(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】線材巻取装置及びこれを具備した線材製造装置
(51)【国際特許分類】
B21C 47/02 20060101AFI20230830BHJP
C21D 9/52 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
B21C47/02 A
C21D9/52 104
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511914
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(85)【翻訳文提出日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 KR2020016293
(87)【国際公開番号】W WO2022039325
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0103519
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヒョンジン
【テーマコード(参考)】
4E026
4K043
【Fターム(参考)】
4E026BA03
4K043AA02
4K043BA04
4K043CB06
(57)【要約】
【課題】設備の複雑な構造的問題を簡素化すると同時に線材の巻取時に発生する品質低下を防止し得る線材巻取装置及びこれを具備した線材製造装置を提供する
【解決手段】本発明の実施例による線材巻取装置は、外筒と、前記外筒と離隔されて駆動部により回転する内筒と、を有するドラム部;前記外筒と前記内筒の間に形成されたチャンバにドライアイスペレットを供給するドライアイス供給部、及び前記内筒と一体に回転するように一側が前記内筒と連結され、線材を巻取するように他側が前記内筒の内側に離隔されるフォークピン部、を含み、前記フォークピン部は、一端に前記チャンバと連通する入口が形成され、他端には前記内筒の内側と連通する出口が形成される流路ホールを含み、
前記駆動部により回転する前記内筒の軸部は、前記外筒を貫通するように結合され、
前記ドライアイス供給部は、前記内筒の軸部と前記外筒の間の軸支持部に向けて前回ドライアイスペレットを噴射する少なくとも一つの噴射ノズルを含むことを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒と、前記外筒と離隔されて駆動部により回転する内筒と、を有するドラム部、
前記外筒と前記内筒の間に形成されたチャンバにドライアイスペレットを供給するドライアイス供給部、及び
前記内筒と一体に回転するように一側が前記内筒と連結され、線材を巻取するように他側が前記内筒の内側に離隔されるフォークピン部、を含み、
前記フォークピン部は、一端に前記チャンバと連通する入口が形成され、他端には前記内筒の内側と連通する出口が形成される流路ホールを含むことを特徴とする線材巻取装置。
【請求項2】
前記駆動部により回転する前記内筒の軸部は、前記外筒を貫通するように結合され、
前記ドライアイス供給部は、前記内筒の軸部と前記外筒の間の軸支持部に向けて前回ドライアイスペレットを噴射する少なくとも一つの噴射ノズルを含むことを特徴とする請求項1に記載の線材巻取装置。
【請求項3】
前記ドラム部の上部を覆い、前記内筒と前記フォークピン部の間の空間に線材の進入を誘導するガイドホールが形成されたカバー部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の線材巻取装置。
【請求項4】
前記カバー部には、前記ドライアイスで気化したガスを外部に排気するように前記フォークピン部の前記出口と連通する排気流路が形成されることを特徴とする請求項3に記載の線材巻取装置。
【請求項5】
前記排気流路を通じて前記流路ホールに吸入力を提供するように前記排気流路の出口と連結される吸入装置をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の線材巻取装置。
【請求項6】
前記吸入装置は、前記排気流路の出口と連結される吸入ホースと、前記吸入ホースと連結されて吸入力を提供する吸入ファンを含むことを特徴とする請求項5に記載の線材巻取装置。
【請求項7】
