特表 2023-538341 推力偏向された実用的な流体フロー効果のためのシステム及び方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2023-09-07

(54)【発明の名称】推力偏向された実用的な流体フロー効果のためのシステム及び方法

(51)【国際特許分類】

   A63G 7/00 20060101AFI20230831BHJP

   A63G 31/00 20060101ALI20230831BHJP

【ＦＩ】

A63G7/00

A63G31/00

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023511605

(86)(22)【出願日】2021-08-09

(85)【翻訳文提出日】2023-02-14

(86)【国際出願番号】 US2021045180

(87)【国際公開番号】W WO2022039954

(87)【国際公開日】2022-02-24

(31)【優先権主張番号】63/067,125

(32)【優先日】2020-08-18

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(31)【優先権主張番号】17/364,152

(32)【優先日】2021-06-30

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】511077292

【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー

(74)【代理人】

【識別番号】100094569

【弁理士】

【氏名又は名称】田中 伸一郎

(74)【代理人】

【識別番号】100103610

【弁理士】

【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦

(74)【代理人】

【識別番号】100109070

【弁理士】

【氏名又は名称】須田 洋之

(74)【代理人】

【識別番号】100067013

【弁理士】

【氏名又は名称】大塚 文昭

(74)【代理人】

【識別番号】100109335

【弁理士】

【氏名又は名称】上杉 浩

(74)【代理人】

【識別番号】100120525

【弁理士】

【氏名又は名称】近藤 直樹

(74)【代理人】

【識別番号】100139712

【弁理士】

【氏名又は名称】那須 威夫

(74)【代理人】

【識別番号】100141553

【弁理士】

【氏名又は名称】鈴木 信彦

(74)【代理人】

【識別番号】100228337

【弁理士】

【氏名又は名称】大橋 綾

(72)【発明者】

【氏名】ライジ アンドリュー

(72)【発明者】

【氏名】トレミニオ ジョヴァンニー

(72)【発明者】

【氏名】ヘア ジャスティン

(72)【発明者】

【氏名】マジダリ デイヴィッド ジェラルド

(57)【要約】

遊園地アトラクション効果システムが、アトラクション内を移動するユーザ（１１８）によって見られる動的ディスプレイ（１２０）と、動的ディスプレイ（１２０）の状態を示す状態データを提供するディスプレイモニタ（１０８）と、ユーザ（１１８）の位置を決定する位置識別システムと、流体フローを生成してターゲット位置範囲のいずれかの特定のターゲット位置に向ける推力偏向式フロー効果発生器（１１２）と、ディスプレイモニタ（１０８）、位置識別システム、及び推力偏向式フロー効果発生器（１１２）に通信可能に結合された自動化コントローラ（１１６）とを含む。自動化コントローラ（１１６）は、状態データを受け取り、ユーザ（１１８）の位置を受け取り、ユーザ（１１８）の位置に基づいてターゲット位置を設定し、ターゲット位置に基づいて流体フローを向けるように推力偏向式フロー効果発生器（１１２）に命令し、状態データに基づいて流体フローを制御するように推力偏向式フロー効果発生器（１１２）に命令するように構成される。
【選択図】 図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

遊園地アトラクション効果システムであって、
アトラクション内を移動するユーザによって見られるように構成された動的ディスプレイと、
前記動的ディスプレイの変化をモニタして、前記動的ディスプレイの状態を示す状態データを提供するように構成されたディスプレイモニタと、
前記ユーザの位置を決定するように構成された位置識別システムと、
流体フローを生成して前記アトラクション内のターゲット位置範囲のいずれかの特定のターゲット位置に向けるように構成された推力偏向式フロー効果発生器と、
前記ディスプレイモニタ、前記位置識別システム、及び前記推力偏向式フロー効果発生器に通信可能に結合された自動化コントローラと、
を備え、前記自動化コントローラは、
前記ディスプレイモニタによって提供された前記状態データを受け取り、
前記位置識別システムによって提供された前記ユーザの前記位置を受け取り、
前記ユーザの前記位置に基づいて前記ターゲット位置範囲内のターゲット位置を設定し、
前記ターゲット位置に基づいて前記流体フローを向けるように前記推力偏向式フロー効果発生器に命令し、
前記状態データに基づいて前記流体フローを制御するように前記推力偏向式フロー効果発生器に命令する、
ように構成される、
システム。

【請求項2】

前記推力偏向式フロー効果発生器は、前記状態データに基づく前記自動化コントローラからの命令に応答して、前記流体フローの温度又は前記流体フローの形状を調整するように構成される、
請求項１に記載のシステム。

【請求項3】

前記推力偏向式フロー効果発生器は、前記状態データに基づく前記自動化コントローラからの命令に応答して、前記推力偏向式フロー効果発生器のノズルの構成を修正することによって前記流体フローの速度及び方向を調整するように構成される、
請求項１に記載のシステム。

【請求項4】

前記位置識別システムは、前記位置を、前記ユーザの一部の位置を含むものとして決定するように構成され、前記自動化コントローラは、前記ユーザの前記一部の前記位置に基づいて前記ターゲット位置を調整するように構成される、
請求項１に記載のシステム。

【請求項5】

前記ユーザの前記一部の前記位置は、前記ユーザの露出した皮膚領域又は身体部分に対応する、
請求項４に記載のシステム。

【請求項6】

前記推力偏向式フロー効果発生器は、前記流体フローとして１又は２以上のパルス状の圧縮空気を生成するように構成される、
請求項１に記載のシステム。

【請求項7】

前記位置識別システムは、ユーザの画像を取り込むように構成されたカメラを含み、前記位置識別システムは、前記画像に基づいて前記ユーザの向きを決定するように構成される、
請求項１に記載のシステム。

【請求項8】

前記自動化コントローラは、前記ユーザの前記向きに基づいて前記流体フローを向けるように前記推力偏向式フロー効果発生器に命令するように構成される、
請求項７に記載のシステム。

【請求項9】

前記推力偏向式フロー効果発生器は、霧、煙又は水滴のうちの１つ又は２つ以上を含めることによって前記流体フローを制御するように構成される、
請求項１に記載のシステム。

【請求項10】

前記ユーザによって携行されるように構成されるとともに信号を生成するように構成されたポータブル装置を備え、前記位置識別システムは、前記信号に基づいて前記ユーザの前記位置を検知するように構成されたセンサを含む、
請求項１に記載のシステム。

【請求項11】

遊園地アトラクション効果システムであって、
複数のユーザによって見られるように構成された動的ディスプレイと、
前記動的ディスプレイの変化をモニタして、前記動的ディスプレイの状態を示す状態データを提供するように構成されたディスプレイモニタと、
前記複数のユーザの複数の位置を決定するように構成された位置識別システムと、
第１の流体フローを生成してターゲット位置範囲の第１のターゲット位置に向けるように構成された第１の推力偏向式フロー効果発生器と、第２の流体フローを生成して前記ターゲット位置範囲の第２のターゲット位置に向けるように構成された第２の推力偏向式フロー効果発生器とを備える、推力偏向式フロー効果発生器のアレイと、
前記ディスプレイモニタ、前記位置識別システム、及び前記アレイに通信可能に結合された自動化コントローラと、
を備え、前記自動化コントローラは、
前記ディスプレイモニタによって提供された前記状態データを受け取り、
前記位置識別システムによって提供された前記複数のユーザの前記複数の位置を受け取り、
前記複数のユーザの前記複数の位置に基づいて前記第１のターゲット位置及び前記第２のターゲット位置を設定し、
前記第１のターゲット位置に基づいて前記第１の流体フローを向けるように前記第１の推力偏向式流体フロー効果発生器に命令し、
前記第２のターゲット位置に基づいて前記第２の流体フローを向けるように前記第２の推力偏向式流体フロー効果発生器に命令する、
ように構成される、
システム。

