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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】ゴルフカップ装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 23/00 20060101AFI20230831BHJP
   A63B 57/40 20150101ALI20230831BHJP
   G09F 17/00 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
G09F23/00 Z
A63B57/40
G09F17/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512709
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(85)【翻訳文提出日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 AU2021050914
(87)【国際公開番号】W WO2022036402
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】2020902992
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523059970
【氏名又は名称】ザ ミニチュア ビルボード カンパニー ピーティーワイ エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】コーネル,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ジュスター,ポール
(57)【要約】
ゴルフの穴、ゴルフの穴の挿入部、または広告装置が提案され、それは、基部と、基部に接続され、かつ駆動部によって後退位置及び上昇位置の間で可動である、ボール支持部材と、ボール支持部材の上面に固定された全体的に環形状の表示支持部と、を含み、それによって、ボール支持部材が上昇位置にあるとき、表示支持部は、ゴルフグリーン表面の上でゴルフの穴から上方に延び、広告を表示する。本装置は、ボール支持部材内に位置された、中に受入れたゴルフボールを誘導位置まで促すためのボールガイドと、ゴルフボールの存在に依拠して、ボール支持部材を上昇または下降させるために、駆動部の動作を制御するための、誘導位置または誘導位置に隣接して位置されたセンサと、を含む。
【選択図】図29
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告装置であって、
ゴルフグリーンの、ゴルフの穴の中に位置付け可能なゴルフカップ内で支持されるか、またはゴルフカップの一部を形成する、基部と、
前記基部に接続され、かつ駆動部によって後退位置及び上昇位置の間で可動である、ボール支持部材と、
前記ボール支持部材の上面に固定された、全体的に環形状の表示支持部であって、前記ボール支持部材が前記上昇位置にあるときに、広告を表示するために、ゴルフグリーン表面の上にゴルフの穴から上方に延びる、表示支持部と、
受入れられたゴルフボールを、誘導位置の中に促すための、前記ボール支持部材内に位置された、ボールガイドと、
ゴルフボールの存在に依拠して前記ボール支持部材を上昇及び下降させるよう、前記駆動部の動作を制御するために、前記誘導位置またはその隣に位置付けられた、センサと、
を含む、広告装置。
【請求項2】
前記表示支持部は、円形部分を形成するよう包まれ、かつ前記ボール支持部材に装着された、垂直で平坦なストリップ材料を備え、前記広告は、前記ストリップ材料に印刷されるか、もしくは添付されるか、または、前記広告がそこに投影される、請求項1に記載の広告装置。
【請求項3】
前記センサは、前記誘導位置にあるゴルフボールの存在によって起動され、前記ボール支持部材を前記上昇位置まで上昇させ、前記表示支持部は、ゴルフグリーン表面の上に、ゴルフの穴から上方に延びる、請求項1に記載の広告装置。
【請求項4】
前記ゴルフボールが取り除かれたとき、前記センサは前記駆動部を起動して、前記ボール支持部材を前記上昇位置から前記後退位置まで動かし、前記表示支持部は、実質的にゴルフカップ内に、かつゴルフグリーン表面の下に位置される、請求項3に記載の広告装置。
【請求項5】
前記センサは、接触センサ、または光ビーム源及び光検出アセンブリを備える、請求項3に記載の広告装置。
【請求項6】
前記表示支持部は、視覚効果技術で使用されるような、ブルースクリーンまたは類似の色表面を含み、広告は、放送環境内でその上に仮想的に重ねられるか、または前記表示支持部は、複数の発光ダイオード(LED)を含んで、動的または静止表示を提供し得る、請求項1に記載の広告装置。
【請求項7】
前記駆動部は第1のアームを備え、前記第1のアームは、第1の端部において、制御部材における回転可能な取付部に堅固に接続され、かつ第2の端部において、第2のアームに枢動可能に接続され、前記第2のアームにおける第2の端部は、昇降部材における固定取付ポイントに枢動可能に接続される、請求項1に記載の広告装置。
【請求項8】
前記駆動部は、ラック及びピニオンアセンブリを備えるか、もしくは前記駆動部は、前記表示支持部の上昇を制限するための制止部を有する、少なくとも1つの付勢バネと、前記表示支持部を捕捉して、前記バネの付勢に対抗して前記後退位置まで動かすための捕捉手段と、を含むか、または、前記駆動部は、上昇を容易にするために、モータが回転可能なネジ山部材を回転させるように、ネジ山部材を含む、請求項1に記載の広告装置。
【請求項9】
前記駆動部は、過負荷機構を含み、下方への圧力が、前記ボール支持部材、またはそこに装着された前記表示支持部に加えられたときに、損傷を阻止する、請求項1に記載の広告装置。
【請求項10】
前記過負荷機構は、回転体に連結された、連結解除可能なアーム部分を備え、前記連結解除可能なアーム部分は、第1の磁石を有する主要部分と、第2の磁石を含んだ従属部分とを含み、十分な下方への圧力が、前記ボール支持部材または前記表示支持部に加えられたときに、前記第1と第2の磁石間の磁力を上回り、前記主要部分は、前記従属部分から外れるよう始動され、前記従属部分から離れて下降位置まで動かされる、請求項9に記載の広告装置。
【請求項11】
請求項1~10の内いずれか一項に記載の広告装置を使用して、表示スクリーン上に仮想広告を生成する方法であって、前記仮想広告は、ゴルフボールがゴルフカップに入ったときに、ゴルフの穴に隣接して表示される、方法。
【請求項12】
仮想広告を生成するための方法であって、前記広告装置は、
ゴルフコースのグリーンにおけるゴルフカップ内に位置され、かつ前記ゴルフカップ内におけるゴルフボールの存在を示すよう構成された、少なくとも1つのセンサと、
