(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(54)【発明の名称】カルーセル型シングルスピンドルマルチタスク装置
(51)【国際特許分類】
B23Q 9/02 20060101AFI20230901BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20230901BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
B23Q9/02 Z
B25J13/00 Z
B23Q17/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501513
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(85)【翻訳文提出日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 EP2020069158
(87)【国際公開番号】W WO2022008039
(87)【国際公開日】2022-01-13
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522479290
【氏名又は名称】セティ-テック
【氏名又は名称原語表記】SETI-TEC
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】ペレイラ,サント,セバスティアン
【テーマコード(参考)】
3C029
3C707
【Fターム(参考)】
3C029EE01
3C707AS12
3C707CY36
3C707DS01
3C707FS01
3C707FT11
3C707GS01
3C707HS27
3C707KS29
3C707KS35
(57)【要約】
本発明は、マルチタスク装置であって、上記装置を、加工対象の構造体に対して少なくとも部分的に空間内で上記マルチタスク装置を移動させることができるモータ駆動式ハンドリング手段に固定する手段と、上記装置を、上記加工対象の構造体に固定する手段と、少なくとも2つの機能モジュールであって、機能モジュールのそれぞれが、所与のタスクを達成することを可能にすることができる少なくとも1つの可動部材を備える、少なくとも2つの機能モジュールとを備え、上記装置は、上記機能モジュールを駆動及び制御する単一の駆動及び制御アセンブリを備え、上記駆動及び制御アセンブリは、単一の駆動スピンドルと、上記スピンドルの運動を駆動することが可能な駆動手段と、上記機能モジュールの動作の少なくとも1つの特性を示す少なくとも1つの物理パラメータを測定する測定手段と、上記駆動手段及び上記測定手段を制御する制御手段とを備え、上記装置は、運動を伝達する目的で、上記単一の駆動スピンドルを上記機能モジュールの上記少なくとも1つの可動部材に交互に接続することができる連結ギアを更に備える、装置に関する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチタスク装置であって、
前記装置を、加工対象の構造体に対して少なくとも部分的に空間内で当該マルチタスク装置を移動させることができるモータ駆動式ハンドリング手段に固定する手段と、
前記装置を、前記加工対象の構造体に固定する手段と、
少なくとも2つの機能モジュールであって、該機能モジュールのそれぞれが、所与のタスクを達成することを可能にすることができる少なくとも1つの可動部材を備える、少なくとも2つの機能モジュールと、
を備え、
前記装置は、前記機能モジュールを駆動及び制御する単一の駆動及び制御アセンブリを備え、前記駆動及び制御アセンブリは、
単一の駆動スピンドルと、
前記スピンドルの運動を駆動することが可能な駆動手段と、
前記機能モジュールの動作の少なくとも1つの特性を示す少なくとも1つの物理パラメータを測定する測定手段と、
前記駆動手段及び前記測定手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記装置は、運動を伝達する目的で、前記単一の駆動スピンドルを前記機能モジュールの前記少なくとも1つの可動部材に交互に接続することができる連結ギアを更に備える、装置。
【請求項2】
前記連結ギアは、前記スピンドルと、前記連結された機能モジュールの前記少なくとも1つの可動部材との間の直接接続を確実にする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スピンドルと前記連結された機能モジュールの前記少なくとも1つの可動部材との間の運動を変換する手段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記モータ駆動式ハンドリング手段は、
ロボットと、
デジタル穿孔グリッドと、
を含む群に属する、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記測定手段は、前記機能モジュールの動作の少なくとも1つの特性を示す少なくとも1つのパラメータを測定することが可能であり、前記少なくとも1つの特性は、
前記連結されたモジュールの前記少なくとも1つの可動部材にかかるトルクと、
前記連結されたモジュールの前記少なくとも1つの可動部材にかかる軸方向力と、
前記連結されたモジュールの前記少なくとも1つの可動部材の角度位置と、
前記連結されたモジュールの前記少なくとも1つの可動部材の軸方向位置と、
を含む群に属する、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記駆動手段は、前記スピンドル及び前記スピンドルに連結された機能モジュールの前記少なくとも1つの可動部材の運動を駆動することができる少なくとも1つの電気モータを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記モータによって消費される電気強度を測定する手段と、前記測定された電気強度に応じて、連結されたモジュールの前記少なくとも1つの可動部材にかかるトルク及び/又は軸方向力を判定する手段とを備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのモータはロータを備え、前記測定手段は、前記ロータの角度位置を測定する少なくとも1つのセンサを備え、前記制御手段は、前記測定されたロータの角度位置に応じて、前記スピンドルに連結された機能モジュールの前記少なくとも1つの可動部材の角度位置及び/又は軸方向位置を判定する手段を備える、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記駆動手段は、前記少なくとも1つのモータを前記単一の駆動スピンドルに接続するギアシステムを備え、前記測定手段は、連結されたモジュールの前記少なくとも1つの可動部材にかかるトルク及び/又は軸方向力、及び/又は連結されたモジュールの前記少なくとも1つの可動部材の角度及び/又は軸方向位置の判定を可能にすることができる、前記ギアシステムに組み込まれた少なくとも1つのトルク及び/又は力及び/又は位置センサを備える、請求項6~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記機能モジュールを前記駆動スピンドルの延長上にルーティングする手段を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記ルーティング手段は、回転移動可能に取り付けられ、複数の機能モジュールを支持する手段を備える少なくとも1つのカルーセルを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのカルーセルを回転駆動する手段を備え、前記回転駆動手段は、前記カルーセルとともにラチェットホイール型アセンブリを形成する少なくとも1つの可動駆動歯止めを備え、前記回転駆動手段は、前記可動駆動歯止めを前記カルーセルの回転軸に直交する軸に沿って移動させる手段を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ルーティング手段は、並進移動可能な少なくとも1つの支持部材を備え、複数の機能モジュールを支持する手段を含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記連結ギアを遠隔的に起動/停止する手段を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記駆動スピンドルは、同じ軸に沿って回転移動可能及び並進移動可能に取り付けられ、前記駆動手段は、少なくとも1つのモータと、前記駆動スピンドルを前記少なくとも1つのモータに接続する1つのギアシステムとを備え、前記ギアシステムは、
前記軸に沿って前記スピンドル上に形成されたスプライン部分に対して相補的な形状のスプライン部分を備える回転駆動ヨークと、
前記軸に沿った螺旋接続によって前記駆動スピンドルに接続された並進駆動リングと、
を備える、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記駆動スピンドルの延長上に配置された、前記加工対象の構造体に圧力を加えることが可能な少なくとも1つの押圧要素と、前記加工対象の構造体の方向に前記押圧要素を移動させる手段とを備え、前記押圧要素を移動させる前記手段は、前記スピンドルの延長上に配置された機能モジュールを介して前記押圧要素に作用する、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記機能アセンブリのうちの少なくとも1つは、機能アセンブリを摺動可能に収容するシースを備え、前記機能アセンブリは、前記シース内における前記機能アセンブリの並進を阻止する手段を更に備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、特に航空産業に関して、加工対象の構造体に対して様々なタスクを実行するために産業において実装される装置の設計及び製造の分野である。
【背景技術】
【0002】
多くの装置は、一般に、加工対象の構造体に対して異なるタスク又は作業を実行するように実装される。これは、例えば、穿孔、皿もみ加工、仮止め具の設置、リベットをマスチックでコーティングしてからこのリベットを上記構造体に穿孔された穴に設置すること、又は任意の他の作業であり得る。
【0003】
例えば航空機等の複雑な構造体に対してタスクを実行することを可能にするために、可搬式の装置が開発されてきた。
【0004】
これらの装置は、特に、ロボットアームの端部に配置され、加工対象の構造体に対して操作及び移動される工具を備えるタイプの装置を含み、装置は、タスクの達成に起因してロボットアームを解放する力を取り戻すように、加工対象の構造体に工具を固定することを可能にする手段を備える。
【0005】
特許文献1には、このタイプの装置が記載されており、この装置は、ロボットアームの端部に配置された穿孔機と、タスクを達成するのに必要な時間にわたり、加工対象の構造体の表面に工具をスナップ嵌めすることでそれらを固定することを可能にする手段とを備える。
【0006】
また、「歩行」ロボットと呼ばれるロボット、特にヘキサポッドに固定された工具を備え、加工対象の構造体に対して工具を操作及び移動することを可能にするタイプの装置も知られている。
【0007】
特許文献2には、ヘキサポッドロボット上に取り付けられた穿孔機を備えるこのタイプの装置が記載されており、この装置は、加工対象の構造体をロボット及び工具に交互に固定することを可能にする吸引カップを備える。
【0008】
また、吸引カップによって加工対象の構造体に固定することができる直交レール(xレール及びyレール)を一体化したフレームを備えるタイプの装置も知られている。これらのレールは、加工対象の構造体に対して工具をモータ駆動式に案内することを可能にし、この構造体の異なる箇所でタスクを連続的に達成することを可能にする。このタイプの装置は、ボアを作るために使用される場合には、一般に「デジタルグリッド」又は「デジタル穿孔グリッド」と呼ばれる。
【0009】
特許文献3には、このタイプの装置が記載されている。
【0010】
これらのタイプの装置は、特に航空機の胴体等の複雑な構造体に対してタスクを実行するために効果的に介入することを可能にするという点で有利である。
【0011】
それらは、加工対象の構造体に工具を固定することを可能にする手段(吸引カップ、機械的接続システム等)の実装を考慮して、工具を移動させるために実装される移動手段(ロボット、アクチュエータ、モータ駆動部、ギアシステム等)を解放することを更に可能にする。これにより、これらの移動手段のサイズを小さくすることができ、したがって、それらの空間要件及びコストを低減することができる。
【0012】
加工対象の構造体に工具を固定する手段は、タスクの実行中の工具の安定性を向上させ、したがって、このタスクが達成される精度を向上させることも可能にする。
【0013】
それでも、これらのタイプの装置にはいくつかの欠点がある。
【0014】
特に、これらの装置は、あまり多用途ではない。実際に、これらの装置は、1つのタイプの工具、例えば、穿孔装置のみを搭載するものであり、そのため、これらの装置は、1つのタイプのタスク、この場合においては穿孔を実行することのみを可能にする。したがって、同じ構造体に対して、いくつかのタイプのタスク、例えば、穿孔してからリベットを設置するタスクを実行することが望ましい場合、第1のタスクを実行した後に第1の工具を取り外し、次のタスクを実行することができる別の工具と交換して進める必要がある。これはやや非実用的であり、生産性の低下につながる。
【0015】
いくつかのタイプの工具を、特にロボットアームの端部に搭載するための解決策が考案されている。しかしながら、このタイプの装置は、実施するには嵩高であり、複雑であり、高価である。
【0016】
したがって、このタイプの装置を改善することが依然として可能であり、これは、本発明によって追求される目的を構成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第5088171号公報
【特許文献2】仏国特許第2809034号公報
【特許文献3】国際公開第2003/49899号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、特に、これらの異なる問題の少なくともいくつかに対する効果的な解決策を提供することである。
【0019】
特に、少なくとも1つの実施の形態によれば、本発明の目的は、異なるタイプのタスクを実行することを可能にすることができ、したがって、必要な工具を設置するために2つの異なるタスク間で工具を変更する作業を実行する必要がない、多用途な装置を提供することである。
【0020】
本発明の目的は、少なくとも1つの実施の形態によれば、コンパクト及び/又は軽量であり、その結果、窮屈な空間内でタスクを実行することを可能にするような装置を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、少なくとも1つの実施の形態によれば、設計が簡単となるような装置を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、少なくとも1つの実施の形態によれば、保守が簡単となるような装置を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、少なくとも1つの実施の形態において、比較的安価となるような装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この目的のために、本発明は、マルチタスク装置であって、
-上記装置を、加工対象の構造体に対して少なくとも部分的に空間内で上記マルチタスク装置を移動させることができるモータ駆動式ハンドリング手段に固定する手段と、
-上記装置を、上記加工対象の構造体に固定する手段と、
-少なくとも2つの機能モジュールであって、上記機能モジュールのそれぞれが、所与のタスクを達成することを可能にすることができる少なくとも1つの可動部材を備える、少なくとも2つの機能モジュールと、
を備える、マルチタスク装置を提案する。
【0025】
このような装置は、上記機能モジュールを駆動及び制御する単一の駆動及び制御アセンブリを備え、上記駆動及び制御アセンブリは、
-単一の駆動スピンドルと、
-上記スピンドルの運動を駆動することが可能な駆動手段と、
-上記機能モジュールの動作の少なくとも1つの特性を示す少なくとも1つの物理パラメータを測定する測定手段と、
-上記駆動手段及び上記測定手段を制御する制御手段と、
を備える。
【0026】
このような装置は、運動を伝達する目的で、上記単一の駆動スピンドルを上記機能モジュールの上記少なくとも1つの可動部材に交互に接続することができる、連結ギアを更に備える。