【請求項12】

前記自動化コントローラは、前記状態データに基づいて前記第１の流体フローを向けるように前記第１の推力偏向式フロー効果発生器に命令するように構成される、
請求項１１に記載のシステム。

【請求項13】

前記自動化コントローラは、前記第１のターゲット位置に基づいて前記第１の流体フローを制御するように前記第１の推力偏向式フロー効果発生器に命令するように構成される、
請求項１１に記載のシステム。

【請求項14】

前記第１のターゲット位置及び前記第２のターゲット位置は同じである、
請求項１１に記載のシステム。

【請求項15】

前記第１の推力偏向式フロー効果発生器はノズルを含み、前記ノズルは、前記ノズルの形状の非対称的又は対称的な修正を介して前記第１の流体フローを向けるように構成される、
請求項１４に記載のシステム。

【請求項16】

遊園地アトラクション効果システムであって、
ユーザに画像を表示するように構成された電子ディスプレイを含むヘッドマウント仮想現実（ＶＲ）装置と、
前記ユーザの位置及び向きを検出して前記位置及び向きを示すデータを出力するように構成された、前記ヘッドマウントＶＲ装置のユーザ検知システムと、
空気効果を生成して前記空気効果をターゲット位置に向けるように構成された指向性空気流発生器と、
前記ユーザ検知システム及び前記指向性空気流発生器に通信可能に結合された自動化コントローラと、
を備え、前記自動化コントローラは、
前記ユーザ検知システムによって出力された前記データを受け取り、
前記データによって示される前記位置及び前記向きに基づいて、前記空気効果を向けるための前記ターゲット位置を決定し、
前記空気効果を前記ターゲット位置の方に向けるように前記指向性空気流発生器を制御する、
ように構成される、
システム。

【請求項17】

前記自動化コントローラは、前記空気流を提供するタイミングを前記ヘッドマウントＶＲ装置によって提供されるＶＲ提示と協調させるように前記指向性空気流発生器を制御するように構成される、
請求項１６に記載のシステム。

【請求項18】

前記自動化コントローラは、前記ヘッドマウントＶＲ装置によって提供されるＶＲ提示に基づいて前記空気効果の温度を変化させるように加熱要素又は冷却要素を制御するように構成される、
請求項１６に記載のシステム。

【請求項19】

対応する気流をそれぞれの位置範囲内のそれぞれのターゲット位置に向けるようにそれぞれが構成された複数の指向性空気流発生器を備える、
請求項１６に記載のシステム。

【請求項20】

前記指向性空気流発生器は、マトリックス状のより小型の指向性空気流発生器を含み、前記より小型の指向性空気流発生器の各々は、前記空気効果としてパルス状の圧縮空気を生成するように構成され、
前記自動化コントローラは、前記空気効果のパターンを変更するように構成される、
請求項１６に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

〔関連出願との相互参照〕
本出願は、２０２０年８月１８日に出願された「推力偏向された実用的な流体フロー効果のためのシステム及び方法（ＳＹＳＴＥＭＳ ＡＮＤ ＭＥＴＨＯＤＳ ＦＯＲ ＴＨＲＵＳＴ－ＶＥＣＴＯＲＥＤ ＰＲＡＣＴＩＣＡＬ ＦＬＵＩＤ ＦＬＯＷ ＥＦＦＥＣＴＳ）」という名称の米国仮特許出願シリアル番号第６３／０６７，１２５号に基づく優先権及びその利益を主張するものであり、この文献は全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。

【0002】

本開示は、一般に遊園地アトラクション及び遊園地体験のための流体フロー効果に関する。

【背景技術】

【0003】

本節は、以下で説明及び／又は特許請求する本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく上記の観点から読むべきものであると理解されたい。

【0004】

遊園地は、遊園地のゲストに楽しみを提供して楽しませるために、しばしば流体フロー（例えば、空気、煙、ミスト、霧、蒸気、火、水噴霧）効果を用いたアトラクション又は体験を含む。例えば、アトラクションは、（例えば、ビデオ、テキスト、静止画像、モーショングラフィックス、又はこれらの組み合わせの形態の）メディアコンテンツを表示するディスプレイ装置を使用して確立されるテーマ環境を含むことができる。いくつかのアトラクションでは、観客にリアルな及び／又は没入的な視聴体験又はプレイ体験を提供するために、メディアコンテンツに流体フロー効果を加えることが望ましいと考えられる。１つの例では、観衆全体に広い範囲の効果をもたらす大型ファンを使用してこのような流体フロー効果を達成することができる。しかしながら、例えばゲストの間隔、ゲスト体験の個別化、コスト、空間、設備の利用可能性及び／又は騒音に関する留意事項に起因して、ゲストに空気効果をもたらすことが困難な場合もある。

【発明の概要】

【課題を解決するための手段】

【0005】

以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、特許請求する主題の範囲を限定するものではなく、むしろ本主題の可能な形態の概要を示すものにすぎない。実際には、本主題は、以下に示す実施形態と類似し得る又は異なり得る様々な形態を含むことができる。

【0006】

１つの実施形態では、遊園地アトラクション効果システムが、アトラクション内を移動するユーザによって見られるように構成された動的ディスプレイを含む。遊園地アトラクション効果システムは、動的ディスプレイの変化をモニタして、動的ディスプレイの状態を示す状態データを提供するように構成されたディスプレイモニタと、ユーザの位置を決定するように構成された位置識別システムとをさらに含む。遊園地アトラクション効果システムは、流体フローを生成してアトラクション内のターゲット位置範囲のいずれかの特定のターゲット位置に向けるように構成された推力偏向式フロー効果発生器と、ディスプレイモニタ、位置識別システム、及び推力偏向式フロー効果発生器に通信可能に結合された自動化コントローラとをさらに含む。自動化コントローラは、ディスプレイモニタによって提供された状態データを受け取り、位置識別システムによって提供されたユーザの位置を受け取るように構成される。自動化コントローラは、ユーザの位置に基づいてターゲット位置範囲内のターゲット位置を設定するようにも構成される。自動化コントローラは、ターゲット位置に基づいて流体フローを向けるように推力偏向式流体フロー効果発生器に命令し、状態データに基づいて流体フローを制御するように推力偏向式流体フロー効果発生器に命令するようにも構成される。

【0007】

別の実施形態では、遊園地アトラクション効果システムが、複数のユーザによって見られるように構成された動的ディスプレイと、動的ディスプレイの変化をモニタして、動的ディスプレイの状態を示す状態データを提供するように構成されたディスプレイモニタと、複数のユーザの複数の位置を決定するように構成された位置識別システムとを含む。ある実施形態では、遊園地アトラクション効果システムが、第１の推力偏向式フロー効果発生器及び第２の推力偏向式フロー効果発生器を備える推力偏向式フロー効果発生器のアレイも含む。ある実施形態では、第１の推力偏向式フロー効果発生器が、第１の流体フローを生成してターゲット位置範囲の第１のターゲット位置に向けるように構成され、第２の推力偏向式フロー効果発生器が、第２の流体フローを生成してターゲット位置範囲の第２のターゲット位置に向けるように構成される。ある実施形態では、遊園地アトラクション効果システムが、ディスプレイモニタ、位置識別システム及びアレイに通信可能に結合された自動化コントローラも含む。自動化コントローラは、ディスプレイモニタによって提供された状態データを受け取り、位置識別システムによって提供された複数のユーザの複数の位置を受け取り、複数のユーザの複数の位置に基づいて第１のターゲット位置及び第２のターゲット位置を設定するように構成される。自動化コントローラは、第１のターゲット位置に基づいて第１の流体フローを向けるように第１の推力偏向式フロー効果発生器に命令し、第２のターゲット位置に基づいて第２の流体フローを向けるように第２の推力偏向式フロー効果発生器に命令するようにも構成される。

