(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】加熱装置、非燃焼加熱デバイス、及び加熱装置ならびに非燃焼加熱デバイスを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20230831BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20230831BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512443
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 CN2021104674
(87)【国際公開番号】W WO2022037290
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】202021760962.4
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010838919.3
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021787052.5
(32)【優先日】2020-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021786159.8
(32)【優先日】2020-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021773244.0
(32)【優先日】2020-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202023169843.4
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022900300.9
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110210568.6
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523007605
【氏名又は名称】深▲セン▼市新宜康科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN INNOKIN TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】BUILDING 6, XINXINTIAN INDUSTRIAL PARK, XINSHA ROAD, SHAJING STREET, BAOAN DISTRICT, SHENZHEN, GUANGDONG 518000, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツイ,タオ
(72)【発明者】
【氏名】タン,フイミン
(72)【発明者】
【氏名】フ,ティンドン
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ファン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ホンチ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC22
(57)【要約】
加熱装置(1,2,3,4,5,6,7,9,100,101,161,21,22)、非燃焼加熱デバイス(160)、及び加熱装置ならびに非燃焼加熱デバイスを製造するための方法が開示される。特定の態様では、加熱装置(1,2,3,4,5,6,7,9,100,101,161,21,22)は、加熱される製品を受けるための端部(13)を伴うケーシング(10)と、ケーシング(10)内に少なくとも部分的に配置された発熱体(120)と、ケーシング(10)の内面と発熱体(120)の外面との間に形成された絶縁層とを含む。絶縁層(113,119)はバルブ金属酸化物を有する多結晶材料を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非燃焼加熱デバイスに用いる加熱装置であって、
加熱される製品を受けるための端部を備えるケーシングと、
前記ケーシング内に少なくとも部分的に配置された発熱体と、
前記ケーシングの内面と前記発熱体の外面の間に形成された絶縁層と、を含み、
前記絶縁層はバルブ金属酸化物を有する多結晶材料を含む、加熱装置。
【請求項2】
前記絶縁層は前記発熱体の前記外面に形成される、請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記発熱体は第1のバルブ金属を含み、
前記バルブ金属酸化物は前記第1のバルブ金属と同じ金属を含む、請求項1または2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記発熱体はチタンまたはアルミニウムを含む、請求項3に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記ケーシングは第2のバルブ金属を含み、
前記バルブ金属酸化物は前記第2のバルブ金属と同じ金属を含む、請求項1に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記ケーシングはチタンまたはアルミニウムを含む、請求項5に記載の加熱装置。
【請求項7】
前記ケーシングは一体化ボディを含み、
前記絶縁層は前記ケーシングの前記内面の少なくとも一部に形成される、請求項1~6のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項8】
前記絶縁層は、前記発熱体の前記外面のうちの1つ以上において、または前記一体化ボディのケーシングの前記内面の少なくとも一部において、マイクロアーク酸化によって形成される、請求項7に記載の加熱装置。
【請求項9】
前記発熱体は、2つ以上のケーシングプレートによって囲まれた前記ケーシングの空間内に少なくとも部分的に配置され、
前記絶縁層は前記ケーシングプレートの少なくとも1つの内面に形成される、請求項1~6のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項10】
前記絶縁層は、前記発熱体の前記外面のうちの1つ以上において、または前記ケーシングプレートの少なくとも1つの内面において、マイクロアーク酸化によって形成される、請求項9に記載の加熱装置。
【請求項11】
前記絶縁層は連続的に形成される、請求項1~10のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項12】
前記絶縁層の厚さは5μm~20μmである、請求項1~11のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項13】
保持キャビティは前記ケーシングの少なくとも1つの内面に形成される、請求項7~12のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項14】
位置決め用溝は前記ケーシングの少なくとも1つの内面に形成され、
前記位置決め用溝の形状は前記発熱体の形状に相応し、
前記発熱体は前記位置決め用溝に固定される、請求項7~13のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項15】
1つのケーシングプレートの長さは、他のケーシングプレートのうちの少なくとも1つの長さよりも短い、請求項9~14のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項16】
前記ケーシングはブレード形状を含む、請求項1~15のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項17】
前記発熱体は平たる形状を備える加熱コイルである、請求項16に記載の加熱装置。
【請求項18】
前記ケーシングは円筒形を含む、請求項1~15のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項19】
前記発熱体はソレノイド加熱コイルであり、
前記発熱体はロッドの周りに螺旋状になる、請求項18に記載の加熱装置。
【請求項20】
前記ケーシングの空間の断面は、前記ケーシングの縦軸に沿って対称な2つのV字形を含む、請求項7~15のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項21】
前記発熱体は2つの加熱コイルを備え、
前記加熱コイルのそれぞれの断面はV字形を含み、
前記加熱コイルの前記V字形は前記ケーシングの前記空間の前記V字形に相応する、請求項20に記載の加熱装置。
【請求項22】
前記発熱体は、前記ケーシング内で囲まれ、前記ケーシングの前記内面と直接接触する、請求項1~21のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項23】
前記発熱体は加熱部及び導電部を含む、請求項1~22のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項24】
前記発熱体は少なくとも1つの穴を含み、
少なくとも1つの前記穴は、前記導電部または前記加熱部にあり、前記加熱部は、前記加熱される製品を受けるための前記発熱体の端部よりも前記導電部に近い場所にある、請求項23に記載の加熱装置。
【請求項25】
前記非燃焼加熱デバイスは電源を備え、
前記発熱体は、前記電源から提供された電力によって加熱される、請求項24に記載の加熱装置。
【請求項26】
前記発熱体の前記導電部は、前記電源に電気的に結合される1対のピンを含む、請求項25に記載の加熱装置。
【請求項27】
前記1対のピンを制限ブラケットに固定するように構成された制限ブラケットと、
接触部によって前記電源に取り外し可能に接続される前記1対のピンを位置決めするように構成された基部と、
をさらに備える、請求項26に記載の加熱装置。
【請求項28】
前記ケーシングは、前記1対のピンが前記制限ブラケットに固定されるとき、前記発熱体の少なくとも1つの前記穴の位置に対応する位置に少なくとも1つの穴を含む、請求項27に記載の加熱装置。
【請求項29】
前記制限ブラケットは2つのカバーを備え、前記制限ブラケットが前記1対のピンを固定するとき、2つの前記カバーは前記1対のピンを囲み、
2つの前記カバーの少なくとも1つは、前記発熱体の少なくとも1つの前記穴及び前記ケーシングの少なくとも1つの前記穴を通過するように構成された制限ロッドを備える、請求項27または28に記載の加熱装置。
【請求項30】
前記ケーシングは、加熱部、固定部、及び前記加熱部と前記固定部の間にある少なくとも1つの断熱構造を含み、
前記ケーシングの前記加熱部は、前記発熱体の前記加熱部に対応する位置にあり、
前記ケーシングの前記固定部は、前記発熱体の導電部に対応する位置にある、請求項1~29のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項31】
少なくとも1つの前記断熱構造は断熱溝を含む、請求項30に記載の加熱装置。
【請求項32】
少なくとも1つの前記断熱構造は、前記ケーシングの少なくとも1つの側面に位置される、請求項30または31に記載の加熱装置。
【請求項33】
断熱溝は、前記ケーシングの前記加熱部から前記ケーシングの前記固定部まで延在するラインに垂直している、請求項31または32に記載の加熱装置。
【請求項34】
断熱溝は、前記ケーシングの側端に半円切欠きを備え、請求項31または32に記載の加熱装置。
【請求項35】
少なくとも1つの前記断熱構造は断熱穴を含む、請求項30~34のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項36】
前記発熱体の最高動作温度は800℃である、請求項1~35のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項37】
前記発熱体の正常動作温度は200℃~380℃である、請求項1~36のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項38】
前記製品は、ニコチン、香料、または薬剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~37のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項39】
前記製品は電子タバコ用リキッドを含む、請求項1~38のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項40】
非燃焼加熱デバイスに用いる加熱装置であって、
加熱される製品を受けるための端部を備える発熱体と、
前記発熱体の外面に形成された絶縁層と、を含み、
前記絶縁層はバルブ金属酸化物を有する多結晶材料を含む、加熱装置。
【請求項41】
前記発熱体はバルブ金属を備え、
前記バルブ金属酸化物は前記バルブ金属と同じ金属を含む、請求項40に記載の加熱装置。
【請求項42】
前記発熱体はチタンまたはアルミニウムを含む、請求項41に記載の加熱装置。
【請求項43】
前記絶縁層は連続的に形成される、請求項40~42のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項44】
前記絶縁層の厚さは5μm~20μmである、請求項40~43のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項45】
前記発熱体は平たる形状を備える加熱コイルである、請求項40~44のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項46】