【0027】
したがって、この態様によれば、本発明は、例えば吸引カップによって加工対象の構造体に固定することができ、ロボットアーム、歩行ロボット、又はデジタルグリッド等のモータ駆動式ハンドリング手段によってこの構造体に対して移動させることができる、マルチタスク装置を提案する。この装置は、例えば、穿孔、皿もみ加工、リベット又はねじ等の組付け要素に対するマスチックのコーティング、リベットの設置、仮止め具(例えば、クリップ)の設置等、別個のタイプのタスクの実行をそれぞれが可能にする、いくつかの機能モジュールを搭載しているという点でマルチタスクである。
【0028】
このような装置は、機能モジュールを駆動及び制御する単一の駆動及び制御アセンブリを備えているという点で特に独創的である。
【0029】
この駆動及び制御アセンブリは、特に、単一の駆動スピンドルと、上記スピンドルの運動を駆動する駆動手段とを備える。
【0030】
この装置は、運動を伝達する目的で、単一の駆動スピンドルを、搭載された機能モジュールの可動部材に交互に接続することが可能な連結ギアを備える。したがって、機能モジュールは、モータ駆動部を備えていない。機能モジュールは、それぞれ、単一の駆動及び制御アセンブリの同じスピンドル及び同じモータ駆動部によって交互に動作するように駆動される。
【0031】
同様に、単一の駆動及び制御アセンブリは、装置の「知能(intelligent)」部分の少なくとも大部分が単一の駆動及び制御アセンブリに統合されるように、機能モジュールの動作の少なくとも1つの特性を示す少なくとも1つの物理パラメータを測定する手段と、駆動手段及び測定手段を制御する手段とを備え、その結果、機能モジュールは、それらの機能を実行するために必要とされる必須要素、すなわち、出力部材(複数の場合もある)、及び、スピンドルの運動をその出力部材(複数の場合もある)に伝達し、適切な場合には修正することを可能にする機械要素のみを含む。
【0032】
したがって、機能モジュールは、本発明によれば、極めて簡単なアーキテクチャを有する。したがって、機能モジュールは、特に堅牢である。機能モジュールは、更にコンパクト及び軽量である。これにより、装置の全体的な空間要件及びそのコストに影響を与えることになる、過度に大きなハンドリング手段を必要とすることなく、多数の機能モジュールを搭載することが可能となる。
【0033】
駆動手段、測定手段、及び制御手段を全てひとまとめにした単一の駆動及び制御アセンブリ、並びに機能モジュールのそれぞれを駆動するために使用される単一の駆動スピンドルを使用することにより、実装される構成部品の数が低減され、アーキテクチャが単純化され、したがって、特に装置の堅牢性、信頼性、及びコンパクト性を改善することが可能となる。
【0034】
したがって、本発明に係る装置は、生産性の向上に寄与する大きな汎用性、窮屈な環境においてタスクを実行することを可能にする良好なコンパクト性、メンテナンス作業の頻度を低減するとともに生産性の向上に関与する大きな単純性及び堅牢性から、並びに特にハンドリング手段のサイズを低減することを可能にする或る特定の軽さから利益を得る。
【0035】
1つのあり得る特徴によれば、上記連結ギアは、上記スピンドルと連結された機能モジュールの上記少なくとも1つの可動部材との間の直接接続を確実にする。
【0036】
1つのあり得る特徴によれば、本発明に係る装置は、上記スピンドルと上記連結された機能モジュールの上記少なくとも1つの可動部材との間の運動を変換する手段を備える。
【0037】
1つのあり得る特徴によれば、上記モータ駆動式ハンドリング手段は、
-ロボットと、
-デジタル穿孔グリッドと、
を含む群に属する。
【0038】
1つのあり得る特徴によれば、上記測定手段は、上記機能モジュールの動作の少なくとも1つの特性を示す少なくとも1つのパラメータを測定することが可能であり、少なくとも1つの特性は、
-連結されたモジュールの上記少なくとも1つの可動部材にかかるトルクと、
-連結されたモジュールの上記少なくとも1つの可動部材にかかる軸方向力と、
-連結されたモジュールの上記少なくとも1つの可動部材の角度位置と、
-連結されたモジュールの上記少なくとも1つの可動部材の軸方向位置と、
を含む群に属する。
【0039】
1つのあり得る特徴によれば、上記駆動手段は、上記スピンドル及び上記スピンドルに連結された機能モジュールの上記少なくとも1つの可動部材の運動を駆動することができる少なくとも1つの電気モータを含む。
【0040】
1つのあり得る特徴によれば、上記制御手段は、上記モータによって消費される電気強度を測定する手段と、測定された電気強度に応じて、連結されたモジュールの上記少なくとも1つの可動部材にかかるトルク及び/又は軸方向力を判定する手段とを備える。
【0041】
1つのあり得る特徴によれば、上記少なくとも1つのモータはロータを備え、上記測定手段は、上記ロータの角度位置を測定する少なくとも1つのセンサを備え、上記制御手段は、上記測定されたロータの角度位置に応じて、上記スピンドルに連結された機能モジュールの上記少なくとも1つの可動部材の角度位置及び/又は軸方向位置を判定する手段を備える。
【0042】
1つのあり得る特徴によれば、上記駆動手段は、上記少なくとも1つのモータを上記単一の駆動スピンドルに接続するギアシステムを備え、上記測定手段は、連結されたモジュールの上記少なくとも1つの可動部材にかかるトルク及び/又は軸方向力、及び/又は連結されたモジュールの上記少なくとも1つの可動部材の角度及び/又は軸方向位置の判定を可能にすることができる、上記ギアシステムに組み込まれた少なくとも1つのトルク及び/又は力及び/又は位置センサを備える。
【0043】
1つのあり得る特徴によれば、本発明に係る装置は、上記機能モジュールを上記駆動スピンドルの延長上にルーティングする手段を備える。
【0044】
1つのあり得る特徴によれば、上記ルーティング手段は、回転移動可能に取り付けられ、複数の機能モジュールを支持する手段を備える少なくとも1つのカルーセルを含む。
【0045】
1つのあり得る特徴によれば、本発明に係る装置は、上記少なくとも1つのカルーセルを回転駆動する手段を備え、上記回転駆動手段は、上記カルーセルとともにラチェットホイール型アセンブリを形成する少なくとも1つの可動駆動歯止めを備え、上記回転駆動手段は、上記可動駆動歯止めを上記カルーセルの回転軸に直交する軸に沿って移動させる手段を備える。
【0046】
1つのあり得る特徴によれば、上記ルーティング手段は、並進移動可能な少なくとも1つの支持部材を備え、複数の機能モジュールを支持する手段を含む。
【0047】
1つのあり得る特徴によれば、本発明に係る装置は、上記連結ギアを遠隔的に起動/停止する手段を備える。
【0048】
1つのあり得る特徴によれば、上記駆動スピンドルは、同じ軸に沿って回転移動可能及び並進移動可能に取り付けられ、上記駆動手段は、少なくとも1つのモータと、上記駆動スピンドルを上記少なくとも1つのモータに接続する1つのギアシステムとを備え、上記ギアシステムは、
-上記軸に沿って上記スピンドル上に形成されたスプライン部分に対して相補的な形状のスプライン部分を備える回転駆動ヨークと、
-上記軸に沿った螺旋接続によって上記駆動スピンドルに接続された並進駆動リングと、
を備える。
【0049】
1つのあり得る特徴によれば、本発明に係る装置は、上記駆動スピンドルの延長上に配置された、上記加工対象の構造体に圧力を加えることが可能な少なくとも1つの押圧要素と、上記加工対象の構造体の方向に上記押圧要素を移動させる手段とを備え、上記押圧要素を移動させる上記手段は、上記スピンドルの延長上に配置された機能モジュールを介して上記押圧要素に作用する。
【0050】
1つのあり得る特徴によれば、本発明に係る装置は、上記機能アセンブリのうちの少なくとも1つを備え、上記機能アセンブリのうちの少なくとも1つは、機能アセンブリを摺動可能に収容するシースを備え、上記機能アセンブリは、上記シース内における上記機能アセンブリの並進を阻止する手段を更に備える。
【0051】
本発明の他の特徴及び利点は、簡単な例示的であって非限定的な例として与えられる特定の実施形態についての以下の説明、及び添付の図面を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図2】スピンドルの軸を通る平面に沿った
図1の装置の断面図である。
【
図4】
図3の装置の平面A-Aに沿った
図1の装置を示す図である。
【
図5】本発明に係る装置を加工対象の構造体に固定する吸引パッドの装置の第1の変形例を示す図である。
【
図6】本発明に係る装置のカルーセルのスピンドル及び回転ガイドシャフトを通る平面に沿った部分断面図である。
【
図7】本発明に係る装置のカルーセルの回転ガイドシャフトの斜視図である。
【
図9】別のリベット支持モジュールの断面図である。
【
図12】
図2の装置の平面D-Dに沿った断面図である。
【
図13】
図2の装置の平面E-Eに沿った断面図である。
【
図14】
図2の装置の平面B-Bに沿った断面図である。
【
図15】
図2の装置の平面C-Cに沿った断面図である。
【
図16】本発明に係る装置のカルーセルの回転軸を通る平面に沿った斜視部分断面図である。
【
図17】別の角度から見た
図1の装置を示す図である。
【
図18】異なる吸引装置を伴う、
図17の装置を示す図である。
【
図19】本発明に係る装置を加工対象の構造体に固定するために実装される、Cクランプの一例を示す図である。
【
図23】本発明に係る汎用固定装置の部分図である。
【
図24】副カルーセルにおける
図1の装置の詳細斜視図である。
【
図25】副カルーセルのI-I軸に沿った断面図である。
【
図26】副カルーセルのJ-J軸に沿った断面図である。
【
図27】クイック連結ギアにおける装置の長手方向断面の部分図である。
【
図34】コーティングステーションの部分断面図である。
【
図36】コーティングステーションにおけるリベット支持モジュールの部分断面図である。
【
図37】親ねじ及びコーティングステーションシューを示す図である。
【
図38】コーティングステーションの詳細図である。
【
図39】コーティングステーションの変形例を示す図である。
【
図42】コーティング中の所与のサイズのリベット支持モジュールの長手方向断面図を示す。
【
図43】コーティング中の
図42とは異なる所与のサイズのリベット支持モジュールであって、ヘッドと本体とを接続するゾーンがノズルに対して
図42のモジュールと同じ相対位置に位置する、リベット支持モジュールの長手方向断面図である。
【
図44】仮止め具装填ステーションにおける長手方向断面図である。
【
図47】ワークステーションの長手方向断面を透視して示す部分図である。
【
図48】クイック連結ギアにおけるワークステーションの長手方向断面の部分図である。
【
図49】主スピンドルと副スピンドルとを並進接続する手段の長手方向断面の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明に係るマルチタスク装置の例を
図1~
図50に関連して説明する。
【0054】
これらの図に示されているように、このようなマルチタスク装置1は、ラック2を備える。
【0055】
このラック2は、加工対象の構造体(図示せず)に対して移動することができるように固定されることが意図されたモータ駆動式ハンドリング装置(図示せず)に固定する手段3を備える。
【0056】
これらのモータ駆動式ハンドリング手段は、
-ロボットアーム、
-歩行ロボット、
-デジタルグリッド、
を含む群に属する。
【0057】
図示の例においては、これらは、ロボットアームに固定する手段3である。これらの固定手段は、ロボットアームの端部における固定ボルトの通過を可能にする複数の穴32が貫通するプレート31を備える。他の固定手段、例えば、カラー、クランプ、又はカムシステムのタイプのクイック固定手段が実装され得る。
【0058】
デジタルグリッドの場合、締結手段は、例えば、ボルト、カラー、又はデジタルグリッドのレール内に案内することができるローラが設けられたクレードルに固定する他の手段を含む。
【0059】
加工対象の構造体に固定する手段
装置は、加工対象の構造体に固定する手段4を備える。
【0060】
これらの固定手段は、異なるタイプのものとすることができる。
【0061】
固定手段は、例えば、加工対象の構造体の表面への固定を向上させるために、例えば真空ポンプ等の真空手段に接続することが可能な、ラック2に固定された吸引カップ41を備えることができる。
【0062】
吸引カップは、支持体にグループで固定することができ、したがって、吸引パッドを形成する。
図1、
図17及び
図18には2つの吸引パッドが示されているが、この数は2つよりも多くてもよい。
【0063】
吸引カップは、
図18に示されているようにスピンドル51(後で詳細に説明する)の一方の側にオフセットさせることができる、又はスピンドル51の周りに分散させることができる(
図17参照)。
【0064】
代替的に、吸引カップは、例えば
図19に示されているような、現行技術水準において知られているクランプCを更に含み得る。
【0065】
加工対象の構造体に固定する手段は、ラックに恒久的に固定することができる。代替的に、加工対象の構造体に固定する手段は、汎用可逆締結手段100を介してラックに固定することができる。
【0066】
加工対象の構造体に固定する手段を締結する汎用可逆手段
汎用可逆固定手段100は、締結プレート101を備える。
【0067】
吸引カップ41の場合、締結プレート101は、吸引カップを担持するキャリア構造体に固定される。
【0068】
クランプC42の場合、締結プレート101は、クランプCのバー420の遠位端に固定される。
【0069】
この締結プレート101は、1つの平面において本質的に矩形の断面を有し、第1の平面に直交する別の平面において2つの側方溝102を有する断面を有する。
【0070】
これらの側方溝102は、締結プレート101の全体に沿って延在し、締結プレート101の溝付き部分の厚さがプレートの端部から内部に向かって厚くなる傾向となるように傾斜面103を備える。
【0071】
汎用可逆締結手段は、締結プレート101の溝付き端部に対して相補的な形状を有する一対の顎部104を備える。
【0072】
このため、これらの顎部104は、それぞれ、締結プレート101の対応する溝付き端部を受け入れることが可能なハウジング105を画定する。したがって、これらのハウジング105は、それぞれ、2つの対向する面を有し、一方の面は、締結プレートの対応する溝の傾斜角と実質的に同一の角度で他方の面に対して傾斜する。
【0073】
各顎部は、ジャッキ109のシリンダ106に固定され、そのピストン108のロッド107は、顎部104を貫通してラックに固定される。
【0074】
顎部104は、少なくとも、
-加工対象の構造体に締結する手段をラックに固定するために、締結プレート101の溝付き端部の挿入を可能にするように顎部104が離間される固定解除位置と、
-加工対象の構造体に締結する手段をラックに固定するために、締結プレート101の溝付き端部を囲む(把持する)ように顎部104が合わせられる固定位置と、
の間で移動可能に取り付けられる。
【0075】
固定解除位置から固定位置への移動中、締結プレート101の溝付き端部の傾斜面は、対応する顎部104の傾斜面に対して徐々に摺動し、楔効果による固定を確実にする。
【0076】
所望の固定手段をラックに締結するために、ジャッキ109を作動させて、顎部104がそれらの固定解除位置に配置される。
【0077】
次いで、固定手段の締結プレート101が顎部104の間に挿入される。
【0078】
次いで、ジャッキ109を作動させ、顎部105が、それらが締結プレート101の溝付き端部を囲む固定位置に配置される。
【0079】
固定手段の固定解除は、逆に進めることによって得られる。
【0080】
機能モジュール
装置は、後でより詳細に説明する複数の機能モジュールを搭載し得る。
【0081】
これらの機能モジュールのそれぞれは、例えば、穿孔及び/又は皿もみ加工作業、リベットの設置作業、仮止め具(例えばクリップ)の設置作業、締結要素(リベット又はねじ)に対するシーリングマスチックのビードの除去(又はコーティング)作業等の特定のタスクを実行することを可能にする。ねじ締め等の他の機能も考えられる。
【0082】
穿孔及び/又は皿もみ加工モジュール
図2においてスピンドル51と整列して示されている機能モジュール9は、穿孔モジュールである。
【0083】
穿孔モジュールは、シース90を備える。
【0084】
このシース90は、管状の形状及び概して環状の断面を有する。
【0085】
シース90は、その側壁上に突出部を形成する側方フィンガ900を備える。
【0086】
