(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法、装置、機器および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04B 10/079 20130101AFI20230831BHJP
H04J 14/04 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
H04B10/079 150
H04J14/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512477
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 CN2021108435
(87)【国際公開番号】W WO2022037366
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】202010848926.1
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】梁俊鵬
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA41
5K102AA68
5K102LA06
5K102LA11
5K102LA52
5K102PA11
5K102RD28
(57)【要約】
本願の実施例は、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法、装置、機器および記憶媒体を開示する。この方法は、MIMO等化器の各サブフィルタの時間領域係数を取得するステップと、各サブフィルタの時間領域係数に基づいて各サブフィルタの周波数応答を取得し、MIMO等化器の周波数応答行列を得るステップと、周波数応答行列に基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバの特徴パラメータを得るステップとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法であって、
MIMO(Multiple-Input Multiple-Output:多入力多出力)等化器の各サブフィルタの時間領域係数を取得するステップと、
前記各サブフィルタの時間領域係数に基づいて各サブフィルタの周波数応答を取得し、前記MIMO等化器の周波数応答行列を得るステップと、
前記周波数応答行列に基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバの特徴パラメータを得るステップと
を含む空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法。
【請求項2】
前記周波数応答行列に基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバの特徴パラメータを得る前記ステップは、
前記周波数応答行列に基づいて、前記MIMO等化器のMウェイの出力データの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを取得するステップと、
前記MIMO等化器の入力データと出力データとの対応関係に基づいて、前記Mウェイの出力データの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータにそれぞれ対応するMウェイの入力データを特定し、M個の空間チャネルに対応する前記空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを得るステップと
を含む請求項1に記載の空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法。
【請求項3】
前記空間分割多重光ファイバ特徴パラメータはモード依存損失を含み、
前記周波数応答行列に基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバの特徴パラメータを得る前記ステップは、
前記周波数応答行列と前記周波数応答行列の共役とを乗算して乗算後の第1行列を得るステップと、前記第1行列の、各前記空間チャネルに対応する固有値を含む第1固有値シーケンスを取得するステップと、
k番目の空間チャネルに対応する固有値とj番目の空間チャネルに対応する固有値との比の値に基づいて、前記j番目の空間チャネルに対する前記k番目の空間チャネルのモード依存損失を得るステップとを含み、
前記kと前記jとは異なる自然数であり、取りうる最大値がいずれも空間チャネルの数以下である
請求項1から2の何れか一項に記載の空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法。
【請求項4】
【請求項5】
前記特徴パラメータは、微分群遅延および/またはモード依存分散を含み、
前記周波数応答行列に基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバの特徴パラメータを得る前記ステップは、
前記周波数応答行列の逆行列を取得するステップと、
前記逆行列を周波数について偏微分して第2行列を得るステップと、
前記第2行列の転置行列と前記逆行列とを乗算し、さらに虚部単位を乗算して、第3行列を得るステップと、
前記各周波数ポイントにおける前記第3行列の、各周波数ポイントにおいて前記各空間チャネルに対応する固有値を含む第2固有値シーケンスを取得するステップと、
前記第2固有値シーケンスに基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを取得するステップと
を含む請求項1に記載の空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法。
【請求項6】
前記特徴パラメータは微分群遅延を含み、前記第2固有値シーケンスに基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを取得する前記ステップは、
