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特表2023-538079原子炉用の燃料取扱のシステム、レイアウトおよびプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】原子炉用の燃料取扱のシステム、レイアウトおよびプロセス
(51)【国際特許分類】
   G21C 19/18 20060101AFI20230830BHJP
   G21C 19/32 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
G21C19/18 800
G21C19/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511944
(86)(22)【出願日】2021-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 US2021026493
(87)【国際公開番号】W WO2022039794
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】63/066,783
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513313945
【氏名又は名称】テラパワー, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】チーサム,ジェシー アール.サード.
(72)【発明者】
【氏名】メジャー,デビッド エル.
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,サミュエル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン,オーウェン ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス ロハス,シャーリー アイ.
(72)【発明者】
【氏名】トルアックス,ジョン イー.
(57)【要約】
使用済み核燃料アセンブリを取り扱う方法では、従来の方法と比較して、相対的に短い時間、当該使用済み核燃料アセンブリが水に浸漬される。使用済み核燃料アセンブリが、原子炉から取り出され、不活性気体が、当該燃料アセンブリに適用され、当該不活性気体が当該燃料アセンブリに適用されるときに、不活性気体中の水分含有量が徐々に増加され、当該燃料アセンブリが、水に浸漬される。当該燃料アセンブリは、比較的迅速に、約2時間以内の間、浸漬される。これによって、安全性が向上し、また、通常の処理および取扱設備によって、当該燃料アセンブリのケアをできるようになる。その後、当該燃料アセンブリは、長期の貯蔵および/または処分のために、キャスク内にロードされてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射済み炉心構成要素を貯蔵する方法であって、
照射済み炉心構成要素をプール浸漬チャンバへ移動する工程と、
前記照射済み炉心構成要素に不活性気体を送風することによって、前記照射済み炉心構成要素の外部から一次冷却材を除去する工程と、
前記照射済み炉心構成要素に湿った不活性気体を適用する工程と、
前記照射済み炉心構成要素に対し水でフラッディングする工程と、
前記照射済み炉心構成要素を水のプールに浸漬する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
湿った不活性気体を適用する前記工程は、当該不活性気体中の水分含有量を徐々に増加させることによって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
湿った不活性気体を適用する前記工程は、当該不活性気体中の前記水分含有量を100%まで徐々に増加させる工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記一次冷却材は、ナトリウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記照射済み炉心構成要素上に、ナトリウムが存在しており、
前記ナトリウムを水と反応させる工程をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記照射済み炉心構成要素を、水の前記プールに浸漬している間にキャスク内にロードする工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、約2時間未満の時間、実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記照射済み炉心構成要素を、水の前記プールに浸漬している間に水で洗浄する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
使用済み核燃料を取り扱う方法であって、
原子炉容器内における炉内貯蔵システムから使用済み燃料アセンブリを取り除く工程と、
前記使用済み燃料アセンブリをプール浸漬セルへ移送する工程と、
前記使用済み燃料アセンブリ上の残留ナトリウムを水と反応させる工程と、
前記使用済み燃料アセンブリを水のプールに浸漬する工程と、
を含む、方法。
【請求項10】
前記使用済み燃料アセンブリを、長期の崩壊のために水の前記プールに貯蔵する工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記使用済み燃料アセンブリをキャスクにロードする工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記キャスクにロードする前記工程は、水の前記プール内において行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記残留ナトリウムを反応させる前記工程は、前記使用済み燃料アセンブリの上に正の水分含有量を有する気体を通すことによって行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記気体は、不活性気体である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記不活性気体は、アルゴンである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記気体中の前記水分含有量を増加させる工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記気体中の前記水分含有量を増加させる前記工程は、水分を約100%まで増加させる工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
残留ナトリウムの上に不動態化層を生成する工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
前記不動態化層は、前記残留ナトリウムに水を適用して水酸化ナトリウムの層を生成することによって生成される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記使用済み燃料アセンブリを通過するように気体を送風し、前記使用済み燃料アセンブリを通過する前記気体の流量を測定する工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2020年8月17日に出願された「FUEL HANDLING SYSTEM、LAYOUT、AND PROCESS FOR NUCLEAR REACTOR」という名称の米国仮特許出願第63/066,783号の利益を主張するものである。その内容全体が、参照によって本明細書に援用される。
【0002】
〔背景〕
本開示の分野は、1または複数の原子炉用の、燃料取扱のシステム、レイアウトおよびプロセスに関する。照射済みナトリウム高速炉炉心構成要素からのナトリウムの除去は、従来から、燃料ナトリウム原子炉照射済み炉心構成要素および非燃料ナトリウム原子炉照射済み炉心構成要素の処分におけるボトルネックであった。
