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特表2023-538368生コンクリート・トラックにおける含水量及び水-セメント比のリアルタイム監視
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】生コンクリート・トラックにおける含水量及び水-セメント比のリアルタイム監視
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/02 20060101AFI20230831BHJP
   G01N 33/38 20060101ALI20230831BHJP
   G01N 21/3554 20140101ALI20230831BHJP
   G01N 23/06 20180101ALI20230831BHJP
   G01N 21/359 20140101ALI20230831BHJP
【FI】
G01N27/02 A
G01N33/38
G01N21/3554
G01N23/06
G01N21/359
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511959
(86)(22)【出願日】2021-08-17
(85)【翻訳文提出日】2023-04-14
(86)【国際出願番号】 US2021046211
(87)【国際公開番号】W WO2022040123
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】63/066,431
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512232997
【氏名又は名称】シドラ コーポレイト サービシズ リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ブイ.ニュートン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エー.デイビス
【テーマコード(参考)】
2G001
2G059
2G060
【Fターム(参考)】
2G001AA08
2G001BA11
2G001KA01
2G001LA03
2G001NA01
2G059AA01
2G059CC09
2G059DD05
2G059EE01
2G059HH01
2G059PP06
2G060AA14
2G060AC01
2G060AF06
2G060HD03
(57)【要約】
生コンクリート・トラック上でリアルタイムに含水量及び水セメント比を監視するための装置は、生コンクリート・トラックの回転ドラムの中へ装入された生セメントのバッチの水分の連続的なリアルタイム測定値を感知して、感知した水分の連続的なリアルタイム測定値に関する情報を含む情報を与えるように構成された少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュール又はセンサを含む。装置は、又、生コンクリート・トラックの回転ドラムのハッチドア又は生コンクリート・トラックの回転ドラム又は生コンクリート・トラック自体を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生コンクリート・トラック上でリアルタイムに含水量及び水セメント比を監視するための装置であって、
生コンクリート・トラックの回転ドラムの中へ装入された生セメントのバッチの水分の連続的なリアルタイム測定値を感知して、
前記感知した水分の連続的なリアルタイム測定値に関する情報を含む信号を与える、
ように構成された少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュールを備える、装置。
【請求項2】
前記水分の連続的なリアルタイム測定値が、リアルタイムのインピーダンス測定法を使用して測定される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記水分の連続的なリアルタイム測定値が、リアルタイムの高エネルギー核粒子吸収測定法又は近赤外線光反射測定法を使用して測定される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュール又はセンサが、所定量の水及びセメント状材料を有する前記生セメントのバッチが装入される前記生コンクリート・トラックの前記回転ドラムの一部を成す、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュール又はセンサが、前記水分の連続的なリアルタイム測定値を測定するために前記回転ドラムに配列された少なくとも1つの硬化センサ素子として構成されるか又はその一部を成す、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記水分のリアルタイム測定値が、
前記生コンクリート・トラックの前記回転ドラムの中へ装入された前記生セメントのバッチの初期の水分のリアルタイム測定値と、
前記生コンクリート・トラックがバッチプラントから流し込み現場まで走行するとき又は前記生コンクリート・トラックが前記流し込み現場において停車しているときを含めて、前記回転ドラムの中の前記生セメントのバッチの前記初期の水分のリアルタイム測定値の後の水分のリアルタイム測定値と、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置が、前記少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュールから信号を受信して、前記受信した信号を更に処理するように構成されたリアルタイム水分測定制御モジュールを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記リアルタイム水分測定制御モジュールが、前記生コンクリート・トラックの運転室の中に配列され、更に処理するために前記運転室から遠隔場所へ前記信号を与えるように構成されたトランシーバを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記リアルタイム水分測定制御モジュールが、前記水分の連続的なリアルタイムの測定値に基づいて前記回転ドラムの中の前記生セメントのバッチに水が追加されたか否か及びいつ追加されたかを測定するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記リアルタイム水分測定制御モジュールが、前記回転ドラムの中の前記生セメントのバッチに追加された水の量を測定するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記リアルタイム水分測定制御モジュールが、前記回転ドラムの中の前記生セメントのバッチのセメント状材料の既知の総重量に関する情報を含む関連信号を受信して、前記回転ドラムの中の前記生セメントのバッチのリアルタイム水分量測定値及びセメント状材料の前記既知の総重量を使用して水-セメント比率を測定するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記リアルタイム水分測定制御モジュールが、温度ベースの技術を使用して前記生セメントのバッチのリアルタイム含水量の変化を測定しこれを監視するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項13】
