(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】角度付けられたファセットレーザデバイスのための自由曲面コリメータレンズ
(51)【国際特許分類】
H01S 3/10 20060101AFI20230831BHJP
G02B 6/32 20060101ALI20230831BHJP
H01S 5/14 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
H01S3/10 D
G02B6/32
H01S5/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507395
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 US2021045726
(87)【国際公開番号】W WO2022036085
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】399117121
【氏名又は名称】アジレント・テクノロジーズ・インク
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】パートリッジ,ガスリー
(72)【発明者】
【氏名】メンデス-ロペス,ジョアン
【テーマコード(参考)】
2H137
5F172
5F173
【Fターム(参考)】
2H137AB01
2H137BA07
2H137BA20
2H137BA31
2H137BC02
2H137BC23
2H137BC31
2H137BC51
2H137DB09
2H137HA01
5F172AM08
5F172DD03
5F172NR12
5F172NR14
5F173AB34
5F173AB44
5F173AB45
5F173AB46
5F173AB47
5F173AB50
5F173AR14
5F173AR32
(57)【要約】
【解決手段】本装置は、導波路および自由曲面コリメートレンズを有する。導波路は、導波路軸と、導波路軸に対して0度より大きい端部角度で傾斜した法線軸を有する平坦な端部とによって特徴付けられる。自由曲面コリメートレンズは、導波路の平坦な端部から出た光を、導波路軸に対して平行なビーム方向によって特徴付けられるコリメートされた光ビームにコリメートする。本装置は、導波路の軸に対して平行な方向を有するコリメートされた光ビームを提供しながら、導波路の平坦な端部からの反射が導波路を逆に伝播することを阻止する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波路軸と、前記導波路軸に対して0度より大きい端部角度で傾斜した法線軸を有する平坦な端部とによって特徴付けられる導波路と、
前記導波路の前記平坦な端部から出た光を、前記導波路軸に対して平行なビーム方向によって特徴付けられるコリメートされた光ビームにコリメートする自由曲面コリメートレンズと
を含む装置。
【請求項2】
前記端部角度が7度よりも大きい、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記平坦な端部から反射された光を増幅する光増幅器をさらに含み、前記端部角度は、前記装置を含むシステムにおけるレージングを防止する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記光増幅器が量子カスケードゲインチップを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記光増幅器がドーピングされた光ファイバを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
コリメートされた光のビームを前記自由曲面コリメートレンズへ戻す外部キャビティ反射器をさらに含み、前記戻された光は、前記導波路軸に対して平行な方向に移動する、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記量子カスケードゲインチップの外部にあるキャビティを含み、前記キャビティは、波長選択フィルタを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記波長選択フィルタは回折格子を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記自由曲面コリメートレンズが、前記平坦な端部の近傍の自由曲面凹面と、前記平坦な端部に対して遠位の球状凸面とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記導波路軸に対して平行な前記ビーム方向を維持するために前記量子カスケードゲインチップに対して前記自由曲面コリメートレンズを位置決めするレンズマウントをさらに含む、請求項4に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年8月14日に出願された米国仮特許出願第63/066,070号の優先権および利益を主張し、その内容の全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0002】