前記ドライアイス供給部は、ドライアイスを貯蔵して排出するペレット供給部と、前記ペレット供給部から排出されたドライアイスペレットを移送させる圧縮空気を提供する圧縮空気供給部と、前記圧縮空気を通じて移送された前記ドライアイスペレットを前記チャンバに噴射する複数の噴射ノズルを含むことを特徴とする請求項5に記載の線材巻取装置。
【請求項8】
前記ドライアイス供給部は、液化炭酸ガスを供給する液化炭酸ガス供給部と、前記液化炭酸ガス供給部から供給された液化炭酸ガスを断熱膨張させる断熱膨張部と、前記断熱膨張部で生成されたドライアイスペレットを移送させる圧縮空気を提供する圧縮空気供給部と、前記圧縮空気を通じて移送された前記ドライアイスペレットを前記チャンバに噴射する複数の噴射ノズルを含むことを特徴とする請求項5に記載の線材巻取装置。
【請求項9】
前記カバー部の下側には、前記ドラム部の内側の上部の熱を外部に放出するための放熱板が形成されることを特徴とする請求項3に記載の線材巻取装置。
【請求項10】
前記放熱板は、前記カバー部の下面に位置する下部伝導部と、前記カバー部の上面で外気に露出される上部放出部と、前記下部伝導部と前記上部放出部を連結する熱伝逹部を含むことを特徴とする請求項9に記載の線材巻取装置。
【請求項11】
前記下部伝導部は、前記フォークピン部の上端を収容する偏心防止溝を含むことを特徴とする請求項10に記載の線材巻取装置。
【請求項12】
前記内筒の内側で線材を支持して内側に冷却流路が形成された台座をさらに含み、
前記冷却流路は、前記内筒に形成されたホールを通じて前記チャンバと連通されることを特徴とする請求項1に記載の線材巻取装置。
【請求項13】
提供されたビレットを加熱する加熱炉、
前記加熱炉の出側に配置されて加熱された前記ビレットを圧延する圧延ユニット、及び
前記圧延ユニットの出側に配置され、前記ビレットが圧延されて形成された線材を巻取する請求項1~請求項12のうちいずれか一項に記載の線材巻取装置を含むことを特徴とする線材製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線材巻取装置及びこれを具備した線材製造装置に係り、より詳しくは、線材巻取装置を冷却するための冷却水の使用によって発生する設備の複雑な構造的問題を簡素化すると同時に線材の巻取時に発生する品質低下を防止し得る線材巻取装置及びこれを具備した線材製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、線材圧延は、製鋼工程又は鋼片工程で作られたビレット(Billet)素材を熱間圧延が可能な状態に加熱し、一連の圧延過程を経ながらその断面が徐徐に減少して所望する寸法の線材コイル(Coil)を得る工程を言う。
このような線材圧延の過程で作られた線材は、全長が約500m~10kmに達して直線形態では保管ができないので、円形に巻き取ったコイル(Coil)の形態で製品を得ることになり、これを巻取(winding)と言う。
巻取工程は、リーラー(Reeler)と呼ばれる円筒状の設備に線材コイルを巻き取る過程であり、リーラーの外径を形成するドラム部(Drum)と内径を形成するフォークピン部(Fork Pin)とで構成され、その間の空間に線材コイルが進入して巻き取られることになる。
【0003】
また、線材コイルを巻き取るために、リーラーは回転することになるが、このとき、前記ドラム部の下部に結合されて上部に延長して配置される前記フォークピン部は、回転時に自由端である上端部の揺れによって偏心して回転される。これによって、前記フォークピン部は、線材コイルと摩擦が発生することになり、これによって、線材コイルにスクラッチを形成するなどの問題を引き起こすことになる。
また、リーラーは、巻取工程の初盤に進入する線材コイルの先端部はドラム部の下側に敷かれる一方、巻取工程の後半に進入する線材コイルの後端部はドラム部の上側に巻取されるので、上端部が開放されたドラム部の上側での対流熱損失により線材コイルの上部側と下部測間の温度差が発生する。
しかし、このようなリーラーの内部での熱損失差による線材コイルの位置別冷却速度の差により線材コイルの材質の引張強度及び微細組織の品質の偏差が発生する問題を引き起こしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が目的とするところは、線材巻取装置を冷却するための冷却水の使用によって発生する設備の複雑な構造的問題を簡素化すると同時に線材の巻取時に発生する品質低下を防止し得る線材巻取装置及びこれを具備した線材製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、外筒と、前記外筒と離隔して駆動部により回転する内筒とを有するドラム部と、前記外筒と前記内筒の間に形成されたチャンバにドライアイスペレットを供給するドライアイス供給部及び前記内筒と一体に回転するように一側が前記内筒と連結され、線材を巻取するように他側が前記内筒の内側に離隔されるフォークピン部を含み、前記フォークピン部は、一端に前記チャンバと連通する入口が形成され、他端には前記内筒の内側と連通する出口が形成される流路ホールを含む線材巻取装置が提供される。
