(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】歯のホワイトニング製品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/03 20060101AFI20230831BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20230831BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20230831BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20230831BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230831BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20230831BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20230831BHJP
A61K 8/89 20060101ALI20230831BHJP
A61K 8/38 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
A61K8/03
A61Q11/00
A61K8/06
A61K8/92
A61K8/34
A61K8/31
A61K8/37
A61K8/89
A61K8/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512803
(86)(22)【出願日】2021-08-24
(85)【翻訳文提出日】2023-02-21
(86)【国際出願番号】 US2021047239
(87)【国際公開番号】W WO2022046692
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、デイビッド、カーティス
(72)【発明者】
【氏名】フランコ、シルバ、メディロズ
(72)【発明者】
【氏名】ナタリア、マリア、ラモン、マルティネス
(72)【発明者】
【氏名】ジャヤンス、ラジャイア
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AA162
4C083AB411
4C083AB412
4C083AC011
4C083AC071
4C083AC081
4C083AC351
4C083AC421
4C083AC442
4C083AD151
4C083BB41
4C083BB55
4C083CC41
4C083DD05
4C083DD31
4C083DD32
4C083EE35
4C083KK01
(57)【要約】
歯のホワイトニング製品は、パッケージに収容されている多相口腔用組成物を含む。多相組成物は、香料を含む疎水性相と、過酸化物漂白剤を含む親水性相とを含む。パッケージは、1つ以上の層を含む酸素透過性基材で形成された容器を含み、基材は、23℃で少なくとも約5cc/(m2*日)の酸素透過率を有し、基材はバリア層を含まない。容器と流体連通する分配オリフィスはキャップで覆われている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯のホワイトニング製品であって、
多相口腔用組成物であって、
香料を含む疎水性相と、
過酸化物漂白剤を含む親水性相とを含む、多相口腔用組成物と、
パッケージであって、
1つ以上の層を含む酸素透過性基材で形成された容器であって、前記基材が23℃で少なくとも約5cc/(m2
*日)の酸素透過率を有する、容器と、
前記容器と流体連通する分配オリフィスと、
前記分配オリフィスを覆うキャップとを含む、パッケージとを備え、
前記容器の前記基材はバリア層を含まず、
前記多相口腔用組成物は前記パッケージに収容されている、歯のホワイトニング製品。
【請求項2】
前記酸素透過性基材は、23℃で少なくとも約10、好ましくは少なくとも約20cc/(m2
*日)、好ましくは少なくとも約30cc/(m2
*日)、好ましくは少なくとも約50cc/(m2
*日)、及び好ましくは少なくとも約100cc/(m2
*日)の酸素透過率を有する、請求項1に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項3】
前記酸素透過性基材は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリオレフィン系材料を含む、請求項1又は2に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項4】
前記酸素透過性基材は第1の層及び第2の層を含み、前記第1の層は低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンを含み、前記第2の層は高密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項5】
前記バリア層は、約5未満、好ましくは約3未満、及び好ましくは約1cc/(m2
*日)未満の酸素透過率を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項6】
前記バリア層は、アルミニウムバリア層、プラスチックバリア層、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項7】
