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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】全距骨インプラント及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/42 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
A61F2/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512775
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(85)【翻訳文提出日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 US2021046920
(87)【国際公開番号】W WO2022040538
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】63/068,182
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523057699
【氏名又は名称】パラゴン・アドバンスト・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PARAGON ADVANCED TECHNOLOGIES, INC.
(71)【出願人】
【識別番号】523060725
【氏名又は名称】ドティ,ジェシー エフ
【氏名又は名称原語表記】DOTY, Jesse F.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ドティ,ジェシー エフ
(72)【発明者】
【氏名】コワルチク,グレゴリー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ベルトロッティ,ルチャーノ
(72)【発明者】
【氏名】パレク,セリーン ジー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA08
4C097BB01
4C097CC05
4C097CC12
4C097CC16
4C097FF05
4C097SC08
(57)【要約】
本開示の距骨インプラントは、少なくとも1つの穴及び少なくとも1つのピンを有する基部を備える。少なくとも1つの穴及び少なくとも1つのピンを備える頂部が、基部に挿入されるように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、脛骨インプラントが、少なくとも1つの支柱と、これに連結された少なくとも1つの基部とを備える。更に、少なくとも1つの基部に連結された少なくとも1つのパッドが、少なくとも1つの基部に選択的に取外し可能に挿入可能である。距骨及び脛骨インプラントの製造方法が開示され、また、距骨関節が損傷した患者に距骨インプラントおよび脛骨インプラントを挿入する方法が開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの穴、及び少なくとも1つのピンを有する基部と、
少なくとも1つの穴、及び少なくとも1つのピンを備え、前記基部に挿入されるように構成された頂部と、
を備える距骨インプラント。
【請求項2】
前記少なくとも1つの穴が、前記基部の中心領域に配置されている、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項3】
少なくとも1つのピン、又は患者の肢の骨に前記基部を固定するためのポストを受容するように構成された少なくとも1つの付加穴を更に備える、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項4】
前記基部が頂面を備え、前記少なくとも1つのピンが複数のピンを備える、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項5】
前記頂部は、複数の穴を備え、前記複数の穴が、前記複数のピンを受容するように構成されている、
請求項4に記載の距骨インプラント。
【請求項6】
前記頂部が、複数の穴、及び少なくとも1つのピンを備える、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項7】
前記頂部が、少なくとも1つのドーム形状部を備える、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項8】
前記頂部が、少なくとも2つのドーム形状部を備える、
請求項7に記載の距骨インプラント。
【請求項9】
前記頂部がピンを有し、前記ピンが円錐台状に形成されている、
請求項8に記載の距骨インプラント。
【請求項10】
