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特表2023-538264車両セラミック表面処理組成物及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】車両セラミック表面処理組成物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 1/00 20060101AFI20230831BHJP
   C09D 5/02 20060101ALI20230831BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20230831BHJP
   C09D 191/06 20060101ALI20230831BHJP
   C09D 183/04 20060101ALI20230831BHJP
   C09K 3/18 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
C09D1/00
C09D5/02
C09D7/61
C09D191/06
C09D183/04
C09K3/18 104
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507720
(86)(22)【出願日】2021-07-28
(85)【翻訳文提出日】2023-03-24
(86)【国際出願番号】 US2021043425
(87)【国際公開番号】W WO2022031490
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/062,603
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/386,010
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】アリ アルワッタリ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ-チン クラレンス ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン イシドロ エスコト
【テーマコード(参考)】
4H020
4J038
【Fターム(参考)】
4H020AA01
4H020AB05
4H020BA05
4H020BA32
4J038AA011
4J038BA211
4J038BA212
4J038DL031
4J038DL032
4J038HA061
4J038HA062
4J038HA441
4J038HA442
4J038HA461
4J038HA462
4J038JC20
4J038KA06
4J038KA08
4J038KA09
4J038MA10
4J038MA14
4J038MA15
4J038PB07
(57)【要約】
車両表面処理組成物は、多孔質及び半多孔質の車両硬質表面の両方に塗布して、車両仕上げ塗りに撥水性及び耐候性保護の特性を付与する多表面保護バリアを提供するのに適したコロイド状無機酸化物分散液又は可溶性ケイ酸塩を含む。上記組成物は、硬質表面の清浄化をもたらし、塗布された表面にコーティングを形成する。上記組成物は、処理された表面に、清浄性維持、引っ掻き傷/傷防御、虫除け性、UV保護、及び耐候性防御を含む特性を与える。上記組成物は、非常に滑らかで滑沢な処理された表面を生じ、これは、保護の強化をもたらす一方で、高い艶仕上げとともに拭き跡のない外観を実現する。上記組成物は、従来のトリガースプレー塗布、噴射剤エアロゾル、又はワイプ塗布用のスポンジ若しくはクロスを用いることによって容易に車両表面上に塗布される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コロイド状無機酸化物分散液と、
前記無機酸化物分散液及び湿潤剤とともに澄明な懸濁液を形成するワックスエマルジョン又はシリコーンエマルジョンと、
を含む車両表面処理組成物であって、前記組成物は、該組成物をセルフレベリングさせる全体粘度を有する、車両表面処理組成物。
【請求項2】
前記シリコーンエマルジョンが存在し、これはエラスマーであり、かつ100000から2000000の間の重量平均分子量を有する、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項3】
前記コロイド状無機酸化物分散液は、シリカ分散液である、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項4】
前記コロイド状無機酸化物分散液は、二酸化チタン又は二酸化ジルコニウムである、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項5】