前記親水性相は、水相又は親水性過酸化物漂白剤粒子を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項8】
前記多相口腔用組成物はエマルションである、請求項1~7のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項9】
前記親水性相は水相である、請求項1~8のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項10】
前記水相は、前記水相の少なくとも約10重量%の過酸化物漂白剤を含み、前記多相口腔用組成物は、前記多相口腔用組成物の約10重量%未満の過酸化物漂白剤を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項11】
前記水相は、前記水相の少なくとも約20重量%の過酸化物漂白剤を含み、前記多相口腔用組成物は、前記多相口腔用組成物の約5重量%未満の過酸化物漂白剤を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項12】
前記親水性相は甘味料を更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項13】
前記多相口腔用組成物は油中水型エマルションであり、前記親水性相は前記疎水性相内に液滴として分散している、請求項1~12のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項14】
前記多相口腔用組成物は、前記多相口腔用組成物の少なくとも約50重量%の疎水性相を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項15】
前記疎水性相は、非毒性食用油、飽和又は不飽和脂肪アルコール、脂肪族炭化水素、長鎖トリグリセリド、脂肪酸エステル、シリコーン、ポリシロキサン、鉱油、ワセリン、又はこれらの混合物を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項16】
前記香料は前記疎水性相内に分散している、請求項1~15のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項17】
前記香料は、親水性相成分と組み合わせる前に、他の疎水性相成分と予備混合される、請求項1~16のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項18】
前記疎水性相はワセリンを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項19】
前記香料はワセリンと予備混合される、請求項1~18のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【請求項20】
前記多相口腔用組成物は、約10~約500、好ましくは約100~約300の円錐貫入稠度値を有する、請求項1~19のいずれか一項に記載の歯のホワイトニング製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料を含む疎水性相と、過酸化物漂白剤を含む親水性相とを含む多相口腔用組成物を含む歯のホワイトニング製品に関し、ここで組成物は、酸素透過性基材を含むパッケージに収容されている。
【背景技術】
【0002】
現在、市場には、様々な美容用活性物質及び/又は治療用活性物質を歯及び口腔に送達する歯科用製品が存在する。このような製品の例としては、例えば、ポリリン酸塩又はフッ化物などの口腔ケア活性物質を送達するための歯磨剤製品などのブラッシング補助剤、口臭除去剤又は抗菌活性物質を含有するマウスウォッシュ、及び歯に漂白活性物質を送達するためのホワイトニングストリップが挙げられる。特に、歯及び口腔の粘膜表面に美容的効果及び治療的効果をもたらす便利かつ安価な方法として、例えば、ホワイトニング組成物がストリップに塗布され、その後歯に塗布されて、歯とホワイトニング組成物との間の持続的な接触を達成する歯科用ホワイトニングストリップの使用が認識されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
口腔状態の治療、特に歯のホワイトニングのための上記の既知のアプローチにもかかわらず、好ましくは漂白効果を改善し、ホワイトニングの速度を上げ、歯過敏症を減少させ、口腔軟部組織の刺激を減少させながら、消費者にとって利便性が向上し、製品の貯蔵安定性が許容できる改善された歯のホワイトニング製品を提供する必要性が依然として存在する。このような製品では、パッケージに収容される場合、香料などの特定の組成成分の貯蔵安定性を維持することと、過酸化物などの他の組成成分の貯蔵安定性を維持することとの間でしばしばトレードオフが生じる。したがって、消費者の利便性及び嗜好性を向上させながら、パッケージ及びその中に含まれている組成物の安定性を維持する製品が依然として望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の歯のホワイトニング製品は、パッケージに収容されている多相口腔用組成物を含む。多相口腔用組成物は、香料を含む疎水性相と、過酸化物漂白剤を含む親水性相とを含む。パッケージは、1つ以上の層を含む酸素透過性基材で形成された容器を含む。基材は、23℃で少なくとも約5cc/(m2*日)の酸素透過率を有する。酸素透過性基材は、保存中の過酸化物の酸化による容器の望ましくない膨張を防ぐのに役立ち、疎水性相は、疎水性相に含まれている香料の安定性を維持するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本発明の歯のホワイトニング製品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