【0008】

別の実施形態では、遊園地アトラクション効果システムが、ユーザに画像を表示するように構成された電子ディスプレイを含むヘッドマウント仮想現実（ＶＲ）装置を含む。遊園地アトラクション効果システムは、ユーザの位置及び向きを検出して位置及び向きを示すデータを出力するように構成された、ヘッドマウントＶＲ装置のユーザ検知システムも含む。遊園地アトラクション効果システムは、空気効果を生成して空気効果をターゲット位置に向けるように構成された指向性空気流発生器と、ユーザ検知システム及び指向性空気流発生器に通信可能に結合された自動化コントローラとをさらに含む。自動化コントローラは、ユーザ検知システムによって出力されたデータを受け取り、データによって示される場所及び向きに基づいて、空気効果を向けるためのターゲット位置を決定するように構成される。自動化コントローラは、空気効果をターゲット位置に向けるように指向性空気流発生器を制御するようにも構成される。

【0009】

本開示の様々な態様に関連して、上述した特徴の様々な改善を行うこともできる。また、これらの様々な態様にさらなる特徴を組み込むこともできる。これらの改善及びさらなる特徴は、個別に又はいずれかの組み合わせで存在することができる。

【0010】

全体を通じて同じ要素を同じ記号で示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】本開示の実施形態による遊園地アトラクション効果システムの概略的ブロック図である。

【図2】本開示の実施形態による、遊園地アトラクション効果システムを組み込んだ遊園地アトラクションの斜視図である。

【図3】本開示の実施形態による、遊園地アトラクション効果システムを組み込んだ遊園地アトラクションの斜視図である。

【図4】本開示の実施形態による、遊園地アトラクション効果を提供するプロセスのフロー図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

以下、本開示の１又は２以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実施の特徴を全て説明していない場合もある。あらゆる工学又は設計プロジェクトにおいて見られるような、あらゆるこのような実施の開発においては、実施によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実施固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑で時間がかかることができるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する通常の技術者にとって、設計、製作、及び製造の日常的な事業であると理解されたい。さらに、本発明において平行及び垂直などの特定の用語を使用する限り、これらの用語は、厳密な数学的定義からの逸脱を可能にし、例えば製造上の不完全性及び関連する許容誤差に関連する逸脱を認めるものであると理解されたい。

【0013】

本開示の様々な実施形態の要素を紹介する場合、「ａ」、「ａｎ」、及び「ｔｈｅ」といった冠詞は、これらの要素が１つ又は２つ以上存在することを意味するものとする。「備える（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」、「含む（ｉｎｃｌｕｄｉｎｇ）」、及び「有する（ｈａｖｉｎｇ）」という用語は、包括的なものとして意図されており、列記する要素以外のさらなる要素が存在し得ることを意味する。また、本開示の「１つの実施形態」又は「ある実施形態」についての言及は、記載する特徴も含むさらなる実施形態の存在を排除するものとして解釈されるように意図するものではないと理解されたい。

【0014】

本開示は、一般に流体フロー効果に関し、具体的には、遊園地アトラクション及び遊園地体験のための推力偏向式流体フロー効果システム（ｔｈｒｕｓｔ－ｖｅｃｔｏｒｅｄ ｆｌｕｉｄ ｆｌｏｗ ｅｆｆｅｃｔｓ ｓｙｓｔｅｍｓ）に関する。アトラクションは、経路に沿って移動する乗り物車両を含むアトラクション、乗客がビデオを見ている間に座るための固定又は可動座席を有する部屋又は劇場を含むアトラクション、ゲストが移動する経路又はゲストが探索する部屋などを含むアトラクションなどの、乗客を楽しませるように設計されたいずれかのタイプの乗り物システムを含むことができる。具体的には、この推力偏向式流体フロー効果システムは、ゲストに個別化された流体フロー効果を提供するが、このような流体フロー効果を広いエリア及び／又は相当数のゲストにわたって提供することに関連する課題及び／又はコストを伴わない。また、開示する実施形態は、一般に娯楽目的で使用される流体フロー効果について説明するものであるが、他のいずれかの好適な目的で使用される流体フロー効果システムに適用することもできる。

【0015】

上記を踏まえて、図１に、本開示の実施形態による、システムコントローラブロック１０２、フロー効果コンポーネント１１０及び動的ディスプレイ１２０を含む流体フロー効果システム１００などの遊園地アトラクション効果システムを示す。流体フロー効果システム１００は、遊園地アトラクション及び／又は遊園地体験中に１又は２以上のユーザ１１８に流体フロー効果を提供するために使用することができる。いくつかの実施形態では、システムコントローラブロック１０２、フロー効果コンポーネント１１０及び／又はディスプレイ１２０を遊園地アトラクション及び／又は遊園地体験の乗り物車両に組み込むことができる。システムコントローラブロック１０２は、フロー効果コンポーネント１１０の動作を制御することができ、ディスプレイモニタ１０８及び位置識別器１２２によって取得されたデータを処理することができる。フロー効果コンポーネント１１０は、フロー効果コンポーネント１１０とシステムコントローラブロック１０２との間でデータ及び制御信号を伝えるために、無線接続、光学接続、同軸接続又はその他の好適な接続などのいずれかの好適な技術によってシステムコントローラブロック１０２に結合することができる。

【0016】

フロー効果コンポーネント１１０は、推力偏向式フロー効果発生器１１２及びモータ１１４を含むことができる。推力偏向式フロー効果発生器１１２は、対称的又は非対称的に膨張及び収縮するように構成されたノズルを含むことができ、本明細書では推力偏向式フロー効果発生器１１２が内部を通る流体フローストリームの方向、速度、効果範囲及び角度面を操作するように動作することを意味する推力偏向（例えば、推力偏向制御）が可能である。推力偏向式フロー効果発生器１１２は、流体フロー効果（例えば、空気、煙、ミスト、霧、蒸気、火、水噴霧）を生成して、流体フロー効果を１又は２以上のユーザ１１８に向けることができる。推力偏向式フロー効果発生器１１２は、流体フロー効果の効果範囲、持続時間及び／又は速度及び／又は方向を変更できるノズルを含むことができる。いくつかの実施形態では、推力偏向式流体フロー効果発生器１１２が、定速流体フロー効果及び／又は動的流体フロー効果を生成できるファンを含むことができる。例えば、推力偏向式流体フロー効果発生器１１２は、ゼロ～毎時３０キロメートル（例えば、ゼロ～毎時２０キロメートル、ゼロ～毎時１５キロメートル、ゼロ～毎時１０キロメートル、ゼロ～毎時５キロメートル）の速度範囲で流体フロー効果を生成することができる。

