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特表2023-538314個人化運転モードの設定方法、システム及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】個人化運転モードの設定方法、システム及び車両
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/182 20200101AFI20230831BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
B60W30/182
G08G1/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509788
(86)(22)【出願日】2021-08-17
(85)【翻訳文提出日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 CN2021112889
(87)【国際公開番号】W WO2022037553
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】202010833415.2
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522129409
【氏名又は名称】長城汽車股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GREAT WALL MOTOR COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】No. 2266 Chaoyang South Street Baoding, Hebei 071000 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】孫 成軍
(72)【発明者】
【氏名】彭 立龍
(72)【発明者】
【氏名】代 馥光
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA41
3D241DD03Z
3D241DD05Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB12
5H181BB13
5H181EE02
5H181FF13
5H181FF27
5H181MC27
(57)【要約】
【要約】
個人化運転モードの設定方法、システム及び車両を提供する。個人化運転モードの設定方法は、車両の個人化運転モードの起動が検出された場合、ユーザによって設定された個人化情報を取得するステップ(S11)と、個人化情報の情報タイプ及び事前に設定された情報処理ポリシーに従って、個人化情報を処理し、個人化運転モードでの車両の制御パラメータである車両制御ユニットの目標制御パラメータを生成するステップ(S12)と、を含む。個人化運転モードの設定方法は、従来の固定運転モードとは異なる運転エクスペリエンスをユーザに与えることができ、異なるユーザの実際の運転ニーズを満たし、ユーザの運転エクスペリエンスを向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に配置された車両制御ユニットに適用され、
車両の個人化運転モードの起動が検出された場合、ユーザによって設定された個人化情報を取得するステップと、
前記個人化情報の情報タイプ及び事前に設定された情報処理ポリシーに従って、前記個人化情報を処理し、個人化運転モードでの前記車両の制御パラメータである前記車両制御ユニットの目標制御パラメータを生成するステップと、を含むことを特徴とする個人化運転モードの設定方法。
【請求項2】
ユーザによって設定された個人化情報を取得する前記ステップは、
ユーザによる履歴個人化情報の選択操作のトリガーを検出した場合、自体に予め格納されている前記履歴個人化情報を取得すること、
クラウドによって送信された新規個人化情報を取得することであって、前記新規個人化情報はユーザによって携帯端末に入力されてから前記クラウドに送信して保存されているものであること、
ユーザが携帯端末に入力した個人化情報に基づいて生成された個人化情報二次元コードを識別して、前記新規個人化情報を取得すること、
ユーザが前記車両制御ユニットのマンマシンインタラクションインタフェースに入力した前記新規個人化情報を取得することのいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記個人化情報の情報タイプ及び事前に設定された情報処理ポリシーに従って、前記個人化情報を処理し、前記車両制御ユニットの目標制御パラメータを生成するステップは、
前記個人化情報が履歴個人化情報である場合、予め記憶された履歴個人化情報と制御パラメータとの関連関係に従って、前記履歴個人化情報に対応する目標制御パラメータを得るステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記個人化情報の情報タイプ及び事前に設定された情報処理ポリシーに従って、前記個人化情報を処理し、前記車両制御ユニットの目標制御パラメータを生成するステップは、
前記個人化情報が新規個人化情報である場合、前記新規個人化情報に対して特徴抽出を行い、第1特徴データを得るステップと、
予め設定された変換規則に従って、前記第1特徴データを変換し、第1個人化因子を得るステップと、
前記第1個人化因子に基づいて、前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成するステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1個人化因子に基づいて、前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成する前記ステップは、
前記第1個人化因子に基づいて、初期物理特性パラメータを生成するステップと、
前記初期物理特性パラメータを回帰処理して、標準物理特性パラメータを得るステップと、
前記車両の物理パラメータの範囲に応じて、前記標準物理特性パラメータを調整し、前記第1目標制御パラメータを生成するステップと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成した後に、
前記新規個人化情報と前記第1目標制御パラメータとの間の関連関係を確立するステップと、
前記新規個人化情報と前記第1目標制御パラメータとの間の関連関係を1つの履歴個人化情報として保存するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成した後に、
車両の前記個人化運転モードでのユーザによる運転行動データであるユーザの個人化運転行動データを取得するステップと、
前記個人化運転行動データに対して特徴抽出を行い、第2特徴データを得るステップと、
前記予め設定された変換規則に従って、前記第2特徴データを変換し、第2個人化因子を得るステップと、
前記第1個人化因子、前記第2個人化因子、及び前記第1個人化因子と前記第2個人化因子の両方の間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第2目標制御パラメータを生成するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成した後に、
ユーザがいる地域の運転行動統計データを取得するステップと、
前記運転行動統計データに対して特徴抽出を行い、第3特徴データを得るステップと、
前記予め設定された変換規則に従って、前記第3特徴データを変換し、第3個人化因子を得るステップと、
前記第1個人化因子、前記第3個人化因子、及び前記第1個人化因子と前記第3個人化因子の両方の間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第3目標制御パラメータを生成するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成した後に、
車両の前記個人化運転モードでのユーザによる運転行動データであるユーザの個人化運転行動データ、及びユーザがいる地域の運転行動統計データを取得するステップと、
前記個人化運転行動データに対して特徴抽出を行い、第2特徴データを得るとともに、前記運転行動統計データに対して特徴抽出を行い、第3特徴データを得るステップと、
前記予め設定された変換規則に従って、前記第2特徴データを変換し、第2個人化因子を得るとともに、前記第3特徴データを変換し、第3個人化因子を得るステップと、
