(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】冷媒充填システム及び方法
(51)【国際特許分類】
F25B 45/00 20060101AFI20230831BHJP
F24F 11/36 20180101ALI20230831BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20230831BHJP
F24F 11/62 20180101ALI20230831BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20230831BHJP
F24F 11/70 20180101ALI20230831BHJP
F24F 11/88 20180101ALI20230831BHJP
F25B 49/02 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
F25B45/00 F
F24F11/36
F24F11/52
F24F11/62
F24F11/64
F24F11/70
F24F11/88
F25B45/00 D
F25B49/02 520M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509830
(86)(22)【出願日】2021-08-11
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 US2021045573
(87)【国際公開番号】W WO2022035980
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】511158339
【氏名又は名称】コープランド エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルファノ,デイビッド・エイ
(72)【発明者】
【氏名】モーター,ウィンフィールド・エス
(72)【発明者】
【氏名】バトラー,ブライアン・アール
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA52
3L260CA12
3L260CA13
3L260CA32
3L260CB15
3L260CB16
3L260EA07
3L260FB02
3L260FC04
3L260GA17
3L260JA01
(57)【要約】
室外ユニットに冷媒を充填するためのシステムは、冷媒濃度を測定するように構成されたセンサと、測定冷媒濃度を受信するように構成されたユーザデバイスとを含む。システムは、ユーザデバイスが、測定冷媒濃度が閾値を超えたことに応答して、測定冷媒濃度が閾値を超えることを示す警告を生成してユーザデバイスのユーザインターフェース上に表示するように構成されることを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外ユニットに冷媒を充填するためのシステムであって、
冷媒濃度を測定するように構成されたセンサと、
ユーザデバイスとを備え、前記ユーザデバイスは、
前記測定冷媒濃度を受信し、
前記測定冷媒濃度が閾値を超えたことに応答して、前記測定冷媒濃度が閾値を超えることを示す警告を生成して前記ユーザデバイスのユーザインターフェース上に表示するように構成されている、システム。
【請求項2】
第1のホース及び第2のホースを介して前記室外ユニットに接続されている冷媒マニホールドと、
第3のホースを介して前記冷媒マニホールドに接続されている冷媒容器であって、前記冷媒容器は冷媒を格納するように構成されている、冷媒容器と
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、冷媒スケールをさらに備え、前記冷媒容器は、前記冷媒スケール上に位置し、前記冷媒スケールは、測定冷媒重量を前記ユーザデバイスに無線で送信する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、
前記第3のホースに沿って配置されたソレノイドをさらに備え、前記ソレノイドは、前記ソレノイドの作動に応じて前記冷媒容器から前記冷媒マニホールドへの冷媒の流れを遮断するように構成されており、
前記ユーザデバイスは、前記測定冷媒濃度が前記閾値を超えることに応答して前記ソレノイドを作動させるように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記冷媒マニホールド、前記ソレノイド、前記センサ、及び前記ユーザデバイスは、無線で通信するように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、
前記第1のホースに接続され、第1の温度を測定するように構成された第1の温度プローブと、
前記第2のホースに接続され、第2の温度を測定するように構成された第2の温度プローブと、
第1の圧力を測定するように構成された第1の圧力センサと、
第2の圧力を測定するように構成された第2の圧力センサとをさらに備え、前記冷媒マニホールドは、
前記第1の温度、前記第2の温度、前記第1の圧力、及び前記第2の圧力を受信し、
前記第1の温度、前記第2の温度、前記第1の圧力、及び前記第2の圧力に基づいて過冷却値及び過熱値を計算し、
前記過冷却値が前記室外ユニットに対応する過冷却閾値を下回ることに応答して、閾時間にわたって前記ソレノイドを開き、
前記過熱値が前記室外ユニットに対応する過熱閾値を上回ることに応答して、前記閾時間にわたって前記ソレノイドを開くように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記冷媒マニホールドは、温度データを受信して前記冷媒マニホールドのインターフェース上に表示するように構成されており、前記温度データは、前記第1のホースに取り付けられた第1の温度プローブ及び前記第2のホースに取り付けられた第2の温度プローブから受信される、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、
外気温度を測定するように構成された外気温度センサと、
複数の室外ユニットについて、過冷却値、過熱値、及び室内コイル温度分割値のうちの少なくとも1つを記憶するように構成された記憶データベースとをさらに備え、前記ユーザデバイスは、
前記外気温度を取得して記憶し、
前記室外ユニットについて、前記記憶データベースから対応する過冷却値、対応する過熱値、及び対応する室内コイル温度分割値のうちの少なくとも1つを取得し、
第1のセンサ及び第2のセンサの測定値に基づいて、現在の過冷却値、現在の過熱値、及び現在の室内コイル温度分割値のうちの少なくとも1つを計算し、
(i)前記対応する過冷却値と一致する前記現在の過冷却値、(ii)前記対応する過熱値と一致する現在の過熱値、及び(iii)前記対応する室内コイル温度分割値と一致する前記現在の室内コイル温度分割値のうちの少なくとも1つに応答して、前記室外ユニットが充填されていることを示す警告を生成して表示するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のセンサは、還気の温度及び湿度を測定するように位置し、前記第2のセンサは、給気の温度及び湿度を測定するように位置し、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサは、前記還気の温度及び湿度並びに前記給気の温度及び湿度を前記ユーザデバイスに無線で送信するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、
前記室外ユニットの圧縮機を電力に接続するロックアウトリレーをさらに備え、前記ユーザデバイスは、
前記測定冷媒濃度が前記閾値を超えることに応答して、前記ロックアウトリレーを作動させて前記圧縮機を前記電力から切り離すように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、
空気を循環させるように構成された循環送風機をさらに備え、前記ユーザデバイスは、
前記測定冷媒濃度が前記閾値を超えることに応答して、前記循環送風機を作動させるためにサーモスタットに制御信号を送信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、
前記室外ユニットの圧縮機をさらに備え、前記ユーザデバイスは、
前記測定冷媒濃度が前記閾値を超えることに応答して、前記圧縮機を電力から切り離すための制御信号をサーモスタットに送信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムは、
室内区画内に位置する室内コイルをさらに備え、
前記センサは、前記室内区画内に位置し、
前記室内コイルは、室内に位置し、
前記室外ユニットは、室外に位置する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムは、
室内コイルの近くに位置する、第2の冷媒濃度を測定するように構成された有線センサをさらに備え、前記ユーザデバイスは、
前記有線センサから前記測定された第2の冷媒濃度を受信し、
前記センサから前記測定冷媒濃度を受信し、
前記測定された第2の冷媒濃度と前記測定冷媒濃度との間の差が較正閾値よりも大きいことに応答して、警告を生成して前記ユーザデバイスに表示する、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
室外ユニットに冷媒を充填する方法であって、
センサを介して冷媒濃度を測定することと、
ユーザデバイスを介して、前記測定冷媒濃度を受信することと、
前記測定冷媒濃度が閾値を超えたことに応答して、前記測定冷媒濃度が前記閾値を超えることを示す警告を生成してユーザデバイスのユーザインターフェース上に表示することとを含む、方法。
【請求項16】
冷媒容器の測定冷媒重量を冷媒スケールから前記ユーザデバイスに無線で送信することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
冷媒マニホールドが、第1のホース及び第2のホースを介して前記室外ユニットに接続され、
前記冷媒容器は、第3のホースを介して前記冷媒マニホールドに接続され、
前記冷媒容器は冷媒を格納するように構成されている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、
前記測定冷媒濃度が前記閾値を超えることに応答して、前記ユーザデバイスを使用してソレノイドを作動させることをさらに含み、
前記ソレノイドは、前記第3のホースに沿って配置され、
前記ソレノイドは、前記ソレノイドの作動に応答して前記冷媒容器から前記冷媒マニホールドへの冷媒の流れを遮断する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記冷媒マニホールド、前記ソレノイド、前記センサ、及び前記ユーザデバイスは、無線で通信する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、
前記冷媒マニホールドによって、第1の温度、第2の温度、第1の圧力、及び第2の圧力を受信することであって、
第1の温度プローブが、前記第1のホースに接続され、前記第1の温度を測定し、
第2の温度プローブが、前記第2のホースに接続され、前記第2の温度を測定し、
第1の圧力センサが、前記第1の圧力を測定し、
第2の圧力センサが、前記第2の圧力を測定する、受信することと、
前記冷媒マニホールドによって、前記第1の温度、前記第2の温度、前記第1の圧力、及び第2の圧力に基づいて過冷却値及び過熱値を計算することと、
