(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(54)【発明の名称】高調波の遠近を制御する共振構造及び誘電体フィルタ
(51)【国際特許分類】
H01P 7/10 20060101AFI20230901BHJP
H01P 1/212 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
H01P7/10
H01P1/212
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507404
(86)(22)【出願日】2021-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2021095573
(87)【国際公開番号】W WO2022028049
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】202010792915.6
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522248711
【氏名又は名称】物广系統有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】522248722
【氏名又は名称】アキュラ エレクトロニック テクノロジーズ プライベート リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】522248733
【氏名又は名称】アバレン インフォ システム テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】孟慶南
【テーマコード(参考)】
5J006
【Fターム(参考)】
5J006HC03
5J006JA31
(57)【要約】
本願は、キャビティと、支持フレームと、誘電体共振器と、カバープレートと、を含む高調波の遠近を制御する誘電体共振構造であって、キャビティは密封された空間で構成され、キャビティの1つの面がカバープレートであり、誘電体共振器は誘電体で構成され、誘電体共振器はキャビティ内に取り付けられ、支持フレームは誘電体共振器とキャビティの内壁との間の任意の位置に取り付けられ、且つ誘電体共振器とキャビティの任意の形状に合わせ、且つ該誘電体共振器を接続して固定支持する。誘電体共振器の局所に設けられるブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔又はその表面に設けられる突起は、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。設定されたキャビティ、誘電体共振器、支持フレームの材料及び寸法が変化しない場合、大部分のフィルタには、高次モードの周波数を通過帯域からできるだけ離して、主通過帯域への干渉を減少させることが求められる。本願の誘電体共振器はフィルタの高調波の遠近を制御しやすく、通過帯域外の抑制を柔軟に変更できる性能を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティと、支持フレームと、誘電体共振器と、カバープレートと、を含む高調波の遠近を制御する誘電体共振構造であって、
前記キャビティは密封された空間で構成され、キャビティの1つの面がカバープレートであり、前記誘電体共振器は誘電体で構成され、前記誘電体共振器はキャビティ内に取り付けられ、キャビティ内壁と接触せず、前記支持フレームは誘電体共振器とキャビティの内壁との間の任意の位置に取り付けられ、且つ誘電体共振器とキャビティの任意の形状に合わせ、且つ該誘電体共振器を接続して固定支持し、
前記キャビティ内に1つの単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、
又は、前記キャビティ内に2つの垂直に交差する円柱体又は多角体の単一軸方向誘電体共振器及び該単一軸方向誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、X軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上であり、ここでY軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上であり、
又は、前記キャビティ内に3つの互いに垂直に交差する円柱体又は多角体の単一軸方向誘電体共振器及び該単一軸方向誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、X軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向と平行な寸法以上であり、Y軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上であり、Z軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のZ軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つZ軸方向に平行な寸法以上であり、
前記誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が設けられ又はその表面に突起が設けられ、又はその軸方向に対称に溝、孔又は突起が開けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられ、又はその表面に突起が設けられ、前記誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が開けられ又は表面に突起が設けられて、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる、高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項2】
前記誘電体共振構造は単一軸方向誘電体共振器、垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器、又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器であり、前記誘電体共振器の角、エッジ、表面又は内部に溝又は孔が開けられ、その異なる角、エッジ及び面に、複数の溝又は孔が対称に設けられ、又はその同一面に複数の溝又は孔が設けられ、又はその内部に溝又は孔が開けられ、又はその異なる軸方向に、溝又は孔が対称に開けられる、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項3】
