(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】マルチコイル型ワイヤレス充電装置における適応型異物検出回避
(51)【国際特許分類】
H02J 50/60 20160101AFI20230830BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20230830BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20230830BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20230830BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
H02J50/60
H02J50/40
H02J50/12
H02J50/80
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511779
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 US2021045810
(87)【国際公開番号】W WO2022040016
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520310643
【氏名又は名称】アイラ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIRA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】グッドチャイルド,エリック,ハインデル
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル,デビッド
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503GB08
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
ワイヤレス充電のためのシステム、方法および装置が開示されている。充電装置は、充電面に設けられた複数の充電セルと、充電回路と、コントローラとを具える。コントローラは、受電デバイスに充電エネルギーを供給するために選択された充電装置内の複数の充電コイルのうちの少なくとも1つの充電コイルの近くで異物の存在を検出するように構成され得る。さらに、コントローラは、1以上の他の充電コイルが受電デバイスに充電エネルギーを供給できるかどうかを判定し、1以上の他の充電コイルのそれぞれについて、異物がそれに近接しているかどうかを判定するように構成され得る。さらに、コントローラは、受電デバイスに充電エネルギーを供給するために、異物に近接していない1つまたは複数の他の充電コイルのうちの少なくとも1つを選択するように構成され得る。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電装置の動作方法であって、
前記充電装置内の複数の充電コイルのうち、受電デバイスに充電エネルギーを供給するために選択された少なくとも1つの充電コイルに近接する異物の存在を検出するステップと、
前記複数の充電コイルのうちの1つまたは複数の他の充電コイルが前記受電デバイスに充電エネルギーを供給できるかどうかを判定するステップと、
前記1つまたは複数の他の充電コイルのそれぞれについて、異物が当該他の充電コイルに近接しているかどうかを判定するステップと、
異物に近接していない1つまたは複数の他の充電コイルの少なくとも1つを前記受電デバイスへの充電エネルギー供給用に選択するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数の他の充電コイルのすべてが異物に近接していると判定された場合に、前記受電デバイスの永続的な異物検出(FOD)状態を設定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記受電デバイスの永続的なFOD状態を設定した後に、前記異物が除去されたかどうかを判定するステップと、
前記異物が除去された後に前記受電デバイスのFOD状態をリセットするステップと、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つまたは複数の他の充電コイルが充電エネルギーを供給できるかどうかの判定は、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給できる所定のコイルの保存されているリストにアクセスすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記受電デバイスに充電エネルギーを供給できる所定のコイルのリストは、前記受電デバイスが前記充電装置の近くに配置され、複数の充電コイルの少なくとも1つからのpingに応答することができる初期設定時に予め決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1つまたは複数の他の充電コイルが充電エネルギーを供給可能であるかどうかの判定は、異物の存在を検出した後に実行し得る利用可能なコイルの判定を含み、さらに、前記充電装置の複数の充電コイルのうちの1つまたは複数が前記受電デバイスに充電エネルギーを供給可能であるかどうかを判定する走査を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記充電装置の複数の充電コイルのうちの1つまたは複数が前記受電デバイスに充電エネルギーを供給可能かどうかを判定する走査は、前記充電装置とのパッシブおよびアクティブpingのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
充電装置であって、
充電回路と、
コントローラであって、
前記充電装置内の複数の充電コイルのうち、受電デバイスに充電エネルギーを供給するために選択された少なくとも1つの充電コイルに近接する異物の存在を検出し、
前記複数の充電コイルのうちの1つまたは複数の他の充電コイルが前記受電デバイスに充電エネルギーを供給できるかどうかを判定し、
前記1つまたは複数の他の充電コイルのそれぞれについて、異物が当該他の充電コイルに近接しているかどうかを判定し、
異物に近接していない1つまたは複数の他の充電コイルの少なくとも1つを前記受電デバイスへの充電エネルギー供給用に選択する、ように構成されたコントローラと
を含むことを特徴とする充電装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記1つまたは複数の他の充電コイルのすべてが異物に近接していると判定された場合に、前記受電デバイスの永続的な異物検出(FOD)状態を設定するように構成される、請求項8に記載の充電装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記受電デバイスの永続的なFOD状態を設定した後に、前記異物が除去されたかどうかを判定し、前記異物が除去された後に前記受電デバイスのFOD状態をリセットするように構成される、請求項9に記載の充電装置。
【請求項11】
前記コントローラは、前記1つまたは複数の他の充電コイルが充電エネルギーを供給できるかどうかを判定する際に、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給できる所定のコイルの保存されているリストにアクセスするように構成される、請求項8に記載の充電装置。
【請求項12】
前記コントローラは、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給できる所定のコイルのリストを、前記受電デバイスが前記充電装置の近くに配置されたときに、複数の充電コイルの少なくとも1つからのpingに応答することができる初期設定時に予め決定するように構成される、請求項11に記載の充電装置。
【請求項13】
前記1つまたは複数の他の充電コイルが充電エネルギーを供給可能であるかどうかの判定は、異物の存在を検出した後に実行し得る利用可能なコイルの判定を含み、さらに、前記充電装置の複数の充電コイルのうちの1つまたは複数が前記受電デバイスに充電エネルギーを供給可能であるかどうかを判定する走査を含む、請求項8に記載の充電装置。
【請求項14】
前記充電装置の複数の充電コイルのうちの1つまたは複数が前記受電デバイスに充電エネルギーを供給可能かどうかを判定する走査は、前記充電装置とのパッシブおよびアクティブpingのうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2021年8月11日に米国特許庁に出願された非仮特許出願第17/400,045号および2020年8月16日に米国特許庁に出願された仮特許出願第63/066,310号の優先権と利益を主張するものであり、この出願の内容全体は以下に完全に記載されているかのようにその全体およびすべての適用目的のために参照により本書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、モバイルコンピューティング機器のバッテリを含むバッテリのワイヤレス充電に関し、具体的には、複数の充電コイルを有するワイヤレス充電装置における適応型異物検出回避に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス充電システムは、特定のタイプのデバイスが物理的な充電接続を使用せずに内部バッテリを充電できるようにするために開発されてきた。ワイヤレス充電を利用できるデバイスには、モバイル機器および/または通信機器などがある。ワイヤレスパワーコンソーシアムが定めるQi規格などの標準規格では、第1のサプライヤが製造した機器を、第2のサプライヤが製造した充電器でワイヤレス充電することが可能である。ワイヤレス充電の規格は、比較的単純な構成のデバイス向けに最適化されており、基本的な充電機能を提供する傾向にある。
【0004】
ワイヤレス充電システムは、ワイヤレス充電システムの充電面上に置かれた異物(すなわち、充電できない、または充電エネルギーを受け取ることができない物体)を検出する機能を含み得る。この異物検出(FOD)により、充電システムは、異物の近くにあるマルチコイル充電システムの充電コイルから供給されるエネルギーを制限または停止して、不必要な電力損失、システムノイズ、さらには異物の不要な加熱を避けることができる。典型的に、FOD状態が発生すると、異物の近くにある充電コイルは、充電が制限または停止される恒常的FOD状態になる。