【0003】
照射済み炉心構成要素を著しく効果的かつ迅速に処理して、安全性および効率を向上させることができれば、有利であるだろう。
【0004】
〔概要〕
一部の実施形態によれば、照射済み炉心構成要素を貯蔵する方法は、照射済み炉心構成要素をプール浸漬チャンバへ移動する工程と、前記照射済み炉心構成要素に不活性気体を送風(blow)することによって、前記照射済み炉心構成要素の外部から一次冷却材を除去する工程と、前記照射済み炉心構成要素に湿った不活性気体を適用する(与える)工程と、前記照射済み炉心構成要素に対し水でフラッディング(構成要素に対し注水:flooding)する工程と、前記照射済み炉心構成要素を水のプールに浸漬する工程と、を含む。
【0005】
一部の実施例において、湿った不活性気体を適用する前記工程は、当該不活性気体中の水分含有量(moisture content)を徐々に増加させることによって達成される。
【0006】
一部の場合において、湿った不活性気体を適用する前記工程は、当該不活性気体中の前記水分含有量を100%まで徐々に増加させる工程を含む。一部の実施例において、前記一次冷却材は、ナトリウムであってもよい。前記照射済み炉心構成要素上に、ナトリウムが存在してもよく、前記ナトリウムは、水と反応させられてもよい。
【0007】
本方法は、前記照射済み炉心構成要素を、水の前記プールに浸漬している間にキャスク内にロードする工程をさらに含んでもよい。一部の場合において、本方法は、約2時間未満の時間、実施される。
【0008】
一部の実施例において、本方法は、前記照射済み炉心構成要素を、水の前記プールに浸漬している間に水で洗浄する工程を含む。
【0009】
一部の実施形態によれば、使用済み核燃料を取り扱う方法は、原子炉容器内における炉内貯蔵システムから使用済み燃料アセンブリを取り除く工程と、前記使用済み燃料アセンブリをプール浸漬セルへ移送する工程と、前記使用済み燃料アセンブリ上の残留ナトリウムを水と反応させる工程と、前記使用済み燃料アセンブリを水のプールに浸漬する工程と、を含む。
【0010】
本方法は、前記使用済み燃料アセンブリを、長期の崩壊のために水の前記プールに貯蔵する工程をさらに含んでもよい。一部の場合において、本方法は、前記使用済み燃料アセンブリをキャスクにロードする工程を含む。
【0011】
一部の実施例において、前記キャスクにロードする前記工程は、水の前記プール内において行われる。任意選択的に、前記残留ナトリウムを反応させる前記工程は、前記使用済み燃料アセンブリの上に正の(positive)水分含有量を有する気体を通すことによって行われる。一部の場合において、前記気体は、不活性気体であり、前記気体は、アルゴンであってもよい。
【0012】
本方法は、前記気体中の前記水分含有量を、例えば約100%まで、増加させる工程を含んでもよい。前記水分含有量を増加させる前記工程は、徐々に行われてもよく、任意の適切な水分含有量において停止してもよい。
【0013】
一部の場合において、本方法は、残留ナトリウムの上に不動態化層を生成する工程を含む。前記不動態化層は、一定時間、当該ナトリウムを反応物(例えば、水)と反応させることによって生成されてもよい。前記不動態化層は、前記残留ナトリウムに水を適用して水酸化ナトリウムの層を生成することによって生成されてもよい。
【0014】
本方法は、前記使用済み燃料アセンブリを通過するように気体を送風し、前記使用済み燃料アセンブリを通過する前記気体の流量を測定する工程をさらに含んでもよい。一部の場合において、前記気体は、反応生成物、核分裂生成物、一次冷却材の存在、または他の何らかの特性の含有に関して測定されてもよい。
【0015】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、一部の実施形態による、原子炉建屋、燃料取扱施設および燃料貯蔵施設を示す、原子力施設の模式図である。
【0016】
図2は、一部の実施形態による、原子力施設の模式図の斜視図である。
【0017】
図3は、一部の実施形態による、複数の原子炉建屋、燃料取扱および燃料貯蔵施設を有する原子力施設の模式図である。
【0018】
図4は、一部の実施形態による、2つの原子炉建屋および共有燃料交換フロアを示す、原子力施設の模式図である。
【0019】
図5は、一部の実施形態による、核燃料アセンブリの斜視図である。
【0020】
図6は、一部の実施形態による、炉心アセンブリ検査台、コンディショニングセル、およびジブホイストの斜視概略図である。
【0021】
図7は、一部の実施形態による、レールに取り付けられたEVHMの模式図である。
【0022】
図8Aおよび図8Bは、それぞれ、一部の実施形態による、平面図および立面図によるプール浸漬セルの模式図である。
【0023】
図9は、一部の実施形態による、照射済み炉心アセンブリの貯蔵に関するサンプルプロセス図である。
【0024】
図10は、一部の実施形態による、照射済み炉心アセンブリの貯蔵に関するサンプルプロセス図である。
【0025】
〔詳細な説明〕
以下の詳細な説明によって、本明細書に開示された実施形態による、本開示に記載された本発明の特徴および利点のより良い理解が提供される。この詳細な説明には多くの特定の実施形態が含まれるが、これらは単なる例示として提供されたものにすぎず、本明細書に開示された本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきものではない。
【0026】
従来のナトリウム除去の努力では、水蒸気不活性気体が使用され、続いて、水による洗浄(flush)がなされた。アセンブリ入口を半気密容器(semi-gas tight receptacle)に嵌合させて、ナトリウム濡れ構成要素(sodium wetted component)が圧力容器内へ載置された。当該圧力容器が閉じられ、不活性気体流が形成された。湿った水蒸気が、制御された状態で、当該気体流入口に導入された。圧力容器を出る当該気体流中の水素レベルがモニタリングされ、不活性気体流中の水分レベル(moisture level)を上昇させるために上記制御が入力された。ナトリウムが反応すると、気体中の水分レベルが100となり水素がない状態となるまで、水分レベルが増大された。この処理は通常、専用のホットセルにおいて実施された。当該専用のホットセルは、水素圧力の増加を取り扱うように設計されている。さらに、専用の燃料取扱設備が必要とされていた。
【0027】
その時点において、圧力容器がゆっくりとフラッディングされ、従来のポンプを使用して水流が開始された。アセンブリを通って流れる水が低レベルのナトリウムイオンを有するまで、水中のイオンレベルがモニタリングされ、必要に応じて交換された。次に、圧力容器が排水され、処理システムおよびアセンブリが乾燥された。清浄化されたアセンブリが圧力容器から取り出された。処理時間は、各アセンブリについて、約18~24時間であった。
【0028】
この処理によって、ほぼすべてのナトリウムおよびナトリウム反応生成物が除去された。通常、燃料アセンブリには、ステンレス鋼が使用されている。特に応力の働く領域において、水酸化ナトリウム残留物に関する高い清浄度基準を達成することは有益であると、通常考えられている。
【0029】
加えて、一部の場合において、照射済みアセンブリは直接、乾式貯蔵、照射後検査(post irradiation examination)、または再処理へ送られる。多くの規制基準によると、使用済み燃料処分受入れ基準(spent fuel disposal acceptance standards)では、金属の反応性が非常に低いレベルであることが義務付けられている。
【0030】
一部の実施形態によると、水で満たされた従来の使用済み燃料貯蔵ベイスン(spent fuel storage basin)にナトリウム濡れ構成要素を入れることで、効率を大幅に向上させ、照射済みアセンブリを取り扱うために必要とされる設備および建屋を減少させ、そして施設労働者および公衆への潜在的な放射線被曝を減少させるための迅速な方法を、以下に説明する。
【0031】
〔原子炉建屋および燃料貯蔵施設における燃料交換(refueling)システムのレイアウト〕
