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特表2023-538157マイクロニードルパッチ及びマイクロニードルパッチの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】マイクロニードルパッチ及びマイクロニードルパッチの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 37/00 20060101AFI20230831BHJP
【FI】
A61M37/00 530
A61M37/00 505
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516234
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 KR2021013877
(87)【国際公開番号】W WO2023286916
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0093117
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0093120
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】522032327
【氏名又は名称】フェロカ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】FEROKA INC.
【住所又は居所原語表記】411, 412-ho, 14, Seongsui-ro 10-gil Seongdong-gu Seoul 04784 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イ ジェジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン イスル
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA72
4C267BB11
4C267BB13
4C267CC05
4C267EE08
4C267GG43
4C267HH08
(57)【要約】
本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチは、ベース及び有効成分を含み、ベースの表面から突出して複数の層を有し、長手方向に沿って有効成分の濃度が異なるように形成されるマイクロニードルを含むマイクロニードルパッチを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース及び
有効成分を含み、前記ベースの表面から突出して複数の層を有し、長手方向に沿って有効成分の濃度が異なるように形成されるマイクロニードルを含むマイクロニードルパッチ。
【請求項2】
前記マイクロニードルは、
一側に先端チップ(sharpened tip)が配置され、他側は前記ベースに面する一面が形成される第1層と、
前記ベースと接続され、前記ベースと前記第1層との間に配置された第2層及び
前記第1層と前記第2層との間に配置され、前記第1層と前記第2層とを接続させる接続層とを含む、請求項1に記載のマイクロニードルパッチ。
【請求項3】
前記接続層は、前記第1層を溶解させ、前記第1層と一体的に形成される、請求項2に記載のマイクロニードルパッチ。
【請求項4】
前記接続層は、前記第2層を溶解させ、前記第2層と一体的に形成される、請求項2に記載のマイクロニードルパッチ。
【請求項5】
前記第1層と接続される前記接続層の一面に対向する前記接続層の他面は曲率を有する、請求項3に記載のマイクロニードルパッチ。
【請求項6】
前記接続層に面する前記第2層の一面は曲率を有する、請求項5に記載のマイクロニードルパッチ。
【請求項7】
前記接続層の他面は、複数の曲率を有する、請求項5に記載のマイクロニードルパッチ。
【請求項8】
前記曲率は、前記マイクロニードルの長手方向の中心軸を基準にして両側が対称である、請求項5に記載のマイクロニードルパッチ。
【請求項9】
前記複数の層のうち少なくともいずれか1つは、生体内分解性高分子を含む、請求項1に記載のマイクロニードルパッチ。
【請求項10】
前記ベースと前記マイクロニードルを接続させるシャフトをさらに含む、請求項1に記載のマイクロニードルパッチ。
【請求項11】
有効成分を含むマイクロニードルを形成するステップを含み、
前記マイクロニードルを形成するステップは、複数の層を形成するステップと、前記複数の層のうち少なくともいずれか1つに流体を噴射するステップと、複数の層を接続させるステップとを含むマイクロニードルパッチの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、マイクロニードルパッチ及びマイクロニードルパッチの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人体内への薬物投与は、伝統的には針が付いた注射で行われていたが、針が付いた注射は大きな痛みを引き起こす。そのため、非侵襲的薬物投与方法も開発されたが、投与量に比べて所要薬物の量が多すぎるという問題がある。
【0003】
このような問題から、薬物送達システム(Drug Delivery System(DDS)について多くの研究が行われてきており、ナノ技術の発達でより大きな進歩を成し遂げられるようになった。
【0004】
マイクロニードルは、従来の注射針とは異なり、痛みのない皮膚貫通及び外傷がないことを特徴とすることができる。また、マイクロニードルは皮膚の角質層を貫通しなければならないため、ある程度の物理的な硬度を必要とすることがある。また、生理活性物質が皮膚の表皮層または真皮層まで到達するための適切な長さも必要とすることがある。また、数百のマイクロニードルの生理活性物質が効果的に皮膚に送達されるためには、マイクロニードルの皮膚透過率が高いと同時に、皮膚に挿入された後、溶解されるまで一定時間維持されなければならない。
【0005】
これにより、精密な量の薬物を送達し、ターゲット位置を正確に設定できるマイクロニードルに対する関心が増大している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、有効成分を定量的に、目標位置に効果的に送達できるマイクロニードルパッチ及びマイクロニードルパッチの製造方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例は、ベース及び有効成分を含み、前記ベースの表面から突出して複数の層を有し、長手方向に沿って有効成分の濃度が異なるように形成されるマイクロニードルを含むマイクロニードルパッチを提供する。
【0008】
また、前記マイクロニードルは、一側に先端チップ(sharpened tip)が配置され、他側は、前記ベースに面する一面が形成される第1層と、前記ベースと接続され、前記ベースと前記第1層との間に配置される第2層及び前記第1層と前記第2層との間に配置され、前記第1層と前記第2層とを接続させる接続層とを含むことができる。
【0009】
また、前記接続層は前記第1層を溶解させ、前記第1層と一体的に形成されることができる。
【0010】
また、前記接続層は前記第2層を溶解させ、前記第2層と一体的に形成されることができる。
【0011】
また、前記第1層に接続される接続層の一面に対向する前記接続層の他面は曲率を有することができる。
【0012】
また、前記接続層に面する前記第2層の一面は曲率を有することができる。
【0013】
また、前記接続層の他面は、複数の曲率を有するマイクロニードルパッチであってもよい。
【0014】
また、前記曲率は、前記マイクロニードルの長手方向の中心軸を基準に両側が対称であってもよい。
【0015】
また、前記複数の層のうち少なくともいずれか1つは、生体内分解性高分子を含むことができる。
【0016】
また、前記ベースと前記マイクロニードルとを接続させるシャフトをさらに含むことができる。
【0017】
本発明の一実施例は、有効成分を含むマイクロニードルを形成するステップを含み、前記マイクロニードルを形成するステップは、複数の層を形成するステップと、前記複数の層のうち少なくともいずれか1つに流体を噴射するステップと、複数の層を接続させるステップとを含むマイクロニードルパッチの製造方法を提供する。
【0018】
上述したもの以外の他の側面、特徴、利点は、以下の図面、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るマイクロニードルパッチは、マイクロニードルの長手方向に沿って有効成分の濃度が異なるように形成され、有効成分の活性位置に応じて表皮、真皮、皮下脂肪、筋肉のいずれか1つに適正濃度で有効成分を送達することができる効果がある。
【0020】
本発明に係るマイクロニードルパッチは多層構造を有し、ターゲット位置に正確に有効成分を送達することができる。マイクロニードルは、複数の層状構造を有するため、各層に有効成分を搭載することができる。これにより、有効成分の活性位置に応じて表皮、真皮、皮下脂肪、筋肉のいずれか1つに適正濃度で有効成分を送達できる効果がある。
【0021】
本発明に係るマイクロニードルパッチは多層構造を有し、各層の生体内分解速度を異なるように設定することができる。マイクロニードルは、各層の分解速度によって有効成分が異なる活性時間を有することができる。
【0022】
本発明に係るマイクロニードルパッチは、接続層が曲率を有し、第1層、第2層を生体内で容易に分離できるようになる。各層が接触する領域の端が薄く形成されるため、第1層と第2層が容易に分離できるようになる。
【0023】
本発明に係るマイクロニードルパッチは、各層が曲率を有するため、各層の表面積が増大し、有効成分の送達効果を高めることができる。第1層を溶解させ、第1層と一体的に形成される接続層の第1曲面が表面積を増大させ、これに面する第2層に形成される第2曲面は第2層の下側表面積を増大させることができる。
【0024】
このような第1曲面、第2曲面による表面積の増大は、薬物送達空間を増加させ、薬物送達効果を向上させることができる。
【0025】
本発明に係るマイクロニードルパッチの製造方法は、複数の層を備えるマイクロニードルを製造するにあたって、複数の層を順次に製造して接続させるのではなく、複数の層をそれぞれ製造した後に互いに接続される複数の層のうち少なくともいずれか一つに流体を噴射、接続層を形成して複数の層を接着接続させることができ、マイクロニードル及びマイクロニードルにベースが接続されるマイクロニードルパッチの製造時間を短縮できる効果がある。
【0026】
また、接続層が、有効成分が搭載される層の所定領域を溶解させ、一体的に形成することにより、接続層が形成される領域における有効成分の濃度を比較的に低減することができ、マイクロニードルの長手方向に沿って有効成分の濃度は異なるように設定され、濃度勾配が形成されることができる。
【0027】
また、マイクロニードルの長手方向に沿って濃度勾配が形成されることによって、有効成分の活性位置に応じて表皮、真皮、皮下脂肪、筋肉のいずれか1つに適正濃度で有効成分を送達できるマイクロニードルパッチを製造することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチを示す斜視図である。
図2図1のマイクロニードルパッチの断面を示す図である。
図3図2の一部を拡大して示す図である。
図4】本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチの一部を拡大して示す図である。
図5図3のA部分を拡大する図である。
図6】本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチにおける図3のA部分に対応する部分を拡大した図である。
図7図2のマイクロニードルパッチがユーザに付着され、薬物が送達される過程を示す図である。
図8】本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチにコーティング層が備えられる状態を示す図である。
図9】本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチの一部を拡大して示す図である。
図10図9のマイクロニードルパッチがユーザに付着され、薬物が送達される過程を示す図である。
図11】本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチにコーティング層が備えられる状態を示す図である。
図12】本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチを示す図である。
図13】本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチを示す図である。
図14】本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチを製造する方法を示すフローチャートである。
図15】本発明の一実施例に係るマイクロニードルを形成する工程を示すフローチャートである。
図16】本発明の一実施例に係る複数の層を形成する工程を示すフローチャートである。
図17-18】接続層を形成する過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、様々な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるため、特定の実施例を図面に例示し、説明しようとする。本発明の効果及び特徴とそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述する実施例を参照することで明らかになるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、様々な形態で実装されてもよい。
【0030】
以下の実施例において、第1、第2などの用語は限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的で用いられた。
【0031】
以下の実施例において、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。
【0032】
以下の実施例において、含むまたは有するなどの用語は、明細書上に記載された特徴、または構成要素が存在することを意味するものであり、1つまたは複数の他の特徴または構成要素が追加される可能性を予め排除するものではない。
【0033】
以下の実施例において、膜、領域、構成要素などの部分が他の部分「うえ」または「上」にあると言うとき、他の部分の真上にある場合だけでなく、その中間に他の膜、領域、構成要素等が介在されている場合も含む。
【0034】
ある実施例が他の方法で実装可能である場合、特定のステップは、説明される順序と異なる方法実行されてもよい。例えば、連続して説明される2つのステップが実質的に同時に実行されてもよく、説明される順序とは逆の順序で進行されてもよい。
【0035】
