(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】抗CD5抗体組成物及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20230830BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20230830BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20230830BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20230830BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20230830BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230830BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20230830BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230830BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230830BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20230830BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C12N15/62 Z
C07K19/00
C07K16/46
C07K16/28
A61P35/00
A61K48/00
A61P35/02
A61K39/395 T
A61K39/395 E
A61K39/395 Y
C12N15/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512333
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-12
(86)【国際出願番号】 US2021047026
(87)【国際公開番号】W WO2022040608
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598004424
【氏名又は名称】シティ・オブ・ホープ
【氏名又は名称原語表記】City of Hope
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ホワ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,チュンヤン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA13
4C084MA02
4C084MA52
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC751
4C085AA13
4C085AA14
4C085AA16
4C085BB31
4C085BB36
4C085CC22
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE01
4C085EE03
4C085GG01
4C085GG08
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
特に、CD5に結合することができる抗体(例えば、ヒト化抗体、モノクローナル抗体)及び抗体組成物(例えば、キメラ抗原受容体、二重特異性抗体)が本明細書に提供される。本明細書に提供される抗体及び抗体組成物は、新規の軽鎖及び重鎖ドメインCDRと、フレームワーク領域と、を含み、CD5に高い効率かつ高い特異性で結合し、それによって、CD5を発現する細胞を効果的に標的とする。本明細書に提供される抗体は、とりわけ、がん治療用途に使用される組換えタンパク質(本明細書では抗体組成物(例えば、キメラ抗原受容体又は二重特異性抗体)とも称される)の一部を形成し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽鎖可変ドメインと、重鎖可変ドメインと、を含む、抗CD5抗体であって、
前記軽鎖可変ドメインが、
配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、及び配列番号3に示されるCDR L3を含み、
前記重鎖可変ドメインが、
配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、及び配列番号6に示されるCDR H3を含む、抗CD5抗体。
【請求項2】
前記軽鎖可変ドメインが、配列番号7に示されるFR L1、配列番号8に示されるFR L2、配列番号9に示されるFR L3、及び配列番号10に示されるFR L4を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記重鎖可変ドメインが、配列番号11に示されるFR H1、配列番号12に示されるFR H2、配列番号13に示されるFR H3、及び配列番号14に示されるFR H4を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
前記軽鎖可変ドメインが、配列番号15の配列を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項5】
前記重鎖可変ドメインが、配列番号16の配列を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項6】
前記抗体が、ヒト化抗体である、請求項1に記載の抗体。
【請求項7】
前記抗体が、キメラ抗体である、請求項1に記載の抗体。
【請求項8】
前記抗体が、Fab’断片である、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項9】
前記抗体が、一本鎖抗体(scFv)である、請求項1に記載の抗体。
【請求項10】
前記軽鎖可変ドメイン及び前記重鎖可変ドメインが、scFvの一部を形成する、請求項1に記載の抗体。
【請求項11】
前記抗体が、IgGである、請求項1に記載の抗体。
【請求項12】
前記抗体が、IgG1である、請求項1に記載の抗体。
【請求項13】
前記抗体が、CD5に結合することができる、請求項1に記載の抗体。
【請求項14】
前記抗体が、CD5に結合される、請求項1に記載の抗体。
【請求項15】
前記CD5が、細胞の一部を形成する、請求項14に記載の抗体。
【請求項16】
前記細胞が、リンパ系細胞である、請求項15に記載の抗体。
【請求項17】
前記細胞が、B細胞又はT細胞である、請求項15に記載の抗体。
【請求項18】
請求項1に記載の抗体をコードする、単離された核酸。
【請求項19】
治療有効量の請求項1に記載の抗体と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
【請求項20】
治療有効量のプログラム細胞死1(PD-1)阻害剤を更に含む、請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項21】
前記PD-1阻害剤が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、又はセミプリマブである、請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項22】
前記治療有効量の前記抗体及び前記治療有効量の前記PD-1阻害剤が、組み合わせた相乗量である、請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項23】
がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法であって、対象に、治療有効量の請求項1に記載の抗体を投与し、それによって、前記対象におけるがんを治療することを含む、方法。
【請求項24】
治療有効量のPD-1阻害剤を投与することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記有効量の抗体及び前記有効量のPD-1阻害剤が、組み合わせた相乗量である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記抗体及び前記PD-1阻害剤が、逐次的に又は同時に投与される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記抗体及び前記PD-1阻害剤が、投与前に一緒に混合される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記抗体及び前記PD-1阻害剤が、単一剤形で投与される、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記抗体及び前記PD-1阻害剤が、2つの別個の剤形で投与される、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法であって、対象に、組み合わせた有効量の請求項1に記載の抗体及びPD-1阻害剤を投与し、それによって、前記対象におけるがんを治療することを含む、方法。
【請求項31】
前記組み合わせた有効量が、組み合わせた相乗量である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
組換えタンパク質であって、
(i)抗体領域であって、
(a)配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、及び配列番号3に示されるCDR L3を含む軽鎖可変ドメイン、並びに
(b)配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、及び配列番号6に示されるCDR H3の重鎖可変ドメインを含む、抗体領域と、
(ii)膜貫通ドメインと、を含む、組換えタンパク質。
【請求項33】
請求項32に記載の組換えタンパク質をコードする、単離された核酸。
【請求項34】
治療有効量の請求項32に記載の組換えタンパク質と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
【請求項35】
がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法であって、対象に、治療有効量の請求項32に記載の組換えタンパク質を投与し、それによって、前記対象におけるがんを治療することを含む、方法。
【請求項36】
治療有効量のPD-1阻害剤を投与することを更に含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
組換えタンパク質であって、
(i)エフェクター細胞のリガンドに結合することができる第1の抗体領域と、
(ii)第2の抗体領域であって、
(a)配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、及び配列番号3に示されるCDR L3を含む軽鎖可変ドメイン、並びに
(b)配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、及び配列番号6に示されるCDR H3の重鎖可変ドメインを含む、第2の抗体領域と、を含む、組換えタンパク質。
【請求項38】
治療有効量の請求項37に記載の組換えタンパク質と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
【請求項39】
がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法であって、対象に、治療有効量の請求項37に記載の組換えタンパク質を投与し、それによって、前記対象におけるがんを治療することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月21日に出願された米国仮特許出願第63/068,780号の優先権を主張し、その開示は、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
コンパクトディスクで提出された「配列リスト」、表、又はコンピュータプログラムリスト付録の参照
ファイル048440-771001WO_SequenceListing_ST25.txtに記述された配列表は、2021年8月19日に作成され、12,288バイト、マシンフォーマットIBM-PC、MS-Windowsオペレーティングシステムであり、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
連邦政府の助成による研究開発において行われた発明に対する権利に関する陳述
本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)によって付与された助成金(番号CA122976)の下で、政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0004】
CD5は、腫瘍関連B細胞及びT細胞の両方でSTAT3を活性化し、免疫抑制をもたらすことが示されている。T細胞及びB細胞の活性化、並びに抗がん免疫応答の誘発を必要とする患者においてそれを行うための、強力なチェックポイント阻害剤に対するニーズが当該技術分野に存在する。本明細書に提供される組成物及び方法は、当該技術分野におけるこれら及び他のニーズに対処する。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含む抗CD5抗体が提供され、軽鎖可変ドメインが、配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、及び配列番号3に示されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインが、配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、及び配列番号6に示されるCDR H3を含む。
【0006】
一態様では、薬学的組成物が提供され、その実施形態を含む治療有効量の本明細書に提供される抗体及び薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0007】
一態様では、がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法を提供し、本方法は、対象に、組み合わせた有効量の本明細書に提供される抗体(その実施形態を含む)及びPD-1阻害剤を投与し、それによって、対象のがんを治療することを含む。
【0008】
一態様では、組換えタンパク質が提供され、(i)抗体領域であって、(a)配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、及び配列番号3に示されるCDR L3を含む軽鎖可変ドメイン、並びに(b)配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、及び配列番号6に示されるCDR H3の重鎖可変ドメインを含む、抗体領域と、(ii)膜貫通ドメインと、を含む。
【0009】
一態様では、単離された核酸が提供され、本明細書に提供される組換えタンパク質(その実施形態を含む)をコードする。
【0010】
一態様では、薬学的組成物が提供され、治療有効量の、本明細書に提供される組換えタンパク質(その実施形態を含む)と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む。
【0011】
一態様では、がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法を提供し、本方法は、対象に、治療有効量の本明細書に提供される組換えタンパク質(その実施形態を含む)を投与し、それによって、対象のがんを治療することを含む。
【0012】
一態様では、組換えタンパク質が提供され、(i)エフェクター細胞のリガンドに結合することができる第1の抗体領域と、(ii)第2の抗体領域であって、(a)配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、及び配列番号3に示されるCDR L3を含む軽鎖可変ドメイン、並びに(b)配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、及び配列番号6に示されるCDR H3の重鎖可変ドメインを含む、第2の抗体領域と、を含む。
【0013】
一態様では、薬学的組成物が提供され、治療有効量の、本明細書に提供される組換えタンパク質(その実施形態を含む)と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む。
【0014】
態様では、がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法を提供し、本方法は、対象に、治療有効量の本明細書に提供される組換えタンパク質(その実施形態を含む)を投与することを含み、それによって、対象のがんを治療する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】CD5+B細胞が、T細胞抑制によってBl6黒色腫の進行を促進したことを示す例示的なデータを提示する。
図1Aは、CD5-B細胞が養子移植されたT細胞に含まれる場合のRagl-/-マウスにおけるB16腫瘍増殖の阻害を示す腫瘍増殖曲線である。示された結果は、2つの独立した実験(n=6)を代表する。*P<0.05。
図1Bは、照射されたB16腫瘍細胞の存在下でCD5+又はCD5-脾臓B細胞と共培養されたマウスT細胞からのIFN-γ産生を評価するELISAを示す棒グラフである。平均値、SEM(n=3)。**P<0.01。
図1Cは、照射されたB16腫瘍細胞の存在下でCD5+又はCD5-脾臓B細胞と共培養されたマウス樹状細胞からのIL-10及びIL-12産生を検出するELISAを示す棒グラフを示す。データは、平均±SEM(n=3)を表す。**P<0.01。
【
図1B】CD5+B細胞が、T細胞抑制によってBl6黒色腫の進行を促進したことを示す例示的なデータを提示する。
図1Aは、CD5-B細胞が養子移植されたT細胞に含まれる場合のRagl-/-マウスにおけるB16腫瘍増殖の阻害を示す腫瘍増殖曲線である。示された結果は、2つの独立した実験(n=6)を代表する。*P<0.05。
図1Bは、照射されたB16腫瘍細胞の存在下でCD5+又はCD5-脾臓B細胞と共培養されたマウスT細胞からのIFN-γ産生を評価するELISAを示す棒グラフである。平均値、SEM(n=3)。**P<0.01。
図1Cは、照射されたB16腫瘍細胞の存在下でCD5+又はCD5-脾臓B細胞と共培養されたマウス樹状細胞からのIL-10及びIL-12産生を検出するELISAを示す棒グラフを示す。データは、平均±SEM(n=3)を表す。**P<0.01。
【
図1C】CD5+B細胞が、T細胞抑制によってBl6黒色腫の進行を促進したことを示す例示的なデータを提示する。
図1Aは、CD5-B細胞が養子移植されたT細胞に含まれる場合のRagl-/-マウスにおけるB16腫瘍増殖の阻害を示す腫瘍増殖曲線である。示された結果は、2つの独立した実験(n=6)を代表する。*P<0.05。
図1Bは、照射されたB16腫瘍細胞の存在下でCD5+又はCD5-脾臓B細胞と共培養されたマウスT細胞からのIFN-γ産生を評価するELISAを示す棒グラフである。平均値、SEM(n=3)。**P<0.01。
図1Cは、照射されたB16腫瘍細胞の存在下でCD5+又はCD5-脾臓B細胞と共培養されたマウス樹状細胞からのIL-10及びIL-12産生を検出するELISAを示す棒グラフを示す。データは、平均±SEM(n=3)を表す。**P<0.01。
【
図2A】CD5及びPD1発現が、腫瘍CD8
+TEFF細胞の阻害を媒介し、CD5遮断抗体が、IFNγ発現を増強し、PDL1遮断を劇的に増加させ、CD8
+T細胞の効果機能を誘導したことを示す例示的なデータを提示する。
図2Aは、蛍光支援細胞選別(FACS)プロットであり、PyMTマウスにおける腫瘍から調製された単一細胞懸濁液を、CD8
+T細胞でのCD5、PD1の発現、並びにCD8
+T細胞の異なるサブクラスにおけるグランザイムBの産生をフローサイトメトリーによって分析したことを示す。
図2Bは、CD8+T細胞におけるグランザイムB+細胞の頻度を示すフローサイトメトリー分析の統計結果を示す棒グラフである。
図2Cは、C57BU6マウスのCD8
+T細胞を、刺激しないか(UT)、あるいはコーティングされた抗CD3抗体及び可溶性抗CD8抗体、T細胞共刺激因子、及びIL2(Tcc)、又はTcc及びCD5遮断抗体若しくはIgG対照(Tcc+CD5Ab、Tcc+IgG2a)と48時間インキュベートしたことを示す棒グラフである。ELISAによって、CD8
+T細胞培養培地からの上清におけるIFNyの産生を決定した。データは、平均±SEM(n=3)として示されている。データは、平均±SEM(n=4)として示されている。
図2Dは、脾臓からのマウスCD8
+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたCD8
+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下、照射された腫瘍細胞と48時間共培養したことを示す棒グラフである。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるIFN-γの産生を決定した。
図2Eは、脾臓からのマウスCD8
+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたCD8
+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下、照射された腫瘍細胞と48時間共培養したことを示す棒グラフである。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるグランザイムの産生を決定した。
【
図2B】CD5及びPD1発現が、腫瘍CD8
+TEFF細胞の阻害を媒介し、CD5遮断抗体が、IFNγ発現を増強し、PDL1遮断を劇的に増加させ、CD8
+T細胞の効果機能を誘導したことを示す例示的なデータを提示する。
図2Aは、蛍光支援細胞選別(FACS)プロットであり、PyMTマウスにおける腫瘍から調製された単一細胞懸濁液を、CD8
+T細胞でのCD5、PD1の発現、並びにCD8
+T細胞の異なるサブクラスにおけるグランザイムBの産生をフローサイトメトリーによって分析したことを示す。
図2Bは、CD8+T細胞におけるグランザイムB+細胞の頻度を示すフローサイトメトリー分析の統計結果を示す棒グラフである。
図2Cは、C57BU6マウスのCD8
+T細胞を、刺激しないか(UT)、あるいはコーティングされた抗CD3抗体及び可溶性抗CD8抗体、T細胞共刺激因子、及びIL2(Tcc)、又はTcc及びCD5遮断抗体若しくはIgG対照(Tcc+CD5Ab、Tcc+IgG2a)と48時間インキュベートしたことを示す棒グラフである。ELISAによって、CD8
+T細胞培養培地からの上清におけるIFNyの産生を決定した。データは、平均±SEM(n=3)として示されている。データは、平均±SEM(n=4)として示されている。
図2Dは、脾臓からのマウスCD8
+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたCD8
+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下、照射された腫瘍細胞と48時間共培養したことを示す棒グラフである。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるIFN-γの産生を決定した。
図2Eは、脾臓からのマウスCD8
+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたCD8
+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下、照射された腫瘍細胞と48時間共培養したことを示す棒グラフである。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるグランザイムの産生を決定した。
【
図2C】CD5及びPD1発現が、腫瘍CD8
+TEFF細胞の阻害を媒介し、CD5遮断抗体が、IFNγ発現を増強し、PDL1遮断を劇的に増加させ、CD8
+T細胞の効果機能を誘導したことを示す例示的なデータを提示する。
図2Aは、蛍光支援細胞選別(FACS)プロットであり、PyMTマウスにおける腫瘍から調製された単一細胞懸濁液を、CD8
+T細胞でのCD5、PD1の発現、並びにCD8
+T細胞の異なるサブクラスにおけるグランザイムBの産生をフローサイトメトリーによって分析したことを示す。