前記発熱体はソレノイド加熱コイルであり、
前記発熱体はロッドの周りに螺旋状になる、請求項40~44のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項47】
前記発熱体は2つの加熱コイルを備え、
前記加熱コイルのそれぞれの断面はV字形を含む、請求項40~44のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項48】
請求項1~47のいずれかに記載の加熱装置を備える非燃焼加熱デバイスであって、
前記非燃焼加熱デバイス内で前記加熱装置の位置を固定するために、前記加熱装置に接続された支持構造と、
前記支持構造に設置され、電力を前記発熱体に提供するために前記加熱装置に電気的に結合された電源と、
をさらに備える、非燃焼加熱デバイス。
【請求項49】
前記支持構造に接続されたキャビティをさらに備え、
前記キャビティは前記加熱装置を囲み、加熱される製品を受ける、請求項48に記載の非燃焼加熱デバイス。
【請求項50】
加熱装置を製造するための方法であって、
金属を含む発熱体を加工することと、
金属を含むケーシングを加工することと、
前記ケーシングで前記発熱体の少なくとも一部を囲むことと、を含み、
絶縁層は、前記ケーシングの内面及び前記発熱体の外面のうちの少なくとも1つでマイクロアーク酸化プロセスによって形成され、
前記絶縁層が形成される少なくとも1つの表面はバルブ金属を含む、方法。
【請求項51】
前記発熱体はチタンまたはアルミニウムを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
発熱体を加工することは、第1の既定のパターンに従って、第1の金属板をエッチングすることを含み、
前記第1の既定のパターンは、前記発熱体の形状に相応する、請求項50または51に記載の方法。
【請求項53】
前記マイクロアーク酸化プロセスは、
少なくとも、ケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、及び膜形成添加物を含む電解液を調製することと、
前記絶縁層が形成される少なくとも1つの前記表面を前記電解液中に浸すことと、
前記絶縁層が前記表面に形成されるまで、MAO電源によって提供されたMAO電力で前記表面を帯電することと、
を含む、請求項50~52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記ケイ酸ナトリウムの溶液濃度は12g/L~19g/Lであり、前記水酸化ナトリウムの溶液濃度は2g/L~8g/Lであり、前記膜形成添加物の溶液濃度は4g/L~8g/Lである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記MAO電力は、1.6A/dm
3~2.4A/dm
3の電流密度、320V~380Vの遮断放電電圧、及び800HZ~1200HZの周波数を持つ、請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
少なくとも1つの第2の既定のパターンを備える1つの第2の金属板をエッチングすることによって、2つ以上のケーシングプレートを提供することであって、前記第2の既定のパターンは2つ以上の前記ケーシングプレートの少なくとも1つの形状に相応することと、
2つ以上の前記ケーシングプレートを接合し、前記ケーシングに少なくとも部分的に囲まれた前記発熱体を備える前記ケーシングを形成することと、
をさらに含む、請求項50~55のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
前記ケーシングプレートの少なくとも1つの内面に保持キャビティを形成することをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記ケーシングプレートの少なくとも1つの内面に位置決め用溝を形成することをさらに含み、
前記位置決め用溝の形状は前記発熱体の形状に相応し、
前記発熱体は前記位置決め用溝に固定される、請求項56または57に記載の方法。
【請求項59】
2つ以上の前記ケーシングプレートを接合することは、さらに、
加圧溶接プロセスを使用して、2つ以上の前記ケーシングプレートを一緒に溶接し、前記ケーシングを形成することを含む、請求項56~58のいずれかに記載の方法。
【請求項60】
前記絶縁層は連続的に形成される、請求項50~59のいずれかに記載の方法。
【請求項61】
前記絶縁層の厚さは5μm~20μmである、請求項50~60のいずれかに記載の方法。
【請求項62】
第2の既定のパターンに従って、ブレード形状を含むように前記ケーシングを形成することをさらに含む、請求項56~61のいずれかに記載の方法。
【請求項63】
第1の既定のパターンに従って、平たる形状を備える加熱コイルを含むように前記発熱体を形成することをさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
第2の既定のパターンに従って、円筒形を含むように前記ケーシングを形成することをさらに含む、請求項56~61のいずれかに記載の方法。
【請求項65】
第1の既定のパターンに従って、ソレノイド加熱コイルを含むように前記発熱体を形成することと、
前記ソレノイド加熱コイルの中心縦軸に沿って位置決めされるロッドを提供することと、
をさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記ケーシングの空間の断面は、前記ケーシングの縦軸に沿って対称な2つのV字形を含む、請求項53~61のいずれかに記載の方法。
【請求項67】
前記発熱体は2つの加熱コイルを備え、
前記加熱コイルのそれぞれの断面はV字形を含み、
前記加熱コイルの前記V字形は前記ケーシングの前記空間の前記V字形に相応する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記発熱体は、前記ケーシング内で囲まれ、前記ケーシングの前記内面と直接接触する、請求項50~67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
前記発熱体は加熱部及び導電部を含む、請求項50~68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
少なくとも1つの穴を前記発熱体に形成することをさらに含み、
少なくとも1つの前記穴は、前記導電部または前記加熱部にあり、前記加熱部は、加熱される製品を受けるための前記発熱体の端部よりも前記導電部に近い場所にある、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記非燃焼加熱デバイスは電源を備え、
前記発熱体は、前記電源から提供された電力によって加熱される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
1対のピンを前記発熱体の前記導電部に形成することをさらに含み、
前記1対のピンは、前記電源に電気的に結合される1対のピンを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記1対のピンを制限ブラケットに固定するように構成された制限ブラケットを提供することと、
接触部によって前記電源に取り外し可能に接続される前記1対のピンを位置決めするように構成された基部を提供することと、
をさらに含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
少なくとも1つの穴を、ケーシングプレートの少なくとも1つに提供することをさらに含み、
前記1対のピンが前記制限ブラケットに固定されるとき、少なくとも1つの前記穴の位置は、前記発熱体の少なくとも1つの前記穴の前記位置に対応する、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記制限ブラケットは2つのカバーを備え、前記制限ブラケットが前記1対のピンを固定するとき、2つの前記カバーは前記1対のピンを囲み、
2つの前記カバーの少なくとも1つは、前記発熱体の少なくとも1つの前記穴及び少なくとも1つのケーシングプレートの前記穴を通過するように構成された制限ロッドを備える、請求項73または74に記載の方法。
【請求項76】
前記ケーシングは、加熱部、固定部、及び前記加熱部と前記固定部の間にある少なくとも1つの断熱構造を含み、
前記ケーシングの前記加熱部は、前記発熱体の前記加熱部に対応する位置にあり、
前記ケーシングの前記固定部は、前記発熱体の導電部に対応する位置にある、請求項50~75のいずれかに記載の方法。
【請求項77】
少なくとも1つの前記断熱構造は断熱溝を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
少なくとも1つの前記断熱構造は、前記ケーシングの少なくとも1つの側面に位置決めされる、請求項76または77に記載の方法。
【請求項79】
断熱溝は、前記ケーシングの前記加熱部から前記ケーシングの前記固定部まで延在するラインに垂直している、請求項77または78に記載の方法。
【請求項80】
断熱溝は、前記ケーシングの側端に半円切欠きを備える、請求項77または78に記載の方法。
【請求項81】
少なくとも1つの前記断熱構造は断熱穴を含む、請求項76~80のいずれかに記載の方法。
【請求項82】
前記発熱体の最高動作温度は800℃である、請求項50~81のいずれかに記載の方法。
【請求項83】
前記発熱体の正常動作温度は200℃~380℃である、請求項50~82のいずれかに記載の方法。
【請求項84】
前記ケーシングを研磨することをさらに含む、請求項50~83のいずれかに記載の方法。
【請求項85】
400℃~500℃の温度で、前記ケーシングを青み処理することをさらに含む、請求項50~84のいずれかに記載の方法。
【請求項86】
非燃焼加熱デバイスを製造するための方法であって、
請求項50~85のいずれかに記載の方法を使用する加熱装置を提供することと、
前記非燃焼加熱デバイス内で前記加熱装置の位置を固定するために、支持構造を前記加熱装置に接続することと、
電源を前記支持構造内に設置することと、を含み、
前記電源は、電力を前記発熱体に提供するために前記加熱装置に電気的に結合される、方法。
【請求項87】
前記電力をオン及びオフに制御するために、または一定期間にわたって前記電力をオンに保持するために、前記電源に電気的に結合されたスイッチを提供することをさらに含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記支持構造に接続されたキャビティを提供することをさらに含み、
前記キャビティは前記加熱装置を囲み、前記加熱される製品を受ける、請求項86または87に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年8月19日に出願された中国特許出願公開第202010838919.3号明細書、2020年8月19日に出願された中国特許出願公開第202021760962.4号明細書、2020年8月22日に出願された中国特許出願公開第202021787052.5号明細書、2020年8月22日に出願された中国特許出願公開第202021786159.8号明細書、2020年8月22日に出願された中国特許出願公開第202021773244.0号明細書、2020年12月24日に出願された中国特許出願公開第202023169843.4号明細書、2020年12月4日に出願された中国特許出願公開第20222900300.9号明細書、及び2021年2月25日に出願された中国特許出願公開第202110210568.6号明細書に対する優先権の利益を主張し、これらの特許出願文献の全ては、全体として参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、加熱装置及び非燃焼加熱デバイスに関し、より具体的には、例えばタバコ等のリラックス用の物質または医療物質を加熱するために使用された電子加熱装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一時期に、非燃焼加熱デバイスはシガレットの代替品になっている。非燃焼加熱デバイスがヒーター及びタバコを含み、ヒーターは電源によって働ける。ヒーターがタバコを加熱するとき、ユーザーがタバコを吸うことによってエアロゾルが生じる。非燃焼加熱デバイスは加熱温度がシガレットより低いため、燃焼されたシガレットによって生成されることが可能である有害物質の一部が減らされる。
【0004】
既存の非燃焼加熱デバイスには幾つの欠点がある。例えば、これらの加熱デバイスの熱拡散率が比較的に低いため、通常、エアロゾルを生じさせるための必要な加熱温度に達する前に、ユーザーが約15~20秒の長い時間に待機しなければならない。さらに、加熱デバイスを覆う耐熱材料層が剥がれやすい、これによって、加熱デバイスの寿命が大幅に短くなり、タバコが燃焼する際に有害物質を放出するリスクが増えた。
【0005】
上記の説明を考慮して、加熱時間を短くするために非燃焼加熱デバイスを改善することと同時に、使用時の安全を確保することが必要になってくる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国特許出願公開第202010838919.3号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第202021760962.4号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第202021787052.5号明細書
【特許文献4】中国特許出願公開第202021786159.8号明細書
