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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】センサ安定器
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0215 20060101AFI20230831BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
A61B5/0215 F
A61B5/00 B
A61B5/00 102A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507473
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(85)【翻訳文提出日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 US2021012799
(87)【国際公開番号】W WO2022031317
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/060,333
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジー・ヴァルデス
【テーマコード(参考)】
4C017
4C117
【Fターム(参考)】
4C017AA01
4C017AB04
4C017AC04
4C117XA01
4C117XB01
4C117XC19
4C117XC21
4C117XD24
4C117XE15
4C117XE52
4C117XE62
4C117XH12
(57)【要約】
センサ保持構造は、センサデバイスを保持するように構成されたセンサ支持アームと、センサ支持アームと関連付けられ、かつセンサ支持アームから離れて突出してセンサ支持アームに対する安定化支持を提供するように構成されている、安定器構造と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ保持構造であって、
センサデバイスを保持するように構成されたセンサ支持アームと、
前記センサ支持アームと関連付けられ、かつ前記センサ支持アームから離れて突出して前記センサ支持アームに対する安定化支持を提供するように構成されている、安定器構造と、を備える、センサ保持構造。
【請求項2】
前記安定器構造が、
細長い脚部分と、
端部分と、
前記センサ支持アームと統合されるベース部分と、を備える、請求項1に記載のセンサ保持構造。
【請求項3】
前記安定器構造が、前記ベース部分で屈曲して、前記安定器構造の前記端部分を前記センサ支持アームの遠位端から離れて突出させるように構成されている、請求項2に記載のセンサ保持構造。
【請求項4】
前記安定器構造が、前記ベース部分で屈曲して、前記安定器構造の前記端部分を前記センサ支持アームの近位端から離れて突出させるように構成されている、請求項2又は3に記載のセンサ保持構造。
【請求項5】
前記安定器構造の前記端部分が、その少なくとも一部分上に配設された非外傷性コーティングを有する、請求項2~4のいずれか一項に記載のセンサ保持構造。
【請求項6】
前記安定器構造の前記端部分が、反対方向に屈曲するように構成された2つの足を備える、請求項2~5のいずれか一項に記載のセンサ保持構造。
【請求項7】
前記端部分が、前記細長い脚部分の幅よりも大きい幅をその1つ以上の部分に有する足部分を備える、請求項2~6のいずれか一項に記載のセンサ保持構造。
【請求項8】
前記端部分が、前記細長い脚部分に対してある角度で偏向して、組織接触表面を提供するように構成されている足部分を備える、請求項2~7のいずれか一項に記載のセンサ保持構造。
【請求項9】
前記安定器構造が、第1の脚及び第2の脚を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のセンサ保持構造。
【請求項10】
前記第1の脚及び前記第2の脚が、相対的に平行に配向されている、請求項9に記載のセンサ保持構造。
【請求項11】
前記第1の脚及び前記第2の脚が、互いに角度付けられている、請求項9又は10に記載のセンサ保持構造。
【請求項12】
センサ移植デバイスを展開する方法であって、前記方法が、
組織壁に移植構造を移植することであって、前記移植構造が、センサデバイスを保持するように構成されたセンサ支持部材を含む、移植することと、
前記センサ支持部材と関連付けられた安定器形態の遠位部分を、前記センサ支持部材から離れて、かつ前記組織壁に向かって突出させることと、を含む、方法。
【請求項13】
前記組織壁の表面に対する前記センサ支持部材の角度に対して前記センサ支持部材を安定化させることを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記安定器形態の端部分を偏向させて、組織接触構造を提供することを更に含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記安定器形態が、形状記憶材料を含み、前記安定器形態の前記遠位部分を前記突出させることが、前記移植構造を送達システムから展開することと、前記形状記憶材料が、前記安定器形態をその基部で屈曲させて、前記安定器形態を前記センサ支持部材から離れて偏向させることを可能にすることと、を伴う、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
センサ安定器を引き込む方法であって、前記方法が、
センサ支持構造を含むセンサ移植デバイスと、縫合糸係合特徴部を含む安定器部材とを提供することと、
前記縫合糸係合特徴部と縫合糸を係合することと、
前記センサ移植デバイスを組織壁に移植することと、
前記安定器部材の少なくとも一部分を前記センサ支持構造から離れて突出させることによって、前記安定器部材を少なくとも部分的に展開することと、
前記縫合糸の1つ以上の部分を引っ張って、それによって、前記安定器部材を前記センサ支持構造と整列させるように引っ張ることと、を含む、方法。
【請求項17】
前記縫合糸係合特徴部が、前記安定器部材の端部分と関連付けられた開口を備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記センサ移植デバイスと関連付けられた送達システムを通して前記縫合糸の縫合糸尾部を近位に引っ張って、前記縫合糸を前記センサ移植デバイスから引き出すことを更に含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
送達カテーテルを前記組織壁に前進させることを更に含み、前記送達カテーテルが、その中に配設された前記縫合糸の複数の縫合糸尾部部分を有する、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記組織壁が、心臓の左心室から冠静脈洞を分離する壁である、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年8月3日出願の米国仮特許出願第63/060333号に対する優先権を主張するものであり、その全内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、概して、医療デバイス及び処置の分野に関する。
【0003】
関連技術の説明
流体の圧力及び血流などの、心腔と関連付けられた特定の生理学的パラメータは、患者の健康の見通しに対する影響を有し得る。特に、高い心臓の液圧は、一部の患者において、心不全、塞栓形成、及び/又は他の合併症につながり得る。したがって、1つ以上の心腔における圧力などの生理学的条件に関する情報が有益であり得る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書には、特定のセンサデバイス、及び移植されたセンサデバイスの安定化を容易にする安定器機構を使用して、生理学的パラメータのモニタリングを容易にするための1つ以上の方法及び/又はデバイスが説明されている。
【0005】
いくつかの実施態様では、本開示は、センサ保持構造であって、センサデバイスを保持するように構成されたセンサ支持アームと、センサ支持アームと関連付けられ、かつセンサ支持アームから離れて突出してセンサ支持アームに対する安定化支持を提供するように構成されている、安定器構造と、を備える、センサ保持構造に関する。
【0006】
安定器構造が、細長い脚部分、端部分、及びセンサ支持アームと統合されるベース部分を含み得る。安定器構造が、ベース部分で屈曲して、安定器構造の端部分をセンサ支持アームの遠位端から離れて突出させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、安定器構造が、ベース部分で屈曲して、安定器構造の端部分をセンサ支持アームの近位端から離れて突出させるように構成されている。安定器構造の端部分が、その少なくとも一部分上に配設された非外傷性コーティングを有する。いくつかの実施形態では、安定器構造の端部分が、反対方向に屈曲するように構成された2つの足を備える。端部分が、細長い脚部分の幅よりも大きい幅をその1つ以上の部分に有する足部分を備え得る。いくつかの実施形態では、端部分が、細長い脚部分に対してある角度で偏向して、組織接触表面を提供するように構成されている足部分を備える。
【0007】
安定器構造が、第1の脚及び第2の脚を備え得る。例えば、第1の脚及び第2の脚が、相対的に平行に配向され得る。いくつかの実施形態では、第1の脚及び第2の脚が、互いに対して角度付けられている。
【0008】
いくつかの実施態様では、本開示は、センサ移植デバイスを展開する方法に関する。方法は、組織壁に移植構造を移植することを含み、移植構造が、センサデバイスを保持するとともに、センサ支持部材と関連付けられた安定器形態の遠位部分を、センサ支持部材から離れて、かつ組織壁に向かって突出させるように構成されたセンサ支持部材を含む。
【0009】
方法が、組織壁の表面に対するセンサ支持部材の角度に対してセンサ支持部材を安定化させることを更に含み得る。いくつかの実施態様では、方法が、安定器形態の端部分を偏向させて、組織接触構造を提供することを更に含む。いくつかの実施態様では、安定器形態が、形状記憶材料を含み、安定器形態の遠位部分を突出させることが、移植構造を送達システムから展開することと、形状記憶材料が、安定器形態をその基部で屈曲させて、安定器形態をセンサ支持部材から離れて偏向させることを可能にすることと、を伴う。
【0010】
いくつかの実施態様では、本開示は、センサ安定器を引き込む方法に関する。方法が、センサ支持構造を含むセンサ移植デバイスと、縫合糸係合特徴部を含む安定器部材とを提供することと、縫合糸係合特徴部と縫合糸を係合することと、センサ移植デバイスを組織壁に移植することと、安定器部材の少なくとも一部分をセンサ支持構造から離れて突出させることによって、安定器部材を少なくとも部分的に展開することと、縫合糸の1つ以上の部分を引っ張って、それによって、安定器部材をセンサ支持構造と整列させるように引っ張ることと、を含む。
【0011】
縫合糸係合特徴部が、安定器部材の端部分と関連付けられた開口を備え得る。いくつかの実施態様では、方法が、センサ移植デバイスと関連付けられた送達システムを通して縫合糸の縫合糸尾部を近位に引っ張って、縫合糸をセンサ移植デバイスから引き出すことを更に含む。方法が、送達カテーテルを組織壁に前進させることを更に含み得、送達カテーテルが、その中に配設された縫合糸の複数の縫合糸尾部部分を有する。いくつかの実施態様では、組織壁が、心臓の左心室から冠静脈洞を分離する壁である。
【0012】
本開示を要約する目的で、特定の態様、利点、及び新規の特徴が説明されている。全てのそのような利点は、必ずしも任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではないことが理解されるべきである。したがって、開示された実施形態は、本明細書に教示又は示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示されるような1つの利点又は利点の群を達成又は最適化する様式で実施され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
様々な実施形態が、例示の目的で添付図面に図示されており、決して本発明の範囲を限定していると解釈されるべきではない。加えて、異なる開示された実施形態の様々な特徴が、本開示の一部である追加の実施形態を形成するために組み合わせられ得る。図面全体を通して、参照番号は、参照要素間の対応を示すために再使用され得る。
【0014】
図1A】例示的なヒト心臓の断面図を示す。
図1B】ヒト心臓の上面心房断面図を示す。
図2】1つ以上の実施形態による、様々な心腔及び心臓の血管と関連付けられた例示的な圧力波形を例示する。
図3】左心房圧範囲を示すグラフを例示する。
図4】1つ以上の実施形態による移植デバイスを表すブロック図である。
図5】1つ以上の実施形態による生理学的パラメータをモニタリングするためのシステムを示す。
図6】1つ以上の実施形態による例示的なシャントタイプアンカー構造を例示する。
図7A】1つ以上の実施形態による、センサ支持支柱を有するセンサ移植デバイスを例示する。
図7B】1つ以上の実施形態による、センサ支持支柱を有するセンサ移植デバイスを例示する。
図8】1つ以上の実施形態による、カテーテル送達(例えば、少なくとも部分的に折り畳まれた)構成のセンサ保持構造を含む移植デバイスの斜視図を示す。
図9】1つ以上の実施形態による、センサ保持構造及びセンサ安定器特徴部を含む医療移植デバイスの側面図を示す。
図10】1つ以上の実施形態による、組織壁に移植されたセンサ保持構造及びセンサ安定器特徴部を含む医療移植デバイスの側面図を示す。
図11A】1つ以上の実施形態による、医療移植デバイスのアームから離れて屈曲するように構成されたセンサ保持構造の斜視図を例示する。
図11B】1つ以上の実施形態による、医療移植デバイスのアームから離れて屈曲するように構成されたセンサ保持構造の側面図を例示する。
図12A】1つ以上の実施形態による、安定器を有するセンサ保持アーム構造を含む医療移植デバイスの斜視図を例示する。
図12B】1つ以上の実施形態による、安定器を有するセンサ保持アーム構造を含む医療移植デバイスの側面図を例示する。
図13A】1つ以上の実施形態による、上から下に突出する安定器を有するセンサ保持構造の展開側面図を示す。
図13B】1つ以上の実施形態による、上から下に突出する安定器を有するセンサ保持構造の非展開上面図を示す。
図14AB】1つ以上の実施形態による、下から上に突出する安定器を有するセンサ保持構造の展開側面図を示す。
図14B】1つ以上の実施形態による、下から上に突出する安定器を有するセンサ保持構造の非展開上面図を示す。
図15A】1つ以上の実施形態による、安定器を有するセンサ保持構造の斜視図を示す。
図15B】1つ以上の実施形態による、安定器を有するセンサ保持構造の側面図を示す。
図15C】1つ以上の実施形態による、安定器を有するセンサ保持構造の端面図を示す。
図15D】1つ以上の実施形態による、遠位ストッパ特徴部を有するセンサ保持構造の端面図を示す。
図16A】1つ以上の実施形態による、複数の安定器を有するセンサ保持構造の斜視展開図を示す。
図16B】1つ以上の実施形態による、複数の安定器を有するセンサ保持構造の非展開上面図を示す。
図17A】1つ以上の実施形態による、複数の安定器を有するセンサ保持構造の斜視展開図を示す。
図17B】1つ以上の実施形態による、複数の安定器を有するセンサ保持構造の非展開上面図を示す。
図18A】1つ以上の実施形態による、センサ安定器を含むセンサ保持構造の側面展開図を示す。
図18B】1つ以上の実施形態による、センサ安定器を含むセンサ保持構造の非展開上面図を示す。
図19A】1つ以上の実施形態による、センサ安定器を含むセンサ保持構造の側面展開図を示す。
図19B】1つ以上の実施形態による、センサ安定器を含むセンサ保持構造の非展開上面図を示す。
図20-1】1つ以上の実施形態による、センサ安定器を展開するためのプロセスを例示するフロー図である。
図20-2】1つ以上の実施形態による、センサ安定器を引き込むためのプロセスを例示するフロー図である。
