(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】免疫細胞機能の改善
(51)【国際特許分類】
A61K 35/17 20150101AFI20230830BHJP
C12N 15/24 20060101ALI20230830BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20230830BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20230830BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230830BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20230830BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230830BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230830BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230830BHJP
A61K 38/20 20060101ALI20230830BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20230830BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20230830BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20230830BHJP
C12N 5/0783 20100101ALN20230830BHJP
C12N 5/078 20100101ALN20230830BHJP
C07K 16/00 20060101ALN20230830BHJP
C07K 14/435 20060101ALN20230830BHJP
C07K 14/54 20060101ALN20230830BHJP
【FI】
A61K35/17
C12N15/24 ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N5/10
C07K19/00
A61P35/02
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K38/20
A61K48/00
C12N15/12
C12N15/13
C12N5/0783
C12N5/078
C07K16/00
C07K14/435
C07K14/54
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023510321
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 US2021045668
(87)【国際公開番号】W WO2022036041
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514266932
【氏名又は名称】カイト ファーマ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Kite Pharma, Inc
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エムテージ ピーター
(72)【発明者】
【氏名】フォン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ナウイヘド ヘバ
(72)【発明者】
【氏名】フン タミー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
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4C087MA02
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4H045AA10
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4H045DA02
4H045DA50
4H045DA75
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、細胞療法の分野に関し、より具体的には、サイトカインシグナル伝達の改善を介した腫瘍微小環境の改善によってCAR及び/又はTCR機能を改善することに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における腫瘍抗原の発現に関連するがんを治療する方法であって、前記対象に、有効量の免疫細胞であって、CAR又はTCRを含み、
a)膜結合IL-18を含み、
b)IL-18と同時投与され、又は
c)CAR又はTCRを含む前記免疫細胞の拡大中にIL-18と接触させられる、
免疫細胞を投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記免疫細胞は膜結合IL-18を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記膜結合IL-18は、シグナルペプチド、インターロイキン-18(IL-18)及びインターロイキン-18受容体(IL-18R)サブユニットを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸の発現によって得られる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記核酸は、配列番号18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38及び40からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記免疫細胞はIL-18と同時投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記免疫細胞はIL-18と同時に投与されるか、又は前記免疫細胞はIL-18と連続して投与される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記免疫細胞は、CAR又はTCRを含む前記免疫細胞の拡大中にIL-18と接触させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記免疫細胞は、IL-2、AKT阻害剤、IL-7、IL-12、又はIL-15のうちの1つ以上と共に更に培養される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記腫瘍抗原は、2B4(CD244)、4-1BB、5T4、A33抗原、腺がん抗原、アドレナリン受容体ベータ3(ADRB3)、Aキナーゼアンカープロテイン4(AKAP-4)、アルファフェトプロテイン(AFP)、未分化リンパ種キナーゼ(ALK)、アンドロゲン受容体、B7H3(CD276)、β2-インテグリン、BAFF、Bリンパ種、B細胞成熟抗原(BCMA)、bcr-abl(切断点クラスター領域(BCR)及びAbelsonマウス白血病細胞がん遺伝子ホモログ1(Abl)からなるがん遺伝子融合タンパク質)、BhCG、骨髄間質細胞抗原2(BST2)、CCCTC結合因子(亜鉛フィンガータンパク質)様(BORIS又はBrother of the Regulator of Imprinted Sites)、BST2、C242抗原、9-0-アセチル-CA19-9マーカー、CA-125,CAEX,カルレティキュリン、炭酸脱水酵素9(CAIX)、C-MET、CCR4、CCR5、CCR8、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD7、CD10、CD16、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD24、CD25、CD27、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD34、CD38、CD40、CD40L、CD41、CD44、CD44V6、CD49f、CD51、CD52、CD56、CD63、CD70、CD72、CD74、CD79a、CD79b、CD80、CD84、CD96、CD97、CD100、CD123、CD125、CD133、CD137、CD138、CD150、CD152(CTLA-4)、CD160、CD171、CD179a、CD200、CD221、CD229、CD244、CD272(BTLA)、CD274(PD-L1、B7H1)、CD279(PD-1)、CD352、CD358、CD300分子様ファミリーメンバーf(CD300LF)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン6(CLDN6)、C型レクチン様分子-1(CLL-1又はCLECL1)、C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(CLEC12A)、サイトメガロウイルス(CMV)感染細胞抗原、CNT0888、CRTAM((CD2サブセット1、CRACC、CD319、及び19A24とも呼ばれる)CD355)、CTLA-4、サイクリンB1、染色体Xオープンリーディングフレーム61(CXORF61)、シトクロムP450 1B 1(CYP1B1)、DNAM-1(CD226)、デスモグレイン4、DR3、DR5、E-カドヘリンネオエピトープ、上皮成長因子受容体(EGFR)、EGF1R、上皮成長因子受容体変異体III(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質-2(EGP-2)、上皮糖タンパク質-40(EGP-40)、EGF様モジュール含有ムチン様ホルモン受容体様2(EMR2)、伸長因子2変異型(ELF2M)、エンドシアリン、上皮細胞接着分子(EPCAM)、エフリンA型受容体2(EphA2)、エフリンB2、受容体チロシン-タンパク質キナーゼerb-B2、3,4(erb-B2,3,4)、ERBB、ERBB2(Her2/neu)、ERG(膜貫通プロテアーゼ、セリン2(TMPRSS2)ETS融合遺伝子)、ETA、染色体12p上に位置するETS導入変異体遺伝子6(ETV6-AML)、IgA受容体のFcフラグメント(FCAR又はCD89)、線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAP)、FBP、Fc受容体様5(FcRL5)、胎児アセチルコリン受容体(AChR)、フィブロネクチン余分ドメインB、Fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体1、葉酸受容体α、葉酸受容体β、Fos関連抗原1、フコシル、フコシルGM1;GM2、ガングリオシドG2(GD2)、ガングリオシドGD3(aNeu5Ac(2-8)aNeu5Ac(2-3)bDGalp(l-4)bDGlcp(l-l)Cer)、o-アセチル-GD2ガングリオシド(OAcGD2)、GITR(TNFRSF18)、GM1、ガングリオシドGM3、GloboHグリコセラミドの六糖部分(GloboH)、糖タンパク質75、グリピカン-3(GPC3)、糖タンパク質100(gpl00)、GPNMB、Gタンパク質共役受容体20(GPR20)、Gタンパク質共役受容体クラスC群5、メンバーD(GPRC5D)、A型肝炎ウイルス細胞受容体1(HAVCR1)、ヒト上皮成長因子受容体2(HER-2)、HER2/neu、HER3、HER4、HGF、高分子量メラノーマ関連抗原(HMWMAA)、ヒトパピローマウイルスE6(HPV E6)、ヒトパピローマウイルスE7(HPV E7)、熱ショックタンパク質70-2変異(mut hsp70-2)、ヒト散乱因子受容体キナーゼ、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)、HVEM、ICOS、インスリン様成長因子受容体1(IGF-1受容体)、IGF-I、IgG1、免疫グロブリンラムダ様ポリペプチド1(IGLL1)、IL-6、インターロイキン11受容体アルファ(IL-llRα)、IL-13、インターロイキン-13受容体サブユニットα-2(IL-13Rα2又はCD213A2)、インスリン様成長因子I受容体(IGF1-R)、インテグリンα5β1、インテグリンανβ3、腸管カルボキシルエステラーゼ、κ軽鎖、KCS1、キナーゼインサートドメイン受容体(KDR)、KIR、KIR2DL1、KIR2DL2、KIR2DL3、KIR3DL2、KIR-L、KG2Dリガンド、KIT(CD117)、KLRGI、LAGE-1a、LAG3、リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK)、白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーAメンバー2(LILRA2)、レグマイン、白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIR1)、ルイス(Y)抗原、LeY、LG、LI細胞接着分子(LI-CAM)、LIGHT、LMP2、リンパ球複合体6、BR、遺伝子座K9(LY6K)、Ly-6、リンパ球抗原75(LY75)、メラノーマがん精巣抗原-1(MAD-CT-1);メラノーマがん精巣抗原-2(MAD-CT-2)、MAGE、メラノーマ関連抗原1(MAGE-A1)、T細胞によって認識されるMAGE-A3メラノーマ抗原1(MelanA又はMARTI)、MelanA/MARTl、メソテリン、MAGE A3、アポトーシスのメラノーマ阻害剤(ML-IAP)、メラノーマ特異的コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSCP)、MORAb-009、MS4A1、Mucin1(MUCl)、MUC2、MUC3、MUC4、MUC5AC、MUC5b、MUC7、MUC16、ムチンCanAg、ニューラル・ミュラー管阻害物質(MIS)受容体II型、トリ骨髄細胞腫症ウイルス癌遺伝子神経芽腫由来ホモログ(MYCN)、N-グリコリルアミン酸、N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV(NA17)、神経細胞接着分子(NCAM)、NKG2A、NKG2C、NKG2D、NKG2Eリガンド、NKR-P IA、NPC-1C、NTB-A、乳腺分化抗原(NY-BR-1)、NY-ESO-1、癌胎児性抗原(h5T4)、嗅覚受容体51E2(OR51E2)、OX40、形質細胞抗原、ポリSA、プロアクロシン結合タンパク質sp32(OY-TES 1)、p53、p53変異体、パンネキシン3(PANX3)、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、ペアードボックスタンパク質Pax-3(PAX3)、ペアードボックスタンパク質Pax-5(PAX5)、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1又はGal8)、PD-1H、血小板由来増殖因子受容体アルファ(PDGFR-アルファ)、PDGFR-ベータ、PDL192、PEN-5、ホスファチジルセリン、胎盤特異的1(PLAC1)、ポリシアル酸、プロスターゼ、前立腺癌細胞、プロステイン、プロテアーゼセリン21(テスチシン又はPRSS21)、プロテイナーゼ3(PR1)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、プロテアソーム(Prosome,Macropain)サブユニット、ベータタイプ、高度糖化最終産物受容体(RAGE-1)、RANKL、Ras変異体、RasホモログファミリーメンバーC(RhoC)、RON、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、腎臓ユビキタス1(RU1)、腎臓ユビキタス2(RU2)、肉腫転座ブレークポイント、T細胞3(SART3)、SAS、SDC1、SLAMF7、シアリルルイス接着分子(sLe)、Siglec-3、Siglec-7、Siglec-9、ソニックヘッジホッグ(SHH)、精子タンパク質17(SPA17)、ステージ特異的胚性抗原4(SSEA-4)、STEAP、sTn抗原、滑膜肉腫Xブレークポイント2(SSX2)、サバイビン、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、TCR5γ、TCRα、TCRβ、TCRγ代替リーディングフレームタンパク質(TARP)、テロメラーゼ、TIGIT、TNF-α前駆体、腫瘍内皮マーカー1(TEM1/CD248)、腫瘍内皮マーカー7関連(TEM7R)、テネイシンC、TGF-β1、TGF-β2、トランスグルタミナーゼ5(TGS5)、アンジオポエチン結合細胞表面受容体2(Tie 2)、TIM1、TIM2、TIM3、Tn Ag、TRAIL-R1、TRAIL-R2、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2)、甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR)、腫瘍抗原CTAA16.88、チロシナーゼ、ウロプラキン2(UPK2)、VEGF-A、VEGFR-1、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、及びビメンチン、ウィルムス腫瘍タンパク質(WT1)、又はX抗原ファミリーメンバー1A(XAGE1)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
インターロイキン-18(IL-18)及びインターロイキン-18受容体(IL-18R)サブユニットを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、核酸。
【請求項11】
前記IL-18Rサブユニット配列は、配列番号6のアミノ酸残基21~540又は配列番号8のアミノ酸残基20~599と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の核酸。
【請求項12】
前記ポリペプチドは、IL-18と前記IL-18Rサブユニットとを接続するアミノ酸リンカーを含む、請求項10又は11に記載の核酸。
【請求項13】
前記アミノ酸リンカーは、Mycリンカー配列、Whitlowリンカー配列、nが1~6である(GGGGS)
n(配列番号9)、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項12に記載の核酸。
【請求項14】
前記ポリペプチドは、配列番号19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39及び41からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の核酸。
【請求項15】
前記ポリペプチドは、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を更に含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の核酸。
【請求項16】
請求項10~15のいずれか一項に記載の核酸を含む、発現ベクター。
【請求項17】
請求項10~15のいずれか一項に記載の核酸によってコードされる、ポリペプチド。
【請求項18】
請求項10~15のいずれか一項に記載の核酸、請求項17に記載のポリペプチド、又は請求項16に記載の発現ベクターを含む、免疫細胞。
【請求項19】
腫瘍抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)をコードする核酸配列を更に含む、請求項18に記載の免疫細胞。
【請求項20】
T細胞又はNK細胞を含む、請求項19に記載の免疫細胞。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる、2020年8月14日に出願された米国特許仮出願第63/066,039号の優先権を主張する。
【0002】
(配列表に関する記述)
本出願に関連する配列表は、紙のコピーの代わりにテキスト形式で提供され、参照により本明細書に組み込まれる。配列表を含むテキストファイルの名称は、「K1079-WO-PCT_82352-318175_ST25」である。テキストファイルは170KBであり、2020年8月14日に作成され、本明細書の提出と同時にEFS-Webを介して電子的に提出されている。
【0003】
(発明の分野)
本開示は、免疫学及び細胞療法の分野に関し、より具体的には、サイトカインシグナル伝達を調節することによって、CAR及び/又はTCRを含むT細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞ベースの免疫療法を改善することに関する。
【背景技術】
【0004】
免疫系は、身体全体にわたって悪性細胞を探索し、探し、破壊するその能力を通して、がんに対する自然防御を提供する。しかし、この防御機構で注意しなければならない点は、特定のがんが、抗腫瘍免疫応答のロバスト性を低下させる免疫抑制性微小環境を誘導し得ることである(Beatty et al.,Clin Cancer Res,(21)(4):687-632(2015))。これらの免疫回避機構は、キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor、CAR)T細胞療法及びT細胞受容体(T cell receptor、TCR)T細胞細胞療法及び/又はナチュラルキラー細胞ベースの免疫療法などの操作された細胞療法技術の使用を含む、細胞免疫療法の実施及び有効性に対する課題を提示する。
【0005】
全体的なT細胞の機能及び増殖はサイトカインシグナル伝達に依存するので、サイトカインの使用は、T細胞ベースの治療の全体的な質及び効力を改善し得ると理論付けられている。過去の研究では、T細胞ベースの療法拡大の手段としてIL-2の使用が成功したことが実証されているが、欠点としてT細胞の疲弊及びT細胞持続性の低下の両方が含まれていた(Gattinoni et al.,J Clin Invest,(115):1616-1626(2005))。他の研究では、IL-7及びIL-15を一緒に使用することによるCAR-T細胞の改善された効力が示されている(Xu et al.,Blood,(123):3750-3759(2014)。CAR-Tの効力は、IL-21の使用によっても改善することが報告された(Singh et al.,Cancer Res,(71)3516-3527(2011))。同様に、IL-2は、NK細胞の細胞傷害を増強することが見出されている(Hu et al.,Front.Immunol.,(20)1205(2019))。
【0006】
したがって、免疫細胞に基づく免疫療法の有効性を改善するための手段としてサイトカインシグナル伝達の使用を活用する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、IL-18シグナル伝達を介して免疫応答を調節するための複数の方法及び組成物を提供する。これらの方法及び組成物は、最終的には、IL-18シグナル伝達を増加させた、又はIL-18と共に投与される抗原結合ドメイン又は結合モチーフ(例えば、CAR又はTCR)を含む細胞療法分子をコードする核酸を含む、ナチュラルキラー(NK)細胞及びT細胞などの免疫細胞に関する。
【0008】
本開示は、対象におけるIL-18シグナル伝達の調節における、本明細書で提供される核酸、ポリペプチド、発現ベクター、又は免疫細胞のいずれかの方法及び使用を提供する。CAR又はTCRを含有する免疫細胞に関して、本開示は、対象におけるがんの治療又は予防における方法及び使用を提供する。
【0009】
本開示は、対象における腫瘍抗原の発現に関連するがんを治療する方法であって、対象に、有効量の免疫細胞であって、CAR又はTCRを含み、a)膜結合IL-18を含み、b)IL-18と同時投与され、又は、c)免疫細胞の拡大中にIL-18と接触させられる、免疫細胞を投与することを含む、方法を提供する。
【0010】
この方法の一態様では、免疫細胞は、シグナルペプチド、インターロイキン-18(IL-18)及びインターロイキン-18受容体(IL-18R)サブユニットを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸の発現によって得ることができる膜結合IL-18を含む。ある特定の実施形態では、核酸は、配列番号16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38又は40のヌクレオチド配列を含む。
【0011】
この方法の別の態様では、CAR又はTCRを含むNK細胞又はT細胞などの免疫細胞が、IL-18と一緒に対象に同時投与される。IL-18は、同じ組成物若しくは異なる組成物中で同時に、又は連続して投与され得る。この方法の別の態様では、CAR又はTCRを含むNK細胞又はT細胞などの免疫細胞が、IL-18並びに可溶性IL-12及び/又は可溶性IL-15と一緒に対象に更に同時投与される。
【0012】
この方法の更に別の態様では、免疫細胞を拡大中にIL-18と接触させて、CAR又はTCRを含有する免疫細胞を産生する。一実施形態では、細胞をIL-18の存在下で拡大させ、IL-2、AKT阻害剤、IL-7、IL-12、又はIL-15のうちの1つ以上と共に培養する。
【0013】
ある特定の実施形態では、IL-18は、約0.001~約500ng/mLのIL-18の量である。
【0014】
本明細書の態様のいずれかの特定の実施形態では、抗原は腫瘍抗原である。本明細書に記載の態様のいずれかの様々な実施形態では、腫瘍抗原は、2B4(CD244)、4-1BB、5T4、A33抗原、腺がん抗原、アドレナリン受容体ベータ3(ADRB3)、Aキナーゼアンカープロテイン4(AKAP-4)、アルファフェトプロテイン(AFP)、未分化リンパ種キナーゼ(ALK)、アンドロゲン受容体、B7H3(CD276)、β2-インテグリン、BAFF、Bリンパ種、B細胞成熟抗原(BCMA)、bcr-abl(切断点クラスター領域(BCR)及びAbelsonマウス白血病細胞がん遺伝子ホモログ1(Abl)からなるがん遺伝子融合タンパク質)、BhCG、骨髄間質細胞抗原2(BST2)、CCCTC結合因子(亜鉛フィンガータンパク質)様(BORIS又はBrother of the Regulator of Imprinted Sites)、BST2、C242抗原、9-0-アセチル-CA19-9マーカー、CA-125,CAEX,カルレティキュリン、炭酸脱水酵素9(CAIX)、C-MET、CCR4、CCR5、CCR8、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD7、CD10、CD16、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD24、CD25、CD27、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD34、CD38、CD40、CD40L、CD41、CD44、CD44V6、CD49f、CD51、CD52、CD56、CD63、CD70、CD72、CD74、CD79a、CD79b、CD80、CD84、CD96、CD97、CD100、CD123、CD125、CD133、CD137、CD138、CD150、CD152(CTLA-4)、CD160、CD171、CD179a、CD200、CD221、CD229、CD244、CD272(BTLA)、CD274(PD-L1、B7H1)、CD279(PD-1)、CD352、CD358、CD300分子様ファミリーメンバーf(CD300LF)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン6(CLDN6)、C型レクチン様分子-1(CLL-1又はCLECL1)、C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(CLEC12A)、サイトメガロウイルス(CMV)感染細胞抗原、CNT0888、CRTAM((CD2サブセット1、CRACC、CD319、及び19A24とも呼ばれる)CD355)、CTLA-4、サイクリンB1、染色体Xオープンリーディングフレーム61(CXORF61)、シトクロムP450 1B 1(CYP1B1)、DNAM-1(CD226)、デスモグレイン4、DR3、DR5、E-カドヘリンネオエピトープ、上皮成長因子受容体(EGFR)、EGF1R、上皮成長因子受容体変異体III(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質-2(EGP-2)、上皮糖タンパク質-40(EGP-40)、EGF様モジュール含有ムチン様ホルモン受容体様2(EMR2)、伸長因子2変異型(ELF2M)、エンドシアリン、上皮細胞接着分子(EPCAM)、エフリンA型受容体2(EphA2)、エフリンB2、受容体チロシン-タンパク質キナーゼerb-B2、3,4(erb-B2,3,4)、ERBB、ERBB2(Her2/neu)、ERG(膜貫通プロテアーゼ、セリン2(TMPRSS2)ETS融合遺伝子)、ETA、染色体12p上に位置するETS導入変異体遺伝子6(ETV6-AML)、IgA受容体のFcフラグメント(FCAR又はCD89)、線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAP)、FBP、Fc受容体様5(FcRL5)、胎児アセチルコリン受容体(AChR)、フィブロネクチン余分ドメインB、Fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体1、葉酸受容体α、葉酸受容体β、Fos関連抗原1、フコシル、フコシルGM1;GM2、ガングリオシドG2(GD2)、ガングリオシドGD3(aNeu5Ac(2-8)aNeu5Ac(2-3)bDGalp(l-4)bDGlcp(l-l)Cer)、o-アセチル-GD2ガングリオシド(OAcGD2)、GITR(TNFRSF18)、GM1、ガングリオシドGM3、GloboHグリコセラミドの六糖部分(GloboH)、糖タンパク質75、グリピカン-3(GPC3)、糖タンパク質100(gpl00)、GPNMB、Gタンパク質共役受容体20(GPR20)、Gタンパク質共役受容体クラスC群5、メンバーD(GPRC5D)、A型肝炎ウイルス細胞受容体1(HAVCR1)、ヒト上皮成長因子受容体2(HER-2)、HER2/neu、HER3、HER4、HGF、高分子量メラノーマ関連抗原(HMWMAA)、ヒトパピローマウイルスE6(HPV E6)、ヒトパピローマウイルスE7(HPV E7)、熱ショックタンパク質70-2変異(mut hsp70-2)、ヒト散乱因子受容体キナーゼ、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)、HVEM、ICOS、インスリン様成長因子受容体1(IGF-1受容体)、IGF-I、IgG1、免疫グロブリンラムダ様ポリペプチド1(IGLL1)、IL-6、インターロイキン11受容体アルファ(IL-llRα)、IL-13、インターロイキン-13受容体サブユニットα-2(IL-13Rα2又はCD213A2)、インスリン様成長因子I受容体(IGF1-R)、インテグリンα5β1、インテグリンανβ3、腸管カルボキシルエステラーゼ、κ軽鎖、KCS1、キナーゼインサートドメイン受容体(KDR)、KIR、KIR2DL1、KIR2DL2、KIR2DL3、KIR3DL2、KIR-L、KG2Dリガンド、KIT(CD117)、KLRGI、LAGE-1a、LAG3、リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK)、白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーAメンバー2(LILRA2)、レグマイン、白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIR1)、ルイス(Y)抗原、LeY、LG、LI細胞接着分子(LI-CAM)、LIGHT、LMP2、リンパ球複合体6、BR、遺伝子座K9(LY6K)、Ly-6、リンパ球抗原75(LY75)、メラノーマがん精巣抗原-1(MAD-CT-1);メラノーマがん精巣抗原-2(MAD-CT-2)、MAGE、メラノーマ関連抗原1(MAGE-A1)、T細胞によって認識されるMAGE-A3メラノーマ抗原1(MelanA又はMARTI)、MelanA/MARTl、メソテリン、MAGE A3、アポトーシスのメラノーマ阻害剤(ML-IAP)、メラノーマ特異的コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSCP)、MORAb-009、MS4A1、Mucin 1(MUCl)、MUC2、MUC3、MUC4、MUC5AC、MUC5b、MUC7、MUC16、ムチンCanAg、ニューラル・ミュラー管阻害物質(MIS)受容体II型、トリ骨髄細胞腫症ウイルス癌遺伝子神経芽腫由来ホモログ(MYCN)、N-グリコリルアミン酸、N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV(NA17)、神経細胞接着分子(NCAM)、NKG2A、NKG2C、NKG2D、NKG2Eリガンド、NKR-P IA、NPC-1C、NTB-A、乳腺分化抗原(NY-BR-1)、NY-ESO-1、癌胎児性抗原(h5T4)、嗅覚受容体51E2(OR51E2)、OX40、形質細胞抗原、ポリSA、プロアクロシン結合タンパク質sp32(OY-TES 1)、p53、p53変異体、パンネキシン3(PANX3)、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、ペアードボックスタンパク質Pax-3(PAX3)、ペアードボックスタンパク質Pax-5(PAX5)、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1又はGal8)、PD-1H、血小板由来増殖因子受容体アルファ(PDGFR-アルファ)、PDGFR-ベータ、PDL192、PEN-5、ホスファチジルセリン、胎盤特異的1(PLAC1)、ポリシアル酸、プロスターゼ、前立腺癌細胞、プロステイン、プロテアーゼセリン21(テスチシン又はPRSS21)、プロテイナーゼ3(PR1)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、プロテアソーム(Prosome,Macropain)サブユニット、ベータタイプ、高度糖化最終産物受容体(RAGE-1)、RANKL、Ras変異体、RasホモログファミリーメンバーC(RhoC)、RON、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、腎臓ユビキタス1(RU1)、腎臓ユビキタス2(RU2)、肉腫転座ブレークポイント、T細胞3(SART3)、SAS、SDC1、SLAMF7、シアリルルイス接着分子(sLe)、Siglec-3、Siglec-7、Siglec-9、ソニックヘッジホッグ(SHH)、精子タンパク質17(SPA17)、ステージ特異的胚性抗原4(SSEA-4)、STEAP、sTn抗原、滑膜肉腫Xブレークポイント2(SSX2)、サバイビン、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、TCR5γ、TCRα、TCRβ、TCRγ代替リーディングフレームタンパク質(TARP)、テロメラーゼ、TIGIT、TNF-α前駆体、腫瘍内皮マーカー1(TEM1/CD248)、腫瘍内皮マーカー7関連(TEM7R)、テネイシンC、TGF-β1、TGF-β2、トランスグルタミナーゼ5(TGS5)、アンジオポエチン結合細胞表面受容体2(Tie 2)、TIM1、TIM2、TIM3、Tn Ag、TRAIL-R1、TRAIL-R2、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2)、甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR)、腫瘍抗原CTAA16.88、チロシナーゼ、ウロプラキン2(UPK2)、VEGF-A、VEGFR-1、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、及びビメンチン、ウィルムス腫瘍タンパク質(WT1)、又はX抗原ファミリーメンバー1A(XAGE1)からなる群から選択される。
【0015】
本開示は更に、シグナルペプチド、インターロイキン-18(IL-18)及びインターロイキン-18受容体(IL-18R)サブユニットを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。ある特定の実施形態では、IL-18は、配列番号2のアミノ酸残基37~193と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、IL-18Rサブユニットは、配列番号6のアミノ酸残基21~540と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列、又は配列番号8のアミノ酸残基20~599と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、IL-18とIL-18Rサブユニットとを接続するアミノ酸リンカーを含み、このアミノ酸リンカーは、Mycリンカー配列、Whitlowリンカー配列、nが1~6である(GGGGS)n(配列番号9)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。ある特定の実施形態では、シグナル配列は、IL-18シグナル配列、IL-15長シグナル配列、及びCD8シグナル配列からなる群から選択される。
【0016】
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39及び41から選択されるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を更に含む。
【0017】
本開示はまた、本明細書に記載の核酸のいずれかによってコードされるポリペプチド、本明細書に記載の核酸のいずれかを含む発現ベクター、並びにT細胞又はNK細胞を含む免疫細胞を提供し、免疫細胞は、本明細書に記載の核酸、ポリペプチド及び/又は発現ベクターを更に含む。ある特定の実施形態では、免疫細胞は、腫瘍抗原に特異的に結合し得るキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)をコードする核酸配列を更に含む。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、特に細胞療法において、IL-18シグナル伝達を調節することによって腫瘍微小環境(tumor microenvironment、TME)を克服するための複数の手段を提供する。本開示は、IL-18シグナル伝達の増加が、CAR又はTCRを含有する免疫細胞の増殖及び/又はサイトカイン産生を増強するという発見に少なくとも部分的に基づく。特に、TCR+T細胞におけるTCR及び膜結合IL-18ポリペプチドの同時発現、TCR+T細胞及びIL-18の同時投与、並びにTCR+T細胞を産生するための活性化、形質導入、及び拡大中のT細胞とIL-18との接触は全て、TCR+T細胞の増殖及びサイトカイン分泌を増加させることが観察された。IL-18シグナル伝達の増加のこの共通の機序は、放射線全身照射、高用量化学療法、及び/又は注入後サイトカイン支援による宿主の前処置などの前述のいくつか又は全ての補助的治療の選択肢を提供し得る。本明細書に記載されるように調製されるか、又は本明細書に記載されるように投与される、CAR又はTCRを含有するT細胞又はNK細胞などの免疫細胞は、TMEを調節することが可能であり得る。
【0019】
いかなる理論にも束縛されるものではないが、IL-18機能の調節は、細胞療法産物が敵対的なTMEを克服することを可能にし得ると考えられる。IL-18機能を調節するためのそのような戦略には、(1)膜結合IL-18の形態でのIL-18の同時発現、(2)CAR又はTCRを含有する免疫細胞とのIL-18の同時投与、及び(3)細胞療法産物を含有する免疫細胞の産生のための、1つ以上の段階、例えば、拡大中のIL-18の存在下での免疫細胞の接触が含まれる。これらの戦略の目標は、強力かつ永続的な抗腫瘍応答である。
【0020】
本明細書に記載の組成物及び方法は、細胞療法のための細胞の最終産物の持続性、機能性、及び/又は表現型を含むNK細胞及びT細胞の属性を改善すると考えられる。ある特定の実施形態では、これらの属性は、改善されたT細胞増殖、遅延若しくは阻害されたT細胞成熟若しくは分化(例えば、表現型があまり分化していない免疫細胞)、CD8+/CD4+T細胞のような幹細胞の増加した集団、延長された/改善されたインビボでの持続性、改善された細胞傷害若しくは標的細胞を死滅させる能力、及び/又は改善されたサイトカイン/ケモカイン分泌を含み得る。ある特定の実施形態では、これらの属性は、改善されたNK増殖、遅延若しくは阻害されたNK細胞成熟若しくは分化(例えば、表現型があまり分化していない免疫細胞)、延長/改善されたインビボでの持続性、改善された細胞傷害若しくは標的細胞を死滅させる能力、及び/又は改善されたサイトカイン/ケモカイン分泌を含み得る。
【0021】
本明細書に記載された任意の態様又は実施形態は、本明細書に開示された任意の他の態様又は実施形態と組み合わせることができる。本開示は、その詳細な説明と併せて説明されているが、前述の説明は、例示を意図しており、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の範囲を限定するものではない。他の態様、利点、及び変更は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。本明細書で言及される特許及び科学文献は、当業者に利用可能な知識を確立する。本明細書で引用される全ての米国特許及び公開又は未公開米国特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で引用される全ての公開外国特許及び特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で引用される全ての他の公開された参考文献、辞書、文書、原稿、及び科学文献は、参照により本明細書に組み込まれる。本開示の他の特徴及び利点は、実施例及び特許請求の範囲を含む以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0022】
定義
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。競合する場合、定義を含む本文書が優先される。方法及び材料を以下に記載するが、本明細書に記載されるものと同様又は同等の方法及び材料を、本開示の実施又は試験に使用することができる。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書に開示される材料、方法、及び実施例は、単なる例示であり、限定することを意図するものではない。
【0023】
冠詞「a」、「an」、及び「the」は、冠詞の文法的目的語の1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指す。例として、「要素」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味することができる。
【0024】
本明細書で使用される場合、特に明記されるか、又は文脈から明らかでない限り、「又は」という用語は包括的であると理解され、「又は」及び「及び」の両方を包含する。
【0025】
用語「及び/又は」は、他のものの有無にかかわらず、2つの指定された特徴又は構成要素の各々を指す。したがって、本明細書で、例えば、「A及び/又はB」などの語句で使用される「及び/又は」という用語は、「A及びB」、「A又はB」、「A」(単独)、及び「B」(単独)を含むことを意図している。同様に、「A、B、及び/又はC」などの句で使用される「及び/又は」という用語は、次の態様、すなわち、A、B、及びC;A、B、又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);並びにC(単独)のそれぞれを包含することを意図している。
【0026】
「例えば」及び「すなわち」という用語は、単に例として使用され、限定を意図するものではなく、本明細書で明示的に列挙された項目のみを指すと解釈されるものではない。
【0027】
「以上」、「少なくとも」、「超」などの用語、例えば、「少なくとも1つ」は、限定するものではないが、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19 20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、若しくは、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、又は記載された値を超える値を含む。その間の任意のより大きい数又は分数も含まれる。
【0028】
逆に、「以下」という用語は、記載された値よりも小さい各値を含む。例えば、「100個以下のヌクレオチド」には、100、99、98、97、96、95、94、93、92、91、90、89、88、87、86、85、84、83、82、81、80、79、78、77、76、75、74、73、72、71、70、69、68、67、66、65、64、63、62、61、60、59、58、57、56、55、54、53、52、51、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、及び0個のヌクレオチドが含まれる。その間の任意のより少ない数又は分数も含まれる。
【0029】
「複数」、「少なくとも2つ」、「2つ以上」、「少なくとも2番目」などの用語は、限定するものではないが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19 20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、若しくは、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、又はそれ以上を含む。その間の任意のより大きい数又は分数も含まれる。
【0030】
本明細書全体を通して、「含む(comprising)」という語又は「含む(comprises)」若しくは「含む(comprising)」などの変化形は、記載された要素、整数若しくはステップ、又は要素、整数若しくはステップの群を含むことを意味するが、任意の他の要素、整数若しくはステップ、又は要素、整数若しくはステップの群を除外することを意味しないと理解される。態様が「含む(comprising)」という文言で本明細書に記載されている場合は常に、「からなる(consisting of)」及び/又は「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語で記載されている他の類似の態様もまた提示されていることが理解される。
【0031】
本明細書で使用される場合、具体的に述べられているか、又は文脈から明らかである場合を除き、「約」という用語は、当業者によって決定される特定の値又は組成について許容可能な誤差範囲内にある値又は組成を指し、これは、その値又は組成がどのように測定又は決定されるか、すなわち測定系の限界にある程度依存する。例えば、「約」又は「およそ」は、当技術分野の慣行によって1×以上の標準偏差の範囲内であることを意味し得る。「約」又は「およそ」は、最大10%(すなわち、±10%)の範囲を意味し得る。したがって、「約」は、記載された値よりも、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、0.01%、又は0.001%大きいか又は小さいと理解し得る。例えば、約5mgは、4.5mg~5.5mgの任意の量を含み得る。更に、特に生物学的な系又はプロセスに関して、この用語は、最大で1桁違いの値又は最大で5倍の値を意味し得る。本開示において特定の値又は組成が提示される場合、特に明記しない限り、「約」又は「およそ」の意味は、その特定の値又は組成物について許容可能な誤差範囲内にあると想定すべきである。
【0032】
本明細書に記載されるように、任意の濃度範囲、パーセンテージ(百分率)範囲、比の範囲、又は整数の範囲は、特に明記しない限り、列挙された範囲内の任意の整数の値、及び適宜その分数(整数の1/10及び100分の1など)を含むと理解されるべきである。
【0033】
本明細書で使用される単位、接頭辞及び記号は、Systeme International de Unites(SI)で受け入れられている形式を使用して提示される。数値範囲は、範囲を定義する数を含む。
【0034】
「投与すること」は、当業者に公知の様々な方法及び送達システムのいずれかを使用した、対象への薬剤の物理的導入を指す。本明細書中に開示される製剤のための例示的な投与経路としては、例えば、注射又は注入による、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脊髄又は他の非経口投与経路が挙げられる。「非経口投与」という語句は、経腸及び局所投与以外の、通常は注射による投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ内、病巣内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外、及び胸骨内の注射及び注入、並びにインビボ電気穿孔を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、製剤は、非経口でない経路を介して、例えば、経口的に投与される。他の非経口でない経路としては、局所、表皮又は粘膜投与経路、例えば、鼻腔内、膣内、直腸、舌下、又は局所が挙げられる。投与はまた、例えば、1回、複数回、及び/又は1回以上の長期間にわたって行われ得る。
【0035】
「AKT阻害剤」、「AKTI」、又は「AKTi」という用語は、互換的に使用することができ、AKTの活性を遮断、低減、又は阻害することの可能な小分子、ポリヌクレオチド(例えば、DNA又はRNA)、あるいはポリペプチド(例えば、抗体又はその抗原結合部分)を含むがこれらに限定されない任意の分子(例えば、AKTアンタゴニスト)を指す。AKTは、プロテインキナーゼB又はPKBとしても知られているセリン/スレオニンキナーゼである。AKT阻害剤は、例えば、AKTに結合することによってAKTに直接作用し得るか、又は例えば、AKTと結合パートナーとの間の相互作用を妨害することによって、若しくはPI3K-AKT-mTOR経路の別のメンバーの活性を阻害することによって、間接的に作用し得る。AKTiの非限定的な例は、国際特許出願公開第17/070395号に示されている。ある特定の実施形態では、AKT阻害剤は、(i)3-[1-[[4-(7-フェニル-3H-イミダゾ[4,5g]キノキサリン-6-イル)フェニル]メチル]ピペリジン-4-イル]-IH-ベンズイミダゾール-2-オン;(ii)N,Nジメチル-1-[4-(6-フェニル-IH-イミダゾ[4,5-g]キノキサリン-7-イル)フェニル]メタ-ナミン;及び(iii)I-(I-[4-(3-フェニルベンゾ[g]キノキサリン-2-イル)ベンジル]ピペリジン-4-イル)-1,-3-ジヒドロ-2Hベンズイミダゾ1-2-オン;A6730、B2311、124018、GSK2110183(アフレセルチブ)、ペリホシン(KRX-0401)、GDC-0068(イパタセルチブ)、RX-0201、VQD-002、LY294002、A-443654、A-674563、Akti-1、Akti-2、Akti-1/2、AR-42、API-59CJ-OMe、ATI-13148、AZD-5363、エルシルホスホコリン、GSK-2141795(GSK795)、KP372-1、L-418、L-71-101、PBI-05204、PIA5、PX-316、SR13668、トリシリビン、GSK 690693(CAS# 937174-76-0)、FPA 124(CAS# 902779-59-3)、ミルテホシン、PHT-427(CAS# 1 191951-57-1)、10-DEBC塩酸塩、Akt阻害剤III、Akt阻害剤VIII、MK-2206二塩酸塩(CAS# 1032350-13-2)、SC79、AT7867(CAS# 857531-00-1)、CCT128930(CAS# 885499-61-6)、A-674563(CAS# 552325-73-2)、AGL 2263、AS-041 164(5-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルメチレン-チアゾリディン-2,4-ジオン)、BML-257(CAS# 32387-96-5)、XL-418、CAS# 612847-09-3、CAS# 98510-80-6、H-89(CAS# 127243-85-0)、OXY-1 1 1 A、3-[1-[[4-(7-フェニル-3H-イミダゾ[4,5-g]キノキサリン-6-イル)フェニル]メチル]ピペリジン-4-イル]-1H-ベンズイミダゾール-2-オン、N,N-ジメチル-1-[4-(6-フェニル-1H-イミダゾ[4,5-g]キノキサリン-7-イル)フェニル]メタ-ナミン、1-{1-[4-(3-フェニルベンゾ[g]キノキサリン-2-イル)ベンジル]ピペリジン-4-イル}-1,-3-ジヒドロ-2H-ベンズイミダゾール-2-オン及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される化合物である。
【0036】
「量」という用語は、遺伝子改変された治療用細胞、例えばT細胞又はNK細胞などの薬剤の「有効な量」又は「治療有効量」、「有効用量」、「有効量」を指し、臨床結果を含む有益な又は所望の予防的又は治療的結果を達成する任意の量である。遺伝子改変された治療用細胞の「治療有効量」は、個体の病状、年齢、性別、及び体重などの要因、並びに個体における所望の応答を誘発するT細胞又はNK細胞の能力に従って変化し得る。治療有効量はまた、治療的に有益な効果が、ウイルス又は形質導入された治療細胞の任意の毒性又は有害な効果を上回るものである。「治療有効量」という用語は、対象(例えば、患者)を「治療する」のに有効な量を含む。治療量が示される場合、投与される本開示の組成物の正確な量は、医師によって、年齢、体重、腫瘍サイズ、感染症又は転移の程度、及び患者の状態の個体差を考慮して決定され得る。
【0037】
「抗体」(antibody、Ab)という用語は、抗原に特異的に結合する糖タンパク質免疫グロブリンを含むが、これに限定されない。概して、抗体は、ジスルフィド結合によって相互接続された少なくとも2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖、又はその抗原結合分子を含み得る。各H鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと略す)及び重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つの定常ドメイン、CH1、CH2及びCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと略す)及び軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つの定常ドメインCLを含む。VH及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存された領域に組み入れられている、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域に更に細分することができる。各VH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4の順序で配置される3つのCDR及び4つのFRを含む。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第1成分(C1q)など、宿主組織又は因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。一般に、ヒト抗体は、通例「Y字形状」構造と呼ばれるものに互いに会合する2つの同一の重(H)鎖ポリペプチド(それぞれ約50kD)と、2つの同一の軽(L)鎖ポリペプチド(それぞれ約25kD)で構成される、約150kDの四量体剤である。重鎖及び軽鎖は、単一のジスルフィド結合によって互いに連結又は接続され、他の2つのジスルフィド結合が重鎖ヒンジ領域を互いに接続し、その結果、二量体が互いに接続されて、四量体が形成される。天然に産生された抗体も、例えばこのCH2ドメイン上で、グリコシル化される。
【0038】
「ヒト抗体」という用語は、ヒト免疫グロブリン配列、又はそれとは区別できない配列から生成、組み立て、又は誘導された可変及び定常ドメイン配列を有する抗体を含むことを意図している。いくつかの実施形態では、抗体(又は抗体成分)は、それらのアミノ酸配列が、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によってコードされていない残基又は要素(例えば、インビトロでのランダム若しくは部位特異的変異誘発によって導入された又はインビボでの体細胞変異によって導入された変異)を含むとしても、「ヒト」であるとみなされ得る。「ヒト化」という用語は、非ヒト種の可変ドメイン(例えば、マウス)に由来する配列を有する可変ドメインを有し、ヒト生殖細胞系コード化配列とより類似するように改変されている抗体を含むことが意図される。いくつかの実施形態では、「ヒト化」抗体は、実質的にヒトフレームワークドメインのアミノ酸配列を有する1つ以上のフレームワークドメインと、実質的に非ヒト抗体のアミノ酸配列を有する1つ以上の相補性決定領域とを含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、概してヒト免疫グロブリン定常ドメインのものを含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト重鎖定常ドメインのCH1、ヒンジ、CH2、CH3、及び任意選択で、CH4領域を含み得る。
【0039】
抗体としては、例えば、モノクローナル抗体、組換え産生された抗体、単一特異的抗体、多重特異的抗体(二重特異的抗体を含む)、ヒト抗体、操作された抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、免疫グロブリン、合成抗体、2つの重鎖分子と2つの軽鎖分子とを含む四量体抗体、抗体軽鎖単量体、抗体重鎖単量体、抗体軽鎖二量体、抗体重鎖二量体、抗体軽鎖-抗体重鎖対、イントラボディ、抗体融合物(本明細書では「抗体コンジュゲート」と呼ばれることもある)、ヘテロコンジュゲート抗体、単一ドメイン抗体、一価抗体、単鎖抗体又は一本鎖Fv(scFv)、ラクダ化(camelized)抗体、アフィボディ、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、抗抗Id抗体を含む)、ミニボディ、ドメイン抗体、合成抗体(本明細書では「抗体ミメティック」と呼ばれることもある)、及び上記のいずれかの抗原結合フラグメントを挙げることができる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、ポリクローナル抗体集団を指す。抗体はまた、例えば、Fab’フラグメント、Fd’フラグメント、Fdフラグメント、単離されたCDR、単鎖Fv、ポリペプチド-Fc融合体、単一ドメイン抗体(例えば、IgNAR又はそのフラグメントなどのサメ単一ドメイン抗体)、ラクダ科動物抗体、単鎖若しくはタンデムダイアボディ(TandAb(登録商標))、Anticalin(登録商標)、Nanobody(登録商標)ミニボディ、BiTE(登録商標)、アンキリン反復タンパク質又はDARPIN(登録商標)、Avimer(登録商標)、DART、TCR様抗体、Adnectin(登録商標)、Affilin(登録商標)、Trans-body(登録商標)、Affibody(登録商標)、TrimerX(登録商標)、MicroProtein、Fynomer(登録商標)、Centyrin(登録商標)、及びKALBITOR(登録商標)を含み得る。
