(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(54)【発明の名称】熱交換部材及びその製造方法、並びに製造システム、電池及び電気装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6554 20140101AFI20230901BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20230901BHJP
H01M 10/651 20140101ALI20230901BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20230901BHJP
【FI】
H01M10/6554
H01M10/6556
H01M10/651
H01M10/625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563391
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(85)【翻訳文提出日】2021-10-25
(86)【国際出願番号】 CN2021109407
(87)【国際公開番号】W WO2023004724
(87)【国際公開日】2023-02-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】林 久▲標▼
(72)【発明者】
【氏名】▲産▼ 利兵
(72)【発明者】
【氏名】王 春▲暉▼
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031KK08
(57)【要約】
本願の実施例は、熱交換部材及びその製造方法、並びに製造システム、電池及び電気装置を提供する。本願の実施例の熱交換部材は、内部に熱交換媒体が流動する第1の流路が設けられている第1のプレート本体と、二つの第2のプレート本体であって、二つの第2のプレート本体が、それぞれ、第1のプレート本体における第1の方向に沿った両端に接続され、第2のプレート本体と第1のプレート本体との間に所定の角度を有し、第1のプレート本体と二つの第2のプレート本体とが囲んで収容空間を形成する角度を有し、前記第1のプレート本体と二つの前記第2のプレート本体とが囲んで収容空間を形成している、二つの第2のプレート本体と、を含む。第1のプレート本体は、第1の本体部、第1の突出部及び第2の突出部を備え、第1の突出部及び第2の突出部は、第1の本体部における収容空間に背向する表面から突出し、第1の本体部の厚さ方向において、第1の本体部から突出する第1の突出部のサイズは、第1の本体部から突出する第2の突出部のサイズより小さく、第1の突出部の内部には、第1の流路が形成されている。本願の実施例の熱交換部材は、熱交換効果を改善し、電池を適切な温度で動作させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池用の熱交換部材であって、
内部に熱交換媒体が流動する第1の流路が設けられている第1のプレート本体と、
二つの第2のプレート本体であって、二つの前記第2のプレート本体が、それぞれ、前記第1のプレート本体における第1の方向に沿った両端に接続され、前記第2のプレート本体と前記第1のプレート本体との間に所定の角度を有し、前記第1のプレート本体と二つの前記第2のプレート本体とが囲んで収容空間を形成している、二つの第2のプレート本体と、を備え、
ここで、前記第1のプレート本体は、第1の本体部、第1の突出部及び第2の突出部を備え、前記第1の突出部及び前記第2の突出部は、前記第1の本体部における前記収容空間に背向する表面から突出し、前記第1の本体部の厚さ方向において、前記第1の本体部から突出する前記第1の突出部のサイズは、前記第1の本体部から突出する前記第2の突出部のサイズより小さく、
前記第1の突出部の内部には、前記第1の流路が形成されている、熱交換部材。
【請求項2】
前記第1のプレート本体は、第1のベース層及び第2のベース層を含み、前記第2のベース層は、前記第1のベース層における前記収容空間から離れた一側に位置し、且つ前記第1のベース層に取り付けられ、
前記第1の突出部は、前記第2のベース層に形成され、前記第1の突出部の内部において、前記第1のベース層と前記第2のベース層との間に前記第1の流路が形成されており、
前記第2の突出部が形成された位置において、前記第1のベース層と前記第2のベース層とが張り合わせられており、前記第2のベース層は、前記第1の本体部における前記収容空間に背向する表面から突出し、前記第1のベース層は、前記第2のベース層側に凹んで凹部を形成している、請求項1に記載の熱交換部材。
【請求項3】
前記第2のプレート本体は、第3のベース層及び第4のベース層を含み、前記第4のベース層は、前記第3のベース層における前記収容空間から離れた一側に位置し、且つ前記第3のベース層に取り付けられ、
前記第1のベース層と前記第3のベース層とは、第1のプレート材料で一体に形成され、前記第2のベース層と前記第4のベース層とは第2のプレート材料で一体に形成されている、請求項2に記載の熱交換部材。
【請求項4】
前記第3のベース層と前記第4のベース層との間には、前記熱交換媒体が流動する第2の流路が形成されており、前記第2の流路は、前記第1の流路と連通している、請求項3に記載の熱交換部材。
【請求項5】
第2の方向において、前記第1のプレート本体の少なくとも一部は前記第2のプレート本体から突出し、且つ前記第1の流路と連通する継手を装着するために用いられ、ここで、前記第2の方向は、前記第1の本体部の厚さ方向に垂直であり、且つ前記第1の方向と交差する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱交換部材。
【請求項6】
前記第2のプレート本体の内部には、前記熱交換媒体が流動する第2の流路が設けられている、請求項1に記載の熱交換部材。
【請求項7】
前記第2のプレート本体における前記収容空間に面する一側に収容凹部が設けられており、前記熱交換部材はさらに前記収容凹部内に収容された熱交換管を含み、前記熱交換管の内部には第2の流路が形成されている、請求項1に記載の熱交換部材。
【請求項8】
前記第2の流路は、前記第1の流路と連通している、請求項6又は7に記載の熱交換部材。
【請求項9】
前記第1の流路及び前記第2の流路は、前記第1のプレート本体と前記第2のプレート本体との接続位置で連通されるか、又は、
前記熱交換部材は、前記第1の流路と前記第2の流路とを連通させる接続管路をさらに含む、請求項8に記載の熱交換部材。
【請求項10】
前記第2のプレート本体は、第2の本体部、第3の突出部及び第4の突出部を含み、前記第3の突出部及び前記第4の突出部は、前記第2の本体部における前記収容空間に背向する表面から突出し、前記第2の本体部の厚さ方向において、前記第1の本体部から突出する前記第3の突出部のサイズは、前記第1の本体部から突出する前記第4の突出部のサイズより小さく、
前記第3の突出部の内部には、前記第2の流路が形成されている、請求項6に記載の熱交換部材。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の熱交換部材と、電池ユニットと、を含み、
前記電池ユニットは少なくとも一部が前記熱交換部材の収容空間に収容され、前記電池ユニットは配列方向に沿って順次に配置された複数の電池セルを含み、前記熱交換部材は前記電池セルの温度を調整するのに用いられ、前記配列方向は前記第1の方向と交差する、電池。
【請求項12】
二つの端部プレートをさらに含み、前記二つの端部プレートは、それぞれ、前記電池セルにおける前記配列方向に沿った両端に位置し、且つ前記電池セルを挟み、前記端部プレートにおける第1の方向における両端はそれぞれ二つの前記第2のプレート本体に接続されている、請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記端部プレートは、二つの前記第2のプレート本体の間に位置し、前記配列方向において、前記第1のプレート本体の一部は、前記端部プレートの外側に突出し、且つ前記第1の流路と連通する継手を装着するために用いられる、請求項12に記載の電池。
【請求項14】
支持部材をさらに含み、前記支持部材は、前記第1のプレート本体における前記収容空間から離れる一側に位置する支持部を含み、前記支持部は、前記第1のプレート本体に接続され、
前記第2の突出部は、前記支持部に当接しており、前記支持部は、前記第1の突出部と間隔を隔てて設けられている、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の電池。
【請求項15】
前記支持部と前記第1の突出部との間に緩衝層が配置されており、前記緩衝層により、前記支持部と前記第1の突出部とが接続される、請求項14に記載の電池。
【請求項16】
前記支持部材は、二つの位置制限部をさらに含み、二つの前記位置制限部は、前記支持部における前記熱交換部材に面する一側に位置し、且つ前記支持部に接続されており、前記第1の方向において、二つの前記第2のプレート本体は、二つの前記位置制限部の間に位置する、請求項14又は15に記載の電池。