前記基部が、前記基部の中央領域を貫通して延びる少なくとも1つの穴を含む複数の穴と、当該少なくとも1つの穴に対して実質的に交差して延びる少なくとも1つの付加穴と、を備える、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項11】
前記基部が、メッシュ領域を更に備え、前記メッシュ領域は、可変の多孔を有し、前記メッシュ領域が、前記基部の外面の一部を横切って延びている、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項12】
前記メッシュ領域は、前記基部上の前記少なくとも1つのピンを横切って延びている、
請求項1に記載の距骨インプラント。
【請求項13】
少なくとも1つの支柱と、
前記少なくとも1つの支柱に連結された少なくとも1つの基部と、
前記少なくとも1つの基部に連結された少なくとも1つのパッドと、を備え、
前記少なくとも1つのパッドが、前記少なくとも1つの基部に選択的に取外し可能に挿入可能である、
脛骨インプラント。
【請求項14】
前記少なくとも1つの支柱が、少なくとも1つのメッシュを備える少なくとも1つのメッシュ領域を備える、
請求項13に記載の脛骨インプラント。
【請求項15】
前記少なくとも1つのメッシュ領域が、可変の多孔を有するメッシュを備える、
請求項14に記載の脛骨インプラント。
【請求項16】
前記メッシュが、ハニカムパターンとして構成された複数のセルを備える、
請求項15に記載の脛骨インプラント。
【請求項17】
前記少なくとも1つの基部が、少なくとも1つのフランジ、及び少なくとも1つのロックを有する、
請求項13に記載の脛骨インプラント。
【請求項18】
前記少なくとも1つのパッドが、少なくとも1つのスロット、及び少なくとも1つのロックを含み、前記パッド上の前記少なくとも1つのスロットが、前記基部の前記少なくとも1つのフランジと嵌合するように構成され、前記基部の前記ロックが、前記パッドの前記ロックに係止される、
請求項17に記載の脛骨インプラント。
【請求項19】
距骨インプラントおよび脛骨インプラントを患者に挿入する方法であって、
損傷された距骨関節を判定し、
対側関節を走査し、
前記対側関節の鏡像を生成し、
少なくとも1つの基部及び少なくとも1つの頂部を別個の部品として備える少なくとも1つの距骨インプラントをプリントし、
少なくとも1つの支柱及び少なくとも1つの基部を備える脛骨インプラントをプリントし、
損傷された距骨及び損傷された脛骨の一部を取り除くために患者の足首を切開し、
前記脛骨インプラントを患者の脛骨に挿入して固定し、
患者の足首に前記基部を挿入して固定し、
前記患者の足首の創傷を閉鎖する、
方法。
【請求項20】
前記脛骨インプラントの挿入及び固定が、脛骨支柱と、前記脛骨支柱に連結されたパッドとの双方を前記患者に挿入することを更に備える、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年8月20日付けで提出された米国仮出願No. 63/068,182の米国特許法第119条(e)に規定される優先権の利益を主張し、参照により当該出願の全体をここに援用する。
【0002】
本発明は、概して、関節の置換と関連した一般外科学、足病外科学(podiatric surgery)、及び整形外科学に関する。より具体的には、ただし限定するものではないが、本発明は、足首関節の総距骨(total talus)の置換に関する。
【背景技術】
【0003】
少なくとも1つの実施形態が、総距骨インプラントに関連しており、当該インプラントは、モジュール式インプラントであってもよい。加えて、少なくとも1つの実施形態が、対応する脛骨インプラントを備える。更に、少なくとも1つの実施形態は、患者に、距骨インプラントと脛骨インプラントとを挿入する工程を含む。
【発明の概要】
【0004】
少なくとも1つの実施形態が、少なくとも1つの穴及び少なくとも1つのピンを有する基部を備える距骨インプラントを備える。更に、当該実施形態は、少なくとも1つの穴及び少なくとも1つのピンを備える頂部を含んでいてもよく、頂部は、基部に挿入されるように構成されている。少なくとも1つの実施形態が、少なくとも1つの支柱と、この少なくとも1つの支柱に連結される少なくとも1つの基部を有する脛骨インプラントを備える。更に、少なくとも1つの基部に連結される少なくとも1つのパッドが存在し、少なくとも1つのパッドは、選択的に少なくとも1つの基部に取外し可能に挿入可能である。
【0005】
