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特表2023-538471非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(54)【発明の名称】非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセス
(51)【国際特許分類】
   C03B 5/05 20060101AFI20230901BHJP
   C03B 5/24 20060101ALI20230901BHJP
   C01B 3/36 20060101ALI20230901BHJP
   F23N 5/00 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
C03B5/05
C03B5/24
C01B3/36
F23N5/00 D ZAB
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551718
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 CN2022086437
(87)【国際公開番号】W WO2023010885
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202110879116.7
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522339042
【氏名又は名称】シャンハイ ユェンハン エネルギーアンドケミカル テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Shanghai Yuanhan Energy&Chemical Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.14, Lane 1502, Luoshan Road, China (Shanghai) Pilot Free Trade Zone, Pudong New District, Shanghai, 200135, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ユンフォン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン シィァンチュェン
(72)【発明者】
【氏名】リィゥ チン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ウェンジュン
【テーマコード(参考)】
3K003
4G014
4G140
【Fターム(参考)】
3K003EA08
3K003FA09
3K003GA03
4G014AE01
4G014AF01
4G140EA03
4G140EA05
4G140EA06
4G140EB14
(57)【要約】
本発明は、非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセスを開示し、必要なシステムはガラス窯炉、非触媒転化炉A、非触媒転化炉B、煙道ガス回収装置、煙突、高温煙道ガスファン、天然ガス供給装置、及び酸素ガス供給装置を含む。本発明は一部のガラス窯炉の煙道ガスを循環し、循環煙道ガスの水蒸気と二酸化炭素の濃度を向上させる。循環煙道ガスにおける水蒸気と二酸化炭素、及び天然ガスは非触媒転化炉において転化と改質反応が発生し、高温煙道ガスの顕熱を回収すると同時に、1300°C以上の高発熱量の水性ガスを生成し、ガラス窯炉に入るガスの総発熱量及び炉に入る温度を向上させる。高発熱量の水性ガス、反応が発生していない少量の天然ガス、及び酸素ガスがガラス窯炉内で十分に燃焼することは、燃料消費を低減させ、熱回収効率を向上させる。本発明は増産、省エネルギー及び排出削減の面で優れた性能を有し、熱消費の単消費及び総合エネルギー消費を低減でき、生産量を向上させ、スモーク排出量を低減させ、NOx超低排出を実現する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセスであって、
燃焼時に必要なシステムはガラス窯炉、非触媒転化炉A、非触媒転化炉B、煙道ガス回収装置、煙突、高温煙道ガスファン、天然ガス供給装置、及び酸素ガス供給装置を含み、
非触媒転化炉Aと非触媒転化炉Bとはガラス窯炉の両側に設けられ、ガラス窯炉と連通し、非触媒転化炉A、非触媒転化炉Bは煙道ガス回収装置の入口に切り替えて接続され、煙道ガス回収装置の出口は煙突、高温煙道ガスファンにそれぞれ接続され、高温煙道ガスファンは非触媒転化炉Aの底部、非触媒転化炉Bの底部と切り替えて接続しており、
