(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】消毒システム
(51)【国際特許分類】
A61L 2/18 20060101AFI20230831BHJP
A61L 2/24 20060101ALI20230831BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20230831BHJP
A61L 9/14 20060101ALI20230831BHJP
A61L 101/22 20060101ALN20230831BHJP
【FI】
A61L2/18 102
A61L2/24
A61L9/01 E
A61L9/14
A61L101:22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571733
(86)(22)【出願日】2020-11-28
(85)【翻訳文提出日】2022-09-09
(86)【国際出願番号】 US2020070826
(87)【国際公開番号】W WO2021206772
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522299182
【氏名又は名称】チャン、ジョニー、ヤト ミン
(71)【出願人】
【識別番号】522299193
【氏名又は名称】ホー、ワイ、ホン
(71)【出願人】
【識別番号】522299090
【氏名又は名称】ロー、ジョンソン、ユナム
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【氏名又は名称】平山 倫也
(74)【代理人】
【識別番号】100187089
【氏名又は名称】上野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100218224
【氏名又は名称】長嶺 浩之
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジョニー、ヤト ミン
(72)【発明者】
【氏名】ホー、ワイ、ホン
(72)【発明者】
【氏名】ロー、ジョンソン、ユナム
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
【Fターム(参考)】
4C058AA23
4C058AA26
4C058BB07
4C058CC05
4C058DD01
4C058DD13
4C058EE03
4C058JJ07
4C058JJ24
4C180AA07
4C180EA53X
4C180GG09
4C180HH05
4C180KK05
4C180KK06
4C180LL15
4C180MM08
(57)【要約】
消毒コンパートメントは、複数の車輪と、消毒コンパートメント上に配設されたケーシングと、抗菌溶液または過酸化水素溶液を保持するように構成された少なくとも1つのタンクと、ケーシング上に配設されたノズル/ディスペンサーと、可動ユニットへの取り外し可能な固定アタッチメントを提供するように構成されたアタッチメント部材と、を備えており、ノズル/ディスペンサーは、静電噴霧器または静電吹付器である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消毒コンパートメントであって、
少なくとも1つの車輪と、
前記消毒コンパートメント上に配設されたケーシングと、
抗菌溶液または過酸化水素溶液を保持するように構成された少なくとも1つのタンクと、
ハンドルと、
前記ケーシング上に配設されたノズル/ディスペンサーと、
底部マウントであって、取り外し可能なマウントの底部バーを引っ掛けるように構成された、前記底部マウントの1つの端部でのフック構造を含む、底部マウントと、
サイドマウントの1つの端部でのフック構造、および平坦な端部を含むサイドマウントと、を備え、
前記サイドマウントの前記フック構造が、前記取り外し可能なマウントのサイドバーを引っ掛けるように構成され、前記平坦な端部が、前記ハンドル内に配設されており、
前記消毒コンパートメントが、その車輪を駆動するか、またはそれ自体を移動させるための任意の駆動ユニットを欠いている、消毒コンパートメント。
【請求項2】
前記ケーシングの前部に配設された空気換気装置と、
複数のタンクの溶液レベルを示すように構成された溶液レベルインジケータと、
前記消毒コンパートメントに電力供給するように構成されたバッテリーパックと、
前記バッテリーパックを充電するための電源プラグを受容するように構成された、前記ケーシングの前記前部に配設された電源ソケットと、
前記消毒コンパートメントの運動を検出するように構成された運動センサと、をさらに備え、
前記ノズル/ディスペンサーが、静電噴霧器または静電吹付器を備える、請求項1に記載の消毒コンパートメント。
【請求項3】
前記ノズル/ディスペンサーの出力先端の指示方向を調整するように構成された、前記ノズル/ディスペンサーに接続されたモータと、
前記消毒コンパートメントを取り囲む気化された過酸化水素または消毒剤の濃度を検出するように構成された少なくとも1つのセンサと、
可動ユニットとのデータリンクを確立するように構成されたデータ通信インターフェースと、
前記運動センサからの前記濃度データおよび信号を受信し、前記データ通信インターフェースに接続するように構成されたマイクロコントローラと、をさらに備える、請求項2に記載の消毒コンパートメント。
【請求項4】
取り外し可能なマウントシステムであって、
本体フレームと、
孔を有するネック部分であって、前記ネック部分が、前記本体フレームのヘッドおよび第1の端部を接続する、ネック部分と、
前記本体フレームの側面上の複数のサイドバーであって、前記複数のサイドバーが、前記ヘッドに向かう方向に延在する、複数のサイドバーと、
前記本体フレームの第2の端部に配設された底部バーと、
前記ヘッドに向かう方向に延在する間隔バーと、を備える、取り外し可能なマウントシステム。
【請求項5】
前記ヘッドが、可動ユニットの一部分を係合するためのフック構造を含む、請求項4に記載の取り外し可能なマウントシステム。
【請求項6】
前記複数の前記サイドバーが、消毒システムの一部分に係合する、請求項4に記載の取り外し可能なマウントシステム。
【請求項7】
前記孔が、前記可動ユニットの別の部分を受容する、請求項4に記載の取り外し可能なマウントシステム。
【請求項8】
前記底部バーが、前記消毒システムの別の部分に係合する、請求項4に記載の取り外し可能なマウントシステム。
【請求項9】
前記間隔バーが、前記可動ユニットのさらなる部分に係合する、請求項4に記載の取り外し可能なマウントシステム。
【請求項10】
消毒コンパートメントであって、
少なくとも1つの車輪と、
ハウジングと、
抗菌溶液または過酸化水素溶液を保持する、前記ハウジング内の少なくとも1つのタンクと、
ハンドルと、
前記ハウジング上に配設されたノズル/ディスペンサーと、を備え、
前記消毒コンパートメントが、その車輪を駆動するか、またはそれ自体を移動させるための任意の独立した駆動ユニットを欠いている、消毒コンパートメント。
【請求項11】
取り外し可能なマウントシステムの複数のサイドバーに係合するための複数のサイドマウントであって、前記取り外し可能なマウントシステムが、可動ユニットの一部分に係合し、
前記複数のサイドマウントの各々が、フックおよびハンドルを備え、前記ハンドルが、前記複数のサイドバーの各々に前記フックを動作可能に解放または係合させる、複数のサイドマウントと、
前記取り外し可能なマウントシステムの底部バーに係合するための別のフック構造を含む底部マウントと、をさらに備える、請求項10に記載の消毒コンパートメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年11月27日に出願された米国特許商標局による米国意匠出願第29/760,014号、2020年4月9日に出願された香港特許出願第32020005636.6号、および2020年1月26日に出願された米国特許商標局による米国特許仮出願第62/965,987号に対する優先権を主張し、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、消毒システムに関する。より詳細には、本発明の態様は、自律型または遠隔制御型移動ロボットを制御するためのシステムおよび方法、特に、少なくとも1つの過酸化水素プローブを使用して、自律型または遠隔制御型移動ロボットを制御するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
他の用途の中でも、過酸化水素は、消毒剤として使用される。それは、歯茎の炎症を治療し、かつ(飲料)水を消毒するために使用される場合がある。また、それは、水システムおよび冷却塔における過度の微生物増殖を抑制するためにも使用される場合がある。過酸化水素は、1920年代以来、負傷した皮膚の応急処置用消毒剤として使用されてきた。
【0004】
