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特表2023-538120局所的な距骨の欠陥のためのインプラント及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】局所的な距骨の欠陥のためのインプラント及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/42 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
A61F2/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512392
(86)(22)【出願日】2021-08-23
(85)【翻訳文提出日】2023-04-12
(86)【国際出願番号】 US2021047117
(87)【国際公開番号】W WO2022040623
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】63/068,425
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523057699
【氏名又は名称】パラゴン・アドバンスト・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PARAGON ADVANCED TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】パーラー,アダム ディ
(72)【発明者】
【氏名】コワルチク,グレゴリー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ケニソン,カリッサ イー
(72)【発明者】
【氏名】デオリオ,ジェイムズ ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ベルトロッティ,ルチャーノ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA08
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC01
4C097CC05
4C097CC14
(57)【要約】
少なくとも1つの本体部、少なくとも1つのメッシュ部、および本体部から下に延びる少なくとも1つの固体部を有する距骨インプラント。固体部は少なくとも1つのポイント端を有する。少なくとも1つの脛骨ガイドと、少なくとも1つの距骨ガイドと、距骨インプラントを患者の距骨に挿入するための少なくとも1つのインパクタ器具とを含む、距骨インプラントを挿入するためのキットもさらに開示される。さらに、距骨インプラントを移植する方法が開示される。方法は、距骨の損傷領域を特定するステップと、欠落した損傷領域を対側関節に投影するステップと、対側関節の一部の鏡像に基づいてインプラントをプリントするステップと、を含み得る。方法は、少なくとも1つの切削ガイドを適用するステップと、距骨の損傷領域の少なくとも一部を除去するステップと、距骨インプラントを距骨に挿入して距骨内に距骨インプラントをセットするステップと、を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
距骨インプラントであって、
少なくとも1つの本体部と、
少なくとも1つのメッシュ部と、
本体部から下に延びる少なくとも1つの固体部と、を有し、
少なくとも1つの固体部は、少なくとも1つのポイントを含む、
距骨インプラント。
【請求項2】
少なくとも1つの本体部が、半球形状である、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項3】
少なくとも1つの本体部が、少なくとも1つの連続した滑らかな面を含む、
請求項2に記載の距骨インプラント。
【請求項4】
少なくとも1つのメッシュ部が、複数のセルを含むハニカムパターンとして構成される、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項5】
少なくとも1つのメッシュ部が、変化する多孔度を有する、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項6】
少なくとも1つのメッシュ部、少なくとも1つの本体部、および少なくとも1つの固体部が、一体でプリントされる、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項7】
少なくとも1つの固体部が、少なくとも1つのスパイク要素を含む、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項8】
少なくとも1つの固体部が、本体部から外向きに延びる複数のスパイク要素を含む、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項9】
距骨インプラントを挿入するためのキットであって、
少なくとも1つの脛骨ガイドと、
少なくとも1つの距骨ガイドと、
距骨インプラントを患者の距骨に挿入するための少なくとも1つのインパクタ器具と、を含む、
キット。
【請求項10】
少なくとも1つの脛骨ガイドが、スロットに沿って、ガイドされた方法で脛骨を切削するための切削ツールを受けるように構成された少なくとも1つのスロットを含む、
