IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニアの特許一覧 ▶ テンプル ユニバーシティーの特許一覧

特表2023-538182外来歯科治療用のスマート歯科インプラント・システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】外来歯科治療用のスマート歯科インプラント・システム
(51)【国際特許分類】
   A61C 8/00 20060101AFI20230831BHJP
   H02N 2/18 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
H02N2/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576518
(86)(22)【出願日】2021-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-02-06
(86)【国際出願番号】 US2021037223
(87)【国際公開番号】W WO2021252999
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】63/038,494
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500429103
【氏名又は名称】ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア
(71)【出願人】
【識別番号】507010371
【氏名又は名称】テンプル ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フワン、ギールス
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヘ - ウン
(72)【発明者】
【氏名】コロストフ、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】キム、アルバート
【テーマコード(参考)】
4C159
5H681
【Fターム(参考)】
4C159AA41
4C159AA51
5H681AA19
5H681BB08
5H681DD23
5H681EE10
5H681EE20
5H681GG02
(57)【要約】
スマート歯科インプラント・システム及び外来歯科治療用の方法が提供される。いくつかの実施例では、開示される主題は、患者の解剖学的構造及びスマート歯科インプラント・システムの位置を再現するように適合されているクラウンを含む。クラウンは、患者の口に関する動作から電気を生成するように適合されている、クラウンの表面上に配設されている圧電ナノ粒子を含み得る。いくつかの実施例では、開示される主題は、クラウンに結合されているアバットメントを含む。アバットメントは、圧電ナノ粒子に作動的に結合され、電気を取り出すように適合されている環境発電回路と、環境発電回路に作動的に結合されており、周囲にあるインプラント周囲軟組織を光生体調整するように適合されているマイクロLEDアレイと、を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の外来歯科治療用のスマート歯科インプラント・システムであって、
患者の解剖学的構造及び前記スマート歯科インプラント・システムの位置を再現するように適合されているクラウンであり、前記クラウンの表面上に配設されている圧電ナノ粒子を更に備え、前記圧電ナノ粒子は前記患者の口に関する動作から電気を生成するように適合されている、クラウンと、
前記クラウンに結合されているアバットメントであり、
前記圧電ナノ粒子に作動的に結合され、前記電気を取り出すように適合されている環境発電回路、及び
前記環境発電回路に作動的に結合されているマイクロLEDアレイで、周囲にあるインプラント周囲軟組織を光生体調整するように適合されている、マイクロLEDアレイ、を更に備える、アバットメントと、を備える、スマート歯科インプラント・システム。
【請求項2】
前記患者の顎骨内に挿入されるように適合されている金属柱体と、前記金属柱体を前記アバットメントに結合するように適合されている保持用ねじと、を更に備える、請求項1に記載のスマート歯科インプラント・システム。
【請求項3】
前記圧電ナノ粒子は前記クラウンの前記表面上の歯科材料内に配設されている、請求項1に記載のスマート歯科インプラント・システム。
【請求項4】
前記圧電ナノ粒子はチタン酸バリウム・ナノ粒子である、請求項3に記載のスマート歯科インプラント・システム。
【請求項5】
前記チタン酸バリウム・ナノ粒子は前記歯科材料内に0重量%~40重量%の間の濃度で配設されている、請求項4に記載のスマート歯科インプラント・システム。
【請求項6】
前記チタン酸バリウム・ナノ粒子は焼結プロセスによってセラミック歯科材料に含浸される、請求項4に記載のスマート歯科インプラント・システム。
【請求項7】
前記圧電ナノ粒子は抗バイオフィルム効果を有するように更に適合されている、請求項1に記載のスマート歯科インプラント・システム。
【請求項8】
前記口に関する動作は咀嚼、咬合、及びブラッシングのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のスマート歯科インプラント・システム。
【請求項9】
前記環境発電回路は、前記電気をDC電圧に変換するように適合されているAC-DC整流器と、前記DC電圧を蓄えるように適合されている電力管理ユニットと、を更に備える、請求項1に記載のスマート歯科インプラント・システム。
【請求項10】
前記アバットメントは、周囲にあるインプラント周囲軟組織を複数の波長で光生体調整するよう前記マイクロLEDアレイが適合されるように、2つの異なる電圧レベル及び周波数を生成するように適合されている、LEDドライバ回路を更に備える、請求項1に記載のスマート歯科インプラント・システム。
【請求項11】
前記マイクロLEDアレイは90度離して配設されている配設された少なくとも4つのマイクロLEDを更に備え、これにより前記マイクロLEDアレイは周囲にあるインプラント周囲軟組織を光生体調整するように適合されている、請求項1に記載のスマート歯科インプラント・システム。
【請求項12】
前記クラウンは、二相複合材料構成によって大きな咬合力に耐えるのに十分な機械的強度を有するように更に適合されている、請求項1に記載のスマート歯科インプラント・システム。
【請求項13】
歯科インプラントと患者の軟組織との界面において健康な組織を助長し骨喪失を防止する方法であって、
金属柱体を前記患者の顎骨内に挿入することと、
歯科インプラントを前記金属柱体に結合することであり、前記歯科インプラントの表面上には圧電ナノ粒子が、前記圧電ナノ粒子が前記患者の口に関する動作から電気を生成するように配設されている、結合することと、
前記圧電ナノ粒子から前記電気を取り出された電気として取り出すことと、
周囲にあるインプラント周囲軟組織を前記取り出された電気を用いて光生体調整することと、を含む、方法。
【請求項14】