シース90は、フィンガ900に対して、直径方向に対向するとともにシースの長手方向軸に沿ってオフセットして形成された側方溝901を備える。
【0087】
この穿孔モジュールは、出力シャフト91(すなわち、可動部材)を備え、出力シャフト91の端部には、ドリルビット92等の切削工具が、それ自体が既知の締結手段93によって固定され得る(場合によっては、皿もみ加工の実行を可能にするために段付きにされる)。切削工具は、例えば、単純な穴を作るための単純なドリルビット、段付きドリルビット、皿穴を作るための皿穴ドリルビット、以前に作られた穴を皿もみ加工するためのフライス工具とすることができる。
【0088】
出力シャフト91は、軸受94内で回転移動可能に取り付けられ、軸受94自体はブッシング95によってシース90に沿って摺動可能に取り付けられる。
【0089】
穿孔モジュールのシース90のフィンガ900は、ジャッキ904のピストン903が摺動可能に取り付けられたチャンバ902を収容する。ピストン903の端部905は、この効果でブッシング95内に形成された相補的な形状のハウジング950内に収容され得る。
【0090】
フィンガ900は、装置内に形成された加圧空気吸入導管907と連通して配置され得るジャッキ904の供給導管906によって延長され、フィンガ900は、装置ワークステーションに配置されたときに加圧空気吸入導管907と連通する。
【0091】
弾性戻し手段(図示せず)は、ピストン903を、その端部905がブッシング95の対応するハウジング950内に収容される位置に戻す傾向があり、それにより、ブッシング95がシース90の内部で並進するのを阻止し、その結果、機能モジュールがスピンドル51に連結されない限り、ブッシング95、軸受94、出力シャフト91、及びこれが支持する工具92がシース90から出るのを阻止する。
【0092】
端部905及び対応するジャッキ904は、シースの内部の機能モジュールの機能アセンブリの並進を阻止する手段を構成する。機能アセンブリは、シース内に並進自在に取り付けられた機能モジュールの全ての構成部品を備える。
【0093】
代替的に、弾性戻し手段は、端部905がシース90の内部に突出して、機能アセンブリが
図5又は
図6に示されている位置を超えてシースの内部で摺動することを防止する、ブッシング95の止め部を形成するように実装され得る。
【0094】
さらに、(ジャッキ904及び端部905の動作の2つの変形例において)スリーブは、その端部のそれぞれにおいて、それぞれが機能アセンブリのための端部止め部を形成する止めセグメント(図示せず)を収容する。したがって、機能的な穿孔モジュールアセンブリは、端部905がハウジング950内に、又は直接シース内に突出しない限り、これらの止めセグメントの間においてシースの内部で摺動することができる。
【0095】
穿孔モジュールは、ベル160を備え、ベル160は、出力シャフト91に固定され、運動を伝達する目的で出力シャフト91に連結される。このベルは、径方向穴161を備える。
【0096】
ねじ回しモジュールは、穿孔モジュールの構造と実質的に同一の構造で作ることができる。この場合、切削工具の締結手段93は、ソケット又はねじ回しインプリントを出力シャフトに固定する手段に置き換えられる。これは、スピンドル51の送りが、スピンドルの1回転当たりの送りがねじのピッチに実質的に等しくなるように駆動され、その結果、ソケット又はねじ回しインプリントがねじと同期して前進すると仮定することができる。伸縮は、挿入を可能にするために更に必要であり得る。
【0097】
リベット支持モジュール
リベット支持モジュール200は、リベットを保持することを可能にし、穿孔モジュールのように、シース90を備える。
【0098】
このシース90は、管状の形状及び概して環状の断面を有する。
【0099】
シース90は、その側壁上に突出部を形成する側方フィンガ900を備える。
【0100】
シース90は、フィンガ900に対して、直径方向に対向するとともにシースの長手方向軸に沿ってオフセットして収容された側方溝901を備える。
【0101】
スリーブは、管状要素201を収容し、管状要素201は、その端部のうちの一方に、シース90の一端に形成された相補的な形状の肩部203に当接するように設計された肩部202を有する。
【0102】
管状要素201の反対側の端部は、シース90の下部に形成された肩部204の近傍にあるが、この肩部とは接触しておらず、後でより明らかになるように、加圧空気が管状要素201の外面とシース90の内面との間を通過できるようになっている。
【0103】
チャンバを構成する管状要素201は、その中で並進移動可能に取り付けられたピストン205を収容する。
【0104】
ピストン205は、一端に、Oリング208を収容する周溝207が設けられたフランジ206を備える。このOリング208は、ピストン205と管状要素201との間の封止を確実にする。
【0105】
シース90の肩部204も、ピストン205とシース90との間の封止を確実にするOリング210を収容する内周溝209を備える。
【0106】
シース90の側方フィンガ900は、シースに沿って延在する空気導管を収容し、この空気導管は、装置に形成された加圧空気入口導管907と連通し得て、空気導管は、装置のワークステーションにあるときに加圧空気入口導管907と連通する。
【0107】
シース90の肩部204の内側に位置するピストン205の端部は、ハーフドッグ211を備え、その機能については後で説明する。
【0108】
ピストン205の他端は、ピストンの端部にリベットを保持する手段を構成する割りリング212を担持する。
【0109】
この割りリング212は、円錐形の内側ボアホール213を有しており、このボアホールの直径は、ピストン205の内側から外側に向かって狭まる。この円錐形部分213は、リベット216の頭部219の端部の形状に対して相補的な形状の内溝214に開口する。この溝214は、割りリング212の外部の方向に直径が狭くなる円錐形の内側部分215にも開口する。
【0110】
このリング212は、複数の長手方向溝(図示せず)を有し、後でより詳細に説明するように、リベットの挿入及び引抜き中にリング212を変形させることを可能にする。
【0111】
割りリング212は、後でより詳細に説明するように、リングの内径が拡大される解放状態からリングの内径が狭められる保持状態にリングを戻す傾向がある戻し手段機能を確実にするOリング又はばね(図示せず)等の弾性戻し要素を収容する少なくとも1つの外周溝217を備える。
【0112】
管状要素は、割りリングとともに、締結要素支持要素を形成する。
【0113】
ピストンは、リベットの通過を可能にする内側ボアホールによって貫通される。
【0114】
いくつかのリベット支持モジュールは、異なる直径及び異なるサイズの割りリングの内側ボアホールピストンを備えて、異なるサイズのリベットを保持することを可能にすることができる。
【0115】
ピストン205は、回転及び/又は並進駆動されるように設けられる。したがって、ピストン205は、可動部材を構成する。
【0116】
ピストン205は、その肩部207が、シースの肩部204の近傍に近接して位置する端部とは反対側に位置する管状要素201の端部に肩部207との当接を目的として設けられたサークリップ218に当接する第1の末端位置と、その肩部207がシースの肩部204に当接する第2の末端位置との間で、管状要素201内で並進移動可能である。
【0117】
リベット支持体のタイプのモジュールは、例えばねじ等の別のタイプの締結要素を支持するように実装することができる。この場合、割りリングは、当然ながら、リベットの頭部の形状ではなく、ねじの頭部の形状に適合された形状を有する。
【0118】
仮止め具支持モジュール
仮止め具支持モジュール300は、シース90を備える。
【0119】
このシース90は、管状の形状及び概して環状の断面を有する。
【0120】
シース90は、その側壁上に突出部を形成する側方フィンガ900を備える。
【0121】
シース90は、フィンガ900に対して、直径方向に対向するとともにシースの長手方向軸に沿ってオフセットして形成された側方溝901を備える。
【0122】
このフィンガ900は、シースに沿って延在する空気導管906を収容し、この空気導管は、装置に形成された加圧空気吸入導管907と連通し得て、空気導管は、装置のワークステーションにあるときに加圧空気吸入導管907と連通する。
【0123】
シース90は、管状要素301を収容する。この管状要素301は、その端部のうちの一方に肩部302を有し、肩部302は、シース90の内部においてその端部のうちの一方に形成された肩部303に当接する。
【0124】
管状要素301は、フィンガに形成された空気導管の近傍に位置する第2の肩部304を有する。この肩部は、管状要素のより小さい直径部分を画定する。
【0125】
管状要素301は、シースの内部においてシースの他端に形成された第2の肩部305の近傍に延在する別の端部を有する。しかしながら、空気の通過を可能にするために、2つの間に空間が形成される。
【0126】
管状要素301は、ピストン306を収容するチャンバを画定する。このピストン306は、その端部のうちの一方に、ピストン306と管状要素301との間の封止を確実にするOリング309を収容する周溝308を有する肩部307を備える。
【0127】
シース90の肩部305は、シース90とピストン306との間の封止を確実にするOリング311を収容する内周溝310を備える。
【0128】
ピストン306は、管状要素301及びシース90の内部で並進移動可能に取り付けられる。
【0129】
ピストン306は、第1のボアホール312を備え、第1のボアホール312は、その内部で並進移動可能及び回転移動可能に取り付けられた駆動管313(可動部材)を収容する。
【0130】
この駆動管313は、その端部のうちの一方に、半径方向穴161が貫通するベル160を画定するフランジ314を備える。
【0131】
例えば弾性ワッシャ又はばね等の弾性戻し手段315が、駆動管313のフランジ314とピストン306の肩部307との間に介在する。これらの戻し手段は、このフランジとこの肩部とを互いに離れるように移動させる傾向がある。
【0132】
駆動管及びピストンは、モジュール内において、少なくとも、
-駆動管及びピストンが上記モジュールの内部で延在する後退位置と、
-これらの要素のうちの少なくとも一方が、モジュール、すなわちシースの外部で少なくとも部分的に延在する展開位置と、
の間で並進移動可能に接続される。
【0133】
駆動管313のベル160は、第2のボアホール317と連通する第1の円筒形ボアホール316と連通する。
【0134】
この第2のボアホールは、第1のフリーホイール318を収容する。
【0135】
第2のボアホール317は、第3のボアホール320と連通する。第3のボアホール320は、係止要素321を収容し、係止要素321は、一方では、係止要素321を収容する目的のために駆動管313に設けられた溝323内に収容され、他方では、係止要素321を収容する目的のために係止要素321に設けられた溝324内に収容された、サークリップ322によって第3のボアホール320内に保持される。
【0136】
モジュールは、仮止め具をモジュール内に保持する手段を備える。これらの手段は、係止要素を保持する。
【0137】
係止要素321は、ボアホール325が貫通するリングの形態であり、突出する係止ラグ327を画定する偏心部326を有する。係止要素321は、係止要素321と駆動管313との間に介在する圧縮ばね等の戻し手段(図示せず)を収容する周ハウジング328を備える。係止要素321は、第3のボアホール320の内部で、駆動管313の長手方向軸に対して垂直な方向において横方向に、少なくとも、
-係止ラグ327の端部が駆動管313の長手方向軸から離れる(後退する)1つの静止位置と、
-係止ラグ327の端部が駆動管313の長手方向軸に近づく(モジュールの内部で展開される)係止位置と、
の間で移動可能である。
【0138】
圧縮ばねは、係止要素321を係止位置に戻す傾向がある。
【0139】
ピストン306の第1のボアホール312は、円筒形部分332に向かって狭まる円錐形部分331を備える第2のボアホール329と連通する。
【0140】
ピストン306の第2のボアホール329は、第3の貫通ボアホール333と連通する。
【0141】
この第3のボアホール333は、サークリップ335によって適所に保持された第2のフリーホイール334を収容する。Oリング336は、第3のボアホール333と第2のフリーホイール334との間の回転駆動を確実にする。
【0142】
後でより明らかになるように、第1のフリーホイール及び第2のフリーホイールは、相反する駆動能力を有する。
【0143】
単一の駆動及び制御アセンブリ
装置は、機能モジュールの単一の駆動及び制御アセンブリ5を備える。
【0144】
この駆動及び制御アセンブリ5は、主スピンドルと呼ばれる単一の駆動スピンドル51を備える。このスピンドルは、同じ軸に沿って、すなわち長手方向軸に沿って、回転移動可能及び並進移動可能に取り付けられる。したがって、スピンドルは、ワークステーションの方向において後退位置と展開位置との間で並進移動可能に取り付けられる。
【0145】
このアセンブリ5は、駆動スピンドル51の運動を駆動することが可能な駆動手段52も備える。
【0146】
この実施形態において、これらの駆動手段は、送りモータ510と回転モータ511とを備える。それらは、その軸に沿った並進運動及び/又は回転運動に従って送りモータ及び/又は回転モータを介してスピンドル51の運動を駆動することを可能にする伝動システムTも備える。
【0147】
このギアシステムは、並進駆動ヨーク512と回転駆動リング513とを備えるタイプのものである。
【0148】
回転駆動リング513は、スピンドル51の長手方向軸に沿ってスピンドル51に沿って形成された溝510に対して相補的な形状のコッタ5131を内周に備える内側ボアホールを有する。このようにして、スピンドル51及び回転駆動リング513は、スピンドルの軸に沿って回転するがこの軸に沿って自由に並進するように接続される。
【0149】
並進駆動ヨーク512は、スピンドルに沿って形成されたねじ付き部分511に対して相補的な形状のねじ付き内側ボアホール5121を有し、その結果、ねじ付き部分とねじ付き内側ボアホールとは、螺旋接続によって接続される。
【0150】
このタイプのギアシステムはそれ自体が既知であり、ここではより詳細には説明しない。
【0151】
このタイプのギアシステムの例は、特に欧州特許第2754531号に記載されており、これは、スピンドルの送り速度を送りモータの回転周波数のみに依存させるという利点を有する。
【0152】
同じ効果を生じさせる他のギアシステム構造が考えられ得る。
【0153】
このタイプのギアシステムは、スピンドルに対してモータ(複数の場合もある)を横方向にオフセットすることを可能にする。そして、モータ(複数の場合もある)は、スピンドルの延長上ではなく、スピンドルの隣に配置される。これは、装置のコンパクト性を向上させ、中心までの距離を減少させ、したがって壁の近くでタスクを行うことを可能にし、張出しを減少させることも可能にする。図示の例においては、モータの軸は、スピンドルの軸に対して本質的に平行である。変形例においては、これらのモータの一方若しくは他方又は両方が、スピンドルの軸に対して傾斜した、特に直交する軸を有してもよい。
【0154】
以下でより詳細に説明するように、装置は、駆動スピンドルと、ピンに連結された機能モジュールの少なくとも1つの可動部材とを、運動を伝達する目的で互いに交互に固定する連結ギアを備える。
【0155】
単一の駆動及び制御アセンブリ5は、従来、モータの動作を駆動するために必要な全ての構成部品と、装置の全てのアクチュエータ及び他のセンサとを備えるコントローラ53を備える。そのようなコントローラは、特に、装置を駆動し、異なるタスクを実行するために必要な全てのメモリ、プログラム(複数の場合もある)、及びプロセッサ(複数の場合もある)を備える。また、コントローラは、有線又は無線でデータを送受信することを可能にすることができる通信手段(送受信機)も含む。また、コントローラは、(インバータタイプの)モータに電力供給するために必要とされる構成部品を統合することもできる。また、コントローラは、命令を入力する手段(キーボード、マイクロフォン、マウス、タッチスクリーン等)、表示画面、音声信号を発する手段等を備えてもよい。そのようなコントローラは、全体的又は部分的に、ラックに固定されるか、又は或る距離を置いて配置され得る。
【0156】
単一の駆動及び制御アセンブリ5は、機能モジュールの動作の少なくとも1つの特性を表す少なくとも1つの物理パラメータを測定する手段を備える。これらのパラメータは、特に、少なくとも1つの以下の大きさを示すことができる。