米国では、個々の水供給を処理するために、過酸化水素が、ますます頻繁に使用されている。例えば、それは、汚染分解(鉄、マンガン、硫酸塩)および微生物分解による色、味、腐食物、および湯垢付着の形成を防止するために使用される。過酸化水素は、非常に速く反応する。それは、その後、副産物または残留物を形成せずに、水素および水に分解することになる。これにより、水中の酸素の量が増加する。
【0005】
過酸化水素の消毒メカニズムは、遊離酸素ラジカルの放出に基づいており、汚染物質は、遊離酸素ラジカルによって分解される。分解すると、水だけが残る。遊離酸素ラジカルは、酸化能力および消毒能力の両方を有する。過酸化水素は、酸化を介して、たんぱく質を損傷させ、分解し、異常な折り畳み構造にし、または変異させることによって、その消毒能力を予め形成する。
【0006】
気化過酸化水素(VHP)または過酸化水素蒸気(HPV)は、霧状の過酸化水素である。それは、除染のための抗菌蒸気として使用することができる。
【0007】
VHPは、合法の抗菌農薬として、CDC、EPA、およびNHSを含む複数の機関によって認められている。それは、殺菌剤、消毒剤、または滅菌剤として、使用することができる。
【発明の概要】
【0008】
VHPは、化学反応(酸化)を使用して、ウイルスおよび細菌を破壊するため、適用されるVHPの体積を制御することが、消毒の有効性の最も基準となる要因となり、すなわち、過酸化水素が放出される体積が大きいほど、消毒の有効性が高くなることになる。さらに、この有効性はまた、周囲温度、大気圧、および関連する湿度によっても影響を受ける。
【0009】
前述の背景に鑑みて、本発明の態様は、消毒システムの代替設計を提供して、効果的かつ正確で、さらには費用対効果の大きいフィードバック制御によって、優れた消毒体験を提供する。
【0010】
したがって、一態様において、本発明の実施形態は、遠隔コンピュータシステムと、カラーチャートを備えるプローブと、遠隔コンピュータシステムに接続するように構成された光センサおよび高周波モジュールと、過酸化水素を気化するように構成された気化器を備える移動ロボットと、を含み得る公共交通または設備の閉鎖領域を消毒するための消毒システムであり得る。
【0011】
別の態様において、本発明の実施形態は、複数の車輪と、消毒コンパートメント上に配設されたケーシングと、抗菌溶液または過酸化水素溶液を保持するように構成された少なくとも1つのタンクと、ケーシング上に配設されたノズル/ディスペンサーと、可動ユニットに取り外し可能な固定アタッチメントを提供するように構成されたアタッチメント部材と、を備える消毒コンパートメントであり得、そのノズル/ディスペンサーは、静電噴霧器または静電吹付器であり、その消毒コンパートメントは、その車輪を駆動するためのいずれの駆動ユニットも含まず、かつそれ自体、移動することができない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
当業者は、図中の要素が、単純かつ明確にするために、必ずしもすべての接続およびオプションを示さないように例示されることを理解することができる。例えば、商業上実現可能な実施形態において有用または必要である、一般的ではあるが十分理解されている要素は、本開示のこれらの様々な実施形態の見方を少しでも邪魔しないように、図示されないことが多い。ある特定の動作および/またはステップが、特定の順番で出現するように説明または図示される場合があるが、当業者は、そのような順番に関する限定性が必ずしも実際には必要とされるわけではないことを理解し得ることが、さらに認識され得る。また、本明細書に使用される用語および表現は、それ以外の場合として特定の意味が本明細書に記載されている場合を除き、それらの対応するそれぞれの吟味および検討の領域に照らして定義され得ることも理解され得る。
【
図1】一実施形態によるロボット消毒システムのブロック図。
【
図2】一実施形態による例示的な通信ネットワークの略図を示す。
【
図4】一実施形態による化学的インジケータおよびカラーチャートの一例の概略上面図。
【
図6】一実施形態による移動ロボットの一例の概略図である。
【
図7】一実施形態による移動ロボットの別の例の概略図。
【
図8】一実施形態による、プローブの動作に基づいて濃度測定を実行するためのプロセスを示すフローチャート。
【
図9】一実施形態による、移動ロボットの例示的な動作に基づいて、推奨作動を実行するためのプロセスを示すフローチャート。
【
図10】一実施形態による移動ロボットの別の例示的な動作に基づいて、推奨作動を実行するためのプロセスを示すフローチャート。
【
図11】一実施形態による移動ロボット(重量:70Kg、電源供給:リチウムバッテリー、消毒方法:HPV、液化過酸化水素の体積:8L、HPV濃度:100~200ppm、消毒力:1,000~1,500m3、連続作動時間:5時間)の外部設計の例示的な説明図。
【
図12】一実施形態による移動ロボットの消毒システムの例示的な説明図(列車内の消毒、化学的インジケータのカラーは、15分間、150ppmのHPVの曝露後に、青色から赤色に変化する)。
【
図13A】一実施形態によるカラーを示す説明図(列車内の消毒、試験条件:1.5時間の間、HPV(200ppm)下で曝露され、化学的インジケータが、列車キャビンの天井に取り付けられていて、カラーは、HPVがすべての試験領域に到達することを示す、すべての化学的インジケータで変化する)。
【
図13B】一実施形態によるカラーを示す説明図(結果:消毒条件に関する以前の報告(1時間の間、120ppm)によれば、発明者らのHPV消毒手順(1.5時間の間、200ppm)は、エンベロープウイルスおよび非エンベロープウイルス(コロナウィルスを含む)を殺す必要があり(4対数低減)、手持ち式HPV検出器および過酸化水素化学的インジケータによれば、過酸化水素の濃度は、現実世界の消毒試験で200ppmに達する)。
【
図14】一実施形態による、客車内の内部空間のナビゲーションの説明図。
【
図15】一実施形態による、飛行機キャビンまたは高速列車客室の内部空間のナビゲーションの別の説明図。
【
図16】一実施形態による、可動ユニットに取り外し可能にドッキングして移動ロボットを形成するように構成されたコンパートメントの例示的な説明図。
【
図20】取り外し可能なマウントが取り外された状態の、
図16のコンパートメントの説明図。
【
図21】取り外し可能なマウントが取り外された状態の、
図16のコンパートメントの上面図。
【
図22】取り外し可能なマウントが取り外された状態の、
図16のコンパートメントの底面図。
【
図23】取り外し可能なマウントが取り外された状態の、
図16のコンパートメントの背面図。
【
図24】一実施形態による、取り外し可能なマウントの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、実施形態は、本明細書の一部を形成し、かつ例証として、実施することができる特定の例示的な実施形態を示す添付図面を参照して、より完全に説明され得る。これらの例証および例示的な実施形態は、本開示が1つ以上の実施形態の原理の例示であり、例証される実施形態のうちのいずれか1つに限定することが意図され得ないことを理解して、提示され得る。実施形態は、多くの異なる形態で具現化することができるため、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、逆に、これらの実施形態を提供した結果、この開示が完璧かつ完全であり得、ならびに実施形態の範囲を当業者に完全に伝えることができる。数ある中で、本発明は、方法、システム、コンピュータ可読媒体、装置、またはデバイスとして具現化することができる。したがって、本発明は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態、またはソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形を取ることができる。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で受け取るべきではない。
【0014】
図1を参照すると、ロボット消毒システム100は、移動ロボット300とデータを交換し、ユーザが制御アプリケーション202に向かって指示するパラメータに従って移動ロボットを制御することができる遠隔コンピュータシステム200を備える。一実施形態では、制御アプリケーション202は、モバイル系アプリまたはアプリケーションとすることができる。別の実施形態では、制御アプリケーション202は、遠隔コンピュータシステム200を用いてインストールされるソフトウェアプログラムとすることができる。同様に、遠隔コンピュータシステム200はまた、少なくとも1つのプローブ400、400-1とデータを制御および交換することもできる。例えば、遠隔コンピュータシステム200は、プローブ400と信号を送受信することができるソフトウェアモジュールを有する制御装置を含むことができる。遠隔コンピュータシステム200は、マイクロプロセッサ(図示せず)、ならびにソフトウェアおよびデータを格納するための、マイクロプロセッサに接続されたコンピュータ可読記憶媒体またはメモリ(図示せず)を含むことができる。移動ロボット300は、制御アプリケーション202、遠隔コンピュータシステム200、それらの組み合わせ、または移動ロボット300において感知されるイベントからのトリガー信号に応答して、周囲環境に消毒剤を分散または放出することができるポート、ポータル、またはエミッタを含むことができる。プローブ400は、センサを用いてそのプローブの周囲の消毒剤の濃度を測定し、収集されたデータを遠隔コンピュータシステム200に送信することができる。一実施形態では、プローブ400は、収集されたデータを移動ロボット300に送信することができる。
