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特表2023-538364膠芽細胞腫および他のがんの処置のためのB細胞ベースの免疫治療
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】膠芽細胞腫および他のがんの処置のためのB細胞ベースの免疫治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/17 20150101AFI20230831BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230831BHJP
   A61K 31/4188 20060101ALI20230831BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230831BHJP
   C12N 5/0781 20100101ALN20230831BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20230831BHJP
   A61K 39/395 20060101ALN20230831BHJP
【FI】
A61K35/17
A61P35/00
A61K31/4188
A61P43/00 121
C12N5/0781 ZNA
C12N15/09 Z
A61K39/395 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511939
(86)(22)【出願日】2021-08-17
(85)【翻訳文提出日】2023-04-14
(86)【国際出願番号】 US2021046331
(87)【国際公開番号】W WO2022040202
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】63/066,533
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500041019
【氏名又は名称】ノースウェスタン ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リー-チャン, カタリナ
(72)【発明者】
【氏名】レスニアク, マチェイ エス.
【テーマコード(参考)】
4B065
4C085
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA92X
4B065AA93Y
4B065AA94X
4B065AC20
4B065BB19
4B065BB34
4B065CA44
4C085AA14
4C085BB31
4C085CC23
4C085DD61
4C085EE03
4C085GG01
4C085GG02
4C085GG04
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZC75
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087BB63
4C087MA02
4C087MA66
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZB26
4C087ZC75
(57)【要約】
本発明は、CD40アゴニストおよびIFNγを使用して4-1BBL+B細胞を活性化することによって抗がん組成物を作製する方法を提供する。これらの方法によって産生された抗がん組成物は、がんの処置のための免疫治療として、単独で、または放射線、化学療法薬、および/もしくはチェックポイント遮断と組み合わせて使用され得る。(a)4-1BBL+(CD137L+)B細胞を回収するステップ;(b)上記B細胞をCD40アゴニストとインキュベートするステップ;(c)IFN-γを上記のB細胞に添加するステップ;および(d)上記B細胞を腫瘍由来抗原と接触させるステップによって抗がん組成物を作製する方法を本明細書中に提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗がん組成物を作製する方法であって、(a)4-1BBL+(CD137L+)B細胞を回収するステップ;(b)前記B細胞をCD40アゴニストとインキュベートするステップ;(c)IFN-γを前記B細胞に添加するステップ;および(d)前記B細胞を腫瘍由来抗原と接触させるステップを含む、方法。
【請求項2】
前記B細胞を、がんと診断された被験体から回収する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記がんが、膠芽細胞腫、黒色腫、乳がん、および膵臓がんからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記CD40アゴニストが、CD154およびCD40抗体またはCD40をアゴナイズすることができるその一部から選択される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(b)において、前記B細胞をBAFFともインキュベートする、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記B細胞を、前記CD40アゴニストおよび必要に応じてBAFFと少なくとも12時間インキュベートする、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記IFN-γを少なくとも10U/mlの濃度で添加する、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記IFN-γを、前記腫瘍由来抗原と接触させる前に少なくとも12時間添加する、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記腫瘍由来抗原が腫瘍細胞ライセートである、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記腫瘍細胞ライセートが、がんを有する被験体に由来する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法によって作製された4-1BBL+B細胞を含む組成物。
【請求項12】
CD40アゴニストおよびIFN-γで少なくとも20時間in vitroで活性化され、腫瘍由来抗原でパルスした4-1BBL+B細胞を含む組成物。
【請求項13】
前記CD40アゴニストがCD40抗体またはその一部である、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記腫瘍由来抗原が腫瘍細胞ライセートである、請求項11または12に記載の組成物。
【請求項15】
がんを有する被験体を処置するために請求項11~14のいずれか1項に記載のB細胞組成物を使用する方法であって、有効量の前記組成物を前記被験体に投与するステップを含む、方法。
【請求項16】
放射線治療を前記被験体に施すステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記放射線治療を前記B細胞組成物の投与前に施す、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
チェックポイント阻害剤を投与するステップをさらに含む、請求項15~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記チェックポイント阻害剤が、PD1またはPD-L1の阻害剤であり、必要に応じて、前記阻害剤が、PD1抗体もしくはPD-L1抗体またはその一部である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
さらなる非B細胞リンパ球を前記被験体に投与するステップをさらに含む、請求項15~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記非B細胞リンパ球が、CD8+T細胞またはNK細胞である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
化学療法薬を前記被験体に投与するステップをさらに含む、請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記化学療法薬がテモゾロミドである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物を、静脈内、皮下、リンパ内、皮内、または頭蓋内に投与する、請求項15~23のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府による資金提供を受けた研究に関する陳述
本発明を、国立衛生研究所によって授与された助成金番号P50 CA221747、R35 CA197725、およびR01 NS093903の下で政府支援を受けて実施した。政府は、本発明に一定の権利を有する。
関連特許出願の相互参照
【0002】
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で2020年8月17日提出の米国特許仮出願第63/066,533号(その内容全体が本明細書中で参考として援用される)の優先権の利益を主張する。
配列表
本願には配列表が添付されており、この配列表は、ファイル名「702581_02007_ST25.txt」、サイズ2009バイト、作成日2021年8月17日のASCIIテキストファイルとして提出されている。配列表は、本出願と共にEFS-Webから電子的に提出されており、その全体が本明細書中で参考として援用される。
【背景技術】
【0003】
背景
基礎研究、トランスレーショナル研究、および臨床研究における多大な努力にもかかわらず、膠芽細胞腫(GBM)患者の標準治療は、腫瘍処置分野を除いて(Taphoorn et al.,2018)、過去20年間、実質上変化していない(Stupp et al.,2017)。GBMは、免疫学的に「最もコールドな腫瘍」のうちの1つであり、T細胞が最大限に除去され、骨髄浸潤が顕著である(Thorsson et al.,2018)。これは、強い免疫抑制(Raychaudhuri et al.,2011;Wintterle et al.,2003)、代謝的に厳しい微小環境(Li et al.,2009)、およびこれらの腫瘍の変異量の少なさ(Iranzo et al.,2018)に起因する。これらの障壁が合わさって、有効な免疫治療の開発が妨げられてきた(Vega et al.,2008;Wainwright et al.,2012b)。
【0004】
クリニックで試験された最初の免疫治療では、GBMに対する内因性免疫を促進するための方法として樹状細胞(DC)ベースのワクチンが使用された(Eagles et al.,2018;Prins et al.,2013;Wen et al.,2019)。これらの試験のうちの多くでは、DCが自己腫瘍ライセートでパルスされ、他方では腫瘍関連抗原に対する免疫原性エピトープが注射された(Weller et al.,2017)。より多くの試験が進行中であるにもかかわらず、今日まで、これらのアプローチの成功は限定されている(Eagles et al.,2018)。いくつかの新規の治療ストラテジー(チェックポイント遮断(Maxwell et al.,2017)またはGBM抗原を標的にするキメラ抗原受容体(CAR)T細胞の養子移入など)も探究されている(Pituch et al.,2018)。しかしながら、これらの有効性は、未だ確定されていない。免疫治療は今もなおGBM患者において魅力的なアプローチであるが、免疫治療アプローチでは、これらの患者において臨床的利点を達成するための抗腫瘍免疫を未だ有意に促進していない。
【0005】
B細胞ベースのワクチンは、抗がん免疫を高めるためには有望であるが、調査中のアプローチである(Kim et al.,2014;Schultze et al.,1997)。細胞ベースのワクチンとして、B細胞には以下の3つの主な利点がある:i)B細胞は、ex-vivoで容易に製造できること;ii)B細胞は、T細胞と同種抗原(Ag)特異性を共有することができること(Wennhold et al.,2017);iii)B細胞は、移動性が高く、重要な二次リンパ系器官および腫瘍に帰巣することが可能であること(Gonzalez et al.,2015)。
【0006】
しかしながら、B細胞抗腫瘍ワクチンにあまり関心が寄せられてこなかった主な理由は、B細胞が周囲の微小環境内で抗腫瘍形成性表現型と腫瘍形成促進性表現型を迅速に切り替えることができる点にある。例えば、B細胞は、GBM内で免疫抑制性を示すようになり、浸潤免疫細胞の約10%を占める(Lee-Chang et al.,2019)。それにもかかわらず、腫瘍浸潤B細胞は、様々ながんにおいて抗腫瘍効果を示すことは確かである(Tsou et al.,2016)。その機能は、抗腫瘍抗体の産生(Garaud et al.,2019)、ならびにその抗原提示細胞(APC)機能およびエフェクターT細胞の活性化(Bruno et al.,2017;Nielsen et al.,2012)に関連している。したがって、本分野において腫瘍免疫抑制に抵抗性を示すB細胞抗腫瘍ワクチンについての要求は依然として満たされていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
(a)4-1BBL+(CD137L+)B細胞を回収するステップ;(b)上記B細胞をCD40アゴニストとインキュベートするステップ;(c)IFN-γを上記のB細胞に添加するステップ;および(d)上記B細胞を腫瘍由来抗原と接触させるステップによって抗がん組成物を作製する方法を本明細書中に提供する。
【0008】
上記方法によって作製されたB細胞を含む組成物も提供する。組成物は、CD86およびIFN-γ受容体の発現を増加させるためにCD40アゴニストを用いてin vitroで活性化され、IFN-γと少なくとも20時間さらにインキュベートされ、B細胞が有効な腫瘍由来抗原提示細胞であるように腫瘍由来抗原で最後にパルスされた4-1BBL+B細胞を含む。
【0009】
さらなる態様では、本発明は、B細胞組成物を使用して有効量の組成物をがんを有する被験体に投与することによって該被験体を処置するための方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1-1】図1は、GBM患者の末梢血中の4-1BBLB細胞が抗原提示機能を有することを実証している。(A)新規に診断されたGBM患者のPBMC由来のCD19CD20B細胞中の4-1BBL発現を示す箱ひげ図(n=90)。(B)4-1BBL(黒線)B細胞および4-1BBL(青線)B細胞によるTNFαおよびIFNγの細胞内発現、ならびにCD69およびCD86の表面発現を示すヒストグラム。(C)新規に診断されたGBM患者のPBMCにおけるB細胞による4-1BBL発現およびCD8T細胞によるCD69発現の線形回帰分析(n=68)。(D~E)3人の新規に診断されたGBM患者(NU00856、NU01006、およびNU00429)の末梢血由来の自家4-1BBLB細胞および4-1BBLB細胞と混合した抗CD3およびIL2で活性化されたCD8T細胞を使用したCD8T細胞共刺激アッセイ。CD8T細胞の活性化を、細胞拡大増殖(D)ならびに細胞内IFNγおよびGzmBの発現(E)として測定した。実験を3連で行った。(F)GL261-OVAマウス由来のBVaxを、SIINFEKL(配列番号1)でパルスし(BVax(SIINFEKL))、MHCクラスIによるSIINFEKL(配列番号1)提示(H-2Kb+SIINFEKL(配列番号1)抗体)ならびにMHCクラスI(H-2K)ならびに共刺激分子CD86および4-1BBLの共発現について評価した。3つの独立した実験のうちの代表的な実験を示す。(G)BVaxを、AlexaFluor488コンジュゲートOVAの取り込み能力について試験し[BVax(OVA)]、(H)は、MHCクラスI(H-2K)を介したSIINFEKL(配列番号1)ペプチドを示す。H-2K+SIINFEKL(配列番号1)複合体の表面輸送を、ブレフェルジンA(BFA)を使用して阻害した。3つの独立した実験のうちの代表的な実験を示す。(I)BNaive、BNaive IFNγ、BVax、およびDCを、OVAでパルスし、細胞増殖(拡大増殖指数、X軸)およびGzmBの細胞内発現(Y軸)によって査定したOT-I CD8T細胞活性化を促進するそれらの能力について試験した。実験を3連で行った。2つの独立した実験のうちの代表的な実験を示す。(J)OT-I CD8T細胞を、BNaive、OVAおよびアイソタイプコントロールでパルスしたBVax(BVax(OVA) IC)、またはOVAおよびMHCクラスI遮断AbでパルスしたBVax(BVax(OVA) 抗H2K)と培養し、これらの細胞拡大増殖について試験した。2つの独立した実験のうちの代表的な実験を示す。全てのヒストグラムを、平均±SDとして示す。統計的有意性を、ns:統計的に有意でない、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001として示す。
図1-2】同上。
図1-3】同上。
図1-4】同上。
図1-5】同上。
【0011】
図2-1】図2は、in vivoでのBVax抗原提示細胞(APC)機能を特徴づけている。(A)Rag1欠損マウスを、オボアルブミンを過剰発現するGL261(GL261-OVA)で頭蓋内チャレンジした。9日後、マウスにOVAタンパク質でパルスしたBNaiveまたはBVaxを静脈内投与した。WT C57BL/6マウス由来のeFluor450標識CD8T細胞を、B細胞と同時に注射した(n=4マウス/群)。細胞養子移入の7日後に、腫瘍担持脳および深頸リンパ節(dCLN)内のeFluor450CD8T細胞を、フローサイトメトリーによって評価した。2つの独立した実験のうちの代表的な実験を示す。(B)B細胞欠損(B KO)マウスを、GL261-OVAで頭蓋内チャレンジした。9日後、マウスにOVAタンパク質でパルスしたBNaiveまたはBVaxを静脈内投与した。BVax(OVA)の一群を、注射前に百日咳毒素(PTX)で前処置した(n=4マウス/群)。細胞養子移入の7日後に、腫瘍担持脳内のSIINFEKL(配列番号1)特異的CD8T細胞を、SIINFEKL(配列番号1)-四量体を使用したフローサイトメトリーによって分析した。2つの独立した実験のうちの代表的な実験を示す。(C)B細胞欠損(B KO)マウスを、CT2A細胞で頭蓋内チャレンジした。9日後、マウスに、PTXで前処理したか前処理していないCT2A腫瘍ライセートでパルスしたBNaiveおよびBVaxを静脈内投与した(n=5マウス/群)。細胞養子移入の7日後に、腫瘍担持脳、血液、およびdCLN内のCD8T細胞を、GzmBおよびIFNγの細胞内発現について評価した。3つの独立した実験のうちの代表的な実験を示す。(D)Rag1欠損(KO)マウスを、CT2A細胞で頭蓋内チャレンジした。9日後、マウスにCell Tracker(登録商標)赤色CMPTX BVax(赤色)細胞およびCellTracker(登録商標)緑色CMFDA標識CD8T細胞(緑色)の両方を同時に静脈内投与した。BVaxおよびCD8T細胞の脾臓局在化を、蛍光顕微鏡法によって分析した。バーは、100μm(左側の画像、20倍)および50μm(右側の画像、63倍)を示す。画像は、3匹のマウスの代表的な脾臓およびCLNを示す。ヒストグラムを、平均±SDとして示す。統計的有意性を、ns:統計的に有意でない、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001として示す。