k番目の空間チャネルとj番目の空間チャネルの周波数0ポイントにおいて対応する固有値をそれぞれ取得するステップと、
前記k番目の空間チャネルの周波数0ポイントにおいて対応する固有値と前記j番目の空間チャネルの周波数0ポイントにおいて対応する固有値との差を、前記j番目の空間チャネルに対する前記k番目の空間チャネルの微分群遅延とするステップとを含み、
前記kと前記jとは異なる自然数であり、取りうる最大値がいずれも空間チャネルの数以下である
請求項5に記載の空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法。
【請求項7】
前記特徴パラメータは微分群遅延を含み、前記第2固有値シーケンスに基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを取得する前記ステップは、
k番目の空間チャネルの各周波数ポイントにおいて対応する固有値の和を求めて、第1加算値を得るステップと、
j番目の空間チャネルの各周波数ポイントにおいて対応する固有値の和を求めて、第2加算値を得るステップと、
前記第1加算値と第2加算値との差を取り、前記j番目の空間チャネルに対する前記k番目の空間チャネルの微分群遅延とするステップとを含み、
前記kと前記jとは異なる自然数であり、取りうる最大値がいずれも空間チャネルの数以下である
請求項5に記載の空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法。
【請求項8】
前記特徴パラメータはモード依存分散を含み、前記第2固有値シーケンスに基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを取得する前記ステップは、
k番目の空間チャネルの各周波数ポイントにおいて対応する固有値を角周波数について偏微分を求め、第1偏微分を得るステップと、
j番目の空間チャネルの各周波数ポイントにおいて対応する固有値を角周波数について偏微分を求め、第2偏微分を得るステップと、
前記第1偏微分と前記第2偏微分との差を、前記j番目の空間チャネルに対する前記k番目の空間チャネルのモード依存分散とするステップとを含み、
前記kと前記jとは異なる自然数であり、取りうる最大値がいずれも空間チャネルの数以下である
請求項5に記載の空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法。
【請求項9】
空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視装置であって、
MIMO(Multiple-Input Multiple-Output:多入力多出力)等化器の各サブフィルタの時間領域係数を取得するように構成された時間領域係数モジュールと、
前記各サブフィルタの時間領域係数に基づいて各サブフィルタの周波数応答を取得し、前記MIMO等化器の周波数応答行列を得るように構成された変換モジュールと、
前記周波数応答行列に基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを得るように構成された特徴パラメータ取得モジュールと
を備える空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視装置。
【請求項10】
電子機器であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを備え、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサにより実行できる指令が記憶されており、前記指令が前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサにより請求項1から8の何れか一項に記載の空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法を実行できる
電子機器。
【請求項11】
コンピュータ可読記憶媒体であって、
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された場合、請求項1から8の何れか一項に記載の空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法を実現する
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は出願番号が「202010848926.1」で、出願日が2020年8月21日である中国特許出願に基づいて提出され、その中国特許出願の優先権を主張し、その中国特許出願の全文を援用により本願に組み入れる。
【0002】
本願の実施例は、光ファイバ通信の分野に関し、特に空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法、装置、機器および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
出願人らは、環境の変化、例えば、温度や応力等の要素の変化は、特徴パラメータの動的な変化を引き起こすが、関連技術における特徴パラメータ測定方法では、特徴パラメータの事前測定しか実現できず、環境の変化を追跡し、インサービスで特徴パラメータをリアルタイムに監視することができないことを発見した。また、関連技術の特徴パラメータ測定方法では、動的リンクの特徴パラメータの測定を実現できず、マルチスパンの光ファイバリンクの全体特徴を特徴付けることができず、パラメータの測定時に、他のモードの干渉を排除することができず、データのソースが不正確であるため、測定されるパラメータが不正確である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例は、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法を提供し、前記方法は、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output:
多入力多出力)等化器の各サブフィルタの時間領域係数を取得するステップと、各サブフィルタの時間領域係数に基づいて各サブフィルタの周波数応答を取得し、MIMO等化器の周波数応答行列を得るステップと、周波数応答行列に基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバの特徴パラメータを得るステップとを含む。
【0005】
本願の実施例は、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視装置をさらに提供し、前記装置は、MIMO等化器の各サブフィルタの時間領域係数を取得するように構成された時間領域係数モジュールと、各サブフィルタの時間領域係数に基づいて各サブフィルタの周波数応答を取得し、MIMO等化器の周波数応答行列を得るように構成された変換モジュールと、周波数応答行列に基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを得るように構成された特徴パラメータ取得モジュールとを備える。
【0006】
本願の実施例は端末電子機器をさらに提供し、前記電子機器は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを備え、メモリには少なくとも1つのプロセッサにより実行できる指令が記憶されており、指令が少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、少なくとも1つのプロセッサにより上記の空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法を実行できる。
【0007】
本願の実施例はコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶しており、コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された場合、前記の空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本願の第1実施例にかかる、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法のフローチャートである。
【
図2】本願の第1実施例における6x6MIMO等化器の構成図である。
【
図3】本願の第2実施例にかかる、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法のフローチャートである。
【
図4】本願の第3実施例にかかる、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法のフローチャートである。
【
図5】本願の第4実施例にかかる、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法のフローチャートである。
【
図6】本願の第4実施例における、空間分割多重光ファイバ特徴パラメータの抽出を示す模式図である。
【
図7】本願の第4実施例における3コア光ファイバの横断面構造図である。
【
図8】本願の第5実施例における空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視装置の構成模式図である。
【
図9】本願の第6実施例における電子機器の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願実施例の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下では、添付図面を組み合わせて本願の各実施例を詳しく説明する。しかしながら、当業者であれば、本願の各実施例において、読み手に本願をよりよく理解してもらうために多くの技術的詳細が提示されていることを理解することができる。しかし、これらの技術的詳細及び以下の各実施例に基づく様々な変更及び修正がなくとも、本願の保護を求める技術案を実現することができる。以下の各実施例の区分は、説明の便宜のためになされており、本願の具体的な実施形態にいかなる限定を構成すべきではなく、各実施例は、矛盾しない限り、組み合わせたり互いに引用したりすることができる。
【0010】
通信容量の増加、偏波、直交次元、周波数リソース、電子機器のボトルネックなど資源の枯渇に伴い、低モード光ファイバ、マルチコアファイバ、および低モードマルチコアファイバなどの特殊光ファイバに基づく空間分割多重化技術がますます注目を集めている。マルチコアまたは数モード光ファイバの異なるモード間の微分群遅延パラメータ、モード依存損失パラメータおよびモード依存色度分散パラメータは、空間分割多重システムに特有の重要なパラメータである。現在、主にスペックル干渉法、後方散乱法などを用いて空間分割多重光ファイバにおける特徴パラメータを監視する。
【0011】
しかしながら、出願人らは、環境の変化、例えば、温度や応力等の要素の変化は、特徴パラメータの動的な変化を引き起こすが、関連技術における特徴パラメータ測定方法では、特徴パラメータの事前測定しか実現できず、環境の変化を追跡し、インサービスで特徴パラメータをリアルタイムに監視することができないことを発見した。また、関連技術の特徴パラメータ測定方法では、動的リンクの特徴パラメータの測定を実現できず、マルチスパンの光ファイバリンクの全体特徴を特徴付けることができず、パラメータの測定時に、他のモードの干渉を排除することができず、データのソースが不正確であるため、測定されるパラメータが不正確である。
【0012】
本願の実施例の主な目的は、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータをリアルタイムで監視し、動的リンクをリアルタイムで測定し、マルチスパン光ファイバリンクの全体特徴を特徴付けられる空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法、装置、機器および記憶媒体を提案することにある。
【0013】