天然ガス供給装置は非触媒転化炉Aの底部、非触媒転化炉Aの上部、非触媒転化炉Bの底部、非触媒転化炉Bの上部、ガラス窯炉と切り替えて接続されており、
酸素ガス供給装置はガラス窯炉に接続されており、
高温煙道ガスファンと非触媒転化炉Aの底部、非触媒転化炉Bの底部にそれぞれ接続された配管に酸素ガス含有量分析装置、流量計、温度センサ及び圧力センサが設けられ、天然ガス供給装置と非触媒転化炉Aの底部、非触媒転化炉Aの上部、非触媒転化炉Bの底部、非触媒転化炉Bの上部、ガラス窯炉にそれぞれ接続された配管に流量調整弁及び圧力センサが設けられ、酸素ガス供給装置とガラス窯炉に接続された配管に流量調整弁と圧力センサが設けられており、
燃焼時に、
初期段階で空気を利用して助燃し、煙道ガスを生成した後、循環煙道ガスと酸素ガスとを混合して助燃剤とし、徐々に空気を代替して助燃し、一定時間の循環を経て、循環煙道ガスは水蒸気と二酸化炭素に富み、循環煙道ガスと酸素ガスは完全に空気を代替して助燃し、システムは正常な運転状態に入る工程1と、
転化と改質段階であって、循環煙道ガスにおける酸素ガス含有量が設定含有量の限界値以下である場合、循環煙道ガスは非触媒転化炉Aの底部から炉内に入り、天然ガスも非触媒転化炉Aの底部から炉内に入り、天然ガスは循環煙道ガスにおける水蒸気及び二酸化炭素と転化・改質反応を発生させ、水素ガスと一酸化炭素すなわち高発熱量の水性ガスを生成し、ガラス窯炉に送り込み、酸素ガスをガラス窯炉に送り込み、酸素ガスと、非触媒転化で生成された一酸化炭素及び水素ガス、少量の転化・改質反応が発生していない天然ガスはガラス窯炉内で燃焼反応を発生させ、循環煙道ガスにおける酸素ガス含有量が設定含有量の限界値より大きい場合、循環煙道ガスは非触媒転化炉Aの底部から炉内に入り、天然ガスは非触媒転化炉Aの上部から炉内に入り、天然ガスは循環煙道ガスにおける水蒸気及び二酸化炭素と転化・改質反応を発生させ、水素ガスと一酸化炭素すなわち高発熱量の水性ガスを生成し、ガラス窯炉に送り込み、酸素ガスをガラス窯炉に送り込み、酸素ガスと、非触媒転化で生成された一酸化炭素及び水素ガス、少量の転化・改質反応が発生していない天然ガスはガラス窯炉内で燃焼反応を発生させる工程2と、
煙道ガスを吹き飛ばす段階であって、転化と改質段階が終了した後、天然ガスを直接ガラス窯炉に入るように切り替え、循環煙道ガスは非触媒転化炉Aの底部から炉内に入り、転化された残留可燃ガスを吹き飛ばし、置換し、ガラス窯炉に入り、酸素ガスをガラス窯炉に送り込み、燃焼反応が発生する工程3と、
転化炉昇温段階であって、転化と改質段階、及び煙道ガスを吹き飛ばす段階において、ガラス窯炉出口の高温煙道ガスは非触媒転化炉Bに入り、炉内を昇温・蓄熱させ、さらに煙道ガス回収装置に入って熱を回収し、除塵し、脱硫した後に、一部は高温煙道ガスファンによって加圧された後に非触媒転化炉Aに導入して循環し、残りは煙突から排出され又はCCUSを行う工程4と、
一定時間を経過した後、非触媒転化炉A/Bを切り替え、すなわち非触媒転化炉Bは転化と改質反応を発生させ、非触媒転化炉Aは昇温して蓄熱し、こうして循環的に切り替える工程5と、
を含むことを特徴とする非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセス。
【請求項2】
酸素供給装置は深冷分離法又は圧力スイング吸着法を含む酸素ガス製造方法を用いて酸素ガスを製造し、酸素ガスの純度は≧90%であり、圧力は0.05~0.2MPaであることを特徴とする請求項1に記載の非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセス。
【請求項3】
工程1は初期段階で空気を利用して助燃し、空気は非触媒転化炉Aからガラス窯炉に入り、天然ガスは直接ガラス窯炉に入り、空気と天然ガスはガラス窯炉内で燃焼し、燃焼により発生した煙道ガスは非触媒転化炉Bを経て、非触媒転化炉Bを昇温・蓄熱させ、さらに煙道ガス回収装置に入り熱を回収し、除塵し、脱硫し、その後高温煙道ガスファンにより非触媒転化炉Aに導入し、さらにガラス窯炉に入り、同時にガラス窯炉内にも酸素ガスを導入し、循環煙道ガスと酸素ガスとを混合して助燃を行い、徐々に空気を代替して助燃し、一定時間後、非触媒転化炉A/Bを切り替え、空気は非触媒転化炉Bからガラス窯炉に入り、天然ガスは直接ガラス窯炉に入り、空気と天然ガスはガラス窯炉内で燃焼し、燃焼により発生した煙道ガスは非触媒転化炉Aを経て、非触媒転化炉Aを昇温・蓄熱させ、さらに煙道ガス回収装置に入り熱を回収し、除塵し、脱硫し、その後高温煙道ガスファンにより非触媒転化炉Bに導入し、さらにガラス窯炉に入り、同時にガラス窯炉内にも酸素ガスを導入し、循環煙道ガスと酸素ガスとを混合して助燃を行い、徐々に空気を代替して助燃し、このように循環的に切り替え、一定時間の循環を経て、循環煙道ガスは水蒸気と二酸化炭素を豊富に含み、循環煙道ガスと酸素ガスは空気を完全に代替して助燃し、システムは正常な運転状態に入ること、