【0017】

フロー効果コンポーネント１１０は、加圧空気（例えば、圧縮空気）を利用して流体フロー効果を生成することができる。いくつかの実施形態では、推力偏向式流体フロー効果発生器１１２が、圧縮流体フロー効果を生成できる空気圧縮機を含むことができる。例えば、推力偏向式流体フロー効果発生器１１２は、流体フロー効果として圧縮空気のバースト（例えば、５秒未満、２秒未満、１秒未満）を生成することができる。流体フロー効果コンポーネント１１０は、加圧空気を利用して触覚効果を生成することができる。本明細書で使用する触覚効果は、ユーザ１１８に接触の体験又は感覚を生み出すことを意味する。例えば、フロー効果コンポーネント１１０は、圧縮空気のバーストを生成することによってユーザ１１８に触覚フィードバックを提供することができる。推力偏向式流体フロー効果発生器１１２は、異なるフロー効果（例えば、パターン、強度、感覚）を生成できるいずれかの数の出口を有するノズルを含むことができる。例えば、ユーザ１１８は、ノズルの単一の出口に対応する単一の加圧空気バーストにより、つつかれる感覚、及び／又は飛翔体が近くを通過する感覚、及び／又はユーザ１１８にぶつかる感覚を感じることができる。別の例として、ユーザ１１８は、ノズルのいずれかの数の出口に対応するいずれかの数のピンポイント加圧空気バーストの結果としてうずくような感覚を覚えることができる。いくつかの実施形態では、フロー効果コンポーネント１１０が、いずれかの数の推力偏向式フロー効果発生器１１２を含むアレイを含むことができる。例えば、アレイは、各ユーザ１１８に関連する１又は２以上の推力偏向式フロー効果発生器１１２を含むことができる。推力偏向式フロー効果発生器１１２は、流体フロー効果の温度を変化させることができる。例えば、推力偏向式フロー効果発生器は、流体フロー効果の温度を周囲温度に対して上昇及び／又は低下させることができる加熱及び／又は冷却コンポーネントを含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、推力偏向式フロー効果発生器１１２は、流体フロー効果の含水量を増加させることができる水コンポーネントを含むこともできる。例えば、水コンポーネントは、ユーザ１１８に向けられたミスト又は水噴霧を生成するように流体フロー効果に水を供給することができる。

【0018】

システムコントローラブロック１０２は、モータ１１４の動作を制御することができる。いくつかの実施形態では、モータ１１４が、システムコントローラブロック１０２から受け取られた信号に従って推力偏向式流体フロー効果発生器１１２を調整することができる。例えば、モータ１１４は、推力偏向式フロー効果発生器１１２のノズルの構成を、流体フロー効果の効果範囲、持続時間及び／又は速度及び／又は方向を変更するように調整することができる。いくつかの実施形態では、各推力偏向式フロー効果発生器１１２が対応するモータ１１４を含むことができる。

【0019】

動的ディスプレイ１２０は、１又は２以上のユーザ１１８が見るべき１又は２以上の画像（例えば、静止画像、ビデオ画像）を描くことができる。ディスプレイ１２０は、流体フロー効果に関連する画像を描くことができる。例えば、風の強い日を描いた画像は強く安定した突風に関連することができ、爆発を描いた画像は熱い空気のバーストに関連することができ、ボートでの旅行を描いた画像は軽いミストに関連することができ、他も同様である。いくつかの実施形態では、ディスプレイ１２０を、ＬＥＤ画面、ＬＣＤ画面、プラズマ画面、プロジェクタ、又は他のいずれかの好適な電子ディスプレイなどの電子ディスプレイとすることができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ１２０をヘッドマウントディスプレイ（ＨＭＤ）とすることができる。例えば、ディスプレイ１２０は、ユーザ１１８の頭部に装着されるディスプレイ装置であることができ、ユーザ１１８の片目又は両目の前に配置することができる。ディスプレイ１２０は、コンピュータ生成画像、ライブ画像、仮想現実画像、拡張現実画像及び複合現実画像などを表示することができる。これに加えて又はこれに代えて、ディスプレイ１２０は、遊園地アトラクション又は遊園地体験の壁、天井及び／又は床などの表面上に配置することもできる。例えば、ディスプレイ１２０は、ディスプレイ画面上に画像を投影できるプロジェクタを含むことができる。いくつかの実施形態では、いずれかの数のユーザ１１８がディスプレイ１２０を見ることができる。これに加えて又はこれに代えて、ディスプレイ１２０は、いずれかの数のユーザ１１８が見るステージとすることもできる。例えば、ステージは、アニマトロニックフィギュア、パフォーマ、静止物及び電子ディスプレイなどのいずれかの数の小道具を含むことができる。ディスプレイ１２０は、いずれかの数の小道具を含むステージ上のパフォーマンスを含むことができる。いくつかの実施形態では、ユーザ１１８が、ディスプレイ１２０によって描かれる画像をユーザによる選択に基づいて制御することができる。例えば、ユーザ１１８は、ディスプレイ上に描かれる視聴体験を自身の好みに従って選択することができる。

【0020】

理解されるように、システムコントローラブロック１０２は、フロー効果コンポーネント１１０の動作を制御し、ディスプレイ１２０上の画像の表示を促進及び／又はモニタし、１又は２以上のユーザ１１８の位置を識別及び／又は追跡する多くの要素を含むことができる。例えば、図示のように、システムコントローラブロック１０２は、ディスプレイモニタ１０８、位置識別器１２２、及び自動化コントローラ１１６を含むことができる。いくつかの実施形態では、システムコントローラブロック１０２が、追加データ取得及び処理コントロール、追加センサ及びディスプレイモニタ、並びにユーザインターフェイスなどの、図１に示していない追加要素を含むことができる。

【0021】

ディスプレイモニタ１０８は、ディスプレイ１２０の変化をモニタすることができ、ディスプレイ１２０の状態に関連する状態データを生成することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイモニタ１０８を、無線接続、光学接続、同軸接続又はその他の好適な接続などを介してディスプレイ１２０に通信可能に結合することができる。例えば、ディスプレイモニタ１０８は、ディスプレイ１２０から信号を受け取るように構成することができる。この信号は、ディスプレイ１２０の状態に関連することができる。例えば、状態は、ディスプレイ１２０がいずれかの数のユーザ１１８のユーザ体験を開始していることを示すことができ、ディスプレイ１２０がいずれかの数のユーザ１１８のユーザ体験を終了していることを示すことができ、ディスプレイ１２０がユーザ１１８による選択に従って変化していることを示すことができ、ディスプレイ１２０が流体フロー効果に関連する画像を描いていることを示すことができる。これに加えて又はこれに代えて、ディスプレイモニタ１０８は、ステージ上の小道具の動きを制御し、及び／又はディスプレイ１２０とは別の電子ディスプレイを画像を描くように制御することもできる。いくつかの実施形態では、ディスプレイモニタ１０８を、ステージ上の小道具の動きを検出することなどの、ディスプレイ１２０をモニタできるカメラとすることができる。これに加えて又はこれに代えて、ディスプレイモニタ１０８は、電子ディスプレイに描かれる物体の動きなどの電子ディスプレイの変化をモニタすることもできる。いくつかの実施形態では、ディスプレイモニタ１０８が、電子ディスプレイの変化を決定するために、電子ディスプレイに送信されるデータ信号及び／又は命令をモニタすることができる。このような実施形態では、ディスプレイモニタ１０８をディスプレイ１２０と一体化することができる。ディスプレイモニタ１０８は、無線接続、光学接続、同軸接続又はその他の好適な接続などを介してシステムコントローラブロック１０２に通信可能に結合することができる。ディスプレイモニタ１０８は、ディスプレイ１２０の状態に対応する信号を生成し、この信号を処理のためにシステムコントローラブロック１０２に送信することができる。

【0022】

いくつかの実施形態では、ディスプレイモニタ１０８が光センサなどのセンサであることができ、ディスプレイ１２０から放出された光を検出することができる。例えば、センサは、可視光、赤外線、紫外線、及び／又は電磁スペクトルの他のいずれかの好適な部分の光を検出することができる。ディスプレイモニタ１０８は、光の検出に応答してプロセッサ１０４にデータ信号を送信することができる。例えば、ディスプレイモニタ１０８は、ディスプレイ１２０によって提示された、人間には見えない（例えば、赤外線又は見分けのつかないピクセル化）特定の描写に対応するウォーターマークを検出することができる。さらに、このような例では、ディスプレイモニタ１０８が、ウォーターマークの検出に応答して、ディスプレイ１２０が流体フロー効果に関連する画像（例えば、風によって船に水が吹き付けられる映画シーン）を描いていること、流体フロー効果に関連する表示シーケンスを開始していること、流体フロー効果に関連する表示シーケンスを終了していること、又はディスプレイ１２０に関連するその他の好適な状態指示を示すデータ信号を供給することができる。