図2Bは、CD8+T細胞におけるグランザイムB+細胞の頻度を示すフローサイトメトリー分析の統計結果を示す棒グラフである。
図2Cは、C57BU6マウスのCD8
+T細胞を、刺激しないか(UT)、あるいはコーティングされた抗CD3抗体及び可溶性抗CD8抗体、T細胞共刺激因子、及びIL2(Tcc)、又はTcc及びCD5遮断抗体若しくはIgG対照(Tcc+CD5Ab、Tcc+IgG2a)と48時間インキュベートしたことを示す棒グラフである。ELISAによって、CD8
+T細胞培養培地からの上清におけるIFNyの産生を決定した。データは、平均±SEM(n=3)として示されている。データは、平均±SEM(n=4)として示されている。
図2Dは、脾臓からのマウスCD8
+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたCD8
+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下、照射された腫瘍細胞と48時間共培養したことを示す棒グラフである。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるIFN-γの産生を決定した。
図2Eは、脾臓からのマウスCD8
+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたCD8
+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下、照射された腫瘍細胞と48時間共培養したことを示す棒グラフである。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるグランザイムの産生を決定した。
【
図2D】CD5及びPD1発現が、腫瘍CD8
+TEFF細胞の阻害を媒介し、CD5遮断抗体が、IFNγ発現を増強し、PDL1遮断を劇的に増加させ、CD8
+T細胞の効果機能を誘導したことを示す例示的なデータを提示する。
図2Aは、蛍光支援細胞選別(FACS)プロットであり、PyMTマウスにおける腫瘍から調製された単一細胞懸濁液を、CD8
+T細胞でのCD5、PD1の発現、並びにCD8
+T細胞の異なるサブクラスにおけるグランザイムBの産生をフローサイトメトリーによって分析したことを示す。
図2Bは、CD8+T細胞におけるグランザイムB+細胞の頻度を示すフローサイトメトリー分析の統計結果を示す棒グラフである。
図2Cは、C57BU6マウスのCD8
+T細胞を、刺激しないか(UT)、あるいはコーティングされた抗CD3抗体及び可溶性抗CD8抗体、T細胞共刺激因子、及びIL2(Tcc)、又はTcc及びCD5遮断抗体若しくはIgG対照(Tcc+CD5Ab、Tcc+IgG2a)と48時間インキュベートしたことを示す棒グラフである。ELISAによって、CD8
+T細胞培養培地からの上清におけるIFNyの産生を決定した。データは、平均±SEM(n=3)として示されている。データは、平均±SEM(n=4)として示されている。
図2Dは、脾臓からのマウスCD8
+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたCD8
+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下、照射された腫瘍細胞と48時間共培養したことを示す棒グラフである。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるIFN-γの産生を決定した。
図2Eは、脾臓からのマウスCD8
+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたCD8
+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下、照射された腫瘍細胞と48時間共培養したことを示す棒グラフである。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるグランザイムの産生を決定した。
【
図2E】CD5及びPD1発現が、腫瘍CD8
+TEFF細胞の阻害を媒介し、CD5遮断抗体が、IFNγ発現を増強し、PDL1遮断を劇的に増加させ、CD8
+T細胞の効果機能を誘導したことを示す例示的なデータを提示する。
図2Aは、蛍光支援細胞選別(FACS)プロットであり、PyMTマウスにおける腫瘍から調製された単一細胞懸濁液を、CD8
+T細胞でのCD5、PD1の発現、並びにCD8
+T細胞の異なるサブクラスにおけるグランザイムBの産生をフローサイトメトリーによって分析したことを示す。
図2Bは、CD8+T細胞におけるグランザイムB+細胞の頻度を示すフローサイトメトリー分析の統計結果を示す棒グラフである。
図2Cは、C57BU6マウスのCD8
+T細胞を、刺激しないか(UT)、あるいはコーティングされた抗CD3抗体及び可溶性抗CD8抗体、T細胞共刺激因子、及びIL2(Tcc)、又はTcc及びCD5遮断抗体若しくはIgG対照(Tcc+CD5Ab、Tcc+IgG2a)と48時間インキュベートしたことを示す棒グラフである。ELISAによって、CD8
+T細胞培養培地からの上清におけるIFNyの産生を決定した。データは、平均±SEM(n=3)として示されている。データは、平均±SEM(n=4)として示されている。
図2Dは、脾臓からのマウスCD8
+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたCD8
+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下、照射された腫瘍細胞と48時間共培養したことを示す棒グラフである。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるIFN-γの産生を決定した。
図2Eは、脾臓からのマウスCD8
+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたCD8
+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下、照射された腫瘍細胞と48時間共培養したことを示す棒グラフである。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるグランザイムの産生を決定した。
【
図3A】9F2A11の結合特性を示す例示的なデータを示す。
図3Aは、ヒトT細胞上のCD5に結合する9F2A11又はUCHT2(例えば、Biolegendを通して市販されている)のフローサイトメトリー解析を示す蛍光支援細胞選別プロットである。
図3Bは、結合した9F2A11を、0.5ug/ウェルの組換えヒトCD5で事前にコーティングされた96ウェルプレート上で、HRPコンジュゲート抗ヒトFab抗体を使用して、発色基質(OD450)を添加して検出したことを示すグラフである。各データポイントは、2つの反復の平均である。データは、3つの独立した実験を表している。
【
図3B】9F2A11の結合特性を示す例示的なデータを示す。
図3Aは、ヒトT細胞上のCD5に結合する9F2A11又はUCHT2(例えば、Biolegendを通して市販されている)のフローサイトメトリー解析を示す蛍光支援細胞選別プロットである。
図3Bは、結合した9F2A11を、0.5ug/ウェルの組換えヒトCD5で事前にコーティングされた96ウェルプレート上で、HRPコンジュゲート抗ヒトFab抗体を使用して、発色基質(OD450)を添加して検出したことを示すグラフである。各データポイントは、2つの反復の平均である。データは、3つの独立した実験を表している。
【
図4A】9F2A11抗体の軽鎖及び重鎖の可変遺伝子領域の核酸及びアミノ酸配列を示す。
図4Aは、上に9F2A11の軽鎖可変(VL)核酸配列(配列番号31)、及び下に9F2A11の軽鎖可変(VL)アミノ酸配列(配列番号15)を示す。
図4Bは、上に9F2A11の重鎖可変(VH)核酸配列(配列番号32)、及び下に9F2A11の重鎖可変(VH)アミノ酸配列(配列番号16)を示す。
【
図4B】9F2A11抗体の軽鎖及び重鎖の可変遺伝子領域の核酸及びアミノ酸配列を示す。
図4Aは、上に9F2A11の軽鎖可変(VL)核酸配列(配列番号31)、及び下に9F2A11の軽鎖可変(VL)アミノ酸配列(配列番号15)を示す。
図4Bは、上に9F2A11の重鎖可変(VH)核酸配列(配列番号32)、及び下に9F2A11の重鎖可変(VH)アミノ酸配列(配列番号16)を示す。
【
図5】アイソタイプ対照、αPDl、UCHT2(例えば、Biolegendを通して市販されている)、及びL17F12(αCD5、例えば、Biolegendを通して市販されている)に対して、CD5遮断抗体(9F2A11)がIL-2の分泌を増加させることを示す棒グラフである。2×10
5個のヒトPBMCを、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下で、72時間培養した。ELISAによって、培養培地からの上清におけるIL-2の産生を決定した。
【
図6A】CD5遮断抗体(9F2A11)は、ヒトCD8+T細胞によるIFNγ及びGZMBの産生を増加させる。(A-B)ヒトPBMC由来のヒトCD8+T細胞を、抗CD8抗体による陽性選択によって単離した。ヒトCD8+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたヒトCD8+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下で48時間、腫瘍細胞(BxPC3)と共培養した。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるIFN-
γ(A)及びグランザイムB(B)の産生を決定した。
【
図6B】CD5遮断抗体(9F2A11)は、ヒトCD8+T細胞によるIFNγ及びGZMBの産生を増加させる。(A-B)ヒトPBMC由来のヒトCD8+T細胞を、抗CD8抗体による陽性選択によって単離した。ヒトCD8+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたヒトCD8+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下で48時間、腫瘍細胞(BxPC3)と共培養した。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるIFN-
γ(A)及びグランザイムB(B)の産生を決定した。
【
図7A】CD5遮断抗体(9F2A11)は、ヒトCD8+T細胞によるIFNγ及びGZMBの産生を増加させる。(A-B)ヒトPBMC由来のヒトCD8+T細胞を、抗CD8抗体による陽性選択によって単離した。ヒトCD8+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたヒトCD8+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下で48時間共培養した。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるIFN-
γ(A)及びグランザイムB(B)の産生を決定した。ヒストグラムのパネルは、左から右へ、ドナーA、ドナーB、ドナーC、及びドナーDに対応している。
【
図7B】CD5遮断抗体(9F2A11)は、ヒトCD8+T細胞によるIFNγ及びGZMBの産生を増加させる。(A-B)ヒトPBMC由来のヒトCD8+T細胞を、抗CD8抗体による陽性選択によって単離した。ヒトCD8+T細胞を抗CD3/CD28によって2日間活性化し、活性化されたヒトCD8+T細胞を、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下で48時間共培養した。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるIFN-
γ(A)及びグランザイムB(B)の産生を決定した。ヒストグラムのパネルは、左から右へ、ドナーA、ドナーB、ドナーC、及びドナーDに対応している。
【
図8】CD5遮断抗体(9F2A11)は、ヒトCD4+T細胞によるIFN
γの産生を増強する。精製したヒトCD4+T細胞を、9F2A11抗体又はアイソタイプ対照抗体の存在下で、同種単球由来DCと3日間共培養した。ELISAによって、共培養培地からの上清におけるIFN
γの産生を決定した。ヒストグラムのパネルは、左から右へ、ドナーA、ドナーB、及びドナーCに対応している。
【
図9】CD5遮断抗体(9F2A11)は、ヒトPBMCによるIFNγ分泌を増加させる。2×10
5個のヒトPBMCを、指定されたアイソタイプ対照又は抗体の存在下で、72時間培養した。ELISAによって、培養培地からの上清におけるIFNγの産生を決定した。ヒストグラムのパネルは、左から右へ、ドナーA、ドナーB、及びドナーCに対応している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の様々な実施形態及び態様が示され、記載されるが、そのような実施形態及び態様が単なる例として提供されることは、当業者には明らかであろう。ここで、当業者は、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、及び置換を想起するであろう。本明細書に記載の本発明の実施形態の様々な代替物が、本発明を実施する際に用いられ得ることが理解されるべきである。
【0017】
本明細書で使用されている項目の見出しは、組織化の目的のためであり、記載されている主題を限定するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、記事、書籍、マニュアル、及び論文を含むがこれらに限定されない、本出願で引用された全ての文書又は文書の部分は、あらゆる目的のために、参照によりそれらの全体が明示的に組み込まれる。
【0018】
定義
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、Singleton et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY 2nd ed.,J.Wiley & Sons(New York,NY 1994)、Sambrook et al.,MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL Cold Springs Harbor Press(Cold Springs Harbor,NY 1989)を参照されたい。本明細書に記載のものと同様又は同等の任意の方法、デバイス、及び材料を、本発明の実施において使用することができる。以下の定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されており、本開示の範囲を限定するものではない。
【0019】
「核酸」とは、一本鎖若しくは二本鎖のいずれかの形態のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド及びそのポリマー、並びにそれらの相補体を指す。「ポリヌクレオチド」という用語は、ヌクレオチドの直鎖配列を指す。「ヌクレオチド」という用語は、典型的には、ポリヌクレオチドの単一の単位(すなわち、モノマー)を指す。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、又はそれらの修飾バージョンであり得る。本明細書で企図されるポリヌクレオチドの例としては、一本鎖及び二本鎖DNA、一本鎖及び二本鎖RNA(siRNAを含む)、並びに一本鎖及び二本鎖のDNAとRNAとの混合物を有するハイブリッド分子が挙げられる。本明細書で使用される核酸はまた、天然に存在する核酸と同じ基本的な化学構造を有する核酸を指す。かかる類似体は、修飾糖及び/又は修飾環置換基を有するが、天然に存在する核酸と同じ基本的な化学構造を保持する。核酸模倣体は、核酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在する核酸と同様の様式で機能する化合物を指す。かかる類似体の例は、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、メチルホスホネート、キラルメチルホスホネート、2-O-メチルリボヌクレオチド、及びペプチド核酸(PNA)を含むが、これらに限定されない。
【0020】
「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸及び合成アミノ酸、並びに天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣体を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝子コードによってコードされるもの、並びに後で修飾されるアミノ酸(例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、及びO-ホスホセリンである。アミノ酸類似体とは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造を有する化合物、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、及びR基に結合する炭素、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを指す。かかる類似体は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)又は修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造を保持する。アミノ酸模倣体は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能する化合物を指す。
【0021】
アミノ酸は、それらの一般的に知られている3文字記号又はIUPAC-IUB生化学命名法委員会によって推奨される1文字記号のいずれかによって本明細書で参照され得る。同様に、ヌクレオチドは、それらの一般に受け入れられている1文字コードによって参照され得る。
【0022】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、本明細書では、アミノ酸残基のポリマーを指すように互換的に使用される。本用語は、1つ以上のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の人工化学模倣体であるアミノ酸ポリマー、並びに天然に存在するアミノ酸ポリマー及び天然に存在しないアミノ酸ポリマーに適用される。
【0023】
アミノ酸又はヌクレオチド塩基の「位置」は、参照配列における各アミノ酸(又はヌクレオチド塩基)を、N末端(又は5’末端)に対するその位置に基づいて連続的に特定する数で示される。最適な整列を決定する際に考慮され得る欠失、挿入、切断、融合などのために、一般に、N末端から単にカウントすることによって決定される試験配列のアミノ酸残基数は、必ずしも参照配列におけるその対応する位置の数と同じではないであろう。例えば、バリアントが整列された参照配列に対して欠失を有する場合、欠失部位における参照配列の位置に対応するアミノ酸がバリアント内に存在しないであろう。整列された参照配列に挿入がある場合、その挿入は、参照配列の番号付けされたアミノ酸位置に対応しないであろう。切断又は融合の場合、対応する配列の任意のアミノ酸に対応しない、参照配列又は整列配列のいずれかに一連のアミノ酸が存在し得る。
【0024】
所与のアミノ酸又はポリヌクレオチド配列の番号付けの文脈で使用される場合、「を参照して番号付けされた」又は「に対応する」という用語は、所与のアミノ酸又はポリヌクレオチド配列を参照配列と比較するときの、特定の参照配列の残基の番号付けを指す。タンパク質におけるアミノ酸残基は、所与の残基と同じタンパク質内の本質的な構造的位置を占める場合、所与の残基に「対応する」。例えば、選択された抗体(又はFabドメイン)の選択された残基は、選択された残基が、Kabat位置40の軽鎖スレオニンと同じ本質的な空間的関係又は他の構造的関係を占める場合、Kabat位置40の軽鎖スレオニンに対応する。いくつかの実施形態では、選択されたタンパク質は、抗体の軽鎖(又はFabドメイン)との相同性が最大になるように整列されるが、スレオニン40と整列する整列された選択されたタンパク質の位置は、スレオニン40に対応すると言われる。一次配列整列の代わりに、三次元構造整列も使用され得、例えば、選択されたタンパク質の構造が、Kabat位置40での軽鎖スレオニンとの対応が最大になるように整列され、全体的な構造が比較される。この場合、構造モデルのスレオニン40と同じ必須位置を占めるアミノ酸は、スレオニン40残基に対応すると言われる。
【0025】
「保存的に修飾されたバリアント」は、アミノ酸配列及び核酸配列の両方に適用される。特定の核酸配列に関して、「保存的に修飾されたバリアント」とは、同一又は本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸を指す。遺伝子コードの縮重のために、いくつかの核酸配列は、任意の所与のタンパク質をコードするであろう。例えば、コドンGCA、GCC、GCG、及びGCUは全て、アミノ酸のアラニンをコードする。したがって、アラニンがコドンによって特定される全ての位置で、コドンは、コードされたポリペプチドを変更することなく、記載の対応するコドンのうちのいずれかに変更され得る。かかる核酸のバリエーションは、「サイレントバリエーション」であり、これは、保存的に修飾されたバリエーションの一種である。ポリペプチドをコードする本明細書の全ての核酸配列はまた、核酸の全ての可能なサイレントバリエーションも記載する。当業者は、核酸の各コドン(通常、通常メチオニンの唯一のコドンであるAUG、及び通常トリプトファンの唯一のコドンであるTGGを除く)を修飾して、機能的に同一の分子を得ることができることを認識するであろう。したがって、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレントバリエーションは、記載された各配列に潜在する。
【0026】
アミノ酸配列に関して、当業者は、コードされた配列中の単一のアミノ酸若しくはわずかな割合のアミノ酸を変更、付加、又は欠失する(ここで、変更が、化学的に類似したアミノ酸へのアミノ酸の置換をもたらす)、核酸、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質配列への個々の置換、欠失、又は付加が、「保存的に修飾されたバリアント」であることを認識するであろう。機能的に類似したアミノ酸を提供する保存的置換表は、当該技術分野で周知である。かかる保存的に修飾されたバリアントは、本発明の多型バリアント、種間ホモログ、及びアレルに加えられ、それらを除外しない。
【0027】
以下の8つの群は各々、互いに保存的置換であるアミノ酸を含む:
1)アラニン(A)、グリシン(G);
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4)アルギニン(R)、リジン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);
7)セリン(S)、スレオニン(T);及び
8)システイン(C)、メチオニン(M)
(例えば、Creighton,Proteins(1984)を参照されたい)。
【0028】
2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈における「同一の」又はパーセント「同一性」という用語は、比較ウィンドウにわたる対応、又は以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して測定されるか若しくは手動での整列及び目視検査によって測定される指定された領域にわたる対応が最大になるように比較及び整列された場合、同じであるか又は特定の割合のアミノ酸残基若しくはヌクレオチドを有する、2つ以上の配列又は部分配列(すなわち、指定された領域、例えば、本発明のポリペプチド配列全体若しくは本発明のポリペプチドの個々のドメインの60%同一性、任意選択的に、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、若しくは99%の同一性)を指す。かかる配列は、次いで、「実質的に同一である」と言われる。この定義はまた、試験配列の相補体を指す。任意選択的に、同一性は、少なくとも約50ヌクレオチド長の領域にわたって、又はより好ましくは、100~500若しくは1000以上のヌクレオチド長の領域にわたって存在する。
【0029】