前記コロイド状無機酸化物分散液は、静電安定化又は立体安定化のいずれかによって安定化される、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項6】
前記コロイド状無機酸化物分散液は、1nmから500nmの間の平均粒子サイズを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の表面処理組成物。
【請求項7】
前記コロイド状無機酸化物分散液は、2nmから100nmの間の粒子サイズを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の表面処理組成物。
【請求項8】
前記コロイド状無機酸化物分散液は、3cPs~20cPsの範囲内の粘度を有するとともに、1.10g/ml~1.30g/mlの密度範囲を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の表面処理組成物。
【請求項9】
可溶性ケイ酸塩を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の表面処理組成物。
【請求項10】
消泡剤を更に含む、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項11】
前記消泡剤は、ポリシロキサンである、請求項10に記載の表面処理組成物。
【請求項12】
湿潤剤を更に含む、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項13】
前記湿潤剤は、非イオン性高分子フルオロケミカル界面活性剤、炭化水素溶液中のフルオロ脂肪族高分子エステル、ポリフルオロアルキルベタイン両性界面活性剤、又はそれらの組合せである、請求項12に記載の表面処理組成物。
【請求項14】
前記表面処理組成物の合計5重量パーセントまでの芳香剤を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の表面処理組成物。
【請求項15】
ポリシラザンを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の表面処理組成物。
【請求項16】
可溶性ケイ酸塩と、
前記可溶性ケイ酸塩及び湿潤剤とともに澄明な懸濁液を形成するワックスエマルジョン又はシリコーンエマルジョンと、
を含む車両表面処理組成物であって、前記組成物は、該組成物をセルフレベリングさせる全体粘度を有する、車両表面処理組成物。
【請求項17】
前記シリコーンエマルジョンが存在し、これはエラスマーであり、かつ100000から2000000の間の重量平均分子量を有する、請求項16に記載の表面処理組成物。
【請求項18】
コロイド状無機酸化物分散液を更に含む、請求項16に記載の表面処理組成物。
【請求項19】
ポリシラザンを更に含む、請求項16に記載の表面処理組成物。
【請求項20】
コーティングを形成する方法であって、
請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物を車両外装部品に塗布することと、
前記組成物を乾燥させてコーティングを形成することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、2021年7月27日に出願された米国特許出願第17/386,010号の優先権の利益を主張する。さらに、上記米国特許出願は、2020年8月7日に出願された米国仮特許出願第63/062,603号の優先権の利益を主張する。上記米国特許出願の内容は、引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本発明は、概して、表面処理組成物及びその使用、特に、多孔質及び半多孔質の車両硬質表面の両方に塗布して、車両仕上げ塗りに撥水性及び耐候性保護の特性を付与する保護バリアを提供するのに適した少なくとも1つのコロイド状酸化物分散液を含むような組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
車両に対する摩耗及び環境曝露が増えると、曝露された表面はしばしばくすんで見栄えが悪くなる。これは、風、天候、日光、引っ掻き傷、汚れによる摩耗、並びにその他の化学的反応及び物理的反応を含む様々な原因によるものである。表面の劣化は、塗料等のコーティングを損ない始める場合があるだけでなく、下にある基材の腐食を引き起こす場合もある。
【0004】
現在、これらの有害効果に対処するために、車両市場において多くの製品が入手可能である。これらの処理製品の多くは、老朽化した外観をくすんだ風化した外観から光沢のある鮮やかな新品同様の状態に復元する。従来の製品は、本質的に表面に高い輝きを与える高分子コーティングであるものの、それら自体は非常に軟質であり、摩耗劣化しやすいという事実により、車両表面上で限られた寿命を有する。
【0005】