【請求項17】
前記第2のプレート本体は、第2の本体部、第3の突出部及び第4の突出部を備え、前記第3の突出部及び前記第4の突出部は、前記第2の本体部における前記収容空間に背向する表面から突出し、
前記第2の本体部の厚さ方向において、前記第1の本体部から突出する前記第3の突出部のサイズが前記第1の本体部から突出する前記第4の突出部のサイズより小さいことにより、前記第4の突出部が前記位置制限部に当接され、
前記第3の突出部の内部には、前記第2の流路が形成されている、請求項16に記載の電池。
【請求項18】
請求項11乃至17のいずれか一項に記載の電池を備え、前記電池は、電気エネルギーを提供するために用いられる、電気装置。
【請求項19】
熱交換部材の製造方法であって、
第1の本体部、第1の突出部及び第2の突出部を備えた第1のプレート本体であって、前記第1の突出部及び前記第2の突出部が前記第1の本体部の表面から突出し、前記第1の本体部の厚さ方向において、前記第1の本体部から突出する前記第1の突出部のサイズが前記第1の本体部から突出する前記第2の突出部のサイズより小さく、前記第1の突出部の内部には熱交換媒体が流動する第1の流路が形成されている第1のプレート本体を提供する工程と、
二つの第2のプレート本体を提供し、且つ二つの前記第2のプレート本体を、それぞれ、前記第1のプレート本体における第1の方向に沿った両端に接続する工程と、を含み、
ここで、前記第2のプレート本体と前記第1のプレート本体との間に所定の角度を有し、前記第1のプレート本体と二つの前記第2のプレート本体とが囲んで収容空間を形成し、前記第1の突出部及び前記第2の突出部は前記第1の本体部における前記収容空間に背向する表面から突出している、
熱交換部材の製造方法。
【請求項20】
熱交換部材の製造システムであって、
第1の本体部、第1の突出部及び第2の突出部を備えた第1のプレート本体であって、前記第1の突出部及び前記第2の突出部が前記第1の本体部の表面から突出し、前記第1の本体部の厚さ方向において、前記第1の本体部から突出する前記第1の突出部のサイズが前記第1の本体部から突出する前記第2の突出部のサイズより小さく、前記第1の突出部の内部には熱交換媒体が流動する第1の流路が形成されている、第1のプレート本体を提供するのに用いられる第1の供給装置と、
二つの第2のプレート本体を提供し、且つ二つの前記第2のプレート本体を、それぞれ、前記第1のプレート本体における第1の方向に沿った両端に接続するのに用いられる第2の供給装置と、を含み、
ここで、前記第2のプレート本体と前記第1のプレート本体との間に所定の角度を有し、前記第1のプレート本体と二つの前記第2のプレート本体とが囲んで収容空間を形成し、前記第1の突出部及び前記第2の突出部は前記第1の本体部における前記収容空間に背向する表面から突出している、熱交換部材の製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池の技術分野に関し、より具体的に、熱交換部材及びその製造方法、並びに製造システム、電池及び電気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池セルは、電子機器、例えば携帯電話、ノートパソコン、電気自転車、電気自動車、電動飛行機、電動船舶、電動玩具自動車、電動玩具船舶、電動玩具飛行機及び電動工具等に広く用いられる。電池セルは、カドミウムニッケル電池セル、水素ニッケル電池セル、リチウムイオン電池セル及び二次アルカリ亜鉛マンガン電池セル等を含んでもよい。
【0003】
電池は一般的に複数の電池セルを含み、複数の電池セルはバスバー部材により電気的に接続される。各電池セルは動作過程において熱を生成するため、電池の複数の電池セルの発熱が蓄積しやすく、電池セルの温度上昇をもたらす。電池セルの動作温度が一般的に20~40度の範囲内にある時、その充放電性能が最適であり、耐用年数が最も高い。電池の電池セルの動作温度をどのようにして適切な範囲内に制御するかは、電池技術において早急に解決すべき技術的課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、熱交換部材及びその製造方法、並びに製造システム、電池及び電気装置を提供することで、熱交換効果を改善し、電池の電池セルを適切な温度で動作させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、本願の実施例は、電池用の熱交換部材を提供し、当該熱交換部材は、
内部に熱交換媒体が流動する第1の流路が設けられている第1のプレート本体と、
二つの第2のプレート本体であって、二つの第2のプレート本体が、それぞれ、第1のプレート本体における第1の方向に沿った両端に接続され、第2のプレート本体と第1のプレート本体との間に所定の角度を有し、第1のプレート本体と二つの第2のプレート本体とが囲んで収容空間を形成している、二つの第2のプレート本体と、を備え、
ここで、第1のプレート本体は、第1の本体部、第1の突出部及び第2の突出部を備え、第1の突出部及び第2の突出部は、第1の本体部における収容空間に背向する表面から突出し、第1の本体部の厚さ方向において、第1の本体部から突出する第1の突出部のサイズは、第1の本体部から突出する第2の突出部のサイズより小さく、
第1の突出部の内部には、第1の流路が形成されている。
【0006】
上記解決手段において、熱交換媒体が第1の流路で流動し、第1のプレート本体によって電池セルと熱交換することにより、電池セルを適切な温度で動作させる。本実施例は第1の突出部を配置することにより、第1のプレート本体の局所的な厚さを増大させ、第1の流路により多くの空間を提供し、第1の流路の流動面積を増大させ、熱交換効率を向上させることができる。第1の突出部は収容空間に背向する側から突出し、これにより第1の流路の流動面積を増大させると同時に、第1の流路が収容空間を占用することを回避することができる。第1の本体部から突出する第1の突出部のサイズが第1の本体部から突出する第2の突出部のサイズより小さいため、熱交換部材が支持構造上に配置される場合、第2の突出部は支持構造に当接して、第1の突出部と支持構造との間に隙間を形成する。複数の電池セルの重力負荷は第2の突出部を介して支持構造に伝達され、これにより第1の突出部が受ける力を減少させ、第1の流路の変形、閉塞のリスクを低減し、熱交換部材の熱交換効率を保証することができる。
【0007】
いくつかの実施例において、第1のプレート本体は、第1のベース層及び第2のベース層を含み、第2のベース層は、第1のベース層における収容空間から離れた一側に位置し、且つ第1のベース層に取り付けられる。第1の突出部は、第2のベース層に形成され、第1の突出部の内部において、第1のベース層と第2のベース層との間に第1の流路が形成されている。第2の突出部が形成された位置において、第1のベース層と第2のベース層とが張り合わせられており、第2のベース層は、第1の本体部における収容空間に背向する表面から突出し、第1のベース層は、第2のベース層側に凹んで凹部を形成している。
【0008】
上記解決手段では、第2の突出部において、第1のベース層及び第2のベース層が一緒に積層され、これにより、第2の突出部の強度を保証し、第2の突出部がより高い負荷を受け、第2の突出部の変形を減少させ、第1の突出部が圧力を受けるリスクを低減することができる。
【0009】
いくつかの実施例において、第2のプレート本体は、第3のベース層及び第4のベース層を含み、第4のベース層は、第3のベース層における収容空間から離れた一側に位置し、且つ第3のベース層に取り付けられる。第1のベース層と第3のベース層とは、第1のプレート材料で一体に形成され、第2のベース層と第4のベース層とは第2のプレート材料で一体に形成されている。
【0010】
上記解決手段において、第1のプレート材料及び第2のプレート材料を利用して熱交換部材を製造することにより、第1の流路の成形を容易にするだけでなく、第1のプレート本体と第2のプレート本体との接続強度を増大させ、電池全体の構造強度を向上させることができる。
【0011】
いくつかの実施例において、第3のベース層と第4のベース層との間には、熱交換媒体が流動する第2の流路が形成されており、第2の流路は、第1の流路と連通している。
【0012】
いくつかの実施例において、第2の方向において、第1のプレート本体の少なくとも一部は第2のプレート本体から突出し、且つ第1の流路と連通する継手を装着するために用いられ、ここで、第2の方向は、第1の本体部の厚さ方向に垂直であり、且つ第1の方向と交差する。
【0013】
上記解決手段において、第1のプレート本体における第2のプレート本体から突出した部分に継手が装着されることにより、第2のプレート本体が外部給液管路と干渉するリスクを低減し、外部給液管路の配置方式をより柔軟にすることができる。
【0014】
いくつかの実施例において、第2のプレート本体の内部には、熱交換媒体が流動する第2の流路が設けられている。
【0015】