「配列同一性の割合」は、比較ウィンドウにわたって最適に整列された2つの配列を比較することによって決定され、比較ウィンドウ内のポリヌクレオチド又はポリペプチド配列の一部分は、2つの配列を最適に整列するための(付加又は欠失を含まない)参照配列と比較して、付加又は欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。パーセンテージは、両方の配列において同一の核酸塩基又はアミノ酸残基が生じる位置の数を決定して、一致した位置の数を得、一致した位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で割り、その結果に100を乗じて配列同一性のパーセンテージを得ることによって計算される。
【0030】
配列比較の場合、典型的には、1つの配列が参照配列として機能し、試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列及び参照配列をコンピュータに入力し、必要に応じてサブ配列座標を指定し、配列アルゴリズムのプログラムパラメータを指定する。既定のプログラムパラメータを使用することも、代替パラメータを指定することもできる。次いで、配列比較アルゴリズムは、プログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列のパーセント配列同一性を計算する。
【0031】
「比較ウィンドウ」は、本明細書で使用される場合、例えば、完全長配列、又は20~600、約50~約200、若しくは約100~約150のアミノ酸又はヌクレオチドからなる群から選択される連続した位置の数のうちのいずれか1つのセグメントを指すことを含み、その中で、2つの配列が最適に整列された後、配列が、同じ数の連続した位置の参照配列と比較され得る。比較のために配列を整列する方法は、当該技術分野で周知である。比較のための配列の最適な整列は、例えば、Smith and Waterman(1970)Adv.Appl.Math.2:482cの局所相同性アルゴリズムによって、Needleman and Wunsch(1970)J.Mol.Biol.48:443の相同性整列アルゴリズムによって,Pearson and Lipman(1988)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444の類似性検索法によって、これらのアルゴリズムのコンピュータ実装によって(Wisconsin Geneticsソフトウェアパッケージ(Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WI)におけるGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)、又は手動整列及び目視検査によって(例えば、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology(1995 supplement))を参照)行うことができる。
【0032】
パーセント配列同一性及び配列類似性を決定するのに好適なアルゴリズムの例は、BLAST及びBLAST2.0アルゴリズムであり、それぞれ、Altschul et al.(1977)Nuc.Acids Res.25:3389-3402及びAltschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-410に記載されている。BLAST分析を実行するためのソフトウェアは、国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通して公開されている。このアルゴリズムは、最初に、データベース配列内の同じ長さのワードと整列させたときに、いくつかの正の値の閾値スコアTに一致するか又はそれを満たす長さWの短いワードを識別することによって、ハイスコア配列ペア(HSP)を特定することを含む。Tは、隣接ワードスコア閾値(Altschul et al.上記)と称される。これらの最初の隣接ワードヒットは、それらを含むより長いHSPを見つけるための検索を開始するためのシード(seed)として機能する。ワードヒットは、累積整列スコアを増加させることができる限り、各配列に沿って両方向に拡張される。累積スコアは、ヌクレオチド配列の場合、パラメータM(一致する残基の対に対する報酬スコア;常に>0)及びパラメータN(一致しない残基に対するペナルティスコア;常に<0)を使用して計算される。アミノ酸配列の場合、スコアリングマトリックスを使用して、累積スコアが計算される。各方向のワードヒットの拡張は、累積整列スコアがその最大達成値から量Xだけ減少するか、1つ以上の負スコア残基整列の蓄積により累積スコアがゼロ以下になるか、又はいずれかの配列が終わりに達した場合に停止する。BLASTアルゴリズムのパラメータW、T、及びXは、整列の感度及び速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、デフォルトとして、ワード長(W)が11、期待値(E)又は10、M=5、N=-4、並びに両方の鎖の比較を使用する。アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、ワード長が3、期待値(E)が10、及びBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff and Henikoff(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915を参照)整列(B)が50、期待値(E)が10、M=5、N=-4、及び両方の鎖の比較を使用する。
【0033】
BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計分析を実行する(例えば、Karlin and Altschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-5787を参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は、最小和確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列間の一致が偶然に生じるであろう確率の指標を提供する。例えば、試験核酸と参照核酸との比較における最小和確率が、約0.2未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、核酸が、参照配列と類似しているとみなされる。
【0034】
2つの核酸配列又はポリペプチドが実質的に同一である指標は、以下に記載されるように、第1の核酸によってコードされるポリペプチドが、第2の核酸によってコードされるポリペプチドに対して産生された抗体と、免疫学的に交差反応性であることである。したがって、ポリペプチドは、典型的には、例えば、2つのペプチドが保存的置換によってのみ異なっている場合、第2のポリペプチドと実質的に同一である。2つの核酸配列が実質的に同一である別の指標は、以下に記載されるように、2つの分子又はそれらの相補体が厳しい条件下で互いにハイブリダイズすることである。更に、2つの核酸配列が実質的に同一であることを示す別の指標は、同じプライマーを使用して配列を増幅することができることである。
【0035】
抗体は、複雑な内部構造を有する大きな複雑な分子(分子量が約150,000又は約1320個のアミノ酸)である。天然の抗体分子は、2つの同一の対のポリペプチド鎖を含み、各対が、1つの軽鎖と、1つの重鎖と、を有する。各軽鎖及び重鎖は、次に、標的抗原の結合に関与する可変(「V」)領域と、免疫系の他の構成要素と相互作用する定常(「C」)領域との2つの領域からなる。軽鎖可変領域及び重鎖可変領域(本明細書ではそれぞれ、軽鎖可変(VL)ドメイン及び重鎖可変(VH)ドメインとも称される)は、三次元空間で一緒になって、抗原(例えば、細胞の表面上の受容体)に結合する可変領域を形成する。軽鎖又は重鎖の各可変領域内には、相補性決定領域(「CDR」)と呼ばれる3つの短いセグメント(長さが平均10アミノ酸)が存在する。抗体可変ドメインにおける6つのCDR(軽鎖から3つ、重鎖から3つ)は、三次元空間内で一緒に折り畳まれて、標的抗原にドッキングする実際の抗体結合部位を形成する。CDRの位置及び長さは、Kabat,E.et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Department of Health and Human Services,1983,1987によって正確に定義されている。CDRに含まれていない可変領域の一部は、フレームワーク(「FR」)と呼ばれ、CDRの環境を形成する。
【0036】
本明細書に提供される「抗体バリアント」は、抗原に結合することができ、抗体又はその断片の1つ以上の構造ドメイン(例えば、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン)を含むことができるポリペプチドを指す。抗体バリアントの非限定的な例としては、単一ドメイン抗体若しくはナノボディ、単一特異性Fab2、二重特異性Fab2、三重特異性Fab3、一価IgG、scFv、二重特異性抗体、二重特異性ダイアボディ、三重特異性トリアボディ、scFv-Fc、ミニボディ、IgNAR、V-NAR、hcIgG、VhH、又はペプチボディが挙げられる。本明細書に提供される「ペプチボディ」は、抗体のFcドメインに(共有結合リンカー又は非共有結合リンカーを介して)結合されたペプチド部分を指す。当該技術分野で既知の抗体バリアントの更なる非限定的な例としては、軟骨魚又はラクダ科によって産生される抗体が挙げられる。ラクダ科由来の抗体及びその可変領域、並びにそれらの産生、単離、及び使用のための方法の一般的な説明は、参考文献WO97/49805及びWO97/49805に見出すことができる(これらは、全ての目的のために、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)。同様に、軟骨魚由来の抗体及びその可変領域、並びにそれらの産生、単離、及び使用のための方法は、WO2005/118629に見出すことができる(これは、全ての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0037】
本明細書に提供される「CDR L1」、「CDR L2」、及び「CDR L3」という用語は、抗体の可変軽(L)鎖の相補性決定領域(CDR)1、2、及び3を指す。実施形態では、本明細書に提供される可変軽鎖は、N末端からC末端方向に、CDR L1、CDR L2、及びCDR L3を含む。同様に、本明細書に提供される「CDR H1」、「CDR H2」、及び「CDR H3」という用語は、抗体の可変重(H)鎖の相補性決定領域(CDR)1、2、及び3を指す。実施形態では、本明細書に提供される可変重鎖は、N末端からC末端方向に、CDR H1、CDR H2、及びCDR H3を含む。
【0038】
本明細書に提供される「FR L1」、「FR L2」、「FR L3」、及び「FR L4」という用語は、当該技術分野におけるそれらの一般的な意味に従って使用され、抗体の可変軽(L)鎖のフレームワーク領域(FR)1、2、3、及び4を指す。実施形態では、本明細書に提供される可変軽鎖は、N末端からC末端方向に、FR L1、FR L2、FR L3、及びFR L4を含む。同様に、本明細書に提供される「FR H1」、「FR H2」、「FR H3」、及び「FR H4」という用語は、当該技術分野におけるそれらの一般的な意味に従って使用され、抗体の可変重(H)鎖のフレームワーク領域(FR)1、2、3、及び4を指す。実施形態では、本明細書に提供される可変重鎖は、N末端からC末端方向に、FR H1、FR H2、FR H3、及びFR H4を含む。
【0039】
例示的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、四量体を含む。各四量体は、2つの同一の対のポリペプチド鎖から構成され、各対は、1つの「軽」鎖(約25kD)と、1つの「重」鎖(約50~70kD)と、を有する。各鎖のN末端は、主に抗原認識に関与する約100~110以上のアミノ酸の可変領域を画定する。「可変軽鎖(VL)」、「可変軽鎖(VL)ドメイン、又は軽鎖可変領域」、及び「可変重鎖(VH)」、「可変重鎖(VH)ドメイン」又は「重鎖可変領域」という用語は、それぞれ、これらの軽鎖領域及び重鎖領域を指す。本明細書で言及される可変軽鎖(VL)、可変軽鎖(VL)ドメイン、及び軽鎖可変領域は、互換的に使用され得る。本明細書で言及される可変重鎖(VH)、可変重鎖(VH)ドメイン、及び重鎖可変領域は、互換的に使用され得る。Fc(すなわち、断片結晶化可能領域)は、免疫グロブリンの「基部」又は「尾部」であり、典型的には、2つの重鎖で構成され、抗体のクラスに応じて2つ又は3つの定常ドメインに寄与する。Fc領域は、特定のタンパク質に結合することによって、各抗体が所与の抗原に対して適切な免疫応答を生成することを保証する。Fc領域はまた、Fc受容体などの様々な細胞受容体、及び補体タンパク質などの他の免疫分子に結合する。
【0040】
「抗体」という用語は、当該技術分野で一般的に知られている意味に従って使用される。抗体は、例えば、インタクトな免疫グロブリンとして、又は様々なペプチダーゼによる消化によって生成されるいくつかの十分に特徴付けられた断片として存在する。したがって、例えば、ペプシンは、抗体を、ヒンジ領域内のジスルフィド結合の下部で分解して、F(ab)’2を生成し、これは、それ自体がジスルフィド結合によってVH-CH1に結合された軽鎖であるFabの二量体である。F(ab)’2は、穏やかな条件下で還元されてヒンジ領域内のジスルフィド結合を破壊し、それによって、F(ab)’2二量体をFab’モノマーに変換することができる。Fab’モノマーは、ヒンジ領域の一部を有するFabである(Fundamental Immunology(Paul ed.,3d ed.1993)を参照されたい)。様々な抗体断片は、インタクトな抗体の消化に関して定義されるが、当業者は、そのような断片が、化学的に、又は組換えDNA方法論を使用することによって、デノボ合成され得ることを理解するであろう。したがって、本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、抗体全体の修飾によって産生される抗体、又は組換えDNA方法論(例えば、一本鎖Fv)を使用してデノボ合成される抗体、又はファージディスプレイライブラリーを使用して同定される抗体のいずれかの抗体断片も含む(例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552-554(1990)を参照されたい)。本明細書で言及される「抗体」という用語は、単一ドメイン抗体などの抗体バリアントを更に含む。したがって、実施形態では、抗体は、単一の単量体可変抗体ドメインを含む。したがって、実施形態では、抗体は、可変軽鎖(VL)ドメイン又は可変重鎖(VH)ドメインを含む。実施形態では、抗体は、可変軽鎖(VL)ドメイン又は可変重鎖(VH)ドメインである。知られている免疫グロブリン遺伝子には、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロン、及びミューの定常領域遺伝子、並びに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。軽鎖は、カッパ又はラムダのいずれかに分類される。重鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、又はイプシロンに分類され、これは、次に、それぞれ、免疫グロブリンクラスIgG、IgM、IgA、IgD、及びIgEを定義する。
【0041】
モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の調製には、当該技術分野で既知の任意の技術を使用することができる(例えば、Kohler & Milstein,Nature 256:495-497(1975)、Kozbor et al.,Immunology Today 4:72(1983)、Cole et al.,pp.77-96 in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy(1985)を参照されたい)。「モノクローナル」抗体(mAb)とは、単一のクローンに由来する抗体を指す。一本鎖抗体の生成のための技術(米国特許第4,946,778号)は、本発明のポリペプチドに対する抗体を産生するために適合され得る。また、トランスジェニックマウス、又は他の哺乳類などの他の生物を使用して、ヒト化抗体を発現することができる。代替的に、ファージディスプレイ技術を使用して、選択された抗原に特異的に結合する抗体及びヘテロマーFab断片を同定することができる(例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552-554(1990)、Marks et al.,Biotechnology 10:779-783(1992)を参照されたい)。
【0042】
mAbのエピトープは、mAbが結合するその抗原の領域である。各々が他方の抗原への結合を競合的に阻害する(ブロックする)場合、2つの抗体は、同じ又は重複するエピトープに結合する。すなわち、競合結合アッセイで測定した場合、1×、5×、10×、20×、又は100×過剰の一方の抗体が、他方の抗体の結合を少なくとも30%、好ましくは50%、75%、90%、又は更には99%阻害する(例えば、Junghans et al.,Cancer Res.50:1495,1990を参照されたい)。代替的に、一方の抗体の結合を低減又は排除する抗原における本質的に全てのアミノ酸変異が他方の抗体の結合を低減又は排除する場合、2つの抗体は同じエピトープを有する。一方の抗体の結合を低減又は排除するいくつかのアミノ酸変異が他方の抗体の結合を低減又は排除する場合、2つの抗体は重複するエピトープを有する。
【0043】
一本鎖可変断片(scFv)は、典型的には、10~約25個のアミノ酸の短いリンカーペプチドと結合した、免疫グロブリンの重鎖(VH)及び軽鎖(VL)の可変領域の融合タンパク質である。リンカーは、通常、柔軟性のためのグリシン、並びに溶解性のためのセリン又はスレオニンが豊富であり得る。リンカーは、VHのN末端をVLのC末端に連結するか、又はその逆のいずれかであり得る。
【0044】
本発明の好適な抗体の調製のために、及び本発明による使用のために(例えば、組換え抗体、モノクローナル抗体、又はポリクローナル抗体)、当該技術分野で既知の多くの技術を使用することができる(例えば、Kohler & Milstein,Nature 256:495-497(1975)、Kozbor et al.,Immunology Today 4:72(1983)、Cole et al.,pp.77-96 in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.(1985)、Coligan,Current Protocols in Immunology(1991)、Harlow & Lane,Antibodies,A Laboratory Manual(1988)、及びGoding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice(2d ed.1986)を参照されたい)。目的の抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子は、細胞からクローニングすることができ、例えば、モノクローナル抗体をコードする遺伝子は、ハイブリドーマからクローニングすることができ、組換えモノクローナル抗体を産生するために使用することができる。モノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子ライブラリーは、ハイブリドーマ又は形質細胞から作製することもできる。重鎖及び軽鎖の遺伝子産物のランダムな組み合わせは、異なる抗原特異性を有する抗体の大規模なプールを生成する(例えば、Kuby,Immunology (3rd ed.1997)を参照されたい)。一本鎖抗体又は組換え抗体の産生のための技術(米国特許第4,946,778号、米国特許第4,816,567号)は、本発明のポリペプチドに対する抗体を産生するために適合され得る。また、トランスジェニックマウス、又は他の生物(例えば、他の哺乳類)を使用して、ヒト化抗体又はヒト抗体を発現させることができる(例えば、米国特許第5,545,807号、同第5,545,806号、同第5,569,825号、同第5,625,126号、同第5,633,425号、同第5,661,016号、Marks et al.,Bio/Technology 10:779-783(1992)、Lonberg et al.,Nature 368:856-859(1994)、Morrison,Nature 368:812-13(1994)、Fishwild et al.,Nature Biotechnology 14:845-51(1996)、Neuberger,Nature Biotechnology 14:826(1996)、及びLonberg & Huszar,Intern.Rev.Immunol.13:65-93(1995)を参照されたい)。代替的に、ファージディスプレイ技術を使用して、選択された抗原に特異的に結合する抗体及びヘテロマーFab断片を同定することができる(例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552-554(1990)、Marks et al.,Biotechnology 10:779-783(1992)を参照されたい)。抗体はまた、二重特異性にすることができ、すなわち、2つの異なる抗原を認識することができる(例えば、WO93/08829、Traunecker et al.,EMBO J.10:3655-3659(1991)、及びSuresh et al.,Methods in Enzymology 121:210(1986)を参照されたい)。抗体はまた、ヘテロコンジュゲート、例えば、2つの共有結合した抗体、又は免疫毒素であってもよい(例えば、米国特許第4,676,980、WO91/00360、WO92/200373、及びEP03089を参照されたい)。
【0045】
非ヒト抗体をヒト化又は霊長類化するための方法は、当該技術分野で周知である(例えば、米国特許第4,816,567号、同第5,530,101号、同第5,859,205号、同第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号、同第5,777,085号、同第6,180,370号、同第6,210,671号、及び同第6,329,511号、WO87/02671、EP特許出願第0173494号、Jones et al.(1986)Nature 321:522、及びVerhoyen et al.(1988)Science 239:1534)。ヒト化抗体は、例えば、Winter and Milstein (1991)Nature 349:293に更に記載されている。一般に、ヒト化抗体は、非ヒトである供給源からそれに導入された1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、インポート残基と称され、典型的には、インポート可変ドメインから取り込まれる。ヒト化は、本質的に、Winterらの方法に従って行うことができる(例えば、Morrison et al.,PNAS USA,81:6851-6855(1984)、Jones et al.,Nature 321:522-525(1986)、Riechmann et al.,Nature 332:323-327(1988)、Morrison and Oi,Adv.Immunol.,44:65-92(1988)、Verhoeyen et al.,Science 239:1534-1536(1988)、及びPresta,Curr.Op.Struct Biol.2:593-596(1992)、Padlan,Molec.Immun,28:489-498(1991)、Padlan,Molec.Immun.,31(3):169-217(1994)(ヒト抗体の対応する配列をげっ歯類のCDR又はCDR配列に置換することによって)を参照されたい)。したがって、かかる「ヒト化」抗体は、キメラ抗体であり(米国特許第4,816,567号)、実質的により少ないインタクトなヒト可変ドメインが、非ヒト種からの対応する配列によって置換されている。実際には、ヒト化抗体は、典型的には、いくつかのCDR残基及びおそらくいくつかのFR残基が、げっ歯類抗体の類似部位からの残基によって置換されているヒト抗体である。例えば、ヒト化免疫グロブリンフレームワーク領域をコードする第1の配列と、所望の免疫グロブリン相補性決定領域をコードする第2の配列セットと、を含むポリヌクレオチドは、合成的に、又は適切なcDNAとゲノムDNAセグメントとを組み合わせることによって産生することができる。ヒト定常領域DNA配列は、様々なヒト細胞からの周知の手順に従って単離され得る。
【0046】