ポリアクリル等の硬化される組成物にコロイド粒状物を含めることは、硬化されるポリマーの特性を改変するのに日常的に行われている(非特許文献1)。しかしながら、そのような分散液は、主としてバフ磨きの間に基材を磨耗する可能性を懸念して、自動車用ワックス及び磨き剤には見られない。さらに、疎水性の車両用磨き剤では、粒状物の水性分散液を含むことは疎まれる。
【0006】
したがって、防汚性、引っ掻き傷/傷防御、虫除け性、UV保護、及び耐候性防御のうちの少なくとも1つを含む強化された表面特性を与える車両硬質表面処理組成物が必要とされている。さらに、従来の製品による車両表面への輝きの付与を犠牲にすることなく、この強化をもたらす車両硬質表面処理組成物が必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Y-Y Yu et al. Materials Chemistry and Physics 82 (2003) 388-395
【発明の概要】
【0008】
多孔質及び半多孔質の車両硬質表面の両方に塗布して、車両仕上げ塗りに撥水性及び耐候性保護の特性を付与する多表面保護バリアを提供するのに適したコロイド状無機酸化物分散液を含む車両表面処理組成物が提供される。上記組成物は、硬質表面の清浄化をもたらし、塗布された表面に残留被膜も形成する。上記組成物は、処理された表面に、清浄性維持、引っ掻き傷/傷防御、虫除け性、UV保護、及び耐候性防御を含む特性を与える。上記組成物は、非常に滑らかで滑沢な処理された表面を生じ、これは、引っ掻き傷、欠け跡、しみ、木脂(tree gum)、鳥の糞に対する保護の強化、ウォータースポット保護、清浄化のしやすさ、並びに汚染物質及びしみに対する保護をもたらす一方で、高い艶仕上げとともに拭き跡のない外観を実現する。上記組成物は、従来のトリガースプレー塗布、噴射剤エアロゾル、又はワイプ塗布用のスポンジ若しくはクロスを用いることによって容易に車両表面上に塗布される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、多孔質及び半多孔質の車両硬質表面の両方に塗布して、車両仕上げ塗りに撥水性及び耐候性保護の特性を付与する多表面保護バリアを提供するのに適した少なくとも1つのコロイド状酸化物分散液を含む車両表面処理組成物としての有用性を有する。改善された車両硬質表面処理組成物は、非常に滑らかで滑沢な処理された表面を生じ、これは、引っ掻き傷、欠け跡、しみ、木脂、鳥の糞に対する保護の強化、ウォータースポット保護、清浄化のしやすさ、並びに汚染物質及びしみに対する保護をもたらす一方で、高い艶仕上げとともに拭き跡のない外観を実現する。
【0010】
特定の本発明の実施形態においては、少なくとも1つのコロイド状無機酸化物分散液は、1nmから500nmの間の粒子サイズを有し、更に他の実施形態においては、2nm~100nmの粒子サイズを有する。表面処理は、硬質表面の清浄化をもたらし、塗布された表面に被膜も形成する。車両硬質表面処理組成物の実施形態は、処理された表面に、清浄性維持、引っ掻き傷/傷防御、虫除け性、UV保護、及び耐候性防御を含む特性を与える。改善された車両硬質表面処理組成物は、非常に滑らかで滑沢な処理された表面を生じ、これは、引っ掻き傷、欠け跡、しみ、木脂、鳥の糞に対する保護の強化、ウォータースポット保護、清浄化のしやすさ、並びに汚染物質及びしみに対する保護をもたらす一方で、高い艶仕上げとともに拭き跡のない外観を実現する。
【0011】
例えば、組成物の成分の重量パーセント範囲に関して値の範囲が示される場合に、この範囲は、その範囲の端点値だけでなく、その範囲内に明示的に含まれ、かつ数字の最後の有効数字によって変動するその範囲の中間値も包含することを意図していることが理解されるべきである。例として、1から4までの列挙された範囲は、1~2、1~3、2~4、3~4、及び1~4を含むことが意図される。
【0012】
表面処理組成物の実施形態においては、1つ以上の自動車用炭化水素ワックス成分又は1つ以上のポリシロキサン成分をディテイリングの目的で使用して硬質表面を清浄化しかつ磨いて、バフ磨きの後に高い輝きの砥粒のない仕上げを付与することができる。
【0013】
本明細書において使用される場合に、砥粒のない仕上げは、組成物を基材へとバフ磨きした後に、100未満の回折分析のD値を有するものと定義される。
【0014】
表面処理組成物の本発明の実施形態においては、仕上げ塗りに撥水性及び強化された耐候特性を付与する1つ以上の疎水性増強剤又は撥水性増強剤が存在する。1つ以上の疎水性増強剤又は撥水性増強剤は、仕上げ塗りに撥水性及び耐候性保護の特性を付与する多孔質及び半多孔質の表面上の保護バリアを形成する。撥水性又は疎水性とは、水が瞬時にはじかれること、すなわち、表面上に蓄積するのではなく、塗装されたボディパネルへの結合の形成が妨げられるため、水がビーズ状になり、大部分の粉塵、ほこり、又は泥と一緒に表面から転がり落ちることを意味する。さらに、車に残ったあらゆる粉塵をより少ない労力で取り除くことができる一方で、雪及び氷が処理された表面にくっつかず、泥はただ滑り落ちる。
