(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】原子炉用カートリッジ炉心バレル
(51)【国際特許分類】
G21C 13/024 20060101AFI20230830BHJP
G21C 13/00 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
G21C13/024 100
G21C13/00 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511582
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 US2021022017
(87)【国際公開番号】W WO2022039790
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513313945
【氏名又は名称】テラパワー, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】フリーマン,チャールズ ジー.
(72)【発明者】
【氏名】カネコ,カレン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,クリストファー エー
(72)【発明者】
【氏名】モジエ,ショーン,ティー.
(57)【要約】
原子炉は、制御要素の荷重経路を炉心と結合するように設計され、これにより、制御要素と炉心との間の差動運動の可能性を低減する。カートリッジ炉心バレルは、炉心、制御要素支持体、および制御要素駆動システムを含むように、製造設備において製造されてもよい。カートリッジ炉心バレルは、原子炉容器ヘッドに取り付けられてもよく、任意の運動は、(例えば、地震力を介して)等しい方向および大きさで制御要素および炉心に伝達される。これにより、差動運動の可能性を低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部および下部を有する支持円筒と、
前記上部におけるマウントであって、原子炉容器ヘッドと係合し、当該原子炉容器ヘッドから前記支持円筒の重量を支持するマウントと、を備え、
前記支持円筒は、前記原子炉容器ヘッドから吊り下げられている、原子炉炉心支持システム。
【請求項2】
前記支持円筒内において炉心をさらに備える、請求項1に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項3】
前記支持円筒および前記炉心は、予め組み立てられて原子炉設置場所に輸送される、請求項2に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項4】
前記支持円筒内において燃料要素ハンドリングシステムをさらに備える、請求項1に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項5】
前記支持円筒内において制御要素支持システムをさらに備える、請求項1に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項6】
前記支持円筒および制御要素駆動システムは、共通の荷重経路を共有する、請求項1に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項7】
前記支持円筒および前記制御要素駆動システムは共に、前記原子炉容器ヘッドのある部分から吊り下げられている、請求項6に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項8】
前記支持円筒内に配置された炉心の支持体は、前記原子炉容器に荷重を伝達しない、請求項1に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項9】
炉心が前記支持円筒内に配置され、前記炉心の重量が前記原子炉容器ヘッドに支持される、請求項1に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項10】
製造設備において、原子炉容器を製造するステップと、
前記製造設備において、カートリッジ炉心バレルを製造するステップと、
前記製造設備において、炉心を製造するステップと、
前記製造設備において、制御要素駆動システムを製造するステップと、
前記製造設備において、前記制御要素駆動システムおよび前記炉心を前記カートリッジ炉心バレル内で組み立てて炉心モジュールを形成するステップと、
前記炉心モジュールを建設現場に輸送するステップと、を含む原子炉を建設する方法。
【請求項11】
前記原子炉容器を前記建設現場に輸送するステップをさらに含む、請求項10に記載の原子炉を建設する方法。
【請求項12】
原子炉建屋において前記原子炉容器を設置するステップをさらに含む、請求項11に記載の原子炉を建設する方法。
【請求項13】
前記原子炉モジュールを前記原子炉容器の内部に配置するステップをさらに含む、請求項12に記載の原子炉を建設する方法。
【請求項14】
前記炉心モジュールを原子炉容器ヘッドの第1部分に結合するステップをさらに含む、請求項13に記載の原子炉を建設する方法。
【請求項15】
前記制御要素駆動システムを前記原子炉容器ヘッドの前記第1部分に結合するステップをさらに含む、請求項14に記載の原子炉を建設する方法。
【請求項16】
円錐形支持部分と、
遷移部分によって円錐形支持部分と結合された円筒形支持部分と、
1つ以上の垂直リブと、を備える、原子炉炉心のための下方炉心支持構造体。
【請求項17】
前記1つ以上の垂直リブは、前記円錐形支持部分に結合される、請求項1に記載の支持体。
【請求項18】
前記円錐形支持部分は、前記円筒形支持部分に結合された大径周縁部を有する円錐形張力スカートを備える、請求項1に記載の支持体。
