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特表2023-538213胆嚢のアブレーション及び非機能化のためのシステム、デバイス、及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】胆嚢のアブレーション及び非機能化のためのシステム、デバイス、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/02 20060101AFI20230831BHJP
   A61B 18/08 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
A61B18/02
A61B18/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581352
(86)(22)【出願日】2021-08-13
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 US2021045987
(87)【国際公開番号】W WO2022036250
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】63/066,005
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522046092
【氏名又は名称】イクテロ メディカル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ノジョミ,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ウォーターズ,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】マンガン,エイダン
(72)【発明者】
【氏名】リバ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ムラニクス,マイケル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ02
4C160JJ09
4C160KK47
4C160MM43
4C160NN01
(57)【要約】
本明細書では、組織場所をアブレーションするためのカテーテルデバイス、システム、及び方法が提供される。本明細書に開示されるデバイス、システム、及び方法は、アブレーション媒体(例えば、低温アブレーション媒体)を体内腔に送達し、アブレーション媒体を体内腔から排出する、内側及び外側シャフトを含むカテーテルシステムを含む、アブレーションシステムを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイス、システム、及び方法は、ノズルの位置決め及び/又は体内腔からのアブレーション媒体の排出を促進する拡張可能な構造体を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端及び遠位端を有し、それらの間に延在する第1の管腔を画定するシースと、
前記第1の管腔内に配設され、第2の管腔を画定するシャフトであって、前記シースの遠位に延在し、胆嚢内に位置決め可能である遠位部分を有する、シャフトと、
前記シャフトの前記遠位部分の周りに配設された拡張可能な本体であって、前記拡張可能な本体が、複数の細長い部材から形成され、前記拡張可能な本体が、近位アクチュエータからの作動に応答して非展開構成から展開構成に移行するように構成され、前記複数の細長い部材が、前記非展開構成において、前記シャフトの長手方向軸に実質的に平行に延在するように構成され、前記展開構成において、前記長手方向軸から外向きに延在するように構成されている、拡張可能な本体と、
前記拡張可能な本体の端の間で前記シャフトの前記遠位部分上に形成された複数のノズル開口部であって、前記複数のノズル開口部は、前記第2の管腔及び前記複数のノズル開口部が前記シャフトの近位端から前記胆嚢内にアブレーション媒体を送達するように構成されるように、前記第2の管腔と連通している、複数のノズル開口部と、を備え、
前記拡張可能な本体が、前記展開構成において、前記アブレーション媒体の散布を容易にするために、前記胆嚢の壁から前記複数のノズル開口部を離間させるように構成されている、装置。
【請求項2】
前記ノズルが、前記拡張可能な本体に対して移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ノズルが、前記シャフトの前記長手方向軸の周りで回転可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ノズルが、前記シャフトの前記長手方向軸に沿って並進可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記シャフトに対する前記シースの相対的な並進が、前記拡張可能な本体を前記展開構成に移行させるように、前記複数の細長い部材の各々の近位端が、前記シースの前記遠位端に結合され、前記複数の細長い部材の各々の遠位端が、前記シャフトの遠位端に結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
アクチュエータを含むハンドルを更に備え、前記アクチュエータが、遠位に摺動して前記シースを前記シャフトに対して前進させ、前記拡張可能な本体を前記展開構成に移行させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のノズル開口部の各々が、前記アブレーション媒体を噴霧パターンで前記胆嚢内に送達するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記複数のノズル開口部が、前記シャフトの前記遠位部分の円周の周りに、かつ前記シャフトの前記遠位部分の軸方向長さに沿って分布している、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記アブレーション媒体が、低温アブレーション媒体であり、前記第2の管腔及び前記複数のノズル開口部が、液体状態の前記低温アブレーション媒体を前記胆嚢内に送達するように構成され、前記胆嚢において、前記低温アブレーション媒体が、前記複数のノズル開口部から前記胆嚢への圧力の減少に応答して、ガス状態に転移する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
近位端及び遠位端を有し、それらの間に延在する第1の管腔を画定するシースと、
前記第1の管腔内に配設され、第2の管腔を画定するシャフトであって、前記シースの遠位に延在し、胆嚢内に位置決め可能である遠位部分を有する、シャフトと、
前記シャフトの前記遠位部分上に配設された拡張可能な本体であって、前記拡張可能な本体が、複数の細長い部材から形成され、前記拡張可能な本体は、前記複数の細長い部材が前記シャフトの長手方向軸に実質的に平行に延在する非展開構成から、前記複数の細長い部材が前記長手方向軸から半径方向外向きに湾曲する展開構成に移行するように構成されている、拡張可能な本体と、
前記拡張可能な本体の端の間で前記シャフトの前記遠位部分上に形成された複数のノズル開口部であって、前記複数のノズル開口部は、前記第2の管腔及び前記複数のノズル開口部が前記シャフトの近位端から前記胆嚢内にアブレーション媒体を送達するように構成されるように、前記第2の管腔と連通している、複数のノズル開口部と、
前記シース内に配設され、前記シース、前記シャフト、又はそれらの間の環状空間の少なくとも一部分に沿って熱を発生させるように構成された加熱要素と、を備える、装置。
【請求項11】
前記シースが、内側ライナ及び外側ジャケットを含み、前記加熱要素が、前記内側ライナと前記外側ジャケットとの間に配設されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記加熱要素が、前記シースの周囲に巻き付けられているコイルである、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記コイルが、前記シースの第1の部分に沿った第1のピッチ、及び前記第1の部分の近位にある前記シースの第2の部分に沿った第2のピッチを有し、前記第1のピッチが、前記第2のピッチよりも小さい、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記加熱要素が、前記シースの第2の部分の遠位にある前記シースの第1の部分に沿ってより大きい熱流束を有する熱を発生させるように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記シースの前記遠位端又はその近くに配設された温度センサを更に備え、前記温度センサが、前記アブレーション媒体の送達中に前記胆嚢内の温度を測定するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記シースが、前記第1の管腔と連通している前記シースの前記遠位端又はその近くに配設された少なくとも1つの通気開口部を有し、前記第1の管腔及び前記少なくとも1つの通気開口部は、圧力センサが前記胆嚢の腔内圧を測定することができるように、前記圧力センサに結合するように構成された圧力感知管腔を形成する、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記加熱要素が、第1の加熱要素であり、前記シース、前記シャフト、又はそれらの間の前記環状空間の前記少なくとも1つの部分が、前記シース、前記シャフト、又はそれらの間の前記環状空間の第1の部分であり、前記装置が、
前記シース内に配設され、前記第1の部分とは異なる、前記シース、前記シャフト、又はそれらの間の前記環状空間の第2の部分に沿って熱を発生させるように構成された第2の加熱要素を更に備える、請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記シース、前記シャフト、又はそれらの間の前記環状空間の長さに沿って配設された1つ以上の温度センサを更に備え、前記1つ以上の温度センサが、前記シース、前記シャフト、又はそれらの間の前記環状空間の長さに沿った異なる点で温度を測定するように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記1つ以上の温度センサ並びに前記第1及び第2の加熱要素に動作可能に結合されたプロセッサを更に備え、前記プロセッサが、前記シース、前記シャフト、又はそれらの間の前記環状空間の長さにわたって実質的に均一な加熱を維持するように、前記1つ以上の温度センサによって測定された前記温度に基づいて前記第1及び第2の加熱要素を制御するように構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
第1の管腔を画定する導入器であって、胆嚢の壁のアクセス開口部を通して前記胆嚢内に挿入されるように構成された遠位先端を含む、導入器と、
前記導入器の前記遠位先端の近くに配設された保持機構であって、拡張構成に移行して、前記導入器の前記遠位先端を前記胆嚢内に保持するように構成された保持機構と、
前記第1の管腔を通して前記胆嚢内に挿入されるように構成されたアブレーションカテーテルであって、
前記胆嚢内にアブレーション媒体を送達するように構成された複数のノズル開口部、及び
前記複数のノズル開口部の周りに配設された拡張可能な本体であって、前記拡張可能な本体が、複数の細長い部材から形成され、前記複数の細長い部材が前記アブレーションカテーテルの長手方向軸に実質的に平行に延在する非展開構成と、前記複数の細長い部材が前記長手方向軸から外向きに延在する展開構成との間で移行するように構成されている、拡張可能な本体を含む遠位部分を有する、アブレーションカテーテルと、を備え、
前記拡張可能な本体が、前記第1の管腔を通した前記アブレーションカテーテルの挿入を可能にするために、前記非展開構成になり、
前記拡張可能な本体が、前記胆嚢内での前記アブレーション媒体の散布を容易にするために、前記胆嚢の壁から前記複数のノズル開口部を離間させるために、前記展開構成になる、システム。
【請求項21】
前記導入器の前記第1の管腔は、前記アブレーション媒体が前記複数のノズル開口部を介して前記胆嚢内に送達された後に、前記胆嚢から前記アブレーション媒体の少なくとも一部分を排出するように構成されている、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記アブレーション媒体は、低温アブレーション媒体であり、前記アブレーションカテーテルが、前記導入器の内面と前記アブレーションカテーテルの外面との間の空間を加熱して、前記低温アブレーション媒体の前記排出を妨害し得る氷の形成を防止するように構成されている加熱要素を更に含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記加熱要素が、前記アブレーションカテーテルの外側シース内に配設されているコイルである、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記アブレーションカテーテルが、外側シース及び内側シャフトを含み、
前記内側シャフトが、前記第2の管腔を画定し、
前記外側シース及び前記内側シャフトが、近位端で圧力センサに連通可能に結合され、遠位端で前記胆嚢に連通可能に結合されている圧力感知管腔を前記外側シースと前記内側シャフトとの間に集合的に画定し、前記圧力感知管腔は、前記圧力センサが前記胆嚢の腔内圧を測定することを可能にするように構成されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記圧力センサが、前記アブレーションカテーテルの近位端に結合されたハンドル内に位置する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記アブレーションカテーテルの近位端に結合されたハンドルを更に備え、前記ハンドルが、前記圧力感知管腔を圧力センサに結合するように構成された接続ポートを含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
複数のアクチュエータを含むハンドルアセンブリを更に備え、前記複数のアクチュエータが、前記保持機構を前記拡張構成に移行させるように作動されるように構成された第1のアクチュエータ、及び前記拡張可能な本体を前記展開構成に移行させるように作動されるように構成された第2のアクチュエータを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項28】
前記ハンドルアセンブリが、
前記導入器に結合され、前記第1のアクチュエータを含む、第1のハンドルと、
前記アブレーションカテーテルに結合され、前記第2のアクチュエータを含む第2のハンドルと、を含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記ハンドルアセンブリは、前記アブレーション媒体を排出するために前記第1の管腔に結合された排出ポートを含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記複数のアクチュエータが、前記アブレーションカテーテルの前記長手方向軸の周りで前記複数のノズル開口部を回転させること、又は前記アブレーションカテーテルの前記長手方向軸に沿って前記複数のノズル開口部を並進させることのうちの少なくとも1つを行うように構成された第3のアクチュエータを更に含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
前記保持機構は、デブリが前記第1の管腔を詰まらせることを防止するために、前記胆嚢内への前記第1の管腔の開口部を取り囲むように構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項32】
前記アブレーション媒体が、低温アブレーション媒体であり、前記第2の管腔及び前記複数のノズル開口部が、液体状態の前記低温アブレーション媒体を前記胆嚢内に送達するように構成され、前記胆嚢において、前記低温アブレーション媒体が、前記アブレーションカテーテルから前記胆嚢への圧力の減少に応答して、ガス状態に転移する、請求項21に記載のシステム。
【請求項33】
導入器の遠位先端を対象の胆嚢内に保持するために、導入器の遠位端上に配設された保持機構を拡張構成に移行させることと、
アブレーションカテーテルの遠位端を前記導入器の管腔を介して前記胆嚢内に前進させることであって、前記アブレーションカテーテルが、第2の管腔を画定し、前記アブレーションカテーテルの前記遠位端上に配設された複数のノズル開口部及び拡張可能な本体を含み、前記拡張可能な本体が、複数の細長い部材から形成されている、前進させることと、
前記複数の細長い部材が前記アブレーションカテーテルの長手方向軸から外向きに拡張して、前記複数のノズル開口部を前記胆嚢の壁から少なくとも所定の距離に位置決めするように、前記拡張可能な本体を展開構成に移行させることと、
前記第2の管腔を介して、低温アブレーション流体を前記複数のノズル開口部に搬送することと、
前記複数のノズル開口部から前記低温アブレーション流体を噴霧パターンで分注して、前記低温アブレーション流体を前記胆嚢の前記壁と接触させ、低温アブレーションガスに相変化させることと、を含む、方法。
【請求項34】
前記第1の管腔を介して、前記胆嚢から前記低温アブレーションガスの少なくとも一部分を排出することを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記アブレーションカテーテルの加熱要素を使用して、前記排出中の詰まりを防止するために、前記導入器の長さの少なくとも一部分を加熱することを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記アブレーションカテーテル内に画定された圧力感知管腔に動作可能に結合された圧力センサを介して、前記胆嚢の腔内圧を測定することであって、前記圧力感知管腔は、前記アブレーションカテーテルの前記遠位部分が前記胆嚢内に配設されたときに、前記胆嚢に連通可能に結合される遠位開口部を有する、測定することと、
前記胆嚢内腔の前記腔内圧に基づいて、前記アブレーション流体の送達を制御することと、を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
温度センサを使用して、前記胆嚢の前記壁の温度を測定することと、
前記温度に基づいて、前記胆嚢の前記壁がアブレーションされたかどうかを確認することと、を更に含む、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年8月14日に出願された「SYSTEMS,DEVICES,AND METHODS FOR ABLATION AND DEFUNCITONALIZATION OF A GALLBLADDER」と題する、米国仮出願第63/066,005号の優先権及び利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、胆嚢のアブレーション及び非機能化のためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
心臓学、腫瘍学、一般外科学、胃腸病学、皮膚科学、及びインターベンショナルラジオロジーにおいて使用されるものなどの医療アブレーション技術は、局所組織標的に焦点を当てており、高度のアブレーション深度制御を提供するが、体内の大型高表面積(high-surface area、HSA)組織アブレーション標的に対して有効でも実用的でもない場合がある。冷凍アブレーション技術は、HSA組織アブレーションのためのプラットフォームを提供するために一般的な寒剤噴霧を活用するが、胆嚢などの閉鎖内腔内にエネルギーを安全かつ効果的に送達することに関連付けられた特定の欠点を有する。例えば、アブレーション処置中の氷の蓄積又は他の厄介な問題は、損傷及び/又は無効なアブレーションにつながる可能性がある。したがって、既存のアブレーションシステムの欠点に対処するためのシステム、デバイス、及び方法を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、胆嚢のアブレーション及び非機能化のためのデバイス及び方法に関する。いくつかの実施形態では、装置は、管腔を画定し、対象の体内腔内に配設可能な遠位部分を有するシャフトであって、遠位部分上に配設され、管腔と流体連通している複数の開口部を画定し、アブレーション媒体を体内腔内に送達するように構成されたノズルを含む、シャフトと、ノズルの周りに配設された拡張可能な構造体であって、体内腔内で拡張状態に移行するように構成され、拡張可能な構造体が拡張状態にあるときに、(1)ノズルを体内腔内の組織から少なくとも所定の距離だけ離して位置決めし、(2)アブレーション媒体が拡張可能な構造体を通して体内腔内の組織と接触してアブレーションすることを可能にするように構成されている複数の細長い部材を含む、拡張可能な構造体と、を含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、装置は、対象の体内腔内に配設可能な遠位端を有する外側シャフトであって、外側シャフトが、第1の管腔及び第1の管腔と流体連通している複数の排出開口部を画定し、複数の排出開口部及び第1の管腔が、体内腔からアブレーション媒体を排出するように集合的に構成され、外側シャフトが、(1)外側シャフトの遠位端上に配設され、(2)複数の排出開口部を取り囲み、デブリが複数の排出開口部を詰まらせることを防止するように拡張状態に移行するように構成された拡張可能な構造体を含む、外側シャフトと、第1の管腔内に配設可能であり、外側シャフトの遠位に延在可能なノズルを有する内側シャフトであって、内側シャフトが、ノズルと流体連通している第2の管腔を画定し、第2の管腔は、ノズルが体内腔全体にアブレーション媒体を散布し、体内腔内の組織と接触してアブレーションすることができるように、アブレーション媒体をノズルに送達するように構成されている、内側シャフトと、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、方法は、アクセスシースを対象の体内腔内に保持するために、アブレーションカテーテルの外側シャフトの遠位端上に配設された第1の拡張可能な構造体を拡張状態に移行させることであって、外側シャフトの遠位端が、体内腔内に配設され、外側シャフトが、第1の管腔を画定する、移行させることと、内側シャフトの遠位端を第1の管腔を介して体内腔内に前進させることであって、内側シャフトが、第2の管腔を画定し、ノズルと、内側シャフトの遠位端上に配設された第2の拡張可能な構造体と、を含む、前進させることと、第2の拡張可能な構造体を拡張状態に移行させて、ノズルを体内腔内の組織から少なくとも所定の距離に位置決めすることと、第2の管腔を介して、アブレーション流体をノズルに搬送することと、アブレーション流体が、体内腔内の組織と接触して、組織をアブレーションするアブレーションガスに転移するように、ノズルからアブレーション流体を分注することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態による、アブレーションシステム(例えば、冷凍アブレーションデバイス)の概略図である。
図2】実施形態による、カテーテルシステムの外側シャフトの概略図である。
図3】実施形態による、カテーテルシステムの内側シャフトの概略図である。
図4】実施形態による、カテーテルシステムの概略図である。
図5】実施形態による、アブレーションシステムの制御ユニットの概略図である。
図6A】実施形態による、アブレーション及びその監視のための方法のフローチャートである。
図6B】実施形態による、アブレーション及びその監視のための方法のフローチャートである。
図7A】実施形態による、アブレーションシステムのための異なる経皮的かつ内視鏡的アクセスアプローチの図である。
図7B】実施形態による、アブレーションシステムのための異なる経皮的かつ内視鏡的アクセスアプローチの図である。
図7C】実施形態による、アブレーションシステムのための異なる経皮的かつ内視鏡的アクセスアプローチの図である。
図8】実施形態による、アブレーションシステムの図である。
図9】実施形態による、アブレーションカテーテルの外側シャフト及び内側シャフトの詳細図である。
図10】実施形態による、体内腔内に展開されたアブレーションカテーテルの図である。
図11】実施形態による、有窓ノズルを含むアブレーションカテーテルの内側シャフトの図である。
図12A】実施形態による、アブレーションカテーテルの外側シャフトの図である。
図12B】実施形態による、アブレーションカテーテルの外側シャフトの図である。
図13A】様々な実施形態による、拡張可能な構造体を含むアブレーションカテーテルの部分の図である。
図13B】様々な実施形態による、拡張可能な構造体を含むアブレーションカテーテルの部分の図である。
図13C】様々な実施形態による、拡張可能な構造体を含むアブレーションカテーテルの部分の図である。
図14】実施形態による、拡張可能な構造体を含むアブレーションカテーテルの内側シャフトの図である。
図15】実施形態による、排出のための開口部を含むアブレーションカテーテルの図である。
図16A】様々な実施形態による、排出管腔を含むアブレーションカテーテルの断面図である。
図16B】様々な実施形態による、排出管腔を含むアブレーションカテーテルの断面図である。
図17A】実施形態による、排出開口部を含むアブレーションカテーテルの外側シャフトの図である。
図17B】実施形態による、排出開口部を含むアブレーションカテーテルの外側シャフトの図である。
図18A】実施形態による、拡張可能な機構及び排出開口部を含むアブレーションカテーテルの図である。
図18B】実施形態による、拡張可能な機構及び排出開口部を含むアブレーションカテーテルの図である。
図19A】実施形態による、球状又は丸形ノズルを含むアブレーションカテーテルの内側シャフトの図である。
図19B】実施形態による、球状又は丸形ノズルを含むアブレーションカテーテルの内側シャフトの図である。
図20】実施形態による、体内腔内に展開された球状又は丸形ノズルを含むアブレーションカテーテルの内側シャフトの図である。