前記溝又は孔はブラインド溝、ブラインド孔又は貫通溝、貫通孔として設けられ、基本モードの周波数を一定に維持する場合、溝及び孔を設けることで該誘電体共振器の寸法が変化し、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる、請求項2に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項4】
前記誘電体共振器のいずれか一面の任意の位置に突起が設けられ、該突起は直方体、円柱体又は不規則な形状であり、基本モードの周波数を一定に維持する場合、突起を設けることで該誘電体共振器の寸法が変化し、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる、請求項2に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項5】
前記誘電体共振構造が単一軸方向誘電体共振器、垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器である場合、その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、その基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させ、
前記誘電体共振構造が垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器である場合、そのうちいずれか1つの軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器が、他の1つ又は2つの軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つ軸方向に平行な寸法よりも小さい場合、それに対応する基本モード及び複数の高次モードの周波数及び対応するマルチモード数及びQ値はいずれも対応して変化し、
基本モード周波数を一定に維持する場合、異なる誘電率の誘電体共振器とキャビティ、支持フレームで構成された高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、基本モード及び複数の高次モード周波数に対応するマルチモード及びQ値の大きさに変化が生じ、誘電率が異なる誘電体共振器のQ値の変化は異なり、同時に高次モードの周波数も変化する、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項6】
前記キャビティ内に1つの単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させ、キャビティ内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、少なくとも1つの必要な周波数が一定に維持する場合、前記キャビティ内壁に対応する誘電体共振器のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化し、
前記キャビティ内に2つの垂直に交差する単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、X軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上であり、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上であり、その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させ、キャビティ内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、必要な周波数が一定に維持すれば、前記キャビティ内壁に対応する誘電体共振器のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化し、
前記キャビティ内に3つの互いに垂直に交差する単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上であり、Y軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上であり、Z軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のZ軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つZ軸方向に平行な寸法よりも大きく、その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させ、キャビティ内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、必要な周波数が一定に維持すれば、前記キャビティ内壁に対応する誘電体共振器のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項7】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造である場合、誘電体共振器の局所に溝又は孔が設けられ、その隣接する高次モードの電界分散領域に溝又は孔が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界集中領域に溝又は孔が設けられた場合の周波数間隔よりも小さく、その隣接する高次モードの電界集中領域に溝又は孔が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界分散領域に溝又は孔が設けられた場合の周波数間隔よりも大きく、
誘電体共振器の局所位置に溝又は孔が開けられ、前記溝又は孔が占める体積が小さければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記溝又は孔の占める体積が大きければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きく、前記溝又は孔の数が少なければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記溝又は孔の数が多ければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項8】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造である場合、誘電体共振器の局所位置に突起があり、その高次モードの電界分散領域に突起が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界集中領域に突起が設けられた場合の周波数間隔よりも大きく、その高次モードの電界集中領域に突起が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界分散領域に突起が設けられた場合の周波数間隔よりも小さく、