定義
本明細書で使用される場合、「相」という用語は、連続的又は不連続的であってもよく、別の相とは異なる1つ以上の特性を有する物理的に異なる領域又は複数の領域を意味する。相間で異なり得る特性の非限定的な例としては、組成、粘度、溶解性、疎水性、親水性、及び混和性が挙げられる。
【0007】
本明細書で使用される場合、「多相口腔用組成物」という用語は、互いに混和しない2つ以上の相の混合物を含む。相は、連続的、不連続的、又はこれらの組み合わせであってもよい。多相口腔用組成物の例としては、油中水型エマルションなどのエマルションが挙げられる。多相口腔用組成物の例としては、水中油型エマルション、水中油中水型エマルション、及び油中水中油型エマルションも挙げられる。多相口腔用組成物の例としては、相が、共連続を含む多連続、層状、縞模様、マーブル模様、リボン状、渦巻状、及びこれらの組み合わせである組成物も挙げられる。
【0008】
本明細書で理解される「エマルション」という用語は、1)相の少なくとも1つが不連続的であり、2)相の少なくとも1つが連続的である多相組成物の一例である。エマルションの例としては、油中に分散した水の液滴が挙げられる。この例では、水及び油は互いに混和せず、水は不連続相であり、油は連続相である。
【0009】
本明細書で理解される「油中水型エマルション」という用語は、1)不連続相が水性であり、2)連続相が疎水性であるエマルションの一例である。
【0010】
本明細書で理解される「水相」という用語は、水及び活性剤(例えば、漂白剤)を含み、かつ疎水性相と混和しない少なくとも1つの親水性相である。特定の実施形態では、水相の各部分は、水相の少なくとも2重量%の活性剤を含有する。任意に、水相は、水溶性、水混和性、又はこれらの組み合わせである成分、例えば、水溶性溶媒、アルコール、ポリエチレングリコール、カーボポールなど、又はこれらの混合物を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、不混和性充填剤が水相に添加される場合、組成物中の水相の割合は、不混和性充填剤を除外することによって計算される。
【0011】
本明細書で理解される「疎水性相」という用語は、親水性相(例えば水相)と混和しない組成物のすべての成分を意味する。特定の実施形態では、疎水性相は、疎水性相に可溶性、混和性、又はこれらの組み合わせである成分、例えば、疎水性相に溶解した炭化水素溶媒、疎水性相に溶解したポリエチレン、疎水性相に溶解した微結晶ワックス、又はこれらの混合物を更に含んでもよい。
【0012】
本明細書で使用される場合、「粒子」という用語は、別個の固体又は半固体物質である。固体粒子は、個々の原子又は分子よりも大きな寸法を有し、典型的には、その最大寸法はサブミクロンから約1ミリメートルである。特定の実施形態では、粒子は、別個の粒子の凝集体に凝集することができる。特定の実施形態では、粒子は、約50nm~約1mmの寸法又は数平均等価直径又は体積平均等価直径を有し得る。
【0013】
本明細書で使用される場合、「親水性漂白剤粒子」という用語は、a)漂白剤を含み、b)水に可溶性であり、水と接触すると膨潤し(体積及び/又は重量が増加する)、又は水と接触すると漂白剤を放出する粒子である。漂白剤が放出される場合、この漂白剤は、気体、液体、又は液体に溶解した固体であり得る。特定の実施形態では、親水性漂白剤粒子は疎水性相に不溶性である。特定の実施形態では、親水性漂白剤粒子又は多相口腔用組成物は、水溶性、水混和性、又はこれらの組み合わせである成分、例えば水溶性溶媒、アルコール、カーボポール、ポリアルキレングリコール、湿潤剤、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、及びこれらの混合物を更に含んでもよい。特定の実施形態では、親水性漂白剤粒子はまた、水和水又は結晶化溶媒を含んでもよい。これらの成分が親水性漂白剤粒子に添加されるか又は親水性漂白剤粒子中に存在する場合、組成物中の親水性漂白剤粒子の割合は、これらの成分を除外することによって計算される。水不溶性又は水不混和性充填剤が親水性漂白剤粒子又は口腔用組成物に添加される場合、組成物中の親水性漂白剤粒子の割合は、これらの充填剤を除外することによって計算される。
【0014】
歯のホワイトニング製品
本発明の歯のホワイトニング製品は、消費者の歯を白くするために消費者によって使用される。この製品は、消費者が家庭で便利に使用することができる。歯のホワイトニング製品は、本明細書に記載されるように、多相口腔用組成物を含むパッケージを含む。
【0015】
パッケージ
本発明の歯のホワイトニング製品で使用されるパッケージは、1つ以上の層を含む酸素透過性基材で形成された容器であって、基材が23℃で少なくとも約5cc/(m2*日)の酸素透過率を有する、容器と、容器と流体連通する分配オリフィスと、容器に取り外し可能に取り付けられ、分配オリフィスを覆うキャップとを含む。容器の基材はバリア層を含まない。