図21】実施形態による、自由端を有する可動ノズルを含むアブレーションカテーテルの図である。
図22】実施形態による、固定端(例えば、閉塞器を使用して固定される)を有する可動ノズルを含むアブレーションカテーテルの図である。
図23】実施形態による、湾曲したノズルを含むアブレーションカテーテルの図である。
図24】実施形態による、体内腔内に展開された湾曲したノズルを含むアブレーションカテーテルの図である。
図25】実施形態による、ノズルアームを含むアブレーションカテーテルの図である。
図26A】実施形態による、アブレーションカテーテルのノズルアームの断面図である。
図26B】実施形態による、アブレーションカテーテルのノズルアームの断面図である。
図27A】実施形態による、螺旋ノズルを含むアブレーションカテーテルの図である。
図27B】実施形態による、螺旋ノズルを含むアブレーションカテーテルの図である。
図28】実施形態による、カテーテル加熱システムを含むアブレーションカテーテルの断面図である。
図29A】実施形態による、カテーテル加熱システムを含むアブレーションカテーテルの図である。
図29B】実施形態による、カテーテル加熱システムを含むアブレーションカテーテルの図である。
図30A】実施形態による、アブレーションカテーテルの外側シャフト及び拡張器の図である。
図30B】実施形態による、アブレーションカテーテルの外側シャフト及び拡張器の図である。
図31A】実施形態による、非展開状態及び展開状態にある拡張可能な構造体を含むアブレーションカテーテルの外側シャフトの図である。
図31B】実施形態による、非展開状態及び展開状態にある拡張可能な構造体を含むアブレーションカテーテルの外側シャフトの図である。
図32A】実施形態による、アクチュエータを含むアブレーションカテーテルの内側シャフトの図である。
図32B】実施形態による、アクチュエータを含むアブレーションカテーテルの内側シャフトの図である。
図32C】実施形態による、アクチュエータを含むアブレーションカテーテルの内側シャフトの図である。
図33】実施形態による、組み立てられたアブレーションカテーテルの図である。
図34A】実施形態による、アブレーションカテーテルの図である。
図34B】実施形態による、アブレーションカテーテルの図である。
図35A】実施形態による、アブレーションカテーテルのシースの図である。
図35B】実施形態による、アブレーションカテーテルのシースの図である。
図36】実施形態による、アブレーションカテーテルの図である。
図37A】実施形態による、ノズルアセンブリの図である。
図37B】実施形態による、ノズルアセンブリの図である。
図38A】実施形態による、カテーテルアセンブリの図である。
図38B】実施形態による、カテーテルアセンブリの図である。
図38C】実施形態による、カテーテルアセンブリの図である。
図38D】実施形態による、カテーテルアセンブリの図である。
図38E】実施形態による、カテーテルアセンブリの図である。
図39】実施形態による、胆嚢内の温度センサ留置場所の描写である。
図40A】様々な実施形態による、圧力センサを含むアブレーションシステム(例えば、冷凍アブレーションデバイス)の図である。
図40B】様々な実施形態による、圧力センサを含むアブレーションシステム(例えば、冷凍アブレーションデバイス)の図である。
図40C】様々な実施形態による、圧力センサを含むアブレーションシステム(例えば、冷凍アブレーションデバイス)の図である。
図40D】様々な実施形態による、圧力センサを含むアブレーションシステム(例えば、冷凍アブレーションデバイス)の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、例えば、胆嚢内腔などの体内腔をアブレーションするためのアブレーションシステム、デバイス、及び方法に関する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、組織アブレーションのための冷凍アブレーションデバイスに関する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、アブレーション媒体(例えば、低温アブレーション媒体)を対象領域(例えば、胆嚢内腔の内側を覆う組織)上に安全に、効果的に、かつ均一に分散させるように設計される、例えば、カテーテルベースの冷凍アブレーションデバイスのためのアブレーション媒体解放弁に関する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、センサデータ、例えば、圧力及び/又は温度データに基づいて、アブレーションシステムの動作を制御することに関する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、体内腔(例えば、胆嚢内腔)及び/又は体内腔内に送達されているアブレーション媒体の特性又は状態を追跡するために、センサを含み、かつ/又は(例えば、1つ以上のプローブの)センサと共に使用することができる。冷凍アブレーションデバイスを含むアブレーションシステムの好適な構成要素の例は、2019年2月7日に出願された「GALLBLADDER DEFUNCITONALIZATION DEVICES AND METHODS」と題する、国際出願第US2019/017112号、及び2020年8月7日に出願された「SYSTEMS,DEVICES,AND METHODS FOR ABLATION AND DEFUNCTIONALIZATION OF A GALLBLADDER」と題する、国際出願第US2020/045436号に記載されており、その各々の全体が参照により組み込まれる。
【0009】
胆石は、アメリカ人の間で最も一般的な胃腸障害の1つである。胆石は、肝臓によって分泌され、胆嚢に貯蔵される流体である胆汁が過飽和になると形成される。胆石は多くの人に問題を引き起こさないが、胆嚢管、すなわち、胆嚢の出口を遮断し、胆嚢が空になるのを妨げることがある。場合によっては、閉塞は、疼痛、炎症、及び感染をもたらす。他の点では健康な患者において、胆石症は、胆嚢の外科的除去によって治療される。しかしながら、外科的処置に関連付けられたリスクは、特定の患者集団においてかなり高い。例えば、5人に1人のメディケア患者が有害な転帰を患うことが示されている。これらの患者に対する非外科的治療の選択肢は限られており、疾患の根本的な原因に対処することなく急性症状を緩和することに焦点を当てている。場合によっては、疾患は再発する可能性があり、更なる臨床的リスク及び著しい費用をもたらす。現在、高リスク患者における胆嚢疾患に対する長期的な解決策は存在しない。
【0010】
図7A図7Cに示すように、胆嚢2は、胃腸系における小さな中空器官である。胆道系の盲端管状嚢である胆嚢2は、30ミリリットル(mL)~50mLの貯蔵容量を有するナシ形の器官である。胆嚢は、典型的には、幅が2~3センチメートル(cm)であり、軸方向長さが7~10cmである。胆嚢は、典型的には、3つの部分、すなわち、基底部、体部、及び頸部に分割される。頸部は、ハルトマン嚢として知られる粘膜ひだを含有し、これは、胆石がつかえて胆嚢炎をもたらす一般的な場所である。図7A図7Cに示すように、胆嚢2は、胆嚢管14内に開口し、右肝管と左肝管とに分岐する共通肝管18によって肝臓8に接続する。胆嚢2は、総胆管16によって小腸10に接続されている。
【0011】
組織学的に、胆嚢は、漿膜(最外層)、筋層、固有層、及び最内粘膜層を含む4つの層を有する。胆嚢の粘膜層は、胆嚢壁の最内層であり、胆汁を濃縮する。漿膜は、臓側腹膜に由来し、胆嚢の前部基底部、本体、及び頸部を覆う。漿膜の内側では、単一の筋層が固有層を覆う。胆嚢の内腔の内側を覆う粘膜は、ムチンを分泌し、複数のイオンチャネルの作用を介して胆汁を脱水する円柱上皮細胞から構成されている。時折、粘膜の嚢(ロキタンスキー・アショッフ結節として知られている)は、胆嚢壁のより深い層内に延在する。
【0012】
胆嚢は、肝臓によって産生される胆汁を貯蔵及び濃縮し、貯蔵された胆汁を小腸内に解放し、小腸において胆汁は食物中の脂肪の消化を助ける。胆汁は、肝臓内の肝細胞によって作られ、その後、肝内管に合体する肝小管に分泌される。これらの管は、収束して左右の肝管を形成し、次いで、これらの肝管は、総胆管に合流する。総胆管は、十二指腸壁内のファーター膨大部のすぐ近位で膵管と接合する。肝細胞によって産生された胆汁は、胆道系を通って十二指腸管腔内に流れ、消化を補助する。
【0013】
十二指腸管腔内への流れは、オッディ括約筋によってファーター膨大部のレベルで調節される。消化のために胆汁が必要とされない非摂食状態の間、括約筋は閉鎖され、貯蔵のために胆嚢への胆汁の経路指定をもたらす。貯蔵中、胆汁は過飽和になり、胆石及びスラッジ(非常に小さい胆石)の形成のための病巣を提供する。胆石の大部分は、主にコレステロール(典型的には>80%)からなる「褐色石」である。これらの石は脆く、容易に粉砕される傾向がある。少数の石は主にビリルビンである(「黒色石」、<20%コレステロール)であり、より硬いことが多い。混合石は、可変量のビリルビン及びコレステロールを含有する。
【0014】
胆嚢の内腔に残る可動性胆石は、様々な病状を引き起こす可能性がある。場合によっては、胆石は、胆嚢の頸部でつかえ、胆嚢管を閉塞する。つかえた胆石は、胆嚢膨張及び間欠性右上腹部不快感(増大した圧勾配に対して空にしようとする器官での壁内筋痙縮から生じる可能性が高い)、症候性胆石症として知られる状態を引き起こす。場合によっては、胆石は胆嚢出口でより持続的につかえるようになり、炎症及び感染をもたらす。これは、胆嚢炎として知られる状態であり、全身感染に進行し得るので、緊急の介入を必要とする。
【0015】
代替的に、又は組み合わせて、胆石又はスラッジは、胆嚢管を通過し、総胆管においてつまり、胆汁の流れを遮断し、上行性胆管炎として公知の潜在的に生命を脅かす状態をもたらす。いくつかの実施形態では、デブリは、膵管及び総胆管の合流点でつまり、膵液分泌の停滞を引き起こし、膵炎(膵臓の炎症)をもたらす。
【0016】
胆石症において、胆嚢における胆汁の過飽和は、胆石の形成をもたらす。場合によっては、衝突した胆石は、胆嚢の炎症、疼痛及び感染をもたらす。胆嚢が炎症を起こすと、胆嚢の粘膜層がより目立つようになる。場合によっては、胆石は、超音波又は他の撮像方法によって診断される。本明細書で提供されるのは、医療費及び患者の罹患率を低減するために、症候性胆石を患う患者において低侵襲的に良性胆嚢疾患を最終的に治療するように構成された方法及びデバイスである。
【0017】
腹腔鏡下胆嚢摘出術は、胆石疾患の治療であり、一般的に行われる一般外科処置である。腹腔鏡下胆嚢摘出術の間、小さな切開が下腹部に作られ、カメラ及び小さな器具を用いて胆嚢の除去を容易にする。この処置は、他の点では健康な患者において安全であり、入院を必要としないことが多い。合併症のない症例では、患者は2週間以内に仕事に戻ることが多い。
【0018】
多くの患者集団において、腹腔鏡下胆嚢摘出術に関連付けられた外科的リスクはかなり高い。場合によっては、これらの集団は、重篤状態の患者、慢性疾患及び以前の手術による腹部内瘢痕を有する患者、並びに医学的共存症のより高い発生率を有する傾向がある高齢患者を含む。そのような集団の1つは、メディケア集団であり、米国では年間約200,000件の腹腔鏡胆嚢切除術を含む。これらの手術の21パーセントは、長期の在院日数及び再入院並びに他の周術期合併症を含む有害な転帰をもたらす。これらの合併症に関連付けられた直接的な費用に加えて、多くの高齢患者は、ベースラインの健康水準に戻らないリスクがあり、それにより、追加の医療費がもたらされる。
【0019】
胆石を治療するための非外科的選択肢が存在する。これらには、抗生物質の投与、又は胆嚢内容物を排出するための胆嚢フィステル形成管の留置、又はこれら2つの組み合わせが含まれる。しかしながら、非外科的選択肢は、長期的な解決策を提供しない。これらの選択肢は、効果的な一時的な手段であり、疾患の原因を治療しない。経皮的胆嚢フィステル形成中、胆嚢フィステル形成管は、胸郭を通して胆嚢内に留置される。経皮胆嚢造瘻術は、インターベンショナルラジオロジー(interventional radiology、IR)施設において、又は患者の病床で行うことができるが、胆石疾患の明確な治療を提供しない。多くの場合、非外科的選択肢は、再発及び更なる入院費用につながる。
【0020】
外科的合併症のリスクが高い胆嚢炎患者の場合、治療は、抗生物質と併用した胆嚢の(経皮的に挿入された胆嚢フィステル形成管を介した)経皮的減圧である。この治療は、患者が進行中の感染(敗血症)の全身的作用から回復し、患者のベースラインの健康状態に戻ることを可能にするための一時的な手段を提供する(医療専門家によって一般に「クーリングオフ」と称される)。胆嚢フィステル形成管は、患者が回復するまで適所に留まる。留置の約6~8週間後、X線透視下で管を通して放射線不透過性造影剤の注入による胆管撮影を行って、胆嚢管が開存しているか(開いているか)どうかを判定する。胆嚢フィステル形成管は、胆嚢が開存している場合に除去される。治療は、胆石疾患の再発率を低下させるような間隔胆嚢摘出術である。胆嚢管と総胆管との間に連通がない場合、胆嚢摘出術が行われるまで、又はその後の胆管撮影で開存性が実証されるまで、管は適所に留まる。高リスク患者に利用可能な決定的な治療はなく、患者は、疾患再発のリスクがあり、関連付けられた臨床的リスク及び医療費にさらされる。
【0021】
アブレーション技術は、他の疾患を治療するために使用されてきた。例えば、アブレーションは、食道化生及び子宮内膜増殖症の治療に使用されている。しかしながら、アブレーション技術は、胆石疾患を治療するために容易に利用可能ではない。アブレーション技術は、多くの場合、神経などの小さい標的領域に適用され、典型的には、拡散領域又は組織若しくは器官に適用するために使用されない。本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、胆嚢のアブレーション及び非機能化に関し、特に、胆嚢を安全かつ効率的にアブレーションするように設計されている。
【0022】
図1は、実施形態による、例示的なアブレーションシステム100の概略図である。アブレーションシステム100は、制御ユニット110と、カテーテルシステム又はアブレーションカテーテル150と、アブレーション媒体供給部120と、を含む。制御ユニット110は、アブレーションシステム100の1つ以上の構成要素の動作を制御することができる。
【0023】
制御ユニット110は、アブレーション媒体の供給を提供するアブレーション媒体供給部120に動作可能に結合することができる。例えば、制御ユニット110は、体内腔(例えば、胆嚢内腔)内へのアブレーション媒体の送達を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アブレーション媒体は、低温アブレーション媒体である。いくつかの実施形態では、低温アブレーション媒体は、液体である。いくつかの実施形態では、低温アブレーション媒体は、ガスである。いくつかの実施形態では、低温アブレーション媒体は、本明細書に開示されるシステム及びデバイスを使用して送達されるとき、液相から気相への転移を起こす。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーションは、液体亜酸化窒素、二酸化炭素、及びアルゴンなどのアブレーション媒体からの液相から気相への変化による冷媒特性を介して達成される。いくつかの実施形態では、低温アブレーション媒体は、亜酸化窒素、窒素、二酸化炭素、又はアルゴンのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、低温アブレーション媒体は、第1の状態(例えば、液体)から第2の状態(例えば、ガス)に転移し、転移中に低温媒体の元の体積の約600倍まで増加することができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット110は、アブレーション媒体の温度、圧力などのうちの1つ以上を制御することができる。いくつかの実施形態では、低温アブレーション媒体などのアブレーション媒体は、低温アブレーション媒体が本明細書に開示されるシステム及びデバイスと共に使用されるとき、約-120℃~約0℃の範囲であり、その間の全ての値及び部分範囲を含む。いくつかの実施形態では、アブレーション媒体供給部120は、寒剤カートリッジであり得る。
【0024】
制御ユニット110は、任意選択的に、真空源140(例えば、真空又は吸引ポンプ、吸引器など)に結合され得る。いくつかの実施形態では、制御ユニット110は、真空源140を制御して、カテーテルシステム150のチャネル又は管腔に真空を適用し、例えば、体内腔(例えば、胆嚢内腔)内からアブレーション媒体を除去又は排出することができる。例えば、制御ユニット110は、真空源140を起動させて、カテーテルシステム150の管腔内に負圧を適用して、体内腔に送達された低温アブレーション媒体などのアブレーション媒体の一部分を排出することができる。代替的に、いくつかの実施形態では、アブレーションシステム100は、真空源140を含まず、アブレーション媒体は、体内腔の内部と外部環境との間の圧力差によって駆動される受動的排出を介して、体内腔から排出され得る。例えば、低温アブレーション媒体などのアブレーション媒体が体内腔内に送達されるとき、アブレーション媒体は、体内腔の外部環境(例えば、外部大気)に対して体内腔内の圧力を増加させることができ、その圧力差は、例えば、カテーテルシステム150によって画定された管腔を介して、体内腔からのアブレーション媒体の一部分の排出を駆動することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、制御ユニット110は、1つ以上のセンサ(例えば、圧力センサ、温度センサ)を含むか、又はそれに動作可能に結合され得、1つ以上のセンサによって収集されたデータに基づいて、アブレーションシステム100の1つ以上の構成要素を動作させるか、又は制御することができる。例えば、制御ユニット110は、圧力センサに結合することができ、圧力センサからの測定値に基づいて、(例えば、アブレーション媒体供給部120からの)アブレーション媒体の送達及び(例えば、真空源140を使用する)アブレーション媒体の排出を制御して、体内腔内の圧力を所定の圧力範囲内に維持することができる。別の言い方をすれば、制御ユニット110は、内腔内の圧力が所定の圧力範囲内に維持されるように、体内腔の送気を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、所定の圧力範囲は、50mmHg未満、又は100mmHg未満である。いくつかの実施形態では、所定の圧力範囲は、約0mmHg~約40mmHg、又は約30mmHg~約40mmHgである。いくつかの実施形態では、制御ユニット110は、1つ以上の弁に動作可能に結合され得、制御ユニット110は、アブレーション媒体の送達又は排出を可能にし、かつ/又は終了させるように制御することができる。好適な弁の例は、参照により本明細書に組み込まれる国際出願第US2020/045436号に記載されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、制御ユニット110及び/又はアブレーションシステム100の他の構成要素は、任意選択的に、1つ以上の追加の計算デバイス190に結合され得る。計算デバイス190は、特定の機能を稼働及び/又は実行するように構成された任意の好適な処理デバイスであり得る。1つ以上の計算デバイス190は、例えば、コンピュータ、ラップトップ、ポータブルデバイス、モバイルデバイス、又はプロセッサ、メモリ、及び/若しくは入力/出力デバイスを含む他の好適な計算デバイスを含み得る。例えば、制御ユニット110は、ユーザ(例えば、医師、管理者など)がアブレーションシステム100の1つ以上の動作パラメータを制御することができる、ワークステーションなどの遠隔計算デバイスに結合され得る。制御ユニット110及び1つ以上の計算デバイス190は、例えば、ネットワークを介して、1つ以上の他の計算デバイス190からデータを送信及び/又は受信するように構成され得る。例えば、制御ユニット110は、遠隔デバイスがその情報をユーザ(例えば、医師)に提示することができるように、警告及び/又は他の情報を遠隔デバイス(例えば、ディスプレイ、モバイルデバイス)に送信することができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット110は、患者情報、アブレーションシステム100の1つ以上の構成要素の動作状態などのデータを送信することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、制御ユニット110、アブレーション媒体供給部120、及び/又はアブレーションシステム100の他の構成要素は、カテーテルシステム150の近位端に取り付けられるハンドヘルドデバイスに統合され得る。ハンドヘルドデバイスは、1つ以上の入力及び/又は出力デバイス(例えば、ボタン、スイッチ、キーボード、タッチスクリーン、ディスプレイなど)を含むことができ、それを通して、アブレーションシステム100のオペレータは、アブレーション処置を行うようにアブレーションシステム100の動作を制御することができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット110は、カテーテルシステム150から遠隔であり得、遠隔オペレータは、アブレーション処置を行うようにアブレーションシステム100の1つ以上の構成要素を制御することができる。
【0028】
カテーテルシステム150は、生体構造の外科的除去を必要とせずに、生体構造(例えば、胆嚢)の部分を瘢痕化し、非機能化するために、体内腔(例えば、胆嚢内腔)内に経皮的に挿入され得る。カテーテルシステム150は、インターベンショナルラジオロジー(IR)施設において、局所麻酔と共に使用することができ、高リスク手術患者における全身麻酔に関連付けられたリスクを排除する。デバイスの留置は、既存のIRワークフローを活用し、既存のデバイスと同様に展開することができる。例えば、胆嚢内腔内に留置する場合、このような留置は、胆嚢フィステル形成管又は経皮胆嚢ドレナージ管と同様であり得る。
【0029】
図2図4は、いくつかの実施形態による、例示的なカテーテルシステム250の部分の概略図を提供する。カテーテルシステム250は、カテーテルシステム150と構造的かつ/又は機能的に同様であり得る。例えば、カテーテルシステム250は、制御ユニット(例えば、制御ユニット110)に結合され、かつ/又はアブレーション媒体供給部(例えば、アブレーション媒体供給部120)からアブレーション媒体を受容するように構成され得る。カテーテルシステム250は、外側シャフト260及び内側シャフト270を含み得る。内側シャフト270は第1のシャフトとも称され得、外側シャフト260は第2のシャフトと称され得る。いくつかの実施形態では、外側シャフト260及び内側シャフト270は、例えば、アブレーション処置を行うために一緒に使用される別個の構成要素であり得る。例えば、外側シャフト260は、アクセスシース又は導入器として実装することができ、内側シャフト270は、導入器の管腔内に挿入可能なカテーテルとして実装することができる。いくつかの実施形態では、外側シャフト260及び内側シャフト270は、単一カテーテルデバイス、例えば、2つの同心シャフトを有するデバイスに統合され得る。
【0030】
図2は、外側シャフト260の詳細図を提供する。外側シャフト260は、例えば、アクセスシースであり得る。外側シャフト260は、管腔262を画定することができる。管腔262は、例えば、内側シャフト270を含む、1つ以上の器具を受容するように構成され得る。外側シャフト260は、体内腔BL(例えば、胆嚢内腔)へのアクセスを提供するように構成され得る。例えば、外側シャフト260の遠位端は、図4に概略的に示されるように、体内腔BL内に位置決めされ得る。体内腔BLの内側に位置決めされると、外側シャフト260は、例えば、管腔262を介して、体内腔BL内への1つ以上の器具の送達を可能にすることができる。例えば、図4に示されるように、内側シャフト270は、外側シャフト260の管腔262内に挿入され、内側シャフト270の遠位端が体内腔BLの内側に位置決めされるように、体内腔BL内にナビゲートされ得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、管腔262は、流体(例えば、液体又はガス)及び/又はデブリ(例えば、胆石又はその断片、組織など)を体内腔BL内から排出又は排水するように構成され得る。例えば、管腔262は、体内腔BLに送達されたアブレーション媒体(例えば、低温アブレーション媒体)が体内腔BLから排出されることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、管腔262は、真空源240に動作可能に結合され得、真空源240は、流体を体内腔BL内から排出するために管腔262内に負圧を適用するように起動され得る。代替的に、管腔262は、流体が体内腔BLから出るための受動的排出通路として機能することができる。例えば、アブレーション媒体が体内腔BL内に送達され、圧力がシャフト260の外部に対して体内腔BL内で増加すると、そのような圧力は、管腔262を介して体内腔BLからアブレーション媒体の一部分を受動的に駆動することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、外側シャフト260は、1つ以上の追加の管腔、例えば、管腔264を画定することができ、これは、管腔262と構造的かつ/又は機能的に類似し得る。例えば、管腔264はまた、体内腔BL内へのアクセスを提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、管腔262は、内側シャフト270を受容するように構成され得、管腔264は、異なる手術及び/又は監視デバイス(例えば、プローブ、第2のアブレーションデバイスなど)を受容するように構成され得る。いくつかの実施形態では、管腔262、264のうちの1つ以上は、体内腔BL及び/又は身体の他の部分の圧力測定を可能にするように、センサ(例えば、圧力センサ)に流体的に結合され得る。例えば、制御ユニット(例えば、制御ユニット110)に統合されたセンサは、管腔262、264のうちの1つ以上と流体連通し、外側シャフト260及び/又は体内腔BL内の環境の測定(例えば、圧力測定)を行うことができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、外側シャフト260は、センサ263を任意選択的に含む。いくつかの実施形態では、センサ263は、体内腔BL内に配設されるように構成されている外側シャフト260の遠位部分に位置し得る。代替的に、センサ263は、例えば、管腔(例えば、管腔262、264)内、外側シャフト260の近位端などを含む、外側シャフト260に沿った異なる場所に配設され得る。センサ263は、体内腔BL内の環境、又は外側シャフト260内及び/若しくは外側シャフト260を取り囲む他の環境に関する情報を捕捉するように構成され得る。例えば、センサは、体内腔BLに送達されているアブレーション媒体の特性(例えば、圧力、温度)、体内腔BLの特性(例えば、圧力、温度)、又は体内腔BL内の流体などを測定するように構成され得る。センサ263は、例えば、圧力センサ(例えば、圧力トランスデューサ、ひずみゲージトランスデューサ、ダイヤフラム変位センサ、光ファイバ圧力センサ、固体センサ)、温度センサ、光センサ、ガスセンサなどを含み得る。いくつかの実施形態では、センサ263は、例えば、外側シャフト260に結合され、かつ/又は外側シャフト260内に配設されたワイヤなどの有線接続を介して、制御ユニット(例えば、制御ユニット110)及び/又は他の計算デバイス(例えば、計算デバイス190)に結合され得る。いくつかの実施形態では、センサ263は、例えば、体内腔BLの1つ以上の測定された特性を示すデータを制御ユニット及び/又は別の計算デバイスに無線で伝送するように構成され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、外側シャフト260は、外側シャフト260の遠位端にテーパ状部分又はテーパ状端を含み得る。いくつかの実施形態では、拡張器は、外側シャフト260の管腔(例えば、管腔262)内に挿入され、外側シャフト260の体内腔BL内への挿入を補助することができる。拡張器は、拡張器の遠位端が外側シャフト260から遠位に延在するように、管腔内に位置決めされ得る。そのような場合、外側シャフト260のテーパ状端は、BL内への挿入中にデバイスの外形に突然の段差を有するのではなく、体内腔BL内への挿入を補助する体内腔ために、外側シャフト260から拡張器の外面への円滑な移行を形成することができる。拡張器を外側シャフト260と共に使用することに関する更なる詳細は、図6A図6Bを参照して提供される。
