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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】SIMO DC-DCコンバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20230831BHJP
【FI】
H02M3/155 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571766
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(85)【翻訳文提出日】2022-11-22
(86)【国際出願番号】 US2020039733
(87)【国際公開番号】W WO2021262185
(87)【国際公開日】2021-12-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィ,アショク
(72)【発明者】
【氏名】デガニ,オフィル
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナムルティ,ハリシュ,ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフ,シャハール
(72)【発明者】
【氏名】アミン,サリー
(72)【発明者】
【氏名】キム,スーワン
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS04
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB14
5H730BB81
5H730FD01
5H730FD11
5H730FD31
5H730FG12
(57)【要約】
単一インダクタ多重出力DC-DCコンバータは、バックブーストコンバータとして構成され得る。コンバータは、インダクタと、インダクタへ結合され、インダクタの通電相及び非通電相を制御する複数のスイッチと、複数の出力レールとを含み得る。複数の出力レールの夫々は、バックブーストコンバータのインダクタへその出力レールを接続するよう構成される少なくとも1つのスイッチを含み得る。インダクタ通電及び非通電パターンと、1つ以上のスイッチの状態とに応じて、様々な出力レールが複数の異なる出力電圧及び/又は出力電流を供給され得る。複数のレギュレーションストラテジのいずれかが、出力電圧及び/又は出力電流を更に制御するために利用されてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インダクタと、
複数のコンバータ出力ラインと、
前記インダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、
前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御するよう構成されるスイッチコントローラと、
前記複数のコンバータ出力ラインのうちの関連するコンバータ出力ラインで各々の関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を動的にセットし、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの他のコンバータ出力ラインからの電流を用いて前記目標出力電圧から予め定義された範囲内にとどまるように前記スイッチング出力電圧をレギュレートするよう構成される少なくとも1つのレギュレータと
を有する単一インダクタ多重出力回路。
【請求項2】
前記複数のスイッチは、
前記インダクタの第1端子と前記入力電圧との間に結合される第1スイッチと、
前記インダクタの前記第1端子と基準電位との間に結合される第2スイッチと
を有する、
請求項1に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項3】
前記複数のスイッチは、前記インダクタの第2端子と基準電位との間に結合される第3スイッチを有する、
請求項1に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項4】
前記複数のスイッチは、前記インダクタの第2端子と前記スイッチング出力電圧との間に結合される第4スイッチを有する、
請求項1に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項5】
前記複数のスイッチは、前記インダクタの第2端子と前記入力電圧との間に結合される第5スイッチを有する、
請求項1に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項6】
前記少なくとも1つのレギュレータは、当該コンバータ出力ラインと他のコンバータ出力ラインとの間に結合される第6スイッチを有する、
請求項1に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項7】
前記少なくとも1つのレギュレータは、
前記スイッチング出力電圧を予め定義された第1閾電圧と比較し、前記スイッチング出力電圧が前記予め定義された第1閾電圧よりも小さい場合には前記第6スイッチが閉じられるように、前記スイッチング出力電圧が前記予め定義された第1閾電圧よりも高い場合には前記第6スイッチが開くように前記第6スイッチを制御するよう構成される第1コンパレータ回路を有する、
請求項6に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項8】
前記少なくとも1つのレギュレータは、当該コンバータ出力ラインと前記複数のコンバータ出力ラインのうちの更に別のコンバータ出力ラインとの間に結合される第7スイッチを有する、
請求項1に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項9】
前記少なくとも1つのレギュレータは、
前記スイッチング出力電圧を予め定義された第2閾電圧と比較し、前記スイッチング出力電圧が前記予め定義された第2閾電圧よりも高い場合には前記第7スイッチが閉じられるように、前記スイッチング出力電圧が前記予め定義された第2閾電圧よりも小さい場合には前記第7スイッチが開くように前記第7スイッチを制御するよう構成される第2コンパレータ回路を有する、
請求項8に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項10】
インダクタ及び複数のスイッチを有し、前記複数のスイッチのスイッチング状態に依存して印加入力電圧に応答して複数のコンバータ出力ラインのうちのあるコンバータ出力ラインでスイッチング出力電圧を供給するスイッチング段と、
前記スイッチング出力電圧を受け、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの第1コンバータ出力ラインでの出力電圧を動的にセットするよう構成される少なくとも1つのレギュレータであり、前記スイッチング出力電圧が、目標レギュレータ出力電圧よりも大きい予め定義された上限閾電圧を上回るかどうか、又は前記スイッチング出力電圧が、前記目標レギュレータ出力電圧よりも小さい予め定義された下限閾電圧を下回るかどうかのうちの少なくとも一方を決定し、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの第2コンバータ出力ラインからの電流を使用して前記スイッチング出力電圧をレギュレートするよう構成される回路を有する前記少なくとも1つのレギュレータと
を有する単一インダクタ多重出力回路。
【請求項11】
前記複数のスイッチは、
前記インダクタの第1端子と前記入力電圧との間に結合される第1スイッチと、
前記インダクタの前記第1端子と基準電位との間に結合される第2スイッチと
を有する、
請求項10に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項12】
前記複数のスイッチは、前記インダクタの第2端子と基準電位との間に結合される第3スイッチを有する、
請求項10に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項13】
前記複数のスイッチは、前記インダクタの第2端子と前記スイッチング出力電圧との間に結合される第4スイッチを有する、
請求項10に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項14】
前記複数のスイッチは、前記インダクタの第2端子と前記入力電圧との間に結合される第5スイッチを有する、
請求項10に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項15】
前記少なくとも1つのレギュレータは、前記第2コンバータ出力ラインと前記第1コンバータ出力ラインとの間に結合される第6スイッチを有する、
請求項10に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項16】
前記少なくとも1つのレギュレータは、
前記スイッチング出力電圧を前記予め定義された下限閾電圧と比較し、前記スイッチング出力電圧が前記予め定義された下限閾電圧よりも小さい場合には前記第6スイッチが閉じられるように、前記スイッチング出力電圧が前記予め定義された下限閾電圧よりも高い場合には前記第6スイッチが開くように前記第6スイッチを制御するよう構成される第1コンパレータ回路を有する、
請求項15に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項17】
前記少なくとも1つのレギュレータは、第3コンバータ出力ラインと前記第1コンバータ出力ラインとの間に結合される第7スイッチを有する、
請求項10に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項18】
前記少なくとも1つのレギュレータは、
前記スイッチング出力電圧を前記予め定義された上限閾電圧と比較し、前記スイッチング出力電圧が前記予め定義された上限閾電圧よりも高い場合には前記第7スイッチが閉じられるように、前記スイッチング出力電圧が前記予め定義された上限閾電圧よりも小さい場合には前記第7スイッチが開くように前記第7スイッチを制御するよう構成される第2コンパレータ回路を有する、
請求項17に記載の単一インダクタ多重出力回路。
【請求項19】
1つ以上のプロセッサによって実行される場合に単一インダクタ多重出力回路の作動方法を実装する命令を記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記方法は、
複数のスイッチによって、インダクタに印加された入力電圧に応答して複数のコンバータ出力ラインのうちのあるコンバータ出力ラインでスイッチング出力電圧を供給することと、
前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御することと、
関連する第1コンバータ出力ラインで各々の関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を動的にセットし、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの第2コンバータ出力ラインからの電流を用いて前記目標出力電圧から予め定義された範囲内にとどまるように前記スイッチング出力電圧をレギュレートする少なくとも1つのレギュレータを作動させることと
を有する、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
1つ以上のプロセッサによって実行される場合に単一インダクタ多重出力回路の作動方法を実装する命令を記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
インダクタ及び複数のスイッチを有するスイッチング段を制御して、前記複数のスイッチに依存して印加入力電圧に応答して複数のコンバータ出力ラインのうちのあるコンバータ出力ラインでスイッチング出力電圧を供給することと、
前記スイッチング出力電圧を受け、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの第1コンバータ出力ラインでの出力電圧を動的にセットし、前記スイッチング出力電圧が、目標レギュレータ出力電圧よりも大きい予め定義された上限閾電圧を上回るかどうか、又は前記スイッチング出力電圧が、前記目標レギュレータ出力電圧よりも小さい予め定義された下限閾電圧を下回るかどうかのうちの少なくとも一方を決定し、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの第2コンバータ出力ラインからの電流を用いて前記スイッチング出力電圧をレギュレートする少なくとも1つのレギュレータを作動させることと
を有する、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項21】
インダクタと、
複数のコンバータ出力ラインと、
前記インダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、
前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御するよう構成されるスイッチコントローラと、
前記複数のコンバータ出力ラインのうちの関連するコンバータ出力ラインで各々の関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を動的にセットし、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの他のコンバータ出力ラインからの電流を用いて前記目標出力電圧から予め定義された範囲内にとどまるように前記スイッチング出力電圧をレギュレートするよう構成される少なくとも1つのレギュレータと
を有する単一インダクタ多重出力回路と、
前記複数のコンバータ出力ラインのうちの関連するコンバータ出力ラインへ結合され、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの前記関連するコンバータ出力ラインの前記目標出力電圧で作動するよう構成される電子部品と
を有するシステム。
【請求項22】
前記複数のコンバータ出力ラインのうちの他のコンバータ出力ラインへ結合され、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの前記他のコンバータ出力ラインの前記目標出力電圧で作動するよう構成される更なる電子部品を更に有する、
請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記電子部品は、
トランスミッタ、
レシーバ、
トランシーバ、
プロセッサ、及び
メモリコンポーネント
から成るグループから選択される、
請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な実施形態は、単一インダクタ多重出力(Single Inductor Multiple Output,SIMO)DC(Direct Current)-DCコンバータと、その実装及び使用とに概して関係がある。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレスを含むがそれに限られない最新のコンピューティングアプリケーションでは、種々のアプリケーション及び/又は機能のための種々の供給電圧が、独立して電源をオン及びオフされ得る同じ集積回路(integrated circuit,IC)内で必要とされる。最大効率のために、これは単一のICでの複数のパワーアイランドの作成を必要とする。最新のデバイスが複雑さを増すにつれて、コスト及びサイズの節約が電力管理設計における必須な要素になる。理想的には、電力の供給において最大効率をもたらすために、各パワーアイランドはそれ自体のDC-DCコンバータを有することになる。これにより、多くの大きくかつ高価なディスクリート部品、特にオフチップインダクタが必要になる。最新のデバイスは、第1DC電圧を第2DC電圧へ効率的に変換するために、スイッチドモード電力供給を一般的に用いている。しかしながら、多くのデバイスは、複数の異なった電圧要件を有している複数の電子部品を含む。これらの相違する電圧要件は、複数のスイッチドモードDC-DCコンバータを利用することによって満足され得るが、これは非実用的であるか、さもなければ好ましくない場合がある。例えば、スイッチドモードDC-DCコンバータは、一般的に、電圧変換のためにインダクタを利用しており、コスト及び空間を考慮すると、所与のアプリケーションに必要とされるインダクタの数を減らすことが望ましい場合がある。代替的に、様々な形態のゲート電荷共有法又はスイッチングコンバータによる高電力効率の単入力多出力コンバータ又はシステムが使用可能である。
【0003】
図面中、同じ参照符号は、異なる図を通して同じ部分を概して参照する。図面は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。以下の説明では、本発明の様々な実施形態が次の図面を参照して記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】SIMOシステムのブロック図を例示的に示す。
図2】本開示の態様に従って、詳細なSIMOのブロック図を示す。
図3】プッシュプル線形レギュレータを備えたSIMOを例示的に示す。
図4】線形レギュレータの詳細なブロック図を示す。
図5】SIMOの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図6】SIMOの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図7】レギュレータの詳細なブロック図を示す。
図8】SIMOを含むシステムのブロック図を例示的に示す。
図9】スイッチドコンバータの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図10】本開示の態様に従うSIMO回路を示す。
図11】本開示の更なる態様に従うSIMO回路を示す。
図12】SIMO回路を作動させる第1方法を示す。
図13】SIMO回路を作動させる第1方法を示す。
図14】分離したインダクタ周期のシミュレーションのグラフ表現を示す。
図15】分離したインダクタ周期の間にインダクタが単一の電気デバイスへ電気的に結合されるシミュレーションのグラフ表現を示す。
図16】分離したインダクタ周期の間にインダクタが2つの電気デバイスへ電気的に結合されるシミュレーションのグラフ表現を示す。
図17】単一インダクタSIMO回路の作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図18】単一インダクタ多重出力コンバータを作動させる動作環境のブロック図を例示的に示す。
図19】インダクタ周期ごとにインダクタが電気的に結合される出力の数に対するSIMOシステムのクロスレギュレーションのグラフ表現を例示的に示す。
図20】単一インダクタ多重出力コンバータの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図21】SIMOコンバータを作動させる動作環境の他のブロック図を例示的に示す。
図22】SIMOコンバータを作動させる動作環境の他のブロック図を例示的に示す。
図23】SIMOコンバータを作動させる動作環境の他のブロック図を例示的に示す。
図24】SIMOコンバータを作動させる動作環境の他のブロック図を例示的に示す。
図25】SIMOを含むシステムのブロック図を例示的に示す。
図26】分離したインダクタ周期の間にインダクタが2つの電気デバイスへ電気的に結合されるシミュレーションのグラフ表現を例示的に示す。
図27】単一インダクタ多重出力コンバータの作動方法の例のフローチャートを示す。
図28】SIMOコンバータ内のスイッチのタイミング図を含む、分離したインダクタ周期の間にインダクタが2つの電気デバイスへ電気的に結合されるシミュレーションのグラフ表現を示す。
図29】SIMOコンバータを含むシステムのブロック図を例示的に示す。
図30】SIMOコンバータを含むシステムのブロック図を例示的に示す。
図31】SIMOコンバータを含む他のシステムのブロック図を例示的に示す。
図32】シーケンス及びモード選択のためのSIMOコンバータの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図33】インダクタ周期の間に混合CCM又は混合DCM及びCCMでSIMOコンバータが作動するシミュレーションのグラフ表現を示す。
図34】SIMOコンバータ内の異なる電力レールの優先順位付けの変化のグラフ表現を示す。
図35】SIMOコンバータの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図36】SIMOコンバータを含むシステムのブロック図を例示的に示す。
図37】SIMOコンバータの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図38】SIMOコンバータの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図39】本開示の様々な態様に従う単一インダクタ多重出力(SIMO)環境を例示的に示す。
図40】いくつかの態様に従うSIMOの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図41】いくつかの態様に従うSIMOの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図42】SIMOコンバータを含むシステムのブロック図を例示的に示す。
図43】SIMOコンバータを含むシステムのブロック図を例示的に示す。
図44】SIMOコンバータを含むシステムのブロック図を例示的に示す。
図45】SIMOを含むシステムのブロック図を例示的に示す。
図46】インダクタ周期の間のインダクタでの電流のグラフ表現を例示的に示す。
図47】インダクタ周期の間のインダクタでの電流のグラフ表現と、補間された実際のインダクタンス定格に対する既知のインダクタンス定格とを示す。
図48】スイッチドコンバータの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図49】SIMOを含むシステムのブロック図を例示的に示す。
図50】分離したインダクタ周期の間にインダクタが単一の電気デバイスへ電気的に結合されるか又は出力キャパシタが放電されるかどちらかであるシミュレーションのグラフ表現を示す。
図51】スイッチド電力コンバータの動作方法のフローチャートを例示的に示す。
図52】SIMOを含む他のシステムのブロック図を例示的に示す。
図53】SIMOを含む他のシステムのブロック図を例示的に示す。
図54】SIMOコンバータの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図55】DC-DCコンバータを含むラジオ送信器のブロック図を例示的に示す。
図56】2つのDC-DCコンバータを含む他のラジオ送信器のブロック図を例示的に示す。
図57】ハイブリッドコンバータを含むラジオ送信器のブロック図を例示的に示す。
図58】ラジオ送信器の作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図59】ラジオ送信器の作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図60】コンバータを含むシステムのブロック図を例示的に示す。
図61】コンバータを含む他のシステムのブロック図を例示的に示す。
図62A】送信及び受信のための電圧を供給するコンバータのブロック図を例示的に示す。
図62B】送信及び受信のための電圧を供給するコンバータのブロック図を例示的に示す。
図63】送信及び受信のための電圧を供給する単一インダクタ多重出力コンバータのブロック図を例示的に示す。
図64】本開示のいくつかの態様に従う単一インダクタ多重出力回路の作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図65】本開示のいくつかの態様に従う単一インダクタ多重出力回路の作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図66】SIMOを含むシステムのブロック図を例示的に示す。
図67】SIMOコンバータを含むシステムのブロック図を例示的に示す。
図68】SIMOコンバータの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図69】システムのブロック図を例示的に示す。
図70】SIMOコンバータの作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図71】本開示の態様に従うSIMOシステムのブロック図を例示的に示す。
図72】本開示のいくつかの態様に従う単一インダクタ多重出力回路の作動方法のフローチャートを例示的に示す。
図73】本開示の態様に従うバックコンバータを示す。
図74】本開示の他の態様に従うブーストコンバータ構成を示す。
図75】本開示の態様に従うバック-ブーストコンバータを示す。
図76】本開示の態様に従うLDOを示す。
図77】本開示の一態様に従って、バックコンバータとして構成されたSIMOアーキテクチャを示す。
図78】本開示の一態様に従って、ブーストコンバータとして構成されたSIMOアーキテクチャを示す。
図79】バック-ブーストコンバータとして構成されたSIMOアーキテクチャを示す。
図80】Hブリッジを備えたバック-ブーストコンバータとして構成されたSIMOアーキテクチャを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明は、本発明が実施され得る具体的な詳細及び実施形態を実例として示す添付の図面を参照する。
【0006】
「例示的」との語は、「例、事例、又は実例となる」ことを意味するものとして本明細書中で使用される。本明細書中で記載される如何なる実施形態又は設計も、必ずしも、他の実施形態又は設計に対して好ましいもの又は有利なものとして解釈されるべきではない。
【0007】
側面又は表面の「上に」形成された堆積材料に関して使用される「上に」(over)という言葉は、堆積材料が言外の側面又は表面の「直接上に」、例えば、直接接して形成され得ることを意味するものとして本明細書中で使用される場合がある。側面又は表面の「上に」形成された堆積材料に関して使用される「上に」という言葉は、言外の側面又は表面と堆積材料との間に1つ以上の追加の層が配置された状態で、堆積材料が言外の側面又は表面の「間接的に上に」形成され得ることを意味するものとして本明細書中で使用される場合がある。
【0008】
SIMOコンバータは、レギュレートされた出力電圧を、対象となるコンバータ出力のための予め定義された範囲内で動的に供給するために、線形レギュレータを利用し得る。レギュレータは、入力電圧を受けて、1つ又は複数の出力電圧を予め定義された範囲内で動的にレギュレートし得る。レギュレータは、1つ又は複数の出力電圧を、その予め定義された範囲内にとどまるようレギュレートすることができ、一方、SIMOスイッチは、SIMO出力部に出力電圧を供給するよう構成される。
【0009】
電子デバイスは、いくつか例を挙げると、小型化、接続性の向上、プロセッサ速度の高速化、バッテリ寿命の向上など、ますます高まる要求にさらされている。これらの要求は、とりわけ、コスト競争力を維持しながら、少なくともいくつかの状況では小型デバイスに実装できるロバストな電力管理機能を必要とする。SIMOアーキテクチャは、エネルギ効率が高く、スペースに制約のある製品のバッテリ寿命を延ばすため、これらの要求に適している。SIMOアーキテクチャはまた、超低電力環境でも適切に機能するため、ヒアラブル、ウェアラブル、センサ、スマートホームハブなどのための優れた候補となっている。
【0010】
SIMOアーキテクチャはまた、そのようなデバイスにおいて一般的に認識されている別の必要性、すなわち、異なる電圧又は電流要件(例えば、2.5V、5V、10Vなど)で複数のデバイス又は回路に電力を供給するという要件、を満たすのに適している。SIMOアーキテクチャは、複数の出力レールを有するDC-DCコンバータ(例えば、バックブーストコンバータ)との関連で採用される場合がある。本明細書で記載されている原理及び方法を使用して、SIMOを使用するバックブーストコンバータは、複数の異なる出力電圧及び/又は電流を生成するよう構成され得る。生成された電圧及び/又は電圧は、次いで、複数のスイッチを使用して複数の出力レールのいずれかに印加され得る。このように、SIMO技術を使用する単一のDC/DCコンバータは、複数の電力出力を生成して、様々な電力要件を有しているデバイス(例えば、ヒアラブル、ウェアラブル、センサ、スマートホームハブなど)内の複数のコンポーネント(例えば、1つ以上のプロセッサ、モータ、1つ以上のスピーカ、など)に電力を供給することができる。
【0011】
SIMOバックブーストコンバータは、複数の出力レールのいずれかで1つ以上の所望の電圧又は電流を出力するよう構成され得る。すなわち、SIMOバックブーストコンバータは、n個の出力レール上にn個もの異なる電圧又は電流を出力するように、あるいは、代替的に、n個の出力レール上にn個未満の異なる電圧又は電流を出力するように構成され得る。以下でより詳細に記載されるように、SIMOバックブーストコンバータは、選択された電圧又は電流を所与のレール上で出力されるように変更してもよい。これは、例えば、4つの出力レールにより図2で説明されるが、レールの数は4つに限定されず、実装の必要に応じて、4つより多い又は少ないように選択することができる。例えば、SIMOバックブーストコンバータは、異なる電圧及び/又は電流要件を有する複数のコンポーネントに電力を供給するよう求められる場合があり、レールの数は、コンポーネントの異なる電圧/電流要件の数に基づいて選択されてもよい。これらの概念は、本明細書に開示されるSIMOバックブーストコンバータ構成のいずれにも、又は本開示のいずれかの他の態様にも適用されてよい。
【0012】
これらの概念の拡張として、SIMOアーキテクチャは、ワイヤレス通信デバイス又はワイヤレス通信機能を備えたデバイスに有益な利点をもたらし得る。ラップトップ、スマートフォン、タブレットコンピューターなどのワイヤレス機能を備えたコンピューティングデバイスはどこにでもあり、小型化、速度、機能性、及びバッテリ寿命の向上という上記の要求の対象となる。更に、ワイヤレス通信機能は、ますます多くのデバイス(例えば、Internet of Things(IoT)デバイス)に新たに追加されている。このようなワイヤレス通信機能には、多くの場合、さまざまな他のコンポーネント(例えば、データ処理回路(例えば、ADCを使用)、センサ、トランシーバ/電力増幅器、システムオンチップ(SoC)アプリケーション)が含まれており、夫々に独自の厳格な電力要件がある場合があり、しばしば超低電力範囲で、高レベルの電力効率を必要とするデバイスの数が増えている。SIMOアーキテクチャは、これらのデバイスの電力効率のニーズを満たすのに適している。更に、多くのそのようなデバイスが各々のコンポーネントのための複数の異なる電圧及び/又は電流を要求することを考慮すると、複数の出力を備えたバックブーストDC-DCコンバータのコンテキストでのSIMOアーキテクチャは、複数の異なる電圧及び/又は電流要求を持ったデバイスに電力を供給しながら、制限された電力資源(例えば、小型リチウム電池)の効率的な電力管理を提供するための優れたオプションである。
【0013】
SIMOコンバータは、SIMOシステムとして構成されてもよい。後でより詳細に記載されるように、SIMO(例えば、インダクタ及び複数の出力)は、バックブーストコンバータなどのDC-DCコンバータとして構成されてよい。コンバータの1つ以上の出力レールは、1つ以上のレギュレータ(例えば、1つ以上の線形レギュレータ、1つ以上のプッシュプルレギュレータ、1つ以上の低ドロップアウトレギュレータ、又はそれらの任意の組み合わせ)を含んでよく、それらは、各々の出力レールに対して電圧及び/又は電流をレギュレートするよう構成され得る。SIMO及びレギュレータの夫々又はいずれかは、その動作のための追加のコンポーネント(例えば、1つ以上のコントローラ、加算器、増幅器、コンパレータ、ロジックゲート、など)を含んでもよい。SIMOシステムは、DC-DCコンバータのコンポーネント、1つ以上のレギュレータのコンポーネント、及び/又はSIMOの動作及び/又はレギュレーションのための追加のコンポーネントのいずれかとともにSIMOを含んでもよい。
【0014】
図1は、いくつかの態様に従って、SIMOコンバータ又はSIMOコンバータアーキテクチャ又はSIMOシステム(「SIMO」又はシステム又はSIMO回路とも以降呼ばれることがある。)のブロック図を例示的に示す。SIMOは、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、入力端子102と、SIMOバックブーストコンバータ104と、プッシュプルレギュレータ、線形レギュレータ(例えば、低ドロップアウトレギュレータ(LDOとも呼ばれる。)、及び/又は電圧レギュレータを含んでもよいレギュレータ106a~nと、出力電圧108a~nとを含み得る。入力端子102は、SIMOコンバータ104の端子へ電子的に結合され得る。レギュレータ106a~nの各レギュレータは、SIMOコンバータ104の複数の出力部のうちの各々に関連した出力部へ電子的に結合され得る。レギュレータ106a~nは、複数の出力電圧108a~nをレギュレートしてよい(それによって、異なる電気負荷のための異なる電圧ドメインの供給を提供する。)。レギュレータ106a~nは線形レギュレータであってよい。図1に示されるように、(例えば、線形)レギュレータ106a~nは、入力端子102に対してSIMOコンバータ104と直列に接続され得る。
【0015】
SIMOコンバータ出力レールの1つ以上と電子的に又は動作可能に結合されている異なる電子デバイスは、各々の出力レール(例えば、出力又はコンバータ出力ラインとも呼ばれる。)で供給される予め定義された電圧範囲に対応する異なる入力電圧を必要とし得る。例として、SIMOコンバータは、トランスミッタ、USBポート、Wi-Fiモジュール、Bluetooth(登録商標)チップ、などと電子的に結合されてもよい。留意すべきは、他の電子デバイスがSIMOコンバータへ結合されてもよい点である。更に、異なる技術、例えば、異なるタイプのトランジスタ(薄膜酸化トランジスタ対厚膜酸化トランジスタ)でさえ、SIMOによって供給される異なる電圧ドメインを必要とする場合がある。これら全てのデバイス又は技術は、その各々の供給電圧、例えば、また、供給電圧のリップルに対して異なる要件を持つ場合がある。SIMOは、それに結合されている被接続電子デバイスの全ての要件を満たさなければならない。SIMOは、可能な限りロバストで、簡単で、安価で、柔軟性があり、かつ信頼できなければならない。
【0016】
様々なデバイスコンポーネントの電力要件に加えて、いくつかのデバイス及び/又はいくつかのデバイスコンポーネントは、1つ以上の動作状態に従って動作するよう構成される場合があり、動作状態は様々な電力要件にも対応し得る。例えば、様々なデバイス、及び/又は様々なデバイスの1つ以上のコンポーネントは、複数のアクティブモード、複数の非アクティブモード、複数のスタンバイモード、複数のスリープモードのいずれかで、又は別なふうに動作し得る。これらのモードは、様々な電流消費及び/又は電圧要件に対応し得る。更に、デバイス及び/又はそれらのコンポーネントは、動作モード間の高速な切り替えを必要とする場合がある。例えば、トランシーバは、リッスンモード(例えば、アクティブモード)と非リッスンモード(例えば、非アクティブモード又はスタンバイモード)との間を1秒間に何度も切り替えることができる。よって、そのようなデバイス及び/又はコンポーネントのための電力管理ソリューションは、変化する電力要件に迅速に対応し、かつ/あるいは、コンポーネントの予測される電力ニーズに従ってその電力出力を変えるよう構成されなければならない。本明細書で記載されるSIMOバックブーストコンバータは、これらの要求に十分に適している。
【0017】
従って、多種多様な課題がこの技術分野では対処されなければならない。例として、SIMOは、低い電圧リップルを有するいくつかの電圧を供給すべきであり、かつ/あるいは、多種多様な負荷に適するよう柔軟性がなければならず、かつ/あるいは、スマートフォン又は他のウェアラブル電子デバイスなどのフォームファクタが小さいデバイスにさえ収まるよう小型でかつエネルギ効率が高くなければならない。
【0018】
例として、各デバイスは、作動するために異なる入力電圧を必要としてよい。例えば、Bluetooth Low Energy(BLE)デバイスは、1.8Vから3.6Vの間の入力電圧を必要とし得る。BLEデバイスへ結合されるSIMOコンバータ出力電圧レールは、BLEデバイスの入力電圧要件と一致するそのスイッチング出力電圧の予め定義された範囲と関連付けられ得る。予め定義された範囲はまた、電圧が予め定義された範囲に入ることを確かにするよう狭められてもよい。これは、スイッチング出力電圧がノイズの影響を受けやすい可能性がある場合に必要となる。
【0019】
更に、Wi-Fiモジュールは3.3Vで最もよく作動し得るが、1.7V~3.6Vの予め定義された範囲内で動作することができる。Wi-Fiモジュールへ接続されるSIMOコンバータ出力電圧レールは、Wi-Fiモジュールが最適に動作することを確かにするよう予め定義された範囲がより小さくなるよう構成されてよい。これらの出力電圧レールの夫々は、互いに独立して、あるいは、機能又はアプリケーション要件に基づき所定の期間に所与の被接続デバイスの電圧要件に基づき同時に又は並行して動作するよう構成されてもよい。
【0020】
更に、USBポート又はmicro-USBポートは、5V入力電圧を受けるよう構成され得る。しかし、USBポートにプラグ接続されるデバイスは、ある入力電圧範囲内で動作し得る。例えば、USBポートにプラグ接続されるmicro-USBファンは、4.45V~5.25Vの入力電圧範囲内で動作し得る。従って、USBポートに関連したSIMOコンバータ出力レールのための予め定義された範囲は、USBポートのために定義された厳密な5Vよりも大きくなり得る。
【0021】
入力電圧要件の例には、次が含まれ得る:
【表1】
【0022】
本開示の様々な態様は、上記の課題の1つ以上に対して、又は以下でより詳細に説明される課題の1つ以上に対してSIMOを改善することを対象としている。
【0023】
本開示の1つの態様に従って、スイッチコントローラは、分離したインダクタ周期の間にコンバータ出力部へ結合される電子デバイスの電圧ドメイン内でスイッチング出力電圧を供給するようにSIMOコンバータ内のスイッチを制御し得る。
【0024】
図2は、より詳細にいくつかの態様に従うSIMOコンバータ104の例示的なブロック図を示す。SIMOコンバータ104は、示されるように複数のスイッチを含んでよい(示される例は、バックブーストコンバータを実装し、留意されるべきは、スイッチ構造は、SIMOブーストコンバータのような別のタイプのSIMOコンバータ、又は任意の他の所望のタイプのSIMOコンバータを実装する場合には、異なりうる点である。)。簡単のために、スイッチ内のトランジスタは示されていない。各スイッチはトランジスタを含んでもよく、あるいは、トランジスタによって実装されてもよいことが理解されるべきである。例えば、スイッチ206は、インダクタ202の入力端子と入力端子102との間に電子的に結合され得る。スイッチ208は、インダクタ202の入力端子と基準電位、例えば接地との間に電子的に結合され得る。スイッチ210は、インダクタの出力端子と基準電位、例えば接地との間に電子的に結合され得る。スイッチ204a~nは、インダクタ202の出力端子とSIMO104の複数の出力部との間に電子的に結合され得る。
【0025】
1つ以上のスイッチコントローラは、図2に示されていないが、スイッチを制御し得る。例えば、スイッチコントローラは、SIMOコンバータ104の出力のうちの関連する出力へ供給されるスイッチング出力電圧108a~nのうちのあるスイッチング出力電圧の電圧リップルを制御するようにスイッチ204a~nを制御し得る。更に、コントローラは、インダクタ202を付勢するように、電力スイッチ206及び210を閉じるよう制御することができる。コントローラは、所定の期間に、又はインダクタ202が予め定義されたエネルギレベルに達するまで、それらのスイッチを閉じられたままであるよう制御してもよい。更に、コントローラは、出力電圧108a~nのうちの1つを出力端子110a~nに供給するように、スイッチ208及びスイッチ204a~nのうちの1つを閉じるよう制御することができる。コントローラは、所定の期間に、又は定義された出力電圧に達するまで、それらのスイッチを閉じられたままであるよう制御してもよい。
【0026】
スイッチ204a~n、206、208、及び210は、1つのスイッチコントローラによって独立して及び/又は集合的に、個別のスイッチコントローラによって独立して、あるいは、それらの任意の組み合わせで制御されてよい。更に、スイッチ204a~n、206、208、及び210は全て、同じ回路の部分又は個別的な回路であってよい。
【0027】
図2はインダクタを含むものとして表されているが、SIMOバックブーストコンバータ104は、本開示の様々な態様に従って、任意でインバータ無しで構成されてもよい。この構成では、SIMOバックブーストコンバータ104は、外部インダクタの出力電圧又は電流を受電してもよく、外部インダクタは、この特定の実施では、SIMOバックブーストコンバータの部分と見なされない。この構成では、インダクタの出力電圧又は電流は、スイッチ204a~nを通じて1つ以上の出力端子のいずれかに印加されてよく、出力電圧又は電流は、本明細書で別なふうに記載されるようにレギュレートされてよい。このようにして、SIMOバックブーストコンバータ104は、集積回路又はチップとして構成されてもよい。本開示のいくつかの態様に従って、SIMOバックブーストコンバータがコンバータの部分としてインダクタを含まない集積回路又はチップとして構成される実施では、SIMOバックブーストコンバータは、本明細書で記載されるインダクタの付勢及び消勢フェーズを制御するよう1つ以上のスイッチコントローラ及び/又は1つ以上のスイッチ(例えば、インダクタのデューティサイクルを制御するための、本明細書で記載されるスイッチ208及び210又は任意の他のスイッチ)を含んでよい。
【0028】
図3は、いくつかの態様に従って、プッシュプル線形レギュレータ及び/又は電圧レギュレータを含み得るプッシュプルレギュレータ302a~nを備えたSIMOコンバータ104を例示的に示す。プッシュプルレギュレータ302a~nは、図1のレギュレータ106a~nであってもよい。図3に示されるように、プッシュプルレギュレータ302a~nは、互いに並列に接続され、かつ/あるいは、入力端子102に関してSIMOバックブーストコンバータ104と並列であるよう実装されてもよい。
【0029】
図4は、いくつかの態様に係るレギュレータの詳細なブロック図を表す。例えば、図1のレギュレータ106aはプッシュプルレギュレータ302aであってもよい。図4に示されるように、プッシュプルレギュレータ302aは、入力端子102及びSIMOコンバータの出力部へ電子的に結合されてよい。プッシュプルレギュレータ302aは、目標出力電圧405a VO1をレギュレートしてよい。プッシュプルレギュレータ302aは、ロー基準電圧及びハイ基準電圧を関連する出力部(例えば、SIMOコンバータの関連する出力レール)での出力電圧と夫々比較するコンパレータ(例えば、第1コンパレータ404及び第2コンパレータ406)を含んでよい。簡単のために、1つのプッシュプルレギュレータ302aしか示されていない。本開示のいくつかの態様では、複数のプッシュプルレギュレータが異なる出力電圧をレギュレートするよう含まれてもよい。この場合に、複数のプッシュプルレギュレータのうちの厳密に1つのプッシュプルレギュレータがSIMOコンバータの複数の出力部のうちの各出力部に割り当てられてよい。更に、本開示の様々な態様で、SIMOコンバータの複数の出力部のうちの各々の出力部について、1つのコンパレータしか設けられなくてもよい。よって、いくつかの実施において、1つ以上の出力部は、関連する出力部での出力電圧をロー基準電圧と比較するために厳密に1つのコンパレータ404を含み得る。更に、いくつかの実施において、1つ以上の出力部は、関連する出力部での出力電圧をハイ基準電圧と比較するために厳密に1つのコンパレータ406を含み得る。更に、SIMOコンバータの出力部ごとに1つ以上のコンパレータを備えた如何なる種類のハイブリッド実装も提供されてよい。
【0030】
プッシュプルレギュレータ302aはまた、スイッチ408及び410を含んでもよい。第1コンパレータ404及び第2コンパレータ406からフィードフォワードされた電圧は、スイッチ408及び410を制御するために使用されてよい。出力電圧405aがロー基準電圧(第1コンパレータ404の非反転入力部に印加されてよい。)を下回る場合に、第1コンパレータ404は、出力電圧をレギュレートして、それを予め定義された電圧範囲内に持ち上げるよう、スイッチ408を閉じてよい。出力電圧405aがハイ基準電圧(第2コンパレータ406の反転入力部に印加されてよい。)を上回る場合に、第2コンパレータ406は、出力電圧をレギュレートして、それを予め定義された電圧範囲内に押し下げるよう、スイッチ410を閉じてよい。出力電圧405aが予め定義された範囲内にある場合には、スイッチ408及び410は開いたままであり、レギュレータ302aは出力電圧をレギュレートしない。
【0031】
コンパレータ404及び406は、夫々、ロー基準電圧及びハイ基準電圧を受け取ってよい。ロー基準電圧及びハイ基準電圧は、出力電圧の予め定義された範囲の下限及び上限をセットする。SIMO出力電圧が予め定義された範囲内にある間は、レギュレータ302aは動作しておらず、システム400の効率を向上させる。
【0032】
レギュレータ302aは、SIMO出力電圧が予め定義された範囲の外に出る場合に動作する。出力電圧405aがハイ基準電圧よりも高い場合に、レギュレータ302aは、出力電圧405aを予め定義された範囲内にレギュレートするようシンク回路を作動させ得る。出力電圧405aがロー基準電圧よりも低い場合に、レギュレータ302aは、出力電圧405aを予め定義された範囲内にレギュレートするようソース回路を作動させ得る。
【0033】
レギュレータ302aを動作させることは、SIMOコンバータを動作させることよりも効率が悪く、最小限にされるべきである。効率が重要な出力(効率がリップル又はレギュレーションよりも重要である。)については、予め定義された範囲は、プッシュプルレギュレータの作動を少なくするように大きく設定されてよい。リップルが重要な出力(リップルが効率よりも重要である。)については、予め定義された範囲は、出力電圧をより正確にレギュレートするように小さく設定されてよい。高速なドループ/オーバシュートについては、ロー基準電圧は、高速なドループから保護するようより高くなることができ、あるいは、ハイ基準電圧は、高速なオーバシュートのためにより低くなることができる。
【0034】
予め定義された範囲のダイナミックプログラミングも可能であり得る。これは、1つのSIMO出力部で異なる負荷アクティビティが発生する可能性がある場合に必要となる。すなわち、レギュレータ302aを動作させることは、複数の予め定義された範囲内で動作可能であってよく、これらの予め定義された範囲は、少なくとも予め定義されたタイミング、オンデマンドの応答、又は適応的な選択の使用のいずれかを使用して選択されてもよい。タイミングに基づいた選択では、レギュレータ302aを動作させる予め定義された範囲(又はいずれかの出力レールでのいずれかのレギュレータの予め定義された範囲)は、予め定義されたタイミング(例えば、第1存続期間のための第1の予め定義された範囲、第2の存続期間のための第2の予め定義された範囲、第3の存続期間のための第3の予め定義された範囲、など)に基づき選択され得る。この予め定義されたタイミング選択は広範な実施で使用され得るが、そのような実施の1つは、コンポーネントが既知のスケジュールで動作モード(例えば、異なる電流及び/又は電圧要件を有するモード)を切り替えると期待される場合にあってよい。このようにして、予め定義されたタイミングは、動作モードに対応する電流及び/又は電圧要件に対応するよう選択され得る。他の態様に従って、予め定義された範囲は、オンデマンド要求に基づき選択されてよい。このようにして、予め定義された範囲を選択するための1つ以上のコンポーネント(例えば、コントローラ)は、負荷によって引き込まれる電流、既知の抵抗にかかる電圧、あるいは、負荷の電流及び/又は電圧要件に対応する複数の予め定義された設定のうちの1つを特定するための情報の他のソースの測定を受け取るようフィードバックループで構成されてもよい。この情報を使用して、予め定義された範囲を選択するための1つ以上のコンポーネントは、負荷の要件を満足する対応する予め定義された範囲を選択し得る。他の態様に従って、予め定義された範囲は適応的に選択されてもよい。このようにして、1つ以上のプロセッサは、1つ以上の計算を使用して電力要求を予想し、それに応じて適応するよう構成されてよい。よって、1つ以上のプロセッサは、出力レールの電力需要(例えば、引き込まれる電流、既知の抵抗に係る電圧、など)を受け取り、この情報をレール及び/又は負荷の過去の電力需要と比較して、起こり得る次の電力需要を特定し得る。1つ以上のプロセッサは、電力需要の1つ以上のパターンを認識し、現在の電力需要及び/又は1つ以上の最近の電力需要に基づき、起こり得る次の電力需要を特定するよう構成され得る。1つ以上のプロセッサは、1つ以上の人工ニューラルネット又は他の人工知能を実行するよう構成されてもよく、これにより、過去の電力需要情報に照らして、現在の電力需要及び/又は1つ以上の最近の電力需要に基づき、予め定義された範囲を適応的に選択し得る。
【0035】
本開示のいくつかの態様で、スイッチ410は、接地又は任意の他の基準電位へ接続されてもよい。更に、プッシュプルレギュレータ302aは、図4に示されていない他の要素を含んでもよい。
【0036】
図5は、いくつかの態様に係るSIMOコンバータの作動方法のフローチャートを例示的に示す。方法500は、インダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給すること502を含む。SIMOは複数のスイッチを含み、該複数のスイッチは、インダクタの第1端子と入力電圧との間に結合された第1スイッチと、インダクタの第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチと、インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチとを含み得る。方法は、複数のスイッチを制御してスイッチング出力電圧を制御すること504と、各々に関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を動的にセットすること506と、入力電圧を用いて目標出力電圧から予め定義された範囲内にとどまるようにスイッチング出力電圧をレギュレートすること508とを更に含んでもよい。
【0037】
図6は、いくつかの態様に係るSIMOの作動方法のフローチャートを例示的に示す。方法600は、インダクタ及び複数のスイッチを含むスイッチング段を制御して、複数のスイッチのスイッチング状態に依存して印加入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給すること602を含む。複数のスイッチは、インダクタの第1端子と入力電圧との間に結合された第1スイッチと、インダクタの第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチと、インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチとを含み得る。方法は、スイッチング出力電圧を受け取ることに応答して出力電圧を動的にセットすること604と、スイッチング出力電圧が、目標レギュレータ出力電圧よりも大きい予め定義された上限閾電圧を上回るかどうか、又はスイッチング出力電圧が、目標レギュレータ出力電圧よりも小さい予め定義された下限閾電圧を下回るかどうかのうちの少なくとも一方を決定すること606と、入力電圧を用いてスイッチング出力電圧をレギュレートすること608とを更に含んでもよい。
【0038】
図7は、いくつかの態様に従って、レギュレータを含む例示的なシステム700の詳細なブロック図を示す。例えば、図1のレギュレータ106aはデジタルプッシュプルレギュレータ702aであってもよい。図7に示されるように、デジタルプッシュプルレギュレータ702aは、入力端子102及びSIMOコンバータの出力部へ電子的に結合されてよい。デジタルプッシュプルレギュレータ702aは、目標出力電圧VO1をレギュレートしてよい。デジタルプッシュプルレギュレータ702aは、ロー基準電圧及びハイ基準電圧を関連する出力部(例えば、SIMOコンバータの関連する出力レール)での出力電圧と夫々比較するデジタルゲートコントローラ(例えば、第1デジタルゲートコントローラ704及び第2デジタルゲートコントローラ706)を含んでよい。簡単のために、1つのデジタルプッシュプルレギュレータ702aしか示されていない。本開示のいくつかの態様では、複数のプッシュプルレギュレータが異なる出力電圧をレギュレートするよう含まれてもよい。この場合に、複数のデジタルプッシュプルレギュレータのうちの厳密に1つのプッシュプルレギュレータがSIMOコンバータの複数の出力部のうちの各出力部に割り当てられてよい。更に、本開示の様々な態様で、SIMOコンバータの複数の出力部のうちの各々の出力部について、1つのデジタルゲートコントローラしか設けられなくてもよい。よって、いくつかの実施において、1つ以上の出力部は、関連する出力部での出力電圧をロー基準電圧と比較するために厳密に1つのデジタルゲートコントローラ704を含み得る。更に、いくつかの実施において、1つ以上の出力部は、関連する出力部での出力電圧をハイ基準電圧と比較するために厳密に1つのデジタルゲートコントローラ706を含み得る。更に、SIMOコンバータの出力部ごとに1つ以上のコンパレータを備えた如何なる種類のハイブリッド実装も提供されてよい。
【0039】
デジタルプッシュプルレギュレータ702aはまた、スイッチ708及び710を含んでもよい。第1ゲートコントローラ704及び第2ゲートコントローラ706からフィードフォワードされた電圧は、スイッチ708及び710を制御するために使用されてよい。出力電圧VO1がロー基準電圧(第1ゲートコントローラ704、例えば、コンパレータの非反転入力部に印加されてよい。)を下回る場合に、第1ゲートコントローラ704は、出力電圧をレギュレートして、それを予め定義された電圧範囲内に持ち上げるよう、1つ以上のスイッチ708を閉じてよい。出力電圧VO1がハイ基準電圧(第2デジタルゲートコントローラ706、例えば、コンパレータの反転入力部に印加されてよい。)を上回る場合に、第2デジタルゲートコントローラ706は、出力電圧をレギュレートして、それを予め定義された電圧範囲内に押し下げるよう、1つ以上のスイッチ710を閉じてよい。出力電圧405aが予め定義された範囲内にある場合には、スイッチ708及び710は開いたままであり、レギュレータ302aは出力電圧をレギュレートしない。
【0040】
SIMOシステムは、デジタルプッシュプルレギュレータ及びアナログプッシュプルレギュレータにより出力電圧をレギュレートしてもよい。デジタルプッシュプルレギュレータは、複数の電力スイッチ(708及び710)を使用して出力電圧をレギュレートし得る。アナログプッシュプルレギュレータは、スイッチ(408及び410)のゲート電圧により出力電圧をレギュレートし得る。
【0041】
SIMOコンバータを含むシステムで、レギュレータは、対象となるSIMO出力部のために出力電圧を予め定義された範囲内に動的にセットするよう動作し得る。SIMOコンバータは、インダクタを充電する入力端子を含み得る。その入力端子とインダクタの入力端子との間に接続されたスイッチを、インダクタの出力端子及び接地へ接続されたスイッチとともに閉じることで、インダクタを付勢する。付勢されると、SIMOは、付勢されたインダクタからの出力電圧を出力部に供給するようスイッチ及びスイッチコントローラを含み得る。レギュレータは、出力を供給するスイッチが閉じられている(オンである)間、出力電圧をその予め定義された範囲内にとどまらせるようレギュレートし得る。レギュレータは、入力端子からの入力電圧を使用して出力電圧をレギュレートし得る。(例えば、第1コンパレータを使用して)出力電圧をレギュレートするために入力電圧を使用することは、出力電圧が予め定義された範囲(例えば、ロー基準電圧によって予め定義される。)から出る場合にその予め定義された範囲に再び入るための出力電圧の高速レギュレーションを可能にする。更に、(例えば、第2コンパレータを使用して)出力電圧をレギュレートするために接地電位などの基準電位を使用することも、出力電圧が予め定義された範囲(例えば、ハイ基準電圧によって予め定義される。)から出る場合にその予め定義された範囲に再び入るための出力電圧の高速レギュレーションを可能にする。
【0042】
SIMOの入力端子及び出力端子へ接続されているレギュレータは、各々の出力端子(又は出力レール)の出力電圧をレギュレートするために使用されてもよい。入力端子からの入力電圧を使用して、レギュレータは、出力部に接続されているスイッチが閉じられている間、出力電圧をその予め定義された範囲内に保つことができる。
【0043】
インダクタは、SIMO及び線形レギュレータのスイッチとは別のチップに実装されてもよい。SIMO及び線形レギュレータのスイッチは、同じチップに実装されてもよい。
【0044】
複数のスイッチは、インダクタの出力端子とSIMOの出力部との間に又はそれらへ電子的に又は動作可能に結合されてよい。追加のスイッチが、インダクタの出力端子と入力端子との間に電子的に結合されてもよい。
【0045】
SIMOシステムは、出力電圧と接地などの基準電位との間に又はそれらへ電子的に又は動作可能に結合されたキャパシタを含んでもよい。各キャパシタは設定可能な容量範囲を有し得る。容量範囲は、異なる出力電圧ごとに様々なであってよい。
【0046】
SIMOシステムのインダクタは、動的に設定可能なインダクタンス範囲を有してよい。更に、SIMOは、入力電圧よりも低い電圧を出力するよう、例えば、バックコンバータとして、構成されてもよい。代替的に、SIMOは、負荷電圧と一致する電圧を出力するよう、例えば、ブーストコンバータとして、構成されてもよい。
【0047】
上述されたように、出力電圧をレギュレートするために使用されるレギュレータは、プッシュプルレギュレータとして構成されてもよい。レギュレータは、出力電圧をその予め定義された範囲内にレギュレートするために、入力電圧と出力電圧との間に電子的に結合されたスイッチを使用してもよい。更に、レギュレータは、出力電圧をレギュレートするために1つ以上のコンパレータを使用してもよい。
【0048】
例えば、レギュレータは、ロー基準コンパレータ及びハイ基準コンパレータを含み得る。出力電圧がその各々の予め定義された範囲を下回る場合に、スイッチコントローラは、出力電圧をその予め定義された範囲内に持ち上げるよう入力電圧と出力電圧との間のスイッチを制御してよい。
【0049】
出力電圧がその各々の予め定義された範囲を上回る場合に、スイッチコントローラは、出力電圧をその予め定義された範囲内に下げるよう出力電圧と接地などの基準電位との間のスイッチを制御してよい。代替的に、スイッチは入力電圧と基準電位との間にあってもよい。
【0050】
レギュレータはまた、スイッチング出力電圧と接地などの基準電位との間に電子的に結合されたキャパシタを含んでもよい。キャパシタは、予め定義された容量範囲を有するよう動的に構成されてよい。
【0051】
ヒステリックコンパレータの様々な実施が可能である。例えば、ヒステリックコンパレータは、トランジスタの入力部の対の間の意図的な不一致により構成され得る。この実施は付加的な電力損失を解消する。しかし、これは、ヒステリシス電圧を大きく変動させ、電圧オフセットに影響を及ぼす可能性がある。
【0052】
他の例として、ヒステリックコンパレータは、トランジスタの入力部のうちの一方で電流注入を受けるよう構成されてもよい。この実施は、ヒステリシス電圧の正確な制御を可能にし、電圧オフセットに影響を及ぼさない。しかし、それは余分の回路及び余分の電流の追加を必要とする。上述したもの以外のヒステリックコンパレータの更なる実施が可能である。
【0053】
SIMOコンバータ104の出力スイッチは、オン/オフスイッチ又は線形レギュレータのどちらかとして動作するよう構成されてもよい。スイッチは、対応するコンバータ出力部でスイッチング出力電圧を供給するようオン/オフスイッチとして動作してもよい。更に、スイッチは、異なるコンバータ出力部でスイッチング出力電圧をレギュレートするよう線形レギュレータとして動作してもよい。
【0054】
EFFICENC IS ONE THING; BUT ALS NEED WITH DIFFERNE LAOD ON NEIBORING RAILS: CAN LEAR TO CROSS-REGULATING: NEEE DTO CHANGE CAN BE CHANGED THOUGHT
【0055】
図8は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む例示的なシステム800のブロックを示す。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104は、本開示の他の場所で記載されているSIMOコンバータ104に対応してもよい。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104は、コンバータ出力部(又は出力レール若しくは出力電圧レール)の2つ以上でスイッチング出力電圧108a~nを異なる値で供給するよう複数の出力部を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、システム800は、1つ以上の低ドロップアウトレギュレータ(LDOとも呼ばれる。)(図示せず。)を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、LDOは、本開示の他の場所で記載されているレギュレータ106に対応してもよい。
【0056】
スイッチ204a~n(例えば、2次スイッチ204a~n)は夫々少なくとも1つのトランジスタを含み得る。トランジスタは、第1動作モード又は第2動作モードで動作するよう構成され得る。第1動作モードでは、対応するスイッチ204a~nはオン/オフスイッチとして動作し得る。例えば、スイッチ204a~nは、開状態(例えば、非導通状態)と閉状態(例えば、導通状態)との間を遷移し得る。第1動作モードで、システム800は、本開示の他の場所で論じられているようにハイブリッドSIMOコンバータとして動作し得る。
【0057】
第2動作モード(図8に図示。)では、1つ以上の2次スイッチ204b~n(図8に図示。)はレギュレータとして動作することができ、1つ以上の2次スイッチ204a(図8に図示。)はオン/オフスイッチとして動作することができる。2次スイッチ204aは、議論及び例示を簡単にするためにオンであるものとして図8では示されている。
【0058】
本開示のいくつかの態様で、スイッチ204a~nのトランジスタの1つ以上は線形領域(例えば、アクティブ領域)で動作し、レギュレータとして動作してもよい。図8では、2次スイッチ204b~nが、議論及び例示を簡単にするためにレギュレータとして示されている。スイッチ204b~nをレギュレータとして動作させるとき、1つの端子(ソース)がインダクタ202の出力端子でのスイッチド出力電圧を受け得る。スイッチ204b~nの他の端子(ドレイン)は、出力電圧108a~nを供給するよう関連する出力端子110b~nへ接続され得る。スイッチ204b~nの他の端子は、コンパレータの入力部へ接続されてもよく、コンパレータは、スイッチ204b~nの他の端子での電位を基準電圧と比較し得る。コンパレータの出力部は、スイッチ204b~nを線形領域で駆動するようスイッチ204b~nのゲートへ接続され得る。第2動作モードでは、本開示のいくつかの態様で、システム800は、単入力単出力(single input single output,SISO)コンバータとして動作してもよい。本開示のいくつかの態様で、第2動作モードでは、第1の2次スイッチ204aは閉状態(例えば、オン位置)で動作してもよく、残りの2次スイッチ204b~nはレギュレータとして動作してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、残りの2次スイッチ204b~nについて、1つ以上のLDOは、関連するレギュレータ特有の目標出力電圧をセットし得る。代替的に、残りの2次スイッチ204b~nについて、残りの2次スイッチ204b~nのうちの1つ以上は、第1コンバータ出力部でのスイッチング出力電圧をレギュレートするよう第1コンバータ出力部VO1 108aからの関連するレギュレータ特有の目標出力電圧をセットし得る。
【0059】
図9は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、スイッチドコンバータを作動させる例示的な方法900のフローチャートを示す。方法900は1つ以上のブロック902、904、906、908、又は910を含み得る。別個のブロックとして示されているが、方法900のブロックのうちの1つ以上に関連した動作は、特定の実施に応じて、追加のブロックに分けられても、より少ないブロックへとまとめられても、あるいは削除されてもよい。
【0060】