【0040】
「モノクローナル抗体」は、Bリンパ球の単一クローンによって、又は単一の抗体の軽鎖及び重鎖遺伝子がトランスフェクトされた細胞によって産生される抗体である。モノクローナル抗体は、例えば、骨髄腫細胞と免疫脾臓細胞との融合からハイブリッド抗体形成細胞を作製することによって、当業者に既知の方法によって産生される。モノクローナル抗体には、ヒト化モノクローナル抗体が含まれる。
【0041】
「キメラ抗体」は、ヒトなどの1つの種からのフレームワーク残基、及びマウスなどの別の種からのCDR(概して抗原結合を付与する)を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で企図されるCARは、キメラ抗体又はその抗原結合フラグメントである抗原特異的結合ドメインを含む。
【0042】
免疫グロブリンは、IgA、分泌型IgA、IgG、IgE、及びIgMを含むがこれらに限定されない、一般的に既知のアイソタイプのうちのいずれかに由来し得る。IgGサブクラスはまた、当業者に周知であり、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を含むが、これらに限定されない。「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされるAbクラス又はサブクラスを指す(例えば、IgM又はIgG1)。「抗体」という用語は、例として、天然に存在する抗体及び天然に存在しない抗体の両方、モノクローナル及びポリクローナル抗体、キメラ及びヒト化抗体、ヒト又は非ヒト抗体、全合成抗体、並びに単鎖抗体を含む。非ヒト抗体は、ヒトにおけるその免疫原性を低減させる組換え法によってヒト化され得る。明示的に述べられていない場合、また文脈が別段の指示をしない限り、「抗体」という用語は、前述の免疫グロブリンのうちのいずれかの抗原結合フラグメント又は抗原結合部分を含み、一価及び二価のフラグメント若しくは部分、及び単鎖抗体も含む。
【0043】
「抗原結合分子」、「抗原結合部分」、又は「抗体フラグメント」は、分子が由来する抗体の抗原結合部分(例えば、CDR)を含む任意の分子を指す。抗原結合分子は、抗原相補性決定領域(CDR)を含み得る。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFvフラグメント、dAb、線状抗体、scFv抗体、及び抗原結合分子から形成された多重特異的抗体が挙げられるが、これらに限定されない。ペプチボディ(すなわち、ペプチド結合ドメインを含むFc融合分子)は、好適な抗原結合分子の別の例である。いくつかの実施形態では、抗原結合分子は、腫瘍細胞上の抗原に結合する。いくつかの実施形態では、抗原結合分子は、過剰増殖性疾患に関与する細胞上の抗原又はウイルス抗原若しくは細菌抗原に結合する。更なる実施形態では、抗原結合分子は、抗原に特異的に結合する抗体フラグメントであり、その相補性決定領域(CDR)のうちの1つ以上を含む。更なる実施形態では、抗原結合分子は、一本鎖可変フラグメント(single chain variable fragment、scFv)である。いくつかの実施形態では、抗原結合分子は、アビマーを含むか、又はアビマーからなる。
【0044】
いくつかの例では、CDRは、参照抗体(例えば、本開示の抗体)及び/又は本開示で提供されるCDRの配列に見られるものと実質的に同一である。いくつかの実施形態では、CDRは、参照CDR(例えば、本開示で提供されるCDR)と比較して、配列が同一であるという点、又は1、2、3、4、若しくは5(例えば1~5)個のアミノ酸置換を含有するという点のいずれかで、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの実施形態では、CDRは、参照CDRと少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を示すという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの実施形態では、CDRは、参照CDRと少なくとも96%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を示すという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの実施形態では、CDRは、参照CDRと比較して、CDR内の1個のアミノ酸が欠失、付加、又は置換されているが、同時にCDRが、それ以外は参照CDRのアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を有するという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの実施形態では、CDRは、参照CDRと比較して、CDR内の2、3、4、又は5(例えば、2~5)個のアミノ酸が、欠失、付加、又は置換されているが、同時にCDRが、それ以外は参照CDRのアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を有するという点で、参照CDRと実質的に同一である。様々な実施形態では、抗原結合フラグメントは、参照抗体と同じ抗原に結合する。
【0045】
抗原結合フラグメントは、任意の手段によって産生され得る。例えば、いくつかの実施形態では、抗原結合フラグメントは、無傷の抗体の断片化によって酵素的又は化学的に産生され得る。いくつかの実施形態では、抗原結合フラグメントは、組換えにより産生され得る(すなわち、操作された核酸配列の発現によって)。いくつかの実施形態では、抗原結合フラグメントは、全体的又は部分的に合成により産生され得る。いくつかの実施形態では、抗原結合フラグメントは、少なくとも約50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190アミノ酸以上の長さを有してもよく、いくつかの実施形態では、少なくとも約200アミノ酸(例えば、50~100、50~150、50~200、又は100~200アミノ酸)の長さを有してもよい。
【0046】
「可変領域」又は「可変ドメイン」という用語は、互換的に使用され、当該技術分野で一般的である。可変領域は、典型的には、抗体の一部、概して、軽鎖又は重鎖の一部、典型的には成熟重鎖のアミノ末端110~120アミノ酸及び成熟軽鎖の約90~115アミノ酸を指し、これらは抗体間で配列が大きく異なり、その特定の抗原に対する特定の抗体の結合及び特異性に使用される。配列の変動性は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる領域に集中し、可変ドメイン内のより高度に保存された領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。いかなる特定の機構又は理論にも束縛されることを望まないが、軽鎖及び重鎖のCDRは、抗原との抗体の相互作用及び特異性を主に担うと考えられている。ある特定の実施形態では、可変領域は、ヒト可変領域である。ある特定の実施形態では、可変領域は、げっ歯類又はマウスCDR及びヒトフレームワーク領域(FR)を含む。特定の実施形態では、可変領域は霊長類(例えば、非ヒト霊長類)可変領域である。ある特定の実施形態では、可変領域は、げっ歯類又はマウスCDR及び霊長類(例えば、非ヒト霊長類)フレームワーク領域(FR)を含む。
【0047】
CDRの多くの定義が、一般に、使用されている:Kabat番号付け、Chothia番号付け、AbM番号付け、又は接触番号付け。AbM定義は、Oxford Molecular社のAbM抗体モデリングソフトウェアによって使用される2つの間の折衷案である。接触定義は、利用可能な複合結晶構造の分析に基づく。
【表1】
【0048】
「Kabat番号付け」などの用語は、当該技術分野で認識されており、抗体又はその抗原結合分子の重鎖及び軽鎖可変領域のアミノ酸残基に番号付けするシステムを指す。ある特定の態様では、抗体のCDRは、Kabat番号付けシステムに従って決定できる(例えば、Kabat EA&Wu TT(1971)Ann NY Acad Sci 190:382-391及びKabat EA et al.,(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242を参照されたい)。Kabat番号付けシステムを使用すると、抗体重鎖分子内のCDRは、典型的には、アミノ酸位置31~35(任意選択的に35に続いて1つ又は2つの追加のアミノ酸を含むことができる(Kabat番号付けスキームでは、35A及び35Bと呼ばれる))(CDR1)、アミノ酸位置50~65(CDR2)、及びアミノ酸位置95~102(CDR3)に存在する。Kabat番号付けシステムを使用すると、抗体軽鎖分子内のCDRは、典型的には、アミノ酸位置24~34(CDR1)、アミノ酸位置50~56(CDR2)、及びアミノ酸位置89~97(CDR3)に存在する。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体のCDRは、Kabat番号付けスキームに従って決定されている。
【0049】
ある特定の態様では、抗体のCDRは、免疫グロブリン構造ループの位置を指すChothia番号付けスキームに従って決定することができる(例えば、Chothia C&Lesk AM,(1987),J Mol Biol 196:901-917、Al-Lazikani B et al.,(1997)J Mol Biol 273:927-948、Chothia C et al.,(1992)J Mol Biol 227:799-817、Tramontano A et al.,(1990)J Mol Biol 215(1):175-82、及び米国特許第7,709,226号を参照されたい)。典型的には、Kabat番号付け規則を使用する場合、Chothia CDR-H1ループは重鎖アミノ酸26~32、33、又は34に存在し、Chothia CDR-H2ループは重鎖アミノ酸52~56に存在し、Chothia CDR-H3ループは重鎖アミノ酸95~102に存在し、一方Chothia CDR-L1ループは軽鎖アミノ酸24~34に存在し、Chothia CDR-L2ループは軽鎖アミノ酸50~56に存在し、Chothia CDR-L3ループは軽鎖アミノ酸89~97に存在する。Kabat番号付け規則を使用して番号付けされた場合の、Chothia CDR-HIループの終了は、ループの長さに応じてH32とH34との間で変化する(これは、Kabat番号付けスキームがH35A及びH35Bに挿入を配置するためであり、35Aも35Bも存在しない場合、ループは32で終了し、35Aのみが存在する場合、ループは33で終了し、35A及び35Bの両方が存在する場合、ループは34で終了する)。
【0050】
「定常領域」及び「定常ドメイン」という用語は交換可能であり、当技術分野で一般的な意味を有する。定常領域は、抗体部分であり、例えば、抗体の抗原への結合に直接関与しないが、Fc受容体との相互作用などの様々なエフェクター機能を示すことができる、軽鎖及び/又は重鎖のカルボキシル末端部分である。免疫グロブリン分子の定常領域は、概して、免疫グロブリン可変ドメインと比較してより保存されたアミノ酸配列を有する。
【0051】
抗体に関して使用される場合、「重鎖」という用語は、任意の異なるタイプ、例えば、定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、アルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)及びミュー(μ)を指してもよく、これらのタイプは、IgGのサブクラス、例えば、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含む、抗体のIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMクラスをそれぞれ生成する。
【0052】
抗体に関して使用される場合、「軽鎖」という用語は、任意の異なるタイプ、例えば、定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)又はラムダ(λ)を指してもよい。軽鎖アミノ酸配列は、当該技術分野において周知である。特定の実施形態では、軽鎖は、ヒト軽鎖である。
【0053】
「VL」及び「VLドメイン」という用語は、抗体又はその抗原結合分子の軽鎖可変領域を指すために互換的に使用される。
【0054】
「VH」及び「VHドメイン」という用語は、抗体又はその抗原結合分子の重鎖可変領域を指すために互換的に使用される。
【0055】
「定常領域」及び「定常ドメイン」という用語は交換可能であり、当技術分野で一般的な意味を有する。定常領域は、抗体部分であり、例えば、抗体の抗原への結合に直接関与しないが、Fc受容体との相互作用などの様々なエフェクター機能を示すことができる、軽鎖及び/又は重鎖のカルボキシル末端部分である。免疫グロブリン分子の定常領域は、概して、免疫グロブリン可変ドメインと比較してより保存されたアミノ酸配列を有する。
【0056】
「結合親和性」とは、一般に、分子(例えば、抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有結合相互作用の合計の強度を指す。別段に指定しない限り、本明細書で使用される場合、「結合親和性」は、結合対のメンバー(例えば、抗体及び抗原)間の1:1相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子XのパートナーYに対する親和性は、概して、解離定数(KD)によって表され得る。親和性は、平衡解離定数(KD)及び平衡会合定数(KA)を含むがこれらに限定されない、当技術分野で公知の多くの方法で測定及び/又は表現することができる。KDはkoff/konの商から計算され、一方、KAはkon/koffの商から計算される。konは、例えば、抗原に対する抗体の会合速度定数を指し、koffは、例えば、抗原に対する抗体の解離を指す。kon及びkoffは、BIACORE(登録商標)又はKinExAなどの当業者に公知の技術によって決定することができる。
【0057】
「がん」という用語は、概して、異常な細胞が制御なしに分裂し、近くの組織に侵入し得る疾患又は状態のクラスに関連する。本開示の方法によって治療され得るがんの例としては、リンパ腫、白血病、骨髄腫及び他の白血球悪性腫瘍を含む免疫系のがんが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、例えば、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭頸部がん、皮膚又は眼内悪性黒色腫、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、肛門領域のがん、胃がん、精巣がん、子宮がん、卵管がん、子宮内膜がん、子宮頸がん、膣がん、外陰がん、多発性骨髄腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin’s lymphoma、NHL)、縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫(primary mediastinal large B cell lymphoma、PMBC)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B cell lymphoma、DLBCL)、濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma、FL)、形質転換型濾胞性リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫(splenic marginal zone lymphoma、SMZL)、食道がん、小腸がん、内分泌系のがん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、軟部肉腫、尿道がん、陰茎がん、慢性又は急性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia、ALL)(非T細胞ALLを含む)、慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia、CLL)、小児期の固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、腎臓又は尿管のがん、腎盂がん、中枢神経系(central nervous system、CNS)の新生物、中枢神経系原発リンパ腫、腫瘍血管新生、脊椎軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮がん、扁平上皮がん、T細胞リンパ腫、アスベストによって誘発されたものを含む環境的に誘発されたがん、他のB細胞悪性腫瘍、及び上記のがんの組み合わせに由来する腫瘍の腫瘍サイズを縮小するために使用され得る。1つの特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定のがんは、化学療法又は放射線療法に反応性であり得、又は特定のがんは難治性であり得る。難治性がんは、外科的介入に適していないがんを指し、難治性がんは、最初から化学療法又は放射線療法に応答しないか、又はがんが時間の経過と共に非応答になるかのいずれかである。がんは更に、他に特定されないびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma、DLBCL)、2選択以上の全身療法後の縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、及び濾胞性リンパ腫から生じるDLBCLを含む、2選択以上の全身療法後の再発性又は難治性大細胞型B細胞リンパ腫を含む。
【0058】
「がん性細胞」、「がん細胞」、「腫瘍細胞」、又はそれらの変異体という用語は、がん腫又は組織の個々の細胞を指す。腫瘍とは、概して、細胞の異常な増殖によって形成される腫脹又は病変を指し、良性、前悪性、又は悪性であり得る。ほとんどのがんは腫瘍を形成するが、例えば白血病などの一部のがんは、必ずしも腫瘍を形成しない。腫瘍を形成するがんの場合、がん(細胞)及び腫瘍(細胞)という用語は互換的に使用される。個体における腫瘍の量は、腫瘍の数、体積、又は重量として測定され得る「腫瘍量」である。文脈上他の意味に解釈する場合を除き、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含む(comprising)」という用語は、記載されたステップ若しく要素又はステップ若しくは要素のグループを含むことを意味するが、任意の他のステップ若しくは要素又はステップ若しくは要素のグループを除外しないことが理解されるであろう。「からなる」とは、「からなる」という語句に続くもの全体を含み、それらに限定されることを意味する。したがって、「からなる」という語句は、列挙された要素が必要又は必須であり、他の要素が存在しない可能性があることを示す。「から本質的になる」とは、語句の後に列挙された任意の要素を含むことを意味し、列挙された要素について本開示で指定された活動又は作用を妨げないか、又はそれに寄与しない他の要素に限定される。
【0059】
「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられるものである。側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野で定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が含まれる。ある特定の実施形態では、CDR内又はその抗体又はその抗原結合分子のフレームワーク領域内の1つ以上のアミノ酸残基は、同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えることができる。一般に、2つの配列は、対応する位置に保存的アミノ酸置換を含有する場合、概して「実質的に同様」とみなされる。例えば、ある特定のアミノ酸は、概して、「疎水性」又は「親水性」アミノ酸として、及び/又は「極性」又は「非極性」側鎖を有するものとして分類される。同じ種類の別のアミノ酸の置換は、保存的置換とみなされ得る。例示的なアミノ酸分類を表2に要約する。
【表2】
【0060】
「減少する」又は「下げる」、又は「軽減する」、又は「低減する」又は「弱める」とは、概して、ビヒクル単独(すなわち、活性部分)又は対照分子/組成物のいずれかによって引き起こされる応答と比較して、より低い生理学的応答(すなわち、下流効果)を生成するか、誘発するか、又は引き起こす、本明細書で企図される組成物の能力を指す。「減少」又は「低減された」量は、典型的には「統計的に有意な」量であり、対照組成物であるビヒクルによって生成される応答(参照応答)の、1.1、1.2、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、15、20、30倍、又はそれ以上(例えば、500倍、1000倍)(例えば、1.5、1.6、1.7.1.8などの1より上の、間にある全ての整数及び少数を含む)の減少を含み得る。
【0061】
「増強する」又は「促進する」又は「増加する」又は「拡大する」という用語は、概して、ビヒクル又は対照分子/組成物のいずれかによって引き起こされる応答と比較して、より大きな生理学的応答(例えば、下流効果)を生成するか、誘発するか、又は引き起こす、本明細書で企図される組成物の能力を指す。測定可能な生理学的応答は、当該技術分野の理解及び本明細書の説明から明らかなように、T細胞の拡大、活性化、持続性の増加、及び/又はがん細胞死の殺傷能力の増加を含み得る。「増加した」又は「増強された」量は、典型的には「統計的に有意な」量であり、ビヒクル又は対照組成物によって生成される応答の、1.1、1.2、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、15、20、30倍、又はそれ以上(例えば、500倍、1000倍)(例えば、1.5、1.6、1.7、1.8などの1より上の、間にある全ての整数及び小数点を含む)の増加を含み得る。
【0062】
用語「異種」は、天然に存在する配列以外の任意の供給源に由来することを意味する。例えば、異種ヌクレオチド配列は、野生型ヒト共刺激タンパク質コード配列のヌクレオチド配列以外のヌクレオチド配列を指す。
【0063】
「エピトープ」は、当技術分野における用語であり、抗体が特異的に結合することができる抗原の局在化領域を指す。エピトープは、例えば、ポリペプチドの連続アミノ酸(線形又は連続エピトープ)であり得るか、又はエピトープは、例えば、ポリペプチド又はポリペプチドの2つ以上の非連続領域(立体配座、非線形、不連続、又は非連続エピトープ)からの一緒になり得る。ある特定の実施形態では、抗体が結合するエピトープは、例えば、NMR分光法、X線回折結晶学研究、ELISAアッセイ、質量分析と組み合わせた水素/重水素交換(例えば、液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析)、アレイベースのオリゴペプチドスキャンニングアッセイ、及び/又は変異誘発マッピング(例えば、部位特異的変異誘発マッピング)によって決定することができる。X線結晶学の場合、結晶化は、当該技術分野における既知の方法のいずれかを使用して達成され得る(例えば、Giege R et al.,(1994)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 50(Pt 4):339-350、McPherson A(1990)Eur J Biochem 189:1-23、Chayen NE(1997)Structure 5:1269-1274、McPherson A(1976)J Biol Chem 251:6300-6303)。抗体:抗原結晶は、周知のX線回折技術を使用して研究することができ、X-PLOR(Yale University、1992、Molecular Simulations Inc.によって配布;例えば、Meth Enzymol(1985)volumes 114&115,eds Wyckoff HW et al.、米国特許出願公開第2004/0014194号)、及びBUSTER(Bricogne G(1993)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 49(Pt 1):37-60、Bricogne G(1997)Meth Enzymol 276A:361-423,ed Carter CW、Roversi P et al.,(2000)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 56(Pt 10):1316-1323を参照されたい)などのコンピュータソフトウェアを使用して精密化することができる。突然変異誘発マッピング研究は、当業者に知られている任意の方法を使用して達成され得る。アラニンスキャニング変異誘発技術を含む変異誘発技術の説明については、例えば、Champe M et al.,(1995)J Biol Chem 270:1388-1394及びCunningham BC&Wells JA(1989)Science 244:1081-1085を参照されたい。
【0064】
「結合」という用語は、一般に、2つ以上の実体間の非共有結合性会合を指す。直接結合は、実体又は部分間の物理的接触を伴う。「間接的な」結合は、1つ以上の中間実体との物理的接触による物理的相互作用を含む。2つ以上の実体間の結合は、例えば、相互作用する実体若しくは部分が単独で、又は(例えば、共有結合若しくは他の様式で担体実体と、及び/若しくは細胞のような生物学的系内で会合している間などの)より複雑な系において研究される場合などの様々な状況のいずれかにおいて評価され得る。
【0065】
「免疫特異的に結合する」、「免疫特異的に認識する」、「特異的に結合する」及び「特異的に認識する」という用語は、抗体の文脈において類似の用語であり、そのような結合が当業者によって理解されているように、抗原(例えば、エピトープ又は免疫複合体)に結合する分子を指す。例えば、抗原に特異的に結合する分子は、他のペプチド又はポリペプチドに、例えば免疫アッセイ、BIACORE(登録商標)、KinExA 3000機器(Sapidyne Instruments、Boise、ID)、又は当技術分野で公知の他のアッセイによって決定されるように、一般的により低い親和性で結合し得る。特定の実施形態では、ある抗原に特異的に結合する分子は、分子が別の抗原に結合するときのKAよりも少なくとも2log、2.5log、3log、4log、又はそれより大きいKAでその抗原に結合する。結合は、結合モチーフ、抗体、又は抗原結合系と標的ではない実体(すなわち、非標的)との会合と比較して、結合モチーフ、抗体、又は抗原結合系と結合モチーフ、抗体、又は抗原結合系の標的との優先的な会合を含み得る。いくつかの実施形態では、結合モチーフ、抗体、又は抗原結合系と標的との結合が、結合モチーフ、抗体、又は抗原結合系と非標的との結合と比較して、2倍超、5倍超、10倍超、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、又は100倍超である場合、結合モチーフ、抗体、又は抗原結合系は、標的に選択的に結合する。いくつかの実施形態では、結合モチーフ、抗体、又は抗原結合系は、結合親和性が約10-5M未満、約10-6M未満、約10-7M未満、約10-8M未満、又は約10-9M未満である場合、標的に選択的に結合する。
【0066】
別の実施形態では、抗原に特異的に結合する分子は、約1×10-7Mの解離定数(Kd)で結合する。いくつかの実施形態では、抗原結合分子は、Kdが約1×10-9M~約5×10-9Mである場合、「高親和性」で抗原に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、抗原結合分子は、Kdが1×10-10M~約5×10-10Mである場合、「非常に高親和性」で抗原に特異的に結合する。一実施形態では、抗原結合分子は10-9MのKdを有する。一実施形態では、解離速度は約1×10-5未満である。
【0067】
「キメラ抗原受容体」又は「CAR」は、抗原結合時に結合モチーフ及び免疫細胞(例えば、ナイーブT細胞、中央メモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞、又はそれらの組み合わせなどのT細胞、あるいはNK細胞)を活性化する手段を含むように操作された分子を指す。CARは、人工T細胞又はNK細胞受容体、キメラT細胞受容体、CAR-T、キメラNK細胞、CAR-NK又はキメラ免疫受容体としても知られている。いくつかの実施形態では、CARは、結合モチーフ、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、1つ以上の共刺激ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。キメラ抗原受容体を発現するように遺伝子操作されたT細胞は、CAR T細胞と称され得る。「細胞外ドメイン」(又は「ECD」)は、ポリペプチドが細胞膜に存在する場合、細胞膜の外側、細胞外空間に存在すると理解されるポリペプチドの一部を指す。
【0068】
「抗原」は、免疫応答を誘発するか、又は抗体若しくは抗原結合分子によって結合され得る任意の分子を指す。免疫応答は、抗体産生又は特定の免疫担当細胞の活性化のいずれか、又はその両方を含み得る。当業者は、事実上、全てのタンパク質又はペプチドを含む任意の巨大分子が抗原として機能し得ることを容易に理解するであろう。抗原は、内因的に発現、すなわちゲノムDNAによって発現されても、組換えによって発現されてもよい。抗原は、がん細胞などのある特定の組織に特異的であることも、広く発現されることもできる。更に、より大きな分子のフラグメントが抗原として作用し得る。一実施形態では、抗原は、腫瘍抗原である。「標的」は、結合モチーフ、抗原結合系、又は結合剤、例えば抗体によって結合された任意の分子である。いくつかの実施形態では、標的は、本開示の抗原又はエピトープである。
【0069】
「中和する」という用語は、リガンドに結合し、そのリガンドの生物学的作用を防止又は低減する抗原結合分子、scFv、抗体、又はそのフラグメントを指す。いくつかの実施形態では、抗原結合分子、scFv、抗体、又はそのフラグメントは、リガンド上の結合部位を直接遮断するか、さもなければ間接的手段(リガンドの構造的又はエネルギー的変化など)を介して結合するリガンドの能力を変化させる。いくつかの実施形態では、抗原結合分子、scFv、抗体、又はそのフラグメントは、それが結合しているタンパク質が生物学的機能を果たすのを妨げる。
【0070】
「自己」という用語は、後に再導入される同じ個体に由来する任意の材料を指す。例えば、本明細書に記載の操作された自己細胞療法(engineered autologous cell therapy、eACT(商標))の方法は、患者からのリンパ球の採取を含み、その後、そのリンパ球は、例えばCAR構築物を発現するように操作され、次いで、同じ患者に投与される。
【0071】
「同種」という用語は、1つの個体に由来し、次いで同じ種の別の個体に導入される任意の材料、例えば、同種T細胞又はNK細胞移植を指す。
【0072】
「活性化」、「活性化された」などの用語は、免疫細胞(例えば、T細胞)を非限定的に含む細胞の状態を指し、検出可能な細胞増殖を誘発するために十分に刺激されている。活性化は、誘導されたサイトカイン産生、及び検出可能なエフェクター機能に関連し得る。「活性化T細胞」という用語は、とりわけ、細胞分化を受けているT細胞を指す。T細胞活性化は、CD57、PD1、CD107a、CD25、CD137、CD69、及び/又はCD71が挙げられるが、これらに限定されない、1つ以上のバイオマーカーのT細胞発現の増加によって特徴付けられ得る。T細胞を活性化及び拡大させるための方法は当技術分野で公知であり、例えば、米国特許第6,905,874号、同第6,867,041号、及び同第6,797,514号、並びに国際特許出願公開第2012/079000号に記載されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。一般に、そのような方法は、特定のサイトカイン(IL-2、IL-7、及び/又はIL-15など)を含む溶液(供給培地、培養培地、及び/又は成長培地など)中で、ビーズ又は他の表面に付着、コーティング、又は結合され得る活性化剤、刺激剤、又は共刺激剤(抗CD3及び/又は抗CD28抗体など)と細胞(T細胞など)を接触させることを含む。同じビーズに付着した活性化剤(抗CD3抗体及び/又は抗CD28抗体など)は、「代理」抗原提示細胞(APC)として機能する。一例は、ヒトT細胞の生理学的活性化のためのCD3/CD28活性化因子/刺激因子系であるDynabeads(登録商標)系である。一実施形態では、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,040,177号及び同第5,827,642号並びに国際特許出願公開第2012/129514号に記載されている方法を使用して、T細胞を活性化及び刺激して、特定の抗体及び/又はサイトカインと共に増殖させる。
【0073】
「形質導入」及び「形質導入された」という用語は、外来DNAがウイルスベクターを介して細胞に導入される過程を指す(Jonesら、「Genetics:principles and analysis」、Boston:Jones&Bartlett Publ.(1998)を参照)。いくつかの実施形態では、ベクターは、レトロウイルスベクター、DNAベクター、RNAベクター、アデノウイルスベクター、バキュロウイルスベクター、エプスタインバーウイルスベクター、パポバウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、アデノウイルス関連ベクター、レンチウイルスベクター、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0074】
「形質転換」は、外因性DNAが宿主細胞に導入される任意のプロセスを指す。変換は、様々な方法を使用して、天然又は人工条件下で起こり得る。形質転換は、原核生物又は真核宿主細胞への外来核酸配列の挿入のための任意の既知の方法を使用して達成され得る。いくつかの実施形態では、いくつかの形質転換方法論は、形質転換される宿主細胞及び/又は挿入される核酸に基づいて選択される。形質転換の方法は、ウイルス感染、エレクトロポレーション、及びリポフェクションを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、「形質転換された」細胞は、挿入されたDNAが、自律的に複製するプラスミド又は宿主染色体の一部として複製することができるという点で安定的に形質転換される。いくつかの実施形態では、形質転換細胞は、導入された核酸を発現し得る。
【0075】
本明細書で使用される場合、「拡大」は、形質導入された免疫細胞の集団を所定の期間にわたって拡大させて、操作された免疫細胞の集団を産生することを指す。拡大のための所定の期間は、(i)患者に投与するための少なくとも1回の用量の操作された免疫細胞の集団における十分な数の細胞、(ii)典型的なより長いプロセスと比較して、好ましい割合の幼若細胞を有する操作された免疫細胞の集団、又は(iii)(i)及び(ii)の両方の産生を可能にする任意の好適な期間であり得る。この期間は、免疫細胞によって発現される細胞表面受容体、使用されるベクター、治療効果を有するのに必要な用量、及び他の変数に依存する。したがって、いくつかの実施形態では、拡大のための所定の期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、又は21日超であり得る。
【0076】
用語「ベクター」は、提供される核酸配列を含むか、又は組み込むように改変されたレシピエント核酸分子を指す。ベクターの1つのタイプは、追加のDNAがライゲーションされ得る環状二本鎖DNA分子を指す「プラスミド」である。別の種類のベクターは、ウイルスベクターであり、追加のDNAセグメントは、ウイルスゲノムにライゲーションされ得る。ある特定のベクターは、それらが導入される宿主細胞で自律複製することができる(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクター及びエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入時に宿主細胞のゲノムに組み込まれてもよく、それによって宿主ゲノムと共に複製される。更に、ある特定のベクターは、それらが作動可能に連結されている挿入遺伝子の発現を指示する配列を含む。そのようなベクターは、本明細書で「発現ベクター」と称され得る。標準技術が、ベクターの操作に使用することができ、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989))に見られ、これは、任意の目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0077】
本明細書で使用される場合、「抗腫瘍効果」は、腫瘍体積の減少、腫瘍細胞の数の減少、腫瘍細胞増殖の減少、転移の数の減少、全生存期間又は無増悪生存期間の増加、平均余命の延長、又は腫瘍に関連する様々な生理学的症状の改善として提示され得る生物学的効果を指す。抗腫瘍効果はまた、腫瘍の発生の予防、例えば、ワクチンを指し得る。
【0078】
本明細書で使用される場合、「サイトカイン」は、特定の抗原との接触に応答して1つの細胞によって放出される非抗体タンパク質を指し、サイトカインは第2の細胞と相互作用して第2の細胞における応答を媒介する。本明細書で使用される場合、「サイトカイン」は、細胞間メディエーターとして別の細胞に作用する1つの細胞集団によって放出されるタンパク質を指すことを意味する。サイトカインは、細胞によって内因的に発現され得、又は対象に投与され得る。サイトカインは、免疫応答を伝播するために、マクロファージ、B細胞、T細胞、及び肥満細胞などの免疫細胞によって放出され得る。サイトカインは、レシピエント細胞において様々な応答を誘導し得る。サイトカインには、恒常性サイトカイン、ケモカイン、炎症誘発性サイトカイン、エフェクター、及び急性期タンパク質が含まれ得る。例えば、インターロイキン(IL)-7及びIL-15などの恒常性サイトカインは、免疫細胞の生存及び増殖を促進し、炎症誘発性サイトカインは、炎症応答を促進し得る。恒常性サイトカインの例としては、IL-2、IL-4、IL-5、IL-7、IL-10、IL-12p70(IL-12とも呼ばれ、サブユニットIL-12p35、IL-12p40から構成される)、IL-15及びインターフェロン(IFN)ガンマが挙げられるが、これらに限定されない。炎症促進性サイトカインの例としては、IL-1a、IL-1b、IL-6、IL-13、IL-17a、IL-18、腫瘍壊死因子(TNF)-α、TNF-β、線維芽細胞増殖因子(FGF)2、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、可溶性細胞間接着分子1(sICAM-1)、可溶性血管接着分子1(sVCAM-1)、血管内皮増殖因子(VEGF)、VEGF-C、VEGF-D、及び胎盤増殖因子(PLGF)が挙げられるが、これらに限定されない。エフェクターの例としては、グランザイムA、グランザイムB、可溶性Fasリガンド(soluble Fas ligand、sFasL)、及びパーフォリンが挙げられるが、これらに限定されない。急性期タンパク質の例としては、C反応性タンパク質(C-reactive protein、CRP)及び血清アミロイドA(serum amyloid A、SAA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
「ケモカイン」は、細胞の走化性又は方向性運動を媒介するサイトカインの一種である。ケモカインの例としては、IL-8、IL-16、エオタキシン、エオタキシン-3、マクロファージ由来ケモカイン(MDC又はCCL22)、単球走化性タンパク質1(MCP-1又はCCL2)、MCP-4、マクロファージ炎症性タンパク質1α(MIP-1α、MIP-1a)、MIP-1β(MIP-1b)、ガンマ誘導性タンパク質10(IP-10)、並びに胸腺及び活性化制御ケモカイン(TARC又はCCL17)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
「リンパ球」という用語には、ナチュラルキラー(natural killer、NK)細胞、T細胞、又はB細胞が含まれる。NK細胞は、遺伝免疫系の主要構成要素を代表する細胞傷害性(細胞毒性)リンパ球の一種である。NK細胞は、腫瘍及びウイルスに感染した細胞を拒絶する。それは、アポトーシス又はプログラム細胞死の過程を通して作用する。それらは、細胞を死滅させるために活性化を必要としないので、「ナチュラルキラー」と呼ばれた。T細胞は、細胞媒介免疫(抗体の関与のない)において主要な役割を果たす。そのT細胞受容体(TCR)は、他のリンパ球型から分化する。免疫系の分化した器官である胸腺は、主にT細胞の成熟化を担う。6つのタイプのT細胞、すなわちヘルパーT細胞(例えば、CD4+細胞)、細胞傷害性T細胞(TC、細胞傷害性Tリンパ球、CTL、Tキラー細胞、細胞溶解性T細胞、CD8+T細胞又はキラーT細胞としても知られる)、メモリーT細胞((i)幹メモリーTSCM細胞は、ナイーブ細胞と同様に、CD45RO-、CCR7+、CD45RA+、CD62L+(L-セレクチン)、CD27+、CD28+及びIL-7Rα+であるが、大量のCD95、IL-2Rβ、CXCR3及びLFA-1も発現し、メモリー細胞に特有の多数の機能的属性を示す。)、(ii)セントラルメモリーTCM細胞は、L-セレクチン及びCCR7を発現し、IL-2を分泌するが、IFNγ又はIL-4を分泌せず、(iii)エフェクターメモリーTEM細胞は、L-セレクチン又はCCR7を発現せず、IFNγ及びIL-4などのエフェクターサイトカインを産生する)、制御性T細胞(Treg、サプレッサーT細胞、又はCD4+CD25+制御性T細胞)、ナチュラルキラーT細胞(NKT)及びガンマデルタT細胞が存在する。一方、B細胞は、体液性免疫(抗体の関与を伴う)において主要な役割を果たす。B細胞は、抗体及び抗原を産生し、抗原提示細胞(APC)の役割を果たし、抗原相互作用による活性化後にメモリーB細胞に変わる。哺乳動物では、未成熟B細胞は骨髄で形成され、その名称はここに由来する。
【0081】
「リンカー」又は「リンカードメイン」又は「リンカー領域」とは、膜結合IL-18(例えば、IL-18及びIL-18Rサブユニット)、CAR又はTCRのドメイン/領域のいずれかを一緒に連結する、約1~100アミノ酸長のオリゴ領域又はポリペプチド領域を指す。リンカーは、隣接するタンパク質ドメインが互いに対して自由に移動するように、グリシン及びセリンのような柔軟な残基から構成され得る。2つの隣接するドメインが互いに立体的に干渉しないことを確実にすることが望ましい場合には、より長いリンカーを使用してもよい。リンカーは、切断可能であっても切断不可能であってもよい。切断可能なリンカーの例としては、2Aリンカー(例えば、T2A)、2A様リンカー又はそれらの機能的等価物、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、リンカーは、ピコルナウイルス2A様リンカー、ブタテッショウウイルス(P2A)、ウイルス(T2A)のCHYSEL配列、又はそれらの組み合わせ、変異体及び機能的等価物を含む。他のリンカーは当業者に明らかであり、本開示の代替的な実施形態に関連して使用され得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100又はそれを超えるアミノ酸長(例えば、1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、又は10~100アミノ酸長)である。いくつかの実施形態では、リンカーは、剛直な三次元構造をとらない傾向があり、代わりにポリペプチドに柔軟性を提供することを特徴とする。
【0082】
「一本鎖可変フラグメント」、「単鎖抗体可変フラグメント」又は「scFv」抗体は、リンカーペプチドによって連結された重鎖及び軽鎖のみの可変領域を含む抗体の形態を指す。
【0083】
「遺伝子操作された」又は「操作された」という用語は、限定するものではないが、コード領域若しくは非コード領域又はその一部を削除すること、又はコード領域若しくはその一部を挿入することなど、細胞、具体的にはT細胞又はNK細胞のゲノムを改変する方法を指す。いくつかの実施形態では、改変された細胞は、リンパ球、例えば、T細胞であり、患者又はドナーのいずれかから得ることができる。他の実施形態では、改変された細胞はNK細胞である。細胞は、細胞のゲノムに組み込まれる外因性構築物、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)及び/又はT細胞受容体(TCR)を発現するように改変されてもよい。操作には、概して、人間の手による操作が含まれる。例えば、ポリヌクレオチドは、自然界ではその順序で連結又は接続されていない2つ以上の配列が、操作されたポリヌクレオチドにおいては互いに直接連結又は接続されるように人間の手によって操作される場合、「操作された」とみなされる。分子生物学の技術による細胞の操作という観点から、細胞又は生物は、その遺伝情報が変更されるように操作された場合、「操作された」とみなされる(例えば、以前に存在しない新しい遺伝物質が、形質転換、体細胞ハイブリダイゼーション、トランスフェクション、形質導入、又は他のメカニズムによって導入されているか、又は以前に存在した遺伝物質が、例えば、置換又は欠失変異によって、又は他のプロトコルによって変化又は除去される)。いくつかの実施形態では、結合剤(binding agent)は、改変されたリンパ球、例えば、T細胞であり、患者又はドナーのいずれかから得ることができる。他の実施形態では、結合剤は、改変されたNK細胞である。操作された細胞は、細胞のゲノムに組み込まれる外因性構築物、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を発現するように改変されてもよい。操作されたポリヌクレオチド又は結合剤の子孫は、概して、実際の操作が前の実体で実行されたとしても、「操作された」と称される。いくつかの実施形態では、「操作された」は、設計及び製造された実体を指す。「設計された」という用語は、(i)その構造が人間の手によって選択されるか、又はそれによって選択された、(ii)人間の手を必要とするプロセスによって産生される、及び/又は(iii)天然物質及び他の既知の薬剤とは異なる、薬剤を指す。
【0084】
「免疫エフェクター細胞」は、1つ以上のFc受容体を発現し、1つ以上のエフェクター機能(例えば、細胞傷害性細胞殺傷活性、サイトカインの分泌、ADCC及び/又はCDCの誘導)を有する免疫系の任意の細胞である。免疫エフェクター細胞の例としては、Tリンパ球、例えば、pan CD3+T細胞、細胞傷害性T細胞(CTL;CD8+T細胞)、TIL、及びヘルパー T細胞(HTL、CD4+T細胞)、NK細胞、単球、マクロファージ、好中球、樹状細胞、好酸球、肥満細胞、血小板、大型顆粒リンパ球、ランゲルハンス細胞、及びBリンパ球のうちの1つ以上が挙げられる。エフェクター細胞は、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、及びサルを含むが、これらに限定されない任意の生物のものであり得る。
【0085】
「免疫応答」は、免疫系の細胞(例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、好酸球、肥満細胞、樹状細胞及び好中球)及びこれらの細胞又は肝臓のいずれかによって産生される可溶性巨大分子(Ab、サイトカイン及び補体を含む)の作用であって、侵入している病原体、病原体に感染した細胞若しくは組織、がん性若しくは他の異常な細胞、又は自己免疫若しくは病理学的炎症の場合には正常なヒト細胞若しくは組織の、選択的標的化、結合、損傷、破壊、及び/又は脊椎動物の体からの排除をもたらす作用を指す。
【0086】
「免疫療法」という用語は、免疫応答を誘導する、増強する、抑制する又は他の様態で改変すること、を含む、方法による、疾患に罹患しているか、又は疾患に罹患するか若しくは再発するリスクがある対象の治療を指す。免疫療法の例としては、限定するものではないが、T細胞療法及びナチュラルキラー(NK)細胞ベースの免疫療法が挙げられる。T細胞療法は、養子T細胞療法、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)免疫療法、自己細胞療法、操作された自己細胞療法(eACT(商標))、及び同種T細胞移植を含み得る。しかしながら、当業者は、本明細書に開示される前処置方法が任意の移植T細胞療法の有効性を高めることを理解するであろう。T細胞療法の例は、米国特許出願公開第2014/0154228号及び同第2002/0006409号、米国特許第7,741,465号、米国特許第6,319,494号、米国特許第5,728,388号、及び国際特許出願公開第2008/081035号に記載されている。NK細胞ベースの免疫療法は、自然免疫応答の力を利用し、遺伝子操作されたNK細胞、CAR操作されたNK細胞、CAR操作されたNK細胞株、TCR操作されたNK細胞及びTCR操作されたNK細胞株を含むがこれらに限定されない、NK細胞治療の非改変形態及び操作形態の両方を含む。
【0087】
免疫療法のNK細胞及びT細胞は、当技術分野で公知の任意の供給源に由来し得る。例えば、造血幹細胞集団からインビトロでT細胞を分化させることができ、又は対象からT細胞を得ることができる。T細胞及びNK細胞は、例えば、末梢血単核細胞(peripheral blood mononuclear cells、PBMC)、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位からの組織、腹水、胸水、脾臓組織、及び腫瘍から得ることができる。更に、T細胞は、当技術分野で利用可能な1つ以上のT細胞株に由来し得る。T細胞はまた、FICOLL(商標)分離及び/又はアフェレーシスなどの当業者に公知の様々な技術を使用して、対象から採取された血液単位から得ることができる。T細胞療法のためにT細胞を単離する更なる方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2013/0287748号に開示されている。同様に、NK細胞を単離する方法も当技術分野で公知である。
【0088】
「個体」及び「対象」という用語は、しばしば互換的に使用され、本明細書に開示される方法で治療され得る任意の動物を指す。好適な対象(例えば、患者)には、実験動物(マウス、ラット、ウサギ、又はモルモットなど)、家畜動物、及び飼育動物又はペット(ネコ又はイヌなど)が含まれる。非ヒト霊長類及びヒト患者が含まれる。一実施形態では、対象は、がんを有する、がんと診断された、がんを有することが疑われるか、又はがんのリスクがあるか若しくはがんを有している、ヒト患者を含み得る。本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、がん(例えば、リンパ腫又は白血病)などの疾患又は状態の治療を受け得る対象を指す。「対象」及び「患者」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0089】
「単離されたペプチド」又は「単離されたポリペプチド」などの用語は、細胞環境からの、及び細胞の他の成分との会合からのペプチド又はポリペプチド分子のインビトロでの単離及び/又は精製を指し、すなわち、それは、インビボ物質とは有意に関連していない。同様に、「単離された細胞」は、インビボの組織又は器官から得られ、細胞外マトリックスを実質的に含まない細胞を指す。
【0090】
「単離されたポリヌクレオチド」という用語は、天然に存在する状態でそれに隣接する配列から精製されたポリヌクレオチド、例えば、そのフラグメントに通常隣接する配列から取り出されたDNAフラグメントを指す。「単離されたポリヌクレオチド」はまた、相補的DNA(complementary DNA、cDNA)、組換えDNA、又は自然界に存在しない、人間の手によって作製されている他のポリヌクレオチドを指す。
【0091】
「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」という用語は互換的に使用され、ペプチド結合によって、すなわちアミノ酸の配列として共有結合したアミノ酸残基から構成される化合物を指す。タンパク質又はペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含有し、タンパク質又はペプチドの配列を構成できるアミノ酸の最大数に制限はない。ポリペプチドは、ペプチド結合によって互いに結合した2つ以上のアミノ酸を含む任意のペプチド又はタンパク質を含む。ポリペプチドは、特定の長さに限定されず、例えば、完全長タンパク質配列又は完全長タンパク質のフラグメントを含み得、ポリペプチドの後翻訳改変、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化など、並びに自然発生及び非自然発生の両方で当該技術分野で知られている他の改変を含み得る。本明細書で使用される場合、この用語は、例えば、当技術分野で一般にペプチド、オリゴペプチド及びオリゴマーとも呼ばれる短鎖と、当技術分野で概してタンパク質と呼ばれる長鎖の両方を指し、そのうち多くの種類がある。「ポリペプチド」には、例えば、とりわけ、生物学的に活性なフラグメント、実質的に相同なポリペプチド、オリゴペプチド、ホモ二量体、ヘテロ二量体、ポリペプチドの変異体、改変ポリペプチド、誘導体、類似体、融合タンパク質が含まれる。ポリペプチドには、天然ペプチド、組換えペプチド、合成ペプチド、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0092】
本開示は、本明細書に記載のあらゆるアミノ酸に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%など)を有するポリペプチドを企図している。
【0093】
「改変された免疫細胞」という用語は、本明細書に記載の操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの導入によって改変されたT細胞又はNK細胞を指す。改変された免疫細胞は、(例えば、エピソームの改変又は染色体外の改変などの)遺伝的改変及び非遺伝的改変の両方を含む。
【0094】
「維持する」、「保存する」、又は「維持」、又は「変化なし」、又は「変化なし」、又は「実質的な変化なし」、又は「実質的に減少しない」とは、概して、ビヒクル、対照分子/組成物のいずれかによって引き起こされる応答と比較して、細胞においてより低い生理学的応答(すなわち、下流効果)を生成するか、誘発するか、又は引き起こす本明細書で企図される組成物の能力を指す。同等の応答は、参照応答と有意に異ならないか、又は測定可能なほど異ならないものである。
【0095】
「悪性」という用語は、腫瘍細胞の群が、制御されていない増殖(すなわち、正常限界を超える分裂)、浸潤(すなわち、隣接組織の侵入及び破壊)、及び転移(すなわち、リンパ又は血液を介して体内の他の場所に広がる)のうちの1つ以上を示すがんを指す。本明細書で使用される場合、「転移する」という用語は、体のある部から別の部分へのがんの広がりを指す。広がった細胞によって形成された腫瘍は、「転移性腫瘍」又は「転移」と呼ばれる。転移性腫瘍は、元の(原発性(primacy))腫瘍と同様の細胞を含む。本明細書で使用される場合、「良性」又は「非悪性」という用語は、より大きく増殖し得るが、身体の他の部分に広がらない腫瘍を指す。良性腫瘍は、自己限定的であり、典型的には、侵入又は転移しない。
【0096】
「増殖」という用語は、細胞の対称的又は非対称的な分裂のいずれかで、細胞分裂の増加を指す。いくつかの実施形態では、「増殖」は、T細胞の対称的又は非対称的な分裂を指す。いくつかの実施形態では、「増殖」は、NK細胞の対称的又は非対称的な分裂を指す。「増殖増加」は、非処理試料中の細胞と比較して、処理された試料中の細胞数が増加すると発生する。
【0097】
養子細胞移入としても知られ「eACT(商標)」と略され得る「操作された自己細胞療法」という用語は、患者自身のT細胞を採取し、続いて1つ以上の特定の腫瘍細胞又は悪性腫瘍の細胞表面に発現される1つ以上の抗原を認識して標的化するように遺伝子改変するプロセスである。T細胞は、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を発現するように操作され得る。CAR陽性(+)T細胞は、少なくとも1つの共刺激ドメイン及び少なくとも1つの活性化ドメインを含む細胞内シグナル伝達部分に連結された特定の腫瘍抗原に特異的な細胞外一本鎖可変フラグメント(scFv)を発現するように操作される。共刺激ドメインは、天然に存在する共刺激ドメイン又はその変異体、例えば、短縮型ヒンジドメイン(「truncated hinge domain、THD」)を有する変異体に由来し得、活性化ドメインは、例えば、CD3-ゼータに由来し得る。ある特定の実施形態では、CARは、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の共刺激ドメインを有するように設計されている。いくつかの実施形態では、CARは、共刺激ドメインが別個のポリペプチド鎖として発現されるように操作される。例示的なCAR T細胞療法及び構築物は、米国特許出願公開第2013/0287748号、同第2014/0227237号、同第2014/0099309号、及び同第2014/0050708号に記載されており、これらの参考文献は参照によりその全体が組み込まれる。「養子細胞療法」又は「ACT」は、抗腫瘍活性を有する免疫細胞を対象、例えば、がん患者に移植することを含む。いくつかの実施形態では、ACTは、抗腫瘍活性を有するリンパ球(例えば、操作されたリンパ球)の使用を含む治療アプローチである。
【0098】
「インビトロ」という用語は、多細胞生物内ではなく、人工環境、例えば試験管、反応容器、細胞培養などで起こる事象を指す。「インビトロ細胞」という用語は、エクスビボで培養される任意の細胞を指す。特に、インビトロ細胞は、T細胞を含み得る。「インビボ」という用語は、ヒト又は非ヒト動物などの多細胞生物内で起こる事象を指す。
【0099】
「抗原提示細胞」又は「APC」は、T細胞に対し抗原を処理し、提示する細胞を指す。例示的なAPCは、樹状細胞、マクロファージ、B細胞、ある特定の活性化上皮細胞、並びにTCR刺激及び適切なT細胞共刺激が可能な他の細胞型を含む。