【0006】
前記駆動部により回転する前記内筒の軸部は、前記外筒を貫通するように結合され、前記ドライアイス供給部は、前記内筒の軸部と前記外筒の間の軸支持部に向けて前記ドライアイスペレットを噴射する少なくとも一つの噴射ノズルを含む。
前記ドラム部の上部を覆い、前記内筒と前記フォークピン部の間の空間に線材の進入を誘導するガイドホールが形成されたカバー部をさらに含む。
前記カバー部には、前記ドライアイスで気化したガスを外部に排気するように前記フォークピン部の前記出口と連通する排気流路が形成され得る。
【0007】
前記排気流路を通じて前記流路ホールに吸入力を提供するように前記排気流路の出口と連結される吸入装置をさらに含む。
前記吸入装置は、前記排気流路の出口と連結される吸入ホースと、前記吸入ホースと連結されて吸入力を提供する吸入ファンを含む。
前記ドライアイス供給部は、ドライアイスを貯蔵して排出するペレット供給部と、前記ペレット供給部から排出されたドライアイスペレットを移送させる圧縮空気を提供する圧縮空気供給部と、前記圧縮空気を通じて移送された前記ドライアイスペレットを前記チャンバに噴射する複数の噴射ノズルを含む。
【0008】
前記ドライアイス供給部は、液化炭酸ガスを供給する液化炭酸ガス供給部と、前記液化炭酸ガス供給部から供給された液化炭酸ガスを断熱膨張させる断熱膨張部と、前記断熱膨張部で生成されたドライアイスペレットを移送させる圧縮空気を提供する圧縮空気供給部と、前記圧縮空気を通じて移送された前記ドライアイスペレットを前記チャンバに噴射する複数の噴射ノズルを含む。
前記カバー部の下側には、前記ドラム部の内側の上部の熱を外部に放出するための放熱板が形成され得る。
【0009】
前記放熱板は、前記カバー部の下面に位置する下部伝導部と、前記カバー部の上面で外気に露出される上部放出部と、前記下部伝導部と前記上部放出部を連結する熱伝逹部を含む。
前記下部伝導部は、前記フォークピン部の上端を収容する偏心防止ホームを含む。
前記内筒の内側で線材を支持して内側に冷却流路が形成された台座をさらに含み、前記冷却流路は、前記内筒に形成されたホールを通じて前記チャンバと連通され得る。
【0010】
本発明は、提供されたビレットを加熱する加熱炉と、前記加熱炉の出側に配置されて加熱された前記ビレットを圧延する圧延ユニット及び前記圧延ユニットの出側に配置されて前記ビレットが圧延されて形成された線材を巻取する上述した線材巻取装置を含む線材製造装置が提供され得る。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、線材巻取装置を冷却するための構造を簡素化すると同時に巻取装置と線材コイルの間に発生する表面溝及び巻取装置に巻き取られる線材コイルの位置別温度差による線材コイルの材質の偏差発生を低減させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例による線材製造装置を概略的に示した図である。
【
図2】本実施例による線材巻取装置を示した断面図である。
【
図3】本実施例によるフォークピン部を示した斜視図である。
【
図4】本実施例のドライアイス供給部を示した図である。
【
図5】本実施例の軸支持部の部分を示した図である。
【
図6】他の実施例のドライアイス供給部を示した図である。
【
図7】本実施例のカバー部の吸入装置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明について添付図面を参照して詳しく説明する。以下の実施例は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者に本発明の思想を十分に伝達するために提示するものである。本発明は、以下で説明する実施例に限定されず、他の形態で具体化できる。図面は、本発明を明確にするために、説明と関係ない部分の図示は省略し、図面において構成要素の幅、長さ、厚さなどは便宜のために誇張して表現できる。明細書全体にわたって同一の参照番号は同一の構成要素を示す。