信号を送信するための送信器と、
前記信号を受信して、ゴルフコースのグリーンにおけるビデオ映像に画像を重ねるための、処理ユニットと、
前記表示スクリーン上で見るために、重ねられた画像を伴うビデオ映像を放送するための、放送ユニットと、
を含む、請求項1に記載の仮想広告を生成する方法。
【請求項13】
昇降表示支持部を有し、前記昇降表示支持部は後退位置と上昇位置との間で可動であり、前記上昇位置にあるとき、前記表示支持部は、ボールがゴルフカップに入ると、競技面の表面の上で、ゴルフの穴の中から上方に延びる、ゴルフカップ。
【請求項14】
ゴルフボールが中に保持されたときに、ゴルフカップに隣接した広告を提示する方法であって、
前記ゴルフカップの中にゴルフボールが存在するかを判断するよう構成された、センサを提供するステップと、
ゴルフボールが前記ゴルフカップ内に位置付けられたとき、物理的広告部材を起動するか、または放送画像に重ねた仮想広告を提示するステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
ゴルフカップのための、ボール上昇アセンブリであって、
前記ゴルフカップ内に位置され、かつ前記ゴルフカップ内におけるゴルフボールの存在を示すよう構成された、センサと、
前記ゴルフカップ内に位置され、かつ駆動部によって後退位置と上昇位置との間で可動である、ボール支持部材と、
前記センサから信号を受信したときに、前記駆動部を操作することによって、ゴルフボールを持ち上げるためのアクチュエータであって、それによってゴルフボールはユーザによって回収され得るか、またはゴルフボールを前記ゴルフカップから放出するよう構成され得る、アクチュエータと、
を含む、ボール上昇アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に、所定の動作を開始するためのゴルフカップ装置、及び1つの態様において、ゴルフカップのための、または所定の動作を開始するための、広告装置もしくはシステムに関する。本発明の別の態様は、ゴルフグリーンにおける穴の中に位置付け可能な、ゴルフボールを持ち上げる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に注目を集めるゴルフトーナメントにおいて、各ホールのパット、及び恐らくは最終ホールのパットではさらに、かなりの観衆の注目が集まる。これは、観衆がゴルフホールのパッティンググリーンに集中することに関連して、広告メッセージなどのメッセージを表示するための機会を提示する。
【0003】
ゴルフの穴は、一般に108mmの径及び100mmの深さでプラグを切り抜くことによって、グリーンに形成される。しかし、いくつかのゴルフの穴は、150mmの深さで形成される。過度の摩耗を防止するために、パッティンググリーンにおけるゴルフの穴をずらすことが通例であり、新たな穴が切り抜かれ、古い穴は充填される。ゴルフの穴のための構造的支持を提供するために、ゴルフカップが穴の中に挿入される。注目を集めるトーナメントにおいて、金属製のゴルフカップが穴の中に設置され、穴のためのライナーと、フラッグスティックを支持することができる垂直アパーチャを有する、カップの基部と、を提供する。カップが水で満たされないように、排水穴も基部を通して形成される。プラスチック製のゴルフカップも、他のトーナメントで使用され、それは市販されている。
【0004】
先行技術は、カップ内に固定挿入することを備えた、ゴルフカップのためのいくつかの提案された広告方法を含む。それらは、米国特許第6712714号明細書、米国特許第6676531号明細書、米国特許第5788581号明細書、米国特許第5362044号明細書、米国特許第5351950号明細書、米国特許第5249384号明細書、及び米国特許第4878665号明細書で説明されたものを含む。これらの固定された表示部は、例えばボールを回収する競技者またはキャディなど、ゴルフの穴の近くにおけるグリーン上の人によって、主に視認可能である。したがって、より多くの観衆には、効果的な表示を提供しない。広告目的である、このような表示を使用することは、広告範囲が限定される。
【0005】
公開された特許明細書である、国際公開第2004/020050号、及び国際公開第2007/011159号において、ゴルフカップに関連付けられた、自動ボール回収機における広告表示のための、2つの提案が先行技術で成されている。提案された、これら2つの構造は複雑であり、脆弱な構造物は、ボールの回収を容易にするよう、ボールの受台またはホルダを、地面から十分上まで上昇させるために複数の伸縮要素を必要とし、同時に広告目的のために有用な表示を提供することを必要とする。ボールの受台は、地表面から十分上に上昇される。したがって、受台が下降されたときに、ボールの受台の下側と、地表面との間に、ユーザの足または他のアイテムが挟まれる場合がある。したがって実際上、提案されたデバイスは、ゴルフコースの状況における使用には不適であり、ユーザに怪我のリスクを課す。
【0006】
現存のゴルフの穴についての、別の課題は、競技者が、例えば競技者のクラブを使用して穴の中からボールを回収することによって、穴の頂部周りの草に損傷を与える場合があることである。さらに、高齢の競技者がボールを穴の中から回収することは、時として困難となる。
【0007】
本明細書を通して、先行技術の任意の説明は、本発明のための関連を提供する目的のみのために含まれるものと、理解されたい。このような先行技術が広く知られるか、または当技術分野で一般的な知識の一部を形成することを、許容すると考慮するべきではない。なぜならそれは、本出願の優先日の前に存在するからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6712714号明細書
【特許文献2】米国特許第6676531号明細書
【特許文献3】米国特許第5788581号明細書
【特許文献4】米国特許第5362044号明細書
【特許文献5】米国特許第5351950号明細書
【特許文献6】米国特許第5249384号明細書
【特許文献7】米国特許第4878665号明細書
【特許文献8】国際公開第2004/020050号
【特許文献9】国際公開第2007/011159号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、ゴルフの穴のための広告装置またはシステムを提供すること、及び/またはボールを持ち上げるデバイスを提供することである。例示する実施形態の他の目的は、前述の課題の少なくともいくつかを克服すること、または少なくとも有用な代替を公衆に提供することである。前述の目的は、必ずしも重複するものと考慮する必要はない。本発明の様々な態様は、上記の目的の1つまたは複数を満たし得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、物理的に印刷された広告、もしくは仮想広告、またはそれらの組み合わせ、のいずれかである、広告を提供するための、ゴルフグリーンの穴の中に位置付け可能な装置を備えるよう、広義に理解され得る。本発明の別の態様において、ゴルフボールをゴルフの穴から回収する補助をするための、持ち上げる装置を提供する。