図21-1】1つ以上の実施形態による、図20-1のプロセスと関連付けられた動作に対応する心臓解剖学的構造及び特定のデバイス/システムの画像を提供する。
図21-2】1つ以上の実施形態による、図20-2のプロセスと関連付けられた動作に対応する心臓解剖学的構造及び特定のデバイス/システムの画像を提供する。
図22】1つ以上の実施形態による、左心房から冠静脈洞を分離する壁に移植されたセンサ移植デバイスを示す。
図23A】1つ以上の実施形態による、左心房から冠静脈洞を分離する壁へのカテーテルアクセス経路を示す心臓解剖学的構造の図を示す。
図23B】1つ以上の実施形態による、左心房から冠静脈洞を分離する壁へのカテーテルアクセス経路を示す心臓解剖学的構造の図を示す。
図24】1つ以上の実施形態による、左心房から冠静脈洞を分離する壁に移植されたセンサ安定器を有するセンサ移植デバイスを示す。
図25】1つ以上の実施形態による、心房中隔壁に移植されたセンサ安定器を有するセンサ移植デバイスを示す。
図26】1つ以上の実施形態による、心室中隔壁に移植されたセンサ安定器を有するセンサ移植デバイスを示す。
図27】1つ以上の実施形態による、心室の壁に移植されたセンサ安定器を有するセンサ移植デバイスを示す。
図28】1つ以上の実施形態による、心臓の尖部領域に移植されたセンサ安定器を有するセンサ移植デバイスを示す。
図29】1つ以上の実施形態による、心臓の左心耳に移植されたセンサ安定器を有するセンサ移植デバイスを示す。
図30】心臓解剖学的構造へのアクセスが、1つ以上の実施形態に従って達成され得る、様々なアクセス経路を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書に提供される見出しは、単に便宜上のものであり、特許請求の範囲又は意味に必ずしも影響するものではない。本開示は、身体(例えば、心臓)に移植されるように構成されたセンサデバイスを安定化するためのシステム、デバイス、及び方法に関する。そのような目的のために、1つ以上の安定器は、センサホルダ/保持構造と組織壁又は他の解剖学的構造との間の安定化接触/支持を提供するために実装され得る。
【0016】
特定の好ましい実施形態及び実施例が以下に開示されているが、発明の主題は、具体的に開示された実施形態を越えて、他の代替的な実施形態及び/又は用途、並びにその修正例及び均等物に及ぶ。したがって、本明細書から生じ得る特許請求の範囲は、以下に説明される特定の実施形態のいずれによっても限定されない。例えば、本明細書に開示される任意の方法又はプロセスでは、方法又はプロセスの作用又は動作は、任意の好適な配列で実施され得、必ずしも任意の特定の開示される配列に限定されない。様々な動作は、特定の実施形態を理解するのに有用であり得る様式で、複数の別個の動作として順次説明され得るが、説明の順序は、これらの動作が順序依存性であることを暗示するものとして解釈されるべきではない。加えて、本明細書に説明される構造、システム、及び/又はデバイスは、統合された構成要素として、又は別個の構成要素として具現化され得る。様々な実施形態を比較する目的で、これらの実施形態の特定の態様及び利点が説明されている。全てのそのような態様又は利点が、必ずしも任意の特定の実施形態によって達成されるとは限らない。したがって、例えば、様々な実施形態は、本明細書に同様に教示又は示唆され得る他の態様又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示されるような1つの利点又は利点の群を達成又は最適化する様式で実施され得る。
【0017】
以下は、本明細書に開示される特定の発明の特徴及び実施形態に関連し、かつ本開示の特定の態様の文脈を提供するために含まれる、ヒト心臓解剖学的構造の一般的な説明を含む。ヒト及び他の脊椎動物では、心臓は、概して、4つのポンプ室を有する筋肉性の器官を備え、ポンプ室間の血液の流れは、様々な心臓弁、すなわち、大動脈弁、僧帽弁(又は二尖弁)、三尖弁、及び肺動脈弁によって少なくとも部分的に制御される。弁は、心臓サイクルの様々な段階(例えば、弛緩及び収縮)の間に存在する圧力勾配に応答して、心臓のそれぞれの領域及び/又は関連付けられた血管(例えば、肺、大動脈など)への血液の流れを少なくとも部分的に制御するように構成され得る。
【0018】
図1A及び図1Bは、それぞれ、本発明の開示の特定の態様に関連する様々な特徴/解剖学的構造を有する例示的な心臓1の垂直及び水平断面図を例示する。心臓1は、4つの心腔、すなわち、左心室3、左心房2、右心室4、及び右心房5を含む。隔壁と呼ばれる筋肉の壁は、左側の心腔を右側の心腔から分離する。特に、心房中隔壁部分79(本明細書では、「心房中隔(atrial septum)」、「心房中隔(interatrial septum)」、又は「中隔」と称される)は、左心房2を右心房5から分離するのに対し、心室中隔壁部分17(本明細書では、「心室中隔(ventricular septum)」、「心室中隔(interventricular septum)」、又は「中隔」と称される)は、左心室3を右心室4から分離する。心臓1の下方先端19は、尖部と呼ばれ、一般に、鎖骨中線上、第5肋間腔内に位置する。尖部19は、図面で識別されるより大きい根尖部領域39の一部とみなされ得る。
【0019】
左心室3は、心臓1の主要ポンプ室である。健康な左心室は、それが幅(左心室の最も広い点において対向する壁25、26の間に延在する横方向軸に沿う)よりも長さ(大動脈弁7(図1には示されていない)から尖部19への方向に延在する長手方向軸に沿う)が長く、かつ基部15から減少する断面直径及び/又は外周を伴って点又は尖部19まで下降するという点で、略円錐又は根尖形状である。概して、心臓の根尖部領域39は、左及び/又は右心室領域内であるが、僧帽弁6及び三尖弁8の遠位にあり、心臓の先端19に向かって配設される、心臓の底部領域である。
【0020】
左心室3からの血液のポンピングは、圧迫運動及び捻回又はねじれ運動によって達成される。圧迫動作は、左心室3の側壁14と隔壁17との間で発生する。捻回運動は、心臓の周囲で円形又は螺旋方向に延在する心筋線維の結果である。これらの線維が収縮するとき、心臓の長軸方向軸を中心として尖部19から基部15への心筋の角度変位の勾配を生成する。結果として生じる力ベクトルは、大動脈弁7を通る血液の流れに対して約30~60度の角度で延在する。心臓の収縮は、尖部19から見たとき、基部15に対する尖部19の反時計回りの回転として現れる。左心房2及び左心室3のそれぞれの充填容量と関連して、心臓の収縮は、結果として、少なくとも心臓周期の特定相の間に心臓の左側に比較的高い流体圧力をもたらし得るが、それらの結果が、以下で詳細に議論される。
【0021】
心臓の4つの弁は、心臓内の血液の循環を支援する。三尖弁8は、右心房5を右心室4から分離する。三尖弁8は、概して、3つの尖点又は弁尖を有し、有利には、心室収縮中(すなわち、収縮期)に閉じ、心室拡張中(すなわち、拡張期)に開く。肺動脈弁9は、右心室4を肺動脈11から分離し、一般に、血液が右心室4から肺に向かってポンピングされ得るように収縮期中に開き、血液が肺動脈から右心室4に逆流するのを防止するために拡張期中に閉じるように構成されている。肺動脈弁9は、概して、3つの尖点/弁尖を有する。僧帽弁6は、一般に、2つの尖点/弁尖を有し、左心房2を左心室3から分離する。僧帽弁6は、左心房2の血液が左心室3に流入し得るように拡張期中に開き、血液が左心房2に逆流するのを防止するように拡張期中に閉じるように構成され得る。大動脈弁7は、左心室3を大動脈12から分離する。大動脈弁7は、血液が左心室3を出て大動脈12に入ることを可能にするように収縮期中に開き、血液が左心室3に逆流するのを防止するように拡張期中に閉じるように構成されている。
【0022】
房室(すなわち、僧帽及び三尖)心臓弁は、一般に、弁尖の適切な癒合を促進及び/又は容易にし、その脱出を防止するために、それぞれの弁の弁尖を固設する腱索及び乳頭筋の集合を含む、弁下組織と関連付けられる。乳頭筋は、例えば、心室壁からの指様突出を概して含み得る。心室(3、4)を取り囲むものは、酸素を含む血液を心筋に供給するいくつかの動脈13、及び冠静脈洞16を介して心筋から右心房5に血液を戻すいくつかの静脈15である(図1B参照)。冠静脈洞16は、左心室3の上部分の概して周囲に延在し、右心房5に戻る血液のための還流路を提供する比較的大きい静脈である。筋肉18の壁は、冠静脈洞16を左心房から分離する。冠静脈洞16は、冠動脈口14で終端し、それを通して血液が右心房に入る。
【0023】
左心房2の主な役割は、肺(図示せず)から戻る血液のための保持室として作用し、血液を心臓の他のエリアに輸送するためのポンプとして作用する。左心房2は、肺静脈12を介して肺から酸素を含む血液を受容する。左心房2の肺静脈12から収集される酸素を含む血液は、僧帽弁6を通って左心室3に入る。いくつかの患者では、左心房2の壁は、右心房5の壁よりもわずかに厚い。脱酸素化された血液は、下大静脈29及び上大静脈19を通って右心房5に入る。次いで、心臓の右側は、この脱酸素化された血液を肺の周囲の肺動脈にポンピングする。そこで、新鮮な酸素が血流に入り、示されるように、肺静脈の血管網を介して心臓の左側に血液が移動し、最終的に左心房2で終端する。肺静脈口12は、一般に、左心房2の後方左心房壁又はその近くに位置する。
【0024】
心不全の予防及び治療のための心臓圧モニタリング
上記に参照されるように、心臓解剖学的構造と関連付けられた特定の生理学的状態又はパラメータは、患者の健康に影響し得る。例えば、鬱血性心不全は、心臓及び/又は身体を通る血液の比較的遅い移動と関連付けられた状態であり、これは、1つ以上の心腔における流体圧力を増加させる。結果として、心臓は、身体の必要性を満たすのに十分な酸素をポンピングしない。様々な心腔は、より多くの血液を保持して身体を通してポンピングするように伸びることによって、又は比較的硬くなる及び/若しくは厚くなることによって、圧力上昇に応答し得る。心臓の壁は、最終的に弱くなり、効率的にポンピングすることができなくなり得る。いくつかの場合、腎臓は、身体に流体を保持することによって心臓の非効率性に応答し得る。腕、脚、足首、足、肺、及び/又は他の器官における流体の蓄積は、身体を鬱血状態にし、これは、鬱血性心不全と呼ばれる。急性非代償性鬱血性心不全は、罹患及び死亡の主要原因であり、したがって、鬱血性心不全の治療及び/又は予防は、医療において重大な関心事である。
【0025】
心不全(例えば、鬱血性心不全)の治療及び/又は予防は、有利には、左心房圧のモニタリングなどの、心臓又は他の解剖学的構造のうちの1つ以上の部屋又は領域のモニタリングを伴い得る。上記に説明されるように、1つ以上の心腔又は心臓の領域における圧力蓄積は、鬱血性心不全と関連付けられ得る。しかしながら、心臓圧(例えば、左心房圧の直接的又は間接的なモニタリングなしで、鬱血性心不全の存在又は発生を推定、決定、又は予測することは困難であり得る。例えば、直接的又は間接的な圧力モニタリングを伴わない治療又はアプローチは、体重、胸部インピーダンス、右心カテーテル挿入などを測定することなどの、患者の他の現在の生理学的状態を測定するか、又は観察することを伴い得る。
【0026】
いくつかの解決策では、肺動脈楔入圧が、左心房圧の代替として測定され得る。例えば、圧力センサは、肺動脈に配設又は移植され得、それと関連付けられた読み取り値は、左心房圧の代替として使用され得る。しかしながら、肺動脈又は特定の他の心腔又は心臓の領域におけるカテーテルベースの圧力測定に関して、そのような圧力センサを維持するために侵襲的カテーテルの使用が必要とされ得、これは、不便であるか、又は実装が困難であり得る。更に、特定の肺関連状態は、肺動脈内の圧力読み取り値に影響し得、その結果、肺動脈圧と左心房圧との間の相関が望ましくないほど減弱され得る。肺動脈圧測定の代替として、右心室流出路における圧力測定値は、左心房圧にも同様に関連し得る。しかしながら、そのような圧力読み取り値と左心房圧との間の相関は、鬱血性心不全の診断、予防、及び/又は治療に利用されるほど十分に強くない場合がある。
【0027】
左心房圧を導出又は推論するために、追加の解決策が実装され得る。例えば、拡張初期における重力からのピーク速度血流(E波)と、心棒収縮によって引き起こされる拡張末期におけるピーク速度血流(A波)との比を表す、心臓の左心室の機能のマーカであるE/A比が、左心房圧を測定するための代替として使用され得る。E/A比は、心エコー又は他の撮像技術を使用して決定され得、概して、E/A比の異常は、左心室が収縮の間の期間に適切に血液を充填することができないことを示唆し得、これは、上記で説明されたように、心不全の症状につながり得る。しかしながら、E/A比の決定は、概して、絶対圧力測定値を提供しない。
【0028】
鬱血性心不全を特定及び/又は治療するための様々な方法は、鬱血性心不全の症状の悪化及び/又は体重の変化の観察を伴う。しかしながら、そのような徴候は、比較的遅発的である、及び/又は比較的信頼できないように思われ得る。例えば、毎日の体重測定値は、顕著に変化し得(例えば、最大9%以上)、心臓関連合併症のシグナル伝達において信頼できない場合がある。更に、徴候、症状、体重、及び/又は他のバイオマーカをモニタすることによって誘導される治療は、臨床転帰を実質的に改善することが示されているわけではない。加えて、退院した患者については、そのような治療は、遠隔医療システムを必要とし得る。
【0029】
本開示は、再入院、罹患を低減するために、及び/又は心不全のリスクを有する患者の健康の見通しを改善するために、左心房内、又は圧力測定値が左心房圧を示す他の部屋若しくは血管の圧力を直接モニタリングすることによって、少なくとも部分的に鬱血性心不全の治療に関連する薬剤の投与を誘導するためのシステム、デバイス、及び方法を提供する。
【0030】
本開示の実施形態による心臓圧力モニタリングは、鬱血性心不全を予防又は治療するための積極的な介入機構を提供し得る。一般に、拡張期及び/又は収縮期心不全と関連付けられた心室充満圧の増加は、入院につながる症状の発生前に起こり得る。例えば、心臓圧インジケータは、いくつかの患者に関しては、入院の数週間前に現れ得る。したがって、本開示の実施形態による圧力モニタリングシステムは、心不全の発症前に、適切な又は所望の薬剤の滴定及び/又は投与を誘導することによって、入院事例を低減するために有利に実装され得る。
【0031】
呼吸困難は、息切れ、又は十分に呼吸することができないという感覚によって特徴付けられる心臓圧インジケータを表す。呼吸困難は、心房圧上昇に起因し得、これは、圧力の逆流によって肺における流体蓄積を引き起こし得る。病態性呼吸困難は、鬱血性心不全に起因し得る。しかしながら、最初の圧力上昇と呼吸困難の発症との間には顕著な時間が経過し得、それゆえに、呼吸困難の症状は、心房圧上昇の十分な初期シグナル伝達を提供しない場合がある。本開示の実施形態に従って圧力を直接モニタリングすることによって、正常な心室充満圧が有利に維持され得、それによって、呼吸困難などの心不全の影響を防止又は低減する。
【0032】
上記に参照されるように、心臓圧に関して、左心房の圧力上昇は、心不全と特に相関し得る。図2は、1つ以上の実施形態による、様々な心腔及び心臓の血管と関連付けられた例示的な圧力波形を例示する。図2に例示された様々な波形は、1つ以上の圧力センサを、それぞれの例示及び符号付けされた心腔又は心臓の血管に前進させるために右心カテーテル挿入を使用して得られた波形を表し得る。図2に例示されるように、左心房圧を表す波形225は、鬱血性心不全の早期検出のための最良のフィードバックを提供するように考慮され得る。更に、一般に、増加と左心房圧と肺鬱血との間に比較的強い相関が存在し得る。
【0033】
左心房圧は、一般に、左心室拡張末期圧と良好に相関し得る。しかしながら、左心房圧及び拡張末期の肺動脈圧が顕著な相関を有し得るが、そのような相関は、肺血管抵抗が上昇するときに弱まる可能性がある。すなわち、肺動脈圧は、一般に、鬱血性心不全の特定の患者を含み得る様々な急性状態の存在下では、左心室拡張末期圧と適切に相関しない。例えば、心不全患者の約35~83%に影響する肺保持は、左側充満圧を推定するための肺動脈圧測定の信頼性に影響し得る。したがって、波形326によって表されるように、肺動脈圧測定単独は、特に、肺疾患及び/又は血栓塞栓症などの併存疾患を有する患者にとって、左心室拡張末期圧の不十分又は不正確なインジケータであり得る。左心房圧は、僧帽弁閉鎖不全の有無及び/又は程度と少なくとも部分的に更に相関し得る。
