共に注入され得るか、又は基本成分106の中に溶解され得る。
【0051】
前述したように、実施形態において、飲料ディスペンサ100は、基本成分、補助基本成分、又は添加剤成分供給部114、116、118をノズル102に接続する成分経路120を含むことができる。成分経路120は、基本成分、補助基本成分、又は添加剤成分供給部114、116、118を飲料ディスペンサ100の1つ以上のノズル102に流体接続することができる。成分経路120は、ホース、パイプ、コネクタなどを含むことができる。成分経路120は、流れ基本成分106、補助基本成分108、又は添加剤成分110を制御するための弁を含むことができる。弁は、機械的又は電気機械的に制御されてもよい。
【0052】
実施形態では、飲料ディスペンサ100は、分注中にリアルタイムで分注された飲料104の画像を取り込むことができるカメラ122を含むことができる。カメラ122は、ノズル102から分注する間に飲料104の画像を取り込むことができる。画像は、光学データを含んでもよい。カメラ122は、異なる色範囲を別個に受信するように構成された撮像システムを含むことができる。
【0053】
実施形態では、カメラ122は、例えば、赤色、緑色、及び青色範囲を含む、複数の色範囲を別個に受信してもよい。カメラ122は、手頃な価格の市販のカメラ122であってもよい。
【0054】
実施形態では、カメラ122は、RGBカメラであってもよい。
【0055】
実施形態では、カメラ122は、ローリングシャッターカメラであってもよい。
【0056】
実施形態では、カメラ122は、グローバルシャッターカメラであってもよい。
【0057】
実施形態では、カメラ122は、標準のスーパー拡張グラフィックスアレイ(Super Extended Graphics Array)解像度、すなわち、1280×1024ピクセルの解像度で撮像してもよい。
【0058】
飲料ディスペンサ100は、1つ以上のカメラ122を含むことができる。実施形態では、各ノズル102に対して単一のカメラ122を設けることができる。
【0059】
実施形態では、異なる位置に取り付けられた複数のカメラ122(例えば、2つのカメラ)が、各ノズル102に設けられてもよい。
【0060】
カメラ122は、ノズル102、分注された飲料104、及び/又はカップ112がカメラ122の視野内にあるように、ノズル102に対して取り付けることができる。
【0061】
実施形態では、カメラ122は、カメラ122の視野が、ノズル102、分注された飲料104、及びカップ112のそれぞれの部分を含むように取り付けられてもよい。
【0062】
図1に示すように、実施形態では、飲料ディスペンサ100は、第1のカメラ122a及び第2のカメラ122bを含むことができる。第1のカメラ122aは、ノズル102及びカップ112の側面に(例えば、垂直に)取り付けられてもよい。
図3Aは、ノズル102、カップ112、及び分注された飲料104を含む、
図1の第1のカメラ122aの視野を示す。第1のカメラ122aの視野は、方向であって、その方向に沿って飲料104が分注され得る、方向に対して垂直に延在し得る。
【0063】
実施形態では、第1のカメラ122aは、視野の一部が、方向であって、その方向に沿って飲料104が分注され得る、方向に対して効果的に垂直であり得る一方で、視野の異なる部分がより下方に面し得るような好適なレンズを含み得る。
【0064】
第2のカメラ122bは、ノズル102、分注された飲料104、及びカップ112が各々、視野内にあるように、ノズル102の上方及び側方に角度を付けて取り付けられてもよい。
図3Bは、ノズル102、カップ112、及び分注された飲料104を含む、
図1の第2のカメラ122bの視野を示す。
【0065】
実施形態では、カメラ122は、飲料ディスペンサ100の分注ベイ124の外側に取り付けられてもよい。例えば、第2のカメラ122bは、ノズル102の上方かつ側方の位置で分注ベイ124の外側に角度を付けて取り付けられてもよい。
【0066】
実施形態では、カメラ122は、分注ベイ124の内側に取り付けられてもよい。例えば、第1のカメラ122aは、分注ベイ124の内側に取り付けられてもよい。
【0067】
図1は、第1及び第2のカメラ122a、122bを含むが、実施形態において、飲料ディスペンサ100は、1つのカメラ122のみ(例えば、第1のカメラ122aのみ)を含んでもよい。
【0068】
実施形態では、カメラ122は、複数の異なるタイプのカメラを取り付け得る汎用ブラケットを用いて取り付けられてもよい。
【0069】
実施形態によれば、カメラ122の視野は、分注された飲料104の視野を提供することができる一方で、例えば、カップ112の充填レベルを判定するために、カップ112内への十分な視野も可能にする。
【0070】
実施形態において、飲料ディスペンサ100は、飲料104がノズル102から分注されている間を含めて、カメラ122の視野を照明することができる光源126を含むことができる。光源126は、飲料ディスペンサ100のための照明を提供してもよく、あるいは飲料ディスペンサ100の別個の光源127とは別のものであってもよい。光源126は、蛍光、白熱、LED、OLED、又は任意の他の好適な光源であり得る。
【0071】
実施形態では、光源126は、カメラ122が使用中であるとき、又はユーザが飲料ディスペンサ100のところにいるときなどに、選択的に照明してもよい。光源126は、飲料104がノズル102から分注されている間に照明してもよい。