「キメラ抗体」は、(a)定常領域若しくはその一部分が、抗原結合部位(可変領域)が異なる若しくは変更されたクラス、エフェクター機能、及び/若しくは種の定常領域に連結されるように、又はキメラ抗体(例えば、酵素、毒素、ホルモン、増殖因子、薬物など)に新しい特性を付与する全く異なる分子に連結されるように、変更、置換、若しくは交換された抗体分子であるか、あるいは(b)可変領域若しくはその一部分が、異なる若しくは変更された抗原特異性を有する可変領域で変更、置換、若しくは交換された抗体分子である。本発明の好ましい抗体、及び本発明に従って使用するための好ましい抗体は、ヒト化及び/又はキメラモノクローナル抗体を含む。
【0047】
治療薬を抗体にコンジュゲートするための技術は、周知である(例えば、Arnon et al.,”Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy”,in Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy,Reisfeld et al.(eds.),pp.243-56(Alan R.Liss,Inc.1985)、Hellstrom et al.,“Antibodies For Drug Delivery” in Controlled Drug Delivery(2nd Ed.),Robinson et al.(eds.),pp.623-53(Marcel Dekker,Inc.1987)、Thorpe,”Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review”in Monoclonal Antibodies ‘84:Biological And Clinical Applications,Pinchera et al.(eds.),pp.475-506(1985)、及びThorpe et al.,”The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody-Toxin Conjugates”,Immunol.Rev.,62:119-58(1982)を参照されたい)。本明細書で使用される場合、「抗体薬物コンジュゲート」又は「ADC」という用語は、抗体にコンジュゲートされた、又はそうでなければ共有結合された治療剤を指す。
【0048】
本明細書で言及される「治療剤」は、がん(例えば、白血病)などの疾患の治療又は予防に有用な組成物である。実施形態では、治療剤は、抗がん剤である。「抗がん剤」とは、それらの平易な通常の意味に従って使用され、抗新生物特性又は細胞の成長若しくは増殖を阻害する能力を有する組成物(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、阻害剤、モジュレーター)を指す。実施形態では、抗がん剤は、化学療法薬である。実施形態では、抗がん剤は、がんを治療する方法に有用性がある本明細書で特定される薬剤である。実施形態では、抗がん剤は、がんを治療するためにFDA又は米国以外の国の同様の規制機関によって承認された薬剤である。
【0049】
タンパク質又はペプチドを指す場合、「特異的に(又は選択的に)結合する」又は「特異的に(又は選択的に)免疫反応性を有する」という語句は、多くの場合、タンパク質及び他の生体物質(biologics)の不均一な集団においてタンパク質の存在を決定する結合反応を指す。したがって、指定されたイムノアッセイ条件下では、特定の抗体は、バックグラウンドの少なくとも2倍、より典型的にはバックグラウンドの10~100倍超で特定のタンパク質に結合する。かかる条件下での抗体への特異的結合は、特定のタンパク質に対するその特異性のために選択される抗体を必要とする。例えば、ポリクローナル抗体は、選択された抗原と特異的に免疫反応し、他のタンパク質とは免疫反応しない抗体のサブセットのみを得るように選択することができる。この選択は、他の分子と交差反応する抗体を差し引くことによって達成することができる。様々な免疫アッセイ形式を使用して、特定のタンパク質と特異的に免疫反応性の抗体を選択することができる。例えば、固相ELISAイムノアッセイは、タンパク質と特異的に免疫反応性のある抗体を選択するために日常的に使用される(例えば、特異的な免疫反応性を決定するために使用することができるイムノアッセイの形式及び条件の説明については、Harlow & Lane,Using Antibodies,A Laboratory Manual(1998)を参照されたい)。
【0050】
「リガンド」は、受容体、若しくは抗体、抗体バリアント、抗体領域、又はその断片に結合することができる薬剤、例えば、ポリペプチド又は他の分子を指す。
【0051】
本明細書で使用される「CD5」という用語は、表面抗原分類5(cluster of differentiation 5)(CD5)の任意の組換え体若しくは天然に存在する形態、又はCD5活性を維持する(例えば、CD5と比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%以内)そのバリアント若しくはホモログを指す。実施形態では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD5ポリペプチドと比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、10、20、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CD5は、UniProt参照番号O43866によって特定されるタンパク質、又はそれと実質的な同一性を有するバリアント若しくはホモログと実質的に同一である。実施形態では、CD5は、UniProt参照番号O43866によって特定されるタンパク質、又はそれと実質的な同一性を有するバリアント若しくはホモログである。
【0052】
「標識」又は「検出可能な部分」は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的、又は他の物理的な手段によって検出可能な組成物である。例えば、有用な標識には、32P、蛍光色素、高電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAで一般的に使用されるもの)、ビオチン、ジゴキシゲニン、又はハプテン、並びに、例えば、標的ペプチドと特異的に反応するペプチド又は抗体に放射標識を組み込むことによって、検出可能にすることができるタンパク質又は他の実体が含まれる。抗体を標識にコンジュゲートするための、当該技術分野で既知の任意の適切な方法を用いることができ、例えば、Hermanson,Bioconjugate Techniques 1996,Academic Press,Inc.,San Diegoに記載されている方法を使用することができる。
【0053】
「接触すること」は、その平易な通常の意味に従って使用され、少なくとも2つの異なる種(例えば、抗体及び抗原)が反応、相互作用、又は物理的接触するのに十分近位になるようにするプロセスを指す。しかしながら、得られる反応生成物は、添加された試薬間の反応から、又は添加された試薬のうちの1つ以上からの中間体(反応混合物中で生成され得る)から、直接生成され得ることが理解されるべきである。
【0054】
「接触する」という用語は、2つの種が反応、相互作用、又は物理的接触することを可能にすることを含み得、2つの種は、例えば、本明細書に提供される薬学的組成物及び細胞であり得る。実施形態では、接触することは、例えば、本明細書に記載される薬学的組成物が細胞と相互作用することを可能にすることを含む。
【0055】
本明細書で使用される「細胞」は、そのゲノムDNAを保存又は複製するのに十分な代謝機能又は他の機能を実行する細胞を指す。細胞は、当該技術分野における周知の方法によって同定され得、例えば、インタクトな膜の存在、特定の色素による染色、子孫を産生する能力、又は配偶子の場合は生存可能な子孫を産生するために第2の配偶子と組み合わせる能力が含まれる。細胞は、原核細胞及び真核細胞を含み得る。原核細胞としては、細菌が挙げられるが、これらに限定されない。真核細胞には、酵母細胞、並びに植物及び動物(例えば、哺乳類、昆虫(例えば、スポドプテラ)に由来する細胞、及びヒト細胞が含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
本明細書に提供される「幹細胞」とは、有糸細胞分裂を介した自己再生の能力、及び組織又は器官に分化する可能性を特徴とする細胞を指す。哺乳類幹細胞の間では、胚性幹細胞(ES細胞)と体性幹細胞(例えば、HSC)を区別することができる。胚性幹細胞は、胚盤胞に存在し、胚組織を生じさせるが、体性幹細胞は、組織の再生及び修復の目的のために成体組織に存在する。実施形態では、幹細胞は、白血病幹細胞(LSC)である。本明細書に提供される「白血病幹細胞又は「LSC」とは、免疫不全動物に移植した場合、疾患(白血病)を開始することができる細胞を指し、段階的な移植で白血病を生じさせることによって自己再生することができ、また、元の疾患に類似するが自己再生することができない非LSCバルク芽球に部分的に分化することができる。LSCは、遺伝子変異を担持し、有糸細胞分裂を介して自己再生することができ、当該遺伝子変異体を担持する造血系統に分化することができるか、又はLSCは、未熟前駆細胞(芽細胞としても知られている)として残ることができる。実施形態では、LSCは、CD34を発現する。
【0057】
「B細胞」又は「Bリンパ球」は、当該技術分野でのそれらの標準的な使用を指す。B細胞は、白血球(white blood cell)(白血球(leukocyte))の一タイプであるリンパ球であり、抗体を産生する形質細胞(「成熟B細胞」)に分化する。「未熟B細胞」は、成熟B細胞に分化することができる細胞である。一般に、プロB細胞(pro-B cell)は、免疫グロブリン重鎖の再編成を受けてプロBプレB細胞(pro B pre B cell)となり、更に免疫グロブリン軽鎖の再編成を受けて未熟B細胞となる。未熟B細胞としては、T1及びT2 B細胞が挙げられる。
【0058】
本明細書で使用される「T細胞」又は「Tリンパ球」は、細胞媒介性免疫において中心的な役割を果たすリンパ球の一タイプ(白血球のサブタイプ)である。これらは、細胞表面にT細胞受容体が存在することによって、B細胞及びナチュラルキラー細胞などの他のリンパ球と区別することができる。T細胞としては、例えば、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)、制御性T(Treg)細胞、及びTヘルパー細胞が挙げられる。異なるタイプのT細胞は、T細胞検出剤の使用によって区別することができる。
【0059】
本明細書で定義されるように、タンパク質阻害剤(例えば、A2A受容体アンタゴニスト又はPD-1シグナル伝達経路阻害剤)相互作用に関して、「阻害」、「阻害する」、「阻害すること」などの用語は、阻害剤(例えば、A2A受容体アンタゴニスト又はPD-1シグナル伝達経路阻害剤)の不在下でのタンパク質の活性又は機能と比較して、タンパク質の活性又は機能に悪影響を与える(例えば、減少させる)(例えば、A2A受容体又はPD-1受容体若しくはPD-L1タンパク質の活性を減少させる)ことを意味する。いくつかの実施形態では、阻害は、疾患又は疾患の症状(例えば、がん)の低減を指す。したがって、阻害は、少なくとも部分的に、刺激を部分的に又は完全に遮断すること、シグナル伝達又は酵素活性又はタンパク質の量を、減少させること、阻止すること、又は活性化を遅延させること、又は不活性化すること、脱感作させること、又は下方調節することを含む。同様に、「阻害剤」は、例えば、結合すること、部分的に又は完全に遮断すること、減少させること、防止すること、遅延させること、不活性化すること、脱感作させること、又は活性(例えば、A2A受容体活性又はPD-1タンパク質活性若しくはPD-L1タンパク質活性)を下方調節することによって、A2A受容体又はPD-1タンパク質若しくはPD-L1タンパク質を阻害する化合物又はタンパク質である。
【0060】
本明細書で言及される「PD-1タンパク質」又は「PD-1」は、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)(表面抗原分類279(CD279)としても知られている)の組換え体若しくは天然に存在する形態、又はPD-1タンパク質活性を維持する(例えば、PD-1タンパク質と比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%以内)そのバリアント若しくはホモログのうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するPD-1タンパク質と比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、PD-1タンパク質は、UniProt参照番号Q15116によって特定されるタンパク質、又はそれと実質的な同一性を有するバリアント若しくはホモログと実質的に同一である。実施形態では、PD-1タンパク質は、UniProt参照番号Q02242によって特定されるタンパク質、又はそれと実質的な同一性を有するバリアント若しくはホモログと実質的に同一である。実施形態では、PD-1阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、又はセミプリマブである。実施形態では、PD-1阻害剤は、ニボルマブである。実施形態では、PD-1阻害剤は、ペムブロリズマブである。実施形態では、PD-1阻害剤は、セミプリマブである。
【0061】
本明細書に提供される「セミプリマブ」という用語は、プログラム細胞死受容体1(PD-1)に結合することができるモノクローナル抗体を指す。通常の慣習的な意味では、「セミプリマブ」は、Cas登録番号1801342-60-8によって特定される抗体を指す。
【0062】
本明細書に提供される「ペムブロリズマブ」という用語は、プログラム細胞死受容体1(PD-1)に結合することができるヒト化抗体を指す。通常の慣習的な意味では、「ペンブロリズマブ」は、Cas登録番号1374853-91-4によって特定される抗体を指す。
【0063】
本明細書に提供される「ニボルマブ」という用語は、プログラム細胞死受容体1(PD-1)に結合することができるモノクローナル抗体を指す。通常の慣習的な意味では、「ニボルマブ」は、Cas登録番号946414-94-4によって特定される抗体を指す。
【0064】
本明細書で言及される「CD34」という用語は、CD34活性を維持する(例えば、CD34と比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%以内)、表面抗原分類34タンパク質又はそのバリアント若しくはホモログの組換え体又は天然に存在する形態のうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD34タンパク質と比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CD34タンパク質は、UniProt参照番号P28906によって特定されるタンパク質、又はそれと実質的な同一性を有するバリアント若しくはホモログと実質的に同一である。
【0065】
「組換え」という用語は、例えば、細胞、核酸、タンパク質、又はベクターに関連して使用される場合、細胞、核酸、タンパク質、又はベクターが、異種核酸若しくはタンパク質の導入、又は天然核酸若しくはタンパク質の改変によって改変されたこと、あるいは細胞がそのように改変された細胞に由来することを示す。したがって、例えば、組換え細胞は、細胞の天然(非組換え)形態内に見出されない遺伝子を発現するか、又はそうでなければ異常に発現されるか、低く発現されるか、又は全く発現されない天然遺伝子を発現する。トランスジェニック細胞及び植物は、典型的には組換え方法の結果として、異種遺伝子又はコード配列を発現するものである。
【0066】
「異種」という用語は、核酸の部分に関して使用される場合、核酸が、自然界では互いに同じ関係で見出されない2つ以上の部分配列を含むことを示す。例えば、核酸は、典型的には、組換え的に産生され、新規の機能的な核酸を作製するように配置された無関係の遺伝子からの2つ以上の配列を有する(例えば、1つの供給源からのプロモーター及び別の供給源からのコード領域)。同様に、異種タンパク質は、タンパク質が、自然界で互いに同じ関係で見出されない2つ以上の部分配列を含むこと(例えば、融合タンパク質)を示す。
【0067】
「外因性」という用語は、所与の細胞又は生物以外に由来する分子又は物質(例えば、化合物、核酸又はタンパク質)を指す。例えば、本明細書で言及される「外因性プロモーター」とは、それが発現する細胞又は生物に由来しないプロモーターである。逆に、「内因性」又は「内因性プロモーター」という用語は、所与の細胞又は生物に天然であるか、又はその中で生じる分子又は物質を指す。
【0068】
本明細書で定義されるように、細胞増殖(例えば、がん細胞の増殖)に関して「阻害」、「阻害する」、「阻害すること」などの用語は、細胞に悪影響を与える(例えば、増殖を減少させる)又は細胞を殺すことを意味する。いくつかの実施形態では、阻害は、疾患又は疾患の症状(例えば、がん、がん細胞の増殖)の低減を指す。したがって、阻害は、少なくとも部分的に、刺激を部分的に若しくは完全に遮断すること、シグナル伝達若しくは酵素活性若しくはタンパク質の量を、減少させること、阻止すること、又は活性化を遅延させること、又は不活性化すること、脱感作させること、又は下方調節することを含む。同様に、「阻害剤」は、例えば、結合すること、部分的に若しくは完全に遮断すること、減少させること、防止すること、遅延させること、不活性化すること、脱感作させること、又は活性(例えば、受容体活性又はタンパク質活性)を下方調節することによって、受容体又は別のタンパク質を阻害する化合物又はタンパク質である。
【0069】
「生体試料」又は「試料」とは、対象又は患者から得られた、又はそれに由来する材料を指す。生体試料には、生検及び剖検試料などの組織の切片、並びに組織学的目的のために採取された凍結切片が含まれる。かかる試料としては、血液及び血液画分又は生成物(例えば、血清、血漿、血小板、赤血球など)、痰、組織、培養細胞(例えば、初代培養物、外植片、及び形質転換細胞)、便、尿、滑液、関節組織、滑膜組織、滑膜細胞、線維芽細胞様滑膜細胞、マクロファージ様滑膜細胞、免疫細胞、造血細胞、線維芽細胞、マクロファージ、T細胞などの体液が挙げられる。生体試料は、典型的には、霊長類(例えば、チンパンジー又はヒト)、ウマ、イヌ、ネコ、げっ歯類(例えば、モルモット、ラット、マウス)、ウサギ、又は鳥類、爬虫類、又は魚類などの哺乳類などの真核生物から得られる。
【0070】
「対照」又は「標準対照」は、試験試料、測定値、又は値と比較するための参照(通常、既知の参照)として機能する試料、測定値、又は値を指す。例えば、試験試料は、所与の疾患(例えば、がん)を有することが疑われる患者から採取され、既知の正常(非疾患)個体(例えば、標準対照対象)と比較され得る。標準対照は、所与の疾患を有しない類似の個体(例えば、標準対照対象)、例えば、類似の医学的背景、同じ年齢、体重などを有する健常な個体の集団から収集された平均測定値又は値も表すことができる。標準対照値は、同じ個体から(例えば、疾患発症前の患者から以前に得られた試料から)得ることもできる。例えば、対照は、薬理学的データ(例えば、半減期)又は治療手段(例えば、副作用の比較)に基づいて治療効果を比較するために考案され得る。対照はまた、データの有意性を判断するためにも有益である。例えば、所与のパラメータの値が対照において大きく変動する場合、試験試料の変動は有意であるとみなされない。当業者は、任意の数のパラメータ(例えば、RNAレベル、タンパク質レベル、特定の細胞型、特定の体液、特定の組織、滑膜細胞、滑液、滑膜組織、線維芽細胞様滑膜細胞、マクロファージ様滑膜細胞など)の評価のために標準対照を設計することができることを認識するであろう。
【0071】
当業者は、どの標準対照が所与の状況において最も適切であるかを理解し、標準対照値との比較に基づいてデータを分析することができるであろう。標準対照はまた、データの有意性(例えば、統計的有意性)を判断するためにも有益である。例えば、所与のパラメータの値が標準対照で大きく変動する場合、試験試料の変動は有意であるとはみなされないであろう。
【0072】
「患者」又は「治療を必要とする対象」とは、本明細書に提供されるような組成物又は薬学的組成物の投与によって治療することができる疾患又は状態に罹患しているか又は罹患しやすい生物を指す。非限定的な例としては、ヒト、他の哺乳動物(ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、ウシ、シカ)、及び他の非哺乳動物が挙げられる。いくつかの実施形態では、患者は、ヒトである。
【0073】
「疾患」又は「状態」という用語は、本明細書に提供される化合物又は方法で治療することができる患者又は対象の状態又は健康状態を指す。疾患は、がんであり得る。いくつかの更なる事例では、「がん」は、ヒトのがん、並びにがん腫、肉腫、腺がん、リンパ腫、白血病(固形がん及びリンパがんを含む)、腎臓がん、乳がん、肺がん、膀胱がん、結腸がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、胃がん、脳がん、頭頸部がん、皮膚がん、子宮がん、精巣がん、神経膠腫、食道がん、及び肝臓がん(肝細胞がんを含む)、リンパ腫(B型急性リンパ芽球性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(例えば、バーキットリンパ腫、小細胞及び大細胞リンパ腫)、ホジキンリンパ腫、白血病(急性骨髄性白血病(AML)、ALL、及びCMLを含む)、又は多発性腫瘍を含む)を指す。
【0074】
本明細書で使用される場合、「がん」という用語は、哺乳動物(例えば、ヒト)に見出される全タイプのがん、新生物、又は悪性腫瘍を指し、白血病、がん腫、及び肉腫を含む。本明細書に提供される化合物又は方法で治療され得る例示的ながんとしては、乳がん、結腸がん、腎臓がん、白血病、肺がん、黒色腫、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、脳がん、肝臓がん、胃がん、又は肉腫が挙げられる。
【0075】
「白血病」という用語は、造血器官の進行性の悪性疾患を広く指し、一般に血液及び骨髄での白血球及びそれらの前駆細胞の歪んだ増殖及び発達により特徴付けられる。白血病は、一般に、(1)疾患の持続期間及び特徴-急性又は慢性、(2)関与する細胞のタイプ、すなわち骨髄(骨髄性)、リンパ(リンパ行性)、又は単球性、並びに(3)血中の異常細胞数の増加又は非増加-白血性又は非白血性(亜白血性)に基づいて臨床的に分類される。本明細書に提供される化合物又は方法を用いて治療され得る例示的な白血病としては、例えば、急性骨髄性白血病、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞性白血病、非白血性白血病、白血球性白血病(leukocythemic leukemia)、好塩基球性白血病、芽細胞性白血病、ウシ白血病、慢性骨髄球性白血病、皮膚白血病、胎児性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、ヘアリー細胞性白血病、血芽球性白血病(hemoblastic leukemia)、血球芽細胞性白血病(hemocytoblastic leukemia)、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、リンパ行性白血病、リンパ様白血病、リンパ肉腫細胞性白血病、肥満細胞性白血病、巨核球性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄球性白血病、骨髄顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ白血病、形質細胞白血病、多発性骨髄腫、形質細胞性白血病、前骨髄球性白血病、リーダー細胞性白血病、シリング白血病、幹細胞性白血病、亜白血性白血病、又は未分化細胞白血病が挙げられる。
【0076】
「肉腫」という用語は、一般に、胚性結合組織のような物質からなり、かつ線維状又は均質な物質に埋め込まれた密接に充填された細胞から一般に構成される腫瘍を指す。本明細書に提供される化合物又は方法により治療され得る肉腫には、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、アベメシー肉腫(Abemethy’s sarcoma)、脂肪肉腫(adipose sarcoma)、脂肪肉腫(liposarcoma)、胞巣状軟部肉腫、エナメル芽細胞肉腫(ameloblastic sarcoma)、ブドウ状肉腫、緑色腫肉腫、絨毛上皮腫、胎児性肉腫、ウィルムス腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキン肉腫、特発性多発性色素性出血性肉腫、B細胞の免疫芽球性肉腫、リンパ腫、T細胞の免疫芽球性肉腫、イエンセン肉腫、カポジ肉腫、クッパー細胞肉腫、血管肉腫、白血病肉腫(leukosarcoma)、悪性間葉腫肉腫、傍骨性肉腫(parosteal sarcoma)、網状赤血球肉腫(reticulocytic sarcoma)、ラウス肉腫、漿液嚢胞性肉腫(serocystic sarcoma)、滑膜肉腫、又は毛細管拡張性肉腫(telangiectaltic sarcoma)が含まれる。