【0005】
ワイヤレス充電機能の改善は、絶えず複雑化するモバイルデバイスや変化するフォームファクタに対応するために必要である。例えば、ワイヤレス充電動作時のニーズがある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本明細書に開示される特定の態様によるワイヤレス充電装置が具える充電面に設けられる充電セルの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本明細書に開示される特定の態様によるワイヤレス充電装置が具える充電面のセグメントの単一層に設けられた充電セルの配置の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本明細書に開示される特定の態様によるワイヤレス充電装置が具える充電面のセグメント内で充電セルの複数の層が重ねられたときの充電セルの配置の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本明細書に開示される特定の態様による構成された複数層の充電セルを採用する充電装置の充電面によって提供される電力伝送領域の配置を示す図である。
【
図5】
図5は、本明細書に開示される特定の態様による、充電器ベースステーションに設けられ得るワイヤレストランスミッタを示す図である。
【
図6】
図6は、本明細書に開示される特定の態様によるパッシブPingに対する応答の第1の例を示す図である。
【
図7】
図7は、本明細書に開示される特定の態様によるパッシブPingに対する応答の第2の例を示す図である。
【
図8】
図8は、本明細書に開示される特定の態様によるパッシブPingに対する応答の観察された差分例を示す図である。
【
図9】
図9は、本明細書に開示される特定の態様により適合されたワイヤレス充電装置に実装されるパッシブPingを含む方法を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本開示の特定の態様に従って、共振回路における電流または電圧の各周期における1以上の点での測定値を得るためにゼロクロス検出を採用するワイヤレス充電システムを示す図である。
【
図11】
図11は、本開示の特定の態様に従ったゼロクロススロット式異物検出を示す図である。
【
図12】
図12は、本明細書に開示される特定の態様により適合されたワイヤレス充電器において使用するためのマトリクス多重化スイッチングをサポートする第1のトポロジを示す図である。
【
図13】
図13は、本明細書に開示される特定の態様により適合されたワイヤレス充電器における直流駆動をサポートする第2のトポロジを示す図である。
【
図14】
図14は、本明細書に開示された態様に従って、永続的な異物検出(FOD)状態を適応的に回避するために使用される様々なコイルの組合せを示す。
【
図15】
図15は、本明細書に開示される態様に従って、FOD状態を適応的に回避する方法のフローチャートを示す。
【
図16】
図16は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合され得る処理回路を採用する装置の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、本開示の特定の態様に従った充電装置の動作方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成を説明することを意図しており、本明細書に記載の概念が実施され得る唯一の構成を示すことを意図したものではない。詳細な説明には、様々な概念の完全な理解を提供するための具体的な詳細が含まれている。しかしながら、それらの概念が具体的な詳細なしで実施できることは当業者には明らかであろう。時には、そのような概念を不明瞭にしないために、周知の構造および構成要素をブロック図の形式で示している。
【0008】
次に、ワイヤレス充電システムの特定の態様を、様々な装置および方法を参照して提示する。これらの装置および方法は、以下の詳細な説明に記載されるとともに、添付の図面において、様々なブロック、モジュール、コンポーネント、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(総称して「要素」と呼ぶ)によって示される。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェアまたはそれらの任意の組合せを使用して実装することができる。そのような要素がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課される設計上の制約に依存する。
【0009】
例えば、要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1以上のプロセッサを含む「処理システム」で実装され得る。プロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載された様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。処理システムの1以上のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、プロセッサ可読記憶媒体に常駐するようにしてもよい。本明細書でコンピュータ可読媒体とも呼ばれるプロセッサ可読記憶媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、近距離ワイヤレス通信(NFC)トークン、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、搬送波、伝送路、ソフトウェアを格納または伝送するのに適した他の任意の媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、処理システムに存在していても、処理システムの外部にあっても、処理システムを含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、特定の用途およびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実装するための最良の方法を認識するであろう。
【0010】
概要
本開示の特定の態様は、ワイヤレス充電装置に適用可能なシステム、装置、および方法に関する。充電セルは1以上の誘導コイルで構成されて充電装置に充電面を提供し、充電面によって充電装置が1以上の充電式デバイスをワイヤレスで充電できるようにする。充電されるデバイスの位置は、デバイスの位置を充電面上の既知の位置を中心とする物理的特性の変化に関連付けるセンシング技術を介して検出することができる。位置の感知は、容量性、抵抗性、誘導性、接触、圧力、負荷、歪み、および/または別の適切なタイプのセンシングを使用して実装することができる。
【0011】
本開示の一態様では、装置は、バッテリ充電用の電源と、マトリクス状に構成された複数の充電セルと、各スイッチがマトリクス内のコイルの横列(row)をバッテリ充電電源の第1の端子に結合するように構成されている第1の複数のスイッチと、各スイッチがマトリクス内のコイルの縦列(column)をバッテリ充電電源の第2の端子に結合するように構成されている第2の複数のスイッチとを具える。複数の充電セルのうちの各充電セルは、電力伝送領域を取り囲む1または複数のコイルを含むことができる。複数の充電セルは、複数の充電セルのうちの充電セルの電力伝送領域が重なることなく、充電装置の充電面に隣接して配置されるものであってもよい。
【0012】
場合によっては、本装置は充電面と呼ばれることもある。電力は、装置の面上の任意の場所に配置された受電デバイスにワイヤレスで伝送することができる。デバイスは、任意に規定されたサイズおよび/または形状を有することができ、充電可能な任意の個々の配置に拘わらず配置することができる。単一の充電面上で複数のデバイスを同時に充電することができる。本装置は、充電面にわたって1以上のデバイスの動きを追跡することができる。
【0013】
充電セル
本明細書に開示される特定の態様によれば、充電装置内の充電セルを用いて充電面が提供され、これら充電セルは充電面に隣接配備される。一例において、充電セルは、ハニカムパッケージ構成に従って、充電面の1以上の層に配備される。充電セルは、それぞれがコイルに隣接する充電面に実質的に直交する軸に沿って磁場を誘導することができる1以上のコイルを使用して実装することができる。本明細書において、充電セルとは、各コイルが充電セル内の他のコイルによって生成される場に対して加算的であって共通の軸に沿うか近接して配向される電磁場を生成するように構成された1以上のコイルを有する構成要素いう。いくつかの例では、充電セル内のコイルはプリント回路基板上のトレースを使用して形成される。いくつかの例では、充電セルのコイルは、ワイヤを螺旋状に巻いて、平面的なコイルまたは略円筒形の外形を持つコイルを得ることによって形成される。一例として、リッツワイヤを用いて平面状またはほぼ平坦な巻線を形成し、中央に電力伝送領域を持つコイルを提供することができる。
【0014】
いくつかの実装例では、充電セルは、共通の軸に沿って積層され、および/または、充電面に実質的に直交する誘導磁界に寄与するように重なり合うコイルを含む。いくつかの実装例では、充電セルは、充電面の規定された部分内に配置され、充電セルに関連する充電面の実質的に直交する部分内の誘導磁界に寄与するコイルを含む。いくつかの実装例では、充電セルは、動的に定義される充電セルに含まれるコイルにアクティベート電流を供給することによって構成可能であり得る。例えば、充電装置は、充電面にわたって配備された複数のコイルのスタックを含むことができ、この充電装置は、充電対象デバイスの位置を検出し、充電対象デバイスに隣接する充電セルを提供するためにコイルのスタックのいくつかの組み合わせを選択し得る。ある実施例では、充電セルは、単一のコイルを含むか、または単一のコイルとして特徴付けられ得る。しかしながら、充電セルは、複数の積層コイルおよび/または複数の隣接するコイルもしくはコイルの積層を含むことができることを理解されたい。本明細書では、コイルを、充電コイル、ワイヤレス充電コイル、伝送器コイル、伝送コイル、送電コイル、送電器コイルなどと呼ぶことがある。