上記解決手段において、第1のプレート本体は下方から電池セルと熱交換することができ、第2のプレート本体は側方から電池セルと熱交換することができ、これにより、電池セルの熱交換面積を増大させ、熱交換効率を向上させ、第1のプレート本体の厚さ方向での電池セルの温度差を減少させ、電池セルの温度の一致性を改善し、電池セルの作業性能を向上させることができる。
【0016】
いくつかの実施例において、第2のプレート本体における収容空間に面する一側に収容凹部が設けられており、熱交換部材は、さらに収容凹部内に収容された熱交換管を含み、熱交換管の内部には第2の流路が形成されている。
【0017】
いくつかの実施例において、第2の流路は、第1の流路と連通する。
【0018】
上記解決手段において、第1の流路と第2の流路とを連通させることにより、第1の流路及び第2の流路を外部給液管路にそれぞれ接続する必要がないため、熱交換部材と外部給液管路との間の接続構造を簡略化する。
【0019】
いくつかの実施例において、第1の流路及び第2の流路は、第1のプレート本体と第2のプレート本体との接続位置で連通されるか、又は、熱交換部材は、第1の流路と第2の流路とを連通させる接続管路をさらに含む。
【0020】
いくつかの実施例において、第2のプレート本体は、第2の本体部、第3の突出部及び第4の突出部を含み、第3の突出部及び第4の突出部は、第2の本体部における収容空間に背向する表面から突出し、第2の本体部の厚さ方向において、第1の本体部から突出する第3の突出部のサイズは、第1の本体部から突出する第4の突出部のサイズより小さい。第3の突出部の内部には、第2の流路が形成されている。
【0021】
上記解決手段において、第3の突出部を配置することにより、第2のプレート本体の局所的な厚さを増大させ、第2の流路により多くの空間を提供し、第2の流路の流動面積を増大させ、熱交換効率を向上させることができる。第3の突出部は収容空間から離れる一側に突出し、これにより、第2の流路の流動面積を増大させると同時に、第2の流路が収容空間を占用することを回避することができる。第2の本体部から突出する第3の突出部のサイズが第2の本体部から突出する第4の突出部のサイズより小さいため、電池が揺動する場合、第4の突出部はストッパ作用を果たし、第2のプレート本体の外側の部材が第3の突出部を押圧する可能性を低減し、第2の流路の変形、閉塞のリスクを低減することができる。
【0022】
第2の態様において、本願の実施例は電池を提供し、それは、
第1の態様のいずれか一項に記載の熱交換部材と、
電池ユニットと、を含み、
電池ユニットは少なくとも一部が熱交換部材の収容空間に収容され、電池ユニットは配列方向に沿って順次に配置された複数の電池セルを含み、熱交換部材は電池セルの温度を調整するのに用いられ、配列方向は第1の方向と交差する。
【0023】
いくつかの実施例において、電池は、二つの端部プレートをさらに含み、二つの端部プレートは、それぞれ、電池セルの配列方向に沿った両端に位置し、且つ電池セルを挟み、端部プレートにおける第1の方向における両端はそれぞれ二つの第2のプレート本体に接続されている。
【0024】
上記解決手段において、熱交換部材が第2のプレート本体を介して端部プレートに接続されることにより、第1のプレート本体の安定性を向上させ、第1のプレート本体と電池セルとが電池の揺動際に分離するリスクを低減することができる。
【0025】
いくつかの実施例において、端部プレートは、二つの第2のプレート本体の間に位置し、配列方向において、第1のプレート本体の一部は、端部プレートの外側に突出し、且つ第1の流路と連通する継手を装着するために用いられる。
【0026】
上記解決手段において、継手が端部プレートの外側に装着されるため、外部給液管路は端部プレートを貫通する必要がなく、これにより、電池の構造を簡略化し、外部給液管路の配置をより柔軟にすることができる。
【0027】
いくつかの実施例において、電池は、支持部材をさらに含み、支持部材は、第1のプレート本体における収容空間から離れる一側に位置する支持部を含み、支持部は、第1のプレート本体に接続される。第2の突出部が支持部に当接して、支持部は、第1の突出部と間隔を隔てて設けられている。
【0028】
上記解決手段において、支持部が第1の突出部と間隔を隔てて設けられるため、電池セル、端部プレート等の部材の重力負荷は、第1の突出部を介して支持部に伝達されず、第2の突出部を介して支持部に伝達されるため、第1の突出部が受ける力を減少させ、第1の流路の変形、閉塞のリスクを低減することができる。
【0029】
いくつかの実施例において、支持部と第1の突出部との間に緩衝層が配置されており、緩衝層により、支持部と第1の突出部とが接続される。
【0030】
上記解決手段において、緩衝層は熱交換部材と支持部との間の接続強度を向上させることができ、また、緩衝層はさらに電池の揺動際に緩衝作用を果たすことができ、第1の突出部が受ける力を減少させ、第1の流路の変形、閉塞のリスクを低減することができる。
【0031】
いくつかの実施例において、支持部材は、二つの位置制限部をさらに含み、二つの位置制限部は、支持部における熱交換部材に面する一側に位置し、且つ支持部に接続されており、第1の方向において、二つの第2のプレート本体は、二つの位置制限部の間に位置する。
【0032】
上記解決手段において、位置制限部は、第1の方向の両側から熱交換部材と電池ユニットを制限することができ、電池の揺動際に、位置制限部は熱交換部材と電池ユニットの揺動幅を減少させ、電池全体の安定性を向上させることができる。
【0033】
いくつかの実施例において、第2のプレート本体は、第2の本体部、第3の突出部及び第4の突出部を備え、第3の突出部及び第4の突出部は、第2の本体部における収容空間に背向する表面から突出する。第2の本体部の厚さ方向において、第1の本体部から突出する第3の突出部のサイズが第1の本体部から突出する第4の突出部のサイズより小さいことにより、第4の突出部が位置制限部に当接される。第3の突出部の内部には、第2の流路が形成されている。
【0034】
上記解決手段において、二つの位置制限部は第4の突出部により両側から熱交換部材を挟むことにより、熱交換部材と支持部材との間の接続強度を増大させ、安定性を向上させる。
【0035】
第3の態様において、本願の実施例は、第2の態様のいずれかの実施例の電池を備えた電気装置を提供し、電池は、電気エネルギーを提供するのに用いられる。
【0036】
第4の態様において、本願の実施例は、熱交換部材の製造方法を提供し、当該製造方法は、
第1の本体部、第1の突出部及び第2の突出部を備えた第1のプレート本体であって、第1の突出部及び第2の突出部が第1の本体部の表面から突出し、第1の本体部の厚さ方向において、第1の本体部から突出する第1の突出部のサイズが第1の本体部から突出する第2の突出部のサイズより小さく、第1の突出部の内部には熱交換媒体が流動する第1の流路が形成されている第1のプレート本体を提供する工程と、
二つの第2のプレート本体を提供し、且つ二つの第2のプレート本体をそれぞれ第1のプレート本体の第1の方向に沿った両端に接続さする工程と、を含み、
ここで、第2のプレート本体と第1のプレート本体との間に所定の角度を有し、第1のプレート本体と二つの第2のプレート本体とが囲んで収容空間を形成し、第1の突出部及び第2の突出部は第1の本体部における収容空間に背向する表面から突出する。
【0037】
第5の態様において、本願の実施例は、熱交換部材の製造システムを提供し、当該システムは、
第1の本体部、第1の突出部及び第2の突出部を備えた第1のプレート本体であって、第1の突出部及び第2の突出部が第1の本体部の表面から突出し、第1の本体部の厚さ方向において、第1の本体部から突出する第1の突出部のサイズが第1の本体部から突出する第2の突出部のサイズより小さく、第1の突出部の内部には熱交換媒体が流動する第1の流路が形成されている、第1のプレート本体を提供するのに用いられる第1の供給装置と、
二つの第2のプレート本体を提供し、且つ二つの第2のプレート本体を、それぞれ、第1のプレート本体の第1の方向に沿った両端に接続するのに用いられる第2の供給装置と、を含み、
ここで、第2のプレート本体と第1のプレート本体との間に所定の角度を有し、第1のプレート本体と二つの第2のプレート本体とが囲んで収容空間を形成し、第1の突出部及び第2の突出部は第1の本体部における収容空間に背向する表面から突出する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
以下、本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、本願の実施例に必要な図面を簡単に紹介しており、以下に説明された図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、さらに、このような図面に基づいて他の図面を取得することができることは自明である。
【0039】
【
図1】本願のいくつかの実施例に係る車両の構造概略図である。
【
図2】本願のいくつかの実施例に係る電池の分解概略図である。
【
図3】本願の他のいくつかの実施例に係る電池の構造概略図である。
【
図4】本願のいくつかの実施例に係る熱交換部材の構造概略図である。
【
図5】別の視角での
図4の熱交換部材の構造概略図である。