を特徴とする請求項1に記載の非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセス。
【請求項4】
工程2~5において、20分ごとに非触媒転換炉A/Bを切り替え、0~17分は転化と改質段階であり、18~20分は煙道ガスを吹き飛ばす段階であり、0~20分は転化炉の昇温段階であることを特徴とする請求項1に記載の非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセス。
【請求項5】
工程2において循環煙道ガスにおける酸素ガスの含有量の限界値を2%に設定することを特徴とする請求項1に記載の非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセス。
【請求項6】
工程2において循環煙道ガスにおける酸素ガスの含有量が設定含有量の限界値より大きい場合、天然ガスは非触媒転化炉Aの上部から炉内に入り、すなわち非触媒転化炉Aの頂部から1/5~1/3の位置から炉内に入ることを特徴とする請求項1に記載の非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセス。
【請求項7】
工程2、工程3及び工程5において、酸素ガスを酸素ランスによってガラス窯炉に送り込むことを特徴とする請求項1に記載の非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセス。
【請求項8】
工程4において熱を回収し、除塵し、脱硫した後の循環煙道ガスは高温煙道ガスファンによって、0.05~0.2MPaまでに加圧された後に非触媒転化炉Aに導入して循環することを特徴とする請求項1に記載の非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセス。
【請求項9】
燃焼時に必要なシステムはさらにスマート制御システムを含み、非触媒転化炉A/Bの切り替えを制御することと、天然ガスが非触媒転化炉A/B、ガラス窯炉に切り替えられて入るのを制御することとを含むために用いられ、酸素ガスがガラス窯炉に入る流量を調整し、循環煙道ガスが非触媒転化炉A/Bに入る流量を調整し、天然ガスが非触媒転化炉A/B、ガラス窯炉に入る流量を調整し、それによりガラス窯炉の炉温・炉圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセス。
【請求項10】
燃焼時にさらに循環煙道ガスを利用して原料供給システムに対して隔離と置換を行い、循環煙道ガスを利用してガラス窯炉の風漏れしやすい部位に対して隔離を行い、ガラス窯炉の風漏れしやすい部位はガラス窯炉の投入口、火炎観察口、煙道を含み、隔離方法はガスシール、ガスカーテンを含むことを特徴とする請求項1に記載の非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラス窯炉の燃焼技術分野に関し、具体的には非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化が生態安全、水資源安全、食糧安全等の各方面に触れるにつれ、極端な気候災害発生のリスクを高め、人類の生存環境を深刻に脅かしている。温室効果ガスの排出は地球温暖化を引き起こす最も主要な要素であり、二酸化炭素による温室効果はすべてのガスが発生する温室効果の70%以上を占めているため、二酸化炭素の排出削減は早急に解決すべき問題であり、温室効果を抑制し、地球温暖化を緩和するために極めて重要である。
【0003】
グローバルエネルギー供給の不均衡及び地政学的危機の激化、燃料価格の上昇に伴い、ガラス生産のコストが上昇し、同時に生産企業の省エネルギー・排出削減への要求はますます高くなる。従来の燃焼システムに対する分析研究は、空気を利用して助燃し、窒素ガスが無駄に加熱され、高温で大気に排出され、大量の熱損失を引き起こし、且つ窒素ガスが高温で酸素ガスと反応してNOを生成し、NOガスが大気層に排出され酸性雨による環境汚染を引き起こしやすい。
【0004】
