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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 3/026 20060101AFI20230831BHJP
   A47C 1/02 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
A47C3/026
A47C1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023504534
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-01-23
(86)【国際出願番号】 IB2021056567
(87)【国際公開番号】W WO2022018644
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】766462
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508301412
【氏名又は名称】フォームウェイ ファーニチャー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100148253
【弁理士】
【氏名又は名称】今枝 弘充
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ウォーレン ビスマン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ クリフォード プライアー
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン デイビッド ハーベック
(72)【発明者】
【氏名】ポール マイケル ウィルキンソン
(72)【発明者】
【氏名】デイモン グレゴリー バーウェル
(72)【発明者】
【氏名】ヒュー トーマス マッコシム
(72)【発明者】
【氏名】レオン ハーレー クレイズ
(72)【発明者】
【氏名】レイチェル ジェシカ ホール
【テーマコード(参考)】
3B091
3B099
【Fターム(参考)】
3B091AA04
3B091AB03
3B091AC07
3B099BA07
(57)【要約】
椅子100は、トランサム1、シートサポート3、背もたれ部5、および揺動及びリクライニングの組み合わせ機構200を備える。揺動及びリクライニングの組み合わせ機構200は、シートサポート3と背もたれ部5をトランサム1に対し中立位置からほぼ前方及び後方に一緒に揺動するように構成された前方及び後方揺動機構400a、400bと、背もたれ部5が直立位置にあるとき背もたれ部5に対しシートサポート3が背もたれ部5に対し第1の静止位置にあるように構成されたリクライニング機構200aと、を備え、背もたれ部5を直立位置からリクライニング位置に向かって後方にリクライニングさせると、シートサポート3が第1の静止位置から上方かつ後方に移動するように構成されている。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランサムと、
シートサポートと、
背もたれ部と、
前記シートサポートと前記背もたれ部を前記トランサムに、そして前記シートサポートを前記背もたれ部に動作可能に接続する、揺動及びリクライニングの組み合わせ機構と、を備える椅子であって、
前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、
前記シートサポートと前記背もたれ部が前記トランサムに対して直立位置からほぼ前後に一緒に揺動するように構成された前方及び後方揺動機構と、そして
前記背もたれ部が直立している場合に前記シートサポートが前記背もたれ部に対して第1の静止位置にあるように、そして前記直立位置からリクライニング位置に向かって前記背もたれ部を後方にリクライニングさせると、前記シートサポートが第1の静止位置から上方かつ後方に移動するように、構成されたリクライニング機構と、を備えた、椅子。
【請求項2】
前記椅子が複数の揺動位置を含み、前記背もたれ部が、前記椅子の揺動位置のいずれにおいても、前記直立位置からリクライニング位置に向かって後方にリクライニング可能である、請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
前記前方揺動機構は、前記トランサム上に配置された前方トラックと、前記シートサポートに動作可能に接続された前方係合要素であって、前記前方係合要素は前記前方トラック内での前記前方係合要素の移動のために前記前方トラック内に受容され、そして、
前記後方揺動機構は、前記トランサム上に配置された後方トラックと、前記背もたれ部に動作可能に接続された後方係合要素であって、前記後方係合要素は前記後方トラック内で前記後方係合要素の移動のために前記後方トラック内に受容された、請求項1または2に記載の椅子。
【請求項4】
前記背もたれ部は後軸部材を含み、前記後方係合要素は前記後軸部材に回転可能に取り付けられ、前記後軸部材は、前記シートサポートと前記背もたれ部の揺動時に前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の後ピボット軸を画定し、前記背もたれ部がその周りを旋回可能である、請求項3に記載の椅子。
【請求項5】
前記シートサポートは前軸部材を含み、前記前方係合要素は前記前軸部材に回転可能に取り付けられ、前記前軸部材は、前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の前ピボット軸を画定し、前記シートサポートがその周りを旋回可能である、請求項4に記載の椅子。
【請求項6】
前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構が、前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の中央ピボット軸を備え、前記背もたれ部および前記シートサポートが、中央ピボット軸で互いに旋回可能に結合されている、請求項5に記載の椅子。
【請求項7】
前記前方トラックが湾曲経路を有し、前記後方トラックが実質的に直線経路を有する、請求項3~6のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項8】
前記前方トラックの後部が前記前方トラックの前部より小さい曲率半径を有し、前記湾曲経路が前部から後部にかけて勾配が増加する、請求項7に記載の椅子。
【請求項9】
前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、前記トランサムに固定され、前記シートサポートおよび背もたれ部を前記中立位置に向かって付勢する第1の付勢力を与えるように構成された少なくとも1つの第1の付勢手段を備える、請求項3~8のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項10】
前記第1の付勢手段の後部分が前記後軸部材に接続され、前記第1の付勢手段の中央部が前記トランサムに接続され、前記第1の付勢手段の中央部が前記トランサムに固定されている場所の前方に位置する前記背もたれ部の前部に、前記第1の付勢手段の前部分が接続されている、請求項6に従属する場合の請求項9に記載の椅子。
【請求項11】
前記第1の付勢手段が弾性手段を含み、前記第1の付勢手段の前記前部分が前記背もたれ部の前記前部から延びる突出部を受容し、前記第1の付勢手段の前記後部分が前記後軸部材の一部を受容する、請求項10に記載の椅子。
【請求項12】
前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、前記シートサポートの角度位置に対する前記背もたれ部の角度位置の変化を抑制するために、前記背もたれ部と前記シートサポートとの間に第2の付勢力を与える少なくとも1つの第2の付勢手段を備える、請求項9~11のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項13】
前記第2の付勢手段の第1の端部が前記背もたれ部と係合し、前記第2の付勢手段の第2の端部が前記シートサポートと係合する、請求項12に記載の椅子。
【請求項14】
前記第2の付勢手段は、前記前部と前記中央ピボット軸との間の位置で前記背もたれ部に固定される、請求項13に記載の椅子。
【請求項15】
前記第2の付勢手段がねじりばねを備え、前記第2の付勢手段の前記第1の端部が前記背もたれ部と係合し後方に延びるアームを備え、前記第2の付勢手段の前記第2の端部が前記シートサポートに係合し前方に延びるアームを備える、請求項13または14に記載の椅子。
【請求項16】
前記椅子は、前記前方係合要素が前記前方トラックの前縁に位置する前方揺動位置を含み、前記前方及び後方揺動機構は、シートサポートが前記中立位置から前記前方揺動位置へ移動する場合、前記前ピボット軸は前記中立位置に対して前方かつ下方に移動し、前記中央ピボット軸は前記中立位置に対して前方かつ上方に移動し、それによって前記シートサポートの前方部分が前記トランサムに対し前方かつ下方に移動するように構成された、請求項6~15のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項17】
前記シートサポートが前記中立位置から前記前方揺動位置に移動する場合、前記中央ピボット軸の位置が変化し、前記後方係合要素が前記後方トラックの前縁に移動し前記後ピボット軸が前記中立位置に対して前方かつ上方に移動し、それによって前記シートサポートの前方部分と背もたれ部が前記トランサムに対し前方かつ上方に移動するように構成された、請求項16に記載の椅子。
【請求項18】
前記椅子は、前記前方係合要素が前記前方トラックの前縁から後方に位置する後部揺動位置を含み、前記前方及び後方揺動機構は、前記シートサポートが前記中立位置から前記後方揺動位置に移動した場合、前記前ピボット軸が前記中立位置に対して後方かつ上方に移動し、前記中央ピボット軸が前記中立位置に対して後方かつ上方に移動し、これにより、前記シートサポートの前方部分が前記トランサムに対して後方かつ上方に移動するように構成された、請求項6~17のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項19】
前記シートサポートが前記中立位置から前記後方揺動位置に移動する場合、前記中央ピボット軸の位置が変化して、前記後方係合要素が前記後方トラックの後縁に移動し、前記後ピボット軸は、前記中立位置に対して後方かつ下方に移動し、それによって前記シートサポートの後部分および前記背もたれ部が前記トランサムに対して後方かつ下方に移動するように構成された、請求項18に記載の椅子。
【請求項20】
前記リクライニング機構は、前記背もたれ部を前記リクライニング位置に移動させると、前記中央ピボット軸の位置が変化し、前記前ピボット軸が後方かつ上方に移動し、前記前方係合要素が前記前方トラックの後縁に向かって移動し、前記シートサポートが第1の静止位置に対して後方かつ上方に移動するように構成された、請求項6~19のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項21】
前記背もたれ部を前記直立位置から前記リクライニング位置に移動させると、前記前ピボット軸が、前記第1の静止位置、前記中立位置、前記前方揺動位置、前記後方揺動位置、またはその他の揺動位置に対して後方に約8~約11mm、上方に約6~約13mm移動し、前記中央ピボット軸が、前記第1の静止位置、前記中立位置、前記後方揺動位置、前記前方揺動位置、またはその他の揺動位置に対して後方に約5~約8mm、上方に約12~約14mm移動するように構成された、請求項20に記載の椅子。
【請求項22】
前記前方及び後方揺動機構が、前記トランサムに対する前記シートサポートおよび背もたれ部の仮想揺動経路を画定するように構成されている、請求項1~21のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項23】
前記仮想揺動経路は曲線経路を含み、前記曲線経路の最下点は前記シートサポートに対応し、前記背もたれ部は前記中立位置にあり、前記仮想揺動経路の後部分は前記最下点の後方に位置し、前記仮想揺動経路の前部分は前記最下点の前方に位置する、請求項22に記載の椅子。
【請求項24】
前記仮想揺動経路は、前記仮想揺動経路の前記最下点から最前端にかけて勾配が増加し、
前記仮想揺動経路は、前記仮想揺動経路の前記最下点から最後端にかけて勾配が増加する、請求項23に記載の椅子。
【請求項25】
前記椅子は、前記シートサポートに取り付けられたシートを備える、請求項1~24のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項26】
前記シートは、前記シートサポートにスライド可能に取り付けられる、請求項25に記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は椅子に関する。より具体的には、本発明は、揺動及びリクライニングの組み合わせ機構を備えた椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2020年7月22日に出願されたニュージーランド特許出願766462の優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
多くの既存のロッキングおよびリクライニングチェアは、ロッキングまたはリクライニング動作を提供する機構を備えている。これらの機構は、椅子が揺動運動またはリクライニング運動のいずれかを持つことができるように、別々に機能することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの機構は、椅子の使用者の動きに応じて機能するか、椅子の揺動またはリクライニングを可能にするために使用者が操作する必要があるアクチュエータを必要とする場合がある。ユーザーが操作する必要があるアクチュエータを備えた機構は、揺動位置からリクライニング位置に、またはその逆に移行するときに、扱いにくいまたはぎこちない動きになる可能性がある。典型的には、揺動及びリクライニング機構の組み合わせは、ユーザーの動きに応じて動作するか、単一のアクチュエータまたは複数のアクチュエータを使用して動作するかにかかわらず、かさばり、複雑である。したがって、それらはしばしば見苦しく、消費者にとって美的魅力に欠ける。
【0005】
さらに、そのタイプの複雑なメカニズムは、複数の椅子を購入する必要があり、低コストが望ましい場合、会議用またはオフィス用の椅子など、大量に購入される椅子に適用するには非常に高価になる可能性がある。
【0006】
本明細書において、特許明細書、他の外部文書、または他の情報源を参照する場合、これは一般に、本発明の特徴を説明するための文脈を提供することを目的としている。特に明記しない限り、そのような外部文書またはそのような情報源への言及は、そのような文書またはそのような情報源が、いかなる法域においても先行技術であるか、または当該技術分野における共通の一般知識の一部を形成することを認めるものと解釈されるべきではない。
【0007】
本発明の少なくとも好ましい実施形態の目的は、揺動及びリクライニング機構が組み合わされた椅子を提供することである。本発明の少なくとも好ましい実施形態の追加または代替の目的は、少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様では、椅子が提供される。椅子は、トランサムと、シートサポートと、背もたれ部と、揺動及びリクライニングの組み合わせ機構とを備える。揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、前記シートサポートと前記背もたれ部を前記トランサムに、そして前記シートサポートを前記背もたれ部に動作可能に接続する。揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、前記シートサポートと前記背もたれ部が前記トランサムに対して直立位置からほぼ前後に一緒に揺動するように構成された前方及び後方揺動機構と、前記背もたれ部が直立している場合に前記シートサポートが前記背もたれ部に対して第1の静止位置にあるように、そして前記直立位置からリクライニング位置に向かって前記背もたれ部を後方にリクライニングさせると、前記シートサポートが第1の静止位置から上方かつ後方に移動するように構成されたリクライニング機構とを備える。
一実施形態では、前記椅子が複数の揺動位置を含み、前記背もたれ部が、前記椅子の揺動位置のいずれにおいても、前記直立位置からリクライニング位置に向かって後方にリクライニング可能である
一実施形態では、前記前方揺動機構は、前記トランサム上に配置された前方トラックと、前記シートサポートに動作可能に接続された前方係合要素を備え、前記前方係合要素は前記前方トラック内での前記前方係合要素の移動のために前記前方トラック内に受容され、そして、前記後方揺動機構は、前記トランサム上に配置された後方トラックと、前記背もたれ部に動作可能に接続された後方係合要素を備え、前記後方係合要素は前記後方トラック内で前記後方係合要素の移動のために前記後方トラック内に受容される。