【
図7】
図6に示す熱交換部材の円枠Aでの拡大概略図である。
【
図8】本願の他のいくつかの実施例に係る熱交換部材の構造概略図である。
【
図9】本願のさらに他のいくつかの実施例に係る熱交換部材の構造概略図である。
【
図10】本願のさらに他のいくつかの実施例に係る熱交換部材の構造概略図である。
【
図12】
図3に記載の電池の他の概略図であり、ここで電池ユニットは省略される。
【
図13】本願の実施例に係る電池の熱交換部材及び支持部材の組立概略図である。
【
図14】
図13に示す熱交換部材及び支持部材の断面概略図である。
【
図16】本願のいくつかの実施例に係る電池の製造方法のフローチャートである。
【
図17】本願のいくつかの実施例に係る電池の製造システムの概略ブロック図である。
【0040】
図面において、図面は実際の比率に応じて描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、本願の実施例における図面と組み合わせて、本願の実施例における技術的解決手段を明確に説明し、明らかに、説明された実施例は本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的労力をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0042】
別の定義がない限り、本願で使用される全ての技術及び科学的用語は、当業者が一般的に理解する意味と同じである。本願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明することを目的とするだけであり、本願を限定するためのものではない。本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の説明での用語「含む」、「備える」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。本願の明細書及び特許請求の範囲、又は上記図面での用語「第1」、「第2」等は異なる対象を区別するのに用いられ、特定の順序又は主な関係を説明するのに用いられるものではない。
【0043】
本願において「実施例」と言及することは、実施例と組み合わせて説明した特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも一つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各位置に当該フレーズが出現することは必ずしも同じ実施例を意味するものではなく、さらに、他の実施例と互いに排他的且つ独立したもの、又は候補の実施例を意味するものでもない。
【0044】
本願の説明において、説明すべきことは、明確な規定及び限定がない限り、用語「装着」、「接続」、「相互接続」、「取り付け」は、広義的に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体的に接続されてもよく、直接的に接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、二つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に基づいて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0045】
本願における用語「及び/又は」は、関連対象の関連関係を説明するだけであり、三種類の関係が存在することを表すことができ、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在するか、AとBが同時に存在するか、Bが単独で存在するという三種類の状況が存在することを表すことができる。また、本願における文字「/」は、一般的に前後関連対象が“又は”の関係であることを示す。
【0046】
本願の実施例において、同じ符号の番号は同じ部材を示し、且つ簡潔にするために、異なる実施例において、同じ部材の詳細な説明を省略する。理解すべきことは、図示された本願の実施例における様々な部材の厚さ、長さ及び幅等のサイズ、及び集積装置全体の厚さ、長さ及び幅等のサイズは例示的な説明のためものであり、本願の構成にいかなる限定を行うものではない。
【0047】
本願で現れる「複数」は、二つ以上(二つを含む)を指す。
【0048】
本願において、電池セルはリチウムイオン二次電池セル、リチウムイオン一次電池セル、リチウム硫黄電池セル、ナトリウムイオン電池セル、ナトリウムイオン電池セル又はマグネシウムイオン電池セル等を含むことができるが、本願の実施例はこれに限定されない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体又は他の形状等を呈することができるが、本願の実施例はこれに限定されない。電池セルは、一般的に、封止の形態に従って、柱状電池セル、四角形電池セル及びソフトパック電池セルのような三種類に分けられるが、本願の実施例はこれに限定されない。
【0049】
本願の実施例に言及された電池とは、一つ又は複数の電池セルを備えることにより、より高い電圧及び容量を提供する単一の物理的モジュールを指す。電池は、一般的に、一つ又は複数の電池セルを封止するのに用いられる筐体を含む。筐体は、液体又は他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0050】
電池セルは、電極アセンブリ及び電解質を含み、電極アセンブリは、正極シート、負極シート及びセパレータを含む。電池セルは、主に、金属イオンが、正極シートと負極シートとの間を移動することに依存して動作する。正極シートは、正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布される。正極集電体は、正極集電部及び正極集電部から突出する正極タブを含み、正極集電部には正極活物質層が塗布され、正極タブの少なくとも一部には正極活物質層が塗布されていない。リチウムイオン電池を例とすると、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質層は正極活物質を含み、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極シートは、負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布される。負極集電体は、負極集電部及び負極集電部から突出する負極タブを含み、負極集電部には負極活物質層が塗布され、負極タブの少なくとも一部には負極活物質層が塗布されていない。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質層は負極活物質を含み、負極活物質は炭素又はシリコン等であってもよい。大電流は通過されても溶断が発生しないことを保証するために、正極タブは、個数が複数であり、且つ一緒に積層され、負極タブは、個数が複数であり、且つ一緒に積層される。セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)等であってもよい。また、電極アセンブリは、巻回式構造であってもよく、積層式構造であってもよく、本願の実施例はこれに限定されない。
【0051】
電池セルは、充放電の過程において熱量を生成し、複数の電池セルがグループとして使用される場合、これらの熱量が集まる可能性があり、これらの熱量が効果的に除去されていないと、電池セルが昇温されて、電池セルの老化を加速してしまう。また、温度が高すぎると、熱暴走が発生しやすく、安全リスクをもたらす。電池セルが低温環境にある場合、耐用年数を短縮し、放電能力を低下させる。
【0052】
発明者は、電池に熱交換部材を配置することにより、電池セルの動作温度を適切な範囲に制御することを試した。具体的に、熱交換部材の内部に一般的に流路が設けられ、外部の熱交換媒体が熱交換部材の流路を流動する際に、熱交換媒体が熱交換部材によって電池セルと熱交換を行うことにより、電池セルの温度を調整している。しかしながら、発明者は、熱交換部材が電池セルの下側に配置される場合、熱交換部材が電池セルの重力負荷に耐える必要があるが、熱交換部材における流路に配置された部分が中空構造であるため、受圧時に変形しやすく、流路の閉塞のリスクを引き起こすことを見出した。
【0053】
これに鑑み、本願の実施例は、電池用の熱交換部材を提供し、当該熱交換部材は、内部に熱交換媒体が流動する第1の流路が設けられている第1のプレート本体と、二つの第2のプレート本体であって、二つの第2のプレート本体が、それぞれ、第1のプレート本体における第1の方向に沿った両端に接続され、第2のプレート本体と第1のプレート本体との間に所定の角度を有し、第1のプレート本体と二つの第2のプレート本体とが囲んで収容空間を形成している、二つの第2のプレート本体と、を備えている。ここで、第1のプレート本体は、第1の本体部、第1の突出部及び第2の突出部を備え、第1の突出部及び第2の突出部は、第1の本体部における収容空間に背向する表面から突出し、第1の本体部の厚さ方向において、第1の本体部から突出する第1の突出部のサイズは、第1の本体部から突出する第2の突出部のサイズより小さい。第1の突出部の内部には、第1の流路が形成されている。本願の実施例の熱交換部材は、電池セルの温度を調整することができ、流路に印加される負荷を減少させ、流路の変形、閉塞のリスクを低減することができる。