前記第1個人化因子、前記第2個人化因子、前記第3個人化因子及び前記第1個人化因子と前記第2個人化因子と前記第3個人化因子の3つの間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第4目標制御パラメータを生成するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項10】
車両に配置された車両制御ユニットに適用され、
車両の個人化運転モードの起動が検出された場合、ユーザによって設定された個人化情報を取得する第1取得モジュールと、
前記個人化情報の情報タイプ及び事前に設定された情報処理ポリシーに従って、前記個人化情報を処理し、個人化運転モードでの前記車両の制御パラメータである前記車両制御ユニットの目標制御パラメータを生成する第1生成モジュールと、を含むことを特徴とする個人化運転モードの設定システム。
【請求項11】
請求項10に記載の個人化運転モードの設定システムを含むことを特徴とする車両。
【請求項12】
コンピュータ読み取り可能なコードが記憶されているメモリと、
1つ又は複数のプロセッサと、を含み、
前記コンピュータ読み取り可能なコードが前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、請求項1~9のいずれか1項に記載の個人化運転モードの設定方法を実行することを特徴とする計算処理機器。
【請求項13】
コンピュータ読み取り可能なコードを含み、前記コンピュータ読み取り可能なコードが計算処理機器上で運行すると、請求項1~9のいずれか1項に記載の個人化運転モードの設定方法を前記計算処理機器に実行させるコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本開示は2020年08月18日に中国特許庁に提出された、出願番号が202010833415.2、名称が「個人化運転モードの設定方法、システム及び車両」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全ての内容は引用により本開示に組み込まれている。
【0002】
本開示は車両の技術分野に関し、特に個人化運転モードの設定方法、システム及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の車両は一般的に、例えば、運動モード、標準モード、経済モードなど、いくつかの固定運転モードを提供しており、モードごとには、対応する運転制御パラメータが装備されており、ユーザがある運転モードを選択すると、VCU(Vehicle Control Unit、車両制御ユニット)はそのモードに対応する運転制御パラメータを用いて各システムの機能を調整し、そのモードの運転パフォーマンスをユーザに提供する。
【0004】
しかし、車両の利用者は複雑で、利用シーンも様々であり、各ユーザは異なる運転ニーズを持っているが、関連技術では、いくつかの固定運転モードしか提供できず、ユーザは固有のいくつかの運転モードの中から選択することしかできず、多くの場合、自分に合った運転モードを見つけて、最高の運転エクスペリエンスやパフォーマンスを達成することが難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、車両が提供する運転モードが限られ、異なるユーザの運転ニーズを満たすことができ、その結果としてユーザの運転エクスペリエンスやパフォーマンスを低下させるという従来技術の課題を解決するために、個人化運転モードの設定方法、システム及び車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示は以下のように実現される。
【0007】
第1態様では、本開示は、
車両に配置された車両制御ユニットに適用され、
車両の個人化運転モードの起動が検出された場合、ユーザによって設定された個人化情報を取得するステップと、
前記個人化情報の情報タイプ及び事前に設定された情報処理ポリシーに従って、前記個人化情報を処理し、個人化運転モードでの前記車両の制御パラメータである前記車両制御ユニットの目標制御パラメータを生成するステップと、を含む個人化運転モードの設定方法を提供する。
【0008】
好ましくは、ユーザによって設定された個人化情報を取得する前記ステップは、
ユーザによる履歴個人化情報の選択操作のトリガーを検出した場合、自体に予め格納されている前記履歴個人化情報を取得すること、
クラウドによって送信された新規個人化情報を取得することであって、前記新規個人化情報はユーザによって携帯端末に入力されてから前記クラウドに送信して保存されているものであること、
ユーザが携帯端末に入力した個人化情報に基づいて生成された個人化情報二次元コードを識別して、前記新規個人化情報を取得すること、
ユーザが前記車両制御ユニットのマンマシンインタラクションインタフェースに入力した前記新規個人化情報を取得することのうちのいずれか1つを含む。
【0009】
好ましくは、前記個人化情報の情報タイプ及び事前に設定された情報処理ポリシーに従って、前記個人化情報を処理し、前記車両制御ユニットの目標制御パラメータを生成するステップは、
前記個人化情報が履歴個人化情報である場合、予め記憶された履歴個人化情報と制御パラメータとの関連関係に従って、前記履歴個人化情報に対応する目標制御パラメータを得るステップを含む。
【0010】
好ましくは、前記個人化情報の情報タイプ及び事前に設定された情報処理ポリシーに従って、前記個人化情報を処理し、前記車両制御ユニットの目標制御パラメータを生成するステップは、
前記個人化情報が新規個人化情報である場合、前記新規個人化情報に対して特徴抽出を行い、第1特徴データを得るステップと、
予め設定された変換規則に従って、前記第1特徴データを変換し、第1個人化因子を得るステップと、
前記第1個人化因子に基づいて、前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成するステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、前記第1個人化因子に基づいて、前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成する前記ステップは、
前記第1個人化因子に基づいて、初期物理特性パラメータを生成するステップと、
前記初期物理特性パラメータを回帰処理して、標準物理特性パラメータを得るステップと、
前記車両の物理パラメータの範囲に応じて、前記標準物理特性パラメータを調整し、前記第1目標制御パラメータを生成するステップと、を含む。
【0012】
好ましくは、前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成した後に、前記方法は、
前記新規個人化情報と前記第1目標制御パラメータとの間の関連関係を確立するステップと、
前記新規個人化情報と前記第1目標制御パラメータとの間の関連関係を1つの履歴個人化情報として保存するステップと、をさらに含む。
【0013】
好ましくは、前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成した後に、前記方法は、
車両の前記個人化運転モードでのユーザによる運転行動データであるユーザの個人化運転行動データを取得するステップと、
前記個人化運転行動データに対して特徴抽出を行い、第2特徴データを得るステップと、
前記予め設定された変換規則に従って、前記第2特徴データを変換し、第2個人化因子を得るステップと、
前記第1個人化因子、前記第2個人化因子、及び前記第1個人化因子と前記第2個人化因子の両方の間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第2目標制御パラメータを生成するステップと、をさらに含む。
【0014】
好ましくは、前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成した後に、前記方法は、
ユーザがいる地域の運転行動統計データを取得するステップと、
前記運転行動統計データに対して特徴抽出を行い、第3特徴データを得るステップと、
前記予め設定された変換規則に従って、前記第3特徴データを変換し、第3個人化因子を得るステップと、
前記第1個人化因子、前記第3個人化因子、及び前記第1個人化因子と前記第3個人化因子の両方の間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第3目標制御パラメータを生成するステップと、をさらに含む。
【0015】