【0011】
本発明の1つの態様において、しかし必ずしも広義または唯一の態様ではないが:
ゴルフグリーンの、ゴルフの穴の中に位置付け可能なゴルフカップ内で支持可能か、またはゴルフカップの一部を形成する、基部と;
基部に接続され、かつ駆動部によって後退位置と上昇位置との間で可動である、ボール支持部材と;
ボール支持部材の上面に固定された、全体的に環形状の表示支持部であって、ボール支持部材が上昇位置にあるときに、ゴルフグリーン表面の上にゴルフの穴から上方に延びる、表示支持部と;
受入れたゴルフボールを、誘導位置の中に促すための、ボール支持部材内に位置された、ボールガイドと;
駆動部の動作を制御して、ゴルフボールの存在に依拠してボール支持部材を上昇または下降させるために、誘導位置またはその隣に位置付けられた、センサと、
を含む広告装置が提案される。
【0012】
表示支持部は、実質的にパット表面の下にある後退位置から、表示支持部がゴルフカップの頂部から上方に延びた上昇位置まで、動かすことができる。それによってゴルフグリーン表面の上で視認可能な表示を提供する。
【0013】
1つの形態において、表示支持部は、円形部分を形成するよう包まれ、かつボール支持部材に装着された、垂直で平坦なストリップ材料を備える。広告は、このストリップ材料に印刷されるか、もしくは添付されるか、または、広告がそこに投影される。
【0014】
好ましくは、ゴルフボールがセンサを起動したとき、ボール支持部材は、後退位置から上昇位置まで動かされ、それによってゴルフグリーン表面の上に表示支持部を提示する。ゴルフボールがボール支持部材の中から取り除かれたとき、センサは駆動部を起動して、ボール支持部材を伸長位置から後退位置まで動かし、表示支持部は、実質的にゴルフカップ内に、かつゴルフグリーン表面の下に位置される。
【0015】
センサの起動は、限定ではないが、レンジファインダ、音響デバイス、音響視聴デバイスなど、他の外部デバイスも制御するか、または放送番組で提示されるアニメーションもしくは多層広告など、他の広告の合図を出し得る。または、別の所定の動作を開始し得る。
【0016】
制御部材は基部に装着され、かつ駆動部に連結され得る。制御部材は、好ましくは統合された電源によって電力を供給される電気モータであってよい。
【0017】
センサは、好ましくはアクチュエータに連結され、ボールがゴルフカップに入ることで駆動部を操作する際に、制御部材を起動する信号を提供し得る。
【0018】
センサは接触センサを含み、それによってボールに接触することで、アクチュエータに信号を提供して、ボール受入れ部材を上昇させるためにモータを操作し得る。代替として、センサは、例えば光ビーム源及び光検出器であってよい。それによって、ボールがゴルフカップに入ると、光ビームは遮られ、直ぐに信号がアクチュエータに送信されて、モータを操作する。
【0019】
電気モータの事例において、装置は、好ましくは戻りスイッチ手段をさらに備え、アクチュエータに信号を送るかまたは作用し、モータを反転させることによって、ボールが取り除かれたときにボール支持部材を後退させる。
【0020】
ボール支持部材が上昇位置にあるとき、表示支持部の外側に面した周縁部は、ゴルフカップの頂部及びゴルフグリーン表面の上に延びる。この配置は、上昇位置にある表示支持部を提供し、表示部は、標示がオンになるか、または投射されて、ゴルフグリーン表面の上に位置付けられる。表示支持部は、ゴルフの穴の外側から側方で視認され、それによって、例えば観客またはテレビ視聴者によって、容易に見られて示される。
【0021】
1つの形態におけるボール支持部材は、上昇位置にあるときにゴルフカップの上に突出した上部分を含み、この上部分は表示支持部を形成する。別の形態において、表示支持部は、ボール受入れ部材の上部分に、取り外し可能に装着される。
【0022】
標示は表示支持部に装着可能で、広告を提供し得るか、または表示支持部は、それ自体が広告を備え得る。例えば、表示支持部はプラスチック材料のストリップを含み、それは直接ストリップに印刷された広告を有する。または、広告は印刷されたステッカーを備え、それは空白の表示支持部に固定され得る。様々な形状の表示部も使用され得る。好ましくは、広告は容易に交換または変更され得る。
【0023】
表示部には、いくつかの他の選択肢が存在することを理解されたい。したがって例えば、広告または表示部は、複数の発光ダイオード(LED)、または類似の照明を備え、動的表示または静止表示のいずれかを提供し得る。このように動的表示は、メッセージを変化させるか、または少なくとも静止表示よりも注目を集めるかもしれない。
【0024】
LED表示部は、モータなどの同じ電源に連結され、それによってLED表示部は、装置の基部に収容されたバッテリに連結され得る。
【0025】
表示されたメッセージは、任意に遠隔で選択されてもよく、それによってメッセージ選択送信器は、装置のメッセージ選択受信器に信号を送ることができ、表示されるメッセージを選択する。
【0026】
代替において、表示部はカードに印刷され得るか、またはプラスチックに形成され得る。この表示部は、表示支持部における好適な保持デバイスの中に挿入されるか、または単純に表示支持部に定着され得る。
【0027】
さらに別の形態において、表示支持部は、ブルースクリーンまたは視覚効果技術で使用される類似の着色表面を含み得る。広告は、放送環境内において、その上で仮想的に重ねられる。
【0028】
1つの形態におけるボール支持部材は、全体的に円形の外周壁を有し、それはゴルフカップ内に摺動可能に位置付けられるよう寸法が決められる。好ましくは、ボール支持部材は、ゴミが、ボール支持部材の外周壁と、ゴルフカップの内面との間に入るのを阻止するよう、ゴルフカップにぴったりと嵌まる。
【0029】
ボール支持部材の外周壁は、ゴルフカップ内にぴったりと嵌まるならば、ゴルフカップの内面と摺動可能に係合するか、またはゴルフカップ内に離隔されることを、理解されたい。ゴルフカップの内径は変化する場合があるが、規定のゴルフカップは10.795cm(4.25インチ)の外径である。したがって、ボール支持部材の径は、10.5~10.794cmであってよい。
【0030】
ボール支持部材は、好ましくは垂直の空洞を有し、それを貫通して水の通過を可能にする。
【0031】
基部は、好ましくは上方に突出した柱部を含み、それは、柱部の上に昇降部材を、摺動可能に支持する。昇降部材は、ボール受入れ部材の下部分に堅固に固定される。
【0032】