請求項9に記載のキット。
【請求項11】
少なくとも1つの距骨ガイドが、実質的にU字形状であり、複数の孔を含む、
請求項9に記載のキット。
【請求項12】
インパクタが、第1の端部および第2の端部を有し、
第1の端部は実質的に凹んだ面として構成される、
請求項9に記載のキット。
【請求項13】
距骨インプラントを移植する方法であって、
損傷領域を特定するステップと、
欠落した損傷領域を対側関節に投影するステップと、
対側関節の一部の鏡像に基づいてインプラントをプリントするステップと、
骨に少なくとも1つの切削ガイドを適用するステップと、
距骨の損傷領域の少なくとも一部を除去するステップと、
距骨インプラントを距骨に挿入するステップと、
距骨内に距骨インプラントをセットするステップと、を含む、
方法。
【請求項14】
距骨インプラントをセットする方法が、距骨インプラントをセットするためにインパクタを使用するステップを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの切削ガイドが、脛骨ガイドまたは距骨ガイドの少なくとも1つを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
距骨の損傷領域の少なくとも一部を除去するステップが、損傷した、または距骨の損傷部の領域内にある、距骨の少なくとも一部を除去するための少なくとも1つのリーマを使用するステップを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項17】
脛骨の一部を除去するステップを更に含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項18】
距骨ガイドは、ピンを受けるように構成され、
方法が、リーマをガイドするための距骨ガイド上のピンによってガイドされたリーマを使用するステップをさらに含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
距骨インプラントが、本体、メッシュ部、および固体部を有する、
請求項13に記載の方法。
【請求項20】
距骨インプラントの本体が、磨かれた表面を有し、
メッシュ部が、変化する多孔度を有する、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年8月21日に出願された米国仮出願第63/068,425号の米国特許法第119条(e)に基づく優先権の利益を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に、骨の局所的な欠陥の修復に関連する一般外科、足病学、および整形外科に関する。より具体的には、本発明は足首関節の距骨における局所的ないしフォーカルな欠陥(focal defects)に関するが、それに限定されない。
【背景技術】
【0003】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、距骨の局所的な欠陥を修復するために使用されるインプラントと、このインプラントを距骨の局所的な欠陥に挿入するための方法とに関する。距骨は、足首の関節の下部に位置する。距骨は、個人の体重が脚から足へ伝わる際に、その体重がかかりうる。距骨の一部または全部は、病気や怪我によって損なわれることがある。したがって、距骨用のインプラントが必要であり、特に、局所的な距骨または距骨インプラントと、このインプラントを患者の距骨に効率的に移植するための方法が必要である。
【発明の概要】
【0004】
少なくとも1つの実施形態は、少なくとも1つの本体部、少なくとも1つのメッシュ部、および本体部から下に延びる少なくとも1つの固体部を有する距骨インプラントを開示し、固体部は、少なくとも1つのポイントまたはスパイクを有する。
【0005】
少なくとも1つの実施形態では、距骨インプラントを患者の距骨に挿入するための少なくとも1つの脛骨ガイド、少なくとも1つの距骨ガイド、及び少なくとも1つのインパクタを含む距骨インプラントを挿入するためのキットがある。
【0006】
さらに、損傷した骨領域を特定するステップ、欠落した損傷領域を対側関節に投影するステップ、次いで対側関節の正常部分の鏡像に基づいてインプラントをプリントすることを含み得る、距骨インプラントを移植するための方法も存在する。この方法はまた、少なくとも1つのガイドを使用するステップ、距骨の損傷領域の少なくとも一部を除去するステップ、次に距骨インプラントを挿入し、距骨インプラントをセットするステップを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、本明細書の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。当業界の標準的な慣行どおり、様々な特徴が縮尺通りに描かれていないことが強調される。実際、様々な特徴の寸法は、説明を明確にするために、任意に増加または減少させることができる。図面は、好ましい実施形態を例示する目的だけのものであり、本発明を限定するものとして解釈されるものではない。
【0008】
図1A図1Aは、本発明の一態様に係る、距骨に移植されたインプラントの上側斜視図である。
図1B図1Bは、本発明の一態様に係る、距骨に移植された図1のインプラントの上面図である。