好ましくは、前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成した後に、前記方法は、
車両の前記個人化運転モードでのユーザによる運転行動データであるユーザの個人化運転行動データ、及びユーザがいる地域の運転行動統計データを取得するステップと、
前記個人化運転行動データに対して特徴抽出を行い、第2特徴データを得るとともに、前記運転行動統計データに対して特徴抽出を行い、第3特徴データを得るステップと、
前記予め設定された変換規則に従って、前記第2特徴データを変換し、第2個人化因子を得るとともに、前記第3特徴データを変換し、第3個人化因子を得るステップと、
前記第1個人化因子、前記第2個人化因子、前記第3個人化因子及び前記第1個人化因子と前記第2個人化因子と前記第3個人化因子の3つの間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第4目標制御パラメータを生成するステップと、をさらに含む。
【0016】
第2態様では、本開示は、
車両に配置された車両制御ユニットに適用され、
車両の個人化運転モードの起動が検出された場合、ユーザによって設定された個人化情報を取得する第1取得モジュールと、
前記個人化情報の情報タイプ及び事前に設定された情報処理ポリシーに従って、前記個人化情報を処理し、個人化運転モードでの前記車両の制御パラメータである前記車両制御ユニットの目標制御パラメータを生成する第1生成モジュールと、を含む個人化運転モードの設定システムを提供する。
【0017】
好ましくは、前記第1取得モジュールは、
ユーザによる履歴個人化情報の選択操作のトリガーを検出した場合、自体に予め格納されている前記履歴個人化情報を取得する第1取得サブモジュールと、
クラウドによって送信された新規個人化情報を取得するものであって、前記新規個人化情報はユーザによって携帯端末に入力されてから前記クラウドに送信して保存されているものである第2取得サブモジュールと、
ユーザが携帯端末に入力した個人化情報に基づいて生成された個人化情報二次元コードを識別して、前記新規個人化情報を取得する第3取得サブモジュールと、
ユーザが前記車両制御ユニットのマンマシンインタラクションインタフェースに入力した前記新規個人化情報を取得する第4取得サブモジュールと、を含む。
【0018】
好ましくは、前記第1生成モジュールは、
前記個人化情報が履歴個人化情報である場合、予め記憶された履歴個人化情報と制御パラメータとの関連関係に従って、前記履歴個人化情報に対応する目標制御パラメータを得る第5取得サブモジュールを含む。
【0019】
好ましくは、前記第1生成モジュールは、
前記個人化情報が新規個人化情報である場合、前記新規個人化情報に対して特徴抽出を行い、第1特徴データを得る第1特徴抽出サブモジュールと、
予め設定された変換規則に従って、前記第1特徴データを変換し、第1個人化因子を得る第1変換サブモジュールと、
前記第1個人化因子に基づいて、前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成する生成サブモジュールと、を含む。
【0020】
好ましくは、前記生成サブモジュールは、
前記第1個人化因子に基づいて、初期物理特性パラメータを生成する第1生成サブユニットと、
前記初期物理特性パラメータを回帰処理して、標準物理特性パラメータを得る回帰処理サブユニットと、
前記車両の物理パラメータの範囲に応じて、前記標準物理特性パラメータを調整し、前記第1目標制御パラメータを生成する調整サブユニットと、を含む。
【0021】
好ましくは、前記システムは、
前記新規個人化情報と前記第1目標制御パラメータとの間の関連関係を確立する作成モジュールと、
前記新規個人化情報と前記第1目標制御パラメータとの間の関連関係を1つの履歴個人化情報として保存する保存モジュールと、をさらに含む。
【0022】
好ましくは、前記システムは、
車両の前記個人化運転モードでのユーザによる運転行動データであるユーザの個人化運転行動データを取得する第2取得モジュールと、
前記個人化運転行動データに対して特徴抽出を行い、第2特徴データを得る第1特徴抽出モジュールと、
前記予め設定された変換規則に従って、前記第2特徴データを変換し、第2個人化因子を得る第1変換モジュールと、
前記第1個人化因子、前記第2個人化因子、及び前記第1個人化因子と前記第2個人化因子の両方の間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第2目標制御パラメータを生成する第2生成モジュールと、をさらに含む。
【0023】
好ましくは、前記システムは、
ユーザがいる地域の運転行動統計データを取得する第3取得モジュールと、
前記運転行動統計データに対して特徴抽出を行い、第3特徴データを得る第2特徴抽出モジュールと、
前記予め設定された変換規則に従って、前記第3特徴データを変換し、第3個人化因子を得る第2変換モジュールと、
前記第1個人化因子、前記第3個人化因子、及び前記第1個人化因子と前記第3個人化因子の両方の間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第3目標制御パラメータを生成する第3生成モジュールと、を含む。
【0024】
好ましくは、前記システムは、
車両の前記個人化運転モードでのユーザによる運転行動データであるユーザの個人化運転行動データ、及びユーザがいる地域の運転行動統計データを取得する第4取得モジュールと、
前記個人化運転行動データに対して特徴抽出を行い、第2特徴データを得るとともに、前記運転行動統計データに対して特徴抽出を行い、第3特徴データを得る第3特徴抽出モジュールと、
前記予め設定された変換規則に従って、前記第2特徴データを変換し、第2個人化因子を得るとともに、前記第3特徴データを変換し、第3個人化因子を得る第3変換モジュールと、
前記第1個人化因子、前記第2個人化因子、前記第3個人化因子及び前記第1個人化因子と前記第2個人化因子と前記第3個人化因子の3つの間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第4目標制御パラメータを生成する第4生成モジュールと、をさらに含む。
【0025】
第3態様では、本開示は、本開示の第2態様に記載の個人化運転モードの設定システムを含む車両を提供する。
【発明の効果】
【0026】
従来技術と比べて、本開示は以下の利点を含む。
本開示の実施例では、車両の個人化運転モードの起動が検出された場合、車両制御ユニットは、ユーザによって設定された個人化情報を取得し、ユーザによって設定された個人化情報及び事前に設定された情報処理ポリシーに従って目標制御パラメータを生成することができ、一方では、本願は、車両に個人化運転モードを追加することで、従来の固定運転モードと異なる運転エクスペリエンスをユーザに与えることができ、他方では、個人化運転モードの目標制御パラメータがユーザによって設定された個人化情報に基づいて生成されるものであるので、異なるユーザの実際の運転ニーズを満たすことができ、ユーザの運転エクスペリエンスを向上させることができる。
上記の説明は本開示の技術的解決手段の概要に過ぎず、本開示の技術手段をより明確に理解できるために、明細書の内容に従って実施することができ、しかも、本開示の上記及び他の目的、特徴や利点をより明瞭で理解しやすくするために、以下では、本開示の具体的な実施形態を挙げる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本開示の実施例又は関連技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は関連技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、下記の図面は本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】本開示の実施例に係る個人化運転モードの設定方法のステップのフローチャートを示す。
図2】本開示の実施例に係る個人化運転モードの設定方法の流れ概略図を示す。
図3】本開示の実施例に係る個人化運転モードの設定システムの構造ブロック図を示す。
図4】本開示に係る方法を実行するための計算処理機器のブロック図を模式的に示す。
図5】本開示に係る方法を実現するプログラムコードを保持又は運搬するための記憶ユニットを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の上記の目的、特徴及び利点をより明確で理解しやすくするために、以下、図面及び具体的な実施形態を参照して本開示をさらに詳細に説明する。
【0029】