【0035】
いくつかの実施形態では、外側シャフト260は、体内腔BL内で展開され得る、例えば、非展開状態又は構成から展開又は拡張状態又は構成に移行され得る、拡張可能な構造体又は本体266を含む。拡張可能な構造体266は、外側シャフト260と体内腔BLとの間の移動を防止し、かつ/又はシールを生成するように構成され得る。使用時、外側シャフト260は、外側シャフト260の遠位端が開口部を通して体内腔BL内に位置決めされるまで、例えば、ガイドワイヤに沿って前進することができる。次いで、拡張可能な構造体266は、図2において矢印290によって概略的に示されるように、展開(例えば、拡張、膨張)され得る。展開されると(例えば、展開状態になると)、拡張可能な構造体は、外側シャフト260が留置された開口部の直径よりも大きい直径を有し、したがって、外側シャフト260を体内腔BL内に保持するように構成され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体266は、膨張可能バルーン、形状記憶構造体(例えば、展開可能ニチノール構造体)などを含む。いくつかの実施形態では、展開状態の拡張可能な構造体266は、外側シャフト260の外径よりも約1.5倍~約3倍大きい外径を有し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体266は、外側シャフト260の一部分の圧縮及び/又は外側シャフトに対する内側シャフトの移動を介して、非展開状態から展開状態に移行することができる。例えば、拡張可能な構造体266は、2つの境界リングの間の外側シャフト260の長さに沿った領域内で境界付けられ得、拡張可能な構造体266は、2つの境界リングを互いに近づけると展開(例えば、拡張)することができる。いくつかの実施形態では、外側シャフト260は、複数の同心管又は管状部材から形成されているか、又はそれを含むことができ、例えば、内側管状部材を外側管状部材に対して並進させて、拡張可能な構造体266の端を互いに近づけて、拡張可能な構造体266を拡張する(例えば、拡張可能な構造体266を展開する)ことができる。そのような実施形態では、拡張可能な構造体266の少なくとも一端(例えば、近位端)は、外側管状部材に結合され得、拡張可能な構造体266の他端(例えば、遠位端)は、内側管状部材に結合され得、外側管状部材に対する内側管状部材の並進は、拡張可能な構造体266の拡張又は展開を引き起こすことができる。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体266は、その展開状態に拡張するように予め成形され得る。例えば、拡張可能な構造体266は、張力下で保持され(例えば、外側スリーブ若しくは管状部材によってその非展開状態で保持されるか、又は管状部材若しくはプルワイヤによって外側シャフト260の外面に沿って平坦に引き伸ばされ)、解放されると、その展開状態に自己拡張することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体266は、織られた又は編まれたパターンで配置された細長い部材(例えば、バンド、繊維、ワイヤ、スプライン)を含み得る。いくつかの実施形態では、細長い部材は、拡張可能な構造体266が非展開状態から展開状態に移行すると、球状形状を形成するように曲げられ得る。いくつかの実施形態では、細長い部材の一端を細長い部材の他端に対して直線的に圧縮することにより、拡張可能な構造体266を外向きに拡張させて、拡張した直径を有する幾何学形状を生成することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体266は、非展開状態と比較して、展開状態でより大きい直径を有することができる。この拡張は、体内腔BLからの拡張可能な構造体266の意図しない除去を阻止するのを補助することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体266は、ニチノール、ステンレス鋼、ポリマー、又は高張力緩和を有する任意の好適な材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体266は、例えば、形状記憶ニチノールなどの形状記憶材料から形成され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体266は、アブレーションカテーテル250が配設されている開口部を封止するシールとして機能することができる。シールとして実装された好適な拡張可能な構造体266の更なる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる国際出願第US2019/017112号に記載されている。
【0039】
2つの管腔(例えば、管腔262、264)が図2に示されているが、外側シャフト260は、単一の管腔及び/又は3つ以上の管腔を含む、任意の数の管腔を含み得ることが理解され得る。外側シャフト260はまた、本明細書に記載の実施形態による、追加のセンサ、拡張可能な構造体などを含み得る。
【0040】
図3は、管腔262内に配設された内側シャフト270のより詳細な図を提供する。内側シャフト270は、矢印291によって示されるように、軸方向の移動(例えば、外側シャフト260の長手方向軸に沿った並進)を介して、外側シャフト260及び管腔262から展開され得る。内側シャフト270は、例えば、アブレーション送達デバイス又はアブレーションカテーテルであり得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、冷凍アブレーションデバイスの一部分を形成し、低温アブレーション媒体を体内腔BL内に送達するように構成され得る。内側シャフト270は、体内腔BL内の細胞を死滅させることができるアブレーションエネルギー又はアブレーション媒体を提供するように構成され得る。例えば、内側シャフト270は、胆嚢内腔の粘膜層内の細胞を死滅させる、胆嚢管の内側を覆う細胞を死滅させる、又はこれらの任意の組み合わせを行うことができるアブレーションエネルギー又はアブレーション媒体を提供するように構成され得る。アブレーションエネルギー又は媒体は、例えば、化学薬剤(例えば、抗生物質、液体硬化剤、テトラデシル硫酸ナトリウム、酢酸、エタノール、高張塩化ナトリウム液、尿素)、低温アブレーション媒体(例えば、低温液体又はガス)、熱アブレーション、電気アブレーションなどを含み得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、複数のタイプのアブレーションエネルギー又は媒体を送達するように構成され得る。内側シャフト270は、空間的に拡散するアブレーションを提供するように構成され得る。別の言い方をすれば、内側シャフト270は、体内腔BLの大きな領域をアブレーションするアブレーションを提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、胆嚢粘膜を非機能化するため、胆嚢管のアブレーション若しくは硬化のため、又はそれらの任意の組み合わせのためにアブレーションを送達するように構成され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、熱アブレーション、冷凍アブレーション、化学アブレーション、又はそれらの任意の組み合わせを送達するように構成され得る。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーションは、液体窒素などの低温流体を胆嚢の壁に送達することを伴う。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーションは、相変化に起因して低温を誘発する、亜酸化窒素又は二酸化炭素などのアブレーション媒体を胆嚢壁に送達することを伴う。いくつかの実施形態では、熱アブレーションは、例えば、温水又は蒸気などの高温流体を胆嚢の壁に送達することを含む。いくつかの実施形態では、アブレーティブ媒体は、液体形態、ガス形態、エアロゾル形態、ゲル形態、又はそれらの任意の組み合わせで送達される。
【0042】
内側シャフト270は、管腔272を画定することができる。管腔272は、例えば、アブレーション媒体供給部120から、体内腔BL内に配設可能なノズル274にアブレーション媒体を送達するように構成され得る。ノズル274は、アブレーション媒体を体内腔BL内に解放するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ノズル274は、体内腔BL全体にアブレーション媒体を散布するための複数の開口部又は開窓を含み得る。いくつかの実施形態では、管腔272及びノズル274は、液体状態の低温アブレーション媒体を体内腔BL内に搬送するように構成され得る。管腔272及びノズル274は、アブレーション媒体がノズル274の開口部を出るまで、媒体が液体からガスへの転移を起こさないように、低温アブレーション媒体上に設定量の圧力を維持する寸法で構成され得る。別の言い方をすれば、管腔272及びノズル274は、液体状態の低温アブレーション媒体をノズル274の開口部に搬送するように構成され得、その時点で、体内腔BL内への低温アブレーション媒体の解放により、液体状態からガス状態への低温アブレーション媒体の変化をもたらす。いくつかの実施形態では、内側シャフト270の管腔272は、約0.001インチ~約0.1インチの直径を有し得、その間の全ての値及び部分範囲を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、拡張可能な構造体又は本体276を含み得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体は、ノズル274の周りに配設され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体276は、ノズル274が体内腔BL内の中心に置かれるように、体内腔BL内で拡張することができる。換言すれば、拡張可能な構造体276は、ノズル274の中心から体内腔BLの壁までの半径方向距離が、全ての半径方向において一貫しているか、又はほぼ一貫しているように、所望の直径まで外向きに拡張することができる。この一貫した間隔又はセンタリングは、ノズル274と体内腔BLの近くの組織との間の最小半径方向距離及び/又は体内腔BLを通るアブレーション媒体のより均一な散布を確実にすることができる。これは、内腔組織のアブレーションを可能にする一方で、アブレーション媒体が、組織のセクションからの範囲に近すぎない(例えば、固着又は穿孔リスクを生じる)、又は範囲から遠すぎない(例えば、アブレーションの有効性を低減する)ことを確実にすることができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体276の外形及び/又は熱質量は、ノズル274から体内腔BLの表面へのアブレーション媒体のより効率的な通過を可能にするように、最小限に抑えられ得る。換言すれば、拡張可能な構造体276が吸収又は放射することができる熱エネルギーの物理的サイズ及び量の両方を低減するか、又は最小限に抑えることで、アブレーション中の熱伝達の効率を改善することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体276は、ニチノール、ステンレス鋼、ポリマー、又は高張力緩和を有する任意の好適な材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体276の材料は、カテーテルシステム250の冷却性能を著しく変更することなく低温に耐える材料の能力に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体276の使用は、冷凍アブレーションバルーンカテーテルとは対照的に、拡張可能な構造体276と体内腔BLとの間の有意な並置力の生成を回避することができる。これは、体内腔BLの内容物及び幾何学形状にあまり敏感でない、より効果的な冷却方法を生成することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体276は、内側シャフト270が体内腔BLから除去され得るように、つぶれ可能又は後退可能であり得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体276は、ノズル274の外側の周りの体内腔BLの壁の等距離又はほぼ等距離の半径方向間隔を確実にするために、半径方向に対称であり得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体276は、内側シャフト270の一部分の圧縮及び/又は内側シャフト270の別の部分に対する内側シャフト270の一部分の移動を介して、非拡張状態(例えば、非展開状態)から拡張状態(例えば、展開状態)に移行することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体276は、織られた若しくは編まれたパターンで配置された、又は内側シャフト270の長さに沿って個々に配置された細長い部材(例えば、バンド、ワイヤ、繊維、スプライン)を含み得る。例えば、拡張可能な構造体276は、概して内側シャフト270の長さに沿って延在する1つ以上の細長い部材を含み得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体276は、単一の拡張可能な細長い部材を含み得るが、他の実施形態では、拡張可能な構造体は、2~20個(その間の全ての値及び部分範囲を含む)の細長い部材を含み得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体276の遠位端は、拡張可能な構造体276のより近位の点に向かって移動することができ、拡張可能な構造体276を拡張させる、すなわち、非展開状態又は構成から展開状態又は構成に移行させる。いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、拡張可能な構造体276を拡張及び収縮させるように、スリーブ又は管状部材(図示せず)に対して移動することができる。例えば、スリーブは、拡張可能な構造体276を非展開状態に保持するために使用することができるか、又はスリーブは、拡張可能な構造体276の一端(例えば、近位端)を拡張可能な構造体276の他端(例えば、遠位端)に対して移動させて、拡張可能な構造体276をその拡張状態に拡張することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体276は、ワイヤ又はバンドがアブレーションカテーテル250の近位端から前進及び後退することができるように、内側シャフト270の長さに沿って延在する複数のワイヤ又はバンドを含むことができる。そのような前進及び後退は、拡張可能な構造体276を展開及び展開解除するために使用され得る。拡張可能な構造体276の機構の更なる詳細は、例えば、図13A図13C及び図32A図32Cを含む、後の図を参照して説明される。
【0047】
いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、任意選択的に、弁278を含み得る。弁278は、体内腔BL内へのアブレーション媒体の送達を制御するように構成され得る。例えば、弁278は、ノズル274へのアブレーション媒体の供給をオンにするか、又は遮断にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、制御ユニット(例えば、制御ユニット110)は、弁278の開放及び/又は閉鎖を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、(例えば、上述したように、ハンドヘルドデバイスに結合された)機械的アクチュエータが、弁278を開放及び/又は閉鎖するために使用され得る。いくつかの実施形態では、弁278は、体内腔BL内の圧力が所定の閾値よりも大きいことに応答して(例えば、自動的に、かつ/又は制御ユニットによる制御を介して)閉鎖するように構成され得る。いくつかの実施形態では、センサ(例えば、内側又は外側シャフト260、270上に配設されたセンサ、及び/又は制御ユニット110に結合されたセンサ)は、体内腔BL内の圧力を測定し、弁278を開放及び/又は閉鎖するように制御するために使用され得る。いくつかの実施形態では、弁278は、体内腔BLと排出管腔(例えば、管腔262)との間の圧力差に応答して閉鎖するように構成され得、例えば、遮断物又は閉塞物が排出経路に沿って形成されたことを示す。例えば、複数のセンサは、カテーテルシステム250及び/又は体内腔BLに関連付けられた異なる圧力を測定するように構成され得、制御ユニット(例えば、制御ユニット110)は、予期せぬ障害物が体内腔BL内への、かつ/又は外への任意の流体流路を隔離したときをそのような圧力測定値がいつ判定するかを分析するように構成され得る。
【0048】
上述したように、いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、冷凍アブレーションデバイスであるか、又はその一部を形成し、低温アブレーション媒体を体内腔BL内に送達するように構成され得る。冷凍アブレーションデバイスは、特定の冷凍アブレーション媒体(例えば、液体亜酸化窒素)の相変化特性を活用して、標的組織界面において冷凍アブレーション温度を誘発することができる。このような低温アブレーション媒体は、液体からガスに転移するとき、体積が膨張し、体内腔BL内の圧力の増加を引き起こすことができる。したがって、本明細書に開示されるシステム及びデバイスを設計する際の1つの重要な考慮事項は、アブレーション処置中の体内腔BL内の腔内圧の監視及び制御にある。例えば、本明細書に開示されるシステム及びデバイスは、腔内圧が、所定の閾値を上回って増加せず、かつ/又は所定の範囲内にあることを確実にするように構成され得る。腔内圧の増加(例えば、所定の閾値を上回る圧力、又は所定の率を上回る圧力の突然の変化)がある場合、本明細書に開示されるシステム及びデバイスは、空気、ガス状冷凍アブレーション媒体、及び/又は他の流体を体内腔BL内から排出し、腔内圧を低減させるように構成され得る。そのような場合、カテーテルシステム250内(例えば、内側シャフト270の管腔272内)及び/又はカテーテルシステム250内への供給ラインの任意の低温アブレーション媒体が、カテーテルシステム250(例えば、ノズル274)から体内腔BL内に出ないことを確実にすることが重要であり得、圧力増加に更に加わる。したがって、圧力増加事象(例えば、所定の閾値を上回る圧力、又は所定の率体内腔を上回る圧力の突然の変化)の検出に応答して、BL内に送達される残留低温アブレーション媒体の量を最小限に抑えるか、又は低減することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、弁278を使用して、体内腔270内に送達される残留低温アブレーション媒体の量を低減することができる。弁278は、弁278が、閉鎖時に、管腔272及び/又はノズル274につながる他の通路内の任意の残留又は過剰アブレーション媒体が体内腔BL内に送達されることを防止するように、ノズル274に又はその近くに位置決めされ得る。
【0049】
弁278は、任意の範囲の好適な機構を含み得る。いくつかの実施形態では、弁は、その静止状態で閉鎖され得るが、アブレーション媒体が体内腔BL内に送達されることを可能にするように開放され得る。代替的に、弁278は、その静止状態で開放され得、追加のアブレーション媒体が体内腔BL内に送達されることを防止するように閉鎖され得る。いくつかの実施形態では、弁278は、ばね機構を使用して、閉鎖され、かつ/又は開放されるように付勢され得る。弁278は、例えば、立方体、円錐、円筒、三角柱、トーラス、螺旋、卵形、又はアブレーション媒体流を妨げるのに十分な構造を有する他の三次元体を含む、任意の好適な幾何学形状を有することができる。いくつかの実施形態では、弁278は、内側シャフト270内(例えば、管腔272内)に画定された弁座に対して着座され得る。いくつかの実施形態では、弁278は、手動で、又は制御デバイス(例えば、制御デバイス110)を介して、駆動ワイヤ若しくはロッド、空気圧若しくは油圧、電磁力、及び/又はモータを用いて作動されて、開放及び/又は閉鎖することができる。好適な弁の例は、参照により本明細書に組み込まれる国際出願第US2020/045436号に記載されている。
【0050】
いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、センサ273を任意選択的に含む。いくつかの実施形態では、センサ273は、体内腔BL内に配設されるように構成されている内側シャフト270の遠位部分に位置し得る。代替的に、センサ273は、例えば、管腔(例えば、管腔272)内、内側シャフト270の近位端などを含む、内側シャフト270に沿った異なる場所に配設され得る。センサ273は、体内腔BL内の環境に関する情報を捕捉するように構成され得る。例えば、センサ273は、体内腔BLに送達されているアブレーション媒体の特性(例えば、圧力、温度)、体内腔BLの特性(例えば、圧力、温度)、又は体内腔BL内の流体などを測定するように構成され得る。センサ273は、例えば、圧力センサ(例えば、圧力トランスデューサ、ひずみゲージトランスデューサ、ダイヤフラム変位センサ、光ファイバ圧力センサ、固体センサ)、温度センサ、光センサ、ガスセンサなどを含み得る。センサ273は、有線又は無線接続を介して、制御ユニット(例えば、制御ユニット110)及び/又は他の計算デバイス(例えば、計算デバイス190)にデータ(例えば、センサ測定値)を通信することが可能であり得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、任意選択的に、1つ以上の追加の管腔を含み得る。いくつかの実施形態では、管腔は、体内腔BL及び/又はカテーテルシステム250の他の部分から圧力情報又は他の条件(例えば、温度)を中継するための通路として構成され得る。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム250は、図22を参照して更に説明されるように、任意選択的に、閉塞器を含み得る。単一の管腔(例えば、管腔272)が図3に示されているが、内側シャフト270は、単一の管腔及び/又は3つ以上の管腔を含む、任意の数の管腔を含み得ることが理解され得る。内側シャフト270はまた、本明細書に記載の実施形態による、追加のセンサ、弁、ノズルなどを含み得る。
【0052】
図4は、体内腔BL内に位置決めされた内側シャフト270及び外側シャフト260の詳細図を提供する。内側シャフト270は、外側シャフト260の管腔262内に配設することができる。内側シャフト270の外面と管腔262の内面との間の間隔は、体内腔BLからガス及び/又は他の流体(例えば、体内腔BLからのアブレーション媒体)を除去するための排出管腔又は通路を画定することができる。
【0053】
外側シャフト260及び/又は内側シャフト270は、可撓性及び/又は半可撓性の材料で形成することができ、これにより、例えば、ガイドワイヤに沿って、各々を体内腔BLにナビゲートすることができる。材料は、医療グレードの生体適合性材料であり得る。内側シャフト270は、矢印294によって示される軸方向で体内腔BL内に展開され得る。外側シャフト260の拡張可能な構造体266及び内側シャフト270の拡張可能な構造体276は、矢印292によって示されるように、半径方向に展開され得る。
【0054】