【0015】
本明細書において使用される場合に、多孔質は、流体に対して透過性があるが、一般に、汚れ/粉塵/しぶきに対して透過性がないという属性を有する表面として定義される。
【0016】
本明細書において使用される場合に、半多孔質は、限定的な流体に対して透過性があるが、一般に、汚れ/粉塵/しぶきに対して透過性がないという属性を有する表面として定義される。
【0017】
特定の本発明の実施形態においては、無機酸化物の水性分散液が使用される。これらの分散液としては、例示的に、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、及びそれらの組合せが挙げられる。二酸化チタン又は二酸化ジルコニウムのいずれかを含む本発明の組成物から形成された被膜は、基材の自浄性効果を付与することが理解される。
【0018】
無機酸化物コロイドの水性分散液は、静電安定化又は立体安定化のいずれかによって容易に安定化される。静電安定化される系の場合に、粒子は電荷を帯び、粉塵粒子等の他の物質と容易に相互作用し、これらを粉塵粒子に付着させて清浄化プロセスを促進し、また処理された表面を清浄に、より清浄化しやすく維持することができる。例として、カルボキシル部分を末端とする表面を有する無機コロイド粒子は塩基性pHで、その環境に対して負電荷及び対応するカチオンの場を呈する。スルホン酸イオン及びアンモニウム荷電部分も本明細書において有効であり、それぞれ負及び正に荷電した表面を与えることが理解される。そのような分子は、一般式:
X-R-Y (I)
(式中、Xは、ヒドロキシル、アミン、C~Cアルキルを有するトリアルコキシシランであり、Rは、C~C20アルキル、又はC~C12アリールであり、かつYは、カルボキシル、スルホニル、スルフィニル、アンモニウム、アルキルアンモニウム、ベンザルコニウム、硝酸塩、又はリン酸塩のイオン化可能な基である)を有する。
【0019】
立体安定化には、コロイド粒子の衝突及び融合が起きないようにする表面結合分子(surface bounding molecules)を含むことが必要とされる。このような接触が起きないようにする表面結合分子としては、粒子表面に化学的に結合される分子だけでなく、粒子の周囲にミセル又はクラスレートを形成する分子も挙げられる。表面に結合するそのような分子は、一般式:
X-R-Z (II)
(式中、X及びYは、上述の部分であり、かつZは、ヒドロキシル、アミン、エポキシ、又はビニルである)を有する。エポキシ又はビニル等のUV反応性部分は、周囲の日光下で反応性であって、基材へのコロイドの付着を促進することが理解される。本明細書において有効なそのような分子(II)としては、例示的に、アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、及びそれらの組合せが挙げられる。コロイドについてのクラスレート及びミセルの安定化技術は、当該技術分野においてよく知られている(J.N. Israelachvili, et al. Journal of the Chemical Society, Faraday Transactions 2: Molecular and Chemical Physics, 72 (1976) 1525-1568、及びY.A. Dyadin et al. Mendeleev Communications, 5 (1995) 239-240)。
【0020】
結果として、驚くべきことに、コロイド状無機酸化物分散液を含めると、硬質表面清浄化組成物の効率が大幅に改善されることが判明した。これらの分散液は水性の性質である場合があり、これらを配合して車両用磨き剤又はワックスと合わせることができる。コロイド状無機酸化物分散液は、磨いている間に車両基材を摩耗させないことも観察された。特定の理論に縛られることを意図するものではないが、コロイド安定化部分は、外部バフ磨き力に応答して変形し、コロイドのコアにある無機粒子が基材に接触してその摩耗を誘発するのを防止する。
【0021】
表面清浄化配合物がコロイド状無機酸化物分散液で強化されると、上に本発明の被膜を有する表面は、強化された防塵特性を有し、同時にガラス表面は、未処理の表面と比較して曇りを示す可能性が低い。したがって、コロイド状無機酸化物分散液を使用して、本発明の被膜が適用される標的表面の疎水性特性又は親水性特性を調整することができる。結果として、処理された表面は自然に粉塵を落とし、より清浄で/鮮明な見た目となり、手動でのメンテナンスの必要性が少なくなる。
【0022】
