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特表2023-538229金属セラミック基板の製造方法、およびこのような方法を用いて製造された金属セラミック基板
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】金属セラミック基板の製造方法、およびこのような方法を用いて製造された金属セラミック基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/38 20060101AFI20230831BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20230831BHJP
   B23K 1/19 20060101ALI20230831BHJP
   B23K 20/00 20060101ALI20230831BHJP
   B23K 26/38 20140101ALI20230831BHJP
   B23H 3/00 20060101ALI20230831BHJP
   B23C 3/28 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
H05K3/38 D
H05K1/03 610D
B23K1/19 B
B23K20/00 310N
B23K26/38 A
B23H3/00
B23C3/28
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023504253
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2021070217
(87)【国際公開番号】W WO2022018061
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】102020119208.8
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515063390
【氏名又は名称】ロジャーズ ジャーマニー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Rogers Germany GmbH
【住所又は居所原語表記】Am Stadtwald 2, D-92676 Eschenbach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】ギル、ビタリ
(72)【発明者】
【氏名】エングルハルト、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】リュッペル、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーグル、ファビアン
【テーマコード(参考)】
3C022
3C059
4E167
4E168
5E343
【Fターム(参考)】
3C022EE01
3C059AA01
3C059AA02
4E167AA06
4E167AA08
4E167AA21
4E167BA13
4E168AD07
4E168DA42
4E168DA43
4E168JA03
4E168JA04
5E343AA02
5E343AA23
5E343BB23
5E343BB24
5E343BB25
5E343BB28
5E343BB33
5E343BB35
5E343BB39
5E343DD54
5E343FF07
5E343GG01
5E343GG16
(57)【要約】
本発明は、金属セラミック基板(1)を製造する方法に関する。方法は、セラミック素子(30)と少なくとも1つの金属層(10)とを提供する。セラミック素子(30)と少なくとも1つの金属層(10)とは、主延長面(HSE)に沿って延びている。セラミック素子(30)を少なくとも1つの金属層(10)に接合することで、特に直接金属接合法と熱間等方圧加圧法と半田付け法とのうちの少なくとも1つによって、金属セラミック基板(1)を形成する。工作機械(40)とレーザ光とのうちの少なくとも1つによって、少なくとも1つの金属層(10)を機械加工することで、少なくとも一部において、主延長面(HSE)に対して平行には走らない少なくとも1つの金属層(10)の側面(15)の幾何学的形状を規定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属セラミック基板(1)を製造するための方法であって、前記方法は、
セラミック素子(30)および少なくとも1つの金属層(10)を提供する工程であって、前記セラミック素子(30)および少なくとも1つの前記金属層(10)は主延長面(HSE)に沿って延在する、提供する工程と、
前記セラミック素子(30)を少なくとも1つの前記金属層(10)に接合することで、特に直接金属接合法と熱間等方圧加圧法と半田付け法とのうちの少なくとも1つによって前記金属セラミック基板(1)を形成する工程と、および
機械工具(40)とレーザ光とのうちの少なくとも一方によって、少なくとも1つの前記金属層(10)を機械加工することで、少なくとも部分的に、前記主延長面(HSE)に対して平行には走っていない少なくとも1つの前記金属層(10)の側面(15)の幾何学的形状を規定する工程と、
を備えている、方法。
【請求項2】
前記側面(15)の前記幾何学的形状は、一方ではエッチング法と、他方では前記機械工具(40)とレーザとのうちの少なくとも1つを用いた前記機械加工と、の組み合わせによって規定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの前記金属層(10)は、前記主延長面(HSE)に対して垂直な厚さ(D1)を有しており、
前記厚さ(D1)は1mmよりも大きく、好ましくは1.3mmよりも大きく、特に好ましくは1.5mmと3mmとの間である、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記機械加工は、前記セラミック素子(30)を少なくとも1つの前記金属層(10)に接合するよりも前に、前記機械工具(40)を用いることと前記レーザ光によることとのうちの少なくとも一方によって、行われる、
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記機械加工は、少なくとも1つの金属層(10)の少なくとも2つの部分同士を接続するリブ(14)が実現されるように、行われる、
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記リブ(14)は、好ましくは接合後に、例えばレーザ光とエッチングとフライス加工と火花放電と電気化学処理とのうちの少なくとも1つによって、少なくともいくつかの部分において除去される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記機械工具はフライス工具と、鋸刃と、パンチングまたはエンボス加工部品と、のうちの少なくとも1つを備えており、
前記機械工具の形状は、前記側面(15)の前記幾何学的形状を決定する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記側面(15)の前記幾何学的形状は、ガイド工具によって決定される、
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
製造された前記側面(15)は、斜めであるか、段差状であるか、セグメント化されているか、のうちの少なくとも1つである、
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
製造された前記側面(15)は、曲げられているか、湾曲しているか、のうちの少なくとも1つである、
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの前記金属層(10)は、複数の絶縁金属部分に分離され、
その後、前記絶縁金属部分の前記側面(15)の前記幾何学的形状が決定される、