図2A図2Aは、本発明の一態様に係る、図1のインプラントの側面斜視図であり、移植前は、距骨の上に位置している。
図2B図2Bは、本発明の一態様に係る、図1のインプラントの側面図である。
図2C図2Cは、本発明の一態様に係る、図1のインプラントの上面図である。
図2D図2Dは、本発明の一態様に係る、図1のインプラントの上側斜視図である。
図3図3は、本発明の一態様に係る、図1の距骨インプラントが距骨に移植された、足首関節の内側を示す。
図4A図4Aは、本発明の一態様に係る、局所的な距骨インプラントを移植するためのインパクタ器具の側面斜視図である。
図4B図4Bは、本発明の一態様に係る、図4Aのインパクタ器具の別の側面斜視図である。
図4C図4Cは、本発明の一態様に係る、図4Aのインパクタ器具の側面斜視図である。
図4D図4Dは、本発明の一態様に係る、図4Aのインパクタ器具の側面図である。
図4E図4Eは、本発明の一態様に係る、図4Aのインパクタ器具の別の側面図である。
図4F図4Fは、本発明の一態様に係る、図4Aのインパクタ器具の斜視図である。
図5A図5Aは、本発明の一態様に係る、リーマの側面図である。
図5B図5Bは、本発明の一態様に係る、図5Aのリーマの側面斜視図である。
図5C図5Cは、本発明の一態様に係る、図5Aのリーマの側面図である。
図5D図5Dは、本発明の一態様に係る、図5Aのリーマの前面斜視図である。
図5E図5Eは、本発明の一態様に係る、図5Aのリーマの端面側面図である。
図6A図6Aは、本発明の一態様に係る、カスタム脛骨ガイドの斜視図である。
図6B図6Bは、本発明の一態様に係る、図6Aのカスタム脛骨ガイドの側面斜視図である。
図6C図6Cは、本発明の一態様に係る、図6Aのカスタム脛骨ガイドの上面斜視図である。
図6D図6Dは、本発明の一態様に係る、図6Aのカスタム脛骨ガイドの上面図である。
図7A図7Aは、本発明の一態様に係る、カスタム距骨ガイドの側面図である。
図7B図7Bは、本発明の一態様に係る、図7Aのカスタム距骨ガイドの底側を示す。
図7C図7Cは、本発明の一態様に係る、図7Aのカスタム距骨ガイドの上面斜視図である。
図7D図7Dは、本発明の一態様に係る、図7Aのカスタム距骨ガイドの側面図である。
図8A図8Aは、本発明の一態様に係る、カスタムリーマの斜視図である。
図8B図8Bは、本発明の一態様に係る、図8Aのカスタムリーマの上面図である。
図9A図9Aは、本発明の一態様に係る、足首関節の斜視図であり、距骨にインプラントを挿入するステップを示す。
図9B図9Bは、本発明の一態様に係る、足首関節の斜視図であり、距骨にインプラントを挿入する別のステップを示す。
図9C図9Cは、本発明の一態様に係る、足首関節の側面図であり、距骨にインプラントを挿入する別のステップを示す。
図9D図9Dは、本発明の一態様に係る、足首関節の前面図であり、距骨にインプラントを挿入する別のステップを示す。
図9E図9Eは、本発明の一態様に係る、足首関節の側面図であり、距骨にインプラントを挿入する別のステップを示す。
図9F図9Fは、本発明の一態様に係る、足首関節の側面図であり、距骨にインプラントを挿入する別のステップを示す。
図10図10は、作成して距骨にインプラントを移植する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一般に、本明細書では、骨融合を達成するためのガイド、インプラント、デバイス、器具、システム、およびアセンブリを開示する。さらに、ガイド、インプラント、デバイス、器具、システム、およびアセンブリを使用して骨欠陥を修復するための方法について説明する。
【0010】
この詳細な説明および以下の請求項において、近位、遠位、前方または足底、後方または背側、内側、外側、上方および下方の語は、自然の骨の相対的配置または方向性の用語に従って骨またはインプラントの特定の部分または一部を示すためのそれらの標準使用法によって定義される。例えば、「近位」は、胴体に最も近い装置又はインプラントの部分を意味し、「遠位」は、胴体から最も遠い装置又はインプラントの部分を示す。また、方向性の用語としては、「前方」は身体の前側に向かう方向、「後方」は身体の後側に向かう方向、「内側」は身体の正中線に向かう方向、「側方」は身体の側面に向かう方向または正中線から離れる方向、「上方」は他の物体または構造物の上側、「下方」は下側となる方向を意味する。さらに、足に関して具体的には、「背側」という用語は足の上部を指し、「足底」という用語は足の底部を指す。
【0011】
同様に、位置又は方向は、解剖学的構造又は表面を参照して本明細書で使用することができる。例えば、現在のインプラント、装置、器具および方法が、足の骨との使用を参照して本明細書に記載されているように、足、足首および下腿の骨は、インプラント、装置、器具および方法の表面、位置、方向または向きを説明するために使用され得る。さらに、本明細書に開示されるインプラント、装置、器具および方法、ならびにその側面、構成要素、特徴などは、簡潔さを目的として、身体の片側に関して説明される。しかしながら、人体は対称線(正中線)に関して比較的対称的または鏡面的であるため、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載および/または例示したインプラント、デバイス、器具および方法、ならびにその態様、構成要素、特徴などが、同じ目的または同様の目的で身体の反対側と使用または関連付けるために変更、変化、修正、再構成またはその他の形で変更されることが、ここに明確に企図される。例えば、右足に関して本明細書に記載されたインプラント、装置、器具および方法、ならびにそれらの側面、構成要素、特徴などは、左足でも同様に機能するように鏡面反転され得る。さらに、本明細書に開示されたインプラント、装置、器具、および方法、ならびにそれらの態様、構成要素、特徴などは、簡潔さを目的として足に関して説明されているが、インプラント、装置、器具、および方法は、同様の構造を有する身体の他の骨と共に使用され得ることを理解されたい。