ブロック902で、方法はスイッチを制御することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、方法は、スイッチング出力電圧を制御するようスイッチを制御することを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、方法は、スイッチング出力電圧をコンバータ出力部に印加するようスイッチを制御することを含んでもよい。
【0061】
ブロック904で、方法は、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットすることを含み得る。本開示のいくつかの態様で、方法は、関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を各々のコンバータ出力部に動的にセットすることを含んでよい。
【0062】
ブロック906で、方法は、コンバータの動作モードを選択することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、方法は、コンバータの動作モードを第1動作モード又は第2動作モードから選択することを含んでよい。
【0063】
ブロック908で、方法は、コンバータを単一インダクタ多重出力コンバータとして動作させることを含み得る。本開示のいくつかの態様で、方法は、第1動作モードでコンバータをSIMOコンバータとして動作させることを含んでよい。
【0064】
ブロック910で、方法は、少なくとも1つのコンバータ出力部に対して、スイッチング出力電圧がレギュレートされ、少なくとも1つの出力部に対して、その直列スイッチが常時ON/導通しており、1次SISO出力として機能する1次スイッチによってレギュレートされるように、コンバータを動作させることを含み得る。本開示のいくつかの態様で、コンバータは、少なくとも1つのコンバータ出力部に対して、対応する2次スイッチが閉位置で常時動作し、対応するコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧がレギュレータとして動作している他の2次スイッチによってレギュレートされるように、動作し得る。本開示のこれら及び他の態様で、方法は、少なくとも1つのコンバータ出力部に対して、スイッチング出力電圧がレギュレートされるようにコンバータを作動させることを含んでもよい。
【0065】
本開示の範囲から逸脱せずに方法900に対して変更、追加、又は省略が行われてもよい。例えば、方法900の動作は別の順序で実施されてもよい。追加的に、又は代替的に、2つ以上の動作は同時に実行されてもよい。更に、説明されている操作及び動作は端に例として与えられており、操作及び動作の一部は、記載されている態様の本質から外れずに、任意であっても、より少ない操作及び動作にまとめられても、あるいは、追加の操作及び動作に拡張されてもよい。
【0066】
コンバータ出力部へ電気的に又は動作可能に結合される電子デバイスは、異なる入力電圧又は入力電圧最適化設定を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、1つ以上の電子デバイスは高効率設定を含んでよく、一方、他の電子デバイスは、高いノイズ及びスイッチング出力電圧のためのレギュレーション設定を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、DC-DCコンバータ(例えば、システム800)をSIMOコンバータとして作動させることは、高い効率でスイッチング出力電圧(例えば、電子デバイスのための入力電圧)を供給し得る。本開示のこれら及び他の態様で、DC-DCコンバータを、レギュレータとして動作するスイッチを含むSISOとして作動させることは、ノイズを減らし、スイッチング出力電圧のレギュレーション(例えば、クロスレギュレーション)を向上させ得る。
【0067】
本開示のいくつかの態様で、2次スイッチの1つ以上は2つ以上の動作モードで作動してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、2次スイッチの第1動作モードはオン/オフ動作モードを含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、2次スイッチの第2動作モードはレギュレーション動作モードを含んでもよい。第2動作モードで、インダクタと第1コンバータ出力部との間の2次スイッチはオン/オフスイッチとして動作することができ、他の2次スイッチのうちの1つ以上はレギュレータとして動作することができる。第1動作モード又は第2動作モードのどちらかで2次スイッチを作動させることは、システムがSIMOコンバータとして又はSISOコンバータとして動作することを可能にし得る。
【0068】
本開示のいくつかの態様で、2次スイッチは複数のトランジスタを含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、2次スイッチのトランジスタは、飽和領域又はアクティブ領域/線形領域で動作するよう構成されてよい。飽和領域での動作中、トランジスタはオン/オフスイッチとして動作し得る。オン/オフスイッチとしてのトランジスタの動作は、電流がトランジスタを伝播することを可能にする(例えば、導通させる)か、又は阻止(例えば、導通させないか、又は一停止若しくはミュートする)し得る。線形領域での動作中、トランジスタはレギュレータとして動作し得る。レギュレータとしてのトランジスタの動作は、トランジスタにコンバータ出力部の1つ以上でスイッチング出力電圧をレギュレートさせ得る。
【0069】
本開示のいくつかの態様で、レギュレータとして動作する2次スイッチのトランジスタは、線形レギュレータとして動作し得る。本開示の他の態様では、レギュレータとして動作する2次スイッチのトランジスタは、デジタルレギュレータとして動作し得る。
【0070】
本開示のいくつかの態様で、1つ以上のプロセッサがシステムの動作を制御してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、プロセッサはシステムの動作モード(例えば、第1動作モード又は第2動作モード)を選択し得る。第1動作モードで、2次スイッチはオン/オフスイッチとして動作することができ、システムは、本開示の他の場所で議論されているように、SIMOコンバータとして動作し得る。第1動作モードで、2次スイッチはカットオフ領域(例えば、非導通状態)又は飽和領域(例えば、導通状態)で動作し得る。第2動作モードで、2次スイッチのトランジスタはオン/オフスイッチ又はレギュレータとして動作し得る。
【0071】
第2動作モードで、インダクタと第1コンバータ出力部との間の第1の2次スイッチのトランジスタはオンスイッチとして動作し得る。本開示のこれら及び他の態様で、第2動作モードで、第1の2次スイッチはスイッチング出力電圧を供給し得る(例えば、第1の2次スイッチは、SISOコンバータのメイン出力電圧として定義され得る。)。
【0072】
本開示のいくつかの態様で、第2動作モードで、他の2次スイッチのうちの1つ以上のトランジスタはオンスイッチとして動作することができ、第1の2次スイッチのトランジスタはレギュレータとして動作することができる。更に、本開示のいくつかの態様で、1つよりも多い2次スイッチのトランジスタが同時にオンスイッチとして動作してもよい。
【0073】
本開示のいくつかの態様で、システム(例えば、コンバータ)は、第2動作モードで、少なくとも1つのコンバータ出力がレギュレートされるように動作してもよい。レギュレートされるコンバータ出力の2次スイッチのトランジスタは、オンスイッチとして動作し得る。更に、1つ以上の他の2次スイッチのトランジスタはレギュレータとして動作してもよく、出力電圧(例えば、スイッチング出力電圧)をレギュレータ特有の目標出力電圧にセットし得る。
【0074】
本開示のいくつかの態様で、システムの厳密に1つのコンバータ出力がレギュレートされ得る。本開示のこれら及び他の態様で、他のコンバータ出力については、レギュレータは、関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットしてもよい。
【0075】
本開示のいくつかの態様で、コンバータ出力は、対応する2次スイッチを構成するトランジスタを用いてレギュレートされてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、トランジスタは、レギュレータとして線形領域で動作し得る。本開示のいくつかの態様で、コンバータ出力の1つ以上は、対応するトランジスタを飽和領域で作動させることによってレギュレートされてもよい。
【0076】
本開示のいくつかの態様で、2次スイッチのトランジスタの1つ以上は線形レギュレータとして動作してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、2次スイッチのトランジスタの1つ以上はデジタルレギュレータとして動作してもよい。
【0077】
従って、本開示で記載されている1つ以上の態様は、スイッチング出力電圧(例えば、単一デバイスがスイッチング出力を供給してもよい。)を、異なるレベルの効率及びレギュレーション設定を含む電子デバイスのための異なる値及び設定で供給し得る。
【0078】
上述されたように、SIMOアーキテクチャ又はSIMOコンバータでの1つの問題はクロスレギュレーションである。クロスレギュレーションは、出力電圧の変化がSIMOコンバータ(複数の出力レールを含んでもよい。)の1つ以上の出力電圧レールでの負荷変化により生じる場合に、マルチ電圧電源の出力電圧の変化として理解され得る。レギュレートされた出力電源摂動におけるこのようなクロスレギュレーションから生じるノイズは、1つ以上の他の出力電圧レールでの出力電圧リップルに転じる可能性がある。様々なコンポーネント及び/又は負荷は、そのようなリップルに耐えられない可能性があり、一般に、そのようなリップルを回避、最小化、又は軽減することが望ましい場合がある。
【0079】
クロスレギュレーションノイズにより出力電圧リップルは、1つ以上の並列プッシュプルレギュレータを備えた2つ以上のSIMO出力レールを構成することによって、低減若しくは軽減、又は削除さえされ得る。そのような並列プッシュプルレギュレータが2つ以上のSIMO出力レールに存在する場合に、かような構成は、より高い電圧出力などの他のSIMO出力レールによって直列に供給される改善された電源除去比(PSRR)を備えた並列レギュレータを持つように更に拡張され得る。
【0080】
供給電圧除去比としても知られているPSRRは、出力信号に対する電源変動を抑制する電子回路の能力として理解され得る。PSRRは、電源電圧の変化とそれが生成する等価(差動)出力電圧の比率として定義され得る。このような出力電圧は、通常の入力オフセット電圧の場合と同様に、フィードバック回路に依存する。
【0081】
レール間に並列プッシュプルレギュレータを有するこの構成(1つのプッシュプルレギュレータが、異なる出力電圧ごとに各2つの出力レールの間に設けられ得る。)は、効率の向上及び/又はサイズの縮小をもたらし得る。この構成は、特にアナログ/RFドメインで、出力供給レギュレーションを改善し、ノイズに敏感な出力のクロスレギュレーションを低減すると期待される。
【0082】
本開示のいくつかの態様に従って、入力端子(例えば、VIN)からよりむしろ複数の出力レールのうちの1つからレギュレータの均等化電流を得ることが望ましい場合がある。同様に、レギュレータが出力レールから他の出力レールへ電流を分路することによってレギュレートすることが望ましい場合がある。これらの概念(他の出力レールから均等化電流を受けること、又は他の出力レールへ電流を分路すること)のどちらか一方又は両方を使用することで、入力端子から均等化電流を受けること又は電流を接地に分路することと比べて、全体的な効率は改善され得る。これらの概念は、必要に応じて、単一出力レール又はレールの任意の組み合わせで実装されてよい。
【0083】
図10は、本開示の態様に係る例示的なSIMO回路を示す。この回路では、単一のインダクタ1002が複数のスイッチ1004(SO1からSO4として表されている。)を介して複数のコンバータ出力ライン1006(コンバータ出力レール又はコンバータ出力電圧レールとも呼ばれる。)へ接続されている。スイッチコントローラは、スイッチを制御するよう構成されてよい。次いで、スイッチは、予め定義された期間についての出力電圧要件に基づいたスイッチコントローラによる制御に従って複数のスイッチのうちの1つ以上のスイッチをオン又はオフに切り替えることによって、スイッチング出力電圧を制御し得る。
【0084】
本開示のこの態様に従って、出力ラインの少なくとも2つは少なくとも1つのレギュレータ1008によって接続され得る。レギュレータ1008は線形レギュレータを含んでも又はそれであってもよい。少なくとも1つのレギュレータは、各々に関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を複数のコンバータ出力ラインのうちの関連するコンバータ出力ラインで動的にセットするよう構成され得る。少なくとも1つの線形レギュレータは、複数のコンバータ出力ラインのうちの他のコンバータ出力ライン(例えば、S02)からの電流を用いて、目標出力電圧から予め定義された範囲内にとどまるようスイッチング出力電圧をレギュレートするよう更に構成され得る。
【0085】
少なくとも1つのレギュレータはプッシュプルレギュレータを含んでも又はそれであってもよく、2つのコンバータ出力ラインの間に又はそれらへ結合されたスイッチ(例えば、VO1とVO2との間のトランジスタを参照。)を含んでもよい。複数のレギュレータのうちの少なくとも1つのレギュレータは、スイッチング出力電圧を予め定義された第1閾電圧(例えば、コンパレータの負(反転)端子へ接続されている基準電圧を参照。)と比較するよう、かつ、2つのコンバータ出力ラインの間に結合されているスイッチを制御して、スイッチング出力電圧が予め定義された第1閾電圧よりも低い場合にはスイッチが閉じられ、スイッチング出力電圧が予め定義された第1閾電圧よりも高い場合にはスイッチが開くようにするよう構成される第1コンパレータ回路(例えば、SO1とSO2との間のコンパレータを参照。)を含んでもよい。
【0086】
図11は、本開示の更なる態様に係るSIMO回路を示す。本開示のこの更なる態様に従って、複数の電圧レール(VO1~VO4)のうちの少なくとも1つの電圧レールは、並列プッシュプルレギュレータ1108の組を含んでもよい。ここで表されているように、並列プッシュプルレギュレータの対は、ハイサイド増幅器及びローサイド増幅器として編成された少なくとも1つの増幅器ペアを含んでもよい。ローサイド増幅器の正端子はロー基準電圧へ接続されてよく、ハイサイド増幅器の負端子はハイ基準電圧へ接続されてよい。増幅器は夫々スイッチ(増幅器の右側に示されている。ローサイド増幅器の出力は、VO1とVO2との間の接続を開閉し、ハイサイド増幅器の出力は、VO2とVO3との間の接続を開閉する。)をアクティブにするよう構成されてよい。このようにして、その消勢フェーズの間のインダクタの出力は出力レールへ(この例では、スイッチSO2を介して出力レールVO2へ)接続されてよく、電圧は更に、所定のロー基準電圧及び所定のハイ基準電圧に基づき並列増幅器を介して変更されてもよい。本開示の態様に従って、ロー基準電圧及びハイ基準電圧は任意に、ハイ基準電圧とロー基準電圧との間にわずかな範囲しか有さずに同じであるよう選択されてもよい。そうすることで、本明細書で記載される並列増幅器の出力はハイ基準電圧とロー基準電圧との間にあり、基準電圧間の範囲が十分に小さいとすれば、出力は線形レギュレータの出力に近似し得る。SIMO回路は、スイッチング出力電圧を受け、複数のコンバータ出力ラインのうちのあるコンバータ出力ラインで出力電圧を動的にセットするよう構成された少なくとも1つのレギュレータを含んでもよい。少なくとも1つのレギュレータは、スイッチング出力電圧が、目標レギュレータ出力電圧よりも大きい予め定義された上限閾電圧を上回るかどうか、又はスイッチング出力電圧が、目標レギュレータ出力電圧よりも小さい予め定義された下限閾電圧を下回るかどうかのうちの少なくとも一方を決定するよう構成された回路を含んでもよい。少なくとも1つのレギュレータは、スイッチング出力電圧をレギュレートするために複数のコンバータ出力ラインのうちの他のコンバータ出力ラインからの電流を使用するよう構成されてもよい。
【0087】
本開示の様々な態様で、プッシュプルレギュレータは、異なる電位を有するコンバータ出力レールの各対の間に設けられて、コンバータ出力レールの対の一方のコンバータ出力レールの出力電圧を制御し得る。更に、制御されるべき一方のコンバータ出力レールの出力電圧を制御するために、第1コンパレータが、制御されるべきコンバータ出力レールと第1の近接(例えば、隣接)コンバータ出力レール(制御されるコンバータ出力レールよりも高い電圧を運ぶ。)との間に結合された第1スイッチを制御するために設けられてよく、また、第2コンパレータが、制御されるべきコンバータ出力ラインと第2の近接(例えば、隣接)コンバータ出力レール(制御されるべきコンバータ出力レールよりも低い電圧を運ぶ。)との間に結合された第2スイッチを制御するために設けられてよい。
【0088】
図12は、本明細書で記載されるSIMO回路を作動させる方法を示す。方法は、複数のスイッチが、インダクタに印加された入力電圧に応答して、複数のコンバータ出力ラインのうちのあるコンバータ出力ラインでスイッチング出力電圧を供給すること1202と、複数のスイッチを制御してスイッチング出力電圧を制御すること1204と、少なくとも1つのレギュレータが、各々に関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を複数のコンバータ出力ラインのうちの関連するコンバータ出力ラインで動的にセットし1206、複数のコンバータ出力ラインのうちの他のコンバータ出力ラインからの電流を用いて目標レギュレータ出力電圧から予め定義された範囲内にとどまるようスイッチング出力電圧をレギュレートすること1208とを含む。本明細書で記載されるSIMO回路は、1つ以上のプロセッサによって実行される場合に、単一インダクタ多重出力回路を作動させる上記の方法を実装する命令を記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体に従って、構成されてもよい。
【0089】
図13は、本明細書で記載されるSIMO回路を作動させる方法を示す。方法は、インダクタ及び複数のスイッチを含むスイッチング段を制御して、複数のスイッチのスイッチング状態に依存して印加入力電圧に応答して複数のコンバータ出力ラインのうちのあるコンバータ出力ラインでスイッチング出力電圧を供給すること1302と、少なくとも1つのレギュレータがスイッチング出力電圧を受け、複数のコンバータ出力ラインのうちのあるコンバータ出力ラインで出力電圧を動的にセットし1304、スイッチング出力電圧が、目標レギュレータ出力電圧よりも大きい予め定義された上限閾電圧を上回るかどうか、又はスイッチング出力電圧が、目標レギュレータ出力電圧よりも小さい予め定義された下限閾電圧を下回るかどうかのうちの少なくとも一方を決定し、複数のコンバータ出力ラインのうちの他のコンバータ出力ラインからの電流を用いてスイッチング出力電圧をレギュレートすること1306とを含む。
【0090】
本明細書で記載されるSIMO回路は、1つ以上のプロセッサによって実行される場合に、単一インダクタ多重出力回路を作動させる上記の方法を実装する命令を記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体に従って、構成されてもよい。
【0091】
スイッチコントローラは、SIMOコンバータ104内のスイッチを制御して、インダクタ周期が一定レートで起こるようにし得る。スイッチコントローラは、一定スイッチング周波数に基づきSIMOコンバータ104内のスイッチを制御してよい。更に、スイッチコントローラは、インダクタ周期が不連続である(例えば、SIMOコンバータ104が不連続導通モード(Discontinuous Conduction Mode,DCM)に従って動作する)ように、SIMOコンバータ104内のスイッチを制御してもよい。不連続なインダクタ周期は、その後のインダクタ周期に対するインダクタ周期の影響を低減又は排除し得る。
【0092】
図14は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、分離したインダクタ周期(本開示ではインダクタ周期、分離したインダクタ周期、又は分離したインダクタスイッチング周期とも呼ばれる。)のシミュレーションのグラフ表現1400を示す。図14で、波形1402a~dは、インダクタ周期中のインダクタの電流を表す。波形1402a~dは、インダクタの電流がインダクタ周期中に時間とともにどのように変化するかを示す。
【0093】
インダクタ周期は充電部分及び導通部分を含み得る。充電部分は、部分1410a~dとして図14に示され、導通部分は、部分1412、1414、1416、1418として図14に示されている。例えば、第1インダクタ周期(波形1402a)の充電部分は部分1410aを含み、第1インダクタ周期の導通部分は部分1412を含む。
【0094】
充電部分1410a~dは、正電圧として入力電圧を使用するインダクタの充電により、インダクタの電流の増大を示す。導通部分1412、1414、1416、1418は、インダクタを入力電圧から切り離し、導通部分1412、1414、1416、1418の間にSIMOシステムの出力部を介して電気デバイスへ電気的に結合することにより、電流の低下を示す。例えば、導通部分1412、1414、1416、1418は、インダクタを第1出力部を介して第1電気デバイスへ、第2出力部を介して第2電気デバイスへ、第3出力部を介して第3電気デバイスへ、又は第4出力部を介して第4電気デバイスへ夫々電気的に結合することに対応してよい。単一の電気デバイスを各インダクタ周期中にインダクタへ電気的に結合することにより、インダクタの電流は、滑らかな又は連続的なレートでインダクタ周期中に低下し得る。
【0095】
図15は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、分離したインダクタ周期中にインダクタが単一の電気デバイスへ電気的に結合されるシミュレーションのグラフ表現1500を示す。図15で、波形1524a~dは、インダクタ周期中のインダクタの電流を表す。波形1524a~dは、インダクタの電流がインダクタ周期中に時間ともにどのように変化するかを示す。充電部分は、部分1510a~dとして図15に示され、導通部分は、部分1512a、b及び1514a、bとして図15に示される。例えば、第1インダクタ周期の充電部分は部分1510aを含み、第1インダクタ周期の導通部分は部分1512aを含む。
【0096】
充電部分1510a~dは、インダクタが正電圧として入力電圧を使用して充電されることにより、インダクタの電流の増大を示す。導通部分1512a、b及び1514a、bは、インダクタが入力電圧から切り離され、導通部分1512a、b及び1514a、bの間にSIMOコンバータの出力部を介して電気デバイスへ電気的に結合されることにより、インダクタの電流の低下を示す。例えば、導通部分1512a、bは、インダクタを第1出力部を介して第1電気デバイスへ電気的に結合することに対応してよく、導通部分1514a、bは、インダクタを第2出力部を介して第2電気デバイスへ電気的に結合することに対応してよい。
【0097】
曲線1520及び1522は、インダクタがインダクタ周期中に充電又は導通することによりどのようにスイッチング出力電圧が変化するかを示す。曲線1520は、第1出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルに対応し、曲線1522は、第2出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルに対応する。図15に示されるように、第1出力部のスイッチング出力電圧の電圧レベル(例えば、曲線1520)及び第2出力部のスイッチング出力電圧の電圧レベル(例えば、曲線1522)は、対応する導通部分1512a、b及び1514a、bの間に増大する。例えば、第1出力部のスイッチング出力電圧の電圧レベル(例えば、曲線1520)は、導通部分1512a、bの間に増大し、第2出力部のスイッチング出力電圧の電圧レベル(例えば、曲線1522)は、導通部分1514a、bの間に増大する。
【0098】
インダクタの電流が略零アンペアに達するか、又は対応するインダクタ周期が終了する(例えば、その後の充電部分が起こるようにスイッチが動く)場合に、対応する出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルは低下し始める。スイッチング出力電圧の電圧レベルは、第2キャパシタの保持電圧により、電流が略零アンペアに達するか、又は対応するインダクタ周期が終了する場合に、徐々に低下し得る。例えば、図15に示されるように、導通部分1512aが終了すると、第1出力部のスイッチング出力電圧の電圧レベルは低下し始める(例えば、曲線1520は下がる。)。他の例として、図15に示されるように、導通部分1514aが終了すると、第2出力部のスイッチング出力電圧の電圧レベルは低下し始める(例えば、曲線1522は下がる。)。
【0099】
図16は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、分離したインダクタ周期中にインダクタが2つの電気デバイスへ電気的に結合されるシミュレーションのグラフ表現1600を示す。図16で、波形1526a~dは、インダクタ周期中のインダクタの電流を表す。波形1526a~dは、インダクタの電流がインダクタ周期中に時間ともにどのように変化するかを示す。充電部分は、部分1510a~dとして図16に示され、導通部分は、部分1512a~d及び1514a~dとして図16に示される。例えば、第1インダクタ周期の充電部分は部分1510aを含み、導通部分は部分1512a及び1514aを含む。
【0100】
導通部分は、インダクタが入力電圧から切り離され、導通部分1512a~d及び1514a~dの間にSIMOコンバータの2つの出力部を介して電気デバイスへ電気的に結合されることにより、インダクタの電流の低下を示す。例えば、導通部分1512a~dは、インダクタを第1出力部を介して第1電気デバイスへ電気的に結合することに対応してよく、導通部分1514a~dは、インダクタを第2出力部を介して第2電気デバイスへ電気的に結合することに対応してよい。
【0101】
図16に示されるように、第1出力部のスイッチング出力電圧の電圧レベル(例えば、曲線1520)及び第2出力部のスイッチング出力電圧の電圧レベル(例えば、曲線1522)は、対応する導通部分1512a~d及び1514a~dの間に増大する。例えば、第1出力部のスイッチング出力電圧の電圧レベル(例えば、曲線1520)は、導通部分1512a~dの間に増大し、第2出力部のスイッチング出力電圧の電圧レベル(例えば、曲線1522)は、導通部分1514a~dの間に増大する。
【0102】
図16に示されるように、各インダクタ周期は、異なる電気デバイスがインダクタへ電気的に結合されることに対応する導通部分を含み得る。例えば、インダクタ周期は、充電部分1510a~dと、それに続く導通部分1512a~dと、それに続く導通部分1514a~dとを含み得る。複数の電気デバイスを各インダクタ周期中にインダクタへ電気的に結合することにより、インダクタの電流は非一様又は不連続的なレートで低下し得る。例えば、インダクタの電流は、導通部分1512a~dの間は第1レートで、導通部分1514a~dの間は第2レートで低下し得る。
【0103】
図15及び図16に示されるように、第1電圧及び第2電圧のピークが現れるときの電圧レベル間の量(図15及び図16では曲線1520及び1522に関してΔVO1及びΔVO2として示される。)は、インダクタ周期ごとに複数の電気デバイスへインダクタを電気的に結合すること(図16に図示。)に対して、インダクタ周期ごとに単一の電気デバイスへインダクタを電気的に結合する場合(図15に図示。)に大きくなる。更に、図15及び図16に示されるように、出力部でのスイッチング出力電圧の電圧リップルは、インダクタ周期ごとに複数の電気デバイスへインダクタを電気的に結合することに対して、インダクタ周期ごとに単一の電気デバイスへインダクタを電気的に結合する場合に増大する。
【0104】
インダクタ周期の開始のスイッチング時点の例は、TSW及び2TSWとして図15及び図16に示される。更なるスイッチング時点が起こり得るが、図15には示されていない(例えば、第1インダクタ周期及び第4インダクタ周期のスイッチング時点)。
【0105】
本開示のいくつかの態様で、インダクタスイッチング周期のスイッチング周波数は、インダクタ202のインダクタンス定格、スイッチング出力電圧、又はそれらの何らかの組み合わせに基づき様々であり得る。本開示のこれら及び他の態様で、インダクタ202のインダクタンス定格が1ナノヘンリ(nH)から10マイクロヘンリ(μH)の間にある場合に、スイッチコントローラはスイッチング周波数を1kHzから500MHzの間にセットしてよい。例えば、スイッチング周波数は、スイッチング出力電圧が、より低い負荷条件を含む電子デバイスへ供給されているときには、1kHzにセットされてよい。他の例として、スイッチング出力周波数は、スイッチング出力電圧が、より高い負荷条件を含む電子デバイスへ供給されているときには、100から500MHzの間にセットされてよい。インダクタ周期の消勢フェーズ(例えば、Ton)は、連続導通モード(Continuous Conduction Mode,CCM)又はDCM動作の境界での最大値よりも小さい任意の値であり得る時間の範囲を含んでもよい。表Iは、付勢フェーズについてのスイッチング周波数の例及びTon範囲の例を示す。
【表2】
【0106】
図17は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMO回路を作動させる例示的な方法1700のフローチャートを表す。方法1700は、1つ以上のブロック1702、1704、1706、又は1708を含み得る。別個のブロックとして示されているが、方法1700のブロックのうちの1つ以上に関連した動作は、特定の実施に応じて、更なるブロックに分けられても、より少ないブロックにまとめられても、あるいは削除されてもよい。
【0107】
ブロック1702で、スイッチング段が制御されてよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチング段はインダクタ及び複数のスイッチを含み得る。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチ及びインダクタはスイッチング出力電圧を供給し得る。追加的に、又は代替的に、スイッチング出力電圧は、インダクタに印加された入力電圧に応答して供給されてもよい。スイッチは、インダクタの第1端子と入力電圧との間に結合された第1スイッチを含み得る。スイッチはまた、インダクタの第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチを含んでもよい。更に、スイッチは、インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチを含んでもよい。
【0108】
ブロック1704で、方法は、不連続導通モードで回路を作動させることを含んでよい。不連続導通モード(DCM)は、インダクタの電流を、その後のインダクタ周期が起こる前に、零アンペアに略等しくし得る。
【0109】
ブロック1706で、方法はスイッチを制御することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、方法は、スイッチング出力電圧を分離したインダクタスイッチング周期において異なる出力へ供給するようスイッチを制御することを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、方法は、分離したインダクタスイッチング周期ごとに1つの電気デバイスへスイッチング出力電圧を供給するようスイッチを制御することを含んでよい。
【0110】
ブロック1708で、方法は、分離したインダクタスイッチング周期を切り替えることを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、方法は、分離したインダクタスイッチング周期を一定のスイッチング周波数で切り替えることを含んでよい。
【0111】
本開示の範囲から逸脱せずに方法1700に対して変更、追加、又は省略が行われてもよい。例えば、方法1700の動作は別の順序で実施されてもよい。追加的に、又は代替的に、2つ以上の動作は同時に実行されてもよい。更に、説明されている操作及び動作は端に例として与えられており、操作及び動作の一部は、記載されている態様の本質から外れずに、任意であっても、より少ない操作及び動作にまとめられても、あるいは、追加の操作及び動作に拡張されてもよい。
【0112】
インダクタ周期ごとに複数の電気デバイスへインダクタを電気的に結合することは、各電気デバイスへ供給される電圧レベルの状態及び設定を追跡することの複雑さ及び困難性を増す可能性がある。更に、インダクタ周期ごとに複数の電気デバイスへインダクタを電気的に結合することは、出力の電圧又はインダクタの電流が回復する時間の量を増やす可能性がある。例えば、1つのインダクタ周期中に、第1出力の電力レベルは0.5ワット(W)から1Wに遷移し、第2出力の電力レベルは1Wから0.5Wに遷移する場合に、これは、第1電圧レベル又は第2電圧レベルがより一層低下するまで、出力での電流の合計を一定のままにし得る。出力での電流の合計が一定のままであることで、出力の電圧又はインダクタの電流が回復するのに時間がかかる可能性がある。
【0113】
更に、インダクタ周期ごとに複数の電気デバイスへインダクタを電気的に結合することは、インダクタがインダクタ周期ごとに1つの電気デバイスへ電気的に結合されるSIMOシステムと比べて、SIMOシステムの複雑さを増す可能性がある。更に、1つのインダクタ周期中に複数のデバイスへインダクタを電気的に結合することは、インダクタに蓄えられた電流を解放するクロスレギュレーションを引き起こす可能性がある。例えば、出力の電圧レベルは、インダクタにかかる負荷(例えば、電気デバイスが電気的に結合されることによる負荷)が変化することで変化する可能性がある。
【0114】
本開示の少なくとも1つの態様に従って、スイッチは、スイッチング出力電圧が分離したスイッチング周期ごとにSIMOシステムの単一の出力を介して電気デバイスへ供給されるように、制御され得る。本開示のいくつかの態様で、スイッチ又はインダクタは、分離したインダクタ周期を生じさせるよう不連続導通モード(DCM)で動作してよい。DCMでのスイッチ又はインダクタの動作は、インダクタの電流が、その後のインダクタ周期の充電部分が起こる前に略零アンペアである期間を生じさせ得る。
【0115】
方法は、単一の電気デバイスがインダクタ周期ごとにインダクタへ電気的に結合されるように、スイッチ及びインダクタを制御することを含んでよい(例えば、インダクタ周期を分離し得る。)。本開示のいくつかの態様で、誘導周期を分離することは、インダクタの電流が、その後のインダクタ周期の充電部分が開始する前に、略零アンペアである期間を生じさせることを含み得る。夫々の分離したインダクタ周期は、充電部分と、導通部分と、インダクタの電流が略零アンペアである期間とを含み得る。方法は、インダクタが入力電圧を受けるようにスイッチを制御すること(例えば、充電部分の間)、又はインダクタを電気デバイスへ電気的に結合し、SIMOコンバータの出力部を介して導通すること(例えば、導通部分、又はインダクタの電流が略零アンペアである期間の間)を含んでよい。
【0116】
DCMでのインダクタの動作は、インダクタ周期によって他のインダクタ周期に対して引き起こされる影響を低減又は排除し得る。本開示のいくつかの態様で、インダクタ周期によって他のインダクタ周期に対して引き起こされる影響は、電気デバイスがインダクタ周期中にスイッチング出力電圧を受けることに起因する場合がある。例えば、DCMでのインダクタの動作は、第1インダクタ周期中に第1電気デバイスがスイッチング出力電圧を受けることにより第1電気デバイスによって第2インダクタ周期に対して引き起こされる影響を低減又は排除し得る。
【0117】
インダクタ周期は、スイッチング出力電圧が各インダクタ周期中にSIMOシステムの別個の出力部を介して電気デバイスへ供給されるように起こり得る。本開示のいくつかの態様は、分離したインダクタ周期中に、出力部を介してただ1つの電気デバイスへスイッチング出力電圧を供給し得る。例えば、方法は、第1の分離したインダクタ周期中にSIMOシステムの第1出力部を介して第1電気デバイスへスイッチング出力電圧を供給し、第2の分離したインダクタ周期中にSIMOシステムの第2出力部を介して第2電気デバイスへスイッチング出力電圧を供給するよう、スイッチを制御することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、第2の分離したインダクタ周期は、第1の分離したインダクタ周期に続いて起こってよい。
【0118】
本開示のいくつかの態様で、分離したインダクタ周期は一定のスイッチング周波数で起こってもよい。本開示のこれら及び他の態様で、一定のスイッチング周波数は、インダクタへの入力電圧又はSIMOコンバータの出力部のうちの1つを介した電気デバイスへのスイッチング出力電圧のうちのどちらかを供給するよう、スイッチに一定のレートで開状態と閉状態との間を遷移させ得る。本開示のこれら及び他の態様で、一定のスイッチング周波数は、約1kHzから約500MHzまでの周波数範囲内にあってよい。
【0119】
本開示のいくつかの態様で、夫々の分離したインダクタ周期は、実質的に類似した存続時間を含んでよい。例えば、第1の分離したインダクタ周期は、第2の分離したインダクタ周期と実質的に類似した存続時間を含んでよい。本開示のいくつかの態様で、分離したインダクタ周期は、約2nsから約1msまでの時間範囲の存続時間を含んでよい。分離したインダクタ周期の存続時間は、スイッチが特定の状態(例えば、位置)にある時間の量に基づいてよい。
【0120】
本開示のいくつかの態様で、第1電気デバイス、第2電気デバイス、第3電気デバイス、又は第4電気デバイスは、単一回路内に位置している電気デバイスを含んでもよい。本開示の他の態様では、第1電気デバイス、第2電気デバイス、第3電気デバイス、又は第4電気デバイスは、2つ以上の回路内に位置している電気デバイスを含んでもよい。
【0121】
本開示のいくつかの態様で、各誘導周期中のインダクタでのピーク電流は同じであってよい。本開示の他の態様では、2つ以上の誘導周期中のインダクタでのピーク電流は異なってもよい。
【0122】
本開示のいくつかの態様で、スイッチを制御するためのスイッチング周波数はスイッチングノイズ刺激(spur)を予測可能(例えば、制御可能)にし得る。スイッチングノイズ刺激が予測可能であることは、SIMOシステムがスイッチングノイズ刺激を考慮するよう設計されることを可能にし得る。スイッチングノイズ刺激を考慮するようSIMOシステムを設計することは、スイッチングノイズ刺激による干渉を低減又は除去し得る。
【0123】
インダクタ周期ごとに単一の電気デバイスへスイッチング出力電圧を供給することは、各電気デバイスによる負荷が別々に扱われることを可能にし得る。各電気デバイスによる負荷を別々に扱うことは、電気デバイスへのインダクタによる導通が、インダクタ周期ごとに複数の電気デバイスへスイッチング出力電圧を供給するシステムと比べてより速く起こることを可能にし得る。例えば、各電気デバイスによる負荷を別々に扱うことは、各電気デバイスのためのピーク電流が電気デバイスごとに異なるように制御されることを可能にする。他の例として、各電気デバイスによる負荷を別々に扱うことは、インダクタ周期ごとのインダクタの電流のクロスレギュレーションが、インダクタ周期ごとに単一の電気デバイスへスイッチング出力電圧を供給することで減ることを可能にし得る。他の例として、各電気デバイスによる負荷を別々に扱うことは、インダクタ周期ごとに複数の電気デバイスへスイッチング出力電圧を供給するSIMOシステムに対してSIMOシステムの複雑性を低減し得る。
【0124】
SIMOコンバータ104及びLDO106は、コンバータ出力部でスイッチング出力電圧を供給するよう協働し得る。本開示のいくつかの態様で、LDO106は、スイッチング出力電圧をレギュレートするフィードフォワード技術、LDO106の動作、又はそれらの何らかの組み合わせを実装してよい。LDOは、SIMOコンバータ104内のスイッチのデューティサイクルを増大又は低減させるように電圧、電流、又はそれらの何らかの組み合わせを順方向に供給してよい。
【0125】
上述されたように、インダクタ202の消勢フェーズの電圧は、1つ以上のスイッチ204aを用いて出力レールの1つ以上に印加され得る。このようにして、様々な出力レールへ印加される電圧は、互いに独立しているか、あるいは、レール特有であることができる。すなわち、1つ以上の出力レールに印加される電圧の大きさは、1つ以上のスイッチ204aが閉じられている消勢フェーズの部分に少なくとも部分的に依存し得る。消勢フェーズの異なる期間に対応するようスイッチを選択することによって、様々な出力レール電圧は独立して制御され得、それによって、例えば、第1出力レールが第1電圧を受け、第2出力レールが第1電圧とは異なる第2電圧を受けることを可能にする。複数のスイッチ204aが同時又は一斉に閉じられてもよく、それによって、(インダクタ202への並列接続に基づいた)同じ電圧が同時又は一斉に対応する出力レールへ供給される。
【0126】
本開示の態様に従って、LDOレギュレータは、フィードフォワード技術を用いてスイッチング出力電圧をレギュレートし得る。LDOは、SIMOコンバータ内のスイッチを制御して、コンバータ出力へ結合されている電気デバイスの電圧ドメイン内でスイッチング出力電圧を供給するように、電圧、電流、又はそれらの何らかの組み合わせを順方向に供給してよい。
【0127】
本明細書で記載されるように、レギュレータは、インダクタの放電周期から受け取られた電圧又は電流をレギュレートするために利用されてよい。これらのレギュレータは、出力電圧又は電流を予め定義された範囲内に保つよう急速な遷移を採用する場合がある。レギュレータは、本明細書で記載されるように、出力電圧又は電流をレギュレートするのに非常に有効であるが、急速なレギュレータスイッチングは、効率の一定の低下を示す場合がある。本開示の態様に従って、少なくとも図18から23に関連して本明細書で記載されるように、レギュレータの動作は、出力レールに追加されるか又はそれから分路される均等化電流を検出することによって、理解され得る。検出された全体の均等化電流(例えば、追加された均等化電流と分路された電流との差)を、変更された出力レール電流とともに使用して、インダクタのデューティサイクルは、所望のレギュレートされた電圧又はレギュレートされた電流により近づくように変更されてよく、それによって、レギュレータの遷移が少なくなり、効率が大幅に向上する。
【0128】
図18は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104及びLDO106を含む例示的なシステム1800のブロック図を示す。システム1800はまた、スイッチコントローラ1802を含んでもよい。SIMOコンバータ104は、図4に関連して上述されたSIMOコンバータ104に対応してもよい。更に、LDO106は、図4に関連して上述されたレギュレータ302aに対応してもよい。
【0129】
図18では、例示及び議論の簡潔さのために、1つのLDO106及び1つのスイッチコントローラ1802しか図示及び議論されていない。本開示のいくつかの態様で、システム1800は、図18に示されるように1つのLDO106及び1つのスイッチコントローラ1802しか含まなくてもよい。本開示の他の態様では、システム1800は、複数のLDO106及び複数のスイッチコントローラ1802又は1つのスイッチコントローラ1802を含んでもよい。
【0130】
本開示のいくつかの態様で、LDO106は、SIMOコンバータ104の異なる出力部へ電気的に結合されてよい。例えば、システム1800は、本明細書の他の場所で記載されるようにSIMOコンバータ104の異なる出力部へ電気的に結合されている2つのLDO106を含んでもよい。更に、本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラ1802は夫々異なるLDO106へ電気的に結合されてもよい。代替的に、単一のスイッチコントローラ1802がLDO106の出力へ電気的に結合されてもよい。
【0131】
本開示のいくつかの態様で、システム1800はフィードフォワードシステムとして動作してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、システム1800は、LDO106内の電流又は電圧を表す電流又は電圧をスイッチコントローラ1802へ供給してもよい。スイッチコントローラ1802は、SIMOコンバータ104内のスイッチ204、206、208、又は210のデューティサイクルを制御するためにフィードフォワードされる電流又は電圧を使用してもよい。本開示のいくつかの態様で、LDO106内に示されている様々な要素は、スイッチコントローラ1802内に位置付けられてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、LDO106又はLDO106内のコンポーネントによって実行されるものとして記載される機能は、スイッチコントローラ1802又はスイッチコントローラ1802内のコンポーネントによって実行されてもよい。
【0132】
LDO106は、SIMOコンバータ104の出力部へ電気的に結合されている増幅器1814と、第6スイッチ408と、第7スイッチ410とを含んでもよい。増幅器1814は、スイッチング出力電圧108及び基準電圧を受け得る。本開示のいくつかの態様で、第1レギュレータ端子1804は入力端子102へ電気的に結合されてよい。増幅器1814は端子1826を介して基準電圧を受け得る。本開示のいくつかの態様で、増幅器1814は、スイッチング出力電圧及び基準電圧に基づき、レギュレータ特有の目標出力電圧(例えば、補償出力電圧)を生成し得る。
【0133】
本開示のいくつかの態様で、LDO106は、比例積分(Proportional Integration,PI)レギュレータ1808を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、PIレギュレータ1808は比例部分(図示せず。)及び積分部分(図示せず。)を含み得る。本開示のいくつかの態様で、PIレギュレータ1808は、LDO106のレギュレータ特有の目標出力電圧をレギュレートして、レギュレートされた目標出力電圧1830を供給し得る。PIレギュレータ1808は、レギュレータ特有の目標出力電圧1828bに様々な機能を実行して、レギュレートされた目標出力電圧1830を生成してよい。本開示のいくつかの対象で、PIレギュレータ1808は、レギュレータ特有の目標出力電圧1828bに対して実行された様々な機能に基づき、レギュレータ特有の目標出力電流1828aを生成してもよい。
【0134】
スイッチコントローラ1802は加算器1812を含んでもよい。加算器1812は、第1レギュレータ端子1804によって位置付けられているセンサ、PIレギュレータ1808の出力部、及び第2レギュレータ端子1806によって位置付けられているセンサへ電気的に結合されてよい。本開示のいくつかの態様で、加算器1812は、目標出力電圧1830と、第1レギュレータ端子1804での電流に基づき第1レギュレータ端子1804でセンサによって生成された第1電圧1824及び第2レギュレータ端子1806での電流に基づき第2レギュレータ端子1806でセンサによって生成された第2電圧1820のうちの少なくとも一方とを加算し得る。加算器1812は、加算に基づき合計電圧1834を供給し得る。本開示のいくつかの態様で、加算器1812は、レギュレータ特有の目標出力電流1828aを、第1レギュレータ端子1804での電流に基づき第1レギュレータ端子1804でセンサによって生成された電流及び第2レギュレータ端子1806での電流に基づき第2レギュレータ端子1806でセンサによって生成された電流のうちの少なくとも一方と加算してもよい。加算器1812は、加算に基づき合計電流を供給し得る。
【0135】
スイッチコントローラ1802はまた、加算器1812の出力部及びインダクタ202の第1端子によって位置付けられているセンサへ電気的に結合されているコンパレータ回路1816を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、コンパレータ回路1816は、合計電圧1834と、インダクタ202の第1端子での電流に基づきセンサによって生成された電圧1832とを受け得る。コンパレータ回路1816は、第1端子で検知された電流に基づいた電圧1832と合計電圧1834とを比較し得る。更に、コンパレータ回路1816は、比較に基づき比較電圧1836を生成し得る。本開示の他の態様では、コンパレータ回路1816は、合計電流と、インダクタ202の第1端子での電流に基づきセンサによって生成された電流とを受け得る。コンパレータ回路1816は、第1端子で検知された電流に基づき生成された電流と合計電流とを比較し得る。更に、コンパレータ回路1816は、比較に基づき比較電圧1836を生成し得る。
【0136】
スイッチコントローラ1802は、比較回路1816の出力部へ電気的に結合されているセット・リセット(Set Reset,SR)ラッチ回路1818を更に含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、SRラッチ回路1818の出力部は、SIMOコンバータ104内のスイッチ204、206、208、又は210のうちの1つ以上へ電気的に結合されてよい。SRラッチ回路1818は、比較電圧1836及びクロック信号1840を受け得る。SRラッチ回路1818は、比較電圧1836及びクロック信号1840に基づきデューティサイクル電圧1838を生成し得る。
【0137】
本開示のいくつかの態様で、SIMOは、インダクタの第2端子と入力電圧との間に電気的に結合されているスイッチ(例えば、第5スイッチ)(図示せず。)を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、レギュレータは、スイッチング出力電圧と基準電位との間に電気的に結合されているキャパシタ(例えば、第2キャパシタ)を含んでもよい。キャパシタは、約1nFから10μFまでの範囲の容量を含んでよい。
【0138】
図19は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、インダクタがインダクタ周期ごとに電気的に結合される出力の数に対するSIMOシステムのクロスレギュレーションのグラフ表現1900を示す。シミュレーションのために、SIMOシステムは、インダクタ周期ごとに2つ及び6つの電気デバイスの間に電気的に結合された。図19に示されるように、クロスレギュレーションは、インダクタがインダクタ周期ごとに電気的に結合される出力の数に基づき変化し得る。
【0139】
図20は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、単一インダクタ多重出力回路を作動させる例示的な方法2000のフローチャートを示す。方法2000は、1つ以上のブロック2002、2004、2006、2008、又は2010を含み得る。別個のブロックで示されているが、方法2000のブロックのうちの1つ以上に関連した動作は、特定の実施に応じて、更なるブロックに分けられても、より少ないブロックにまとめられても、又は削除されてもよい。
【0140】
ブロック2002で、方法はスイッチを制御することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチが、インダクタに供給された入力電流に応じてスイッチング出力電圧を供給してもよい。方法は、スイッチング出力電圧を制御するようスイッチを制御することを含んでもよい。
【0141】
ブロック2004で、方法は、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットすることを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、LDOが、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットしてもよい。
【0142】
ブロック2006で、方法はスイッチング出力電圧をレギュレートすることを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、方法は、入力電流を用いてスイッチング出力電圧をレギュレートすることを含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、入力電流は、第1レギュレータ端子から第2レギュレータ端子へLDOを通って流れてよい。
【0143】
ブロック2008で、第1電圧又は第2電圧のうちの少なくとも一方が決定されてよい。本開示のいくつかの態様で、方法は、第1レギュレータ端子で第1電圧を決定し、第2レギュレータ端子で第2電圧を決定することを含んでもよい。
【0144】
ブロック2010で、方法は、第1電圧又は第2電圧のうちの少なくとも一方を使用することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、方法は、第1電圧又は第2電圧を使用してスイッチを制御することを含んでもよい。
【0145】
本開示の範囲から逸脱せずに方法2000に対して変更、追加、又は省略が行われてもよい。例えば、方法2000の動作は別の順序で実施されてもよい。追加的に、又は代替的に、2つ以上の動作は同時に実行されてもよい。更に、説明されている操作及び動作は端に例として与えられており、操作及び動作の一部は、記載されている態様の本質から外れずに、任意であっても、より少ない操作及び動作にまとめられても、あるいは、追加の操作及び動作に拡張されてもよい。
【0146】
図21は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を作動させる例示的な動作回路2100の他のブロック図を示す。回路2100は、SIMOコンバータ104、LDO106、電子デバイス2101、オンタイム調整ループ2105、スイッチコントローラ2107、及びレベルシフタ2109を含んでよい。
【0147】
図21には、例示及び議論の簡潔さのために、1つのLDO106及び1つのスイッチコントローラ2107しか図示及び議論されていない。本開示のいくつかの態様で、回路2100は、図21に示されるように1つのLDO106及び1つのスイッチコントローラ2107しか含まなくてもよい。本開示の他の態様では、回路2100は、複数のLDO106及び複数のスイッチコントローラ2107又は1つのスイッチコントローラ2107を含んでもよい。
【0148】
SIMOコンバータ104は、本開示の他の場所で記載されるSIMO回路104に対応してもよい。LDO106は、本開示の他の場所で記載されるLDO106に対応してもよい。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104は、コンバータ出力部でスイッチング出力電圧108を異なる値で供給するよう複数の出力部を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、電子デバイス2101はコンバータ出力部へ電気的に結合されてよい。SIMOコンバータ104及びLDO106は、スイッチング出力電圧108を電子デバイス2101へ供給するよう動作し得る。
【0149】
本開示のいくつかの態様で、オンタイム調整ループ2105は、図18のLDO106の一部又は全部を含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、オンタイム調整ループ2105は、図18のスイッチコントローラ1802の一部又は全部を含んでもよい。
【0150】
オンタイム調整ループ2105は、スイッチング出力電圧108を受け、また、端子1826を介して基準電圧を受け得る。オンタイム調整ループ2105は、スイッチング出力電圧108を基準電圧と比較してよい。オンタイム調整ループ2105は、スイッチング出力電圧108と基準電圧との比較に基づきデューティサイクル電圧1838(例えば、VTON)を供給し得る。
【0151】
スイッチコントローラ2107は、SIMOコンバータ104内のスイッチを制御するよう構成されてよい。スイッチコントローラ2107は、スイッチング出力電圧108をコンバータ出力部へ選択的に印加するようSIMOコンバータ104内のスイッチを制御してよい。
【0152】
スイッチコントローラ2107は、デューティサイクル電圧1838及びクロック電圧2103に基づき1つ以上のスイッチング電圧2111を生成し得る。本開示のいくつかの態様で、デューティサイクル電圧1838が論理ハイであり、クロック電圧2103が受け取られている場合に、スイッチコントローラ2107は、SIMOコンバータ104内のハイサイドスイッチ(例えば、図2のスイッチ206)がオフし、SIMOコンバータ104内のローサイドスイッチ(例えば、図2のスイッチ208)及び出力スイッチ)(図2のスイッチ204a)がオンするように、スイッチング電圧2111を生成し得る。
【0153】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラ2107は、閉位置へ遷移する(例えば、オンする)よう1つ以上のスイッチを制御する前に、SIMOコンバータ104内でシュートスルー電流が起こらないようにスイッチング電圧2111に不感時間(tDEAD)を挿入してもよい。
【0154】
レベルシフタ2109はスイッチング電圧2111を受け得る。レベルシフタ2109は、スイッチング電圧2111のうちの1つ以上の電圧レベルを、SIMOコンバータ104内の対応するスイッチを開位置と閉位置との間で遷移させるのに十分なレベルにシフトし得る。レベルシフタ2109は、スイッチング電圧2111に基づきゲート電圧2113を生成してもよい。本開示のいくつかの態様で、レベルシフタ2109は、ゲート電圧2113を受けるべきであるSIMOコンバータ104の対応する段に基づきゲート電圧2113を遅延させてもよい。
【0155】
SIMOコンバータ104はゲート電圧2113を受けて、SIMOコンバータ104で実装されているスイッチをそれに応じて動作させ得る。
【0156】
本開示のいくつかの態様で、オンタイム調整ループ2105、スイッチコントローラ2107、レベルシフタ2109、又はそれらの何らかの組み合わせは、効率のために最適化されてもよい。
【0157】
図22は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を作動させる例示的な動作環境又はシステム2200の他のブロック図を示す。環境2200は、SIMOコンバータ104、LDO106、オンタイム調整ループ2105、及びスイッチコントローラ2107を含み得る。
【0158】
SIMOコンバータ104は、図4に関連して上述されたSIMOコンバータ104に対応してもよい。更に、LDO106は、図4に関連して上述されたレギュレータ302aに対応してもよい。
【0159】
図22では、例示及び議論の簡潔さのために、1つのLDO106しか図示及び議論されていない。本開示のいくつかの態様で、環境2200は、図22に示されるように1つのLDO106しか含まなくてもよい。本開示の他の態様では、環境2200は複数のLDO106を含んでもよい。
【0160】
LDO106は、SIMOコンバータ104の出力部へ電気的に結合されているコンパレータ2215を含んでよい。コンパレータ2215はスイッチング出力電圧108を受け得る。コンパレータ2215は、端子2217を介して基準電圧を受け得る。コンパレータ2215は、基準電圧をスイッチング出力電圧と比較し得る。本開示のいくつかの態様で、コンパレータ2215は、比較に基づいてスイッチング出力電圧をレギュレートするよう第6スイッチ2205を制御してもよい。
【0161】
オンタイム調整ループ2105(図21に図示。)は増幅器1814を含んでもよい。増幅器1814はスイッチング出力電圧108を受け得る。増幅器1814は、端子1826を介して基準電圧を受け得る。増幅器1814は、基準電圧をスイッチング出力電圧と比較し得る。本開示のいくつかの態様で、増幅器1814は、比較に基づきレギュレータ特有の目標出力電圧を生成し得る。
【0162】
本開示のいくつかの態様で、オンタイム調整ループ2105はPIレギュレータ1808を含んでもよい。PIレギュレータ1808は、LDO106のレギュレータ特有の目標出力電圧1828(又は電流)をレギュレートして、レギュレートされた目標出力電圧1830を供給し得る。PIレギュレータ1808は、レギュレータ特有の目標出力電圧1828に対して様々な機能を実行して、レギュレートされた目標出力電圧1830(又は電流)を生成してもよい。
【0163】
オンタイム調整ループ2105はまた、加算器1812を含んでもよい。加算器1812は、第1レギュレータ端子1804によって位置付けられているセンサと、PIレギュレータ1808の出力部とへ電気的に結合され得る。本開示のいくつかの態様で、加算器1812は、目標出力電圧1830と、第1レギュレータ端子1804での電流に基づき第1レギュレータ端子1804でセンサによって生成された第1電圧1824とを加算し得る。加算器1812は、加算に基づき合計電圧1834を供給し得る。本開示のいくつかの態様で、加算器1812は、図18に関連して上述されたように、電圧信号の代わりに電流信号に基づき加算を実行してもよい。
【0164】
オンタイム調整ループ2105はまた、加算器1812の出力部及びインダクタ202の第1端子へ電気的に又は動作可能に結合されているコンパレータ1816を含んでもよい。コンパレータ1816は、合計電圧1834及び入力電圧1832を受け得る。コンパレータ1816は、合計電圧1834とインダクタ202の第1端子での入力電圧1832とを比較し得る。コンパレータ1816は、比較に基づき比較電圧1836を生成し得る。
【0165】
スイッチコントローラ2107は、SIMOコンバータ104内のスイッチを制御するよう構成されてよい。スイッチコントローラ2107は、スイッチング出力電圧108をコンバータ出力部に選択的に印加するようSIMOコンバータ104内のスイッチを制御してよい。
【0166】
スイッチコントローラ2107は、比較電圧1836及びクロック電圧2103に基づき1つ以上のスイッチング電圧2111を生成し得る。
【0167】
本開示のいくつかの態様で、環境2200はまた、ゲート電圧2113を生成するようレベルシフタ2109を含んでもよい。
【0168】
図23は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を作動させる例示的な動作環境2300の他のブロック図を示す。環境2300は、SIMOコンバータ104、LDO106、オンタイム調整ループ2105、及びスイッチコントローラ2107を含み得る。
【0169】
SIMOコンバータ104は、図4に関連して上述されたSIMOコンバータ104に対応してもよい。更に、LDO106は、図4に関連して上述されたLDO106に対応してもよい。
【0170】
図23では、例示及び議論の簡潔さのために、1つのLDO106しか図示及び議論されていない。本開示のいくつかの態様で、環境2300は、図23に示されるように1つのLDO106しか含まなくてもよい。本開示の他の態様では、環境2300は複数のLDO106を含んでもよい。
【0171】
本開示のいくつかの態様で、LDO106はデジタル線形レギュレータを含んでもよい。LDO106はデジタルゲートコントローラ2319を含んでもよい。デジタルゲートコントローラ2319はコンバータ出力部へ電気的に結合され得る。デジタルゲートコントローラ2319はゲート制御信号を生成し得る。デジタルゲートコントローラ2319は、スイッチング出力電圧108をレギュレートするようLDO106内のスイッチ621のゲートを制御するためにゲート制御信号を生成し得る。デジタルゲートコントローラ2319は、スイッチング出力電圧108と基準信号2323との間の差に基づきゲート制御信号を生成し得る。デジタルゲートコントローラ2319は、ゲート制御信号をデジタル信号として生成してもよい。各ゲート制御信号はスイッチ621内の異なるスイッチに対応し得る。例えば、第1ゲート制御信号は、スイッチ621内の第1スイッチのゲートを制御してもよく、第2ゲート制御信号は、スイッチ621内の第2スイッチのゲートを制御してもよい。
【0172】
デジタルゲートコントローラ2319は、スイッチング出力電圧108と基準信号2323との間の差に基づきゲート制御信号のうちの特定の数を論理ハイで生成し得る。スイッチング出力電圧108と基準信号2323との間の差が変化すると、デジタルゲートコントローラ2319は、ゲート制御信号のうちのより多い又はより少ないゲート制御信号を論理ハイで生成し得る。例えば、差が小さくなると、デジタルゲートコントローラ2319は論理ハイのゲート制御信号の数を減らし得る。
【0173】
スイッチ621は、スイッチング出力電圧の電流レベルを上げることによってスイッチング出力電圧をレギュレートし得る。スイッチ621は、入力信号(例えば、入力電圧)を受信し、制御された電流レベルで入力信号をコンバータ出力部へ供給し得る。スイッチ621は、入力端子102から入力信号を受信し得る。コンバータ出力部へ供給される入力信号の制御された電流レベルは、閉じられた状態にあるスイッチ621内のスイッチの数に基づき得る(例えば、論理ハイにあるゲート制御信号の数に基づく。)。閉じられた状態にあるスイッチ621内の各スイッチは、コンバータ出力部へ供給される入力信号の電流レベルを上げ得る。例えば、全てのスイッチ621が閉じられた状態にある場合に、スイッチ621はハイ電流レベルで入力信号を供給し得る。他の例として、スイッチ621のうちの1つのスイッチが閉じられた状態にある場合には、スイッチ621は、ハイ電流レベルよりも低い電流レベル(例えば、ハイ電流レベルの4分の1)で入力信号を供給し得る。
