(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネント、方法、装置及びデバイス
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20230830BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511912
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-04-10
(86)【国際出願番号】 CN2020124864
(87)【国際公開番号】W WO2022036859
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】202010829279.X
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang (CN)
(71)【出願人】
【識別番号】516099613
【氏名又は名称】浙江吉利汽車研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY AUTOMOBILE RESEARCH INSTITUTE CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Chengdong Zhatou, Linhai City, Taizhou City, Zhejiang 317000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】陳 国安
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062BB01
5J062CC18
5J062GG01
5J062GG02
(57)【要約】
本発明は、超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネント、方法、装置及びデバイスを提供する。超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネントは、少なくとも一つの超広帯域(UWB)モジュール(1)、及び複数のアンカーアンテナ(2)を含む。複数の前記アンカーアンテナ(2)は、複数の前記アンカーアンテナ(2)の信号エリアが車両の周囲及び/又は車両の内部のプリセットエリアをカバーするように、車体の各々のプリセット取り付けエリアにグループで設置される。少なくとも一つの前記超広帯域(UWB)モジュール(1)の出力端子は、異なる位置に設置され、及び/又は異なるポインティングを有する二つ以上のアンカーアンテナ(2)に時分割で接続される。超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネントは、アンカーアンテナ(2)の数量を同じにすることで、UWBモジュール(1)の取り付け数量を削減し、一つのUWBモジュール(1)の有効利用時間を向上させ、生産コスト及び使用コストを削減できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの超広帯域(UWB)モジュール、及び複数のアンカーアンテナを含み、
複数の前記アンカーアンテナは、複数の前記アンカーアンテナの信号エリアが車両の周囲及び/又は車両の内部のプリセットエリアをカバーするように、車体の各々のプリセット取り付けエリアにグループで設置され、
少なくとも一つの前記超広帯域(UWB)モジュールの出力端子は、異なる位置に設置され、及び/又は異なるポインティングを有する二つ以上のアンカーアンテナに時分割で接続されることを特徴とする、超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネント。
【請求項2】
少なくとも一つの前記超広帯域(UWB)モジュールと対応するアンカーアンテナとの間に電子スイッチが設けられ、少なくとも一つの前記超広帯域(UWB)モジュールの出力端子は、前記電子スイッチの切り替えによって、異なる位置に設置され、及び/又は異なるポインティングを有するアンカーアンテナに時分割で接続されることを特徴とする、請求項1に記載の超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネント。
【請求項3】
現在の車両の各アンカーアンテナとターゲットタグとの間の第一超広帯域電波情報を取得するステップであって、前記第一超広帯域電波情報は、各アンカーアンテナと前記ターゲットタグとの間に伝送される各第一超広帯域信号の信号強度及び信号飛行時間を含むステップと、
前記第一超広帯域電波情報によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定して、前記最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも二つのプリセット取り付けエリアのアンカーアンテナを含み、前記最適位置決めアンカーアンテナグループにおける任意の一つのアンカーアンテナは、プリセット取り付けエリアに対応して、最良の視認性条件を備えるアンカーアンテナであり、最良の視認性条件は、信号飛行時間、信号強度、及び前記アンカーアンテナの信号伝送方向に車体の金属部品の数量及び/又は面積の中の少なくとも一つによって、決定されるステップと、
対応する超広帯域(UWB)モジュールの出力端子を、前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナに接続するように制御するステップと、
前記ターゲットタグと前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナとの間の第二超広帯域電波情報を取得するステップと、
前記第二超広帯域電波情報によって、前記ターゲットタグを位置決め、現在の車両に対する前記ターゲットタグの位置決め位置を取得するステップと、
を含むことを特徴とする、超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項4】
前記第一超広帯域電波情報によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定するステップは、
前記第一超広帯域電波情報によって、現在の車両に対する前記ターゲットタグの推定位置を決定するサブステップと、
前記推定位置が得られると、現在の車両の周囲のプリセットエリアの中のサブエリアと位置決めアンカーアンテナグループとの間の対応テーブルを呼び出すサブステップと、
前記推定位置を前記対応テーブルの中のサブエリアとマッチングし、前記推定位置を含むサブエリアを決定するサブステップと、
前記推定位置を含むサブエリアが対応する位置決めアンカーアンテナグループを決定し、決定された位置決めアンカーアンテナグループを最適位置決めアンカーアンテナグループとするサブステップと、
を含むことを特徴とする、請求項3に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項5】
前記第一超広帯域電波情報によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定するステップは、
前記第一超広帯域電波情報における各々の第一超広帯域信号の信号飛行時間を比較するサブステップと、
前記比較結果によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定して、前記最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも、信号飛行時間が最も短く、第一プリセット取り付けエリアに属する第一アンカーアンテナと、第二プリセット取り付けエリアに属して、前記第一アンカーアンテナの信号飛行時間との差が最も小さい第二アンカーアンテナを含むサブステップと、
を含むことを特徴とする、請求項3に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項6】
前記第一超広帯域電波情報によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定するステップは、
前記第一超広帯域電波情報における各々の第一超広帯域信号の信号強度を比較するサブステップと、
前記比較結果によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定して、前記最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも、信号強度が最も強く、第一プリセット取り付けエリアに属する第一アンカーアンテナと、第二プリセット取り付けエリアに属して、前記第一アンカーアンテナの信号強度との差が最も小さい第二アンカーアンテナを含むサブステップと、
を含むことを特徴とする、請求項3又は5に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項7】
前記第二超広帯域電波情報によって、前記ターゲットタグを位置決めた後、さらに、前記ターゲットタグの位置が変化するかどうかを監視するステップと、
監視結果が「はい」である場合、現在位置決めに用いられる第一最適位置決めアンカーアンテナグループが前記ターゲットタグの現在位置とマッチングするかどうかを判断するステップと、
判定結果が「いいえ」である場合、前記ターゲットタグの現在位置によって、第二最適位置決めアンカーアンテナグループを再決定するステップと、
対応する超広帯域(UWB)モジュールの出力端子を、前記第二最適位置決めアンカーアンテナグループの中のアンカーアンテナに接続するように制御するステップと、
前記第二最適位置決めアンカーアンテナグループと前記ターゲットタグとの間の第三超広帯域電波情報を取得するステップと、
前記第三超広帯域電波情報によって、前記ターゲットタグを再位置決めするステップと、
を含むことを特徴とする、請求項3に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項8】
前記第一超広帯域電波情報によって、現在の車両に対する前記ターゲットタグの推定位置を決定するステップは、
各々の前記第一超広帯域信号の信号強度を第一プリセット強度と比較するサブステップと、
信号強度が前記第一プリセット強度以上である第一超広帯域信号を有効な第一超広帯域信号として決定するサブステップと、
有効な第一超広帯域信号の信号強度及び信号飛行時間を利用して、現在の車両に対する前記ターゲットタグの推定位置を決定するサブステップと、
を含むことを特徴とする、請求項4に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項9】
前記第二超広帯域電波情報は、前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナと前記ターゲットタグとの間に伝送される各々の第二超超広帯域信号の信号飛行時間を含み、前記第二超広帯域電波情報よって、前記ターゲットタグを位置決めることは、
各々の前記第二超広帯域信号の信号飛行時間によって、前記ターゲットタグを位置決めることであることを特徴とする、請求項3に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項10】
前記最適位置決めアンカーアンテナグループが同一の超広帯域(UWB)モジュールに対応する場合、対応する超広帯域(UWB)モジュールの出力端子を、前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナに接続するように制御するステップは、