本発明の第1実施例は、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法に関し、
図1に示すように、この方法は、具体的には、ステップS101において、MIMO等化器の各サブフィルタの時間領域係数を取得する。
【0014】
具体的には、CMA、LMS、RLSまたはトレーニングシーケンスなどの方法を使用してMIMO等化器内の各サブフィルタの時間領域係数を取得する。
【0015】
ステップS102において、各サブフィルタの時間領域係数に基づいて各サブフィルタの周波数応答を取得し、MIMO等化器の周波数応答行列を得る。
【0016】
具体的には、jウェイの入力とiウェイの出力を有するサブフィルタの時間領域係数をWij(n)(i,j=1,2,・・・M)と表記し、ここで、nはフィルタタップ識別子であり、n=1,2,・・・Nであり、Nはフィルタタップ数であり、Mは空間チャネルの数である。フーリエ変換を求めて各サブフィルタの周波数応答Wij(n)を得て、MIMOフィルタの周波数領域フィルタ全体をW(f)と表記し、すなわち、MIMO等化器の周波数応答行列はW(f)である。
【0017】
ステップS103において、周波数応答行列に基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバの特徴パラメータを得る。
【0018】
具体的には、MIMO等化器の周波数応答行列W(f)を用いて、各空間チャネルの空間分割多重光ファイバの特徴パラメータを算出する。
【0019】
具体的には、数モード光ファイバに基づく強結合システムを例示する。数モード光ファイバが6つのモードをサポートし、LP01、LP11a、LP11b、および各直線偏波モードの対応する2つの偏波にそれぞれ対応すると仮定する。
図2に示すように、LP01x、LP01y、LP11ax、LP11ay、LP11bx、LP11byの合計6ウェイのデータをそれぞれX1、X2、…X6と表記し、対応するMIMO等化器の出力をY1、Y2、…Y6と表記する。MIMO等化タップ係数、すなわちサブフィルタの時間領域係数を、W
ij(n)と表記し、ここで、i,j∈{1,2,3,4,5,6}であり、jウェイの入力とiウェイの出力を有するサブフィルタ係数を表し、n∈{1,2,……N}はフィルタタップの識別子であり、Nはタップの数である。得られたサブフィルタの時間領域係数W
ij(n)のフーリエ変換を求めて各サブフィルタの周波数応答を得て、MIMO等化器の周波数領域フィルタ全体をW(f)と表記し、すなわち、MIMO等化器の周波数応答行列はW(f)であり、周波数応答行列W(f)に基づいて空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを算出する。
【0020】
本願の第1実施例によれば、MIMO等化器の各サブフィルタの時間領域係数を取得し、各サブフィルタの時間領域係数に基づいて各サブフィルタの周波数応答を取得し、MIMO等化器の周波数応答行列を得て、周波数応答行列に基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバの特徴パラメータを得る。本願の実施例によれば、MIMO等化器からサブフィルタの時間領域係数を取得して、空間分割多重光ファイバにおける特徴パラメータを算出するため、環境変化を追跡し、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータをリアルタイムで監視し、動的リンクのリアルタイム測定を実現し、マルチスパン光ファイバリンクの全体特徴を特徴付けることが可能である。また、本願の実施例によれば、MIMO等化器から係数を取得するため、データのソースは正確であり、得られる特徴パラメータの精度がより高くなるように、他のモードの干渉を除外することができる。
【0021】
本願の第2実施例は、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法に関し、第2実施例は、第1実施例とほぼ同じであるが、相違点は以下の通りである。本実施例において、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータは、具体的にはモード依存損失を含み、本実施例の具体的な流れは、
図3に示すように、以下のステップを含む。
【0022】
ステップS201において、MIMO等化器の各サブフィルタの時間領域係数を取得する。
【0023】
ステップS202において、各サブフィルタの時間領域係数に基づいて各サブフィルタの周波数応答を取得し、MIMO等化器の周波数応答行列を得る。
【0024】
ステップS201およびステップS202は、実施例1におけるステップS101およびステップS102とそれぞれ同じであり、ここでは説明を省く。
【0025】
ステップS203において、周波数応答行列と周波数応答行列の共役とを乗算して乗算後の第1行列を得る。
【0026】
具体的には、W(f)の共役であるW*(f)=conj(W(f))とW(f)とを乗算して、第1行列
T(f)=W*(f)W(f)
を得る。
【0027】
ステップS204において、第1行列の、各空間チャネルに対応する固有値を含む第1固有値シーケンスを取得する。
【0028】
具体的には、第1行列T(f)の第1固有値シーケンスを、それぞれλi(i=1、2、・・・M)として求め、すなわちT(f)の固有値シーケンスはλ1、λ2、・・・、λMである。
【0029】
ステップS205において、第1固有値シーケンスに基づいて、MIMO等化器のMウェイの出力データの空間多重光ファイバ特徴パラメータを取得する。ここで、特徴パラメータはモード依存損失を含む。
【0030】
具体的には、第1固有値シーケンス中のλkはk番目の空間チャネルに対応し、λjはj番目の空間チャネルに対応し、k番目の空間チャネルに対応する固有値とj番目の空間チャネルに対応する固有値との比の値に基づいて、j番目の空間チャネルに対するk番目の空間チャネルのモード依存損失を得る。
【0031】
【0032】