【0077】
「黒色腫」という用語は、皮膚及び他の器官のメラニン細胞系から生じる腫瘍を意味すると取られる。本明細書に提供される化合物又は方法により治療され得る黒色腫には、例えば、末端黒子型黒色腫、無色素性黒色腫、良性若年性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91黒色腫、ハーディング・パッセイ黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子黒色腫、悪性黒色腫、結節型黒色腫、爪下黒色腫、又は表在拡大型黒色腫が含まれる。
【0078】
「がん腫」という用語は、周囲の組織に浸潤し、転移を生じさせる傾向がある上皮細胞からなる悪性の新しい成長を指す。本明細書に提供される化合物、薬学的組成物、又は方法により治療され得る例示的ながん腫には、例えば、甲状腺髄様がん、家族性甲状腺髄様がん、腺房がん(acinar carcinoma)、腺房がん(acinous carcinoma)、腺様嚢胞がん(adenocystic carcinoma)、腺様嚢胞がん(adenoid cystic carcinoma)、腺腫様がん(carcinoma adenomatosum)、副腎皮質がん、肺胞上皮がん、肺胞上皮細胞がん、基底細胞がん(basal cell carcinoma)、基底細胞がん(carcinoma basocellulare)、類基底細胞がん、基底扁平細胞がん、気管支肺胞がん、細気管支がん、気管支原性がん、脳状がん腫、胆管細胞がん、絨毛がん、膠様がん、面皰がん、子宮体がん(corpus carcinoma)、篩状がん、鎧状がん、皮膚がん(carcinoma cutaneum)、円柱状がん、円柱状細胞がん、導管がん、導管性がん、硬性がん、胎児性がん、脳様がん、類表皮がん、腺様上皮がん(carcinoma epitheliale adenoides)、外向発育がん(exophytic carcinoma)、潰瘍がん(carcinoma ex ulcere)、線維性がん(carcinoma fibrosum)、膠状がん(gelatiniforni carcinoma)、膠様がん(gelatinous carcinoma)、巨細胞がん(giant cell carcinoma)、巨細胞がん(carcinoma gigantocellulare)、腺がん、顆粒膜細胞がん、毛母がん、血液様がん(hematoid carcinoma)、肝細胞がん、ヒュルトレ細胞がん、硝子様がん(hyaline carcinoma)、副腎様がん(hypernephroid carcinoma)、小児胎児性がん(infantile embryonal carcinoma)、上皮内がん(carcinoma in situ)、表皮内がん、上皮内がん(intraepithelial carcinoma)、クロムペッヘルがん(Krompecher’s carcinoma)、クルチツキー細胞がん、大細胞がん、レンズ状がん(lenticular carcinoma)、レンズ状がん(carcinoma lenticulare)、脂肪性がん、リンパ上皮がん、髄様がん(carcinoma medullare)、髄様がん(medullary carcinoma)、黒色がん(melanotic carcinoma)、軟性がん(carcinoma molle)、粘液がん(mucinous carcinoma)、粘液腺がん(carcinoma muciparum)、粘液細胞がん(carcinoma mucocellulare)、粘表皮がん(mucoepidermoid carcinoma)、粘液がん(carcinoma mucosum)、粘液がん(mucous carcinoma)、粘液腫様がん(carcinoma myxomatodes)、鼻咽腔がん、燕麦細胞がん、骨化性がん(carcinoma ossificans)、類骨がん(osteoid carcinoma)、乳頭がん、門脈周囲がん、前浸潤がん、有棘細胞がん、粥状がん(pultaceous carcinoma)、腎臓の腎細胞がん、予備細胞がん(reserve cell carcinoma)、肉腫様がん、シュナイダーがん(schneiderian carcinoma)、スキルスがん、陰嚢がん、印環細胞がん、単純がん、小細胞がん、ソラノイドがん(solanoid carcinoma)、球状細胞がん(spheroidal cell carcinoma)、紡錐細胞がん、海綿様がん、扁平上皮がん、扁平上皮細胞がん、ストリングがん(string carcinoma)、毛細血管拡張性がん(carcinoma telangiectaticum)、毛細血管拡張症様がん(carcinoma telangiectodes)、移行上皮がん、結節がん(carcinoma tuberosum)、結節がん(tuberous carcinoma)、疣状がん、又は絨毛がんが含まれる。
【0079】
本明細書で使用される場合、「転移」、「転移性」、及び「転移性がん」という用語は、互換的に使用され、増殖性疾患又は障害(例えば、がん)の、1つの器官若しくは別の非隣接器官又は身体部分からの広がりを指す。がんは、原発性腫瘍、例えば、原発性乳がんと称される、例えば、乳房などの起源部位で発生する。原発性腫瘍又は起源部位の一部のがん細胞は、局所領域の正常な組織を取り囲むように浸透し浸潤する能力、及び/又は系を循環するリンパ系又は血管系の壁を体内の他の部位及び組織に浸透する能力を獲得する。原発性腫瘍のがん細胞から形成される第2の臨床的に検出可能な腫瘍は、転移性又は二次性腫瘍と称される。がん細胞が転移すると、転移性腫瘍及びその細胞は、元の腫瘍のものと類似していると推定される。したがって、肺がんが乳房に転移した場合、乳房の部位の二次性腫瘍は、異常な肺細胞からなり、異常な乳房細胞からではない。乳房の二次性腫瘍は、転移性肺がんを指す。したがって、転移性がんという語句は、対象が原発性腫瘍を有するか又は有した、かつ1つ以上の二次性腫瘍を有する疾患を指す。非転移性がん、又は転移性ではないがんを有する対象という語句は、対象が原発性腫瘍を有するが、1つ以上の二次性腫瘍を有しない疾患を指す。例えば、転移性肺がんは、原発性肺腫瘍を有するか、若しくは原発性肺腫瘍の既往歴を有する、及び例えば、乳房の第2の位置若しくは複数の位置において1つ以上の二次性腫瘍を有する対象における疾患を指す。
【0080】
疾患(例えば、がん(例えば、白血病、急性骨髄性白血病))に関連する物質又は物質の活性若しくは機能の文脈において、「関連する」又は「に関連する」という用語は、疾患(例えば、がん(例えば、白血病、急性骨髄性白血病))又は疾患の症状が、物質又は物質の活性若しくは機能によって(全体的に又は部分的に)引き起こされることを意味する。代替的に、物質(例えば、CD5)は、疾患(例えば、がん(例えば、白血病、急性骨髄性白血病))の指標であり得る。したがって、関連する物質は、疾患組織(例えば、がん細胞(例えば、白血病幹細胞、急性骨髄性白血病細胞))を標的にする手段として機能し得る。
【0081】
本明細書で使用される場合、「治療すること」又は「状態、疾患、若しくは障害、又は状態、疾患、若しくは障害に関連する症状の治療」は、臨床結果を含む、有益な又は所望の結果を得るためのアプローチを指す。有益な又は所望の臨床結果としては、1つ以上の症状又は状態の緩和又は改善、状態、障害、又は疾患の程度の低減、状態、障害、又は疾患の安定化、状態、障害、又は疾患の発症の予防、状態、障害、又は疾患の拡大の予防、状態、障害、又は疾患の進行の遅延又は減速、状態、障害、又は疾患の発症の遅延又は減速、状態、障害、又は病状の改善又は緩和、及び寛解(部分的又は全体的であるかにかかわらず)が挙げられ得るが、これらに限定されない。「治療すること」はまた、治療の不在下で予想されるものを超えて、対象の生存を延長することを意味し得る。「治療すること」はまた、状態、障害、又は疾患の進行を阻害し、状態、障害、又は疾患の進行を一時的に遅らせることを意味し得るが、いくつかの事例では、それは、状態、障害、又は疾患の進行を永久に停止させることを含む。本明細書で使用される場合、治療、治療する、又は治療することという用語は、プロテアーゼの発現を特徴とする疾患若しくは状態の1つ以上の症状、又はプロテアーゼの発現を特徴とする疾患若しくは状態の症状の効果を低減する方法を指す。したがって、開示される方法では、治療は、確立された疾患、状態、又は疾患若しくは状態の症状の重症度の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%の減少を指し得る。例えば、疾患を治療するための方法は、対照と比較して、対象における疾患の1つ以上の症状が10%減少する場合、治療であるとみなされる。したがって、減少は、天然レベル又は対照レベルと比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、又は10%~100%の間の任意のパーセントの減少であり得る。治療は、必ずしも、疾患、状態、又は疾患若しくは状態の症状の治癒又は完全な消失を指すものではないことが理解される。更に、本明細書で使用される場合、減少、低減、又は阻害への言及は、対照レベルと比較して10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上の変化を含み、かかる用語は、完全な除去が含まれる場合もあるが、必ずしも含まれるとは限らない。
【0082】
「用量」及び「投与量」という用語は、本明細書で互換的に使用される。用量は、各投与において個体に与えられる有効成分の量を指す。用量は、所与の療法のための通常の用量の範囲、投与頻度、個体のサイズ及び耐容性、状態の重症度、副作用のリスク、及び投与経路を含む、いくつかの要因に応じて異なるであろう。当業者は、用量が、上記の要因に応じて、又は治療の進行に基づいて修正され得ることを認識するであろう。「剤形」という用語は、医薬又は薬学的組成物の特定の形式を指し、投与経路に依存する。例えば、剤形は、噴霧用の液体形態(例えば、吸入剤)、錠剤若しくは液体(例えば、経口送達用)、又は生理食塩水(例えば、注射用)であり得る。
【0083】
本明細書で使用される「治療有効用量又は治療有効量」とは、それが投与される(例えば、疾患を治療又は予防する)効果を生じる用量を意味する。正確な用量及び製剤は、治療の目的に依存し、既知の技法を使用して当業者によって確認可能であろう(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1-3,1992)、Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999)、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,Gennaro,Editor(2003)、及びPickar,Dosage Calculations(1999)を参照されたい)。例えば、所与のパラメータについて、治療有効量は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、又は少なくとも100%の増減を示すであろう。治療有効性は、「~倍」の増減としても表され得る。例えば、治療有効量は、標準対照よりも少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍、又はそれ超効果的であり得る。治療有効用量又は治療有効量は、疾患の1つ以上の症状を改善することができる。治療有効用量又は治療有効量は、それが投与されている効果が、疾患を発症するリスクがある人を治療することである場合、疾患若しくは疾患の1つ以上の症状の発症を予防又は遅延することができる。
【0084】
本明細書で使用される場合、「投与すること」という用語は、対象への、経口投与、坐薬としての投与、局所接触、静脈内、腹腔内、筋肉内、病巣内、髄腔内、鼻腔内、若しくは皮下投与、又は徐放デバイス(例えば、小型浸透圧ポンプ)の移植を意味する。投与は非経口及び経粘膜(例えば、口腔、舌下、口蓋、歯肉、経鼻、膣内、直腸内、又は経皮)を含む、任意の経路による。非経口投与には、例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、及び頭蓋内投与が含まれる。他の送達様式としては、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチなどの使用が挙げられるが、これらに限定されない。「同時投与する」とは、本明細書に記載の組成物が、1つ以上の追加の療法(例えば、化学療法、ホルモン療法、放射線療法、又は免疫療法)の投与と同時に、その直前に、又はその直後に、投与されることを意味する。本発明の化合物は、患者に、単独で投与され得るか、又は同時投与され得る。同時投与は、個別に又は組み合わせて(2つ以上の化合物)化合物の同時投与又は順次投与を含むよう意図される。したがって、調製物は、所望の場合、(例えば、代謝分解を低減させるために)他の活性物質とも組み合わされ得る。本発明の組成物は、局所経路によって経皮送達され、アプリケータスティック、溶液、懸濁液、乳剤、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、塗料、粉末、及びエアロゾルとして製剤化され得る。
【0085】
本発明の組成物は、持続放出及び/又は快適さを提供するための成分を追加で含み得る。かかる成分としては、高分子量、アニオン性粘液模倣ポリマー、ゲル化多糖類、及び細かく分割された薬物担体基質が挙げられる。これらの成分は、米国特許第4,911,920号、同第5,403,841号、同第5,212,162号、及び同第4,861,760号でより詳細に考察されている。これらの特許の全容は、全ての目的のために、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本発明の組成物はまた、体内での徐放用のマイクロスフェアとして送達され得る。例えば、マイクロスフェアは、薬物含有マイクロスフェアの皮内注射を介して投与され得、これは、(Rao,J.Biomater Sci.Polym.Ed.7:623-645,1995;生分解性及び注射用ゲル製剤として(例えば、Gao Pharm.Res.12:857-863,1995を参照)、又は経口投与のためのマイクロスフェアとして(例えば、Eyles,J.Pharm.Pharmacol.49:669-674,1997を参照)皮下で徐々に放出される。実施形態では、本発明の組成物の製剤は、細胞膜と融合するか、又はエンドサイトーシスされるリポソームを使用することによって(すなわち、エンドサイトーシスをもたらす細胞の表面膜タンパク質受容体に結合するリポソームに結合された受容体のリガンドを用いることによって)送達され得る。リポソームを使用することによって、特にリポソーム表面が標的細胞に特異的な受容体リガンドを運ぶか、又はそうでなければ特定の器官に優先的に向けられる場合、インビボで標的細胞に本発明の組成物の送達を集中させることができる。(例えば、Al-Muhammed,J.Microencapsul.13:293-306,1996、Chonn,Curr.Opin.Biotechnol.6:698-708,1995、Ostro,Am.J.Hosp.Pharm.46:1576-1587,1989を参照されたい)。本発明の組成物はまた、ナノ粒子として送達され得る。
【0086】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、「生理学的に許容される」及び「薬理学的に許容される」と同義に使用される。薬学的組成物は、一般に、貯蔵中での緩衝及び保存のための薬剤を含み、投与経路に応じて、適切な送達のための緩衝剤及び担体を含み得る。
【0087】
「薬学的に許容される賦形剤」及び「薬学的に許容される担体」は、対象への活性剤の投与及び対象による吸収を補助し、患者に重大な有害毒性作用を引き起こすことなく、本発明の組成物に含まれ得る物質を指す。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、水、NaCl、標準生理食塩水、乳酸リンゲル液、標準スクロース、標準グルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、食塩水(リンゲル液など)、アルコール、油、ゼラチン、炭水化物、例えば、ラクトース、アミロース、又はデンプン、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン、及び着色剤などが挙げられる。かかる調製物は、滅菌され得、所望の場合、滑沢剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼすための塩、緩衝剤、着色剤、及び/又は本発明の化合物と有害に反応しない芳香族物質等の助剤と混合され得る。当業者であれば、他の薬学的賦形剤が本発明で有用であることを認識するであろう。
【0088】
「薬学的に許容される塩」という用語は、当該技術分野で周知の様々な有機及び無機の対イオンに由来する塩を指し、単なる例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどを含み、分子が塩基性官能基を含む場合、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの有機酸及び無機酸の塩を含む。
【0089】
「調製物」という用語は、活性成分が他の担体の有無にかかわらず担体によって取り囲まれている(したがって、それと会合している)カプセルを提供する担体としての封入材を有する活性化合物の製剤を含むことが意図される。同様に、カシェ剤及びロゼンジ剤が含まれる。錠剤、粉剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及びロゼンジ剤は、経口投与に好適な固体剤形として使用することができる。
【0090】
薬学的調製物は、任意選択的に、単位剤形である。このような形態では、調製物は、適切な量の活性成分を含む単位用量に細分化される。単位剤形は、包装された調製物であってもよく、包装された錠剤、カプセル、及びバイアル又はアンプル中の粉末などの個別の量の調製物を含むパッケージであってもよい。また、単位剤形は、カプセル、錠剤、カシェ、又はロゼンジ自体であってもよく、又は包装された形態のこれらのいずれかの適切な数であってもよい。単位剤形は、凍結分散物のものであり得る。
【0091】
本明細書で使用される場合、「相乗量(synergistic amount)」とは、相乗効果(すなわち、相加効果よりも大きい効果)をもたらす、第1の量(例えば、本明細書に提供される化合物の量)と第2の量(例えば、治療剤)との合計を指す。したがって、本明細書で互換的に使用される「相乗」、「相乗作用」、「相乗的」、「組み合わせた相乗量(combined synergistic amount)」、及び「相乗治療効果(synergistic therapeutic effect)」という用語は、測定された効果が、単一の薬剤として単独で投与される本明細書に提供される各化合物の個々の効果の合計よりも大きい、組み合わせて投与される化合物の測定された効果を指す。
【0092】
抗体組成物
CD5は、腫瘍関連B細胞及びT細胞の両方においてSTAT3を活性化し、免疫抑制をもたらす。本出願人らは、本明細書に提供される抗体組成物(例えば、抗体、キメラ抗原受容体、二重特異性抗体)及び方法が、腫瘍関連T細胞におけるCD5を効果的に遮断し、PD-1抗体を使用するよりも強い免疫刺激効果を有し得ることを示す。本明細書に提供される抗体組成物は、ヒトT細胞活性化を誘発することができ、他の既知のCD5抗体と比較して優れている。本出願人らは、本明細書に提供される抗体組成物(その実施形態を含む)が、抗PD-1抗体と組み合わせて使用される場合、ヒトT細胞の活性化における相乗作用が検出され得ることを更に実証する。
【0093】
特に、CD5に結合することができる抗体(例えば、ヒト化抗体、モノクローナル抗体)及び抗体組成物(例えば、キメラ抗原受容体、二重特異性抗体)が本明細書に提供される。本明細書に提供される抗体及び抗体組成物は、新規の軽鎖及び重鎖ドメインCDRと、フレームワーク領域と、を含み、CD5に高い効率かつ高い特異性で結合し、それによって、CD5を発現する細胞を効果的に標的とする。本明細書に提供される抗体の軽鎖及び重鎖ドメインは、本明細書で抗体組成物(例えば、キメラ抗原受容体又は二重特異性抗体)とも称される組換えタンパク質の一部を形成することができ、がん治療薬として、及び診断目的で使用される。
【0094】
一態様では、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含む抗表面抗原分類5(CD5)抗体が提供され、軽鎖可変ドメインが、配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、及び配列番号3に示されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインが、配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、及び配列番号6に示されるCDR H3を含む。
【0095】
上述のように、本明細書に提供される「軽鎖可変(VL)ドメイン」は、抗体、抗体バリアント、又はその断片の軽鎖の可変領域を指す。同様に、本明細書に提供される「重鎖可変(VH)ドメイン」は、抗体、抗体バリアント、又はその断片の重鎖の可変領域を指す。軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとが共にパラトープを形成し、それが抗原(エピトープ)に結合する。パラトープ又は抗原結合部位は、抗体、抗体バリアント、又はその断片のN末端に形成される。実施形態では、軽鎖可変(VL)ドメインは、抗体軽鎖のCDR L1、CDR L2、CDR L3、並びにFR L1、FR L2、FR L3、及びFR L4(フレームワーク領域)を含む。実施形態では、重鎖可変(VH)ドメインは、抗体重鎖のCDR H1、CDR H2、CDR H3及びFR H1、FR H2、FR H3及びFR H4(フレームワーク領域)を含む。実施形態では、軽鎖可変(VL)ドメイン及び軽鎖定常(CL)ドメインは、抗体軽鎖の一部を形成する。実施形態では、重鎖可変(VH)ドメイン及び重鎖定常(CH1)ドメインは、抗体重鎖の一部を形成する。実施形態では、重鎖可変(VH)ドメイン及び1つ以上の重鎖定常(CH1、CH2、又はCH3)ドメインは、抗体重鎖の一部を形成する。したがって、実施形態では、軽鎖可変(VL)ドメインは、抗体の一部を形成する。実施形態では、重鎖可変(VH)ドメインは、抗体の一部を形成する。実施形態では、軽鎖可変(VL)ドメインは、治療用抗体の一部を形成する。実施形態では、重鎖可変(VH)ドメインは、治療用抗体の一部を形成する。実施形態では、軽鎖可変(VL)ドメインは、ヒト抗体の一部を形成する。実施形態では、重鎖可変(VH)ドメインは、ヒト抗体の一部を形成する。実施形態では、軽鎖可変(VL)ドメインは、ヒト化抗体の一部を形成する。実施形態では、重鎖可変(VH)ドメインは、ヒト化抗体の一部を形成する。実施形態では、軽鎖可変(VL)ドメインは、キメラ抗体の一部を形成する。実施形態では、重鎖可変(VH)ドメインは、キメラ抗体の一部を形成する。実施形態では、軽鎖可変(VL)ドメインは、抗体断片の一部を形成する。実施形態では、重鎖可変(VH)ドメインは、抗体断片の一部を形成する。実施形態では、軽鎖可変(VL)ドメインは、抗体バリアントの一部を形成する。実施形態では、重鎖可変(VH)ドメインは、抗体バリアントの一部を形成する。実施形態では、軽鎖可変(VL)ドメインは、Fabの一部を形成する。実施形態では、重鎖可変(VH)ドメインは、Fabの一部を形成する。実施形態では、軽鎖可変(VL)ドメインは、scFvの一部を形成する。実施形態では、重鎖可変(VH)ドメインは、scFvの一部を形成する。
【0096】
実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号7に示されるFR L1、配列番号8に示されるFR L2、配列番号9に示されるFR L3、及び配列番号10に示されるFR L4を含む。実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号11に示されるFR H1、配列番号12に示されるFR H2、配列番号13に示されるFR H3、及び配列番号14に示されるFR H4を含む。
【0097】