【請求項19】
前記1つ以上の垂直リブは、前記円錐形張力スカートの上面に結合される、請求項18に記載の支持体。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2021年2月1日に出願された「CARTRIDGE CORE BARREL FOR NUCLEAR REACTOR」という名称の米国特許出願第17/164,820号の利益を主張し、それは、2020年8月17日に出願された「CARTRIDGE CORE BARREL FOR NUCLEAR REACTOR」という名称の仮特許出願第63/066,785号の優先権を主張する。その内容全体は、参照によって本明細書に援用される。
【0002】
〔背景〕
ほとんどの原子炉は、炉心を有し、当該炉心内では、燃料要素および制御要素が様々な相互に関連する配置で支持され、これにより臨界反応度をサポートして原子炉の出力を制御する。冷却材は、典型的には燃料要素と制御要素との間の通路を通って押し出され、これにより核分裂燃料要素によって生成された熱は、有益な目的に使用される熱交換器に伝達される。
【0003】
場合によっては、溶融金属が冷却材として使用され、場合によっては、当該溶融金属はナトリウムである。いくつかの原子炉(例えば、炉心が原子炉容器内に保持された冷却材のプールに浸漬されているプール型原子炉)においては、炉心はしばしば原子炉容器によって支持され、一方、制御要素はしばしば原子炉容器の上端部を囲む容器ヘッドのデッキから支持される。
【0004】
この制御要素支持配置は、多くの場合、安全の観点から好ましい。例えば、制御要素支持構造体が故障した場合、制御要素は原子炉容器内に落下し、炉心内の反応度を低下させる。典型的には、燃料要素および反応度要素のための容器内ハンドリングシステムと同様に、炉心の重量は、燃料要素および反応度要素と共に、原子炉容器によって支持される。
【0005】
炉心の重量に加えて、容器は、その中に含まれる冷却材の重量も支持する。したがって、容器は、静的状態において加えられた荷重を支持するだけでなく、静的状態よりも劇的に大きい荷重が加わり得る地震事象中の荷重を支持することができるように堅牢でなければならない。
【0006】
さらに、炉心と制御要素との間のいかなる相対運動も、炉心内の反応度に影響を及ぼす可能性があり、したがって、炉心と制御要素との間の相対運動を最小限に抑えるように原子炉は設計される。原子炉容器が側部またはその底部から支持され、地震事象などによって冷却材インベントリが動かされる場合、原子炉容器の可撓性により、容器ヘッドから吊り下げられた制御要素に対して炉心を動かすことができる。したがって、正および負の両方向の反応度係数(Keff)の揺れ(スイング)を引き起こすことができる。
【0007】
〔概要〕
いくつかの実施形態によれば、原子炉容器が原子炉ヘッドから吊り下げられる原子炉配置が説明される。しかしながら、炉心の重量は、原子炉ヘッドによって支持されなくてもよく、むしろ、原子炉容器の外部に位置し、地面によって支持される支持構造体に直接的に伝達されてもよい。いくつかの例では、炉心が原子炉容器ヘッドから吊り下げられたカートリッジによって支持され、したがって、炉心および制御要素の両方の荷重経路は共通の支持構造体に結合される。これにより、炉心と制御要素との間の潜在的な相対運動は低減される。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、原子炉炉心支持システムは、上部および下部を有する支持円筒と、前記上部におけるマウントであって、原子炉容器ヘッドと係合し、当該原子炉容器ヘッドから前記支持円筒の重量を支持するマウントと、を備え、前記支持円筒は、前記原子炉容器ヘッドから吊り下げられている。
【0009】
場合によっては、炉心は、前記支持円筒内にある。前記支持円筒および前記炉心は、予め組み立てられて原子炉設置場所に輸送されてもよい。
【0010】
いくつかの例では、燃料要素ハンドリングシステムは、前記支持円筒内に配置される。さらに、制御要素支持システムは、前記支持円筒内にあってもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記支持円筒および制御要素駆動システムは、共通の荷重経路を共有する。すなわち、前記支持円筒および前記制御要素駆動システムの重量は、同一の構造体によって支持されている。
【0012】
例えば、前記支持円筒および前記制御要素駆動システムは共に、前記原子炉容器ヘッドのある部分から吊り下げられてもよい。
【0013】
場合によっては、前記支持円筒内に配置された炉心の支持体は、前記原子炉容器に荷重を伝達しない。例えば、炉心が前記支持円筒内に配置されてもよく、前記炉心の重量が前記原子炉容器ヘッドに支持されてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、原子炉を建設するための方法は、製造設備において、原子炉容器を製造するステップと、前記製造設備において、カートリッジ炉心バレルを製造するステップと、前記製造設備において、炉心を製造するステップと、前記製造設備において、制御要素駆動システムを製造するステップと、前記製造設備において、前記制御要素駆動システムおよび前記炉心を前記カートリッジ炉心バレル内で組み立てて炉心モジュールを形成するステップと、前記炉心モジュールを建設現場に輸送するステップと、を含む。
【0015】
前記方法は、前記原子炉容器を前記建設現場に輸送するステップをさらに含んでもよい。場合によっては、前記方法は、原子炉建屋において前記原子炉容器を設置するステップをさらに含んでもよい。前記方法は、前記原子炉モジュールを前記原子炉容器の内部に配置するステップをさらに含んでもよい。
【0016】
