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特表2023-538041マルチコイル型ワイヤレス充電装置におけるデジタルPING選択
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】マルチコイル型ワイヤレス充電装置におけるデジタルPING選択
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/40 20160101AFI20230830BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230830BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20230830BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20230830BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J7/00 301D
H02J50/10
H02J50/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511782
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 US2021045812
(87)【国際公開番号】W WO2022040018
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】63/066,313
(32)【優先日】2020-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/400,053
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520310643
【氏名又は名称】アイラ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIRA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】グッドチャイルド,エリック,ハインデル
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル,デビッド
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503GB08
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
ワイヤレス充電のためのシステム、方法および装置が開示されている。充電装置は、充電面に設けられた複数の充電セルと、充電回路と、コントローラとを具える。コントローラは、充電回路に、アナログPingプロセスを用いて複数の充電コイルからPingを送信させ、充電面に近い受電デバイスからの1以上のPing応答をスキャンするように構成され得る。アナログプロセスによるPing送信に応答して受電デバイスからのPing応答を受信した複数の充電コイルのサブセットが特定され得る。その後、コントローラは、デジタルPingプロセスを使用して、充電コイルの前記サブセットからPingを送信する。その後、受電デバイスからのPing応答に基づいて、充電コイルのサブセットのうちの1以上の充電コイルの組み合わせを選択することができる。
【選択図】 図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス充電装置の作動方法であって、
アナログPingプロセスを用いて前記ワイヤレス充電装置内の複数の充電コイルから1以上のPingを送信して、前記ワイヤレス充電装置の近くの受電デバイスからの1以上のPing応答をスキャンするステップと、前記アナログPingプロセスによる1以上のPingの送信に応答して前記受電デバイスからPing応答を受信したワイヤレス充電装置内の複数の充電コイルから充電コイルのサブセットを特定するステップと、デジタルPingプロセスを用いて前記充電コイルのサブセットから1以上のPingを送信するステップと、前記デジタルPingプロセスに応答した前記受電デバイスからのPing応答に基づいて前記充電コイルのサブセットのうちの1以上の充電コイルの組合せを選択するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記デジタルPingプロセスを用いて前記充電コイルのサブセットからPingを送信するステップは、前記充電コイルのサブセット内の充電コイルのグループの複数の異なるコイルの組み合わせから前記受電デバイスに1以上のPingを送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、前記充電コイルのサブセット内の充電コイルのグループの複数の異なる充電コイルの組み合わせのそれぞれについてPing応答の強度値を特定するステップと、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給するのに用いるための最大の強度値を有する前記複数の異なる充電コイルの組み合わせから1つのコイルの組み合わせを選択するステップとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記デジタルPingプロセスを用いて前記充電コイルのサブセットからPingを送信するステップは、前記充電コイルのサブセット内の各充電コイルから前記受電デバイスに1以上のPingを送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記充電コイルのサブセット内の各コイルに対するPing応答の相対強度値を特定するステップと、前記Ping応答の各々の特定された相対強度値に基づいて最大のPingの位置を計算するステップと、この計算された位置に基づいて、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給するのに用いるための、充電コイルのサブセットのうちの1以上の充電コイルの組み合わせを選択するステップとを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記最大のPingの位置を計算するステップが、前記充電コイルのサブセットにおける2以上の充電コイルの既知の位置に基づく三角法の計算を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ワイヤレス充電装置であって、充電回路に結合されたバッテリ充電用電源と、充電面を提供するように構成された複数の充電セルであって、少なくとも1つのコイルが、各充電セルの電荷伝送領域を介して電磁場を向けるように構成された複数の充電セルと、コントローラであって、アナログPingプロセスを用いて前記複数の充電セルから1以上のPingを送信して、前記ワイヤレス充電装置の近くの受電デバイスからの1以上のPing応答をスキャンし、前記アナログPingプロセスによる1以上のPingの送信に応答して前記受電デバイスからPing応答を受信したワイヤレス充電装置内の複数の充電セルから充電セルのサブセットを特定し、デジタルPingプロセスを用いて前記充電セルのサブセットからPingを送信し、前記デジタルPingプロセスに応答した前記受電デバイスからのPing応答に基づいて前記充電セルのサブセットのうちの1以上の充電セルの組合せを選択するように構成されたコントローラとを具えることを特徴とするワイヤレス充電装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記充電セルのサブセット内の充電セルのグループの複数の異なる充電セルの組み合わせから前記受電デバイスに1以上のPingを送信するように構成される、請求項7に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記複数の異なる充電セルの組み合わせの各々についてPing応答の強度値を特定し、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給するのに用いるための、前記複数の異なる充電セルの組み合わせのうち最大の強度値を有する充電セルの組み合わせを選択するように構成されている、請求項8に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記充電セルのサブセット内の各充電セルから前記受電デバイスに1以上のPingを送信するように構成されている、請求項9に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項11】
前記コントローラは、前記充電セルのサブセット内の各充電セルに対するPing応答の相対強度値を特定し、前記Ping応答の各々に対する特定された相対強度値に基づいて最大のPingの位置を計算し、この計算した位置に基づいて、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給するのに用いるための、前記充電セルのサブセットのうちの1以上の充電セルの組み合わせを選択するように構成されている、請求項7に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項12】
前記最大のPingの位置を計算することは、前記充電セルのサブセットにおける2以上の充電セルの既知の位置に基づく三角法の計算を含む、請求項11に記載のワイヤレス充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2021年8月11日に米国特許庁に出願された非仮特許出願第17/400,053号および2020年8月16日に米国特許庁に出願された仮特許出願第63/066,313号の優先権と利益を主張するものであり、この出願の内容全体は以下に完全に記載されているかのようにその全体およびすべての適用目的のために参照により本書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、一般に、モバイルコンピューティング機器のバッテリを含むバッテリのワイヤレス充電に関し、具体的には、ワイヤレス充電装置の充電コイル選択を得るためのワイヤレス充電装置によるデジタルPing選択に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス充電システムは、特定のタイプのデバイスが物理的な充電接続を使用せずに内部バッテリを充電できるようにするために開発されてきた。ワイヤレス充電を利用できるデバイスには、モバイル機器および/または通信機器などがある。ワイヤレスパワーコンソーシアムが定めるQi規格などの標準規格では、第1のサプライヤが製造した機器を、第2のサプライヤが製造した充電器でワイヤレス充電することが可能である。ワイヤレス充電の規格は、比較的単純な構成のデバイス向けに最適化されており、基本的な充電機能を提供する傾向にある。
【0004】
従来のワイヤレス充電システムは、ワイヤレス充電用ベースステーションの伝送コイル上またはその近くに受電デバイスが存在するかどうかを判断するために、典型的には「Ping」を用いる。伝送コイルはインダクタンス(L)を有し、伝送コイルに結合して共振LC回路を得るための静電容量(C)を持つ共振コンデンサを有する。共振LC回路に電力を供給することでPingが生成される。電力が一定時間供給され、その間トランスミッタが受電デバイスからの応答を待つ。さらに、マルチコイル型ワイヤレス充電装置では、受電デバイスのバッテリを充電するために使用するコイルの最適な組み合わせを決定するために、Pingを使用することができる。
【0005】
ワイヤレス充電機能の改善は、絶えず複雑化するモバイルデバイスや変化するフォームファクタに対応するために必要である。例えば、ワイヤレス充電装置による受電デバイスの充電に使用するコイルの最適な組み合わせをより迅速に決定する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本明細書に開示される特定の態様によるワイヤレス充電装置が具える充電面に設けられる充電セルの一例を示す図である。
図2図2は、本明細書に開示される特定の態様によるワイヤレス充電装置が具える充電面のセグメントの単一層に設けられた充電セルの配置の一例を示す図である。
図3図3は、本明細書に開示される特定の態様によるワイヤレス充電装置が具える充電面のセグメント内で充電セルの複数の層が重ねられたときの充電セルの配置の一例を示す図である。
図4図4は、本明細書に開示される特定の態様による構成された複数層の充電セルを採用する充電装置の充電面によって提供される電力伝送領域の配置を示す図である。
図5図5は、本明細書に開示される特定の態様によるモバイル通信デバイスの位置および/または向きを検出するための差動容量センシングの使用を示す図である。
図6図6は、本明細書に開示される特定の態様による各充電セルが複数のコイルを含む場合に実施される探索の特定の態様を示す図である。