一部の実施形態に従う図1図2図3および図4を参照する。1つ以上の原子炉建屋100と、燃料貯蔵施設(Fuel Storage Facility:FSF)110との一般的なレイアウトが示されている。一部の実施形態では、この配置計画は、最大4つまたはそれ以上の原子炉ユニットをクワッド構成(quad arrangement)においてサポートするフレキシビリティを有する。しかしながら、効率を考慮して、第1の原子炉建屋100と第2の原子炉建屋112との2つのユニットのみが示されている。一部の場合において、これらの建屋は、図3または図4に示すように配置されてもよい。これにより、燃料交換設備を共有できるようになり、また、原子炉建屋(reactor building:RB)の保守と、保守および燃料交換のスペース302において起こり得る大型構成要素キャスクの移送とのためのクレーンのエンベロープ(envelope)を、より大きくすることができるようになる。これによって、RBクレーンは、FSF/保守施設110へ移送するためのボトムローディング移送キャスクのレール上に大型キャスクを載置できるようになるだろう。一部の場合において、移送ホール304およびFSF/保守建屋110は、別個の構造物であり、燃料供給および保守施設のみが別のオーバーヘッドクレーンを有してもよい。一方、一部の実施形態において、当該移送ホールは、FSF/保守施設110の一部である。一部の例示的な実施形態による、推定される燃料交換および保守のフットプリントを、下の表1に記載する。
【0032】
【表1】
【0033】
もちろん、その他のレイアウト、寸法、構成、建屋数が、本開示の範囲内において、完全に可能である。寸法、高さ、サイズ、重量等を含む、あらゆる物理的なサイズは、単に例示のために提供されているにすぎず、添付の特許請求の範囲の記載において特定されていない限りにおいて、本開示の内容を限定するものではない。
【0034】
一部の場合において、残留熱除去(residual heat removal:RHR)システム114は、崩壊熱除去を補助するために提供されており、各原子炉建屋100、112に1つのRHRシステム114が関連付けられてもよい。原子炉建屋内の原子炉をモニタリングおよび/または運転するために、1または複数の制御建屋モジュール116が設けられてもよい。一部の場合において、倉庫118スペースおよび遠隔燃料貯蔵エリア120等の補助建屋が設けられてもよい。
【0035】
図4に示すように、一部の場合において、燃料交換システムは中央制御施設を含み、該中央制御施設は、コンディショニング(conditioning)セル、ボトムローディング移送キャスク(bottom loading transfer cask:BLTC)402、炉外貯蔵槽(Ex-Vessel Storage Tank:EVST)404、炉外取扱機械(Ex-vessel handling machine:EVHM)406、移送アダプタ(transfer adapter)、移送ステーションリフト、炉内移送機械(In-vessel Transfer Machine:IVTM)、回転プラグ、プール浸漬セル410、プール冷却およびクリーンアップシステム、プール炉心アセンブリ取扱機械412、ならびにその他の構成要素およびシステムの高レベル運転をモニタリングする。局所的燃料交換制御点(Local refueling control points)は、中央燃料交換制御室に情報を伝達する、プラントベースの(plant-based)データおよび通信ネットワークを有してもよい。
【0036】
一部の場合において、新たな炉心アセンブリは、サプライヤから届き、FSF110における輸送容器内において直立させられる。ジブホイストおよびグラップルツールを使用して、垂直(縦)の炉心アセンブリを、検査台へ移送し、そしてコンディショニングセル上へ移送してもよい。停止(outage)に先立って、BLTCを使用して、コンディショニングセルからコンディショニングされた複数の炉心アセンブリをピックアップし、それらを原子炉建屋内におけるEVSTへ移送してもよい。一部の実施形態では、EVSTは、ナトリウムEVST、アルゴンEVSTであってもよく、または、不活性であり得る別の物質を備えてもよい。一部の場合において、停止の間に、EVHMは、EVSTと原子炉移送アダプタとの間において、炉心アセンブリを移送してもよい。EVHMホイストを使用して、移送アダプタを通じて炉心アセンブリがカバーガス領域へ移送されてもよい。当該カバーガス領域において、炉心アセンブリは、原子炉の燃料交換ポートの下方の移送ステーションリフトへ渡される。移送ステーションリフトは、カバーガス領域と炉心の頂部の上方のIVTM燃料交換領域との間において、炉心アセンブリを垂直方向に移動させてもよい。一部の実施例において、IVTMは、回転プラグの移動と組み合わさって、当該炉心アセンブリを、移送ステーションリフトと、炉心位置と、崩壊用の炉内貯蔵(In-Vessel Storage:IVS)位置との間において移動させる。
【0037】
例示的な方法によれば、使用済み燃料アセンブリは、IVTMによって、原子炉内におけるIVS位置から取り出すことができ、当該使用済み燃料アセンブリは、移送ステーションリフトへ移送されてもよい。移送ステーションリフトを使用して、燃料炉心アセンブリまたは非燃料炉心アセンブリをカバーガス領域へ上昇させてもよい。当該カバーガス領域において、EVHMホイストおよびグラップルは、当該アセンブリに係合する。次いで、EVHMは、炉心アセンブリを上昇させ、移送アダプタを通じて原子炉から取り出し、当該炉心アセンブリを、燃料交換フロア上のEVHMキャスク内へ上昇させてもよい。いったんEVHMキャスクが固定されると、炉心アセンブリはEVSTへ移送することができる。炉心アセンブリは、燃料交換バッチ移送の間、当該EVSTに留まる。
【0038】
本方法は、さらなる工程を含んでもよい。例えば、停止に続いて、BLTCは、使用済み炉心アセンブリをピックアップし、それらをFSFへ移送して、廃棄物としてパッケージされるようにするか、または、使用済み燃料貯蔵として処理されるようにしてもよい。ウェットキャスクローディングの方法では、BLTCは、複数の炉心アセンブリのうちの一部または全部を、ナトリウムが反応するプール浸漬セルへ移送してもよく、当該アセンブリは、水中に浸漬されてもよく、次いで、当該アセンブリは、より大きな使用済み燃料プールへ移送されてもよい。プール取扱機械を使用して、燃料アセンブリを、長期の崩壊(例えば、10年間~15年間)のために、貯蔵ラックへ移動させてもよい。当業者に知られているように、複数の炉心アセンブリのうちの一部または全部は、例えば典型的な軽水炉キャスクローディングプロセスのように、プール内におけるキャスク内へ、最終的に処理されてもよい。完全に乾燥し、不活性化された(inerted)、使用済み燃料のキャスクは、サイト貯蔵パッドへ運ばれてもよく、廃棄物(非燃料)キャスクは、長期廃棄物処分場へ送られてもよい。
【0039】
〔一部の実施形態による詳細な燃料交換プロセスの説明:〕
〔新たな炉心アセンブリ(燃料、制御棒、シールド、および反射体のアセンブリ)の到着〕
図5を参照する。図5は、炉心アセンブリ500の代表的な例を示す。新たな炉心アセンブリは、駆動燃料、制御棒、シールド、および反射体の炉心アセンブリから構成されてもよい。一部の場合において、炉心アセンブリ500は、第1の端部においてノズルアセンブリ504を定めるダクト502と、上方炉心ロードパッド506と、第2の端部における取扱ソケット508と、を含む。一部の場合において、炉心アセンブリ500は、一貫性のある六角形の外部構成を有してもよい。炉心アセンブリ500の内部において、燃料ピン束アセンブリ510は、ダクト502内で固定されている。燃料ピン束アセンブリ510は、任意の適切な数の燃料ピンを含んでもよい。一連の冷却材入口ポート512によって、冷却材が炉心アセンブリ500に入り、ダクト502を通って流れ、燃料ピン束アセンブリ510から熱を吸収することが可能になる。
【0040】