【0054】
本願の実施例で説明する熱交換部材は、電池及び電池を用いた電気装置に適用される。
【0055】
電気装置は、車両、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、船舶、航宙機、電動玩具及び電動工具等であってもよい。車両は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純電気自動車、ハイブリッド自動車又は航続距離延長型自動車等であってもよい。航宙機は、飛行機、ロケット、宇宙飛行機および宇宙船等を含む。電動玩具は、固定式又は移動式の電動玩具を含み、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動船舶玩具及び電動飛行機玩具等である。電動工具は、金属切削電動工具、研磨電動工具、組立用電動工具及び鉄道用電動工具を含み、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマ、衝撃ドリル、コンクリート振動器及び電気プレーナー等である。本願の実施例は、上記電気装置を特に限定しない。
【0056】
以下の実施例は、説明を容易にするために、電気装置を車両とすることを例として説明する。
【0057】
図1は、本願のいくつかの実施例に係る車両の構造概略図である。
図1に示すように、車両1の内部に電池2が配置され、電池2は、車両1の底部又は頭部又は尾部に配置されてもよい。電池2は、車両1の給電に用いられ、例えば、電池2は、車両1の操作電源とすることができる。
【0058】
車両1は、コントローラ3及びモータ4をさらに含み、コントローラ3は、電池2を制御して、モータ4に給電するのに用いられ、例えば、車両1の起動、ナビゲーション及び走行時の動作電力供給ニーズに用いられる。
【0059】
本願のいくつかの実施例において、電池2は、車両1の操作電源とするだけでなく、車両1の駆動電源としてもよく、燃料油又は天然ガスに代わって又は部分的に代わって、車両1に駆動動力を提供することができる。
【0060】
図2は、本願のいくつかの実施例に係る電池の分解概略図である。
【0061】
図2に示すように、電池2は、筐体5及び電池セル(
図2に図示せず)を含み、電池セルは、筐体5内に収容される。
【0062】
筐体5は、電池セルを収容するのに用いられ、筐体5は、様々な構造であってもよい。いくつかの実施例において、筐体5は、第1の筐体部51及び第2の筐体部52を含み、第1の筐体部51と第2の筐体部52とは互いに覆われ、第1の筐体部51と第2の筐体部52とは共に電池セルを収容するための収容空間53を画定する。第2の筐体部52は、一端が開口した中空構造であり、第1の筐体部51は、プレート状構造であり、第1の筐体部51が第2の筐体部52の開口側に覆われて、収容空間53を有する筐体5を形成してもよい。第1の筐体部51と第2の筐体部52とがいずれも一側が開口した中空構造であり、第1の筐体部51の開口が第2の筐体部52の開口側に覆われて、収容空間53を有する筐体5を形成してもよい。当然のことながら、第1の筐体部51及び第2の筐体部52は、例えば、円柱体、直方体等の様々な形状であってもよい。
【0063】
第1の筐体部51と第2の筐体部52との接続後の密封性を向上させるために、第1の筐体部51と第2の筐体部52との間に密閉部材が配置されてもよく、例えば、密閉用ゴム、密閉用リング等である。
【0064】
第1の筐体部51が第2の筐体部52の頂部に覆われる場合、第1の筐体部51は上部箱蓋と呼ばれてもよく、第2の筐体部52は下部筐体と呼ばれてもよい。
【0065】
電池2において、電池セルは複数である。複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接又は混合接続であってもよく、混合接続とは、複数の電池セルに直列接続があるだけでなく並列接もあることを指す。複数の電池セルの間を直列接続又は並列接又は混合接続によって互いに接続して、さらに複数の電池セルで構成された全体を筐体5内に収容してもよい。当然のことながら、複数の電池セルがまず直列接続又は並列接又は混合接続によって電池モジュール6として構成されてから、複数の電池モジュール6がさらに直列接続又は並列接又は混合接続によって一体に形成されて、筐体5内に収容されてもよい。
【0066】
図3は、本願の他のいくつかの実施例に係る電池の構造概略図である。
【0067】
図3に示すように、いくつかの実施例において、電池2は電池ユニット10を備え、電池ユニット10は、配列方向Xに沿って順次に配置された複数の電池セル11を含む。
【0068】
電池ユニット10は、一又は複数であってもよい。例えば、電池2は複数の電池ユニット10を備え、複数の電池ユニット10は、第1の方向Yに沿って配置され、第1の方向Yは配列方向Xと交差する。選択的に、第1の方向Yは、配列方向Xに垂直である。
図3において、電池ユニット10は二つであり、換言すれば、複数の電池セル11は二列に配列されている。
【0069】
電池2における複数の電池セル11の間は、バスバー部材により電気的接続を実現して、電池2における複数の電池セル11の並列接続又は直列接続又は混合接続を実現することができる。
【0070】
いくつかの実施例において、電池2は、熱交換部材20をさらに含み、熱交換部材20は、電池セル11の温度を調整することにより、電池セル11を適切な温度で動作させるのに用いられる。
【0071】
以下、図面と組み合わせて、本願の実施例の熱交換部材20を詳細に説明する。
【0072】
図4は、本願のいくつかの実施例に係る熱交換部材の構造概略図である。
図5は、別の視角での
図4の熱交換部材の構造概略図である。
図6は、
図4に示す熱交換部材の断面概略図である。
図7は、
図6に示す熱交換部材の円枠Aでの拡大概略図である。
【0073】
図3乃至
図7に示すように、本願の実施例の熱交換部材20は電池2に用いられ、熱交換部材20は、内部に熱交換媒体が流動する第1の流路211が設けられている第1のプレート本体21と、二つの第2のプレート本体22であって、二つの第2のプレート本体22がそれぞれ第1のプレート本体21における第1の方向Yに沿った両端に接続され、第2のプレート本体22と第1のプレート本体21との間に所定の角度を有し、第1のプレート本体21と二つの第2のプレート本体22とが囲んで収容空間23を形成している、二つの第2のプレート本体22と、を備えている。ここで、第1のプレート本体21は、第1の本体部212、第1の突出部213及び第2の突出部214を備え、第1の突出部213及び第2の突出部214は、第1の本体部212における収容空間23に背向する表面から突出し、第1の本体部212の厚さ方向において、第1の本体部212から突出する第1の突出部213のサイズは、第1の本体部212から突出する第2の突出部214のサイズより小さい。第1の突出部213の内部には、第1の流路211が形成されている。
【0074】
熱交換部材20の収容空間23は、電池ユニット10を収容するのに用いられる。例示的に、電池2において、第1のプレート本体21は、電池ユニット10の複数の電池セル11の下方に位置し、第1のプレート本体21は、電池セル11を支持し且つ電池セル11の温度を調整するのに用いられる。
【0075】
第1の流路211は、外部給液管路と連通し、熱交換媒体が第1の流路211と外部給液管路との間に循環流動して、第1のプレート本体21によって電池セル11と熱交換することにより、電池セル11を適切な温度で動作させる。熱交換媒体は、液体であってもよい。
【0076】
第1のプレート本体21は、熱伝導性材料で製造され、例えば、第1のプレート本体21は、熱伝導性金属で製造される。
【0077】
本実施例は、押出成形、インフレーション成形又はプレス成形等のプロセスにより第1のプレート本体21に第1の流路211を形成することができる。
【0078】
第1のプレート本体21と第2のプレート本体22とは、一体に配置されてもよく、例えば、第1のプレート本体21と第2のプレート本体22とは、プレート材料を折り曲げて一体に成形される。当然のことながら、第1のプレート本体21と第2のプレート本体22とは別体に配置されてもよく、例えば、第1のプレート本体21と第2のプレート本体22とは、溶接、接着、係止又は他の方式で接続されてもよい。
【0079】
第2のプレート本体22と第1のプレート本体21との間の角度は必要に応じて設定することができ、本実施例はこれを限定しない。例示的に、第2のプレート本体22と第1のプレート本体21との間の角度は、80°~100°である。熱交換部材20は、略U字状に形成される。
【0080】
電池2において、二つの第2のプレート本体22は、それぞれ、電池ユニット10における第1の方向Yに沿った両側に位置して、電池ユニット10を固定し、電池2全体の強度を向上させる作用を果たすことができる。第2のプレート本体22は熱交換機能をさらに有し、電池セル11の温度を側方から調整することができる。当然のことながら、第2のプレート本体22の熱交換機能は省略することもできる。