【特許文献5】中国特許出願公開第202021773244.0号明細書
【特許文献6】中国特許出願公開第202023169843.4号明細書
【特許文献7】中国特許出願公開第20222900300.9号明細書
【特許文献8】中国特許出願公開第202110210568.6号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、非燃焼加熱デバイスに用いられる製品を加熱する加熱装置と、加熱装置を製造するための方法とに関する。より具体的には、このような加熱装置はバルブ金属酸化物を有する多結晶材料を含む絶縁層を備えることが可能であり、しかも、当該絶縁層がマイクロアーク酸化プロセスによって形成されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、本開示の実施態様は、非燃焼加熱デバイスに用いる加熱装置を提供する。加熱装置は、製品を受け、製品を加熱するための端部を備えるケーシングと、ケーシング内に少なくとも部分的に配置された発熱体と、ケーシングの内面と発熱体の外面との間に形成された絶縁層とを含む。絶縁層はバルブ金属酸化物を有する多結晶材料を含む。
【0009】
別の態様では、本開示の実施態様は、非燃焼加熱デバイスに用いる加熱装置を提供する。加熱装置は、製品を受け、製品を加熱するための端部を備えるケーシングと、発熱体の外面に形成された絶縁層とを含む。絶縁層はバルブ金属酸化物を有する多結晶材料を含む。
【0010】
さらなる態様では、本開示の実施態様は、加熱装置、支持構造、及び電源を含む非燃焼加熱デバイスを提供する。加熱装置は、本明細書に説明される他の加熱装置と同じである。非燃焼加熱デバイス内で加熱装置の位置を固定するために、支持構造が加熱装置に接続される。電源が支持構造に設けられ、しかも、電力を発熱体に提供するために、電源が加熱装置に電気的に結合される。
【0011】
また別の態様では、本開示の実施態様は、加熱装置を製造するための方法を提供する。本方法は、金属を備える発熱体を加工することと、金属を備えるケーシングを加工することと、ケーシングで発熱体の少なくとも一部を囲むこととを含む。絶縁層は、ケーシングの内面及び発熱体の外面のうちの少なくとも1つでマイクロアーク酸化プロセスによって形成される。絶縁層が形成される少なくとも1つの表面はバルブ金属を含む。
【0012】
さらに別の態様では、本開示の実施態様は、非燃焼加熱デバイスを製造するための方法を提供する。本方法は、加熱装置を提供することと、非燃焼加熱デバイス内で加熱装置の位置を固定するために、支持構造を加熱装置に接続することと、電源を支持構造内に提供することとを含む。電力を発熱体に提供するために、電源が加熱装置に電気的に結合される。
【0013】
前述の概略的な説明及び以下の発明を実施するための形態は単に例示及び説明にすぎず、主張されるように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】いくつかの開示された実施形態と一致する、例示的な加熱装置の概略図を示す。
【
図2】いくつかの開示された実施形態と一致する、例示的な加熱装置の分解図を示す。
【
図3】いくつかの開示された実施形態と一致する、別の例示的な加熱装置の分解図を示す。
【
図4】いくつかの開示された実施形態と一致する、また別の例示的な加熱装置の分解図を示す。
【
図5】いくつかの開示された実施形態と一致する、さらに別の例示的な加熱装置の分解図を示す。
【
図6】いくつかの開示された実施形態と一致する、例示的な加熱装置を示す。
【
図7】いくつかの開示された実施形態と一致する、例示的な加熱装置の分解図を示す。
【
図8】(A)はいくつかの開示された実施形態と一致する、
図7に示される第1のケーシングプレート及び第2のケーシングプレートの別の図を示す。(B)はいくつかの開示された実施形態と一致する、
図7に示される第1のケーシングプレート及び第2のケーシングプレートの別の図を示す。
【
図9】いくつかの開示された実施形態と一致する、部分的に組み立てられた加熱装置の上面図を示す。
【
図10】いくつかの開示された実施形態と一致する、別の例示的な加熱装置の断面図を示す。
【
図11】いくつかの開示された実施形態と一致する、
図10に示される例示的な加熱装置の組立図を示す。
【
図12】いくつかの開示された実施形態と一致する、
図10に示される例示的な加熱装置の別の組立図を示す。
【
図13】いくつかの開示された実施形態と一致する、別の例示的な加熱装置の組立図を示す。
【
図14】いくつかの開示された実施形態と一致する、
図13に示される例示的な加熱装置の組立図を示す。
【
図15】いくつかの開示された実施形態と一致する、
図14に示される例示的な加熱装置の一部の拡大図を示す。
【
図16】いくつかの開示された実施形態と一致する、例示的な非燃焼加熱デバイスのブロック図を示す。
【
図17】いくつかの開示された実施形態と一致する、加熱装置を製造するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図18】いくつかの開示された実施形態と一致する、加熱装置のケーシングを加工する中間プロセスを示す。
【
図19】(A)はいくつかの開示された実施形態と一致する、加熱装置の発熱体を加工する中間プロセスを示す。(B)はいくつかの開示された実施形態と一致する、
図19Aに示される例示的な加熱装置の一部の拡大図を示す。
【
図20】いくつかの開示された実施形態と一致する、加熱装置を組み立てる例示的なプロセスを示す。
【
図21】いくつかの開示された実施形態と一致する、加熱装置の制限ブラケットを用いて、ケーシング、発熱体、及び接触部を固定する例示的なプロセスを示す。
【
図22】いくつかの開示された実施形態と一致する、他の加熱装置の制限ブラケットを用いて、ケーシング、発熱体、及び接触部を固定する例示的なプロセスを示す。
【
図23】いくつかの開示された実施形態と一致する、例示的な加熱装置の表面の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、例示的な実施形態を詳細に参照し、その実施態様の例は添付図に示される。可能な限り、同じ参照符号は、全部の図面に対して使用され、同じ要素または同様の部品を指す。
【0016】
電気式非燃焼加熱デバイスは通常、タバコ、加熱装置、制御器、及び電源を囲むハウジングを含む。電源は加熱装置に電気を提供し、加熱装置はハウジング内で囲まれたタバコを加熱する。加熱装置はセラミック材料を備えることが可能である発熱体を設けている。電熱線はセラミック材料の発熱体に埋め込まれることができる。電熱線は電気によって熱を生成し、しかも、熱をセラミック材料に伝達することが可能である。電熱線が高温で重金属が析出されないため、しかも、電熱線が使用中に傷つけられないために、電熱線は艶出されることができる。
【0017】
本開示では、バルブ金属酸化物を有する多結晶材料を含む絶縁層を含む加熱装置が説明される。従来の技術とは異なり、セラミック材料は厚膜印刷プロセスによって形成され、本開示に従った絶縁層はマイクロアーク酸化(MAO)プロセスによって形成されることができる。プラズマ電解酸化(PEO)とも呼ばれるマイクロアーク酸化(MAO)は、金属基板の表面を処理し、金属基板に酸化物被覆を形成する電気化学プロセスである。酸化層は、外部から電気の影響を受けられないように金属基板を絶縁させることが可能であり、また、金属基板が腐食されないように、金属基板を保護することが可能である。酸化層の成分は、金属基板、電解液パラメータ及び電気パラメータの成分によって決められる。いくつかの実施形態では、酸化層は多結晶材料を含む。これらの材料は、セラミック材料と同じまたはそれよりも優れた絶縁性能を備えられる。
【0018】
本開示に一致するいくつかの実施形態に従って、MAOプロセスは、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ジルコ二ウム(Zr)、ニオビウム(Nb)、及びタンタル(Ta)等のバルブ金属を有する金属基板に適用できる。そのように形成された酸化層もバルブ金属酸化物を備えられる。そのような酸化層の利点は、誘電特性、表面強度、摩耗抵抗、耐熱性、及び耐腐食性等、基板材料の特性の改善を含む。本開示に従った酸化層の微小硬度は、例えば、1000~2000HVの範囲を含む3000HVくらいの大きさに達することができる。したがって、そのような酸化層を形成する金属基板にわたって、微小硬度がかなり高くなる。また、酸化層は優れた絶縁特性をもたらす。いくつかの実施形態では、絶縁抵抗は、100Mくらいの大きさに達することができる。その上、MAOプロセスによって、酸化層は金属基板にて生成することができ、このため、酸化層は余計な空間を占めなく、且つ金属基板に均等に生成できる。
【0019】
本開示に従った非燃焼加熱デバイスは、製品を受ける及び加熱するための加熱装置と、加熱装置を固定するために加熱装置に接続された支持構造と、支持構造に接続され、製品を受けるためのキャビティと、電力を加熱装置に提供する電源と、電力をオン及びオフに制御するスイッチとを含んでもよい。加熱装置は製品を加熱し、ユーザーが吸入するエアロゾルが製品から発生する。製品は、ニコチンを含むタバコや電子タバコ用リキッド、リラックス効果や覚醒効果をもたらす香料、呼吸の不適さを軽減する薬剤等を含む。
【0020】
本開示に従った非燃焼加熱デバイスの加熱装置は、金属から作ることができる。MAOプロセスは加熱装置に適用できる。いくつかの実施形態では、加熱装置は金属で作られたケーシング及び発熱体を含む。ケーシングの金属のタイプ及び発熱体の金属のタイプは、同じまたは異なる可能性がある。ケーシング及び発熱体は、発熱体が熱をケーシングに効率的に伝えることができるように直接接触する。絶縁層は、発熱体とケーシングとの間に形成されることによって、短絡が回避される。いくつかの実施形態では、加熱装置はケーシングがない発熱体を含み、発熱体は加熱される製品と直接接触し、その場合、絶縁層は発熱体の外面に形成される。いくつかの実施形態では、絶縁層は、MAOプロセスによって形成されることができる。
【0021】
図1には、いくつかの開示された実施形態と一致する、例示的な加熱装置1の概略図を示している。本開示に従って、加熱装置1は、非燃焼加熱デバイス(図示しない)に適用できる。
図1に示されるように、加熱装置1はケーシング10を設けることが可能である。ケーシング10は本体11及び端部13を含むことが可能である。端部13は、加熱装置1によって加熱される製品を受けられる。いくつかの実施形態では、製品はニコチンを含むタバコであることが可能である。他の実施形態では、非燃焼加熱デバイスのユーザーの異なる要求によって、製品には香料または薬剤が含まれることができる。製品は必ずしも固体状態である必要はない。いくつかの実施形態では、製品は液状であり、容器内で包囲されることができる。ケーシング10は、高熱伝導性がある金属またはいずれかの他の材料から作られることができる。ブレード形状として
図1に示されているが、本開示に従ったケーシング10は、三角形、U字形、W形、または円筒形等の他の形状になるように構築されることができる。所望の加熱効率及び製品を受けられやすさが実現される限り、ケーシング10の形状は、本明細書に説明される例に限定されないことを理解されたい。
【0022】
いくつかの実施形態では、ケーシング10は、発熱体(図示しない)によって加熱されることができる、発熱体はケーシング10の内部に全体的または部分的に配置されることができる。ケーシング10が加熱される時に、エアロゾルが製品から生じることができる。エアロゾルは、非燃焼加熱デバイスのユーザーによって吸入できるガス状の小固体粒子または液滴を含んでいる。本開示に従って、加熱装置1はさらにケーシング10の内面と発熱体の外面の間に形成された絶縁層を含んでもよい。絶縁層はバルブ金属酸化物を含む多結晶材料を有することができる。絶縁層の材料及び形成の詳細について、以下に説明される。
【0023】
図2には、いくつかの開示された実施形態と一致する、例示的な加熱装置2の分解図を示している。加熱装置1と類似し、加熱装置2もケーシング及び端部を含んでもよい。
図2に示されるように、ケーシングは、第1のケーシングプレート111及び第2のケーシングプレート112を含んでもよい。これらの2つのケーシングプレート111、112は別々に製造され、次に、閉鎖空間を形成するように一緒に組み立てられることができる。発熱体120は閉鎖空間内に配置されることができる。本開示に従って、第1のケーシングプレート111及び第2のケーシングプレート112の一方または両方は、各自の内面に形成された保持キャビティ114を含んでもよい。本開示に従って、ケーシングキャビティ114は、2つのケーシングプレート111、112の内面の一方または両方に形成されることができる。発熱体120が2つのケーシングプレート111、112の間に設置される時に、保持キャビティ114は発熱体120を容置することができる。保持キャビティ114の深さは、発熱体120と、2つのケーシングプレート111、112の内面との間に余地をほとんど残すことなく、2つのケーシングプレート111、112を途切れなく組み立てることができるように設計されることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、発熱体120は、ケーシングの閉鎖空間内に全体的に配置されることができる。他の実施形態では、発熱体120はケーシング内に部分的に配置され、残り部分は、ケーシングの外側に延び出されることができる。電気及び/または熱を伝達するため、延び出された部分が非燃焼加熱デバイスの別の部分に接続されることができる。
【0025】