損傷した距骨関節の程度を判定することを備える、距骨インプラント及び脛骨インプラントを患者に挿入する方法が、開示されている。当該方法は、対側関節を走査して、対側関節の鏡像を生成することを含んでいてもよい。当該方法は、少なくとも1つの基部及び少なくとも1つの頂部を別個の部品として備える少なくとも1つの距骨インプラントをプリント(print)することを含んでいてもよい。当該方法は、少なくとも1つの支柱及び少なくとも1つの基部を備える脛骨インプラントをプリント(print)することを含んでいてもよい。更に、当該方法は、脛骨インプラントに連結されるように構成された少なくとも1つのパッドをプリント(print)することを含んでいてもよい。当該方法は、損傷した距骨及び損傷した脛骨の一部の除去のために患者の足首を外科的に露出させることを含んでいてもよい。当該方法は、患者の脛骨に脛骨インプラントを挿入して固定すること、患者の足首に基部を挿入して固定すること、及び患者の足首付近の創傷を外科的に閉鎖することを含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、本発明の実施形態を例示し、本明細書の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。業界の標準的な慣行に従って、さまざまな特徴が縮尺どおりに描かれていないことが強調される。実際、議論を明確にするために、さまざまな機能の寸法を任意に増減できる。図面は、好ましい実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
図1】本発明の一態様に従った、人間の足部の前方斜視図である。
図2A】本発明の一態様に従った、三次元画像における、距骨インプラントの基部の上方斜視図である。
図2B】本発明の一態様に従った、図2Aの距骨インプラントの基部の上方斜視図である。
図3A】本発明の一態様に従った、三次元画像としての、距骨の基部の他の実施形態の上方斜視図である。
図3B】本発明の一態様に従った、図3Aに示される距骨の基部の他の実施形態の下方斜視図である。
図4A】本発明の一態様に従った、図3Aの距骨インプラントの基部の立面図である。
図4B】本発明の一態様に従った、図3Aの距骨の基部の側面、正面図である。
図4C】本発明の一態様に従った、図3Aの距骨の基部の上方斜視図である。
図4D】本発明の一態様に従った、図3Aの距骨の基部の上面図である。
図5】本発明の一態様に従った、図4AのI-I線に沿った距骨の平断面図である。
図6】本発明の一態様に従った、距骨の基部の他の実施形態の上方斜視図である。
図7A】本発明の一態様に従った、図6の距骨の基部の側面図である。
図7B】本発明の一態様に従った、図6の距骨の基部の正面図である。
図7C】本発明の一態様に従った、図6の距骨の基部の上方斜視図である。
図7D】本発明の一態様に従った、図6の距骨の基部の上面図である。
図8】本発明の一態様に従った、図7AのII-II線に沿った平断面図である。
図9A】本発明の一態様に従った、脛骨インプラントおよび挿入体の斜視図である。
図9B】本発明の一態様に従った、距骨用のインプラント基部の側面図である。
図9C】本発明の一態様に従った、距骨用のインプラント頂部又は冠部の上方斜視図である。
図9D】本発明の一態様に従った、距骨用インプラントの頂部又は冠部の下方斜視図である。
図10】本発明の一態様に従った、距骨インプラントの冠部又は頂部の底面図である。
図11】本発明の一態様に従った、距骨インプラントの頂部又は冠部の上方斜視図である。
図12A】本発明の一態様に従った、脛骨支柱インプラントの側面図である。
図12B】本発明の一態様に従った、図12AのA-A線に沿った脛骨支柱インプラントの断面図である。
図12C】本発明の一態様に従った、脛骨支柱インプラントの底面図である。
図13A】本発明の一態様に従った、脛骨支柱インプラントの別の側面図である。
図13B】本発明の一態様に従った、脛骨支柱インプラントの側面図である。
図13C】本発明の一態様に従った、脛骨支柱インプラントの斜視図である。
図13D】本発明の一態様に従った、脛骨支柱インプラントの底面図である。
図14】本発明の一態様に従った、脛骨支柱インプラントの斜視図である。
図15A】本発明の一態様に従った、脛骨支柱インプラントの挿入体の底面図である。
図15B】本発明の一態様に従った、図15Aの挿入体の側面図である。
図15C】本発明の一態様に従った、図15AのB-B線に沿った図15Aの挿入体の断面図である。
図15D】本発明の一態様に従った、図15AのA-A線に沿った図15Aの挿入体の側断面図である。
図15E】本発明の一態様に従った、図15Aの挿入体の端面図である。
図16】本発明の一態様に従った、距骨インプラントと、挿入体を具備する脛骨とを含むインプラントが移植された足部の正面図である。
図17】総足首(total ankle)インプラントを製造及び移植する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一般的に言って、本書には、骨の癒合を達成するためのガイド、インプラント、装置、器具、システム、及び組立体が開示されている。更に、関節の置換を達成するために、ガイド、インプラント、装置、器具、システム、及び組立体を使用するための方法が、開示されている。
【0008】