1つの形態において、駆動部は第1のアームを備え、それは第1の端部において、制御部材の回転可能な取付部に堅固に接続され、かつ第2の端部において、第2のアームに枢動可能に接続される。第2のアームにおける第2の端部は、同様に、昇降部材における固定取付ポイントに、枢動可能に接続される。
【0033】
代替として、ボール支持部材及び昇降部材は、一体の構造であり、第2のアームにおける第2の端部は、そこに接続される。
【0034】
使用中、制御部材の回転可能な取付部が動かされる際に、第1のアームは枢動され、それは次に第2のアームを枢動し、それによってボール受入れ部材を上昇させるか、または下降させる。
【0035】
ボール支持部材は、好ましくは中央アパーチャを含み、規則サイズのフラッグスティックの通過を可能にし、それによってフラッグスティックはボール支持部材を通過して、ゴルフカップにおけるフラッグスティックのアパーチャの中に挿入され得る。代替として、中央アパーチャは、フラッグスティックを支持するよう構成され得る。それによって、ボール支持部材が上昇位置まで動かされたとき、フラッグスティックも上方に動かされる。
【0036】
通常、ゴルフカップの頂部は、パッティング表面の下に設定され、ゴルフの規則は、ゴルフカップの頂部がグリーン表面の下に最小25.4mm(1インチ)となるよう規定している。したがって、ゴルフカップの頂部において表示支持部が上方に上昇することは、少なくとも一部はパッティング表面の上に延びるということを、これを読む者は理解するであろう。1つの形態において、表示支持部は最下部分を有し、それは少なくとも25.4mm(1インチ)だけゴルフカップの頂部の上に延びる。表示部分の合計高さは、40~50mmとなり得る。
【0037】
表示支持部が上昇できる高さは、競技面とゴルフカップの頂部との間の距離を補うか、またはゴルフカップの実際の深さを補うよう、調整することができる。
【0038】
上昇量は、特定の範囲内で上昇前に設定され得る。この上昇は、一旦特定のゴルフの穴における特定のゴルフカップ(装置はその一部ではない)の中に挿入されると設定され、そのため表示支持部の上昇は、再設定されない限り、穴の深さに関係なく常に同じである。同じ装置が別のゴルフの穴に位置付けられたとき、上昇の範囲を再設定することができる。
【0039】
1つの形態において、装置の基部は、ゴルフカップ内部の上方に面した表面に接触するよう、形状付けられる。基部の直立接触面は、ゴルフカップ内部の2つ以上の対向した直立面にぴったりと嵌まるように、形状付けられる。基部の直立接触面及びゴルフカップは、装置の側方の安定性を提供する。ゴルフカップの直立接触面は、ライナーの側部、またはゴルフカップの排水穴における内側側部、であってよい。
【0040】
基部は、好ましくはゴルフカップの最下部分の全体形状に対して相補的な形状である。例えば形状は、円筒形の側壁、及び逆コーン形状の基部を備え得る。フラッグスティックのアパーチャは、ゴルフカップの底部にあってよく、ボール支持部材の中央アパーチャのための1つにおいて、フラッグスティックのアパーチャに同軸で整合する。さらに、装置の基部は、フラッグスティックが貫通できる中央アパーチャも含む。
【0041】
1つの形態において、駆動部は、アームまたはアーム部材を備える。代替として、駆動部は少なくとも1つのラック及びピニオンか、または少なくとも1つの、表示支持部の上昇を制限するための制止部を有する付勢バネと、表示支持部を捕えて、バネの付勢に抗って後退位置まで動かすための捕捉手段と、を備え得る。さらに駆動部は、ネジ山部材であってもよく、それによってモータは回転可能なネジ山部材を回転させることで、上昇をもたらす。
【0042】
モータは、防水筐体を備え、水の浸入による損傷を阻止する。この実施形態において、装置は、好ましくはモータに電力を供給するバッテリをさらに含む。代替として、モータは、限定ではないが太陽電池アレイなどに、ワイヤによって外部電源に接続される。
【0043】
表示支持部は、垂直方向に直接上昇され得るか、または表示支持部は、後退位置と伸長位置との間で回転され得る。
【0044】
読む者は、この装置を従来のゴルフカップ内に嵌めることができるか、または位置付け可能であることを理解されたい。別の態様において、本発明は、自動昇降表示支持部を伴うゴルフカップを包含することを理解されたい。したがって本発明は、競技面にカットされたゴルフの穴の中に挿入するための、基部、ライナー、及び昇降表示支持部、を備えたゴルフカップを提供する。昇降表示支持部は、後退位置と上昇位置との間で可動であり、上昇位置にあるとき、ボールがゴルフカップに入ると、表示支持部は、競技面の表面の上でゴルフの穴の中から上方に延びる。
【0045】
本発明の別の態様において、広告は仮想広告であってもよく、それはゴルフボールがゴルフカップに入ると、ゴルフの穴に近接した表示スクリーンに表示される。したがってこの広告は、テレビ及び表示スクリーンに表示するために、テレビ放送映像に組み込むことが可能である。
【0046】
直前で述べた装置において:
ゴルフコースのグリーンにおけるゴルフカップ内に位置され、かつゴルフカップ内におけるゴルフボールの存在を示すよう構成された、センサと;
信号を送信するための送信器と;
信号を受信して、ゴルフコースのグリーンにおけるビデオ映像に画像を重ねるための、処理ユニットと;
見るために重ねられた画像を伴う、ビデオ映像を放送するための、放送ユニットと、
を含む。
【0047】
画像は、静止画像、一連の画像、またはゴルフコースのグリーンにおけるビデオ映像に重ねたビデオ画像、であってよい。
【0048】
装置をオン/オフ、または動作モードを変更するために、この装置は、ゴム製の覆いを用いて封止された、押込みボタンスイッチを含む。動作モードは、限定ではないが、ゴルフボールが取り除かれるまで、ボール支持部材が上昇位置に残ることと、ボール支持部材が上に動いて、設定時間の間上昇位置に残り、その後ゴルフボールを中に残したまま下降位置まで戻ることと、を含む。この装置は、限定ではないがUSB再充電ポートを含む、再充電ポートをさらに含み得る。
【0049】
好ましい形態の駆動部は、過負荷機構を含み、それは回転体に連結された、連結解除可能なアーム部分を備える。連結解除可能なアーム部分は、第1の磁石を含んだ主要部分、及び第2の磁石を含んだ従属部分を含み得る。十分な下方の圧力が、ボール支持部材または表示支持部に加えられたとき、第1及び第2の磁石間の磁力を上回り、主要部分は、従属部分から外れるよう誘発されて、従属部分から離れて下降位置まで動く。減衰デバイスは、従属部分の磁石から外されたときに、回転体の周りに主要部分の独立した回転を制御するために使用され得る。
【0050】
本発明の別の態様において、ゴルフボールが中に保持されたとき、ゴルフカップに隣接して広告を提示する方法が提案され、その方法は:
ゴルフボールが中に存在するかを判断するよう構成されたセンサを、ゴルフカップに設けるステップと;
ゴルフボールがゴルフカップ内に位置付けられたとき、物理的広告部材を起動するか、または放送画像を重ねた仮想広告を提示するステップと、