図2に示されるように、発熱体120は平たる形状を有する加熱コイルであることができ、これは、加熱コイルの厚さはその長さ及び幅よりもはるかに小さいことを意味する。加熱コイルの長さ及び幅の方向は、2つのケーシングプレート111、112の表面に平行な平面を形成すると見なされることができる。いくつかの実施形態では、発熱体120は加熱部121及び導電部122を含んでもよい。加熱部121が電力に接続されることができることにより、電流が通過するとき、加熱部121が熱を生じることができる。また、導電部122は、一端で電力に接続される一方、他端で発熱体121に隣接することができる。電力は、非燃焼加熱デバイスの電源によって提供されることができる。いくつかの実施形態では、導電部122は電気接続用の1対のピンを含んでもよい。
【0026】
本開示に従って、絶縁層は、ケーシング10の内面と発熱体120の外面の間に形成されることができる。いくつかの実施形態では、絶縁層113は発熱体120の外面に形成されることができる。発熱体120がケーシング内に配置されるため、絶縁層113は、ケーシング10の内面と発熱体120の外面の間に位置される。
【0027】
図3には、いくつかの開示された実施形態と一致する、別の例示的な加熱装置3の分解図を示している。加熱装置2の部品と加熱装置3の同じ部品は同じ参照符号によって指定されるため、その説明を繰り返さない。加熱装置2とは異なり、発熱体120の外面に絶縁層が形成されていない。
図3に示されるように、絶縁層119は、ケーシングの内面(例えば、第1のケーシングプレート111の内面)に形成されることができる。発熱体120がケーシング10内に配置されるため、絶縁層119は、ケーシングの内面と発熱体120の外面との間に位置決めされる。いくつかの実施形態では、絶縁層119は、ケーシング10の内面の一部だけに形成されることができ、絶縁層119がない場合に、発熱体120は、ケーシングの内面に接触し、短絡が生じ得る。
【0028】
本開示に従ったいくつかの実施形態と一致するように、ケーシングの内面と発熱体の外面の間に形成された絶縁層は、ケーシングの内面及び発熱体の外面の両方に形成されることができる。これらの実施形態における絶縁層の各側面の厚さは、単一の絶縁層113または119の厚さよりも小さいことができるが、絶縁層の2つの側面の組み合わされた厚さは、単一の絶縁層113または119の厚さに等しい、またはその厚さに近いことを理解されたい。
【0029】
図4は、いくつかの開示された実施形態と一致する、また別の例示的な加熱装置4の分解図を示す。加熱装置2及び加熱装置3の部品と同じ加熱装置4の部品は同じ参照符号によって指定されるため、その説明を繰り返さない。加熱装置4のケーシングの内面には、形成された位置決め用溝115を含んでもよい。例えば、
図4に示されるように、位置決め用溝115は、1つのケーシングプレート111の内面にある保持キャビティ114に提供される。本明細書に示されない他の例では、位置決め用溝は、ケーシングの本体の各側面の2つ以上の内面に形成されることができる。位置決め用溝115は、発熱体120の形状と一致するように設計及び製造されることができる。したがって、発熱体120がケーシング10内に設置されるとき、発熱体120が位置決め用溝115に固定されることができる。
【0030】
発熱体120をケーシング内に固定するために位置決め用溝15を追加することで、発熱体120が熱をより効率的にかつ熱損失がより少なくケーシングに伝達し、そして製品に伝達することに助ける。また、ケーシング内に発熱体120の移動を防止できる。
図4の位置決め用溝115が、発熱体120の形状と一致する平たるコイル形状を有するが、これは単なる一例にすぎず、当業者は、本開示の教示により、位置決め用溝及び発熱体の他の形状によって、前述の開示を実現できることと同時に、本開示の前述の目的を実現できることに留意されたい。発熱体120は、ボルトによる接続、ケーシング10から伝えられた圧力、または他の適切な接続機構によって位置決め用溝115に固定できる。
【0031】
図5には、いくつかの開示された実施形態と一致する、別の例示的な加熱装置5の分解図を示している。加熱装置2~4の部品と加熱装置5の同じ部品は同じ参照符号によって指定されるため、その説明を繰り返さない。加熱装置4とは異なり、発熱体120の外面に絶縁層が形成されていない。
図5に示されるように、絶縁層119は、ケーシングの内面(例えば、第1のケーシングプレート111の内面)に形成されることができる。加熱装置4と類似し、加熱装置5のケーシング10の内面には、形成された位置決め用溝115を含んでもよい。そのような位置決め用溝115の機能及び利点が加熱装置4の機能及び利点と同じであるため、その説明を繰り返さない。
【0032】
上記の各例示的な加熱装置2~5の中でのケーシングが発熱体120をしっかり包囲尚且つ固定することができる、しかも、発熱体120がケーシングの内面と直接接触することができる。この構成は、発熱体120によって生成された熱を効率的にケーシングに伝え、次に、製品に伝えることを可能にする。結果として、エアロゾルが生じる待機時間は、過去の15~20秒から、ほんのわずか数秒(例えば、5秒未満)になるように、かなり短縮できる。したがって、ユーザーは、本開示に従った加熱装置を組み込んだ非燃焼加熱デバイスに給電した後、エアロゾルをすぐに吸入し始めることができる。
【0033】
上記の加熱装置2~5のケーシングはいずれも、2つの独立したケーシングプレート111、112から組み合わせられる。これらは、本開示における非限定的な例である。いくつかの実施形態では、加熱装置のケーシングは一体化ボディを含んでもよい。「一体化ボディ」構造は、ケーシングが一端から他端まで一体と構築する必要ではないことに留意されたい。当該構造が、例えば、単一な部品が明らかに判別されないように、製造中に溶接によって、単一な部品に統合できることが可能であれば、当該構造は本開示に従った一体化ボディとして見なすことができる。他の実施形態では、ケーシングプレートの数は2つを超えることができる。さらに他の実施形態では、本開示に従った加熱装置は、ケーシングがない発熱体を含んでもよい。結果として、単なる発熱体が、発熱体の外側の表面に絶縁層がコーティングされ、これによって、発熱体の端部で受けられる製品を加熱する前述と同じ目的を実現できる。
【0034】
本開示に従って、上記に説明した絶縁層113、119等、ケーシングの内面と発熱体の外面の間に形成された絶縁層は多結晶材料を含んでもよい。このような材料はさらに、バルブ金属酸化物を含んでもよい。バルブ金属酸化物は、優れた誘電特性だけではなく、著しい表面強度、摩耗抵抗、耐熱性、及び耐腐食性を持っている。したがって、このような材料は本開示に従った絶縁層を構成することが理想的である。さらに、バルブ金属酸化物は、MAOプロセスによって、発熱体の外面のうちの1つ以上に、またはケーシングの内面の少なくとも一部に形成されることができる。これらの場合、発熱体、ケーシング、またはこの両方は、多結晶材料のバルブ金属酸化物のものと同じバルブ金属を含んでもよい。いくつかの実施形態では、バルブ金属はチタンまたはアルミニウムであることができる、ひいては、生じたバルブ金属酸化物は、良好な絶縁材料と知られているセラミックと同じ特性を持つことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、絶縁層は連続層として形成されることができる。本開示に従った絶縁層の厚さは5μm~20μmであることが可能であり、この厚さは、発熱体の厚さよりもはるかに小さいため、ケーシングの保持キャビティに適合する発熱体のサイズを検討する際に、絶縁層の厚さをほとんど考慮しないことができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、加熱装置の発熱体及びケーシングの一方または両方は、チタン等のバルブ金属から作られることができる。バルブ金属は良好な抵抗の温度係数を持っていることにより、加熱装置の動作温度を制御できる。例えば、チタンは、動作温度が±2℃の範囲内で制御できるため、全てのバルブ金属のうち最も良いものの一つである。バルブ金属の使用に関して、他の温度制御機構を省くことができるため、本開示に従った加熱装置の製造プロセス及び構成要素の複雑性が簡略化された。
【0037】
本開示に従って、絶縁層は連続的に形成されることができる。また、加熱装置の発熱体またはケーシングを覆う絶縁層としてバルブ金属酸化物を使用することは、自ら回復する利点を持っている。絶縁層がMAOプロセスによってバルブ金属の表面に形成される場合、絶縁層は、自ら層のあらゆる割れ目または穴を修復できる。修復できる理由として、非燃焼加熱デバイスの電源から供給された電気が、発熱体またはケーシングの露出バルブ金属全体にわたってMAOプロセスを連続的に行うためである。したがって、絶縁層が摩耗または損傷された場合に、絶縁層自体が自ら修復し、ひいては、漏電は発生しないことである。
【0038】
図6は、いくつかの開示された実施形態と一致する、例示的な加熱装置6を示す。加熱装置6は非燃焼加熱デバイスに適用できる。ケーシング10に加えて、加熱装置6は、さらに、制限ブラケット(図示しない)及び基部20を含んでもよい。加熱装置2~5と類似し、加熱装置6のケーシング10は発熱体(図示しない)を包囲することができる。基部20は、発熱体を非燃焼加熱デバイスの電源と電気的に接続することができる。したがって、電源が電力を発熱体に提供するとき、ケーシング10の端部で受ける製品が加熱されることができる、よって、エアロゾルが生じられ、ユーザーがエアロゾルを吸入することができる。
【0039】
図7は、いくつかの開示された実施形態と一致する、例示的な加熱装置7の分解図を示す。加熱装置7は、ケーシング10、発熱体120、制限ブラケット(一対のカバー330a、330b及び複数の制限ロッド331を含む)、一対の接触部333a、333b、及び基部20を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ケーシング10は、第1のケーシングプレート111及び第2のケーシングプレート112を統合することによって形成される。発熱体120は加熱部121及び導電部を含んでもよい、導電部は電源に電気的に結合された一対のピン122a、122bを含む。加熱装置7が組み立てられるとき、発熱体120はケーシング10内で包囲されることができる、しかも、一対のピン122a、122bは制限ブラケットに固定されることができる。
【0040】
本開示と一致して、発熱体120は導電部に少なくとも1つの穴127が設けられることができる。
図7に示されるように、穴127はピン122a、122bの一方または両方で開けられる。それに応じて、ケーシング10は、また、少なくとも1つの穴を設置することができる。例えば、第1のケーシングプレート111及び第2のケーシングプレート112は、それぞれ少なくとも1つの穴128、129が設けられることができる。加熱装置7が組み立てられるとき、ケーシング10の穴は、発熱体120の穴に対応するように位置決めされることができる。したがって、制限ブラケットの制限ロッド331のうちの1つ以上が穴を通過できることによって、ケーシング10及び発熱体120を制限ブラケットに固定する。
【0041】
いくつかの実施形態では、一対の接触部333a、333bはまた、発熱体120の少なくとも1つの穴の位置に対応する少なくとも1つの穴320を持っている。また、制限ロッド331が一対の接触部333a、333bの穴320を通過できることにより、接触部も制限ブラケットに固定できる。本開示に従って、制限ブラケットは、ケーシング10、発熱体120、及び一対の接触部333a、333bの相対位置を固定できる。一対のカバー330a、330bは、一対のピン122a、122bを囲むように結合されることができる。
【0042】
本開示に従って、基部20は、一対のカバー330a,330b及び一対の接触部333a、333bが挿入できる設置用キャビティ(図示しない)を備えられる。これにより、発熱体120の一対のピン122a、122bを、設置用キャビティの一つの接触部を介して電源に電気的に接続することが可能になる。故障が検出された場合に、または加熱装置7が異なるものと交換する必要がある場合に、1対のピンが除去されることができる。いくつかの実施形態では、挿入後、加熱装置7によって生成された熱が非燃焼加熱デバイスの他の構成要素に伝達することを防ぐために、設置用キャビティに高耐熱性プラスチックが注入されることができる。いくつかの実施形態では、加熱装置7によって生成された熱が非燃焼加熱デバイスの他の構成要素に伝達することを防止するために、基部20は高耐熱性プラスチックから作られることができる。
【0043】
上記の説明では、ケーシング10、発熱体120、制限ブラケット、及び一対の接触部333a、333bを固定及び接続するために制限ロッド131を例で挙げられたが、本開示の教示に従って、前述と同じ目的及び結果を実現するために、他の適切な接続機構を採用できることに留意されたい。
【0044】
図8A及び
図8Bは、いくつかの開示された実施形態と一致する、
図7に示される第1のケーシングプレート111及び第2のケーシングプレート112の別の図を示す。上記に説明されたように、ケーシングプレート111、112は加熱装置7のケーシング10を形成するように結合されることができる、しかも、発熱体120はケーシング10の内部に部分的に配置されることができる。いくつかの実施形態では、第1のケーシングプレート111の長さはL1であり、第2のケーシングプレート112の長さはL2である。
図8A及び