前記リアルタイム水分測定制御モジュールが、追加されたセメントの既知の量及び追加された水の既知の温度に関する情報を含む関連信号を受信して、前記受信した関連信号に基づいて前記温度ベースの技術を使用して前記生セメントのバッチの熱容量及び熱質量を測定するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記リアルタイム水分測定モジュールが、前記回転ドラムの中の前記生セメントのバッチの温度を測定するように構成された温度センサを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュールが、前記回転ドラムの中の複数のポイントに配列されたリアルタイム水分測定モジュールを備え、
前記リアルタイム水分測定モジュールの各々が、
前記生コンクリート・トラックの前記複数のポイントにおいて前記生セメントのバッチの水分の対応する連続的なリアルタイム測定値を感知して、
前記感知した水分の対応するリアルタイ測定値に関する情報を含む対応する信号を与える、
ように構成される、
請求項7に記載の装置。
【請求項16】
前記リアルタイム水分測定制御モジュールが、前記回転ドラムの中の前記複数のポイントにおいて前記生セメントのバッチについて測定された前記水分の対応する連続的なリアルタイム測定値を平均化するように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記リアルタイム水分測定制御モジュールが、前記回転ドラムの複数の回転にわたって前記複数のポイントにおいて測定された前記水分の対応する連続的なリアルタイム測定値を平均化して、更なる処理のために平均化された水分の対応する連続的なリアルタイム測定値を提供するように構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記リアルタイム水分測定制御モジュールが、前記平均化された水分の対応する連続的なリアルタイム測定値に基づいて前記生セメントのバッチの均質性を測定するように構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記水分の連続的なリアルタイム測定値が、前記生コンクリート・トラックの前記回転ドラムの中へ前記生セメントのバッチを装入した後に感知された初期の水分のリアルタイム測定値を含み、
前記リアルタイム水分測定制御モジュールが、前記生コンクリート・トラックの前記回転ドラムの中へ前記生セメントのバッチが装入された後の予測される含水量に関する情報を含む関連信号を受信して、前記受信した予測含水量と前記初期の水分のリアルタイム測定値との比較に基づいて前記予測含水量を検証するように構成される、
請求項7に記載の装置。
【請求項20】
前記リアルタイム水分測定制御モジュールが、前記回転ドラムの中へ装入された前記セメントのバッチに追加された追加水に関する情報を含む関連信号を受信して、前記受信した関連信号に基づいて前記セメントのバッチの水和の状態を監視するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項21】
前記関連信号が、前記回転ドラムの中へ装入された前記セメントのバッチに追加水が追加されていないと言う情報を含み、
前記リアルタイム水分測定制御モジュールが、前記水分の連続的なリアルタイム測定値を受信して、前記受信した水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいて前記セメントのバッチの実際の含水量の下降傾向を測定するように構成される、
請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記リアルタイム水分測定制御モジュールが、前記水分の連続的なリアルタイム測定値を受信して、前記受信した水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいて前記セメントのバッチに水が追加されたことを示す前記セメントのバッチの実際の含水量の上昇スパイクを測定するように構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
生コンクリート・トラック上でリアルタイムに含水量及び水-セメント比を監視するための方法であって、
少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュールを使って生コンクリート・トラックの回転ドラムの中へ装入された生セメントのバッチの水分の連続的なリアルタイム測定値を感知することと、
前記少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュールを使って前記感知した水分の連続的なリアルタイム測定値に関する情報を含む信号を与えることと、
を含む、方法。
【請求項24】
前記方法が、リアルタイムのインピーダンス測定法を使用して前記水分の連続的なリアルタイム測定値を測定することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記方法が、リアルタイムの高エネルギー核粒子吸収測定法又は近赤外線光反射測定法を使用して前記水分の連続的なリアルタイム測定値を測定することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記方法が、一定量の水及びセメント状材料を持つ前記生セメントのバッチが装入される前記生コンクリート・トラックの前記回転ドラムの一部として前記少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュールを形成することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記方法が、前記水分の連続的なリアルタイム測定値を測定するために前記回転ドラムに配列された少なくとも1つの硬化センサ素子の一部として前記少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュールを構成することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記水分の連続的なリアルタイム測定値が、
前記生コンクリート・トラックの前記回転ドラムの中へ装入された前記生セメントのバッチの初期の水分のリアルタイム測定値と、
前記生コンクリート・トラックがバッチプラントから流し込み現場まで走行するとき又は前記生コンクリート・トラックが前記流し込み現場において停車しているときを含めて前記回転ドラムの中の前記生セメントのバッチの前記初期の水分のリアルタイム測定値の後に感知したその後の水分のリアルタイム測定値と、