を含む。
【0051】
好ましくは、処理ユニットは、中央処理ユニット(CPU)、及びグラフィックユーザインターフェース(GUI)を含む。
【0052】
本発明のさらに別の態様において、任意の前述の装置における動作を制御するため、及び前述の方法を適用するための、ソフトウエアプログラムが提案される。
【0053】
ソフトウエアプログラムは、本発明のステップを始めるための、1つまたは複数のモジュールとして実装され得る。これらのモジュールは、他の構成要素またはモジュールと共に使用するために、パッケージ化された機能ハードウエアユニットとすることができる。複数の中央処理ユニット(CPU)が、装置の動作を制御するために使用され得る。例えば、ゴルフカップ内に含まれた装置は、指定されたCPUを含み、テレビ放送制御器は、別個のCPUを含み得る。
【0054】
装置の構成要素の内いくつかは、限定ではないがモデム通信経路か、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットなどのコンピュータネットワークか、または固定ケーブル、などによって接続され得る。
【0055】
1つの形態において、放送制御デバイスは、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び読込専用メモリ(ROM)の形態のメモリ、中央処理ユニット、入力/出力(IO)インターフェース、及び少なくとも1つのデータ記憶デバイス、を有するコンピュータを含む。
【0056】
プロセッサ及びメモリは、互いに、及びコンピュータの他の構成要素と協働し、本明細書で説明する機能の全てを実施する。別の形態において、プロセッサは適切なソフトウエアを実行し、本明細書で説明する機能の全てを実施する。代替の形態において、本明細書で説明する全ての機能の内いくつかを、説明する機能を実施するために配線で接続された専用の電子機器を用いて、実現される場合がある。
【0057】
アプリケーションソフトウエアは、ハードドライブ、光磁気ディスクドライブ、CD-ROM、集積回路、コンピュータと別のデバイスとの間における無線または赤外線送信チャネル、PCMCIAなどのコンピュータ可読カード、フラッシュドライブ、または任意の他のいくつかの不揮発性記憶デバイス、などの記憶デバイスにおけるコンピュータ可読媒体に記憶され得る。前述のものは、関連したコンピュータ可読媒体の内の、単なる例に過ぎない。他のコンピュータ可読媒体は、本発明の範囲から逸脱せずに実行され得る。
【0058】
別の形態において、装置は、対応したハードウエアを用いて埋め込まれた、ソフトウエアまたはファームウエアを含み、それは本発明の1つまたは複数の専用機能を実施するよう設計される。
【0059】
好ましくは、ビデオ放送は、限定ではないがデジタルテレビネットワークまたは衛星ネットワークなどのネットワークを介して、テレビスクリーンまで送られることになる。
【0060】
送信器から送られた信号は、放送ユニットによって送られた信号とは異なる周波数内であることが、想定される。例えば、テレビ放送は一般に300~3000MHのUHF範囲内であり、したがってデータロガーによって送られる信号は、短波通信で使用されるHF範囲内(3~30MHz)であるか、もしくはマイクロ波データリンクで使用されるEHF範囲(30~300GHz)、または、WiFiもしくはBluetooth(登録商標)の短距離通信のための0.9~5.6Ghzの範囲、とすることができる。
【0061】
1つの形態において、情報は、競技会場における大型スクリーンなどのビデオ表示スクリーンに表示するか、会場から離れた場所で視聴するための、テレビもしくは遠隔通信ネットワークを介した放送に表示するか、または会場で携帯電話を使用する場合に視聴体験を拡大して表示するか、のためにテレビ放送制御器に送信される。
【0062】
本発明の、さらに別の態様において、ゴルフカップのためのボール上昇アセンブリが提案され:
ゴルフカップ内に位置され、かつゴルフカップ内におけるゴルフボールの存在を示すよう構成された、センサと;
ゴルフカップ内に位置され、かつ駆動部によって後退位置と上昇位置との間で可動である、ボール支持部材と;
センサから信号を受信したときに、駆動部を操作することによって、ゴルフボールを上昇させるためのアクチュエータであって、それによってゴルフボールはユーザによって回収され得るか、またはゴルフボールをゴルフカップから放出するよう構成され得る、アクチュエータと、
を含む。
【0063】
好ましくは、ゴルフボールがセンサを起動したときに、ボール支持部材は後退位置から上昇位置まで動かされ、それによってゴルフボールをゴルフカップから放出するか、または競技者によって掴める位置にゴルフボールを移す。ゴルフボールが、ボール支持部材の中から放出または取り除かれたとき、センサは駆動部を起動して、ボール支持部材を伸長位置から後退位置まで動かす。機械式スイッチが使用され、ボール支持部材が所定の深さまで下降されたときに、ボール支持部材の下降を終了させ得る。
【0064】
電気モータなどの制御部材は、ボール支持部材に装着され、かつ駆動部に連結され得る。電気モータの事例において、装置は、好ましくは戻りスイッチ手段をさらに備え、アクチュエータに信号を送るかまたは作用し、モータを反転させることによって、ボールが取り除かれたときにボール支持部材を後退させる。
【0065】
センサは、好ましくはアクチュエータに連結され、ボールがゴルフカップに入ることで駆動部を操作する際に、制御部材を起動する信号を提供する。センサは接触センサを含み、それによってボールに接触することで、アクチュエータに信号を提供して、ボール受入れ部材を上昇させるためにモータを作動させ得る。
【0066】
代替として、センサは、例えば光源及び光検出器であってよい。それによって、ボールがゴルフカップに入ると、光ビームは遮られ、直ぐに信号がアクチュエータに送信されて、モータを作動させる。さらに代替として、光学距離測定センサが使用され、ボールの位置またはボールの不在を判断し得る。
【0067】
ボール支持部材は、好ましくは垂直の空洞を有し、それを貫通して水の通過を可能にする。
【0068】
本明細書に組み入れられ、本明細書の一部を構成する添付の図は、本発明の実施を例示し、詳細の説明及び特許請求の範囲と共に、本発明の利点及び原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】後退位置にある表示支持部を例示した、本発明の広告装置における1つの実施形態の概略側面図である。
図2】ゴルフカップから離した、図1の広告装置の斜視図である。
図3】伸長位置にある表示支持部を例示した、図1の広告装置における概略側面図である。
図4】ゴルフカップから離した、図3の広告装置の斜視図である。
図5図1の広告装置の分解組立図である。
図6】センサの位置を例示した、ボール支持部材の上面図である。