原子炉を建設する前記方法は、場合によっては、前記炉心モジュールを原子炉容器ヘッドの第1部分に結合するステップをさらに含んでもよい。場合によっては、前記方法は、前記制御要素駆動システムを前記原子炉容器ヘッドの前記第1部分に結合するステップを含む。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、原子炉炉心のための下方炉心支持構造体は、円錐形支持部分と、遷移部分によって円錐形支持部分と結合された円筒形支持部分と、1つ以上の垂直リブと、を含む。
【0018】
前記1つ以上の垂直リブは、前記円錐形支持部分に結合されてもよい。前記円錐形支持部分は、前記円筒形支持部分に結合された大径周縁部を有する円錐形張力スカートを含んでもよい。いくつかの場合において、前記1つ以上の垂直リブは、前記円錐形張力スカートの上面に結合される。
【0019】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、いくつかの実施形態に係る、原子炉支持構造体の模式図である;
図2は、いくつかの実施形態に係る、炉心-容器インターフェースのための下方炉心支持構造体を示す;
図3は、いくつかの実施形態に係る、炉心-容器インターフェースのための下方炉心支持構造体を示す;
図4は、いくつかの実施形態に係る、炉心-容器インターフェースのための吊り下げ張力スカートを有する下方炉心支持構造体を示す;
図5は、いくつかの実施形態に係る、複数のリブを有する下方炉心支持構造体を示す;
図6は、いくつかの実施形態に係る、原子炉容器から独立した下方炉心支持構造体を示す;
図7は、いくつかの実施形態に係る、底部支持型の容器構成における下方炉心支持構造体を示す;
図8は、いくつかの実施形態に係る、原子炉ヘッドから吊り下げられるように構成された炉心支持構造体を示す;
図9は、いくつかの実施形態に係る、炉心支持体を制御棒支持体と結合するためにカートリッジを利用する炉心支持構造体を示す;
図10は、いくつかの実施形態に係る、下方炉心支持構造体および原子炉容器を介した荷重経路を示す;
図11は、いくつかの実施形態に係る、原子炉容器から独立して炉心を支持するカートリッジ炉心支持構造体を示す;
図12は、いくつかの実施形態に係る、カートリッジモジュールを示す。
【0020】
〔詳細な説明〕
本開示は、概して、(場合によっては原子炉容器の円筒形支持体に遷移する円錐形支持体である)原子炉容器の支持体、または原子炉炉心の支持体、などの下方炉心支持体のための装置に関する。場合によっては、円錐形支持セクション内の複数の垂直リブにより、追加の剛性(stiffness)、剛性(rigidity)、および支持が提供される。
【0021】
場合によっては、炉心は、複数のリブ、スカート、またはプラットフォームなどによって下方から支持される。いくつかの実施形態では、炉心は、リムによって支持される。炉心は、炉心の上部リムと係合し、そのリムによって支持体から吊り下げられる構造を有してもよい。場合によっては、垂直円筒が、炉心支持構造体および複数の炉心バッフルを含む。炉心は、原子炉の上端から挿入され、原子炉ヘッドによって支持されてもよい。いくつかの実施形態では、開示された構成および支持構造は、事前製造され組み立てられた、または部分的に組み立てられた構成要素の輸送、および原子炉設置場所での当該構成要素の最終組み立てを容易にする。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、構造円筒は、荷重を支持し、荷重を原子炉ヘッドに伝達する。いくつかの実施形態によれば、制御パッケージおよび炉心制御パッケージは、製造され、次いで、構造円筒内の所定の位置に降下されてもよい。構造円筒は、制御パッケージおよび炉心制御パッケージの荷重を支持してもよい。
【0023】
支持円筒は、製造設備で製造され、支持円筒が原子炉設置場所に輸送される前に既に設置されている炉心バレルおよび炉心構成要素を含んでもよい。支持円筒はさらに、後の組み立てを容易にするために、輸送前に予め設置された回転栓子、ポート、および他の構成要素を有してもよい。これにより、精度、公差、ならびに製造および組み立て時間が改善される。
【0024】
以下の説明は、ナトリウム冷却高速炉(SFR)の設計および構成において有用であるが、本明細書に開示される概念の多くは、他の原子炉タイプにも同様に適用可能であり得る。本開示は、特に明記しない限り、SFR技術に限定されるべきではない。
【0025】
図1は、原子炉炉心のための炉心支持構造体(CSS)を示す。原子炉は、原子炉容器104内に位置する炉心102を含む。原子炉容器104は、典型的には、円筒形部分108に結合された底部ヘッド106によってその下端が閉じられている。容器ヘッド110は、円筒形部分108の頂部に嵌合され、原子炉容器104を閉じ、さらに、原子炉内部構造物(回転栓子、炉心支持構造体、フロー方向付け部材、制御要素ハンドリングシステム、燃料要素ハンドリングシステム、および他の内部容器機器など)を支持する。
【0026】
多くの原子炉では、原子炉容器104が原子炉ヘッド110から吊り下げられている。また、原子炉ヘッド110は、原子炉が収容される建物の一部を形成する構造体によって支持される。例えば、コンクリートであり得る複数の支持構造体112が、土台114に連結される。複数の支持構造体112は、原子炉ヘッドの重量が複数の支持構造体112によって圧縮状態で支持されるように、原子炉ヘッド110をさらに支持する。原子炉容器104は、典型的には、原子炉ヘッド110から吊り下げられており、そのため、その重量は、土台114に荷重を伝達する複数の支持構造体112によっても支えられている。
【0027】