組成物の本発明の実施形態において使用されるコロイド状無機酸化物分散液は、1nm~500nm又はそれどころか2nm~100nmの平均粒子サイズ範囲、及び2から12の間のpH範囲を有する粒子を含み得る。このような分散液の非限定的な例は、コロイド状シリカであり、重量基準で10パーセント~50パーセントの固形分であるコロイド状シリカのアルカリ性水性分散液である。同様に、チタニア及びジルコニアの分散液も、同様の負荷量及びサイズを有する水溶液において形成される。粒子は離散しており、典型的には球形を有するが、非球形コロイドも容易に形成され、本発明において使用されることが理解される(H Lee et al. Int. J. Precis. Eng. Manuf. 16 (2015). 2611-2616)。3センチポアズ(cPs)~20cPsの範囲内の粘度を有し、かつ1.10g/ml~1.30g/mlの密度範囲を有するコロイド状分散液が、本発明の組成物への配合に特に好適である。
【0023】
組成物の特定の本発明の実施形態においては、水又はC~Cアルコールを含む可溶性ケイ酸塩から構成される水ガラスを表面清浄化組成物に加えて、耐久性が高く清浄化が容易なコーティングを付与する。ケイ酸塩に溶解性を付与するカチオンとしては、例示的に、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、又はそれらの組合せが挙げられる。水ガラス成分は、水ガラス溶媒が蒸発する際に標的表面上にin situでナノメートルスケールの層を形成して、被膜に耐久性の高い非粘着性及び清浄化の容易な特徴を付与すると考えられている。水ガラスケイ酸塩層の厚さは、典型的には1nmから300nmの間である。
【0024】
幾つかの本発明の実施形態においては、ポリシラザンを本発明の組成物に加えて含めて、自動車硬質表面処理組成物で処理された表面を濡らし、表面へのコーティングの付着を強化し、処理された表面の清浄化をより大幅に容易にする。さらに、硬化された被膜の硬度は、その後の洗車の際のスワールマーク及び擦傷を防ぐのに役立つ。
【0025】
ペルフルオロアルキル含有化合物又はポリフルオロアルキル含有化合物等の湿潤剤が組成物中に存在すると、濡れが促進され、表面張力が低下し、レベリングが高まり、タイヤ表面上の被膜形成特徴が高まる。本発明の組成物は、処理された表面上でセルフレベリングして、車両表面上に最大230光沢度の初期光沢を有する滑らかで均一なコーティングを保証するように配合される。本明細書において有効な湿潤剤は、例示的に、非イオン性高分子フルオロケミカル界面活性剤、炭化水素溶液中のフルオロ脂肪族高分子エステル、ポリフルオロアルキルベタイン両性界面活性剤、非イオン性高分子フッ素化界面活性剤、アニオン性ホスホン酸化フッ素化界面活性剤、非イオン性エトキシル化フッ素化界面活性剤、又はそれらの組合せである。典型的には、湿潤剤は合計0.05パーセント~4パーセントで存在するが、他の幾つかの実施形態においては、合計0.1重量パーセント~0.7重量パーセントで存在する。
【0026】
乳化されたワックス、乳化されたシリコーン、又はそれらの組合せが存在する。ワックスエマルジョンは、水中に分散された微細化粒状ワックス及び界面活性剤から構成される。本明細書において有効なワックスは、パラフィンワックス、又はヒマシ油、ヤシ若しくは大豆等の天然源に基づくワックスであり、ここで、ワックスの大部分の重量を占めるトリグリセリド又はオレフィンは、110゜F及び140゜Fの範囲の融点を有する。更に他の実施形態においては、ワックスは、精製パラフィンワックスエマルジョンと比較してエマルジョン安定性を助ける125°Fから130°Fの間の溶融温度を有する。エマルジョンのワックス固形分含有量は、エマルジョンの総重量に対して45パーセントの高さの固形分であり得る。ワックスエマルジョンは、通常、約15パーセントから40パーセント(重量基準)の間のワックスを含み、ワックスの重量に対して約5パーセント~25パーセント(重量基準)の界面活性剤が加えられる。ワックスベースのエマルジョンは、カチオン電荷を伴って本発明に従って配合され、プラスチック基材上の撥水性を促進する。
【0027】
乳化されたワックスは、しばしば、ワックスポリマーに付いたカルボキシル基、酸基、又はエステル基等の部分を含む。乳化の過程において、これらの部分は酸変性されて、界面活性剤によるワックスの周りのミセル形成を促進する。これらのエマルジョン型の調製物の場合には、氷酢酸等の酸、又は塩酸、硫酸、若しくは類似の酸等の鉱酸が官能基の変性に利用される。安定したエマルジョンを形成するのに変性する必要がある官能基の量は、その分子量及び鎖分岐の量等のワックスの特徴に応じて変動し得る。この値、及び以下に記載される酸価は、ワックスの遊離カルボン酸及びエステル含有量の指標となる。ASTM D1386は、酸価、つまり存在する遊離カルボン酸の量を示す1グラムのワックスを中和するのに必要とされるミリグラム単位のKOHの量を決定する方法を表す。本発明によれば、ワックスエマルジョンは、5重量パーセント未満の油含有量を有し、他の実施形態においては、油含有量は、1パーセントから3パーセントの間である。ワックスエマルジョンは、典型的には、事前に配合され、他の配合成分に加えられる。
【0028】