図7】ボールが促された誘導位置を例示した、図6のボール支持部材の上面図である。
図8】ボール支持部材内で傾斜したガイド部、及びゴルフボールの位置を例示した図7のボール支持部材、の斜視図である。
図9図8のA-Aにおける断面図である。
図10a】単一のセンサを伴う、傾斜したガイド部における1つの実施形態の面を例示した、ボール支持部材の概略側面図である。
図10b】頂点で接合する異なる傾斜面、及び2つのセンサを有する、傾斜したガイド部を伴うボール支持部材の、別の実施形態の概略側面図である。
図11】フラッグスティックの位置付けを例示した、図3の広告装置の概略側面図である。
図12】広告装置の別の実施形態における概略図である。
図13図12の広告装置の分解組立図である。
図14】下降位置にある、図12の広告装置の斜視図である。
図15】上昇位置にある、図12の広告装置の斜視図である。
図16】下降位置にある、図12の広告装置の概略側面図である。
図17】上昇位置にある、図12の広告装置の概略側面図である。
図18】誘導位置にあるゴルフボールを伴い、下降位置にある、図12の広告装置の斜視図である。
図19】センサに接触したゴルフボールを伴って下降位置にあり、表示支持部を取り除いた、図18の広告装置の反対側における斜視図である。
図20図19の広告装置のB-Bにおける断面斜視図である。
図21】ゴルフボールが誘導位置で中に位置された、図19の広告装置の上面図である。
図22】ゴルフボールを取り除いて、センサの位置を例示した、図19の広告装置の上面図である。
図23】単一のセンサを伴う、傾斜したガイド部における1つの実施形態の面を例示した、図19のボール支持部材のB-Bにおける断面図である。
図24】傾斜したガイド部の頂点を例示した、図19のボール支持部材の側断面図である。
図25】ゴルフの穴に関連して使用するための、仮想広告システムの概略図である。
図26】自動ボール上昇アセンブリの、1つの実施形態における斜視図である。
図27】ゴルフの穴の中に位置付けられた、図26の自動ボール上昇アセンブリの概略図である。
図28】広告装置の別の実施形態における斜視図である。
図29図28の広告装置の、反対側の斜視図である。
図30図29の広告装置の上面図である。
図31図28の広告装置の上面図である。
図32図31のC-Cにおける断面図である。
図33】下降位置にある、過負荷機構を伴う駆動部を例示した、図28のD-Dにおける断面図である。
図34】上昇位置にある、過負荷機構を伴う駆動部を例示した、図33の断面図である。
図35】捕捉状況にある過負荷機構、及び下降配置にある駆動部を例示した、図33の断面図である。
図36】下降配置にある、図33の駆動部の側面図である。
図37】上昇配置にある、図34の駆動部の側面図である。
図38】接触を外された過負荷機構を伴い下降配置にある、図35の駆動部の側面図である。
図39】過負荷機構を減衰させるための付勢部材を含んだ、作業位置にある過負荷機構の、別の実施形態を示す図である。
図40】接触を外された位置にある、図39の過負荷機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図面を通して、類似の参照記号は対応する部分を示す。図面に示された特定の部分の寸法は、明確化または例示目的で、変更及び/または誇張され得る。
【0071】
より詳細な説明のために図面を参照すると、ゴルフカップ12内に位置付け可能、またはゴルフカップ12の一部を形成する、広告装置10が例示され、例として本発明の原理が利用され得る配置を明示する。図面に例示されるように、装置10は、ゴルフカップ12の底板18に静止するよう構成された足部16を有する、基部14を含む。ゴルフカップ12は、底板18及び円筒形ライナー20を含み、競技用グリーン24にカットされた穴22の中に位置させることが可能である。図1に例示されるように、ゴルフカップ12の頂部は、競技用グリーン24から下に距離を空けて位置付けられる。
【0072】
装置10は、ボール支持部材26をさらに含み、それは昇降部材28に堅固に固定される。昇降部材28は、基部14から上方に延びた柱部30に、摺動可能に係合する。駆動部32は、昇降部材28の固定取付ポイント34と、本実施形態においては電気モータである制御部材38の回転可能取付部36と、に接続される。本実施形態において、駆動部32は、第1のアーム40及び第2のアーム42を備え、第1のアーム40は、第1の端部において、制御部材38の回転可能取付部36に堅固に接続され、かつ第2の端部において、第2のアーム42に枢動可能に接続される。第2のアーム42における第2の端部は、固定取付ポイント34に枢動可能に接続される。
【0073】
読む者は、モータ38が、限定ではないがバッテリ(図示せず)などの電源に接続されることを、理解されたい。
【0074】
全体的に環形状の表示支持部44は、ボール支持部材26に固定され、そこから上方に延びる。表示支持部44は、全体的に空白で図面に例示されるが、広告または表示目的で、標示が表示支持部44に適用されるか、または組み込まれることを、理解されたい。例えば、商品または業者のサービスを宣伝するために、広告または企業ロゴが、表示支持部44上に適用され得るか、または印刷され得る。さらに、例示しないが、表示支持部は、限定ではないが、LED光または他の照明手段など、照明された表示手段を含み得る。
【0075】
本実施形態において、ボール支持部材26、昇降部材28、及び表示支持部44は全て、図1及び図2に例示されるような後退位置と、図3及び図4に例示されるような上昇位置との間で可動である。表示支持部44がゴルフカップ12から上方に延びたとき、表示支持部44の外側における広告は、側部から、及びゴルフカップ12から距離をおいて見ることができ、それによって広告または表示の露出を向上させる。
【0076】
図2に例示されるように、ボール支持部材26は、中にボルフボール48を受入れるための、上方に面したチャンバ46を備える。ボール支持部材26は、ボールガイド部50を含み、それはゴルフボール48を誘導位置52に促す。それによって、ゴルフボール48はセンサ54に接触するか、またはセンサ54を起動する。本実施形態では、本体56及び垂直接触シャフト58を含んだ接触センサ54である。
【0077】
駆動部32は、表示支持部44を、図1及び図2に例示されるような、表示支持部44がゴルフカップ12内に位置付けられた後退位置と、図3及び図4に例示されるような、表示支持部44がゴルフカップ12の頂部から上方に延びて、表示支持部44が図3に例示されるように、競技用グリーン24の実質的に上に位置付けられた上昇位置と、の間で動かすよう構成される。このように、表示支持部44上の広告を、ゴルフの穴22から距離をおいて見ることができ、それは、ゴルフ大会のギャラリー及び放送映像における見物人に対する、ブランド宣伝のために利点を有する。この広告は、放送視聴者が見るために、表示支持部44に投影もされ得る。