ステップS206において、MIMO等化器の入力データと出力データとの対応関係に基づいて、Mウェイの出力データの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータにそれぞれ対応するMウェイの入力データを特定し、M個の空間チャネルに対応する空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを得る。
【0033】
【0034】
具体的には、数モード光ファイバに基づく強結合システムを例示する。数モード光ファイバが6つのモードをサポートし、LP01、LP11a、LP11b、および各直線偏波モードの対応する2つの偏波にそれぞれ対応すると仮定する。
図2に示すように、LP01x、LP01y、LP11ax、LP11ay、LP11bx、LP11byの合計6ウェイのデータをそれぞれX1、X2、…X6と表記し、対応するMIMO等化の出力をY1、Y2、…Y6と表記する。MIMOサブフィルタの時間領域係数はW
ij(n)であり、ここで、i,j∈{1,2,3,4,5,6}であり、jウェイの入力とiウェイの出力を有するサブフィルタの時間領域係数を表し、n∈{1,2,……N}はフィルタタップの識別子であり、Nはタップの数である。得られたサブフィルタ係数W
ij(n)のフーリエ変換を求めて各サブフィルタの周波数応答行列W
ij(f)を得て、MIMOフィルタの周波数領域フィルタ全体をW(f)と表記し、W(f)の共役であるW
*(f)=conj(W(f))とW(f)とを乗算して行列T(f)=W
*(f)W(f)を得る。T(f)の第1固有値を、それぞれλ
i(i=1,2,...6)として求め、そのうちの1つのモードjを参照として選択すると、各モードのモード依存損失は下式に表すことができる。
【0035】
【0036】
【0037】
本願の実施例によれば、MIMO等化器における時間領域係数を使用してモード依存損失を計算するため、光時間領域リフレクトメトリ(optical time-domain reflectometer、OTDR)を用いてモード依存損失を事前測定する後方散乱法と比べて、モード依存損失をリアルタイムに監視し、マルチスパン光ファイバリンクの全体特徴を特徴付けることができる。また、出力シーケンスY1、Y2、…YMと入力シーケンスX1、X2、…XMとの間の対応関係を取得することにより、ブラインド等化器の出力シーケンス間の切替の問題を回避して、モード依存損失の正確性を保証することができる。
【0038】
本願の第3実施例は、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法に関し、第3実施例は、第2実施例とほぼ同じであるが、相違点は以下の通りである。本実施例において、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータは、微分群遅延をさらに含み、本実施例の具体的な流れは、
図4に示すように、以下のステップを含む。
【0039】
ステップS301において、MIMO等化器の各サブフィルタの時間領域係数を取得する。
【0040】
ステップS302において、各サブフィルタの時間領域係数に基づいて各サブフィルタの周波数応答を取得し、MIMO等化器の周波数応答行列を得る。
【0041】
ステップS301およびステップS301は、実施例1におけるステップS101およびステップS102とそれぞれ同じであり、ここでは説明を省く。
【0042】
ステップS303において、周波数応答行列の逆行列を取得し、逆行列を周波数について偏微分して第2行列を得て、第2行列の転置行列と前記逆行列とを乗算し、さらに虚部単位を乗算して、第3行列を得る。
【0043】
【0044】
ステップS304において、各周波数ポイントにおける第3行列の、各周波数ポイントにおいて各空間チャネルに対応する固有値を含む第2固有値シーケンスを取得する。
【0045】
具体的には、各周波数ポイントfにおける第3行列の第2固有値シーケンスχi(i=1,2,・・・M)を求め、すなわち、第2固有値シーケンスはχ1、χ2、・・・、χMを含む。
【0046】
ステップS305において、第2固有値シーケンスに基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバの微分群遅延を取得する。
【0047】
一例において、固有値の周波数0ポイントにおける値とすることで、j番目の空間チャネルに対するk番目の空間チャネル、すなわち、モードjに対するモードkの微分群遅延
DMGDkj=χk|f=0-χj|f=0(k,j=1,2,...M,k≠j)
を得ることができる。
【0048】
【0049】
ここで、1つの空間チャネルは1つのモードに対応しており、例えば、k番目の空間チャネルはモードkに対応している。
【0050】
ステップS306において、空間分割多重光ファイバのモード依存損失を取得する。
【0051】
具体的には、ステップS306は、第2実施例におけるステップS203からステップS205のモード依存損失を取得するステップと同様であるため、ここでは説明を省く。なお、本実施例における微分群遅延を取得するステップ、すなわちステップS303からステップS305と、モード依存損失を取得するステップとの順序は限定されない。つまり、微分群遅延を先に計算してもよいし、モード依存損失を先に計算してもよいし、両者を並列に実行してもよい。
【0052】
ステップS307において、MIMO等化器の入力データと出力データとの対応関係に基づいて、Mウェイの出力データの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータにそれぞれ対応するMウェイの入力データを特定し、M個の空間チャネルに対応する空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを得る。
【0053】
具体的には、ステップS307は、第2実施例におけるステップS206と同様であり、表現の重複を避けるために、ここでは説明を省く。
【0054】
【0055】