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記主延長面(HSE)に対して平行には走っていない前記側面(15)の少なくとも一部の前記幾何学的形状を規定するための、少なくとも1つの前記金属層(10)の前記機械加工の大部分は、前記レーザ光を用いて行われる、
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
金属セラミック基板(1)を製造する方法であって、前記方法は、
セラミック素子(30)と少なくとも1つの金属層(10)と少なくとも1つの追加金属層(10′)とを提供する工程であって、前記セラミック素子(30)と少なくとも1つの前記金属層(10)と少なくとも1つの前記追加金属層(10′)とは主延長面(HSE)に沿って延在する、提供する工程と、
少なくとも1つの前記金属層(10)および少なくとも1つの前記追加金属層(10′)を接合することで、プレコンポジットを形成する工程と、
前記セラミック素子(30)を、特に直接金属接合法と熱間等方圧加圧法と半田付け法とのうちの少なくとも1つによって、前記プレコンポジットに接合する工程と、および
機械工具(40)とレーザ光とのうちの少なくとも1つによって少なくとも1つの前記金属層(10)を機械加工するとともに、エッチングによって少なくとも1つの前記追加金属層(10′)を機械加工することで、少なくとも1つの前記金属層(10)と少なくとも1つの前記追加金属層(10′)とを備えている前記プレコンポジットの前記主延長面(HSE)に対して平行には走らない側面(15)の幾何学的形状を、少なくともいくつかの部分において規定する工程と、
を備えている、方法。
【請求項14】
少なくとも1つの前記金属層(10)と少なくとも1つの前記追加金属層(10′)とのうちの少なくとも一方は、前記プレコンポジットを形成するべく接合するよりも前にパターン化されている、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の方法によって製造された、
金属セラミック基板(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属セラミック基板の製造方法、およびこのような方法を用いて製造された金属セラミック基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電気部品(エレクトリカルコンポーネント)のためのキャリア基板は、例えば金属セラミック(金属-セラミック)基板の形態で、例えばプリント回路基板または回路基板として、例えば特許文献1、特許文献2、および特許文献3、から十分に先行技術として公知である。典型的には、電気部品および導体トラックのための導体接合領域は、金属セラミック基板の一方の部品側に配置されることで、それによって、電気部品および導体トラックが相互接続されることで電気回路を形成することができる。金属セラミック基板の本質的な構成要素は、好ましくはセラミック(セラミックス)からなる絶縁層と、絶縁層に接合された金属層または部品メタライゼーションと、である。セラミックスからなる絶縁層は、比較的高い絶縁強度を持つので、パワーエレクトロニクス分野で特に有利であることが分かっている。金属層をパターニング(パターン化)することによって、電気部品のための導体トラックおよび/または導体接合領域を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102013104739号明細書
【特許文献2】独国特許出願公告第19927046号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102009033029号明細書
【特許文献4】米国特許第3744120号明細書
【特許文献5】独国特許出願公告第2319854号明細書
【特許文献6】欧州特許第3080055号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなキャリア基板、特に金属セラミック基板、の場合には一方の絶縁層と他方のメタライゼーションとでは熱膨張係数が異なるので、例えばキャリア基板の動作時または製造時の発熱時に熱機械歪みが誘発または生じる。その結果、キャリア基板に曲がりが生じたり、傷んだり(ダメージしたり)、する虞れ(可能性)もあるという問題がある。
【0005】
そのため、先行技術では、絶縁層の部品メタライゼーションとは反対側の面に裏面メタライゼーションを設けることで、積層方向の熱膨張係数に関して、適切な対称性を利用することで曲げを打ち消すことが定着してきた。しかしながら、部品メタライゼーションは一般に0.8mm以上の厚さを有しない。よって、裏面メタライゼーションを対称に設計すると、裏面メタライゼーションが適切に形成されることで非常に薄くなるので、必要な熱容量が得られない。この熱容量は特に過負荷状況中に、熱を放散するべくまたは熱緩衝を提供するべく、望まれるものである。
【0006】
そこから出発して、本発明の目的は、先行技術から知られている方法および金属セラミック基板とで比較して、熱衝撃耐性(サーマルショック抵抗)が改善された金属セラミック基板を製造する方法および金属セラミック基板を提供することである。
【0007】
この目的は、請求項1または請求項9に記載の金属セラミック基板を製造する方法を、および請求項10に記載の金属セラミック基板を、提供することによって達成される。さらなる利点および特徴は、下位請求項のほか、説明および添付の図から生じるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様によれば、金属セラミック基板を製造するための方法が提供され、該方法は、
セラミック素子および少なくとも1つの金属層を提供する工程であって、セラミック素子および少なくとも1つの金属層は主延長面に沿って延在する、提供する工程と、
セラミック素子を少なくとも1つの金属層に接合することで、特に直接金属接合法、熱間等方圧加圧法(ホットアイソスタティックプレス、熱間静水圧プレス)、および/または半田付け法、によって金属セラミック基板を形成する工程と、および
機械工具(メカニカルツール、機械的工具)および/またはレーザ光によって少なくとも1つの金属層を機械加工することで、特に製造された金属セラミック基板上で、少なくとも部分的に、主延長面に対して平行には走らない少なくとも1つの金属層の側面の幾何学的形状(ジオメトリ)を規定(定義)する工程と、
を備えている。
【0009】
先行技術から知られている方法とは逆に、機械工具および/またはレーザを使用することで、少なくともいくつかの部分において、側面の幾何学的形状が規定される。言い換えれば、本発明による方法は、例えば、少なくとも1つの金属層とセラミック素子(セラミック要素)との間の結合の熱衝撃耐性を向上させるべく、側面の対応するコースを実施するべく使用される。これは、パターニングまたは側面の形成が従来のエッチング処理内では行われない場合に特に有利であることが判明している。この場合、少なくとも1つの金属層とセラミック素子との間の境界領域において、湾曲(カーブ)または斜め(オブリーク)のエッチングエッジコースが生じる。これは、少なくとも1つの金属層とセラミック層との間の結合の熱衝撃耐性に有利な効果を有する。
【0010】
さらに、機械工具および/またはレーザ光を使用することで、側面の幾何学的形状を規定することが有利であることは証明されている。これは、特に側面の製造のためのエッチングとで比較して、側面を幾何学的形状に関して規定する、より正確で特に再現性の高い方法であるからである。幾何学的形状を規定することによって、特に、機械工具とレーザ光との作用は、製造された金属セラミック基板において、本質的に直線であったり主延長面に対してまたはセラミック素子の上面に対して垂直に延びたりするコースからは逸脱するように、側面のコースを作り出すことが理解されるであろう。特に、機械工具および/またはレーザを使用することで、例えば主延長面に対して平行に走る方向に沿って側面の曲率半径が調整(変調、修正、モジュレート)されたり、および/または極大および極小が側面のコースに局所的に形成されたり、するように特異的に変調された側面のコースを設定することも可能である。