前記最適位置決めアンカーアンテナグループが対応する超広帯域(UWB)モジュールの出力端子を、前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナを第一プリセット時間ごとに切り替えるように制御することであることを特徴とする、請求項3に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項11】
超広帯域に基づいての車両位置決め装置は、第一取得モジュール、第一位置決めアンカーアンテナグループ決定モジュール、第一制御モジュール、第二取得モジュール及び第一位置決めモジュールを含み、
前記第一取得モジュールは、現在の車両の各アンカーアンテナとターゲットタグとの間の第一超広帯域電波情報を取得するために使用され、前記第一超広帯域電波情報は、各アンカーアンテナと前記ターゲットタグとの間に伝送される各第一超広帯域信号の信号強度と信号飛行時間を含み、
前記第一位置決めアンカーアンテナグループ決定モジュールは、前記第一超広帯域電波情報によって最適位置決めアンカーアンテナグループを決定するために使用され、前記最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも二つのプリセット取り付けエリアのアンカーアンテナを含み、前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の任意の一つのアンカーアンテナは、プリセット取り付けエリアに対応して、最良の視認性条件を有するアンカーアンテナであり、最良の視認性条件は、信号飛行時間、信号強度、及び前記アンカーアンテナの信号伝送方向に車体の金属部品の数量及び/又は面積のうちの少なくとも一つによって決定して、
前記第一制御モジュールは、対応するUWBモジュールの出力端子を、前記最適位置決めアンカーアンテナグループのアンカーアンテナに接続するように制御するために使用され、
前記第二取得モジュールは、前記ターゲットタグと前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各々のアンカーアンテナとの間の第二超広帯域電波情報を取得するために使用され、
前記第一位置決めモジュールは、前記第二超広帯域電波情報によって、前記ターゲットタグを位置決めて、現在の車両に対する前記ターゲットタグの位置決め位置を取得するために使用される、
ことを特徴とする、超広帯域に基づいての車両位置決め装置。
【請求項12】
超広帯域に基づく車両位置決めデバイスは、プロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリは、少なくとも一つの命令又は少なくとも一つのプログラムが格納され、少なくとも一つの命令又は少なくとも一つのプログラムは、前記請求項3~10のいずれかの一項に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法を実現するために、前記プロセッサによってロードされ、実行される、
ことを特徴とする、超広帯域に基づいての車両位置決めデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両通信の技術分野に関し、特に、超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネント、方法、装置及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
超広帯域(Ultra Wide Band,UWB)技術は、キャリアのない通信技術であり、正弦波キャリアを使用せずに、ナノ秒レベルの非正弦波の狭いパルスを使用して、データを送信する。その信号ピークは、急峻で狭いので、うるさいマルチチャネルの場所でも簡単に識別されることができる。従って、さまざまな短距離無線通信のニーズを満たすことができ、特に、例えば、車両のロック解除、車両の自動スタート、車両の内部の乗客の検出、車両のドローン操作、自動バレーパーキング、自動駐車、駐車場入場、ドライブスルー決済などの、密集したマルチパスの場所の正確な位置決めに適する。現在の車載UWBシステムにおけるアンカーステーションは、
図1に示すように、一つのUWBモジュールと一つの位置決めアンカーアンテナからなる。その中には、UWBモジュールは、アンカーステーションのコストの主な部分であり、車両周辺領域と車両の内部の位置決めニーズを満たすためには、アンカーアンテナの数量と同じである数量のUWBモジュールを取り付ける必要があるので、コストが高い。
【0003】
従って、製造コストと使用コストを削減するために、改良された車両位置決めシステムを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術的問題を解決するために、本発明は、超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネント、方法、装置及びデバイスを提供して、製造コスト及び使用コストを削減できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネントを提供する。超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネントは、少なくとも一つの超広帯域(UWB)モジュール、及び複数のアンカーアンテナを含み、複数の前記アンカーアンテナは、複数の前記アンカーアンテナの信号エリアが車両の周囲及び/又は車両の内部のプリセットエリアをカバーするように、車体の各々のプリセット取り付けエリアにグループで設置され、少なくとも一つの前記超広帯域(UWB)モジュールの出力端子は、異なる位置に設置され、及び/又は異なるポインティングを有する二つ以上のアンカーアンテナに時分割で接続される。
【0006】
本発明は、超広帯域に基づいての車両位置決め方法を提供する。超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネントに基づいて、超広帯域に基づいての車両位置決め方法は、
現在の車両の各アンカーアンテナとターゲットタグとの間の第一超広帯域電波情報を取得するステップであって、前記第一超広帯域電波情報は、各アンカーアンテナと前記ターゲットタグとの間に伝送される各第一超広帯域信号の信号強度及び信号飛行時間を含むステップと、
前記第一超広帯域電波情報によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定して、前記最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも二つのプリセット取り付けエリアのアンカーアンテナを含み、前記最適位置決めアンカーアンテナグループにおける任意の一つのアンカーアンテナは、プリセット取り付けエリアに対応して、最良の視認性条件を備えるアンカーアンテナであり、最良の視認性条件は、信号飛行時間、信号強度、及び前記アンカーアンテナの信号伝送方向に車体の金属部品の数量及び/又は面積の中の少なくとも一つによって、決定されるステップと、
対応する超広帯域(UWB)モジュールの出力端子を、前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナに接続するように制御するステップと、
前記ターゲットタグと前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナとの間の第二超広帯域電波情報を取得するステップと、
前記第二超広帯域電波情報によって、前記ターゲットタグを位置決め、現在の車両に対する前記ターゲットタグの位置決め位置を取得するステップと、を含む。
【0007】
本発明は、超広帯域に基づいての車両位置決め装置を提供する。超広帯域に基づいての車両位置決め装置は、第一取得モジュール、第一位置決めアンカーアンテナグループ決定モジュール、第一制御モジュール、第二取得モジュール及び第一位置決めモジュールを含み、
前記第一取得モジュールは、現在の車両の各アンカーアンテナとターゲットタグとの間の第一超広帯域電波情報を取得するために使用され、前記第一超広帯域電波情報は、各アンカーアンテナと前記ターゲットタグとの間に伝送される各第一超広帯域信号の信号強度と信号飛行時間を含み、
前記第一位置決めアンカーアンテナグループ決定モジュールは、前記第一超広帯域電波情報によって最適位置決めアンカーアンテナグループを決定するために使用され、前記最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも二つのプリセット取り付けエリアのアンカーアンテナを含み、前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の任意の一つのアンカーアンテナは、プリセット取り付けエリアに対応して、最良の視認性条件を有するアンカーアンテナであり、最良の視認性条件は、信号飛行時間、信号強度、及び前記アンカーアンテナの信号伝送方向に車体の金属部品の数量及び/又は面積のうちの少なくとも一つによって決定して、
前記第一制御モジュールは、対応するUWBモジュールの出力端子を、前記最適位置決めアンカーアンテナグループのアンカーアンテナに接続するように制御するために使用され、
前記第二取得モジュールは、前記ターゲットタグと前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各々のアンカーアンテナとの間の第二超広帯域電波情報を取得するために使用され、
前記第一位置決めモジュールは、前記第二超広帯域電波情報によって、前記ターゲットタグを位置決めて、現在の車両に対する前記ターゲットタグの位置決め位置を取得するために使用される。
【0008】
本発明は、超広帯域に基づく車両位置決めデバイスを提供する。超広帯域に基づく車両位置決めデバイスは、プロセッサ及びメモリを含み、前記メモリは、少なくとも一つの命令又は少なくとも一つのプログラムが格納され、少なくとも一つの命令又は少なくとも一つのプログラムは、上記のような超広帯域に基づいての車両位置決め方法を実現するために、前記プロセッサによってロードされ、実行される。
【0009】
本発明は、車両を提供する。車両は、上記のような超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネント、装置又はデバイスを含む。
【0010】
本発明によって提供される超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネント、方法、装置、デバイス及び車両は、以下の技術効果を有する。
本発明の一部又はすべての超広帯域(UWB)モジュールは、二つ以上のアンカーアンテナが設置されるので、アンカーアンテナの数量を同じにすることで、超広帯域(UWB)モジュールの取り付け数量を削減し、一つのUWBモジュールの有効利用時間を向上させ、生産コスト及び使用コストを削減することができる。
【0011】
以上の説明は、本発明の技術方案の概要に過ぎず、本発明の技術手段をより明確に理解し、本明細書の内容に従って実施することができ、且つ本発明の上記及びその他の目的、特徴及び利点をより明確かつ分かりやすくするために、本発明の具体的な実施形態を以下に例示する。
【0012】