【0015】
図2は、一実施形態による例示的な通信ネットワーク201の略図を示す。移動ロボット300およびプローブ400は、両方とも、WI-FIホットスポットネットワーク204または他のプロトコルを介して遠隔コンピュータシステム200に無線でリンクすることができ、遠隔コンピュータシステム200と、移動ロボット300と、プローブ400との間の通信を可能にすることができる。よって、移動ロボット300は、そのような通信を実行するための通信モジュール(図示せず)を含むことができる。さらに、移動ロボット300は、マイクロプロセッサなどの、データ処理を制御または管理するための制御ユニットを含むことができる。別の実施形態では、移動ロボット300のオンボードマイクロプロセッサは、遠隔コンピュータシステム200の支援の有無にかかわらず、プローブ400からの画像を分析し、移動ロボット300を動作させるように構成することができる。さらに別の実施形態では、移動ロボット300のオンボードマイクロプロセッサは、さらに自動式モードとして、そのオンボードマイクロプロセッサが移動ロボット300を制御して、操作者からの追加の命令なしに消毒動作を完了させることができる。言い替えると、消毒計画のデータ、消毒される環境のパラメータ、または他の情報が遠隔コンピュータシステム200またはオンボードマイクロプロセッサにダウンロードまたは入力されると、移動ロボット300は、その動作または動きを自動化して、消毒のためのタスクを完了させることができる。
【0016】
別の実施形態では、通信ネットワーク201は、遠隔コンピュータシステム200がコマンド信号を直接送信して、移動ロボット300の動作を制御するのを可能にすることができる。同様に、通信ネットワーク201はまた、遠隔コンピュータシステム200がプローブ400から収集されたデータを受信して、その遠隔コンピュータシステム上でデータ分析を実行するのを可能にすることができる。一例では、ユーザは、制御アプリケーション202または遠隔コンピュータシステム200を動作させて、消毒動作のための動作パラメータを入力することができ、遠隔コンピュータシステム200は、(制御アプリケーション202によって引き起こされるか、またはトリガーされる)コマンド信号を生成して、移動ロボット300の消毒動作を引き起こすことができる。
【0017】
例えば、ユーザは、制御アプリケーション202を構成して、公共交通機関の設定、屋内の設定、地下通路の設定などの異なるレベルの設定のための所定のパラメータを選択してもよい。公共交通機関の設定では、それらのパラメータには、各カート/車の長さ、各カート/車の幅、各カート/車の高さ、各カート/車の数、各カート/車のモデルなどのパラメータが含まれ得る。別の例では、サブパラメータまたはさらなる構成が存在し得る。例えば、各カート/車パラメータのモデルは、ドアの数、車同士の接続時間、座席の数、優先席の数、障害者スペースの数、許可されたバイクの数などの追加のパラメータを提供することができる。別の実施形態では、制御アプリケーション202は、すべてのパラメータをユーザインターフェースに入力することができるバッチファイルまたは構成ファイルからパラメータを受信することができる。これらのパラメータは、制御アプリケーション202がHPV/VHPに必要な空間/体積の量、消毒のための時間の量、移動ロボット300を駆動するのに必要な電力の量などを計算または決定するのを可能にすることができる。
【0018】
別の実施形態では、ユーザは、ある目的に限って、制御アプリケーション202上にパラメータを提供することができ、その結果、システム100は、消毒されるのに必要な設定または環境に対して柔軟であり得る。
【0019】
特定の例では、通信ネットワーク201は、環境または移動ロボット300によってホストとして働くWI-FIホットスポットネットワーク204を含むことができる。別の実施形態では、通信ネットワーク201は、WI-FIホットスポットネットワーク204およびセルラーネットワークの組み合わせを含むことができる。さらなる実施形態では、通信ネットワーク201は、衛星通信を含むことができる。さらに別の例では、通信ネットワーク201は、移動ロボット300が別の移動ロボット300と通信することができるBLUETOOTH、NFC、または他の短距離無線通信プロトコルを含むことができる。さらに別の例では、遠隔コンピュータシステム200は、任意の無線通信プロトコルおよび/または有線通信プロトコルを介して、移動ロボット300および少なくとも1つのプローブ400と通信することができる。
【0020】
場合によっては、遠隔コンピュータシステム200は、クラウドサーバプラットフォーム(図示せず)と通信することができる。例えば、WI-FI(例えば、無線接続)を介して、または有線接続を介してかにかかわらず、通信チャネルを介して、遠隔コンピュータシステム200は、消毒動作中に収集されたデータをクラウドサーバプラットフォームにアップロードすることができる。このクラウドサーバプラットフォームは、分析ソフトウェアを実行して、ユーザが収集された生データを分析するのを可能にすることができる。さらに、クラウドサーバプラットフォームは、収集されたデータに基づいて、動作レポートを生成および作成することができる。さらに別の例では、遠隔コンピュータシステム200のユーザまたは操作者は、スケジュール設定された消毒計画をクラウドサーバプラットフォームに提供することができ、そのような消毒計画は、移動ロボット300の通信モジュールにダウンロードされて、スケジュールに基づいてその後の時間に、または直ちに処理するために、コンピュータ可読記憶媒体に格納することができる。
【0021】
他の例では、移動ロボット300は、様々なポートまたはポータルを介して、気化消毒剤を放出することができる。1つの特殊な例では、気化消毒剤は、VHPまたはHPV(以下、本開示および図面の全体を通じて、これらの2つの略記は、互換的に使用することができる)であってもよい。
【0022】
図3を参照すると、一例では、プローブ400は、アンテナ402、高周波(RF)、無線、または無線通信機能を含むことができる通信モジュール404、システムボード406、光センサ408、照明モジュール410、ファン412、コンパートメント414、およびコンパートメント414内に配設されたカラーチャート416を含むことができる。コンパートメント414は、ファン412によって換気され、化学的インジケータ418からデータを受信するように構成することができる。照明モジュール410は、コンパートメント414の表面を照明するための複数の発光ダイオード(LED)を含むことができる。別の実施形態では、照明モジュール410を使用して、消毒される環境を照明することができる。さらに別の実施形態では、照明モジュール410は、エラー、カート/車内の障害などの例外または不測の事象に起因する、人間の操作者に知らせるためのアラート照明をさらに提供することができる。
【0023】
システムボード406は、光センサ408を制御して、カラーチャート416を用いて化学的インジケータ418の少なくとも1つの画像を取り込むことができる。同様に、システムボード406は、照明モジュール410、ファン412、および通信モジュール404を制御して、さらなる分析のために、アンテナ402を介して画像を遠隔コンピュータシステム200に送信することができる。化学的インジケータ418は、それを取り巻く環境内の消毒剤の濃度に応じて、カラー変化を受けることができる。システムボード406は、マイクロプロセッサ(図示せず)、およびそのマイクロプロセッサに接続されたコンピュータ可読記憶媒体またはメモリ(図示せず)を含むことが理解される。移動ロボット300の代表的な使用の例示的な例が、
図12~14A~Bと併せて、さらに説明され得る。
【0024】
図4を参照すると、カラーチャート416およびインジケータ418の概略上面図。カラーチャート416は、2つのカラースポット416a~416bを含むことができる。一例では、それらのうちの一方は、桃色であってもよく、他方は、青色であってもよい。化学的インジケータ418は、消毒剤の濃度が増加するにつれて、そのカラーを桃色から青色に変更または変化させることができる。本明細書で考察されるカラーは、単に例示の目的のためであることを理解されたい。それは、任意のカラーとすることができ、あるカラーから別のカラーへの移行は、様々な形態を取り得る。また、化学的インジケータ418が様々な手段によって表示を示すことができることも理解されたい。別の実施形態では、スポット416aおよび416bは、同じ位置を占有することができる。例えば、例示されているようなスポット416aおよび416bの離散的な配置ではなく、416aまたは416bのどちらか一方のスポットで、カラー変化が起こり得る。カラー変化の位置または機構の他のバリエーションが、本発明の実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく、採用され得ることを理解されたい。