図8Bに示されるように、L1はL2よりも長い。L1とL2との差により、発熱体120の少なくとも一部が2つのケーシングプレートの短い側でケーシング10の外側に露出することが可能になり得る。発熱体120の露出部が、加熱装置7を組み込んだ非燃焼加熱デバイスの電源と電気的に接続されることができる。さらに、2つのケーシングプレート111、112の長い側がケーシング10内で囲まれた発熱体120を支えることも提供できることにより、ケーシング10及び発熱体120が、安定性が高い状態で加熱装置7の基部に固定されることができる。これは単なる一例にすぎず、当業者は、本開示の教示により、本開示の前述の目的を実現しながら、2つのケーシングプレート111,112の長さが異なるまたは同じであるかに関係なく、2つのケーシングプレート111、112を他の適切な長さを持つように設定することによって、前述の開示と同じ目的を実現できることに留意されたい。いくつかの実施形態では、長さL1及び長さL2は同じであり、発熱体の少なくとも一部は、ケーシングの底面エッジから延び出すことによって、ケーシングの外側に露出することができる。したがって、同様に、発熱体は、接触部を介して取り外し可能に電源に接続されることができる。
【0045】
図8A及び
図8Bに示されるように、第1のケーシングプレート111及び第2のケーシングプレート112は、それぞれ加熱部116及び固定部117を含んでいる。したがって、ケーシングプレート111、112がケーシング10を形成するように結合されるとき、ケーシング10はまた、加熱部及び固定部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ケーシング10の加熱部は発熱体120の加熱部121に対応する位置に設置されることができる、しかも、ケーシング10の固定部は発熱体120の導電部122に対応する位置に設置されることができる。
【0046】
本開示に従った加熱装置が動作中であるとき、加熱部121は、熱を生成し、ケーシング10の加熱部に熱を伝えることができる。ケーシング10の導電部122及び固定部からの期待しない熱損失を減らすために、発熱体120またはケーシング10の少なくとも1つは断熱構造を備えられる。以下の説明では穴または溝が断熱構造として使用されるが、これは単なる一例にすぎず、当業者は、本開示の教示により、他の位置に絶縁構造を設計することによって、または他の絶縁構造を使用することによって、本開示の前述の目的も実現できることに留意されたい。
【0047】
いくつかの実施形態では、断熱構造は、ケーシング10の加熱部116と固定部117の間に、及び/または発熱体120の加熱部121と導電部122の間に形成されることができる、これにより、発熱体120によって生成された熱を加熱部116及び加熱部121に滞ることができる。したがって、発熱体120によって生成された熱は固定部117及び/または導電部122に伝達できない、その結果、断熱構造を備えることによって、熱損失が減らした。
【0048】
図8A及び
図8Bに示されるように、本開示に従った断熱構造の一例は、ケーシング(例えば、ケーシングプレート111)の一側に少なくとも1つの断熱溝141及び/または少なくとも1つの断熱穴142を含む。断熱溝141は、ケーシングプレート111の加熱部116と固定部117との間の分割ラインに、またはその近くに提供されることができる。
図8Aに示されるように、いくつかの実施形態では、断熱溝141は、ケーシング10の加熱部からケーシング10の固定部まで延在するライン1に垂直することができる。いくつかの実施形態では、断熱溝141は直線または波線であるができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、発熱体120がケーシング10の一側に第1のケーシングプレート111または第2のケーシングプレート112と接触するとき、断熱溝141はケーシング10の他側に設けられることができる。他の実施形態では、発熱体120がケーシング10の内側に設置されたとき、絶縁溝141はケーシング10の外面に設置されることができる。さらに他の実施形態では、断熱溝141は、ケーシングプレートの両側に設置されることができる。さらに他の実施形態では、
図8A及び
図8Bに示されるように、断熱溝141は、ケーシングプレート111及び112の側端に半円切欠きを設けることができる。これにより、ケーシング10の断面積が減らしたため、伝熱経路が短縮し、熱損失が減らした。よって、固定部への伝熱の減少により、電極の過熱を防止できる。他方では、熱損失の減少により、加熱部の加熱効率が改善され、加熱部が速く昇温することを確保できる。
【0050】
本開示に従った他の実施形態と一致するように、ケーシング10は、また、少なくとも1つの断熱穴142を含んでもよい。断熱穴142は、第1のケーシングプレート111、第2のケーシングプレート112、またはそれら両方に設置されることができる。断熱穴142は、ケーシングプレート111、112の固定部117の中心またはその近くに位置決めされることができる。いくつかの実施形態では、
図8Aに示されるように、ラインlは断熱穴142を通過できる。絶縁穴142は、必ずしも導電部に位置づけられる必要がないことを理解されたい。本明細書に示されない他の実施形態では、絶縁穴142は、発熱体の加熱部に設置されることができる。そのような実施形態の絶縁穴は、加熱される製品を受ける発熱体の他端よりも導電部に近い箇所でパンチ加工する必要がある。この理由として、発熱体の他端に向かう伝熱は、そのような絶縁穴によって損なわれてはいけないためである。本開示に従って、断熱穴は伝熱経路の面積を減らさせることに関して、断熱溝141と類似なメカニズムで機能できるため、その説明を繰り返さない。
【0051】
図9は、いくつかの開示された実施形態と一致する、部分的に組み立てられた加熱装置9の上面図を示す。
図9に示されるように、発熱体120は、加熱装置9の第1のケーシングプレート111の保持キャビティ114に適合する。上記に説明したように、加熱装置9は第2のケーシングプレート(図示しない)を備えられ、第2のケーシングプレートは、保持キャビティ114と発熱体の厚さの差によって、保持キャビティを備えることができるし、備えないこともできる。いったん組み立てが完成されると、第1のケーシングプレート111及び第2のケーシングプレートが加熱装置9のケーシングを形成することによって、発熱体120を囲んでいる。その結果、
図9は、また、加熱装置9が組み立てられた後に、発熱体120がケーシングの内側にの相対位置を示している。
【0052】
上記に説明した例示的な加熱装置と類似し、加熱装置9の発熱体120は少なくとも1つの穴127を含んでもよく、同様に、第1のケーシングプレート111は少なくとも1つの穴(図示しない)を含んでもよい。また、第2のケーシングプレートは、少なくとも1つの穴を含んでもよいことを理解されたい。
図9に示されるように、これらの穴はお互いに対応し、しかも、いったん組み立てられると、相互に重なる。いくつかの実施形態では、加熱装置9を組み込んでいる非燃焼加熱デバイスの他の構成要素と、ケーシング及び発熱体120を固定及び接続するために、重なった穴は制限ブラケットの制限ロッドを受けることができる。他の実施形態では、重なった穴は、固定及び接続の前述の目的を実現するために、ねじまたはスナップ等の取り付け機構を介して取り付け穴として利用されることができる。言うまでもない、発熱体120の加熱部から加熱装置9で基部(図示しない)まで伝達された熱を減らすために、加熱装置9の発熱体120及び第1のケーシングプレートは、さらに、1つ以上の断熱穴142を含んでもよい。
【0053】
図10は、いくつかの開示された実施形態と一致する、別の例示的な加熱装置100の断面図を示している。加熱装置100はケーシング10及び基部20を備えられる。
図10に示されるように、ケーシング10は円筒形の一体化ボディとなるケーシングであることができる、しかも、発熱体120はケーシング10の保持キャビティ114に適合できる。いくつかの実施形態では、発熱体120はソレノイド形状になることができる。
図10に示されるように、発熱体120は支持ロッド150を螺旋状で廻りにしている。発熱体120の一端は、支持ロッド150の外側にあり、第1の電極125に電気的に接続される。発熱体120の他端は、支持ロッド50の内部にあり、第2の電極124に電気的に接続される。支持ロッド150がガラスまたはセラミック等の誘電材料から作られることができるため、発熱体120の2つの端部、及びこの二つの端部とそれぞれ接続された2つの電極124、電極125が相互に絶縁され、よって、短絡が回避される。いくつかの実施形態では、発熱体120は、発熱体120の外面でMAOプロセスによって生成された絶縁層(図示しない)によって覆われることができる。このように、ソレノイド形状の発熱体120の隣接ループは相互に絶縁されるため、短絡が回避される。
【0054】
図11~
図12は、いくつかの開示された実施形態と一致する、
図10に示される例示的な加熱装置100の組立図を示している。基部20は設置用キャビティ210を備えることができる。電極124及び電極125、支持ロッド150の下端、及び発熱体120の下端が、設置用キャビティ210の中に挿入されることができる。
図12に示されるように、電極124、支持ロッド150、発熱体120、及び電極125は、加熱装置10の縦軸から加熱装置100の周縁に向かうように位置決めされる。挿入後、基部20はこれらの構成要素の相対位置を固定することができる。いくつかの実施形態では、電極124は非燃焼加熱デバイスの電源の陰極に接続でき、電極125は電源の陽極に接続できる。したがって、発熱体120は、電源から提供された電力によって加熱されることができる。また、ケーシングは必ずしも本開示の目的を実現するために必要ではなく、加熱装置はケーシングがない発熱体を含んでもよい、しかも、発熱体は、本明細書に説明されたものと同じまたは類似であることに留意されたい。
【0055】
図13~
図14は、いくつかの開示された実施形態と一致する、別の例示的な加熱装置101の組立図を示す。
図13に示されるように、加熱装置101は十字状の断面を備え、ケーシングの隆起110a、110b、110cは、それぞれ隣接する隆起に垂直している。発熱体120は少なくとも発熱体120の縦軸に沿って対称になる2つの加熱コイル126a、126bを含んでもよい。加熱コイル126a、126b毎に90度のV字断面を備えることができる。加熱コイル126a、126b毎に、導電性金属ストリップを折ることまたは曲げることによって形成されることができる、これにより、電力が熱に変換される。加熱コイル126a、126bがそれぞれ空間によって、隣接する加熱コイルから離れられることができる。いくつかの実施形態では、加熱コイル126a、126bは、自身の上に覆われる絶縁層を備えることができる、絶縁層は、MAOプロセスによって加熱コイルの外面に生成されることができる。これにより、金属ストリップの折り部または曲げ部を相互に直接接触させないため、短絡が回避される。
【0056】
いくつかの実施形態では、ケーシング10は、ケーシング10の外面に少なくとも2つのケーシング溝118を含んでもよい、ケーシング溝118は、ケーシング10の複数の隆起(例えば、隆起110a、110b、110c)を形成している。
図13~
図14に示されるように、隆起は、加熱コイル126a、126bの形状に対応する位置にある。ケーシング10の隆起により、ケーシング10の外面の面積を増やしたことによって、製品とケーシング10の間の接触面積が増加された。この構成が加熱プロセスを加速できることによって、エアロゾルがより速く生成され、ユーザーに吸入させる。また、それにより、加熱効率が高まり、熱損失が減る。
【0057】
いくつかの実施形態では、ケーシング10は、また、複数の保持キャビティ114を含んでもよい。保持キャビティ114毎に1つの加熱コイル(例えば、加熱コイル126aまたは126b)を納められる。
図13に示されるように、ケーシング10の空間の断面は、ケーシングの縦軸に沿って対称なV字形の2つの保持キャビティ114を含んでいる。よって、保持キャビティ114の形状は、加熱コイルの形状とマッチしている。この結果、加熱コイルがケーシング10にしっかり貼り付け、保持キャビティ114と直接触れ合えることにより、ケーシング10は、発熱体120によって生成された熱を、製品に速く及び効率的に伝えられる。また、それにより、ケーシング内に発熱体120の移動を防げる。
【0058】
図13~
図14に示されるように、加熱コイル126a,126bはそれぞれ、一対の電極124及び電極125に電気的に接続される。接続部がレーザー溶接プロセスによって形成されることができることによって、良好な構造の強度及び低い接続抵抗をもたらした。電極124及び電極125は、基部20に固定され、且つ基部20の外側に延在することができる。電極124及び電極125はさらに非燃焼加熱デバイスの電源に結合されることができることにより、発熱体120を流れる電流が、熱に変えることができる。
【0059】
図15は、いくつかの開示された実施形態と一致する、
図14に示される例示的な加熱装置101の一部分600の拡大図を示す。加熱コイル126a、126b毎に、発熱体120の縦軸に沿って配置されることができる複数の加熱片601を含んでもよい。加熱片601毎に、第1の加熱ストリップ602及び第2の加熱ストリップ603を含んでもよい。第1の加熱ストリップ602及び第2の加熱ストリップ603は両方ともU字形である。加熱片601毎に、各加熱ストリップ(すなわち、第1の加熱ストリップ602または第2の加熱ストリップ603)は、第1の直線部611、湾曲部612、及び第2の直線部613を含んでもよい。第1の直線部611及び第2の直線部613はお互いに平行にすることができる、なお、両方とも発熱体120の縦軸に垂直にしている。
図15に示されるように、第1の直線部611は湾曲部612の一端と繋がり、第2の直線部613は湾曲部612の他端と繋がっている。これらの部分間が円滑に繋がったように加工されたことにより、接続部に応力が蓄積されなく、加熱コイル126a、126bの構造強度が高まっている。これは単なる一例にすぎず、当業者は、本開示の教示により、第1の加熱ストリップ602及び第2の加熱ストリップ603の機能は、弧状、傾斜形状、波形等のU字形以外の形状によって実現されることができる、しかも、第1の加熱ストリップ602及び第2の加熱ストリップ603の形状が同じこともできるし、異なることもできることに留意されたい。