【0016】
酸素透過性基材
本発明のパッケージは、1つ以上の層を含む酸素透過性基材で形成される。基材の層は、典型的には、ポリオレフィン系材料を含む。本明細書では、「ポリオレフィン系材料」とは、エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィンモノマーを有するポリオレフィンコポリマーを含めて、当該技術分野で周知のすべての様々な種類のポリオレフィン及びメタロセン樹脂が適切であることを理解されたい。本明細書では、低密度ポリエチレン(low density polyethylene、LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(linear low density polyethylene、LLDPE)、高密度ポリエチレン(high density polyethylene、HDPE)などのポリエチレン、及びこれらの組み合わせが好ましい。このようなポリエチレンは当業者に公知であり、例えばDow Chemical及びShell Petrochemicalから市販されている。
【0017】
ポリオレフィン系材料の層は、互いにブレンド、積層(例えば接着剤により)、及び/又は共押出することができる。本明細書では、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、又はこれらの混合物を含む積層又は共押出材料が好ましい。基材は、用途に応じて様々な厚さ及び密度を有することができる。
【0018】
酸素透過性基材は、1層、2層、3層、4層、又は5層以上を含むことができる。一態様では、基材は2層又は3層を含む。
【0019】
酸素透過性基材は、約0.1mm~約2mm、好ましくは約0.2mm~約0.6mmの全厚を有することができる。各層の厚さは、約0.003mm~約1mm、好ましくは約0.1mm~約0.3mmとすることができる。
【0020】
基材は材料のシートとして供給することができ、その後、従来の方法を使用して容器に成形することができる。容器は、様々な形をとることができるが、最も一般的なのはチューブの形である。チューブは、通常、密封された(例えば、圧着及び/又は熱融着された)一端と、容器に収容されている組成物を分配するためのオリフィスを有する一端とを有する。チューブのオリフィスは、典型的には、取り外し可能なキャップ(例えば、ネジ付きキャップ又はプルオフキャップ)又はヒンジを有するフリップトップキャップであり得るキャップによって覆われている。
【0021】
基材は、所望の色を基材に付与するために、染料又は顔料などの着色剤を更に含むことができる。
【0022】
基材の外面は、インク、金属製ホットスタンプ箔、及び/又はつや消しニス若しくはつや出しニスを使用して装飾することができる。
【0023】
酸素透過性基材から形成された容器は、チューブ又はボトル、好ましくはチューブの一端にシールを有し、チューブの反対端に分配オリフィスを有するチューブを含めて、様々な形であり得る。
【0024】
酸素透過率(OXYGEN TRANSMISSION RATE、OTR)
本発明の酸素透過性基材は、容器内で生成された十分な量の酸素が基材を通して拡散するのを容易にするのに適した酸素透過率(OTR)を有し、本発明の歯のホワイトニング組成物に含まれている過酸化物の酸化による保存中の容器の膨張を防止する。したがって、基材は、少なくとも約5立方センチメートル/平方メートル/日(cc/(m2*日))、少なくとも約10cc/(m2*日)、少なくとも約20cc/(m2*日)、少なくとも約50cc/(m2*日)、少なくとも約100cc/(m2*日)、又は少なくとも約200cc/(m2*日)のOTRを有する。好ましくは、基材は、約5~約500cc/(m2*日)、約10~約300cc/(m2*日)のOTRを有する。
【0025】
酸素透過性基材のサンプルのOTRは、ASTM D3985(「クーロメトリックセンサを使用したプラスチックフィルムシートを通る酸素ガス透過率の標準試験方法」)に従って測定される。このようなOTR測定は、MOCON Laboratory(米国ミネソタ州ミネアポリス)から入手可能なOxtran 2/21酸素透過率測定装置を用いて行うことができる。
【0026】
分配オリフィス
容器の分配オリフィスは、通常、少なくとも約0.5mm、好ましくは少なくとも約1mm、好ましくは少なくとも約1.5mm、又は好ましくは少なくとも約2mmの最小直径を有する。分配オリフィスは、好ましくは、約0.5mm~約10mm、又は好ましくは約1mm~約5mm、又は好ましくは約1mm~約3mmの最小直径を有する。最小直径は、オリフィスの周囲に沿って互いに反対側にある2点間で測定された最短距離である。オリフィスが円形である場合、最小直径は円形オリフィスの直径である。オリフィスは、円形、楕円形、長方形、星形などを含めて、様々な形状とすることができる。
【0027】
分配オリフィスの最小直径は、多相口腔用組成物の性質に応じて重要である可能性がある。例えば、多相口腔用組成物が約10~約500、又は約100~約300の円錐貫入稠度値を有する場合、分配オリフィスは、好ましくは少なくとも約1mm、好ましくは少なくとも約1.75mm、及び好ましくは少なくとも約2mmの最小直径を有する。
【0028】
一態様では、分配オリフィスは、楕円形又は長方形の形状を有するリボンオリフィスである。このようなリボンオリフィスは、2020年6月11日に出願された米国特許出願第16/898471号に詳細に記載されており、当該特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