【0072】
図1に示すように、飲料ディスペンサ100は、第1の光源126a及び第2の光源126bを含むことができる。
【0073】
実施形態では、光源126(例えば、第1の光源126a)は、視野を照明するためにカメラ122(例えば、第1のカメラ122a)の反対に対向することができる。
【0074】
光源126は、300nm~1100nmの範囲の波長で選択的に照明してもよい。そのような実施形態では、本明細書で更に詳細に論じられる線形分離解析などの画像解析は、スペクトル情報内容を増加させることによって改善することができる。
【0075】
代替的に、光源126は、白色光に対応する波長範囲などの特定の波長範囲内で照明してもよい。そのような実施形態は、単一画像の解析(例えば、スペクトル分解)及び分注された飲料104のリアルタイム解析を可能にする。
【0076】
実施形態では、飲料ディスペンサ100は、飲料104の画像を解析し、飲料104の特性を判定するためのコンピュータ600を含むことができる。
図4は、実施形態又はその一部がコンピュータ可読コードとして実装され得る例示的なコンピュータ600を示す。例えば、プロセス500又はプロセス800の態様は、本明細書で更に論じられるように、コンピュータ600を介して実装され得る。
【0077】
プログラマブルロジックが使用される場合、このようなロジックは、市販の処理プラットフォーム又は特定の目的のデバイス上で実行することができる。当業者であれば、開示された主題の実施形態が、マルチコアマルチプロセッサシステム、ミニコンピュータ、及びメインフレームコンピュータ、分散された機能とリンクされた又はクラスタ化されたコンピュータ、並びに、仮想的に任意のデバイスに埋め込まれ得る普及型又は小型コンピュータを含む、様々なコンピュータ構成により実践され得ることを理解することができる。
【0078】
例えば、少なくとも1つのプロセッサデバイス及びメモリは、上記の実施形態を実装するために使用されてもよい。プロセッサデバイスは、単一のプロセッサ、複数のプロセッサ、又はこれらの組み合わせであってもよい。プロセッサデバイスは、1つ以上のプロセッサ「コア」を有してもよい。
【0079】
本発明の様々な実施形態は、この例示的なコンピュータ600に関して実装されてもよい。この説明を読んだ後に、他のコンピュータ又はコンピュータアーキテクチャを使用する本発明の1つ以上を実装する方法が、当業者には明らかとなるであろう。動作は連続的なプロセスとして記載され得るが、動作の一部は、実際に、平行して、同時に、又は分散環境において、及び単一又はマルチプロセッサマシンによるアクセスに対してローカルに又はリモートに記憶されたプログラムコードにより実施されてもよい。加えて、いくつかの実施形態では、動作順序は、開示された主題の趣旨を逸脱することなく、再調整されてもよい。
【0080】
プロセッサ604は、専用又は汎用プロセッサデバイスであってもよい。当業者に理解されるように、プロセッサ604はまた、マルチコア/マルチプロセッサシステムにおける単一プロセッサであってもよく、こうしたシステムは、単独で動作するか、又はクラスタ若しくはサーバファームにおいて動作するコンピューティングデバイスのクラスタで動作する。プロセッサ604は、通信インフラストラクチャ606、例えば、バス、メッセージキュー、ネットワーク、又はマルチコアメッセージ受け渡しスキームに接続される。
【0081】
コンピュータ600は、メインメモリ608、例えば、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)を含み、また、二次メモリ610を含んでもよい。二次メモリ610としては、例えば、ハードディスクドライブ612又は取り外し可能な記憶ドライブ614を挙げることができる。取り外し可能な記憶ドライブ614としては、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、フラッシュメモリ、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)ドライブなどを挙げることができる。取り外し可能な記憶ドライブ614は、周知の様式で、取り外し可能な記憶ユニット618との間で読み出し又は書き込みを行う。取り外し可能な記憶ユニット618としては、取り外し可能な記憶ドライブ614により読み出され及び書き込まれるフロッピーディスク、磁気テープ、光学ディスなどを挙げることができる。当業者によって理解されるように、取り外し可能な記憶ユニット618としては、コンピュータソフトウェア又はデータが記憶されたコンピュータ使用可能記憶媒体が挙げられる。
【0082】
コンピュータ600は、ディスプレイユニット630上での表示のため、通信インフラストラクチャ606から(又は、図示されていないフレームバッファから)グラフィック、テキスト、及びその他のデータを転送するディスプレイインターフェース602(キーボード、マウスなどの入力及び出力デバイスを含んでもよい)を含み得る。
【0083】