量子カスケードレーザデバイス(QCL:quantum cascade laser device)は、典型的に、熱および電気的接触を提供する金属サブマウントに固定された、細長い、略矩形のボックス型の能動半導体導波路構造からなる。このようなデバイスの導波路のフロントファセット(front facet)から放射された拡散光は、一般的に、球面収差(spherical aberration)を補正するのに有効な、非球面の高開口数レンズ(high numerical aperture lens)を使用してコリメートされる。
【0003】
QCLデバイス導波路は、最も一般的に、直角入射出力ファセット(normal-incidence ouput facet)を有するように製造される。すなわち、出力ファセットの垂線(normal)は、導波路長軸および光伝播方向に対して平行である。これは、簡便性および製造容易性の理由から行われる。なぜならば、光が、デバイス軸に沿ってまっすぐに放射され、それにより、サブマウント上に直角に(squarely)入射され、波長にかかわらず、導波路と軸上で整列したレンズによってコリメートされうるからである。
【0004】
しかしながら、高複雑性、高いコストの多層反射防止コーティングの必要性を同時に低減または排除しながら、量子カスケードレーザ導波路の出力ファセットに対して角度(典型的には7~10度)を導入することがその性能(最大パワー、空間モード品質)の両方を高めることができることが実証された。
【0005】
あいにく、角度付けられたファセットを導入することは、より広い光学設計に関して複雑性を追加する。角度付けられたファセットは、導波路からの放射された光を、ゲインチップ(gain chip:利得チップ)の長軸に対してある角度で屈折する。原則として、ビームステアリング効果(beam steering effect)は、コリメートレンズをゲインチップマウントに対して所定の角度で取り付けることによって補正することができ、これにより、光は、コリメートレンズの中心軸に沿ってコリメートレンズに進入する。これは、新たなビーム方向に対応するように外部キャビティ(external cavity)を回転させることも必要とする。しかしながら、この解決手段は、ゲインチップおよびコリメートレンズのためのマウンティングスキームに顕著な複雑性を導入する。また、この解決手段は、導波路からの伝播角度が波長依存を有する場合に必ずしも屈折ビームステアリングを補正せず、シフトする対物面距離(object plane distance)の結果生じる非回転で対称的な収差も排除しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、導波路と、自由曲面コリメートレンズとを有する装置を含む。導波路は、導波路軸と、導波路軸に対して0度より大きい端部角度(end angular)で傾斜した法線軸(normal axis)を有する平坦な端部とによって特徴付けられる。自由曲面コリメートレンズ(freeform collimating lens)は、導波路の平坦な端部から出た光を、導波路軸に対して平行なビーム方向によって特徴付けられるコリメートされた光ビームにコリメートする。
【0007】
1つの態様において、端部角度が7度よりも大きい。
【0008】
別の態様において、装置は、平坦な端部から反射された光を増幅する光増幅器も含み、端部角度は、平坦な端部から反射された光の強度が、装置を含むシステムにおけるレージング(lasing)を生じるには不十分であるように選択される。
【0009】
別の態様において、光増幅器が、量子カスケードゲインチップを含む。
【0010】
別の態様において、光増幅器が、ドーピングされた光ファイバを含む。
【0011】
別の態様において、装置は、コリメートされた光のビームを自由曲面コリメートレンズへ戻す外部キャビティ反射器(external cavity reflector)も含み、戻された光は、導波路軸に対して平行な方向に移動する。
【0012】
別の態様において、外部キャビティは、波長選択フィルタを有する。
【0013】
別の態様において、波長選択フィルタは、回折格子を含む。
【0014】
別の態様において、自由曲面コリメートレンズが、平坦な端部の近傍の自由曲面凹面と、平坦な端部に対して遠位の球状凸面とを含む。