一実施形態では、前記背もたれ部は後軸部材を含み、前記後方係合要素は前記後軸部材に回転可能に取り付けられ、前記後軸部材は、前記シートサポートと前記背もたれ部の揺動時に前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の後ピボット軸を画定し、前記背もたれ部がその周りを旋回可能である。
一実施形態では、前記シートサポートは前軸部材を含み、前記前方係合要素は前記前軸部材に回転可能に取り付けられ、前記前軸部材は、前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の前ピボット軸を画定し、前記シートサポートがその周りを旋回可能である。
一実施形態では、前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構が、前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の中央ピボット軸を備え、前記背もたれ部および前記シートサポートが、中央ピボット軸で互いに旋回可能に結合されている。
一実施形態では、前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構が、前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の中央ピボット軸を備え、前記背もたれ部および前記シートサポートが、中央ピボット軸で互いに旋回可能に結合されている。
一実施形態では、前記前方トラックが湾曲経路を有し、前記後方トラックが実質的に直線経路を有する。
一実施形態では、前記前方トラックの後部が前記前方トラックの前部より小さい曲率半径を有し、前記湾曲経路が前部から後部にかけて勾配が増加する。
一実施形態では、前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、前記トランサムに固定され、前記シートサポートおよび背もたれ部を前記中立位置に向かって付勢する第1の付勢力を与えるように構成された少なくとも1つの第1の付勢手段を備える。
一実施形態では、前記第1の付勢手段の後部分が前記後軸部材に接続され、前記第1の付勢手段の中央部が前記トランサムに接続され、前記第1の付勢手段の中央部が前記トランサムに固定されている場所の前方に位置する前記背もたれ部の前部に、前記第1の付勢手段の前部分が接続されている。
一実施形態では、前記第1の付勢手段が弾性手段を含み、前記第1の付勢手段の前記前部が前記背もたれ部の前記前部から延びる突出部を受容し、前記第1の付勢手段の前記後部分が前記後軸部材の一部を受容する。
一実施形態では、前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、前記シートサポートの角度位置に対する前記背もたれ部の角度位置の変化を抑制するために、前記背もたれ部と前記シートサポートとの間に第2の付勢力を与える少なくとも1つの第2の付勢手段を備える。
一実施形態では、前記第2の付勢手段の第1の端部が前記背もたれ部と係合し、前記第2の付勢手段の第2の端部が前記シートサポートと係合する。
一実施形態では、前記第2の付勢手段は、前記前部と前記中央ピボット軸との間の位置で前記背もたれ部に固定される。
一実施形態では、前記第2の付勢手段がねじりばねを備え、前記第2の付勢手段の前記第1の端部が前記背もたれ部と係合し後方に延びるアームを備え、前記第2の付勢手段の前記第2の端部が前記シートサポートに係合し前方に延びるアームを備える。
一実施形態では、前記椅子は、前記前方係合要素が前記前方トラックの前縁に位置する前方揺動位置を含み、前記前方及び後方揺動機構は、シートサポートが前記中立位置から前記前方揺動位置へ移動する場合、前記前ピボット軸は前記中立位置に対して前方かつ下方に移動し、前記中央ピボット軸は前記中立位置に対して前方かつ上方に移動し、それによって前記シートサポートの前方部分が前記トランサムに対し前方かつ下方に移動するように構成されている。
一実施形態では、前記シートサポートが前記中立位置から前記前方揺動位置に移動する場合、前記中央ピボット軸の位置が変化し、前記後方係合要素が前記後方トラックの前縁に移動し前記後ピボット軸が前記中立位置に対して前方かつ上方に移動し、それによって前記シートサポートの前方部分と背もたれ部が前記トランサムに対し前方かつ上方に移動するように構成されている。
一実施形態では、前記椅子は、前記前方係合要素が前記前方トラックの前縁から後方に位置する後部揺動位置を含み、前記前方及び後方揺動機構は、前記シートサポートが前記中立位置から前記後方揺動位置に移動した場合、前記前ピボット軸が前記中立位置に対して後方かつ上方に移動し、前記中央ピボット軸が前記中立位置に対して後方かつ上方に移動し、これにより、前記シートサポートの前方部分が前記トランサムに対して後方かつ上方に移動するように構成されている。
一実施形態では、前記シートサポートが前記中立位置から前記後方揺動位置に移動する場合、前記中央ピボット軸の位置が変化して、前記後方係合要素が前記後方トラックの後縁に移動し、前記後ピボット軸は、前記中立位置に対して後方かつ下方に移動し、それによって前記シートサポートの後部分および前記背もたれ部が前記トランサムに対して後方かつ下方に移動するように構成されている。
一実施形態では、前記リクライニング機構は、前記背もたれ部を前記リクライニング位置に移動させると、前記中央ピボット軸の位置が変化し、前記前ピボット軸が後方かつ上方に移動し、前記前方係合要素が前記前方トラックの後縁に向かって移動し、前記シートサポートが第1の静止位置に対して後方かつ上方に移動するように構成されている。
一実施形態では、前記背もたれ部を前記直立位置から前記リクライニング位置に移動させると、前記前ピボット軸が、前記第1の静止位置、前記中立位置、前記前方揺動位置、前記後方揺動位置、またはその他の揺動位置に対して後方に約8~約11mm、上方に約6~約13mm移動し、前記中央ピボット軸が、前記第1の静止位置、前記中立位置、前記後方揺動位置、前記前方揺動位置、またはその他の揺動位置に対して後方に約5~約8mm、上方に約12~約14mm移動するように構成されている。
一実施形態では、前記前方及び後方揺動機構が、前記トランサムに対する前記シートサポートおよび背もたれ部の仮想揺動経路を画定するように構成されている。
一実施形態では、前記仮想揺動経路は曲線経路を含み、前記曲線経路の最下点は前記シートサポートに対応し、前記背もたれ部は前記中立位置にあり、前記仮想揺動経路の後部分は前記最下点の後方に位置し、前記仮想揺動経路の前部分は前記最下点の前方に位置する。
一実施形態では、前記仮想揺動経路は、前記仮想揺動経路の前記最下点から最前端にかけて勾配が増加し、前記仮想揺動経路は、前記仮想揺動経路の前記最下点から最後端にかけて勾配が増加する。
一実施形態では、前記椅子は、前記シートサポートに取り付けられたシートを備える。
一実施形態では、前記シートは、前記シートサポートにスライド可能に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は初期設定の位置にある椅子の側面図を示す。
図2図2は前方に揺動した位置にある椅子の側面図である。
図3図3は初期設定の位置にある椅子の側面図に重ねられた、前方に揺動した位置にある椅子の側面図を示す。
図4図4は後方に揺動した位置にある椅子の側面図である。
図5図5は初期設定の位置にある椅子の側面図に重ねられた、後方に揺動した位置にある椅子の側面図を示す。
図6図6は最も後方にリクライニングした位置にある椅子の側面図である。
図7図7は後方に揺動した位置にある椅子の側面図に重ねられた、最も後方にリクライニングした位置にある椅子の側面図を示す。
図8図8は椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの斜視図を示す。
図9図9は椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリのトランサムの斜視図を示す。
図10図10は椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリのシートサポートの斜視図を示す。
図11図11は椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの背もたれ部の斜視図を示す。
図12図12は椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの付勢手段の斜視図を示す。
図13図13は椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの分解斜視図を示す。
図14図14はシートサポートが隠されている椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの断面斜視図を示す。
図15図15は椅子が初期設定の位置にあるときの前方及び後方揺動機構を示す、椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの断面斜視図を示す。
図16A図16Aは椅子がその初期設定の位置にあるときの前方及び後方揺動機構を示す、椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの断面側面図を示す。
図16B図16Bは椅子が前方に揺動した位置にあるときの前方及び後方揺動機構を示す、椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの側断面図を示す。
図16C図16Cは椅子が後方に揺動した位置にあるときの前方及び後方揺動機構を示す、椅子の結合された揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの断面側面図を示す。
図17図17は椅子が初期設定の位置にあるときの少なくとも1つの第1の付勢手段を示す、椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの断面側面図を示す。
図18図18は椅子が前方に揺動した位置にあるときの少なくとも1つの第1の付勢手段を示す、椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの断面側面図を示す。
図19図19は椅子が後方に揺動した位置にあるときの少なくとも1つの第1の付勢手段を示す、椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの側断面図を示す。
図20図20は椅子が最も後方にリクライニングした位置にあるときの少なくとも1つの第1付勢手段を示す、椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの断面側面図を示す。
図21A図21Aは、椅子が後方に揺動した位置にあるときの少なくとも1つの第2の付勢手段を示す、椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの断面側面図を示す。
図21B図21Bは椅子が最も後方にリクライニングした位置にあるときの少なくとも1つの第2の付勢手段を示す、椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの断面側面図を示す。
図21C図21Cは椅子が前方に揺動された位置にあるときの少なくとも1つの第2の付勢手段を示す、椅子の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリの側断面図を示す。
図22図22は椅子の前方および後方トラックの概略側面図である。
図23図23は、初期設定の位置にある椅子の前、後および中央ピボット軸の概略側面図に重ねられた、椅子が前方に揺動した位置にあるときの椅子の前、後および中央ピボット軸の概略側面図を示している。
図24図24は、初期設定の位置にある椅子の前、後および中央ピボット軸の概略側面図に重ねられた、椅子が後方に揺動した位置にあるときの椅子の前、後、および中央ピボット軸の概略側面図を示している。
図25図25は、後方に揺動した位置にある椅子の前、後および中央ピボット軸の概略側面図に重ねられた、椅子が最も後方にリクライニングした位置にあるときの椅子の前、後、および中央ピボット軸の概略側面図を示している。
図26図26は、初期設定の位置にある椅子の前、後および中央ピボット軸の概略側面図に重ねられた、背もたれ部がリクライニング位置にあるときの椅子の前、後および中央ピボット軸の概略側面図を示している。
図27図27は、前方に揺動した位置にある椅子の前、後および中央ピボット軸の概略側面図に重ねられた、背もたれ部がリクライニング位置にあるときの椅子の前、後および中央ピボット軸の概略側面図を示している。
図28図28は椅子が初期設定の位置にあるときの椅子の仮想揺動経路の概略側面図である。
図29図29は椅子が前方に揺動した位置にあるときの椅子の仮想揺動経路の概略側面図である。
図30図30は椅子が後方に揺動した位置にあるときの椅子の仮想揺動経路の概略側面図である。
図31図31は椅子の一実施形態のシートの斜視図を示す。
図32図32は椅子の一実施形態のシートおよびシートサポートの一部の断面斜視図を示す。
図33図33は椅子の一実施形態のトランサムの断面側面図を示す。
図34図34は椅子の一実施形態のシートおよびシートサポートの断面斜視図を示す。
図35図35は椅子の一実施形態のシートならびにシート深さおよびシート高さアクチュエータの底面図を示す。
図36図36は揺動及びリクライニングの組み合わせ機構の別の形態のシートサポートの下側正面斜視図を示す。
図37図37は、シートサポートが裏返された、揺動及びリクライニングの組み合わせ機構の上記別の形態のシートサポートの後方斜視図を示す。
図38A図38Aは揺動及びリクライニングの組み合わせ機構の上記別の形態の上側正面斜視図を示す。
図38B図38B図38Aと同様の図であるが、揺動及びリクライニングの組み合わせ機構の上記別の形態の残りの部分から分離されたシートスライドカバーを示す図である。
図39図39は揺動及びリクライニングの組み合わせ機構の上記別の形態のトランサムの斜視図を示す。
図40図40は揺動及びリクライニングの組み合わせ機構の上記別の形態の分解斜視図を示す。
図41図41は揺動及びリクライニングの組み合わせ機構の上記別の形態のトランサムの装着部へロックスプリングの1つを挿入する状態を示す。
図42図42は揺動及びリクライニングの組み合わせ機構の上記別の形態の付勢手段の斜視図を示す。
図43図43は揺動及びリクライニングの組み合わせ機構の上記別の形態の背もたれ部の斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、本発明を、例としてのみ、添付の図面を参照して説明する。
【0011】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「含む(comprising)」という用語は、「の少なくとも一部からなる(consisting at least in part of)」ことを意味する。「含む(comprising)」という用語を含む本明細書および特許請求の範囲の記述を解釈する場合、各記述でこの用語挿入された特徴以外の他の特徴も存在し得る。「comprise」および「comprised」などの関連用語は、同様の方法で解釈される。
【0012】
本明細書で開示される数の範囲(例えば、1から10)への言及は、その範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9、および10)およびその範囲内の有理数の任意の範囲(例えば、2~8、1.5~5.5、および3.1~4.7)、すなわち、本明細書に明示的に開示されるすべての範囲のすべての下位範囲が明示的に開示されている。これらは具体的に意図したものの例に過ぎず、列挙された最低値と最高値の間の数値のすべての可能な組み合わせは、同様の方法で本出願に明示的に記載されていると見なされるべきである。
【0013】
本発明はまた、本出願の明細書で個別にまたは集合的に言及または指示された部分、要素および特徴、ならびに任意の2つ以上の前記部分、要素または特徴の任意またはすべての組み合わせにあると広く言うこともできる。
【0014】
本発明が関係する当業者には、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の構成における多くの変更、および広く異なる実施形態および用途が示唆されるであろう。本明細書における開示および説明は純粋に例示であり、いかなる意味においても限定することを意図するものではない。本発明が関係する技術分野において既知の均等物を有する特定の整数が本明細書で言及される場合、そのような既知の均等物は、あたかも個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれるとみなされる。
【0015】
本明細書で使用される場合、名詞に続く「(s)」という用語は、その名詞の複数形および/または単数形を意味する。
【0016】
本明細書で使用される「および/または」という用語は、「および」または「または」を意味するか、または文脈が両方を許容する場合を意味する。本発明は上記のものからなり、以下に例のみを示す構造も想定している。
【0017】