図7図7は、本明細書に開示される特定の態様により実施される探索に関与する3つの図示された充電セルを含む、複数の充電セルを有する充電面を示す図である。
図8図8は、本明細書に開示される特定の態様による充電装置によって実施され得る探索プロセスを示すフローチャートである。
図9図9は、本明細書に開示される特定の態様による充電器ベースステーションに設けられ得るワイヤレストランスミッタを示す図である。
図10図10は、本明細書に開示される特定の態様によるパッシブPingに対する応答の第1の例を示す図である。
図11図11は、本明細書に開示される特定の態様によるパッシブPingに対する応答の第2の例を示す図である。
図12図12は、本明細書に開示される特定の態様によるパッシブPingに対する応答の観察された差分例を示す図である。
図13図13は、本明細書に開示される特定の態様により適合されたワイヤレス充電装置に実装されるパッシブPingを含む方法を示すフローチャートである。
図14図14は、本明細書に開示される特定の態様により実装されるワイヤレス充電デバイスによって採用され得る電力伝送管理手順を示すフローチャートである。
図15図15は、本明細書に開示される特定の態様により適合されたワイヤレス充電器において使用するためのマトリクス多重化スイッチングをサポートする第1のトポロジを示す図である。
図16図16は、本明細書に開示される特定の態様により適合されたワイヤレス充電器における直流駆動をサポートする第2のトポロジを示す図である。
図17図17は、本明細書に開示される態様による充電面およびコイルの例を示す図である。
図18図18は、本開示の態様によるワイヤレス充電装置におけるPingを用いた選択プロセスを示す図である。
図19図19は、ワイヤレス充電装置におけるPingを用いたコイル選択方法のフローチャートである。
図20図20は、本開示の態様によるワイヤレス充電装置におけるPingを用いた別の選択プロセスを示す図である。
図21図21は、ワイヤレス充電装置におけるPingを用いた別のコイル選択方法のフローチャートである。
図22図22は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合され得る処理回路を採用する装置の一例を示す図である。
図23図23は、本開示の特定の態様に従った充電装置の動作方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成を説明することを意図しており、本明細書に記載の概念が実施され得る唯一の構成を示すことを意図したものではない。詳細な説明には、様々な概念の完全な理解を提供するための具体的な詳細が含まれている。しかしながら、それらの概念が具体的な詳細なしで実施できることは当業者には明らかであろう。時には、そのような概念を不明瞭にしないために、周知の構造および構成要素をブロック図の形式で示している。
【0008】
次に、ワイヤレス充電システムの特定の態様を、様々な装置および方法を参照して提示する。これらの装置および方法は、以下の詳細な説明に記載されるとともに、添付の図面において、様々なブロック、モジュール、コンポーネント、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(総称して「要素」と呼ぶ)によって示される。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェアまたはそれらの任意の組合せを使用して実装することができる。そのような要素がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課される設計上の制約に依存する。
【0009】
例えば、要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1以上のプロセッサを含む「処理システム」で実装され得る。プロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載された様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。処理システムの1以上のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、プロセッサ可読記憶媒体に常駐するようにしてもよい。本明細書でコンピュータ可読媒体とも呼ばれるプロセッサ可読記憶媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、近距離ワイヤレス通信(NFC)トークン、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、搬送波、伝送路、ソフトウェアを格納または伝送するのに適した他の任意の媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、処理システムに存在していても、処理システムの外部にあっても、処理システムを含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、特定の用途およびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実装するための最良の方法を認識するであろう。
【0010】
概要
本開示の特定の態様は、ワイヤレス充電装置に適用可能なシステム、装置、および方法に関する。充電セルは1以上の誘導コイルで構成されて充電装置に充電面を提供し、充電面によって充電装置が1以上の充電式デバイスをワイヤレスで充電できるようにする。充電されるデバイスの位置は、デバイスの位置を充電面上の既知の位置を中心とする物理的特性の変化に関連付けるセンシング技術を介して検出することができる。位置の感知は、容量性、抵抗性、誘導性、接触、圧力、負荷、歪み、および/または別の適切なタイプのセンシングを使用して実装することができる。
【0011】
本開示の一態様では、装置は、バッテリ充電用の電源と、マトリクス状に構成された複数の充電セルと、各スイッチがマトリクス内のコイルの横列(row)をバッテリ充電電源の第1の端子に結合するように構成されている第1の複数のスイッチと、各スイッチがマトリクス内のコイルの縦列(column)をバッテリ充電電源の第2の端子に結合するように構成されている第2の複数のスイッチとを具える。複数の充電セルのうちの各充電セルは、電力伝送領域を取り囲む1または複数のコイルを含むことができる。複数の充電セルは、複数の充電セルのうちの充電セルの電力伝送領域が重なることなく、充電装置の充電面に隣接して配置されるものであってもよい。
【0012】
場合によっては、本装置は充電面と呼ばれることもある。電力は、装置の面上の任意の場所に配置された受電デバイスにワイヤレスで伝送することができる。デバイスは、任意に規定されたサイズおよび/または形状を有することができ、充電可能な任意の個々の配置に拘わらず配置することができる。単一の充電面上で複数のデバイスを同時に充電することができる。本装置は、充電面にわたって1以上のデバイスの動きを追跡することができる。
【0013】
充電セル
本明細書に開示される特定の態様によれば、充電装置内の充電セルを用いて充電面が提供され、これら充電セルは充電面に隣接配備される。一例において、充電セルは、ハニカムパッケージ構成に従って、充電面の1以上の層に配備される。充電セルは、それぞれがコイルに隣接する充電面に実質的に直交する軸に沿って磁場を誘導することができる1以上のコイルを使用して実装することができる。本明細書において、充電セルとは、各コイルが充電セル内の他のコイルによって生成される場に対して加算的であって共通の軸に沿うか近接して配向される電磁場を生成するように構成された1以上のコイルを有する構成要素をいう。いくつかの例では、充電セル内のコイルはプリント回路基板上のトレースを使用して形成される。いくつかの例では、充電セルのコイルは、ワイヤを螺旋状に巻いて、平面的なコイルまたは略円筒形の外形を持つコイルを得ることによって形成される。一例として、リッツワイヤを用いて平面状またはほぼ平坦な巻線を形成し、中央に電力伝送領域を持つコイルを提供することができる。
【0014】
いくつかの実装例では、充電セルは、共通の軸に沿って積層され、および/または、充電面に実質的に直交する誘導磁界に寄与するように重なり合うコイルを含む。いくつかの実装例では、充電セルは、充電面の規定された部分内に配置され、充電セルに関連する充電面の実質的に直交する部分内の誘導磁界に寄与するコイルを含む。いくつかの実装例では、充電セルは、動的に定義される充電セルに含まれるコイルに励起電流を供給することによって構成可能であり得る。例えば、充電装置は、充電面にわたって配備された複数のコイルのスタックを含むことができ、この充電装置は、充電対象デバイスの位置を検出し、充電対象デバイスに隣接する充電セルを提供するためにコイルのスタックのいくつかの組み合わせを選択し得る。ある実施例では、充電セルは、単一のコイルを含むか、または単一のコイルとして特徴付けられ得る。しかしながら、充電セルは、複数の積層コイルおよび/または複数の隣接するコイルもしくはコイルの積層を含むことができることを理解されたい。本明細書では、コイルを、充電コイル、ワイヤレス充電コイル、伝送器コイル、伝送コイル、送電コイル、送電器コイルなどと呼ぶことがある。
【0015】
図1は、充電装置の充電面を提供するために配備され、および/または構成され得る充電セル100の一例を示す。本明細書で説明するように、充電面は、1以上の基板106上に設けられた充電セル100のアレイを含むことができる。1以上の基板106上に、1以上の集積回路(IC)および/またはディスクリート電子部品からなる回路を設けることができる。この回路は、受電デバイスに電力を伝送するために使用するコイルに供給される電流を制御するために使用されるドライバおよびスイッチを含み得る。この回路は、本明細書に開示される特定の機能を実行するように構成され得る1以上のプロセッサおよび/または1以上のコントローラを含む処理回路として構成することができる。いくつかの実施例では、処理回路の一部または全部を充電装置の外部に設けてもよい。いくつかの実施例では、電源を充電装置に結合することができる。
【0016】
充電セル100は、充電装置の外表面領域の近くに設けることができ、その上に充電のために1つまたは複数のデバイスを配置することができる。充電装置は、充電セル100の複数のインスタンスを含むことができる。一例では、充電セル100は、電力伝送領域104に電磁場を生成するのに十分な電流を受け取ることができる導体、配線または回路基板トレースを用いて構築することができる1以上のコイル102を囲む、実質的に六角形の形状を有している。様々な実施態様において、いくつかのコイル102は、図1に例示される六角形の充電セル100を含む、実質的に多角形である形状を有してもよい。他の実施態様では、他の形状を有するコイル102が提供される。コイル102の形状は、少なくとも部分的に、製造技術の能力または制限によって、および/またはプリント回路基板などの基板106上の充電セルのレイアウトを最適化するために決定することができる。各コイル102は、スパイラル構成のワイヤ、プリント回路基板トレースおよび/または他のコネクタを使用して実装することができる。各充電セル100は、異なる層のコイル102が共通軸108に中心を持つように、絶縁体または基板106によって分離された2以上の層にわたることができる。
【0017】
図2は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合され得る充電装置の充電面のセグメントの単一層に設けられた充電セル202の配列200の一例を示す図である。充電セル202は、ハニカムパッケージング構成に従って配置されている。本実施例では、充電セル202は、重なり合うことなく端と端を合わせて配置されている。この配置は、スルーホールやワイヤ配線なしで提供することができる。充電セル202の一部が重なり合う配置など、他の配置も可能である。例えば、2以上のコイルでなるワイヤをある程度インターリーブすることができる。
【0018】
図3は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合され得る、充電面のセグメント内に複数の層が重ねられる場合の、2つの視点300、310(例えば、上面図と側面図)からの充電セルの配置の一例を示す図である。充電セル302、304、306、308の層が、充電面の1セグメント内に設けられている。各層の充電セル302、304、306、308内の充電セルは、ハニカムパッケージング構成に従って配置されている。一実施例では、充電セル302、304、306、308の層は、4層以上のプリント回路基板上に形成され得る。充電セル100の配置は、図示されたセグメントに隣接する割り当てられた充電領域を完全にカバーするように選択することができる。充電セルは、図3に例示した302、304、306、308が、多角形の伝送コイルが提供する電力伝送領域に対応することができる。他の実装例では、充電コイルは、ワイヤから構成された螺旋状に巻かれた平面コイルを具え、それぞれが略円形の電力伝送領域を提供するように巻かれてもよい。後者の例では、複数の螺旋状に巻かれた平面コイルが、ワイヤレス充電装置の充電面の下に積層して配備され得る。