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記方法が、リアルタイム水分測定制御モジュールを使って前記少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュールから前記信号を受信して、前記受信した信号を更に処理することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記方法が、前記生コンクリート・トラックの中に前記リアルタイム水分測定制御モジュールを配列することと、前記生コンクリート・トラックから更なる処理のために遠隔場所へ前記信号を送信するために前記リアルタイム水分測定制御モジュールにトランシーバを備えることと、を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記方法が、前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って前記水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいて前記回転ドラムの中の前記生セメントのバッチに水が追加されたか否か及びいつ追加されたかを測定することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記方法が、前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って前記回転ドラムの中の前記生セメントのバッチに追加された水の量を測定することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記方法が、前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って前記回転ドラムの中の前記生セメントのバッチのセメント状材料の既知の総重量に関する情報を含む関連信号を受信することと、前記回転ドラムの中の前記生セメントのバッチのリアルタイム水分量測定値及び前記セメント状材料の前記既知の総重量を使用して水-セメント比率を測定することと、を含む請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記方法が、前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って、温度ベースの技術を使用して前記生セメントのバッチのリアルタイム含水量の変化を測定しこれを監視することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記方法が、前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って追加されたセメントの既知の量及び追加された水の既知の温度に関する情報を含む関連信号を受信することと、前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って前記受信した関連信号に基づいて前記温度ベースの技術を使用して前記生セメントのバッチの熱容量及び熱質量を測定することと、を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記方法が、前記回転ドラムの中の前記生セメントのバッチの温度を測定するために温度センサを持つ前記リアルタイム水分測定モジュールを構成することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記方法が、
前記回転ドラムの中の複数のポイントに配列されたリアルタイム水分測定モジュールを持つ前記少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュールを構成することと、
前記リアルタイム水分測定モジュールの各々を
前記生コンクリート・トラックの前記複数のポイントにおいて前記生セメントのバッチの水分の対応する連続的なリアルタイム測定値を感知して、
前記感知した水分の対応する連続的なリアルタイム測定値に関する情報を含む対応する信号を与える、
ように、構成することと、
を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記方法が、前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って前記回転ドラムの中の前記複数のポイントにおいて前記生セメントのバッチについて測定された前記水分の対応する連続的なリアルタイム測定値を平均化することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記方法が、前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って前記回転ドラムの複数の回転にわたって前記複数のポイントにおいて測定された前記水分の対応する連続的なリアルタイム測定値を平均化して、更なる処理のために前記平均化された水分の対応する連続的なリアルタイム測定値を提供することを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記方法が、前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って、前記平均化された水分の対応する連続的なリアルタイム測定値に基づいて前記生セメントのバッチの均質性を測定することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記方法が、
前記連続的なリアルタイム測定値に、前記生コンクリート・トラックの前記回転ドラムの中へ前記生セメントのバッチを装入した後に感知した初期の水分のリアルタイム測定値を含めることと、
前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って前記生コンクリート・トラックの前記回転ドラムの中へ前記生セメントのバッチが装入された後に予測される含水量に関する情報を含む関連信号を受信して、前記受信した予測含水量と前記初期のリアルタイムの水分測定量との比較に基づいて前記予測含水量を検証することと、
を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項42】
前記方法が、前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って前記回転ドラムの中へ装入された前記生セメントのバッチに追加された追加水に関する情報を含む関連信号を受信して、前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って前記受信した関連信号に基づいて前記生セメントのバッチの水和の状態を監視することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項43】