【0060】
また、ケーシングは本開示の目的を実現するために必ずしも必要ではないことに留意されたい。加熱装置はケーシングがない発熱体を含んでもよく、なお、発熱体は、上記の
図13~
図15に説明されるものと類似できる。
【0061】
本開示に従って、本明細書に説明される加熱装置はまた非燃焼加熱デバイスに組み込まれることができる。非燃焼加熱デバイスは、加熱タバコ製品(HTP)、非燃焼加熱製品、電気加熱式タバコシステム、無煙シガレット等で呼ばれている。このようなデバイスは、従来点火で使用されるシガレットよりも、低い温度でタバコまたは他の物質を加熱する。これらのデバイスの動作温度は、通常、600℃よりも低い。本開示に従った発熱体の最高動作温度は約800℃であるため、これらのデバイスの動作温度の上限レベルよりもはるかに超えている。したがって、そのデバイスは動作温度の急増に耐えながら、デバイスの機能特性を損なわない状態に維持できる。さらに、本開示に従った優れた抵抗の温度係数を持つバルブ金属を使用する発熱体は通常、200℃~380℃の温度で正常に動作することによって、この温度範囲よりずっと高い動作温度で機能する従来の非燃焼加熱デバイスと比べて、ユーザーにより安全に使用されることができる。
【0062】
図16は、いくつかの開示された実施形態と一致する、例示的な非燃焼加熱デバイス160のブロック図を示す。加熱デバイス160は、加熱装置161を含んでもよい。加熱装置161は本明細書に開示された他の加熱装置と同じ構成を備えることができるし、または同じプロセスによって製造されることができる。加熱デバイス160は、さらに、加熱装置161に接続された支持構造162を含んでもよい、したがって、加熱装置161を加熱デバイス160の中に固定させる。いくつかの実施形態では、支持構造162は基部を含んでもよい、基部は、本明細書に開示された他の基部(例えば、基部20)と同じ構成を備えることができる、または同じプロセスによって製造されることができる。加熱装置161が電源163に電気的に結合されることができることによって、基部は1つ以上の電極(例えば、電極124、125)を含んでもよい。電源163は支持構造162の中に設置されることができる。したがって、加熱装置161の発熱体(例えば、発熱体120)が、電力を電源163から受容し、電力を熱に変換するため、加熱装置で受けられた製品を加熱できる。本開示に従った電源163は、DC電源(例えば、一次電池なまたは二次電池)またはAC電源(例えば、110V、220Vの電圧等による主電源)であることができる。通常、DC電源は、AC電源よりも、ポータブルデバイスに適切である。
【0063】
いくつかの実施形態では、加熱デバイス160は、さらに、支持構造162に接続されたキャビティ164を含んでもよい。キャビティ164は加熱装置161を囲み、加熱される製品を受けることができる。キャビティ164は、人または他の意図しない物体による接触しないように製品を保護することができる。これにより、不注意な燃焼を防止できる。また、加熱デバイス160が加熱装置161によって生成された熱をキャビティ164の内部に滞ることができるため、加熱効率が高まる。
【0064】
図17は、いくつかの開示された実施形態と一致する、加熱装置を製造するための例示的な方法1700のフローチャートを示している。本明細書に開示されたステップの一部をオプションで執行できることが認識されている。さらに、ステップの一部は同時に執行できるし、または
図17に示される順序と異なる順序で行われることもできる。
【0065】
ステップ1702において、ケーシングを加工する。いくつかの実施形態では、ケーシングは、少なくとも1つのケーシングプレートによって囲まれることができる。
図18は、いくつかの開示された実施形態と一致する、加熱装置のケーシングを加工する中間プロセスを示している。
図18に示されるように、複数の形状は、例えば、既定のパターンを有する金属板にエッチングまたは切断することによって作成され、これらの形状毎に、第1のケーシングプレート111の形状に一致する。少なくとも1つの穴128は、形状毎に金属板貫通するようにパンチ加工されることができる。ケーシングが2つのケーシングプレートから組み合わせる実施形態では、もう一つのケーシングプレートは、第1のケーシングプレート111と同じプロセスによって製造されることができる。したがって、ここでは、製造プロセスの説明を繰り返さない。
【0066】
いくつかの実施形態では、金属板は、Al、Mg、Ti、W、Zr、Nb、及びTa等のバルブ金属を含んでもよい。したがって、加工されたケーシングプレートも同じバルブ金属を含んでもよい。いくつかの実施形態に従って、第1のケーシングプレート111はその内面に保持キャビティを含んでもよい。保持キャビティが、ケーシングプレートをエッチングすること、またはケーシングプレートの縁を曲げることによって製造されることができ、これにより、発熱体が保持キャビティに少なくとも部分的に配置されることができる。保持キャビティは、発熱体とケーシングの間に空間を持たせるようにまたは空間を持たせないように、発熱体を密接に保持するように構成される。いくつかの実施形態では、第1のケーシングプレート111はさらに位置決め用溝を含んでもよく、位置決め用溝は、発熱体のコイルパターンと同じであるパターンを第1のケーシングプレート111の全体にわたって、機械加工またはエッチングすることによって製造されることができる。位置決め用溝は、発熱体をケーシングの内側に固定されることができる。ケーシングを形成するために複数のケーシングプレートを使用する実施形態の中に、加圧溶接によって複数のケーシングプレートが繋がれることにより、ケーシングが堅く囲まれることができる。代替として、ケーシングプレートは、ボルトまたは他のロック機構によって繋がれる。本開示に従って、ケーシングが、また、一体化ボディ構造(例えば、円筒形)によって形成されることもできる。
【0067】
再び
図17を参照すると、ステップ1704において、発熱体を加工する。
図19Aは、いくつかの開示された実施形態と一致する、加熱装置の発熱体を加工する中間プロセスを示している。
図19Aに示されるように、複数の形状が、例えば、別の既定のパターンを有する金属板にエッチングまたは切断することによって作成され、これらの形状毎に、発熱体120の形状に一致する。発熱体は
図19Aに示される形状以外で、また、
図2~
図5に示されるような平たる形状、
図10~
図12に示されるようなソレノイド形状、または
図13~
図14に示されるようなV字形の加熱コイルであることができる。所望の形状を実現するために、発熱体120の曲げ加工または成形が要求されることができる。いくつかの実施形態では、金属板は、Al、Mg、Ti、W、Zr、Nb、及びTa等のバルブ金属を含んでもよい。したがって、得られた発熱体は、また、同じバルブ金属を含んでもよい。
図19Aに示されるように、発熱体120は加熱部121及び導電部122を含んでもよい。
【0068】
図19Bは、いくつかの開示された実施形態と一致する、
図19Aに示される例示的な加熱装置の一部分1220の拡大図を示している。本開示に従って、導電部122の少なくとも一部を、少なくとも1つの電極123に作ることができる。絶縁層が発熱体120の表面に形成された後(下記に詳細に説明される)、電極123を構成する下地の金属の一部を覆う絶縁層がレーザーによってエッチングで除去されることができる、これによって、電極123は、他の構成要素と電気的に接続でき、例えば、発熱体120に電力を提供して熱エネルギーに変換するための電源と電気的に接続できる。いくつかの実施形態では、一対の電極123は、1対のピンに形成されることができ、よって、発熱体120を非燃焼加熱デバイスの電源に接続できる。
【0069】
再び
図17を参照すると、ステップ1706において、絶縁層は、MAOプロセスによって、ケーシングの内面と発熱体の外面の間に形成されることができる。いくつかの実施形態では、絶縁層は、発熱体の外面に、ケーシングの内面に、または発熱体の外面及びケーシングの内面の両方に形成されることができる。MAOプロセスは、電解液を調製すること、加工された表面を電解液中に浸すこと、電源によって表面を帯電すること、表面に絶縁層を形成することとを含んでもよい。絶縁層が表面に「形成される」とき、絶縁層は、表面の金属と、金属酸化物を生じさせる電解液との反応によって生成され、絶縁層の金属酸化物の金属成分は、表面の金属と同じであることを意味している。したがって、絶縁層は、十分な摩耗抵抗で表面に密着する。
【0070】
いくつかの実施形態では、電解液は少なくともケイ酸ナトリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液、及び膜形成添加物を含む複数のタイプの溶液の混合物であることができ、ケイ酸ナトリウム溶液の溶液濃度は12g/L~19g/Lであり、水酸化ナトリウム溶液の溶液濃度は2g/L~8g/Lであり、膜形成添加物の溶液濃度は4g/L~8g/Lである。ケイ酸ナトリウムは電解液の主塩であり、水酸化ナトリウムを使用して、電解液のpHを調整する。電解液中の溶液のそれぞれの割合は、1.2%~1.9%のケイ酸ナトリウム溶液、0.2%~0.8%の水酸化ナトリウム溶液、及び0.4%~0.8%の膜形成添加物である。膜形成添加物は、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、クエン酸ナトリウム等であることができる。本開示の前述の目的を実現できる限り、他の適切な膜形成添加物も使用されることを理解されたい。
【0071】
いくつかの実施形態では、絶縁層の形成中、MAOプロセスに用いる電源は、1.6A/dm3~2.4A/dm3の電流密度、320V~380Vの遮断放電電圧、及び800HZ~1200HZの周波数を持つことができる。金属酸化物を含む層は表面に形成され、なお、金属酸化物のタイプは、金属板の表面の金属成分によって決められる。金属酸化物は、ナノメートルレベルの純度がある酸化物であることができる。MAOプロセス後に、MAOプロセスが施される表面が、中性超音波洗浄液によって洗浄されることができ、次に、表面を80℃以上の温度を持つ温水中に浸される。続いて、多結晶セラミック絶縁層が表面に形成されることができる。この中間ステージで、絶縁層に微小の穴があることが可能である。しかし、絶縁層が高温で乾燥されるとき、このような穴が密封され、ひいては、穴が無くなった。結果として、本開示に従った絶縁層は、連続的に形成されることができる。絶縁層の厚さは、およそ数マイクロメートルであり得る。いくつかの実施形態では、絶縁層の厚さは5μm~20μmであり得る。
【0072】
ステップ1708において、発熱体の少なくとも一部はケーシング内で囲まれることができる。
図20は、いくつかの開示された実施形態と一致する、加熱装置を組み立てる例示的なプロセスを示している。
図20に示されるように、ケーシング10が完全に形成され、
図18と併せて説明されるように、ケーシング10の一側が、ステップ1702に従って加工されたケーシングプレートを使用する。
図19A及び
図19Bと併せて説明されるように、発熱体120も完全に形成され、ステップ1704に従って加工された発熱体を使用する。したがって、発熱体120は、ケーシング10のケーシングプレートによって囲まれた空間内に挿入されることができる。したがって、発熱体120の一部はケーシング10によって囲まれることができる一方、残りの部分は、電源に電気的に結合された導電部として露出できる。このような実施形態では、ボルトによるケーシングプレートの締め付け等、ケーシングプレートに適用される締め付け方法によって、発熱体120とケーシング10との直接な接触が実現されることができる。他の実施形態では、ケーシングプレートが加圧溶接によって接続される前に、発熱体120はケーシング10内に囲まれることができる、この方法では、2つのケーシングプレートを一緒に溶接するときに加えられた圧力によって組み立てられた後、発熱体120がケーシング10の内面と直接接触できる。
【0073】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるプロセスによって製造された加熱装置は200~380℃の温度で動作できる一方、加熱装置は、600℃以下で比較的長い動作時間にわたって、及び最大800℃まで比較的短い動作時間にわたって正常に機能できる。
【0074】
図21は、いくつかの開示された実施形態と一致する、加熱装置21の制限ブラケットを用いて、ケーシング10、発熱体120、及び接触部333を固定する例示的なプロセスを示している。同じ加熱装置(追加の基部20を除く)の分解図に関して、
図7の加熱装置7を参照してもよい。いくつかの実施形態では、第2のケーシングプレート112(
図21の観察者に面する)は、第1のケーシングプレート111(第2のケーシングプレート112の反面にある)よりも短い、ひいては、電極123は、第2のケーシングプレート112がある側のケーシング10から露出する。接触部333は第2のケーシングプレート112の側面で電極123と電気的に接続できる、制限ブラケットの制限ロッド331は、第1のケーシングプレート111、発熱体120、及び接触部333の1つ以上の穴を通過し、これらの相対位置を固定できる。
【0075】
図22は、いくつかの開示された実施形態と一致する、別の加熱装置22の制限ブラケットを用いて、ケーシング10、発熱体120、及び接触部333を固定する例示的なプロセスを示している。同じ加熱装置(追加の基部20を除く)の分解図に関して、