前記過冷却値が前記室外ユニットに対応する過冷却閾値を下回ったことに応答して、閾時間にわたって前記ソレノイドを開くことと、
前記過熱値が前記室外ユニットに対応する過熱閾値を上回ったことに応答して、前記閾時間にわたって前記ソレノイドを開くこととをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月13日に出願された米国特許出願第16/992,872号の優先権を主張する。上記で参照された出願の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、暖房、換気、及び空調(HVAC)システムに関し、より詳細には、HVACシステムの冷媒充填中の冷媒漏洩検出に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
本明細書で提供される背景の説明は、本開示の文脈を一般的に提示することを目的としている。本発明者らの研究は、この背景の節、及び、そうでなければ出願時点における先行技術として認められない可能性がある説明の態様に記載されている限りにおいては、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
最も一般的に使用される産業用ガスは、地球の大気中の温室効果ガスの世界規模の蓄積に寄与し、地球温暖化の速度を加速させる。世界中で、地球温暖化係数(GWP)の高い冷媒の使用を制限する動きが進行中である。
【0005】
A1冷媒(非毒性且つ不燃性)がHVAC及び冷却システムにおいて従来使用されてきたが、A2L冷媒(非毒性且つ微燃性)は、地球温暖化への影響が低減されることに起因して、商業用及び住宅用建造物においてA1冷媒に取って代わりつつある。A2L冷媒は、伝播の減少のために部分的にしか可燃性ではないが、A2L冷媒は依然として燃焼リスクをもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
1つの特徴では、室外ユニットに冷媒を充填するためのシステムは、冷媒濃度を測定するように構成されたセンサと、測定冷媒濃度を受信するように構成されたユーザデバイスとを含む。システムは、ユーザデバイスが、測定冷媒濃度が閾値を超えたことに応答して、測定冷媒濃度が閾値を超えることを示す警告を生成してユーザデバイスのユーザインターフェース上に表示するように構成されることを含む。
【0007】
さらなる特徴において、システムは、第1のホース及び第2のホースを介して室外ユニットに接続された冷媒マニホールドと、第3のホースを介して冷媒マニホールドに接続された冷媒容器とを含む。冷媒容器は、冷媒を格納するように構成されている。
【0008】
さらなる特徴において、システムは、冷媒スケールを含む。冷媒容器は、冷媒スケール上に位置し、冷媒スケールは、測定冷媒重量をユーザデバイスに無線で送信する。
【0009】
さらなる特徴において、システムは、第3のホースに沿って配置されたソレノイドを含む。ソレノイドは、ソレノイドの作動に応じて冷媒容器から冷媒マニホールドへの冷媒の流れを遮断するように構成されている。さらなる特徴において、ユーザデバイスは、測定冷媒濃度が閾値を超えることに応答してソレノイドを作動させるように構成される。
【0010】
さらなる特徴において、冷媒マニホールド、ソレノイド、センサ、及びユーザデバイスは、無線で通信するように構成される。
【0011】
さらなる特徴において、システムは、第1のホースに接続され、第1の温度を測定するように構成された第1の温度プローブと、第2のホースに接続され、第2の温度を測定するように構成された第2の温度プローブと、第1の圧力を測定するように構成された第1の圧力センサと、第2の圧力を測定するように構成された第2の圧力センサとを含む。さらなる特徴において、冷媒マニホールドは、第1の温度、第2の温度、第1の圧力、及び第2の圧力を受信し、第1の温度、第2の温度、第1の圧力、及び第2の圧力に基づいて過冷却値及び過熱値を計算し、過冷却値が室外ユニットに対応する過冷却閾値を下回ることに応答して、閾時間にわたってソレノイドを開き、過熱値が室外ユニットに対応する過熱閾値を上回ることに応答して、閾時間にわたってソレノイドを開くように構成される。
【0012】
さらなる特徴において、冷媒マニホールドは、温度データを受信して冷媒マニホールドのインターフェース上に表示するように構成され、温度データは、第1のホースに取り付けられた第1の温度プローブ及び第2のホースに取り付けられた第2の温度プローブから受信される。
【0013】
さらなる特徴において、システムは、外気温度を測定するように構成された外気温度センサと、室外ユニットについて、過冷却値、過熱値、及び室内コイル温度分割値のうちの少なくとも1つを記憶するように構成された記憶データベースとを含む。さらなる特徴において、ユーザデバイスは、外気温度を取得して記憶し、室外ユニットについて、記憶データベースから対応する過冷却値、対応する過熱値、及び対応する室内コイル温度分割値のうちの少なくとも1つを取得し、第1のセンサ及び第2のセンサの測定値に基づいて、現在の過冷却値、現在の過熱値、及び現在の室内コイル温度分割値のうちの少なくとも1つを計算するように構成される。さらなる特徴において、ユーザデバイスは、(i)対応する過冷却値と一致する現在の過冷却値、(ii)対応する過熱値と一致する現在の過熱値、及び(iii)対応する室内コイル温度分割値と一致する現在の室内コイル温度分割値のうちの少なくとも1つに応答して、室外ユニットが充填されていることを示す警告を生成して表示するように構成される。
【0014】
さらなる特徴において、システムは、室外ユニットの圧縮機を電力に接続するロックアウトリレーを含む。さらなる特徴において、ユーザデバイスは、測定冷媒濃度が閾値を超えることに応答して、ロックアウトリレーを作動させて圧縮機を電力から切り離すように構成される。
【0015】
さらなる特徴において、システムは、空気を循環させるように構成された循環送風機を含む。さらなる特徴において、ユーザデバイスは、測定冷媒濃度が閾値を超えることに応答して循環送風機を作動させるためにサーモスタットに制御信号を送信するように構成される。
【0016】
さらなる特徴において、システムは、室外ユニットの圧縮機を含む。さらなる特徴において、ユーザデバイスは、測定冷媒濃度が閾値を超えることに応答して圧縮機を電力から切り離すためにサーモスタットに制御信号を送信するように構成される。
【0017】
さらなる特徴において、システムは、還気の温度及び湿度を測定するように位置する第1のセンサと、給気の温度及び湿度を測定するように位置する第2のセンサとを含む。さらなる特徴において、第1のセンサ及び第2のセンサは、還気の温度及び湿度並びに給気の温度及び湿度をユーザデバイスに無線で送信するように構成される。
【0018】
さらなる特徴において、システムは、室内区画内に位置する室内コイルを含む。さらなる特徴において、センサは、室内区画内に位置し、室内コイルは、室内に位置し、室外ユニットは、室外に位置する。
【0019】
さらなる特徴において、システムは、室内コイルの近くに位置する、第2の冷媒濃度を測定するように構成された有線センサを含む。さらなる特徴において、ユーザデバイスは、有線センサから測定された第2の冷媒濃度を受信し、センサから測定冷媒濃度を受信し、測定された第2の冷媒濃度と測定冷媒濃度との間の差が較正閾値よりも大きいことに応答して、警告を生成してユーザデバイスに表示する。
【0020】
1つの特徴では、室外ユニットに冷媒を充填する方法は、センサを介して冷媒濃度を測定することを含む。本方法は、ユーザデバイスを介して、測定冷媒濃度を受信することと、測定冷媒濃度が閾値を超えたことに応答して、測定冷媒濃度が閾値を超えることを示す警告を生成してユーザデバイスのユーザインターフェース上に表示することを含む。
【0021】
さらなる特徴において、本方法は、冷媒容器の測定冷媒重量を冷媒スケールからユーザデバイスに無線で送信することを含む。
【0022】
さらなる特徴において、冷媒マニホールドが、第1のホース及び第2のホースを介して室外ユニットに接続され、冷媒容器は、第3のホースを介して冷媒マニホールドに接続され、冷媒容器は冷媒を格納するように構成されている。
【0023】
さらなる特徴において、本方法は、測定冷媒濃度が閾値を超えることに応答して、ユーザデバイスを使用してソレノイドを作動させることを含む。さらなる特徴において、ソレノイドは、第3のホースに沿って配置され、ソレノイドは、ソレノイドの作動に応答して冷媒容器から冷媒マニホールドへの冷媒の流れを遮断する。
【0024】
さらなる特徴において、冷媒マニホールド、ソレノイド、センサ、及びユーザデバイスは、無線で通信する。
【0025】
さらなる特徴において、本方法は、冷媒マニホールドによって、第1の温度、第2の温度、第1の圧力、及び第2の圧力を受信することを含む。さらなる特徴において、第1の温度プローブが、第1のホースに接続され、第1の温度を測定し、第2の温度プローブが、第2のホースに接続され、第2の温度を測定し、第1の圧力センサが、第1の圧力を測定し、第2の圧力センサが、第2の圧力を測定する。さらなる特徴において、本方法は、冷媒マニホールドによって、第1の温度、第2の温度、第1の圧力、及び第2の圧力に基づいて過冷却値及び過熱値を計算することを含む。さらなる特徴において、本方法は、過冷却値が室外ユニットに対応する過冷却閾値を下回ったことに応答して、閾時間にわたってソレノイドを開くことを含む。さらなる特徴において、本方法は、過熱値が室外ユニットに対応する過熱閾値を上回ったことに応答して、閾時間にわたってソレノイドを開くことを含む。
【0026】
本開示のさらなる適用領域は、詳細な説明、特許請求の範囲及び図面から明らかになるであろう。詳細な説明及び特定の例は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定するようには意図されていない。
【0027】
図面の簡単な説明
本開示は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】例示的な暖房、換気、及び空調(HVAC)システムのブロック図である。
【
図2】例示的なHVACシステムの冷媒充填システムの高レベルブロック図である。
【
図3】例示的なHVACシステムのエアハンドラユニットのブロック図である。
【
図4】例示的なHVACシステムのロックアウトコントローラの機能ブロック図である。
【
図5】例示的なHVACシステムの冷媒マニホールドの機能ブロック図である。
【
図6B】漏洩センサモジュールのブロック図である。
【
図7】HVACシステムの構成要素間のデジタル通信システムのブロック図である。
【
図8】HVACシステムの例示的な冷媒充填システムの例示的な動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面では、類似及び/又は同一の要素を識別するために参照番号が再利用されている場合がある。
【0030】
詳細な説明
本開示によれば、冷媒充填システムは、暖房、換気及び空調(HVAC)システムの充填中に冷媒漏洩を検知して技術者に通知するように構成されているシステムである。様々な実施態様において、冷媒充填システムは、ロックアウトソレノイドを閉じ、冷媒がHVACシステムの冷却回路に入らないように遮断することによって、HVACシステムへの追加の冷媒の流れを中断する。冷媒充填システムは、両方とも技術者によって持ち込まれる冷媒マニホールド及びユーザデバイスを含む。ユーザデバイスは、携帯電話、タブレット、ラップトップなどのようなモバイルコンピューティングデバイスであってもよい。冷媒マニホールドは、室外ユニットに冷媒を追加するために、室外ユニットの液体ライン及び蒸気ラインに冷媒容器を接続するように構成されている。ロックアウトソレノイドは、冷媒マニホールドと冷媒容器との間に配置される。冷媒マニホールド、ユーザデバイス、及びロックアウトソレノイドは、データ及び制御信号を送受信するための無線機能を含むことができる。様々な実施態様において、冷媒マニホールド、ユーザデバイス、及びロックアウトソレノイドは、安全上の予防措置のために有線化されてもよい。