一部の場合において、輸送容器内の炉心アセンブリ500は、原子炉敷地に到着する。各容器は、4つの炉心アセンブリを収容してもよい。FSFオーバーヘッドクレーンまたはフォークリフトによって、サプライヤのトラックから輸送容器がアンロードされてもよい。輸送容器は、その検査およびコンディショニングが停止(outage)のために必要とされるまで、FSFの安全なエリアに保管されてもよい。輸送容器は、停止前の当該アセンブリの保護および安全のために使用されてもよい。当該輸送容器は、適切な構成要素支持部、振動モニタ、FME保護部、および環境制御部を有するからである。
【0041】
初期の原子炉建設中に、ダミー炉心アセンブリ(例えば、中に燃料がない炉心アセンブリ)の追加での完全炉心ローディングを使用して、原子炉およびシステムの臨界特性を検査してもよい。また、その設計に応じて、これらのダミーアセンブリを使用して、後の燃料交換または保守作業の間に炉心構成が維持されてもよい。ダミーアセンブリには、燃料が含まれていないため、通常の放射性廃棄物処分管理のみが必要となる。また、起動用中性子ソースを有する特殊な炉心アセンブリが、初期原子炉起動のために提供されてもよい。これらの起動用ソースは、放射性ソースの内容物であるため、最終処分のための燃料として取り扱われ得る。これらの炉心アセンブリタイプはいずれも、原子炉の燃料交換および処分に使用される、通常の炉心アセンブリ取扱処理に従ってもよい。
【0042】
一部の場合において、停止バッチ(outage batch)は、18ヶ月周期の長さであり、30個の燃料アセンブリと10個~15個の制御棒とを有すると推定される。燃料交換停止(refueling outage)に備えて、輸送容器の中に格納された炉心アセンブリがトップエントリ(top entry)グラップルツールによって把持(グラップル)できるように、輸送容器は直立機構(uprighting mechanism)によって垂直位置へ運ばれてもよい。当該容器は、例えば汚染が回避されるように、厳格な清浄度管理下において開かれてもよい。
【0043】
図6を参照する。ジブホイスト600およびトップエントリグラップルツール602は、輸送容器内の各炉心アセンブリに係合し、それらを検査台に移送してもよい。一部の実施例において、グラップルツール602は、安全な持ち上げのために、炉心アセンブリの取扱ソケット508に係合する約3~4個のグラップルフィンガを有してもよい。図6は、ジブホイスト600、コンディショニングセル604、および検査台606の潜在的なレイアウトをさらに示す。空になった炉心アセンブリ輸送容器は、将来的なバッチリロードのためにサプライヤに返却されてもよく、通常は、プラント設備の一部ではない。
【0044】
一部の場合において、検査台606は、耐震適格を有しており(seismically qualified)、2個(またはそれ以上)の炉心アセンブリを取り扱う垂直型エレベータ608を含んでもよく、コンディショニングセル604付近の移送ホールフロア上のピット610内に配置されてもよい。アセンブリが台606内にロードされると、エレベータ608は、全長検査プロセスのために、オペレータを通り過ぎた先へ、当該アセンブリを上昇させてもよい。当該アセンブリは、記録された識別情報を有してもよく、潜在的な輸送損傷についてスキャンされてもよく、清浄でかつ異物のないことが検証されてもよい。炉心アセンブリの識別情報は、炉心アセンブリの追跡のために、プラントの燃料交換データベースへ移行されてもよい。当該追跡は、炉心アセンブリの使用期間の間ずっと維持されることができ、また、プラントの放射能インベントリ監視プログラム(radioactive inventory surveillance program)によって処分処理の間も維持されることができる。また、流れ試験が、最終的なアセンブリのゴー/ノーゴー(go/no-go)試験として、検査台における炉心アセンブリに対して実行されてもよい。
【0045】
〔(燃料交換停止よりも前の)新たな炉心アセンブリの格納とコンディショニング〕
清浄で汚染されていないコンディショニングセルが、例えば、フロアバルブを開き、ジブホイスト600およびグラップルツール602を用いてフロアアクセスプラグを引くかまたは取り外すことによって、炉心アセンブリのために準備されてもよい。ホイスト600は、ローディングの間、当該フロアプラグを保管場所へ移送する。次いで、検査され記録された炉心アセンブリ500が、ジブホイスト600およびグラップルツール602を用いて、コンディショニングセル604内へ移送されてもよい。コンディショニングセル内における各々の炉心アセンブリ500の位置は、カルーセル(carousel)を回転させてフロアバルブ開口部と位置合わせすることによって、充填されてもよい。カルーセルが充填され、アセンブリ500が不活性アルゴン環境下で燃料交換温度へコンディショニングされたとき、バルブは閉じられてもよい。一部の場合において、カルーセルの容量は、EVSTへの中間BLTC移送でのバッチコンディショニングが可能となるように、炉心バッチの1/3(例えば、一部の実施形態において、15個のアセンブリ)を保持するように設計されてもよい。コンディショニングセルは、原子炉に由来する崩壊熱を有する炉心アセンブリを取り扱うように意図されていなくてもよい。
【0046】
一部の実施形態によれば、コンディショニングは、フィードアンドブリード(feed and bleed)プロセスから開始する。当該フィードアンドブリードプロセスによって、コンディショニングセルの初期の空気および水分含有量は、乾燥状態の完全に不活性なアルゴン環境となる。次いで、電気加熱および循環によって、アルゴン環境を、約400Fの原子炉の燃料交換温度(refueling temperature)へ段階的に上昇させてもよい。一部の場合において、その他の形態の加熱が利用されてもよい。例えば、アルゴン気体を熱交換器に通してもよく、原子炉炉心において生成された熱を使用して、アルゴン気体を加熱してもよい。検査、ローディング、およびコンディショニングプロセスは、停止バッチ(例えば、最大45個の炉心アセンブリ、または、それ以上の数の炉心アセンブリ)がコンディショニングされるまで、繰り返されてもよい。このプロセスは、原子炉の運転停止よりも前に炉心アセンブリが十分にコンディショニングされてEVST内に格納されることが確実となるよう、燃料交換停止に先立って行われてもよい。同じコンディショニングセルおよびEVSTを使用する複数の原子炉は、コンディショニングセルおよびEVSTを複数の原子炉に利用できるよう、時間をずらしたコンディショニング時間を有してもよく、また、時間をずらして停止が行われてもよい。
【0047】
オーバーヘッドクレーンは、フロア隔離バルブと隔離バルブに関連するアダプタとをEVST上に設置するために使用されてもよい。シールドプラグ取扱キャスクは、シールドプラグを引いて取り外し、ローディングのためのカルーセルへのアクセスが提供されるように、フロア隔離バルブに嵌合されてもよい。フロア隔離バルブは閉じられてもよく、シールドプラグは、クレーンおよびシールドプラグ取扱キャスクによって、取り外され、保管されてもよい。EVSTは、新たな炉心アセンブリの受け入れのために、不活性化された燃料交換状態にされてもよい。
【0048】
〔例:(燃料交換停止よりも前の)BLTCのEVSTへの移送〕
BLTCは、燃料交換状態において、コンディショニングセルのフロアバルブと嵌合してもよく、最大3つ以上の炉心アセンブリ500が、カルーセルから順次把持され、キャスク内へ移送されてもよい。BLTCは、フルの(full)燃料交換バッチが停止のためにステージングされる(staged)までに、コンディショニングセルからEVSTカルーセルへ炉心アセンブリを移送し続ける。各々の炉心アセンブリがEVST内に配置されると、追跡データベースが更新され、計画された燃料交換停止シーケンスを確立するために必要なすべての情報が検証され、燃料交換制御部にアップロードされる。停止の間、EVHMは、燃料交換制御センタからの確立された燃料交換シーケンスによって、EVST内の新たな炉心アセンブリを、原子炉から来る使用済み炉心アセンブリと交換してもよい。
【0049】