バリア層を含まない
本発明の容器を形成するために使用される基材は、バリア層を含まない。バリア層は、化粧品又は練り歯磨きのチューブに一般的に使用され、このようなチューブ内に収容されている組成物を環境からより良好に隔離して、保存中の組成物の安定性を向上させる。したがって、香料又は香水のような組成物の揮発性がより高い成分は、環境成分と反応する傾向があり得る他の成分と同様に、より安定する傾向がある。バリア層は、通常、ASTM D3985に従って測定した場合、23℃で約5未満、約4未満、約3未満、約2未満、約1未満、又は約0.5cc/(m2*日)未満の酸素透過率(OTR)を有する。したがって、バリア層を含む基材は、バリア層のOTRと同じか、又はそれ未満のOTRを有する。
【0030】
しかしながら、バリア層を有する容器内に収容されている組成物が(特に水性形態で又は組成物の水相内に)過酸化物物質を含む場合、バリア層を有する容器は、保存中の過酸化物物質の経時的な酸化レベルに起因して、組成物の保存中に許容できないほど膨張する可能性がある。これにより、容器が見苦しく見えたり(例えば、膨張したり)、又は更には容器の膨張に起因する容器のシールの破損により容器から組成物が漏れたりする可能性がある。したがって、容器内に収容されている組成物の安定性を維持する必要がある。
【0031】
本明細書の容器を形成する基材には存在しないバリア層の例としては、アルミニウムバリア層(aluminum barrier layer、ABL)、及びエチルビニルアルコールバリア層などのプラスチックバリア層(plastic barrier layer、PBL)が挙げられる。
【0032】
任意のアプリケータ先端部
本発明のパッケージは、任意選択で、分配オリフィスを含むアプリケータ先端部を更に含むことができる。これに関して、多相口腔用組成物を歯に塗布するために別個のアプリケータ装置は必要とされない。アプリケータ先端部を含む好適なパッケージは、2020年8月24日に出願された同時係属中の米国特許出願第63/069660号(代理人整理番号15864P)に記載されている。
【0033】
多相口腔用組成物
本発明の多相口腔用組成物は、疎水性相及び親水性相を含む。多相口腔用組成物は、好ましくはエマルションの形態である。エマルションの形態の多相口腔用組成物の例としては、水中油型エマルション、水中油中水型エマルション、及び油中水中油型エマルションが挙げられる。多相口腔用組成物はまた、相が、多連続(共連続を含む)、層状、縞模様、マーブル模様、リボン状、渦巻状、及びこれらの組み合わせである組成物を含むことができる。
【0034】
疎水性相
多相口腔用組成物の疎水性相は、消費者による組成物の使用中に心地よい味及び/又は香りを付与するための香料を含む。歯のホワイトニング製品のパッケージがバリア層を含まないため、組成物の疎水性相は、歯のホワイトニング製品中の香料を保護及び安定化するのに役立つことができる。アルミニウムバリア層又はプラスチックバリア層(例えば、エチルビニルアルコール)などのバリア層は、特に多相でない組成物を包装するために使用される場合、通常、香料などの成分を安定化するのを助けるためにパッケージに組み込まれる。
【0035】
本発明のパッケージがバリア層を含まないため、香料を組成物の疎水性相に組み込むことは、保存中に香料を保護及び安定化するのに役立つことができる。これに関して、香料は好ましくは疎水性相に分散しており、好ましくは親水性相成分と組み合わせる前に他の疎水性相成分と予備混合される。一態様では、例えば、疎水性相がワセリンを含む場合、香料は親水性相成分と組み合わせる前にワセリンと予備混合される。
【0036】
好適な香料としては、冬緑油、ハッカ油、スペアミント油、チョウジつぼみ油、メントール、アネトール、サリチル酸メチル、ユーカリプトール、酢酸1-メンチル、セージ、オイゲノール、パセリ油、オキサノン、α-イリソン、マジョラム、レモン、オレンジ、プロペニルグアエトール、シナモン、バニリン、チモール、リナロール、シンナムアルデヒドグリセロールアセタール(CGAとして知られている)、及びこれらの混合物を挙げることができる。好ましくは、香料はメントールを含む。香料は、一般に、組成物の約0.01重量%~約5重量%、特に約0.1重量%~約3重量%、より具体的には約0.3重量%~約2重量%のレベルで使用される。
【0037】
疎水性相は、非毒性食用油、飽和又は不飽和脂肪アルコール、脂肪族炭化水素、長鎖トリグリセリド、脂肪酸エステル、及びこれらの混合物を含むことができる。特定の実施形態では、疎水性相はまた、シリコーン、ポリシロキサン、及びこれらの混合物を含んでもよい。特定の実施形態では、疎水性相は、鉱油、ワセリン、及びこれらの混合物から選択することができる。好ましくは、疎水性相はワセリン、例えば白色ワセリンを含む。ワセリンの例としては、Calumet Specialty Products(インディアナポリスインディアナ州)からのSnow White Pet-C、Sonneborn(ニュージャージー州パーシッパニー)からのG-2191、SonnebornからのG2218、SonnebornからのG1958、SonnebornからのG2180、SonnebornからのSnow White V28EP、SonnebornからのSnow White V30、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、疎水性相は、疎水性相の少なくとも約30重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、又は少なくとも約70重量%のワセリンを含む。