【0031】
住宅及び商業環境における低GWP冷媒、特に部分的に可燃性のA2Lの採用が推進されているため、このような変化の安全性はますます最前線にまで高まっている。A2Lシステムの稼働に関連する危険性を軽減することを目的とした規制及び技術が相当に注目されているが、HVACシステムのライフサイクルにおける危険な点、すなわちHVACシステムに冷媒を充填することにはほとんど焦点が当てられていない。クーリング/冷却システムの充填は、典型的には、1人の技術者が、圧力及び温度の読み値と、その後計算された測定基準との組み合わせが所望の値又は十分な値に達するまで、室外の室外ユニットにおいて冷媒を追加することを含む。
【0032】
冷媒充填プロセスには多くの場合時間がかかり、継続的な変更及び監視が必要である。したがって、ほとんどの技術者は、充填プロセスの期間中、室外に留まることになる。現在、技術者には、このプロセス中に家庭又は商業施設内で冷媒漏洩が発生し、建造物内に潜在的に危険なレベルの部分的に可燃性の冷媒が生じようとしているか否かを検出する手段がない。この可能性に対抗するために、冷媒充填システムは、冷媒漏洩を検出し、冷媒漏洩を技術者に警告する。様々な実施態様において、冷媒充填システムは、部分的に可燃性の冷媒の潜在的に危険な蓄積を回避するために、追加の冷媒がHVACシステムに入らないように封鎖又は遮断する。
【0033】
冷媒充填システムは、技術者がHVACシステム全体に置く複数のポータブルセンサを含むことができる。センサは、少なくとも、ポータブル漏洩センサを含み、付加的に、室内に位置するポータブル温度センサ及び室外に取り付けられたポータブル温度プローブを含んでもよい。センサは、センサ測定値を冷媒マニホールド、ユーザデバイス、及び/又はサーモスタットに無線で送信するための送信機を含む。技術者がHVACシステムに冷媒を充填し始めると、ポータブル漏洩センサは、漏洩を経験する可能性が最も高い地点において建造物の内部に置かれる。オプションのリレー又はロックアウトソレノイドを緩和及び充填機器に接続して、冷媒充填システムをロックアウトし、漏洩が発生した場合に緩和することができる。HVACシステムのステータスは、ユーザデバイスを通じて監視することができ、ユーザデバイスは、記載されたすべての冷媒充填システム構成要素から測定値及びステータスを無線で受信することができる。ユーザデバイスは、測定値に基づいてHVACシステムに関する過熱及び過冷却などの効率情報を決定及び計算し、冷媒漏洩のステータスに関する更新を受信するように構成されたロジックを含むことができる。付加的に、すべての測定値を記憶データベースに記憶することができる。
【0034】
様々な実施態様において、ユーザデバイスは、ポータブル漏洩センサによって測定される冷媒濃度を無線で受信する。ユーザデバイスは、測定冷媒濃度を閾値冷媒濃度、例えば可燃性下限界(LFL)又は爆発下限界(LEL)の25%と比較するロックアウト制御ロジックを含む。測定冷媒濃度が閾値を超えたことに応答して、制御は作動命令を生成し、ロックアウトソレノイドに無線で送信する。ロックアウトソレノイドは、作動時に閉じて、追加の冷媒が冷媒容器から冷媒マニホールドに流れ、次いで室外ユニット及び室内(ポータブル漏洩センサが配置されている場所)に流れないように遮断する。様々な実施態様において、ロックアウト制御ロジックは、対応する制御信号を無線サーモスタット又は他の制御デバイスに送信することによって、オンになるように送風機に命令することなどの、軽減制御を含む。
【0035】
様々な実施態様において、冷媒充填システムは、冷媒漏洩の検出に応答してユーザデバイスに警告を生成するだけでよい。警告は、室外ユニットへの冷媒の充填を中断するように技術者に指示する。他の実施態様において、ロックアウトソレノイドを作動させる代わりに、又はそれに加えて、冷媒充填システムは、サーモスタットを介して、又は圧縮機に電力を供給するAC及び/又は制御信号線に沿って配置されたロックアウトリレーを使用して、室外ユニットの圧縮機をオフにすることができる。ロックアウトリレーは、有線化されてもよく、又は、ユーザデバイス、サーモスタット、及び冷媒マニホールドと無線で通信可能であってもよい。
【0036】
技術者は、HVACシステムの(クーリング中に蒸発器として機能する)室内コイルの隣のポータブル漏洩センサ(室内システムが漏洩を経験する可能性が最も高い)と、給気の温度を測定するように配置された1つのポータブル温度センサと、還気の温度を測定するように配置された別のポータブル温度センサとを用いて冷媒充填システムを設定することができる。ポータブル温度センサはまた、湿度センサ、粒子状物質センサ、揮発性化合物センサ、ホルムアルデヒドセンサ、二酸化炭素センサ、ラドンセンサなどを含んでもよい。ポータブルセンサは、取得した測定値を、表示のためにユーザデバイス又は冷媒マニホールドに、並びに記憶データベースに無線で送信することができる。
【0037】
ポータブル温度プローブは、HVACシステムの室外ユニットの液体ライン及び蒸気ラインに接続され、一方、エアハンドラユニット(並びに給気配管及び還気配管)は室内にある。ポータブル温度プローブはまた、例えば、冷媒マニホールド又はユーザデバイスに温度測定値を無線で通信する。冷媒マニホールドは、冷媒マニホールドのチャンバ内にユーザインターフェース及び圧力センサを含む。冷媒マニホールドは、冷媒容器から室外ユニットに冷媒を追加するように構成されている。様々な実施態様において、冷媒マニホールドは、特定の室外ユニットの要件並びに受信した温度及び圧力測定値に基づいて一定量の冷媒を追加するロジックを含む。
【0038】
冷媒マニホールドは、冷媒マニホールドの蒸気チャンバ及び液体チャンバ内の圧力測定値とともに冷媒マニホールドのユーザインターフェース上に表示するための温度プローブの測定温度を受信する。冷媒マニホールドはまた、OATセンサから外気温度(OAT)も受信する。ロックアウトソレノイドは、HVACシステムの冷却回路への冷媒の流れを中断するだけでなく、特定のHVACシステムの設計基準に基づいて冷却回路への冷媒の流れを制御する。様々な実施態様において、HVACシステムの室外ユニットは、室外ユニットに接着されたラベル又はステッカを含む。ラベルは、HVACシステムの設計基準を含む。様々な実施態様において、HVACシステムの室外ユニットは、OATを予測システム圧力に相関させる充填チャートを含むことができる。したがって、予測システム圧力は、OATから決定することができる。
【0039】
一例では、室外ユニットのラベルは、クーリングモード中にシステムを13°Fまで過冷却することを目指すことを技術者に示すことができる。様々な実施態様において、過冷却の計算は、飽和液体温度から液体ライン温度を減算することである。飽和液体温度は、冷媒マニホールドセンサによって測定される液体ライン圧力及び使用される冷媒のタイプの関数であり、液体ライン温度はまた、冷媒マニホールドセンサによって直接測定される値である。過冷却が目標値を下回る場合、ロックアウトソレノイドが(技術者によって、又は制御信号を介して自動的に)開かれて、追加の冷媒が冷却回路に流入することを可能にする。計算された過冷却が目標を上回っている場合、技術者は、システム回収ポンプを使用してシステムから冷媒を回収しなければならない。
【0040】
様々な実施態様において、冷媒マニホールドはまた、過熱、HVACシステムの膨張デバイスが動作可能であることを検証するために使用されるメトリック、及び室内コイル温度分割を計算することができる。これらの計算値がすべて室外ユニットのラベルに記載されている設計基準内である場合、HVACシステムは適正に充填されていると考えられる。場合によっては、技術者は、記載された値のいずれも測定又は計算せず、代わりにHVACシステムに含まれると予測される冷媒の量(典型的には冷却ライン長の関数)を計算し、単に冷媒スケールを使用して計算された量を重み付けするだけである。
【0041】
一例では、室外ユニットは、室外ユニットの外側のラベル上にバーコード又はQRコード(登録商標)を含むことができる。技術者は、ユーザデバイスを用いて(例えば、ユーザデバイスのカメラを使用して)ラベルを走査して、冷却回路が完全に充填されたときに、どの過冷却、温度、圧力などになるべきかを(ポータブル温度プローブ、ポータブル温度センサ、及び圧力センサの組み合わせに基づいて)決定することができる。他の設計基準と共に、ラベルは、過冷却値、工場で充填された冷媒の量、設計/試験圧力計の量、及び最大設計/作動圧力を含むことができる。様々な実施態様において、冷媒マニホールドは、走査された情報を受信し、室外ユニットに十分な又は最適な量の冷媒が充填されていることを様々な測定値が示すときに警告を生成することができる。
【0042】
様々な実施態様において、HVACシステムは、例えば、工場で設置された室内コイルの隣に、HVACシステムまで有線化された漏洩センサを含むことができる。したがって、技術者はまた、ポータブル漏洩センサを有線漏洩センサの隣に置き、その領域内の一部の冷媒を漏洩させることによって、有線漏洩センサの有効性を試験することもできる。技術者は、測定冷媒濃度が正確であることを保証するためにポータブル漏洩センサを持ち込むが、技術者はまた、有線漏洩センサが機能しており(ポータブル漏洩センサと同様の冷媒濃度を測定しており)、正しい緩和機能を実行していることを確認するために試験することもできる。
【0043】
ブロック図
図1は、HVACシステムのブロック図である。この特定の例では、ガス炉を備えた強制換気システムが示されている。還気が、循環送風機108によってフィルタ104を通じて建造物から引き出される。ファンとも呼ばれる循環送風機108は、制御モジュール112によって制御される。制御モジュール112は、サーモスタット116から信号を受信する。例えば、サーモスタット116は、ユーザによって指定される1つ以上の設定点温度を含んでもよい。サーモスタット116は、温度センサ及び湿度センサを含んでもよい。
【0044】
サーモスタット116は、循環送風機108を常時オンにするように誘導してもよく、又は、暖房要求若しくは冷房要求がある場合にのみオンにするように指示してもよい(自動ファンモード)。様々な実施態様において、循環送風機108は、1つ以上の個別の速度で、又は所定の範囲内の任意の速度で動作することができる。例えば、制御モジュール112は、循環送風機108を制御するため、及び/又は循環送風機108の速度を選択するために、一つ以上の切替リレー(図示せず)を切り替えてもよい。
【0045】
サーモスタット116は、加熱及び/又は冷房要求を制御モジュール112に提供する。様々な実施態様において、サーモスタット116は、ウェブベースのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を使用してHVACシステムの構成要素と通信する。暖房要求が行われると、制御モジュール112はバーナ120を点火させる。燃焼からの熱が、熱交換器124内で循環送風機108によって供給される還気に導入される。加熱された空気は、建造物に供給され、給気と呼ばれる。
【0046】