以下では、添付の図面を結合して、本発明の具体的な実施形態を詳しく説明して、当業者は、本発明の上記及びその他の目的、特徴及び利点をより明確にする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下、添付の図面を参照して、本発明のいくつかの具体的な実施形態を、限定ではなく例示として詳細に説明する。図面中の同一の参照符号は、同一又は類似の部品又は部分を表示する。当業者は、図面が必ずしも一定の縮尺で描かれるとは限らないことを理解することができる。
【
図1】従来技術における超広帯域に基づいての車両位置決めシステムの構造を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態によって提供される、超広帯域に基づいての車両位置決めシステムの構造を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態によって提供される、アンカーアンテナが取り付けられた車両の構造を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態によって提供される、超広帯域に基づいての車両位置決め方法を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態によって提供されるターゲットタグの位置決めを示す図である。
【
図6】本発明の実施形態によって提供されるターゲットタグの位置決めを示す図である。
【
図7】従来技術におけるアンカーアンテナが取り付けられた車両の構造を示す図である。
【
図8】従来技術におけるターゲットタグの位置決めを示す図である。
【
図9】本発明の実施形態によって提供される、超広帯域に基づいての車両位置決め装置の構造を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照して、本発明の例示的な実施形態をより詳細に説明する。図面に本発明の例示的な実施形態が示されているが、様々な形態で本発明を実施することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるべきではないことを理解されたい。むしろ、これらの実施形態は、本発明をより完全に理解し、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるために提供される。
【0015】
本発明は、超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネントを提供する。超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネントは、少なくとも一つの超広帯域(UWB)モジュール(以下、UWBモジュールと称する)及び複数のアンカーアンテナ2を含む。複数のアンカーアンテナ2は、複数のアンカーアンテナ2の信号エリアが車両の周囲及び/又は車両の内部のプリセットエリアをカバーするように、車体の各々のプリセット取り付けエリアにグループで設置される。少なくとも一つのUWBモジュール1の出力端子は、異なる位置に設置され、及び/又は異なるポインティングを有する二つ以上のアンカーアンテナ2に時分割で接続される。
【0016】
本発明の実施形態では、隣接する二つのアンカーアンテナ2にカバーされる信号ネットワークエリアが重複する。
【0017】
本発明の実施形態では、複数のアンカーアンテナ2がいくつかのグループに分けられ、車体の異なるプリセット取り付けエリアに設置され、各グループは、少なくとも一つのアンカーアンテナ2を含む。各々のプリセット取り付けエリアに複数のアンカーアンテナ2を有する場合には、組み合わせられる複数のアンカーアンテナは、元の単一のアンカーアンテナ2にカバーされる空間立体角範囲を置き換え、各アンカーアンテナ2にカバーされる空間立体角が小さくなるので、各アンカーアンテナのアンテナゲインを高め、その方向の信号ネットワークカバレージ又は元の信号ネットワークカバレージのゲインバジェットマージンを拡大し、それによって位置決めの距離範囲と信頼性を向上させる。
【0018】
ここで、プリセット取り付けエリアは、車両の左前エリア101、右前エリア102、左後エリア103、右後エリア104、左側エリア105、右側エリア106、及びルーフエリア107などを含むが、これらに限定されない。プリセット取り付けエリアの具体的な位置とサイズは、さまざまな車両モデル又はさまざまな信号検出要件によって、決定される。
【0019】
さらに、異なるアンカーアンテナ2は、車両の周囲又は車両の内部のターゲットタグ200との信号伝送に用いられ、車両の周囲又は車両の内部のターゲットタグ200の位置決めを実現することができる。例えば、車両の左前エリア101に三つのアンカーアンテナ2を設置して、一つのアンカーアンテナ2を設置する場合に比べて、三つのアンカーアンテナ2のそれぞれの信号ネットワークは、車両の左前エリア101の信号伝送領域の一部をそれぞれカバーすることができる。即ち、より高いアンテナゲインを有するアンカーアンテナ2で信号受信能力を高め、車両からより遠いターゲットタグ200を検出することができる。
【0020】
本発明の実施形態では、車両の周囲のプリセットエリアは、車両の周囲の環状空間又は半球状空間を含んでもよく、及び/又は、プリセットエリアは、車両の内部の空間の一部又は全部の空間を含んでもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、複数のアンカーアンテナ2は、車体の左前エリア101、右前エリア102、左後エリア103、及び右後エリア104にグループで設置される。
【0022】
いくつかの他の実施形態では、複数のアンカーアンテナ2は、車体の左前エリア101、右前エリア102、左後エリア103、右後エリア104、左側エリア105及び右側エリア106にグループで設置される。
【0023】
いくつかの他の実施形態では、複数のアンカーアンテナ2は、車体の左前エリア101、右前エリア102、左後エリア103、右後エリア104、左側エリア105、右側エリア106、及びルーフエリア107にグループで設置される。
【0024】
車体の異なるプリセット取り付けエリアの分割、及びアンカーアンテナ2が車体の異なるプリセット取り付けエリアにグループで設置される方法は、必要なプリセットエリアがカバーされる範囲によって決定でき、実際のニーズによって、アンカーアンテナ2が設置されるプリセット取り付けエリア又はグループの内部のアンカーアンテナ2の数量を増減することができるが、上記の説明に限定されないことに留意されたい。
【0025】
本発明の実施形態では、少なくとも一つのUWBモジュール1と対応するアンカーアンテナ2との間に電子スイッチ3が設けられ、少なくとも一つのUWBモジュール1の出力端子は、電子スイッチ3の切り替えによって、異なる位置に設置され、及び/又は異なるポインティングを有するアンカーアンテナ2に時分割で接続される。電子スイッチ3は、無線周波電子スイッチを含むが、これに限定されない。
【0026】
一つの実施形態では、車両位置決めコンポーネントは、四つのUWBモジュール1及び12個のアンカーアンテナ2を含む。各UWBモジュール1は、電子スイッチ3の切り替えによって、異なるポインティングを有する三つのアンカーアンテナ2に時分割で接続されることができる。具体的には、第一UWBモジュールは、A1、A2、A3に時分割で接続されることができ、第二UWBモジュールは、B1、B2、B3に時分割で接続されることができ、第三UWBモジュールは、C1、C2、C3に時分割で接続されることができ、第四UWBモジュールは、D1、D2、D3に時分割で接続されることができる。12個のアンカーアンテナ2は、四つのグループに均等に分割され、車体の左前エリア101、右前エリア102、左後エリア103、右後エリア104にそれぞれ一つのグループが設置される。各グループは、三つのアンカーアンテナ2を含み、具体的には、左前エリア101にA1、A2及びA3が設置され、右前エリア102にD1、D2及びD3が設置され、左後エリア103にB1、B2、B3が設置され、右後エリア104にC1、C2、C3が設置される。このようにして、車両の周囲の環状空間のプリセットエリアのターゲットタグ200との信号伝送が実現される。
【0027】
もう一つの実施形態では、
図2及び
図3を参照すると、車両位置決めコンポーネントは、六つのUWBモジュール1及び18個のアンカーアンテナ2を含む。各UWBモジュールは、位置決め装置4に通信して接続され、各UWBモジュール1は、電子スイッチ3の切り替えによって、異なるポインティングを有する三つのアンカーアンテナ2に時分割で接続される。具体的には、第一UWBモジュールは、A1、A2、A3に時分割で接続されることができ、第二UWBモジュールは、B1、B2、B3に時分割で接続されることができ、第三UWBモジュールは、C1、C2、C3に時分割で接続されることができ、第四UWBモジュールは、D1、D2、D3に時分割で接続することができ、第五UWBモジュールは、E1、E2、E3に時分割で接続されることができ、第六UWBモジュールは、F1、F2、F3に時分割で接続されることができる。18個のアンカーアンテナ2は、七つのグループに分割され、車体の左前エリア101、右前エリア102、左後エリア103、右後エリア104にそれぞれ一つのグループが設置され、各グループは、三つのアンカーアンテナ2を含む。具体的には、左前エリア101にA1、A2、A3が設置され、右前エリア102にD1、D2、D3が設置され、左後エリア103にB1、B2、B3が設置され、右後エリア104にC1、C2、C3が設置される。車体のルーフエリア107に一つのグループが設置され、四つのアンカーアンテナ2を含み、それぞれE2、E3、F2、F3である。車体の左側エリア105及び右側エリア106にそれぞれ一つのグループが設置され、各グループは一つのアンカーアンテナ2を含み、具体的には、左側エリア105にE1が設置され、右側区106にF1が設置される。
【0028】
さらに、一つの実施形態では、車体の左前エリア101、右前エリア102、左後エリア103及び右後エリア104に設置されるアンカーアンテナ2は、車両の外部のターゲットタグ200との信号伝送に用いられ、左側エリア105、右側エリア106、及びルーフエリア107に設置されるアンカーアンテナ2は、車両の内部のターゲットタグ200との信号伝送に用いられる。即ち、プリセットエリアは、車両の周囲の環状空間の第一プリセットエリア、及び車両の内部の第二プリセットエリアを含む。
【0029】
さらに、もう一つの実施形態では、車体の左前エリア101、右前エリア102、左後エリア103、右後エリア104、左側エリア105、右側エリア106に設置されるアンカーアンテナ2は、車両の外部のターゲットタグ200との信号伝送に用いられ、ルーフエリア107に設置されるアンカーアンテナ2は、車両の内部のターゲットタグ200との信号伝送に用いられる。
【0030】
さらに、もう一つの実施形態では、車体の左前エリア101、右前エリア102、左後エリア103、右後エリア104、左側エリア105、右側エリア106及びルーフエリア107に設置されるアンカーアンテナ2は、車両の外部のターゲットタグ200との信号伝送に使用され、車両の周囲の半球空間のプリセットエリアのターゲットタグ200との信号伝送を実現するようになる。
【0031】
さらに、もう一つの実施形態では、車体の左前エリア101、右前エリア102、左後エリア103、右後エリア104、左側エリア105、右側エリア106、及びルーフエリア107に設置されるアンカーアンテナ2のすべて又は一部は、車両の外部及び車両の内部のターゲットタグ200との信号伝送に同時に用いられることができる。
【0032】