図5は、いくつかの実施形態による、例示的な制御ユニット310の概略図である。制御ユニット310は、図1を参照して説明されるように、制御ユニット110と構造的かつ/又は機能的に同様であり得る。例えば、制御ユニット310は、アブレーションシステム及び/又はカテーテルシステム(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250)の1つ以上の構成要素を制御するように構成され得る。制御ユニット310は、プロセッサ312、メモリ314、及び入力/出力インターフェース319を含み得る。いくつかの実施形態では、制御ユニット310は、例えば、カテーテルシステムの近位端に結合されているハンドヘルドデバイス内に含まれることによって、カテーテルシステムに結合され得る。いくつかの実施形態では、制御ユニット310は、例えば、遠隔コンピュータデバイス又はシステム上に遠隔に位置することができ、カテーテルシステムの動作を遠隔制御するために使用され得る。
【0055】
制御ユニット310のプロセッサ312は、カテーテルシステムの1つ以上の構成要素を展開すること(例えば、シャフトを前進させるか、又は後退させること、拡張可能な構造体を展開すること、弁を開放及び/又は閉鎖すること)、アブレーション媒体を体内腔内に送達すること、カテーテルシステムを伴うアブレーション処置に関連付けられたセンサデータを分析すること、体内腔内の温度及び/又は圧力を制御することなどに関連付けられた機能を稼働及び/又は実行するように構成された任意の好適な処理デバイスであり得る。プロセッサ312は、モジュール、機能、及び/又はプロセスを実行するように構成され得る。プロセッサ312は、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)などであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ312は、例えば、集積回路などの回路の一部である。いくつかの実施形態では、例えば、1つ以上のセンサを含む、アブレーションシステムの1つ以上の他の構成要素が、回路に統合され得る。
【0056】
入力/出力インターフェース319は、制御ユニット310を1つ以上の外部計算デバイスに接続するためのユーザインターフェース及び/又は通信インターフェースを含み得る。ユーザインターフェースは、入力を受信し、他のデバイス及び/又はデバイスを動作させるユーザ、例えば、カテーテルシステムを動作させるユーザに出力を送信するように構成されている、1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、ユーザインターフェースは、ディスプレイデバイス(例えば、ディスプレイ、タッチスクリーンなど)、オーディオデバイス(例えば、スピーカ又はアラーム)、及び入力を受信し、かつ/又はユーザへの出力を生成するように構成された1つ以上の追加の入力/出力デバイスを含み得る。通信インターフェースは、例えば、1つ以上のネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、広域ネットワーク(wide area network、WAN)、仮想ネットワーク、電気通信ネットワーク)を介して他の計算デバイス(例えば、計算デバイス190)と通信するための、1つ以上の無線及び/又は有線インターフェースを含み得る。
【0057】
メモリ314は、例えば、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、データベース、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM)、電気的消去可能読み出し専用メモリ(electrically erasable read-only memory、EEPROM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)などであり得る。いくつかの実施形態では、メモリ314は、プロセッサ312に、カテーテルシステムの1つ以上の構成要素を展開すること(例えば、シャフトを前進又は後退させること、拡張可能な構造体を展開すること、弁を開放及び/又は閉鎖すること)、アブレーション媒体を体内腔内に送達すること、カテーテルシステムを伴うアブレーション処置に関連付けられたセンサデータを分析すること、体内腔内の温度及び/又は圧力を制御することなどに関連付けられたモジュール、プロセス、及び/又は機能を実行させる命令を記憶する。本明細書で説明される方法は、例えば、メモリ314、又は制御ユニット310に動作可能に結合されたメモリなどの制御ユニット310の電子記憶場所に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実装され得る。いくつかの実施形態では、機械実行可能コード又は機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供される。動作において、コードは、プロセッサ312によって実行され得る。場合によっては、コードは、プロセッサ312によってアクセス及び/又は実行されるためにメモリ314から取り出される。
【0058】
図5に示すように、メモリ314は、プロセッサ312に、排出制御部315、アブレーション媒体供給制御部316、任意選択的に、センサ制御部317、及び/又は任意選択的に、ノズル制御部318として示されるモジュール、プロセス、及び/又は機能を実行させることができる命令を記憶する。排出制御部315、アブレーション媒体供給制御部316、センサ制御部317、及び/又はノズル制御部318は、ハードウェア構成要素に結び付けられている1つ以上のプログラム及び/又はアプリケーションとして実装され得る。例えば、排出制御部315、アブレーション媒体供給制御部316、センサ制御部317、及び/又はノズル制御部318は、アブレーションシステム及び/又はカテーテルシステム(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250)の1つ以上の構成要素によって実装され得る。いくつかの実施形態では、排出制御部315を実行するプロセッサ312は、弁の開放及び/又は真空源の作動を制御して、ガス又は他の流体(例えば、アブレーション媒体)を体内腔から排出することができる。いくつかの実施形態では、アブレーション媒体供給制御部316を実行するプロセッサ312は、カテーテルシステムを介して体内腔内にアブレーション媒体を送達するように、弁の開放及び/又はアブレーション供給源の動作を制御することができる。いくつかの実施形態では、センサ制御部317を実行するプロセッサ312は、1つ以上のセンサからのデータを受信、処理、及び/若しくは分析し、かつ/又はそのようなデータを使用して、アブレーションシステム若しくはカテーテルシステムの1つ以上の他の構成要素の動作を制御することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、ノズル制御部318は、体内腔(例えば、体内腔BL)内の1つ以上のノズル(例えば、ノズル274)の位置決め又は移動を制御するように実装され得る。いくつかの実施形態では、ノズル制御部318は、アブレーションカテーテル(例えば、内側シャフト270)をその中心軸に沿って回転させて、液体寒剤媒体の均一な又はより分散した送達を増加させるように実装され得る。いくつかの実施形態では、ノズル制御部318は、アブレーションカテーテル及び/又はノズルを作動させて、軸方向又は直線的に移動させ、ノズルからの寒剤の散布を増加させることができる。いくつかの実施形態では、ノズル制御部318は、1つ以上のノズル開口部を開閉するように実装され得る。
【0060】
図6A図6Bは、実施形態による、アブレーション処置中のアブレーション並びに圧力及び/又は温度の管理のための例示的な方法600を示す。いくつかの実施形態では、アブレーション処置は、冷凍アブレーションデバイスを含むアブレーションシステム(例えば、アブレーションシステム100)を使用して実装される冷凍アブレーション処置であり得る。いくつかの実施形態では、アブレーション処置は、胆嚢を非機能化するために胆嚢内で行われる。方法600は、任意選択的に、602で、アブレーションシステムのカテーテルシステム(例えば、カテーテルシステム150、250)の外側シャフト(例えば、外側シャフト260)を体内腔(例えば、胆嚢内腔)内に前進させることを含む。いくつかの実施形態では、超音波撮像が、体内腔を可視化するために使用され得る。いくつかの実施形態では、標準的な針及びガイドワイヤが、経肝アプローチを介して、例えば、セルディンガー法を使用して、体内腔にアクセスするために使用され得る。標的体内腔が胆嚢であるとき、針を通る胆汁の視覚的戻り、及び体内腔の内側でのガイドワイヤカールの蛍光透視確認は、体内腔内のガイドワイヤの適切な留置を検証することを支援することができる。いくつかの実施形態では、外側シャフトは、拡張器が外側シャフトの管腔(例えば、管腔262)内に位置決めされた状態で、ガイドワイヤに沿って前進することができる。いくつかの実施形態では、一連の徐々に大きくなる拡張器は、ガイドワイヤに沿って前進し、体内腔内に管を拡張することができる。管を拡張した後、(例えば、その中に拡張器が挿入された)外側シャフトは、ガイドワイヤに沿って体内腔内に前進することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムの外側シャフトは、内側シャフトを体内腔内に留置する前に、まず体内腔内に留置される別個の管状構造体、例えば、アクセスシース又は導入器であり得る。代替的に、いくつかの実施形態では、外側及び内側シャフトは、体内腔内に同時に留置され得る。いくつかの実施形態では、外側シャフトの留置は、経皮ドレナージ管留置法と同様であり得る。外側シャフトが体内腔内に位置決めされると、拡張器及びガイドワイヤは、以下に更に説明されるように、外側シャフト内の内側シャフトの留置を可能にするために除去され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、胆嚢内腔内に留置することができる。カテーテルシステムによる胆嚢へのアクセスは、経皮的アプローチによって達成することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムのアクセスシース又は外側シャフト760は、図7Aに見られるように、超音波誘導を使用して、経肝経皮アプローチを通して胆嚢2にアクセスする。いくつかの実施形態では、カテーテルデバイスのアクセスシース760は、図7Bに見られるように、超音波誘導を使用して、肝下経皮アプローチを通して胆嚢2にアクセスする。いくつかの実施形態では、経皮的アプローチは、胆嚢フィステル形成ドレーンを留置するために使用される方法と同様である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアクセスシース760は、図7Cに示されるように、胆嚢2に内視鏡的にアクセスする。いくつかの実施形態では、アクセスシース760は、図7Cに示されるように、胆嚢の内腔を小腸の管腔に接続する経壁ストーマを作成することによって、生来の生体構造を利用して、胆嚢2にアクセスする。いくつかの実施形態では、経皮的アクセスは、中空ボア針を使用して得られ、それによって、ガイドワイヤが、針を通して留置され、所望のアクセス場所(例えば、胆嚢管、胆嚢、又はそれらの組み合わせ)への管を生成する。いくつかの実施形態では、アクセスシース760及び内側シャフト又はアブレーションカテーテルは、ガイドワイヤが通過することを可能にするように、同心管腔で構成されている。いくつかの実施形態では、アクセスシース760及びアブレーションカテーテルは、ガイドワイヤが通過することを可能にするように、非同心管腔で構成されている。
【0062】
カテーテルシステムの外側シャフトの遠位端を体内腔内に位置決めした後、方法600は、任意選択的に、604で、外側シャフトの拡張可能な構造体(例えば、拡張可能な構造体266)を展開することを含み得る。拡張可能な構造体を体内腔内で展開することは、外側シャフト(例えば、アクセスカテーテル、導入器)が、アブレーション処置の間、体内腔内に留まるか、又は保持されることを確実にすることができる。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体を展開することは、第1の管状部材を第2の管状部材に対して移動させて、拡張可能な構造体の第1の端を拡張可能な構造体の第2の端に向かって移動させ、それによって拡張可能な構造体を外向きに拡張させることを伴い得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体を拡張することは、(例えば、シース又はプルワイヤを解放することによって)拡張可能な部材にかけられた張力を解放すること、並びに拡張可能な構造体が予め形成された形状に自動的に拡張又は自己拡張することを可能にすることを伴い得る。
【0063】
方法600は、606で、カテーテルシステムの内側シャフト(例えば、内側シャフト270)を体内腔内に前進させることを含み得る。いくつかの実施形態では、拡張器が外側シャフト内に位置決めされ、外側シャフトを体内腔内に前進させた場合、内側シャフトは、拡張器の除去後に前進することができる。内側シャフトは、内側シャフトのノズル(例えば、ノズル274)が外側シャフトの遠位端に対して遠位の体内腔内に配設されるまで前進することができる。内側シャフトは、外側シャフトによって画定された管腔内に内側シャフトを挿入し、内側シャフトの遠位部分が外側シャフトの遠位に配設されるまで、その管腔を通して内側シャフトを前進させることによって、体内腔内に前進することができる。内側シャフトの遠位部分は、アブレーション媒体を体内腔内に送達することができる1つ以上の開口部(例えば、開窓)を含み得る。いくつかの実施形態では、方法600は、任意選択的に、例えば、内側及び/又は外側シャフトを介して、体内腔内の任意の内容物を洗浄及び排水するための生理食塩水の展開を含み得る。例えば、生理食塩水などの流体は、第1の管腔(例えば、内側シャフト270によって画定された管腔272)を介して胆嚢内に送達され得、かつ/又は体内腔内の内容物(例えば、胆嚢内容物)は、第2の管腔(例えば、外側シャフト260によって画定された管腔262)を介して体内腔から排出され得る。
【0064】
方法600は、607で、内側シャフトの拡張可能な構造体(例えば、拡張可能な構造体276)の展開を含む。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体は、内側シャフトの長さに沿って延在する複数のワイヤ又はバンドを含み得る。そのようなワイヤは、シースから遠位にワイヤを前進させることによって、展開され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体は、内側及び外側管状部材を互いに対して移動させることによって、展開され得る。拡張可能な構造体が展開されると、拡張可能な構造体は、ノズルを体内腔内の中心に置くか、又はノズルが組織表面から少なくとも所定の距離だけ離れていることを確実にすることができる。方法600は、608で、任意選択的に、供給管腔弁(例えば、弁278)を開放することを含み得る。例えば、図3を参照して上述したように、弁は、アブレーション媒体の送達を制御するために、アブレーション媒体送達通路に沿って(例えば、内側シャフトによって画定された管腔272に沿って)位置決めされ得る。開放状態の弁は、アブレーション媒体が弁を通過して体内腔内に流れることを可能にすることができ、閉鎖状態の弁は、体内腔内へのアブレーション媒体の流れを遮断することができる。いくつかの実施形態では、弁は、自然に、閉鎖状態にあり得、したがって、方法600は、アブレーション媒体が体内腔内に送達され得るように、弁を開放することを含み得る。いくつかの実施形態では、弁は、自然に、開放状態にあり得、したがって、608は、省略することができる。
【0065】
方法600は、610で、アブレーション媒体を体内腔に送達することを含み得る。いくつかの実施形態では、低温アブレーション媒体(例えば、亜酸化窒素)又は任意の他の好適なアブレーション媒体のカートリッジ(例えば、アブレーション媒体供給部120、220)は、アブレーションデバイスのハンドル(例えば、ハンドヘルドデバイス)内に装填され得る。低温アブレーション媒体を使用する場合、610で、胆嚢粘膜の完全な低体温死を確実にするために、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11以上の凍結融解サイクルを胆嚢に送達することができる。アブレーション媒体を送達している間、方法600は、図6Bを参照して以下で更に説明されるように、612で、圧力及び/又は温度監視に関連付けられた事象及び/又はステップを含み得る。例えば、制御ユニット(例えば、制御ユニット110、310)は、アブレーション媒体の安全な送達を確実にするために、圧力、温度、及び/又は他の条件を監視することができる。アブレーション媒体を送達した後、方法600は、任意選択的に、614で、カテーテルシステム(例えば、内側及び外側シャフト)を体内腔から除去することを含み得る。
【0066】
図6Bは、図6Aを参照して説明されるアブレーション処置などのアブレーション処置中に行われる温度及び圧力監視プロトコルに関連付けられた事象及びステップを示す。アブレーションシステム又は別のコンピュータデバイスの制御ユニット(例えば、制御ユニット110、310)は、620で、温度センサからデータを受信し、622で、アブレーションの状態を判定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アブレーションの状態は、温度センサから受信されたデータによって判定され得る。いくつかの実施形態では、温度センサは、(例えば、センサ263、273として)内側又は外側シャフトのうちの1つに統合され得る。他の実施形態では、温度センサは、体内腔内に延在する管腔に動作可能に結合され得、センサは、体内腔に関連付けられた温度を測定するために使用することができる。更に他の実施形態では、温度センサは、例えば、別個の管腔(例えば、管腔264)及び/又は内側シャフトを収容する同じ管腔(例えば、管腔262)を介して、体内腔内に別個に挿入可能であるプローブに搭載され得る。いくつかの実施形態では、温度センサは、組織の温度が測定され得るように、体内腔内の組織に埋め込まれるか又は挿入され得る。
【0067】
方法600は、任意選択的に、626で、ユーザに提示するための情報を生成することを含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザに提示された情報は、制御ユニット110及び/若しくは310などの計算デバイス、又はアブレーションシステムとネットワーク通信している他の計算デバイス(例えば、タブレット、スマートフォン、又は任意の他の好適な通信デバイス)を介して提示され得る。622で判定されたアブレーションの状態に基づいて、アブレーション媒体の供給は、627で調整又は終了され得る。いくつかの実施形態では、アブレーション媒体の供給を低減又は終了させることができる。いくつかの実施形態では、アブレーション媒体の供給を増加させることができる。いくつかの実施形態では、異なる場所で組織の温度を評価するために、温度センサは、任意選択的に、628で、新たな場所に移動され得る。例えば、温度センサは、第1の場所で組織から後退され、第2の場所に移動され、第2の場所で組織に挿入され得る。いくつかの実施形態では、方法600は、例えば、センサデータに基づいて、アブレーションが完了したかどうかを判定することを含むことができ、アブレーションが完了したと判定したことに応答して、(例えば、弁278を閉鎖することによって)アブレーション媒体の供給を終了することができ、方法600は、カテーテルシステムが体内腔から除去される612に続くことができる。
【0068】
制御ユニット(例えば、制御ユニット110、310)又は別の計算デバイスはまた、630で、1つ以上の圧力センサから圧力データを受信することができる。いくつかの実施形態では、第1の圧力読取値は、体内腔の内側からのものであり得(例えば、腔内圧を測定する)、第2の圧力読取値は、外側シャフトの内側からのものであり得る(例えば、排出管腔(例えば、管腔262)内の圧力を測定する)。他の実施形態では、630で、より多くの又はより少ない圧力読取値を受信することができる。632で、圧力測定値のうちの少なくとも1つ(例えば、体内腔内の腔内圧)が評価されて、圧力読取値が所望の圧力パラメータ内(例えば、所望の圧力範囲内)であるかどうかが判定される。圧力読取値が互いに実質的に異なる(例えば、異なる圧力読取値が互いに所定の量又は割合を超えて異なる、若しくは公称動作圧力からある割合(例えば、30%)増加又は減少を有する)場合、又は1つ以上の圧力読取値が1つ以上の所望の圧力パラメータ内にない場合(632:いいえ)、634で、情報(例えば、警告)が任意選択的にユーザに提示され得、635で、アブレーション媒体の供給が調整又は終了され得る。ユーザに提示された情報は、アブレーション送達及び/又はデバイスの動作でエラーが発生したことをユーザに示すことができる。例えば、体内腔内の腔内圧と排出管腔内の圧力との間の実質的な差異(例えば、所定の量又は割合を上回る差異)(腔内圧が排出管腔圧力を上回るなど)は、遮断が体内腔と排出管腔との間のある点で発生したことを示し得る。低温送達システムでは、そのようなことは、氷又は他の固体内容物が排出管腔の一部を遮断するときに起こり得る。このような遮断は、体内腔内の圧力上昇を引き起こす可能性があり、患者に損傷を与える可能性がある。したがって、そのような場合、制御ユニット又は他の計算デバイスは、遮断が(例えば、加熱コイルを介して)除去されるまで、体内腔内へのアブレーション媒体の供給を終了することができる。いくつかの実施形態では、圧力測定値が特定の圧力パラメータ(例えば、所定の閾値又は範囲)の外側にあるとき、制御ユニットは、636で、1つ以上の弁及び/又は真空源(例えば、真空源130)を制御して、体内腔内の圧力上昇を低減するように、体内腔からアブレーション媒体を排出することができる。
【0069】
614で、カテーテルシステム(例えば、導入器及びアブレーションカテーテル)を体内腔から除去することができる。アブレーションシステムの除去後のある期間(例えば、数週間)、身体の慢性炎症反応は、アブレーションされた胆嚢組織を瘢痕化し、内腔の退縮及び胆嚢管の閉塞をもたらし得る。胆嚢への胆汁の流れは遮断され得るが、その血液供給は損なわれないままであり、不活性な器官をもたらす。
【0070】
いくつかの実施形態では、上述したように、本明細書に記載のアブレーション処置は、低温アブレーション媒体を使用する。いくつかの実施形態では、低温アブレーション媒体は、液体である。いくつかの実施形態では、低温アブレーション媒体は、ガスである。いくつかの実施形態では、低温アブレーション媒体は、本明細書に開示されるカテーテルデバイス及びノズルを使用して送達されるとき、液相から気相への転移を起こす。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーションは、液体亜酸化窒素、二酸化炭素、及びアルゴンなどのアブレーション媒体からの液相から気相への変化による冷媒特性を介して達成される。いくつかの実施形態では、低温アブレーション媒体の相変化は、急激な圧力低下によってトリガされる。いくつかの実施形態では、低温アブレーション媒体の相変化は、液体アブレーション媒体が体内腔の壁(例えば、胆嚢の壁)と接触するときに生じる。したがって、液体アブレーション媒体は、体内腔内に送達され、体内腔の壁と接触し、液体アブレーション媒体に相変化し得る。アブレーションは、相変化界面で起こり得る。
【0071】
図8図9は、実施形態による、冷凍アブレーションデバイス800として実装されたアブレーションシステムを示す。冷凍アブレーションデバイス800は、胆嚢腔をアブレーション又は非機能化させるように構成され得る。冷凍アブレーションデバイス800は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250、制御ユニット310など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。示されるように、冷凍アブレーションデバイス800は、ハンドルアセンブリ801、外側シャフト860、及び内側シャフト870を含む。外側シャフト860は、拡張可能な構造体866を含む。内側シャフト870は、ノズル874及び拡張可能な構造体876を含む。いくつかの実施形態では、ハンドルアセンブリ801は、制御ユニット(例えば、制御ユニット110)を含むか、又は収容することができる。いくつかの実施形態では、ハンドルアセンブリ801は、アクチュエータ801a(例えば、ボタン)又は複数のアクチュエータ801aを含み得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、外側シャフト860上の拡張可能な構造体866の展開、内側シャフト870上の拡張可能な構造体876、ノズル874を通したアブレーション媒体の展開、ノズル874の作動(例えば、ノズル874の回転の並進)などを制御するために使用され得る。いくつかの実施形態では、ハンドルアセンブリ801は、アブレーション媒体供給部(例えば、アブレーション媒体供給部120)に流体的に結合され得る。いくつかの実施形態では、ハンドルアセンブリ801は、ユーザに情報を通信し、かつ/又はユーザから入力を受信するためのユーザインターフェース(例えば、入力/出力インターフェース319)を含み得る。
【0072】
図9は、実施形態による、冷凍アブレーションデバイス800の外側シャフト860及び内側シャフト870の詳細図である。外側シャフト860及び内側シャフト870は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、外側シャフト260及び内側シャフト270など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。示されるように、拡張可能な構造体876は、拡張可能ケージ機構として実装され得る。示されるように、拡張可能な構造体876は、「閉鎖」設計を有し、例えば、拡張可能な構造体876を形成するバンド又はワイヤは一緒になり、拡張可能な構造体876の近位端及び遠位端の両方で閉鎖され、その結果、拡張可能な構造体876は、囲まれたバスケット又はケージを形成する。