バーナ120は、バーナ120内の一次火炎に点火するための小さい一定の火炎であるパイロットライトを含んでもよい。あるいは、バーナ120内の一次火炎を点火する前に最初に小さい火炎が点火される断続パイロットが使用されてもよい。スパーカが、断続パイロット実施態様又は直接バーナ点火に使用されてもよい。別の点火オプションは、高温表面点火器を含み、高温表面点火器は、ガスが導入されると、加熱された表面がガスの燃焼を開始するのに十分高い温度まで表面を加熱する。天然ガスなどの燃焼用の燃料は、ガスバルブ128によって供給されてもよい。
【0047】
燃焼生成物は建造物の外側に排出され、誘引送風機132が、バーナ120の点火の前にオンにされてもよい。高効率炉では、燃焼生成物は、伝導によって排出するのに十分な浮力を有するほど十分に高温ではない場合がある。したがって、誘引送風機132は、燃焼生成物を排出するための通気を形成する。誘引送風機132は、バーナ120が動作している間、作動したままであってもよい。加えて、誘引送風機132は、バーナ120がオフになった後、設定された時間期間にわたって作動し続けてもよい。
【0048】
エアハンドラユニット136と呼ばれる単一の筐体が、フィルタ104、循環送風機108、制御モジュール112、バーナ120、熱交換器124、誘引送風機132、膨張弁140、室内区画144、及び凝縮液パン146を含むことができる。様々な実施態様において、エアハンドラユニット136は、バーナ120の代わりに、又はそれに加えて、電気加熱デバイス(図示せず)を含む。バーナ120に加えて使用される場合、電気加熱デバイスは、バーナ120にバックアップ又は二次(余分な)熱を提供することができる。
【0049】
図1に示すように、HVACシステムは、分割空調システムを含む。冷媒は、室内区画144の圧縮機148、凝縮器/室外コイル152、膨張弁140、及び室内コイル172を循環している。クーリング時には、室内コイル172が蒸発器として作用し、室外コイル152が凝縮器として作用する。加熱モードでは、室内コイル172が凝縮器となり、室外コイル152が蒸発器となる。
【0050】
室内区画144は、室内コイル172を含む区画である。室内区画144は、クーリングが所望されるときに室内コイル172が給気から熱を除去し、それによって給気をクーリングするように給気と直列にされる。クーリング中、室内コイル172に冷媒が循環して室内コイル172が冷やされ(例えば、建造物内の空気の露点を下回って)、水蒸気が凝縮する。この水蒸気は、凝縮液パン146に収集され、凝縮液パンは排水されるか、又は汲み出される。
【0051】
制御モジュール156は、制御モジュール112から冷房要求を受信し、それに応じて圧縮機148を制御する。制御モジュール156はまた、室外コイル152と外気との間の熱交換を増加させる室外ファン160を制御することができる。このような分割システムでは、圧縮機148、室外コイル152、制御モジュール156、及び室外ファン160は、一般に建造物の外側に、多くの場合は単一の室外ユニット164又は凝縮ユニット内に位置する。
【0052】
様々な実施態様において、制御モジュール156は、ランキャパシタ、始動キャパシタ、及び接触器又はリレーを含むことができる。様々な実施態様において、室外ユニット164が往復圧縮機の代わりにスクロール圧縮機を含む場合など、始動キャパシタは省略されてもよい。圧縮機148は、可変容量圧縮機であってもよく、マルチレベル冷房要求に応答してもよい。例えば、冷房要求は、クーリングのための中容量のコール又はクーリングのための高容量のコールを示してもよい。圧縮機148は、冷房要求に従ってその容量を変えることができる。
【0053】
室外ユニット164に提供される電線は、240ボルト商用電源ライン及び24ボルト切替制御ラインを含むことができる。24ボルト制御ラインは、
図1に示す冷房要求に対応することができる。24ボルト制御ラインは、制御モジュール112及び制御モジュール156の動作を制御する。圧縮機148がオンであるべきであることを制御ラインが示すとき、制御モジュール156は、240ボルト電源を圧縮機148のモータに接続するか、又は圧縮機148を動作させるための駆動装置に圧縮機148のモータを接続するようにスイッチのセットを動作させる。加えて、制御モジュール156は、240ボルト電源を室外ファン160に接続することができる。室外ユニット164が地熱システムの一部として地面内に位置する場合などの様々な実施態様において、室外ファン160は省略されてもよい。240ボルト商用電源は、米国で一般的であるように、2つの脚部に到達し、脚部の両方が圧縮機148のモータに接続する。
【0054】
サーモスタット116は、加熱(暖房)モード時に、温度センサによって測定された温度が下限温度未満である場合に暖房要求を生成する。サーモスタット116は、クーリング(冷房)モードのときに、温度センサによって測定された温度が上限温度よりも高い場合に、冷房要求を生成する。上限及び下限温度は、それぞれ設定点温度±閾量(例えば、華氏1、2、3、4、5度)に設定されてもよい。設定点温度は、デフォルトで或る温度に設定されてもよく、ユーザ入力の受信を介して調整されてもよい。閾量は、デフォルトで設定されてもよく、ユーザ入力の受信を介して調整されてもよい。
【0055】
様々な実施態様において、制御モジュール156又はサーモスタット116は、OATセンサ168から信号を受信することができる。サーモスタット116は、ネットワーク接続機能を有するWiFiサーモスタットであってもよい。様々な実施態様において、OATセンサ168は、筐体内に位置し、直射日光から遮蔽され、及び/又は日光によって直接加熱されない空洞に暴露されてもよい。代替的又は付加的に、建造物の地理的位置に基づくオンライン(サーモスタット116を介したインターネットベースを含む)気象データを使用して、太陽負荷、OAT、相対湿度、微粒子、VOC、二酸化炭素などを決定することができる。
【0056】
様々な実施態様において、エアハンドラユニット136は、AC電力を制御モジュール112及びサーモスタット116に供給するために、入来AC電力ラインに接続された変圧器(
図3に示す)を含むことができる。例えば、変圧器は、10対1変圧器であってもよく、したがって、エアハンドラユニット136が公称120ボルト電力で動作しているか又は公称240ボルト電力で動作しているかに応じて、12V又は24VのいずれかのAC電源を提供する。付加的又は代替的に、変圧器は、エアハンドラが公称120ボルト電力で動作している場合に24VのAC電源を提供するための5対1変圧器であってもよい。
【0057】
制御ラインは、一次加熱又は一次クーリングが不十分であるときに作動され得る二次暖房及び/又は二次クーリングに対するコールをさらに搬送することができる。電気又は天然ガスのいずれかから動作するシステムなどの二重燃料システムでは、燃料の選択に関連する制御信号を監視することができる。さらに、圧縮機が停止され、デフロストヒータが動作して室内コイル172から霜を溶かすときにアサートされ得るデフロストステータス信号などの追加のステータス及びエラー信号を監視することができる。
【0058】
また、(制御ライン上の)これらの制御信号のうちの1つ以上が室外ユニット164に送信される。様々な実施態様において、室外ユニット164は、温度データを生成する周囲温度センサを含むことができる。室外ユニット164が室外に位置する場合、周囲温度は外側(又は室外)の周囲温度を表す。周囲温度を供給する温度センサは、室外ユニット164の筐体の外側に位置してもよい。
【0059】
図2は、例示的なHVACシステムの冷媒充填システムの高レベルブロック図である。前述したように、冷媒充填システムの構成要素は、分散通信システム204を介して無線接続される。冷媒充填システムの構成要素は、Wi-Fi、セルラ、ZigBee、Z-Wave、Bluetooth(登録商標)、Thread、6LoWPAN、LoRa、EnOceanなどのような無線プロトコルを使用して分散通信システム204を介して通信してもよい。付加的に、冷媒充填システムの有線通信方法は、Modbus、UART、イーサネット(登録商標)、RS-232、RS-485、USB、SPI、I2C、及びCANを含むが、これらに限定されない。
【0060】
ユーザデバイス208は、ポータブル漏洩センサ212によって測定される冷媒濃度を受信する。技術者は、ポータブル漏洩センサ212を有線漏洩センサ216(システムに含まれる場合)の近くに置く。前述したように、技術者は、ポータブル漏洩センサ212が有線漏洩センサ216の近くに置かれたときに有線漏洩センサ216を試験して、有線漏洩センサ216が適切に動作及び緩和していることを保証することができる。有線漏洩センサ216の試験は、技術者がHVACシステムに冷媒を充填する前又は後に行うことができる。
【0061】
図3に示すように、漏洩センサは、室内コイル172の近くに置かれる。有線漏洩センサ216が適切に動作していることを試験するために、技術者は、室内コイル172の近くに置かれた有線漏洩センサ216及びポータブル漏洩センサ212のすぐ隣に少量の対象ガス(例えば、A2L冷媒)を放出する。様々な実施態様において、制御モジュール112は、有線漏洩センサ216から測定値を受信し、ユーザデバイス208は、ポータブル漏洩センサ212から測定値を受信する。ユーザデバイス208とサーモスタット116との間の無線接続により、ユーザデバイス208はまた、有線漏洩センサ216の測定値を受信することもできる。
【0062】
技術者は、有線漏洩センサ216及びポータブル漏洩センサ212の測定値を比較して、有線漏洩センサ216が適切に較正されているか否かを判定することができる。ポータブル漏洩センサ212は技術者によって持ち込まれ、定期的に較正されるため、ポータブル漏洩センサ212は正確であると推定される。したがって、有線漏洩センサ216の測定値がポータブル漏洩センサ212の測定値と異なる場合、技術者は、有線漏洩センサ216の出力を、信頼できるポータブル漏洩センサ212の出力と一致するように調整することができる。ユーザデバイス208は、ポータブル漏洩センサ212及び有線漏洩センサ216の両方から冷媒濃度測定値を受信し、差を計算することができる。差が較正閾値を超える場合、例えば、測定値がLFLの1%を超えて異なる場合、ユーザデバイス208は、有線漏洩センサ216の適切な調整が実行されるべきであることを技術者に示す警告を生成して表示することができる。様々な実施態様において、技術者は、電位差計を調整することによって、又はデジタル手段を通じて有線漏洩センサ216を調整することができる。さらに、技術者は、有線漏洩センサ216が対象ガス又は冷媒に曝露されたときに緩和有効化が期待通りに機能することを検証することができる。
【0063】
ポータブル漏洩センサ212は、測定冷媒濃度を、分散通信システム204を介してユーザデバイス208に無線で送信する。様々な実施態様において、ポータブル漏洩センサ212は、測定冷媒濃度を連続的に送信している。ユーザデバイス208は、冷媒濃度が閾値を超えているか否かを判定し、冷媒濃度が閾値を上回っている場合、ユーザデバイス208は、漏洩を示す警告を技術者に表示する。様々な実施態様において、冷媒濃度が閾値を超えるか否かの判定は、冷媒マニホールド228、又は冷媒充填システムとは別個のデバイス上に位置する制御ロジックによって実行することができ、冷媒充填システムは、分散通信システム204を介してデバイスからデータを送受信する。様々な実施態様において、ユーザデバイス208は、単純にデータを受信して表示することができる。
【0064】