もう一つの実施形態では、位置決めコンポーネントは、UWBモジュール1及び複数のアンカーアンテナ2を含む。信号伝送及び位置決めを行うために、UWBモジュール1の出力端子を異なるアンカーアンテナ2に迅速に時分割で切り替える。
【0033】
本発明では、アンカーアンテナ2の数量を同じにすることで、UWBモジュール1の取り付け数量を削減し、一つのUWBモジュール1の有効利用時間を向上させ、生産コスト及び使用コストを削減できる。
【0034】
本発明は、さらに超広帯域に基づいての車両位置決めシステムを提供する。車両位置決めシステムは、上記の超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネントと位置決め装置4とを含む。位置決め装置4は、車両位置決めコンポーネントとターゲットタグ200との間の通信を制御し、車両位置決めコンポーネントとターゲットタグ200との間の通信情報によって、ターゲットタグ200を位置決める。
【0035】
本発明は、超広帯域に基づいての車両位置決め方法も提供する。
図4を参照する。
図4は、本発明の実施形態によって提供される超広帯域に基づいての車両位置決め方法のフローチャートである。本明細書は、実施形態又はフローチャートに記載される方法の操作ステップを提供するが、日常的又は非創造的な労働に基づいて、より多く又はより少ない操作ステップを含むことができる。実施形態で列挙されたステップのシーケンスは、多くのステップの実行シーケンスの一つに過ぎず、唯一の実行シーケンスを表すものではない。実際のデバイス、装置、記憶媒体又はデバイス製品が実行されるとき、実施形態又は図面に示される方法に従って、順次又は並列(例えば、並列プロセッサ又はマルチスレッド処理の環境)に実行することができる。
【0036】
具体的には、
図4に示すように、この方法は、次のステップを含む。
S110:各アンカーアンテナ2とターゲットタグ200との間の第一超広帯域電波情報を取得する。
【0037】
本発明の実施形態では、第一超広帯域電波情報は、各アンカーアンテナとターゲットタグとの間に送信される各第一超広帯域信号の信号強度及び信号飛行時間を含むが、これらに限定されず、各第一超広帯域信号の通信データをさらに含むことができる。
【0038】
実際の応用において、ターゲットタグ200は、超広帯域に基づいての車両位置決めシステムと超広帯域信号を介して通信することができ、通信プロトコル条件を満たすタグであってもよい。タグのハードウェアデバイスは、物理的な車のキー、電子的な車のキーを搭載したモバイルデバイス、ドローンのリモートコントロールデバイス、センシングデバイス、ETCデバイスなどを含むが、これらに限定されない。
【0039】
具体的な実施形態では、制御装置は、ターゲットタグ200と通信するために、UWBモジュール1を、各アンカーアンテナ2を介して超広帯域信号を送信又は受信するように制御することができる。一つのUWBモジュール1が複数のアンカーアンテナ2に対応する場合、UWBモジュール1は、対応するアンカーアンテナ2に時分割で切り替えて接続することができる。極限状態では、車両位置決めシステムは、UWBモジュール1が一つしか設置せず、制御装置は、一つのUWBモジュール1を、すべてのアンカーアンテナ2に時分割で切り替えて接続するように制御する。
【0040】
いくつかの実施形態では、ステップS110は、具体的には、各アンカーアンテナ2とプリセットエリアのターゲットタグ200との間の第一超広帯域電波情報を取得するステップであってもよい。
【0041】
実際の応用において、プリセットエリアは、車両の周囲の第一プリセットエリア及び/又は車両の内部の第二プリセットエリアを含む。
【0042】
S120:第一超広帯域電波情報によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定する。最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも二つのプリセット取り付けエリアのアンカーアンテナ2を含み、最適位置決めアンカーアンテナグループにおける任意の一つのアンカーアンテナ2は、プリセット取り付けエリアに対応して、最良の視認性条件を備えるアンカーアンテナ2である。最良の視認性条件は、信号飛行時間、信号強度、及びアンカーアンテナ2の信号伝送方向に車体の金属部品の数量及び/又は面積の中の少なくとも一つによって、決定される。
【0043】
本発明の実施形態では、最適位置決めアンカーアンテナグループの各アンカーアンテナ2は、車体の異なるプリセット取り付けエリアに属し、ターゲットタグ200との視認性条件の上位から順にいくつかのプリセット取り付けエリアに属してもよい。且つ、各アンカーアンテナ2とターゲットタグ200との間が視認性条件を満たす。
【0044】
実際の応用において、最良の視認性条件を備えることは、車両のキャリブレーション中に決定され、車両位置決めシステムに予めに記憶されるか、ターゲットタグ200の位置決めプロセス中に計算することによって取得する。
【0045】
具体的な実施形態では、アンカーアンテナ2の信号送信方向に車体の金属部品の数量及び/又は面積を決定する方法は、アンカーアンテナ2及び各車体の金属部品が車両位置決めシステムに予めに記憶される座標系における座標を取得して、アンカーアンテナ2の座標及び各車体の金属部品の座標によって、アンカーアンテナ2が信号伝送方向に遮断される車体の金属部品の数量及び/又は車体の金属部品の面積を計算することである。
【0046】
いくつかの実施形態では、同一のプリセット取り付けエリアの2つ以上のアンカーアンテナ2が視認性条件を満たす場合には、信号飛行時間が最も短く、受信信号強度が最も強く、アンカーアンテナ2が信号送信方向に遮断される車体の金属部品の数量及び/又は車体の金属部品の面積が最も小さいことの中の少なくとも一つを満たすアンカーアンテナ2は、最良の視認性条件を有するアンカーアンテナ2である。
【0047】
さらに、上記各条件の優先度を設定し、高い優先度の条件を満たすアンカーアンテナ2を、最良の視認性条件を有するアンカーアンテナ2として決定してもよい。例えば、一つの実施形態では、高から低までの各条件の優先順位は、最も短い信号飛行時間、最も強い受信信号強度、最も小さいアンカーアンテナ2が信号伝送方向に遮断される車体の金属部品の数量及び/又は車体の金属部品の面積である。同一のプリセット取り付けエリアの二つのアンカーアンテナ2がそれぞれ信号飛行時間が最も短いことと受信信号強度が最も強いことを満たす場合、信号飛行時間が最も短いことを満たすアンカーアンテナ2を、最良の視認性条件を有するアンカーポイント2として決定する。
【0048】
上記の各条件の優先順位は、実際のニーズに応じて設定してもよく、上記の説明に限定されないことに留意されたい。
【0049】
いくつかの他の実施形態では、最良の視認性条件が、信号飛行時間、信号強度、及びアンカーアンテナ2が信号送信方向に遮断される車体の金属部品の数量及び/又は車体の金属部品の面積のうちの2つ以上のターゲットパラメータによって決定された場合には、最良の視認性条件を有するアンカーポイントアンテナ2を決定する方法は、次のように述べる。各ターゲットパラメータによって、一つのプリセット取り付けエリアのすべての第一超広帯域信号を並べ替え、異なるターゲットパラメータに対応する各第一超広帯域信号のランキング値を取得する(ランキング値が小さいほど、信号品質が優れると設定する)。各ターゲットパラメータに対応する上記の第一超広帯域信号のそれぞれのランキング値を、対応する重み係数で乗算し、重み係数を乗算した各ランキング値を加算して、各第一超広帯域信号の統計的なランキング値を取得する。統計的なランキング値が最も小さいアンカーアンテナ2を最良の視認性条件を有するアンカーアンテナ2として決定する。
【0050】
S130:対応するUWBモジュール1の出力端子を、最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナ2に接続するように制御する。
【0051】
本発明の実施形態では、最適位置決めアンカーアンテナグループが決定された後、最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナ2を、対応するUWBモジュール1の出力端子に接続するように制御する。
【0052】
実際の応用において、最適位置決めアンカーアンテナグループが同一のUWBモジュール1に対応する場合、ステップS130は、具体的には、最適位置決めアンカーアンテナグループが対応するUWBモジュール1の出力端子を、最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナ2を第一プリセット時間ごとに切り替えるように制御して、最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナ2に時分割で接続するようになる。
【0053】
いくつかの実施形態では、電子スイッチ3を切り替えることにより、UWBモジュール1の出力端子を、最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナ2の接続端子に時分割で接続することができる。
【0054】
S140:ターゲットタグ200と最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナ2との間の第二超広帯域電波情報を取得する。
【0055】
本発明の実施形態では、UWBモジュール1は、最適位置決めアンカーアンテナグループの中のアンカーアンテナ2とターゲットタグ200との間に信号伝送を行うことにより、第二超広帯域電波情報を取得する。第二超広帯域電波情報は、各第二超広帯域信号の通信データ、信号強度及び信号飛行時間を含む。
【0056】
S150:第二超広帯域電波情報によって、ターゲットタグ200を位置決め、現在の車両100に対するターゲットタグ200の位置決め位置を取得する。
【0057】
本発明の実施形態では、第二超広帯域電波情報に基づいて、現在の車両100に対するターゲットタグ200の位置決め位置を計算して、そのアルゴリズムは、従来の超広帯域位置決めのアルゴリズムと同じであってもよい。これは、本発明に限定されない。
【0058】
実際の応用において、現在の車両100に対するターゲットタグ200の位置決め位置は、ターゲットタグ200が車両位置決めシステムに予め記憶された座標系における位置である。
【0059】
いくつかの実施形態では、本実施形態の超広帯域に基づいての車両位置決め方法は、上記のような超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネント及びシステムに基づくことができる。
【0060】
上記の一部又はすべての実施形態に基づいて、いくつかの実施形態では、ステップS120は、以下のステップを含む。
S121a:第一超広帯域電波情報によって、現在の車両100に対するターゲットタグ200の推定位置を決定する。
【0061】
実際の応用において、推定位置は、ターゲットタグ200が現在の車両100のある方向角度範囲内に位置することを特徴付けることができる。推定位置は、ターゲットタグ200が現在の車両100のある三次元座標範囲の三次元空間領域に位置することを特徴付けることもできる。
【0062】
具体的な実施形態では、車両位置決めシステムは、現在の車両100自体に基づいての座標系が予め記憶され、且つすべてのアンカーアンテナ2の座標系における位置が予め記憶される。アンカーアンテナ2の位置及び第一超広帯域電波情報によって、ターゲットタグ200が座標系における推定位置を決定することができる。
【0063】