【0012】
図面を参照すると、いくつかの図を通して、同様の参照数字が同様のまたは類似の構成要素を示すために使用されており、特に図1Aを参照すると、距骨に移植された進歩性を有するインプラント20の上側斜視図である。
【0013】
図1Bは、距骨11に移植されたインプラント20の上面図である。例えば、距骨11の開いたリムの周りに移植されたインプラント本体20が示されている。距骨は、本体17と、頭部13につながる頸部16と、突起部14とを含む。この特徴は、図1Aにも示されている。
【0014】
図2Aは、距骨の上に配置されたインプラント20の側面斜視図であり、距骨インプラント20は、例えば、多孔度が変化するハニカムパターンの形態であるか、あるいは代替的に、標準または均一多孔度の形態であることができるパターン化したメッシュを有するメッシュ領域22を含む。プロング26および28(図2B参照)のような複数の固体プロングが、メッシュを通ってスパイク端部に向かってインプラント20から延出する。インプラント20は、インプラント20の上面24が光沢のあるまたは弾力性のある被膜24(図2Cおよび2D参照)でさらに被覆された3Dプリントなどを通じてプリントされるように構成される。
【0015】
図3は、距骨インプラント20が距骨に移植された足首関節の側面図である。例えば、そこに配置されたインプラント20を有する距骨11が示されている。脛骨30が、距骨インプラント20および距骨11の上方に配置されている。さらに、示されているように、距骨のネック16は、頭部13に延び、その後、舟状骨19に接触するように延びる。
【0016】
図4A~4Fは、インプラント20を移植するためのインパクタ器具の様々な図を示す。インパクタ50は、インプラント20を距骨11に挿入するための工具として構成されている。例えば、インパクタ50は、本体部52と、第1の端部54と、第2の端部56とを含む(図4B図40及び図4F参照)。第2の端部56は、インプラント20の頭部又は表面を受け入れるように構成されたカップ形状(又は凹型のボウル形状)である。図4C図4D図4E及び図4Fは、インパクタ50を様々な視点から描いた2次元ワイヤフレーム図である。
【0017】
図5A図5Eは、骨切断リーマの様々な図を示す。例えば、リーマは、インプラント20の移植を容易にするために距骨11の一部を切り取るように構成される。リーマ60は、くぼみ63を有する、ハンドル62を含む。ハンドルは、切断ヘッド68に近接して延びる滑らかな又は連続したセクション64を有する。このハンドルは、ヘッド68に延びる。ヘッド68は、インプラント20の移植を容易にする開口を形成するために距骨11内に延びることができるように、錐体形状となるように構成される。頭部はまた、ハンドル62に沿って実質的に長手方向に延びるオープンチャネル66を含む。このオープンチャネル66は、作動しているときに距骨11から材料または流体を引き抜くことを可能にする。
【0018】
図6Aは、カスタム脛骨切断ガイド70の斜視図であり、そのための脛骨ガイド70は、孔73.1及び73.2を有する延長部72を備えたウィング75及び77を有する本体部71を含む。また、孔78及び79を有する突出部76がある。さらに、スロット74が脛骨切断ガイドの幅に沿って延びており、このスロットを通して鋸刃を配置することができる。
【0019】
図6Bは、脛骨切断ガイド70の側面斜視図であり、孔78及び79が円筒状に下に延びる突出部76を有する本体部71をより明確に示している。さらに、図6Bは、ウィング75および77を示す。切断スロット74は、図6Aに示す第1の側から図6Bに示す第2の側まで延びるように示されている(同様に図6Cおよび図6Dも参照)。脛骨切断ガイド70は、医療従事者がスロット74を通して動作するナイフまたは他の切断機構を通して患者の脛骨の一部をスライスまたは除去できるように、脛骨に近接して取り付けられるように構成される。
【0020】
図7Aは、カスタム距骨切断ガイド80の側面図であり、このガイドは、U字形本体81に配置された孔82、83、84を含む。これらの孔82、83、84は、円筒状に延びて、これらの孔に挿入可能であり、対応する距骨インプラントに挿入可能であるピンを受け入れるためのスロットを形成する。
【0021】
図7Bは、距骨切断ガイド80の底部側を示す。底部側の表面は、リーミングステップの前に距骨11の上に置かれるように構成される。したがって、ピンを受け入れるように構成された孔82、83、84を有する距骨切断ガイド80の反対側の上面が、図7Cに示されている。距骨切断ガイドの本体81は、第1の端部86及び孔84と、孔83を有する第2の端部85と、端部85及び86の反対側に間隔を置いた遠位領域87とを有する実質的にU字形又は馬蹄形として形成されている。図7Dは、孔82、83及び84を含むカスタム距骨切断ガイド80の側面図である。孔82は、本体81の遠位領域87に配置される。