様々な実施態様において、ユーザデバイス208はまた、作動制御信号を生成し、冷媒ラインホース224に沿って配置されたロックアウトソレノイド220に送信して、室外ユニット164への冷媒の流れを中断する。技術者がHVACシステムに冷媒を充填しているとき、技術者は、液体ラインホース232及び蒸気ラインホース236を使用して冷媒マニホールド228を室外ユニットに接続する。冷媒マニホールド228は、ロックアウトソレノイド220が解放又は開放されているときに冷媒容器248から冷媒を受け取り、冷媒が冷媒容器248から冷媒マニホールド228へと流れることを可能にする。様々な実施態様において、冷媒マニホールド228は、単一ホース実施態様を使用して冷媒容器248からの冷媒をシステムに充填することができる。
【0065】
技術者は、冷媒が蒸気ラインホース236を介して流れることを可能にして、室外ユニット164に冷媒を充填する。様々な実施態様において、技術者は、冷媒が液体ラインホース232を介して流れることを可能にすることができる。技術者はまた、冷媒マニホールド238を使用して、蒸気チャンバ及び液体チャンバ(対応するホースを冷媒マニホールド228に接続する)の圧力を(圧力センサ又は圧力計を介して)測定する。さらに、冷媒マニホールド228は、第1の温度プローブ250からの液体ライン温度及び第2の温度プローブ252からの蒸気ライン温度を無線で受信する。両方の温度プローブ250及び252はポータブルであり、技術者によって持ち込まれ、対応するライン上に置かれる。
【0066】
また、冷媒マニホールド228は、第1の温湿度センサ256からの還気の温度及び湿度、並びに、第2の温湿度センサ260からの給気の温度及び湿度の温度及び湿度の測定値を無線で受信する。前述したように、第1の温湿度センサ256及び第2の温湿度センサ260は、二酸化炭素センサ、揮発性有機化合物センサなどを含んでもよい。第1の温湿度センサ256及び第2の温湿度センサ260は、技術者によって室内に置かれ、検知データをユーザデバイス208に無線で送信することもできる。検知データはまた、位置情報、顧客情報、及びタイムスタンプと共に、記憶データベース264に記録されてもよい。データベースという用語は、データを挿入し、様々なパラメータに基づいてデータを照会及び/又は集約することができる任意の形態の構造化又は非構造化データストレージを指すことができる。例えば、技術者は、ユーザデバイス208のユーザインターフェースから、給気内の二酸化炭素のレベルが望ましくないことに気づき、HVACシステムの修理又は部品交換を提案するためにそのような情報を顧客に伝達することができる。
【0067】
冷媒マニホールド228は、第1の温度プローブ250、第2の温度プローブ252、第1の温湿度センサ256及び第2の温湿度センサ260から温度データを受信する。付加的に、技術者は、室外ユニット164に貼付又は接着されたQRコード(登録商標)などのラベル268を走査することによって、室外ユニット164に関する特定の冷媒充填情報を取得することができる。技術者は、ユーザデバイス208を使用してラベル268を走査することができる。ユーザデバイス208は、第1の温度プローブ250と第2の温度プローブ252との最適な温度差、(第1の温湿度センサ256からの)最適な還気の温度及び湿度、(第2の温湿度センサ260からの)最適な給気の温度及び湿度、並びに室外ユニット164の最適な圧力を含む、ラベル268識別子に対応する記憶データベース264からの室外ユニット164の情報を取得してもよい。上記のデータに基づいて、技術者は、室外ユニット164の最適な情報を冷媒マニホールド228上で受信及び表示されたデータと比較して、室外ユニット164がいつ十分に又は最適に充填されるかを判定することができる。
【0068】
様々な実施態様において、冷媒マニホールド228は、温度及び圧力の測定値に基づいて、室外ユニット164に充填された冷媒の量が十分なレベルに達したときにユーザデバイス208に警告を送るように構成されたロックアウトロジックを含むことができる。ロックアウトコントローラ404は、冷媒マニホールド228を介して室外ユニット164に冷媒を徐々に追加する。例えば、ロックアウトコントローラ404は、ロックアウトソレノイド220を2秒などの期間にわたって開くように制御することができる。次いで、ロックアウトコントローラ404は、更新された冷媒濃度測定値を受信するために閉じるように、ロックアウトソレノイド220を制御する。ロックアウトコントローラ404は、更新された冷媒濃度の測定値に基づいて、室外ユニット164に追加の冷媒を追加すべきか否かを再評価する。冷媒マニホールド228は、室外ユニット164がいつ十分に充填されるかを冷媒マニホールドインターフェースに表示することができる。様々な実施態様において、ユーザデバイス208は、室外ユニット164が十分に充填されているという指示を受信し、ロックアウトソレノイド220を作動させて、室外ユニット164への追加の冷媒の流れを防止することができる。
【0069】
冷媒容器248は、冷媒容器248の重量を測定するために冷媒スケール272上に置かれてもよい。冷媒スケール272は、冷媒容器248の重量をユーザデバイス208に連続的に無線で送信してもよい。様々な実施態様において、冷媒充填の開始時及び終了時に重量が送信される。また、ユーザデバイス208は、最初と最後の重量差に基づいて、室外ユニットに追加する冷媒量を決定してもよい。次いで、技術者は、追加される量に基づいて冷媒のコストを計算することができる。付加的に、ユーザデバイス208は、位置、顧客、及び時間を含め、追加された冷媒の量を記憶データベース264に送信することができる。様々なHVACシステムに追加される冷媒の量を記憶することは、そのようなデータを様々な政府機関によって追跡又は監視してGWPの影響を決定することができるため、重要である。
【0070】
様々な実施態様において、ユーザデバイス208はまた、第1の温湿度センサ256及び第2の温湿度センサ260から受信したセンサデータに基づいてHVACシステム提案を提供してもよい。例えば、第1の温湿度センサ256及び第2の温湿度センサ260が粒子状物質センサを含み、望ましい閾値を上回る粒子状物質カウントを送信する場合、ユーザデバイス208は、粒子状物質カウントを表示し、還気フィルタの交換又はより良好な還気フィルタの設置を推奨してもよい。同様に、第1の温湿度センサ256及び第2の温湿度センサ260が湿度センサを含み、湿度が低い場合、ユーザデバイス208は、加湿器の推奨を表示してもよい。
【0071】
技術者はまた、エアハンドラユニット136と室外ユニット164との間に接続された電力ラインに沿ってロックアウトリレー276を有することができる。ロックアウトリレー276は、電力ラインに割り込み、ポータブル漏洩センサ212によって測定される冷媒濃度が閾値を超えたときにHVACシステム(具体的には圧縮機)に電力が供給されるのを防止するための制御信号を無線で受信することができる。
図7でより詳細に説明するように、ロックアウトリレー276は、エンコーダ/デコーダモジュールとして動作することができる。圧縮機をオフにすることにより、冷媒が室内に圧送されることが防止される。様々な実施態様において、閾値は、ある領域内の冷媒のLFLの25%であってもよい。ポータブル漏洩センサ212の閾値は、ポータブル漏洩センサ212が位置する空間のサイズに基づいて変更することができる。
【0072】
冷媒充填システムはまた、HVACシステムが含む冷媒が多すぎる場合、システム回収ポンプ280を含むことができる。したがって、HVACシステムを充填するとき、システム回収ポンプ280は除外される。しかしながら、冷媒充填システムが過剰な冷媒を除去するように動作しているとき、システム回収ポンプ280は、液体ラインホース232及び/又は蒸気ラインホース236に接続されて真空として動作し、過冷却、過熱、室内コイル温度分割などに従って十分又は最適な充填レベルに達するために、HVACシステムの冷却回路から冷媒を除去又は回収する。システム回収ポンプ280はまた、HVACシステムが修理又は交換部品を必要とするときに冷媒を除去するために使用されてもよい。
【0073】
水分又は他のガスは室外ユニット164を適切に動作させないため、真空ポンプ(図示せず)をHVACシステムの設置中に使用して、冷媒ではない、いずれかのライン内の水分又はガスを除去することができる。付加的に、真空ポンプを使用して、経時的な真空減衰を識別することによって漏洩チェックを実行することができる。様々な実施態様において、ロックアウトソレノイド220は、適切なレベルの真空を保証するためにミクロンゲージを含むことができる。システム回収ポンプ280は、HVACシステムから冷媒を除去するように動作することができる。冷媒を追加する場合と同様に、冷媒スケール272は、冷媒を除去する際に重量差を測定して回収される冷媒の量を決定することができる。付加的に、技術者は、(記憶データベース264からの)以前に記憶された情報に基づいて、回収される冷媒の量が以前に追加された量と一致するか否かを比較することができる。
【0074】
図3は、例示的なHVACシステムのエアハンドラユニットのブロック図である。多くのシステムでは、エアハンドラユニット136は建造物の内側に位置し、一方、室外ユニット164は建造物の外側に位置する。しかしながら、本開示はその配置に限定されず、単なる例として、エアハンドラユニット136及び室外ユニット164の構成要素が互いに近接して、又はさらには単一の筐体内に位置するシステムを含む他のシステムに適用される。単一の筐体は、建造物の内側又は外側に配置されてもよい。様々な実施態様において、エアハンドラユニット136は、地下、ガレージ、又は天井裏に位置してもよい。土と熱が交換される地中熱源システムでは、エアハンドラユニット136及び室外ユニット164は、地下、クロールスペース、ガレージ、又は1階がコンクリートスラブのみによって土から分離されている場合などの1階など、土の近くに位置してもよい。
【0075】
図3において、制御モジュール112及びサーモスタット116にAC電力を供給するために、変圧器304をACラインに接続することができる。HVACシステム構成要素は、サーモスタット116を介して変圧器304から電力を受け取る。例えば、変圧器304は、制御モジュール112及びサーモスタット116を含むHVACシステム構成要素に24VのAC電力を供給することができる。制御モジュール112は、制御ラインを介して受信されるサーモスタット116からの信号に応答して動作を制御する。制御ラインは、冷房に対するコール(冷房要求)、暖房に対するコール(暖房要求)、及びファンに対するコール(ファン要求)を含んでもよい。制御ラインは、ヒートポンプシステムの逆転弁の状態に対応するラインを含むことができる。
【0076】
有線漏洩センサ216は、室内コイル172によって室内区画144内に位置する。室内区画144は、室内コイル172を含む区画である。有線漏洩センサ216は、漏洩センサ及びリレーを含むことができる。漏洩センサは、室内区画144内の冷媒濃度を計測する。漏洩センサは、非毒性でより可燃性の低い冷媒であるA2Lの濃度を測定する。しかしながら、漏洩センサは、代わりに、A1などの無毒で可燃性でない冷媒、A2などの無毒で可燃性の冷媒、A3などの無毒で可燃性の高い冷媒、又は毒性である冷媒の同様のバージョンを測定してもよい。
【0077】
漏洩センサは、既知の空間、ここでは室内区画144内の冷媒の百分率として冷媒濃度を測定する。技術者は、ポータブル漏洩センサ212を有線漏洩センサ216の近くに置く。ポータブル漏洩センサ212は、漏洩センサと、バッテリと、無線送信機(
図6Bに示すような)とを含む。ポータブル漏洩センサ212は、冷媒濃度をユーザデバイス208に送信する。
【0078】
