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特表2023-5383621(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールの安定な局所製剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】1(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールの安定な局所製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/69 20060101AFI20230831BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230831BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20230831BHJP
   A61P 37/00 20060101ALI20230831BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20230831BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230831BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20230831BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20230831BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20230831BHJP
【FI】
A61K31/69
A61P17/00
A61P17/06
A61P37/00
A61P37/08
A61P29/00
A61K9/06
A61K47/06
A61K47/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511889
(86)(22)【出願日】2021-08-16
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 IB2021057518
(87)【国際公開番号】W WO2022038485
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】63/068,126
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/222,126
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100133927
【弁理士】
【氏名又は名称】四本 能尚
(74)【代理人】
【識別番号】100147186
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 眞紀
(74)【代理人】
【識別番号】100174447
【弁理士】
【氏名又は名称】龍田 美幸
(74)【代理人】
【識別番号】100185960
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 理愛
(72)【発明者】
【氏名】ズィーアン ヤオ ヨウ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076CC04
4C076DD34
4C076DD38
4C076DD39
4C076FF63
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA43
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA63
4C086NA03
4C086NA05
4C086ZA89
4C086ZB11
4C086ZB13
(57)【要約】
本発明は、炎症性障害を治療するための(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オール(PF-07038124)を含む化学的および物理的に安定な局所製剤の発見ならびにその局所製剤を調製する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.0025%~2%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩、2%~9%のヘキシレングリコール、適量(qs)の白色ワセリン、5%~9%のモノおよびジグリセリド、ならびに3%~7%のパラフィンワックスを含む局所製剤であって、ブチル化ヒドロキシトルエンを本質的に含まず、5℃~40℃において0~6カ月で3.0重量/重量%以下の分解物ジオールを有する、局所製剤。
【請求項2】
5%のヘキシレングリコール、7%のモノおよびジグリセリド、ならびに5%のパラフィンワックスを含む、請求項1に記載の局所製剤。
【請求項3】
0.005%~1.0%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、請求項1または請求項2に記載の局所製剤。
【請求項4】
0.005%~0.5%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、請求項2に記載の局所製剤。
【請求項5】
0.01%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、請求項2に記載の局所製剤。
【請求項6】
0.01%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩、5%のヘキシレングリコール、適量の白色ワセリン、7%のモノおよびジグリセリド、ならびに5%のパラフィンワックスを含む局所製剤であって、ブチル化ヒドロキシトルエンを本質的に含まず、5℃~40℃において0~6カ月で1.0重量/重量%以下の分解物ジオールを有する、局所製剤。
【請求項7】
0.01%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩、5%のヘキシレングリコール、適量の白色ワセリン、7%のモノおよびジグリセリド、ならびに5%のパラフィンワックスを含む局所製剤であって、ブチル化ヒドロキシトルエンを本質的に含まず、5℃~25℃において0~12カ月で1.0重量/重量%以下の分解物ジオールを有する、局所製剤。
【請求項8】
対象における乾癬、プラーク乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、屈曲性乾癬、滴状乾癬、乾癬性関節炎、乾癬性紅皮症、および逆性乾癬からなる群から選択される疾患または病態を治療する方法であって、そのような治療を必要とする前記対象に、治療上有効な量の請求項1に記載の局所製剤を投与するステップを含む、方法。
【請求項9】
前記疾患または病態が、乾癬である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記疾患または病態が、プラーク乾癬である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
対象における湿疹、アトピー性皮膚炎、手皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎、刺激性接触性皮膚炎、神経皮膚炎、口囲皮膚炎、うっ血性皮膚炎、異汗性湿疹、乾燥性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、脂漏性皮膚炎、眼瞼皮膚炎、おむつ皮膚炎、皮膚筋炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、円形脱毛症、白斑症、酒さ、表皮水疱症、毛孔性角化症、白色粃糠疹、天疱瘡、外陰腟炎、座瘡、慢性自発性蕁麻疹、慢性特発性蕁麻疹、慢性物理的蕁麻疹、フォークト-小柳-原田病、サットン母斑/母斑、炎症後色素脱失、老人性白斑、化学物質/薬物誘発性白斑、皮膚エリテマトーデス、円板状ループス、掌蹠膿疱症、類天疱瘡、スイート症候群、および化膿性汗腺炎からなる群から選択される疾患または病態を治療する方法であって、そのような治療を必要とする前記対象に、治療上有効な量の請求項1に記載の局所製剤を投与するステップを含む、方法。