【0081】
第1の本体部212は大体平坦なプレート構造であり、第1の本体部212における自体の厚さ方向に沿って対向して配置された表面は、平面である。
【0082】
第1の突出部213は一つ又は複数であってもよい。第1の突出部213が複数ある場合、各第1の突出部213内にはいずれも第1の流路211が設けられている。複数の第1の突出部213の第1の流路211は直接的に連通されてもよく、例えば接続管路などの他の連通構造により連通されてもよい。
【0083】
第2の突出部214は一つ又は複数であってもよい。第2突出部214は、円形状、矩形状、レーストラック状、楕円形状、その他の形状であってもよい。
【0084】
第2の突出部214が第1の本体部212から突出する程度は、第1の突出部213が第1の本体部212から突出する程度より大きく、熱交換部材20が支持構造上に配置される場合、第2の突出部214が支持構造に当接して、第1の突出部213と支持構造との間に隙間を形成する。
【0085】
本願の実施例において、第1の突出部213を配置することにより、第1のプレート本体21の局所的な厚さを増大させ、第1の流路211により多くの空間を提供し、第1の流路211の流動面積を増大させ、熱交換効率を向上させることができる。第1の突出部213は、収容空間23から離れる一側に突出し、これにより、第1の流路211の流動面積を増大させると同時に、第1の流路211が収容空間23を占用することを回避することができる。第1の本体部212から突出する第1の突出部213のサイズは、第1の本体部212から突出する第2の突出部214のサイズより小さいため、熱交換部材20が支持構造上に配置される場合、第2の突出部214が支持構造に当接して、第1の突出部213と支持構造との間に隙間を形成する。複数の電池セル11の重力負荷は、第2の突出部214により支持構造に伝達され、これにより、第1の突出部213が受ける力を減少させ、第1の流路211の変形、閉塞のリスクを低減し、熱交換部材20の熱交換効率を保証することができる。
【0086】
いくつかの実施例において、第1のプレート本体21は、第1のベース層21a及び第2のベース層21bを備え、第2のベース層21bは、第1のベース層21aにおける収容空間23から離れた一側に位置し、且つ第1のベース層21aに取り付けられる。第1の突出部213は、第2のベース層21bに形成され、第1の突出部213の内部において、第1のベース層21aと第2のベース層21bとの間に第1の流路211が形成される。第2の突出部214が形成された位置で、第1のベース層21aと第2のベース層21bとが張り合わせられており、第2のベース層21bは、第1の本体部212における収容空間23に背向する表面から突出し、第1のベース層21aは、第2のベース層21b側に凹んで凹部215を形成している。
【0087】
第1の突出部213は、第2のベース層21bの一部であり、第1の流路211は、第1の突出部213における第1のベース層21aに面する一側に形成される。
【0088】
第1のプレート本体21は、インフレーション(inflation)プロセスによって製造することができる。具体的に、いくつかの実施例において、第1のプレート本体21は、以下のステップに従って製造されることができる。
S100において、第1の基板及び第2の基板を提供し、且つ黒鉛印刷法を利用して第1の基板の表面に黒鉛回路を形成し、黒鉛回路の形状は第1の流路211の形状に対応する。
S200において、第2の基板を第1の基板の黒鉛回路が形成された表面に貼り付け、固定して、複合基板を形成する。
S300において、複合基板をインフレーション成形金型に配置し、高圧エアブローを行い、黒鉛回路箇所で第2の基板と第1の基板とを分離させることにより、第1の流路211を形成する。ここで、インフレーション成形金型は、複合基板の変形を制限し、第1の基板を平らに保持し、第2の基板を変形させて第1の突出部213を形成する。
S400において、第1の基板側から複合基板をプレスすることにより、第1の基板及び第2の基板を変形させて、第2の突出部214と、第2の突出部214に対応する凹部215とを形成する。
【0089】
以上の処理を経た第1基板及び第2基板は、それぞれ、本実施例の第1ベース層21a及び第2ベース層21bを形成する。
【0090】
本実施例では、第2の突出部214において、第1のベース層21aと第2のベース層21bとが一緒に積層され、これにより、第2の突出部214の強度を保証することができ、第2の突出部214がより高い負荷を受けることができ、第2の突出部214の変形を減少させ、第1の突出部213が受圧するリスクを低減することができる。
【0091】
いくつかの実施例において、第1のベース層21aの厚さは、第2のベース層21bの厚さより小さい。本実施例は、第1のベース層21aの厚さを減少させることにより、電池セル11と熱交換媒体との間の熱伝導経路を短縮し、熱交換効率を向上させることができる。
【0092】
いくつかの実施例において、第2のプレート本体22は、第3のベース層22a及び第4のベース層22bを備え、第4のベース層22bは、第3のベース層22aにおける収容空間23から離れた一側に位置し、且つ第3のベース層22aに取り付けられる。第1のベース層21a及び第3のベース層22aは、第1のプレート材料で一体に形成され、第2のベース層21b及び第4のベース層22bは、第2のプレート材料で一体に形成されている。
【0093】
熱交換部材20は、第1のプレート材料と第2プレート材料とで構成することができる。第1のプレート材料と第2のプレート材料とは、初期時に平坦なプレートである。第1のプレート材料と第2のプレート材料とを一緒に取り付けた後、まず第1のプレート材料及び第2のプレート材料にインフレーション、プレス処理を行うことにより、第1の突出部213及び第2の突出部214を形成し、次に第1のプレート材料及び第2のプレート材料を折り曲げる。
【0094】
第1のプレート材料を折り曲げた後に第1のベース層21a及び第3のベース層22aを形成し、第2のプレート材料を折り曲げた後に第2のベース層21b及び第4のベース層22bを形成する。
【0095】
本実施例では、第1のプレート材料と第2のプレート材料とで熱交換部材20を製造し、これにより、第1の流路211の成形を容易にするだけでなく、第1のプレート本体21と第2のプレート本体22との接続強度を増大させ、電池2全体の構造強度を向上させることができる。
【0096】
代替可能な実施例において、第1のベース層21aと第3のベース層22aとは別体で成形されてもよく、例えば、第3のベース層22aは、溶接、接着、リベット接合又は他の方式で、第1のベース層21aに接続されてもよい。第2のベース層21bと第4のベース層22bとは別体で成形されてもよく、例えば、第4のベース層22bは、溶接、接着、リベット接合又は他の方式で、第2のベース層21bに接続されてもよく、第2のベース層21bに接続されていなくてもよい。
【0097】
いくつかの実施例において、第2のプレート本体22の内部には、熱交換媒体が流動する第2の流路221が設けられている。
【0098】
第2の流路221は、外部給液管路と連通し、熱交換媒体が第2の流路221と外部給液管路との間に循環流動し、第2のプレート本体22によって電池セル11と熱交換することにより、電池セル11を適切な温度で動作させる。
【0099】
第2の流路221は、第1の流路211と連通してもよく、第1の流路211と連通していなくてもよく、本実施例はこれを限定しない。
【0100】
本実施例において、第1のプレート本体21は、下方から電池セル11と熱交換することができ、第2のプレート本体22は、側方から電池セル11と熱交換することができ、これにより、電池セル11の熱交換面積を増大させ、熱交換効率を向上させ、第1のプレート本体21の厚さ方向での電池セル11の温度差を減少させ、電池セル11の温度の一致性を改善し、電池セル11の動作性能を向上させることができる。
【0101】
いくつかの実施例において、第2の流路221は、第1の流路211と連通する。
【0102】
第2の流路221は、第1の流路211に直接的に連通してもよく、他の部材により第1の流路211と間接的に連通してもよく、本実施例はこれを限定しない。
【0103】
本願の実施例は、第1の流路211と第2の流路221とを連通させることにより、第1の流路211及び第2の流路221を外部給液管路にそれぞれ接続する必要がないため、熱交換部材20と外部給液管路との間の接続構造を簡略化する。
【0104】
いくつかの実施例において、第2のプレート本体22は、第2の本体部222、第3の突出部223及び第4の突出部224を備え、第3の突出部223及び第4の突出部224は、第2の本体部222における収容空間23に背向する表面から突出する。第2の本体部222の厚さ方向において、第1の本体部212から突出する第3の突出部223のサイズは、第1の本体部212から突出する第4の突出部224のサイズより小さい。第3の突出部223の内部には、第2の流路221が形成されている。