関連技術では、車両はいくつかの固定運転モードしか提供できず、ユーザは固有のいくつかの運転モードの中から選択することしかできず、多くの場合、自分に合った運転モードを見つけて、最高の運転エクスペリエンスやパフォーマンスを達成することが難しい。このような技術的課題に対して、本開示の実施例の以下の中核的な構想が提案される。個人化情報設定機能がユーザに提供され、車両制御ユニットは事前に設定された情報処理ポリシーに従って、ユーザによって設定された個人化情報を処理し、車両制御ユニットの制御パラメータを生成することができ、このように、車両制御ユニットはユーザの実際のニーズに応じて、対応する運転モードを生成し、異なるユーザの異なるニーズを満たし、ユーザの運転エクスペリエンスやパフォーマンスを向上させることができる。
【0030】
図1に示すように、図1は本開示の一実施例に係る個人化運転モードの設定方法のフローチャートであり、この個人化運転モードの設定方法は車両に配置された車両制御ユニットに適用できる。
【0031】
本実施例では、車両制御ユニット(Vehicle Control Unit、VCU)は車両統合制御装置とも呼ばれ、自動車の最も主要な部材であり、自動車の安全で安定的かつ確実な運行にとって重要な役割を果たす。
【0032】
図1に示すように、該方法は、具体的には、ステップ11とステップS12を含んでもよい。
【0033】
ステップ11、車両の個人化運転モードの起動が検出された場合、ユーザによって設定された個人化情報を取得する。
【0034】
本実施例では、個人化運転モードは、カスタマイズ運転モードとも呼ばれ、車両自体に備える従来の運転モード以外の、ユーザが自分の実際のニーズに応じて、さまざまな個人化パラメータを入力することにより、車両制御ユニットの目標制御パラメータを生成する運転モードを意味する。
【0035】
個人化情報とは、ユーザが設定した個人化パラメータの集合であり、通常はユーザによって個人化情報が異なるため、それぞれの個人化情報に応じて多様な個人化運転パターンを得ることができる。一例として、個人化情報は、個人の基本的な生理の違い、個人の性格の違い、各車両の使用環境の違い、個人の体感の違いなどを含んでもよいが、これらに限定されるものではなく、ここで、個人の基本的な生理の違いはさらに性別、年齢層、体型(高身長、低身長、標準)、体重(重、軽、標準)などに細分化することができ、個人の性格の違いは運転スタイル(運動、快適、省エネなど)に細分化することができ、各車両の使用環境の違いはさらに交通状況(市街地、郊外、高速など)、都市地形(高原、山間部、平原など)、地域(高温地域、寒冷地域、標準)などに細分化することができ、個人の体感の違いはさらに運転体験フィードバック(アクセルの反応の速さ、エネルギー回収の強弱など)に細分化することができる。
【0036】
車両は、通常、例えば、運動モード、標準モード、経済モードなどいくつかの従来の運転モードがあり、これらの運転モードは、自動車の設計・製造時に対応する制御パラメータが与えられる。本実施例では、従来の運転モードに加えて、個人化運転モードを追加する。
【0037】
具体的に実現する場合、ユーザは車両制御ユニットのマンマシンインタラクションインタフェースで個人化運転モードの起動を選択することができ、そうすると、車両制御ユニットはユーザによる起動操作を検出することができ、ユーザは、個人化運転モードを起動した後に、個人化情報を設定し、そうすると、車両制御ユニットはユーザによって設定された個人化情報を取得することができる。なお、本実施例では、ユーザが個人化運転モードをどのように起動するか、及び車両が個人化運転モードが起動されたことをどのように検出するかについては限定しない。
【0038】
ステップS12、前記個人化情報の情報タイプ及び事前に設定された情報処理ポリシーに従って、前記個人化情報を処理し、前記車両制御ユニットの目標制御パラメータを生成する。
【0039】
ここで、前記目標制御パラメータは個人化運転モードでの前記車両の制御パラメータである。
【0040】
本実施例では、個人化情報はさまざまな情報タイプがあり、車両制御ユニットは個人化情報のタイプを判定することができ、しかも、車両制御ユニットの内部メモリに情報処理ポリシーが予め設定されており、異なるタイプの個人化情報は異なる情報処理ポリシーに対応する。
【0041】
このため、具体的に実現する場合、車両制御ユニットは、ユーザによって設定された個人化情報を取得した後に、まず、個人化情報のタイプを決定し、次に、事前に設定された情報処理ポリシーに従って、個人化情報タイプに対応する情報処理ポリシーを選択し、個人化情報を処理し、車両制御ユニットの個人化運転モードでの目標制御パラメータを生成し、車両制御ユニットは目標制御パラメータを使用して車両を制御し、車両の各システムの機能を調整することができる。
【0042】
本実施例では、車両の個人化運転モードの起動が検出された場合、車両制御ユニットは、ユーザによって設定された個人化情報を取得し、ユーザによって設定された個人化情報及び事前に設定された情報処理ポリシーに従って目標制御パラメータを生成することができ、一方では、本願は、車両に個人化運転モードを追加することで、従来の固定運転モードと異なる運転エクスペリエンスをユーザに与えることができ、他方では、個人化運転モードの目標制御パラメータがユーザによって設定された個人化情報に基づいて生成されるものであるので、異なるユーザの実際の運転ニーズを満たすことができ、ユーザの運転エクスペリエンスを向上させることができる。
【0043】
一実施形態では、ユーザによって設定された個人化情報には2つの種類がある。1つは、ユーザによって以前で設定された個人化情報であり、履歴個人化情報とも呼ばれ、車両制御ユニットの内部メモリに予め記憶されており、もう1つは、ユーザが車両の個人化モードを起動した後、初めて車両制御ユニットに入力されて、車両制御ユニットによって取得される個人化情報であり、新規個人化情報とも呼ばれる。
【0044】
以上の実施例と合わせて、本願の別の実施形態では、ユーザによって設定された個人化情報を取得する上記のステップS11は、具体的には、ステップS11Aを含んでもよい。
【0045】
ステップS11A、ユーザによる履歴個人化情報の選択操作のトリガーを検出した場合、自体に予め格納されている前記履歴個人化情報を取得する。
【0046】
本実施例では、ユーザによる個人化情報の設定操作は、車両制御ユニットの内部メモリから事前に格納されている履歴個人化情報を選択する操作であってもよく、つまり、ユーザが後で個人化運転モードを再度起動するときに、車両制御ユニットへの再入力を必要とせずに内部メモリから直接選択することができ、ユーザによる個人化情報の設定ステップを簡素化することができるように、車両制御ユニットはユーザが以前に設定した個人化情報を予め保存しておく。
【0047】
具体的に実現する場合、ユーザは、マンマシンインタラクションインタフェースにおいて個人化運転モードを起動した後に、マンマシンインタラクションインタフェースにおいて個人化情報再入力オプションを選択し続け、或いは履歴個人化情報オプションを直接選択することができ、履歴個人化情報オプションを選択する場合、記憶された履歴個人化情報はユーザ選択用に提供される。なお、車両制御ユニットの内部メモリにおける履歴個人化情報は複数であってもよく、つまり、ユーザの多様なニーズを満たすために、同一のユーザや異なるユーザのさまざまな運転環境や運転ニーズの場合の履歴個人化情報を記憶していてもよい。異なる履歴個人化情報に対して、異なる識別子があり、このような識別子はユーザ名であってもよく、ユーザ履歴情報を一意に識別し得る識別子、例えば履歴個人化情報の保存時間、個人化情報概要などであってもよい。
【0048】
これに加えて、車両制御ユニットが上記のステップS12を実行するときに、具体的には、前記個人化情報が履歴個人化情報である場合、予め記憶された履歴個人化情報と制御パラメータとの関連関係に従って、前記履歴個人化情報に対応する目標制御パラメータを得るステップを含んでもよい。
【0049】
ここで、車両制御ユニットに履歴個人化情報が記憶されていることから、ユーザが以前に個人化運転モードを起動したことがあり、このため、車両制御ユニットの内部メモリには対応する目標制御パラメータも記憶され、すなわち、車両制御ユニットには、履歴個人化情報と制御パラメータとの関連関係が予め記憶されておいてもよい。このように、ユーザが特定の履歴個人化情報を選択すると、車両制御ユニットは履歴個人化情報と制御パラメータとの関連関係に従って、ユーザによって選択された履歴個人化情報にマッチングする又は対応する目標制御パラメータを直接取得することができる。つまり、ユーザが履歴個人化情報の選択操作をトリガーした場合、情報処理ポリシーは、直接、予め記憶された履歴個人化情報と制御パラメータとの関連関係に従って、前記履歴個人化情報に対応する目標制御パラメータを得ることである。