【0025】
いくつかの例では、光モジュール410は、1つのLEDのみを有する。
【0026】
場合によっては、カラーチャート416は、3つ以上のカラーを有してもよい。
【0027】
場合によっては、カラーチャート416は、1つのカラーのみを有してもよい。
【0028】
他の例では、カラーチャート416は、コンパートメント414に貼付されなくてもよい。カラーチャート416はまた、化学的インジケータ418に一体化されてもよい。
【0029】
さらに別の例では、光センサ408は、CMOSであってもよい。
【0030】
図5を参照すると、移動ロボット300は、消毒剤タンク302、バッテリー304、消毒剤(例えば、VHP)を気化するためのエミッタ(例えば、気化器)306、および消毒剤を周囲環境に分配するためのノズル/ディスペンサー308などのポータルを含むことができる。この移動ロボット300はまた、その周囲環境を検出するための1つ以上の空間センサ、および移動ロボット300に作動を与えるための少なくとも1つの車輪を含むこともできる。また、移動ロボット300が、移動ロボット300を駆動して間隔を置いた領域内で移動させるためのモータまたは駆動部(図示せず)を含むことができることも理解されたい。例えば、移動ロボット300はまた、トラックに沿って移動することもでき、またはその移動ロボットがトラックに沿って移動することを可能にするためのセンサを有してもよい。例えば、このセンサは、床上のインジケータを識別して、それに沿って移動ロボット300を駆動するように誘導することができる。別の実施形態では、移動ロボット300は、ジョイスティックまたは他のユーザインターフェースによって、ユーザが遠隔制御することができる。さらに別の実施形態では、移動ロボット300は、別個の(例えば、手持ち式)制御ユニット(図示せず)とともに、
図7の350のような係留ケーブルを介して係留されてもよい。例えば、この別個の制御ユニットは、方向を指示する命令を提供してもよい。別の実施形態では、係留ケーブルはまた、制御ユニットと移動ロボット300との間で電流およびデータを伝達することもできる。なおもさらなる実施形態では、駆動部は、遠隔コンピュータシステム200またはクラウドサーバプラットフォームからダウンロードされた消毒計画によって制御することもできる。
【0031】
さらに別の実施形態では、別個の制御ユニットは、無線で移動ロボット300に接続することができ、操作者が移動ロボット300を遠隔で制御することが可能になり得る。例えば、移動ロボット300は、携帯電話、タブレット、スマートウォッチ、スマートフォン、ブレスレットなどの別個の制御ユニットに結合されてもよく、操作者は、別個の制御ユニットを動作させて、移動ロボット300を制御してもよい。例えば、別個の制御ユニットは、操作者が移動ロボット300をスイッチオンまたはオフすること、プローブ400を介して画像を取り込むこと、および移動ロボット300を異なる場所に移動させることなどを可能にする、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を示すタッチスクリーンパネルを含んでもよい。一実施形態では、別個の制御ユニットは、移動ロボット300の駆動部または車輪を操縦するためのジョイスティックを含んでもよい。
【0032】
さらに別の実施形態では、移動ロボット300は、その上にGUIを含むことができるため、操作者は、展開前に、移動ロボット300を制御または構成することができる。
【0033】
図6を参照すると、移動ロボット300は、別個のコンパートメント330およびロボットアーム332を含むことができる。気化器306およびノズル/ディスペンサー308は、コンパートメント330内に配設することができ、それは、ロボットアーム332によって、移動ロボット300の本体を超えて延在することができる。
【0034】
図7を参照すると、移動ロボット300の重量は、そのバッテリー304を取り外すことによって軽減される。電源プラグを、巻き取り式電源ケーブルリール350から電源ケーブルを取り外し可能に受容するように構成された移動ロボット上に配設することができる。この構成を用いると、単一のユーザが、移動ロボット300を手で運搬して、容易に展開することができる。この展開環境において、その環境は、移動ロボット300のための電源を提供することができる。例えば、その環境は、公共交通機関の車またはバスであってもよく、そこでは、その床は、電力を移動ロボット300に供給することができるパネルまたはトラックを提供してもよい。移動ロボット300は、この例では、パネルまたはトラックに係合して電力を受け取ることができるロープを含んでもよい。別の実施形態では、移動ロボット300の車輪は、その移動ロボットがパネルまたはトラックに沿って移動するときに、そのパネルまたはトラックから電力を受け取るためのロープを含むことができる。さらに別の実施形態では、移動ロボット300は、パネルまたはトラックから電力を受け取るための金属製車輪または金属製「第3の車輪」を含むことができる。
【0035】
いくつかの例では、移動ロボットの車輪は、前輪駆動であってもよい。いくつかの他の例では、車輪は、ロボット300が平坦でないハンドル地面、すなわち、ドアの敷居、隆起、または傾斜路上で動作するのを助けるための連続したトラックである。
【0036】
さらに別の実施形態では、移動ロボット300の車輪は、連続トラックから構成され得、このため、その車輪は、様々な地形の上でナビゲートすることができる。車の間の接続箇所、または視覚障害者のための誘導用ブロックなどの凸凹表面を有し得る閉鎖領域の場合、移動ロボット300は、凸凹表面にもかかわらず、依然として、ナビゲートすることができる。そのような実施形態では、上で入力されたパラメータは、異なるカート/車がどのように接続されているか、車の間にドアが存在するかどうかなどを示すことができる。これらのパラメータに基づいて、移動ロボット300は、それに応じて、車をナビゲートすることができる。
【0037】
本発明の別の実施形態によれば、消毒剤の濃度を測定する方法が記載されている。
図8を参照すると、ステップ700において、プローブ400は、光センサ408によってカラーチャート416を用いて化学的インジケータ418の画像を取り込むことができる。次いで、ステップ702において、この画像は、さらなる分析のために、遠隔コンピュータシステム200に送信され得る。ステップ704において、カラースペクトル分析が、制御アプリケーション202によって遠隔コンピュータシステム200上で実行され得る。カラーチャート上のカラースポット416a~416b、および化学的インジケータ418の所定の領域は、制御アプリケーション202によってその画像内に位置し得る。第1のカラースポット416aのスペクトルは、消毒剤の望ましくない濃度における、化学的インジケータ418からのスペクトルに対応し得る。同様に、第2のカラースポット416bのスペクトルは、消毒剤の所望の濃度における、化学的インジケータ418からのスペクトルに対応し得る。画像内の化学的インジケータ418の所定の領域の各画素のスペクトルは、第2のカラースポット416bからの平均スペクトルと比較され得る。第2のカラースポット416bの平均スペクトルに到達する、所定の領域内の画素数が所定の閾値よりも少ない場合、偽の信号が生成され得、ステップ700、702、および704が繰り返される。ファン412によって駆動されたときに、プローブ400を取り巻く空気がコンパートメント414を通って流れると、化学的インジケータ418は、消毒剤の異なる濃度に連続的に曝露される。このように、所定の領域からのスペクトルは、空気中の消毒剤の濃度が増加するにつれて、変化することになる。
【0038】
第2のカラースポット416bの平均スペクトルに到達する、所定の領域内の画素数が所定の閾値以上になるとすぐに、正の信号が生成され得る。
【0039】
いくつかの例では、所定の閾値は、所定の領域内の総画素の95%であってもよい。
【0040】
別の例では、データ分析は、プローブ400のシステムボード406において実行することができる。
【0041】
本発明の別の態様によれば、閉鎖領域を消毒する方法が提供され得る。