【0019】
図4は、本明細書に開示される特定の態様に従って構成された複数層の充電セルを採用する充電面400に提供される電力伝送領域の配置を示す図である。図示された充電面は、4層の充電セル402、404、406、408から構成されており、これらは図3の充電セルの層302、304、306、308に対応しうるものである。図4において、第1層の充電セル402の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L1」と記され、第2層の充電セル404の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L2」と記され、第3層の充電セル406の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L3」と記され、第4層の充電セル408の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L4」と記されている。
【0020】
充電面上のデバイスの位置特定
本書に開示された特定の態様によれば、位置検出は、充電セルのコイルを形成する導電体のある特性の変化に依存し得る。測定可能な導電体の特性の差は、静電容量、抵抗、インダクタンス、および/または温度を含み得る。いくつかの例では、充電面の荷重が、荷重のかかる点の近くに位置するコイルの測定可能な抵抗に影響を与え得る。いくつかの実装例では、タッチ、圧力、荷重、および/またはひずみの変化を検出することによって、位置検出を可能にするセンサを提供することができる。
【0021】
本明細書に開示される特定の態様は、差動容量感知技術を使用して、充電面上に自由に配置できる低電力デバイスの位置を感知することができる装置および方法を提供する。図5は、モバイル通信デバイスや他の物体512の位置および/または向きを検出するための差動容量感知の使用例500を示す図である。1以上のコイル504が、プリント回路基板502、基板、または他のタイプの担体の表面に設けられる。容量性結合(破線510で図示)が、対のコイル504の間で測定可能な実効容量508に生じうる。静電容量は、コイル504の各々に結合された回路を使用して測定することができる。充電式デバイスなどの物体512は、対のコイル504間の見かけの静電容量508を増加または減少させ得る。物体512は、対のコイル504間の容量結合(破線520で図示)を変更し得る。一例では、物体512は、オーバーレイ506の誘電特性に影響を与え、物体512を介して容量性回路に変化を提供し、または電気特性における他の何らかの変化を生じさせ、これが対のコイル504間の静電容量508の測定値または見かけの値を増加または減少させる。物体512によって引き起こされる測定差は、差動静電容量と呼ばれる。
【0022】
充電装置は、本明細書に開示される特定の態様に従って提供されるコイルアレイを含む充電面上の任意の場所のデバイスを位置特定するために、差動容量センシングを使用することができる。その後、充電装置は、受電デバイスと呼ばれ得るデバイスの最適な充電を提供するために使用できるコイル504の1以上を決定することができる。
【0023】
差動容量センシングを用いることで、従来の検出技術と比較して極めて低い消費電力での検出および位置特定動作が可能となる。現在のワイヤレス充電アプリケーションで使用されている機器検出のための従来の技術は、伝送コイルを駆動し、かなりの電力(例えば、100~200mW)を消費する「Ping」方式を採用する。伝送コイルで発生した電界が受電デバイスの検出に使用される。差動容量センシングは、受電デバイスの存在を検出するために伝送コイルに電力を供給する必要がなく、センシング要素を追加する必要もない。コイルアレイに使用されるコイルは、受電デバイスを見つけるため、および/または受電デバイスの物理的な位置を特定するために使用される容量性センシング要素として機能することができる。
【0024】
差動容量センシングは、隣接する2つのコイル間の差動容量を測定することで動作する。静電容量の差や変化により、グランドプレーンや導電性の感知要素を追加することなく、受電デバイスの存在を特定することができる。差動容量センシングは、受電デバイスがPingに応答して送信する応答を待つ必要がないため、受電デバイスを迅速に検出することができる高速な手法である。また、差動容量センシングは、充電装置からのPingや問合せに応答するための蓄電量が不足している受電デバイスを検知することもできる。
【0025】
特定の態様によれば、受電デバイスの存在、位置および/または向きは、例えば、静電容量、抵抗、インダクタンス、タッチ、圧力、温度、荷重、歪み、および/または別の適切なタイプのセンシングの差異または変化の検出を含む、差動容量センシングまたは別の位置センシング技術を使用して決定されてもよい。位置検出は、充電されるデバイスのおおよその位置を特定し、互換性のあるデバイスが充電面に置かれたかどうかを充電装置が判断できるようにするために採用することができる。例えば、充電装置は、互換デバイスが応答するような断続的なテスト信号(ping)を送信することによって、互換デバイスが充電面に置かれたことを判断することができる。充電装置は、規格、慣習、製造者または用途によって規定された応答信号の受信を特定したら、少なくとも1つの充電セル内の1以上のコイルを励起するように構成することができる。いくつかの例では、互換デバイスは、充電装置が互換デバイスの充電に使用する最適な充電セルを見つけることができるように、受信信号強度を通信することによってPingに応答することができる。
【0026】
一実施例では、コントローラ、ステートマシン、または他の処理装置が、充電セル内の1以上のコイルに起因する静電容量を測定し、測定された静電容量が受電デバイスまたは受電デバイス内の対応するコイルの近接を示すかどうかを判定するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、静電容量は、検出回路における静電容量の差として測定され得る。コントローラ、ステートマシン、または他の処理装置は、受電デバイスが存在しない場合に各充電セルに関して予想される静電容量を特定する情報を保持してもよい。そして、測定された静電容量の差から、受電デバイスが充電セルの近くにあると判定することができる。その差の大きさが、充電セルと受電デバイス間の距離を示し得る。
【0027】
いくつかの実装例では、コントローラ、ステートマシン、または他の処理デバイスは、充電面の1以上のプロファイルを保持することができる。プロファイルは、充電セルの個々またはグループを、予想される静電容量測定値、最後に測定された静電容量、および/または受電デバイスが存在する場合の静電容量値の過去の尤度に関連付けることができる。
【0028】
特定の態様によれば、受電デバイスの存在、位置、および/または向きを、探索パターンを使用して静電容量の差について充電セルを探索することによって特定することができる。充電するデバイスを探索する平均時間を改善するために、探索パターンを擬似ランダムにしてもよい。いくつかの実装例では、受電デバイスが近くにあり充電を受けているときに取得される測定値の履歴に基づいて、探索の開始点を選択することができる。いくつかの実装例では、充電セルの最初のグループは、受電デバイスが近接し、充電を受けたときに取得された測定値の履歴に基づいて、探索のために優先順位を付けることができる。
【0029】
図6は、複数のコイル602、604、606、608、622、624、626、628を含むコイルのグループで行われる探索の特定の態様を示す。いくつかの実装例では、コイル600、620の異なるグループの測定可能な特性の差を測定することによって、探索を行うことができる。図示の例では、コイル602、604、606、608でなる第1のコイルグループ600の複合特性は、コイル622、624、626、628でなる第2のコイルグループ620の複合特性とは独立して評価され得る。コイルのグループ600、620は、集合して測定される量を増やすため、あるいは単一の測定でより広い範囲をカバーするために選択することができる。一例として、コイルのスタックに関連する静電容量を総計として測定することができる。別の例では、充電面の異なる位置にある複数コイルの静電容量を測定し、測定したコイルがサービスを提供する充電面に置かれた充電対象デバイスを迅速に検出できるようにすることができる。
【0030】
図7および図8は、差動容量センシングを用いた探索の特定の態様を示す。図7は、充電面700の2次元図(X軸702およびY軸704)を示し、ここには図示の3つの充電コイル706、708、710を具える1以上の充電セルが設けられている。図7に示す特定の態様は、充電コイル706、708、710内の個々のコイルを用いる探索、または充電面700全体および/または3次元空間内に広がる探索にも適用可能である。図示の例では、充電コイル706、708、710は、探索中にテストされる最初の3つの充電コイルであり、これは疑似ランダム探索として実施され得る。探索は、第1の充電コイル706から開始される。探索パターンは、テストを第2の充電コイル708に移し(712)、次にテストを第3の充電コイル710に移す(714)。この探索は、受電デバイスの大まかな位置を特定するために行われ、受電デバイスの存在を示す測定値が得られたら停止され得る。その後、充電コイル706、708、710の周囲で第2の領域特定探索を行うことができる。
【0031】
図8は、充電式デバイスが充電面に置かれたかどうか、またはどこに置かれたかを判断するために、充電装置によって実行され得る探索プロセスを示すフローチャート800である。フローチャート800は、充電装置内に設けられた個々のコイル、共通軸に沿って近接して積層されたコイルのグループ、および/または単一の充電コイル706、708、710に設けられたコイルのグループ、または充電面の関心領域にサービスするコイルに関し得る(図6も参照)。
【0032】
ブロック802で、最初のコイルまたはコイル群が探索の開始点として選択される。この開始点は、擬似乱数発生器などを用いて選択してもよい。いくつかの実施例では、開始点は、充電式デバイスが存在する確率がより高い場所の近くにあることが知られているか予想される潜在的な開始点のグループから選択することができる。例えば、充電装置は、充電式デバイスの位置および/またはデバイスを充電するために最も頻繁に励起された充電コイルまたは充電セルを識別する探索および/または充電イベントの履歴を保持してもよい。
【0033】
ブロック804において、充電装置は、1以上のコイル内の導体の静電容量、または充電式デバイスの存在下で変化し得るコイルもしくは充電面に関連する他の何らかの特性の測定値を取得することができる。充電装置は、特性の測定値が、以前に測定された特性の値、公称値、および/または充電面上の異なる部位で測定された値から変化したかどうかを判断することができる。
【0034】
ブロック804で変化が検出された場合、充電装置は、ブロック808で充電面のプロファイルを更新することができる。例えば、プロファイルは、新しい値および/または値の変化の大きさを反映するように修正され得る。プロファイルは、充電式デバイスの潜在的な位置をマッピングするため、および/または、充電面から移動または除去されたデバイスを再マッピングまたはマッピング解除するために使用することができる。いくつかの実施例では、変化の検出または特性の差の測定によって、充電装置が、特性値の変化またはトリガを示した充電コイルを用いたPingを開始し得る。ブロック806で変化が検出されなかった場合、またはブロック808で充電プロセスが開始されなかった場合、ブロック810で探索を続けることができる。
【0035】
ブロック810において、充電装置は、測定されるべき次のコイルを選択することができる。この選択は、次のコイルを選択するために擬似乱数発生器を用いて、擬似乱数シーケンスに基づいて行うことができる。ブロック812において、テスト対象のすべてのコイルがテストされたと判断された場合、探索を終了することができる。テストすべきさらなるコイルが残っている場合、ブロック804で探索を継続することができる。
【0036】
探索によって充電面上のデバイスの潜在的な配置が特定されると、充電装置は、充電面に配置されたデバイスを充電するために励起すべき充電セル、充電セルの組合せ、および/またはコイルの組合せを特定するためのPing手順を開始することができる。Ping手順は、充電式デバイスが充電装置と互換性があることを確認するとともに、Pingを送信するために使用されるコイルが、要求または所望の充電手順に対して最適な位置にあるかどうかを示す信号強度を特定することができる。
【0037】