【0023】

以下でさらに詳細に説明するように、ディスプレイ１２０の動作は、ディスプレイ１２０上に描かれている画像などのディスプレイ１２０の状態に対応する流体フロー効果を生成するようにフロー効果コンポーネント１１０の動作と協調する。ディスプレイ１２０とフロー効果コンポーネント１１０との間の協調を容易にするために、ある実施形態では、ディスプレイ１２０が、流体フロー効果に関連する表示シーケンスの開始を示す赤外線などの光パルス（例えば、開始パルス、開始光）を放出することができる。例えば、ディスプレイ１２０は光パルスを放出することができ、ディスプレイモニタ１０８は光パルスを検出することができる。ある実施形態では、ディスプレイモニタ１０８が、光パルスの検出を示すデータ信号を生成してプロセッサ１０４に送信することができる。この結果、プロセッサ１０４は、データ信号を受け取ったことに基づいて及び／又はこれに応答してフロー効果コンポーネント１１０を制御することができる。いくつかの実施形態では、光パルスを独立した光とすることも、或いはディスプレイ１２０のコンポーネントとすることもできる。これに加えて又はこれに代えて、ディスプレイ１２０は、無線接続、光学接続、同軸接続又は他のいずれかの好適な接続を介して送信される音、ウォーターマーク、特定の画像又は一連の画像、データ信号、或いはディスプレイ１２０とディスプレイモニタ１０８との間の他のいずれかの好適な通信手段によって、流体フロー効果に関連する表示シーケンスの開始を示すこともできる。

【0024】

位置識別器１２２は、１又は２以上のユーザ１１８の位置を決定して１又は２以上のユーザ１１８の位置を追跡することができる。いくつかの実施形態では、位置識別器１２２が、１又は２以上のユーザ１１８を検出して１又は２以上のユーザ１１８の位置を決定できるカメラを含むことができる。例えば、このカメラは、１又は２以上のユーザ１１８に関連する熱の痕跡（ｈｅａｔ ｓｉｇｎａｔｕｒｅ）に基づいて１又は２以上のユーザ１１８を検出できる赤外線カメラとすることができる。いくつかの実施形態では、位置識別器１２２が、位置データを処理して１又は２以上のユーザの位置、１又は２以上のユーザの体の向き、１又は２以上のユーザの特定の身体部分（例えば、頭、首、腕、手及び脚など）の位置、１又は２以上のユーザの露出した皮膚領域、又はこれらのいずれかの組み合わせを決定及び／又は識別するプロセッサを含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、位置識別器１２２は、遊園地アトラクションの床、乗り物車両の床及び／又は乗り物車両の座席上にいずれかの数の圧力センサを含むこともできる。いくつかの実施形態では、位置識別器１２２が、１又は２以上のユーザ１１８を検出し、１又は２以上のユーザ１１８の位置を決定し、及び／又は１又は２以上のユーザ１１８の位置を追跡するいずれかの好適な装置を含むことができる。例えば、位置識別器１２２は、ユーザ１１８上のウェアラブル装置及び／又はユーザ１１８が携行しているポータブル装置、グローバルポジショニングシステム（ＧＰＳ）装置、カメラベースのブロブトラッカー（ｂｌｏｂ ｔｒａｃｋｅｒｓ）、骨格トラッカー、光学トラッカー、並びに光検出及び測距（ＬＩＤＡＲ）などにおける無線周波数識別（ＲＦＩＤ）センサ及びＲＦＩＤタグなどの、センサとセンサが検出できる信号を生成できる装置とを含むことができる。なお、基本位置情報のみならず方位情報（例えば、ユーザがどの方向を見ているか又はどの方向に向いているか）を識別することもできる。

【0025】

位置識別器１２２は、いずれかの数の追跡装置を含むことができる。例えば、位置識別器１２２は、遊園地アトラクションの各ユーザ１１８に対応する単一の装置を含むことができる。いくつかの実施形態では、位置識別器１２２が、遊園地アトラクションのいずれかの数のユーザ１１８の位置を決定して追跡できる単一の装置を含むことができる。位置識別器１２２は、１又は２以上のユーザ１１８の位置に対応する信号を生成し、この信号をシステムコントローラブロック１０２に送信することができる。位置識別器１２２は、センサ（例えば、ユーザ１１８によって装着されたヘッドセット内に存在する加速度計）に基づくことができる方位情報を提供することもできる。

【0026】

システムコントローラブロック１０２は、プログラマブルロジックコントローラ（ＰＬＣ）、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、モバイル装置、サーバ、又は他のいずれかの好適なコンピュータ装置などのコンピュータ装置の形態で提供することができる。システムコントローラブロック１０２は、それぞれが少なくとも１つのプロセッサ１０４及び少なくとも１つのメモリ１０６を有する自動化コントローラ１１６などの複数のコントローラを有する制御システムとすることができる。いくつかの実施形態では、メモリ１０６が、（１又は２以上のプロセッサに相当する）プロセッサ１０４が実行できる命令及び／又はプロセッサ１０４が処理すべきデータを記憶する１又は２以上の有形の非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。例えば、メモリ１０６は、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）、リードオンリメモリ（ＲＯＭ）、フラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリ、ハードドライブ、及び／又は光ディスクなどを含むことができる。また、プロセッサ１０４は、１又は２以上の汎用マイクロプロセッサ、１又は２以上の特定用途向けプロセッサ（ＡＳＩＣ）、１又は２以上のフィールドプログラマブルロジックアレイ（ＦＰＧＡ）、又はこれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。さらに、メモリ１０６は、位置識別器１２２を介して取得されたユーザ位置データ、ディスプレイモニタ１０８を介して取得されたディスプレイデータ、及び／又はプロセッサ１０４がユーザ位置データ及びディスプレイデータに基づいてフロー効果コンポーネント１１０の動作の制御を支援するために利用するアルゴリズムを記憶することができる。プロセッサ１０４は、推力偏向式フロー効果発生器１１２を介した流体フロー効果の発生を制御することができる。また、プロセッサ１０４は、取得されたデータを処理して、推力偏向式フロー効果発生器１１２及び／又はモータ１１４のための制御信号を生成し、ディスプレイ１２０の動作を制御及び／又はモニタし、及び／又は１又は複数のユーザ１１８を検出して位置を特定することができる。

【0027】

プロセッサ１０４は、位置識別器１２２からユーザ位置データを受け取ることができる。ユーザ位置データは、いずれかの数のユーザ１１８に関連するいずれかの数の位置に対応することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサが、ユーザ位置データを処理して、１又は２以上のユーザの位置、１又は２以上のユーザの体の向き、１又は２以上のユーザの特定の身体部分の位置、１又は２以上のユーザの露出した皮膚領域、又はこれらのいずれかの組み合わせを決定することができる。プロセッサ１０４は、ユーザ位置データを処理して、決定された位置、体の向き、特定の身体部分（例えば、頭、首、腕、手及び脚など）の位置、露出した皮膚領域、又はこれらのいずれかの組み合わせに基づいていずれかの数のターゲット位置を設定することができる。例えば、プロセッサ１０４は、位置識別器１２２の骨格追跡装置からユーザ位置データを受け取り、骨格追跡装置によって生成された関節及び身体部分のモデルに基づいて身体部分を識別し、ユーザの手のターゲット位置を設定することができる。これに加えて又はこれに代えて、プロセッサ１０４は、位置識別器１２２の赤外線カメラ装置からユーザ位置データを受け取り、測定された熱の痕跡に基づいて露出した皮膚領域を決定することもできる。