-スピンドルに連結されたモジュールの少なくとも1つの可動部材に対する連結、
-スピンドルに連結されたモジュールの少なくとも1つの可動部材にかかる軸方向力、
-スピンドルに連結されたモジュールの少なくとも1つの可動部材の角度位置、
-スピンドルに連結されたモジュールの少なくとも1つの可動部材の軸方向位置。
【0157】
変形例において、制御手段は、モータ(複数の場合もある)によって消費される電気強度を測定する手段(電流センサ)530と、測定された電気強度に応じて、スピンドル、ひいてはスピンドルに連結された機能モジュールの1つ以上の出力部材にかかるトルク及び/又は軸方向力を判定する手段530とを備える。モータによって消費される電流に応じた力又はトルクを測定及び判定するこのタイプの手段は、それ自体が既知であり、詳細には説明しない。
【0158】
変形例において、制御手段は、モータ(複数の場合もある)のうちの1つ以上に統合された1つ以上の角度センサ531を備える。角度センサは、モータのロータの角度位置を測定するセンサである。そして、制御手段は、上記測定されたロータの角度位置に応じて、スピンドルに連結された機能モジュールの上記少なくとも1つの可動部材の角度位置及び/又は軸方向位置を判定する手段を備える。モータのロータの角度位置に応じて位置を測定及び判定するこのタイプの手段は、それ自体が既知であり、詳細には説明しない。
【0159】
変形例において、測定手段は、ギアシステムTに統合された少なくとも1つのトルク及び/又は力及び/又は位置センサ532を備え、スピンドルにかかるトルク及び/又は軸方向力の判定、及び/又はスピンドルの角度及び/又は軸方向位置の判定を可能にすることができ、したがって、スピンドルに連結されたモジュールの少なくとも1つの可動部材のトルク及び/又は軸方向力及び/又は角度位置及び/又は軸方向位置を推定することができる。力又はトルクを測定及び判定するこのタイプの手段は、それ自体が既知であり、詳細には説明しない。
【0160】
もちろん、上述した異なる測定手段のいくつかを組み合わせて使用することができる。
【0161】
モジュールを担持する手段:カルーセル
本発明に係る装置は、複数の機能モジュールを担持する手段を備える。これらの担持手段は、いくつかの機能モジュールを搭載し移動させることを可能にする。図示された実施形態において、搭載され得るモジュールの数は7に等しいが、代替的に異なる(より少ない又はより多い)数とすることもあり得る。この数は、偶数又は奇数であり得る。
【0162】
この実施形態において、これらの担持手段は、主カルーセル6と呼ばれるカルーセルを備える。主カルーセル6は、リボルババレルのように、それぞれが機能モジュールを収容することを可能にする複数のセル61を備える。
【0163】
各セル61は、両側に開口し、カルーセルの回転軸に対して平行に延在するボアホールを構成する。セル61は、カルーセルの軸の周りに本質的に均等に分散させることが好ましい。
【0164】
機能ステーション
装置は、いくつかの機能ステーションを備える。
【0165】
カルーセルは、いくつかの機能モジュールを搭載することを可能にするだけでなく、それらを1つのステーションから別のステーションに移動させることも可能にする。この目的のために、カルーセルは、後でより詳細に説明するように、主スピンドルの軸に対して本質的に平行に延在するカルーセルの軸の周りで回転移動可能に取り付けられる。
【0166】
この実施形態において、機能ステーションは以下の通りである。
-機能モジュール着脱ステーションP1、
-仮止め具装填ステーションP2(この実施形態において、ステーションP1及びP2は、多機能ステーションを形成するように組み合わせられるが、2つの別個のステーションを構成することができる)、
-リベット装填ステーションP3、
-リベットコーティングステーションP4、
-単一のスピンドル51の延長上のワークステーションP5であって、このステーションに位置するモジュールに従って、
-穿孔及び/又は皿もみ加工;
-リベットの設置
-仮止め具の設置
を実行することができる、ワークステーションP5。
【0167】
機能モジュール着脱ステーション
機能モジュールを着脱するステーションP1は、カルーセルのセルに機能モジュールを1つずつ挿入すること及びカルーセルのセルから機能モジュールを取り出すことを可能にする。
【0168】
このステーションにおいて、装置はジャッキ13を備え、そのピストン11は、ラグ10を担持し、着脱ステーションに運ばれたカルーセルのセルの軸に直交する軸に沿ってチャンバ12内で並進移動可能である。
【0169】
このジャックの機能については後述する。
【0170】
仮止め具装填ステーション
装置は、カルーセルによってこのステーションに運ばれた仮止め具支持モジュールに仮止め具を挿入する仮止め具装填ステーションP2を備える。
【0171】
この実施形態において、仮止め具装填ステーションは、機能モジュール着脱ステーションに位置する。したがって、これら2つのステーションは、単一の二元機能ステーションを構成する。
【0172】
しかしながら、仮止め具装填ステーションは、別の場所に位置することができる。
【0173】
このステーションP2は、仮止め具を供給する装置1000を備える。この装置は、仮止め具装填ステーションP2に運ばれた仮止め具支持モジュールの軸に配置されるまで仮止め具1001を並進移動させることを可能にする弾薬帯型アクチュエータを備える。
【0174】
このステーションP2は、装填ジャッキ1002も備える。このジャッキ1002は、カルーセル6によって仮止め具装填ステーションに運ばれた仮止め具支持モジュール300の軸に配置される。
【0175】
このジャッキ1002は、仮止め具装填ステーションP2の軸において弾薬帯1000によって配置された仮止め具1001の上流に配置され、後でより詳細に説明するように、仮止め具を支持モジュール300に挿入するために仮止め具に作用することができる。
【0176】
仮止め具装填ステーションP2は、仮止め具支持モジュール300に挿入されたときにこのモジュール内に仮止め具保持装置を更に備える。この保持装置は、本質的にL字形のフォーク1003を備え、フォーク1003の端部は、仮止め具を受け入れる空間を形成するように離間された2つのフィンガを備える。
【0177】
このフォーク1003は、仮止め具装填ステーションP2に配置された仮止め具支持モジュール300の出力部に配置され、軸1004の周りを、
-保持位置であって、フィンガが設けられたその端部が、仮止め具支持モジュールに対して本質的に垂直に延在し、仮止め具が仮止め具支持モジュールに挿入されたときに仮止め具が当接することができる端止め部を形成する、保持位置と、
-フォークがその軸を中心に矢印Cに従って枢動して、フィンガが設けられたフォークの端部がモジュールから係合解除され、カルーセルによって回転駆動されることを可能にする解放位置と、
の間で回転移動可能に取り付けられる。
【0178】
フォーク1003の移動は、ジャッキ1005によって確実にされる。
【0179】
リベット装填ステーション
装置は、リベット装填ステーションP3を備える。
【0180】
このリベット装填ステーションP3は、装填ジャッキ1006を備える。このジャッキ1006は、カルーセルによってリベット装填ステーションに運ばれたリベット支持モジュールの軸に配置される。
【0181】
このステーションP3は、リベット供給(又は送達)ゾーン1007からリベット(又はねじ等の他の締結要素)を受け取り、リベット分配又はリベット受取りゾーン、例えば、本明細書においてはリベット装填ステーションP3に位置するリベット支持モジュール200等に移送する装置を備える。
【0182】
受取り及び移送装置は、副カルーセル1008と呼ばれるカルーセルを備える。カルーセルは、支持要素を構成する。このカルーセル1008は、リボルババレルのように、それぞれがリベットを収容することを可能にする複数のセル1009を備える。
【0183】
各セル1009は、両側に開口し、カルーセル1008の回転軸に対して平行に延在するボアホールを構成する。セル1009は、カルーセル1008の軸の周りに本質的に均等に分散させることが好ましい。
【0184】
この実施形態において、セルの数は6に等しい。もちろん、6よりも大きくても小さくてもよい。
【0185】
特に、カルーセル及びそのセルは、締結要素受取り手段を形成する。カルーセル及びその駆動手段は、締結要素を供給ゾーンから分配ゾーンに移動させることを可能にする。
【0186】
各セル1009は、各セルが異なるサイズのリベット216を受け取ることができるように、異なる直径を有する。
【0187】
各セル1009は、締結要素の受取りオリフィス1090及び分配オリフィス1091を備える。受取りオリフィス1090は、締結要素をセルに挿入することを可能にする。分配オリフィスは、締結要素をセルの外部に排出することを可能にする。
【0188】
装置は、セルに挿入された締結要素を保持する手段を備える。これらの保持手段は、セル内に位置する締結要素が受取りオリフィスを通して取り出されることを防止する。
【0189】
この実施形態において、保持手段は、各セル内に位置するスピア1093を形成する先端部を備えた変形可能要素1092を備える。各スピアの先端部は、締結要素をその受取りオリフィスを通してセルに挿入し、締結要素がセルの受取りオリフィスを通して取り出されることを防止することを可能にするように成形される。したがって、各スピアの先端部は、対応するセルの受取り穴に向かって方向付けされる。
【0190】
カルーセル1008は、支持プレート1011とリベット保持プレート1012との間で、主スピンドル51の軸に対して本質的に平行な軸に沿って回転移動可能に取り付けられる。保持プレートは、締結要素をセル内に保持する手段を構成する。
【0191】
支持プレート1011は、ラックに固定され、ラックに対して相対的に固定される。支持プレート1011は、カルーセル1008がセル1009を備えるのと同じ数の穴1013によって貫通される。各穴は、セルの直径に対応する異なる直径を有する。支持プレート1011は、カルーセル1008が回転移動可能に取り付けられたシャフト1014を担持する。
【0192】
支持プレート1011の穴1013のうちの1つは、装填ジャッキ1006の軸に配置される。
【0193】
保持プレート1012は、支持プレート1011の各穴1013の軸に、空気排出穴1015を備える。しかしながら、保持プレート1012は、ジャッキ1006の軸において、空気排出穴1015によってではなく、分配開口部1080によって貫通される。分配開口部1080の直径は、副カルーセル内に搭載され得る最も大きいリベットの通過を可能にする。
【0194】
カルーセル1008は、その外周輪郭に沿って、カルーセル1008の軸に対して本質的に平行に延在する長手方向の窪み1016を備える。これらの窪みは、後でより明らかになるように、駆動歯を形成する。
【0195】
装置は、シャフトの周りでカルーセルを回転駆動する手段を備える。
【0196】
これらの回転駆動手段は、
-チャンバ1019内で並進移動可能なピストン1018を備える第1のジャッキ1017と、
-チャンバ1022の内部で並進移動可能なピストン1021を備える第2のジャッキ1020と、
を備える。
【0197】
第1のジャッキ1017のピストン1018は、カルーセル1008の回転軸に対して本質的に平行な軸1024の周りでピストンに対して回転移動可能に取り付けられた歯止め1023を担持する。
【0198】
歯止め1023は、末端駆動位置を画定するピストン1018の止め部1026に当接するように設けられた支持面1025を備える。
【0199】
歯止め1023は、2つの末端位置、すなわち、
-歯止め1023の端部がピストンから分離され、カルーセルの窪み1016内に少なくとも部分的に収容されるように、歯止め1023の軸受面1025がピストン1018の止め部1026に当接する展開位置(
図14参照)と、
-歯止め1023の端部がピストン1018に近接し、カルーセルのいずれの窪み1016からも離れるように、歯止め1023の軸受面1025がピストン1018の止め部1026に当接しない後退位置と、
の間で移動可能である。
【0200】
歯止め1023に作用して歯止め1023をその展開位置に戻す傾向があるように、例えばばね等の戻し手段(図示せず)を実装することができる。
【0201】
ピストン1018は、2つの末端位置、すなわち、
-ピストン1018が
図14の左側に当接する開始位置(装置が空間内で任意の向きをとることができる限り、左側の表示は、理解を容易にするために
図14を参照して純粋に例示的なものである)と、
-ピストン1018が
図14の右側に当接し、歯止め1023が2つの窪み1016の間の展開位置にある終了位置と、
の間で移動可能である。
【0202】
図14に示されている構成において、ピストン1018はその開始位置にあり、歯止め1023はその展開位置にある。
【0203】
装置は、阻止ピン8を備え、阻止ピン8は、2つの連続する窪み1016の間でカルーセル1008に当接してカルーセルのその軸周りの回転を防止する阻止位置と、カルーセルから解放されて回転を可能にする解放位置との間で移動可能に取り付けられる。この阻止ピン8は、阻止ピン8を阻止位置に保持する傾向がある板ばね1027によって支持プレート1011に固定される。これは、カルーセル1008のセル1009が装填ジャッキ1006と整列する位置、すなわち分配ゾーンでカルーセル1008を阻止して割り出す手段を構成する。好ましくは、次いで、少なくとも1つの他のセルが供給ゾーンに位置する。
【0204】
カルーセル1008を時計回りに回転駆動するために、加圧空気がチャンバ1019に注入されて、ピストン1018を矢印Gに従ってその終了位置に移動させる。この運動中、歯止め1023の軸受面1025は、ピストン1018の止め部1026に当接し、歯止め1023は、時計回り方向への回転が阻止されるようになっている。したがって、カルーセル1008は、ピストン1018がその終了位置に当接するまで、時計回り方向に回転駆動される。次いで、カルーセル1008の新しいセル1009は、装填ジャッキ1006と整列する。カルーセル1008の運動中、阻止ピン8は、カルーセル1008の周面に対して摺動し、板バネ1027の作用に抗してその阻止位置からその非阻止位置に徐々に移動し、次いで板バネ1027の作用の下で再びその阻止位置に移動し、その結果、カルーセル1008は静止状態に保持される。
【0205】
ジャッキ1017は、矢印Hに従って作動され、その開始位置に戻る。この運動中、歯止め1023は、カルーセル1008の周面に対して摺動し、その軸周りで回転することによって、その展開位置からその後退位置に、次いでその展開位置に徐々に移行する。
【0206】
カルーセル1008は、このプロセスを繰り返すことによって、再び時計回りに回転駆動され得る。
【0207】
第2のジャッキ1020のピストン1021は、カルーセル1008の回転軸に対して本質的に平行な軸1029の周りでピストン1021に対して回転移動可能に取り付けられた歯止め1028を担持する。
【0208】
歯止め1028は、末端駆動位置を画定するピストン1021の止め部1031に当接するように設けられた支持面1030を備える。
【0209】
歯止め1028は、2つの末端位置、すなわち、
-歯止め1028の端部がピストン1021から分離され、カルーセル1008の窪み1016内に少なくとも部分的に収容されるように、歯止め1028の軸受面1030がピストン1021の止め部1031に当接する展開位置(
図15参照)と、
-歯止め1028の端部がピストン1021に近接し、カルーセル1008のいずれの窪み1016からも離れるように、歯止め1028の支持面1030がピストン1021の止め部1031に当接しない後退位置と、
の間で移動可能である。
【0210】
歯止めに作用して歯止め1028をその展開位置に戻す傾向があるように、例えばばね等の戻し手段(図示せず)を実装してもよい。
【0211】
ピストン1021は、2つの末端位置、すなわち、
-ピストン1021が
図15の右側に当接する開始位置(装置が空間内で任意の向きをとることができる限り、右側の表示は、理解を容易にするために
図15を参照して純粋に例示的なものである)と、
-ピストン1021が
図15の左側に当接し、歯止め1028が2つの窪み1016の間の展開位置にある終了位置と、
の間で移動可能である。
【0212】
図15に示されている構成において、ピストン1021はその終了位置にあり、歯止め1028はその展開位置にある。
【0213】