図面では、説明の便宜上、構成要素の大きさが誇張または縮小されてもよい。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上任意に示しているため、本発明が必ずしも示されたものに限定されるものではない。
【0036】
本明細書において、「前」、「後」等の表現は図面に示されたx軸を基準にし、「左」、「右」等の表現は図面に示されたy軸を基準にし、「上」、「下」等の表現は図面に示されたz軸を基準にすることができる。
【0037】
図1は、本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチを示す斜視図である。図2は、図1のマイクロニードルパッチの断面を示す図である。図3は、図2の一部を拡大して示す図である。図5は、図3のA部分を拡大する図である。図7は、図2のマイクロニードルパッチがユーザに付着され、薬物が送達される過程を示す図である。図8は、本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチにコーティング層が備えられる状態を示す図である。
【0038】
図1図3図5図7図8を参照すると、本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチ100は多層構造を有するものであり、ベース110、マイクロニードル120を含むことができる。
【0039】
図1図3図7図8を参照すると、本発明の一実施例に係るベース110は、マイクロニードル120が支持されるものであり、一面(図2を基準にして下面)に複数のマイクロニードル120を備えることができる。ベース110の一面は皮膚に接触し、反対側の他面は外部に露出されてもよい。
【0040】
本発明の一実施形態によるベース110は、マイクロニードル120が皮膚に埋め込まれると除去されることができる。具体的には、ベース110は、ユーザが力を加え、皮膚から除去されることができる。
【0041】
選択的な実施例として、マイクロニードルパッチ100は、ベース110とマイクロニードル120が接続される部分が先に溶解され、取り付けた後一定時間が経過した後にベース110を除去することができる。
【0042】
選択的な実施例として、マイクロニードルパッチ100は、長時間取り付けた際にベース110が溶解されることができる。
【0043】
選択的な実施例として、ユーザの皮膚に付着されるベース110は溶解可能な物質で形成され、必要の際はユーザが溶解のための物質を塗布して除去することができる。
【0044】
本発明の一実施形態によるベース110は、マイクロニードル120に含まれた物質のうちいずれか1つを含むことができる。ベース110は、マイクロニードル120などの生分解性物質を含むことができる。
【0045】
例えば、ベース110は、マイクロニードル120の複数の層のうちいずれか1つと同じ物質を含むことができる。
【0046】
選択的な実施例として、ベース110は生理活性物質を含むことができる。本発明の一実施形態によるマイクロニードルパッチ100を皮膚に取り付けた後、ベース110から出る生理活性物質によって有効薬物を効果的に患者に送達することができる。
【0047】
また、ベース110から出る生理活性物質によって、ベース110とマイクロニードル120がより容易に分離できる効果がある。
【0048】
本発明の一実施例に係るベース110は、マイクロニードル120において最も隣接した層、すなわちマイクロニードル120の下側に形成される先端、具体的には先端チップSTにおいて最も離隔して配置される層より遅い溶解性を有することができる。
【0049】
これにより、マイクロニードル120でベース110に隣接する部分は最も速く溶解するため、ベース110をマイクロニードル120から容易に分離できるようになる。
【0050】
選択的な実施例として、ベース110は水溶性高分子を含むことができる。ベース110は、水溶性高分子で構成されていてもよく、それ以外の添加物(例えば、二糖類など)を含んでいてもよい。また、ベース110は、薬物または有効成分を含まないことが好ましい。
【0051】
本発明の一実施例に係るベース110は生体適合性物質を含むことができる。ベース110は、後述するマイクロニードル120のベース物質として選択される生体適合性物質を基本物質として選択することができる。
【0052】
図3図5図8を参照すると、本発明の一実施例に係るマイクロニードル120は有効成分EMを含み、ベース110の表面から突出するもので、複数の層を有するように形成されることができる。
【0053】
本発明の一実施例に係るマイクロニードル120は、長手方向(図2を基準にして上下方向)に沿って有効成分EMの濃度が異なるように形成され、濃度勾配が形成されることができる。
【0054】
本発明の一実施例に係るマイクロニードル120は、生体適合性物質と添加剤で形成されることができる。
【0055】
生体適合性物質は、カルボキシメチルセルロース(Carboxymethyl cellulose(CMC))、ヒアルロン酸(Hyaluronic acid(HA))、アルギン酸(Alginic acid)、ペクチン(Pectin)、カラギーナン(Carrageenan)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin Sulfate)、デキストラン硫酸(Dextran Sulfate)、キトサン(Chitosan)、ポリリジン(polylysine)、カルボキシメチルキチン(carboxymethyl chitin)、フィブリン(fibrin)、アガロース(Agarose)、プルラン(pullulan)、ポリ酸無水物(polyanhydride)、ポリオルトエステル(polyorthoester)、ポリエーテルエステル(polyetherester)、ポリエステルアミド(polyesteramide)、ポリヒドロキシ酪酸(Poly butyric acid)、ポリヒドロキシ吉草酸(Poly valeric acid)、ポリアクリレート(polyacrylate)、エチレン酢酸ビニル(ethylene-vinyl acetate)重合体、アクリル置換セルロースアセテート、ポリビニルクロライド(polyvinyl chloride)、ポリビニルフルオライド(polyvinyl Fluoride)、ポリビニルイミダゾール(polyvinyl)、クロロスルホネートポリオレフィン(chlorosulfonate polyolefins)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(Carboxymethyl cellulose)、シクロデキストリン(Cyclodextrin)、マルトース(Maltose)、ラクトース(Lactose)、トレハロース(Trehalose)、セロビオス(Cellobiose)、イソマルトース(Isomaltose)、ツラノース(Turanose)、及びラクツロース(Lactulose)のうち少なくともいずれか1つを含むか、これらの高分子を形成するモノマーの共重合体及びセルロースからなる群から選択された1以上の高分子である。
【0056】
添加剤は、トレアロース(trehalose)、オリゴ糖(oligosaccharide)、スクロース(sucrose)、マルトース(maltose)、ラクトース(lactose)、セロビオス(cellobiose)、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)、アルギン酸(alginic acid)、ペクチン(Pectin)、カラギーナン(Carrageenan)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin Sulfate)、デキストラン硫酸(dextran Sulfate)、キトサン(Chitosan)、ポリリジン(polylysine)、コラーゲン、ゼラチン、カルボキシメチルキチン(carboxymethyl chitin)、フィブリン(fibrin)、アガロース(Agarose)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリメタクリレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose)、シクロデキストリン(Cyclodextrin)、ゲンチオビオース(gentiobiose)、セトリミド(alkyltrimethylammonium bromide(Cetrimideex)) 、ゲンチアナバイオレット(Gentian Violet)、塩化ベンゼトニウム(benzethonium chloride)、ドクサートナトリウム塩(docusate sodium salt)、スパン系の界面活性剤(a SPAN-type surfactant)、ポリソルベート(polysorbate(Tween))、ラウリル硫酸ナトリウム(SDD)、塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride)及びオレイン酸グリセリル(glyceryl oleate)のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0057】
ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸だけでなく、ヒアルロン酸塩(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸マグネシウム及びヒアルロン酸カルシウム)及びそれらの混合物を全て含む意味で使用される。ヒアルロン酸は、架橋ヒアルロン酸及び/または非架橋ヒアルロン酸を含む意味で使用される。
【0058】
本発明の一実装例によれば、本発明のヒアルロン酸は分子量が2kDa~5000kDaである。
【0059】
本発明の他の実装例によれば、本発明のヒアルロン酸は、分子量が100kDa~4500kDa、150kDa~3500kDa、200kDa~2500kDa、220kDa~1500kDa、240kDa~1000kDaまたは240kDa~490kDaである。
【0060】
カルボキシメチルセルロース(Carboxymethyl cellulose:CMC)は、公知の様々な分子量のCMCを使用することができる。例えば、本発明で使用されるCMCの平均分子量は90,000kDa、250,000kDa、または700,000kDaである。
【0061】
二糖類は、スクロース、ラクツロース、ラクトース、マルトース、トレハロースまたはセロビオスなどがあり、特にスクロース、マルトース、トレハロースを含むことができる。
【0062】
選択的な実施例として、粘着剤を含むことができる。粘着剤は、シリコーン、ポリウレタン、ヒアルロン酸、物理的接着剤(ゲッコ)、ポリアクリル、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチレンビニルアセテート及びポリイソブチレンで構成された群から選択された少なくとも1つ以上の粘着剤である。
【0063】
選択的な実施例として、マイクロニードル120は金属、高分子ポリマー、または粘着剤をさらに含むことができる。
【0064】
本発明の一実施形態によるマイクロニードル120は有効成分EMを含むことができる。マイクロニードル120は、少なくとも任意の一部に薬学的、医学的または化粧学的有効成分EMを含むことができる。
【0065】
例えば、非限定的な例として、有効成分はタンパク質/ペプチド医薬を含むが、必ずしもこれに限定されるものではなく、ホルモン、ホルモン類似体、酵素、酵素阻害剤、シグナル伝達タンパク質またはその一部、抗体またはその一部、単鎖抗体、結合タンパク質またはその結合ドメイン、抗原、接着タンパク質、構造タンパク質、調節タンパク質、毒素タンパク質、サイトカイン、転写調節因子、血液凝固因子及びワクチンのうち少なくともいずれか1つを含む。
【0066】
より詳細には、上記タンパク質/ペプチド医薬は、インスリン、IGF-1(insulinlikegrowth factor1)、成長ホルモン、エリスロポエチン、G-CSF(granulocyte-colony stimulating factors)、GM-CSF(granulocyte/macrophage-) colony stimulating factors)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン-1アルファ及びベータ、インターロイキン-3、インターロイキン-4、インターロイキン-6、インターロイキン-2、EGFs(epidermal growth factors)、カルシトニン(calcitonin) 、ACTH(adrenocorticotropic hormone)、 TNF(tumor necrosis factor)、アトビスバン(atobisban)、ブセレリン(buserelin)、セトロレリックス(cetrorelix)、デスロレリン(deslorelin)、デスモプレシン(desmopressin)、ジノルフィンA(dynorphin A)(1-13)、エルカトニン(elcatonin)、エレイドシン(eleidosin)、エプチフィバチド(eptifibatide)、GHRH-II(growth hormone releasing hormone-II)、ゴナドレリン(gonadorelin)、ゴセレリン(goserelin)、ヒストレリン(histrelin)、リュプロレリン(leuprorelin)、リプレシン(lypressin)、オクトレオチド(octreotide)、オキシトシン(oxytocin)、ピトレシン(pitressin)、セクレチン(secretin)、シンカリド(sincalide)、テルリプレシン(terlipressin)、チモペンチン(thymopentin)、チモシン(thymosine)α1、トリプトレリン(triptorelin)、ビバリルジン(bivalirudin)、カルベトシン(carbetocin)、シクロスポリン、エキセジン(exedine)、ランレオチド(lanreotide)、LHRH(luteinizing hormone-releasing hormone)、ナファレリン(nafarelin)、副甲状腺ホルモン、プラムリンチド(pramLintide)、T-20(enfuvirtide)、チマルファシン(thymalfasin)及びジコノチドのうちいずれか1つを含むことができる。
【0067】
また、有効成分EMは、美白、フィラー、しわ除去または抗酸化剤などの美容成分であってもよい。
【0068】
一実施例において、有効成分EMは、微粒子の形態でマイクロニードル120を形成する溶媒中に分散されたコロイドであってもよい。上記微粒子は、それ自体が有効成分EMであるか、有効成分EMを担持しているコーティング材を含むことができる。
【0069】
有効成分EMは、マイクロニードル120の一部の層に集中的に分布されてもよい。つまり、有効成分EMはマイクロニードル120において特定の高さに配置されるため、効果的に有効成分EMが送達されることができる。
【0070】
別の実施例において、有効成分EMがマイクロニードル120内に溶解されることができる。上述した生分解性物質などのマイクロニードル120のベース物質内に有効成分EMが溶解され、マイクロニードル120を構成することができる。