【0100】
本明細書で使用される場合、「刺激」は、刺激分子とその同族リガンドとの結合によって誘導される一次応答を指し、その結合はシグナル伝達事象を媒介する。「刺激分子」は、抗原存在細胞上に存在する同族刺激リガンドと特異的に結合する、T細胞上の分子、例えば、T細胞受容体(TCR)/CD3複合体である。「刺激リガンド」は、抗原提示細胞(例えば、APC、樹状細胞、B細胞など)上に存在する場合、T細胞上の刺激分子と特異的に結合し、それによって、限定するものではないが、活性化、免疫応答の開始、増殖などの、T細胞による一次応答を媒介し得るリガンドである。刺激リガンドには、抗CD3抗体(OKT3など)、ペプチドを負荷したMHCクラスI分子、スーパーアゴニスト抗CD2抗体、及びスーパーアゴニスト抗CD28抗体が含まれるが、これらに限定されない。
【0101】
本明細書で使用される場合、「共刺激シグナル」は、TCR/CD3ライゲーションなどの一次シグナルと組み合わせて、T細胞応答、例えば、限定するものではないが、重要な分子の増殖及び/又は上方制御又は下方制御をもたらすシグナルを指す。
【0102】
本明細書で使用される場合、「共刺激リガンド」は、T細胞上の同族共刺激分子に特異的に結合する抗原提示細胞上の分子を含む。共刺激リガンドの結合は、限定するものではないが、増殖、活性化、分化などのT細胞応答を媒介するシグナルを提供する。共刺激リガンドは、刺激分子によって提供される一次シグナルに加えて、例えば、T細胞受容体(TCR)/CD3複合体と、ペプチドを負荷した主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子との結合によって、シグナルを誘導する。共刺激リガンドとしては、限定するものではないが、3/TR6、4-1BBリガンド、Tollリガンド受容体に結合するアゴニスト又は抗体、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、CD30リガンド、CD40、CD7、CD70、CD83、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)、ヒト白血球抗原G(HLA-G)、ILT4、免疫グロブリン様転写物(ILT)3、誘導性共刺激リガンド(ICOS-L)、細胞間接着分子(ICAM)、B7-H3と特異的に結合するリガンド、リンホトキシンβ受容体、MHCクラスI鎖関連タンパク質A(MICA)、MHCクラスI鎖関連タンパク質B(MICB)、OX40リガンド、PD-L2、又はプログラム死(PD)L1を挙げることができる。共刺激リガンドとしては、限定するものではないが、T細胞上に存在する共刺激分子と特異的に結合する抗体、例えば、限定するものではないが、4-1BB、B7-H3、CD2、CD27、CD28、CD30、CD40、CD7、ICOS、CD83と特異的に結合するリガンド、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、ナチュラルキラー細胞受容体C(NKG2C)、OX40、PD-1、又は腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14(TNFSF14又はLIGHT)が挙げられる。
【0103】
「共刺激分子」は、共刺激リガンドと特異的に結合し、それによってT細胞による共刺激応答、例えば、限定するものではないが、増殖を媒介するT細胞上の同族結合パートナーである。共刺激分子としては、4-1BB/CD137、B7-H3、BAFFR、BLAME(SLAMF8)、BTLA、CD 33、CD 45、CD100(SEMA4D)、CD103、CD134、CD137、CD154、CD16、CD160(BY55)、CD18、CD19、CD19a、CD2、CD22、CD247、CD27、CD276(B7-H3)、CD28、CD29、CD3(α、β、δ、ε、γ、ζ)、CD30、CD37、CD4、CD4、CD40、CD49a、CD49D、CD49f、CD5、CD64、CD69、CD7、CD80、CD83リガンド、CD84、CD86、CD8α、CD8β、CD9、CD96(Tactile)、CDl-la、CDl-lb、CDl-lc、CDl-ld、CDS、CEACAM1、CRT AM、DAP-10、DNAM1(CD226)、Fcγ受容体、GADS、GITR、HVEM(LIGHTR)、IA4、ICAM-1、ICAM-1、ICOS、Igα(CD79a)、IL2Rβ、IL2Rγ、IL7Rα、インテグリン、ITGA4、ITGA4、ITGA6、ITGAD、ITGAE、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB2、ITGB7、ITGB1、KIRDS2、LAT、LFA-1、LIGHT(腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14、TNFSF14)、LTBR、Ly9(CD229)、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1(CDl la/CD18)、MHCクラスI分子、NKG2C、NKG2D、NKp30、NKp44、NKp46、NKp80(KLRF1)、OX40、PAG/Cbp、PD-1、PSGL1、SELPLG(CD162)、シグナル伝達リンパ球活性化分子、SLAM(SLAMF1、CD150;IPO-3)、SLAMF4(CD244;2B4)、SLAMF6(NTB-A、Lyl08)、SLAMF7、SLP-76、TNF、TNFr、TNFR2、Tollリガンド受容体、TRANCE/RANKL、VLA1、又はVLA-6、又はフラグメント、切断、又はそれらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。
【0104】
「調節する」、「改善する」、「増加させる」、「阻害する」及び「低減する」という用語は、ベースライン又は他の基準測定値に対する値の変化を示す。いくつかの実施形態では、適切な基準測定値は、薬剤若しくは治療の非存在下(例えば、前及び/若しくは後)、又は適切な同等の参照薬剤の存在下で、それ以外は同等の条件下での特定の系における(例えば、単一の個体における)測定を含み得る。いくつかの実施形態では、適切な基準測定値は、関連する薬剤又は治療の存在下で、同等の方法で応答することが知られているか又は予想される同等の系での測定を含み得る。例示的な調節は、少なくとも約1%、約2%、約5%、約10%、約25%、約50%、約75%、又は約100%の変化を含む。
【0105】
「実質的に」という用語は、参照する数量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量又は長さの80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上である数量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量又は長さを指す。一実施形態では、「実質的に同じ」とは、参照する数量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量、又は長さとほぼ同じである効果、例えば、生理学的効果を生成する、数量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量、又は長さを指す。
【0106】
対象の「治療」又は「治療すること」は、症状、合併症若しくは状態、又は疾患に関連する生化学的徴候の発症、進行、発展、重症度若しくは再発を逆転、緩和、改善、阻害、減速又は予防することを目的として、対象に対して行われる任意の種類の介入若しくはプロセス、又は対象への活性剤の投与を指す。一実施形態では、「治療」又は「治療すること」は、部分寛解を含む。別の実施形態では、「治療」又は「治療すること」は、完全寛解を含む。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害及び/若しくは状態の徴候を示さない対象、並びに/又は疾患、障害及び/若しくは状態の初期徴候のみを示す対象の治療であり得る。いくつかの実施形態では、そのような治療は、関連する疾患、障害及び/又は状態の1つ以上の確定的な徴候を示す対象の治療であり得る。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、及び/又は状態に罹患していると診断された対象の治療であり得る。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、及び/又は状態の発症のリスクの増加と統計的に相関する1つ以上の感受性因子を有することが知られている対象の治療であり得る。
【0107】
「薬剤」という用語は、任意のクラスの分子若しくは実体、又は複数の分子若しくは実体を指すことができ、そのいずれも、例えば、ポリペプチド、核酸、糖類、脂質、小分子、金属、細胞、若しくは生物(例えば、その画分若しくは抽出物)又はその成分であり得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、単離された形態又は純粋な形態で利用され得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、粗形態又は不純形態で利用され得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、例えば、その中に存在するメンバーを同定又は特徴付けるためにスクリーニングされ得る集団、集合又はライブラリとして提供され得る。
【0108】
2つの事象又は実体は、一方の存在、レベル、及び/又は形態が他方の存在、レベル、及び/又は形態と相関する場合、互いに「関連」している。例えば、実体(例えば、ポリペプチド、遺伝子シグネチャー、代謝産物、微生物など)は、その存在、レベル、及び/又は形態が、疾患、障害、又は状態の発生率及び/又は感受性と(例えば、関連集団にわたって)相関する場合に、疾患、障害、又は状態と関連していると考えられる。例えば、2つ以上の実体は、それらが直接又は間接的に相互作用する場合、それらが互いに物理的に(例えば結合するなど)近接し、かつ/又は物理的に近接したままとなるように、互いに物理的に「会合」している。更なる例では、互いに物理的に会合している2つ以上の実体は、例えば、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁性、及びそれらの組み合わせによって、互いに共有結合的に連結若しくは接続されているか、又は非共有結合的に会合している。
【0109】
本明細書で使用される「免疫無防備状態」という用語は、免疫不全を有する対象を指す。対象は、日和見感染、すなわち、正常な免疫系を有する人には通常疾患を引き起こさないが、機能が不十分であるか又は抑制された免疫系を有する人に影響を及ぼし得る生物によって引き起こされる感染に対して非常に脆弱である。
【0110】
「分泌物」とは、小胞体、ゴルジ装置を通る分泌経路を介して細胞から放出され、細胞の原形質膜で一時的に融合し、細胞の外側にタンパク質を放出する小胞として放出されるポリペプチドを意味する。
【0111】
「シグナル配列」とは、分泌経路への進入を誘導する新たに合成されたタンパク質のN末端に概して存在するペプチド配列を意味する。
【0112】
「膜結合IL-18」とは、発現されるとIL-18ポリペプチドを細胞膜へと向かわせるシグナル配列を有するIL-18ポリペプチドを意味する。膜結合IL-18ポリペプチドは、IL-18受容体サブユニットなどの膜結合タンパク質に連結することによって、細胞膜に更に繋がれる(分泌されない)。
【0113】
「持続性」という用語は、例えば、対象に投与された1つ以上の移植された免疫細胞、あるいはそれらの子孫(例えば、NK細胞又は分化若しくは成熟したT細胞)を、一定期間検出可能なレベルで対象内に維持する能力を指す。本明細書で使用される場合、1つ以上の移植された免疫細胞、あるいはそれらの子孫(例えば、NK細胞又は分化若しくは成熟したT細胞)の持続性を増加させることは、移植された免疫細胞が投与後の対象において検出可能な期間を延長させることを指す。例えば、1つ以上の移植された免疫細胞のインビボでの持続性は、少なくとも約1日間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約7日間、少なくとも約8日間、少なくとも約9日間、少なくとも約10日間、少なくとも約11日間、少なくとも約12日間、少なくとも約13日間、少なくとも約14日間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、又は少なくとも約6ヶ月延長し得る。加えて、1つ以上の移植された免疫細胞のインビボでの持続性は、本明細書に開示される方法によって調製されなかった1つ以上の移植された免疫細胞と比較して、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約4.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、又は少なくとも約10倍延長し得る。
【0114】
用語「同一性」とは、ポリマー分子間、例えば、核酸分子間(例えばDNA分子及び/又はRNA分子)、及び/又はポリペプチド分子間の全体的な関連性を指す。提供される2つのポリペプチド配列間の同一性パーセントを計算するための方法が知られている。例えば、2つの核酸又はポリペプチド配列の同一性パーセントの計算は、最適な比較目的のために2つの配列を整列させることによって実行され得る(例えば、ギャップは、最適なアラインメントのために第1及び第2の配列の一方又は両方に導入され得、非同一の配列は、比較目的で無視され得る)。次いで、対応する位置でのヌクレオチド又はアミノ酸が比較される。第1の配列の位置が第2の配列における対応する位置と同じ残基(例えば、ヌクレオチド又はアミノ酸)で占められている場合は、分子はその位置で同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、任意選択的に、ギャップの数、及び各ギャップの長さを考慮して、配列によって共有される同一位置の数の関数であり、2つの配列の最適なアラインメントのために導入する必要があり得る。配列の比較又はアラインメント及び2つの配列間の同一性パーセントの決定は、BLAST(基本的なローカルアラインメント検索ツール)などの数学的アルゴリズムを使用して達成され得る。いくつかの実施形態では、ポリマー分子は、それらの配列が、少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%同一である場合(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)、互いに「相同」であるとみなされる。
【0115】
同一性パーセントを計算するために、比較される配列は、典型的には、配列間の最大の一致を与える方法で整列される。同一性パーセントを決定するために使用することができるコンピュータプログラムの一例は、GCGプログラムパッケージであり、これにはGAPが含まれる(Devereux et al.,1984,Nucl.Acid Res.12:387、Genetics Computer Group,University of Wisconsin,Madison,Wis.)。コンピュータアルゴリズムGAPは、配列同一性パーセントが決定されるべき2つのポリペプチド又はポリヌクレオチドを整列させるために使用される。配列は、それぞれのアミノ酸又はヌクレオチド(アルゴリズムによって決定される「一致したスパン」)の最適なマッチングのために整列される。ある特定の実施形態では、標準比較マトリックス(PAM250比較マトリックスについては、Dayhoff et al.,1978,Atlas of Protein Sequence and Structure 5:345~352、BLOSUM62比較マトリックスについては、Henikoff et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:10915~10919を参照されたい)も、アルゴリズムで使用される。アミノ酸配列又は核酸配列の比較には他のアルゴリズムも利用可能であり、ヌクレオチド配列用のBLASTN及びアミノ酸配列用のBLASTP、gapped BLAST、及びPSI-BLASTなどの市販のコンピュータプログラムで利用可能なものを含む。例示的なプログラムが、Altschul,et al.,Basic local alignment search tool、J.Mol.Biol.,215(3):403~410,1990;Altschul,et al.,Methods in Enzymology;Altschul,et al.,「Gapped BLAST and PSI-BLAST:a new generation of protein database search programs,」Nucleic Acids Res.25:3389~3402,1997;Baxevanis,et al.,Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;及びMisener,et al.,(eds.),Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1999に記載されている。類似の配列を特定することに加えて、上記のプログラムは、概して、類似度の指標を提供する。いくつかの実施形態では、対応する残基の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又はそれ以上が、関連するひと続き(relevant stretch)の残基にわたって類似及び/又は同一である場合(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)、2つの配列は、実質的に類似しているとみなされる。いくつかの実施形態では、関連するひと続きは完全な配列である。いくつかの実施形態では、関連するひと続きは、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも275、少なくとも300、少なくとも325、少なくとも350、少なくとも375、少なくとも400、少なくとも425、少なくとも450、少なくとも475、少なくとも500以上の残基である。実質的な配列類似性を有する配列は、互いに相同体であり得る。
【0116】
「に対応する」は、適切な参照分子又は組成物との比較を通して、分子又は組成物中の構造要素の位置/同一性を示すために使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポリマー中のモノマー残基(例えば、ポリペプチド中のアミノ酸残基又はポリヌクレオチド中の核酸残基)が、適切な参照ポリマー中の残基「に対応する」ものとして同定され得る。例えば、単純化の目的のために、ポリペプチド中の残基が、参照関連ポリペプチドに基づく標準的な番号付けシステムを使用して指定されてもよく、その結果、例えば、100位の残基「に対応する」アミノ酸は、それが参照ポリペプチド中の100位に見出される残基に対応する限り、実際にはアミノ酸鎖中の100番目のアミノ酸である必要はない。例えば、本開示によるポリペプチド及び/又は核酸中の「対応する」残基を同定するために利用され得る、例えば、BLAST、CS-BLAST、CUDASW++、DIAMOND、FASTA、GGSEARCH/GLSEARCH、Genoogle、HMMER、HHpred/HHsearch、IDF、Infernal、KLAST、USEARCH、parasail、PSI-BLAST、PSI-Search、ScalaBLAST、Sequilab、SAM、SSEARCH、SWAPHI、SWAPHI-LS、SWIMM、又はSWIPEなどのソフトウェアプログラムを含む、様々な配列アラインメント戦略が利用可能である。
【0117】
「併用療法」は、対象が2つ以上の治療レジメン(例えば2つ以上の治療部分)に同時に曝露される状況を指す。いくつかの実施形態では、2つ以上のレジメンは、同時に投与されてよく、いくつかの実施形態では、そのようなレジメンは、連続して投与され得(例えば、第1のレジメンの全ての「用量」は、第2のレジメンの任意の用量の投与前に投与される)、いくつかの実施形態では、そのような薬剤は、重複する投与レジメンで投与される。いくつかの実施形態では、併用療法の「投与」は、組み合わせにおいて他の薬剤又はモダリティの投与を受ける対象への1つ以上の薬剤又はモダリティの投与を含み得る。明確にするために、併用療法は、個々の薬剤が単一の組成物で一緒に(又は必然的に同時に)投与されることを必要としないが、いくつかの実施形態では、2つ以上の薬剤又はその活性部分が、組み合わせ組成物で、又は組み合わせ化合物(例えば、単一の化学錯体又は共有結合実体の一部として)でさえ一緒に投与され得る。
【0118】
「ドメイン」という用語は、実体の一部を指す。いくつかの実施形態では、「ドメイン」は、例えば、ドメインがその親実体の残りから物理的に分離されている場合に、ドメインが構造的及び/又は機能的特徴を実質的に又は完全に保持するように、実体の構造的及び/又は機能的特徴と関連付けられる。いくつかの実施形態では、ドメインは、その(親)実体から分離され、異なる(レシピエント)実体と連結又は接続された場合に、例えば、親実体で特徴付けられる1つ以上の構造的及び/又は機能的特徴をレシピエント実体で実質的に保持及び/又は付与する実体の一部を含み得る。いくつかの実施形態では、ドメインは、分子(例えば、小分子、炭水化物、脂質、核酸、又はポリペプチド)の一部である。いくつかの実施形態では、ドメインはポリペプチドの部分である。いくつかのそのような実施形態では、ドメインは、構造要素(例えば、アミノ酸配列若しくは配列モチーフ、α-ヘリックス特性、β-シート特性、コイルドコイル特性、ランダムコイル特性など)によって、及び/又は機能的特徴(例えば、結合活性、酵素活性、フォールディング活性、シグナル伝達活性など)によって特徴付けられる。
【0119】
「剤形」という用語は、対象に投与するための活性剤(例えば、抗原結合系又は抗体)の物理的に別個の単位を指すために使用され得る。概して、そのような各単位は、所定量の活性剤を含有する。いくつかの実施形態では、そのような量は、関連する集団に投与されたときに所望の又は有益な結果と相関することが決定された投与レジメンに従って投与するのに適切な単位投与量(その全部分)である。対象に投与される治療用組成物又は薬剤の総量は、1人以上の医師によって決定され、2つ以上の剤形の投与を含み得る。
【0120】
「投与レジメン」という用語は、対象に個別に投与される1つ以上の単位用量のセットを指すために使用され得る。いくつかの実施形態では、所与の治療薬は、1つ以上の用量を含み得る推奨投与レジメンを有する。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、それぞれが他の用量から時間的に離されている複数の用量を含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、複数の用量を含み、連続用量が、等しい長さの期間によって互いに離され、いくつかの実施形態では、投与レジメンは、複数の用量を含み、連続用量は、少なくとも2つの異なる長さの期間によって互いに離される。いくつかの実施形態では、投与レジメン内の全ての用量は、同じ単位用量量である。いくつかの実施形態では、投与レジメン内の異なる用量は、異なる量である。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、第1の用量量で第1の用量を含み、続いて、第1の用量量とは異なる第2の用量量で1つ以上の追加用量を含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、所望の又は有益な結果を達成するように定期的に調整される。
【0121】
「エフェクター機能」は、抗体Fc領域とFc受容体又はリガンドとの相互作用の生物学的結果を指す。エフェクター機能は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity、ADCC)、抗体依存性細胞媒介性貪食作用(antibody-dependent cell-mediated phagocytosis、ADCP)、及び補体媒介性細胞傷害(complement-mediated cytotoxicity、CMC)を含むが、これらに限定されない。エフェクター機能は、抗原結合依存性、抗原結合非依存性、又はその両方であり得る。ADCCは、免疫エフェクター細胞による抗体結合標的細胞の溶解を指す。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、ADCCは、概して、Fc受容体(Fc receptor、FcR)を含むエフェクター細胞が、抗体コーティングされた標的細胞(例えば、抗体が結合している抗原をその表面に発現する細胞)を認識し、その後死滅させることに関与すると理解されている。ADCCを媒介するエフェクター細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、好中球、好酸球のうちの1つ以上を含むがこれらに更に限定されない免疫細胞を含み得る。
【0122】
「賦形剤」という用語は、例えば、所望の一貫性又は安定化効果を提供する又はそれらに寄与するために、組成物中に含まれ得る薬剤を指す。いくつかの実施形態では、好適な賦形剤は、例えば、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、マルト、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどを含み得る。
【0123】
本明細書に記載の材料又は実体の「フラグメント」又は「部分」は、例えば、物理的実体又は抽象的実体の、全体の個別の部分を含む構造を有する。いくつかの実施形態では、フラグメントは、全体に見られる1つ以上の部分を欠く。いくつかの実施形態では、フラグメントは、全体に見られる特徴的な構造的要素、ドメイン又は部分からなるか、又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーフラグメントは、ポリマー全体に見られるように、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13,14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500以上の単量体単位(例えば、残基)を含むか、又はそれらからなる。いくつかの実施形態では、ポリマーフラグメントは、ポリマー全体に見られる単量体単位(例えば残基)のうちの少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、25%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上を含むか、又はそれらからなる(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)。材料又は実体全体は、いくつかの実施形態では、フラグメントの「親」と称され得る。
【0124】
「融合ポリペプチド」又は「融合タンパク質」という用語は、概して、少なくとも2つのセグメントを含むポリペプチドを指す。概して、2つのセグメントが、(1)同じペプチドに、本質的に含まれていない部分、及び/又は(2)単一のポリペプチドに前もって互いに連結又は接続されていない部分、及び/又は(3)人間の手の作用を通じて互いに連結又は接続されている部分である場合、少なくとも2つのそのようなセグメントを含有するポリペプチドは融合ポリペプチドであるとみなされる。
【0125】
「遺伝子産物」又は「発現産物」という用語は、一般に、遺伝子から転写されたRNA(処理前及び/若しくは処理後)、又は遺伝子から転写されたRNAによってコードされるポリペプチド(改変前及び/若しくは改変後)を指す。
【0126】
「単離された」という用語は、(1)物質が以前に会合していたか、又は別様には物質が会合していたであろう、少なくとも一部の成分から分離されている物質、及び/又は(2)限定された若しくは定義された量又は濃度の1つ以上の既知又は未知の汚染物質を含む組成物中に存在する物質を指す。単離された物質は、いくつかの実施形態では、物質が以前に会合していた、物質ではない他の成分、例えばその物質が以前に又は別様には会合したであろう他の成分又は汚染物質の、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約99%超(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)から分離されてもよい。ある特定の例では、物質は、それが、限定された若しくは低減された量又は濃度の同じ又は類似の種類の分子を含む組成物中に存在する場合に、単離される。例えば、ある特定の例では、核酸、DNA、又はRNA物質は、それらが、限定された若しくは低減された量又は濃度の物質ではない核酸、DNA、又はRNA分子を含む組成物中に存在する場合に、単離される。例えば、ある特定の例では、ポリペプチド物質は、それが限定された若しくは低減された量又は濃度の物質ではないポリペプチド分子を含む組成物中に存在する場合に、単離される。ある特定の実施形態では、量は、例えば組成物中に存在する所望の物質の量に対して測定された量であり得る。ある特定の実施形態では、限定された量は、組成物中の物質の量の100%以下である量、例えば、組成物中の物質の量の1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は95%以下(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)である量であってもよい。ある特定の例では、組成物は、選択された物質に関して純粋又は実質的に純粋である。いくつかの実施形態では、単離された物質は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約99%超(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)の純度である。物質は、他の成分又は汚染物質を実質的に含まない場合、「純粋」である。いくつかの実施形態では、物質は、例えば、1つ以上の担体又は賦形剤など(例えば、緩衝液、溶媒、水など)のある特定の他の成分と組み合わされた後であっても、「単離された」又は「純粋な」とみなされてもよく、そのような実施形態では、物質の単離又は純度パーセントは、そのような担体又は賦形剤を含まずに計算される。
【0127】
「核酸」は、ヌクレオチドの任意のポリマー鎖を指す。核酸は、DNA、RNA、又はそれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の天然核酸残基を含む。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の核酸類似体から構成される。いくつかの実施形態では、核酸は、天然源からの単離、相補的鋳型に基づく重合による酵素的合成(インビボ又はインビトロ)、組換え細胞又は系での再生、及び化学合成のうちの1つ以上によって調製される。いくつかの実施形態では、核酸は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、20、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、又はそれ以上の残基(例えば、20~100、20~500、20~1000、20~2000、又は20~5000、又はそれ以上の残基)の長さである。いくつかの実施形態では、核酸は、部分的又は全体的に一本鎖であり、いくつかの実施形態では、核酸は、部分的又は全体的に二本鎖である。いくつかの実施形態では、核酸は、ポリペプチドをコードする、又はポリペプチドをコードする配列の相補体である、少なくとも1つの要素を含むヌクレオチド配列を有する。
【0128】
本開示は、本明細書に記載のあらゆる核酸に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸を企図している。
【0129】
「操作可能に連結された」とは、記載された構成要素がそれらの意図された様式で機能することを可能にする関係にある並置を指す。例えば、機能要素に「作動可能に連結された」制御要素は、機能要素の発現及び/又は活性が、制御要素と適合性のある条件下で達成されるように関連付けられる。
【0130】
「薬学的に許容される」という用語は、レシピエントに投与される場合、そのレシピエントに有害ではないか、又はそのレシピエントに対する利益が有害な影響を上回る、分子又は組成物を指す。本明細書に開示される組成物を製剤化するために使用される担体、希釈剤、又は賦形剤に関して、薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤は、組成物の他の成分と適合でなければならず、そのレシピエントに有害ではないか、又はレシピエントに対する利益がいかなる有害な影響をも上回る必要がある。「薬学的に許容される担体」という用語は、体のある部分から別の部分への(例えば、ある臓器から別の臓器への)薬剤の運搬又は輸送に関与する、液体若しくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、又は溶媒封入材料(solvent encapsulating material)などの薬学的に許容される材料、組成物、又はビヒクルを意味する。医薬組成物中に存在する各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者に有害ではないという意味で「許容可能」でなければならず、又はレシピエントに対する利益が有害な影響を上回る必要がある。薬学的に許容される担体として機能し得る材料のいくつかの例は、ラクトース、グルコース、及びスクロースなどの糖、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン;セルロース、並びにカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、及び酢酸セルロースなどのその誘導体;トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバター及び坐剤ワックスなどの賦形剤;落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張性生理食塩水;リンゲル液、エチルアルコール;pH緩衝溶液、ポリエステル、ポリカーボネート及び/又はポリ無水物、並びに医薬製剤に用いられる他の非毒性の適合性物質、を含む。
【0131】
「医薬組成物」という用語は、活性剤が1つ以上の薬学的に許容される担体と一緒に製剤化される組成物を指す。いくつかの実施形態では、活性剤は、関連する対象又は集団に投与されたときに所定の治療効果を達成する統計的に有意な確率を示す治療レジメンにおける投与に適した単位用量量で存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、固体又は液体形態での投与のために製剤化されてもよく、これらに限定されないが、以下に対し適合された形態を含む:経口投与、例えば、水薬(水性又は非水溶液又は懸濁液)、錠剤、例えばバッカル、舌下、及び全身吸収を標的とするもの、ボーラス、粉末剤、顆粒剤、舌に適用するためのペースト;非経口投与、例えば、滅菌溶液若しくは懸濁液、又は持続放出製剤としての皮下、筋肉内、静脈内、又は硬膜外注射による;局所投与、例えば、皮膚、肺、又は口腔に塗布される、クリーム、軟膏、又は徐放性パッチ又はスプレーとして;膣内又は直腸内、例えば、ペッサリー、クリーム、又は泡状物質(foam)として;舌下;眼に対する;経皮的;又は経鼻的に、肺に、及び他の粘膜表面に。用語「参照」は、比較が実施される標準又は対照を記載する。例えば、いくつかの実施形態では、目的の薬剤、動物、個体、集団、試料、配列、又は値は、薬剤、動物、個体、集団、試料、配列、又は値である参照又は対照と比較される。いくつかの実施形態では、参照又は対照は、目的の試験、測定、又は決定と実質的に同時に試験、測定、及び/又は決定される。いくつかの実施形態では、参照又は対照は、任意選択的に有形的媒体で具現化された過去からの参照又は対照である。概して、参照又は対照は、評価下にあるものと同等の条件又は状況下で決定又は特徴付けられる。類似性が、選択された参照又は対照に対する依存性及び/又はそれとの比較を正当とするのに十分である場合。
【0132】
「制御性T細胞」(「Treg」、「Treg細胞」、又は「Treg」)は、特定の免疫活性、例えば、自己免疫、アレルギー、及び感染に対する応答の制御に関与するCD4+Tリンパ球の系統を指す。制御性T細胞は、T細胞集団の活性を調節することができ、特定の自然免疫系細胞型に影響を及ぼすこともできる。Tregは、バイオマーカーCD4、CD25及びFoxp3の発現、並びにCD127の低発現によって同定され得る。天然に存在するTreg細胞は、通常、末梢CD4+Tリンパ球の約5~10%を構成する。しかしながら、腫瘍微小環境内のTreg細胞(すなわち、腫瘍浸潤性Treg細胞)は、全CD4+Tリンパ球集団の20~30%ものTreg細胞を構成し得る。
【0133】
用語「試料」は、一般に、目的の供給源から得られた、又はこれに由来する材料のアリコートを指す。いくつかの実施形態では、目的の供給源は、生物学的供給源又は環境的供給源である。いくつかの実施形態では、目的の供給源は、細胞集団、組織、又は動物(例えば、ヒト)などの細胞又は生物を含み得る。いくつかの実施形態では、目的の供給源は、生物学的組織又は流体を含む。いくつかの実施形態では、生物学的組織又は流体は、羊水、房水、腹水、胆汁、骨髄、血液、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、糜粥、射精液、内リンパ液、滲出液、糞便、胃酸、胃液、リンパ液、粘液、心嚢液、外リンパ液、腹水、胸水、膿、カタル性分泌物、唾液、皮脂、精液、漿液、恥垢、痰、滑液、汗、涙、尿、膣分泌物、硝子体液、嘔吐物、及び/又はそれらの組み合わせ若しくは成分を含み得る。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、細胞内液、細胞外液、脈管内流体(血しょう)、間質液、リンパ液、及び/又は細胞通過液を含み得る。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、植物滲出物を含み得る。いくつかの実施形態では、生物学的組織又は試料は、例えば、吸引、生検(例えば、細針又は組織生検)、スワブ(例えば、口腔スワブ、鼻腔スワブ、皮膚スワブ又は膣スワブ)、掻き取り、手術、洗浄(例えば気管支肺胞、管、鼻腔、眼、口腔、子宮、膣又は他の洗浄)によって得ることができる。いくつかの実施形態では、生物学的試料は、個体から得られた細胞を含む。いくつかの実施形態では、試料は、任意の適切な手段によって目的の供給源から直接得られた「一次試料」である。いくつかの実施形態では、文脈から明らかなように、用語「試料」は、一次試料を処理することによって(例えば、一次試料の1つ以上の成分を除去することによって、及び/又は一次試料に1つ以上の薬剤を添加することによって)得られる調製物を指す。そのような「処理された試料」は、例えば、試料から抽出された、あるいは一次試料を核酸の増幅又は逆転写、特定の成分の単離及び/又は精製などの1つ以上の技法に供することなどによって得られた核酸又はタンパク質を含み得る。
【0134】
「治療薬」という語句は、生物に投与された場合に所望の薬理学的効果を誘発する任意の薬剤を指し得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、適切な集団にわたって統計学的に有意な効果を示す場合には、治療薬であるとみなされる。いくつかの実施形態では、適切な集団は、モデル生物又はヒト対象の集団であり得る。いくつかの実施形態では、適切な集団は、バイオマーカーの有無などに応じて、特定の年齢群、性別、遺伝的背景、既存の臨床状態などの様々な基準によって定義することができる。いくつかの実施形態では、治療薬は、疾患、障害、及び/又は状態の1つ以上の症状又は特徴の緩和、改善、軽減、阻害、予防、発症の遅延、重症度の低減、及び/又は発生率の低減に使用することができる物質である。いくつかの実施形態では、治療薬は、ヒトへの投与のために市販され得る前に、政府機関によって承認されているか、又は承認される必要がある薬剤である。いくつかの実施形態では、治療薬は、ヒトへの投与のために医学的処方が必要とされる薬剤である。
【0135】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が関連する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、Juo、「The Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology」、第2版、(2001)、CRCプレス;「The Dictionary of Cell&Molecular Biology」、第5版、(2013)、Academic Press;及び「The Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology」、Cammackら編、第2版、(2006)、Oxford University Pressは、本開示で使用される用語の多くについて全般的な辞書を当業者に提供している。
【0136】
本開示は、特に反対に示されない限り、当技術分野の技術の範囲内である、化学、生化学、有機化学、分子生物学、微生物学、組換えDNA技術、遺伝学、免疫学、及び細胞生物学の方法を用いることができ、その多くは、例示の目的で以下に記載される。そのような技術は、文献において完全に説明されている。例えば、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(3rd Edition,2001)、Maniatis et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(1982)、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons,updated July 2008)、Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub.Associates and Wiley-Interscience、Glover,DNA Cloning:A Practical Approach,vol.I&II(IRL Press,Oxford,1985)、Anand,Techniques for the Analysis of Complex Genomes,(Academic Press,New York,1992)、Transcription and Translation(B.Hames&S.Higgins,Eds.,1984)、Perbal,A Practical Guide to Molecular Cloning(1984)、Harlow and Lane,Antibodies,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1998)Current Protocols in Immunology Q.E.Coligan,A.M.Kruisbeek,D.H.Margulies,E.M.Shevach and W.Strober,eds.,1991)、Annual Review of Immunology、及びにAdvances in Immunologyなどのジャーナルのモノグラフを参照されたい。
【0137】
一態様では、本開示は、シグナルペプチド、インターロイキン-18(IL-18)及びインターロイキン-18受容体(IL-18R)サブユニットを含むポリペプチドを提供する。そのようなポリペプチドは、その対応する核酸から発現される場合、そのシグナル配列によって細胞膜に向けられると考えられる。シグナル配列が切断された後、残りのポリペプチドは、IL-18Rサブユニットによって膜結合されると考えられる。
【0138】
インターロイキン18(IFN-γ-誘導因子(IGIF)、IL-1γ及びIL1F4としても知られる)は、特定の免疫応答性細胞の免疫活性を増加させる炎症促進性サイトカインである。IL-18は、マクロファージ、T細胞及び他の細胞によって産生される。IL-18は、インターロイキン-18受容体に結合することによって機能し、NF-κB及びAP-1を介して炎症促進性応答を駆動するMyD88シグナル伝達を増加させる。IL-18は、IL-12などの他のサイトカインと一緒に、細胞媒介免疫を誘導することができる。IL-18による刺激後、内因性ナチュラルキラー(NK)細胞、ある種のT細胞、及びAPCは、インターフェロン-γ(IFN-γ)、IL-2、及びTNF-αなどの他のサイトカインを放出し、その結果、他の種類の免疫応答性細胞を更に活性化することができる。
【0139】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「IL-18」という用語は、IL-18の成熟形態(すなわち、シグナルペプチドを含まない)を指す。IL-18のタンパク質産物は、当技術分野において公知の任意のアミノ酸配列、例えば、参照により本明細書中に具体的に組み込まれる、2020年8月9日に更新されたGene ID:3606のNCBI Geneデータベースにおいて入手可能なアミノ酸配列を有し得る。一実施形態では、IL-18は、NCBI参照配列番号NP_001553.1(アイソフォーム1)又はNP_001230140.1(アイソフォーム2)に対応する、シグナル配列を欠く(すなわち、その成熟形態の)アミノ酸配列を有する。これらのアイソフォームは、それぞれNCBI参照配列番号NM-001562.4及びNM_001243211.2に対応するヌクレオチド配列によってコードされる。
【0140】
ある特定の実施形態では、IL-18ポリペプチドは、IL-18の成熟形態、又は完全長成熟形態と同様の活性を有するそのフラグメントに対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するポリペプチドを指す。
【0141】
一実施形態では、野生型ヒトIL-18アイソフォーム2をコードするヌクレオチド配列が、配列番号1に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する。この配列はコドン最適化配列である。
ATGGCCGCTGAGCCCGTGGAAGATAACTGCATCAACTTCGTCGCCATGAAGTTCATCGACAACACCCTGTACTTTATCGCCGAGGACGACGAGAACCTGGAAAGCGACTACTTCGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGATCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAACGAGGAC
[配列番号1]。
【0142】
本明細書に記載の別の一実施形態は、配列番号2(成熟IL-18配列、すなわち、シグナル配列を含まない配列は太字である)に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するその天然シグナル配列を有するIL-18アイソフォーム2のアミノ酸配列である。
【0143】
ある特定の実施形態では、IL-18は、アミノ酸残基37~193又は配列番号2を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる。ある特定の実施形態では、IL-18は、配列番号2のアミノ酸残基37~193と少なくとも80%、85%、90%又は95%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0144】
本明細書に開示されるポリペプチドは、シグナル配列を含む。シグナル配列は、天然IL-18シグナル配列又は異種シグナル配列、例えば、IL-2シグナル配列、CD8シグナル配列、IL-15シグナル配列、又は本質的に同等の活性を有する任意の適切なペプチドであり得る。本明細書に記載の一実施形態では、シグナル配列は、MALPVTALLLPLALLLHAARP(配列番号3)のアミノ酸配列によって示される通りである。本明細書に記載の別の実施形態では、シグナル配列は、MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEA(配列番号4)のアミノ酸配列によって示されるIL-15シグナル配列である。
【0145】
IL-18受容体は、IL-18に結合して、IL-18が媒介するシグナル伝達を促進する。これは、それぞれIL-18R1及びIL-18RAPによってコードされるアルファ-(IL-18Rα)鎖及びベータ-(IL-18Rβ)鎖のヘテロマー複合体である。IL-18Rαは、IL18受容体のリガンド結合サブユニットであり、一方、IL-18Rβは、IL-18RαのIL-18結合活性を増強する。IL18R1及びIL-18RAPの同時発現は、典型的には、IL-18に応答したNF-κB及びMAPK8(JNK)の活性化に必要とされる。
【0146】
本明細書に記載のIL-18ポリペプチドは、例えば、IL-18受容体サブユニットとの相互作用を介して細胞膜に結合して、IL-18が媒介する応答を連続的に駆動することができる。本明細書で使用される場合、IL-18Rサブユニットは、IL-18Rα又はIL-18Rβの成熟形態を指す。一実施形態では、IL-18Rサブユニットは、IL-18Rα (例えば、配列番号6のアミノ酸残基19~540又は配列番号6のアミノ酸残基21~540)の成熟形態である。一実施形態では、IL-18Rサブユニットは、IL-18Rβ(例えば、配列番号8のアミノ酸残基20~599)の成熟形態である。
【0147】
IL-18R1(18Rα)のタンパク質産物は、当技術分野において公知の任意のアミノ酸配列、例えば、参照により本明細書中に具体的に組み込まれる、2020年8月1日に更新されたGene ID:8809のNCBI Geneデータベースにおいて利用可能なアミノ酸配列を有し得る。一実施形態では、IL-18Rαは、NCBI参照配列番号NP_003846.1(アイソフォーム1)、NP_001269328.1(アイソフォーム2)、NP_001358347.1(アイソフォーム3)、NP_001358348.1(アイソフォーム4)、NP_001358349.1(アイソフォーム5)、NP_001358350.1(アイソフォーム6)、NP_001358351.1(アイソフォーム7)、NP_001358352.1(アイソフォーム8)、NP_001358353.1(アイソフォーム8)に対応する、シグナル配列を欠く(すなわち、その成熟形態の)アミノ酸配列を有する。これらのアイソフォームは、それぞれ、NCBI参照配列番号NM_003855.5、NM_001282399.2、NM_001371418.1、NM_001371419.1、NM_001371420.1、NM_001371421.1、NM_001371422.1、NM_001371423.1、及びNM_001371424.1に対応するヌクレオチド配列によってコードされる。以下の構築物は、IL-18R1アイソフォーム1配列を利用するが、当業者は、任意の他のIL-18R1アイソフォームを利用して類似の構築物を容易に作製し得ることが理解される。
【0148】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号5に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するヒトIL-18R1アイソフォーム1をコードするヌクレオチド配列である。配列はコドン最適化されている。
ATGAACTGCAGAGAGCTGCCCCTGACACTGTGGGTGCTGATCTCTGTGTCTACCGCCGAGAGCTGCACCAGCAGACCTCACATCACAGTGGTGGAAGGCGAGCCCTTCTACCTGAAGCACTGCAGCTGTTCTCTGGCCCACGAGATCGAGACAACCACCAAGAGCTGGTACAAGAGCAGCGGCAGCCAAGAGCACGTGGAACTGAACCCTAGAAGCAGCAGCAGAATCGCCCTGCACGACTGCGTGCTGGAATTCTGGCCTGTCGAGCTGAACGATACCGGCAGCTACTTCTTCCAGATGAAGAACTACACCCAGAAATGGAAGCTGAACGTGATCCGGCGGAACAAGCACAGCTGCTTCACCGAGAGACAAGTGACCAGCAAGATCGTGGAAGTGAAGAAGTTCTTTCAGATCACGTGCGAGAACTCCTACTACCAGACACTGGTCAACAGCACCAGCCTGTACAAGAACTGCAAGAAGCTCCTGCTCGAGAACAACAAGAACCCCACCATCAAGAAGAACGCCGAGTTCGAGGACCAGGGCTACTACAGCTGCGTGCACTTCCTGCACCACAACGGCAAGCTGTTCAACATCACCAAGACCTTCAATATCACCATCGTCGAGGACCGCAGCAACATCGTGCCTGTTCTGCTGGGCCCCAAGCTGAATCATGTGGCTGTGGAACTGGGCAAGAACGTGCGGCTGAATTGCAGCGCCCTGCTGAACGAAGAGGACGTGATCTACTGGATGTTCGGCGAGGAAAACGGCAGCGACCCCAACATCCACGAAGAGAAAGAAATGCGGATCATGACCCCTGAAGGCAAGTGGCACGCCAGCAAGGTGCTGCGGATCGAGAATATCGGCGAGAGCAACCTGAACGTGCTGTACAACTGTACCGTGGCCAGCACCGGCGGCACAGATACCAAGTCCTTTATCCTCGTGCGGAAGGCCGACATGGCTGACATTCCAGGCCACGTGTTCACCCGGGGCATGATCATTGCCGTGCTGATCCTGGTGGCCGTCGTGTGTCTGGTCACCGTGTGTGTGATCTACAGAGTGGACCTGGTCCTGTTCTACCGGCACCTGACCAGAAGGGACGAGACACTGACCGACGGCAAGACCTACGATGCCTTCGTGTCCTACCTGAAAGAGTGCAGACCCGAGAACGGCGAAGAACACACCTTCGCCGTGGAAATCCTGCCTAGAGTGCTGGAAAAGCACTTCGGCTACAAGCTGTGCATCTTCGAGCGCGACGTTGTGCCTGGCGGAGCTGTGGTGGATGAGATCCACAGCCTGATCGAGAAGTCCAGACGGCTGATCATCGTGCTGAGCAAGAGCTACATGAGCAACGAAGTCCGCTACGAGCTGGAAAGCGGACTGCACGAAGCCCTGGTGGAACGGAAGATCAAGATCATCCTGATTGAGTTCACCCCTGTGACCGACTTCACATTCCTGCCTCAGAGCCTGAAGCTGCTGAAGTCCCACAGAGTGCTGAAGTGGAAAGCCGACAAGAGCCTGAGCTACAACAGCCGGTTTTGGAAGAACCTGCTGTACCTGATGCCTGCCAAGACCGTGAAGCCCGGCAGAGATGAACCTGAGGTTCTGCCTGTGCTGAGCGAGTCCTAA
[配列番号5]。
【0149】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号6(シグナル配列を含まない成熟ポリペプチドは太字である)に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するヒトIL-18Rαアミノ酸配列である。
【0150】
IL-18RAP(18Rβ)のタンパク産物は、当技術分野において公知の任意のアミノ酸配列、例えば、参照により本明細書中に具体的に組み込まれる、2020年8月1日に更新されたGene ID:8807のNCBI Geneデータベースにおいて利用可能なアミノ酸配列を有し得る。一実施形態では、IL-18Rβは、NCBI参照配列番号NP_003844.1に対応する、シグナル配列を欠く(すなわち、その成熟形態の)アミノ酸配列を有する。このタンパク質は、NCBI参照配列番号NM_003853.3に対応するヌクレオチド配列によってコードされる。
【0151】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号7に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するヒトIL-18Rβをコードする核酸配列である。配列はコドン最適化されている。
ATGCTGTGTCTCGGCTGGATCTTCCTGTGGCTGGTGGCCGGCGAGAGAATCAAGGGCTTCAATATCAGCGGCTGCAGCACCAAGAAACTGCTGTGGACCTACAGCACCCGCAGCGAAGAGGAATTCGTGCTGTTCTGCGACCTGCCTGAGCCTCAGAAGTCCCACTTCTGCCACCGGAACAGACTGAGCCCTAAACAGGTGCCCGAGCATCTGCCTTTCATGGGCAGCAACGATCTGAGCGACGTGCAGTGGTATCAGCAGCCCAGCAATGGCGACCCTCTGGAAGATATCAGAAAGAGCTACCCTCACATCATCCAGGACAAGTGCACCCTGCACTTTCTGACCCCTGGCGTGAACAACAGCGGCAGCTACATCTGCAGACCCAAGATGATCAAGAGCCCCTACGACGTGGCCTGCTGCGTGAAGATGATCCTGGAAGTGAAGCCCCAGACCAACGCCAGCTGCGAGTATAGCGCCAGCCACAAGCAGGATCTGCTGCTGGGCTCTACAGGCAGCATCAGCTGTCCTAGCCTGAGCTGTCAGAGCGACGCTCAGTCTCCTGCCGTGACCTGGTACAAGAACGGCAAGCTGCTGAGCGTGGAACGGTCCAACAGAATCGTGGTGGACGAGGTGTACGACTACCACCAGGGCACCTACGTGTGCGACTACACCCAGAGCGATACCGTGTCTAGCTGGACCGTCAGAGCCGTGGTGCAAGTGCGGACAATCGTGGGCGATACCAAGCTGAAGCCCGACATTCTGGACCCCGTGGAAGATACACTGGAAGTGGAACTGGGCAAGCCCCTGACCATCAGCTGCAAGGCCAGATTCGGCTTCGAGCGGGTGTTCAACCCCGTGATCAAGTGGTACATCAAGGACAGCGACCTGGAATGGGAAGTGTCCGTGCCTGAGGCCAAGTCCATCAAGAGCACACTGAAGGACGAGATCATCGAGCGGAACATCATCCTGGAAAAAGTGACCCAGCGGGACCTGCGGAGAAAGTTCGTGTGCTTCGTGCAGAACTCCATCGGCAACACCACACAGAGCGTGCAGCTGAAAGAAAAGCGCGGCGTGGTGCTGCTGTACATCCTGCTGGGAACAATCGGCACCCTGGTGGCTGTTCTGGCTGCTTCTGCCCTGCTGTATCGGCACTGGATCGAGATCGTGCTGCTCTACAGAACCTACCAGAGCAAGGATCAGACCCTGGGCGACAAGAAGGACTTCGACGCCTTTGTGTCCTACGCCAAGTGGTCCAGCTTTCCCAGCGAGGCCACAAGCTCCCTGAGCGAAGAACATCTGGCCCTGTCTCTGTTCCCCGACGTGCTGGAAAACAAATACGGCTACAGCCTGTGCCTGCTGGAAAGAGATGTTGCCCCTGGCGGAGTGTACGCCGAGGATATCGTGTCCATCATCAAGCGGAGCAGACGGGGCATCTTCATTCTGAGCCCCAACTACGTGAACGGCCCCAGCATCTTTGAACTGCAAGCCGCCGTGAACCTGGCTCTGGACGATCAGACACTGAAGCTGATTCTGATCAAGTTCTGCTACTTCCAAGAGCCTGAGAGCCTGCCTCACCTGGTCAAAAAGGCCCTGAGAGTGCTGCCCACCGTGACTTGGAGAGGCCTGAAAAGCGTGCCACCTAACAGCCGGTTCTGGGCCAAGATGAGATACCACATGCCTGTGAAGAACTCCCAGGGCTTCACCTGGAACCAGCTGCGGATCACCAGCAGAATCTTCCAGTGGAAGGGCCTGAGCCGGACCGAGACAACAGGCAGAAGCTCCCAGCCTAAAGAGTGGTGA