この詳細な説明及び後述のクレームにおいて、近位(proximal)、遠位(distal)、前(anterior)又は足底(plantar)、後(posterior)又は背(dorsal)、内側(medial)又は外側(lateral)、上(superior)、及び下(inferior)という用語は、自然骨の相対的配置または方向性の基準条件に従って、骨又はインプラントの特定の部分または部位を示すためのそれらの標準的な用法によって定義される。例えば、「近位(proximal)」は、装置又はインプラントのうち、胴に最も近い部分を意味する一方、「遠位(distal)」は、装置又はインプラントのうち、胴から最も遠い部分を意味する。方向の用語に関し、「前(anterior)」は、人体の前側に向かう方向であり、「posterior」は、人体の背面側に向かう方向を意味する。「内側(medial)」は、人体の正中線に向かうことを意味し、「外側(lateral)」は、人体の両側部に向かうこと又は正中線から離れていくことを意味し、「上(superior)」は、上向きの方向を意味し、「下(inferior)」は、物体又は構造の下向きを意味する。更に、特に、足に関し、用語「背(dorsal)」は、足の甲を指し、用語「足底(planter)」は、足裏を指す。
【0009】
同様に、位置または方向は、解剖学的な構造又は表面を参照して本明細書において使用され得る。例えば、現在のインプラント、装置、器具、及び方法が、足の骨と共に使用することを参照して本明細書に記載されるように、足、足首、及び下肢の骨が、インプラント、装置、器具、及び方法の表面、位置、方向、又は向きを記述するために使用され得る。更に、本書で開示されるインプラント、装置、器具、及び方法、並びにそれらの態様、構成要素、特徴等は、簡潔化を目的として、人体の片側に関して記述される。しかし、人体は、対称線(正中線)に対して相対的に対称的又は鏡像的であることから、本書に記載及び/又は図示されるインプラント、装置、器具、及び方法、並びにそれらの態様、構成要素、特徴等は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、同一の又は類似の目的のために人体の他方側での使用又は関連のため、変更、変形、修正、再構成、又はその他代替され得ることが、ここに明示的に熟慮される。例えば、右足に関して本明細書に記載されるインプラント、装置、器具、及び方法、並びにそれらの態様、構成要素、特徴等は、それらが同様に左足で機能するようにミラーリングされ得る。更に、本明細書に開示されるインプラント、装置、器具、及び方法、並びにそれらの態様、構成要素、特徴等は、簡潔化を目的として、足に関して説明されるが、インプラント、装置、器具、及び方法は、同様の構造を有する人体の他の骨と共に使用され得ることを理解されたい。
【0010】
図面を参照して、同様の参照符号が、幾つかの図面全体を通じて類似の構成要素を示すために使用される。図1は、脛骨2、腓骨3、距骨4、及び船状骨5を含む足の正面図である。本発明の少なくとも1つの実施形態が、図2Aであり、図2Aは、三次元画像内の距骨インプラントの基部の斜視図である。距骨インプラントの基部10は、本体部11と、ピン又は支柱12,13,14,15を含む。また、頭部18と併せて、中心穴16及び首部17が存在する。
【0011】
図2Bは、図2Aに示される距骨インプラントの基部の斜視図である。この図は、ピン又は支柱12,13,14,15を有する頂面11を、中心穴16、首部17、及び頭部18と共に示す。この設計は、頭部又は冠部を距骨インプラントに受容するように構成されている。
【0012】
図3Aは、距骨の基部の他の実施形態を三次元モデルとして示す上方斜視図である。この設計では、本体部21、頂部22、及び3つのピン又は支柱23.1,23.2,23.3,23.4を有する基部が存在する。また、頂部22には中心穴28が存在する。付加的な穴24,25の組がピンを受容するように構成される一方、別の穴26,27の組が、人体内であって骨の近くで基部を固定するためにピンを受容するように構成される。
【0013】
図3Bは、図3Aに示される距骨の基部の他の実施形態を示す下方斜視図である。この図では、底面30、支柱39、開口24.1が図示されている。開口24.1は、穴24に通ずるように延びている。加えて、同様に、底頭面には付加的な開口26.1,27.1がある。これらの開口により、ピンが貫通して延び、構成要素の近くで距骨の基部を固定できる。
【0014】
図4A図4B図4C、及び図4Dは、図3Aの距骨インプラントの基部を示しており、頂面22、ピン23.1,23.2,23.3,23.4が、本体部21と共に含まれる。穴24,25,26,27,28が、ピン又は挿入体を受容するように構成されており、基部表面22.1が、延長円筒穴26.1,27.1を含む。加えて、支柱29が、底面から延びて突出している。
【0015】
図5は、図4AのI-I線に沿った距骨の平断面図である。この図では、穴28,24、25が示されている。穴28は、距骨本体の中心領域を下方へ貫通して延びる一方、穴24,25が穴28の延長部を横切るように延びている。