実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、配列番号3に示されるCDR L3、配列番号7に示されるFR L1、配列番号8に示されるFR L2、配列番号9に示されるFR L3、及び配列番号10に示されるFR L4を含み、重鎖可変ドメインは、配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、及び配列番号6に示されるCDR H3を含む。実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、及び配列番号3に示されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインは、配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、配列番号6に示されるCDR H3、配列番号11に示されるFR H1、配列番号12に示されるFR H2、配列番号13に示されるFR H3、及び配列番号14に示されるFR H4を含む。
【0098】
一実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、配列番号3に示されるCDR L3、配列番号7に示されるFR L1、配列番号8に示されるFR L2、配列番号9に示されるFR L3、及び配列番号10に示されるFR L4を含み、重鎖可変ドメインは、配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、配列番号6に示されるCDR H3、配列番号11に示されるFR H1、配列番号12に示されるFR H2、配列番号13に示されるFR H3、及び配列番号14に示されるFR H4を含む。更なる一実施形態では、抗体は、抗体9F2A11である。
【0099】
実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号15の配列を含む。実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号15の配列である。実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号16の配列を含む。実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号16の配列である。いくつかの実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号15のアミノ酸配列を含み、重鎖可変ドメインは、配列番号16の配列を含む。実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号15のアミノ酸配列であり、重鎖可変ドメインは、配列番号16の配列である。
【0100】
実施形態では、抗体は、ヒト化抗体である。実施形態では、抗体は、キメラ抗体である。実施形態では、抗体は、Fab’断片である。実施形態では、抗体は、一本鎖抗体(scFv)である。実施形態では、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインは、scFvの一部を形成する。実施形態では、scFvは、配列番号15の配列を含む。実施形態では、scFvは、配列番号15の配列及び配列番号16の配列を含む。
【0101】
実施形態では、抗体は、IgGである。実施形態では、抗体は、IgG1である。実施形態では、抗体は、ヒトIgGである。
【0102】
実施形態では、抗体は、CD5に結合することができる。実施形態では、抗体は、CD5に結合される。実施形態では、CD5は、細胞の一部を形成する。実施形態では、細胞は、リンパ系細胞である。実施形態では、細胞は、B細胞又はT細胞である。実施形態では、細胞は、B細胞である。実施形態では、細胞は、T細胞である。実施形態では、抗体は、検出可能な標識に結合される。
【0103】
組換えタンパク質組成物
上述のように、本明細書に提供される軽鎖可変(VL)ドメイン及び重鎖可変(VH)ドメイン(それらの実施形態を含む)は、各々独立して、抗体、抗体バリアント、抗体の断片、抗体バリアントの断片、又は組換えタンパク質(例えば、キメラ抗原受容体、二重特異性抗体)の一部を形成することができる。本明細書では、とりわけ、組換えタンパク質(例えば、キメラ抗原受容体、二重特異性抗体)が提供され、これらは、本明細書に提供される軽鎖可変(VL)ドメイン及び/又は重鎖可変(VH)ドメインを含み、したがって、CD5に結合し、エフェクター細胞をCD5発現細胞(例えば、T細胞)に動員することができ、それによって、CD5活性を効果的に阻害し、CD5活性によって引き起こされる免疫抑制の逆転を媒介する。実施形態では、組換えタンパク質は、キメラ抗原受容体(CAR)である。実施形態では、組換えタンパク質は、二重特異性抗体である。
【0104】
キメラ抗原受容体タンパク質
本明細書では、とりわけ、組換えタンパク質が提供され、組換えタンパク質が、キメラ抗原受容体である。組換えタンパク質の抗体領域は、その実施形態を含む本明細書に提供される軽鎖及び重鎖可変ドメインのいずれかを含み得る。本明細書に提供される軽鎖可変(VL)ドメイン及び/又は重鎖可変(VH)ドメインは、キメラ抗原受容体の一部を形成し得る。したがって、一態様では、組換えタンパク質が提供され、(i)抗体領域であって、(a)配列番号1に示されるCDR H1、配列番号2に示されるCDR H2、及び配列番号3に示されるCDR H3を含む重鎖可変ドメイン、並びに(b)配列番号4に示されるCDR L1、配列番号5に示されるCDR L2、及び配列番号6に示されるCDR L3を含む軽鎖可変ドメインを含む、抗体領域と、(ii)膜貫通ドメインと、を含む。
【0105】
本明細書に提供される「抗体領域」は、一価又は多価のタンパク質部分を指し、本明細書に提供される組換えタンパク質(その実施形態を含む)(例えば、CAR)の一部を形成する。したがって、当業者は、抗体領域が、抗原(エピトープ)に結合することができるタンパク質部分であることを直ちに認識するであろう。したがって、本明細書に提供される抗体領域は、抗体のドメイン(例えば、軽鎖可変(VL)ドメイン、重鎖可変(VH)ドメイン)又は抗体の断片(例えば、Fab)を含み得る。実施形態では、抗体領域は、タンパク質コンジュゲートである。本明細書に提供される「タンパク質コンジュゲート」は、2つ以上のポリペプチドからなる構築物を指し、ポリペプチドが、共有結合又は非共有結合で一緒に結合される。実施形態では、タンパク質コンジュゲートは、scFv部分(一価scFv)に共有結合されたFab部分(一価のFab)を含む。実施形態では、タンパク質コンジュゲートは、複数の(少なくとも2つの)Fab部分を含む。実施形態では、タンパク質コンジュゲートのポリペプチドは、1つの核酸分子によってコードされる。実施形態では、タンパク質コンジュゲートのポリペプチドは、異なる核酸分子によってコードされる。実施形態では、ポリペプチドは、リンカーを介して連結される。実施形態では、ポリペプチドは、化学リンカーを介して連結される。実施形態では、抗体領域は、scFvである。抗体領域は、軽鎖可変(VL)ドメイン及び/又は重鎖可変(VH)ドメインを含み得る。
【0106】
本明細書に提供される「膜貫通ドメイン」は、生体膜の一部を形成するポリペプチドを指す。本明細書に提供される膜貫通ドメインは、膜の一方の側から膜の他方の側まで、生体膜(例えば、細胞膜)にまたがることができる。実施形態では、膜貫通ドメインは、細胞内側から細胞膜の細胞外側に及ぶ。膜貫通ドメインは、非極性の疎水性残基を含んでもよく、これは、生体膜(例えば、T細胞の細胞膜)に本明細書に提供されるタンパク質(その実施形態を含む)をアンカーする。本明細書に提供されるタンパク質(その実施形態を含む)をアンカーすることができる任意の膜貫通ドメインが企図される。膜貫通ドメインの非限定的な例としては、CD28、CD8、CD4、又はCD3ζの膜貫通ドメインが挙げられる。実施形態では、膜貫通ドメインは、CD4膜貫通ドメインである。
【0107】
実施形態では、膜貫通ドメインは、CD28膜貫通ドメインである。本明細書に提供される「CD28膜貫通ドメイン」という用語は、CD28膜貫通ドメインの組換え体若しくは天然に存在する形態、又はCD28膜貫通ドメインの活性を維持する(例えば、CD28膜貫通ドメインと比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%以内)そのバリアント若しくはホモログのうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD28膜貫通ドメインポリペプチドと比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、CD28は、NCBI配列参照GI:340545506によって特定されるタンパク質、そのホモログ又は機能性断片である。
【0108】
実施形態では、膜貫通ドメインは、CD8膜貫通ドメインである。本明細書に提供される「CD8膜貫通ドメイン」という用語は、CD8膜貫通ドメインの組換え体若しくは天然に存在する形態、又はCD8膜貫通ドメインの活性を維持する(例えば、CD8膜貫通ドメインと比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%以内)そのバリアント若しくはホモログのうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD8膜貫通ドメインポリペプチドと比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、CD8は、NCBI配列参照GI:225007534によって特定されるタンパク質、そのホモログ又は機能性断片である。
【0109】
実施形態では、膜貫通ドメインは、CD4膜貫通ドメインである。本明細書に提供される「CD4膜貫通ドメイン」という用語は、CD4膜貫通ドメインの組換え体若しくは天然に存在する形態、又はCD4膜貫通ドメインの活性を維持する(例えば、CD4膜貫通ドメインと比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%以内)そのバリアント若しくはホモログのうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD4膜貫通ドメインポリペプチドと比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、CD4は、NCBI配列参照GI:303522473によって特定されるタンパク質、そのホモログ又は機能性断片である。
【0110】
実施形態では、膜貫通ドメインは、CD3ζ(別名、CD247)膜貫通ドメインである。本明細書に提供される「CD3ζ膜貫通ドメイン」という用語は、CD3ζ膜貫通ドメインの組換え体若しくは天然に存在する形態、又はCD3ζ膜貫通ドメインの活性を維持する(例えば、CD3ζ膜貫通ドメインと比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%以内)そのバリアント若しくはホモログのうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD3ζ膜貫通ドメインポリペプチドと比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CD3ζは、NCBI配列参照GI:166362721によって特定されるタンパク質、そのホモログ又は機能性断片である。
【0111】
本明細書に提供される組換えタンパク質(例えば、キメラ抗原受容体)は、本明細書に記載のCD5抗体又はその断片のいずれかを含み得る。したがって、組換えタンパク質(例えば、キメラ抗原受容体)は、本明細書に提供されるCDR、FR、重鎖可変ドメイン、又は軽鎖可変ドメインのいずれかを含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、配列番号16の配列を含み得る。実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号16の配列である。例えば、軽鎖可変ドメインは、配列番号15の配列を含み得る。実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号15の配列である。
【0112】
実施形態では、組換えタンパク質は、CD5タンパク質に結合される。実施形態では、CD5タンパク質は、ヒトCD5タンパク質である。実施形態では、CD5タンパク質は、細胞の一部を形成する。実施形態では、CD5タンパク質は、細胞の表面で発現される。
【0113】
実施形態では、抗体領域は、Fcドメインを含む。実施形態では、抗体領域は、スペーサー領域を含む。実施形態では、スペーサー領域は、膜貫通ドメインと抗体領域との間にある。本明細書に提供される「スペーサー領域」は、抗体領域を膜貫通ドメインに連結するポリペプチドである。実施形態では、スペーサー領域は、重鎖定常領域を膜貫通ドメインに連結する。実施形態では、スペーサー領域は、Fc領域を含む。実施形態では、スペーサー領域は、Fc領域である。本明細書に提供される組換えタンパク質組成物について企図されるスペーサー領域の例としては、免疫グロブリン分子又はその断片(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、及びFc受容体結合に影響を及ぼす変異を含む免疫グロブリン分子又はその断片(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)が挙げられるが、これらに限定されない。実施形態では、スペーサー領域は、ヒンジ領域である。
【0114】
実施形態では、本明細書に提供される組換えタンパク質(その実施形態を含む)は、細胞内共刺激シグナル伝達ドメインを更に含む。本明細書に提供される「細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン」は、本明細書に提供される抗体領域(その実施形態を含む)への抗原の結合に応答して共刺激シグナル伝達を提供することができるアミノ酸配列を含む。実施形態では、共刺激シグナル伝達ドメインのシグナル伝達は、サイトカインの産生及びそれを発現するT細胞の増殖をもたらす。実施形態では、細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、4-1BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、ICOS細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、又はOX-40細胞内共刺激シグナル伝達ドメインである。実施形態では、細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメインである。実施形態では、細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメインである。実施形態では、細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、ICOS細胞内共刺激シグナル伝達ドメインである。実施形態では、細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、OX-40細胞内共刺激シグナル伝達ドメインである。
【0115】
実施形態では、本明細書に提供される組換えタンパク質(その実施形態を含む)は、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインを更に含む。本明細書に提供される「細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン」は、本明細書に提供される抗体領域(その実施形態を含む)への抗原の結合に応答して、一次シグナル伝達を提供することができるアミノ酸配列を含む。実施形態では、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインのシグナル伝達は、それを発現するT細胞の活性化をもたらす。実施形態では、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインのシグナル伝達は、それを発現するT細胞の増殖(細胞分裂)をもたらす。実施形態では、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインのシグナル伝達は、T細胞による、活性化T細胞に特徴的な当該技術分野で既知のタンパク質(例えば、CTLA-4、PD-1、CD28、CD69)の発現をもたらす。実施形態では、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3複合体のζ鎖のシグナル伝達ドメインを含む。実施形態では、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインは、CD3細胞内T細胞シグナル伝達ドメインである。
【0116】
本明細書で言及される「CTLA-4」という用語は、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4タンパク質(CD152(表面抗原分類152)としても知られている)の組換え体若しくは天然に存在する形態、又はCTLA-4活性を維持する(例えば、CTLA-4と比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%以内)そのバリアント若しくはホモログのうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCTLA-4タンパク質と比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CTLA-4タンパク質は、UniProt参照番号P16410によって特定されるタンパク質、又はそれと実質的な同一性を有するバリアント若しくはホモログと実質的に同一である。
【0117】
本明細書で言及される「CD28」という用語は、表面抗原分類28タンパク質の組換え体若しくは天然に存在する形態、又はCD28活性を維持する(例えば、CD28と比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%以内)そのバリアント若しくはホモログのうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD28タンパク質と比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CD28タンパク質は、UniProt参照番号P10747によって特定されるタンパク質、又はそれと実質的な同一性を有するバリアント若しくはホモログと実質的に同一である。
【0118】
本明細書で言及される「CD69」という用語は、表面抗原分類69タンパク質の組換え体若しくは天然に存在する形態、又はCD69活性を維持する(例えば、CD69と比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%以内)そのバリアント若しくはホモログのうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD69タンパク質と比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CD69タンパク質は、UniProt参照番号Q07108によって特定されるタンパク質、又はそれと実質的な同一性を有するバリアント若しくはホモログと実質的に同一である。
【0119】
本明細書で言及される「4-1BB」という用語は、4-1BBタンパク質(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー9(TNFRSF9)、表面抗原分類137(CD137)、及びリンパ球活性化によって誘導される受容体(ILA)としても知られている)の組換え体又は天然に存在する形態、又は4-1BB活性を維持する(例えば、4-1BBと比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%以内)そのバリアント若しくはホモログのうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するEGFRタンパク質と比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、4-1BBタンパク質は、UniProt参照番号Q07011によって特定されるタンパク質、又はそれと実質的な同一性を有するバリアント若しくはホモログと実質的に同一である。
【0120】
実施形態では、本明細書に提供される組換えタンパク質(その実施形態を含む)は、自己切断ペプチジル配列を更に含む。実施形態では、自己切断ペプチジルリンカー配列は、T2A配列又は2A配列である。実施形態では、自己開裂ペプチジルリンカー配列は、T2A配列である。実施形態では、自己切断ペプチジルリンカー配列は、2A配列である。
【0121】
二重特異性抗体
本明細書に提供される軽鎖可変(VL)ドメイン及び重鎖可変(VH)ドメインは、二重特異性抗体の一部を形成し得る。したがって、第2の抗体領域は、本明細書に提供される軽鎖及び/又は重鎖可変ドメイン(その実施形態を含む)のうちのいずれかを含み得る。別の態様では、組換えタンパク質が提供され、(i)エフェクター細胞のリガンドに結合することができる第1の抗体領域と、(ii)第2の抗体領域であって、(a)配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、及び配列番号3に示されるCDR L3を含む軽鎖可変ドメイン、並びに(b)配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、及び配列番号6に示されるCDR H3の重鎖可変ドメインを含む、第2の抗体領域と、を含む。
【0122】
本明細書に提供される「エフェクター細胞のリガンド」という用語は、免疫系のエフェクター細胞(例えば、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞)で発現される細胞表面分子を指す。エフェクター細胞で発現されるエフェクター細胞のリガンドへの第1の抗体領域の結合時に、エフェクター細胞が活性化され、その機能(例えば、悪性細胞、感染細胞、又はそうでなければ不健康な細胞の選択的な殺傷又は根絶)を発揮することができる。実施形態では、エフェクター細胞のリガンドは、CD3タンパク質である。実施形態では、エフェクター細胞のリガンドは、CD16タンパク質である。実施形態では、エフェクター細胞のリガンドは、CD32タンパク質である。実施形態では、エフェクター細胞のリガンドは、NKp46タンパク質である。本明細書に提供される第1の抗体領域は、抗体、抗体バリアント、抗体の断片、又は抗体バリアントの断片であり得る。
【0123】
本明細書で言及される「CD3タンパク質」は、シグナル伝達を媒介し、CD3複合体活性を維持する(例えば、CD3複合体と比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%以内)CD3複合体を含む、表面抗原分類3(CD3)タンパク質の組換え体若しくは天然に存在する形態、又はそのバリアント若しくはホモログのうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、CD3複合体の天然に存在するCD3ポリペプチドと比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。
【0124】
本明細書で言及される「CD16タンパク質」は、表面抗原分類16(CD16)タンパク質(低親和性免疫グロブリンγFc領域受容体III-Aとしても知られている)の組換え体若しくは天然に存在する形態、又はCD16活性を維持する(例えば、CD16と比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%以内)そのバリアント若しくはホモログのうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD16タンパク質と比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CD16タンパク質は、UniProt参照番号P08637によって特定されるタンパク質、又はそれと実質的な同一性を有するバリアント若しくはホモログと実質的に同一である。
【0125】
本明細書で言及される「CD32タンパク質」は、表面抗原分類32(CD32)タンパク質(低親和性免疫グロブリンγFc領域受容体II-Aとしても知られている)の組換え体若しくは天然に存在する形態、又はCD32活性を維持する(例えば、CD32と比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%以内)そのバリアント若しくはホモログのうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD32タンパク質と比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CD32タンパク質は、UniProt参照番号P12318によって特定されるタンパク質、又はそれと実質的な同一性を有するバリアント若しくはホモログと実質的に同一である。