前記歯科インプラントは前記金属柱体に保持用ねじを用いて結合される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記取り出すことは、前記電気をDC電圧に変換することと、前記DC電圧を前記取り出された電気として蓄えることと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記圧電ナノ粒子を歯科材料に融合させて前記歯科インプラントを作り出すことを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記圧電ナノ粒子はチタン酸バリウム・ナノ粒子である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記チタン酸バリウム・ナノ粒子は前記歯科インプラントの前記表面上の前記歯科材料内に0重量%~40重量%の間の濃度で配設されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記チタン酸バリウム・ナノ粒子は焼結プロセスによってバルク材料としての前記歯科材料に含浸される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記口に関する動作は咀嚼、咬合、及びブラッシングのうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記圧電ナノ粒子はバイオフィルム付着を退け、その後の前記歯科インプラント上のバイオフィルムのコロニー形成を阻止する、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記光生体調整は複数の波長を含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2020年6月12日に出願された米国仮特許出願第63/038,494号に対する優先権を主張するものであり、当該出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
骨結合歯科インプラントのための技術のあるものは、生来の骨を維持及び刺激したまま失われた歯を置き換えることができるが、インプラント周囲疾患の防止の文脈から見れば、この技術は得られる生物活性が限られている(例えば、治療薬又は予防薬の放出の時間が限られている)。インプラント周囲疾患は歯科インプラントを包囲する軟組織及び硬組織に影響する炎症症状である。健康な状態では、インプラント周囲軟組織は、インプラント支持修復具を包み込むことによって細菌侵襲から骨結合インプラントを保護する。しかしながら、これらの修復具に隣接する軟組織は、真の接続組織付着の欠如及び血管供給の減少に起因して、細菌侵襲への抵抗の効果が生来の歯よりも低くなり、その結果インプラント周囲疾患に対する脆弱性が高くなる可能性がある。
【0003】
インプラント周囲疾患は2つの範疇、すなわちインプラント周囲粘膜炎及びインプラント周囲炎に分類できる。インプラント周囲粘膜炎は、軟組織-インプラント界面に歯垢(すなわち細菌バイオフィルム)が堆積することによって引き起こされ得る。その結果生じるインプラント周囲粘膜炎の局所炎症反応がインプラント周囲炎をもたらし得る。インプラント周囲炎の結果、軟組織炎症及び歯槽骨喪失が生じ得る。この歯槽骨喪失は今度は歯科インプラント不良を引き起こし得る。歯科インプラント不良の結果、不快であり痛みを伴う高価な不良インプラントの外科的置換につながり、場合によっては全体的口腔衛生の破綻が生じる可能性がある。
【0004】
患者の側での良好なプラーク・コントロール及び歯科専門家による定期的な機械器具の使用(routine mechanical instrumentation)がインプラント周囲疾患を防止する最も効果的な手段となり得るが、それらは患者のコンプライアンスが十分でないことに起因して不十分なものとなる場合がある。また更に、全身性抗生物質の使用によるインプラント周囲の疾患の治療などの既存の技術は予測が困難であり、成功率が低い(すなわち60%未満)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、インプラント周囲疾患を防止するための、生物活性を向上させた進歩した歯科インプラント・システムのための技術の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書ではスマート歯科インプラント・システム及び外来歯科治療用の方法が開示される。
【0007】
いくつかの実施例では、開示される主題は、患者の解剖学的構造及びスマート歯科インプラント・システムの位置を再現するように適合されているクラウンを含む。クラウンは、患者の口に関する動作から電気を生成するように適合されている、クラウンの表面上に配設されている圧電ナノ粒子を含み得る。いくつかの実施例では、開示される主題は、クラウンに結合されているアバットメントを含む。アバットメントは、圧電ナノ粒子に作動的に結合され、電気を取り出すように適合されている環境発電回路と、環境発電回路に作動的に結合されており、周囲にあるインプラント周囲軟組織を光生体調整するように適合されているマイクロLEDアレイと、を含み得る。いくつかの実施例では、開示される主題は、患者の顎骨内に挿入されるように適合されている金属柱体と、金属柱体をアバットメントに結合するように適合されている保持用ねじと、を更に含む。
【0008】
開示される主題のいくつかの実施例では、患者の口に関する動作は、咀嚼、咬合、及びブラッシングのうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施例では、環境発電回路は、電気をDC電圧に変換するように適合されているAC-DC整流器と、DC電圧を蓄えるように適合されている電力管理ユニットと、含み得る。いくつかの実施例では、アバットメントは、周囲にあるインプラント周囲軟組織を複数の波長で光生体調整するようにマイクロLEDアレイが適合され得るように、2つの異なる電圧レベル及び周波数を生成するように適合されている、LEDドライバ回路を含み得る。いくつかの実施例では、マイクロLEDアレイは90度離して配設されている配設された少なくとも4つのマイクロLEDを更に含むことができ、これによりマイクロLEDアレイは周囲にあるインプラント周囲軟組織を光生体調整するように適合され得る。いくつかの実施例では、クラウンは、大きな咬合力に耐えるのに十分な機械的強度を有し得る。いくつかの実施例では、歯科用クラウンは、機械的強度を高めるための二相複合材料構成を有し得る。
【0009】
いくつかの実施例では、開示される主題は、金属柱体を患者の顎骨内に挿入することと、歯科インプラントを金属柱体に結合することであって、歯科インプラントの表面上には圧電ナノ粒子が、圧電ナノ粒子が患者の口に関する動作から電気を生成するように配設されている、結合することと、圧電ナノ粒子から電気をエネルギー源として取り出すことと、周囲にあるインプラント周囲軟組織を取り出された電気及び対となる電子機器を用いて光生体調整することと、を含む。
【0010】
開示される主題のいくつかの実施例では、圧電ナノ粒子を歯科材料に融合させてクラウンを作り出することができる。いくつかの実施例では、圧電ナノ粒子はチタン酸バリウム・ナノ粒子であり得る。例えば、チタン酸バリウム・ナノ粒子を歯科材料に0重量%~40重量%の間の濃度で融合させることができる。いくつかの実施例では、チタン酸バリウム・ナノ粒子は焼結プロセスによってセラミック歯科材料を有する歯科材料に含浸することができる。非限定的な実施例では、チタン酸バリウム・ナノ粒子は焼結プロセスによってバルク材料としての歯科材料に含浸することができる。