図1は、初期設定の位置にある椅子100を示しており、椅子100は、トランサム1、シートサポート3、および背もたれ部5を備えている。椅子100は、シートサポート3および背もたれ部5をトランサム1に、シートサポート3を背もたれ部5に動作可能に接続する、揺動及びリクライニングの組み合わせ機構200を備える。揺動及びリクライニングの組み合わせ機構200は、構成要素のアセンブリである。
【0018】
トランサム1は、基部2によって地面の上に支持される。基部2は、基部2が地面上を移動できるように車輪またはキャスターを備えた可動基部であってもよく、あるいは地表面上に静止する複数の固定脚を備えてもよい。椅子100のいくつかの実施形態では、高さ調節可能な支柱92により、使用者は基部2上のトランサム1の高さ、すなわち地面上の高さを選択的に調節することができる。あるいは、椅子の高さは一定であってもよい。
【0019】
揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200自体は、図15および16A~16Cに示される前方及び後方揺動機構400a、400bを備え、これらはシートサポート3および背もたれ部5が一緒にトランサム1に対して中立位置からほぼ前後に揺動できるように構成されている。シートサポート3と背もたれ部5の両方が、図1のトランサム1に対してそれぞれの中立位置に示されている。
【0020】
椅子100の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200は、例えば図13に示されるリクライニング機構200aも含み、これは、背もたれ部5がシートサポート3に対して直立位置にあるとき、シートサポート3が背もたれ部5に対して第1の静止位置にあるように構成され、背もたれ部5を直立位置からリクライニング位置に向かって後方にリクライニングさせると、シートサポート3が第1の静止位置から上方かつ後方に移動する。背もたれ部5は、図1においてその直立位置で示されている。
【0021】
図1に示される位置では、背もたれ部5はほぼ垂直に、シートサポート3に対してほぼ直立に向けられ、それによりシートサポート3はその第1静止位置で示されている。
【0022】
椅子100は一般に、複数の揺動位置を含み、そのうちのいくつかは図2~5に示され、背もたれ部5は、椅子100の揺動位置のいずれにおいても、直立位置からリクライニング位置に向かって後方にリクライニング可能である。したがって、揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200は、椅子100のリクライニング機能とは別個に発生し得る揺動機能を椅子100に提供するが、椅子100のユーザーにとって快適で直観的である組み合わされた中断のない連続的な動作で、揺動機能が椅子100のリクライニング機能と同時に生じることも可能である。
【0023】
ユーザーが椅子100に座っているとき、上述の椅子100の組み合わされた中断のない連続的な動作を提供するためにアクチュエータを操作する必要がないように、ユーザーの重心の移動は、一般にシートサポート3および背もたれ部5の揺動運動を調節し、ユーザーの背中を介した後方への力の適用は、背もたれ部5のリクライニング運動を調節する。
【0024】
図1の矢印A1は本明細書及び特許請求の範囲で使用される椅子100の前方方向を定義し、矢印A2は本明細書及び特許請求の範囲で使用される椅子100の後方方向を定義する。これらの矢印A1、A2は、本明細書および特許請求の範囲で使用される、「前方」および「後方」の参照も定義する。「forward」、「rearward」、「forwardly」「rearwardly」、「frontmost/rearmost extreme」、「front end/portion」及び「rear end/portion」等の用語は、矢印A1およびA2を参照して同様に解釈されるべきであり、本明細書に記載の任意の構成要素の前方への移動は、当該構成要素を概ね矢印A1の方向に移動させ、本明細書に記載の任意の構成要素の任意の前部または前端は、矢印A2よりも矢印A1または椅子100の前端に概ね近い。
【0025】
また、所与の構成要素の前端または後端/部分の動作は、前記構成要素の前端または後端/部分に適用されるのと同様に、構成要素全体に等しく適用され、本明細書では、前記構成要素の動作の方向(例えば、角回転または傾斜)の基準としてのみ使用されることに留意されたい。したがって、下方に移動する構成要素の前端/部分、または上方に移動する構成要素の後端/部分は、図1を参照して、構成要素全体の反時計回りの回転として解釈できる。同様に、上方に移動する構成要素の前端/部分、または下方に移動する構成要素の後端/部分は、図1を参照して、構成要素全体の時計回りの回転として解釈できる。
【0026】
図1~7は、椅子100の様々な位置を示している。椅子100の機能を提供する例示的な特徴または構成要素は、図8~30を参照して以下でより詳細に説明される。
【0027】
図2は、前方に揺動した位置にある椅子100を示し、図3は、図1の初期設定の位置にある椅子100の「ゴースト画像」に重ねられた、前方に揺動した位置にある椅子100を示す。初期設定の位置から前方揺動位置に移動する椅子100は、図3に示すように、シートサポート3の前部分をその中立位置に対して下方かつ前方に移動させる。
【0028】
1つの構成では、図3に示されるように、初期設定の位置から前方揺動位置に移動する椅子100は、シートサポート3の前部分を、変位D1によって示されるようにその中立位置に対して約33mm下方に移動し、変位D2によって示されるようにその中立位置に対して約19mm前方に移動する。シートサポート3の前部分は、図3の変位A3で示されるように、その中立位置に対して約8度下向きに傾斜もする。
【0029】
図4は、後方揺動位置にある椅子100を示し、図5は、図1の初期設定の位置にある椅子100の「ゴースト画像」に重ねられた、後方に揺動した位置にある椅子100を示す。図5に示すように、初期設定の位置から後方揺動位置に移動する椅子100は、シートサポート3の前部分をその中立位置に対して上方かつ後方に移動させる。
【0030】
1つの構成では、図5に示されるように、初期設定の位置から後方揺動位置に移動する椅子100は、変位D3によって示されるように、シートサポート3の前部分をその中立位置に対して上方に約17mm移動し、変位D4によって示されるようにその中立位置に対して後方に約10mm移動する。シートサポート3の前部分は、図5の変位A5によって示されるように、その中立位置に対して約4度上向きに傾斜もする。
【0031】
図2~5は、背もたれ部5がシートサポート3に対して直立したままであるようにシートサポート3と共に移動することを示し、したがって、シートサポート3は、前方または後方の揺動位置、またはその間の他の揺動位置へ移動する間も同時に、その第1の静止位置に留まることができる。しかしながら、背もたれ部5は必ずしもシートサポート3と共に動く必要はなく、シートサポート3がその中立位置から前方揺動位置に揺動する間、トランサム1に対して直立位置に留まることができる。その場合、背もたれ部5が前方揺動位置に移動するとき、背もたれ部5は、シートサポート3に対してほぼ垂直でほぼ直角の向きではなく、トランサム1に対して直立した位置のままであるので、シートサポート3は、前方揺動位置に移動するとき、その第1の静止位置にとどまらない。
【0032】
しかしながら、シートサポート3が中立位置から後方揺動位置に移動するとき、背もたれ部5は、トランサム1に対して直立位置にとどまらない場合がある。代わりに、中立位置から後部揺動位置へのシートサポート3の揺動運動の間、背もたれ部5は、シートサポート3に対してほぼ垂直およびほぼ直角の向きに留まるか、またはシートサポート3に対してほぼ垂直およびほぼ直角の向きを超えて後方にリクライニングすることができる。
【0033】
図6は最も後方にリクライニングした位置にある椅子100を示し、図7は最も後方にリクライニングした位置にある椅子100を、図4の後方揺動位置にある椅子100の「ゴースト画像」に重ねて示している。図7に示されるように、後方揺動位置から最後方リクライニング位置まで移動する椅子100は、シートサポート3の前部分を上方に動かし、シートサポート3の前部分を後方揺動位置から上方に傾ける。
【0034】
1つの構成では、図7に示すように、後方揺動位置から最も後方にリクライニングした位置まで移動する椅子100は、変位D5によって示されるように、シートサポート3の前部分を後方揺動位置から上方に約14mm移動させ、変位A7によって示されるように、シートサポート3の前部分を約0.5度上向きに傾斜させる。背もたれ部5の前部分は、図7に示される変位A9によって示されるように、シートサポート3に対する背もたれ部5の直立位置に対して、下方/後方に約12度傾斜する。
【0035】
図6および図7は、背もたれ部5が後方にリクライニングするにつれて、シートサポート3がその後方揺動位置からその最も後方にリクライニングした位置まで、背もたれ部5と一緒に移動することを示していることに留意されたい。しかしながら、シートサポート3が前方または後方揺動位置のいずれか、またはそれらの間の他の揺動位置にあるとき、背もたれ部5は後方にリクライニングするか、またはそのリクライニング位置に移動することができる。
【0036】
したがって、背もたれ部5がシートサポート3に対してほぼ垂直かつほぼ直立な向きにある場合、シートサポート3の位置に関係なく、背もたれ部5の前部分は下方/後方に約12度傾斜する。しかしながら、使用中、ユーザーが体重を移動して背もたれ部5を後方にリクライニングさせることは、シートサポート3が最初に後方の揺動位置に移動し、次に背もたれ部5がそのリクライニング位置に移動するにつれて、シートサポート3が後方揺動位置から最も後方にリクライニングした位置まで移動し続けるようにユーザーが体重を移動することと同時に、自然に生じる。したがって、背もたれ部5のリクライニング動作は、シートサポート3の上昇時における使用者の重心の上方への移動による重量補償動作である。
【0037】
図8は、組み立てられた状態および初期設定の位置にあるときの揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200を示す。揺動及びリクライニングの機構を組み合わせた200は、トランサム1、シートサポート3、背もたれ部5を備えている。
【0038】
例示の目的で、トランサム1、シートサポート3、および背もたれ部5の全体が、図8~21Cおよび31~35に示されていない場合があることに留意されたい。
【0039】
図9、10、および11は、それぞれ、揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200の他の構成要素から個別に分離されたトランサム1、シートサポート3、および背もたれ部5を示す。揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200はまた、付勢手段300、ならびに図12において揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200の他の構成要素から分離して示される任意の高さ調節レバー10を備える。
【0040】
図13は、揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200の分解図と、その中の様々な構成要素がどのように互いに動作可能に結合または係合されるかと、を示す。図14は、シートサポート3が隠れた、組み立てられた状態の揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200の断面図を示す。これらの図10~14は、揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200の機能に関する以下の説明を通して参照される。
【0041】
図15および16A~16Cは、前方及び後方揺動機構400a、400bを示す、揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200の断面図を示す。前方揺動機構400aは、トランサム1上に配置された前方トラック7と、シートサポート3に動作可能に接続され、前方トラック7内での前方係合要素9の移動のために前方トラック7内に受け入れられる前方係合要素9とを備える。後方揺動要素400bは、トランサム1上に配置された後方トラック11と、背もたれ部5に動作可能に接続され、後方トラック11内で後方係合要素13を移動させるために後方トラック11内に受容される後方係合要素13とを備える。
【0042】
図8~21Cに示される構成において、および本明細書に記載されるように、前方及び後方係合要素9、13は、前方および後ローラー9、13の形態で示される。これらの前方および後ローラー9、13は、例えば、ボールベアリング、ニードルローラーベアリング、またはプレーンベアリングなどの任意の適切なベアリングで任意に形成することができる。
【0043】
図15および16A~16Cの構成は、トランサム1の幅に沿って離間され、トランサム1の側壁に設けられた一対の前方トラックおよびローラー7、9を備える前方揺動機構400aを示す。後方揺動機構400bは、同じくトランサム1の幅に沿って離間し、トランサム1の側壁に設けられた一対の後方トラックおよびローラー11、13を備えるように示されている。しかし、代替の実施形態では、前方揺動機構400aは、トランサム1のいずれかの側壁またはトランサム1の中央内壁内に設けられた単一の前方トラック7および単一の前ローラー9のみを備えてもよい。同様に、後方揺動機構400bは、トランサム1のいずれかの側壁またはトランサム1の中央内壁内に設けられた単一の後方トラック11および単一の後ローラー13のみを備えてもよい。あるいは、前方及び後方揺動機構はそれぞれ、3つ以上のトラックおよびローラーを有することができる。
【0044】
図11に示すように、背もたれ部5は後軸部材15を含み、後軸部材15に後ローラー13が回転可能に設けられる。後軸部材15は、シートサポート3と背もたれ部5が揺動時に、トランサム1に対して移動可能な実質的に水平な横方向の後ピボット軸17を画定する。背もたれ部5はトランサム1の周りを旋回できるように、取り付けられる。
【0045】
間隔をあけて配置されたバックアーム5aが、後軸部材15の各端部に、または各端部に隣接して設けられる。
【0046】
図10に示すように、シートサポート3は前軸部材19を備え、前軸部材19に前ローラー9が回転可能に設けられる。前軸部材19は、トランサム1に対して移動可能な実質的に水平な横方向の前ピボット軸21を画定する。シートサポート3はトランサム1の周りを旋回できるように、取り付けられる。
【0047】
いくつかの構成では、前方及び後方係合要素9、13はローラーを含まなくてもよいが、代わりに、前方及び後方トラック7、11によって受け入れられる軸部材ライナー構成要素を含んでもよい。軸部材ライナー要素は、前軸部材19および後軸部材15に固定的に取り付けられ、前方および後方係合要素9、13、すなわち前方及び後方トラック7、11内の後軸部材19、15の滑らかな並進運動および回転運動を提供するように自己潤滑性であり得る。
【0048】
あるいは、前方及び後方係合要素9、13は、前方および後方トラック7、11内で前および後軸部材19、15の滑らかな並進運動および回転運動を行うため、前及び後軸部材19、15が前方及び後方トラック7、11によって受容される滑らかな表面を備えるように、前及び後軸部材19、15と一体的に形成されてもよい。前部材19および後部材15の滑らかな表面は、自己潤滑性であってもよい。
【0049】
いくつかの構成において、前方および後方トラック7、11には、前方および後方係合要素9、13と前後の軸部材19、15、及び前方および後方トラック7、11内での前及び後軸部材19,15の滑らかな並進運動および回転運動に寄与するように、前方および後方トラック7、11の周辺内縁に沿ってライナー構成要素を設けることもできる。
【0050】
図10を参照すると、シートサポート3は、開口部25を有する一対の離間した下向きに延びるフランジ23を備え、このフランジ23は、揺動及びリクライニングの機構を組み合わせた機構アセンブリ200がその組み立てられた状態にあるとき、背もたれ部5の離間したフランジ29に設けられた開口部27と一致し整列する。これにより、別個のボルト、リベット、または任意の他の適切な接続構成要素(図示せず)が、トランサム1に対して移動可能な実質的に水平な横方向の中央ピボット軸31を画定するように、開口部25、27を通過する。したがって、接続構成要素(図示せず)により、背もたれ部5とシートサポート3を、互いに物理的に接続することなく、中央ピボット軸31で互いに枢動可能に結合することができる。背もたれ部5の離間したフランジ29は、図11において後軸部材15から延在するように示されている。
【0051】
トランサム1に対する背もたれ部5の動作は、後方トラック11における後軸部材15および後ローラー13の並進運動と共に、後及び中央ピボット軸17、31(すなわち後ピボット軸17)の両方を中心とする背もたれ部5の旋回運動によって規定または拘束される。同様に、トランサム1に対するシートサポート3の動作は、前軸部材19および前ローラー9(すなわち前ピボット軸21)の並進運動と共に、前及び中央ピボット軸21、31の両方を中心としたシートサポート3の旋回運動によって規定または拘束される。このように、シートサポート3または背もたれ部5のいずれかの位置が変化すると、トランサム1に対する中央ピボット軸31の位置が変化し、それによって、シートサポート3又は背もたれ部5の他方の位置が対応して変化する。