カルーセル1008を反時計回りに回転駆動するために、加圧空気がチャンバ1022に注入されて、ピストン1021を矢印Iに従ってその終了位置に移動させる。この運動中、歯止め1028の軸受面1030は、ピストン1021の止め部1031に当接し、歯止め1028は、反時計回り方向への回転が阻止されるようになっている。したがって、カルーセル1008は、ピストン1021がその終了位置に当接するまで、反時計回り方向に回転駆動される。次いで、カルーセル1008の新しいセル1009は、装填ジャッキ1006と整列する。カルーセル1008の運動中、阻止ピン8は、カルーセル1008の周面に対して摺動し、板バネ1027の作用に抗してその阻止位置からその非阻止位置に徐々に移動し、次いで板バネ1027の作用の下で再びその係止位置に移動し、その結果、カルーセル1008は静止状態に保持される。
【0214】
ジャッキ1020は、矢印Jに従って作動され、その開始位置に戻る。この運動中、歯止め2018は、カルーセル1008の周面に対して摺動し、その軸周りで回転することによって、その展開位置からその後退位置に、次いでその展開位置に徐々に移行する。
【0215】
カルーセル1008は、このプロセスを繰り返すことによって、再び反時計回りに回転され得る。
【0216】
カルーセル1008及び歯止め1023、1028は、ラチェットホイールシステムを形成する。
【0217】
第1のジャッキ1017及び第2のジャッキ1020並びに対応する歯止め1023、1028は、カルーセル1008を反対方向に回転駆動することを可能にするという点で、相反する動きを有する。
【0218】
第1のジャッキ1017及び第2のジャッキ1020を実装することにより、最も速く整列させることができるカルーセル1008の回転方向を選択することによって、所望のセル1009をより迅速に主スピンドル51と整列させることができる。しかしながら、単一のジャックが実装されてもよい。これにより、装置を単純化することができるが、整列にかかる時間がより長くなる。
【0219】
副カルーセル1008の回転駆動手段は、後述する主カルーセル6の回転駆動手段のタイプとすることができる。この場合、歯止めを駆動するために単一のジャッキを実装するのではなく、二重ジャッキ、すなわち、内側歯止め阻止ジャッキを含む外部ジャッキを実装することができる。
【0220】
副カルーセルの割出しは、主カルーセルの場合と同様に、ジャッキによって制御される阻止ピンによって得ることもできる。
【0221】
この装置は、カルーセルにリベットを供給する手段を備える。リベットは、可撓性の管を通して運ばれ、加圧ガスによってこの管の内部に押し込まれる。
【0222】
リベットコーティングステーション
装置は、リベットコーティングステーションP4に配置されたコーティング装置を備える。このステーションは、リベット上に封止マスチックを堆積させることを可能にする。
【0223】
このコーティングステーションP4は、ワークステーションP5の近傍に位置する。
【0224】
コーティングステーションP4は、主スピンドル51の軸に対して本質的に平行な軸の周りで回転移動可能であり、ベルト1033によって主スピンドル51に締結された駆動プーリ1034と回転接続された第1のプーリ1032を備え、第1のプーリ1032は、例えば溝によって、その回転軸に沿って駆動プーリ1034に回転接続されるが、並進接続されない。
【0225】
この第1のプーリ1032は、主スピンドル51の軸に対して本質的に平行な軸に沿ってジャッキ1036のケーシングに回転接続される。このケーシングは、同じ軸に沿ってラックに対して回転移動可能に取り付けられる。ジャッキ1036のピストンロッド1035は、ケーシングに回転接続される。
【0226】
このピストン1035は、チャンバ1037の内部で主スピンドル51の軸に対して平行な軸に沿って並進移動可能及び回転移動可能に取り付けられる。ピストン1035は、その端部に、リベット支持モジュール200のハーフドッグ211に対して相補的な形状のハーフドッグ1038を担持する。
【0227】
第2のプーリ1039は、主スピンドル51の軸に対して本質的に平行な軸に沿って、ジャッキ1036のケーシングに回転接続される。この第2のプーリ1039は、ベルト1040によって第3のプーリ1041に回転接続される。
【0228】
第3のプーリ1041は、それが回転接続されたシャフト1042に取り付けられる。
【0229】
シャフト1042は、プーリ1041が締結される端部とは反対側の端部に、親ねじ1043を担持する。
【0230】
この親ねじ1043は、ねじ山を備え、ねじ山の輪郭は、シュー1046と噛み合うように意図された第1のフランク1044と、親ねじの軸に対して傾斜した第2のフランク1045とを含む。
【0231】
第1のフランクは、このフランクに適用されるシューがねじ谷に向かって摺動する傾向を有するように、親ねじの軸に対する垂線に対して数度傾斜する。
【0232】
このシュー1046は、ジャッキ1049のチャンバ1048内で主スピンドル51の軸に本質的に直交する軸に沿って並進移動可能に取り付けられたピストン1047の端部に取り付けられる。
【0233】
したがって、シュー1046は、少なくとも、
-親ねじ1043と噛み合う噛合い位置と、
-親ねじ1043と噛み合わない非係合位置と、
の間で移動可能である。
【0234】
このステーションは、マスチック供給手段(図示せず)に接続されたノズル1050を備えるマスチック分配手段を備え、マスチック供給手段は、一方ではマスチックの貯蔵部に接続され、他方ではノズル1050への接続を目的として設けられたダクトを介してノズル1050に接続される、ポンプを備える。
【0235】
ノズル1050は、コーティングステーションP4に運ばれたリベット支持モジュール200のために担持されるリベット216の近傍に来るように意図された分配端部1051を備える。この端部は、直線状とすることができる(リベット支持モジュール200の軸に対して垂直な軸に対して垂直な平面内に延在する)。しかしながら、この端部は、リベット216上にマスチックを分配するオリフィスを形成しながら、ノズル1050がリベット216に当接することができるように、斜角が付けられているか又は湾曲していることが好ましい。この解決策は、リベット上に堆積されたマスチックの糸(複数の場合もある)の較正を簡単かつ効果的に保証することを可能にする限りにおいて好ましい。
【0236】
ノズル1050は、ジャッキ1053のチャンバ1052内のリベット支持モジュールの軸に対して垂直な軸に沿って並進移動可能に取り付けられたピストン1051の端部に固定される。
【0237】
シュー1046、ノズル1050、及びそれぞれのジャッキ1049、1053は、ジャッキ1057のチャンバ1056内の親ねじ1043の軸に対して平行な軸に沿って並進移動可能に取り付けられたピストン1055に固定されたブロック1054内に取り付けられる。
【0238】
このステーションは、コーティングステーションに運ばれたリベット216の長さを判定(評価)する手段を備える。これらの手段は、プローブ1058を含む。プローブの一端は、ジャッキ1060のチャンバ(図示せず)内の親ねじ1043の軸に対して平行な軸に沿って並進移動可能に取り付けられたピストン1059に固定される。プローブ1058の他端は、コーティングステーションに運ばれたリベット216に向かって方向付けされる円錐形の心出し先端部1061を備える。ジャッキ1060は、円錐形の先端部1061をリベット216に接近させるとともにこれから遠ざけてその端部を探査し、かくしてその長さを求めることができるようにする。次いで、プローブ1058は、リベットの端部におけるコーティング限界を判定するために、ノズル1050の支持体1062が当接され得る止め部を画定する。「リベットの端部」という用語は、リベットの頭部とは反対側のリベットの本体の端部に位置するゾーンを意味する。
【0239】
【0240】
この変形例によれば、ノズル3000は、フレームに対して固定され、
-チャンバを画定するボアホール3002と、コーティング材料の複数の分配チャネル3003とが設けられたブロック3001であって、これらのチャネル3003は、チャンバ3002と流体連通し、コーティング対象の締結要素の本体の軸に対して実質的に平行な軸に沿って形成された分配オリフィス3004を介して開口する、ブロック3001と、
-チャンバ3002の内部で並進移動可能に取り付けられた引出し部3005であって、この引出し部3005は、溝3006と全てのチャネル3003との流体連通を可能にする長さにわたって上記軸に沿って形成された長手方向止まり溝3006を両側に有し、溝3006は、例えば出口がパイプによって溝3006に接続されたマスチックポンプを含むコーティング材料供給手段に接続される、引き出し部3005と、
を備える。
【0241】
コネクタ3011は、それ自体が溝3006と連通するチャネル3003の1つにマスチックを注入することを可能にする。
【0242】
この変形例によれば、締結要素の端部(足部)と接触するように設けられた端部3008を備えるプローブ3007は、引出し部3005と並進接続されたその反対側の端部にある。
【0243】
プローブ3007は、さらに、軸が主スピンドル51の軸に対して本質的に平行に延在するジャッキ3010のピストン3009と並進接続される。
【0244】
このようにして、プローブが締結要素の端部と接触しているとき、この反対側の端部を越えて開口するチャネル(複数の場合もある)3003は、溝3006と連通しない。
【0245】
コーティング対象の締結要素の端部の側に位置するチャネルの反対側に位置するチャネル3003は、この締結要素の本体とヘッドとの間の接続ゾーンに延在する。
【0246】
したがって、ノズルは、端部と、本体とヘッドとの間の接続ゾーンとの間で、締結要素の本体上に平行なビードの形態でマスチックを分配することを可能にする。
【0247】
ワークステーション
ワークステーションP5は、主スピンドル51の延長上に位置する。
【0248】
このステーションは、そこに運ばれた機能モジュールに応じて異なる作業であって、この場合においては、
-穿孔及び/又は皿もみ加工、
-リベットの設置、
-仮止め具の設置、
を実行することを可能にする。
【0249】
このステーションは、主スピンドル51に加えて、中空である主スピンドル51の内部に並進移動可能に取り付けられた副スピンドル170を備える。
【0250】
この副スピンドル170は、ジャッキ17のチャンバ171内で主スピンドル51の軸に沿って並進移動するように取り付けられたピストン172に固定される。副スピンドルは、このジャッキのロッドを構成する。
【0251】
ワークステーションは、機能モジュールの連結ギア16を備える。
【0252】
連結ギアは、クイック接続タイプの手段を備える。
【0253】
この実施形態においては、それらの手段は、
-径方向穴161を備える或る特定の機能モジュールのベル160と、
-運動を伝達する目的で主駆動スピンドル51に固定及び接続され、ベル160内に収容され得る、雄要素162と、
-雄要素162に固定され、雄要素162がベル160内に収容されたときに径方向穴161の延長上に位置する係止要素(ボール又はローラ)163であって、好ましくは、これらの係止要素は、雄要素162の径方向穴1620内で摺動するように設けられ、それにより、それらの端部をベル160の径方向穴161内に収容することができる円筒形本体と、係止キーによって雄要素から排出されるのを防止するために、円筒形本体よりも大きい直径を有する球の一部の形状のヘッドとを備える、係止要素163と、
-雄要素162の内部で並進移動可能に取り付けられた係止キー164であって、係止要素163(特にその円筒形の頭部)に対して作用して、係止要素をベル160の半径方向穴162と協働させ、したがってベル及び雄要素を回転運動及び並進運動に関して固定させるまで、係止要素を雄要素162の内部で移動させ得る周方向斜面165を備える、係止キー164と、
を備える。
【0254】
係止キー164は、副スピンドル170の端部に固定される。
【0255】
係止キー164は、ジャッキ17によって移動され得る少なくとも2つの位置の間で移動可能であり、すなわち、
-連結位置であって、係止要素163に近接し、係止要素163の周方向斜面165が係止要素163に作用して係止要素を半径方向穴内で摺動させ、その結果、係止要素の端部が雄要素の外部に突出部を形成し、雄要素は、適切な場合、ベル160の半径方向穴161内に収容される、連結位置と、
-連結解除位置であって、係止キー164が係止要素163から離れていて、係止要素に作用せず、係止要素の端部が雄要素の外部に突出せず、適切な場合、ベル160の半径方向穴161から取り外されるようになっている、連結解除位置と、
の間で移動可能である。
【0256】
係止キーが作用していないときに係止要素163をそれらの連結解除位置に戻す傾向があるように、弾性戻し手段を実装することができる。
【0257】
装置は、ワークステーションに位置する機能モジュールのシースの空気導管906と連通するように、ワークステーションで開口する加圧空気吸入導管907を備える。
【0258】
伸縮
副スピンドル170は、特にリベット支持モジュール等の異なる機能モジュールの伸縮の機能を実行することを可能にすることができる。
【0259】
この伸縮は、後でより詳細に説明するように、最初は後退位置で主スピンドル内に収容されている副スピンドル170を、主スピンドル51から出て、副スピンドルが少なくとも部分的に主スピンドルの外部に延在する展開位置に到達させ、次いで、主スピンドル51の移動が副スピンドル170の移動を伴うように、それらを並進接続することを可能にし、主スピンドル及び副スピンドルは、次いで、大きな長さの同じスピンドルを形成する。
【0260】
この目的のために、副スピンドル170は、係止キー164の端部とは反対側の端部に、ジャッキ17のチャンバ171を構成する主スピンドル51の内部で並進移動可能なピストン172を備える。
【0261】
副スピンドル170は、ピストン172の下流に周方向溝1063を備える。
【0262】
装置は、上記内側スピンドルを上記外側スピンドルと並進接続する手段を備える。
【0263】
より具体的には、主スピンドル51は、係止解除リング1064を担持する。
【0264】
この係止解除リング1064は、フレームと並進固定される。係止解除リング1064は、溝(図示せず)によって主スピンドルと回転接続され、溝は、主スピンドルが係止リング1064の内部で並進することを更に可能にする。係止リング1064は、駆動プーリ1034と回転接続される。
【0265】
この係止解除リング1064は、ワークステーションに運ばれた機能モジュールに向かって方向付けされたスピンドル51の側に開口している開口部に向かって広がる円錐台形部分1066が後に続く円筒形部分1065を有するボアホールを備える。
【0266】
主スピンドル51は、係止部材を担持する。この係止部材は、雄要素162に取り付けられた係止リング1067を備える。
【0267】
この係止リング1067は、係止キー164及び副スピンドル170の通過を可能にする直径を有する穴1068を通過する。
【0268】
この係止リング1067は、横方向作動部分1069を備え、横方向作動部分は、
-第1の外周溝部1070と、
-係止解除リング1064が作用し得る外面1072と、
を備える。
【0269】
係止リング1067は、2つの対向する断面1073を有し、雄要素162に形成された相補的な形状の溝1074に取り付けられる。
【0270】
第1の溝部1070は、雄要素上に形成された第2の周溝部1070’とともに、例えばOリング又はばね等の弾性戻し要素を収容する周溝を形成する。
【0271】
係止リング1067は、雄要素162の溝1074内で、主スピンドル51の軸に直交する軸に沿って、
-作動部1069が弾性戻し要素の作用によって雄要素162の軸に近づけられ、副スピンドルに形成された溝1063(又はハウジング)に周端部1075が係合される、係止位置と、
-作動部1069が雄要素162の軸から離間され、その後、副スピンドルに形成された溝1063から周端部1075が係合解除される、係止解除位置と、
の間で並進移動可能である。
【0272】
係止解除位置への移行は、係止リング1067を担持する雄要素162の部分を係止解除リング1064の円錐形部分1066に挿入し、次いで円筒形部分1065に挿入することによって得られ、したがって、係止リング1067に作用して、圧縮ばねの作用に抗して雄要素162に対して係止リングを移動させる。
【0273】
次いで、副スピンドル170を、主スピンドル51の内部で、少なくとも、
-上記外側スピンドルの内部に副スピンドル170が収容される後退位置と、
-上記外側スピンドルの外部に副スピンドル170が少なくとも部分的に延在する展開位置と、
の間で並進させることが可能である。
【0274】
係止位置への移行は、
-雄要素162及び係止リング1067を係止解除リング1064から取り出した後に、次いで、