【0034】
左心房圧の読み取り値は、図2に示される他の圧力波形と比較して、呼吸状態などの他の状態によって歪むか、又は影響する可能性が比較的低い場合がある。概して、左心房圧は、心不全の発現の最大2週間前までなどの、心不全の有意な前兆であり得る。例えば、左心房圧の増加、並びに拡張期及び収縮期心不全の両方が、入院の数週間前に起こり得、したがって、そのような増加の知識が、鬱血性心不全の発症を予測するために使用され得る。
【0035】
左心房圧モニタリングなどの心臓圧モニタリングは、鬱血性心不全を治療及び/又は予防するための薬剤の投与を誘導する機構を提供し得る。そのような治療は、有利には、再入院及び罹患を低減するとともに、他の利益を提供し得る。本開示の実施形態による移植された圧力センサは、心不全の症状又はマーカー(例えば、呼吸困難)の発現の2週間以上前に、心不全を予測するために使用され得る。心不全予測が本開示による心臓圧センサ実施形態を使用して認識されるとき、心臓機能不全の影響を予防又は低減するのに役立ち得る、患者の薬剤レジメンへの修正などの薬剤介入を含む、特定の予防的措置が実装され得る。左心房における直接圧力測定は、有利には、心不全又は他の合併症につながり得る圧力蓄積の正確なインジケータを提供し得る。例えば、心房圧上昇の傾向は、心臓機能不全の発症を決定又は予測するために分析又は使用され得、薬物又は他の療法は、圧力の低減を引き起こし、更なる合併症を予防又は低減するために増強され得る。
【0036】
図3は、一般に、術後の心房細動、急性腎損傷、心筋損傷、心不全、及び/又は他の健康状態の実質的なリスクと関連付けられていない、左心房圧の正常範囲301を含む左心房圧範囲を示すグラフ300を例示する。本開示の実施形態は、センサ保持構造及びセンサ安定器構造を含むセンサ移植デバイスからの読み取り値を使用して、患者の左心房圧が正常範囲301内であるか、正常範囲303を上回るか、又は正常範囲302を下回るかどうかを決定するためのシステム、デバイス、及び方法を提供する。心不全の増加したリスクと相関し得る正常範囲を上回って検出された左心房圧に関して、以下に詳細に説明される本開示の実施形態は、左心房圧をそれが正常範囲301内になるまで低減するための努力を報告し得る。更に、急性腎損傷、心筋損傷、及び/又は他の健康上の合併症の増加したリスクと相関し得る正常範囲301を下回って検出された左心房圧に関して、以下に詳細に説明される本開示の実施形態は、圧力レベルを正常範囲301内にするために左心房圧を増加させる努力を容易にする役割を果たし得る。
【0037】
関連付けられたセンサ及びセンサ安定器を有する移植デバイス
いくつかの実施態様では、本開示は、心臓シャント又は他の移植デバイス/構造と関連付けられるか、又はそれらと統合されるセンサに関する。そのような統合されたデバイスは、心不全及び/又は心臓機能に関連する他の健康上の合併症を治療及び予防するための制御された及び/又はより効果的な療法を提供するために使用され得る。図4は、本明細書で詳細に説明されるように、シャントタイプ構造、又は任意の他のタイプの移植構造を備え得る心臓移植構造420を備える移植デバイス400を例示するブロック図である。心臓移植構造420は、移植デバイス400を移植場所/位置に定位置にアンカー固定するための特定のアンカー固定構造421を含み得る。例えば、アンカー固定構造421は、1つ以上のアーム、返し、縫合糸、縫合糸係合特徴部、コルクスクリュータイプ又は他の組織係合特徴部などを含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、心臓移植構造420は、センサデバイス410と物理的に統合される、及び/又はそれに接続される。センサデバイス410は、例えば、圧力センサ、又は他のタイプのセンサであり得る。いくつかの実施形態では、センサ410は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)で具現化され得る、1つ以上の圧力変換器などの1つ以上の変換器412と、特定の制御回路414と、を備える。センサデバイス410は、その1つ以上の部分に対して略円筒形状を有し得る。センサデバイス410は、特定のセンサ保持構造425によって移植構造420に固設され得、その例が本明細書に詳細に開示される。センサデバイス410及び/又はセンサ保持構造425は、センサ保持構造425又はセンサ移植デバイス400の別の構成要素と統合されるか、又は関連付けられ得る、安定器426を使用して固設/安定化され得る。
【0039】
制御回路414は、変換器412から受信された信号を処理する、及び/又はアンテナ418を使用して生体組織を通して無線で信号を通信するように構成され得る。アンテナ418は、銅線などの、導電性材料の1つ以上のコイル又はループを含み得る。いくつかの実施形態では、変換器412、制御回路414、及び/又はアンテナ418の少なくとも一部分は、任意のタイプの材料を備え得、かつ、有利には、少なくとも部分的に密封され得る、センサハウジング416内に少なくとも部分的に配設又は収容される。例えば、ハウジング416は、いくつかの実施形態では、その中に収容される構成要素に対して機械的安定性及び/又は保護を提供し得るガラス又は他の硬質材料を含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジング416は、少なくとも部分的に可撓性である。例えば、ハウジングは、有利には、センサ420の折り曲げ、屈曲、又は折り畳みを可能にして、カテーテル又は他の導入手段を通した輸送を可能にし得る、ポリマー又は他の可撓性の構造/材料を含み得る。いくつかの実施形態では、センサハウジング416は、少なくとも部分的に円筒形の形状である。
【0040】
変換器412は、任意のタイプのセンサ手段又は機構を備え得る。例えば、変換器412は、フォースコレクタタイプ圧力センサであり得る。いくつかの実施形態では、変換器412は、ダイアフラム、ピストン、ブルドン管、ベローズ、又はそのエリア/表面にわたって適用された歪み若しくは撓みを測定する他の歪み若しくは撓み測定構成要素を含む。変換器412は、その少なくとも一部分がハウジング46内に収容されるか、又はそれに取り付けられるように、ハウジング46と関連付けられ得る。「と関連付けられた」という用語は、その広範かつ通常の意味に従って本明細書で使用される。シャント又は他の移植構造「と関連付けられている」センサデバイス/構成要素に関して、そのような用語は、移植構造に物理的に結合、取り付け、若しくは接続、又は統合されているセンサデバイス又は構成要素を指し得る。すなわち、第1の特徴部、要素、構成要素、デバイス、又は部材が、第2の特徴部、要素、構成要素、デバイス、又は部材「と関連付けられている」と説明される場合、そのような説明は、第1の特徴部、要素、構成要素、デバイス、又は部材は、第2の特徴部、要素、構成要素、デバイス、又は部材に、直接的か又は間接的かにかかわらず、物理的に結合、取り付け、若しくは接続されるか、統合されるか、少なくとも部分的に内部に埋め込まれるか、又は別様に物理的に関連することを示すように理解されるべきである。
【0041】
いくつかの実施形態では、変換器412は、適用された圧力に起因する歪みを検出するために接合又は形成された歪みゲージを使用するように構成され得るピエゾ抵抗歪みゲージの構成要素を含むか、又はそれであり、圧力が構成要素/材料を変形するにつれて抵抗が増加する。変換器412は、限定されるものではないが、シリコン(例えば、単結晶)、ポリシリコン薄膜、接合金属ホイル、厚膜、シリコンオンサファイア、スパッタリング薄膜、及び/又は類似物を含む、任意のタイプの材料を組み込み得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、変換器412は、ダイアフラムに適用された圧力に起因する歪みを検出するために可変キャパシタを形成するように構成されたダイアフラム及び圧力空洞を含む静電容量式圧力センサの構成要素を含むか、又はそれである。静電容量式圧力センサの静電容量は、一般に、圧力がダイアフラムを変形させるにつれて減少し得る。ダイアフラムは、限定されるものではないが、金属、セラミック、シリコンなどを含む任意の材料を含み得る。いくつかの実施形態では、変換器412は、インダクタンスの変化、線形可変変位変換器(LVDT)機能、ホール効果、又は渦電流感知によってダイアフラムの変位を測定するように構成され得る電磁圧力センサの構成要素を含むか、又はそれである。いくつかの実施形態では、変換器412は、圧電歪みセンサの構成要素を含むか、又はそれである。例えば、そのようなセンサは、水晶などの特定の材料における圧電効果に基づいて、感知機構上の歪み(例えば、圧力)を決定し得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、変換器412は、歪みゲージの構成要素を含むか、又はそれである。例えば、歪みゲージの実施形態は、変換器412の露出表面上又はそれと関連付けられた感圧要素を含み得る。いくつかの実施形態では、金属歪みゲージが、センサの表面に接着されるか、又は薄膜ゲージが、スパッタリング又は他の技術によってセンサ上に塗布され得る。測定要素又は機構は、ダイアフラム又は金属ホイルを含み得る。変換器412は、光学、電位差測定、共鳴、熱、イオン化、又は他のタイプの歪み若しくは圧力センサなどの、任意の他のタイプのセンサ又は圧力センサを含み得る。
【0044】
センサ移植システム
本開示の実施形態は、恒久的に移植されたセンサデバイスなどの1つ以上の移植可能なセンサデバイスを使用して、左心房の流体圧力及び/又は他の生理学的パラメータ若しくは状態を決定及び/又はモニタリングするためのシステム、デバイス、及び方法を提供する。左心房に恒久的センサモニタデバイスを直接配置することによって、本開示の実施形態は、有利には、医師及び/又は技術者が、左心房圧値及び/又は他の価値のある心臓パラメータを含む、リアルタイム心臓情報を収集することを可能にし得る。
【0045】
特定の安定器特徴部を含むセンサ移植デバイスを移植及び維持するための開示される解決策は、圧力モニタリングシステムと関連して実装され得る。図5は、本開示の実施形態による、患者515と関連付けられた圧力及び/又は他のパラメータをモニタリングするためのシステム500を例示する。図5の説明及び本明細書の他の実施形態は、圧力モニタリングの文脈で一般的に提示されるが、本明細書の圧力感知及び圧力センサ安定化の説明は、他のタイプのセンサの感知/安定化、及び他のタイプの生理学的パラメータの感知に適用可能であり、そのような目的に使用されるセンサデバイスは、特定の安定器特徴部を使用して安定化される。
【0046】
患者515は、例えば、患者の心臓(図示せず)、又は関連付けられた生理機能に移植された圧力センサ移植デバイス510を有し得る。例えば、センサ移植デバイス510は、患者の心臓の左心房内に少なくとも部分的に移植され得る。センサ移植デバイス510は、マイクロ電気機械システム(MEMS)圧力センサなどの1つ以上のMEMSデバイスなどの、1つ以上のセンサ変換器512を含み得る。
【0047】
特定の実施形態では、モニタリングシステム500は、センサ変換器512(例えば、MEMS圧力センサ)を含む移植可能な内部サブシステム又はデバイス510と、1つ以上のマイクロコントローラ、個別電子部品、並びに1つ以上の電力及び/若しくはデータ送信機518(例えば、アンテナコイル)を含む制御回路514と、を含む、少なくとも2つのサブシステムを備え得る。モニタリングシステム500は、特定の制御回路に電気的及び/又は通信可能に結合された無線送受信機を含み得る、外部リーダ550(例えば、コイル)を含む外部(例えば、非移植可能)サブシステムを更に含み得る。特定の実施形態では、内部及び外部サブシステムの両方は、それらの間に配設された患者組織を通した無線通信及び/又は電力送達のための対応するアンテナを含む。センサ移植デバイス510は、任意のタイプの移植デバイスとすることができる。
【0048】
「制御回路」という用語は、その広範かつ通常の意味に従って本明細書で使用され、プロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(例えば、来る又はより多くの能動的及び/若しくは受動的デバイス並びに/又は接続回路を含む半導体ダイ)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラム可能な論理デバイス、状態機械(例えば、ハードウェア状態機械)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、並びに/又は回路及び/若しくは動作命令のハードコーティングに基づいて信号(アナログ及び/若しくはデジタル)を操作する任意のデバイスの任意の集団を指し得る。本明細書で参照される制御回路は、単一のメモリデバイス、複数のメモリデバイス、及び/又はデバイスの組み込み回路に具現化され得る、1つ以上の記憶デバイスを更に含み得る。そのようなデータ記憶部は、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、静的メモリ、動的メモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データ記憶レジスタ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意のデバイスを含み得る。制御回路が、ハードウェア及び/又はソフトウェア状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む実施形態では、任意の関連する動作命令を記憶するデータ記憶デバイス/レジスタは、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む回路内に、又はその外部に組み込まれ得ることに留意されたい。
【0049】
センサ移植デバイス510の特定の詳細は、示される拡大されたブロック510に例示されている。センサ移植デバイス510は、本明細書に説明される移植/アンカー構造520を含み得る。例えば、移植構造520は、以下でより詳細に説明されるように、心臓組織壁にアンカー固定するための1つ以上のシャントタイプ移植片/アンカーを含み得る。移植構造520は、例えば、移植構造520を組織壁に物理的に保持/固設する1つ以上のアーム構造を更に備え得る。特定の構成要素が、センサ移植デバイス510の一部として図5に例示されているが、センサ移植デバイス510は、例示された構成要素/モジュールのサブセットのみを含み得、例示されていない追加の構成要素/モジュールを含み得ることを理解されたい。センサ移植デバイス510は、心房圧及び/又容積などの患者515の1つ以上の生理学的パラメータを示す応答を提供するように構成され得る、1つ以上のセンサ変換器512を含む。圧力変換器が説明されているが、センサ変換器512は、センサ移植デバイス510と関連付けられた生理学的パラメータ又は状態に関連する信号を提供するための、任意の好適な又は望ましいタイプのセンサ変換器を含み得る。
【0050】