前記誘電体共振器の局所位置に突起が追加され、前記突起領域が占める体積が小さければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記突起領域が占める体積が大きければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項9】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造であって、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法が変化するか、又は水平、垂直方向での寸法が変化する場合、基本モード及び複数の高次モード周波数に対応するマルチモード及びQ値の大きさに変化が生じ、誘電率が異なる誘電体共振器のQ値の変化が異なり、その基本モード周波数を一定に維持する場合、高次モード周波数と基本モード周波数、高次モードとさらなる高次モード周波数との間の間隔は複数回変化し、誘電率が異なる誘電体共振器の周波数間隔の変化も異なり、
Q値の大きさは、キャビティの内壁寸法とその3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法との比に応じて変化するか、又は水平、垂直方向での寸法が一定の比率である場合、Q値の大きさと寸法比の大きさの変化は正比例するか、又はQ値の大きさと寸法比の大きさの変化は正比例し及びQ値はある複数の具体的な比の付近で大きく変化し、異なる周波数に対応するマルチモードQ値は、ある複数の具体的な比の付近で変化が異なり、
キャビティのサイズ及び基本モード周波数が変化せず維持される場合、単一軸方向誘電体共振器の3つの軸方向サイズのうちの水平、垂直方向のサイズを任意に組み合わせて変化させると、単一軸方向誘電体共振構造の基本モードは1~3個の周波数が同一であるか又は周波数が近接するマルチモードを形成することができ、複数の異なる周波数の高次モードは複数の同一周波数における1~N個のマルチモードを形成し、垂直に交差する二軸誘電体共振構造と三軸で交差する誘電体共振構造の基本モードは1~6個の周波数が同一であるか又は周波数が近接するマルチモードを形成することができ、複数の異なる周波数の高次モードは複数の同一周波数における1~N個のマルチモードを形成し、
1つの軸方向誘電体共振器の、他の1つ、2つ又は3つの軸方向誘電体共振器のサイズに対応するキャビティのサイズが変化する場合、それに対応する基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔、Q値、モード数も対応して変化する、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項10】
前記誘電体共振器及び/又はキャビティのエッジ又は鋭角をトリミングして隣接結合を形成し、キャビティ及び誘電体共振器を三角体又は四角体に切断し、又はキャビティ又は誘電体共振器のエッジを局所的又は全て切除し、キャビティ及び誘電体共振器を同時にトリミングするか又は単独でトリミングし、トリミングにより隣接結合を形成することで周波数及びQ値が対応して変化し、隣接結合はその交差結合を変化させ、
単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器に対応するキャビティの3面の交差箇所の鋭角位置でコーナーカットを行い、及び/又はキャビティにコーナーカットを行い且つ密閉して交差結合を形成し、且つ対応する周波数及びQ値も対応して変化し、同時に隣接結合を変化させ、
前記誘電体共振器の角、エッジに溝又は孔を開け又は突起を設けると、隣接結合及び交差結合の強弱が変化する、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項11】
前記単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造に対応するキャビティ形状は直方体、立方体、多角体を含むがこれらに限定されず、キャビティの内壁表面又は内部領域の局所にくぼみ又は突起又はコーナーカット又は溝を設けることができ、誘電体共振器の電界強度が集中する位置に少なくとも1つの同調装置が設けられ、キャビティに取り付けられ、キャビティ材料は金属又は非金属であり、該キャビティの表面に銅又は銀が電気めっきされる、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項12】
単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器の断面形状は円柱体、楕円体、多角体を含むがこれらに限定されず、
前記誘電体共振器の角、エッジ、表面に溝又は孔が開けられ、又はその異なる角、エッジ及び面に、複数の溝又は孔が対称に設けられ、又はその同一面に複数の溝又は孔が設けられ、又はその内部に溝又は孔が開けられ、又はその異なる軸方向に、溝又は孔が対称に開けられ、又はその同一面に複数の溝又は孔が開けられ、又はその表面に突起が設けられ、又はその任意の面の任意の位置に異なる数の突起がある円柱体、多角体であり、
単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器は中実又は中空であり、
誘電体共振器の材料はセラミック、複合誘電体材料、誘電率が1よりも大きい誘電体材料であり、
誘電体共振器の形状の違い、材料の違い、誘電率の違いも、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔に影響を与える、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項13】
支持フレームは誘電体共振器の端面、エッジ、鋭角又はキャビティの鋭角箇所に位置し、誘電体共振器とキャビティの間に配置され、前記誘電体共振器は支持フレームによって該キャビティ内に支持され、
支持フレームと前記誘電体共振器又はキャビティを組み合わせて一体型構造又は分離型構造を形成し、
支持フレームは誘電体材料で製造され、支持フレームの材料は空気、プラスチック、又はセラミック、複合誘電体材料であり、
支持フレームが誘電体共振器の異なる位置に取り付けられる場合、それに対応する基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔も異なり、
異なる支持フレームの材料、誘電率、構造の違いも、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔に影響を与える、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項14】