ユーザデバイス208は、警告を生成し、ポータブル漏洩センサ212を画定する区画又は空間内の冷媒の百分率がLFL又はLELを超えることに応答してロックアウトソレノイド220を作動させることができる。両方の限界は、空気と混合されたときに点火され得る冷媒又は任意の可燃性ガスの百分率濃度の下限を表す。例えば、ポータブル漏洩センサ212は、所与の冷媒のLFLの25%を超える測定冷媒濃度に応答して、ロックアウトソレノイド220を作動させて閉じることができる。
【0079】
ポータブル漏洩センサ212が閾値を上回る冷媒濃度を測定すると、ユーザデバイス208が通知を受け、ロックアウトソレノイド220を作動させることができる。様々な実施態様において、ロックアウトリレー276は開かれ、圧縮機などのHVACシステム構成要素からの電力を切り離して、追加の冷媒が内部を流れるのを防止する。様々な実施態様において、ユーザデバイス208は、サーモスタット116に制御信号を無線で送信して、冷媒漏洩を緩和するために循環送風機108にオンになるように指示することができる。付加的に、技術者は、漏洩の修理を受けて通常動作に戻るように、ロックアウトソレノイド220、ロックアウトリレー276、及び循環送風機108を(サーモスタット116を介して)制御することができる。
図3に示すように、第1の温湿度センサ256は、還気通路に沿って置かれ、第2の温湿度センサ260は、給気通路に沿っている。
【0080】
図4は、例示的なHVACシステムのロックアウトコントローラ404の機能ブロック図である。説明されているようなロックアウトコントローラ404は、ユーザデバイス208のプロセッサによって実装されるユーザデバイス208のメモリに記憶されてもよい。様々な実施態様において、ロックアウトコントローラ404は、冷媒マニホールド228のメモリに記憶され、そのプロセッサによって動作される。付加的又は代替的に、ロックアウトコントローラ404は、分散通信システム204に統合された別個のデバイスによって動作される。ロックアウトコントローラ404のデータ収集モジュール408は、ポータブル漏洩センサ212から冷媒濃度測定値を受信する。データ収集モジュール408は、冷媒濃度測定値を記憶データベース264に無線で記憶することができる。データ収集モジュール408は、冷媒濃度測定値をロックアウト判定モジュール412に転送する。ロックアウト判定モジュール412は、冷媒濃度を閾値と比較する。
【0081】
閾値を超えたことに応答して、ロックアウト判定モジュール412は作動命令を生成し、ロックアウトソレノイド220に送信する。次いで、ロックアウト判定モジュール412は、生成された命令を警告生成モジュール416に転送する。警告生成モジュール416は、指示を生成してユーザデバイス208に送信する。様々な実施態様において、ロックアウトコントローラ404は、充填の中断を技術者に促し、冷媒漏洩を見つけるために、指示を生成してユーザデバイス208に送信するのみである。様々な実施態様において、警告生成モジュール416は、指示をサーモスタット116に転送する。次いで、サーモスタット116は、循環送風機108に制御信号を送信してオンにする。前述のように、ロックアウトコントローラ404はまた、漏洩が検出されたときにロックアウトリレー276を作動させて圧縮機をオフにすることもできる。様々な実施態様において、ロックアウトコントローラ404は、自動充填中に漏洩が識別された場合、必要に応じてサーモスタット116を介して圧縮機への電力を切ることができる。
【0082】
図5は、例示的なHVACシステムの冷媒マニホールド228の機能ブロック図である。様々な実施態様において、ロックアウトコントローラ404のロジックは、冷却回路内の冷媒の最適な量に徐々に達するように、室外ユニット164への冷媒の流れを制御するために冷媒マニホールド228に組み込まれる。冷媒マニホールド228は、冷媒マニホールド228のプロセッサによって実施される冷媒マニホールド228のメモリに記憶された命令を含む。冷媒マニホールド228は、液体チャンバ504と、冷媒チャンバ508と、蒸気チャンバ512とを含む。液体チャンバ504は、液体圧力センサ516を含み(又は代わりに液体圧力計を含んでもよい)、蒸気チャンバ512は、蒸気圧力センサ520を含む(又は代わりに蒸気圧力計を含んでもよい)。様々な実施態様において、組み込み圧力センサ516及び520を使用する代わりに、アドオンインライン圧力トランスデューサが冷媒充填システムに追加されてもよい。液体ダイヤル524を動かして、冷媒が冷媒ラインホース224から液体ラインホース232に向かって室外ユニット164へと流れることを可能にすることができる。蒸気ダイヤル528も同様に動作する。
【0083】
圧力判定モジュール532が、液体圧力センサ516及び蒸気圧力センサ520から測定圧力を受信する。圧力判定モジュール532は、圧力データを充填判定モジュール536に転送する。温度判定モジュール540が、第1の温度プローブ250及び第2の温度プローブ252から温度データを無線で受信する。様々な実施態様において、温度判定モジュール540はまた、第1の温湿度センサ256及び第2の温湿度センサ260から給気及び還気に関する温度データを無線で受信してもよい。
【0084】
温度判定モジュール540は、温度データを充填判定モジュール536に転送する。充填判定モジュール536は、温度及び圧力データを含む複数の測定値を受信する。充填判定モジュール536が受信する測定値は、過冷却値、過熱値、室内コイル温度分割値、室内から室外への温度分割値などのような、HVACシステムのメトリックを計算するために使用され得る生値である。上記の計算の多くは、HVACシステム内で使用される冷媒のタイプに依存する。
【0085】
量判定モジュール544は、室外ユニット164に関するラベル走査情報を取得する。ラベル走査情報は、(ラベルの走査後に)ユーザデバイス208から受信されてもよく、又は冷媒マニホールド228によって走査されてもよい。様々な実施態様において、冷媒マニホールド228によって実施される、説明されている制御は、ユーザデバイス208によって実施することができる。さらに、圧力、温度、充填目標などを含むがこれらに限定されない、ラベル走査情報から自動的に取得されない任意の値は、手動で充填判定モジュール536に入力されてもよい。量判定モジュール544は、対応する室外ユニット164の充填情報を含むラベル走査情報に対応するメトリックを記憶データベース264から取得する。メトリックは、HVACシステムの温度及び圧力の測定値に対応し、HVACシステムがどの温度及び圧力で最適又は十分な量の冷媒を有するかを示す。
【0086】
冷媒充填システムは、過冷却、過熱などの最適値が特定の範囲(ラベルに示された範囲)内になるまで、HVACシステムを自動的に又は手動で充填するように構成される。しかしながら、範囲外の値は、システムにおける問題を示し得る。例えば、過冷却が目標値又は最適範囲内にあり、システム内の蒸気圧が低い場合、HVACシステムは低い空気流を有し得る。したがって、充填判定モジュール536は、最適値範囲に基づいてHVACシステムに冷媒を徐々に追加することによって冷媒充填プロセスを完全に自動化することができるが、充填判定モジュール536はまた、受信測定値の変動に基づいて潜在的なシステム障害を識別することもできる。そのような場合、充填判定モジュール536は、障害の可能性を技術者に示す警告を生成し、様々な実施態様において、障害を修正するための命令を提供することができる。
【0087】
メトリックは充填判定モジュール536に転送される。充填判定モジュール536は、メトリック、温度データ、及び圧力データに基づいて、追加の冷媒が必要か否かを判定する。様々な実施態様において、充填判定モジュール536は、HVACシステム又は冷媒回路が過剰量の冷媒を含むと判定し、技術者に(冷媒マニホールド228のユーザインターフェース又はユーザデバイス208を介して)システム回収ポンプ280を接続して過剰量の冷媒を回収するように指示することができる。判定は、センサデータと共に、記憶データベース264に記憶されてもよい。付加的に、充填判定モジュール536は、冷媒充填が完了したか否かを示す判定をマニホールドインターフェース548及び/又はユーザデバイス208上に提示することができる。様々な実施態様において、冷媒マニホールド228上の記載されている制御ロジックは、ユーザデバイス208に含まれる命令として組み込まれてもよい。様々な実施態様において、マニホールドインターフェース548は、冷却充填プロセスを通じて技術者を誘導するための、技術者に対する命令を表示することができる。例えば、量判定モジュール544は、ラベル走査情報を充填判定モジュール536に転送することができ、充填判定モジュールは、センサ測定値に基づいて技術者に増分命令を表示する。
【0088】
図6Aは、センサモジュール604のブロック図である。第1の温度プローブ250、第2の温度プローブ252、第1の温湿度センサ256及び第2の温湿度センサ260は、センサモジュール604として実装されてもよい。センサモジュール604は、温度センサ608と、追加のセンサ612と、バッテリ616と、送信機620とを含む。様々な実施態様において、センサモジュール604は、追加のセンサ612(上述したような、湿度センサ、二酸化炭素センサなど)を除外することができる。送信機620は、センサモジュール604が置かれた領域の温度測定値を無線で送信するように構成される。
図6Bは、漏洩センサモジュール624のブロック図である。ポータブル漏洩センサ212は、漏洩センサモジュール624として実装されてもよい。漏洩センサモジュール624は、漏洩センサ628と、バッテリ632と、送信機636とを備える。前述したように、漏洩センサ628は、冷媒濃度を測定し、送信機636は、測定冷媒濃度をユーザデバイス208などの他のデバイスに無線で送信する。
【0089】
図7は、HVACシステムの構成要素間のデジタル通信システム650のブロック図である。従来のHVACシステムでは、室外ユニット164などの室外構成要素は、二線接続を通じて、エアハンドラユニット136などの室内構成要素に接続され、サーモスタット116からの信号に基づいて室外ユニット164に電力が供給される。上述したように、本開示の冷媒充填システムは、様々な構成要素間の無線信号を使用して動作することができる。HVACシステムが無線で通信できない(例えば、距離に起因して)ときにHVACシステムに冷媒を充填するために、デジタル通信システム650は、ロックアウトリレー276とエンコーダ/デコーダモジュール654との間のデジタル通信バスとして二線接続を再利用する。
【0090】
ロックアウトリレー276は、エンコーダ/デコーダとして動作してもよく、又は別のエンコーダ/デコーダモジュールが室外に含まれてもよい。様々な実施態様において、エンコーダ/デコーダモジュール654は、エアハンドラユニット136に含まれてもよい。エンコーダ/デコーダモジュール654は、循環送風機108などのエアハンドラユニット136内の室内構成要素からアナログ信号を受信し、ロックアウトリレー276は、圧縮機148などの室外ユニット164の室外構成要素からアナログ信号を受信する。ロックアウトリレー276は、室外構成要素からのアナログ信号をデジタル信号に変換し、それらの信号をエンコーダ/デコーダモジュール654にデジタル的に送信するように構成される。
【0091】
エンコーダ/デコーダモジュール654は、室内構成要素からのアナログ信号をデジタル形式にしてロックアウトリレー276に通信するために同じ変換を実行する。次いで、ロックアウトリレー276及びエンコーダ/デコーダモジュール654の両方は、受信デジタル信号をアナログ信号に変換し、それらの信号をそれぞれ室外構成要素(例えば、室外ユニット164)及び室内構成要素(例えば、エアハンドラユニット136)に送信することができる。付加的に、ロックアウトリレー276及びエンコーダ/デコーダモジュール654は、分散通信システム204を介してユーザデバイス208(並びにサーモスタット116及び上述の他の無線構成要素)と無線で通信することができる。