【0016】
図6は、距骨31の基部の別の実施形態の斜視図である。この実施形態は、頂面34、複数のピン又は突起33.1,33.2,33.3,33.4及び複数の穴35,36,37を有する。穴36,37は、頭部38に近接する首部領域の前にある。
【0017】
図7A図7B図7C、及び図7Dは、複数のピン/支柱33.1,33.2,33.3,33.4を示し、本体32の頂面34から上方に延びる。穴35は、本体32の頂面34に配置されている。更に、付加的な穴36,37は、同様に本地32内に延びている。
【0018】
図8は、図7AのII-II線に沿って示す基部の上面図である。この図には、本体部32内を横切るように延びる穴37,36が示されている。図7Dに示されるように、この延長は穴35を横切る。
【0019】
図9Aは、メッシュ又はスクリーン41.1で覆われた支柱41を有する脛骨インプラント40の側面図である。このメッシュ又はスクリーンは、可変の多孔を有したハニカム状のメッシュ又はスクリーンの形態であり得る。スクリーンの孔は、メッシュの外領域でより大きく、支柱の近くではより小さい。穴43,44,45,46は、この支柱41内に配置されている。支柱41は、基部42に向かって下方に延びる。基部42は、挿入体60を受容するように構成されたフランジ47を有する。挿入体60は、支柱41に挿入され、フランジ47に固定され、係止機構48で係止された状態となる。
【0020】
図9Bは、距骨のための基部インプラントの側面図であり、当該インプラントは、基部11,21,31のいずれか1つを有する距骨インプラント10,20,30のいずれの形態であってもよい。基部11,21,31は、メッシュ29.1,39.1のようなメッシュで覆われた支柱29,39のいずれか1つを有し得る。
【0021】
図9Cは、距骨のための頂部又は冠部インプラント50の上方斜視図であり、当該インプラントは、ドーム形状部57,58を有する。この冠部50の下側部が、穴52,53,54,55を含み、支柱56が、下側部51から下方に延びている。支柱56(図6Dに示す)は、穴16、穴28、又は穴35のような穴に内嵌されるように構成されている。穴52,53,54,55は、ピン又は支柱12,13,14,15、あるいはピン又は支柱23.1,23.2,23.3,23.4、あるいはピン又は支柱33.1,33.2,33.3,33.4を受容するように構成されている。
【0022】
図10は、距骨インプラントの冠部又は頂部の底面図であり、底面51と、穴52,53,54,55とを支柱56と共に示す。支柱56は、円錐台状である。支柱56は、底部が頂点部に対して広がっており、円錐状又は実質的に円錐状に形成されている。
【0023】
図11は、距骨冠部インプラント50の頂部の上面図であり、該インプラントは、この頂面上に配置された2つの異なる稜部(crest)を有する。
【0024】
図12Aは、脛骨のための脛骨支柱インプラントの側面図であり、支柱41は、基部42と共に穴43,44,45,46を含む。基部42は、パッドのためのスロットを形成するフランジ47を有する。
【0025】
図12Bは、図12AのA-A線に沿った、脛骨のための脛骨支柱インプラントの側断面図であり、支柱41の開口43,44,45,46を示す。基部42は、パッドを受容するためのフランジ47を含む。また、図12Cは、脛骨支柱インプラントの底面図である。この図は、パッド60のようなパッドを係止する状態とするためのロック48と共に、フランジ47を示す。
【0026】
図13A図13B図13C図13Dは、脛骨支柱インプラント41の代替の側面図及び底面図である。該インプラントは、穴43,44,45,46を基部42と共に有する。スロット47も示されている。特に、図13Dは、ロック48も示している。
【0027】
図14は、脛骨支柱インプラント41の斜視図である。該インプラントは、穴43,44,45,46と共に基部42を含む。
【0028】
図15Aは、脛骨支柱インプラントのための挿入体又はパッド60の底面図であり、パッドは、スロット67、ロック61、及び底面66を含み得る。図15Bは、脛骨支柱インプラント60のための挿入体の側面図であり、挿入体は、後端63、前端64、及び湾曲された上面62、及び頂面65もまた含む。図15Cは、底面から外側に延びてスロット67を形成するフランジ66を示す断面図である。図15Dは、A-A線に沿って示す側面図であり、後端64、前端64、及び頂面62を示す。図15Eは、端面図であり、スロット67、ロック61、及び端面65と共に、底66を示す。
【0029】
図16は、脛骨インプラント40をパッド60と共に示す正面図である。脛骨基部10,20,及び/又は30は、図示のとおり、距骨基部10,20,30の付近に位置付けられた舟状骨5と共に、また、頂部50と同様にして、足首内に位置付けられている。
【0030】