【0174】
オンタイム調整ループ2105は増幅器1814を含んでもよい。増幅器1814はスイッチング出力電圧108を受け得る。増幅器1814は端子1826を介して基準電圧を受け得る。増幅器1814は基準電圧をスイッチング出力電圧と比較し得る。本開示のいくつかの態様で、増幅器1814は、比較に基づき、レギュレータ特有の目標出力電圧1828を生成し得る。
【0175】
本開示のいくつかの態様で、オンタイム調整ループ2105はPIレギュレータ1808を含んでもよい。PIレギュレータ1808は、レギュレートされた目標出力電圧1830(又は電流)を供給するようレギュレータ特有の目標出力電圧1828(又は電流)をレギュレートし得る。PIレギュレータ1808は、レギュレータ特有の目標出力電圧1830(又は電流)を生成するようレギュレータ特有の目標出力電圧1828に対して様々な機能を実行してもよい。
【0176】
オンタイム調整ループ2105は電流源(以降「Iソース」とも呼ばれる。)アレイ2309を含んでもよい。Iソースアレイ2309は、デジタルゲートコントローラ2319の出力へ電気的に結合され得る。更に、Iソースアレイ2309は、加算器1812へ電気的に結合され得る。Iソースアレイ2309は、デジタルゲートコントローラ2319からゲート制御信号を受信し得る。Iソースアレイ2309は、ゲート制御信号に基づき第1電圧1824(又は電流)を生成し得る。本開示のいくつかの態様で、Iソースアレイ2309は、論理ハイであるゲート制御信号の数に基づき第1電圧1824(又は電流)を生成し得る。例えば、全てのゲート制御信号が論理ハイである(例えば、スイッチ621内の全てのスイッチが閉じられた状態にある)場合に、Iソースアレイ2309はハイレベルで第1電圧1824(又は電流)を生成し得る。他の例として、2つのゲート制御信号が論理ハイである(例えば、スイッチ621内の2つのスイッチが閉じられた状態にある)場合に、Iソースアレイ2309はハイレベルの一部で(例えば、ハイレベルの半分のレベルで)第1電圧1824(又は電流)を生成し得る。本開示のいくつかの態様で、Iソースアレイ2309は、SIMOバックブーストコンバータ104内の電流レベルのコピーとしての第1電流(例えば、インダクタ202での電流)として、第1電圧1824を生成してもよい。
【0177】
オンタイム調整ループ2105は加算器1812を含んでもよい。加算器1812は、Iソースアレイ2309及びPIレギュレータ1808の出力部へ電気的に結合され得る。本開示のいくつかの態様で、加算器1812は、目標出力電圧1830(又は電流)と、Iソースアレイ2309からの第1電圧1824(又は電流)とを加算し得る。加算器1812は、加算に基づき合計電圧1834(又は電流)を供給し得る。
【0178】
オンタイム調整ループ2105はまた、加算器1812の出力部と、インダクタ202の第1端子によって位置付けられているセンサとへ電気的に結合されているコンパレータ1816を含んでもよい。コンパレータ1816は、合計電圧1834(又は電流)と、インダクタ202の第1端子での電流に基づいた電圧1832(又は電流)とを受け得る。コンパレータ1816は、合計電圧1834(又は電流)と電圧1832(又は電流)とを比較し得る。コンパレータ1816は、比較に基づき比較電圧1836(又は電流)を生成し得る。
【0179】
スイッチコントローラ2107は、SIMOコンバータ104内のスイッチを制御するよう構成されてよい。スイッチコントローラ2107は、スイッチング出力電圧108をコンバータ出力部に選択的に印加するようSIMOコンバータ104内のスイッチを制御し得る。スイッチコントローラ2107は、比較電圧1836及びクロック電圧2103に基づき1つ以上のスイッチング電圧2111を生成し得る。
【0180】
本開示のいくつかの態様で、環境2300はまた、ゲート電圧2113を生成するようレベルシフタ2109を含んでもよい。
【0181】
図24は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を作動させる例示的な動作環境2400の他のブロック図を示す。環境2400は、SIMOコンバータ104、LDO106、オンタイム調整ループ2105、及びスイッチコントローラ2107を含み得る。
【0182】
SIMOコンバータ104は、図4に関連して上述されたSIMOコンバータ104に対応してもよい。更に、LDO106は、図4に関連して上述されたLDO106に対応してもよい。
【0183】
図24では、例示及び議論の簡潔さのために、1つのLDO106しか図示及び議論されていない。本開示のいくつかの態様で、環境2400は、図24に示されるように1つのLDO106しか含まなくてもよい。本開示の他の態様では、環境2400は複数のLDO106を含んでもよい。
【0184】
本開示のいくつかの態様で、LDO106デジタルプッシュプルレギュレータを含んでもよい。LDO106は第1デジタルゲートコントローラ2319a及び第2デジタルゲートコントローラ2319bを含んでもよい。デジタルゲートコントローラ2319a~bはコンバータ出力へ電気的に結合され得る。デジタルゲートコントローラ2319a~bはゲート制御信号を生成し得る。デジタルゲートコントローラ2319a~bは、スイッチング出力電圧108をレギュレートするようLDO106内のスイッチ621a~bのゲートを制御するためにゲート制御信号を生成し得る。
【0185】
第1デジタルゲートコントローラ2319aは、ロー基準信号2325及びスイッチング出力電圧108を受け得る。第1デジタルゲートコントローラ2319aは、スイッチング出力電圧108及びロー基準信号2325に基づき、対応するゲート制御信号を生成し得る。本開示のいくつかの態様で、第1デジタルゲートコントローラ2319aは、図23に関連して上述されたように、ロー閾値を上回るようにスイッチング出力電圧を制御してよい。
【0186】
第2デジタルゲートコントローラ2319bは、ハイ基準信号2327及びスイッチング出力電圧108を受け得る。第2デジタルゲートコントローラ2319bは、スイッチング出力電圧108及びハイ基準信号2327に基づき、対応するゲート制御信号を生成し得る。本開示のいくつかの態様で、第2デジタルゲートコントローラ2319bは、ハイ閾値を下回るようにスイッチング出力電圧を制御してよい。第2デジタルゲートコントローラ2319bは、図23のデジタルゲートコントローラ2319と同様に動作し得るが、スイッチング出力電圧の電流レベルを閾値を上回るようにレギュレートするのではなく、第2デジタルゲートコントローラ2319bは、ゲート制御信号に基づき、スイッチング出力電圧の電流レベルをハイ閾値を下回るようにレギュレートし得る。
【0187】
オンタイム調整ループ2105は増幅器1814を含んでもよい。増幅器1814はスイッチング出力電圧108を受け得る。増幅器1814は端子1826を介して基準電圧を受け得る。増幅器1814は基準電圧をスイッチング出力電圧と比較し得る。本開示のいくつかの態様で、増幅器1814は、比較に基づき、レギュレータ特有の目標出力電圧1828を生成し得る。
【0188】
本開示のいくつかの態様で、オンタイム調整ループ2105はPIレギュレータ1808を含んでもよい。PIレギュレータ1808は、レギュレートされた目標出力電圧1830(又は電流)を供給するようLDO106のレギュレータ特有の目標出力電圧をレギュレートし得る。PIレギュレータ1808は、レギュレータ特有の目標出力電圧1830(又は電流)を生成するようレギュレータ特有の目標出力電圧1828に対して様々な機能を実行してもよい。図24のLDO106は、図7に関連してデジタルプッシュプルレギュレータ702aについて記載されたものと同様に作動し得る。
【0189】
オンタイム調整ループ2105は第1Iソースアレイ2309a及び第2Iソースアレイ2309bを含んでもよい。第1Iソースアレイ2309aは、第1デジタルゲートコントローラ2319aの出力へ電気的に結合され得る。第2Iソースアレイ2309bは、第2デジタルゲートコントローラ2319bの出力へ電気的に結合され得る。更に、Iソースアレイ2309a~bは、加算器1812へ電気的に結合され得る。Iソースアレイ2309a~bは、デジタルゲートコントローラ2319a~bから対応するゲート制御信号を受信し得る。第1Iソースアレイ2309aは、第1デジタルゲートコントローラ2319aからのゲート制御信号に基づき第1電圧1824(又は電流)を生成し得る。本開示のいくつかの態様で、第1Iソースアレイ2309aは、図23に関連して上述されたように、論理ハイである、第1デジタルゲートコントローラ2319aから受信されたゲート制御信号の数に基づき、第1電圧1824(又は電流)を生成し得る。第2Iソースアレイ2309bは、第2デジタルゲートコントローラ2319bからのゲート制御信号に基づき第2電圧1820(又は電流)を生成し得る。本開示のいくつかの態様で、第2Iソースアレイ2309bは、図23に関連して上述されたように、論理ハイである、第2デジタルゲートコントローラ2319bから受信されたゲート制御信号の数に基づき、第2電圧1820(又は電流)を生成し得る。
【0190】
オンタイム調整ループ2105は加算器1812を含んでもよい。加算器1812は、Iソースアレイ2309a~b及びPIレギュレータ1808の出力部へ電気的に結合され得る。本開示のいくつかの態様で、加算器1812は、目標出力電圧1830(又は電流)、第1電圧1824(又は電流)、第2電圧1820(又は電流)、又はそれらの何らかの組み合わせを加算し得る。加算器1812は、加算に基づき合計電圧1834(又は電流)を供給し得る。
【0191】
オンタイム調整ループ2105はまた、加算器1812の出力部と、インダクタ202の第1端子によって位置付けられているセンサとへ電気的に結合されているコンパレータ1816を含んでもよい。コンパレータ1816は、合計電圧1834(又は電流)と、インダクタ202の第1端子での電流に基づいた電圧1832(又は電流)とを受け得る。コンパレータ1816は、合計電圧1834(又は電流)と電圧1832(又は電流)とを比較し得る。コンパレータ1816は、比較に基づき比較電圧1836(又は電流)を生成し得る。
【0192】
スイッチコントローラ2107は、SIMOコンバータ104内のスイッチを制御するよう構成されてよい。スイッチコントローラ2107は、スイッチング出力電圧108をコンバータ出力部に選択的に印加するようSIMOコンバータ104内のスイッチを制御し得る。スイッチコントローラ2107は、比較電圧1836及びクロック電圧2103に基づき1つ以上のスイッチング電圧2111を生成し得る。
【0193】
本開示のいくつかの態様で、環境2400はまた、ゲート電圧2113を生成するようレベルシフタ2109を含んでもよい。
【0194】
SIMOコンバータ、LDO、及びスイッチコントローラを含むシステムは、フィードフォワードシステムとして作動し得る。フィードフォワードシステムは、SIMOコンバータ又はLDOからスイッチコントローラへ電圧、電流、又はそれらの何らかの組み合わせをフィードフォワード(例えば、供給)し得る。例えば、第1レギュレータ端子での電流に基づいた第1電圧/電流と、第2レギュレータ端子での電流に基づいた第2電圧/電流とが、フィードフォワードされ得る。スイッチコントローラは、SIMOコンバータ内のスイッチのデューティサイクルを制御するために、フィードフォワードされる電圧/電流を使用してもよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラ又はスイッチコントローラとLDOとの組み合わせは、チューニングループ、例えば、オンタイム調整ループと一体化されてもよい。
【0195】
ハイブリッドSIMO LDO構造で、SIMOコンバータは、LDOに対して、より高い効率性能を提供することができ、LDOは過渡性能を改善することができる。システムの効率を改善するために、LDOの動作は最小限にされ得、SIMOコンバータの動作は最大限にされ得る。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータの動作を増やすためにSIMOコンバータ内のスイッチのデューティサイクルを高める(又は増やす)ことが実装されてよい。SIMOコンバータからフィードフォワードされる電圧及びスイッチコントローラは、スイッチのデューティサイクルを増大させる。
【0196】
LDOは、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットするよう構成されてよい。本開示のいくつかの態様で、LDOは、SIMOコンバータ又はLDO内の動作要因に基づき、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を変更してよい。例えば、LDOは、目標出力電圧の予め定義された範囲内にとどまるようスイッチング出力電圧をレギュレートし得る。本開示のこれら及び他の態様で、入力電流は、第1レギュレータ端子から第2レギュレータ端子へLDOを通って流れ得る。
【0197】
本開示のいくつかの態様で、LDOは、スイッチング出力電圧を予め定義された第3閾電圧と比較するよう構成されたコンパレータ(例えば、第3コンパレータ)を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、予め定義された第3閾電圧は、スイッチング出力電圧の定常状態電圧レベルに基づきプログラムされてよい。コンパレータは、比較に基づきレギュレートされた目標出力電圧を生成し得る。
【0198】
本開示のいくつかの態様で、例えば、図18で示されるように、LDOは、比例部分及び積分部分を含むPI回路を含んでもよい。PI回路、例えば、PIレギュレータは、増幅器からレギュレータ特有の目標出力電圧を受け得る。PIレギュレータは、レギュレータ特有の目標出力電圧に対して比例機能又は積分機能を実行してよい。PIは、レギュレータ特有の目標出力電圧に対して実行された機能に基づき、レギュレートされた目標出力電圧を供給し得る。本開示のいくつかの態様で、PI回路の比例部分しか、レギュレータ特有の目標出力電圧に対して機能を実行しなくてもよい。本開示の他の態様では、PI回路の積分部分しか、レギュレータ特有の目標出力電圧に対して機能を実行しなくてもよい。代替的に、PI回路の比例部分及び積分部分の両方が、レギュレータ特有の目標出力電圧に対して機能を実行してもよい。
【0199】
本開示のいくつかの態様で、LDO又はスイッチコントローラは加算器を含んでもよい。LDO又はスイッチコントローラは、SIMOコンバータ内のスイッチを制御するために第1電圧/電流、第2電圧/電流、又はそれらの何らかの組み合わせを使用してもよい。本開示のいくつかの態様で、LDOは、第1レギュレータ端子での電流に基づいた第1電圧/電流、又は第2レギュレータ端子での電流に基づいた第2電圧/電流を決定してよい。例えば、加算器は、PI回路からのレギュレートされた目標出力電圧、第1レギュレータ端子によるセンサからの第1電圧/電流、及び/又はインダクタの第1端子によるセンサからの第2電圧/電流を受け得る。加算器は、レギュレートされた目標出力電圧を第1電圧/電流及び/又は第2電圧/電流と合計し得る。加算器は、レギュレートされた目標出力電圧と第1電圧/電流及び/又は第2電圧/電流との和に基づき、合計電圧/電流を生成し得る。
【0200】
本開示のいくつかの態様に従って、スイッチコントローラは、合計電圧と、インダクタの第1端子での電流に基づいた電圧/電流とを受けるよう構成されたコンパレータ(例えば、第4コンパレータ)を含んでもよい。本開示の他の態様に従って、コンパレータは、スイッチコントローラの前段として構成されてもよい。コンパレータは、レギュレートされた目標出力電圧/電流を、インダクタの第1端子での電流に基づいた電圧/電流と比較し得る。コンパレータは、比較に基づき比較電圧を供給し得る。
【0201】
スイッチコントローラは、比較電圧を受けるよう構成されたSRラッチ回路を含んでもよい。SRラッチ回路はクロック信号も受け得る。本開示のいくつかの態様で、比較電圧はSRラッチ回路のためのリセット信号として動作し得る。本開示のこれら及び他の態様で、クロック信号はSRラッチ回路のためのセット信号として動作し得る。SRラッチ回路は、(例えば、SIMOコンバータ内のスイッチを制御するために)クロック信号及び比較電圧に基づきデューティサイクル電圧を生成し得る。デューティサイクル電圧はSIMOコンバータ内の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを制御し得る。
【0202】
本開示のいくつかの態様で、クロック信号がハイ値になり、比較電圧が閾レベルを下回る場合に、SRラッチ回路はセットされ得、デューティサイクル電圧を供給し得る。フィードフォワードされた電流は、SIMOコンバータ内の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを高める(増やす)ようSIMOコンバータ内のスイッチのデューティ制御に加えられてもよい。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ内の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを増大させることは、1つ以上のスイッチが閉じられた位置(例えば、伝搬位置)に又は開いた位置(例えば、非伝搬位置)にある時間の量を増やし得る。本開示のいくつかの態様で、比較電圧が対応する閾レベルを上回る場合に、SRラッチ回路はリセットされ得、デューティサイクル電圧を供給しなくなり、SIMOコンバータ内の1つ以上のスイッチは開放位置(例えば、非伝搬位置)に移り得る。本開示のこれら及び他の態様で、比較電圧が対応する閾レベルを上回る場合に、SRラッチ回路はリセットされ得、デューティサイクル電圧を供給することができず、SIMOコンバータ内の1つ以上のスイッチは、予め定義されたデューティサイクルに従って作動してもよい。
【0203】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラを含まないシステムと比較して、1つ以上のスイッチを制御するデューティサイクル電圧はSIMOコンバータ内の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを増大させ得、かつ、インダクタが充電されるレートを増大させ得る。本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、合計電圧が増大する場合に、SIMOコンバータ内の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを増やし(例えば、高め)得る。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラは、関連するレギュレータによって供給される合計電圧が低下する場合に、SIMOコンバータ内の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを低減させ(例えば、下げ)得る。SIMOコンバータ内の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを制御することによって、スイッチコントローラはスイッチング出力電圧を制御し得る。
【0204】
LDO及びスイッチコントローラ(例えば、コンパレータ、PI回路、加算器、又はSRラッチ回路)は、SIMOの出力が増大、低減又は維持されるべきであるかどうかを検知するために使用されてもよい。本開示のいくつかの態様で、LDO及びスイッチコントローラは、オンタイム調整ループとして実装されてもよい。オンタイム調整ループにおいて、SIMOコンバータ内の1つ以上のスイッチのデューティサイクルがオンである時間の量(例えば、Ton)は、インダクタが充電されるレート又はインダクタ上の電流が放散されるレートを変更するよう増加又は減少され得る。本開示で記載される1つ以上の態様は、デューティサイクル電圧が供給される時間の量(例えば、Ton)を増加させ得るLDOでの電流の増大を検出してもよい。また、LDOの電流は、デューティサイクル電圧が供給される時間の量の増加により低下してよい。
【0205】
いくつかの態様で、システムの更なる最適化は、電力トレインのトリガー又は他の最適化方法を用いて取得され得る。
【0206】
本開示で記載される態様のうちの1つ以上は、LDO又はフィードフォワードコントローラを含まないSIMOシステムよりも速くSIMO内の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを増大させ得る。更に、本開示で記載される1つ以上の態様は、インダクタが充電されるレート又は蓄えられている電流を放散するレートを増大させる。更に、本開示で記載される1つ以上の態様は、SIMOシステムの回路複雑性を低下させる。
【0207】
本開示のいくつかの態様で、LDO、オンタイム調整ループ、スイッチコントローラ、又はそれらの何らかの組み合わせは、センス電界効果トランジスタ(SenseFET)を含んでもよい。SenseFETは、SIMOコンバータ内の1つ以上の電圧(例えば、スイッチング出力電圧)を検出(例えば、センス)し得る。本開示のいくつかの態様で、SenseFETのゲート-ソース電圧(Vgs)及びゲート-ドレイン電圧(Vgd)は、SIMOコンバータ内の1つ以上の電圧と同じか又は類似し得る。SenseFETは、LDO、オンタイム調整ループ、スイッチコントローラ、又はそれらの何らかの組み合わせ内の1つ以上の電圧を制御するようSIMOコンバータ内の電流の一部を導き得る。
【0208】
本開示のいくつかの態様で、SenseFETは、SIMOコンバータに対するN:1のサイズ比を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、SenseFETは、LDO、オンタイム調整ループ、スイッチコントローラ、又はそれらの何らかの組み合わせ内の1つ以上の電圧を制御するよう1/Nの比でSIMOコンバータ内の電流を導き得る。
【0209】
本開示のいくつかの態様で、LDO、オンタイム調整ループ、スイッチコントローラ、又はそれらの何らかの組み合わせは、計装増幅回路(instrumentation amplifier)を含んでもよい。LDO、オンタイム調整ループ、スイッチコントローラ、又はそれらの何らかの組み合わせは、SIMOコンバータでの電圧ドロップを検出してもよい。計装増幅回路は、SIMOコンバータでの電圧ドロップを増幅させるよう構成されてよい。計装増幅回路は、LDO、オンタイム調整ループ、スイッチコントローラ、又はそれらの何らかの組み合わせ内の1つ以上の電圧を制御するようSIMOコンバータでの電圧ドロップを増大させ得る。
【0210】
本開示のいくつかの態様で、LDOはデジタルLDOを含んでもよい。LDOは、デジタルゲートコントローラ及びIソースアレイを含んでもよい。LDOは、アクティブにされたスイッチ(例えば、閉じられた状態のスイッチ)の数に基づき、SIMOコンバータ内の電流を検出してもよい。LDOは、SIMOコンバータの入力部とコンバータ出力部との間に電気的に結合されているスイッチを含んでもよい。デジタルゲートコントローラがLDOとともにスイッチを制御してもよい。デジタルゲートコントローラは、LDO内のスイッチを、スイッチング出力電圧及び基準電圧に基づき、開位置と閉位置との間で遷移させ得る。Iソースアレイは、デジタルゲートコントローラ出力での電流を検出してよい。オンタイム調整ループは、デジタルゲートコントローラの出力での検出された電流に基づき、合計電圧を調整し得る。
【0211】
コンバータ出力部へ電気的に結合される電子デバイスは、スイッチング出力電圧の電圧リップルのための異なる設定を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、SIMOコンバータ104内のスイッチを制御して、敏感な電圧リップル設定を含む電子デバイスへより頻繁にスイッチング出力電圧を供給してもよい。これらの電子デバイスへより頻繁にスイッチング出力電圧を供給するスイッチコントローラは、対応するコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧の電圧リップルを低減させることができる。
【0212】
本開示の態様に従って、スイッチコントローラは、SIMOコンバータ内のスイッチを制御することによってスイッチング出力電圧のリップルを制御してもよい。電気部品は電圧リップルの様々な許容範囲を有する可能性がある。いくつかの部品はリップルに対して非常にロバストであることができ、かなりの電圧リップルに耐えることができるが、他の部品は比較的にリップルに敏感であり、部品を保護し且つ適切な動作を確保するために有意な電圧制御を必要とする。例えば、USBポートは理想的に5Vで作動されるが、一部のUSB接続デバイスは、電圧範囲(例えば、4.45V~5.25Vの仮想範囲)内でうまく機能するよう十分なリップル耐性を備えることがある。しかし、他のUSB接続デバイスは、5V一定によりずっと近い電圧を必要とすることがある。リップルの大きさは、部分的に、スイッチ204a~nを制御することによって決定され得る。
【0213】
図25は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って,SIMO104を含む例示的なシステム2500のブロック図を示す。システム2500はまた、マスタコントローラ2502及びスイッチコントローラ2504を含んでもよい。SIMO104は、図4に関連して上述されたSIMO104に対応してもよい。
【0214】
図25では、例示及び議論の簡潔さのために、1つのマスタコントローラ2502及び1つのスイッチコントローラ2504しか図示及び議論されていない。本開示のいくつかの態様で、システム2500は、図25に示されるように1つのマスタコントローラ2502及び1つのスイッチコントローラ2504しか含まなくてもよい。本開示の他の態様では、システム2500は2つ以上のマスタコントローラ2502及び2つ以上のスイッチコントローラ2504を含んでもよい。
【0215】
本開示のいくつかの態様で、マスタコントローラ2502は、SIMO104の異なる出力部へ電気的に結合されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラ2504は、マスタコントローラ2502へ電気的に結合されてよい。更に、本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラ2504は、破線長方形として図25で表されているSIMO104内のスイッチ204a~nのうちの1つ以上へ電気的に結合されてもよい。スイッチコントローラ2504は、例示の簡潔さのために、スイッチ204a~nの夫々ではなく破線長方形へ結合されているものとして図25に示されている。
【0216】
本開示のいくつかの態様で、システム2500は、SIMO104の出力部へ電気的に結合されている電気デバイスへ供給されるスイッチング出力電圧108a~nの電圧リップルを制御するよう動作してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、マスタコントローラ2502は、1つ以上の出力部でのスイッチング出力電圧108a~nを決定してもよい。スイッチコントローラ2504は、スイッチング出力電圧108a~nに基づきマスタコントローラ2502によって供給された信号に基づきスイッチ204a~nのデューティサイクルを制御するよう構成されてよい。
【0217】
図26は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、分離したインダクタ周期の間にインダクタが2つの電気デバイスへ電気的に結合されるシミュレーションのグラフ表現2600を示す。図26で、波形2606a~eは、インダクタ周期の間のインダクタでの電流を表す。波形2606a~eは、インダクタ周期の間に時間とともにどのようにインダクタでの電流が変化するかを示す。インダクタ周期の充電部分は図26では部分2608a~eとして示され、インダクタ周期の放電部分は図26では部分2610、2612、2614、2616、及び2618として示されている。例えば、第1インダクタ周期2606aの充電部分は部分2608aを含み、第1インダクタ周期2606aの放電部分は部分2610を含む。
【0218】
本開示のいくつかの態様で、インダクタは、充電部分2608a~e並びに放電部分2610、2612、2614、2616、及び2618の間に電気デバイスへ電気的に結合されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、充電部分2608a~eは、インダクタが放電されるよりも高いレートでインダクタが正電圧として入力電圧を使用して充電されることによるインダクタでの電流の増大を示す。例えば、充電部分2608a~eは、入力電圧を受け、第1出力部を介して第1電気デバイスへ電気的に結合されるインダクタに対応してよい。放電部分2610、2612、2614、2616、及び2618は、インダクタを入力電圧から切り離し、そして、インダクタを他の電気デバイスへ電気的に結合することによるインダクタでの電流の減少を示す。例えば、放電部分2610、2612、2614、2616、及び2618は、インダクタを第2電気デバイス、第3電気デバイス、第4電気デバイス、第5電気デバイス、及び第6電気デバイスへ夫々電気的に結合することに対応してよい。各インダクタ周期中、インダクタは、充電部分2608a~eの間は第1電気デバイスへ、放電部分2610、2612、2614、2616、及び2618の間は別の電気デバイスへ電気的に結合される。
【0219】
曲線2620、2622、2624、2626、及び2628は、インダクタ周期中にインダクタを充電又は放電することによりどのようにSIMOシステムの各出力部でのスイッチング出力電圧が変化するかを示す。曲線2620は、第1出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルに対応する。曲線2626は、第2出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルに対応する。曲線2624は、第3出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルに対応する。曲線2626は、第4出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルに対応する。曲線2628は、第5出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルに対応する。
【0220】
図26に示されるように、第1出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルは、対応する充電部分2608a~eの間に増大する。更に、図26に示されるように、第2出力部、第3出力部、第4出力部、及び第5出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルは、対応する放電部分2610、2612、2614、2616、及び2618の間に増大する。例えば、第2出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルは、放電部分2610及び2618の間に増大し(例えば、曲線2622)、第4出力部でのスイッチング出力の電圧レベル(例えば、曲線2626)は、放電部分2614の間に増大する。
【0221】
インダクタでの電流が略零アンペアに達するか、又は対応するインダクタ周期が終わる(例えば、その後の充電部分が起こるようにスイッチが動く)場合に、対応する出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルは低下し始める。異なる出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルは、キャパシタの蓄えられた電圧により、電流が略零アンペアに達するか、又は対応するインダクタ周期が終わる場合に、徐々に低下し得る。例えば、図26に示されるように、放電部分2612が終わる場合に、第3出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルは低下し始める(例えば、曲線2624は下がる。)。他の例として、図26に示されるように、充電部分2608cが終わる場合に、第1出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルは低下し始める(例えば、曲線2620は下がる。)。図26に示されるように、インダクタ周期ごとにインダクタを第1出力部へ電気的に結合することは、第1出力での電圧リップルを低減させ得る。
【0222】
図27は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、単一インダクタ多重出力コンバータを作動させる例示的な方法2700のフローチャートを示す。方法2700は、1つ以上のブロック2702、2704、2706、2708、又は2710を含み得る。別個のブロックで示されているが、方法2700のブロックのうちの1つ以上に関連した動作は、特定の実施に応じて、更なるブロックに分けられても、より少ないブロックにまとめられても、又は削除されてもよい。
【0223】
ブロック2702で、方法は、スイッチを制御する(例えば、切り替える)ことを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチは、インダクタに供給された入力電流に応答して、スイッチング出力電圧を供給してよい。
【0224】
ブロック2704で、方法は、スイッチング出力電圧を制御することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、方法は、スイッチング出力電圧を制御するようスイッチを制御することを含んでもよい。
【0225】
ブロック2706で、方法は、スイッチング出力電圧をコンバータ出力部に印加することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、方法は、インダクタ周期の充電部分又は放電部分の間に単一のコンバータ出力部にスイッチング出力電圧を印加することを含んでよい。
【0226】
ブロック2708で、方法は、スイッチング出力電圧を第1コンバータ出力部に印加することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、方法は、第1デューティサイクルの第1時間部分の間に第1コンバータ出力部にスイッチング出力電圧を印加することを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、第1デューティサイクルの第1時間部分は、インダクタ周期の充電部分に対応してもよい。
【0227】
ブロック2710で、方法は、スイッチング出力電圧を他のコンバータ出力部に印加することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、方法は、第1コンバータ出力部以外のコンバータ出力部にスイッチング出力電圧を印加することを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、方法は、第1デューティサイクルの第2時間部分の間に、第1コンバータ出力部以外のコンバータ出力部にスイッチング出力電圧を印加することを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、第1デューティサイクルの第2時間部分は、インダクタ周期の放電部分に対応してもよい。
【0228】
本開示の範囲から逸脱せずに方法2700に対して変更、追加、又は省略が行われてもよい。例えば、方法2700の動作は別の順序で実施されてもよい。追加的に、又は代替的に、2つ以上の動作は同時に実行されてもよい。更に、説明されている操作及び動作は端に例として与えられており、操作及び動作の一部は、記載されている態様の本質から外れずに、任意であっても、より少ない操作及び動作にまとめられても、あるいは、追加の操作及び動作に拡張されてもよい。
【0229】
図28は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ内のスイッチのタイミング図を含め、分離したインダクタ周期の間にインダクタが2つの電気デバイスへ電気的に結合されるシミュレーションのグラフ表現2800を示す。
【0230】
図28で、波形2606a~eは、図26に関連して上述されたように、インダクタ周期の間のインダクタでの電流を表す。更に、図28では、曲線2620、2622、2624、2626、及び2628は、図26に関連して上述されたように、インダクタ周期中にインダクタを充電又は放電することによりどのようにSIMOコンバータの各コンバータ出力部でのスイッチング出力電圧が変化するかを示す。
【0231】
曲線2801、2803、2805、2807、2809、2811、及び2813は、SIMOコンバータ内のスイッチの1つ以上のゲートでの電圧(例えば、ゲート電圧)のタイミング図を示す。曲線2801は、SIMOコンバータのスイッチのハイサイド部分のゲートでのゲート電圧に対応する。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータのスイッチのハイサイド部分は、インダクタの充電を制御するスイッチに対応してよい。曲線2803は、SIMOコンバータ内のスイッチのローサイド部分のゲートでのゲート電圧に対応する。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータのスイッチングのローサイド部分は、インダクタの放電を制御するスイッチに対応してよい。
【0232】
曲線2805、2807、2809、2811、及び2813は、SIMOコンバータのコンバータ出力部に対するスイッチのゲートでのゲート電圧に対応する。
【0233】
図28に示されるように、ハイサイド部分のゲート電圧(例えば、曲線2801)がハイである場合に、充電部分2608a~eが現れている。更に、ハイサイド部分のゲート電圧(例えば、曲線2801)がローである場合に、充電部分2608a~eは現れていない。更に、図28に示されるように、ローサイド部分のゲートでのゲート電圧(例えば、曲線2803)がハイである場合に、放電部分2610、2612、2614、2616、及び2618のうちの1つが現れている。ローサイド部分のゲート電圧(例えば、2803)がローである場合に、放電部分2610、2612、2614、2616、及び2618は現れていない。
【0234】
図28に示されるように、SIMOコンバータのコンバータ出力部にあるスイッチのゲートでのゲート電圧がハイである場合に、対応するコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルは増大する。例えば、曲線2805がハイである場合に、曲線2620は増大する。他の例として、曲線2807がハイである場合に、曲線2622が増大する。更なる他の例として、曲線2809がハイである場合に、曲線2624が増大する。他の例として、曲線2811がハイである場合に、曲線2626が増大する。他の例として、曲線2813がハイである場合に、曲線2628が増大する。
【0235】
図28に示されるように、SIMOコンバータのコンバータ出力部のためのスイッチのゲートでのゲート電圧がローである場合に、対応するコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルは低下するか又は略零ボルトになる。例えば、曲線2805がローである場合に、曲線2620は低下する。他の例として、曲線2807がローである場合に、曲線2622は低下する。更なる他の例として、曲線2809がローである場合に、曲線2624が低下する。他の例として、曲線2811がローである場合に、曲線2626が低下する。他の例として、曲線2813がローである場合に、曲線2628は低下する。
【0236】
図28に示されるように、インダクタ周期の各充電部分は、曲線2801及び2805がハイでありかつ曲線2803がローである場合に起こり得る。インダクタ周期の各放電部分は、曲線2801及び2805がローでありかつ曲線2803がハイである場合に起こり得る。更に、インダクタ周期の各放電部分は、曲線2807、2809、2811、及び2813のうちの1つ以上がハイである(例えば、SIMOコンバータのコンバータ出力部に対するスイッチのゲートでの対応するゲート電圧がハイである)場合に現れる。
【0237】
分離したインダクタ周期2606a~eは、分離したインダクタ周期2606a~eごとに第1コンバータ出力部でスイッチング出力電圧を供給することによって、第1コンバータ出力部(例えば、曲線2620)でリップルを低減し得る。第1コンバータ出力部でのスイッチング出力電圧の電圧リップル(本明細書ではリップル値とも呼ばれる。)(例えば、曲線2620のハイ点とロー点との間の差)は、第2コンバータ出力部、第3コンバータ出力部、第4コンバータ出力部、第5コンバータ出力部、又はそれらの何らかの組み合わせでのスイッチング出力電圧のリップル(例えば、曲線2622、2624、2626、2628、又はそれらの何らかの組み合わせのハイ点とロー点との間の差)よりも低くなり得る。
【0238】
図29は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む例示的なシステム2900のブロック図を示す。システム2900は、SIMOコンバータ104、1つ以上のリップルセンサ(又はリップル検出器とも呼ばれる。)2915a~e、スイッチコントローラ2917、及びレベルシフタ2919を含み得る。
【0239】
システム2900は1つ以上のLDO(図示せず。)を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、LDOは、本開示の他の場所で記載されるLDO106に対応してもよい。
【0240】
図29では、例示及び議論の簡潔さのために、1つのスイッチコントローラ2917しか図示及び議論されていない。本開示のいくつかの態様で、システム2900は、複数のスイッチコントローラ2917を含んでもよい。本開示の他の態様では、システム2900は、SIMOコンバータ104の1つ以上のコンバータ出力部へ電気的に結合された1つのリップル検出器2915しか含まなくてもよい。
【0241】
SIMOコンバータ104は、本開示の他の場所に記載されるSIMOコンバータ104に対応してもよい。SIMOコンバータ104は、コンバータ出力部でスイッチング出力電圧108を異なる値で供給するよう複数の出力部を含んでもよい。
【0242】
リップル検出器2915a~eは、対応するコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧のリップルを検出し得る。リップル検出器2915a~eは、対応するコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧のリップルのリップル値を決定し得る。例えば、リップル検出器2915aは、第1コンバータ出力部でのスイッチング出力電圧108aのリップルのリップル値を決定してよい。リップル検出器2915a~eは、スイッチング出力電圧のリップルの対応するリップル値に基づきリップル電圧2817を生成し得る。例えば、リップル検出器2915aは、第1コンバータ出力部でのスイッチング出力電圧108aのリップルのリップル値に基づきリップル電圧を生成してよい。
【0243】
スイッチコントローラ2917は、SIMOコンバータ104内のスイッチを制御するよう構成されてよい。スイッチコントローラ2917は、スイッチング出力電圧108をコンバータ出力部に選択的に印加するようSIMOコンバータ104内のスイッチを制御してよい。
【0244】
スイッチコントローラ2917は、リップル電圧2817及びクロック電圧2103に基づき1つ以上のスイッチ電圧2911を生成してよい。本開示のいくつかの態様で、リップル電圧2817が論理ハイであり、かつ、クロック電圧2103が受け取られている場合に、スイッチコントローラ2917は、SIMOコンバータ104のハイサイド部分がオフになり、ローサイド部分及びSIMOコンバータ104内の対応する出力スイッチがオンするように、スイッチ電圧2911を生成してよい。
【0245】
レベルシフタ2919はスイッチ電圧2911を受け取り得る。レベルシフタ2919は、スイッチ電圧2911の1つ以上の電圧レベルを、SIMOコンバータ104内の対応するスイッチを開位置と閉位置との間で遷移させるのに十分なレベルにシフトし得る。レベルシフタ2919は、スイッチ電圧2911に基づきゲート電圧を生成してよい。本開示のいくつかの態様で、レベルシフタ2919は、ゲート電圧2913を受けるべきSIMOコンバータ104の対応する段に基づきゲート電圧2913を遅延させてもよい。
【0246】
マスタコントローラ及び/又はスイッチコントローラを含むシステムは、SIMOコンバータの出力部のうちの1つ以上のスイッチング出力電圧の電圧リップルが制御されるように作動し得る。本開示のいくつかの態様で、マスタコントローラ及び/又はスイッチコントローラは、SIMOコンバータ内の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを制御してもよく、それにより、スイッチが、SIMOコンバータ内の他のスイッチよりも頻繁に閉位置にあるようにする。電圧リップルは、SIMOコンバータの対応する出力部に電気的に結合されている電気デバイスの電圧リップル要件に基づき制御され得る。
【0247】
本開示のいくつかの態様で、マスタコントローラは、スイッチング出力電圧(例えば、SIMOコンバータの1つ以上の出力部)へ電気的に結合されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、マスタコントローラは、SIMOコンバータの各出力部でのスイッチング出力電圧の電圧レベルを決定してよい。更に、マスタコントローラは、スイッチのデューティサイクルが、SIMOコンバータの1つ以上の出力部でのスイッチング出力電圧の電圧リップルを低減又はレギュレートするよう制御されるように、信号をスイッチコントローラへ供給してもよい。
【0248】
本開示のいくつかの態様で、マスタコントローラは、スイッチング出力電圧へ電気的に結合されなくてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、マスタコントローラは、SIMO内のスイッチのデューティサイクルが、SIMOの1つ以上の出力部のスイッチング出力電圧の電圧リップルを自動的に低減又は制御するよう制御されるように、スイッチコントローラへ信号を供給するようプログラムされてもよい。
【0249】
スイッチコントローラは、スイッチング出力電圧を制御するようにSIMOコンバータ内のスイッチを制御するよう構成されてよい。例えば、スイッチコントローラは、SIMOコンバータ内のスイッチのデューティサイクルを制御してよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、スイッチング出力電圧がデューティサイクル(例えば、インダクタ周期)の第1時間部分の間にSIMOコンバータの第1コンバータ出力部に印加され得るように、SIMOコンバータ内のスイッチを制御してよい。本開示のこれら及び他の態様で、デューティサイクルの第1時間部分は、インダクタ周期の充電部分に対応してよい。更に、スイッチコントローラは、SIMOコンバータ内のインダクタがデューティサイクルの第1時間部分の間に充電されるように、SIMOコンバータ内のスイッチを制御してよい。例えば、スイッチコントローラは、インダクタが充電(例えば、付勢)されて、スイッチング出力電圧が第1デューティサイクルの第1時間部分及び第2デューティサイクルの第1時間部分の間にSIMOコンバータの第1コンバータ出力部に印加されるように、SIMOコンバータ内のスイッチを制御してよい。本開示のいくつかの態様で、第2デューティサイクルは、第1デューティサイクルの直ぐ後に続けて起こり得る。
【0250】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、デューティサイクルの第2時間部分の間にSIMOコンバータの第2コンバータ出力部にスイッチング出力電圧を印加するようSIMOコンバータ内のスイッチを制御してもよい。本開示の他の態様では、第2時間部分はインダクタ周期の放電部分に対応してもよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、スイッチング出力電圧を第2時間部分の間に第1コンバータ出力部以外のSIMOコンバータのコンバータ出力部に印加するよう、SIMOコンバータ内のスイッチを制御してもよい。例えば、スイッチング出力電圧がデューティサイクルの第1時間部分の間に第1コンバータ出力部に印加される場合に、スイッチコントローラは、デューティサイクルの第2時間部分の間にSIMOの第2コンバータ出力部、第3コンバータ出力部、又は第4コンバータ出力部にスイッチング出力電圧を印加するよう、SIMOコンバータ内のスイッチを制御してよい。他の例として、SIMOコンバータがデューティサイクルの第1時間部分の間にスイッチング出力電圧を第1コンバータ出力に印加する場合に、スイッチコントローラは、第2デューティサイクルの第2時間部分の間に第2コンバータ出力部にスイッチング出力電圧を印加し、第3デューティサイクルの第2時間部分の間に第3コンバータ出力部にスイッチング出力電圧を印加するよう、SIMOコンバータ内のスイッチを制御してもよい。
【0251】
本開示のいくつかの態様で、スイッチング出力電圧のリップルは自動的に制御されてもよい。自動制御のために、リップル検出器が、コンバータ出力部でのスイッチング出力電圧のリップルを検出し得る。リップル検出器は、コンバータ出力部でのスイッチング出力電圧のリップルのリップル値を決定してもよい。更に、リップル検出器は、リップル値に基づきリップル電圧を生成してもよい。
【0252】
スイッチコントローラはリップル電圧を受け得る。スイッチコントローラは、リップル電圧に基づきスイッチ電圧を生成してよい。スイッチコントローラは、スイッチ電圧の電圧レベルに基づきSIMOコンバータ内のスイッチを制御してよい。スイッチ電圧は、スイッチング出力電圧のリップルが低減されるように対応するインダクタ周期の付勢フェーズも調整されるよう調整されてよい。レベルシフタがスイッチ電圧を受け得る。更に、レベルシフタは、スイッチ電圧のうちの1つ以上の電圧レベルを、SIMOコンバータ内の対応するスイッチを開位置と閉位置との間で遷移させるのに十分なレベルにシフトしてもよい。
【0253】
スイッチコントローラがスイッチング出力電圧のリップルを自動的に制御することは、リップルが動的にレギュレートされることを可能にし得る。更に、スイッチコントローラがスイッチング出力電圧のリップルを自動的に制御することは、対応するインダクタ周期の付勢フェーズを調整することによってスイッチング出力電圧のリップルを境界内に保たせ得る。
【0254】
本開示の他の態様では、スイッチコントローラはスイッチング出力電圧のリップルを監督してもよい。スイッチコントローラは、より優先度が高いコンバータ出力部のための付勢フェーズに対応する1つ以上の時間スロットをリザーブしてよい。スイッチコントローラが時間スロットをリザーブすることは、対応するコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧のリップルを低減させ得る。
【0255】
シーケンス及びモードセレクタがSIMOコンバータ104の動作モードを選択してもよい。シーケンス及びモードセレクタは、SIMOコンバータ104又はスイッチング出力電圧の種々の因子に優先順位を付けるよう動作モードを選択してよい。例えば、シーケンス及びモードセレクタは、SIMOコンバータ104の効率、スイッチング出力電圧の過渡応答、又はスイッチング出力電圧のリップルを優先するよう動作モードを選択してよい。シーケンス及びモードセレクタは、スイッチング出力電圧の過渡応答を改善するようスイッチング出力電圧の過渡応答を優先してもよい。更に、シーケンス及びモードセレクタは、スイッチング出力電圧のリップルを低減させるようスイッチング出力電圧のリップルを優先してもよい。
【0256】
電力管理は、例えば、給電されるべきデバイス又はその様々なコンポーネントの性質に依存し得る多種多様な側面を含む可能性がある。これらの電力管理側面のうちの1つ以上は、実施に応じて、これらの電力管理側面のうちの他よりも重要であり得る。例えば、小型ポータブルデバイス(例えば、小さい電池を備えたバッテリ駆動型デバイス)では、効率が重要であり得る一方で、大きいバッテリ又は信頼できる電源を備えたデバイスでは、リップル低減が効率よりも重要であり得る。SIMOバックブーストコンバータは様々な動作モードを用いる可能性があり、ある動作モードは1つ以上の電力管理因子(例えば、バッテリ管理、効率、リップル低減、過渡応答、など)を優先する。シーケンス及びモードセレクタは、SIMOコンバータの種々の因子に優先順位を付けるよう、又は電圧ドメイン内若しくは結合されている電子デバイス動作パラメータ内でコンバータ出力部へスイッチング出力電圧を供給するよう、SIMOコンバータの動作モードを選択してよい。
【0257】
図30は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む例示的なシステム3000のブロック図を示す。システム3000はまた、スイッチコントローラ3002、シーケンス及びモードセレクタ3004、電流センサ3008、並びに電力管理(PM)回路3006を含み得る。図30では、例示及び議論の簡潔さのために、1つのスイッチコントローラ3002しか図示及び議論されていない。本開示のいくつかの態様で、システム3000は、図30で示されるように1つのスイッチコントローラ3002しか含まなくてもよい。本開示の他の態様では、システム3000は2つ以上のスイッチコントローラ3002を含んでもよい。
【0258】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104は、本開示の他の場所に記載されるSIMOコンバータ104に対応してもよい。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104は、2つ以上のコンバータ出力部でスイッチング出力電圧108a~nを異なる値で供給するよう複数の出力部を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、システム3000は1つ以上のLDO(図示せず。)を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、LDOは、本開示の他の場所で記載されるLDO106に対応してもよい。
【0259】
本開示のいくつかの態様で、電流センサ3008は、インダクタ202の第1端子とシーケンス及びモードセレクタ3004との間に電気的に結合されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004は、PM回路3006及び/又はスイッチコントローラ3002へ電気的に結合されてよい。更に、本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004は、PM回路3006及び/又はスイッチコントローラ3002へ通信可能に結合されてもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラ3002は、SIMOコンバータ104内のスイッチ204a~n、206、208、210のうちの1つ以上へ電気的に結合されてもよい。スイッチコントローラ3002は、図30では、例示の簡潔さのために、スイッチ204a~n、206、208、210の夫々ではなく、破線長方形へ結合されるものとして示されている。
【0260】
本開示のいくつかの態様で、PM回路3006はターゲットリクエストを生成してよい。本開示のこれら及び他の態様で、ターゲットリクエストは、電力/電流分割命令、効率要件命令、及び/又はリップル要件命令を含んでよい。更に、本開示のいくつかの態様で、ターゲットリクエストは、SIMOコンバータの効率又は特定のコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧のリップル若しくは過渡応答が優先されるべきかどうかを示し得る。本開示のいくつかの態様で、PM回路3006は、ターゲットリクエストをシーケンス及びモードセレクタ3004へ供給してよい。
【0261】
シーケンス及びモードセレクタ3004は、PM回路からターゲットリクエストを受信し得る。本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004は、ターゲットリクエストに基づき1つ以上のコンバータ出力部のためのSIMOコンバータ104の動作モードを選択し得る。本開示のこれら及び他の態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004は、コンバータ出力部のうちの1つ又は全部のためのSIMOコンバータ104の動作モードを選択し得る。例えば、シーケンス及びモードセレクタ3004は、スイッチング出力電圧の過渡応答を優先するようコンバータ出力部の全部のためのSIMOコンバータ104の動作モードを選択してもよい。他の例として、シーケンス及びモードセレクタ3004は、スイッチング出力電圧のリップルを優先するよう第1コンバータ出力部のためのSIMOコンバータ104の動作モードを選択し、また、SIMOコンバータ104の効率を優先するよう第2コンバータ出力部のためのSIMOコンバータ104の動作モードを選択してもよい。
【0262】
本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004は、選択された動作モードに従ってスイッチ204a~n、206、208、及び210を制御するようにスイッチコントローラ3002に指示し得る。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラ3002は、選択された動作モードに従ってスイッチ204a~n、206、208、及び210を制御し得る。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラ3002は、対応するコンバータ出力部(例えば、対応するレール)でのスイッチング出力電圧を制御するためにスイッチ204a~n、206、208、及び210のデューティサイクルを制御してもよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラ3002は、選択された動作モードに従ってSIMOコンバータ104を動作させるようスイッチ204a~n、206、208、及び210を制御してもよい。
【0263】
本開示のいくつかの態様で、電流センサ3008はインダクタ202での電流を検出し得る。本開示のこれら及び他の態様で、電流センサ3008は、付勢フェーズ、消勢フェーズ、又は放電期間の間にインダクタ202での電流を検出してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004は、検出された電流に基づきインダクタ202での電流の電流値を決定してもよい。本開示のいくつかの態様で、電流センサ3008が、検出された電流に基づきインダクタ202での電流の電流値を決定してもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004は、インダクタでの電流(例えば、インダクタ電流)の電流値及び/又はターゲットリクエストに基づきSIMOコンバータ104の動作モードを選択してもよい。
【0264】
図31は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む他の例示的なシステム3100のブロック図を示す。本開示のいくつかの態様で、システム3100はまた、スイッチコントローラ3002、シーケンス及びモードセレクタ3004、電流センサ3008、並びにPM回路3006を含み得る。更に、システム3100はリップル検出器3110を含んでもよい。
【0265】
図31では、例示及び議論の簡潔さのために、1つのスイッチコントローラ3002及び1つのリップル検出器3110しか図示及び議論されていない。本開示のいくつかの態様で、システム3100は、図31で示されるように1つのスイッチコントローラ3002及び1つのリップル検出器3110しか含まなくてもよい。本開示の他の態様では、システム3100は1つ以上のスイッチコントローラ3002又は1つ以上のリップル検出器3110を含んでもよい。
【0266】
本開示のいくつかの態様で、システム3100は、リップル検出器3110を含む点を除いて、図30に関連して記載されたシステム3000と同様に作動し得る。本開示のいくつかの態様で、リップル検出器3110は、SIMOコンバータ104の異なるコンバータ出力部へ電気的に結合されてよい。
【0267】
本開示のいくつかの態様で、リップル検出器3110は、コンバータ出力部のうちの1つ以上でのスイッチング出力電圧のリップルを検出し得る。本開示のこれら及び他の態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004は、検出された電圧リップルに基づきコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧のリップルのリップル値を決定してもよい。本開示のいくつかの態様で、リップル検出器3110が、検出された電圧リップルに基づきスイッチング出力電圧のリップルのリップル値を決定してもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004は、ターゲットリクエスト、インダクタでの電流(例えば、インダクタ電流)の電流値、及び/又はスイッチング出力電圧のリップルのリップル値に基づきSIMOコンバータ104の動作モードを選択してもよい。
【0268】
図32は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、シーケンス及びモード選択のためにSIMOコンバータを作動させる例示的な方法3200のフローチャートを示す。方法3200は1つ以上のブロック3202乃至3222を含み得る。別個のブロックで示されているが、方法3200のブロックのうちの1つ以上に関連した動作は、特定の実施に応じて、更なるブロックに分けられても、より少ないブロックにまとめられても、又は削除されてもよい。
【0269】
方法3200は、ブロック3202で、PM回路からの入力を検出することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004がPM回路3006からの入力を検出してよい。本開示のいくつかの態様で、入力はターゲットリクエストを含み得る。本開示のいくつかの態様で、ブロック3202の後にブロック3204を続き得る。
【0270】
方法3200は、ブロック3204で、入力内のモードが効率にセットされているかどうかを決定することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004が、入力内のモードが効率にセットされているかどうかを決定してもよい。本開示のいくつかの態様で、ターゲットリクエストは、SIMOコンバータの効率が対応するコンバータ出力部で優先されるべきであることを示し得る。例えば、対応するコンバータ出力部へ電気的に結合されている電子デバイスは、適切に動作するための特定の効率設定を含んでよい。入力内のモードが効率にセットされている場合に、ブロック3204の後にブロック3206が続き得る。入力内のモードが効率にセットされていない場合に、ブロック3204の後にブロック3208が続き得る。
【0271】
方法3200は、ブロック3206で、不連続導通モード(DCM)を開始することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004が、DCM動作に従ってSIMOコンバータ104内のスイッチ204a~n、206、208、及び/又は210を制御するようにスイッチコントローラに指示してもよい。本開示のいくつかの態様で、1つ以上のコンバータ出力部のためのSIMOコンバータのDCM動作は、本開示の他の場所で記載されるように、分離したインダクタ周期を用いてインダクタを充電しかつ対応するコンバータ出力部によりインダクタを放電することを含んでよい。
【0272】
方法3200は、ブロック3208で、入力内のモードがリップルにセットされているかどうかを決定することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004が、入力内のモードがリップルにセットされているかどうかを決定してもよい。本開示のいくつかの態様で、ターゲットリクエストは、対応するコンバータ出力部(例えば、対応するSIMOコンバータレール)でのスイッチング出力電圧のリップルの管理が優先されるべきであることを示し得る。入力内のモードがリップルにセットされている場合に、ブロック3208の後にブロック3212が続き得る。入力内のモードがリップルにセットされていない場合に、ブロック3208の後にブロック3214が続き得る。
【0273】
方法3200は、ブロック3210で、スイッチング出力電圧のリップルを検出することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、リップル検出器3110がスイッチング出力電圧のリップルを検出してよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチング出力電圧のリップルは、対応するコンバータ出力部で検出されてよい。
【0274】