センサ変換器512は、患者の健康に関連する1つ以上のパラメータを感知するために患者515内に位置付けられ得る1つ以上のMEMSセンサ、光学センサ、圧電センサ、電磁センサ、歪みセンサ/ゲージ、加速度計、ジャイロスコープ、及び/又は他のタイプのセンサを備え得る。変換器512は、フォースコレクタタイプ圧力センサであり得る。いくつかの実施形態では、変換器512は、ダイアフラム、膜、ピストン、ブルドン管、ベローズ、又はそのエリア/表面にわたって適用された歪み若しくは撓みを測定する他の歪み若しくは撓み測定構成要素を含む。変換器512は、その少なくとも一部分がハウジング516内に収容されるか、又はそれに取り付けられるように、ハウジング516と関連付けられ得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、変換器512は、適用された圧力に起因する歪みを検出するために接合又は形成された歪みゲージを使用するように構成され得るピエゾ抵抗歪みゲージの構成要素を含むか、又はそれであり、圧力が構成要素/材料を変形するにつれて抵抗が増加する。変換器512は、限定されるものではないが、シリコン(例えば、単結晶)、ポリシリコン薄膜、接合金属ホイル、厚膜、シリコンオンサファイア、スパッタ薄膜、及び/又は類似のものを含む、任意のタイプの材料を組み込み得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、変換器512は、ダイアフラムに適用された圧力に起因する歪みを検出するために可変キャパシタを形成するように構成されたダイアフラム及び圧力空洞を含む静電容量式圧力センサの構成要素を含むか、又はそれである。静電容量式圧力センサの静電容量は、一般に、圧力がダイアフラムを変形させるにつれて減少し得る。ダイアフラムは、限定されるものではないが、金属、セラミック、シリコン、又は他の半導体などを含む任意の材料を含み得る。いくつかの実施形態では、変換器512は、インダクタンスの変化、線形可変変位変換器(LVDT)機能、ホール効果、又は渦電流感知によってダイアフラムの変位を測定するように構成され得る電磁圧力センサの構成要素を含むか、又はそれである。いくつかの実施形態では、変換器512は、圧電歪みセンサの構成要素を含むか、又はそれである。例えば、そのようなセンサは、水晶などの特定の材料における圧電効果に基づいて、感知機構上の歪み(例えば、圧力)を決定し得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、変換器512は、歪みゲージの構成要素を含むか、又はそれである。例えば、歪みゲージの実施形態は、変換器512の露出表面上又はそれと関連付けられた感圧要素を含み得る。いくつかの実施形態では、金属歪みゲージが、センサ表面に接着されるか、又は薄膜ゲージが、スパッタリング又は他の技術によってセンサ上に塗布され得る。測定要素又は機構は、ダイアフラム又は金属ホイルを含み得る。変換器512は、光学、電位差測定、共鳴、熱、イオン化、又は他のタイプの歪み若しくは圧力センサなどの、任意の他のタイプのセンサ又は圧力センサを含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、変換器512は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)マイクロコントローラ又はチップを含み得る制御回路514に電気的及び/又は通信可能に結合される。制御回路514は、調整キャパシタなどの1つ以上の個別電子部品を更に含み得る。
【0055】
特定の実施形態では、センサ変換器512は、例示されたローカル外部モニタシステム550などの、患者の身体515の外側のデバイスに無線送信され得る電気信号を生成するように構成され得る。そのような無線データ送信を実施するために、センサ移植デバイス510は、信号処理回路及びアンテナ518などの無線周波数(RF)送信回路を含み得る。アンテナ518は、内部アンテナコイル又は患者内に移植された他の構造を含み得る。制御回路514は、電磁信号を送信するように構成された任意のタイプの変換器回路を備え得、信号は、1つ以上の導電性ワイヤ、コイル、プレートなどを含み得るアンテナ518によって放射され得る。センサ移植デバイス510の制御回路514は、例えば、デバイス510を使用して生成及び/又は送信された信号に対して、いくつかの量の処理を実施するように構成された1つ以上のチップ又はダイを含み得る。しかしながら、サイズ、コスト、及び/又は他の制約に起因して、センサ移植デバイス510は、いくつかの実施形態では、独立した処理能力を含まない場合がある。
【0056】
センサ移植デバイス510によって生成される無線信号は、少なくとも部分的に患者515内に配設されるセンサ移植デバイス510から無線信号送信を受信するように構成された送受信機モジュール553を含み得るローカル外部モニタデバイス又はサブシステム550によって受信され得る。外部ローカルモニタ550は、ワンドデバイスなどの外部アンテナ555を使用して無線信号送信を受信する、及び/又は無線電力を提供し得る。送受信機553は、センサ移植デバイス510からの信号を受信及び増幅するように構成された無線周波数(RF)フロントエンド回路を含み得、そのような回路は、1つ以上のフィルタ(例えば、バンドパスフィルタ)、アンプ(例えば、低ノイズアンプ)、アナログデジタル変換器(ADC)及び/又はデジタル制御インターフェース回路、位相ロックループ(PLL)回路、信号ミキサなどを含み得る。送受信機553は、ネットワーク575を介して信号を遠隔モニタサブシステム又はデバイス560に送信するように更に構成され得る。送受信機553のRF回路は、ネットワーク575を介して送信された信号の処置/処理のために、及び/又はセンサ移植デバイス510から信号を受信するために、デジタルアナログ変換器(DAC)回路、パワーアンプ、ローパスフィルタ、アンテナスイッチモジュール、アンテナなどのうちの1つ以上を更に含み得る。特定の実施形態では、ローカルモニタ550は、センサ移植デバイス510から受信された信号の処理を実施するための制御回路551を含む。ローカルモニタ550は、イーサネット、Wi-Fiなどの既知のネットワークプロトコルに従ってネットワーク575と通信するように構成され得る。特定の実施形態では、ローカルモニタ550は、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、若しくは他のモバイルコンピューティングデバイス、又は任意の他のタイプのコンピューティングデバイスである。
【0057】
特定の実施形態では、センサ移植デバイス510は、いくつかの量の揮発性及び/又は不揮発性データ記憶部を含む。例えば、そのようなデータ記憶部は、浮遊ゲートトランジスタのアレイなどを利用するソリッドステートメモリを含み得る。制御回路514は、ある期間にわたって収集された感知されたデータを記憶するためにデータ記憶部を利用し得、記憶されたデータは、定期的にローカルモニタ550又は別の外部サブシステムに送信され得る。特定の実施形態では、センサ移植デバイス510は、いかなるデータ記憶部も含まない。制御回路514は、センサ変換器512によって生成されるデータ、又はそれと関連付けられた他のデータの無線送信を容易にするように構成される。制御回路514は、ローカルモニタ550から、又は、例えば、ネットワーク575を介して遠隔モニタ560からなどの、1つ以上の外部サブシステムから入力を受信するように更に構成され得る。例えば、センサ移植デバイス510は、1つ以上の構成要素若しくはセンサをアクティブ化/非アクティブ化すること、又はセンサ移植デバイス510の動作若しくは性能に別様に影響することなどによって、センサ移植デバイス510の動作を少なくとも部分的に制御する信号を受信するように構成され得る。
【0058】
センサ移植デバイス510の1つ以上の構成要素は、1つ以上の電源540によって給電され得る。サイズ、コスト、及び/又は電気的な複雑さの懸念に起因して、電源540が、本質的に比較的最小限主義的であることが望ましい場合がある。例えば、センサ移植デバイス510内の高電力駆動電圧及び/又は電流は、移植デバイスと関連付けられた心臓又は他の解剖学的構造の動作に悪影響を及ぼすか、又はそれと干渉し得る。特定の実施形態では、電源540は、本質的に少なくとも部分的に受動的であり、その結果、電力は、センサ移植デバイス510の受動的回路によって無線で外部ソースから受信され得る。実装され得る無線電力送信技術の例としては、限定されるものではないが、短距離又は近距離の無線電力送信、又は他の電磁結合機構が挙げられる。例えば、ローカルモニタ550は、センサ移植デバイス510に電力を提供し得るRF場を能動的に生成するイニシエータとしての役割を果たし得、それによって、移植デバイスの電力回路が比較的単純なフォームファクタを採用することを可能にする。特定の実施形態では、電源540は、流体流、動き、圧力などの環境源からエネルギーを得るように構成され得る。追加的又は代替的に、電源540は、有利には、関連するモニタリング期間にわたって必要に応じて十分な電力を提供するように構成され得る、電池を含み得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、ローカルモニタデバイス550は、センサ移植デバイス510と遠隔モニタ560との間の中間通信デバイスとしての役割を果たし得る。ローカルモニタデバイス550は、センサ移植デバイス510と通信するように設計された専用の外部ユニットとすることができる。例えば、ローカルモニタデバイス550は、ウェアラブル通信デバイス、又は患者515及び/若しくはセンサ移植デバイス510に近接して容易に配設され得る他のデバイスであってもよい。ローカルモニタデバイス550は、センサベースの情報をセンサ移植デバイス510から抽出又は要求するために、センサ移植デバイス510を連続的に、定期的に、又は散発的に調査するように構成され得る。特定の実施形態では、ローカルモニタ550は、ユーザインターフェースを備え、ユーザは、インターフェースを利用して、センサデータを閲覧するか、又はローカルモニタシステム550及び/若しくはセンサ移植デバイス510と相互作用し得る。
【0060】
システム500は、例えば、モニタリングされる心臓データを表示する及び/又はそれと相互作用するためのモニタリングステーション又はインターフェースを提供するように構成されたデスクトップコンピュータ又は他のコンピューティングデバイスであり得る二次ローカルモニタ570を含み得る。一実施形態では、ローカルモニタ550は、ウェアラブルデバイス、又は患者及び/若しくはセンサ移植デバイス510に物理的に近接して配設されるように構成された他のデバイス若しくはシステムであり得、ローカルモニタ550は、センサ移植デバイス510に、及び/又はそれから信号を受信/送信し、その表示、処理、及び/又は操作のために、そのような信号を二次ローカルモニタ570に提供するように主に設計される。外部ローカルモニタシステム550は、センサ移植デバイス510からデータ結合を介しても提供され得る、デバイスIDなどのセンサ移植デバイス510から、又はそれと関連付けられた特定のメタデータを受信及び/又は処理するように構成され得る。
【0061】
遠隔モニタサブシステム560は、ローカルモニタデバイス550、二次ローカルモニタ570、及び/又はセンサ移植デバイス510からネットワーク575を介して受信されたモニタデータを受信、処理、及び/又は提示するように構成された、任意のタイプのコンピューティングデバイス又はコンピューティングデバイスの集団であってもよい。例えば、遠隔モニタサブシステム560は、有利には、病院、医師、又は患者515と関連付けられた他のケア事業体などの医療事業体によって操作及び/又は制御され得る。
【0062】
特定の実施形態では、外部モニタシステム550のアンテナ555は、内部移植片510のアンテナ518と誘導的にペアリングされるように整合及び/又は調整される外部コイルアンテナを備える。いくつかの実施形態では、センサ移植デバイス510は、外部モニタシステム550から間の無線超音波電力充電及び/又はデータ通信を受信するように構成されている。上記に参照されるように、ローカル外部モニタ550は、ワンド又は他のハンドヘルドリーダを含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、変換器512、制御回路514、電源540、及び/又はアンテナ518の少なくとも一部分は、任意のタイプの材料を備え得、かつ、有利には、少なくとも部分的に密封され得る、センサハウジング516内に少なくとも部分的に配設又は収容される。例えば、ハウジング516は、いくつかの実施形態では、その中に収容される構成要素に対して機械的安定性及び/又は保護を提供し得るガラス又は他の硬質材料を含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジング516は、少なくとも部分的に可撓性である。例えば、ハウジングは、有利には、センサ510の折り曲げ、屈曲、又は折り畳みを可能にして、カテーテル又は他の経皮的導入手段を通した輸送を可能にし得る、ポリマー又は他の可撓性の構造/材料を含み得る。
【0064】
センサハウジング516は、心臓移植構造520に物理的に結合される、及び/又はそれと統合され得る、特定のセンサ保持構造525に固設され得る。例えば、いくつかの実施形態では、センサ保持構造525は、移植構造520のアーム構成要素と統合される。センサ保持構造525は、センサ保持構造525に結合され、及び/又はそれと統合され得る、1つ以上のセンサ安定器特徴部526を使用して組織壁に対して安定化され得る。したがって、安定器526は、患者515に移植されたときに、センサハウジング516を安定化する役割を果たし得る。センサ安定器526は、安定器特徴部及び構造に関して本明細書に開示される実施形態のうちの1つ以上と特定の点で類似し得る。
【0065】
センサ移植デバイス510は、患者515の体内の任意の場所に移植され得る。本開示のいくつかの実施形態では、センサ移植デバイス510は、有利には、本明細書に詳細に説明されるように、心臓の左心房内又はその近くなどの、患者515の心臓に移植される。少なくとも部分的に左心房内におけるセンサ移植デバイス510の配置は、有利には、左心房圧、血液粘度、温度、及び/又は他の心臓crammerを測定及び/又はモニタリングするための望ましい場所を提供し得る。本開示の1つ以上の実施形態によるセンサ移植デバイスは、経カテーテル処置、又は任意の他の経皮的処置を使用して移植され得る。あるいは、本開示の態様によるセンサ移植デバイスは、開心術(例えば、胸骨切開術)、小胸骨切開術、及び/又は他の外科手術中に配置され得る。
【0066】
心臓移植デバイス及び構造
図6は、1つ以上の実施形態による例示的なシャント構造150を例示する。シャント構造150は、本明細書に開示される特定の実施形態による圧力センサ機能と統合され得る心臓移植デバイスの実施形態を表し得る。シャント構造150は、拡張可能なシャントであってもよい。拡張されたとき、シャント150の中央流れチャネル166は、略円形又は楕円形の開口部/バレルを画定し得る。チャネル/バレル166は、組織壁に穿刺開口部の側面を保持して、組織壁によって分離される心腔又は心臓の血管の間に血流経路を形成するように構成され得る。例えば、シャント150は、冠静脈洞と左心房とを分離する壁に移植されるように構成され得る。中央流れチャネル/バレル166は、平行四辺形形状のセル又は開口部180のアレイを形成する薄い支柱179の略平行四辺形配置によって画定される一対の側壁170a、170bによって部分的に形成され得る。いくつかの実施形態では、実質的に全シャント150は、圧縮され、カテーテル(図示せず)に収まり、その後、拡張され、図6に示されるように弛緩した形状に戻るように構成されている超弾性支柱によって形成される。
【0067】
間にセルを形成する複数の相互接続された支柱を使用したシャント150の形成は、シャントの可撓性を少なくとも部分的に増加させ、それによって、その圧縮及び移植部位における拡張を可能にする役割を果たし得る。中央流れチャネル/バレル166の周囲の相互接続された支柱は、有利には、穿刺された組織を開位置に保持するのに十分な剛性及び構造を有するケージを提供する。中央流れチャネル/バレル166の端壁172a、172bは、側壁170a、170bを接続し、遠位及び近位フランジ、又は各側のアーム152、154の間に延在する役割を果たし得る。側壁170a、170b及び端壁172a、172bは、一緒に、示されるように、管状格子を画定し得る。端壁172a、172bは、シャント150の中央流れ軸からわずかな角度で延在する薄い支柱179を含み得る。
【0068】
例示されたシャント150は、中央流れチャネル/バレル166を形成する開放セルの管状又は円形格子を画定する支柱を含むが、いくつかの実施形態では、チャネル/バレル166を構成する構造は、その少なくとも一部分にわたって実質的に連続的な壁表面を形成する。例示された実施形態では、シャント構造150の傾斜は、送達カテーテル(図示せず)内へのシャントの折り畳み、及び標的組織壁の両側におけるフランジ/アーム152、154の拡張を容易にし得る。中央流れチャネル166は、シャント150の折り畳み状態と拡張状態との間で本質的に変化しないままであり得るが、それに対して、フランジ/アーム152、154は、角度付きの流れチャネルとの整列及び非整列に移行し得る。
【0069】