[配列番号7]。
【0152】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号8(シグナル配列を含まない成熟ポリペプチドは太字である)に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するヒトIL-18Rβアミノ酸配列である。
【0153】
いくつかの実施形態では、IL-18ドメイン、IL-18Rαドメイン若しくはIL-18Rβドメイン、又は構築物全体が、野生型IL-18、IL-18Rα若しくはIL-18Rβ(例えば、配列番号2、6若しくは8)、又は前述のいずれかの成熟形態、又は本明細書に提供される構築物と少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも85%、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、若しくは100%同一である配列を含むか、又はそのような配列である。いくつかの実施形態では、IL-18ドメイン、IL-18Rαドメイン若しくはIL-18Rβドメイン、又は構築物全体が、配列番号2、6若しくは8のいずれか又はその成熟部分と1個~25個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25個のアミノ酸)が異なる配列を含む。ある特定の実施形態では、保存的置換が好ましい。いくつかの実施形態では、任意のドメインが、それぞれ野生型成熟配列に加えて、1つ以上の追加のアミノ酸(例えば、1個~約100個のアミノ酸、1個~約80個のアミノ酸、1個~約60個のアミノ酸、1個~約40個のアミノ酸、1個~約20個のアミノ酸、1個~約10個のアミノ酸、約5個~約100個のアミノ酸、約5個~約80個のアミノ酸、約5個~約60個のアミノ酸、約5個~約40個のアミノ酸、約5個~約20個のアミノ酸、約10個~約100個のアミノ酸、約10個~約80個のアミノ酸、約10個~約60個のアミノ酸、約10個~約40個のアミノ酸又は約10個~約20個のアミノ酸)を含む。追加的又は代替的に、任意のドメインが、任意のそれぞれの野生型成熟配列と比較して、1個~約25個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25個のアミノ酸)を欠いていてもよい。
【0154】
いくつかの実施形態では、IL-18ドメイン、IL-18Rαドメイン又はIL-18Rβドメインをコードする核酸は、野生型IL-18、IL-18R1又はIL-18RAP核酸配列、前述のいずれかの成熟形態をコードする核酸、又は前述のいずれかのコドン最適化バージョンと少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一若しくは100%同一である配列を含むか、又はそのような配列である。いくつかの実施形態では、IL-18ドメイン、IL-18Rαドメイン又はIL-18Rβドメインをコードする核酸は、野生型IL-18、IL-18R1又はIL-18RAP配列、前述のいずれかの成熟形態をコードする核酸、又は前述のいずれかのコドン最適化バージョンとは1~約75ヌクレオチド(例えば、1~約70ヌクレオチド、1~約60ヌクレオチド、1~約50ヌクレオチド、1~約40ヌクレオチド、1~約30ヌクレオチド、1~約20ヌクレオチド、1~約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約75ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約10ヌクレオチド)だけ異なる配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-18ドメイン、IL-18Rαドメイン又はIL-18Rβドメインをコードする核酸、前述のいずれかの成熟形態をコードする核酸、又は前述のいずれかのコドン最適化されたバージョンは、例えば野生型IL-18、IL-18R1又はIL-18RAP配列の配列に加えて、1つ以上の追加のヌクレオチド(例えば、1~約300ヌクレオチド、1~約250ヌクレオチド、1~約200ヌクレオチド、1~約150ヌクレオチド、1~約100ヌクレオチド、1~約50ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約300ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約250ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約150ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、又は約5ヌクレオチド~約50ヌクレオチド)、前述のいずれかの成熟形態をコードする核酸、又は前述のいずれかのコドン最適化されたバージョンを含む。追加的又は代替的に、IL-18ドメイン、IL-18Rαドメイン又はIL-18Rβドメインをコードする核酸、前述のいずれかの成熟形態をコードする核酸、又は前述のいずれかのコドン最適化されたバージョンは、野生型IL-18、IL-18R1又はIL-18RAP配列の5’末端から1個~75個のヌクレオチド(例えば、1個~約70個のヌクレオチド、1個~約65個のヌクレオチド、1個~約60個のヌクレオチド、1個~約55個のヌクレオチド、1個~約50個のヌクレオチド、1個~約45個のヌクレオチド、1個~40個のヌクレオチド、1個~約35個のヌクレオチド、1個~約30個のヌクレオチド、1個~約25個のヌクレオチド、1個~約20個のヌクレオチド、1個~約15個のヌクレオチド、1個~約10個のヌクレオチド、又は1個~約5個のヌクレオチド)、前述のいずれかの成熟形態をコードする核酸、又は前述のいずれかのコドン最適化されたバージョンを欠いていてもよく、かつ/あるいは、野生型IL-18、IL-18R1又はIL-18RAP配列の3’末端から1~60ヌクレオチド(例えば、1個~約60個のヌクレオチド、1個~約55個のヌクレオチド、1個~約50個のヌクレオチド、1個~約45個のヌクレオチド、1個~40個のヌクレオチド、1個~約35個のヌクレオチド、1個~約30個のヌクレオチド、1個~約25個のヌクレオチド、1個~約20個のヌクレオチド、1個~約15個のヌクレオチド、1個~約10個のヌクレオチド、又は1個~約5個のヌクレオチド)、前述のいずれかの成熟形態をコードする核酸、又は前述のいずれかのコドン最適化されたバージョンを欠いていてもよい。
【0155】
ある特定の実施形態では、IL-18及びIL-18Rサブユニットは、本明細書に記載されるように連結され得る。特定の実施形態では、リンカー配列は、(Gly4Ser)n(配列番号9)などのグリシン反復及びセリン反復のセットを含み、nは1以上の正の整数である。一実施形態では、リンカーは、(Gly4Ser)4(配列番号10)又は(Gly4Ser)3(配列番号11)であり得る。特定の実施形態では、リンカー配列はWhitlowリンカーである。いくつかの実施形態では、Whitlowリンカーは、GSTSGSGKPGSGEGSTKG(配列番号12)のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、Whitlowリンカー配列をコードするヌクレオチド配列は、GGCAGCACCAGCGGCAGCGGCAAACCGGGCAGCGGCGAAGGCAGCACCAAAGGC(配列番号13)である。更なる配列をリンカー配列として使用することができる。特定の実施形態では、Myc配列は、単独で、又は上記のリンカーのいずれかと組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、Myc配列の核酸配列は、GAACAGAAGCTGATAAGTGAGGAGGACTTG(配列番号14)である。いくつかの実施形態では、配列番号14のMyc配列のアミノ酸配列は、EQKLISEEDL(配列番号15)である。以下に記載される実施例で使用される例示的な構築物。
【0156】
本明細書に記載の一実施形態は、配列番号16に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸配列である。
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTTCTGCATGCCGCCAGACCTTACTTCGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGACCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAACGAGGAC
[配列番号16]。
【0157】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号15に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、
又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列である。太字の配列は成熟IL-18を表す。
【0158】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号18に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸配列である。
ATGAGAATCAGCAAGCCCCACCTGAGATCCATCAGCATCCAGTGCTACCTGTGCCTGCTGCTGAACAGCCACTTTCTGACAGAGGCCGGCATCCACGTGTTCATCCTGGGCTGTTTTTCTGCCGGCCTGCCTAAGACCGAGGCCTACTTTGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGACCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAACGAGGAC
[配列番号18]。
【0159】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号19に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列である。太字の配列は成熟IL-18を表す。
【0160】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号20に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸配列である。
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTTCTGCATGCCGCCAGACCTTACTTCGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGACCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAATGAGGATGGCGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGCGGTGGAAGCTGTACAAGCAGACCTCACATCACCGTGGTGGAAGGCGAGCCCTTCTACCTGAAGCACTGCAGCTGTTCTCTGGCCCACGAGATCGAGACAACCACCAAGTCCTGGTACAAGAGCAGCGGCAGCCAAGAGCACGTGGAACTGAACCCTAGAAGCAGCTCCAGAATCGCCCTGCACGACTGCGTGCTGGAATTCTGGCCTGTCGAGCTGAACGATACCGGCAGCTACTTCTTCCAGATGAAGAACTACACCCAGAAATGGAAGCTCAACGTGATCAGGCGGAACAAGCACAGCTGCTTCACCGAGAGACAAGTGACCAGCAAGATCGTGGAAGTGAAGAAGTTCTTTCAGATCACGTGCGAGAACTCCTACTACCAGACACTGGTCAACAGCACCAGCCTGTACAAGAACTGCAAGAAGCTGCTCCTCGAGAACAACAAGAACCCCACCATCAAGAAGAACGCCGAGTTCGAGGATCAGGGCTACTACAGCTGCGTGCACTTCCTGCACCACAATGGCAAGCTGTTCAACATCACCAAGACCTTCAATATCACCATCGTCGAGGACCGCTCCAACATCGTGCCTGTTCTGCTGGGCCCCAAGCTGAATCATGTGGCTGTGGAACTGGGCAAGAACGTGCGGCTGAATTGCAGCGCCCTGCTGAACGAAGAGGACGTGATCTACTGGATGTTCGGCGAGGAAAACGGCAGCGACCCCAACATCCACGAAGAGAAAGAAATGCGGATCATGACCCCTGAAGGCAAGTGGCACGCCAGCAAGGTGCTGCGGATCGAGAATATCGGCGAGAGCAACCTGAATGTGCTGTACAACTGCACCGTGGCCAGCACCGGCGGCACCGATACCAAGTCTTTTATCCTCGTGCGGAAGGCCGACATGGCTGACATTCCAGGCCACGTGTTCACCCGGGGCATGATCATTGCCGTGCTGATTCTGGTGGCCGTCGTGTGTCTGGTCACCGTGTGTGTGATCTACAGAGTGGACCTGGTCCTGTTCTACCGGCACCTGACCAGAAGGGACGAGACACTGACCGACGGCAAGACCTACGATGCCTTCGTGTCCTACCTGAAAGAGTGCAGACCCGAGAACGGCGAAGAACACACCTTCGCCGTGGAAATCCTGCCTAGAGTGCTGGAAAAGCACTTCGGCTACAAGCTGTGCATCTTCGAGCGCGACGTTGTGCCTGGCGGAGCTGTGGTGGATGAGATCCACAGCCTGATCGAGAAGTCCAGACGGCTGATCATCGTGCTGAGCAAGAGCTACATGAGCAACGAAGTCCGCTACGAGCTGGAATCCGGACTGCACGAAGCCCTGGTGGAACGGAAGATCAAGATCATTCTGATCGAGTTCACCCCTGTGACCGACTTCACATTCCTGCCTCAGAGCCTGAAGCTGCTGAAGTCCCACAGAGTGCTGAAGTGGAAAGCCGACAAGAGCCTGAGCTACAACAGCCGGTTTTGGAAGAACCTGCTGTACCTGATGCCTGCCAAGACCGTGAAGCCCGGCAGAGATGAGCCCGAAGTTCTGCCAGTGCTGAGCGAGTCTTGA
[配列番号20]。
【0161】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号21に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列である。下線を引いた配列は、シグナルペプチド(太字ではない)及び成熟IL-18ポリペプチド(太字)である。太字の配列(下線なし)は、IL-18Rαの成熟形態である。
【0162】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号22に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸配列である。
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTTCTGCATGCCGCCAGACCTTACTTCGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGACCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAATGAGGATGGCGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGCGGAGGAAGCGGTGGCGGCGGATCTTGTACATCTAGACCCCACATCACCGTGGTGGAAGGCGAGCCCTTTTACCTGAAGCACTGCAGCTGTTCTCTGGCCCACGAGATCGAGACAACCACCAAGTCCTGGTACAAGAGCAGCGGCAGCCAAGAGCACGTGGAACTGAACCCTAGAAGCAGCTCCAGAATCGCCCTGCACGACTGCGTGCTGGAATTCTGGCCTGTCGAGCTGAACGATACCGGCAGCTACTTCTTCCAGATGAAGAACTACACCCAGAAATGGAAGCTCAACGTGATCAGGCGGAACAAGCACAGCTGCTTCACCGAGAGACAAGTGACCAGCAAGATCGTGGAAGTGAAGAAGTTCTTTCAGATCACGTGCGAGAACTCCTACTACCAGACACTGGTCAACAGCACCAGCCTGTACAAGAACTGCAAGAAGCTGCTCCTCGAGAACAACAAGAACCCCACCATCAAGAAGAACGCCGAGTTCGAGGATCAGGGCTACTACAGCTGCGTGCACTTCCTGCACCACAATGGCAAGCTGTTCAACATCACCAAGACCTTCAATATCACCATCGTCGAGGACCGCTCCAACATCGTGCCTGTTCTGCTGGGCCCCAAGCTGAATCATGTGGCTGTGGAACTGGGCAAGAACGTGCGGCTGAATTGCAGCGCCCTGCTGAACGAAGAGGACGTGATCTACTGGATGTTCGGCGAGGAAAACGGCAGCGACCCCAACATCCACGAAGAGAAAGAAATGCGGATCATGACCCCTGAAGGCAAGTGGCACGCCAGCAAGGTGCTGCGGATCGAGAATATCGGCGAGAGCAACCTGAATGTGCTGTACAACTGCACCGTGGCCAGCACCGGCGGCACCGATACCAAGTCTTTTATCCTCGTGCGGAAGGCCGACATGGCTGACATTCCAGGCCACGTGTTCACCCGGGGCATGATCATTGCCGTGCTGATTCTGGTGGCCGTCGTGTGTCTGGTCACCGTGTGTGTGATCTACAGAGTGGACCTGGTCCTGTTCTACCGGCACCTGACCAGAAGGGACGAGACACTGACCGACGGCAAGACCTACGATGCCTTCGTGTCCTACCTGAAAGAGTGCAGACCCGAGAACGGCGAAGAACACACCTTCGCCGTGGAAATCCTGCCTAGAGTGCTGGAAAAGCACTTCGGCTACAAGCTGTGCATCTTCGAGCGCGACGTTGTGCCTGGCGGAGCTGTGGTGGATGAGATCCACAGCCTGATCGAGAAGTCCAGACGGCTGATCATCGTGCTGAGCAAGAGCTACATGAGCAACGAAGTCCGCTACGAGCTGGAATCCGGACTGCACGAAGCCCTGGTGGAACGGAAGATCAAGATCATTCTGATCGAGTTCACCCCTGTGACCGACTTCACATTCCTGCCTCAGAGCCTGAAGCTGCTGAAGTCCCACAGAGTGCTGAAGTGGAAAGCCGACAAGAGCCTGAGCTACAACAGCCGGTTTTGGAAGAACCTGCTGTACCTGATGCCTGCCAAGACCGTGAAGCCCGGCAGAGATGAGCCCGAAGTTCTGCCAGTGCTGAGCGAGTCTTGA
[配列番号22]。
【0163】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号23に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列である。下線を引いた配列は、シグナルペプチド(太字ではない)及び成熟IL-18ポリペプチド(太字)を表す。太字の配列(下線なし)は、IL-18Rαの成熟形態を表す。
【0164】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号24に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸配列である。
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTTCTGCATGCCGCCAGACCTTACTTCGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGACCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAATGAGGATGGCGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGCGGAGGCAGCTTTAATATCAGCGGCTGCAGCACCAAGAAACTGCTGTGGACCTACAGCACCCGCAGCGAAGAGGAATTCGTGCTGTTCTGCGACCTGCCTGAGCCTCAGAAGTCCCACTTCTGCCACCGGAACAGACTGAGCCCTAAACAGGTGCCCGAGCATCTGCCTTTCATGGGCAGCAACGATCTGAGCGACGTGCAGTGGTATCAGCAGCCCAGCAATGGCGACCCTCTGGAAGATATCAGAAAGAGCTACCCTCACATCATCCAGGACAAGTGCACCCTGCACTTTCTGACCCCTGGCGTGAACAACAGCGGCAGCTACATCTGCAGACCCAAGATGATCAAGAGCCCCTACGACGTGGCCTGCTGCGTGAAGATGATCCTGGAAGTGAAGCCCCAGACCAACGCCAGCTGCGAGTATAGCGCCAGCCACAAGCAGGATCTGCTGCTCGGCTCTACAGGCAGCATCAGCTGTCCTAGCCTGTCCTGTCAGAGCGACGCTCAGTCTCCTGCCGTGACCTGGTACAAGAATGGCAAGCTGCTGTCCGTGGAACGGTCCAACAGAATCGTGGTGGACGAGGTGTACGACTACCACCAGGGCACCTACGTGTGCGACTACACCCAGAGCGATACCGTGTCTAGCTGGACCGTCAGAGCCGTGGTGCAAGTGCGGACAATCGTGGGCGATACCAAGCTGAAGCCCGACATTCTGGACCCCGTGGAAGATACACTGGAAGTGGAACTGGGCAAGCCCCTGACCATCAGCTGCAAGGCCAGATTCGGCTTCGAGCGGGTGTTCAACCCCGTGATCAAGTGGTACATTAAGGACAGCGACCTGGAATGGGAAGTGTCCGTGCCTGAGGCCAAGTCCATCAAGAGCACACTGAAGGACGAGATCATCGAGCGGAACATCATCCTGGAAAAAGTGACCCAGAGGGACCTGCGGCGGAAGTTCGTGTGCTTTGTGCAGAACTCCATCGGCAACACCACACAGAGCGTGCAGCTGAAAGAAAAGCGCGGCGTGGTGCTGCTGTACATCCTGCTGGGAACAATCGGCACACTGGTGGCTGTGCTGGCTGCATCTGCCCTGCTGTATAGACACTGGATCGAGATCGTCCTGCTGTACCGGACCTACCAGAGCAAGGATCAGACCCTGGGCGACAAGAAGGACTTCGACGCCTTTGTGTCCTACGCCAAGTGGTCCAGCTTTCCCAGCGAGGCCACATCTAGCCTGAGCGAGGAACATCTGGCCCTGTCTCTGTTCCCCGACGTGCTGGAAAACAAATACGGCTACAGCCTGTGCCTGCTGGAAAGAGATGTTGCCCCTGGCGGAGTGTACGCCGAGGATATCGTGTCCATCATCAAGCGGAGCAGACGGGGCATCTTCATTCTGAGCCCCAACTACGTGAACGGCCCCAGCATCTTTGAACTGCAAGCCGCCGTGAACCTGGCTCTGGACGATCAGACACTGAAGCTCATCCTGATCAAGTTCTGCTACTTCCAAGAGCCTGAGAGCCTGCCTCACCTGGTCAAAAAGGCCCTGAGAGTGCTGCCCACCGTGACTTGGAGAGGCCTGAAAAGCGTGCCACCTAACAGCCGGTTCTGGGCCAAGATGAGATACCACATGCCTGTGAAGAACAGCCAGGGCTTCACCTGGAACCAGCTGCGGATCACCAGCCGGATCTTTCAGTGGAAGGGCCTGAGCAGAACCGAGACAACCGGCAGAAGCTCCCAGCCTAAAGAGTGGTGA
[配列番号24]。
【0165】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号25に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列である。下線を引いた配列は、シグナルペプチド(太字ではない)及び成熟IL-18ポリペプチド(太字)を表す。太字の配列(下線なし)は、IL-18Rβの成熟形態を表す。
【0166】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号26に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸配列である。
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTTCTGCATGCCGCCAGACCTTACTTCGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGACCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAATGAGGATGGCGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGCGGAGGAAGCGGTGGCGGCGGATCCTTTAATATCAGCGGCTGCAGCACCAAGAAACTGCTGTGGACCTACAGCACCCGCAGCGAAGAGGAATTCGTGCTGTTCTGCGACCTGCCTGAGCCTCAGAAGTCCCACTTCTGCCACCGGAACAGACTGAGCCCTAAACAGGTGCCCGAGCATCTGCCTTTCATGGGCAGCAACGATCTGAGCGACGTGCAGTGGTATCAGCAGCCCAGCAATGGCGACCCTCTGGAAGATATCAGAAAGAGCTACCCTCACATCATCCAGGACAAGTGCACCCTGCACTTTCTGACCCCTGGCGTGAACAACAGCGGCAGCTACATCTGCAGACCCAAGATGATCAAGAGCCCCTACGACGTGGCCTGCTGCGTGAAGATGATCCTGGAAGTGAAGCCCCAGACCAACGCCAGCTGCGAGTATAGCGCCAGCCACAAGCAGGATCTGCTGCTCGGCTCTACAGGCAGCATCAGCTGTCCTAGCCTGTCCTGTCAGAGCGACGCTCAGTCTCCTGCCGTGACCTGGTACAAGAATGGCAAGCTGCTGTCCGTGGAACGGTCCAACAGAATCGTGGTGGACGAGGTGTACGACTACCACCAGGGCACCTACGTGTGCGACTACACCCAGAGCGATACCGTGTCTAGCTGGACCGTCAGAGCCGTGGTGCAAGTGCGGACAATCGTGGGCGATACCAAGCTGAAGCCCGACATTCTGGACCCCGTGGAAGATACACTGGAAGTGGAACTGGGCAAGCCCCTGACCATCAGCTGCAAGGCCAGATTCGGCTTCGAGCGGGTGTTCAACCCCGTGATCAAGTGGTACATTAAGGACAGCGACCTGGAATGGGAAGTGTCCGTGCCTGAGGCCAAGTCCATCAAGAGCACACTGAAGGACGAGATCATCGAGCGGAACATCATCCTGGAAAAAGTGACCCAGAGGGACCTGCGGCGGAAGTTCGTGTGCTTTGTGCAGAACTCCATCGGCAACACCACACAGAGCGTGCAGCTGAAAGAAAAGCGCGGCGTGGTGCTGCTGTACATCCTGCTGGGAACAATCGGCACACTGGTGGCTGTGCTGGCTGCATCTGCCCTGCTGTATAGACACTGGATCGAGATCGTCCTGCTGTACCGGACCTACCAGAGCAAGGATCAGACCCTGGGCGACAAGAAGGACTTCGACGCCTTTGTGTCCTACGCCAAGTGGTCCAGCTTTCCCAGCGAGGCCACATCTAGCCTGAGCGAGGAACATCTGGCCCTGTCTCTGTTCCCCGACGTGCTGGAAAACAAATACGGCTACAGCCTGTGCCTGCTGGAAAGAGATGTTGCCCCTGGCGGAGTGTACGCCGAGGATATCGTGTCCATCATCAAGCGGAGCAGACGGGGCATCTTCATTCTGAGCCCCAACTACGTGAACGGCCCCAGCATCTTTGAACTGCAAGCCGCCGTGAACCTGGCTCTGGACGATCAGACACTGAAGCTCATCCTGATCAAGTTCTGCTACTTCCAAGAGCCTGAGAGCCTGCCTCACCTGGTCAAAAAGGCCCTGAGAGTGCTGCCCACCGTGACTTGGAGAGGCCTGAAAAGCGTGCCACCTAACAGCCGGTTCTGGGCCAAGATGAGATACCACATGCCTGTGAAGAACAGCCAGGGCTTCACCTGGAACCAGCTGCGGATCACCAGCCGGATCTTTCAGTGGAAGGGCCTGAGCAGAACCGAGACAACCGGCAGAAGCTCCCAGCCTAAAGAGTGGTGA
[配列番号26]。
【0167】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号27に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列である。下線を引いた配列は、シグナルペプチド(太字ではない)及び成熟IL-18ポリペプチド(太字)を表す。太字の配列(下線なし)は、IL-18Rβの成熟形態を表す。
【0168】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号28に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸配列である。
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTTCTGCATGCCGCCAGACCTTACTTCGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGACCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAATGAGGATGGCGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGCGGAGGAAGCGGTGGCGGCGGATCCGAACAGAAGCTGATAAGTGAGGAGGACTTGTTTAATATCAGCGGCTGCAGCACCAAGAAACTGCTGTGGACCTACAGCACCCGCAGCGAAGAGGAATTCGTGCTGTTCTGCGACCTGCCTGAGCCTCAGAAGTCCCACTTCTGCCACCGGAACAGACTGAGCCCTAAACAGGTGCCCGAGCATCTGCCTTTCATGGGCAGCAACGATCTGAGCGACGTGCAGTGGTATCAGCAGCCCAGCAATGGCGACCCTCTGGAAGATATCAGAAAGAGCTACCCTCACATCATCCAGGACAAGTGCACCCTGCACTTTCTGACCCCTGGCGTGAACAACAGCGGCAGCTACATCTGCAGACCCAAGATGATCAAGAGCCCCTACGACGTGGCCTGCTGCGTGAAGATGATCCTGGAAGTGAAGCCCCAGACCAACGCCAGCTGCGAGTATAGCGCCAGCCACAAGCAGGATCTGCTGCTCGGCTCTACAGGCAGCATCAGCTGTCCTAGCCTGTCCTGTCAGAGCGACGCTCAGTCTCCTGCCGTGACCTGGTACAAGAATGGCAAGCTGCTGTCCGTGGAACGGTCCAACAGAATCGTGGTGGACGAGGTGTACGACTACCACCAGGGCACCTACGTGTGCGACTACACCCAGAGCGATACCGTGTCTAGCTGGACCGTCAGAGCCGTGGTGCAAGTGCGGACAATCGTGGGCGATACCAAGCTGAAGCCCGACATTCTGGACCCCGTGGAAGATACACTGGAAGTGGAACTGGGCAAGCCCCTGACCATCAGCTGCAAGGCCAGATTCGGCTTCGAGCGGGTGTTCAACCCCGTGATCAAGTGGTACATTAAGGACAGCGACCTGGAATGGGAAGTGTCCGTGCCTGAGGCCAAGTCCATCAAGAGCACACTGAAGGACGAGATCATCGAGCGGAACATCATCCTGGAAAAAGTGACCCAGAGGGACCTGCGGCGGAAGTTCGTGTGCTTTGTGCAGAACTCCATCGGCAACACCACACAGAGCGTGCAGCTGAAAGAAAAGCGCGGCGTGGTGCTGCTGTACATCCTGCTGGGAACAATCGGCACACTGGTGGCTGTGCTGGCTGCATCTGCCCTGCTGTATAGACACTGGATCGAGATCGTCCTGCTGTACCGGACCTACCAGAGCAAGGATCAGACCCTGGGCGACAAGAAGGACTTCGACGCCTTTGTGTCCTACGCCAAGTGGTCCAGCTTTCCCAGCGAGGCCACATCTAGCCTGAGCGAGGAACATCTGGCCCTGTCTCTGTTCCCCGACGTGCTGGAAAACAAATACGGCTACAGCCTGTGCCTGCTGGAAAGAGATGTTGCCCCTGGCGGAGTGTACGCCGAGGATATCGTGTCCATCATCAAGCGGAGCAGACGGGGCATCTTCATTCTGAGCCCCAACTACGTGAACGGCCCCAGCATCTTTGAACTGCAAGCCGCCGTGAACCTGGCTCTGGACGATCAGACACTGAAGCTCATCCTGATCAAGTTCTGCTACTTCCAAGAGCCTGAGAGCCTGCCTCACCTGGTCAAAAAGGCCCTGAGAGTGCTGCCCACCGTGACTTGGAGAGGCCTGAAAAGCGTGCCACCTAACAGCCGGTTCTGGGCCAAGATGAGATACCACATGCCTGTGAAGAACAGCCAGGGCTTCACCTGGAACCAGCTGCGGATCACCAGCCGGATCTTTCAGTGGAAGGGCCTGAGCAGAACCGAGACAACCGGCAGAAGCTCCCAGCCTAAAGAGTGGTGA
[配列番号28]。
【0169】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号29に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列である。
MALPVTALLLPLALLLHAARPYFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDCRDNAPRTIFIISMYKDSQPRGMAVTISVKCEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRSVPGHDNKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNEDGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSEQKLISEEDLFNISGCSTKKLLWTYSTRSEEEFVLFCDLPEPQKSHFCHRNRLSPKQVPEHLPFMGSNDLSDVQWYQQPSNGDPLEDIRKSYPHIIQDKCTLHFLTPGVNNSGSYICRPKMIKSPYDVACCVKMILEVKPQTNASCEYSASHKQDLLLGSTGSISCPSLSCQSDAQSPAVTWYKNGKLLSVERSNRIVVDEVYDYHQGTYVCDYTQSDTVSSWTVRAVVQVRTIVGDTKLKPDILDPVEDTLEVELGKPLTISCKARFGFERVFNPVIKWYIKDSDLEWEVSVPEAKSIKSTLKDEIIERNIILEKVTQRDLRRKFVCFVQNSIGNTTQSVQLKEKRGVVLLYILLGTIGTLVAVLAASALLYRHWIEIVLLYRTYQSKDQTLGDKKDFDAFVSYAKWSSFPSEATSSLSEEHLALSLFPDVLENKYGYSLCLLERDVAPGGVYAEDIVSIIKRSRRGIFILSPNYVNGPSIFELQAAVNLALDDQTLKLILIKFCYFQEPESLPHLVKKALRVLPTVTWRGLKSVPPNSRFWAKMRYHMPVKNSQGFTWNQLRITSRIFQWKGLSRTETTGRSSQPKEW
[配列番号29]。
【0170】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号30に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸配列である。
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTTCTGCATGCCGCCAGACCTTACTTCGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGACCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAATGAGGATGGCGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGCGGAGGAAGCGGTGGCGGCGGATCCggctccacctctggatccggcaagcccggatctggcgagggatccaccaagggcTTTAATATCAGCGGCTGCAGCACCAAGAAACTGCTGTGGACCTACAGCACCCGCAGCGAAGAGGAATTCGTGCTGTTCTGCGACCTGCCTGAGCCTCAGAAGTCCCACTTCTGCCACCGGAACAGACTGAGCCCTAAACAGGTGCCCGAGCATCTGCCTTTCATGGGCAGCAACGATCTGAGCGACGTGCAGTGGTATCAGCAGCCCAGCAATGGCGACCCTCTGGAAGATATCAGAAAGAGCTACCCTCACATCATCCAGGACAAGTGCACCCTGCACTTTCTGACCCCTGGCGTGAACAACAGCGGCAGCTACATCTGCAGACCCAAGATGATCAAGAGCCCCTACGACGTGGCCTGCTGCGTGAAGATGATCCTGGAAGTGAAGCCCCAGACCAACGCCAGCTGCGAGTATAGCGCCAGCCACAAGCAGGATCTGCTGCTCGGCTCTACAGGCAGCATCAGCTGTCCTAGCCTGTCCTGTCAGAGCGACGCTCAGTCTCCTGCCGTGACCTGGTACAAGAATGGCAAGCTGCTGTCCGTGGAACGGTCCAACAGAATCGTGGTGGACGAGGTGTACGACTACCACCAGGGCACCTACGTGTGCGACTACACCCAGAGCGATACCGTGTCTAGCTGGACCGTCAGAGCCGTGGTGCAAGTGCGGACAATCGTGGGCGATACCAAGCTGAAGCCCGACATTCTGGACCCCGTGGAAGATACACTGGAAGTGGAACTGGGCAAGCCCCTGACCATCAGCTGCAAGGCCAGATTCGGCTTCGAGCGGGTGTTCAACCCCGTGATCAAGTGGTACATTAAGGACAGCGACCTGGAATGGGAAGTGTCCGTGCCTGAGGCCAAGTCCATCAAGAGCACACTGAAGGACGAGATCATCGAGCGGAACATCATCCTGGAAAAAGTGACCCAGAGGGACCTGCGGCGGAAGTTCGTGTGCTTTGTGCAGAACTCCATCGGCAACACCACACAGAGCGTGCAGCTGAAAGAAAAGCGCGGCGTGGTGCTGCTGTACATCCTGCTGGGAACAATCGGCACACTGGTGGCTGTGCTGGCTGCATCTGCCCTGCTGTATAGACACTGGATCGAGATCGTCCTGCTGTACCGGACCTACCAGAGCAAGGATCAGACCCTGGGCGACAAGAAGGACTTCGACGCCTTTGTGTCCTACGCCAAGTGGTCCAGCTTTCCCAGCGAGGCCACATCTAGCCTGAGCGAGGAACATCTGGCCCTGTCTCTGTTCCCCGACGTGCTGGAAAACAAATACGGCTACAGCCTGTGCCTGCTGGAAAGAGATGTTGCCCCTGGCGGAGTGTACGCCGAGGATATCGTGTCCATCATCAAGCGGAGCAGACGGGGCATCTTCATTCTGAGCCCCAACTACGTGAACGGCCCCAGCATCTTTGAACTGCAAGCCGCCGTGAACCTGGCTCTGGACGATCAGACACTGAAGCTCATCCTGATCAAGTTCTGCTACTTCCAAGAGCCTGAGAGCCTGCCTCACCTGGTCAAAAAGGCCCTGAGAGTGCTGCCCACCGTGACTTGGAGAGGCCTGAAAAGCGTGCCACCTAACAGCCGGTTCTGGGCCAAGATGAGATACCACATGCCTGTGAAGAACAGCCAGGGCTTCACCTGGAACCAGCTGCGGATCACCAGCCGGATCTTTCAGTGGAAGGGCCTGAGCAGAACCGAGACAACCGGCAGAAGCTCCCAGCCTAAAGAGTGGTGA
[配列番号30]。
【0171】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号31に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列である。
MALPVTALLLPLALLLHAARPYFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDCRDNAPRTIFIISMYKDSQPRGMAVTISVKCEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRSVPGHDNKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNEDGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGSTSGSGKPGSGEGSTKGFNISGCSTKKLLWTYSTRSEEEFVLFCDLPEPQKSHFCHRNRLSPKQVPEHLPFMGSNDLSDVQWYQQPSNGDPLEDIRKSYPHIIQDKCTLHFLTPGVNNSGSYICRPKMIKSPYDVACCVKMILEVKPQTNASCEYSASHKQDLLLGSTGSISCPSLSCQSDAQSPAVTWYKNGKLLSVERSNRIVVDEVYDYHQGTYVCDYTQSDTVSSWTVRAVVQVRTIVGDTKLKPDILDPVEDTLEVELGKPLTISCKARFGFERVFNPVIKWYIKDSDLEWEVSVPEAKSIKSTLKDEIIERNIILEKVTQRDLRRKFVCFVQNSIGNTTQSVQLKEKRGVVLLYILLGTIGTLVAVLAASALLYRHWIEIVLLYRTYQSKDQTLGDKKDFDAFVSYAKWSSFPSEATSSLSEEHLALSLFPDVLENKYGYSLCLLERDVAPGGVYAEDIVSIIKRSRRGIFILSPNYVNGPSIFELQAAVNLALDDQTLKLILIKFCYFQEPESLPHLVKKALRVLPTVTWRGLKSVPPNSRFWAKMRYHMPVKNSQGFTWNQLRITSRIFQWKGLSRTETTGRSSQPKEW[配列番号31]
【0172】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号32に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸配列である。
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTTCTGCATGCCGCCAGACCTTACTTCGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGACCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAATGAGGATGGCGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGCGGAGGAAGCGGTGGCGGCGGATCCggctccacctctggatccggcaagcccggatctggcgagggatccaccaagggcGAACAGAAGCTGATAAGTGAGGAGGACTTGTTTAATATCAGCGGCTGCAGCACCAAGAAACTGCTGTGGACCTACAGCACCCGCAGCGAAGAGGAATTCGTGCTGTTCTGCGACCTGCCTGAGCCTCAGAAGTCCCACTTCTGCCACCGGAACAGACTGAGCCCTAAACAGGTGCCCGAGCATCTGCCTTTCATGGGCAGCAACGATCTGAGCGACGTGCAGTGGTATCAGCAGCCCAGCAATGGCGACCCTCTGGAAGATATCAGAAAGAGCTACCCTCACATCATCCAGGACAAGTGCACCCTGCACTTTCTGACCCCTGGCGTGAACAACAGCGGCAGCTACATCTGCAGACCCAAGATGATCAAGAGCCCCTACGACGTGGCCTGCTGCGTGAAGATGATCCTGGAAGTGAAGCCCCAGACCAACGCCAGCTGCGAGTATAGCGCCAGCCACAAGCAGGATCTGCTGCTCGGCTCTACAGGCAGCATCAGCTGTCCTAGCCTGTCCTGTCAGAGCGACGCTCAGTCTCCTGCCGTGACCTGGTACAAGAATGGCAAGCTGCTGTCCGTGGAACGGTCCAACAGAATCGTGGTGGACGAGGTGTACGACTACCACCAGGGCACCTACGTGTGCGACTACACCCAGAGCGATACCGTGTCTAGCTGGACCGTCAGAGCCGTGGTGCAAGTGCGGACAATCGTGGGCGATACCAAGCTGAAGCCCGACATTCTGGACCCCGTGGAAGATACACTGGAAGTGGAACTGGGCAAGCCCCTGACCATCAGCTGCAAGGCCAGATTCGGCTTCGAGCGGGTGTTCAACCCCGTGATCAAGTGGTACATTAAGGACAGCGACCTGGAATGGGAAGTGTCCGTGCCTGAGGCCAAGTCCATCAAGAGCACACTGAAGGACGAGATCATCGAGCGGAACATCATCCTGGAAAAAGTGACCCAGAGGGACCTGCGGCGGAAGTTCGTGTGCTTTGTGCAGAACTCCATCGGCAACACCACACAGAGCGTGCAGCTGAAAGAAAAGCGCGGCGTGGTGCTGCTGTACATCCTGCTGGGAACAATCGGCACACTGGTGGCTGTGCTGGCTGCATCTGCCCTGCTGTATAGACACTGGATCGAGATCGTCCTGCTGTACCGGACCTACCAGAGCAAGGATCAGACCCTGGGCGACAAGAAGGACTTCGACGCCTTTGTGTCCTACGCCAAGTGGTCCAGCTTTCCCAGCGAGGCCACATCTAGCCTGAGCGAGGAACATCTGGCCCTGTCTCTGTTCCCCGACGTGCTGGAAAACAAATACGGCTACAGCCTGTGCCTGCTGGAAAGAGATGTTGCCCCTGGCGGAGTGTACGCCGAGGATATCGTGTCCATCATCAAGCGGAGCAGACGGGGCATCTTCATTCTGAGCCCCAACTACGTGAACGGCCCCAGCATCTTTGAACTGCAAGCCGCCGTGAACCTGGCTCTGGACGATCAGACACTGAAGCTCATCCTGATCAAGTTCTGCTACTTCCAAGAGCCTGAGAGCCTGCCTCACCTGGTCAAAAAGGCCCTGAGAGTGCTGCCCACCGTGACTTGGAGAGGCCTGAAAAGCGTGCCACCTAACAGCCGGTTCTGGGCCAAGATGAGATACCACATGCCTGTGAAGAACAGCCAGGGCTTCACCTGGAACCAGCTGCGGATCACCAGCCGGATCTTTCAGTGGAAGGGCCTGAGCAGAACCGAGACAACCGGCAGAAGCTCCCAGCCTAAAGAGTGGTGA
[配列番号32]。
【0173】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号33に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列である。
MALPVTALLLPLALLLHAARPYFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDCRDNAPRTIFIISMYKDSQPRGMAVTISVKCEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRSVPGHDNKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNEDGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGSTSGSGKPGSGEGSTKGEQKLISEEDLFNISGCSTKKLLWTYSTRSEEEFVLFCDLPEPQKSHFCHRNRLSPKQVPEHLPFMGSNDLSDVQWYQQPSNGDPLEDIRKSYPHIIQDKCTLHFLTPGVNNSGSYICRPKMIKSPYDVACCVKMILEVKPQTNASCEYSASHKQDLLLGSTGSISCPSLSCQSDAQSPAVTWYKNGKLLSVERSNRIVVDEVYDYHQGTYVCDYTQSDTVSSWTVRAVVQVRTIVGDTKLKPDILDPVEDTLEVELGKPLTISCKARFGFERVFNPVIKWYIKDSDLEWEVSVPEAKSIKSTLKDEIIERNIILEKVTQRDLRRKFVCFVQNSIGNTTQSVQLKEKRGVVLLYILLGTIGTLVAVLAASALLYRHWIEIVLLYRTYQSKDQTLGDKKDFDAFVSYAKWSSFPSEATSSLSEEHLALSLFPDVLENKYGYSLCLLERDVAPGGVYAEDIVSIIKRSRRGIFILSPNYVNGPSIFELQAAVNLALDDQTLKLILIKFCYFQEPESLPHLVKKALRVLPTVTWRGLKSVPPNSRFWAKMRYHMPVKNSQGFTWNQLRITSRIFQWKGLSRTETTGRSSQPKEW
[配列番号33]。
【0174】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号34に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸配列である。
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTTCTGCATGCCGCCAGACCTTACTTCGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGACCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAATGAGGATGGCGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGCGGAGGAAGCGGTGGCGGCGGATCCGGCGGTGGCGGTTCAGGCGGTGGCGGATCTTTTAATATCAGCGGCTGCAGCACCAAGAAACTGCTGTGGACCTACAGCACCCGCAGCGAAGAGGAATTCGTGCTGTTCTGCGACCTGCCTGAGCCTCAGAAGTCCCACTTCTGCCACCGGAACAGACTGAGCCCTAAACAGGTGCCCGAGCATCTGCCTTTCATGGGCAGCAACGATCTGAGCGACGTGCAGTGGTATCAGCAGCCCAGCAATGGCGACCCTCTGGAAGATATCAGAAAGAGCTACCCTCACATCATCCAGGACAAGTGCACCCTGCACTTTCTGACCCCTGGCGTGAACAACAGCGGCAGCTACATCTGCAGACCCAAGATGATCAAGAGCCCCTACGACGTGGCCTGCTGCGTGAAGATGATCCTGGAAGTGAAGCCCCAGACCAACGCCAGCTGCGAGTATAGCGCCAGCCACAAGCAGGATCTGCTGCTCGGCTCTACAGGCAGCATCAGCTGTCCTAGCCTGTCCTGTCAGAGCGACGCTCAGTCTCCTGCCGTGACCTGGTACAAGAATGGCAAGCTGCTGTCCGTGGAACGGTCCAACAGAATCGTGGTGGACGAGGTGTACGACTACCACCAGGGCACCTACGTGTGCGACTACACCCAGAGCGATACCGTGTCTAGCTGGACCGTCAGAGCCGTGGTGCAAGTGCGGACAATCGTGGGCGATACCAAGCTGAAGCCCGACATTCTGGACCCCGTGGAAGATACACTGGAAGTGGAACTGGGCAAGCCCCTGACCATCAGCTGCAAGGCCAGATTCGGCTTCGAGCGGGTGTTCAACCCCGTGATCAAGTGGTACATTAAGGACAGCGACCTGGAATGGGAAGTGTCCGTGCCTGAGGCCAAGTCCATCAAGAGCACACTGAAGGACGAGATCATCGAGCGGAACATCATCCTGGAAAAAGTGACCCAGAGGGACCTGCGGCGGAAGTTCGTGTGCTTTGTGCAGAACTCCATCGGCAACACCACACAGAGCGTGCAGCTGAAAGAAAAGCGCGGCGTGGTGCTGCTGTACATCCTGCTGGGAACAATCGGCACACTGGTGGCTGTGCTGGCTGCATCTGCCCTGCTGTATAGACACTGGATCGAGATCGTCCTGCTGTACCGGACCTACCAGAGCAAGGATCAGACCCTGGGCGACAAGAAGGACTTCGACGCCTTTGTGTCCTACGCCAAGTGGTCCAGCTTTCCCAGCGAGGCCACATCTAGCCTGAGCGAGGAACATCTGGCCCTGTCTCTGTTCCCCGACGTGCTGGAAAACAAATACGGCTACAGCCTGTGCCTGCTGGAAAGAGATGTTGCCCCTGGCGGAGTGTACGCCGAGGATATCGTGTCCATCATCAAGCGGAGCAGACGGGGCATCTTCATTCTGAGCCCCAACTACGTGAACGGCCCCAGCATCTTTGAACTGCAAGCCGCCGTGAACCTGGCTCTGGACGATCAGACACTGAAGCTCATCCTGATCAAGTTCTGCTACTTCCAAGAGCCTGAGAGCCTGCCTCACCTGGTCAAAAAGGCCCTGAGAGTGCTGCCCACCGTGACTTGGAGAGGCCTGAAAAGCGTGCCACCTAACAGCCGGTTCTGGGCCAAGATGAGATACCACATGCCTGTGAAGAACAGCCAGGGCTTCACCTGGAACCAGCTGCGGATCACCAGCCGGATCTTTCAGTGGAAGGGCCTGAGCAGAACCGAGACAACCGGCAGAAGCTCCCAGCCTAAAGAGTGGTGA
[配列番号34]。
【0175】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号35に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列である。
MALPVTALLLPLALLLHAARPYFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDCRDNAPRTIFIISMYKDSQPRGMAVTISVKCEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRSVPGHDNKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNEDGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSFNISGCSTKKLLWTYSTRSEEEFVLFCDLPEPQKSHFCHRNRLSPKQVPEHLPFMGSNDLSDVQWYQQPSNGDPLEDIRKSYPHIIQDKCTLHFLTPGVNNSGSYICRPKMIKSPYDVACCVKMILEVKPQTNASCEYSASHKQDLLLGSTGSISCPSLSCQSDAQSPAVTWYKNGKLLSVERSNRIVVDEVYDYHQGTYVCDYTQSDTVSSWTVRAVVQVRTIVGDTKLKPDILDPVEDTLEVELGKPLTISCKARFGFERVFNPVIKWYIKDSDLEWEVSVPEAKSIKSTLKDEIIERNIILEKVTQRDLRRKFVCFVQNSIGNTTQSVQLKEKRGVVLLYILLGTIGTLVAVLAASALLYRHWIEIVLLYRTYQSKDQTLGDKKDFDAFVSYAKWSSFPSEATSSLSEEHLALSLFPDVLENKYGYSLCLLERDVAPGGVYAEDIVSIIKRSRRGIFILSPNYVNGPSIFELQAAVNLALDDQTLKLILIKFCYFQEPESLPHLVKKALRVLPTVTWRGLKSVPPNSRFWAKMRYHMPVKNSQGFTWNQLRITSRIFQWKGLSRTETTGRSSQPKEW