【請求項12】
前記疾患または病態が、アトピー性皮膚炎である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記疾患または病態が、湿疹である、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炎症性障害を治療するための(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オール(PF-07038124)を含む化学的および物理的に安定な局所製剤の発見ならびにその局所製剤を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールは、アトピー性皮膚炎(AD)および乾癬を含む炎症性障害の治療のために研究されている選択的で強力なホスホジエステラーゼ-4(PDE4)阻害剤である。ホスホジエステラーゼ(PDE)は、環状アデノシン一リン酸(cAMP)および環状グアノシン一リン酸(cGMP)を含む様々な環状ヌクレオシド一リン酸の加水分解を触媒する酵素のファミリーを表す。PDEは、細胞内の環状ヌクレオチドのレベルを調節し、そのような環状モノヌクレオチドを加水分解してメッセンジャーの役割を終了させることによって環状ヌクレオチドの恒常性を維持する。PDE酵素は、cAMPおよび/またはcGMPの加水分解に対する特異性、カルシウムおよびカルモジュリンによる調節に対する感受性、ならびに様々な化合物による選択的阻害に応じてファミリーに分類することができる。PDE4酵素サブファミリーは、PDE4A、PDE4B、PDE4C、およびPDE4Dと呼ばれるPDE4酵素の4種のアイソフォームを産生する4種の遺伝子からなる[Wangら、Biochem.Biophys.Res.Comm.、234、320(1997)]。さらに、各PDE4アイソフォームの様々なスプライスバリアントが確認されている。PDE4イソ酵素は、アデノシン5’-一リン酸(AMP)への加水分解を触媒することによってcAMPを特異的に不活性化する。cAMP活性の調節は、炎症を含む多くの生物学的過程において重要である。
【0003】
ADは、典型的には幼児期中に現れる炎症性皮膚疾患であるが、思春期または成人期に現れる可能性があり、慢性または再発/寛解性の疾患進行に続く。AD患者は、皮膚に掻痒を示し、皮膚の二次的な細菌、ウイルス、および真菌の感染に対する感受性を示す。AD患者はまた、ケラチノサイトおよび他の免疫細胞の活性化をまねくバリア機能の低下を示す可能性がある。IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-12、IL-13、IL-17、IL-18、IL-22、IL-23、IL-31、IL-33、IL-36、およびTNF-αを含むがそれらだけに限らない多くの炎症性サイトカインが、ADに特有の症状に関与している。炎症性サイトカインは、疾患部位への白血球の動員を支持する様々な化学誘引物質またはケモカインの産生を促進する。AD患者の炎症に寄与するケモカインには、CCL1、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL11、CCL13、CCL17、CCL18、CCL20、CCL22、CCL26、およびCCL27が挙げられるが、それらだけに限らない。
【0004】
ADの治療には、治療選択肢が限られている。抗炎症性ステロイドの局所使用は、AD治療、特に急性疾患の再燃の場合に利用されている。ステロイドは、炎症細胞ならびにケラチノサイトおよび線維芽細胞の活性化および増殖を抑制する。しかし、ステロイドは、皮膚萎縮、毛細血管拡張症(毛細血管の異常な拡張)、表皮バリア障害、皮膚線条、酒さ、座瘡、多毛症、色素脱失、創傷治癒の遅延、および皮膚弾力の変化を含むがそれらだけに限らない有害な局所副作用を引き起こす可能性がある。局所ステロイドの使用を減らすために、ワセリンおよび店頭販売の保湿剤を含めた皮膚軟化剤が使用されている。メバロン酸およびニコチンアミドの局所施用は、コレステロールおよびセラミドの産生による表皮バリア透過性を向上させるために使用されている。タクロリムスおよびピメクロリムスなどの局所カルシニューリン阻害剤(TCI)は、ADの治療に使用されている。シクロスポリンA(CyA)は、カルシニューリンホスファターゼを阻害するための免疫抑制剤として使用され、それによってIL-2のレベルが低下し、T細胞増殖が阻害される。全身治療には、血清IgE、LFA-1、TNF-α、およびIL-4rをそれぞれ標的とする、オマリズマブ、エファリズマブおよびエタネルセプト、デュピルマブなどのヒト化モノクローナル抗体がある[Rahman、Inf.&All.2011、10、486]。さらなる湿疹、皮膚、および疾患状態には、手皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎、刺激性接触性皮膚炎、神経皮膚炎、口囲皮膚炎、うっ血性皮膚炎、異汗性湿疹、乾燥性皮膚炎、貨幣状(nummalar)皮膚炎、脂漏性皮膚炎、眼瞼皮膚炎、おむつ皮膚炎、皮膚筋炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、円形脱毛症、白斑症、酒さ、表皮水疱症、毛孔性角化症、白色粃糠疹、天疱瘡、外陰腟炎、座瘡、慢性自発性蕁麻疹、慢性特発性蕁麻疹、慢性物理的蕁麻疹、フォークト-小柳-原田病、サットン母斑/母斑、炎症後色素脱失、老人性白斑、化学物質/薬物誘発性白斑、皮膚エリテマトーデス、円板状ループス、掌蹠膿疱症、類天疱瘡、スイート症候群、および化膿性汗腺炎が挙げられる[EyerichおよびEyerich、J.Eur.Ac.Derm.Ven.、32、692(2018)]。
【0005】
乾癬は、プラーク乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、屈曲性乾癬、滴状乾癬、乾癬性関節炎、乾癬性紅皮症、および逆性乾癬を含めたいくつかの異なる形態で存在する免疫介在性慢性皮膚疾患である。プラーク乾癬(尋常性乾癬)は、乾癬の最も一般的な形態であり、典型的には、薄片状の白色積層によって覆われた隆起した赤色の皮膚の斑点として出現する。膿疱性乾癬は、非感染性の膿が充満した隆起瘤(膿疱)として出現する。膿疱の下および周囲の皮膚は、赤色で柔らかい。膿疱性乾癬は、一般に手および足に局在化するか、または身体のあらゆる部分に生じる広範囲にわたる斑点で全身に広がる可能性がある。爪乾癬は、手指および足指の爪の外観に様々な変化をもたらす。これらの変化には、爪甲下の退色、爪の陥凹、爪を横切る線、爪の下の皮膚の肥厚、ならびに爪の剥離(爪甲離床症)および崩壊がある。屈曲性乾癬(逆乾癬)は、皮膚の炎症を起こした平らな斑点として現れる。これは、皮膚のひだ内、特に、生殖器の周囲(大腿部と鼠径部の間)、腋窩、太りすぎの腹部の下(パンヌス)、および乳房の下(乳房下のひだ)で生じる。これは、摩擦および汗によって悪化し、真菌感染症に対して脆弱である。滴状乾癬は、多数の小さな楕円形の斑点を特徴とする。乾癬のこれらの斑点は、胴体、四肢、および頭皮などの身体の広い領域にわたって現れる。乾癬性関節炎は、関節および結合組織炎症を伴う。乾癬性関節炎は、あらゆる関節に影響を及ぼす可能性があるが、手指および足指の関節に最もよく見られる。乾癬性関節炎は、指炎として既知の、手指および足指の腫脹をもたらす可能性がある。乾癬性関節炎はまた、腰、膝、および脊椎(脊椎炎)に影響を及ぼす可能性がある。乾癬性紅皮症は、体表の大部分の皮膚の広範囲にわたる炎症および剥脱を伴う。これには、激しいかゆみ、腫脹、および疼痛を伴う可能性がある。これは、多くの場合、特に全身治療の突然の中止後に、不安定なプラーク乾癬の増悪の結果として起こる。乾癬の治療に利用可能な現在の療法には、局所治療、光線療法、および全身投与がある。治療は、美容上望ましくないか、長期使用に不便であるか、または有効性が限られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近完了した第1相試験において、(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールを含む製剤は、化学的および物理的に不安定であることが分かった。したがって、ADおよび乾癬などの炎症性障害を治療するために化学的および物理的安定性が改善された、(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールを含む局所製剤の発見が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩、ヘキシレングリコール、白色ワセリン、モノおよびジグリセリド、ならびにパラフィンワックスを含む局所製剤であって、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を本質的に含まず、化学的および物理的安定性が改善された、局所製剤を提供する。