【0028】

プロセッサ１０４は、受け取られた位置データ、決定された露出した皮膚領域、決定された身体部位の位置、又はこれらのいずれかの組み合わせに基づいてフロー効果コンポーネント１１０の動作を制御することができる。例えば、プロセッサ１０４は、ディスプレイ１２０の状態に関連する流体フロー効果を開始及び／又は変更する制御信号を生成して（例えば、有線又は無線通信を介して、アンテナを介して）フロー効果コンポーネント１１０に送信することができる。ある実施形態では、制御信号が、生成すべき流体フロー効果のタイプ（例えば、空気、煙、ミスト、霧、蒸気、火、水噴霧）、流体フロー効果の速度、流体フロー効果の温度、流体フロー効果の方向、流体フロー効果のターゲット（例えば、エリア、エリアのサイズ、露出した皮膚、身体部分）、又はこれらのいずれかの組み合わせを示すことができる。これに加えて又はこれに代えて、プロセッサ１０４は、流体フロー効果の生成を開始し、流体フロー効果の速度を変更し（例えば、増加、減少させ）、流体フロー効果の方向を調整し、又は流体フロー効果の生成を停止するための制御信号を生成してモータ１１４に送信することもできる。例えば、制御信号は、流体フロー効果の方向、流体フロー効果の効果範囲、及び／又は流体フロー効果の速度を変更するためにフロー効果発生器１１２のノズルが開き、閉じ、収縮し又は拡張できることを示すことができる。いくつかの実施形態では、ノズルが、生成された流体フロー効果を方向付けるように構成された複数の可動ベーンを含むことができる。例えば、ノズルは、流体フロー効果を偏向させ、流体フロー効果の速度を変化させ、及び／又は流体フロー効果の効果範囲を変化させることができる。ある実施形態では、ノズルが可変領域ノズルであることができ、ノズルの出口領域を調整することができる。可変領域ノズルは、流体フロー効果を生成するファンの中心線に一致するノズルの出口領域の中心線を有する第１の又は対称的な構成を有することができる。流体フロー効果発生器１１２は、ノズルの１又は２以上のベーンを動かすことによって出口領域の構成を調整することができる。従って、出口領域は非対称である（例えば、中心を外れる）ことができ、ノズルは、変化した出口領域の構成に対応する新たな方向に流体フロー効果を向けることができる。これに加えて又はこれに代えて、プロセッサ１０４は、１又は２以上のフロー効果発生器１１２及び／又は１又は２以上のモータ１１４をオフにする制御信号を生成してフロー効果コンポーネント１１０に送信することもできる。いくつかの実施形態では、プロセッサ１０４が、フロー効果コンポーネント１１０の動作を動的に制御することができる。例えば、プロセッサは、フロー効果コンポーネント１１０のターゲット位置を設定し、動的に更新されたユーザ位置データに応答して動的に更新することができる。

【0029】

これに加えて又はこれに代えて、プロセッサ１０４は、動作を開始するための制御信号を生成してフロー効果コンポーネント１１０及びディスプレイ１２０の両方に（例えば、協調的に、時限的に）送信することもできる。ある実施形態では、プロセッサ１０４が、遊園地体験のために１又は２以上のユーザ１１８が存在することを示す信号及び／又は遊園地体験の準備ができていることを示す信号（例えば、ユーザ位置データ）を位置識別器１２２から受け取ったこと、ショーのタイミングを示す信号を受け取ったこと、フロー効果コンポーネント１１０の準備ができている（例えば、オンになっている、電力を受け取っている）ことを示す信号を受け取ったこと、及び／又は例えばユーザがディスプレイ１２０を観察する準備ができていることを示す信号を（例えば、ディスプレイ１２０に関連することができる又はディスプレイ１２０を使用するアトラクション内に存在することができるユーザインターフェイスを介して）ユーザから受け取ったことに応答して、動作を開始する（例えば、画像フレームを表示する）ための制御信号を生成してディスプレイ１２０に送信することができる。プロセッサ１０４は、１又は２以上の推力偏向式フロー効果発生器１１２を動作させる制御信号を生成してフロー効果コンポーネント１１０に送信することができる。例えば、プロセッサ１０４は、所望の形状（例えば、円、正方形及び長方形など）、文字、数字及び単語などの流体フロー効果パターンを生成するように推力偏向式フロー効果発生器１１２のアレイを動作させることができる。これに加えて又はこれに代えて、プロセッサ１０４は、水ホースの噴霧パターンと同様のいずれかの数の流体フロー効果パターン（例えば、広いパターン、シャワーパターン、ジェットパターン、ファンパターン及びパルスパターンなど）を生成するように推力偏向式フロー効果発生器１１２のアレイを動作させることもできる。いくつかの実施形態では、プロセッサが、流体フロー効果を変更し、いずれかの数の推力偏向式フロー効果発生器１１２をオンにし、及び／又はオフにして、流体フロー効果パターンの輪郭及び／又は所望の形状を形成することができる。これに加えて又はこれに代えて、プロセッサ１０４は、いずれかの数の流体フロー効果パターンを生成するように推力偏向式フロー効果発生器１１２のアレイを動作させることもできる。例えば、プロセッサは、流体フロー効果を変更し、いずれかの数の推力偏向式フロー効果発生器１１２を交互にオン及び／又はオフにして一連の流体フロー効果パターンを生成することができる。いくつかの実施形態では、ユーザ１１８がいずれかの数の流体フロー効果パターンを選択することができる。例えば、ユーザ１１８は、所望の流体フロー効果パターン、流体フロー効果の速度、流体フロー効果の温度、及び／又は流体フロー効果の他のいずれかの好適な側面をユーザ選好に従って選択することができる。

【0030】

上記を踏まえて、図２に、本開示の実施形態による、図１の流体フロー効果システム１００などの遊園地アトラクション効果システム２００を組み込んだ遊園地アトラクション２１０を示す。遊園地アトラクション効果システム２００はディスプレイ１２０を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイ１２０を、ユーザ１１８の頭部の周囲にヘッドマウント装置のフレームを配置して眼鏡をかけるのと同様にヘッドマウント装置を装着することによってユーザ１１８が装着できるヘッドマウント装置とすることができる。ある実施形態では、ヘッドマウント装置を眼鏡とすることができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ１２０を、複合現実ディスプレイ、拡張現実ディスプレイ、仮想現実ディスプレイ、コンピュータ生成画像ディスプレイ、及び／又はライブ画像ディスプレイとすることができる。遊園地アトラクション２１０は、遊園地アトラクション２１０内で延びる軌道２０８などの経路に沿って移動する乗り物車両２０６を含むことができる。乗り物車両２０６は、遊園地アトラクション２１０の継続時間中に１又は２以上のユーザ１１８が乗り物車両２０６内で座るための間隔及び１又は２以上の座席を含むことができる。システム２００は、カメラ２０４などの位置識別器と、１又は２以上のフロー効果発生器１１２のアレイ２０２を含むフロー効果コンポーネント１１０とを含むことができる。カメラ２０４は、乗り物車両２０６内で座っているユーザなどの、遊園地アトラクション２１０内の１又は２以上のユーザの存在を検出することができる。例えば、カメラ２０４は、ユーザ１１８に関連する熱の痕跡を検出できる赤外線カメラとすることができる。いくつかの実施形態では、カメラ２０４が、ユーザ１１８の特定の身体部分（例えば、頭、首、手）の位置、及び／又はユーザ１１８の露出した皮膚の位置を検出及び／又は決定することができる。これに加えて又はこれに代えて、乗り物車両２０６は、床及び／又は座席上に１又は２以上のユーザの存在を検出する圧力センサを含むこともできる。いくつかの実施形態では、乗り物車両２０６が軌道２０８に沿って移動するにつれて、カメラ２０４がユーザ１１８の位置を動的に（例えば、定期的に、リアルタイムで）更新することができる。アレイ２０２は、いずれかの数のフロー効果発生器１１２を含むことができる。例えば、アレイ２０２は、遊園地アトラクション効果システム２００の各ユーザ１１８につき１つのフロー効果発生器１１２、遊園地アトラクション効果システム２００の各ユーザ１１８につき複数のフロー効果発生器１１２、又は遊園地アトラクション効果システム２００の複数のユーザ１１８につき１つのフロー効果発生器１１２を含むことができる。いくつかの実施形態では、各フロー効果発生器１１２がノズルであることができ、対応するユーザに対応する空気効果を向けることができる。例えば、アレイ２０２内の各フロー効果発生器１１２は、単一の圧縮空気源に結合して対応する空気効果を発生させることができる。これに加えて又はこれに代えて、アレイ２０２内の各フロー効果発生器１１２は、対応する圧縮空気源に結合して対応する空気効果を発生させることもできる。