【0011】
いくつかの実施例では、圧電ナノ粒子は、抗バイオフィルム効果を有するように更に適合されていてもよい。
【0012】
開示される主題のいくつかの実施例では、歯科インプラントは金属柱体に保持用ねじを用いて結合され得る。いくつかの実施例では、取り出すことは、電気をDC電圧に変換することと、DC電圧を取り出された電気として蓄えることと、を含み得る。いくつかの実施例では、患者の口に関する動作は、咀嚼、咬合、及びブラッシングのうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施例では、光生体調整することは複数の波長を含み得る。
【0013】
本開示に組み込まれてその一部を構成する添付の図面によって、開示される主題が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】インプラント周囲粘膜炎及びインプラント周囲炎を伴う既存のインプラントを示す図である。
図2A】開示される主題のいくつかの実施例に係る、スマート歯科インプラント・システムの図である。
図2B】開示される主題のいくつかの実施例に係る、スマート歯科インプラント・システムの図である。
図2C】開示される主題のいくつかの実施例に係る、スマート歯科インプラント・システムの図である。
図3A】開示される主題のいくつかの実施例に係る、圧電ナノ粒子のSEMイメージングを示す図である。
図3B】開示される主題のいくつかの実施例に係る、圧電ナノ粒子のSEMイメージングを示す図である。
図3C】開示される主題のいくつかの実施例に係る、圧電ナノ粒子のラマン特性評価を示す図である。
図4A】開示される主題のいくつかの実施例に係る、例示的な製作手順の図である。
図4B】開示される主題のいくつかの実施例に係る、例示的な製作手順の図である。
図4C】開示される主題のいくつかの実施例に係る、例示的な製作手順の図である。
図4D】開示される主題のいくつかの実施例に係る、例示的な製作手順の図である。
図4E】開示される主題のいくつかの実施例に係る、例示的な製作手順の図である。
図4F】開示される主題のいくつかの実施例に係る、例示的な製作手順の図である。
図4G】開示される主題のいくつかの実施例に係る、例示的な製作手順の図である。
図4H】開示される主題のいくつかの実施例に係る、例示的な製作手順の図である。
図4I】開示される主題のいくつかの実施例に係る、本物のブタの歯、3Dプリントされたブタの歯、3Dプリントされた直方体、及び3Dプリントされたヒトの歯の写真である。
図4J】開示される主題のいくつかの実施例に係る、例示的な焼結温度プロファイルを示すグラフである。
図4K】開示される主題のいくつかの実施例に係る、製作されたBaTiOセラミックの分極の前及び後のX線回折パターンを示すグラフである。
図4L】開示される主題のいくつかの実施例に係る、二相複合材料を含むスマート歯科インプラント(SDI:smart dental implant)・クラウンの例示的な図である。
図5A】開示される主題のいくつかの実施例に係る、アバットメント中の回路構成の図である。
図5B】開示される主題のいくつかの実施例に係る、アバットメント中の回路構成の図である。
図5C】開示される主題のいくつかの実施例に係る、アバットメント中の回路構成の図である。
図5D】開示される主題のいくつかの実施例に係る、アバットメント中の回路構成の図である。
図5E】開示される主題のいくつかの実施例に係る、アバットメント中の回路構成の図である。
図6A】咀嚼動作を再現する例示的なモデルの図である。
図6B】咀嚼動作下のSDIからの咀嚼モデルの電圧出力の代表的な実例を示すグラフである。
図6C】パルス波(PW:pulse wave)出力に変換されている、咀嚼モデルの例示的な電圧出力を示すグラフである。
図6D】咀嚼モデルの例示的な整流された出力電圧を示すグラフである。
図6E】軟らかい食べ物の咀嚼動作下のSDIの平均電圧出力の総合的な結果を示すグラフである。
図7A】開示される主題のいくつかの実施例に係る、例示的なブラッシング・モデルを示す図である。
図7B】ブラッシング動作下のSDIからのブラッシング・モデルの電圧出力の代表的な実例を示すグラフである。
図7C】パルス波(PW)出力に変換されている、ブラッシング・モデルの例示的な電圧出力を示すグラフである。
図7D】ブラッシング・モデルの例示的な整流された出力電圧を示すグラフである。
図7E】ブラッシング動作下のSDIの平均電圧出力の総合的な結果を示すグラフである。
図8A】光放射照度測定及びイン・ビトロのPBM療法用の例示的なシステムを示す図である。
図8B】SDI試作品からの様々なPW周波数での平均光放射照度を示すグラフである。
図9A】開示される主題のいくつかの実施例に係る、遠位頬側咬頭に対する咬合荷重の有限要素解析を示す図である。
図9B】開示される主題のいくつかの実施例に係る、総合的な力学的評価のための例示的なシステムの図である。
図10A】開示される主題のいくつかの実施例に係る、圧電ナノ粒子の抗バイオフィルム活性を示す図である。
図10B】開示される主題のいくつかの実施例に係る、圧電ナノ粒子の抗バイオフィルム活性を示す図である。
図10C】開示される主題のいくつかの実施例に係る、圧電ナノ粒子の抗バイオフィルム活性を示す図である。
図11】開示される主題のいくつかの実施例に係る、光生体調整を行った及び行わない場合の、ヒト歯肉ケラチノサイトの生存率を示す図である。
図12】開示される主題のいくつかの実施例に係る、病因微生物細胞に対する細胞反応を示す図である。
図13】開示される主題のいくつかの実施例に係る、近赤外(NIR:near-infrared)照射を行った又は行わない場合の、微生物侵襲後の主要なヒト歯肉ケラチノサイト(HGK:human gingival keratinocyte)の数を示す図である。
図14】開示される主題のいくつかの実施例に係る、ミニブタの口内にインプラントされた実例のSDIを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
全ての図面を通して、同じ参照符号及び文字は、そうではないと述べられていない限り、示される実施例の類似の特徴、要素、構成要素、又は部分を表すように使用される。また更に、本発明について以下で図を参照して詳細に記載するが、このことは例示的な実施例と関連させて行われる。
【0016】
外来歯科治療用のスマート歯科インプラント・システムのための技術が提示されている。スマート歯科インプラント・システムはクラウンとアバットメントとを含み得る。クラウンは患者の解剖学的構造及びスマート歯科インプラント・システムの位置を再現することができ、アバットメントはクラウンに結合され得る。圧電ナノ粒子は、クラウンの表面上に設置され、患者の口に関する動作を電気に変換するように適合され得る。アバットメントは、圧電ナノ粒子から電気を取り出すことのできる環境発電回路と、取り出された電気を使用して周囲にあるインプラント周囲軟組織を光生体調整するマイクロLEDアレイと、を含み得る。スマート歯科インプラント・システムはまた、患者の顎骨内に挿入され得る金属柱体、及びアバットメントを金属柱体に結合し得る保持用ねじも含み得る。
【0017】