【0038】
本発明の多相口腔用組成物は、通常、多相組成物の少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、又は少なくとも約90重量%、最大多相口腔用組成物の約99重量%以下、約95重量%以下、又は約90重量%以下のレベルで疎水性相を含む。
【0039】
疎水性相は、好ましくは、香料の保護及び安定化を改善し、使用中に有効量の漂白剤又は活性剤を放出するために、特定の範囲内の円錐貫入稠度値を有する。疎水性相の円錐貫入稠度値は、ASTM法D937-07に従って測定した場合に、約100~約500の範囲、好ましくは約150~約250の範囲、より好ましくは約170~約200の範囲、又はあたかもそのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、そのようなより広い数値範囲内に入る任意の他の数値範囲であってもよい。特定の態様では、疎水性相の円錐貫入稠度値は、ASTM法D937-07に従って測定した場合に、約10、25、50、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、300、400、若しくは500から約25、50、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、300、400、若しくは500まで、又はあたかもそのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、そのようなより広い数値範囲内に入る任意の他の数値範囲であってもよい。
【0040】
親水性相
本組成物の親水性相は過酸化物漂白剤を含む。一態様では、親水性相は、過酸化物漂白剤、好ましくは過酸化水素を含む水相を含む。この態様では、水相は、水相の約2重量%、5重量%、8.75重量%、10重量%、15重量%、17.5重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、45重量%、50重量%、60重量%、若しくは67重量%から約67重量%、60重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、17.5重量%、15重量%、10重量%、8.75重量%、若しくは5重量%まで、又はあたかもそのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、そのようなより広い数値範囲内に入る任意の他の数値範囲のレベルで過酸化水素を含むことができる。
【0041】
多相口腔用組成物中の過酸化物漂白剤の総レベルは、多相口腔用組成物の約0.001重量%、0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量% 0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、若しくは20重量%から、約0.1重量%、1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、若しくは20重量%まで、又はあたかもそのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、そのようなより広い数値範囲内に入る任意の他の数値範囲であってもよい。
【0042】
一態様では、組成物はエマルション、好ましくは油中水型エマルションであり、水相は不連続的であり、連続的である疎水性相内に液滴として分散している。水相の液滴のサイズは、口腔/局所刺激及び/又は歯過敏症を減少させる要因となり得る。水相の液滴のサイズが大きすぎると、高濃度の漂白剤にさらされる口腔/局所/歯の表面に大きな斑点が生じる可能性があり、その結果、口腔/局所刺激及び/又は歯過敏症が生じる可能性がある。
【0043】
一態様では、水相の液滴の数平均等価直径又は体積平均等価直径は、0.001ミクロン、0.01ミクロン、0.1ミクロン、若しくは1ミクロンから、約0.001ミクロン、0.01ミクロン、0.1ミクロン、1ミクロン、5ミクロン、10ミクロン、50ミクロン、100ミクロン、500ミクロン、若しくは1000ミクロン以下まで、又はあたかもそのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、そのようなより広い数値範囲内に入る任意の他の数値範囲であってもよい。
【0044】
水相の大きな液滴の密度が高い組成物は、口腔/局所刺激及び/又は歯過敏症をもたらす可能性がある。一態様では、約1000、3000、10000、20000、又は50000平方ミクロンより大きい断面積を有する水相の「液滴の二次元密度」は、二次元平面の1平方センチメートルあたり約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、若しくは100以下、又はあたかもそのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、そのようなより広い数値範囲内に入る任意の他の数値範囲であってもよい。液滴の二次元密度を測定する手順は、米国特許出願公開第2018/0133119(A1)号に詳細に記載されており、当該特許出願公開は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