-副スピンドル170の周溝1063が係止リング1067の高さに達したときに、係止リングが圧縮ばねの作用を受けてその係止位置に移動し、その結果、係止リング1067の係止端部1075が、雄要素162の軸に近づくことによって副スピンドル170の溝1063内に収容されることによって得られる。
【0275】
次いで、副スピンドル170は、主スピンドル51の並進移動が副スピンドル170の並進移動を伴い、これらが共に同じ非常に長いスピンドルを形成するように、主スピンドル51と並進接続される。
【0276】
主カルーセルの回転駆動
上述したように、カルーセルは、スピンドルの軸に対して本質的に平行に延在するその軸周りを回転移動可能に取り付けられる。
【0277】
カルーセルは、その外周輪郭に沿って、カルーセルの軸に対して実質的に平行に延在する長手方向の窪み62を備える。これらの窪みは、後でより明らかになるように、駆動歯を形成する。
【0278】
装置は、カルーセルの軸の周りでカルーセルを回転駆動する手段を備える。
【0279】
これらの回転駆動手段は、
-チャンバ701内で並進移動可能なピストン700を備える第1のジャッキ70と、
-チャンバ711の内部で並進移動可能なピストン710を備える第2のジャッキ71と、
を備える。
【0280】
第1のジャッキ70のピストン700は、カルーセルの回転軸に対して本質的に平行な軸703の周りでピストン700に対して回転移動可能に取り付けられた歯止め702を担持する。
【0281】
歯止め702は、末端駆動位置を画定するピストン700の止め部705に当接するように設けられた軸受面704を備える。
【0282】
歯止め702は、2つの末端位置、すなわち、
-歯止め702の端部がピストン700から分離され、カルーセルの窪み62内に少なくとも部分的に収容されるように、歯止め702の軸受面704がピストン700の止め部705に当接する展開位置(
図12参照)と、
-歯止め702の端部がピストン700に近接し、カルーセルのいずれの窪み62からも離れるように、歯止め702の軸受面704がピストン700の止め部705に当接しない後退位置と、
の間で移動可能である。
【0283】
歯止めに作用してその展開位置に戻す傾向があるように、例えばばね等の戻し手段(図示せず)を実装してもよい。
【0284】
ピストン700は、端部708に斜角が付けられた内部ピストン707が収容される内側チャンバ706を備える。
【0285】
この内側ピストン707は、チャンバ706内において、
-斜角付き端部708が歯止め702から離れて位置し、軸703周りを自由に回転できるようにする非阻止位置と、
-歯止め702がその展開位置にあるときに取られ得る阻止位置であって、その斜角付き端部708が歯止め702に当接して、軸703周りの回転に関して歯止めを固定する、阻止位置と、
の間で並進移動可能に取り付けられる。
【0286】
ピストン700は、2つの末端位置、すなわち、
-
図12の右側に当接する開始位置(装置が空間内で任意の向きをとることができる限り、右側の表示は、理解を容易にするために
図12を参照して純粋に例示的なものである)と、
-
図12の左側に当接し、歯止め702が2つの窪み62の間の展開位置にある終了位置と、
の間で移動可能である。
【0287】
図12に示されている構成において、ピストン700はその終了位置にあり、歯止めはその展開位置にある。
【0288】
装置は、阻止ピン8を備え、阻止ピン8は、
-カルーセルがその軸周りに回転するのを防止するために、2つの連続する窪み62の間でカルーセルに阻止ピン8が当接する割出し位置と、
-阻止ピン8がカルーセルから解放されて回転が可能となる解放位置と、
の間で移動可能に取り付けられる。
【0289】
例えばばね(図示せず)等の弾性戻し手段がピン8に作用して、ピン8をその阻止位置に戻す傾向がある。ジャッキ800は、阻止ピン8をその阻止位置において阻止することを可能にする。
【0290】
ブロックピン8は、カルーセルの少なくとも1つのセル61が機能ステーションにある位置にカルーセルを阻止して割り出す手段を構成する。この実施形態において、阻止ピン8が2つの連続するセル間の窪み内の阻止位置にあるとき、いくつかのセルが異なる機能位置と位置合わせされ、この場合、
-セルがモジュール着脱ステーションに位置し、
-セルが仮止め具装填ステーションに位置し、
-セルがリベット装填ステーションに位置し、
-セルがリベットコーティングステーションに位置し、
-セルが単一のスピンドル51の延長上のワークステーションに位置する。
【0291】
カルーセルを反時計回りに回転駆動するために、ジャッキ800は、阻止ピン8がばねの単独の作用によってその係止位置に保持されるように排気される。
【0292】
ピストン700は、その開始位置にある(
図12の右側に当接する)。
【0293】
歯止め702は、その展開位置にある。
【0294】
内部ピストン707は、歯止め702がその軸703の周りを回転することができずにその展開位置に維持されるように、その阻止位置にある。
【0295】
次いで、ピストン700をその開始位置からその終了位置まで矢印Bに従って移動させるように、加圧空気がチャンバ701に注入される。
【0296】
この移動中、歯止めは、カルーセルが反時計回りに回転駆動されるように、歯止めが位置するノッチと噛み合う。阻止ピン8は、カルーセルの周面に対して摺動し、その結果、阻止ピン8は、ピストン700がその終了位置で当接すると、その割出し位置からその解放位置に、次いでその解放位置からその割出し位置に徐々に移動する。ジャッキ800は、カルーセルが静止して保持されるように、阻止ピンをその割出し位置において阻止するように動力を供給される。次いで、カルーセルの少なくとも1つの新しいセル61が機能ステーションにある。
【0297】
内部ピストン707は、歯止めが(その形状及びそれを取り囲む表面によって可能にされる移動の限度内で)軸703の周りを自由に回転するように、その阻止解除位置に移動される。
【0298】
ジャッキ70は、ピストン700が矢印Aに従って移動してその開始位置に戻るように作動される。
【0299】
この移動中、歯止め702は、カルーセルの周面に対して摺動し、ピストンがその開始位置に来るまで軸703の周りを時計回りに枢動することによって、その展開位置からその後退位置に、次いでその後退位置からその展開位置に漸進的に移動する。次いで、歯止めは、カルーセルの別の窪み62に収容される。
【0300】
カルーセルは、このプロセスを繰り返すことによって、再び反時計回りに回転駆動され得る。
【0301】
第2のジャッキ71のピストン710は、カルーセルの回転軸に対して本質的に平行な軸713の周りでピストン710に対して回転移動可能に取り付けられた歯止め712を担持する。
【0302】
よって、歯止め712は、末端駆動位置を画定するピストン710の止め部715に当接するように設けられた軸受面714を備える。
【0303】
歯止め712は、2つの末端位置、すなわち、
-歯止め712の端部がカルーセルの窪み62内に収容されるように、歯止め712の軸受面714がピストン710の止め部715に当接する展開位置(
図13参照)と、
-端部がピストン710に近接し、カルーセルの任意の窪み62から係合解除される後退位置(図示せず)と、
の間で移動可能である。
【0304】
歯止めに作用してその展開位置に戻す傾向があるように、例えばばね等の戻し手段(図示せず)を実装してもよい。
【0305】
ピストン710は、内部ピストン(図示せず)が収容される内部チャンバ716を備え、内部ピストンの端部は、内部ピストン707と同様に斜角が付けられる。
【0306】
この内部ピストンは、チャンバ内において、
-端部が歯止めから離れて位置し、軸713周りを自由に回転できるようにする非阻止位置と、
-歯止めがその展開位置にあるときに取られ得る阻止位置であって、その斜角付き端部が歯止めに当接して、軸713周りの回転に関して歯止めを固定する、阻止位置と、
の間で並進移動可能に取り付けられる。
【0307】
ピストン710は、2つの末端位置、すなわち、
-
図13の左側に当接する開始位置(装置が空間内で任意の向きをとることができる限り、右側の表示は、理解を容易にするために
図12を参照して純粋に例示的なものである)と、
-
図13の右側に当接し、歯止めが2つの窪み62の間の展開位置にある終了位置と、
の間で移動可能である。
【0308】
図13に示されている構成において、ピストン710はその開始位置にあり、歯止め712はその展開位置にある。
【0309】
カルーセルを時計回りに回転駆動するために、ジャッキ800は、阻止ピン8がばねの単独の作用によってその係止位置に保持されるように排気される。
【0310】
ピストン710は、その開始位置にある(
図13の左側に当接する)。
【0311】
歯止め712は、その展開位置にある。
【0312】
内部ピストンは、歯止めがその軸713の周りを回転することができずにその展開位置に保持されるように、その阻止位置にある。
【0313】
次いで、ピストン710をその開始位置からその終了位置まで矢印Aに従って移動させるように、加圧空気がチャンバ711に注入される。
【0314】
この移動中、歯止めは、カルーセルが時計回りに回転駆動されるように、歯止めが位置する窪みと噛み合う。阻止ピン8は、カルーセルの周面に対して摺動し、その結果、阻止ピン8は、ピストン710がその終了位置で当接すると、その割出し位置からその解放位置に、次いでその解放位置からその割出し位置に徐々に移動する。ジャッキ800は、カルーセルが静止して保持されるように、阻止ピンをその割出し位置において阻止するように動力を供給される。次いで、カルーセルの少なくとも1つの新しいセル61が機能ステーションにある。
【0315】
内部ピストンは、歯止めが(その形状及びそれを取り囲む表面によって可能にされる移動の限度内で)軸713の周りを自由に回転するように、その係止解除位置に移動される。
【0316】
ジャッキ71は、ピストン710が矢印Bに従って移動してその開始位置に戻るように作動される。
【0317】
この移動中、歯止め712は、カルーセルの周面に対して摺動し、ピストンがその開始位置に来るまで軸713の周りを反時計回りに枢動することによって、その展開位置からその後退位置に、次いでその後退位置からその展開位置に漸進的に移動する。次いで、歯止めは、カルーセルの別の窪み62に収容される。
【0318】
カルーセルは、このプロセスを繰り返すことによって、再び時計回りに回転駆動され得る。
【0319】
カルーセル及び歯止めは、ラチェットホイールシステムを形成する。
【0320】
第1のジャッキ70及び第2のジャッキ71並びに対応する歯止めは、カルーセルを反対方向に回転駆動することを可能にするという点で、相反する動きを有する。
【0321】
第1のジャッキ70及び第2のジャッキ71の実装は、最短経路を保証することを可能にするカルーセルの回転方向を選択することによって、モジュールを所望の機能位置に可能な限り迅速に配置することを可能にする。しかしながら、単一のアクチュエータが実装されてもよい。これは、装置を単純化することを可能にするが、整列にかかる時間が長くなる。
【0322】
主カルーセルの回転駆動手段は、副カルーセルの回転駆動手段のタイプであってもよい。この場合、歯止めを駆動するための二重ジャッキ、すなわち歯止めを阻止する内部ジャッキを含む外部ジャッキを実装するのではなく、単一ジャッキを実装することができる。
【0323】
副カルーセルの割出しは、副カルーセルの場合のようにジャッキによって制御されない阻止ピンによって得ることもできる。
【0324】
カルーセル6は、固定シャフト8の周りで回転移動可能に取り付けられ、固定シャフト8上で、カルーセル6は、ニードル、ボールベアリング87等によって回転案内される。
【0325】
シャフト8は中空であり、その端部のうちの一方に、ジャッキ80のピストン82が摺動するチャンバ81を画定する拡幅部分を備える。
【0326】
シャフト8は、その端部のうちの他方に、周溝83を備え、シャフトの中空内部と連通する側方管腔84によって貫通される。シャフトは、この端部に、溝83内に開口する平坦部85を更に備える。
【0327】
ガイド要素14は、ピストン82のロッド820の端部に固定される。
【0328】
このガイド要素14は、シャフト8の管腔84の内部に延在する突出部140を形成する部分を備える。突出部140を形成する部分の端部には、溝141が形成される。この溝141は、円形溝を形成するシャフトの溝83の延長上に延在する。
【0329】
各機能モジュールのシース90は、カルーセル6のセル61の内部に摺動可能に取り付けられるように設けられる。
【0330】
各機能モジュールの各シース90の横方向フィンガ900の端部は、カルーセル6の角度位置に従って、シャフト8の溝83内とガイド要素14の溝141内とに交互に収容されるように設けられ、それにより、シースは、カルーセル6の回転軸に沿ってシャフト8又はピストン82に固定されて保持され、したがって、シースが位置するセルの軸に沿って並進移動しないように固定される。
【0331】
突出部140を形成する部分並びに溝141及び84は、スピンドル51の延長上のワークステーションに位置する機能モジュール9のシース90のフィンガ900に対応する角度位置に延在する。
【0332】
各シース90の溝901は、ジャッキ13のチャンバ12内で並進移動可能なピストン11の端部に配置されたラグ10を収容することが可能である。
【0333】
ジャッキ13は、カルーセル6の着脱ステーションに位置する。このステーションは、カルーセルのセル61がスピンドル51の延長上のワークステーションにあるときに、別のセルが着脱ステーション(すなわち、この実施形態においては、クリップ装填ステーション)に位置し、別のセルがリベット装填ステーションに位置し、別のセルがコーティングステーションに位置するように配置される。
【0334】
平坦部85及びラグ10は、カルーセル6の回転軸に対して平行及び垂直な軸に沿って延在する。
【0335】
機能モジュールの着脱
機能モジュール9へのカルーセル6の装着は以下のようにして行われる。
【0336】
加圧空気をジャッキ13のチャンバ12内に注入し、ピストン11を矢印Cに従って移動させ、ラグ10を着脱ステーションに配置されたセル61の内部から解放する。
【0337】
ジャッキ1005を作動させて、フォーク1003をその解放位置に配置する。
【0338】
モジュールを、溝84が位置するシャフト8の端部の側に位置するカルーセル6の側部によって、着脱ステーションに位置するセル61の内部に導入する。
【0339】
シース90のフィンガ900を、導入路を形成する平坦部85を通して溝83に導入する。
【0340】
次いで、空気をジャッキ13のチャンバ12内に導入してピストン11を矢印Dに従って移動させ、ラグ10をシース90の溝901に挿入する。したがって、シース90ひいては対応する機能モジュール9は、セル61内に保持され、セル61の軸に沿って並進が阻止される。
【0341】
この溝901の形状は、ラグ10が溝901内に突出している間に、シースが着脱ステーションに到達し、このステーションから出ることを可能にする。
【0342】
次いで、カルーセル6を回転駆動して次のセルを着脱ステーションに配置することができ、このプロセスを繰り返して新たな機能モジュール9を装着する。
【0343】
したがって、主カルーセルの7つのセル、又はより包括的には全てのセルを装着することが可能である。しかし、必要に応じて特定のセルのみを装着することができる。他の実施形態において、主カルーセルが7つよりも多い又は少ないセルを備えることも可能である。
【0344】
機能モジュール9の取外しは、着脱ステーションに対応するセルを配置した後、ジャッキ13を作動させてラグ10を溝901から係合解除し、ひいては機能モジュール9を対応するセル61の外部に摺動させることによって得られる。
【0345】
押圧要素
装置は、スピンドル51の移動軸に沿って及びその延長上にフレーム2に対して並進移動可能に取り付けられた管形状の押圧要素15を備える。そのような押圧要素15は、例えば、穿孔作業中に使用されて、穿孔される構造に圧縮力を加えることができ、特に、スタックのプレート間の接触を確実にし、穿孔中のこれらのプレート間のバリの形成を回避することができる。
【0346】
マルチタスク装置のセットアップ
装置が固定されるロボットアームは、作業が実行されることが求められる、加工対象の構造体の位置にワークステーションが位置決めされるように、マルチタスク装置を配置するように作動される。
【0347】
ロボットは、加工対象の構造体の表面に吸引カップ41が当接するまで、加工対象の構造体に対して装置を適用する。次いで、真空が吸引カップ内に生成され、マルチタスク装置と加工対象の構造体との間の効果的な接続を確実にする。
【0348】