原子炉容器104は、原子炉内部構造を収容する。いくつかの場合において、当該原子炉内部構造は、下部炉心支持構造体(図示せず)、上部炉心支持構造体、および炉心内計装支持構造体を含む。内部構造は、炉心構成要素を支持し、整列させ、案内し、炉心構成要素から炉心構成要素への冷却材の流れを導き、炉心内計装を案内して支持するように構成される。下部炉心支持構造体は、典型的には、炉心102に結合され、炉心102の重量を原子炉容器104の底部ヘッド106に伝達する。下部炉心支持構造体は、炉心102が原子炉容器104の底部ヘッド106によって支持されることを可能にする、炉心下の柱、橋脚、または他の支持体であってもよい。
【0028】
炉心バレルは、燃料要素を支持して収容し、冷却材の流れを導く。場合によっては、炉心バレルは、原子炉容器の上部レッジに吊り下げられる。場合によっては、炉心バレルは、半径方向および軸方向に熱膨張することが可能である。しかしながら、炉心バレルの横方向の動きは、燃料要素および制御要素の不整合を抑制するために制限される。炉心バレルは、炉心バレルを吊り下げる原子炉容器によって炉心バレルの重量が支えられることを可能にする任意の好適な構造体を介して、原子炉容器に結合されてもよい。
【0029】
図2に関して、下方炉心支持体200は、底部原子炉容器ヘッドと接合する円筒204に遷移する円錐形支持体202を含む。1つまたは複数の垂直リブ206は、外側炉心バレル遮蔽(ex-core barrel shielding)およびフローガイドを配置および支持するのに役立つ。さらに、垂直リブ206は、炉心支持構造体および炉心-容器インターフェース構造体を単一の構造体に結合するのに役立つ。これは、ユニットとして輸送可能であり得る。これにより、工場内で下方炉心支持構造体を製造し、組み立て品として炉心支持構造体を建設現場に輸送することが容易になる。
【0030】
図3は、原子炉容器底部ヘッド302と一体化された下方炉心支持構造体300の別の例を示す。炉心支持構造体300は、炉心支持構造体300の剛性および横方向安定性を高めるために複数のリブ304を含む。グリッドプレート306は、リブ304によって支持され、その上に載置される炉心を支持する。原子炉容器底部ヘッド302は、原子炉容器の円筒形部分から吊り下げられている。
【0031】
下方炉心支持構造体300を原子炉容器底部ヘッドに一体化することにより、いくつかの利点が得られる。例えば、これにより、構成要素およびアセンブリの数が低減され、原子炉容器補助冷却システム(RVACS)と適合でき、炉心を支持するための横方向安定性のレベルが提供される。
【0032】
図4は、円錐形張力スカート402がグリッドプレート構造体404を支持する、下方炉心支持構造体400の別の例を示す。炉心は、グリッドプレート構造体404上に支持される。炉心の荷重は、円錐形張力スカート402を通って原子炉容器の円筒形部分406に直接伝達される。場合によっては、この構成により、炉心の荷重が原子炉容器底部ヘッド408に加えられることは回避され、むしろ、炉心の荷重は原子炉容器の円筒形部分406に直接伝達される。
【0033】
その結果、比較的簡単な製造が可能となる。円錐形張力スカート402は、底部原子炉容器ヘッド408からの内部支持の必要性を改善し、炉心および内部構造の荷重を張力により原子炉容器円筒形部分406を通して送る。
【0034】
図5は、
図4に示した構造体に類似し、円錐形張力スカート402の上方に複数のリブ502を追加した、下方炉心支持構造体500の代替構成を示す。複数のリブ502は、フローガイドを支持し、冷却材チャネルを提供するとともに、追加の剛性を提供する。
【0035】
図6は、下方炉心支持体600の代替構成を示す。下方炉心支持体600は、円筒形部分602と、円筒形部分602から垂下する円錐形張力スカート604とを含む。
【0036】
下方炉心支持体600は、場合によっては、原子炉容器606から独立しており、原子炉容器606に対する応力を低減してもよい。場合によっては、下方炉心支持体600は、溶接によって原子炉容器606に取り付けられて、緊密な表面接触を提供し、応力を分散させ、剛性を向上させ、炉心荷重を原子炉容器606の円筒形部分に分散させることができる。いくつかの実施形態では、炉心は、製造設備(例えば工場)などにおいて、下方炉心支持体600に結合され、下方炉心支持体600を伴う炉心全体は、原子炉容器内に下降され、建設現場において原子炉容器に組み立てられ得る。
【0037】
図7は、炉心の荷重経路が底部支持体に伝達される、下方炉心支持体700の代替物を図示する。原子炉容器702は、底部容器ヘッド706に結合された円筒形部分704を有する。場合によっては、底部容器ヘッド706は、1つ以上の支持体上に載置され、原子炉容器702の重量を、最終的には原子炉建屋の土台まで下向きに伝達する。場合によっては、下方炉心支持体700は、原子炉容器702に結合され、炉心荷重は同様に、支持体に伝達され、最終的には原子炉建屋の土台まで下向きに伝達される。炉心荷重が原子炉容器702の下方にある支持体まで下向きに伝達される実施例において、炉心荷重は、原子炉容器702によって支持されなくてもよい。したがって、原子炉容器702の可撓性は、制御要素と炉心との位置合わせに及ぼす影響を低減する。
【0038】
さらに、炉心の横方向支持体は、原子炉容器702を支持する同じ支持体に結び付けられるかなり下方の炉心構造体を含む。これは、炉心荷重の荷重経路を大幅に低減するだけでなく、炉心を実質的にその重心に沿って支持し、堅牢な炉心支持を提供する。
【0039】
図8および
図9を参照すると、炉心荷重が炉心バレルを通して垂直に支持されるカートリッジ800の構成が示されている。カートリッジ800は、概して、原子炉炉心が頂部から挿入されることを可能にする円筒形のチャンバ802である。カートリッジ800は、原子炉容器底部ヘッド808によって保持される下方炉心支持体806と接合する協働底部支持構造体804を含む。協働下方炉心支持構造体804により、カートリッジ800を原子炉容器810内に下降させ、カートリッジ800を容器底部ヘッド808に対して位置決めすることが容易になる。