【0011】
特に、製造された金属セラミック基板は、セラミック素子が少なくとも1つの金属層の2つの金属部分同士の間の絶縁体として機能する、プリント回路基板である。少なくとも1つの金属層の個々の部分は、セラミック素子によってまたはプリント回路基板によって運ばれる(キャリアされる)、電気部品または電子部品が取り付け可能な導体トラックおよび/または接合部を形成する。側面を形成することによって、特にパターニングの文脈では、少なくとも1つの金属層の個々の金属部分同士は、いわゆる絶縁溝(インシュレーショントレンチ)が個々の金属部分同士の間で実現されるように、互いに分離されるので、したがって、個々の金属部分同士を互いから電気的絶縁することが可能になる。
【0012】
さらに、側面のコースは、エッチング手順と、機械工具および/またはレーザによる機械加工と、の組み合わせによって規定または決定されることが好ましく考えられる。
さらに、少なくとも1つの金属層に加えて、少なくとも1つの金属層とは反対側のセラミック素子の面(側)に、裏面メタライゼーションが提供されることが特に好ましい。好ましくは、裏面メタライゼーションは、そうでなければ異なる熱膨張係数同士のために予想される金属セラミック基板の撓みを打ち消すべく、提供される。また、過負荷時の緩衝材として、裏面メタライゼーションは十分な熱容量を確保するべく適切な厚みを持つことが好ましい。裏面メタライゼーションの比較的大きな厚みによる曲げに対抗するべく、少なくとも1つの金属層の厚みを裏面メタライゼーションの厚みに対して比較的に大きく設計することが、有利であることが判明している。ここでも、少なくとも1つの金属層の厚みの増大は、熱容量の増大のために特に有利であることが証明されている。これは、既に部品側で効果的な熱放散を引き起こす可能性があるからである。基本的に、少なくとも1つの金属層および/または裏面メタライゼーションを厚くすることも、熱容量を増加させるだけでなく、より良い冷却を可能にするとともに、同時に機械的安定性を増加させるので、有利であることが証明されている。これによって、例えば、底板を省略することができる。
【0013】
好ましくは、少なくとも1つの金属層は、セラミック素子への接合前および/または接合後に、機械工具によって好ましくは互いに異なる工具(ツール)によって、機械加工される。それによって、複数の互いに異なる幾何学的形状が実現され得る。好ましくは、少なくとも1つの金属層をセラミック素子に接合するよりも前に、機械工具によっておよび/またはレーザ光によって、機械加工が行われる。接合後、反対側の金属層は、同じまたは異なる機械工具によって、レーザ光によって、および/または、金属の局所除去のためのエッチング剤によって、機械加工が行われる。好ましくは、このようにしてパターニングが行われる。金属層の機械加工は、反対側で、好ましくは主延長面に対して垂直に走る積層方向に沿って一致させて行われる。
【0014】
金属セラミック基板における少なくとも1つの金属層または裏面メタライゼーションの使用に考えられる材料は、銅、アルミニウム、モリブデンおよび/またはそれらの合金、ならびにCuW、CuMo、CuAl、AlCu、および/またはCuCu、などの積層体、特に第1銅層および第2銅層を有する銅サンドイッチ構造であって、第1銅層の粒径が第2銅層の粒径とは異なっているもの、である。さらに、第1金属プライは、特に成分(コンポーネント)メタライゼーションとして、表面改質されることが好ましい。考えられる表面改質手順のうち、例えば、貴金属、特に銀および/または金、またはENIG(「無電解ニッケル浸金」)、ニッケルまたはエッジグラウティングで少なくとも1つの金属層に封着(シーリング)することで、クラック形成または拡張を抑制することができる。
【0015】
好ましくは、セラミック素子は、Al、Si、AlN、HPSXセラミック(すなわち、xパーセントのZrOを含むAlマトリックスを有するセラミックであって、例えば、9%のZrOを含むAl=HPS9である一方で、または25%のZrOを含むAl=HPS25である)、SiC、BeO、MgO、高密度MgO(理論密度の90%以上)、TSZ(正方晶系安定化ジルコニウム酸化物)、またはZTA、をセラミックの材料として備えて構成されるのが好ましい。また、セラミック素子を、材料組成の互いに異なる複数のセラミック層同士を重ね合わせて配置するだけでなく、それらを接合することで絶縁層を形成した複合セラミックまたはハイブリッドセラミックとして設計することによって、各種の望ましい特性を兼ね備えることも考えられる。また、2つのセラミック層同士の間に金属中間層を配置することも考えられる。この金属中間層は、好ましくは1.5mmよりも厚く、および/または2つのセラミック層の合計よりも厚く、される。好ましくは、可能な限り低い熱抵抗にするべく、できるだけ熱伝導性の高いセラミックを使用することである。
【0016】
「DCB処理」(直接銅接合技術)または「DAB処理」(直接アルミニウム接合技術)によって、当業者は、例えば、金属層または金属シート(例えば、銅シートまたは銅箔(フォイル)またはアルミニウムシートまたはアルミニウム箔)を互いに接合したり、および/またはセラミックもしくはセラミック層に接合したり、するべく用いられる処理で、表面側に層またはコーティング(表面溶解層、表面溶融層)を有する金属シートまたは銅シートまたは金属箔または銅箔を使用するものを理解した。例えば特許文献4または特許文献5に記載されているこの処理では、この層またはコーティングは、金属(例えば銅)の溶融温度未満の溶融温度を有する共晶を形成する。よって、箔をセラミック上に配置するだけでなく、すべての層を加熱することによって、それらは一緒に接合される。よって、それぞれ表面溶融層または酸化物層の領域でのみ金属または銅を本質的に表面溶融することによって、一緒に接合することが可能である。
【0017】
特に、例えば、次に、直接銅接合DCB処理は、以下の処理工程を備えており、すなわち、
均一な酸化銅層が形成されるように、銅箔を酸化させる工程と、
前記銅箔を前記セラミック層上に配置する工程と、
複合体を約1025~1083℃の間の、例えば約1071℃である、処理温度まで加熱する工程と、
室温まで冷却する工程と、
を備えている。
【0018】
金属層または金属箔を、特に銅層または銅箔を、セラミック材料に接合するための活性半田付け法とは、特に金属セラミック基板の製造にも使用される処理を意味している。金属箔たとえば銅箔と、セラミック素子たとえば窒化アルミニウムセラミックと、の間の結合は、銅、銀、および/または金などの主成分に加えて活性金属を含有する硬半田を用いることで、約600~1000℃の温度で生成される。この活性金属は、例えばHf(ハフニウム)、Ti、Zr、Nb(ニオブ)、Ceからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、半田とセラミックとの間で化学反応による結合を生じさせる。一方で、半田と金属との間の結合は、硬い半田接合部である。また、厚膜処理による接合も考えられる。
【0019】
熱間等方圧加圧法は、例えば特許文献6から知られており、その内容は、熱間等方圧加圧法に関して参照によって本明細書に明示的に含まれる。
好ましくは、製造された状態において、少なくとも1つの金属層は、セラミック素子からの距離が増加するときに、少なくともいくつかの部分においてテーパが付くように意図されている。これは、特に熱放散に有利であることが証明されているので、電気部品を少なくとも1つの金属層のそれぞれの金属部分(セクション)の縁(エッジ)にできるだけ近く配置することができる。
【0020】