【0015】
図1は、充電装置の充電面を提供するために配備され、および/または構成され得る充電セル100の一例を示す。本明細書で説明するように、充電面は、1以上の基板106上に設けられた充電セル100のアレイを含むことができる。1以上の基板106上に、1以上の集積回路(IC)および/またはディスクリート電子部品からなる回路を設けることができる。この回路は、受電デバイスに電力を伝送するために使用するコイルに供給される電流を制御するために使用されるドライバおよびスイッチを含み得る。この回路は、本明細書に開示される特定の機能を実行するように構成され得る1以上のプロセッサおよび/または1以上のコントローラを含む処理回路として構成することができる。いくつかの実施例では、処理回路の一部または全部を充電装置の外部に設けてもよい。いくつかの実施例では、電源を充電装置に結合することができる。
【0016】
充電セル100は、充電装置の外表面領域の近くに設けることができ、その上に充電のために1つまたは複数のデバイスを配置することができる。充電装置は、充電セル100の複数のインスタンスを含むことができる。一例では、充電セル100は、電力伝送領域104に電磁場を生成するのに十分な電流を受け取ることができる導体、配線または回路基板トレースを用いて構築することができる1以上のコイル102を囲む、実質的に六角形の形状を有している。様々な実施態様において、いくつかのコイル102は、
図1に例示される六角形の充電セル100を含む、実質的に多角形である形状を有してもよい。他の実施態様では、他の形状を有するコイル102が提供される。コイル102の形状は、少なくとも部分的に、製造技術の能力または制限によって、および/またはプリント回路基板などの基板106上の充電セルのレイアウトを最適化するために決定することができる。各コイル102は、スパイラル構成のワイヤ、プリント回路基板トレースおよび/または他のコネクタを使用して実装することができる。各充電セル100は、異なる層のコイル102が共通軸108に中心を持つように、絶縁体または基板106によって分離された2以上の層にわたることができる。
【0017】
図2は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合され得る充電装置の充電面のセグメントの単一層に設けられた充電セル202の配列200の一例を示す図である。充電セル202は、ハニカムパッケージング構成に従って配置されている。本実施例では、充電セル202は、重なり合うことなく端と端を合わせて配置されている。この配置は、スルーホールやワイヤ配線なしで提供することができる。充電セル202の一部が重なり合う配置など、他の配置も可能である。例えば、2以上のコイルでなるワイヤをある程度インターリーブすることができる。
【0018】
図3は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合され得る充電面のセグメント内で複数の層が重ね合わされる場合の、2つの視点300、310からの充電セルの配置の一例を示す。充電セル302、304、306、308の層が、充電面の1セグメント内に設けられている。各層の充電セル302、304、306、308内の充電セルは、ハニカムパッケージング構成に従って配置されている。一実施例では、充電セル302、304、306、308の層は、4層以上のプリント回路基板上に形成され得る。充電セル100の配置は、図示されたセグメントに隣接する割り当てられた充電領域を完全にカバーするように選択することができる。充電セルは、
図3に例示した302、304、306、308が、多角形の伝送コイルが提供する電力伝送領域に対応することができる。他の実装例では、充電コイルは、ワイヤから構成された螺旋状に巻かれた平面コイルを具え、それぞれが略円形の電力伝送領域を提供するように巻かれてもよい。後者の例では、複数の螺旋状に巻かれた平面コイルが、ワイヤレス充電装置の充電面の下に積層して配備され得る。
【0019】
図4は、本明細書に開示される特定の態様による構成された複数層の充電セルを採用する充電装置の表面400にわたって設けられた電力伝送領域の配置を示す図である。図示された充電面は、4層の充電セル402、404、406、408から構成されており、これらは
図3の充電セルの層302、304、306、308に対応しうるものである。
図4において、第1層の充電セル402の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L1」と記され、第2層の充電セル404の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L2」と記され、第3層の充電セル406の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L3」と記され、第4層の充電セル408の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L4」と記されている。
【0020】
ワイヤレストランスミッタ
図5は、充電器ベースステーションまたはワイヤレス充電システムに設けられ得るワイヤレストランスミッタ500を示す図である。コントローラ502は、調整回路508でフィルタリングされるか、他の方法で処理されたフィードバック信号を受信することができる。コントローラは、コンデンサ512およびインダクタ514を含む共振回路506に交流を供給するドライバ回路504の動作を制御し得る。共振回路506は、本明細書においてタンク回路、LCタンク回路、またはLCタンクとも呼ばれ、共振回路506のLCノード510で測定される電圧516はタンク電圧とも呼ばれる。
【0021】
ワイヤレストランスミッタ500は、充電装置によって、互換性のあるデバイスが充電面上に置かれたかどうかを判断するために使用することができる。例えば、充電装置は、ワイヤレストランスミッタ500を介して間欠的なテスト信号(アクティブPingまたはデジタルPing)を送信することによって、互換デバイスが充電面に置かれたことを特定することができ、ここで共振回路506は、互換デバイスがテスト信号に応答するかテスト信号の特性を変更した場合に符号化された信号を検出または受信することができる。充電装置は、規格、慣習、製造者または用途によって規定された応答信号を受信したら、少なくとも1つの充電セル内の1以上のコイルを励起するように構成することができる。いくつかの例では、互換デバイスは、充電装置が互換デバイスの充電に使用される最適な充電セルを見つけることができるように、受信信号強度を通信することによってPingに応答することができる。
【0022】
パッシブPing
本明細書に開示された特定の態様によれば、1以上の充電セル内のコイルを選択的に励起して、互換デバイスの充電に最適な電磁界を提供することができる。いくつかの実施例では、コイルが充電セルに割り当てられ、一部の充電セルが他の充電セルと重なり得る。後者の場合、充電セル単位で最適な充電設定を選択することができる。他の例では、充電セルは、充電装置表面への充電対象デバイスの配置に基づいて規定されてもよい。このような他の例では、各充電イベントでアクティブ化されるコイルの組み合わせは異なり得る。いくつかの実装例では、充電装置は、充電イベント中に励起するために1以上のセルおよび/または1以上の所定の充電セルを選択できるドライバ回路を含み得る。
【0023】
ワイヤレス充電装置は、本明細書に開示される特定の態様に従って、従来のPing送信に代替および/または補足することができる低電力発見技術をサポートするように適合され得る。従来のPingは、ベースステーションの伝送コイルを含む共振LC回路を駆動することで生成される。その後、ベースステーションは受電デバイスからのASK変調応答を待つ。低電力発見技術は、パッシブPingを用いて高速および/または低電力の発見を提供することができる。特定の態様によれば、パッシブPingは、共振LC回路を含むネットワークを少量のエネルギーを含む高速パルスで駆動することによって生成することができる。高速パルスは共振LC回路を励起し、注入されたエネルギーが減衰して消滅するまで、その固有の共振周波数でネットワークを発振させる。一例では、高速パルスは、ネットワークおよび/または共振LC回路の共振周波数の半周期に相当する持続時間を有し得る。ベースステーションが周波数範囲100kHz~200kHzで電力をワイヤレス伝送するように構成されている場合、高速パルスの持続時間は2.5μs未満であり得る。
【0024】
パッシブPingは、共振LC回路を含むネットワークが鳴動する固有周波数、およびネットワーク内のエネルギーの減衰率に基づいて特徴付けおよび/または構成され得る。ネットワークおよび/または共振LC回路のリンギング周波数は、次のように定義することができる。
【0025】
減衰率は、以下に定義される発振器ネットワークの品質係数(Qファクタ)によって制御される。
【0026】
式1および式2は、共振周波数がLおよびCによって影響を受け、QファクタがL、CおよびRによって影響されることを示している。本明細書に開示される態様に従って提供されるベースステーションにおいて、ワイヤレスドライバは、共振コンデンサの選択によって定まるCの固定値を有する。LとRの値は、ワイヤレス伝送コイルと、このワイヤレス伝送コイルに隣接配置された物体やデバイスによって定まる。
【0027】
ワイヤレス伝送コイルは、伝送コイルに近接配置されたデバイスの受電コイルと磁気的に結合し、そのエネルギーの一部を近くの充電式デバイスにカップリングするように構成される。伝送回路のLとRの値は、充電式デバイスの特性や伝送コイルの近くにある他の物体の影響を受け得る。例えば、透磁率の高い鉄材を伝送コイルの近くに置くと、式1のように伝送コイルの総インダクタンス(L)が大きくなり、結果として共振周波数が低くなり得る。渦電流誘導による材料の加熱でエネルギーが失われることがあり、この損失は式2のようにRの値が増加し、それによってQファクタを下げるという特徴がある。
【0028】
伝送コイルの近くにワイヤレスレシーバを置いても、Qファクタや共振周波数に影響を与えることがある。レシーバは高いQファクタを有する同調LCネットワークを含み、それによって伝送コイルのQファクタが低くなり得る。伝送コイルの共振周波数は、レシーバに磁性体を追加することによって低下する場合があり、これが全体の磁気システムの一部となる。表1は、伝送コイルに近接する物体の種類による影響を示したものである。
【0029】