【0008】
本発明は、対象における炎症性障害を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、治療上有効な量の、(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールを含む局所製剤を局所投与するステップを含み、その局所製剤が本発明の製剤から調製される、方法を提供する。
【0009】
本発明は、本発明の局所製剤を調製する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】9%のHGおよび0%のBHTを含む、0.01、0.03、および0.1%のPF-07038124製剤に関する1、3、および6カ月における化学的安定性の比較データを示す図である。
図1B】9%のHGおよび0.1%のBHTを含む、0.01、0.03、および0.06%のPF-07038124製剤に関する1、3、および6カ月における化学的安定性の比較データ(分解物PF-07086920の%)を示す図である。
図2A】5%のHGおよび0%のBHTを含む、0.01、0.03、および0.06%のPF-07038124製剤に関する1、3および6カ月における化学的安定性の比較データ(分解物PF-07086920の%)を示す図である。
図2B】5%のHGおよび0.1%のBHTを含む、0.01および0.03%のPF-07038124製剤に関する1、3、および6カ月における化学的安定性の比較データ(分解物PF-07086920の%)を示す図である。
図3A】2%のHGおよび0%のBHTを含む、0.01、0.03、および0.1%のPF-07038124製剤に関する1、3、および6カ月における化学的安定性の比較データ(分解物PF-07086920の%)を示す図である。
図3B】2%のHGおよび0.1%のBHTを含む、0.01、0.03、および0.1%のPF-07038124製剤に関する1、3、および6カ月における化学的安定性の比較データ(分解物PF-07086920の%)を示す図である。
図4】9%のHGおよび0%のBHT;5%のHGおよび0%のBHT;ならびに2%のHGおよび0%のBHTを含む製剤におけるPF-07038124に関する化学的安定性の比較データを示す図である。
図5】PF-07038124を含む本発明の局所製剤のキログラムスケール調製を示す概略図である。
図6】ジャケット付き保持タンクにおいて29℃~35℃で一晩静置し、続いて、ジャケット付き保持タンクの底弁を開き、約1kgの放出物をバケツに回収した後の第I相製剤(9%のHGおよび0.1%のBHTを含む)の溜まり、相分離の写真を示す図である。
図7】ジャケット付き保持タンクにおいて29℃~35℃で一晩静置し、続いて、ジャケット付き保持タンクの底弁を開き、約1kgの放出物をバケツに回収した後の製剤L(5%のHGを含み、BHTを本質的に含まない)の溜まりなし、相分離なしの写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、0.0025%~2%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩、2%~9%のヘキシレングリコール、適量(qs)の白色ワセリン、5%~9%のモノおよびジグリセリド、ならびに3%~7%のパラフィンワックスを含む局所製剤であって、ブチル化ヒドロキシトルエンを本質的に含まず、5℃~40℃において0~6カ月で3.0重量/重量%以下の分解物ジオールを有する、局所製剤を提供する。
【0012】
以下に、本発明のこの第1の態様のいくつかの実施形態(E)を説明するが、便宜上、E1はこれと同一である。
E1. 直前に記載した、本発明の第1の態様による局所製剤。
E2. 5%のヘキシレングリコール、7%のモノおよびジグリセリド、ならびに5%のパラフィンワックスを含む、実施形態E1による局所製剤。
E3. 0.005%~1.0%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1からE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E4. 0.005%~0.5%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1からE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E5. 0.005%~0.4%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1からE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E6. 0.005%~0.3%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1からE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E7. 0.005%~0.2%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1からE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E8. 0.005%~0.1%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1からE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E9. 0.005%~0.05%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1からE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E10. 0.005%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1からE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E11. 0.01%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1からE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E12. 0.02%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1からE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E13. 0.03%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1からE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E14. 0.04%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E15. 0.05%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E16. 0.06%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E17. 0.07%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E18. 0.08%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E19. 0.09%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E20. 0.1%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E21. 