方法3200は、ブロック3212で、リップルが閾値を下回るかどうかを決定することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004が、リップルが閾値を下回るかどうかを決定してもよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチング出力電圧のリップルの閾値は、電圧ドメイン及びそのノイズ要件に応じて、~5から10mV、~5から15mV、~5から20mV、又は~5から25mVを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、方法3200は、スイッチング出力電圧のリップルの閾値を予め定義された値にセットすることを含んでもよい。本開示の他の態様では、方法3200は、スイッチング出力電圧のリップルの閾値を静的又は動的にセットすることを含んでもよい。スイッチング出力電圧のリップルが閾値を下回る場合に、ブロック3212の後にブロック3206が続き得る。スイッチング出力電圧のリップルが閾値に等しいか又は閾値を上回る場合に、ブロック3212の後にブロック3218が続き得る。
【0275】
方法3200は、ブロック3214で、入力内のモードが過渡応答にセットされているかどうかを決定することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004が、入力内のモードが過渡応答にセットされているかどうかを決定してもよい。本開示のいくつかの態様で、ターゲットリクエストは、対応するコンバータ出力部(例えば、対応するSIMOコンバータレール)でのスイッチング出力電圧の過渡応答の管理が優先されるべきであることを示し得る。入力内のモードが過渡応答にセットされている場合に、ブロック3214の後にブロック3206が続き得る。入力内のモードが過渡応答にセットされていない場合に、ブロック3214の後にブロック3202が続き得る。
【0276】
方法3200は、ブロック3216で、レールでの電流又は電圧を検出することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004並びに/又は電流センサ3008がインダクタでの電流又は電圧を検出してもよい。本開示のいくつかの態様で、電流又は電圧は1つ以上のコンバータ出力部で検出されてもよい。
【0277】
方法3200は、ブロック3218で、レールでの電力が閾値を下回るかどうかを決定することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004が、レールでの電力が閾値を下回るかどうかを決定してもよい。本開示のいくつかの態様で、レールでの電力は、レールでの検出された電流及び電圧の積として決定されてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、電力レベルは、レール電流がDCMで供給されるとして、ICC MAXの<10%であってよい。電力レベルは、レールによってサポートされる最大電流のパーセンテージとして理解され得る。代替的に、電力レベルは、インダクタ電流定格のパーセントとして記述され得る。
【0278】
本開示のこれら及び他の態様で、方法3200は、レールでの電力の閾値を予め定義された値にセットすることを含んでもよい。本開示の他の態様では、方法3200は、レールでの電力の閾値を動的又は静的にセットすることを含んでもよい。レールでの電力が閾値を下回る場合に、ブロック3218の後にブロック3220が続き得る。レールでの電力が閾値に等しいか又は閾値を上回る場合に、ブロック3218の後にブロック3222が続き得る。
【0279】
方法3200は、ブロック3220で、混合連続導通モード(CCM)を開始することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004が、混合CCM動作に従ってSIMOコンバータ104内のスイッチ204a~n、206、208、及び/又は210を制御するようにスイッチコントローラに指示してもよい。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータの混合CCM動作は、本開示の他の場所で記載されるように、分離したインダクタ周期及び連続したインダクタ周期の両方を用いてインダクタを充電しかつ対応するコンバータ出力部によりインダクタを放電することを含んでよい。
【0280】
方法3200は、ブロック3222で、CCM動作を開始することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、シーケンス及びモードセレクタ3004が、CCM動作に従ってSIMOコンバータ104内のスイッチ204a~n、206、208、及び/又は210を制御するようにスイッチコントローラに指示してもよい。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータのCCM動作は、本開示の他の場所で記載されるように、連続したインダクタ周期を用いてインダクタを充電しかつ対応するコンバータ出力部によりインダクタを放電することを含んでよい。
【0281】
本開示のいくつかの態様で、方法3200は、対応するコンバータ出力部のためのSIMOコンバータの現在の動作モードを維持しながら、実行されてもよい。例えば、方法3200は、対応するコンバータ出力部のためのSIMOコンバータがDCM、混合CCM、又はCCMで既に動作中である場合に実行されてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、方法3200、ブロック3206、ブロック3220、又はブロック3222は、SIMOコンバータが1つ以上のコンバータ出力部のための現在の動作モードに従って既に動作中である場合に、対応するコンバータ出力部のための現在の動作モードを維持することを含んでもよい。
【0282】
本開示の範囲から逸脱せずに方法3200に対して変更、追加、又は省略が行われてもよい。例えば、方法3200の動作は別の順序で実施されてもよい。追加的に、又は代替的に、2つ以上の動作は同時に実行されてもよい。更に、説明されている操作及び動作は端に例として与えられており、操作及び動作の一部は、記載されている態様の本質から外れずに、任意であっても、より少ない操作及び動作にまとめられても、あるいは、追加の操作及び動作に拡張されてもよい。
【0283】
図33は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータがインダクタ周期の間に混合CCM又は混合DCM及びCCMで動作するシミュレーションのグラフ表現3312及び3318を示す。図33で、グラフ表現3312は、SIMOコンバータがSIMOコンバータの複数のコンバータ出力部について混合CCMで動作するシミュレーションを表し得る。更に、グラフ表現3318は、SIMOコンバータがSIMOコンバータの複数のコンバータ出力部について混合DCM及びCCMで動作するシミュレーションを表し得る。
【0284】
グラフ表現3312に関して、波形3314a、b及び3316a、bは、インダクタ周期の間のインダクタでの電流を表す。波形3314a、b及び3316a、bは、インダクタ周期の間に時間とともにどのようにインダクタでの電流が変化するかを示す。図33に示されるように、波形3316a、bは、インダクタが1つの電気デバイス(例えば、デバイス1)へ対応するインダクタ周期の間に電気的に結合されるインダクタ周期を示す。更に、図33に示されるように、波形3314a、bは、インダクタが複数の電気デバイス(例えば、デバイス2、デバイス3、及びデバイス4)へ対応するインダクタ周期の間に電気的に結合されるインダクタ周期を示す。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは、図32に関連して上述されたように、1つ以上のレール(例えば、コンバータ出力部)での電力が閾値を下回る場合に、コンバータ出力に対して混合CCMで動作し得る。
【0285】
グラフ表現3318に関して、波形3320a~cは、CCM及びDCMに従うインダクタ周期中のインダクタでの電流を示す。波形3320a~cは、インダクタ周期の間に時間とともにどのようにインダクタでの電流が変化するかを示す。図33に示されるように、波形3320a、cは、インダクタが、CCMに従って、充電され、そして対応するコンバータ出力部により放電されるインダクタ周期を示す。更に、図33に示されるように、波形3320bは、インダクタが、DCMに従って、充電され、そして対応するコンバータ出力部により放電されるインダクタ周期を表す周期3322a、bを含む。
【0286】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは、遷移リクエストに基づき、対応するコンバータ出力部についてCCMとDCMとの間で遷移し得る。本開示のこれら及び他の態様で、SIMOコンバータは、対応するコンバータ出力部について混合CCMと、DCMと、混合DCM及びCCMとの間で遷移し得る。例えば、SIMOコンバータは、ある期間に、グラフ表現3312で表されているように、インダクタを充電し、そして対応するコンバータ出力部によりインダクタを放電し得る。他の例として、SIMOコンバータは、第1期間に、グラフ表現3312で表されているように、インダクタを充電し、そして対応するコンバータ出力部によりインダクタを放電してもよく、また、第2期間に、グラフ表現3318で表されているように、インダクタを充電し、そして対応するコンバータ出力部によりインダクタを放電してもよい。
【0287】
図34は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ内の異なる電力レールの優先順位付けの変化のグラフ表現3400を示す。図34で、時間に対して、波形3424は、SIMOコンバータの第1レール(例えば、Rail1)の優先順位付けの連続を示し、波形3426は、SIMOコンバータの第2レール(例えば、Rail2)の優先順位付けの連続を示す。
【0288】
最初に、シーケンス及びモードセレクタ3004は、SIMOコンバータの効率を優先するよう第1レール及び第2レールの両方についてSIMOコンバータの動作モードをセットし得る(図34では、Rai1→効率及びRail2→効率と表されている。)。第1期間の後、シーケンス及びモードセレクタ3004は、第1レールについて、対応するレールでのスイッチング出力電圧の過渡応答を優先するようSIMOコンバータの動作モードをセットし得る(図34では、Rail1→過渡応答と表されている。)。第2期間の後、シーケンス及びモードセレクタ3004は、第2レールについて、対応するレールでのスイッチング出力電圧の出力リップルの管理を優先するようSIMOコンバータの動作モードをセットし得る(図34では、Rail2→出力リップルと表されている。)。第3期間の後、シーケンス及びモードセレクタ3004は、第1レールについて、対応するレールでのスイッチング出力電圧の出力リップルの管理を優先するようSIMOコンバータの動作モードをセットし得る(図34では、Rail1→出力リップルと表されている。)。
【0289】
図35は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータを作動させる方法3500のフローチャートを例示的に示す。方法3500は、スイッチによって、インダクタに供給される入力電圧に応答してスイッチング出力電圧をコンバータ出力部へ供給すること3502と、スイッチング出力電圧を制御するようスイッチを制御すること3504と、スイッチング出力電圧をコンバータ出力部に印加するようスイッチを制御すること3506と、受け取られた動作ターゲットリクエストに基づきSIMOコンバータの動作モードを選択し、選択された動作モードに従ってスイッチを制御するようにスイッチコントローラに指示すること3508と、選択された動作モードに従ってスイッチを制御すること3510とを含み得る。
【0290】
本開示のいくつかの態様で、コンバータ出力部のためのSIMOコンバータは、1つ以上の動作モードに従って作動し得る。本開示のこれら及び他の態様で、SIMOコンバータは、選択された動作モードに従ってSIMOコンバータの動作の種々の側面に優先順位を付けてもよい。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは、SIMOコンバータの効率又は対応するコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧のリップル(例えば、出力リップル)若しくは過渡応答を優先し得る。
【0291】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータはPM回路及び動作モードセレクタ(本開示では、シーケンス及びモードセレクタとも呼ばれる。)を含み得る。PM回路は、動作モードセレクタへ通信可能に結合され得る。本開示のこれら及び他の態様で、PM回路は、動作ターゲットリクエスト(本開示では、ターゲットリクエストとも呼ばれる。)を生成し得る。更に、本開示のいくつかの態様で、PM回路は、動作ターゲットリクエストを動作モードセレクタへ供給し得る。
【0292】
本開示のいくつかの態様で、動作ターゲットリクエストは、5~10mV未満、5~15mV未満、5~20mV未満、又は5~25mV未満のスイッチング出力電圧のリップルをもたらす1つ以上のコンバータ出力部のためのSIMOコンバータの動作モードを選択するリクエストを含んでもよい。電圧範囲は、ドメインがデジタル又はアナログかどうかに少なくとも依存する。ワークロードに応じて、本質的に動的である様々な閾値が存在してもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、動作ターゲットリクエストは、少なくとも80~90%のエネルギ効率をもたらす1つ以上のコンバータ出力部のためのSIMOコンバータの動作モードを選択するリクエストを含んでもよい。これは複数の要因に依存し得るが、閾値にかかわらず、パーセンテージは、電力管理ユニットによって決定されるワークロード及びシステムニーズに応じて変化してもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、動作ターゲットリクエストは、最大電流の10~20%の範囲に対応する電力対電流比をもたらす1つ以上のコンバータ出力部のためのSIMOコンバータの動作モードを選択するリクエストを含んでもよい(この範囲を下回ると、DCMが発生し、この範囲を上回ると、CCMが発生する。)。パーセンテージは、必要に応じて所望の状態(DCM又はCCM)を強いるよう動的に変更可能である。本開示のいくつかの態様で、動作ターゲットリクエストは、レールのVccnom(公称Vcc)の1%未満のスイッチング出力電圧のクロスレギュレーションをもたらす1つ以上のコンバータ出力部のためのSIMOコンバータの動作モードを選択するリクエストを含んでもよい。各レールは、一般的に、±1%のDC許容範囲を有しているので、クロスレギュレーションはこれよりも十分に小さくなる。しかし、Vccnomの1%は、一般的には、上限閾値である。電圧が低いほど、DC許容範囲は一般的に狭くなる。
【0293】
本開示のいくつかの態様で、動作モードセレクタは動作ターゲットリクエストを受信し得る。本開示のこれら及び他の態様で、動作モードセレクタは、複数の動作モードから1つ以上のコンバータ出力部のためのSIMOコンバータの動作モードを選択してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、動作モードセレクタは、受信された動作ターゲットリクエストに基づきコンバータ出力部のためのSIMOコンバータの動作モードを選択し得る。
【0294】
本開示のいくつかの態様で、動作モードは、CCM、DCM、又は異なるスケジューリングスキームを提供する動作モードを含み得る。本開示のいくつかの態様で、異なるスケジューリングスキームは、コンバータ出力部を選択する順序におけるスケジューリングスキームを含んでもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、動作モードは、混合CCM又は混合CCM及びDCMを含んでもよい。例えば、1つ以上のコンバータ出力部のためのSIMOの動作モードはCCMを含んでもよく、1つ以上の他のコンバータ出力部のためのSIMOの動作モードはDCMを含んでもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、動作モードは、異なるコンバータ出力部の間のクロスレギュレーションを最小限にするよう構成された動作モードを含んでもよい。
【0295】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは電流センサ及び/又はリップル検出器を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、電流センサはインダクタでの電流を検出(例えば、インダクタ電流を検出)し得る。更に、本開示のいくつかの態様で、リップル検出器は、1つ以上のコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧のリップルを検出し得る。
【0296】
本開示のいくつかの態様で、動作モードセレクタは、インダクタでの電流の電流値を決定してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、動作モードセレクタは、動作ターゲットリクエスト、インダクタでの電流、又はインダクタでの電流の電流値に基づき動作モードを決定してもよい。
【0297】
本開示のいくつかの態様で、動作モードセレクタは電力対電流比を決定してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、動作モードセレクタは、インダクタでの電流とスイッチング出力電圧との積を決定することによって、インダクタの電力消費量を決定してもよい(例えば、電力は、インダクタでの電流にスイッチング出力電圧を掛けたものに等しい。)。更に、本開示のいくつかの態様で、動作モードセレクタは、比を決定するよう電力をインダクタでの電流と比較し得る。
【0298】
本開示のいくつかの態様で、動作セレクタは、コンバータ出力部のためのSIMOコンバータの選択された動作モードを示すコマンド信号を生成してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、動作セレクタはコマンド信号をスイッチコントローラへ供給し得る。
【0299】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、選択された動作モードに従ってSIMOコンバータのスイッチを制御し得る。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラは、SIMOコンバータの1つ以上の動作態様を制御するようスイッチのデューティサイクルを制御してもよい。例えば、スイッチコントローラは、1つ以上のインダクタ周期の間に1つ以上のコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧のリップルを制御するようスイッチを制御してもよい。他の例として、スイッチコントローラは、1つ以上のコンバータ出力部についてはCCMに従って、1つ以上のためのコンバータ出力部についてはDCMに従ってSIMOコンバータを作動させるよう、スイッチを制御してもよい。
【0300】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、2つ以上のコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧のクロスレギュレーションを最小限にするようスイッチを制御してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラは、1つ以上のコンバータ出力部のためのSIMOコンバータの効率的な動作を可能にするようスイッチを制御してもよい。
【0301】
本開示のいくつかの態様で、動作ターゲットリクエストは、複数のレールを用いてPM回路によって供給される複数のデジタル信号を含んでもよい。デジタル信号のうちの1つ以上は論理ハイを含んでもよく(例えば、1に等しい。)、これは、特定の優先順位付けが動作モードセレクタによって選択されるべきであることを示し得る。
【0302】
電圧コンバータシステムが、SIMOコンバータ104及びデジタル回路を含んでもよい。デジタル回路は、SIMOコンバータ104内のスイッチのデューティサイクルについてのタイミングパラメータを決定し得る。デジタル回路は、各デューティサイクルがSIMOコンバータ104内のインダクタに関する付勢フェーズ及び消勢フェーズを含むように、タイミングパラメータを決定してよい。
【0303】
本開示の態様に従って、SIMOバックブーストコンバータが、そのスイッチを制御するためにデジタル回路を用いてもよい。このデジタル回路は、コンバータ出力部へ結合されている電子デバイスの電圧ドメイン内に出力電圧を保つようにスイッチを制御するよう複数のストラテジ(例えば、タイミング、フィードバック、など)のうちのいずれかを利用してよい。
【0304】
図36は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む例示的なシステム3600のブロック図を示す。システム3600はまた、デジタル回路3602を含んでもよい。図36では、例示及び議論の簡潔さのために、デジタル回路を表す1つのブロックしか図示及び議論されていない。
【0305】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104は、本開示の他の場所で記載されるSIMOコンバータ104に対応してもよい。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104は、2つ以上のコンバータ出力部でスイッチング出力電圧108a~nを異なる値で供給するよう複数の出力部を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、システム3600は1つ以上のLDO(図示せず。)を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、LDOは、本開示の他の場所で記載されるLDO106に対応してもよい。
【0306】
本開示のいくつかの態様で、デジタル回路3602は、1つ以上のアナログ-デジタルコンバータ(ADC)、デジタルプロセッサ、又は任意の他の適切な回路を含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタル回路3602は1つ以上のコンバータ出力部へ電気的に結合されてよい。デジタル回路3602は、コンバータ出力部を介してスイッチング出力電圧を受け得る。例えば、デジタル回路3602内の1つ以上のADCは、コンバータ出力部を介してスイッチング出力電圧を受け得る。
【0307】
本開示のいくつかの態様で、デジタル回路3602は、スイッチング出力電圧を1つ以上のデジタルスイッチング出力電圧値に変換し得る。本開示のこれら及び他の態様で、1つ以上のデジタルスイッチング出力電圧値は、スイッチング出力電圧を表すデジタル信号であってよい。
【0308】
本開示のいくつかの態様で、デジタル回路3602(例えば、デジタルプロセッサ)は、1つ以上のコンバータ出力部を介してスイッチング出力を受け得る。更に、本開示のいくつかの態様で、デジタル回路3602は1つ以上の基準電圧(図36では、Vref1、Vref2、Vref3、Vref4と表されている。)を受け得る。本開示のこれら及び他の態様で、デジタル回路3602は、SIMOコンバータ104のコンバータ出力部ごとに基準電圧(例えば、関連する目標出力電圧)を受けてもよい。
【0309】
本開示のいくつかの態様で、デジタル回路3602は、SIMOコンバータ104のための1つ以上のタイミングパラメータを決定してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタル回路3602は、SIMOコンバータ104のデューティサイクルに関するタイミングパラメータを決定してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタル回路3602は、スイッチング出力電圧又は基準電圧に基づきSIMOコンバータ104のためのタイミングパラメータを決定してもよい。例えば、デジタル回路3602は、スイッチング出力電圧と基準電圧のうちの1つ以上との間の差に基づき、SIMOコンバータ104のためのタイミングパラメータを決定してよい。
【0310】
本開示のいくつかの態様で、デジタル回路3602は、SIMOコンバータ104の1つ以上のインダクタ周期の付勢フェーズに関するタイミングパラメータを決定してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタル回路3602は、SIMOコンバータ104の1つ以上のインダクタ周期の消勢フェーズに関するタイミングパラメータを決定してもよい。
【0311】
本開示のいくつかの態様で、デジタル回路3602は、1つ以上のソフトウェアアルゴリズムを実装するようコンピュータプログラムを選択してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタル回路3602は、ソフトウェアアルゴリズムを実装するコンピュータプログラムを使用して、タイミングパラメータを決定してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタル回路3602は、複数のコンピュータプログラムの中からコンピュータプログラムを選択してもよい。
【0312】
本開示のいくつかの態様で、デジタル回路3602は、決定されたタイミングパラメータに従ってスイッチ204a~n、206、208、210を制御してよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタル回路3602は、決定されたタイミングパラメータに従ってスイッチ204a~n、206、208、210のデューティサイクルを制御してもよい。本開示のいくつかの態様で、デジタル回路3602は1つ以上のデューティ信号(図36では、VTON、VTO1、VTO2、VTO3、及びVTO4と表されている。)を生成してもよい。本開示のいくつかの態様で、デューティ信号VTONは、インダクタ202を充電するためのスイッチのデューティサイクルを制御し得る。本開示のこれら及び他の態様で、デューティ信号VTO1、VTO2、VTO3、及びVTO4は、夫々、スイッチ204a~nのデューティサイクルを制御し得る。
【0313】
図37は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータを作動させる方法3700のフローチャートを例示的に示す。方法3700は、スイッチによって、デューティサイクルにおいて、インダクタに供給された入力電圧に応答して、コンバータ出力へスイッチング出力電圧を供給すること3702と、少なくとも1つのアナログ-デジタルコンバータによって、アナログスイッチング出力電圧をデジタルスイッチング出力電圧値に変換すること3704と、少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値を受け取ること3706と、複数のコンバータ出力部の各コンバータ出力部について、関連する目標出力電圧値を受け取ること3708と、デューティサイクルに関係があり、デューティサイクルごとに、インダクタが付勢される付勢フェーズに関係がありかつインダクタが消勢される消勢フェーズに関係があるタイミングパラメータを決定すること3710とを含み得る。
【0314】
図38は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータを作動させる方法のフローチャート3800を例示的に示す。方法3800は1つ以上のブロック3802乃至3814を含み得る。別個のブロックで示されているが、方法3800のブロックのうちの1つ以上に関連した動作は、特定の実施に応じて、更なるブロックに分けられても、より少ないブロックにまとめられても、又は削除されてもよい。
【0315】
方法3800は、ブロック3802で、クロックの動作を開始することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、クロックは、SIMOコンバータ、デジタル回路、スイッチコントローラ、又はそれらの何らかの組み合わせを作動させるクロック信号を含んでもよい。ブロック3802の後にブロック3804が続き得る。
【0316】
方法3800は、ブロック3804で、VIN、L、VOn、IOn、及びfSWを用いてtONnの初期値を計算することを含み得る。これらのパラメータの意味は、式(1)に関連して後述される。本開示のいくつかの態様で、デジタル回路がVin、L、VOn、IOn、及びfSWを用いてtONnの初期値を計算してもよい。tONnの初期値は、対応する出力スイッチが対応するインダクタ周期の間に閉位置にあるべき時間の量(例えば、対応するインダクタ周期の放電部分が起こるべきである時間の量)を表し得る。デジタル回路は、1つ以上の出力スイッチについてtONnの値を決定してよい。本開示のいくつかの態様で、デジタル回路は、以下の式(1)又は式(2)で定義されるようにtONnの初期値を計算し得る。
【0317】
本開示のいくつかの態様で、デジタル回路は、VIN、L、fSW、VOn、又はそれらの何らかの組み合わせについての予め定義された値を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタル回路は、電圧センサ、電流センサ、又は任意の他の適切な技術を用いてVIN、L、fSW、VOn、又はそれらの何らかの組み合わせを決定してもよい。ブロック3804の後にブロック3806が続き得る。
【0318】
方法3800は、ブロック3806で、tONnの計算された初期値を用いてSIMOコンバータを作動させることを含み得る。本開示のいくつかの態様で、デジタル回路は、スイッチコントローラにSIMOコンバータ内のスイッチを制御させ得る。デジタル回路は、対応するインダクタ周期の放電部分がtONnの計算された初期値に基づくように、スイッチコントローラにスイッチを制御させ得る。ブロック3806の後にブロック3808が続き得る。
【0319】
方法3800は、ブロック3808で、VOnの全ての値がハイであるかどうかを決定することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、デジタル回路は、VOnの値(例えば、コンバータ出力部でのスイッチング出力電圧の値)の全てがハイであるかどうかを決定してよい。デジタル回路は、VOnの値が閾値を上回る場合に、VOnの値がハイであると決定し得る。本開示のいくつかの態様で、VOnの値の閾値は1.7Vから7V、例えば、3Vから5Vを含んでよい。VOnの値の全てがハイである場合に、ブロック3808の後にブロック3810が続き得る。VOnの値の全てがハイであるわけではない場合には、ブロック3808の後にブロック3806が続き得る。ブロック3806及びブロック3808は、VOnの値の全てがハイになるまで繰り返してよい。
【0320】
方法3800は、ブロック3810で、VOn及びIOnを検出し、tONnの値を更新することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、デジタル回路は、対応するコンバータ出力部でVOn及びIOnを検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタル回路は、VOnの予め定義された値を検出することによって、VOnを検出してもよい。デジタル回路は、検出されたVOn及びIOnを用いてtONnの値を更新し得る。本開示のいくつかの態様で、デジタル回路は、式(1)又は式(2)で定義されるようにtONnの値を更新してよい。
【数1】
式(1)で、VINは、SIMOコンバータの入力電圧を表してよく、Lは、インダクタのインダクタンス定格を表してよく、VOnは、対応するコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧を表してよく、IOnは、対応するコンバータ出力部での電流を表してよく、fSWは、出力スイッチを制御するための周波数レートを表してよく、tONnは、コンバータ出力部nの消勢期間の存続時間を指定してよい。
【数2】
【0321】
式(2)で、VOnは、対応するコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧を表してよく、IOnは、対応するコンバータ出力部での電流を表してよく、IPKは、対応するコンバータ出力部でのピーク電流を表してよく、fSWは、出力スイッチを制御するための周波数レートを表してよく、VINはq、SIMOコンバータの入力電圧を表してよい。ブロック3810の後にブロック3812が続き得る。
【0322】
方法3800は、ブロック3812で、tONnの更新された値を用いてSIMOコンバータを作動させることを含み得る。本開示のいくつかの態様で、デジタル回路は、スイッチコントローラにSIMOコンバータ内のスイッチを制御させ得る。デジタル回路は、対応するインダクタ周期の放電部分がtONnの更新された値に基づくように、スイッチコントローラにスイッチを制御させ得る。ブロック3812の後にブロック3814が続き得る。
【0323】
方法3800は、ブロック3814で、VOnの全ての値がレギュレーション内にあるかどうかを決定することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、デジタル回路は、VOnの値(例えば、コンバータ出力部でのスイッチング出力電圧の値)の全てが本開示の他の場所で議論されたような予め定義された範囲内にあるかどうかを決定してよい。VOnの値の全てがレギュレーションないにある場合に、ブロック3814の後にブロック3812が続き得る。ブロック3812及びブロック3814は、VOnの値の全てがレギュレーション内にあるわけではないか又はSIMOコンバータの動作が終わるまで繰り返してよい。VOnの値の全てがレギュレーション内にあるわけではない場合に、ブロック3214の後にブロック3810が続き得る。ブロック3810、ブロック3812、及びブロック3814は、VOnの値の全てがレギュレーション内にあるまで繰り返してよい。
【0324】
本開示のいくつかの態様で、ブロック3082、3804、3806、及び3808は、SIMOコンバータの初期化期間又は起動期間に対応し得る。本開示のこれら及び他の態様で、ブロック3810、3812、及び3814は、SIMOコンバータの定常状態動作期間に対応し得る。
【0325】
いくつかのSIMOコンバータ制御技術で、SIMOコンバータのためのアナログ制御方法を実装するコントローラは、線形コントローラ、コンパレータ、又は他のタイプのデバイスを含んでもよい。しかし、これらのSIMOコンバータ制御技術は、コントローラ内のアナログコンポーネントのバンド幅によって制限される可能性がある。更に、これらのSIMOコンバータ制御技術は、適切に動作するために高精度コンパレータを使用する場合がある。高精度コンパレータを使用することは、コントローラに関連した回路のコスト又は複雑性を高める可能性がある。
【0326】
本開示で記載される1つ以上の態様に従って、デジタル回路がSIMOコンバータの動作を制御してよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタル回路は、どれくらい電力がSIMOコンバータのインダクタに引き込まれるかを決定し得る。本開示のこれら及び他の態様でデジタル回路は、インダクタに蓄えられている電力を異なるコンバータ出力部の間でどのように分配すべきかを決定し得る。更に、本開示のいくつかの態様で、デジタル回路は、インダクタ制御のためのタイミングパラメータ(例えば、インダクタ周期の充電フェーズ及び放電フェーズのタイミングパラメータ)を決定し得る。
【0327】
本開示のいくつかの態様で、デジタル回路は、1つ以上のADC及び/又は1つ以上のデジタルプロセッサを含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、ADCはスイッチング出力電圧を1つ以上のデジタルスイッチング出力電圧値に変換し得る。本開示のいくつかの態様で、デジタルスイッチング出力電圧値はスイッチング出力電圧の電圧レベルを表し得る。
【0328】
本開示のいくつかの態様で、デジタルプロセッサはデジタルスイッチング出力電圧値を受け取ってもよい。更に、デジタルプロセッサは、SIMOコンバータの各コンバータ出力部について、関連する目標出力電圧値(例えば、基準電圧)を受け取ってもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサは、デジタルスイッチング出力電圧値を1つ以上の対応する関連した目標出力電圧値と比較し得る。
【0329】
本開示のいくつかの態様で、デジタルプロセッサはSIMOコンバータのタイミングパラメータを決定してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサは、SIMOコンバータの1つ以上のデューティサイクルに関係があるSIMOコンバータのタイミングパラメータ(例えば、インダクタ周期)を決定し得る。更に、本開示のいくつかの態様で、デジタルプロセッサは、SIMOコンバータのデューティサイクル内で少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値を用いてタイミングパラメータを決定してもよい。本開示の他の態様では、デジタルプロセッサは、SIMOコンバータのデューティサイクル内でデジタルスイッチング出力電圧値又は各々に関連した目標出力電圧値(例えば、関連する基準電圧)を用いてタイミングパラメータを決定してもよい。
【0330】
本開示のいくつかの態様で、デジタルプロセッサは、デジタルスイッチング出力電圧値を対応する目標出力電圧値(例えば、対応する基準電圧)と比較してよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサは、スイッチング出力電圧値が目標出力電圧値と等しいか否かを決定し得る。本開示のこれら及び他の態様で、SIMOコンバータのタイミングパラメータは、デジタルスイッチング出力電圧値と対応する目標出力電圧値との間の差に基づき決定され得る。
【0331】
本開示のいくつかの態様で、タイミングパラメータは、インダクタ周期の付勢フェーズの存続時間を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサは少なくとも1つの付勢時間を決定してよい。更に、本開示のいくつかの態様で、付勢時間は、インダクタが付勢される存続時間を表し得る。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサは、SIMOコンバータのデューティサイクル内で少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値を用いて付勢時間を決定してよい。本開示のいくつかの態様で、デジタルプロセッサは、SIMOコンバータの続くデューティサイクルごとに付勢時間を決定してもよい。
【0332】
本開示のいくつかの態様で、タイミングパラメータは、インダクタ周期の消勢フェーズの存続時間を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサは少なくとも1つの消勢時間を決定してよい。更に、本開示のいくつかの態様で、消勢時間は、SIMOコンバータの少なくとも1つのコンバータ出力部を用いてインダクタが消勢される存続時間を表し得る。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサは、SIMOコンバータのデューティサイクル内で少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値又は各々に関連した目標出力電圧値を用いて消勢時間を決定してよい。本開示のいくつかの態様で、デジタルプロセッサは、SIMOコンバータの続くデューティサイクルごとに消勢時間を決定してもよい。
【0333】
本開示のいくつかの態様で、タイミングパラメータ(例えば、付勢時間又は消勢時間)は、SIMOコンバータ内のスイッチのデューティサイクルを調整するための量を決定するよう決定されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、SIMOコンバータ内のスイッチのデューティサイクルは、スイッチング出力電圧の電圧レベルを増大又は低減させるよう調整されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、SIMOコンバータ内のスイッチのデューティサイクルは、SIMOコンバータ内のインダクタに蓄えられているエネルギの量を増大又は低減させるよう調整されてもよい。
【0334】
本開示のいくつかの態様で、デジタルプロセッサは、1つ以上のソフトウェアアルゴリズムを用いてタイミングパラメータを決定してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサはソフトウェアアルゴリズムを実装してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサは、ソフトウェアアルゴリズムを用いて付勢時間又は消勢時間を決定してもよい。
【0335】
本開示のいくつかの態様で、デジタルプロセッサは、ソフトウェアアルゴリズムを実装するコンピュータプログラムを選択してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサは、複数のコンピュータプログラムの中からコンピュータプログラムを選択してもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、コンピュータプログラムの夫々は、タイミングパラメータを決定するよう構成された1つ以上のソフトウェアアルゴリズムを実装してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサは、コンピュータプログラムを用いて、SIMOコンバータの種々の最適化基準に関してタイミングパラメータを決定し得る。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサは、コンピュータプログラムを用いて、SIMOコンバータの種々の最適化基準に関して付勢時間又は消勢時間を決定してもよい。
【0336】
本開示のいくつかの態様で、デジタルプロセッサは、SIMOコンバータ内のスイッチへ電気的に結合されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサは、決定されタイミングパラメータ(例えば、付勢時間又は消勢時間)に従ってSIMOコンバータ内のスイッチを制御し得る。
【0337】
本開示の他の態様では、デジタルプロセッサは、SIMOコンバータ内のスイッチへ電気的に結合されているスイッチコントローラへ通信可能に結合されてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタルプロセッサは、決定されたタイミングパラメータ(例えば、付勢時間又は消勢時間)に従ってSIMOコンバータ内のスイッチを制御するようにスイッチコントローラに指示し得る。
【0338】
本開示のいくつかの態様で、デジタル回路内のADCのうちの1つ以上は、電圧制御発振器に基づいたADCを含んでもよい。
【0339】
本開示の少なくとも1つの態様は、デジタル回路を用いてタイミングパラメータを決定する計算方法を実装するSIMOコンバータ用コントローラを提供してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、デジタル回路は、1つ以上のクロック周期におけるタイミングパラメータを決定してよい。更に、本開示のいくつかの態様で、デジタル回路は、アナログ回路を含むSIMOコンバータ制御技術に対して、より速いセトリング時間、より簡単な回路構成、又は更なるプロセスポータビリティをもたらし得る。更に、本開示のいくつかの態様で、デジタル回路はアナログレギュレータを含まなくてもよい(例えば、それがなくてもよい)。
【0340】
本開示のいくつかの態様で、デジタルプロセッサは、各コンバータ出力部に関連した出力スイッチのためのtONnの値を決定してもよい。デジタルプロセッサは、1クロック周期でのデジタル計算によってtONnの値を決定し得る。
【0341】
本開示のいくつかの態様で、IPKの値が既に知られている(例えば、遅延ラインから利用可能である)場合に、式(2)は、式(1)と比べてデジタルプロセッサの計算コストを削減し得る。
【0342】
コンバータは、コンバータ出力部へ電気的に結合されている異なる電子デバイスに関連した要件に従って異なるスイッチング出力電圧の制御を提供される。本開示のいくつかの態様で、各スイッチング出力電圧はピーク電流基準と関連付けられる。スイッチコントローラは、ピーク電流基準に従ってスイッチング出力電圧を供給するようSIMOコンバータ104内のスイッチを制御してよい。SIMOコンバータ104は、インダクタ付勢フェーズ中にピーク電流基準に達する場合にスイッチング出力電圧を電子デバイスへ供給する。
【0343】
電圧安定性のための更なる要件:DCM VNAでの利点:出力ごとの電流ピーク基準が与えられる
【0344】
図39は、上述されたように、入力端子102、SIMO104、レギュレータ106a~n、及び出力電圧108a~nを含み得る、いくつかの態様に係るSIMOシステムのブロック図を例示的に示す。SIMOシステム3900はまた、スイッチコントローラ3902を含んでもよい。
【0345】
図39では、複数のレギュレータ106a~n及び1つのスイッチコントローラ3902が示されている。本開示のいくつかの態様で、レギュレータ106a~nは、上述されたように、SIMO104の異なる出力部へ電気的に結合されてよい。例えば、システム3900は、SIMO104の異なる出力部へ電気的に結合されている2つのレギュレータ106a~nを含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、システム3900は、1つのレギュレータ106及び1つのスイッチコントローラ3902を含んでもよい。本開示の他の態様では、システム3900は複数のレギュレータ106a~n及び複数のスイッチコントローラ3902又は1つのスイッチコントローラ3902を含んでもよい。レギュレータ106a~n内に示されている様々な要素は、スイッチコントローラ3902内に位置付けられてもよいことが理解されるべきである。
【0346】
レギュレータ106は、SIMO104の出力部へ電気的に結合されている増幅器回路3908を含んでもよい。増幅器回路3908は、スイッチング出力電圧108及び基準電圧3906を受け得る。増幅器回路3908は、スイッチング出力電圧108を基準電圧3906と比較し、誤差信号3910とも呼ばれ得る微分アナログ出力信号を生成し得る。誤差信号3910はPIレギュレータ3912へ供給される。留意すべきは、必要に応じて、誤差信号3910は更に増幅されてもよい点である。レギュレータ106は比例積分(PI)レギュレータ3912を更に含んでもよい。PIレギュレータ3912は、比例部分(図示せず。)及び積分部分(図示せず。)を含み得る。PIレギュレータ3912は、レギュレータ106のレギュレータ特有目標出力電圧をレギュレートして、補償された目標出力電圧基準3914を供給し得る。PIレギュレータ3912は、誤差信号3910に対して様々な機能を実行して、出力電圧ごとに補償された目標出力電圧3914を生成し得る。補償された目標出力電圧基準3914は、誤差信号3910に比例し、誤差信号3910の積分であってよい。
【0347】
スイッチコントローラ3902は、補償された目標出力電圧3914の1つを使用して、インダクタ付勢フェーズからインダクタ消勢フェーズへの切り替えを制御するスイッチ制御信号を生成し得る。スイッチコントローラ3902は、マルチプレクサ3920、ランプコンパレータ3930、及びセット・リセット(SR)フリップフロップ回路3940を含み得る。マルチプレクサ3920の入力部はレギュレータ106a~nの出力部と電気的に結合されてよい。マルチプレクサ3920の出力部はランプコンパレータ3930の入力部と電気的に結合されてよい。コンパレータ3930は、他方の入力部で、検知されたインダクタ電流を受け得る。代替的に、コンパレータは、検知されたインダクタ電流から計算された電圧を受け取ってもよい。セット・リセット(SR)フリップフロップ回路3940は、ランプコンパレータ3930の出力部と電気的に結合されてよい。
【0348】
補償された目標出力電圧3914は、レギュレータ106a~nの夫々について夫々生成され得る。複数の補償された目標出力電圧3914がマルチプレクサ3920の入力部に供給され得る。マルチプレクサ3920は,図39に示されるような4:1マルチプレクサであってよく、あるいは、8:1及び16:1などの他のマルチプレクササイズが使用されてもよい。例えば、マルチプレクサ3920の入力部は、出力電圧108a~n~出力電圧を選択するようSIMO104の出力部の数と一致し得る。補償された目標出力電圧3914は、出力電圧108a~nの夫々について生成され得る。マルチプレクサ3920は、1つ以上の選択信号に従って、補償された目標出力電圧3914から1つを選択してもよい。複数の補償された目標出力電圧3914のうちの選択された補償された目標出力電圧3924は、ランプコンパレータ回路3930へ供給され得る。
【0349】
スイッチコントローラ3902は、補償された目標出力電圧3914をランプコンパレータ回路3930へ順次供給し得る。ランプコンパレータ回路3930は、選択された目標出力電圧3924と検知されたインダクタ電流ランプとを比較してよい。更に、コンパレータ回路3930は、比較に基づき比較電圧3932を生成し得る。
【0350】
SRフリップフロップ回路3940は、比較電圧3932及びクロック信号3934を受け得る。SRフリップフロップ回路3940は、比較電圧3932及びクロック信号3934に基づきデューティサイクル電圧3948を生成し得る。デューティサイクル電圧3948は、不連続導通モード(DCM)で使用され、安定性をもたらし得る。
【0351】
結果として、SIMOシステム3900は、図14で示されたような不連続インダクタ周期を作り出すために使用されてよい。上述されたように図14は、本開示で記載される少なくとも1つの実施形態に従って、不連続インダクタ周期のシミュレーションのグラフ表現1400を示す。
【0352】
図40は、いくつかの態様に係るSIMO作動方法のフローチャートを例示的に示す。方法4000は、デューティサイクルにおいて、インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給すること4002と、スイッチング出力電圧をレギュレートすることによって、各々に関連した目標出力電圧を複数のコンバータ出力部の各々のコンバータ出力部へ供給すること4004と、スイッチング出力電圧を制御するよう複数のスイッチを制御すること4006と、複数のデューティサイクルのうちのあるデューティサイクルの間にスイッチング出力電圧が供給される複数のコンバータ出力部のうちのコンバータ出力部を選択することであり、各デューティサイクルがインダクタ付勢フェーズ及びインダクタ消勢フェーズを含む、こと4008と、複数のデューティサイクルのうちの少なくとも1つのデューティサイクル内で、複数のコンバータ出力部のうちの選択されたコンバータ出力部について、インダクタ電流の経過を用いてインダクタ付勢フェーズからインダクタ消勢フェーズへ切り替えること4010とを含み得る。
【0353】
図41は、いくつかの態様に係るSIMO作動方法のフローチャートを例示的に示す。方法4100は、複数のデューティサイクルのうちのあるデューティサイクルにおいて、インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力部のうちのあるコンバータ出力部へ供給すること4102と、スイッチング出力電圧をレギュレートすることによって、各々に関連した目標出力電圧を複数のコンバータ出力部のうちの各々のコンバータ出力部へ供給すること4104と、スイッチング出力電圧を制御するよう複数のスイッチを制御すること4106と、スイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力部のうちのあるコンバータ出力部に印加すること4108と、複数のデューティサイクルのうちの各々のデューティサイクルについてスイッチング出力電圧が供給される複数のコンバータ出力部のうちのコンバータ出力部を選択すること4110と、複数のデューティサイクルのうちの少なくとも1つのデューティサイクル内で、複数のコンバータ出力部のうちの選択されたコンバータ出力部について、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を表す目標電流と、インダクタを流れるインダクタ電流の過程との比較に基づき、インダクタ付勢フェーズからインダクタ消勢フェーズへ切り替えること4112とを含み得る。
【0354】
図42は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む例示的なシステム4200のブロック図を示す。システム4200は、SIMOコンバータ104、1つ以上の時間ON発生器4215a~e、スイッチコントローラ4217、及びレベルシフタ4219を含み得る。
【0355】
システム4200は1つ以上のスイッチ204を含んでもよい。図42では、例示及び議論の簡潔さのために、1つのスイッチコントローラ4217しか図示及び説明されていない。本開示のいくつかの態様で、システム4200は複数のスイッチコントローラ4217を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、システム4200は、1つ以上のSIMOコンバータ出力部へ電気的に結合されている1つの時間ON発生器4215を含んでもよい。
【0356】
SIMOコンバータ104は、本開示の他の場所で記載されるSIMOコンバータ104に対応してもよい。SIMOコンバータ104は、スイッチング出力電圧108を異なる値で供給するよう複数の出力部を含んでもよい。
【0357】
時間ON発生器4215a~eは、その各々のコンバータ出力スイッチ204のTONを決定し得る。時間ON発生器4215a~eは、対応するコンバータ出力部でスイッチング出力電圧を供給するようコンバータ出力部のためのスイッチ204a~nがオンである時間を決定し得る。例えば、時間ON発生器4215aは、インダクタを消勢して第1コンバータ出力部でスイッチング出力電圧108を供給するためにスイッチ204aがオンである必要がある時間を決定し得る。時間ON発生器4215a~eは、各スイッチング出力電圧の対応するピーク電流基準に基づきTONを生成してもよい。
【0358】
スイッチコントローラ4217は、スイッチング出力電圧108をコンバータ出力部に選択的に印加するようにSIMOコンバータ104内のスイッチを制御するよう構成されてよい。
【0359】
スイッチコントローラ4217は、生成器4215からのTON信号及びクロック電圧4230に基づき1つ以上のスイッチ出力電圧を生成するようSIMOスイッチを制御してよい。本開示のいくつかの態様で、インダクタがピーク電流に達し、かつ、クロック電圧4230が受け取られる場合に、スイッチコントローラ4217は、SIMOコンバータ104がピーク電流基準に従ってスイッチング出力電圧を供給するように、スイッチ電圧を生成し得る。
【0360】
レベルシフタ4219はスイッチ電圧を受ける。レベルシフタ4219は、スイッチ電圧の1つ以上の電圧レベルを、SIMOコンバータ104内の対応するスイッチを開位置と閉位置との間で遷移させるのに十分なレベルにシフトし得る。レベルシフタ4219は、スイッチ電圧に基づきゲート電圧4213を生成し得る。本開示のいくつかの態様で、レベルシフタ4219は、SIMOコンバータ104の対応する段に基づきゲート電圧4213を遅延させ得る。
【0361】
例えば、線形レギュレータ又はスイッチキャパシタネットワークが、スイッチング出力電圧108a~nを供給するためにゲート電圧4213を受け取ってもよい。
【0362】
図43は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む例示的なシステム4300のブロック図を示す。システム4300は、SIMOコンバータ104、1つ以上の時間ON発生器4215a~e、スイッチコントローラ4217、及びレベルシフタ4219を含み得る。
【0363】
システム4300は1つ以上の線形レギュレータ4306を含んでもよい。図43では、例示及び議論の簡潔さのために、1つのスイッチコントローラ4217しか図示及び説明されていない。本開示のいくつかの態様で、システム4300は複数のスイッチコントローラ4217を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、システム4300は、1つ以上のSIMOコンバータ出力部へ電気的に結合されている1つの線形レギュレータ4306を含んでもよい。線形レギュレータ4306は、本開示の他の場所で記載されているLDO106に対応してもよい。
【0364】
線形レギュレータ4306は、ゲート電圧4213を受けて、ピーク電流基準に従ってスイッチング出力電圧108a~nをレギュレートし得る。
【0365】
図44は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む例示的なシステム4400のブロックを示す。システム4400は、SIMOコンバータ104、1つ以上の時間ON発生器4215a~e、スイッチコントローラ4217、及びレベルシフタ4219を含み得る。
【0366】
システム4400はスイッチドキャパシタのネットワーク4406を含んでもよい。図44では、例示及び議論の簡潔さのために、1つのスイッチコントローラ4217しか図示及び説明されていない。本開示のいくつかの態様で、スイッチドキャパシタのネットワーク4406は、1つ以上のSIMOコンバータ出力部へ電気的に結合されてよい。
【0367】
スイッチドキャパシタのネットワーク4406は、ゲート電圧4213を受けて、ピーク電流基準に従ってスイッチング出力電圧108a~nをレギュレートし得る。スイッチドキャパシタのネットワーク4406は、スイッチドキャパシタを制御するための別個のスイッチコントローラ(図示せず。)を含んでもよい。スイッチドキャパシタのネットワーク4406は、ゲート電圧4213に基づきスイッチを開閉するようフィルタを使用してもよい。スイッチドキャパシタのゲートネットワーク4406は、ピーク電流基準に従って、レギュレートされたスイッチング出力電圧を供給し得る。
【0368】
スイッチコントローラは、出力電圧のピーク又は目標電流を用いてSIMOの出力電流ごとにデューティサイクルを制御するために使用されてよい。SIMOの出力部ごとに選択された目標電圧基準を使用して、SR回路がデューティサイクル電圧を生成し得る。デューティサイクル電圧は、ピーク出力電圧と入力電圧との比較に基づきインダクタ付勢フェーズからインダクタ消勢フェーズへ切り替えるべきときを決定するようSIMOシステムのスイッチの1つ以上を制御するために使用されてよい。
【0369】
各レギュレータは、出力電圧ごとにピーク電流基準を生成するためのPIブロックを含んでもよい。基準信号の夫々は、各デューティサイクル電圧を生成するために順次ランプコンパレータへ供給されてよい。デューティサイクル電圧又はデューティコマンドは、SIMOシステムの安定性を高めるよう、不連続に生成され得る。
【0370】
SIMOシステムは、SIMO出力電圧の夫々のために目標出力電圧の夫々から選択するためのマルチプレクサを含んでもよい。マルチプレクサは、目標出力電圧を順次選択し、それらをランプコンパレータへ供給してよい。ランプコンパレータは、インダクタが付勢フェーズと消勢フェーズとの間で切り替わるときを決定するために使用される比較を生成するために、入力電圧及び選択された目標出力電圧などの2つの入力を取ってよい。
【0371】
例えば、スイッチ制御は、目標出力電圧が入力電圧に近づく場合に、インダクタ付勢フェーズとインダクタ消勢フェーズとの間を切り替えてよい。
【0372】
ランプコンパレータは、SRフリップフロップ回路への入力として使用される比較信号を生成してよい。SRフリップフロップ回路は、そのS入力でクロック信号を、そのR入力でランプコンパレータからの比較信号を受信してよい。これらの入力に基づき、SRフリップフロップはデューティサイクル電圧を生成し得る。デューティサイクル電圧は、インダクタ付勢フェーズからインダクタ消勢フェーズへ切り替えるようスイッチコントローラを制御するためのスイッチ制御信号として使用されてよい。
【0373】
SIMOシステムの要素は、共通のチップ上で、又は別個の要素として実装されてもよい。
【0374】
SIMOコンバータ104は1つ以上の電圧検出器、1つ以上の電流検出器、又はそれらの何らかの組み合わせを含んでもよい。電圧検出器、電流検出器、又はそれらの何らかの組み合わせは、SIMOコンバータ104の動作の異なる段階でSIMOコンバータ104内の電流又は電圧を測定し得る。SIMOコンバータ104は、測定された電流、電圧、又はそれらの何らかの組み合わせに基づきインダクタ202の実際のインダクタンス曲線を再構成し得る。
【0375】
本開示の態様に従って、SIMOバックブーストコンバータは、インダクタの実際のインダクタンス曲線を再構成するために1つ以上の測定(例えば、1つ以上の電圧測定及び/又は1つ以上の電流測定)を利用してもよい。SIMOコンバータは、コンバータ出力部へ結合されている電子デバイスの電圧ドメイン内でスイッチング出力電圧を供給するようSIMOコンバータ内のスイッチのデューティサイクルを調整するために実際のインダクタンス曲線を使用してもよい。
【0376】
図45は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む例示的なシステム4500のブロック図を示す。システム4500はまた、第1センサ4502、第2センサ4504、及び第3センサ4506を含んでもよい。SIMOコンバータ104は、さもなければ、図4に関連して上述されたSIMOコンバータ104に対応してもよい。
【0377】
本開示のいくつかの態様で、第1センサ4502は、インダクタ202の第1端子とスイッチ206との間に電気的に結合されてよい。本開示の他の態様では、第1センサ4502は、インダクタ202の第1端子へ電気的に結合されてもよい。本開示のいくつかの態様で、第2センサ4504は、インダクタ202の第1端子とスイッチ208との間に電気的に結合されてよい。本開示の他の態様では、第2センサ4504は、インダクタ202の第1端子へ電気的に結合されてもよい。本開示のいくつかの態様で、第3センサ4506は、インダクタ202の第2端子とスイッチ204a~nのうちの1つ以上との間に電気的に結合されてよい。本開示の他の態様では、第3センサ4506は、インダクタ202の第2端子へ電気的に結合されてもよい。
【0378】
いくつかの態様で、第1センサ4502、第2センサ4504、又は第3センサ4506は、コントローラ(図示せず。)へ通信可能に又は電気的に結合されてもよい。本開示のいくつかの態様で、コントローラは、上の段落で記載されているスイッチコントローラであってもよい。
【0379】
本開示のいくつかの態様で、第1センサ4502及び第2センサ4504は、インダクタ202での電圧又は電流を検出し得る。例えば、第1センサ4502は、インダクタ202の第1端子の入力電圧又は入力電流を検出してよい。他の例として、第2センサ4504は、インダクタ202の第1端子の電圧又は電流を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、第1センサ4502は、付勢フェーズの間にインダクタ202の入力電圧又は入力電流を検出するよう構成されてよい。付勢フェーズは、インダクタ202が付勢(例えば、充電)されるように起こり得る。例えば、コントローラは、スイッチを、インダクタ202が入力電圧を受ける状態に遷移させ得る(例えば、スイッチ206及びスイッチ210は閉状態にあり、スイッチ208は開状態にある。)。
【0380】
本開示のいくつかの態様で、第2センサ4504は、消勢フェーズの間にインダクタ202の第1端子の電圧又は電流を検出するよう構成されてよい。消勢フェーズは、インダクタ202が消勢される(例えば、スイッチ204a~nのうちの1つ以上により導通する)ように起こり得る。例えば、コントローラは、スイッチを、インダクタ202が入力電圧から電気的に分離されて、SIMOコンバータ104の出力部へ電気的に結合される状態に遷移させ得る(例えば、スイッチ206及びスイッチ210は開状態にあり、スイッチ208及びスイッチ204a~nの1つ以上は閉状態にある。)。
【0381】
本開示のいくつかの態様で、第3センサ4506は、インダクタ202の第2端子のスイッチング出力電圧又は出力電流を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、第3センサ4506は、付勢又は消勢フェーズの間にスイッチング出力電圧又は出力電流を検出してよい。
【0382】
本開示のいくつかの態様で、システム4500は、インダクタ202のデューティサイクル(例えば、付勢フェーズ及び消勢フェーズを含むインダクタ周期)の間にスイッチング出力電圧を制御するよう動作してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、入力電圧値、電圧値、スイッチング出力電圧値、入力電流値、電流値、又は出力電流値を決定してよい。本開示のいくつかの態様で、コントローラは、入力電圧値、電圧値、スイッチング出力電圧値、入力電流値、電流値、又は出力電流値を、検出された入力電圧、電圧、スイッチング出力電圧、入力電流、電流、又は出力電流に夫々に基づいて決定してもよい。
【0383】