【0014】
図1は、本発明の実施例による線材製造装置を概略的に示した図である。
図1に示す通り、本実施例の線材製造装置10は、提供されたビレットBを加熱する加熱炉11と、加熱炉11の出側に配置されて加熱されたビレットBを圧延する圧延ユニット12、及び圧延ユニット12の出側に配置されて圧延された線材Wを巻取する線材巻取装置20を含む。
このように、線材製造装置10により線材Wを製造する線材圧延工程は、製鋼工程又は鋼片工程で作られたビレット(Billet)B素材を加熱炉11に伝達して熱間圧延が可能な状態に加熱し、粗圧延機及び仕上圧延機などで構成された圧延ユニット12で一連の圧延過程を経ながらその断面が徐徐に減少して所望する寸法の線材コイルに形成した後、線材巻取装置20に伝達して巻取した状態で保管することになる。
【0015】
図2は、本実施例による線材巻取装置を示した断面図であり、
図3は、本実施例によるフォークピン部を示した斜視図であり、
図4は、本実施例のドライアイス供給部を示した図である。
図2~
図4に示す通り、線材巻取装置20は、二重筒形状のドラム部30と、ドラム部30の内側に具備されるフォークピン部40と、ドラム部30の上部を覆うカバー部50と、ドラム部30を冷却するためのドライアイスペレットを供給するドライアイス供給部60と、ドラム部30を回転させるための駆動部70と、保管された線材を外部に排出させるためのリフティング部80を含む。
ドラム部30は、上部が開放された容器形状であり、外筒31と内筒32からなる二重筒形状で構成され得る。
外筒31は、内筒32の外面と所定間隔を置いて離隔され、内筒32の外面まわりを取り囲む形態であってもよい。外筒31と内筒32の間の離隔された空間であるチャンバ33には、ドライアイス供給部60から供給されたドライアイスペレットが噴射される。
【0016】
内筒32は、駆動部70により回転され得る。内筒32の下端には、駆動部70と連携する軸部34が形成され、軸部34は、外筒31を貫通して外筒31の下部に延長され得る。
軸部34の下端は、底に支持された支持台71に回転可能に支持され得る。支持台71と軸部34の下端の間には、軸部34の円滑な回転のためのベアリング部材72が設置され得る。ベアリング部材72は、軸方向の荷重を支持すると共に回転時の摩擦抵抗を減らすためのスラストベアリングを含む。
外筒31の外部に露出した軸部34の外面には、従動ベベルギア73が結合されるように半径方向の外側に延長されたフランジ35が形成され、従動ベベルギア73は、駆動モーター74の軸に結合された駆動ベベルギア75と噛み合って回転できる。
外筒31を貫通する軸部34の外面には、軸部34の回転時に摩擦抵抗を減らすための軸支持部36が形成され得る。軸支持部36は、相対回転する部材の摩擦抵抗を減らすためのスリーブベアリング、ローラーベアリングなどのようなベアリング部材を含む。
【0017】
フォークピン部40は、内筒32の底を貫通して上下に延長形成された複数の棒形態に形成され得、フォークピン部40の内部には、上下に貫通形成された中空の流路ホール41が形成され得る。
フォークピン部40は、内筒32と一体に結合されて内筒32と共に回転しながら線材の巻取を誘導することができる。内筒32の内部に流入された線材は、内筒32とフォークピン部40の間に巻取されながら保管され得る。
フォークピン部40に形成された流路ホール41は、チャンバ33と内筒32の内部を連通させ得る。流路ホール41の下端に開口された入口42は、チャンバ33の内部に位置し、流路ホール41の上端に開口された出口43は、内筒32の上端付近に位置し得る。
【0018】
流路ホール41の入口42は、チャンバ33に噴射されたドライアイスペレットを流路ホール41の内部に吸入させる吸気口としての役目を行い、流路ホール41の出口43は、流路ホール41に沿って移動しながら昇華された二酸化炭素ガスが排出される排気口としての役目を行う。
複数の棒形態からなるフォークピン部40の上端部は、連結リム44により互いに連結され得る。連結リム44は、フォークピン部40と結合するためのリンク結合タップ又はボルティング結合タップなどが円周方向に形成され得る。
また、フォークピン部40には、上下方向に所定間隔が離隔された複数の冷却ピン45が具備されていてもよい。
【0019】
カバー部50は、内筒32の開放された上部を覆って線材の巻取時に内筒32の上部での対流による熱損失を防止することができる。このようなカバー部50は、移動式保熱カバーで構成され得る。