[配列番号35]。
【0176】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号36に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸配列である。
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTTCTGCATGCCGCCAGACCTTACTTCGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGACCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAATGAGGATGGCGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGCGGAGGAAGCGGTGGCGGCGGATCCGGTGGCGGCGGTTCAGGCGGTGGCGGATCTGAACAGAAGCTGATAAGTGAGGAGGACTTGTTTAATATCAGCGGCTGCAGCACCAAGAAACTGCTGTGGACCTACAGCACCCGCAGCGAAGAGGAATTCGTGCTGTTCTGCGACCTGCCTGAGCCTCAGAAGTCCCACTTCTGCCACCGGAACAGACTGAGCCCTAAACAGGTGCCCGAGCATCTGCCTTTCATGGGCAGCAACGATCTGAGCGACGTGCAGTGGTATCAGCAGCCCAGCAATGGCGACCCTCTGGAAGATATCAGAAAGAGCTACCCTCACATCATCCAGGACAAGTGCACCCTGCACTTTCTGACCCCTGGCGTGAACAACAGCGGCAGCTACATCTGCAGACCCAAGATGATCAAGAGCCCCTACGACGTGGCCTGCTGCGTGAAGATGATCCTGGAAGTGAAGCCCCAGACCAACGCCAGCTGCGAGTATAGCGCCAGCCACAAGCAGGATCTGCTGCTCGGCTCTACAGGCAGCATCAGCTGTCCTAGCCTGTCCTGTCAGAGCGACGCTCAGTCTCCTGCCGTGACCTGGTACAAGAATGGCAAGCTGCTGTCCGTGGAACGGTCCAACAGAATCGTGGTGGACGAGGTGTACGACTACCACCAGGGCACCTACGTGTGCGACTACACCCAGAGCGATACCGTGTCTAGCTGGACCGTCAGAGCCGTGGTGCAAGTGCGGACAATCGTGGGCGATACCAAGCTGAAGCCCGACATTCTGGACCCCGTGGAAGATACACTGGAAGTGGAACTGGGCAAGCCCCTGACCATCAGCTGCAAGGCCAGATTCGGCTTCGAGCGGGTGTTCAACCCCGTGATCAAGTGGTACATTAAGGACAGCGACCTGGAATGGGAAGTGTCCGTGCCTGAGGCCAAGTCCATCAAGAGCACACTGAAGGACGAGATCATCGAGCGGAACATCATCCTGGAAAAAGTGACCCAGAGGGACCTGCGGCGGAAGTTCGTGTGCTTTGTGCAGAACTCCATCGGCAACACCACACAGAGCGTGCAGCTGAAAGAAAAGCGCGGCGTGGTGCTGCTGTACATCCTGCTGGGAACAATCGGCACACTGGTGGCTGTGCTGGCTGCATCTGCCCTGCTGTATAGACACTGGATCGAGATCGTCCTGCTGTACCGGACCTACCAGAGCAAGGATCAGACCCTGGGCGACAAGAAGGACTTCGACGCCTTTGTGTCCTACGCCAAGTGGTCCAGCTTTCCCAGCGAGGCCACATCTAGCCTGAGCGAGGAACATCTGGCCCTGTCTCTGTTCCCCGACGTGCTGGAAAACAAATACGGCTACAGCCTGTGCCTGCTGGAAAGAGATGTTGCCCCTGGCGGAGTGTACGCCGAGGATATCGTGTCCATCATCAAGCGGAGCAGACGGGGCATCTTCATTCTGAGCCCCAACTACGTGAACGGCCCCAGCATCTTTGAACTGCAAGCCGCCGTGAACCTGGCTCTGGACGATCAGACACTGAAGCTCATCCTGATCAAGTTCTGCTACTTCCAAGAGCCTGAGAGCCTGCCTCACCTGGTCAAAAAGGCCCTGAGAGTGCTGCCCACCGTGACTTGGAGAGGCCTGAAAAGCGTGCCACCTAACAGCCGGTTCTGGGCCAAGATGAGATACCACATGCCTGTGAAGAACAGCCAGGGCTTCACCTGGAACCAGCTGCGGATCACCAGCCGGATCTTTCAGTGGAAGGGCCTGAGCAGAACCGAGACAACCGGCAGAAGCTCCCAGCCTAAAGAGTGGTGA
[配列番号36]。
【0177】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号37に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列である。
MALPVTALLLPLALLLHAARPYFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDCRDNAPRTIFIISMYKDSQPRGMAVTISVKCEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRSVPGHDNKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNEDGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSEQKLISEEDLFNISGCSTKKLLWTYSTRSEEEFVLFCDLPEPQKSHFCHRNRLSPKQVPEHLPFMGSNDLSDVQWYQQPSNGDPLEDIRKSYPHIIQDKCTLHFLTPGVNNSGSYICRPKMIKSPYDVACCVKMILEVKPQTNASCEYSASHKQDLLLGSTGSISCPSLSCQSDAQSPAVTWYKNGKLLSVERSNRIVVDEVYDYHQGTYVCDYTQSDTVSSWTVRAVVQVRTIVGDTKLKPDILDPVEDTLEVELGKPLTISCKARFGFERVFNPVIKWYIKDSDLEWEVSVPEAKSIKSTLKDEIIERNIILEKVTQRDLRRKFVCFVQNSIGNTTQSVQLKEKRGVVLLYILLGTIGTLVAVLAASALLYRHWIEIVLLYRTYQSKDQTLGDKKDFDAFVSYAKWSSFPSEATSSLSEEHLALSLFPDVLENKYGYSLCLLERDVAPGGVYAEDIVSIIKRSRRGIFILSPNYVNGPSIFELQAAVNLALDDQTLKLILIKFCYFQEPESLPHLVKKALRVLPTVTWRGLKSVPPNSRFWAKMRYHMPVKNSQGFTWNQLRITSRIFQWKGLSRTETTGRSSQPKEW
[配列番号37]
【0178】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号38に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸配列である。
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTTCTGCATGCCGCCAGACCTTACTTCGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGACCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAATGAGGATGGCGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGCGGAGGAAGCGGTGGCGGCGGATCCGGTGGCGGCGGTTCAGGCGGTGGCGGATCTggctccacctctggatccggcaagcccggatctggcgagggatccaccaagggcGAACAGAAGCTGATAAGTGAGGAGGACTTGTTTAATATCAGCGGCTGCAGCACCAAGAAACTGCTGTGGACCTACAGCACCCGCAGCGAAGAGGAATTCGTGCTGTTCTGCGACCTGCCTGAGCCTCAGAAGTCCCACTTCTGCCACCGGAACAGACTGAGCCCTAAACAGGTGCCCGAGCATCTGCCTTTCATGGGCAGCAACGATCTGAGCGACGTGCAGTGGTATCAGCAGCCCAGCAATGGCGACCCTCTGGAAGATATCAGAAAGAGCTACCCTCACATCATCCAGGACAAGTGCACCCTGCACTTTCTGACCCCTGGCGTGAACAACAGCGGCAGCTACATCTGCAGACCCAAGATGATCAAGAGCCCCTACGACGTGGCCTGCTGCGTGAAGATGATCCTGGAAGTGAAGCCCCAGACCAACGCCAGCTGCGAGTATAGCGCCAGCCACAAGCAGGATCTGCTGCTCGGCTCTACAGGCAGCATCAGCTGTCCTAGCCTGTCCTGTCAGAGCGACGCTCAGTCTCCTGCCGTGACCTGGTACAAGAATGGCAAGCTGCTGTCCGTGGAACGGTCCAACAGAATCGTGGTGGACGAGGTGTACGACTACCACCAGGGCACCTACGTGTGCGACTACACCCAGAGCGATACCGTGTCTAGCTGGACCGTCAGAGCCGTGGTGCAAGTGCGGACAATCGTGGGCGATACCAAGCTGAAGCCCGACATTCTGGACCCCGTGGAAGATACACTGGAAGTGGAACTGGGCAAGCCCCTGACCATCAGCTGCAAGGCCAGATTCGGCTTCGAGCGGGTGTTCAACCCCGTGATCAAGTGGTACATTAAGGACAGCGACCTGGAATGGGAAGTGTCCGTGCCTGAGGCCAAGTCCATCAAGAGCACACTGAAGGACGAGATCATCGAGCGGAACATCATCCTGGAAAAAGTGACCCAGAGGGACCTGCGGCGGAAGTTCGTGTGCTTTGTGCAGAACTCCATCGGCAACACCACACAGAGCGTGCAGCTGAAAGAAAAGCGCGGCGTGGTGCTGCTGTACATCCTGCTGGGAACAATCGGCACACTGGTGGCTGTGCTGGCTGCATCTGCCCTGCTGTATAGACACTGGATCGAGATCGTCCTGCTGTACCGGACCTACCAGAGCAAGGATCAGACCCTGGGCGACAAGAAGGACTTCGACGCCTTTGTGTCCTACGCCAAGTGGTCCAGCTTTCCCAGCGAGGCCACATCTAGCCTGAGCGAGGAACATCTGGCCCTGTCTCTGTTCCCCGACGTGCTGGAAAACAAATACGGCTACAGCCTGTGCCTGCTGGAAAGAGATGTTGCCCCTGGCGGAGTGTACGCCGAGGATATCGTGTCCATCATCAAGCGGAGCAGACGGGGCATCTTCATTCTGAGCCCCAACTACGTGAACGGCCCCAGCATCTTTGAACTGCAAGCCGCCGTGAACCTGGCTCTGGACGATCAGACACTGAAGCTCATCCTGATCAAGTTCTGCTACTTCCAAGAGCCTGAGAGCCTGCCTCACCTGGTCAAAAAGGCCCTGAGAGTGCTGCCCACCGTGACTTGGAGAGGCCTGAAAAGCGTGCCACCTAACAGCCGGTTCTGGGCCAAGATGAGATACCACATGCCTGTGAAGAACAGCCAGGGCTTCACCTGGAACCAGCTGCGGATCACCAGCCGGATCTTTCAGTGGAAGGGCCTGAGCAGAACCGAGACAACCGGCAGAAGCTCCCAGCCTAAAGAGTGGTGA
[配列番号38]。
【0179】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号39に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列である。
MALPVTALLLPLALLLHAARPYFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDCRDNAPRTIFIISMYKDSQPRGMAVTISVKCEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRSVPGHDNKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNEDGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGSTSGSGKPGSGEGSTKGEQKLISEEDLFNISGCSTKKLLWTYSTRSEEEFVLFCDLPEPQKSHFCHRNRLSPKQVPEHLPFMGSNDLSDVQWYQQPSNGDPLEDIRKSYPHIIQDKCTLHFLTPGVNNSGSYICRPKMIKSPYDVACCVKMILEVKPQTNASCEYSASHKQDLLLGSTGSISCPSLSCQSDAQSPAVTWYKNGKLLSVERSNRIVVDEVYDYHQGTYVCDYTQSDTVSSWTVRAVVQVRTIVGDTKLKPDILDPVEDTLEVELGKPLTISCKARFGFERVFNPVIKWYIKDSDLEWEVSVPEAKSIKSTLKDEIIERNIILEKVTQRDLRRKFVCFVQNSIGNTTQSVQLKEKRGVVLLYILLGTIGTLVAVLAASALLYRHWIEIVLLYRTYQSKDQTLGDKKDFDAFVSYAKWSSFPSEATSSLSEEHLALSLFPDVLENKYGYSLCLLERDVAPGGVYAEDIVSIIKRSRRGIFILSPNYVNGPSIFELQAAVNLALDDQTLKLILIKFCYFQEPESLPHLVKKALRVLPTVTWRGLKSVPPNSRFWAKMRYHMPVKNSQGFTWNQLRITSRIFQWKGLSRTETTGRSSQPKEW
[配列番号39]。
【0180】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号40に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有する核酸配列である。
atggctctgcctgtgacagCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTTCTGCATGCCGCCAGACCTTACTTCGGCAAGCTGGAAAGCAAGCTGAGCGTGATCCGGAACCTGAACGACCAGGTGCTGTTCATCGACCAGGGCAACAGACCCCTGTTCGAGGACATGACCGACAGCGACTGCAGAGACAACGCCCCTCGGACCATCTTCATCATCAGCATGTACAAGGACAGCCAGCCTAGAGGCATGGCCGTGACCATCTCTGTGAAGTGCGAGAAGATCAGCACCCTGAGCTGCGAGAACAAGATCATCAGCTTCAAAGAGATGAACCCGCCGGACAACATCAAGGACACCAAGAGCGACATCATATTCTTCCAGCGGAGCGTGCCCGGCCACGACAACAAGATGCAGTTTGAGAGCAGCAGCTACGAGGGCTACTTCCTGGCCTGCGAGAAAGAGCGGGACCTGTTCAAGCTGATCCTGAAGAAAGAGGACGAACTGGGCGACCGCAGCATCATGTTCACCGTGCAGAATGAGGATGGCGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGCGGAGGAAGCGGTGGCGGCGGATCCggctccacctctggatccggcaagcccggatctggcgagggatccaccaagggcGAACAGAAgctgataagtgaggaggacttgtgtacatctagaccccacATCACCGTGGTGGAAGGCGAGCCCTTTTACCTGAAGCACTGCAGCTGTTCTCTGGCCCACGAGATCGAGACAACCACCAAGTCCtggTACAAGAGCAGCGGCAGCCAAGAGCACGTGGAACTGAACCCTAGAAGCAGCTCCAGAATCGCCCTGCACGACTGCGTGCTGGAATTCTGGCCTGTCGAGCTGAACGATACCGGCAGCTACTTCTTCCAGATGAAGaACTACACCCAGAAATGGaAGCTCAACGTGATCagGCGGAACAAGCACAGCTGCTTCACCGAGAGACAAGTGACCAGCAAGATCGTGGAAGTGAAGAAGTTCTTTCAGATCACGTGCGAGAACTCCTACTACCAGACACTGGTCAACAGCACCAGCCTGTACAAGAACTGCAAGAAGCTGCTCCTCGAGAACAACAAGAACCCCACCATCAAGAAGAACGCCGAGTTCGAGGATCAGGGCTACTACAGCTGCGTGCACTTCCTGCACCACAATGGCAAGCTGTTCAACATCACCAAGACCTTCAATATCACCATCGTCGAGGACCGCTCCAACATCGTGCCTGTTCTGCTGGGCCCCAAGCTGAATCATGTGGCTGTGGAACTGGGCAAGAACGTGCGGCTGAATTGCAGCGCCCTGCTGAACGAAGAGGACGTGATCTACTGGATGTTCGGCGAGGAAAACGGCAGCGACCCCAACATCCACGAAGAGAAAGAAATGCGGATCATGACCCCTGAAGGCAAGTGGCACGCCAGCAAGGTGCTGCGGATCGAGAATATCGGCGAGAGCAACCTGAATGTGCTGTACAACTGCACCGTGGCCAGCACCGGCGGCACCGATACCAAGTCTTTTATCCTCGTGCGGaaggccgacatggctgacattccagGCCACGTGTTCACCCGGGGCATGATCATTGCCGTGCTGATTCTGGTGGCCGTCGTGTGTCTGGTCACCGTGTGTGTGATCTACAGAGTGGACCTGGTCCTGTTCTACCGGCACCTGACCAGAAGGGACGAGACACTGACCGACGGCAAGACCTACGATGCCTTCGTGTCCTACCTGAAAGAGTGCAGACCCGAGAACGGCGAAGAACACACCTTCGCCGTGGAAATCCTGCCTAGAGTGCTGGAAAAGCACTTCGGCTACAAGCTGTGCATCTTCGAGCGCGACGTTGTGCCTGGCGGAGCTGTGGTGGATGAGATCCACAGCCTGATCGAGAAGTCCAGACGGCTGATCATCGTGCTGAGCAAGAGCTACATGAGCAACGAAGTCCGCTACGAGCTGGAATCCGGACTGCACGAAGCCCTGGTGGAACGGAAGATCAAGATCATTCTGATCGAGTTCACCCCTGTGACCGACTTCACATTCCTGCCTCAGAGCCTGAAGCTGCTGAAGTCCCACAGAGTGCTGAAGTGGAAAGCCGACAAGAGCCTGAGCTACAACAGCCGGTTTTGGAAGAACCTGCTGTACCTGATGCCTGCCAAGACCGTGAAGCCCGGCAGAGATGAGCCCGAAGTTCTGCCAgtgctgagcgagtcttga
[配列番号40]。
【0181】
本明細書に記載の別の実施形態は、配列番号41に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列である。
MALPVTALLLPLALLLHAARPYFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDCRDNAPRTIFIISMYKDSQPRGMAVTISVKCEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRSVPGHDNKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNEDGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGSTSGSGKPGSGEGSTKGEQKLISEEDLCTSRPHITVVEGEPFYLKHCSCSLAHEIETTTKSWYKSSGSQEHVELNPRSSSRIALHDCVLEFWPVELNDTGSYFFQMKNYTQKWKLNVIRRNKHSCFTERQVTSKIVEVKKFFQITCENSYYQTLVNSTSLYKNCKKLLLENNKNPTIKKNAEFEDQGYYSCVHFLHHNGKLFNITKTFNITIVEDRSNIVPVLLGPKLNHVAVELGKNVRLNCSALLNEEDVIYWMFGEENGSDPNIHEEKEMRIMTPEGKWHASKVLRIENIGESNLNVLYNCTVASTGGTDTKSFILVRKADMADIPGHVFTRGMIIAVLILVAVVCLVTVCVIYRVDLVLFYRHLTRRDETLTDGKTYDAFVSYLKECRPENGEEHTFAVEILPRVLEKHFGYKLCIFERDVVPGGAVVDEIHSLIEKSRRLIIVLSKSYMSNEVRYELESGLHEALVERKIKIILIEFTPVTDFTFLPQSLKLLKSHRVLKWKADKSLSYNSRFWKNLLYLMPAKTVKPGRDEPEVLPVLSES*
[配列番号41]。
【0182】
本開示はまた、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ又はITAMを更に含む、本明細書に記載の膜結合IL-18構築物のいずれかに関する。ITAMは、任意の2つの他のアミノ酸によってロイシン又はイソロイシンから分離されたチロシンを含み、したがって、例えば、Tyr-X-X-Leu/Ileとして表すことができる。ITAMは、典型的には、免疫系の特定の細胞表面タンパク質の細胞質尾部で繰り返され(例えば、2回以上)、典型的には6~8個のアミノ酸によって分離される。
【0183】
いくつかの実施形態では、膜結合IL-18は、内因性哺乳動物(例えば、ヒト)ポリペプチド由来のITAM又はその一部を含み、内因性哺乳動物(例えば、ヒト)ポリペプチドは、CD3ζ(CD3ゼータとも呼ばれる)、CD3δ(CD3デルタ)、CD3ε(CD3イプシロン)、CD3γ(CD3ガンマ)、DAP12、FCεR1γ(Fcイプシロン受容体Iガンマ鎖)、FcRy、FcRft、CD35、CD22、CD79A(抗原受容体複合体関連タンパク質アルファ鎖)、CD79B(抗原受容体複合体関連タンパク質ベータ鎖)、及びCD66dの群から選択される。前文の文字「CD」は、「分化抗原群(Cluster of Differentiation)」を表す。例えば、CD3は「分化抗原群3」を表す。
【0184】
内因性哺乳動物(例えば、ヒト)膜貫通タンパク質におけるシグナル伝達を媒介する働きをする任意のITAM又はその一部が、本明細書に開示する組成物及び方法による使用に適している。いくつかの実施形態では、膜結合IL-18は、ヒトCD3ゼータ(例えば、受託番号P20963、例えば、配列番号42のアミノ酸52~164に存在するITAM若しくはその一部;又は配列番号43若しくはその一部)由来のITAM又はその一部を含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、ITAMは、配列番号42のアミノ酸52~164の配列(又はその一部)、又は配列番号43の配列(又はその一部)に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性;例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)を有するアミノ酸配列を含む。
MKWKALFTAAILQAQLPITEAQSFGLLDPKLCYLLDGILFIYGVILTALFLRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPQRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
[配列番号42]
LRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
[配列番号43]
【0186】
いくつかの実施形態では、ITAMは、配列番号44(又はその一部)に対して少なくとも75%の配列同一性(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%など、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%の同一性)を有する核酸配列を含む。
CTGAGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGC
[配列番号44]
【0187】
当業者には理解されるように、特定のポリペプチドは、少なくともそれらの一次ポリペプチド配列が異なる2つ以上のアイソフォームを有する。例えば、選択的スプライシングの結果として、異なるアイソフォームを生成することができる。本明細書に開示される膜結合IL-18は、例えば、CD3ζ、CD3D、CD3E、CD3G、DAP12、FCER1G、FcRy、FcRft、CD35、CD22、CD79A、CD79B、又はCD66dの哺乳動物(例えば、ヒト)アイソフォームを含む、ITAMを有する内因性哺乳動物膜貫通ポリペプチドの任意のアイソフォーム由来のアミノ酸配列を含むITAMを含み得る。
【0188】
いくつかの実施形態では、膜結合IL-18のITAM又はその一部は、CD3ζ、CD3D、CD3E、CD3G、DAP12、FCER1G、FcRy、FcRft、CD35、CD22、CD79A、CD79B、又はCD66dなどの内因性哺乳動物(例えば、ヒト)膜貫通タンパク質におけるITAMのうちの1つ以上のITAMと比較して、1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、又は5つ)のアミノ酸置換、欠失、又は付加を有するアミノ酸の配列を含む。例えば、ITAMのチロシン及びロイシン又はイソロイシンを保持することができ、一方、それらを分離する2つのアミノ酸を異なるアミノ酸で置き換えることができる。
【0189】
いくつかの実施形態では、膜結合IL-18は、CD3ζ、CD3D、CD3E、CD3G、DAP12、FCER1G、FcRy、FcRft、CD35、CD22、CD79A、CD79B、又はCD66d(これらのポリペプチドのいずれかの哺乳動物又はヒト相同体を含むが、これらに限定されない)を非限定的に含む2つ以上の内因性哺乳動物(例えば、ヒト)由来のITAMの部分を有するキメラITAMであるITAMを含み、その結果、2つ以上のITAM部分が一緒になって機能的ITAMを構成する。いくつかの態様では、キメラITAMのそのような部分は、野生型ITAMの対応する部分と比較して、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、又は付加を含み得る。
【0190】
いくつかの実施形態では、膜結合IL-18は、2つ以上のITAM、例えば、2つ、3つ、4つ、若しくは5つ、又はそれ以上のITAMを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のITAMは同一である(例えば、それらは同じアミノ酸配列を有する)。いくつかの実施形態では、2つ以上のITAMは同一ではない。例えば、ITAMは、CD3ζ、CD3D、CD3E、CD3G、DAP12、FCER1G、FcRy、FcRft、CD35、CD22、CD79A、CD79B(これらのポリペプチドのいずれかの哺乳動物又はヒト相同体を含むが、これらに限定されない)を非限定的に含む、異なる内因性哺乳動物(例えば、ヒト)膜貫通ポリペプチドから選択され得る。いくつかの実施形態では、2つ以上のITAMは、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、又は付加によって互いに異なり得る。
【0191】
本開示はまた、本開示のIL-18ポリペプチドが検出可能な部分と会合しているコンジュゲートを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートは、1つ以上の検出可能な部分を含み、すなわち、1つ以上のそのような部分で「標識」されている。いくつかのそのような実施形態では、本開示のコンジュゲートは、診断又はイメージング用途、例えばがんの診断又はイメージングにおいて有用である。多種多様な検出可能部分のいずれかを、本明細書に記載の標識コンジュゲートにおいて使用することができる。適切な検出可能部分は、限定されないが、種々のリガンド、放射性核種;蛍光色素;化学発光剤(例えば、アクリジニウムエステル、安定化されたジオキセタンなど);生物発光剤;スペクトル分解可能な無機蛍光半導体ナノ結晶(すなわち、量子ドット);微粒子;金属ナノ粒子(例えば、金、銀、銅、白金など);ナノクラスター;常磁性金属イオン;酵素;比色標識(例えば、色素、コロイド金など);ビオチン;ジオキシゲニン;ハプテン;及び抗血清又はモノクローナル抗体が利用可能なタンパク質を含む。
【0192】
一態様では、IL-18、例えば、組換えヒトIL-18を、細胞療法産物、例えば、CAR細胞又はTCR含有細胞、例えば、NK細胞又はT細胞と同時投与する。任意の好適な外因性IL-18を本明細書に記載の方法で使用することができる。いくつかの実施形態では、外因性IL-18はヒトIL-18である。いくつかの実施形態では、外因性IL-18は野生型IL-18である。他の実施形態では、外因性IL-18は組換えIL-18である。IL-18は、1つ以上のIL-18産生細胞からの単離、又は市販のIL-18の入手を含むがこれらに限定されない、当技術分野で公知の任意の方法によって産生及び入手することができる。
【0193】
IL-18の同時投与を含む本開示の様々な態様では、本開示は、本明細書に記載のCAR又はTCRを発現する細胞をIL-18と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。IL-18は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与と組み合わせて、例えば、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与と同時に、あるいはCAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与と連続して送達することができる。IL-18は、同じ組成物中で若しくは異なる組成物中で、同時に若しくは異なる時点で、例えば、互いに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30若しくは45分以内に、又は互いに1、1.5、2、2.5若しくは3時間以内に投与されてもよい。あるいは、IL-18は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞を投与してから長期間が経過した後、例えば、CAR発現細胞又はTCR発現細胞に対する対象の応答の評価後に送達されてもよい。一実施形態では、サイトカインは、本明細書に記載の細胞又は細胞集団の投与の直後に対象に投与される(例えば、投与の1日、2日、3日、4日、5日、6日、又は7日後に投与される)。他の実施形態では、IL-18は、細胞若しくは細胞集団を投与してから長期間(例えば、少なくとも2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、10週間、若しくはそれ以上)が経過した後、又は細胞に対する対象の応答の評価後に対象に投与される。
【0194】
IL-18の適切な用量は、当業者によって容易に決定され得る。
【0195】
一態様では、本開示は、CAR-T細胞又はTCR+細胞の製造の1つ以上の段階中に細胞をIL-18と接触させることによって免疫細胞を調製、培養、又は製造するための方法に関する。このような段階には、活性化、形質導入及び拡大が含まれる。IL-18は、このプロセスのいずれか又は全ての工程で存在し得る。活性化、形質導入及び拡大を含む製造に関する詳細は、本明細書中に提供される。IL-18の存在下でT細胞を製造することにより、サイトカイン産生、細胞傷害、及び抗原駆動増殖によって測定されるNK細胞又はT細胞の効力を増加させることができる。
【0196】
任意の好適な外因性IL-18を本明細書に記載の方法で使用することができる。いくつかの実施形態では、外因性IL-18はヒトIL-18である。いくつかの実施形態では、外因性IL-18は野生型IL-18である。他の実施形態では、外因性IL-18は組換えIL-18である。IL-18は、1つ以上のIL-18産生細胞からのIL-18の単離、又は市販のIL-18の入手を含むがこれらに限定されない、当技術分野で公知の任意の方法によって産生及び入手することができる。
【0197】
ある特定の実施形態では、他のサイトカインをIL-18と組み合わせて利用することができる。適切な可溶性サイトカインには、IL-2、IL-7、IL-12、IL-15及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、IL-7とIL-18との組み合わせが使用される。別の実施形態では、IL-15及びIL-18が使用される。更に別の実施形態では、IL-7、IL-15及びIL-18が使用される。
【0198】
一実施形態では、本開示は、ドナー対象から得られた1つ以上の細胞を、IL-18及びAKT阻害剤並びに外因性IL-7、外因性IL-12及び外因性IL-15のうちの少なくとも1つ(又はそれらの組み合わせ)と接触させることを含む、細胞を産生する方法に関する。
【0199】
接触は、(i)IL-18、(ii)AKT阻害剤、並びに(iii)外因性IL-7及び/又は外因性IL-15を1つ以上のT細胞又はT細胞を含有する緩衝液若しくは培地に直接添加すること、(i)IL-18、(ii)AKT阻害剤、並びに(iii)外因性IL-7及び/又は外因性IL-15を他の成分と混合すること、並びに/あるいは1つ以上の細胞を(i)IL-18、(ii)AKT阻害剤、並びに(iii)外因性IL-7及び/又は外因性IL-15を含む培地に添加することを含み得る。ある特定の実施形態では、1つ以上のT細胞を外因性インターロイキン-2(IL-2)と接触させない。
【0200】
1つ以上のT細胞を、当技術分野で公知の任意の手段によって、AKT阻害剤並びに外因性IL-7、IL-15及び/又はIL-18と接触させることができる。例えば、AKT阻害剤及びIL-7/IL-15/IL-18を、1つ以上のT細胞を培養するために使用される培養培地に添加することができる。あるいは、AKT阻害剤及びIL-7/IL-15/IL-18を、1つ以上のT細胞と共培養された1つ以上の細胞によって、例えば、フィーダー細胞層によって産生することができる。AKT阻害剤、IL-7、IL-15及びIL-18を、一緒に添加しても、又は個別に添加してもよい。例えば、AKT阻害剤を培養培地に添加することができ、IL-7、IL-15及び/又はIL-18を、1つ以上のT細胞と共培養された細胞によって産生することができる。
【0201】
加えて、1つ以上のT細胞を、AKT阻害剤並びに外因性IL-7及び/又は外因性IL-15と同時に、異なる時点で、重複する時点で、又は連続して接触させることができる。1つ以上のT細胞を、T細胞療法を必要とする対象又はドナーから採取することができる。採取された1つ以上のT細胞を、対象に投与する前に任意の好適な期間にわたって処理してもよい。この期間中、1つ以上のT細胞を、ドナーからのT細胞の採取と対象の投与との間の任意の期間にわたって、AKT阻害剤、外因性IL-7、外因性IL-15及び/又は外因性IL-18と接触させることができる。例えば、1つ以上のT細胞を、例えば少なくとも約1日間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約7日間、少なくとも約8日間、少なくとも約9日間、少なくとも約10日間、少なくとも約11日間、少なくとも約12日間、少なくとも約13日間、又は少なくとも約14日間にわたって、AKT阻害剤、外因性IL-7、外因性IL-15及び/又は外因性IL-18の存在下で培養するなど、これらと接触させることができる。いくつかの実施態様では、1つ以上のT細胞を、例えば約1日~約14日間、約1日~約10日間、約1日~約7日間、約1日~約6日間、約1日~約5日間、約1日~約4日間、約1日~約3日間、約1日~約2日間、約2日~約3日間、約2日~約4日間、約2日~約5日間又は約2日~約6日間にわたって、AKT阻害剤、外因性IL-7、外因性IL-15及び/又は外因性IL-18の存在下で培養するなど、これらと接触させる。1つの特定の実施形態では、1つ以上のT細胞を、例えばT細胞を採取した日(例えば、-0日目)からT細胞を対象に投与する日まで、AKT阻害剤、外因性IL-7、外因性IL-15及び/又は外因性IL-18の存在下で培養するなど、これらと接触させる。別の実施形態では、T細胞を、例えば0日目から投与まで、1日目から投与まで、2日目から投与まで、3日目から投与まで、4日目から投与まで、5日目から投与まで、又は6日目から投与まで、AKT阻害剤、外因性IL-7、外因性IL-15及び/又は外因性IL-18の存在下で培養するなど、これらと接触させる。いくつかの実施形態では、1つ以上のT細胞は、AKT阻害剤、外因性IL-7、外因性IL-15及び/又は外因性IL-18を除去するために、投与前に洗浄される。
【0202】
特定の実施形態では、AKTi並びにIL-7、IL-15及びIL-18のうちの少なくとも1つとの接触は、少なくとも1日間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約7日間、少なくとも約8日間、少なくとも約9日間、少なくとも約10日間、少なくとも約11日間、少なくとも約12日間、又は約13日間行われる。他の実施形態では、AKTi並びにIL-7、IL-15、及びIL-18のうちの少なくとも1つとの接触は、1日超~14日未満、13日未満、12日未満、11日未満、10日未満、9日未満、又は8日未満行われる。任意の濃度のIL-18を本明細書に記載の方法で使用することができる。例えば、本方法は、1つ以上のT細胞を、少なくとも約0.001ng/mLのIL-18、少なくとも約0.005ng/mLのIL-18、少なくとも約0.01ng/mLのIL-18、少なくとも約0.05ng/mLのIL-18、少なくとも約0.1ng/mLのIL-18、少なくとも約0.5ng/mLのIL-18、少なくとも約1.0ng/mLのIL-18、少なくとも約1ng/mLのIL-18、少なくとも約2ng/mLのIL-18、少なくとも約3ng/mLのIL-18、少なくとも約4ng/mLのIL-18、少なくとも約5ng/mLのIL-18、少なくとも約6ng/mLのIL-18、少なくとも約7ng/mLのIL-18、少なくとも約8ng/mLのIL-18、少なくとも約9ng/mLのIL-18、少なくとも約10ng/mLのIL-18、少なくとも約11ng/mLのIL-18、少なくとも約12ng/mLのIL-18、少なくとも約13ng/mLのIL-18、少なくとも約14ng/mLのIL-18、少なくとも約15ng/mLのIL-18、少なくとも約20ng/mLのIL-18、少なくとも約25ng/mLのIL-18、少なくとも約30ng/mLのIL-18、少なくとも約35ng/mLのIL-18、少なくとも約40ng/mLのIL-18、少なくとも約45ng/mLのIL-18、少なくとも約50ng/mLのIL-18、少なくとも約100ng/mLのIL-18、少なくとも約200ng/mLのIL-18、少なくとも約300ng/mLのIL-18、少なくとも約400ng/mLのIL-18、少なくとも約500ng/mLのIL-18、又は少なくとも約1000ng/mLのIL-18と接触させることを含み得る。一実施形態では、1つ以上のT細胞を、約0.001~約500ng/mLのIL-18、約0.01~約100ng/mLのIL-18、約0.1~約50ng/mLのIL-18、約1~約10ng/mLのIL-18、約1~約5ng/mLのIL-18、約5~約10ng/mLのIL-18、約3~約18ng/mLのIL-18、又は約4~約6ng/mLのIL-18と接触させる。1つの特定の実施形態では、1つ以上のT細胞を約5ng/mLのIL-18と接触させる。
【0203】
一実施形態では、免疫細胞、例えば、CAR又はTCRが形質導入されるNK細胞又はT細胞を、血清(例えば、ウシ胎児血清又はヒト胎児血清)、GM-CSF、IFN-γ、インスリン、インターロイキン-2(IL-2)、IL-4、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、TGFβ、及びTNF-α、あるいは細胞の成長のための任意の他の添加剤を含む、増殖及び/又は生存性のための1つ以上の更なる因子を任意選択的に含有してもよいIL-18を含む適切な培地中での拡大中に接触させる。一実施形態では、細胞は、例えば、フローサイトメトリーなどの本明細書に記載の方法によって測定した場合に、14日間の拡大期間にわたって細胞の少なくとも200倍(例えば、200倍、250倍、300倍、350倍)の増加をもたらす、IL-18と1つ以上(例えば、2、3、4、又は5つ以上)の追加のインターロイキンとを含む適切な培地中で拡大される。別の実施形態では、細胞は、可溶性IL-12若しくはIL-15又はそれらの組み合わせと組み合わせて、IL-18を含む適切な培地中で拡大される。
【0204】
一実施形態では、細胞をIL-18の存在下で5日間培養して拡大させ、得られた細胞は、同じ培養条件下であるがIL-18の非存在下で5日間培養して拡大させた同じ細胞よりも効力が高い。効力は、例えば、様々なT細胞機能、例えば、増殖、標的細胞殺傷、サイトカイン産生、活性化、遊走、又はそれらの組み合わせによって定義することができる。一実施形態では、CAR又はTCRを含む免疫細胞は、IL-18の存在下で5日間拡大され、同じ培養条件下であるがIL-18の非存在下で5日間培養して拡大された同じ細胞と比較して、抗原刺激時に細胞倍加の少なくとも1、2、3又は4倍の増加を示す。一実施形態では、CAR又はTCRを含む免疫細胞は、5日間培養して拡大され、得られた細胞は、同じ培養条件下であるがIL-18の非存在下で5日間培養して拡大された同じ細胞と比較して、より高い炎症促進性サイトカイン産生、例えば、IFN-γ及び/又はGM-CSFレベルを示す。一実施形態では、5日間拡大されたCAR又はTCRを含む免疫細胞は、同じ培養条件下であるがIL-18の非存在下で5日間の培養して拡大させた同じ細胞と比較して、炎症促進性サイトカイン産生、例えば、IFN-γ、TNFα及び/又はGM-CSFレベルのpg/mLの少なくとも1、2、3、4、5、10倍又はそれ以上の増加を示す。
【0205】
AKT阻害剤並びに外因性IL-7及び/又は外因性IL-15を使用する細胞の製造に関する更なる詳細は、国際特許出願公開第17/070395号に見出すことができる。
【0206】
別の態様では、内因性IL-18発現は、標準的な組換え操作を用いて増強され得る。任意の標的化ゲノム編集方法を使用して、IL-18遺伝子座のプロモータ/エンハンサ領域を改変し、それにより、免疫細胞におけるIL-18の内因性発現を増強することができる。ある特定の実施形態では、構成的プロモータをIL-18遺伝子座に配置して、IL-18遺伝子発現を駆動することができる。適切な構成的プロモータとしては、CMVプロモータ、EFlaプロモータ、SV40プロモータ、PGK1プロモータ、Ubcプロモータ、β-アクチンプロモータ、及びCAGプロモータが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、条件付きプロモータ又は誘導性プロモータをIL-18遺伝子座に配置して、IL-18遺伝子発現を駆動することができる。条件付きプロモータの例としては、テトラサイクリン応答エレメント(TRE)プロモータ及びエストロゲン応答エレメント(ERE)プロモータが挙げられるが、これらに限定されない。更に、エンハンサエレメントは、プロモータ領域以外の領域に配置され得る。
【0207】
本開示は、目的の抗原、例えば、腫瘍抗原に結合する結合モチーフを含む、CAR及びTCRなどの抗原結合系の有効性を改善するための方法及び組成物を提供する。ある特定の実施形態では、抗原結合系は、キメラ抗原受容体(CAR)である。ある特定の実施形態では、抗原結合系は、T細胞受容体(TCR)である。抗原結合系は、腫瘍抗原又は病原体抗原に結合することができる。
【0208】
キメラ抗原受容体(CAR)は、選択された抗原を標的とするようにT細胞(例えば、患者又はドナーT細胞)を指向又は再指向させることができる操作された受容体である。CARは、抗原を認識し、その抗原に結合すると免疫細胞を活性化して、その抗原を有する細胞を攻撃し破壊するように操作され得る。これらの抗原が腫瘍細胞上に存在する場合、CARを発現する免疫細胞は、腫瘍細胞を標的化して死滅させ得る。CARは、一般的に、抗原結合を媒介する細胞外結合モチーフ、抗原結合系が細胞表面又は細胞膜に存在する場合に細胞膜にわたるか又はこれにわたると理解される膜貫通ドメイン、及び細胞内(又は細胞質)シグナル伝達ドメインを含む。
【0209】
少なくとも1つの非限定的な観点によれば、CAR組成物の少なくとも3つの「世代」が存在している。第1世代のCARでは、結合モチーフ(例えば、一本鎖フラグメント可変結合モチーフ)は、ヒンジドメイン及び1つ以上のスペーサを任意選択的に含む膜貫通ドメインを介してシグナル伝達ドメイン(例えば、CD3ζ)に連結又は接続されている。第2世代のCARでは、共刺激ドメイン(CD28、4-1BB、又はOX-40など)がシグナル伝達ドメイン(例えば、CD3ζ)と共に導入される。第3世代のCARには、第2の共刺激ドメインが含まれる。
【0210】
TCRは、α鎖及びβ鎖から構成されるヘテロ二量体である。TCRシグナル伝達は、免疫シナプスを生成するシグナル伝達タンパク質の動員を必要とする。加えて、原形質膜におけるTCRの局在化は、T細胞において発現されるCD3複合体に依存する。操作された一本鎖TCRは、例えば、CAR構築物の膜貫通ドメイン及びシグナル伝達ドメイン、公知の方法及び構築物(例えば、sTCR及びTCR-CAR分子、例えば、TCRβ鎖とCD28 TM及びCD28及びCD3ζシグナル伝達モジュールとの融合物)を使用して生成され得る。
【0211】
抗原結合系は、VH及びVLを含み得る。いくつかの実施形態では、VH及びVLはリンカー(L)によって連結されている。
【0212】
いくつかの実施形態では、抗原結合系が、共刺激ドメイン、及び/又は細胞外ドメイン(例えば、「ヒンジ」又は「スペーサ」領域)、及び/又は膜貫通ドメイン、及び/又は細胞内(シグナル伝達)ドメイン、及び/又はCD3ゼータ又はCD3イプシロン活性化ドメインを更に含む。
【0213】
1つ以上の抗原結合モチーフが、抗原結合系の標的を決定する。抗原結合系の結合モチーフが、任意の結合モチーフを含み得る。結合モチーフは、他のCAR成分と共に一本鎖の一部として発現されるように操作され得るため、少なくとも部分的にキメラ抗原受容体において使用される。例えば、米国特許第7,741,465号及び6,319,494号、並びにEshhar et al.,Cancer Immunol Immunotherapy,(1997)45:131-136、Krause et al.,J.Exp.Med.,Volume 188,No.4,1998(619-626);Finney et al.,Journal of Immunology,1998,161:2791-2797を参照されたく、これらの各々は、CARにおける結合モチーフドメインに関して参照により本明細書に組み込まれる。結合モチーフ又はscFvは、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含む一本鎖抗原結合フラグメントであり、重鎖可変ドメインと軽鎖可変ドメインとは互いに連結又は接続されている。例えば、米国特許第7,741,465号及び同第6,319,494号、並びにEshhar et al.,Cancer Immunol Immunotherapy(1997)45:131-136を参照されたく、これらの各々は、結合モチーフドメインに関して参照により本明細書に組み込まれる。親抗体に由来する場合、結合モチーフは、標的抗原の親抗体の結合の一部を保持しても、全てを保持しても、又は本質的に保持してもよい。
【0214】
様々な実施形態において、結合モチーフは腫瘍抗原に結合する。ある特定の実施形態では、腫瘍抗原は、2B4(CD244)、4-1BB、5T4、A33抗原、腺がん抗原、アドレナリン受容体ベータ3(ADRB3)、Aキナーゼアンカープロテイン4(AKAP-4)、アルファフェトプロテイン(AFP)、未分化リンパ種キナーゼ(ALK)、アンドロゲン受容体、B7H3(CD276)、β2-インテグリン、BAFF、Bリンパ種、B細胞成熟抗原(BCMA)、bcr-abl(切断点クラスター領域(BCR)及びAbelsonマウス白血病細胞がん遺伝子ホモログ1(Abl)からなるがん遺伝子融合タンパク質)、BhCG、骨髄間質細胞抗原2(BST2)、CCCTC結合因子(亜鉛フィンガータンパク質)様(BORIS又はBrother of the Regulator of Imprinted Sites)、BST2、C242抗原、9-0-アセチル-CA19-9マーカー、CA-125,CAEX,カルレティキュリン、炭酸脱水酵素9(CAIX)、C-MET、CCR4、CCR5、CCR8、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD7、CD10、CD16、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD24、CD25、CD27、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD34、CD38、CD40、CD40L、CD41、CD44、CD44V6、CD49f、CD51、CD52、CD56、CD63、CD70、CD72、CD74、CD79a、CD79b、CD80、CD84、CD96、CD97、CD100、CD123、CD125、CD133、CD137、CD138、CD150、CD152(CTLA-4)、CD160、CD171、CD179a、CD200、CD221、CD229、CD244、CD272(BTLA)、CD274(PDL-1、B7H1)、CD279(PD-1)、CD352、CD358、CD300分子様ファミリーメンバーf(CD300LF)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン6(CLDN6)、C型レクチン様分子-1(CLL-1又はCLECL1)、C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(CLEC12A)、サイトメガロウイルス(CMV)感染細胞抗原、CNT0888、CRTAM((CD2サブセット1、CRACC、CD319、及び19A24とも呼ばれる)CD355)、CTLA-4、サイクリンB1、染色体Xオープンリーディングフレーム61(CXORF61)、シトクロムP450 1B 1(CYP1B1)、DNAM-1(CD226)、デスモグレイン4、DR3、DR5、E-カドヘリンネオエピトープ、上皮成長因子受容体(EGFR)、EGF1R、上皮成長因子受容体変異体III(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質-2(EGP-2)、上皮糖タンパク質-40(EGP-40)、EGF様モジュール含有ムチン様ホルモン受容体様2(EMR2)、伸長因子2変異型(ELF2M)、エンドシアリン、上皮細胞接着分子(EPCAM)、エフリンA型受容体2(EphA2)、エフリンB2、受容体チロシン-タンパク質キナーゼerb-B2、3,4(erb-B2,3,4)、ERBB、ERBB2(Her2/neu)、ERG(膜貫通プロテアーゼ、セリン2(TMPRSS2)ETS融合遺伝子)、ETA、染色体12p上に位置するETS導入変異体遺伝子6(ETV6-AML)、IgA受容体のFcフラグメント(FCAR又はCD89)、線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAP)、FBP、Fc受容体様5(FCRL5)、胎児アセチルコリン受容体(AChR)、フィブロネクチン余分ドメインB、Fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体1、葉酸受容体α、葉酸受容体β、Fos関連抗原1、フコシル、フコシルGM1;GM2、ガングリオシドG2(GD2)、ガングリオシドGD3(aNeu5Ac(2-8)aNeu5Ac(2-3)bDGalp(l-4)bDGlcp(l-l)Cer)、o-アセチル-GD2ガングリオシド(OAcGD2)、GITR(TNFRSF18)、GM1、ガングリオシドGM3(aNeu5Ac(2-3)bDGalp(l-4)bDGlcp(l-l)Cer)、GP 100、GloboHグリコセラミドの六糖部分(GloboH)、糖タンパク質75、グリピカン-3(GPC3)、糖タンパク質100(gpl00)、GPNMB、Gタンパク質共役受容体20(GPR20)、Gタンパク質共役受容体クラスC群5、メンバーD(GPRC5D)、A型肝炎ウイルス細胞受容体1(HAVCR1)、ヒト上皮成長因子受容体2(HER-2)、HER2/neu、HER3、HER4、HGF、高分子量メラノーマ関連抗原(HMWMAA)、ヒトパピローマウイルスE6(HPV E6)、ヒトパピローマウイルスE7(HPV E7)、熱ショックタンパク質70-2変異(mut hsp70-2)、ヒト散乱因子受容体キナーゼ、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)、HVEM、ICOS、インスリン様成長因子受容体1(IGF-1受容体)、IGF-I、IgG1、免疫グロブリンラムダ様ポリペプチド1(IGLL1)、IL-6、インターロイキン11受容体アルファ(IL-l lRa)、IL-13、インターロイキン-13受容体サブユニットα-2(IL-13Ra2又はCD213A2)、インスリン様成長因子I受容体(IGF1-R)、インテグリンα5β1、インテグリンανβ3、腸管カルボキシルエステラーゼ、κ軽鎖、KCS1、キナーゼインサートドメイン受容体(KDR)、KIR、KIR2DL1、KIR2DL2、KIR2DL3、KIR3DL2、KIR-L、KG2Dリガンド、KIT(CD117)、KLRGI、LAGE-1a、LAG3、リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK)、白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーAメンバー2(LILRA2)、レグマイン、白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIR1)、ルイス(Y)抗原、LeY、LG、LI細胞接着分子(LI-CAM)、LIGHT、LMP2、リンパ球複合体6、BR、遺伝子座K9(LY6K)、Ly-6、リンパ球抗原75(LY75)、メラノーマがん精巣抗原-1(MAD-CT-1);メラノーマがん精巣抗原-2(MAD-CT-2)、MAGE、メラノーマ関連抗原1(MAGE-A1)、T細胞によって認識されるMAGE-A3メラノーマ抗原1(MelanA又はMARTI)、MelanA/MARTl、メソテリン、MAGE A3、アポトーシスのメラノーマ阻害剤(ML-IAP)、メラノーマ特異的コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSCP)、MORAb-009、MS4A1、Mucin1(MUCl)、MUC2、MUC3、MUC4、MUC5AC、MUC5b、MUC7、MUC16、ムチンCanAg、ニューラル・ミュラー管阻害物質(MIS)受容体II型、トリ骨髄細胞腫症ウイルス癌遺伝子神経芽腫由来ホモログ(MYCN)、N-グリコリルアミン酸、N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV(NA17)、神経細胞接着分子(NCAM)、NKG2A、NKG2C、NKG2D、NKG2Eリガンド、NKR-P IA、NPC-1C、NTB-A、乳腺分化抗原(NY-BR-1)、NY-ESO-1、癌胎児性抗原(h5T4)、嗅覚受容体51E2(OR51E2)、OX40、形質細胞抗原、ポリSA、プロアクロシン結合タンパク質sp32(OY-TES 1)、p53、p53変異体、パンネキシン3(PANX3)、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、ペアードボックスタンパク質Pax-3(PAX3)、ペアードボックスタンパク質Pax-5(PAX5)、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1又はGal8)、PD-1H、血小板由来増殖因子受容体アルファ(PDGFR-アルファ)、PDGFR-ベータ、PDL192、PEN-5、ホスファチジルセリン、胎盤特異的1(PLAC1)、ポリシアル酸、プロスターゼ、前立腺癌細胞、プロステイン、プロテアーゼセリン21(テスチシン又はPRSS21)、プロテイナーゼ3(PR1)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、プロテアソーム(Prosome,Macropain)サブユニット、ベータタイプ、高度糖化最終産物受容体(RAGE-1)、RANKL、Ras変異体、RasホモログファミリーメンバーC(RhoC)、RON、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、腎臓ユビキタス1(RU1)、腎臓ユビキタス2(RU2)、肉腫転座ブレークポイント、T細胞3(SART3)、SAS、SDC1、SLAMF7、シアリルルイス接着分子(sLe)、Siglec-3、Siglec-7、Siglec-9、ソニックヘッジホッグ(SHH)、精子タンパク質17(SPA17)、ステージ特異的胚性抗原4(SSEA-4)、STEAP、sTn抗原、滑膜肉腫Xブレークポイント2(SSX2)、サバイビン、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、TCRa、TCRb、TCR5γ、TCRガンマ代替リーディングフレームタンパク質(TARP)、テロメラーゼ、TIGIT、TNF-α前駆体、腫瘍内皮マーカー1(TEM1/CD248)、腫瘍内皮マーカー7関連(TEM7R)、テネイシンC、β2、TGF-β、トランスグルタミナーゼ5(TGS5)、アンジオポエチン結合細胞表面受容体2(Tie 2)、TIM1、TIM2、TIM3、Tn Ag、TRAIL-R1、TRAIL-R2、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2)、甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR)、腫瘍抗原CTAA16.88、チロシナーゼ、ROR1、TAG-72、ウロプラキン2(UPK2)、VEGF-A、VEGFR-1、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、及びビメンチン、ウィルムス腫瘍タンパク質(WT1)、又はX抗原ファミリーメンバー1A(XAGE1)からなる群から選択される。国際特許出願公開第2015/142675号も参照されたい。