【0092】
様々な実施態様において、エンコーダ/デコーダモジュール654は、循環送風機108を作動させるように構成されてもよい。例えば、エンコーダ/デコーダモジュール654は、エンコーダ/デコーダモジュール654を介してそれらの室内構成要素を直接作動させるために、例えば制御モジュール112を通じて様々な室内構成要素に接続することができる複数の補助接続又はリレー(図示せず)を有してもよい。付加的に、別個のデバイス(図示せず)がエンコーダ/デコーダモジュール654及び制御モジュール112の補助接続に接続して、循環送風機108を直接作動させてもよい。
【0093】
フローチャート
図8は、HVACシステムの例示的な冷媒充填システムの例示的な動作を示すフローチャートである。制御は、冷媒充填システムが接続されるという、ユーザデバイス上でのユーザ選択の受信に応答して開始する。冷媒充填システムのほとんどの構成要素は無線で通信し、HVACシステム内の様々な位置に接続されるか又は置かれる必要があるため、技術者は、冷媒充填システムが接続されることをユーザデバイス上で選択する。制御は704に進み、室外ユニット164に対応するラベルを受信する。様々な実施態様において、ユーザデバイスは、室外ユニット164に貼付されたラベルを読み取るために、カメラを介して動作するスキャナを含むことができる。
【0094】
制御は708に続き、ラベルに基づいて室外ユニットパラメータを取得する。室外ユニットパラメータは、記憶データベース264から取得されてもよい。制御は712に進み、冷媒スケール272から開始冷媒重量を取得する。制御は716に続き、ラインプローブからの温度及び圧力データ、並びに給気及び還気プローブからの温度データを受信する。様々な実施態様において、制御は温度/圧力データのサブセットのみを取得する。720に進み、ポータブル漏洩センサ212から冷媒濃度を取得する。
【0095】
制御は724に続き、冷媒濃度が閾値を上回っているか否かを判定する。そうである場合、制御は728に進み、ユーザデバイス208に表示するための漏洩警告を生成する。制御は732に進み、ロックアウトソレノイド220を作動させるためのロックアウト信号を送信する。制御は736に進み、サーモスタット116に信号を送信してファン(循環送風機108)を作動させる。様々な実施態様において、制御は漏洩を警告するだけでよく、ロックアウトソレノイド220又はファンを作動させなくてもよい。その後、制御は終了する。
【0096】
そうではなく、724において、冷媒濃度が閾値を下回っていると制御が判定した場合、制御は740に進む。740において、制御は閾期間にわたって待つ。冷媒回路への冷媒の追加は、例えば5秒間隔で徐々に行われるため、制御は、742に進むまで閾期間、例えば3分間にわたって待つ。742において、制御は、温度データ及び圧力データに基づいて冷媒需要を計算する。様々な実施態様において、冷媒需要の計算は、ユニットパラメータを現在測定されている温度及び圧力の測定値と比較する。
【0097】
次いで、制御は744に進む。744において、制御は、計算された冷媒需要に基づいて追加の冷媒が必要であるか否かを決定する。そうである場合、制御は716に戻る。そうでなければ、制御は748に進み、冷媒スケール272から終了冷媒重量を取得する。次に、制御は752に進み、開始及び終了冷媒重量に基づいて冷媒量を計算する。制御は756に進み、冷媒量情報を記憶する。付加的に、制御は冷媒量のコストを計算し、コストをユーザデバイス208に送信してもよい。制御は760に進み、追加される冷媒の量及びセンサデータを含むレポートを生成して記憶する。レポートは、顧客情報、位置情報、追加される冷媒の量、及びどの時間間隔か、並びに温度、圧力、湿度などを含む充填プロセス全体を通じたセンサデータを含んでもよい。その後、制御は終了する。
【0098】
上記の説明は、本質的に単なる例示であり、決して本開示、その適用、又は使用を限定することを意図するものではない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実装することができる。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、及び添付の特許請求の範囲を検討すると他の修正が明らかになるため、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。本開示の原理を変更することなく、方法内の1つ以上のステップを異なる順序で(又は同時に)実行することができることを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上述されているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されたそれらの特徴のうちのいずれか1つ以上は、その組み合わせが明示的に説明されていなくても、他の実施形態のいずれかの特徴内に実装することができ、及び/又はそれらと組み合わせることができる。言い換えれば、記載された実施形態は相互に排他的ではなく、1つ以上の実施形態の互いの置換は、本開示の範囲内に留まる。
【0099】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)の空間的及び機能的関係は、「接続されている」、「係合されている」、「結合されている」、「隣接する」、「隣の」、「~の上」、「上方」、「下方」、及び「配置されている」を含む様々な用語を使用して説明される。「直接」であると明示的に記載されていない限り、第1の要素と第2の要素との間の関係が上記開示に記載されている場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係とすることができるが、第1の要素と第2の要素との間に(空間的又は機能的に)1つ以上の介在要素が存在する間接的な関係とすることもできる。本明細書において使用される場合、A、B、及びCのうちの少なくとも1つという語句は、非排他的論理ORを使用して論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bの内の少なくとも1つ、及びCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0100】
図では、矢じりによって示される矢印の方向は、一般に、図解にとって関心のある情報(データ又は命令など)の流れを示している。例えば、要素A及び要素Bが様々な情報を交換するが、要素Aから要素Bに送信された情報が図解に関連する場合、矢印は要素Aから要素Bを指すことができる。この一方向の矢印は、他の情報が要素Bから要素Aに送信されないことを意味しない。さらに、要素Aから要素Bに送られる情報について、要素Bは、情報に対する要求又は上方の受信確認を要素Aに送ることができる。
【0101】
下記の定義を含む本出願では、「モジュール」という用語又は「コントローラ」という用語は、「回路」という用語と置き換えることができる。「モジュール」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル、アナログ、若しくはアナログ/デジタル混合ディスクリート回路、デジタル、アナログ、若しくはアナログ/デジタル混合集積回路、組み合わせ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用、又はグループ)、プロセッサ回路によって実行されるコードを記憶するメモリ回路(共有、専用、又はグループ)、記載された機能を提供する他の適切なハードウェア構成要素、又は、システムオンチップ内など、上記の一部若しくはすべての組み合わせを指すか、その一部であるか、又は含むことができる。
【0102】
モジュールは、1つ以上のインターフェース回路を含むことができる。いくつかの例では、インターフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、又はそれらの組み合わせに接続された有線又は無線インターフェースを含むことができる。本開示の任意の所与のモジュールの機能は、インターフェース回路を介して接続された複数のモジュール間で分散されてもよい。例えば、複数のモジュールは、負荷平衡を可能にし得る。さらなる例では、サーバ(リモート又はクラウドとしても知られる)モジュールが、クライアントモジュールに代わっていくつかの機能を達成してもよい。
【0103】
コードという用語は、上記で使用されているように、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はマイクロコードを含むことができ、プログラム、ルーチン、関数、クラス、データ構造、及び/又はオブジェクトを指すことができる。共有プロセッサ回路という用語は、複数のモジュールからのいくつか又はすべてのコードを実行する単一のプロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路という用語は、追加のプロセッサ回路と組み合わさって、1つ以上のモジュールからの一部又はすべてのコードを実行するプロセッサ回路を包含する。複数のプロセッサ回路への言及は、個別のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のプロセッサ回路の複数のコア、単一のプロセッサ回路の複数のスレッド、又は上記の組み合わせを包含する。共有メモリ回路という用語は、複数のモジュールからのいくつか又はすべてのコードを記憶する単一のメモリ回路を包含する。グループメモリ回路という用語は、追加のメモリと組み合わさって、1つ以上のモジュールからの一部又はすべてのコードを記憶するメモリ回路を包含する。
【0104】
メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。本明細書において使用されるコンピュータ可読媒体という用語は、媒体を通って(搬送波上などで)伝播する一時的な電気信号又は電磁信号を包含しない。したがって、コンピュータ可読媒体という用語は、有形且つ非一時的であると考えることができる。非一時的有形コンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ回路、又はマスク読み出し専用メモリ回路など)、揮発性メモリ回路(スタティックランダムアクセスメモリ回路又はダイナミックランダムアクセスメモリ回路など)、磁気記憶媒体(アナログ又はデジタル磁気テープ又はハードディスクドライブなど)、及び光記憶媒体(CD、DVD、ブルーレイディスクなど)である。
【0105】
本出願に記載された装置及び方法は、コンピュータプログラムで具現化された1つ以上の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された専用コンピュータによって部分的又は全体的に実装されてもよい。上述した機能ブロック、フローチャート構成要素、及び他の要素は、ソフトウェア仕様として機能し、これは、熟練した技術者又はプログラマの定型的作業によってコンピュータプログラムに変換することができる。