0.2%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E22. 0.3%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E23. 0.4%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E24. 0.5%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E25. 0.6%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E26. 0.7%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E27. 0.8%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E28. 0.9%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E29. 1.0%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E30. 1.5%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E31. 2.0%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E1またはE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E32. 5℃~40℃において0~6カ月で2.0重量/重量%以下の分解物ジオールを有する、実施形態E1からE31のいずれか1つに記載の局所製剤。
E33. 5℃~40℃において0~6カ月で1.0重量/重量%以下の分解物ジオールを有する、実施形態E1からE31のいずれか1つに記載の局所製剤。
E34. 5℃において6カ月で1.0重量/重量%以下の分解物ジオールを有する、実施形態E1からE31のいずれか1つに記載の局所製剤。
E35. 25℃において6カ月で1.0重量/重量%以下の分解物ジオールを有する、実施形態E1からE31のいずれか1つに記載の局所製剤。
E36. 40℃において6カ月で1.0重量/重量%以下の分解物ジオールを有する、実施形態E1からE31のいずれか1つに記載の局所製剤。
E37. 5℃~25℃において0~12カ月で1.0重量/重量%以下の分解物ジオールを有する、実施形態E1からE31のいずれか1つに記載の局所製剤。
E38. 5℃において12カ月で1.0重量/重量%以下の分解物ジオールを有する、実施形態E1からE31のいずれか1つに記載の局所製剤。
E39. 25℃において12カ月で1.0重量/重量%以下の分解物ジオールを有する、実施形態E1からE31のいずれか1つに記載の局所製剤。
E40. 対象における乾癬、プラーク乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、屈曲性乾癬、滴状乾癬、乾癬性関節炎、乾癬性紅皮症、および逆性乾癬からなる群から選択される疾患または病態を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、治療上有効な量の実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤を投与するステップを含む、方法。
E41. 疾患または病態がプラーク乾癬である、実施形態E40に記載の方法。
E42. 疾患または病態が乾癬である、実施形態E40に記載の方法。
E43. 乾癬、プラーク乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、屈曲性乾癬、滴状乾癬、乾癬性関節炎、乾癬性紅皮症、または逆性乾癬の治療で使用するための実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤。
E44. プラーク乾癬の治療で使用するための実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤。
E45. 乾癬の治療で使用するための実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤。
E46. 乾癬、プラーク乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、屈曲性乾癬、滴状乾癬、乾癬性関節炎、乾癬性紅皮症、または逆性乾癬の治療で使用するための医薬品の製造においての実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤の使用。
E47. プラーク乾癬の治療で使用するための医薬品の製造においての実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤の使用。
E48. 乾癬の治療で使用するための医薬品の製造においての実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤の使用。
E49. 対象における湿疹、アトピー性皮膚炎、手皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎、刺激性接触性皮膚炎、神経皮膚炎、口囲皮膚炎、うっ血性皮膚炎、異汗性湿疹、乾燥性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、脂漏性皮膚炎、眼瞼皮膚炎、おむつ皮膚炎、皮膚筋炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、円形脱毛症、白斑症、酒さ、表皮水疱症、毛孔性角化症、白色粃糠疹、天疱瘡、外陰腟炎、座瘡、慢性自発性蕁麻疹、慢性特発性蕁麻疹、慢性物理的蕁麻疹、フォークト-小柳-原田病、サットン母斑/母斑、炎症後色素脱失、老人性白斑、化学物質/薬物誘発性白斑、皮膚エリテマトーデス、円板状ループス、掌蹠膿疱症、類天疱瘡、スイート症候群、および化膿性汗腺炎からなる群から選択される疾患または病態を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、治療上有効な量の実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤を投与するステップを含む、方法。
E50. 疾患または病態がアトピー性皮膚炎である、実施形態E49に記載の方法。
E51. 疾患または病態が湿疹である、実施形態E49に記載の方法。
E52. 湿疹、アトピー性皮膚炎、手皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎、刺激性接触性皮膚炎、神経皮膚炎、口囲皮膚炎、うっ血性皮膚炎、異汗性湿疹、乾燥性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、脂漏性皮膚炎、眼瞼皮膚炎、おむつ皮膚炎、皮膚筋炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、円形脱毛症、白斑症、酒さ、表皮水疱症、毛孔性角化症、白色粃糠疹、天疱瘡、外陰腟炎、座瘡、慢性自発性蕁麻疹、慢性特発性蕁麻疹、慢性物理的蕁麻疹、フォークト-小柳-原田病、サットン母斑/母斑、炎症後色素脱失、老人性白斑、化学物質/薬物誘発性白斑、皮膚エリテマトーデス、円板状ループス、掌蹠膿疱症、類天疱瘡、スイート症候群、および化膿性汗腺炎の治療で使用するための実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤。
E53. アトピー性皮膚炎の治療で使用するための実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤。
E54. 湿疹の治療で使用するための実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤。