【0022】
図8Aは、距骨11に配置され、ヘッド99と、ヘッド99に一体的に取り付けられるシャフト92とを用いて距骨11の領域から骨を除去するように構成されるカスタム骨切断リーマ90の斜視図である。ヘッド99は、複数の歯98を有するとともに、中央孔96を有する。中央孔96(図8B参照)は、距骨ガイドによって設定可能なガイドピンの上を摺動するために使用することができる。(図7Bを参照)。
【0023】
図9A図9Fは、距骨インプラント20を準備して患者に移植するための方法を示す。図10はさらに、距骨11へのインプラント20の作製および移植方法のための例示的なステップをフローチャートとして示している。例えば、方法プロセスは、医療従事者が距骨11の最も損傷した領域を特定するS1から開始することができる。手術によって、またはX線、MRIもしくはCTスキャンによって、損傷した領域が特定されると、この領域の損傷の程度が評価される。医療従事者は、インプラント20が置換する領域を、予め設定された量だけ損傷領域を超えて拡大することができる。S2における方法は、医療従事者が、損傷していない対側の距骨の鏡面図または画像または投影に基づいて、欠陥または損傷領域を投影することを含んでもよい。次に、S3において、インプラント20がプリントされ、その後、例えば、S4において、医療従事者が、切断器具を使用して脛骨から損傷した骨を除去することができる。これは、図9Aおよび図9Bで示されている。医療従事者の好みに応じて、S4とS5を入れ替えてもよいことに留意されたい。
【0024】
医療従事者は、次に、図9Aおよび9BのS4に示すように、脛骨ガイド70を適用することができ、ここで、脛骨ガイドは、脛骨30上に挿入されることができる。ピン110、111、112および113は、それぞれの孔73.1および73.2、ならびに孔78および79に挿入される。ピンがこれらの孔に挿入されることにより、脛骨ガイド70は脛骨30に固定される。脛骨ガイド70の固定により、脛骨30を横切るスロット74(図6D参照)の拡張が可能になり、これにより、距骨を医療従事者に露出させる脛骨切断S5が可能となる。
【0025】
本方法は、図9Cに示すように、医療従事者による距骨ガイド80の距骨11上への適用S6を含むことができる。これは、表面89(図7B参照)を有する距骨ガイド80を距骨11上に配置し、次にピン101、103、105などのピンまたはロッドをそれぞれの孔82、83、84(図7C参照)に挿入することによって達成される。距骨ガイド80の応用として、図10のS7で挙げたように、距骨ガイド80の孔82から挿入するピン105などのピンをセットして、リーマ60、90を挿入するためのガイド80の位置を固定することができる。
【0026】
次に、図9D及び図9E並びに図10のS8に示すように、リーマ60、90は、距骨11に挿入されるように位置決めされる。具体的には、リーマ60は、インプラント20に密接に近似する実質的に錐体形状のヘッドを有し、距骨に挿入されて損傷骨を除去し、インプラント20の挿入を可能にする。リーマはまた、その後、ガイドされた方法で損傷した骨を除去するために、ピン105上に下向きにスライドさせることができる中央孔66、96を含む。
【0027】
損傷した骨が除去されると、S9において、インプラント20は次に、インプラント20を距骨にセットするために、インパクタ50とともに挿入されることができる。(図9F及び図10のS9、10を参照)。インパクタ50は、インプラント20のドーム状表面への損傷をなくす凹面56を有する。インプラントが植え込まれた後、処置は完了し、患者の切開は縫合されることができる。
【0028】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるにあたり、単数形表現は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。用語「含む」、「有する」、「から成る」、および「備える」などの動詞およびそれらの任意の派生形態がオープンエンドなリンク動詞であるとさらに理解されるであろう。その結果、1つ以上のステップまたは要素を「含む」、「有する」、「から成る」、または「備える」方法または装置は、それらの1つ以上のステップまたは要素を保有するが、それらの1つ以上のステップまたは要素のみを保有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「含む」「有する」「から成る」「備える」方法のステップまたは装置の要素は、それらの1つ以上の特徴を有するが、それらの1つ以上の特徴のみを有することに限定されるものではない。さらに、ある方法で構成される装置または構造は、少なくともその方法で構成されるが、列挙されていない方法で構成されることもある。
【0029】
本発明は、好ましい実施形態を参照して説明されてきた。本明細書に記載されたアーキテクチャおよび動作の実施形態は、同じ一般的な特徴、特性、および一般的なシステム動作を提供するための複数の可能な配置の例証であることが理解されよう。修正および変更は、先の詳細な説明を読み、理解することにより、他の人に生じるであろう。本発明は、すべてのそのような修正および変更を含むものとして解釈されることが意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10
【国際調査報告】