本明細書に開示されるシャントの特定の実施形態は、実質的に円形又は楕円形の断面を有する流れチャネル/バレルを含むが、いくつかの実施形態では、本開示によるシャント構造は、長方形、ひし形、又は他の形状の流れチャネル構成を有する。例えば、図6の例示された構成と比較して比較的細長い側壁は、長方形又は楕円形の流れチャネルを生成し得る。そのような形状のシャント流れチャネルは、より大きい穿刺に望ましいが、比較的小さい送達外形に折り畳まれるように依然として構成されている。
【0070】
いくつかの実施形態では、遠位及び近位のフランジ/アーム152、154の各々は、端壁172a、172bから外向きに湾曲し、拡張された構成で中央流れチャネル166からほぼ半径方向に離れた方を指すように構成されている。拡張されたフランジ/アームは、シャント150を標的組織壁に固設する役割を果たし得る。本開示の実施形態によるセンサデバイス/機能と統合され得るシャント構造の追加の態様及び特徴は、「Expandable Cardiac Shunt」と題された2017年10月17日発行の米国特許第9,789,294号に開示され、その開示は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。特定の実施形態は、図6に示され、かつ上記に説明されるものと同様のシャント構造の文脈で本明細書に開示されるが、本開示の実施形態による、圧力センサ機能と統合されたシャント構造又は他の移植デバイスは、シャント又はその他の目的若しくは機能にかかわらず、任意のタイプ、形態、構造、構成を有し得る、及び/又は任意の目的に使用されるように使用若しくは構成され得ることを理解されたい。
【0071】
シャント及び他の移植デバイスと統合されたセンサ保持構造
本開示の実施形態によるセンサデバイスは、任意の好適な又は望ましい取り付け又は統合機構又は構成を使用して、心臓シャント構造/デバイス又は他の移植デバイスと統合され得る。図7Aは、1つ以上の実施形態による、シャント構造99及び統合されたセンサ100を備えるセンサ移植デバイス90を例示する。いくつかの実施形態では、センサ100は、一体構造を形成するために、シャント構造99と一緒に、及び/又はその中に構築又は製造され得る。いくつかの実施形態では、センサ100は、シャント構造99のセンサ支持支柱/アーム部材95に取り付けられるか、又はそれと統合され得る。
【0072】
センサ100は、圧力センサ変換器などのセンサ要素102を含む。シャント構造99のアーム部材95に対して、変換器要素102(例えば、圧力変換器)は、センサ100の遠位107又は近位105の端又は領域に配向/位置付けられ得る。例えば、図7Aの例示された実施形態は、センサ100の遠位端107に配設されたセンサ要素/変換器102を含む。
【0073】
本明細書に説明されるように、センサ100は、無線データ及び/又は電力送信を実装するように構成され得る。センサ100は、無線データ及び/又は電力通信機能を容易にするように構成されたアンテナ構成要素108及び制御回路109を含み得る。いくつかの実施形態では、アンテナ108は、誘導給電及び/又はデータ送信を容易にし得る、1つ以上の導電性コイルを含む。コイル108は、いくつかの実施形態では、磁気(例えば、フェライト)及び/又は空気コア103の周囲に巻かれ得る。
【0074】
センサ100は、有利には生体適合性であり得る。例えば、センサ100は、ガラス又は他の生体適合性材料を含む円筒形又は他の形状のハウジングなどの、生体適合性ハウジング106を備え得る。回路109、センサ要素102、及び/又はアンテナ108は、ハウジング106内に少なくとも部分的に収容され得、ハウジング106は、そのような構成要素の外部環境への露出を防止するために封止される。しかしながら、センサダイアフラム/膜又は他の構成要素などの、センサ要素102の少なくとも一部分は、圧力読み取り又は他のパラメータ感知が実装されることを可能にするために、いくつかの実施形態で、少なくとも部分的に外部環境に露出され得る。ハウジング106は、ガラスシリンダ形態などの、少なくとも部分的に硬質の円筒形又は管状形態を含み得、感知プローブ102は、センサアセンブリ106の一方又は両方の端105、107に配設される。いくつかの実施形態では、センサアセンブリは、直径約3mm以下、及び/又は長さ約20mm以下である。センサ要素102は、本明細書に説明されるように、圧力変換器を含み得る。
【0075】
センサアセンブリ100は、患者の身体の心臓又は他のエリアに移植されたときに、外部システムと通信するように構成され得る。例えば、センサ100は、外部システムから無線で電力を受信する、並びに/又は外部システムに、及び/若しくはそれから感知されたデータ若しくは波形を通信し得る。センサアセンブリ106は、任意の好適な又は望ましい方式で、シャント構造99に取り付けられる、それによって維持される/保持される、及び/又はそれと統合され得る。例えば、いくつかの実施態様では、センサ100は、機械的取り付け手段を使用して、シャント構造99に取り付けられる、及び/又はそれによって保持され得る。いくつかの実施形態では、以下で詳細に説明されるように、センサアセンブリ106は、シャント構造99に取り付けられるパウチ又は他のレセプタクルに収容され得る。
【0076】
センサ要素102は、圧力変換器を含み得る。例えば、圧力変換器は、半導体ダイアフラム構成要素を含むマイクロ電気機械システム(MEMS)変換器であり得る。いくつかの実施形態では、変換器は、シリコン又は他の可撓性材料から作製され得る、少なくとも部分的に可撓性又は圧縮可能なダイアフラム構成要素を含み得る。ダイアフラム構成要素は、環境圧力の変化に応答して屈曲又は圧縮されるように構成され得る。制御回路109は、屈曲/圧縮に応答して生成された信号を処理して、圧力読み取り値を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ダイアフラム構成要素は、窒化ケイ素(例えば、ドープされた窒化ケイ素)などの、その外側表面上の生体適合性層と関連付けられる。圧力変換器102のダイアフラム構成要素及び/又は他の構成要素は、有利には、センサアセンブリ構成要素の少なくともいくつかの気密封止を提供するために、ハウジング106に/それと融合されるか、別様に封止され得る。
【0077】
制御回路109は、本明細書に説明されるモニタリング機能を実施する、及び/又はセンサ信号の無線送信を容易にするようにプログラム及び/若しくはカスタマイズされるか、又は構成され得る1つ以上の電子特定用途向け集積回路(ASIC)チップ又はダイを含み得る。アンテナ108は、複数のコイル(例えば、ワイヤコイル)の形態で導電性材料で巻かれたフェライトコアを含み得る。いくつかの実施形態では、コイルは、銅又は他の金属を含む。アンテナ108は、有利には、磁気共鳴撮像の存在下で実質的な変位又は加熱を結果的にもたらさないコイル幾何学的形状で構成され得る。いくつかの実施態様では、センサ移植デバイス90は、送達カテーテル(図示せず)を使用して標的移植部位に送達され得、送達カテーテルは、それを通してセンサアセンブリ106の前進に適応するように構成された空洞又はチャネルを含む。センサ支持支柱/構造95は、センサ移植デバイス90が移植されるように構成される組織壁の軸101に対して、いくつかの量θだけ偏向され得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、センサ100は、センサ保持構造95に予め取り付けられる、及び/又は移植前にそれと統合される。例えば、いくつかの実施形態では、センサ保持構造95は、センサ100のハウジングの少なくとも一部分を形成し、それにより、センサ保持構造95及びセンサ100のハウジングの少なくとも一部分は、一体形態である。
【0079】
いくつかの実施形態では、シャント構造99の長手方向軸101に対するセンサ保持構造95及び/又はセンサ100の角度又は位置は、センサ100が長手方向軸101から離れて突出するようなものである。例えば、シャント構造99が長手方向軸101の寸法/平面に沿って生体組織と係合される場合、センサ100は、有利には、部屋の空洞(例えば、心房)内など、生体組織から少なくとも部分的に離れて突出し得る。いくつかの実施形態では、センサ保持構造95は、センサ100がシャントの長手方向軸/平面に実質的に直交するように、軸/平面101に対して実質的に直角又は90°の配向で構成されるか、又は構成され得る。そのような構成は、有利には、センサ要素102が、流路軸94を通って流れるシャントされた流れから離れた望ましい距離に位置付けられることを可能にし得る。
【0080】
センサ100のセンサ要素102は、センサ100の任意のエリア/場所に配設されるか、又は位置付けられ得る。例えば、センサ要素102は、有利には、センサ100の遠位部分107に、又はその近くに配設され得る。代替的に又は追加的に、センサ要素は、センサ100の近位部分105に、又はその近くに配設されるか、又は位置付けられ得る。
【0081】
図7Aの実施形態は、センサデバイス100を支柱95に保持するよう構成された1つ以上のストラップタイプの保持特徴部98と関連付けられ得る、支柱/バックボーンタイプのセンサ保持構造95を示す。図7Bは、シャント構造799及びセンサ保持構造65を含むセンサ色デバイス790を示し、センサ保持構造65が、その後部支持体64及び側部支持体68の特徴部と関連付けられた特定の湾曲した特徴部を有し、そのような湾曲した特徴部は、その上にセンサシリンダ106を抱く/保持するように構成されている。センサ保持構造65は、センサシリンダ106を構造65に対して保持するための1つ以上の保持フィンガ63を更に含む。センサ保持構造65は、センサ移植デバイス799のアーム793に取り付けられるか、又はそれと統合され得る。センサ保持構造65は、アンテナ108と少なくとも部分的に軸方向に整列される開口部を提供する窓特徴部69を含み得、それによって、アンテナ108に/から送信された信号との干渉を低減する。いくつかの実施形態では、追加の窓67もまた、構造65内に形成される。図7Bに示されるようなセンサ保持構造の更なる詳細が以下に提供される。
【0082】
図8は、送達シース又はカテーテル(図示せず)を通して送達するための、少なくとも部分的に折り畳まれた構成におけるセンサ移植デバイス890の斜視図を示す。シャントデバイス890は、シャントデバイスのアーム893と取り付けられたか、又は関連付けられたセンサ保持構造/アーム895を含む。センサ移植デバイス890の配備後、移植片のアームは、半径方向外向きに拡張して、移植デバイス890を標的組織壁に固設し得る。
【0083】
センサホルダ安定器
一般に、本開示の態様によるセンサ移植デバイスが移植され得る、左心房、又は身体の他の部屋の圧力条件は、十分に安定化されていないそのような移植デバイスの構成要素が、振動、脱落、運動、及び/又は他のトルク若しくは張力条件を経験し得るようなものであり得る。したがって、本開示の様々な実施形態と関連付けられたセンサ保持支柱/アームは、いくつかの生物学的環境における移植後に機械的振動を受け得る。そのような振動及び/又は他の圧力関連の影響は、いくつかの事例では、センサ読み取り値に影響し得る。例えば、機械的振動は、望ましくは一貫した及び/又は正確な信号を取得/生成するセンサ要素の能力に影響し得る。例として、圧縮ベースの圧力感知機能(例えば、静電容量式又はピエゾ抵抗ダイアフラム撓みセンサ)を利用する実施形態に関して、センサ保持支柱/アームの機械的振動及び/又は他の圧力誘発運動が心臓の心臓リズムと同期しない場合、建設的及び/又は破壊的干渉は、センサ読み取り値を破損させ得、その結果、そのような圧力センサ読み取り値は、不正確である、及び/又は望ましくない信号ノイズに供される。
【0084】
本開示の実施形態は、特定のセンサ安定化特徴部並びに/又はそれと関連付けられたシステム及びプロセスを含み得る。本開示の実施形態のいずれかに関して、センサ保持支柱/構造及び/又は関連付けられた安定器は、本明細書に詳細に説明されるように、心房中隔壁又は左心房を冠静脈洞から分離する壁に、又はその近くに配置され得る。本開示の態様による安定器特徴部は、ステントデバイス又は他の移植デバイスのフレームと統合されるなど、センサ保持構造に取り付けられる、及び/又は統合され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、本開示は、センサ保持構造に関し、センサ保持構造は、1つ以上のスタンドタイプの安定器構成要素/特徴部をそれと関連付けている。そのような安定器特徴部は、有利には、センサ保持構造/ホルダを固設する、及び/又は望ましくない動き又は振動を最小化する役割を果たす。いくつかの実施形態では、統合された/関連付けられた安定器を有するセンサ保持構造は、特定の低侵襲(例えば、経皮的)処置を使用して送達されるように構成され得る。
【0086】
図9は、センサ保持構造25の一部分に機械的に取り付けられるか、又は固定されるセンサ100を保持するように構成されたセンサ移植デバイス20を例示する。センサ移植デバイス20は、患者に移植されたときにセンサ100及び/又はセンサ保持構造25を安定化するように構成されたセンサ安定器特徴部26を含む。図10は、1つ以上の実施形態による、組織壁18に移植されたセンサ保持構造25及びセンサ安定器特徴部26を含むセンサ移植デバイス20の側面図を示す。
【0087】
センサ保持構造/アーム25は、移植構造20のアーム22との一体形態であってもよい。いくつかの実施形態では、センサ保持構造25は、アーム部材22の延長部であるか、又はそれと別様に関連付けられる。センサ100は、接着取り付け又は機械的係合を含む、任意の好適な又は望ましい取り付け手段によって、保持/支持構造25に取り付けられ得る。例えば、センサ保持構造25は、1つ以上のクランプ、ストラップ、タイ、縫合糸、カラー、クリップ、タブを含み得る1つ以上の保持特徴部23を含むか、又はそれらと関連付けられ得る。そのような保持特徴部23は、センサ100、又はその一部分を円周方向に収容又は保持し得る。いくつかの実施形態では、センサ100は、機械力の適用を通じて、保持機構23を通じてセンサ100を摺動させることを通じて、又はそれに他の機械力を押圧若しくは適用することによってセンサ100をセンサ保持構造25とクリップ、係止、又は別様に係合させることを通じて、センサ保持構造25に取り付けられ得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、センサ保持構造25は、1つ以上の遠位及び/又は近位ストッパ特徴部72、74を含む。ストッパ特徴部72、74は、センサ100の軸方向の摺動/運動を妨げるために、センサ保持構造25の1つ以上の側部上に飛び出るか、又は延在するように構成され得る1つ以上のタブを含み得る。そのようなタブは、形状記憶合金(例えば、Nitinol)又は他の少なくとも部分的に硬質の材料を含み得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、センサ移植デバイス、センサ保持構造、及び/若しくは安定器構造、又はそれらの一部分の様々な構成要素は、抗凝血薬で処理される、及び/又はそのようなデバイスの移植と関連付けられた血液凝固のリスクを低減するように設計された特定の材料で被覆され得る。本開示の実施形態による安定器は、例えば、ニッケル-チタン金属合金(例えば、Nitinol)、又は別の形状記憶材料を含み得る。
【0090】
示されるように、図9及び図10に示されるセンサ保持構造25は、半径方向に突出する安定器26を含み、これは、センサ保持構造25の本体28から離れて突出して、組織壁18との接触を提供するように構成されるか、又は構成可能であり得る。例えば、図10は、組織壁18に移植されたセンサ移植デバイス20を示し、安定器構成要素/特徴部26は、展開構成で示されている。展開構成では、安定器26は、安定器26の近位側に対して角度θで、かつ安定器26の遠位側に対して角度θで構造25から離れて突出する。一般に、角度θ、θは、合計180°であり得、約15°~165°の任意の値であり得る。
【0091】
センサ保持構造25は、任意の好適な又は望ましい形態、形状、及び/又は構成を有し得る。図9及び図10の例示された実施形態は、一例としてのみ提供され、安定化デバイス/特徴部は、任意の好適な又は望ましいサイズ又は構成を有するセンサ保持構造と関連付けられ得ることを理解されたい。例示的なセンサ保持構造は、それと関連付けられた本開示の安定器デバイス/特徴部を有し得、「SENSOR INTEGRATION IN CARDIAC IMPLANT DEVICES」と題された米国仮特許出願第62/926,829号に開示されており、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0092】