【0052】
これは図16A~16Cに示されており、前方および後方のローラーおよび軸部材9、13、15、19の位置の変化が前方揺動位置、後方揺動位置および中立位置について示されている。
【0053】
図16Aにおいて、シートサポート3と背もたれ部5の両方が、トランサム1に対して中立位置にあり、したがって、前方および後ローラーおよび軸部材9、13、15、19は、前方及び後方トラック7、11内の比較的中央に配置される。
【0054】
図16Bは、前方および後ローラーおよび軸部材9、13、15、19が前方及び後方トラック7、11の最前端に配置されている前方揺動位置にあるシートサポート3および背もたれ部5の両方を示している。
【0055】
最後に、図16Cは、後ローラーおよび軸部材13、19が後方トラック11の最後端に配置され、前ローラーおよび軸部材9、15が図17に示す中立位置の後方である前方トラック7の最後端の近位に配置された、後方揺動位置にあるシートサポート3および背もたれ部5の両方を示す。
【0056】
図9、15、および16A~16Cはまた、使用者が椅子100を最前端または最後端の揺動位置のいずれかに移動させたときに、ユーザーが激しい衝撃や突然の衝撃を受けないように、前方トラック7の最前端および後方トラック11の最後端に配置された停止部33を示す。
【0057】
停止部は、例えば、天然ゴムまたは合成ゴムなどのエラストマー材料を含み得る。
【0058】
滑らかで快適なロッキング動作を実証するのを支援するために、付勢手段300は、トランサム1に固定され、シートサポート3および背もたれ部5を付勢してそれらの図16Aの中立位置に戻るように付勢する第1の付勢力を及ぼすように構成された少なくとも1つの第1の付勢手段を備える。
【0059】
この少なくとも1つの第1の付勢手段は、図12~14に示され、図示の形態では、一対の揺動ばね35を備える。あるいは、1つの揺動ばね35であってもよい。揺動ばね35は、前部分37および後部分39を有する任意の適切なエラストマーまたは弾性材料の単一の均一な部品から構成される。
【0060】
揺動ばね35の後部分39は、背もたれ部5の後軸部材15に巻き付けるか、または受容し、揺動ばねの前部分37は、背もたれ部5の離間したフランジ29から延在する前方突出部41に巻き付けるか、または受容する。揺動ばね35の中央部分43は、図9、13および14に示すように、トランサム1の下面から上方に延びるばね支柱45に固定的に取り付けられる。一般に、背もたれ部5の前方突出部41は、トランサム1のばね支柱45の前方に位置する。
【0061】
これは、椅子100がその初期設定の位置にあり、したがってシートサポート3および背もたれ部5がトランサム1に対して中立位置にある図17に最もよく示されている。この状態では、揺動ばね35は、ばね35の前部分37も後部分39も静止状態から伸ばされていないので、第1の付勢力を加えない。代わりに、揺動ばね(複数可)35は、トランサム1に対するシートサポート3および背もたれ部5の中立位置を維持する予圧付勢力のみを及ぼすことができる。
【0062】
しかしながら、椅子100が初期設定の位置から前方に、例えば図18に示されるように前方に揺動されると、揺動ばね35の前部分37は、前方突出部41がトランサム1に対し前方へ移動するにつれて、前方に拡大又は伸長する。一方、揺動ばね35の後部分39は弛む。前部分37の前方への伸張は、反対の等しい反力を自然に引き起こし、背もたれ部5、すなわちシートサポート3を後方に付勢して中立位置に戻す後方向の第1の付勢力を生成する。
【0063】
椅子100が初期設定の位置から後方に、例えば図19に示される後方揺動位置に向かって揺動されると、反対のことが起こる。揺動ばね35の後部分39は、後軸部材15がトランサム1に対して後方に移動するにつれて後方に拡大または伸長する。一方、揺動ばね35の前部分37は、緩む。後部分39の後方への伸張は、反対の等しい反力を自然に引き起こし、背もたれ部5、すなわちシートサポート3を前方へ付勢して中立位置に戻す前方への第1の付勢力を生成する。
【0064】
したがって、椅子100の揺動運動は、使用者がこの第1の付勢力に勝ることを必要とし、それにより、直感的で快適な揺動運動を使用者に提供する。
【0065】
図20は、椅子100が最も後方にリクライニングした位置にあるときの揺動及びリクライニングの組み合わせ機構200を示している。後方揺動位置にあるとき、後軸部材15はすでに後方トラック11の最後端にあるので、椅子100が後方揺動位置から最も後方にリクライニングした位置まで移動したとき、揺動ばね35の後部分39は、椅子100が後方から移動してもそれ以上伸びない。したがってシートサポート3および背もたれ部5の揺動位置が変化しない場合、揺動ばね35は背もたれ部5のリクライニングによって一般に影響を受けない。
【0066】
いくつかの実施形態では、揺動ばね35は、前方突出部41または後軸部材15の周りに巻き付けたり受容したりせず、代わりに任意の適切な固定装置によって前方突出部41または後軸部材15に単純に結合することができる前部分および後部分を有することができる。さらに、前部分および後部分は、前方突出部41または後軸部材15に接続しなくてもよく、代わりに、前方突出部41若しくは後軸部材15と実質的に同じ位置または近い位置で、背もたれ部5の任意の他の適切な部分に接続してもよい。
【0067】
したがって、少なくとも1つの第1の付勢手段は、椅子100のリクライニング動作に逆らって作用するのではなく、上記のように滑らかで快適な揺動動作を提供するのを支援することを意図している。
【0068】
代わりに、滑らかで快適なリクライニング動作を支援するために、付勢手段300は背もたれ部5とシートサポート3との間に第2の付勢力を加えて、シートサポート3の角度位置に対する背もたれ部5の角度位置の変化を抑制するように構成された少なくとも1つの第2の付勢手段を備える。これにより、背もたれ部5がシートサポート3に対して直立位置に向かって付勢され、それによってシートサポート3がその第1の静止位置に付勢される。
【0069】
少なくとも1つの第2の付勢手段は、図12~14に示され、一対のねじりばね47を備える。あるいは、1つのねじりばね47または3つ以上のねじりばね47であってもよい。ねじりばね47は、前方に延びるアーム49と後方に延びるアーム51を有するばね鋼などの任意の適切なばね材料の単一の均一な巻線から本質的に構成される。
【0070】
前方に延びるアーム49は、シートサポート3の下方に延びる突出部53と接触して係合する。後方に延びるアーム51は、背もたれ部5の一対の内側に延びるフランジ55と接触して係合する。ねじりばね47は背もたれ部5に固定的に取り付けられ、図13に示される内部空間47aは、ねじりばね47の巻線によって形成され、内側に延びる一対の突出部57を受容する。これらの突出部57は、前方突出部41と中央ピボット軸31との間の位置で、背もたれ部5の離間したフランジ29から内側に延在する。
【0071】
これは、図21Aに最もよく示され、椅子100は後方に揺動した位置にあり、背もたれ部5はシートサポート3に対して直立した向きにある。この状態において、ねじりバネ47は、前方または後方に延びるアーム49、51のいずれも、ねじりばね47に対して水平軸に沿って実質的に整列している静止状態から曲がっていないので、第2の付勢力を加えない。代わりに、ねじりばね47は、シートサポート3に対して背もたれ部5を直立位置に維持し、すなわちシートサポート3をその第1の静止位置に維持する予圧付勢力のみを及ぼすことができる。
【0072】
しかしながら、背もたれ部5がリクライニングされるとき、例えば、椅子100が図21Bに示されるように後方揺動位置から最も後方にリクライニングした位置に動かされるとき、前方に延びるアーム49の前端は下方に曲がり、シートサポート3の角度位置に対する背もたれ部5の角度位置が変化すると、後方に延びるアーム51の後端が下方に曲がる。この曲がりにより、ねじりバネ47に反対の作用を引き起こし、ねじりばね47は、前方および後方に延びるアーム49、51を静止状態に戻すように機能する、すなわちシートサポート3の角度位置に対する背もたれ部5の角度位置の変化を元に戻すように機能する第2の付勢力を生成する。
【0073】
ソフトストップ(図示せず)は、背もたれ部5の内側に延びるフランジ55の上面とシートサポート3のストッププレート56の下面との間に設けられてもよい。ソフトストップは、シートサポート3に対する背もたれ部の動きを制限するように構成されている。特に、シートサポート3が第1静止位置にあるとき、椅子100の使用者に衝突するので、シートサポート3および背もたれ部5の角度位置は、シートサポート3に対しその直立位置を超えて背もたれ部5の前部分を下方に傾斜し、かつ、その第1の静止位置を超えてシートサポート3の前部分を上方に傾斜するように調整することができない。ソフトストップは、天然または合成ゴムなどの任意の適切なエラストマーまたは弾性材料によって作られ得る。
【0074】
したがって、背もたれ部5のいかなるリクライニング動作も、使用者が予圧付勢力に加えてこの第2の付勢力に勝ることを必要とし、それによってユーザーに直観的で快適なリクライニング動作を提供する。
【0075】
図21Cは、前方に揺動した位置にある椅子100を示す。背もたれ部5はシートサポート3に対して直立しているので、換言すれば、背もたれ部5はこの位置でリクライニングされていないので、前方および後方に延びるアーム49、51は曲がっておらず、静止状態のままである。したがって、ねじりばね47によって第2の付勢力は生成されない。したがって、ねじりばね47は、シートサポート3の角度位置に対する背もたれ部5の角度位置が同じままである限り、換言すれば、背もたれ部5がシートサポートに対して直立姿勢から傾いていない、すなわち前方および後方に延びるアーム49が静止状態のままである限り、シートサポート3の揺動の影響を受けない。
【0076】
したがって、少なくとも1つの第2の付勢手段は、椅子100の揺動運動に逆らって作用するのではなく、むしろ、上記のように滑らかで快適なリクライニング動作を提供するのを支援することを主に意図している。
【0077】
次に、前方及び後方トラック7、11の形状、揺動およびリクライニング動作中の後、前および中央ピボット軸17、21、31の位置の変化、およびその後の仮想揺動経路63を図22~30を参照して説明する。
【0078】
図22は、前方トラック7と後方トラック11を示している。前方トラック7の前端は、前方トラック7の後端よりも前方で下方に位置している。後方トラック11の前端は、後方トラック11の後端よりも前方かつ上方に位置する。
【0079】
図示の形態では、前方トラックは湾曲した経路を有し、後方トラック11は実質的に直線経路を有する。
【0080】
前方トラック7の湾曲形状は、任意の適切な形をとることができる。しかしながら、前方トラック7の後部分59は、一般に、前方トラック7の湾曲経路が前部分61から後部分59に勾配が増加するように、前方トラック7の前部分61より小さい曲率半径を有する。
【0081】
これは、後部分59の前縁から前方トラック7の後縁への前方トラック7内の前ローラー9の移動、すなわち後部揺動位置から後方へのシートサポート3の移動が、前方および後方揺動位置の間、または任意の他の揺動位置のそれらの間のシートサポート3の動作より、多くのエネルギーや力をユーザーから必要とすることを意味する。
【0082】
図22に示される構成において、後方トラック11の経路の長さM1は約22mmである。前方トラック7の前部分61の曲率半径R1は約38mmであり、前方トラック7の後部分59の曲率半径R2は約33mmである。
【0083】
これらの曲率半径および長さは、中央ピボット軸31の位置と組み合わされて、揺動およびリクライニング動作中のシートサポート3および背もたれ部5の並進運動および傾斜角度の大きさを共に規定する。
【0084】
例えば、図23は、椅子100が中立位置、すなわち後、前および中央ピボット軸17、21、31が中立位置にあるときの、後、前および中央ピボット軸17、21、31の「ゴースト像」に、椅子100が前方揺動位置にあるときの後、前、および中央ピボット軸17、21、31の位置を重ねて示している。
【0085】
この前方揺動位置において、前ピボット軸21は、前方トラック7の最前端に位置し、揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200は、シートサポート3が中立位置から前方揺動位置に移動するとき、前ピボット軸21は中立位置に対して前方かつ下方に移動し、中央ピボット軸31は中立位置に対して前方かつ上方に移動し、それによってシートサポート3の前方部分をトランサム1に対して前方かつ下方に移動させる。
【0086】
したがって、シートサポート3が中立位置から前方揺動位置に移動すると、中央ピボット軸31の位置が変化し、後ローラー13が後方トラック11の最前端に移動し、後ピボット軸17が中立位置に対し前方かつ上方に移動し、それによってシートサポート3及び背もたれ部5の後部分をトランサム1に対して前方および上方に移動させる。
【0087】
図23に示される1つの構成において、シートサポート3が中立位置から前方揺動位置に移動すると、前ピボット軸21が変位D6及びD7によってそれぞれ示されるように中立位置に対して約6mm下方に、約11mm前方に移動し、中央ピボット軸31が変位D8およびD9によってそれぞれ示されるように中立位置に対して約15mm前方に、約2mm上方に移動し、後ピボット軸17が変位D10およびD11によってそれぞれ示されるように中立位置に対して約12mm前方に、約11mm上方に移動する。
【0088】
図3に関連して上述したように、シートサポート3が中立位置から前方揺動位置に移動すると、シートサポート3の前方部分は、図3の変位A3によって示されるように、中立位置に対して約8度下向きに傾斜する。
【0089】
最後に、背もたれ部5が中立位置から前方揺動位置に移動すると、図23の変位D10およびD11によってそれぞれ示されるように、後ピボット軸17が中立位置に対して約12mm前方に、約11mm上方に移動する。
【0090】
図24は、椅子100が初期設定の位置、すなわち後、前、および中央ピボット軸17、21、31がそれらの中立位置にあるときの、後、前および中央ピボット軸17、21、31の「ゴースト画像」に、椅子100が後部揺動位置にあるときの後、前および中央ピボット軸17、21、31の位置を重ねて示している。
【0091】
この後方揺動位置において、前ピボット軸21は前方トラック7の中立位置から後方、すなわち前方トラック7の最前端の後方に位置し、揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200は、シートサポート3が中立位置から後部揺動位置に移動するとき、前ピボット軸21は中立位置に対して後方かつ上方に移動し、中央ピボット軸31は中立位置に対して後方かつ上方に移動し、それによってシートサポート3は、トランサム1に対して後方かつ上方に移動する。
【0092】
したがって、シートサポート3が中立位置から後方揺動位置に移動するとき、中央ピボット軸31の位置が変化し、後ローラー13が後方トラック11の最後端に移動し、後ピボット軸17が中立位置に対して後方かつ下方に移動し、それによってシートサポート3の後部分および背もたれ部5がトランサム1に対して後方かつ下方に移動する。
【0093】
図24に示される1つの構成において、シートサポート3が中立位置から後方揺動位置に移動すると、前ピボット軸21が変位D12およびD13によってそれぞれ示されるように中立位置に対して約4mm上方に、約5mm後方に移動し、中央ピボット軸31が変位D14およびD15によってそれぞれ示されるように中立位置に対して約6mm後方に、約1mm上方に移動し、後ピボット軸17が変位D16およびD17によってそれぞれ示されるように約4mm後方に、約4mm下方に移動する。
【0094】
図5に関連して上述したように、シートサポート3が中立位置から後部揺動位置に移動すると、シートサポート3の前部分は、図5の変位A5によって示されるように、中立位置に対して約4度上向きに傾斜する。
【0095】
最後に、背もたれ部5が中立位置から最後方の揺動位置に移動すると、図24の変位D16およびD17によってそれぞれ示されるように、後ピボット軸17が中立位置に対して約4mm後方に、約4mm下方に移動する。
【0096】
図25は、椅子100すなわち、後、前および中央ピボット軸17、21、31が後部揺動位置にあるときの、後、前および中央ピボット軸17、21、31の「ゴースト画像」に、椅子100が最も後方にリクライニングした位置にあるときの、後、前および中央ピボット軸17、21、31の位置を重ねて示している。
【0097】
図25に示される1つの構成において、シートサポート3が後方揺動位置にあるとき、シートサポート3に対して直立姿勢からリクライニング位置まで移動すると、背もたれ部5が変位D18およびD19によってそれぞれ示されるように、前ピボット軸21が約13上方に、約8mm後方に移動し、中央ピボット軸31が変位D20およびD21によってそれぞれ示されるように、後方揺動位置に対して約8mm後方に、約12mm上方に移動する。