【0073】
図10は、実施形態による、体内腔BL内に展開されたアブレーションカテーテル1050を示す。アブレーションカテーテル1050は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250、制御ユニット310、冷凍アブレーションデバイス800など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。示されるように、アブレーションカテーテル1050は、拡張可能な構造体1066を含む外側シャフト1060、並びにノズル1074及び拡張可能な構造体1076を含む内側シャフト1070を含む。示されるように、外側シャフト1060上の拡張可能な構造体1066は、アブレーションカテーテル1050が体内腔BLから意図せずに出ることを阻止される(例えば、体内腔BL内の定位置に維持される)ように、展開状態にある。内側シャフト1070上の拡張可能な構造体1076は、例えば、ノズル1074と体内腔BLの組織壁との間の均一及び/又は最小間隔(例えば、所定の量の間隔)を確実にするために、体内腔BL内でノズル1074をほぼ中心に置くように展開状態にある。上述のように、ノズル1074のそのような留置は、アブレーション送達の有効性を増加させ、潜在的な望ましくない影響(例えば、損傷、ノズルと組織との間の付着など)を低減する。拡張可能な構造体1066及び拡張可能な構造体1076は両方とも、アブレーションカテーテル1050を体内腔BLから後退させることができるように、つぶれることができる(例えば、非展開状態に戻るように移行可能である)。
【0074】
図11は、管腔1172と、有窓ノズル1174と、を備える内側シャフト1170の例を示す。内側シャフト1170は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、内側シャフト270、内側シャフト870など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト1170は、近位端1171a及び遠位端1171bを含み得る。いくつかの実施形態では、管腔1172は、低温液体アブレーション媒体1122を液体状態に維持するのに十分に小さく、低温液体アブレーション媒体1122は、図11に示すように、複数の開窓1175を介して内側シャフト1170を出るときに(例えば、管腔1172の内側と胆嚢の内側との間の圧力低下により)低温ガスアブレーション媒体1124に転移する(すなわち、液相から気相への転移)。いくつかの実施形態では、低温ガスアブレーション媒体1124は、複数の開窓1175を介して有窓ノズル1174を出て、低温ガスアブレーション媒体1124が組織と接触すると、胆嚢内腔の外面をアブレーションする。
【0075】
図12A図12Bは、実施形態による、アブレーションシステム(例えば、冷凍アブレーションデバイス)の外側シャフト1260の図である。外側シャフト1260は、本明細書に記載のアブレーションシステムの他の外側シャフト(例えば、外側シャフト260、外側シャフト860、外側シャフト1060など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。示されるように、外側シャフト1260は、同心円状に配置されている外側管状部材1261a及び内側管状部材1261bを含み得る。また、管腔1262及び拡張可能な構造体1266も示される。図12Aは非展開状態の拡張可能な構造体1266を示し、図12Bは展開状態の拡張可能な構造体1266を示す。示されるように、拡張可能な構造体1266は、近位リング1267a及び遠位リング1267bを含む編まれた構成で配置されたワイヤを含む。いくつかの実施形態では、近位リング1267a及び遠位リング1267bのうちの少なくとも1つは、拡張可能な構造体1266の外向き拡張(例えば、展開)を誘発するように、他方に向かって移動することができる。いくつかの実施形態では、近位リング1267a及び遠位リング1267bは、管状部材1261a、1261bを摺動させることによって移動することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体1266のリング1267a、1267b及び/又はワイヤは、画像誘導(例えば、蛍光透視撮像、超音波撮像)下で拡張可能な構造体1266の作動を可視化することを補助するために、放射線不透過性であり得る。いくつかの実施形態では、近位リング1267a及び遠位リング1267bは、プルワイヤ、ばね、シース、及び/又は任意の他の好適な機構を介して移動することができる。例えば、1つ以上のプルワイヤを作動させて、近位リング1267a及び遠位リング1267bのうちの少なくとも一方を他方に向かって移動させることができる。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体1266は、非展開状態(図12A)にあるときに張力下にあり、展開状態(図12B)にあるときに弛緩状態にあり得る。特に、拡張可能な構造体1266は、外側シャフト1260の外面に沿って張力がかかった状態で保持され得、拡張可能な構造体1266が展開状態に自己拡張することを可能にするために、(例えば、プルワイヤ、シースなどを解放することによってなど、拡張可能な構造体1266の一端又は両端上の保持を解放することによって)解放され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体1266は、外力を受けない限り、展開状態でその形状を維持するように、形状記憶材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、バンドは、展開状態にあるときに張力下にあり得、非展開状態にあるときに弛緩状態にあり得る。例えば、外側管状部材1261aを内側管状部材1261bに対して遠位方向に押すか又は移動させることにより、拡張可能な構造体1266を非展開状態から展開状態に移行させることができる。別の例として、内側管状部材1261bを外側管状部材1261aに対して近位方向に引っ張るか又は移動させることにより、拡張可能な構造体1266を非展開状態から展開状態に移行させることができる。
【0077】
図13A図13Cは、拡張可能な構造体及びノズルの異なる配置を含むアブレーションデバイスの部分を示す。図13A図13Cに記載されるアブレーションデバイスは、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250、制御ユニット310、冷凍アブレーションデバイス800、冷凍アブレーションカテーテル1050など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。図13Aは、拡張可能な構造体1366を含む外側シャフト1360、及び拡張可能な構造体1376を含む内側シャフト1370を示す。内側シャフト1370は、内側シャフト1370が矢印1391に沿った方向(例えば、外側シャフト1360の長手方向軸に沿った方向)に軸方向に移動することができるように、外側シャフト1360内で摺動可能である。拡張可能な構造体1376は、内側シャフト1370の遠位部分に結合され得る。内側シャフト1370は、(例えば、拡張可能な構造体1376を含む)内側シャフト1370の遠位部分が外側シャフト1360の遠位端の遠位に配設されるまで、外側シャフト1360を通して前進することができる。そのように位置決めされると、拡張可能な構造体1376は、図13Aに示すように、その拡張状態に拡張するように構成され得る。図13Aには示されていないが、ノズルは、外側シャフト1360から遠位に別個に前進することができる。例えば、ノズルを支持する別個のシャフトは、外側シャフト1360の管腔を通して、拡張可能な構造体1376に近接する空間内に前進することができる。ノズルは、ユーザが拡張可能な構造体1376に対してノズルの位置を操作することができるように、拡張可能な構造体1376とは別個に前進することができる。代替的に、いくつかの実施形態では、内側シャフト1370はノズルを含み得る。拡張可能な構造体1376は、複数のバンド又はワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、バンドは、外力を受けない限り、展開状態でその形状を維持するように、形状記憶材料から構成され得る。上述のように、いくつかの実施形態では、バンドは、非展開状態にあるときに張力下にあり得、展開状態にあるときに弛緩状態にあり得る。代替的に、バンドは、非展開状態にあるときに弛緩状態にあり得、展開状態にあるときに張力下にあり得る。
【0078】
図13Bは、外側シャフト1360’、内側シャフト1370’、ノズル1374’、拡張可能な構造体1376’、及びハブ1379’を含むアブレーションデバイスを示す。示されるように、拡張可能な構造体1376’は、内側シャフト1370’から外向きかつ遠位に延在し、遠位ハブ1379’に結合している、複数のワイヤ又はバンドを含む。いくつかの実施形態では、バンドは、バンドが内側シャフト1370’の近位端から前進及び後退することができるように、内側シャフト1370’の長さを通して延在する。バンドの前進は、拡張可能な構造体1376’の拡張を引き起こして、拡張可能な構造体1376’を展開することができ、バンドの後退は、拡張可能な構造体1376’を内側シャフト1370に向かって引き戻して、拡張可能な構造体1376’をその非展開状態に戻すことができる。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体1376’のバンドは、非展開状態にあるときに張力下にあり、展開状態にあるときに弛緩状態にあり得る。換言すれば、バンドは、拡張可能な構造体1376’が非展開又は非拡張状態に保持されるように張力をかけて保持することができ、バンドを解放することにより、バンドを展開状態に自己拡張させることができる。いくつかの実施形態では、バンドは、内側シャフト1370’の近位端に位置するアクチュエータを介して移動することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、ボタンを押すこと、スライダを移動させること、ばねを解放すること、又は任意の他の好適な機構を作動させることによって起動され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体1376’のバンドは、展開状態にあるときに張力下にあり、非展開状態にあるときに弛緩状態にあり得る。換言すれば、バンドは、内側シャフト1370’の近位端から前進するか、又は押され、拡張可能な構造体1376’をその拡張又は展開状態に拡張することができる。示されるように、ノズル1374’は、拡張可能な構造体1376’内に位置し得る。ノズル1374’は、ノズル1374’がアブレーション媒体を受容し、体内腔内に送達することができるように、内側シャフト1370’を通って延在する管腔に結合され得る。ノズル1374’は、ハブ1379’の近位で終端し得る。いくつかの実施形態では、ノズル1374’は、拡張可能な構造体1376’内のその位置が調整され得るように、拡張可能な構造体1376’とは独立して前進することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、センサは、ハブ1379’内に配設され得る。いくつかの実施形態では、センサは、温度センサであり得る。いくつかの実施形態では、センサは、圧力センサであり得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト1370’が、アブレーション媒体(例えば、低温アブレーション媒体)を送達するために胆嚢内腔内に位置決めされるとき、ハブ1379’は、胆嚢管に、又はそれに近接して位置決めされ得、胆嚢管内の温度及び/又は圧力を測定することができる。そのような測定値は、(例えば、安全性のために)アブレーション処置の進行及び/又はアブレーション処置中の動作条件を監視するために使用され得る。
【0080】
図13Cは、外側シャフト1360”、内側シャフト1370”、ノズル1374”、拡張可能な構造体1376”を含むアブレーションデバイス(例えば、低温カテーテル)を示す。アブレーションデバイスは、拡張可能な構造体1376”を形成する1つ以上のバンド又はワイヤを受容するための1つ以上の管腔のセットを画定する、スリーブ1371”を含み得る。拡張可能な構造体1376”を形成するバンドは、バンドがスリーブ1371”の近位端から前進及び/又は後退することができるように、スリーブ1371”の遠位端を越えて近位端から延在することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体1376”のバンドは、非展開状態にあるときに張力下にあり、展開状態にあるときに弛緩状態にあり得る。換言すれば、スリーブ1371”の近位端からバンドを引っ張ることにより、拡張可能な構造体1376”を平らにすることができ、バンドを解放することにより、バンドを展開状態に自己拡張させることができる。いくつかの実施形態では、バンドは、アクチュエータを介して二次内側シャフト1371”の近位端から引っ張られるか、又は解放され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体1376”のバンドは、展開状態にあるときに張力下にあり、非展開状態にあるときに弛緩状態にあり得る。換言すれば、バンドは、拡張するために二次内側シャフト1371”の近位端から前進させられ得るか、又は押され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体1376”のバンドの移動は、アクチュエータ(例えば、ボタン、スライダ、モータ、ばねなど)によって引き起こされ得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、スリーブ1371”は、線1391に沿って近位及び遠位方向に移動することができる。いくつかの実施形態では、スリーブ1371”は、例えば、拡張可能な構造体1376”を展開するために、押動機構として作用することができる。例えば、スリーブ1371”を内側シャフト1370”の遠位端に向かって押すことに応答して、拡張可能な構造体1376”は、矢印1392に沿って第1の方向に展開状態へと外向きに拡張することができる。スリーブ1371”を内側シャフト1370”の遠位端から離れるように、又は近位に引っ張ることに応答して、拡張可能な構造体1376”は、矢印1392に沿って反対方向に非展開状態へと内向きに収縮する。
【0082】
図14は、実施形態による、拡張可能な構造体1476の代替実施例を含む、アブレーションカテーテル又はカテーテルシステムの内側シャフト1470を示す。拡張可能な構造体1476は、第1の端(例えば、近位端)でハブ又はシャフトに結合され、第2の反対側の端(例えば、遠位端)で結合解除される、複数のワイヤ又はスプラインを含み得る。換言すれば、拡張可能な構造体1476は、「開放」構成を有する。内側シャフト1470は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、内側シャフト270、内側シャフト870、内側シャフト1170、内側シャフト1370、1370’、1370”など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。内側シャフト1470はまた、ノズル1474及びハブ1479を含む。拡張可能な構造体1476のバンドは、それらの近位端でハブ1479に結合され得る。示されるように、ハブ1479は、ノズル1474の近位に位置する。ハブ1479は、ノズル1474の近位にあるように示されているが、他の実施形態では、ハブ1479は、ノズル1474の遠位に位置し得ることを理解することができる。本明細書に記載の他の拡張可能な構造体と同様に、拡張可能な構造体1476は、(例えば、張力から解放された後、又はバンドがハブ1479の遠位に前進した後に)自己拡張するように構成され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体1476は、冷凍アブレーション中に拡張可能な構造体1476が拡張状態のままであるように、形状記憶材料から構成され得る。
【0083】
図15図16Bは、様々な実施形態による、体内腔BLからの流体(例えば、ガス、液体)又はより小さいデブリの排出のための排出管腔を含むカテーテルシステムを示す。図15は、実施形態による、体内腔BL内に部分的に配設されたアブレーションカテーテル1550を示す。アブレーションカテーテル1550は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250、制御ユニット310、冷凍アブレーションデバイス800、アブレーションカテーテル1050など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。アブレーションカテーテル1550は、外側シャフト1560及び内側シャフト1570を含む。外側シャフト1560は、排出孔1563(例えば、排出開口部)及び拡張可能な構造体1566を含む。いくつかの実施形態では、排出孔1563は、流体又はより小さいデブリが排出孔1563を通って体内腔BLから出て、矢印1595によって示される通路に沿って外側シャフト1560を介して体内腔BLから流出することができるように、アブレーション中に体内腔BL内に挿入され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体1566は、拡張可能な構造体1566がより大きなデブリが排出孔1563を詰まらせるのを防止するフィルタとして作用するように、排出孔1563の外側の周りに配設され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体1566は、デブリ(例えば、石、スラッジ、胆汁)が外側シャフト1560内の排出経路に入らないように濾過することを補助し、体内腔BL内のアブレーションガス及び圧力を解放するための信頼できる経路を作成することができる、メッシュ構造を有することができる。いくつかの実施形態では、排出孔1563を介して体内腔から出るデブリは、固体、液体、及び/又はガスであり得る。いくつかの実施形態では、排出孔1563は、外側管腔1560の内側及び内側管腔1570の外側で矢印1595に沿って走る管腔に流体的に結合され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体1566は、アブレーションガスの排出のための信頼できるポケットを作成することができる。
【0084】
図16A図16Bは、様々な実施形態による、排出管腔を含む外側シャフト1660、1660’の断面を示す。図16Aは、外側シャフト1660及び内側シャフト1670を含む。外側シャフト1660及び内側シャフト1670は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、外側シャフト260、内側シャフト270、外側シャフト860、内側シャフト870、外側シャフト1060、内側シャフト1070、外側シャフト1260など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。図16Aに示されるように、外側シャフト1060は、内側シャフト1070が配設されている管腔1662を含み得る。アブレーション処置中、内側シャフト1070の外面と外側シャフト1060の内面との間の空間は、排出チャネル又は通路を画定することができる。いくつかの実施形態では、デブリは、管腔内の排出孔(例えば、排出孔1563)に流入し、排出チャネルを通って流れ、体内腔から出ることができる。
【0085】
図16Bは、アブレーションカテーテル(例えば、冷凍アブレーションデバイス)の外側シャフト1670’内の管腔の代替的な配置を示す。示されるように、外側シャフト1670’は、体内腔BL内からの内容物(例えば、固体、流体など)の排出のために指定されている別個の管腔1664’を含み得る。いくつかの実施形態では、管腔1664’は、体内腔内に配設され得る排出孔(例えば、排出孔1563)に流体的に結合され得る。いくつかの実施形態では、管腔1664’は、流体及び/又はデブリが体内腔から出るための流路を提供することができる。他の外側シャフトと同様に、外側シャフト1660’は、内側シャフト1670’を受容し、内側シャフト1670’を体内腔内に誘導するために使用され得る管腔1662’を画定することができる。
【0086】
図17A図17Bは、実施形態による、拡張可能な構造体1766を含むアブレーションカテーテル(例えば、冷凍アブレーションデバイス)の外側シャフト1760を示す。外側シャフト1760は、排出孔1762a及び排出管腔1762を含む。外側シャフト1760は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、外側シャフト260、外側シャフト860、外側シャフト1060、内側シャフト1070、外側シャフト1660など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。図17Aは、非展開(すなわち、非拡張)状態の拡張可能な構造体1766を示し、図17Bは、展開状態の拡張可能な構造体1766を示す。示されるように、拡張可能な構造体1766は、拡張可能な構造体1766が排出孔1762aを覆うように、外側シャフト1760上に配設されている。拡張可能な構造体1766の展開時に、拡張可能な構造体1766は、矢印1792によって示される方向に外向きに拡張する。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体1766は、その拡張状態において、拡張可能な構造体1766が排出孔1762aに入る流体及び/又はデブリのためのフィルタとして作用することができるように、メッシュを作成し得るか、又は穿孔若しくは開口部を含み得る。このような場合、拡張可能な構造体1766は、フィルタとして作用し、排出孔1762aを詰まらせるのに十分大きいデブリが排出孔1762aに入るのを防止することができる。
【0087】
図18A図18Bは、実施形態による、アブレーションカテーテルの外側シャフトの拡張可能な構造体の異なる配置を示す。図18A図18Bは、体内腔BL内に配設されたアブレーションカテーテル(例えば、冷凍アブレーションデバイス)の外側シャフト1860、1860’を示す。外側シャフト1860、1860’は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、外側シャフト260、外側シャフト860、外側シャフト1060、内側シャフト1070、外側シャフト1660、外側シャフト1760など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。図18Aは、拡張可能な構造体1866、排出孔1862a、及び排出ポケット1867を含む外側シャフト1860を示す。示されるように、排出孔1862aは、外側シャフト1860がアブレーション処置のために位置決めされるとき、体内腔BL内に配設されている。拡張可能な構造体1866は、排出孔1862aの周りに排出ポケット1867を画定する湾曲又は凹状構造を形成するために、拡張するように構成され得る。別の言い方をすれば、拡張可能な構造体1866は、デブリが排出孔1862aに入るのを阻止する傘と同様の形状を形成することができる。
【0088】
図18Bは、拡張可能な構造体1866’、排出孔1862a’、及び排出ポケット1867’を含む外側シャフト1860’を示す。示されるように、排出孔1862a’は、体内腔BL内に配設されている。拡張可能な構造体1866’は、排出ポケット1867’を形成する排出孔1862a’を部分的に覆う。示されるように、排出ポケット1867’は、平坦な又は実質的に平坦な近位側を有するように拡張される。この形状は、体内腔BLの入口点で壁との確実な係合を形成して、体内腔内で外側シャフト1860’を安定させることができる。この形状は、例えば、胆嚢などの体内腔内での外側シャフト1860’のより良好な保持を確実にすることができる。
【0089】
図19A図19B及び図20は、様々な実施形態による、内側シャフト1970の遠位端に位置するノズル1974(例えば、分散ノズル)を含む内側シャフト1970の例示的な図を示す。図19Aは、内側シャフト1970の斜視図を示し、図19Bは、内側シャフト1970の断面側面図を示す。内側シャフト1970は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、内側シャフト270、内側シャフト870、内側シャフト1070、内側シャフト1670など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、内側シャフト1970は、液体アブレーション媒体1922を搬送し、分散ノズル1974内で終端する少なくとも1つの送達管腔1972を含む長いカテーテル本体を含み得る。いくつかの実施形態では、分散ノズル1974の幾何学形状は球状であり、分散ノズル1974の外径から供給管腔1972に及ぶ一連の孔1975を含む。いくつかの実施形態では、分散ノズル1974は、相変化を起こすアブレーション媒体として液体亜酸化窒素を使用し、各孔1975の幾何学形状は、分散ノズル1974の外面(相変化界面1975a)と交差する。換言すれば、液体アブレーション媒体1922は、分散ノズル1974の外面の近くでガスアブレーション媒体1924に転移する。いくつかの実施形態では、孔1975は、寒剤が所望の相変化界面1975aに到達するまで亜酸化窒素をその液体形態に保つために必要とされる高圧に耐えるように、サイズが十分に小さい(例えば、約0.0005インチ~0.004インチ程度)。いくつかの実施形態では、相変化界面1975aは、液体アブレーション媒体1922の供給圧力に対する圧力低下(例えば、大気通気)によって制御される。いくつかの実施形態では、相変化は、液体亜酸化窒素が体内腔BL又は他の所望のアブレーション領域において近大気圧に曝露されるときに生じる。いくつかの実施形態では、相変化は、体内腔BLの壁で生じる。したがって、流体アブレーション媒体は、体内腔BL内に送達され、体内腔BLの壁と接触し、ガスアブレーション媒体に相変化し得る。そのような場合、アブレーションは、液体-ガス相変化界面で生じ得る。示されるように、ノズル1974の近位側に位置する孔1975は、ガスアブレーション媒体1924が体内腔の近位領域に向かってある角度で分注されるように、角度付けられている(例えば、内側シャフト1970の長手方向軸に対して近位に角度付けられている)。ノズル1974の遠位側に位置する孔1975は、ガスアブレーション媒体1924が体内腔の遠位領域に向かってある角度で分散されるように、角度付けられている(例えば、内側シャフト1970の長手方向軸に対して遠位に角度付けられている)。孔1975のこの角度付き構成は、体内腔全体にわたるガスアブレーション媒体1924の散布を増加させることを補助し得る。