本発明は終端管理を源管理に変え、二酸化炭素の排出を減らし、窒素酸化物の超低排出の根本的な突破を実現する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセスを提供し、従来技術の不足を解決することである。
【0006】
本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセスは、燃焼時に必要なシステムはガラス窯炉、非触媒転化炉A、非触媒転化炉B、煙道ガス回収装置、煙突、高温煙道ガスファン、天然ガス供給装置、及び酸素ガス供給装置を含む。
非触媒転化炉Aと非触媒転化炉Bはガラス窯炉の両側に設けられ、ガラス窯炉と連通する。非触媒転化炉A、非触媒転化炉Bは煙道ガス回収装置の入口に切り替えて接続され、煙道ガス回収装置の出口は煙突、高温煙道ガスファンにそれぞれ接続される。高温煙道ガスファンは非触媒転化炉Aの底部、非触媒転化炉Bの底部と切り替えて接続する。
天然ガス供給装置は非触媒転化炉Aの底部、非触媒転化炉Aの上部、非触媒転化炉Bの底部、非触媒転化炉Bの上部、ガラス窯炉と切り替えて接続される。
酸素ガス供給装置はガラス窯炉に接続される。
高温煙道ガスファンと非触媒転化炉Aの底部、非触媒転化炉Bの底部にそれぞれ接続された配管に酸素ガス含有量分析装置、流量計、温度センサ及び圧力センサが設けられる。天然ガス供給装置と非触媒転化炉Aの底部、非触媒転化炉Aの上部、非触媒転化炉Bの底部、非触媒転化炉Bの上部、ガラス窯炉にそれぞれ接続された配管に流量調整弁及び圧力センサが設けられる。酸素ガス供給装置とガラス窯炉に接続された配管に流量調整弁と圧力センサが設けられる。
【0007】
燃焼時に以下の工程を含む。
1)初期段階で空気を利用して助燃し、煙道ガスを生成した後、循環煙道ガスと酸素ガスとを混合して助燃剤とし、徐々に空気を代替して助燃し、一定時間の循環を経て、循環煙道ガスは水蒸気と二酸化炭素に富み、循環煙道ガスと酸素ガスは完全に空気を代替して助燃し、システムは正常な運転状態に入る。
2)転化と改質段階:循環煙道ガスにおける酸素ガス含有量が設定含有量の限界値以下である場合、循環煙道ガスは非触媒転化炉Aの底部から炉内に入り、天然ガスも非触媒転化炉Aの底部から炉内に入り、天然ガスは循環煙道ガスにおける水蒸気及び二酸化炭素と転化・改質反応を発生させ、水素ガスと一酸化炭素すなわち高発熱量の水性ガスを生成し、ガラス窯炉に送り込む。酸素ガスをガラス窯炉に送り込み、酸素ガスと、非触媒転化で生成された一酸化炭素及び水素ガス、少量の転化・改質反応が発生していない天然ガスはガラス窯炉内で燃焼反応が発生する。循環煙道ガスにおける酸素ガス含有量が設定含有量の限界値より大きい場合、循環煙道ガスは非触媒転化炉Aの底部から炉内に入り、天然ガスは非触媒転化炉Aの上部から炉内に入り、天然ガスは循環煙道ガスにおける水蒸気及び二酸化炭素と転化・改質反応を発生させ、水素ガスと一酸化炭素すなわち高発熱量の水性ガスを生成し、ガラス窯炉に送り込む。酸素ガスをガラス窯炉に送り込み、酸素ガスと、非触媒転化で生成された一酸化炭素及び水素ガス、少量の転化・改質反応が発生していない天然ガスはガラス窯炉内で燃焼反応が発生する。
3)煙道ガスを吹き飛ばす段階:転化と改質段階が終了した後、天然ガスを直接ガラス窯炉に入るように切り替え、循環煙道ガスは非触媒転化炉Aの底部から炉内に入り、転化された残留可燃ガスを吹き飛ばし、置換し、ガラス窯炉に入り、酸素ガスをガラス窯炉に送り込み、燃焼反応が発生する。
4)転化炉昇温段階:転化と改質段階、及び煙道ガスを吹き飛ばす段階において、ガラス窯炉出口の高温煙道ガスは非触媒転化炉Bに入り、炉内を昇温・蓄熱させ、さらに煙道ガス回収装置に入って熱を回収し、除塵し、脱硫した後に一部は高温煙道ガスファンによって加圧された後に非触媒転化炉Aに導入して循環し、残りは煙突から排出され又はCCUSを行う。
5)一定時間を経過した後、非触媒転化炉A/Bを切り替え、すなわち非触媒転化炉Bは転化と改質反応を発生させ、非触媒転化炉Aは昇温して蓄熱する。こうして循環的に切り替える。
【0008】
さらに、酸素供給装置は深冷分離法又は圧力スイング吸着法を含む酸素ガス製造方法を用いて酸素ガスを製造し、酸素ガスの純度は≧90%であり、圧力は0.05~0.2MPaである。
【0009】