【0040】
場合によっては、炉心荷重は、原子炉ヘッドの分離部分にカートリッジ800によって支持される。場合によっては、カートリッジ800は、回転栓子アセンブリも支持して収容する。図示され説明されるようなカートリッジ800を利用することにより、カートリッジ800が製造施設で製造され、輸送前に予め設置された炉心および内部構造物と組み立てられることができるため、工場製造および現場組立が簡略化される。
【0041】
場合によっては、カートリッジ800が原子炉ヘッドによって上方から支持される。これにより、炉心を制御要素支持体と同じ荷重経路に結合するというさらなる利点が提供される。したがって、地震事象などによる、炉心と制御要素との任意の差動運動がさらに低減される。
【0042】
図示される例では、炉心支持体は、制御要素支持体に直接的に結合される。これにより、炉心に支持体を提供する際の原子炉容器の重要性がさらに低減される。したがって、原子炉容器810に対する炉心の製造および組み立てにおいて必要とされる精度が低減される。
【0043】
原子炉容器810は、1つ以上の熱交換器812並びに原子炉容器および炉心を通って冷却材を循環させるための1つ以上のポンプ814などの、運転に必要とされる追加の構造体を含むことができる。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、炉心、カートリッジ、および原子炉容器ヘッドを含む荷重チェーン(load chain)は、製造設備内で製造され、最終組み立てのためにモジュールとして建設現場に輸送され得る。これにより、必要とされる現場製造作業が減少するだけでなく、原子炉容器、容器ヘッド、および内部構造物を持ち上げて原子炉建屋内に配置することができるので、効率が向上する。場合によっては、炉心とカートリッジとがモジュールとして製造され、別個の(分かれた)モジュールである原子炉容器ヘッドと共に最終組立のために建設現場に輸送されてもよい。
【0045】
加えて、図示のカートリッジ構成800は核熱および制御モジュールを熱伝達機能からさらに切り離し、その結果、標準的な中央カートリッジ800および炉心モジュールは、最小限の変更で様々な原子炉配置に挿入され得る。言い換えれば、炉心、制御要素、および炉心内部構造物を含むカートリッジ800全体を原子炉から取り出すことができ、別のカートリッジ800をその場所に設置することができる。
【0046】
図10は、原子炉容器1002、炉心バレル1004、および炉心1006を含む原子炉1000の概略図を示す。原子炉容器1002は、容器底部ヘッド1008および容器ヘッド1010をさらに含む。容器ヘッド1010は、制御要素1014を支持する制御要素支持構造体1012を含む。制御要素1014は、炉心1006内の反応度を制御するために使用され得る。
【0047】
図示の実施形態では、炉心の重量は、炉心バレル1004によって保持される。また、当該炉心バレル1004は、炉心荷重を原子炉容器底部ヘッド1008に伝達する下方炉心支持体1016によって支持される。場合によっては、原子炉容器1002は、容器ヘッド1010に形成されたフランジなどのマウントによって支持される。原子炉容器1002は、容器ヘッド1010から吊り下げられる。したがって、原子炉容器の重量は、炉心および炉心バレルとともに、容器ヘッド1010によって支持される。いくつかの例では、例えば、原子炉容器1002の下方に、または横方向荷重に対して支持するために原子炉バレル1004に隣接する、さらなる支持構造体が存在してもよい。
【0048】
原子炉の建設において注意すべき1つの領域は、地震事象に対する原子炉内部構造物の応答である。例えば、地震事象により、原子炉容器1002は、地震力に応じて横方向および軸方向の両方に移動し得る。同様に、制御要素1014は、地震力に応じて移動し得る。制御要素1014と原子炉容器1002との間に差動運動がある場合、炉心1006内の反応度が影響を受ける。加えて、制御要素支持体1012を製造すること、および炉心1006を制御要素1014と位置合わせする構成を製造することは、安全かつ予測可能な原子炉動作を保証するために厳しい公差および高品質の製造を必要とする。
【0049】
図示の実施形態では、炉心の重量は、原子炉容器1002によって支えられる。一方、制御要素1014の重量は、容器ヘッド1010の一部を形成する制御要素支持体1012によって保持される。原子炉容器1002の動きを引き起こす地震事象において、原子炉容器ヘッド1010の周りの動きは、実質的に容器ヘッド1010に位置する旋回点の周りの制御要素1014の横方向の動きに変換される。一方、炉心1006は、原子炉容器1002の高さに関連する動きを受ける。すなわち、炉心1002は、原子炉容器1002の高さに比例する大きさの運動を有する容器底部ヘッド1008に関連する動きを受ける。多くの場合、地震事象は、制御要素1014の動きに比べて、原子炉容器1002によって支持される炉心1006のより大きな横方向の動きを引き起こす傾向がある。炉心と制御要素1014との差動運動は、望ましくなく予測不可能であり得る反応度の揺れを引き起こし得る。
【0050】
図11は、原子炉容器1002、炉心カートリッジ1102、および炉心1006を含む原子炉1100の概略図を示す。原子炉容器1002は、容器底部ヘッド1008および容器ヘッド1010をさらに含む。容器ヘッド1010は、1つ以上の制御要素1014を保持する制御要素支持構造体1012を含む。制御要素支持構造体1012は、炉心カートリッジ1102が制御要素支持構造1012から吊り下げられるように、炉心カートリッジ1102に結合される。したがって、炉心1006および制御要素1014の両方の荷重経路は、制御要素1014および炉心1006の両方を支持する共通の支持構造体1012を共有することによって互いに結合される。これにより、例えば地震事象に応じた、制御要素1014と炉心1006との間の差動運動が大幅に低減される。