親水性相は、親水性漂白剤粒子を含むことができる。好適な親水性漂白剤粒子の例としては、過酸化尿素、及び過酸化水素とポリビニルピロリドンポリマーとの複合体が挙げられる。一態様では、親水性漂白剤粒子は、親水性相自体を構成することができる(すなわち、親水性相は親水性漂白剤粒子からなる)。特定の態様では、親水性漂白剤粒子は、多相口腔用組成物の約0.6重量%~約10重量%、若しくは約0.6重量%~約6重量%、若しくは約1重量%~約5重量%、若しくは約1重量%~約3重量%、又はあたかもそのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、そのようなより広い数値範囲内に入る任意の他の数値範囲であってもよい。本発明に適した親水性漂白剤粒子を含む多相口腔用組成物は、2020年4月8日に出願された米国特許出願第16/842800号に詳細に記載されており、当該特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
乳化剤
多相口腔用組成物は、任意選択で乳化剤を更に含むことができる。一態様では、組成物は、多相組成物の約0.001重量%~約30重量%の乳化剤を含むことができる。特定の態様では、多相口腔用組成物は、多相口腔用組成物の約0~約0.1重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約3重量%、又は約0.5重量%~約1.5重量%の乳化剤を含むことができる。一態様では、多相口腔用組成物は乳化剤を含まない。
【0047】
特に油中水型エマルションの形態の多相口腔用組成物用の好ましい乳化剤には、約1~約10の親水性-親油性バランス(hydrophilic-lipophilic balance、HLB)値、約3~約8のHLB値、約4~約7のHLB値、又は約4~約6のHLB値を有するものが含まれる。
【0048】
好適な乳化剤としては、(i)アカシア、ゼラチン、レシチン及びコレステロールなどの天然乳化剤;(ii)コロイド粘土、ベントナイト、ビーガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどの微細に分散した固体、及び(iii)脂肪酸の塩、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸スクロース、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセロール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン-4-ラウリルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウムなどの硫酸塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、グリセリルエステル、ポリオキシエチレングリコールエステル及びエーテル、モノステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸PEG200などのスルホン酸塩、モノパルミチン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル及びこれらのポリオキシエチレン誘導体、モノステアリン酸、ポリソルベート80(エトキシル化モノオレイン酸ソルビタン)などのポリオキシエチレングリコールエステル;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0049】
甘味料
多相口腔用組成物は、任意選択で、スクラロース、スクロース、グルコース、サッカリン、デキストロース、レブロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、フルクトース、マルトース、キシリトール、サッカリン塩、ソーマチン、アスパルテーム、D-トリプトファン、ジヒドロカルコン、アセスルファム及びシクラミン酸塩、特にシクラミン酸ナトリウム及びサッカリンナトリウム、並びにこれらの混合物などの甘味料を更に含むことができる。存在する場合、組成物は、組成物の約0.1重量%~約10重量%、特に約0.1重量%~約1重量%の甘味料を含む。
【0050】
円錐貫入稠度値
多相口腔用組成物は、好ましくは、特定の範囲内の円錐貫入稠度値を有する。多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値は、多相口腔用組成物が、1)実体的(substantive)であり、塗布中又は使用中に歯から流れ落ちたりアプリケータから流れ出たりしないこと、及び2)使用中に有効量の漂白剤又は活性剤を放出することを確保するための要因となり得る。具体的には、多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値が高すぎる場合、多相口腔用組成物は実体的(substantive)ではなく、塗布中又は使用中に歯から流れ落ちたり送達担体から流れ出たりすることがある。対照的に、多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値が低すぎる場合、多相口腔用組成物は、使用中に有効量の漂白剤若しくは活性剤を放出しない可能性があり、及び/又は本発明のパッケージから分配することが困難である可能性がある。