前記関連信号が、前記回転ドラムの中へ装入された前記生セメントのバッチに追加水が追加されていないことに関する情報を含み、
前記方法が、前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って前記水分の連続的なリアルタイム測定値を受信して、前記受信した水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいて前記生セメントのバッチの実際の含水量の下降傾向を測定することを含む、
請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記方法が、前記リアルタイム水分測定制御モジュールを使って前記水分の連続的なリアルタイム測定値を受信して、前記受信した水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいて前記生セメントのバッチに水が追加されたことを示す前記生セメントのバッチの実際の含水量の上昇スパイクを測定することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記装置が前記生コンクリート・トラックの前記回転ドラムのハッチドアを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項46】
前記装置が、前記生コンクリート・トラックの前記回転ドラムを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項47】
前記装置が、生コンクリート・トラックを備える、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年8月17日に出願された仮特許出願第63/066431号(712-2.467/CCS-0216)(参照によりその全体が本明細書に援用される)に対する利益を主張する。
【0002】
本出願は、2011年10月18日に出願された仮特許出願第61/548549号及び第61/548563号に対する利益を主張する2012年10月18に出願された米国特許第10156547号(WFMB第712-002.365-1-1号(CCS-0075,67,104))(これはPCT/US2012/060822に相当する)に関連し、これらの全てが参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0003】
本出願は、2017年8月22日に出願された仮特許出願第62/548638号及び第62/548699号に対する利益を主張する2018年8月22に出願された特許出願第16/638258号(WFMB第712-002.451-1-1号(CCS-0143))(これはPCT/US2018/047429に相当する)に関連し、これらの全てが参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0004】
本出願は、2017年8月22日に出願された仮特許出願第62/548699号及び第62/548712号に対する利益を主張する2018年8月22に出願された特許出願第16/638237号(WFMB第712-002.452-1-1号(CCS-0200))(これはPCT/US2018/047479に相当する)に関連し、これらの全てが参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0005】
上述の出願は、全て本出願の譲受人に譲渡され、当技術群に加わる。
[技術分野]
【0006】
本発明は、生コンクリート・トラックにおける含水量及び水-セメントのリアルタイム監視のための技術に関する。
【背景技術】
【0007】
本発明の譲受人に譲渡された特許文献1(WFMB第712-2.365-1-1号(CCS-0075,67,104))は、生コンクリート・トラックの回転ドラムに装入された生コンクリートに混入した空気を測定するための技術を開示しており、この技術は、AIRtrac(商標)センサ又はAIRtrac Mobile(商標)として知られている。AIRtrac(商標)センサは、回転コンテナ/コンクリートミキサードラムに又はコンクリートミキサードラムのハッチドアに永続的に設置できる。AIRtrac(商標)センサは、コンクリート混合物の中へ音響信号を与える音響源を有する音響空気プローブと、音響信号に反応しコンクリート混合物の中へ送られた音響信号に関する情報を含む信号を与える音響源と実質的に同平面の音響受信器と、を含み、この信号は、コンクリート混合物の空気含有量を測定するために更に処理される。AIRtrac(商標)センサは、生セメントの水分又は含水量をリアルタイムで感知又は測定しない。
【0008】
水分量、特に水-セメント比率は、コンクリートの品質に影響を与える重要なパラメータである。コンクリートの中の過剰な水分は、高い多孔率、低い強度及び低い耐久性を生じる。低い水-セメント比率は、最終的なコンクリート強度を害する恐れがあり、コンクリート敷設及び適切な凝固を困難にする可能性がある。水-セメント比率が特定の値より低く維持される場合、コンクリートの強度は仕様を満たすことが保証される可能性がある。
【0009】
したがって、生コンクリート・トラックにおいてセメントのバッチ(batch of cement)の含水量をリアルタイムで測定し監視することが業界において必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第10156547号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
要約すると、本発明は、生コンクリート・トラックにおいてコンクリートの含水量を測定するために物理的及び電気特特性のリアルタイム測定を使用するための新規技術を提供する。本発明の革新は、移動する生コンクリート・トラックへのリアルタイムな水分測定の利用である。セメントのバッチ重量と組み合わせた時の含水量は、水-セメント比率を算定するために使用できる。セメントのバッチ重量が分からなくても、生コンクリート・トラック上で生コンクリートの含水量を監視するだけで、水が積荷に追加されたか否か及びいつ追加されたかを遠隔の品質管理担当者が知ることを可能にするので、有利である。
【0012】
媒体の電気インピーダンス測定は、現在、地質分析、採鉱及びコンクリート工場を含めて様々な分野で含水量を測定するために使用される。周波数/時間領域反射率、複素インピーダンス及び伝導率測定は、様々な技術上のトレードオフにより水分を含む生コンクリートの含水量を正確に示すものであることが示されている。
【0013】
電気伝導率及び複素電気インピーダンスは、周波数の関数として、生コンクリートの含水量を測定するために使用できる。本発明は、この測定を拡大して、特に、バッチ処理のときから現場流し込みまでずっと生コンクリートの含水量を監視するため、生コンクリート・トラックにおいて使用する。
【0014】