さらに、ステップ1)は初期段階で空気を利用して助燃し、空気は非触媒転化炉Aからガラス窯炉に入り、天然ガスは直接ガラス窯炉に入る。空気と天然ガスはガラス窯炉内で燃焼し、燃焼により発生した煙道ガスは非触媒転化炉Bを経て、非触媒転化炉Bを昇温・蓄熱させ、さらに煙道ガス回収装置に入り熱を回収し、除塵し、脱硫し、その後高温煙道ガスファンにより非触媒転化炉Aに導入し、さらにガラス窯炉に入る。同時にガラス窯炉内にも酸素ガスを導入し、循環煙道ガスと酸素ガスとを混合して助燃を行い、徐々に空気を代替して助燃する。一定時間後、非触媒転化炉A/Bを切り替え、空気は非触媒転化炉Bからガラス窯炉に入り、天然ガスは直接ガラス窯炉に入り、空気と天然ガスはガラス窯炉内で燃焼する。燃焼により発生した煙道ガスは非触媒転化炉Aを経て、非触媒転化炉Aを昇温・蓄熱させ、さらに煙道ガス回収装置に入り熱を回収し、除塵し、脱硫し、その後高温煙道ガスファンにより非触媒転化炉Bに導入し、さらにガラス窯炉に入る。同時にガラス窯炉内にも酸素ガスを導入し、循環煙道ガスと酸素ガスとを混合して助燃を行い、徐々に空気を代替して助燃する。このように循環的に切り替える。一定時間の循環を経て、循環煙道ガスは水蒸気と二酸化炭素を豊富に含み、循環煙道ガスと酸素ガスは空気を完全に代替して助燃し、システムは正常な運転状態に入る。
【0010】
さらに、ステップ2)~5)において、20分ごとに非触媒転換炉A/Bを切り替え、0~17分は転化と改質段階であり、18~20分は煙道ガスを吹き飛ばす段階であり、0~20分は転化炉の昇温段階である。
【0011】
さらに、ステップ2)において循環煙道ガスにおける酸素ガスの含有量の限界値を2%に設定する。
【0012】
さらに、ステップ2)において循環煙道ガスにおける酸素ガスの含有量が設定含有量の限界値より大きい場合、天然ガスは非触媒転化炉Aの上部から炉内に入り、すなわち非触媒転化炉Aの頂部から1/5~1/3の位置から炉内に入る。
【0013】
さらに、ステップ2)、3)及び5)において、酸素ガスが酸素ランス(oxygen lance)によってガラス窯炉に送り込まれる。
【0014】
さらに、ステップ4)において熱を回収し、除塵し、脱硫した後の循環煙道ガスが高温煙道ガスファンによって、0.05~0.2MPaまでに加圧された後に非触媒転化炉Aに導入されて循環する。
【0015】
さらに、燃焼時に必要なシステムはさらにスマート制御システムを含み、非触媒転化炉A/Bの切り替えを制御し、天然ガスが非触媒転化炉A/B、ガラス窯炉に切り替えられて入るのを制御することを含むために用いられる。酸素ガスがガラス窯炉に入る流量を調整し、循環煙道ガスが非触媒転化炉A/Bに入る流量を調整し、天然ガスが非触媒転化炉A/B、ガラス窯炉に入る流量を調整し、それによりガラス窯炉の炉温・炉圧を制御する。
【0016】
さらに、燃焼時に循環煙道ガスを利用して原料供給システムに対して隔離と置換を行い、循環煙道ガスを利用してガラス窯炉の風漏れしやすい部位に対して隔離を行い、ガラス窯炉の風漏れしやすい部位はガラス窯炉の投入口、火炎観察口、煙道を含み、隔離方法はガスシール、ガスカーテンを含む。
【発明の効果】
【0017】
1、本発明は一部のガラス窯炉の煙道ガスを循環し、循環煙道ガスの水蒸気と二酸化炭素の濃度を向上させる。循環煙道ガスにおける水蒸気と二酸化炭素、及び天然ガスは非触媒転化炉において転化と改質反応が発生し、天然ガスの転化と改質の吸熱反応を利用して高温煙道ガスの顕熱(sensible heat)を回収すると同時に、1300°C以上の高発熱量の水性ガス(一酸化炭素と水素ガス)を生成し、ガラス窯炉に入るガスの総発熱量及び炉に入る温度を向上させる。高発熱量の水性ガス、少量の転化・改質反応が発生していない天然ガス、及び酸素ガスがガラス窯炉内で十分に燃焼することは、燃料消費を低減させ、熱回収効率を向上させる。本発明は増産、省エネルギー及び排出削減の面で優れた性能を有し、熱消費の単消費及び総合エネルギー消費を低減でき、生産量を向上させ、スモーク排出量を低減させ、NOx超低排出を実現する。
【0018】
2、本発明は循環煙道ガスと酸素ガスを利用して空気を代替して助燃し、大幅にNOの生成を低減し、環境汚染を低減し、且つ脱硝費用を大幅に削減する。
【0019】
3、ガス放射の特徴によれば、三原子ガス及び多原子ガスのみが放射能力を有し、二原子ガスはほとんど放射能力がない。放射能力のない窒素ガスの割合が高いほど、炉ガスの黒色度が小さくなり、ガラス液に対する炉ガスの放射力に影響を与える。循環煙道ガスと酸素ガスを利用して空気を代替して助燃し、Nの含有量を大幅に低減させる。煙道ガス循環を採用して炉内の水蒸気と二酸化炭素の濃度を向上させ、同時に非触媒転化で水素ガスと一酸化炭素を生産し、炉ガスの黒色度、及び配合材とガラス液への放射力を大幅に向上させ、火炎温度を向上させて排煙黒色度を低下させ、燃焼速度を加速し、溶融時間を短縮し、完全燃焼を促進し、溶融率を向上させる。
【0020】