【0051】
さらに、図示の構成は、原子炉容器1002が原子炉建屋内に設置された後であっても、工場で製造され、建設現場に輸送され、原子炉容器内に下降され得るカートリッジ1102を提供する。場合によっては、カートリッジ1102は、輸送前に炉心1006および炉心内部構造物を含むように工場で製造されてもよい。これにより、繊細な構成要素の製造における精度が向上し、現場での製造作業の量が低減され、現場で構成要素を設置するのに必要な時間が大幅に低減される。
【0052】
さらに、図示の実施形態は、複雑さを低減し、炉心1006を支持することの原子炉容器1002の壁への依存を取り除く。本明細書に記載されるように、第1カートリッジ1102は、原子炉容器1002から取り外され、第2カートリッジ1102と置き換えられてもよい。いくつかの実施形態では、第2カートリッジ1102は、第1カートリッジとは異なる構成を有する。
【0053】
図12は、略円筒形のカートリッジ1202、炉心1006、および制御要素支持体1204を含むカートリッジ炉心バレル1200を示す。制御要素支持体1204は、制御要素1014が炉心1006に選択的に挿入され、炉心1006から選択的に引き抜かれることを可能にする複数の開口部を含んでもよい。カートリッジ炉心バレル1200は、原子炉容器ヘッド上の協働構造体と係合する1つ以上のフランジを含み得る取り付け(マウント)構造1206を含む。したがって、カートリッジ炉心バレル1200は、原子炉ヘッドから吊り下げられる。カートリッジ炉心バレル1200は、炉心バレル1200にさらなる支持を提供するために、原子炉容器底部ヘッド上の嵌合構造体と協働し得る、下方炉心支持体1208をさらに含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、カートリッジ炉心バレル1200は、製造設備において製造され、モジュールとして建設現場に輸送されてもよい。炉心バレル1200は、炉心1006、任意の炉心内部構造物、制御要素駆動システム、および制御要素支持体1204を含むように製造されてもよい。制御要素1014および炉心1006の荷重経路は、原子炉容器ヘッドに関連する運動が同じ方向および大きさで、炉心1006および制御要素1014の両方に運動を伝達するように、一緒に結合される。これにより、制御要素1014は、炉心の負荷経路と制御要素とが共通の負荷経路を介して互いに結合されていない原子炉においてこれまで達成されたことのない水準まで、炉心1006と整列したままであることが可能になる。
【0055】
加えて、カートリッジ炉心バレル1200は、モジュールとして製造され、原子炉容器が原子炉建屋内に設置された後に原子炉容器内に設置されてもよい。これにより、組み立ての効率が向上し、現場での製造が低減され、製造設備内でモジュールを製造して組み立てることにより公差が増大する。いくつかの実施形態によれば、カートリッジ炉心バレル1200は、炉心、回転栓子、および制御要素支持構造体を含むモジュールとして製造されてもよい。このモジュールは、現場製造技術では達成することが非常に困難な厳しい公差を有するように、工場内で製造され、その後、内部要素がすでに設置されたモジュールは、設置のために建設現場に輸送されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、カートリッジ炉心バレル1200は単一のモジュールであり、原子炉容器は別個のモジュールであってもよい。いくつかの場合において、原子炉容器は、輸送および組み立てを促進するために、長手方向に沿ってセグメントにスライスされてもよい。例えば、原子炉容器は、当該原子炉容器を建設現場に輸送するのを促進するために、適切な長さ(例えば、8フィート、10フィート、12フィート、または15フィート、またはそれ以上)を有する円筒形セグメントに分割されてもよい。複数のセグメントは、現場で互いに接合されてもよい。例えば、原子炉建屋内の所定の位置に第1セグメントを位置合わせして設置し、次いで第2セグメントを第1セグメントに取り付けることによって、複数のセグメントは、原子炉建屋内の所定の位置において互いに接合されてもよい。原子炉容器が組み立てられ、原子炉建屋内に設置されると、カートリッジ炉心バレル1200は、下方炉心支持体1208の補助によって、原子炉容器内に下降され、原子炉容器内に配置され得る。炉心に対して制御要素を配置するための支持構造体は、高精度の製造工程を必要とする。これは、製造工場で製造されて建設現場に輸送されるカートリッジ炉心バレル1200を提供することによって、はるかに容易に満たされる。当該カートリッジ炉心バレル1200は、場合によっては、出荷前に予め組み立てられた炉心および他の内部要素を含む。これにより、建設が大幅に単純化され、精度が向上し、炉心の重量を支持するための原子炉容器に依存しなくなる。原子炉容器を炉心の荷重経路から外すことによって、原子炉容器は、より緩い公差でより堅牢でないように製造してもよい。これは、原子炉容器を製造するための時間およびコストの低減につながる。言い換えれば、原子炉容器は、カートリッジ炉心バレル1200および炉心1006から切り離される。場合によっては、原子炉容器は、炉心の支持に関与しない。しかしながら、いくつかの実施形態では、原子炉容器は、半径方向の横方向安定性を提供するために、原子炉容器とカートリッジ炉心バレルとの間の環内に1つ以上のスペーサを含んでもよい。
【0057】
カートリッジ炉心バレル1200は、任意の好適な下方炉心支持体1208(例えば、
図2~
図7に関連して図示され説明される任意の構造体)を組み込んでもよい。さらに、本明細書に提示される概念は、任意の原子炉タイプに適用可能であり得、近大気圧条件に依存する原子炉に特に適している。
【0058】