【0091】
球状構成として示されているが、分散ノズル1974の幾何学形状は、立方体、円錐、円筒、三角柱、トーラス、螺旋、卵形、又はアブレーション媒体の送達を可能にするために十分な構造を含む任意の他の三次元(3D)体であり得る。いくつかの実施形態では、分散ノズル1974は、金属、ポリマー、セラミック、又は他の構造材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、遠位幾何学形状の最大直径は、アクセスカテーテルを通して摺動するのに十分に小さい。いくつかの実施形態では、分散ノズル1974は、アクセスカテーテルの直径よりも大きい形状を達成するために、拡張(例えば、膨張)され得る。
【0092】
図20は、使用中にガスアブレーション媒体1924が分散ノズル1974から体内腔BLの壁にどのように均一に分散されるかを示す。いくつかの実施形態では、内側シャフト1970は、体内腔BLの軸方向長さ全体にわたってガスアブレーション媒体1924を用いて体内腔BLの壁を十分に治療するために、軸方向に(すなわち、線1994によって示される軸に沿って)自由に移動することができる。
【0093】
図21は、実施形態による、内側シャフト2170の遠位端の近くに位置する作動ノズル2174を含む内側シャフト2170を示す。内側シャフト2170は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、内側シャフト270、内側シャフト870、内側シャフト1070、内側シャフト1670、内側シャフト1970など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、ガスアブレーション媒体2124は、作動ノズル2174上の孔2175を介して放出され得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト2170は、内側シャフト本体2170a及び線形レール構成要素2170bを含み得る。いくつかの実施形態では、作動ノズル2174は、線形レール構成要素2170bに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、線形レール構成要素2170bは、作動ノズル2174が駆動力に応答して軸方向に(すなわち、矢印2194によって示される線に沿って)移動することを可能にする。いくつかの実施形態では、線形レール構成要素2170bは、作動ノズル2174が駆動力に応答してその中心軸に沿って非線形に移動することを可能にする。
【0094】
いくつかの実施形態では、駆動力は、制御ユニット(例えば、制御ユニット110)などを介して、手動又は自動のいずれかで適用される。いくつかの実施形態では、駆動力は、剛性駆動ワイヤシステム、可撓性駆動ケーブルシステム、噛合歯車駆動システム、ラックアンドピニオンシステム、ねじ駆動機構、空気圧アクチュエータシステム、電磁コイルシステム、油圧アクチュエータシステム、又は理解され得るような任意の他のタイプのシステムを使用して、手動で又は自動的に適用され得る。いくつかの実施形態では、駆動力は、ユーザの把持力、引張力、ねじり力、又は圧搾力である。いくつかの実施形態では、駆動力は、AC/DCモータを駆動するための電流の使用又は電磁場の使用など、電気機械的であり得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、線形レール構成要素2170bは、遠位及び近位特徴部によって、線形レール構成要素2170bに固定されるか、又はほぼ固定され得る。いくつかの実施形態では、線形レール構成要素2170bは、近位特徴部のみによってレールに固定されるか、又はほぼ固定され得る。いくつかの実施形態では、線形レール構成要素2170bは、遠位特徴部のみによって線形レール構成要素2170bに固定されるか、又はほぼ固定され得る。いくつかの実施形態では、遠位特徴部は、胆嚢管閉塞機構であり得る。いくつかの実施形態では、近位特徴部は、アクセスカテーテル管腔である。
【0096】
いくつかの実施形態では、作動ノズル2174は、様々な実施形態による、図19A図19B、及び図20に記載されるノズルと同様であり得る。いくつかの実施形態では、作動ノズル2174上に位置する1つ以上の孔2175の直径は、それらの位置に対して直径が変化し得る。場合によっては、孔2175は、一定の質量流量のガスアブレーション媒体2124を送達し、アブレーション供給管腔内の圧力低下の影響に対処するために、幾何学形状に沿って「テーパ状」であるか、又は直径が増加/減少し得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、供給管腔から発する孔2175のサイズ、形状、及び数は、アブレーション媒体の噴霧パターン、噴霧速度、及び噴霧均一性を決定する。いくつかの実施形態では、孔2175のうちのいくつかは、近い標的(例えば、0~0.5cm)を標的化するように最適化される。いくつかの実施形態では、孔2175のうちのいくつかは、離れた標的(例えば、0.5cmを上回る)を標的化するように最適化される。
【0098】
いくつかの実施形態では、作動ノズル2174は、その中心軸に沿ってスピンすることができ、孔2175をそれらの開始位置に対して回転させる。いくつかの実施形態では、作動ノズル2174は、0~360度又は任意の包含範囲で回転することができる。いくつかの実施形態では、回転作動ノズル2174は、アブレーション媒体送達のより大きい適用範囲を可能にする。
【0099】
いくつかの実施形態では、作動ノズル2174は、線形レール構成要素2170bの遠位端に対して固定することができ、駆動力による線形レール構成要素2170bの変位と共に移動することができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、線形レール構成要素2170bは、駆動力に応答して、約0~10cm又は任意の包含範囲の作動ノズル2174の同心又は非同心移動を促進することができる。
【0101】
図22は、実施形態による、内側シャフト2270の遠位端の近くに位置する作動ノズル2274を含む内側シャフト2270を示す。内側シャフト2270は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、内側シャフト270、内側シャフト870、内側シャフト1070、内側シャフト1670、内側シャフト1970、内側シャフト2170など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、ガスアブレーション媒体2224は、作動ノズル2274上の孔2275を介して放出され得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト2270は、内側シャフト本体2270a及び線形レール構成要素2270bを含み得る。いくつかの実施形態では、作動ノズル2274は、駆動力に応答して線形レール構成要素2270bに沿って軸方向に(すなわち、矢印2294によって示される線に沿って)移動することができる。いくつかの実施形態では、内側シャフト2270、作動ノズル2274、孔2275、内側シャフト本体2270a、及び線形レール構成要素2270bは、図21を参照して上述したように、内側シャフト2170、作動ノズル2174、孔2175、内側シャフト本体2170a、及び線形レール構成要素2170bと同じ又は実質的に同様であり得る。
【0102】
内側シャフト2270はまた、閉塞器2279を含む。閉塞器2279は、体内腔から近くの生体構造への開口部又は管腔出口を閉塞又は閉鎖するように構成され得る。例えば、体内腔が胆嚢内腔である場合、閉塞器2279は、胆嚢管を閉塞するように構成され得る。閉塞器2279は、内側シャフト2270に結合され、かつ/又は内側シャフト2270から取り外し可能であり得る。動作中、閉塞器2279は、内側シャフト2270の遠位端に結合され得る。いくつかの実施形態では、閉塞器2279は、線形レール構成要素2270bに結合され得る。内側シャフト2270は、体内腔内にナビゲートされ得る。内側シャフト2270は、閉塞器2279を体内腔(例えば、胆嚢管などの出口管腔)からの開口部に位置決めするように操作され得る。次いで、閉塞器2279を内側シャフト2270から分離又は取り出すことができ、閉塞器2279を開口部に留置することができる。閉塞器2729は、その後、例えば、閉塞器2279の体積膨張、雄ねじ、摩擦嵌合、接着、又は他の好適な固定機構を介して、定位置に固定され得る。例えば、プラグなどの好適な閉塞器の更なる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる国際出願第US2019/017112号に記載されている。
【0103】
図23図24は、アブレーション媒体の有効噴霧面積を増加させることができる湾曲設計を含むノズル2374を有する内側シャフト2370を示す。内側シャフト2370は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、内側シャフト270、内側シャフト870、内側シャフト1070、内側シャフト1670、内側シャフト1970、内側シャフト2170、内側シャフト2270など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、ノズル2374は、供給管腔から発する少なくとも1つの孔2375を含む少なくとも1つの湾曲セグメントを有する。いくつかの実施形態では、ノズル2374は、その中心軸2395に沿って(すなわち、矢印2396に沿って)回転して、アブレーション媒体を体内腔の表面に均一に送達することができる。図24は、体内腔BL内に配設された内側シャフト2370を示す。示されるように、液体アブレーション媒体2322は、孔2375を介してノズル2374から出て、相変化を起こしてガスアブレーション媒体2324になる。
【0104】
少なくとも1つの実施形態では、ノズル2374上に位置する1つ以上の孔2375の直径は、ノズル2374に沿ったそれらの距離に対して直径が変化し得る。場合によっては、孔は、一定の質量流量のアブレーション媒体を送達し、供給管腔内の圧力低下の影響に対処するために、ノズル2374の近位端と遠位端との間で「テーパ状」であるか、又は直径が増加/減少し得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、供給管腔から発する孔2375のサイズ、形状、及び数は、アブレーション媒体の噴霧パターン、噴霧速度、及び噴霧均一性を決定する。いくつかの実施形態では、ノズル2374全体が、その中心軸2395に対して長手方向に回転及び/又は摺動することができる。いくつかの実施形態では、孔2375のうちのいくつかは、近い標的を標的化するように最適化される。いくつかの実施形態では、孔2375のうちのいくつかは、遠い標的を標的化するように最適化される。
【0106】
図25図26Bは、実施形態による、つぶれることができる寒剤分散ノズルを含むアブレーションカテーテル2550を示す。アブレーションカテーテル2550は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250、制御ユニット310、冷凍アブレーションデバイス800、アブレーションカテーテル1050など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。アブレーションカテーテル2550は、外側シャフト2560、及び第1の内側シャフト2570a、及び第2の内側シャフト2570bを含む。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテル2550は、拡張可能な構造体2576を含み得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト2570a、2570b(集合的に内側シャフト2570と称される)は、拡張可能な構造体2576に結合され得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト2570は、それらの遠位端で結合解除され得る。換言すれば、アブレーションカテーテル2550に、拡張可能な構造体2576がない場合がある。内側シャフト2570は、アブレーション媒体の送達のための孔2575を含む。いくつかの実施形態では、内側シャフト2570aは、矢印2591によって示される線に沿って移動することができる。いくつかの実施形態では、内側シャフト2570は、中心軸2595の周りに(すなわち、矢印2592a、2592bによって示される経路に沿って)回転させることができる。示されるように、アブレーションカテーテル2550は、2つの内側シャフト2570を含む。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテル2550は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又はそれ以上の内側シャフト2570を含み得る。示されるように、内側シャフト2570は、拡張可能な構造体2576の部分長さに延在する。いくつかの実施形態では、内側シャフト2570は、内側シャフト2570がアブレーションカテーテル2550の遠位端で一緒に結合されるように、拡張可能な構造体2576の全長に延在することができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、内側シャフト2570のうちの少なくとも1つは、中心軸2595に沿って湾曲形状を形成し、湾曲形状は、最大半径方向寸法まで延在し、中心軸2595に向かって収束して戻り、孔2575を標的アブレーション部位により近づける。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテル2550は、液体亜酸化窒素をアブレーション媒体として使用し、アブレーション媒体の相変化界面が内側シャフト2570の外面上に位置するように構成されている。
【0108】
いくつかの実施形態では、内側シャフト2570は、ばね式であってもよく、内側シャフト2570の公称拡張直径と比較して、より小さい直径の送達管腔を通して送達されるようにつぶれることができる。
【0109】
図26A図26Bは、内側シャフト2570をより詳細に示す。図26Aは、内側シャフト2570の断面図を示し、図26Bは、内側シャフト2570の側面図を示す。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテル2550は、機械的応力、熱エネルギー、電流、又は光を受けたときに戻り力を及ぼす、内側シャフト2570内の予め成形されたコア2571を用いて構築され得る。いくつかの実施形態では、予め成形されたコア2541は、ニチノール又はばね鋼などの合金金属から作製され得る。いくつかの実施形態では、予め成形されたコア2571は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrile butadiene styrene、ABS)などのポリマーから作製され得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト2570は、ラックアンドピニオンギアシステム、ケーブル駆動システム、又は電気機械制御システムなどの機械的駆動力によって拡張形態に駆動され得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト2570は、内側シャフト2570からの寒剤の散布を増加させるために、直線又は半径方向経路に沿って作動され得る。
【0110】
図27A図27Bは、少なくとも1つの連続供給管腔2772から発するいくつかの孔2775を含む螺旋ノズル2774を有する内側シャフト2770を示す。図27Aは、内側シャフト2770の側面図を示し、図27Bは、内側シャフト2770の断面図を示す。内側シャフト2770は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、内側シャフト270、内側シャフト870、内側シャフト1070、内側シャフト1670、内側シャフト1970、内側シャフト2170、内側シャフト2270など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。ガスアブレーション媒体2724は、孔2775を介して内側シャフト2770を出るように示されている。いくつかの実施形態では、螺旋ノズル2774は、螺旋ノズル2774の螺旋形態を保持する構造体の周りに搭載され得る。いくつかの実施形態では、孔2775は、所望の噴霧パターンに応じて、サイズ、形状、及び位置が変化し得る。いくつかの実施形態では、孔2775は、孔2775の各々に沿って所望の質量流量を維持するために、ノズル2774に沿ったそれらの距離に対して、ノズル2774に沿って「テーパ状になる」か、又は増加/減少し得る。いくつかの実施形態では、前述の設計は、孔間の噴霧パターンの変動性を最小限にするために、相変化表面と供給管腔2772との間の最小距離を可能にする。
【0111】
図28は、外側シャフト2860及び内側シャフト2870を含むアブレーションカテーテル2850を示す。アブレーションカテーテル2850は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250、制御ユニット310、冷凍アブレーションデバイス800、アブレーションカテーテル1050など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。アブレーション媒体2826は、外側シャフト2860を通して体内腔から排出され得る。いくつかの実施形態では、加熱コイル2882は、外側シャフト2860の外側の周りに展開され得る。いくつかの実施形態では、加熱コイル2884は、内側シャフト2870の外側の周りに展開され得る。本開示の様々な実施形態によれば、本開示の冷凍アブレーションデバイスは、標的組織界面で冷凍アブレーション温度(例えば、約-80℃)を誘発するために、液体亜酸化窒素(NO又はLNO)の相変化特性を活用するように設計される。NOは、周囲温度及び高圧(>650psi)で透明な液体であるが、十分な圧力低下を受けると液体からガスへの相変化を起こし、冷媒特性を生じさせる吸熱反応をもたらす。更に、液体亜酸化窒素は、冷凍アブレーション用途に非常に適した独特の冷媒特性を提供するが、相変化中にガスの体積が600倍以上に増加して内腔における圧力上昇の源を生成する可能性があるので、安全性の問題を提示する可能性がある。このリスクに対処するために、本開示の冷凍アブレーションデバイスは、処置中に身体から寒剤ガスを排気するために受動的排出管理システムを利用するように設計され得る。例えば、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、アブレーションカテーテルの(例えば、内側シャフト2870)と外側シャフト(例えば、外側シャフト2860)との間の同心管腔空間を通したアブレーション媒体の流れを可能にすることができる。圧力駆動流は、アブレーション媒体を内側シャフトと外側シャフトとの間の管腔空間に入らせ、アブレーションカテーテルの近位端で排出ポートから出させることができる。
【0112】
加えて、液体亜酸化窒素は、その沸点の摂氏数度以内の融点を有し、すなわち、その気相と固相との間に小さなマージンが存在する。これは、外側シャフト及び内側シャフト内の圧力及び温度が適切に制御されない場合、固体亜酸化窒素氷の蓄積をもたらし得る。胆嚢内の残留流体と関連して、固体窒素氷の蓄積は、特定の状況において排出管腔の詰まりをもたらし得る。これは胆嚢内腔内の圧力上昇を引き起こす可能性があり、安全上の懸念である。排出管腔の着氷に直接対処するために、加熱コイル2882、2884を適用して、氷の蓄積を融解又は蒸発させることができる。
【0113】
図29A図29Bは、本開示の様々な実施形態による、排出管腔内の氷の蓄積に対処するように構成されたカテーテル加熱システムを含むアブレーションカテーテル2950の図を示す。アブレーションカテーテル2950は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250、制御ユニット310、冷凍アブレーションデバイス800、アブレーションカテーテル1050など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。示されるように、アブレーションカテーテル2950は、外側シャフト2960及び内側シャフト2970を含む。内側シャフト2970は、ノズル2974を含む。いくつかの実施形態では、加熱コイル2982は、外側シャフト2960の外側の周りに巻き付けられ(例えば、周りに配設され)得る。いくつかの実施形態では、加熱コイル2984は、内側シャフト2970の外側に巻き付けられ(例えば、その周りに配設され)得る。特に、図29Aは、管腔内の寒剤氷の蓄積を解凍するように設計されたカテーテル加熱システムの例示的な図を示す。図29Aのカテーテル加熱システムは、外側シャフト2960の外面及び内側シャフト2970の外面が加熱されて、氷の蓄積を蒸発させ、2つのシャフト間の環状空間の開存性を維持する、多表面加熱システムを含む。図29Bは、外側シャフト2960の外面が加熱コイル2982を介して加熱され、氷の蓄積を蒸発させ、内側シャフト2970と外側シャフト2960との間の環状空間の開存性を維持する、単一表面加熱システムを含むアブレーションカテーテル2950’を示す。
【0114】
いくつかの実施形態では、加熱コイル2982、2984は、電気エネルギーを熱に変換し、それによって、近傍の本体を伝導的に加熱する、例えば、抵抗ワイヤなどの抵抗加熱要素を含み得る。いくつかの実施形態では、抵抗電熱ワイヤは、外側シャフト2960の外周に巻き付けられる。いくつかの実施形態では、抵抗電熱ワイヤは、外側シャフト2960の内周に巻き付けられる。少なくとも1つの実施形態では、抵抗電熱ワイヤは、外側シャフト2960の壁材料内に埋め込まれる。
【0115】
いくつかの実施形態では、抵抗電熱ワイヤは、間の全ての部分範囲及び値を含む約0~1インチのピッチ間隔を含む螺旋コイル構成で巻き付けられる。いくつかの実施形態では、抵抗電熱ワイヤは、固定ピッチを含む螺旋コイル構成で巻き付けられる。別の実施形態では、抵抗電熱ワイヤは、より密なコイルピッチのセクションが外側シャフト2960の遠位端のより近くに位置するように、可変又は「漸進的固定」を含む螺旋コイル構成で巻き付けられる。上述の構成では、より密なピッチセクションは、より疎なピッチセクションと比較して、より大きな熱密度を可能にし、それによって、より密なピッチセクションを取り囲む本体をより加熱する。これにより、コイルの加熱エネルギーを局所化することができ、療法に対する競合効果を最小限に抑えることができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、外側シャフト2960は、ポリマー、金属、セラミック、若しくは複合材料、又は任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、金属又は高熱伝導性材料は、所望の加熱標的への熱伝達率を増加させるために、外側シャフト2960の壁厚及び円周の一部及び全体に及び得る。いくつかの実施形態では、送達管腔は、加熱コイル2982の効果を集中させるために、外側シャフト2960の遠位端の近くに金属セグメントを有し得る。いくつかの実施形態では、絶縁材料を使用して、加熱コイル2982を取り囲む本体から電気的かつ/又は熱的に絶縁することができる。
【0117】
図30A図33は、アセンブリの様々な段階におけるアブレーションカテーテル3050を示す。図30A図30Bは、実施形態による、外側シャフト3060及び拡張器3068を示す。アブレーションカテーテル3250は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250、制御ユニット310、冷凍アブレーションデバイス800、アブレーションカテーテル1050など)と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。外側シャフト3060は、ハンドルアセンブリ3002及び拡張可能な構造体3066を含む。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体3066の展開は、ハンドルアセンブリ3002によって制御され得る。図30Aは、拡張器3068から分離された外側シャフト3060を示す。図30Bは、外側シャフト3060内に固定された拡張器3068を示す。いくつかの実施形態では、図6A図6Bを参照して上述したように、拡張器3068を使用して体内腔への挿入中に外側シャフトをガイドワイヤの周りにしっかりと嵌合させることができる。いくつかの実施形態では、拡張器3068は、ねじ山を介して外側シャフト3060内に固定され得る。
【0118】
図31A図31Bは実施形態による、非展開状態(図31A)及び展開状態(図31B)にある拡張可能な構造体3066を含む外側シャフト3060を示す。示されるように、ハンドルアセンブリ3002は、ボタン3002a及びハンドル3002bを含む。いくつかの実施形態では、ボタン3002aを押すことにより、拡張可能な構造体3066の展開を制御する機構を係止解除することができる。機構が係止解除された後、ハンドル3002bを引いて、拡張可能な構造体3066を展開状態に作動させることができる。拡張可能な構造体3066が展開状態になると、ボタン3002aを解放して、拡張可能な構造体3066を展開状態に係止することができる。