さらに、少なくとも1つの金属層は、主延長面に対して垂直な厚さが1mmよりも大きく、好ましくは1.3mmよりも大きく、特に好ましくは1.5~3mmである、ことが好ましい。特に、そのような大きな厚さを有する金属セラミック基板については、少なくとも1つの金属層における個々の部分同士を分離するべく、機械工具またはレーザ光の使用が有利であることが証明されている。これは、これによって、比較的狭いアイソレーショントレンチ(分離溝)が形成されることで、それによって導電トラックおよび接合の、最大に密集したパターンが実現され得るからである。さもなければ、1未満のアスペクト比が、対応するエッチング処理によって実現されることになる。アスペクト比は、幅に対する深さの比を規定するものである。したがって、1mmを超える少なくとも1つの金属層の厚さは、少なくとも1つの金属層において互いに電気的に絶縁されている2つの金属部分同士の間に比較的大きな距離を生じさせるであろう。特に、少なくとも1つの金属層の2つの部分同士の間の凹部は、1よりも大きい、好ましくは1.5よりも大きい、特に好ましくは2よりも大きい、アスペクト比を有すると有利である。
【0021】
さらに、機械工具および/またはレーザ光を用いた、機械加工は、セラミック素子を少なくとも1つの金属層に接合するよりも前に、実施されることが好ましい。このようにすることで、接合状態のセラミック素子に向かう(面する)少なくとも1つの金属層の面(側)を、パターン化および/または機械加工することが有利になる可能性がある。その後、少なくとも1つの金属層の2つの隣接する部分同士の間の完全な絶縁を確保するべく、個々の金属部分(特に、セラミック素子から離れる方向に向かう(面する)少なくとも1つの金属層の側または表面)同士を接合する残りの金属化(メタライゼーション、好ましくはリブの形態)を、除去することができる。
【0022】
さらに、機械工具は、エンボス加工装置および/またはパンチング装置であること、および/またはフライス加工刃または鋸(のこぎり)刃を備えていること、が考えられる。使用される光は、例えば、連続的に放出される光であってもよいし、パルス光であってもよい。好ましいのは、超短パルスレーザ光であり、パルス長またはパルス持続時間が1ナノ秒よりも短い光パルスである。
【0023】
好ましくは、側面の幾何学的形状は、工具案内(ツールガイド)によって決定される。例えば、機械工具の横方向の動きとともに特定の持ち上げ運動が、側面に印刷またはインサート(挿入)されるべき特定のコースをもたらす。ここで、例えば、フライス工具の先端の動きによって、湾曲したコースが決定され得る。
【0024】
また、側面の幾何学的形状は、金属層の円周(周囲)に沿って変化することも考えられる。すなわち、機械工具および/またはレーザビーム装置を利用することで側面の加工を行うことによって、いくつかの部分で変化する幾何学的形状と、少なくとも1つの金属層の最外周の周回方向に沿って変化する幾何学的形状と、を設定することができる。例えば、湾曲コースの曲率に対して幾何学的形状が変化したり、例えば、湾曲した側面から斜めの側面や段差のある側面などへの幾何学的形状の種類が変化したり、することが可能である。
【0025】
さらに、機械加工は、少なくとも1つの金属層の少なくとも2つの部分同士を接続するリブが実現されるように、実施されることが好ましい。特に、リブは、例えば、少なくとも1つの金属層の簡単で寸法的に安定した取り扱いまたは輸送を可能にするので、したがって、セラミック素子からの簡単な配置を可能にするような寸法にされる。また、少なくとも1つの金属層をセラミック素子に接合した後、リブを完全に除去せず、リブのいくつかの部分を導体接合領域として設けることも考えられる。言い換えれば、リブは部分的にのみ除去されることで、すなわち、リブのはみ出した部分がそのまま残ることで、別の金属部分および/または電気部品および/または外部制御源、との接合を形成することが意図される。
【0026】
好ましくは、リブは、接合後に、例えば、レーザおよび/またはエッチングおよび/またはフライス加工および/または火花放電および/または電気化学処理によって、少なくとも部分的に除去される。このようにすることで、少なくとも1つの金属層における部分同士の最終的な分離を、実現することができる。
【0027】
さらに、機械工具は、フライス工具たとえばフライスヘッドと、鋸刃および/またはパンチング部材またはエンボス部材と、を備えているだけでなく、これら工具の形状が側面の幾何学的形状を決定することが考えられる。これによって、側面の幾何学的形状を、工具の形状で簡単かつ容易に決定することができるだけでなく、再現性のある正確な方法で側面の幾何学的形状を規定することができる。
【0028】
さらに、製造された側面は、少なくとも一部の部分において、斜めおよび/または曲がり(ベント)および/または湾曲(カーブ)および/または段差があることが好ましい。したがって、側面のための最適化された幾何学的形状が、それぞれの用途に合わせて調整することができるので、製造された金属セラミック基板は、金属セラミック基板の所望の比較的高い耐用年数を保証するのに十分な、熱衝撃耐性を有するようにすることができる。
【0029】
好ましくは、加工は、複数の互いに異なる機械工具同士によって行われるようにする。これによって、特に汎用性のある方法で、幾何学的形状のさらなる改良を実現することができる。例えば、互いに異なる外形輪郭を有する互いに異なるフライス加工工具(ミリングツール)またはエンボス加工工具は、側面の互いに異なる幾何学的形状または特定コースを実現するべく、使用される。
【0030】
特に、少なくとも1つの金属層および/または少なくとも1つの追加(更なる)金属層は、それら金属層および/または追加金属層を接合することでプレコンポジット(前複合体)とするよりも前に、パターン化されることである。
【0031】
好ましくは、少なくとも1つの金属層は、複数の絶縁金属部分に分離されるだけでなく、その後、絶縁金属部分の側面の幾何学的形状が決定される。言い換えれば、少なくとも1つの金属層をセラミック素子に取り付けるのに続いて、少なくとも1つの金属層は、まず、絶縁溝をインサートすることによって、互いに電気的に絶縁される。次に、例えば主延長面に対して実質的に垂直に延びる側面を、機械加工および/またはレーザ光の使用によって、所望の幾何学的形状にする。
【0032】
あるいは、互いに絶縁された金属部分同士の作成とで同時に、金属部分同士の側面と幾何学的形状とを決定することが考えられる。これによって、追加の工程を必要としないので、処理が促進される。
【0033】
特に、少なくともいくつかの部分において、主延長面に対して平行には走っていない側面の幾何学的形状を規定するための少なくとも1つの金属層の機械加工は、大部分がレーザ光を用いて実施される。「大部分」とは、側面の作成に必要な時間の消費の50%以上、好ましくは75%以上、特に好ましくは85%以上、がレーザ光加工に起因することを意味する。
【0034】
本発明の別の目的は、以下の工程を含む金属セラミック基板を製造する方法であり、該方法は、
セラミック素子、少なくとも1つの金属層、および少なくとも1つの追加金属層、を提供する工程であって、セラミック素子、少なくとも1つの金属層、および少なくとも1つの追加金属層、は主延長面に沿って延在する、提供する工程と、
少なくとも1つの金属層と少なくとも1つの追加金属層とを接合することで、プレコンポジットを形成する工程と、
セラミック素子をプレコンポジットに、特に直接金属接合法、熱間等方圧加圧法、および/または半田付け法、によって接合する工程と、および
少なくとも1つの金属層および少なくとも1つの追加金属層の、主延長面に対して平行には走らないプレコンポジットの側面の少なくとも一部の幾何学的形状を規定するべく、機械工具および/またはレーザ光によって少なくとも1つの金属層を機械加工するとともに、好ましくは接合前に、エッチングによって少なくとも1つの追加金属層を機械加工する工程と、
を備えている。上記の方法について説明したすべての特性および利点は、この方法に類推的に適用することができるだけでなく、その逆もまた同様である。
【0035】
本発明の別の目的は、本発明による方法によって製造された金属セラミック基板である。この方法について説明したすべての特性および利点は、金属セラミック基板に類推的に適用することができるだけでなく、その逆もまた同様である。特に、金属セラミック基板は、パワーモジュールの構成要素であるだけでなく、電気部品または電子部品のためのキャリアとして機能する。
【0036】