【0215】
ヒンジは、結合モチーフと膜貫通ドメインとの間に位置する抗原結合系の細胞外ドメインであり得る。ヒンジはまた、細胞外ドメイン又は「スペーサ」と称され得る。ヒンジは、受容体の発現、活性、及び/又は安定性に寄与し得る。いくつかの実施形態では、ヒンジドメインは、結合モチーフと膜貫通ドメインとの間に位置する。ヒンジはまた、標的抗原にアクセスするための柔軟性を提供し得る。ヒンジは、免疫グロブリン様ヒンジドメインを含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、抗原結合系は、免疫グロブリン様ヒンジドメインであるか、免疫グロブリン様ヒンジドメインからであるか、又は免疫グロブリン様ヒンジドメインに由来する(例えば、免疫グロブリン様ヒンジドメインの全て若しくはフラグメントを含む)ヒンジを含み得る。いくつかの実施形態では、ヒンジドメインは、免疫グロブリンからであるか、又は免疫グロブリンに由来する。いくつかの実施形態では、ヒンジドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgD、IgE、若しくはIgMのヒンジ、又はそのフラグメントから選択される。
【0217】
ヒンジは、天然の供給源又は合成の供給源に由来し得る。いくつかの実施形態では、抗原結合系は、CD2、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD3ガンマ、CD4、CD7、CD8アルファ、CD8ベータ、CD11a(ITGAL)、CD11b(ITGAM)、CD11c(ITGAX)、CD11d(ITGAD)、CD18(ITGB2)、CD19(B4)、CD27(TNFRSF7)、CD28、CD28T、CD29(ITGB1)、CD30(TNFRSF8)、CD40(TNFRSF5)、CD48(SLAMF2)、CD49a(ITGA1)、CD49d(ITGA4)、CD49f(ITGA6)、CD66a(CEACAM1)、CD66b(CEACAM8)、CD66c(CEACAM6)、CD66d(CEACAM3)、CD66e(CEACAM5)、CD69(CLEC2)、CD79A(B細胞抗原受容体複合体関連アルファ鎖)、CD79B(B細胞抗原受容体複合体関連ベータ鎖)、CD84(SLAMF5)、CD96(Tactile)、CD100(SEMA4D)、CD103(ITGAE)、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD150(SLAMF1)、CD158A(KIR2DL1)、CD158B1(KIR2DL2)、CD158B2(KIR2DL3)、CD158C(KIR3DP1)、CD158D(KIRDL4)、CD158F1(KIR2DL5A)、CD158F2(KIR2DL5B)、CD158K(KIR3DL2)、CD160(BY55)、CD162(SELPLG)、CD226(DNAM1)、CD229(SLAMF3)、CD244(SLAMF4)、CD247(CD3-ゼータ)、CD258(LIGHT)、CD268(BAFFR)、CD270(TNFSF14)、CD272(BTLA)、CD276(B7-H3)、CD279(PD-1)、CD314(NKG2D)、CD319(SLAMF7)、CD335(NK-p46)、CD336(NK-p44)、CD337(NK-p30)、CD352(SLAMF6)、CD353(SLAMF8)、CD355(CRTAM)、CD357(TNFRSF18)、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、LFA-1(CD11a/CD18)、NKG2C,DAP-10、ICAM-1、NKp80(KLRF1)、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、LFA-1、SLAMF9、LAT、GADS(GrpL)、SLP-76(LCP2)、PAG1/CBP、CD83リガンド、Fcガンマ受容体、MHCクラス1分子、MHCクラス2分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリンタンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、活性化NK細胞受容体、又はTollリガンド受容体、又はそれらのフラグメント若しくは組み合わせであるか、これらからであるか、又はこれらに由来する(例えば、これらの全て又はフラグメントを含む)ヒンジを含むことができる。
【0218】
いくつかの実施形態では、抗原結合系は、CD8アルファのヒンジであるか、これからであるか、又はこれに由来する(例えば、その全て又はフラグメントを含む)ヒンジを含み得る。いくつかの実施形態では、ヒンジは、短縮型CD28ヒンジなどのCD28のヒンジであるか、これからであるか、又はこれに由来し、例えば、国際特許出願公開第2017/173256号を参照されたい。いくつかの実施形態では、ヒンジは、CD8アルファのヒンジのフラグメント又はCD28のヒンジのフラグメントであるか、これからであるか、あるいはこれに由来し、フラグメントは全体より小さい。いくつかの実施形態では、CD8アルファヒンジのフラグメント又はCD28ヒンジのフラグメントは、CD8アルファヒンジの、又はCD28ヒンジのN末端若しくはC末端、又はその両方において、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、又は少なくとも20個のアミノ酸を除外するアミノ酸配列を含む。
【0219】
これらのヒンジドメインのポリヌクレオチド配列及びポリペプチド配列は公知である。いくつかの実施形態では、ヒンジドメインをコードするポリヌクレオチドは、既知のヌクレオチド配列と少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)同一のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、ヒンジドメインのポリペプチド配列は、既知のポリペプチド配列と少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)同一のポリペプチド配列を含む。
【0220】
一般に、(例えば、抗原結合系の)「膜貫通ドメイン」は、細胞表面又は細胞膜の分子中に存在する場合に膜内に存在する(例えば、細胞膜の一部又は全部にわたる)という属性を有するドメインを指す。本開示の抗原結合系の共刺激ドメインは、膜貫通ドメイン及び/又は細胞内シグナル伝達ドメインを更に含んでもよい。膜貫通ドメイン中の全てのアミノ酸が膜内に存在する必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは、タンパク質の指定されたひと続き又は部分が実質的に膜内に位置することを特徴とする。アミノ酸配列又は核酸配列は、タンパク質の細胞内局在化(例えば、膜貫通局在化)を予測するための種々のアルゴリズムを使用して分析され得る。プログラムpsort(PSORT.org)及びProsite(prosite.expasy.org)は、そのようなプログラムの例である。
【0221】
本明細書に記載の抗原結合系に含まれる膜貫通ドメインのタイプは、いかなるタイプにも限定されない。いくつかの実施形態では、結合モチーフ及び/又は細胞内ドメインと天然に会合している膜貫通ドメインが選択される。いくつかの例では、膜貫通ドメインは、例えば、同じ又は異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインへのそのようなドメインの結合を回避して、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限に抑えるために、1つ以上のアミノ酸の改変(例えば、欠失、挿入、及び/又は置換)を含む。
【0222】
膜貫通ドメインは、天然又は合成のいずれかの供給源に由来し得る。供給源が天然である場合、ドメインは、任意の膜結合タンパク質又は膜貫通タンパク質に由来し得る。例示的な膜貫通ドメインは、T細胞受容体のアルファ、ベータ、又はゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD3デルタ、CD3ガンマ、CD45、CD4、CD5、CD7、CD8、CD8アルファ、CD8ベータ、CD9、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CD16、CD22、CD27、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、TNFSFR25、CD154、4-1BB/CD137、活性化NK細胞受容体、免疫グロブリンタンパク質、B7-H3、BAFFR、BLAME(SLAMF8)、BTLA、CD100(SEMA4D)、CD103、CD160(BY55)、CD18、CD19、CD19a、CD2、CD247、CD276(B7-H3)、CD29、CD30、CD40、CD49a、CD49D、CD49f、CD69、CD84、CD96(Tactile)、CDS、CEACAM1、CRTAM、サイトカイン受容体、DAP-10、DNAM1(CD226)、Fcガンマ受容体、GADS、GITR、HVEM(LIGHTR)、IA4、ICAM-1、ICAM-1、Igアルファ(CD79a)、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、インテグリン、ITGA4、ITGA4、ITGA6、ITGAD、ITGAE、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB2、ITGB7、ITGB1、KIRDS2、LAT、LFA-1、LFA-1、CD83と結合するリガンド、LIGHT、LIGHT、LTBR、Ly9(CD229)、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1、CD1-1a/CD18)、MHCクラス1分子、NKG2C、NKG2D、NKp30、NKp44、NKp46、NKp80(KLRF1)、OX-40、PAG/Cbp、プログラム死-1(PD-1)、PSGL1、SELPLG(CD162)、シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAMタンパク質)、SLAM(SLAMF1;CD150;IPO-3)、SLAMF4(CD244;2B4)、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAMF7、SLP-76、TNF受容体タンパク質、TNFR2、TNFSF14、Tollリガンド受容体、TRANCE/RANKL、VLA1、若しくはVLA-6、又はフラグメント、切断、若しくはそれらの組み合わせに由来し得る(例えば、少なくとも膜貫通ドメインを含み得る)。いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは合成であってよく(並びに、例えば、ロイシン及びバリンなどの主に疎水性の残基を含むことができる)。いくつかの実施形態では、フェニルアラニン、トリプトファン、及びバリンのトリプレットは、合成膜貫通ドメインの両端に含まれる。いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは、細胞質ドメインに直接連結又は接続される。いくつかの実施形態では、短いオリゴ又はポリペプチドリンカー(例えば、2~10アミノ酸長)は、膜貫通ドメインと細胞内ドメインとの間の結合を形成し得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリシン-セリンダブレットである。
【0223】
本明細書で提供される膜貫通ドメインのポリヌクレオチド配列及びポリペプチド配列は公知である。いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、既知のヌクレオチド配列と少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)同一のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインのポリペプチド配列は、既知のポリペプチド配列と少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)同一のポリペプチド配列を含む。任意選択的に、短いスペーサが、CARの細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内ドメインのいずれか又はいくつかの間に連結を形成し得る。
【0224】
細胞内ドメイン(又は細胞質ドメイン)は、標的抗原が結合モチーフに結合すると、例えば、1つ以上の免疫細胞エフェクター機能(例えば天然免疫細胞エフェクター機能)を活性化する細胞内シグナルを引き起こし、かつ/又は媒介する1つ以上のシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインのシグナル伝達ドメインは、免疫細胞の正常なエフェクター機能のうちの少なくとも1つの活性化を媒介する。T細胞のエフェクター機能は、例えば、細胞溶解活性又はサイトカインの分泌を含むヘルパー活性であり得る。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインのシグナル伝達ドメインは、T細胞の活性化、増殖、生存、及び/又は他のT細胞機能を媒介する。細胞内ドメインは、活性化ドメインであるシグナル伝達ドメインを含み得る。細胞内ドメインは、共刺激シグナル伝達ドメインであるシグナル伝達ドメインを含み得る。
【0225】
免疫細胞への抗原の結合時にシグナルを伝達し得る細胞内シグナル伝達ドメインは公知であり、そのいずれも本開示の抗原結合系に含まれ得る。例えば、T細胞受容体(TCR)の細胞質配列は、抗原へのTCRの結合後にシグナル伝達を開始することが知られている(例えば、Brownlie et al.,Nature Rev.Immunol.13:257-269(2013)を参照されたい)。
【0226】
いくつかの実施形態では、シグナル伝達ドメイン及び/又は活性化ドメインは、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を含む。細胞質シグナル伝達配列を含有するITAMの例は、TCRゼータ、FcRガンマ、FcRベータ、CD3ゼータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD5、CD22、CD79a、CD79b、及びCD66dから誘導されたものを含み(例えば、Love et al.,Cold Spring Harb.Perspect.Biol.2:a002485(2010)、Smith-Garvin et al.,Annu.Rev.Immunol.27:591-619(2009)を参照されたい)。
【0227】
ある特定の実施形態では、適切なシグナル伝達ドメインは、限定されるものではないが、4-1BB/CD137、活性化NK細胞受容体、免疫グロブリンタンパク質、B7-H3、BAFFR、BLAME(SLAMF8)、BTLA、CD100(SEMA4D)、CD103、CD160(BY55)、CD18、CD19、CD19a、CD2、CD247、CD27、CD276(B7-H3)、CD28、CD29、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD3ガンマ、CD30、CD4、CD40、CD49a、CD49D、CD49f、CD69、CD7、CD84、CD8アルファ、CD8ベータ、CD96(Tactile)、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CDS、CEACAM1、CRT AM、サイトカイン受容体、DAP-10、DNAM1(CD226)、Fcガンマ受容体、GADS、GITR、HVEM(LIGHTR)、IA4、ICAM-1、ICAM-1、Igアルファ(CD79a)、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、インテグリン、ITGA4、ITGA4、ITGA6、ITGAD、ITGAE、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB2、ITGB7、ITGB1、KIRDS2、LAT、LFA-1、LFA-1、CD83に結合するリガンド、LIGHT、LIGHT、LTBR、Ly9(CD229)、Ly108)、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1、CD1-1a/CD18)、MHCクラス1分子、NKG2C、NKG2D、NKp30、NKp44、NKp46、NKp80(KLRF1)、OX-40、PAG/Cbp、プログラム死-1(PD-1)、PSGL1、SELPLG(CD162)、シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAMタンパク質)、SLAM(SLAMF1;CD150;IPO-3)、SLAMF4(CD244;2B4)、SLAMF6(NTB-A、SLAMF7、SLP-76、TNF受容体タンパク質、TNFR2、TNFSF14、Tollリガンド受容体、TRANCE/RANKL、VLA1、若しくはVLA-6、又は断片、切断、若しくはそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のタンパク質の機能的シグナル伝達ドメインを含む。
【0228】
CARは、例えば、シグナル伝達効力を高めるために、共刺激シグナル伝達ドメインを含み得る。米国特許第7,741,465号、及び同第6,319,494号、並びにKrause et al.and Finney et al.(上記)、Song et al.,Blood 119:696-706(2012)、Kalos et al.,Sci Transl.Med.3:95(2011)、Porter et al.,N.Engl.J.Med.365:725-33(2011)、及びGross et al.、Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.56:59-83(2016)を参照されたい。TCRのみを介して生成されたシグナルは、T細胞の完全な活性化に不十分である可能性があり、二次又は共刺激シグナルは活性化を増加させ得る。したがって、いくつかの実施形態では、シグナル伝達ドメインは、1つ以上の免疫細胞エフェクター機能(例えば、本明細書に記載の天然免疫細胞エフェクター機能)を活性化する1つ以上の追加のシグナル伝達ドメイン(例えば、共刺激シグナル伝達ドメイン)を更に含む。いくつかの実施形態では、そのような共刺激シグナル伝達ドメインの一部は、その部分がエフェクター機能シグナルを伝達する限り、使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の細胞質ドメインは、T細胞共受容体(又はそのフラグメント)の1つ以上の細胞質配列を含む。共刺激ドメインの非限定的な例としては、4-1BB(TNFRSF9、CD137、CDw137、ILA、及び腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー9としても知られる)、4-1BBL/CD137、BAFFR、BLAME(SLAMF8)、活性化NK受容体、BTLA(CD272及びBTLA1としても知られる)、CARD1l、CD2(LFA-2、SRBC、T11、及びCD2分子としても知られる)、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD4、CD7(GP40、LEU-9、TP41、Tp40、及びCD7分子としても知られる)、CD 8アルファ、CD 8ベータ、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CD18、CD19、CD19a、CD27(S152、S152、LPFS2、T14、TNFRSF7、及びTp55としても知られる)、CD28(Tp44としても知られる)、CD29、CD30(TNFRSF8、D1S166E、及びKi-1としても知られる)、CD40L(CD40LG、CD154、HIGM1、IGM、IMD3、T-BAM、TNFSF5、TRAP、gp39、hCD40L、及びCD40リガンドとしても知られる)、CD40(Bp50、CDW40、TNFRSF5、p50、CD40(タンパク質)、及びCD40分子としても知られる)、CD49a、CD49D、CD49f、CD54(ICAM)、CD69、CD80(B7、B7-1、B7.1、BB1、CD28LG、CD28LG1、LAB7、及びCD80分子としても知られる)、CD83(及びCD83と特異的に結合するリガンド)、CD84、CD86、CD96(触覚)、CD100(SEMA4D)、CD103、CD160(BY55、NK1、NK28、及びCD160分子としても知られる)、CD244(2B4、NAIL、NKR2B4、Nmrk、SLAMF4、及びCD244分子としても知られる)、CD247、CD276(B7-H3,4Ig-B7-H3、B7H3、B7RP-2としても知られる)、CD366、CDS、CEACAM1、CRT AM、サイトカイン受容体、DAP10、DNAM1(CD226)、Fcガンマ受容体、GADS、GITR(TNFRSF18、RP5-902P8.2、AITR、CD357、及びGITR-Dとしても知られる)、GITRL、HVEM(TNFRSF14、RP3-395M20.6、ATAR、CD270、HVEA、HVEM、LIGHTR、及びTR2としても知られる)、ICAM-1、ICOS(誘導性T細胞共刺激、AILIM、CD278、及びCVID1としても知られる)、Igアルファ(CD79a)、IL2Rベータ、IL2Rガンマ、IL7Rアルファ、免疫グロブリン様タンパク質、インテグリン、ITGA4、IA4、ITGA6、ITGAD、ITGAE、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB 1、ITGB2、ITGB7、KIRDS2、LAG3(CD223及びリンパ球活性化3としても知られる)、LAT、LFA-1(リンパ球機能関連抗原1としても知られる)及びCDl la/CD18)、LIGHT(TNFSF14、CD258、HVEML、LTg、TR2、TNLG1D、及び腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14としても知られる)LTBR、Ly9(CD229)、MHCクラスI分子、NKG2C(CD314、D12S2489E、KLR、NKG2-D、NKG2D、及びキラー細胞レクチン様受容体K1としても知られる)、NKG2D、NKp30、NKp44、NKp46、NKp80(KLRF1)、OX40(TNFRSF4、ACT35、RP5-902P8.3、IMD16、CD134、TXGP1L、及び腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4としても知られる)、PAG/Cbp、PD-1(PDCD1、CD279、PD-1、SLEB2、hPD-1、hPD-1、hSLE1、及びプログラム細胞死1としても知られる)、PD-L1(CD274、B7-H、B7H1、PD-L1、PDCD1L1、PDCD1LG1、PDL1、CD274分子、及びプログラム細胞死1リガンド1としても知られる)、PSGL1、SELPLG(CD162)、シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAMタンパク質、例えば、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、SLAMF4(CD244、2B4)、SLAMF6(NTB-A、Lyl08)、及びSLAMF7)、SLP76、TIM3(HAVCR2、HAVcr-2、KIM-3、TIM3、TIMD-3、TIMD3、Tim-3、及びA型肝炎ウイルス細胞受容体2としても知られる)、TNF受容体タンパク質、TNFR2、Tollリガンド受容体、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TNFR2、トランス状態/RANKL、TRIM、VLA1、VLA-6、及びZAP70が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な共刺激タンパク質は、T細胞上に天然に見出される共刺激タンパク質のアミノ酸配列を有し、その共刺激タンパク質の完全な天然アミノ酸配列は、NCBI参照配列:NP_006130.1に記載されている。ある特定の例では、CARは、4-1BB共刺激ドメインを含む。
【0229】
本明細書で提供されるシグナル伝達ドメインのポリヌクレオチド配列及びポリペプチド配列は公知である。いくつかの実施形態では、シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドは、既知のヌクレオチド配列と少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)同一のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、シグナル伝達ドメインのポリペプチド配列は、既知のポリペプチド配列と少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%(例えば、85~90%、85~95%、85~100%、90~95%、90~100%、又は95~100%)同一のポリペプチド配列を含む。
【0230】
CARの成分は、バイオテクノロジーの日常的な技術を使用して同等の成分と交換又は「スワップ」され得る。非限定的かつ部分的ないくつかの例では、本開示のCARは、本明細書で提供されるヒンジ及び本明細書で提供される共刺激ドメインと組み合わせて、本明細書で提供される結合モチーフを含み得る。ある特定の例では、本開示のCARは、リーダー配列を、本明細書で提供される結合モチーフと一緒に、本明細書で提供されるヒンジ及び本明細書で提供される共刺激ドメインと組み合わせて含み得る。
【0231】
ヒンジ、スペーサ、膜貫通ドメイン、共刺激ドメイン、刺激ドメイン、結合モチーフ、及びそれぞれの変異体の配列を含むがこれらに限定されない様々なCAR配列、成分、及び/又はフレームワークが知られており、例えば、重鎖可変ドメイン配列又はCDR配列及び軽鎖可変ドメイン配列又はCDR配列が提供される場合、所望の結合及び成分又は構造を有するCARを容易に構築することができる。
【0232】
本開示は、本開示の抗体が治療薬又は検出可能な部分と会合しているコンジュゲートを含む。様々な実施形態では、治療薬は、本明細書で提供される抗がん剤である。ある特定の実施形態では、提供されるコンジュゲートは、1つ以上の検出可能な部分を含み、すなわち、1つ以上のそのような部分で「標識」されている。いくつかのそのような実施形態では、本開示のコンジュゲートは、診断又はイメージング用途、例えばがんの診断又はイメージングにおいて有用である。多種多様な検出可能部分のいずれかを、本明細書に記載の標識抗体コンジュゲートにおいて使用することができる。適切な検出可能部分は、限定されないが、種々のリガンド、放射性核種;蛍光色素;化学発光剤(例えば、アクリジニウムエステル、安定化されたジオキセタンなど);生物発光剤;スペクトル分解可能な無機蛍光半導体ナノ結晶(すなわち、量子ドット);微粒子;金属ナノ粒子(例えば、金、銀、銅、白金など);ナノクラスター;常磁性金属イオン;酵素;比色標識(例えば、色素、コロイド金など);ビオチン;ジオキシゲニン;ハプテン;及び抗血清又はモノクローナル抗体が利用可能なタンパク質を含む。本開示はまた、本明細書に記載の様々な膜結合IL-18ポリペプチドのいずれか、又はCAR若しくはTCRのいずれかをコードする核酸を提供する。一実施形態では、組換え核酸構築物は、膜結合IL18をコードする核酸分子を含む。
【0233】
本開示は、本開示の核酸を含むベクター、及び/又は本開示のIL-18ポリペプチドをコードするベクター、又は本明細書に記載のCAR若しくはTCRのいずれかをコードする核酸を含むベクターを含む。任意のベクターが本開示に好適であり得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、ベクターは、レトロウイルスベクター、DNAベクター、マウス白血病ウイルスベクター、SFGベクター、プラスミド、RNAベクター、アデノウイルスベクター、バキュロウイルスベクター、エプスタインバーウイルスベクター、パポバウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、アデノウイルス関連ベクター(AAV)、レンチウイルスベクター、又はそれらの任意の組み合わせである。適切な例示的ベクターとしては、例えば、pGAR、pBABE-puro、pBABE-neo largeTcDNA、pBABE-hygro-hTERT、pMKO.1 GFP、MSCV-IRES-GFP、pMSCV PIG(Puro IRES GFP空プラスミド)、pMSCV-loxp-DsRed-loxp-eGFP-Puro-WPRE、MSCV IRESルシフェラーゼ、pMIG、MDH1-PGK-GFP_2.0、TtRMPVIR、pMSCV-IRES-mCherry FP、pRetroX GFP T2A Cre、pRXTN、pLncEXP、及びpLXIN-Lucが挙げられる。
【0234】
組換え発現ベクターは、任意の適切な組換え発現ベクターであり得る。適切なベクターは、プラスミド及びウイルスなど、伝播及び拡大のため、又は発現のため、又はその両方のために設計されたベクターを含む。例えば、ベクターは、pUCシリーズ(Fermentas Life Sciences、メリーランド州グレンバーニー)、pBluescriptシリーズ(Stratagene、カリフォルニア州ラホーヤ)、pETシリーズ(Novagen、ウィスコンシン州マディソン)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech、ウプサラ、スウェーデン)、及びpEXシリーズ(Clontech、カリフォルニア州パロアルト)から選択され得る。λGT10、λGT11、λZapII(Stratagene)、λEMBL4、及びλNM1149などのバクテリオファージベクターも使用することができる。本開示の文脈において有用な植物発現ベクターの例は、pBI01、pBI101.2、pBI101.3、pBI121、及びpBIN19(Clontech)を含む。本開示の文脈において有用な動物発現ベクターの例は、pcDNA、pEUK-Cl、pMAM、及びpMAMneo(Clontech)を含む。いくつかの実施形態では、バイシストロン性IRESベクター(例えば、Clontech製)を使用して、抗原結合系をコードする核酸及び本明細書に記載の誘導性発現構築物の両方を含む。
【0235】
組換え発現ベクターは、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第3版,Cold Spring Harbor Press,ニューヨーク州コールドスプリングハーバー,2001;及びAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates and John Wiley&Sons,ニューヨーク,1994に記載の標準的な組換えDNA技術を用いて調製され得る。環状又は直鎖状である発現ベクターの構築物は、原核生物宿主細胞又は真核生物宿主細胞において機能的な複製系を含むように調製され得る。複製系は、例えばColE1、2μプラスミド、λ、SV40、ウシパピローマウイルスなどに由来し得る。
【0236】
組換え発現ベクターは、形質転換された宿主又はトランスフェクトされた宿主の選択を可能にする1つ以上のマーカー遺伝子を含んでもよい。マーカー遺伝子は、殺生物剤耐性、例えば、抗生物質、重金属などに対する耐性、原栄養性を提供するための栄養要求性宿主における補完などを含む。組換え発現ベクターに適したマーカー遺伝子は、例えば、ネオマイシン/G418耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ヒスチジノール耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、及びアンピシリン耐性遺伝子を含む。
【0237】
本開示の文脈において有用なベクターは、「裸の」核酸ベクター(すなわち、それらを封入するタンパク質、糖、及び/又は脂質をほとんど又は全く有さないベクター)、又は他の分子と複合体化したベクターであり得る。ベクターと適切に組み合わせられ得る他の分子は、ウイルスコート、カチオン性脂質、リポソーム、ポリアミン、金粒子、及び細胞分子を標的化するリガンド、受容体、又は抗体などの標的化部分を非限定的に含む。
【0238】
ある特定の実施形態では、膜結合IL-18ポリペプチド及びCAR又はTCRは、単一の多シストロン性発現カセットにおいて、単一ベクターの複数の発現カセットにおいて、又は複数のベクターにおいて構築され得る。一実施形態では、本開示は、本明細書に記載の膜結合IL-18構築物のいずれかをコードする配列を含む第1のベクターと、CAR又はTCRをコードする配列を含む第2のベクターとを含むベクターのセットを提供する。いくつかの実施形態では、第1のベクター及び第2のベクターの一方又は両方は、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター又はアデノウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、第2のベクターは、CAR又はTCRをコードする配列に作動可能に連結されたプロモータ配列及び/又はエンハンサ配列を更に含む。いくつかの実施形態では、第2のベクターは、CAR又はTCRをコードする配列に作動可能に連結されたポリ(A)配列を更に含む。一実施形態では、本開示は、ポリシストロン性発現カセットを提供する。ポリシストロン性発現カセットを作製するエレメントの例としては、種々のウイルス及び非ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES、例えば、FGF-1 IRES、FGF-2 IRES、VEGF IRES、IGF-II IRES、NF-KB IRES、RUNX1 IRES、p53 IRES、A型肝炎IRES、C型肝炎IRES、ペスチウイルスIRES、アフトウイルスIRES、ピコルナウイルスIRES、ポリオウイルスIRES及び脳心筋炎ウイルスIRES)並びに切断可能リンカー(例えば、2Aペプチド、例えば、P2A、T2A、E2A及びF2Aペプチド)が挙げられるが、これらに限定されない。レトロウイルスベクターと適切なパッケージング株との組み合わせも適しており、カプシドタンパク質はヒト細胞を感染させるために機能し得る。種々のアンホトロピックウイルス産生細胞株が公知であり、これには、PA12(Miller et al.,1985,Mol.Cell.Biol.5:431-437);PA317(Miller et al.,1986,Mol.Cell.Biol.6:2895-2902);及びCRIP(Danos et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6460-6464)が非限定的に含まれる。非アンホトロピック粒子、例えば、VSVG、RD114又はGALVエンベロープ及び当該分野で公知の任意の他のもので偽型化された粒子も適している。
【0239】
ベクターDNAは、従来の形質転換、トランスフェクション、又は形質導入技術を介して、細胞、例えば免疫細胞に導入され得る。「形質転換」及び「トランスフェクション」という用語は、リン酸カルシウム又は塩化カルシウム共沈殿、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、遺伝子銃、ナノ粒子媒介送達、又はエレクトロポレーションなどの、外来核酸(例えば、DNA)を細胞に導入するための様々な当技術分野で認識されている技術を包含する。形質導入は、例えば、レトロウイルス、レンチウイルス、及びAAVを含むがこれらに限定されない本明細書に開示のベクターによる、細胞へのベクターのウイルス送達を含む。
【0240】
本開示は、本開示の少なくとも1つのベクター又は核酸を含むか、発現するか、又は含む若しくは発現するように操作された(例えば、形質転換又は形質導入された)細胞を含む。一実施形態では、本開示は、(a)CAR又はTCR、及び(b)膜結合IL-18ポリペプチドを含む細胞(1)を提供する。免疫細胞は、細胞がCAR又はTCR及び膜結合IL-18ポリペプチドを発現するように、CAR又はTCR及び膜結合IL-18ポリペプチドで形質導入することができる。
【0241】
キメラ抗原受容体(CAR又はCAR-T)及び操作されたT細胞受容体(TCR)は、免疫細胞、例えばT細胞に容易に挿入され、それによって発現され得る。ある特定の実施形態では、細胞(例えば、T細胞などの免疫細胞)は、ドナー対象から得られる。いくつかの実施形態では、ドナー対象は、がん又は腫瘍に罹患しているヒト患者である。他の実施形態では、ドナー対象は、がん又は腫瘍に罹患していないヒト患者である。いくつかの実施形態では、操作された細胞は、対象に対して自己由来である。いくつかの実施形態では、操作された細胞は、対象に対して同種である。
【0242】
ある特定の実施形態では、本開示の免疫細胞は、(例えば、IL-18、IL-2、IFN-γ、及びTNF-αを含むがこれらに限定されない抗腫瘍サイトカインの分泌が増加している。ある特定の実施形態では、免疫細胞は、サイトカイン放出症候群(CRS)に関連するサイトカイン、例えば、IL-6の分泌が減少している。
【0243】
いずれの細胞も、本開示のポリヌクレオチド、ベクター、又はポリペプチドのための宿主細胞として使用することができる。いくつかの実施形態では、細胞は、原核細胞、真菌細胞、酵母細胞、又は哺乳動物細胞などのより高等な真核細胞であり得る。好適な原核細胞には、限定されないが、グラム陰性又はグラム陽性生物などの真性細菌、例えば、Enterobactehaceae、例として、Escherichia、例えばE.coli;Enterobacter;Erwinia;Klebsiella;Proteus;Salmonella、例えばSalmonella typhimurium;Serratia、例えばSerratia marcescans、及びShigella;Bacilli、例えばB.subtilis及びB.licheniformis;Pseudomonas例えばP.Aeruginosa;並びにStreptomycesが含まれる。いくつかの実施形態では、細胞はヒト細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は免疫細胞である。いくつかの実施形態では、免疫細胞は、T細胞、B細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、TCR発現細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、樹状細胞、顆粒球、自然リンパ細胞、巨核球、単球、マクロファージ、血小板、胸腺細胞、及び骨髄細胞からなる群から選択される。一実施形態では、免疫細胞はT細胞である。別の実施形態では、免疫細胞はNK細胞である。ある特定の実施形態では、T細胞は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、自己T細胞、操作された自己T細胞(eACT(商標))、同種T細胞、異種T細胞、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0244】
一実施形態では、本明細書で提供される膜結合IL-18及び/又はCAR若しくはTCRは、T細胞に導入される。T細胞は、当技術分野で公知の任意の供給源に由来し得る。例えば、造血幹細胞集団からインビトロでT細胞を分化させることができ、又は対象からT細胞を得ることができる。T細胞は、例えば、末梢血単核細胞(PBMC)、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位からの組織、腹水、胸水、脾臓組織、及び腫瘍から得ることができる。更に、T細胞は、当技術分野で利用可能な1つ以上のT細胞株に由来し得る。T細胞はまた、FICOLL(商標)分離及び/又はアフェレーシスなどの当業者に公知の様々な技術を使用して、対象から採取された血液単位から得ることができる。いくつかの実施形態では、アフェレーシスによって採取された細胞を洗浄して血漿画分を除去し、その後の処理のために適切な緩衝液又は培地に入れる。いくつかの実施形態では、細胞は、PBSで洗浄される。理解されるように、洗浄工程は、例えば、半自動化フロースルー遠心分離機、例えば、Cobe(商標)2991細胞プロセッサ、Baxter CytoMate(商標)などを用いて行ってもよい。いくつかの実施形態では、洗浄した細胞を、1つ以上の生体適合性緩衝液、又は緩衝液を含むか若しくは含まない他の生理食塩水に再懸濁する。いくつかの実施形態では、アフェレーシスの試料の望ましくない成分が除去される。T細胞療法のためにT細胞を単離する更なる方法は、米国特許出願公開第2013/0287748号、国際特許出願公開第2015/120096号、及び同第2017/070395号に開示されており、これらの全ては、これらの方法を説明する目的で、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0245】
いくつかの実施形態では、T細胞は、例えばPERCOLL(商標)グラジエントによる遠心分離を使用して、赤血球を溶解し、単球を枯渇させることによってPBMCから単離される。いくつかの実施形態では、CD4+、CD8+、CD28+、CD45RA+、及びCD45RO+T細胞などのT細胞の特異的亜集団は、当技術分野で公知の正又は負の選択技術によって更に単離される。例えば、負の選択によるT細胞集団の濃縮は、負に選択された細胞に固有の表面マーカーに対する抗体の組み合わせを用いて達成することができる。いくつかの実施形態では、負に選択された細胞上に存在する細胞表面マーカーに対するモノクローナル抗体のカクテルを使用する、負の磁気免疫接着又はフローサイトメトリーによって細胞選別及び/又は選択を行ってもよい。例えば、負の選択によってCD4+細胞を濃縮するために、モノクローナル抗体カクテルは、典型的には、CD8、CD11b、CD14、CD16、CD20、及びHLA-DRに対する抗体を含む。いくつかの実施形態では、フローサイトメトリー及び細胞選別を行って、本開示で使用するための目的の細胞集団を単離する。
【0246】
いくつかの実施形態では、PBMCは、本明細書に記載の方法を使用する免疫細胞の遺伝子改変に直接使用される。いくつかの実施形態では、PBMCを単離した後、Tリンパ球を更に単離し、細胞傷害性Tリンパ球とヘルパーTリンパ球の両方を、遺伝子改変及び/又は増殖の前又は後に、ナイーブT細胞、メモリーT細胞、及びエフェクターT細胞の亜集団に選別する。いくつかの実施形態では、CD8+細胞は、CD8+細胞のこれらのタイプのそれぞれに関連する細胞表面抗原を識別することによって、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、及びエフェクター細胞に更に選別される。いくつかの実施形態では、セントラルメモリーT細胞の表現型マーカーの発現は、CCR7、CD3、CD28、CD45RO、CD62L、及びCD127を含み、グランザイムBについて陰性である。いくつかの実施形態では、セントラルメモリーT細胞は、CD8+、CD45RO+、及びCD62L+T細胞である。いくつかの実施形態では、エフェクターT細胞は、CCR7、CD28、CD62L、及びCD127について陰性であり、グランザイムB及びパーフォリンについて陽性である。いくつかの実施形態では、CD4+T細胞は、亜集団に更に分類される。例えば、CD4+Tヘルパー細胞は、細胞表面抗原を有する細胞集団を識別することによって、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、及びエフェクター細胞に選別され得る。
【0247】
いくつかの実施形態では、免疫細胞、例えば、NK細胞又はT細胞は、公知の方法を使用して単離後に遺伝子改変され、又は免疫細胞は、遺伝子改変される前にインビトロで活性化及び拡大される(又は前駆細胞の場合は分化される)。別の実施形態では、免疫細胞、例えば、NK細胞又はT細胞を、本明細書に記載のCAR又はTCRで遺伝子改変し(例えば、CAR又はTCRをコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含むウイルスベクターで形質導入し)、任意選択的に、膜結合IL-18で遺伝子改変し(例えば、膜結合IL-18をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含むウイルスベクターで形質導入し)、次いで、インビトロで活性化及び/又は拡大させる。T細胞を活性化及び拡大させるための方法は当技術分野で公知であり、例えば、米国特許第6,905,874号、同第6,867,041号、及び同第6,797,514号、並びに国際特許出願公開第2012/079000号に記載されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。全般的に、かかる方法は、IL-2及び、任意選択的にIL-18などの適切なサイトカインを含む培養培地中で、PBMC又は単離T細胞を、概して、ビーズその他の表面に結合した刺激剤及び共刺激剤、例えば、抗CD3及び抗CD28抗体と接触させることを含む。同じビーズに結合した抗CD3抗体及び抗CD28抗体は、「代理」抗原提示細胞(APC)として機能する。一例は、ヒトT細胞の生理学的活性化のためのCD3/CD28活性化因子/刺激因子系であるDynabeads(登録商標)系である。他の実施形態では、例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,040,177号及び同第5,827,642号並びに国際特許出願公開第2012/129514号に記載されている方法を使用して、T細胞を活性化及び刺激して、フィーダー細胞並びに適切な抗体及びサイトカインと共に増殖させる。
【0248】
本明細書に記載の方法は、ドナーから得られたリンパ球の集団を濃縮することを更に含み得る。リンパ球、例えば、1つ以上のT細胞の集団の濃縮は、分離媒体(例えば、FICOLL-PAQUE(商標)、ROSETTESEP(商標)HLA Total Lymphocyte Enrichment cocktail、Lymphocyte Separation Medium(LSA)(MP Biomedical カタログ番号0850494X)など)、細胞サイズ、濾過若しくは溶出による形状若しくは密度分離、免疫磁気分離(例えば、磁気活性化細胞選別システム、MACS)、蛍光分離(例えば、蛍光活性化細胞選別システム、FACS)、又はビーズベースのカラム分離によって達成され得る。
【0249】
本明細書に記載の方法は、リンパ球の集団を1つ以上のT細胞刺激剤で刺激して、適切な条件下で活性化T細胞の集団を産生することを更に含むことができる。T細胞刺激分子若しくは共刺激分子を標的とする抗体若しくはその機能的フラグメント(例えば、抗CD2抗体、抗CD3抗体、抗CD28抗体、又はその機能的フラグメント)、又は、任意の他の適切なマイトジェン(例えば、テトラデカノイルホルボールアセテート(TPA)、フィトヘマグルチニン(PHA)、コンカナバリンA(conA)、リポ多糖(LPS)、ポークウィードマイトジェン(PWM))、又は、T細胞刺激分子若しくは共刺激分子に対する天然リガンドが挙げられるが、これらに限定されない1つ以上の好適なT細胞刺激剤の任意の組み合わせを使用して、活性化T細胞の集団を産生することができる。
【0250】
本明細書に記載のリンパ球の集団を刺激するための好適な条件は、温度、期間、及び/又はあるレベルのCO2の存在下を含み得る。ある特定の実施形態では、刺激のための温度は、約34℃、約35℃、約36℃、約37℃、又は約38℃である。ある特定の実施形態では、刺激のための温度は、約34~38℃である。ある特定の実施形態では、刺激のための温度は、約35~37℃である。ある特定の実施形態では、刺激のための温度は、約36~38℃である。ある特定の実施形態では、刺激のための温度は、約36~37℃又は約37℃である。
【0251】
本明細書に記載のリンパ球の集団を刺激するための別の条件は、刺激のための期間を含み得る。いくつかの実施形態では、刺激のための期間は約24~72時間である。いくつかの実施形態では、刺激のための期間は、約24~36時間、約30~42時間、約36~48時間、約40~52時間、約42~54時間、約44~56時間、約46~58時間、約48~60時間、約54~66時間、約60~72時間である。1つの特定の実施形態では、刺激のための期間は、約48時間又は少なくとも約48時間である。他の実施形態では、刺激のための期間は、約44~52時間である。ある特定の実施形態では、刺激のための期間は、約40~44時間、約40~48時間、約40~52時間、又は約40~56時間である。
【0252】
本明細書に記載のリンパ球の集団を刺激するための別の条件は、CO2レベルを含み得る。いくつかの実施形態では、刺激のためのCO2のレベルは、約1.0~10%CO2である。いくつかの実施形態では、刺激のためのCO2のレベルは、約1.0%、約2.0%、約3.0%、約4.0%、約5.0%、約6.0%、約7.0%、約8.0%、約9.0%、又は約10.0%CO2である。一実施形態では、刺激のためのCO2のレベルは、約3~7%CO2である。他の実施形態では、刺激のためのCO2のレベルは、約4~6%CO2である。一実施形態では、刺激のためのCO2のレベルは、約4.5~5.5%CO2である。1つの特定の実施形態では、刺激のためのCO2のレベルは、約5%CO2である。
【0253】
リンパ球の集団を刺激するための条件は、温度、刺激のための期間、及び/又はあるレベルのCO2の存在下の任意の組み合わせを更に含み得る。例えば、リンパ球の集団を刺激する工程は、約36~38℃の温度で、約44~52時間にわたり、約4.5~5.5%CO2のレベルのCO2の存在下で、リンパ球の集団を1つ以上のT細胞刺激剤で刺激することを含み得る。
【0254】
本明細書の方法に有用なリンパ球の濃度は、約1.0~10.0×106細胞/mLである。ある特定の実施形態では、リンパ球の濃度は、約1.0~2.0×106細胞/mL、約1.0~3.0×106細胞/mL、約1.0~4.0×106細胞/mL、約1.0~5.0×106細胞/mL、約1.0~6.0×106細胞/mL、約1.0~7.0×106細胞/mL、約1.0~8.0×106細胞/mL、1.0~9.0×106細胞/mL、又は約1.0~10.0×106細胞/mLである。ある特定の実施形態では、リンパ球の濃度は、約1.0~2.0×106細胞/mLである。ある特定の実施形態では、リンパ球の濃度は、約1.0~1.2×106細胞/mL、約1.0~1.4×106細胞/mL、約1.0~1.6×106細胞/mL、約1.0~1.8×106細胞/mL、又は約1.0~2.0×106細胞/mLである。ある特定の実施形態では、リンパ球の濃度は、少なくとも約1.0×106細胞/mL、少なくとも約1.1×106細胞/mL、少なくとも約1.2×106細胞/mL、少なくとも約1.3×106細胞/mL、少なくとも約1.4×106細胞/mL、少なくとも約1.5×106細胞/mL、少なくとも約1.6×106細胞/mL、少なくとも約1.7×106細胞/mL、少なくとも約1.8×106細胞/mL、少なくとも約1.9×106細胞/mL、少なくとも約2.0×106細胞/mL、少なくとも約4.0×106細胞/mL、少なくとも約6.0×106細胞/mL、少なくとも約8.0×106細胞/mL、又は少なくとも約10.0×106細胞/mLである。
【0255】
抗CD3抗体(又はその機能的フラグメント)、抗CD28抗体(又はその機能的フラグメント)、又は抗CD3抗体と抗CD28抗体の組み合わせを、リンパ球の集団を刺激する工程に従って使用することができる。任意の可溶性又は固定化された抗CD2、抗CD3及び/又は抗CD28抗体又はそれらの機能的フラグメント(例えば、クローンOKT3(抗CD3)、クローン145-2C11(抗CD3)、クローンUCHT1(抗CD3)、クローンL293(抗CD28)、クローン15E8(抗CD28))を使用することができる。いくつかの態様では、抗体は、Miltenyi Biotec、BD Biosciences(例えば、MACS GMP CD3 pure 1mg/mL、Part No.170-076-116)、及びeBioscience,Inc.を含むがこれらに限定されない当技術分野で公知の販売業者から商業的に購入することができる。更に、当業者は、標準的な方法によって抗CD3抗体及び/又は抗CD28抗体を製造する方法を理解するであろう。いくつかの実施形態では、リンパ球の集団を刺激する工程に従って使用される1つ以上のT細胞刺激剤は、T細胞サイトカインの存在下でT細胞刺激又は共刺激分子を標的とする抗体又はその機能的フラグメントを含む。一態様では、1つ以上のT細胞刺激剤は、抗CD3抗体及びIL-2又はIL-18を含む。ある特定の実施形態では、T細胞刺激剤は、約20ng/mL~100ng/mLの濃度の抗CD3抗体を含む。ある特定の実施形態では、抗CD3抗体の濃度は、約20ng/mL、約30ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、又は約100ng/mLである。1つの特定の実施形態では、抗CD3抗体の濃度は、約50ng/mLである。代替的な実施形態では、T細胞活性化は必要とされない。そのような実施形態では、活性化T細胞の集団を産生するためにリンパ球の集団を刺激する工程は、この方法から省略され、Tリンパ球が濃縮され得るリンパ球の集団は、以下の工程に従って形質導入される。
【0256】
本明細書に記載の方法は、形質導入されたT細胞の集団を産生するために、単回サイクル形質導入を使用して、膜結合IL-18及び/又はCAR若しくはTCRをコードする核酸分子を含むウイルスベクターで活性化T細胞の集団を形質導入することを含み得る。膜結合IL-18を有するウイルスベクターを利用する実施形態では、ウイルスベクターは、CAR若しくはTCRをコードするウイルスベクターとは別個であってもよく、又はウイルスベクターは、膜結合IL-18及びCAR若しくはTCRの両方をコードしてもよい。本明細書に記載の活性化免疫細胞の集団の形質導入は、期間、特定の温度、及び/又は特定のレベルのCO2の存在下の任意の組み合わせ:温度約36~38℃で、約16~24時間にわたり、約4.5~5.5%CO2のレベルのCO2の存在下で実施され得る。免疫細胞は、本出願の方法のいずれか1つと、免疫療法のためにT細胞を調製する任意の製造方法との組み合わせによって調製することができ、そのような任意の製造方法は、これらの方法を説明する目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願公開第2015/120096号及び国際特許出願公開第2017/070395号;Axicabtagene ciloleucel又はYescarta(登録商標)の調製に使用されるあらゆる方法;Tisagenlecleucel/Kymriah(商標)の調製に使用されるあらゆる方法;免疫療法のための「既製の」T細胞の調製に使用されるあらゆる方法;及びヒトへの投与のためのリンパ球を調製する任意の他の方法を非限定的に含む。製造プロセスは、患者から得られた細胞から循環腫瘍細胞を除去するように適合され得る。
【0257】
遺伝物質を細胞に送達するために、いくつかの組換えウイルスがウイルスベクターとして使用されている。形質導入工程に従って使用され得るウイルスベクターは、組換えレトロウイルスベクター、組換えレンチウイルスベクター、組換えアデノウイルスベクター、及び組換えアデノ関連ウイルス(AAV)ベクターが挙げられるが、これらに限定されない、任意のエコトロピック又はアンホトロピックウイルスベクターであり得る。いくつかの実施形態では、この方法は、1つ以上のNK細胞又はT細胞をレトロウイルスで形質導入することを更に含む。一実施形態では、活性化免疫細胞の集団を形質導入するために使用されるウイルスベクターは、MSGV1γレトロウイルスベクターである。ある特定の実施形態では、NK細胞又は活性化T細胞の集団を形質導入するために使用されるウイルスベクターは、Kochenderfer,J.Immunother.32(7):689-702(2009)に記載されているPG13-CD19-H3ベクターである。この実施形態の一態様によれば、ウイルスベクターは、本明細書では「ウイルスベクター接種材料」と呼ばれるウイルスベクター製造に特異的な培地中で懸濁培養において増殖される。ウイルスベクターを増殖させるための任意の好適な増殖培地及び/又はサプリメントは、本明細書に記載の方法に従ってウイルスベクター接種材料で使用され得る。いくつかの態様によれば、次に、ウイルスベクター接種材料は、形質導入工程中に以下に記載される無血清培養培地に添加される。
【0258】
本明細書に記載のNK細胞又は活性化T細胞の集団を形質導入するための条件は、特定の期間、特定の温度、及び/又は特定のレベルのCO2の存在下を含み得る。ある特定の実施形態では、形質導入のための温度は、約34℃、約35℃、約36℃、約37℃、又は約38℃である。一実施形態では、形質導入のための温度は、約34~38℃である。別の実施形態では、形質導入のための温度は、約35~37℃である。別の実施形態では、形質導入のための温度は、約36~38℃である。更に別の実施形態では、形質導入のための温度は、約36~37℃である。1つの特定の実施形態では、形質導入のための温度は、約37℃である。
【0259】
ある特定の実施形態では、形質導入のための期間は、約12~36時間である。いくつかの実施形態では、形質導入のための期間は、約12~16時間、約12~20時間、約12~24時間、約12~28時間、又は約12~32時間である。他の実施形態では、形質導入のための期間は、約20時間又は少なくとも約20時間である。一実施形態では、形質導入のための期間は、約16~24時間である。他の実施形態では、形質導入のための期間は、少なくとも約14時間、少なくとも約16時間、少なくとも約18時間、少なくとも約20時間、少なくとも約22時間、少なくとも約24時間、又は少なくとも約26時間である。
【0260】