図1は、インプラント周囲粘膜炎及びインプラント周囲炎を伴う既存のインプラントを示す図である。インプラント周囲疾患は2つの範疇、すなわちインプラント周囲粘膜炎102及びインプラント周囲炎104に分類できる。インプラント周囲粘膜炎102は、軟組織-インプラント界面に歯垢(すなわち細菌バイオフィルム)が堆積することによって引き起こされ得る。その結果生じるインプラント周囲粘膜炎102の局所炎症反応は、インプラント周囲炎104をもたらし得る。インプラント周囲炎104の結果、軟組織炎症及び歯槽骨喪失が生じ得る。この歯槽骨喪失が今度は歯科インプラント不良を引き起こし得る。
【0018】
図2A図2Cは、開示される主題のいくつかの実施例に係る、スマート歯科インプラント・システムの図である。スマート歯科インプラント(SDI)システムは外来歯科治療のために使用することができ、クラウン202とアバットメント204とを含み得る。クラウン202は、圧電ナノ粒子208を歯科材料に融合させることによって、ヒトの口に関する動作(例えば、咀嚼、咬合、ブラッシング、等)を電力に転換することができる。例えば、歯科材料は、2部品歯科材料又はセラミック系歯科材料を含み得る。圧電ナノ粒子208をレジンなどの2部品歯科材料に、圧電ナノ粒子と歯科材料を混合することによって、融合させることができる。別法として、圧電ナノ粒子208をセラミック(例えば、ジルコニア)又は陶材などのセラミック系歯科材料に融合させ、その後焼結することができ、この結果単一の歯科用クラウンが得られる。患者の固有の解剖学的構造を再現した患者専用の歯科用クラウンの製造を可能にするために、3Dプリント技術でクラウンを作り出すことができる。圧電ナノ粒子を3Dプリント可能な歯科用クラウン(NextDent B.V.のC&B Micro Filled Hybrid)に含浸させ、オープン・モードで3Dプリントする(Formlab Inc.のForm3)ことができる。
【0019】
図2Bに示すように、キュリー温度よりも高く加熱しながら高電圧(>2kV/mm)を印加することによって、分極プロセス216を行うことができる。分極プロセス216は、ランダムに配向された電気分極を整列させることによって、圧電ナノ粒子208の電気的性能を、桁のオーダーで向上した圧電性能を達成するように改善又は最適化することができる。圧電ナノ粒子208はまた、付着を防止すること又は付着した細菌のみを選択的に殺すことによる抗バイオフィルム効果も有し得、以って抗細菌抵抗を低減又は最小化する、及び、微生物叢の恒常性を撹乱する。
【0020】
圧電ナノ粒子208によって生成された電気エネルギーは、LED照度が最適となるように適切に管理され得る。アバットメント204は、環境発電回路210とマイクロLEDアレイ212とを含み得る。環境発電回路210は、環境発電回路210が圧電ナノ粒子208によって生成された電気を取り出すことができるように、圧電ナノ粒子208に作動的に結合され得る。マイクロLEDアレイ212は、マイクロLEDアレイ212が環境発電回路210から取り出された電気を受け取るように、環境発電回路に作動的に結合され得る。マイクロLEDアレイはその場合、周囲にあるインプラント周囲軟組織のイン・サイチュの光生体調整(「PBM:photobiomodulation」)療法を可能にし得る。
【0021】
クラウン202及びアバットメント204を、歯科用接着剤(クラレメディカル株式会社のPanavia)を使用して、1つに組み付けることができる。保持用ねじ214によって、クラウン-アバットメント組立体を金属インプラント柱体206上にしっかりと取り付けることができる。金属柱体206を患者の顎骨内に挿入することができ、次いで保持用ねじ214によって金属柱体をアバットメントに結合することができる。
【0022】
図3A図3Cは、開示される主題のいくつかの実施例に係る、圧電ナノ粒子のSEMイメージング及びラマン特性評価を示す。圧電ナノ粒子をクラウンの表面上に含浸することができる。例えば、図3Aに描かれているように、圧電ナノ粒子はチタン酸バリウム(BaTiO)ナノ粒子(「BTO-NP:barium titanate nanoparticle」)(400nm、US Research Nanomaterials, Inc.)であり得る。BTO-NPはそれらの圧電性及び低細胞傷害性ゆえに好適である。オープン・モードの3Dプリント(Formlab Inc.のForm3)を使用して、3Dプリント可能なクラウン(NextDent B.V.のC&B Micro Filled Hybrid)にBTO-NPを含浸させることができる。BTO-NPはまた、図3Bに描かれているように、歯科材料に焼結させ、単一のバルク材料を作り出すこともできる。図3Cに示すように、306cm-1におけるピークは、正方晶の識別特性(すなわち圧電気)を示している可能性がある。更に、BTO-NPの光学特性(すなわちその白色)は歯科材料にとって好適であり得るが、その理由は、それが既存の歯と調和するようにクラウンの乳白度と半透明度との間のバランスをとることができるからである。他の細胞傷害性の低い無機及び有機圧電ナノ粒子も好適であり得る。例えば、好適な無機圧電ナノ粒子としては、チタン酸バリウム系、ニオブ酸ナトリウム・カリウム系、及びチタン酸ビスマス系セラミック、並びに酸化亜鉛系ナノ構造物を挙げることができる。好適な有機圧電ナノ粒子としては、フッ化ポリビニリデンを挙げることができる。
【0023】
製作に先立って、2部品歯科材料(例えば、レジン)を回転ミキサーのプラットフォーム上で一晩撹拌することができる。BTO-NPの導入後、これを更に24時間撹拌した。次いでこの2部品歯科材料を約30分間脱気することができる。臼歯設計は3Dスキャンした設計から取得することができる。臼歯設計を修正し、機械的強度を強化するためのハニカム設計を含めることができる。3Dプリント後、ハニカム構造の中空領域をBTO-NP含浸歯科材料で充填し、その後UV硬化することができる。次いで製作された臼歯を後処理することができ、この後処理は加熱音波処理下でのIPA次いでエタノールによる清浄化を含む。2時間の音波処理後、スマート・クラウンをエタノールを使用して再び清浄化することができる。
【0024】
別法として、圧電ナノ粒子を、ジルコニアなどのセラミック系歯科材料内に導入することができる。圧電ナノ粒子とセラミック系歯科材料の組合せを焼結することができる。図4A図4Hに示すようにBTNPコロイド懸濁液を調製することができる。図4Aに見られるように、最初にベースのバインダー溶液を、ジルコニア又はポリフッ化ビニル(PVDF:polyvinyl fluoride)をN,N-ジメチルホルムアミド(Sigma-Aldrich, Inc.のDMF:dimethylformamide)中に1:8.8の重量比で80℃で15分間混合することによって、調製することができる。図4Bに見られるように、BTO-NPをバインダー溶液に、手作業で絶えず撹拌しながら、高い体積濃度に達するまでゆっくりと添加する。この実験結果から、バインダー溶液は最大332重量%のBTO-NPを取り込み得ることが分かった。図4Cに見られるように、次いでBTO-NP懸濁液はシリンジに充填され、その後ペースト押出し3Dプリンタに取り付けられる。いくつかの実施例では、プリント速さを約400μmのz分解能で約1mm/sに調節することができる。次いでプリントされたSDIを120℃で2時間乾燥させてDMFを蒸発させ、緑色の材料を完成させることができる。次に脱バインダー及び焼結という後処理を、炉管を使用して行うことができる(図4D)。3Dプリントによって、抗バイオフィルム特性及び機械的特性を犠牲にすることなく、様々な歯科試料を作り出すことが可能になる。図4Iは、ヒトの臼歯、動物の歯、又は単純な直方体などの3Dプリントの実例を示し、これはSDIを任意の解剖学的構造に対応するように調製できることを示唆している。