【0031】

いくつかの実施形態では、ディスプレイ１２０をモバイル装置などのコンピュータ装置のコンポーネントとすることができる。これに加えて又はこれに代えて、コンピュータ装置は、図１の自動化コントローラ１１６及び位置識別器１２２を含むこともできる。例えば、コンピュータ装置は、ユーザ１１８の位置を決定するグローバルポジショニングシステム（ＧＰＳ）、及び／又はユーザ１１８の体の向きを決定するジャイロスコープを含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、カメラ２０４は、ユーザ位置データを生成してコンピュータ装置に送信することもできる。いくつかの実施形態では、コンピュータ装置が、１又は２以上のターゲット位置に対応する信号を生成してフロー効果コンポーネント１１０に送信することができる。コンピュータ装置は、ディスプレイ１２０の状態に基づいて流体フローを制御するようにフロー効果コンポーネント１１０に命令することができる。例えば、ディスプレイ１２０が火の画像を描き、コンピュータ装置が、フロー効果コンポーネント１１０の加熱コンポーネントに流体フローの温度を上昇させ及び／又は加熱流体フローをユーザ１１８に向けるように命令することができる。いくつかの実施形態では、図１のシステムコントローラブロック１０２などのコンピュータ装置が、ディスプレイ１２０の状態に基づいて流体フローを動的に制御するようにフロー効果コンポーネント１１０に命令することができる。例えば、ディスプレイ１２０は、ユーザのそばにある仮想的な火にユーザが近づいている様子を描くことができる。コンピュータ装置は、カメラ２０４などの位置識別器から動的に更新されたユーザ位置データを受け取ることができる。この結果、図１のシステムコントローラブロック１０２などのコンピュータ装置は、仮想的な火とユーザ１１８との間の見掛け上の距離に基づいて流体を動的に制御するようにフロー効果コンポーネント１１０に命令することができる。例えば、乗り物車両２０６及びユーザ１１８が仮想的な火に近づくと、システムコントローラブロック１０２は、流体フロー効果の温度を上昇させるようにフロー効果コンポーネント１１０に命令することができる。これに加えて又はこれに代えて、システムコントローラブロック１０２は、１又は２以上のフロー効果発生器１１２のターゲット位置を調整するようにフロー効果コンポーネント１１０の動作を動的に制御することもできる。例えば、乗り物車両２０６及びユーザが仮想的な火に近づくと、システムコントローラブロック１０２は、ターゲット位置を、ユーザ１１８が仮想的な火に近づいている時のユーザ１１８の前向き部分から、ユーザ１１８が仮想的な火のそばを通っている時にはユーザ１１８の側方部分に、またユーザが仮想的な火から離れている時にはユーザ１１８の後向き部分に調整するようにフロー効果コンポーネント１１０に命令することができる。

【0032】

これに加えて又はこれに代えて、アレイ２０２の第１のフロー効果発生器が、アレイ２０２の第２のフロー効果発生器とは異なる流体フロー効果を発生させることもできる。例えば、第１のユーザは、対応するディスプレイ１２０上で、火山の近くを移動しているような熱い流体フロー効果に関連する画像を見ることができる。第２のユーザは、対応するディスプレイ１２０上で、凍ったツンドラ上を移動しているような冷たい流体フロー効果に関連する画像を見ることができる。従って、図１のディスプレイモニタ１０８は、熱い流体フロー効果に関連する表示に対応する第１の信号を受け取るとともに、冷たい流体フロー効果に関連する表示に対応する第２の信号を受け取ることができる。ディスプレイモニタ１０８は、２又は３以上の表示を示す状態データをシステムコントローラブロック１０２に提供することができる。システムコントローラブロック１０２は、第１のフロー効果発生器の動作を熱い流体フロー効果を生成するように制御して、第１のフロー効果発生器に第１のユーザに熱い流体フロー効果を向けるように命令することができ、第２のフロー効果発生器の動作を冷たい流体フロー効果を生成するように制御して、第２のフロー効果発生器に第２のユーザに第２の流体フロー効果を向けるように命令することができる。従って、遊園地アトラクション効果システム２００は、いずれかの数のフロー効果発生器を、異なる流体フロー効果を含むいずれかの数の流体フロー効果を発生させていずれかの数のユーザをターゲットにするように制御して動作させることができる。これに加えて又はこれに代えて、システムコントローラブロック１０２は、位置識別器１２２から受け取られた位置データに基づいて、第１のユーザが第２のユーザに隣接して（例えば、１０フィート以内に、５フィート以内に、１フィート以内に）存在すると判定することができる。従って、システムコントローラブロック１０２は、第１のユーザ及び／又は第２のユーザのターゲット位置を、もう１人のユーザに向けられたフロー効果からの干渉を防ぐように決定することができる。本実施形態の利点としては、たとえ個人が互いに非常に近くに（例えば、同じ乗り物車両内に）存在する可能性がある場合でも、これらの個人に合わせて体験をカスタマイズできる能力が挙げられる。

【0033】

フロー効果コンポーネント１１０は、乗り物車両２０６から分離しているように示しているが、いくつかの実施形態では、フロー効果コンポーネント１１０を乗り物車両に組み込むこともできる。例えば、乗り物車両２０６は、乗り物車両の座席、乗り物車両の拘束具、乗り物車両の壁、乗り物車両の床、又は乗り物車両２０６の他のいずれかの好適なコンポーネント上に１又は２以上のフロー効果発生器１１２を含むことができる。いくつかの実施形態では、乗り物車両２０６に（例えば、座席、拘束具、壁及び床などに）組み込まれた１又は２以上のフロー効果発生器１１２が触覚効果を発生させることができる。例えば、乗り物車両の拘束具に組み込まれたフロー効果発生器１１２が、拘束具にしがみついたユーザ１１８に触覚フィードバックを提供することができる。さらに、異なる乗客又は乗客の身体部分に異なる感覚を提供するように数多くのフロー効果コンポーネント１１０を含めることもできる。例えば、燃えている橋の下を移動するボートを描いたシーンでは、乗客の頭部に熱を向ける一方で、ラップバー上に置かれたユーザの手に水滴を吹き付けることができる。

【0034】

上記を踏まえて、図３に、本開示の実施形態による、図１の流体フロー効果システム１００などの遊園地アトラクション効果システム３００を組み込んだ遊園地アトラクション３１０を示す。遊園地アトラクション３１０は乗り物車両３０４を含む。乗り物車両３０４は、遊園地アトラクションの継続時間中に１又は２以上のユーザ１１８が乗り物車両２０６内で座るための間隔及び１又は２以上の座席を含むことができる。いくつかの実施形態では、乗り物車両３０４が、乗り物車両３０４を上昇させ、乗り物車両３０４を下降させ、及び／又は乗り物車両３０４を（例えば、前方、後方、側方に）傾斜させるための油圧を含むことができる。遊園地アトラクション効果システム３００は、物体３０２を描くディスプレイ１２０を含むことができる。例えば、物体３０２を飛行機とすることができ、ディスプレイ１２０は、乗り物車両３０４内の１又は２以上のユーザ１１８の頭上を物体３０２が通過する様子を描くことができる。システム３００は、カメラ２０４などの位置識別器と、１又は２以上のフロー効果発生器１１２のアレイ２０２を含むフロー効果コンポーネント１１０とを含むことができる。カメラ２０４は、乗り物車両３０４内で座っているユーザなどの、遊園地アトラクション内の１又は２以上のユーザの存在を検出することができる。