図2-2】同上。
図2-3】同上。
図2-4】同上。
【0012】
図3-1】図3は、放射線治療がin vivoでのB細胞適応に好ましいことを実証している。(A)CT2A担持マウスを照射し(RT)、CD45.1Vaxを静脈内に養子移入した。脾臓、dCLN、および腫瘍担持脳内のCD45.1細胞を、フローサイトメトリーによって分析した(n=4マウス/群)。(B)RTから36時間後および5日後に、照射したCT2A担持マウスから採血した(n=3マウス/群)。血清BAFFレベルを分析し、非照射(腫瘍)および非腫瘍担持マウス血清(腫瘍なし)と比較した。(C)(A)と同一の実験を、CD45.1Naive、BAct(抗CD40およびIFNγで活性化した4-1BBLB細胞)、またはBVaxを使用して行った。脾臓およびdCLN中のCD45.1細胞を、フローサイトメトリーによって分析した。B細胞の増殖状況を、Ki67の発現によって査定した。各群(n=3~4マウス/群)の代表的な動物を示す。実験を個別に2回繰り返した。(D)あるいは、マウス群に、BAFF受容体遮断Abで前処理したB細胞を投与した。また、マウスを、B細胞移入後、3日連続で静脈内処置を施した。(E)照射されたCT2A担持マウスに、静脈内にビヒクル(モック、黒色の線)、CD8T細胞(灰色の線)、パルスしたBVax(黒色破線)、またはパルスしたBVax+CD8T細胞の組み合わせ(ピンク色の点線)を投与した。実験を、n=10マウス/群を使用して行った。3つの独立した実験のうちの代表的な実験を示す。(F)照射したCT2A担持マウスに、静脈内にビヒクル(モック、黒色の線)、CD8T細胞(灰色の線)、CD8T細胞(静脈内)+皮内(DCVax(id)、黒色破線)または静脈内(DCVax(iv)、青色線)のいずれかに投与したパルスしたDCVax、パルスしたBVax+CD8T細胞(ピンク色の点線)を投与した。実験を、n=10マウス/群を使用して行った。2つの独立した実験のうちの代表的な実験を示す。(G)照射したCT2A担持マウスに、eFluor450標識BVaxまたはDCを静脈内投与した。DCを、静脈内(DC(iv))または皮内(DC(id))のいずれかに投与した。細胞移入の7日後に、dCLNおよび脾臓内のeFluor450細胞を分析した(n=3~4マウス/群)。2つの独立した実験のうちの代表的な実験を示す。ヒストグラムを、平均±SDとして示す。統計的有意性を、ns:統計的に有意でない、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001として示す。
図3-2】同上。
図3-3】同上。
図3-4】同上。
図3-5】同上。
【0013】
図4-1】図4は、BVaxがCD8T細胞の腫瘍浸潤および増殖を容易にすることを実証している。(A)腫瘍移植7日後にCT2A担持マウスに照射した。48時間後に、マウスに、DCまたはBVaxをCellTracker濃赤色標識CD8T細胞と共に静脈内投与した。CD8細胞によって発せられた遠赤外シグナルを、異なる時点で(24、30、50、および72時間)モニタリングした。実験を、4マウス/群を使用して行った。1匹のマウスには、いかなるリンパ球も投与せず、ブランクとして使用した。全ての実験において、画像取り込みのみを目的としてマウスを無作為化し、処置群に分けた。(B)あるいは、マウスに、DCまたはBVax(CT2Aライセートでパルスした)をCD45.1コンジェニックマウス由来のCD8T細胞と同時に投与した。48時間後に、マウスを、Ki67発現の測定によって養子移入したCD45.1CD8T細胞増殖状況について評価した。この実験を、5マウス/群を使用して行った。(C)腫瘍注射7日後にCT2A担持マウスに照射した。照射24時間後に、マウスに、Cell Tracker(登録商標)赤色CMPTX標識CD8T細胞(静脈内)±CT2Aタンパク質ライセートでパルスしたBVax(静脈内)±抗PD-L1(腹腔内)を投与した。7日後に、腫瘍担持脳、dCLN、および浅頸リンパ節(sCLN)中のCell Tracker(登録商標)赤色CMPTX標識CD8T細胞の存続(%CellTrackerCD8T細胞/総CD45白血球)を、フローサイトメトリーによって分析した。(D)また、(C)で使用した養子移入CD8T細胞を、dCLN中のCD44、CD62L、GzmB、およびIFNγについて表現型検査した(注射後)。この表現型を、注射前の表現型と比較した。全てのヒストグラムを、平均±SDとして示す。統計的有意性を、ns:統計的に有意でない、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001として示す。
図4-2】同上。
図4-3】同上。
図4-4】同上。
【0014】
図5-1】図5は、BVaxがRT+CD8T+PD-L1遮断物の組み合わせの治療効果を増強することを実証している。(A)照射されたCT2A担持マウスに、ビヒクル(モック、黒色の線)、3回の抗PD-L1注射(黒色の点線)、3回のCD8T細胞および抗PD-L1の注射(灰色の線)、または3回のパルスしたBVax+CD8T細胞および抗PD-L1の注射(ピンク色の点線)を投与した。非照射群を対照として維持した(RTなし、黒色破線)。腫瘍チャレンジ75日後に(矢印)、生存マウスの左半球(最初の腫瘍注射部位の反対側)に、CT2A細胞を再度チャレンジした。(B)長期生存マウス(LTS)を屠殺し、H&E染色を使用して腫瘍塊の存在をチェックした。腫瘍を担持しないが頭蓋骨に穴を開けた(drilled)(腫瘍なし)年齢適合CT2A担持マウス(対照)を、対照として使用した。漫画で描かれているように切開を行った。BVaxおよびCD8T細胞で処置したLTS(LTS-BVax+CD8)について、脳の右半球(第1の注射部位、LTS-BVax+CD8 R)および左半球(第2の注射部位-再チャレンジ、LTS-BVax+CD8 L)の両方を切開した。H&E切片画像は、3つのLTS-BVax+CD8、2つの対象、および1つの腫瘍なしの脳の代表である。(C)(B)で利用した脳と同一の脳を使用して、CD8T細胞の浸潤について染色した。1つのLTS-R接切片の代表的な画像であって、そこでは脈絡叢、注射部位、橋(矢印)、および小脳(矢印)が拡大されている。バーは、100μmを示す。(D)腫瘍なし(n=2)、対照(n=3)、CD8T細胞のみを投与してPD-L1遮断したLTS(LTS-CD8、n=4)、およびLTS-BVax+CD8(n=5)のマウスから新たに切開した脳を、リンパ球表現型について分析した。全てのヒストグラムおよびフローサイトメトリーのデータを、平均±SDとして示す。統計的有意性を、ns:統計的に有意でない、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001として示す。
図5-2】同上。
図5-3】同上。
図5-4】同上。
【0015】
図6-1】図6は、GBM標準治療およびPD-L1遮断物の組み合わせにおいてB axが動物の生存を増強したことを実証している。(A)マウスに全脳放射線治療(B-RT)を3日連続で行い(D7~D10、毎日3Gy)、その後に50mg/Kgのテモゾロミド(TMZ)を5日連続で投与した(D11~D16)。血清BAFFレベルを、選択した治療の終了から36時間後にELISAによって測定した。(B)コンジェニックCD45.1マウス由来のBVaxを、CD45.2CT2A担持マウスに養子移入した(n=4マウス/群)。細胞養子移入の7日後に、脾臓、dCLN、および腫瘍担持脳内のCD45.1細胞を、フローサイトメトリーによって分析した(n=4マウス/群)。(C)全脳放射線治療(B-RT)を受けたマウスにおけるBVax±CD8T細胞の治療効果を試験した。非照射(モック、黒色の線)、照射(B-RT、灰色の線)を対照として使用した。実験群に、CD8T細胞(B-RT+CD8T細胞、黒色破線)、BVax(B-RT+BVax、灰色の破線)、または両方(B-RT+CD8T細胞+BVax、青色破線)のいずれかを静脈内投与した。実験を、n=10マウス/群を使用して行った。(D)テモゾロミド(TMZ)で処置したマウスにおけるBVax±CD8T細胞の治療効果を試験した。無処置(モック、黒色の線)およびTMZ処置(TMZ、灰色の線)を、対照として使用した。実験群に、CD8T細胞(TMZ+CD8T細胞、黒色破線)、BVax(TMZ+BVax、灰色の破線)、または両方(TMZ+CD8T細胞+BVax、青色破線)のいずれかを静脈内投与した。実験を、n=10マウス/群を使用して行った。(E)B-RTおよびTMZで処置したマウスにおけるBVax+CD8T細胞の治療効果を試験した。細胞治療を、TMZ処置終了から24時間後(腫瘍チャレンジ後19日目)に施した。無処置マウス(モック、黒色の線)、2回のBVax+CD8T細胞の静脈内注射のみを受けたマウス(BVax+CD8T、灰色の線)、およびTMZを投与した照射マウス(B-RT+TMZ、黒色破線)を、対照として使用した。B-RTおよびTMZで処置した実験群に、2回のBVax+CD8T細胞の静脈内注射(B-RT+TMZ+BVax+CD8T、灰色の破線)、2回のPD-L1遮断物の腹腔内注射(B-RT+TMZ+aPDL1、青色破線)、2回のCD8T細胞の静脈内注射および2回のPD-L1遮断物の腹腔内注射(B-RT+TMZ+CD8T+aPDL1、灰色の線)、または2回のBVax+CD8T細胞の静脈内注射および2回のPD-L1遮断物の腹腔内注射(B-RT+TMZ+BVax+CD8T+aPDL1、ピンク色の破線)を受けさせた。実験を、n=10~11マウス/群を使用して行った。ヒストグラムを、平均±SDとして示す。統計的有意性を、ns:統計的に有意でない、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001として示す。
図6-2】同上。
図6-3】同上。
【0016】
図7-1】図7は、GBM患者由来BVaxが抗腫瘍CD8T細胞を促進することを実証している。(A)新鮮な末梢血および腫瘍の対を、新規に診断されたGBM患者から採取した(n=4)。BVaxを生成し、腫瘍ライセートでパルスし、自家eFluor450標識CD8T細胞と共培養した。CD8T細胞活性化を、細胞増殖(拡大増殖指数として測定されたeFluor450蛍光希釈)およびGzmBの細胞内発現によって査定した。(BおよびC)原発性GBM IDH WT(症例NU02120、B)および再発性GBM IDH WT(NU02265、C)由来のペア試料。BVax活性化自家CD8T細胞を(A)に示すように入手し、自家神経膠腫細胞を死滅させる能力について試験した。IncuCyte S3生細胞分析システムを使用して、12.5時間にわたって定期的に細胞殺滅を測定した。ヒストグラムを、平均±SDとして示す。統計的有意性を、ns:統計的に有意でない、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001として示す。
図7-2】同上。
【0017】
図8-1】図8は、BVaxが治療効果を有する腫瘍反応性抗体を産生することを実証している。(A)CD45.1Vaxを、B細胞欠損CT2A担持マウスに養子移入した。72時間後、CD45.1Vaxを、dCLNにおけるフローサイトメトリーによって形質芽球マーカーCD138の発現について評価した(n=4/群)。(B)BVax由来血清免疫グロブリン(Ig)獲得のスキーム。(C)BNaive、BAct、およびBVaxに由来する血清抗体由来の異なるIgサブタイプの分布を示す線図。血清試料のIgサブタイプの測定をELISAによって行い、平均総Ig濃度を線図の下部に示す(mg/ml)。(D)B細胞サブセットのIgG反応性を、免疫蛍光(IF)によって測定した。血清試料を、B細胞欠損マウス(B KO)由来の腫瘍担持脳切片上でインキュベートした。結合しているIgGを、抗マウスIgG Cy5(赤色)二次抗体を使用して検出した。DAPI(青色)を使用して核を検出し、骨髄性細胞を、抗マウスCD11b AF488抗体(緑色)を使用することによって評価した。バーは、100μmを示す。4匹の異なるマウスの代表的な実験を示す。(E)BNaive、BAct、およびBVaxを、オボアルブミンを過剰発現するGL261(GL261-OVA)腫瘍担持マウスから生成した。B細胞は、GL261-OVA担持B細胞欠損マウス(BKO)中に抗体を産生させた。血清試料を回収し、IgGを精製し、OVAペプチドSIINFEKL(配列番号1)に対する反応性をELISAによって試験した。半定量的測定および光学密度(O.D)を示す。B細胞欠損マウスおよびC57BL/6 SIINFEKL(配列番号1)免疫マスス由来の血清を、それぞれ、負の対照および正の対照として使用した(n=4/群)。(F)精製したIgGを、CT2aAモデルにおけるその治療効果について試験した。IgGを、3日間連続して頭蓋内送達した(12.5μg/マウス/注射)。無処置マウス(黒色の線)を、対照として使用した。実験群に、BNaive由来IgG(BNaiveIgG、青色線)またはBVax由来IgG(BVaxIgG、ピンク色の線)のいずれかを投与した。実験を、n=10マウス/群を使用して行った。ヒストグラムを、平均±SDとして示す。統計的有意性を、ns:統計的に有意でない、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001として示す。
図8-2】同上。
図8-3】同上。
【0018】
図9図9は、4-1BBL発現B細胞のさらなる特徴づけを示す。(A)経時的なCT2A神経膠腫担持マウスの脳、血液、深頸リンパ節(dCLN)、および浅頸リンパ節(CLN)中のCD19B細胞による4-1BBL発現レベル:腫瘍なし(D0)、腫瘍移植から7、14、21日後(n=4マウス/時点)。(B)細胞の拡大増殖および細胞内グランザイムB(GzmB)の発現によって測定されたマウスB細胞のCD8T細胞活性化を促進するそれらの能力を、活性化B細胞によって査定し、4-1BBL欠損(4-1BBL KO)マウス由来のB細胞と比較した。3連で実施した合計で3回の独立した実験のうちの代表的実験。この図に示した全ての実験について、複数の群の間の差を、事後テューキー検定を使用した一元配置ANOVAを使用して評価し、ヒストグラムを平均±SDとして示す。全ての実験において、統計的有意性を、ns:統計的に有意でない、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001として示す。
【0019】
図10-1】図10は、BVax生成を示す。(A)PBMC由来のヒトB細胞を、10U/ml IFNγで24時間処理した。CD86発現を、フローサイトメトリーによって査定した。3回の独立した実験の代表的なヒストグラム。(B)WT C57BL/6マウスまたはIFNγR欠損(IFNγR KO)マウス由来のマウスB細胞を、5μg/ml CD40活性化Ab±10U/ml IFNγとインキュベートした。CD86の発現を、フローサイトメトリーによって査定した。4回の独立した実験の代表的なヒストグラム。(C)in-vitroでのBVax生成の段階的スキーム。BVaxを、脾臓、深頸リンパ節、および浅頸リンパ節から分離した4-1BBLB細胞から産生させる。次いで、細胞を、5μg/ml CD40活性化Abで活性化し、100nMのB細胞生存因子BAFFを補充した。この細胞は、BAFFのみで処理したB細胞と比較した場合に、24時間後にCD86、H-2K、およびIFNγRIが上方調節される。IFNγを添加してさらに24時間後に、抗CD40のみで処理したB細胞と比較してCD86がさらに上方調節された。ヒストグラムは、n=3マウス/処置の平均±SDを示す。(D)BVaxは、BAFFのみで処理したB細胞(BNaive)と比較した場合に、IA(MHCクラスII)およびH-2Kの両方を過剰発現する。n=4マウス/群の代表的なフローサイトメトリーのドットプロット。(E)B細胞サブセット(BNaive±IFNγおよびBVax)およびDCを、細胞増殖および細胞内GzmBの発現によって測定されたSIINFEKL(配列番号1)ペプチドをOT1 CD8T細胞に提示する能力について試験した。3連で行った3回の独立した実験のうちの代表的な実験。(F)(E)と同一の実験を、負の対照としてWT C57BL/6マウス由来のCD8T細胞をさらに使用して行った。この図に示した全ての実験について、複数の群の間の差を、事後テューキー検定を使用した一元配置ANOVAを使用して評価し、ヒストグラムを平均±SDとして示す。全ての実験において、統計的有意性を、ns:統計的に有意でない、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001として示す。
図10-2】同上。
図10-3】同上。
図10-4】同上。
図10-5】同上。
図10-6】同上。
図10-7】同上。
【0020】
図11-1】図11は、4-1BBLがBVaxの治療効果の主要なマーカーであることを実証している。(A)B細胞欠損マウスでは、BNaiveおよびBVaxが流入領域dCLNおよび循環中に検出され、BVaxが腫瘍担持脳内に見出された。ヒストグラムは、n=5マウス/群の平均±SDを示す。(B)CD45.1NaiveおよびBVaxを、腫瘍移植から10日後にカニューレガイド下の注射を使用して頭蓋内注射した。4日後、CD45.1細胞を、腫瘍から磁気分離し、フローサイトメトリーによる細胞増殖(拡大増殖指数)によって測定したCD8T細胞を活性化する能力について試験した。ヒストグラムは、n=3マウス/群の平均±SDを示す。(C)BNaive、BAct、およびBVaxを、CT2A担持B細胞欠損マウスにおけるその治療効果について試験した(n=9~10マウス/群)。(D)BVax(4-1BBL遮断Abで処置)±4-1BBL遮断Ab(BVax養子移入後にi.p.で500μg/マウス×3回注射)で処置したCT2A担持B細胞欠損マウスを、生存についてモニタリングした(n=10マウス/群)。この図に示した全ての実験について、複数の群の間の差を、事後テューキー検定を使用した一元配置ANOVAを使用して評価し、ヒストグラムを平均±SDとして示す。生存曲線を、カプラン・マイヤー法によって作成し、ログランク検定によって比較し、ボンフェローニの方法を使用して多重比較を調整した。全ての実験において、統計的有意性を、ns:統計的に有意でない、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001として示す。
図11-2】同上。
図11-3】同上。
【0021】