【0025】
図4Jは例示的な温度プロファイルを示す:脱バインダーは約650℃で約1時間(ランプ・レート=5℃/分)、その後の焼結は約1400℃で約3時間(ランプ・レート=5℃/分)。後処理後SDIを分極させて、ランダムに配向された強誘電性分域を整列させることができる。このためSDIは、銀エポキシを塗布することによって、頂部及び底部に一時的な電極を得ることができる。次いでSDIを、銅製底部プレートと頂部からのばね付勢された針電極とを有し得る、特注の分極ステージ上に設置することができる。分極ステージは、シリコーン・オイル槽中に組み込みの加熱要素を備えることができる。図4Eはポーリング・プロセス(polling process)を示す。分極ステージ及び高電圧源を使用して、SDIの全体に1kV/mmの均一な電界を印加することができ、このときシリコーン・オイル槽の温度はBTO-NPのキュリー温度(80℃)未満設定することができる。いくつかの実施例では、合計分極時間は4時間であり得る。図4Kは、製作したBaTiOセラミックの分極前及び分極後のX線回折パターンを示す。BaTiOセラミックの正方相は、45°付近の2Θにおけるピーク分裂よって確認できる。非限定的な実施例では、(002)面と(200)面のピークの比を、未分極のサンプル401での約0.43から分極させたサンプル402での約1.23まで大きくすることができる。このことは、結晶ドメインを分極によって再配向可能であることを示している可能性がある。いくつかの実施例では、分極したサンプルの約22°での(001)回折ピークが未分極のサンプルの場合と比較して顕著となる場合があり、このことは多数の結晶ドメインが同じ方向に沿って整列されることを示す。
【0026】
特定の実施例では、焼結したサンプルについて、図4Lに示すようにSDIクラウンを二相複合材料、すなわち、圧電ナノ粒子の分散(0-3複合材料、すなわち3次元母材に埋め込まれた0次元BTNP)、及び、従来の歯科材料の属性(1-3複合材料、すなわち、3次元BTNPベース複合材料に埋め込まれた1次元歯科用レジン・ピラー)で、構成することができる。二相複合材料は複数の機能を可能にし得る。例えば、0-1複合材料は、効率的な環境発電のために口内バイオメカニクスをより直接的に損なう(afflict)圧電ナノ粒子を提供することができ、また従来の歯科材料による1-3複合材料は、それら口に関する動作に起因する機械的応力下で十分な機械的強度を提供する。
【0027】
混合型複合材料はSDIクラウンを改変することによって製作され得る。例えば、(図4Fに見られるような)1-3複合材料構成に対して、SDIクラウンをレーザ加工してハニカムから発想を得たトレンチを作り出すことができ、このことによって機械的強度が強化される。図4Lは1-3複合材料のレーザ加工ベースを示す。トレンチのサイズは直径0.5~1mmであり得る。図4Gに見られるように、トレンチは紫外(UV:ultraviolet)光硬化性歯科用クラウン・レジン(NextDent B.V.のC&B Micro Filled Hybrid)で充填される。いくつかの実施例では、充填のために様々な歯科材料(例えば、歯科用レジン、金属、及び/又はセラミック(例えば、ジルコニア)を使用することができる。トレンチを充填する前に、歯科用レジンを回転ミキサーのプラットフォーム上で一晩撹拌する必要がある。歯科用クラウンの側壁も歯科用レジンでコーティングすることによって強化することができる。充填後、SDIを1時間脱気し、その後UV光硬化させることができる。製作された圧電歯科用クラウンをサンディングし、最後の仕上げに研磨することができる。充填プロセスによって表面上に残渣が生じる場合があるので、必要に応じて歯科用クラウンを更に研磨し、所望の形状へと調節することができる。いくつかの実施例では、歯科用クラウンは、機械的強度を高めるための二相複合材料であり得る。例えば、圧電ナノ粒子の分散(0-3複合材料、すなわち、3次元母材に埋め込まれた0次元チタン酸バリウム・ナノ粒子)、及び、従来の歯科材料の属性(1-3複合材料、すなわち、3次元チタン酸バリウム・ナノ粒子ベースの複合材料に埋め込まれた1次元歯科用レジン・ピラー)。
【0028】
歯科材料中のBTO-NPの共形性(conformality)を試験するために、3Dプリントされたクラウンを55℃のリン緩衝液(Sigma-Aldrich, Inc.のPBS:phosphorus buffered solution)中に24時間格納し、BTO-NPが歯科材料から流出するかどうかをモニタした。歯科材料における4つの異なる濃度(5、10、20、及び30wt%)について、それらの浸出挙動を検査することができる。30wt%のBTO-NPは均一に分散され、歯科材料中での凝集を緩和することができる。
【0029】
図5A図5Eは、開示される主題のいくつかの実施例に係る、アバットメント中の回路構成の図である。環境発電回路は、ヒトの口に関する動作などの低周波数用途に最適化され得る。図5A及び図5Cに描かれているように、環境発電回路210は、AC-DC整流器502と電力管理ユニット504とを含み得る。AC-DC整流器502は、クラウン202中の圧電ナノ粒子208に結合することができ、図5Bに示すように、ヒトの口に関する動作を電力に変換することができる。電力管理ユニット504は急速充電(1分)によって最大3.3Vを蓄えることができるが、これは90分間(1日3回の30分の食事に基づく有効継続時間)十分に機能するものである。そのような電力生成によってマイクロLEDアレイ212を動作させることができる。例えば、低電流マイクロLEDは最大の明るさとなるのに1.8Vしか必要としない。
【0030】
図5Cに描かれているように、環境発電回路構成は、更なる小型化のためにマイクロ加工によって製作され得る。回路は複数のブロックに分割すること、フレキシブル基板(例えば、Dupont Inc.の銅被覆ポリイミド、Pylex)上に製作することができる。各ブロックにリボン・ケーブルを接続して、これを折り曲げ積層できるようにすることができる。mm未満サイズのディスクリートな電子的構成要素には、マイクロLED(ROHM Co., Ltd.のSML-P11x、1×0.6×0.2mm)、トランジスタ(パナソニック株式会社のFK4B01110L1、0.6×0.6×0.1mm)、スーパーキャパシタ(セイコーインスツル株式会社のCHP3225A、3×2×1mm、ショットキー・ダイオード(Central Semiconductor Corp.のCMRSH-4DO、0.9×0.7×0.4mm)、及び抵抗器(Vishay Intertechnology, Inc.のCRCW0201、0.6×0.3×0.2mm)が含まれ得る。全てのディスクリートな構成要素を組み付けたら、保護のためにアバットメントをパリレンC(5μm)でコーティングすることができる。
【0031】
図5Dに描かれているように、環境発電回路構成210及びマイクロLED212をアバットメント204上に組み込むことができる。アバットメント204は、頂部に小型化された回路を収容するための及びクラウン202と接合するための小空間を、並びに、底部にマイクロLED212を設置し電気接続部506を介して接続するための溝を有することができ、インプラント周囲疾患はこの底部で見付かるのが一般的である。周囲にあるインプラント周囲軟組織を全て覆うように、90度ごとに1つの少なくとも4つのマイクロLEDを使用することができる。