実装形態では、二次メモリ610は、コンピュータプログラム又は他の命令がコンピュータ600にロードされることを可能にするための他の同様の手段を含み得る。かかる手段は、例えば、取り外し可能な記憶ユニット622及びインターフェース620を含んでもよい。こうした手段の例として、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース(ビデオゲームデバイスに見られるようなものなど)、取り外し可能なメモリチップ(EPROM又はPROMなど)及び関連するソケット、並びに、ソフトウェア及びデータを取り外し可能な記憶ユニット622からコンピュータ600に伝送することができる他の取り外し可能な記憶ユニット622及びインターフェース620が挙げられ得る。
【0084】
コンピュータシステム600はまた、通信インターフェース624を含んでもよい。通信インターフェース624により、ソフトウェア及びデータをコンピュータ600と、カメラ122などの外部デバイスとの間で伝送することができるようになる。通信インターフェース624は、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネットカードなど)、通信ポート、PCMCIAスロット及びカードなどを含んでもよい。通信インターフェース624を介して伝送されるソフトウェア及びデータは、信号の形態であってもよく、これは、電子的信号、電磁気的信号、光学的信号、又は通信インターフェース624により受信され得る他の信号であってもよい。これらの信号は、通信経路626を介して通信インターフェース624に提供されてもよい。通信経路626は、信号を搬送し、ワイヤ若しくはケーブル、光ファイバー、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、又は他の通信チャネルを使用して実装されてもよい。
【0085】
本明細書では、「非一時的コンピュータ可読媒体」、「コンピュータプログラム媒体」及び「コンピュータ使用可能媒体」という用語は、取り外し可能な記憶ユニット618、取り外し可能な記憶ユニット622、及びハードディスクドライブ612内にインストールされたハードディスクなどの媒体を指すことができる。コンピュータプログラム媒体及びコンピュータ使用可能媒体はまた、メインメモリ608及び二次メモリ610などのメモリを指すこともあり、これは、メモリ半導体(例えば、DRAMなど)であってもよい。
【0086】
コンピュータプログラム(コンピュータ制御ロジックとも呼ばれる)又はデータベースは、メインメモリ608又は二次メモリ610内に記憶される。コンピュータプログラムはまた、通信インターフェース624を介して受信されてもよい。こうしたコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム600が、本明細書に記述する実施形態を実装することが可能となる。具体的には、このコンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサデバイス604が、本明細書に記述する実施形態のプロセスを実装することが可能となる。したがって、こうしたコンピュータプログラムは、コンピュータシステム600のコントローラを表す。実施形態がソフトウェアを使用して実装される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品内に記憶され、取り外し可能な記憶ドライブ614、インターフェース620、及びハードディスクドライブ612、又は通信インターフェース624を使用してコンピュータ600にロードされてもよい。
【0087】
本発明の実施形態はまた、任意のコンピュータ使用可能媒体に記憶されたソフトウェアを含むコンピュータプログラム製品も対象とすることができる。このようなソフトウェアは、1つ以上のデータ処理デバイスにおいて実行されると、データ処理デバイスに、本明細書で記載されたように動作させる。本発明の実施形態は、任意のコンピュータ使用可能又は読取可能媒体を利用してもよい。コンピュータ使用可能媒体の例としては、一次記憶デバイス(例えば、任意のタイプのランダムアクセスメモリ)、二次記憶デバイス(例えば、ハードドライブ、フロッピーディスク、CD ROM、ZIPディスク、テープ、磁気記憶デバイス、及び光学記憶デバイス、MEMS、ナノ技術記憶デバイスなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
分注された飲料の監視
以下は、分注された飲料104の1つ以上の画像に基づいて実行することができるコンピュータ600の監視を説明する。実施形態では、コンピュータ600は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された命令を実装することができ、この命令は、コンピュータ600に、飲料ディスペンサ100から分注された飲料104を監視するプロセス500を実施させる。飲料ディスペンサ100は、前述した飲料ディスペンサ100の実施形態のいずれかとすることができる。
【0089】
プロセス500は、ステップ501において、飲料ディスペンサ100から飲料104を分注することを含むことができる。例えば、顧客又はオペレータは、飲料ディスペンサ100に近づき、分注するために特定の飲料104(以下、「選択された」飲料104)を選択することができる。
【0090】