本発明は、コンクリートが、バッチプラントにおいて最初にドラムの中へ装入されるときから最終的に現場で排出されるまで連続的に生コンクリートの水分量が監視されるように、譲受人のSmarthatch(商標)などの硬化センサ素子に適合できる電気インピーダンス測定を可能にする。この概念の新規性は、本発明によって、いつ水が追加されたかを、コンクリート生産者が知ることを可能にすることである。コンクリート生産者は、又、どれだけの水が追加されたかも算定できる。最終的に、測定された水分量及びバッチ処理システムから測定されたセメント状材料の総重量を使用して水-セメント比率を算定できる。
【0015】
以前は、水-セメント比率は、バッチプラントにおいてコンクリートに当初加えられた水及びセメント状材料の量及び最終流し込み前にトラックに追加されたその後の水の量にのみ依存する追跡システムを使用して算定されていた。この算定は、多数の誤差の原因を有しており、その中には、骨材が吸収した水分量及びコンクリートが流し込まれる前に生じた蒸発が含まれる。真の水-セメント比率は、自由水(free water)とセメント状材料の量の比率であって、この比率がコンクリートを結合して先に説明した特性を示すニカワ(glue)を最も正確に表現するからである。骨材によって吸収された水分量及び蒸発量は多数の要因によって大きく変動する可能性があるので、真の含水量を知るための唯一の正確な方法は、直接的なリアルタイム測定である。本明細書において説明する技術は、直接的な水分測定の技術であるので、これらの誤差の影響を受けない。
【0016】
暑い日-外気温度とコンクリート内での化学反応による温度上昇との結び付き。
【0017】
温度は、含水量の変化を監視するために使用できる。コンクリートのバッチに追加される水がコンクリート自体の温度と同じ温度であることは稀である。コンクリートの平均温度を監視すると、コンクリートの温度は、水の追加が追加されたときに急速に変化する(水和プロセスによって生じる温度の緩慢な上昇と異なる)。コンクリートの量及び追加された水の温度が分かっている場合、追加された水の量は、コンクリートの熱容量及びコンクリートの熱質量によって測定できる。
【0018】
水分は、ドラムの回転中に複数ポイントで測定される。水分測定と同時にドラムの向きを知ることによって、水分センサがコンクリートから出ているときの測定値を無視でき、センサがコンクリートの中に在るときの複数の測定値を平均化して、装入物全体のより正確な測定を行うことができる。複数回の回転の複数の平均値を結合して、水分測定をより精緻なものにできる。
【0019】
更なる利点は、各回転の個別の測定値及び複数回の回転にわたる集計された測定値の変動を混合物の均質性を測定するために使用できることである。
【0020】
バッチプラントから現場までの経時的なリアルタイムな水分測定は、いくつかの方法で使用できる。トラックへの装入直後の初期の水分の測定値は、バッチ処理システムが予測した含水量を確認するために使用できる。この含水量の初期測定値は、バッチ処理されたセメント量に関する情報と一緒に、リアルタイムに水-セメント比率を監視するための開始点を設定する。水分の測定値及び入口角(entrance angle)は、ドラムに残る水分量を測定するためにバッチ処理前に使用できる。この水分は、バッチ処理中加えられる水を事前に調節するために使用できる。初期測定後、水分のリアルタイムな測定は、いくつかの重要なファクタの指標となる。追加の水が加えられないとき、水和の状態が監視される。水分の緩慢な下降傾向は、水和が生じていてコンクリートが熟成していることを示す。含水量のリアルタイムな測定値の急上昇は、混合物に水が加えられたことを示す。水の追加は、トラックの車上の水タンクから行うことができるが、現場など他の未知の供給源からも可能である。経時的な含水量の積算は、追加された水分量を定量化するために使用できる。
【0021】
本発明は、生コンクリートの含水量を測定し、セメント-水比率を算定するためにリアルタイムのインピーダンス測定を利用する。これは、この測定をするための現在最も実用的なアプローチだからである。但し、高エネルギー核粒子を含めて他の様々な方法を、水分のリアルタイム測定の代わりに使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
広義に、本発明は、生コンクリート・トラックにおいて含水量及び水-セメントをリアルタイムに監視するための新規且つ優れた装置を提供するものであって、当該装置は、
生コンクリート・トラックの回転ドラムの中へ装入された生セメントのバッチの水分の連続的なリアルタイム測定値を感知して、
感知した水分の連続的なリアルタイム測定値に関する情報を含む信号を与える、
ように構成された、少なくとも1つの水分測定モジュール又はセンサ、
を含む、又はその形態を成すことができる。
【0023】
装置は、下記の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0024】
リアルタイム水分測定モジュール又はセンサは、回転コンテナのハッチドア又はドラムの壁並びに回転コンテナ又はドラムの他の場所に取り付けることができる。
【0025】
少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュール又はセンサは、水分の連続的なリアルタイム測定値を感知するために、ハッチドアの中又はその上又は回転ドラムの壁に配列された少なくとも1つの硬化センサ素子として形成されるか又はその一部を成すことができる。
【0026】
水分の連続的なリアルタイム測定値は、
生コンクリート・トラックの回転ドラムの中へ装入された生セメントのバッチの初期の水分のリアルタイム測定値と、
生コンクリート・トラックがバッチプラントから流し込み現場へ走行するとき又は生コンクリート・トラックが流し込み現場において停車しているときを含めて、回転ドラムの中の生セメントのバッチの初期の水分のリアルタイム測定値の後に感知したその後の水分のリアルタイム測定値と、
を含むことができる。
【0027】
水分の連続的なリアルタイム測定値は、リアルタイムのインピーダンス測定法を使用して測定できる。又は、水分の連続的なリアルタイム測定値は、高エネルギー核粒子吸収測定法(nuclear high energy particle absorption measurement technique)又は近赤外線光反射測定法(near infrared optical reflectance measurement technique)を使用してリアルタイムに測定できる。
【0028】
装置は、少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュール又はセンサから感知した信号を受信して、受信した信号を更に処理するように構成されたリアルタイム水分測定制御モジュールを含むことができる。
【0029】
リアルタイム水分測定制御モジュールは、運転室を含めて生コンクリート・トラックのどこかに又は品質管理担当者が遠隔操作するために遠隔した場所に、配置できる。
【0030】