【0126】
本明細書で言及される「NKp46タンパク質」は、NKp46タンパク質(細胞傷害誘発受容体(natural cytotoxicity triggering receptor)1としても知られている)の組換え体若しくは天然に存在する形態、又はNKp46活性を維持する(例えば、NKp46と比較して、活性が少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%以内)それらのバリアント若しくはホモログのうちのいずれかを含む。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するNKp46タンパク質と比較して、配列全体又は配列の一部分(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、NKp46タンパク質は、UniProt参照番号076036によって特定されるタンパク質、又はそれと実質的な同一性を有するバリアント若しくはホモログと実質的に同一である。
【0127】
本明細書に提供される組換えタンパク質(例えば、二重特異性抗体)は、本明細書に記載のCD5抗体又はその断片のうちのいずれかを含み得る。したがって、組換えタンパク質(例えば、二重特異性抗体)は、本明細書に提供されるCDR、FR、重鎖可変ドメイン、又は軽鎖可変ドメインのうちのうちのいずれかを含むいずれかを含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、配列番号16の配列を含み得る。実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号16の配列である。例えば、軽鎖可変ドメインは、配列番号15の配列を含み得る。実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号15の配列である。
【0128】
本明細書に提供される組換えタンパク質(例えば、二重特異性抗体)の重鎖可変ドメインは、本明細書に提供されるCDR又はFRのうちのいずれかを含み得る。したがって、重鎖可変ドメインは、例えば、配列番号11に示されるFR H1、配列番号12に示されるFR H2、配列番号13に示されるFR H3、及び配列番号14に示されるFR H4を含み得る。
【0129】
本明細書に提供される組換えタンパク質(例えば、二重特異性抗体)の軽鎖可変ドメインは、本明細書に提供されるCDR又はFRのうちのいずれかを含み得る。例えば、軽鎖可変ドメインは、例えば、配列番号7に示されるFR L1、配列番号8に示されるFR L2、配列番号9に示されるFR L3、及び配列番号10に示されるFR L4を含み得る。
【0130】
実施形態では、第1の抗体領域は、第1のFab’断片であるか、又は第2の抗体領域は、第2のFab’断片である。実施形態では、第1の抗体領域は、一本鎖可変断片(scFv)であるか、又は第2の抗体領域は、第2の一本鎖可変断片(scFv)である。
【0131】
実施形態では、第2の抗体領域は、CD5に結合される。いくつかの実施形態では、CD5は、ヒトCD5である。実施形態では、CD5は、細胞の一部を形成する。実施形態では、CD5は、細胞の表面で発現される。
【0132】
核酸組成物
本明細書に提供される組成物は、本明細書に提供される抗CD5抗体及び組換えタンパク質(その実施形態を含む)をコードする核酸分子を含む。したがって、一態様では、本明細書に提供される抗体をコードする、単離された核酸(その実施形態を含む)が提供される。
【0133】
別の態様では、本明細書に提供される組換えタンパク質(その実施形態を含む)をコードする、単離された核酸が提供される。
【0134】
薬学的組成物
本明細書に提供される組成物は、治療有効量の抗CD5抗体及び組換えタンパク質(その実施形態を含む)を含む薬学的組成物を含む。したがって、一態様では、治療有効量の本明細書に提供される抗体(その実施形態を含む)及び薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物が提供される。
【0135】
別の態様では、治療有効量の、本明細書に提供される組換えタンパク質(その実施形態を含む)及び薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物が提供される。
【0136】
実施形態では、薬学的組成物は、治療有効量のプログラム細胞死1(PD-1)阻害剤を更に含む。実施形態では、PD-1阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、又はセミプリマブである。実施形態では、PD-1阻害剤は、ニボルマブである。実施形態では、PD-1阻害剤は、ペムブロリズマブである。実施形態では、PD-1阻害剤は、セミプリマブである。実施形態では、治療有効量の抗体及び治療有効量のPD-1阻害剤は、組み合わせた相乗量である。
【0137】
治療方法
本明細書に提供される組成物(例えば、抗CD5抗体及び組換えタンパク質)(その実施形態を含む)は、がんなどの疾患に対して効果的な治療を提供するように企図される。したがって、一態様では、がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法を提供し、本方法は、対象に、治療有効量の本明細書に提供される抗体(その実施形態を含む)を投与し、それによって、対象のがんを治療することを含む。
【0138】
別の態様では、がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法が提供され、本方法は、対象に、治療有効量の本明細書に記載される組換えタンパク質(その実施形態を含む)を投与し、それによって、対象のがんを治療することを含む。
【0139】
実施形態では、がんは、肺がん、卵巣がん、骨肉腫、膀胱がん、子宮頸がん、肝臓がん、腎臓がん、皮膚がん(例えば、メルケル細胞がん)、精巣がん、白血病、リンパ腫、頭頸部がん、大腸がん、前立腺がん、膵臓がん、黒色腫、乳がん、又は神経芽腫である。実施形態では、がんは、黒色腫である。実施形態では、がんは、乳がんである。実施形態では、がんは、膵臓がんである。
【0140】
実施形態では、本方法は、対象に第2の治療薬を投与することを更に含む。実施形態では、本方法は、治療有効量のPD-1阻害剤を投与することを更に含む。実施形態では、有効量の抗体及び有効量のPD-1阻害剤は、組み合わせた相乗量である。
【0141】
実施形態では、抗体及びPD-1阻害剤は、逐次的に又は同時に投与される。実施形態では、抗体及びPD-1阻害剤は、逐次的に投与される。実施形態では、抗体及びPD-1阻害剤は、同時に投与される。実施形態では、抗体及びPD-1阻害剤は、投与前に一緒に混合される。実施形態では、抗体及びPD-1阻害剤は、単一剤形で投与される。実施形態では、抗体及びPD-1阻害剤は、2つの別個の剤形で投与される。
【0142】
一態様では、がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法を提供し、本方法は、対象に、組み合わせた有効量の本明細書に提供される抗体(その実施形態を含む)及びPD-1阻害剤を投与し、それによって、対象のがんを治療することを含む。実施形態では、組み合わせた有効量は、組み合わせた相乗量である。
【0143】
実施形態では、有効量の本明細書に提供される抗体(その実施形態を含む)及び有効量のPD-1阻害剤は、組み合わせた相乗量である。本明細書で使用される場合、「組み合わせた相乗量(combined synergistic amount)」は、相乗効果(すなわち、相加効果よりも大きい効果)をもたらす、第1の量(例えば、本明細書に提供される抗体(その実施形態を含む)の量)と第2の量(例えば、PD-1阻害剤の量)との合計を指す。したがって、本明細書で互換的に使用される「相乗」、「相乗作用」、「相乗的」、「組み合わせた相乗量」、及び「相乗治療効果」という用語は、測定された効果が、単一の薬剤として単独で投与される各化合物の個々の効果の合計よりも大きい、組み合わせて投与される化合物の測定された効果を指す。実施形態では、投与される化合物(例えば、本明細書に提供される抗体及びPD-1阻害剤)の測定された効果は、単一の薬剤として単独で投与された各化合物の個々の効果の合計よりも1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍以上である。
【0144】
実施形態では、相乗量は、PD-1阻害剤とは別に使用した場合、本明細書に提供される抗体の量の約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、又は99%であり得る。実施形態では、相乗量は、本明細書に提供される抗体とは別に使用した場合、PD-1阻害剤の量の約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、又は99%であり得る。
【0145】
実施形態では、抗体は、約0.01nM~約10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.05nM~約10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.1nM~約10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.5nM~約10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約1nM~約10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約2nM~約10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約4nM~約10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約6nM~約10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約4nM~約10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約8nM~約10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.01nM、0.05nM、0.1nM、0.5nM、1nM、2nM、2nM、4nM、5nM、6nM、7nM、8nM、9nM、又は10nMの量で投与される。
【0146】
実施形態では、抗体は、0.01nM~10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.05nM~10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.1nM~10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.5nM~10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、1nM~10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、2nM~10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、4nM~10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、6nM~10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、4nM~10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、8nM~10nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.01nM、0.05nM、0.1nM、0.5nM、1nM、2nM、2nM、4nM、5nM、6nM、7nM、8nM、9nM、又は10nMの量で投与される。
【0147】
実施形態では、抗体は、約0.01nM~約8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.05nM~約8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.1nM~約8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.5nM~約8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約1nM~約8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約2nM~約8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約4nM~約8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約6nM~約8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約4nM~約8nMの量で投与される。
【0148】
実施形態では、抗体は、0.01nM~8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.05nM~8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.1nM~8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.5nM~8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、1nM~8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、2nM~8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、4nM~8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、6nM~8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、4nM~8nMの量で投与される。
【0149】
実施形態では、抗体は、約0.01nM~約6nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.05nM~約6nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.1nM~約6nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.5nM~約8nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約1nM~約6nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約2nM~約6nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約4nM~約6nMの量で投与される。
【0150】
実施形態では、抗体は、0.01nM~6nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.05nM~6nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.1nM~6nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.5nM~6nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、1nM~6nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、2nM~6nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、4nM~6nMの量で投与される。
【0151】
実施形態では、抗体は、約0.01nM~約4nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.05nM~約4nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.1nM~約4nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.5nM~約4nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約1nM~約4nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約2nM~約4nMの量で投与される。
【0152】
実施形態では、抗体は、0.01nM~4nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.05nM~4nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.1nM~4nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.5nM~4nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、1nM~4nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、2nM~4nMの量で投与される。
【0153】
実施形態では、抗体は、約0.01nM~約2nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.05nM~約2nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.1nM~約2nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.5nM~約2nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約1nM~約2nMの量で投与される。
【0154】
実施形態では、抗体は、0.01nM~2nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.05nM~2nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.1nM~2nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.5nM~2nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、1nM~2nMの量で投与される。
【0155】
実施形態では、抗体は、約0.01nM~約1nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.05nM~約1nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.1nM~1nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約0.5nM~約1nMの量で投与される。
【0156】
実施形態では、抗体は、0.01nM~1nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.05nM~1nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.1nM~1nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、0.5nM~1nMの量で投与される。
【0157】
実施形態では、抗体は、約3.15nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、3.15nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、約1.05nMの量で投与される。実施形態では、抗体は、1.05nMの量で投与される。
【0158】
本明細書に提供される組換えタンパク質(すなわち、二重特異性抗体又はキメラ抗原受容体)(その実施形態を含む)は、抗体(例えば、0.01nM~10nM)の投与のために、本明細書に記載の濃度のうちのいずれかで投与され得ることが理解される。
【0159】
実施形態では、抗体は、約10μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約20μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約30μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約40μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約50μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約60μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約70μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約80μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約90μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約100μg~約500μgの量で投与される。
【0160】
実施形態では、抗体は、約110μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約120μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約130μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約140μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約150μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約160μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約170μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約180μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約190μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約200μg~約500μgの量で投与される。
【0161】
実施形態では、抗体は、約210μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約220μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約230μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約240μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約250μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約260μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約270μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約280μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約290μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約300μg~約500μgの量で投与される。
【0162】