図7の加熱装置7を参照してもよい。一対のカバー330はケーシング10の固定部117を覆う同時に、相応に位置決めされた発熱体120及び接触部333の一部を覆うことができる。いくつかの実施形態では、複数の制限ロッド331及び適合ナットを使用して、第1のケーシングプレート111及び第2のケーシングプレート112を締めづけられる。これにより、発熱体120を加圧して、ケーシング10と直接接触させることができる。結果として、熱は発熱体120からケーシング10により効率的に伝えられ、また、ケーシング10、発熱体120、接触部333、及びカバー330がそれぞれお互いに相対位置で固定され、使用中に変位することを防止できる。
【0076】
図23は、いくつかの開示された実施形態と一致する、例示的な加熱装置の表面の概略図を示している。
図23に示されるように、加熱装置の表面が研磨されることができ、研磨はサンドペーパーまたは研磨機によって行われることができる。これにより、加熱装置の表面がより滑らかに成れ、よって、その表面の絶縁層は耐久性がより良く、熱効率がより高くなる。また、加熱装置の表面は400~500℃の温度で青み処理されることができ、これにより、加熱装置の防錆性が改善される。
【0077】
上記に説明した製造方法にケーシングは必ずしも必要ではないことに留意されたい。本開示に従って、加熱装置はケーシングがない発熱体を含んでもよく、なお、発熱体は、
図17~
図23と併せて上記に説明した方法と類似な方法で製造されることができる。代替として、発熱体を適切な調整により、ケーシングがなくても本開示の前述の目的を実現するために、より適切な発熱体を作ることができる。
【0078】
本開示の一態様に従って、非燃焼加熱デバイスに用いった加熱装置が開示される。加熱装置は、加熱される製品を受けるための端部を備えるケーシングと、ケーシング内に少なくとも部分的に配置された発熱体と、ケーシングの内面と発熱体の外面との間に形成された絶縁層とを含む。絶縁層はバルブ金属酸化物を有する多結晶材料を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、絶縁層が発熱体の外面に形成される。
いくつかの実施形態では、発熱体は第1のバルブ金属を含み、しかも、バルブ金属酸化物は第1のバルブ金属と同じ金属を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、発熱体はチタンまたはアルミニウムを含む。
いくつかの実施形態では、ケーシングは第2のバルブ金属を含み、しかも、バルブ金属酸化物は第2のバルブ金属と同じ金属を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、ケーシングはチタンまたはアルミニウムを含む。
いくつかの実施形態では、ケーシングは一体化ボディを含み、絶縁層はケーシングの内面の少なくとも一部に形成される。
【0082】
いくつかの実施形態では、絶縁層は、発熱体の外面のうちの1つ以上において、または一体化ボディのケーシングの内面の少なくとも一部において、マイクロアーク酸化によって形成される。
【0083】
いくつかの実施形態では、発熱体は、2つ以上のケーシングプレートによって囲まれたケーシングの空間内に少なくとも部分的に配置され、絶縁層はケーシングプレートの少なくとも1つの内面に形成される。
【0084】
いくつかの実施形態では、絶縁層は、発熱体の外面のうちの1つ以上において、または少なくとも1つのケーシングプレートの内面において、マイクロアーク酸化によって形成される。
【0085】
いくつかの実施形態では、絶縁層は連続的に形成される。
いくつかの実施形態では、絶縁層の厚さは5μm~20μmである。
【0086】
いくつかの実施形態では、保持キャビティはケーシングの少なくとも1つの内面に形成される。
【0087】
いくつかの実施形態では、位置決め用溝はケーシングの少なくとも1つの内面に形成される。位置決め用溝の形状は発熱体の形状と相応する。発熱体が位置決め用溝に固定される。
【0088】
いくつかの実施形態では、1つのケーシングプレートの長さは、他のケーシングプレートのうちの少なくとも1つの長さよりも短い。
【0089】
いくつかの実施形態では、ケーシングはブレード形状を含む。
いくつかの実施形態では、発熱体は平たる形状を有する加熱コイルである。
【0090】
いくつかの実施形態では、ケーシングは円筒形を含む。
いくつかの実施形態では、発熱体はソレノイド加熱コイルであり、しかも、発熱体はロッドの周りで螺旋状になる。
【0091】
いくつかの実施形態では、ケーシングの空間の断面は、ケーシングの縦軸に沿って対称な2つのV字形を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、発熱体は2つの加熱コイルを含む。加熱コイルのそれぞれの断面はV字形を含み、加熱コイルのV字形はケーシングの空間のV字形と相応する。
【0093】
いくつかの実施形態では、発熱体は、ケーシング内で囲まれ、しかも、ケーシングの内面と直接接触する。
【0094】
いくつかの実施形態では、発熱体は加熱部及び導電部を含む。
いくつかの実施形態では、発熱体は少なくとも1つの穴を含む。少なくとも1つの穴は、導電部または加熱部においてあり、しかも、穴が加熱される製品を受けるための発熱体の端部よりも導電部に近い場所においてある。
【0095】
いくつかの実施形態では、非燃焼加熱デバイスは電源を含み、発熱体が電源から提供された電力によって加熱される。
【0096】
いくつかの実施形態では、発熱体の導電部は、電源に電気的に結合される1対のピンを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、加熱装置は、さらに、制限ブラケット及び基部を含む。制限ブラケットは1対のピンを制限ブラケットに固定するように構成され、基部は、接触部によって電源に取り外し可能に接続される1対のピンを位置決めするように構成される。
【0098】
いくつかの実施形態では、1対のピンが制限ブラケットに固定されるとき、ケーシングは発熱体の少なくとも1つの穴の位置に対応する位置に少なくとも1つの穴を含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、制限ブラケットは2つのカバーを含む。制限ブラケットが1対のピンを固定するとき、2つのカバーは1対のピンを囲んでいる。2つのカバーの少なくとも1つは、発熱体の少なくとも1つの穴及びケーシングの少なくとも1つの穴を通過するように構成された制限ロッドを含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、ケーシングは、加熱部、固定部、及び加熱部と固定部の間にある少なくとも1つの断熱構造を含む。ケーシングの加熱部は、発熱体の加熱部に対応する位置にある。ケーシングの固定部は、発熱体の導電部に対応する位置にある。
【0101】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの断熱構造は断熱溝を含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの断熱構造は、ケーシングの少なくとも1つの側面に位置される。
【0102】
いくつかの実施形態では、断熱溝は、ケーシングの加熱部からケーシングの固定部まで延在するラインに垂直している。
【0103】
いくつかの実施形態では、断熱溝は、ケーシングの側端に半円切欠きを備える。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの断熱構造は断熱穴を含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、発熱体の最高動作温度は800℃である。
いくつかの実施形態では、発熱体の正常動作温度は200℃~380℃である。
【0105】
いくつかの実施形態では、製品は、ニコチン、香料、または薬剤のうちの少なくとも1つを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、製品は電子タバコ用リキッドを含む。
本開示の別の態様に従って、非燃焼加熱デバイスとともに使用するための加熱装置が開示される。加熱装置は、加熱される製品を受けるための端部を備える発熱体と、発熱体の外面に形成された絶縁層とを含む。絶縁層はバルブ金属酸化物を有する多結晶材料を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、発熱体はバルブ金属を含み、しかも、バルブ金属酸化物はバルブ金属と同じ金属を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、発熱体はチタンまたはアルミニウムを含む。
いくつかの実施形態では、絶縁層は連続的に形成される。
【0109】
いくつかの実施形態では、絶縁層の厚さは5μm~20μmである。
いくつかの実施形態では、発熱体は平たる形状を備える加熱コイルである。
【0110】
いくつかの実施形態では、発熱体はソレノイド加熱コイルであり、発熱体はロッドの周りで螺旋状になる。
【0111】
いくつかの実施形態では、発熱体は2つの加熱コイルを含む。加熱コイル毎の断面はV字形を含む。
【0112】
本開示の別の態様に従って、非燃焼加熱デバイスが開示される。非燃焼加熱デバイスは上記に開示した加熱装置を含み、さらに、支持構造及び電源を含む。支持構造は、非燃焼加熱デバイス内で加熱装置の位置を固定するために加熱装置に接続される。電源が、支持構造の中に設置され、しかも、電力を発熱体に提供するために、電源が加熱装置に電気的に結合される。
【0113】
いくつかの実施形態では、非燃焼加熱デバイスは、さらに、支持構造に接続されたキャビティを含む。キャビティは加熱装置を囲み、加熱される製品を受ける。
【0114】
本開示の別の態様に従って、加熱装置を製造するための方法が開示される。本方法は、金属を含む発熱体を加工することと、金属を含むケーシングを加工することと、ケーシングで発熱体の少なくとも一部を囲むこととを含む。絶縁層は、ケーシングの内面及び発熱体の外面のうちの少なくとも1つにマイクロアーク酸化プロセスによって形成される。絶縁層が形成される少なくとも1つの表面はバルブ金属を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、バルブ金属はチタンまたはアルミニウムを含む。
いくつかの実施形態では、発熱体を加工することは、第1の既定のパターンに従って、第1の金属板をエッチングすることを含む。第1の既定のパターンは発熱体の形状に相応する。
【0116】
いくつかの実施形態では、マイクロアーク酸化プロセスは、電解液を調製することと、絶縁層が形成される少なくとも1つの表面を電解液中に浸すことと、絶縁層が表面に形成されるまで、MAO電源によって提供されたMAO電力で表面を帯電することとを含む。電解液は、少なくとも、ケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、及び膜形成添加物を含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、ケイ酸ナトリウムの溶液濃度は12g/L~19g/Lであり、水酸化ナトリウムの溶液濃度は2g/L~8g/Lであり、膜形成添加物の溶液濃度は4g/L~8g/Lである。
【0118】
いくつかの実施形態では、MAO電力は、1.6A/dm3~2.4A/dm3の電流密度、320V~380Vの遮断放電電圧、及び800HZ~1200HZの周波数を持つ。
【0119】
いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、少なくとも1つの第2の既定のパターンを備える1つの第2の金属板をエッチングすることによって、2つ以上のケーシングプレートを提供することと、2つ以上のケーシングプレートを接合し、ケーシングを形成することとを含む。第2の既定のパターンは2つ以上のケーシングプレートの少なくとも1つの形状に相応する。発熱体は、少なくとも部分的に、ケーシング内で囲まれる。
【0120】
いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、ケーシングプレートの少なくとも1つの内面に保持キャビティを形成することを含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、ケーシングプレートの少なくとも1つの内面に位置決め用溝を形成することを含む。位置決め用溝の形状は発熱体の形状に相応する。発熱体が位置決め用溝に固定される。
【0122】
いくつかの実施形態では、2つ以上のケーシングプレートを接合することは、さらに、加圧溶接プロセスを使用して、2つ以上のケーシングプレートを一緒に溶接し、ケーシングを形成することを含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、絶縁層は連続的に形成される。
いくつかの実施形態では、絶縁層の厚さは5μm~20μmである。
【0124】
いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、第2の既定のパターンに従って、ブレード形状(葉っぱのような形状)を含むようにケーシングを形成することを含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、第1の既定のパターンに従って、平たる形状を備える加熱コイルを含むように発熱体を形成することを含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、第2の既定のパターンに従って、円筒形を含むようにケーシングを形成することを含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、第1の既定のパターンに従って、ソレノイド加熱コイルを含むように発熱体を形成することと、ソレノイド加熱コイルの中心縦軸に沿って位置決めされるロッドを提供することとを含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、ケーシングの空間の断面は、ケーシングの縦軸に沿って対称な2つのV字形を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、発熱体は2つの加熱コイルを含む。加熱コイルのそれぞれの断面はV字形を含む。加熱コイルのV字形はケーシングの空間のV字形に相応する。