図46は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、インダクタ周期4610a~bの間のインダクタでの電流のグラフ表現4600を示す。図46で、曲線4616は、インダクタでの電流に対するインダクタの既知のインダクタンス(例えば、インダクタ曲線4616)を表す。インダクタ曲線4616によって表されるように、インダクタでの電流が増大するにつれて、インダクタのインダクタンスは低下する。
【0384】
曲線4611a~bは、如何なるインダクタのディレーティングも伴わない第1インダクタ周期4610a及び第2インダクタ周期4610bの間のインダクタでの電流を夫々表し得る。曲線4614a~bは、インダクタのディレーティングを伴った第1インダクタ周期4610a及び第2インダクタ周期4610bの間のインダクタでの電流を夫々表し得る。更に、曲線4612は、インダクタのディレーティングを伴った第1インダクタ周期4610aの間のインダクタでの電流を表し得る。曲線4611a~b、4612、及び4614a~bの相違によって表されるように、インダクタ周期4610a~bの間のインダクタの電流には違いが現れる。本開示のいくつかの態様で、曲線4611a~b、4612、及び4614a~bの間の相違は、電流が増える場合のインダクタンスのディレーティングに起因し得る。
【0385】
図47は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、インダクタ周期4610a~bの間のインダクタでの電流と、補間された実際のインダクタンス定格に対する既知のインダクタンス定格とのグラフ表現4700を示す。
【0386】
本開示のいくつかの態様で、補間された実際のインダクタンス定格4709は、本開示の他の場所で説明されているように、インダクタの入力電圧値、入力電流値、又はスイッチング出力電圧値を用いて補間されてよい。電流4614aは、di1、di2、di3、及びdi4として図47で表されている複数の部分に分けられてよい。測定された電流4616aの各部分di1、di2、di3、及びdi4は、補間されたインダクタ曲線4709の異なる部分に対応し得る。例えば、部分di4は第1部分4708aに対応してよく、部分di3は第2部分4708bに対応してよく、部分di2は第3部分4708cに対応してよく、部分di1は第4部分4708dに対応してよい。本開示のいくつかの態様で、補間されたインダクタ曲線4709の各部分4708a~dは、測定された電流4616aの対応する部分di1、di2、di3、及びdi4に基づき補間されてよい。本開示の他の態様では、補間されたインダクタ曲線4709の各部分4708a~dは、測定された電流4616aの異なる部分di1、di2、di3、及びdi4に対応してもよい。
【0387】
図48は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、スイッチドコンバータを作動させる例示的な方法4800のフローチャートを示す。方法4800は、1つ以上のブロック4802、4804、4806、4808、又は4810を含み得る。別個のブロックで示されているが、方法4800のブロックのうちの1つ以上に関連した動作は、特定の実施に応じて、更なるブロックに分けられても、より少ないブロックにまとめられても、又は削除されてもよい。
【0388】
ブロック4802で、スイッチが制御されてよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチは、デューティサイクルにおいてスイッチング出力電圧を制御するよう制御されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、各デューティサイクルは付勢フェーズ及び消勢フェーズを含み得る。付勢フェーズの間、電荷蓄積コンポーネントが付勢されてよい。更に、消勢フェーズの間、電荷蓄積コンポーネントは、複数のコンバータ出力部のうちの1つ以上のコンバータ出力部へ消勢されてよい。
【0389】
ブロック4804で、方法は、コンポーネント入力電圧、コンポーネント入力電流、及びスイッチング出力電圧を検出することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、方法は、電荷蓄積コンポーネントの第1ノードでコンポーネント入力電圧及びコンポーネント入力電流を検出することを含んでもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、方法は、電荷蓄積コンポーネントの第2ノードでスイッチング出力電圧を検出することを含んでもよい。
【0390】
ブロック4806で、方法は、第1センサによってコンポーネント入力電圧値、コンポーネント入力電流値、及び/又はスイッチング出力電圧値を決定することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、方法は、電荷蓄積コンポーネントの第1ノードで付勢フェーズの開始及び終了の間にコンポーネント入力電圧値(例えば、入力電圧値)及びコンポーネント入力電流値(例えば、入力電流値)を決定することを含んでよい。更に、本開示のいくつかの態様で、方法は、付勢フェーズの開始の間及び終了の間に電荷蓄積コンポーネントの第2ノードでスイッチング出力電圧値を決定することを含んでもよい。
【0391】
ブロック4808で、方法は、第2センサによってコンポーネント入力電圧値、コンポーネント入力電流値、及び/又はスイッチング出力電圧値を決定することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、方法は、少なくとも1つの消勢フェーズの開始の間又は終了の間にコンポーネント入力電圧値、コンポーネント入力電流値、又はスイッチング出力電圧値のうちの少なくとも1つを決定することを含んでよい。方法は、電荷蓄積コンポーネントの第1ノードでコンポーネント入力電圧値又はコンポーネント入力電流値を決定することを含んでよい。更に、方法は、電荷蓄積コンポーネントの第2ノードでスイッチング出力電圧値を決定することを含んでもよい。
【0392】
ブロック4810で、方法は、電荷蓄積コンポーネントの電気特性を決定することを含み得る。本開示のいくつかの態様で、方法は、決定された値に基づいて電気特性を決定することを含んでよい。
【0393】
本開示の範囲から逸脱せずに方法4800に対して変更、追加、又は省略が行われてもよい。例えば、方法4800の動作は別の順序で実施されてもよい。追加的に、又は代替的に、2つ以上の動作は同時に実行されてもよい。更に、説明されている操作及び動作は端に例として与えられており、操作及び動作の一部は、記載されている態様の本質から外れずに、任意であっても、より少ない操作及び動作にまとめられても、あるいは、追加の操作及び動作に拡張されてもよい。
【0394】
本開示のいくつかの態様で、第1センサは電圧センサとして構成されてよい。本開示の他の態様では、第1センサは電流センサとして構成されてもよい。代替的に、本開示のいくつかの態様で、第1センサは、電圧センサ及び電流センサの両方として構成されてもよい。
【0395】
本開示のいくつかの態様で、第2センサは電圧センサとして構成されてよい。本開示の他の態様では、第2センサは電流センサとして構成されてもよい。代替的に、本開示のいくつかの態様で、第2センサは、電圧センサ及び電流センサの両方として構成されてもよい。
【0396】
本開示のいくつかの態様で、第3センサは電圧センサとして構成されてよい。本開示の他の態様では、第3センサは電流センサとして構成されてもよい。代替的に、本開示のいくつかの態様で、第3センサは、電圧センサ及び電流センサの両方として構成されてもよい。
【0397】
本開示のいくつかの態様で、コントローラは、インダクタの第1端子又は第2端子の決定された電圧値(例えば、コンポーネント入力電圧値、コンポーネント電圧値、又は電圧値)又は決定された電流値(例えば、コンポーネント入力電流値、コンポーネント電流値、又は電流値)を用いて様々な機能を実行するよう構成された1つ以上のプロセッサを含んでよい。
【0398】
本開示のいくつかの態様で、第1センサは、付勢フェーズの間に第1端子の入力電圧又は入力電流を検出してよい。コントローラは、付勢フェーズの間のインダクタの第1端子の入力電圧値を決定してよい。本開示のいくつかの態様で、コントローラは、第1センサによって検出された入力電圧に基づき付勢フェーズの間の入力電圧値を決定してよい。コントローラは、付勢フェーズの間の第1端子の入力電流値を決定してもよい。本開示のいくつかの態様で、コントローラは、第1センサによって検出された入力電流に基づき付勢フェーズの間の入力電流値を決定してよい。
【0399】
本開示のいくつかの態様で、第2センサは、消勢フェーズの間の第1端子の入力電圧又は入力電流を検出してよい。コントローラは、消勢フェーズの間のインダクタの第1端子の電圧値を決定してよい。本開示のいくつかの態様で、コントローラは、第2センサによって検出された電圧に基づき消勢フェーズの間の電圧値を決定してよい。コントローラは、消勢フェーズの間の第1端子の入力電流値を決定してもよい。本開示のいくつかの態様で、コントローラは、第1センサによって検出された入力電流に基づき消勢フェーズの間の入力電流値を決定してよい。
【0400】
本開示のいくつかの態様で、第3センサは、付勢フェーズ又は消勢フェーズの間に第2端子のスイッチング出力電圧又は出力電流を検出してよい。コントローラは、付勢又は消勢フェーズの間のインダクタの第2端子のスイッチング出力電圧値を決定してよい。本開示のいくつかの態様で、コントローラは、第3センサによって検出されたスイッチング出力電圧に基づき付勢又は消勢フェーズの間のスイッチング出力電圧値を決定してよい。コントローラは、付勢又は消勢フェーズの間の第2端子の出力電流値を決定してもよい。本開示のいくつかの態様で、コントローラは、第1センサによって検出された出力電流に基づき付勢又は消勢フェーズの間の出力電流値を決定してよい。
【0401】
本開示のいくつかの態様で、第1センサは、付勢フェーズの開始の間(例えば、開始時)にインダクタの第1端子の入力電圧を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、付勢フェーズの開始は、スイッチがインダクタを付勢(例えば、充電)するよう構成された状態に移った後の期間に対応してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出された入力電圧に基づき付勢フェーズの開始時のインダクタの第1端子の入力電圧値を決定してよい。
【0402】
本開示のいくつかの態様で、第1センサは、付勢フェーズの開始の間にインダクタの第1端子の入力電流を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出された入力電流に基づき付勢フェーズの開始時のインダクタの第1端子の入力電流値を決定してよい。
【0403】
本開示のいくつかの態様で、第3センサは、付勢フェーズの開始の間にインダクタの第2端子のスイッチング出力電圧を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出されたスイッチング出力電圧に基づき付勢フェーズの開始時のインダクタの第2端子のスイッチング出力電圧値を決定してよい。
【0404】
本開示のいくつかの態様で、第3センサは、付勢フェーズの開始の間のインダクタの第2端子の出力電流を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出された出力電流に基づき付勢フェーズの開始時のインダクタの第2端子の出力電流値を決定してよい。
【0405】
本開示のいくつかの態様で、第1センサは、付勢フェーズの終了の間(例えば、終了時)にインダクタの第1端子の入力電圧を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、付勢フェーズの終了は、スイッチがインダクタを消勢する(例えば、インダクタを導通させる)よう構成された状態に移る前の期間に対応してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出された入力電圧に基づき付勢フェーズの終了中のインダクタの第1端子の入力電圧値を決定してよい。
【0406】
本開示のいくつかの態様で、第1センサは、付勢フェーズの終了の間にインダクタの第1端子の入力電流を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出された入力電流に基づき付勢フェーズの終了中のインダクタの第1端子の入力電流値を決定してよい。
【0407】
本開示のいくつかの態様で、第3センサは、付勢フェーズの終了の間にインダクタの第2端子のスイッチング出力電圧を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出されたスイッチング出力電圧に基づき付勢フェーズの終了中のインダクタの第2端子のスイッチング出力電圧値を決定してよい。
【0408】
本開示のいくつかの態様で、第3センサは、付勢フェーズの終了の間のインダクタの第2端子の出力電流を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出された出力電流に基づき付勢フェーズの終了中のインダクタの第2端子の出力電流値を決定してよい。
【0409】
本開示のいくつかの態様で、第2センサは、消勢フェーズの開始の間(例えば、開始時)にインダクタの第1端子の電圧を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、消勢フェーズの開始は、スイッチがインダクタを消勢する(例えば、インダクタを導通させる)するよう構成された状態に移った後の期間に対応してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出された電圧に基づき消勢フェーズの開始中のインダクタの第1端子の電圧値を決定してよい。
【0410】
本開示のいくつかの態様で、第1センサは、消勢フェーズの開始の間にインダクタの第1端子の電流を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出された電流に基づき消勢フェーズの開始中のインダクタの第1端子の電流値を決定してよい。
【0411】
本開示のいくつかの態様で、第3センサは、消勢フェーズの開始の間にインダクタの第2端子のスイッチング出力電圧を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出されたスイッチング出力電圧に基づき消勢フェーズの開始時のインダクタの第2端子のスイッチング出力電圧値を決定してよい。
【0412】
本開示のいくつかの態様で、第3センサは、消勢フェーズの開始の間のインダクタの第2端子の出力電流を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出された出力電流に基づき消勢フェーズの開始時のインダクタの第2端子の出力電流値を決定してよい。
【0413】
本開示のいくつかの態様で、第2センサは、消勢フェーズの終了の間(例えば、終了時)にインダクタの第1端子の電圧を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、消勢フェーズの終了は、スイッチがインダクタを付勢(例えば、充電)するよう又はインダクタで実質的に電流が現れないようにするよう構成された状態に移る前の期間に対応してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出された電圧に基づき消勢フェーズの終了中のインダクタの第1端子の入力電圧値を決定してよい。
【0414】
本開示のいくつかの態様で、第2センサは、消勢フェーズの終了の間にインダクタの第1端子の電流を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出された電流に基づき消勢フェーズの終了中のインダクタの第1端子の電流値を決定してよい。
【0415】
本開示のいくつかの態様で、第3センサは、消勢フェーズの終了の間にインダクタの第2端子のスイッチング出力電圧を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出されたスイッチング出力電圧に基づき消勢フェーズの終了中のインダクタの第2端子のスイッチング出力電圧値を決定してよい。
【0416】
本開示のいくつかの態様で、第3センサは、消勢フェーズの終了の間のインダクタの第2端子の出力電流を検出してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、検出された出力電流に基づき消勢フェーズの終了中のインダクタの第2端子の出力電流値を決定してよい。
【0417】
本開示のいくつかの態様で、コントローラは、付勢フェーズの開始及び終了の間にインダクタ(例えば、電荷蓄積コンポーネント)の第1端子(例えば、第1ノード)の電圧値(例えば、入力電圧値又は電圧値)又は電流値(例えば、入力電流値又は電流値)のうちの少なくとも1つ及びスイッチング出力電圧値を決定してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、付勢フェーズの開始又は終了の間にインダクタの第1端子の電圧値(例えば、入力電圧値又は電圧値)、第1端子の電流値(例えば、入力電流値又は電流値)、又は第2端子(例えば、第2ノード)のスイッチング出力電圧値のうちの少なくとも1つを決定してもよい。
【0418】
本開示のいくつかの態様で、コントローラは、決定された値を用いてインダクタ(例えば、電荷蓄積コンポーネント)の電気特性を決定してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、入力電圧値、入力電流値、電圧値、電流値、スイッチング出力電圧値、出力電流値、又はそれらの何らかの組み合わせを用いてインダクタの実際のインダクタンス値を決定してよい。更に、コントローラは、入力電圧値、入力電流値、電圧値、電流値、スイッチング出力電圧値、出力電流値、又はそれらの何らかの組み合わせを補間することによってインダクタの電気特性を決定してもよい。
【0419】
本開示のいくつかの態様で、コントローラは、入力電圧値、入力電流値、電圧値、電流値、スイッチング出力電圧値、出力電流値、又はそれらの何らかの組み合わせの補間に基づきインダクタの実際のインダクタンス定格(例えば、インダクタンス曲線)を決定してもよい。これらの及び他の例では、コントローラは、入力電圧値、入力電流値、電圧値、電流値、スイッチング出力電圧値、出力電流値、又はそれらの何らかの組み合わせに基づきインダクタの実際のインダクタンス定格を補間してもよい。
【0420】
コントローラは、次の式に従ってインダクタの電気特性(例えば、インダクタにかかる電圧u(t))を決定し得る:
【数3】
【0421】
式(3)において、
- V(Lx)は、インダクタの第1端子の電圧値を示す(例えば、SIMOコンバータがDCMモードで動作する場合に、SIMOスイッチングの全てのフェーズの開始時及び終了時に通常は略0Vである。この場合に、電流はインダクタを流れていない。);
- VoNは、コンバータ出力部(又はコンバータ出力レール)での各々の出力電圧を示す;
- Lは、インダクタの誘導性を示す;
- iは、コンバータ出力部Nの各々の消勢期間中のインダクタでの電流を示す;
- iN-1は、コンバータ出力部N-1の各々の消勢期間中(例えば、コンバータ出力部Nの消勢期間の直前の消勢期間中。つまり、iの消勢期間とiN-1の消勢期間との間に他の消勢期間はなく、例えば、厳密に1つの付勢期間のみが存在する。)のインダクタでの電流を示す;
- toNは、コンバータ出力部Nの消勢期間の存続時間を示す。
【0422】
本開示のいくつかの態様で、コントローラは、インダクタの電気特性に従ってスイッチを制御してよい。本開示のこれら及び他の態様で、コントローラは、インダクタの電流の増大によるインダクタのディレーティングを補償するようスイッチを制御してよい。例えば、コントローラは、スイッチのデューティサイクルを増大又は低減させるようスイッチを制御してよい。
【0423】
本開示のいくつかの態様で、コントローラはDCMに従ってスイッチを制御してよい。本開示のこれら及び他の態様で、インダクタ周期を不連続にすることがSIMOコンバータの性能を向上させるように電気特性が決定される場合に、コントローラはDCMに従ってスイッチを作動させ得る。
【0424】
本開示のいくつかの態様で、インダクタはキャパシタで置換されてもよく、本開示で説明される様々な動作は、インダクタの代わりにキャパシタを用いて実行されてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、キャパシタの電気特性はキャパシタの容量を含み得る。
【0425】
いくつかの態様で、第4スイッチがインダクタの第2端子とスイッチング出力電圧との間に電気的に結合されてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、第5スイッチがインダクタの第2端子と入力電圧との間に電気的に結合されてもよい。
【0426】
本開示で記載される1つ以上の態様は、SIMOコンバータの効率を低下させる可能性があるタイミングエラーを最小限にし得る。更に、本開示で記載される1つ以上の態様は、定義された負荷の下で、過誘導ディレーティングを補償するようタイミングを適応(例えば、スイッチのデューティサイクルを適応)させ得る。本開示のこれらの態様は、既知のインダクタ曲線特性を含むインダクタで外部インダクタを置き換え得る。
【0427】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータに関して記載される機能は、オーバーサンプリングを使用してSISOコンバータによって実装されてもよい。
【0428】
本開示の1つ以上の態様に従って、コントローラは、スイッチング出力電圧値の電圧リップルが低減されるようにスイッチを制御し得る。更に、本開示の1つ以上の態様に従って、コントローラは、制御フィードバック計算又はタイミングエラーに関連した不正確性を低減又は排除するよう、決定された電気特性に基づきスイッチを制御し得る。
【0429】
SIMOコンバータ104は、出力キャパシタの1つ以上に蓄えられている電力をリサイクルし得る。SIMOコンバータ104は、保持キャパシタへ電力をリサイクルし得る。保持キャパシタに蓄えられている電力は、その後のインダクタンス周期の間にインダクタ202を充電するために使用され得る。代替的に、SIMOコンバータ104は、その後のインダクタンス周期にインダクタ202を充電するために電力をリサイクルしてもよい。
【0430】
本開示の態様に従って、SIMOコンバータは、1つ以上の電力保持デバイス(例えば、1つ以上のキャパシタ)を使用して、未使用の電力をリサイクルするよう構成されてよい。すなわち、SIMOコンバータ内の未使用の残留電荷が集められて蓄積され、次いで、付加的なエネルギ源として使用されてよい。これにより、回路のエネルギ効率は改善され得る。別の言い方をすれば、多くの電気部品は類似した電圧要件(例えば、電圧ドメイン)を有しているので、1つのコンポーネントのための未使用電力は一時的に蓄積され、それから他のコンポーネントへ向け直され得る。例えば、BLEデバイス及びWi-Fiデバイスは類似した電圧領域を有しており、このことは、BLEデバイスへ接続されているコンバータ出力部のための未使用電圧が、Wi-Fiモジュールへ接続されているコンバータ出力部のためのキャパシタに蓄えられることを可能にする。更に、たとえコンポーネントが異なる電圧要件を有するとしても、第1コンポーネントからの蓄えられた電圧により第2コンポーネントに給電することは可能であり得る。
【0431】
図49は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む例示的なシステム4900のブロック図を示す。本開示のいくつかの態様で、SIMO104は、本開示の他の場所で記載されるSIMOコンバータ104に対応してもよい。本開示のいくつかの態様で、システム4900は、2つ以上のコンバータ出力部でスイッチング出力電圧108a~nを異なる値で供給するよう複数のコンバータ出力部を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、システム4900は1つ以上のLDO(図示せず。)を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、LDOは、本開示の他の場所で記載されるLDO106に対応してもよい。
【0432】
システム4900は、放電期間中に出力キャパシタ4907a~nのうちの1つ以上で蓄えられている電圧をリサイクルするよう構成されてよい。本開示のいくつかの態様で、キャパシタ4907a~nのうちの1つ以上で蓄えられている電圧は、その後のインダクタンス周期の間に使用されるようにリサイクルされてよい。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラ(図示せず。)は、放電期間中に、キャパシタ4907a~nに蓄えられている電圧がシステム4900内の他のコンポーネントへ移されるように、スイッチ204a~n、210、206、208を制御し得る。
【0433】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、放電期間中に、出力キャパシタ4907a~nのうちの1つ以上に蓄えられている電圧がインダクタ202を充電するために使用されるように、スイッチ204a~n、210、206、208を制御してもよい。放電期間中、本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラは、電流(図49では矢印4901で表記。)が出力キャパシタ(キャパシタ4907cとして図示。)から基準電位へ伝播し得るように、スイッチ204a~n、210、206、208を制御し得る。本開示のこれら及び他の態様で、電流が出力キャパシタ4907cから基準電位へ伝播されることは、電流をインダクタ202に蓄えさせ得る。
【0434】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、放電期間中、出力キャパシタ4907cに蓄えられている電圧が保持キャパシタ(図示せず。)へ移されるように、スイッチ204a~n、210、206、208を制御してもよい。本開示のいくつかの対象で、保持キャパシタは、SIMO104の入力端子102へ電気的に結合されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、保持キャパシタは、スイッチ(図示せず。)を介して入力端子102へ電気的に結合されてもよい。
【0435】
放電期間中、本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、電流(図49では矢印4903で表記。)が出力キャパシタ(図49ではキャパシタ4907cとして図示。)から入力端子102へ伝播し得るように、スイッチ204a~n、210、206、208を制御してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、電流が出力キャパシタ4907cから入力端子102へ伝搬されることは、電流をインダクタ202に蓄えさせ、又は電圧を、入力端子102に電気的に結合されている保持キャパシタに蓄えさせ得る。その後のインダクタンス周期で、保持キャパシタに蓄えられている電圧は、入力電圧の少なくとも一部を供給し得る。
【0436】
図50は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、分離したインダクタ周期の間にインダクタが単一の電気デバイスへ電気的に結合されるか又は出力キャパシタが放電されるシミュレーションのグラフ表現5000を示す。図50で、波形5002a~dは、インダクタ周期の間のインダクタでの電流を表す。波形5002a~dは、インダクタ周期の間に時間とともにどのようにインダクタでの電流が変化するかを示す。インダクタ周期の1つ以上は、充電部分、導通部分、又は放電部分を含み得る。充電部分は図50では部分5004a~cとして表されている。導通部分は図50では部分5006、5008、5010として表されている。放電部分は図50では部分5009として表されている。
【0437】
充電部分5004a~cは、入力電圧を用いてインダクタが充電されることによるインダクタでの電流の変化を示す。本開示のいくつかの態様で、インダクタは、正電圧として入力電圧を用いて充電されてよい。例えば、図50に示されている充電部分5004a~cは、入力電圧又はリサイクルされて保持キャパシタに蓄えられている電圧を用いてインダクタが充電されることによるインダクタでの電流の増大を示す。
【0438】
本開示のいくつかの態様で、インダクタは、システムの出力キャパシタに蓄えられている電圧を用いて充電されてよい。例えば、放電部分5009は、対応するインダクタ周期5002cの間に出力キャパシタが放電されることによるインダクタでの電流の(負方向での)充電を示す。インダクタでの電流は、対応する放電部分5009の間に、出力キャパシタに蓄えられている電圧による電流が入力電圧による電流とは逆方向に流れるので、負方向で増大し得る。
【0439】
本開示のいくつかの態様で、放電部分5009はまた、出力キャパシタに蓄えられている電圧が減少するにつれて、その蓄えられた電圧が閾値に達した場合に、インダクタでの電流の低下を示し得る。本開示のこれら及び他の態様で、放電部分5009の間に電流がインダクタを伝播するにつれて、出力キャパシタに蓄えられている電圧は低下し得る。蓄えられている電圧の閾量(例えば、略半分)が放散されると、インダクタでの電流は、蓄えられている電圧の低下により低下し始め得る。
【0440】
導通部分5006、5008、5010は、導通部分5006、5008、5010の間にインダクタが入力電圧から切り離され、SIMOコンバータのコンバータ出力部を介して電気デバイスへ電気的に結合されることによるインダクタでの電流の低下を示す。例えば、本開示のいくつかの態様で、導通部分5006、5008、5010の夫々は、インダクタがSIMOコンバータの異なるコンバータ出力部を介して異なる電子デバイスへ電気的に結合されることに対応してよい。他の例として、本開示のいくつかの態様で、導通部分5006、5008、5010の夫々は、インダクタがSIMOコンバータのあるコンバータ出力部を介して同じ電子デバイスへ電気的に結合されることに対応してもよい。
【0441】
図51は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、スイッチド電力コンバータを作動させる例示的な方法5100のフローチャートを示す。方法5100は、1つ以上のブロック5102、5104、5106、又は5108を含み得る。別個のブロックで示されているが、方法5100のブロックのうちの1つ以上に関連した動作は、特定の実施に応じて、更なるブロックに分けられても、より少ないブロックにまとめられても、又は削除されてもよい。
【0442】
ブロック5102で、スイッチが制御されてよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチは、コンバータ出力部へスイッチング出力電圧を供給するよう制御されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチング出力電圧は、インダクタに供給された入力電圧に応答してコンバータ出力部へ供給されてよい。
【0443】
ブロック5104で、方法はインダクタを付勢することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、方法は、インダクタ付勢期間にインダクタを付勢することを含んでもよい。
【0444】
ブロック5106で、方法はインダクタを消勢することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、方法は、消勢期間にインダクタを消勢することを含んでもよい。
【0445】
ブロック5108で、方法はキャパシタを放電することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、キャパシタはコンバータ出力部へ結合されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、キャパシタは出力キャパシタを含んでもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、キャパシタは放電期間に放電されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、放電期間はインダクタ付勢期間又はインダクタ消勢期間の外で起こり得る。更に、本開示のいくつかの態様で、キャパシタは、放電されたエネルギをエネルギ保持デバイスに蓄えるよう放電されてもよい。エネルギ保持デバイスは、SIMOコンバータの中又は外に位置してよい。様々な態様で、エネルギ保持デバイスは、現在使用されていないコンバータ出力部のキャパシタであってもよい。様々な態様で、エネルギ保持デバイスは、インダクタ202の上流に配置された追加のキャパシタであってもよい。様々な態様で、エネルギ保持デバイスは、インダクタ202の下流に配置された追加のキャパシタであってもよい。様々な態様で、エネルギ保持デバイスは、インダクタ202の各々の端部領域にある2つのインダクタ端子の間でインダクタ202へ選択的に結合され得るインダクタのタップ端子へ接続された追加キャパシタであってもよい。
【0446】
本開示の範囲から逸脱せずに方法5100に対して変更、追加、又は省略が行われてもよい。例えば、方法5100の動作は別の順序で実施されてもよい。追加的に、又は代替的に、2つ以上の動作は同時に実行されてもよい。更に、説明されている操作及び動作は端に例として与えられており、操作及び動作の一部は、記載されている態様の本質から外れずに、任意であっても、より少ない操作及び動作にまとめられても、あるいは、追加の操作及び動作に拡張されてもよい。
【0447】
図52は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む他の例示的なシステム5200のブロック図を示す。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104は、本開示の他の場所で記載されるSIMOコンバータ104に対応してもよい。本開示のいくつかの態様で、システム5200は1つ以上のLDO(図示せず。)を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、LDOは、本開示の他の場所で記載されるLDO106に対応してもよい。
【0448】
システム5200は、放電期間中に出力キャパシタ4907a~nの1つ以上に蓄えられている電圧をリサイクルするよう構成されてよい。本開示のいくつかの態様で、1つ以上の出力キャパシタ4907a~nに蓄えられている電圧は、その後のインダクタ周期中に使用されるようにリサイクルされてよい。1つ以上の出力キャパシタ4907a~nに蓄えられている電圧は、1つ以上の出力キャパシタ4907a~nから補助キャパシタ5207にリサイクルされてよい。
【0449】
スイッチコントローラ(図示せず。)は、放電部分の間に補助キャパシタ5207をインダクタ202の第1端子へ電気的に結合するよう補助スイッチ5205を制御してよい。スイッチコントローラは、放電期間中に、1つ以上の出力キャパシタ4907a~nに蓄えられている電圧が補助キャパシタ5207へ移されるように、スイッチ204a~n、210、206、208、補助スイッチ5205、又はそれらの何らかの組み合わせを制御してよい。
【0450】
更に、スイッチコントローラは、放電期間中に、1つ以上の出力キャパシタ4907a~nに蓄えられている電圧の少なくとも一部がインダクタ202を充電するために使用されるように、スイッチ204a~n、210、206、208を制御してもよい。放電期間中、スイッチコントローラは、電流(図52では矢印5201で表されている。)が出力キャパシタ(図52ではキャパシタ4907cとして表されている。)から基準電位へ伝播し得るように、スイッチ204a~n、210、206、208を制御してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、電流が出力キャパシタ4907cから基準電位に伝播されることで、電流がインダクタ202に蓄えられることになる。
【0451】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、放電期間中に、出力キャパシタ4907cに蓄えられている電圧が補助キャパシタ5207(例えば、保持キャパシタ)へ移されるように、スイッチ204a~n、210、206、208、補助スイッチ5205、又はそれらの何らかの組み合わせを制御してもよい。放電期間中、スイッチコントローラは、電流(図52では矢印5203で表されている。)が出力キャパシタ(図52ではキャパシタ4907cとして表されている。)から補助キャパシタ5207へ伝播し得るように、スイッチ204a~n、210、206、208、補助スイッチ5205、又は何らかの組み合わせを制御してもよい。
【0452】
システム5200は、出力キャパシタ4907に蓄えられている電力を補助キャパシタ5207へリサイクルするためにインダクタ202を使用してもよい。更に、補助キャパシタ5207は、補助スイッチ5205によってインダクタ202又はスイッチ204から分離される分離キャパシタとして実装されてもよい。
【0453】
図53は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む他の例示的なシステム5300のブロック図を示す。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104は、本開示の他の場所で記載されるSIMOコンバータ104に対応してもよい。システム5300は1つ以上のLDO(図示せず。)を含んでもよい。LDO()は、本開示の他の場所で記載されるLDO106に対応してもよい。
【0454】
システム5300は、スイッチキャパシタネットワーク5309(スイッチネットワーク5309とも呼ばれる。)を含んでもよい。スイッチキャパシタネットワーク5309は、補助スイッチ5205a~d及び補助キャパシタ5207を含み得る。スイッチキャパシタネットワーク5309は、出力キャパシタ4907a~nの1つ以上に蓄えられている電圧を放電期間中に補助キャパシタ5207へリサイクルするよう構成されてよい。
【0455】
スイッチコントローラ(図示せず。)は、放電期間中に、1つ以上の出力キャパシタ4907a~nに蓄えられている電圧が補助キャパシタ5207へ移されるように、スイッチ204a~n、210、206、208、補助スイッチ5205a~d、又はそれらの何らかの組み合わせを制御してもよい。
【0456】
システム5300は、出力キャパシタ4907に蓄えられている電力をリサイクルするためにインダクタ202を使用しなくてもよい。
【0457】
図54は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータを作動させる例示的な方法5400のフローチャートを示す。方法5400は1つ以上のブロック5402乃至5414を含み得る。別個のブロックで表されているが、方法5400のブロックのうちの1つ以上に関連した動作は、特定の実施に応じて、更なるブロックに分けられても、より少ないブロックへとまとめられても、又は削除されてもよい。
【0458】
方法5400は、ブロック5402で、クロックの動作を開始することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、クロックは、SIMOコンバータ、スイッチコントローラ、又はそれらの何らかの組み合わせを作動させるクロック信号を含んでよい。ブロック5402の後には、ブロック5404が続き得る。
【0459】
方法5400は、ブロック5404で、SIMOコンバータを作動させることを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、SIMOコンバータ内のスイッチ、補助スイッチ、又はそれらの何らかの組み合わせを制御してよい。ブロック5404の後には、ブロック5406が続き得る。
【0460】
方法5400は、ブロック5406で、スイッチング出力電圧の全ての値がハイであるかどうかを決定することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、スイッチング出力電圧の全ての値(例えば、対応するコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧の値)がハイであるかどうかを決定してよい。スイッチコントローラは、スイッチング出力電圧の値が閾値を上回る場合に、スイッチング出力電圧の値がハイであると決定してよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチング出力電圧の値の閾値は、1.7Vから7V、例えば、3Vから5Vを含んでよい。スイッチング出力電圧の全ての値がハイである場合に、ブロック5406の後にブロック5408が続き得る。スイッチング出力電圧の全ての値がハイであるわけではない場合には、ブロック5406の後にブロック5404が続き得る。ブロック5404及びブロック5460は、スイッチング出力電圧の全ての値がハイになるまで繰り返し得る。
【0461】
方法5400は、ブロック5408で、スイッチング出力電圧がオフされるべきであることを示すことを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、スイッチング出力電圧が対応するコンバータ出力部へ供給されるのを停止すべきであることを決定してよい。ブロック5408の後には、ブロック5410が続き得る。
【0462】
方法5400は、ブロック5410で、出力キャパシタにある電力がリサイクルされるべきであると決定することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、1つ以上の出力キャパシタにある電力が補助キャパシタへリサイクルされるべきであるかどうかを決定してよい。1つ以上の出力キャパシタにある電力がリサイクルされるべきである場合に、ブロック5410の後にブロック5412が続き得る。1つ以上の出力キャパシタにある電力がリサイクルされるべきでない場合には、ブロック5410の後にブロック5414が続き得る。
【0463】
方法5400は、ブロック5412で、出力キャパシタにある電力を補助キャパシタへリサイクルすることを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、出力キャパシタにある電力を補助キャパシタへ移すようSIMOコンバータ内のスイッチ、補助スイッチ、又はそれらの何らかの組み合わせを制御してよい。
【0464】
方法5400は、ブロック5414で、出力キャパシタにある電力を基準電位へ放電することを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、出力キャパシタにある電力を基準電位(例えば、接地電位)へ放電するようSIMOコンバータ内のスイッチ、補助スイッチ、又はそれらの何らかの組み合わせを制御してよい。
【0465】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータの出力キャパシタは、スイッチング出力電圧を平滑化するために(例えば、スイッチング出力電圧のリップルを低減するために)使用されてよい。出力キャパシタは、スイッチング出力電圧が対応するコンバータ出力部へ供給されているときに電圧を蓄え得る。出力キャパシタは、SIMOコンバータの充電期間又は導通期間の外で電圧を蓄えてもよい。本開示のいくつかの態様で、出力キャパシタに蓄えられている電圧は、対応するインダクタ周期の外で基準電位(例えば、接地)に放電されてよい(又は捨てられてよい)。本開示の他の態様では、出力キャパシタに蓄えられている電圧は、その後のインダクタ周期にインダクタを充電するために使用されるようリサイクルされてもよい。本開示の他の態様では、出力キャパシタに蓄えられている電圧は、その後のインダクタ周期での使用のためにインダクタを充電するために使用されてもよい。
【0466】
本開示のいくつかの態様で、出力キャパシタに蓄えられている電力(例えば、出力キャパシタに蓄えられているエネルギ又は電位)は、リサイクルされて保持キャパシタに蓄えられてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、保持キャパシタは、SIMOコンバータの入力部へ選択的に電気的に結合されてよい。更に、本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラは、保持キャパシタをSIMOコンバータの入力部へ選択的に電気的に結合するようスイッチを制御してよい。
【0467】
本開示のいくつかの態様で、放電期間中、SIMOコンバータ内のスイッチは、保持キャパシタに電圧を蓄えるよう電流が出力キャパシタの1つ以上から保持キャパシタへ流れるように、制御されてよい。本開示の他の態様では、放電期間中、スイッチは、電流が出力キャパシタの1つ以上から基準電位へ流れてインダクタを充電するように、制御されてもよい。
【0468】
本開示のいくつかの態様で、放電期間は、インダクタ付勢期間(例えば、充電部分)又はインダクタ消勢期間(例えば、導通部分)の外で起こり得る。本開示のいくつかの態様で、例えば、電荷がエネルギ保持デバイスへ放電されるよう保持キャパシタから移動されるSIMOコンバータのレール(つまり、リカバリ放電経路)が、インダクタ付勢期間又はインダクタ消勢期間中のインダクタの付勢又は消勢に関与するレールから実質的に電気的に絶縁される場合に、放電期間はインダクタ付勢期間(例えば、充電部分)又はインダクタ消勢期間(例えば、導通部分)内で部分的に起こってもよい。
【0469】
本開示のいくつかの態様で、単一の出力キャパシタが放電期間中に放電され得る。本開示の他の態様では、複数の出力キャパシタが放電期間中に放電されてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、単一の出力キャパシタは放電期間ごとに放電されてよい。本開示の他の態様では、複数の出力キャパシタは放電期間ごとに放電されてよい。
【0470】
本開示のいくつかの態様で、スイッチは、1つ以上の出力キャパシタに蓄えられている電圧が異なる出力キャパシタへリサイクルされるように制御されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、蓄えられている電圧を異なる出力キャパシタへリサイクルすることは、スイッチング出力電圧がその後の放電期間中に安定するための時間の量を減らし得る。
【0471】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、1つ以上の出力キャパシタの充電状態が予め定義された基準を満足するかどうかを決定してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラは、1つ以上の出力キャパシタが予め定義された基準を満足する場合に放電部分が起こるようにスイッチを制御してよい。本開示のいくつかの態様で、予め定義された基準は、1つ以上のキャパシタに蓄えられている電圧(例えば、エネルギ)の量が予め定義されたエネルギ閾値以上であることを含んでよい。
【0472】
本開示のいくつかの態様で、スイッチの1つ以上は電力スイッチを含んでよい。
【0473】
本開示のいくつかの態様で、システムは、SIMOコンバータ以外のコンバータを含んでもよく、異なるコンバータを備えたシステムは、上述されたのと同じ又は類似した方法で1つ以上の出力キャパシタに蓄えられている電力をリサイクルしてよい。
【0474】
本開示のいくつかの態様で、出力キャパシタに蓄えられている電力は複数の場所へリサイクルされてよい。本開示のこれら及び他の態様で、出力キャパシタに蓄えられている電力の一部は保持キャパシタへリサイクルされてよく、他の部分はインダクタへリサイクルされてよい。
【0475】
本開示のいくつかの態様で、出力キャパシタに蓄えられている電力は他の出力キャパシタへリサイクルされてもよい。
【0476】
SIMOコンバータは、異なるコンバータ出力部でのスイッチング出力電圧を異なるレベルで、高帯域WiFiチェーンと、Bluetooth(登録商標)送信器チェーン及び低帯域WiFiチェーンを含む複合チェーンとへ供給してもよい。SIMOコンバータがスイッチング出力電圧を異なるレベルで供給することは、複合チェーン内のBluetooth送信器チェーン及び高帯域WiFiチェーンが同時に動作することを可能にし得る。更に、SIMOコンバータは、高帯域チェーンの適切な動作を保ちながらBluetoothチェーンの電力消費を減らすようBluetooth送信器チェーン及び高帯域チェーンへのスイッチング出力電圧の電圧レベルを調整し得る。
【0477】
本開示の態様に従って、SIMOコンバータは、高帯域WiFiチェーン、Bluetooth送信器チェーン及び低帯域WiFiチェーンを含む複合チェーン、又はそれらの組み合わせのための電圧ドメイン内でスイッチング出力電圧を供給し得る。
【0478】
図55は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、DC-DCコンバータ5502を含む例示的な無線送信器5500のブロック図を示す。無線送信器5500はまた、WiFi低帯域(WLB)チェーン5504、Bluetooth(BT)チェーン5506、及びWiFi高帯域(WHB)チェーン5508も含み得る。
【0479】
本開示のいくつかの態様で、DC-DCコンバータ5502はDC電圧を受け得る。本開示のこれら及び他の態様で、DC-DCコンバータ5502は、異なるDC電圧で出力電圧を生成してよい。本開示のこれら及び他の態様で、出力電圧の電圧レベルは、WLBチェーン5504、BTチェーン5506、又はWHBチェーン5508の1つ以上の設定に基づいてよい。
【0480】
本開示のいくつかの態様で、WLBチェーン5504、BTチェーン5506、又はWHBチェーン5508は、単一のレール5501を介してDC-DCコンバータ5502へ電気的に結合され得る。本開示のこれら及び他の態様で、WLBチェーン5504、BTチェーン5506、又はWHBチェーン5508は、レール5501を介してDC-DCコンバータ5502から出力電圧を受け得る。
【0481】
本開示のいくつかの態様で、WLBチェーン5504は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)標準に従って無線信号を送信し得る。本開示のこれら及び他の態様で、WLBチェーン5504は、WiFiプロトコルに従って低帯域で無線信号を送信し得る。
【0482】
本開示のいくつかの態様で、WLBチェーン5504は第2レール5503へ電気的に結合されてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、WLBチェーン5504は、第2レール5503を介して入力電圧を受け得る。
【0483】
本開示のいくつかの態様で、BTチェーン5506はBT信号を送信し得る。本開示のこれら及び他の態様で、BTチェーン5506は、BT標準に従ってBT無線信号を送信し得る。
【0484】
本開示のいくつかの態様で、BTチェーン5506は、第2レール5505へ電気的に結合されてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、BTチェーン5506は、第2レール5503を介して入力電圧を受け得る。
【0485】
本開示のいくつかの態様で、WHBチェーン5508は、WLAN標準に従って無線信号を送信し得る。本開示のこれら及び他の態様で、WHBチェーン5508は、WiFiプロトコルに従って高帯域で無線信号を送信し得る。
【0486】
本開示のいくつかの態様で、WLBチェーン5504、BTチェーン5506、又はWHBチェーン5508は、WLBチェーン5504、BTチェーン5506、又はWHBチェーン5508によって送信されるべき送信信号として出力電圧を受けてもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、WLBチェーン5504、BTチェーン5506、又はWHBチェーン5508は、その出力電圧を用いて同時に作動しかつ対応する無線信号を送信してもよい。
【0487】
本開示のいくつかの態様で、DC-DCコンバータ5502が出力電圧をBTチェーン5506又はWHBチェーン5508へ単一のレール5501を介して供給することは、無線信号の低下を引き起こす可能性がある。例えば、DC-DCコンバータ5502が出力電圧をBTチェーン5506及びWLBチェーン5504へ単一のレール5501を介して供給することは、単にWLBチェーン5504が出力電圧を用いて作動することと比較して、相互負荷により実質的に1デシベルの性能低下を引き起こす可能性がある。
【0488】
本開示のいくつかの態様で、BTチェーン5506及びWHBチェーン5508が両方とも出力電圧を用いて送信中であるとき、DC-DCコンバータ5502は、BTチェーン5506及びWHBチェーン5508が両方とも適切に作動することを可能にするレベルで出力電圧を供給し得る。DC-DCコンバータ5502が、BTチェーン5506も送信中であるときにWHBチェーン5508の設定に基づき出力電圧のレベルを高めることは、BTチェーン5506による電力消費を増大させる場合がある。
【0489】
図56は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、DC-DCコンバータ5502を含む他の例示的な無線送信器5600のブロック図を示す。無線送信器5600はまた、複合WLB及びBTチェーン5610、及び/又はWHBチェーン5508を含み得る。
【0490】
本開示のいくつかの態様で、DC-DCコンバータ5502はDC電圧を受け得る。本開示のこれら及び他の態様で、DC-DCコンバータ5502は、異なる電圧で出力電圧を生成し得る。本開示のこれら及び他の態様で、出力電圧の電圧レベルは、複合WLB及びBTチェーン5610又はWHBチェーン5508の1つ以上の設定に基づいてよい。
【0491】
本開示のいくつかの態様で、複合WLB及びBTチェーン5610は、レール5605を介してDC-DCコンバータ5502へ電気的に結合され得る。本開示のこれら及び他の態様で、WHBチェーン5508は、レール5607を介してDC-DCコンバータ5502へ電気的に結合され得る。
【0492】
本開示のいくつかの態様で、複合WLB及びBTチェーン5610は、WLAN標準に従って無線信号を送信し得る。本開示のこれら及び他の態様で、複合WLB及びBTチェーン5610は、WiFiプロトコルに従って低帯域で無線信号を送信し得る。本開示のいくつかの態様で、複合WLB及びBTチェーン5610はまた、BT無線信号も送信し得る。本開示のこれら及び他の態様で、複合WLB及びBTチェーン5610は、BT標準に従ってBT無線信号を送信し得る。
【0493】
本開示のいくつかの態様で、複合WLB及びBTチェーン5610は、レール5605を介してDC-DCコンバータ5502から出力電圧を受け得る。本開示のこれら及び他の態様で、WHBチェーン5508は、レール5607を介してDC-DCコンバータ5502から出力電圧を受け得る。
【0494】
本開示のいくつかの態様で、複合WLB及びBTチェーン5610は、レール5605を介して受け取られた出力電圧を用いて作動し、同時に対応する無線信号を送信し得る。本開示のこれら及び他の態様で、複合WLB及びBTチェーン5610がレール5605(例えば、単一のレール)を介して受信された送信信号としての出力電圧を用いてBT無線信号及びWLB無線信号を同時に送信することは、BT無線信号の効率を低下させる可能性がある。更に、本開示のいくつかの態様で、BT無線信号の効率は、複合WLB及びBTチェーン5610のBT部分内のデバイスよりも高い最大電力(Pmax)を含む複合WLB及びBTチェーン5610のWiFi部分内のWiFi電力増幅器により、低下する可能性がある。
【0495】
図57は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、ハイブリッドコンバータ5712を含む例示的な無線送信器5700のブロック図を示す。本開示のいくつかの態様で、ハイブリッドコンバータ5712は、本開示の他の場所で記載されるハイブリッドコンバータに対応してもよい。ハイブリッドコンバータ5712は、SIMOコンバータ104及び1つ以上のLDO106a、bを含み得る。
【0496】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104は、本開示の他の場所で記載されるSIMOコンバータ104に対応してもよい。本開示のこれら及び他の態様で、LDO106a、bは、本開示の他の場所で記載されるLDO106に対応してもよい。
【0497】
本開示のいくつかの態様で、無線送信器5700は、SIMOコンバータ104内のスイッチを制御するよう構成されたスイッチコントローラ(図示せず。)を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラは、SIMOコンバータ104の異なるコンバータ出力部にスイッチング出力電圧を選択的に印加するようスイッチを制御し得る。
【0498】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104のスイッチは、SIMOコンバータ104のデューティサイクルの間に1つ以上のコンバータ出力部へ送信信号としてスイッチング出力電圧を供給し得る。本開示のこれら及び他の態様で、SIMOコンバータ104のスイッチは、コンバータ出力部の2つ以上でスイッチング出力電圧108a~nを異なる値で供給し得る。更に、本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給するようSIMOコンバータ104のスイッチを制御し得る。
【0499】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、SIMOコンバータ104のデューティサイクルの間にスイッチング出力電圧を供給するようSIMOコンバータ104のスイッチを制御し得る。
【0500】
本開示のいくつかの態様で、WHBチェーン5508は、レール5711を介してSIMOコンバータ104のコンバータ出力部へ電気的に結合され得る。本開示のこれら及び他の態様で、WHBチェーン5508は、レール5711を介して送信信号としてスイッチング出力電圧を受け得る。
【0501】
本開示のいくつかの態様で、複合WLB及びBTチェーン5610は、レール5709を介してSIMOコンバータ104のコンバータ出力部へ電気的に結合され得る。本開示のこれら及び他の態様で、複合WLB及びBTチェーン5610は、レール5709を介して送信信号としてスイッチング出力電圧を受け得る。
【0502】
本開示のいくつかの態様で、複合WLB及びBTチェーン5610の代わりに、無線送信器5700はWLBチェーン5504又はBTチェーン5506を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、WLBチェーン5504及びBTチェーン5506は、異なるレールでSIMOコンバータ104の異なるコンバータ出力部へ電気的に結合されてよい。
【0503】
図58は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、無線送信器の作動方法5800のフローチャートを例示する。方法5800は、SIMOコンバータによって、インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給すること5802と、SIMOコンバータによって、スイッチング出力電圧を第1コンバータ出力部へ又は第2コンバータ出力部へ選択的に印加するようスイッチを制御すること5804と、第1コンバータ出力部へ結合されているBluetooth送信器チェーンによって第1コンバータ出力部を介して送信電力を受け取ること5806と、第1コンバータ出力部へ結合されている無線ローカルエリアネットワーク低帯域送信器チェーンによって第1コンバータ出力部を介して送信電力を受け取ること5808と、第2コンバータ出力部へ結合されている無線ローカルエリアネットワーク高帯域送信器チェーンによって第2コンバータ出力部を介して送信電力を受け取ること5810とを含み得る。
【0504】
図59は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、無線送信器の作動方法5900のフローチャートを例示する。方法5900は、SIMOコンバータによって、インダクタに供給された入力電圧に応答して、第1デューティサイクルではコンバータ出力部へ、及び第2デューティサイクルでは更なるコンバータ出力部へスイッチング出力電圧を供給すること5902と、SIMOコンバータによって、スイッチング出力電圧をコンバータ出力部に印加するようスイッチを制御すること5904と、Bluetooth送信器チェーンによってコンバータ出力部を介してスイッチング出力電圧を受けること5906と、無線ローカルエリアネットワーク低帯域送信器チェーンによってコンバータ出力部を介してスイッチング出力電圧を受けること5908と、無線ローカルエリアネットワーク高帯域送信器チェーンによって更なるコンバータ出力部を介してスイッチング出力電圧を受けること5910とを含み得る。
【0505】
本開示のいくつかの態様で、無線送信器は、単一のレールを介してDC-DCコンバータへ電気的に結合されている別個のデバイスとして、WLBチェーン、BTチェーン、又はWHBチェーンを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、DC-DCコンバータは、単一のDC出力電圧をBTチェーン又はWHBチェーンへ供給する場合があり、これにより無線信号の低下が引き起こされる可能性がある。本開示のこれら及び他の態様で、BTチェーン及びWHBチェーンが両方とも送信中であるとき、DC-DCコンバータは、BTチェーン及びWHBチェーンが両方とも適切に作動することを可能にするレベルに出力電圧を高め得る。DC-DCコンバータが、BTチェーンも送信中であるときにWHBチェーンの設定に基づき出力電圧を高めることは、BTチェーンによる電力消費を増大させる可能性がある。
【0506】
本開示のいくつかの態様で、無線送信器は、異なるレールを介してDC-DCコンバータへ電気的に結合されている複合WLB及びBTチェーン又はWHBチェーンを含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、複合WLB及びBTチェーンが送信信号として同じ出力電圧を用いてBT無線信号及びWLB無線信号を同時に送信することは、BT無線信号の効率を低下させる可能性がある。更に、本開示のいくつかの態様で、BT無線信号の効率は、複合WLB及びBTチェーンのBT部分内のデバイスよりも高いPmaxを含む複合WLB及びBTチェーンのWiFi部分内のWiFi電力増幅器により、低下する可能性がある。
【0507】
本開示のいくつかの態様で、無線送信器はSIMOコンバータ(例えば、ハイブリッドコンバータ)を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、SIMOコンバータは、複合WLB及びBTチェーン及びWHBチェーンへスイッチング出力電圧を異なる値で別個のコンバータ出力部において供給し得る。本開示のこれら及び他の態様は、複合WLB及びBTチェーン及びWHBチェーンが最適な電圧レベルにより同時に作動する(協働する)ことを可能にし得る。更に、本開示のこれら及び他の態様は、スイッチング出力電圧がWHBチェーンのための十分なレベルであることを可能にしながら、WLAN又はBT無線信号が送信中であるかどうかに基づきスイッチング出力電圧が複合WLB及びBTチェーンのために調整されることを可能にし得る。
【0508】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは、インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給し得る。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチング出力電圧は、SIMOコンバータの1つ以上のコンバータ出力部へ供給されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、SIMOコンバータは、SIMOコンバータの第1デューティサイクルでは第1コンバータ出力部へスイッチング出力電圧を供給してよい。更に、本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは、SIMOコンバータの第2デューティサイクルでは第2コンバータ出力部(例えば、更なるコンバータ出力部)へスイッチング出力電圧を供給してよい。
【0509】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは、SIMOコンバータのコンバータ出力部にスイッチング出力電圧を選択的に印加するようSIMOコンバータ内のスイッチを制御してよい。本開示のこれら及び他の態様で、SIMOコンバータは、第1コンバータ出力部へスイッチング出力電圧を選択的に印加するようSIMOコンバータ内のスイッチを制御してよい。本開示のこれら及び他の態様で、SIMOコンバータは、第2コンバータ出力部へスイッチング出力電圧を選択的に印加するようSIMOコンバータ内のスイッチを制御してよい。
【0510】
本開示のいくつかの態様で、無線送信器は、BT送信器チェーン(例えば、BTチェーン)を含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、BT送信器チェーンは、SIMOコンバータのコンバータ出力部の1つ以上へ電気的に結合されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、BT送信器チェーンは、SIMOコンバータの第1コンバータ出力部へ電気的に結合されてよい。本開示のいくつかの態様で、BT送信器チェーンは、SIMOコンバータのコンバータ出力部の1つ以上を介してスイッチング出力電圧を受けてもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、BT送信器チェーンは、SIMOコンバータのコンバータ出力部の1つ以上(例えば、第1コンバータ出力部)を介して送信電力(例えば、スイッチング出力電圧)を受けてもよい。