4、本発明は非触媒転化炉Aと非触媒転化炉Bとを備えている。非触媒転化炉Aは転化と改質反応が発生する時に用いられ、非触媒転化炉Bはガラス窯炉出口の高温煙道ガスを利用して昇温して蓄熱し、次の転化と改質反応が発生する時に熱を提供する。非触媒転化炉Bは転化と改質反応が発生する時に用いられ、非触媒転化炉Aはガラス窯炉出口の高温煙道ガスを利用して昇温して蓄熱し、次の転化と改質反応が発生する時に熱を提供する。非触媒転化炉Aと非触媒転化炉Bとを循環的に切り替えることにより、熱利用率を向上させ、作業効率を加速する。
【0021】
5、本発明のシステムが正常な運転状態に入った後、三つの段階に分ける、すなわち転化と改質段階、煙道ガスを吹き飛ばす段階及び転化炉昇温段階である。転化と改質段階において、循環煙道ガスにおける水蒸気と二酸化炭素を原料として利用し、天然ガスと非触媒転化炉において転化と改質反応が発生し、一酸化炭素と水素ガスを生成し、燃料の発熱量を増加させ、熱回収効率を向上させる。煙道ガスを吹き飛ばす段階において、転化及び改質段階の炉内に残留した可燃ガスを回収し、一方では燃料の浪費を減少し、他方では転化炉の昇温段階における可燃ガスを含む大部分の煙道ガスが大気に排出されることによる環境汚染及び安全リスクを回避する。転化炉の昇温段階において、煙道ガスの循環を実現し、ガラス窯炉出口の高温煙道ガスを利用して非触媒転化炉を昇温・蓄熱させ、次に転化と改質反応が発生する時に熱を提供する。
【0022】
6、本発明は転化と改質段階において、天然ガスの入り方は循環煙道ガスにおける酸素ガスの含有量に応じて異なり、非触媒転化炉に入る方法を調整する。循環煙道ガスにおける酸素ガスの含有量が設定含有量の限界値以下である場合、天然ガスは非触媒転化炉Aの底部から炉内に入り、転化と改質反応を十分に進行させる。循環煙道ガスにおける酸素ガスの含有量が設定含有量の限界値より大きい場合、天然ガスは非触媒転化炉Aの上部から炉内に入り、転化と改質反応の時間を短縮させ、燃焼反応(熱のみを提供する)による原料の浪費をできるだけ低減させ、且つ安全性が高い。
【0023】
7、本発明は、燃焼時にさらに循環煙道ガスを利用して原料供給システムに対して隔離と置換を行い、循環煙道ガスを利用してガスシール、ガスカーテンなどの方法を採用してガラス窯炉の風漏れしやすい部位に対してガラス窯炉の投入口、火炎観察口、煙道などを含んで隔離し、放射放熱を低減させ、空気の進入量を低減させ、窒素酸化物の発生を回避することができるだけでなく、また煙道ガスの循環量を低減させ、省エネルギーと排出削減を効果的に達成することができる。
【0024】
8、燃焼環境の最適化は炉内温度分布をより合理的にさせ、窯炉、ボイラの耐用年数を効果的に延長する。ガラス業界における燃焼状況の改善はまた窯炉昇温時間を短縮させ、生産量を向上させ、不良率を低下させ、歩留まりを向上させる。
【0025】
9、本発明の燃焼プロセスは火炎の黒色度を増加させるだけでなく、燃焼速度が速くなり、火炎温度が高くなり、煙道ガスに携帯される未燃物も十分に燃え尽き、排煙の黒色度を低下させる。燃焼により分解及び形成された可燃性有害ガスを十分に燃焼させ、有害ガスの発生を低減させる。排煙温度と排煙量が著しく低下し、熱汚染と粉塵排出が減少する。
【0026】
10、煙道ガスは循環を経て、二酸化炭素の濃度を向上させ、二酸化炭素の回収をより容易にさせ、低コストCCUS(炭素回収、炭素貯蔵、炭素利用)に有利な条件を作る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は本発明の燃焼に用いるシステム概略図(非触媒転化炉Aでは転化と改質反応が発生し、非触媒転化炉Bは昇温して蓄熱する)である。
図2図2は本発明の燃焼に用いるシステム概略図(非触媒転化炉Bでは転化と改質反応が発生し、非触媒転化炉Aは昇温して蓄熱する)である。
図3図3は本発明の非触媒転化炉Aと非触媒転化炉Bとの切り替えの概略図である。
図4図4は本発明の燃焼ロジック制御概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下は実施例及び図面を参照して本発明をさらに説明する。以下の実施例は本発明を説明するだけで、本発明の実施範囲を限定するものではない。
【0029】
従来の空気による助燃のメカニズム:
+O+N→CO+HO+NO
【0030】
本発明は炭素系酸素富化(HO+CO+O)によって助燃し、天然ガスと、水蒸気及び二酸化炭素に富む循環煙道ガスとで転化と改質反応が発生するメカニズム:
燃焼反応
+1/2O→HO+242KJ/mol
CH+2O→CO+2HO+802KJ/mol