Pingを用いてデバイスがワイヤレス充電装置から充電を受けるように構成されていることを確認する前に、マルチコイルのフリーポジション充電パッドの上または近くに配置されたデバイスを見つけるために探索を実行すると、大幅な電力削減を達成することができる。探索でデバイスが検出されるまでPingの送信を控え、検出されたデバイスの近くに配置され、検出されたデバイスとの電磁充電接続を確立できる可能性が高い伝送コイルにPing送信を限定することで、消費電力の節約を達成することができる。
【0038】
パッシブPing
ワイヤレス充電装置は、本明細書に開示される特定の態様に従って、従来のPing送信に代替および/または補足することができる低電力発見技術をサポートするように適合され得る。従来のPingは、ベースステーションの伝送コイルを含む共振LC回路を駆動することで生成される。その後、ベースステーションは受電デバイスからのASK(Amplitude Shift Keying)変調の応答を待つ。低電力発見技術は、パッシブPingを用いて高速および/または低電力の発見を提供することができる。特定の態様によれば、パッシブPingは、共振LC回路を含むネットワークを少量のエネルギーを含む高速パルスで駆動することによって生成することができる。高速パルスは共振LC回路を励起し、注入されたエネルギーが減衰して消滅するまで、その固有の共振周波数でネットワークを発振させる。一例では、高速パルスは、ネットワークおよび/または共振LC回路の共振周波数の半周期に相当する持続時間を有し得る。ベースステーションが周波数範囲100kHz~200kHzで電力をワイヤレス伝送するように構成されている場合、高速パルスの持続時間は2.5μs未満であり得る。
【0039】
パッシブPingは、共振LC回路を含むネットワークが鳴動する固有周波数、およびネットワーク内のエネルギーの減衰率に基づいて特徴付けおよび/または構成され得る。ネットワークおよび/または共振LC回路のリンギング周波数は、次のように定義することができる。
【0040】
減衰率は、以下に定義される発振器ネットワークの品質係数(Qファクタ)によって制御される。
【0041】
式1および式2は、共振周波数がLおよびCによって影響を受け、QファクタがL、CおよびRによって影響されることを示している。本明細書に開示される態様に従って提供されるベースステーションにおいて、ワイヤレスドライバは、共振コンデンサの選択によって定まるCの固定値を有する。LとRの値は、ワイヤレス伝送コイルと、このワイヤレス伝送コイルに隣接配置された物体やデバイスによって定まる。
【0042】
ワイヤレス伝送コイルは、伝送コイルに近接配置されたデバイスの受電コイルと磁気的に結合し、そのエネルギーの一部を近くの充電式デバイスにカップリングするように構成される。伝送回路のLとRの値は、充電式デバイスの特性や伝送コイルの近くにある他の物体の影響を受け得る。例えば、透磁率の高い鉄材を伝送コイルの近くに置くと、式1のように伝送コイルの総インダクタンス(L)が大きくなり、結果として共振周波数が低くなり得る。渦電流誘導による材料の加熱でエネルギーが失われることがあり、この損失は式2のようにRの値が増加し、それによってQファクタを下げるという特徴がある。
【0043】
伝送コイルの近くにワイヤレス受電デバイスを置いても、Qファクタや共振周波数に影響を与えることがある。レシーバは高いQファクタを有する同調LCネットワークを含み、それによって伝送コイルのQファクタが低くなり得る。伝送コイルの共振周波数は、レシーバに磁性体を追加することによって低下する場合があり、これが全体の磁気システムの一部となる。表1は、伝送コイルに近接する物体の種類による影響を示したものである。
【0044】
図9は、充電器ベースステーションに設けられ得るワイヤレストランスミッタ900を示す図である。コントローラ902は、フィルタ回路908でフィルタリングされるか、他の方法で処理されたフィードバック信号を受信することができる。コントローラは、コンデンサ912およびインダクタ914を含む共振回路906に交流を供給するドライバ回路904の動作を制御し得る。共振回路906のLCノード910で測定された電圧916である。
【0045】
パッシブPing技術は、LCノード910で測定または観測された電圧および/または電流を使用して、本明細書に開示された特定の態様に従って適合されたデバイスの充電パッドに近い受電コイル(PRx)の存在を識別することができる。従来の多くのワイヤレス充電器用トランスミッタでは、LCノード910の電圧やネットワーク内の電流を測定する回路が設けられている。これらの電圧と電流は、電力調整目的および/またはデバイス間の通信をサポートするために監視され得る。図9に示す例では、LCノード910の電圧が監視されるが、パッシブPingをサポートするために電流が追加的または代替的に監視され得ることが企図される。パッシブPing(初期電圧V)に対する共振回路906の応答は、LCノード910における電圧(VLC)により、次のように表すことができる。
【0046】
図10は、パッシブPingに対する応答1000が式3に従って減衰する第1の例を示す図である。時間=0における励起パルスの後、電圧および/または電流は、式1で定義される共振周波数で、式3で定義される減衰率で振動することが確認された。発振の最初のサイクルは電圧レベルVから始まり、VLCはQファクタとωによって制御されてゼロまで減衰し続ける。図10に示す例では、物体が充電パッド上に存在しない、または近くにない場合の典型的なオープンまたは無負荷の応答を示す。図10において、Qファクタの値は20と仮定される。
【0047】
図11は、パッシブPingに対する応答1100が式3に従って減衰する第2の例を示す図である。時間=0における励起パルスの後、電圧および/または電流は、式1で定義される共振周波数で、式3で定義される減衰率で振動することが確認された。発振の最初のサイクルは電圧レベルVから始まり、VLCはQファクタとωによって制御されてゼロまで減衰し続ける。図11に示す例では、物体が充電パッド上に存在し、または近くにあってコイルに負荷がかかる場合の負荷応答を示す。図10では、Qファクタの値は7であり得る。VLCは、電圧応答1100では、電圧応答1000と比べて高い周波数で振動する。
【0048】
図12は、応答1200、1220、1240の差を観察することができる一組の例を示す。2.5μsより短いパルスを用いてドライバ回路904が共振回路906を励起すると、パッシブPingが開始される。異なるタイプのワイヤレスレシーバやトランスミッタに置かれた異物によって、トランスミッタのLCノード910の電圧や共振回路906の電流において観測可能な応答が異なる。この差は、Vの発振周波数の共振回路906のQファクタのバリエーションを示し得る。表2は、オープン状態に関して充電パッド上に置かれる物体の特定の例を示す。
【0049】
表2において、Qファクタは以下のように算出することができる。

ここで、Nは励起から振幅が0.5Vを下回るまでのサイクル数である。
【0050】
図13は、本明細書に開示される特定の態様により適合されたワイヤレス充電装置に実装されるパッシブPingを含む方法を示すフローチャート1300である。ブロック1302において、コントローラは、短い励起パルスを生成し、この短い励起パルスを共振回路を含むネットワークに供給することができる。このネットワークは公称共振周波数を有し、短い励起パルスはネットワークの公称共振周波数の半分より小さい持続時間を有し得る。共振回路の伝送コイルが鉄系物体、非鉄系物体、充電式デバイス内の受電コイルを含む外部物体から隔離されている場合に、公称共振周波数を観測することができる。いくつかの例では、短い励起パルスは、ネットワークの公称共振周波数の1以上のサイクルに対応する持続時間を有する。いくつかの例では、短い励起パルスは、ネットワークの公称共振周波数の5以上のサイクルに対応する持続時間を有する。
【0051】
ブロック1304において、コントローラは、ネットワークの共振周波数を判定するか、パルスに応答するネットワークの共振の減衰をモニタすることができる。本明細書に開示された特定の態様によれば、デバイスまたは他の物体が伝送コイルの近くに置かれると、ネットワークに関連する共振周波数および/またはQファクタが変化し得る。共振回路の伝送コイルが外部から隔離されているときに観測される公称共振周波数から共振周波数が増加または減少し得る。ネットワークのQファクタは、共振回路の伝送コイルが外部物体から隔離されているときに測定され得る公称Qファクタに対して増加または減少し得る。本明細書に開示された特定の態様によれば、Qファクタの差によって、公称Qファクタに関連する遅延に関して共振回路における発振の振幅の減衰が延長または加速される場合、遅延の持続時間が、伝送コイルの近くに置かれた物体の存在または種類を示すことが可能である。
【0052】
一例では、コントローラは、比較器などを用いてLCノード910の電圧を表す信号のゼロクロスを検出するように構成された遷移検出回路を用いて、ネットワークの共振周波数を特定することができる。いくつかの例では、直流(DC)成分を信号からフィルタリングして、ゼロクロスを提供することができる。いくつかの例では、比較器がDC成分を考慮し、オフセットを用いて共通電圧レベルのクロスを検出することができる。検出されたゼロクロスをカウントするためにカウンタを採用してもよい。別の例では、コントローラは、LCノード910における電圧を表す信号によって閾値電圧を通る交差を検出するように構成された遷移検出回路を使用してネットワークの共振周波数を特定することができ、ここで信号の振幅は、論理回路によって検出および監視できる電圧の範囲内でクランプまたは制限されている。この例では、信号の遷移をカウントするカウンタを採用してもよい。ネットワークの共振周波数は、他の方法を用いて測定、推定、および/または計算してもよい。
【0053】
別の例では、VLCが電圧レベルVから閾値電圧レベルまで減衰するまでの経過時間を特定するために、タイマまたはカウンタを採用することができる。この経過時間は、ネットワークの減衰特性を表すために使用することができる。閾値電圧レベルは、パルスに対する様々な応答1200、1220、1240をカウンタまたはタイマが区別できるように十分な粒度を提供するように選択され得る。VLCは、検出または測定されたピーク、ピークツーピーク、エンベロープ、および/または整流された電圧レベルにより表される。ネットワークの減衰特性は、他の方法論を用いて測定、推定、計算してもよい。
【0054】
ブロック1306において、公称共振周波数に対する共振周波数の変化が、伝送コイルの近くに物体が存在することを示すとコントローラが判断した場合、コントローラはブロック1312において物体の識別を試みることができる。ブロック1306で共振周波数が公称共振周波数と実質的に同じであるとコントローラが判断した場合、コントローラは、ブロック1308で共振回路における振動の振幅の減衰特性を考慮することができる。コントローラは、周波数が公称共振周波数を中心とするかこれを含む定義された周波数範囲内に留まる場合に、ネットワークの共振周波数が公称共振周波数と実質的に同じであると判断することができる。いくつかの実装例では、コントローラは、共振周波数と減衰特性の変化を使用して物体を識別することができる。これらの後者の実装例では、コントローラは、共振周波数に関係なくブロック1308で継続し、伝送コイルの近くに置かれた物体を識別する際に共振周波数の変化を追加のパラメータとして使用することができる。
【0055】
ブロック1308において、コントローラは、タイマを使用するか、および/または、初期のV振幅と減衰特性を評価するために使用される閾値振幅との間で経過した共振回路における発振のサイクルをカウントすることができる。一例では、V/2を閾値振幅として選択することができる。ブロック1310において、初期V振幅と閾値振幅との間のサイクル数または経過時間を用いて、共振回路における発振の振幅の減衰を特徴付け、減衰特性を対応する公称減衰特性と比較することができる。ブロック1310において、周波数や遅延特性の変化が検出されない場合、コントローラは、伝送コイルの近くに物体がないと判断して、手順を終了することができる。ブロック1310において、周波数および/または遅延特性の変化が検出された場合、コントローラは、ブロック1312において物体を識別することができる。
【0056】
ブロック1312において、コントローラは、充電パッド上に置かれた受電デバイスを識別するように構成され得る。コントローラは、他の種類の物体や、例えばパッシブPingを提供する伝送コイルと位置がずれている受電デバイスなどの、充電パッド上に最適に配置されていない受電デバイスを無視するように構成され得る。いくつかの実装例では、コントローラは、共振周波数、減衰時間、共振周波数の変化、減衰時間の変化、および/またはQファクタ推定値によってインデックス付けされたルックアップテーブルを使用することができる。ルックアップテーブルは、特定のデバイス種類を識別する情報、および/または識別されたデバイスまたはデバイス種類を充電する際に使用される充電パラメータを提供することができる。
【0057】