【0098】
揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200は、シートサポート3および背もたれ部5が後方揺動位置にあるとき、背もたれ部5がシートサポート3に対する直立姿勢からリクライニング位置に移動すると、図7に関して上述した変位A7によって示されるように、後方揺動位置に対して約0.5度上向きに傾斜するように構成される
【0099】
図26は、椅子100が初期設定、すなわち後、前および中央ピボット軸17、21、31がそれらの中立位置にあるときの、後、前および中央ピボット軸17、21、31の「ゴースト画像」に、背もたれ部5がリクライニング位置に移動したときの、後、前および中央ピボット軸17、21、31の位置を重ねて示している。
【0100】
図26に示される1つの構成では、シートサポート3が第1静止位置にあるときに背もたれ部5をリクライニング位置に移動すると、前ピボット軸21が変位D22およびD23によって示されるように、第1の静止位置に対し約9mm上方に、約9mm後方に移動し、中央ピボット軸31が変位D24およびD25によって示されるように第1の静止位置に対して約7mm後方に、約13mm上方に移動する。ただし、後ピボット軸17の位置は、図26に示すように同じままである。
【0101】
図27は、椅子100、すなわち後、前および中央ピボット軸17、21、31が前方揺動位置にあるときの、後、前および中央ピボット軸17、21、31の「ゴースト画像」に、背もたれ部5がリクライニング位置に移動したときの、後、前および中央ピボット軸17、21、31の位置を重ねて示している。
【0102】
図27に示される1つの構成において、シートサポート3が前方揺動位置にあるとき、背もたれ部5がリクライニング位置まで移動すると、前ピボット軸21がD26およびD27に示されるように、前方揺動位置に対して約6mm上方に、約11mm後方に移動し、中央ピボット軸31が変位D28およびD29によって示されるように、前方揺動位置に対して約5mm後方に、約14mm上方に移動する。ただし、後ピボット軸17の位置は、図27に示すように同じままである。
【0103】
一般に、揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200は、背もたれ部5がリクライニング位置に移動すると、前ピボット軸21が後方かつ上方に移動し、前ローラー9が前方トラック7の最後方に向かって移動するように、中央ピボット軸31の位置が変化し、シートサポート3がその第1の静止位置に対して後方かつ上方に移動するように構成される。
【0104】
したがって、図25~27に示される変位A11、A13、およびA15によって示され、および図7に関連して上記で説明された変位A9によって示されるように、背もたれ部5がシートサポート3に対して直立位置からリクライニング位置まで移動すると、シートサポート3の位置に関係なく、背もたれ部5の前部分が直立位置に対して約12度上向きに傾斜する。
【0105】
したがって、背もたれ部5がシートサポート3に対して直立位置からリクライニング位置まで移動すると、前ピボット軸21は、第1の静止位置静止位置、中立位置、前方揺動位置、後方揺動位置、またはその他の揺動位置に対して後方に約8mmから約11mm、上方に約6mmから約13mm移動し、中央ピボット軸31は、第1静止位置、中立位置、前方揺動位置、後方揺動位置、または任意の揺動位置に対して、後方に約5mmから約8mm、上方に約12mmから約14mm移動する。したがって、これらの動きは、前および中央ピボット軸21、31の初期位置に関係なく、背もたれ部5がリクライニング位置に移動したときの前および中央ピボット軸21、31の位置の変化を反映する。
【0106】
さまざまな例示的な構成では、前ピボット軸21は、後方に少なくとも約8mm、少なくとも約9mm、少なくとも約10mm、または少なくとも約11mm移動することができる。追加的または代替的に、前ピボット軸21は、最大約11mm、最大約10mm、または最大約9mm後方に移動することができる。追加的または代替的に、前ピボット軸21は、後方に約8mm、約9mm、約10mm、または約11mm移動するか、またはこれらの距離のうちの任意の2つの間を後方に移動することができる。
【0107】
さまざまな例示的な構成では、前ピボット軸21は、少なくとも約6mm、少なくとも約7mm、少なくとも約8mm、または少なくとも約9mm上向きに移動することができる。追加的または代替的に、前ピボット軸21は、最大約13mm、最大約12mm、最大約11mm、最大約10mm、最大約9mm、最大約8mm、最大約7mm、最大約6mm上向きに移動することができる。追加的または代替的に、前ピボット軸21は、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、または約13mm上向きに移動するか、またはそれらの距離のうち任意の2つの間を上向きに移動することができる。
【0108】
様々な例示的な構成では、中央ピボット軸31は、後方に少なくとも約5mm、少なくとも約6mm、または少なくとも約7mm移動することができる。追加的または代替的に、中央ピボット軸31は、後方に最大約8mm、最大約7mm、最大約6mm、または最大約5mm移動することができる。追加的または代替的に、中央ピボット軸31は、後方に約5mm、約6mm、約7mm、または約8mm移動するか、またはそれらの距離のうち任意の2つの間を後方に移動することができる。
【0109】
様々な例示的な構成では、中央ピボット軸31は、少なくとも約12mm、少なくとも約12.5mm、少なくとも約13mm、少なくとも約13.5mm、または少なくとも約14mm上方に移動することができる。追加的または代替的に、中央ピボット軸31は、最大約14mm、最大約13.5mm、または最大約13mm上向きに移動することができる。追加的または代替的に、中央ピボット軸31は、約12mm、約12.5mm、約13mm、約13.5mm、または約14mm上向きに移動するか、またはそれらの距離のうちの任意の2つの間を上向きに移動することができる。
【0110】
上述のように、中央ピボット軸31の位置と組み合わされた前方および後方トラック7、11の曲率半径および長さM1、R1、R2は、揺動およびリクライニング動作中のシートサポート3および背もたれ部5の並進運動および傾斜角度の大きさを共に画定する。
【0111】
図28~30は、揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200のこれらの特徴がどのように組み合わされて、トランサム1に対するシートサポート3および背もたれ部5の仮想揺動経路63を作成するかを示す。
【0112】
図28において、椅子100はその初期設定の位置、すなわちシートサポート3および背もたれ部5はそれらの中立位置にある。仮想揺動経路63は曲線形状を有して示され、経路の最下点65は、シートサポート3と仮想揺動経路63に沿った背もたれ部5の仮想交点67によって示されるように、中立位置にあるシートサポート3と背もたれ部5に対応する。
【0113】
仮想揺動経路63はまた、最下点65の後方に位置する後部分69と、最下点65の前方に位置する前部分71とを有する。
【0114】
図29において、椅子100はその最前部の揺動位置にあり、したがって仮想揺動経路63の最前端は、シートサポート3と背もたれ部5の仮想交点67によって到達される。
【0115】
図30において、椅子100は最後部の揺動位置にあり、したがって仮想揺動経路63の最後端は、シートサポート3と背もたれ部5の仮想交点67によって到達される。
【0116】
仮想揺動経路63の前部分71の前端73は、仮想揺動経路63の前部分71の後端75よりも大きな曲率半径を有する。あるいは、前部分71の前端73が前部分71の後端75よりも小さい曲率半径を有していてもよいし、前部分71の前端73および後端75が一定の曲率半径を有していてもよい。仮想揺動経路63は、仮想揺動経路の上向きの曲率のために、最下点65から仮想揺動経路63の最前端または最前縁まで勾配が増加する。
【0117】
さらに、仮想揺動経路63の後部分69の後端77は、仮想揺動経路63の後部分69の前端79よりも曲率半径が小さい。あるいは、後部分69の後端77は、後部分69の前端79よりも大きな半径を有してもよく、または後部分69の後端77および前端79は、一定の曲率半径を有してもよい。仮想揺動経路63は、仮想揺動経路が上向きに湾曲しているため、最下点65から仮想揺動経路63の最後端または最後縁まで勾配が増加する。
【0118】
したがって、椅子100を前方または後方の揺動位置に動かすには、少なくとも1つの第1の付勢手段の第1の付勢力に勝るのに必要なエネルギーに加えて、椅子100が前方揺動位置または後方揺動位置のいずれかに向かって移動するとき、揺動経路63の勾配の増加により、使用者によるエネルギー入力を増加させる必要がある。
【0119】
いくつかの実施形態において、前方及び後方トラック7、11の経路、半径、および/または長さ、および/または中央ピボット軸31の位置を変更して、仮想揺動経路63を変更し、椅子100が後方揺動位置から前方揺動位置へ、および/またはその逆に揺動する際の、異なった増加、減少または一定の抵抗を提供することができる。
【0120】
図31は、シート81の下側を示す。シート81は、シートサポート3に固定的に取り付けられるか、シートサポート3に一体的に形成されるか、またはシートサポート3に移動可能に取り付けられる。
【0121】
シートクッションまたは他の柔軟な表面または構造は、シート81の上側(図示せず)に固定的に取り付けられ得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、シート81は、シートサポート3にスライド可能に取り付けられる。シート81は、図10のシートサポート3の一対のスライドフランジ85を受け、それに沿ってスライドするスライドチャネル83を備える。一対のスライドフランジ85のうちの少なくとも1つの長さに沿って提供されるのは、複数のスライド開口部87である。図32に示されるシート深さアクチュエータ89は、シート81の下側に動作可能に接続され、スライドチャネル83のうちの1つの一部を通過して、複数のスライド開口部87のうちの1つに突出する。シート深さアクチュエータ89は、シートサポート3に対するシート81の並進スライド位置をロックするために、複数のスライド開口部87のうちの1つと係合するように付勢される。椅子100の使用者によって押し下げられると、シート深さアクチュエータ89は、複数のスライド開口部87のうちの1つから外れ、それによってシートサポート3に対するシート81の並進スライドを可能にする。
【0123】
いくつかの実施形態では、複数の開口部は、代わりに、シート81の下側の長さに沿って、またはフランジの長さに沿って、または、シートサポート3の長さに沿って代わりに設けられるスライドチャネルによって受容されるシート81の下側から延在するフランジの長さに沿って、設けられてもよい。したがって、シート深さアクチュエータ89の動作原理は、開口部、フランジ、およびスライドチャネルの位置が交換されることを除いて、シートサポート3に対するシート81の並進スライドを許可または抑制するために等しく適用される。
【0124】
いくつかの実施形態では、トランサム1は、図1に示すように高さ調節可能な支柱92を受け入れるために、図9および33に示すように凹部91が設けられる。支柱92は、高さ調節可能な椅子の技術分野で知られている任意の適切な空気圧式、油圧式、または機械式伸縮装置を収容することができる。
【0125】
高さ調節レバー10は、トランサム1の下面から上方に延びるシート高ピボット93に旋回可能に連結される。高さ調節レバー10の下端95はトランサム1を基礎とするケーブル(図示せず)によって引っ張られる。これにより、高さ調節レバー10の上端97が下向きに旋回してボタン(図示せず)を押し下げ、高さ調節可能な支柱92の調節を可能にする。
【0126】
図34に示される高さアクチュエータ99は、シート81の下側に動作可能に接続され、ケーブル(図示せず)と係合してケーブルを引っ張ったり解放したり、すなわち高さ調節可能な支柱91の調節を許可または禁止する。シート高アクチュエータ99は、椅子100の使用者がそれを押し下げてケーブルを引っ張る必要があるように解放位置に付勢され、これにより高さ調節可能な支柱91の調節、すなわちトランサム1、シートサポート3および背もたれ部5の地面の上の高さを調節可能にする。
【0127】
図35は、シート深さアクチュエータ89および高さアクチュエータ99の両方を有するシート81の下側を示す。これらのアクチュエータ89、99は、シート81の下に設けられ、シート81の外周に隣接して設けられており、これらの機能が提供される椅子100の実施形態において、椅子100のユーザーによるシートの深さまたは高さの容易かつ直感的な調節を可能にする。
【0128】
揺動及びリクライニングの機構を組み合わせたアセンブリ200は、台座タイプの高さ調節可能なベース、および/または機構アセンブリ200の垂直軸周りの回転を可能にするスイベルベース、例えば仕事用椅子または事務用椅子における用途に特に適している。本明細書に記載の特徴は、ダイニングチェア、多目的チェア、カフェテリアチェア、レストランチェア、ブレイクアウトスペースチェア、およびミーティング環境チェアを含むがこれらに限定されない他の適切な座席用途にも使用できる。
【0129】
本発明の好ましい実施形態は、例としてのみ説明されたものであり、本発明の範囲から逸脱することなく変更を加えることができる。
【0130】
例えば、椅子100の構成要素の動きを参照して本明細書で説明される変位D1~D29およびA3~A15の特定の値は、椅子100の1つの例示的な構成を示すだけである。変位の特定の値は、前方揺動位置および後方揺動位置におけるシートサポート3の前方部分の傾斜角度の大きさによって部分的に決定される。したがって、これらの特定の値は、前方揺動位置および/または後方揺動位置におけるシートサポート3の前方部分の傾斜角度の大きさが、本明細書および特許請求の範囲に記載されたものとは異なる、椅子100の他の例示的な構成において変化し得る。これは、前方及び後方トラック7、11に関して記載された曲率半径および長さR1、R2、M1に等しく適用される。
【0131】
例えば、以下の表1は、前後揺動位置におけるシートサポート3の前方部分の傾斜角度が2度増加または減少したときの、変位、半径、および長さD1~D29、A3~A15、R1、R2、およびM1のそれぞれについて可能な値の例示的な範囲を設定する。
【0132】
「下限」の値は、前方揺動位置および後方揺動位置におけるシートサポート3の前方部分の傾斜角度が2度減少したときの値を示す。「上限」の値は、前方揺動位置および後方揺動位置におけるシートサポート3の前方部分の傾斜角度が2度増加したときの値を示す。また、「初期設定」の値は、本明細書および特許請求の範囲において上述した前方揺動位置および後方揺動位置におけるシートサポート3の前方部分の傾斜角度のときの値を示す。
【0133】
これらの範囲内の任意の値が考えられ、実際、これらの範囲外のさまざまな値が椅子のさまざまな構成で考えられる。
【0134】
【表1】
【0135】
様々な例示的な構成において、変位D1は、少なくとも約28mm、少なくとも約29mm、少なくとも約30mm、少なくとも約31mm、少なくとも約32mm、または少なくとも約33mmであり得る。追加的または代替的に、変位D1は、最大約47mm、最大約46mm、最大約45mm、最大約44mm、最大約43mm、最大約42mm、最大約41mm、最大約40mm、最大約39mm、最大約38mm、最大約37mm、最大約36mm、最大約35mm、最大約34mm、または最大約33mmであり得る。追加的または代替的に、変位D1は、約28mm、約29mm、約30mm、約31mm、約32mm、約33mm、約34mm、約35mm、約36mm、約37mm、約38mm、約39mm、約40mm、約41mm、約42mm、約43mm、約44mm、約45mm、約46mm、約47mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0136】
様々な例示的な構成において、変位D2は、少なくとも約15mm、少なくとも約16mm、少なくとも約17mm、少なくとも約18mm、または少なくとも約19mmであり得る。追加的または代替的に、変位D2は、最大約24mm、最大約23mm、最大約22mm、最大約21mm、最大約20mm、または最大約19mmであり得る。追加的または代替的に、変位D2は、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、約21mm、約22mm、約23mm、約24mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0137】
様々な例示的な構成において、変位D3は、少なくとも約10mm、少なくとも約11mm、少なくとも約12mm、少なくとも約13mm、少なくとも約14mm、少なくとも約15mm、少なくとも約16mm、少なくとも約17mmであり得る。追加的または代替的に、変位D3は、最大約20mm、最大約19mm、最大約18mm、または最大約17mmであってもよい。追加的または代替的に、変位D3は、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0138】