CO+O→1/2CO+393KJ/mol
転化反応
CH+1/2O→CO+2H+35.5KJ/mol
CH+HO→CO+3H-206KJ/mol
CH+CO→2CO+2H-247KJ/mol
【0031】
非触媒転化炉付きのガラス窯炉の燃焼プロセスは、燃焼時に必要なシステムは図1図2に示す。ガラス窯炉3、非触媒転化炉A4、非触媒転化炉B5、煙道ガス回収装置7、煙突8、高温煙道ガスファン6、天然ガス供給装置2、及び酸素ガス供給装置1を含む。
非触媒転化炉A4、非触媒転化炉B5であって、1つの非触媒転化炉A4と1つの非触媒転化炉B5は1対であり、ガラス窯炉の規模に応じて、複数対を柔軟に設置することができる。図1及び図2に示すのは3対であり、天然ガスと、循環煙道ガスにおける水蒸気及び二酸化炭素との転化・改質反応に用いられ、同時に蓄熱室の作用を有し、高温循環煙道ガスの熱を回収する。
煙道ガス回収装置7は、非触媒転化炉A4/B5から出た高温循環煙道ガスに対して熱を回収し、除塵し、脱硫するために用いられる。
高温煙道ガスファン6は、周波数変換の高温煙道ガスファンであり、熱回収、除塵、脱硫された後の循環煙道ガスを非触媒転化炉A4/B5に加圧導入する。高温煙道ガスファン6は通常の高温煙道ガスファンでもよいが、出口に流量調整弁を追加する必要がある。
天然ガス供給装置2は、天然ガスを供給する。
酸素ガス供給装置1は、酸素ガスを供給する。異なる規模のガラス窯炉3に基づいて酸素ガスを製造する方法を選択し、例えば深冷分離法、圧力スイング吸着法などを用い、酸素ガスの純度が≧90%であり、圧力が0.05~0.2MPaである。大型ガラス窯炉に対して深冷分離法を採用して酸素を製造し、まず空気を圧縮し、冷却し、且つ空気を液化させ、酸素、窒素成分の沸点の違いを利用して精留塔の板に気体と液体を接触させ、質交換と熱交換を行う。高沸点の酸素成分は絶えず蒸気から液体に凝縮し、低沸点の窒素成分は絶えず蒸気に移行し、上昇する蒸気における窒素含有量を絶えず向上させ、下流の液体における酸素含有量がますます高くなり、それにより酸素、窒素を分離して純度が99.6%以上の酸素ガスが得られる。流量制御弁によって酸素ガスの流量を制御し、酸素ランスによってガラス窯炉3に送り込む。中小型ガラス窯炉に対して圧力スイング吸着法を採用して酸素を製造する。空気が昇圧された後、分子ふるい吸着塔の吸着層を通過する時、窒素分子が優先的に吸着され、酸素分子が気相に残されて酸素ガス製品になる。吸着剤における窒素成分の吸着が飽和に達した場合、減圧又は真空引きの方法を利用して吸着剤表面に吸着された窒素分子を脱着し且つ境界領域外に送り出し、吸着剤の吸着能力が回復することに達する。それにより酸素、窒素を分離して純度が90~95%の酸素ガスを取得し、流量制御弁で酸素ガスの流量を制御し、酸素ランスを介してガラス窯炉3に送り込む。
非触媒転化炉A4と非触媒転化炉B5はガラス窯炉3の両側に設けられ、ガラス窯炉3と連通する。非触媒転化炉A4、非触媒転化炉B5は煙道ガス回収装置7の入口に切り替えて接続され、煙道ガス回収装置7の出口は煙突8、高温煙道ガスファン6にそれぞれ接続される。高温煙道ガスファン6は非触媒転化炉A4の底部、非触媒転化炉B5の底部と切り替えて接続する。
天然ガス供給装置2は非触媒転化炉A4の底部、非触媒転化炉A4の上部、非触媒転化炉B5の底部、非触媒転化炉B5の上部、ガラス窯炉3と切り替えて接続される。
酸素ガス供給装置1はガラス窯炉3に接続される。
高温煙道ガスファン6と非触媒転化炉A4の底部、非触媒転化炉B5の底部にそれぞれ接続された配管に酸素ガス含有量分析装置、流量計、温度センサ及び圧力センサが設けられる。天然ガス供給装置2と非触媒転化炉A4の底部、非触媒転化炉A4の上部、非触媒転化炉B5の底部、非触媒転化炉B5の上部、ガラス窯炉3にそれぞれ接続された配管に流量調整弁及び圧力センサが設けられる。酸素ガス供給装置1とガラス窯炉3に接続された配管に流量調整弁と圧力センサが設けられる。
【0032】
好ましくは、本システムはさらにスマート制御システムを含み、非触媒転化炉A4/B5の切り替えを制御することと、天然ガスが非触媒転化炉A4/B5、ガラス窯炉3に切り替えられて入るのを制御することとを含むために用いられる。切り替え模式図は図3に示す。酸素ガスがガラス窯炉3に入る流量を調整し、循環煙道ガスが非触媒転化炉A4/B5に入る流量を調整し、天然ガスが非触媒転化炉A4/B5、ガラス窯炉3に入る流量を調整し、それによりガラス窯炉3の炉温・炉圧を制御する。
【0033】
図4に示すように、燃焼時に以下のステップを含む。