さらなる利点および特徴は、添付の図を参照しながら、本発明の主題の好ましい実施形態の以下の説明から生じるであろう。個々の実施形態の個々の特徴を組み合わせることは、本発明の範囲内であり、ここで図は以下のようである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の好ましい第1実施形態による、金属セラミック基板。
図2】本発明の好ましい第2実施形態による、金属セラミック基板。
図3】本発明の第1、第2、および第3実施形態による、金属セラミック基板の製造方法。
図4】本発明の第4実施形態による、金属セラミック基板の製造方法。
図5】本発明の第5実施形態による、金属セラミック基板の製造方法。
図6】本発明の第6実施形態による、金属セラミック基板の製造方法。
図7】本発明の第7実施形態による、金属セラミック基板の製造方法。
図8a】本発明の例示的な実施形態による方法によって製造された金属セラミック基板に対する様々な、側面を示す図。
図8b】本発明の例示的な実施形態による方法によって製造された金属セラミック基板に対する様々な、側面を示す図。
図8c】本発明の例示的な実施形態による方法によって製造された金属セラミック基板に対する様々な、側面を示す図。
図8d】本発明の例示的な実施形態による方法によって製造された金属セラミック基板に対する様々な、側面を示す図。
図8e】本発明の例示的な実施形態による方法によって製造された金属セラミック基板に対する様々な、側面を示す図。
図8f】本発明の例示的な実施形態による方法によって製造された金属セラミック基板に対する様々な、側面を示す図。
図8g】本発明の例示的な実施形態による方法によって製造された金属セラミック基板に対する様々な、側面を示す図。
図8h】本発明の例示的な実施形態による方法によって製造された金属セラミック基板に対する様々な、側面を示す図。
図9a】本発明の好ましい第8実施形態による、金属セラミック基板を製造するための方法。
図9b】本発明の好ましい第8実施形態による、金属セラミック基板を製造するための方法。
図10a】本発明の例示的な実施形態による方法によって製造された方法のための様々な、側面を描いている。
図10b】本発明の例示的な実施形態による方法によって製造された方法のための様々な、側面を描いている。
図10c】本発明の例示的な実施形態による方法によって製造された方法のための様々な、側面を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明の好ましい第1実施形態による金属セラミック基板1を模式的に示している。好ましくは、このような金属セラミック基板1は、電気部品(エレクトリカルコンポーネント)用のキャリアである。特に、金属セラミック基板1は、セラミック素子(セラミック要素)30と、少なくとも1つの金属層10と、を備えて構成されているべきである。セラミック素子30および少なくとも1つの金属層10は、主延長面HSEに沿って延びる(走行する)。少なくとも1つの金属層10は、セラミック素子30に付着されている。少なくとも1つの金属層10とセラミック素子30とは、主延長面HSEに対して垂直に走る積層方向Sで、互いの上に配置されている。特に、少なくとも1つの金属層10は、例えば、互いに電気的に絶縁される態様で、主延長面HSEに対して平行に延びる方向に沿って、互いに隣接して配置される複数の金属部分を備えているものとされている。
【0039】
さらに、積層方向Sで見て、少なくとも1つの金属層10とは反対側でセラミック素子30に、裏面メタライゼーション(バックサイド金属化)20が設けられていることが特に好ましい。裏面メタライゼーション20は、特に、動作中に少なくとも1つの金属層10とセラミック素子30とにおける互いに異なる拡張係数から順に生じる熱機械的歪みによってさもなければ生じる曲げに対抗するべく、設けられる。同時に、裏面メタライゼーション20は十分な熱容量を提供するので、特に過負荷状況において適切な緩衝材を提供するべく望まれる。この文脈では、少なくとも1つの金属層10の厚みの増加も、既に部品側で効果的な熱放散を引き起こし得るので、熱容量を増加させることについて本明細書では特に有利であることが証明されている。基本的に、より厚い少なくとも1つの金属層10および/または裏面メタライゼーション20はまた、熱容量を増加させることでより良い冷却を可能にするだけでなく、同時に機械的安定性を増加させるので、有利であることが証明されている。これによって、例えば、底板を不要にすることができる。
【0040】
このため、所望の熱容量を提供するべく、裏面メタライゼーション20の所定の厚さが必要である。少なくとも1つの金属層10と裏面メタライゼーション20との対称的な設計を順番に同時に確保するべく、少なくとも1つの金属層10では、主延長面HSEに対して垂直に延びる厚さD1が、1mmよりも大きく、好ましくは1.3mmよりも大きく、特に好ましくは1.5mmと3mmとの間の厚さを有することが好ましい。少なくとも1つの金属層10のこのような比較的大きな厚さを使用することによって、少なくとも1つの金属層10と裏面メタライゼーション20との間の比較的高い対称性を実現すると同時に、裏面メタライゼーション20のおかげで十分な熱容量を確保することができる。少なくとも1つの金属層10のそのような大きな厚さD1に対して、セラミック素子30の表面に複数の金属部分をできるだけ密に設けるべく、少なくとも1つの金属層10の個々の金属部分同士の間に、比較的狭い溝(トレンチ)を、すなわちいわゆるアイソレーショントレンチ(隔離溝、分離溝)を、実現することが望ましい。
【0041】
少なくとも1つの金属層10の2つの金属部分同士の間の領域は、1よりも大きい、好ましくは1.5よりも大きい、特に好ましくは2よりも大きい、アスペクト比を有することが好ましい。そのようなアスペクト比は、エッチングによっては実現できないし、または多大な費用でしか実現できない。よって、少なくとも1つの金属層10のそのようなパターニングは、機械工具40によってまたはレーザ光によって実現されることが有利である。この文脈では、少なくとも1つの金属層10は、接合前に、特に直接銅接合DCB、直接アルミニウム接合DAB、または活性半田付け(アクティブソルダリング)法を用いてまたは熱間等方圧加圧法を用いて接合よりも前にパターニングされること、または機械工具40の手段によっておよび/またはレーザ光の手段によって機械加工されること、が特に好ましい。例えば、機械工具40は、少なくとも1つの金属層10をパターン化するべく使用される、フライス工具および/またはスタンピング工具またはエンボス工具であってもよい。機械工具40またはレーザ光による機械加工は、少なくとも1つの金属層10が依然として部品として搬送可能であるように、実施されることが好ましい。この目的のために、例えば、機械工具40またはレーザ光の手段によって個々の金属部分同士を互いに分離することは省略されるので、すなわち、少なくとも1つの金属層10における金属部分同士の間には、例えばロボットによる運搬中または取り扱い中に曲がらないように十分に厚いリブ14が実現されることになる。
【0042】
少なくとも1つの金属層10がセラミック素子30上に配置された後、特に少なくとも1つの金属層10のパターン化された面(側)が、セラミック素子30に向かう(面する)ように、直接接合処理、熱間等方圧加圧法、または活性半田付け法、などの接合処理は、少なくとも1つの金属層10をセラミック素子30に接合するべく好ましくは使用される。
【0043】
後続の処理工程において、少なくとも1つの金属層10の2つの隣接する金属部分同士を接続するリブ14が、例えば機械加工によって、レーザ光または化学処理またはエッチング処理によって、部分的または完全に除去されることが考えられる。その結果、接合後、セラミック素子30上に、互いに比較的近接して配置された金属部分同士が設けられるので、その結果、比較的狭いアイソレーショントレンチが提供される。また、例えば、リブ14を部分的にのみまたはいくつかの部分で除去するべくレーザ光または機械工具40を使用することと、そして例えば少なくとも1つの金属層10の互いに異なる金属部分同士を互いに接合するべく、および/または部品同士間の接合を実現するべく、および/または外部コントローラとの接合を確立するべく、例えば少なくとも1つの金属層10の上側から主延長面HSEの方向に横方向に突出するリブ部分を接合ラグまたは接合領域として使用することと、が考えられる。