【0071】
有効成分EMは、上記ベース物質に均一な濃度で溶解されることができ、上述した微粒子のようにマイクロニードル120の特定の高さに集中的に分布することもできる。
【0072】
有効成分EMは、後述する接続層123が第1層121及び第2層122のうち少なくともいずれか1つを溶解させて形成されるとき、接続層123上に分布させることができる。
【0073】
これにより、有効成分EMが含まれるマイクロニードル120において、先端チップSTが形成される部分からベース110に向かう方向に行くほど、有効成分EMの濃度が比較的に低く分布することができる。
【0074】
選択的な実施例として、有効成分EMがマイクロニードル120、具体的には第2層122に含まれる場合、接続層123が第1層121と第2層122を接続させるとともに、第2層122に含まれる有効成分EMを接続層123に分布させることができる。
【0075】
これにより、第2層123の長手方向に沿ってベース110に近い領域から第1層121側に近い領域に向かうほど、有効成分EMの濃度が比較的に減少することができる。
【0076】
図4を参照すると、本発明の一実施例に係る有効成分EMは、マイクロニードル120、具体的には第1層121及び第2層122にそれぞれ分布することができ、接続層123が第1層121及び第2層122を溶解させて接続させる場合に第1層121及び第2層122に分布する有効成分EMが接続層123に分布することができ、第1層121は、下端(図4参照)に形成される先端チップSTから第2層122側に行くほど有効成分EMの濃度が減少することができる。
【0077】
また、第2層122は、ベース110から離隔する方向(図4を基準にして上側から下側方向)に行くほど有効成分EMの濃度が減少することができる。これにより、マイクロニードル120の長手方向(図4基準にして上下方向)に沿って有効成分EMの濃度が互いに異なって分布することができ、濃度勾配が形成される効果がある。
【0078】
本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチ100は、区域に応じて複数の有効成分EMを有することができる。
【0079】
複数のマイクロニードル120のうち第1グループのマイクロニードル120は、上記複数の有効成分のうち第1有効成分を含み、上記第1グループとは異なる第2グループのマイクロニードル120は、上記複数の有効成分のうち第2有効成分を含むことができる。
【0080】
一実施例において、マイクロニードル120上に薬学的、医学的または化粧学的有効成分をコーティングすることができる。有効成分は、マイクロニードル120全体にコーティングされてもよく、マイクロニードル120の一部のみにコーティングされてもよい。
【0081】
選択的な実施例として、マイクロニードル120におけるコーティング層の一部は第1有効成分がコーティングされ、他の一部は第2有効成分がコーティングされてもよい。
【0082】
本発明の一実施例に係るマイクロニードル120は、様々な形状の外観を有することができる。マイクロニードル120は錐型状を有することができる。例えば、マイクロニードル120は、円錐形状、三角錐形状、四角錐形状などの多角形形状を有することができる。
【0083】
マイクロニードル120は層状構造を有することができる。マイクロニードル120は、積層された複数の層を有することができる。マイクロニードル120を形成する層の数は特定の数に限定されない。
【0084】
図2図3を参照すると、本発明の一実施例に係るマイクロニードル120は、第1層121、第2層122、接続層123を含むことができる。
【0085】
本発明の一実施例に係る第1層121は、一側(図3を基準にして下側)に先端チップ(sharpened tip、ST)が配置されるものであり、他側にはベース110に面する一面を形成されることができる。
【0086】
本発明の一実施例に係る先端チップSTが形成される第1層121の一側(図3を基準にして下側)に対向する他側に形成される一面は接続層123と接続され、一体的に形成されることができる。
【0087】
具体的には、ベース110に面する第1層121の一面(図3を基準にして上面)には、外部のノズルが流体を噴射することができ、上記流体は第1層121の一面(図3を基準にして上面)を溶解させて接続層123を形成することができる。接続層123は、第1層121と一体的に形成されることができる。
【0088】
本発明の一実施形態によるマイクロニードル120は、隣接する層が接触する領域に曲率を有することができる。
【0089】
マイクロニードル120は、第1層121と接続層123が接続される領域で曲率を形成することができ、第2層122と接続層123が接続される領域で曲率が形成されることができる。
【0090】
本発明の一実施例に係るマイクロニードル120の層上には、先端に向かって下に凸の曲率を有することができる。第1層121を溶解させ、第1層121の上側(図3参照)領域と一体的に形成される接続層123と第2層122が接触する領域において、先端に隣接する部分が下に凸の形状を有することができる。
【0091】
選択的な実施例として、第2層122を溶解させ、第2層122の下側(図3参照)領域と一体的に形成される接続層123と第1層121が接触する領域において、先端に隣接する部分が下に凸の形状を有することができる。
【0092】
曲率は、マイクロニードル120の長手方向(図5を基準にして上下方向)の中心軸を基準にして両側が対称になるように形成されることができる。
【0093】
図2図5を参照すると、本発明の一実施例に係る第1層121に有効成分EMを配置することができる。皮膚表面のやや深い位置に薬物をターゲティングするために、有効成分EMは第1層121に含まれてもよい。例えば、有効成分EMを真皮DEM、皮下脂肪層または筋肉に送達するために、有効成分EMは第1層121に搭載されてもよい。
【0094】
図2図3図5を参照すると、本発明の一実施例に係る第1層121において先端チップSTに対向する一側(図3を基準にして上側)には接続層123が接続され、第1層121と一体的に形成されることができる。
【0095】
図5を参照すると、接続層123は、第1層121の一側に流体が噴射されながら形成されることができ、所定の曲率を有して第1曲面CS1を形成することができる。
【0096】
接続層123は、モールドで製造される第1層121の一面上に流体が噴射されることによって製造することができる。流体は水分で形成されることができる。上記流体は、第1層121の一面上の所定の領域を溶解しながら接続層123を形成することができる。
【0097】
第1層121の上面を溶解させ、第1層121と接続されて一体的に形成される接続層123は、第1層121と接続される一側に対向する他側に向かって凸に形成されることができる。
【0098】
第1層121の所定領域を溶解させて一体的に形成されることによって、第1層121に含まれる有効成分EMの濃度は、先端チップSTから接続層123側に行くほど比較的に減少するようになる。
【0099】
これにより、マイクロニードル120、具体的に第1層121の長手方向(図3を基準にして上下方向)に沿って第1層121に含まれる有効成分EMの濃度を異なるように設定することができ、具体的に先端チップSTから離隔するほど有効成分EMの濃度が比較的に減少するようにすることができる。
【0100】
図3図5を参照すると、本発明の一実施例に係る第2層122は、ベース110と接続されるもので、ベース110と第1層121との間に配置することができる。
【0101】
ベース110に接続される第2層122の一面(図3を基準にして上面)に対向する他面(図3を基準にして下面)は、接続層123に接続することができる。
【0102】
第2層122は、モールドにベース物質を注入及び乾燥させて製造することができる。本発明の一実施例に係る第2層122は、接続層123が第1層121に接続された状態で、接続層123に接触接続することができる。
【0103】
図5を参照すると、第2層122と対向する接続層123の一面は所定の曲率を有し、第1曲面CS1が形成されるが、第1曲面CS1が形成される接続層123 )に面する第2層122の一面は、接続層123に向かって凸状に形成されるように所定の曲率を有し、第2曲面CS2を形成することができる。
【0104】
第1曲面CS1と第2曲面CS2は、同じ曲率半径を有するように形成されることができる。第2層122の一面が第2曲面CS2に形成されることによって、第1層121と一体的に形成される接続層123の上側に接触し、接続時の端では接続領域が長手方向の中心領域に比べて比較的小さく、第1層121と第2層123との間の分離を容易にする効果がある。
【0105】
本発明の一実施例に係るマイクロニードル120は、第1層121上に接続層123が配置され、第2層122と接続されるが、これに限定されるものではなく、第1層121の上面の所定領域を溶解させて接続層123が配置され、これに面する第2層122の下面の所定領域を溶解させて接続層123が形成されるなど、様々な変形実施が可能である。
【0106】
この場合、第2層122と接続される接続層123は、モールドで製造される第2層122の一面上に流体が噴射されることで製造することができる。流体は水分で形成されることができる。上記流体は、第2層122の一面上の所定の領域を溶解しながら接続層123を形成することができる。
【0107】
図3を参照すると、本発明の一実施例に係る第1層121及び第1層121を溶解させて一体的に形成され、第1層121に接続される接続層123に有効成分EMが含まれるが、これに限定されるものではなく、図4のように第1層121及び第2層122, 接続層123に有効成分EMが含まれるなど、様々な変形実施が可能である。
【0108】
図4を参照すると、選択的な実施例として、第2層122に有効成分EMを含有することができ、具体的に有効成分EMを表皮EPMや表皮EPMに近い真皮DEMに送達するために有効成分EMを第2層122に搭載することができる。
【0109】
選択的な実施例として、第1層121と第2層122にそれぞれ同じ有効成分EMが搭載されてもよい。広い範囲の深さで、薬物を送達する必要がある場合には、第1層121と第2層122に同じ有効成分(EM)からなる薬物を搭載することができる。
【0110】
選択的な実施例として、図面には示されていないが、第1層121と第2層122とは異なる有効成分EMが搭載されてもよい。例えば、第1層121に搭載される第1有効成分EMは真皮DEMをターゲッティングとする薬物であり、第2層122に搭載される第2有効成分EMは表皮EPMをターゲッティングとする薬物であってもよい。
【0111】
このとき、第1層121と第2層122との生分解速度を調整し、第1有効成分EMと第2有効成分EMとの送達速度を調整することができる。
【0112】
本発明の一実施形態による第1層121と第2層122は、皮膚に挿入された後に分解速度が異なる場合がある。第1層121と第2層122とのいずれか一方は他方より生分解速度が速い場合がある。第1層121と第2層122の分解速度は、各層を構成する生体適合性物質の種類、含有量で設定される場合がある。
【0113】
例えば、第1層121の分解速度が第2層122の分解速度より速い場合、真皮DEMに迅速に有効成分EMを送達することができる。第2層122の分解速度が第1層121の分解速度より速い場合、表皮EPMに迅速に有効成分EMを送達することができる。また、第2層122の分解速度が第1層121の分解速度より速い場合、第2層122が速く分解され、ベース110を迅速に除去することができ、第1層121に搭載された有効成分EMを皮膚内に移植することができる。
【0114】
図4を参照すると、本発明の一実施例に係る接続層123が第2層122に接続されることにより、第2層122に有効成分EMが含まれる場合、第2層122に含まれる有効成分EMの濃度はベース110に向かう一側(図4を基準にして上側)から第1層121側に向くほど比較的に減少するようになる。
【0115】
これにより、マイクロニードル120、具体的に第2層122の長手方向(図4を基準にして参照)に沿って第2層122に含まれる有効成分EMの濃度を異なるように設定することができ、具体的にベース110から離隔するほど、有効成分EMの濃度が比較的に減少するようにすることができる。
【0116】
本発明の一実施例に係るマイクロニードル120の各層、すなわち第1層121、第2層122は、互いに異なる剛性を有することができる。例えば、第1層121が第2層122より大きい剛性を有する場合、第1層121が肌を容易に貫通することができる。第1層121の生体分解速度が速く進めば、皮膚の痛みを最小限に抑えることができる。
【0117】
図2図3図5図8を参照すると、本発明の一実施例に係る接続層123は、第1層121と第2層122との間に配置されるもので、第1層121と第2層122とを接続させることができる。
【0118】
図3を参照すると、本発明の一実施例に係る接続層123は、第1層121及び第2層122のうち少なくともいずれか1つと一体的に形成されて接続される領域に所定の曲率を有して形成されることができる。
【0119】
図3を参照すると、接続層123と第2層122が接続される領域を基準にするとき、マイクロニードル120の長手方向の中心に第1点PK1を有し、先端チップSTから第1点PK1の間には第1高さを有することができる。
【0120】
一方、接続層123と第2層122が接続される領域を基準にするとき、半径方向の外側には第2点PK2を有し、先端チップSTから第2点PK2の間には第2高さを有することができる。第1高さは、第2高さよりも比較的に小さく設定することができる。
【0121】
選択的な実施例として、先端チップSTから離間する距離を高さと定義すると、第1層121と一体的に形成されて第1層121に接続される接続層123は、マイクロニードル120の長手方向の中心から半径方向の外側に向かうほど高さが増加することができる。
【0122】
本発明の一実施例に係る接続層123は、第1層121または第2層122のうち少なくともいずれか1つに流体を噴射することで形成されることができる。
【0123】
具体的に、接続層123は、第1層121または第2層122のうち少なくともいずれか1つの層(例えば、第1層121)の一面に噴射される流体が上記層の一面を溶解させながら形成されることができる。
【0124】
接続層123が上記層の一面を溶解させながら形成され、その後に他の1つの層(例えば、第2層122)が接触され、第1層121、第2層122を接続させることができる。
【0125】
接続層123を形成する流体は水分で形成されることができる。しかし、これに限定されるものではなく、第1層121または第2層122を溶解させる技術的思想の中で様々な物質から形成されるなどの変形実施が可能である。
【0126】
本発明の一実施例として、接続層123は、第1層121または第2層122の所定領域に形成され、例えば、第1層121の一面上に接続層123が接続される場合、第1層121と接続される接続層123の一側に対向する他側は接着性を有し、第2層122と接触されて接続されることができる。
【0127】
図3図5を参照すると、本発明の一実施例に係る接続層123は、第1層121の上面(図3参照)を溶解させ、第1層121の上面と一体的に形成され、第1層121と接続される接続層123の一面に対向する他面は第2層122に接続することができる。