本発明のワックスエマルジョン中のワックス組成物は、110°Fから140°Fの間の融点を有する(例えば、メトラー滴点によって決定される)。本明細書において有効なカチオン性界面活性剤としては、例示的に、イミダゾリン、ジエチルアミン、又は獣脂アミン等のエトキシル化アミンが挙げられる。
【0029】
本明細書において有効なシリコーンエマルジョンは、従来の技術に従って容易に形成され、市販されている。本明細書において有効な適切なシリコーンエマルジョンは、例えば、米国特許第4,221,688号、米国特許第4,504,549号、及び米国特許第4,535,109号において詳説されている。本発明による典型的なシリコーンエマルジョンは、100000から2000000の間の重量平均分子量を有する。幾つかの本発明の実施形態においては、シリコーンはエラストマーである。エマルジョンは、安定化する界面活性剤及び大部分の水相を含む2重量%から40重量%の間のシリコーンである。乾燥すると、コロイド状分散液又は水ガラスを含むことによって本発明に従って硬化された疎水性被膜が生ずる。
【0030】
典型的には、エマルジョンは合計1パーセント~18パーセントで存在するが、他の幾つかの実施形態においては、合計2重量パーセント~12重量パーセントで存在する。担体又は他の成分としてエマルジョン内に含まれる水は、以下の表又は添付の特許請求の範囲における水の総量には考慮されない。
【0031】
水系の本発明の組成物における組成物成分の貯蔵安定性及び混和性を促進するのに、共溶媒又は共溶媒の組合せが容易に加えられる。本明細書において有効な共溶媒は、エマルジョンを分散させることができ、例示的に、イソプロパノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルの短鎖アルコール、及びそれらの組合せが挙げられる。典型的には、共溶媒は、存在する場合に、合計10パーセントまでの量で含まれるが、他の幾つかの実施形態においては、合計1重量パーセント~3重量パーセントで存在する。好ましくは、共溶媒はVOC免除である。本明細書において使用される場合に、「VOC」は、アメリカ合衆国環境保護庁の揮発性有機化合物のマスターリスト(United States Environmental Protection Agency Master List of Volatile Organic Compounds)に列記された化合物として定義される。
【0032】
さらに、本発明の車両表面処理組成物の実施形態に、共溶媒、消泡剤、成分のエマルジョンとは関連しない界面活性剤、殺生物剤、芳香剤、顔料、高分子増粘剤、又はそれらの組合せを例示的に含む追加の成分を加えることができることが理解される。
【0033】
幾つかの実施形態における本発明の表面処理組成物は、本発明の組成物によってこうして生成される表面化粧コーティングにおける膨れ形成を阻止するのに存在する量で消泡剤を含む。本明細書において有効な消泡剤としては、例示的に、シリコーン系消泡剤、鉱油系消泡剤、及び当該技術分野で知られる破泡性ポリマー及びポリ尿素等の疎水性固形分の混合物が挙げられる。特定の例示的なシリコーン系消泡剤としては、例示的に、シリカ充填ポリジメチルシロキサン及びポリエーテル変性ポリシロキサンが挙げられる。所与の消泡剤の最適量は、他の成分の粘度及び表面張力を含む様々な要因に依存するが、消泡剤は、存在する場合に、合計5重量パーセントまでの量で含まれ、他の実施形態においては、合計0.05パーセント~1パーセントの量で含まれる。
【0034】
本発明の水系表面処理組成物は、幾つかの実施形態において、本発明の表面処理組成物の成分を、組成物が安定な水中油型エマルジョン若しくは油中水型エマルジョン又はマイクロエマルジョンを形成することができる程度に乳化する量で存在する界面活性剤を含む。本明細書において有効な界面活性剤としては、例示的に、非イオン性エトキシル化フッ素化界面活性剤、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエステル変性ヒドロキシル官能性ポリジメチルシロキサン、アクリル官能性ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルポリエステル変性ヒドロキシル官能性ポリジメチルシロキサン、ポリアクリレートの溶液、フルオロ変性ポリアクリレートの溶液、高分子フッ素化エトキシル化アルコール、エトキシル化脂肪酸、ソルビタンエステル、エトキシル化ヒマシ油、アルキル多糖類、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート界面活性剤、又はアニオン性ホスホン酸化フッ素化リン酸エステル、脂肪族リン酸エステル、又はカチオン性エトキシル化脂肪アンモニウムエトサルフェート、エトキシル化アルキルアミン界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、存在する場合に、合計5重量パーセントまでの量で含まれ、他の実施形態においては、合計0.05パーセント~1パーセントの量で含まれる。