いくつかの例では、パッシブPingは、共振回路906のLCノード910で観察される公称共振周波数の半サイクル未満であり得る非常に短い励起パルスを使用する。従来のPingは、16,000サイクル以上にわたり伝送コイルをアクティブに駆動することがある。従来のPingで消費される電力と時間は、パッシブPingの電力と時間の使用量を数桁上回る場合がある。一例として、パッシブPingは1Pingあたり約0.25μJを消費し、最大Ping時間は約100μsであるが、従来のアクティブPingは1Pingあたり約80mJを消費し、最大Ping時間は約90msである。この例では、エネルギー散逸は320,000分の1に削減され、Pingごとの時間は900分の1に削減することができる。
【0058】
パッシブPingは、静電容量センシングなど、別の低電力センシング方式と組み合わせることができる。静電容量センシングなどは、充電面に近い物体の有無を判定する超低電力の検出方法を提供することができる。静電容量方式で検知した後、パッシブPingを各コイルで順次または同時に送信し、潜在的な受電デバイスや物体の位置についてより正確なマップを作成することができる。パッシブPing手順を実施した後、最も可能性の高いデバイス位置でアクティブPing(例えば、アクティブデジタルPing)を提供することができる。デバイスの位置検出、識別、および充電のアルゴリズムの例を図14に示す。
【0059】
図14は、本明細書に開示される特定の態様により実装される複数のセンシングおよび/または問い合わせ技術を含むワイヤレス充電デバイスによって採用され得る電力伝送管理手順を示すフローチャート1400である。この手順は、定期的に開始されてもよく、いくつかの例では、ワイヤレス充電装置が低電力状態またはスリープ状態を脱した後に開始されてもよい。一例として、充電パッドへのデバイスの配置に対してサブ秒の応答が得られるように計算された頻度で、この手順を繰り返すことができる。この手順は、最初の実行中にエラー状態が検出された場合、および/または充電パッドに置かれたデバイスの充電が完了した後に、再度実行することができる。
【0060】
ブロック1402において、コントローラは、静電容量式近接センシングを使用して初期探索を実行することができる。静電容量式近接センシングは、高速かつ低消費電力で行うことができる。一例として、静電容量式近接センシングは反復的に実行され、反復ごとに1以上の伝送コイルがテストされる。各反復でテストされる伝送コイルの数は、コントローラが利用可能な検出回路の数によって決定され得る。ブロック1404において、コントローラは、静電容量式近接センシングが伝送コイルの1つに近接する物体の存在または潜在的存在を検出したか否かを判断することができる。静電容量式近接センシングで物体が検出されない場合、コントローラは、ブロック1424において、充電装置に低電力状態、アイドル状態および/またはスリープ状態に突入させることができる。物体が検出された場合、コントローラは、ブロック1406でパッシブPingセンシングを開始することができる。
【0061】
ブロック1406において、コントローラは、1以上の伝送コイルの近傍にある物体の存在を確認するため、および/または近傍に位置する物体の性質を評価するために、パッシブPingセンシングを開始することができる。パッシブPingセンシングは、静電容量式近接センシングと比較して、消費電力は同程度だが、時間が長くなる可能性がある。一例として、各パッシブPingは約100μsで完了し、0.25μJを消費し得る。静電容量式近接センシングによって関心対象として識別された各伝送コイルに、パッシブPingを提供することができる。いくつかの実装例では、容量性近接センシングによって関心対象として識別された各伝送コイルの近くの伝送コイルにパッシブPingを提供することができ、これは重なった伝送コイルを含む。ブロック1408において、コントローラは、パッシブPingセンシングにおいて受電デバイスであり得る伝送コイルの1つに近接する潜在的充電式デバイスの存在を検出したかどうかを判断することができる。潜在的充電式デバイスが検出された場合、コントローラは、ブロック1410でアクティブデジタルPingセンシングを開始することができる。潜在的充電式デバイスが検出されなかった場合、ブロック1406において、すべてのコイルがテストされるまで、および/またはコントローラがパッシブPingセンシングを終了するまで、パッシブPingセンシングを継続することができる。一例では、コントローラは、すべての伝送コイルをテストした後、パッシブPingセンシングを終了させる。パッシブPingセンシングで充電式デバイスの発見に失敗した場合、コントローラは、充電装置を低電力状態、アイドル状態および/またはスリープ状態にさせることができる。いくつかの実装例では、潜在的充電式デバイスが検出されると、パッシブPingセンシングが一時停止され、潜在的充電式デバイスに問い合わせるためにアクティブPingを用いることができる。アクティブPingの結果が得られた後、パッシブPingの検知を再開することができる。
【0062】
ブロック1410において、コントローラは、潜在的充電式デバイスに問い合わせるためにアクティブPingを使用することができる。アクティブPingは、パッシブPingセンシングによって特定された伝送コイルに提供することができる。一例では、標準的に定義されたアクティブPingの交換は約90msで完了し、80mJを消費し得る。アクティブPingは、潜在的充電式デバイスに関連する各伝送コイルに提供され得る。
【0063】
ブロック1412において、コントローラは充電式デバイスを識別し、構成することができる。ブロック1410で提供されるアクティブPingは、充電式デバイスを識別する情報を含む応答を送信するように、充電式デバイスを刺激するように構成され得る。いくつかの例では、コントローラは、パッシブPingによって検出された潜在的充電式デバイスの識別または構成に失敗すると、コントローラは、ブロック1406でパッシブPingに基づいて探索を再開することができる。ブロック1414において、コントローラは、識別された充電式デバイスを充電するために、ベースライン充電プロファイルまたはネゴシエートされた充電プロファイルのいずれを使用すべきかを決定することができる。ベースライン、またはデフォルトの充電プロファイルは、規格によって定義され得る。一例では、ベースラインプロファイルは、充電電力を5Wに制限する。別の例では、ネゴシエートされた充電プロファイルは、最大15Wで充電を進めることができる。ベースライン充電プロファイルが選択されると、コントローラは、ブロック1420で電力の伝送(充電)を開始し得る。
【0064】
ブロック1416において、コントローラは、電力伝送を最適化できる規格で定義されたネゴシエーションおよびキャリブレーションプロセスを開始することができる。コントローラは、充電式デバイスとネゴシエーションを行い、ベースライン充電プロファイル用に定義された電力プロファイルとは異なる拡張電力プロファイルを決定することができる。コントローラは、ブロック1418において、ネゴシエーションおよびキャリブレーションプロセスが失敗したと判断し、電力伝送管理手順を終了することができる。コントローラが、ブロック1418でネゴシエーションおよびキャリブレーションプロセスが成功したと判断すると、ブロック1420でネゴシエートされたプロファイルに従って充電を開始することができる。
【0065】
ブロック1422において、コントローラは、充電が正常に完了したかどうかを判断することができる。いくつかの例では、ネゴシエートされたプロファイルが電力伝送を制御するのに使用されると、エラーが検出される場合がある。後者の場合、コントローラは、ブロック1416でプロファイルの再ネゴシエートおよび/または再構成を試みることができる。コントローラは、充電が正常に完了した場合、電力伝送管理手順を終了することができる。
【0066】
選択的コイル励起
本明細書に開示された特定の態様によれば、1以上の充電セル内のコイルを選択的に励起して、互換デバイスの充電に最適な電磁界を提供することができる。いくつかの実施例では、コイルが充電セルに割り当てられ、一部の充電セルが他の充電セルと重なり得る。後者の場合、充電セル単位で最適な充電構成を選択することができる。他の例では、充電セルは、充電面上の充電対象デバイスの配置に基づいて規定されてもよい。このような他の例では、各充電イベントで励起されるコイルの組み合わせは異なり得る。いくつかの実装例では、充電装置は、充電イベント中に励起するために1以上のセルおよび/または1以上の所定の充電セルを選択できるドライバ回路を含み得る。
【0067】
図15は、本明細書に開示される特定の態様により適合されたワイヤレス充電器において使用するためのマトリクス多重化スイッチングをサポートする第1のトポロジ1500を示す図である。ワイヤレス充電器は、受電デバイスを充電するために1以上の充電セル100を選択することができる。使用しない充電セル100は、電流から遮断することができる。図2に例示するハニカムパッケージング構成では、対応する数のスイッチを必要とする比較的多数の充電セル100を使用することができる。本明細書に開示される特定の態様によれば、充電セル100は、特定のセルに給電できるようにする2以上のスイッチに接続された複数のセルを有するマトリクス1508に論理的に配置され得る。図示されたトポロジ1500では、2次元マトリクス1508が提供され、次元はXおよびY座標によって表され得る。スイッチの第1のセット1506の各々は、セル列の各セルの第1の端子を、ワイヤレス充電中にコイルを励起するために電流を供給するワイヤレストランスミッタおよび/またはレシーバ回路1502に選択的に結合するように構成される。スイッチの第2のセット1504の各々は、セル列の各セルの第2の端子を、ワイヤレストランスミッタおよび/またはレシーバ回路1502に選択的に結合するように構成される。セルの両端子がワイヤレストランスミッタおよび/またはレシーバ回路1502に結合されると、セルはアクティブとなる。
【0068】
マトリクス1508を使用することで、同調LC回路のネットワークを動作させるために必要なスイッチングコンポーネントの数を大幅に削減することができる。例えば、個別に接続されたN個のセルは少なくともN個のスイッチを必要とするが、N個のセルを有する2次元マトリクス1508は、√N個のスイッチで動作させることができる。マトリクス1508を使用することで、大幅なコスト削減を実現し、回路および/またはレイアウトの複雑さを軽減することができる。1例では、9セルの実装例は、6つのスイッチを使用して3x3マトリクス1508で実装することができ、3つのスイッチを節約することができる。別の例では、16セルの実装は、8つのスイッチを使用して4x4マトリクス1508で実装することができ、8つのスイッチを節約することができる。
【0069】
動作中は、少なくとも2つのスイッチが閉じられ、1つのコイルをワイヤレストランスミッタおよび/またはレシーバ回路1502にアクティブに結合する。複数のコイルのワイヤレストランスミッタおよび/またはレシーバ回路1502への接続を容易にするために、複数のスイッチを一度に閉じることができる。例えば、複数のスイッチを閉じて、受電デバイスに電力を転送する際に、複数の伝送コイルを駆動する動作モードを有効にすることができる。
【0070】
図16は、本明細書に開示される特定の態様に従って、各コイルまたは充電セルがドライバ回路1602によって個別および/または直接駆動される、第2のトポロジ1600を示す。ドライバ回路1602は、コイルグループ1604から1以上のコイルまたは充電セル100を選択して、受電デバイスを充電するように構成され得る。充電セル100に関連してここに開示された概念は、個々のコイルまたはコイルスタックの選択的励起に適用され得ることを理解されたい。使用されていない充電セル100は電流が流れない。比較的多数の充電セル100を使用することができ、個々のコイルまたはコイルグループを駆動するためにスイッチングマトリクスを採用することができる。一例では、第1のスイッチングマトリクスは、充電イベント中に使用される充電セルまたはコイルグループを定義する接続を構成することができ、第2のスイッチングマトリクス(例えば、図15参照)は、充電セルおよび/または選択されたコイル群を励起するために使用することができる。
【0071】
1以上のコイルを直接駆動できるようにすると、充電装置がコイル600、620の異なるグループにPingを同時送信できるようになる(図6参照)。
いくつかの実装例では、最初に2つの隣接するコイルを静電容量感知回路に接続することで、静電容量センシングを用いて位置を特定することができる。この2つのコイルを使い、回路は1以上の公知の方法を用いて静電容量を測定する。第1の方法は、定電流波形を印加し、測定回路によって感知された電圧の変化に基づいて静電容量を計算することを含む。計算は以下の式に基づき得る。
Q=C*V
Q=I*t
既知の定電流(I)を一定時間(t)流し、既知の電荷(Q)を供給すれば、電圧(V)を測定し、そこから静電容量(C)を計算することができる。測定された静電容量を、最後に記録された測定値と比較することができる。静電容量が大きく変化すると、システムが変化したことを示すことができ、何か(例えば、電話)がシステムの一部となったことを検知することができる。