【0128】
図5を参照すると、接続層123の外周面(図5を基準にして上面)は所定の曲率を有することができる。具体的に、接続層123の外周面は、第1層121の先端チップSTに向かって凸に形成され、第1曲面CS1を備えることができる。
【0129】
接続層123に形成される第1曲面CS1に面する第2層122の一面(図5を基準にして下面)は、所定の曲率を有し、第1曲面CS1と接続されることができ、第2層122の上記一面は、第1曲面CS1の形状に対応するように接続層123に向かって凸に形成される第2曲面CS2を備えることができる。
【0130】
本発明の一実施例に係る接続層123の第1曲面CS1の曲率と第2層122の第2曲面CS2の曲率は実質的に同様に形成されることができる。
【0131】
本発明の一実施例に係る接続層123は、第2層122に形成される第2曲面CS2と接触され、第2層122を溶解させて第2層122と一体的に形成されることができる。これにより、接続層123は、第1層121と第2層122とを接続させることができる。
【0132】
図3図5を参照すると、本発明の一実施例に係る接続層123が所定の曲率を有し、第1層121と第2層122を接続させることにより、マイクロニードル120は層状構造を有することができ、第1層121と第2層122が容易に分離できるようになる。
【0133】
接続層123と第2層122が接続される領域は、マイクロニードル120の端に薄く形成されることができる。具体的に、接続層123の外側面と第1曲面CS1との距離を比較的に短く形成されることができる。
【0134】
マイクロニードル120が皮膚に挿入されると、外側面が生分解され始め、第1層121を溶解させながら一体化で接続される接続層123は、第1曲面CS1によって容易に剥離されるため、第1層121と第2層122は容易に分解できるようになる。
【0135】
図3図5を参照すると、本発明の一実施例に係る接続層123は、第1層121を溶解させ、所定領域において第1層121と一体的に形成されることができる。
【0136】
これにより、第1層121に含まれる有効成分EMを接続層123上にも分布することができ、接続層123における有効成分EMの濃度が第1層121においての有効成分EMの濃度より比較的に減少する可能性がある。
【0137】
つまり、マイクロニードル120の長手方向(図3を基準にして上下方向)によって有効成分EMの濃度が異なるように設定され、濃度勾配が形成される効果がある。これにより、マイクロニードル120が挿入され、ターゲッティングする位置に所望の濃度で薬物を注入することができる効果がある。
【0138】
これに加えて、接続層123において有効成分EMの濃度が比較的に減少するにつれ、ユーザの皮膚の深さに応じてターゲッティングする薬物の濃度を異なるように設定及び制御することができる効果がある。
図6を参照すると、接続層123は、第2層122と接触する領域に沿って曲率を異なるように形成されることができる。
【0139】
具体的に、接続層123は、マイクロニードル120の長手方向の中心軸を基準に第1層121に形成される先端チップSTに近接する領域である第1点PK1では、第1曲率で形成することができ、外側に位置する第2点PK2では、第1曲率と異なる第2曲率で形成されることができる。
【0140】
第1曲率は、第2曲率より小さく形成されることができる。つまり、接続層123は、マイクロニードル120の長手方向の中心で曲率半径が大きく、外側では曲率半径が減少することができる。
【0141】
第1層121のベース物質で粘度は高く、乾燥によって大きく収縮する物質が提供されると、ベース物質の粘度によってモールドの表面に強く付着された状態で、乾燥工程により第1層121が大きく収縮させて形成されることができる。
【0142】
第1層121の所定領域上に第1層121を溶解させながら接続層123が形成されることができ、接続層123も第1層121の曲率に応じて所定の曲率を有することができる。マイクロニードル120の中心軸である第1点PK1で曲率がより小さいため、第1層121と第2層122とは深い位置まで挿入できる効果がある。
【0143】
また、マイクロニードル120の外側を見ると、第2点PK2の近傍で第1層121と一体的に形成されて接続される接続層123の厚さが薄く形成されるため、第1層121と第2層122とが容易に分離され、薬物送達効果を高めることができる。
【0144】
図3図5図8を参照すると、本発明の一実施例に係る接続層123は、第1層121の所定領域を溶解させ、第1層121と一体的に形成されて接続されることにより第1層121に含まれる有効成分EMを含むことができる。
【0145】
本発明の一実施例に係る接続層123は、第1層121を溶解させて第1層121に接続され、これによって第1層121と比較して有効成分EMの濃度を異なるように形成されることができる。
【0146】
具体的に、本発明の一実施例に係る接続層123は水分を含むことができ、これにより接続層123における有効成分EMの濃度を第1層121に含まれる有効成分EMの濃度より比較的低く形成されることができる。
【0147】
言い換えれば、有効成分EMの濃度は、第1層121の先端チップSTから接続層123側の方向(図3を基準にして下側から上側方向)に行くほど比較的に減少する可能性がある。
【0148】
つまり、マイクロニードル120の長手方向に沿って有効成分EMの濃度を異なるように設定することができ、マイクロニードル120が浸透するユーザの皮膚の深さに応じて送達される薬物の濃度を異なるように設定及び制御できる効果がある。
【0149】
選択的な実施例として、図4を参照すると、有効成分EMは、マイクロニードル120、具体的には第1層121、第2層122にそれぞれ分布することができ、接続層123が第1層121及び第2層122を溶解させて接続される場合、第1層121及び第2層122に分布する有効成分EMを接続層123に分布することができる。
【0150】
このとき、第1層121は、下端(図4参照)に形成される先端チップSTから第2層122側に行くほど有効成分EMの濃度が減少する可能性があり、第2層122は、ベース110から離隔する方向(図4を基準にして上側から下側方向)に行くほど有効成分EMの濃度が減少する可能性がある。
【0151】
これにより、マイクロニードル120の長手方向(図4を基準にして上下方向)に沿って有効成分EMの濃度が互いに異なって分布することができ、濃度勾配が形成されることができる効果がある。
【0152】
図7を参照すると、図2のマイクロニードルパッチ100が付着され薬物が送達される過程を示す図であって、マイクロニードルパッチ100が皮膚に付着され、マイクロニードル120の層が生分解されて薬物を送達することができる。
【0153】
図3では、有効成分EMが第1層121に搭載され、真皮DEMに送達されることを示しているが、図4のように有効成分EMが第2層122に搭載されると、表皮EPMにも送達することができる。
【0154】
図7(a)を見ると、マイクロニードルパッチ100が皮膚に付着される。マイクロニードル120は皮膚に挿入され、ベース110は皮膚の上部を覆う。
【0155】
図7(b)を見ると、マイクロニードル120は皮膚の内部で生分解されることができる。マイクロニードル120は皮膚に挿入され、ベース110は皮膚の上部を覆うことができる。
【0156】
図7(c)を見ると、マイクロニードル120から有効成分EMを放出することができる。第1層121が生分解され始めると、内部に搭載された有効成分EMを真皮DEMに送達することができる。
【0157】
図8を参照すると、本発明の一実施例に係るマイクロニードル120は、第1層121、第2層122、接続層123を備え、マイクロニードル120の外側コーティング層124を配置することができる。
【0158】
本発明の一実施例に係るコーティング層124は、第1層121、第2層122、接続層123を形成した後、コーティング液に浸漬して形成されることができる。コーティング層124は生体適合性高分子で形成されることができる。コーティング層124は、皮膚に挿入された後に分解することができる。
【0159】
選択的な実施例として、本発明の一実施例に係るコーティング層124は、生体適合性高分子で形成されることができる。コーティング層124は皮膚に挿入されて分解されることができる。
【0160】
選択的な実施例として、コーティング層124は生理活性物質を含むことができる。コーティング層124が皮膚に挿入されると、有効成分EMが注入される前に、コーティング層124は最初に活性化されて有効成分EMの送達効果を高めることができる。
【0161】
選択的な実施例として、コーティング層124は、生体分解速度が速い物質で形成されることができる。コーティング層124は、第1層121、第2層122、接続層123より生体分解速度が速い物質で形成され、コーティング層124の生体内分解速度は第1層121の生体内分解速度や第2層122、接続層123の生体内分解速度より速くてもよい。
【0162】
選択的な実施例として、コーティング層124は、生体分解速度が遅い物質で形成されることができる。コーティング層124は、第1層121または第2層122より生体分解速度が遅い物質で形成され、コーティング層124の生体内分解速度は第1層121、第2層122、接続層123の生体内分解速度より遅くてもよい。
【0163】
本発明の一実施例に係るマイクロニードル120を挿入した後、所定の時間が経過した後に薬物が送達され、目標とする適切な時間に有効成分EMを送達することができる。
【0164】
選択的な実施例として、コーティング層124はマイクロニードル120の剛性を高めることができる。コーティング層124は、第1層121、第2層122を接続させる接続層123の外側を覆うため、マイクロニードル120を皮膚に挿入する際に第1層121と第2層122の分離を防止することができる。
【0165】
上記のような本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチ100の製造方法について説明する。
【0166】
図14は、本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチ100を製造する方法を示すフローチャートである。図15は、本発明の一実施例に係るマイクロニードル120を形成する工程を示すフローチャートである。
【0167】
図14図15を参照すると、本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチ100の製造方法は、マイクロニードルを形成するステップS100と、ベースを接続させるステップS200とを含むことができる。
【0168】
図15を参照すると、本発明の一実施例に係るマイクロニードルを形成するステップS100は、複数の層を形成するステップS110と、複数の層のうち少なくともいずれか1つに流体を噴射するステップS120と、複数の層を接続させるステップS130とを含むことができる。
【0169】
本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチ100は、マイクロニードル120を形成した後、上記マイクロニードル120をベース110に接続させることで製造することができる。
【0170】
本発明の一実施例に係るマイクロニードル120は複数の層を備えることができ、複数の層は独立して形成されることができる。
【0171】
本発明では、第1層121、第2層122を先に形成し、第1層121と第2層を接続させて接続層123を形成するが、これに限定するものではなく、3つ以上の層が備えられ、各層の間に接続層123が形成されるなど、様々な変形実施が可能である。
【0172】
複数の層を形成するステップS110において、複数の層がそれぞれ形成されることができる。複数の層は、それぞれ異なるモールドにベース物質を注入し、それを乾燥させて製造することができる。
【0173】
具体的に、第1層121は、モールドに第1ベース物質を注入及び乾燥させて形成されることができ、第2層122は、モールドに第2ベース物質を注入及び乾燥させて形成されることができる。
【0174】
第1層121の一側には先端チップSTが形成されることができ、先端チップSTが形成されるようにモールドの形状は予め設定される方向に行くほど長手方向の中心軸に対する横断面積が減少するように形成されることができる。
【0175】
第1ベース物質は、生体適合性高分子または粘着剤を含むことができる。選択的な実施例として、第1ベース物質には有効成分EMが含まれてもよい。第1層121が製造され、第1層121に外部に設置されるノズル10から流体を噴射することができる。
【0176】
具体的に、第2層122に面する第1層121の一面に流体を噴射することができ、上記一面は部分的に溶解されてもよい。第1層121の一面に流体が噴射されることにより第1層121の所定領域が溶解され、接続層123が形成されることができ、その上に第2層122を接続させることにより第1層121及び第2層122を接続させることができる。
【0177】
第2層122に面する接続層123の一面は、第1ベース物質と流体の粘度と乾燥による収縮性によって、第1層121に向かって下方に凸に形成されることができる。
【0178】
接続層123に面する第2層122の一面は、第2ベース物質の粘度と乾燥による収縮性によって接続層123に向かって下方に凸に形成されることができる。
【0179】
接続層123を形成する流体は、第1層121または第2層122のいずれか1つに噴射され、第1層121または第2層122の所定領域を溶解させることができ、第1層121または第2層122と一体的に形成され、第1層121、第2層122を接続させることができる。
【0180】
上記流体は水分を含むことができ、第1層121に有効成分EMが含まれることによって接続層123における有効成分EMの濃度は第1層121での有効成分EMの濃度より比較的低く形成されることができる。
【0181】
具体的に、第1層121に形成される先端チップSTから接続層123側に行くほど、有効成分EMの濃度が比較的に減少する可能性がある。
【0182】
選択的な実施例として、第2層122が有効成分EMを含むことができ、接続層123における有効成分EMの濃度は、第2層122における有効成分EMの濃度より比較的低く形成されることができる。
【0183】
これにより、第2層122上での有効成分EMの濃度は、ベース110側から接続層123側に向かうほど有効成分EMの濃度が比較的に減少する可能性がある。
【0184】
*202本発明の一実施例に係るマイクロニードル120が形成されると、マイクロニードル120の一側をベース110に付着接続させてマイクロニードルパッチ100を製造することができる。
【0185】
選択的な実施例として、第1層121、第2層122の他に第3層を形成し、第2層122及び第3層のいずれか1つに流体を噴射して接続層123を形成し、第2層122と第3層とを接続させて第1層121、第2層122、第3層を備えるマイクロニードル120を製造することができ、ベース110 に接続させてマイクロニードルパッチ100を製造することができる。
【0186】