S122a:推定位置が得られると、現在の車両100の周囲のプリセットエリアの中のサブエリアと位置決めアンカーアンテナグループとの間の対応テーブルを呼び出す。
実際の応用において、プリセットエリアは、複数のサブエリアを含み、対応テーブルは、各サブエリアと位置決めに用いられる各位置決めアンカーアンテナグループとの間のプリセット対応関係が記録される。プリセット対応関係は、車両のキャリブレーション中に決定でき、キャリブレーションプロセスの中のキャリブレーションタグと各アンカーアンテナとの間の信号飛行時間、信号強度、及びアンカーアンテナが信号伝送方向に車体の金属部品の数量及び/又は面積の中の少なくとも一つによって決定する。
【0064】
S123a:推定位置を対応テーブルの中のサブエリアとマッチングし、推定位置を含むサブエリアを決定する。
S124a:推定位置を含むサブエリアが対応する位置決めアンカーアンテナグループを決定し、決定された位置決めアンカーアンテナグループを最適位置決めアンカーアンテナグループとする。
【0065】
実際の応用において、現在の車両100の車両位置決めシステムに予め記憶される座標系は、座標グリッドであってもよい。いくつかの実施形態では、座標グリッドは、例えば辺長が50センチメートルである等距離座標グリッドであってもよい。いくつかの他の実施形態では、座標グリッドは、車体からの距離によってセグメントに設計された不等距離グリッドであってもよい。座標グリッドの中の一つ又は複数のグリッドが対応するエリアをサブエリアに設定して、各サブエリアは、同じ又は異なるグリッドの数量を有する。
【0066】
さらに、一つの実施形態では、座標グリッドと各アンカーアンテナ2との間の幾何学的関係、車体の信号遮蔽状態(車両モデルの外観及び構造によって決定され、例えば、アンカーアンテナの信号伝送方向に車体の金属部品の数量及び/又は面積)などによって、各座標グリッドが対応する、視認性条件を有するアンカーアンテナグループ2を決定することができ、更にサブエリアに対応する、最良の視認性条件を有するアンカーアンテナグループを決定することができ、各サブエリアは、一つの位置決めアンカーアンテナグループとマッチングすることができる。
【0067】
さらに、車両位置決めシステムは、プリセット対応テーブルが予め記憶され、決定された推定位置が属するサブエリアによって、サブエリアに対応する位置決めアンカーアンテナグループを検索して、この位置決めアンカーアンテナグループを現在の最適位置決めアンカーアンテナグループとする。
【0068】
さらに、推定位置は、複数の位置決めアンカーアンテナグループに対応する複数のサブエリアに属するか又はそれらを含むことができ、複数のサブエリアのうちの中間のサブエリアが対応する位置決めアンカーアンテナグループを最適位置決めアンカーアンテナグループとして選択する。或いは、平均信号強度が最も強い、及び/又は平均信号の飛行時間が最も短い位置決めアンカーアンテナグループを、最適位置決めアンカーアンテナグループとして選択してもよい。
【0069】
上記の一部又はすべての実施形態に基づいて、本発明の実施形態では、ステップS121は、以下のステップを含む。
S1211a:各々の第一超広帯域信号の信号強度を第一プリセット強度と比較する。
S1212a:信号強度が第一プリセット強度以上である第一超広帯域信号を有効な第一超広帯域信号として決定する。
S1213a:有効な第一超広帯域信号の信号強度及び信号飛行時間を利用して、現在の車両100に対するターゲットタグ200の推定位置を決定する。
【0070】
実際の応用において、信号強度が第一プリセット強度よりも弱い第一超広帯域信号を捨ててもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、n個の有効な第一超広帯域信号が得られる場合、有効な各第一超広帯域信号の信号飛行時間によって、対応するアンカーアンテナ2とターゲットタグ200との間の距離を決定する。即ち、ターゲットタグ200が対応するアンカーアンテナ2を球の中心とし、前記距離を半径として形成される特定の厚さを有する球殻形状のエリアに位置するかもしれないことを確定して、n個の有効な第一超広帯域信号が、特定の厚さを有するn個の球殻形状のエリアに対応して、特定の厚さを有するn個の球殻形状のエリアの交差エリアが、現在の車両100に対するターゲットタグ200の推定位置に対応する。
【0072】
一つの実施形態では、ユーザがターゲットタグ200を有するデバイスを持って、プリセットエリアに入るシーンにおいて、ユーザは一般に自然人であり、彼の身長が通常プリセットされた高さの範囲にあるため、彼に用いられるターゲットタグ200を有するデバイスも、プリセットされた高さの範囲にあることを決定することができる。従って、特定の厚さを有するn個の球殻形状のエリアの交差エリアを取得した後、交差エリアがプリセットされた高さの範囲にあるエリアを、現在の車両100に対するターゲットタグ200の推定位置としてさらに決定することができる。
【0073】
上記の一部又はすべての実施形態に基づいて、本発明の実施形態では、第二超広帯域電波情報は、最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナ2とターゲットタグ200との間に伝送される各々の第二超広帯域信号の信号飛行時間を含む。ステップS150は、具体的には、各々の第二超広帯域信号の信号飛行時間によって、ターゲットタグ200を位置決めることである。
【0074】
実際の応用において、各々の第二超広帯域信号の信号飛行時間によって、最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナ2とターゲットタグ200との間の距離を計算して、各距離によって、現在の車両100に対するターゲットタグ200の位置を計算する。
【0075】
なお、第一超広帯域電波情報の中の各々の第一超広帯域信号は、マルチパス信号を有する場合があり、一部のマルチパス信号の信号強度も第一設定強度以上である場合があるので、計算された推定位置とターゲットタグ200の実際の位置にずれがある。最適位置決めアンカーアンテナグルーによって取得する第二超広帯域電波情報を用いて、再度位置決め計算を行うことは、マルチパス信号の影響を低減することができ、位置決めの精度を向上させる。
【0076】
いくつかの実施形態では、前記方法は、ステップS150の前に、第二超広帯域電波情報における各々の第二超広帯域信号がプリセット条件を満たすかどうかを判断して、プリセット条件を満たす場合、ステップS150を実行し、プリセット条件を満たさない場合、ステップS120~S140を繰り返すことをさらに含む。
【0077】
さらに、最適位置決めアンカーアンテナグループは、プリセット第二超広帯域信号のサンプリング時間ごとに各第二超広帯域信号を再取得することができ、プリセット条件は、以下の条件のうちの一つ又は複数を含むが、これらに限定されない。各第二超広帯域信号の信号強度が第一プリセット値以上であるかどうか、各アンカーアンテナの隣接サンプリング時間又はプリセット間隔時間によって取得された二つの第二超広帯域信号の間の信号強度の差が、第二プリセット値以下であるかどうか、各第二超広帯域信号の信号飛行時間が第一時間閾値以下であるかどうか、各アンカーアンテナの隣接するサンプリング時間又はプリセット間隔時間によって取得された二つの第二超広帯域信号の間の信号飛行時間の差が、第二プリセット値以下であるかどうか。各々の第二超広帯域信号がプリセット条件を満たさない場合、マルチパス信号が存在する可能性があるため、推定位置及び/又は対応する最適位置決めアンカーアンテナグループを再決定してもよく、現在の車両100に対するターゲットタグ200の位置を再計算するようになる。
【0078】
更に、各第一超広帯域信号によって推定位置を計算する際に、第一超広帯域信号の選択条件を収束させ、信号強度が第二プリセット強度以上である第一超広帯域信号を選択して、推定位置の計算を行ってもよい。ここで、第二プリセット強度は、第一プリセット強度よりも大きい。このようにして、マルチパス信号が計算結果を妨害する可能性は、低減され、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定する精度が改善され、位置決めに用いられるアンカーアンテナ2とターゲットタグ200との間が最良の視認性条件を満たすことが保証される。
【0079】
上記の一部又はすべての実施形態に基づいて、本発明の実施形態では、上記の方法は、ステップS150の後に、ステップS150で計算された位置が属するサブエリアと、推定位置が属するサブエリアとが同じであるかどうかを判断するステップをさらに含む。ステップS150で計算された位置が属するサブエリアと推定位置が属するサブエリアとが異なる場合、プリセット対応テーブルによって、ステップS150で計算された位置が属するサブエリアとマッチングする位置決めアンカーアンテナグループを、再検索する。再検索された位置決めアンカーアンテナグループを更新された最適位置決めアンカーアンテナグループとして決定し、更新された最適位置決めアンカーアンテナグループとターゲットタグ200との間の更新された第二超広帯域電波情報を取得し、更新された第二超広帯域電波情報によって、ターゲットタグ200を再位置決め、現在の車両100に対するターゲットタグ200の更新された位置を取得する。
【0080】
上記の一部又はすべての実施形態に基づいて、いくつかの他の実施形態では、ステップS120は、以下のステップを含む。
S121b:第一超広帯域電波情報における各々の第一超広帯域信号の信号飛行時間を比較する。
S122b:比較結果によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定する。最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも、信号飛行時間が最も短く、第一プリセット取り付けエリアに属する第一アンカーアンテナと、第二プリセット取り付けエリアに属して、第一アンカーアンテナの信号飛行時間との差が最も小さい第二アンカーアンテナを含む。
【0081】
実際の応用において、各々の第一超広帯域信号の信号飛行時間を比較することによって、信号飛行時間が最も短い第一アンカーアンテナが決定され、信号飛行時間が最も短い第一アンカーアンテナを最適位置決めアンカーアンテナグループの中の一つのアンカーアンテナ2とする。第一プリセット取り付けエリアに属さず、第一アンカーアンテナの信号飛行時間の差と最も小さい第二アンカーアンテナを、もう一つの最適位置決めアンカーアンテナグループのアンカーアンテナ2として選択する。
【0082】
なお、最適位置決めアンカーアンテナグループは、第三アンカーアンテナ等を含んでもよく、含まれるアンカーアンテナの数量は、車両モデル、応用シーンなどの条件によって設定されてもよい。第三アンカーアンテナは、特性が第二アンカーアンテナの特性と類似して、第三プリセット取り付けエリア(第一プリセット取り付けエリア及び第二プリセット取り付けエリアとは異なる)に属して、第二アンカーアンテナの信号飛行時間との差が最も小さいアンカーアンテナ2である。同様に、第四アンカーアンテナ等を決定してもよい。
【0083】
例えば、信号飛行時間の上位5桁は、M1/M2/M3/M4/M5であり、M1とM2は第一プリセット取り付けエリアに属し、M3とM4は第二プリセット取り付けエリアに属し、M5は第三プリセット取り付けエリアに属する。最適位置決めアンカーアンテナグループのアンカーポイントの合計数量が三つに設定されば、M1、M3及びM5が最適位置決めアンカーアンテナグループを形成する。ここで、M1が第一アンカーアンテナであり、M3が第二アンカーアンテナであり、M5が第三アンカーアンテナである。