実施形態では、コンピュータ600は、選択された飲料104のレシピに従って選択された飲料104を分注するように飲料ディスペンサ100を制御することができる。コンピュータ600は、飲料ディスペンサ100が分注するように構成された各飲料104のレシピを記憶してもよい。例えば、コンピュータ600は、成分供給部から成分経路120を通ってノズル102から出る成分の流れを制御して、選択された飲料104を分注することができる。コンピュータ600は、例えば、カメラ122を作動させる動き検出器(図示せず)を使用して、カップ112の存在を自動的に検出し、飲料ディスペンサ100の分注ベイ124上にカップ112を配置すること以外のいかなる物理的なユーザ相互作用もなしに、飲料104の分注を開始することができる。プロセス500は、ユーザがカップ112を飲料ディスペンサ100の分注ベイ124上に配置することを含むことができ、分注は、カップ112の自動検出に基づいてコンピュータ600によって自動的に開始することができる。
【0091】
実施形態では、飲料ディスペンサ100の1つ以上の態様は、機械的に制御されてもよく、例えば、ユーザがカップ112をレバー(図示せず)に押し付けて分注を開始してもよく、又はユーザがボタン(図示せず)を押して分注を開始してもよい。
【0092】
ステップ502において、プロセス500は、分注された飲料104の1つ以上の画像を取り込むことを含むことができる。コンピュータ600は、カメラ122を制御して画像を取り込むことができる。コンピュータ600は、分注の開始に応答して画像を取り込むようにカメラ122を自動的に制御することができる。コンピュータ600は、カメラ122を自動的に制御して、分注前、分注中、又は分注後に1つ以上の画像を取り込むことができる。
【0093】
ステップ503において、プロセス500は、取り込まれた1つ以上の画像を解析して、分注された飲料104の特性を判定することを含むことができる。分注された飲料104の特性は、単独で又は組み合わせて、添加剤成分特性、補助基本成分特性、又は基本成分特性であってもよい。
【0094】
実施形態では、特性は、添加剤成分特性であってもよい。コンピュータ600は、飲料104の画像を解析して、本明細書で更に論じられるように、分注された飲料104の画像の色又はエントロピーを評価することを含む、いくつかの方法で添加剤成分特性を判定してもよい。
【0095】
実施形態では、特性は、補助基本成分108の存在又は不存在などの補助基本成分特性であってもよい。例えば、コンピュータ600は、炭酸化の存在又は不存在の両方を判定することを含む、炭酸化の存在を判定し得る。
【0096】
実施形態では、特性は、基本成分106の存在又は不存在などの基本成分特性であってもよい。例えば、コンピュータ600は、水が存在する状況及び水が存在しない状況の両方を含む、水の存在を判定してもよい。
【0097】
実施形態では、特性は、飲料の流れの品質であってもよい。品質は、飲料の乱れなどの飲料の形態によって表すことができる。
【0098】
ステップ504において、プロセスは、ステップ503において判定された飲料104の特性に基づいて、ステップ501における飲料104の分注において検出可能な誤差、すなわち分注誤差があるかを判定することを含むことができる。
【0099】
実施形態では、分注誤差は、添加剤成分の分注誤差であり得る。例えば、添加剤成分の分注誤差は、分注された飲料104が不適切な濃度の1つ以上の添加剤成分110を含むという判定であり得る。実施形態では、コンピュータ600は、飲料ディスペンサ100が分注するように構成された各飲料104の目標濃度を記憶してもよい。分注された飲料104の推定濃度は、特定の飲料104の目標濃度と比較されてもよい。コンピュータ600は、推定濃度が飲料104の目標濃度の所定の範囲(例えば、+/-5%)外である場合、分注された飲料104が不適切な濃度の添加剤成分110を含むと判定し得る。
【0100】
追加的又は代替的に、分注誤差は、間違った添加剤成分110が分注されるとの判定であり得る。例えば、同じノズル102から異なる飲料を分注することができる飲料ディスペンサ100の実施形態では、ユーザは、分注のために複数の飲料104のうちの1つを選択し得る。コンピュータ600は、ステップ501において、飲料ディスペンサ100が選択された飲料104以外の飲料104を分注するときに、添加剤成分の分注誤差を判定することができる。
【0101】
実施形態では、コンピュータ600は、基本成分又は補助基本成分の分注誤差、例えば、分注される補助基本成分108の量の著しい失敗を判定することができる。補助基本成分108の検出可能な著しい誤差の一例は、炭酸化を必要とする飲料104の炭酸化の失敗である。
【0102】
コンピュータ600が、ステップ504において分注誤差があると判定した場合、プロセス500は、ステップ505に進むことができ、ここで分注誤差に対処することができる。
【0103】
実施形態では、分注誤差に対処することは、分注誤差が発生したという警告を発信することを含み得る。
【0104】
実施形態において、警告は、飲料ディスペンサ100のディスプレイ上に表示することができる。
【0105】
実施形態において、警告は、更なる診断又は修理のために指定され得るオペレータに対して、ネットワーク上で送信され得る。
【0106】
実施形態において、警告は、分注誤差に関連付けられた製品の自動的な再注文を含むことができる。
【0107】
コンピュータ600が、ステップ504において検出された分注誤差がないと判定した場合、プロセス500は、終了するか、又は新しい分注を用いてステップ501を繰り返すことができる。
【0108】
線形分離解析