E55. 湿疹、アトピー性皮膚炎、手皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎、刺激性接触性皮膚炎、神経皮膚炎、口囲皮膚炎、うっ血性皮膚炎、異汗性湿疹、乾燥性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、脂漏性皮膚炎、眼瞼皮膚炎、おむつ皮膚炎、皮膚筋炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、円形脱毛症、白斑症、酒さ、表皮水疱症、毛孔性角化症、白色粃糠疹、天疱瘡、外陰腟炎、座瘡、慢性自発性蕁麻疹、慢性特発性蕁麻疹、慢性物理的蕁麻疹、フォークト-小柳-原田病、サットン母斑/母斑、炎症後色素脱失、老人性白斑、化学物質/薬物誘発性白斑、皮膚エリテマトーデス、円板状ループス、掌蹠膿疱症、類天疱瘡、スイート症候群、および化膿性汗腺炎治療で使用するための医薬品の製造においての実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤の使用。
E56. アトピー性皮膚炎の治療で使用するための医薬品の製造においての実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤の使用。
E57. 湿疹の治療で使用するための医薬品の製造においての実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤の使用。
E58. 実施形態E1からE39のいずれか1つに記載の局所製剤を調製する方法であって、
1.容器中で(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オール、または薬学的に許容できるその塩、およびヘキシレングリコールを混合して、有効相を得るステップと;
2.ジャケット付き容器中で白色ワセリン、モノおよびジグリセリド、ならびにパラフィンワックスを混合して、ワックス相を得るステップと;
3.ワックス相を均質化タンクに移送するステップと;
4.有効相を均質化タンクに移送するステップと;
5.高剪断底部載置型分散ホモジナイザーユニット(DISHO)を用いて、均質化タンク中でワックス相および有効相を均質化するステップと;
6.局所製剤をジャケット付き保持容器に移送するステップとを含み、
局所製剤が29℃~35℃で一晩静置され、非強化目視検査で判断した場合に局所製剤の溜まりまたは相分離がない、方法。
E59. ステップ2のジャケット付き容器を、ワックス相が溶解するまで混合しながら70℃~80℃に加熱する、実施形態E58に記載の方法。
E60. ステップ3の均質化タンクを、10分間以上再循環しながら70℃~80℃に加熱し、次いで、混合および再循環しながら40℃~46℃に冷却する、実施形態E58およびE59に記載の方法。
E61. ステップ5の均質化タンクを40℃~46℃に維持し、ワックス相および有効相を1600rpmのDISHOで60分間以上均質化する、実施形態E58からE60のいずれか1つに記載の方法。
E62. DISHOの毎分回転数が、温度を40℃~46℃に維持するように調整される、実施形態E61に記載の方法。
E63. ワックス相および有効相を均質化した後、ステップ5の均質化タンクを29℃~35℃に冷却し、DISHOの毎分回転数を1000rpmに減少させる、実施形態E61およびE62に記載の方法。
E64. DISHOの毎分回転数が、再循環を最低限維持するように調整される、実施形態E63に記載の方法。
E65. ステップ6のジャケット付き保持タンクを、局所製剤の均質化タンクからジャケット付き保持タンクへの移送中、29℃~35℃に維持する、実施形態E58からE64のいずれか1つに記載の方法。
E66. 0.0025%~2%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩、2%~9%のヘキシレングリコール、適量(qs)の白色ワセリン、5%~9%のモノおよびジグリセリド、ならびに3%~7%のパラフィンワックスを含む、局所製剤。
E67. 3%~7%のヘキシレングリコールを含む、E66に記載の局所製剤。
E68. 4%~6%のヘキシレングリコールを含む、E67に記載の局所製剤。
E69. 4.5%~5.5%のヘキシレングリコールを含む、E68に記載の局所製剤。
E70. 5%のヘキシレングリコールを含む、E69に記載の局所製剤。
E71. 2%~5%のヘキシレングリコールを含む、E66に記載の局所製剤。
E72. 5%のヘキシレングリコール、7%のモノおよびジグリセリド、ならびに5%のパラフィンワックスを含む、E66からE71のいずれか1つに記載の局所製剤。
E73. 0.005%~1.0%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E74. 0.005%~0.5%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E75. 0.005%~0.4%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E76. 0.005%~0.3%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E77. 0.005%~0.2%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E78. 0.005%~0.1%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E79. 0.005%~0.05%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E80. 0.005%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E81. 0.01%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E82. 0.02%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E83. 0.03%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E84. 0.04%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E85. 0.05%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E86. 0.06%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E87. 0.07%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E88. 0.08%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E89. 0.09%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E90. 0.1%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E91. 0.2%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E92. 0.3%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E93. 0.4%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E94. 0.5%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E95. 0.6%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E96. 0.7%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E97. 0.8%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E98. 0.9%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E99. 1.0%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE2のいずれか1つに記載の局所製剤。
E100. 1.5%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E101. 2.0%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E66からE72のいずれか1つに記載の局所製剤。