図12-1】図12は、BVaxの治療効果を実証している。(A)放射線治療(RT)は、血液中および脾臓内のCD45白血球によって測定した場合に全身性白血球減少症を誘発する(n=4マウス/群)。(B)異なる時点(腫瘍移植から9日後および15日後)でのCT2A全身腫瘍組織量の組織学的評価。全てのマウスに、腫瘍接種から7日後に9Gyを照射した。(C)BVaxの治療効果を、腫瘍移植から7日後に放射線治療(RT)を受けた動物で評価した(n=10マウス/群)。(D)BVax+CD8T細胞処置の有効性を、異なる時点:腫瘍接種から9日後および15日後で試験した。全てのマウスに、腫瘍注射から7日後に放射線治療を受けさせた(n=7マウス/群)。この図に示した全ての実験について、複数の群の間の差を、事後テューキー検定を使用した一元配置ANOVAを使用して評価し、ヒストグラムを平均±SDとして示す。生存曲線を、カプラン・マイヤー法によって作成し、ログランク検定によって比較し、ボンフェローニの方法を使用して多重比較を調整した。全ての実験において、統計的有意性を、ns:統計的に有意でない、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001として示す。
図12-2】同上。
【0022】
図13-1】図13は、BVax処置によって腫瘍が根絶することを実証している。(A)PD-L1膜発現を、BVax細胞およびBNaive細胞で評価した。4回の独立した実験の代表的なドットプロット。(B)対照群におけるCT2A腫瘍中のCD8T細胞浸潤(腫瘍接種から14日後、n=2)。腫瘍領域(腫瘍)対非腫瘍(脳)領域中の切片あたりのCD8T細胞数を査定した。(C)BVax細胞およびCD8T細胞(LTS-BVax+CD8、n=5)またはCD8T細胞のみ(LTS-CD8、n=4)のいずれかで処置した長期生存者における免疫細胞浸潤を、対照CT2A担持(対照、n=3)およびモック脳(腫瘍なし、n=2)と比較した。リンパ球区画および骨髄性細胞区画の分布(CD45およびCD11bの発現)ならびにCD8T細胞およびCD4T細胞の分布を示す代表的なドットプロット。CD4T細胞区画内で、CD44およびFoxp3の発現を評価した。非T細胞区画(CD8CD4リンパ球)内で、IFNγおよび4-1BBLを発現するCD19B細胞区画を評価した。目的の集団の値を、平均±SDとして示す。GBM患者由来BVaxは、抗腫瘍CD8T細胞を促進する。(D)GBM患者由来BVax生成のスキーム。CD8T細胞の活性化および拡大増殖ならびにCD8T細胞媒介腫瘍細胞殺滅アッセイを、自家条件で行った。(E)新たに切除したGBM患者由来の腫瘍を、腫瘍スフェロイドとしてex-vivoで培養した。培養5日後の接着細胞の代表的な写真。バーは、100μmを示す。
図13-2】同上。
図13-3】同上。
図13-4】同上。
【0023】
図14-1】図14は、B細胞受容体の配列分析を示す。(A)免疫グロブリン重鎖(IgH)DNA配列を、BVaxにおいて分析し、ナイーブB細胞(Bnaive)および腫瘍浸潤(TI)B細胞と比較した。データを、クローンの頻度として示す。統計的有意性を、青色および赤色のスポットで強調している。(B)3つのクローンが、BNaive細胞およびTI B細胞と比較してBVaxで有意に富化される(灰色;列挙した上の3つ)。6つのクローンが、BNaiveと比較してBVaxで有意に富化され、これらのクローンは、TI B細胞で非常に豊富なクローンと重複する(青色;リスト中の下の6つ)。図は、3回の独立した実験の代表である。
図14-2】同上。
【0024】
図15図15は、腫瘍内でBVaxが形質芽球に分化することを示す。(A)CD45.1CT2A担持マウスから得たBVaxを、CD45.2CT2A担持マウス(T)およびナイーブマウス(NT)に静脈内注射した。72時間後に、マウスを屠殺し、血液、腫瘍担持脳、深頸リンパ節(dCLN)、および脾臓内のCD45.1細胞の存在について分析した。腫瘍担持脳のみがCD45.1Vaxを保有していた。(B)CD45.1Vaxによる形質芽球マーカーCD138の発現。ヒストグラムは、n=8マウス/群の平均±標準偏差を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
免疫治療は、膠芽細胞腫(GBM)患者を処置するための有望なアプローチであるが、その有効性はこれまで非常に限られていた。本出願では、本発明者らは、4-1BBL+B細胞が抗腫瘍免疫を促進する能力を実証し、これらのB細胞が致命的な腫瘍(膠芽細胞腫が挙げられる)を処置するためのワクチンとして使用される得ることを提案する。
【0026】
in vivoでの上記B細胞の抗原提示機能を安定化し、潜在的な免疫抑制機能を回避するために、本発明者らは、BVaxと名付けた活性化4-1BBLB細胞を調製した。CD40およびIFNγ受容体(IFNγR)ライゲーションを使用してB細胞を活性化した。本出願では、本発明者らは、腫瘍特異的CD8T細胞免疫を促進することによってBVaxがGBMの成長を阻害することを実証する。さらに、本発明者らは、BVaxの単独ならびに放射線およびチェックポイント遮断との組み合わせの治療有効性を実証する。
【0027】
方法:
本発明は、抗がん組成物を作製する方法を提供する。本方法は、(a)4-1BBL+(CD137L+)B細胞を回収するステップ;(b)上記B細胞をCD40アゴニストとインキュベートするステップ;(c)IFN-γを上記B細胞に添加するステップ;および(d)上記B細胞を腫瘍由来抗原と接触させるステップを含む。
【0028】
本明細書中で使用される場合、用語「抗がん組成物」は、がんを罹患している被験体に治療有効量で投与した場合に、(1)がんを治癒させること;(2)がんの進行を遅延させること;(3)腫瘍を後退させること;または(4)がんの1またはそれを超える症状を緩和することなどの治療上の利点を提供する任意の物質を指す。
【0029】
本発明は、細胞プラットフォームとして4-1BBL+B細胞を利用する。4-1BB(CD137Lとしても公知)は、腫瘍壊死因子(TNF)受容体ファミリーのメンバーであり、活性化されたT細胞上およびB細胞上の両方で発現される共刺激分子である。以前の研究では、この共刺激マーカーを発現するB細胞のサブセットが複数の機序(抗原提示、T細胞共刺激(4-1BBLおよびCD86)、およびサイトカイン産生(TNFα)が挙げられる)を介してCD8T細胞の抗腫瘍細胞傷害性を増強することが示されている(Lee-Chang et al.,2016;Lee-Chang et al.,2014)。実施例では、本発明者らは、GBM患者の4-1BBL+B細胞が、活性化マーカーレベルを増加させ、4-1BBL-B細胞と比較してCD8T細胞の共刺激を増強する能力がより高まったことを実証している(図1)。
【0030】
本発明の抗がん組成物は、自家治療(すなわち、被験体自身の細胞を体外で改変し、その後に被験体に再移入する治療)として用いるためにデザインされている。このアプローチの主な利点は、免疫拒絶に起因する生命を脅かす合併症のリスクがより低いことである。したがって、いくつかの実施形態では、本発明と共に使用される4-1BBL+B細胞を、がんと診断された被験体から回収する。
【0031】
用語「がん」は、細胞の異常な成長を特徴とする任意のがん、新生物疾患、および前新生物疾患を包含することを意味する。がんは、結腸癌、乳がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、頭頸部がん、肺がん、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、直腸がん、泌尿器がん、子宮がん、口腔がん、皮膚がん、胃がん、脳腫瘍、肝臓がん、喉頭がん、食道がん、乳腺腫瘍、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、ユーイング肉腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌(cystandeocarcinoma)、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、ヘパトーム、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣腫瘍、子宮内膜がん、肺癌、小細胞性肺癌、膀胱癌、上皮癌、膠芽細胞腫、神経鞘腫(neuronoma)、頭蓋咽頭腫(craniopharingioma)、シュワン細胞腫、神経膠腫、星状細胞腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病およびリンパ腫、急性リンパ球性白血病および急性骨髄性真性赤血球増加症(acute myelocytic polycythemia vera)、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および重鎖病、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、小児ヌル急性リンパ性白血病(ALL)、胸腺ALL、B細胞ALL、急性巨核球性白血病、バーキットリンパ腫、およびT細胞白血病、小および大非小細胞性肺癌(small and large non-small cell lung carcinoma)、急性顆粒球性白血病、胚細胞腫瘍、子宮内膜がん、胃がん、毛様細胞白血病、甲状腺がん、および当該分野で公知の他のがんからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、がんは、膠芽細胞腫、黒色腫、乳がん、および膵臓がんからなる群らから選択される。好ましい実施形態では、がんは膠芽細胞腫である。
【0032】
実施例では、本発明者らは、優れた抗原提示細胞(APC)機能を有し(図2)、かつin vivoでの腫瘍免疫抑制に耐性を示す(図3)BVaxと称された活性化B細胞を産生するためのCD40アゴニストとIFN-γの組み合わせを使用した。したがって、本方法では、B細胞を、CD40アゴニストおよびIFN-γの両方とインキュベートする。CD40アゴニストはIFN-γ受容体の発現を誘導するので、CD40アゴニストを一般にIFN-γの前に添加する。1つの実施形態では、CD40アゴニストを、IFN-γ添加前に18~24時間添加する。
【0033】
本明細書中で使用される場合、用語「CD40アゴニスト」は、CD40分子に特異的に結合してCD40シグナル伝達を誘導する試薬を指す。CD40は、抗原提示細胞(APC)によって発現され、免疫細胞の共刺激に関与する膜貫通タンパク質受容体である。CD40シグナル伝達を誘導するための現在のストラテジーは、抗体ベースのアプローチおよびCD40リガンドベースのアプローチの両方を含む。したがって、いくつかの実施形態では、CD40アゴニストは、CD154(すなわち、CD40の同族リガンド)およびCD40抗体またはCD40をアゴナイズすることができるその一部から選択される。B細胞は、腫瘍由来抗原の添加前に最大48時間CD40アゴニストとインキュベートされ得る。ある特定の実施形態では、B細胞は、IFN-γの添加前に少なくとも12時間、および48時間もの間CD40アゴニストとインキュベートされる。実施例では、CD40抗体をCD40アゴニストとして使用し、最終濃度5μg/mlで添加する。当業者は、CD40アゴニストの添加量が使用されるアゴニストに依存することを認識する。CD40アゴニズムが十分であるのかを、CD86およびIFN-γ受容体の過剰発現ならびにMHCクラスIおよびMHCクラスIIの発現の増加についてB細胞をアッセイすることによってモニタリングすることができる。
【0034】
インターフェロンガンマ(IFNγ)は、先天免疫および適応免疫に重要な可溶性サイトカインである。本発明で使用されるIFNγタンパク質は、任意の起源であってよいが、ヒトIFNγタンパク質が有利である。いくつかの実施形態では、本発明で使用されるIFNγは、インハウスで(例えば、大腸菌またはヒト細胞株中で)組換え発現され、精製される。他の実施形態では、IFNγを、商業的供給元(例えば、Peprotech)から購入する。IFN-γは、CD40アゴニスト(agonsit)と同時またはCD40アゴニスト後にB細胞に添加され得る。1つの実施形態では、IFN-γは、細胞へのCD40アゴニストの添加の少なくとも12時間後に添加される。別の実施形態では、IFN-γは、CD40アゴニストの添加の18~24時間後に添加される。
【0035】
本方法では、また、B細胞は、腫瘍由来抗原と接触させる。用語「抗原」は、免疫系によって認識され、免疫応答を刺激することができる任意の分子を指す。「腫瘍由来抗原」は、腫瘍細胞によって優先的にまたは差次的に発現され、かつ正常で健康な細胞上には発現されることも、差次的に発現されることもない抗原である。したがって、B細胞を腫瘍由来抗原とインキュベートすることにより、B細胞は、より有効な抗原提示細胞として作用し、これらの抗原を認識するようにCD8+T細胞を刺激するように活性化される(sctivated)。また、これらのB細胞は、腫瘍を認識し得る腫瘍特異的抗体を産生することができる場合がある。がん細胞を含む任意の試料は、本発明のための腫瘍由来抗原の供給源として使用され得る。好適な試料としては、例えば、組織試料、腫瘍、腫瘍ライセート、生検、および体液(例えば、血液、血清、血漿、痰、洗浄液、脳脊髄液、尿、精液、汗、涙、唾液)が挙げられる。あるいは、試料は、がん標本から生成したオルガノイド(すなわち、「腫瘍オルガノイド」)を含むことができる。いくつかの実施形態では、腫瘍由来抗原は腫瘍細胞ライセートである。いくつかの実施形態では、腫瘍由来抗原は、腫瘍抗原を含むことが同定された単一または少数のポリペプチドであり得る。ある特定の実施形態では、腫瘍細胞ライセートは、がんを有する被験体に由来する。
【0036】
いくつかの実施形態では、IFN-γは濃度10U/mlで添加される。5U/mlから1000U/mlまでの範囲のIFN-γを使用することができる。IFN-γは、腫瘍由来抗原と接触する48時間前までに添加され得る。ある特定の実施形態では、IFN-γは、腫瘍由来抗原と接触する前に少なくとも12時間、好適には、少なくとも18~24時間添加される。インキュベーションは、48時間もの間であり得る。
【0037】
実施例では、本発明者らは、BVaxを、その生存を増強するためのB細胞活性化因子(BAFF)とインキュベートする。BAFFは、強力なB細胞アクチベーターとして作用することが公知のサイトカインである。したがって、いくつかの実施形態では、また、B細胞を、ステップ(b)においてBAFFとインキュベートする。本発明で使用されるBAFFは、インハウスで組換えによって産生され得るか、商業的供給元(例えば、R&D Systems)から購入され得る。実施例では、B細胞の生存度を維持するためにex vivoプロセス全体にわたって200nMのBAFFを使用した。当業者は、この濃度が変動し得ることを認識する。
【0038】
本発明の方法は、4-1BBL+B細胞を、これらの細胞を(1)CD40アゴニストおよび必要に応じてBAFFと約24時間インキュベートし、(2)その後にIFN-γを約24時間添加し、(3)最後に腫瘍由来抗原を添加することによって活性化するステップを含む。
【0039】
組成物:
また、本発明は、本明細書中に開示の方法によって作製された4-1BBL+B細胞を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、in vitroにてCD40アゴニストおよびIFN-γで少なくとも20時間活性化し、腫瘍由来抗原でパルスした4-1BBL+B細胞を含む。ある特定の実施形態では、CD40アゴニストはCD40抗体である。いくつかの実施形態では、腫瘍由来抗原は腫瘍細胞ライセートである。好適には、組成物は、4-1BBL+B細胞ではない細胞を実質的に含まない。4-IBBL+細胞は、当業者に公知の手順を使用して、血液から採取し、分離され得る。例えば、血液は、被験体から採取され、リンパ球が分離され得る。次いで、B細胞の4-IBBL+集団を、4-IBBLに対する抗体および抗体が蛍光標識されている場合のFACSを使用した分離またはビオチン-アビジン相互作用などを介してビーズ上のリガンドに結合することができるタグで標識された抗体を使用したビーズベースの選別法を使用して分離することができる。標的にされた細胞に結合して分離するための細胞表面タンパク質に特異的に標識された抗体を使用する方法は、当該分野で周知である。
【0040】
組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容され得る担体をさらに含み得る。用語「薬学的に許容され得る担体」は、製剤の他の成分と適合し、かつレシピエントに有害ではない任意の担体、希釈剤、または賦形剤を指す。薬学的に許容され得る担体は、in vivo投与に好適な任意の担体である。組成物での使用に好適な薬学的に許容され得る担体の例としては、水、緩衝液、グルコース溶液、油性または細菌培養液が挙げられるが、これらに限定されない。組成物のさらなる構成要素は、例えば、安定剤、防腐剤、希釈剤、乳化剤、および潤滑剤などの賦形剤を好適に含み得る。薬学的に許容され得る担体または希釈剤の例としては、炭水化物(例えば、ソルビトール、マンニトール、デンプン、スクロース、グルコース、デキストラン)、タンパク質(アルブミンまたはカゼインなど)、タンパク質含有剤(ウシ血清または脱脂粉乳など)、および緩衝液(例えば、リン酸緩衝液)などの安定剤が挙げられる。
【0041】
処置方法:
さらに、本発明は、がんを有する被験体を処置するために本明細書中に開示のB細胞組成物を使用する方法を提供する。本方法は、有効量の組成物を被験体に投与するステップを含む。B細胞組成物は、他のがん処置(放射線、他の化学療法薬、または他のリンパ球(T細胞またはNK細胞が挙げられる)が挙げられる)と共投与され(co-admininstered)得る。共投与(co-adminisntration)は、同一の被験体が本明細書中に記載のB細胞組成物に加えてさらなる治療薬を投与され得ることを示すために使用される。治療は、個別の処置として、単一の組成物の一部として、または任意の順序で同時に被験体に施され得る。治療薬は、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、16時間、20時間、1日間、2日間、4日間、7日間、2週間、4週間、またはそれを超える投与時間の差で一方が他方の前に投与されるように施行され得る。
【0042】
本明細書中に開示の方法は、従来のがん処置レジメンをさらに含むことができる。実施例では、本発明者らは、放射線(すなわち、全身照射または全脳照射のいずれか)およびテモゾロミド(すなわち、GMB処置のための現在の標準治療)でマウスを処置すると血清BAFFレベルが上昇することを実証した。上に考察されるように、BAFFは、B細胞の適合性および生存度を促進する。したがって、いくつかの実施形態では、方法は、放射線治療を被験体に施すステップをさらに含む。本明細書中で使用される場合、用語「放射線治療」は、電離放射線を使用した固形腫瘍およびがんの任意の処置様式を指し、体外放射線治療、定位放射線治療(stereotatic radiotherapy)、仮想シミュレーション、三次元原体放射線治療、強度変調放射線治療、イオン化粒子治療、および放射性同位体治療が挙げられるが、これらに限定されない。放射線後のBAFFの全身性産生が増強されると、B細胞適合のためのin vivo環境が改善されるようである。したがって、いくつかの実施形態では、放射線治療は、B細胞組成物の投与前に施される。