実施形態において、ステップ503及び504は、線形分離解析を伴うことができる。線形分離解析は、基本成分106の色と実質的に異なる色を有する添加剤成分110(以下、「高コントラスト添加剤成分」)を含む飲料104に対して特に正確であり得る。例えば、線形分離解析は、基本成分106、すなわち炭酸水の色とは実質的に異なる色を有する添加剤成分110シロップを含有する分注されたコーラ飲料104を監視するのに特に正確であり得る。
【0109】
線形分離解析は、分注された飲料104の測定された光学データy並びに選択された飲料104の較正済み光学データMを利用して、線形分離解析の関連誤差Eと共に、基本成分106に対する添加剤成分110の推定濃度cを定量的に解くことができる。線形分離解析は、モデルに関連する誤差Eを最小限に抑えながら、分注された飲料104の測定された光学データyを再現するために、分注された飲料104の構成成分から収集された較正済み光学データMをモデルで使用することを伴い得る。線形分離解析は、ピクセルごとに実行することができる。
【0110】
実施形態では、測定された光学データyは、分注された飲料104の画像から分解された光学データであり得る。コンピュータ600は、分注された飲料104の画像からの光学データをピクセルに分解することができる。分解された光学データは、分注の画像の1つ以上のピクセル内に含まれるRGB値を含むことができる。例えば、
【0111】
【0112】
少なくとも線形分離解析に関連して使用される基本成分106は、特定の分注された飲料104のレシピに応じて、補助基本成分108(例えば、炭酸化)を伴う又は伴わない基本成分106を含むことができる。レシピが、炭酸化などの補助基本成分108を有する基本成分106を含む実施形態では、較正済み光学データMは、基本成分106と一緒に混合された炭酸化などの補助基本成分108を含むが、添加剤成分110は含まない。
【0113】
少なくとも線形分離解析に関して使用されるような添加剤成分110への言及は、特定の分注された飲料104のためのレシピに応じて、1つ以上の添加剤成分110を含むことができる。レシピが2つ以上の添加剤成分110を含む実施形態では、較正済み光学データMは、一緒に分注される飲料レシピに必要な全ての添加剤成分に加えて基本成分106の情報を含む。
【0114】
較正済み光学データMは、飲料ディスペンサ100が分注するように構成された各飲料104について収集され得る。較正済み光学データMは、線形分離解析で使用するためにコンピュータ600によって記憶することができる。例えば、実施形態では、コンピュータ600は、第1の飲料104aの較正済み光学データM1と、第2の飲料104bの較正済み光学データM2とを記憶することができる。第1の飲料104aの較正済み光学データM1と、第2の飲料104bの較正済み光学データM2とは異なり得る。
【0115】
実施形態では、較正済み光学データMを収集することは、飲料104の添加剤成分110及び飲料104の基本成分106を独立して分注することを含み得る。実施形態では、較正済み光学データMは、各飲料104に対して1回だけ収集することができる。
【0116】
実施形態において、較正済み光学データMは、例えば、飲料ディスペンサ100の予定されたメンテナンスの後、又は成分供給が変更若しくは補充された後に、断続的に収集することができる。
【0117】
較正済み光学データMは、添加剤成分110及び基本成分106の赤、緑、及び青(RGB)値などの色値を含むことができる。例えば、コンピュータ600は、添加剤成分110の独立した分注の画像のピクセル内に含まれる平均色値と、基本成分106の独立した分注の画像のピクセル内に含まれる平均色値とを判定することができる。較正済み光学データMは、飲料104についての添加剤成分110及び基本成分106の平均色値の行列であり得る。例えば、
【0118】
【0119】
【数3】
は、添加剤成分110の独立した分注の画像のピクセル内に含まれる平均RGB値を表し、
【0120】
【数4】
は、基本成分106の独立分注の画像のピクセル内に含まれる平均RGB値を表す。
【0121】
較正済み光学データMは、飲料ディスペンサ100によって分注される各飲料104に固有であってもよい。実施形態では、第1の飲料104aの較正済み光学データM1及び第2の飲料104bの較正済み光学データM2は、平均RGB色値の行列とすることができる。第1の飲料104aの較正済み光学データM1についての平均RGB色値は、第2の飲料104bの較正済み光学データM2についての平均RGB色値とは異なり得る。
【0122】
実施形態では、線形分離解析は、コンピュータ600が、式[1]を使用して関連誤差Eを最小化しながら、基本成分106に対する添加剤成分110の推定濃度cを定量的に解くことを含み得る。
[1] y=Mc+E
推定濃度cは、プロセス500のステップ503で判定された添加剤成分110の特性であってもよい。
【0123】
図6A及び
図6Bは、ステップ501で選択された飲料104、すなわち、選択された飲料104に一致する、分注された飲料104(例えば、第1の飲料104a)の画像を使用した、式[1]の解のヒートマップを示す。
図6Aは、選択された飲料104のピクセルごとの推定濃度cを示す。
図6Bは、選択された飲料104のピクセルごとの線形分離解析の関連誤差Eを示す。
【0124】
選択された飲料104(例えば、第1の飲料104a)が分注されると、コンピュータ600は、第1の飲料104aの光学データM1を使用して、分注された飲料104の推定濃度cについて、許容可能な関連誤差E(例えば、