リアルタイム水分測定制御モジュールは、例えば、品質管理担当者が更に処理するために、生コンクリート・トラックから遠隔場所へ信号を与えるように構成されたトランシーバを含むことができる。信号は、例えばWIFIネットワークを使用してインターネットを介して送ることもできる。
【0031】
リアルタイム水分測定制御モジュールは、例えば受信した水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいて、回転ドラムの中の生セメントのバッチに水が追加されたか否か及びいつ追加されたかを測定するように構成できる。
【0032】
リアルタイム水分測定制御モジュールは、例えば受信した水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいて、回転ドラムの中の生セメントのバッチへ追加された水分量を測定するように構成できる。
【0033】
リアルタイム水分測定制御モジュールは、回転ドラムの中の生セメントのバッチのセメント状材料の既知の総重量に関する情報を含む関連信号を受信して、例えば受信した水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいて、水分量のリアルタイム測定値及び回転ドラムの中の生セメントのバッチのセメント状材料の既知の総重量を使用して、水-セメント比率を測定するように、構成できる。
【0034】
リアルタイム水分測定制御モジュールは、温度ベースの技術を使用して生セメントのバッチの含水量の変化をリアルタイムで測定し監視するように構成できる。
【0035】
リアルタイム水分測定制御モジュールは、追加されたセメントの既知の量及び追加された水の既知の温度に関する情報を含む関連信号を受信して、受信した関連信号に基づいて温度ベースの技術を使用して生セメントのバッチの熱容量及び熱質量を測定するように構成できる。
【0036】
リアルタイム水分測定モジュール又はセンサは、回転ドラムの中の生セメントのバッチの温度を測定するように構成された温度センサを含むことができる。
【0037】
少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュール又はセンサは、回転ドラムの中の複数のポイントに配列された複数のリアルタイム水分測定モジュールを含むことができ、リアルタイム水分測定モジュールの各々は、
生コンクリート・トラックの複数のポイントにおいて生セメントのバッチの水分の対応する連続的なリアルタイム測定値を感知して、
感知した対応する水分の連続的なリアルタイム測定値に関する情報を含む対応する信号を与える、
ように構成できる。
【0038】
リアルタイム水分測定制御モジュールは、回転ドラムの中の複数のポイントにおいて生セメントのバッチについて測定された対応する水分の連続的なリアルタイム測定値を平均化するように構成できる。
【0039】
リアルタイム水分測定制御モジュールは、回転ドラムの複数の回転にわたって複数のポイントにおいて測定された対応する水分の連続的なリアルタイム測定値を平均化し、更なる処理のために平均化された対応する水分の連続的なリアルタイム測定値を提供するように構成できる。
【0040】
リアルタイム水分測定制御モジュールは、平均化された対応する水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいて生セメントのバッチの均質性を測定するように構成できる。
【0041】
連続的なリアルタイム測定値は、生コンクリート・トラックの回転ドラムの中へ生セメントのバッチを装入した後に感知した初期の水分のリアルタイム測定値を含むことができ、リアルタイム水分測定制御モジュールは、生セメントのバッチが生コンクリート・トラックの回転ドラムの中へ装入された後の予測される含水量に関する情報を含む関連信号を受信して、受信した予測含水量と初期の水分のリアルタイム測定値との比較に基づいて予測含水量を検証するように構成できる。
【0042】
リアルタイム水分測定制御モジュールは、回転ドラムの中へ装入されたセメントのバッチに加えられた追加水に関する情報を含む関連信号を受信し、受信した関連信号に基づいて、セメントのバッチの水和の状態を監視するように構成できる。
【0043】
関連信号は、回転ドラムの中へ装入されたセメントのバッチに追加水が加えられない情報を含むことができ、リアルタイム水分測定制御モジュールは、水分の連続的なリアルタイム測定値を受信して、例えば受信した水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいてセメントのバッチの実際の含水量の下降傾向を測定するように構成できる。
【0044】
リアルタイム水分測定制御モジュールは、水分の連続的なリアルタイム測定値を受信して、例えば受信した水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいて、セメントのバッチに水が追加されたことを示すセメントのバッチの実際の含水量の上昇スパイクを測定するように構成できる。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、装置は、生コンクリート・トラックの回転ドラムのハッチドアを含む、又はその形態を取ることができる。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、装置は、生コンクリート・トラックの回転ドラムを含む、又はその形態を取ることができる。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、装置は、生コンクリート・トラックを含む、又はその形態を取ることができる。
【0048】
方法
いくつかの実施形態によれば、本発明は、生コンクリート・トラック上で含水量及び水-セメントをリアルタイムで監視するための方法の形態を取ることができ、下記の特徴を持つ:
少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュール又はセンサを使って生コンクリート・トラックの回転ドラムの中へ装入された生セメントのバッチの水分の連続的なリアルタイム測定値を感知して、
少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュール又はセンサを使って、感知した水分の連続的なリアルタイム測定値に関する情報を含む信号を与える。
【0049】
方法は、又、上に及び本明細書において示す特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0050】
図面は、図1~4を含み、図面は必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1図1は、本発明を実現するためにセンサと信号プロセッサ又は信号処理モジュールとを持つ装置のブロック図である。
図2図2は、生コンクリート・トラックを示し、ハッチドアを指す矢印は、リアルタイム水分測定モジュール又はセンサ(RTMMM/S)の設置可能な箇所を示す。