【0044】
図2は、本発明の例示的な第2実施形態による金属セラミック基板1を示す。特に、ここでは、主延長面HSEに対して平行ではない側面15の幾何学的形状は、機械工具40および/またはレーザ光による機械加工によって規定されることになっている。先行技術では特にエッチングによって主延長面HSEに対して特に湾曲したまたは斜めのコースが側面15に形成されるが、機械工具40またはレーザ光を使用する場合にはこれは必ずしも当てはまらない。しかしながら、特に少なくとも1つの金属層10とセラミック素子30との境界領域における斜めまたは湾曲した側面15は、熱衝撃耐性に有利であることが証明されている。よって、エッチングだけでは実現できない比較的狭いアイソレーショントレンチでは、側面15の幾何学的形状を規定するべく機械工具40またはレーザ光を使用することが有利である。図2に示す実施形態では、少なくとも1つの金属層10における側面15のいくつかの部分において下方の面は、すなわちセラミック素子30に向かう面(面する側)は、曲がった(ベント)または湾曲(カーブ)したコースが想定されている。その結果、少なくとも1つの金属層10は比較的厚いだけでなく1よりも大きいアスペクト比が提供されるので、したがって、アイソレーショントレンチのエッチングだけでは容易に明らかにはならないこのような金属セラミック基板1に対しても、熱衝撃耐性に有利なコースである側面15のコースを有利に実現することが可能である。
【0045】
さらに、側面15の幾何学的形状を形成するべく機械工具40および/またはレーザ光を使用することによって、この幾何学的形状は、エッチング処理による作成とで比較して、より再現性よく作成することができたり、またより正確に調整(修正)することができたり、することが有利であることが証明された。特に、側面15または20に沿った曲率半径は、機械工具40および/またはレーザ光によって、主延長面HSEに対して平行に走る方向に、修正され得るかまたは修正されることが考えられるほどである。これは、一般に、同位体媒介エッチングの場合には当てはまらないので、側面15の様々な部分同士を互いに独立に整合させることは不可能であるか、または限られた範囲でのみ可能である。
【0046】
図3は、本発明の第3実施形態(左)、第4実施形態(中)、第5実施形態(右)、による金属セラミック基板1を示す図である。特に、図3は、少なくとも1つの金属層10の部分同士の間に適切な凹部または隔離領域(アイソレーションリージョン)を実現するべく、少なくとも1つの金属層10をパターン化するべく使用される機械工具40を伴って、それぞれの金属セラミック基板1を模式的に示している。例えば、左側の例示的な実施形態は、実質的にテーパ状であるフライスヘッド(ミリングヘッド)を示すので、それによって、側面(側壁面)15の実質的に傾斜した幾何学的形状が実現され得る。特に、フライスヘッドは、少なくとも1つの金属層10の隣接する金属部分同士の間の凹部よりも狭くなるようにすることである。図3の中央では、丸みを帯びたプロファイルまたは丸みを帯びた外面を有するフライスヘッドが示されており、これによって特に、少なくとも1つの金属層10における側面15の湾曲したコースが実現され得る。図5の右に示す実施形態では、少なくとも1つの金属層10の2つの金属部分同士の間を製造またはパターニングするべく、すなわち側面15の幾何学的形状を決定するべく、鋸刃が設けられている。鋸刃の外側輪郭は、それらが主延長面HSEに対して斜めに走るように、特に90°の角度を形成しないように、少なくとも1つの金属層10上の対応する側面15をパターン化するべく、本質的に楔形または台形である。
【0047】
図4は、本発明の好ましい第4実施形態による金属セラミック基板1を製造するための方法を示す。特に、少なくとも1つの金属層10は例えばエンボス工具を用いてパターニングされているだけでなく、エッチング処理を用いてパターニングが埋め込まれた追加金属層10′とで組み合わされる。特に、少なくとも1つのパターニングされた金属層10は、そのパターンが少なくとも1つの追加金属層10′のパターンとで一致するように設計されている。よって、少なくとも1つの金属層10と少なくとも1つの追加金属層10′とを結合すると、個々のパターニング操作中に生成された幾何学的形状がプレコンポジットにおいて互いに結合されているような、プレコンポジットが生じる。特に、少なくとも1つの金属層10の厚さは、少なくとも1つの追加金属層10′の厚さの0.5倍以上、好ましくは1.0倍以上、特に好ましくは2.0倍以上、であるようにすることである。その結果、側面15は、特に少なくとも1つの金属層10において、比較的大きく、深く、好ましくは、直線状で、および/または主延長面(部分的)に対して垂直なものを実現することができる。(部分的な)側面15の曲がりまたは曲線コースは、特に製造された状態においてセラミック素子30に向かう(面した)部分において、少なくとも1つの追加金属層10′によって作成される。この文脈では、少なくとも1つの金属層10および/または少なくとも1つの追加金属層10′は、結合がそれら同士の間に形成されるように、プレコンポジット内で加熱されることが特に好ましい。その結果、少なくとも1つの金属層10および少なくとも1つの追加金属層10′が結合されることで、セラミック素子30に比較的容易に適用できる一体型(ワンピース)の、特にモノリシック体を形成する。この文脈では、少なくとも1つの金属層10またはプレコンポジットをセラミック素子30に接合した後、少なくとも1つの金属層10またはプレコンポジットは、2つの互いに隣接する金属部分同士を接続するリブ14が除去されるように加工されたり、および/または、2つの互いに隣接する金属部分同士の間に比較的狭い絶縁溝が配置された2つの互いに隣接する金属部分同士が生成されるようにパターン加工されたりする。この文脈では、例えば、少なくとも1つの追加金属層10′におけるエッチング処理は、製造された少なくとも1つの金属層10上またはプレコンポジット上に、所望の湾曲したまたは曲がった側面を作成することが考えられる。
【0048】
図5は、本発明の第5実施形態による金属セラミック基板1の製造方法を模式的に示す図である。この例示的な実施形態では、製造された状態でセラミック素子30に向かう面(面する側)において少なくとも1つの金属層10に、例えばエッチングによってパターニングを行う。その後、少なくとも1つの金属層10をセラミック素子30に接合することが実現されることになる。この文脈では、少なくとも1つの金属層10におけるエッチングされたパターンが、計画されたアイソレーショントレンチ(隔離溝)の領域を規定するように配置されることが、特に好ましい。アイソレーショントレンチは、その後、これらのエッチングされたパターン上の領域で、機械的機械加工によって露出されることになる。側面(側壁面)15のコースまたは幾何学的形状は、エッチングと機械的機械加工との組み合わせによってまたはレーザ光によって、規定される。これによって、例えば、セラミック素子30の領域との重なりを有する適切なアイソレーショントレンチが実現される。特に、機械工具40を使用する際に、セラミック素子30にダメージを与える(損傷する)おそれがない。
【0049】
図6は、本発明の例示的な第6実施形態による金属セラミック基板1を製造するための方法を示す。ここで、図6の実施形態は、製造された状態においてセラミック素子30に向かう面(面する側)をパターニングすることに加えて、反対側の面に、特にセラミック素子30に向かう面(面する側)のパターニングに一致したパターニングを追加的に行う点でのみ、図5の実施形態とは本質的に相違する。その結果、すなわち少なくとも1つの金属層10の両面(両側)でのパターニングによって、セラミック素子30に接合した後でも、外部から、どの点においてパターンが少なくとも1つの金属層10に適用されたかを見ることもできる。その結果、例えばフライスまたは鋸歯工具によるおよび/またはレーザ光による、その後の機械加工において、少なくとも1つの金属層10の反対側のパターン化された上面同士の間にまたはパターン化された凹部同士の間に位置する金属領域がさらに除去されることで、したがって最終的に絶縁溝を露呈し得るようにすることができる。