【0072】
静電容量の変化は、RC時定数を用いて測定することができる。既知の抵抗(R)と未知の静電容量(CまたはCx)の間に、常に変化する方形波信号を印加することができる。タイマと比較器を使用して充電/放電の時間を測定することができる。時定数の式から静電容量を計算することができる。
【0073】
静電容量の測定は、すべての場所がテストされるまで、定められた順序でコイルから取得することができる。コイルから測定される変化や変化の大きさで、充電するデバイスの位置を特定することができる。このプロセスは、設定された時間間隔に基づいて繰り返されるサイクルで行うことができる。スキャンレートは、検出速度と消費電力の妥協点に基づいて選択することができる。より低い電力消費レベルが必要な場合は、スキャンレートを下げて検出速度を犠牲にすることができ、その逆も可能である。
【0074】
デバイスの位置を感知したら、1以上のデバイスの位置を特定することができる。静電容量が大きく変化するコイルの組み合わせによって、場所を特定することができる。コイルは先着順でオンにすることができる。デバイスが追加されると、当該デバイスに近接する関連コイルをドライバに接続して励起することができる。充電できるデバイスの台数は、デバイスにサービスを提供できるドライバの数によって制限され得る。
【0075】
各コイルに流れる電流は、適切なワイヤレス充電規格(例えば、Qi規格)、周波数、振幅などによって大まかに定義される。本明細書に開示される特定の態様は、スイッチのアレイおよび対応する回路および/またはアルゴリズムを用いて励起されるアレイ内でコイルを同定することに関する。
【0076】
本開示のある態様によれば、充電に利用できる面積は、開示される充電装置の総表面積とともに増加する。従来のワイヤレス充電器では、1つのQiコイルトランスミッタの有効電力伝送面積は、9.2%未満(最も一般的に用いられるコイルであるA6コイルに基づく)である。本明細書に開示された特定の態様に従って提供されるコイルのレイアウトは、充電面積対総面積の比率をより高くすることができる。一例として、100mm×200mm、3台構成の場合、充電可能な面積は充電装置表面積の57.2%となる。別の例では、200mm×200mm、6台構成の場合、充電可能な面積は充電装置表面積の63.5%となる。
【0077】
センサを用いたデバイス検出
特定の態様によれば、受電デバイスの存在、位置および/または向きは、例えば、静電容量、抵抗、インダクタンス、タッチ、圧力、温度、荷重、歪み、および/または別の適切なタイプのセンシングの差異または変化の検出を含む位置センシング技術を使用して決定されてもよい。充電される物体やデバイスの存在や位置を判断するために、位置センシングが採用され得る。充電面からの電力伝送中に受電デバイスが取り外されたことを検知するために、位置センシングを採用することもできる。
【0078】
図17は、充電面1700からの電力伝送中に受電デバイスの取り外しを検出できる1以上のセンサ1702を含むワイヤレス充電器の充電面1700の第1の例を示す。この例では、センサ1702は、デバイスの存在を検出するように構成された、容量性、誘導性、またはホール効果感知素子を含み得る。いくつかの実装例では、感知素子は、充電面1700に設けられた充電コイル(LP1~LP18)に隣接し得る。いくつかの実装例では、感知素子は、個々の充電コイルまたは充電コイルのグループに隣接し得る。特定の実装例では、充電ゾーンが充電面1700上で同定され、感知素子が各充電ゾーンの外側限界を定義または監視し得る。
【0079】
また、センサ1702を、充電面1700からの受電デバイスの取り外しを示す変化を検出するために使用することができる。いくつかの実装例では、センサ1702は、充電電流、タンク電圧、および/または電力消費の測定に基づく除去検出技術をサポートまたは強化することができる。センサ1702を用いると、信頼性、効率を向上させ、電力消費およびプロセッサ負荷を低減することができる。
【0080】
アナログ・デジタルPingを用いた充電コイルの選択
図18は、いくつかの態様による選択方法論を適用する装置の例1800を示す図である。特に、例1800に示される方法論は、パッシブ(またはアナログ)Pingとアクティブ(またはデジタル)Pingの両方を使用することにより、最も強い信号強度を有する充電コイルの組み合わせを選択するために使用される。特定の態様において、開示された選択は、最も強いPingをもたらす充電コイルの組み合わせ、換言すれば受電デバイス(PRx)に最高の接続をもたらす複数のコイルの組み合わせの選択を提供する。
【0081】
この例では、ワイヤレス充電面1802は、簡略化のためにコイルが円形形状として表されることを除いて、図17の例と同様の多数のコイル1804(例えば、コイルLP1~LP18)を含む。特に、受電デバイス(PRx)1806が充電面1802に近接して配置され、1以上の充電コイル1804がPRx1806のPingを行える場合、この方法論はコイル1804の多数の可能な組み合わせのそれぞれに対してPingを行うことを含む。図18の例では、充電面(すなわち、1802、1802、1802、1802、1802、1802)のそれぞれが異なる潜在的なコイルの組み合わせを示す、多数の異なる図で示されている。
【0082】
1802のオプションに示すように、PRx1806にPingを行うために、単一の励起コイル1804a(励起コイルは網掛けで示す)を用いている。1802で示される次のオプションでは、2つのコイル1804aおよび1804bが、PRx1806をPingするためにワイヤレス充電装置によって励起される。1802で示されるさらに次のオプションでは、3つのコイル1804a、1804b、1804cがPRx1806をPingするために励起され、1802、1802、1802で示される6つの潜在的組み合わせの残りについても同様である。この特定の例では、1802で示す第1の組み合わせでは、励起コイル1804aがPR1806で部分的にのみカバーされており、ping応答は、最大可能または期待される応答電力レベルのあるパーセンテージであるか、伝送された電力のあるパーセンテージとしてであり得ることに留意されたい。図18に示す特定の例では、Ping応答は、例えば、伝送電力の10%であり得る。1802で示すような3つの励起コイル1804a、1804b、1804cを有する別のコイルの組み合わせでは、例えば、Ping応答は25%と高くなり得る。図18に示すように、様々な異なる組み合わせは異なるレベルのPing応答を有し、この選択方法は、可能なコイルの組み合わせのすべてについて異なるPing応答レベルを分析し、その後、最高または最強のPing応答を選択することができる。図18の例では、1802で示すコイルの組み合わせが最も強いPing応答を有し、このコイルの組み合わせを選択することができる。後述するように、この選択では、特定のPRxと充電面上の位置に対して最高のPing応答を有するコイルの組み合わせを迅速に特定するために、アナログ(パッシブ)pingとデジタル(アクティブ)pingの一方または両方を使用することができる。図18の例では、70%のPing応答を有する1802で示すようなコイル1804bと1804cの組み合わせが、この組み合わせが最高のPing応答を有するため選択されるであろう。しかしながら、これは単に例示であり、本開示は特定の値やパーセンテージに限定することを意図するものではない。
【0083】
図19は、本開示のいくつかの態様による、ワイヤレス充電装置における最良のコイル組み合わせ選択のための、アナログおよびデジタルPingの両方を使用するPing選択方法1900の例を示す図である。方法1900の図示された例において、この方法は、ブロック1902で示されるように、充電面(例えば、1802)上のPRxデバイスの可能な組み合わせを決定するために、ワイヤレス充電装置の様々なコイルのアナログまたはパッシブPingを開始する。特定の例では、ワイヤレス充電装置は、アナログまたはパッシブPingを使用して、すべての可能なコイルの組み合わせにPingを行うように構成され得る。
【0084】
アナログPingは一般にデジタルPingよりも速いので、最初のアナログPingにより、ワイヤレス充電装置は、PRxデバイスが充電面上のどこに位置しているかをより迅速に特定し、また分析すべき潜在的なコイルの組み合わせをより迅速に特定することができる。一態様では、ブロック1902のプロセスは、PRxからPing応答を生成するすべてのコイルを特定して、次にPing応答を生成するそれらのコイルのすべての可能な組み合わせを調べることができる。他の態様では、閾値が予め設定して、Ping応答を生成するすべてのコイルの組み合わせのうち、所定レベル以上のPing応答を受けたコイルのみが可能なコイルの組み合わせの最初の特定に使用されてもよい。
【0085】
ブロック1902で可能な組み合わせのすべてまたは適切なサブセットのスキャンが決定した後、フローは決定ブロック1904に進み、そこで選択可能な少なくとも2つの異なるコイルの組み合わせが存在するかどうかが判断される。存在しない場合、選択の必要性がないかまたは不要であり、フローはブロック1902に戻り、任意の受電デバイス(PRx)に対するPingおよび付随するコイルの組み合わせのスキャンを継続するか、または受電デバイスPRxが移動した場合はPRxが移動した後に発生し得る複数のコイルの組み合わせに対するスキャンを継続する。
【0086】
ブロック1904で決定された複数の利用可能なコイルの組み合わせがある場合、フローはブロック1906に進み、ブロック1902で特定された様々なコイルの組み合わせに対してデジタルPingが実行される。一例では、デジタルPingは、ブロック1902で特定された可能な組み合わせのすべてについて実行され得る。別の実施例では、ブロック1906のプロセスにおいて、所定の閾値を満たすコイルの組合せのみにデジタルPingを行ってもよい。
【0087】
ブロック1906でコイルの組み合わせにデジタルPingを行った後、ブロック1908に示すように、最高または最強のデジタルPingを有するコイル(18021にあるような単一のコイルの場合)またはコイルの組み合わせが選択される。選択の後、ブロック1910に示されるように、選択されたコイルの組み合わせがPRx(例えば、1806)に充電エネルギーを供給するために使用され、方法1900は終了することができる。選択されたコイルの組み合わせは、PRxデバイスに充電エネルギーを供給するために使用することができる。
【0088】
図20はコイル選択方法の別の例2000を示す図であり、レシーバ(PRx)の位置を特定するために、ワイヤレス充電における個々のコイルが一度に1つずつ励起される。図示のように、ワイヤレス充電装置は充電面2002を有し、その近傍に受電デバイス(例えば、PRxコイル)2004が位置する。PRx2004の位置を特定するために、個々のコイル2006を励起してPRxコイル2004にPingを行い、相対的な強度を判定することができる。例えば図20は、ほとんどのコイル2006が、PRxコイル2004の十分に近くに位置しておらずping応答を生じないため、0%の相対ping強度を有することを示す。この例では、4つのコイル2006a、2006b、2006c、2006dが、Pingを行った場合にPRxコイル2004からPing応答を受信できる程度に近接している。この実施例2000にさらに示すように、各コイルは、コイルがPingを送信する場合のPRx2004からのPing応答の強さを示す相対強度値またはパーセンテージを有する。説明のための単に例示的な数字として、コイル2006aは40%の相対強度を有し、コイル2006bは20%の相対強度を有し、コイル2006cは40%の相対強度を有し、コイル2006dは5%の相対強度を有する。一例において、このプロセスをより迅速に実施するために、各コイル2006の最初のPing特定はアナログ/パッシブPingを使用して実行され得ることに留意されたい。さらに、アナログPingプロセスは、必ずしも相対的強度を測定するのではなく、ワイヤレス充電面2002のそれらのコイルが単にPing応答を有するかを識別するだけであることに留意されたい。
【0089】
Ping応答(または他の例では所定の閾値を超えるPing強度応答)を有するコイル2006のすべてが特定されると、次に、必ずしも限定しないが、それらの特定されたコイルのデジタルPingが、再び1回ずつ実行され得る。この例では、デジタルPingは、充電面2002のすべてのコイルのアナログ/パッシブPingスキャンからPing応答を有すると識別されたコイルのみに限定されてよい。相対強度は、デジタルPingで特定してもよい(または、以前に特定したアナログスキャンによる相対強度を精緻化して精度を高めてもよい)。
【0090】