第3行列固有値シーケンスχi(f)を求め、第3行列固有値シーケンスに基づいて以下の2つの方法で微分群遅延の大きさを推定する。固有値の周波数0ポイントにおける値とすることで、モードjに対するモードkの差分群遅延
DMGDkj=χk|f=0-χj|f=0(k,j=1,2,...6,k≠j)
を得ることができる。
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
本願の実施例によれば、MIMO等化器内のフィルタの時間領域係数を用いて微分群遅延を計算するため、スペックル干渉の方法に比べて、微分群遅延をリアルタイムに測定して、モード依存分散および他のモードの影響を排除し、測定精度を向上させることができる。
【0060】
本願の第4実施例は、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法に関し、第4実施例は、第3実施例とほぼ同じであるが、相違点は以下の通りである。本実施例において、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータは、モード依存分散をさらに含み、本実施例の具体的な流れは、
図5に示すように、以下のステップを含む。
【0061】
ステップS401において、MIMO等化器の各サブフィルタの時間領域係数を取得する。
【0062】
ステップS402において、各サブフィルタの時間領域係数に基づいて各サブフィルタの周波数応答を取得し、MIMO等化器の周波数応答行列を得る。
【0063】
ステップS403において、周波数応答行列の逆行列を取得し、逆行列を周波数について偏微分して第2行列を得て、第2行列の転置行列と逆行列とを乗算し、さらに虚部単位を乗算して、第3行列を得る。
【0064】
ステップS404において、各周波数ポイントにおける第3行列の、各周波数ポイントにおいて各空間チャネルに対応する固有値を含む第2固有値シーケンスを取得する。
【0065】
ステップS401からステップS404は、実施例1におけるステップS301およびステップS304とそれぞれ同じであり、ここでは説明を省く。
【0066】
ステップS405において、k番目とj番目の空間チャネルの各周波数ポイントにおいて対応する固有値を角周波数についてそれぞれ偏微分を求め、第1偏微分と第2偏微分をそれぞれ得る。
【0067】
【0068】
ステップS406において、第1偏微分と第2偏微分との差を求め、モード依存分散を得る。
【0069】
【0070】
ステップS407において、モード依存損失と微分群遅延を取得する。
【0071】
具体的には、ステップS407におけるモード依存損失と微分群遅延を取得するステップは、実施例3と同様であるため、ここでは説明を省く。また、モード依存損失、微分群遅延およびモード依存分散の3つのパラメータを取得する順序は限定されない。
【0072】
ステップS408において、MIMO等化器の入力データと出力データとの対応関係に基づいて、Mウェイの出力データの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータにそれぞれ対応するMウェイの入力データを特定し、M個の空間チャネルに対応する空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを得る。
【0073】
【0074】
本実施例における空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法は、
図6に示すような機器に適用することができ、この機器はMIMO等化器、アドレス指定ユニット、監視ユニットおよび表示システムまたはシステム管理ユニットを含み、監視ユニットはモード依存損失ユニット、微分群遅延監視ユニットおよびモード依存色度分散監視ユニットを含む。MIMO等化器の主な役割は、空間分割多重光ファイバに対してモードと偏波の分離を行うことであり、同時にチャネル内の一部の損傷、例えば微分群遅延、モード依存損失、モード依存色度分散などについて等化することである。
【0075】
監視ユニットの3つの機能モジュールは、MIMO等化器から等化器係数、すなわち各サブフィルタの時間領域係数を取得し、監視される微分群遅延(DMGD)、モード依存色度分散(MCD)、およびモード依存損失(MDL)の値を得る。
【0076】
アドレス指定ユニットの役割は、出力シーケンスY1、Y2、...YMを入力シーケンスX1、X2、・・・XMに対応させることで、ブラインド等化器の出力シーケンス間の切替問題を回避することである。例えば、モード1の信号とモード2との間でデータストリームの切替が発生したとすると、出力されるシーケンスY1、Y2は、実際にはモード2およびモード1におけるデータに対応しているので、監視されたモード1に関する特徴パラメータは実際にはモード2に関するものであり、モード2に関する特徴パラメータは実際にはモード1に関するものである。
【0077】
したがって、監視ユニットの3つの機能モジュールにより微分群遅延(Differential Mode Group Delay、DMGD)、モード依存色度分散(MCD)、およびモード依存損失(MDL)を得てから、アドレス指定ユニットにより得られた出力シーケンスおよび入力シーケンスに基づいて、対応する空間チャネルの特徴パラメータを見出し、測定表示システムまたはシステム管理ユニットにフィードバックする。
【0078】
以下では、マルチコアファイバに基づく強結合システムおよび部分結合に基づく空間分割多重システムを例として、空間分割多重システムにおける特徴パラメータの監視方法の実際の応用を説明する。
【0079】
具体的には、強結合マルチコア光ファイバに基づいて、異なるコア間では結合してスーパーモードが形成される。3コア光ファイバを例にとると、3コア光ファイバの横断面構造は
図7に示されており、3ウェイの偏波多重されたコア間の信号に対して、デマルチプレクサおよびコヒーレント受信機によるフロントエンド処理を行ってから、デジタル信号処理DSPにおいて、3コア光ファイバ内の6ウェイのデータ(各コア内に2つの偏波がある)を、MIMO等化を利用して処理し、特徴パラメータを算出する。Core1、Core2、core3内の6ウェイのデータをCore1x、core1y、core2x、core2y、core3x、core3yの順に配列し、6ウェイのデータをそれぞれX1、X2、・・・X6と表記し、対応するMIMO等化の出力をY1、Y2、・・・Y6と表記し、MIMOサブフィルタの時間領域係数はW