本開示は、例示的な実施形態を提示するものである。それゆえ、本開示は、いかなる点においても、本開示の実施形態の範囲および添付した特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。特定された機能およびそれらの関係の実装を示す機能構成ブロックの助けを借りつつ、実施形態を上述してきた。本明細書において、これらの機能的構成要素の境界は、説明の便宜上、任意に定められている。特定された機能およびそれらの関係が適切に実施される程度に、代替的な境界が定められてもよい。
【0059】
本開示の実施形態の一般的性質は、本開示の実施形態の一般的思想から逸脱することなく、当業者の知識を適用することで、様々な応用のために特定の実施形態を他者が過度の実験なしに容易に修正および/または適合し得る程度に十分に、かかる特定の実施形態の前述した説明によって明らかとなるだろう。それゆえ、かかる適合および修正は、本明細書に提示された教示および導きに基づいて、開示された実施形態の均等物の意味および範囲の中にあることが意図されている。本明細書における語法または用語は、本明細書に提示された教示および導きに照らして、当該本明細書の用語または語法が当業者によって解釈されるように説明することを目的とするものであって、限定を目的とするものではない。
【0060】
本開示の実施形態の広さおよび範囲は、上述した例示的実施形態のいずれの実施形態によっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその均等物に従ってのみ画定されるべきである。
【0061】
別段の定めのない限り、または、使用された文脈内で別様に理解されない限り、とりわけ「し得る」、「し得るだろう」、「してもよいだろう」または「してもよい」等の、条件に関する語は概して、特定の実装形態が特定の特徴、要素および/または動作を含み得る一方で、他の実装形態が特定の特徴、要素および/または動作を含まないことを伝えることを意図したものである。このように、かかる条件に関する語は概して、特徴、要素および/もしくは動作が何らかの形で、1もしくは複数の実装形態に求められることを意図するものではなく、または、これらの特徴、要素および/もしくは動作が、任意の特定の実装形態に含まれるものなのか、あるいは、これらの特徴、要素および/もしくは動作が、任意の特定の実装形態において実行されるべきものなのかを判定するための論理が、ユーザ入力もしくはプロンプトの有無とは無関係に、1もしくは複数の実装形態に必ず含まれることを意図するものではない。
【0062】
明細書および図面には、原子炉のモジュールを製造設備内で製造し、モジュールが組み立てられる製造現場に輸送し、それによって現場での製造の煩雑さおよび費用を大幅に低減することができる、システム、装置、デバイスおよび技術の例が開示されている。さらに、原子炉のシステムは、簡略化され、現場製造の代わりに工場製造を行うことをさらに促進する。
【0063】
当業者は、本明細書に開示される任意のプロセスまたは方法が多くの方法で修正され得ることを認識するであろう。本明細書に記載および/または図示された工程の工程パラメータおよび配列は単なる例として与えられており、所望に応じて変更することができる。例えば、本明細書で図示および/または説明される工程は特定の順序で示され、または説明され得るが、これらの工程は必ずしも図示または説明される順序で実行される必要はない。
【0064】
本明細書で説明および/または図示された様々な例示的な方法は、本明細書で説明または図示されたステップのうちの1つ以上のものを省略することもでき、または開示されたステップに加えて追加のステップを備えることもできる。さらに、本明細書で開示される任意の方法の工程は、本明細書で開示される任意の他の方法の任意の1つ以上の工程と組み合わせることができる。
【0065】
勿論、本開示の様々な特徴を説明する目的のために、要素および/または方法の考えられる全ての組合せについて述べることは不可能である。しかしながら、当業者には、開示された特徴のさらなる多数の組合せおよび置換が可能であることが認識される。したがって、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、本開示に対して様々な修正が行われ得る。さらに、明細書および添付した図面について考察することで、また、本明細書に提示された、開示された実施形態を実施することで、本開示のその他の実施形態が明らかとなり得る。本明細書および添付した図面において提示された実施例は、あらゆる点において、限定的なものではなく、例示的なものであるとみなされるべきである。本明細書には特定の用語が用いられているが、それらの用語は一般的かつ説明的な意味においてのみ使用されており、限定を目的として使用されたものではない。
【0066】
特に断らない限り、明細書で使用される用語「接続される」および「結合される」(およびそれらの派生語)は直接的および間接的(すなわち、他の要素または構成要素を介して)接続の両方を可能にするものとして解釈されるべきである。さらに、明細書で使用される用語「a」または「an」は「のうちの少なくとも1つ」を意味するものとして解釈されるべきである。最後に、使用を容易にするために、明細書で使用される用語「含む」および「有する」(およびそれらの派生語)は、単語「備える」と交換可能であり、同じ意味を有するものとする。
【0067】