【0078】
センサ54は、駆動部32の動作を制御して、ボール支持部材26内にゴルフボール48が存在するか否かに依拠して、表示支持部44の位置を変化させる。
【0079】
図5は、様々な構成要素を例示する、装置10の分解組立図である。図5に例示されるように、ボール支持部材26は、環状段差60を含み、表示支持部44をそこに装着するために使用される。このように、ボール支持部材26の外周部、及び隣接した表示支持部44は、図1図4に例示されるように全体的に同じ形状である。これは、表示支持部44が装着されたときに、使用中にゴルフカップ12の頂縁部の引っ掛かりまたは詰まりを生じさせ得る、隆起部またはリップ部が作り出されないことを意味する。
【0080】
昇降部材28は、柱部30の上に嵌る、垂れ下がったスリーブ62を含む。スリーブ62は、凹部64を含み、それは、昇降部材28が後退位置にあるときに、モータ38を収納する。
【0081】
図5にさらに例示されるように、基部14は、そこにモータフレーム68を装着するための取付部66を含む。
【0082】
装置の組立てに使用されるネジ、ボルト、及びナットなどの固定手段は、例示されていないことを、当業者は理解するであろう。さらに、表示支持部44、ボール支持部材26、及び昇降部材28が、個々の構成要素として例示されるが、読む者は、それらの内全てまたはいくつかは、本発明の範囲から逸脱することなく構造的に一体となり得ることを、理解されたい。
【0083】
図6は、ボール支持部材26を例示し、上方に面した凹部46を形成する、環状で上方に延びた壁70と、全体的にボール支持部材26の底部を画定するウェブ部分72と、両方がウェブ部分72から上方に延び、かつ一旦ゴルフボール48がボール支持部材26に入ったら、ゴルフボール48が誘導位置52に促されるよう、ゴルフボール48の動きを制御するよう構成された、外側ガイド部材50及び内側ガイド部材76と、を備える。
【0084】
図6にさらに例示されるように、センサ54は誘導位置52に隣接して位置付けられ、それによって垂直接触シャフト58は、ガイド部材50、76によってゴルフボール48が誘導位置52に動かされたとき、ゴルフボール48によって接触される。
【0085】
図8及び図9に例示されるように、ガイド部材50、76は、ボールが重力の影響で、誘導位置52の相当する最下位置に転がるよう傾斜される。
【0086】
ボール支持部材26は、中央アパーチャ78を含み、それは図11に対して説明するように、フラッグスティック90が貫通して通過するのを可能にするよう構成される。
【0087】
図10aは、ガイド部材の上面が、破線で表わされた単一面80に沿って位置付けられた、上記の実施形態を例示する。センサ54は、面80の下部分に位置付けられ、接触シャフト58は、ゴルフボール48が誘導位置52にあるときに、ゴルフボール48によって接触され得る。
【0088】
図10bに例示されるような、別の実施形態において、ガイド部材の異なるセクションは、面82及び84に沿って位置付けられ、それらは破線で表わされるように、頂点86において接合する。直前の実施形態において、ガイドは2つの誘導位置52a、52bを形成する。対応して位置付けられたセンサ54a、54bは、それぞれの誘導位置52a、52bに、または隣接して位置される。
【0089】
図11は、表示支持部44の標示88の可能な位置を例示する。上昇位置において、標示88はゴルフの穴の外側から側方に視認可能で、それによって例えばテレビ視聴者に容易に見られかつ示されるか、または少なくとも大会を見ているギャラリーによって見られる。
【0090】
図11にさらに例示されるように、装着されたフラッグ92を伴うフラッグスティック90は、ボール支持部材26及び表示支持部44が上昇位置にあったとしても、所定の位置にとどまることができる。これは、フラッグスティック90がボール支持部材26の中央アパーチャ78を貫通するためであり、ゴルフカップにおける従来のフラッグスティックのアパーチャ94に係合する。代替として、中央アパーチャ78は、フラッグスティック90を支持するよう構成され得る。それによって、ボール支持部材26が上昇位置に動かされたとき、フラッグスティック90も上方に動かされる。
【0091】
装置10の別の実施形態は、図12図24に開示され、それは、ゴルフカップ12の底板18の頂部に静止するよう構成された足部16、を有する基部14を含んだ、装置10を例示する。しかし読む者は、装置10及びゴルフカップ12は一体構造であってもよく、それによって本発明の装置は、従来のゴルフカップの所定の位置で使用されることを、理解されたい。
【0092】
本実施形態の装置10は、全体的に垂直のシャフト100、102に堅固に装着された、ボール支持部材26をさらに含む。垂直のシャフト100、102は、基部14に摺動可能に係合し、かつボール支持部材26が垂直に動かされるとき、ガイド部材として作用する。駆動部32は、ボール支持部材26に枢動可能に接続され、かつ制御部材38の取付部36に回転可能に接続される。本実施形態において、駆動部32は、第1のアーム40及び第2のアーム42を備え、第1のアーム40は、第1の端部において、制御部材38の回転可能取付部36に接続され、かつ第2の端部において、第2のアーム42に枢動可能に接続される。第2のアーム42における第2の端部は、ボール支持部材26に枢動可能に接続される。
【0093】
センサ54は取付板104に接続され、取付板104にはスイッチ106も取付けられる。スイッチ106は、図14に例示されるように、突出部108によって接触することによって、ボール支持部材26が後退されているときに、モータの動作を制御する。
【0094】
別の実施形態において、図25に例示されるように、広告表示部は、仮想広告110であってもよい。仮想広告110は、ゴルフボール48がゴルフの穴22に入ったときに、カメラ114によって捕捉された映像から、制御器112の表示スクリーンにおいて、ゴルフの穴22に隣接して表示される。したがってこの広告は、テレビ及び表示スクリーン118に表示するために、テレビ放送映像116に組み込むことが可能である。
【0095】
本実施形態は、本装置の直前の実施形態における特徴を含むが、表示支持部44の所定の位置で使用される送信器120を伴う。したがって、ゴルフカップ12内に位置されたセンサ54が、ゴルフボール48の存在を示したとき、送信器120は、制御器112によって処理された信号を送信するよう構成される。広告画像110は、ゴルフコースのグリーン24におけるビデオ映像122に重ねられ、次にそれは放送される。
【0096】
広告画像110は、静止画像、一連の静止画像、またはゴルフコースのグリーンにおけるビデオ映像に重ねたビデオ、であってよい。
【0097】