【0511】
本開示のいくつかの態様で、BT送信器チェーンは、2.4GHz周波数帯域でBT無線信号を送信し得る。
【0512】
本開示のいくつかの態様で、無線送信器は、WLAN低帯域(WLB)送信器チェーン(例えば、WLBチェーン)を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、WLB送信器チェーンは、SIMOコンバータのコンバータ出力部の1つ以上へ電気的に結合されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、WLB送信器チェーンは、SIMOコンバータの第1コンバータ出力部へ電気的に結合されてよい。本開示のいくつかの態様で、WLB送信器チェーンは、SIMOコンバータのコンバータ出力部の1つ以上を介してスイッチング出力電圧を受けてもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、WLB送信器チェーンは、SIMOコンバータのコンバータ出力部の1つ以上(例えば、第1コンバータ出力部)を介して送信電力(例えば、スイッチング出力電圧)を受けてもよい。
【0513】
本開示のいくつかの態様で、WLB送信器チェーンは、2.4GHz周波数帯域でWLAN無線信号を送信し得る。本開示のこれら及び他の態様で、WLB送信器チェーンは、IEEE801.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n、又はIEEE802.11ac標準のうちの少なくとも1つに従ってWLAN無線信号を送信してもよい。
【0514】
本開示のいくつかの態様で、無線送信器は、WLAN高帯域(WHB)送信器チェーン(例えば、WHBチェーン)を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、WHB送信器チェーンは、SIMOコンバータのコンバータ出力部の1つ以上へ電気的に結合されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、WHB送信器チェーンは、SIMOコンバータのコンバータ出力部の第2コンバータ出力部へ電気的に結合されてよい。本開示のいくつかの態様で、WHB送信器チェーンは、SIMOコンバータのコンバータ出力部の1つ以上を介してスイッチング出力電圧を受けてもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、WHB送信器チェーンは、SIMOコンバータのコンバータ出力部の1つ以上(例えば、第1コンバータ出力部)を介して送信電力を受けてもよい。
【0515】
本開示のいくつかの態様で、WHB送信器チェーンは、5GHz周波数帯域でWLAN無線信号を送信し得る。本開示のこれら及び他の態様で、WHB送信器チェーンは、IEEE801.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n、又はIEEE802.11ac標準のうちの少なくとも1つに従ってWLAN無線信号を送信してもよい。
【0516】
いくつかの態様で、無線送信器はまた、送信器チェーンセレクタを含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、送信器チェーンセレクタは、WHB送信器チェーン、WLB送信器チェーン、BT送信器チェーン、又は複合WLB及びBT送信器チェーンへ結合されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、送信器チェーンセレクタは、対応する無線信号を送信するためにWHB送信器チェーン、WLB送信器チェーン、BT送信器チェーン、又は複合WLB及びBTチェーンを選択し得る。
【0517】
本開示のいくつかの態様で、無線送信器はスイッチコントローラを含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラは、SIMOコンバータ内のスイッチへ電気的に結合されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラは、SIMOコンバータのコンバータ出力部にスイッチング出力電圧を選択的に印加するようSIMOコンバータのスイッチを制御し得る。
【0518】
本開示の1つ以上の態様は、複合WLB及びBT送信器チェーンによって送信される信号の低下を軽減し得る。更に、本開示の1つ以上の態様は、BT及びWLAN送信の最適な性能及び効率を保ち得る。更に、本開示の1つ以上の態様は、WHB送信器チェーン及びBT送信チェーンの同時の作動(例えば、協働)を、両方の送信器チェーンの電力消費を維持しながら可能にし得る。本開示の1つ以上の態様は、多入力多出力(MIMO)ダイにおける複数のWLB送信器チェーンが、BTビームフォーミングを維持しながら、エリアオーバーヘッドの増大無しで、WLAN送信器チェーン及びBT送信器チェーンの両方のエリアを含むことを可能にし得る。更に、本開示の1つ以上の態様は、BT送信器チェーンがデジタル電力増幅器を含む場合に、BTブロードキャスティングのための高電力BTを有効にし得る。本開示のこれら及び他の態様で、BT送信器チェーンは、WLAN伝送のためのレベルでスイッチング出力電圧を受けることができる一方で、BT送信チェーンは低電力BT動作を実行することができる。
【0519】
ラジオヘッドシステムのラジオチップは、異なる電圧値を用いて作動するコンポーネントを含み得る。更に、ラジオヘッドシステムは、入力電力を受けるための単一の入力レールしか含まなくてもよい。SIMOバックブーストコンバータ104(一般にここでは「SIMOコンバータ」と呼ばれる。)は、単一の入力レールから入力電力を受け取ることができ、そして、異なる電圧値でスイッチング出力電圧を生成することができる。SIMOコンバータ104は、ラジオチップ内の異なるコンポーネントへスイッチング出力電圧を供給して、それらのコンポーネントが適切に作動することができるようにし得る。
【0520】
本開示の態様に従って、SIMOコンバータは、ラジオヘッドシステム内のコンポーネントのためのスイッチング出力電圧ドメインを供給し得る。例えば、各ラジオヘッドシステムコンポーネントは、一意の電圧ドメインを有してよい。従って、各コンポーネントは、SIMOバックブーストコンバータの異なるコンバータ出力部へ接続されてよい。
【0521】
図60は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、コンバータ6003を含む例示的なシステム6000のブロック図を示す。図61は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、コンバータ6003を含む他の例示的なシステム6100のブロック図を示す。
【0522】
図60及び図61を一緒に参照して、システム6000、6100は、単一のインターフェースケーブル6016(例えば、デジタル/電力インターフェースケーブル)を介して電力信号、制御信号、又はその他の適切な信号を受信し得るラジオヘッド(RH)回路6001を含み得る。本開示のいくつかの態様で、単一のインターフェースケーブル6016はフレックスケーブルを含んでよい。
【0523】
RH回路6001はコンバータ6003、RHラジオチップ6002、及び/又はアンテナ6004を含み得る。コンバータ6003はSIMOコンバータ104及び1つ以上のLDO106a~cを含み得る(留意すべきは、コンバータ6003は、本明細書で記載されるSIMOコンバータのいずれであってもよい点である。)。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104及び1つ以上のLDO106a~cは、本開示の他の場所で記載されるSIMOコンバータ104及びLDO106に夫々対応してもよい。本開示のいくつかの態様で、コンバータ6003は、出力部の2つ以上でスイッチング出力電圧を異なる値で供給するよう複数の出力部を含んでもよい。
【0524】
本開示のいくつかの態様で、コンバータ6003は、入力電圧を受け、スイッチング出力電圧を供給電圧として供給し得る。本開示のこれら及び他の態様で、コンバータ6003は、供給電圧の1つ以上を異なる値で供給してもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、コンバータ6003は、コンバータ6003の出力部を介して供給電圧を供給してもよい。
【0525】
本開示のいくつかの態様で、RHラジオチップ6002は、複数の供給電圧ドメイン6020、6022、及び6024を含んでよい。本開示のいくつかの態様で、供給電圧ドメイン6020、6022、及び6024の夫々は、RHラジオチップ6002の異なるチェーン又は部分に対応してよい。本開示のこれら及び他の態様で、第1供給電圧ドメイン6020は、RHラジオチップ6002の送信器チェーンに対応してよく、以降、送信器チェーン6020と呼ばれる。
【0526】
送信器チェーン6020は電源端子(図示せず。)及び1つ以上の電子部品を含み得る。電源端子は、コンバータ6003の出力部へ電気的に結合されてよい。送信器チェーン6020内の電子部品は、略同じドメイン固有供給電圧で作動するよう構成され得る。更に、送信器チェーン6020内の電子部品の夫々は、電源端子へ電気的に結合され得る。本開示のいくつかの態様で、送信器チェーン6020は1つ以上の送信器コンポーネントを含んでもよい。例えば、送信器コンポーネントは、送信電力増幅器6006(デジタル電力増幅器(DPA)として図60及び図61では図示される。)を含んでもよい。
【0527】
第2供給電圧ドメイン6022は受信器チェーンに対応してもよく、以降、受信器チェーン6022と呼ばれる。受信器チェーン6022は電源端子(図示せず。)及び1つ以上の電子部品を含み得る。電源端子は、コンバータ6003の出力部へ電気的に結合されてよい。受信器チェーン6022内の電子部品の夫々は、略同じドメイン固有供給電圧で作動するよう構成され得る。更に、受信器チェーン6022内の電子部品の夫々は、電源端子へ電気的に結合され得る。本開示のいくつかの態様で、受信器チェーン6022は、1つ以上の受信器コンポーネントを含んでもよい。例えば、受信器コンポーネントは、低雑音増幅器6010(RX6010として図60及び図61では図示される。)又はLDO6008を含んでもよい。LDO6008は、本開示の他の場所で説明されているLDO106と同じに又は同様に作動し得る。
【0528】
第3供給電圧ドメイン6024はデジタルチェーンに対応してよく、以降、デジタルチェーン6024と呼ばれる。デジタルチェーン6024は電源端子(図示せず。)及び1つ以上の電子部品を含み得る。電源端子はコンバータ6003の出力部へ電気的に結合されてよい。デジタルチェーン6024内の電子部品は、略同じドメイン固有供給電圧で作動するよう構成され得る。更に、デジタルチェーン6024内の電子部品の夫々は、電源端子へ電気的に結合され得る。本開示のいくつかの態様で、デジタルチェーン6024は1つ以上のデジタルコンポーネントを含んでもよい。例えば、デジタルコンポーネントは、モデム(MAC及びPHYレイヤ)実装、任意の関連する通信プロセッサ、及び/又はラジオのアナログ及びRFセクションのための信号調整及び較正を実装するデジタル回路のいずれか(例えば、デジタルフロントエンド)を含んでもよい。図60を参照して、デジタルコンポーネントはまた、LDO6012を含んでもよい。LDO6012は、本開示の他の場所で説明されているLDO106と同じに又は同様に作動し得る。図61を参照して、デジタルコンポーネントはLDO6012を含まなくてもよい。
【0529】
アンテナ6004は、インターフェースケーブル6018を介してRHラジオチップ6002へ電気的に結合又は通信可能に結合されてよい。本開示のいくつかの態様で、インターフェースケーブル6018は、デジタル(例えば、制御)信号又は電力をアンテナ6004へ伝送するよう構成されてよい。
【0530】
RHシステムは、アンテナで直接に結合されるラジオチップ(例えば、RHラジオチップ)及びRFコンポーネントを含んでもよい。例えば、アンテナ及びラジオチップは、単一のユニット内に位置付けられて収容されてよい。RHシステムを適切に作動させるために、ユニットに結合される電力レール、通信レール、又は他の外部接続の数は制限される場合がある。例えば、外部接続は、制御、通信、及び電力信号を供給するための単一の外部レールに制限される場合がある。更に、面積制限(例えば、回路フットプリントに対する制限)が、ユニットの物理サイズを低減するために実装される場合がある。例えば、面積制限は、DC-DCコンバータのための単一のインダクタがRHシステム内に含まれることを許可する場合がある。
【0531】
本開示のいくつかの態様に従って、単一のインダクタ及び複数の出力を含むコンバータ(例えば、DC-DCコンバータ)がRHシステム内で実装されてよい。本開示のいくつかの態様で、RHシステムは、複数の供給電圧ドメインを含むRHラジオチップを含み得る。供給電圧ドメインの夫々は、コンバータの異なる出力へ電気的に結合されてよい。これは、各電圧ドメインが互いに同じ又は異なる供給電圧値を受けることを可能にし得る。
【0532】
本開示のいくつかの態様で、供給電圧ドメインは、第1電圧ドメイン、第2電圧ドメイン、又は第3電圧ドメインを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様、第1電圧ドメインは送信器チェーンを含んでよい。更に、本開示のいくつかの態様で、送信器チェーンは、第1供給電圧で作動する送信器コンポーネントを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、第2電圧ドメインは受信器チェーンを含んでよい。更に、本開示のいくつかの態様で、受信器チェーンは、第2供給電圧で作動する受信器コンポーネントを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、第1供給電圧は第2供給電圧とは異なってもよい。本開示のいくつかの態様で、第3電圧ドメインは、第3供給電圧で作動する1つ以上のデジタルコンポーネントを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、第3供給電圧は、第1供給電圧及び第2供給電圧のうちの少なくとも一方と異なってもよい。
【0533】
本開示のいくつかの態様で、供給電圧ドメインは、送信器チェーンを含む第1電圧ドメインを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、送信器チェーンは1つ以上の送信器コンポーネントを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、送信器コンポーネントは第1供給電圧で作動してよい。更に、本開示のいくつかの態様で、送信器コンポーネントは送信電力増幅器を含んでもよい。
【0534】
本開示のいくつかの態様で、供給電圧ドメインは、受信器チェーンを含む第2電圧ドメインを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、受信器チェーンは1つ以上の受信器コンポーネントを含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、受信器コンポーネントは第2供給電圧で作動してよい。更に、本開示のいくつかの態様で、受信器コンポーネントは低雑音増幅器を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、第2供給電圧は第1供給電圧とは異なってもよい。
【0535】
本開示のいくつかの態様で、RHシステムの物理レイヤ、ターボデコーダ(TD)、又は無線周波数(RF)コンポーネントは、アンテナで接続されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、RHシステム内に従来の単一のDC-DCコンバータを実装することは、複数のDC-DCコンバータを実装するシステムに対して電力消費を増大させる。
【0536】
本開示の1つ以上の態様に従って、RHシステムは、単一のユニット内に収容されてRHシステムの面積要件及び電力要件の両方を満たすよう実装され得る。
【0537】
本開示の態様に従って、SIMOコンバータは、送信器及び受信器の夫々のための電圧ドメイン内でスイッチング出力電圧をコンバータ出力部で供給し得る。送信器及び受信器は、相異なる電圧ドメインを有してよい。
【0538】
図62Aは、本開示の態様に係る例示的なDC2DCコンバータ6202のブロック図を示す。コンバータ6202は、接続6210を介して送信器増幅器6204へ電圧を供給する。コンバータ6202は、接続6210を介してLDOレギュレータ6206へ電圧を供給する。接続6210は、送信及び受信動作を供給する1つのライブ電圧レールである。LDOレギュレータ6206は更に、レギュレートされた電圧を受信チェーン6208へ供給する。単一のコンバータ6202は、レギュレータ6206により、増幅器6204及び受信チェーン6208の受信器の両方に電圧を供給する。
【0539】
1つのアクティブ電圧レール6210の使用は、送信増幅器6204のトランジスタに対するストレスをもたらす可能性がある。受信がオン状態にあり、送信がオフ状態にある場合に、送信器及び受信器が同じレールを使用しているために、送信器は依然としてライブ電圧を受ける。送信器へのストレスは信頼性を低下させる。
【0540】
図62Bは、本開示の態様に係る例示的なDC2DCコンバータ6202a、bのブロック図を示す。コンバータ6202aは、接続6212を介して送信器増幅器6204へ電圧を供給する。コンバータ6202bは、接続6214を介してLDOレギュレータ6206へ電圧を供給する。LDOレギュレータ6206は更に、レギュレートされた電圧を受信チェーン6208へ供給する。独立したコンバータ6202a、bが、電圧を夫々、増幅器6204及び受信チェーン6208の受信器へ供給する。
【0541】
別個の接続6212及び6214は、トランジスタ6204に対するストレス及び送信を劣化させるリスクを排除する。送信器6204への電圧は、受信がアクティブである間はオフされ得る。しかし、2つのDC2DCコンバータ6202a、bを有することに関連したフォームファクタ及び製造費用のトレードオフが存在する。
【0542】
図63は、本開示の対象に係るSIMO DC2DCコンバータ6302を含む例示的な単一インダクタ多重出力(SIMO)回路6300のブロック図を示す。コンバータ6302は複数の出力レール6310及び6312を含む。出力レール6310は、コンバータ6302から送信器6304へ電圧を供給する。出力レール6312は、コンバータ6202からLDOレギュレータ6306へ電圧を供給する。LDOレギュレータ6306は、コンバータ6302からの供給電圧を目標電圧にレギュレートして、レギュレートされた電圧を受信器6308へ供給する。目標電圧は予め定義されても又は設定可能であってもよい。
【0543】
別個の供給レール(又はノード)6310及び6312は、送信器増幅器6304及び受信器6308によって必要とされる異なる出力電圧を可能にする。例えば、LDOレギュレータ6306を介して受信器6308へ供給されるよりも低い電圧が、送信器増幅器6304へ供給され得る。更に、別個のノード6310及び6312は、受信器6308のためのレール6312がアクティブであるときにコンバータ6302が送信器増幅器6304に供給することを可能にする。
【0544】
SIMO6302は、送信及び受信のための専用の出力レールを用いて、送信器増幅器6304のデジタル電力増幅器(DPA)に対するストレスを取り除く。受信がアクティブであるとき、レール6312はオンされ、レール6310は、送信器増幅器6304がアクティブ電圧を受けないようにオフされ得る。従って、単一のDC2DCコンバータ6302が、伝送信頼性のリスク無しで受信及び送信を独立して供給することができる。
【0545】
図64は、本開示の態様に係るSIMO回路の作動方法の例を示す。方法は、第1コンバータ出力部を介して第1供給電圧を供給し、第2コンバータ出力部を介して第2供給電圧を供給すること6402と、電力増幅器を有し、第1供給電圧を受けるよう第1コンバータ出力部へガルバニック結合されている無線送信器を介して、無線信号を送信すること6404と、第2供給電圧を受けるよう第2コンバータ出力部へガルバニック結合されている無線受信器を介して、無線信号を受信する6406とを含む。
【0546】
図65は、本開示の少なくとも1つの態様に従って、SIMO回路(例えば、SIMO回路6300)を作動させる例示的な方法6500のフローチャートを示す。方法6500は、単一インダクタ多重出力コンバータから電力を受けるよう第1出力部へ直接にガルバニック結合されている無線送信器を介して、無線信号を送信すること6502を含み得る。方法は更に、単一インダクタ多重出力コンバータから電力を受けるよう第2出力部へガルバニック結合されている無線受信器を介して、無線信号を受信すること6504を含み得る。
【0547】
増幅器を含む無線送信器、及び無線周波数受信器は、別個のコンバータ出力部を介してSIMOコンバータと電子的に結合され得る。無線送信器及び無線周波数受信器は異なる電圧要件を有してもよい。異なるSIMOコンバータ出力部は、異なる電圧を供給するよう構成され得る。例えば、受信器供給がオンであるとき、SIMOコンバータは、送信器へ供給される電圧を下げるよう構成されてよい。受信器供給がオンであるときに送信器への供給を下げることは、送信器増幅器がオフ状態にあるときの送信器増幅器の信頼性リクスを取り除くことができる。
【0548】
受信器は、コンバータと受信器との間に直列に構成されているレギュレータからレギュレートされた電圧を受け取ってもよい。コンバータは、レギュレータに供給電圧をその専用のコンバータ出力部から直接に供給する。レギュレータは、電圧を受信器のための設定可能な電圧目標にレギュレートする。
【0549】
本開示のいくつかの態様に従って、SIMOコンバータは、2つの供給電圧に対応する2つのコンバータ出力部を含む。第1コンバータ出力部へ電子的に結合されている増幅器を含む無線送信器は、第1供給電圧を受ける。第2コンバータ出力部へ電子的に結合されている無線受信器は、第2供給電圧を受ける。送信器及び受信器は、オン及びオフ状態の間で切り替わり得る。オン状態にあるとき、送信器は無線信号を送信し得る。オン状態にあるとき、受信器は無線信号を受信し得る。
【0550】
本開示のいくつかの態様に従って、無線送信器は、デジタル制御される電力増幅器を含む。
【0551】
本開示のいくつかの態様に従って、SIMO回路は、コンバータ出力部の1つと受信器との間に構成されて、受信器へ供給される供給電圧をレギュレートするレギュレータを含む。いくつかの態様に従って、レギュレータは、線形レギュレータ又は低ドロップアウトレギュレータであってよい。
【0552】
本開示のいくつかの態様に従って、SIMO回路は、SIMOコンバータの1つ以上のスイッチを制御して、第1コンバータ出力部又は第2コンバータ出力部へ供給電圧を供給するスイッチコントローラを含む。
【0553】
SIMOコンバータ104は、スイッチング出力電圧を異なる電圧値でクラスG電力増幅器へ供給してもよい。クラスG電力増幅器は、クラスG電力増幅器の効率を改善するよう異なる電圧値でスイッチング出力電圧を切り替えることによって、作動し得る。クラスG電力増幅器は、SIMOコンバータ104がスイッチング出力電圧を2つ以上の電圧値で供給することにより、改善された効率で作動し得る。
【0554】
本開示の態様に従って、SIMOコンバータは、クラスG電力増幅器の基準電圧のための電圧ドメイン内でスイッチング出力電圧をコンバータ出力部で供給してもよい。
【0555】
図66は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、コンバータ6604を含む例示的なシステム6600のブロック図を示す。システム6600はまた、DPA6602を含んでもよい。
【0556】
コンバータ6604はSIMOコンバータ104及び1つ以上のLDO106a~dを含み得る。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104及び1つ以上のLDO106a~dは、本開示の他の場所に記載されるSIMOコンバータ104及びLDO106に夫々に対応してもよい。本開示のいくつかの態様で、コンバータ6604は、2つ以上の出力部でスイッチング出力電圧を異なる値で供給するよう複数の出力部を含んでもよい。
【0557】
本開示のいくつかの態様で、コンバータ6604は、入力電圧を受けて、スイッチング出力電圧を供給電圧として供給し得る。本開示のこれら及び他の態様で、コンバータ6604は、供給電圧の1つ以上を異なる値で供給し得る。更に、本開示のいくつかの態様で、コンバータ6604は、コンバータ6604の出力部により供給電圧を供給し得る。
【0558】
本開示のいくつかの態様で、DPA6602は、コンバータ6604の出力部へ電気的に結合されてよい。これらの及び他の態様で、DPA6602は、コンバータ6604の出力部へガルバニック結合されてよい。例えば、DPA6602の第1入力部は、コンバータ6604の第1出力部へ結合されてよく、DPA6602の第2入力部は、コンバータ6604の第2出力部へ結合されてよく、DPA6602の第3入力部は、コンバータ6604の第3出力部へ結合されてよく、DPA6602の第4入力部は、コンバータ6604の第4出力部へ結合されてよい。
【0559】
本開示のいくつかの態様で、コンバータ6604は、第1出力部を介して第1供給電圧を供給し得る。本開示のこれら及び他の態様で、コンバータ6604は、第2出力部を介して第2供給電圧を供給し得る。更に、本開示のいくつかの態様で、コンバータ6604は、第3出力部を介して第3供給電圧を供給し得る。更に、本開示のいくつかの態様で、コンバータ6604は、第4出力部を介して第4供給電圧を供給し得る。
【0560】
本開示のいくつかの態様で、DPA6602は、第1入力部を介して第1供給電圧を受け得る。本開示のこれら及び他の態様で、DPA6602は、第2入力部を介して第2供給電圧を受け得る。更に、本開示のいくつかの態様で、DPA6602は、第3入力部を介して第3供給電圧を受け得る。本開示のいくつかの態様で、DPA6602は、第4入力部を介して第4供給電圧を受け得る。
【0561】
マルチレベル(ML)電力増幅器(例えば、クラスG電力増幅器又はDPA)は、効率を向上させるよう供給電圧を切り替え得る。例えば、ML電力増幅器は、効率を向上させるよう供給電圧からより低い供給電圧へ切り替えてもよい。本開示のいくつかの態様で、ML電力増幅器の効率は、ML電力増幅器がより低い供給電圧を用いて高電力バックオフで作動することにより増大し得る(例えば、動作は、ML電力増幅器の飽和より前に増大し得る。)。本開示のいくつかの態様で、システムは、SIMOコンバータ及びLDOを含むコンバータを含んでもよい。コンバータは、複数の供給電圧を1つ以上の異なる値でML電力増幅器へ供給してよい。
【0562】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104及びLDOレギュレータ106は、供給電圧を供給するようSIMO104の出力部へ電気的に結合されている増幅器回路3908を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、SIMO及びLDOは、ML電力増幅器を含むシステムにおいて複数のDC-DCコンバータを置き換えることができる。例えば、いくつかのコンバータ技術で、複数のDC-DCコンバータは入力電圧を受けることができ、各DC-DCコンバータはML電力増幅器のための異なるDC供給電圧を生成することができる。しかし、本開示のいくつかの態様で、SIMO及びLDOは単一のコンバータとして実装され、入力電圧を受けて、異なる供給電圧を異なる値でML電力増幅器へ供給することができる。
【0563】
本開示のいくつかの態様で、コンバータ(例えば、SIMO及びLDO)は、供給電圧を異なる値で生成し得る。本開示のこれら及び他の態様で、コンバータは2つ以上の供給電圧を2つ以上の値で生成し得る。例えば、コンバータは3つの供給電圧を3つの異なる値で生成し得る。他の例として、コンバータは3つの供給電圧を2つの異なる体で生成し得る(例えば、第1供給電圧及び第2供給電圧は同じ値であってよく、第3供給電圧は異なる値であってよい。)。更なる他の例として、コンバータは、4つの供給電圧を4つの異なる値で生成し得る。
【0564】
従って、本開示の少なくとも1つの態様は、複数のDC-DCコンバータを実装するシステムと比較して、ML電力増幅器(例えば、クラスG電力増幅器)を使用するためのフットプリントを縮小しながら、複数の供給電圧を異なる値で供給し得る。更に、本開示の少なくとも1つの態様は、複数のDC-DCコンバータを実装するシステムと比較してシステムの製造費用を削減し得る。
【0565】
更に、本開示の少なくとも1つの態様は、ML電力増幅器(例えば、クラスG電力増幅器)が、複数のDC-DCコンバータを実装するシステムよりも効率的に作動することを可能にし得る。本開示のいくつかの態様で、ML電力増幅器は、2つのDC-DCコンバータを実装するシステムと比較して、単一のコンバータにおける電圧値(スイッチング出力電圧の値)の数の増加により、より効率的に作動し得る。
【0566】
このように、本開示の少なくとも1つの態様は、複数のDC-DCコンバータを実装するシステムと比較して、ML電力増幅器を実装するためのより安価なシステムを可能にし得る。更に、本開示の少なくとも1つの態様は、ML電力増幅器のバックオフ動作に対してML電力増幅器の効率を改善し得る。例えば、本開示の少なくとも1つの態様は、ML電力増幅器の電力バックオフが単一レベル電力増幅器の上位6デシベルを超えて到達することを可能にし得る。例えば、上位6デシベル限界は、供給電圧値の変化が起こるときに拡張される場合がある。更に、本開示の少なくとも1つの態様は、1つの供給電圧が使用され、他の供給電圧がオフされることにより、輪番(例えば、可変)電力消費を可能にし得る。
【0567】
SIMOコンバータ104のインダクタ202は、インダクタ202の第1エンド端子と第2エンド端子との間に1つ以上のタップ端子を含んでもよい。タップ端子は、対応するタップ端子でインダクタ202のインダクタンス定格に基づき異なる電圧レベルでタップ電圧を供給するよう構成されてよい。更に、スイッチコントローラは、タップ電圧又はスイッチング出力電圧のどちらか一方をコンバータ出力部で供給するようSIMOコンバータ104内のスイッチを制御し得る。スイッチコントローラは、SIMOコンバータ104が再構成可能であることを可能にするようSIMOコンバータ104内のスイッチを制御してもよい。
【0568】
本開示の態様に従って、SIMOコンバータは、コンバータ出力部へ結合されている電子デバイスの電圧ドメイン内でスイッチング出力電圧を供給するよう1つ以上のタップ端子を備えたインダクタを含んでもよい。
【0569】
図67は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む例示的なシステム6700のブロック図を示す。システム6700はまた、1つ以上のタップスイッチ6706、6708、及び6710又は保持キャパシタ6712を含んでもよい。
【0570】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104は、本開示の他の場所で記載されるSIMOコンバータ104に対応してもよい。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータ104は、コンバータ出力部の2つ以上でスイッチング出力電圧を異なる値で供給するよう複数の出力部を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、システム6700は1つ以上のLDO(図示せず。)を含んでもよい。本開示のいくつかの態様で、LDOは、本開示の他の場所で記載されるLDO106に対応してもよい。
【0571】
本開示のいくつかの態様で、インダクタ202は第1エンド端子6714又は第2エンド端子6716を含み得る。本開示のこれら及び他の態様で、インダクタ202はまた、1つ以上のタップ端子6702及び6704を含んでもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、1つ以上のタップ端子6702及び6704は、第1エンド端子6714と第2エンド端子6716との間に位置付けられ得る。
【0572】
本開示のいくつかの態様で、インダクタ202は、変圧器又はその他の適切な誘導部品で置換されてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、変圧器は、本開示で記載されるインダクタ202と同じに又は同様に作動し得る。すなわち、図2に示されるインダクタ202、又はその他の図のインダクタは、変圧器で置換されてもよく、その場合に、変圧器は、SIMOコンバータ104のためのインダクタについて本明細書で開示されているように付勢及び消勢フェーズを実行し得る。
【0573】
本開示のいくつかの態様で、タップスイッチ6706は、タップ端子6702と関連するコンバータ出力部との間に結合されてよい。本開示のこれら及び他の態様で、タップスイッチ6708は、タップ端子6704と関連するコンバータ出力部との間に結合されてよい。更に、本開示のいくつかの態様で、タップスイッチ6710は、インダクタ202と保持キャパシタ6712との間に結合されてよい。更に、本開示のいくつかの態様で、保持キャパシタ6712は、タップスイッチ6710と基準電位との間に結合されてよい。
【0574】
本開示のいくつかの態様で、1つ以上のタップスイッチ6706及び6708は、タップ端子6702及び6704の1つ以上をコンバータ出力部の1つ以上へ選択的に結合し得る。本開示のこれら及び他の態様で、タップスイッチ6706又は6708は、タップされたスイッチング出力電圧を関連するコンバータ出力部へ供給し得る。更に、本開示のいくつかの態様で、タップスイッチ6706又は6708は、タップされたスイッチング出力電圧をスイッチング出力電圧として関連するコンバータ出力部で供給してもよい。
【0575】
本開示のいくつかの態様で、システム6700は、SIMOコンバータ104内のスイッチ又はタップスイッチ6706、6708若しくは6710を制御するよう構成されたスイッチコントローラ(図示せず。)を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラは、スイッチング出力電圧又はタップされたスイッチング出力電圧をSIMOコンバータ104の異なるコンバータ出力部に選択的に印加するようスイッチを制御し得る。
【0576】
図68は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータの作動方法6800のフローチャートを例示する。方法6800は、複数のスイッチによって、第1エンド端子、第2エンド端子及び第1エンド端子と第2エンド端子との間の少なくとも1つのタップ端子を含む誘導部品に供給された入力電流に応答してスイッチング出力電圧をコンバータ出力部へ供給すること6802と、少なくとも1つのタップ端子によって、誘導部品に供給された入力電圧に応答して、タップされたスイッチング出力電圧を供給するよう、少なくとも1つのコンバータ出力部を少なくとも1つのタップ端子へ選択的に結合すること6804と、スイッチング出力電圧を制御するようスイッチを制御すること6806と、タップされたスイッチング出力電圧を制御するよう少なくとも1つのタップ端子を制御すること6808とを含み得る。
【0577】
SIMOコンバータのコンバータ出力部へ電気的に結合されるいくつかの電子デバイスは、時間にわたって異なる電流負荷を含む場合がある。更に、いくつかの電子デバイスは、スイッチング出力電圧の異なる設定を含む可能性がある。更に、いくつかの電子デバイスは、異なるインダクタ(例えば、最適なインダクタ性能)及びエネルギ予備充電設定を含む可能性がある。更に、SIMOコンバータは、コンバータ出力部でのスイッチング出力電圧の間の差を最小限にするようコンバータ出力部の間のクロスレギュレーションを実行する場合がある。
【0578】
本開示のいくつかの態様は、再構成可能なSIMOコンバータとして構成されたSIMOコンバータを含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、SIMOコンバータは、複数のスイッチ及びタップ付きエネルギ保持デバイス(例えば、インダクタ又は変圧器を含む誘導部品)を含んでもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは、関連する電子デバイスのワークロードに基づきタップ付きエネルギ保持デバイスでエネルギを蓄えてもよい。更に、本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは、コンバータ出力部を切り離すことによってコンバータ出力部での電圧のクロスレギュレーションを実行してもよい。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは、アクティブでないコンバータ出力部へ結合されている他のキャパシタに電力を回すことによって、SIMOコンバータ内のキャパシタ又はタップ付きエネルギ保持デバイスに蓄えられている電力をリサイクルしてもよい。
【0579】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは誘導部品を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、誘導部品はインダクタ又は変圧器を含んでよい。更に、本開示のいくつかの態様で、誘導部品は、第1エンド端子、第2エンド端子、及び1つ以上のタップ端子を含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、1つ以上のタップ端子は、第1エンド端子と第2エンド端子との間で誘導部品上に位置付けられてよい。
【0580】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは1つ以上のタップスイッチを含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、タップスイッチの1つ以上は、誘導部品とコンバータ出力部との間に結合されてよい。更に、本開示のいくつかの態様で、タップスイッチの1つ以上は、誘導部品と保持キャパシタ(例えば、フライバックキャパシタ)との間に結合されてもよい。本開示のこれら及び他の態様で、タップスイッチは、誘導部品に供給された入力電圧に応答して、タップされたスイッチング出力電圧を供給し得る。
【0581】
本開示のいくつかの態様で、1つ以上のタップスイッチは第1タップスイッチ、第2タップスイッチ、及び/又は第3タップスイッチを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、第1タップスイッチは、タップ端子の1つとSIMOコンバータの関連するコンバータ出力部との間に結合されてよい。更に、本開示のいくつかの態様で、第2タップスイッチは、タップ端子の1つと基準電位との間に結合されてよい。本開示の他の態様で、第2タップスイッチは、タップ端子の1つと保持キャパシタとの間に結合されてよい。本開示のいくつかの態様で、第3タップスイッチは、タップ端子の1つとSIMOコンバータの他の関連するコンバータ出力部との間に結合されてよい。
【0582】
本開示のいくつかの態様で、タップスイッチは、タップされたスイッチング出力電圧を保持キャパシタに供給し得る。本開示のこれら及び他の態様で、保持キャパシタは、スイッチング出力電圧を用いてエネルギを蓄え得る。更に、本開示のいくつかの態様で、保持キャパシタは、誘導部品を充電するよう、その後の付勢フェーズの間に、蓄えられたエネルギを供給し得る。
【0583】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータはスイッチコントローラを含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、スイッチコントローラは、SIMOコンバータのスイッチ又はタップスイッチへ結合されてよい。更に、本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、タップされたスイッチング出力電圧を制御するようスイッチ又はタップスイッチを制御してよい。本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、スイッチング出力電圧を制御するようスイッチ又はタップスイッチを制御してもよい。
【0584】
本開示のいくつかの態様で、保持キャパシタは、タップ端子の1つと基準電位との間に結合されてもよい。従って、本開示の1つ以上の態様は、誘導部品でタップ端子を含まないシステムの効率を改善し得る。更に、本開示の1つ以上の態様は、SIMOコンバータが、異なるワークロードを含む電子デバイスをサポートするよう単一のSIMOコンバータで再構成可能であることを可能にし得る。更に、本開示の1つ以上の態様は、SIMOコンバータを、誘導部品でタップ端子を含まないSIMOコンバータに対して、より最適にかつより良いレギュレーションで作動させ得る。
【0585】
電圧コンバータシステムは、SIMOコンバータ104及び1つ以上のスイッチドキャパシタレギュレータを含んでよい。1つ以上のスイッチドキャパシタレギュレータと組み合わされたSIMOコンバータ104は、SIMOコンバータ104又はスイッチドキャパシタレギュレータ自体と比較して、スイッチング出力電圧のためのより広い電圧値範囲を提供し得る。
【0586】
本開示の態様に従って、SIMOバストブーストコンバータは、スイッチング出力電圧をレギュレートするために1つ以上のスイッチドキャパシタレギュレータを利用し、そのようにして、コンバータ出力部へ結合された電子デバイスの電圧ドメイン内でスイッチング出力電圧を供給し得る。
【0587】
図69は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータ104を含む例示的なシステム6900のブロック図を示す。システム6900はまた、1つ以上のスイッチドキャパシタレギュレータ(SCR)6902a~dを含んでもよい。
【0588】
本開示のいくつかの態様で、システム6900は、SIMOコンバータ104及び1つ以上のLDO(図示せず。)を含んでよい。本開示のこれら及び他の態様で、SIMOコンバータ104は、本開示の他の場所で記載されるSIMOコンバータ104に対応してもよい。LDOは、本開示の他の場所で記載されるLDO106に対応してもよい。SIMOコンバータ104は、コンバータ出力ラインの2つ以上でスイッチング出力電圧108a~nを異なる値で供給するよう複数の出力部を含んでよい。
【0589】
本開示のいくつかの態様で、SCR6902a~dは、対応するコンバータ出力ラインのためにレギュレータ特有の目標出力電圧6908a~dを動的にセットし得る。SCR6902a~dは、時間にわたる異なるワークロード設定を含む電子デバイスが適切に作動することを可能にするよう、レギュレータ特有の目標出力電圧6908a~dを動的にセットしてよい。SCR6902a~dは、レギュレータ特有の目標出力電圧6908a~dの電圧値を様々な電圧ドメイン内で動的にセットしてよい。
【0590】
本開示のいくつかの態様で、SCR6902a~dは、SIMOコンバータ104からスイッチング出力電圧108a~nを受け得る。SCR6902a~dは、スイッチング出力電圧108a~nに基づき、レギュレータ特有の目標出力電圧6908a~dを生成し得る。
【0591】
本開示のいくつかの態様で、SCR6902a~dは、レギュレータ特有の目標出力電圧6908a~dを予め定義された範囲(例えば、予め定義された電圧範囲)内にあるようセットしてよい。SCR6902a~dの夫々は、レギュレータ特有の目標出力電圧6908a~dを予め定義された異なる範囲内にあるようセットするように構成されてよい。SCR6902a~dは、対応するコンバータ出力ラインのためにレギュレータ特有の目標出力電圧6908a~dを動的にセットし得る。
【0592】
本開示のいくつかの態様で、システム6900は、SIMOコンバータ104内のスイッチを制御するよう構成されたスイッチコントローラ(図示せず。)を含んでもよい。スイッチコントローラは、スイッチング出力電圧108a~nを異なるSCR6902a~dに選択的に印加するようSIMOコンバータ104内のスイッチを制御してよい。
【0593】
シリコン制御レギュレータ(SCR)6902aのみのコンポーネントが、例示を簡単にするために、図69では示されている。更に、SCR6902aのみの動作が、議論を簡単にするために、本開示では説明されている。SCR6902b~dは、SCR6902aのものと類似した又は同じコンポーネントを含んでもよく、SCR6902aのものと類似した又は動作を実行してもよい。
【0594】
本開示のいくつかの態様で、SCR6902aは、レギュレータキャパシタ6904a~c及び1つ以上のレギュレータスイッチ6906a~nを含んでよい。SCR6902aは、レギュレータ入力ノード6901及びレギュレータ出力ノード6903を含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、レギュレータ入力ノード6901は、インダクタ202へ電気的に結合されてよい。レギュレータ入力ノード6901及びレギュレータ出力ノード6903は、対応するコンバータ出力ラインの部分を形成し得る。
【0595】
本開示のいくつかの態様で、レギュレータスイッチ6906a~nは、1つ以上のレギュレータキャパシタ6904a~cを対応するコンバータ出力ライン、基準電位、又はそれらの何らかの組み合わせへ選択的に接続してよい。
【0596】
本開示のこれら及び他の態様で、レギュレータスイッチ6906a~nは、レギュレータ入力ノード6901とレギュレータ出力ノード6903との間で並列又は直列にレギュレータキャパシタ6904a~cを選択的に接続し得る。レギュレータスイッチ6906a~nは、レギュレータ入力ノード6901、レギュレータ出力ノード6903、又はそれらの何らかの組み合わせと基準電位との間にレギュレータキャパシタ6904a~cを選択的に接続してもよい。
【0597】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、レギュレータスイッチ6906a~nを制御するよう構成されてよい。スイッチコントローラは、異なる段階でSCR6902aを作動させるようレギュレータスイッチ6906a~nを制御してよい。SCR6902aの異なる段階は、レギュレータキャパシタ6904a~cでエネルギを蓄える段階、レギュレータキャパシタ6904a~cに蓄えられている電力をコンバータ出力ラインへ供給する段階、レギュレータキャパシタを基準電位に放電する段階、又はそれらの何らかの組み合わせを含んでよい。
【0598】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、レギュレータスイッチ6906a~nを制御し、レギュレータ特有の目標出力電圧6908aを予め定義された範囲内で選択的に供給し得る。本開示の他の態様では、スイッチコントローラは、レギュレータ特有の目標出力電圧6908aを設定可能な範囲内で(例えば、設定可能な電圧値で)供給するようレギュレータスイッチ6906a~nを制御してもよい。
【0599】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、レギュレータ入力ノード6901とレギュレータ出力ノード6903との間で並列に2つ以上のレギュレータキャパシタ6904a~cを接続するようレギュレータスイッチ6906a~nを制御してよい。スイッチコントローラは、レギュレータ入力ノード6901とレギュレータ出力ノード6903との間で直列に2つ以上のレギュレータキャパシタ6904a~cを接続するようレギュレータスイッチ6906a~nを制御してもよい。
【0600】
本開示のいくつかの態様で、スイッチコントローラは、単一の共通レールを用いて、時間にわたる異なるワークロード設定を含む対応する電子デバイスが適切に作動することを可能にするよう、レギュレータ特有の目標出力電圧6908aを異なる電圧ドメイン内で供給するようにレギュレータスイッチ6906a~nを制御してもよい。例えば、対応する電子デバイスは、異なる電圧ドメイン内で作動するよう構成されるBluetoothラジオ及びWLANラジオを含んでよい。スイッチコントローラは、Bluetoothラジオ又はWLANラジオが動作すべきかどうかに基づき、レギュレータ特有の目標出力電圧6908aを異なる電圧ドメイン内で供給するようレギュレータスイッチ6906a~nを制御してよい。
【0601】
図70は、本開示で記載される少なくとも1つの態様に従って、SIMOコンバータの作動方法7000のフローチャートを例示する。方法7000は、複数のスイッチによって、インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧をコンバータ出力ラインへ供給すること7002と、スイッチング出力電圧を制御するようスイッチを制御すること7004と、少なくとも1つのSCRによって、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を各々のコンバータ出力ラインのために動的にセットすること7006とを含み得る。
【0602】
いくつかの電子デバイスは、異なる電圧設定、電流設定、経時的ワークロード設定、又はそれらの何らかの組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの電子デバイスは、複数のラジオを含むマルチリンクデバイスとして作動するよう構成されてよい(例えば、単一の共通回路内での異なるラジオの統合を含むか又は協働し得る。)。更に、いくつかの電子デバイスは、異なる動作点又は異なるモードで(例えば、異なる電圧ドメインを用いて)作動してもよい。例えば、単一の共通電子デバイスは、2つの異なる電圧ドメイン内で(例えば、VDDの異なる値を用いて)作動するコンポーネントを含んでよい。更に、異なる電子デバイスは、広範囲の電圧ドメイン内で作動してもよい。
【0603】
いくつかのスイッチドインダクタレギュレータは、電圧ドメイン間の差が大きくなるにつれて非効率的に作動する場合がある。いくつかのSCRは、電圧ドメインの特定の比率内でしか作動しない場合がある。これらのSCRは、特定の比率によってのみ電圧を異なる電圧に変換するよう構成され得る。これらのSCRは、広範囲の電圧ドメイン内で電圧供給することはできない場合がある。
【0604】
本開示の1つ以上の態様は、1つ以上のSCRと組み合わされた設定可能なSIMOコンバータ(本開示では複合コンバータと呼ばれる。)を含んでよい。複合コンバータは、SIMOコンバータのみ又はSCRのみに対して、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧の電圧ドメイン(例えば、電圧値)の範囲を広げ得る。更に、複合コンバータは、SIMOコンバータの効率を低下させずに、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧の電圧ドメインの範囲を広げ得る。複合コンバータは、SIMOコンバータのコンバータ出力部へ電気的に結合されたレギュレータスイッチ及びレギュレータキャパシタの設定可能なネットワークを含んでよい。レギュレータスイッチ及びレギュレータキャパシタの設定可能なネットワークは、複合コンバータによって供給される電圧ドメインの範囲を広げるよう構成され得る。
【0605】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは、第1電圧値で入力電圧を受け得る。SIMOコンバータは、入力電圧に基づき第2電圧値でスイッチング出力電圧を供給し得る。更に、本開示のいくつかの態様で、スイッチング出力電圧の第2電圧値は、入力電圧の第1電圧値とは異なってもよい。本開示のいくつかの態様で、第2電圧値は、第1電圧値よりも大きくても又は小さくてもよい。
【0606】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは複数のコンバータ出力ラインを含んでもよい。SIMOコンバータは、スイッチング出力電圧を1つ以上のコンバータ出力ラインへ供給してよい。SIMOコンバータは、スイッチング出力電圧の第2電圧値を、対応する電子デバイスの設定に基づき2つ以上のコンバータ出力ラインで異なるようにセットしてもよい。
【0607】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータはスイッチコントローラを含んでもよい。スイッチコントローラは、スイッチング出力電圧を制御するようSIMOコンバータ内のスイッチを制御してよい。例えば、スイッチコントローラは、スイッチング出力電圧の第2電圧値をセットするようスイッチを制御してよい。
【0608】
SCRは、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を対応するコンバータ出力ラインのために動的にセットしてよい。本開示のいくつかの態様で、SCRは、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧をスイッチング出力電圧に基づき第3電圧値で供給してよい。更に、レギュレータ特有の目標出力電圧の第3電圧値は、スイッチング出力電圧の第2電圧値とは異なってもよい。第3電圧値は、第2電圧値よりも大きくても又は小さくてもよい。
【0609】
本開示のいくつかの態様で、SCRの夫々は、SIMOコンバータの異なるコンバータ出力ラインへ電気的に結合されてよい。SCRは、レギュレータ特有の目標出力電圧を対応するコンバータ出力ラインへ供給してよい。本開示のこれら及び他の態様で、SCRは、レギュレータ特有の目標出力電圧の第3電圧値をスイッチング出力電圧の第2電圧値とは異なるようにセットしてもよい。
【0610】
本開示のいくつかの態様で、SCRの夫々は、レギュレータ入力ノード及びレギュレータ出力ノードを対応するコンバータ出力ラインの部分として含んでもよい。SCRの1つ以上は複数のレギュレータキャパシタを含んでもよい。本開示のこれら及び他の態様で、SCRの1つ以上は複数のレギュレータスイッチを含んでもよい。更に、レギュレータスイッチは、レギュレータキャパシタを対応するレギュレータ入力ノード、対応するレギュレータ出力ノード、又は基準電位へ選択的に接続してよい。
【0611】
本開示のいくつかの態様で、レギュレータスイッチは、対応するレギュレータ入力ノードと対応するレギュレータ出力ノードとの間で並列にレギュレータキャパシタの2つ以上を選択的に接続してもよい。レギュレータスイッチは、対応するレギュレータ入力ノードと対応するレギュレータ出力ノードとの間で直列にレギュレータキャパシタの2つ以上を選択的に接続してもよい。
【0612】
本開示のいくつかの態様で、複合コンバータは1つ以上の線形レギュレータを含んでもよく、それにより、SIMOコンバータ104の全部の又は全部よりも少ない出力レールの電圧は線形レギュレータによってレギュレートされる。複数のタイプの線形レギュレータが本明細書では開示されており、1つ以上の線形レギュレータは、開示されている線形レギュレータのいずれか、又は線形レギュレータの任意の組み合わせを含んでよい。全部よりも少ない出力レールの電圧が1つ以上の線形レギュレータによってレギュレートされる場合に、線形レギュレータによらないこれらの出力レールは、非線形レギュレータによってレギュレートされても、あるいは、さもなければレギュレータを有さなくてもよい。複合コンバータは、1つ以上のコンバータ出力ラインへ電気的に結合された1つ以上のSCRを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、線形レギュレータは、SCRとは異なるコンバータ出力ラインへ電気的に結合されてよい。本開示の他の態様では、線形レギュレータは、1つ以上のSCRとして共通のコンバータ出力ラインへ電気的に結合されてもよい。
【0613】
本開示のいくつかの態様で、線形レギュレータは、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットするよう構成されてよい。線形レギュレータは、SCRの代わりに、又はそれと組み合わせて作動してもよい。本開示の他の態様では、線形レギュレータは、スイッチング出力電圧をレギュレートすることによって、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットしてもよい。
【0614】
本開示のいくつかの態様で、複合コンバータは1つ以上のプッシュプルレギュレータを含んでもよい。複合コンバータは、1つ以上のコンバータ出力ラインへ電気的に結合された1つ以上のSCRを含んでもよい。プッシュプルレギュレータは、SCRとは異なるコンバータ出力ラインへ電気的に結合されてよい。
【0615】
本開示のいくつかの態様で、プッシュプルレギュレータは、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットするよう構成されてよい。プッシュプルレギュレータは、SCRの代わりに、又はそれと組み合わせて作動してもよい。本開示の他の態様では、プッシュプルレギュレータは、スイッチング出力電圧をレギュレートすることによって、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットしてもよい。
【0616】
本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータの1つ以上のスイッチはトランジスタを含んでもよい。レギュレータスイッチの1つ以上はトランジスタを含んでもよい。
【0617】
本開示の1つ以上の態様は、SIMOコンバータのみ又はSCRのみに対して、複合コンバータによって給電され得る電子デバイスの電圧ドメインの電圧範囲(例えば、電圧生成におけるシステム柔軟性)を増大させ得る。本開示のこれら及び他の態様は、SIMOコンバータのみ又はSCRのみではなく複合コンバータを用いて、より多くのタイプの電子デバイスが効率的に作動することを可能にし得る。更に、本開示の1つ以上の態様は、SIMOコンバータのみに対して、電子デバイスの時間にわたるワークロードに対する効率の設定を改善し得る。
【0618】
本開示の1つ以上の態様は、電子デバイスの時間にわたるワークロード設定に基づき、レギュレータ特有の目標出力電圧を動的に変化させ得る。本開示のこれら及び他の態様は、異なる電圧ドメイン内で作動するコンポーネントを含む電子デバイスが適切に及び/又は効率的に作動することを可能にするよう、レギュレータ特有の目標出力電圧を動的に変化させ得る。更に、本開示の1つ以上の態様は、SIMOコンバータのみ又はSCRのみに対して電圧リップル及び/又は負荷レギュレーションを最適化し得る。
【0619】
本開示の態様に従って、SIMOバックブーストコンバータは、出力レール間のガルバニック接続を開く又は閉じるためにスイッチマトリクスを利用してもよい。このようにして、スイッチマトリクスは、例えば、第1出力レールの入力部分を第2出力レールの出力部分へ接続し得る。例えば、第1コンバータ出力部がBLEデバイスへ接続され、第2コンバータ出力部がWi-Fiモジュールへ接続される場合に、スイッチコントローラは、両方のデバイスが類似したドメイン電圧を有しているので、コンバータ出力部を交換可能に使用してもよい。更に述べると、SIMOコンバータがBLEデバイス用の出力レールとWi-Fiモジュール用の出力レールとの間を(例えば、スイッチ204a~nを用いて)切り替える場合に、スイッチコントローラは、第1出力部を非アクティブにして第2出力部をアクティブにすることに代えて、(BLEデバイス用の)第1コンバータ出力部をアクティブなままにし、スイッチマトリクスに第1コンバータ出力部をWi-Fiモジュールへ接続させてもよい。
【0620】
図71は、本開示の態様に係る例示的なSIMO回路7100のブロック図を示す。SIMO回路は、本開示で上述されたSIMOコンバータ104を含んでよい。本開示のいくつかの態様で、SIMOコンバータは、1つ以上の出力レールと電子的に結合されている1つ以上のキャパシタ7107a~nを含んでよい。本開示のいくつかの態様で、SIMO回路7100はスイッチマトリクス7102を含んでもよい。スイッチマトリクス7102は1つ以上の設定可能なスイッチ7104a~nを含んでよい。SIMO回路7100は、スイッチ7104a~n及び204a~nを制御するよう1つ以上のスイッチコントローラ(図示せず。)を更に含んでもよい。
【0621】
1つ以上のスイッチ7104aは、開状態(非導通状態)と閉状態(導通状態)との間を遷移し得る。設定可能なスイッチ7104a~nは、各コンバータ出力レール7112~7118を他のコンバータ出力レールの1つ以上へ接続し得る。負荷需要が出力電圧108a~nの少なくとも1つについて変化する場合に、スイッチマトリクス7102は、新しい負荷需要に適応するように1つ以上のスイッチ7104a~nを開く又は閉じるよう制御し得る。出力電圧の負荷需要が増大する場合に、1つ以上のスイッチ7104a~nは、1つ以上の他のレールから電流を引き込むよう閉じてよい。出力電圧の負荷需要が減少する場合に、1つ以上のスイッチ7104a~nは、1つ以上の他のレールから引き込まれる電流が少なくなるよう開いてよい。
【0622】
例えば、コンバータ出力レール7118は出力電圧108と関連付けられてよい。レール7118に関連した出力電圧の負荷需要の増大に応答して、スイッチマトリクス7102は、レール7118に関連した出力電圧のためにより多くの電流を引き込むように、1つ以上のスイッチをレール7118に接続するよう制御してよい。図71に示されるように、レール7116に関連したスイッチ204は閉じられる。しかし、スイッチ7104a~nは、レール7116が出力電圧を供給しないように構成され得る。従って、レール7118に関連した出力電圧の負荷需要の増大は、レール7116を通じてインダクタ202の出力端子から引き込まれる。
【0623】
代替的に、レール7118に関連した出力電圧の負荷需要の増大に応答して、スイッチマトリクス7102は、レール7118に関連した電圧出力のためにより多くの電流を引き込むように、1つ以上のスイッチ7104a~nをレール7118に接続するよう制御してよい。図71に示されるように、レール7112及び7114に関連したスイッチ204は開いている。従って、レール7118に関連した出力電圧の負荷需要の増大は、レール7112及び7114に関連したキャパシタ7107a~nから引き込まれる。キャパシタ7107a~nは、関連するスイッチ204a~nが閉じられた場合に充電されていてよい。
【0624】
図72は、本開示の少なくとも1つの態様に従って、SIMO回路を作動させる例示的な方法7200のフローチャートを示す。方法7200は、複数のスイッチを介して、インダクタに供給された入力電流に応答して、複数のコンバータ出力ラインのうちのあるコンバータ出力ラインへスイッチング出力電圧を供給すること7202を含み得る。方法は、スイッチング出力電圧を制御するよう複数のスイッチを制御すること7204を更に含み得る。方法は、少なくとも1つのスイッチドキャパシタを動的にレギュレートすることによって、複数のコンバータ出力ラインの各々のコンバータ出力ラインのための各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧をセットすること7206を更に含み得る。方法は、コンバータ出力ラインを選択的に互いに結合するようスイッチマトリクスの複数の出力ラインスイッチを制御すること7208を更に含み得る。
【0625】
SIMOコンバータ出力部へ結合されている電子デバイスは、時間変化する負荷需要要件を有する場合がある。本開示のいくつかの態様に従って、1つ以上のスイッチを含むスイッチマトリクスが、SIMOコンバータ出力レールの間に埋め込まれてよい。1つ以上のスイッチは、アクティブなレールの負荷需要が動的に変化する場合に、非アクティブなレールからのより高い電流の供給を可能にするよう再構成されてよい。本開示のいくつかの態様は、負荷需要が時間変化する場合のSIMO回路の性能及び効率を向上させることができる。コンバータ出力部のレギュレートされた出力は、別のレギュレートされたコンバータ出力にノイズを導入する可能性がある。アナログ及び無線(RF)信号は、クロスレギュレーションノイズに特に敏感である。上述されたようにスイッチマトリクスを備えたSIMO回路を作動させることは、1つのレギュレートされた出力電圧と他の出力レールとの間の過渡現象によるクロスレギュレーションノイズ/リップルを低減又は除去することができる。更に、スイッチマトリクスを含むSIMO回路実装は、出力電圧が負荷ライン(loadline)を下回ることを確かにするよう出力電圧をレギュレートし得る。アクティブなレールが電流サージを受けているときに1つ以上のSIMO回路レールが非アクティブである場合に、スイッチマトリクスは、アクティブなレールの電流サージを別の負荷へ再割り当てしてもよい。
【0626】
スイッチコントローラは、負荷需要の変化を予測するために機械学習計算モデルを利用することによってSIMOコンバータの効率を高め得る機械学習回路を含んでもよい。例えば、ディープニューラルネットワーク(DNN)などの深層学習アーキテクチャは、負荷需要の動的な変化を予想し得る。ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、オートエンコーダネットワーク、変分オートエンコーダネットワーク、スパースオートエンコーダネットワーク、回帰ニューラルネットワーク、逆畳み込みネットワーク、敵対的生成ネットワーク、フォワードシンキング(forward-thinking)ニューラルネットワーク、サムプロダクト(sum-product)ニューラルネットワーク、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限られない多くの機械学習モデルが、スイッチマトリクスのための負荷需要変化を予想し得る。