E102. 0.0025%~2%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩、2%~9%のヘキシレングリコール、適量(qs)の白色ワセリン、4%~9%のトリグリセリド、および3%~7%のパラフィンワックスを含む、局所製剤。
E103. 3%~7%のヘキシレングリコールを含む、E102に記載の局所製剤。
E104. 4%~6%のヘキシレングリコールを含む、E103に記載の局所製剤。
E105. 4.5%~5.5%のヘキシレングリコールを含む、E104に記載の局所製剤。
E106. 5%のヘキシレングリコールを含む、E105に記載の局所製剤。
E107. 2%~5%のヘキシレングリコールを含む、E102に記載の局所製剤。
E108. 5%のヘキシレングリコール、5~8%のトリグリセリド、および5%のパラフィンワックスを含む、E102からE107のいずれか1つに記載の局所製剤。
E109. 0.005%~1.0%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E110. 0.005%~0.5%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E111. 0.005%~0.4%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E112. 0.005%~0.3%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E113. 0.005%~0.2%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E114. 0.005%~0.1%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E115. 0.005%~0.05%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E116. 0.005%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E117. 0.01%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E118. 0.02%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E119. 0.03%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E120. 0.04%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E121. 0.05%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E122. 0.06%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E123. 0.07%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E124. 0.08%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E125. 0.09%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E126. 0.1%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E127. 0.2%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E128. 0.3%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E129. 0.4%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E130. 0.5%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E131. 0.6%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E132. 0.7%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E133. 0.8%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E134. 0.9%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E135. 1.0%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E136. 1.5%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E137. 2.0%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E102からE108のいずれか1つに記載の局所製剤。
E138. 0.0025%~2%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩、2%~9%のヘキシレングリコール、適量(qs)の白色ワセリン、4%~9%のモノ、ジ、およびトリグリセリド、ならびに3%~7%のパラフィンワックスを含む、局所製剤。
E139. 3%~7%のヘキシレングリコールを含む、E138に記載の局所製剤。
E140. 4%~6%のヘキシレングリコールを含む、E139に記載の局所製剤。
E141. 4.5%~5.5%のヘキシレングリコールを含む、E140に記載の局所製剤。
E142. 5%のヘキシレングリコールを含む、E141に記載の局所製剤。
E143. 2%~5%のヘキシレングリコールを含む、E138に記載の局所製剤。
E144. 5%のヘキシレングリコール、5~8%のモノ、ジ、およびトリグリセリド、ならびに5%のパラフィンワックスを含む、E138からE143のいずれか1つに記載の局所製剤。
E145. モノ、ジ、およびトリグリセリドが、12~18%(重量/重量)のモノベヘン酸グリセロール、45~54%(重量/重量)のジベヘン酸グリセロール、および28~32%のトリベヘン酸グリセロールを含む、E138からE144のいずれか1つに記載の局所製剤。
E146. 0.005%~1.0%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E147. 0.005%~0.5%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E148. 0.005%~0.4%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E149. 0.005%~0.3%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E150. 0.005%~0.2%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E151. 0.005%~0.1%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E152. 0.005%~0.05%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E153. 0.005%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E154. 0.01%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E155. 0.02%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E156. 0.03%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E157. 