ij(n)であり、ここで、i,j∈{1,2,3,4,5,6}であり、入力がコアjで出力がコアiであるサブフィルタ係数を表し、n∈{1,2,……N}はフィルタタップの識別子であり、Nはタップの数である。強結合3コア光ファイバにおいて、モード依存分散を計算するステップは以下の通りである。
【0080】
【0081】
モード依存分散および微分群遅延を算出するための監視は、以下のステップを使用することができる。
【0082】
【0083】
固有値χi(f)を用いて微分群遅延を求めるには、次の2つの方法がある。
【0084】
固有値の周波数0ポイントにおける値とすることで、空間チャネルjに対する空間チャネルkの微分群遅延
DMGDkj=χk|f=0-χj|f=0(k,j=1,2,...6,k≠j)。
を得ることができる。
【0085】
【0086】
【0087】
具体的には、部分結合の空間分割多重システムの場合について説明する。3つのモードの場合を例にとると、ファイバチャネルが、LP01、LP11a、およびLP11bの3つの空間モードをサポートし、モードLP01とLP11との間は弱結合であり、LP11aとLP11bとの間は強結合であると仮定すると、MIMO等化部分では、2つの小さいMIMO、すなわち、LP01モードを処理する1つの2x2のMIMOと、LP11aおよびLP11bモードを処理する4x4の1つのMIMOを使用することができる。同様に、その4×4のMIMO部分は、依然として、モード内の微分群遅延、色度分散、およびモード依存損失を監視するために使用することができる。その2x2のMIMO部分は、LP01モードの2つの偏波間の偏波依存損失、偏波モード分散、および残留色度分散パラメータを推定するものであり、具体的な計算手順は上記と似ているため、ここでは説明を省く。
【0088】
本願の実施例において、MIMO等化器の各サブフィルタの時間領域係数を用いてモード依存分散を監視するため、平均分散を測定する従来の方法に比べて、モード依存分散をリアルタイムに監視することができるため、空間分割多重光ファイバの各空間チャネルにおける色度分散の不一致の特徴に合わせて、各モード間の分散を正確に測定することができる。
【0089】
上記の各種方法のステップ分けは、単に明確に説明するためになされたものであり、実装時に1つのステップに統合するか、又は一部のステップを複数のステップに再分割することができ、同一の論理的関係が含まれていれば、いずれも本願の保護範囲内に含まれること、アルゴリズム及びプロセスの中核となる設計を変更せずに、そのアルゴリズム又はプロセスに重要でない修正を加えたり、又は重要でない設計を導入したりしたものであれば、いずれも本願の保護範囲内に含まれることは、理解できるであろう。
【0090】
本発明の第5実施例は、空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視装置に関し、
図8に示すように、この装置は、MIMO等化器の各サブフィルタの時間領域係数を取得するように構成された時間領域係数モジュール501と、各サブフィルタの時間領域係数に基づいて各サブフィルタの周波数応答を取得し、MIMO等化器の周波数応答行列を得るように構成された変換モジュール502と、周波数応答行列に基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを得るように構成された特徴パラメータ取得モジュール503とを備える。
【0091】
一つの具体例において、特徴パラメータ取得モジュール503はさらに、周波数応答行列に基づいて、MIMO等化器のMウェイの出力データの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを取得し、MIMO等化器の入力データと出力データとの対応関係に基づいて、Mウェイの出力データの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータにそれぞれ対応するMウェイの入力データを特定し、M個の空間チャネルに対応する空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを得るように構成されている。
【0092】
1つの具体例において、空間分割多重光ファイバ特徴パラメータは、モード依存損失を含む。特徴パラメータ取得モジュール503はさらに、周波数応答行列と周波数応答行列の共役とを乗算して乗算後の第1行列を得て、第1行列の、第1固有値シーケンスは各空間チャネルに対応する固有値を含む第1固有値シーケンスを取得し、k番目の空間チャネルに対応する固有値とj番目の空間チャネルに対応する固有値との比の値に基づいて、j番目の空間チャネルに対するk番目の空間チャネルのモード依存損失を得るように構成されており、ここで、kとjとは異なる自然数であり、取りうる最大値がいずれも空間チャネルの数以下である。
【0093】
1つの具体例において、空間分割多重光ファイバ特徴パラメータは、モード依存損失を含む。特徴パラメータ取得モジュール503はさらに、下式により、j番目の空間チャネルに対するk番目の空間チャネルのモード依存損失を得るように構成されている。
【0094】
【0095】
ここで、λkはk番目の空間チャネルに対応する固有値であり、λjはj番目の空間チャネルに対応する固有値であり、Mは空間チャネルの数である。
【0096】
1つの具体例において、空間分割多重光ファイバ特徴パラメータは、微分群遅延および/またはモード依存分散を含む。特徴パラメータ取得モジュール503はさらに、周波数応答行列の逆行列を取得し、逆行列を周波数について偏微分して第2行列を得て、第2行列の転置行列と逆行列とを乗算し、さらに虚部単位を乗算して、第3行列を得て、各周波数ポイントにおける第3行列の、各周波数ポイントにおいて各空間チャネルに対応する固有値を含む第2固有値シーケンスを取得し、第2固有値シーケンスに基づいて各空間チャネルの空間分割多重光ファイバ特徴パラメータを取得するように構成されている。