【0627】
機械学習アルゴリズムは、SIMOコンバータへ結合されている電気デバイスに関連した負荷需要変化を決定するよう訓練されてよい。このようにして、スイッチは、性能を損なわずに負荷の変化に適応するようにシームレスに再構成可能である。更に、機械学習アルゴリズムは、機械学習モデルを用いて引き続き負荷需要変化の入力に基づき学習し、将来の負荷需要変化をより正確に予測することができる。
【0628】
本開示のいくつかの態様に従って、入力電圧はSIMOコンバータのインダクタに供給される。結果として、1つ以上のスイッチは、SIMOコンバータのインダクタからコンバータ出力ラインでスイッチング出力電圧を供給する。スイッチコントローラは、スイッチマトリクスの1つ以上のスイッチを制御するようスイッチング出力電圧を調整してよい。本開示の他の態様では、スイッチマトリクスは、2つ以上のコンバータ出力ラインを接続するようにスイッチを開閉するよう構成されてもよい。
【0629】
本開示のいくつかの態様に従って、スイッチマトリクスコントローラは、負荷需要の変化に応答してコンバータ出力ラインの出力電圧を動的にレギュレートするように1つ以上のスイッチを制御するよう構成される。
【0630】
本開示のいくつかの態様に従って、スイッチマトリクスは、出力ラインの負荷の予測された変化に基づき負荷需要の変化に適応するよう1つ以上の出力ラインスイッチを動的に開閉する。
【0631】
本開示のいくつかの態様に従って、単一インダクタ多重出力コンバータは、複数のコンバータ出力ラインの各々のコンバータ出力ラインのための各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットするよう1つ以上のスイッチドキャパシタレギュレータを含む。
【0632】
本開示のいくつかの態様に従って、スイッチドキャパシタレギュレータの1つ以上は、1つ以上のレギュレータキャパシタと、各々のコンバータ出力ライン上のレギュレータ入力部と各々のコンバータ出力ライン上のレギュレータ出力ノードとの間に並列にキャパシタを接続するためのレギュレータスイッチとを含む。
【0633】
本開示のいくつかの態様に従って、スイッチマトリクスは複数のレギュレータスイッチを含む。他の態様では、スイッチマトリクスコントローラは、複数のレギュレータスイッチを制御するよう構成される。
【0634】
本開示のいくつかの態様に従って、線形レギュレータは、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を複数のコンバータ出力ラインの各々の更なるコンバータ出力ラインに動的にセットする。
【0635】
本開示のいくつかの態様に従って、SIMO回路は、レギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットするよう1つ以上のプッシュプルレギュレータを含む。レギュレータ特有の目標出力電圧は、SIMOの各々のコンバータ出力ラインへ供給される。
【0636】
本開示のいくつかの態様に従って、レギュレータは、各々に関連したレギュレータ特有の目標出力電圧を複数のコンバータ出力ラインの各々のコンバータ出力ラインへ動的にセットするよう構成される。
【0637】
本開示のいくつかの態様に従って、複数のスイッチ及びスイッチコントローラは共通チップ上にモノリシックに集積され、インダクタは共通チップとは別に実装される。これら及び他の態様で、1つ以上のスイッチは、インダクタの第1端子と入力電圧との間に結合された第1スイッチと、インダクタの第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチとを含む。これら及び他の態様で、1つ以上のスイッチは、インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチを含む。
【0638】
本開示のいくつかの態様に従って、複数のスイッチは、インダクタの第2端子とスイッチング出力電圧との間に結合された第4スイッチを含む。
【0639】
本開示のいくつかの態様に従って、1つ以上のスイッチは、インダクタの第2端子と入力電圧との間に結合された第5スイッチを含む。
【0640】
スイッチドモードDC-DC電力コンバータは、第1電圧のDC入力電流から第2電圧のDC出力電流に変換する電子回路である。スイッチドモードDC-DCコンバータは、入力エネルギを一時的に蓄え、次いでそのエネルギを異なる電圧で出力にリリースすることによって、作動する。エネルギは、1つ以上のインダクタの磁界で蓄積され、次いで異なる電圧で出力にリリースされ得る。スイッチドモードDC-DCコンバータは、少なくともブーストコンバータ(ステップアップ)、バックコンバータ(ステップダウン)、又はバックブーストコンバータ(ステップアップ又はステップダウン)として構成されてよい。
【0641】
構成がどうであれ、本明細書で開示されているスイッチドモードコンバータは、少なくとも1つのインダクタと、電圧源へ接続されている1つ以上の半導体スイッチとを含む。1つ以上の半導体スイッチは、所望の周波数で1つ以上のスイッチへスイッチング信号を出力するよう(例えば、トランジスタをアクティブモード/飽和モードに出入りさせるようトランジスタのベース/ベートにスイッチング信号を出力するよう)プログラムされ得る制御回路によって、操作され得る。
【0642】
スイッチドモードDC-DC電力コンバータはバックコンバータとして構成されてもよい。バックコンバータは、入力電圧(Vin)を、入力電圧(Vin)よりも低い1つ以上の所望の出力電圧(Vout1、Vout2、など)に下げるよう構成されてよい。
【0643】
バックコンバータは、入力電圧を出力電圧に下げるためのメインスイッチングデバイスとしてトランジスタ(例えば、FET、MOSFET)を含んでよい。図73は、本開示の態様に係るバックコンバータを表す。バックコンバータはトランジスタを含み、トランジスタは、そのベース/ゲートでの制御回路7306の出力に基づきスイッチ7304として動作する。このバックコンバータはインダクタ7310を含み、インダクタ7310は、スイッチ7304を通じて電圧入力に接続される。バックコンバータは、ダイオード7308、キャパシタ7312、及び負荷7314を更に含み得る。入力電圧Vinがコンバータの入力段7302に印加される。バックコンバータは、スイッチングトランジスタ7304が“オン”又は“オフ”されるかどうかに応じて、2つの動作モードに従って動作し得る。
【0644】
第1動作モードで、スイッチングトランジスタ7304は“オン”にバイアスをかけられ(例えば、スイッチは閉じられる。)、ダイオード7308は逆バイアス状態になり、入力電圧Vinは電流をインダクタ7310を通って負荷7314へ流す。この電流はまた、キャパシタ7312を充電する。インダクタ7310は、電流の変化に対抗し、その受け取られたエネルギの一部を磁界において蓄える。
【0645】
トランジスタ7304が“オフ”される場合(例えば、スイッチは開く)、入力電圧はインダクタ7310から切り離される。このような電圧の低下により、インダクタの磁界は破壊され、インダクタ7310の両端に逆電圧が誘導される。この逆電圧により、ダイオード7308は順方向バイアス状態になり、電流が負荷7314へ流れる。キャパシタ7312も、その蓄えられていた電界を放電し、それによって電流を負荷へ供給する。
【0646】
別の言い方をすれば、スイッチ7304が閉じられる場合に、電流は入力電圧7302の結果として流れ、スイッチ7304が開く場合に、電流はインダクタの磁界の放電により流れる。バックコンバータの平均出力電圧(Vout)は、デューティサイクルの関数であり、これは、トランジスタスイッチが1つの完全なスイッチング周期中に“オン”にセットされる存続期間として理解され得る。平均出力電圧は:
【数4】
として理解され得る。
【0647】
バックコンバータのデューティサイクルは:
【数5】
と見なされ得る。
【0648】
その場合に、出力電圧は:
【数6】
として計算され得る。
【0649】
スイッチングトランジスタが任意の存続期間にオフされるとすると、出力電圧は常に入力電圧よりも小さい。
【0650】
DC-DCスイッチドモード電力コンバータもブーストコンバータと見なされ、それによって、入力電圧よりも高い電圧を出力するよう構成され得る。図74は、本開示の他の態様に係るブーストコンバータ構成を表す。ブーストコンバータでは、トランジスタスイッチ7304が“オン”である場合に、入力電圧Vinにより、電流がインダクタ7310及びトランジスタスイッチ7304を通って、供給部に戻る。インダクタを流れる電流は、インダクタに磁界を形成させ、インダクタにはエネルギが蓄えられる。
【0651】
トランジスタ7304が“オフ”である場合に、電流はトランジスタ7304を流れることができないので、インダクタ7310へ直列に接続されているダイオード7308を流れることになる。少なくとも、より長い経路及び増大した抵抗に起因して、インダクタ7310を流れる電流は少なくなり、その結果、インダクタの磁界も弱まる。磁界が弱まると、インダクタは逆電圧を発生させ、これが入力電圧に加えられる。この合計電圧がキャパシタ7312に印加され、キャパシタ7312は、入力電圧と放電されたインダクタ電圧との結合電圧で電界においてエネルギを蓄え得る。
【0652】
ブーストコンバータの出力は:
【数7】
として計算され得る。
【0653】
DC-DCコンバータは、バックブーストコンバータとして構成されてもよく、これは、入力電圧よりも大きい又は小さい電圧を出力するよう構成され得る。図75は、本開示の態様に係るバックブーストコンバータを表す。バックブーストコンバータでは、トランジスタスイッチ7304が“オン”である(例えば、閉じられる)場合に、入力電圧Vin7302により、電流がトランジスタスイッチ及びインダクタ7310を通って流れる。この構成では、ダイオード7308は逆バイアスをかけられており、それによって、電流はダイオードを通って流れないようになっている。入力電圧がインダクタに印加されると、インダクタには磁界が形成され、インダクタには電気エネルギのいくらかが蓄えられる。
【0654】
トランジスタスイッチ7304が“オフ”である(例えば、開いている)場合に、インダクタの磁界は消散し始め、インダクタに蓄えられているエネルギは負荷へ移される。これが起こると、インダクタの両端の電圧は逆転し、これにより、インダクタの出力電圧が入力電圧に加えられ、その結果、入力電圧よりも大きい電圧が得られる。更に、この結合電圧はキャパシタ7312に印加される。放電中のインダクタの逆電圧は正電圧をキャパシタ7312のアノードに印加するので、放電電圧がキャパシタ内の蓄積エネルギの任意の電圧に加えられ得る。デューティサイクルの長さに応じて、キャパシタの電圧を入力電圧よりもずっと高いレベルに順次に高めることが可能であり得る。
【0655】
デューティサイクルに応じて、インダクタの反転された出力電圧の大きさは、入力電圧の大きさよりも大きくも、小さくも、又は等しくもなり得る。
【0656】
バックブーストコンバータの電圧出力は:
【数8】
として計算され得る。
【0657】
いくつかの実施で、出力電圧をレギュレートするために使用され得る低ドロップアウトレギュレータ(LDO)を利用することが望ましい場合がある。例えば、バックコンバータ、ブーストコンバータ、又はバックブーストコンバータなどでのように、出力電圧をレギュレートするためにトランジスタのスイッチングに依存するのではなく、LDOはスイッチングに依存しないので、スイッチングノイズがない。しかし、LDOは、それらが熱として電力を消散することによって電圧をレギュレートするということで、一般的にスイッチングレギュレータよりも効率が悪い。
【0658】
図76は、本開示の態様に係るLDOを表す。この図で、入力電圧Vin7602はトランジスタ7604へ結合されている。トランジスタはオープンコレクタ/オープンドレイントポロジで構成されてよく、電流は出力電圧でトランジスタを出る。トランジスタは増幅器7606によって制御されてよい(例えば、飽和にされたり飽和から出されたりする)。増幅器7606は、所定の基準電圧値にある基準電圧7608へ接続されている。増幅器7606の他方の入力部は、トランジスタ7604の出力に依存する電圧である。典型的な構成では、トランジスタ出力は、スタックされた第1抵抗7610及び第2抵抗7612を有するブランチを部分的に通る。これは、例えば:
【数9】
に従って、基準電圧により相応に選択されてよい。
【0659】
R1とR2との間の電圧が基準電圧7608よりも小さい場合には、増幅器は出力電圧を増大させるようトランジスタを制御する。R1とR2との間の電圧が基準電圧7608よりも大きい場合には、増幅器は出力電圧を低減させるようトランジスタを制御する。このようにして、出力電圧Voutは厳重に制御され得る。LDOは、線形レギュレータの一種であり、ステップダウンコンバータとして機能する。これは、出力電圧が入力電圧以下になることを意味する。
【0660】
本明細書で記載されるコンバータ及びレギュレータは、単独であろうと又は組み合わされても、様々なアプリケーションで実装され得る。コンピュータ、集積回路、及び無線通信技術におけるアプリケーションを含むがこれらに限られない多くのアプリケーションで、様々な異なる電圧を必要とする様々なコンポーネントが存在する可能性がある。少なくともサイズ及びコストの懸案事項について、別個のコンポーネント特有の供給電圧(例えば、別個の変圧器又は別個のAC-DC変換された電圧)を各コンポーネントに供給することは、非実用的であり及び/又は望ましくない場合がある。いくつかの従来アプローチは、必要な様々な電圧を達成及び供給するために多数のDC-DCコンバータを利用してきたが、これはしばしば、コスト及び効率に関して次善であることが分かっている。
【0661】
複数のスイッチドモードDC-DCコンバータを有することは、一般的に、コンバータごとに別個のインダクタを必要とする。インダクタはコイル状の導体から成る物理部品であるから、インダクタは大きく、他の電子部品と比較して相当なシリコン空間を必要とする可能性がある。更に、複数の別個のスイッチドモードDC-DCコンバータの実装、そして、複数のインダクタを含めることは、コストを増やす。
【0662】
線形レギュレータはインダクタを必要としないので、スイッチドモードコンバータに共通するコスト高及びシリコンスペースに関連した特定の欠点を伴わない可能性がある。しかし、線形レギュレータは、熱として余分の電力を消散するので、スイッチドモードレギュレータと比較して効率が悪くなる。
【0663】
単一インダクタ多重出力(SIMO)レギュレータは、ただ1つのインダクタしか用いずに単一の入力電圧を1つ以上の異なる出力電圧に効率的に変換することによって、これらの問題の多くを解決する。いくつかの実例となるSIMOアーキテクチャ及びそれらの動作は、図77~80を参照して以下で説明される。これらのSIMOアーキテクチャは、具体的なアプリケーションの要件に応じて、上述されたSIMOコンバータ104を実装するために使用されてよい。
【0664】
図77は、本開示の一態様に係る、バックコンバータとして構成されたSIMOアーキテクチャを示す。この構成で、SIMOコンバータは、電圧入力(Vin)スイッチSHS7702、複数の出力スイッチS01~S04 7704、インダクタ7706、及び放電スイッチSLS7708を含む。上述されたDC-DCバックコンバータと同じく、インダクタは付勢及び消勢フェーズの急速な連続を経る。付勢フェーズ中、電圧入力スイッチSHS7702と、出力スイッチS01~S04 7704の1つ以上とは、閉じる。よって、入力電圧は、電流を、インダクタ7706を通って、1つ以上の閉じられたスイッチ7704を横切って、対応する電圧出力V01~V04に流す。インダクタは、このエネルギの一部を磁界において蓄える。消勢フェーズでは、電圧入力スイッチSHSは開かれ、それによって、Vinへの接続は切れ、インダクタ7706に印加される電圧は低下する。これによりインダクタの磁界が崩壊し、その結果、電圧が発生して、1つ以上の開いているスイッチS01~S04 7704に電流が流れる。磁界が減衰すると、電圧が減少する。1つ以上のスイッチS01~S04 7704は、減衰サイクルの瞬間電圧に対応する所望の電圧で電流を受け取るために、減衰サイクル中に選択的に閉じられ得る。出力スイッチS01~S04のいずれかが閉じて、対応する出力が減衰サイクルの1つ以上の部分から電流を受け取ることが望ましくない場合は、スイッチS01~S04の一部又は全てが開いたままの状態で、スイッチSLSが閉じられ得る。その結果、蓄積された電荷が接地に排出される。このようにして、SIMOアーキテクチャはバックコンバータとして機能し、電圧を供給電圧から1つ以上のより低い出力電圧に下げる。
【0665】
図78は、本開示の一態様に係る、ブーストコンバータとして構成されたSIMOアーキテクチャを示す。SIMOブーストコンバータは、電圧入力Vinと1つ以上のスイッチS01~S04 7704との間に接続されているインダクタ7706を含む。電圧入力と反対のインダクタ端子は、付勢スイッチ(SENG)S7802へ接続されている。上記のDC-DCブーストコンバータと同様に、付勢フェーズで、付勢スイッチSENGは閉じられ、これにより、短い導電経路及び/又は低い抵抗により、大量の電流がインダクタに転送される。インダクタは、このエネルギの一部をその磁界において蓄える。消勢フェーズで、付勢スイッチSENG7802は開かれ、出力スイッチS01~S04 7704のうちの1つ以上は閉じられる。より長い導電経路及び/又は増大した抵抗は、インダクタの磁界の部分的な崩壊を生じさせ、磁界の減衰は電圧を発生させ、電圧は入力電圧Vinに加えられる。それによって、入力電圧よりも大きい出力電圧が得られる。消勢フェーズ中、出力スイッチS01~S04は、結果として得られた電圧を1つ以上の対応する所望の出力部に印加するよう閉じられ得る。
【0666】
図79は、本開示の一態様に係る、バックブーストコンバータとして構成されたSIMOアーキテクチャを示す。SIMOバックブーストコンバータは、電圧入力Vinと1つ以上のスイッチS01~S04 7704との間に又はそれらへ接続されているインダクタ7706を含む。入力電圧(ハイサイド)スイッチSHS7702は、電圧入力Vinとインダクタ7706との間に直列に配置されている。ローサイドスイッチ7708は、インダクタ7706を消勢するためのグループへの接続を可能にし、また、付勢スイッチ7802は、電圧入力スイッチSHSと組み合わせて、スイッチS01~S04 7704が閉じられる場合にインダクタの付勢フェーズを可能にする。バックコンバータ構成及びブーストコンバータ構成に従って上述されたスイッチSHS7702、SLS7708、SENG7802、及びS01~S04 7704を利用することによって、SIMOコンバータは、必要に応じて、入力電圧よりも大きい、小さい、又はそれと等しい電圧を1つ以上の出力レールに同時に出力することができる。
【0667】
図80は、本開示の一態様に係る、H-ブリッジを備えたバックブーストコンバータとして構成されたSIMOアーキテクチャを示す。このSIMOコンバータは、追加のスイッチSCHG8002とともに、上記の図79で記載されたバックブーストコンバータの要素を含む。スイッチSCHG8002は、SCHG8002がVinをインダクタへ接続し、SLSがインダクタの反対の端部を接地へ接続する交互の付勢フェーズを可能にする。このようにして、インダクタの極性は、図79で記載されたバックブーストコンバータにおけるインダクタの極性と比較して、付勢フェーズ中に逆である。
【0668】
本明細書で記載されるSIMOアーキテクチャは、4つの出力スイッチ(S01~S04)を有して示されているが、この数は、単に、実例のために選択されたものであり、所与の実施のニーズを満足するために選択可能である。
【0669】
以下では、本開示の様々な態様が、非限定的な例を用いて説明される。
【0670】
例1aは単一インダクタ多重出力(SIMO)コンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、該インダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチとを含んでよく、前記複数のスイッチは、前記インダクタの第1端子と前記入力電圧との間に結合された第1スイッチと、前記インダクタの前記第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチと、前記インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチとを含む。SIMOコンバータは、前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御するよう構成されるスイッチコントローラと、複数のレギュレータとを更に含んでよい。各レギュレータは、各々に関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を動的にセットし、前記入力電圧を用いて前記目標出力電圧から予め定義された範囲内にとどまるように前記スイッチング出力電圧をレギュレートするよう構成される。
【0671】
例2aはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタ及び複数のスイッチを含み、前記複数のスイッチが、該複数のスイッチのスイッチング状態に依存して印加入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給するスイッチング段を含んでよい。前記複数のスイッチは、前記インダクタの第1端子と前記入力電圧との間に結合された第1スイッチと、前記インダクタの前記第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチと、前記インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチとを含む。SIMOコンバータは、複数のレギュレータを更に含んでよく、各レギュレータは、前記スイッチング出力電圧を受け、出力電圧を動的にセットするよう構成される。各レギュレータは、前記スイッチング出力電圧が、目標レギュレータ出力電圧よりも大きい予め定義された上限閾電圧を上回るかどうか、又は前記スイッチング出力電圧が、前記目標レギュレータ出力電圧よりも小さい予め定義された下限閾電圧を下回るかどうかのうちの少なくとも一方を決定し、前記入力電圧を使用して前記スイッチング出力電圧をレギュレートするよう構成された回路を含む。
【0672】
例20aは、単一インダクタ多重出力(SIMO)コンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチがインダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給することを含んでよい。前記複数のスイッチは、前記インダクタの第1端子と前記入力電圧との間に結合された第1スイッチと、前記インダクタの前記第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチと、前記インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチとを含んでよい。方法は、前記スイッチング出力電圧を制御するよう前記複数のスイッチを制御することと、各々に関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を動的にセットし、前記入力電圧を用いて前記目標出力電圧から予め定義された範囲内にとどまるように前記スイッチング出力電圧をレギュレートするために、複数のレギュレータの各レギュレータを作動させることとを更に含んでよい。
【0673】
例21aは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、インダクタ及び複数のスイッチを含むスイッチング段を制御して、前記複数のスイッチのスイッチング状態に依存して印加入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給することを含んでよい。前記複数のスイッチは、前記インダクタの第1端子と前記入力電圧との間に結合された第1スイッチと、前記インダクタの前記第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチと、前記インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチとを含んでよい。複数のレギュレータの各レギュレータが、前記スイッチング出力電圧を受けることに応答して出力電圧を動的にセットし、前記スイッチング出力電圧が、目標レギュレータ出力電圧よりも大きい予め定義された上限閾電圧を上回るかどうか、又は前記スイッチング出力電圧が、前記目標出力電圧よりも小さい予め定義された下限閾電圧を下回るかどうかのうちの少なくとも一方を決定し、前記入力電圧を用いて前記スイッチング出力電圧をレギュレートする。
【0674】
例1bはコンバータである。コンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力と、前記インダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御し、前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力に印加するよう構成されるスイッチコントローラとを含んでよい。コンバータは1つ以上のレギュレータを更に含んでよい。各レギュレータは、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力に動的にセットするよう構成される。コンバータは、当該コンバータの動作モードを第1動作モード又は第2動作モードから選択し、第1動作モードでは当該コンバータを単一インダクタ多重出力コンバータとして作動させ、第2動作モードでは、少なくとも1つのコンバータ出力については、前記スイッチング出力電圧がレギュレートされず、少なくとも1つの他のコンバータ出力については、関連するレギュレータが各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットするように、当該コンバータを作動させる少なくとも1つのプロセッサを更に含んでよい。
【0675】
例2bはコンバータである。コンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力と、前記インダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力に印加するよう構成されたスイッチコントローラとを含んでよく、前記複数のコンバータ出力の各コンバータ出力は関連する選択スイッチを備え、各選択スイッチは少なくとも1つのトランジスタを含む。コンバータは、当該コンバータの動作モードを第1動作モード又は第2動作モードから選択し、第1動作モードでは、各選択スイッチの少なくとも1つのトランジスタをその飽和領域で作動させ、第2動作モードでは、少なくとも1つの選択スイッチの少なくとも1つのトランジスタをその飽和領域で作動させ、少なくとも1つの他の選択スイッチの少なくとも1つのトランジスタをその線形領域で作動させる少なくとも1つのプロセッサを更に含んでよい。
【0676】
例3bで、例2bの対象は、前記複数のコンバータ出力のうちの少なくとも1つのコンバータ出力が、前記選択スイッチを含む関連するレギュレータを備える、ことを任意に含むことができる。
【0677】
例4bで、例2b又は3bのいずれか1つの対象は、前記少なくとも1つのプロセッサが、第2動作モードで、厳密に1つの選択スイッチの少なくとも1つのトランジスタをその飽和領域で作動させ、少なくとも1つの他の選択スイッチの少なくとも1つのトランジスタをその線形領域で作動させるよう更に構成される、ことを任意に含むことができる。
【0678】
例5bで、例1b乃至4bのうちのいずれか1つの対象は、前記1つ以上のレギュレータのうちの少なくとも1つのレギュレータが線形レギュレータを含むか又はそれである、ことを任意に含むことができる。
【0679】
例6bで、例1b乃至5bのうちのいずれか1つの対象は、前記1つ以上のレギュレータのうちの少なくとも1つのレギュレータがデジタルレギュレータを含むか又はそれである、ことを任意に含むことができる。
【0680】
例7bで、例1b乃至6bのうちのいずれか1つの対象は、前記少なくとも1つのプロセッサが、第2動作モードで、厳密に1つのコンバータ出力については、前記スイッチング出力電圧がレギュレートされず、複数の他のコンバータ出力については、関連するレギュレータが各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットするように、前記コンバータを作動させるよう更に構成される、ことを任意に含むことができる。
【0681】
例8bで、例1b乃至7bのうちのいずれか1つの対象は、前記複数のスイッチが、前記インダクタの第1端子と前記入力電圧との間に結合された第1スイッチと、前記インダクタの前記第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチとを含む、ことを任意に含むことができる。
【0682】
例9bで、例1b乃至8bのうちのいずれか1つの対象は、前記複数のスイッチが、前記インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチを含む、ことを任意に含むことができる。
【0683】
例10bは、コンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチがインダクタに供給された入力電流に応答してスイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力に供給して、前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力光値のコンバータ出力に印加することを含んでよい。方法は、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力に動的にセットすることと、前記コンバータの動作モードを第1動作モード又は第2動作モードから選択することと、第1動作モードでは、前記コンバータを単一インダクタ多重出力コンバータとして作動させることと、第2動作モードでは、少なくとも1つのコンバータ出力については、前記スイッチング出力電圧がレギュレートされず、少なくとも1つの他のコンバータ出力については、関連するレギュレータが各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットするように、前記コンバータを作動させることとを更に含んでよい。
【0684】
例11bは、コンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチがインダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力に供給することであり、前記複数のコンバータ出力の各コンバータ出力が関連する選択スイッチを備え、各選択スイッチが少なくとも1つのトランジスタを含む、ことと、前記複数のスイッチを制御して前記スイッチング出力電圧を制御し、該スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちのあるコンバータ出力に印加することとを含んでよい。方法は、前記コンバータの動作モードを第1動作モード又は第2動作モードから選択することと、第1動作モードでは、各選択スイッチの少なくとも1つのトランジスタをその飽和領域で作動させることと、第2動作モードでは、少なくとも1つの選択スイッチの少なくとも1つのトランジスタをその飽和領域で作動させ、少なくとも1つの他の選択スイッチの少なくとも1つのトランジスタをその線形領域で作動させることを更に含んでよい。
【0685】
例1cはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力ラインと、前記インダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御するよう構成されるスイッチコントローラと、各々に関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力ラインのうちの関連するコンバータ出力ラインで動的にセットし、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの他のコンバータ出力ラインからの電流を用いて、前記スイッチング出力電圧を前記目標出力電圧から予め定義された範囲内にとどまるようにレギュレートするよう構成された少なくとも1つのレギュレータとを含んでよい。
【0686】
例2cはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタ及び複数のスイッチを含み、前記複数のスイッチのスイッチング状態に依存して印加入力電圧に応答して複数のコンバータ出力ラインのうちのコンバータ出力ラインでスイッチング出力電圧を供給するスイッチング段と、前記スイッチング出力電圧を受け、前記複数のコンバータ出力ラインのうちのコンバータ出力ラインで出力電圧を動的にセットするよう構成された少なくとも1つのレギュレータとを含んでよい。前記少なくとも1つのレギュレータは、前記スイッチング出力電圧が、目標レギュレータ出力電圧よりも大きい予め定義された上限閾電圧を上回るかどうか、又は前記スイッチング出力電圧が、前記目標レギュレータ出力電圧よりも小さい予め定義された下限閾電圧を下回るかどうかのうちの少なくとも一方を決定し、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの他のコンバータ出力ラインからの電流を用いて前記スイッチング出力電圧をレギュレートするよう構成された回路を含む。
【0687】
例3cで、例1c又は2cのいずれか1つの対象は、前記複数のスイッチが、前記インダクタの第1端子と前記入力電圧との間に結合された第1スイッチと、前記インダクタの前記第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチとを含む、ことを任意に含むことができる。
【0688】
例4cで、例1c乃至3cのうちいずれか1つの対象は、前記複数のスイッチが、前記インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチを含む、ことを任意に含むことができる。
【0689】
例5cは、単一インダクタ多重出力回路の作動方法である。方法は、複数のスイッチがインダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力ラインのうちのコンバータ出力ラインで供給することと、前記スイッチング出力電圧を制御するよう前記複数のスイッチを制御することと、少なくとも1つのレギュレータが、各々に関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力ラインのうちの関連するコンバータ出力ラインで動的にセットし、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの他のコンバータ出力ラインからの電流を用いて、前記スイッチング出力電圧を、前記目標出力電圧から予め定義された範囲内にとどまるようにレギュレートすることとを含んでよい。
【0690】
例6cは、単一インダクタ多重出力回路の作動方法である。方法は、インダクタ及び複数のスイッチを含むスイッチング段を制御して、前記複数のスイッチのスイッチング状態に依存して印加入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力ラインのうちのコンバータ出力ラインで供給することと、少なくとも1つのレギュレータが前記スイッチング出力電圧を受けることと、前記複数のコンバータ出力ラインのうちのコンバータ出力ラインで出力電圧を動的にセットすることと、前記スイッチング出力電圧が、目標レギュレータ出力電圧よりも大きい予め定義された上限閾電圧を上回るかどうか、又は前記スイッチング出力電圧が、前記目標レギュレータ出力電圧よりも小さい予め定義された下限閾電圧を下回るかどうかのうちの少なくとも一方を決定することと、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの他のコンバータ出力ラインからの電流を用いて前記スイッチング出力電圧をレギュレートすることとを含んでよい。
【0691】
例1dはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、該インダクタへ結合され、該インダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチとを含んでよい。前記複数のスイッチは、前記インダクタの第1端子と前記入力電圧との間に結合された第1スイッチと、前記インダクタの前記第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチと、前記インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチとを含む。SIMOコンバータは、前記複数のスイッチを制御して、前記スイッチング出力電圧を、第1インダクタ周期中は第1出力へ、前記第1インダクタ周期の後の第2インダクタ周期中は第2出力へ供給し、前記第1インダクタ周期を前記第2インダクタ周期と同じ存続時間を有するよう制御するように、不連続導通モードで回路を作動させるよう構成された少なくとも1つのプロセッサを更に含んでよい。
【0692】
例2dで、例1dの対象は、SIMOコンバータが複数のレギュレータを更に含み、各レギュレータが、前記スイッチング出力電圧に基づき、各々に関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を動的にセットする、ことを任意に含むことができる。
【0693】
例3dはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、該インダクタへ結合され、該インダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチとを含んでよい。前記複数のスイッチは、前記インダクタの第1端子と前記入力電圧との間に結合された第1スイッチと、前記インダクタの前記第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチと、前記インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチとを含む。SIMOコンバータは、分離したインダクタスイッチング周期において前記スイッチング出力電圧を異なる出力へ供給するよう前記複数のスイッチを制御し、前記分離したインダクタスイッチング周期を一定のスイッチング周波数でスイッチングするように、不連続導通モードで回路を作動させるよう構成された少なくとも1つのプロセッサを更に含んでよい。
【0694】
例4dで、例3dの対象は、SIMOコンバータが複数のレギュレータを更に含み、各レギュレータが各々に関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を各々の出力に動的にセットする、ことを任意に含むことができる。
【0695】
例5dは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチがインダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給することを含んでよい。複数のスイッチは、前記インダクタの第1端子と前記入力電圧との間に結合された第1スイッチと、前記インダクタの前記第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチと、前記インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチとを含む。方法は、前記インダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング電圧を供給するよう前記複数のスイッチを制御することと、少なくとも1つのプロセッサが不連続導通モードで回路を作動させ、前記スイッチング出力電圧を、第1インダクタ周期中は第1出力へ、前記第1インダクタ周期の後の第2インダクタ周期中は第2出力へ供給するよう前記複数のスイッチを制御し、前記第1インダクタ周期を前記第2インダクタ周期と同じ存続時間を有するよう制御することとを更に含んでよい。
【0696】
例6dは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、インダクタ及び複数のスイッチを含むスイッチング段を制御して、前記インダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給することを含んでよい。前記複数のスイッチは、前記インダクタの第1端子と前記入力電圧との間に結合された第1スイッチと、前記インダクタの前記第1端子と基準電位との間に結合された第2スイッチと、前記インダクタの第2端子と基準電位との間に結合された第3スイッチとを含む。方法は、少なくとも1つのプロセッサが不連続導通モードで回路を作動させ、分離したインダクタ周期において前記スイッチング出力電圧を異なる出力へ供給するよう前記複数のスイッチを制御し、前記分離したインダクタスイッチング周期を一定のスイッチング周波数でスイッチングすることを更に含んでよい。
【0697】
例1eはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、該インダクタに印加された入力電流に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御するよう構成されたスイッチコントローラと、複数のレギュレータとを含んでよい。各レギュレータは、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットし、第1レギュレータ端子から第2レギュレータ端子へ当該レギュレータを通って流れる入力電流を用いて前記スイッチング出力電圧をレギュレートし、前記第1レギュレータ端子での第1電圧又は前記第2レギュレータ端子での第2電圧のうちの少なくとも一方を決定し、前記第1電圧又は前記第2電圧のうちの少なくとも一方を用いて前記複数のスイッチを制御するよう構成される。
【0698】
例2eで、例1eの対象は、各レギュレータが、入力電圧を用いて前記目標出力電圧から予め定義された範囲内で前記スイッチング出力電圧をレギュレートするよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0699】
例3eで、例1e又は2eのいずれか1つの対象は、前記レギュレータの少なくとも1つが、前記レギュレータ特有の目標出力電圧をレギュレートして、レギュレートされた目標出力電圧を供給する比例レギュレータ部を更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0700】
例4eで、例1e乃至3eのうちのいずれか1つの対象は、前記レギュレータの少なくとも1つが、前記レギュレータ特有の目標出力電圧をレギュレートして、レギュレートされた目標出力電圧を供給する積分レギュレータ部を更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0701】
例5eで、例1e又は2eのいずれか1つの対象は、SIMOコンバータが、前記目標出力電圧と前記第1電圧又は前記第2電圧のうちの少なくとも一方とを加算して、加算された電圧を供給する加算器を更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0702】
例6eで、例3e又は4eのいずれか1つの対象は、SIMOコンバータが、前記レギュレートされた目標出力電圧と前記第1電圧又は前記第2電圧のうちの少なくとも一方とを加算して、加算された電圧を供給する加算器を更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0703】
例7eで、例5e又は6eのいずれか1つの対象は、前記スイッチコントローラが、前記加算された電圧を用いて前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御するよう構成される、ことを任意に含むことができる。前記スイッチコントローラは、前記関連するレギュレータによって供給される前記加算された電圧が増大する場合にデューティサイクルを増大させ、あるいは、前記関連するレギュレータによって供給される前記加算された電圧が低下する場合にデューティサイクルを低減させるよう更に構成される。
【0704】
例8eは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチがインダクタに印加された入力電流に応答してスイッチング出力電圧を供給することと、前記スイッチング出力電圧を制御するよう前記複数のスイッチを制御することと、複数のレギュレータの各レギュレータが、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットし、第1レギュレータ端子から第2レギュレータ端子へ当該レギュレータを通って流れる前記入力電流を用いて前記スイッチング出力電圧をレギュレートし、前記第1レギュレータ端子での第1電圧又は前記第2レギュレータ端子での第2電圧のうちの少なくとも一方を決定し、前記第1電圧又は前記第2電圧のうちの少なくとも一方を用いて前記複数のスイッチを制御することとを含んでよい。
【0705】
例1fはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インバータと、複数のコンバータ出力と、デューティサイクルにおいて前記インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御し、第1デューティサイクルの第1時間部分の間は前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの第1コンバータ出力に印加し、前記第1デューティサイクルの第2時間部分の間は前記スイッチング出力電圧を前記第1コンバータ出力以外の前記複数のコンバータ出力のうちの他のコンバータ出力に印加し、第2デューティサイクル(第2デューティサイクルは、第1デューティサイクルの直ぐ後のデューティサイクルである。)の第1時間部分の間は前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの前記第1コンバータ出力ヘ印加し、前記第2デューティサイクルの第2時間部分の間は前記スイッチング出力電圧を前記第1コンバータ出力以外の前記複数のコンバータ出力のうちの他のコンバータ出力に印加するよう構成されるスイッチコントローラとを含んでよい。
【0706】
例2fで、例1fの対象は、前記スイッチコントローラが、前記第1デューティサイクルの第1時間部分及び前記第2デューティサイクルの第1時間部分の間は前記インダクタを付勢し、前記第1デューティサイクル第2時間部分及び前記第2デューティサイクルの第2時間部分の間は前記インダクタを消勢するように、前記複数のスイッチを制御するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0707】
例3fで、例1f又は2fのいずれか1つの対象は、前記スイッチコントローラが、前記第1デューティサイクルの第2時間部分の間に前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの第2コンバータ出力に印加し、前記第2デューティサイクルの第2時間部分の間に前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの第3コンバータ出力に印加するように、前記複数のスイッチを制御するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0708】
例4fはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力と、複数のデューティサイクルのうちのデューティサイクルにおいて前記インダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチとを含んでよい。前記複数のデューティサイクルは、1つ以上のデューティサイクルグループにグループ分けされ、各デューティサイクルグループは、コンバータ出力の数に対応する数のデューティサイクルを含み、各デューティサイクルは、第1時間部分及び第2時間部分を含む。SIMOコンバータは、前記複数のスイッチを制御して前記スイッチング出力電圧を制御し、デューティサイクルグループ内の複数のデューティサイクルの第1時間部分の間に前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの第1コンバータ出力に印加し、同じデューティサイクルグループ内の前記複数のデューティサイクルの第2時間部分の間に前記スイッチング出力電圧を前記第1コンバータ出力以外の前記複数のコンバータ出力のうちの他のコンバータ出力に印加するよう構成されたスイッチコントローラを更に含んでよい。
【0709】
例5fで、例4fの対象は、前記スイッチコントローラが、前記デューティサイクル内の前記複数のデューティサイクルの前記第1時間部分の間は前記インダクタを付勢し、前記デューティサイクルグループ内の前記複数のデューティサイクルの前記第2時間部分の間は前記インダクタを消勢するように、前記複数のスイッチを制御するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0710】
例6fで、例4f又は5fのいずれか1つの対象は、前記スイッチコントローラが、同じデューティサイクルグループ内の前記複数のデューティサイクルの第2時間部分の間に前記スイッチング出力電圧を前記第1コンバータ出力以外の前記複数のコンバータ出力のうちの第2コンバータ出力に印加し、同じデューティサイクルグループ内の前記複数のデューティサイクルの他の第2時間部分の間に前記スイッチング出力電圧を前記第1コンバータ出力以外の前記複数のコンバータ出力のうちの第3コンバータ出力に印加するように、前記複数のスイッチを制御するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0711】
例7fで、例1f乃至6fのうちのいずれか1つの対象は、SIMOコンバータが複数のレギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。各レギュレータは、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力へ動的にセットするよう構成される。
【0712】
例8fは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチが、インダクタに供給された入力電流に応答して、複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力へスイッチング出力電圧を供給することと、第1デューティサイクルの第1時間部分の間は前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの第1コンバータ出力に印加し、前記第1デューティサイクルの第2時間部分の間は前記スイッチング出力電圧を前記第1コンバータ出力以外の前記複数のコンバータ出力のうちの他のコンピュータ出力に印加するように、前記複数のスイッチを制御して前記スイッチング出力電圧を制御し、前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力ヘ印加することとを含んでよい。
【0713】
例9fは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチが、複数のデューティサイクルのうちのデューティサイクルにおいて、インダクタに供給された入力電圧に応答して、複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力へスイッチング出力電圧を供給することを含んでよい。前記複数のデューティサイクルは、1つ以上のデューティサイクルグループにグループ分けされ、各デューティサイクルグループは、コンバータ出力の数に対応する数のデューティサイクルを含み、各デューティサイクルは、第1時間部分及び第2時間部分を含む。方法は、前記複数のスイッチを制御して前記スイッチング出力電圧を制御し、デューティサイクルグループ内の複数のデューティサイクルの第1時間部分の間に前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの第1コンバータ出力に印加し、同じデューティサイクルグループ内の前記複数のデューティサイクルの第2時間部分の間に前記スイッチング出力電圧を前記第1コンバータ出力以外の前記複数のコンバータ出力のうちの他のコンバータ出力に印加することを更に含んでよい。
【0714】
例1gはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力と、デューティサイクルにおいてインダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を制御するよう前記複数のスイッチを制御し、前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力に印加するように構成されたスイッチコントローラとを含んでよい。SIMOコンバータは、受け取られた動作目標要求に基づき当該SIMOコンバータの複数の動作モードから動作モードを選択し、前記スイッチコントローラに、前記選択された動作モードに従って前記複数のスイッチを制御するように指示する動作モードセレクタを更に含んでよい。前記スイッチコントローラは、前記選択された動作モードに従って前記複数のスイッチを制御するよう更に構成されてよい。前記動作目標要求は、次の要求のうちの少なくとも1つを含む:
- 前記スイッチング出力電圧でのリップルをもたらす動作モードを選択する。本開示の態様に従って、リップルは、公称電圧供給の約1パーセント(例えば、1V供給の場合に10mV)、公称電圧供給の約2パーセント(例えば、1V供給の場合に20mV)、公称電圧供給の約3パーセント(例えば、1V供給の場合に30mV)、又は公称電圧供給の3パーセント超であってよい;
- 少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%のエネルギ変換効率をもたらす動作モードを選択する;
- 供給許容誤差及びリップルが約10mVである場合に約<1mV、供給許容誤差及びリップルが約20mVである場合に約<2mV、又は供給許容誤差及びリップルが約30mVである場合に約<3mVよりも小さいクロスレギュレーションをもたらす動作モードを選択する。
【0715】
例2gで、例1gの対象は、前記動作モードセレクタがインダクタ電流に基づき動作モードを選択するよう更に構成される、ことを任意に含むことができる。
【0716】
例3gで、例1g又は2gのいずれか1つの対象は、前記動作モードセレクタが、連続導通モード、不連続導通モード、前記複数のコンバータ出力からコンバータ出力を選択する順序において複数の異なるスケジューリングスキームを提供する動作モード、連続導通モードに従って少なくとも1つのコンバータ出力を作動させ、不連続導通モードに従って少なくとも1つの他のコンバータ出力を作動させる動作モード、及びコンバータ出力間のクロスレギュレーションを最小限にする動作モードから成る動作モードのグループから動作モードを選択するよう更に構成される、ことを任意に含むことができる。
【0717】
例4gで、例1g乃至3gのうちのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータが、前記動作モードセレクタへ結合され、前記動作目標要求を生成し、それを前記動作モードセレクタに供給するよう構成される電力管理回路を更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0718】
例5gで、例1g乃至4gのうちのいずれか1つの対象は、前記スイッチコントローラが、デューティサイクルの第1時間部分の間は前記インダクタを付勢し、前記デューティサイクルの第2時間部分の間は前記インダクタを消勢するように、前記複数のスイッチを制御するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0719】
例6gで、例1g乃至5gのうちのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータが複数のレギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。各レギュレータは、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力へ供給するよう構成される。
【0720】
例7gは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチがインダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力へ供給することと、前記複数の出力電圧を制御するよう前記複数のスイッチを制御し、前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力に印加することと、受け取られた動作目標要求に基づき前記SIMOコンバータの複数の動作モードから動作モードを選択し、前記スイッチコントローラに、前記選択された動作モードに従って前記複数のスイッチを制御するように指示することと、前記選択された動作モードに従って前記複数のスイッチを制御することとを含んでよい。前記動作目標要求は、次の要求のうちの少なくとも1つを含む:
- 前記スイッチング出力電圧でのリップルをもたらす動作モードを選択する。本開示の態様に従って、リップルは、公称電圧供給の約1パーセント(例えば、1V供給の場合に10mV)、公称電圧供給の約2パーセント(例えば、1V供給の場合に20mV)、公称電圧供給の約3パーセント(例えば、1V供給の場合に30mV)、又は公称電圧供給の3パーセント超であってよい;
- 少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%のエネルギ変換効率をもたらす動作モードを選択する;
- 供給許容誤差及びリップルが約10mVである場合に約<1mV、供給許容誤差及びリップルが約20mVである場合に約<2mV、又は供給許容誤差及びリップルが約30mVである場合に約<3mVよりも小さいクロスレギュレーションをもたらす動作モードを選択する。
【0721】
例1hはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力と、デューティサイクルにおいて前記インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値に変換する少なくとも1つのアナログ-デジタルコンバータと、前記少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値を受け、前記複数のコンバータ出力のうちの各コンバータ出力について、関連する目標出力電圧値を受け、デューティサイクル内で前記少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値を使用して前記インダクタの付勢の存続時間を表す少なくとも1つの付勢時間を決定し、前記複数のコンバータ出力のうちの少なくとも1つのコンバータ出力について、前記デューティサイクル内で前記少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値及び前記各々に関連する目標出力電圧値を使用して前記インダクタの消勢の存続時間を表す少なくとも1つの消勢時間を決定する少なくとも1つのデジタルプロセッサとを含んでよい。
【0722】
例2hで、例1hの対象は、前記少なくとも1つのデジタルプロセッサが、少なくとも1つのソフトウェアアルゴリズムを実装することによって前記少なくとも1つの付勢時間及び前記少なくとも1つの消勢時間を決定するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0723】
例3hで、例2hの対象は、前記少なくとも1つのデジタルプロセッサが、複数のコンピュータプログラムの中から1つのコンピュータプログラムを選択するよう構成され、各コンピュータプログラムが、異なる最適化基準に関して前記少なくとも1つの付勢時間及び前記少なくとも1つの消勢時間を決定するよう少なくとも1つのソフトウェアアルゴリズムを実装する、ことを任意に含むことができる。
【0724】
例4hで、例1h乃至3hのうちのいずれか1つの対象は、前記少なくとも1つのアナログ-デジタルコンバータが、少なくとも1つの電圧制御発振器に基づいたアナログ-デジタルコンバータを含む、ことを任意に含むことができる。
【0725】
例5hで、例1h乃至4hのうちのいずれか1つの対象は、前記少なくとも1つのデジタルプロセッサが、前記決定された少なくとも1つの付勢時間及び少なくとも1つの消勢時間に従って前記複数のスイッチを制御するよう更に構成される、ことを任意に含むことができる。
【0726】
例6hで、例1h乃至5hのうちのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータにアナログレギュレータがない、ことを任意に含むことができる。
【0727】
例7hはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力と、デューティサイクルにおいて前記インダクタに供給された入力電圧に応答してアナログスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、前記アナログスイッチング出力電圧を少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値に変換する少なくとも1つのアナログ-デジタルコンバータと、前記少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値を受け、前記複数のコンバータ出力のうちの各コンバータ出力について、関連する目標出力電圧値を受け、複数のデューティサイクルに関係があり、かつ、デューティサイクルごとに、前記インダクタが付勢される付勢フェーズと、前記インダクタが消勢される消勢フェーズとに関係があるタイミングパラメータを決定する少なくとも1つのデジタルプロセッサとを含んでよい。
【0728】
例8hで、例7hの対象は、前記少なくとも1つのデジタルプロセッサが、少なくとも1つのソフトウェアアルゴリズムを実装することによって前記タイミングパラメータを決定するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0729】
例9hで、例8hの対象は、前記少なくとも1つのデジタルプロセッサが、複数のコンピュータプログラムの中から1つのコンピュータプログラムを選択するよう構成され、各コンピュータプログラムが、異なる最適化基準に関して前記タイミングパラメータを決定するよう少なくとも1つのソフトウェアアルゴリズムを実装する、ことを任意に含むことができる。
【0730】
例10hで、例7h乃至9hのうちのいずれか1つの対象は、前記少なくとも1つのアナログ-デジタルコンバータが、少なくとも1つの電圧制御発振器に基づいたアナログ-デジタルコンバータを含む、ことを任意に含むことができる。
【0731】
例11hで、例7h乃至10hのうちのいずれか1つの対象は、前記少なくとも1つのデジタルプロセッサが、前記決定された少なくとも1つの付勢時間及び少なくとも1つの消勢時間に従って前記複数のスイッチを制御するよう更に構成される、ことを任意に含むことができる。
【0732】
例12hで、例7h乃至11hのうちのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータにアナログレギュレータがない、ことを任意に含むことができる。
【0733】
例13hは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチが、インダクタに供給された入力電圧に応答して、スイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力へ供給することと、少なくとも1つのアナログ-デジタルコンバータが、前記スイッチング出力電圧を少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値に変換することと、少なくとも1つのデジタルプロセッサが、前記少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値を受け、前記複数のコンバータ出力のうちの各コンバータ出力について、関連する目標出力電圧値を受け、デューティサイクル内で前記少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値を用いて前記インダクタの付勢の存続時間を表す少なくとも1つの付勢時間を決定し、前記複数のコンバータ出力のうちの少なくとも1つのコンバータ出力について、デューティサイクル内で前記少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値及び前記各々に関連する目標出力電圧値を使用して前記インダクタの消勢の存続時間を表す少なくとも1つの消勢時間を決定することとを含んでよい。