パッシブping技術は、LCノード510で測定または観測された電圧および/または電流を使用して、本明細書に開示された特定の態様に従って適合されたデバイスの充電パッドに近接する受電コイルの存在を識別することができる。従来の多くのワイヤレス充電器用トランスミッタでは、LCノード510の電圧やネットワーク内の電流を測定する回路が設けられている。これらの電圧と電流は、電力調整目的および/またはデバイス間の通信をサポートするために監視され得る。
図5に示す例では、LCノード510の電圧が監視されるが、パッシブPingをサポートするために電流が追加的または代替的に監視され得ることが企図される。パッシブPing(初期電圧V
0)に対する共振回路506の応答は、LCノード510における電圧(V
LC)により、次のように表すことができる。
【0030】
図6は、パッシブPingに対する応答600が式3に従って減衰する第1の例を示す図である。時間t=0における励起パルスの後、電圧および/または電流は、式1で定義される共振周波数で、式3で定義される減衰率で振動することが確認された。発振の最初のサイクルは電圧レベルV
0から始まり、V
LCはQファクタとωによって制御されてゼロまで減衰し続ける。
図6に示す例では、物体が充電パッド上に置かれていない、または近くにない場合の典型的なオープンまたは無負荷の応答を示す。
図6において、Qファクタの値は20と仮定される。
【0031】
図7は、パッシブPingに対する応答700が式3に従って減衰する第2の例を示す図である。時間=0における励起パルスの後、電圧および/または電流は、式1で定義される共振周波数で、式3で定義される減衰率で振動することが確認された。発振の最初のサイクルは電圧レベルV
0から始まり、V
LCはQファクタとωによって制御されてゼロまで減衰し続ける。
図7に示す例では、物体が充電パッド上に存在し、または近くにあってコイルに負荷がかかる場合の負荷応答を示す。
図6では、Qファクタの値は7であり得る。V
LCは、電圧応答700では、電圧応答600と比べて高い周波数で振動する。
【0032】
図8は、応答800、820、840の間の差を観察することができる一組の例を示す。2.5μsより短いパルスを用いてドライバ回路504が共振回路506を励起すると、パッシブPingが開始される。異なるタイプのワイヤレスレシーバやトランスミッタに置かれた異物によって、トランスミッタのLCノード510の電圧や共振回路506の電流において観測可能な応答が異なる。この差は、V
0の発振周波数の共振回路506のQファクタのバリエーションを示し得る。表2は、オープン状態に関して充電パッド上に置かれる物体の特定の例を示す。
【0033】
表2において、Qファクタは以下のように算出することができる。
ここで、Nは励起から振幅が0.5V
0を下回るまでのサイクル数である。
【0034】
図9は、本明細書に開示される特定の態様により適合されたワイヤレス充電装置に実装されるパッシブPingを含む方法を示すフローチャート900である。ブロック902において、コントローラは、短い励起パルスを生成し、この短い励起パルスを共振回路を含むネットワークに供給することができる。このネットワークは公称共振周波数を有し、短い励起パルスはネットワークの公称共振周波数の半分より小さい持続時間を有し得る。共振回路の伝送コイルが鉄系物体、非鉄系物体、充電式デバイス内の受電コイルを含む外部物体から隔離されている場合に、公称共振周波数を観測することができる。いくつかの例では、短い励起パルスは、ネットワークの公称共振周波数の1以上のサイクルに対応する持続時間を有する。いくつかの例では、短い励起パルスは、ネットワークの公称共振周波数の5以上のサイクルに対応する持続時間を有する。
【0035】
ブロック904において、コントローラは、ネットワークの共振周波数を判定するか、パルスに応答するネットワークの共振の減衰をモニタすることができる。本明細書に開示された特定の態様によれば、デバイスまたは他の物体が伝送コイルの近くに置かれると、ネットワークに関連する共振周波数および/またはQファクタが変化し得る。共振回路の伝送コイルが外部から隔離されているときに観測される公称共振周波数から共振周波数が増加または減少し得る。ネットワークのQファクタは、共振回路の伝送コイルが外部物体から隔離されているときに測定され得る公称Qファクタに対して増加または減少し得る。本明細書に開示された特定の態様によれば、Qファクタの差によって、公称Qファクタに関連する遅延に関して共振回路における発振の振幅の減衰が延長または加速される場合、遅延の持続時間が、伝送コイルの近くに置かれた物体の存在または種類を示すことが可能である。
【0036】
一例では、コントローラは、比較器などを用いてLCノード510の電圧を表す信号のゼロクロスを検出するように構成された遷移検出回路を用いて、ネットワークの共振周波数を特定することができる。いくつかの例では、直流(DC)成分を信号からフィルタリングして、ゼロクロスを提供することができる。いくつかの例では、比較器がDC成分を考慮し、オフセットを用いて共通電圧レベルのクロスを検出することができる。検出されたゼロクロスをカウントするためにカウンタを採用してもよい。別の例では、コントローラは、LCノード510における電圧を表す信号によって閾値電圧を通る交差を検出するように構成された遷移検出回路を使用してネットワークの共振周波数を特定することができ、ここで信号の振幅は、論理回路によって検出および監視できる電圧の範囲内でクランプまたは制限されている。この例では、信号の遷移をカウントするカウンタを採用してもよい。ネットワークの共振周波数は、他の方法を用いて測定、推定、および/または計算してもよい。
【0037】
別の例では、VLCが電圧レベルV0から閾値電圧レベルまで減衰するまでの経過時間を特定するために、タイマまたはカウンタを採用することができる。この経過時間は、ネットワークの減衰特性を表すために使用することができる。閾値電圧レベルは、パルスに対する様々な応答800、820、840をカウンタまたはタイマが区別できるように十分な粒度を提供するように選択され得る。VLCは、検出または測定されたピーク、ピークツーピーク、エンベロープ、および/または整流された電圧レベルにより表される。ネットワークの減衰特性は、他の方法論を用いて測定、推定、計算してもよい。
【0038】
ブロック906において、公称共振周波数に対する共振周波数の変化が、伝送コイルの近くに物体が存在することを示すとコントローラが判断した場合、コントローラはブロック912において物体の識別を試みることができる。ブロック906で共振周波数が公称共振周波数と実質的に同じであるとコントローラが判断した場合、コントローラは、ブロック908で共振回路における振動の振幅の減衰特性を考慮することができる。コントローラは、周波数が公称共振周波数を中心とするかこれを含む定義された周波数範囲内に留まる場合に、ネットワークの共振周波数が公称共振周波数と実質的に同じであると判断することができる。いくつかの実装例では、コントローラは、共振周波数と減衰特性の変化を使用して物体を識別することができる。これらの後者の実装例では、コントローラは、共振周波数に関係なくブロック908で継続し、伝送コイルの近くに置かれた物体を識別する際に共振周波数の変化を追加のパラメータとして使用することができる。
【0039】
ブロック908において、コントローラは、タイマを使用するか、および/または、初期のVO振幅と減衰特性を評価するために使用される閾値振幅との間で経過した共振回路における発振のサイクルをカウントすることができる。一例では、VO/2を閾値振幅として選択することができる。ブロック910において、初期VO振幅と閾値振幅との間のサイクル数または経過時間を用いて、共振回路における発振の振幅の減衰を特徴付け、減衰特性を対応する公称減衰特性と比較することができる。ブロック910において、周波数や遅延特性の変化が検出されない場合、コントローラは、伝送コイルの近くに物体がないと判断して、手順を終了することができる。ブロック910において、周波数および/または遅延特性の変化が検出された場合、コントローラは、ブロック912において物体を識別することができる。
【0040】
ブロック912において、コントローラは、充電パッド上に置かれた受電デバイスを識別するように構成され得る。コントローラは、他の種類の物体や、例えばパッシブPingを提供する伝送コイルと位置がずれている受電デバイスなどの、充電パッド上に最適に配置されていない受電デバイスを無視するように構成され得る。いくつかの実装例では、コントローラは、共振周波数、減衰時間、共振周波数の変化、減衰時間の変化、および/またはQファクタ推定値によってインデックス付けされたルックアップテーブルを使用することができる。ルックアップテーブルは、特定のデバイス種類を識別する情報、および/または識別されたデバイスまたはデバイス種類を充電する際に使用される充電パラメータを提供することができる。
【0041】
いくつかの例では、パッシブPingは、共振回路906のLCノード910で観察される公称共振周波数の半サイクル未満であり得る非常に短い励起パルスを使用する。従来のPingは、16,000サイクル以上にわたり伝送コイルをアクティブに駆動することがある。従来のPingで消費される電力と時間は、パッシブPingの電力と時間の使用量を数桁上回る場合がある。一例として、パッシブPingは1Pingあたり約0.25μJを消費し、最大Ping時間は約100μsであるが、従来のアクティブPingは1Pingあたり約80mJを消費し、最大Ping時間は約90msである。この例では、エネルギー散逸は320,000分の1に削減され、Pingごとの時間は900分の1に削減することができる。
【0042】
パッシブPingは、静電容量センシングなど、別の低電力センシング方式とともに用いることができる。静電容量センシングなどは、充電面に近い物体の有無を判定する超低電力の検出方法を提供することができる。静電容量方式で検知した後、パッシブPingを各コイルで順次または同時に送信し、潜在的な受電デバイスや物体の位置についてより正確なマップを作成することができる。パッシブPing手順を実施した後、最も可能性の高いデバイス位置でアクティブデジタルPingを提供することができる。
【0043】
異物検出