測定または特定された相対強度に基づいて、PRx2004の位置を特定するために、幾何学的または他の数学的手法(例えば、三角測量)を用いた計算によってPRx2004の位置を決定することができる。一例として、図20は、実行され得る三角測量の視覚的な説明2010を示す。この図では、コイル2006a、2006b、2006cの相対的な強度と位置を用いて、三角測量計算を行うことができる。さらに、2012a、2012b、2012cに示すように、コイル2006a、2006b、2006cの寄与の相対的サイズで示すように、相対的強度を考慮することができる。計算に基づいて、最適なコイルまたはコイルのグループ/組み合わせがワイヤレス充電装置によって選択され得る。
【0091】
図21は、図20に示す例に関連して、ワイヤレス充電のために上述した方法論を示すフローチャート2100である。ブロック2102では、図20に関連して上述したように、すべてのコイルにスキャニングpingが個別に(すなわち、一度に1つずつ)実行される。特定の態様において、ブロック2102におけるスキャンは、アナログまたはパッシブPing技術を使用して実行され得る。他の例では、ブロック2102におけるスキャンは、ワイヤレス充電装置に近接した受電デバイス(PRx)からのPing応答を生じるコイルに対する相対強度を測定または特定することを含み得る。
【0092】
ブロック2102でスキャンを実行した後、フローは決定ブロック2104に進み、ブロック2102のスキャン結果に基づいて、デバイスが利用可能な2以上のコイルを有するかどうかを判断する。そうでない場合、コイル選択の必要性はなく、フローはブロック2012に戻る。一方、2以上のコイルがPingに対する応答を生じていると判断された場合、フローはブロック2106に進む。このブロックでは、ブロック2102で特定されたそれらのコイルによるデジタルPingを実行することができる。一態様において、プロセス2106は、ここでも一度に1つのコイルで実行することができる。さらに、ブロック2106は、図20に示すような値またはパーセントで、相対強度を特定することを含み得る。ブロック2106の結果は、次に、デジタルPingに基づいて識別されたコイルの2以上の相対的な強度を生じる。この情報から、ブロック2108に示すように、PRxデバイス(例えば、2004)の位置を計算することができる。具体的には、一例として三角測量の計算を用いることができ、さらに相対強度を重み付けするなど、相対強度を考慮して計算することができる。次いで、方法2100は、ブロック2110に示すように、PRxデバイスに充電エネルギーを供給するための1以上のコイル(例えば、コイルの組み合わせ)の選択を含み得る。
【0093】
処理回路の例
図22は、バッテリをワイヤレス充電することを可能にする充電装置に組み込むことができる装置2200のハードウェア実装の一例を示す図である。いくつかの例では、装置2200が、本明細書に開示の1以上の機能を実行することができる。本開示の様々な態様によれば、本明細書に開示の要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せを、処理回路2202を用いて実装することができる。処理回路2202は、ハードウェアモジュールおよびソフトウェアモジュールのある組合せによって制御される1以上のプロセッサ2204を含むことができる。プロセッサ2204の例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、SoC、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、シーケンサ、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載される様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。1以上のプロセッサ2204は、特定の機能を実行する専用のプロセッサを含むことができ、ソフトウェアモジュール2216の1つによって構成、増強または制御され得る。1以上のプロセッサ2204は、初期化中にロードされるソフトウェアモジュール2216の組合せを通じて構成されてもよく、動作中に1以上のソフトウェアモジュール2216をロードまたはアンロードすることによってさらに構成されてもよい。
【0094】
図示の例では、処理回路2202が、概してバス2210で示されるバスアーキテクチャで実装され得る。バス2210は、処理回路2202の特定の用途および全体的な設計上の制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含むことができる。バス2210は、1以上のプロセッサ2204およびストレージ2206を含む様々な回路をリンクする。ストレージ2206は、メモリデバイスおよび大容量ストレージデバイスを含むことができ、本明細書では、コンピュータ可読媒体および/またはプロセッサ可読媒体とも呼ばれる。ストレージ2206は、一時的な記憶媒体および/または非一時的な記憶媒体を含むことができる。
【0095】
バス2210は、タイミングソース、タイマ、周辺機器、電圧レギュレータおよび電源管理回路などの様々な他の回路をリンクしてもよい。バスインターフェース2208は、バス2210と1以上のトランシーバ2212との間のインターフェースを提供することができる。一例では、標準規定プロトコルに従って、装置2200が充電装置または受電デバイスと通信できるようにするために、トランシーバ2212を設けることができる。また、装置2200の性質に応じて、ユーザインタフェース2218(例えば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイク、ジョイスティック)が提供されてもよく、バス2210に直接またはバスインターフェース2208を介して通信可能に結合することができる。
【0096】
プロセッサ2204は、バス2210の管理と、ストレージ2206を含むコンピュータ可読媒体に格納されたソフトウェアの実行を含む全体的な処理とを担うことができる。この点において、プロセッサ2204を含む処理回路2202は、本明細書に開示の方法、機能および技術のいずれかを実装するために使用することができる。ストレージ2206は、ソフトウェアの実行時にプロセッサ2204によって操作されるデータを格納するために使用することができ、ソフトウェアは、本明細書に開示の方法のいずれか一つを実行するように構成することができる。
【0097】
処理回路2202の1以上のプロセッサ2204は、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかに拘わらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、関数、アルゴリズムなどを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、コンピュータ可読形式でストレージ2206に存在するようにしても、外部のコンピュータ可読媒体に存在するようにしてもよい。外部のコンピュータ可読媒体および/またはストレージ2206は、非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。非一時的なコンピュータ可読媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、「フラッシュドライブ」、カード、スティック、キードライブ)、RAM、ROM、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、EEPROMを含む消去可能PROM(EPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を格納するための他の任意の適切な媒体を含むことができる。また、コンピュータ可読媒体および/またはストレージ2206は、例えば、搬送波、伝送線、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を伝送するための他の任意の適切な媒体も含むことができる。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ2206は、処理回路2202に存在していても、プロセッサ2204に存在していても、処理回路2202の外部にあっても、処理回路2202を含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ2206は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、特定の用途およびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実装するための最良の方法を認識するであろう。
【0098】
ストレージ2206は、本明細書でソフトウェアモジュール2216とも呼ばれる、ロード可能なコードセグメント、モジュール、アプリケーション、プログラムなどのソフトウェアを維持および/または編成することができる。ソフトウェアモジュール2216の各々は、処理回路2202にインストールまたはロードされて、1以上のプロセッサ2204によって実行されると、1以上のプロセッサ2204の動作を制御するランタイムイメージ2214に寄与する命令およびデータを含むことができる。特定の命令は、実行されると、処理回路2202に、本明細書に記載の特定の方法、アルゴリズムおよびプロセスに従って機能を実行させることができる。
【0099】
ソフトウェアモジュール2216のいくつかは、処理回路2202の初期化中にロードされるものであってもよく、これらのソフトウェアモジュール2216は、本明細書に開示の様々な機能の実行を可能にするように処理回路2202を構成することができる。例えば、いくつかのソフトウェアモジュール2216は、プロセッサ2204の内部デバイスおよび/または論理回路2222を構成することができ、トランシーバ2212、バスインターフェース2208、ユーザインターフェース2218、タイマ、数値演算コプロセッサなどの外部デバイスへのアクセスを管理することができる。ソフトウェアモジュール2216は、割り込みハンドラおよびデバイスドライバと相互作用し、処理回路2202が提供する様々なリソースへのアクセスを制御する制御プログラムおよび/またはオペレーティングシステムを含むことができる。リソースは、メモリ、処理時間、トランシーバ2212へのアクセス、ユーザインタフェース2218などを含むことができる。
【0100】
処理回路2202の1以上のプロセッサ2204は多機能であり、それによってソフトウェアモジュール2216のいくつかがロードされ、異なる機能または同じ機能の異なるインスタンスを実行するように構成される。さらに、1以上のプロセッサ2204は、例えばユーザインタフェース2218、トランシーバ2212およびデバイスドライバからの入力に応答して開始されるバックグラウンドタスクを管理するように適合されてもよい。複数の機能の実行をサポートするために、1以上のプロセッサ2204は、マルチタスク環境を提供するように構成されてもよく、それによって複数の機能の各々が、必要に応じて1以上のプロセッサ2204によって提供されるタスクのセットとして実装される。一例では、マルチタスク環境は、異なるタスク間でプロセッサ2204の制御を引き渡すタイムシェアリングプログラム2220を使用して実装されてもよく、それによって各タスクは、未処理の動作の完了時および/または割り込みなどの入力に応答して、1以上のプロセッサ2204の制御をタイムシェアリングプログラム2220に戻す。タスクが1以上のプロセッサ2204の制御を有する場合、処理回路は、制御タスクに関連する機能によって対処される目的のために効果的に特化される。タイムシェアリングプログラム2220は、オペレーティングシステム、ラウンドロビン方式で制御を転送するメインループ、機能の優先順位に従って1以上のプロセッサ2204の制御を割り当てる機能、および/または、1以上のプロセッサ2204の制御を処理機能に提供することによって外部イベントに応答する割込み作動メインループを含むことができる。
【0101】
一実施態様では、装置2200は、充電回路に結合されたバッテリ充電電源と、複数の充電セルと、1以上のプロセッサ2204に含まれるか実装され得るコントローラとを有するワイヤレス充電装置を含むか、またはそのように動作する。複数の充電セルは、充電面を提供するように構成され得る。少なくとも1つのコイルは、各充電セルの電荷伝送領域を通して電磁場を導くように構成され得る。コントローラは、充電面に受電デバイスが置かれたときに、充電回路に充電電流を共振回路に供給させ、共振回路に関連する電圧または電流レベルの変化または変化率、あるいは受電デバイスに伝送される電力の変化または変化率を検出し、電圧または電流レベルの変化または変化率あるいは受電デバイスに伝送される電力の変化または変化率が閾値を超えた場合に、受電デバイスが充電面から取り去られたものと判定するよう構成され得る。
【0102】
いくつかの実装例では、共振回路は伝送コイルを含む。コントローラはさらに、伝送コイルの端子で測定された電圧が閾値電圧レベルを超えた場合に、受電デバイスが充電面から取り去られたと判断するように構成されてもよい。一例では、閾値電圧レベルはルックアップテーブルに保持され、伝送コイルが電磁気的に非結合であるときに特定される。別の例では、閾値電圧レベルは、受電デバイスが最初に充電面に配置されたときに特定される。