【0032】
図5Eに示すように、いくつかの実施例では、環境発電回路は、環境発電ICチップ(Linear TechnologyのLTC3588)中の内部低喪失整流器を使用して、ヒトの口に関する動作をDC電圧に変換することができる。ICチップは低電圧ロックアウト(UVLO:under-voltage lockout)を使用して、DC電圧を管理することができ、低電圧ロックアウトは、蓄えた電荷をバルク・コンバータ(bulk converter)によって出力に効率的に移送できるようになるまで、スーパーキャパシタ(セイコーインスツル株式会社のCPH3225A)に電荷を蓄積することを可能にする。バッテリとは異なり、スーパーキャパシタの電圧は、それがエネルギーを供給するにつれ線形に降下する。したがって、電圧を十分に降下しそれでも必要な電流を引き出すために、環境発電ICの自己消費電流(I=450nA)を極めて低く維持することが重要であり得る。
【0033】
いくつかの実施例では、アバットメントはLEDドライバ回路を含み得る。LEDドライバ回路は、多波長PBM(MW-PBM:multi-wavelength PBM)のための、2つの異なる電圧レベル及び周波数を生成し得る。LEDドライバ回路は、低電力LED(Iが約2mA)のうちの複数を同時に動作させるための、スイッチング回路(トランジスタを介する)を有する個別に微調整された2つのタイマー(抵抗器-コンデンサ回路を介する)を含み得る。電圧レベルは0.2~2.8Vまで調節することができ、周波数は50%デューティ・サイクルで0、5、又は500Hz(CW、PW、又はPW500)に調節することができる。
【0034】
図6A及び図7Aは、開示される主題のいくつかの実施例に係る、咀嚼動作を再現し対応する電圧出力を測定する試験からの図である。効果的なPBM療法のためには、ヒトの口に関する動作によってLEDを照射するのに十分な電力を生成することが必要となり得る。BTO-NPは、その生体適合性、圧電特性、及び非線形の光学的特徴のため、有望であり得る。したがって、そのような圧電歯科材料が咀嚼動作(モデルとしてヒトの口に関する動作)をLED発光のための電力に変換できるかどうかを検査することができる。
【0035】
特定の実施例では、SDIの環境発電性能を、咀嚼及び歯のブラッシングについてのヒトの口に関する動作の動的モデルを使用して評価することができる。図6Aに示すように、力適用機械を使用した咀嚼動作によってSDIが刺激され得るときの電圧を測定することができ、この機械は制御されたパラメータに従って、対抗物への打撃(antagonist strikes)をシミュレート可能であり得る。非限定的な実施例では、機械-電気変換の効率を検査するために、最初に回路のないSDIを試験することができる。図6Bは、咀嚼動作下のSDIからの電圧出力の代表的な実例を示す(例えば、加えられる力は5Hzの周期で約90Nであり得る)。出力は3つの異なるレジーム、すなわち、圧縮中の正電圧、減圧中の負電圧、及びその後の2つの異なる力の方向の間のアイドリング傾向を示し得る。圧子がSDIの圧縮を開始すると、電気エネルギーは加えられた力に比例して増加を開始し得る。最大圧縮(すなわち、最大荷重)が行われると、加えられた力の方向が反対になり得るときに電圧生成の極性において続く減圧が急進する可能性があり、このことによって負電圧を説明できる。いくつかの実施例では、圧子が基本位置に戻り場合によってはSDIから引き上げられるとき、電圧出力も次のサイクルが開始するまでアイドル点に戻ることができる。いくつかの実施例では、実験による圧電気の測定結果は約202(±10.87)pC/Nであり得る。いくつかの実施例では、電圧出力はダイオードとコンデンサの対を介して管理することができ、この対は図6Cに見られるように、正弦波形の電圧出力をパルス波(PW)出力に変換した。PW出力が周波数モードでLEDを導き出すことはPBM療法にとって有益であり得る。周波数は口に関する動作によって決定され得るが、図6Dに見られるように、大型のコンデンサ(例えば、低周波数を補償するために47μF以上)を有する整流器回路を実装することによって、それを連続波(CW:continuous wave)に調節することができる。図6Eは、約30N~約100N(f=5Hz)の範囲の軟らかい食べ物の咀嚼動作下の、SDIの平均電圧出力の総合的な結果を示す。平均電圧出力の測定結果は、加えられた咀嚼力の関数(V=0.014F+0.058、R2=0.97、上式でVは電圧、Fは加えられた力)として、0.4V(±2.6mV)~1.3V(±2.8mV))となり得る。
【0036】
図7Aは、特注のせん断力適用機械を使用してSDIに適用され得るブラッシング動作を示す。咀嚼機械からの電圧出力と類似した電圧出力を観察できる(図7B図7Dを参照)。回路がなければ、ブラッシング動作が誘起した電圧出力は3つのレジーム、ブラシ繊維が掃く動作を開始するときの正電圧、ブラシ繊維が掃く動作を終了しSDIからゆっくりと引き上げられるときの負電圧、及びアイドル期間を有し得る。いくつかの実施例では、上昇及び下降する電圧の継続時間は、咀嚼動作の約半分(例えば、40ミリ秒に対して20ミリ秒)であり得る。このことは力を加える方向とSDIの分極方向との関係に起因すると考えることができる。製作中、SDIをd33方向(すなわち、縦方向)に分極させることができる。咀嚼動作は分極と同じ方向であり得、これは特定の状況において環境発電にとって好ましい方向であり得る。非限定的な実施例では、ブラッシング動作は分極方向、d31(すなわち、横方向)に対して垂直であり得、開路電圧を入力機械応力と関連付けるその圧電定数は、主要な分極方向の約半分であり得る(測定結果は113(±4.08)pC/N)。圧電定数が半分であるにも関わらず、ブラッシング動作下の歯科用クラウンは咀嚼動作と同等の電圧出力、すなわち0.7V(±5.4mV)対1.0V(±2.8mV)を生成し得る。SDIの平均出力(n=3)は、図7E(V=0.009F-0.005、R2=0.99)に示すように、加えられた力に一次比例し得る。このことはSDIの幾何形状の対称な性質(すなわち、低アスペクト比)に起因している可能性があり、この性質は歯科用クラウンの大部分に、横方向のブラッシング動作下であってさえも縦方向の力で変形するような影響を及ぼした(ポアソン比は定数d33と定数d31における差を補償している)。
【0037】
特定の実施例では、開示される主題は、ヒトの口の様々な動き(例えば、咀嚼及びブラッシング)を提供する。図6Aは、プログラム可能な電気機械式万能試験機(TestResources, Inc.の311R)を使用する咀嚼モデルを示す。これは、軸棒の移動経路と速さとを調節することによって、対抗物への打撃をパラメータに従ってシミュレート可能である。SDIの遠位頬側咬頭に対して一連の完全な咀嚼サイクル実施することができる。カウンタウェイトは対抗物(antagonist)に荷重を付与でき研磨するような動作の間に接触圧力を生成するもので、様々であり得る。特定の実施例では、軟らかい食べ物の咀嚼動作のパラメータを採用することができる(例えば、速さ=20~40mm/s、力=0~200N、周波数=1~5Hz。
【0038】