【0050】
本実施例の方法によれば、同一のユーザの同一のニーズについては、ユーザが個人化運転モードを起動して個人化情報を設定するたびに、毎回車両制御ユニットに個人化情報を繰り返し入力する必要がなく、履歴個人化情報を直接選択することができ、これによって、ユーザの操作ステップが簡素化され、しかも、車両制御ユニットは、履歴個人化情報を取得した後に、履歴個人化情報と制御パラメータとの関連関係に従って、前記履歴個人化情報に対応する目標制御パラメータを直接得ることができ、個人化情報に基づいて目標制御パラメータを再計算する必要がなく、これによって、同様に車両制御ユニットの計算過程が簡素化され、車両制御ユニットが目標制御パラメータを得るのに要する時間が短縮される。
【0051】
以上の実施例と合わせて、本願の別の実施形態では、ユーザは初めてある個人化情報を設定する場合があり、このような場合、ユーザによって設定された個人化情報を取得する上記のステップS11は、具体的には、ステップS11B、ステップS11C、及びステップS11Dのうちのいずれか1つを含んでもよい。
【0052】
ステップS11B、クラウドによって送信された新規個人化情報を取得することであって、前記新規個人化情報はユーザによって携帯端末に入力されてから前記クラウドに送信して保存されているものである。
【0053】
ステップS11C、ユーザが携帯端末に入力した個人化情報に基づいて生成された個人化情報二次元コードを識別して、前記新規個人化情報を取得する。
【0054】
ステップS11D、ユーザが前記車両制御ユニットのマンマシンインタラクションインタフェースに入力した前記新規個人化情報を取得する。
【0055】
本実施例では、ユーザが初めてある個人化情報を設定する場合、車両制御ユニットがユーザによって設定された個人化情報を取得する方式として、もう3つが提供される。第1方式はクラウドによって送信された新規個人化情報を直接取得することであり、第2方式は個人化情報二次元コードを識別することにより新規個人化情報を取得することであり、第3方式はユーザがユーザーによって車両制御ユニットのマンマシンインタラクションインタフェースに入力された新規個人化情報を直接取得することである。
【0056】
具体的には、第1方式では、車両にはT-BOX(Telematics BOX、車載用無線端末)が配置されてもよく、これによって、車両はクラウドサーバと通信し、クラウドサーバによって送信されたメッセージを接收し、クラウドサーバにメッセージを送信することができる。
【0057】
具体的に実現する場合、ユーザは携帯端末(携帯電話、pad、ノートパソコン、ウエアラブルスマートデバイスなどであってもよいが、これらに制限されるものではない)を通じてAPPをダウンロードし、アカウントを登録し、車両をバインドした後に、APPに個人化情報を直接入力する。携帯端末APPを通じてユーザによって入力された個人化情報をクラウドサーバに送信して保存することができる。このように、ユーザが車両をバインドするマンマシンインタラクションインタフェースにおいて個人化情報再入力オプションを選択した場合、当該車両がネットワークに接続された状態であると、T-BOXを通じてクラウドサーバに保存されている個人化情報を車両制御ユニットに直接同期させることができる。
【0058】
具体的には、第2方式では、T-BOXが配置されていない車両や、又はT-BOXが機能的に破損した車両や、又はT-BOXが配置されているが、車両がネットワークに正確に接続できない車両があることを考慮して、車両は、T-BOXがクラウドによって送信された新規個人化情報を取得する方式を利用できいため、このような場合、車両に二次元コード識別装置を設置することができる。
【0059】
具体的に実現する場合、ユーザは携帯端末(携帯電話、pad、ノートパソコン等であってもよい)を通じてAPPをダウンロードし、APPに個人化情報を直接入力し、携帯端末APPによる二次元コード生成機能により、ユーザによって入力された個人化情報から個人化情報二次元コードを生成し、次に、生成した個人化情報二次元コードを車両の二次元コード識別装置に提供して識別することで、車両制御ユニットは個人化情報を得る。
【0060】
具体的には、第3方式では、ユーザが個人化運転モードを起動した後に、車両制御ユニットのマンマシンインタラクションインタフェースは個人化情報入力インタフェースを直接提供し、このようにして、ユーザは該インタフェースに新規個人化情報を直接入力することができる。前の2つの個人化情報入力方式と比べて、第3個人化情報入力方式では、ユーザが全ての個人化情報を仮入力する必要があり、更に時間がかかる。
【0061】
車両制御ユニットがユーザによって設定された個人化情報を取得する第1方式を使用する場合、ユーザは時間や場所に関わらず、リモートで個人化情報を設定することができ、車両は個人化運転モードを起動した後に個人化情報を直接取得することができ、これによって、個人化情報の仮入力にかかる時間を節約し、ただし、前提条件は車両がネットワークに接続された状態でなければならないことである。車両制御ユニットがユーザによって設定された個人化情報を取得する第2方式を使用する場合にも、ユーザは時間や場所に関わらず、リモートで個人化情報を設定することができ、二次元コード識別装置によって個人化情報二次元コードを識別するだけでよく、同様に、個人化情報の仮入力にかかる時間を節約することができる。車両制御ユニットがユーザによって設定された個人化情報を取得する第3方式を使用する場合、ユーザが全ての個人化情報を仮入力する必要があり、個人化情報の仮入力にかかる時間を増やす。要するに、ユーザが初めて特定の個人化情報を設定する場合、本開示は、複数の個人化情報設定方式を提供し、個人化情報設定の柔軟性を高めることができる。
【0062】
一実施形態では、車両にはHUT(Head Unit、ヘッドユニット)がさらに設けられており、T-BOXは、クラウドサーバに保存されている個人化情報をまずHUTに同期させ、又は二次元コード識別装置によって識別された個人化情報をまずHUTに同期させ、又はユーザがHUTインタフェースに個人化情報を入力し、HUTが新規個人化情報を取得した後に、新規個人化情報をCANメッセージの形で車両制御ユニットに送信する。
【0063】
以上の実施例によれば、ユーザが初めて特定の個人化情報を設定する場合、車両制御ユニットが上記のステップS12を実行する時、具体的には、ステップS12A、ステップS12B及びステップS12Cを含んでもよい。
【0064】
ステップS12A、前記個人化情報が新規個人化情報である場合、前記新規個人化情報に対して特徴抽出を行い、第1特徴データを得る。
【0065】
本実施例では、ユーザが初めて特定の個人化情報を設定し、すなわち、車両制御ユニットが取得した個人化情報が、新規個人化情報である場合、ユーザが以前に個人化運転モードを起動したことがなく、又は、個人化運転モードを起動したことがあるが、この個人化情報を設定していないことを意味することができ、そのため、車両制御ユニットの内部メモリには対応する目標制御パラメータが記憶されていない。
【0066】
個人化情報がユーザによって自体の運転ニーズに応じて入力されるもので、ユーザに関連するデータであり、そのまま目標制御パラメータとして表現できないから、個人化情報を車両制御ユニットによって識別され得る目標制御パラメータに変換するように、個人化情報に対して特徴抽出を行い、第1特徴データを得る必要がある。ここで、第1特徴データは数列の形態として表されてもよく、また、個人化情報中の各項はそれぞれ数列の1行に対応している。
【0067】
ステップS12B、予め設定された変換規則に従って、前記第1特徴データを変換し、第1個人化因子を得る。
【0068】
本実施例では、予め設定された変換規則とは、設計者の長期間の経験や実験データに基づいて得られるものであり、予め設定された変換規則は変換マトリックスの形態であってもよく、標定変換テーブルの形態であってもよく、本願は予め設定された変換規則の内容にを限定しない。
【0069】
このため、具体的に実現する場合、変換マトリックス又は標定変換テーブルを用いて第1特徴データを変換して、第1個人化因子を得ることができ、第1個人化因子もユーザ関連データのみを反映するものであり、車両によって直接識別されることはできない。
【0070】
ステップS12C、前記第1個人化因子に基づいて、前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成する。
【0071】