図3図3は、リアルタイム水分測定モジュール又はセンサ(RTMMM/S)が設置されたハッチドアを示す。
図4図4は、混合ドラム壁の内面へのリアルタイム水分測定モジュール又はセンサ(RTMMM/S)の取付けを示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1:装置10
図1は、生コンクリート・トラック(図2)上での含水量及び水-セメントのリアルタイム監視のための装置10を示し、装置は、少なくとも1つのリアルタイム水分測定モジュール又はセンサ20並びにリアルタイム水分測定制御モジュール30を含むことができる。
【0053】
リアルタイム水分測定モジュール又はセンサ20
例として、リアルタイム水分測定モジュール又はセンサ20は、例えば図2~4に示すように、所定量の水及びセメント状材料を持つ生セメントのバッチが装入される生コンクリート・トラックの回転ドラムの一部を成すことができる。例えば、リアルタイム水分測定モジュール又はセンサ20は、回転ドラムのハッチドア(図3)の中に又はその上に配列されてもよく、回転ドラム内部のドラム壁に配列されてもよく、回転コンテナ又はドラムの他の部分の中又はその上に取り付けられてもよく、又はこれらの組合せとしてもよい。リアルタイム水分測定モジュール又はセンサ20は、例えば図4に示すように、水分の連続的なリアルタイム測定値を感知するためにハッチドアの中又はその上に又は回転ドラム上に配列された少なくとも1つの硬化センサ素子として構成されるか又はその一部を成すことができる。
【0054】
例えば、リアルタイム水分測定モジュール又はセンサ20は、
例えば図2~4に示すような生コンクリート・トラックの回転ドラムの中へ装入された生セメントのバッチの水分の連続的なリアルタイム測定値を感知して、
本明細書において開示するように、感知した水分の連続的なリアルタイム測定値に関する情報を含む信号を与える、
ように構成できる。
【0055】
特に、例として、水分の連続的なリアルタイム測定値は、下記のものを含むことができる:
生コンクリート・トラックの回転ドラムの中へ装入された生セメントのバッチの初期の水分のリアルタイム測定値と、
生コンクリート・トラックがバッチプラントから流し込み現場まで走行するとき又は生コンクリート・トラックが流し込み現場において停車しているときなどその後の水分のリアルタイム測定値がどこで感知したかを含めて、回転ドラムの中の生セメントのバッチの初期の水分のリアルタイム測定後に感知したその後の水分のリアルタイム測定値と、
を含むことができる。
【0056】
リアルタイム水分測定モジュール又はセンサ20は、例えば感知した信号をリアルタイム水分測定制御モジュール30に与えることを含めて、感知した信号を処理してそれに応じて感知した信号を与えるように構成された信号プロセッサ又は信号処理モジュール20aを含むことができる。
【0057】
リアルタイム水分測定制御モジュール30
例として、リアルタイム水分測定制御モジュール30は、リアルタイム水分測定モジュール又はセンサ20から信号を受信して、更に受信した信号を処理するように構成できる。リアルタイム水分測定制御モジュール30は、運転室を含めて生コンクリート・トラックの中又は遠隔場所において配列または構成できる。本発明の範囲は、生コンクリート・トラック又は遠隔場所に関してリアルタイム水分測定制御モジュール30がどこに配列または構成されるかに限定されることを意図しない。
【0058】
リアルタイム水分測定制御モジュール30は、例えば更に処理するために生コンクリート・トラックの運転室から遠隔場所へ信号を与えるように構成されたトランシーバ32を含むことができる。実際、リアルタイム水分測定制御モジュール30は、本明細書において開示するような信号を遠隔場所の生コンクリート・トラックの運転室において処理するように構成できる。本発明の範囲は、リアルタイム水分測定制御モジュール30がどこに配置されるかに限定されることを意図しない。更に、トランシーバ32は、リアルタイム水分測定モジュール又はセンサ20、リアルタイム水分測定制御モジュール30又はその両方を制御するために遠隔場所からの制御信号を受信できる。
【0059】
水分の連続的なリアルタイム測定値
例として、水分の連続的なリアルタイム測定値は、リアルタイムのインピーダンス測定法を使用して測定できる。又は、水分の連続的なリアルタイム測定値は、リアルタイムの高エネルギー核粒子吸収測定法又は近赤外線光反射測定法を使用して測定できる。リアルタイムのインピーダンス測定値、リアルタイム高エネルギー核粒子吸収測定値又は遠赤外線光反射測定値を利用する技術は、技術上知られており、本発明の範囲は、現在知られている又は将来開発される特定のタイプ又は種類の技術に限定されることを意図しない。
【0060】
水分のリアルタイム測定値の信号処理
水分のリアルタイム測定値に関する情報を含む感知した信号は、下記のように、更に処理できる:
【0061】
例として、感知した信号は、受信した水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいて、回転ドラムの中の生セメントのバッチに水が追加されたか否か及びいつ追加されたかを測定するために処理できる。例えば、2つの水分の連続的なリアルタイム測定値を比較し、後の方の水分の連続的なリアルタイム測定値が前の方の水分の連続的なリアルタイム測定値より大きい場合、セメントのバッチのリアルタイムの含水量は増加したので、水が追加された。
【0062】
感知した信号は、回転ドラムの中の生セメントのバッチに追加された水の量を測定するために処理できる。例えば、リアルタイム水分測定制御モジュール30は、回転ドラムの中の生セメントのバッチのセメント状材料の既知の総重量に関する情報を含む関連信号を受信して、回転ドラムの中の生セメントのバッチの水分量のリアルタイム測定値及びセメント状材料の既知の総重量を使用して水-セメント比率を測定するように構成できる。
【0063】
感知した信号は、温度ベースの技術を使用して生セメントのバッチの含水量の変化をリアルタイムで測定しこれを監視するために処理できる。例えば、リアルタイム水分測定制御モジュール30は、追加されたセメントの既知の量及び追加された水の既知の温度に関する情報を含む関連信号を受信して、受信した関連信号に基づいて温度ベースの技術を使用して生セメントのバッチの熱容量及び熱質量を測定するように構成できる。リアルタイム水分測定モジュール又はセンサ20は、回転ドラムの中の生セメントのバッチの温度を測定するように構成された温度センサ22を含むことができる。
【0064】
例として、連続的なリアルタイム測定値は、生コンクリート・トラックの回転ドラムの中へ生セメントのバッチが装入された後に感知した初期の水分のリアルタイム測定値を含むことができ、リアルタイム水分測定制御モジュール30は、生コンクリート・トラックの回転ドラムの中へ生セメントのバッチが装入された後に予測される含水量に関する情報を含む関連信号を受信して、受信した予測含水量と初期の水分量のリアルタイム測定量との比較に基づいて予測含水量を検証するように構成できる。
【0065】