【0084】
さらに、ステップS122bの後に、サイクリックサンプリングのステップS123bも含んでもよい。サイクリックサンプリングのステップS123bにおいて、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定するために、プリセットサンプリング時間ごとにステップS121b及びS122bを繰り返す。
【0085】
さらに、ステップS123bの後、前記方法は、信号評価ステップS124bをさらに含んでもよい。信号評価ステップS124bにおいて、サンプリング時間シーケンスによって、各々のアンカーアンテナ2の第一超広帯域信号の信号飛行時間の統計データを取得する。統計データは、各々のサンプリング時間によって取得された各々の信号飛行時間(又は各々の信号飛行時間によって計算されたアンカーアンテナ2とターゲットタグ200との間の距離)の分散及び/又は隣接するサンプリング時間が対応する第一超広帯域信号の信号飛行時間の差を含み、第一超広帯域信号が異常であるかどうかを判断するようになる。
【0086】
いくつかの実施形態では、分散がプリセット分散値以下であり、及び/又は隣接するサンプリング時間の信号飛行時間の差がプリセット隣接時間の差以下である場合には、第一超広帯域信号が異常はないと決定して、対応するアンカーアンテナ2は、最適位置決めアンカーアンテナグループの中の位置決めアンカーアンテナ2とし続けることができる。逆にS122aに再突入して最適位置決めアンカーアンテナグループを再決定すると、信号飛行時間が異常なアンカーアンテナ2よりも短く、且つ信号飛行時間との差が最も小さいアンカーアンテナ2を選択して、現在の異常なアンカーアンテナ2を置換する。
【0087】
上記の一部又はすべての実施形態に基づいて、いくつかの他の実施形態では、ステップS120は、以下のステップを含む。
S121c:第一超広帯域電波情報における各々の第一超広帯域信号の信号強度を比較する。
S122c:比較結果によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定する。最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも、信号強度が最も強く、第一プリセット取り付けエリアに属する第一アンカーアンテナと、第二プリセット取り付けエリアに属して、第一アンカーアンテナの信号強度との差が最も小さい第二アンカーアンテナを含む。
【0088】
上記の一部又はすべての実施形態に基づいて、いくつかの他の実施形態では、ステップS120は、以下のステップを含む。
S121d:第一超広帯域電波情報における各第一超広帯域信号が対応するアンカーアンテナ2の信号伝送方向に車体の金属部品の数量及び/又は面積を比較する。
S122d:比較結果によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定する。最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも、車体の金属部品の数量及び/又は面積が最も小さく、第一プリセット取り付けエリアに属する第一アンカーアンテナ、及び第二プリセット取り付けエリアに属して、第一アンカーアンテナの車体の金属部品の数量及び/又は面積との差が最も小さい第二アンカーアンテナを含む。
【0089】
実際の応用において、ステップS121C及びS122C、ならびにS121D及びS122Dの実現方式、対応するサイクリックサンプリングのステップ及び信号評価ステップは、上記のステップS121B及びS122Bと類似であり、信号飛行時間を信号強度に置き換えたり、又は車体の金属部品の数量及び/又は面積を置き換えたりすればいいので、ここでは繰り返されない。
【0090】
さらに、いくつかの他の実施形態では、ステップS120は、以下のステップを含む。
S121d:それぞれ、第一超広帯域電波情報における各第一超広帯域信号の信号飛行時間、信号強度、及び車体の金属部品の数量及び/又は面積のうちの少なくとも二つによって、順序付けをする。順序付けをするルールは、信号飛行時間が短いほど、信号強度が強いほど、及び車体の金属部品の数量及び/又は面積が最も小さい時、ランキング値が小さくなることである。
S122d:各第一超広帯域信号の各ランキング値を対応する重み係数で乗算した後、それらを合計して、第一超広帯域信号が対応するアンカーアンテナ2の総合ランキング値を取得する。
S123d:総合ランキング値によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定する。最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも、総合ランキング値が最も小さく、第一プリセット取り付けエリアに属する第一アンカーアンテナ、及び第二プリセット取り付けエリアに属して、第一アンカーアンテナの総合ランキング値との差が最も小さい第二アンカーアンテナを含む。
【0091】
実際の応用において、S121dからS123dまでの実施方式、対応するサイクリックサンプリングのステップ及び信号評価ステップは、ステップS121B及びS122Bと類似であり、ここでは繰り返されない。
【0092】
上記の一部又はすべての実施形態に基づいて、本発明の実施形態では、ステップS150の後、前記方法は、以下のステップをさらに含んでもよい。
S210:ターゲットタグ200の位置が変化するかどうかを監視する。
【0093】
実際の応用において、現在決定される最適位置決めアンカーアンテナグループを介して、第二プリセット時間ごとにターゲットタグ200を再位置決めして、最新の位置決め結果と前回の位置決め結果を比較して、ターゲットタグ200の位置が変化するかどうかを決定する。及び/又は、上記のステップS110からS120を、第三プリセット時間ごとに繰り返してもよく、最新の推定位置と前回の推定位置を比較して、ターゲットタグ200の位置が変化するかどうかを判断する。
【0094】
S220:監視結果が「はい」である場合、現在位置決めに用いられる第一最適位置決めアンカーアンテナグループがターゲットタグ200の現在位置とマッチングするかどうかを判断する。
【0095】
S230:判定結果が「いいえ」である場合、ターゲットタグ200の現在位置によって、第二最適位置決めアンカーアンテナグループを再決定する。判断結果が「はい」である場合、ステップS210を再実行する。
【0096】
実際の応用おいて、現在位置が属するサブエリアを決定して、プリセット対応テーブルによって、現在位置の属するサブエリアが対応する位置決めアンカーアンテナグループを検索して、該位置決めアンカーアンテナグループと、現在、位置決めに用いられる第一最適位置決めアンカーアンテナグループが一致するかどうかを判断する。一致しない場合、現在位置の属するサブエリアが対応する位置決めアンカーアンテナグループを、第二最適位置決めアンカーアンテナグループとして決定する。
【0097】
S240:対応するUWBモジュール1の出力端子を、第二最適位置決めアンカーアンテナグループの中のアンカーアンテナ2に接続するように制御する。
【0098】
S250:第二最適位置決めアンカーアンテナグループとターゲットタグ200との間の第三超広帯域電波情報を取得する。
【0099】
S260:第三超広帯域電波情報によって、ターゲットタグ200を再位置決めする。
【0100】
S270:ステップS210を再実行する。
【0101】
第三超広帯域電波情報は、各第三超広帯域信号の通信データ、信号強度及び信号飛行時間を含むが、これらに限定されない。
【0102】
なお、例えば、一つ以上のアンカーアンテナ2が、強反射体に反射されたターゲットタグ200から送信する第一超広帯域信号を受信する場合には、第一超広帯域電波情報における第一超広帯域信号のそれぞれにエラー信号の存在する場合がある。一つ以上のエラー信号の信号強度が強いが、信号飛行時間によって計算されたアンカーアンテナ2とターゲットタグ200との間の距離が間違う場合、推定位置又は位置決め位置の偏差が大きくなる。これによって、決定された最適位置決めアンカーアンテナグループは、ターゲットタグ200の実際位置とマッチングせず、その結果、位置決めることができないか、又は大きな位置決め誤差が生じる。いくつかの実施形態では、ステップS110からS150を、第四プリセット時間ごとに再実行してもよく、エラー信号を消させる。例えば、ターゲットタグ200が上記の強反射体の反射を持たないサブエリアに移動したときに、正確な位置を位置決めることができ、エラー信号が位置決め結果にもたらす影響を排除する。
【0103】
このようにして、ターゲットタグ200の位置が変化すると、それに応じて最適位置決めアンカーアンテナグループも変化し、それによって、最敵な「位置決めアンカーアンテナ動的パターン」が形成される。位置決めアルゴリズムは、このような最適な「位置決めアンカーアンテナ動的パターン」を採用して、より高い精度を有するターゲットタグ200の位置情報を算出・出力できる。
【0104】
以下は、六つのグループのUWBモジュール1と18個のアンカーアンテナ2を備えた車両位置決めシステムに基づいて、本発明によって提供される超広帯域に基づいての車両位置決めシステム及び方法を説明する。
図2及び
図3を参照して、各UWBモジュール1は、電子スイッチを介して、三つのアンカーアンテナ2に時分割で接続される。現在の車両100の左前エリア101には、第一UWBモジュールに対応するアンカーアンテナA1、A2及びA3が設置され、右前エリア102には、第四UWBモジュールに対応するアンカーアンテナD1、D2及びD3が設置され、左後エリア103には、第二UWBモジュールに対応するアンカーアンテナB1、B2及びB3が設置され、右後エリア104には、第三UWBモジュールに対応するアンカーアンテナC1、C2、C3が設置され、左側エリア105には、アンカーアンテナE1が設置され、右側エリア106には、アンカーアンテナF1が設置され、ルーフエリア107には、アンカーアンテナE2、E3、F2、F3が設置され、ここでE1、E2、E3が第五UWBモジュールに対応し、F1、F2、F3が第六UWBモジュールに対応する。本実施形態では、第一UWBモジュール一から第四UWBモジュールは、車両の周囲のターゲットタグ200と通信することに用いられ、第五UWBモジュール及び第六UWBモジュールは、車両の周囲と車両の内部のターゲットタグ200と同時に通信することに用いられる。
【0105】
さらに、位置決め装置4は、すべてのUWBモジュール1を、対応するアンカーアンテナ2に時分割で接続し、ターゲットタグ200と通信し、受信した各々の第一超広帯域信号を順序付け、信号強度が第一プリセット強度より低い第一超広帯域信号を捨て、残りの第一超広帯域信号を利用して推定位置を計算するように制御する。
【0106】
さらに、
図5を参照すると、計算された位置は現在の車両100の左前方に位置し、プリセットエリアの左前方の一つのサブエリアに対応し、対応する最適位置決めアンカーアンテナグループは、アンカーアンテナD3、A2、E3及びB1を含む。第一UWBモジュールの電子スイッチ3を、A2に接続するように制御し、第二UWBモジュールの電子スイッチ3を、B1に接続するように制御し、第四UWBモジュールの電子スイッチ3を、D3に接続するように制御し、第五UWBモジュールの電子スイッチ3を、E3に接続するように制御し、それぞれの第二超広帯域信号を取得し、且つ第二超広帯域信号の信号飛行時間によって、現在の車両100に対するターゲットタグ200の位置を計算する。
【0107】