本実施例では、車両制御ユニットは、第1個人化因子を得た後に、第1個人化因子に基づいて、車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成することができる。
【0072】
さらに、各車両には客観的な物理パラメータの範囲制限が存在し、すなわち、各車両の制御パラメータの範囲が制限なく選択できず、第1個人化因子に基づいて生成された第1目標制御パラメータは車両の物理パラメータの範囲内でなければならないことを考慮して、一実施形態では、上記のステップS12Cは、具体的には、ステップS12C1、ステップS12C2、及びステップS12C3を含んでもよい。
【0073】
ステップS12C1、前記第1個人化因子に基づいて、初期物理特性パラメータを生成する。
【0074】
ステップS12C2、前記初期物理特性パラメータを回帰処理して、標準物理特性パラメータを得る。
【0075】
ステップS12C3、前記車両の物理パラメータの範囲に応じて、前記標準物理特性パラメータを調整し、前記第1目標制御パラメータを生成する。
【0076】
本実施例では、初期物理特性パラメータとは、第1個人化因子に基づいて直接生成された、車両の物理機能が許容できる物理特性パラメータを指し、例えば、モータによるトルク、アクセル開度、クリープ速度、エネルギー回収強度などが挙げられる。第1個人化因子に基づいて初期物理特性パラメータを生成する具体的なプロセスは、関連技術において従来の運転モードの設計時に個人化因子に基づいて物理特性パラメータを生成するプロセスを参照することができ、ここでは詳しく説明しない。
【0077】
さらに、第1個人化因子に基づいて生成された初期物理特性パラメータが全て合理的又は有効なものであるとは限らないことを考慮して、初期物理特性パラメータに対して有効性又は合理性検証を行い、すなわち、初期物理特性パラメータを回帰処理し、標準物理特性パラメータを得る必要がある。
【0078】
標準物理特性パラメータを得た後に、各車両には客観的な物理パラメータの範囲制限が存在することを考慮して、最後に、車両の物理パラメータの範囲に応じて調整を行い、第1目標制御パラメータを生成する。このときの第1目標制御パラメータは、車両の物理パラメータが許容できるものであるとともに、合理的かつ有効であり、また、車両の物理パラメータの範囲限制にも合致し、個人化運転モードでの車両の制御パラメータとすることができる。
【0079】
一実施形態では、車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成した後に、本実施例に係る個人化運転モードの設定方法は、ステップS12DとステップS12Eをさらに含んでもよい。
【0080】
ステップS12D、前記新規個人化情報と前記第1目標制御パラメータとの間の関連関係を確立する。
【0081】
ステップS12E、前記新規個人化情報と前記第1目標制御パラメータとの間の関連関係を1つの履歴個人化情報として保存する。
【0082】
本実施例では、車両制御ユニットは、新規個人化情報を得て、新規個人化情報に基づいて第1目標制御パラメータを生成した後に、この新規個人化情報と、対応する第1目標制御パラメータとを関連付けて保存することができ、すなわち、新規個人化情報と第1目標制御パラメータとの間の関連関係を確立し、新規個人化情報と第1目標制御パラメータとの間の関連関係を1つの履歴個人化情報として保存することができ、これによって、履歴個人化情報を記録して完全にすることができ、このように、同一のユーザが後で同一の運転ニーズを持つ場合、該履歴個人化情報を直接選択することができ、車両制御ユニットは目標制御パラメータを直接出力し、ユーザによる個人化運転モードの使用過程が簡素化される。
【0083】
さらに、新規個人化情報が全てユーザによって予め設定された項目に応じて入力された個人化情報であり、例えば、運転スタイル項目に対して、ユーザが入力したのは快適モードであり、明らかに、通常、予め設定された項目には広範な内容が入力され、多くの場合、反映されるデータは限られており、ユーザの実際の運転行動や習慣を正確に反映できないことを考慮して、ユーザの実際の運転行動や習慣をより正確に反映するために、一実施形態では、ステップS12Cにおいて、車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成した後に、本願の個人化運転モードの設定方法は、ステップS131A、ステップS131B、ステップS131C、及びステップS131Dをさらに含んでもよい。
【0084】
ステップS131A、ユーザの個人化運転行動データを取得する。
【0085】
ここで、前記個人化運転行動データは、車両の前記個人化運転モードでのユーザによる運転行動データである。例えば運転行動パフォーマンスであってもよく、ユーザがよく使用されるアクセルペダルの範囲は50~80km/hであり、又は、ユーザは運転中に一般的にエアコンを2段目にする習慣がある。
【0086】
本実施例では、車両制御ユニットは第1制御パラメータを生成した後に、第1目標制御パラメータに基づいて車両の各システムの機能を調整し、車両を個人化モードで運行させ、このとき、ユーザは個人化モードで車両を運転することができる。個人化モードで車両を運転する過程で、ユーザは運転行動データを生成するので、車両制御ユニットはユーザの個人化運転行動データを取得することができる。
【0087】
ステップS131B、前記個人化運転行動データに対して特徴抽出を行い、第2特徴データを得る。
【0088】
該ステップS131BのプロセスはステップS12Aのプロセスと類似しており、関連するプロセスはステップS12Aの説明を参照すればよい。
【0089】
ステップS131C、前記予め設定された変換規則に従って、前記第2特徴データを変換し、第2個人化因子を得る。
【0090】
同様に、該ステップS131CのプロセスはステップS12BAのプロセスと類似しており、関連するプロセスはステップS12Bの説明を参照すればよい。
【0091】
ステップS131D、前記第1個人化因子、前記第2個人化因子、及び前記第1個人化因子と前記第2個人化因子の両方の間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第2目標制御パラメータを得る。
【0092】
本実施例では、第1個人化因子はユーザによって入力された個人化情報に基づいて生成されたものであり、第2個人化因子は個人化運転モードでのユーザによる運転行動データに基づいて生成されたものであり、両方は異なる重みに対応することができ、このため、車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成する場合、第1個人化因子と第2個人化因子の両方の間の予め設定された割合関係を予め設定しておき、次に、第1個人化因子、第2個人化因子、及び第1個人化因子と第2個人化因子の両方の間の予め設定された割合関係に基づいて融合因子を決定し、最後に、融合因子に基づいて車両制御ユニットの第2目標制御パラメータを生成することができる。
【0093】
一例として、第1個人化因子Z1と第2個人化因子Z2の両方の間で予め設定された割合関係は2:1であってもよく、このような場合、融合因子Zの計算方法はZ=2Z1+Z2であってもよい。なお、本願では、提供される第1個人化因子Z1と第2個人化因子Z2の両方の間の予め設定された割合関係は一例にすぎず、第1個人化因子Z1と第2個人化因子Z2の両方の間の予め設定された割合関係を限定するものとして理解すべきではなく、第1個人化因子Z1と第2個人化因子Z2の両方の間の予め設定された割合関係は実際の状況に応じて設定される。
【0094】
本実施例では、車両制御ユニットは、目標制御パラメータを生成するときに、ユーザによって入力された個人化情報及び個人化運転モードでのユーザによる運転行動データと、を組み合わせて、すなわち、ユーザの個人化運転モードでの実際の運転行動データに基づいて自己学習を行い、自己学習により得られた第2個人化因子を利用して目標制御パラメータを修正し、これによって、車両制御ユニットによって生成される目標制御パラメータはユーザの実際の運転行動や習慣により適合することができ、最も適切な運転モード及び個人化された運転エクスペリエンスをユーザに与えることができる。
【0095】
さらに、新規個人化情報が反映するデータは限られていることが多く、現在ユーザがいる地域の最適な運転行動や習慣とは異なる可能性があることを考慮して、ユーザの個人化運転モードでの実際の運転行動データを使用して目標制御パラメータを修正するに加えて、目標制御パラメータの修正には、例えばユーザがいる地域の運転行動統計データなど、他のデータを使用してもよい。
【0096】