いくつかの態様によれば、異物検出(FOD)を用いて、ワイヤレス充電装置またはベースの充電面上に配置され得る異物(FO)を検出することができる。ワイヤレス充電装置またはベースからワイヤレス伝送される電力を受信できないデバイスまたは他の物体が異物と見なされ得る。異物は、異物の近くにある1以上のアイドル状態の充電セルを介して伝送されるパッシブPingによって検出され、異物の検出は、アイドル状態の充電セルを介したデジタルPingの送信を含むさらなる検出手順をトリガすることができる。FODは、充電式デバイスが充電セルを介して電力を受け取っている間にも実行され得る。一例では、
図5のドライバ504のようなアクティブな充電セルに結合されたドライバを、周期的に短時間オフにすることができる。別の例では、コントローラがアクティブな充電セルの動作特性の変化を検出したときにスロットを提供し、アクティブな充電セルに結合されたドライバを短時間オフにして、充電中のデバイスの動きや異物の存在を確認することができる。ドライバをオフにする短時間を、スロットと呼ぶことがある。スロットが提供するドライバの非アクティブ時間中に、異物の存在を検出するために、様々な測定値を分析することができる。例えば、共振タンク回路(例えば、506)のエネルギーが減衰するようにする。この減衰率を測定することで、Qファクタを求めることができる。次に、Qファクタの特定を、例えば表2に関連して上述した技術を用いて、異物の検出に使用することができる。さらに、他のより効率的なFOD方法論を使用してもよい。
【0044】
図10は、ワイヤレス充電装置1002の表面上の異物(FO)を検出するためにスロット式異物検出を実行するように構成され得るシステム1000の一例を示す図である。ワイヤレス充電装置1002のドライバ回路1010は、スロットと呼ばれ得る短時間だけ周期的にオフになり、その間は、ドライバ回路1010によって駆動される共振回路1004のエネルギーが減衰する。共振回路1004のQファクタは、この減衰率を測定することで求めることができる。Qファクタの測定精度を損なうエイリアシングやアーチファクトを発生させずに共振回路1004のAC波形を正確に測定するには、一般的に高いサンプルレートが必要である。サンプルレートは共振回路1004の電流の周波数の10倍から20倍にもなり、一般に高速で高価なアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)を使用する必要がある。
【0045】
本開示の特定の態様では、ゼロクロス検出器1012、1014を用いて、異物検出のために設けられたスロット中に、低コストのADCが共振回路1004におけるAC波形の各周期の同じ点における電圧の正確な測定値を確実に取得できるようにするタイミング情報を提供する。ゼロクロススロット式異物検出は、共振回路1004の電圧および/または電流のゼロクロスのいずれかを検出するために用いることができる。ゼロクロスを検出するとホールドオフタイマがスタートし、ADCのサンプルホールド回路をトリガする。一例として、ホールドオフタイマは、共振回路1004におけるAC波形の1/4周期後にサンプルホールド回路をトリガする。この例では、ADCはAC波のピークで採取されたサンプルを読み取る。AC波形の基本周波数より低いサンプル周波数を使用することができる。
【0046】
図11は、ゼロクロス、スロット式異物検出の特定の態様を示すタイミング
図1100、1120を含む。測定スロット1106、1126が、通常の充電動作期間1104、1108または1124、1128の間に設けられる。第1のタイミング
図1100は、異物が存在しないときの共振回路1004におけるエネルギー、電圧または電流を表す信号1102の例に関し、信号1102における遅い減衰1112は、高いQファクタを有する共振回路に対応する。第2のタイミング
図1120は、ワイヤレス充電装置1002とレシーバ1032(例えば、コイル(Ls)を含み、単に電力レシーバ(PRx)とも呼ばれ得る)の間に異物1030(
図10参照)が存在する場合の、共振回路1004のエネルギー、電圧または電流を表す信号1122の例に関し、減衰1132は低いQファクタを有する回路に対応する。本開示の特定の態様によるゼロクロス、スロット式異物検出技術は、ゼロクロス信号1110、1130によって識別される検出されたゼロクロスに基づき識別されるサンプル点1114、1134を使用する。
【0047】
図10に戻ると、この図は共振回路1004における電流または電圧の各周期における1以上の点での測定値1006、1008を得るためにゼロクロス検出を採用するワイヤレス充電装置1002の例を示す。一例として、測定値は、本明細書に開示される特定の態様に従って、スロット式異物検出に使用され得る。ワイヤレス充電装置1002は、コンデンサ(C
p)およびインダクタ(L
p)を有するLCタンク回路を含む共振回路1004を駆動するための充電電流を生成するドライバ回路1010を含む。充電電流は、インダクタ内の電流と実質的に同じであり得る。いくつかの実装例では、共振回路1004にまたがる電圧を表す電圧測定信号1006が、第1のゼロクロス検出器1012に供給される。第1のゼロクロス検出器1012は、共振回路1004にまたがる電圧のゼロクロスのタイミングを示す出力1016(ZVS)を提供する。いくつかの実装例では、共振回路1004にまたがる電流を表す電流測定信号1008が、第2のゼロクロス検出器1014に供給される。第2のゼロクロス検出器1014は、共振回路1004の電流のゼロクロスのタイミングを示す出力1018(ZVS)を提供する。
【0048】
キャプチャタイミング回路1020が、ゼロクロスを追跡し、サンプルホールド回路1024を決定または管理するために使用され得る。一例では、キャプチャタイミング回路1020は、共振回路1004の半周期に対応する期間の後に発生する共振回路1004にまたがる電圧または電流のピーク振幅を突き止めることができるホールドオフタイマ1022を含むか利用することができる。他の例では、キャプチャタイミング回路1020は、共振回路1004にまたがる電圧または電流の1以上の点を突き止めることができるホールドオフタイマ1022を含むか利用することができる。サンプルホールド回路1024は、測定値1028を得るためにADC1026によってデジタル化された出力を提供する。測定値1028を用いて、共振回路1004のエネルギーの減衰率を追跡することができる。
【0049】
選択的コイル励起
本明細書に開示された特定の態様によれば、1以上の充電セル内の伝送コイルを選択的に励起して、互換デバイスの充電に最適な電磁界を提供することができる。いくつかの実施例では、伝送コイルが充電セルに割り当てられ、一部の充電セルが他の充電セルと重なり得る。後者の場合、充電セル単位で最適な充電設定を選択することができる。他の例では、充電セルは、充電面上の充電対象デバイスの配置に基づいて規定されてもよい。このような他の例では、各充電イベントでアクティブ化されるコイルの組み合わせは異なり得る。いくつかの実装例では、充電装置は、充電イベント中に励起するために1以上のセルおよび/または1以上の所定の充電セルを選択できるドライバ回路を含み得る。
【0050】
図12は、本明細書に開示される特定の態様により適合されたワイヤレス充電器において使用するためのマトリクス多重化スイッチングをサポートする第1のトポロジ1200を示す図である。ワイヤレス充電器は、受電デバイスを充電するために1以上の充電セル100を選択することができる。使用しない充電セル100は、電流から遮断することができる。
図2に例示するハニカムパッケージング構成では、対応する数のスイッチを必要とする比較的多数の充電セル100を使用することができる。本明細書に開示される特定の態様によれば、充電セル100は、特定のセルに給電できるようにする2以上のスイッチに接続された複数のセルを有するマトリクス1208に論理的に配置され得る。図示されたトポロジ1200では、2次元マトリクス1208が提供され、次元はXおよびY座標によって表され得る。スイッチの第1のセット1206の各々は、セル列の各セルの第1の端子を、ワイヤレス充電中にコイルをアクティブ化するために電流を供給するワイヤレストランスミッタおよび/またはレシーバ回路1202に選択的に結合するように構成される。スイッチの第2のセット1204の各々は、セル列の各セルの第2の端子を、ワイヤレストランスミッタおよび/またはレシーバ回路1202に選択的に結合するように構成される。セルの両端子がワイヤレストランスミッタおよび/またはレシーバ回路1202に結合されると、セルはアクティブとなる。
【0051】
マトリクス1208を使用することで、同調LC回路のネットワークを動作させるために必要なスイッチングコンポーネントの数を大幅に削減することができる。例えば、個別に接続されたN個のセルは少なくともN個のスイッチを必要とするが、N個のセルを有する2次元マトリクス1208は、√N個のスイッチで動作させることができる。マトリクス1208を使用することで、大幅なコスト削減を実現し、回路および/またはレイアウトの複雑さを軽減することができる。1例では、9セルの実装例は、6つのスイッチを使用して3x3マトリクス1208で実装することができ、3つのスイッチを節約することができる。別の例では、16セルの実装は、8つのスイッチを使用して4x4マトリクス1208で実装することができ、8つのスイッチを節約することができる。
【0052】
動作中は、少なくとも2つのスイッチが閉じられ、1つのコイルをワイヤレストランスミッタおよび/またはレシーバ回路1202にアクティブに結合する。複数のコイルのワイヤレストランスミッタおよび/またはレシーバ回路1202への接続を容易にするために、複数のスイッチを一度に閉じることができる。例えば、複数のスイッチを閉じて、受電デバイスに電力を転送する際に、複数の伝送コイルを駆動する動作モードを有効にすることができる。
【0053】
図13は、本明細書に開示される特定の態様に従って、各コイルまたは充電セルがドライバ回路1302によって個別および/または直接駆動される、第2のトポロジ1300を示す。ドライバ回路1302は、コイルグループ1304から1以上のコイルまたは充電セル100を選択して、受電デバイスを充電するように構成され得る。充電セル100に関連してここに開示された概念は、個々のコイルまたはコイルスタックの選択的励起に適用され得ることを理解されたい。使用されていない充電セル100は電流が流れない。比較的多数の充電セル100を使用することができ、個々のコイルまたはコイルグループを駆動するためにスイッチングマトリクスを採用することができる。一例では、第1のスイッチングマトリクスは、充電イベント中に使用される充電セルまたはコイルグループを定義する接続を構成することができ、第2のスイッチングマトリクスは、充電セルおよび/または選択されたコイル群を励起するために使用することができる。