選択的な実施例として、他のモールドに第3ベース物質を注入してシャフトを製造することができ、第2層122とシャフトを整列及び付着し、ベース110の一面に複数のマイクロニードル120を配置することができる。
【0187】
以下、本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチ100の構成、動作原理及び効果について説明する。
【0188】
図9は、本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチの一部を拡大して示す図である。図10は、図9のマイクロニードルパッチがユーザに付着され薬物が送達される過程を示す図である。図11は、本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチにコーティング層が備えられる状態を示す図である。
【0189】
本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチ200は、ベース210、マイクロニードル220を含むことができる。
【0190】
図10を参照すると、本発明の一実施例に係るマイクロニードル220は、第1層221、第2層222、第3層225、接続層223、223A、223Bを含むことができる。
【0191】
第3層225は、第3ベース物質をモールドに注入、乾燥させて製造することができ、第2層222及び第3層225のうち少なくともいずれか1つに流体Fを噴射して接続層223Bを形成させ、第2層222と第3層225を接続させることができる。
【0192】
第1層221に接続される接続層223Aに接続される第2層222の一面(図9を基準にして下面)は、第1曲率RAを有することができ、第2層222と接続される接続層223Bと接続される第3層225の一面(図9を基準にして下面)は、所定の第2曲率RBを有することができる。
【0193】
第1曲率RA及び第2曲率RBは同様に形成されることができる。しかし、これに限定ものではなく、互いに異なる曲率で形成されることができるなど、様々な変形実施が可能である。
【0194】
図9を参照すると、本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチ200は、第1層221と第2層222に含まれる有効成分と異なるように形成されてもよい。第1層221には第1有効成分EM1が含まれてもよく、第2層222には第2有効成分EM2が含まれてもよい。
【0195】
これにより、第1層221と第2層222とを接続させる接続層223A領域は、第1有効成分EM1、第2有効成分EM2を含むことができる。接続層223Aは水分を含むことができ、第1層221または第2層222のうち少なくともいずれか1つを溶解させて一体的に形成されるため、有効成分EMの濃度を低減する可能性がある。
【0196】
具体的に、第1有効成分EM1は、第1層221の先端チップSTから第2層222側に向かうほど濃度を比較的減少されることができ、第2有効成分EM2は上側から下側(図9参照)に向かうほど、濃度が比較的減少することができる。
【0197】
図には示されていないが、第3層225にも有効成分が含まれていてもよく、接続層223によって有効成分の濃度を第3層225の長手方向に沿って異なるように形成されることができるなど、様々な変形実施が可能である。
【0198】
図10を参照すると、図9のマイクロニードルパッチ200が付着され薬物が送達される過程を示したもので、第1有効成分EM1が第1層221に搭載され、第2有効成分EM2が第2層222に搭載されたマイクロニードルパッチ200であり、有効成分EM1、EM2の位置によって有効成分EM1、EM2の送達位置が異なるように設定されてもよい。
【0199】
また、水分を含み、第1層221または第2層222のうち少なくともいずれか1つを溶解させて一体的に形成される接続層223により、マイクロニードル220の長手方向(図9を基準にして上下方向)によって有効成分EMの濃度が異なるように設定され、有効成分EMの送達位置によって送達される有効成分EMの濃度を異なるように設定することができる。
【0200】
図10(a)を参照すると、マイクロニードルパッチ200が皮膚に付着される。マイクロニードル220は皮膚に挿入され、ベース210は皮膚の上部を覆う。
【0201】
図10(b)を参照すると、マイクロニードル220は皮膚の内部で生分解される。第3層225が先に分解されると、ベース210を容易に分離できるようになる。
【0202】
図10(c)を参照すると、マイクロニードル220から有効成分を放出することができる。第1層221が生分解され始めると内部に搭載される第1有効成分EM1が真皮DEMに送達されることができ、第2層222が生分解され始めると内部に搭載された第2有効成分EM2を真皮DEMに送達することができる。
【0203】
このとき、第1有効成分EM1と第2有効成分EM2とが相互作用し、真皮DEMで薬理効果を強化することができる。
【0204】
図では、有効成分EMが全て真皮DEMに送達される例を示しているが、これに限定するものではなく、有効成分EMが表皮EPMのみに送達されたり、表皮EPMと真皮DEM両方に送達されたりすることができる。
【0205】
図11を参照すると、本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチ200は、第1層221、第2層222、第3層225、接続層223A, 223Bを備え、マイクロニードル220の外側にコーティング層224を配置することができる。
【0206】
コーティング層224は、第1層221、第2層222、第3層225、接続層223A, 223Bを形成した後、コーティング液に浸漬して形成されることができる。コーティング層224は生体適合性高分子で形成されることができる。コーティング層224は、皮膚に挿入された後に分解されてもよい。
【0207】
選択的な実施例として、本発明の一実施例に係るコーティング層224は、生体適合性高分子で形成されることができる。コーティング層224は皮膚に挿入されて分解されてもよい。
【0208】
選択的な実施例として、生理活性物質を含むことができる。コーティング層224が皮膚に挿入されると、有効成分EM1, EM2が注入される前に、コーティング層224が最初に活性化され、有効成分 EM1, EM2の送達効果を高めることができる。
【0209】
選択的な実施例として、コーティング層224は、生体分解速度が速い物質で形成されることができる。コーティング層224は、第1層221、第2層222、第3層225、接続層223よりも生体分解速度が速い物質で形成され、コーティング層224の生体内分解速度は、第1層221、第2層222、第3層225の生体内分解速度より速くてもよい。
【0210】
選択的な実施例として、コーティング層224は、生体分解速度が遅い物質で形成されることができる。コーティング層224は、第1層221、第2層222、第3層225より生体分解速度が遅い物質で形成され、コーティング層224の生体内分解速度は第1層221、第2層222、第3層225、接続層223の生体内分解速度より遅くてもよい。
【0211】
本発明の一実施例に係るマイクロニードル220を挿入した後、所定の時間が経過した後に薬物が送達され、目標とする適切な時間に有効成分EM1, EM2を送達することができる。
【0212】
選択的な実施例として、コーティング層224はマイクロニードル220の剛性を高めることができる。コーティング層224は、第1層221と第2層222または第2層222と第3層225を接続させる接続層223の外側を覆うため、マイクロニードル220が皮膚に挿入されたときに第1層221と第2層222または第2層222と第3層225との分離を防止することができる。
【0213】
本発明に係る、マイクロニードルパッチ200は多層構造を有し、ターゲット位置に正確に有効成分EM1, EM2を送達することができる。マイクロニードル220は複数の層状構造を有するため、各層に有効成分 EM1, EM2を搭載することができる。したがって、マイクロニードルパッチ200は、有効成分 EM1, EM2の活性位置に応じて、表皮EPM、真皮DEM、皮下脂肪、筋肉のうちいずれか1つに送達することができる。
【0214】
本発明に係る、マイクロニードルパッチ200は多層構造を有し、各層の生分解速度を異なるように設定することができる。マイクロニードル220は、各層の分解速度によって有効成分EM1, EM2\が異なる活性時間を有することができる。
【0215】
本発明によるマイクロニードルパッチ200は、異なる層を接続させる接続層223が接続される層の所定領域を溶解させて接続されることにより有効成分EMの濃度を減少させることができ、マイクロニードル220の長手方向に沿って有効成分EMの濃度が異なるように設定され、濃度勾配が形成されるようにする効果がある。
【0216】
これにより、マイクロニードル220の挿入位置によって送達される有効成分EMの濃度を異なるように設定できる効果がある。
【0217】
本発明に係るマイクロニードルパッチ200は、接続層223または接続層223に面して接続される層に曲率が形成されることにより、複数の層を容易に分離されることができ、所定の曲率を有する曲面の表面積が増加し、有効成分EMの送達面積が増大する効果がある。
【0218】
本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチ200は、本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチ200と比較して、第3層225及び第3層225と第2層222を接続させる接続層223Bの構成を除いては、本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチ200と構成、作用原理及び効果が同一であるため、これと重複する範囲で詳細な説明は省略する。
【0219】
以下、本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチ300、400の構成、作動原理及び効果について説明する。図12は、本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチを示す図である。図13は、本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチを示す図である。
【0220】
図12を参照すると、本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチ300は、ベース310、マイクロニードル320、シャフト330を含むことができる。マイクロニードル320は、第1層321、第2層322、接続層323を含むことができ、層状構造を有することができる。
【0221】
マイクロニードル320には、上述したマイクロニードル120を適用することができる。上述したように、マイクロニードル320は有効成分を目標位置へ精密に送達することができる。シャフト330は、ベース310とマイクロニードル320との間を接続することができる。
【0222】
シャフト330は、マイクロニードル320の長手方向へ所定の長さに延びることができる。シャフト330によってマイクロニードル320を深く挿入することができる。つまり、シャフト330の長さによって、マイクロニードル320は、有効成分を使用者の皮膚により深く送達することができる。
【0223】
シャフト330は生体内で分解され、ベース310とマイクロニードル320を容易に分離させることができる。シャフト330はマイクロニードル320より小さい体積を有するため、先に生体内で溶解されることができる。
【0224】
シャフト330が溶解されると、マイクロニードル320は対象体の皮膚内に挿入された状態を維持し、ベース310を容易に除去することができる。シャフト330は、マイクロニードル320より比較的速く生体内で分解されることができる。シャフト330を構成するベース物質は、マイクロニードル320より速くて生体内で容易に分解される物質で形成されてもよい。
【0225】
したがって、マイクロニードルパッチ300がユーザの皮膚に挿入されると、シャフト330が迅速に溶解され、ベース310を容易に除去ことができる。
【0226】
図12を参照すると、マイクロニードル320は、第1層321、第2層322、接続層323で形成されるが、これに限定されるものではなく、図13のように第1層421 、第2層422、第3層425、その間に形成される接続層423A、423Bを備えるなど、様々な変形実施が可能である。
【0227】
本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチ300、400は、ベース310、410とマイクロニードル320、420との間にシャフト330、430が配置されることを除いては、ベース310、410、マイクロニードル320、420の構成、作用原理及び効果が上述した本発明の実施例に係るマイクロニードルパッチ100、200のベース110、210、マイクロニードル120 、220と同様あるため、これと重複する範囲で詳細な説明は省略する。
【0228】
以下、本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチの製造方法について説明する。
図16は、本発明の一実施例に係る複数の層を形成する工程を示すフローチャートである。図17及び図18は、接続層を形成される過程を示す図である。図3は、マイクロニードルパッチの一部を示す図である。
【0229】
図14図16を参照すると、本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチ100の製造方法は、マイクロニードルを形成するステップS100と、ベースを接続させりステップS200とを含むことができる。
【0230】
本発明の一実施例に係るマイクロニードルを形成するステップS100は、有効成分EMを含み、複数の層を備えるマイクロニードル120を形成するステップで、複数の層を形成するステップS110と、複数の層のうち少なくともいずれか1つに流体を噴射するステップS120と、複数の層を接続させるステップS130とを含むことができる。
【0231】
図1図2図14図16を参照すると、本発明の一実施例に係るマイクロニードルを形成するステップS100で製造されるマイクロニードル120は多層構造を有するものであり、第1層121、第2層122、接続層123を含むことができる。
【0232】
本発明の一実施例に係るマイクロニードル120は、生体適合性物質と添加剤で形成されることができる。
【0233】