特定の態様では、多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値は、ASTM法D937-07に従って測定した場合に、約100~約500の範囲、好ましくは約150~約250の範囲、より好ましくは約170~約200の範囲、又はあたかもそのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、そのようなより広い数値範囲内に入る任意の他の数値範囲であってもよい。特定の態様では、多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値は、ASTM法D937-07に従って測定した場合に、約10、25、50、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、300、400、若しくは500から、約25、50、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、300、400、若しくは500まで、又はあたかもそのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、そのようなより広い数値範囲内に入る任意の他の数値範囲であってもよい。
【0051】
油中水型エマルションなどのエマルションの形態の好適な多相口腔用組成物は、米国特許出願公開第2018/0133119(A1)号に詳細に記載されており、当該特許出願公開は参照により本明細書に組み込まれる。ジャム化(jammed)水中油型エマルションの形態の好適な多相口腔用組成物は、2020年4月16日に出願された米国特許出願第16/850033号及び同第16/850035号に詳細に記載されており、これらの特許出願は参照により本明細書に組み込まれる。親水性漂白剤粒子を含む好適な多相口腔用組成物は、2020年4月8日に出願された米国出願第16/842800号に詳細に記載されており、当該米国出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
任意のアプリケータ装置
本発明の歯のホワイトニング製品には、アプリケータを更に設けることができ、このアプリケータは、歯のホワイトニング組成物が本発明のパッケージから分配された後、歯のホワイトニング組成物を歯に塗布するために使用される。アプリケータは、ワンドアプリケータなどの別個のアプリケータ装置とすることができる。好適なアプリケータ装置は、2020年6月11日に出願された米国特許出願第16/898469号に詳細に記載されており、当該特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
図1は、チューブの形態の容器20を含み、かつキャップ30を有する本発明のパッケージ10を示す。
【0054】
容器を形成するために使用される酸素透過性基材40は、
図2に示されるように、共押出された2つの層を含む。外部環境に面する第1の層50は、約50%のLDPE、約50%のLLDPE、及び少量の着色剤を含む。容器内に収容されている歯のホワイトニング組成物に面する第2の層60は、約45%のHDPE、約45%のLLDPE、約10%のポリオレフィンコポリマー、及び少量の着色剤を含む。
【0055】
容器20の第1の層50の外面70は、インク、金属性ホットスタンプ箔、及び/又はつや消しニス若しくはつや出しニス(図示せず)を使用して装飾することができる。
【0056】
酸素透過性基材40のサンプルの酸素透過率を、ASTM D3985に従って、MOCON Laboratory(米国ミネソタ州ミネアポリス)から入手可能なOxtran 2/21酸素透過率測定装置を用いて測定し、以下の結果を得た。
【0057】
【0058】
過酸化物漂白剤を含む本発明の多相口腔用組成物を収容するためのそのようなパッケージ10を使用することにより、歯のホワイトニング製品の長期にわたる保存中にパッケージが望ましくない膨張を起こさない歯のホワイトニング製品が得られる。
【0059】
本明細書に開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に明記しない限り、そのような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0060】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含めて、本明細書に引用されるすべての文書は、明示的に除外又は限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが本明細書で開示又は特許請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは任意の他の参考文献と組み合わせて、そのような発明を教示、示唆、若しくは開示していることを認めるものではない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が優先されるものとする。
【0061】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内にあるすべてのそのような変更及び修正を網羅することが意図される。
【国際調査報告】