さらに別の実施形態において、図26及び図27に例示するように、装置10は、ゴルフカップ22のためのボール上昇アセンブリを備え得る。ボール上昇アセンブリは、実質的に前述の実施形態と同じであるが、ボール支持部材26に装着された表示支持部44を有さない。本発明のボール上昇アセンブリは、前述のように仮想広告110と共に使用され得る。本実施形態は、競技者が穴の頂部周りの草を損傷させることを抑制し、その一方でボールを回収して、高齢の競技者を補助する。
【0098】
さらに別の実施形態において、図28図32は、装置10の代替構成を例示し、それは接触センサ54における、全体的に直線の接触シャフト58を含む。接触シャフト58の動作は、前述のものと同じであるが、本実施形態において、接触シャフト58は、より大きい空隙を有し、ボール支持部材26の縁部に引っ掛かるのを阻止する。アパーチャ10は、ゴム製の覆いを用いて封止された、押込みボタンスイッチ124を、さらに含む。押込みボタンスイッチ124は、装置のモードを変えるため、及びデバイスをオン及びオフにするため、に使用される。USB再充填ポート126も、内部バッテリ(図示せず)を再充電するために設けられる。USB再充電ポート126は、図示しないが、好ましくは可撓性カバーを含む。
【0099】
図30図35にさらに例示されるように、内部ガイド部材76は、上面に適用された、弾性的に変形可能な材料であるビーズ128を含む。これらのビーズ128は、フラッグが設置されていないときに、ボールがゴルフの穴から跳ね出るのを阻止するよう作用する。ビーズ128は、ゴルフボールのための「跳ね返り減衰」として作用するものと理解され得る。1つの実施形態において、シリコーンの小さいビーズが、内部ガイド部材76の頂部に適用される。しかし読む者は、ビーズを装置内の他の箇所に設置し、クッションとして作用して、ボールが硬い表面に対して跳ね返るのを抑制することを理解されたい。ビーズ128は、手で適用されるか、印刷されるか、または別の方法で、装置10の内部における任意の硬い表面上に形成され得る。
【0100】
読む者は、装置10が小さい電力量を受けること、及び装置10がゴルフの穴に位置付けられたときに、一般にオン及びオフにする必要のないこと、を理解されたい。しかし、搬送中に装置10をオフにして、装置10が予期せず起動されて、場合によっては損傷を被ることを防止することは好ましい。1つの実施形態において、3つのモードが想定される:
モード1-ゴルフボール48によって起動した際に、ボール支持部材26は、ゴルフボール48が取り除かれるまで、上昇位置にとどまる;
モード2-ゴルフボール48によって起動した際に、ボール支持部材26は上に動き、設定された時間の間上昇位置にとどまり、その後ゴルフボール48が中に残ったまま下降位置に戻る;及び
モード3-静止またはオフモード。
【0101】
好ましい実施形態の駆動部32は、過負荷機構を含み、それは図33図40に例示されるように、回転体136に連結された、連結解除可能なアーム部分130を備える。連結解除可能なアーム部分130は、第1の磁石を含んだ主要部分132、及び第2の磁石を含んだ従属部分134を含み得る。主要部分132の端部は、図34で最も良好に例示されるように、第2のアーム42に枢動可能に連結される。
【0102】
主要部分132は、独立して回転体136に回転可能に連結され、従属部分134は、回転体136の回転部に固定される。通常の条件下で、それぞれの磁石は、主要部分132及び従属部分134を、互いに対して固定配置で保持する。下方の圧力の閾値が、図34の矢印方向に、ボール支持部材26または表示支持部44に適用されたとき、第1と第2の磁石間の磁力を上回る。次に主要部分132は、従属部分134から離れ、回転体136の周りに、図35に例示されるように下降位置まで動くよう構成される。この過負荷機構は、装置10のモータ及び他の機械的構成要素が、誤用または予期せぬ接触によって損傷を受けることから防護する。例えば、ボール支持部材26が上昇位置にあるときに、人がボール支持部材26を押下げるか、またはボール支持部材26が下降位置にあるときに、障害物が穴の上に置かれた場合に、過負荷機構は始動され、それによって装置10を損傷から防護することになる。
【0103】
図36図38は、多くの他の構成要素から独立した駆動部32を例示し、図38では過負荷機構の始動と、その後に従属部分134を下降位置に戻す動きと、を示す。読む者は、駆動部32が次に下降配置まで戻るよう操作されることによって、回転体136及びそこに装着された従属部分134が、回転して下降位置まで戻ったとき、主要部分及び従属部分132、134の磁石は、図36に示されるように磁気的に接合されることを、理解されたい。次に駆動部32は、別の始動事象が発生するまで、通常の動作を継続することができる。
【0104】
図39及び図40に例示されるように、可撓性バンド138は、主要部分132における突出物140の周りに位置付けられる。可撓性バンド138は、回転体136における上昇位置142に対してもたれかかるよう構成される。可撓性バンド138の目的は、始動事象中に、主要部分132が従属部分134から磁気的に連結解除するとき、例えば誰かがボール支持部材26を強制的に押下げたときに、主要部分132の動きを減衰させることである。これは、主要部分132が、ボール支持部材26の重量の影響で突然落下して、機構に損傷を与えるのを阻止する。したがって、可撓性バンド138は、始動事象が生じたときの損傷を阻止するための、減衰デバイスとして考慮され得る。
【0105】
当業者は、例示された発明の多くの利点を理解するであろう。1つの形態において、本発明は、以前には十分に活用されていなかった箇所を活用する、広告媒体を提供する。さらに本発明は、1つの形態において、価値のある広告空間を提供しながら、競技者による、より容易な回収を可能にするために、ゴルフボールを自動的に持ち上げる手段を提供する。1つの形態において、装置は、改良する必要なく、現存のゴルフカップの中に組み込むことができる別個のモジュールであってよい。装置におけるこの構成は、フラッグがゴルフカップ内に位置付けられたときでも、使用できることも意味する。
【0106】
本発明の多くの特徴を、本発明の例示的実施形態と共に詳細に示しかつ説明してきたが、これらの特定の配置は例示に過ぎないこと、及び本発明はそれに限定されないこと、を理解しなければならない。したがって本発明は、多くの変更を含むことができ、それらは本発明の趣旨及び範囲内に収まる。本明細書の目的のため、用語「備える(comprise、conprises、またはcomprising)は、「含む(including)が、それに限定されない」ことを意味する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
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図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
【国際調査報告】