図9を参照すると、閉鎖領域を効率的に洗浄または消毒するために、いくつかのプローブ400を、移動ロボット300の所定の経路に沿って設置することができる。プローブ400は、移動ロボット300のためのチェックポイントとして機能し、フィードバックを移動ロボット300に提供することができる。ステップ800において、すべてのプローブ400が、開始および作動される。次いで、ステップ802において、移動ロボット300はまた、作動され得、指示されて、選択されたチェックポイント(例えば、移動ロボットの経路に沿った第1のプローブ400)で、気化消毒剤を生成することができる。ステップ804において、移動ロボット300は、第1のチェックポイントの周りで停止または待機(hover)することができる。ステップ806において、遠隔コンピュータシステム200は、その遠隔コンピュータシステムが、上で考察されたように、消毒剤の濃度を検出する方法におけるステップ704から正の信号を受信したかどうかを判定することができる。正の信号が受信されると、ステップ808において、遠隔コンピュータシステム200は、すべてのチェックポイントが正の信号を有するかどうかを判定することができる。移動ロボットは、その条件が満たされる場合に停止することができ、そうでなければ、移動ロボットに命令して、第2の選択されたチェックポイントに移動させ、そのプロセスを繰り返すことができる。
【0042】
いくつかの例では、各チェックポイントは、複数のプローブ400を有することができる。この場合、ステップ806は、正の信号がプローブ400の各々から受信された場合にのみ、ステップ808に進むことができる。
【0043】
本発明の別の態様によれば、閉鎖領域を消毒する別の方法が提供される。
図10を参照すると、複数のプローブ400が、閉鎖領域内に配設され得る。ステップ900において、すべてのプローブが開始される。次いで、ステップ902において、移動ロボット300内の気化器もまた、作動されて、気化消毒剤を生成する。移動ロボット300は、閉鎖領域の周りで停止または静止することができる。ステップ904において、遠隔コンピュータシステム200は、すべてのプローブ400から画像を取り出し続けることができる。ステップ906において、すべての画像が、ステップ700、702、および704で論じられたような方法で分析される。ステップ908において、遠隔コンピュータシステム200は、すべてのプローブが消毒剤曝露基準を満たすかどうかを判定することができる。ステップ910において、コンピュータシステム200は、移動ロボット300に命令して、すべてのプローブ400が消毒剤曝露基準を満たす場合にのみ停止させることができる。
【0044】
いくつかの例では、プローブ400は、車輪に付随させることができる。この移動プローブ400は、初期設定として測定するために、閉鎖領域の周りで移動することができる。それは、制御アプリケーション202によって遠隔制御することができる。
【0045】
いくつかの例では、プローブ400は、較正および記録の目的のための、温度、圧力、および関連する湿度センサを装備することができる。他の関連するセンサを設置して、データ入力を制御アプリケーション202または遠隔コンピュータシステム200に提供することができることを理解されたい。
【0046】
特に、公共交通機関、例えば、列車、飛行機、およびバス内に本発明を展開して、医療従事者への曝露を最小限に抑えることが有利である。当然のことながら、これらは、単なる例であり、本特許出願の範囲を限定することを意図するものではない。
【0047】
本発明の実施形態の展開をさらに例示するために、
図12は、一実施形態による、移動ロボット300の例示的な外部設計、および展開の様々な環境を示す。例えば、移動ロボット300は、4つの電動車輪を有する約70kgの重量があり得る。移動ロボット300は、約70kgの重量以内に、リチウムバッテリー、8リットルの消毒剤などを含み得る。一実施形態では、消毒剤は、100~200ppmの濃度を有する過酸化水素(H2O2)とすることができる。一例では、その濃度を使用して、推定1000~1500m3の空間を処理することができる。別の例では、バッテリー電源の持続時間は、5時間とすることができる。移動ロボット300は、本実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の濃度または体積を有する消毒剤を運搬することができることを理解されたい。一例では、移動ロボット300は、列車(例えば、地下鉄の車、列車の車、バスなど)、病院、工場もしくは研究室、ショッピングモール、または公共交通機関の駅もしくは列車のプラットフォームに展開することができる。
【0048】
別の実施形態では、移動ロボット300は、区画化することができる。例えば、移動ロボット300は、1つのコンパートメント内に、気化器306およびノズル/ディスペンサー308を有するコンパートメント330を有してもよい。別の実施形態では、移動ロボット300は、1つのコンパートメントとして、タンク302、気化器306、およびノズル/ディスペンサー308を有してもよい。さらなる実施形態では、重量を軽減し、かつ展開を増やすために、可動ユニットは、1つのコンパートメントとして、モータ、および一組の可動要素または他の可動機構(例えば、車輪)を含んでもよい。この種類の実施形態は、閉鎖領域内における迅速な展開において有用であり得る。一例では、コンパートメント330(例えば、プローブ400、気化器306、ノズル/ディスペンサー308、およびタンク302を有する)は、輸送の容易さのために、ハンドルまたは平ひもを有する持ち運び可能なユニットであってもよい。次いで、この実施形態により、コンパートメント330が、展開前に可動ユニットとドッキングすることが可能になり得る。さらに別の例では、コンパートメント330は、気化器306、ノズル/ディスペンサー308、およびタンク302を含んでもよいが、プローブ400を含まなくてもよい。
【0049】
例えば、公共交通機関システムでは、多数のカートからなる列車全体が、カート/車の各々の中に、可動ユニットを含んでもよい。これらの可動ユニットは、バッテリー動作することができ、スタンバイモードで充電することができる。消毒が必要であるときに、タンク302、HPV、ノズル/ディスペンサー308、および気化器306を含む別個のコンパートメントは、次いで、可動ユニットに接続または係合され得、その結果、移動ロボット300は、消毒のために展開され得る。
【0050】
さらに別の実施形態では、ユニットとしての、タンク302、HPV、ノズル/ディスペンサー308、および気化器306からなるコンパートメントは、緊急使用として、各カート/車内でさらに利用可能であり得、その結果、列車の全従業員または車掌は、コンパートメントを可動ユニットと組み合わせると、即座にカート/車を迅速に消毒することができる。
【0051】
ここで、
図12を参照すると、移動ロボット300の展開の別の例。一実施形態では、展開環境は、地下鉄の車とすることができる。そのような例では、複数のプローブ400を、車内の所定の場所に配設することができる。ここで、
図13Aおよび14Bを参照すると、複数のプローブ400が、車の天井、車の壁、または車の他の位置に配設され得る。展開前に、プローブ400は、消毒されていない状態であってもよく、または青いカラーを提示してもよい。一実施形態では、プローブ400は、
図13Aおよび13Bに示されるような、人間の視覚に容易に見ることができる。例えば、プローブ400は、ある特定の濃度でVHPに反応する特殊な紙であってもよい。別の例では、プローブ400は、人間の視覚に見えない場合があるが、移動ロボット300の光センサにのみ見える場合がある。
【0052】
別の実施形態では、
図12に示すように、遠隔コンピュータシステム200、制御アプリケーション202、またはクラウドサーバプラットフォームは、車内のプローブ400の場所の視覚的表現を有することができ、その結果、ユーザは、消毒の進捗を監視することができる。
【0053】
移動ロボット300が展開すると、移動ロボット300は、環境(例えば、
図13Aに示されるような車)へのVHPの放出を開始して、環境の一部分またはセクションを消毒することができる。光センサ408は、プローブ400のおおよその場所を既に有し得、プローブ400のカラー変化の検出を監視および注視することができる。1つのカラー(例えば、青色)から、「消毒された」カラーまたは状態であることに指定されたカラー(例えば、桃色)へのカラースペクトル変化を検出または感知すると、VHPの放出は、停止することができる。上で考察されたように、移動ロボット300は、その後、次のプローブ400に移動することができる。
【0054】
別の実施形態では、プローブ400は、ロボットアームの助けをかりるか否かのいずれかで、センサ408の精度範囲に応答して、クラスターまたはセットにかたまって配設され得る。例えば、センサ408は、較正することができる範囲精度を有することができる。このように、プローブ400は、センサ408の所望の精度範囲、バッテリーの電力消費、および環境を消毒または殺菌するのに必要な時間の関数として位置付けることができる。
【0055】
そのような例では、プローブ400のセットが消毒されたと判定されると、移動ロボット300は、次の位置に移動して、環境の別の部分を消毒することができる。この展開は、その環境全体が消毒されたときに、完了することができる。