【0106】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的有形コンピュータ可読媒体に記憶されたプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、記憶されたデータを含むか、又はそれに依拠し得る。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアとインタラクトする基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスとインタラクトするデバイスドライバ、1つ以上のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを包含することができる。
【0107】
コンピュータプログラムは、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張可能マークアップ言語)、又はJSON(JavaScriptオブジェクト表記法)などの解析される記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されたオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行のためのソースコード、(v)実行時コンパイラによるコンパイル及び実行のためのソースコードなどを含んでもよい。単なる例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective-C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、Javascript(登録商標)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語第5次改訂)、Ada、ASP(アクティブサーバページ)、PHP(PHP:ハイパーテキストプリプロセッサ)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、MATLAB(登録商標)、SIMULINK(登録商標)、及びPython(登録商標)を含む言語からの構文を使用して書かれてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外ユニットに冷媒を充填するためのシステムであって、
冷媒濃度を測定するように構成されたセンサと、
ユーザデバイスとを備え、前記ユーザデバイスは、
測定冷媒濃度を受信し、
前記測定冷媒濃度が閾値を超えたことに応答して、前記測定冷媒濃度が閾値を超えることを示す警告を生成して前記ユーザデバイスのユーザインターフェース上に表示するように構成されている、システム。
【請求項2】
第1のホース及び第2のホースを介して前記室外ユニットに接続されている冷媒マニホールドと、
第3のホースを介して前記冷媒マニホールドに接続されている冷媒容器であって、前記冷媒容器は冷媒を格納するように構成されている、冷媒容器と
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、冷媒スケールをさらに備え、前記冷媒容器は、前記冷媒スケール上に位置し、前記冷媒スケールは、測定冷媒重量を前記ユーザデバイスに無線で送信する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、
前記第3のホースに沿って配置されたソレノイドをさらに備え、前記ソレノイドは、前記ソレノイドの作動に応じて前記冷媒容器から前記冷媒マニホールドへの冷媒の流れを遮断するように構成されており、
前記ユーザデバイスは、前記測定冷媒濃度が前記閾値を超えることに応答して前記ソレノイドを作動させるように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記冷媒マニホールド、前記ソレノイド、前記センサ、及び前記ユーザデバイスは、無線で通信するように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、
前記第1のホースに接続され、第1の温度を測定するように構成された第1の温度プローブと、
前記第2のホースに接続され、第2の温度を測定するように構成された第2の温度プローブと、
第1の圧力を測定するように構成された第1の圧力センサと、
第2の圧力を測定するように構成された第2の圧力センサとをさらに備え、前記冷媒マニホールドは、
前記第1の温度、前記第2の温度、前記第1の圧力、及び前記第2の圧力を受信し、
前記第1の温度、前記第2の温度、前記第1の圧力、及び前記第2の圧力に基づいて過冷却値及び過熱値を計算し、
前記過冷却値が前記室外ユニットに対応する過冷却閾値を下回ることに応答して、閾時間にわたって前記ソレノイドを開き、
前記過熱値が前記室外ユニットに対応する過熱閾値を上回ることに応答して、前記閾時間にわたって前記ソレノイドを開くように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記冷媒マニホールドは、温度データを受信して前記冷媒マニホールドのインターフェース上に表示するように構成されており、前記温度データは、前記第1のホースに取り付けられた第1の温度プローブ及び前記第2のホースに取り付けられた第2の温度プローブから受信される、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、
外気温度を測定するように構成された外気温度センサと、
複数の室外ユニットについて、過冷却値、過熱値、及び室内コイル温度分割値のうちの少なくとも1つを記憶するように構成された記憶データベースとをさらに備え、前記ユーザデバイスは、
前記外気温度を取得して記憶し、
前記室外ユニットについて、前記記憶データベースから対応する過冷却値、対応する過熱値、及び対応する室内コイル温度分割値のうちの少なくとも1つを取得し、
第1のセンサ及び第2のセンサの測定値に基づいて、現在の過冷却値、現在の過熱値、及び現在の室内コイル温度分割値のうちの少なくとも1つを計算し、
(i)前記対応する過冷却値と一致する前記現在の過冷却値、(ii)前記対応する過熱値と一致する現在の過熱値、及び(iii)前記対応する室内コイル温度分割値と一致する前記現在の室内コイル温度分割値のうちの少なくとも1つに応答して、前記室外ユニットが充填されていることを示す警告を生成して表示するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のセンサは、還気の温度及び湿度を測定するように位置し、前記第2のセンサは、給気の温度及び湿度を測定するように位置し、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサは、前記還気の温度及び湿度並びに前記給気の温度及び湿度を前記ユーザデバイスに無線で送信するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、
前記室外ユニットの圧縮機を電力に接続するロックアウトリレーをさらに備え、前記ユーザデバイスは、
前記測定冷媒濃度が前記閾値を超えることに応答して、前記ロックアウトリレーを作動させて前記圧縮機を前記電力から切り離すように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、
空気を循環させるように構成された循環送風機をさらに備え、前記ユーザデバイスは、
前記測定冷媒濃度が前記閾値を超えることに応答して、前記循環送風機を作動させるためにサーモスタットに制御信号を送信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、
前記室外ユニットの圧縮機をさらに備え、前記ユーザデバイスは、
前記測定冷媒濃度が前記閾値を超えることに応答して、前記圧縮機を電力から切り離すための制御信号をサーモスタットに送信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムは、
室内区画内に位置する室内コイルをさらに備え、
前記センサは、前記室内区画内に位置し、
前記室内コイルは、室内に位置し、
前記室外ユニットは、室外に位置する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムは、
室内コイルの近くに位置する、第2の冷媒濃度を測定するように構成された有線センサをさらに備え、前記ユーザデバイスは、
前記有線センサから前記測定された第2の冷媒濃度を受信し、
前記センサから前記測定冷媒濃度を受信し、
前記測定された第2の冷媒濃度と前記測定冷媒濃度との間の差が較正閾値よりも大きいことに応答して、警告を生成して前記ユーザデバイスに表示する、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
室外ユニットに冷媒を充填する方法であって、
センサを介して冷媒濃度を測定することと、
ユーザデバイスを介して、
測定冷媒濃度を受信することと、
前記測定冷媒濃度が閾値を超えたことに応答して、前記測定冷媒濃度が前記閾値を超えることを示す警告を生成してユーザデバイスのユーザインターフェース上に表示することとを含む、方法。
【請求項16】
冷媒容器の測定冷媒重量を冷媒スケールから前記ユーザデバイスに無線で送信することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
冷媒マニホールドが、第1のホース及び第2のホースを介して前記室外ユニットに接続され、
前記冷媒容器は、第3のホースを介して前記冷媒マニホールドに接続され、
前記冷媒容器は冷媒を格納するように構成されている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、
前記測定冷媒濃度が前記閾値を超えることに応答して、前記ユーザデバイスを使用してソレノイドを作動させることをさらに含み、
前記ソレノイドは、前記第3のホースに沿って配置され、
前記ソレノイドは、前記ソレノイドの作動に応答して前記冷媒容器から前記冷媒マニホールドへの冷媒の流れを遮断する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記冷媒マニホールド、前記ソレノイド、前記センサ、及び前記ユーザデバイスは、無線で通信する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、
前記冷媒マニホールドによって、第1の温度、第2の温度、第1の圧力、及び第2の圧力を受信することであって、
第1の温度プローブが、前記第1のホースに接続され、前記第1の温度を測定し、
第2の温度プローブが、前記第2のホースに接続され、前記第2の温度を測定し、
第1の圧力センサが、前記第1の圧力を測定し、
第2の圧力センサが、前記第2の圧力を測定する、受信することと、
前記冷媒マニホールドによって、前記第1の温度、前記第2の温度、前記第1の圧力、及び第2の圧力に基づいて過冷却値及び過熱値を計算することと、
前記過冷却値が前記室外ユニットに対応する過冷却閾値を下回ったことに応答して、閾時間にわたって前記ソレノイドを開くことと、
前記過熱値が前記室外ユニットに対応する過熱閾値を上回ったことに応答して、前記閾時間にわたって前記ソレノイドを開くこととをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
燃焼生成物は建造物の外側に排出され、誘引送風機132が、バーナ120の点火の前にオンにされてもよい。高効率炉では、燃焼生成物は、燃焼によって排出するのに十分な浮力を有するほど十分に高温ではない場合がある。したがって、誘引送風機132は、燃焼生成物を排出するための通気を形成する。誘引送風機132は、バーナ120が動作している間、作動したままであってもよい。加えて、誘引送風機132は、バーナ120がオフになった後、設定された時間期間にわたって作動し続けてもよい。
【国際調査報告】