センサ保持構造25は、センサ保持構造25の本体28から突出/延在し得、センサデバイス100をセンサ保持構造25に保持/維持する役割を果たし得る、1つ以上のセンサ保持フィンガ23を有し得る。すなわち、フィンガ23は、センサシリンダ106が、センサ保持構造25の軸に対して半径方向でセンサ保持検索25の本体28から引き離されることを阻害又は防止し得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、安定器26は、センサ保持構造25の後部部分/セグメント24に結合される、及び/又は統合され得る。例えば、後部セグメント24は、センサシリンダ106の円周部分に及び、そこに支持体を提供し得る。いくつかの実施形態では、安定器26は、例えば、外科用器具を使用して、安定器26の形状記憶特性によって、及び/又はその手動の屈曲/操作を通じて引き起こされ得るなど、屈曲するように構成され得る。センサ保持構造25は、上記に詳細に開示されるように、有利には、移植デバイスの嵩を低減する、及び/又はいくつかの実施形態で無線データ送信を可能にし得るセンサデバイス100の送信コイル108との干渉を低減し得る、1つ以上の窓特徴部27、29を含み得る。
【0094】
センサ保持構造25は、1つ以上の遠位及び/又は近位の軸保持特徴部72、74を更に含み得る。例えば、例示された近位タブ72は、センサ100がセンサ保持構造25上で近位に摺動することを防止し得る。更に、遠位保持バー74は、センサ要素102の遠位面の少なくとも一部分と接触して、センサ保持構造25上のその遠位の摺動を防止するように構成され得る。
【0095】
安定器デバイス/特徴部26の実施態様は、振動、並びに/又は組織壁18に向かう、及びそれから離れる他の運動を低減することを助け得る。いくつかの実施形態では、安定器26は、横方向の動き/振動(例えば、組織壁18に平行な動き)を更に低減させ得る。安定器26は、例えば、心周期中の反復運動からのセンサ移植デバイス20のアーム22に対する応力を更に低減し得る。
【0096】
図11A及び図11Bは、それぞれ、1つ以上の実施形態による医療移植デバイスのアーム52から離れて屈曲するように構成されたセンサ保持構造55の斜視図及び側面図を例示する。センサ保持構造55は、関連付けられた移植デバイスの組織接触アーム52に加えて提供される1つ以上の外側(又は内側)アーム51に結合され得る。センサ保持構造55は、様々な点で本明細書に開示される他のセンサ安定器特徴部/デバイスと同様であり得る安定器56を含む。
【0097】
本明細書で詳細に説明されるように、本開示の態様によるセンサ保持構造は、シャント移植デバイスなどの移植デバイスのアーム部材の遠位部分と統合される、及び/又は関連付けられ得る。そのようなセンサ保持構造を移植支持アームの遠位端に位置付けることによって、移植支持アームは、移植デバイスに安定化を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、移植デバイスは、1つ以上の移植安定化アームの代わりに、センサ保持構造を利用し得る。図12A及び図12Bは、それぞれ、1つ以上の実施形態による、安定器76を有するセンサ保持アーム構造75を含む医療移植デバイス70の斜視図及び側面図を例示する。図12A及び図12Bに示されるように、センサ保持構造75は、保持構造75と関連付けられた移植デバイスのエリアで追加の移植支持アームの必要性なしで、移植安定化アームとして効果的に役割を果たし得る。
【0098】
図12A及び図12Bに示されるように、センサ保持構造75は、移植安定化アームが別様に位置付けられ得る場所に対応するそのベース部分73で、又はその近くで、移植デバイス70に結合されるか、又はそれと別様に関連付けられ得る。例えば、ベース部分73は、図12A及び図12Bに示されるように、シャント移植デバイスのバレル71の外側部分に対応し得る。移植デバイス70は、バレル71の角部分などの、図12Bの側面図に関して移植デバイス70の3つの角部分の各々に位置付けられた複数の追加のアーム74を更に備え得る。移植デバイス70の4つの角部分のうちの1つは、他のアーム部材74のような同様のアーム部材を備えるのではなく、その内部に移植されたときに組織壁と機械的接触を提供するように構成された安定器76を有するセンサ保持構造75を備え得、それによって、アーム74の機能と同様のセンサ安定化/支持機能を提供する。
【0099】
センサ保持構造75をバレル71のオリフィス/チャネルに比較的近接して位置付けることによって、センサ保持構造75の安定性は、センサ保持構造がバレル71からより大きい距離離れて位置付けられる特定の他の実施形態と比較して、より良好になり得る。本開示の態様によるセンサ保持構造は、任意の望ましい長さ、形状、及び/又は構成を有するセンサ安定化アームと関連付けられ得ることを理解されたい。
【0100】
本明細書で詳細に説明されるように、本開示の態様によるセンサ安定器は、センサ保持構造と統合される、及び/又はそれと別様に関連付けられ得る。例えば、そのような安定器は、安定器及び/又は関連付けられたセンサ保持構造の形状記憶特性に従って、センサ保持構造の本体部分から離れて屈曲される/折り曲げられる、及び/又は自動的に屈曲されるか、若しくは折り曲げられるように構成され得る。そのような屈曲/折り曲げは、概して、構成に応じて、センサ保持構造の遠位端又はセンサ保持構造の近位端から離れ得る。図13A及び図13Bは、それぞれ、1つ以上の実施形態による、上から下に延在する安定器86を有するセンサ保持構造85の展開側面図及び非展開上面図を示す。
【0101】
図13Aでは、センサ保持構造85は、センサ保持構造85と統合される安定器86を含む。例えば、図13Bの上面図に示されるように、安定器86は、センサ保持構造85の本体88の材料のレーザ切断で又は別様に切り出され得る。安定器86のベース131がセンサ保持構造85の配向に関して安定器86の近位側上にあるように、安定器86が切り出されるか、又は別様に形成される実施形態では、安定器86は、下向きに(すなわち、センサ保持構造85の遠位端から離れて)屈曲する/折り曲がるように構成され得る。
【0102】
図13A及び図13Bに示されるように、安定器を下向きに屈曲すること/折り曲げることに関して、安定器86の展開は、示されるように、センサ保持構造85内に窓/開口部89を残し得る。いくつかの実施形態では、センサ保持構造85は、近位窓/開口部87を更に備え得る。そのような窓/開口部87、89は、依然として十分なセンサ支持を提供しながら、低減された嵩を有するセンサ保持構造を提供するために、いくつかの場合に望ましい場合がある。例えば、センサ保持構造85は、センサ保持構造85内に配設されたセンサを構造の本体88に対して保持し得る1つ以上のセンサ保持フィンガ83を含み得、それにより、センサを所望の位置に保持するために、センサの追加の長手方向支持体は必要ではない。窓87、89は、無線信号が伝播し得る開口部を更に提供し得、それによって、構造85によって保持されるセンサデバイスへの/からの無線信号送信との干渉を低減する。例えば、センサのアンテナ特徴部は、軸方向及び/又は円周方向に、少なくとも部分的に窓87、89の一方又は両方と重複し得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、安定器86は、センサ保持構造85が移植デバイスを標的組織/場所に送達するために使用される送達システム(例えば、送達カテーテル)から放出されるときに自動的に展開され得る。例えば、センサ保持構造85及び/又は安定器86は、Nitinolなどの形状設定記憶合金を含み得る。いくつかの実施態様では、ワイヤは、送達システムと関連して使用され得、ワイヤは、安定器86の1つ以上の特徴部を押すか、又は引っ張ることなどによって、安定器86を手動で展開するために使用され得る。例えば、安定器86は、1つ以上の開口、フック、又は展開ワイヤが安定器を展開するために係合し得る他の係合される特徴部を備え得る。
【0104】
図14A及び図14Bは、それぞれ、1つ以上の実施形態による、下から上に突出する安定器36を有するセンサ保持構造35の展開側面図及び非展開上面図を示す。図14Aでは、センサ保持構造35は、センサ保持構造35と統合される安定器36を含む。例えば、図14Bの上面図に示されるように、安定器36は、センサ保持構造35の本体38の材料のレーザ切断で又は別様に切り出され得る。安定器36のベース132がセンサ保持構造35の配向に関して安定器36の遠位側上にあるように、安定器36が切り出されるか、又は別様に形成される実施形態では、安定器36は、上向きに(すなわち、センサ保持構造35の近位端から離れて)屈曲する/折り曲がるように構成され得る。
【0105】
図14A及び図14Bに示されるように、安定器を上向きに屈曲すること/折り曲げることに関して、安定器36の展開は、示されるように、センサ保持構造35内に窓/開口部39を残し得る。いくつかの実施形態では、センサ保持構造35は、遠位窓/開口部37を更に備え得る。そのような窓/開口部37、39は、依然として十分なセンサ保持し支持を提供しながら、低減された嵩を有するセンサ保持構造を提供するために、いくつかの場合に望ましい場合がある。例えば、センサ保持構造35は、センサ保持構造35内に配設されたセンサを構造の本体38に対して保持し得る1つ以上のセンサ保持フィンガ33を含み得、それにより、センサを所望の位置に保持するために、センサの追加の長手方向支持体は必要ではない。窓37、39は、無線信号が伝播し得る開口部を更に提供し得、それによって、構造35によって保持されるセンサデバイスへの/からの無線信号送信との干渉を低減する。例えば、センサのアンテナ特徴部は、軸方向及び/又は円周方向に、少なくとも部分的に窓37、39の一方又は両方と重複し得る。
【0106】
図13A及び図13Bと関連して上記に説明されるように、安定器36は、自動及び/又は手動で展開され得る。更に、安定器36の引き込みは、手動及び/又は自動の機械的運動を通じて達成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、安定器36は、図14Aに示されるように屈曲され、組織壁18に対して配置され得、組織壁18は、図14Aに示される屈曲構成で安定器36を保持する。そのような実施形態では、センサ保持構造35を組織壁18から引き離すことは、安定器36がセンサ保持構造35から離れて屈曲された/折り曲げられたときに、以前に空いた空間39を占有するように、安定器が自動的に引き込まれることを可能にし得る。
【0107】
図15A図15Cは、1つ以上の実施形態による、安定器606を有するセンサ保持構造605の図を示す。図15Aに示されるように、センサ保持構造605は、遠位ストッパ機構604を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、センサ保持構造605は、略湾曲/凹状の横方向形状を有し、円筒形センサ616が配置/載置され得るクレードルタイプの形状を提供する。いくつかの実施形態では、湾曲した形態の遠位部分604は、センサ保持構造605の本体部分608の曲率半径未満である曲率半径を有し得る。すなわち、遠位ストッパ部分604は、その1つ以上の弧の長さに対して、本体部分608よりも少なくとも部分的に平坦であり得る。遠位ストッパバー/部分604のそのような構成は、図15Cの端面図に明確に示されている。センサ保持構造605の本体部分608の湾曲内に配設されたセンサシリンダ616によると、センサ保持構造605の湾曲は、概して、センサ616の湾曲に対応し得、比較的平坦なストッパバー/部分604は、センサ616の遠位面614といくつかの量だけ半径方向に重複し得、それによって、ストッパバー/部分604とのセンサ面614の接触点を越える遠位軸方向運動を防止する。
【0108】
図15Dは、遠位ストッパバー644が、センサ保持構造645の本体648の対応する弧セグメントに対して同様の円周長を有する代替的な実施形態を示し、遠位バー644が、センサ616の中心軸に向かって半径方向に押され、それによって、示されるように、センサ616の面614上に半径方向に侵入する内向き突出部を形成し、それによって、ストッパバー644を越えるセンサ616の遠位運動を防止するための軸方向障害物を提供する。
【0109】
いくつかの実施形態では、図15Bに示されるように、センサ保持構造605は、タブタイプの形態を有し得る近位トラップ/ストッパ622を含む。いくつかの実施形態では、ストッパ622は、センサ保持構造605の湾曲によって画定される軸に対して、半径方向内向きに手動で及び/又は自動的に折り曲がる/屈曲するように構成され得る。図15A及び図15Bの実施形態は、単一のキックスタンドタイプの安定器606を含むが、本開示の任意の他の実施形態と同様に、センサ保持構造605は、任意の好適な又は望ましい数の安定器特徴部を含み得ることを理解されたい。更に、本明細書に開示される他の実施形態のいずれかと同様に、図15A及び図15Bに示される安定器606は、図14A及び図14Bと関連して上記に説明されたように、ボトムアップ安定器設計として示されているが、安定器606は、トップダウン安定器であってもよく、又は本開示の態様による任意の他の構成を有してもよいことを理解されたい。
【0110】
図16A及び図16Bは、それぞれ、1つ以上の実施形態による、複数の安定器706を有するセンサ保持構造705の斜視展開図及び非展開上面図を示す。特に、例示されたセンサ保持構造705は、二重キックスタンド構成を有する。すなわち、特定の実施形態が単一の安定器形態/特徴部を含むセンサ保持構造の文脈で本明細書に開示されているが、図16A及び図16Bに示される実施形態は、2つの安定器特徴部706a、706bを含む。
【0111】
2つの安定器706a、706bは、実質的に互いに独立していてもよく、それにより、安定器のうちの一方が、他方とは独立して屈曲及び/又は操作され得る。いくつかの実施形態では、図16Aに示されるように、安定器特徴部706a、706bは、実質的に平行な相対的配向で延在し得る。いくつかの実施形態では、安定器706a、706bがセンサ保持構造705から屈曲/突出しているとき、安定器706a、706bは、その遠位端部分に対して半径方向外向きに、かつ互いに幾分離れて突出するように傾斜し得る。すなわち、展開構成では、センサ安定器706a、706bのそれぞれの遠位端は、その近位部分よりも離れていてもよい。
【0112】
図16Bに示されるように、安定器706a、706bは、センサ保持構造705の本体725の形態から切断(例えば、レーザ切断)され得る。本明細書に開示される他の実施形態と同様に、安定器706a、706bの展開は、センサ保持構造705及び/又は安定器706a、706bの形状記憶特性に基づいて、センサ保持構造705の展開後に起こり得る。図16Bの実施形態は、図16Bに示される送達構成にあるときに安定器の間に間隙742が存在するように互いに対して位置付けられた安定器706a、706bを示すが、いくつかの実施形態では、センサ保持構造705のベース725の材料の形態は、そのような材料の形態が、安定器706a、706bのレーザ切断を通じて形成された任意の空間に加えて、安定器を分離するように、安定器706a、706bの間に存在し得る。
【0113】
図17A及び図17Bは、それぞれ、1つ以上の実施形態による、複数の安定器806を有するセンサ保持構造805の斜視展開図及び非展開上面図を示す。図17A及び図17Bの特定の構成は、安定器806a、806bが互いに対して角度付けられている、代替的な二重安定器実施形態を表す。図17A及び図17Bに示すように、安定器806a、806bをある角度で構築することによって、そのような安定器は、望ましい側方安定性を提供し得る。例えば、組織壁との接触に対するそれぞれの安定器806a、806bの入射角は、互いに対して異なり得、それによって、より広い範囲の角度における運動/振動に対する安定性を提供する。図17Bに示される俯瞰図は、不均一な間隙が安定器806a、806bの間、及び/又は安定器とセンサ保持構造805の本体825との間に形成されるように切り出された安定器806a、806bを示すが、いくつかの実施形態では、そのような間隙は存在しない。すなわち、安定器806a、806bは、安定器806A、806Bの周囲の切断縁を越える間隙を生成せずに、センサ保持構造形態から切り出され得る。このようなことは、本明細書に開示される切り出された安定器特徴部の実施形態のいずれにも当てはまり得る。