【0050】
図7は、本発明の例示的な第7実施形態による金属セラミック基板1を製造するための方法を示す図である。特にここでは、準備工程において、特に機械工具またはレーザ光を用いることで、少なくとも1つの金属層10にキャビティ(空洞)または凹部50をインサートする。その後、凹部50および/またはキャビティを備えている面(側)において、少なくとも1つの金属層10をセラミック素子30に接合することで、少なくとも1つの金属層10をセラミック素子30に接合することとする。その後、少なくとも1つの金属層10から、例えばエッチング処理によってさらに金属を除去することによって、接合処理中にセラミック素子30に面するキャビティまたは凹部50は、反対側から露出する。従って、側面15の段差(段階状、階段状、スッテプワイズ)コースは、少なくとも1つの金属層10の反対側に互いに異なる幅の凹部同士を実現することによって、好ましくは実現されるであろう。この文脈において、少なくとも1つの金属層10または対応するメタライゼーションのエッジ領域に配置された部品に対して最も効率的な熱放散を提供するべく、個々の段差の側面15の段差高さ同士が互いにほぼ同じサイズであるように提供されることが特に好ましい。あるいは、例えば、接合後に生じる段差の深さを、凹部50を形成する際の準備工程で生じる深さよりも大きくすることも考えられる。
【0051】
特に、準備工程で凹部50またはキャビティを実現するとともに、その後にそれら凹部50またはキャビティを露出させるこの組み合わせによって、比較的薄いアイソレーショントレンチが実現され得ることが有利であることが証明された。
【0052】
図8a~図8hは、金属セラミック基板1の様々な実施形態を、特に様々なアイソレーショントレンチ(隔離溝)の実施形態を、示す。アイソレーショントレンチは、特に、2つの隣接する金属層部分同士が互いに分離されるだけでなく、隔離効果を有するセラミック素子30を介して互いに機械的に接合されることになる、金属セラミック基板1の領域である。
【0053】
図8aは、側面15の段階的なコースを示しているので、これは例えば図7に示される方法によって製造することができる。さらに、図8a~図8hに示す側面15の任意のさらなる実施形態では、好ましくは、セラミック素子30に面する(向かう)少なくとも1つの金属層10の側(面)において、接合後に機械工具またはレーザ光によって、凹部50および/またはキャビティを組み合わせるように形成することによって実現してもよい。一方、凹部50および/またはキャビティは、セラミック素子30から離れる方向に面した(向かう)少なくとも1つの金属層10の側(面)では、好ましくは接合後に、例えばエッチング処理、レーザ光、および/または機械工具、によって実現されることになる。
【0054】
図8bは、主延長面HSEに対して斜めに延びる中間部17が、実質的に垂直に延びる2つの側面部16同士の間に設けられている、側面15を示す。
図8cは、少なくとも1つの金属層10の上面から、セラミック素子30に隣接するように実質的に垂直に延びる側面部16まで、主延長面HSEに関して斜めに延びる側面部16を示す。
【0055】
少なくとも1つの金属層10は、主延長面HSEに対して互いに異なる傾斜を有する複数の側面部16を有することが好ましい。この点、複数の側面部16のうちの1つは、主延長面HSEに対して実質的に垂直または直角であってもよい。複数の側面部16の互いに異なる傾斜角度を設定することによって、有利には、少なくとも1つの金属層10の互いの隣接する金属部分同士の電気的挙動に強く影響を与えることが可能であり得る。
【0056】
図8dは、少なくとも1つの金属層10がセラミック素子30に面する側(向かう面)に、曲線(湾曲、カーブ)のコースを特にアンダーカット18の形態を有するという点で、例えば図8aに示すような純粋に段差状のコースとは実質的に異なる実施形態を示している。言い換えれば、図8dは、セラミック素子30に隣接する領域における少なくとも1つの金属層10の曲線コースと、少なくとも1つの金属層10の段差的なコースと、を組み合わせている。それによって、湾曲したコース(18)は、少なくとも1つの金属層10における凹部50の横方向の延長寸法(主延長面HSEに対して平行に測定される)が、セラミック素子30からの距離が増加するにつれて減少するように、湾曲または配向される。
【0057】
図8eでは、少なくとも1つの金属層10の曲がったまたは湾曲したコースは-図8dの実施形態とは逆に-セラミック素子30から、実質的に水平に延びる側面部16まで延びるように示されている。したがって、図8dの実質的に垂直に延びる側面部16は、本明細書では省略される。
【0058】
図8fの例の実施形態では、絶縁溝の形成中に複数の凹部50を連続的に形成することによって、少なくとも1つの金属層10では、まずセラミック素子30からの距離が増加するにつれて、横方向の広がりが先細りになる一方で、その後、側面15が少なくとも1つの金属層10の上面に合流するまで、横方向の広がりは再び増加することが特に分かるであろう。好ましくは側面15は、少なくとも2つ、好ましくは正確に2つ、3つ、または4つ、の側面部16で形成されるべきである。個々の側面部16同士は、幾何学的形状または一般的コースに関して、互いに異なる。
【0059】
図8gは、セラミック素子30から離れる方向に向かう(面する)側面部16に形成されるべき、側面15の湾曲または屈曲したコースを示す。特に、比較的大きな曲率または大きな曲率半径は、エッチングの手段によって製造することができる。一方で、機械工具および/またはレーザ光の使用は、セラミック素子30に向かう(面する)少なくとも1つの金属層10の側で主延長面HSEに対して実質的に垂直に延びる側面部16を有する、狭くて好ましくは直線のアイソレーショントレンチを製造することになる。
【0060】
特に、図8hの例示的な実施形態では、実質的に垂直に延びる側面部16の高さが、セラミック素子30から離れる方向に面する少なくとも1つの金属層10の領域における湾曲した側面部16の延伸寸法よりも、大きいことが分かるかもしれない。
【0061】
図9aおよび図9bは、本発明の好ましい第8実施形態による金属セラミック基板1を製造するための方法を示す。この場合、まず、機械工具40によって、製造された状態のセラミック素子30に向かう面(面する側)の少なくとも1つの金属層10に、凹部50をインサートする。この場合、フライス加工および/またはドリル加工の深さは、少なくとも1つの金属層10の厚さD1の半分よりも大きく、好ましくは2/3よりも大きく、特に好ましくは3/4よりも大きい。例えば半田材料60を介して接合した後、少なくとも1つの金属層10は、特に機械工具40を用いた機械加工の後でも除去されていなかった領域、すなわち残存した領域において、エッチング処理によって機械加工される。この点で、エッチング処理は、テーパリングした突起55が側面15上に残るように、制御されることが好ましい。特に、同じ高さに配置された2つの先細り突起55は、エッチング後でも残るように、残される。特に、側面15のエッチングされた部分、すなわちエッチングに関連する側面部16は、特にエッチング剤の等方性効果に起因する、湾曲(カーブ)した形状を有している。特に、突起55は、セラミック素子30に向かう面(面する側)では平坦な特に実質的に水平なコースを有する一方で、セラミック素子30から離れる方向に向かう面(面する側)では湾曲したコースを有する、ようにすることである。好ましくは、エッチングのためのパターン化されたレジスト層70は、少なくとも1つの金属層10上に配置されることで、エッチングの局在化および/またはサイズを有利に決定するべく使用されることになる。特に、突起55は、セラミック素子30から離れる方向に面する上部部分、すなわち少なくとも1つの金属層10の上半分、好ましくは上3分の1、特に好ましくは上4分の1、に配置される。