一部の場合において、BLTCは、垂直方向に並進する隔離バルブを備える、レールに取り付けられ、自立した、耐震適格を有するキャスクである。BLTCは、新たな燃料炉心アセンブリまたは使用済み燃料炉心アセンブリのいずれかを取り扱うために、加熱能力および/または冷却能力を有してもよい。BLTCは、フロア隔離バルブを通じてコンディショニングセル、EVST、および/またはプール浸漬セルにアクセスする、センターライン移動経路を有してもよい。
【0050】
〔例:原子炉運転停止および停止準備方法体系〕
一部の実施形態によれば、原子炉は、運転停止後の燃料交換のために準備される。一部の実施形態によれば、強制流ポンプが原子炉内で固定されていてもよい。自然循環冷却によって、原子炉は、約400Fの燃料交換温度となる。この燃料交換温度は、一例として提供されるものであり、もちろん、その他の燃料交換温度が、その他のタイプの原子炉に適用可能であり得る。本明細書で使用される場合、「約」および「およそ」という用語は、一部の実施例において、結合する数値の±5%を上限とする変動性を示し得、例えば、±2%を上限とする変動性、または、±1%を上限とする変動性を示し得る。
【0051】
ASMEバウンダリフランジ(ASME boundary flange)は、燃料交換ポートから取り外されてもよい。そして、RBオーバーヘッドクレーンのメインフックによって、燃料交換ポート移送アダプタを、燃料交換フロア上のその格納場所から燃料交換ポートへと、移動させてもよい。移送アダプタは、燃料交換ポート上に設置され、その後に、燃料交換フロア上の関連するフロア隔離バルブが続いてもよい。任意選択的に、移送カラムアセンブリは、試験され、不活性化され、かつ/または燃料交換温度へ加熱されてもよい。また、移送アダプタは、燃料アセンブリがキャスクと原子炉との間に留まっている場合における冷却能力を有してもよい。一部の場合において、移送アダプタローディングは、原子炉ヘッドではなく、原子炉建屋の燃料交換フロアの土木構造物によって、支持されている。一部の場合において、移送アダプタは、オフセットされた停止スケジュールを格納位置がサポートすることにより、複数の原子炉(例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の原子炉)間において共有される。
【0052】
EVSTでは、移送キャスクは、RBクレーンによって、EVSTのフロア隔離バルブに嵌合されてもよい。キャスク隔離バルブおよびフロア隔離バルブは、EVSTシールドプラグにアクセスするために開かれてもよい。当該プラグは、キャスクホイストによって把持され、キャスク内へ上昇されてもよい。当該プラグを上昇させた後、両バルブは閉じられてもよく、当該EVSTシールドプラグは、EVSTカルーセル内の格納場所、または別のフロア構造物へ運ばれてもよい。フロア隔離バルブは、燃料交換ポートプラグ移送のための不活性EVSTバウンダリ(boundary)であってもよい。
【0053】
原子炉では、不活性化されたシールドプラグ移送キャスクは、クレーンRBによって、移送アダプタおよび/またはフロアバルブに嵌合されてもよい。キャスク隔離バルブおよびフロア隔離バルブは、原子炉の燃料交換ポートプラグにアクセスするために開かれてもよい。当該プラグは、キャスクホイストによって把持され、キャスク内へ上昇されてもよい。両バルブは、閉じられてもよく、当該燃料交換ポートプラグは、携帯用グローブボックス保守(portable glove box maintenance)のために、EVSTプラグ格納位置またはその他の場所へ運ばれてもよい。また、当該シールドプラグキャスクは、RB燃料交換フロア上に格納場所を有してもよく、一部の場合において、耐震支持を有する。
【0054】
制御棒ドライブラインは、燃料交換のための回転プラグおよびIVTMの回転が可能となるように、炉心内の制御棒アセンブリ(control rod assemblies:CRAs)から分離される。一部の場合において、制御棒炉心アセンブリは、原子炉ヘッド上方の制御棒駆動機構(control rod drive mechanism)を通じて作動されるツールを用いて分離される。あるいは、新たなCRDM設計によって、回転プラグおよびIVTMの移動が可能となるよう、ドライブラインの遠隔分離および上昇が可能になるだろう。
【0055】
回転プラグジャッキによって、プラグの回転が可能となるよう、当該プラグをその原子炉ヘッドレッジシール(reactor head ledge seal)から持ち上げ得る。回転プラグおよびIVTM用の動力ケーブルおよび制御ケーブルを再接続して、IVTMドライブラインをアンロックしてもよい。IVTMは、炉心外周の周りの最大6つ以上のゲージング場所における位置チェックによって、較正されてもよい。
【0056】
燃料交換ポートの直下にある移送ステーションリフトを循環させることにより、炉心アセンブリ移送バスケットが、原子炉のナトリウムレベルよりわずかに上のレベルと、炉心上方の炉心アセンブリの長さの位置との間を上昇したり下降したりすることを確認してもよい。当該リフトは、原子炉ヘッドまたはカバーガスのシールを有する燃料交換ポートを通って来る回転シャフトによって、駆動されてもよい。一部の場合において、当該リフトによって、当該リフトのサイドエントリバスケットから、IVTMが炉心アセンブリを把持できる高さへ、炉心アセンブリが移動される。
【0057】
一部の実施形態では、炉心アセンブリのIVS位置が空であることが確認されると、プロセスでは、1つの燃料交換工程が開始される。炉心アセンブリの移動のための検証された燃料交換シーケンスは、EVHM、回転プラグ、IVTM、およびEVSTカルーセルのための統合燃料交換制御システム内にあることが確認されてもよい。
【0058】
〔EVHM、移送ステーションリフト、IVTM、原子炉炉心およびIVS間の炉心アセンブリの移送〕
図7を参照する。一部の実施形態によると、EVHM700は、レールに取付けられており、停止の間にすべての炉心アセンブリ移送を取り扱う、耐震適格を有するキャスク支持構造物である。EVHMは、キャスクのセンターラインの移動が原子炉燃料交換ポートとEVSTアクセスポートとの両方と精密に調整されるように設計されてもよい。一部の場合において、EVHM700は、グラップル駆動システム702と、運搬装置704と、制御キャブ706と、を有する。制御キャブ706は、運搬装置704およびグラップル駆動システム702を動作させるための制御装置を含んでもよい。
【0059】
EVHMは、キャスク710をさらに有してもよい。一部の場合において、キャスク710は、遮蔽されている。当該キャスクは、可動ボトムエントリ隔離バルブ712を有してもよく、新たな炉心アセンブリおよび使用済み炉心アセンブリの不活性化能力、加熱能力、および冷却能力をさらに有してもよい。EVHM700は、空気または他の何らかの気体を循環させるための送風機714および/または排気装置716をさらに有してもよい。EVHMキャスクグラップルは、一般的なトップエントリ設計であってもよく、炉心アセンブリヘッド上の構造と係合する3本~4本(またはそれ以上)のフィンガを有してもよい。EVHMキャスクは、EVHMキャスクと、移送アダプタフロアバルブと、移送ステーションリフトと、EVSTカルーセルとの間のインターロックのための、燃料交換制御インターフェースを有してもよい。
【0060】
使用に際して、例えば停止の間に、EVHM700は、EVSTフロアバルブと嵌合し、最大3つ以上の炉心アセンブリを個々に把持し、そのキャスク710内に上昇させることができる。キャスク710は、不活性化、遮蔽および/または加熱され得る。順番が付与された炉心アセンブリ位置が燃料交換のために選択されるように、EVSTカルーセルが必要に応じて回転されてもよい。EVSTは、EVHMキャスク隔離バルブおよびEVSTフロアバルブを閉じることによって、隔離される。EVHM700は、複数の炉心アセンブリを受け入れるためのインデキシングシステム(indexing system)818をさらに有してもよい。
【0061】
EVHM700は、燃料交換ポート移送アダプタへ移動し、そのフロアバルブと嵌合してもよい。原子炉内への移送経路は、任意のバルブ操作よりも前に、燃料交換状態に不活性化され加熱されていることが確認されてもよい。
【0062】