ここで、ユーザがいる地域の運転行動統計データは、クラウドサーバによって収集された、ユーザの車両がある地域の全ての車両の様々な運転行動統計データであってもよく、例えば、異なる都市の同じタイプの車両の1日最高速度を含むが、これに限定されるものではない。通常、同じタイプの車両の1日最高速度に応じてアクセル開度パラメータを調整することができる。
【0097】
このため、別の実施形態では、ステップS12Cにおいて車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成した後に、本願の個人化運転モードの設定方法は、ステップS132A、ステップS132B、ステップS132C及びステップS132Dをさらに含んでもよい。
【0098】
ステップS132A、ユーザがいる地域の運転行動統計データを取得する。
【0099】
ステップS132B、前記運転行動統計データに対して特徴抽出を行い、第3特徴データを得る。
【0100】
ステップS132C、前記予め設定された変換規則に従って、前記第3特徴データを変換し、第3個人化因子を得る。
【0101】
ステップS132D、前記第1個人化因子、前記第3個人化因子、及び前記第1個人化因子と前記第3個人化因子の両方の間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第3目標制御パラメータを生成する。
【0102】
本実施例では、同様に、第1個人化因子はユーザによって入力された個人化情報に基づいて生成されたものであり、第3個人化因子はユーザがいる地域の運転行動統計データに基づいて生成されたものであり、両方は異なる重みに対応することができ、このため、車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成する場合、第1個人化因子と第3個人化因子の両方の間の予め設定された割合関を予め設定しておき、次に、第1個人化因子、第3個人化因子、及び第1個人化因子と第3個人化因子の両方の間の予め設定された割合関係に基づいて融合因子を決定し、最後に、融合因子に基づいて車両制御ユニットの第3目標制御パラメータを生成することができる。
【0103】
本実施例では、車両制御ユニットは、目標制御パラメータを生成するときに、ユーザによって入力された個人化情報及びユーザがいる地域の運転行動統計データと、を組み合わせて、すなわち、ユーザがいる地域の運転行動統計データに基づいて目標制御パラメータを修正し、これによって、車両制御ユニットによって生成される目標制御パラメータはユーザがいる地域内の他のユーザの運転行動や習慣を参照することができ、これにより、現在の地域で最も適切な的運転モード及び個人化された運転エクスペリエンスを更にユーザに与えることができる。
【0104】
さらに、別の実施形態では、ユーザの個人化運転モードでの実際の運転行動データ及びユーザがいる地域の運転行動統計データを同時に使用して、目標制御パラメータを修正してもよく、このため、ステップS12Cにおいて車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成した後に、本願の個人化運転モードの設定方法は、ステップS133A、ステップS133B、ステップS133C、及びステップS133Dをさらに含んでもよい。
【0105】
ステップS133A、車両の前記個人化運転モードでのユーザによる運転行動データであるユーザの個人化運転行動データ、及びユーザがいる地域の運転行動統計データを取得する。
【0106】
ステップS133B、前記個人化運転行動データに対して特徴抽出を行い、第2特徴データを得るとともに、前記運転行動統計データに対して特徴抽出を行い、第3特徴データを得る。
【0107】
ステップS133C、前記予め設定された変換規則に従って、前記第2特徴データを変換し、第2個人化因子を得るとともに、前記第3特徴データを変換し、第3個人化因子を得る。
【0108】
ステップS133D、前記第1個人化因子、前記第2個人化因子、前記第3個人化因子及び前記第1個人化因子と前記第2個人化因子と前記第3個人化因子の3つの間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第4目標制御パラメータを生成する。
【0109】
上記のステップS131A~S131DのプロセスはステップS132A~S132D及びステップS133A~S133Dのプロセスと類似しており、関連するプロセスはステップS132A~S132D及びステップS133A~S133Dの説明を参照すればよい。
【0110】
本実施例では、また、ユーザの個人化運転モードでの実際の運転行動データ及びユーザがいる地域の運転行動統計データを同時に使用して、目標制御パラメータを修正することによって、より適切な運転モード及び個人化された運転エクスペリエンスをユーザに与えることができる。
【0111】
図2に示すように、図2は本開示の実施例に係る個人化運転モードの設定方法の完全な流れの概略図を示す。図2に示すように、流れは以下のとおりである。
1、個人化情報を入力して、特徴抽出を行い、第1個人化因子Z1を得る。
2、ビッグデータを収集して入力する(ユーザがいる地域の運転行動統計データを入力して、特徴抽出を行い、第3個人化因子Z3を得る)。
3、第1個人化因子と第3個人化因子に対して特徴融合を行い、融合因子Zを生成する。
4、融合因子Zに基づいて、初期物理特性パラメータを生成する。
5、車両制御ユニットは初期物理特性パラメータを調整し(回帰処理を行い、車両物理パラメータの範囲に応じて調整を行う)、目標制御パラメータを得る。
6、目標制御パラメータを車両制御ユニットの標定データインターフェイスに入力し、車両運転パフォーマンス(各システムの機能)を調整する。
7、ユーザの個人化運転行動データ(運転パフォーマンスデータ及び車両走行状態統計)を記録する。
8、車両制御ユニットはユーザの個人化運転行動データについて自己学習(特徴抽出を行い、抽出により得られた特徴データを変換する)を行い、フィードバックして第2個人化因子を得た。
9、第1個人化因子、第2個人化因子及び第3個人化因子に対して特徴融合を行い、融合因子Zを生成し、ステップ4に戻る。
【0112】
同じ技術構想に基づいて、図3に示すように、図3は本開示の実施例の個人化運転モードの設定システム30の構造ブロック図を示し、前記システムは車両に配置された車両制御ユニットに適用され、前記システムは、
車両の個人化運転モードの起動が検出された場合、ユーザによって設定された個人化情報を取得する第1取得モジュール31と、
前記個人化情報の情報タイプ及び事前に設定された情報処理ポリシーに従って、前記個人化情報を処理し、個人化運転モードでの前記車両の制御パラメータである前記車両制御ユニットの目標制御パラメータを生成する第1生成モジュール32と、を含む。
【0113】
好ましくは、前記第1取得モジュールは、
ユーザによる履歴個人化情報の選択操作のトリガーを検出した場合、自体に予め格納されている前記履歴個人化情報を取得する第1取得サブモジュールと、
クラウドによって送信された新規個人化情報を取得するものであって、前記新規個人化情報はユーザによって携帯端末に入力されてから前記クラウドに送信して保存されているものである第2取得サブモジュールと、
ユーザが携帯端末に入力した個人化情報に基づいて生成された個人化情報二次元コードを識別して、前記新規個人化情報を取得する第3取得サブモジュールと、
ユーザが前記車両制御ユニットのマンマシンインタラクションインタフェースに入力した前記新規個人化情報を取得する第4取得サブモジュールと、を含む。
【0114】
好ましくは、前記第1生成モジュールは、
前記個人化情報が履歴個人化情報である場合、予め記憶された履歴個人化情報と制御パラメータとの関連関係に従って、前記履歴個人化情報に対応する目標制御パラメータを得る第5取得サブモジュールを含む。
【0115】
好ましくは、前記第1生成モジュールは、
前記個人化情報が新規個人化情報である場合、前記新規個人化情報に対して特徴抽出を行い、第1特徴データを得る第1特徴抽出サブモジュールと、
予め設定された変換規則に従って、前記第1特徴データを変換し、第1個人化因子を得る第1変換サブモジュールと、
前記第1個人化因子に基づいて、前記車両制御ユニットの第1目標制御パラメータを生成する生成サブモジュールと、を含む。
【0116】
好ましくは、前記生成サブモジュールは、
前記第1個人化因子に基づいて、初期物理特性パラメータを生成する第1生成サブユニットと、
前記初期物理特性パラメータを回帰処理して、標準物理特性パラメータを得る回帰処理サブユニットと、
前記車両の物理パラメータの範囲に応じて、前記標準物理特性パラメータを調整し、前記第1目標制御パラメータを生成する調整サブユニットと、を含む。
【0117】