【0043】
いくつかの実施形態では、方法は、化学療法薬を被験体に投与するステップをさらに含む。本方法との使用に好適な化学療法薬としては、白金ベースの薬剤(シスプラチン、ゲムシタビン、およびカルボプラチンなど);ナイトロジェンマスタードアルキル化剤;ニトロソ尿素アルキル化剤(カルムスチン(BCNU)および他のアルキル化剤など);代謝拮抗物質(メトトレキサートなど);プリンアナログ代謝拮抗物質;ピリミジンアナログ代謝拮抗物質(フルオロウラシル(5-FU)およびゲムシタビンなど);ホルモン抗新生物薬(ゴセレリン、ロイプロリド、およびタモキシフェンなど);天然抗新生物薬(タキサン(例えば、ドセタキセルおよびパクリタキセル)、アルデスロイキン、インターロイキン-2、エトポシド(VP-16)、インターフェロンα、およびトレチノイン(ATRA)など);抗生物質作用の天然抗新生物薬(ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、およびマイトマイシンなど);ならびにビンカアルカロイド系の天然抗新生物薬(ビンブラスチンおよびビンクリスチンなど)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、化学療法薬は、トリアゼン(ダカルバジン、ミトゾロミド、またはテモゾロミドなど)である。いくつかの実施形態では、化学療法薬はテモゾロミドである。
【0044】
さらに、本発明者らは、BVax投与を抗PD-L1処置と同時に施すことにより、CD8+T細胞活性化が増強されることを実証した。PD-L1(プログラム死-リガンド1)は、免疫系の適応力の抑制において主な役割を果たす膜貫通タンパク質である。PD-L1は、「チェックポイントタンパク質」(すなわち、免疫応答の活性化を低下させ、その発現によってがん細胞が宿主免疫系を回避すると考えられているタンパク質)と見なされている。したがって、いくつかの実施形態では、方法は、チェックポイント阻害剤を投与するステップをさらに含む。本明細書中で使用される場合、用語「チェックポイント阻害剤」は、チェックポイントタンパク質の免疫抑制活性を遮断または阻害する分子を指す。ある特定の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-L1またはPD-1に結合する抗体である。抗PD1抗体もしくは抗PDL1抗体またはこれらの断片を含むチェックポイント阻害剤が当業者に公知であり、セミプリマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、MEDI0680(AMP-514)、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、シンチリマブ、トリパリマブ、ドスタルリマブ、およびAMP-224が挙げられるが、これらに限定されない。当業者に公知の抗PD-L1抗体を含むチェックポイント阻害剤としては、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、およびKN035が挙げられるが、これらに限定されない。抗体は、当業者に公知のモノクローナル抗体(mAb)、キメラ抗体、抗体断片、単鎖抗体、または他の抗体バリアント構築物を含み得る。PD-1阻害剤としては、例えば、PD-1抗体およびPD-L1抗体またはその断片(ニボルマブ(Bristol-Myers Squibb Coから入手可能であり、米国特許第7595048号、同第8728474号、同第9073994号、同第9067999号、同第8008449号、および同第8779105号に記載の抗PD-1抗体)が挙げられる);ペムブロリズマブ、および抗PD-1抗体(Merck and Coから入手可能であり、米国特許第8952136号、同第83545509号、同第8900587号、およびEP2170959号に記載);アテゾリズマブは、Genentech,Inc.(Roche)から入手可能であり、米国特許第8217149号に記載の抗PD-L1である;アベルマブ(Bavencio、Pfizer、PCT公開番号WO2017097407号に記載の製剤)、デュルバルマブ(Imfinzi、Medimmune/AstraZeneca、WO2011066389号)、セミプリマブ(Libtayo、Regeneron Pharmaceuticals Inc.,Sanofi、例えば、米国特許第9938345号および同第9987500号を参照のこと)、スパルタリズマブ(PDR001、Novartis)、カムレリズマブ(AiRuiKa、Hengrui Medicine Co.)、シンチリマブ(Tyvyt、Innovent Biologics/Eli Lilly)、KN035(Envafolimab、Tracon Pharmaceuticals、例えば、WO2017020801A1号を参照のこと);チスレリズマブ(BeiGeneから入手可能であり、米国特許第8735553号に記載)などがとりわけ挙げられ得るが、これらに限定されない。開発中の他のPD-1およびPD-L1抗体も、本発明を実施する上で使用され得る(例えば、PD-1阻害剤(トリパリマブ(JS-001、Shanghai Junshi Biosciences)、ドスタルリマブ(GlaxoSmithKline)、INCMGA00012(Incyte、MarcoGenics)、AMP-224(AstraZeneca/MedImmune and GlaxoSmithKline)、AMP-514(AstraZeneca)が挙げられる)およびPD-L1阻害剤(AUNP12(Aurigene and Laboratoires)、CA-170(Aurigen/Curis)、およびBMS-986189(Bristol-Myers Squibb)が挙げられる)、とりわけ(上記抗体に関する引用文献は、抗体、その構造、および配列に関して、その全体が参考として援用される)が挙げられる)。PD-1抗体またはPD-L1抗体の断片としては、当該分野で公知の(例えば、AU2008266951号およびNigam et al.“Development of high affinity engineered antibody fragments targeting PD-L1 for immunoPED,”J Nucl Med May 1,2018 vol.59 no.supplement 1 1101(その内容全体が参考として援用される)に記載の)PD-1またはPD-L1に結合して阻害する機能を保持している抗体の断片が挙げられる。
【0045】
実施例では、本発明者らは、BVaxを他のリンパ球(T細胞、特にCD8+T細胞、またはNK細胞が挙げられる)と共投与することができることを実証した。したがって、いくつかの実施形態では、方法は、T細胞を被験体に投与するステップをさらに含む。これらの方法で使用されるT細胞は、被験体から採取され、次いで、その免疫賦活能を増強するためのBVaxとのインキュベーションを介してex vivoで拡大増殖および活性化され得る。ある特定の実施形態では、T細胞はCD8+T細胞である。T細胞は、腫瘍抗原に対して向けられた抗原受容体を用いて選択または操作され得る。本明細書中で使用される場合、用語「キメラ抗原受容体T細胞」は、キメラ抗原受容体(CAR)を含む遺伝子操作された抗体-T細胞キメラを指す。キメラ抗原受容体T細胞治療のための技術は当該分野で公知であり、利用可能である。例えば、Kenderian et al.,Cancer Res.74(22):6383-9(2014)を参照のこと。
【0046】
用語「被験体」および「患者」は、互換的に使用され、特定の処置のレシピエントとなる任意の動物(例えば、哺乳動物)(ヒト、非ヒト霊長類、およびげっ歯類などが挙げられるが、これらに限定されない)を指す。例えば、好適な被験体としては、がんの処置を必要とする被験体が挙げられる。
【0047】
本明細書中で使用される場合、「処置(treatingすること)」または「処置(treatment)」は、疾患、状態、または障害と戦うことを目的とする被験体の管理およびケアを記載している。処置することには、症状または合併症の発生を予防するため、症状または合併症を緩和するため、または疾患、状態、または障害を排除するための本発明の組成物の投与が挙げられる。具体的には、本明細書中に開示の組成物を、がんを処置するために使用することができる。がんを処置することとしては、被験体内のがん細胞数または腫瘍サイズの減少、がんのより侵襲性の高い形態への進行の低下、がん細胞の増殖の減少もしくは腫瘍成長速度の低下、がん細胞の殺滅、がん細胞の転移の減少、または被験体におけるがんの再発尤度の減少が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で使用される被験体の処置は、罹患しているか発症リスクのある被験体に利益(被験体の状態(例えば、1またはそれを超える症状)の改善、疾患進行の遅延、症状発生の遅延、または症状進行の遅延などが挙げられる)を付与する任意のタイプの処置を指す。
【0048】
本明細書中で使用される場合、用語「投与」は、医薬調製物を被験体に提供する任意の方法を指す。かかる方法は当業者に周知であり、経口投与、経皮投与、吸入による投与、鼻投与、局所投与、膣内投与、眼への投与、耳内投与、脳内投与、直腸投与、舌下投与、頬側投与、および非経口投与(静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、皮内投与、髄腔内投与、リンパ内投与、および皮下投与などの注射が挙げられる)が挙げられるが、これらに限定されない。投与は、連続的または断続的であり得る。いくつかの実施形態では、組成物は、静脈内または頭蓋内に投与される。
【0049】
用語「有効量」は、有益なまたは望ましい生物学的なまたは臨床的な結果を得るのに十分な量を指す。この結果は、疾患または状態の1またはそれを超える症状の減少、緩和、阻害、もしくは予防、がん細胞の成長の減少、阻害、もしくは予防、がん細胞の転移もしくはがん細胞の侵襲性もしくは転移の減少、阻害、もしくは予防、またはがんの1またはそれを超える症状もしくはその転移の減少、緩和、阻害、もしくは予防、または生体システムの任意の他の望ましい変化であり得る。いくつかの実施形態では、有効量は、所望の効果を得る(例えば、抗腫瘍応答を得る)のに好適な量である。有効な投与の手段および投与量を決定するための方法は、当業者に公知であり、治療のために使用される製剤、治療目的、処置される標的細胞、および処置される被験体によって変動する。単回または複数回投与することができ、投与のレベルおよびパターンは、治療担当医師によって選択される。
【0050】
用語「CD8+T細胞応答」は、CD8+細胞の活性化であって、上記T細胞が活性化された抗原を発現する細胞を死滅させることができる活性化を指す。CD8+T細胞は、いくつかの異なる機序(抗腫瘍効果および抗ウイルス性の微生物効果を有するサイトカイン(例えば、TNF-αおよびIFN-γ)の分泌、細胞傷害性顆粒(例えば、パーフォリン、およびグランザイム)の産生および放出が挙げられる)を介して細胞を死滅させることが可能であり、そして/またはFas/FasL相互作用を介して感染細胞が破壊される。
【0051】
実施例では、本発明者らは、本発明者らの4-1BBL+B細胞をワクチンとして記載する。用語「ワクチン」は、本明細書中で使用される場合、免疫応答を惹起することができる抗原または免疫原を含む生物学的調製物を指す。抗原または免疫原は、例えば、感染性因子、病因性の微生物もしくは細胞に類似している分子、または異常な細胞もしくは罹患細胞に関連するタンパク質(例えば、腫瘍関連抗原)であり得る。例えば、抗原または免疫原は、上記微生物もしくは細胞またはその毒素の弱毒化形態または不活化形態から作製され得る。ワクチンは、上記抗原または免疫原に対する個体の免疫応答を刺激するために個体に投与される。好ましい実施形態では、抗原は腫瘍由来抗原である。
【0052】
本開示は、本明細書中に記載の構築、構成要素の配置、または方法ステップの具体的な詳細に制限されない。本明細書中に開示の組成物および方法は、以下の開示を考慮して当業者に明らかな種々の方法で作製、実施、使用、実行、および/または形成することができる。本明細書中で使用される表現および専門用語は、説明のみを目的とし、特許請求の範囲の範囲を制限すると見なされないものとする。第1、第2、および第3などの順序の表示は、種々の構造または方法ステップに言及するために説明および特許請求の範囲で使用される場合、かかる構造またはステップに対して、任意の具体的な構造やステップ、任意の特定の順序や配置を示すと解釈されることを意図しない。本明細書に記載されている方法は全て、本明細書に別様の指示がない限り、または状況と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書中に提供されたありとあらゆる例または例示を示す文言(例えば、「など」)の使用は、本開示を容易にするためのものに過ぎず、別様に特許請求されない限り、本開示の範囲のいかなる制限も意味しない。本明細書中の文言および図面に示した構造物は、任意の特許請求されていない要素が、開示の主題の実施に不可欠なものであることを示すものとして解釈されるべきでない。本明細書中での用語「including」、「comprising」、または「having」、およびその異形の使用は、以後に列挙した要素およびその等価物ならびにさらなる要素を包含することを意味する。ある特定の要素を「含むこと(including)」、「含むこと(comprising)」、または「有すること(having)」と記載した実施形態は、それらのある特定の要素「から本質的になる」および「からなる」ことも意図される。
【0053】
本明細書における値の範囲の記載は、本明細書で別様の指示がない限り、各別個の値がその範囲内に入ることを個々に参照するための簡略的な方法としての役目を果たすことが意図されているに過ぎず、各別個の値は、それが本明細書にあたかも個々に記載されているが如く、本明細書に組み込まれる。例えば、濃度範囲を1%~50%と記載する場合、2%~40%、10%~30%、または1%~3%などの値が本明細書中に明確に列挙されていることを意図する。これらは、具体的に意図されているものの例に過ぎず、列挙された最小値と最大値の間の数値およびこれらを含む数値の全ての可能な組み合わせが本開示に明確に記載されていると見なされるのもとする。特定の列挙された量または量の範囲を記載するための用語「約」の使用は、列挙した量に非常に近似した値(製作公差、装置、および測定値を形成する際のヒューマンエラーなどによって説明され得るか、自然に説明されるであろう値など)がその量に含まれることを示すことを意図する。別段の指示がない限り、量について言及する全ての百分率は、重量を基準とする。
【0054】
いかなる参考文献(本明細書中に列挙された任意の非特許文書または特許文書が含まれる)も先行技術を構成することを容認しない。特に、別段の指示がない限り、本明細書中の任意の文書の言及が、これらの文書のうちのいずれかが米国および他の国における当該分野の一般的知識の一部を形成することを容認すると解釈されないものと理解される。参考文献の任意の考察は著者の主張が記載されており、出願人は、本明細書中に列挙した任意の文書の正確性および妥当性を吟味する権利を留保する。明確に別段の指示がない限り、本明細書中に列挙した全ての参考文献は、参考として完全に援用される。引例に見出された任意の定義および/または説明との間に任意の矛盾がある場合、本開示が優先されるものとする。
【0055】
以下の実施例は、例示のみを意図し、本発明または添付の特許請求の範囲の範囲を制限することを意図しない。
【実施例
【0056】
実施例
実施例1-膠芽細胞腫処置のためのB細胞ベースの免疫治療
免疫治療は、多くの腫瘍の処置に革命を起こしてきた。しかしながら、ほとんどの膠芽細胞腫(GBM)患者は、今まで、かかる成功から利益を得ていなかった。抗GBM免疫を増大させる方法を調査することを目的として、本発明者らは、CD40アゴニズムおよびIFNγ刺激によって活性化された4-1BBL+B細胞からなるB細胞ベースのワクチン(BVax)を開発した。BVaxは重要な二次リンパ系器官に移動し、抗原交差提示に長けており、CD8+T細胞の生存度および機能性の両方を促進する。照射、BVax、およびPD-L1遮断物の組み合わせは、80%の処置した腫瘍担持動物で腫瘍を根絶した。この処置によって免疫記憶が惹起され、治癒したマウスにおいてその後の再拒絶の際に新規の腫瘍の成長が妨害される。GBM患者由来BVaxは、自家CD8+T細胞の活性化に成功した;これらのT細胞は、自家神経膠腫細胞を死滅させる強力な能力を示した。本開示は、現在の免疫治療アプローチの有効な代替法を提供し、この代替法はクリニックに容易に移行することができる。
【0057】
材料と方法:
ヒト試料。全てのヒト試料(腫瘍、末梢血、および凍結組織)を、施設内審査委員会(IRB)のプロトコールN°STU00202003の下でノースウェスタン大学の神経系腫瘍バンク(NSTB)によって採取した。全ての患者は書面による同意にサインした。H&E試験で決定した場合に腫瘍細胞充実性が50%を超えるGBM患者由来の試料のみを、本研究に含めた。研究を、倫理基準の米国共通規則に従って実施した。
【0058】
マウス。C57BL/6、CD45.1 C57BL/6、B細胞欠損(μMT、B KO)、Rag1欠損(Rag1 KO)、およびOT-Iマウスの全てを、Jackson Laboratoryから購入した。4-1BBL欠損(4-1BBL KO)マウスを、Amgenから入手した。動物は、実験開始時点で6~8週齢であった。全ての動物実験プロトコールは、ノースウェスタン大学のプロトコール番号IS00002459の下で動物実験委員会(IACUC)によって承認されている。特定病原体不在(SPF)動物の全ての動物を収容した。
【0059】
細胞株。GL261細胞を、国立がん研究所(NCI)から入手した。オボアルブミンを発現するGL261細胞を、(Pituch et al.,2018)で以前に報告された通りに入手した。CT2A細胞は、Pr.Tom Seyfried(ボストンカレッジ)から提供された。GL261 細胞株の同一性および純度を、ノースウェスタン大学の配列決定コア施設によって実施されるショートタンデムリピート(STR)プロファイリングを使用して毎年評価した。両方のマウス同系神経膠腫細胞株を、10%ウシ胎児血清(FBS、HyClone)、ペニシリン(100U/mL)、およびストレプトマイシン(100mg/mL;Corning)を有するDMEM(Corning)中で維持し、5%CO2下にて37°でインキュベートした。全ての細胞株のMycoplasma汚染を、Universal Mycoplasma Detection Kit(ATCC(登録商標)30-1012K(商標))を使用して、2ヶ月毎に定期的に試験した。