さらに、最適位置決めアンカーアンテナグループをポーリングして、ターゲットタグ200の位置が変化するかどうかを監視する。ターゲットタグ200の位置が変化したことを監視すると、計算された最新位置が属するサブエリアを決定して、最新位置が属するサブエリアとマッチングする位置決めアンカーアンテナグループが現在の最適位置決めアンカーアンテナグループと一致するかどうかを判断して、一致しない場合には、最新位置が属するサブエリアとマッチングする位置決めアンカーアンテナグループを、現在の第二最適位置決めアンカーアンテナに更新する。
【0108】
さらに、第二最適位置決めアンカーアンテナがターゲットタグ200と通信することによって、再位置決めして、ターゲットタグ200の更新された最新位置を取得する。
【0109】
図6を参照すると、ターゲットタグ200の位置が現在の車両100の左後方に移動したことが監視され、プリセットエリアの左後方の一つのサブエリアに対応し、それとマッチングする最適位置決めアンカーアンテナグループは、アンカーアンテナA3、E1、F3及びB2を含む。第一UWBモジュールの電子スイッチ3を、A3に接続するように制御し、第二UWBモジュールの電子スイッチ3を、B2に接続するように制御し、第五UWBモジュールの電子スイッチ3を、E1に接続するように制御し、第六UWBモジュールの電子スイッチ3を、F3に接続するように制御し、それぞれの更新された第二超広帯域信号を取得し、且つ更新された第二超広帯域信号の信号飛行時間によって、現在の車両100に対するターゲットタグ200の位置を再計算する。
【0110】
図7~8を参照すると、従来技術の車両位置決めシステムは、六つのUWBモジュール1及び六つのアンカーアンテナ2を含み、各アンカーアンテナ2は、それぞれ車体の左前エリア101、右前エリア102、左後エリア103、右後エリア104、左側エリア105、右側エリア106及びルーフエリア107に設置され、それぞれA、B、C、D、E、F及びGである。車両の左前エリアに位置するターゲットタグ200にとって、位置決めに用いられることができるアンカーアンテナ2は、A、E、Gのみを含み、D及びBは車両のデザインの制限により視認できる条件がない。同じ数量を有するUWBモジュール1が設定される場合には、従来技術が各サブエリアに位置決めに用いられるアンカーアンテナ2の数量は、本発明の上記の実施形態よりも明らかに少ない。
【0111】
本発明は、プロセッサ及びメモリを含み、超広帯域に基づく車両位置決めデバイスを提供する。メモリは、少なくとも一つの命令又は少なくとも一つのプログラムが格納される。少なくとも一つの命令又は少なくとも一つのプログラムは、上記のような超広帯域に基づいての車両位置決め方法を実現するために、プロセッサによってロードされ、実行される。
【0112】
本発明は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも一つのコード又は命令が格納される。少なくとも一つのコード又は命令が上記のような超広帯域に基づいての車両位置決め方法を実現するために、プロセッサによってロードされ、実行される。
【0113】
本発明の実施形態では、メモリ及び/又は記憶媒体は、ソフトウェアプログラム及びモジュールを格納するために使用されてもよく、プロセッサは、メモリに格納されたソフトウェアプログラム及びモジュールを実行することによって、さまざまな機能アプリケーション及びデータ処理を実行する。メモリ及び/又は記憶媒体は、主にプログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含む。プログラム記憶領域は、操作装置、機能などを動作させるために必要なアプリケーションプログラムを記憶することができる。データ記憶領域は、デバイスの使用によって作成されたデータなどを記憶することができる。さらに、メモリ及び/又は記憶媒体は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、少なくとも一つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の揮発性ソリッドステート記憶デバイスなどの不揮発性メモリも含んでもよい。それに対応して、メモリ及び/又は記憶媒体は、記憶コントローラをさらに含んでもよい。記憶コントローラは、プロセッサがメモリ及び/又は記憶媒体へのアクセスを提供する。
【0114】
本発明は、また、超広帯域に基づいての車両位置決め装置を提供する。
図9を参照すると、
図9は、本発明によって提供される超広帯域に基づいての車両位置決め装置の構造を示すブロック図である。超広帯域に基づいての車両位置決め装置は、第一取得モジュール10、第一位置決めアンカーアンテナグループ決定モジュール20、第一制御モジュール30、第二取得モジュール40及び第一位置決めモジュール50を含む。
第一取得モジュール10は、現在の車両100の各アンカーアンテナ2とターゲットタグ200との間の第一超広帯域電波情報を取得するために使用される。第一超広帯域電波情報は、各アンカーアンテナ2とターゲットタグ200との間に伝送される各第一超広帯域信号の信号強度と信号飛行時間を含む。
第一位置決めアンカーアンテナグループ決定モジュール20は、第一超広帯域電波情報によって最適位置決めアンカーアンテナグループを決定するために使用される。最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも二つのプリセット取り付けエリアのアンカーアンテナ2を含む。最適位置決めアンカーアンテナグループの中の任意の一つのアンカーアンテナ2は、プリセット取り付けエリアに対応して、最良の視認性条件を有するアンカーアンテナ2である。ここで、最良の視認性条件は、信号飛行時間、信号強度、及びアンカーアンテナ2の信号伝送方向に車体の金属部品の数量及び/又は面積のうちの少なくとも一つによって決定する。
第一制御モジュール30は、対応するUWBモジュール1の出力端子を、最適位置決めアンカーアンテナグループのアンカーアンテナ2に接続するように制御するために使用される。
第二取得モジュール40は、ターゲットタグ200と最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各々のアンカーアンテナ2との間の第二超広帯域電波情報を取得するために使用される。
第一位置決めモジュール50は、第二超広帯域電波情報によって、ターゲットタグ200を位置決めて、現在の車両100に対するターゲットタグ200の位置決め位置を取得するために使用される。
【0115】
本発明の実施形態では、第一位置決めアンカーアンテナグループ決定モジュール20は、推定位置決定ユニット、対応テーブル呼び出しユニット、サブエリア決定ユニット及び第一最適位置決めアンカーアンテナグループ決定ユニットを含む。
推定位置決定ユニットは、第一超広帯域電波情報によって、現在の車両100に対するターゲットタグ200の推定位置を決定するために使用される。
対応テーブル呼び出しユニットは、推定位置が得られたときに、現在の車両100の周囲のプリセットエリアのサブエリアと位置決めアンカーアンテナグループとの間の対応テーブルを呼び出すために使用される。
サブエリア決定ユニットは、推定位置を対応テーブルのサブエリアとマッチングし、推定位置を含むサブエリアを決定するために使用される。
第一最適位置決めアンカーアンテナグループ決定ユニットは、推定位置を含むサブエリアが対応するアンカーアンテナグループを決定し、決定されたアンカーアンテナグループを最適位置決めアンカーアンテナグループとするために使用される。
【0116】
いくつかの実施形態では、第一位置決めアンカーアンテナグループ決定モジュール20は、信号飛行時間比較ユニット及び第二最適位置決めアンカーアンテナグループ決定ユニットを含む。
信号飛行時間比較ユニットは、第一超広帯域電波情報における各第一超広帯域信号の信号飛行時間を比較するために使用される。
第二最適位置決めアンカーアンテナグループ決定ユニットは、比較結果によって最適位置決めアンカーアンテナグループを決定するために使用される。最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも信号飛行時間が最も短く、第一プリセット取り付けエリアに属する第一アンカーアンテナ、及び第二プリセット取り付けエリアに属して、第一アンカーアンテナの信号飛行時間との差が最も小さい第二アンカーアンテナを含む。
【0117】
いくつかの他の実施形態では、第一位置決めアンカーアンテナグループ決定モジュール20は、信号強度比較ユニット及び第三最適位置決めアンカーアンテナグループ決定ユニットを含む。
信号強度比較ユニットは、第一超広帯域電波情報における各第一超広帯域信号の信号強度を比較するために使用される。
第三最適位置決めアンカーアンテナグループ決定ユニットは、比較結果によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定するために使用される。最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも信号強度が最も強く、第一プリセット取り付けエリアに属する第一アンカーアンテナ、及び第二プリセット取り付けエリアに属して、第一アンカーアンテナの信号強度との差が最も小さい第二アンカーアンテナを含む。
【0118】
本発明の実施形態では、前記装置はさらに監視モジュール、判断モジュール、第二位置決めアンカーアンテナグループ決定モジュール、第二制御モジュール、第三取得モジュール及び第二位置決めモジュールを含む。
監視モジュールは、ターゲットタグ200の位置が変化するかどうかを監視するために使用される。
判断モジュールは、監視結果が「はい」である場合、現在位置決めに使用される第一最適位置決めアンカーアンテナグループがターゲットタグ200の現在位置とマッチングするかどうかを判断するために使用される。
第二位置決めアンカーアンテナグループ決定モジュールは、判定結果が「いいえ」である場合、ターゲットタグ200の現在位置によって、第二最適位置決めアンカーアンテナグループを再決定するために使用される。
第二制御モジュールは、対応するUWBモジュール1の出力端子を、第二最適位置決めアンカーアンテナグループのアンカーアンテナ2に接続するように制御するために使用される。
第三取得モジュールは、再決定された最適位置決めアンカーアンテナグループとターゲットタグ200との間の第三超広帯域電波情報を取得するために使用される。
第二位置決めモジュールは、第三超広帯域電波情報によって、ターゲットタグ200を再位置決めするために使用される。
【0119】
本発明の実施形態では、推定位置決定ユニットは、比較サブユニット、有効な第一超広帯域信号決定サブユニット及び推定位置決定サブユニットを含む。
比較サブユニットは、各第一超広帯域信号の信号強度を第一プリセット強度と比較するために使用される。
有効な第一超広帯域信号決定サブユニットは、信号強度が第一プリセット強度以上である第一超広帯域信号を有効な第一超広帯域信号として決定する。
推定位置決定サブユニットは、有効な第一超広帯域信号の信号強度及び信号飛行時間によって、現在の車両100に対するターゲットタグ200の推定位置を決定するために使用される。
【0120】
本発明の実施形態において、第二超広帯域電波情報は、最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナ2とターゲットタグ200との間に伝送される各第二超広帯域信号の飛行時間を含む。第一位置決めモジュール60は、各々の第二超広帯域信号の信号飛行時間によって、ターゲットタグ200を位置決めるために使用される。