【0734】
例14hは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチが、複数のデューティサイクルのうちのデューティサイクルにおいて、インダクタに供給された入力電圧に応答して、アナログスイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力へ供給することと、少なくとも1つのアナログ-デジタルコンバータが、前記アナログスイッチング出力電圧を少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値に変換することと、少なくとも1つのデジタルプロセッサが、前記少なくとも1つのデジタルスイッチング出力電圧値を受け、前記複数のコンバータ出力のうちの各コンバータ出力について、関連する目標出力電圧値を受け、複数のデューティサイクルに関係があり、かつ、デューティサイクルごとに、前記インダクタが付勢される付勢フェーズと、前記インダクタが消勢される消勢フェーズとに関係があるタイミングパラメータを決定することとを含んでよい。
【0735】
例1iはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力と、デューティサイクルにおいて前記インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、複数のレギュレータとを含んでよい。各レギュレータは、前記スイッチング出力電圧をレギュレートすることによって、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力へ供給するよう構成される。SIMOコンバータは、前記スイッチング出力電圧を制御するに前記複数のスイッチを制御し、前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力に印加し、複数のデューティサイクルのうちの各々のデューティサイクルについて前記スイッチング出力電圧が供給される前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力を選択し、前記複数のデューティサイクルのうちの少なくとも1つのデューティサイクル内で、前記複数のコンバータ出力のうちの選択されたコンバータ出力について、インダクタ電流が前記インダクタを通って流れる経過との各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を表す目標電流の比較に基づき、インダクタ付勢フェーズからインダクタ消勢フェーズへ切り替えるよう構成された1つ以上のコントローラを更に含んでよい。
【0736】
例2iで、例1iの対象は、前記1つ以上のコントローラが、コンバータ出力選択信号に従って前記コンバータ出力の選択を実施するマルチプレクサを含む、ことを任意に含むことができる。
【0737】
例3iで、例1i又は2iのいずれか1つの対象は、前記1つ以上のコントローラが、前記インダクタのランプ電流を表す第1電気量を前記目標電流を表す第2電気量と比較することによって前記インダクタ付勢フェーズから前記インダクタ消勢フェーズへの切り替えを実施するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0738】
例4iで、例1i乃至3iのうちのいずれか1つの対象は、前記1つ以上のコントローラが、その第1入力部で、前記インダクタ電流を表す第1電気量を受け、その第2入力部で、前記目標電流を表す第2電気量を受けるランプコンパレータを含む、ことを任意に含むことができる。
【0739】
例5iで、例1i乃至4iのうちのいずれか1つの対象は、前記1つ以上のコントローラが、第1電気量が第2電気量に達するか又は近づくときに前記インダクタ付勢フェーズから前記インダクタ消勢フェーズへ切り替えるロジックを含む、ことを任意に含むことができる。
【0740】
例6iで、例4i又は5iのいずれか1つの対象は、前記ランプコンパレータが、その反転入力部で前記第1電気量を受け、その非反転入力部で前記第2電気量を受けるよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0741】
例7iで、例1i乃至6iのうちのいずれか1つの対象は、前記1つ以上のコントローラが、そのS入力部でクロック信号を受信し、そのR入力部でランプコンパレータの出力信号を受信し、前記インダクタ付勢フェーズから前記インダクタ消勢フェーズへの切り替えを制御するスイッチ制御信号を生成するよう構成されたRSフリップフロップを含む、ことを任意に含むことができる。
【0742】
例8iはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力と、デューティサイクルにおいて前記インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、複数のレギュレータとを含んでよい。各レギュレータは、前記スイッチング出力電圧をレギュレートすることによって、各々に関連する目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力へ供給するよう構成される。SIMOコンバータは、前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御し、前記スイッチング出力電圧が複数のデューティサイクルのうちのデューティサイクルの間に供給される前記複数のコンバータ出力の中のコンバータ出力を選択し、各デューティサイクルがインダクタ付勢フェーズ及びインダクタ消勢フェーズを含み、前記複数のデューティサイクルのうちの少なくとも1つのデューティサイクル内で、前記複数のコンバータ出力のうちの選択されたコンバータ出力について、インダクタ電流の経過を用いて前記インダクタ付勢フェーズから前記インダクタ消勢フェーズへ切り替えるよう構成された1つ以上のコントローラを更に含んでよい。
【0743】
例9iで、例8iの対象は、前記1つ以上のコントローラが、コンバータ出力選択信号に従って前記コンバータ出力の選択を実施するマルチプレクサを含む、ことを任意に含むことができる。
【0744】
例10iで、例8i又は9iのいずれか1つの対象は、前記1つ以上のコントローラが、前記インダクタのランプ電流を表す第1電気量を目標電流を表す第2電気量と比較することによって、前記インダクタ付勢フェーズから前記インダクタ消勢フェーズへの切り替えを実施するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0745】
例11iで、例8i乃至10iのうちのいずれか1つの対象は、前記1つ以上のコントローラは、その第1入力部で、前記インダクタ電流を表す第1電気量を受け、その第2入力部で、目標電流を表す第2電気量を受けるランプコンパレータを含む、ことを任意に含むことができる。
【0746】
例12iで、例8i乃至10iのうちのいずれか1つの対象は、第1電気量が第2電気量に達するか又は近づくときに前記インダクタ付勢フェーズから前記インダクタ消勢フェーズへ切り替えるロジックを含む、ことを任意に含むことができる。
【0747】
例13iで、例11i又は12iのいずれか1つの対象は、前記ランプコンパレータが、その反転入力部で前記第1電気量を受け、その非反転入力部で前記第2電気量を受けるよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0748】
例14iで、例11i乃至13iのうちのいずれか1つの対象は、前記1つ以上のコントローラが、そのS入力部でクロック信号を受信し、そのR入力部で前記ランプコンパレータの出力信号を受信し、前記インダクタ付勢フェーズから前記インダクタ消勢フェーズへの切り替えを制御するスイッチ制御信号を生成するよう構成されたRSフリップフロップを含む、ことを任意に含むことができる。
【0749】
例15iは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチが、デューティサイクルにおいて、インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給することと、複数のレギュレータの各レギュレータが、前記スイッチング出力電圧をレギュレートすることによって、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力へ供給することと、前記スイッチング出力電圧を制御するよう前記複数のスイッチを制御することと、前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のコンバータ出力に印加することと、前記複数のデューティサイクルのうちの各々のデューティサイクルについて、前記スイッチング出力電圧が供給される前記複数のコンバータ出力の中のコンバータ出力を選択することと、前記複数のデューティサイクルのうちの少なくとも1つのデューティサイクル内で、前記複数のコンバータのうちの選択されたコンバータ出力について、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を表す目標電流と、前記インダクタを通って流れるインダクタ電流の経過との比較に基づき、インダクタ付勢フェーズからインダクタ消勢フェーズへ切り替えることとを含んでよい。
【0750】
例16iは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチが、複数のデューティサイクルのうちのデューティサイクルにおいて、インダクタに供給された入力電圧に応答して、スイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力へ供給することを、複数のレギュレータの各レギュレータが、前記スイッチング出力電圧をレギュレートすることによって、各々に関連する目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力へ供給することと、前記スイッチング出力電圧を制御するよう前記複数のスイッチを制御することと、複数のデューティサイクルのうちのデューティサイクルの間に、前記スイッチング出力電圧が供給される前記複数のコンバータ出力の中のコンバータ出力を選択することであり、各デューティサイクルがインダクタ付勢フェーズ及びインダクタ消勢フェーズを含む、ことと、前記複数のデューティサイクルのうちの少なくとも1つのデューティサイクル内で、前記複数のコンバータ出力のうちの選択されたコンバータ出力について、インダクタ電流の経過を用いて前記インダクタ付勢フェーズから前記インダクタ消勢フェーズへ切り替えることとを含んでよい。
【0751】
例1jはスイッチドコンバータである。スイッチドコンバータは、電荷保存コンポーネント、複数のコンバータ出力と、前記電荷保存コンポーネントに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、複数のデューティサイクルにおいて前記スイッチング出力電圧を制御するよう前記複数のスイッチを制御するスイッチコントローラであり、各デューティサイクルが、前記電荷保存コンポーネントが付勢される付勢フェーズと、前記電荷保存コンポーネントが前記複数のコンバータ出力のうちの1つ以上のコンバータ出力に対して消勢される複数の消勢フェーズとを含む、前記スイッチコントローラと、前記電荷保存コンポーネントの第1ノードでコンポーネント入力電圧及びコンポーネント入力電流を検出し、前記電荷保存コンポーネントの第2ノードで前記スイッチング出力電圧を検出する1つ以上のセンサと、前記付勢フェーズの開始時及び終了時に、前記電荷保存コンポーネントの前記第1ノードでのコンポーネント入力電圧値及びコンポーネント入力電流値と、前記電荷保存コンポーネントの前記第2ノードでのスイッチング出力電圧値とを決定し、前記複数の消勢フェーズのうちの少なくとも1つの消勢フェーズの開始時又は終了時の少なくとも1つで、前記電荷保存コンポーネントの前記第1ノードでのコンポーネント入力電圧値及びコンポーネント入力電流値と、前記電荷保存コンポーネントの前記第2ノードでのスイッチング出力電圧値とを決定し、該決定された値を用いて前記電荷保存コンポーネントの電気特性を決定する1つ以上のプロセッサとを含んでよい。
【0752】
例2jで、例1jの対象は、前記スイッチコントローラが前記電気特性に従って前記複数のスイッチを制御するよう更に構成される、ことを任意に含むことができる。
【0753】
例3jで、例2jの対象は、前記スイッチコントローラが不連続電流モードに従って前記複数のスイッチを制御するよう更に構成される、ことを任意に含むことができる。
【0754】
例4jで、例1j乃至3jのうちのいずれか1つの対象は、前記1つ以上のプロセッサが、前記決定された値のうちの少なくとも一部を補間することによって、前記電荷保存コンポーネントの前記電気特性を決定するよう更に構成される、ことを任意に含むことができる。
【0755】
例5jで、例1j乃至4jのうちのいずれか1つの対象は、前記電荷保存コンポーネントが2端子コンポーネントを含むか又はそれである、ことを任意に含むことができる。
【0756】
例6jで、例1j乃至5jのうちのいずれか1つの対象は、前記電荷保存コンポーネントがインダクタを含むか又はそれであることと、前記電荷保存コンポーネントの前記電気特性が前記インダクタのインダクタンスを含むか又はそれであることとを任意に含むことができる。
【0757】
例7jで、例1j乃至6jのうちのいずれか1つの対象は、前記電荷保存コンポーネントの前記電気特性がキャパシタのキャパシティを含むか又はそれである、ことを任意に含むことができる。
【0758】
例8jで、例1j乃至7jのうちのいずれか1つの対象は、前記スイッチコントローラが、各々に関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を関連するコンバータ出力で動的にセットするよう構成された少なくとも1つのレギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0759】
例9jは、スイッチドコンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチが、電荷保存コンポーネントに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力へ供給することと、複数のデューティサイクルにおいて前記スイッチング出力電圧を制御するよう前記複数のスイッチを制御することであり、各デューティサイクルが、前記電荷保存コンポーネントが付勢される付勢フェーズと、前記電荷保存コンポーネントが前記複数のコンバータ出力のうちの1つ以上のコンバータ出力に対して消勢される複数の消勢フェーズとを含む、ことと、前記電荷保存コンポーネントの第1ノードでコンポーネント入力電圧及びコンポーネント入力電流を検出し、前記電荷保存コンポーネントの第2ノードで前記スイッチング出力電圧を検出することと、前記付勢フェーズの開始時及び終了時に、前記電荷保存コンポーネントの前記第1ノードでのコンポーネント入力電圧値及びコンポーネント入力電流値と、前記電荷保存コンポーネントの前記第2ノードでのスイッチング出力電圧値とを決定することと、前記複数の消勢フェーズのうちの少なくとも1つの消勢フェーズの開始時又は終了時の少なくとも1つで、前記電荷保存コンポーネントの前記第1ノードでのコンポーネント入力電圧値及びコンポーネント入力電流値と、前記電荷保存コンポーネントの前記第2ノードでのスイッチング出力電圧値とを決定することと、該決定された値を用いて前記電荷保存コンポーネントの電気特性を決定することを含んでよい。
【0760】
例1kはスイッチド電力コンバータである。スイッチド電力コンバータは、インダクタと、少なくとも1つのコンバータ出力と、該少なくとも1つのコンバータ出力へ結合されたキャパシタと、エネルギ保存部と、前記インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、インダクタ付勢期間に前記インダクタを付勢し、インダクタ消勢期間に前記インダクタを消勢することによって前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御し、かつ、前記インダクタ付勢期間及び前記インダクタ消勢期間の外の放電期間に前記キャパシタを放電し、該放電されたエネルギを前記エネルギ保存部に保存するよう構成されたスイッチコントローラとを含んでよい。
【0761】
例2kで、例1kの対象は、前記エネルギ保存部が前記入力電圧を供給するエネルギ源の部分である、ことを任意に含むことができる。
【0762】
例3kで、例1k又は2kのいずれか1つの対象は、前記エネルギ保存部が前記キャパシタへ電気的に接続可能な更なるキャパシタを含む、ことを任意に含むことができる。
【0763】
例4kで、例1k乃至3kのうちのいずれか1つの対象は、前記スイッチコントローラが、前記キャパシタの充電状態が予め定義された基準を満たすかどうかを決定し、前記キャパシタの前記充電状態が前記予め定義された基準を満たす場合に前記キャパシタを放電するよう更に構成される、ことを任意に含むことができる。
【0764】
例5kで、例4kの対象は、前記キャパシタに蓄えられたエネルギの量が予め定義されたエネルギしきい値を上回る場合に前記予め定義された基準が満足される、ことを任意に含むことができる。
【0765】
例6kはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力と、複数のキャパシタであり、各キャパシタが前記複数のコンバータ出力のうちの少なくとも1つの関連するコンバータ出力へ結合される、前記複数のキャパシタと、エネルギ保存部と、前記インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、インダクタ付勢期間に前記インダクタを付勢し、インダクタ消勢期間に前記インダクタを消勢することによって前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御し、かつ、前記インダクタ付勢期間及び前記インダクタ消勢期間の外の少なくとも1つの放電期間に前記複数のキャパシタのうちの少なくとも1つのキャパシタを放電し、該放電されたエネルギを前記エネルギ保存部に保存するよう構成されたスイッチコントローラとを含んでよい。
【0766】
例7kで、例6kの対象は、前記エネルギ保存部が前記入力電圧を供給するエネルギ源の部分である、ことを任意に含むことができる。
【0767】
例8kで、例6k又は7kのいずれか1つの対象は、前記エネルギ保存部が前記キャパシタへ電気的に接続可能な更なるキャパシタを含む、ことを任意に含むことができる。
【0768】
例9kで、例6k乃至8kのうちのいずれか1つの対象は、前記エネルギ保存部が前記複数のキャパシタのうちの少なくとも1つのキャパシタを含む、ことを任意に含むことができる。
【0769】
例10kで、例6k乃至9kのうちのいずれか1つの対象は、前記スイッチコントローラは、前記複数のキャパシタのうちの少なくとも1つのキャパシタの充電状態が予め定義された基準を満たすかどうかを決定し、前記少なくとも1つのキャパシタの前記充電状態が前記予め定義された基準を満たす場合に前記少なくとも1つのキャパシタを放電するよう更に構成される、ことを任意に含むことができる。
【0770】
例11kで、例10kの対象は、前記少なくとも1つのキャパシタに蓄えられたエネルギの量が予め定義されたエネルギしきい値を上回る場合に前記予め定義された基準が満足される、ことを任意に含むことができる。
【0771】
例12kで、例6k乃至11kのうちのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータが複数のレギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。各レギュレータは、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力へ供給するよう構成される。
【0772】
例13kは、スイッチド電力コンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチが、インダクタに供給された入力電圧に応答して、スイッチング出力電圧を少なくとも1つのコンバータ出力のうちのコンバータ出力へ供給することと、スイッチコントローラが、インダクタ付勢期間に前記インダクタを付勢し、インダクタ消勢期間に前記インダクタを消勢することによって前記スイッチング出力電圧を制御し、かつ、前記インダクタ付勢期間及び前記インダクタ消勢期間の外の放電期間に前記キャパシタを放電し、該放電されたエネルギを前記エネルギ保存部に保存するように、前記複数のスイッチを制御することとを含んでよい。
【0773】
例14kは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチが、インダクタに供給された入力電圧に応答して、スイッチング出力電圧複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力へ供給することと、インダクタ付勢期間に前記インダクタを付勢し、インダクタ消勢期間に前記インダクタを消勢することによって前記スイッチング出力電圧を制御し、かつ、各キャパシタが複数のコンバータ出力のうちの少なくとも1つの関連するコンバータ出力へ結合される複数のキャパシタのうちの少なくとも1つのキャパシタを前記インダクタ付勢期間及び前記インダクタ消勢期間の外の少なくとも1つの放電期間に放電し、該放電されたエネルギをエネルギ保存部に保存するように、前記複数のスイッチを制御することとを含んでよい。
【0774】
例1lはコンバータである。コンバータは、第1エンド端子、第2エンド端子、及び前記第1エンド端子と前記第2エンド端子との間の少なくとも1つのタップ端子を含む誘導部品又は回路と、複数のコンバータ出力と、前記誘導部品に供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、前記誘導部品に供給された入力電圧に応答してタップスイッチング出力電圧を供給するように前記複数のコンバータ出力のうちの少なくとも1つを前記少なくとも1つのタップ端子へ選択的に結合する少なくとも1つのタップスイッチと、前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御し、前記タップスイッチング出力電圧を制御するように前記少なくとも1つのタップスイッチを制御するよう構成されたスイッチコントローラとを含んでよい。
【0775】
例2lで、例1lの対象は、前記少なくとも1つのタップスイッチが複数のタップスイッチを含み、前記スイッチコントローラが、前記複数のタップスイッチを制御して前記タップスイッチング出力電圧を制御するよう更に構成される、ことを任意に含むことができる。
【0776】
例3lで、例2lの対象は、前記複数のタップスイッチが第1タップスイッチ及び第2タップスイッチを有し、前記第1タップスイッチが、前記少なくとも1つのタップ端子と前記複数のコンバータ出力のうちの関連するコンバータ出力との間に又はそれらへ結合され、前記第2タップスイッチが、前記少なくとも1つのタップ端子と基準電位との間に結合される、ことを任意に含むことができる。
【0777】
例4lで、例3lの対象は、前記基準電位が接地電位である、ことを任意に含むことができる。
【0778】
例5lで、例1l乃至4lのうちのいずれか1つの対象は、前記誘導部品がインダクタを含むか又はそれである、ことを任意に含むことができる。
【0779】
例6lで、例1l乃至4lのうちのいずれか1つの対象は、前記誘導部品が変圧器を含むか又はそれである、ことを任意に含むことができる。
【0780】
例7lで、例2l乃至6lのうちのいずれか1つの対象は、前記少なくとも1つのタップ端子が、前記第1エンド端子と前記第2エンド端子との間に配置された複数のタップ端子を含み、前記複数のタップスイッチのうちの少なくとも1つのタップスイッチが、前記複数のタップ端子のうちの第1タップ端子と前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力との間に結合され、前記複数のタップスイッチのうちの少なくとも1つの更なるタップスイッチが、前記複数のタップ端子のうちの第2タップ端子と前記複数のコンバータ出力のうちの更なるコンバータ出力との間に結合される、ことを任意に含むことができる。
【0781】
例8lで、例1l乃至7lのうちのいずれか1つの対象は、前記少なくとも1つのタップ端子が、前記第1エンド端子と前記第2エンド端子との間に配置された複数のタップ端子を含み、前記コンバータが、前記複数のタップ端子のうちのタップ端子と基準電位との間に結合された保持キャパシタを更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0782】
例9lで、例8lの対象は、前記基準電位が接地電位である、ことを任意に含むことができる。
【0783】
例10lで、例1l乃至9kのうちのいずれか1つの対象は、前記コンバータが複数のレギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。各レギュレータは、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力へ動的にセットするよう構成される。
【0784】
例11lは、コンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチが、誘導部品に供給された入力電圧に応答して、スイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力へ供給することを含んでよい。前記誘導部品は、第1エンド端子、第2エンド端子、及び前記第1エンド端子と前記第2エンド端子との間の少なくとも1つのタップ端子を含む。方法は、少なくとも1つのタップスイッチが、前記誘導部品に供給された入力電圧に応答してタップスイッチング出力電圧を供給するように前記複数のコンバータ出力のうちの少なくとも1つを前記少なくとも1つのタップ端子へ選択的に結合することと、前記スイッチング出力電圧を制御するよう前記複数のスイッチを制御することと、前記タップスイッチング出力電圧を制御するよう前記少なくとも1つのタップスイッチを制御することとを更に含んでよい。
【0785】
例1mはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力ラインと、前記インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力ラインのうちのコンバータ出力ラインへ供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御するよう構成されたスイッチコントローラと、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々のコンバータ出力ラインについて各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットする少なくとも1つのスイッチドキャパシタレギュレータとを含んでよい。
【0786】
例2mで、例1mの対象は、前記少なくとも1つのスイッチドキャパシタレギュレータが複数のスイッチドキャパシタレギュレータを含み、各スイッチドキャパシタレギュレータが、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々のコンバータ出力ラインへ動的にセットする、ことを任意に含むことができる。
【0787】
例3mで、例1m又は2mのいずれか1つの対象は、前記少なくとも1つのスイッチドキャパシタレギュレータが、複数のレギュレータキャパシタと、該複数のレギュレータキャパシタを、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々のコンバータ出力ライン上のレギュレータ入力ノードと、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々のコンバータ出力ライン上のレギュレータ出力ノードとの間に、並列に選択的に接続する複数のレギュレータスイッチとを含む、ことを任意に含むことができる。
【0788】
例4mで、例1m乃至3mのうちのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータが、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々の更なるコンバータ出力ラインへ動的にセットする少なくとも1つの線形レギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0789】
例5mで、例1m乃至4mのうちのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータが、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々の更に別のコンバータ出力ラインへ動的にセットする少なくとも1つのプッシュプルレギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0790】
例6mで、例1m乃至5mのうちのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータが複数のレギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。各レギュレータは、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力へ動的にセットするよう構成される。
【0791】
例7mは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチが、インダクタに供給された入力電圧に応答して、スイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力ラインのうちのコンバータ出力ラインへ供給することと、前記スイッチング出力電圧を制御するよう前記複数のスイッチを制御することと、少なくとも1つのスイッチドキャパシタレギュレータが、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々のコンバータ出力ラインについて、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットすることとを含んでよい。
【0792】
例1nはSIMOコンバータである。SIMOコンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力ラインと、前記インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力ラインのうちのコンバータ出力ラインへ供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を制御するよう前記複数のスイッチを制御するスイッチコントローラと、コンバータ出力ラインを互いに選択的に結合する複数の出力ラインスイッチを含むスイッチマトリクスと、コンバータ出力ラインを互いに動的に結合するよう前記複数の出力ラインスイッチを制御するスイッチマトリクスコントローラとを含んでよい。
【0793】
例2nで、例1nの対象は、前記スイッチマトリクスコントローラが、1つ以上のコンバータ出力ラインでの負荷の変化に基づきコンバータ出力ラインを互いに動的に結合するように前記複数の出力ラインスイッチを制御するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0794】
例3nで、例1n又は2nのいずれか1つの対象は、前記スイッチマトリクスコントローラが、1つ以上のコンバータ出力ラインでの負荷の予測された変化に基づきコンバータ出力ラインを互いに動的に結合するように前記複数の出力ラインスイッチを制御するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0795】
例4nで、例1n乃至3のうちのいずれか1つの対象は、SIMOコンバータが、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々のコンバータ出力ラインについて、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットする少なくとも1つのスイッチドキャパシタレギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0796】
例5nで、例4nの対象は、前記少なくとも1つのスイッチドキャパシタレギュレータが複数のスイッチドキャパシタレギュレータを含み、各スイッチドキャパシタレギュレータが、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々のコンバータ出力ラインへ動的にセットする、ことを任意に含むことができる。
【0797】
例6nで、例4n又は5nのいずれか1つの対象は、前記少なくとも1つのスイッチドキャパシタレギュレータが、複数のレギュレータキャパシタと、該複数のレギュレータキャパシタを、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々のコンバータ出力ライン上のレギュレータ入力ノードと、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々のコンバータ出力ライン上のレギュレータ出力ノードとの間に並列に選択的に接続する複数のレギュレータスイッチとを含む、ことを任意に含むことができる。
【0798】
例7nで、例6nの対象は、前記スイッチマトリクスが前記複数のレギュレータスイッチを含み、前記スイッチマトリクスコントローラが前記複数のレギュレータスイッチを制御するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0799】
例8nで、例1n乃至7nのうちのいずれか1つの対象は、SIMOコンバータが、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々の更なるコンバータ出力ラインへ動的にセットする少なくとも1つの線形レギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0800】
例9nで、例1n乃至8nのうちのいずれか1つの対象は、SIMOコンバータが、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々の更に別のコンバータ出力ラインへ動的にセットする少なくとも1つのプッシュプルレギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0801】
例10nで、例1n乃至9nのうちのいずれか1つの対象は、SIMOコンバータが複数のレギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。各レギュレータは、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力へ動的にセットするよう構成される。
【0802】
例11nは、SIMOコンバータの作動方法である。方法は、複数のスイッチが、インダクタに供給された入力電圧に応答して、スイッチング出力電圧を複数のコンバータ出力ラインのうちのコンバータ出力ラインへ供給することと、前記スイッチング出力電圧を制御するよう前記複数のスイッチを制御することと、少なくとも1つのスイッチドキャパシタレギュレータが、前記複数のコンバータ出力ラインのうちの各々のコンバータ出力ラインについて、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を動的にセットすることと、コンバータ出力ラインを互いに選択的に結合するようスイッチマトリクスの複数の出力ラインスイッチを制御することとを含んでよい。
【0803】
例1oはラジオ送信器である。ラジオ送信器はSIMOコンバータを含んでよい。SIMOコンバータは、インダクタと、第1コンバータ出力及び第2コンバータ出力を含む複数のコンバータ出力と、前記インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力の前記第1コンバータ出力へ及び前記第2コンバータ出力へ選択的に印加するように前記複数のスイッチを制御するよう構成されたスイッチコントローラとを含んでよい。ラジオ送信器は、前記第1コンバータ出力を介して伝送電力を受けるよう前記第1コンバータ出力へ結合されたBluetooth送信器チェーンと、前記第1コンバータ出力を介して伝送電力を受けるよう前記第1コンバータ出力へ結合されたワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・ロー・バンド送信器チェーンと、前記第2コンバータ出力を介して伝送電力を受けるよう前記第2コンバータ出力へ結合されたワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・ハイ・バンド送信器チェーンとを更に含んでよい。
【0804】
例2oはラジオ送信器である。ラジオ送信器はSIMOコンバータを含んでよい。SIMOコンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力と、前記インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を第1デューティサイクルにおいて前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力へ及び第2デューティサイクルにおいて前記複数のコンバータ出力のうちの更なるコンバータ出力へ供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力に印加するように前記複数のスイッチを制御するよう構成されたスイッチコントローラとを含んでよい。ラジオ送信器は、前記スイッチング出力電圧を受けるよう前記コンバータ出力へ結合されたBluetooth送信器チェーンと、前記スイッチング出力電圧を受けるよう前記コンバータ出力へ結合されたワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・ロー・バンド送信器チェーンと、前記スイッチング出力電圧を受けるよう前記更なるコンバータ出力へ結合されたワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・ハイ・バンド送信器チェーンとを更に含んでよい。
【0805】
例3oで、例1o又は2oのいずれか1つの対象は、ラジオ送信器が、デジオ信号を送信するために前記Bluetooth送信器チェーン又は前記ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・ロー・バンド送信器チェーンを選択する送信器チェーンセレクタを更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0806】
例4oで、例1o乃至3oのうちのいずれか1つの対象は、前記Bluetooth送信器チェーンが2.4GHz周波数バンドでBluetoothラジオ信号を送信するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0807】
例5oで、例1o乃至4oのうちのいずれか1つの対象は、前記ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・ロー・バンド送信器チェーンが2.4GHz周波数バンドでワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワークラジオ信号を送信するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0808】
例6oで、例1o乃至5oのうちのいずれか1つの対象は、前記ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・ハイ・バンド送信器チェーンが5GHz周波数バンドでワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワークラジオ信号を送信するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0809】
例7oで、例1o乃至6oのうちのいずれか1つの対象は、前記ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・ハイ・バンド送信器チェーンが、次のワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク通信規格:IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n、又はIEEE802.11ac、のうちの少なくとも1つに従ってラジオ信号を送信するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0810】
例8oで、例1o乃至7oのうちのいずれか1つの対象は、前記ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・ハイ・バンド送信器チェーンは、次のワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク通信規格:IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n、又はIEEE802.11ac、のうちの少なくとも1つに従ってラジオ信号を送信するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0811】
例9oで、例1o乃至8oのうちのいずれか1つの対象は、SIMOコンバータが複数のレギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。各レギュレータは、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力へ供給するよう構成される。
【0812】
例10oは、ラジオ送信器の作動方法である。方法は、SIMOコンバータが、インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給し、前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力の前記第1コンバータ出力へ及び前記第2コンバータ出力へ選択的に印加するように複数のスイッチを制御することを含んでよい。方法は、前記第1コンバータ出力へ結合されたBluetooth送信器チェーンが前記第1コンバータ出力を介して伝送電力を受けることと、前記第1コンバータ出力へ結合されたワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・ロー・バンド送信器チェーンが前記第1コンバータ出力を介して伝送電力を受けることと、前記第2コンバータ出力へ結合されたワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・ハイ・バンド送信器チェーンが前記第2コンバータ出力を介して伝送電力を受けることとを更に含んでよい。
【0813】
例11oは、ラジオ送信器の作動方法である。方法は、SIMOコンバータが、インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を、第1デューティサイクルでは前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力へ、第2デューティサイクルでは前記複数のコンバータ出力のうちの更なるコンバータ出力へ供給し、前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力に印加するように前記複数のスイッチを制御することを含んでよい。方法は、Bluetooth送信器チェーンが前記コンバータ出力を介して前記スイッチング出力電圧を受けることと、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・ロー・バンド送信器チェーンが前記コンバータ出力を介して前記スイッチング出力電圧を受けることと、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク・ハイ・バンド送信器チェーンが前記更なるコンバータ出力を介して前記スイッチング出力電圧を受けることとを更に含んでよい。
【0814】
例1pはラジオヘッド回路である。ラジオヘッド回路はSIMOコンバータを含んでよい。SIMOコンバータは、インダクタと、複数のコンバータ出力と、前記インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力へ選択的に印加するように前記複数のスイッチを制御するよう構成されたスイッチコントローラとを含んでよい。ラジオヘッド回路は、複数の供給電圧ドメインを含むラジオヘッドラジオチップを更に含んでよく、各供給電圧ドメインは、電源端子と、同じドメイン特有供給電圧で作動するよう構成され、前記電源端子へ結合されている1つ以上の電子部品とを含む。各電源端子は、前記複数のコンバータ出力のうちのコンバータ出力へ結合される。
【0815】
例2pで、例1pの対象は、前記ラジオヘッド回路が前記ラジオヘッドラジオチップへ直接結合された少なくとも1つのアンテナを更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0816】
例3pで、例2pの対象は、前記少なくとも1つのアンテナがインターフェースケーブルにより前記ラジオヘッドラジオチップへ直接結合される、ことを任意に含むことができる。
【0817】
例4pで、例3pの対象は、前記インターフェースケーブルがデジタル信号又は電力のうちの少なくとも一方を伝送するよう構成される、ことを任意に含むことができる。
【0818】
例5pで、例1p乃至4pのうちのいずれか1つの対象は、前記複数の供給電圧ドメインが、次の:第1供給電圧で作動するよう構成された1つ以上の送信器コンポーネントを含む送信器チェーンを含む第1電圧ドメイン、及び/又は前記第1供給電圧とは異なる第2供給電圧で作動するよう構成された1つ以上の受信器コンポーネントを含む受信器チェーンを含む第2電圧ドメイン、及び/又は前記第1供給電圧若しくは前記第2供給電圧のうちの少なくとも一方と異なる第3供給電圧で作動するよう構成された1つ以上のデジタルコンポーネントを含む第3電圧ドメイン、のうちの少なくとも1つを含む、ことを任意に含むことができる。
【0819】
例6pで、例1p乃至5pのうちのいずれか1つの対象は、前記複数の供給電圧ドメインが、第1供給電圧で作動するよう構成された1つ以上の送信器コンポーネントを含む送信器チェーンを含む第1電圧ドメインを含む、ことを任意に含むことができる。前記1つ以上の送信器コンポーネントは送信電力増幅器を含む。
【0820】
例7pで、例1p乃至6pのうちのいずれか1つの対象は、前記複数の供給電圧ドメインが、前記第1供給電圧とは異なる第2供給電圧で作動するよう構成された1つ以上の受信器コンポーネントを含む受信器チェーンを含む第2電圧ドメインを含む第1電圧ドメインを含み、前記1つ以上の受信器コンポーネントが低雑音増幅器を含む、ことを任意に含むことができる。
【0821】
例8pで、例1p乃至7pのうちのいずれか1つの対象は、前記複数の供給電圧ドメインが、前記第1供給電圧又は前記第2供給電圧のうちの少なくとも一方と異なる第3供給電圧で作動するよう構成された1つ以上のデジタルコンポーネントを含む第3電圧ドメインを含む第1電圧ドメインを含み、前記1つ以上のデジタルコンポーネントは、モデム(MAC又はPHYレイヤ)実装、任意の関連する通信プロセッサ、ラジオ(例えば、デジタルフロントエンド)のアナログ及びRF選択のための信号調整及び較正を実装するデジタル回路のいずれか、又はそれらの任意の組み合わせを含んでよい、ことを任意に含むことができる。
【0822】
例9pで、例1p乃至8pのうちのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータが複数のレギュレータを更に含む、ことを任意に含むことができる。各レギュレータは、各々に関連するレギュレータ特有の目標出力電圧を前記複数のコンバータ出力のうちの各々のコンバータ出力へ供給するよう構成される。
【0823】
例1qはラジオ通信回路である。ラジオ通信回路は、第1供給電圧を供給する第1コンバータ出力及び第2供給電圧を供給する第2コンバータ出力を含むSIMOコンバータと、ラジオ信号を送信するよう電力増幅器を含み、前記第1供給電圧を受けるよう前記第1コンバータ出力へガルバニック結合されたラジオ送信器と、ラジオ信号を受信するラジオ受信器であり、前記第2供給電圧を受けるよう前記第2コンバータ出力へガルバニック結合された前記ラジオ受信器とを含んでよい。
【0824】
例2qはラジオ通信回路である。ラジオ通信回路は、第1出力及び第2出力を含む単一インダクタ多重出力コンバータと、ラジオ信号を送信するラジオ送信器であり、前記単一インダクタ多重出力コンバータから電力を受けるよう前記第1出力へ直接にガルバニック結合されたラジオ送信器と、ラジオ信号を受信するラジオ受信器であり、前記単一インダクタ多重出力コンバータから電力を受けるよう前記第2出力へガルバニック結合された前記ラジオ受信器とを含んでよい。
【0825】
例3qで、例2qの対象は、前記ラジオ送信器が電力増幅器を含む、ことを任意に含むことができる。
【0826】
例4qで、例1q又は3qのいずれか1つの対象は、前記電力増幅器がデジタル制御電力増幅器である、ことを任意に含むことができる。
【0827】
例5qで、例1q又は3q又は4qのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータがインダクタと、複数のコンバータ出力と、前記インダクタに供給された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御し、前記スイッチング出力電圧を前記第1コンバータ出力へ又はレギュレータへ供給するよう較正されたスイッチコントローラとを含む、ことを任意に含むことができる。前記レギュレータは、レギュレートされた目標出力電圧を前記第2コンバータ出力へ供給するよう構成される。
【0828】
例6qで、例5qの対象は、前記レギュレータが線形レギュレータを含むか又はそれである、ことを任意に含むことができる。
【0829】
例7qで、例5q又は6qのうちのいずれか1つの対象は、前記レギュレータが低ドロップアウトレギュレータを含むか又はそれである、ことを任意に含むことができる。
【0830】
例1rはマルチレベル電圧電力増幅器回路である。マルチレベル電圧電力増幅器回路は、第1供給電圧を供給する第1コンバータ出力及び第2供給電圧を供給する第2コンバータ出力を含むSIMOコンバータと、前記第1コンバータ出力へ又は前記第2コンバータ出力へ選択的にガルバニック結合するマルチレベル電圧電力増幅器とを含んでよい。
【0831】
例2rで、例1rの対象は、前記SIMOコンバータが、第3供給電圧を供給する第3コンバータ出力を含み、前記マルチレベル電圧電力増幅器が更に、前記第3コンバータ出力へ選択的にガルバニック結合する、ことを任意に含むことができる。
【0832】
例3rで、例1r又は2rのいずれか1つの対象は、前記電力増幅器はクラスG電力増幅器である、ことを任意に含むことができる。
【0833】
例4rで、例1r乃至3rのうちのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータがインダクタと、複数のコンバータ出力と、前記インダクタに印加された入力電圧に応答してスイッチング出力電圧を供給する複数のスイッチと、前記スイッチング出力電圧を制御するように前記複数のスイッチを制御するよう構成されたスイッチコントローラと、複数のレギュレータとを含む、ことを任意に含むことができる。各レギュレータは、各々に関連するレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧を動的にセットし、前記スイッチング出力電圧を、前記入力電圧を用いて、前記目標出力電圧から予め定義された範囲内にとどまるようにレギュレートするよう構成される。
【0834】
例5rで、例4rの対象は、前記複数のレギュレータのうちの少なくとも1つのレギュレータが線形レギュレータを含むか又はそれである、ことを任意に含むことができる。
【0835】
例6rで、例4r又は5rのいずれか1つの対象は、前記複数のレギュレータのうちの少なくとも1つのレギュレータが低ドロップアウトレギュレータを含むか又はそれである、ことを任意に含むことができる。
【0836】
例3aで、例1a又は2a又は1b乃至9b又は1c乃至4c又は1d乃至4d又は1e乃至7e又は1f乃至7f又は1g乃至6g又は1h乃至12h又は1i乃至14i又は1j乃至8j又は1k乃至12k又は1l乃至10l又は1m乃至6m又は1n乃至10n又は1o乃至9o又は1p乃至9p又は5q乃至7q又は4r乃至6rのうちのいずれか1つの対象は、前記複数のスイッチ及び前記複数のレギュレータが共通のチップでモノリシックに集積されることと、前記インダクタが前記共通のチップと分離して実装されることとを任意に含むことができる。
【0837】
例4aで、例1a乃至3a又は1b乃至9b又は1c乃至4c又は1d乃至4d又は1e乃至7e又は1f乃至7f又は1g乃至6g又は1h乃至12h又は1i乃至14i又は1j乃至8j又は1k乃至12k又は1l乃至10l又は1m乃至6m又は1n乃至10n又は1o乃至9o又は1p乃至9p又は5q乃至7q又は4r乃至6rのうちのいずれか1つの対象は、前記複数のスイッチが前記インダクタの第2端子と前記スイッチング出力電圧との間に結合された第4スイッチを含む、ことを任意に含むことができる。
【0838】
例5aで、例1a乃至3a又は1b乃至9b又は1c乃至4c又は1d乃至4d又は1e乃至7e又は1f乃至7f又は1g乃至6g又は1h乃至12h又は1i乃至14i又は1j乃至8j又は1k乃至12k又は1l乃至10l又は1m乃至6m又は1n乃至10n又は1o乃至9o又は1p乃至9p又は5q乃至7q又は4r乃至6rのうちのいずれか1つの対象は、前記複数のスイッチが前記インダクタの第2端子と前記入力電圧との間に結合された第5スイッチを含む、ことを任意に含むことができる。
【0839】
例6aで、例1a乃至5a又は1b乃至9b又は1c乃至4c又は1d乃至4d又は1e乃至7e又は1f乃至7f又は1g乃至6g又は1h乃至12h又は1i乃至14i又は1j乃至8j又は1k乃至12k又は1l乃至10l又は1m乃至6m又は1n乃至10n又は1o乃至9o又は1p乃至9p又は5q乃至7q又は4r乃至6rのうちのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータ又は前記コンバータが、前記スイッチング出力電圧と基準電位との間に結合された少なくとも1つのキャパシタを更に含む、ことを任意に含むことができる。
【0840】
例7aで、例6aの対象は、前記少なくとも1つのキャパシタが約2μFから約15μF、例えば、約1μFから約3μF、例えば、1.5μFから約2.5μF、の範囲内の容量を有する、ことを任意に含むことができる。
【0841】
例8aで、例1a乃至7a又は1b乃至9b又は1c乃至4c又は1d乃至4d又は1e乃至7e又は1f乃至7f又は1g乃至6g又は1h乃至12h又は1i乃至14i又は1j乃至8j又は1k乃至12k又は1l乃至10l又は1m乃至6m又は1n乃至10n又は1o乃至9o又は1p乃至9p又は5q乃至7q又は4r乃至6rのうちのいずれか1つの対象は、前記複数のスイッチのうちの少なくとも1つのスイッチがトランジスタを含む、ことを任意に含むことができる。
【0842】
例9aで、例1a乃至8a又は1b乃至9b又は1c乃至4c又は1d乃至4d又は1e乃至7e又は1f乃至7f又は1g乃至6g又は1h乃至12h又は1i乃至14i又は1j乃至8j又は1k乃至12k又は1l乃至10l又は1m乃至6m又は1n乃至10n又は1o乃至9o又は1p乃至9p又は5q乃至7q又は4r乃至6rのうちのいずれか1つの対象は、前記基準電位が接地電位である、ことを任意に含むことができる。
【0843】
例10aで、例1a乃至9a又は1b乃至9b又は1c乃至4c又は1d乃至4d又は1e乃至7e又は1f乃至7f又は1g乃至6g又は1h乃至12h又は1i乃至14i又は1j乃至8j又は1k乃至12k又は1l乃至10l又は1m乃至6m又は1n乃至10n又は1o乃至9o又は1p乃至9p又は5q乃至7q又は4r乃至6rのうちのいずれか1つの対象は、前記複数のレギュレータのうちの少なくとも1つのレギュレータがプッシュプルレギュレータを含むか又はそれである、ことを任意に含むことができる。
【0844】
例11aで、例1a乃至10a又は1b乃至9b又は1c乃至4c又は1d乃至4d又は1e乃至7e又は1f乃至7f又は1g乃至6g又は1h乃至12h又は1i乃至14i又は1j乃至8j又は1k乃至12k又は1l乃至10l又は1m乃至6m又は1n乃至10n又は1o乃至9o又は1p乃至9p又は5q乃至7q又は4r乃至6rのうちのいずれか1つの対象は、前記複数のレギュレータのうちの少なくとも1つのレギュレータが、前記入力電圧と前記スイッチング出力電圧との間に結合された第6スイッチを含む、ことを任意に含むことができる。
【0845】
例12aで、例11aの対象は、前記複数のレギュレータのうちの少なくとも1つのレギュレータが、前記スイッチング出力電圧を予め定義された第1閾電圧と比較し、前記スイッチング出力電圧が前記予め定義された第1閾電圧よりも小さい場合には前記第6スイッチが閉じられるように、前記スイッチング出力電圧が前記予め定義された第1閾電圧よりも高い場合には前記第6スイッチが開くように、前記第6スイッチを制御するよう構成された第1コンパレータ回路を含む、ことを任意に含むことができる。
【0846】
例13aで、例1a乃至12a又は1b乃至9b又は1c乃至4c又は1d乃至4d又は1e乃至7e又は1f乃至7f又は1g乃至6g又は1h乃至12h又は1i乃至14i又は1j乃至8j又は1k乃至12k又は1l乃至10l又は1m乃至6m又は1n乃至10n又は1o乃至9o又は1p乃至9p又は5q乃至7q又は4r乃至6rのうちのいずれか1つの対象は、前記複数のレギュレータのうちの少なくとも1つのレギュレータが、前記入力電圧と基準電位との間に結合された第7スイッチを含む、ことを任意に含むことができる。
【0847】
例14aで、例13aの対象は、前記複数のレギュレータのうちの少なくとも1つのレギュレータが、前記スイッチング出力電圧を予め定義された第2閾電圧と比較し、前記スイッチング出力電圧が前記予め定義された第2閾電圧よりも高い場合には前記第7スイッチが閉じられるように、前記スイッチング出力電圧が前記予め定義された第2閾電圧よりも小さい場合には前記第7スイッチが開くように、前記第7スイッチを制御するよう構成された第2コンパレータ回路を含む、ことを任意に含むことができる。
【0848】
例15aで、例1a乃至14a又は1b乃至9b又は1c乃至4c又は1d乃至4d又は1e乃至7e又は1f乃至7f又は1g乃至6g又は1h乃至12h又は1i乃至14i又は1j乃至8j又は1k乃至12k又は1l乃至10l又は1m乃至6m又は1n乃至10n又は1o乃至9o又は1p乃至9p又は5q乃至7q又は4r乃至6rのうちのいずれか1つの対象は、前記複数のレギュレータのうちの少なくとも1つのレギュレータが、前記スイッチング出力電圧と基準電位との間に結合された第2キャパシタを含む、ことを任意に含むことができる。
【0849】
例16aで、例15aの対象は、前記第2キャパシタが約2μFから約15μF、例えば、約4μFから約12μF、例えば、6μFから約10μF、の範囲内の容量を有する、ことを任意に含むことができる。
【0850】
例17aで、例1a乃至16a又は1b乃至9b又は1c乃至4c又は1d乃至4d又は1e乃至7e又は1f乃至7f又は1g乃至6g又は1h乃至12h又は1i乃至14i又は1j乃至8j又は1k乃至12k又は1l乃至10l又は1m乃至6m又は1n乃至10n又は1o乃至9o又は1p乃至9p又は5q乃至7q又は4r乃至6rのうちのいずれか1つの対象は、前記インダクタが、約0.5μHから約5μH、例えば、約1μHから約3μH、例えば、約1.5μHから約2.5μH、の範囲内のインダクタンスを有する、ことを任意に含むことができる。
【0851】
例18aで、例1a乃至17a又は1b乃至9b又は1c乃至4c又は1d乃至4d又は1e乃至7e又は1f乃至7f又は1g乃至6g又は1h乃至12h又は1i乃至14i又は1j乃至8j又は1k乃至12k又は1l乃至10l又は1m乃至6m又は1n乃至10n又は1o乃至9o又は1p乃至9p又は5q乃至7q又は4r乃至6rのうちのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータ又は前記コンバータがバックコンバータとして構成される、ことを任意に含むことができる。
【0852】
例19aで、例1a又は2a又は1b乃至9b又は1c乃至4c又は1d乃至4d又は1e乃至7e又は1f乃至7f又は1g乃至6g又は1h乃至12h又は1i乃至14i又は1j乃至8j又は1k乃至12k又は1l乃至10l又は1m乃至6m又は1n乃至10n又は1o乃至9o又は1p乃至9p又は5q乃至7q又は4r乃至6rのうちのいずれか1つの対象は、前記SIMOコンバータ又は前記コンバータがブーストコンバータとして構成される、ことを任意に含むことができる。
【0853】
例22aは、1つ以上のプロセッサによって実行される場合に、例20a、21a、10b、11b、5c、6c、5d、6d、8e、8f、9f、7g、13h、14h、15i、16i、9j、13k、14k、11l、7m、11n、10o、11oのうちのいずれか1つの方法を実装する命令を記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体である。
【0854】
例23は、単一インダクタ多重出力回路を含むシステムである。単一インダクタ多重出力回路は、本開示で記載されているいずれかの態様に従って構成されてよい。システムは、単一インダクタ多重出力回路の複数のコンバータ出力ラインのうちの第1出力ラインへガルバニック接続されている第1デバイスを更に含んでよい。第1デバイスは、前記第1出力ラインに固有のレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧又はスイッチング出力電圧で作動するよう構成される。例として、第1デバイスは、送信器(例えば、無線信号又は有線信号を送信するよう構成される。)又は受信器(例えば、無線信号又は有線信号を受信するよう構成される。)又はトランシーバ(例えば、無線信号又は有線信号を送信及び受信するよう構成される。)、プロセッサ(例えば、ベースバンドプロセッサ又はアプリケーションプロセッサ)、メモリコンポーネント、などのようなスマートフォンコンポーネントであってよい。更に、第1デバイスは、ウェアラブルデバイス又はヒアラブルデバイスであってもよい。更に、第1デバイスは、送信器(無線信号又は有線信号を送信するよう構成される。)又は受信器(例えば、無線信号又は有線信号を受信するよう構成される。)又はトランシーバ(例えば、無線信号又は有線信号を送信及び受信するよう構成される。)、プロセッサ(例えば、ベースバンドプロセッサ又はアプリケーションプロセッサ)、メモリコンポーネント、などのようなラップトップコンピュータコンポーネント又はタブレットコンピュータコンポーネントであってもよい。システムは、単一インダクタ多重出力回路の複数のコンバータ出力ラインのうちの第2出力ラインへガルバニック接続されている第2デバイスを更に含んでもよい。第2デバイスは、前記第2出力ラインに固有のレギュレータ特有の予め定義された目標出力電圧又はスイッチング出力電圧で作動するよう構成される。第2デバイスは、第1デバイスとは異なってもよく、あるいは、第1デバイスとは異なった動作電圧又は電圧範囲で作動してもよい。第2デバイスは、送信器(例えば、無線信号又は有線信号を送信するよう構成される。)又は受信器(例えば、無線信号又は有線信号を受信するよう構成される。)又はトランシーバ(例えば、無線信号又は有線信号を送信及び受信するよう構成される。)、プロセッサ(例えば、ベースバンドプロセッサ又はアプリケーションプロセッサ)、メモリコンポーネント、などのようなスマートフォンコンポーネントであってよい。更に、第2デバイスは、ウェアラブルデバイス又はヒアラブルデバイスであってもよい。更に、第2デバイスは、送信器(無線信号又は有線信号を送信するよう構成される。)又は受信器(例えば、無線信号又は有線信号を受信するよう構成される。)又はトランシーバ(例えば、無線信号又は有線信号を送信及び受信するよう構成される。)、プロセッサ(例えば、ベースバンドプロセッサ又はアプリケーションプロセッサ)、メモリコンポーネント、などのようなラップトップコンピュータコンポーネント又はタブレットコンピュータコンポーネントであってもよい。
【0855】
留意されるべきは、インダクタが上記の全ての態様の単一インダクタ多重出力回路内で任意である点である。インダクタが省略される場合に、単一インダクタ多重出力回路は、インダクタが設けられる場合にインダクタの第1(例えば、入力)端子へ結合される第1端子と、設けられる場合にインダクタの第2(例えば、出力)端子へ結合される第2端子とを含んでよい。
【0856】
本発明は、具体的な態様を参照して特に図示及び記載されてきたが、形態及び詳細の様々な変更が、添付の特許請求の範囲によって定義される発明の精神及び範囲から逸脱せずに、それらにおいて行われてもよいことが当業者によって理解されるべきである。発明の範囲は、このようにして、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の均等の意味及び範囲内に入る全ての変更は、従って、包含されるよう意図される。
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【国際調査報告】