カバー部50の下面には、フォークピン部40の回転時に偏心回転を拘束するための偏心防止溝51が形成され、フォークピン部40の上端は、偏心防止溝51に収容された状態で回転できる。
カバー部50には、線材の巻取時に線材が内筒32の内部に進入するためのガイドホール52が形成され得る。ガイドホール52は、線材が内筒32の内部に巻き取られながら収容されるように線材の進入方向に対応する傾いた方向に形成され得る。
ドライアイス供給部60は、外筒31と内筒32の間のチャンバ33にドライアイス粒子を供給するものであって、圧縮空気供給部61、ペレット供給部62及び複数の噴射ノズル63を含む。
【0020】
圧縮空気供給部61、ペレット供給部62及び複数の噴射ノズル63は、ドライアイス供給ライン64を通じて互いに連結され得る。
圧縮空気供給部61は、空気圧縮機61aとレシーバータンク61bを含むことができる。空気圧縮機61aは、圧縮空気を生成するポンプなどを含み、空気圧縮機61aで生成された圧縮空気は、レシーバータンク61bに供給され得る。
レシーバータンク61bは、空気圧縮機61aから供給された圧縮空気を一時貯蔵してバッファーのような機能を行うことができ、ペレット供給部62の側に安定的に加圧された圧縮空気を提供することができる。
ペレット供給部62は、ドライアイスペレットをドライアイス供給ライン64に提供するものであって、ドライアイスが貯蔵されるホッパー62aと、ホッパー62aから供給されるドライアイスをドライアイス供給ライン64に提供するフィーダー62bを含む。
フィーダー62bは、ドライアイスをペレット形態に破砕するスクリューコンベア又は回転式ディスク方式を含むことができ、フィーダー62bからドライアイス供給ライン64に提供されるドライアイスペレットは、圧縮空気供給部61から供給される圧縮空気により複数の噴射ノズル63に移送され得る。
【0021】
複数の噴射ノズル63は、ドライアイス供給ライン64と連結されて垂直方向に延長形成されるノズルヘッダー63aで所定間隔を置いて上下に離隔配置され得る。
複数の噴射ノズル63は、チャンバ33にドライアイスペレットを噴射するものであって、ドラム部30の円周方向及び高さ方向に沿って所定間隔を置いて離隔配置され得る。
図5に示す通り、複数の噴射ノズル63のうち少なくとも一つの噴射ノズル63bは、軸支持部36に向けてドライアイスペレットを選択的に噴射するように構成され得る。軸支持部36に噴射されたドライアイスペレットは、軸支持部36に付着された汚染粒子の温度を急激に低下させることとなり、物理的衝撃と急冷により粘着力が低下した汚染粒子は、クラックが生じることによって軸支持部36の表面から分離され得る。したがって、軸支持部36に付着された汚染粒子によりドラム部30が円滑に回転しないことを防止できるようになる。
【0022】
図6は、本発明の他の実施例によるドライアイス供給部を示した図である。以下では、同一の機能を有する構成要素に対しては同一の図面番号を付与し、詳細な説明は省略する。
図6に示す通り、ドライアイス供給部60は、液化炭酸ガスを供給する液化炭酸ガス供給部65と、液化炭酸ガス供給部65から供給された液化炭酸ガスを断熱膨張させる断熱膨張部66と、断熱膨張部66で生成されたドライアイスペレットを移送させる圧縮空気を提供する圧縮空気供給部61と、圧縮空気を通じて移送されたドライアイスペレットをチャンバ33に噴射する複数の噴射ノズル63を含む。
液化炭酸ガス供給部65から供給された液化炭酸ガスは、断熱膨張部66で断熱膨張してドライアイスペレットが生成され、生成されたドライアイスペレットは、圧縮空気供給部61で発生した圧縮空気を用いて複数の噴射ノズル63を通じてチャンバ33に供給され得る。
【0023】
このような構成を通じて、線材巻取装置20が線材を巻き取る過程で複数の噴射ノズル63を通じて噴射されたドライアイスペレットは、チャンバ33に流入された後にチャンバ33と連通されたフォークピン部40の入口42を通じてフォークピン部40の流路ホール41に流入され得る。
チャンバ33と流路ホール41の内部に流入されたドライアイスペレットは、昇華されてドラム部30とフォークピン部40の温度を瞬間的に下げて冷凍させた後、フォークピン部40の出口43を通じて排出されることになる。これを通じて、ドラム部30とフォークピン部40を冷却するための冷却水を用いる場合に比べて冷却水の排出のための別途の構造物を設置するか、冷却水の漏水による周辺部品の損傷を防止するためのシーリング構造物などを設置する必要がなくなる。