クランプC42は、吸引カップの代替として使用することができる。
【0349】
穿孔及び/又は皿もみ加工作業
穿孔及び/又は皿もみ加工作業を実行するために、主カルーセルは、所望の穿孔モジュールがワークステーションに来るまで回転駆動される。
【0350】
念のため付言しておくと、弾性戻し手段は、ジャッキのピストン903を、ピストン903の端部905がハウジング950内に収容され又はシース内に突出部を形成して穿孔モジュールの機能的アセンブリがスリーブ内で摺動するのを防止する位置に戻す傾向があり、ピストン903の端部905は、軸受95の端部951に接触する。
【0351】
次いで、穿孔及び/又は皿もみ加工モジュール9は、モジュールの可動部材を構成する出力シャフト91の運動を駆動スピンドル51が駆動することができるように、駆動スピンドル51に連結されなければならない。
【0352】
この目的のために、スピンドル51は、雄要素162がベル160内に収容されるまで、ワークステーションに配置された機能モジュールの方向においてスピンドル51の軸に沿って並進駆動される。
【0353】
内部スピンドル170を矢印Eに従って移動させるために、加圧空気がジャッキ17のチャンバ171に注入される。次いで、係止キー164の斜面165が係止要素163に作用して、係止要素163をベル160の半径方向穴161と協働するそれらの連結位置に配置する。次いで、スピンドル51と出力シャフト9とは、回転及び並進接続される。
【0354】
ベル160に対する雄要素162の角度位置はランダムであり、その結果、係止要素は、ベルの半径方向穴と完全に一致していない場合がある。係止要素の球状頭部は、雄要素に対するベルの僅かな相対回転を誘発して、ベル及び雄要素の穴を同軸に配置させることを可能にし、したがって、要素がベルの穴に入ることを可能にする。
【0355】
雄要素の穴に対してベルの穴の数が過剰であることにより、この再割出しが容易になる。
【0356】
しかしながら、係止要素が2つの穴に入ることなくそれらの間で均衡したままである場合、第1の穿孔作業から生じる抵抗トルクは、雄要素とベルとの相対回転運動を誘発して、係止要素を径方向穴と整列させ、連結を完成させる。
【0357】
アクチュエータ904は、そのピストン903の端部905を軸受95のハウジング950から引き出すように、又は端部905がそれ以上シースの内部に突出しないように作動される。
【0358】
次いで、ピストン82を矢印Eに従って移動させるために、加圧空気がジャッキ80のチャンバ81に注入される。可動アセンブリがシースの内部でベルの側部に位置する止めセグメントに当接する限り、ジャッキ80の作動は影響を及ぼさない。次いで、主スピンドル51は、矢印Eに沿って並進駆動される。これは以下の効果を有する。
-可動アセンブリ及びシースを矢印Eに沿って並進させる。
-駆動要素14の溝141と協働するフィンガ900を有する機能穿孔モジュール9が、シース90が押圧要素15に当接するまでスピンドル51の軸に沿って矢印Eに沿って並進駆動されるように、駆動要素14を同じ動きに追従させる。
【0359】
次いで、押圧要素は同じ動きに追従し、これにより、押圧要素は、加工対象の構造体に押し付けられ、加工対象の構造体に押圧力を及ぼす。
【0360】
加工対象の表面にかかる押圧要素15の押圧力は、アクチュエータ80によって維持され、一方、矢印Eに沿ったスピンドル51の並進移動は、シースの内部における可動アセンブリの移動を伴い、次いで、シースは、矢印Eに沿った並進において静止する。
【0361】
次いで、スピンドル51は、回転及び並進駆動することができ、連結された機能モジュール9の出力シャフト91にその運動を伝達して、所望の穿孔作業を実行する。
【0362】
主スピンドルと出力シャフトとの連結は、ここでは回転及び並進接続を構成する。
【0363】
切削工具ではなく、ねじ回しソケットをモジュールに固定することによって、ねじ回し/ねじ戻し作業を行うことが可能である。
【0364】
リベット装填
リベット設置作業を実行する前に、マスチックコーティング作業が先行するか否かにかかわらず、リベット支持モジュール200にリベット216を装填しなければならない。
【0365】
このために、主カルーセル6は、リベット装填ステーションP3に、設置されることが所望されるリベット216のサイズに対応するリベット支持モジュール200を、必要に応じてコーティングをもたらすように、回転駆動される。
【0366】
リベット支持モジュール200がリベット装填ステーションP3に運ばれると、リベット装填作業が実施される。
【0367】
事前に、このリベット216のサイズに対応する副カルーセル1008のセル1009には、カルーセル1008にリベットを供給する手段によってリベットが供給される。リベットは、可撓性の管を通して運ばれ、加圧ガスによってこの管の内部に押し込まれる。
【0368】
次いで、副カルーセル1008が回転駆動されて、リベットを含むセル1009をリベット装填ステーションP3に配置する。
【0369】
リベット支持モジュール200の空気導管906に加圧空気を注入して、リベット支持モジュールのピストン205を、割りリングとは反対側でサークリップ218に当接する第1の末端位置に維持する。
【0370】
次いで、ジャッキ1006は、リベット216の頭部219が割りリング213内に収容されるまで、セル1009内に収容されたリベット216をリベット支持モジュール200内に押し込むように実装される。この移動中、リベット216の頭部219は、割りリング213に作用して割りリングを広げ、割りリングが溝214内及び割りリング213の円錐形ボアホール215内に収容されるようにする。次いで、リング213は、リベット216の頭部219の周りを締め付ける目的のために実装されたOリングの影響下でリベット216の頭部219の周りを締め付け、その結果、リベット216は、反対の経路を辿ってリング213から出ることができなくなる。次いで、リベット216は、リベット支持モジュール100内に保持され、その本体220は、割りリング213を越えてモジュール200の外部に突出部を形成する。
【0371】
リベットコーティング作業
リベットコーティング作業を実行するために、マスチックでコーティングすることが望ましいリベット216が予め装填されたリベット支持モジュール200は、主カルーセル6を回転させることによってコーティングステーションP4に運ばれる。
【0372】
この移動中、リベット支持モジュールのピストン205は、Oリングの摩擦の影響下でサークリップ218に当接したままであり、チャンバの封止を確実にする。
【0373】
螺旋型のコーティング、又は環状型のコーティング、又は更には平行な環状ビードのコーティングを実施することが可能である。
【0374】
螺旋コーティング
螺旋型のコーティングは、リベットの端部221にマスチックの少なくとも1つの環状ビードを、リベットの頭部219の下方にマスチックの少なくとも1つの環状ビードを、リベットの端部と頭部との間にリベットの本体220に沿って螺旋ビードを堆積させることからなる。
【0375】
このために、手順は以下の通りである。
【0376】
リベット支持モジュールをコーティングするステーションに到達する前に、
-ジャッキ1053を作動させて、ノズル1050の端部を、リベット216の本体220から最も遠い末端位置に維持し、
-ジャッキ1047を作動させて、シュー1046をその係合解除位置に保持し、
-ジャッキ1060を作動させて、プローブ1058をリベット216の端部221の側の末端位置とし、
-ジャッキ1057を作動させて、シュー1046及びノズル1050を担持するブロック1054をリベット216の端部221の側のその末端位置とする。
【0377】
次いで、ノズル1050の支持体1062がプローブ1058に当接する。
【0378】
ブロック1054を担持するジャッキチャンバ1057が排気される。
【0379】
ジャッキ1036は、それが担持するハーフドッグ1038を、コーティングステーションに配置されたリベット支持モジュール100のピストンのハーフドッグ211と係合させるように作動される。本明細書において、ピストンは可動部材を構成し、2つのハーフドッグの協働は、この可動部材との主スピンドルの間接的な連結を構成する。連結は、ここでは回転接続である。
【0380】
次いで、ジャッキ1036によって担持されたハーフドッグ1038が、リベット支持モジュール100のピストン205をプローブ1058の方向に移動させる。ジャッキ1036がストロークの終点に到達すると、モジュールのピストン205は、モジュールによって担持されたリベットの頭部219と本体220との間の接続ゾーンが所与の位置にあるように配置される。各リベット支持モジュールは、所与のサイズのリベットを支持するように適合されていることに留意されたい。各リベット支持モジュールのピストン205のスピンドル51の軸に沿った長さは、ハーフドッグ1038を担持するジャッキ1036がストロークの端部に到達したときに、モジュールによって担持されるリベットの頭部219と本体220との間の接続ゾーンがスピンドル51の軸に沿って常に同じ所与の位置にあるように、支持することが意図されるリベットのサイズに応じて決定される。
【0381】
ジャッキ1060を作動させて、円錐形先端部1061がリベットの端部221に当接し、かくしてジャッキ1060のストロークを停止させるまで、プローブ1058をリベットの頭部219の方向に移動させる。
【0382】
したがって、ノズル1050が当接するプローブ1058は、リベットの端部221において(リベットの端部から所定の距離において)ノズルを移動させる。
【0383】
ジャッキ1053は、ノズル1050の端部がリベット本体と接触するまで、ノズル1050をリベットの本体220に向かって移動させる。
【0384】
主スピンドル51は、プーリ及びベルトを介して、一方ではモジュールのピストン205ひいてはそれが担持するリベットを回転駆動するように回転駆動されるが、時間t0では親ねじ1043も回転駆動される。
【0385】
同時に、マスチックポンプは、ノズル1050がリベットの端部221にマスチックを送達するように実装される。
【0386】
親ねじ1043の1回転に対応する期間の後、シュー1046は、ジャッキ1049によって親ねじ1043との噛合い位置に向かって移動される。
【0387】
シュー1046と親ねじ1043のねじ山1044の表面1045との間の接触は、親ねじ1043の1回転の一部分Xの後に終了する。1回転のこの部分は、シューがねじと接触するときに、シューとねじ山のフランクとの間に空間が残るようなランダムな相対位置にある限りにおいて必要である。したがって、親ねじによるシューの並進駆動は、この空間が回転Xのランダムな割合の作用下で吸収された後にのみ有効である。
【0388】
この段階において、1+X回転分のマスチックのビードがリベットの端部221に堆積されている。
【0389】
シュー1046が噛合い位置にあるとき、すなわち、シューと親ねじとの間の接触が完了した後、ノズル1050は、次いで、リベットの頭部219に向かって移動し始め、ノズル1050は、リベット本体220に沿ってマスチックの螺旋状ビードを堆積し始める。
【0390】
ブロック1054を担持するジャッキ1057のピストン1055が、端部221からリベットの頭部219に向かって移動されることによって当接すると、ノズル1050は、リベットの本体220と頭部219との間の接続部の高さに達する。
【0391】
単一のスピンドル51の回転は、t0から経過した時間の後に停止され、3+Yの親ねじの回転数を可能にし、Yは、リベットの端部のビードと頭部の下方のビードとの間の螺旋の回転数である。リベット長さを知ることにより、端部ビードと頭部ビードとの間の距離Z、Y=Z/親ねじピッチ(本明細書においては、コーティング対象のリベットと親ねじとが同じ回数で回転すると仮定する)を知ることができる。
【0392】
端部上に堆積されるビーズの長さは、最大で2回転分であり得るが、ヘッドの下方に少なくとも1回転分の堆積を有するように、3+Yの回転の総数を正当化する。
【0393】
主スピンドル51の回転が停止されると同時に、マスチックの堆積は、マスチックポンプを減圧することによって解除される。
【0394】
単一のスピンドル51を停止させるときに、マスチックの2-X回転分のビードをリベット頭部の下方に堆積させた(3回転-(1+X))。
【0395】
シュー1046は、ジャッキ1049によってその係合解除位置に移動される。
【0396】
ノズル1050は、ジャッキ1053によってリベット本体220から離れるように移動される。
【0397】
ノズル1050及びプローブ1058は、ジャッキ1057及び1060の伸長により、それぞれリベットの端部221の側の末端位置に移動される。
【0398】
主カルーセル6は、回転駆動されて、マスチックでコーティングされたリベットを、リベット設置装置が位置するリベット設置ステーションに運ぶ。
【0399】
環状コーティング
環状型のコーティングは、リベットの頭部219の下方にマスチックの少なくとも1つの環状ビードを堆積させることからなる。
【0400】
この目的のために、手順は以下の通りである。
【0401】
リベット支持モジュール100がコーティングステーションに到達する前に、
-ジャッキ1053を作動させて、ノズル1050の端部を、リベットの本体220から最も遠い末端位置に保持し、
-ジャッキ1049を作動させて、シュー1046を係合解除位置に保持し、
-ジャッキ1060を作動させて、プローブ1058がリベットの端部221の側の末端位置となるようにする。
【0402】
ジャッキ1036は、それが担持するハーフドッグ1038を、コーティングステーションに配置されたリベット支持モジュール100のピストンのハーフドッグ211と係合させるように作動される。
【0403】
次いで、ハーフドッグ1038は、リベット支持モジュール100のピストン205をプローブ1058の方向に移動させる。ジャッキ1036がストロークの終点に到達すると、モジュールのピストン205は、モジュール200によって担持されたリベットの頭部219と本体220との間の接続ゾーンが所与の位置にあるように配置される。各リベット支持モジュールは、所与のサイズのリベットを支持するように適合されていることに留意されたい。各リベット支持モジュールのピストンのスピンドルの軸に沿った長さは、ハーフドッグクラッチを担持するジャッキがストロークの端部に到達したときに、モジュールによって担持されるリベットの頭部と本体との間の接続ゾーンがスピンドル51の軸に沿って常に同じ所与の位置にあるように、支持することが意図されるリベットのサイズに応じて決定される。
【0404】
ジャッキ1060を作動させて、円錐形先端部1061がリベットの端部221に当接し、かくしてジャッキ1060のストロークを停止させるまで、プローブ1058をリベットの頭部219の方向に移動させる。
【0405】
ジャッキ1057を作動させて、その端部をリベットの頭部219の側部に当接させ、したがって、ノズル1050をリベットの本体220と頭部219との間の接続部の高さで停止させる。
【0406】
ジャッキ1053は、ノズル1050の端部がリベット本体220と接触するまで、ノズル1050をリベット本体220に向かって移動させる。
【0407】
主スピンドル51は、プーリ及びベルトを介して、一方ではモジュールのピストン205ひいてはそれが担持するリベットを回転駆動するように回転駆動される。
【0408】
同時に、マスチックポンプは、ノズル1050がリベットの頭部219と本体220との間の接続ゾーンにマスチックを送達するように実装される。
【0409】
主スピンドル51の回転は、リベットに少なくとも1回転の回転を与えた後に停止され、この段階で、少なくとも1回転分のビードがリベット頭部219の下方に堆積される。
【0410】
同時に、マスチックの堆積は、マスチックポンプを減圧することによって解除される。
【0411】
ノズル1050は、ジャッキ1053の後退によってリベットの本体220から離れるように移動される。
【0412】
ノズル1050及びプローブ1058は、ジャッキ1057及び1060の伸長により、それぞれリベットの端部221の側の末端位置に移動される。
【0413】
主カルーセル6を回転させて、マスチックでコーティングされたリベットを作業ステーションに運び、リベットを設置する。
【0414】
平行な環状ビードによるコーティング
リベットの端部と、リベットの本体をリベットの頭部に接続するための領域との間に、マスチックの平行な環状ビードによるリベットのコーティングは、以下のように得られる。
【0415】
ジャッキ3010を作動させて、プローブ3008を矢印Eに沿ってその末端位置まで移動させる。
【0416】