【0062】
図10a~図10cは、本発明の例示的な実施形態による金属セラミック基板1の製造方法によって実現され得る、様々な側面15を示す。例えば、互いに異なる幅の凹部(15)同士が、2つの切断工程によって少なくとも1つの金属層10に、例えば2つの互いに対向する側面同士にインサートされることが考えられる。図10aでは、少なくとも1つの金属層10のセラミック素子30から離れる方向に向かう面(面する側)に、この目的のために開口部が設けられている。このようにすることで、電気部品を取り付け可能な少なくとも1つの金属層10の上面または外側に、できるだけ大きな領域を提供することができる。言い換えれば、図10aの例示的な実施形態では、少なくとも1つの金属層10から突出する突起55が、少なくとも部分的に絶縁溝の上方に延在している。この場合、突起55は、少なくとも1つの金属層10の外面の上面とで同一平面上にある。この目的のために、互いに異なる厚さの2つの鋸刃を使用することで、互いに対向する面で少なくとも1つの金属層10に、対応する互いに異なる幅の凹部50同士を作成することが考えられる。これによって、互いに横方向にオフセットされるだけでなく好ましくは互いに対して平行に走る複数の側面部16を有する側面15を実現することで、側面15の段階的なコースを実現することが可能となる。この例示的な実施形態では、少なくとも1つの金属層10の片側、特にセラミック素子30に向かう(面する)半分、において連続して実施される様々な機械加工作業によって、段差コースが少なくとも1つの金属層10にインサートされることになる。好ましくは、側面部16は、実質的に垂直に、すなわち主延長面HSEに対して垂直に延びるように、設けられる。好ましくは、側面は、少なくとも3つの段差、好ましくは少なくとも4つの段差、より好ましくは5つの段差、を備えて構成されている。特に、最初に、セラミック素子30に面する少なくとも1つの金属層10の側面が、好ましくは、例えば段階的なコースを実現するべく、いくつかの機械加工を使用することで、機械加工されることが提供される。あるいは、段階的なコースを実現するべく、1つまたは複数の段階的な整形カッターが使用される。その後、当該少なくとも1つの金属層10は、セラミック素子30に付着される。付着(貼り付け)に続いて、セラミック素子30とは反対側での少なくとも1つの金属層10の分離が行われることで、当該少なくとも1つの金属層10には、互いに異なる金属部分同士が形成されることになる。
【0063】
図10cの例示的な実施形態は、セラミック素子30から離れる方向に向いた少なくとも1つの金属層10の外側側面上において、別の機械加工工程が実行される点で、図10bの例示的な実施形態とは異なる。別の機械加工工程は、少なくとも1つの金属層10の外側側面から離れる方向に向いた側で、アイソレーショントレンチを拡大するコースを実現するべく実行される。
【符号の説明】
【0064】
1…金属セラミック基板。
10…金属層。
10′…追加金属層。
【0065】
14…リブ。
15…側面。
16…側面部。
【0066】
17…中間部。
18…アンダーカット。
20…裏面メタライゼーション。
【0067】
30…セラミック素子。
40…機械工具。
50…凹部。
【0068】
55…突起(プロジェクション)。
60…半田材料。
70…レジスト層。
【0069】
D1…厚さ。
HSE…主延長面。
S…積層方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
図8g
図8h
図9a
図9b
図10a
図10b
図10c
【手続補正書】
【提出日】2022-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属セラミック基板(1)を製造するための方法であって、前記方法は、
セラミック素子(30)および少なくとも1つの金属層(10)を提供する工程であって、前記セラミック素子(30)および少なくとも1つの前記金属層(10)は主延長面(HSE)に沿って延在する、提供する工程と、
前記セラミック素子(30)を少なくとも1つの前記金属層(10)に接合することで、特に直接金属接合法と熱間等方圧加圧法と半田付け法とのうちの少なくとも1つによって前記金属セラミック基板(1)を形成する工程と、および
少なくとも1つの前記金属層(10)における個々の部分同士を分離するべく、機械工具(40)とレーザ光とのうちの少なくとも一方によって、少なくとも1つの前記金属層(10)を機械加工することで、少なくとも部分的に、前記主延長面(HSE)に対して平行には走っていない少なくとも1つの前記金属層(10)の側面(15)の幾何学的形状を規定する工程と、
を備えている、方法であって、
少なくとも1つの前記金属層(10)の2つの部分同士の間の凹部は、1よりも大きいアスペクト比を有しており、
前記アスペクト比は幅に対する深さの比率を規定する、
方法
【請求項2】
前記側面(15)の前記幾何学的形状は、一方ではエッチング法と、他方では前記機械工具(40)とレーザとのうちの少なくとも1つを用いた前記機械加工と、の組み合わせによって規定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの前記金属層(10)は、前記主延長面(HSE)に対して垂直な厚さ(D1)を有しており、
前記厚さ(D1)は1mmよりも大きく、好ましくは1.3mmよりも大きく、特に好ましくは1.5mmと3mmとの間である、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記機械加工は、前記セラミック素子(30)を少なくとも1つの前記金属層(10)に接合するよりも前に、前記機械工具(40)を用いることと前記レーザ光によることとのうちの少なくとも一方によって、行われる、
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記機械加工は、少なくとも1つの金属層(10)の少なくとも2つの部分同士を接続するリブ(14)が実現されるように、行われる、
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記リブ(14)は、好ましくは接合後に、例えばレーザ光とエッチングとフライス加工と火花放電と電気化学処理とのうちの少なくとも1つによって、少なくともいくつかの部分において除去される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記機械工具はフライス工具と、鋸刃と、パンチングまたはエンボス加工部品と、のうちの少なくとも1つを備えており、
前記機械工具の形状は、前記側面(15)の前記幾何学的形状を決定する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記側面(15)の前記幾何学的形状は、ガイド工具によって決定される、
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
製造された前記側面(15)は、斜めであるか、段差状であるか、セグメント化されているか、のうちの少なくとも1つである、
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
製造された前記側面(15)は、曲げられているか、湾曲しているか、のうちの少なくとも1つである、
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの前記金属層(10)は、複数の絶縁金属部分に分離され、
その後、前記絶縁金属部分の前記側面(15)の前記幾何学的形状が決定される、
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記主延長面(HSE)に対して平行には走っていない前記側面(15)の少なくとも一部の前記幾何学的形状を規定するための、少なくとも1つの前記金属層(10)の前記機械加工の大部分は、前記レーザ光を用いて行われる、
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】