【0015】
別の態様において、装置は、自由曲面レンズの光軸が導波路軸に対して平行になるように量子カスケードゲインチップに対して自由曲面コリメートレンズを位置決めするレンズマウントも含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】レーザを調整するためのECを備える典型的なQCLを示す図である。
【
図2】僅かな角度で切断されたファセットを有するゲインチップを示す図である。
【
図3】回転したコリメートレンズを備えるゲインチップを示す図である。
【
図4】本発明の1つの実施形態によるコリメートレンズを示す図である。
【
図5】主発振器出力増幅器(MOPA:master oscillation power amplifier)の一例を示す図である。
【
図6】
図5に示された増幅器において使用することができる本発明の実施形態による導波路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明がその利点を提供する形式は、出力波長を調整するために外部キャビティ(EC:external cavity)を使用するQCLを参照してさらに容易に理解することができる。ここで、レーザを調整するためのECを備える典型的なQCLを示す
図1を参照する。レーザ40は、マウント42に取り付けられたゲインチップ41を含む。ゲインチップ41のフロントファセット(front facet)43から放射された光は、レンズ52によってコリメートされ、格子46から反射される。ゲインチップ41からの光ビームに対する格子46の角度は、レーザを特定のモードにロックするように選択される。角度はアクチュエータ45によって設定され、アクチュエータ45は、回折された波長およびキャビティの長さが所望の波長を提供するように維持されるように選択された軸53を中心に格子を回転させる。レンズ47は、出力ビームを所望のサイズに拡張し、光源としてレーザ40を利用する測定システムによって使用される出力光を提供する。レンズ52は、ゲインチップ41のフロントファセット43から出た光を拡張する。
【0018】
上記説明は、ファセット43において反射が生じないと仮定する。ファセット43が光を反射し、ファセット48に対して平行であるならば、2つのファセットは、ファセット48および格子46によって提供される所望の光キャビティと「競合する」固定長光キャビティを形成する。この問題を回避するために、従来の外部キャビティレーザは、ファセット43を反射防止コーティングで被覆し、これは、レーザのコストを増大させる。これらのレーザは、大きな波長範囲にわたって調整可能であるように設計されているので、全波長範囲にわたって動作する反射防止コーティングのコストは顕著となりうる。
【0019】
従来のシステムにおいて、ゲインチップは、典型的には、チップをマウントに電気的に接続するためのワイヤボンドによってマウントに取り付けられる。コリメータレンズは、典型的には、チップマウントと共通の構造に堅固に取り付けられる。コリメータレンズマウントは、典型的には、ゲインチップに対してレンズを適切に整合させるために複数の自由度を必要とする。
【0020】
この第2のキャビティの問題に対する1つの解決手段は、ファセット43がファセット48に対して平行でないゲインチップを利用することである。ここで、僅かな角度でカットされたファセットを有するゲインチップを示す
図2を参照する。ゲインチップ11は、ファセット13に対して7°~10°の角度でカットされたファセット12を有する。ゲインチップの2つの端部はもはや平行ではないので、端部から反射された光は共振キャビティを形成することができない。角度を形成した表面の結果、ファセット12から出た光は、従来の垂直なファセットの場合に光が移動する方向に対して屈折させられる。コリメートレンズ14が、傾けられていないファセットと共に使用される対応するコリメートレンズと同じ位置にとどまっている場合には、2つの問題に遭遇する。
【0021】
以下の説明を他の光学系に一般化するために、導波路の端部の角度を、端部の平面と、光ガイド軸との間の角度によって特定する。この命名において、傾斜した端部と導波路軸との間の角度は、80~83度である。
【0022】
第1に、ファセット12から出た光は点光源ではなく、ファセット12上の小さな領域にわたって延びている。これにより、光の一部は、ここで、コリメートレンズ14の焦点とは異なる点において放射される。これは、光のコリメーションにおける劣化につながる。
【0023】
第2に、コリメートレンズ14の下部は、決して最適に利用されているわけではない。なぜならば、角度付けられた面からのビームは、レンズの下部と同じ程度を照明するからである。