【0024】
以下では、本発明の多様な実施例の線材巻取装置に対して説明する。以下では、同一の機能を有する構成要素に対しては同一の図面番号を付与し、詳細な説明は省略する。
図7は、本発明の実施例によるカバー部に連結される吸入装置を示した図である。
図7に示す通り、本実施例のカバー部50には、チャンバ33に満たされたドライアイスペレットを流路ホール41側に円滑に吸入させるための吸入力を提供する吸入装置90が連結され得る。
吸入装置90は、ドラム部30の回転速度が速い場合にも流路ホール41側に流入されるドライアイスペレットの量を増加させ得るように誘導するためのものであって、カバー部50に形成された排気流路91と、吸入力を提供する吸入ファン92と、吸入ファン92と排気流路91を連結する吸入ホース93を含むことができる。
排気流路91の入口91aは、フォークピン部40の出口43と連通するように設置され得、排気流路91の出口91bは、吸入ホース93と連結され得る。
排気流路91の入口91aは、円形リング形状に形成され得、フォークピン部40の上端に位置した出口43と連結リム44が入口91aに密着され得る。ここで、排気流路91の入口91aは、上述した偏心防止溝の機能を行ってもよい。
【0025】
図8は、本発明の他の実施例によるカバー部を示した図である。
図8に示す通り、本実施例のカバー部50の下側には、ドラム部30の内側の上部の熱を外部に放出するための放熱板100が具備され得る。
放熱板100は、線材がドラム部30に巻き取られる間ドラム部30の上端部に配置される線材はドラム部30の下端部に配置される線材より後に保管されて相対的に温度が高くなるので、ドラム部30の上部側の熱の一部を迅速にカバー部50の外部に放出させることになる。これによって、線材が巻き取られる間ドラム部30の内側で上下方向の温度偏差を減らすことによって線材の品質低下を防止し得るようになる。
放熱板100は、アルミニウム素材のように熱伝導性に優れた金属素材で構成され得る。放熱板100は、カバー部50の下面に位置してドラム部30の内側の上部の熱の伝達を受ける下部伝導部101と、カバー部50の上面で外気に露出されるように位置して熱を放出する上部放出部102と、下部伝導部101で伝導される熱を上部放出部102に伝達するように上部放出部102と下部伝導部101を連結する熱伝逹部103を含む。
【0026】
上部放出部102には、外気との接触面積を増大させて放熱性を向上させるための放熱突起104が形成され得る。
一方、カバー部50に放熱板100が具備された場合には、下部伝導部101には、フォークピン部40の上端を収容可能な偏心防止溝51が具備され得る。
このような構成を通じて、ドラム部30の内側の上部の熱は、下部伝導部101及び熱伝逹部103を通じて上部放出部102に伝導された後に放熱突起104を通じて外部に放出される。
また、
図2に示す通り、リフティング部80は、内筒32の内部で巻取される線材の巻取りを誘導するか、巻取されて保管された線材を外部に排出させるためのものであって、線材を支持する台座81と、台座81を上下に移動させる昇降部材82を含む。昇降部材82は、伸縮される油圧又は空圧シリンダーと連携されて上下に移動され得る。
【0027】
一方、
図9に示す通り、台座81には、チャンバ33と連通する冷却流路83が形成され得る。冷却流路83は、内筒32に形成されたホール37を通じてチャンバ33と連通され得る。
内筒32に形成されたホール37は、台座81が内筒32の下端に位置するとき、台座81の冷却流路83と連通されるように位置でき、これを通じて、チャンバ33に投入されたドライアイスペレットが冷却流路83に供給されて昇華されることによって台座81は冷却され得る。
一方、本実施例では、内筒32に一つのホール37が形成された構成を示すが、台座81が線材を巻取るために移動される場合には、適切な位置で冷却流路83とチャンバ33が連通され得るように複数のホールが形成され得、複数のホールは、選択的開閉が可能に構成され得ることは勿論である。
【0028】
以上では、特定の実施例に対して示して説明した。しかし、上記した実施例に限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者であれば、以下の特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の要旨を脱しないで多様に変更が可能であることを理解すべきである。
【国際調査報告】