生体適合性物質は、カルボキシメチルセルロース(Carboxymethyl cellulose(CMC))、ヒアルロン酸(Hyaluronic acid(HA))、アルギン酸(Alginic acid)、ペクチン(Pectin)、カラギーナン(Carrageenan)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin Sulfate)、デキストラン硫酸(Dextran Sulfate)、キトサン(Chitosan)、ポリリジン(polylysine)、カルボキシメチルキチン(carboxymethyl chitin)、フィブリン(fibrin)、アガロース(Agarose)、プルラン(pullulan)、ポリ酸無水物(polyanhydride)、ポリオルトエステル(polyorthoester)、ポリエーテルエステル(polyetherester)、ポリエステルアミド(polyesteramide)、ポリヒドロキシ酪酸(Poly butyric acid)、ポリヒドロキシ吉草酸(Poly valeric acid)、ポリアクリレート(polyacrylate)、エチレン酢酸ビニル(ethylene-vinyl acetate)重合体、アクリル置換セルロースアセテート、ポリビニルクロライド(polyvinyl chloride)、ポリビニルフルオライド(polyvinyl Fluoride)、ポリビニルイミダゾール(polyvinyl)、クロロスルホネートポリオレフィン(chlorosulfonate polyolefins)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(Carboxymethyl cellulose)、シクロデキストリン(Cyclodextrin)、マルトース(Maltose)、ラクトース(Lactose)、トレハロース(Trehalose)、セロビオス(Cellobiose)、イソマルトース(Isomaltose)、ツラノース(Turanose)、及びラクツロース(Lactulose)のうち少なくともいずれか1つを含むか、これらの高分子を形成するモノマーの共重合体及びセルロースからなる群から選択された1以上の高分子である。
【0234】
添加剤は、トレアロース(trehalose)、オリゴ糖(oligosaccharide)、スクロース(sucrose)、マルトース(maltose)、ラクトース(lactose)、セロビオス(cellobiose)、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)、アルギン酸(alginic acid)、ペクチン(Pectin)、カラギーナン(Carrageenan)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin Sulfate)、デキストラン硫酸(dextran Sulfate)、キトサン(Chitosan)、ポリリジン(polylysine)、コラーゲン、ゼラチン、カルボキシメチルキチン(carboxymethyl chitin)、フィブリン(fibrin)、アガロース(Agarose)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリメタクリレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose)、シクロデキストリン(Cyclodextrin)、ゲンチオビオース(gentiobiose)、セトリミド(alkyltrimethylammonium bromide(Cetrimideex)) 、ゲンチアナバイオレット(Gentian Violet)、塩化ベンゼトニウム(benzethonium chloride)、ドクサートナトリウム塩(docusate sodium salt)、スパン系の界面活性剤(a SPAN-type surfactant)、ポリソルベート(polysorbate(Tween))、ラウリル硫酸ナトリウム(SDD)、塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride)及びオレイン酸グリセリル(glyceryl oleate)のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0235】
ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸だけでなく、ヒアルロン酸塩(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸マグネシウム及びヒアルロン酸カルシウム)及びそれらの混合物を全て含む意味で使用される。ヒアルロン酸は、架橋ヒアルロン酸及び/または非架橋ヒアルロン酸を含む意味で使用される。
【0236】
本発明の一実装例によれば、本発明のヒアルロン酸は分子量が2kDa~5000kDaである。
【0237】
本発明の他の実装例によれば、本発明のヒアルロン酸は、分子量が100kDa~4500kDa、150kDa~3500kDa、200kDa~2500kDa、220kDa~1500kDa、240kDa~1000kDaまたは240kDa~490kDaである。
【0238】
カルボキシメチルセルロース(Carboxymethyl cellulose:CMC)は、公知の様々な分子量のCMCを使用することができる。例えば、本発明で使用されるCMCの平均分子量は90,000kDa、250,000kDa、または700,000kDaである。
【0239】
二糖類は、スクロース、ラクツロース、ラクトース、マルトース、トレハロースまたはセロビオスなどがあり、特にスクロース、マルトース、トレハロースを含むことができる。
【0240】
選択的な実施例として、マイクロニードル120は粘着剤を含むことができる。粘着剤は、シリコーン、ポリウレタン、ヒアルロン酸、物理的接着剤(ゲッコ)、ポリアクリル、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチレンビニルアセテート及びポリイソブチレンで構成された群から選択された少なくとも1つ以上の粘着剤である。
【0241】
選択的な実施例として、マイクロニードル120は、金属、高分子ポリマーまたは粘着剤をさらに含むことができる。
【0242】
マイクロニードル120は有効成分EMを含むことができる。マイクロニードル120は、少なくとも任意の一部に薬学的、医学的または化粧学的有効成分EMを含むことができる。
【0243】
例えば、非限定的な例として有効成分EMは、タンパク質/ペプチド医薬を含むが必ずしもこれに限定されるものではなく、ホルモン、ホルモン類似体、酵素、酵素阻害剤、シグナル伝達タンパク質またはその一部、抗体またはその一部、単鎖抗体、結合タンパク質またはその結合ドメイン、抗原、接着タンパク質、構造タンパク質、調節タンパク質、毒素タンパク質、サイトカイン、転写調節因子、血液凝固因子及びワクチンのうち少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0244】
より詳細には、上記タンパク質/ペプチド医薬は、インスリン、IGF-1(insulinlikegrowth factor1)、成長ホルモン、エリスロポエチン、G-CSF(granulocyte-colony stimulating factors)、GM-CSF(granulocyte/macrophage-) colony stimulating factors)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン-1アルファ及びベータ、インターロイキン-3、インターロイキン-4、インターロイキン-6、インターロイキン-2、EGFs(epidermal growth factors)、カルシトニン(calcitonin) 、ACTH(adrenocorticotropic hormone)、 TNF(tumor necrosis factor)、アトビスバン(atobisban)、ブセレリン(buserelin)、セトロレリックス(cetrorelix)、デスロレリン(deslorelin)、デスモプレシン(desmopressin)、ジノルフィンA(dynorphin A)(1-13)、エルカトニン(elcatonin)、エレイドシン(eleidosin)、エプチフィバチド(eptifibatide)、GHRH-II(growth hormone releasing hormone-II)、ゴナドレリン(gonadorelin)、ゴセレリン(goserelin)、ヒストレリン(histrelin)、リュプロレリン(leuprorelin)、リプレシン(lypressin)、オクトレオチド(octreotide)、オキシトシン(oxytocin)、ピトレシン(pitressin)、セクレチン(secretin)、シンカリド(sincalide)、テルリプレシン(terlipressin)、チモペンチン(thymopentin)、チモシン(thymosine)α1、トリプトレリン(triptorelin)、ビバリルジン(bivalirudin)、カルベトシン(carbetocin)、シクロスポリン、エキセジン(exedine)、ランレオチド(lanreotide)、LHRH(luteinizing hormone-releasing hormone)、ナファレリン(nafarelin)、副甲状腺ホルモン、プラムリンチド(pramLintide)、T-20(enfuvirtide)、チマルファシン(thymalfasin)及びジコノチドのうちいずれか1つを含むことができる。
【0245】
また、有効成分EMは、美白、フィラー、しわ除去または抗酸化剤などの美容成分であってもよい。
【0246】
一実施例において、有効成分EMは、微粒子の形態でマイクロニードル120を形成する溶媒中に分散されたコロイドであってもよい。上記微粒子は、それ自体が有効成分EMであるか、有効成分EMを担持しているコーティング材を含むことができる。
【0247】
有効成分EMは、マイクロニードル120の一部の層に集中的に分布されてもよい。つまり、有効成分EMはマイクロニードル120において特定の高さに配置されるため、効果的に有効成分EMが送達されることができる。
【0248】
別の実施例において、有効成分EMがマイクロニードル120内に溶解されることができる。上述した生分解性物質などのマイクロニードル120のベース物質内に有効成分EMが溶解され、マイクロニードル120を構成することができる。
【0249】
有効成分EMは、上記ベース物質に均一な濃度で溶解されることができ、上述した微粒子のようにマイクロニードル120の特定の高さに集中的に分布することもできる。
【0250】
本発明の一実施例に係るマイクロニードルを形成するステップS100で製造されるマイクロニードル120は、マイクロニードル120の長手方向(図2を基準にして上下方向)に沿って有効成分EMの濃度の差を有し、濃度勾配が形成されることができる。これに関しては、後で詳しく説明するようにする。
【0251】
本発明の一実施例に係るマイクロニードルを形成するステップS100は、複数の層を形成するステップS110と、複数の層のうち少なくともいずれか1つに流体を噴射するステップS120と、複数の層を接続させるステップS130とを含むことができる。
【0252】
図14図16を参照すると、本発明の一実施例に係る複数の層を形成するステップS110においては、多層構造のマイクロニードル120を形成する第1層121、第2層122を備えることができる。
【0253】
本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチの製造方法で製造されるマイクロニードル120は、第1層121、第2層122の2層構造で形成されることができるが、これに限定されるものではなく、図9に示すように、第1層221、第2層222、第3層225の3層構造で形成されるなど、様々な変形実施が可能である。
【0254】
以下では、第1層121、第2層122及び第1層121と第2層122とを接続させる接続層123を備えるマイクロニードル120の構成を重点的に説明することにする。
【0255】
図16を参照すると、本発明の一実施例に係る複数の層を形成するステップS110は、第1層を形成するステップS111、第2層を形成するステップS115とを含むことができる。
【0256】
図16を参照すると、本発明の一実施例に係る第1層を形成するステップS111は、第1モールドに第1ベース物質を注入するステップS112と、第1ベース物質を乾燥させるステップS113とを含むことができる。
【0257】
図17を参照すると、本発明の一実施例に係る第1層121は、第1モールドM1に第1ベース物質が注入及び乾燥させて製造することができる。具体的に、図17(a)を参照すると、第1モールドに第1ベース物質を注入するステップS112においては、溝部が形成される第1モールドM1に第1層121を形成する第1ベース物質を注入することができる。
【0258】
第1モールドM1に形成される溝部は、下側(図17(a)参照)に向かうほど長手方向の中心軸に対する横断面積が減少するように形成されることができ、第1層121の先端チップSTが形成されるように円錐形に形成されることができる。
【0259】
先端チップSTが形成される第1層121の一側(図17(a)を基準にして下側)に対向する上面は、所定の曲率を有し、先端チップSTに向かって凸に形成されることができる。
【0260】
第1ベース物質を乾燥させるステップでは、第1モールドM1に注入された第1ベース110の乾燥過程が行われる。第1層121は、第1ベース物質の粘度及び乾燥による収縮性によって上面(図17(a)参照)が所定の曲率を有し、先端チップSTに向かって凸に形成されることができる。
【0261】
図15図17(a)を参照すると、複数の層のうち少なくともいずれか1つに流体を噴射するステップS120においては、乾燥された第1層121または第2層122上に流体Fを噴射することができる。
【0262】
図17(a)は、流体Fが第1層121上に噴射される場合を示したもので、流体Fは第1モールドM1の外部に配置されるノズル10から噴射されることができ、具体的には、流体Fは水分で形成されることができる。
【0263】
図17(a)のように流体Fを噴射するステップでは、上記流体Fが第1層121を溶解させることができる。流体Fが第1層121の上部の所定領域を溶解させ、接続層123が形成されることができる。
【0264】
本発明の一実施例に係る接続層123を形成するために第1層121に噴射される流体Fは水分で形成されるが、これに限定されるものではなく、第1層121上に噴射され、第1層121を溶解させて第1層121上に含まれる有効成分EMの濃度が第1層121の長手方向に沿って異なるように濃度勾配を備えられる技術的思想の中で様々な物質で形成されることができるなど変形実施が可能である。
【0265】
図17(b)を参照すると、第1層121の上面を溶解させて第1層121と接続され、一体的に形成される接続層123は、第1層121と接続される一側(図17(b)を基準にして下側)に対向する他側(図17(b)を基準にして上側)が第1層121に向かって凸に形成されることができる。
【0266】
例えば、接続層123は、第1層121と同じ曲率を有し、上面が先端チップSTに向かって凸状に形成される第1曲面を備えることができる。
【0267】
図3を参照すると、本発明の一実施例に係る接続層123に面する第2層122の一面(図3参照)は、所定の曲率を有し、第2曲面を備えることができる。
【0268】
第1層121の所定領域を溶解させて一体的に形成される接続層の上面に形成される第1曲面と第2層122の下面に形成される第2曲面は、同じ曲率を有して接触接続されることができる。
【0269】