図6Bに示されるように、測定された光学データyの+/-5%以内)で式[1]を解くことができる。そのような実施形態では、コンピュータ600は、ステップ504において、分注誤差が発生しなかったと判定し得る。
図6A及び
図6Bは、線形分離解析が、選択された飲料104についての光学データMを使用して、分注された飲料104の濃度cを低い関連誤差で定量的に推定することができることを実証する。
【0125】
図7A及び
図7Bは、ステップ501で選択された飲料104に一致しない、すなわち意図されていない飲料104である、分注された飲料104(例えば、第2の飲料104b)の画像を使用した、式[1]の解のヒートマップを示す。
図7Aは、意図しない飲料104のピクセルごとの推定濃度cを示す。
図7Bは、意図しない飲料104についてのピクセルごとの線形分離解析の関連誤差Eを示す。
【0126】
意図しない飲料104について、コンピュータ600は、選択された飲料104(例えば、第1の飲料104a)についての光学データM1を使用して、分注された飲料104の推定濃度cについて式[1]を解くことができる。それにもかかわらず、選択された飲料(例えば、第1の飲料104a)の光学データM1が分注された意図しない飲料104(例えば、第2の飲料104b)に対応しないので、解に必要な関連誤差Eは許容不可能である(例えば、
図7Bに示すように、測定された光学データyの±5%の範囲外である)。そのような実施形態では、コンピュータ600は、関連誤差が許容不可能であるため、ステップ504において分注誤差が発生したと判定し得る。
図7A及び
図7Bは、意図しない飲料104の分注を検出するために線形分離解析を使用できることを実証する。
【0127】
形態素解析
実施形態において、ステップ503及び504は、形態素解析を含むことができる。形態素解析は、基本成分106の色と実質的に同様の色を有する添加剤成分110(以下、「低コントラスト添加剤成分」)を有する飲料104に特に有用であり得る。例えば、線形分離解析は、基本成分106(すなわち、炭酸水)の色と実質的に同様の色を有する添加剤成分110(すなわち、シロップ)を含有する、分注されたレモン風味のソフトドリンクを監視するのに特に有用であり得る。
【0128】
実施形態では、形態素解析は定性的であり得る。例えば、形態素解析は、分注された飲料104中の添加剤成分110の存在又は不存在を判定することができる。
【0129】
実施形態では、形態素解析は、分注された飲料104のエントロピー(例えば、光学エントロピー)を測定することを含み得る。測定されたエントロピーは、ステップ503で判定された添加剤成分特性であり得る。分注された飲料104のエントロピーは、予想エントロピーと比較することができる。予想エントロピーは、各飲料104の正しい分注から実験的に判定されてもよく、形態素解析で使用するためにコンピュータ600によって記憶されてもよい。測定されたエントロピーが許容範囲(例えば、予想エントロピーの+/-5%)外である場合、コンピュータ600は、ステップ504において、分注誤差があると判定し得る。予想エントロピーは、各飲料104に固有であってもよい。
【0130】
線形分離と形態素解析の組み合わせ
図8は、線形分離解析と形態素解析の組み合わせを使用して、分注誤差があるかを判定するプロセス800を示す。プロセス800は、プロセス500のサブプロセスであり得る。例えば、プロセス800は、ステップ504において分注誤差があるかを判定するサブプロセスであり得る。代替的に、プロセス800は、プロセス500から独立して実行され得る。
【0131】
プロセス800は、高コントラスト添加剤成分を有する少なくとも1つの飲料104と低コントラスト添加剤成分を有する少なくとも1つの飲料104とを含む2つ以上の飲料104を分注するように構成された飲料ディスペンサ100の実施形態に特に有用であり得る。このような実施形態では、線形分離解析単独では、特定のタイプの分注誤差を区別するのに不十分な場合がある。例えば、選択された飲料104(例えば、コーラ)が高コントラスト添加剤成分を含み、低コントラスト添加剤成分を有する意図しない飲料104(例えば、レモン風味のソフトドリンク)が分注される場合、線形分離解析は、選択された飲料104(例えば、コーラ)の添加剤成分110の低い推定濃度cについて、低い関連誤差Eで式[1]を解くことができる。このような状況では、線形分離解析は、推定濃度cが選択された飲料104の予想濃度よりも低いため、分注誤差があると判定することができる。それにもかかわらず、線形分離解析単独では、分注誤差が実際には低コントラスト添加剤成分を有する意図しない飲料104(例えば、レモン風味のソフトドリンク)を分注した結果であったと判定することができない場合がある。そのような状況では、プロセス800は、分注誤差をより高い特異性で判定することによって、飲料ディスペンサ100の診断能力を改善し得る。
【0132】
プロセス800は、ステップ801において、前述のように、推定濃度c及び関連誤差Eを判定するために、分注された飲料104の画像の線形分離解析を実行することを含み得る。
【0133】