好ましくは、前記システムは、
前記新規個人化情報と前記第1目標制御パラメータとの間の関連関係を確立する作成モジュールと、
前記新規個人化情報と前記第1目標制御パラメータとの間の関連関係を1つの履歴個人化情報として保存する保存モジュールと、をさらに含む。
【0118】
好ましくは、前記システムは、
車両の前記個人化運転モードでのユーザによる運転行動データであるユーザの個人化運転行動データを取得する第2取得モジュールと、
前記個人化運転行動データに対して特徴抽出を行い、第2特徴データを得る第1特徴抽出モジュールと、
前記予め設定された変換規則に従って、前記第2特徴データを変換し、第2個人化因子を得る第1変換モジュールと、
前記第1個人化因子、前記第2個人化因子、及び前記第1個人化因子と前記第2個人化因子の両方の間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第2目標制御パラメータを生成する第2生成モジュールと、をさらに含む。
【0119】
好ましくは、前記システムは、
ユーザがいる地域の運転行動統計データを取得する第3取得モジュールと、
前記運転行動統計データに対して特徴抽出を行い、第3特徴データを得る第2特徴抽出モジュールと、
前記予め設定された変換規則に従って、前記第3特徴データを変換し、第3個人化因子を得る第2変換モジュールと、
前記第1個人化因子、前記第3個人化因子、及び前記第1個人化因子と前記第3個人化因子の両方の間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第3目標制御パラメータを生成する第3生成モジュールと、をさらに含む。
【0120】
好ましくは、前記システムは、
車両の前記個人化運転モードでのユーザによる運転行動データであるユーザの個人化運転行動データ、及びユーザがいる地域の運転行動統計データを取得する第4取得モジュールと、
前記個人化運転行動データに対して特徴抽出を行い、第2特徴データを得るとともに、前記運転行動統計データに対して特徴抽出を行い、第3特徴データを得る第3特徴抽出モジュールと、
前記予め設定された変換規則に従って、前記第2特徴データを変換し、第2個人化因子を得るとともに、前記第3特徴データを変換し、第3個人化因子を得る第3変換モジュールと、
前記第1個人化因子、前記第2個人化因子、前記第3個人化因子及び前記第1個人化因子と前記第2個人化因子と前記第3個人化因子の3つの間の予め設定された割合関係に基づいて、前記車両制御ユニットの第4目標制御パラメータを生成する第4生成モジュールと、をさらに含む。
【0121】
システムの実施例に関しては、方法の実施例とほぼ類似しているので、簡単に説明し、関連する部分は方法の実施例の部分についての説明を参照すればよい。
上記した装置の実施例は例示的なものに過ぎず、分離部材として説明されたユニットは物理的に分離されているものでもよく、物理的に分離されているものでなくてもよく、ユニットとして表される部材は、物理的なユニットであってもよく、物理的なユニットでなくてもよく、即ち、1つの場所に位置していてもよく、複数のネットワークユニットに分散していてもよい。本実施例の技術案の目的は、実際のニーズに応じて、ここでのモジュールの一部又はその全部を選択することにより達成することができる。当業者は、創造的な労働をすることなく、理解して実施することができる。
【0122】
本開示の様々な構成要素の実施例は、ハードウェアで実装されてもよく、又は1つ又は複数のプロセッサ上で実行されるソフトウェアモジュールで実装されてもよく、又はそれらの組み合わせで実装されてもよい。当業者であれば、本開示の実施例に係る計算処理機器の一部又は全部の構成要素の一部又は全部の機能を実装するために、実際にマイクロプロセッサ又はデジタル信号プロセッサ(DSP)を使用できることを理解すべきである。本開示は、本明細書に記載された方法の一部又は全部を実行するための機器又は装置プログラム(例えば、コンピュータプログラムやコンピュータプログラム製品)として実装されてもよい。本開示を実施するそのようなプログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶することができ、又は1つ又は複数の信号の形態を有することができる。このような信号は、インターネットのウェブサイトからダウンロードしたり、キャリア信号上で提供されたり、任意の他の形態で提供されたりすることができる。
【0123】
例えば、図4は、本開示に係る方法を実現することができる計算処理機器を示す。この計算処理機器は、従来、プロセッサ1010と、メモリ1020の形態のコンピュータプログラム製品又はコンピュータ読み取り可能な媒体とを含む。メモリ1020は、フラッシュメモリ、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ)、EPROM、ハードディスク、又はROMなどの電子メモリであってもよい。メモリ1020は、上記の方法のいずれかのステップを実行するためのプログラムコード1031の記憶空間1030を有する。例えば、プログラムコードの記憶空間1030は、上記の方法における様々なステップをそれぞれ実現するための各プログラムコード1031を含むことができる。これらのプログラムコードは、1つ又は複数のコンピュータプログラム製品から読み出されたり、当該1つ又は複数のコンピュータプログラム製品に書き込まれたりすることができる。これらのコンピュータプログラム製品は、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)、メモリカード、又はフロッピーディスクなどのプログラムコードキャリアを含む。このようなコンピュータプログラム製品は、通常、図5を参照して説明したように、携帯型又は固定型記憶ユニットである。この記憶ユニットは、図4の計算処理機器におけるメモリ1020と同様に配置された記憶セグメント、記憶空間などを有することができる。プログラムコードは、例えば適切な形式で圧縮することができる。通常に、記憶ユニットは、コンピュータ読み取り可能なコード1031’を含み、すなわち、例えば1010のようなプロセッサによって読み取られることができるコードを含み、これらのコードは、計算処理機器によって実行されると、上記のような方法の様々なステップを計算処理機器に実行させる。
【0124】
本明細書の実施例の様々な実施形態は、漸進的に説明されており、各実施形態は、他の実施形態との相違点に焦点を当てて説明されており、各実施形態間の同じ、類似部分は互いに参照すればよい。
【0125】
本開示の実施例の好ましい実施例が説明されてきたが、当業者が基本的な進歩性のある概念を把握すると、これらの実施例に別途の変更や修正を加えることができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、好ましい実施例と、本開示の実施例の範囲に含まれるすべての変更や修正とを含むものとして解釈されることが意図されている。
【0126】
なお、説明する必要があることとして、本明細書では、「第1」と「第2」等の関係用語は、1つのエンティティ又は操作を別のエンティティ又は操作から区別するためのものに過ぎず、必ずしもこれらのエンティティ又は操作の間にはそのような実際の関係や順序があることを要求又は示唆するものではない。そして、「備える」、「含む」又はその任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図しているため、一連の要素を含むプロセス、方法、物品、又は電子機器は、それらの要素だけでなく、明示されていない他の要素も含み、又はこのプロセス、方法、物品、又は電子機器に固有の要素も含む。これ以上の制限がない場合、「1つの...を含む」という文で限定された要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品、又は電子機器内の他の同じ要素の存在を除外しない。
【0127】
以上、本開示による個人化運転モードの設定方法、個人化運転モードの設定システム、電子機器、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を詳細に説明したが、本開示の原理や実施形態については、本明細書で具体例を用いて説明しており、上記の実施例の説明は、本開示の方法及びその主旨の理解を支援するためのものに過ぎず、また、当業者は、本開示の主旨に基づいて具体的な実施形態及び適用範囲を変更することができ、以上のことから、本明細書の内容は本開示を限定するものと理解されるべきではない。

図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】