【0056】
別の実施形態では、遠隔コンピュータシステム200または制御アプリケーション202は、ディスプレイ上に表示して、消毒の進捗を示すことができる。アラートを制御アプリケーション202または遠隔コンピュータシステム200に送出して、例外または通知を移動ロボット300に示すことができる。例えば、車に障害物がある場合、移動ロボット300は、写真を撮るか、またはアラートを送出してもよく、そのような写真またはアラートは、遠隔コンピュータシステム200または制御アプリケーション202に送信されてもよい。別の例では、ユーザは、移動ロボット300を遠隔制御して、障害物から遠ざけることができる。
【0057】
さらに別の実施形態では、2つ以上の移動ロボット300が同じ環境に同時に展開されて、効率を高め、かつ消毒するための時間を短縮することができる。このように、遠隔コンピュータシステム200は、移動ロボット300のそれぞれを別々に識別することができ、それらの移動ロボット300は、それら自体をそれぞれ識別することができ、それらは、互いに感知することができる。消毒中に、ユーザは、各移動ロボット300が責任を負うことができる環境の部分またはセクションを制御することができ、その結果、各移動ロボットは、それに応じて展開することができ、異なる車を渡り歩く必要がない場合がある。そのような実施形態では、プローブ400を用いると、各移動ロボット300は、車の間の接続箇所を依然としてカバーすることができる。
【0058】
多数または複数の移動ロボット300が使用される場合がある一実施形態では、各移動ロボット300は、所与の車内に制限されるように構成され得、よって、所与の時間量以内に多連結車の列車の消毒を完了させることは、より効率的であり得る。
【0059】
ここで
図14を参照すると、公共交通機関の車、バス、またはフェリーなどの内部空間1500における移動ロボット300のナビゲーションの説明図が示されている。一実施形態では、移動ロボット300は、中距離(例えば、約10メートル以上)の3Dまたは2Dスキャナの検出範囲を有することができるスキャナ1502を含むことができる。一実施形態では、このスキャナは、座席間通路1504を探すための光照射(例えば、レーザ)型または音響ベース(例えば、ソナー)型スキャナであり得る。上述したように、移動ロボット300は、列車、バス、フェリー、または航空機などの大量輸送キャリアに展開することができる。これらの車両は、すべて、同じ特性、すなわち、少なくとも1つの座席間通路1504を共有する。従来のロボットは、カメラまたはソナートランスデューサなどの短距離検出機構を使用する。これらのセンサに基づく駆動ロジックは、キャビンを殺菌するのに必要とされる時間量が制限される得ることから、調整を細かくすることは、さらに複雑化し、困難になり得る。
【0060】
移動ロボット300上の中距離スキャナ1502は、移動ロボット300に、10メートル以上の360度の視認性を与えることができる。そのような距離の場合、座席間通路1504およびその経路は、パターン認識技術を使用して、付属の2D説明図のようなスキャンされたマップで容易に認識することができる。移動ロボット300が360度中距離スキャンを実行すると、客車の座席またはベンチが検出される(1506のドットで表されている)。座席間通路1504は空であるため、明るい経路が、スキャンされたマップ内で判定することができる。このように、移動ロボット300上のマイクロプロセッサは、パターン認識アルゴリズムを使用して、座席間通路1504を識別し、ルートを設計し、移動ロボット300のモータまたは駆動機構に通電して、それに応じて、座席間通路1504に沿って移動させることができる。
【0061】
別の実施形態では、上で考察されたように、座席、ベンチ、またはさらにはドアに関して、絶対的もしくはおおよその場所、またはその距離などの、座席間通路1504に関連付けられたデータは、移動ロボット300のマイクロプロセッサにダウンロードすることができ、その結果、移動ロボット300は、それが座席間通路1504に沿って移動したときに、その処理を補足することができる。
【0062】
ここで
図15を参照すると、列車、または航空機のキャビンなどの閉鎖空間1600をナビゲートする際の移動ロボット300の別の説明図を示す。一実施形態では、移動ロボット300は、座席またはベンチ1606のゾーンまたはクラスターを有する座席間通路1604に沿ってナビゲートすることができる。この実施形態では、閉鎖空間1600は、スキャナ1602を有する移動ロボット300が、近くにドア1612も存在する座席間通路1604までナビゲートする必要があり得る領域1610をさらに含み得る。
【0063】
そのような例では、ドア1612を有することは珍しくない。この説明図では、閉鎖空間1600は、Boeing(登録商標)737航空機の座席マップであり得る。ここに例示されているように、サイドドア1612に向かって短い通路1608がある。一実施形態では、スキャナ1602を用いると、座席間通路検出アルゴリズムは、座席間通路1604の長さによって座席間通路1604を判定することができる。例えば、座席間通路1604は、通路1608よりも長い場合があり、このように、移動ロボット300は、通路1608が座席間通路1604であると取り違えることはないであろう。同様に、座席間通路検出アルゴリズムは、少なくとも上述されたアプローチに基づいて、領域1610が座席間通路である可能性があると取り違える場合がある。
【0064】
一例では、座席間通路検出アルゴリズムは、座席間通路が床からの座席の高さなどであるように構成されている最小の長さなどのパラメータを含むことができる。これらのパラメータが構成されていると、スキャナ1602は、スキャンを実行することができ、マイクロプロセッサは、パラメータを満たす座席間通路マップを決定することができる。上で考察されたように、マイクロプロセッサは、座席マップのデータを受信して、座席間通路検出を支援または加速することができる。座席マップが航空機ごとに異なる可能性があり、また航空会社が座席配置または構成を変更する可能性があることを理解されたい。このように、スキャナ、およびダウンロードまたはロードされた情報の組み合わせは、ナビゲーションを容易にすることができ、そのナビゲーションは、より迅速またはより効率的な消毒をもたらすことができる。
【0065】
さらに別の実施形態では、移動ロボット300が座席間通路1504または1604に沿って移動したときに、異なるノズルが、床(カーペット)または座席(例えば、布地または皮革)上に油性または水性の抗菌溶液を提供することができる。そのような例では、静電噴霧が使用され得る。抗菌溶液を噴霧するための他の手段が、実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく提供することができることを理解されたい。別の例では、別個のタンクを使用して、抗菌溶液を保持することができる。
【0066】
さらに別の実施形態では、移動ロボット300は、1つのノズルを有することができ、必要に応じて、タンク302は、抗菌溶液またはVHP溶液のいずれかを保持することができる。
【0067】
またさらに、本発明のいくつかの実施形態の展開を例示するために、
図16は、可動ユニットに取り外し可能にドッキングして移動ロボット300を形成するように構成された例示的なコンパートメント330を示す。移動ロボット300が存在するために、一実施形態では、コンパートメント330は、単独でコンパートメント330を駆動するためのユニットまたは要素を所有しなくてもよい。例えば、コンパートメント330は、駆動ユニットを含まなくてもよい。このように、コンパートメント330は、移動ロボット300などの可動ユニットに取り付けられ、係合され、ドッキングされ、または関連付けられるように設計することができる。そのような構成では、いくつかの実施形態によれば、可動ユニットまたは移動ロボット300の組み合わせは、可動ユニットまたは移動ロボット300の性能を強化することができる。例えば、移動ロボット300が一方向に噴霧するノズルを有するという前提で、コンパートメント330は、そのノズルを配向させて、反対方向または異なる方向に噴霧することができる。別の例では、移動ロボット300が1つの設定のための1つの種類の消毒配合物または溶液を有するタンクを含むことができるという前提で、コンパートメント330は、別の設定または領域のための溶液を含むことができ、その結果、そのコンパートメントは、その溶液を切り替える必要性を低減し、より迅速な展開を高めることができる。さらに別の例では、移動ロボット300が、表面をきれいにするための真空、一掃機構、および/またはモーピング機構を含むことができるという前提で、コンパートメント330は、気化消毒溶液を噴霧するためのノズルを含むことができる。さらに、1つの可動ユニットまたは移動ロボット300は、消毒の様々な領域に対して指定された1つ以上のコンパートメント330に関連付けられ得る。
【0068】