EVHM700内における把持された炉心アセンブリは、燃料交換シーケンスに適合することが確認された識別情報を有してもよい。不活性燃料交換状態が、移送アダプタフロアバルブおよびキャスク隔離バルブにわたって等しい場合、両バルブが、原子炉内への移送経路のために開かれ得る。EVHM700ホイストは、当該炉心アセンブリを、キャスクから、カバーガス領域におけるリフトステーションバスケットへ、下降させてもよい。
【0063】
リフトステーションは、燃料交換ポートの下方のナトリウム内に配置されてもよく、炉心アセンブリを、燃料交換ポートシンブルを通じて、炉心上方の炉心アセンブリ長さの位置へ下降させてもよい。移送ステーションリフトは、EVHMホイスト/グラップルおよびIVTMとの燃料交換制御インターロックを有してもよい。リフトステーションバスケットは、IVTMの必要な垂直移動を制限するためのサイドエントリ設計を有してもよい。リフトステーションアセンブリは、任意の必要な保守または交換のために、原子炉の燃料交換ポートを通じて垂直に取り外し可能であってもよい。
【0064】
IVTMは、炉心およびIVS移送を実行して、燃料交換停止シーケンスを完了してもよい(例えば、炉心からIVSへ、IVSから移送ステーションリフトへ、そして移送ステーションリフトから炉心への移動)。一部の場合において、移送ステーションの設計によって、IVTMグラップルヘッドは、移送ステーションバスケットにおける炉心アセンブリ上方のスロット付きシンブル内へ、水平(横)方向に移動することができる。一部の場合において、IVTMグラップルは、炉心アセンブリの中央に位置合わせし、次いで、下降して内径を把持する。IVTMグラップルは、当該バスケットから炉心アセンブリヘッドを退座させるように、垂直方向に上昇してもよい。次いで、IVTMグラップルは、把持された炉心アセンブリを、サイドエントリバスケットの外側へ、水平方向に並進させてもよい。このプロセスは、炉心アセンブリがリフトステーションバスケットに回収および配置されるように、IVTMによって繰り返されてもよい。
【0065】
IVTMは、炉心およびIVS移送を実行して、燃料交換停止シーケンスを完了してもよい(例えば、炉心からIVSへ、IVSから移送ステーションリフトへ、そして移送ステーションリフトから炉心への移動)。IVTMは、原子炉の回転プラグ上に設置されてもよく、炉心アセンブリを昇降させるための伸縮構成を備えるグラップルヘッドを担持する水平移動パンタグラフを有してもよい。IVTMグラップルは、回転プラグの回転、IVTMの回転、および/またはパンタグラフの伸展によって、炉心、IVS、または移送ステーション位置の中心に配置してもよい。一部の場合において、IVTMグラップルは、炉心アセンブリヘッドの内径に係合する3本~4本のフィンガを有する、トップエントリ設計である。しかしながら、IVTMグラップルは、任意の適切な設計を有するように構成することができる。また、IVTMグラップルヘッドは、炉心挿入のために炉心アセンブリの六角形の外形を方向付ける回転能力を有してもよい。原子炉のUISは、IVTMが炉心のセンターライン領域で燃料交換できるようにするスロットを有してもよい。原子炉内におけるマッピングされた炉心アセンブリの位置は、自動化されたシーケンスによる燃料交換を可能にする当該機械のコンピュータ制御メモリ内に記憶されてもよい。自動化されたシーケンスは、オペレータによって確認されてもよい。IVTMは、制御棒駆動装置、回転プラグ、および/または移送ステーションリフトとの燃料交換制御インターロックを有してもよい。IVTMの炉内部分は、移送アダプタを通じて当該アセンブリを燃料交換フロア上のキャスク内へ引っ張ることによって、交換することができてもよい。
【0066】
一部の実施形態によれば、燃料交換シーケンスを開始するために、IVTMは、使用済み炉心アセンブリを、炉心から、空きのある(open)IVS位置へ移動させ、次いで、新たな炉心アセンブリを、移送ステーションバスケットからピックアップし、それを空きのある、順番が付与された炉心位置内へ配置する。リフトステーションは、炉心アセンブリのヘッドを、カバーガスの領域における把持高さへ上昇させるように、動作してもよい。EVHMキャスク隔離バルブおよび移送アダプタフロアバルブは、開かれてもよく、キャスクホイストは、降下して、移送ステーションリフトバスケットから炉心アセンブリを把持してもよい。IVS貯蔵部から来る炉心アセンブリは、EVHMにおいて移送されるために、1.2kw未満(例えば、18ヶ月周期を2回)の崩壊熱を有してもよい。
【0067】
キャスクホイストは、使用済み炉心アセンブリを、隔離バルブの上のキャスクの遮蔽部分内へ上昇させてもよい。ナトリウム滴受けは、当該アセンブリの下で回転して、滴下ナトリウムを捕捉してもよい。一部の場合において、キャスクの受動冷却構成または能動冷却構成は、炉心アセンブリ崩壊熱が除去されるように確立されてもよい。炉心アセンブリの識別情報は、例えば、炉心アセンブリの上端を捉えるキャスクカメラによって、確認および/または記録されてもよい。キャスクホイストは、EVSTへの移送のために、キャスク保持位置内の使用済み炉心アセンブリを解放してもよい。このプロセスは、EVHMが1または複数の使用済み燃料アセンブリで満たされるまで、その他の炉心アセンブリに関する燃料交換シーケンスに従って、繰り返されてもよい。
【0068】
EVHMキャスク隔離バルブおよび移送アダプタ隔離バルブは、閉じられてもよく、EVHMは、EVSTのカルーセル内へのアンローディングのために、燃料交換ポートからEVSTへ移動されてもよい。この燃料交換プロセスは、停止バッチ内のすべての炉心アセンブリに関する燃料交換シーケンスに従って、繰り返される。一部の場合において、当該停止バッチは、45個のアセンブリであってもよい。しかしながら、もちろん、その他の実施形態において、任意の適切な数の炉心アセンブリが利用されてもよい。一部の場合において、炉心アセンブリのうちの全てよりも少数の炉心アセンブリが、所与の時間に交換される。IVTMは、EVSTにおいて炉心アセンブリがオフロードおよびリロードされるように、EVHMの移動と並行して、独立した炉内燃料、反射体、またはシールドのシャッフルまたは回転を、停止シーケンスにおいて実行することができる。
【0069】
〔EVHM炉心アセンブリのEVSTへの移送〕
EVHMに使用済み炉心アセンブリがロードされた後、当該EVHMは、燃料交換ポートフロアバルブから分離して、EVSTへ移動してもよい。EVHMキャスク隔離バルブは、EVSTフロアバルブと嵌合してもよく、当該バルブは、開かれてもよい。EVHMキャスク内における使用済み炉心アセンブリの各々が把持されて、EVSTカルーセルの順番が付与された格納位置に配置されてもよい。燃料アセンブリは、最大の崩壊熱除去のために、カルーセルの外側列に配置されてもよく、任意の非燃料アセンブリは、カルーセルの内側リングに配置されてもよい。各々の炉心アセンブリの格納位置は、統合燃料交換システム制御によって、記録および追跡されてもよい。EVHMキャスクグラップル、ホイスト、および隔離バルブは、EVSTフロアバルブおよびカルーセル駆動装置との燃料交換インターロックを有してもよい。
【0070】
EVSTは、燃料交換停止中の短期格納ポイントとして使用されてもよい。停止の後、BLTCは、炉心アセンブリを、使用済み燃料処理および廃棄物処分サイクルへ移送してもよい。
【0071】
〔例:BLTC炉心アセンブリのFSFへの移送〕
原子炉の停止後、BLTCは、EVSTの上方を移動し、フロアバルブと嵌合してもよい。カルーセルは、適切な炉心アセンブリへ回転されてもよく、キャスク隔離バルブおよびフロア隔離バルブは、開かれてもよい。キャスクホイストおよびグラップルがEVST内へ下降されてもよく、炉心アセンブリが把持されて、キャスク内へ上昇されてもよい。キャスクは、キャスク隔離バルブおよびフロアバルブを閉じることによって、固定されてもよい。次いで、キャスク隔離バルブを上昇させて、BLTCを、そのレール上における移動のために分離してもよい。一部の場合において、BLTCは、EVHMに等しい移送能力(容量)を有してもよい。一部の場合において、当該移送能力は、一度に最大3つの炉心アセンブリである。BLTCは、原子炉建屋および/またはFSFの両方で動作する、耐震適格を有しレールに取り付けられたキャスクであってもよい。当該BLTCは、複数の原子炉に使用されてもよく、拡張された配置計画において、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の原子炉をサポートしてもよい。