ステップ802では、プロセス800は、ステップ801で実行された線形分離解析の関連誤差Eが許容可能であるか(例えば、測定された光学データyの+/-5%の範囲内であるか)を判定することを含み得る。コンピュータ600が、解に必要な関連誤差Eが許容不可能である(例えば、測定された光学データyの+/-5%の範囲外である)と判定した場合、プロセスは、ステップ803に進み、意図しない飲料分注誤差が生じた、すなわち、選択された飲料104以外の飲料104が飲料ディスペンサ100から分注されたと判定することができる。プロセス800がプロセス500のサブプロセスである実施形態では、プロセス500は、プロセス500のステップ504からステップ505に進み、分注誤差に対処することができる。
【0134】
コンピュータ600が、関連誤差Eが許容可能である(例えば、測定された光学データyの+/-5%の範囲内である)と判定した場合、プロセス800はステップ804に進むことができる。
【0135】
ステップ804では、プロセス800は、選択された飲料104が低コントラスト添加剤成分を含むかを評価することを含み得る。飲料ディスペンサ100が分注するように構成された各飲料104に対する添加剤成分のコントラスト分類は、コンピュータ600に記憶されてもよい。コントラスト分類は、各飲料104を低コントラスト添加剤成分又は高コントラスト添加剤成分として分類してもよい。ステップ804は、コンピュータ600が、分類に基づいて、選択された飲料104が低コントラスト添加剤成分を含むかを判定することを含み得る。選択された飲料104が低コントラスト添加材成分を含むと判定された場合、プロセス800はステップ807に進み得る。選択された飲料104が低コントラスト成分を含まないと判定された場合、プロセス800はステップ805に進んでもよい。
【0136】
ステップ805では、プロセス800は、推定濃度cが許容可能であるかを評価することができる。コンピュータ600は、分注された各飲料104に対する添加剤成分110の許容可能な濃度の範囲を記憶し得る。コンピュータ600は、推定濃度cを、選択された飲料104についての添加剤成分110の許容可能な濃度の範囲と比較し得る。コンピュータ600が、推定濃度cが選択された飲料104についての添加剤成分110の許容可能な濃度の範囲内にあると判定した場合、プロセス800はステップ810に進み得、そこで、コンピュータ600は、分注誤差が検出されていないと判定し得る。プロセス800がプロセス500のサブプロセスである実施形態では、プロセス500は、ステップ810からプロセス500を再開するステップ501に進むことができる。
【0137】
コンピュータ600が、推定濃度cが選択された飲料104に対する添加剤成分110の許容可能な濃度の範囲外であると判定した場合、プロセス800はステップ806に進むことができ、そこで、コンピュータ600は、添加剤成分の分注誤差があると判定することができる。実施形態では、添加剤成分の分注誤差は、添加剤成分110の濃度が低すぎるという判定であり得る。プロセス800がプロセス500のサブプロセスである実施形態では、プロセス500は、ステップ806からプロセス500のステップ505に進み、分注誤差に対処することができる。
【0138】
プロセス800は、ステップ807において、前述のように、分注された飲料104のエントロピーを判定するために、分注された飲料104の画像の形態素解析を実行することを含み得る。
【0139】
ステップ808では、プロセス800は、ステップ807で判定された分注された飲料104のエントロピーが、選択された飲料104の許容可能なエントロピー値の範囲内にあるかを評価することができる。許容範囲は、分注された飲料104の予想エントロピーの+/-5%であってもよい。各飲料104の許容可能なエントロピー値の範囲は、コンピュータ600に記憶されてもよい。エントロピーが選択された飲料104の許容可能なエントロピー値の範囲内にあるとコンピュータ600が判定した場合、プロセス800はステップ810に進み得る。
【0140】
コンピュータ600が、分注された飲料104のエントロピーが、選択された飲料104の許容可能なエントロピー値の範囲外であると判定した場合、プロセス800は、ステップ809に進み得、そこで、コンピュータ600は、添加剤成分の分注誤差があると判定し得る。実施形態では、添加剤成分の分注誤差は、添加剤成分110の供給が少なすぎる、例えば、飲料ディスペンサ100が添加剤成分110を供給できないという判定であり得る。プロセス800がプロセス500のサブプロセスである実施形態では、プロセス500は、ステップ809からプロセス500のステップ505に進み、分注誤差に対処することができる。
【0141】
補助基本成分特性解析
実施形態では、コンピュータ600は、分注された飲料104の画像を解析して、補助基本成分特性を判定することができる。上述したように、補助基本成分特性は、プロセス500のステップ503で判定された特性であってもよい。例えば、コンピュータ600は、分注された飲料104の画像を解析して、分注された飲料104に炭酸化が存在するか又は存在しないかを判定し得る。
【0142】
実施形態では、コンピュータ600は、分注された飲料104の画像を解析して、分注された飲料104の縁部を検出することができる。分注された飲料104の検出された縁部に基づいて、コンピュータ600は、分注された飲料104に炭酸化が存在するか又は存在しないかを判定することができる。例えば、コンピュータは、分注された飲料104の検出された縁部間の距離、分注された飲料104の検出された縁部の数、分注された飲料104の検出された縁部の形状、又は分注された飲料104の検出された縁部の他の特徴的な品質を解析してもよい。