【0060】
脳腫瘍の注射。合計10個のGL261細胞またはCT2A細胞を、以前に記載のように頭蓋内(i.c.)に移植した(Wainwright et al.,2012a)。マウスを、ケタミン(100mg/kg)およびキシラジン(10mg/kg)を含むストック溶液の腹腔内投与により麻酔した。手術部位を剃毛し、ポビドンヨード、続いて70%エタノールのスワブで準備した。スワビング手順を、合計3回行った。頭蓋骨にアクセスするために、正中線に沿って切開した。直径1mmの穿頭孔を、冠状縫合の後方2mmかつ矢状縫合の外側2mmに開けた。次いで、マウスを定位フレームに入れ、腫瘍細胞を、26ゲージのブラント針を取り付けたHamiltonシリンジを使用して、深さ3mmに総体積2.5μLを注射した。次いで、切開部をステープルで留めた。
【0061】
ヒト免疫表現型分析。新規に診断されたGBM患者から凍結PBMC試料(n=90)を回収し、4-1BBL発現B細胞(4-1BBLCD20CD19)およびCD69発現CD8T細胞のレベルをフローサイトメトリーによって分析した。以下の抗ヒト抗体(Ab)(全てBioLegendより入手)を使用した:4-1BBL PerCP-Cy5.5(5F4)、CD19パシフィックブルー(HIB19)、CD20 BV510(2H7)、CD8アレクサフルオロ700(RPA-T8)、CD69 PE-Cy7(FN50)。グランザイムB APC(GB11)、IFNγAF700(4S.B3)、およびTNFαFITC(1D6)を、細胞内染色のために使用した。死細胞およびデブリを、eBioscience Fixable viability dye eFluor780(Thermo Fisher)を使用して分析から除外した。細胞をBD Symphonyによって取得し、FlowJoソフトウェアによって分析した。
【0062】
マウス免疫表現型分析。腫瘍、血液、およびリンパ節を、以前に記載のように、免疫型分析の目的で処理した(Lee-Chang et al.,2019a)。血液、深頸リンパ節(dCLN)、浅頸リンパ節(CLN)、および腫瘍担持脳内のB細胞による4-1BBLの発現を、フローサイトメトリーによって分析した。マウスAbは全てBioLegendから入手した。CD45 BV510(30F11)およびCD11b BV711(ICRF44)。4-1BBL PerCP-Cy5.5(5F4)およびCD19 BV650(1D3/CD19)を使用して、B細胞中の4-1BBL発現レベルを評価した。死細胞およびデブリを、eBioscience Fixable viability dye eFluor780(Thermo Fisher)を使用して分析から除外した。細胞をBD Symphonyによって取得し、FlowJoソフトウェアによって分析した。
【0063】
組換えIFNγを使用したCD86の上方調節。ヒトまたはマウスのB細胞をPBMCまたは脾臓(それぞれ)から分離し、ヒトまたはマウスのB細胞分離キット(StemCell Technologies)を使用して分離した。細胞を2×10細胞/mlに再懸濁し、100nMのヒト(Peprotech)またはマウス(R&D)のBAFFおよび10U/mlのヒトまたはマウスのIFNγと共にインキュベートした。CD86発現を、上記のようにヒト抗CD86パシフィックブルー(BU63、BioLegend)または抗マウスCD86 AF700(GL1)をCD19染色と共に用いたフローサイトメトリーによって評価した。
【0064】
マウスBVaxの生成。BVaxを、腫瘍担持マウスの脾臓およびdCLN由来の4-1BBLB細胞から生成した。マウスを2×10個の腫瘍細胞でチャレンジし、腫瘍接種の12~14日後に屠殺した。B細胞を、EasySep(商標)マウスB細胞分離キット(StemCell Technologies)を使用して、脾臓およびdCLNからネガティブ分離した。次いで、4-1BBL細胞を、抗マウス4-1BBLビオチン(5F4、BioLegend)および抗ビオチンMicroBeads(Miltenyi Biotec)を使用して磁気的にポジティブ分離した。細胞を、100nMのマウスBAFF(R&D)を補充した2×10細胞/ml完全RPMIに再懸濁し、抗CD40(FGK4.5、BioXCell)で活性化した。24時間後に、10U/mlのマウスIFNγを培養物に添加した。分離から合計48時間後に、BVaxを採取し、カウントし、さらなる利用のために準備した。多くの実験では、BVaxを、腫瘍担持マウスの脾臓およびCLNにも由来するCD8T細胞と同時に注射し、マウスCD8T細胞分離キット(StemCell Technologies)を使用して分離した。
【0065】
VaxのAPC表現型。マウスBVaxを、フローサイトメトリーによってAPC機能に関連する分子の発現について試験した。細胞を、以下の抗マウスAbで染色した(別段の指定がない限り、全てBioLegendより入手):IA PerCP-eFluor 710(AF6-120.1)、H-2KPE(AF6-88.5.5.3)、CD86 AF700(GL1)、および4-1BBL PerCP-Cy5.5(5F4)。100ng/ml SIINFEKL(Sigma Aldrich)でパルスした後に、H-2Kを介したペプチド提示を、抗マウスSIINFEKL(配列番号1)-H-2KPE-Cy7(eBio25-D1.16、eBioscience)を使用して査定した。
【0066】
in vitroでのBVaxのAPC機能。BVaxが全オボアルブミン(OVA)を取り込む能力を評価するために、Cell Tracker(登録商標)赤色CMPTX(Molecular Probes,Life Technologies)を用いて蛍光標識したBVaxを、完全RPMI中で15μg/ml AF488-OVA(Molecular Probes,Life Technologies)と30分間インキュベートした。細胞を3回洗浄し、40倍の対物レンズを備えたLeica DMi8顕微鏡を用いて可視化した。データを、ImageJを使用して処理および定量した。BVaxが全OVA取り込み後にSIINFEKL(配列番号1)を提示する能力を評価するために、細胞を1μg/ml全オボアルブミン(Invivogen)と5時間インキュベートした。H-2KによるSIINFEKL(配列番号1)提示を、上記のようにフローサイトメトリーによって査定した。全OVAをパルスしたBVaxがTCRトランスジェニックOT-I CD8T細胞を活性化する能力を試験するために、脾臓CD8T細胞を、マウスCD8T細胞分離キット(StemCell Technologies)を使用して分離した。本発明者らは、以前に記載のように骨髄由来DCを生成し(Miska et al.,2016)、交差提示の正の対照として使用した。OVAタンパク質をパルスしたBNaive(±IFNγ)、BVax、およびDCを、固定可能な細胞増殖色素eFluor450(eBioscience)で標識したCD8T細胞と1:1の比でインキュベートし、組換えIL2(30U/ml、Peprotech)を補充した抗CD3/CD28活性化ビーズ(Invitrogen)で活性化した。CD8T細胞の活性化を、フローサイトメトリーにより、細胞増殖(eFluor450希釈)およびGzmBの細胞内発現によって査定した。あるいは、SIINFEKL(配列番号1)ペプチドまたはWT C57BL/6由来のCD8T細胞を、負の対照として使用した。MHCクラスIを介したAg提示の関与を試験するために、BVaxを10μg/ml H-2K遮断Ab(クローンAF6-88.5.5.3、BioXCell)で前処理した。Abを、実験(72時間)を通して毎日添加した。
【0067】
in vivoでのBVaxのAPC機能。Rag1欠損マウスに、2×10個のオボアルブミンを過剰発現するGL261神経膠腫細胞(GL261-OVA)を同所注射した。腫瘍注射の7日後に、マウスに、2×10個のBVax細胞(上記のように全OVAでパルスした)および5×10個のeFluor450標識CD8T細胞の両方をi.v.共注射した。養子移入の7日後、マウスを屠殺した。腫瘍担持脳およびdCLNを、(Lee-Chang et al.,2019a)に記載のように処理して単一細胞懸濁液を得た。eFluor450CD8T細胞を、フローサイトメトリーによって分析した。あるいは、B細胞欠損μuMTマウスに、10個のGL261-OVAを同所チャレンジした。7日後、マウスに、2×10個の全OVAパルスしたBNaive、BVax、または200ng/ml Bordetella百日咳毒素(PTX、Gibco)にて37℃で1時間前処置したBVaxを静脈内投与した。注目すべきは、BVax(PTX)を、注射前にPBSで3回洗浄した。B細胞養子移入の7日後に、マウスを屠殺し、SIINFEKL特異的CD8T細胞を、以下のBioLegendの抗マウスAb(別段の指定がない限り)を使用して、フローサイトメトリーによって分析した:CD45 BV510(30F 11)、CD11b BV711(ICRF44)、CD8 BV605(53-6.7)、CD44 PerCP-Cy5.5(IM7)、およびSIINFEKL(配列番号1)-H-2K PE-Cy7(eBio25-D1.16、eBioscience)。並列実験では、B細胞欠損μuMTマウスを、10個のCT2Aでチャレンジした。7日後に、マウスに、CT2A細胞ライセートでパルスしたBNaive、BVax、またはBVax+PTXを静脈内投与した。B細胞養子移入の7日後に、マウスを屠殺し、CD8T細胞を、以下の抗マウスAb(全てBioLegendから入手)を使用して、GzmBおよびIFNγの細胞内発現について分析した:CD45 BV510(30F 11)、CD11b BV711(ICRF44)、CD8 BV605(53-6.7)、GzmB AF647(GB11)、およびIFNγ AF700(XMG1.2)。全ての実験において、死細胞およびデブリを、eBioscience Fixable viability dye eFluor780(Thermo Fisher)を使用して分析から除外した。細胞をBD Symphonyによって取得し、FlowJoソフトウェアによって分析した。
【0068】
in vivoでのBVaxの追跡。B細胞欠損μuMTマウスを、10個のCT2Aでチャレンジした。9日後に、マウスに、Cell Tracker(登録商標)赤色CMPTX(Molecular Probes、Life Technologies)で事前に標識した5×10個のBNaive、BVax、またはBVax+PTXを静脈内投与した。3日後に、マウスを屠殺し、腫瘍担持脳、血液、およびdCLNを、上記のようにフローサイトメトリーによってCellTrackerCD19B細胞の存在について分析した。あるいは、腫瘍担持Rag1欠損マウスに、Cell Tracker(登録商標)赤色CMPTX BVax細胞およびCellTracker Green CMFDA標識CD8T細胞の両方を同時に静脈内投与した。養子移入の3日後に、マウスを屠殺し、脾臓を回収した。組織試料を、OCT(Thermo Fischer)に包埋し、瞬間凍結した。切片(6μm)を得て、BVax(赤色細胞)およびCD8T細胞(緑色)の存在を、蛍光顕微鏡法(Leica DMi8)によって分析した。データを、ImageJを使用して処理および定量した。
【0069】
ELISAによる血清BAFFの測定。マウスの眼窩後方から採血し、試料を室温で30分間静置することによって凝固させた。1,000~2,000×gにて4℃で10分間遠心分離することによって凝塊を除去した。血清を、使用するまで-80℃で保存した。BAFFレベルを、製造者の指示通りにマウスBAFF/BlysTNFSF13B Quantikine ELISAキット(R&D)を使用して測定した。
【0070】
放射線によるin vivoでのBVax適応。WT C57BL/6マウスを、10個のCT2A細胞で頭蓋内チャレンジした。7日後に、マウスを、Gammacell40 Exactor(Best Theratronics)を使用して全身照射した(9Gy)。2日後に、マウスに、CT2A担持CD45.1マウス由来の5×10個のBVaxを静脈内投与した。細胞養子移入の7日後に、脾臓、dCLN、および腫瘍担持脳中のCD45.1Vaxを、BioLegendの抗マウスCD45.1 eFluor450(A20)および総CD45 PE(30-F11)を使用したフローサイトメトリーによって評価した。あるいは、CD45.1Naive、抗CD40およびIFNγで活性化した4-1BBLB細胞(BAct)、およびBVaxを、CD45.1 eFluor450(A20)およびCD45.2 PE-Cy7(104)を使用したフローサイトメトリーによって測定した。マウスの一群に、10μg/ml BAFF受容体遮断Ab(7H22-E16、BioLegend)で処理したBVaxを投与した。その後に、マウスに、100μgのBAFF受容体遮断Abを、7日間毎日腹腔内投与した。in-vivoでのB細胞増殖を、Ki67(PE、BioLegend)の発現によって査定した。照射マウスにおけるリンパ球減少を、照射5日後の血液および脾臓中のCD45白血球数によって査定した。並列実験では、2×10個のeBioscience固定可能な細胞増殖色素eFluor450(eBioscience、Thermo Fischer)で標識したDCおよびBVaxを、静脈内に注射した。マウスの一群に、DCを皮内注射した。細胞養子移入の7日後に、マウスを屠殺し、細胞増殖を、フローサイトメトリーによってdCLNおよび脾臓中のCD45細胞集団内のeFluor450色素の希釈度として査定した。
【0071】
Vaxの治療効果。C57BL/6マウスに、10個のCT-2A細胞を頭蓋内注射した。7日後に、マウスを、Gammacell40 Exactor(Best Theratronics)を使用して全身照射した(9Gy)。2日後に、マウスに、上記のように分離および処理した1.5×10個のBVax±4~5×10個のCD8T細胞を静脈内投与した。
【0072】
あるいは、B細胞欠損マウスに、10個のCT-2A細胞を頭蓋内注射した。9日後に、マウスに、上記のように分離および処理した1.5×10個のBNaive、BAct、またはBVax±4~5×10個のCD8T細胞を静脈内投与した。並列実験では、BVaxを、注射前に10μg/mlの4-1BBL遮断Ab(クローンTKS-1、BioXCell)で前処理し、マウスに、500μg/Kgを2回腹腔内注射した。
【0073】
in-vivoでのCD8T細胞輸送のイメージング。Spectral Lago小動物ライブイメージングシステムを使用して、神経膠腫担持マウスの脳へのCD8T細胞のin-vivo輸送を判定した。腫瘍移植の7日後に、マウスに、上記のように全身照射した(9Gy)。48時間後に、各マウスに、5×10個のCellTracker Deep Red標識CD8T細胞を、1.5×10個のBVax(i.v)または1.5×10個のDC(i.d)と共に静脈内投与した。計画された時点で(細胞養子移入の24、30、50、および72時間後に)、マウスを麻酔し、640nmでの励起および690nmでの発光を用いてスキャニングした。関心領域(ROI)の蛍光強度を、Aura Imaging Softwareを使用して計算した。
【0074】
放射線、BVax、CD8T細胞、および抗PD-L1の併用療法。RT、BVax、および抗PD-L1の組み合わせを投与したマウスにおける養子移入したCD8T細胞の存続および記憶表現型を評価するために、WT C57BL/6を、2×10個のCT2A細胞で頭蓋内チャレンジし、BVax細胞およびCD8T細胞のドナーとして使用した。宿主マウスに、10個のCT2A細胞を頭蓋内投与した。7日後に、マウスを全身照射した(9Gy、Gammacell40 Exactor、Best Theratonics)。2日後に、マウスに、CT2Aタンパク質ホモジネート(上記のように生成)でパルスした2×10個のBVaxを投与し、3×10個のCellTracker PE CMTX標識CD8T細胞を静脈内注射した。24時間後に、マウスに、500μg/マウスの抗PD-L1(10F.9G2、BioXCell)を腹腔内投与した。10日後に、マウスを屠殺し、CellTrackerCD8T細胞を、フローサイトメトリーによって分析した。以下の抗マウスAb(BioLegend)を使用して、養子移入されたCD8T細胞を分析した:CD45 BV510(30F 11)、CD11b BV711(ICRF44)、CD8+BV605(53-6.7)、CD44 PerCP-Cy5.5(IM7)、CD62L BV421(MEL-14)、(53-6.7)、CD44 PerCP-Cy5.5(IM7)。
【0075】
動物生存度におけるRT、BVax、CD8T細胞、および抗PD-L1の効果を試験するために、マウスに、腫瘍移植の7日後に全身照射した(9Gy、Gammacell40 Exactor、Best Theratonics)。48時間後に、マウスに、1.5×10個のCT2Aタンパク質ホモジネートでパルスしたBVax(BVax(CT2A))および2×10個のCD8T細胞を静脈内投与した。24時間後、マウスに、500μg/マウスの抗PD-L1を腹腔内投与した。2日後に、マウスに、第2サイクルのBVax(CT2A)+CD8T細胞、その後200μg/マウスの抗PD-L1を投与した。2日後に、マウスに、第3サイクルのBVax(CT2A)+CD8T細胞、その後200μg/マウスの抗PD-L1を投与した。腫瘍注射の75日後に、生存マウスの最初の注射部位に対して反対側の半球(左)に、10個のCT2A細胞を頭蓋内に再チャレンジした。
【0076】
長期生存動物の脳の組織学的分析および免疫表現型分析。長期生存動物(LTS)を、毎日モニタリングした。最初の腫瘍注射の245日後にマウスを屠殺した。3つの脳を、室温で24時間ホルマリン固定した。注射針の痕を同定し、全てのマウス脳について矢状切断を行った。LTSについて、脳を、右半球(LTS-R)および左半球(LTS-L)に切断した。組織試料を、免疫組織化学評価のためにパラフィン包埋した。年齢適合(10月齢)対照マウスを、CT2A腫瘍注射(10個の細胞/マウス、頭蓋内)の14日後に屠殺した。全身腫瘍組織量を、H&E染色によって分析した。CD8T細胞浸潤を評価するために、切片を、抗マウスCD8(クローン4SM16、eBioscience、1/100希釈)およびロバ抗ラットIgG(Jackson ImmunoResearch)で染色した。試料の組織学的処理を、ノースウェスタン大学のMouse Histology and Phenotyping Laboratory(MHPL)で行った。5つの脳を、免疫細胞の表現型のために使用した。脳浸潤免疫細胞の免疫表現型分析のために、脳および末梢組織の試料を、(Lee-Chang et al.,2019a)に以前に記載のように処理した。細胞を、以下の抗マウスAb(BioLegendより入手)について染色した:CD45 BV510(30F 11)、CD11b BV711(ICRF44)、CD4 PE-Cy7またはAF700(GK1.5)、CD8b FITC(YTS156.7.7)またはCD8 BV605(53-6.7)、CD44 PerCP-Cy5.5(IM7)、CD44 PerCP-Cy5.5(IM7)、KLRG1 APC(2F1/KLRG1)、TIGIT PE-Cy7(1G9)、PD-1 FITC(29F.1A12)、Foxp3 BV421(FJK-16S)、CD19 PEまたはBV605(1D5)、4-1BBL PerCP-Cy5.5(TKS-1)、およびLAP/TGFβ PE(TW7-16B4)。