図17は、脛骨員プたんと及び距骨インプラントを製造して患者に移植する方法のフローチャートである。例えば、処理はS1で開始し、医者又は医療従事者は、距骨のような損傷した関節を走査する。次に、S2で、医療従事者が、対側関節を走査してもよい。S3で、医療従事者は、対側関節の鏡像を生成してもよい。これは、反対の関節の損傷部位と対応する対側関節の部位を基本的に撮ることによって行われる。この場合において、距骨の全体が損傷し、脛骨が損傷しているときには、距骨の全部位が走査され、対側距骨の鏡像が生成される。対側脛骨の一部が、同様に走査されて生成されてもよい。S4で、デザイン10,20,又は30のような、基部のデザインが生成される。S5で、デザイン50のような、頂部のデザインが生成される。S6で、脛骨支柱インプラントが生成又はプリントされる。この種の脛骨支柱インプラント40は、患者の脛骨に挿入され得る。脛骨支柱をプリントするに際し、メッシュ41.1が、脛骨支柱41の周囲にプリントされ得る。S7で、脛骨パッドがプリントされ得る。S8で、医療従事者は、患者の足首に創傷を形成する。S9で、損傷した距骨が、患者から取り除かれる。S10で、医療従事者は、患者の脛骨を洗浄し準備する。S11で、医療従事者は、脛骨支柱インプラントを脛骨パッドと組み付けてもよい。S12で、医療従事者は、脛骨支柱インプラント及びパッドを挿入してもよい。S13で、医療従事者は、距骨と距骨冠部とを組み付け、S14で、距骨及び距骨冠部を足首の空間内に挿入してもよい。S15で、医療従事者は、創傷を閉鎖してもよい。
【0031】
このとおり、このインプラントと関連する様々な部品は、距骨支柱インプラント40、パッド60、頂部50、及び距骨基部10,20,30のモジュール式組立体を可能にする。したがって、医療従事者は、手術中でさえも、患者にとって適切なインプラントを組み立てることに対してある程度融通が利く。
【0032】
したがって、本発明の少なくとも1つの実施形態が示され、説明されてきたが、添付のクレームに定義された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、それに変更及び修正を加えることができることが理解されるべきである。
【0033】
本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載のシステム、装置、及び方法に対して変更、追加、又は省略を行うことができる。例えば、システム及び装置の構成要素は、統合されていても分離されていてもよい。さらに、本明細書で開示されるシステム及び装置の動作は、より多くの、より少ない、又は他の構成要素によって実行されてもよく、上述の方法は、より多くの、より少ない、又は他のステップを含んでもよい。さらに、ステップは、任意の適切な順序で実行することができる。本書で使用されている「各(each)」は、セットの各メンバーまたはセットのサブセットの各メンバーを指す。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も含むことを意図している。用語「備える(comprise)」(「comprises」や「comprising」等の任意の形態のcompriseを含む)、「有する(have)」(「has」や「having」等の任意の形態のhaveを含む)、「含む(include)」(「includes」や「including」等の任意の形態のincludeを含む)、「包含する(contain)」(「contains」や「containing」等の任意の形態のcontainを含む)は、オープンエンドの連結動詞であることが、さらに理解されるであろう。結果として、1以上のステップ又は要素を「備える」、「有する」、「含む」、又は「包含する」方法又は装置は、それらの1以上のステップ又は要素を有するものの、それらの1以上のステップ又は要素のみを有することに限定されない。同様に、1以上の特徴を「備える」、「有する」、「含む」、又は「含有する」方法のステップ又は装置の要素は、それらの1以上の特徴を有するものの、それらの1以上の特徴のみを有することに限定されない。さらに、特定の方法で構成された装置又は構造は、少なくともその方法で構成されるものの、リストされていない方法で構成されることもできる。
【0034】
特許庁及び本出願に発行された任意の特許の読者が本明細書に添付されたクレームを解釈するのを助けるために、出願人は、添付のクレーム又はクレーム要素のいずれも、特定のクレームで「のための手段」または「のためのステップ」という用語が明示的に使用されている場合を除き、米国特許法第112条(f)が課せられることを意図しないことを注意したい。
【0035】
特定の利点が上に列挙されたが、様々な実施形態は、列挙された利点のいくつか、またはすべてを含まなくてもよい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図9C-9D】
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図16
図17
【国際調査報告】