実施形態では、抗体は、約310μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約320μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約330μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約340μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約350μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約360μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約370μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約380μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約390μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約400μg~約500μgの量で投与される。
【0163】
実施形態では、抗体は、約410μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約420μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約430μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約440μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約450μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約460μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約470μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約480μg~約500μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約490μg~約500μgの量で投与される。
【0164】
実施形態では、抗体は、約10μg~約400μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約20μg~約400μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約30μg~約400μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約40μg~約400μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約50μg~約400μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約60μg~約400μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約70μg~約400μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約80μg~約400μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約90μg~約400μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約100μg~約400μgの量で投与される。
【0165】
実施形態では、抗体は、約10μg~約300μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約20μg~約300μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約30μg~約300μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約40μg~約300μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約50μg~約300μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約60μg~約300μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約70μg~約300μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約80μg~約300μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約90μg~約300μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約100μg~約300μgの量で投与される。
【0166】
実施形態では、抗体は、約10μg~約200μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約20μg~約200μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約30μg~約200μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約40μg~約200μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約50μg~約200μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約60μg~約200μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約70μg~約200μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約80μg~約200μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約90μg~約200μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約100μg~約200μgの量で投与される。
【0167】
実施形態では、抗体は、約10μg~約100μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約20μg~約100μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約30μg~約100μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約40μg~約100μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約50μg~約100μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約60μg~約100μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約70μg~約100μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約80μg~約100μgの量で投与される。実施形態では、抗体は、約90μg~約100μgの量で投与される。
【0168】
実施形態では、抗体は、約10μg、20μg、30μg、40μg、50μg、60μg、70μg、80μg、90μg、100μg、110μg、120μg、130μg、140μg、150μg、160μg、170μg、180μg、190μg、200μg、210μg、220μg、230μg、240μg、250μg、260μg、270μg、280μg、290μg、300μg、310μg、320μg、330μg、340μg、350μg、360μg、370μg、380μg、390μg、400μg、410μg、420μg、430μg、440μg、450μg、460μg、470μg、480μg、490μg、又は500μgの量で投与される。
【0169】
実施形態では、抗体は、10μg、20μg、30μg、40μg、50μg、60μg、70μg、80μg、90μg、100μg、110μg、120μg、130μg、140μg、150μg、160μg、170μg、180μg、190μg、200μg、210μg、220μg、230μg、240μg、250μg、260μg、270μg、280μg、290μg、300μg、310μg、320μg、330μg、340μg、350μg、360μg、370μg、380μg、390μg、400μg、410μg、420μg、430μg、440μg、450μg、460μg、470μg、480μg、490μg、又は500μgの量で投与される。
【0170】
本明細書に提供される組換えタンパク質(すなわち、二重特異性抗体又はキメラ抗原受容体)(その実施形態を含む)は、抗体の投与のために本明細書に記載の濃度のいずれかで投与され得ることが理解される(例えば、10μg~500μg)。
【0171】
実施形態では、組換えタンパク質又は抗体は、約200μgの量で投与される。実施形態では、組換えタンパク質又は抗体は、200μgの量で投与される。
【0172】
本明細書に記載される実施例及び実施形態は、例示目的のためのみであり、それを考量したその様々な修飾又は変更が当業者に提案され、本出願の趣旨及び目的、並びに添付の特許請求の範囲の範囲に含まれるべきであることが理解されるべきである。本明細書に引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、全ての目的のために、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0173】
実施例1
本発明者らの発表データ及び未発表データは、CD5が腫瘍関連のB細胞及びT細胞の両方でSTAT3を活性化し、免疫抑制につながることを示した。腫瘍関連T細胞又はCD5陰性B細胞におけるCD5の遮断は、抗腫瘍免疫応答を大幅に高める(
図1A~
図1C及び
図2C)。直接比較すると、CD5及びPD1の発現は、腫瘍CD8
+T細胞の阻害を媒介し、複数のアプローチによるCD5の遮断は、マウスの免疫系においてPD-1抗体よりも強い免疫刺激効果を有する(
図2A~
図2E)。
【0174】
本発明者らは、新規の抗ヒトCD5モノクローナル抗体(9F2A11)を開発した(
図3A~
図3B)。本発明者らは、そのモノクローナル抗体を配列決定しており、それが独特であり、したがって新規である(
図4A~
図4B)。
【0175】
この新規の抗ヒトCD5抗体は、ヒトT細胞の活性を強力に誘発することができる(
図5)。ヒトT細胞の活性化を誘導するモノクローナルCD5抗体の能力は、実験条件下では、市販のCD5抗体よりも優れている(
図4)。加えて、モノクローナルCD5抗体を臨床PD-1抗体と組み合わせて使用すると、ヒトT細胞の活性化における相乗作用が検出される(
図6A~
図6B)。加えて、ヒトT細胞の活性化を誘導するモノクローナルCD5(9F2A11)の能力は、PD1抗体(
図6A~
図6B)よりも優れている。
【0176】
P実施形態
P実施形態1.軽鎖可変ドメインと、重鎖可変ドメインと、を含む、抗CD5抗体であって、
当該軽鎖可変ドメインが、
配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、及び配列番号3に示されるCDR L3を含み、
当該重鎖可変ドメインが、
配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、及び配列番号6に示されるCDR H3を含む、抗CD5抗体。
【0177】
P実施形態2.当該軽鎖可変ドメインが、配列番号7に示されるFR L1、配列番号8に示されるFR L2、配列番号9に示されるFR L3、及び配列番号10に示されるFR L4を含む、P実施形態1に記載の抗体。
【0178】
P実施形態3.当該重鎖可変ドメインが、配列番号11に示されるFR H1、配列番号12に示されるFR H2、配列番号13に示されるFR H3、及び配列番号14に示されるFR H4を含む、P実施形態1又は2に記載の抗体。
【0179】
P実施形態4.当該軽鎖可変ドメインが、配列番号15の配列を含む、P実施形態1~3のいずれか一項に記載の抗体。
【0180】
P実施形態5.当該重鎖可変ドメインが、配列番号16の配列を含む、P実施形態1~4のいずれか一項に記載の抗体。
【0181】
P実施形態6.当該抗体が、ヒト化抗体である、P実施形態1~7のいずれか一項に記載の抗体。
【0182】
P実施形態7.当該抗体が、キメラ抗体である、P実施形態1~5のいずれか一項に記載の抗体。
【0183】
P実施形態8.当該抗体が、Fab’断片である、P実施形態1~5のいずれか一項に記載の抗体。
【0184】
P実施形態9.当該抗体が、一本鎖抗体(scFv)である、P実施形態1~6のいずれか一項に記載の抗体。
【0185】
P実施形態10.当該軽鎖可変ドメイン及び当該重鎖可変ドメインが、scFvの一部を形成する、P実施形態1~5又は9のいずれか一項に記載の抗体。
【0186】
P実施形態11.当該抗体が、IgGである、P実施形態1~7のいずれか一項に記載の抗体。
【0187】
P実施形態12.当該抗体が、IgG1である、P実施形態1~7のいずれか一項に記載の抗体。
【0188】
P実施形態13.当該抗体が、CD5に結合することができる、P実施形態1~12のいずれか一項に記載の抗体。
【0189】
P実施形態14.当該抗体が、CD5に結合される、P実施形態1~13のいずれか一項に記載の抗体。
【0190】
P実施形態15.当該CD5が、細胞の一部を形成する、P実施形態14に記載の抗体。
【0191】
P実施形態16.当該細胞が、リンパ系細胞である、P実施形態15に記載の抗体。
【0192】
P実施形態17.当該細胞が、
B細胞又はT細胞である、P実施形態15又は16に記載の抗体。
【0193】
P実施形態18.P実施形態1の抗体をコードする、単離された核酸。
【0194】
P実施形態19.治療有効量のP実施形態1~17のいずれか一項に記載の抗体と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
【0195】
P実施形態20.治療有効量のプログラム細胞死1(PD-1)阻害剤を更に含む、P実施形態19に記載の薬学的組成物。
【0196】
P実施形態21.当該PD-1阻害剤が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、又はセミプリマブである、P実施形態19又は20に記載の薬学的組成物。
【0197】
P実施形態22.当該治療有効量の当該抗体及び当該治療有効量の当該PD-1阻害剤が、組み合わせた相乗量である、P実施形態19~21のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【0198】
P実施形態23.がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法であって、当該対象に、治療有効量のP実施形態1~17のいずれか一項に記載の抗体を投与し、それによって、当該対象におけるがんを治療することを含む、方法。
【0199】
P実施形態24.治療有効量のPD-1阻害剤を投与することを更に含む、P実施形態23に記載の方法。
【0200】
P実施形態25.当該有効量の抗体及び当該有効量のPD-1阻害剤が、組み合わせた相乗量である、P実施形態24に記載の方法。
【0201】
P実施形態26.当該抗体及び当該PD-1阻害剤が、逐次的に又は同時に投与される、P実施形態24又は25に記載の方法。
【0202】
P実施形態27.当該抗体及び当該PD-1阻害剤が、投与前に一緒に混合される、P実施形態24~26のいずれか一項に記載の方法。
【0203】
P実施形態28.当該抗体及び当該PD-1阻害剤が、単一剤形で投与される、P実施形態24~27のいずれか一項に記載の方法。
【0204】
P実施形態29.当該抗体及び当該PD-1阻害剤が、2つの別個の剤形で投与される、P実施形態24~26のいずれか一項に記載の方法。
【0205】
P実施形態30.がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法であって、当該対象に、組み合わせた有効量のP実施形態1~17のいずれか一項に記載の抗体及びPD-1阻害剤を投与し、それによって、当該対象におけるがんを治療することを含む、方法。
【0206】
P実施形態31.当該組み合わせた有効量が、組み合わせた相乗量である、P実施形態30に記載の方法。
【0207】
P実施形態32.組換えタンパク質であって、
(i)抗体領域であって、
(a)配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、及び配列番号3に示されるCDR L3を含む軽鎖可変ドメイン、並びに
(b)配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、及び配列番号6に示されるCDR H3の重鎖可変ドメインを含む、抗体領域と、
(ii)膜貫通ドメインと、を含む、組換えタンパク質。
【0208】
P実施形態33.P実施形態32の組換えタンパク質をコードする、単離された核酸。
【0209】
P実施形態34.治療有効量のP実施形態32に記載の組換えタンパク質と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
【0210】
P実施形態35.がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法であって、当該対象に、治療有効量のP実施形態32に記載の組換えタンパク質を投与し、それによって、当該対象におけるがんを治療することを含む、方法。
【0211】
P実施形態36.治療有効量のPD-1阻害剤を投与することを更に含む、P実施形態35に記載の方法。
【0212】
P実施形態37.組換えタンパク質であって、
(i)エフェクター細胞のリガンドに結合することができる第1の抗体領域と、
(ii)第2の抗体領域であって、
(a)配列番号1に示されるCDR L1、配列番号2に示されるCDR L2、及び配列番号3に示されるCDR L3を含む軽鎖可変ドメイン、並びに
(b)配列番号4に示されるCDR H1、配列番号5に示されるCDR H2、及び配列番号6に示されるCDR H3の重鎖可変ドメインを含む、第2の抗体領域と、を含む、組換えタンパク質。
【0213】
P実施形態38.治療有効量のP実施形態37に記載の組換えタンパク質と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
【0214】
P実施形態39.がんの治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法であって、当該対象に、治療有効量のP実施形態37に記載の組換えタンパク質を投与し、それによって、当該対象におけるがんを治療することを含む、方法。
【0215】
非公式の配列表:
軽鎖CDR L1アミノ酸配列(配列番号1):ESVDSYGNSF
【0216】
軽鎖CDR L2アミノ酸配列(配列番号2):LAS
【0217】
軽鎖CDR L3アミノ酸配列(配列番号3):QQNNEDPYT
【0218】
重鎖CDR H1アミノ酸配列(配列番号4):GFNIKDSY
【0219】
重鎖CDR H2アミノ酸配列(配列番号5):IDPANGDT
【0220】
重鎖CDR H3アミノ酸配列(配列番号6):AREYRYAMDY
【0221】
軽鎖FR L1アミノ酸配列(配列番号7):NIVLTQSPASLPVSLGQRATISCRAS
【0222】
軽鎖FR L2アミノ酸配列(配列番号8):MHWYQQKPGQPPKLLIY
【0223】
軽鎖FR L3アミノ酸配列(配列番号9):NLESGVPARFSGSGSRTDFILTIDPVEADDAATYYC
【0224】
軽鎖FR L4アミノ酸配列(配列番号10):FGGGTKLEIK
【0225】
重鎖FR H1アミノ酸配列(配列番号11):EVQLQESGAELVKPGASVKLSCTAS
【0226】
重鎖FR H2アミノ酸配列(配列番号12):MHWVKQRPEQGLEWIGR
【0227】
重鎖FR H3アミノ酸配列(配列番号13):QYDPKFQGKATITADTSSNTAYLQLSGLTSEDTAVYYC
【0228】
重鎖FR H4アミノ酸配列(配列番号14):WGQGTSVTVSS
【0229】
軽鎖完全長アミノ酸配列(配列番号15):NIVLTQSPASLPVSLGQRATISCRASESVDSYGNSFMHWYQQKPGQPPKLLIYLASNLESGVPARFSGSGSRTDFILTIDPVEADDAATYYCQQNNEDPYTFGGGTKLEIK
【0230】
重鎖完全長アミノ酸配列(配列番号16):EVQLQESGAELVKPGASVKLSCTASGFNIKDSYMHWVKQRPEQGLEWIGRIDPANGDTQYDPKFQGKATITADTSSNTAYLQLSGLTSEDTAVYYCAREYRYAMDYWGQGTSVTVSS
【0231】
軽鎖CDR L1 DNA配列(配列番号17):gaaagtgttgatagttatggcaatagtttt
【0232】
軽鎖CDR L2 DNA配列(配列番号18):cttgcatcc
【0233】
軽鎖CDR L3 DNA配列(配列番号19):cagcaaaataatgaggatccttacacg
【0234】
重鎖CDR H1 DNA配列(配列番号20):ggcttcaacattaaagactcctat
【0235】
重鎖CDR H2 DNA配列(配列番号21):attgatcctgcgaatggtgatact
【0236】
重鎖CDR H3 DNA配列(配列番号22):gctagagagtataggtacgctatggactac
【0237】
軽鎖FR L1 DNA配列(配列番号23):aacattgtgctgacccaatctccagcttctttgcctgtgtctctagggcagagggccaccatatcctgcagagccagt
【0238】
軽鎖FR L2 DNA配列(配列番号24):atgcactggtaccagcagaaaccaggacagccacccaaactcctcatctat
【0239】
軽鎖FR L3 DNA配列(配列番号25):aacctagaatctggggtccctgccaggttcagtggcagtgggtctaggacagacttcatcctcaccattgatcctgtggaggctgatgatgctgcaacctattactgt
【0240】
軽鎖FR L4 DNA配列(配列番号26):ttcggaggggggaccaagctggaaataaaac
【0241】
重鎖FR H1 DNA配列(配列番号27):gaggtgcagctgcaggagtctggggcagagcttgtgaaaccaggggcctcagtcaagttgtcctgcacagcttct
【0242】
重鎖FR H2 DNA配列(配列番号28):atgcactgggtgaagcagaggcctgaacagggcctggagtggattggaagg
【0243】
重鎖FR H3 DNA配列(配列番号29):caatatgacccgaagttccagggcaaggccactataacagcagacacatcctccaacacagcctacctgcagctcagcggcctgacatctgaggacactgccgtctattactgt
【0244】
重鎖FR H4 DNA配列(配列番号30):tggggtcaaggaacctcagtcaccgtctcctcag
【0245】
軽鎖完全長DNA配列(配列番号31):aacattgtgctgacccaatctccagcttctttgcctgtgtctctagggcagagggccaccatatcctgcagagccagtgaaagtgttgatagtatggcaatagttttatgcactggtaccagcagaaaccaggacagccacccaaactcctcatctatcttgcatccaacctagaatctggggtccctgccaggttcagtggcagtgggtctaggacagacttcatcctcaccattgatcctgtggaggctgatgatgctgcaacctattactgtcagcaaaataatgaggatccttacacgttcggaggggggaccaagctggaaataaaac
【0246】
重鎖完全長DNA配列(配列番号32):gaggtgcagctgcaggagtctggggcagagcttgtgaaaccaggggcctcagtcaagttgtcctgcacagcttctggcttcaacattaaagactcctatatgcactgggtgaagcagaggcctgaacagggcctggagtggattggaaggattgatcctgcgaatggtgatactcaatatgacccgaagttccagggcaaggccactataacagcagacacatcctccaacacagcctacctgcagctcagcggcctgacatctgaggacactgccgtctattactgtgctagagagtataggtacgctatggactactggggtcaaggaacctcagtcaccgtctcctcag
【配列表】
【国際調査報告】