【0035】
幾つかの実施形態における本発明の表面処理組成物は芳香剤を含む。芳香剤は、存在する場合に、合計5重量パーセントまでの量で含まれ、他の実施形態においては、合計0.1パーセント~3パーセントの量で含まれる。
【0036】
幾つかの実施形態における本発明の表面処理組成物は殺生物剤を含む。本明細書においては、殺生物剤は、健康なヒト被験体に関連するグラム陽性細菌、グラム陰性細菌、酵母、及び真菌のうちの少なくとも1つに対して活性を有するものとして定義される。本明細書において有効な殺生物剤としては、例示的に、安息香酸、パラベン、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、p-ヒドロキシ安息香酸アルキル、p-クロロメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロロヘキシジン、トリクロロカルバニリド、フェノキシエタノール、アシルサルコシン、グルタチオン、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、植物精油、及びそれらの組合せが挙げられる。殺生物剤は、存在する場合に、合計5重量パーセントまでの量で含まれ、他の実施形態においては、合計0.001パーセント~1パーセントの量で含まれる。
【0037】
顔料は、不透明性、色を与え、耐湿性及び耐腐食性等の環境特性を向上させるのに提供される。顔料は、典型的には、合計0重量パーセント~10重量パーセントで存在し、特定の本発明の実施形態においては、合計1重量パーセント~6重量パーセントで存在する。本明細書において有効な顔料としては、カーボンブラック、フタロールブルー(phthalol blue)、キナクリドンレッド、赤酸化鉄、銅クロム黒等の有機顔料、無機顔料、及び混合金属酸化物顔料、タルク、バライト、シリカ、炭酸カルシウム、粘土等の体質顔料、並びに亜鉛等の犠牲金属の組合せから通常構成される又は亜鉛、ストロンチウム、クロム、鉛、モリブデン、アルミニウム、カルシウム、若しくはバリウムに由来する金属イオン(カチオン)と、亜リン酸(オルトリン酸及びポリリン酸)、クロム酸、及びホウ酸に由来するもののようなアニオンとから構成される腐食防止顔料、並びにそれらの組合せが挙げられる。本明細書において有効な例示的な防食顔料としては、有機変性された亜鉛アルミニウムモリブデンオルトホスフェート水和物及び亜鉛-5-ニトロイソフタレートが挙げられる。
【0038】
幾つかの実施形態における本発明の表面処理組成物は高分子増粘剤を含む。高分子増粘剤は、水中に分散可能であり、理想的には正常な人間の肉眼に対して可視スペクトルにおいて光学的に透明であるように選択される。本明細書において有効な高分子増粘剤としては、例示的に、ポリアクリル酸、アクリレートエマルジョン、及びそれらの組合せが挙げられる。高分子増粘剤は、存在する場合に、合計5重量パーセントまでの量で含まれ、他の実施形態においては、合計0.1パーセント~3パーセントの量で含まれる。
【0039】
本発明の表面処理組成物の成分を溶媒和させて溶媒中に溶解し、無色澄明な溶液又はコロイドが存在する場合には懸濁液を得る。好ましい溶媒は水であり、重量基準で組成物の大部分を占める。
【0040】
本発明の表面処理組成物を表面に塗布する方法は、組成物を表面に塗布する工程と、コロイド又は水ガラスに関連する溶媒を組成物から蒸発させて、硬質表面保護用のケイ酸塩被膜層を形成する工程とを含む。幾つかの実施形態においては、塗布された組成物は表面へとバフ磨きされる。バフ磨きは、組成物がまだ湿っている(固有の溶媒を含む)ときに、部分的に乾燥しているときに、又は完全に乾燥しているときに行われ得る。
【0041】
形成された発明の被膜は、泥、粉塵、雨汚れ、ウォータースポット、及びほこりから保護する。被膜形成プロセスは、表面を疎水性にする全ての細孔を封止する。被膜はまた表面への二次結合を形成し、耐水性及び耐洗車性の犠牲層を生ずる。被膜及び二次結合は粉塵及び水をはじき、表面の清浄化をより容易にする。
【0042】
本発明の表面処理組成物は、従来のトリガースプレー塗布、スプレー若しくはフォーム用の噴射剤エアロゾル、又はワイプ塗布用のスポンジ若しくはクロスを用いることによって車両所有者によって容易に車両表面上に塗布される。本発明の表面処理組成物は、自動車硬質表面への塗布用に液体型、半固体型、クリーム型、ペースト型、又はゲル型の硬質表面処理組成物の形態を取ることができる。
【0043】
本発明の表面処理組成物は、室温で測定されて5cStから400cStの間の完全配合粘度(fully formulated viscosity)を有する。
【0044】
本発明による典型的かつ好ましい組成物を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