前記支持フレームは圧着、接着、接合、溶接、バックル又はネジ接続の方式を用いて誘電体共振器及びキャビティに接続され、支持フレームは単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器における1つの端面又は複数の端面に接続され、
前記誘電体又は金属連結ブロックは圧着、接着、接合、溶接、バックル又はネジ接続の方式を用いて切断後の小さな誘電体共振ブロックを固定し、連結ブロックは複数の任意の形状の小さな誘電体共振ブロックに接続されて誘電体共振器を形成し、
支持フレームは誘電体共振器とキャビティの内壁に対応する任意の位置に取り付けられ、且つ誘電体共振器とキャビティの任意の形状に合わせ且つ接続して固定され、支持フレームは両面が平行な中実であるか又は中間が貫通した構造を含み、且つ誘電体共振器の同一端面又は異なる端面、エッジ、鋭角の支持フレームの数は1つ又は複数の異なる組み合わせであり、支持フレームの数の違いにより、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔が異なる、請求項13に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項15】
誘電体共振器の支持フレームはキャビティの内壁と接触して熱伝導を形成する、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項16】
単一軸方向誘電体が高調波の遠近を制御する誘電体共振構造、垂直に交差する二軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造又は互いに垂直な三軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、1~N個の異なる周波数のシングルパスバンドフィルタを構成して、異なる周波数のシングルパスバンドフィルタはマルチパスバンドフィルタ、デュプレクサ又はマルチプレクサの任意の組み合わせを構成可能で、対応する高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、さらに、金属又は誘電体のシングルモード共振キャビティ、デュアルモード共振キャビティ及びトリプルモード共振キャビティと共に、異なる形式の任意の配列で組み合わせて、必要な異なる寸法の複数のシングルパスバンド又はマルチパスバンドフィルタ、又はデュプレクサ又はマルチプレクサ又は任意の組み合わせを形成可能である、請求項1~15のいずれか一項に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造を含む誘電体フィルタ。
【請求項17】
単一軸方向誘電体が高調波の遠近を制御する誘電体共振構造、垂直に交差する二軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造又は互いに垂直な三軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造に対応するキャビティと金属共振器シングルモード又はマルチモードキャビティ、誘電体共振器シングルモード又はマルチモードキャビティは、任意の隣接結合又は交差結合の組み合わせを行うことができる、ことを特徴とする、請求項16に記載の誘電体フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は通信技術分野に関し、特に高調波の遠近を制御する共振構造及び誘電体フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波パッシブデバイスは現代のマイクロ波、ミリ波通信システムにおける極めて重要な構成部分であり、マイクロ波フィルタはこれらのマイクロ波パッシブデバイスにおける不可欠なデバイスの1つである。通信事業の急速な発展や、無線周波数スペクトルのリソースがますますひっ迫する状況に伴って、パッシブフィルタの性能指標に対して、挿入損失がより低く、体積がより小さく、帯域外抑制をより厳格にするというより高い要件が提示されている。近年出現した新型機能性セラミック材料は、高誘電率、高Q、低温バイアスの特性を有しておりパッシブフィルタに応用されるが、セラミック材料で構成されたフィルタのものは従来のキャビティフィルタの高調波に近い。設定されたキャビティ、誘電体共振器、支持フレームの材料及び寸法が変化しない場合、大部分のフィルタには、高次モードの周波数を通過帯域からできるだけ離して、主通過帯域への干渉を減少させることが求められる。少数の特殊な要件は、マルチパスバンドフィルタを形成するために高次モードの周波数を通過帯域に近づけることであり、したがって、必要な基本モードと高次モードの周波数間隔をどのように制御するかは、誘電体共振構造における課題である。
【0003】
したがって、基本モードと高次モードとの間の周波数間隔を改善する新たな誘電体共振構造を設計する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の実施例は、基本モードと高次モードとの間の周波数間隔の問題を解決することができる高調波の遠近を制御する誘電体共振構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、キャビティと、支持フレームと、誘電体共振器と、カバープレートと、を含む高調波の遠近を制御する誘電体共振構造であって、キャビティは密封された空間で構成され、キャビティの1つの面がカバープレートであり、前記誘電体共振器は誘電体で構成され、前記誘電体共振器はキャビティ内に取り付けられ、キャビティの内壁と接触せず、前記支持フレームは誘電体共振器とキャビティの内壁との間の任意の位置に取り付けられ、且つ誘電体共振器とキャビティの任意の形状に合わせ、且つ該誘電体共振器を接続して固定支持する。前記キャビティ内に1つの単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、又は、前記キャビティ内に2つの垂直に交差する円柱体又は多角体の単一軸方向誘電体共振器及び該単一軸方向誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上である。ここでY軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。又は、キャビティ内に3つの互いに垂直に交差する円柱体又は多角体の単一軸方向誘電体共振器及び該単一軸方向誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向と平行な寸法以上である。ここでY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。ここでZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のZ軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つZ軸方向に平行な寸法以上である。前記誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が設けられ又はその表面に突起が設けられる。又はその軸方向に対称に溝、孔又は突起が開けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられる。又はその表面に突起が設けられ、前記誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が開けられ又は表面に突起が設けられて、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0006】