【0103】
特定の実装例では、コントローラはさらに、伝送コイルに、ワイヤレス充電デバイスに近接する(例えば、ワイヤレス充電面上に配置された)受電デバイス(例えば、PRx)によって受信され得るPingを発行させるように構成される。さらに、伝送コイルは、受電デバイス(PRx)からASK変調応答などのPing応答を受信するように構成され得る。さらに、共振回路で測定された大きさは、閾値電流レベルよりも小さい。一例では、閾値電流レベルはルックアップテーブルに保持され、共振回路のコイルに何の物体も電磁気的に結合していないときに決定される。別の例では、閾値電流レベルは、受電デバイスが最初に充電面に配置されたときに特定される。
【0104】
いくつかの実施態様において、装置2200は、充電装置の外面に近接配置された1以上のセンサを有する。コントローラは、1以上のセンサから測定値を受信し、測定値の1つが受電デバイスの物理的除去を示す場合に、共振回路に関連する電圧または電流レベルを測定するようにさらに構成され得る。センサは、歪み測定センサ、加速度センサ、赤外線や超音波の検知素子、および/またはホール効果デバイスを含み得る。
【0105】
いくつかの実装例では、ストレージ2206は、1以上のプロセッサ2204に、アナログPingプロセスを使用してワイヤレス充電装置内の複数の充電コイル(または少なくとも1つの充電コイルを有する充電セル)から1以上のPingを送信して、ワイヤレス充電装置に近接している受電デバイスから1以上のPing応答をスキャンさせるように構成された命令および情報を保持する。特に、このPing送信の機能は、個々のコイルを用いたスキャンか、コイルのグループ/組合せを用いたスキャンかのいずれかについて、図19および図21のブロック1902または2102のプロセスを含むことができる。
【0106】
さらに、ストレージ2206は、1以上のプロセッサ2204に、アナログプロセスによるPing送信に応答して受電デバイスからPing応答を受信したワイヤレス装置内の複数の充電コイルのサブセットを決定させるように構成された命令および情報を保持する。一例として、この機能は、ブロック1904または2104のプロセスを含んでもよく、ここでアナログまたはパッシブPingからのPing応答が、プロセッサ2204によって、続いて識別された潜在的コイル(すなわち、充電コイルのサブセット)のデジタルPingに用いられる潜在的コイルを決定するために使用される。
【0107】
さらなる実装例では、ストレージ2206は、1以上のプロセッサ2204に、デジタルPingプロセスを使用して、識別された充電コイルのサブセット(すなわち、受電デバイスからPing応答を受信するコイルまたはコイルの組み合わせ)から1以上のPingを送信させるように構成された命令および情報を保持する。一例として、この機能は、図18~21に関連して説明したような、デジタルまたはアクティブpingプロセスを使用して、認定されたコイルのグループ/組み合わせまたは個々のコイルがpingされる、ブロック1906または2106のプロセスを含み得る。さらに、ストレージ2206は、1以上のプロセッサ2204に、デジタルPingプロセスに応答して受電デバイスからのPing応答に基づいて充電コイルのサブセットの1以上の充電コイルの組み合わせを選択させるように構成された命令および情報を保持する。この機能の例は、ブロック1908または2108のプロセスを含み得る。
【0108】
図23は、本開示の特定の態様に従った充電装置の動作方法2300を示すフローチャートである。この方法2300は、充電装置内のコントローラによって実行することができる。ブロック2302において、コントローラは、アナログPingプロセスを使用してワイヤレス充電装置内の複数の充電コイルから1以上のPingを送信して、ワイヤレス充電装置に近接する受電デバイスからの1以上のPing応答をスキャンすることができる。
【0109】
さらに、方法2300は、ブロック2304に示すように、アナログプロセスによるPing送信に応答して受電デバイスからPing応答を受信したワイヤレス装置内の複数の充電コイルのサブセットを決定することを含む。ブロック2304のプロセスは、図18および19の例で説明したようなコイルの組み合わせのスキャン、または図20および21の例で説明したような個々のコイル、のいずれかからサブセットを決定することを含み得る。
【0110】
さらに、方法2300は、ブロック2306に示すように、デジタルPingプロセスを用いて、充電コイルのサブセットからPingを送信することを含み得る。ブロック2306のこのプロセスは、図18および19の例のようなコイルの組み合わせ、または図20および21の例で説明したような個々のコイル、を用いてデジタルまたはアクティブPingを送信することを含み得る。
【0111】
さらに、方法2300は、ブロック2308に示すように、デジタルPingプロセスに応答する受電デバイスからのPing応答に基づいて、充電コイルのサブセットのうちの1以上の充電コイルの組合せを選択することを含む。ここで、1以上のコイルの選択は、図18、19の例のように組み合わせのスキャンによって、または図20、21の例で説明したように、個々のコイルからのデジタルpingを使用し、その後にどのコイルを組み合わせることができるかを数学的に計算して達成され得ることに留意されたい。したがって、一例では、方法2300は、コイルの組み合わせの選択されたバリエーションからPingを行い、観察されたPing応答からどちらが最適であるかを決定するか、または個々のコイルのPing強度から、次に個々のPing強度から最適なコイルの組み合わせを数学的に決定するかのいずれかで、受電デバイスの充電を提供するためのコイルの最適な組み合わせの選択を提供する。
【0112】
いくつかの実施例を以下の番号の項目に記載する。
【0113】
1. ワイヤレス充電装置の作動方法であって、アナログPingプロセスを用いて前記ワイヤレス充電装置内の複数の充電コイルから1以上のPingを送信して、前記ワイヤレス充電装置の近くの受電デバイスからの1以上のPing応答をスキャンするステップと、前記アナログPingプロセスによる1以上のPingの送信に応答して前記受電デバイスからPing応答を受信したワイヤレス充電装置内の複数の充電コイルから充電コイルのサブセットを特定するステップと、デジタルPingプロセスを用いて前記充電コイルのサブセットから1以上のPingを送信するステップと、前記デジタルPingプロセスに応答した前記受電デバイスからのPing応答に基づいて前記充電コイルのサブセットのうちの1以上の充電コイルの組合せを選択するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【0114】
2. 前記デジタルPingプロセスを用いて前記充電コイルのサブセットからPingを送信するステップは、前記充電コイルのサブセット内の充電コイルのグループの複数の異なるコイルの組み合わせから前記受電デバイスに1以上のPingを送信することをさらに含む、項目1に記載の方法。
【0115】
3. さらに、前記充電コイルのサブセット内の充電コイルのグループの複数の異なる充電コイルの組み合わせのそれぞれについてPing応答の強度値を特定するステップと、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給するのに用いるための最大の強度値を有する前記複数の異なる充電コイルの組み合わせから1つのコイルの組み合わせを選択するステップとを含む、項目2に記載の方法。
【0116】
4. 前記デジタルPingプロセスを用いて前記充電コイルのサブセットからPingを送信するステップは、前記充電コイルのサブセット内の各充電コイルから前記受電デバイスに1以上のPingを送信することをさらに含む、項目1~3のいずれかに記載の方法。
【0117】
5. さらに、前記充電コイルのサブセット内の各コイルに対するPing応答の相対強度値を特定するステップと、前記Ping応答の各々の特定された相対強度値に基づいて最大のPingの位置を計算するステップと、この計算された位置に基づいて、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給するのに用いるための、充電コイルのサブセットのうちの1以上の充電コイルの組み合わせを選択するステップとを含む、項目4に記載の方法。
【0118】
6. 前記最大のPingの位置を計算するステップが、前記充電コイルのサブセットにおける2以上の充電コイルの既知の位置に基づく三角法の計算を含む、項目5に記載の方法。
【0119】
7. ワイヤレス充電装置であって、充電回路に結合されたバッテリ充電用電源と、充電面を提供するように構成された複数の充電セルであって、少なくとも1つのコイルが、各充電セルの電荷伝送領域を介して電磁場を向けるように構成された複数の充電セルと、コントローラであって、アナログPingプロセスを用いて前記複数の充電セルから1以上のPingを送信して、前記ワイヤレス充電装置の近くの受電デバイスからの1以上のPing応答をスキャンし、前記アナログPingプロセスによる1以上のPingの送信に応答して前記受電デバイスからPing応答を受信したワイヤレス充電装置内の複数の充電セルから充電セルのサブセットを特定し、デジタルPingプロセスを用いて前記充電セルのサブセットからPingを送信し、前記デジタルPingプロセスに応答した前記受電デバイスからのPing応答に基づいて前記充電セルのサブセットのうちの1以上の充電セルの組合せを選択するように構成されたコントローラとを具えることを特徴とするワイヤレス充電装置。
【0120】
8. 前記コントローラは、前記充電セルのサブセット内の充電セルのグループの複数の異なる充電セルの組み合わせから前記受電デバイスに1以上のPingを送信するように構成される、項目7に記載のワイヤレス充電装置。
【0121】
9. 前記コントローラは、前記複数の異なる充電セルの組み合わせの各々についてPing応答の強度値を特定し、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給するのに用いるための、前記複数の異なる充電セルの組み合わせのうち最大の強度値を有する充電セルの組み合わせを選択するように構成されている、項目8に記載のワイヤレス充電装置。
【0122】
10. 前記コントローラは、前記充電セルのサブセット内の各充電セルから前記受電デバイスに1以上のPingを送信するように構成されている、項目9に記載のワイヤレス充電装置。
【0123】
11. 前記コントローラは、前記充電セルのサブセット内の各充電セルに対するPing応答の相対強度値を特定し、前記Ping応答の各々に対する特定された相対強度値に基づいて最大のPingの位置を計算し、この計算した位置に基づいて、前記受電デバイスに充電エネルギーを供給するのに用いるための、前記充電セルのサブセットのうちの1以上の充電セルの組み合わせを選択するように構成されている、項目7~10のいずれかに記載のワイヤレス充電装置。
【0124】
12. 前記最大のPingの位置を計算することは、前記充電セルのサブセットにおける2以上の充電セルの既知の位置に基づく三角法の計算を含む、項目11に記載のワイヤレス充電装置。
【0125】
上述した説明は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施できるようにするために提供されたものである。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には明らかであり、本明細書で規定される一般的な原理は、他の態様に適用することができる。このため、特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言と一致する全範囲が認められるものであり、単数形の要素への言及は、特に明記がなければ、「唯一の」を意味するものではなく、「1以上」を意味するものとする。特に明記されていない限り、「いくつか」という用語は1以上を指している。当業者に知られている、または後に当業者に知られるようになる、本開示を通して説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的均等物は、引用により本明細書に明示的に援用されるとともに、特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に捧げられることを意図していない。クレームの要素は、その要素が「means for」という語句で明示的に記載されているか、方法クレームの場合には「step for」という語句で記載されていなければ、35U.S.C.§112、第6章の規定に基づいて解釈されるべきではない。
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【国際調査報告】