【0121】
本発明の実施形態では、最適位置決めアンカーアンテナグループが同一のUWBモジュール1に対応する場合、第一制御モジュール40は、最適位置決めアンカーアンテナグループが対応するUWBモジュール1の出力端子を、第一プリセット時間ごとに最適位置決めアンカーアンテナグループにおける各アンカーアンテナ2の間で切り替えるように制御するために使用される。
【0122】
前記装置の実施形態における装置と方法の実施形態は、同じ発明概念に基づく。
【0123】
本発明は、上記のような超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネント、装置又はデバイスを含む車両を提供する。
【0124】
上記の本発明によって提供される超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネント、方法、装置、デバイス、システム、記憶媒体又は車両の実施形態から、本発明が同じ数量のアンカーアンテナを設置したうえで、UWBモジュール1の数量を減らし、単一のUWBモジュール1の有効使用時間を高め、製造コスト及び使用コストを削減することができることが分かる。
【0125】
ここまで、当業者は、本明細書では本発明の例示的な実施形態が詳細に示され、説明されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明で開示された内容によって、本発明の原理と一致する多数の他の変形又は修正を直接決定又は導出することができることを、理解されたい。従って、本発明の範囲は、そのような他の変形又は修正のすべてを包含すると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0126】
1 UWBモジュール
2 アンカーアンテナ
3 電子スイッチ
4 位置決め装置
100 現在の車両
101 左前エリア
102 右前エリア
103 左後エリア
104 右後エリア
105 左側エリア
106 右側エリア
107 ルーフエリア
200 ターゲットタグ
【手続補正書】
【提出日】2023-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の車両の各アンカーアンテナとターゲットタグとの間の第一超広帯域電波情報を取得するステップであって、前記第一超広帯域電波情報は、各アンカーアンテナと前記ターゲットタグとの間に伝送される各第一超広帯域信号の信号強度及び信号飛行時間を含むステップと、
前記第一超広帯域電波情報によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定して、前記最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも二つのプリセット取り付けエリアのアンカーアンテナを含み、前記最適位置決めアンカーアンテナグループにおける任意の一つのアンカーアンテナは、プリセット取り付けエリアに対応して、最良の視認性条件を備えるアンカーアンテナであり、最良の視認性条件は、信号飛行時間、信号強度、及び前記アンカーアンテナの信号伝送方向に車体の金属部品の数量及び/又は面積の中の少なくとも一つによって、決定されるステップと、
対応する超広帯域(UWB)モジュールの出力端子を、前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナに接続するように制御するステップと、
前記ターゲットタグと前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナとの間の第二超広帯域電波情報を取得するステップと、
前記第二超広帯域電波情報によって、前記ターゲットタグを位置決め、現在の車両に対する前記ターゲットタグの位置決め位置を取得するステップと、
を含むことを特徴とする、超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項2】
前記第一超広帯域電波情報によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定するステップは、
前記第一超広帯域電波情報によって、現在の車両に対する前記ターゲットタグの推定位置を決定するサブステップと、
前記推定位置が得られると、現在の車両の周囲のプリセットエリアの中のサブエリアと位置決めアンカーアンテナグループとの間の対応テーブルを呼び出すサブステップと、
前記推定位置を前記対応テーブルの中のサブエリアとマッチングし、前記推定位置を含むサブエリアを決定するサブステップと、
前記推定位置を含むサブエリアが対応する位置決めアンカーアンテナグループを決定し、決定された位置決めアンカーアンテナグループを最適位置決めアンカーアンテナグループとするサブステップと、
を含むことを特徴とする、請求項
1に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項3】
前記第一超広帯域電波情報によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定するステップは、
前記第一超広帯域電波情報における各々の第一超広帯域信号の信号飛行時間を比較するサブステップと、
前記比較結果によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定して、前記最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも、信号飛行時間が最も短く、第一プリセット取り付けエリアに属する第一アンカーアンテナと、第二プリセット取り付けエリアに属して、前記第一アンカーアンテナの信号飛行時間との差が最も小さい第二アンカーアンテナを含むサブステップと、
を含むことを特徴とする、請求項
1に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項4】
前記第一超広帯域電波情報によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定するステップは、
前記第一超広帯域電波情報における各々の第一超広帯域信号の信号強度を比較するサブステップと、
前記比較結果によって、最適位置決めアンカーアンテナグループを決定して、前記最適位置決めアンカーアンテナグループは、少なくとも、信号強度が最も強く、第一プリセット取り付けエリアに属する第一アンカーアンテナと、第二プリセット取り付けエリアに属して、前記第一アンカーアンテナの信号強度との差が最も小さい第二アンカーアンテナを含むサブステップと、
を含むことを特徴とする、請求項
1又は
3に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項5】
前記第二超広帯域電波情報によって、前記ターゲットタグを位置決めた後、さらに、前記ターゲットタグの位置が変化するかどうかを監視するステップと、
監視結果が「はい」である場合、現在位置決めに用いられる第一最適位置決めアンカーアンテナグループが前記ターゲットタグの現在位置とマッチングするかどうかを判断するステップと、
判定結果が「いいえ」である場合、前記ターゲットタグの現在位置によって、第二最適位置決めアンカーアンテナグループを再決定するステップと、
対応する超広帯域(UWB)モジュールの出力端子を、前記第二最適位置決めアンカーアンテナグループの中のアンカーアンテナに接続するように制御するステップと、
前記第二最適位置決めアンカーアンテナグループと前記ターゲットタグとの間の第三超広帯域電波情報を取得するステップと、
前記第三超広帯域電波情報によって、前記ターゲットタグを再位置決めするステップと、
を含むことを特徴とする、請求項
1に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項6】
前記第一超広帯域電波情報によって、現在の車両に対する前記ターゲットタグの推定位置を決定するステップは、
各々の前記第一超広帯域信号の信号強度を第一プリセット強度と比較するサブステップと、
信号強度が前記第一プリセット強度以上である第一超広帯域信号を有効な第一超広帯域信号として決定するサブステップと、
有効な第一超広帯域信号の信号強度及び信号飛行時間を利用して、現在の車両に対する前記ターゲットタグの推定位置を決定するサブステップと、
を含むことを特徴とする、請求項
2に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項7】
前記第二超広帯域電波情報は、前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナと前記ターゲットタグとの間に伝送される各々の第二超超広帯域信号の信号飛行時間を含み、前記第二超広帯域電波情報よって、前記ターゲットタグを位置決めることは、
各々の前記第二超広帯域信号の信号飛行時間によって、前記ターゲットタグを位置決めることであることを特徴とする、請求項
1に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項8】
前記最適位置決めアンカーアンテナグループが同一の超広帯域(UWB)モジュールに対応する場合、対応する超広帯域(UWB)モジュールの出力端子を、前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナに接続するように制御するステップは、
前記最適位置決めアンカーアンテナグループが対応する超広帯域(UWB)モジュールの出力端子を、前記最適位置決めアンカーアンテナグループの中の各アンカーアンテナを第一プリセット時間ごとに切り替えるように制御することであることを特徴とする、請求項
1に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法。
【請求項9】
少なくとも一つの超広帯域(UWB)モジュール、及び複数のアンカーアンテナを含み、
複数の前記アンカーアンテナは、複数の前記アンカーアンテナの信号エリアが車両の周囲及び/又は車両の内部のプリセットエリアをカバーするように、車体の各々のプリセット取り付けエリアにグループで設置され、
少なくとも一つの前記超広帯域(UWB)モジュールの出力端子は、異なる位置に設置され、及び/又は異なるポインティングを有する二つ以上のアンカーアンテナに時分割で接続されることを特徴とする、超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネント。
【請求項10】
少なくとも一つの前記超広帯域(UWB)モジュールと対応するアンカーアンテナとの間に電子スイッチが設けられ、少なくとも一つの前記超広帯域(UWB)モジュールの出力端子は、前記電子スイッチの切り替えによって、異なる位置に設置され、及び/又は異なるポインティングを有するアンカーアンテナに時分割で接続されることを特徴とする、請求項9に記載の超広帯域に基づいての車両位置決めコンポーネント。
【請求項11】
超広帯域に基づく車両位置決めデバイスは、プロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリは、少なくとも一つの命令又は少なくとも一つのプログラムが格納され、少なくとも一つの命令又は少なくとも一つのプログラムは、前記請求項
1~8のいずれかの一項に記載の超広帯域に基づいての車両位置決め方法を実現するために、前記プロセッサによってロードされ、実行される、
ことを特徴とする、超広帯域に基づいての車両位置決めデバイス。
【国際調査報告】