好ましくは、誘電体共振構造は単一軸方向誘電体共振器、垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器、又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器であり、前記誘電体共振器の角、エッジ、表面又は内部に溝又は孔が開けられ、その異なる角、エッジ及び面に、複数の溝又は孔が対称に設けられる。又はその同一面に複数の溝又は孔が設けられ、又はその内部に溝又は孔が開けられ、又はその異なる軸方向に、溝又は孔が対称に開けられる。
【0007】
好ましくは、誘電体共振器に設けられる溝又は孔はブラインド溝、ブラインド孔又は貫通溝、貫通孔として設けられ、基本モードの周波数を一定に維持する場合、溝及び孔を設けることで該誘電体共振器の寸法が変化し、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0008】
好ましくは、誘電体共振器のいずれか一面の任意の位置に突起が設けられ、該突起は直方体、円柱体又は不規則な形状であり、基本モードの周波数を一定に維持する場合、突起を設けることで該誘電体共振器の寸法が変化し、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0009】
好ましくは、誘電体共振構造が単一軸方向誘電体共振器、垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器である場合、その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、その基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。前記誘電体共振構造が垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器である場合、そのうちいずれか1つの軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器が、他の1つ又は2つの軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つ軸方向に平行な寸法よりも小さい場合、それに対応する基本モード及び複数の高次モードの周波数及び対応するマルチモード数及びQ値はいずれも対応して変化し、基本モード周波数を一定に維持する場合、異なる誘電率の誘電体共振器とキャビティ、支持フレームで構成された高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、基本モード及び複数の高次モード周波数に対応するマルチモード及びQ値の大きさに変化が生じ、誘電率が異なる誘電体共振器のQ値の変化は異なり、同時に高次モードの周波数も変化する。
【0010】
好ましくは、キャビティ内に1つの単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。キャビティ内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、少なくとも1つの必要な周波数が一定に維持する場合、前記キャビティ内壁に対応する誘電体共振器のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する。前記キャビティ内に2つの垂直に交差する単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上である。ここでY軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。キャビティ内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、必要な周波数が一定に維持すれば、前記キャビティ内壁に対応する誘電体共振器のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する。前記キャビティ内に3つの互いに垂直に交差する単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上である。ここでY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。ここでZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のZ軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つZ軸方向に平行な寸法より大きい。その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。キャビティ内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、必要な周波数が一定に維持すれば、前記キャビティ内壁に対応する誘電体共振器のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する。
【0011】
好ましくは、単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造である場合、誘電体共振器の局所に溝又は孔が設けられ、ここで、その隣接する高次モードの電界分散領域に溝又は孔が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界集中領域に溝又は孔が設けられた場合の周波数間隔よりも小さい。その隣接する高次モードの電界集中領域に溝又は孔が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界分散領域に溝又は孔が設けられた場合の周波数間隔よりも大きい。誘電体共振器の局所位置に溝又は孔が開けられ、前記溝又は孔が占める体積が小さければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記溝又は孔の占める体積が大きければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい。前記溝又は孔の数が少なければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記溝又は孔の数が多ければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい。