コンパートメント330は、コンパートメント330の前部に配設されたハウジングまたはケーシング1702と、抗菌溶液または過酸化水素溶液を保持するためのタンクと、コンパートメント330の運動を検出するように構成された少なくとも1つの運動検出器/センサと、少なくとも1つのバッテリーパックと、コンパートメント330の底部に配設された複数の車輪1704と、ケーシング1702の前部に配設されたオンボタン1706およびオフボタン1708と、ケーシング1702の上前部に配設された蒸気を噴霧するように構成されたノズル/ディスペンサー1710と、ケーシング1702の前部に配設された空気換気装置1712および溶液レベルインジケータ1714と、を含むことができ、電源ソケット1716は、バッテリーパックを充電するための電源プラグを受容するように構成されており、少なくとも1つのハンドル1718は、コンパートメント330と可動ユニットとの間を容易に取り外し、またはドッキングするように構成されており、蓋1720は、タンクの入口を開閉するように構成されている。コンパートメント330は、可動ユニットとコンパートメント330との間のマウンティングインターフェースであるように構成された取り外し可能なマウントシステム1800をさらに備え得る。
【0069】
図17に転じると、コンパートメント330は、ノズル/ディスペンサー1710をスイッチオンまたはオフするように構成されたノズル/ディスペンサー電源スイッチ1722と、ノズル/ディスペンサー1710がオンまたはオフ状態にあるかどうかを示すように構成されたノズル/ディスペンサー電源インジケータ1724と、をさらに備える。
図17はまた、その閉鎖位置にある蓋1720も示している。ケーシングの上面1728は、ケーシング1702の後部から前部に傾斜している。
【0070】
図18は、コンパートメント330の底部を示し、その底部は、底部プレート1722を含む。底部マウント1724は、底部プレート1722上にさらに設置されている。底部マウント1724は、ケーシング1702の前部から離れて延在した延在端部1724a、および取り外し可能なマウントシステム1800の底部バー1810を引っ掛けるためのフック構造を有する底部フック端部1724bを有するレバーであり得る。底部マウント1724は、取り外し可能なマウントシステム1800の底部バー1810に向かって底部フック端部1724bを押し付けるか、またはそれに係合するように構成されたばねをさらに含むことができる。底部フック端部1724bのフック構造は、延在端部1724aを上向きに引っ張ることによって、取り外し可能なマウントシステム1800の底部バー1810を解放することができる。次いで、底部フック端部1724bでのフック構造は、取り外し可能なマウントシステム1800の底部バー1810から下向きにかつ離れるように引っ張られ、それによって、マウントシステムを解放することになる。
【0071】
図19は、2つのサイドマウント1726をさらに備えるコンパートメント330を示す。サイドマウント1726は、ハンドル1718とともに設置されている。各サイドマウント1726は、ハンドル1718中に延在した平坦端部1726a、および取り外し可能なマウントシステム1800のサイドバー1808を引っ掛けるように構成されたフック構造を有するサイドフック端部1726bを有するレバーであり得る。各サイドマウント1726は、取り外し可能なマウントシステム1800のサイドバー1808に向かって、サイドフック端部1726bおよびそのフック構造を押し付けるように構成されたばねをさらに含むことができる。サイドフック端部1726bのフック構造は、ハンドル1718に向かってサイドマウント1726の平坦端部1726aを押し付けることによって、取り外し可能なマウントシステム1800のサイドバーを解放することができる。次いで、サイドフック端部1724bのフック構造は、取り外し可能なマウントシステム1800のサイドバー1808から引き離され、それによって、マウントシステムを解放することになる。一実施形態では、ケーシングまたは本体1702は、ユーザがハンドル1718にアクセスするための開口部を含むことができる。
【0072】
図20は、取り外し可能なマウントシステム1800がコンパートメント330から取り外されていることを示す。
図21~23は、取り外し可能なマウントシステム1800が取り付けられていないコンパートメント330の上面図、底面図、および背面図を示す。
【0073】
ここで、
図24に転じると、取り外し可能なマウントシステム1800は、取り外し可能なマウントシステム1800の本体フレーム1812に接続する、ネック部分1802上に配設された孔1804を有するネック部分1802を含む。一実施形態では、ネック部分1802は、本体フレーム1812から離れて他方のヘッド1806をさらに接続することができる。一実施形態では、孔1804は、可動ユニットの一部分または突起部を受容して、取り外し可能なマウントシステム1800を可動ユニットに固定する。別の実施形態では、ヘッドは、可動ユニットの一部分をさらに係合するためのフック状要素を含む。一実施形態では、ヘッド1806およびネック部分1802は、可動ユニットの所定の部分に係合または引っ掛けて、取り外し可能なマウントシステム1800のアタッチメントを可動ユニットにさらに固定するための角度を形成する。さらに、ヘッド1806、ネック部分1802、および本体フレーム1812の頂部は、なだらかな起伏を持った形状のものであり、可動ユニットの部分により良好に適合して流線型の外観を提供することができる。
【0074】
取り外し可能なマウントシステム1800は、2つのサイドバー1808、および1つの底部バー1810をさらに含む。この2つのサイドバー1808は、本体フレーム1812の側面上に接続することができる。一実施形態では、サイドバー1808は、本体フレーム1812の実質的な長さを延在する。別の実施形態では、サイドバー1808は、取り外し可能なマウント1812の本体フレームのヘッド1806に向かう方向に延在することができる。さらに別の実施形態では、サイドバー1808は、ヘッド1806の同じ側にあり、かつ本体フレーム1812の平面に対して垂直である方向に延在することができる。底部バー1810は、本体フレーム1812の底部縁端部に接続することができ、下向きに突き出ることができる。
【0075】
一実施形態では、底部バー1810および2つのサイドバー1808は、異なる平面上にあり、底部バー1810は、取り外し可能なマウントシステム1800の本体フレーム1812と同じ平面上にある。取り外し可能なマウントシステム1800は、1つの端部で可動ユニットの本体に接触し、かつ取り外し可能なマウントシステム1800の本体フレーム1812をヘッド1806に向かう方向に延在するように構成された間隔バー1814をさらに含む。一実施形態では、間隔バー1814は、取り外し可能なマウントシステム1800の本体フレーム1812、またはサイドバー1808と、可動ユニットの本体との間に空間を提供することができる。
【0076】
一実施形態では、間隔バー1814は、サイドバー1808と、可動ユニットの本体との間に必要な空間を提供して、サイドフック端部1726bのフック構造と、サイドバー1808との間に、確実な係合または接触を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、間隔バー1814および底部バー1810は、ねじまたはボルトによって、取り外し可能なマウントシステム1800の本体フレームに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、孔1804は、三角形に類似した形状を備える。
【0077】
図25および26に転じると、間隔バー1814は、少なくとも1つの凹部1814aを含むことができる。
【0078】
図27~39は、間隔バーに取り付けられた取り外し可能なマウントシステム1800の背面図、正面図、および側面図を示す。
【0079】
いくつかの実施形態では、ノズル/ディスペンサーは、静電噴霧器または静電吹付器である。さらに、いくつかの実施形態では、コンパートメント330は、抗菌溶液または過酸化水素溶液を保持するための2つ以上のタンク、気化器、ならびに受信されたVPHおよび/または消毒剤の濃度に関連するデータを処理し、運動センサ/検出器から受信されたデータを処理し、かつ気化器およびノズル/ディスペンサー1710を制御するように構成されたマイクロコントローラをさらに備える。いくつかの実施形態では、そのようなデータは、プローブ400から取得される。さらなるいくつかの実施形態では、データは、コンパートメント330上に設置された少なくとも1つのVPHおよび/または消毒剤の濃度センサから取得される。溶液レベルインジケータ1714は、少なくとも1つのタンクの溶液レベルを示すように構成されている。さらなるいくつかの実施形態では、ノズル/ディスペンサー1710は、少なくとも1つのモータにさらに接続することができ、その結果、ノズル/ディスペンサーの出力先端の指示方向は、少なくとも1つのモータがマイクロコントローラから受信した命令を介して、そのモータによって調整することができる。いくつかの実施形態では、コンパートメント330は、コンパートメント330のマイクロコントローラと、可動ユニットのマイクロコンピュータとの間にデータリンクを提供するためのデータ通信インターフェースをさらに備え、その結果、マイクロコントローラは、入力を提供し、かつマイクロコンピュータとの間で命令を受信することができ、その入力は、取得されたHPVの濃度であり得る。データ通信インターフェースは、有線通信インターフェースまたは無線通信インターフェースであってもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、コンパートメント330は、その車輪を駆動するためのいかなる駆動ユニットも含まず、それ自体で移動することができない。