【0035】

いくつかの実施形態では、ディスプレイ１２０を乗り物車両３０４上に組み込むことができる。例えば、各ユーザ１１８は、乗り物車両３０４上のユーザの座席の前に配置された対応するディスプレイ１２０を有することができる。いくつかの実施形態では、乗り物車両３０４が、ＧＰＳセンサ及び／又はジャイロスコープなどの位置識別器を含むことができる。カメラ２０４などの位置識別器は、ユーザ位置データを生成して図１のシステムコントローラブロック１０２などのコンピュータ装置に送信することができる。ディスプレイ１２０は、ディスプレイ１２０に関連する状態（例えば、表示シーケンスの開始）を示す信号を生成してシステムコントローラブロック１０２に送信することができる。例えば、ディスプレイ１２０は、乗り物車両３０４内の１又は２以上のユーザの頭上を通過する飛行機の画像を描写してシステムコントローラブロック１０２に信号を送信することができる。図１のシステムコントローラブロック１０２は、ユーザ位置データ及びディスプレイ１２０からの信号を受け取り、ユーザ位置データ及びディスプレイ１２０の状態に基づいて１又は２以上のユーザ１１８のターゲット位置の組を決定することができる。従って、システムコントローラブロック１０２は、１又は２以上のフロー効果発生器１１２に１又は２以上のユーザ１１８の１又は２以上のターゲット位置をターゲットにするように命令することができる。例えば、１又は２以上のユーザ１１８の頭上を飛行機が通過する様子をディスプレイ１２０が描くと、システムコントローラブロック１０２は、ディスプレイ１２０上に描かれた画像に対応する空気流効果を発生させるように１又は２以上のフロー効果発生器１１２に命令することができる。システムコントローラブロック１０２は、ディスプレイ１２０の状態を示す信号に基づいて１又は２以上のフロー効果発生器１１２を動的に制御することができる。例えば、システムコントローラブロック１０２は、ディスプレイ１２０上で飛行機が近づくとフロー効果の速度を高め、及び／又はディスプレイ１２０上で飛行機が遠ざかるとフロー効果の速度を下げるように１又は２以上のフロー効果発生器１１２に命令することができる。これに加えて又はこれに代えて、システムコントローラブロック１０２は、１又は２以上のフロー効果発生器１１２にターゲット位置を調整するように命令することもできる。例えば、システムコントローラブロック１０２は、ディスプレイ１２０上で飛行機が近づいた時にはユーザのディスプレイに向いた部分をターゲットにし、ディスプレイ１２０上で飛行機が頭上を通過する時にはユーザの上向き部分をターゲットにし、ディスプレイ１２０上で飛行機が遠ざかる時にはユーザの後向き部分をターゲットにするように１又は２以上のフロー効果発生器１１２に命令することができる。

【0036】

上記を踏まえて、図４に、本開示の実施形態による、図１のシステム１００などの遊園地アトラクション効果システムを使用して遊園地アトラクション効果を提供するプロセス４００のフロー図を示す。プロセス４００は、自動化コントローラ１１６によって実行されるものとして説明するが、遊園地アトラクション効果システムのコンポーネントを制御し及び／又はこれらのコンポーネントと通信できるプロセッサ１０４などのいずれかの好適な装置によって実行することもできると理解されたい。さらに、プロセス４００については特定の順序のステップを使用して説明するが、本開示の検討においては、説明するステップを図示の順序とは異なる順序で実行することも、或いはいくつかの説明するステップをスキップし又は完全に実行しないこともできると理解されたい。いくつかの実施形態では、プロセッサ１０４などのいずれかの好適な処理回路を使用して、メモリ１０６などの有形の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行することによってプロセス４００を実施することができる。

【0037】

プロセス４００では、図１のディスプレイ１２０などのディスプレイが、ディスプレイに関連する状態を示す信号を生成して伝えることができる。図１のディスプレイモニタ１０８などのディスプレイモニタはこの信号を受け取り、信号を受け取ったことに応答して状態を示す状態データを生成することができる。状態データは、例えば自動化コントローラ１１６において受け取ることができる（ステップ４０２）。これに加えて又はこれに代えて、自動化コントローラ１１６が信号を受け取り、ディスプレイ１２０から信号を受け取ったことに応答して状態を示す状態データを生成することもできる。

【0038】

図１の位置識別器１２２などの位置識別器は、１又は２以上のユーザのためのユーザ位置データの組を生成し、ユーザ位置データの組に基づいて１又は２以上のユーザの（単複の）位置を決定することができる。いくつかの実施形態では、位置識別器が、１又は２以上のユーザの体の向き、１又は２以上のユーザの身体部分の位置、１又は２以上のユーザの露出した皮膚領域、又はこれらのいずれかの組み合わせを決定することができる。位置識別器は、ユーザ位置データの組及び／又は１又は２以上のユーザの（単複の）位置を送信することができ、自動化コントローラ１１６は、ユーザ位置データの組及び／又は１又は２以上のユーザの（単複の）位置を受け取ることができる（ステップ４０４）。

【0039】

ステップ４０６において、自動化コントローラ１１６が、ユーザ位置データの組及び／又は１又は２以上のユーザの（単複の）位置に基づいてターゲット位置の組を決定することができる。例えば、凍った環境内に存在する印象を与えるために、ユーザの露出した皮膚を冷えた気流のターゲットにすることができる。これに加えて又はこれに代えて、自動化コントローラ１１６は、ディスプレイ１２０に関連する状態データに基づいてターゲット位置の組を決定することもできる。自動化コントローラ１１６は、さらなるユーザ位置データ及び／又はさらなる状態データを受け取ったことに応答してターゲット位置の組を動的に更新することができる。

【0040】

ステップ４０８において、自動化コントローラ１１６が、フロー効果発生器１１２などの１又は２以上のフロー効果発生器に、決定されたターゲット位置の組に基づいて流体フロー効果を向けるように命令することができる。これに加えて又はこれに代えて、自動化コントローラ１１６は、状態データに基づいて流体フロー効果を向けるように１又は２以上のフロー効果発生器に命令することもできる。

【0041】

ステップ４１０において、自動化コントローラ１１６が、状態データに基づいて流体フロー効果を制御するように１又は２以上のフロー効果発生器に命令することができる。例えば、自動化コントローラは、１又は２以上のフロー効果発生器に流体フロー効果の速度、水組成、温度、サイズ、又は他のいずれかの好適な側面を変更するように命令することができる。

【0042】

本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の実際の趣旨に含まれる全てのこのような修正及び変更も対象とすることが意図されていると理解されたい。

【0043】

本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「．．．［機能］を［実行］する手段」又は「．．．［機能］を［実行］するステップ」として指定されている１又は２以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法１１２条（ｆ）に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法１１２条（ｆ）に従って解釈すべきではない。

【符号の説明】

【0044】

１１０ フロー効果コンポーネント
１１２ フロー効果発生器
１１８ ユーザ
１２０ 動的ディスプレイ
２００ 遊園地アトラクション効果システム
２０２ フロー効果発生器のアレイ
２０４ カメラ
２０６ 乗り物車両
２１０ 遊園地アトラクション

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【国際調査報告】