【0024】
これらの問題を低減するための1つの方法は、傾斜したファセットによって導入される放射角度の変化を補償するためにコリメートレンズ14を回転させることを含む。ここで、回転したコリメートレンズを有するゲインチップを示す
図3を参照する。
図3に示された構成において、コリメートレンズ14は、コリメートレンズ14の光軸15がファセット12の表面に対して垂直となりかつ光が放出される領域の中心に位置決めされるように回転されている。この解決手段は、上述の光学収差を部分的に補償するが、コリメートレンズ14のための複雑な取付け配置を必要とする。さらに、コリメートされた光ビームの軸はもはやゲインチップ13の導波路の軸と同一線上にはない。これは、回折格子の取付けシステムに対する変更を必要とし、このこともレーザのコストを増大させる。
【0025】
本開示のレーザは、傾斜したファセットの効果を補償するために元の位置に配置することができるコリメートレンズを利用することによってこれらの問題を解決する。本開示において使用される場合、「コリメートされた(collimated)」という用語は、サイズを著しく変化させることなく実験室規模の距離(数センチメートルから数メートル)を伝播することができるビームを意味する(ビーム広がりはミリラジアンレベルに減じられている)。中赤外域のビーム(約4~12ミクロンの波長)の場合、ビームのウエスト(beam waist)は数ミリメートルでなければならない。1つの例示的な実施形態において、ビームのウエストは5ミリメートルである。別の例示的な実施形態において、ビームのウエストは7ミリメートルである。同様に、コリメータレンズの焦点距離は、1つの例示的な実施形態において2~5ミリメートルである。
【0026】
ここで、本発明の1つの実施形態によるコリメートレンズを示す
図4を参照する。ゲインチップ11は、ゲインチップ11における導波路の光軸に中心合わせされた位置において光を放射する角度付けられたファセット12を含む。ファセット12から出た光は、「自由曲面レンズ(freeform lens)」と呼ばれるレンズによってコリメートされる。自由曲面レンズ60は、ファセット12から放射される光線をコリメートするように計算された形状を有する、外側凸状球面61および内側凹面62を有する。この内面は、自由曲面と呼ばれる。
【0027】
図4に示されたタイプの自由曲面レンズは技術分野において知られており、したがって、ここでは詳細に説明しない。本開示のために、自由曲面は、面の形状がレンズ材料およびレンズの他の面と一緒に所望のコリメーションを提供するように決定された多数の可変パラメータを有する関数によって規定されると述べれば十分である。1つの態様において、自由曲面は、ファセット12から出て表面領域を通過する光線が、光軸64に対して平行な方向においてレンズ60から出た光線に回折されるように決定された複数の自由パラメータを有する三次元多項式として表される。それぞれの小さな表面領域を記述する関数は、さらに、表面領域の集合から構築された全表面が連続的かつ滑らかな表面であるように制約される。個々の多項式表面は、好ましくは、少なくとも二次、またはそれよりも高い。加えて、パラメータと、表面領域が互いに接合する点とは、全表面の一次導関数が、2つの表面領域が接合される点において連続的であるように選択される。
【0028】
レンズ60のパラメータは、レンズ60およびゲインチップマウント68を共通の面67に固定することができるようにも選択されている。この配置において、光軸64は、ゲインチップ11の導波路の軸65と同一線上にある。これにより、角度付けられたファセット12によって導入されるアーチファクトを補正し、これにより、ファセット12における反射防止コーティングの必要性を実質的に低減しながら、外部キャビティレーザの既存のジオメトリを維持することができる。
【0029】
上記の実施形態は、波長選択フィルタのための格子および外部キャビティのための反射器を利用する。しかしながら、本開示のコリメートシステムは、ゲインチップにおける傾斜したファセットエッジによって導入される歪みを補正しながらレーザキャビティの線形ジオメトリを維持するためにあらゆる外部キャビティ量子カスケードレーザと共に使用することができる。加えて、このコリメーションシステムは、外部レーザキャビティ内のその他の波長選択フィルタと共に使用することができる。
【0030】
上記の実施形態はレーザに向けられている。しかしながら、本開示のシステムは、出口ファセットが、問題となる波長の光のための共振キャビティの1つの表面を提供するため、導波路の出口ファセットから反射された光がシステムをぼやけさせる可能性がある他の光学系において有利には利用することができる。ここで、MOPA(master oscillation power amplifier)の一例を示す