【0072】
〔例:使用済み燃料貯蔵およびウェットキャスクローディング方法〕
長時間(例えば、2時間を超える時間、4時間を超える時間、6時間を超える時間、8時間を超える時間、10時間を超える時間、15時間を超える時間、18時間を超える時間、または20時間を超える時間等)を要する従来のウェットキャスクローディング方法に対し、長期の崩壊およびウェットキャスクローディングのために、水で満たされた使用済み燃料プール内へ、照射済み炉心アセンブリを直接、移送するための迅速な方法を説明する。図8に、プール浸漬セルおよびウェットキャスクローディングのためのアプローチを示す。ナトリウムを除去するためのより効率的な方法が存在し得るが、少なくとも2つの主要要因によって、この方法の使用が正当化される。第1に、炉心アセンブリ部品は、腐食性応力腐食割れの影響を受けやすい材料を有していなくてもよい。第2に、炉心アセンブリは、高純度かつ厳密な化学的制御を有する、仮貯蔵のための水のプール内へ直接進んでいる。さらに、記載された方法は、非常に効率的であり、かつ、従来の方法よりも著しく速い。この形態の長期燃料貯蔵は、高い信頼性を有する軽水炉において、認可および実証されたものである。
【0073】
直接的プール浸漬のための準備は、2つの主要要因に依存している。第1は、炉心アセンブリが原子炉炉心から取り出されたとき、あるいは、プール浸漬セル内において、または、その両方において、当該炉心アセンブリに、不活性気体を下方へ送風することである。第2に、当該アセンブリは、プール浸漬セル内において、湿った不活性気体反応サイクルを有してもよく、その後、炉心アセンブリの完全なフラッディングが行われてもよい。フラッディングプロセスの後、炉心アセンブリは、長期貯蔵のために、プールの主要部分に移送されてもよい。このプロセスによって、従来のプロセスにおいて通常であれば掛かる18時間~24時間という時間が、著しく低減する。なぜなら、当該アセンブリは、乾燥および不活性化されるのではなく、その代りに、プールへ直接進み、BLTCによって再び取り扱われることがないからである。
【0074】
図8A図8Bおよび図9を参照する。一部の実施例によれば、詳細なプール浸漬プロセス工程900には、以下のもののうちの一部が含まれてもよい。
【0075】
ブロック902において、炉心アセンブリが、EVHM、カルーセル、およびBLTCの不活性環境において、乾燥状態で取り扱われてもよい。これにより、EVSTからそれらを取り除いた後に残存する、残留ナトリウムが制限されることになる。
【0076】
使用済み炉心アセンブリは、例えばBLTCによって、最初に乾燥した、不活性化されたプール浸漬セル802へ、移動されてもよい。
【0077】
BLTCは、浸漬セルフロアバルブ804と嵌合し、炉心アセンブリを炉心アセンブリエレベータ806へ下降させてもよい。当該炉心アセンブリエレベータ806は、クランプ装置808によって、例えば、上部取扱ソケットのすぐ下において、炉心アセンブリ500を捕捉する。
【0078】
荷重がクランプ装置へ伝達された後、BLTCは、そのグラップルを解放して、そのホイストを上昇させてもよく、キャスクバルブおよびフロアバルブは、閉じられてもよい。
【0079】
浸漬セル802内において、格納式アームおよびノズル810は、炉心アセンブリヘッドの上を移動し、当該炉心アセンブリヘッドと嵌合してもよく、浸漬セル802を通ってプールの水へのセルベント経路が確立されてもよい。
【0080】
ブロック904において、不活性気体流が、アセンブリ500を通過するように、および/または、アセンブリ500の上に確立されてもよい。任意選択的に、気体がアセンブリを通過して自由に流れることが保証されるように、不活性気体の流れが測定されてもよい。
【0081】
ブロック906において、不活性気体流中の水分含有量を、気体流内へ約100%まで漸増して、それにより残留ナトリウムを反応させてもよい。
【0082】
水分含有量が100%に達した後、気体および水分(moisture)の流れが停止されてもよく、格納式アームおよびノズルアセンブリ810が、炉心アセンブリ500から退避されてもよい。
【0083】
ブロック908において、セル隔離バルブ812が、セルの底部において開いてもよい。これにより、アセンブリ500に対しフラッディングして、覆うことができるようになる。
【0084】
次いで、エレベータ806は、炉心アセンブリ500を、プールの底部上にある可動トロリーラック814内へ下降させてもよい。
【0085】
エレベータクランプ装置808は、可動トロリーラック814に着座している炉心アセンブリを解放し、セル802内へ上昇させて戻してもよい。
【0086】
ブロック910において、可動トロリーラック814によって、炉心アセンブリ500を、メインプール820内へ移動させてもよい。当該メインプール820において、単純な燃料取扱機械822は、アセンブリ500を把持し、指定されたトップエントリ貯蔵ラック位置内へ、それを移送してもよい。
【0087】
ナトリウム反応プロセスが、燃料炉心アセンブリおよび非燃料炉心アセンブリの停止バッチに対して、繰り返されてもよい。
【0088】
炉心アセンブリは、燃料ラックにおいて、適切な長さの時間(例えば、一部の場合において、10年間~15年間)、その崩壊を継続し、ウェットキャスクローディングプロセスのための崩壊熱要件が満たされるまで、プールによって冷却されてもよい。
【0089】
任意選択的な工程として、オーバーヘッドクレーンは、濡れプールローディング(wetted pool loading)のために、内部キャスク容器824を、キャスクピット内へ移送してもよい。
【0090】
単純な燃料取扱機械822は、崩壊した炉心アセンブリを把持し、それらを浸水(submerged)キャスク824へ移送してもよい。
【0091】
プロセスは、内部キャスク824が満たされるまで繰り返されてもよく、その後、内部キャスク824は蓋をされて、FSFクレーンによって、燃料施設フロアへ上昇されてもよい。
【0092】
内部キャスクは、例えばヘリウムを用いて、排水、乾燥、および/または、完全に不活性化されてもよい。
【0093】
FSFクレーンは、最終的なドライキャスク遮蔽パッケージを組み立て、それを運搬装置上へ載置してもよい。
【0094】
使用済み燃料ドライキャスクは、サイト貯蔵パッドへ運ばれてもよい。廃棄物キャスクは、類似の方法または同じ方法によって、非燃料アセンブリで満たされ、適切な廃棄物処分場へ送られてもよい。
【0095】
図10は、プール貯蔵およびウェットキャスクローディングのためのサンプルプロセスの流れを示す。ブロック1002において、炉心アセンブリが、プール浸漬セルへ移送される。一部の場合において、プール浸漬セルは、水素生成による圧力上昇のリスクがほとんどないか、または水素生成による圧力上昇のリスクが全くないように、十分な容積を有する。ブロック1004において、ナトリウムが、例えば本明細書に記載されているように水と、反応する。一部の場合において、気体は炉心アセンブリ内における任意のナトリウムの除去がまず促進されるように、炉心アセンブリの上を通過し、かつ/または炉心アセンブリを通過する。また、気体は、漏洩検知のために使用されてもよい。例えば、気体が炉心アセンブリを通過した後に、当該気体を核分裂生成物に関して検査することによって、漏洩が検知されてもよい。残留ナトリウムと反応し、水酸化ナトリウムの不動態化層を生成して、炉心アセンブリ上に残存するまたは炉心アセンブリ内に残存するいかなるナトリウムも封入されるように、気体中の水分含有量を、例えば気体に水蒸気を加えることによって、徐々に増加させてもよい。
【0096】
ブロック1006において、任意の破損したアセンブリが、プールに浸漬され、缶詰され(canned)、固定される。ブロック1008において、炉心アセンブリは、水のプールに浸漬され、プール内における貯蔵ラックへ移送される。これは、プール取扱機械を使用することによって、達成されてもよい。