ある特定の実施形態では、形質導入のためのCO2のレベルは、約1.0~10%CO2である。他の実施形態では、形質導入のためのCO2のレベルは、約1.0%、約2.0%、約3.0%、約4.0%、約5.0%、約6.0%、約7.0%、約8.0%、約9.0%、又は約10.0%CO2である。一実施形態では、形質導入のためのCO2のレベルは、約3~7%CO2である。別の実施形態では、形質導入のためのCO2のレベルは、約4~6%CO2であり得る。別の実施形態では、形質導入のためのCO2のレベルは、約4.5~5.5%CO2である。1つの特定の実施形態では、形質導入のためのCO2のレベルは、約5%CO2である。
【0261】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の活性化T細胞の集団の形質導入は、特定の期間、特定の温度、及び/又は特定のレベルのCO2の存在下の任意の組み合わせ:温度約36~38℃で、約16~24時間にわたり、約4.5~5.5%CO2のレベルのCO2の存在下で実施され得る。
【0262】
本明細書に記載の方法は、形質導入された1つ以上のNK細胞又はT細胞の集団を特定の期間にわたって拡大させて、操作されたNK細胞又はT細胞の集団を産生することを含むことができる。拡大のための所定の期間は、(i)患者に投与するための少なくとも1回の用量の操作されたNK細胞又はT細胞の集団における十分な数の細胞、(ii)典型的なより長いプロセスと比較して、好ましい割合の幼若細胞を有する操作されたT細胞の集団、又は(iii)(i)及び(ii)の両方の産生を可能にする任意の好適な期間であり得る。この期間は、NK細胞又はT細胞によって発現される細胞表面受容体、使用されるベクター、治療効果を有するのに必要な用量、及び他の変数に依存する。したがって、いくつかの実施形態では、拡大のための所定の期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、又は21日超であり得る。いくつかの態様では、拡大のための期間は、当技術分野で公知の拡大方法よりも短い。例えば、拡大のための所定の期間は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%短くてもよく、又は75%を超えて短くてもよい。一態様では、拡大のための期間は約3日であり、リンパ球集団の濃縮から操作されたNK細胞又はT細胞の産生までの期間は約6日である。
【0263】
形質導入されたNK細胞又はT細胞の集団を拡大させるための条件は、温度及び/又はあるレベルのCO2の存在下を含み得る。ある特定の実施形態では、温度は、約34℃、約35℃、約36℃、約37℃、又は約38℃である。一実施形態では、温度は、約34~38℃である。別の実施形態では、温度は、約35~37℃である。別の実施形態では、温度は、約36~38℃である。更に別の実施形態では、温度は、約36~37℃である。1つの特定の実施形態では、温度は、約37℃である。ある特定の実施形態では、CO2のレベルは、1.0~10%CO2である。他の実施形態では、CO2のレベルは、約1.0%、約2.0%、約3.0%、約4.0%、約5.0%、約6.0%、約7.0%、約8.0%、約9.0%、又は約10.0%CO2である。一実施形態では、CO2のレベルは、約4.5~5.5%CO2である。別の実施形態では、CO2のレベルは、約5%CO2である。他の実施形態では、CO2のレベルは、約3.5%、約4.0%、約4.5%、約5.0%、約5.5%、又は約6.5%CO2である。いくつかの実施形態では、形質導入されたNK細胞又はT細胞の集団を拡大させるための条件は、温度及び/又はあるレベルのCO2の存在下の任意の組み合わせを含み得る。例えば、形質導入されたT細胞の集団を拡大させるための条件は、温度約36~38℃及び約4.5~5.5%CO2のレベルのCO2の存在下を含む。
【0264】
本明細書に記載の製造の各工程は、閉鎖系で実行され得る。ある特定の実施形態では、閉鎖系は、任意の好適な細胞培養バッグ(例えば、Miltenyi Biotec MACS(登録商標)GMP Cell Differentiation Bags、Origen Biomedical PermaLife Cell Culture bags)を使用する、閉鎖バッグ培養システムである。いくつかの実施形態では、閉鎖バッグ培養システムで使用される細胞培養バッグは、形質導入工程中に組換えヒトフィブロネクチンフラグメントでコーティングされる。組換えヒトフィブロネクチンフラグメントは、3つの機能ドメイン、すなわち、中心細胞結合ドメイン、ヘパリン結合ドメインII、及びCS1配列を含み得る。組換えヒトフィブロネクチンフラグメントを用いて、標的細胞とウイルスベクターとの共局在を補助することによって、免疫細胞のレトロウイルス形質導入の遺伝子効率を増加させることができる。ある特定の実施形態では、組換えヒトフィブロネクチンフラグメントは、RETRONECTIN(登録商標)(Takara Bio、Japan)である。ある特定の実施形態では、細胞培養バッグは、約1~60μg/mL又は約1~40μg/mLの濃度の組換えヒトフィブロネクチンフラグメントでコーティングされる。他の実施形態では、細胞培養バッグは、約1~20μg/mL、20~40μg/mL、又は40~60μg/mLの濃度の組換えヒトフィブロネクチンフラグメントでコーティングされる。いくつかの実施形態では、細胞培養バッグは、約1μg/mL、約2μg/mL、約3μg/mL、約4μg/mL、約5μg/mL、約6μg/mL、約7μg/mL、約8μg/mL、約9μg/mL、約10μg/mL、約11μg/mL、約12μg/mL、約13μg/mL、約14μg/mL、約15μg/mL、約16μg/mL、約17μg/mL、約18μg/mL、約19μg/mL、又は約20μg/mLの組換えヒトフィブロネクチンフラグメントでコーティングされる。他の実施形態では、細胞培養バッグは、約2~5μg/mL、約2~10μg/mL、約2~20μg/mL、約2~25μg/mL、約2~30μg/mL、約2~35μg/mL、約2~40μg/mL、約2~50μg/mL、又は約2~60μg/mLの組換えヒトフィブロネクチンフラグメントでコーティングされる。ある特定の実施形態では、細胞培養バッグは、少なくとも約2μg/mL、少なくとも約5μg/mL、少なくとも約10μg/mL、少なくとも約15μg/mL、少なくとも約20μg/mL、少なくとも約25μg/mL、少なくとも約30μg/mL、少なくとも約40μg/mL、少なくとも約50μg/mL、又は少なくとも約60μg/mLの組換えヒトフィブロネクチンフラグメントでコーティングされる。1つの特定の実施形態では、細胞培養バッグは、少なくとも約10μg/mLの組換えヒトフィブロネクチンフラグメントでコーティングされる。閉鎖バッグ培養システムで使用される細胞培養バッグは、形質導入工程中に、ヒトアルブミン血清(HSA)で任意選択的にブロッキングされ得る。別の実施形態では、細胞培養バッグは、形質導入工程中にHSAでブロッキングされない。
【0265】
上記の方法によって産生された操作された免疫細胞の集団は、細胞を後で使用できるように、任意選択的に凍結保存され得る。操作された免疫細胞の集団の凍結保存のための方法もまた、本明細書に提供される。そのような方法は、操作された免疫細胞の集団を希釈液で洗浄及び濃縮する工程を含み得る。例えば、希釈液は、生理食塩水、0.9%生理食塩水、PlasmaLyte A(PL)、5%デキストロース/0.45%NaCl生理食塩水溶液(D5)、ヒト血清アルブミン(HSA)、又はそれらの組み合わせである。また、HSAは、解凍後の細胞生存率及び細胞回収率を改善するために、洗浄及び濃縮された細胞に添加され得る。別の態様では、洗浄溶液は生理食塩水であり、洗浄及び濃縮された細胞にHSA(5%)が補充される。この方法はまた、凍結保存混合物を生成する工程を含んでもよく、このとき凍結保存混合物は、希釈液中の希釈された細胞集団と、好適な凍結保存溶液と、を含む。凍結保存剤溶液は、CryoStor10(BioLife Solutions)が挙げられるが、これらに限定されない任意の好適な凍結保存溶液であり得、操作された免疫細胞の希釈液と1:1又は2:1の比で混合される。HSAは、凍結保存された混合物中で、約1.0~10%、約1.0%、約2.0%、約3.0%、約4.0%、約5.0%、約6.0%、約7.0%、約8.0%、約9.0%、約10.0%、約1~3%HSA、約1~4%HSA、約1~5%HSA、約1~7%HSA、約2~4%HSA、約2~5%HSA、約2~6%HSA、約2~7%HSA、又は約2.5%HSAの最終濃度を提供するように添加され得る。操作された免疫細胞の集団の凍結保存は、0.9%の生理食塩水で細胞を洗浄することと、HSAを5%の最終濃度で洗浄された細胞に添加することと、細胞をCryoStor(商標)CS10で1:1に希釈することと(最終凍結保存混合物中、2.5%HSAの最終濃度)と、を含み得る。いくつかの態様では、本方法はまた、凍結保存混合物を凍結する工程を含む。また、凍結保存混合物は、凍結保存混合物中約1×106~約1.5×107細胞/mLの細胞濃度において、定義された凍結サイクルを使用して、制御速度冷凍庫で凍結される。この方法はまた、気相液体窒素中で凍結保存混合物を貯蔵する工程を含み得る。
【0266】
本明細書に記載の方法によって産生された操作された免疫細胞の集団は、所定の用量で凍結保存され得る。所定の用量は、治療有効用量であり得、これは、以下に提供される任意の治療有効用量であり得る。操作された免疫細胞の所定の用量は、免疫細胞によって発現される結合モチーフ(例えば、細胞上に発現される結合モチーフの親和性及び密度)、標的細胞の種類、治療される疾患又は病態の性質、又は両方の組み合わせに依存し得る。操作された免疫細胞によって発現される結合モチーフは、CAR又はTCRによって標的化される任意の抗原又は分子であり得る。特定の態様では、CAR又はTCRを発現する操作された免疫細胞の所定の用量は、約100万個超~約300万個未満の形質導入された操作されたNK細胞又はT細胞/kgであり得る。一実施形態では、CAR又はTCRを発現する操作されたNK細胞又はT細胞の所定の用量は、体重1キログラム当たり約100万個~約200万個の形質導入された操作されたNK細胞又はT細胞(細胞/kg)であり得る。CAR又はTCRを発現する操作されたNK細胞又はT細胞の所定の用量は、体重1キログラム当たり100万個~約200万個、少なくとも約200万個~約300万個未満の形質導入された操作されたNK細胞又はT細胞(細胞/kg)であり得る。一実施形態では、CAR又はTCRを発現する操作されたNK細胞又はT細胞の所定の用量は、約200万個の形質導入された操作されたT細胞/kgであり得る。別の実施形態では、CAR又はTCRを発現する操作されたNK細胞又はT細胞の所定の用量は、少なくとも約200万個の形質導入された操作されたNK細胞又はT細胞/kgであり得る。CAR又はTCRを発現する操作されたNK細胞又はT細胞の所定の用量の例は、約2.0百万、約2.1百万、約2.2百万、約2.3百万、約2.4百万、約2.5百万、約2.6百万、約2.7百万、約2.8百万、又は約2.9百万個の形質導入された操作されたNK細胞又はT細胞/kgであり得る。一実施形態では、操作されたT細胞の集団は、体重1キログラム当たり約100万個の操作されたNK細胞又はT細胞(細胞/kg)の所定の用量で凍結保存され得る。特定の実施形態では、操作されたNK細胞又はT細胞の集団は、約500,000~約100万個の操作されたNK細胞又はT細胞/kgの所定の用量で凍結保存され得る。特定の実施形態では、操作されたNK細胞又はT細胞の集団は、少なくとも約100万、少なくとも約200万、少なくとも約300万、少なくとも約400万、少なくとも約500万、少なくとも約600万、少なくとも約700万、少なくとも約800万、少なくとも約900万、少なくとも約1000万個の操作されたNK細胞又はT細胞/kgの所定の用量で凍結保存され得る。他の態様では、操作されたNK細胞又はT細胞の集団は、100万細胞/kg未満、100万細胞/kg、200万細胞/kg、300万細胞/kg、400万細胞/kg、500万細胞/kg、600万細胞/kg、700万細胞/kg、800万細胞/kg、900万細胞/kg、1000万細胞/kg、1000万細胞/kg超、2000万細胞/kg超、3000万細胞/kg超、4000万細胞/kg超、5000万細胞/kg超、6000万細胞/kg超、7000万細胞/kg超、8000万細胞/kg超、9000万細胞/kg超、又は1億細胞/kg超の所定の用量で凍結保存され得る。特定の態様では、操作されたNK細胞又はT細胞の集団は、約100万~約200万個の操作されたNK細胞又はT細胞/kgの所定の用量で凍結保存され得る。操作されたNK細胞又はT細胞の集団は、約100万細胞~約200万細胞/kg、約100万細胞~約300万細胞/kg、約100万細胞~約400万細胞/kg、約100万細胞~約500万細胞/kg、約100万細胞~約600万細胞/kg、約100万細胞~約700万細胞/kg、約100万細胞~約800万細胞/kg、約100万細胞~約900万細胞/kg、約100万細胞~約1000万細胞/kgの所定の容量で凍結保存され得る。操作されたNK細胞又はT細胞の集団の所定の用量は、対象の体重に基づいて計算され得る。一例では、操作されたNK細胞又はT細胞の集団は、約0.5~200mLの凍結保存培地中で凍結保存され得る。更に、操作されたT細胞の集団は、約0.5mL、約1.0mL、約5.0mL、約10.0mL、約20mL、約30mL、約40mL、約50mL、約60mL、約70mL、約80mL、約90mL、又は約100mL、約10~30mL、約10~50mL、約10~70mL、約10~90mL、約50~70mL、約50~90mL、約50~110mL、約50~150mL、又は約100~200mLの凍結保存培地中で凍結保存され得る。特定の態様では、操作されたNK細胞又はT細胞の集団は、好ましくは、約50~70mLの凍結保存培地中で凍結保存され得る。
【0267】
本開示はまた、本明細書に記載の核酸、ベクター、核酸のセット、ベクターのセット、又は細胞のいずれかを含む組成物(例えば、医薬組成物)を提供する。例えば、本明細書に記載される核酸若しくは核酸のセットのいずれか、又は本明細書に提供されるベクター若しくはベクターのセットのいずれかと、薬学的に許容される溶媒又は担体とを含む組成物が本明細書に提供される。本明細書で提供されるベクターの様々なセット(例えば、膜結合IL-18をコードする核酸のいずれかを含む第1のベクターと、CAR又はTCRをコードする核酸配列を含む第2のベクターとを含むベクターのセット)のいずれかと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体、希釈剤、可溶化剤、乳化剤、保存剤、及び/又はアジュバントを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤を含む。別の実施形態では、組成物は、CAR又はTCRと、任意選択的に膜結合IL-18を含むNK細胞又はT細胞とを含む。
【0268】
他の実施形態では、組成物は、非経口送達、吸入、又は経口などの消化管を介した送達のために選択される。そのような薬学的に許容され得る組成物の調製は、当業者の能力の範囲内である。ある特定の実施形態では、緩衝液を使用して、組成物を生理学的pH又はわずかに低いpH、典型的には、約5~約8のpH範囲内に維持する。ある特定の実施形態では、非経口投与が企図される場合、組成物は、薬学的に許容されるビヒクル中に、追加の治療薬の有無にかかわらず、本明細書に記載の組成物を含むパイロジェンフリーの非経口的に許容される水溶液の形態である。ある特定の実施形態では、非経口注射用ビヒクルは、本明細書に記載の組成物が、少なくとも1つの追加の治療薬の有無にかかわらず、適切に保存された滅菌等張液として製剤化される滅菌蒸留水である。ある特定の実施形態では、調製は、産物の制御された又は持続的な放出を可能にするポリマー化合物(ポリ乳酸又はポリグリコール酸など)であるビーズ又はリポソームを用いて所望の分子を製剤化することを含み、これらはその後、デポ注射によって送達される。ある特定の実施形態では、埋め込み型薬物送達装置を使用して所望の分子を導入する。
【0269】
いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の細胞のいずれか(例えば、対象、例えば、がんを有すると同定又は診断された対象から以前に得られた、本明細書に記載の細胞のいずれか)であり得る。一実施形態では、細胞は、膜結合IL-18及び/又は本明細書に記載のCAR若しくはTCRのいずれかをコードする核酸を含む。一実施形態では、CAR又はTCRを含む細胞は、IL-18の存在下で製造される。一実施形態では、CAR又はTCRを含む細胞は、IL-18との同時投与に使用するためのものである。本明細書に記載の細胞のいずれかを含む組成物では、組成物は、細胞培養培地又は薬学的に許容される緩衝液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)を更に含むことができる。
【0270】
医薬組成物は、本明細書に記載のCAR発現細胞又はTCR発現細胞、例えば、複数のTCR発現細胞又はCAR発現細胞を、1つ以上の薬学的又は生理学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤と組み合わせて含み得る。そのような組成物は、緩衝液、例えば、中性緩衝生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水など、グルコース、マンノース、スクロース、又はデキストラン、マンニトールなどの炭水化物、タンパク質、グリシンなどのポリペプチド又はアミノ酸、酸化防止剤、EDTA又はグルタチオンなどのキレート剤、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)、及び防腐剤、を更に含み得る。
【0271】
本開示の医薬組成物は、本明細書に記載の任意の実施形態による投与用に製剤化されてもよく、その少なくとも1つの非限定的な例は、静脈内投与である。組成物は、静脈内、腫瘍内、動脈内、筋肉内、腹腔内、髄腔内、硬膜外、及び/又は皮下投与経路用に製剤化され得る。好ましくは、組成物は、非経口投与経路用に製剤化される。非経口投与に適した組成物は、水性又は非水性の等張性滅菌注射液であってもよく、これは、例えば、組成物を意図するレシピエントの血液と等張性にする抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤及び溶質を含有してもよい。水性又は非水性の滅菌懸濁液が、1つ以上の懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、及び保存剤を含有してもよい。本開示の医薬組成物は、治療(又は予防)される疾患に適切な様式で投与され得る。
【0272】
様々な実施形態では、本明細書に記載の操作されたNK細胞又はT細胞は、医薬組成物に組み込まれ得る。本明細書に開示されるように、操作されたT細胞を含む医薬組成物は、任意の形態であってよい。そのような形態は、例えば液体、半固体及び固体の剤形、例えば液体溶液(例えば、注射用溶液及び注入用溶液)、分散液又は懸濁液、錠剤、丸剤、散剤、リポソーム及び坐剤を含む。
【0273】
本開示の結合剤を含む医薬組成物は、公知の方法(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,Alfonso R.Gennaro編,Mack Publishing Company,ペンシルベニア州イーストン(1985))によって製剤することができる。様々な例では、本開示の結合剤を含む医薬組成物は、薬学的に許容される担体又は賦形剤を含むように製剤化され得る。薬学的に許容される担体の例としては、限定されないが、生理学的に適合性である任意の及び全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などが挙げられる。操作されたT細胞を含む組成物は、薬学的に許容される塩、例えば、酸付加塩又は塩基付加塩を含み得る。
【0274】
注射用滅菌組成物は、ビヒクルとして注射用蒸留水を使用し、従来の製薬慣行に従って製剤化することができる。例えば、注射用の水溶液としては、生理食塩水又は、グルコース、D-ソルビトール、D-マンノース、D-マンニトール、塩化ナトリウム等の他の補助剤を含む等張液を、必要に応じて適当な可溶化剤、例えばエタノール等のアルコール及び、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、並びにポリソルベート80(商標)、HCO-50等の非イオン性界面活性剤等と組み合わせて用いることができる。
【0275】
油性液体の非限定的な例は、ゴマ油及びダイズ油を含み、可溶化剤として安息香酸ベンジル又はベンジルアルコールと組み合わせることができる。組成物に含まれ得る他の物品は、リン酸緩衝液又は酢酸ナトリウム緩衝液などの緩衝液、塩酸プロカインなどの無痛化剤、ベンジルアルコール又はフェノールなどの安定剤、及び酸化防止剤である。製剤化された注射剤は、適切なアンプルに包装することができる。
【0276】
一実施形態では、医薬組成物は、検出可能なレベルの汚染物質、例えば、エンドトキシン、マイコプラズマ、複製コンピテントレンチウイルス(RCL)、p24、VSV-G核酸、HIV gag、残留抗CD 3/抗CD 28コーティングビーズ、マウス抗体、プールされたヒト血清、ウシ血清アルブミン、ウシ血清、培養培地成分、ベクターパッケージング細胞又はプラスミド成分、細菌及び真菌を実質的に含まない。一実施形態では、細菌は、アルカリゲネス・ファエカリス(Alcaligenes faecalis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitides)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、肺炎球菌(Streptococcus pneumonia)及び/又は化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)群Aからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0277】
いくつかの実施形態では、操作された細胞は、がん患者への注入前にインターロイキン-2(IL-2)でエクスビボで処理され、がん患者は、注入後にIL-2で治療される。更に、いくつかの実施形態では、がん患者は、結合剤の投与前に、予備的なリンパ球枯渇(免疫系の一時的な除去)を受け得る。IL-2治療と予備的なリンパ球枯渇との組み合わせは、結合剤の持続性を増強し得る。いくつかの実施形態では、操作された細胞は、サイトカイン(例えば、膜結合IL-18)をコードする核酸で形質導入又はトランスフェクトされ、この核酸は、サイトカインの構成的、調節可能、又は時間的に制御された発現を提供するように操作され得る。適切なサイトカインは、例えば、記憶Tリンパ球の形成及び生存を容易にし得る、収縮期中のTリンパ球の生存を増強するように作用するサイトカインを含む。
【0278】
いくつかの実施形態では、対象に投与される投与量は、実施形態、使用される組成物、投与方法、並びに治療される部位及び対象によって異なり得る。しかし、用量は、治療応答を提供するのに十分でなければならない。臨床医は、医学的状態を治療又は予防するために、ヒト又は他の対象に投与される組成物の治療有効量を決定することができる。治療上有効であるために必要とされる組成物の正確な量は、例えば結合剤の活性及び投与経路などの多数の因子に依存し得る。
【0279】
CAR又はTCRを含む適切な数の操作された細胞を対象に投与することができる。本明細書に記載の単一の操作された細胞は、拡大し、治療上の利益を提供することができるが、いくつかの実施形態では、102個以上、例えば、103個以上、104個以上、105個以上、又は108個以上の操作された細胞が投与される。いくつかの実施形態では、1012個以下、例えば、1011個以下、109個以下、107個以下、又は105個以下の本明細書に記載の操作された細胞が対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の102~105個、104~107個、103~109個、又は105~1010個の操作された細胞が投与される。CAR又はTCRを含む細胞を含む医薬組成物は、例えば、104~109細胞/kg体重(例えば、105~106細胞/kg体重)の投与量で投与され得る。別の実施形態では、T細胞の治療有効量は、約104細胞、約105細胞、約106細胞、約107細胞、又は約108細胞である。医薬組成物は、例えば、約2×106細胞/kg、約3×106細胞/kg、約4×106細胞/kg、約5×106細胞/kg、約6×106細胞/kg、約7×106細胞/kg、約8×106細胞/kg、約9×106細胞/kg、約1×107細胞/kg、約2×107細胞/kg、約3×107細胞/kg、約4×107細胞/kg、約5×107細胞/kg、約6×107細胞/kg、約7×107細胞/kg、約8×107細胞/kg、又は約9×107細胞/kgの投与量で投与され得る。
【0280】
本明細書に記載の操作されたT細胞の用量は、必要に応じて、1回で、又は適切な期間にわたって投与される一連のサブ用量で、例えば、毎日、半週ごと、毎週、隔週、半月ごと、隔月、半年ごと、又は毎年、哺乳動物に投与され得る。有効量の結合剤を含む投与単位が1日1回の用量で投与されてもよく、又は総1日用量が、必要に応じて、1日2回、3回、4回又はそれ以上に分割した投与用量で投与されてもよい。
【0281】
適切な投与手段は、医師によって選択され得る。投与経路は、非経口投与、例えば注射による投与、経鼻投与、経肺投与、又は経皮投与であってもよい。投与は、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射による全身投与又は局所投与であり得る。いくつかの実施形態では、組成物は、非経口送達、吸入、又は経口などの消化管を介した送達用に選択される。投与量及び投与方法は、対象の体重、年齢、状態などに応じて異なってもよく、適宜選択することができる。
【0282】
任意の形態の選択又は使用が、意図される投与様式及び治療適用に部分的に依存し得る。例えば、全身送達又は局所送達が意図される本開示の操作された細胞を含む組成物は、注射用溶液又は注入用溶液の形態であり得る。したがって、本開示の操作されたものを含む組成物は、非経口様式(例えば、静脈内注射、皮下注射、腹腔内注射、又は筋肉内注射)による投与用に製剤化され得る。非経口投与は、通常は注射による、経腸投与及び局所投与以外の投与様式を指し、静脈内、鼻腔内、眼内、肺、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、肺内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外、脳内、頭蓋内、頸動脈内、及び胸骨内の注射及び注入を含むが、これらに限定されない。
【0283】
様々な実施形態では、本開示の操作された細胞を含む医薬組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散液、リポソーム、又は高濃度での安定な貯蔵に適した他の秩序構造として製剤化され得る。滅菌注射用溶液は、必要な量の本開示の操作された細胞を含む組成物を、必要に応じて上記に列挙した成分の1つ又は組み合わせを含む適切な溶媒に組み込み、続いて濾過滅菌を行うことで調製され得る。一般に、分散液は、本開示の操作された細胞を含む組成物を、基本分散媒体と、上に列挙したものからの必要な他の成分とを含有する滅菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。溶液の適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散液の場合には必要な粒径の維持、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。本開示の結合剤を含む注射用組成物の持続的吸収は、本開示の結合剤を含む組成物中に、吸収を遅延させる試薬、例えば、モノステアリン酸塩及びゼラチンを含有させることによってもたらされ得る。
【0284】
本開示の操作された細胞を含む医薬組成物は、水又は別の薬学的に許容される液体中の滅菌溶液又は懸濁液を含む注射用製剤の形態で非経口投与され得る。例えば、抗原結合系を含む医薬組成物は、操作された細胞を、滅菌水及び生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味賦形剤、希釈剤、ビヒクル、保存剤、結合剤などの薬学的に許容されるビヒクル又は媒体と適切に組み合わせた後、一般的に許容される製薬慣行に必要とされる単位用量形態で混合することによって製剤化され得る。医薬製剤中に含まれる活性成分の量は、指定された範囲内の適切な用量が提供されるような量である。油性液体の非限定的な例は、ゴマ油及びダイズ油を含み、可溶化剤として安息香酸ベンジル又はベンジルアルコールと組み合わせることができる。含まれ得る他の物品は、リン酸緩衝液又は酢酸ナトリウム緩衝液などの緩衝液、塩酸プロカインなどの無痛化剤、ベンジルアルコール又はフェノールなどの安定剤、及び酸化防止剤である。製剤化された注射剤は、適切なアンプルに包装することができる。
【0285】
いくつかの実施形態では、抗原結合系を含む組成物は、0℃未満の温度(例えば、-20℃又は-80℃)での保存用に製剤化され得る。いくつかの実施形態では、本開示の操作された細胞を含む組成物は、2~8℃(例えば、4℃)で最大2年間(例えば1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、1年半、又は2年)の保存用に製剤化されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、抗原結合系を含む組成物は、2~8℃(例えば、4℃)で少なくとも1年間の貯蔵において安定である。
【0286】
いくつかの例では、本開示の操作されたものを含む医薬組成物は、溶液として製剤化され得る。いくつかの実施形態では、本開示の操作された細胞を含む組成物は、例えば、適切な濃度で、2~8℃(例えば、4℃)での保存に適した緩衝溶液として製剤化されてもよい。本明細書に記載の操作された細胞を含む医薬組成物は、免疫リポソーム組成物中に製剤化され得る。循環時間が向上したリポソームは、例えば、米国特許第5,013,556号に開示されている。
【0287】
ある特定の実施形態では、本開示の操作された細胞を含む組成物は、インプラント及びマイクロカプセル化送達システムを含む制御放出製剤など、組成物を急速な放出から保護する担体と共に製剤化され得る。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの生分解性の生体適合性ポリマーを使用することができる。このような製剤を調製するための多くの方法が知られている。例えば、J.R.Robinson(1978年)「Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,」Marcel Dekker,Inc.,ニューヨークを参照されたい。
【0288】
様々な実施形態において、皮下投与は、シリンジ、プレフィルドシリンジ、自動注射器(例えば、使い捨て又は再使用可能)、ペン型注射器、パッチ型注射器、装着型注射器、皮下注入セットを有する携帯型シリンジ注入ポンプ、又は皮下注射用の結合剤薬物と組み合わせるための他の装置などの装置によって達成され得る。
【0289】
本開示の注射システムは、米国特許第5,308,341号に記載されているような送達ペンを使用することができる。ペン装置は、糖尿病患者へのインスリンの自己送達のために一般的に使用されている。そのような装置は、少なくとも1つの注射針(例えば、長さ約5~8mmの31ゲージ針)を含むことができ、一般に、治療溶液の1つ以上の治療単位用量で予め充填され、可能な限り少ない痛みで対象に溶液を迅速に送達するのに有用である。1つの薬剤送達ペンは、治療薬又は他の薬剤のバイアルを受け入れることができるバイアルホルダを含む。ペンは、完全に機械的な装置であってもよく、又はユーザに注射される薬剤の投与量を正確に設定及び/又は示すために電子回路と組み合わされてもよい。例えば、米国特許第6,192,891号を参照されたい。いくつかの実施形態では、ペン装置の針は使い捨てであり、キットは、1つ以上の使い捨て交換針を含む。本開示の結合剤を含む本発明に記載の組成物のいずれか1つの送達に適したペン装置は、例えば、米国特許第6,277,099号、同第6,200,296号及び同第6,146,361号にも記載されており、これらの開示はそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。マイクロニードルベースのペン装置は、例えば、米国特許第7,556,615号に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。Scandinavian Health Ltd.製のPrecision Pen Injector(PPI)装置、MOLLY(登録商標)も参照されたい。
【0290】
いくつかの実施形態では、本開示の操作された細胞を含む組成物は、操作された細胞の血管系を介したその意図された標的組織又は部位への輸送に依存しない局所投与によって対象に送達され得る。例えば、本開示の操作された細胞を含む組成物は、本開示の操作された細胞を含む組成物の注射若しくは移植によって、又は本開示の操作された細胞を含む組成物を含有する装置の注射若しくは移植によって送達され得る。ある特定の実施形態では、標的組織又は部位の近傍への局所投与後、本開示の操作された細胞又はその1つ以上の成分を含む組成物は、投与部位ではない意図された標的組織又は部位に拡散し得る。
【0291】
医薬溶液は、本開示の操作された細胞を含む治療有効量の組成物を含み得る。そのような有効量は、本開示の操作された細胞を含む投与された組成物の効果、又は2つ以上の薬剤が使用される場合には、本開示の操作された細胞と1つ以上の追加の活性剤、例えば、IL-18、IL-12及び/又はIL-15を含む組成物の組み合わせ効果に部分的に基づいて容易に決定され得る。本開示の操作されたT細胞を含む組成物の治療有効量はまた、個体の疾患状態、年齢、性別、及び体重、並びに組成物(及び1つ以上の追加の活性剤)が個体において所望の応答、例えば、少なくとも1つの状態パラメータの改善、例えば補体媒介性障害の少なくとも1つの症状の改善を誘発する能力などの因子に従って変動し得る。例えば、本開示の操作された細胞を含む組成物の治療有効量は、障害、及び/又は障害の症状のいずれか1つを阻害し(重症度を低下させるか又は発生を排除し)、かつ/あるいは予防することができる。治療有効量はまた、治療的に有益な効果が、本開示の操作された細胞を含む組成物の任意の毒性又は有害な効果を上回る量である。
【0292】
本開示の操作された細胞を含む組成物は、固定用量として、又はキログラム当たりのミリグラム(mg/kg)用量で投与され得る。いくつかの実施形態では、用量はまた、本開示の操作された細胞を含む組成物中の結合モチーフ分子のうちの1つ以上に対する抗体の産生又は他の宿主免疫応答を低減又は回避するように選択され得る。限定することは決して意図しないが、本開示の操作された細胞を含む組成物などの結合剤の例示的な投与量は、例えば、1~1000mg/kg、1~100mg/kg、0.5~50mg/kg、0.1~100mg/kg、0.5~25mg/kg、1~20mg/kg、及び1~10mg/kgを含む。本開示の操作された細胞を含む組成物の例示的な投与量は、0.1mg/kg、0.5mg/kg、1.0mg/kg、2.0mg/kg、4mg/kg、8mg/kg、又は20mg/kgを含むが、これらに限定されない。
【0293】
本開示の結合剤を含む組成物のいずれかの好適なヒト用量は、例えば、第I相用量漸増試験で更に評価することができる。例えば、van Gurp et al.(2008)Am J Transplantation 8(8):1711-1718;Hanouska et al.(2007)Clin Cancer Res13(2,part 1):523-531;及びHetherington et al.(2006)Antimicrobial Agents and Chemotherapy50(10):3499-3500が含まれるが、これらに限定されない。
【0294】
本開示は、標的抗原に対する免疫応答を、それを必要とする対象において増大させるための方法及び使用であって、対象に、有効量の本明細書に開示の免疫細胞であって、1)膜結合IL-18を含み、2)IL-18と共に患者に同時投与され、かつ/又は、3)拡大中にIL-18と接触させられる、免疫細胞を投与することを含む、方法及び使用を提供する。本発明はまた、対象におけるがんを治療及び/又は予防するための方法であって、対象に、有効量の本明細書に開示の免疫細胞であって、1)膜結合IL-18を含み、2)IL-18と共に患者に同時投与され、かつ/又は、3)拡大中にIL-18と接触させられる、免疫細胞を投与することを含む、方法を提供する。本開示は更に、対象におけるがん又は病原体に応答してサイトカイン産生を増加させる方法であって、対象に、有効量の本明細書に開示の免疫細胞であって、1)膜結合IL-18を含み、2)IL-18と共に同時投与され、かつ/又は、3)拡大中にIL-18と接触させられる、免疫細胞を投与することを含む、方法を提供する。本開示の主題はまた、対象における腫瘍負荷を軽減する方法であって、対象に、有効量の本明細書に開示の免疫細胞であって、1)膜結合IL-18を含み、2)IL-18と共に同時投与され、かつ/又は、3)拡大中にIL-18と接触させられる、免疫細胞を投与することを含む、方法を提供する。薬学的有効量の本開示の操作された細胞の投与を含む本開示の方法及び使用はまた、標的細胞のT細胞媒介性細胞傷害を(IL-18を含まない対照と比較して)増加させるため、IFN-γ及び/又はTNFαの産生を(IL-18を含まない対照と比較して)増加させるため、腫瘍のサイズを減少させるため、腫瘍細胞を死滅させるため、腫瘍細胞増殖を防止するため、腫瘍の増殖を防止するため、患者から腫瘍を排除するため、腫瘍の再発を防止するため、腫瘍転移を防止するため、患者において寛解を誘導するため、あるいはそれらの任意の組み合わせのために使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、完全奏効を誘導する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、部分奏効を誘導する。
【0295】
治療され得るがんには、血管新生していない腫瘍、まだ実質的に血管新生していない腫瘍、又は血管新生している腫瘍が含まれる。がんはまた、固形又は非固形腫瘍を含み得る。いくつかの実施形態では、がんは、血液がんである。いくつかの実施形態では、がんは、白血球のがんである。他の実施形態では、がんは、形質細胞のがんである。いくつかの実施形態では、がんは、白血病、リンパ腫、又は骨髄腫である。ある特定の実施形態では、がんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)(非T細胞ALLを含む)、急性リンパ性白血病(ALL)及び血球貪食性リンパ組織球症(HLH))、B細胞前リンパ球性白血病、B細胞急性リンパ性白血病(「BALL」)、芽球形質細胞様樹状細胞新生物、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性又は急性肉芽腫性疾患、慢性又は急性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、ヘアリー細胞白血病、血球貪食症候群(マクロファージ活性化症候群(MAS)、ホジキン病、大細胞肉芽腫、白血球接着不全、悪性リンパ増殖状態、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁リンパ腫、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)、多発性骨髄腫、骨髄異形成及び骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病を含むがこれに限定されない骨髄性疾患(AML)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、形質細胞増殖性疾患(例えば、無症候性骨髄腫(くすぶり型多発性骨髄腫又は無痛性骨髄腫)、形質芽細胞リンパ腫、形質細胞様樹状細胞新生物、形質細胞腫(例えば、形質細胞異常増殖症、孤立性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、髄外形質細胞腫、及び多発性骨髄腫)、POEMS症候群(Crow-Fukase症候群、高月病、PEP症候群)、原発性縦隔大B細胞リンパ腫(PMBC)、小細胞又は大細胞濾胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫(SMZL)、全身性アミロイド軽鎖アミロイドーシス、T細胞急性リンパ性白血病(「TALL」)、T細胞リンパ腫、形質転換型濾胞性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、又はそれらの組み合わせである。他の実施形態では、がんは、肉腫(例えば、滑膜肉腫、骨原性肉腫、子宮平滑筋肉腫、及び胞巣状横紋筋肉腫)、肝細胞がん、膠腫、頭部がん(例えば、扁平上皮がん)、頸部がん(例えば、扁平上皮がん)、骨がん、脳がん、乳がん、肛門、肛門管、又は肛門直腸のがん、眼のがん、肝内胆管のがん、関節のがん、首、胆嚢、又は胸膜のがん、鼻、鼻腔、又は中耳がん、口腔のがん、外陰部のがん、結腸がん(例えば、結腸がん)、食道がん、子宮頸がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、下咽頭がん、喉頭がん、肝臓がん(例えば、肝細胞がん)、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、悪性中皮腫、メラノーマ、鼻咽頭がん、卵巣がん、膵臓がん、腹膜、網、及び腸間膜がん、咽頭がん、前立腺がん、直腸がん、腎臓がん(例えば、腎細胞がん)、小腸がん、軟部組織がん、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、及び尿路上皮がん(例えば、尿管がん及び膀胱がん)のいずれかであり得る。
【0296】
様々な例において、がんを治療するために本明細書で提供されるCAR又はTCRを含む操作された細胞を使用する方法は、自己細胞療法である。様々な例において、がんを治療するために本明細書で提供されるCAR又はTCRを含む操作された細胞を使用する方法は、同種細胞療法である。
【0297】
様々な実施形態において、本開示における使用のために本明細書で提供される細胞療法は、本明細書で提供される細胞療法ではない1つ以上の追加の治療薬又は療法の投与を更に含む治療の過程で対象に投与され得る。ある特定の実施形態では、本開示は、がんの治療のための併用療法を提供し、治療は、本明細書で提供される細胞療法を受けている及び/又は必要としている対象に抗がん剤を投与することを含む。
【0298】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるCAR又はTCRを含む操作された細胞の投与は、追加の抗がん療法を含む治療レジメンを以前に受けたことがあるか、受ける予定であるか、又はその過程にある対象に対する投与であり得る。様々な態様において、操作された細胞と組み合わせて投与される追加の薬剤又は療法は、操作された細胞と同時に、操作された細胞と同日に、又は操作された細胞と同じ週に投与されてもよい。様々な実施形態において、本明細書で提供されるCAR又はTCRを含む操作された細胞と組み合わせて投与される追加の薬剤又は療法は、操作された細胞及び追加の薬剤又は療法の投与が、操作された細胞の投与の1時間以上前若しくは後、1日以上前若しくは後、1週間以上前若しくは後、又は1ヶ月以上前若しくは後に隔てられるように投与されてもよい。様々な実施形態において、1つ以上の追加の薬剤の投与頻度は、操作された細胞の投与頻度と同じであってもよく、類似していてもよく、又は異なっていてもよい。
【0299】
本明細書で提供されるCAR又はTCRを含む操作された細胞と組み合わせて使用される薬剤又は療法は、操作された細胞と一緒に単一の治療用組成物又は用量で、操作された細胞と同時に別個の組成物の形態で、あるいは操作された細胞の投与と時間的に別個の様式で投与され得る。本明細書で提供されるCAR又はTCRを含む操作された細胞が追加の薬剤と組み合わせて使用される場合、操作された細胞は追加の薬剤と共製剤化されてもよく、又は操作された細胞は追加の薬剤製剤とは別個に製剤化されてもよい。
【0300】
いくつかの実施形態では、本方法は、化学療法剤を投与することを更に含む。ある特定の実施形態では、選択される化学療法剤は、リンパ球枯渇(プレコンディショニング)化学療法剤である。有益なプレコンディショニング治療レジメンは、相関する有益なバイオマーカーと共に、米国仮特許出願第62/262,143号及び同第62/167,750号に記載されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。これらは、例えば、T細胞療法を必要とする患者を前処置する方法であって、指定された有益な用量のシクロホスファミド(200mg/m2/日~2000mg/m2/日)及び指定された用量のフルダラビン(20mg/m2/日~900mg/m2/日)を患者に投与することを含む方法を記載している。そのような用量レジメンの1つは、患者に治療有効量の操作されたT細胞を投与する前に、患者に約500mg/m2/日のシクロホスファミド、及び約60mg/m2/日のフルダラビンを3日間毎日投与することからなる患者を治療することを含む。他の実施形態では、CAR又はTCRを含有する操作された細胞、及び化学療法剤はそれぞれ、対象における疾患又は状態を治療するのに有効な量で投与される。
【0301】
ある特定の実施形態では、本明細書中に開示されるCAR発現免疫細胞及び/又はTCR発現免疫細胞を含む組成物は、任意の数の化学療法剤と併せて投与することができる。化学療法剤の例としては、アルキル化剤、例えば、チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(商標));アルキルスルホネート、例えば、ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドパ、カルボコン、メトレドパ、及びウレドパ;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスファミド、トリメチロメラミンレジュームを含むエチレンイミン及びメチルアメラミン;ナイトロジェンマスタード類、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、クロロフォスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン;抗生物質、例えば、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトレビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗剤、例えば、メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸類似体、例えば、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキセート;プリン類似体、例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフル、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5-FU;アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗アドレナリン、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充剤、例えば、フロリン酸;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン、ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エルホルミチン;酢酸エリプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標);ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’、2”-トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル(TAXOL(商標)、Bristol-Myers Squibb)及びドキセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhone-Poulenc Rorer);クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金類似体、例えば、シスプラチン及びカルボプラチン;ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP-16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼロダ;イバンドロネート;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオミチン(DMFO);レチノイン酸誘導体、例えば、Targretin(商標)(ベキサロテン)、Panretin(商標)(アリトレチノイン);ONTAK(商標)(denileukin diftitox);エスペラマイシン;カペシタビン;及び上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示されるCAR及び/又はTCR発現免疫細胞を含む組成物は、腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように作用する抗ホルモン剤、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)-イミダゾール、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン及びトレミフェン(Fareston)などの抗エストロゲン;及び、抗アンドロゲン剤、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、及びゴセレリン;並びに、上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体と併せて投与することができる。CHOP、すなわちシクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、ドキソルビシン(ヒドロキシドキソルビシン)、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))及びプレドニゾンを含むがこれらに限定されない化学療法剤の組み合わせもまた、適宜投与される。
【0302】
いくつかの実施形態では、化学療法剤は、CAR若しくはTCR又はCAR若しくはTCRをコードする核酸を含有する操作された細胞又は核酸の投与と同時に、又は投与後1週間以内に投与される。他の実施形態では、化学療法剤は、操作された細胞又は核酸の投与後、1~4週間、又は1週間~1ヶ月、1週間~2ヶ月間、1週間~3ヶ月間、1週間~6ヶ月間、1週間~9ヶ月間、又は1週間~12ヶ月間投与される。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、操作された細胞又は核酸を投与する少なくとも1ヶ月前に投与される。いくつかの実施形態では、本方法は、2つ以上の化学療法剤を投与することを更に含む。
【0303】
様々な追加の治療薬を、本明細書中に記載の組成物又は薬剤/治療と併せて使用することができる。例えば、潜在的に有用な追加の治療薬としては、ニボルマブ(OPDIVO(登録商標))、ペンブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ(CureTech)、及びアテゾリズマブ(Roche)などのPD-1阻害剤が挙げられる。本開示と組み合わせて使用するのに適した追加の治療薬としては、イブルチニブ(IMBRUVICA(登録商標))、オファツムマブ(ARZERRA(登録商標))、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、トラスツズマブエムタンシン(KADCYLA(登録商標))、イマチニブ(GLEEVEC(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標))、カツマキソマブ、イブリツモマブ、オファツムマブ、トシツモマブ、ブレンツキシマブ、アレムツズマブ、ゲムツズマブ、エルロチニブ、ゲフィニチブ、バンデタニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、アキシチニブ、マシチニブ、パゾパニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、トセラニブ、レスタウルチニブ、アキシチニブ、セジラニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、セマキサニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、チボザニブ、トセラニブ、バンデタニブ、エントレクチニブ、カボザンチニブ、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、ラドチニブ、ボスチニブ、レスタウルチニブ、ルキソリチニブ、パクリチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、トラメチニブ、ビニメチニブ、アレクチニブ、セリチニブ、クリゾチニブ、アフリベルセプト、アジポチド、デニロイキンジフチトクス、Everolimus及びTemsirolimusなどのmTOR阻害剤、ソニデジブ及びビスモデギブなどのヘッジホッグ阻害剤、CDK阻害剤(パルボシクリブ)などのCDK阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0304】
更なる実施形態では、CAR及び/又はTCR含有免疫細胞を含む組成物は、抗炎症剤と共に投与される。抗炎症剤又は薬物としては、ステロイド及びグルココルチコイド(ベタメタゾン、ブデソニド、デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロンを含む)、アスピリンを含む非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)、イブプロフェン、ナプロキセン、メトトレキサート、スルファサラジン、レフルノミド、抗TNF薬、シクロホスファミド、及びミコフェノール酸が挙げられ得るが、これらに限定されない。例示的なNSAIDとしては、イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、Cox-2阻害剤、及びシアリレートが挙げられる。例示的な鎮痛剤としては、アセトアミノフェン、オキシコドン、プロポルキシフェン塩酸塩のトラマドールが挙げられる。例示的なグルココルチコイドとしては、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン又はプレドニゾンが挙げられる。例示的な生物学的応答調節剤としては、細胞表面マーカーに対して指向された分子(例えば、CD4、CD5など)、サイトカイン阻害剤、例えば、TNFアンタゴニスト(例えば、エタネルセプト(ENBREL(登録商標))、アダリムマブ(HUMIRA(登録商標))及びインフリキシマブ(REMICADE(登録商標))、ケモカイン阻害剤、及び接着分子阻害剤が挙げられる。生物学的応答調節剤としては、モノクローナル抗体並びに分子の組換え形態が挙げられる。例示的なDMARDとしては、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン、メトトレキサート、ペニシラミン、レフルノミド、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキン、Gold(経口(オーラノフィン)及び筋肉内)及びミノサイクリンが挙げられる。
【0305】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載される組成物は、サイトカインと共に投与される。「サイトカイン」は、細胞間メディエーターとして別の細胞に作用する1つの細胞集団によって放出されるタンパク質を指すことを意味する。サイトカインの例は、リンホカイン、モノカイン、及び伝統的なポリペプチドホルモンである。サイトカインには、成長ホルモン、例えば、ヒト成長ホルモン、N-メチオニルヒト成長ホルモン、及びウシ成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン;糖タンパク質ホルモン、例えば、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH);肝成長因子(HGF);線維芽細胞増殖因子(FGF);プロラクチン;胎盤ラクトゲン;ムレラン阻害物質;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);神経成長因子(NGF)、例えば、NGF-ベータ;血小板増殖因子;形質転換成長因子(TGF)、例えば、TGF-α及びTGF-β;インスリン様成長因子-I及び成長因子-II;エリスロポエチン(EPO)、骨誘導因子;インターフェロン、例えば、インターフェロン-アルファ、ベータ、及び-ガンマ;コロニー刺激因子(CSF)、例えば、マクロファージ-CSF(M-CSF);顆粒球・マクロファージCSF(GM-CSF);及び顆粒球CSF(G-CSF);インターロイキン(IL)、例えば、IL-1、IL-1アルファ、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12;IL-15、腫瘍壊死因子、例えば、TNF-アルファ又はTNF-ベータ;及びLIF及びキットリガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子が含まれる。本明細書で使用される場合、サイトカインという用語には、天然源又は組換え細胞培養物由来のタンパク質、及び天然配列サイトカインの生物学的に活性な等価物が含まれる。本明細書で使用される場合、「サイトカイン」はまた、特定の抗原との接触に応答して1つの細胞によって放出される非抗体タンパク質を指し、サイトカインは第2の細胞と相互作用して第2の細胞における応答を媒介する。サイトカインは、細胞によって内因的に発現され得、又は対象に投与され得る。サイトカインは、免疫応答を伝播するために、マクロファージ、B細胞、T細胞、及び肥満細胞などの免疫細胞によって放出され得る。サイトカインは、レシピエント細胞において様々な応答を誘導し得る。サイトカインには、恒常性サイトカイン、ケモカイン、炎症誘発性サイトカイン、エフェクター、及び急性期タンパク質が含まれ得る。例えば、インターロイキン(interleukin、IL)7及びIL-15などの恒常性サイトカインは、免疫細胞の生存及び増殖を促進し、炎症誘発性サイトカインは、炎症応答を促進し得る。恒常性サイトカインの例としては、IL-2、IL-4、IL-5、IL-7、IL-10、IL-12(例えば、IL-12p40及びIL-12p35)、IL-15、及びインターフェロン(interferon、IFN)ガンマが挙げられるが、これらに限定されない。炎症誘発性サイトカインの例としては、IL-1a、IL-1b、IL-6、IL-13、IL-17a、腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor、TNF)-アルファ、TNF-ベータ、線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor、FGF)2、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte macrophage colony-stimulating factor、GM-CSF)、可溶性細胞間接着分子1(soluble intercellular adhesion molecule 1、sICAM-1)、可溶性血管接着分子1(vascular adhesion molecule 1、sVCAM-1)、血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor、VEGF)、VEGF-C、VEGF-D、及び胎盤増殖因子(placental growth factor、PLGF)が挙げられるが、これらに限定されない。エフェクターの例としては、グランザイムA、グランザイムB、可溶性Fasリガンド(soluble Fas ligand、sFasL)、及びパーフォリンが挙げられるが、これらに限定されない。急性期タンパク質の例としては、C反応性タンパク質(C-reactive protein、CRP)及び血清アミロイドA(serum amyloid A、SAA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0306】