【0077】
全脳放射線、テモゾロミドおよびBVax、CD8T細胞および抗PD-L1の併用療法。あるいは、C57BL/6マウスに、10個のCT-2A細胞を頭蓋内注射した。7日後に、マウスの脳に、合計9Gy(3回×3Gyに分割、Gammacell 40 Exactor、Best Theratonics)を照射した。腫瘍注射の11日後に、マウスに、50mg/kgのTMZを5日間連続して腹腔内投与した。最後のTMZ投与から24時間後に、マウスに、上記のように分離および処理した1.5×10個のBVax±4~5×10個のCD8T細胞を投与した。
【0078】
患者由来BVaxの生成および自家CD8T細胞活性化アッセイ。GBM患者の末梢血試料をEDTA処理したチューブに採取し、PBMCをFicoll勾配(GE Healthcare)によって分離した。PBMCのB細胞を、EasySep(商標)ヒトB細胞分離キットII(StemCell Technologies)を使用して得た。次いで、4-1BBL発現B細胞を、ヒト抗4-1BBLビオチン(BioLegend)およびその後に抗ビオチンマイクロビーズ(Miltenyi Biotec)を使用して磁気分離した。4-1BBL発現B細胞を、完全RPMI中に2×10個の細胞/mlで再懸濁し、5μg/mlヒト抗CD40(クローン、FGK4.5、BioXCell)で刺激した。24時間後に、10U/mlの組換えヒトIFNγ(Peprotech)を添加した。細胞を、さらに24~48時間インキュベートした。B細胞に、in-vitro活性化プロセスの全体にわたって100nMの組換えヒトBAFF(Peprotech)を補充した。T細胞を、EasySep(商標)ヒトT細胞分離キット(StemCell Technologies)を使用して分離し、10μMのeBioscience(商標)細胞増殖色素eFluor 450(Thermo Fischer)で標識した。細胞を、IL2(50U/mL;Peprotech)を補充したT細胞アクチベーターである抗CD3/CD28ビーズ(Dynabeads、Invitrogen、Thermo Fischer)にて1:3のビーズ:T細胞比で活性化し、腫瘍浸潤B細胞またはPBMC CD19B細胞と1:1の比で72時間共培養した。CD8T細胞増殖(eFluor450希釈)および活性化の状況(細胞内のGzmBおよびIFNγの発現)を、フローサイトメトリーを使用して分析した。
【0079】
ヒトBVax媒介自家CD8T細胞の活性化および腫瘍殺滅アッセイ。新たに切除した腫瘍試料を、剃刀の刃を使用してさいの目に切り、およそ2グラムの腫瘍組織あたり8mgのコラゲナーゼD(Sigma-Aldrich)、80μg DNaseI(Sigma-Aldrich)、および40μg TLCK(Sigma-Aldrich)を補充した4mLのハンクス平衡塩類溶液(HBSS、Gibco)からなる消化緩衝液を有する組織培養皿(直径100mm)中にて37℃で30分間インキュベートした。試料を、10分毎に数回ピペットで上下することによって混合した。次いで、細胞懸濁液を、組織ホモジナイザー(Potter-Elvehjem PTFE乳棒)を使用して、HBSS中で機械的に解離させた。細胞を、1%B27サプリメント、0.25%N2サプリメント、1%ペニシリンストレプトマイシン、1μg/mlヘパリン、20ng/mlヒトbFGF、および20ng/mlヒトEGFを有する神経細胞用基礎培地中で腫瘍スフェロイドとしてex-vivoで培養した。末梢血を、密度勾配分離(Ficoll、GE Healthcare)によって処理して、末梢血単核球を得た。
【0080】
腫瘍ライセートの調製:腫瘍単一細胞浮遊液を、10個の細胞/mlPBSで再懸濁し、5サイクルの凍結融解および1分間の超音波処理に供した。
【0081】
Vaxの生成:B細胞を、ヒトB細胞分離キット(StemCell Technologies)を使用して分離した。4-1BBLB細胞を、抗ヒト4-1BBLビオチン(クローン5F4、BioLegend)および抗ビオチンマイクロビーズ(Miltenyi Biotec)を使用して磁気分離した。細胞を、2×10個の細胞/mlで、5μg/ml抗CD40(クローン5C3、BioLegend)および100nMの組換えヒトBAFF(R&D)を補充したcRPMI中にて培養した。24時間後、1000U/mlの組換えIFNγ(Peprotech)を培養物に添加し、さらに18~20時間培養した。BVaxを腫瘍ライセートで37℃にて5時間パルスした。細胞をcRPMIで2回洗浄した。
【0082】
CD8T細胞活性化アッセイ:PBMC分離後、CD8T細胞を、ヒトCD8T細胞分離キット(StemCell Technologies)を使用して分離し、BVaxが生成されるまで30U/mlの組換えIL2(Peprotech)と24時間培養し、腫瘍ライセートでパルスした。CD8T細胞を、eBioscience固定可能な細胞増殖色素eFluor450(eBioscience、Thermo Fischer)で標識し、30U/mlの組換えIL2を補充してBVaxと1:1の比で混合した。CD8T細胞活性化を、フローサイトメトリーによって細胞増殖(eFluor450色素の希釈度)および細胞内GzmBの発現として査定した。
【0083】
腫瘍細胞の細胞傷害性アッセイ:BVaxとの共培養後の活性化されたCD8T細胞の細胞傷害能を査定するために、CD8T細胞を、抗CD8 ビオチン(クローンSK1、BioLegend)および抗ビオチンマイクロビーズ(Miltenyi Biotec)を使用して磁気分離した。注目すべきは、対照群(BVaxなし)およびBVax処理群の両方で磁気分離した。分離したCD8T細胞に、標識したex-vivo腫瘍細胞を種々のエフェクター:標的比で添加し、細胞傷害性を、IncuCyte S3生細胞分析システム(Sartorius、Essen BioScience)を使用してアッセイした。腫瘍細胞を、製造者のプロトコールに従ってCFSEで予め標識し、20:1、10:1、5:1、および2.5:1のエフェクター:標的細胞比でエフェクター細胞を添加した場合または添加しない場合の250nM IncyCyte Cytotox赤色試薬を有する96ウェルプレート中で培養した。自発的標的細胞死(標的細胞のみ)および最大細胞死(標的細胞+0.1%Triton(登録商標)X)を説明するためのアッセイ対照を、細胞殺滅の定量を可能にするために含めた。生細胞画像(ウェルあたり4枚、10倍対物レンズを使用)を、時間0から2.5時間までは30分間隔で、その後、プレーティングから12.5時間後のアッセイ完了までは1時間間隔で取得した。画像解析のために、5%緑色蛍光を赤色チャネルから取り出し、[総赤色カウント]の[総緑色細胞カウント]に対する比として各実験条件で定量した。アッセイを通して、総赤色カウントは細胞死を示し、総緑色細胞カウントは生存細胞および細胞増殖を示す。各条件の殺滅率(自発的および最大細胞死対照によって設定されたスケールとの比較)を計算するために、各条件で以下の計算を行った:%殺滅=(%実験的放出-%自発的放出)/(%最大放出-%自発的放出)×100。IncuCyte生細胞分析を、ノースウェスタン大学シンプソンクエリーインスティチュートの分析バイオナノテクノロジーコア施設で行った。ANTECは、現在、Soft and Hybrid Nanotechnology Experimental(SHyNE)Resource(NSFECCS-1542205)から援助を受けている。
【0084】
Vax由来IgのELISA。B細胞サブセット由来Igサブタイプを、Ig Isotyping Mouse Instant ELISA(商標)キット(Invitrogen、Thermo Fischer)を使用して測定した。
【0085】
Vax由来Igを使用した脳切片のIF。CT2A担持B細胞欠損マウスを、腫瘍注射の14日後に屠殺した。マウスを、冷却PBSで灌流し、脳を採取し、OCT(Thermo Fischer)中で凍結した。脳組織切片を、予め冷却したメタノールにて-20℃で10分間固定した。切片を洗浄し、PBSを用いて室温で20分間再水和し、1%BSAを含むPBS+5%ロバ血清(NDS)にて室温で1時間ブロッキングした。マウス血清を、0.1%BSAを含むPBS中で1:10に希釈し、ブロッキング緩衝液で洗浄せずに切片に適用した。切片を、室温でさらに2時間インキュベートし、PBSで3回洗浄し、0.1%BSAを含むPBS中で1:500に希釈した二次抗マウスIgGであるCy5(Jackson ImmunoResearch)を用いて室温で45分間染色した。スライドをPBSで3回洗浄し、DAPI添加Fluoroshield(商標)(Sigma-Aldrich)を用いてマウントした。
【0086】
Vax由来Igの精製。マウス血清IgGを、NAb(商標)プロテインA/Gスピンカラム(Thermo Scientific)を使用して分離した。溶出したタンパク質を、Amicon Ultra 15ml 30K(Millipore Sigma)を使用して濃縮した。最終IgG濃度を、Bradford法によって測定した。
【0087】
SIINFEKL(配列番号1)反応性BVax IgのELISA。ELISA96ウェルマイクロプレート(Corning(登録商標),Sigma-Aldrich,USA)を、PBSで希釈したいずれかの10μg/mlのSIINFEKL(配列番号1)(Sigma-Aldrich,USA)で4℃にて一晩コーティングした。プレートを、0.05%tween-20を含むPBSで3回洗浄して、非結合SIINFEKL(配列番号1)を除去した。体積100μlのPBS-BSA 1%を、室温で1時間のブロッキングのために使用した。50マイクロリットル/ウェルの希釈したIgG試料を、対応するウェルに2連で添加した。プレートを、室温で1時間インキュベートし、3回洗浄した。オボアルブミン特異的抗体を測定するために、ペルオキシダーゼに結合させた抗マウスIgGを、1:1,000に希釈してウェルに添加した(Thermo Fischer)。二次抗体を室温で一晩インキュベートした。プレートを3回洗浄し、50μlのホース-ペルオキシダーゼ(horse-peroxidase)と結合させたストレプトアビジンをプレートに添加し、室温で20分間インキュベートした。3回の洗浄後、50μlのテトラメチルベンジジン(TMB)を添加することによってシグナルを明らかにし、プレートを、室温にて暗所で15分間インキュベートした。25μlのH2SO4(2N)を添加することによって反応を停止させた。492nmでの光学密度を、Genemate Uniread800プレートリーダーを使用して測定した。
【0088】
Vax由来Igの治療効果。B細胞欠損マウスに、カニューレシステムを使用して10個のCT2A細胞を頭蓋内投与した。簡潔に述べれば、マウスを麻酔し、長さ約10mmの皮膚切開を頭頂骨の中央前部に作製して頭蓋表面を露出させた。マウス用の26ゲージの滅菌ガイドカニューレ(Plastics One)を、上記のように腫瘍移植の間に生成した穿頭孔を介してマウス脳の深さ2mmの位置に取り付けた。組織接着剤を穿頭孔周囲に塗布し、カニューレの突出部を確実に長期間安全に配置した。外科用接着剤を移植部位の周囲に使用して頭皮を閉鎖した。保護用のダミーカニューレを使用して、術後の回復期間中およびその後の観察期間に突出部を保護した。抗CD20注射のために、33ゲージの滅菌シリンジをガイドカニューレに挿入した。シリンジを、ガイドカニューレの先端から1mm突出するようにデザインされたスリーブで覆うことができる。精製された血清IgG(12.5μg/マウス/注射)を、脳(最終体積2.5μL/注射)に注射した。注射後、カニューレを、マウス用の33ゲージダミーカニューレを使用して覆った。
【0089】
統計分析。データを、連続変数については平均±SDとして、カテゴリー変数については数値(百分率)として示す。2群間の差を、必要に応じてスチューデントt検定またはウィルコクソンの順位和検定によって解析した。複数の群の間の差を、テューキーの事後検定を用いた一元配置ANOVA、またはクラスカル・ワリスH検定後の事後Dunnの多重検定(post hoc Dunn’s multiple tests)を必要に応じて使用して評価した。生存曲線を、カプラン・マイヤー法によって作成し、ログランク検定によって比較し、多重比較を、ボンフェローニの方法を使用して調整した。カテゴリー変数を、フィッシャーの正確検定またはカイ二乗検定を必要応じて使用して解析した。全ての検定は両側検定であり、0.05未満のp値またはBenjamini-Hochberg調整偽発見率を有意と見なした。統計分析を、SAS9.4およびGraphPad Prism7.03を使用して行った。
【0090】
結果:
4-1BBL発現B細胞の機能の状態
GBM患者の末梢血では、4-1BBLB細胞は、総CD45区画の13.75±2.3%であった(PBMC、n=90、表1および図1A)。これらの4-1BBLB細胞は、4-1BBLB細胞と比較して細胞内のTNFαおよびIFNγのレベル、ならびに活性化マーカーCD86およびCD69の発現レベルが増加し(図1B)、これらの細胞が活性化状態であることが示唆された。4-1BBLB細胞の相対存在量は活性化CD69CD8T細胞数の増加に関連し(図1C)、患者の免疫プロフィールが全身性に活性化されたことを示唆していた。したがって、細胞増殖(拡大増殖指数として測定、図1D)の増加ならびにエフェクターIFNγおよびGzmB発現細胞の拡大増殖(図1E)によって示されるように、GBM患者由来4-1BBLB細胞は、4-1BBLB細胞と比較して外因性TCR刺激(抗CD3)の存在下でCD8T細胞の共刺激を増強する能力がより高いことを示す。前臨床CT2A神経膠腫マウスモデルでは、B細胞上の4-1BBL発現は、腫瘍担持脳で検出されなかった。その発現は、腫瘍接種後の深頸リンパ節および浅頸リンパ節の両方(CLN)由来のB細胞で有意により高く、B細胞による4-1BBL発現の腫瘍媒介誘導が示唆された(図9A)。B細胞がCD8T細胞を共刺激する能力は、4-1BBL発現に大いに依存した。B細胞における4-1BBLの上方調節は、B細胞受容体(BCR)刺激およびCD40同族体の補助後に駆動される(Futagawa et al.,2002)。これらの所見の裏付けとして、BCRおよびCD40に刺激されたB細胞は、BAFFの存在下でエフェクターCD8T細胞増殖を促進することができた(図9B)。BAFFの非存在下ではCD8T細胞活性化機能が減弱したので(図9B)、この機能には、これらのB細胞が4-1BBLを発現する能力が必要であった。概して、これらのデータは、4-1BBLB細胞が、CD8T細胞エフェクター表現型を拡大増殖および促進することができる活性化された細胞であることを示唆している。
【表1】
略語:四分位間範囲:IQR。
【0091】
CD40およびIFNγRの刺激は、4-1BBLB細胞のAPC表現型および機能を増強する。
CD40ライゲーションは、B細胞の活性化、増殖、ならびにAg提示および共刺激機能の増強をもたらす十分に研究された過程である(Ahmadi et al.,2008;Lapointe et al.,2003)(図9B)。しかしながら、異なる炎症条件および自己免疫条件における免疫抑制性B細胞および制御性B細胞の生成にも関連している(Yoshizaki et al.,2012)。安定なAPCであるB細胞を生成するために、IFNγRはB細胞共刺激分子の発現を駆動することができるので(Braun et al.,2002)、本発明者らは、IFNγRの活性化を試験した。本発明者らは、IFNγが非刺激ヒトB細胞上のCD86(CD8T細胞活性化における重要な共刺激分子(Lee-Chang et al.,2014))の発現を上方調節することを観察した(図10A)。IFNγの活性化促進効果は、IFNγRを欠損するB細胞を利用することによって証明された(図10B)。しかしながら、IFNγのみではTCR刺激(抗CD3)の存在下でCD8T細胞を活性化できるようにB細胞を促進できず(図9B)、IFNγR刺激がB細胞媒介性のCD8T細胞共刺激を開始するよりもむしろ増強することができることが示唆された。さらに、本発明者らは、CD40刺激およびIFNγR刺激の両方がCD86をさらに上方調節することを認め(図10B)、二重活性化がB細胞のAPC様表現型をさらに促進することができることを示唆していた。
【0092】
これらの結果に基づいて、CD40アゴニズムおよびIFNγを使用して、神経膠腫担持マウスの二次リンパ系器官(深頸リンパ節および浅頸リンパ節ならびに脾臓など)から分離した4-1BBLB細胞をin-vitroで活性化した(図10C)。BAFFを使用して、B細胞生存度を増強した。合計48時間の培養後、細胞を回収し、APCマーカーの発現について評価した。BAFFのみとインキュベートした4-1BBLB細胞(BNaiveと命名)と比較して、活性化された4-1BBLB細胞(BVaxと命名)は、その表面上で主要組織適合性遺伝子複合体(MHC)-クラスI(H-2K)およびII(IA)の両方を上方調節した(図10CおよびD)。オボアルブミン(OVA)ペプチドSIINFEKL(配列番号1)で細胞をパルスした後、BVaxは、SIINFEKL(配列番号1)-H-2K複合体ならびに共刺激マーカーCD86および4-1BBLを高度に共発現する(図1F)。
【0093】
プロフェッショナルAPCは、MHCクラスIを介して外因性の抗原をCD8T細胞に交差提示する能力が知られている(Fu and Jiang,2018)。BVaxが交差提示できるかどうかを評価するために、BVaxを蛍光コンジュゲートOVAタンパク質(AlexaFuor488-OVA、図1G)とインキュベートした。OVAタンパク質の取り込みを、落射蛍光顕微鏡法を使用して可視化した(図1G)。3時間後に、本発明者らは、フローサイトメトリー分析によって観察した場合にBVaxが相当なレベルの表面H2K-SIINFEKL(配列番号1)複合体を有した一方で、ゴルジ輸送体阻害剤ブレフェルジンA(BFA)で処理したBVaxではそうではなかったことを認めた(図1H)。次に、本発明者らは、OVA-パルスしたBVaxがSIINFEKL(配列番号1)特異的OT-I CD8T細胞を活性化する能力を評価した。本発明者らは、交差提示できるプロフェッショナルAPCのゴールドスタンダードとして骨髄由来DCを含めた。SIINFEKL(配列番号1)ペプチドでパルスしたBNaive、BVax、およびDCは、OT-I CD8T細胞増殖、およびそのグランザイムB(GzmB)の上方調節を誘導した(図10E)。非パルス細胞(Agなし)がOT-I CD8T細胞の活性化に失敗し(図10E)、SIINFEKL(配列番号1)パルスAPCがWT C57BL/6マウス由来のCD8T細胞を活性化できなかったので(図10F)、この現象はT細胞受容体(TCR)-ライゲーションに依存していた。しかしながら、B細胞およびDCをOVAタンパク質でパルスした場合、BVaxおよびDCのみがOT-I CD8T細胞を首尾よく活性化することができた(図1I)。MHC-クラスIを遮断するとBVaxのAPC機能が無効になった(図1J)。要するに、これらのデータは、BVaxがCD8T細胞の活性化を促進するための適切な表面分子群を有し、in-vitroでプロフェッショナルAPCとしてMHC-クラスIを介して抗原を交差提示することができることを示唆している。