リアルタイム水分測定制御モジュール30は、回転ドラムの中へ装入されたセメントのバッチに追加された追加水に関する情報を含む関連信号を受信して、受信した関連信号に基づいてセメントのバッチの水和の状態を監視するように構成できる。例として、関連信号は、回転ドラムの中へ装入されたセメントのバッチに追加水が加えられていないことに関する情報を含むことができ、リアルタイム水分測定制御モジュール30は、水分の連続的なリアルタイム測定値を受信して、受信した水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいてセメントのバッチの実際の含水量の下降傾向を測定するように構成できる。
【0066】
逆に、リアルタイム水分測定制御モジュール30は、水分の連続的なリアルタイム測定値を受信して、受信した水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいてセメントのバッチに水が追加されたことを示すセメントのバッチの含水量の上昇スパイクをリアルタイムで測定するように構成できる。
【0067】
回転ドラムの複数のポイントに配列された複数のリアルタイム水分測定制御モジュール
リアルタイム水分測定モジュール又はセンサ20は、回転ドラムの中の複数のポイントに配列された複数のリアルタイム水分測定モジュール20を含むか又はその形態を取ることができ、リアルタイム水分測定モジュールの各々は、
生コンクリート・トラックの複数のポイントにおいて生セメントのバッチの水分の対応する連続的なリアルタイム測定値を感知して、
感知した対応する水分の連続的なリアルタイム測定値に関する情報を含む対応する信号を与える、
ように構成できる。
【0068】
例として、リアルタイム水分測定制御モジュール30は、回転ドラムの中の複数のポイントにおいて生セメントのバッチについて測定された対応する水分の連続的なリアルタイム測定値を平均化するように構成でき、これによって、セメントのバッチのリアルタイム含水量のより一貫した表示を与える。特に、リアルタイム水分測定制御モジュール30は、回転ドラムの複数の回転にわたって複数のポイントにおいて測定された対応する水分の連続的なリアルタイム測定値を平均化し、更に処理するために平均化された対応する水分の連続的なリアルタイム測定値を与えるように構成できる。リアルタイム水分測定制御モジュール30は、又、平均化された対応する水分の連続的なリアルタイム測定値に基づいて生セメントのバッチの均質性を測定するようにも構成できる。
【0069】
信号プロセッサ又は信号処理モジュール20a、30a
信号プロセッサ又はプロセッサ制御モジュール20a、30aの機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組合せを使用して実現できる。典型的なソフトウェアの実現形態において、例えば図1に示すように、プロセッサモジュールは、マクロプロセッサ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、入出力機器及びこれらを接続する制御、データ及びアドレスバス並びに他の信号プロセッサ回路又はコンポーネント20b、30bを有する1つ又は複数のマイクロプロセッサベースのアーキテクチャを含むことができる。
【0070】
当業者であれば、不当な実験をすることなく、本明細書において説明するこのような信号処理機能を実行し実現するために、このようなマイクロプロセッサベースのアーキテクチャをプログラムすることができるだろう。本発明の範囲は、現在知られている又は将来開発されるこのようなマイクロプロセッサベースのアーキテクチャ又は技術を使用する特定の実現形態に限定されることを意図しない。
【0071】
関連信号
本明細書において開示するように、例として、関連信号は、例えば遠隔場所から受信して、他の信号プロセッサ回路又はコンポーネント20bの一部を成すメモリに記憶できる。本発明の範囲は、関連信号がリアルタイム水分測定制御モジュール30へどのように与えられるか又はこれによってどのように受信されるかに限定されることを意図しない。
【0072】
回転コンテナ又はドラム
例として、本発明は、コンクリートミキサトラックの一部を成す回転ドラムの使用に基づいて開示する。但し、本発明の範囲は、これに限定されることを意図しない。例えば、コンクリートを受け入れこれを収容しコンクリートを回転して混合するように構成される例えば現在知られている又は将来開発される他のタイプ又は種類の回転コンテナ又はドラムを使用することを含む実施形態が想定され、本発明の範囲は、これを含むことを意図する。
【0073】
コンクリート
例として、本発明は、回転ドラムを使用する例えばコンクリートなどのスラリーの混合に基づいて開示される。但し、本発明の範囲は、これに限定されることを意図しない。例えば、実施形態は、含まれる水の量に敏感な他のタイプ又は種類のスラリー、回転コンテナ又はドラムで混合されこれから流し込まれる他のタイプ又は種類のスラリーを含めて現在知られている又は将来開発される他のタイプの又は種類のスラリーの処理を含む実施形態が想定され、本発明の範囲は、これを含むことを意図する。
【0074】
取付け手段
回転コンテナ又はドラム内部にセンサを取り付けるための手段は、技術上知られており、本発明の範囲は、現在知られている又は将来開発される特定の種類又はタイプに限定されることを意図しない。例として、センサは、ねじ等の締結具を使用して回転コンテナ又はドラム内部に締結できるセンサハウジングを含んでもよい。
【0075】
リアルタイム水分測定モジュール20とリアルタイム水分測定制御モジュール30との間の信号交換
リアルタイム水分測定モジュール20は、いずれも技術上知られている配線接続を介して又はワイヤレス接続を介して、リアルタイム水分測定制御モジュール30へ信号を与えるように構成できる。
【0076】
回転装置上に配列されたコンポーネントを接続するための技術は、技術上知られており、本発明の範囲は、現在知られている又は将来開発されるこのようなハードワイヤ接続のどのようなタイプ又は種類にも限定されることを意図しない。
【0077】
更に、ワイヤレス接続を介して2つのコンポーネントを接続するための技術は、技術上知られており、本発明の範囲は、現在知られている又は将来開発されるハードワイヤ接続のいかなるタイプ又は種類に限定されることも意図しない。
【0078】
発明の範囲
本発明について、好ましい実施形態を参照して説明したが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えられること、及び同等物がその要素に代わり得ること、が分かるはずである。更に、本発明の基本的範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に合わせるために、修正を加えることができる。したがって、本発明は、本発明を実行するために想定される最良のモードとして本明細書において開示する特定の実施形態に限定されることを意図しない。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】