図5を参照する。MOPA80は、カプラ83によって光増幅器82に結合された光信号を生成するためにシードレーザ(seed laser)81を利用する。図を簡略化するために、光増幅器82のための電源は図面から省略されている。光増幅器82の出力は、出力光ファイバ84に提供される。出力光ファイバは、光増幅器82の一部であってよい。例えば、光増幅器82は、増幅を提供するためにポンピングされるドーピングされた光ファイバであることができる。光信号を増幅させるためのドーピングされた光ファイバは技術分野において知られており、したがって、ここでは詳細に説明しない。この場合、出力光ファイバ84は、ドーピングされた光ファイバの端部であってよい。出力光ファイバ84の出力は、典型的には、コリメートレンズ86によってコリメートされた光ビーム87に拡張される。コリメートレンズ86は、レーザの上述の実施形態において説明した取付け構造と類似の取付け構造88によって出力光ファイバ84に堅固に接続されている。
【0031】
図5に示された配置に関する1つの問題は、表面85における反射から生じる。典型的には、表面85は、出力ファイバ84の軸に対して垂直である。表面85における反射率が十分であると、レーザキャビティが、表面85、およびシードレーザ81またはカプラ83における反射面によって形成される。その結果、光増幅器82は、シードレーザ81のものとは異なるスペクトルパターンを有する別個のレーザとなりうる。これにより、表面85は、しばしば反射防止コーティングで被覆され、これは、MOPA80のコストを増大させる。
【0032】
ここで、
図5に示された導波路84の代わりに使用することができる導波路を示す
図6を参照する。導波路95は、光軸97に対して90度ではない角度でカットされた端面96を有する。軸97に対する端面96の角度は、表面96からの反射が導波管95で戻されないように選択され、したがって、上記のレージング問題が回避される。自由曲面レンズ90は、軸97の方向において導波路95からの出力光のコリメーションを提供する。コリメートされたビームの光軸93は、この例における導波路95の光軸と一致する。導波路95は、共通の表面94への取付けを介して自由曲面レンズに対して堅固に位置決めされたマウント98上で固定される。
【0033】
[例示的な実施形態]
実施形態1:導波路軸と、前記導波路軸に対して0度より大きい端部角度で傾斜した法線軸(normal axis)を有する平坦な端部とによって特徴付けられる、導波路と、前記導波路の前記平坦な端部から出た光を、前記導波路軸に対して平行なビーム方向によって特徴付けられるコリメートされた光ビームにコリメートする自由曲面コリメートレンズとを含む、装置。
【0034】
実施形態2:前記端部角度が7度よりも大きい、実施形態1に記載の装置。
【0035】
実施形態3:前記平坦な端部から反射された光を増幅する光増幅器をさらに含み、前記端部角度は、前記装置を含むシステムにおけるレージングを防止する、実施形態1または2に記載の装置。
【0036】
実施形態4:前記光増幅器が、量子カスケードゲインチップを含む、実施形態3に記載の装置。
【0037】
実施形態5:前記光増幅器が、ドーピングされた光ファイバを含む、実施形態3に記載の装置。
【0038】
実施形態6:コリメートされた光のビームを前記自由曲面コリメートレンズへ戻す外部キャビティ反射器をさらに含み、前記戻された光は、前記導波路軸に対して平行な方向に移動する、実施形態1から4のいずれか1つに記載の装置。
【0039】
実施形態7:前記量子カスケードゲインチップの外部にあるキャビティを含み、前記キャビティは、波長選択フィルタを含む、実施形態6に記載の装置。
【0040】
実施形態8:前記波長選択フィルタは、回折格子を含む、実施形態7に記載の装置。
【0041】
実施形態9:前記自由曲面コリメートレンズが、前記平坦な端部の近傍の自由曲面凹面と、前記平坦な端部に対して遠位の球状凸面とを含む、実施形態1から8のいずれか1つに記載の装置。
【0042】
実施形態10:前記導波路軸に対して平行な前記ビーム方向を維持するために前記量子カスケードゲインチップに対して前記自由曲面コリメートレンズを位置決めするレンズマウントをさらに含む、実施形態1から9のいずれか1つに記載の装置。
【0043】
本発明の上記実施形態は、発明の様々な態様を示すために提供されている。しかしながら、異なる特定の実施形態に示された本発明の異なる態様は、本発明の他の実施形態を提供するために組み合わせることができることを理解すべきである。加えて、本発明に対する様々な修正は、前記説明および添付の図面から明らかになるであろう。したがって、本発明は、以下の請求項の範囲によってのみ限定される。
【国際調査報告】