【0094】
Vaxはin vivoでの強力なAPCである
次に、本発明者らは、in vivoでのBVaxのAPC機能を試験することを目的とした。最初に、C57BL/6マウスに、OVAタンパク質を過剰発現するGL261(GL261-OVA)を頭蓋内注射した。これらのマウスを、BVaxおよびCD8T細胞のドナーとして使用した。BVaxをOVAでパルスし、CD8T細胞を、eFluor450色素を使用して蛍光標識し、同時に、GL261-OVA腫瘍を担持するRag1欠損マウスに静脈内注射した。BVaxを投与すると、BNaiveまたは未処置モック群と比較した場合に腫瘍担持脳および深CLN内のeFluor450CD8T細胞数が増加した(図2A)。次に、GL261-OVAを担持するB細胞欠損(BKO)マウスに、OVAをパルスしたBVaxを投与した。処置したマウスは、腫瘍担持脳に浸潤している内因性のSIINFEKL(配列番号1)特異的CD8T細胞が実質的に増加した(図2Bおよび図10G)。in vitroにて百日咳毒素(PTX)(Gタンパク質媒介細胞移動を阻害する)(Cyster and Goodnow,1995)で前処置したBVaxを投与したマウス群は、SIINFEKL(配列番号1)特異的CD8T細胞も誘導しなかった(図2B)。CT2A神経膠腫モデルでは、CTA-腫瘍ライセートでパルスしたBVax(BVax(CT2A))は、腫瘍担持脳内で活性化されたGzmBおよびIFNγを産生するCD8T細胞数を増加させた(図2C)。BVax(CT2A)+PTXを投与したマウスにおけるCD8T細胞活性化の喪失は、BVaxの組織動員の重要性を強調している。したがって、BVaxは、同時静脈内注射後に二次リンパ系器官(脾臓およびCLNなど)内でCD8T細胞と共存する(図2D)。さらに、BVax(およびBNaive)が流入領域dCLNおよび循環で検出された一方で、腫瘍担持脳内ではBVaxのみが見出された(図11A)。本発明者らは、骨髄由来抑制性細胞(MDSC)が腫瘍付近に制御性B細胞(Breg)を生成することを最近報告しているので(Lee-Chang et al.,2019b)、本発明者らは、次に、腫瘍浸潤BVaxが免疫抑制性B細胞に変換され得るかどうかを判定した。本発明者らのデータは、腫瘍浸潤BNaiveおよびBVaxがCD8 T細胞活性化を促進するそれらの能力が異なることを示した。頭蓋内注射後に、BVaxはそのCD8+T細胞活性化機能を維持したのに対して、Bnaiveを注射するとT細胞阻害をもたらした(図11B、注射後)。要するに、これらの結果から、BVaxが腫瘍免疫抑制に耐性であり、in vivoでのそのT細胞活性化機能を維持したことが確認される。この裏付けとして、BNaiveまたは活性化B細胞(BAct)で処置したマウスと比較した場合に、BVax治療はCT2A担持動物を延命した(モック生存日数中央値:24;BNaive:17.5;BAct:18;BVax:34;モック対BVax:p=0.006;図11C)。BVaxの治療効果は、4-1BBL遮断Abを使用した場合に妨げられ(モック生存日数中央値:23.5;BVax:35.5;BVax+抗4-1BBL:22.5;BVax:34;BVax対BVax+抗4-1BBL:p=0.0016;図11D)、この分子がBVax媒介免疫機能において重要な役割を果たすことが示唆された。
【0095】
放射線治療は二次リンパ系器官内でのBVaxの拡大増殖および存続を促進する
GBM患者において、放射線およびテモゾロミド(TMZ)処置によってBAFF(B細胞生存の重要な因子)の全身性の産生が増加することが報告されている(Sanchez-Perez et al.,2013;Saraswathula et al.,2016)。これは、現在の処置がB細胞にin vivoでの適切な適応環境を提供する可能性があることを示唆している。この仮説を試験するために、CT2A担持マウスに、リンパ球枯渇線量の照射を行った(RT、図12A)。次いで、マウスに、CD45.1コンジェニックマウスから得たBVaxを投与した。5日後に、本発明者らは、CD45.1Vaxカウントが無処置モック群と比較した場合にRTで処置したマウスにおいて増加したことを認めた(図3A)。血清BAFFレベルは、RT群において有意に高く、このレベルは実験中維持された(5日間、図3B)。腫瘍担持マウスにおけるBAFFレベルが無腫瘍マウスより低かったので、これは、腫瘍がB細胞の恒常性のバランスを破壊し、末梢区画で認められた劇的なB細胞枯渇を駆動し得ることを示唆している(Lee-Chang et al.,2019a)。BAFFが任意のB細胞サブタイプの生存因子であるので(Mackay and Browning,2002)、本発明者らは、同一のCD45.1B細胞の養子移入を行ったが、異なるB細胞サブセット(BNaive、CD40アゴニストおよびIFNγで活性化されたが4-1BBLであるB細胞(BAct)、ならびにBVaxなど)を使用した。全てのB細胞サブタイプは、脾臓で見出されたが、しかしながら、中枢神経系に流入することが公知(Louveau et al.,2018)のdCLN中により多くのBVaxが得られた(図3C)。dCLNホーミングBVaxの大部分は、Ki67の発現によって示されるように、増殖細胞状態であった(図3C)。B細胞の前処置およびBAFF受容体(BAFF-R)遮断抗体の全身注射により、in vivoでのBVaxのカウントが減少し(図3D)、RTの際のBAFF分泌がin vivoでのBVax適応を制御することを示唆していた。
【0096】
次に、BVaxの治療効果を、RTで処置した場合または処置しなかった場合のマウスにおいてin vivoで試験した。組織学によって腫瘍の生着および有意な腫瘍塊を確認した後に、CT2A担持マウスを、腫瘍移植の7日後にRTで処置し、CT2A-腫瘍ライセートでパルスしたBVaxをRTの2日後に静脈内注射した(図12B)。腫瘍ライセートでパルスしたBVaxは、RTとの組み合わせにおいて、わずかではあるが有意に動物の生存期間を延長させた(モック生存日数中央値:17;RT:18;BVax:22;BVax+RT:28.BVax対BVax+RT p<0.0001、図11C)。RTが総リンパ球数の減少を誘導したので(図12A)、本発明者らは、BVaxの標的細胞(CD8T細胞)の欠如がワクチンの治療有効性を制限しているのであろうと仮定した。したがって、本発明者らは、BVax(腫瘍ライセートでパルスした)を、CT2A神経膠腫担持マウスから得たCD8T細胞と同時に投与した。RTおよび単回投与のBVaxを受けたマウスは、全体的な生存度が改善した(モック対BVax p=0.0001)。しかしながら、BVaxおよびCD8T細胞の両方を投与したマウスは、全ての他の群と比較してより長く生存した(モック生存日数中央値:16日間;CD8T:19日間;BVax:27.5日間;BVax+CD8T:35日間、BVax対BVax+CD8T p=0.0001、図3E)。腫瘍進行の後期でBVaxおよびCD8T細胞で処置したマウスにおいて顕著ではないが類似の結果が得られた(腫瘍移植の15日後;モック生存日数中央値:20;BVax(D9):26;BVax+CD8T(D9):35;BVax(D15):19;BVax+CD8T(D15):25;BVax+CD8T(D9)対BVax+CD8T(D15)p=0.0003、図12D)。BVax(腫瘍ライセートでパルスした)+CD8T細胞の組み合わせの単回投与は、静脈内または皮内のいずれかに投与されたDC(腫瘍ライセートでパルスした)と比較して治療上の利点を改善した(モック生存日数中央値:16;CD8T:22;DC(id)+CD8T:16;DC(iv)+CD8T:20;BVax(iv)+CD8T:34;DC(iv)+CD8T対BVax(iv)+CD8T p=0.0029;図3F)。これらの異なる細胞ベースの治療のin vivoでの存続が異なる結果に関連するかどうかを試験するために、BVaxおよびDCを、細胞増殖色素eFluor450で蛍光標識し、RT処置したCT2A担持マウスに投与した。養子移入の5日後に、eFluor450細胞を定量した。BVaxの蓄積は、DCよりも有意に高かった。eFluor450色素の希釈を試験することにより、本発明者らは、BVaxの多くが増殖表現型を有することを認めた(図3G)。
【0097】
さらに、本発明者らは、遠赤外蛍光で標識し、BVaxまたはDC(両方ともCT2A-腫瘍ライセートでパルスした)のいずれかを共注射したCD8T細胞のin vivoイメージングの追跡を行った。CT2A担持脳内のCD8T細胞の蓄積は、注射の30時間後に細胞をBVaxと同時に投与した場合に増強された(図4A)。後期の時点でのシグナルの減少は、色素蛍光の表示が制限されていることに起因し得る。したがって、並列実験では、マウスに、CD45.1CD8T細胞をBVaxまたはDCと共に投与した。細胞養子移入の5日後に、腫瘍担持脳を回収し、Ki67の発現によって測定される、増殖しているCD8T細胞の量について評価した。図4Bに示すように、BVaxを投与した動物は、より大量のKi67CD8CD45.1T細胞を示した。
【0098】
併用療法は動物を長期生存させる
B細胞の活性化により、免疫調節分子PD-L1の上方調節をもたらし得る(Freeman et al.,2000)。動物への注射時点でおよそ50%の細胞がPD-L1を発現するので、これはBVaxの共通の特徴である(図13A)。B細胞によるPD-L1の獲得ががんという状況での免疫抑制機能と関連するので、この現象はBVaxの連続注射の有害作用に至り得る(Epeldegui et al.,2019;Guan et al.,2016;Lee-Chang et al.,2019a)。したがって、本発明者らは、さらなる抗PD-L1処置がBVaxのエフェクター機能および治療結果を改善し得るとの仮説を立てた。第1に、本発明者らは、RT後のCT2A担持マウスにおいてBVax+抗PD-L1がCD8T細胞の存続を改善するかどうかを評価した。ナイーブCD8T細胞を、親油性蛍光色素(CellTracker)で蛍光標識した。養子移入の7日後に、マウスを、Cell TrackerCD8T細胞の存在量について評価した。腫瘍を担持する脳、dCLN、および脾臓は、BVaxを抗PD-L1と共に投与した場合に養子移入されたCD8T細胞のカウントが有意に増加した(図4C)。さらに、免疫表現型分析から、養子移入されたCD8T細胞がin vivoでCD44CD62LHiIFNγ記憶表現型を獲得したことが明らかとなった(図4D)。
【0099】
次に、CT2A担持マウスに、RTおよびCT2AライセートでパルスしたBVaxおよびCD8T細胞の3回の静脈内注射を行った。各細胞治療後に、マウスに、抗PD-L1(それぞれ、500、200、および200μg/マウス)を腹腔内注射した。この組み合わせにより、有意な臨床上の利点が得られ、80%のマウスが長期間生存した(RTなしの生存日数中央値:18;モック(RT):25、抗PD-L1:28;CD8T+抗PD-L1:39、BVax+CD8T+抗PD-L1:未決定;抗PD-L1対BVax+CD8T+抗PD-L1 p<0.0001;図5A)。腫瘍注射の75日後に、生存マウスの反対側の半球に、CT2Aを再チャレンジした(矢印、図5A)。マウスはいかなる腫瘍成長の兆候も示さず、その臨床状態は不変であった。245日後に、生存マウスを屠殺し、脳を腫瘍塊およびCD8T細胞の両方の存在について評価した。RT、BVax細胞およびCD8T細胞、ならびにPD-L1遮断物で処置された長期生存動物(LTS-BVax+CD8)の脳切片を、右半球(第1の注射部位、LTS-CD8+BVax R)および左半球(第2の注射部位、LTS-BVax+CD8 L)から得た。腫瘍注射の14日後に屠殺された年齢適合対照CT2A担持脳と比較して、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)での染色によって測定したところ、腫瘍塊の兆候はなかった(図5B)。対照腫瘍担持脳内の大部分のCD8T細胞は腫瘍周囲に存在しており、その境界から外側のカウントは最小であった(図13B)。対照的に、腫瘍塊を欠くLTS-BVax+CD8動物では、CD8T細胞は、注射部位付近に見出されたが、異なる位置(脈絡叢、橋、および小脳など)でもあった。このCD8T細胞の浸潤パターンは、右半球および左半球の両方で類似していた(図5C)。さらなる免疫プロファイリング分析では、LTS-CD8マウスおよびLTS-BVax+CD8マウスの両方の脳内の大部分の浸潤免疫細胞がCD8T細胞であるが明らかとなった(図5D)。さらに、LTS-CD8+BVaxマウス由来の脳浸潤CD8T細胞は、活性化されたIFNγ発現表現型を示した。重要なことは、対照の腫瘍担持脳由来のCD8T細胞と比較した場合に全てのLTS群において疲弊および/または阻害分子(PD-1、KLGR1、またはTIGITなど)の発現はほとんどないか全くなかった(図5D)。少量の骨髄性細胞またはCD4T細胞のみが認められた。CD4T細胞区画内で、Foxp3の発現が劇的に減少した。LTS-BVax+CD8脳のみが4-1BBLIFNγB細胞の蓄積が増加し(図13C)、BVax処置が炎症誘発性B細胞の蓄積も促進し得ることを示唆していた。要するに、データは、RT、BVaxベースの免疫治療、およびチェックポイント遮断の組み合わせが腫瘍を首尾よく根絶させたことを実証している。この臨床所見は、脳内の機能的CD8T細胞の浸潤および存続に関連していた。
【0100】
VaxはGBM標準治療と組み合わせると動物を延命する
次に、本発明者らは、CT2A担持マウスにおける全脳照射(合計9Gy、3回×3Gyに分割、B-RT)およびテモゾロミド(50mg/Kgの5回の腹腔内注射、TMZ)と組み合わせたBVax処置の効果を評価した。全身RTと同様に、血清BAFFレベルを、TMZで処置した無腫瘍マウスおよびCT2A担持マウスにおいて評価し、このレベルはB-RTと組み合わせた場合にさらに増加した(図6A)。これは、標準治療がin vivoでのB細胞適合性を促進することができることを示唆している。これらの結果は、標準治療で処置したCT2A担持マウスの脾臓、dCLN、および腫瘍内の養子移入したCD45.1Vaxがより多数であることと関連していた(図6B)。BVax治療の有効性を、B-RT(図6C)またはTMZ(図6D)のいずれかで処置したマウスにおいて最初に評価した。本発明者らは、CD8T細胞と組み合わせたBVaxのみがB-RT処置後に動物を有意に延命したことを認めた(モック生存日数中央値:20;B-RT:26;B-RT+CD8T:26;B-RT+BVax:28、B-RT+BVax+CD8T:30。B-RT対B-RT+BVax+CD8T p=0.01;図6C)。TMZで処置した腫瘍担持マウスにおいて類似の結果が得られた(モック生存日数中央値:20;TMZ:21;TMZ+CD8T:21;TMZ+BVax:21.5;TMZ+BVax+CD8T:27.5。TMZ対TMZ+BVax+CD8T p<0.0001;図6D)。次に、本発明者らは、B-RTおよびTMZの両方とのBVax+CD8T細胞治療の組み合わせを試験した。本発明者らはこのチェックポイント遮断ストラテジーがBVaxと相乗効果を示して腫瘍を根絶することを以前に認めていたので、マウスの一群に抗PD-L1も投与した(図5A)。この実験のために、マウスにBVax細胞およびCD8T細胞を2回連続して注射した。各細胞治療の後に、マウスに、抗PD-L1を腹腔内注射した。この組み合わせにより、有意な臨床上の利点が得られ、50%のマウスが長期間生存した(モック生存日数中央値:20;BVax+CD8T:26;B-RT+TMZ:29;B-RT+TMZ+BVax+CD8T:38.5;RT+TMZ+抗PD-L1:32;RT+TMZ+CD8T+抗PD-L1:33;RT+TMZ+BVax+CD8T+抗PD-L1:55;抗PD-L1対BVax+CD8T+抗PD-L1 p<0.0001;抗PD-L1+CD8T対BVax+CD8T+抗PD-L1 p<0.0001;図6E)。要するに、このデータは、標準治療ストラテジー(B-RT+TMZ)、BVaxベースの細胞治療、およびPD-L1チェックポイント遮断の組み合わせが動物の生存度を有意に増強したことを実証している。
【0101】
GBM患者由来BVaxは自家抗神経膠腫CD8T細胞を拡大増殖および活性化する
次に、本発明者らは、GBM患者由来BVaxが抗腫瘍CD8T細胞応答を促進するそれらの能力を試験した。4-1BBLB細胞およびCD8T細胞を、GBM患者の末梢血から分離後、マウスBVaxと同一のプロトコールを使用してヒトBVaxを生成した。次いで、本発明者らは、Bvaxをパルスするためのタンパク質ホモジネートの供給源(腫瘍ライセート)として新たに切除した腫瘍を使用した(図13D)。BVax(±腫瘍ライセート)を、パルスしたBVaxを自家eFluor450標識CD8T細胞と共培養することによってCD8T細胞活性化を誘導する能力について試験した。培養物に組換えヒトIL2を補充し、外因性TCR刺激物質(抗CD3/CD28など)を培養物に添加しなかった。本発明者らは、BVaxと共に5日間培養したCD8T細胞が非常に拡大増殖し、高レベルのGzmBを発現したことを認めた。この所見は、自家腫瘍ライセートをパルスしたBVaxにほぼ限定されていた(拡大増殖指数平均%±SD:BVax対BVax(腫瘍ライセート)3.1±1.8対6.05±1.4、p<0.05;GzmB発現の%(平均±SD):BVax対BVax(腫瘍ライセート)26.2±6.6対49.3±18.55、p<0.05、図7A)。
【0102】
最後に、本発明者らは、活性化および拡大増殖されたCD8T細胞が腫瘍細胞を死滅させる能力をin vitro細胞傷害性アッセイによって試験した。結果は、新規に診断されたGBM(NU症例02120、図7B)および再発(NU症例02265、図7C)の両方の状況において、パルスしたBVaxシステムによって活性化されたCD8T細胞が神経膠腫細胞を潜在的に死滅させ、非腫瘍接着細胞を温存する(図13E)ことができることを示していた。これらの結果は、BVaxのCD8T細胞媒介抗神経膠腫免疫を促進する潜在能を確認するものである。
【0103】
Vaxは腫瘍反応性免疫グロブリンを産生する