【0114】
外傷保護特徴部
本明細書に開示される安定器特徴部は、上記に詳細に説明されるように、組織壁との接触を通じて、センサ保持構造又は移植デバイスの他の構成要素に対する安定化を提供し得、それによって、安定器構造/特徴部を介して、センサ保持構造と組織壁との間の機械的結合を提供する。そのような組織接触を考慮すると、安定器特徴部との接触を通じて生体組織への傷害及び/又は他の損傷のリスクを低減させるような様式で、本開示の態様に従って安定器特徴部を設計/構成することが望ましい場合がある。例えば、センサ保持構造が特定の振動及び/又は他の機械的運動/力を受ける場合、そのような力/運動は、結果として、組織壁との繰り返された接触をもたらし得、それによって、経時的に生体組織を破壊する、及び/又はそれへの損傷を別様に引き起こす。いくつかの実施形態では、安定器特徴部の遠位端は、比較的鋭利であり得、それによって、関連する生体組織内への安定器の遠位端の貫通を可能にする、及び/又は引き起こす。したがって、特定の実施形態が、安定器特徴部の遠位端部分に対する外傷保護特徴部を組み込むことが望ましい場合がある。
【0115】
図18A及び図18Bは、それぞれ、1つ以上の実施形態による、センサ保持構造1805と関連付けられたセンサ安定器1806の側面及び直立図を示す。安定器1806は、本明細書に開示される実施形態のいずれかによる任意の構成を有し得る。安定器1806は、安定器1806の遠位端部分の少なくとも一部分を被覆する外傷保護コーティング又はカバー1830を更に備える。
【0116】
コーティング又は材料1830は、安定器1806と生体組織との間の接触から結果的に生じる組織外傷を防止及び/又は保護する役割を果たし得る。更に、いくつかの実施形態では、コーティング/カバー1830は、そのようなコーティング/カバーを含まない安定器と比較して、より大きい摩擦係数を提供し得る。したがって、コーティング/カバー1830は、有利には、組織壁18上の安定器1806の摺動を低減及び/又は防止し得る。いくつかの実施形態では、安定器1806の遠位端が、組織壁18内に少なくとも部分的に穿刺及び/又は埋め込まれるとき、コーティング1830は、安定器及びセンサ保持構造1805のための追加の安定性を提供する役割を果たし得る、組織壁18とコーティング1830との間の組織内成長を容易に及び/又は加速するように構成され得る。
【0117】
図18Bに示されるように、安定器1806は、足特徴部1837を含み得、その少なくとも一部分は、いくつかの実施形態では、コーティング/材料1830によって被覆され得る。しかしながら、本開示の実施形態は、外傷保護コーティング/被覆を上に有していない足特徴部を有する安定器を含み得ることを理解されたい。足特徴部1837は、安定器1806の内側及び/又はベース部分の幅寸法wよりも大きい幅寸法wを有し得る。いくつかの実施形態では、足特徴部1837は、その1つ以上の角又は縁に関して丸みを帯びており、それによって、生体組織を穿刺又は刺激せずに、生体組織に接触するための低外傷性物理的接触界面を提供する。足特徴部1837は、少なくとも部分的に平坦な遠位端表面を有するものとして示されているが、いくつかの実施形態では、足特徴部1837の遠位端は、丸みを帯びていてもよい、及び/又は円形であってもよい。図18Bは、安定器1806と関連付けられた足特徴部1837を示すが、いくつかの実施形態では、外傷保護カバー/コーティングを含む安定器は、識別可能な足特徴部を含まない。
【0118】
図19A及び図19Bは、それぞれ、1つ以上の実施形態による、センサ保持構造1905と関連付けられたセンサ安定器1906の側面及び直立図を示す。安定器特徴部1906は、本明細書に開示される実施形態のいずれかに従って構成され得る。加えて、安定器1906は、それと関連付けられた特定の追加の外傷保護及び/又は安定化特徴部を備え得る。例えば、示されるように、安定器1906は、1つ以上の広がる足特徴部1941、1942を含み得る。例えば、展開前構成の安定器1906を示す図19Bの図に示されるように、安定器1906は、安定器1906の遠位端部分に、又はその近くに切欠き1947を含み得、そのような切欠き1947は、足安定器特徴部1940を提供するために展開構成で互いに対して反対方向に広がり得る別個の足特徴部1941、1942を形成する。
【0119】
図19Aは、足特徴部1942が安定器1906の平面から離れて屈曲した状態の足安定器1940を示す。足特徴部1942及び足特徴部1941が分離された状態で、図19Aに示されるように、組織壁18上の安定器1906の接触力は、足特徴部1941と足特徴部1942との間で分散され得、それによって、安定器1906からの組織壁18に対する外傷及び/又は衝撃を潜在的に低減する。足特徴部1942と足特徴部1941との間の図19Aに例示された角度Θは、約90°未満であるとして示されているが、展開されると、足特徴部1941、1942の間の角度は、任意の好適な角度又は望ましい角度になり得ることを理解されたい。例えば、角度シータは、約90°、約90°~135°、約135°~180°、約180°、又は180°超の角度であってもよい。更に、図19A及び図19Bは、2つの足特徴部1941、1942、及びそれらを分離する切欠き1947を示すが、いくつかの実施形態では、足特徴部1940は、別個の足特徴部を含まない。むしろ、安定器1906の遠位部分は、安定器1906の平面から離れて屈曲する/屈曲可能であり、それによって、安定器1906の内側部分よりも組織表面18と平行に近い接触表面を提供し得る。例えば、図19Aの図に関して、そのような足特徴部は、有利には、センサ保持構造1905の遠位端の方向に屈曲し、それによって、安定器1906の内側部分の平面よりも、組織表面18とより直線上にある組織接触表面を提示し得る。本明細書に開示される足特徴部の様々な構成は、いくつかの実施態様では、安定器特徴部の深部組織貫通を防止し得る。
【0120】
図20-1及び図20-2は、1つ以上の実施形態による、センサ安定器を移植する、及び引き込むためのプロセス2100を例示するフロー図を提供する。図21-1及び図21-2は、1つ以上の実施形態による、図20-1及び図20-2のプロセス2100の動作に対応する心臓解剖学的構造及びデバイス/システムの画像を提供する。プロセス2100は、センサ保持構造及び/又は関連付けられた引き込み可能/回収可能な安定器特徴部の移植、展開、位置付け、調節、及び/又は引き込みに関する。
【0121】
プロセス2100は、ブロック2000では、画像2101に示されるように、縫合糸2170をセンサ安定器2196の縫合糸係合特徴部2150と結合することを伴う。例えば、安定器2196は、本明細書に開示される安定器特徴部の実施形態のいずれかに従って構成され得る。更に、プロセス2100は、センサデバイス2116を保持/支持するように構成されたセンサ保持構造2105と関連付けられた安定器などの、センサ安定器の文脈で説明されているが、本明細書に開示される原理は、医療移植デバイスと関連付けられるか否かにかかわらず、任意のタイプの構造を安定化するために使用される安定器に適用可能であることを理解されたい。
【0122】
図21-1の画像2101に示されるように、安定器2196は、移植デバイスのアーム2192に結合される、及び/又はそれと関連付けられ得る、センサ保持構造2105と関連付けられ得る。ブロック2000の動作と関連して、縫合糸2170は、開口2150又は安定器2196の別の縫合糸係合特徴部を通してねじ込まれ得る。いくつかの実施形態では、安定器2196は、少なくとも部分的に丸みを帯びた足部分2140を含み得、縫合糸係合特徴部2150は、足特徴部2140と関連付けられる。縫合糸2170は、安定器特徴部2196の再捕捉又はベイルアウトを可能にする、縫合糸係合特徴部2150を通る一時的な縫合糸ループで構成され得る。
【0123】
ブロック2002では、プロセス2100は、図21-1の画像2102に示されるように、センサデバイス2116を保持するように構成され得る、センサ保持構造2105を含む医療移植デバイス2110を移植することを伴う。ブロック2002と関連付けられた動作は、上記に説明されるように、その縫合糸係合機構2150と係合された縫合糸2170を有し得る、縫合糸を結合された安定器2196を展開することを更に伴い得る。縫合糸2170が安定器2196の縫合糸係合特徴部2150を通ってループされている、及び/又は別様に係合されている状態で、第1の縫合糸尾部2171及び第2の縫合糸尾部2172は、画像2102に示されるように、安定器2196から伸び得る。
【0124】
いくつかの実施態様では、センサ移植デバイス2110は、送達カテーテル又はデバイス2140の少なくとも部分的に周囲に配設されるように、標的移植部位に送達され得る。カテーテル2140は、所望のアクセス経路に沿って既に配設され得るガイドワイヤ2160に追従することによって、左心房又は他の解剖学的空洞若しくはチャネルなどの、標的解剖学的構造にアクセスし得る。いくつかの実施形態では、縫合糸尾部2171、2172は、概して、カテーテル2140及び/又は他の送達システム/デバイスに沿って伸び得る。いくつかの実施態様では、カテーテル2140は、1つ以上のアクセスシースを通して患者の内部解剖学的構造にアクセスし得る。
【0125】
ブロック2004では、プロセス2100は、結合された縫合糸2170を使用して安定器2196を引き込むことを伴う。例えば、図21-2の画像2103に示されるように、安定器2196の引き込みは、縫合糸尾部2171、2172のうちの一方又は両方を近位に引っ張り、それによって、略近位方向に、及び/又はセンサ保持構造2105の本体部分2188に向かって、縫合糸係合特徴部2150と関連付けられる安定器2196の遠位端を引っ張ることによって達成され得る。安定器2196を引っ張ってセンサ保持構造2105の本体2188に戻すことは、安定器2196を、ほぼ図2101に例示された送達構成に戻し得る。いくつかの実施態様では、縫合糸2170を用いて安定器2196を引っ張ることは、安定器2196を画像2101の送達構成に完全に引き込まなくてもよいが、それでも、センサ保持構造2105の除去、再配置、及び/又は調節を可能にするのに十分な程度に安定器2196を引き込み得る。
【0126】
ブロック2006では、プロセス2100は、安定器2196及び/又は移植デバイス2110から縫合糸2170を除去することを伴う。例えば、縫合2170の除去は、縫合糸尾部のうちの一方2171を引っ張り、それによって、他の縫合糸尾部2172を縫合糸係合機構2150を通して引き込み、そこから除去することを伴い得る。縫合糸2170の除去が、図21-2の画像2104に示されるように、安定器2196が送達構成に引き込まれた状態で実施されるものとして示されているが、縫合糸係合特徴部2150からの縫合糸除去は、画像2102に示されるように展開構成で、又は画像2103及び/又は2104に示される引き込まれた構成で、安定器2196とともに行われ得ることを理解されたい。
【0127】
安定器を備える移植デバイスの移植場所
本明細書に開示される様々な実施形態と関連して説明される安定器特徴部を組み込む移植デバイスは、任意のタイプの移植デバイスであり得る。すなわち、特定のシャントタイプの移植デバイスは、詳細に説明され、本開示の図に示されるが、そのような移植デバイスは、センサデバイスを保持/維持するように構成された非シャント移植デバイスを含む、任意のタイプの移植デバイスであり得ることを理解されたい。更に、本開示の態様による安定器を備える/供給された移植デバイスは、任意の好適な又は望ましい解剖学的構造に移植され得、その例は、参照のために以下に詳細に説明される。
【0128】
図22は、1つ以上の実施形態による、左心房2から冠静脈洞16を分離する壁2218に移植されたセンサ移植デバイス2200を示す。図22、及びいくつかの以下の図は、後面がページの上に配向された状態で上から下に見た心臓の断面を示す。図22のセンサ移植デバイス2200は、センサ保持構造2205を含み、センサ保持構造2205は、それと関連付けられた安定器特徴部2206を有する。安定器2206は、本明細書に開示される任意のタイプの安定器特徴部であり得る。左心房2を冠静脈洞16から分離する壁2218に移植されたセンサ移植デバイス2200によると、安定器2206は、展開されると、左心房2を冠静脈洞16から分離する壁2218の心房表面2232と接触し得る。
【0129】
左心房2と冠静脈洞16との間の壁18における移植デバイス2200の移植を通じた心房シャントは、いくつかの状況では、心房中隔を通じたシャントが好ましい場合がある。例えば、冠静脈洞16を通じたシャントは、低減された血栓及び塞栓のリスクを提供し得る。冠静脈洞は、いくつかの理由から血栓/塞栓の存在を有する可能性が低い。第一に、冠血管系から右心房への血液の排出は、毛細血管を通過したばかりであり、本質的に濾過された血液である。第二に、右心房の冠静脈洞口は、多くの場合、テベシウス弁と呼ばれる偽弁によって部分的に被覆される。テベシウス弁は、必ずしも存在するわけではないが、いくつかの研究は、ほとんどの心臓に存在し、また右心房圧におけるスパイクの事象で血栓又は他の塞栓が侵入することを遮断し得ることを示す。第三に、それが排出される冠静脈洞と右心房との間の圧力勾配は、一般に、比較的低く、その結果、右心房の血栓又は他の塞栓は、そこに残る可能性が高い。第四に、血栓/塞栓が冠静脈洞に侵入する事象では、右心房と左心房との間よりも、右心房と冠血管系との間にはるかに大きい勾配が存在することになる。おそらく、血栓/塞栓は、右心房圧が正常に戻り、次いで、塞栓が右心房に直接戻るまで、冠血管系を更に下降して移動することになる。
【0130】
左心房と冠静脈洞との間に移植デバイス2200を配置するいくつかの追加の利点は、この解剖学的構造が、一般に、心房中隔組織よりも安定していることである。左心房血液を冠静脈洞に分流することによって、洞圧が少量だけ増加し得る。これは、冠血管系の血液を、心臓を通ってよりゆっくりと移動させ得、灌流及び酸素伝達を増加させ、これは、より効率的であり得、また瀕死の心筋が回復するのを助け得る。
【0131】
上記の利益に加えて、移植デバイス2200を冠静脈洞の壁2218に移植することによって、心房中隔への損傷が防止され得る。したがって、心房中隔は、代替的な療法のための後からの経中隔アクセスのために保存され得る。経中隔アクセスの保存は、様々な理由で有利であり得る。例えば、心不全患者は、多くの場合、心房細動及び/又は僧帽弁逆流などの、いくつかの他の併存症を有し、これらの状態を治療するための特定の療法は、経中隔アクセスを必要とする。
【0132】
注目すべきは、冠静脈洞と左心房との間にシャント移植を配置する様々な利点に加えて、特定の欠点が考慮され得ることである。例えば、左心房から冠静脈洞へ血液をシャントすることによって、左心房からの酸素を含む血液が、右心房に渡され得、及び/又は右心房からの酸素を含まない血液が、左心房に渡され得、それらの両方が、心臓の適切な機能に関して望ましくない場合がある。
【0133】
冠静脈洞16を介した標的壁2218へのアクセスは、任意の好適な又は望ましい処置を使用して達成され得る。例えば、様々なアクセス経路が、本開示の実施形態による、圧力センサと統合されたか、又は関連付けられた拡張可能なシャントを展開するために、心臓内及び周囲でガイドワイヤ及びカテーテルを操作する際に利用され得る。図23A及び図23Bは、1つ以上の実施形態による、冠静脈洞16へのカテーテルアクセス経路を示す心臓解剖学的構造の図を示す。
【0134】
いくつかの実施形態では、鎖骨下又は頸静脈を通して上大静脈19、右心房5、及びそこから冠静脈洞16へのアクセスが達成され得る。あるいは、アクセス経路は、大腿静脈で始まり、下大静脈29を通って心臓に入り得る。他のアクセス経路もまた、使用され得る、それらの各々は、典型的には、ガイドワイヤ及びカテーテルが血管系に挿入される経皮的切開を利用し、通常は封止されたイントロデューサを通して、そこから、システムは、医師がデバイスの遠位端を体外から制御することを可能にするように設計又は構成され得る。