【0130】
いくつかの実施形態では、発熱体は、ケーシング内で囲まれ、しかも、ケーシングの内面と直接接触する。
【0131】
いくつかの実施形態では、発熱体は加熱部及び導電部を含む。
いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、少なくとも1つの穴を発熱体に形成することを含む。少なくとも1つの穴は、導電部または加熱部にあり、加熱部は、加熱される製品を受けるための発熱体の端部よりも導電部に近い場所にある。
【0132】
いくつかの実施形態では、非燃焼加熱デバイスは電源を含む。発熱体は、電源から提供された電力によって加熱される。
【0133】
いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、1対のピンを発熱体の導電部に形成することを含む。1対のピンは、電源に電気的に結合される。
【0134】
いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、制限ブラケットを提供することと、基部を提供することとを含む。制限ブラケットは、1対のピンを制限ブラケットに固定するように構成される。基部は、接触部によって電源に取り外し可能に接続される1対のピンを位置決めするように構成される。
【0135】
いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、少なくとも1つの穴を、ケーシングプレートの少なくとも1つに提供することを含む。1対のピンが制限ブラケットに固定されるとき、少なくとも1つの穴の位置は、発熱体の少なくとも1つの穴の位置に相応する。
【0136】
いくつかの実施形態では、制限ブラケットは2つのカバーを含む。制限ブラケットが1対のピンを固定するとき、2つのカバーは1対のピンを囲む。2つのカバーの少なくとも1つは、発熱体の少なくとも1つの穴及び少なくとも1つのケーシングプレートの穴を通過するように構成された制限ロッドを含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、ケーシングは、加熱部、固定部、及び加熱部と固定部の間にある少なくとも1つの断熱構造を含む。ケーシングの加熱部は、発熱体の加熱部に対応する位置にある。ケーシングの固定部は、発熱体の導電部に対応する位置にある。
【0138】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの断熱構造は断熱溝を含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの断熱構造は、ケーシングの少なくとも1つの側面に位置決めされる。
【0139】
いくつかの実施形態では、断熱溝は、ケーシングの加熱部からケーシングの固定部まで延在するラインに垂直している。
【0140】
いくつかの実施形態では、断熱溝は、ケーシングの側端に半円切欠きを備える。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの断熱構造は断熱穴を含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、発熱体の最高動作温度は800℃である。
いくつかの実施形態では、発熱体の正常動作温度は200℃~380℃である。
【0142】
いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、ケーシングを研磨することを含む。
いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、400℃~500℃の温度で、ケーシングを青み処理することを含む。
【0143】
本開示の別の態様に従って、非燃焼加熱デバイスを製造するための方法が開示される。当該方法は、上記に開示された方法を使用する加熱装置を提供することと、非燃焼加熱デバイス内で加熱装置の位置を固定するために、支持構造を加熱装置に接続することと、電源を支持構造内に提供することとを含む。電源が、電力を発熱体に提供するために加熱装置に電気的に結合される。
【0144】
いくつかの実施形態では、当該方法は、電力をオン及びオフに制御するために、または一定期間にわたって電力をオンに保持するために、電源に電気的に結合されたスイッチを提供することを含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、当該方法は、支持構造に接続されたキャビティを提供することを含む。キャビティは加熱装置を囲み、しかも、加熱される製品を受ける。
【0146】
開示されたデバイス及び関連装置に対して様々な修正がなされ、変形形態を作ることができることは当業者に明らかである。開示されたデバイス及び関連装置の詳細及び実行を考えられることから、他の実施形態は当業者に明らかである。
【0147】
明細書及び例は単に例示として考えられることが意図され、実際の範囲は以下の請求項及びこれらの同等物によって示される。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非燃焼加熱デバイスに用いる加熱装置であって、
加熱される製品を受けるための端部を備えるケーシングと、
前記ケーシング内に少なくとも部分的に配置された発熱体と、
前記ケーシングの内面と前記発熱体の外面の間に形成された絶縁層と、を含み、
前記絶縁層はバルブ金属酸化物を有する多結晶材料を含む、加熱装置。
【請求項2】
前記絶縁層は前記発熱体の前記外面に形成される、請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記発熱体は第1のバルブ金属を含む、
請求項1に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記第1のバルブ金属は少なくともチタン、アルミニウム、またはマグネシウムの中の1つを含む、請求項3に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記ケーシングは第2のバルブ金属を含む、
請求項1に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記第2のバルブ金属は少なくともチタン、アルミニウム、またはマグネシウムの中の1つを含む、請求項5に記載の加熱装置。
【請求項7】
前記ケーシングは一体化ボディを含み、
前記絶縁層は、前記発熱体の前記外面のうちの1つ以上において、または前記一体化ボディのケーシングの前記内面の少なくとも一部において、マイクロアーク酸化によって形成され、
前記発熱体は、2つ以上のケーシングプレートによって囲まれた前記ケーシングの空間内に少なくとも部分的に配置され、
前記絶縁層は前記ケーシングプレートの少なくとも1つの内面に形成される、請求項1に記載の加熱装置。
【請求項8】
保持キャビティは前記ケーシングの少なくとも1つの内面に形成される、請求項7に記載の加熱装置。
【請求項9】
位置決め用溝は前記ケーシングの少なくとも1つの内面に形成され、
前記位置決め用溝の形状は前記発熱体の形状に相応し、
前記発熱体は前記位置決め用溝に固定される、請求項7に記載の加熱装置。
【請求項10】
前記ケーシングはブレード形状または円筒状をなし、
前記発熱体は平たる形状を備える加熱コイルであり、またはロッドの周りをらせん状になるソレノイド加熱コイルである、請求項9に記載の加熱装置。
【請求項11】
前記発熱体は、前記ケーシング内で囲まれ、前記ケーシングの前記内面と直接接触し、
前記発熱体は加熱部、導電部及び1つの穴を含み、
少なくとも1つの前記穴は、前記導電部または前記加熱部にあり、前記加熱部は、前記加熱される製品を受けるための前記発熱体の端部よりも前記導電部に近い場所にある、請求項10に記載の加熱装置。
【請求項12】
前記加熱装置は、
前記1対のピンを制限ブラケットに固定するように構成された制限ブラケットと、
接触部によって前記電源に取り外し可能に接続される前記1対のピンを位置決めするように構成された基部と、
をさらに備え、
前記制限ブラケットは2つのカバーを備え、前記制限ブラケットが前記1対のピンを固定するとき、2つの前記カバーは前記1対のピンを囲み、
2つの前記カバーの少なくとも1つは、前記発熱体の少なくとも1つの前記穴及び前記ケーシングの少なくとも1つの前記穴を通過するように構成された制限ロッドをさらに備える、請求項11に記載の加熱装置。
【請求項13】
前記ケーシングは、前記1対のピンが前記制限ブラケットに固定されるとき、前記発熱体の少なくとも1つの前記穴の位置に対応する位置に少なくとも1つの穴を含み、
前記加熱部は、前記発熱体の前記加熱部に対応する位置にあり、
前記固定部は、前記発熱体の導電部に対応する位置にあり、
前記加熱部と前記固定部の間に少なくとも1つの断熱構造
を含む、請求項11に記載の加熱装置。
【請求項14】
少なくとも1つの前記断熱構造がケーシングの少なくとも1つの側面に位置され、
前記断熱構造は1つの断熱溝または断熱穴を含み、
少なくとも1つの前記断熱構造が前記断熱溝を含む場合に、前記断熱溝は、前記ケーシングの前記加熱部から前記ケーシングの前記固定部まで延びるラインに垂直している、請求項13に記載の加熱装置。
【請求項15】
加熱装置と、
前記非燃焼加熱デバイス内で前記加熱装置の位置を固定するために、前記加熱装置に接続された支持構造と、
前記支持構造に設置され、電力を前記発熱体に提供するために前記加熱装置に電気的に結合された電源と、
を備え、
前記加熱装置が
加熱される製品を受けるための端部を備えるケーシングと、
前記ケーシング内に少なくとも部分的に配置された発熱体と、
前記ケーシングの内面と前記発熱体の外面との間に形成された絶縁層と、
をさらに備え、
前記絶縁層は、バルブ金属酸化物を有する多結晶材料
を備える、非燃焼加熱デバイス。
【請求項16】
加熱装置を製造するための方法であって、
金属を含む発熱体を加工することと、
金属を含むケーシングを加工することと、
前記ケーシングで前記発熱体の少なくとも一部を囲むことと、を含み、
絶縁層は、前記ケーシングの内面及び前記発熱体の外面のうちの少なくとも1つでマイクロアーク酸化プロセスによって形成され、
前記発熱体及び前記ケーシングの少なくとも1つはバルブ金属を含む、方法。
【請求項17】
発熱体を加工することは、第1の既定のパターンに従って、第1の金属板をエッチングすることを含み、
前記第1の既定のパターンは、前記発熱体の形状に相応する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ケーシングプレートの少なくとも1つの内面に位置決め用溝を形成することをさらに含み、
前記位置決め用溝の形状は前記発熱体の形状に相応し、
前記発熱体は前記位置決め用溝に固定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第1の既定のパターンに従って、平たる形状を備える加熱コイルを含むように前記発熱体を形成することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
第1の既定のパターンに従って、ソレノイド加熱コイルを含むように前記発熱体を形成することと、
前記ソレノイド加熱コイルの中心縦軸に沿って位置決めされるロッドを提供することと、
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記1対のピンを制限ブラケットに固定するように構成された制限ブラケットを提供することと、
接触部によって前記電源に取り外し可能に接続される前記1対のピンを位置決めするように構成された基部を提供することと、
をさらに含み、
前記制限ブラケットは2つのカバーを備え、前記制限ブラケットが前記1対のピンを固定するとき、2つの前記カバーは前記1対のピンを囲み、
2つの前記カバーの少なくとも1つは、前記発熱体の少なくとも1つの前記穴及び少なくとも1つのケーシングプレートの前記穴を通過するように構成された制限ロッドを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つの穴を、少なくとも1つのケーシングプレートに設置することをさらに含み、
前記1対のピンが前記制限ブラケットに固定されるとき、少なくとも1つの前記穴の位置は、前記発熱体の少なくとも1つの前記穴の前記位置に対応し、
前記ケーシングは、加熱部、固定部、及び前記加熱部と前記固定部の間にある少なくとも1つの断熱構造を含み、
前記ケーシングの前記加熱部は、前記発熱体の前記加熱部に対応する位置にあり、
前記ケーシングの前記固定部は、前記発熱体の導電部に対応する位置にある、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つの前記断熱構造はケーシングの少なくとも一側に位置され、断熱溝または断熱穴を含み、
少なくとも1つの前記断熱構造が前記断熱溝を含む時に、前記断熱溝は、前記ケーシングの前記加熱部から前記ケーシングの前記固定部まで延在するラインに垂直している、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ケーシングを研磨することと、
400℃~500℃の温度で、前記ケーシングを青み処理することとをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【国際調査報告】