【0054】
動的な異物検出状態の回避
従来のワイヤレス充電システムは、異物を検知すると永続的なFOD状態となり、異物が取り除かれるまで(あるいはFOD状態が検出されなくなるまで)、充電コイルやセルから受電デバイス(PRx)への電力伝送をすべて停止する。
【0055】
本明細書に開示される特定の態様に従って提供されるマルチデバイスまたはマルチコイルワイヤレス充電器は、影響を受けていない充電セルを使用して充電動作を継続することができる。一例では、コントローラは、充電構成に含めることができる充電セルのリストを保持し得る。コントローラは、無効化されるか、充電構成に含めることができないように他の方法で除外された充電セルのリストを保持し得る。無効化された充電セルのリストは、アクティベートされたときに別のアクティブな充電セルと干渉する可能性が高い充電セルを含み得る。また、無効化された充電セルのリストは、異物が検出された充電セルを含み得る。本開示の一態様において、マルチデバイスワイヤレス充電器は、パッシブping手順を用いて異物を継続的に探査することができ、それによって異物が除去されたときを特定することができる。いくつかの実装例では、マルチデバイスワイヤレス充電器は、当該マルチデバイスワイヤレス充電器に表示される、または異物の近くに位置する充電式デバイスに送信されるメッセージまたはインジケータを通じて、異物の存在を示すことができる。本開示の別の態様において、マルチデバイスワイヤレス充電器は、無効化された充電セルを介したアクティブpingの送信を控え、それによって、潜在的に電力散逸を低減し、異物における熱誘導を回避することができる。アクティブPingは、デジタルPingとも呼ばれ得る。
【0056】
特定の例では、マルチデバイスワイヤレス充電器は、異物によってブロックされていない充電コイルまたは充電セルを使用して、異物の近くで充電構成を構成可能であり得る。充電構成は、異物の存在に関わらず、PRxに電力を供給可能であり得る。したがって、本開示は、本明細書に記載されるように、マルチデバイスワイヤレス充電器が異物を動的または能動的に回避できるようにし、マルチデバイスワイヤレス充電器が複数の充電式デバイスをサポート、検出、監視、または充電できるようにする適応型FOD判定を提供するためのシステム、装置、および方法を提供するものである。
【0057】
異物が原因で、マルチデバイスワイヤレス充電器の表面のかなりの面積が充電不能になる場合がある。マルチデバイスワイヤレス充電器は、影響を受けるゾーンの充電セルのすべてを異物が妨害する場合、1以上の充電ゾーンを無効にするように構成され得る。マルチデバイスワイヤレス充電器は、再構成された充電ゾーンを提供するために充電面を再構成するようにさらに構成され得る。充電ゾーンは、充電ゾーンに取り囲まれるか、充電ゾーンの一部と重なる充電セルのいくつかの組み合わせを通じて電力を伝送するように構成できるドライバまたは充電回路に関連付けることができる。一例では、充電面は、3つのドライバのうちの1つから充電電流を受け取るように構成され得る複数の充電セルをそれぞれ包含する3つのゾーンを定義することができる。互換性のない携帯電話などの異物が充電面上に置かれ、あるゾーン内の充電セルの過半数またはすべてがブロックされた場合、異物によってブロックされていない充電セルを含むようにゾーンを再構成することができる。他の2つのゾーンは、以前にブロックされたゾーンに合わせてサイズを変更することができる。この例では、マルチデバイス充電機能はそのままに、小型化された各ゾーンにおいてデバイス検出や他のオーバーヘッドを削減することができる。
【0058】
異物の存在によって個々の充電セルまたは充電セルのグループを非アクティブにマークする機能により、マルチデバイスワイヤレス充電器は、少なくとも限定的に動作を継続することができる。いくつかの例では、マルチデバイスワイヤレス充電器は、異物の影響を受けない充電セルを使用してシステムが近くのPRxに電力を供給できるようにし、それによって近くのPRxに関して永続的なFOD状態を回避することができる充電構成を定義することができる。
【0059】
図14は、現在開示されている装置および方法による、同じマルチコイル充電装置1402における様々な異なる組み合わせ状態または時間(例えば、1420、1422、および1424)におけるマルチコイル充電装置1402の実施例1400を示す。マルチコイル充電装置1402は、複数の充電コイルまたはセル1404を含む(図が乱雑にならないように、コイルの一部のみを円として描いており、参照番号で示す)。
【0060】
図示の例では、受電デバイス(PRxコイル)1406は、充電装置1402に近接して配置され、より具体的には、多数のコイル1404のうちの複数のコイルの上に配置される。本開示はそのように限定されないが、この例では、3つのコイル1404a、1404b、および1404cがPRxコイル1406に近接しており、PRx1406に電力を供給できるものと想定される。さらに、異物1408が充電装置1402の表面上に置かれており、この例ではコイル1404aおよび1404bの上に位置していると想定される。
【0061】
第1のタイムシナリオまたは状態1420において、コイル1404aが、PRx1406に充電電力を供給するために選択されたものと仮定する(このコイル1404がアクティブであることを示すために斜線で示す)。FO1408はコイル1404aの上に配置されているので、FO1408を感知してFOD状態がトリガされることになる。従来のシステムでは、このFODのトリガがそのまま永続的なFOD状態につながっていた。しかしながら、本例では、充電装置1402の充電コントローラが、タイムシナリオ1422に示すように、次に利用可能なコイルに切り替えることができる。
【0062】
タイムシナリオ1422において、充電器コントローラは次にコイル1404bを選択し、このコイルがFO1408によって(完全にまたは部分的に)ブロックされているかどうかを判断する。図示の例では、コイル1404bがFO1408に覆われているため、再びFOD状態がトリガされる。
【0063】
次のタイムシナリオ1424において、充電器コントローラは、第3の利用可能なコイル1404cに切り替える。この場合、FO1408はこのコイル1404cを覆っていないため、異物検出手順はFOを発見しないことになる。したがって、充電器コントローラは、PRx1406に電力を供給するためにコイル1404cをアクティブにし、PRx1406に関して永続的なFOD状態が積極的に回避される。
【0064】
図15は、本明細書に開示される態様に従って、ワイヤレス充電装置またはシステムにおいてFOD状態を適応的に回避する方法1500のフローチャートを示す。ブロック1502に示すように、少なくとも1つのコイルまたはセルについてFODがトリガされると、方法1500は判定ブロック1504に進み、他のコイルがPRxへの接続に利用可能かどうかを判定する。利用可能なコイルの判定は、方法1500のプロセスの前に既に実行されてもよいことに留意されたい。PRxに対応できる他のコイルがない場合、フローはブロック1506に進み、充電装置のコントローラによって永続的なFOD状態が設定される。
【0065】
一方、ブロック1504で他のコイルが電力接続に利用可能である場合、フローはブロック1508に進み、利用可能なコイルのなかから新たに選択されたコイルを用いて、選択されたコイルの接続が試行される。その後、充電器コントローラは、FOD状態がまだトリガされているかどうかを確認する。そうである場合、フローはブロック1504に戻り、利用可能なコイルのなかから次のコイルを選択する。利用可能なコイルがそれ以上ない場合、フローはブロック1506に進み、永続的なFOD状態をトリガする。あるいは、ブロック1504、1508、および1510のプロセスによってPRxのFOD状態をトリガしないコイルが得られた場合、フローはブロック1512に進み通常の充電動作が再開され、したがって、PRxについて永続的なFOD状態が開始されることが回避される。
【0066】
処理回路の例
図16は、バッテリをワイヤレス充電することを可能にする充電装置に組み込むことができる装置1600のハードウェア実装の一例を示す図である。いくつかの例では、装置1600が、本明細書に開示の1以上の機能を実行することができる。本開示の様々な態様によれば、本明細書に開示の要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せを、処理回路1602を用いて実装することができる。処理回路1602は、ハードウェアモジュールおよびソフトウェアモジュールのある組合せによって制御される1以上のプロセッサ1604を含むことができる。プロセッサ1604の例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、SoC、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、シーケンサ、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載される様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。1以上のプロセッサ1604は、特定の機能を実行する専用のプロセッサを含むことができ、ソフトウェアモジュール1616の1つによって構成、増強または制御され得る。1以上のプロセッサ1604は、初期化中にロードされるソフトウェアモジュール1616の組合せを通じて構成されてもよく、動作中に1以上のソフトウェアモジュール1616をロードまたはアンロードすることによってさらに構成されてもよい。
【0067】
図示の例では、処理回路1602が、概してバス1610で示されるバスアーキテクチャで実装され得る。バス1610は、処理回路1602の特定の用途および全体的な設計上の制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含むことができる。バス1610は、1以上のプロセッサ1604およびストレージ1606を含む様々な回路をリンクする。ストレージ1606は、メモリデバイスおよび大容量ストレージデバイスを含むことができ、本明細書では、コンピュータ可読媒体および/またはプロセッサ可読媒体とも呼ばれる。ストレージ1606は、一時的な記憶媒体および/または非一時的な記憶媒体を含むことができる。
【0068】