【0135】
本開示の態様に従って移植デバイスを前進させる処置のいくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、鎖骨下又は頸静脈を通して、上大静脈を通して、かつ冠静脈洞内に導入される。ガイドワイヤが経路を提供すると、イントロデューサシースは、典型的には拡張器の使用によって、ガイドワイヤに沿って、患者の血管系内に経路指定され得る。送達カテーテルは、上大静脈を通して心臓の冠静脈洞まで前進し得、イントロデューサシースは、失血を防止するための止血弁を提供し得る。いくつかの実施形態では、展開カテーテルは、左心房の壁に開口部を形成及び準備するように機能し得、別個の配置又は送達カテーテルが移植デバイス2200の送達に使用されることになる。他の実施形態では、展開カテーテルは、完全な機能性を有する穿刺準備及び移植送達カテーテルの両方として使用され得る。本出願では、「展開カテーテル」又は「送達カテーテル」という用語は、これらの機能のうちの一方又は両方を有するカテーテル、シース、及び/又はイントロデューサを表すために使用される。
【0136】
図23A及び図23Bに示されるように、冠静脈洞16は、概して、左心房2の周囲に連続しており、したがって、移植デバイス2200に対して様々な考えられる許容可能な配置が存在する。移植デバイス2200の配置のために選択された標的部位は、CTスキャン又はX線写真撮影などの、蛍光透視又は血管内冠血管系エコー(IVUS)などの、非侵襲的診断手段によって予め決定された、特定の患者の組織が薄いか又は低密度であるエリア内とされ得る。
【0137】
冠静脈洞と左心房との間の壁における移植のための本開示の実施形態によるセンサデバイス/機能と一体化され得る移植デバイスを送達するためのプロセスの追加的な態様及び特徴は、「Expandable Cardiac Shunt」と題された2017年10月17日発行の米国特許第9,789,294号に開示され、その開示は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。移植デバイス2200は、左心房/冠静脈洞壁2218内で示されているが、移植デバイス2200は、肺動脈と右心房との間などの、他の心腔の間に位置付けられてもよい。
【0138】
図24は、1つ以上の実施形態による、心房2から冠静脈洞16を分離する壁18に移植されたセンサ安定器2406を有するセンサ移植デバイス2410を示す。概して冠静脈洞口14に向かって配向されたそれぞれの移植デバイスと関連付けられたセンサ保持構造を示す図22図23A、及び図23Bのそれぞれのセンサ移植デバイスの配向に対して、センサ移植デバイス2410は、それらと関連付けられたセンサ保持構造2405が、概して、冠静脈洞口14から離れて、かつ冠静脈洞16の狭窄の方向に配向されるように配向されているように図24に示されている。しかしながら、左心房2を冠静脈洞16から分離する壁18に移植されたセンサ移植デバイスは、任意の好適な又は望ましい配向を有し得ることを理解されたい。例えば、センサ移植デバイスと関連付けられたアーム及び/又はセンサ保持構造は、図22及び図24に示されるように、水平ではなく、心臓の軸に対して略垂直に配向され得る。
【0139】
図25は、1つ以上の実施形態による、心房中隔壁79に移植されたセンサ安定器2505を有するセンサ移植デバイス2510を示す。センサ移植デバイス2510が心房中隔79に移植された状態で、センサ保持構造2505及び関連付けられたセンサ2516は、有利には、示されるように、左心房2内に配設され得、それによって、センサデバイス2516が左心房2内の圧力レベルを検出することを可能にする。しかしながら、いくつかの実施形態では、センサ保持構造2505は、右心房5に配設され得ることを理解されたい。いずれの構成でも、安定器2506は、概して、移植デバイス2510の配向/構成に応じて、その左心房側又はその右心房側のいずれかで、心房中隔79と接触して配置され得る。
【0140】
心房中隔壁内の特定の位置は、移植デバイス2510のための比較的安全なアンカー場所を提供するために、及び血栓の比較的低いリスクを提供するために、選択又は決定され得る。更に、センサ移植デバイス2510は、将来の介入のために中隔壁79の将来の再交差を考慮して望ましい位置に移植され得る。心房中隔壁におけるセンサ移植デバイス2510の移植は、有利には、左心房2と右心房5との間の流体連通を可能にし得る。心房中隔79内のデバイス2510によると、センサ移植デバイス2510のセンサ2516は、有利には、右心房5、左心房2、又は両方の心房の圧力を測定するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス2510は、複数のセンサを備え、一方のセンサが、右心房5及び左心房2の各々に配設される。両方の心房で圧力を測定するための圧力センサ機能によると、センサ移植デバイス2510は、有利には、心房間の差圧を決定するために使用され得るセンサ信号を提供するように構成され得る。差圧の決定は、鬱血性心不全と関連付けられ得る肺内の流体蓄積をモニタリングするのに有用であり得る。
【0141】
図26は、1つ以上の実施形態による、心室中隔17壁に移植されたセンサ安定器2606を有するセンサ移植デバイス2610を示す。センサ移植デバイス2610が心室中隔17に移植された状態で、センサ保持構造2605及び関連付けられたセンサ2616は、有利には、示されるように、左心室3内に配設され得、それによって、センサデバイス2616が左心室3内の圧力レベルを検出することを可能にする。しかしながら、いくつかの実施形態では、センサ保持構造2605は、右心室4に配設され得ることを理解されたい。いずれの構成でも、安定器2606は、概して、移植デバイス2510の配向/構成に応じて、その左心室側又はその右心室側のいずれかで、中隔17と接触して配置され得る。
【0142】
図27は、1つ以上の実施形態による、心室(例えば、左心室3)の壁2701に移植されたセンサ安定器2706を有するセンサ移植デバイス2710を示す。壁2701は、概して、心室の外壁のエリアにあり得る。移植デバイス2710は、外側左心室壁に移植されて示されているが、本開示の態様による移植デバイスは、右心室4の外壁に移植され得ることを理解されたい。センサ移植デバイス2710は、任意の好適な又は望ましい形態及び/又はアンカー固定構成を有し得る。例えば、コルクスクリュータイプ又は他のタイプの組織アンカーが、センサ移植デバイス2710の近位部分を組織壁2701に埋め込むために使用され得る。バーブタイプ、フックタイプ、及び/又は他のアンカータイプなどの他のタイプの組織アンカーが、図27に示されるものに追加的に又は代替として実装されてもよい。センサ移植デバイス2710が外側心室壁2701に移植された状態で、安定器2706は、組織壁2701と接触し、センサ保持構造2705に安定性を提供する構成で展開され得る。図27の図で略垂直上向きに配向されるように例示されているが、センサ保持構造2705は、心室内の任意の好適な又は望ましい方向に配向され得ることを理解されたい。
【0143】
図28は、1つ以上の実施形態による、心臓1の尖部領域26に移植されたセンサ安定器2806を有するセンサ移植デバイス2810を示す。センサ移植デバイス2010は、心臓1の尖部26で、又はその近くで組織2801に埋め込まれ得る。左心室3の尖部エリアで例示されているが、本開示の態様によるセンサ移植デバイスは、右心房4内の尖部領域に移植され得ることを理解されたい。
【0144】
図29は、1つ以上の実施形態による、心臓1の左心耳249に移植されたセンサ安定器2906を有するセンサ移植デバイス2910を示す。例えば、センサ移植デバイス2910は、左心耳閉鎖器構成要素2909を組み込み得る。センサ移植デバイス2910が図29に示されるように移植された状態で、安定器2906は、左心房2の側壁に物理的に接触するように配向され得る。
【0145】
移植デバイス2910は、左心耳249及び/又は左心房2の圧力を測定するように位置付けられ得る。概して、左心房圧の測定は、上記に詳細に説明されるように、鬱血性心不全と関連付けられた肺における流体蓄積をモニタリングするのに有用であり得る。センサ移植デバイス2910は、センサ2916及び/又はセンサ保持構造22905を移植片2909に固定するための、接合、縫合糸巻き付け、又は他の取り付け手段を含む、任意の取り付け又は統合機構を介して、又はそれらを使用して、左心耳閉鎖移植デバイス2909に恒久的に固定され得る。センサ統合移植デバイス2910は、有利には、心房圧モニタリングセンサ2916をアンカー固定するための安全な場所を提供し得る。センサ2916は、有利には、左心房に血栓の比較的低いリスクを提示するように位置付けられる、及び/又は構成され得る。
【0146】
本開示の1つ以上の実施形態によるセンサ移植デバイスは、任意の好適な又は望ましい処置を使用して、左心房に前進し得る。例えば、左心房へのアクセスは、経大腿又は他の経カテーテル処置を通じてなど、右心房及び/又は下大静脈を介するものとして、特定の実施形態と関連して例示及び説明されているが、図30と関連して説明/示されるように、本開示の実施形態に従って他のアクセス経路/方法が実装され得る。例えば、図30は、それぞれ示されるように、下大静脈29又は上大静脈19を通して、右心房5から、中隔壁(図示せず)を通して、左心房2に入って行われ得る、経中隔アクセス401a、401bを含む、左心室へのアクセスが達成され得る様々なアクセス経路を例示する。経大動脈アクセス402に関して、送達カテーテルは、下行大動脈、大動脈弓12、上行大動脈、及び大動脈弁7を通過し、左心房2内に僧帽弁6を通って通過し得る。経心尖アクセス403に関して、アクセスは、心臓の尖部を通して左心室3内に、及び左心房2内に僧帽弁6を通して直接的に行われ得る。図30に示されたもの以外の他のアクセス経路も可能である。
【0147】
追加の実施形態
実施形態に応じて、本明細書に説明されるプロセスのいずれかの特定の作用、事象、又は機能が、異なる順序で実施されてもよく、追加されてもよく、併合されてもよく、又は完全に除外されてもよい。したがって、特定の実施形態では、全ての説明された作用又は事象が、プロセスの実践に必要であるわけではない。
【0148】
好ましい実施形態に関して、特定の標準的な場所の解剖学的用語が本明細書で使用される。「外側」、「内側」、「上部」、「下部」、「下」、「上」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」などの特定の空間的に相対的な用語及び同様の用語が、1つのデバイス/要素又は解剖学的構造の別のデバイス/要素又は解剖学的構造に対する空間的な関係を説明するために本明細書で使用されるが、これらの用語は、図面に例示される要素/構造間の位置関係を説明するために説明の容易さのために本明細書で使用されることが理解される。空間的に相対的な用語は、図面に図示される配向に加えて、使用又は動作中の要素/構造の異なる配向を包含することが意図される。例えば、別の要素/構造の「上」として説明された要素/構造は、対象の患者又は要素/構造の代替的な配向に関して、そのような他の要素/構造の下又は横にある位置を表す場合があり、その逆も同様である。
【0149】
とりわけ、「can」、「could」、「might」、「may」、「例えば(e.g.,)」などの本明細書で使用される条件付きの文言は、特に別段の記載がない限り、又は使用される文脈内で別様に理解されない限り、その通常の意味で意図され、かつ特定の特徴、要素、及び/又はステップを特定の実施形態が含むが、他の実施形態が含まないことを伝えることが概して意図される。したがって、そのような条件付きの文言は、特徴、要素、及び/又はステップが、1つ以上の実施形態に任意のやり方で必要とされること、又は1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素、及び/又はステップが含まれるか、又は任意の特定の実施形態で実行されるかを判断するための論理を、著者の入力又は促しの有無にかかわらず、必然的に含むことを暗示することが概して意図されるものではない。「備える」、「含む」、「有する」などの用語は、同義であり、それらの通常の意味で使用され、包括的に、非限定的な様式で使用され、追加の要素、特徴、作用、動作などを排除しない。また、「又は」という用語は、その包括的な意味で使用され(かつその排他的な意味ではない)、そのため、例えば、要素のリストを接続するように使用されるとき、「又は」という用語は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、又は全てを意味する。特に別段の記載がない限り、「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」などの接続的な文言は、品目、用語、要素などが、X、Y、又はZのいずれかであり得ることを一般的に伝えるために使用されるように文脈を用いて理解される。したがって、そのような接続的な文言は、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つが各々存在することを必要とすることを暗示することが概して意図されるものではない。本明細書で使用される場合、要素のリストの最後の2つの間で使用される「及び/又は」という用語は、列挙された要素のうちの任意の1つ以上を意味する。例えば、「A、B、及び/又はC」という語句は、「A」、「B」、「C」、「A及びB」、「A及びC」、「B及びC」、又は「A、B、及びC」を意味する。
【0150】
特定の順序的な用語(例えば、「第1」又は「第2」)は、参照の容易さのために提供され得、必ずしも物理的特徴又は順序を暗示するものではないことを理解されたい。したがって、本明細書で使用される場合、構造、構成要素、動作などの要素を修正するために使用される順序的な用語(例えば、「第1」、「第2」、「第3」など)は、いかなる他の要素に対する要素の優先順位又は順序を必ずしも示すものではなく、むしろ、要素を、同様又は同一の名称(順序的な用語の使用以外)を有する別の要素から概略的に区別し得る。加えて、本明細書で使用される場合、不定冠詞(「a」及び「an」)は、「1つ」ではなく「1つ以上」を示し得る。更に、条件又は事象に「基づいて」実施される動作はまた、明示的に列挙されていない1つ以上の他の条件又は事象に基づいて実施され得る。
【0151】
本明細書に開示される様々な方法及びプロセスに関して、特定の動作の順序又はステップが例示及び/又は説明されているが、示される及び説明される様々なステップ及び動作は、任意の好適な又は望ましい時間順序で実施され得ることを理解されたい。更に、例示及び/又は説明される動作又はステップのいずれも、任意の所与の方法又はプロセスから省略されてもよく、例示/説明される方法及びプロセスは、明示的に例示又は説明されていない追加の動作又はステップを含み得る。
【0152】
上記の実施形態の説明では、開示を合理化し、様々な発明の態様のうちの1つ以上の理解を支援する目的で、様々な特徴が、単一の実施形態、図、又はその説明において一緒にグループ化される場合がある。しかしながら、この開示の方法は、任意の特許請求の範囲がその特許請求の範囲に明示的に列挙されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。更に、本明細書の特定の実施形態に例示及び/又は説明される任意の構成要素、特徴、又はステップは、任意の他の実施形態に適用されるか、又はそれらとともに使用され得る。更に、構成要素、特徴、ステップ、又は構成要素、特徴、若しくはステップのグループは、各実施形態に必要又は不可欠であるわけではない。したがって、以下に開示及び請求される本明細書の発明の範囲は、上記に説明された特定の実施形態によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきであることが意図される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図20-1】
図20-2】
図21-1】
図21-2】
図22
図23A
図23B
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
【国際調査報告】