【0143】
実施形態では、コンピュータ600は、分注された飲料104の画像を解析して、分注された飲料104の色を検出することができる。色(例えば、分注された飲料104がどの程度明るいか又は暗いか)に基づいて、コンピュータ600は、分注された飲料104に炭酸化が存在するか又は存在しないかを判定することができる。
【0144】
実施形態では、コンピュータ600は、分注された飲料104の画像を解析して、分注された飲料の本体の外側の液滴の存在又は不存在を検出することができる。分注された飲料104の本体の外側で液滴が検出されるか否かに応じて、コンピュータ600は、分注された飲料104に炭酸化が存在するか又は存在しないかを判定することができる。
【0145】
図9Aは、2つの分注された飲料104の画像を示す。炭酸入りの分注された飲料104c及びフラットな分注された飲料104d、すなわち、炭酸なしの分注された飲料104である。
図9Bは、
図9Aに示された画像からコンピュータ600によって検出された、炭酸入りの分注された飲料104cの縁部128及びフラットな分注された飲料104dの縁部130の画像を示す。検出された縁部は、選択された飲料104について予想される縁部と比較することができる。予想される縁部は、飲料104に特有であってもよく、コンピュータ600に記憶されてもよい。検出された縁部が、選択された飲料104に対して予想される縁部から著しく逸脱している場合、コンピュータ600は、プロセス500のステップ504において発生した分注誤差において、例えば、飲料ディスペンサ100が分注された飲料104に炭酸化を供給できていないと判定し得る。分注された飲料104の検出された縁部が予想される縁部から著しく逸脱していない場合、コンピュータ600は、炭酸化分注誤差が検出されていないと判定し得る(例えば、プロセス500のステップ504において)。
【0146】
充填レベル解析
実施形態では、コンピュータ600は、飲料ディスペンサ100のカメラ122から撮影された画像を解析して、カップ112内の分注された飲料104の充填レベルを判定し得る。コンピュータ600は、飲料104がカップ112に分注される際に、一連の連続画像を撮影するようにカメラ122を制御し得る。一連の画像内の各画像は、タイムスタンプされてもよい。コンピュータ600は、画像をリアルタイムで解析してもよく、各画像において飲料104の上部の縁部を検出してもよい。
【0147】
カップ112内への少なくとも部分的なトップダウンビューで取り付けられたカメラ122(例えば、第2のカメラ122b)を含む飲料ディスペンサ100の実施形態では、コンピュータ600は、カップ112の内部に対する飲料104の上部の縁部を検出し得る。
【0148】
カップ112の側面図を伴うカメラ122(例えば、第1のカメラ122a)を有する飲料ディスペンサ100の実施形態では、コンピュータ600は、カップ112を通過する光の色の変化に基づいて、カップ112を通る飲料104の上部の縁部を検出し得る。
【0149】
一連の画像内の各画像について、コンピュータ600は、飲料104の上部の検出された縁部及びカップ112の上部の検出された縁部の測定値に基づいて、カップ112の充填率を判定し得る。画像に対するタイムスタンプ及び各画像に対するカップ112の判定された充填パーセントを使用して、コンピュータ600は、カップ112の充填率を推定することができる。カップ112の充填率及びカップ112の判定された充填パーセントに基づいて、コンピュータ600は、カップ112がいつ充填されるかを予測することができ、カップ112の過剰充填を防止するために飲料104の分注を終了するように飲料ディスペンサ100を制御することができる。
【0150】
「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。発明の概要及び要約の項は、本発明者らによって想到されるような、本発明の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得、ひいては、本発明及び添付の特許請求の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0151】
特定の機能の実装形態及びそれらの関係を例解する機能的ビルディングブロックの助けにより、本発明を上で説明してきた。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及びこれらの関係が適切に行われる限り、代替の境界を定義することができる。
【0152】
特定実施形態の前述の記載により、本発明の全般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明の全般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、本明細書の教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0153】
本発明の広がり及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、下記特許請求の範囲及びこれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。
【国際調査報告】