図3を参照すると、本発明の一実施例に係る接続層123上においてマイクロニードル120の長手方向(図3を基準にして上下方向)の中心軸を基準にして中央に第1点PK1が位置し、第1点PK1を基準として半径方向に外側に第2点PK2が位置することができる。
【0270】
図3を参照すると、第1層121の一側(図3を基準にして下側)に形成される先端チップSTから第1点PK1までの距離は、先端チップSTから第2点PK2までの距離より比較的小さく形成されることができる。
【0271】
図3を参照すると、本発明の一実施例に係る接続層123の上面(図3参照)が所定の曲率を有して第1層121に形成される先端チップSTに向かって凸状に形成されることにより、接続層123と第2層122とが接続される領域が端に沿って薄く形成されることができ、第1層121、第2層122の間の分離を容易にする効果がある。
【0272】
図17(b)を参照すると、本発明の一実施例に係る複数の層のうち少なくともいずれか1つに流体を噴射するステップS120は、濃度が変形されるステップS121を含み、濃度が変形されるステップS121では、接続層123が第1層121を溶解させ、第1層121と接続されることにより第1層121に含まれる有効成分EMの濃度は先端チップSTから接続層123側に向かうほど比較的減少するようになる。
【0273】
これにより、マイクロニードル120、具体的に第1層121の長手方向(図2を基準にして上下方向)に沿って第1層121に含まれる有効成分EMの濃度を異なるように設定することができ、具体的に先端チップSTから離隔するほど有効成分EMの濃度が比較的に減少するようにすることができる。
【0274】
つまり、接続層123によってマイクロニードル120の長手方向に沿って有効成分EMの濃度が異なるように形成されるよう、濃度勾配を有するマイクロニードル120を製造することができる効果がある。
【0275】
これに加え、接続層123は、第1層121が形成された後に第1層121の上部領域を溶解させながら後述する第2層122の所定領域、具体的には第1層121の上部領域に面する第2層122の下部領域と接触する際に上記下部領域を溶解させながら第1層121と第2層122とを接着接続させることができる効果がある。
【0276】
これにより、従来、複数の層を有するマイクロニードル120を製造することにおいて、単一のモールドに第1ベース物質を注入及び乾燥させて第1層を製造し、製造された第1層上に第2ベース物質を注入及び乾燥させて第2層を形成することに比べ、本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチの製造方法は、各モールドで異なる層を形成した後に面する複数の層のうちいずれか1つに流体Fを噴射して接続層123を形成し、複数の層を接続させることができ、マイクロニードル120の製造時間を短縮することができ、マイクロニードル120を備えるマイクロニードルパッチ100の生産性を向上させることができる効果がある。
【0277】
図16, 図18(a)を参照すると、第2ベース物質を注入及び乾燥させて第2層を形成するステップS115では、第2モールドに第2ベース物質が注入するステップS116と、第2ベース物質を乾燥させるステップS117とを含むことができる。
【0278】
図18(a)を参照すると、第2モールドM2には、予め設定される第2層122の形状に対応するように溝部が形成されることができる。
【0279】
具体的に、上記溝部は、長手方向(図18(a)を基準にして上下方向)に沿って下側に向かうほど、長手方向の中心軸を基準にして横断面積が比較的減少するように形成されることができる。
【0280】
選択的な実施例として、第2モールドM2に形成される溝部は、第1層121または第1層121と一体的に形成され、接続される接続層123と接触できるように平らに形成されることができる。
【0281】
本発明の一実施例に係る第2層122には有効成分EMが含まれないが、これに限定されるものではなく、第1層121に含まれる有効成分EMと異なる有効成分EMが含まれるなど様々な変形実施が可能である。
【0282】
図16, 図18(a)を参照すると、第2モールドM2に第2ベース物質を注入した後、第2ベース物質を乾燥させるステップS117を経ることになる。第2ベース物質の乾燥が完了すると、第2層122が形成されることができ、第2モールドM2から第2層122を抽出することができる。
【0283】
図18(b)を参照すると、選択的な実施例として、複数の層のうち少なくともいずれか1つに流体を噴射するステップS120において、第2モールドM2で乾燥した後に抽出される第2層122の一面(図18(b)を基準にして下面)には、流体Fを噴射することができる。
【0284】
複数の層のうち少なくともいずれか1つに流体を噴射するステップS120において、流体Fは、第1層121と第2層122のうち少なくともいずれか1つに流体Fを噴射することができる。
【0285】
図17(a)のように第1層121の上面に流体Fを噴射した後に接続層123を形成し、第2モールドM2で製造及び抽出される第2層122 を接続層123に接触接続させることができる。
【0286】
選択的な実施例として、図18(b)を参照すると、第2モールドM2で乾燥した後に抽出される第2層122の一面(図18(b)を基準にして下面)に流体Fを噴射することができる。上記流体Fは、第2層122の外側に配置されるノズル10から噴射されることができ、具体的に流体Fは水分で形成されることができる。
【0287】
図18(c)を参照すると、第2層122の一面に噴射される流体Fは、第2層122の一面(図18(c)を基準にして下面)を溶解させることができ、接続層123が形成されることができる。
【0288】
第2層122に噴射される流体Fが第2層122の下面の所定領域を溶解させ、第2層122と接続され一体的に形成される接続層123は第2層122に接続される一側に対向する他側が第1層121に向かって凸に形成されることができる。
【0289】
第2層122の所定領域を溶解させ、第2層122と一体的に形成される接続層123は、第1層121と接続することができる。
【0290】
このとき、接続層123は、第1層121の上面を溶解させ、第1層121と第2層122とを接続させることができる。
【0291】
選択的な実施例として、流体Fは、第1層121、第2層122両方に噴射され、第1層121、第2層122の所定領域を溶解させ、第1層121、第2層122を接続させることができる。
【0292】
流体Fが第1層121、第2層122にそれぞれ噴射され、具体的に第1層121の上側所定領域を溶解させて接続層123を形成し、第2層122の下側所定領域を溶解させて接続層123を形成し、複数の層を接続させるステップS130において、接続層123を介して第1層121と第2層122を接続させることができ、第1層121、第2層122の所定領域を溶解させて形成される接続層123により安定して第1層121、第2層122を接着接続させることができる効果がある。
【0293】
第1層121、第2層122に流体Fが噴射されて接続層123が形成され、濃度が変形するステップS121を経て、マイクロニードル120の長手方向に沿って濃度が異なるように形成されることができる。
【0294】
第1層121に有効成分EMが含まれる場合、接続層123が形成されることにより先端チップSTから離隔する方向(図17(b)を基準にして下側から上側方向)に沿って有効成分EMの濃度が比較的減少することができる。
【0295】
選択的な実施例として、第2層122に有効成分EMが含まれる場合、接続層123が形成されることにより第1層121に近いほど有効成分EMの濃度が比較的減少することができる。
【0296】
つまり、接続層123が第1層121、第2層122の所定領域を溶解させて第1層121、第2層122を接続させることにより、マイクロニードル120の長手方向に沿って有効成分EMの濃度が異なるように形成され、濃度勾配が形成されることができる効果がある。
【0297】
これにより、ユーザの体内に浸透するマイクロニードル120の長手方向に沿って送達できる有効成分EMの濃度を調整することができ、特定区間に形成される接続層123により該当位置でユーザの体内に送達される有効成分EMの量を低減させることができる。
【0298】
これに加え、単一のモールドに第1ベース物質を注入及び乾燥させて第1層121を形成し、その後、第1層121上に第2ベース物質を注入及び乾燥さて第2層122を形成する従来の方法と比べ、第1層121と第2層122を異なるモールドでそれぞれ製造し、第1層121及び第2層122のうち少なくともいずれか1つに流体Fを噴射、接続層123を形成させた後、第1層121と第2層122を接続させることができ、マイクロニードルパッチの製造時間を短縮できる効果がある。
【0299】
図14を参照すると、本発明の一実施例に係るベースを接続させるステップS200では、マイクロニードル120の一面にベース110を接続させることができる。
【0300】
本発明の一実施例に係るベース110は、マイクロニードル120が支持されるもので、ベース110の一面はユーザの皮膚に接触し、反対側の他面は外部に露出されることができる。
【0301】
本発明の一実施例に係るベース110は、マイクロニードル120が皮膚に埋め込まれると除去されることができる。一例で、ベースは、ユーザが力を加え、皮膚から除去されることができる。
【0302】
選択的な実施例として、マイクロニードルパッチは、ベース110とマイクロニードル120が接続される部分が先に溶解され、取り付けた後一定時間が経過した後にベース110を除去することができる。
【0303】
選択的な実施例として、マイクロニードルパッチは、長時間取り付けた際にベース110が溶解されることができる。選択的な実施例として、ユーザの皮膚に付着されるベース110は可溶性物質で形成され、必要の際はユーザが溶解のための物質をベース110上に塗布して除去することができる。
【0304】
本発明の一実施例に係るベース110は、マイクロニードル120に含まれた物質のうちいずれか1つを含むことができる。ベース110は、マイクロニードル120などの生分解性物質を含むことができる。
【0305】
例えば、ベース110は、マイクロニードル120の複数の層のうちいずれか1つと同じ物質を含むことができる。
【0306】
選択的な実施例として、ベース110は生理活性物質を含むことができる。本発明の一実施例に係る マイクロニードルパッチを皮膚に取り付けた後にベース110から出る生理活性物質によって有効薬物を効果的に患者等のユーザに伝達することができる。
【0307】
また、ベース110から出る生理活性物質によって、ベース110とマイクロニードル120がより容易に分離できる効果がある。
【0308】
本発明の一実施例に係るベース110は、マイクロニードル120において最も隣接する層、すなわちマイクロニードル120の下側に形成されるチップ、具体的に先端チップSTで最も離隔して配置される層より遅い溶解性を有することができる。
【0309】
これにより、マイクロニードル120でベース110に隣接する部分は最も速く溶解するため、ベース110をマイクロニードル120から容易に分離できる効果がある。
【0310】
一実施例として、ベース110は水溶性高分子を含むことができる。ベース110は、水溶性高分子で構成されていてもよく、それ以外の添加物(例えば、二糖類など)を含んでいてもよい。また、ベース110は、薬物または有効成分を含まないことが好ましい。
【0311】
本発明の一実施例に係る ベース110は生体適合性物質を含むことができる. ベース110は、マイクロニードル120のベース物質として選択される生体適合性物質を基本物質として選択することができる。
【0312】
図7を参照すると、本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチの製造方法で製造されたマイクロニードルパッチ100がユーザに付着され薬物が送達される過程を示す図であって、マイクロニードルパッチ100が皮膚に付着され、マイクロニードル120の層が生分解されて薬物を送達することができる。
【0313】
図7を参照すると、有効成分EMが第1層121に搭載され、真皮DEMに送達されることが示しているが、有効成分EMが第2層122に搭載されることができ、この場合に有効成分EMは表皮EPMにも送達されることができるなど、様々な変形実施が可能である。
【0314】
図7(a)を見ると、マイクロニードルパッチ100が皮膚に付着される。マイクロニードル120は皮膚に挿入され、ベース110は皮膚の上部を覆うことができる。
【0315】
図7(b)を見ると、マイクロニードル120は皮膚の内部で生分解されることができる。マイクロニードル120は皮膚に挿入され、ベース110は皮膚の上部を覆うことができる。
【0316】
図7(c)を見ると、マイクロニードル120から有効成分EMを放出することができる。第1層121が生分解され始めると、内部に搭載された有効成分EMを真皮DEMに送達することができる。
【0317】
図7を参照すると、本発明の一実施例に係る接続層123が第1層121と第2層122との間に配置され、第1層121、第2層122 を接続させることができ、接続層123が第1層121、第2層122のうち少なくともいずれか1つを溶解させて第1層121、第2層122を接着接続させることにより、マイクロニードル120の長手方向(図7を基準にして上下方向)に沿って比較的有効成分EMの濃度が減少する区間、具体的に接続層123に濃度勾配が形成されることができる。
【0318】
具体的に、第1層121に搭載される有効成分EMの濃度は、先端チップSTが形成される一側(図7を基準にして下側)から上側に行くほど比較的減少することができる。これにより、マイクロニードル120がユーザの体内に挿入され、深さに応じて有効成分EMの濃度を調整できる効果がある。
【0319】
図には示されていないが、選択的実施例として第2層122に有効成分が搭載されることができ、接続層123が第1層121と第2層122を接続させる過程で第2層122の所定領域を溶解させて第1層121に接続される場合、第2層122に搭載される有効成分の濃度はベース110側から第1層121側に行くほど比較的減少し、濃度勾配が形成されることができる。
【0320】
図8を参照すると、本発明の一実施例に係るマイクロニードルパッチの製造方法は、コーティング層124を形成するステップをさらに含むことができる。マイクロニードル120は、第1層121、第2層122、接続層123を備えることができ、マイクロニードル120の外側にコーティング層124を配置することができる。
【0321】
複数の層、具体的に第1層121、第2層122のうち少なくともいずれか1つに流体Fを噴射し、接続層123を形成して第1層121、第2層122を接着接続させてマイクロニードルを形成するステップS100の後に、製造されたマイクロニードル120をコーティング液に浸漬してコーティング層124を形成することができる。
【0322】
コーティング層124は生体適合性高分子で形成されることができる。コーティング層124は、皮膚に挿入された後に分解されることができる。
【0323】
選択的な実施例として、本発明の一実施例に係るコーティング層124は、生体適合性高分子で形成されることができる。コーティング層124は皮膚に挿入されて分解されることができる。