0.04%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E158. 0.05%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E159. 0.06%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E160. 0.07%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E161. 0.08%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E162. 0.09%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E163. 0.1%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E164. 0.2%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E165. 0.3%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E166. 0.4%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E167. 0.5%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E168. 0.6%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E169. 0.7%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E170. 0.8%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E171. 0.9%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E172. 1.0%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E173. 1.5%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
E174. 2.0%の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールまたは薬学的に許容できるその塩を含む、実施形態E138からE145のいずれか1つに記載の局所製剤。
【0013】
定義
用語「PF-07038124」または「有効物」または「有効医薬剤」または「API」または「薬物製品」は、本明細書で使用する場合、以下の構造の(R)-4-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1,2-オキサボロラン-2-オールを意味し、
【0014】
【化1】
薬学的に許容できるその塩、ならびに水和物、溶媒和物、共結晶、塩、およびそれらの組合せを含めた結晶性または非晶性の形態を含む。いくつかの形態は、参照により全体が本明細書に組み込まれるWO2020/070651に開示される実験手順に従って調製することができる。
【0015】
用語「PF-07086920」、「分解物ジオール」、または「M1」は、本明細書で使用する場合、以下の構造の2-(5-(4-メトキシ-3-プロポキシフェニル)ピリジン-3-イル)プロパン-1,3-ジオールを意味し、
【0016】
【化2】
第I相製剤に見られる主分解物であり、また、ヒト血液および場合によっては他の組織で形成される主代謝産物である。
【0017】
用語「高剪断底部載置型分散ホモジナイザーユニット」または「分散ホモジナイザー」または「DISHO」は、本明細書で使用する場合、有効相およびワックス相を均質化して本発明の局所製剤を形成する装置である。DISHOはまた、局所製剤の再循環を確実にし、局所製剤を均質化タンクから保持タンクにポンプ輸送することができる。
【0018】
用語「製剤L」は、本明細書で使用する場合、本明細書の表5に開示するPF-07038124、HG、白色ワセリン、モノおよびジグリセリド、ならびにパラフィンワックスを含む、270kgスケール(総重量)で調製した3種の製剤を意味する。好ましい製剤Lは、0.01%のPF-07038124、5%のHG、82.99%の白色ワセリン、7%のモノおよびジグリセリド、5%のパラフィンワックス、ならびに0%のブチル化ヒドロキシトルエンを含む。局所軟膏は、炎症性障害の治療を必要とする対象における炎症性障害を治療するために製剤Lから調製することができる。アトピー性皮膚炎および乾癬は、製剤Lから調製された局所軟膏を用いた治療のための好ましい炎症性障害である。
【0019】
用語「均質化」または「均質化する」は、本明細書で使用する場合、ワックス相および有効相を機械的に混合して、不混和性エマルジョン相の均一分散を促進し、本発明の局所製剤を形成するプロセスを意味する。
【0020】
用語「ローブポンプ」は、本明細書で使用する場合、均質化タンクからジャケット付き保持タンクにおよびジャケット付き保持タンクから充填ホッパーになど、タンク間において軟膏としての局所製剤を移送するために使用する外部低剪断ポンプを意味する。
【0021】
用語「モノおよびジグリセリド」は、本明細書で使用する場合、食用油からの脂肪酸のグリセロールのモノおよびジエステルと、少量のトリエステルとの混合物を意味する。それは、モノグリセリドを40.0%以上含有する。モノグリセリドの含有量は、ラベル表示値の90.0%以上110.0%以下である。それは、適切な安定剤を含有していてもよい。米国薬局方USP43-NF38、5890頁に記載されている。本発明の製剤は、Gettefosseから供給されるGeleol(商標)を使用した。Geleol(商標)は、ステアリン酸(C18)が40.0~60.0%であり、パルミチン酸(C16)およびステアリン酸の合計が90.0%以上であるという、特定の脂肪酸定義を有する。脂肪酸は、本発明の製剤においてモノおよびジグリセリドの機能性を安定させる。
【0022】
用語「トリグリセリド」は、本明細書で使用する場合、グリセロールのトリエステルを意味するが、グリセロールのモノおよびジエステルが少量存在している。本発明のいくつかの製剤で使用することができる代表的なトリグリセリドには、トリラウリン(TG121212)、トリパルミチン(TG161616)、トリステアリン(TG181818)、トリオレイン(TG181818)、およびトリリノレイン(TG181818)がある。
【0023】
用語「モノ、ジ、およびトリグリセリド」は、本明細書で使用する場合、食用油からの脂肪酸のグリセロールモノ、ジ、およびトリエステルの混合物を意味する。Gettefosseから供給されるCompritol(登録商標)888ATOは、代表的なモノ、ジ、およびトリグリセリドであり、ベヘン酸(C22)のモノ、ジ、およびトリエステルの混合物であり、ジエステル画分を主成分としたものである。より詳細には、Compritol(登録商標)は、モノベヘン酸グリセロール(12~18重量/重量%)、ジベヘン酸グリセロール(45~54重量/重量%)、およびトリベヘン酸グリセロール(28~32重量/重量%)の混合物を含む。
【0024】
用語「一晩」は、本明細書で使用する場合、36時間までを意味する。
【0025】
用語「ppm」は、本明細書で使用する場合、100万分の1を意味する。
【0026】
用語「適量」は、合計を100%とするのに十分な量を意味する。
【0027】
用語「再循環」は、本明細書で使用する場合、ポンプによって支援される再循環ループを介した、均質化タンク内の局所製剤の底部から頂部への動きを意味する。DISHOは、ある最小の毎分回転数で運転している限り、局所製剤の再循環を実現する。DISHOは、均質化容器に組み込まれた一部であり、局所製剤を均質化し、ポンプ輸送する働きをする。
【0028】
用語「静的」は、本明細書で使用する場合、製剤を動かさずに、または混合、撹拌、揺動、もしくは均質化せずに放置させたことを意味する。
【0029】
用語「対象」または「患者」または「個体」は、本明細書で互換的に使用する場合、本発明の方法を適用することができるヒトまたは動物を指す。ある好ましい諸実施形態では、対象は、哺乳動物またはヒトであり、より好ましくはヒトである。
【0030】