【0119】
図32A図32Cは、実施形態による、アクチュエータハンドルアセンブリ3004を含む内側シャフト3070の図である。アクチュエータハンドルアセンブリ3004は、アクチュエータハンドル3004aを含む。内側シャフト3070は、ノズル3074、拡張可能な構造体3076、及びハブ3079を含む。ノズル3074は、孔3075a、3075b、3075c(集合的に孔3075と称される)を含む。示されるように、近位位置にある孔3075aは、アブレーション媒体がノズル3074からわずかに近位方向に出るように角度付けられている。示されるように、遠位位置にある孔3075cは、アブレーション媒体がノズル3074からわずかに遠位方向に出るように角度付けられている。孔3075のそのような角度付き構成の利点は、図19A図19Bの孔1975を参照して上述されている。
【0120】
示されるように、図32Aは、拡張可能な構造体3276の詳細を示し、図32Bは、拡張可能な構造体3076が展開状態にあるように位置決めされたアクチュエータハンドル3004aを示し、図32Cは、拡張可能な構造体3076が非展開状態にあるように位置決めされたアクチュエータハンドル3004aを示す。いくつかの実施形態では、アクチュエータハンドル3004aは、磁石によって定位置に固定され得る。例えば、アクチュエータハンドルアセンブリ3004は、近位側及び遠位側の両方に磁石を含み得、アクチュエータハンドル3004aは、アクチュエータハンドル3004aがアクチュエータハンドルアセンブリ3004の近位側及び遠位側に引き付けられるように、磁石を含み得る。そのような場合、アクチュエータハンドル3004aは、アクチュエータハンドルアセンブリ3004がより近い側に、より引き付けられ得る。
【0121】
図33は、組み立てられたアブレーションカテーテル3050を示し、内側シャフト3070は、外側シャフト3060内に配設され、かつ/又は外側シャフトに結合されている。示されるように、拡張可能な構造体3066は非展開状態にあり、拡張可能な構造体3076は展開状態にある。示されるように、アクチュエータハンドル3004aは、アクチュエータハンドルアセンブリ3004に結合されている。いくつかの実施形態では、アクチュエータハンドル3004aは、アクチュエータハンドルアセンブリ3004に結合され得る。いくつかの実施形態では、ボタン3002aは、ハンドルアセンブリ3002内に配設され得る。いくつかの実施形態では、ボタン3002aは、ハンドルアセンブリ3002に結合され得る。いくつかの実施形態では、ハンドル3002bは、ハンドルアセンブリ3002内に配設され得る。いくつかの実施形態では、ハンドル3002bは、ハンドルアセンブリ3002に結合され得る。
【0122】
図34A図34Bは、実施形態による、複数のハンドルを含むハンドルアセンブリを含むアブレーションシステム3150を示す。図34Aは、アブレーションシステム3150を示し、図34Bは、アブレーションシステム3150のノズルの噴霧パターンを示す。示されるように、アブレーションシステム3150は、外側シャフト3160、拡張可能な構造体3166(例えば、保持機構)、内側シャフト3170、ノズル3174、拡張可能な構造体3176(例えば、拡張可能本体又はケージ)、外側シャフト(導入器又はアクセスシース)ハンドル3180、外側シャフト(導入器又はアクセスシース)ハンドルボタン3182、排出チャンバポート3184、排出チャンバカラー3185、内側シャフト(カテーテル)ハンドル3190、内側シャフト(カテーテル)ハンドルボタン3192、ワイヤ終端カラー3194、及び加熱シースプラグ3196を含む。いくつかの実施形態では、外側シャフト3160、拡張可能な構造体3166、内側シャフト3170、ノズル3174、及び拡張可能な構造体3176は、図33を参照して上述したように、外側シャフト3060、拡張可能な構造体3066、内側シャフト3070、ノズル3074、及び拡張可能な構造体3076と同じ又は実質的に同様であり得る。したがって、外側シャフト3160、拡張可能な構造体3166、内側シャフト3170、ノズル3174、及び拡張可能な構造体3176の特定の態様は、本明細書ではより詳細に記載されない。
【0123】
いくつかの実施形態では、ユーザは、外側シャフトハンドルボタン3182を押して、外側シャフト3160の外側ライナ又はシース3161を遠位に前進させることができる。外側シャフト3160の先端3163に対する外側ライナ3161の前進は、拡張可能な構造体3166が胆嚢内側の定位置に先端3163を保持することができるように、拡張可能な構造体3166を拡張させる(例えば、拡張構成に移行させる)ことができる。いくつかの実施形態では、外側シャフトハンドル3180は、外側シャフト3160のライナ3161が先端3163に対して定位置に係止することができるように、係止機構(図示せず)を含み得る。排出チャンバポート3184は、外側シャフト3160の内部と流体連通している。冷凍アブレーション媒体は、外側シャフト3160の内部を通って流れ、排出チャンバポート3184を介して、アブレーションシステム3150から出ることができる。いくつかの実施形態では、排出チャンバポート3184は、冷凍アブレーション媒体が要求に応じて外側シャフト3160及びハンドルアセンブリ3180から排出され得るように、ホース及び/又は真空ラインに接続され得る。
【0124】
排気チャンバカラー3185は、内側シャフト3170の外側の周りに嵌合する。いくつかの実施形態では、排出チャンバカラー3185は、排出チャンバカラー3185が(例えば、アブレーション媒体の)液体及び/又はガスが内側シャフト3170に沿って更に漏出するか、又は流れることを防止することができるように、内側シャフト3170とのシールを作成することができる。
【0125】
内側シャフトハンドル3190は、内側シャフトハンドルボタン3192を含む。内側シャフトハンドルボタン3192を押すことにより、内側シャフト3170の一部を内側ハンドルアセンブリ3190に対して前進させることができる。いくつかの実施形態では、内側シャフトハンドルボタン3192を押すことにより、内側シャフト3170の1つ以上の外側層を、内側シャフト3170の内側アブレーション管腔に対して前進させることができる。いくつかの実施形態では、内側ハンドルアセンブリ3190は、前進した内側ハンドルアセンブリ3180の部分が内側シャフト3170の他の部分に対して定位置に係止することができるように、係止機構(図示せず)を含み得る。内側シャフト3170の一部分のこの移動は、拡張可能な構造体3176を展開するために使用することができる。
【0126】
ワイヤ終端カラー3194は、内側シャフト3170に結合し、1つ以上の加熱要素、センサ、管腔などと外部源との間の接続点としての役割を果たすことができる。代替的に、いくつかの実施形態では、カラー3194は、省略され得、接続は、ハンドル3190の別のセクションを介して、内側シャフト3170の1つ以上の構成要素と外部源との間に形成され得る。いくつかの実施形態では、カラー3194は、内側シャフト3170の1つ以上の電熱ワイヤを外部熱源に結合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ワイヤ終端カラー3194は、凍結による詰まりを防止するために、内部熱源を介して内側シャフト3170に熱を提供することができる。冷凍アブレーション媒体は、内側シャフト3170及び/又は外側シャフト3160を通過する材料を凍結させ、それによって、内側シャフト3170を通る経路を詰まらせる可能性がある。(例えば、内側シャフト3170に沿って延在する1つ以上の電熱ワイヤに結合された外部熱源を介して)加熱を起動させることによって、内側シャフト3170に適用される熱は、凍結材料を融解させ、内側シャフト3170及び/又は外側シャフト3160を通る流れを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ワイヤ終端カラー3194は、内側ハンドルアセンブリ3190に結合され得る。カラー3194は、外部熱源に結合するために使用される加熱シースプラグ3196を含み得る。
【0127】
図34A及び図34Bには詳細に示されていないが、内側シャフト3170は、例えば、冷凍アブレーション媒体などのアブレーション媒体をノズル3174の開口部に送達することができる管腔を画定する。いくつかの実施形態では、ノズル3174は、ノズル3174の開口部の場所及びアブレーション媒体が送達されている場所を調整するために回転可能であり得る。いくつかの実施形態では、ノズル3174は、拡張可能な構造体3176とは独立して作動することができ、例えば、拡張可能な構造体3174に対して移動させて、ノズル3174の開口部の場所及びアブレーション媒体が送達されている場所を調整することができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、圧力感知管腔(図示せず)は、外側シャフト3160及び/又は内側シャフト3170のうちの1つ以上内に配設され得る。いくつかの実施形態では、圧力感知管腔は、アブレーションシステム3150(図示せず)の近位端で圧力センサに流体的に結合され得る。いくつかの実施形態では、圧力感知管腔は、胆嚢腔内に配設されたオリフィスで終端することができ、圧力センサは、胆嚢腔の外側に位置する。換言すれば、圧力感知管腔は、胆嚢腔の内部を圧力センサに流体的に結合することができる。いくつかの実施形態では、圧力感知管腔は、内側シャフト3170の周りに配設され得る。いくつかの実施形態では、圧力感知管腔は、外側シャフト3160の周りに配設され得る。いくつかの実施形態では、圧力感知管腔は、内側シャフト3170内に配設され得る。いくつかの実施形態では、アブレーションシステム3150は、複数の圧力感知管腔を含み得る。
【0129】
図34Bは、実施形態による、アブレーションシステム3150の噴霧パターンを示す。上述したように、アブレーションシステム3150は、ノズル3174の開口部を介して、冷凍アブレーション媒体などのアブレーション媒体を送達するために使用することができる。いくつかの実施形態では、媒体は、流体として送達され得る。いくつかの実施形態では、媒体は、ガスとして送達され得る。いくつかの実施形態では、媒体は、アブレーションシステム3150の長さに沿った点及び/又は胆嚢内腔内の点でガスに転移する流体として送達され得る。図34Bに概略的に示されるように、ノズル3174の開口部を介してアブレーションカテーテル3150を出るアブレーション媒体の噴霧パターンは、円錐形であり得る。換言すれば、アブレーション媒体は、互いに重複してもしなくてもよい複数の噴霧ゾーンを介して送達され得る。
【0130】
図35A図35Bは、実施形態による、アブレーションシステムの外側シャフト3260及び外側シャフトハンドル3280のより詳細な図を提供する。図35Aは、外側シャフト3260及び外側シャフトハンドル3280の側面図を示し、図35Bは、外側シャフト3260及び外側シャフトハンドル3280の断面図を示す。示されるように、外側シャフト3260は、拡張可能な構造体3266(例えば、保持機構)を含む。外側シャフト3260は、外側シャフトハンドル3280に結合されている。外側シャフトハンドル3280は、外側シャフトハンドルボタン3282及び排出チャンバポート3284を含む。いくつかの実施形態では、外側シャフト3260、拡張可能な構造体3266、外側シャフトハンドル3280、外側シャフトハンドルボタン3282、及び排出チャンバポート3284は、図34A図34Bを参照して上述したように、外側シャフト3160、拡張可能な構造体3166、外側シャフトハンドル3180、外側シャフトハンドルボタン3182、及び排出チャンバポート3184と同じ又は実質的に同様であり得る。したがって、外側シャフト3260、拡張可能な構造体3266、外側シャフトハンドル3280、外側シャフトハンドルボタン3282、及び排出チャンバポート3284の特定の態様は、本明細書ではより詳細に説明されない。外側シャフト3260は、内側シャフト(例えば、本明細書に記載のもののうちのいずれかなどのアブレーションカテーテルの内側シャフト)を受容することができる管腔3265を画定することができる。
【0131】
ハンドル3280は、外側シャフト3260の先端3263に対して外側シャフト3260の外側ライナ3261を前進させるように遠位に移動(例えば、摺動)することができるボタン3282を有し得る。この前進を使用して、拡張可能な構造体3266を展開することができ、例えば、拡張可能な構造体3266を、外側シャフト3260の長手方向軸にほぼ平行に延在するつぶれ状態から、長手方向軸から半径方向外向きに湾曲する拡張状態に移行させることができる。拡張可能な構造体3266は、いったん展開されると、胆嚢内腔内に外側シャフト3260の遠位端を保持するように構成され得る。換言すれば、拡張可能な構造体3266は、その拡張状態において、外側シャフト3260の遠位端が胆嚢内腔へのアクセスを得るために使用した開口部よりも大きい直径を有するように構成され得る。したがって、拡張状態にある拡張構造体3266は、その開口部付近の胆嚢の壁に当接して、外側シャフト3260の遠位端を胆嚢内腔内に保持することができる。ボタン3282は、ばね3281によって係止され得る。ボタン3282を押下してボタン3282を係止解除し、次いで摺動させてライナ3161を前進させることができる。ボタンがその最大距離(例えば、トラックに沿って)摺動すると、ボタン3282は、切欠き3283、及びボタン3282を切欠き内に押し込むばね3282を介して再び係止され得る。ボタンがアクチュエータ(例えば、アクチュエータ801a)の例として説明されるが、任意のタイプの作動機構が、外側シャフト3260の様々な構成要素を前進及び/又は後退させるために使用され得ることが理解され得る。
【0132】
図36は、実施形態による、アブレーションシステムのアブレーションカテーテル3350のより詳細な図を提供する。示されるように、アブレーションカテーテル3350は、内側シャフト3370、ノズル3374、拡張可能な構造体3376(例えば、拡張可能ケージ)、内側シャフトハンドルボタン3392を含む内側シャフトハンドル3390、ワイヤ終端カラー3394、及び内側シャフトプラグ3396を含む。いくつかの実施形態では、内側シャフト3370、ノズル3374、拡張可能な構造体3376、内側シャフトハンドル3390、及び内側シャフトハンドルボタン3392、ワイヤ終端カラー3394、及び内側シャフトプラグ3396は、図34A図34Bを参照して上述したように、内側シャフト3170、ノズル3174、拡張可能な構造体3176、内側シャフトハンドル3190、内側シャフトハンドルボタン3192、ワイヤ終端カラー3194、及び内側シャフトプラグ3196と同じ又は実質的に同様であり得る。したがって、内側シャフト3370、ノズル3374、拡張可能な構造体3376、内側シャフトハンドル3390、内側シャフトハンドルボタン3392、ワイヤ終端カラー3394、及び内側シャフトプラグ3396の特定の態様は、本明細書ではより詳細に説明されない。
【0133】
いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテル3350の遠位端は、例えば、図34Aに示されるように、外側シャフト又は導入器の管腔を通して挿入され得る。図36における例示の目的のために、内側シャフト3370は、内側シャフトの長さが図36に示されるものよりも長いことを示すために、不連続部と共に示される。拡張可能な構造体3376は、非展開構成と展開構成との間で移行することができる。拡張可能な構造体3376が非展開構成にあるとき、拡張可能な構造体3376は、カテーテル3350の長手方向軸、特に、シャフト3370の長手方向軸に実質的に平行に延在する細長い部材を有することができる。そのような構成では、シャフト3370の遠位部分(ノズル3374及び拡張可能な構造体3376を含む)は、外側シャフト又は導入器の管腔を通して、例えば、胆嚢内腔内に挿入され得る。シャフト3370の遠位部分が、外側シャフトの遠位端を過ぎて挿入された後、拡張可能な構造体3376は、展開構成に移行し得、拡張可能な構造体3376の細長い部材は、長手方向軸から外向きに延在する(例えば、半径方向に外に湾曲する)。
【0134】
図37A図37Bは、実施形態による、加熱要素を含むアブレーションカテーテルの遠位部分の詳細図である。図37Aは、内部の部分が示された遠位部分の断面図を示し、図37Bは、遠位部分の外観図である。示されるように、アブレーションカテーテルの遠位部分は、複数のノズル開口部又は開窓3475を含むノズル3474、拡張可能な構造体3476(例えば、拡張可能ケージ)、ハブ3479、及び加熱シース3491を含む。加熱シース3491は、ジャケット3492、ライナ3493、熱電対ワイヤ3495として実装されたセンサワイヤ又はリード線、電熱ワイヤ3497として実装された加熱要素、及び通気開口部又は孔3498を含む。いくつかの実施形態では、開窓3475は、図11を参照して上述したような開窓1175、又は本明細書に記載の他のノズル開口部と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体3476は、例えば、図9を参照して上述したような拡張可能な構造体876、及び/又は図34Aを参照して上述したような拡張可能な構造体3176を含む、本明細書に記載の他の拡張可能な構造体と同じ又は実質的に同様であり得る。したがって、開窓3475及び拡張可能な構造体3476の特定の態様は、本明細書ではより詳細に説明されない。
【0135】
拡張可能な構造体3476は、複数の細長い部材から形成され得る。複数の細長い部材は、細長い部材がカテーテルの長手方向軸に実質的に平行に延在する非展開構成と、細長い部材が長手方向軸から外向きに延在する(例えば、半径方向に外に湾曲する)展開構成との間で移行可能である。いくつかの実施形態では、細長い部材の各々は、加熱シース3491の遠位端に結合されている近位端、及びハブ3479に結合されている遠位端を有することができる。そのような実施形態では、細長い部材の展開は、ハブ3479又は加熱シース3491をハブ3479及び加熱シース3491のうちの他方に対して移動させることによって行うことができる。例えば、加熱シース3491は、ハブに向かって遠位に前進し、細長い部材を外向きに延在させ(例えば、半径方向に外に湾曲させ)、拡張可能な構造体3476を展開することができる。
【0136】
加熱シース3491のジャケット3492及びライナ3493は、熱電対ワイヤ3495及び電熱ワイヤ3497を絶縁する。いくつかの実施形態では、ジャケット3492及び/又はライナ3493は、ワイヤ3495、3497上に押出成形され得る。ジャケット3492は、熱電対ワイヤ3495及び電熱ワイヤ3497の外部に位置決めされ、ライナ3493は、熱電対ワイヤ3495及び電熱ワイヤ3497の内部に位置決めされている。いくつかの実施形態では、熱電対ワイヤ3495及び電熱ワイヤ3497は、一緒に巻き付けられ得る。いくつかの実施形態では、熱電対ワイヤ3495は、電熱ワイヤ3497の真下に置かれ得る。
【0137】
通気孔3498は、圧力感知管腔3499をカテーテルの外部と連通可能に結合するように構成されている。したがって、通気孔3498は、胆嚢の腔内圧が圧力感知管腔3499を介して測定され得るように、圧力感知管腔3499を胆嚢の内腔と結合するように構成され得る。圧力感知管腔3499は、アブレーション媒体を送達するための管腔を画定する内側シャフトと、加熱シース3491との間に配設されている環状空間であり得る。示されるように、カテーテルは、2つの通気孔3498を含む。複数の通気孔3498を含むことは、通気孔のうちの1つが詰まったときに、圧力感知管腔3499と体内腔との間の結合を維持することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、カテーテルは、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11以上の通気孔3498を含み得る。
【0138】
熱電対ワイヤ3495は、温度センサ(例えば、熱電対)をアブレーションカテーテルの近位端で制御ユニット又はプロセッサ(例えば、制御ユニット110)と結合するように構成され(又はアブレーションカテーテルの近位端に動作可能に結合され)得る。温度センサは、アブレーションカテーテルの遠位部分の近くの温度を測定するために、通気孔3498の近く、かつ/又はアブレーションカテーテルの外側に配設され得る。
【0139】
図38A図38Eは、実施形態による、アブレーションカテーテルアセンブリ3570及びその詳細を示す。図38Aは、完全なカテーテルアセンブリ3570を示し、図38Bは、図38Aに示されるようなセクションBの詳細を示し、図38Cは、図38Aに示されるようなセクションCの詳細を示し、図38Dは、図38Aに示されるようなセクションDの詳細を示し、図38Eは、図38Eに示されるようなセクションEの詳細を示す。示されるように、カテーテルアセンブリ3570は、ノズル3574、拡張構造体3576、ジャケット3592、ライナ3593、ワイヤ終端カラー3594、熱電対ワイヤ3595、電熱ワイヤ3597、及び通気孔3598を含む。いくつかの実施形態では、ノズル3574、拡張構造体3576、ジャケット3591、ライナ3593、熱電対ワイヤ3595、電熱ワイヤ3597、ワイヤ終端カラー3594、及び通気孔3598は、例えば、図34A図34Bを参照して上述したように、ノズル3174、拡張可能構造体3176、ワイヤ終端カラー3194、及び内側シャフトプラグ3196、並びに/又は図37A図37Bを参照して上述したように、ノズル3474、拡張構造体3476、ジャケット3492、ライナ3493、熱電対ワイヤ3495、電熱ワイヤ3497、及び通気孔3498を含む、本明細書の他の実施形態に記載の同様の構成要素と同じ又は実質的に同様であり得る。したがって、ノズル3574、拡張構造体3576、ジャケット3591、ライナ3593、ワイヤ終端カラー3594、熱電対ワイヤ3595、電熱ワイヤ3597、及び通気孔3598の特定の態様については、本明細書ではより詳細に説明しない。電熱ワイヤ3597及び/又は熱電対ワイヤ3595は、シース、シャフト、及び/又はシースとシャフトとの間の環状空間の部分の周りに巻き付けられて、それらの部分を加熱することができる。
【0140】
いくつかの実施形態では、熱電対ワイヤ3595及び/又は電熱ワイヤ3597は、ワイヤ終端カラー3595内の1つ以上の接続部に結合することができる。例えば、熱電対ワイヤ3595は、例えば、温度、圧力、及び/若しくは他の条件を監視し、かつ/又はアブレーション媒体の送達及び/若しくは排出を制御するために、カラー3595を介して外部プロセッサ又は制御ユニット(例えば、制御ユニット110)に結合するように構成され得る。電熱ワイヤ3597は、例えば、外部熱源からエネルギーを受容し、アブレーションカテーテルの部分を加熱するための熱を生成するために、カラー3595を介して外部熱源に結合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ワイヤ終端カラー3595は、図34Aを参照して説明されるように、アブレーションカテーテルを動作させるための近位ハンドルに結合され得る。いくつかの実施形態では、カラー3595は、省略され得、熱電対ワイヤ3595及び/又は電熱ワイヤ3597は、ハンドル(例えば、オンボードプロセッサ及び/又はマイクロコントローラ、電源などの任意のオンボード構成要素を含む)に結合するように構成され得る。
【0141】
図38D及び図38Eに示すように、熱電対ワイヤ3595及び電熱ワイヤ3597は、直線セクション3570aと、粗巻きセクション3570bと、細巻きセクション3570cとに分割されている。電熱ワイヤ3597のより密なピッチ(すなわち、より細巻きの電熱ワイヤ)は、特定の領域のエネルギー密度を増加させることができる。いくつかの実施形態では、細巻きセクション3570cは、約0.5cm、約1cm、約1.5cm、約2cm、約2.5cm、約3cm、約3.5cm、約4cm、約4.5cm、又は約5cm(それらの間の全ての値及び範囲を含む)の長さを有することができる。いくつかの実施形態では、細巻きセクション3570cは、カテーテルアセンブリ3570全体の全長の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、又は約30%(それらの間の全ての値及び範囲を含む)を覆うことができる。いくつかの実施形態では、粗巻きセクション3570bから細巻きセクション3570cへの移行は、漸進的であり得るか、又は熱電対ワイヤ3595と電熱ワイヤ3597との間の間隔は、勾配として変化し得る。いくつかの実施形態では、粗巻きセクション3570bから細巻きセクション3570cへの移行は、即時であり得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、ワイヤの隣接するターンは、粗巻きセクション内で、約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、又は約5mm(それらの間の全ての値及び範囲を含む)だけ離間され得る。いくつかの実施形態では、ワイヤは、細巻きセクション3570cにおいて、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、約1.1mm、約1.2mm、約1.3mm、約1.4mm、約1.5mm、約1.6mm、約1.7mm、約1.8mm、約1.9mm、又は約2mm(それらの間の全ての値及び範囲を含む)だけ離間され得る。
【0143】
熱電対ワイヤ3595及び電熱ワイヤ3597に送達される電力は、動作電圧及びワイヤ抵抗の関数であり得る。動作電圧及びワイヤ抵抗は、電熱ワイヤの断面積を通して所望のエネルギー密度を達成するように調整され得、したがって、電熱ワイヤ3597によって生成される熱流束及び冷却に対する温度応答を判定する。
【0144】