【0105】
第2の本体部222は大体平坦なプレート構造であり、第2の本体部222における自体の厚さ方向に沿って対向して配置された表面は、平面である。
【0106】
第3の突出部223は、一つ又は複数であってもよい。第3の突出部223が複数ある場合、各第3の突出部223内にはいずれに第2の流路221が設けられている。複数の第3の突出部223の第2の流路221は、直接連通してもよく、例えば接続管路等の他の連通構造により連通してもよい。
【0107】
第4突出部224は、一つ又は複数であってもよい。第4突出部224は、円形状、矩形状、レーストラック状、楕円形状、その他の形状であってもよい。
【0108】
第4の突出部224が第2本体部222から突出する程度は、第3の突出部223が第2本体部222から突出する程度より大きい。
【0109】
本願の実施例において、第3の突出部223を配置することにより、第2のプレート本体22の局所的な厚さを増大させ、第2の流路221により多くの空間を提供し、第2の流路221の流動面積を増大させ、熱交換効率を向上させることができる。第3の突出部223は、収容空間23に背向する側から突出することで、第2の流路221の流動面積を増大させると同時に、第2の流路221が収容空間23を占有することを回避することができる。第2の本体部222から突出する第3の突出部223のサイズは、第2の本体部222から突出する第4の突出部224のサイズより小さいため、電池2が揺動する場合、第4の突出部224はストッパ作用を果たすことができ、第2のプレート本体22の外側の部材が第3の突出部223を押圧する可能性を低減し、第2の流路221の変形、閉塞のリスクを低減することができる。
【0110】
いくつかの実施例において、第3のベース層22aと第4のベース層22bとの間には、熱交換媒体が流動する第2の流路221が形成され、第2の流路221と第1の流路211とが連通される。第2の流路221は、インフレーションプロセスにより製造されてもよい。
【0111】
第3の突出部223は、第4のベース層22bに形成され、第3の突出部223の内部において、第3のベース層22aと第4のベース層22bとの間には、第2の流路221が形成されている。第4の突出部224が形成された位置において、第3のベース層22aと第4のベース層22bとが張り合わせられており、第4のベース層22bは、第2の本体部222における収容空間23に背向する表面に突出し、第3のベース層22aは、第4のベース層22b側に凹んで凹部225を形成している。
【0112】
本実施例では、第4の突出部224において、第3のベース層22aと第4のベース層22bとは一緒に積層され、これにより、第4の突出部224の強度を保証することができ、第4の突出部224がより高い衝撃負荷を受けることができ、第4の突出部224の変形を減少させ、第3の突出部223が圧力を受けるリスクを低減することができる。
【0113】
いくつかの実施例では、第2の方向において、第1のプレート本体21の少なくとも一部は、第2のプレート本体22から突出し、且つ第1の流路211と連通する継手30を取り付けるのに用いられ、ここで、第2の方向は、第1の本体部212の厚さ方向に垂直であり、且つ第1の方向Yと交差する。
【0114】
選択的に、電池2において、電池ユニット10の複数の電池セル11の配列方向Xは第2の方向に平行である。
【0115】
継手30は、外部給液管路に接続するのに用いられる。継手30は、液体注入継手及び液体吐出継手を含み、熱交換媒体は、液体注入継手を介して第1の流路211に流入し、次に液体吐出継手を介して流出する。
【0116】
例示的に、第1のプレート本体21は、二つの突出領域216を含み、各突出領域216はいずれも第2のプレート本体22から突出し且つそれぞれ液体注入継手及び液体吐出継手を装着するために用いられる。二つの突出領域216は、それぞれ、第1のプレート本体21における第2の方向に沿った両端に位置してもよく、第1のプレート本体21における第2の方向に沿った同じ端部に位置してもよい。
【0117】
本実施例は、第1のプレート本体21における第2のプレート本体22から突出した部分に継手30を装着し、これにより、第2のプレート本体22が外部給液管路と干渉するリスクを低減し、外部給液管路の配置方式をより柔軟にすることができる。
【0118】
代替可能な実施例において、液体注入継手及び液体吐出継手は、それぞれ、二つの第2のプレート本体22に装着されてもよい。
【0119】
図8は、本願の他のいくつかの実施例に係る熱交換部材の構造概略図である。
【0120】
図8に示すように、いくつかの実施例において、第1の流路及び第2の流路は、第1のプレート本体21と第2のプレート本体22との接続位置で連通する。
【0121】
本実施例において、熱交換部材20の内部の第1の流路と第2の流路とは直接的に連通されており、他の構造に設置して第1の流路と第2の流路とを連通させる必要がないため、熱交換部材20の構造を簡略化する。
【0122】
例示的に、
図8において、第1の流路は第1の突出部213の内部に位置し、第2の流路は第3の突出部223の内部に位置する。第1の突出部213と第3の突出部223とが接続されて、第1の流路と第2の流路とを直接的に連通させる。
【0123】
図9は、本願のさらに他のいくつかの実施例に係る熱交換部材の構造概略図である。
【0124】
図9に示すように、いくつかの実施例において、熱交換部材20は、第1の流路と第2の流路とを連通させる接続管路24をさらに含む。
【0125】
本実施例において、接続管路24を使用することにより第1の流路と第2の流路の連通方式をより柔軟にすることができる。
【0126】
例示的に、
図9において、第1の流路は第1の突出部の内部に位置し、第2の流路は第3の突出部223の内部に位置する。
【0127】
図10は、本願のさらに他のいくつかの実施例に係る熱交換部材の構造概略図である。
【0128】
図10に示すように、いくつかの実施例において、第2のプレート本体22における収容空間に面する一側には収容凹部が配置されており、熱交換部材20は収容凹部内に収容された熱交換管25をさらに含み、熱交換管25の内部には第2の流路が形成されている。
【0129】
熱交換管25は収容凹部内に嵌め込まれ、且つ熱交換管25は第2のプレート本体22における収容空間に面する表面から突出しない。
【0130】
いくつかの実施例において、第1のプレート本体21は、第1の突出部213における収容空間に面する一側にも収容凹部が形成されている。第1のプレート本体21上の収容凹部は第1の収容凹部217と呼ばれ、第2のプレート本体22上の収容凹部は第2の収容凹部226と呼ばれる。
【0131】
第1の収容凹部217にも熱交換管25が設けられており、熱交換管25の内部に第1の流路が形成されている。第1収容凹部217内の熱交換チューブ25と、第2収容凹部226内の熱交換チューブ25とは、一体に設けられている。
【0132】
図11は、
図3に示す電池の平面概略図である。
図12は、
図3に記載の電池の他の概略図であり、ここで電池ユニットは省略される。
図13は、本願の実施例に係る電池の熱交換部材及び支持部材の組立概略図である。
図14は、
図13に示す熱交換部材及び支持部材の断面概略図である。
図15は、
図14の円枠Bでの拡大概略図である。
【0133】
図11乃至
図15に示すように、本願の実施例は、電池2を提供するが、当該電池2は、熱交換部材20及び電池ユニット10を備え、電池ユニット10の少なくとも一部は、熱交換部材20の収容空間23に収容され、電池ユニット10は、配列方向Xに沿って順次に配置された複数の電池セル11を含み、熱交換部材20は電池セル11の温度を調整するのに用いられ、配列方向Xは第1の方向Yと交差する。
【0134】
電池セル11は、熱交換部材20に接続される。選択的に、電池セル11は熱伝導性接着剤により第1のプレート本体21及び第2のプレート本体22に接着される。
【0135】
いくつかの実施例において、電池2は二つの端部プレート40をさらに含み、二つの端部プレート40は、それぞれ、電池ユニット10における配列方向Xに沿った両端に位置し且つ電池ユニット10を挟み、第1の方向Yでの端部プレート40の両端は、それぞれ二つの第2のプレート本体22に接続される。
【0136】
第1の方向Yにおける端部プレート40の両端は、溶接等の方式で二つの第2のプレート本体22に接続されることができる。二つの端部プレート40と二つの第2のプレート本体22とは筐体構造を形成して、電池セル11を固定する。
【0137】
本実施例の熱交換部材20は、第2のプレート本体22を介して端部プレート40に接続され、これにより、第1のプレート本体21の安定性を向上させ、第1のプレート本体21と電池セル11とが電池2の揺動際に分離するリスクを低減することができる。
【0138】
いくつかの実施例において、端部プレート40は、二つの第2のプレート本体22の間に位置する。配列方向Xにおいて、第1のプレート本体21の一部は、端部プレート40の外側に突出し、且つ第1の流路211と連通する継手30を装着するために用いられる。
【0139】