様々な例示的な構成において、変位D4は、少なくとも約5mm、少なくとも約6mm、少なくとも約7mm、少なくとも約8mm、少なくとも約9mm、または少なくとも約10mmであり得る。追加的または代替的に、変位D4は、最大約12mm、最大約11mm、または最大約10mmであり得る。追加的または代替的に、変位D4は、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0139】
様々な例示的な構成において、変位D5は、少なくとも約4mm、少なくとも約5mm、少なくとも約6mm、少なくとも約7mm、少なくとも約8mm、少なくとも約9mm、少なくとも約10mm、少なくとも約11mm、少なくとも約12mm、少なくとも約13mm、または少なくとも約14mmであり得る。追加的または代替的に、変位D5は、最大約30mm、最大約29mm、最大約28mm、最大約27mm、最大約26mm、最大約25mm、最大約24mm、最大約23mm、最大約22mm、最大約21mm、最大約20mm、最大約19mm、最大約18mm、最大約17mm、最大約16mm、最大約15mm、または最大約14mmであり得る。追加的または代替的に、変位D5は約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、約21mm、約22mm、約23mm、約24mm、約25mm、約26mm、約27mm、約28mm、約29mm、約30mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0140】
様々な例示的な構成では、変位D6は、少なくとも約4mm、少なくとも約4.5mm、少なくとも約5mm、少なくとも約5.5mm、または少なくとも約6mmであり得る。追加的または代替的に、変位D6は、最大約8mm、最大約7.5mm、最大約7mm、最大約6.5mm、または最大約6mmであり得る。追加的または代替的に、変位D6は、約4mm、約4.5mm、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、約7.5mm、約8mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0141】
様々な例示的な構成では、変位D7は、少なくとも約8mm、少なくとも約9mm、少なくとも約10mm、または少なくとも約11mmであり得る。追加的または代替的に、変位D7は、最大約15mm、最大約14mm、最大約13mm、最大約12mm、または最大約11mmであり得る。追加的または代替的に、変位D7は、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0142】
様々な例示的な構成において、変位D8は、少なくとも約10mm、少なくとも約11mm、少なくとも約12mm、少なくとも約13mm、少なくとも約14mm、または少なくとも約15mmであり得る。追加的又は代替的に、変位D8は、最大約18mm、最大約17mm、最大約16mm、または最大約15mmであり得る。追加的または代替的に、変位D8は、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0143】
様々な例示的な構成では、変位D9は、少なくとも約1mm、少なくとも約1.2mm、少なくとも約1.4mm、少なくとも約1.6mm、少なくとも約1.8mm、または少なくとも約2mmであり得る。追加的または代替的に、変位D9は、最大約4mm、最大約3.8mm、最大約3.6mm、最大約3.4mm、最大約3.2mm、最大約3mm、最大約2.8mm、最大約2.6mm、最大約2.4mm、最大約2.2mm、または最大約2mmであり得る。追加的または代替的に、変位D9は、約1mm、約1.2mm、約1.4mm、約1.6mm、約1.8mm、約2mm、約2.2mm、約2.4mm、約2.6mm、約2.8mm、約3mm、約3.2mm、約3.4mm、約3.6mm、約3.8mm、約4mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0144】
様々な例示的な構成において、変位D10は、少なくとも約8mm、少なくとも約9mm、少なくとも約10mm、少なくとも約11mm、または少なくとも約12mmであり得る。追加的または代替的に、変位D10は、最大約15mm、最大約14mm、最大約13mm、または最大約12mmであり得る。追加的または代替的に、変位D10は、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0145】
様々な例示的な構成では、変位D11は、少なくとも約7mm、少なくとも約9mm、少なくとも約10mm、または少なくとも約11mmでああり得る。追加的または代替的に、変位D11は、最大約14mm、最大約13mm、最大約12mm、または最大約11mmであり得る。追加的または代替的に、変位D11は、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0146】
様々な例示的な構成では、変位D12は、少なくとも約3mm、少なくとも約3.1mm、少なくとも約3.2mm、少なくとも約3.3mm、少なくとも約3.4mm、少なくとも約3.5mm、少なくとも約3.6mm、少なくとも約3.7mm、少なくとも約3.8mm、少なくとも約3.9mm、または少なくとも約4mmであり得る。追加的または代替的に、変位D12は、最大約5mm、最大約4.9mm、最大約4.8mm、最大約4.7mm、最大約4.6mm、最大約4.5mm、最大約4.4mm、最大約4.3mm、最大約4.2mm、最大約4.1mm、または最大約4mmであり得る。追加的または代替的に、変位D12は、約3mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm、約3.4mm、約3.5mm、約3.6mm、約3.7mm、約3.8mm、約3.9mm、約4mm、約4.1mm、約4.2mm、約4.3mm、約4.4mm、約4.5mm、約4.6mm、約4.7mm、約4.8mm、約4.9mm、約5mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0147】
様々な例示的な構成では、変位D13は、少なくとも約4mm、少なくとも約4.1mm、少なくとも約4.2mm、少なくとも約4.3mm、少なくとも約4mm、少なくとも約4.5mm、少なくとも約4.6mm、少なくとも約4.7mm、少なくとも約4.8mm、少なくとも約4.9mm、または少なくとも約5mmであり得る。追加的または代替的に、変位D13は、最大約6mm、最大約5.9mm、最大約5.8mm、最大約5.7mm、最大約5.6mm、最大約5.5mm、最大約5.4mm、最大約5.3mm、最大約5.2mm、最大約5.1mm、または最大約5mmであり得る。追加的または代替的に、変位D13は、約4mm、約4.1mm、約4.2mm、約4.3mm、約4.4mm、約4.5mm、約4.6mm、約4.7mm、約4.8mm、約4.9mm、約5mm、約5.1mm、約5.2mm、約5.3mm、約5.4mm、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、約5.9mm、約6mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0148】
様々な例示的な構成では、変位D14は、少なくとも約3mm、少なくとも約4mm、少なくとも約5mm、または少なくとも約6mmであり得る。追加的または代替的に、変位D14は、最大約9mm、最大約8mm、最大約7mm、または最大約6mmであり得る。追加的または代替的に、変位D14は、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0149】
様々な例示的な構成において、変位D15は、少なくとも約0mm、少なくとも約0.2mm、少なくとも約0.4mm、少なくとも約0.6mm、少なくとも約0.8mm、または少なくとも約1mmであり得る。追加的または代替的に、変位D15は、最大約3mm、最大約2.8mm、最大約2.6mm、最大約2.4mm、最大約2.2mm、最大約2mm、最大約1.8mm、最大約1.6mm、最大約1.4mm、最大約1.2mm、または最大約1mmであり得る。追加的または代替的に、変位D15は、約0mm、約0.2mm、約0.4mm、約0.6mm、約0.8mm、約1mm、約1.2mm、約1.4mm、約1.6mm、約1.8mm、約2mm、約2.2mm、約2.4mm、約2.6mm、約2.8mm、約3mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0150】
様々な例示的な構成では、変位D16は、少なくとも約3mm、少なくとも約3.1mm、少なくとも約3.2mm、少なくとも約3.3mm、少なくとも約3.4mm、少なくとも約3.5mm、少なくとも約3.6mm、少なくとも約3.7mm、少なくとも約3.8mm、少なくとも約3.9mm、または少なくとも約4mmであり得る。追加的または代替的に、変位D16は、最大約5mm、最大約4.9mm、最大約4.8mm、最大約4.7mm、最大約4.6mm、最大約4.5mm、最大約4.4mm、最大約4.3mm、最大約4.2mm、最大約4.1mm、または最大約4mmであり得る。追加的または代替的に、変位D16は、約3mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm、約3.4mm、約3.5mm、約3.6mm、約3.7mm、約3.8mm、約3.9mm、約4mm、約4.1mm、約4.2mm、約4.3mm、約4.4mm、約4.5mm、約4.6mm、約4.7mm、約4.8mm、約4.9mm、約5mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0151】
様々な例示的な構成では、変位D17は、少なくとも約3mm、少なくとも約3.1mm、少なくとも約3.2mm、少なくとも約3.3mm、少なくとも約3.4mm、少なくとも約3.5mm、少なくとも約3.6mm、少なくとも約3.7mm、少なくとも約3.8mm、少なくとも約3.9mm、または少なくとも約4mmであり得る。追加的または代替的に、変位D17は、最大約5mm、最大約4.9mm、最大約4.8mm、最大約4.7mm、最大約4.6mm、最大約4.5mm、最大約4.4mm、最大約4.3mm、最大約4.2mm、最大約4.1mm、または最大約4mmであり得る。追加的または代替的に、変位D17は、約3mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm、約3.4mm、約3.5mm、約3.6mm、約3.7mm、約3.8mm、約3.9mm、約4mm、約4.1mm、約4.2mm、約4.3mm、約4.4mm、約4.5mm、約4.6mm、約4.7mm、約4.8mm、約4.9mm、約5mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0152】
様々な例示的な構成では、変位D18は、少なくとも約10mm、少なくとも約11mm、少なくとも約12mm、または少なくとも約13mmであり得る。追加的または代替的に、変位D18は、最大約18mm、最大約17mm、最大約16mm、最大約15mm、最大約14mm、または最大約13mmであり得る。追加的または代替的に、変位D18は、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0153】
様々な例示的な構成では、変位D19は、少なくとも約2mm、少なくとも約3mm、少なくとも約4mm、少なくとも約5mm、少なくとも約6mm、少なくとも約7mm、または少なくとも約8mmであり得る。追加的または代替的に、変位D19は、最大約10mm、最大約9mm、または最大約8mmであり得る。追加的または代替的に、変位D19は、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0154】
様々な例示的な構成では、変位D20は、少なくとも約2mm、少なくとも約3mm、少なくとも約4mm、少なくとも約5mm、少なくとも約6mm、少なくとも約7mm、または少なくとも約8mmであり得る。追加的または代替的に、変位D20は、最大約10mm、最大約9mm、または最大約8mmであり得る。追加的または代替的に、変位D20は、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0155】
様々な例示的な構成では、変位D21は、少なくとも約9mm、少なくとも約10mm、少なくとも約11mm、または少なくとも約12mmであり得る。追加的または代替的に、変位D21は、最大約18mm、最大約17mm、最大約16mm、最大約15mm、最大約14mm、最大約13mm、または最大約12mmであり得る。追加的または代替的に、変位D21は、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0156】
様々な例示的な構成では、変位D22は、少なくとも約6mm、少なくとも約7mm、少なくとも約8mm、または少なくとも約9mmであり得る。追加的または代替的に、変位D22は、最大約12mm、最大約11mm、最大約10mm、または最大約9mmであり得る。追加的または代替的に、変位D22は、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0157】
様々な例示的な構成では、変位D23は、少なくとも約6mm、少なくとも約7mm、少なくとも約8mm、または少なくとも約9mmであり得る。追加的または代替的に、変位D23は、最大約12mm、最大約11mm、最大約10mm、または最大約9mmであり得る。追加的または代替的に、変位D23は、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0158】
様々な例示的な構成では、変位D24は、少なくとも約4mm、少なくとも約5mm、少なくとも約6mm、または少なくとも約7mmであり得る。追加的または代替的に、変位D24は、最大約9mm、最大約8mm、または最大約7mmであり得る。追加的または代替的に、変位D23は、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0159】
様々な例示的な構成では、変位D25は、少なくとも約10mm、少なくとも約11mm、少なくとも約12mm、または少なくとも約13mmであり得る。追加的または代替的に、変位D25は、最大約20mm、最大約19mm、最大約18mm、最大約17mm、最大約16mm、最大約15mm、最大約14mm、または最大約13mmであり得る。追加的または代替的に、変位D25は、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0160】
様々な例示的な構成では、変位D26は、少なくとも約3mm、少なくとも約4mm、少なくとも約5mm、または少なくとも約6mmであり得る。追加的または代替的に、変位D26は、最大約9mm、最大約8mm、最大約7mm、または最大約6mmであり得る。追加的または代替的に、変位D26は、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0161】
様々な例示的な構成では、変位D27は、少なくとも約7mm、少なくとも約8mm、少なくとも約9mm、少なくとも約10mm、または少なくとも約11mmであり得る。追加的または代替的に、変位D27は、最大約15mm、最大約14mm、最大約13mm、最大約12mm、または最大約11mmであり得る。追加的または代替的に、変位D27は、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0162】
様々な例示的な構成では、変位D28は、少なくとも約2mm、少なくとも約3mm、少なくとも約4mm、または少なくとも約5mmであり得る。追加的または代替的に、変位D28は、最大約8mm、最大約7mm、最大約6mm、または最大約5mmであり得る。追加的または代替的に、変位D28は、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0163】
様々な例示的な構成では、変位D29は、少なくとも約10mm、少なくとも約11mm、少なくとも約12mm、少なくとも約13mm、または少なくとも約14mmであり得る。追加的または代替的に、変位D29は、最大約22mm、最大約21mm、最大約20mm、最大約19mm、最大約18mm、最大約17mm、最大約16mm、最大約15mm、または最大約14mmであり得る。追加的または代替的に、変位D29は、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、約21mm、約22mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0164】