次いで、コーティング対象のリベットを担持するリベット支持モジュールがコーティングステーションに運ばれる。
【0417】
ハーフドッグ1038は、モジュールのハーフドッグ211と係合するように、及びモジュールのピストンを、それが担持するリベットの接続ゾーンがリベットの端部の側に位置するノズルとは反対側に位置するノズルのチャネル3003と位置合わせされる位置に移動させるように、対応するジャッキによって止め部に移動される。
【0418】
ジャッキ3010を矢印Fに沿って作動させて、プローブの端部3008をリベットの端部と接触させる。
【0419】
次いで、引出し部3005は、リベットの端部を越えて延在するチャネルを閉鎖するように、チャンバ3002の内部で摺動する。
【0420】
次いで、リベットは、マスチックポンプがマスチックを分配するように実装されている間に、1回転で回転駆動される。これにより、リベットの本体上に、リベットの端部と接続ゾーンとの間で平行なマスチックの複数の環状ビードを同時に堆積させることが可能になる。
【0421】
ビードが堆積されると、リベットの回転が停止され、ポンプが停止され、ジャッキが矢印Eに従って作動されて、プローブをリベットから離れるように移動させ、次いで、主カルーセルが作動されて、コーティングされたリベットを担持するモジュールをワークステーションに移動させてリベットを設置する。
【0422】
リベット設置作業
この装置は、場合に応じて、予めマスチックでコーティングされた又はコーティングされていないリベットの設置を行うように実装することができる。したがって、装置は、リベット設置装置を含む。
【0423】
リベットを担持するリベット支持モジュール200がワークステーションP5に到着した後、加工対象の構造体に予め形成された穴内へのリベットの設置は、以下のようにして行われる。
【0424】
主スピンドル51は、送りモータを介してその軸に沿って並進駆動される。
【0425】
次いで、主スピンドル51は、リベット支持モジュール200のピストン205に当接し、その結果、ピストン205は、シースの内部に延在する後退位置から、少なくとも部分的にシースの外部に延在する展開位置に向かって、その底部で当接するまでチャンバの内部で並進移動し、シースは、対応する穴にリベットの端部221を係合させるのに十分な距離にわたってカルーセルのセル内に並進する(ねじ付き端部を有するリベットの場合、ねじ部分の挿入で十分であり得る)。
【0426】
モジュールのピストンは可動部材を構成し、本明細書に記載の連結は、可動部材を一方向に並進駆動するように、主スピンドルと可動部材との単純な接触を構成する。
【0427】
次いで、送りモータを駆動して主スピンドル51を反対方向に移動させる。
【0428】
主スピンドルのこの移動中、リベット支持モジュールのピストン205は、摩擦の影響下でそのチャンバの内部で静止したままである。
【0429】
主スピンドル51は、係止リング1067を担持する雄要素162の部分が、係止解除リング1067に作用して係止解除リング1067をその係止解除位置に移動させる係止解除リング1064の円筒形部分1065内に収容されるその末端位置に到達するまで並進される。
【0430】
次いで、副スピンドル170は、(リベットの頭部と接触するまで)そのジャッキ17のチャンバに供給することによって、主スピンドル51の内部で並進される。
【0431】
副スピンドルのこの出力中に、周溝1063は、係止解除リング1064を通過する。
【0432】
次いで、主スピンドル51が前進させられ、雄要素162の部分が円筒形部分1065から出て、したがって、係止解除リングが再び副スピンドルに押し付けられ、このリングが再び周溝1063に到達すると、弾性戻し要素の作用下で溝1063内に収容される。
【0433】
次いで、副スピンドル170は、主スピンドル51の並進移動が副スピンドル170の並進移動を伴い、これらが共に長いスピンドルを形成するように、主スピンドル51と並進接続される。
【0434】
次いで、係止キー164がリベットの頭部219を押して、リベットをクランプから取り出し、リベットを穴に完全に挿入する。
【0435】
したがって、リベットは、それを穴に挿入することを可能にし、この実施形態においては、特に主スピンドル及び副スピンドルを備える排出手段によって、モジュールから排出される。
【0436】
この場合においては送りモータである、主スピンドルを駆動するモータの電流を読み取ることにより、リベットにかかるスラスト効果を知ることができ、スラスト効果がリベットの穴への完全な挿入に対応する所定の閾値よりも大きくなったときに、主スピンドルの前進を停止させることができる。
【0437】
この手法は、押圧要素15を制御するように実装された中央ジャッキを用いて位置決めが実行された場合よりも大きな労力で、かつより良好な精度で、主スピンドルで記録されたスラスト力を考慮して、リベットの効果的な位置決めを確実にすることを可能にする。
【0438】
リベットが穴に正しく挿入されると、主スピンドル51は、係止リング1067を担持する雄要素162の部分が係止解除リング1064の円筒形部分1065内に収容され、それによって係止解除リングが作動側部1069の外面に作用して、係止解除位置にある圧縮ばねの作用に抗して係止リング1067を雄要素162に対して移動させるその末端位置に移動される。
【0439】
次いで、副スピンドル170は、そのジャッキ17を作動させることによって主スピンドル51内に後退させられる。
【0440】
最後に、リベット支持モジュールのピストン205は、サークリップ218に当接するまでそのチャンバに圧縮空気を供給することによってシース内に後退され、シース90は、ジャッキ80の作用によってそのセル内に後退される。
【0441】
仮止め具の装填
本発明に係る装置は、仮止め具の設置を実行するように実施することができる。
【0442】
仮止め具2000は、従来、本体2001と、長手方向スロットを有し、本体に対して固定されるスペーサ要素を含む、スピア先端部の形状の変形可能端部2002(拡張可能及び後退可能)と、回転要素2003であって、本体に対して回転されると、スピアの離間(拡張)、次いで、本体内へのその後退を生じさせる、回転要素2003とを備える。したがって、2枚のシートを貫通する穴の中に導入された後、回転要素が回転され、本体に対して締め付けられると、スピアは、本体に対してシートの他方の側から逸脱し、次いで、本体内に後退し、シートの一方を他方の上にめっきする。仮止め具の例示的かつ非限定的な例は、米国特許第4548533号に記載されている。
【0443】
本発明に係る仮止め具は、円筒形断面を有し、同じ直径を有し、滑らかで均一な外面を有する本体と回転要素とを備える。本体及び回転要素は、他でより詳細に説明されるように、それらが定位置に係止されることを可能にするように、空間(ハウジング)によって分離される。
【0444】
仮止め具設置作業を行う前に、仮止め具支持モジュール300に仮止め具を装填しなければならない。
【0445】
この目的のために、主カルーセル6は、仮止め具支持モジュールを装填ステーションP2に運ぶように回転駆動される。
【0446】
仮止め具支持モジュールが仮止め具装填ステーションに運ばれた後、仮止め具装填作業が実施される。
【0447】
ジャッキ1005を作動させて、フォーク1003をその保持位置に配置する。
【0448】
弾薬帯1000は、仮止め具支持モジュールの軸に仮止め具2000を配置するように実装される。
【0449】
仮止め具支持モジュールのチャンバには圧縮空気が供給され、ピストン306を、その肩部307が駆動管313のフランジ314に近接する解放位置に維持する。この位置において、ピストン306の円錐形のボアホール331の表面が係止要素321に作用し、係止ラグ32の端部が駆動管の長手方向軸から離れたその静止位置に保持する。
【0450】
装填ジャッキ1002は、そのロッドの端部がそのチャンバから出て、雌部2001がフォーク1003に当接するまで仮止め具を仮止め具支持モジュールに挿入するように仮止め具の回転要素2003の頭部を押すように作動される。
【0451】
次いで、仮止め具の回転要素2003は、本体2001が第2のフリーホイール33’と係合されている間、第1のフリーホイール318と係合される。
【0452】
仮止め具支持モジュールのチャンバが大気に対して排気され、これにより、ピストン306が係止位置に到達するまでばね315の影響下においてフランジ314から離れるように移動する。この移動中、係止要素321は、ハウジング328内に収容されたばねの影響下において係止位置に戻り、次いで、係止ラグ327の端部は、回転要素2003の頭部と仮止め具の本体との間の空間E内に収容され、これにより、長手方向軸に沿ったモジュール内部での並進が阻止される。
【0453】
次いで、装填ジャッキ1002は、開始位置に後退し、そしてジャック1005が作動され、フォーク1003が解放位置に戻される。
【0454】
仮止め作業
本装置は、仮止め具の設置を可能にすることから、仮止め具設置装置を含む。
【0455】
仮止め具の設置を実行するために、仮止め具が挿入された仮止め具支持モジュールは、主カルーセルとともにワークステーションへ運ばれる。
【0456】
次いで、仮止め具支持モジュールは主スピンドルに連結されなければならない。
【0457】
この目的のために、スピンドル51は、雄要素162がベル160内に収容されるまで、ワークステーションに配置された機能モジュールの方向においてスピンドル51の軸に沿って並進駆動される。
【0458】
ピストン306が連結力に対してモジュールの長手方向軸に沿って反力を加えるように、モジュールのチャンバ内に僅かな空気圧が導入され得る。
【0459】
内部スピンドル170を矢印Eに従って移動させるために、加圧空気がジャッキ17のチャンバ171に注入される。次いで、係止キー164の斜面165が係止要素163に作用して、係止要素163をベル160の半径方向穴161と協働するそれらの連結位置に配置する。次いで、スピンドル51と駆動管とは、回転及び並進接続される。駆動管は可動部材であり、駆動管と主スピンドルとの連結は、回転及び並進の接続である。
【0460】
加工対象の構造体の穴に仮止め具を挿入するために、
-駆動管313を摺動させ、それによってピストン306をモジュール内で摺動させるように、主スピンドル51を並進させるように送りモータが実装され、
-ジャッキ80及び導管906を介して仮止め具支持モジュールに供給される圧縮ガスは、スピンドル51の下降がワークのハウジングへの仮止め具の挿入を可能にするまで排気され、
-連続送りモータは、送りモータによって消費される電流のセンサによって主スピンドル51において記録される推力が、加工対象の構造体に対する仮止め具の当接に対応する所定の閾値に達するまで、駆動管313を、したがってピストン306をモジュールの内側で摺動させ続けるように、主スピンドル51を並進させるように実装され、
-主スピンドル51は、回転モータによって回転駆動され、その結果、駆動管は、仮止め具の雄部品の頭部を回転駆動する。フリーホイールの拮抗動作が与えられると、仮止め具の雄部分は回転し、一方、雌部分は回転に関して静止状態に保持される。その結果、雄部分がねじ込まれて、穴の中で変形可能な端部を拡張させ、したがって、加工対象の構造体の穴の中で一時的な締結を固定し、
-回転モータ電流センサにより判定された締付けトルクが、仮止め具の締付け完了に対応する所定の閾値に達すると、回転モータが停止される。
-回転モータは、モジュールのフリーホイールを係合解除するために、主スピンドル51を或る程度回転駆動するように、他の方向に回転駆動される。
-空気が導管906に導入されて、ピストンをその解放位置に移動させ、係止ラグをその静止位置に配置する。
-送りモータは、スピンドル51をその元の位置に移動させるように実装される。
-主スピンドルは、駆動管がその初期位置にあるときに停止される。
-ジャッキ820を作動させてシースをその元の位置に戻す。
-ジャッキ17を作動させて係止要素163をベル160の半径方向穴161から解除し、かくして、主スピンドル51をモジュールの駆動管313から切り離す。
-送りモータは、主スピンドルをその最初の開始位置に当接係合状態に戻すように再び作動される。
-次いで、仮止め具支持モジュールは、設置されるべき新たな仮止め具を受け入れるために、仮止め具装填ステーションに再び導かれ得る。
【0461】
変形例
穿孔モジュールの場合、スピンドルと可動部材、すなわち出力シャフト又は駆動管との間の連結は直接的である。実際、スピンドル及び出力シャフト又は駆動管は、中間ギアシステムなしで、連結ギア16を介して直接相互接続される。しかしながら、中間ギアシステムを可動部材とベル160との間に介在させることができる。このような中間ギアシステムは、減速ギアとして使用することができる場合がある、又はできない場合がある。それは、運動変換を引き起こすことができないか、又は逆に運動変換(例えば、スピンドルの並進運動の、機能モジュールの少なくとも1つの可動部材の回転運動への変換)を引き起こすことができる。
【0462】
リベット支持モジュールの場合、可動部材(モジュールのピストン)とスピンドルとの間の連結は、プーリ、ベルト及びハーフドッグを介してコーティングステーションで間接的に行われる。これは、ワークステーションでの単純な接触によって直接行われる。
【0463】
本明細書において記載される機能モジュールの例は、可動部材、すなわち出力シャフト、ピストン、駆動管を含むのみである。しかしながら、いくつかの出力部材を含むことができる。
【0464】
作業の実行中、制御及び測定アセンブリのセンサは、連結されたモジュールの動作に固有のパラメータを検出することを可能にすることができる。
【0465】
穿孔作業中、例えば、以下のパラメータを測定することができる。
-ドリルビットにかかる軸方向推力:例えば、スピンドル上又はギアシステム内の力センサから、又は送りモータに電力供給するための電流の強度から推定される。
-ドリルビットにかかるトルク:例えば、スピンドル上又はギアシステム内のトルクセンサから、又は回転モータに電力供給するための電流の強度から推定される。
-ドリルビットのストローク:例えば、送りモータの角度センサから推定される。
【0466】
ねじ回し作業中、例えば、以下のパラメータを測定することができる。
-ねじストローク:例えば回転モータの角度センサから推定される。
-締付けトルク:例えば、伝動システム内のトルクセンサから、又は回転モータの強度から推定される。
【0467】
リベット設置作業中に、例えば、以下を測定することが可能である。
-リベットにかかる軸方向推力:例えば、スピンドル上又はギアシステム内の力センサから、又は送りモータに電力供給するための電流の強度から推定される。
-リベットの軸方向ストローク:例えば、送りモータの角度センサから推定される。
【0468】
仮止め具設置作業中に、例えば、以下のパラメータを測定することができる。
-仮止め具にかかる軸方向推力:例えば、スピンドル上又はギアシステム内の力センサから、又はフィードモータに電力を供給するための電流の強度から推定される。
-締付けトルク:例えば、伝動システム内のトルクセンサから、又は回転モータの強度から推定される。
【0469】
軸方向推力測定は、機能モジュールの連結中に雄要素162とベル160との協働を検出するためにも使用され得る。
【0470】
もちろん、これは可能なパラメータ測定の網羅的なリストを表すものではない。
【0471】
全てのセンサ及び他の測定手段は、制御及び測定アセンブリ5に統合される。したがって、機能モジュールは、好ましくは、いかなるセンサも含まないか、又は少なくとも非常に限られた数のセンサしか含まず、これにより、機能モジュールの構造が特に単純になり、堅牢になり、経済的になる。
【0472】
装置は、全ての空気圧アクチュエータを加圧流体供給手段及び/又は真空を生成する手段に接続することを可能にする一連の空気圧コネクタ18も備える。
【0473】
いくつかの作業を、異なるステーションで同時に実施することができ、例えば、
-穿孔又はリベット設置又は仮止め具設置作業をワークステーションにおいて行うことができる。
-リベット装填ステーションにおけるリベット装填作業、
-仮止め具装填ステーションにおける仮止め具装填作業。
【0474】
本発明に係る装置は、複数の機能、例えば、締結要素の設置、締結要素のコーティング、穿孔等を実行することを可能にする。この意味で、本装置はマルチタスク装置を構成する。したがって、本装置は、機能のそれぞれを実行することを可能にする装置、特に、コーティング装置、仮止め具設置装置、締結要素設置装置、穿孔装置、締結要素移送装置等を含む。これらの装置のそれぞれは、それ自体の機能を保証する独立した装置を形成するために分離され得る。これらの装置のうちのいくつか(特に少なくとも2つ)の任意の組合せを作製することができる。
【国際調査報告】