用語「重量/重量」は、本明細書で使用する場合、重量に対する重量(weight for weightまたはweight by weight)を意味する。
【0031】
用語「ブチル化ヒドロキシトルエンを本質的に含まない」または「BHTを本質的に含まない」は、ブチル化ヒドロキシトルエンが、製剤の性質(例えば、化学的安定性)を向上させるために意図的に添加されておらず、存在するとしても微量を超えず、好ましくは25ppm未満であることを意味する。
【0032】
第I相製剤(表1)を、300リットルFryma Korumaスクレープサーフェスミキサーを使用して、180kgスケールで製造した。続いて、製造した製剤を保持タンクに移送し、1日間保持した後にチューブに充填した。Fryma Koruma容器の一部である高剪断底部載置型分散ホモジナイザーユニット(DISHO)を使用することによって移送プロセスを支援した。チューブ充填の当日、保持タンクの底付近に約100mLの液体の溜まりが観察された(図6)。この液体の試料を採取し、分析すると、主にヘキシレングリコールを含有していることが判明し、ヘキシレングリコールが製剤から分離したことが示唆された。製造中の液体溜まりまたは相分離がこのように観察されたことは、第1相製剤(表1)が、加工性を有すると同時に液体溜まりまたは相分離への耐性を維持するという点でロバスト性に欠けていることを示している。
【0033】
【表1】
【0034】
製造上の問題の可能な改善策として、第I相製剤中のヘキシレングリコール(HG)の量を5%および2%に減らす(白色ワセリンと置き換える)ことで、思いがけないことに、分解物ジオールPF-07086920のレベルが増加し(表2)、このことから、HGを減らすと酸化防止剤のブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)の影響が小さくなることが示唆された。5%HGおよび2%HG製剤において酸化防止剤BHTおよびPF-07038124の量ならびにそれらの比は変わらず、したがって、5%HGおよび2%HG製剤における分解物ジオール(PF-07086920)のレベルは9%HG製剤と同様である予想されたため、この発見は驚くべきことであり、予想に反していた。
【0035】
【表2】
【0036】
さらに驚くべきことは、第I相製剤からBHTを排除すると、0.01%API、5%HG、0%BHT、および0.01%API、2%HG、0%BHTの2種の製剤における分解物ジオール(PF-07086920)のレベルが、0.1%のBHTを含有する同様の製剤と比べて低下したという発見であった(表3)。分解物ジオールは、BHTなどの酸化防止剤が抑制すると予想される酸化的脱ホウ素化変換に起因するため、表3に示した結果は驚くべきものであった。製剤への酸化防止剤の添加は、化合物の酸化分解の影響に対抗または軽減するためによく行われる手法である。酸化分解を低減/排除するという特定の意図を持ってBHTを第I相製剤に添加した。BHTを第I相製剤から除去すると、PF-07038124の酸化分解が減少するという発見は、製剤分野での既知の慣行に反するものであった。
【0037】
【表3】
【0038】
表2および表3で見出した予想外の結果は、BHTの除去と組み合わせてHGを減らした製剤が、第I相製剤に関連する物理的および化学的問題を改善するかどうかを判断するためのさらなる評価を保証するものであった。9%、5%、および2%のHGを含む製剤がBHTを含む場合およびBHTを含まない場合に関する比較データを作成し、図1~4に記載するようにある温度および時間における分解物ジオールの量を測定した。このデータは、図1および図3の9%および2%のHGを含む製剤それぞれからBHTを除去すると、分解物ジオールPF-07086920の生成を低減するいくつかの利点があることを示した。思いがけないことに、図2に示すように、5%のHGおよび0%のBHTを含む製剤が、分解物ジオールPF-07086920の低減に最も効果的であった。5%のHGおよび0%のBHTを含む製剤の化学的安定性の向上に基づいて、第II相臨床研究のために表4に示す新規な製剤を提案した。
【0039】
【表4】
【0040】
製造
提案した第II相製剤(表5)を、製剤Lと称し、第I相製剤の調製に使用したのと同じ装置を使用して、270kgスケールで製造した。製剤Lをジャケット付き保持タンク内に静的な状態(混合なし、撹拌なし)で29℃~35℃で一晩置いた後に、そのタンクの底部付近に液体溜まりは観察されなかった。均質化タンクからジャケット付き保持タンクへの移送プロセスは、底部載置型高剪断分散ホモジナイザーユニット(DISHO)を使用することによって、または外部低剪断ローブポンプを使用することによって支援した。したがって、均質化タンクを空にするために高剪断DISHOまたは低剪断ローブポンプを使用したかどうかにかかわらず、製剤Lが、加工性を有すると同時に液体溜まりまたは相分離への耐性を維持するという点でよりロバスト性が高いということが分かった。
【0041】
より詳細には、PF-07038124を予め秤量し、適切な大きさの容器で約2~3.5時間かけて混合しながらヘキシレングリコールに溶解し、視覚的にそれを確認して、有効相を得た。別の容器に白色ワセリンを添加し、70℃~80℃に加熱し、続いて、パラフィンワックスならびにモノおよびジグリセリドを添加し、すべての賦形剤の溶融/溶解が視覚的な確認により判断されるまで混合して、ワックス相を得た。ワックス相を均質化タンクに移送し、70℃~80℃に加熱し、10分以上再循環した。均質化タンクを、混合および再循環しながら40℃~46℃に冷却した。次いで、有効相を均質化タンクに添加し、ワックスおよび有効相を、DISHOを用いて1600rpmで60分以上均質化して、製剤Lを得た。温度を40℃~46℃に維持するために、DISHOの毎分回転数を必要に応じて調整した。均質化の後、タンクを29℃~35℃に冷却し、DISHOの毎分回転数を1000に減少させた。DISHOの毎分回転数は、温度を29℃~35℃に維持し、回転数が適切な再循環を可能にする最低回転数以上を確実に維持するように調整された。製剤Lを29℃~35℃のジャケット付き保持タンクに移送し、さらなる混合または撹拌を行わずに保持タンク内で一晩静置した。次いで、ジャケット付き保持タンクを、29℃~35℃に設定した充填ホッパーにホースを介して接続し、製剤Lをチューブにポンプ注入し、チューブを密封し、自動重量検査装置に通して、調剤(dispensable)チューブに入っている製剤Lを得た。
【0042】
【表5】
【0043】
製剤Lは、化学的および物理的安定性の向上、すなわち、液体溜まり問題の解決、相分離の解消、より多くのポンプオプションで均質化タンクを空にできるようにしたこと、および分解物ジオール(PF-07086920)レベルの低減を実証した。
【0044】
代謝産物
放射性標識していないPF-07038124の代謝の評価を、マウス、ラット、イヌ、サル、およびヒトの肝細胞を使用してin vitroで行った。すべての種の肝細胞において、PF-07038124の中程度から大規模な代謝が観察された。代謝の主な経路は、オキサボロール環の加水分解/酸化によるジオール(PF-07086920)、ピリジル窒素のグルクロン酸抱合、フェノキシプロピル部分のプロピル基のヒドロキシル化、およびメトキシ基の脱メチル化であった(以下に示す)。マウス、ラット、イヌ、およびサルの肝細胞で検出されたすべての代謝産物が、ヒト肝細胞でも観察された。これらのin vitro評価から、ボロン酸部分が、様々な哺乳類肝細胞に暴露された場合、化学的に不安定であることが示された。
【0045】
【化3】
【0046】
ヒトにおける主な代謝経路の1つは、オキサボロール環が開環した分子であるPF-07086920の形成であった。PF-07038124は、ヒトおよびラットの血液中ではオキサボロール環が酸化されてジオール分解物/代謝産物(PF-07086920)が生じるために、化学的に不安定であることが分かった。ヒトおよびラットの血液中で1μMで1時間インキュベートした後、液体クロマトグラフィ-タンデム質量分析計で測定したところ、ヒトおよびラットの両方の血液中でPF-07038124の濃度は減少し、一方、PF-07086920の濃度は増加した。PF-07086920はまた、代謝産物であることに加えて、PF-07038124を含む製剤の分解物であることが特定された。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】