【0097】
1つの具体例において、空間分割多重光ファイバ特徴パラメータは、微分群遅延を含む。特徴パラメータ取得モジュール503はさらに、k番目の空間チャネルとj番目の空間チャネルの周波数0ポイントにおいて対応する固有値をそれぞれ取得し、k番目の空間チャネルの周波数0ポイントにおいて対応する固有値とj番目の空間チャネルの周波数0ポイントにおいて対応する固有値との差を、j番目の空間チャネルに対するk番目の空間チャネルの微分群遅延とするように構成されており、ここで、kとjとは異なる自然数であり、取りうる最大値がいずれも空間チャネルの数以下である。
【0098】
1つの具体例において、空間分割多重光ファイバ特徴パラメータは、微分群遅延を含む。特徴パラメータ取得モジュール503はさらに、k番目の空間チャネルの各周波数ポイントにおいて対応する固有値の和を求めて、第1加算値を得て、j番目の空間チャネルの各周波数ポイントにおいて対応する固有値の和を求めて、第2加算値を得て、第1加算値と第2加算値との差を取り、j番目の空間チャネルに対するk番目の空間チャネルの微分群遅延とするように構成されており、kとjとは異なる自然数であり、取りうる最大値がいずれも空間チャネルの数以下である。
【0099】
1つの具体例において、空間分割多重光ファイバ特徴パラメータは、モード依存分散を含む。特徴パラメータ取得モジュール503はさらに、k番目の空間チャネルの各周波数ポイントにおいて対応する固有値を角周波数について偏微分を求め、第1偏微分を得て、j番目の空間チャネルの各周波数ポイントにおいて対応する固有値を角周波数について偏微分を求め、第2偏微分を得て、第1偏微分と第2偏微分との差を、j番目の空間チャネルに対するk番目の空間チャネルのモード依存分散とするように構成されており、kとjとは異なる自然数であり、取りうる最大値がいずれも空間チャネルの数以下である。
【0100】
本実施例は、上記方法実施例に対応するシステム実施例であり、本実施例は上記方法実施例と組み合わせて実施できることは、容易に理解できる。上記方法実施例で記載された関連する技術的詳細は、本実施形態においても有効であるため、重複を減らすためにここでは説明を省く。したがって、本実施形態で記載された関連する技術的詳細は、上記方法実施例にも適用可能である。
【0101】
なお、本実施例にかかる各モジュールはいずれも論理モジュールであり、実際の応用において、1つの論理ユニットは1つの物理ユニットであってもよく、1つの物理ユニットの一部であってもよく、さらに、複数の物理ユニットの組み合わせで実現してもよい。また、本願の創造的な部分を強調するために、本願で提起された技術的課題の解決にあまり関係のない手段は本実施形態には導入されていないが、これは本実施形態に他の手段が存在しないことを示しているわけではない。
【0102】
本願の第6実施例は電子機器に関する。
図9に示すように、少なくとも1つのプロセッサ601と、少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリ602とを含み、メモリには少なくとも1つのプロセッサにより実行できる指令が記憶されており、指令が少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、少なくとも1つのプロセッサにより上記実施例における空間分割多重光ファイバの特徴パラメータ監視方法を実行できる。
【0103】
ここで、メモリおよびプロセッサはバス方式で接続され、バスは任意の数の相互接続されたバスおよびブリッジを含むことができ、バスによって1つまたは複数のプロセッサとメモリの様々な回路が一つに接続される。バスはまた、周辺機器、電圧安定器、およびパワーマネジメント回路などの様々な他の回路を一つに接続することができるが、これらは当分野で周知なことであるので、本文ではこれ以上説明しない。バスインターフェースは、バスとトランシーバとの間のインターフェースを提供する。トランシーバは、1つの素子であってもよく、複数の受信機および送信機のような複数の素子であってもよく、伝送媒体上で様々な他の装置と通信するための手段を提供する。プロセッサによって処理されたデータはアンテナを介して無線媒体で伝送され、さらに、アンテナはまたデータを受信して、プロセッサにデータを伝送する。
【0104】
プロセッサは、バスの管理および通常の処理を担う以外にも、さらにタイミング、周辺インターフェース、電圧調整、電源管理、およびその他の制御機能を含む様々な機能を提供することができる。一方、メモリは、プロセッサによりオペレーションを実行するときに使用されるデータを記憶するために使用されてもよい。
【0105】
本願の第7実施例は、コンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ可読記憶媒体に関する。コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された時、上記の方法実施例を実現する。
【0106】
すなわち、当業者であれば、上記の実施例の方法における全部または一部のステップを実施することは、プログラムによって関連するハードウェアに指令することによって実現できることは、理解できるであろう。このプログラムは1つの記憶媒体に記憶され、1つの装置(ワンチップコンピュータ、チップなどであってもよい)またはプロセッサ(processor)に本願の各実施例の方法の全部または一部のステップを実行させるためのいくつかの指令を含む。一方、上記記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等、プログラムコードを記憶可能な種々の媒体を含む。
【0107】
当業者であれば、上記の各実施例は、本出願を実施するための具体的な実施形態であり、実際の応用においては、本願の精神及び範囲を逸脱することなく、形式的に及び細部に様々な変更を加えることができることを理解することができる。
【国際調査報告】