単一の加熱要素が図38A図38Aに示されるが、任意の数の加熱要素が使用され得ることが理解され得る。例えば、複数の電熱ワイヤが、アブレーションカテーテルの異なる部分(例えば、シース、シャフト、又はそれらの間の環状空間の異なる部分)に沿って延在する。いくつかの実施形態では、シース、シャフト、又はそれらの間の環状空間の全長に沿って実質的に均一な温度を維持するために、例えば、プロセッサ(例えば、制御ユニット110)を使用して、複数の電熱ワイヤを選択的に起動させることができる。実質的に均一な温度は、例えば、平均又は中央値温度から10%を超えて逸脱しない、全長に沿った温度であり得る。いくつかの実施形態では、(例えば、熱電対ワイヤに結合された)1つ以上のセンサが、シャフトの長さに沿った1つ以上の場所に配設され、シャフトの長さに沿った異なる点で温度を測定するために使用され得る。これらの測定された温度は、プロセッサで受信され、1つ以上の加熱要素を制御する(例えば、加熱要素に送達されている電力の量を選択的に起動又は調整する)ために使用され得る。
【0145】
いくつかの実施形態では、熱電対ワイヤ3595は、アブレーションカテーテルの遠位端の近くに配設された温度センサに結合され得る。熱電対ワイヤ3595は、温度の監視並びに/又は温度に基づくアブレーション送達及び/若しくは排出の制御のために、温度信号をプロセッサ(例えば、オンボードプロセッサ及び/又は外部プロセッサ)に搬送することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のアブレーションデバイス及び/又はシステムは、外部温度プローブと共に使用され得る。図39は、実施形態による、胆嚢の長さ全体にわたる温度センサ(例えば、プローブ又は針状温度センサ)の留置の図である。示されるように、胆嚢は、頸部領域、本体領域、及び基底部領域を含む。胆嚢の壁の外側に温度プローブを留置して、胆嚢の長さに沿って(例えば、頸部から基底部まで)温度がどのように変化するかを監視することができる。温度プローブの留置は、温度変化が胆嚢の内側から外側に広がっていることを確認することができ、これはアブレーションの有効性の判定を容易にすることができる。換言すれば、温度プローブは、冷凍アブレーションが行われたこと、すなわち胆嚢壁がアブレーションされたことを確認することも補助し得る。いくつかの実施形態では、第1の温度プローブT1は、胆嚢の遠位端に留置され得る。胆嚢の基底端の温度を測定することにより、冷凍アブレーション媒体が胆嚢の基底端まで浸透したことを確認することができる。いくつかの実施形態では、温度プローブは、胆嚢の基底端と頸部との間の点に留置され得る(例えば、温度プローブT2)。いくつかの実施形態では、温度プローブは、胆嚢管への胆嚢の開口部の近くの頸部領域内に留置され得る(例えば、温度プローブT3)。いくつかの実施形態では、追加の温度プローブは、胆嚢の頸部領域内に留置され得る(例えば、温度プローブT4)。いくつかの実施形態では、追加の温度プローブは、胆嚢の基底部と頸部との間の点に留置され得る(例えば、温度プローブT5)。いくつかの実施形態では、胆嚢の長さに沿って組織壁の温度を測定するために、少なくとも3つの温度センサ(例えば、1つは頸部に、1つは本体に、1つは基底部に留置されている)の組み合わせを使用することができる。いくつかの実施形態では、温度測定値に応じて、アブレーションカテーテルのノズルの場所が調整され、例えば、より高い温度を有する組織の標的領域に遠位及び/又は近位に並進され得る。したがって、温度プローブの留置は、胆嚢内のアブレーション媒体の均一な散布を確認し、かつ/又はアブレーション媒体の更なる送達を制御するためのフィードバックを提供するために使用することができる。
【0146】
図40A図40Dは、冷凍アブレーションデバイス4000として実装されたアブレーションシステムの図である。冷凍アブレーションデバイス4000は、胆嚢腔をアブレーション又は非機能化させるように構成され得る。冷凍アブレーションデバイス4000は、本明細書に記載の他のアブレーションシステム及びその構成要素と構造的かつ/又は機能的に同様である構成要素を含み得る。図40Aは、冷凍アブレーションデバイス4000の側面プロファイル図を示し、図40B図40Dは、冷凍アブレーションデバイス4000の内側シャフト及び外側シャフトの管腔の様々な構成の断面図を示す。冷凍アブレーションデバイス4000は、制御ユニット4010、外側シャフト4060、内側シャフト4070、及び圧力感知管腔4076を含む。制御ユニット4010は、プロセッサ4012、圧力センサ4015、入力/出力インターフェース4019、及びソレノイド弁4021を含む。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体4079は、アブレーション媒体の展開中に、胆嚢腔内に内側シャフト4070を保持することができる。制御ユニット4010は、アブレーション媒体供給部4020に流体的に結合されている。いくつかの実施形態では、アブレーション媒体は、ソレノイド弁4021を通過して、アブレーション媒体供給部から内側シャフト4070に流れることができる。
【0147】
いくつかの実施形態では、圧力感知管腔4076は、胆嚢腔内に配設されたオリフィスOで終端することができ、圧力センサ4015は、胆嚢腔の外側に位置する。換言すれば、圧力感知管腔4076は、胆嚢腔の内部を圧力センサ4015に流体的に結合することができる。圧力センサ4015は、制御ユニット4010に配設され、かつ/又は制御ユニット4010に動作可能に結合され得る。このような構成では、圧力センサ4015は、胆嚢腔の外側に位置決めされている間、胆嚢腔の内側の圧力を測定することができる。
【0148】
圧力感知管腔4076は、いくつかの異なる配置のうちの1つに従って、カテーテルシステムの内側シャフト4070又は外側シャフト4060の周りに配設され得る。いくつかの実施形態では、圧力感知管腔4076は、円形断面を有し、シャフトの片側に配設され得る。例えば、実施形態では、圧力感知管腔4076は、図40Bに示されるように、内側シャフト4070に添着され得る。代替的に、圧力感知管腔4076’は、図40Cに示されるように、内側シャフト4070内に配設又は画定され得る。更に別の代替例として、図40Dに示されるように、圧力感知管腔4076”は、外側シャフト4060の外側に配設され得る。追加の代替例として、いくつかの実施形態では、圧力感知管腔4076は、図37Aを参照して説明されるように、内側シャフト4070の外側及び内側同心シース及び/又はシャフトの間に形成されている環状空間であり得る。圧力は、胆嚢腔から、外側シャフト4060を通過して冷凍アブレーションデバイス4000の外側に至る通気経路Pを介して解放され得る。圧力感知管腔はまた、圧力管腔又はセンサ管腔とも称され得る。
【0149】
図40A図40Dでは明示的に特定されていないが、冷凍アブレーションデバイス4000は、アブレーション媒体の送達及び/又は胆嚢腔からのアブレーション媒体の排出のために、内側シャフト4060及び外側シャフト4070によって画定された管腔を含む。例えば、本明細書に記載の他のカテーテルシステムと同様に、内側シャフト4070は、例えば、1つ以上のノズル開口部を介して、胆嚢腔に低温アブレーション媒体を送達するための管腔を画定することができる。外側シャフト4060は、胆嚢腔から低温アブレーション媒体を排出するためのaを画定することができる。
【0150】
本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、安全動作条件を確実にしながら、胆嚢腔から寒剤ガスを安全に排気するために、受動的排出チャネル及び寒剤制御システムを実装することができる。寒剤送達中に、寒剤アブレーション媒体(例えば、亜酸化窒素)が膨張し、外側シャフト4060の内面と内側シャフト4070の外面との間の環状空間を通って外部環境(例えば、大気)に排出される。排出チャネル内の抵抗は、胆嚢腔を膨張させて、内腔内の組織の低温アブレーション媒体への曝露を容易にすることができる。ソレノイド弁4021は、例えば、アブレーション媒体供給部4020から胆嚢内腔内へのアブレーション媒体の送達を制御又は調節するように構成され得る。例えば、制御ユニット4010は、ソレノイド弁4021を制御して、アブレーション媒体が胆嚢内腔内に送達され得る開放状態から、アブレーション媒体が胆嚢内腔内に送達されるのが防止され得る閉鎖状態に移行することができる。本明細書では例示的な弁としてソレノイド弁が提供されているが、胆嚢腔内へのアブレーション媒体の送達を制御するために、機械作動弁、磁気作動弁などを含む他のタイプの弁が使用され得ることが理解され得る。制御ユニット4010、圧力センサ4015、及びソレノイド弁4021は、胆嚢腔内の安全な動作圧力を維持するための閉ループ圧力フィードバックシステムを生成することができる。特に、所定の最大閾値よりも大きい胆嚢腔内の圧力を検出したことに応答して、制御ユニット4010は、ソレノイド弁4021を制御して、胆嚢腔内へのアブレーション媒体の供給を終了させ、かつ/又は外側シャフト4060を介して、胆嚢腔から外部環境へアブレーション媒体を排出することができる。追加的に又は代替的に、胆嚢腔内の圧力が所定の最小閾値未満であることを検出したことに応答して、制御ユニット4010は、アブレーション媒体供給部4020及び/又はソレノイド弁4021を制御して、胆嚢腔内に追加のアブレーション媒体を提供して、胆嚢を冷凍アブレーションのために十分に膨張させることができる。
【0151】
本開示は、以下の実施例のいずれか1つ及び全てまでを含み得ることが理解されるであろう。
【0152】
実施例1:冷凍アブレーションカテーテルであって、組織の領域への寒剤の送達のための少なくとも1つの寒剤送達管腔を含むカテーテル本体と、少なくとも1つの寒剤送達管腔の遠位端に配設されたノズルであって、ノズルが、少なくとも1つの寒剤送達管腔とノズルの外面との間に延在する複数のオリフィスを含み、複数のオリフィスの個々のオリフィスが、複数のオリフィスの各々を通る一定の質量流量で組織の領域上に寒剤を均一に分散させるようなサイズ及び形状である、ノズルと、を備える、冷凍アブレーションカテーテル。
【0153】
実施例2:寒剤が、亜酸化窒素を含む、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0154】
実施例3:ノズルが、複数のオリフィスとノズルの外面との交点に相変化界面を更に含む、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0155】
実施例4:複数のオリフィスは、寒剤が相変化界面に到達するまで寒剤が液体のままであるようなサイズ及び形状である、実施例3に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0156】
実施例5:複数のオリフィスの各々の直径が、約0.0005インチ~0.004インチの範囲のサイズである、実施例3に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0157】
実施例6:寒剤の相変化は、寒剤が標的アブレーション領域に関連付けられた近大気圧に曝露されることによって生じる、実施例3に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0158】
実施例7:相変化界面は、寒剤の供給圧力に対する圧力低下によって制御される、実施例3に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0159】
実施例8:ノズルのノズル幾何学形状が、球、立方体、円錐、円筒、三角柱、トーラス、螺旋、又は卵形のうちの1つである、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0160】
実施例9:ノズルの幾何学形状が、球であり、複数のオリフィスが、ノズルの球体に沿って配設され、複数のオリフィスの各オリフィスが、球体の外径から少なくとも1つの寒剤送達管腔まで延在する、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0161】
実施例10:ノズルは、ノズルがアクセスカテーテルを通って摺動することを可能にするようなサイズである、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0162】
実施例11:ノズルが、膨張可能である、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0163】
実施例12:ノズルが、線形レール構成要素及びノズル幾何学形状を含み、ノズル幾何学形状が、線形レール構成要素に結合され、複数のオリフィスが、ノズル幾何学形状の外面に沿って配設されている、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0164】
実施例13:線形レール構成要素が、駆動力に応答して、約0~10cmのノズル幾何学形状の同心移動又は非同心移動のうちの少なくとも1つを容易にすることができる、実施例12に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0165】
実施例14:ノズルのノズル幾何学形状が、球、立方体、円錐、円筒、三角柱、トーラス、螺旋、又は卵形のうちの1つを含む、実施例12に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0166】
実施例15:ノズル幾何学形状が、球体を含み、複数のオリフィスが、ノズルの球体に沿って配設され、複数のオリフィスの各オリフィスが、球体の外径から少なくとも1つの寒剤送達管腔まで延在する、実施例12に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0167】
実施例16:ノズル幾何学形状が、線形レール構成要素の遠位端に対して固定される、実施例12に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0168】
実施例17:ノズル幾何学形状が、駆動力による線形レール構成要素の変位に応答して移動可能である、実施例12に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0169】
実施例18:ノズル幾何学形状が、線形レール構成要素の少なくとも1つの軸に沿って移動可能である、実施例12に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0170】
実施例19:ノズル幾何学形状が、駆動力に応答して線形レール構成要素に沿って移動可能である、実施例12に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0171】
実施例20.駆動力が、自動化され、制御ユニットを更に備え、制御ユニットが、駆動力を開始するように構成されている、実施例19に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0172】
実施例21:駆動力が、剛性駆動ワイヤシステム、可撓性駆動ケーブルシステム、噛合歯車駆動システム、ラックアンドピニオンシステム、ねじ駆動機構、空気圧アクチュエータシステム、電磁コイルシステム、油圧アクチュエータシステム、又は電気機械システムのうちの少なくとも1つによって引き起こされる、実施例19に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0173】
実施例22:線形レール構成要素が、線形レール構成要素の近位構成要素又は線形レール構成要素の遠位構成要素のうちの少なくとも1つによって固定される、実施例12に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0174】
実施例23:ノズル内の複数のオリフィスの個々のオリフィスのそれぞれの直径が、ノズル上の個々のオリフィスの場所に少なくとも部分的に基づいて、互いに変化する、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0175】
実施例24:複数のオリフィスの個々のオリフィスの長さに沿った直径が、テーパ状である、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0176】
実施例25:オリフィスの少なくともサブセットが、近接した標的を標的化するような形状及びサイズである、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0177】
実施例26:オリフィスの少なくともサブセットが、遠い標的を標的化するような形状及びサイズである、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0178】
実施例27:ノズルが、湾曲セグメントを含む、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0179】
実施例28:複数のオリフィスのうちの少なくとも1つが、湾曲セグメントに沿って配設されている、実施例27に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0180】
実施例29:湾曲セグメントが、その中心軸の周りに回転可能である、実施例27に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0181】
実施例30:湾曲セグメントが、その中心軸に対して長手方向に移動可能である、実施例27に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0182】
実施例31:ノズルが、螺旋ノズルを含み、複数のオリフィスが、螺旋ノズルの螺旋ノズル管腔に沿って配設され、少なくとも1つの寒剤送達管腔から螺旋ノズル管腔の外面まで延在する、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0183】
実施例32:螺旋本体構造体を更に備え、螺旋ノズル管腔が、螺旋本体構造体上に搭載されている、実施例31に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0184】
実施例33:ノズルが、つぶれることができる、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0185】
実施例34:ノズルが、寒剤を送達するための複数のオリフィスを含む少なくとも1つのノズル分岐部を含む、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0186】
実施例35:少なくとも1つの枝部が、中心軸に沿って湾曲形状を形成し、湾曲形状は、最大半径寸法まで延在し、中心軸に向かって収束して戻り、ノズル孔を標的アブレーション部位により近づけるのを助ける、実施例34に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0187】
実施例36:少なくとも1つの分岐部少なくとも1つの分岐部が、中心軸に沿って湾曲形状を形成し、湾曲形状は、最大半径寸法まで延在し、ノズル孔を標的アブレーション部位に近づけるのを助けるように終端する、実施例34に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0188】
実施例37:ノズルが、ばね式であり、少なくとも1つの分岐部の公称拡張直径と比較して、より小さい直径の送達管腔を通して送達されるようにつぶれることができる、実施例34に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0189】
実施例38:ノズルが、ノズル分岐部内の予め成形されたコアを用いて構築され、機械的応力、熱エネルギー、電流、又は光を受けたときに戻り力を及ぼす、実施例34に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0190】
実施例39:予め成形されたコアが、合金金属から作製される、実施例38に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0191】
実施例40:予め成形されたコアが、ポリマーから作製される、実施例38に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0192】
実施例41:ノズルが、ラックアンドピニオンギアシステム、ケーブル駆動システム、又は電気機械制御システムなどの機械的駆動力によって拡張形態に駆動され得る、実施例34に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0193】
実施例42:ノズルが、少なくとも1つのノズル分岐部からの寒剤の散布を増加させるために、直線経路又は半径方向経路に沿って作動され得る、実施例1に記載の冷凍アブレーションカテーテル。
【0194】
本開示の上述の実施形態は、本開示の原理の明確な理解のために記載された実装形態の可能な例に過ぎないことが強調されるべきである。本開示の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態に対して多くの変更及び修正が行われ得る。全てのそのような修正及び変更は、本開示の範囲内で本明細書に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0195】
また、様々な概念は、1つ以上の方法として具現化され得、その例が提供されている。方法の一部として実行される動作は、任意の好適な方法で順序付けられてもよい。したがって、例示的な実施形態では連続した動作として示されているが、いくつかの動作を同時に実行することを含み得る、図示されたものとは異なる順序で動作が実行される実施形態が構築され得る。
【0196】
本明細書で使用される場合、「約」及び/又は「およそ」という用語は、数値及び/又は範囲と併せて使用される場合、概して、列挙された数値及び/又は範囲に近い数値及び/又は範囲を指す。場合によっては、「約」及び「およそ」という用語は、記載された値の±10%以内を意味し得る。例えば、場合によっては、約100[単位]」は、100の±10%以内(例えば、90~110)を意味し得る。「約」及び「およそ」という用語は、互換的に使用され得る。
【0197】
本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、様々なコンピュータ実装動作を実行するための命令又はコンピュータコードを有する非一時的コンピュータ可読媒体(非一時的プロセッサ可読媒体とも称され得る)を含むコンピュータストレージ製品に関する。コンピュータ可読媒体(又はプロセッサ可読媒体)は、それ自体が一時的な伝搬信号(例えば、空間又はケーブルなどの伝送媒体上で情報を搬送する伝搬電磁波)を含まないという意味で、非一時的である。媒体及びコンピュータコード(コード又はアルゴリズムとも称され得る)は、特定の目的のために設計及び構築されたものであってもよい。非一時的コンピュータ可読媒体の例は、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープなどの磁気ストレージ媒体、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(Compact Disc/Digital Video Disc、CD/DVD)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(Compact Disc-Read Only Memory、CD-ROM)、及びホログラフィックデバイスなどの光記憶媒体、光ディスクなどの光磁気ストレージ媒体、搬送波信号処理モジュール、並びに特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device、PLD)、読取り専用メモリ(ROM)、及びランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスなど、プログラムコードを記憶し、実行するように特に構成されているハードウェアデバイスを含むが、これらに限定されない。本明細書で説明される他の実施形態は、例えば、本明細書で開示される命令及び/又はコンピュータコードを含み得るコンピュータプログラム製品に関する。
【0198】
本明細書で説明されるシステム、デバイス、及び/又は方法は、(ハードウェア上で実行される)ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによって実行され得る。ハードウェアモジュールは、例えば、汎用プロセッサ(又はマイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラ)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含み得る。(ハードウェア上で実行される)ソフトウェアモジュールは、C、C++、Java(登録商標)、Ruby、Visual Basic(登録商標)、並びに/又は他のオブジェクト指向、手続き型、若しくは他のプログラミング言語及び開発ツールを含む、様々なソフトウェア言語(例えば、コンピュータコード)で表されてもよい。コンピュータコードの例は、マイクロコード又はマイクロ命令、コンパイラによって生成されるような機械命令、ウェブサービスを生成するために使用されるコード、及びインタープリタを使用してコンピュータによって実行される高レベル命令を含むファイルを含むが、これらに限定されない。コンピュータコードの更なる例は、制御信号、暗号化コード、及び圧縮コードを含むが、これらに限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12A-12B】
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16A
図16B
図17A-17B】
図18A
図18B
図19A
図19B
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図27A
図27B
図28
図29A
図29B
図30A
図30B
図31A
図31B
図32A
図32B
図32C
図33
図34A
図34B
図35A
図35B
図36
図37A
図37B
図38A
図38B
図38C
図38D
図38E
図39
図40A
図40B
図40C
図40D
【国際調査報告】