図7Aは、専用設計の回転装置を使用するブラッシング・モデルを示す。モータ(Caframo LimitedのBDC3030)によって回転を引き起こすことができ、このモータは、底部に正方形のブレードを備えた鋼製の中央ロッドを保持している。ブレード上には、各端部に2つの歯ブラシ・ヘッドを装着することができる。次いで中央ロッドを、中央ロッドが回転する際にプラスチック棒に装着されたSDIをブラシ・ヘッドによって掃くことができるように、円形プラットフォームの上に設置することができ、このプラットフォームは、その縁部上に複数のプラスチック棒を保持することも可能である。非限定的な実施例では、SDIを装着するために、プラスチック棒上に指定された空間を設けることもできる。ブラシのフィラメントはSDIと約5mm重なり合う。いくつかの実施例では、ブラッシング動作のパラメータを採用することができる(例えば、速さ=2mm/s、法線力=12N(ストロークごとに600本のフィラメントがSDIを掃き、単一のフィラメントに起因する法線力が約20mNであり得ると仮定)、せん断力=15~70N、及び周波数=1~5Hz)。
【0039】
図8Aは、咀嚼又はブラッシング下のSDIを機械及び電子部品、すなわち、整流器及びマイクロLEDに接続できる、光放射照度測定及びイン・ビトロのPBM療法のための例示的な構成を示す。咀嚼及びブラッシング動作による環境発電の結果は、低電力LEDに十分に給電できることを示した。平均電圧の測定結果は、咀嚼動作(例えば、70N)又はブラッシング動作(例えば、100N)下で1.3Vとなり得る。赤色LEDの対応する光放射照度の測定結果は、約0.3mW/cmとなり得る。同一の光放射照度のための近赤外LEDは0.8Vであり得、これは約60Nの咀嚼動作又は約90Nのブラッシング動作から導出することができる。特定の実施例では、全ての光測定をブラック・ボックス内のシリコン・フォトダイオードによって行うことができる。
【0040】
いくつかの実施例では、SDIを使用した光生体調整療法の有効性を評価することができる。例えば、ニア・コンタクト・モードにおける主要なヒト歯肉ケラチノサイト(HGK)に対する光強度のベースライン効果を定量化するために、1つのウェルあたり単一のLEDが使用され得る。いくつかの実施例では、並列構成で接続することによって、複数のLEDに、咀嚼又はブラッシング動作下のSDIによって給電することが可能である。非限定的な実施例では、SDI介在PBM療法をパルス波(PW)、及び連続波(CW)を使用して評価することができるが、その理由は、特定の生物学的環境ではCW光療法よりもPW光療法が効果的な場合があるからである。図8Bは、SDI試作品からの様々なPW周波数での平均光放射照度を示す。平均光放射照度は、コンデンサがより頻繁に充電され得るので周波数が高くなるほど大きくなり得、この結果環境発電効率が高まる。
【0041】
図9Aは、開示される主題のいくつかの実施例に係る、遠位頬側咬頭に対する咬合荷重の有限要素解析(「FEA:finite element analysis」)を示す。スマート歯科インプラント・システムは、クラウンが特に臼歯領域において大きな咀嚼/咬合力に頻繁に曝露されるので、これらの力に耐えるのに十分な機械的強度を有し得る。例えば、平均最大咬合力は約700~900Nであり得る。歯科インプラントの場合、FDAガイドラインを含め、機械的性能を評価するために、FEAシミュレーションが広く使用されている。このため、様々な臼歯設計に関する応力条件を評価するために、FEAシミュレーション(COMSOL Multiphysics)を行うことができる。図6は、BTONP含浸臼歯に対する咬合荷重付与のミーゼス応力シミュレーション結果を示す。シミュレーション結果によって、エンジニアリングされた歯科材料が、臨床的に許容可能なレベルであり得る最大42MPaのミーゼス応力に耐えることが明らかになった。
【0042】
電気機械式万能試験機(TestResources, Inc.の310)をISO 4049(Dentistry - Polymer-based restorative material(歯科-ポリマーベースの修復材料))指定の試験装置及び(体温を再現するための)生物医学用の槽(biomedical bath)と共に使用して、総合的な力学的評価を行うことができる。図9Bに見られるように、3点たわみ曲げ装置(flexural bend fixture)を使用することができる。エンジニアリングされた歯科材料を使用して、25×2×2mmの梁状構造物を全部で10本用意する。力及び変形を実質的に測定することができる。次いでFS及びFMを以下を使用して計算することができる:
【数1】

上式で、b=梁幅(mm)、h=梁せい(mm)、F=荷重-たわみ曲線上の所与の点における荷重(N)、L=支持スパン(mm)、及びd=Fでの対応するたわみ(mm)である。
【0043】
歯科材料中にBTO-NPを含有しているスマート歯科インプラント・クラウンの曲げ強度(「FS:flexural strength」)及び事実の係数(「FM:factual modulus」)を測定することによって、シミュレーション結果を更に検証することができる。表Iには、本発明者らのSDIの機械的強度の他の材料との比較がまとめられている。SDIにおいて使用される歯科用複合材料は50MPaのFS及び6630MPaのFMを示すが、これらは別のところで報告されている歯科用レジンの機械的強度(FS:65~130MPa、FM:2000~7500MPa)と同等である。これは、エンジニアリングされた歯科用クラウンが衝撃力に当然耐える(曲げ強度)ことができ、このとき生じるたわみはより小さい(曲げ弾性率)ことを示している。
【表1】
【0044】
図10A図10Cは、開示される主題のいくつかの実施例に係る、圧電ナノ粒子の抗バイオフィルム活性を示す。ヒト歯肉ケラチノサイト(「HGK」)への細菌曝露を最小限にするためには、微生物の付着を退けその後のクラウン表面上のコロニー形成を阻止し、以ってインプラント周囲疾患の病因の蔓延を低減することが、非常に重要である。図10には、イン・ビトロのバイオフィルム・モデルを使用した、代表的な口腔内細菌であるミュータンス連鎖球菌に対する歯科材料表面に埋め込まれたBTO-NPの抗バイオフィルム活性が描かれている。唾液で覆ったBTO-NP埋込みディスク上で19時間、S. mutansバイオフィルムを培養することができる。
【0045】
図10Aに示すように、かなり大きな多数のS. mutansコロニーを、BTO-NPを有さないディスク上に均等に分散させることができる。図10Bに示すように、BTO-NP埋込み歯科材料の表面は、バイオフィルム形成をほぼ完全に阻止した(すなわち、90%を超える生物量の減少)。全体として、図10C中のデータは、細菌侵襲に対する炎症を軽減でき以ってHGKの免疫力を著しく高める、BTO-NPの優れた抗バイオフィルム効果を示す。
【0046】
図11は、PBM療法を行った及び行わない場合の、HGKの生存率を示す。PBM療法の効率は、咀嚼動作下の赤色(「R:red」)及び近赤外(「NIR」)照射を使用して、細菌侵襲からのHGKの生存率に基づいて検査することができる。連続波及びパルス波(5Hzに対するPW又は500Hzに対するPW500)の条件を試験することができる。まず、宿主細胞を刺激し細胞炎症を誘起するグラム陰性菌の外膜の主要な毒性成分であり得るリポ多糖(「LPS:Lipopolysaccharide」)が、HGKに炎症を引き起こした。LPS炎症HGK細胞に対するPBM療法の有効性を、以下の2つのパラメータを用いて試験することができる:1)ヒトの口に関する動作の1日の活動を想定した90分のR及びNIR曝露時間、及び2)重度の細胞死を伴わない炎症の開始に起因する10μg/mLのLPS。青色及び緑色の発光は実質的に細胞生存率を下げたのでこれらは除外できることに留意されたい。