【0097】
ブロック1010において、ドライキャスクが、プール取扱機械を使用して、炉心アセンブリとともにプールにロードされる。一部の場合において、炉心アセンブリは、プールにおける約10年、12年、または15年の滞留時間の後にロードされる。
【0098】
ブロック1012において、缶詰された(canned)破損した燃料アセンブリが、キャスクローディングのために移送される。これは、炉心アセンブリをキャスク内へロードするよりも前に行われてもよい。
【0099】
ブロック1014において、燃料炉心アセンブリが、廃棄物追跡およびキャスク閉鎖のために特定される。ブロック1016において、非燃料炉心アセンブリが、廃棄物追跡および廃棄物低減のために特定され、プール内の廃棄物キャスクへ移送される。
【0100】
ブロック1018において、非燃料アセンブリキャスクが、プール内で閉じられる。ブロック1020において、キャスク(ドライキャスクまたは廃棄物キャスクの両方)が持ち上げられ、(例えば、ヘリウムを使用して)乾燥状態にされ、シーリングされる。ブロック1022において、キャスクが、キャスク運搬装置上へロードされる。
【0101】
ブロック1024において、ドライキャスクが、貯蔵のためのサイトパッド(site pad)へ移送される。ブロック1026において、非燃料を有する廃棄物キャスクが、長期廃棄物処分のために送られる。
【0102】
〔例:低頻度で使用される(infrequently serviced)ナトリウム濡れ設備(sodium wetted equipment)のための保守戦略〕
移送アダプタは、個々に取り外され、または設置される設備の各々について、燃料交換フロアと原子炉ヘッド/回転プラグとの間にクレーンによって設置されてもよい。大開口の保守フロアバルブは、関連する移送アダプタの頂部に載置されてもよい。多数の移送アダプタは、設備移送のために、例えばアルゴンによって、不活性化されてもよい。大型構成要素移送キャスクは、RBクレーン、フリートクレーンアセンブリ(fleet crane assembly)、または一時的フリートキャスクキャリア(temporary fleet cask carrier)によって、フロアバルブ上に設置されてもよい。
【0103】
設備(機器)は、移送アダプタを通じて、大型構成要素キャスク内へホイストされてもよく、当該キャスクは、敷地外輸送用の保守/廃棄物取扱建屋への運搬のために、RBクレーン、フリートクレーン、またはフリートキャスクキャリアによって取り扱われてもよい。
【0104】
〔例:破損した燃料の取扱〕
破損した燃料アセンブリ(破損したピン)が処分のために送られる(routed)場合、それはプール浸漬セルを通じて処理されてもよく、次いで、アセンブリは、特殊なプールツールによって缶詰され、ウェットキャスクローディングプロセスが開始されるまでプール内に貯蔵されてもよい。破損した燃料アセンブリは、クラッディングにおける割れを有し得、当該割れは、燃料ピンの内部と外部環境との間の連通を可能にする。一部の場合において、検出システムによって、燃料アセンブリからナトリウムを除去するために使用される不活性気体内に核分裂生成物があるか否かを決定することができる。一部の場合において、ガンマ線分光法を使用して、燃料アセンブリから発する中性子が検出されてもよい。これは、破損した燃料アセンブリを検知するために、使用することができる。一部の場合において、不活性気体が加圧されて、漏洩の検知が補助される。
【0105】
〔例:FSFの追加的利用〕
FSFによって、新たな燃料受け取りおよびすべての使用済み燃料処理のための作業フロアスペースが提供されてもよい。また、それによって、すべての非定期的な原子炉保守のためのクレーンおよび大きなキャスクフロアスペースが提供され、燃料交換ポートリフト、IVTM、制御棒、電磁ポンプ、中間熱交換器(intermediate heat exchange:IHX)、およびナトリウムトラップ等の構成要素が除去されてもよい。
【0106】
また、キャスク、原子炉構成要素の破損保守、もしくは放射性物質除染作業のため、または停止支援のために、追加のフロアスペースが設けられてもよい。また、当該フロアスペースは、臨界原子炉運転または訓練進化のモックアップのために使用されてもよい。
【0107】
当業者は、本明細書に開示される任意のプロセスまたは方法が多くの方法で修正され得ることを認識するであろう。本明細書に記載および/または図示された工程の工程パラメータおよび配列は単なる例として与えられており、所望に応じて変更することができる。例えば、本明細書で図示および/または説明される工程は特定の順序で示され、または説明され得るが、これらの工程は必ずしも図示または説明される順序で実行される必要はない。
【0108】
本明細書で説明および/または図示された様々な例示的な方法は、本明細書で説明または図示されたステップのうちの1つ以上のものを省略することもでき、または開示されたステップに加えて追加のステップを備えることもできる。さらに、本明細書で開示される任意の方法の工程は、本明細書で開示される任意の他の方法の任意の1つ以上の工程と組み合わせることができる。
【0109】
特に断らない限り、明細書および特許請求の範囲で使用される用語「接続される」および「結合される」(およびそれらの派生語)は直接的および間接的(すなわち、他の要素または構成要素を介して)接続の両方を可能にするものとして解釈されるべきである。さらに、明細書および特許請求の範囲で使用される用語「a」または「an」は「のうちの少なくとも1つ」を意味するものとして解釈されるべきである。最後に、使用を容易にするために、明細書および特許請求の範囲で使用される用語「含む」および「有する」(およびそれらの派生語)は、単語「備える」と交換可能であり、同じ意味を有するものとする。
【0110】
プロセッサは、本明細書に開示された任意の方法の任意の1または複数の工程を実行するための命令を用いて構成されてもよい。
【0111】
本明細書で使用されるように、用語「または」は、代替物および組み合わせで項目を指すために包括的に使用される。
【0112】
本明細書で使用されるように、数字などの文字は、同様の要素を指す。
【0113】
本発明の実施形態は本明細書に記載されるように示され、説明されており、単なる例として提供される。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、多数の適応、変更、変形、および置換を認識するであろう。本明細書に開示される実施形態のいくつかの代替物および組み合わせは、本明細書の開示および本明細書に開示される発明の範囲から逸脱することなく利用され得る。したがって、本開示の発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ定義されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0114】
図1】一部の実施形態による、原子炉建屋、燃料取扱施設および燃料貯蔵施設を示す、原子力施設の模式図である。
図2】一部の実施形態による、原子力施設の模式図の斜視図である。
図3】一部の実施形態による、複数の原子炉建屋、燃料取扱および燃料貯蔵施設を有する原子力施設の模式図である。
図4】一部の実施形態による、2つの原子炉建屋および共有燃料交換フロアを示す、原子力施設の模式図である。
図5】一部の実施形態による、核燃料アセンブリの斜視図である。
図6】一部の実施形態による、炉心アセンブリ検査台、コンディショニングセル、およびジブホイストの斜視概略図である。
図7】一部の実施形態による、レールに取り付けられたEVHMの模式図である。
図8A】一部の実施形態による、平面図によるプール浸漬セルの模式図である。
図8B】一部の実施形態による、立面図によるプール浸漬セルの模式図である。
図9】一部の実施形態による、照射済み炉心アセンブリの貯蔵に関するサンプルプロセス図である。
図10】一部の実施形態による、照射済み炉心アセンブリの貯蔵に関するサンプルプロセス図である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
【国際調査報告】