【0012】
好ましくは、単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造である場合、誘電体共振器の局所位置に突起があり、その高次モードの電界分散領域に突起が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界集中領域に突起が設けられた場合の周波数間隔よりも大きい。その高次モードの電界集中領域に突起が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界分散領域に突起が設けられた場合の周波数間隔よりも小さい。前記誘電体共振器の局所位置に突起が追加され、前記突起領域が占める体積が小さければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さい。前記突起領域が占める体積が大きければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい。
【0013】
好ましくは、単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造であって、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法が変化するか、又は水平、垂直方向での寸法が変化する場合、基本モード及び複数の高次モード周波数に対応するマルチモード及びQ値の大きさに変化が生じ、誘電率が異なる誘電体共振器のQ値の変化が異なり、その基本モード周波数を一定に維持する場合、高次モード周波数と基本モード周波数、高次モードとさらなる高次モード周波数との間の間隔は複数回変化し、誘電率が異なる誘電体共振器の周波数間隔の変化も異なる。ここでQ値の大きさは、キャビティの内壁寸法とその3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法との比に応じて変化するか、又は水平、垂直方向での寸法が一定の比率である場合、Q値の大きさと寸法比の大きさの変化は正比例するか、又はQ値の大きさと寸法比の大きさの変化は正比例し及びQ値はある複数の具体的な比の付近で大きく変化し、異なる周波数に対応するマルチモードQ値は、ある複数の具体的な比の付近で変化が異なる。キャビティのサイズ及び基本モード周波数が変化せず維持される場合、単一軸方向誘電体共振器の3つの軸方向サイズのうちの水平、垂直方向でのサイズを任意に組み合わせて変化させると、単一軸方向誘電体共振構造の基本モードは1~3個の周波数が同一であるか又は周波数が近接するマルチモードを形成することができ、複数の異なる周波数の高次モードは複数の同一周波数における1~N個のマルチモードを形成する。垂直に交差する二軸誘電体共振構造と三軸で垂直に交差する誘電体共振構造の基本モードは1~6個の周波数が同一であるか又は周波数が近接するマルチモードを形成することができ、複数の異なる周波数の高次モードは複数の同一周波数における1~N個のマルチモードを形成する。ここで、1つの軸方向誘電体共振器の、他の1つ、2つ又は3つの軸方向誘電体共振器のサイズに対応するキャビティのサイズが変化する場合、それに対応する基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔、Q値、モード数も対応して変化する。
【0014】
好ましくは、誘電体共振器及び/又はキャビティのエッジ又は鋭角をトリミングして隣接結合を形成し、キャビティ及び誘電体共振器を三角体又は四角体に切断し、又はキャビティ又は誘電体共振器のエッジを局所的又は全て切除し、キャビティ及び誘電体共振器を同時にトリミングするか又は単独でトリミングし、トリミングにより隣接結合を形成することで周波数及びQ値が対応して変化し、隣接結合はその交差結合を変化させる。単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器に対応するキャビティの3面の交差箇所の鋭角位置でコーナーカットを行い、及び/又はキャビティにコーナーカットを行い且つ密閉して交差結合を形成し、且つ対応する周波数及びQ値も対応して変化し、同時に隣接結合を変化させ、前記誘電体共振器の角、エッジに溝又は孔を開け又は突起を設けると、隣接結合及び交差結合の強弱が変化する。
【0015】
好ましくは、単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造に対応するキャビティ形状は直方体、立方体、多角体を含むがこれらに限定されず、キャビティの内壁表面又は内部領域の局所にくぼみ又は突起又はコーナーカット又は溝を設けることができ、誘電体共振器の電界強度が集中する位置に少なくとも1つの同調装置が設けられ、キャビティに取り付けられ、キャビティ材料は金属又は非金属であり、該キャビティの表面に銅又は銀が電気めっきされる。
【0016】
好ましくは、単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器の断面形状は円柱体、楕円体、多角体を含むがこれらに限定されず、前記誘電体共振器の角、エッジ、表面に溝又は孔が開けられる。又はその異なる角、エッジ及び面に、複数の溝又は孔が対称に設けられる。又はその同一面に複数の溝又は孔が設けられ、又はその内部に溝又は孔が開けられる。又はその異なる軸方向に、溝又は孔が対称に開けられ、又はその同一面に複数の溝又は孔が開けられ、又はその表面に突起が設けられる。又はその任意の面の任意の位置に異なる数の突起がある円柱体、多角体であり、単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器は中実又は中空であり、誘電体共振器の材料はセラミック、複合誘電体材料、誘電率が1よりも大きい誘電体材料であり、誘電体共振器の形状の違い、材料の違い、誘電率の違いも、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔に影響を与える。
【0017】
好ましくは、支持フレームは誘電体共振器の端面、エッジ、鋭角又はキャビティの鋭角箇所に位置し、誘電体共振器とキャビティの間に配置され、前記誘電体共振器は支持フレームによって該キャビティ内に支持され、支持フレームと前記誘電体共振器又はキャビティを組み合わせて一体型構造又は分離型構造を形成し、支持フレームは誘電体材料で製造され、支持フレームの材料は空気、プラスチック、又はセラミック、複合誘電体材料であり、支持フレームが誘電体共振器の異なる位置に取り付けられる場合、それに対応する基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔も異なり、異なる支持フレームの材料、誘電率、構造の違いも、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔に影響を与える。