様々な例示的な構成において、変位A3は、少なくとも約6度、少なくとも約6.5度、少なくとも約7度、少なくとも約7.5度、または少なくとも約8度であり得る。追加的または代替的に、変位A3は、最大約10度、最大約9.5度、最大約9度、最大約8.5度、または最大約8度であり得る。追加的または代替的に、変位A3は、約6度、約6.5度、約7度、約7.5度、約8度、約8.5度、約9度、約9.5度、約10度、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0165】
様々な例示的な構成において、変位A5は、少なくとも約2度、少なくとも約2.2度、少なくとも約2.4度、少なくとも約2.6度、少なくとも約2.8度、少なくとも約3度、少なくとも約3.2度、少なくとも約3.4度、少なくとも約3.6度、少なくとも約3.8度、または少なくとも約4度であり得る。追加的または代替的に、変位A5は、最大約6度、最大約5.8度、最大約5.6度、最大約5.4度、最大約5.2度、最大約5度、最大約4.8度、最大約4.6度、最大約4.4度、最大約4.2度、または最大約4度であり得る。追加的または代替的に、変位A5は、約2度、約2.4度、約2.6度、約2.8度、約3度、約3.2度、約3.4度、約3.6度、約3.8度、約4度、約4.2度、約4.4度、約4.6度、約4.8度、約5度、約5.2度、約5.4度、約5.6度、約5.8度、約6度、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0166】
様々な例示的な構成において、変位A7は、少なくとも約-1.5度、少なくとも約-1度、少なくとも約-0.5度、少なくとも約0度、または少なくとも約0.5度であり得る。追加的または代替的に、変位A7は、最大約3.5度、最大約3度、最大約2.5度、最大約2度、最大約1.5度、最大約1度、または最大約0.5度であり得る。追加的または代替的に、変位A7は、約-1.5度、約-1度、約-0.5度、約0度、約0.5度、約1度、約1.5度、約2度、約2.5度、約3度であり得る。またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0167】
様々な例示的な構成において、変位A9は、少なくとも約10度、少なくとも約10.5度、少なくとも約11度、少なくとも約11.5度、または少なくとも約12度であり得る。追加的または代替的に、変位A9は、最大約16度、最大約15.5度、最大約15度、最大約14.5度、最大約14度、最大約13.5度、最大約13度、最大約12.5度、または最大約12度であり得る。追加的または代替的に、変位A9は、約10度、約10.5度、約11度、約11.5度、約12度、約12.5度、約13度、約13.5度、約14度、約14.5度、約15度であってもよい。またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0168】
様々な例示的な構成において、変位A11は、少なくとも約10度、少なくとも約10.5度、少なくとも約11度、少なくとも約11.5度、または少なくとも約12度であり得る。追加的または代替的に、変位A11は、最大約16度、最大約15.5度、最大約15度、最大約14.5度、最大約14度、最大約13.5度、最大約13度、最大約12.5度、または最大約12度であり得る。追加的または代替的に、変位A11は、約10度、約10.5度、約11度、約11.5度、約12度、約12.5度、約13度、約13.5度、約14度、約14.5度、約15度、約15.5度、約16度、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0169】
様々な例示的な構成において、変位A13は、少なくとも約10度、少なくとも約10.5度、少なくとも約11度、少なくとも約11.5度、または少なくとも約12度であり得る。追加的または代替的に、変位A13は、最大約16度、最大約15.5度、最大約15度、最大約14.5度、最大約14度、最大約13.5度、最大約13度、最大約12.5度、または最大約12度であり得る。追加的または代替的に、変位A13は、約10度、約10.5度、約11度、約11.5度、約12度、約12.5度、約13度、約13.5度、約14度、約14.5度、約15度、約15.5度、約16度、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0170】
様々な例示的な構成において、変位A15は、少なくとも約10度、少なくとも約10.5度、少なくとも約11度、少なくとも約11.5度、または少なくとも約12度であり得る。追加的または代替的に、変位A15は、最大約16度、最大約15.5度、最大約15度、最大約14.5度、最大約14度、最大約13.5度、最大約13度、最大約12.5度、または最大約12度であり得る。追加的または代替的に、変位A15は、約10度、約10.5度、約11度、約11.5度、約12度、約12.5度、約13度、約13.5度、約14度、約14.5度、約15度、約15.5度、約16度、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0171】
様々な例示的な構成において、曲率半径R1は、少なくとも約30mm、少なくとも約31mm、少なくとも約32mm、少なくとも約33mm、少なくとも約34mm、少なくとも約35mm、少なくとも約36mm、少なくとも約37mm、または少なくとも約38mmであり得る。追加的または代替的に、曲率半径R1は、最大約45mm、最大約44mm、最大約43mm、最大約42mm、最大約41mm、最大約40mm、最大約39mm、または最大約38mmであり得る。追加的または代替的に、曲率半径R1は、約30mm、約31mm、約32mm、約33mm、約34mm、約35mm、約36mm、約37mm、約38mm、約39mm、約40mm、約41mm、約42mm、約43mm、約44mm、約45mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0172】
様々な例示的な構成において、曲率半径R2は、少なくとも約20mm、少なくとも約21mm、少なくとも約22mm、少なくとも約23mm、少なくとも約24mm、少なくとも約25mm、少なくとも約26mm、少なくとも約27mm、少なくとも約28mm、少なくとも約29mm、少なくとも約30mm、少なくとも約31mm、少なくとも約32mm、または少なくとも約33mmであり得る。追加的または代替的に、曲率半径R2は、最大約40mm、最大約39mm、最大約38mm、最大約37mm、最大約36mm、最大約35mm、最大約34mm、または最大約33mmであり得る。追加的または代替的に、曲率半径R2は、約20mm、約21mm、約22mm、約23mm、約24mm、約25mm、約26mm、約27mm、約28mm、約29mm、約30mm、約31mm、約32mm、約33mm、約34mm、約35mm、約36mm、約37mm、約38mm、約39mm、約40mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0173】
様々な例示的な構成では、長さM1は、少なくとも約14mm、少なくとも約15mm、少なくとも約16mm、少なくとも約17mm、少なくとも約18mm、少なくとも約19mm、少なくとも約20mm、少なくとも約21mm、または少なくとも約22mmであり得る。追加的または代替的に、長さM1は、最大約26mm、最大約25mm、最大約24mm、最大約23mm、または最大約22mmであってもよい。追加的または代替的に、長さM1は、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、約21mm、約22mm、約23mm、約24mm、約25mm、約26mm、またはこれらの値のいずれか2つの間であり得る。
【0174】
図36~43は、椅子の揺動及びリクライニングの組み合わせ機構の別の形態を示している。以下で異なるものとして説明しない限り、特徴、機能、およびオプションは、椅子100の揺動及びリクライニングの組み合わせ機構200について本明細書で概説したものと同じである。同様の参照符号は、1000を加えた同様の部品を示す。
【0175】
この揺動及びリクライニングの組み合わせ機構1200の特徴のいずれか1つまたは複数を、揺動及びリクライニングの組み合わせ機構200の特徴のいずれか1つまたは複数と組み合わせて使用できることが理解されるであろう。
【0176】
図36および37を参照すると、開口1025を有する一対の離間した下向きに延びるフランジ1023は、単一の隣接する下向きに突出するフランジによって提供される。下方に突出する単一のフランジは、フランジ1023を提供する側部材1023aと、前方の横方向に延びる部材1023bとを有する。横方向に延びる部材1023bは、側部材1023aの前端の間を延び、それらの前端に接続する。前方の横方向に延びる部材1023bおよび側部材1023aは、ほぼU字形の構成要素であってもよい。
【0177】
フランジは、一体部品として形成されてもよいし、互いに溶接された複数の部品を含んでもよい。任意の後方の横方向に延在した部材1023cは、側部材1023aの後部分の間に延在する。
【0178】
ストッププレート56を有するのではなく、前方の横方向に延在する部材1023aの後方のシートサポートの下面1056は、シートサポートと背もたれ部1005の内向きフランジ1055との間のソフトストップ(図示せず)が作用するための表面を提供する。図示の構成では、内向きのフランジ1055が、背部の離間したフランジ1029の前端に設けられている。
【0179】
図38Aおよび38Bは、シートサポート1003のための取り外し可能なサイドカバー1003aを示す。サイドカバーはシートサポート1003の外側に取り付けられ、シートサポートの側面をカバーする。サイドカバー1003aは、シートサポートの側壁の開口部および他の特徴を覆う美的機能を果たすことができる。サイドカバー1003は、例えば、金属またはプラスチック材料などの任意の適切な材料から形成され得る。
【0180】
サイドカバー1003aは、任意の適切な方法でシートサポート1003に取り付けることができる。例えば、サイドカバーは、任意の適切な留め具、クリップ、および/またはスナップを使用してシートサポートに取り付けることができる。図示の形態では、サイドカバー1003aは、シートサポートの相補的な開口部または凹部1003b''に受容可能な複数の上向きに突出するタブ1003b’と、シートサポートの相補的な開口部1003c''に受容可能な複数の位置合わせピン1003c'と、シートサポート、およびシートサポートの相補的な開口部1003d''に受容可能な複数のスナップ1003d'とを備える。
【0181】
図39を参照すると、前方トラック1007の最前端および後方トラック1011の最後端に配置された停止部1033に加えて、停止部1034が最後端または各前方トラック1007に配置されている。
【0182】
停止部1034は、揺動及びリクライニングの組み合わせ機構が後方に揺動され、かつ完全なリクライニング位置にある場合にのみ機能する。
【0183】
停止部1033、1034は、例えば、天然または合成ゴムなどのエラストマー材料を含み得る。
【0184】
停止部1033は、その中に開口部1033aを備えることができる。開口部1033aは、停止部1033aの圧縮を調整することを可能にし、開口部が大きいほど圧縮に対する抵抗が減少し、開口部が小さいほど圧縮に対する抵抗が増加する。停止部1034はまた、開口部(図示せず)を備えてもよい。
【0185】
支持具1007aは、前方トラック1007の上部後端を横切って提供される。
【0186】
図40~42を参照すると、揺動ばね1035の中央本体部分1043は、トランサム1011に対して揺動ばねを配置するために、上向きに開いたばね支柱1045に受容される。停止部材1045aは図示の形態ではプレートであるが、異なる形態であってもよく、揺動ばね1035をばね支柱1045内に保持するため中央本体部分1043上に延在してもよい。停止部材1045aは、任意の適切な方法でばね支柱1045に接続することができる。例えば、任意の適切な締結具、クリップ、および/またはスナップを使用する。
【0187】
また、図40を参照すると、高さ調節レバー1010は、トランサム1001の下面から上向きに延びるシート高ピボット1093に旋回可能に結合される。高さ調節レバー1010はクランクとして機能し、シート高ピボットはクランクのハウジングとして機能する。シート高ピボット1093は、トランサム1001と一体的に形成されるのではなく、トランサム1001とは別個に形成されるが、トランサム1001に接続される。シート高ピボット1093は、任意の適切な方法でトランサム1001に接続することができる。例えば、任意の適切な締結具、クリップ、および/またはスナップを使用する。
【0188】
図43を参照すると、背もたれ部1005は、離間したバックアーム1005aの後端間に延び、後端に接続する横中間部材1005bを備える。横中間部材1005bは、離間したバックアーム1005と一体的に形成されてもよいし、溶接または任意の他の適切な技術によって接続されてもよい。横中間部材1005bは、離間したバックアーム1005aを支持し、離間したバックアーム1005aに剛性を提供する。
【0189】
また、図43を参照すると、背もたれ部の離間したフランジ1029は、ねじりばね1047を所望の位置に保持するための位置決め部1058を備える。
【0190】
位置決め部1058は、ねじりばね1047の後方に延びるアーム1051を受容して保持するためのフックを備える。
【0191】
図示の構成では、フックは、離間したフランジ1029から椅子の中心に向かって内向きに延び、下向きに開口している。
【0192】
位置決め部1058は、図12に示されている割りピンとワッシャーの代わりに、ねじりばね1047を所定の位置に保持するための代替方法である。
【0193】
揺動及びリクライニングの組み合わせ機構200、1200は、最小限の変更で、リクライニング機能のない椅子にも使用できる。この構成では、前記機構は、本明細書に記載の揺動機能を提供するが、リクライニング機能を提供しない。
【0194】
これは、シートサポート3、1003と背もたれ部5、1005の間の旋回を防ぐため、シートサポート3、1003と背もたれ部5、1005との間のピボット軸31、1031から離れた位置で、シートサポート3、1003を背もたれ部5、1005に固定することによって達成することができる。
【0195】
例えば、シートサポート1003を、例えば、背もたれ部1005の離間したフランジ1029の一方または両方に固定するために、1つまたは複数の留め具を設けることができる。
【0196】
離間したフランジ1029の一方または両方に追加の開口部を設けて、ファスナーを受容することができ、追加の開口部は、ピボット軸1031を提供する開口部から離間している。例えば、追加の開口部は、離間したフランジ1029の前端に、または前端に向かって提供されてもよい。
【0197】
その構成では、ねじりばね47、1047は必要とされず、ねじりばね保持機構も必要とされない。離間したフランジ29,1029は、要素55、1055、1058を有さなくてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図21C
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38A
図38B
図39
図40
図41
図42
図43
【手続補正書】
【提出日】2022-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の第1の態様では、椅子が提供される。椅子は、トランサムと、シートサポートと、背もたれ部と、揺動及びリクライニングの組み合わせ機構とを備える。揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、前記シートサポートと前記背もたれ部を前記トランサムに、そして前記シートサポートを前記背もたれ部に動作可能に接続する。揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、前記シートサポートと前記背もたれ部が前記トランサムに対して直立位置からほぼ前後に一緒に揺動するように構成された前方及び後方揺動機構であって前記シートサポートが前記中立位置から前方揺動位置まで移動した場合、前記シートサポートの前部分が前記トランサムに対し前方かつ下方へ移動し、前記シートサポートが前記中立位置から後方揺動位置まで移動した場合、前記シートサポートの前部分が前記トランサムに対し後方かつ上方へ移動し、前記背もたれ部が直立している場合に前記シートサポートが前記背もたれ部に対して第1の静止位置にあるように、そして前記直立位置からリクライニング位置に向かって前記背もたれ部を後方にリクライニングさせると、ユーザーの重心を上方へシフトするために前記シートサポートが第1の静止位置から上方かつ後方に移動するように構成された重量補償付きのリクライニング機構とを備える。
一実施形態では、前記椅子が複数の揺動位置を含み、前記背もたれ部が、前記椅子の揺動位置のいずれにおいても、前記直立位置からリクライニング位置に向かって後方にリクライニング可能である