1)初期段階で空気を利用して助燃し、空気は非触媒転化炉A4からガラス窯炉3に入り、天然ガスは直接ガラス窯炉3に入る。空気と天然ガスはガラス窯炉3内で燃焼し、燃焼により発生した煙道ガスは非触媒転化炉B5を経て、非触媒転化炉B5を昇温・蓄熱させ、さらに煙道ガス回収装置7に入り熱を回収し、除塵し、脱硫し、その後高温煙道ガスファン6により非触媒転化炉A4に導入し、さらにガラス窯炉3に入る。同時にガラス窯炉3内にも酸素ランスによって酸素ガスを導入し、循環煙道ガスと酸素ガスとを混合して(炭素系酸素富化)助燃を行い、徐々に空気を代替して助燃する。一定時間後、非触媒転化炉A4/B5を切り替え、空気は非触媒転化炉B5からガラス窯炉3に入り、天然ガスは直接ガラス窯炉3に入り、空気と天然ガスはガラス窯炉3内で燃焼する。燃焼により発生した煙道ガスは非触媒転化炉A4を経て、非触媒転化炉A4を昇温・蓄熱させ、さらに煙道ガス回収装置7に入り熱を回収し、除塵し、脱硫し、その後高温煙道ガスファン6により非触媒転化炉B5に導入し、さらにガラス窯炉3に入る。同時にガラス窯炉3内にも酸素ランスによって酸素ガスを導入し、循環煙道ガスと酸素ガスとを混合して助燃を行い、徐々に空気を代替して助燃する。このように循環的に切り替える。一定時間の循環を経て、循環煙道ガスは水蒸気と二酸化炭素を豊富に含み、循環煙道ガスと酸素ガスは空気を完全に代替して助燃し、システムは正常な運転状態に入る。
2)転化と改質段階:0~17分は転化と改質段階である。循環煙道ガスにおける酸素ガス含有量が設定含有量の限界値2%以下である場合、循環煙道ガスは非触媒転化炉A4の底部から炉内に入り、天然ガスも非触媒転化炉A4の底部から炉内に入り、天然ガスは循環煙道ガスにおける水蒸気及び二酸化炭素と転化・改質反応を発生させ、水素ガスと一酸化炭素すなわち高発熱量の水性ガスを生成し(転化・改質反応は、750°C以上で行え、触媒は不要)、ガラス窯炉3に送り込む。酸素ガスを酸素ランスによってガラス窯炉3に送り込み、酸素ガスと、非触媒転化で生成された一酸化炭素及び水素ガス、少量の転化・改質反応が発生していない天然ガスはガラス窯炉3内で燃焼反応が発生する。循環煙道ガスにおける酸素ガス含有量が設定含有量の限界値2%より大きい場合、循環煙道ガスは非触媒転化炉A4の底部から炉内に入り、天然ガスは非触媒転化炉A4の上部、すなわち非触媒転化炉A4の頂部から約1/5~1/3の位置から炉内に入り、天然ガスは循環煙道ガスにおける水蒸気及び二酸化炭素と転化・改質反応を発生させ、水素ガスと一酸化炭素すなわち高発熱量の水性ガスを生成し、ガラス窯炉3に送り込む。酸素ガスを酸素ランスによってガラス窯炉3に送り込む。酸素ガスと、非触媒転化で生成された一酸化炭素及び水素ガス、少量の転化・改質反応が発生していない天然ガスはガラス窯炉3内で燃焼反応が発生する。
3)煙道ガスを吹き飛ばす段階:18~20分が煙道ガスを吹き飛ばす段階である。転化と改質段階が終了した後、天然ガスを直接ガラス窯炉3に入るように切り替え、循環煙道ガスは非触媒転化炉A4の底部から炉内に入り、転化された残留可燃ガスを吹き飛ばし、置換し、ガラス窯炉3に入り、酸素ガスを酸素ランスによってガラス窯炉3に送り込み、燃焼反応を発生させる。
4)転化炉昇温段階:0~20分は転化炉の昇温段階である。転化と改質段階、及び煙道ガスを吹き飛ばす段階において、ガラス窯炉3出口の高温煙道ガスは非触媒転化炉B5に入り、炉内を昇温・蓄熱させ、さらに煙道ガス回収装置7に入って熱を回収し、除塵し、脱硫した後に、約20~30%の煙道ガスは高温煙道ガスファン6によって0.05~0.2MPaまでに加圧された後に非触媒転化炉A4に導入して循環し、残りは煙突8から排出され又はCCUSを行う。
5)20分ごとに非触媒転化炉A/Bを切り替え、非触媒転化炉A4/B5を切り替え、すなわち非触媒転化炉B5は転化と改質反応を発生させ、非触媒転化炉A4は昇温して蓄熱する。こうして循環的に切り替える。煙道ガス循環量は総煙道ガス量の約20~30%を占める。
【0034】
好ましくは、ガラス窯炉3のケイ砂、ソーダ灰、ドロマイト、石灰石、芒硝等の原料はガラス窯炉3に入る時に空気を同伴して吸着し、循環煙道ガスを利用して原料供給システムに対して隔離及び置換を行い、原料型窒素酸化物の発生を回避する。循環煙道ガスを利用してガラス窯炉3の風漏れしやすい部位を隔離し、ガラス窯炉3の風漏れしやすい部位はガラス窯炉の投入口、火炎観察口、煙道などを含み、隔離方法はガスシール、ガスカーテンなどを含み、サーマル窒素酸化物(thermal nitrogen oxides)の発生を回避する。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】