まとめると、これらの自動車用硬質表面処理組成物の性能利点としては、例示的に、清浄化、清浄性維持、引っ掻き傷/傷防御、虫除け性、引っ掻き傷、欠け跡、しみ、木脂、鳥の糞から保護する非常に滑らかで滑沢な表面、UV保護、高い艶仕上げ、拭き跡のない外観、耐候性防御、ウォータースポット保護、清浄化のしやすさ、並びに汚染物質及びしみに対する保護が挙げられる。
【0047】
本発明を、本発明の組成物の調製及びタイヤ表面上に得られるコーティングに関連する或る特定の属性を更に説明するのに提供される以下の非限定的な実施例に関して更に詳説する。
【実施例
【0048】
実施例1
水中で混合することによって、以下の組成物を形成した:合計5重量パーセントの24重量%のシリコーンの自己乳化性の200000の平均分子量のエラストマーシリコーン添加剤、合計5重量パーセントのコロイド状シリカ分散液(40重量パーセントのシリカ、45nmの平均粒子サイズ、pH8.2)、合計0.45重量パーセントのヘキシルグルコシドヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム(sodium hexylglucosides hydroxypropyl phosphate)、合計1.17重量パーセントの2-ブトキシエタノール、合計0.9重量パーセントの2-プロパノール、合計0.006重量パーセントのベンゾイソチアゾリン-3-オン。組成物は澄明な懸濁液の形態である。
【0049】
組成物を摂氏20度で8時間乾燥させたところ、光沢のある外観を有する被膜を形成した。
【0050】
実施例2
コロイド状シリカを同量の含水ケイ酸アルミニウムで置き換えて、実施例1の組成物を繰り返す。組成物は澄明な懸濁液の形態である。
【0051】
組成物を摂氏20度で8時間乾燥させたところ、光沢のある外観を有する被膜を形成した。
【0052】
実施例3
コロイド状シリカを、20重量パーセントの澄明な分散液で存在する10nm~15nmの範囲の球状粒子サイズを有する結晶形態の大部分がアナターゼである同量のコロイド状チタニアで置き換えて、実施例1の組成物を繰り返す。組成物は澄明な懸濁液の形態である。
【0053】
組成物を摂氏20度で8時間乾燥させたところ、光沢のある外観を有する被膜を形成した。
【0054】
実施例4
水中で混合することによって、以下の組成物を形成する:合計2.7重量パーセントのポリジメチルシロキサンエマルジョンエトキシル化イソアルコール(polydimethylsiloxane emulsion ethoxylated isoalcohols)、合計9重量パーセントの焼成カオリン、合計5重量パーセントのコロイド状シリカ分散液(40重量パーセントのシリカ、45nmの平均粒子サイズ、pH8.2)、合計5重量パーセントの24重量%のシリコーンの自己乳化性の200000の平均分子量のエラストマーシリコーン添加剤、合計0.2重量パーセントの芳香剤、合計0.9重量パーセントの水性アクリレートエマルジョン(20重量パーセントのアクリレートポリマー)、及び合計0.006重量パーセントのベンゾイソチアゾリン-3-オン。組成物は澄明な懸濁液の形態である。
【0055】
組成物を摂氏20度で8時間乾燥させたところ、光沢のある外観を有する被膜を形成した。
【0056】
実施例5
水中で混合することによって、以下の組成物を形成する:合計5重量パーセントの等しい重量部のラウリル硫酸アンモニウム及びコカミドプロピルヒドロキシスルタイン、合計2.7重量パーセントの等しい重量部のジステアリン酸エチレングリコール、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、及びα-オレフィンスルホン酸ナトリウム、合計5重量パーセントのコロイド状シリカ分散液(40重量パーセントのシリカ、45nmの平均粒子サイズ、pH8.2)、合計5重量パーセントの24重量%のシリコーンの自己乳化性の200000の平均分子量のエラストマーシリコーン添加剤、合計1.62重量パーセントの塩化ナトリウム、並びに合計0.006重量パーセントのベンゾイソチアゾリン-3-オン。組成物は澄明な懸濁液の形態である。
【0057】
組成物を摂氏20度で8時間乾燥させたところ、光沢のある外観を有する被膜を形成した。
【0058】
比較例
コロイド状シリカなしで実施例1の組成物を繰り返す。組成物は澄明な懸濁液の形態である。
【0059】
本明細書において言及される特許及び出版物は、本発明が属する技術分野の当業者の技術水準を示す。これらの特許及び出版物は、個々の特許又は出版物がそれぞれ引用することによって具体的かつ個別に本明細書の一部をなす場合と同じ程度に引用することによって本明細書の一部をなす。
【0060】
上記の記載は本発明の特定の実施形態を説明するものであり、実施に際する限定を意味するものではない。全ての均等物を含む添付の特許請求の範囲は発明の範囲を規定するものと意図される。
【国際調査報告】