【0047】
5%COの37℃の湿潤雰囲気内で、標準的なインスリン(8.6×10-7M)を含むヒトのケラチノサイト増殖サプリメントを補給したKGM-2増殖培地(メリーランド州WalkersvilleのLonza Group Ltd.)中で、HGKを培養することができる。最初に、HGK細胞を24ウェル・プレートに5×10細胞/ウェルで播種し、37℃で48時間増殖させることができる。48時間の培養後、細胞を1×PBSで洗浄し、関連処理(LED照射及び/又はLPS処理)後に、ヒトのケラチノサイト増殖サプリメントを有さない培地中で更に48時間培養することができる。MTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)(ドイツ、F. Hoffmann-La Roche Ltd.の細胞増殖キットI)を使用して細胞生存率を判定できる。各ウェルに50μLのMTT標識試薬(最終濃度0.5mg/mL)を添加することができる。次いで、COインキュベーター内で37℃で4時間、細胞を培養することができる。500μLの可溶化緩衝液(0.01MのHCl中の10%SDS)を添加することができ、プレートをインキュベーター内に一晩静置してホルマザン結晶を可溶化することができる。次いでサンプルの光学濃度(OD:optical density)値を、マイクロプレート・リーダ(バーモント州WinooskiのBioTek)を用いて570nmの波長で測定することができる。処理群のOD値は未処理の対象群に対して常に規格化することができる。
【0048】
細菌性炎症に対する細胞反応を調べるために、細胞をLPS(ミズーリ州セントルイスのSigma-Aldrich, Inc.)に曝露することができる。最初に、炎症誘起に最適なLPSの濃度を、様々な濃度のLPS(0~100μg/mL)を添加することによって決定することができる。HGK細胞を48時間増殖させることができたら、細胞を洗浄することができ、培地を(増殖サプリメントを有さない)新しい培地と交換することができる。次いで、LPSを添加することができ、続いて細胞を更に48時間インキュベートすることができる。事前に決定されたLPSの最適濃度(0~20μg/mL)を用いて、細胞をLPSへの曝露前にLEDで事前処理することができ、続いて細胞を更に48時間インキュベートすることができる。次いで、MTTアッセイを使用して細胞の生存率を評価することができる。
【0049】
図11中のデータは、全ての条件が、LPS刺激に抗してHGKの生存率を完全に回復できるだけでなく(LPSを用いた対照との比較)、細胞生存率を大きく向上させる(LPSを用いない対照との比較)ことを示している。興味深いことに、異なる条件下では異なるレベルの治療有効性が観察できるが(すなわち、LPSを用いた場合の、対照に対するR-CW又はNIR-PW500による細胞生存率の最大85%の増加)、このことは、特定の波長又は周波数がHGK中の発色団を異なる様式で刺激できることを示している。
【0050】
図12は、病因微生物細胞に対する細胞反応を示す。病因微生物細胞に対する細胞反応を調べるために、HGKに真菌Candida albicans及び細菌Streptococcus oralisを導入することができる。図12中のデータは、赤色又は近赤外照射によって病因微生物侵襲に抗してHGKの集密度を完全に回復できることを示す。微生物曝露がないとき、細胞は高い集密度及び細胞間の密着結合を示し得る。密着結合とは上皮における細胞間接着複合体である。密着結合は隣接する上皮細胞をそれらの頂端面の直下で細い帯状に閉じ合わせ、頂端及び基底外側の膜貫通成分が互いに混合するのを抑制することによって、細胞極性の維持を支援することができる。HGKは、細菌又は真菌に曝露されると、増殖及び密着結合の喪失を示す。非限定的な実施例では、それらに細菌及び真菌による同時感染が生じると、組織が深刻な破壊を被る可能性がある。しかしながら、これらは、HGKが赤色又は赤外照射に曝露可能であるとき、ほぼ完全に回復される。いくつかの実施例では、NIR照射は、相乗的な細菌-真菌複合侵襲であり得る微生物曝露に抗して、HGKの増殖を改善することができる。したがって、このデータは、開示されているPBM療法がヒトのケラチノサイトを微生物感染から回復できることを表している。
【0051】
図13中のデータは、NIR照射を行った又は行わない場合の、微生物侵襲後のHGKの数を示す。HGKを細菌Staphylococcus aureus(Sa)若しくはStreptococcus oralis(So)又は真菌Candida albicans(Ca)或いはこれらの組合せに24時間感染させることができる場合、HGKの数は減少し得る(例えば、2種及び3種感染)。違いが顕著であるが、NIR光によって刺激されると、HGKの数は、感染していない細胞のレベル(点線)と同等に、完全に回復され得る。このデータは、長期にわたる恐ろしい微生物攻撃に対して細胞免疫を向上させることにおける、開示されるPBM療法の優れた有効性を裏付けている。
【0052】
本発明者らのデバイスの実現可能性を検証するために、SDIをミニブタの口の中に取り付けることができる。ミニブタのモデルを使用することができるが、これは、ヒトとの解剖学上の類似点が顕著であること及び多様な度合の歯周疾患モデルが確立されていることに起因している。図14に示すように、インプラント周囲疾患についての開示されているミニブタのモデルを使用して、うまくいく手術プロトコルを提示することができ、SDIシステムの試作品の機能性を検証することができる。例えば、生後3~4ヶ月、平均体重30kgの歯周疾患のないミニブタが使用され得る。承認された全身麻酔プロトコルを無菌状態下で使用して、下顎小臼歯及び/又は第1大臼歯の外科的抜去を行うことができる。下顎小臼歯及び/又は第1大臼歯の外科的抜去後、歯槽骨をチタン・インプラントのために準備して、チタン・インプラントを各下顎半側部に設置することができる。次いで軟組織を閉鎖し、この構造を治癒させることができる。約6週間後、このミニブタに麻酔をかけて、組み込んだインプラント上にスマート・クラウン及びスマート・アバットメントを設置した。開示されているプロトコルは歯科医院において使用することができる。
【0053】
個々の実験の結果は平均値±SDとして表現できる。スチューデントt検定を使用して実験データの統計的分析を行うことができる。アッセイに対して少なくとも2回実験を繰り返すことができる。P値が0.01未満であるときデータを統計的に有意であると見なすことができる。
【0054】
上記の内容は開示される主題の原理を説明するものに過ぎない。本明細書の教示を検討すれば、当業者には、記載した実施例に対する様々な変更及び改変が明らかになろう。したがって当業者は、本明細書には明示的に記載されていないが開示される主題の原理を具現化しており、したがってその精神及び範囲内にある、多数の技術を考案できると考えられることが諒解されよう。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図4L
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】