【0324】
選択的な実施例として、コーティング層124は生理活性物質を含むことができる。コーティング層124が皮膚に挿入されると、有効成分EMが注入される前に、コーティング層124は最初に活性化されて有効成分EMの送達効果を高めることができる。
【0325】
選択的な実施例として、コーティング層124は、生体分解速度が速い物質で形成されることができる。コーティング層124は、第1層121、第2層122、接続層123より生体分解速度が速い物質で形成され、コーティング層124の生体内分解速度は第1層121の第2層122、接続層123の生体内分解速度より速くてもよい。
【0326】
選択的な実施例として、コーティング層124は、生体分解速度が遅い物質で形成されることができる。コーティング層124は、第1層121、第2層122より生体分解速度が遅い物質で形成され、コーティング層124の生体内分解速度は第1層121、第2層122、接続層123の生体内分解速度より遅くてもよい。
【0327】
本発明の一実施例に係るマイクロニードル120を挿入した後、所定の時間が経過した後に薬物が送達され、目標とする適切な時間に有効成分EMを体内に送達することができる。
【0328】
選択的な実施例として、コーティング層124はマイクロニードル120の剛性を高めることができる。コーティング層124は、第1層121、第2層122を接続させる接続層123の外側を覆うため、マイクロニードル120を皮膚に挿入する際に第1層121と第2層122の分離を防止することができる。
【0329】
本発明の一実施例に係るコーティング層124を形成するステップは、マイクロニードルを形成するステップS100とベースを接続させるステップS200との間に行われてもよい。しかし、これに限定されるものではなく、マイクロニードル120にベースを接続させるステップS200の後にコーティング層124を形成するなど、様々な変形実施が可能である。
【0330】
本発明の一実施例に係るマイクロニードル120を挿入した後、所定の時間が経過した後に薬物が送達され、目標とする適切な時間に有効成分EMを送達することができる。
【0331】
選択的な実施例として、コーティング層124はマイクロニードル120の剛性を高めることができる。コーティング層124は、第1層121、第2層122を接続させる接続層123の外側を覆うため、マイクロニードル120を皮膚に挿入する際に第1層121と第2層122の分離を防止することができる。
【0332】
図9を参照すると、本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチの製造方法に関するもので、複数の層を形成するステップS110で3つの層が形成されることができる。
【0333】
3つの層は、互いに異なるモールドに各ベース物質を注入及び乾燥させて製造することができ、複数の層のうち少なくともいずれか1つの流体を噴射するステップで接続層を形成し、接続層が形成される領域で有効成分の濃度が変形され、濃度勾配が形成されることができる。
【0334】
図9を参照すると、複数の層のうち少なくともいずれか1つに流体を噴射するステップS120では、具体的に第1層221、第2層222のうち少なくともいずれか1つに流体Fを噴射して接続層223Aを形成することができ、第2層222、第3層225のうち少なくともいずれか1つに流体Fを噴射して接続層223Bを形成することができる。
【0335】
図9を参照すると、第1層221、第2層222の上面に流体Fを噴射し、第1層221、第2層222の上部の所定領域を溶解させて接続層223A、223Bを形成することができるが、第2層222と面する接続層223Aの上面は第1曲率RAを有し、第1層221に向かって凸状に形成されることができる。
【0336】
また、第3層225に面する接続層223Bの上面は、第2曲率RBを有し、第2層222に向かって凸状に形成されることができる。
【0337】
第1曲率RA、第2曲率RBは同一曲率で形成されることができる。しかし、これに限定されるものではなく、互いに異なる曲率を有するなど、様々な変形実施が可能である。
【0338】
図9を参照すると、接続層223A、223Bの曲率は、マイクロニードル220の長手方向の中心軸を基準にして両側が対称になるように形成されることができる。
【0339】
図9を参照すると、第1層221には第1有効成分EM1が搭載されることができ、第2層222には第2有効成分EM2が搭載されることができる。
【0340】
第1層221の所定領域を溶解させて一体的に形成する接続層223Aは、第1有効成分EM1を含むことができ、第1層221の先端チップSTから第2層222側の方向に行くほど、第1有効成分EM1の濃度が比較的減少するように濃度勾配が形成されることができる。
【0341】
図9を参照すると、第2層222の所定領域を溶解させて一体的に形成する接続層223Bには第2有効成分EM2が含まれることができ、第1層221側から第3層225側の方向に行くほど、第2有効成分EM2の濃度が比較的減少するように濃度勾配が形成されることができる。
【0342】
これにより、マイクロニードル220の長手方向に沿って有効成分の濃度が異なるように設定されるよう、接続層223A、223Bに濃度勾配が形成されることができ、マイクロニードル220の長手方向に沿った有効成分の濃度を調整して搭載できる効果がある。
【0343】
また、いずれか1つの層を製造するためにベース物質を注入及び乾燥させ、その上に他の層を形成するベース物質を注入及び乾燥させる必要なく、異なるモールドで複数の層をそれぞれ製造し、積層される一対の層のうち少なくともいずれか1つに流体Fを噴射、所定領域を溶解させて上記一対の層を接着接続させることができ、マイクロニードル220及びマイクロニードル220にベース210が接続されるマイクロニードルパッチの製造時間を短縮することができる効果がある。
【0344】
図12を参照すると、本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチの製造方法に関したもので、マイクロニードルパッチ300は、ベース310、マイクロニードル320、シャフト330を含むことができる。マイクロニードル320は、第1層321、第2層322、接続層323を含むことができ、層状構造を有することができる。
【0345】
しかし、これに限定されるものではなく、図9に示される本発明の他の実施例に係るマイクロニードルパッチ200のように、3つ以上の層が層状構造を有するなど、様々な変形実施が可能である。
【0346】
図12を参照すると、シャフト330はベース310とマイクロニードル320との間を接続させることができる。図には示されていないが、本発明のまた他の実施例に係るマイクロニードルパッチの製造方法は、シャフト330でベース310とマイクロニードル320とを接続させるステップをさらに含むことができる。
【0347】
上記ステップは、マイクロニードルを形成するステップS100の後に実行されることができ、マイクロニードル320にシャフト330を接続させた後、ベース310に接続させることができる。しかしな、これに限定されるものではなく、ベース310にシャフト330を接続させた後、マイクロニードル320に接続させるなど、様々な変形実施が可能である。
【0348】
シャフト330でベース310とマイクロニードル320を接続させるステップは、シャフト330とマイクロニードル320のうち少なくともいずれか1つに流体Fを噴射するステップを含むことができる。
【0349】
図12を参照すると、マイクロニードル320の第2層322に面するシャフト330の一面(図12を基準にして下面)に流体Fが噴射され、シャフト330の下側(図12参照)の所定領域が溶解されることができる。
【0350】
シャフト330の下側(図12参照)で溶解される所定領域は、マイクロニードル320に備えられる接続層323と同様に接続層を形成することができ、上記接続層に面するマイクロニードル320、具体的に、第2層322に接触する際に、シャフト330とマイクロニードル320とを結合させることができる。
【0351】
選択的な実施例として、マイクロニードル320、具体的にシャフト330に面する第2層322上の外部に位置するノズル10などの噴射装置から流体を噴射されることができる。
【0352】
噴射される流体Fは、第2層322の上側(図12参照)の所定領域を溶解させることができ、第1層321と第2層322との間に形成される接続層323と同様に接続層を形成することができ、上記接続層に面するシャフト330と接触する際に、シャフト330とマイクロニードル320とを結合させることができる。
【0353】
第2層322の上側(図12参照)の所定領域が溶解されて形成される接続層によって第2層322に含まれる有効成分は、マイクロニードル320、具体的に第2層322の長手方向(図12を基準にして上下方向)に沿って濃度を異なるように形成されることができる。
【0354】
具体的に、第2層322の上側(図12参照)領域が流体Fによって溶解されることで、第2層322の下側(図12参照)領域に比べて有効成分の濃度が比較的減少することができる。
【0355】
これにより、第2層322の長手方向に沿って有効成分の濃度が異なるように形成され、濃度勾配が形成されることができる効果がある。
【0356】
これに加え、第2層322の長手方向に沿って濃度勾配が形成されることにより、マイクロニードル320が対象体に挿入される深さによって第2層3220に含まれる有効成分の濃度を異なるように設定できる効果がある。
【0357】
選択的な実施例として、ノズル10などの噴射装置から噴射される流体は、互いに面するシャフト330の一面(図12を基準にして下面)とマイクロニードル320、具体的に第2層322の一面(図12を基準にして上面)にそれぞれ噴射され、所定領域を溶解させることができる。
【0358】
所定領域が溶解され、接続層を形成することができ、シャフト330とマイクロニードル320、具体的に第2層322接触する際に結合されることができる効果がある。上述のように、流体Fが第2層322の上側(図12参照)の所定領域を溶解させて接続層を形成する場合には、第2層322に含まれる有効成分の濃度は、第2層322の長手方向(図12を基準にして上下方向)に沿って異なるように形成されることができ、第2層322は、第1層321側からシャフト330側に行くほど有効成分の濃度が比較的に減少し、濃度勾配が形成されることができる。
【0359】
シャフト330は、マイクロニードル320の長手方向に沿って所定の長さを有し、延びて形成されてもよい。シャフト330によってマイクロニードル320を深く挿入することができる。
【0360】
つまり、シャフト330の長さによって、マイクロニードルパッチ300は、有効成分がユーザの皮膚により深く送達されることができる。
【0361】
シャフト330は生体内で分解され、ベース310とマイクロニードル320を容易に分離させることができる。シャフト330はマイクロニードル320より小さい体積を有するため、先に生体内で溶解されることができる。
【0362】
シャフト330が溶解されると、マイクロニードル320は使用者の皮膚内に挿入された状態を維持し、ベース310を容易に除去することができる。シャフト330は、マイクロニードル320より比較的速く生体内で分解されることができる。シャフト330を構成するベース物質は、マイクロニードル320より速くて生体内で容易に分解される物質で形成されてもよい。
【0363】
したがって、マイクロニードルパッチ300がユーザの皮膚に挿入されると、シャフト330が迅速に溶解され、ベース310を容易に除去ことができる。
【0364】
本発明のまた他の実施例に係るマイクロニードルパッチの製造方法は、シャフト330でベース310とマイクロニードル320を接続させるステップを除いては、本発明の実施例に係るマイクロニードルパッチ製造方法のマイクロニードルを形成するステップ、ベースを接続させるステップ構成が同じであるため、これと重複する範囲で詳細な説明は省略する。
【0365】
本発明に係るマイクロニードルパッチの製造方法は、複数の層を備えるマイクロニードルを製造するにあたって、複数の層を順次に製造して接続させるのではなく、複数の層をそれぞれ製造した後に互いに接続される複数の層のうち少なくともいずれか一つに流体を噴射、接続層を形成して複数の層を接着接続させることができ、マイクロニードル及びマイクロニードルにベースが接続されるマイクロニードルパッチの製造時間を短縮できる効果がある。
【0366】
また、接続層が、有効成分が搭載される層の所定領域を溶解させ、一体的に形成することにより、接続層が形成される領域における有効成分の濃度を比較的に低減することができ、マイクロニードルの長手方向に沿って有効成分の濃度は異なるように設定され、濃度勾配が形成されることができる。
【0367】
また、マイクロニードルの長手方向に沿って濃度勾配が形成されることによって、有効成分の活性位置に応じて表皮、真皮、皮下脂肪、筋肉のいずれか1つに適正濃度で有効成分を送達できるマイクロニードルパッチを製造することができる効果がある。
【0368】
このように、本発明は図に示された実施例を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、このことから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であることを理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【0369】
実施例で説明する特定の実行は、一実施例であり、いかなる方法でも実施例の範囲を限定するものではない。また、「必須」、「重要」などのような具体的な言及がなければ、本発明を適用するために必ずしも必要な構成要素ではない可能性がある。
【0370】
実施例の明細書(特に特許請求の範囲において)における「上記」の用語及び同様の指示用語の使用は、単数形及び複数形の両方に対応するものであってもよい。なお、実施例において範囲(range)を記載した場合、上記範囲に属する個別の値を適用した発明を含むもので(これに反する記載がない場合)、詳細の説明に上記範囲を構成する各個別の値を記載したものと同様である。最後に、実施例に係る方法を構成するステップについて明らかに順序を記載、またはそれに反する記載がない場合、上記ステップは適切な順序で行われてもよい。必ずしも上記ステップの記載順序によって実施例が限定されるものではない。実施例における全ての例または例示的な用語(例えば、等)の使用は、単に実施例を詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない限り、上記の例または例示的な用語によって実施例の範囲が限定されるものではない。さらに、当業者は、様々な修正、組み合わせ及び変更が追加された特許請求の範囲またはその均等物の範囲内で設計条件及び要因によって構成され得ることを理解することができる。
【産業上の利用可能性】
【0371】
本発明によれば、マイクロニードルパッチを提供する。また、産業上利用する皮膚に付着され、薬物を送達するパッチ等に本発明の実施例を適用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
図17
図18
【国際調査報告】