本明細書中で言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各個々の刊行物、特許、又は特許出願が参照により組み込まれることを具体的かつ個別に示した場合と同程度に、参照により本明細書中に組み込まれる。しかしながら、本明細書における参考文献の引用は、そのような参考文献が本開示に対する先行技術であることの承認として解釈されるべきではない。参照により組み込まれる参考文献で提供される定義又は用語のいずれかが、本明細書において提供される用語及び説明と異なる場合には、本用語及び定義が支配する。本出願を通して引用される全ての参考文献の内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【実施例】
【0307】
実施例1
TCR含有T細胞の細胞傷害活性に対するIL-18同時投与の効果を決定するために、インビトロ共培養アッセイ(すなわち、TCR+T細胞が、目的の抗原を発現する標的細胞と一緒に同じウェル中で共インキュベートされるアッセイ)を使用して、標的細胞の細胞傷害パーセントを測定した。TCR+T細胞を以下のように産生した。アフェレーシスで単離した健常ドナーCD4+及びCD8+T細胞を、0日目に、IL-2(300IU/mL)又はIL-7/IL-15/AKTi-VIII(10 ng/mLのIL-7/IL-15、1μMのAKTi-VIII(Millipore)を含有する血清代替物及びT細胞サプリメント(Gibco ThermoFisher Scientific)を補充したOpT基本培地中で、プレート上にコーティングしたOKT3抗体(Miltenyi Biotec)及び可溶性抗CD 28抗体(BD Biosciences)で刺激した。2日目に、T細胞に、配列番号44の核酸配列に従ってTCR MAGE構築物をコードするレトロウイルスベクターを形質導入した。
ATGGCATGCCCTGGCTTCCTGTGGGCACTTGTGATCTCCACCTGTCTTGAATTTAGCATGGCTCAGACAGTCACTCAGTCTCAACCAGAGATGTCTGTGCAGGAGGCAGAGACCGTGACCCTGAGCTGCACATATGACACCAGTGAGAGTGATTATTATTTATTCTGGTACAAGCAGCCTCCCAGCAGGCAGATGATTCTCGTTATTCGCCAAGAAGCTTATAAGCAACAGAATGCAACAGAGAATCGTTTCTCTGTGAACTTCCAGAAAGCAGCCAAATCCTTCAGTCTCAAGATCTCAGACTCACAGCTGGGGGATGCCGCGATGTATTTCTGTGCTCTCCGGAGCTCAGGAACCTACAAATACATCTTTGGAACAGGCACCAGGCTGAAGGTTTTAGCAAATATCCAGAACCCTGAACCTGCTGTGTACCAGTTAAAAGATCCTCGGTCTCAGGACAGCACCCTCTGCCTGTTCACCGACTTTGACTCCCAAATCAATGTGCCGAAAACCATGGAATCTGGAACGTTCATCACTGACAAAACTGTGCTGGACATGAAAGCTATGGATTCCAAGAGCAATGGGGCCATTGCCTGGAGCAACCAGACAAGCTTCACCTGCCAAGATATCTTCAAAGAGACCAACGCCACCTACCCCAGTTCAGACGTTCCCTGTGATGCCACGTTGACTGAGAAAAGCTTTGAAACAGATATGAACCTAAACTTTCAAAACCTGTCAGTTATGGGACTCCGAATCCTCCTGCTGAAAGTAGCCGGATTTAACCTGCTCATGACGCTGAGGCTGTGGTCCAGTCGGGCCAAGCGGTCCGGATCCGGAGCCACCAACTTCAGCCTGCTGAAGCAGGCCGGCGACGTGGAGGAGAACCCCGGCCCCATGGGCACCAGGCTCCTCTTCTGGGTGGCCTTCTGTCTCCTGGGGGCAGATCACACAGGAGCTGGAGTCTCCCAGTCCCCCAGTAACAAGGTCACAGAGAAGGGAAAGGATGTAGAGCTCAGGTGTGATCCAATTTCAGGTCATACTGCCCTTTACTGGTACCGACAGAGCCTGGGGCAGGGCCTGGAGTTTTTAATTTACTTCCAAGGCAACAGTGCACCAGACAAATCAGGGCTGCCCAGTGATCGCTTCTCTGCAGAGAGGACTGGGGGATCCGTCTCCACTCTGACGATCCAGCGCACACAGCAGGAGGACTCGGCCGTGTATCTCTGTGCCAGCATCCGGACAGGGCCTTTTTTCTCTGGAAACACCATATATTTTGGAGAGGGAAGTTGGCTCACTGTTGTAGAGGACCTGAGAAACGTGACCCCACCCAAGGTCTCCTTGTTTGAGCCATCAAAAGCAGAGATTGCAAACAAACAAAAGGCTACCCTCGTGTGCTTGGCCAGGGGCTTCTTCCCTGACCACGTGGAGCTGAGCTGGTGGGTGAATGGCAAGGAGGTCCACAGTGGGGTCAGCACGGACCCTCAGGCCTACAAGGAGAGCAATTATAGCTACTGCCTGAGCAGCCGCCTGAGGGTCTCTGCTACCTTCTGGCACAATCCTCGAAACCACTTCCGCTGCCAAGTGCAGTTCCATGGGCTTTCAGAGGAGGACAAGTGGCCAGAGGGCTCACCCAAACCTGTCACACAGAACATCAGTGCAGAGGCCTGGGGCCGAGCAGACTGTGGAATCACTTCAGCATCCTATCATCAGGGGGTTCTGTCTGCAACCATCCTCTATGAGATCCTACTGGGGAAGGCCACCCTATATGCTGTGCTGGTCAGTGGCCTGGTGCTGATGGCTATGGTCAAAAGAAAGAACTCATGA
(配列番号44)。
TCR MAGE構築物のアミノ酸配列は、配列番号45の配列を有する。
MACPGFLWALVISTCLEFSMAQTVTQSQPEMSVQEAETVTLSCTYDTSESDYYLFWYKQPPSRQMILVIRQEAYKQQNATENRFSVNFQKAAKSFSLKISDSQLGDAAMYFCALRSSGTYKYIFGTGTRLKVLANIQNPEPAVYQLKDPRSQDSTLCLFTDFDSQINVPKTMESGTFITDKTVLDMKAMDSKSNGAIAWSNQTSFTCQDIFKETNATYPSSDVPCDATLTEKSFETDMNLNFQNLSVMGLRILLLKVAGFNLLMTLRLWSSRAKRSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMGTRLLFWVAFCLLGADHTGAGVSQSPSNKVTEKGKDVELRCDPISGHTALYWYRQSLGQGLEFLIYFQGNSAPDKSGLPSDRFSAERTGGSVSTLTIQRTQQEDSAVYLCASIRTGPFFSGNTIYFGEGSWLTVVEDLRNVTPPKVSLFEPSKAEIANKQKATLVCLARGFFPDHVELSWWVNGKEVHSGVSTDPQAYKESNYSYCLSSRLRVSATFWHNPRNHFRCQVQFHGLSEEDKWPEGSPKPVTQNISAEAWGRADCGITSASYHQGVLSATILYEILLGKATLYAVLVSGLVLMAMVKRKNS
(配列番号45)。
【0308】
TCRレトロウイルスベクターを形質導入の24時間後に洗い流し、T細胞を拡大期の間に更に培養した。IL-2又はIL-7/IL-15/AKTi-VIIIを含有する新鮮な培地を、5、7、及び9日目に補充した。TCR+T細胞を、CryoStor 10(StemCell Technologies)を用いて9日目に凍結保存した。対照として、同じ対象から生成された非形質導入(NTD)T細胞を使用した。細胞を、拡大中の細胞数について正規化した。形質導入効率を、固定可能な生存色素の存在下で抗体のパネル(抗CD3、抗CD4、抗CD8、及び抗mTCRβ抗体)で染色することによって5~9日目にフローサイトメトリーによって評価し、フローサイトメトリーによって分析した。抗mTCRβ抗体は、マウスTCRβ定常領域に結合する抗体である。全ての試料の形質導入効率はほぼ同等であり、許容範囲内であった。
【0309】
最初の試験のために、IL-2を補充した培地中で増殖させたTCR+T細胞を解凍し、一晩静置し、次いで、MAGE陽性標的細胞、例えば、H1299細胞、又はMAGE陰性標的細胞、例えば、MV411細胞のいずれかと、4:1のエフェクター:標的(E:T)比で共培養した。標的細胞を、ルシフェラーゼを発現するように操作した。共培養の0日目に、200ng/mLの濃度のIL-18を添加した。共培養開始後1日目及び4日目に、D-ルシフェリン基質を0.14mg/mLの最終濃度で添加し、37℃で10分間インキュベートした。T細胞媒介性細胞傷害を、一緒に共培養された標的細胞及びTCR+T細胞のルシフェラーゼシグナルを測定し、単独でプレーティングされた標的細胞によって放出されたルシフェラーゼシグナルを差し引くことによって、三連で(N=3)測定した(Brown et al.,2005,J.Immunol.Methods 297:39~52)。発光シグナルを、VarioSkan(商標)LUX又はVarioSkan(登録商標)フラッシュマルチモードマイクロプレートリーダーによって決定した。
【0310】
IL-18の非存在下では、標的細胞のTCR+T細胞媒介性細胞傷害は、4日目に測定して28.1%であった(1日目のデータは示さず)。共培養の0日目にIL-18を添加すると、4日目に測定した標的細胞の細胞傷害が70.8%に増加した。
【0311】
IL-2を補充した培地と比較して、IL-7/IL-15/AKTi-VIIIを補充した培地中で増殖させたTCR
+T細胞に対するIL-18の効果を決定するために、更なる細胞傷害試験を行った。MV411細胞を、300μg/mLで開始するTCR MAGE抗原でインキュベートし(すなわち、パルスし)、3倍段階希釈を行って、6点滴定(0.1、0.3、1、3、10又は30μg/mL)を37℃で6時間達成し、補足培地中で増殖させたTCR
+T細胞と共培養した。対照として、(同じドナーから生成された)非形質導入(NTD)T細胞を使用した。TCR MAGE抗原とのインキュベーション後、MV411細胞を洗浄し、次いで、TCR
+T細胞と1:1のE:T比で、200ng/mLのIL-18の存在下又は非存在下で4日間、共インキュベートした。細胞傷害パーセント(N=3)を、上記のように4日目に決定した。結果を表3に示す。
【表3】
【0312】
細胞傷害が、TCR+T細胞の全ての群において観察された。IL-18を共培養物に添加した群は、IL-18を添加しなかった群と比較して、細胞傷害の増加を示した。加えて、IL-18の細胞傷害効果は、抗原用量依存的に観察された。
【0313】
TCR+T細胞と標的細胞との共培養におけるT細胞増殖及びIFN-γ産生に対するIL-18の効果も調べた。TCR+T細胞を上記のように調製した。細胞を、抗原陽性標的細胞(H1299細胞)又は抗原陰性細胞(MV411細胞)のいずれかと、4:1のエフェクター:標的(E:T)比で、200ng/mLのIL-18の存在下で共培養した。増殖を、製造業者の指示に従ってT細胞をCellTrace(商標)Violet(CTV)試薬で標識することによって測定し、続いてRPMI-1640-10%培地で洗浄した。増殖の各連続世代で、CTV色素を細胞から希釈した。細胞を4日間増殖させた後、紫色レーザーを備えたフローサイトメーターでCTV色素を測定することによって増殖を評価した。
【0314】
フローサイトメトリーによるKi67細胞内染色によっても増殖を測定した。Ki67は、短い時間枠内で増殖を測定するために使用することができる細胞内マーカーであり、一方、CTVは、複数日間にわたる増殖を決定する(CTV染色は、通常、共培養の4日目に評価される)。共培養の4日目に、3:1のエフェクター対標的(E:T)比のTCR+T細胞を採取し、T細胞活性化カクテル[eBioscience(商標)Cell Stimulation Cocktail(500X)]で2時間、37℃で再刺激してKi67シグナルをブーストした。刺激後、細胞をRPMI培地で洗浄し、続いてFACS染色緩衝液(BD Pharmigen)で更に洗浄した。次いで、TCR+T細胞を、細胞外抗体フルオロフォアコンジュゲートのパネル(CD3、CD4、CD8、mTCRβ;BD Pharmingen及びBioLegend;FACS染色緩衝液中でそれぞれ1:100、1:1000、1:2000、及び1:100に希釈)で、4℃で30分間染色した。30分間のインキュベーション後、細胞を再びFACS染色緩衝液で洗浄した。細胞を、室温で10分間、PBS中の0.6%パラホルムアルデヒド(PFA)で固定し、次いで、FACS染色緩衝液で洗浄した。次いで、TCR+T細胞を、BD Perm/Wash(商標)緩衝液(BD Biosciences)を用いて4℃で1時間透過処理した。1時間後、細胞を1×BD Perm/Wash(商標)緩衝液で洗浄し、次いで、細胞内抗体フルオロフォアコンジュゲート(Ki67、IFN-γ及びTNFα;eBiosciences及びBioLegend)のパネルで染色した。細胞内抗体フルオロフォアコンジュゲートを、1×BD Perm/Wash(商標)緩衝液中で所定の作業濃度(Ki67 1:200、TNFα及びIFN-γ 1:100)に希釈し、TCR+T細胞と共に、4℃で1時間インキュベートした。各抗体フルオロフォアコンジュゲートは、固有の既知の蛍光色素を含有する。適切なレーザー能力を有するフローサイトメトリーを使用して、細胞サブセット(CD3+T細胞又はTCR+T細胞)を、増殖のマーカーとしてのKi67について定量した。
【0315】
IL-18の非存在下では、CTVによって測定した場合、親TCR+T細胞の36.8%が増殖したが、IL-18の存在下では、親TCR+T細胞の68.9%が増殖した。IL-18の非存在下では、Ki67によって測定した場合、親TCR+T細胞の14.7%が増殖し、IFN-γを産生したが、IL-18の存在下では、親TCR+T細胞の29%が増殖し、IFN-γを産生した。
【0316】
実施例2
製造中のTCR+T細胞に対するIL-18の効果を決定するために、TCR+T細胞を実施例1に記載されるように調製したが、特定の培養物については、IL-18(10ng/mL、50ng/mL及び200ng/mL)を0日目に添加した。5、7及び9日目の拡大のために、IL-18を含有する新鮮な培地を添加した。陰性対照にはIL-18を添加しなかった。この試験の別のアームでは、TCR+T細胞を製造した後、TCR+T細胞と標的細胞との共培養中にIL-18を添加した。この後者の戦略は、IL-18の存在下での製造及びTCR+T細胞とIL-18との同時投与を模倣する。
【0317】
標的細胞(MV411細胞)を、TCR MAGE抗原をコードするペプチドで、0、0.1、0.3、1、3、10及び30μg/mLでパルスし、TCR
+T細胞と1:1及び3:1のE:T比で4日間、共培養した。標的細胞の細胞傷害パーセントを、実施例1に記載されるように三連で決定した。4日目の1:1のT:E、50ng/mLのIL-18での結果を表4に示す。製造中の10ng/mL及び200ng/mLのIL-18での結果は、同様の表現型及び増殖特性を示した(データは示さず)。
【表4】
【0318】
IL-2を補充した培地中でのTCR+T細胞の製造中のIL-18の添加は、IL-18を含まない条件(すなわち、IL-2のみ)と比較して、TCR+T細胞の細胞傷害活性を増加させた。TCR+T細胞への標的細胞の添加と同時にIL-18を添加しても、IL-2を補充した培地中で増殖させたTCR+T細胞の細胞傷害は改善されなかったが、IL-2/IL-18又はIL-7/IL-15/AKTiのいずれかで増殖させたTCR+T細胞の細胞傷害は改善された。
【0319】
5μg/mLのMAGEペプチドで1:1のE:T比でパルスしたIL-18 MV411標的を補充した培地中で増殖させたTCR+T細胞の共培養物からの1日目の上清を、TCR結合によって媒介されるインターフェロンガンマ(IFN-γ)分泌のレベルについて分析した。IFN-γ産生を、プレート読み取りのためにQuickPlex SQ 120を使用する製造者の説明書に従ってHuman V-PLEX ProInflammatory Kitによって評価し、Discovery Workbench(全てメリーランド州ロックビルのMeso Scale Diagnosticsから入手)を使用して分析した。全ての試料を検出範囲内になるように希釈した。
【0320】
結果は、製造中のIL-18の添加が、IL-18の非存在下における3528.3pg/mLと比較して、IFN-γの産生を23158.2pg/mLに改善したことを示唆した。
【0321】
実施例1に記載されるように、CTV染色及びKi67染色の両方によって、増殖に対する製造中に添加されたIL-18の効果を測定した。
【0322】
5μg/mLのTCR MAGEペプチドの濃度では、CTV及びKi67二重陽性集団によって測定した増殖する親TCR+T細胞の絶対百分率は、14.3%(IL-18なし)から48.0%(IL-18あり)に増加した。10μg/mLのTCR MAGEペプチドの濃度では、CTV及びKi67二重陽性集団によって測定した増殖する親TCR+T細胞の絶対百分率は、19.2%(IL-18なし)から59.4%(IL-18あり)に増加した。TCR+T細胞の製造中にIL-18を添加すると、TCRペプチド用量依存的に増殖が改善される。
【0323】
実施例3
細胞傷害及び増殖に対するTCR
+T細胞における構成的IL-18シグナル伝達の効果を、操作されたTCRと組み合わせたヒトIL-18の組換え膜結合形態によって試験した。T細胞にMAGE TCRレトロウイルス構築物及び表5に記載の操作されたIL-18レンチウイルス構築物を同時形質導入したことを除いて、実施例1に記載されるようにTCR
+T細胞を調製した。TCR
+T細胞を、抗原陰性細胞株MV411と共培養した。4日目に、細胞傷害データを、MV411細胞(300μg/mLの開始濃度のTCR MAGEペプチドでパルスしたもの)に対するTCR
+T細胞のE:T比として1:1を使用したことを除いて、実施例1に記載されるように共培養アッセイから測定した。細胞傷害を、実施例1に記載されるようにCTV染色によって測定した。結果を表5に記載する。
【表5】
【0324】
表6は、ペプチドパルスされたMV411細胞に対する、表5の構築物を有するTCR
+T細胞の細胞傷害パーセントを示す。結果は、三連で実行した試料の平均である。
【表6】
【0325】
IL-18膜結合構築物を発現するTCR+T細胞は、IL-2のみの存在下で製造されたT細胞と比較した場合、ペプチドパルス標的に対する細胞傷害活性の増加を示す。ヒトIL-18Rβサブユニットを含有する膜結合IL-18構築物である配列番号25及び27は、最も高い細胞傷害パーセンテージを示した。
【0326】
表5の構築物を含有するこれらのTCR+T細胞の増殖を、300μg/mLの出発濃度の一連の3倍希釈物、すなわち、0.4、1.2、3.7、11.1、33.3、100及び300μg/mLを使用して、実施例1に記載されるようにKi67、TNFα及びIFN-γ 細胞内染色によって測定した。表5の構築物を含有するTCR+T細胞とペプチドパルスされたMV411細胞との共培養4日後に、細胞をT細胞活性化カクテルで2時間刺激し、次いで洗浄し、細胞内マーカーKi67(増殖)、TNFα、及びIFN-γを使用して染色した。細胞内サイトカイン(IFN-γ及びTNF-α)をフローサイトメトリーによって測定した。結果を表7(IFN-γ)及び表8(TNFα)に示す。表に示すパーセンテージは、IFN-γ+Ki67(表7)の両方又はTNFα+Ki67(表8)の両方について陽性である細胞のパーセントを反映する。
【0327】
IL-18膜結合構築物を発現するT細胞は、IL-18構築物を有しないTCR
+T細胞又はNTD対照と比較した場合、ペプチドパルスされた標的細胞に対するIFN-γ及びTNF-α産生の増加を示す。
【表7】
【表8】
【0328】
実施例1~3の実験を繰り返して、IL-2、IL-12及び/又はIL-15並びに以下を含むそれらの組み合わせを補充した培地を使用する:1)IL-2;2)IL-12;3)IL-15;4)IL-18(100ng/mL);5)IL-2+IL-12;6)IL-2+IL-15;7)IL-2+IL18;8)IL-2+IL-15+IL18;9)IL-2+IL-12+IL18;10)IL-2+IL-12+IL-15+IL-18。
【0329】
実施例4
TCR含有T細胞の細胞傷害活性に対するIL-12及び/又はIL-15と組み合わせたIL-18同時投与の効果を決定するために、インビトロ共培養アッセイ(すなわち、TCR+T細胞が、目的の抗原を発現する標的細胞と一緒に同じウェル中で共インキュベートされるアッセイ)を使用して、標的細胞の細胞傷害パーセントを測定する。TCR+T細胞を、実施例1に記載されるように産生する。細胞を、1)IL-2(1000IU/mL);2)IL-12(100ng/mL);3)IL-15(100ng/mL);4)IL-18(100ng/mL);5)IL-2+IL-12;6)IL-2+IL-15;7)IL-2+IL18;8)IL-2+IL-15+IL18;9)IL-2+IL-12+IL18;10)IL-2+IL-12+IL-15+IL-18及び更なるサイトカインの組み合わせ並びにそれらの濃度と共に培養してもよい。
【0330】
最初の試験のために、IL-2を補充した培地中で増殖させたTCR+T細胞を解凍し、一晩静置し、次いで、MAGE陽性標的細胞、例えば、H1299細胞、又はMAGE陰性標的細胞、例えば、MV411細胞のいずれかと、4:1のエフェクター:標的(E:T)比で共培養する。標的細胞を、ルシフェラーゼを発現するように操作する。共培養の0日目にサイトカインを添加する。共培養開始後1日目及び4日目に、D-ルシフェリン基質を0.14mg/mLの最終濃度で添加し、37℃で10分間インキュベートする。T細胞媒介性細胞傷害を、一緒に共培養された標的細胞及びTCR+T細胞のルシフェラーゼシグナルを測定し、単独でプレーティングされた標的細胞によって放出されたルシフェラーゼシグナルを差し引くことによって、三連で(N=3)測定する(Brown et al.,2005,J.Immunol.Methods 297:39~52)。発光シグナルを、VarioSkan(商標)LUX又はVarioSkan(登録商標)フラッシュマルチモードマイクロプレートリーダーによって決定する。
【0331】
TCR+T細胞と標的細胞との共培養におけるT細胞増殖及びIFN-γ産生に対するIL-12及び/又はIL-15と組み合わせたIL-18の効果も調べる。TCR+T細胞を上記のように調製する。細胞を、抗原陽性標的細胞(H1299細胞)又は抗原陰性細胞(MV411細胞)のいずれかと、4:1のエフェクター:標的(E:T)比で、IL-12及び/又はIL-15と組み合わせたIL-18の存在下で共培養する。増殖を、製造業者の指示に従ってT細胞をCellTrace(商標)Violet(CTV)試薬で標識し、続いてRPMI-1640-10%培地で洗浄することによって測定する。増殖の各連続世代で、CTV色素を細胞から希釈する。細胞を4日間増殖させた後、紫色レーザーを備えたフローサイトメーターでCTV色素を測定することによって増殖を評価する。
【0332】
フローサイトメトリーによるKi67細胞内染色によっても増殖を測定する。Ki67は、短い時間枠内で増殖を測定するために使用することができる細胞内マーカーであり、一方、CTVは、複数日間にわたる増殖を決定する(CTV染色は、通常、共培養の4日目に評価される)。共培養の4日目に、3:1のエフェクター対標的(E:T)比のTCR+T細胞を採取し、T細胞活性化カクテル[eBioscience(商標)Cell Stimulation Cocktail(500X)]で2時間、37℃で再刺激してKi67シグナルをブーストする。刺激後、細胞をRPMI培地で洗浄し、続いてFACS染色緩衝液(BD Pharmigen)で更に洗浄する。次いで、TCR+T細胞を、細胞外抗体フルオロフォアコンジュゲートのパネル(CD3、CD4、CD8、mTCRβ;BD Pharmingen及びBioLegend;FACS染色緩衝液中でそれぞれ1:100、1:1000、1:2000、及び1:100に希釈)で、4℃で30分間染色する。30分間のインキュベーション後、細胞を再びFACS染色緩衝液で洗浄する。細胞を、室温で10分間、PBS中の0.6%パラホルムアルデヒド(PFA)で固定し、次いで、FACS染色緩衝液で洗浄する。次いで、TCR+T細胞を、BD Perm/Wash(商標)緩衝液(BD Biosciences)を用いて4℃で1時間透過処理する。1時間後、細胞を1×BD Perm/Wash(商標)緩衝液で洗浄し、次いで、細胞内抗体フルオロフォアコンジュゲート(Ki67、IFN-γ及びTNFα;eBiosciences及びBioLegend)のパネルで染色する。細胞内抗体フルオロフォアコンジュゲートを、1×BD Perm/Wash(商標)緩衝液中で所定の作業濃度(Ki67 1:200、TNFα及びIFN-γ 1:100)に希釈し、TCR+T細胞と共に、4℃で1時間インキュベートする。各抗体フルオロフォアコンジュゲートは、固有の既知の蛍光色素を含有する。適切なレーザー能力を有するフローサイトメトリーを使用して、細胞サブセット(CD3+T細胞又はTCR+T細胞)を、増殖のマーカーとしてのKi67について定量する。
【0333】
実施例5
製造中のTCR+T細胞に対するIL-12及び/又はIL-15と組み合わせたIL-18の効果を決定するために、TCR+T細胞を実施例4に記載されるように調製するが、特定の培養物については、IL-18及びIL-12及び/又はIL-15(10ng/mL、50ng/mL及び200ng/mL)を0日目に添加する。5、7、及び9日目の拡大のために、IL-18及びIL-12及び/又はIL-15を含有する新鮮な培地を添加する。陰性対照には、IL-12もIL-18も添加しない。他の対照には、IL-18を添加しない(IL-12のみ)。この試験の別のアームでは、TCR+T細胞を製造した後、TCR+T細胞と標的細胞との共培養中にIL-18及びIL-12及び/又はIL-15を添加する。この後者の戦略は、IL-18及びIL-12及び/又はIL-15の存在下での製造及びTCR+T細胞とIL-18及びIL-12及び/又はIL-15との同時投与を模倣する。
【0334】
標的細胞(MV411細胞)を、TCR MAGE抗原をコードするペプチドで、0、0.1、0.3、1、3、10及び30μg/mLでパルスし、TCR+T細胞と1:1及び3:1のE:T比で4日間、共培養する。標的細胞の細胞傷害パーセントを、実施例4に記載されるように三連で決定する。
【0335】
5μg/mLのMAGEペプチドで1:1のE:T比でパルスしたIL-18及びIL-12及び/又はIL-15 MV411標的を補充した培地中で増殖させたTCR+T細胞の共培養物からの1日目の上清を、TCR結合によって媒介されるインターフェロンガンマ(IFN-γ)分泌のレベルについて分析する。IFN-γ産生を、プレート読み取りのためにQuickPlex SQ 120を使用する製造者の説明書に従ってHuman V-PLEX ProInflammatory Kitによって評価し、Discovery Workbench(全てメリーランド州ロックビルのMeso Scale Diagnosticsから入手)を使用して分析する。全ての試料を検出範囲内になるように希釈する。
【0336】
実施例4に記載されるように、CTV染色及びKi67染色の両方によって、増殖に対する製造中に添加されたIL-12及びIL-18並びにIL-12及び/又はIL-15の効果を測定する。
【0337】
実施例6
細胞傷害及び増殖に対するTCR+T細胞における構成的IL-18シグナル伝達の効果を、操作されたTCR並びにIL-12及び/又はIL-15と組み合わせたヒトIL-18の組換え膜結合形態によって試験する。T細胞にMAGE TCRレトロウイルス構築物及び表5に記載の操作されたIL-18レンチウイルス構築物を同時形質導入することを除いて、実施例1に記載されるようにTCR+T細胞を調製する。TCR+T細胞を、抗原陰性細胞株MV411と共培養する。細胞を、1)IL-2(1000IU/mL);2)IL-12(100ng/mL);3)IL-15(100ng/mL);4)IL-2+IL-12;5)IL-2+IL-15;6)IL-2+IL-12+IL-15+更なるサイトカインの組み合わせ並びにそれらの濃度と共に培養してもよい。4日目に、細胞傷害データを、MV411細胞(300μg/mLの開始濃度のTCR MAGEペプチドでパルスしたもの)に対するTCR+T細胞のE:T比として1:1を使用することを除いて、実施例1に記載されるように共培養アッセイから測定する。細胞傷害を、実施例1に記載されるようにCTV染色によって測定する。
【0338】
実施例7
CAR含有T細胞の細胞傷害活性に対するIL-18、IL-15及び/又はIL-12同時投与の効果を決定するために、インビトロ共培養アッセイ(すなわち、CAR T細胞が、目的の抗原を発現する標的細胞と一緒に同じウェル中で共インキュベートされるアッセイ)を使用して、標的細胞の細胞傷害パーセントを測定する。
【0339】
FMC63 scFv+CD28細胞内ドメイン+CD3ζ細胞内ドメインを有するCAR構築物も使用される。レンチウイルスベクターをT細胞形質導入に使用する。
【0340】
CAR T細胞を以下のように産生する。STEMCELL(商標)Technologies(カナダ、バンクーバー)から得られたCD3+細胞を、健康なドナーから得られた末梢血単核細胞から単離し、凍結する。レンチウイルス形質導入の前に、CD3+pan T細胞を解凍し、製造業者の推奨に従ってCD3/CD28 Dynabeads(登録商標)(ThermoFisher Scientific)で活性化し、一晩静置する。翌日、細胞に、CAR構築物を含有するレンチウイルスを形質導入する。対照として、同じ対象から生成された非形質導入(NTD)T細胞を使用する。細胞を、拡大中の細胞数について正規化する。形質導入効率を、固定可能な生存色素の存在下でフローサイトメトリーによって評価し、フローサイトメトリーによって分析する。
【0341】
最初の試験のために、IL-2を補充した培地中で増殖させたCAR T細胞を解凍し、一晩静置し、次いで、CD19陽性標的細胞又はCD19陰性標的細胞のいずれかと共培養する。共培養の0日目に、IL-18、IL-15及び/又はIL-12を培地に添加する。T細胞媒介性細胞傷害を測定する。細胞を、1)IL-2(1000IU/mL);2)IL-12(100ng/mL);3)IL-15(100ng/mL);4)IL-18(100ng/mL);5)IL-2+IL-12;6)IL-2+IL-15;7)IL-2+IL18;8)IL-2+IL-15+IL18;9)IL-2+IL-12+IL18;10)IL-2+IL-12+IL-15+IL-18及び更なるサイトカインの組み合わせ並びにそれらの濃度と共に培養してもよい。
【0342】
CAR T細胞と標的細胞との共培養におけるT細胞増殖及びIFN-γ産生に対するIL-18、IL-15及びIL-12の単独及び組み合わせの効果も調べる。CAR T細胞を上記のように調製する。細胞を、CD19+標的細胞又はCD19-細胞のいずれかと、4:1のエフェクター:標的(E:T)比で、IL-18、IL-15及び/又はIL-12の存在下で共培養する。増殖を、製造業者の指示に従ってT細胞をCellTrace(商標)Violet(CTV)試薬で標識することによって測定し、続いてRPMI-1640-10%培地で洗浄する。増殖の各連続世代で、CTV色素を細胞から希釈する。細胞を4日間増殖させた後、フローサイトメーターでCTV色素を測定することによって増殖を評価する。
【0343】
フローサイトメトリーによるKi67細胞内染色によって増殖を測定することもできる。Ki67は、短い時間枠内で増殖を測定するために使用することができる細胞内マーカーであり、一方、CTVは、複数日間にわたる増殖を決定する(CTV染色は、通常、共培養の4日目に評価される)。共培養の4日目に、3:1のエフェクター対標的(E:T)比のCAR T細胞を採取し、T細胞活性化カクテル[eBioscience(商標)Cell Stimulation Cocktail(500X)]で2時間、37℃で再刺激してKi67シグナルをブーストする。刺激後、細胞をRPMI培地で洗浄し、続いてFACS染色緩衝液(BD Pharmigen)で更に洗浄する。CAR T細胞を、細胞外抗体フルオロフォアコンジュゲートのパネルを用いて4℃で30分間染色する。30分間のインキュベーション後、細胞を再びFACS染色緩衝液で洗浄する。細胞を固定し、次いでFACS染色緩衝液で洗浄する。CAR T細胞を、BD Perm/Wash(商標)緩衝液(BD Biosciences)を用いて4℃で1時間透過処理する。1時間後、細胞を1×BD Perm/Wash(商標)緩衝液で洗浄し、次いで、細胞内抗体フルオロフォアコンジュゲート(Ki67、IFN-γ及びTNFα;eBiosciences及びBioLegend)のパネルで染色する。細胞内抗体フルオロフォアコンジュゲートを、1×BD Perm/Wash(商標)緩衝液中で所定の作業濃度(Ki67 1:200、TNFα及びIFN-γ 1:100)に希釈し、CAR T細胞と共に、4℃で1時間インキュベートする。各抗体フルオロフォアコンジュゲートは、固有の既知の蛍光色素を含有する。適切なレーザー能力を有するフローサイトメトリーを使用して、細胞サブセット(CD3+T細胞又はCAR T細胞)を、増殖のマーカーとしてのKi67について定量する。
【0344】
実施例8
製造中のCAR T細胞に対するIL-18、IL-15及び/又はIL-12の効果を決定するために、CAR T細胞を実施例8に記載されるように調製するが、特定の培養物については、IL-18、IL-15及び/又はIL-12を0日目に培地に添加する。5、7、及び9日目の拡大のために、IL-18、IL-15及び/又はIL-12を含有する新鮮な培地を添加する。細胞を、1)IL-2(1000IU/mL);2)IL-12(100ng/mL);3)IL-15(100ng/mL);4)IL-18(100ng/mL);5)IL-2+IL-12;6)IL-2+IL-15;7)IL-2+IL18;8)IL-2+IL-15+IL18;9)IL-2+IL-12+IL18;10)IL-2+IL-12+IL-15+IL-18及び更なるサイトカインの組み合わせ並びにそれらの濃度と共に培養してもよい。この試験の別のアームでは、CAR T細胞を製造した後、CAR T細胞と標的細胞との共培養中にIL-18、IL-15及び/又はIL-12を添加する。この後者の戦略は、IL-18、IL-15及び/又はIL-12の存在下での製造並びにCAR T細胞とIL-18、IL-15及び/又はIL12との同時投与を模倣する。
【0345】
標的細胞を、CAR T細胞と1:1及び3:1のE:T比で4日間、共培養する。標的細胞の細胞傷害パーセントを、実施例7に記載されるように三連で決定する。
【0346】
実施例9
細胞傷害及び増殖に対するCAR T細胞における構成的IL-18シグナル伝達の効果を、操作されたCARと組み合わせたヒトIL-18の組換え膜結合形態(mb IL-18)によって試験する。T細胞にCAR構築物及びmb IL-18レンチウイルス構築物を同時形質導入することを除いて、実施例7に記載されるようにCAR T細胞を調製する。例えば、表5を参照されたい。CAR T細胞を、抗原陰性細胞株と共培養する。培養培地に、IL-15及び/又はIL-12を補充してもよい。細胞を、1)IL-2(1000IU/mL);2)IL-12(100ng/mL);3)IL-15(100ng/mL);4)IL-2+IL-12;5)IL-2+IL-15;6)IL-2+IL-12+IL-15+及び更なるサイトカインの組み合わせ並びにそれらの濃度と共に培養してもよい。4日目に、実施例7に記載されるように、共培養アッセイから細胞傷害データを測定する。
【0347】
実施例10
ナチュラルキラー(NK)細胞ベースの免疫療法を増強するためのIL-18、IL-15及び/又はIL-12の効果も調査する。NK細胞に対するIL-18、IL-15及び/又はIL-12の利益を実証するために、最初の実験は、NK細胞の2つの供給源:末梢血から単離された初代NK細胞及びNK-92細胞株に由来するCD19+CAR NK細胞を含む。
【0348】
NK細胞は、インターフェロン-γ(IFN-γ)及びTNF-αなどのサイトカインの分泌を介して、更により主にはそれらの標的の直接溶解を介してエフェクター機能を発揮する自然免疫細胞である。
【0349】
初代NK細胞を新鮮な末梢血PB(EasySep Human NK細胞単離キット、Stem Cell Technologies)から単離し、以下のいずれかを含有する初代NK細胞培地(DMEM)中で一晩培養する:1)IL-2(1000IU/mL);2)IL-12(100ng/mL);3)IL-15(100ng/mL);4)IL-18(100ng/mL);5)IL-2+IL-12;6)IL-2+IL-15;7)IL-2+IL18;8)IL-2+IL-15+IL18;9)IL-2+IL-12+IL18;10)IL-2+IL-12+IL-15+IL-18及び更なるサイトカインの組み合わせ並びにそれらの濃度。一晩培養した後、各培養条件からの初代NK細胞を更に単独で培養するか、又は標的細胞としてのK562_ルシフェラーゼ細胞(インハウスでルシフェリンを発現するように操作されたATCCから)と、前述のサイトカイン及びサイトカインの組み合わせの存在下で、E:T比2:1、1:1、及び1:2で共培養する。4、8、及び16時間の共培養の後、以下のパラメータを全てのウェルにおいて測定する:A)Meso Scale Discoveryによる分泌IFN-γ、TNF-αの過剰レベル、B)フローサイトメトリーによるNK細胞上のCD107aの表面発現、及びC)プレートリーダー上のK652ルシフェラーゼシグナルによって測定される、K562細胞に対する特異的溶解。
【0350】
CAR-NK構築物を以下のように作製する:NK-92細胞株(ATCC由来)に、形質導入効率を高めるために、ポリブレン添加及びスピノキュレーション法を用いて、CD19+CAR+mbIL-18を発現するレンチウイルス構築物を形質導入する。形質導入後、NK-92 CAR細胞+mbIL-18を、NK-92培地(10%FMS、2 mM L-グルタミンを含むRPMI 1640)並びに組換えIL-2(1000IU/mL)、組換えヒトIL-12及び/又は組換えヒトIL-15中で拡大させる。8~10日間の拡大後、CAR形質導入パーセンテージをフローサイトメトリーによって測定し、細胞を、以下のいずれかを含有するNK-92培地に移動させる:1)IL-2(1000IU/mL);2)IL-12(100ng/mL);3)IL-15(100ng/mL);4)IL-18(100ng/mL);5)IL-2+IL-12;6)IL-2+IL-15;7)IL-2+IL18;8)IL-2+IL-15+IL18;9)IL-2+IL-12+IL18;10)CD19+Nalm6細胞と24時間共培養する前のプレインキュベーションとして24時間にわたるIL-2+IL-12+IL-15+IL-18及び更なるサイトカインの組み合わせ並びにそれらの濃度。共培養していないNK-92 CAR+mbIL-18を含有する対照ウェルも含める。4、8、及び16時間のNalm6共培養の後、以下を全ての条件で測定する:A)Meso Scale Discoveryによる分泌IFN-γ、TNF-αの過剰レベル、B)フローサイトメトリーによるNK細胞上のCD107aの表面発現、及びC)プレートリーダー上のK652ルシフェラーゼシグナルによって測定される、K562細胞に対する特異的溶解。
【0351】
実施例11
製造中のCAR含有NK細胞に対するIL-18、IL-15及び/又はIL-12の効果を決定するために、CAR含有NK細胞を実施例11に記載されるように調製するが、特定の培養物については、IL-18、IL-15及び/又はIL-12を0日目に培地に添加する。組み合わせはまた、以下を含み得る:1)IL-2;2)IL-12;3)IL-15;4)IL-18(100ng/mL);5)IL-2+IL-12;6)IL-2+IL-15;7)IL-2+IL18;8)IL-2+IL-15+IL18;9)IL-2+IL-12+IL18;10)IL-2+IL-12+IL-15+IL-18。5、7、及び9日目の拡大のために、IL-18、IL-15、及び/又はIL-12を含有する新鮮な培地を添加する。陰性対照には、IL-18、IL-15及び/又はIL-12のいずれも添加しない。この試験の別のアームでは、CAR含有NK細胞を製造した後、CAR T細胞と標的細胞との共培養中にIL-18、IL-15、及び/又はIL-12を添加する。細胞を、1)IL-2(1000IU/mL);2)IL-12(100ng/mL);3)IL-15(100ng/mL);4)IL-18(100ng/mL);5)IL-2+IL-12;6)IL-2+IL-15;7)IL-2+IL18;8)IL-2+IL-15+IL18;9)IL-2+IL-12+IL18;10)IL-2+IL-12+IL-15+IL-18及び更なるサイトカインの組み合わせ並びにそれらの濃度と共に培養してもよい。この後者の戦略は、IL-18、IL-15及び/又はIL-12の存在下での製造並びにCAR含有NK細胞とIL-18、IL-15及び/又はIL-12との同時投与を模倣する。
【0352】
標的細胞を、CAR T細胞と1:1及び3:1のE:T比で4日間、共培養する。標的細胞の細胞傷害パーセントを、実施例7に記載されるように三連で決定する。
【0353】
実施例13
細胞傷害及び増殖に対する構成的IL-18シグナル伝達CAR含有NK細胞の効果を、操作されたCARと組み合わせたヒトIL-18の組換え膜結合形態によって試験する。CAR含有NK細胞を、CAR構築物及び膜結合型の操作されたIL-18レンチウイルス構築物を同時形質導入することによって調製する。細胞を、1)IL-2(1000IU/mL);2)IL-12(100ng/mL);3)IL-15(100ng/mL);4)IL-2+IL-12;5)IL-2+IL-15;6)IL-2+IL-12+IL-15+及び更なるサイトカインの組み合わせ並びにそれらの濃度と共に培養してもよい。CAR含有NK細胞を、抗原陰性細胞株と共培養する。4日目に、実施例7に記載されるように、共培養アッセイから細胞傷害データを測定する。
【0354】
一般に、以下の特許請求の範囲では、使用される用語は、本明細書及び特許請求の範囲に開示される特定の実施形態に特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に、全ての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2023-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫細胞を含む、対象における腫瘍抗原の発現に関連するがんを治療するための組成物であって、
前記免疫細胞は、CAR又はTCRを含み、
且つ、
a)膜結合IL-18を含
むか、
b)IL-18と同時投与され
るか、又は
c)CAR又はTCRを含む前記免疫細胞の拡大中にIL-18と接触させられる、
組成物。
【請求項2】
前記免疫細胞は膜結合IL-18を含む、請求項1に記載の
組成物。
【請求項3】
前記膜結合IL-18は、シグナルペプチド、インターロイキン-18(IL-18)及びインターロイキン-18受容体(IL-18R)サブユニットを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸の発現によって得られる、請求項2に記載の
組成物。
【請求項4】
前記核酸は、配列番号18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38及び40からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項3に記載の
組成物。
【請求項5】
前記免疫細胞はIL-18と同時投与される、請求項1に記載の
組成物。
【請求項6】
前記免疫細胞はIL-18と同時に投与されるか、又は前記免疫細胞はIL-18と連続して投与される、請求項5に記載の
組成物。
【請求項7】
前記免疫細胞は、CAR又はTCRを含む前記免疫細胞の拡大中にIL-18と接触させられる、請求項1に記載の
組成物。
【請求項8】
前記免疫細胞は、IL-2、AKT阻害剤、IL-7、IL-12、又はIL-15のうちの1つ以上と共に更に培養される、請求項6又は7に記載の
組成物。
【請求項9】
前記腫瘍抗原は、2B4(CD244)、4-1BB、5T4、A33抗原、腺がん抗原、アドレナリン受容体ベータ3(ADRB3)、Aキナーゼアンカープロテイン4(AKAP-4)、アルファフェトプロテイン(AFP)、未分化リンパ種キナーゼ(ALK)、アンドロゲン受容体、B7H3(CD276)、β2-インテグリン、BAFF、Bリンパ種、B細胞成熟抗原(BCMA)、bcr-abl(切断点クラスター領域(BCR)及びAbelsonマウス白血病細胞がん遺伝子ホモログ1(Abl)からなるがん遺伝子融合タンパク質)、BhCG、骨髄間質細胞抗原2(BST2)、CCCTC結合因子(亜鉛フィンガータンパク質)様(BORIS又はBrother of the Regulator of Imprinted Sites)、BST2、C242抗原、9-0-アセチル-CA19-9マーカー、CA-125,CAEX,カルレティキュリン、炭酸脱水酵素9(CAIX)、C-MET、CCR4、CCR5、CCR8、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD7、CD10、CD16、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD24、CD25、CD27、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD34、CD38、CD40、CD40L、CD41、CD44、CD44V6、CD49f、CD51、CD52、CD56、CD63、CD70、CD72、CD74、CD79a、CD79b、CD80、CD84、CD96、CD97、CD100、CD123、CD125、CD133、CD137、CD138、CD150、CD152(CTLA-4)、CD160、CD171、CD179a、CD200、CD221、CD229、CD244、CD272(BTLA)、CD274(PD-L1、B7H1)、CD279(PD-1)、CD352、CD358、CD300分子様ファミリーメンバーf(CD300LF)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン6(CLDN6)、C型レクチン様分子-1(CLL-1又はCLECL1)、C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(CLEC12A)、サイトメガロウイルス(CMV)感染細胞抗原、CNT0888、CRTAM((CD2サブセット1、CRACC、CD319、及び19A24とも呼ばれる)CD355)、CTLA-4、サイクリンB1、染色体Xオープンリーディングフレーム61(CXORF61)、シトクロムP450 1B 1(CYP1B1)、DNAM-1(CD226)、デスモグレイン4、DR3、DR5、E-カドヘリンネオエピトープ、上皮成長因子受容体(EGFR)、EGF1R、上皮成長因子受容体変異体III(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質-2(EGP-2)、上皮糖タンパク質-40(EGP-40)、EGF様モジュール含有ムチン様ホルモン受容体様2(EMR2)、伸長因子2変異型(ELF2M)、エンドシアリン、上皮細胞接着分子(EPCAM)、エフリンA型受容体2(EphA2)、エフリンB2、受容体チロシン-タンパク質キナーゼerb-B2、3,4(erb-B2,3,4)、ERBB、ERBB2(Her2/neu)、ERG(膜貫通プロテアーゼ、セリン2(TMPRSS2)ETS融合遺伝子)、ETA、染色体12p上に位置するETS導入変異体遺伝子6(ETV6-AML)、IgA受容体のFcフラグメント(FCAR又はCD89)、線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAP)、FBP、Fc受容体様5(FcRL5)、胎児アセチルコリン受容体(AChR)、フィブロネクチン余分ドメインB、Fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体1、葉酸受容体α、葉酸受容体β、Fos関連抗原1、フコシル、フコシルGM1;GM2、ガングリオシドG2(GD2)、ガングリオシドGD3(aNeu5Ac(2-8)aNeu5Ac(2-3)bDGalp(l-4)bDGlcp(l-l)Cer)、o-アセチル-GD2ガングリオシド(OAcGD2)、GITR(TNFRSF18)、GM1、ガングリオシドGM3、GloboHグリコセラミドの六糖部分(GloboH)、糖タンパク質75、グリピカン-3(GPC3)、糖タンパク質100(gpl00)、GPNMB、Gタンパク質共役受容体20(GPR20)、Gタンパク質共役受容体クラスC群5、メンバーD(GPRC5D)、A型肝炎ウイルス細胞受容体1(HAVCR1)、ヒト上皮成長因子受容体2(HER-2)、HER2/neu、HER3、HER4、HGF、高分子量メラノーマ関連抗原(HMWMAA)、ヒトパピローマウイルスE6(HPV E6)、ヒトパピローマウイルスE7(HPV E7)、熱ショックタンパク質70-2変異(mut hsp70-2)、ヒト散乱因子受容体キナーゼ、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)、HVEM、ICOS、インスリン様成長因子受容体1(IGF-1受容体)、IGF-I、IgG1、免疫グロブリンラムダ様ポリペプチド1(IGLL1)、IL-6、インターロイキン11受容体アルファ(IL-llRα)、IL-13、インターロイキン-13受容体サブユニットα-2(IL-13Rα2又はCD213A2)、インスリン様成長因子I受容体(IGF1-R)、インテグリンα5β1、インテグリンανβ3、腸管カルボキシルエステラーゼ、κ軽鎖、KCS1、キナーゼインサートドメイン受容体(KDR)、KIR、KIR2DL1、KIR2DL2、KIR2DL3、KIR3DL2、KIR-L、KG2Dリガンド、KIT(CD117)、KLRGI、LAGE-1a、LAG3、リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK)、白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーAメンバー2(LILRA2)、レグマイン、白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIR1)、ルイス(Y)抗原、LeY、LG、LI細胞接着分子(LI-CAM)、LIGHT、LMP2、リンパ球複合体6、BR、遺伝子座K9(LY6K)、Ly-6、リンパ球抗原75(LY75)、メラノーマがん精巣抗原-1(MAD-CT-1);メラノーマがん精巣抗原-2(MAD-CT-2)、MAGE、メラノーマ関連抗原1(MAGE-A1)、T細胞によって認識されるMAGE-A3メラノーマ抗原1(MelanA又はMARTI)、MelanA/MARTl、メソテリン、MAGE A3、アポトーシスのメラノーマ阻害剤(ML-IAP)、メラノーマ特異的コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSCP)、MORAb-009、MS4A1、Mucin1(MUCl)、MUC2、MUC3、MUC4、MUC5AC、MUC5b、MUC7、MUC16、ムチンCanAg、ニューラル・ミュラー管阻害物質(MIS)受容体II型、トリ骨髄細胞腫症ウイルス癌遺伝子神経芽腫由来ホモログ(MYCN)、N-グリコリルアミン酸、N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV(NA17)、神経細胞接着分子(NCAM)、NKG2A、NKG2C、NKG2D、NKG2Eリガンド、NKR-P IA、NPC-1C、NTB-A、乳腺分化抗原(NY-BR-1)、NY-ESO-1、癌胎児性抗原(h5T4)、嗅覚受容体51E2(OR51E2)、OX40、形質細胞抗原、ポリSA、プロアクロシン結合タンパク質sp32(OY-TES 1)、p53、p53変異体、パンネキシン3(PANX3)、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、ペアードボックスタンパク質Pax-3(PAX3)、ペアードボックスタンパク質Pax-5(PAX5)、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1又はGal8)、PD-1H、血小板由来増殖因子受容体アルファ(PDGFR-アルファ)、PDGFR-ベータ、PDL192、PEN-5、ホスファチジルセリン、胎盤特異的1(PLAC1)、ポリシアル酸、プロスターゼ、前立腺癌細胞、プロステイン、プロテアーゼセリン21(テスチシン又はPRSS21)、プロテイナーゼ3(PR1)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、プロテアソーム(Prosome,Macropain)サブユニット、ベータタイプ、高度糖化最終産物受容体(RAGE-1)、RANKL、Ras変異体、RasホモログファミリーメンバーC(RhoC)、RON、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、腎臓ユビキタス1(RU1)、腎臓ユビキタス2(RU2)、肉腫転座ブレークポイント、T細胞3(SART3)、SAS、SDC1、SLAMF7、シアリルルイス接着分子(sLe)、Siglec-3、Siglec-7、Siglec-9、ソニックヘッジホッグ(SHH)、精子タンパク質17(SPA17)、ステージ特異的胚性抗原4(SSEA-4)、STEAP、sTn抗原、滑膜肉腫Xブレークポイント2(SSX2)、サバイビン、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、TCR5γ、TCRα、TCRβ、TCRγ代替リーディングフレームタンパク質(TARP)、テロメラーゼ、TIGIT、TNF-α前駆体、腫瘍内皮マーカー1(TEM1/CD248)、腫瘍内皮マーカー7関連(TEM7R)、テネイシンC、TGF-β1、TGF-β2、トランスグルタミナーゼ5(TGS5)、アンジオポエチン結合細胞表面受容体2(Tie 2)、TIM1、TIM2、TIM3、Tn Ag、TRAIL-R1、TRAIL-R2、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2)、甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR)、腫瘍抗原CTAA16.88、チロシナーゼ、ウロプラキン2(UPK2)、VEGF-A、VEGFR-1、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、及びビメンチン、ウィルムス腫瘍タンパク質(WT1)、又はX抗原ファミリーメンバー1A(XAGE1)からなる群から選択される、請求項1に記載の
組成物。
【請求項10】
インターロイキン-18(IL-18)及びインターロイキン-18受容体(IL-18R)サブユニットを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、核酸。
【請求項11】
前記IL-18Rサブユニット配列は、配列番号6のアミノ酸残基21~540又は配列番号8のアミノ酸残基20~599と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の核酸。
【請求項12】
前記ポリペプチドは、IL-18と前記IL-18Rサブユニットとを接続するアミノ酸リンカーを含む、請求項10又は11に記載の核酸。
【請求項13】
前記アミノ酸リンカーは、Mycリンカー配列、Whitlowリンカー配列、nが1~6である(GGGGS)
n(配列番号9)、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項12に記載の核酸。
【請求項14】
前記ポリペプチドは、配列番号19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39及び41からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の核酸。
【請求項15】
前記ポリペプチドは、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を更に含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の核酸。
【請求項16】
請求項10~15のいずれか一項に記載の核酸を含む、発現ベクター。
【請求項17】
請求項10~15のいずれか一項に記載の核酸によってコードされる、ポリペプチド。
【請求項18】
請求項10~15のいずれか一項に記載の核酸、請求項17に記載のポリペプチド、又は請求項16に記載の発現ベクターを含む、免疫細胞。
【請求項19】
腫瘍抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)をコードする核酸配列を更に含む、請求項18に記載の免疫細胞。
【請求項20】
T細胞又はNK細胞を含む、請求項19に記載の免疫細胞。
【国際調査報告】