継手30が端部プレート40の外側に装着されているため、外部給液管路は端部プレート40を貫通する必要がなく、これにより、電池2の構造を簡略化し、外部給液管路の配置をより柔軟にすることができる。
【0140】
第1のプレート本体21の突出領域216は、端部プレート40の外側に突出される。選択的に、二つの突出領域216は、第1のプレート本体21の同じ端部に位置し、且つ端部プレート40の外側に突出される。
【0141】
いくつかの実施例において、電池2は支持部材50をさらに含み、支持部材50は第1のプレート本体21における収容空間23から離れる一側に位置する支持部51を含み、支持部51は第1のプレート本体21に接続される。第2の突出部214が支持部51に当接して、支持部51は第1の突出部213と間隔を隔てて配置される。
【0142】
支持部51は、第2突出部214に接続される。例示的に、第2の突出部214は、リベット接合、ボルト接続、溶接、接着等の方式によって支持部51に接続されることができる。
【0143】
支持部51は電池2の支持構造であり、熱交換部材20、電池セル11、端部プレート40等の部材を支持するのに用いられる。支持部51は、電池2の構造強度を向上させるのに重要な役割を有し、比較的高い強度を有する。
【0144】
支持部51は比較的高い強度を有するため、支持部51は電気装置(例えば車両のシャーシ)に直接的に装着されることができ、これにより、従来の筐体を省略し、空間の利用率を向上させ、部品の使用を減少させることができる。
【0145】
支持部51は第1の突出部213と間隔を隔てて配置されるため、電池セル11、端部プレート40等の部材の重力負荷は、第1の突出部213により支持部51に伝達されず、第2の突出部214により支持部51に伝達されるため、第1の突出部213が受ける力を減少させ、第1の流路211の変形、閉塞のリスクを低減することができる。
【0146】
いくつかの実施例において、各電池セル11の下側にはいずれも第2の突出部214が設けられ、これにより、熱交換部材20は重力負荷を支持部51により均一に伝達し、応力集中を低減することができる。
【0147】
いくつかの実施例において、支持部51と第1の突出部213との間に緩衝層60が配置され、緩衝層60は、支持部51と第1の突出部213と接続させる。
【0148】
緩衝層60は、熱交換部材20と支持部51との間の接続強度を向上させることができ、また、緩衝層60は、さらに、電池2が揺動する時に、緩衝作用を果たして、第1の突出部213が受ける力を減少させ、第1の流路211の変形、閉塞のリスクを低減することができる。緩衝層60の強度が低いため、電池セル11、端部プレート40等の部材の重力負荷は主に第2の突出部214により支持部51に伝達される。
【0149】
いくつかの実施例において、緩衝層60はコロイドの硬化により形成される。コロイドは、支持部51を第1の突出部213及び第1の本体部212に接着して、熱交換部材20と支持部材50との接続強度を向上させることができる。
【0150】
いくつかの実施例において、緩衝層60は断熱機能をさらに有し、熱交換部材20と支持部材50との間の熱交換を減少させて、電池セル11と熱交換部材20との間の熱交換効率を保証することができる。
【0151】
いくつかの実施例において、支持部材50は二つの位置制限部52をさらに含み、二つの位置制限部52は支持部51における熱交換部材20に面する一側に位置し且つ支持部51に接続される。第1の方向Yにおいて、二つの第2のプレート本体22は、二つの位置制限部52の間に位置する。
【0152】
位置制限部52は支持部51と一体成形されてもよく、溶接、リベット接合、接着等の方式で支持部51に接続されてもよい。
【0153】
位置制限部52と支持部51との間は、一定の角度をなしている。選択的に、位置制限部52と支持部51との間の夾角は、80°~100°である。
【0154】
位置制限部52は、第1の方向Yの両側から熱交換部材20及び電池ユニット10を制限することができ、電池2が揺動する時、位置制限部52は熱交換部材20及び電池ユニット10の揺動幅を減少させ、電池2全体の安定性を向上させることができる。
【0155】
位置制限部52は、リベット接合、ボルト接続、溶接、接着等の方式によって第2のプレート本体22に接続されて、電池2全体の構造強度を増大させ、安定性を向上させることができる。
【0156】
いくつかの実施例において、第2のプレート本体22は、第2の本体部222、第3の突出部223及び第4の突出部224を備え、第3の突出部223及び第4の突出部224は、第2の本体部222における収容空間23に背向する表面から突出する。第2の本体部222の厚さ方向において、第1の本体部212から突出する第3の突出部223のサイズを第1の本体部212から突出する第4の突出部224のサイズより小さくして、第4の突出部224が位置制限部52に当接するようにする。第3の突出部223の内部には、第2の流路221が形成されている。
【0157】
二つの位置制限部52は、第4の突出部224により熱交換部材20を両側から挟持することにより、熱交換部材20と支持部材50との間の接続強度を増大させ、安定性を向上させる。
【0158】
第1の方向Yにおいて、位置制限部52は第3の突出部223と重なってもよく、第3の突出部223と重なっていなくてもよい。位置制限部52と第3の突出部223とが第1の方向Yで重なっていても、第4の突出部224は位置制限部52を第3の突出部223から離れるようにして、位置制限部52と第3の突出部223との間に隙間を形成し、第3の突出部223が位置制限部52の押圧を受けることを回避することができる。
【0159】
図16は、本願のいくつかの実施例に係る電池の製造方法のフローチャートである。
【0160】
図16に示すように、本願の実施例は、熱交換部材の製造方法を提供し、当該製造方法は以下を含む。
S100において、第1のプレート本体を提供し、第1のプレート本体は、第1の本体部、第1の突出部及び第2の突出部を備え、第1の突出部及び第2の突出部は、第1の本体部の表面から突出し、第1の本体部の厚さ方向において、第1の本体部から突出する第1の突出部のサイズは、第1の本体部から突出する第2の突出部のサイズより小さく、第1の突出部の内部には、熱交換媒体が流動する第1の流路が形成されている。
S200において、二つの第2のプレート本体を提供し、且つ二つの第2のプレート本体をそれぞれ第1のプレート本体の第1の方向に沿った両端に接続させる。
【0161】
ここで、第2のプレート本体と第1のプレート本体との間に所定の角度を有し、第1のプレート本体と二つの第2のプレート本体とが囲んで収容空間を形成し、第1の突出部及び第2の突出部は、第1の本体部における収容空間に背向する表面から突出する。
【0162】
説明すべきものとして、上記熱交換部材の製造方法により製造された熱交換部材の関連構造は、上記各実施例に係る熱交換部材を参照することができる。
【0163】
図17は、本願のいくつかの実施例に係る電池の製造システムの概略ブロック図である。
【0164】
図17に示すように、本願の実施例は熱交換部材の製造システム90を提供し、当該システムは、第1の供給装置91及び第2の供給装置92を備え、第1の供給装置91は、第1の本体部、第1の突出部及び第2の突出部を備えた第1のプレート本体を提供するのに用いられ、第1の突出部及び第2の突出部は、第1の本体部の表面から突出し、第1の本体部の厚さ方向において、第1の本体部から突出する第1の突出部のサイズが第1の本体部から突出する第2の突出部のサイズより小さく、第1の突出部の内部に熱交換媒体が流動する第1の流路が形成されており、第2の供給装置92は、二つの第2のプレート本体を提供し、且つ二つの第2のプレート本体をそれぞれ第1のプレート本体の第1の方向に沿った両端に接続するのに用いられる。
【0165】
ここで、第2のプレート本体と第1のプレート本体との間に所定の角度を有し、第1のプレート本体と二つの第2のプレート本体は収容空間を囲む。第1の突出部と第2の突出部は第1の本体部における収容空間に背向する表面から突出する。
【0166】
上記製造システムにより製造された熱交換部材の関連構造は、上記各実施例に係る熱交換部材を参照することができる。
【0167】
説明すべきものとして、衝突しない場合、本願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0168】
最後に説明すべきものとして、以上の実施例は本願の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではなく、前述の実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として前述の各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部の技術的特徴に対して均等の差替えを行うことができるが、これらの修正又は差替えによって、技術的解決手段の本質が本願の各実施例の技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱されることはない。
【国際調査報告】