一実施形態では、前記前方揺動機構は、前記トランサム上に配置された前方トラックと、前記シートサポートに動作可能に接続された前方係合要素を備え、前記前方係合要素は前記前方トラック内での前記前方係合要素の移動のために前記前方トラック内に受容され、そして、前記後方揺動機構は、前記トランサム上に配置された後方トラックと、前記背もたれ部に動作可能に接続された後方係合要素を備え、前記後方係合要素は前記後方トラック内で前記後方係合要素の移動のために前記後方トラック内に受容される。
一実施形態では、前記背もたれ部は後軸部材を含み、前記後方係合要素は前記後軸部材に回転可能に取り付けられ、前記後軸部材は、前記シートサポートと前記背もたれ部の揺動時に前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の後ピボット軸を画定し、前記背もたれ部がその周りを旋回可能である。
一実施形態では、前記シートサポートは前軸部材を含み、前記前方係合要素は前記前軸部材に回転可能に取り付けられ、前記前軸部材は、前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の前ピボット軸を画定し、前記シートサポートがその周りを旋回可能である
一実施形態では、前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構が、前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の中央ピボット軸を備え、前記背もたれ部および前記シートサポートが、中央ピボット軸で互いに旋回可能に結合されている。
一実施形態では、前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構が、前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の中央ピボット軸を備え、前記背もたれ部および前記シートサポートが、中央ピボット軸で互いに旋回可能に結合されている。
一実施形態では、前記前方トラックが湾曲経路を有し、前記後方トラックが実質的に直線経路を有する。
一実施形態では、前記前方トラックの後部が前記前方トラックの前部より小さい曲率半径を有し、前記湾曲経路が前部から後部にかけて勾配が増加する。
一実施形態では、前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、前記トランサムに固定され、前記シートサポートおよび背もたれ部を前記中立位置に向かって付勢する第1の付勢力を与えるように構成された少なくとも1つの第1の付勢手段を備える。
一実施形態では、前記第1の付勢手段の後部分が前記後軸部材に接続され、前記第1の付勢手段の中央部が前記トランサムに接続され、前記第1の付勢手段の中央部が前記トランサムに固定されている場所の前方に位置する前記背もたれ部の前部に、前記第1の付勢手段の前部分が接続されている。
一実施形態では、前記第1の付勢手段が弾性手段を含み、前記第1の付勢手段の前記前部が前記背もたれ部の前記前部から延びる突出部を受容し、前記第1の付勢手段の前記後部分が前記後軸部材の一部を受容する。
一実施形態では、前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、前記シートサポートの角度位置に対する前記背もたれ部の角度位置の変化を抑制するために、前記背もたれ部と前記シートサポートとの間に第2の付勢力を与える少なくとも1つの第2の付勢手段を備える。
一実施形態では、前記第2の付勢手段の第1の端部が前記背もたれ部と係合し、前記第2の付勢手段の第2の端部が前記シートサポートと係合する。
一実施形態では、前記第2の付勢手段は、前記前部分と前記中央ピボット軸との間の位置で前記背もたれ部に固定される。
一実施形態では、前記第2の付勢手段がねじりばねを備え、前記第2の付勢手段の前記第1の端部が前記背もたれ部と係合し後方に延びるアームを備え、前記第2の付勢手段の前記第2の端部が前記シートサポートに係合し前方に延びるアームを備える。
一実施形態では、前記前方揺動位置において、前記前方係合要素が前記前方トラックの前縁に位置、前記前方及び後方揺動機構は、前記シートサポートが前記中立位置から前記前方揺動位置へ移動する場合、前記前ピボット軸は前記中立位置に対して前方かつ下方に移動し、前記中央ピボット軸は前記中立位置に対して前方かつ上方に移動し、それによって前記シートサポートの前記前方部分が前記トランサムに対し前方かつ下方に移動するように構成されている。
一実施形態では、前記シートサポートが前記中立位置から前記前方揺動位置に移動する場合、前記中央ピボット軸の位置が変化し、前記後方係合要素が前記後方トラックの前縁に移動し前記後ピボット軸が前記中立位置に対して前方かつ上方に移動し、それによって前記シートサポートの前方部分と背もたれ部が前記トランサムに対し前方かつ上方に移動するように構成されている。
一実施形態では、前記後部揺動位置において、前記前方係合要素が前記前方トラックの前縁から後方に位置、前記前方及び後方揺動機構は、前記シートサポートが前記中立位置から前記後方揺動位置に移動した場合、前記前ピボット軸が前記中立位置に対して後方かつ上方に移動し、前記中央ピボット軸が前記中立位置に対して後方かつ上方に移動し、これにより、前記シートサポートの前方部分が前記トランサムに対して後方かつ上方に移動するように構成されている。
一実施形態では、前記シートサポートが前記中立位置から前記後方揺動位置に移動する場合、前記中央ピボット軸の位置が変化して、前記後方係合要素が前記後方トラックの後縁に移動し、前記後ピボット軸は、前記中立位置に対して後方かつ下方に移動し、それによって前記シートサポートの後部分および前記背もたれ部が前記トランサムに対して後方かつ下方に移動するように構成されている。
一実施形態では、前記リクライニング機構は、前記背もたれ部を前記リクライニング位置に移動させると、前記中央ピボット軸の位置が変化し、前記前ピボット軸が後方かつ上方に移動し、前記前方係合要素が前記前方トラックの後縁に向かって移動し、前記シートサポートが第1の静止位置に対して後方かつ上方に移動するように構成されている。
一実施形態では、前記背もたれ部を前記直立位置から前記リクライニング位置に移動させると、前記前ピボット軸が、前記第1の静止位置、前記中立位置、前記前方揺動位置、前記後方揺動位置、またはその他の揺動位置に対して後方に約8~約11mm、上方に約6~約13mm移動し、前記中央ピボット軸が、前記第1の静止位置、前記中立位置、前記後方揺動位置、前記前方揺動位置、またはその他の揺動位置に対して後方に約5~約8mm、上方に約12~約14mm移動するように構成されている。
一実施形態では、前記前方及び後方揺動機構が、前記トランサムに対する前記シートサポートおよび背もたれ部の仮想揺動経路を画定するように構成されている。
一実施形態では、前記仮想揺動経路は曲線経路を含み、前記曲線経路の最下点は前記シートサポートに対応し、前記背もたれ部は前記中立位置にあり、前記仮想揺動経路の後部分は前記最下点の後方に位置し、前記仮想揺動経路の前部分は前記最下点の前方に位置する。
一実施形態では、前記仮想揺動経路は、前記仮想揺動経路の前記最下点から最前端にかけて勾配が増加し、前記仮想揺動経路は、前記仮想揺動経路の前記最下点から最後端にかけて勾配が増加する。
一実施形態では、前記椅子は、前記シートサポートに取り付けられたシートを備える。
一実施形態では、前記シートは、前記シートサポートにスライド可能に取り付けられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランサムと、
シートサポートと、
背もたれ部と、
前記シートサポートと前記背もたれ部を前記トランサムに、そして前記シートサポートを前記背もたれ部に動作可能に接続する、揺動及びリクライニングの組み合わせ機構と、を備える椅子であって、
前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、
前記シートサポートと前記背もたれ部が前記トランサムに対して直立位置からほぼ前後に一緒に揺動するように構成された前方及び後方揺動機構であって前記シートサポートが前記中立位置から前方揺動位置まで移動した場合、前記シートサポートの前部分が前記トランサムに対し前方かつ下方へ移動し、前記シートサポートが前記中立位置から後方揺動位置まで移動した場合、前記シートサポートの前部分が前記トランサムに対し後方かつ上方へ移動し、そして
前記背もたれ部が直立している場合に前記シートサポートが前記背もたれ部に対して第1の静止位置にあるように、そして前記直立位置からリクライニング位置に向かって前記背もたれ部を後方にリクライニングさせると、ユーザーの重心を上方へシフトするために前記シートサポートが第1の静止位置から上方かつ後方に移動するように構成された、重量補償付きのリクライニング機構と、を備えた、椅子。
【請求項2】
前記椅子が複数の揺動位置を含み、前記背もたれ部が、前記椅子の揺動位置のいずれにおいても、前記直立位置からリクライニング位置に向かって後方にリクライニング可能である、請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
前記前方揺動機構は、前記トランサム上に配置された前方トラックと、前記シートサポートに動作可能に接続された前方係合要素を備え、前記前方係合要素は前記前方トラック内での前記前方係合要素の移動のために前記前方トラック内に受容され、そして、
前記後方揺動機構は、前記トランサム上に配置された後方トラックと、前記背もたれ部に動作可能に接続された後方係合要素を備え、前記後方係合要素は前記後方トラック内で前記後方係合要素の移動のために前記後方トラック内に受容された、請求項1または2に記載の椅子。
【請求項4】
前記背もたれ部は後軸部材を含み、前記後方係合要素は前記後軸部材に回転可能に取り付けられ、前記後軸部材は、前記シートサポートと前記背もたれ部の揺動時に前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の後ピボット軸を画定し、前記背もたれ部がその周りを旋回可能である、請求項3に記載の椅子。
【請求項5】
前記シートサポートは前軸部材を含み、前記前方係合要素は前記前軸部材に回転可能に取り付けられ、前記前軸部材は、前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の前ピボット軸を画定し、前記シートサポートがその周りを旋回可能である、請求項4に記載の椅子。
【請求項6】
前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構が、前記トランサムに対して移動可能な実質的に水平な横方向の中央ピボット軸を備え、前記背もたれ部および前記シートサポートが、中央ピボット軸で互いに旋回可能に結合されている、請求項5に記載の椅子。
【請求項7】
前記前方トラックが湾曲経路を有し、前記後方トラックが実質的に直線経路を有する、請求項3~6のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項8】
前記前方トラックの後部が前記前方トラックの前部より小さい曲率半径を有し、前記湾曲経路が前部から後部にかけて勾配が増加する、請求項7に記載の椅子。
【請求項9】
前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、前記トランサムに固定され、前記シートサポートおよび背もたれ部を前記中立位置に向かって付勢する第1の付勢力を与えるように構成された少なくとも1つの第1の付勢手段を備える、請求項3~8のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項10】
前記第1の付勢手段の後部分が前記後軸部材に接続され、前記第1の付勢手段の中央部が前記トランサムに接続され、前記第1の付勢手段の中央部が前記トランサムに固定されている場所の前方に位置する前記背もたれ部の前部に、前記第1の付勢手段の前部分が接続されている、請求項6に従属する場合の請求項9に記載の椅子。
【請求項11】
前記第1の付勢手段が弾性手段を含み、前記第1の付勢手段の前記前部が前記背もたれ部の前記前部から延びる突出部を受容し、前記第1の付勢手段の前記後部分が前記後軸部材の一部を受容する、請求項10に記載の椅子。
【請求項12】
前記揺動及びリクライニングの組み合わせ機構は、前記シートサポートの角度位置に対する前記背もたれ部の角度位置の変化を抑制するために、前記背もたれ部と前記シートサポートとの間に第2の付勢力を与える少なくとも1つの第2の付勢手段を備える、請求項9~11のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項13】
前記第2の付勢手段の第1の端部が前記背もたれ部と係合し、前記第2の付勢手段の第2の端部が前記シートサポートと係合する、請求項12に記載の椅子。
【請求項14】
前記第2の付勢手段は、前記前部と前記中央ピボット軸との間の位置で前記背もたれ部に固定される、請求項13に記載の椅子。
【請求項15】
前記第2の付勢手段がねじりばねを備え、前記第2の付勢手段の前記第1の端部が前記背もたれ部と係合し後方に延びるアームを備え、前記第2の付勢手段の前記第2の端部が前記シートサポートに係合し前方に延びるアームを備える、請求項13または14に記載の椅子。
【請求項16】
前記前方揺動位置において、前記前方係合要素が前記前方トラックの前縁に位置、前記前方及び後方揺動機構は、前記シートサポートが前記中立位置から前記前方揺動位置へ移動する場合、前記前ピボット軸は前記中立位置に対して前方かつ下方に移動し、前記中央ピボット軸は前記中立位置に対して前方かつ上方に移動し、それによって前記シートサポートの前記前方部分が前記トランサムに対し前方かつ下方に移動するように構成された、請求項6~15のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項17】
前記シートサポートが前記中立位置から前記前方揺動位置に移動する場合、前記中央ピボット軸の位置が変化し、前記後方係合要素が前記後方トラックの前縁に移動し前記後ピボット軸が前記中立位置に対して前方かつ上方に移動し、それによって前記シートサポートの前方部分と背もたれ部が前記トランサムに対し前方かつ上方に移動するように構成された、請求項16に記載の椅子。
【請求項18】
前記後部揺動位置において、前記前方係合要素が前記前方トラックの前縁から後方に位置、前記前方及び後方揺動機構は、前記シートサポートが前記中立位置から前記後方揺動位置に移動した場合、前記前ピボット軸が前記中立位置に対して後方かつ上方に移動し、前記中央ピボット軸が前記中立位置に対して後方かつ上方に移動し、これにより、前記シートサポートの前方部分が前記トランサムに対して後方かつ上方に移動するように構成された、請求項6~17のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項19】
前記シートサポートが前記中立位置から前記後方揺動位置に移動する場合、前記中央ピボット軸の位置が変化して、前記後方係合要素が前記後方トラックの後縁に移動し、前記後ピボット軸は、前記中立位置に対して後方かつ下方に移動し、それによって前記シートサポートの後方部分および前記背もたれ部が前記トランサムに対して後方かつ下方に移動するように構成された、請求項18に記載の椅子。
【請求項20】
前記リクライニング機構は、前記背もたれ部を前記リクライニング位置に移動させると、前記中央ピボット軸の位置が変化し、前記前ピボット軸が後方かつ上方に移動し、前記前方係合要素が前記前方トラックの後縁に向かって移動し、前記シートサポートが第1の静止位置に対して後方かつ上方に移動するように構成された、請求項6~19のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項21】
前記背もたれ部を前記直立位置から前記リクライニング位置に移動させると、前記前ピボット軸が、前記第1の静止位置、前記中立位置、前記前方揺動位置、前記後方揺動位置、またはその他の揺動位置に対して後方に約8~約11mm、上方に約6~約13mm移動し、前記中央ピボット軸が、前記第1の静止位置、前記中立位置、前記後方揺動位置、前記前方揺動位置、またはその他の揺動位置に対して後方に約5~約8mm、上方に約12~約14mm移動するように構成された、請求項20に記載の椅子。
【請求項22】
前記前方及び後方揺動機構が、前記トランサムに対する前記シートサポートおよび背もたれ部の仮想揺動経路を画定するように構成されている、請求項1~21のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項23】
前記仮想揺動経路は曲線経路を含み、前記曲線経路の最下点は前記シートサポートに対応し、前記背もたれ部は前記中立位置にあり、前記仮想揺動経路の後部分は前記最下点の後方に位置し、前記仮想揺動経路の前部分は前記最下点の前方に位置する、請求項22に記載の椅子。
【請求項24】
前記仮想揺動経路は、前記仮想揺動経路の前記最下点から最前端にかけて勾配が増加し、
前記仮想揺動経路は、前記仮想揺動経路の前記最下点から最後端にかけて勾配が増加する、請求項23に記載の椅子。
【請求項25】
前記椅子は、前記シートサポートに取り付けられたシートを備える、請求項1~24のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項26】
前記シートは、前記シートサポートにスライド可能に取り付けられる、請求項25に記載の椅子。
【国際調査報告】