養子移入後に、およそ半分のBVaxがCD138(シンデカン-1としても公知の最終分化したAb産生細胞で発現される分子(McCarron et al.,2017))を発現する(図8A)。したがって、次に、本発明者らは、BVaxの体液性免疫応答およびBVax由来Abが腫瘍クリアランスに関与するかどうかを試験した。BVax由来免疫グロブリン(Ig)を得るために、CT2A担持マウスから得たBVaxを、B細胞欠損(BKO)CT2A担持マウスに静脈内注射した。また、BNaiveおよびBActを投与した対照群を試験に加えた。2週間後、マウスを屠殺し、血清を回収した(図8B)。血清試料を使用して、ELISAを用いてIgサブタイプを測定した。本発明者らは、BNaiveおよびBActが支配的にIgMを産生し、一方で、BVaxはIgG1、IgG2a、およびIgG2bを主に産生したことを認めた(図8C)。並行して、血清試料を、免疫蛍光(IF)を使用してB細胞欠損マウス由来のCT2A担持脳上のCT2Aに対するその反応性について試験した。これらのマウスは成熟B細胞を欠損しているので、内因性Igの産生を欠いている。血清BVax由来IgGの反応性は、健康な脳領域(B)と比較した場合に腫瘍領域(T)で高かったが、CD11b骨髄性細胞で共標識しておらず(図8D)、BVaxが腫瘍特異的Abを産生することが示唆された。これらのAbが腫瘍関連Agを認識することができるかどうかを試験するために、本発明者らは、OVA-SIINFEKL(配列番号1)システムを利用した。BVaxを、OVAを発現するGL261腫瘍担持マウス(GL261-OVA)から最初に生成し、次いで、GL261-OVA担持B細胞欠損マウスに注射した。細胞養子移入の2週間後に、血清IgGを、プロテインA/Gカラムを使用して精製した。タンパク質濃度の正規化後、試料を、ELISAを使用してそのSIINFEKL(配列番号1)反応性について試験した。本発明者らは、SIINFEKL(配列番号1)免疫マウス由来のAbを正の対照として含めた。本発明者らは、BNaive由来IgGと比較した場合にBVax由来IgGでSIINFEKL(配列番号1)反応性が有意に増加したことを認めた(図8E)。次に、本発明者らは、BVax由来IgG(BVaxIgG)が腫瘍成長を制御することができるかどうかを試験した。BVax由来IgGを前記のように回収し、頭蓋内注射した(3回連続、12.5μg/注射)。BNaive由来IgG(BNaiveIgG)を対照として使用した。BVaxIgGは、動物を有意に延命した(モック生存日数中央値:20;BNaiveIgG:16;BVaxIgG:31.5;モック対BVaxIgG:p=0.017;図8F)。これらの結果から、体液性エフェクター機能がBVaxの抗腫瘍性において役割を果たすことが確認される。
【0104】
考察:
以前の研究において、本発明者らは、CT2A神経膠腫モデルにおいて、B細胞が局所的に枯渇され、ほとんどの末梢B細胞が残っている場合にのみリツキシマブを使用したB細胞枯渇から有益な結果を得られることを報告していた(Lee-Chang et al.,2019a)。対照的に、全身性のB細胞枯渇は、同一の治療効果が明らかになっていない。これは、異なる機能(抗腫瘍発生または腫瘍発生促進)を有するB細胞が腫瘍発生中に活性化され得る可能性を強調する。したがって、最近、腫瘍微小環境内のB細胞浸潤および細胞外小胞の形成が、黒色腫および肉腫におけるチェックポイント遮断に対する正の反応性と関連付けられている(Cabrita et al.,2020;Helmink et al.,2020;Petitprez et al.,2020)。しかしながら、GBMはB細胞浸潤を制限し(Lee-Chang et al.,2019b)、リンパ球枯渇を特徴とする(Thorsson et al.,2018)ので、GBMは腫瘍微小環境内にこれらのリンパ構造を形成させない。しかしながら、いくつかのB細胞サブセットは、依然として抗腫瘍応答を促進することができるかもしれない。B細胞上に4-1BBLが発現されることにより、Agを経験した活性化B細胞が識別される(Futagawa et al.,2002)。4-1BBLB細胞が、高レベルの炎症誘発性サイトカイン(TNFαなど)および共刺激分子(CD8T細胞の活性化に中心的な役割を果たすことが示されているCD86など)を発現することが以前に示されていた(Lee-Chang et al.,2016;Lee-Chang et al.,2014)。神経膠腫担持マウスにおいて、4-1BBLB細胞は、末梢リンパ系器官内で増加することが見出されており、これらは、腫瘍微小環境中で見出される免疫抑制性B細胞とは異なる(Lee-Chang et al.,2019a)。GBM患者の末梢血では、B細胞による4-1BBLの発現レベルとCD8T細胞の活性化状態(CD69の発現)との間に関連があり、これらの患者内に炎症誘発性免疫シグネチャーが存在する可能性が示唆された。ex-vivoでのさらなる機能研究により、CD8T細胞の活性化が4-1BBLB細胞に関連することが確認された。したがって、本発明者らは、この珍しいが高度に活性化されたB細胞サブセットをCD8T細胞媒介腫瘍殺滅を増強するための潜在的な細胞プラットフォームと見なした。
【0105】
4-1BBLは、4-1BB(Goodwin et al.,1993)(長期免疫学的記憶を確立するためにAgを経験したCD8T細胞の活性化で基本的役割を果たすTNF受容体ファミリー共刺激受容体)の公知の単一リガンドである(Melero et al.,1997;Uno et al.,2006)。したがって、4-1BBアゴニズムは、異なるがん(非ホジキンリンパ腫および黒色腫が挙げられる)の状況においてCD8T細胞免疫を高めるための魅力的なストラテジーであり続けている(Chester et al.,2018)。B細胞中の4-1BBL発現にはBCRおよびCD40の刺激を必要とし(Futagawa et al.,2002)、4-1BB+CD8T細胞を活性化し、抗腫瘍免疫を促進することができる活性化B細胞の特異的サブセットが明らかにされている(Bodogai et al.,2015;Lee-Chang et al.,2016;Lee-Chang et al.,2014)。APC表面上での4-1BBLの過剰発現は、このマーカーの異常な存在が急性炎症を誘発し得るので、一過性かつ厳密に制御されている(Bukczynski et al.,2004;Vinay and Kwon,1998)。本開示では、本発明者らは、神経膠腫担持マウス(二次リンパ系器官)由来の4-1BBL活性化B細胞またはGBM患者由来PBMCを細胞ベースのワクチン(本発明者らによりBVaxと命名)の供給源として利用した。APC機能を増強および安定化する目的で、4-1BBLB細胞を、CD40およびIFNγRでの活性化を使用して短期間(48時間)さらに活性化し、腫瘍タンパク質ライセートでパルスしてワクチンを生成した。ナイーブB細胞と異なり、BVaxは、in-vitroでDCほどの強さで交差提示することができた;したがって、BVaxをプロフェッショナルAPCと見なすことができる。これは、I型糖尿病の状況においてB細胞によって示された交差提示が自己免疫CD8T細胞を活性化するという以前の研究と一致する(Marino et al.,2012)。ほとんどのB細胞ベースのワクチンは、総循環B細胞(CD20マーカーまたはCD19マーカーを使用して分離した)を利用し、CD40アゴニズム、Toll様受容体リガンド、恒常性サイトカイン(IL4またはIL21など)を使用してex-vivoで活性化される(Wennhold et al.,2019)。いくつかの研究では、CD27記憶B細胞が使用されている(Jourdan et al.,2017)。しかしながら、本開示では、本発明者らは、Agを経験したB細胞の選別(4-1BBLを介する)および強力なAPC機能の付与をB細胞ベースの治療における固有のツールとして使用することができることを示す。しかしながら、マウスモデルおよびヒトにおける4-1BBLB細胞の供給源が本開示を制限している。前臨床環境においてBVax供給源として二次リンパ系器官を使用することを選択したのは、血液の体積(および循環中の4-1BBL+B細胞の相対的な希薄さ)ではマウス由来のPBMCから生成されたBVaxを維持できないからである。
【0106】
GBM患者では、放射線治療および化学療法の1つの結果はリンパ球減少であり、これは重症で持続し得る(Grossman et al.,2015;Grossman et al.,2011;Nabors et al.,2011)。以前の研究では、CD4T細胞およびCD19B細胞がRT/TMZの共投与に特に影響を受けることが示された(Ellsworth et al.,2014)。著者は、T細胞の恒常性因子(IL7またはIL15など)が不変であることを認め、このことは、患者によっては、T細胞が標準治療に対して特に脆弱であることを示唆している(Ellsworth et al.,2014)。並行研究では、RT/TMZ誘発リンパ球減少症患者において、B細胞生存因子BAFF(BLySとしても公知)のレベルが有意に上昇したことが認められ(Saraswathula et al.,2016)、標準治療がB細胞の適応および存続のためのより最適な環境を提供し得ることを示唆している。現在の細胞ベースの免疫治療ではB細胞がin-vivoで存続されないという重大な制限があるので、これは臨床的に意義がある(DeRenzo and Gottschalk,2019)。したがって、RT処置CT2A担持マウスは、血中BAFFが高レベルで維持された。BAFFは、全てのB細胞サブタイプの普遍的な恒常性因子である。この所見は、全ての試験されたB細胞サブタイプ(BNaive、BAct、またはBVax)がin-vivoで存続する能力に関連していた。BAFF受容体遮断Abでの処置は、in-vivoでのBVaxの生存度に影響を及ぼした。BVaxの別の興味深い潜在能力は、そのBCRレパートリーの決定、ひいては、その抗体特異性である。どのようにしてこれらの抗体が抗神経膠腫免疫または腫瘍進行に影響を及ぼし得るかについては、進行中の研究の課題である。
【0107】
二次リンパ系器官へのBVaxの移動能力の遮断がCD8T細胞の活性化機能を抑制するので、BVaxの組織動員はその有効性の基本となる。CD8T細胞とBVaxとの間の依存性は、CD8T細胞のin-vivo追跡によって強く支持されており、BVaxを同時に投与した場合に腫瘍担持脳内のCD8T細胞の蓄積が増強された。APCによる最適なTCR刺激、その後のT細胞の出現は、相互作用の1~2日後に起こる(Mempel et al.,2004)。したがって、脳内のCD8T細胞の最大の蓄積は、細胞BVax+CD8T細胞注射の30時間後に認められた。
【0108】
多数の免疫細胞と同様に、活性化されたB細胞はPD-L1を発現し、それは、炎症を制御するための機序としての可能性が最も高い。本発明者らは、このことをBVaxおよび抗PD-L1免疫治療を組み合わせるための原理として使用した。BVax+抗PD-L1で処置すると、腫瘍担持脳および流入頸部リンパ節の両方においてRTの際にin-vivoでのCD8T細胞の存続が促進された。CD8T細胞は、顕著な記憶表現型およびIFNγの発現を示し、これは機能的な監視CD8T細胞の拡大増殖を示していた。これと一致して、BVaxおよび抗PD-L1を反復投与すると、80%の処置マウスにおいて反対側の半球への注射の際に、養子移入したCD8T細胞が腫瘍を根絶させ、その再成長を予防した。腫瘍根絶は、注射部位(チャレンジ部位および再チャッレンジ部位の両方)でのCD8T細胞の顕著な浸潤と相関していた。また、CD8T細胞は、脈絡叢(脳脊髄液脳関門を介した中枢神経系(CNS)免疫監視で基本的役割を果たすことが公知の構造)で見出された(Wilson et al.,2010)。しかしながら、CD8T細胞は、小脳および橋のようなより遠位の部位にも存在し、CNSを保護するための臓器全体の監視が示唆された。したがって、CNS浸潤CD8T細胞は、阻害分子(PD-1またはTIGITなど)の非存在とともに、IFNγおよびCD44の発現を特徴とする活性化表現型を示す。これらの所見は、完全に機能的な記憶様CD8T細胞が標的器官で存続していることを示唆している。これらの細胞が養子移入したCD8T細胞のプールから生じるのか、またはRT駆動リンパ球減少に起因するリンパ球補充の際に新たに分化した細胞から生じるのかについては、今後の研究対象である。活性化されたオリゴクローン性B細胞の蓄積は、ネオアジュバント処置の状況において免疫チェックポイント遮断に応答した転移性黒色腫患者の腫瘍で見出された(Helmink et al.,2020)。また、B細胞系譜の遺伝子シグネチャーは、肉腫患者におけるPD1遮断に対する応答性と相関していた(Petitprez et al.,2020)。患者の膠芽細胞腫はB細胞浸潤が低く、腫瘍微小環境で見出されたものは強力な免疫抑制性プロフィールを示す(Lee-Chang et al.,2019b)。しかしながら、前臨床環境において、BVax細胞およびCD8T細胞の両方で処置されたLTSは、脳内に炎症誘発性4-1BBLIFNγ+B細胞が蓄積していた。これがPD-L1遮断の状況でのCD8 T細胞応答の増強で役割を果たすかどうかについては今後を待たねばならない。また、CD8T細胞の養子移入(BVaxなし)および抗PD-L1の反復によっても処置マウスの小群で腫瘍を根絶させたことに留意することが重要である。これらの結果は、BVaxとは独立した機序もCD8T細胞媒介性のCNS免疫監視を促進させることを示唆している。本発明者らは、抗PD-L1治療が腫瘍関連骨髄性細胞(TAMC)(GBMにおいて最も顕著な非新生物細胞集団)を直接標的にすることができるという仮説を唱えることができた(Zhang et al.,2019)。全身RTと共に、養子移入したCD8T細胞は、腫瘍微小環境内で成長し、GBM細胞を死滅させることができた。
【0109】
全身RTと同様に、B-RT+TMZ治療は、標準治療(SoC)を受けたGBM患者で認められるように、血清BAFFレベルの増加を促進した(Sanchez-Perez et al.,2013;Saraswathula et al.,2016)。血清BAFFレベルの増加は、in-vivoでのBVax存続の増強およびBVaxの治療効果と相関していた。SoC、BVax+CD8T細胞、およびPD-L1遮断物の組み合わせは、50%の処置マウスにおいて腫瘍を根絶した。しかしながら、全身RTで処置したマウスと異なり、全脳RTで処置したマウスにおいてCD8T細胞(BVaxなし)+PD-L1遮断物の効果はほとんどないか全くなかった。これは、GBM SoCがB細胞ベースの治療に養子移入治療のみを超える固有の利点を提供することを示唆している。
【0110】
最後に、本発明者らは、GBM患者由来BVaxを生成し、同一の患者由来の新たに切除した腫瘍に由来するタンパク質ライセートでのパルス後に、自家CD8T細胞を活性化および拡大増殖した。これらのBVax活性化CD8T細胞は、自家神経膠腫細胞を死滅させ、同時に、接着細胞を温存した。外因性活性化(例えば、抗CD3/CD28活性化)を行わない場合にはCD8T細胞活性化を誘導する必要があったという事実は、患者由来BVaxがAgを経験したCD8T細胞に腫瘍関連Agを提示することを示唆している。GBM患者では、末梢T細胞は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)とクローン性を共有し(Sims et al.,2016)、腫瘍特異的T細胞が循環中に存在し得ること、および、BVaxがこれらの細胞を拡大増殖し、その細胞傷害効果を増強するための理想的なプラットフォームであり得ることを示唆している。
【0111】
動物の生存に基づいてBVaxがDCを凌ぐ1つの主な理由を、活性化されたB細胞が最終的にin-vivoでAb産生細胞になるという固有の能力によって説明することができる。これらのデータは、BVaxが、腫瘍細胞および腫瘍関連Agに反応するIgGを主に産生し、動物を延命することを示す。したがって、BVaxは、血液脳関門を通過してAb依存性細胞の細胞傷害性を介して腫瘍細胞を攻撃することができる腫瘍特異的Abを産生し得る。しかしながら、本発明者らは、BVaxが遊走して腫瘍に浸潤することができることも認めた。さらに、長期生存動物からの結果は、相当量の4-1BBLIFNγB細胞が腫瘍移植の245日後に脳内に存在することを示す。したがって、腫瘍浸潤BVaxが異所性胚中心反応の原因となり、in-situでのAbの供給源として作用することができるとの仮説を立てることができた。BVax由来IgGの正確な反応性およびそのエフェクター免疫機能を解明するためにはさらなる研究が必要であるが、BVaxが細胞性(CD8T細胞活性)および液性(Ab産生)の機能の両方を融合させた固有の免疫治療プラットフォームを提供することは否定し難い。
【0112】
概して、本開示は、強力な細胞性および液性の免疫治療の供給源として4-1BBLB細胞を利用することを提案する。これは短期間のCD40およびIFNγRの活性化のみを必要とする自家ワクチンであり、その臨床解釈を非常に実行可能にする。
【0113】
実施例2-in vivoでのBvaxの表現型
材料および方法:
Vax、BNaive、および腫瘍浸潤B細胞(TI B)のB細胞受容体(BCR)を、免疫グロブリン重鎖(IgH)のDNA配列決定によって分析した(図14)。有意に富化されたクローン型を、Adaptive Biotechプラットフォームを使用して分析した。クローン型を、アミノ酸配列として分析した。
【0114】
VaxおよびBNaiveを、CD45.1コンジェニックマウスから得た。B細胞を、腫瘍担持および非腫瘍担持のB細胞欠損マウス(CD45.2遺伝子型)に静脈内移入した。血液、脳、深頸リンパ節(dCLN)、および脾臓内のCD45.1B細胞のカウントおよび表現型を、72時間後にフローサイトメトリーによって分析した(図15)。
【0115】
結果:
免疫グロブリン重鎖(IgH)DNA配列を、BVaxにおいて分析し、ナイーブB細胞(BNaive)および腫瘍浸潤(TI)B細胞におけるIgH配列と比較した(図14A)。BNaive細胞およびTI B細胞と比較してBVaxで3つのクローンが有意に富化されたことが見出された(灰色、図14B)。BNaiveと比較してBVaxで6つのクローンが有意に富化され、これは、TI B細胞で非常に豊富なクローンと重複する(青色)。
【0116】
CD45.1CT2A担持マウスから得たBVaxを、CD45.2CT2A担持マウス(T)およびナイーブマウス(NT)に静脈内注射した。72時間後に、マウスを屠殺し、血液、腫瘍担持脳、深頸リンパ節(dCLN)、および脾臓内のCD45.1細胞の存在について分析した。腫瘍担持脳のみがCD45.1Vaxを保有していた(図15A)。腫瘍担持脳に浸潤しているいくつかのCD45.1Vaxは、形質芽球マーカーCD138の発現によって示されるように形質芽球様表現型を示した(図15B)。
【0117】
考察:
B細胞受容体(BCR)の配列決定により、BNaiveと比較した場合に、集団として、BVaxが9つの有意に富化されたBCRクローンを含むことが明らかとなった。これら9つのクローンのうちで6つのクローンが内因性TI B細胞と重複し、細胞の異種BVaxプール内でクローン集団が腫瘍反応性であることを示唆していた。この所見は、BVaxが腫瘍内で形質芽球に分化して、腫瘍に対して特異的に向けられた抗体を局所的に産生し得ることを示唆している。
【0118】
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【配列表】
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【国際調査報告】