バス1610は、タイミングソース、タイマ、周辺機器、電圧レギュレータおよび電源管理回路などの様々な他の回路をリンクしてもよい。バスインターフェース1608は、バス1610と1以上のトランシーバ1612との間のインターフェースを提供することができる。一例では、標準規定プロトコルに従って、装置1600が充電装置または受電デバイスと通信できるようにするために、トランシーバ1612を設けることができる。また、装置1600の性質に応じて、ユーザインターフェース1618(例えば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイク、ジョイスティック)が提供されてもよく、バス1610に直接またはバスインターフェース1608を介して通信可能に結合することができる。
【0069】
プロセッサ1604は、バス1610の管理と、ストレージ1606を含むコンピュータ可読媒体に格納されたソフトウェアの実行を含む全体的な処理とを担うことができる。この点において、プロセッサ1604を含む処理回路1602は、本明細書に開示の方法、機能および技術のいずれかを実装するために使用することができる。ストレージ1606は、ソフトウェアの実行時にプロセッサ1604によって操作されるデータを格納するために使用することができ、ソフトウェアは、本明細書に開示の方法のいずれか一つを実行するように構成することができる。
【0070】
処理回路1602の1以上のプロセッサ1604は、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかに拘わらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、関数、アルゴリズムなどを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、コンピュータ可読形式でストレージ1606に存在するようにしても、外部のコンピュータ可読媒体に存在するようにしてもよい。外部のコンピュータ可読媒体および/またはストレージ1606は、非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。非一時的なコンピュータ可読媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、「フラッシュドライブ」、カード、スティック、キードライブ)、RAM、ROM、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、EEPROMを含む消去可能PROM(EPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を格納するための他の任意の適切な媒体を含むことができる。また、コンピュータ可読媒体および/またはストレージ1606は、例えば、搬送波、伝送線、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を伝送するための他の任意の適切な媒体も含むことができる。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ1606は、処理回路1602に存在していても、プロセッサ1604に存在していても、処理回路1602の外部にあっても、処理回路1602を含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ1606は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、特定の用途およびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実装するための最良の方法を認識するであろう。
【0071】
ストレージ1606は、本明細書でソフトウェアモジュール1616とも呼ばれる、ロード可能なコードセグメント、モジュール、アプリケーション、プログラムなどのソフトウェアを維持および/または編成することができる。ソフトウェアモジュール1616の各々は、処理回路1602にインストールまたはロードされて、1以上のプロセッサ1604によって実行されると、1以上のプロセッサ1604の動作を制御するランタイムイメージ1614に寄与する命令およびデータを含むことができる。特定の命令は、実行されると、処理回路1602に、本明細書に記載の特定の方法、アルゴリズムおよびプロセスに従って機能を実行させることができる。
【0072】
ソフトウェアモジュール1616のいくつかは、処理回路1602の初期化中にロードされるものであってもよく、これらのソフトウェアモジュール1616は、本明細書に開示の様々な機能の実行を可能にするように処理回路1602を構成することができる。例えば、いくつかのソフトウェアモジュール1616は、プロセッサ1604の内部デバイスおよび/または論理回路1622を構成することができ、トランシーバ1612、バスインターフェース1608、ユーザインターフェース1618、タイマ、数値演算コプロセッサなどの外部デバイスへのアクセスを管理することができる。ソフトウェアモジュール1616は、割り込みハンドラおよびデバイスドライバと相互作用し、処理回路1602が提供する様々なリソースへのアクセスを制御する制御プログラムおよび/またはオペレーティングシステムを含むことができる。リソースは、メモリ、処理時間、トランシーバ1612へのアクセス、ユーザインターフェース1618などを含むことができる。
【0073】
処理回路1602の1以上のプロセッサ1604は多機能であり、それによってソフトウェアモジュール1616のいくつかがロードされ、異なる機能または同じ機能の異なるインスタンスを実行するように構成される。さらに、1以上のプロセッサ1604は、例えばユーザインターフェース1618、トランシーバ1612およびデバイスドライバからの入力に応答して開始されるバックグラウンドタスクを管理するように適合されてもよい。複数の機能の実行をサポートするために、1以上のプロセッサ1604は、マルチタスク環境を提供するように構成されてもよく、それによって複数の機能の各々が、必要に応じて1以上のプロセッサ1604によって提供されるタスクのセットとして実装される。一例では、マルチタスク環境は、異なるタスク間でプロセッサ1604の制御を引き渡すタイムシェアリングプログラム1620を使用して実装されてもよく、それによって各タスクは、未処理の動作の完了時および/または割り込みなどの入力に応答して、1以上のプロセッサ1604の制御をタイムシェアリングプログラム1620に戻す。タスクが1以上のプロセッサ1604の制御を有する場合、処理回路は、制御タスクに関連する機能によって対処される目的のために効果的に特化される。タイムシェアリングプログラム1620は、オペレーティングシステム、ラウンドロビン方式で制御を転送するメインループ、機能の優先順位に従って1以上のプロセッサ1604の制御を割り当てる機能、および/または、1以上のプロセッサ1604の制御を処理機能に提供することによって外部イベントに応答する割込み作動メインループを含むことができる。
【0074】
一実施態様では、装置1600は、充電回路に結合されたバッテリ充電電源と、複数の充電セルと、1以上のプロセッサ1604に含まれるか実装され得るコントローラとを有するワイヤレス充電装置を含むか、またはそのように動作する。複数の充電セルは、充電面を提供するように構成され得る。少なくとも1つのコイルは、各充電セルの電荷伝送領域を通して電磁場を導くように構成され得る。コントローラは、充電面に受電デバイスが置かれたときに、充電回路に充電電流を共振回路に供給させ、共振回路に関連する電圧または電流レベルの変化または変化率、あるいは受電デバイスに伝送される電力の変化または変化率を検出し、電圧または電流レベルの変化または変化率あるいは受電デバイスに伝送される電力の変化または変化率が閾値を超えた場合に、受電デバイスが充電面から取り去られたものと判定するよう構成され得る。
【0075】
いくつかの実装例では、共振回路は伝送コイルを含む。コントローラはさらに、伝送コイルの端子で測定された電圧が閾値電圧レベルを超えた場合に、受電デバイスが充電面から取り去られたと判断するように構成されてもよい。一例では、閾値電圧レベルはルックアップテーブルに保持され、伝送コイルが電磁気的に非結合であるときに特定される。別の例では、閾値電圧レベルは、受電デバイスが最初に充電面に配置されたときに特定される。
【0076】
特定の実装例では、コントローラはさらに、伝送コイルに、ワイヤレス充電装置に近接する(例えば、ワイヤレス充電面上に配置された)受電デバイス(例えば、PRx)によって受信され得るPingを発行させるように構成される。さらに、伝送コイルは、受電デバイス(PRx)からASK変調応答などのPing応答を受信するように構成され得る。さらに、共振回路で測定された大きさは、閾値電流レベルよりも小さい。一例では、閾値電流レベルはルックアップテーブルに保持され、共振回路のコイルに何の物体も電磁気的に結合していないときに決定される。別の例では、閾値電流レベルは、受電デバイスが最初に充電面に配置されたときに特定される。
【0077】
いくつかの実施態様において、装置1600は、充電装置の外面に近接配置された1以上のセンサを有する。コントローラは、1以上のセンサから測定値を受信し、測定値の1つが受電デバイスの物理的除去を示す場合に、共振回路に関連する電圧または電流レベルを測定するようにさらに構成され得る。
【0078】
いくつかの実装例では、ストレージ1606は命令および情報を保持し、この命令は1つまたは複数のプロセッサ1604に、コントローラが、受電デバイスに充電エネルギーを供給するために選択された充電装置内の複数の充電コイルのうちの少なくとも1つの充電コイルの近くに異物の存在を検出させるように構成することができる。 特に、このFODトリガを検出する機能は、一例として、
図15のブロック1502のプロセスを含むことができ、一例として
図10、11に関連して前述した装置およびプロセスで検出することができる。
【0079】
さらなる実装例では、ストレージ1606は、複数の充電コイルのうちの1つまたは複数の他の充電コイルが、受電デバイスに充電エネルギーを供給できるかどうかを1つまたは複数のプロセッサ1604に判定させるように構成された命令および情報を保持する。特に、この複数の充電コイルのうちの1つまたは複数の他の充電コイルが受電デバイスに充電エネルギーを供給できるかどうかを判定する機能は、一例として