【0081】
ここで、コンパートメント330を動作させる方法に転じる。コンパートメント330を可動ユニットに取り付けるために、取り外し可能なマウントシステム1800は、まず、コンパートメント330から取り外される。その後、可動ユニットの所定の特徴にフック構造1806を引っ掛け、可動ユニットの突起部の周りに孔1804を配置することによって、取り外し可能なマウントシステム1800を可動ユニットに添える。次に、添えられた取り外し可能なマウントシステム1800に向かってコンパートメント330を移動させ、サイドマウント1726の各々のサイドフック端部1726bをサイドバー1808に係合させることができる。同様に、底部マウント1724の底部フック端部1724bのフック構造は、底部バー1810と係合することができる。底部フック端部1724bのフック構造、およびサイドフック端部1726bのフック構造が底部バー1810およびサイドバー1808にそれぞれ引っ掛かるまで、コンパートメント330を取り外し可能なマウントシステム1800に向かって移動させ続ける。
【0082】
コンパートメント330を可動ユニットにドッキングさせると、そのコンパートメントは、可動ユニットから別々に開閉オンされ得る。次いで、コンパートメント330を開閉オンすると、運動センサ/検出器は、コンパートメント330の任意の動きを検出することができ、信号をコンパートメント330のマイクロコントローラに供給することができる。マイクロコントローラは、コンパートメント330を制御して、コンパートメント330が運動しているときに気化消毒剤またはVPHを噴霧し、そのコンパートメントが動きを止めたときに噴霧を停止することができる。いくつかの実施形態では、コンパートメント330は、コンパートメント330が運動した後の所定の時間量の後に、気化消毒剤またはVPHのみを噴霧することができる。いくつかの実施形態では、コンパートメント330は、コンパートメント330が休止した後の所定の時間量の後に、気化消毒剤またはVPHを噴霧することを単に停止することができる。さらなるいくつかの実施形態では、マイクロコントローラは、データリンクを介して可動ユニットから噴霧命令を受信する。別の実施形態では、移動ロボット300に関連付けられた光センサに関して先行セクションで考察された要素または実施形態のうちのいくつかが、コンパートメント330にさらに追加することができる。
【0083】
可動ユニットは、少なくとも1つの車輪、マイクロコンピュータ、駆動ユニット、周囲領域を検出してそのようなデータをマイクロコンピュータに提供するように構成された少なくとも1つのセンサを含み、そのマイクロコンピュータは、その後、命令を駆動ユニットに提供して、領域を通って可動ユニットをナビゲートすることができる。このセンサは、前述したように、スキャナまたは任意の短距離検出機構であってもよい。コンパートメント330が可動ユニットに取り外し可能に接続/ドッキングされると、次いで、可動ユニットは、領域を通ってナビゲートするときに、コンパートメント330を運搬することができる。
【0084】
例示的な実施形態は、示された実施形態以外の、追加のデバイスおよびネットワークを含むことができる。さらに、1つのデバイスによって実行されるものとして記載された機能は、2つ以上のデバイスによって分散および実行することができる。複数のデバイスもまた、単一のデバイスに組み合わされ得、その単一のデバイスは、組み合わされたデバイスの機能を実行することができる。
【0085】
本明細書に記載の様々な当事者および要素は、1つ以上のコンピュータ装置を動作させて、本明細書に記載の機能を容易にすることができる。任意のサーバ、ユーザデバイス、またはデータベースを含む、上述の図の要素のいずれも、任意の適切な数のサブシステムを使用して、本明細書に記載の機能を容易にすることができる。
【0086】
本出願に記載のソフトウェアコンポーネントまたは機能のうちのいずれも、例えば、従来技術またはオブジェクト指向技術を使用して、例えば、Java、C++、またはPythonなどの任意の適切なコンピュータ言語を使用して、少なくとも1つのプロセッサによって実行することができるソフトウェアコードまたはコンピュータ可読命令として実装することができる。
【0087】
ソフトウェアコードは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードドライブもしくはフロッピーディスクなどの磁気媒体、またはCD-ROMなどの光学媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体上に一連の命令またはコマンドとして格納することができる。任意のそのようなコンピュータ可読媒体は、単一の計算装置上または単一の計算装置内部に常駐することができ、システムまたはネットワーク内の異なる計算装置上またはそれらの異なる計算装置内部に存在することができる。
【0088】
上述したような本発明は、モジュール式または統合方式でコンピュータソフトウェアを使用する制御ロジックの形式で実施することができることが理解され得る。本明細書に提供された開示および教示に基づいて、当業者は、ハードウェア、ソフトウェア、もしくはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせを使用して本発明を実装するための他のやり方および/または方法を知って理解することができる。
【0089】
上の説明は、例示的であり、かつ限定的ではない。実施形態の多くの変形例が、開示の見直しに基づいて、当業者には明らかになり得る。したがって、実施形態の範囲は、上の説明を参照にして決定されるべきではなく、逆に、それらの全範囲または等価物とともに、係争中の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【0090】
任意の実施形態からの1つ以上の特徴は、実施形態の範囲から逸脱することなく、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせることができる。「a」、「an」、または「the」という列挙は、特に反対の指示がない限り、「1つ以上」を意味することが意図される。「および/または」という列挙は、特に反対の指示がない限り、その用語の最も包括的な意味を表すことが意図されている。
【0091】
本システムの要素のうちの1つ以上は、特定の機能を達成するための手段として特許請求され得る。そのような手段プラス機能の要素を使用して特許請求されるシステムのある特定の要素を記載する場合、対応する構造が、特定のプログラミングの後にコンピュータ内で見出される機能を使用して、かつ/または上記の特許請求の範囲もしくはステップで列挙されるような列挙機能を達成するために、1つ以上のアルゴリズムを実装することによって、具体的に列挙された機能性を実行するようにプログラムされたコンピュータ、プロセッサ、またはマイクロプロセッサ(場合によっては)を含むことが、本明細書、各図、およびそれらの前の請求項を有する当業者によって理解され得る。当業者によって理解されているように、当該アルゴリズムは、数式、フローチャート、叙述、ならびに/または当業者が列挙されたプロセスおよびその等価物を実装するのに十分な構造を提供する任意の他の方法として、本開示内で表現され得る。
【0092】
本開示は、多くの異なる形態で具現化することができるが、図面および考察は、本開示が1つ以上の発明の原理の例示であり、かついずれの実施形態も例示された実施形態に限定することを意図されていないという理解とともに、提示されている。
【0093】
上述したシステムおよび方法のさらなる利点および修正は、当業者にも容易に思いつくことができる。
【0094】
したがって、本開示は、そのより広範な態様において、特定の詳細内容、代表的なシステムおよび方法、ならびに図示および上述された例示的な実施例に限定されない。様々な修正および変形例が、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、上記の明細書に対して行われる可能性があり、それらの様々な修正および変形例が以下の特許請求の範囲、およびそれらの等価物の範囲内に含まれる場合に限り、本開示は、提供されるそのような修正および変形例をすべて網羅することが意図されている。
【国際調査報告】