以上から、および添付の図面から、本明細書には特定の実装形態が例示の目的で記載されているが、添付した特許請求の範囲の趣旨および範囲ならびに特許請求の範囲において列挙された要件から逸脱せずに、様々な修正が行われ得ることが理解されるだろう。加えて、特定の態様が特定の特許請求の形態において以下に提示されているが、本発明者らは、利用可能な任意の特許請求の形態において、様々な態様を想定している。例えば、一部の態様のみが特定の構成において具現化されるものとして目下、説明がなされ得る一方で、その他の態様が同様に、そのようにして具現化され得る。本開示の利益を得る当業者には明らかであろうような様々な修正および変更が行われ得る。全てのかかる修正および変更を包含することが意図されている。したがって、限定的な意味ではなく、むしろ例示的な意味において、上記の説明が考察されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】いくつかの実施形態に係る、原子炉支持構造体の模式図である。
【
図2】いくつかの実施形態に係る、炉心-容器インターフェースのための下方炉心支持構造体を示す。
【
図3】いくつかの実施形態に係る、炉心-容器インターフェースのための下方炉心支持構造体を示す。
【
図4】いくつかの実施形態に係る、炉心-容器インターフェースのための吊り下げ張力スカートを有する下方炉心支持構造体を示す。
【
図5】いくつかの実施形態に係る、複数のリブを有する下方炉心支持構造体を示す。
【
図6】いくつかの実施形態に係る、原子炉容器から独立した下方炉心支持構造体を示す。
【
図7】いくつかの実施形態に係る、底部支持型の容器構成における下方炉心支持構造体を示す。
【
図8】いくつかの実施形態に係る、原子炉ヘッドから吊り下げられるように構成された炉心支持構造体を示す。
【
図9】いくつかの実施形態に係る、炉心支持体を制御棒支持体に結合するためにカートリッジを利用する炉心支持構造体を示す。
【
図10】いくつかの実施形態に係る、下方炉心支持構造体および原子炉容器を介した荷重経路を示す。
【
図11】いくつかの実施形態に係る、原子炉容器から独立して炉心を支持するカートリッジ炉心支持構造体を示す。
【
図12】いくつかの実施形態に係る、カートリッジモジュールを示す。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部および下部を有する支持円筒と、
前記上部におけるマウントであって、原子炉容器ヘッドと係合し、当該原子炉容器ヘッドから前記支持円筒の重量を支持するマウントと、を備え、
前記支持円筒は、前記原子炉容器ヘッドから吊り下げられている、原子炉炉心支持システム。
【請求項2】
前記支持円筒内において炉心をさらに備える、請求項1に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項3】
前記支持円筒および前記炉心は、予め組み立てられて原子炉設置場所に輸送される、請求項2に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項4】
前記支持円筒内において燃料要素ハンドリングシステムをさらに備える、請求項1に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項5】
前記支持円筒内において制御要素支持システムをさらに備える、請求項1に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項6】
前記支持円筒および制御要素駆動システムは、共通の荷重経路を共有する、請求項1に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項7】
前記支持円筒および前記制御要素駆動システムは共に、前記原子炉容器ヘッドのある部分から吊り下げられている、請求項6に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項8】
前記支持円筒内に配置された炉心の支持体は、前記原子炉容器に荷重を伝達しない、請求項1に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項9】
炉心が前記支持円筒内に配置され、前記炉心の重量が前記原子炉容器ヘッドに支持される、請求項1に記載の原子炉炉心支持システム。
【請求項10】
製造設備において、原子炉容器を製造するステップと、
前記製造設備において、カートリッジ炉心バレルを製造するステップと、
前記製造設備において、炉心を製造するステップと、
前記製造設備において、制御要素駆動システムを製造するステップと、
前記製造設備において、前記制御要素駆動システムおよび前記炉心を前記カートリッジ炉心バレル内で組み立てて炉心モジュールを形成するステップと、
前記炉心モジュールを建設現場に輸送するステップと、を含む原子炉を建設する方法。
【請求項11】
前記原子炉容器を前記建設現場に輸送するステップをさらに含む、請求項10に記載の原子炉を建設する方法。
【請求項12】
原子炉建屋において前記原子炉容器を設置するステップをさらに含む、請求項11に記載の原子炉を建設する方法。
【請求項13】
前記
炉心モジュールを前記原子炉容器の内部に配置するステップをさらに含む、請求項12に記載の原子炉を建設する方法。
【請求項14】
前記炉心モジュールを原子炉容器ヘッドの第1部分に結合するステップをさらに含む、請求項13に記載の原子炉を建設する方法。
【請求項15】
前記制御要素駆動システムを前記原子炉容器ヘッドの前記第1部分に結合するステップをさらに含む、請求項14に記載の原子炉を建設する方法。
【請求項16】
円錐形支持部分と、
遷移部分によって円錐形支持部分と結合された円筒形支持部分と、
1つ以上の垂直リブと、を備える、原子炉炉心のための下方炉心支持構造体。
【請求項17】
前記1つ以上の垂直リブは、前記円錐形支持部分に結合される、請求項
16に記載の
下方炉心支持構造体。
【請求項18】
前記円錐形支持部分は、前記円筒形支持部分に結合された大径周縁部を有する円錐形張力スカートを備える、請求項
16に記載の
下方炉心支持構造体。
【請求項19】
前記1つ以上の垂直リブは、前記円錐形張力スカートの上面に結合される、請求項18に記載の
下方炉心支持構造体。
【国際調査報告】