図15のブロック1504の処理を含み得る。さらに、これらの命令により、1つまたは複数のプロセッサ1604に、前述のように、パッシブおよび/またはアクティブPingに基づいて充電エネルギーを供給する能力を判定させることができる。
【0080】
さらに、ストレージ1606は、1つまたは複数のプロセッサ1604に、1つまたは複数の他の充電コイルのそれぞれについて、他の充電コイルに異物が近接しているかどうかを判定させるように構成された命令および情報を保持する。特定の態様において、この機能は、一例として
図15のブロック1508および1510の処理を含み得る。さらに、命令は、例えば
図10、11に関連して述べた方法論で実施されるようなFOD判定命令を含み得ることに留意されたい。
【0081】
さらに、ストレージ1606は、1つまたは複数のプロセッサ1604に、受電デバイスに充電エネルギーを供給するために異物に近接していない1つまたは複数の他の充電コイルのうちの少なくとも1つを選択させるように構成された命令および情報を保持する。特定の態様において、この選択機能は、一例として
図15のブロック1508、1510、および1512のプロセスの少なくとも一部を含み得ることに留意されたい。
【0082】
図17は、本開示の特定の態様に従った充電装置の動作方法1700を示すフローチャートである。この方法1700は、充電装置内のコントローラによって実行することができる。ブロック1702において、コントローラは、受電デバイスに充電エネルギーを供給するために選択された充電装置内の複数の充電コイルのうちの少なくとも1つの充電コイルの近くで異物の存在を検出することができる。 特定の態様において、ブロック1702のプロセスは、一例として
図15のブロック1502のプロセスを含み得る。
【0083】
さらに、コントローラは、ブロック1704に示されるように、複数の充電コイルのうちの1つまたは複数の他の充電コイルが、受電デバイスに充電エネルギーを供給できるかどうかを判定することができる。ブロック1704のプロセスは、ブロック1504のプロセスを含み得る。さらに、1つまたは複数の他の充電コイルが充電エネルギーを供給できるかどうかの判断は、充電エネルギーを供給できる所定のまたは記憶されたコイルの検索に基づき得ることを留意されたい。例えば、コントローラは、受電デバイスにエネルギーを供給できるコイルのリストを含むメモリ(例えば、ストレージ1606)内のルックアップテーブルにアクセスすることができる。この事前判定は、受電デバイスが充電装置に近接配置されたときの初期設定時に行うことができる。他の態様では、利用可能なコイルの判定は、受電デバイスのパッシブおよび/またはアクティブping送信を通じて、コイルの全部またはサブセット(例えば、前に用いたコイルに近いコイルや、充電ゾーン内のコイル)のスキャンなどを通じて、FOD状態が検出された後に実行することができる。
【0084】
さらに、コントローラは、1つまたは複数の他の充電コイルの各々について、ブロック1706に示すように、異物が当該他の充電コイルに近接しているかどうかを判定することができる。特定の態様において、ブロック1704のプロセスは、一例として
図15のブロック1508および1510のプロセスを含み得る。
【0085】
さらに、コントローラは、ブロック1708に示すように、受電デバイスに充電エネルギーを供給するために、異物に近接していない1つまたは複数の他の充電コイルのうちの少なくとも1つを選択することができる。特定の態様において、ブロック1708のプロセスは、一例として
図15のブロック1508、1510、および1512のプロセスの少なくとも一部を含み得ることに留意されたい。
【0086】
いくつかの実施例を以下の番号の項目に記載する。
1. 充電装置の動作方法であって、前記充電装置内の複数の充電コイルのうち、受電デバイスに充電エネルギーを供給するために選択された少なくとも1つの充電コイルに近接する異物の存在を検出するステップと、前記複数の充電コイルのうちの1つまたは複数の他の充電コイルが前記受電デバイスに充電エネルギーを供給できるかどうかを判定するステップと、前記1つまたは複数の他の充電コイルのそれぞれについて、異物が当該他の充電コイルに近接しているかどうかを判定するステップと、異物に近接していない1つまたは複数の他の充電コイルの少なくとも1つを前記受電デバイスへの充電エネルギー供給用に選択するステップとを含むことを特徴とする方法。
【0087】
2. 前記1つまたは複数の他の充電コイルのすべてが異物に近接していると判定された場合に、前記受電デバイスの永続的な異物検出(FOD)状態を設定するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
【0088】
3. 前記受電デバイスの永続的なFOD状態を設定した後に、前記異物が除去されたかどうかを判定するステップと、前記異物が除去された後に前記受電デバイスのFOD状態をリセットするステップと、をさらに含む、項目2に記載の方法。
【0089】
4. 前記1つまたは複数の他の充電コイルが充電エネルギーを供給できるかどうかの判定は、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給できる所定のコイルの保存されているリストにアクセスすることを含む、項目1乃至3のいずれかに記載の方法。
【0090】
5. 前記受電デバイスに充電エネルギーを供給できる所定のコイルのリストは、前記受電デバイスが前記充電装置の近くに配置され、複数の充電コイルの少なくとも1つからのpingに応答することができる初期設定時に予め決定される、項目4に記載の方法。
【0091】
6. 前記1つまたは複数の他の充電コイルが充電エネルギーを供給可能であるかどうかの判定は、異物の存在を検出した後に実行し得る利用可能なコイルの判定を含み、さらに、前記充電装置の複数の充電コイルのうちの1つまたは複数が前記受電デバイスに充電エネルギーを供給可能かどうかを判定する走査を含む、項目1乃至5のいずれかに記載の方法。
【0092】
7. 前記充電装置の複数の充電コイルのうちの1つまたは複数が前記受電デバイスに充電エネルギーを供給可能かどうかを判定する走査は、前記充電装置とのパッシブおよびアクティブpingのうちの少なくとも1つを含む、項目6に記載の方法。
【0093】
8. 充電装置であって、充電回路と、コントローラであって、前記充電装置内の複数の充電コイルのうち、受電デバイスに充電エネルギーを供給するために選択された少なくとも1つの充電コイルに近接する異物の存在を検出し、前記複数の充電コイルのうちの1つまたは複数の他の充電コイルが前記受電デバイスに充電エネルギーを供給できるかどうかを判定し、前記1つまたは複数の他の充電コイルのそれぞれについて、異物が当該他の充電コイルに近接しているかどうかを判定し、異物に近接していない1つまたは複数の他の充電コイルの少なくとも1つを前記受電デバイスへの充電エネルギー供給用に選択する、ように構成されたコントローラとを含むことを特徴とする充電装置。
【0094】
9. 前記コントローラは、前記1つまたは複数の他の充電コイルのすべてが異物に近接していると判定された場合に、前記受電デバイスの永続的な異物検出(FOD)状態を設定するように構成される、項目8に記載の充電装置。
【0095】
10. 前記コントローラは、前記受電デバイスの永続的なFOD状態を設定した後に、前記異物が除去されたかどうかを判定し、前記異物が除去された後に前記受電デバイスのFOD状態をリセットするように構成される、項目9に記載の充電装置。
【0096】
11. 前記コントローラは、前記1つまたは複数の他の充電コイルが充電エネルギーを供給できるかどうかを判定する際に、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給できる所定のコイルの保存されているリストにアクセスするように構成される、項目8または9に記載の充電装置。
【0097】
12. 前記コントローラは、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給できる所定のコイルのリストを、前記受電デバイスが前記充電装置の近くに配置されたときに、複数の充電コイルの少なくとも1つからのpingに応答することができる初期設定時に予め決定するように構成される、項目11に記載の充電装置。
【0098】
13. 前記1つまたは複数の他の充電コイルが充電エネルギーを供給可能であるかどうかの判定は、異物の存在を検出した後に実行し得る利用可能なコイルの判定を含み、さらに、前記充電装置の複数の充電コイルのうちの1つまたは複数が前記受電デバイスに充電エネルギーを供給可能であるかどうかを判定する走査を含む、項目8乃至12のいずれかに記載の充電装置。
【0099】
14. 前記充電装置の複数の充電コイルのうちの1つまたは複数が前記受電デバイスに充電エネルギーを供給可能かどうかを判定する走査は、前記充電装置とのパッシブおよびアクティブpingのうちの少なくとも1つを含む、項目13に記載の充電装置。
【0100】
上述した説明は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施できるようにするために提供されたものである。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には明らかであり、本明細書で規定される一般的な原理は、他の態様に適用することができる。このため、特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言と一致する全範囲が認められるものであり、単数形の要素への言及は、特に明記がなければ、「唯一の」を意味するものではなく、「1以上」を意味するものとする。特に明記されていない限り、「いくつか」という用語は1以上を指している。当業者に知られている、または後に当業者に知られるようになる、本開示を通して説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的均等物は、引用により本明細書に明示的に援用されるとともに、特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に捧げられることを意図していない。クレームの要素は、その要素が「means for」という語句で明示的に記載されているか、方法クレームの場合には「step for」という語句で記載されていなければ、35U.S.C.§112、第6章の規定に基づいて解釈されるべきではない。
【国際調査報告】