【0018】
好ましくは、支持フレームは圧着、接着、接合、溶接、バックル又はネジ接続の方式を用いて誘電体共振器及びキャビティに接続され、支持フレームは単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器における1つの端面又は複数の端面に接続され、前記誘電体又は金属連結ブロックは圧着、接着、接合、溶接、バックル又はネジ接続の方式を用いて切断後の小さな誘電体共振ブロックを固定し、連結ブロックは複数の任意の形状の小さな誘電体共振ブロックに接続されて誘電体共振器を形成し、支持フレームは誘電体共振器とキャビティの内壁に対応する任意の位置に取り付けられ、且つ誘電体共振器とキャビティの任意の形状に合わせ且つ接続して固定され、支持フレームは両面が平行な中実であるか又は中間が貫通した構造を含み、且つ誘電体共振器の同一端面又は異なる端面、エッジ、鋭角の支持フレームの数は1つ又は複数の異なる組み合わせであり、支持フレームの数の違いにより、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔が異なる。
【0019】
好ましくは、誘電体共振器の支持フレームはキャビティの内壁と接触して熱伝導を形成する。
【0020】
本発明の実施例の誘電体フィルタであって、ここで、単一軸方向誘電体が高調波の遠近を制御する誘電体共振構造、垂直に交差する二軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造又は互いに垂直な三軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、1~N個の異なる周波数のシングルパスバンドフィルタを構成して、異なる周波数のシングルパスバンドフィルタはマルチパスバンドフィルタ、デュプレクサ又はマルチプレクサの任意の組み合わせを構成可能である。対応する高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、さらに、金属又は誘電体のシングルモード共振キャビティ、デュアルモード共振キャビティ及びトリプルモード共振キャビティと共に、異なる形式の任意の配列で組み合わせて、必要な異なる寸法の複数のシングルパスバンド又はマルチパスバンドフィルタ、又はデュプレクサ又はマルチプレクサ又は任意の組み合わせを形成可能である。
【0021】
好ましくは、単一軸方向誘電体が高調波の遠近を制御する誘電体共振構造、垂直に交差する二軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造又は互いに垂直な三軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造に対応するキャビティと金属共振器シングルモード又はマルチモードキャビティ、誘電体共振器シングルモード又はマルチモードキャビティは、任意の隣接結合又は交差結合の組み合わせを行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
従来技術と比較して、本発明の実施例における誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が設けられ又はその表面に突起が設けられる。又はその軸方向に対称に溝、孔が開けられ又は突起が設けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられ、又はその表面に突起が設けられる。誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が開けられ又は表面に突起が設けられることで、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させ、誘電体共振器により高調波を遠ざけることができ、動作周波数の特性に対する高調波の影響を減少させる。本願の誘導体共振構造は、設定されたキャビティ、誘電体共振器、支持フレームの材料及び寸法が変化しない場合、大部分のフィルタには、高次モードの周波数を通過帯域からできるだけ離して、主通過帯域への干渉を減少させることが求められる。少数の特殊な要件は、マルチパスバンドフィルタを形成するために高次モードの周波数を通過帯域に近づけることである。本願の誘電体共振器はフィルタの高調波の遠近を制御しやすく、通過帯域外の抑制を柔軟に変更できる性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施例又は関連技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例又は関連技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、理解すべきことは、以下に示された図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の関連する図面を取得することができる。
【
図1】本発明の第1実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図2】本発明の第2実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図3】本発明の第3実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図4】本発明の第4実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図5】本発明の第5実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図6】本発明の第6実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図7】本発明の第7実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図8】本発明の第8実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図9】本発明の円柱形の単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図10】本発明の2つの垂直に交差する円柱形の単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図11】本発明の3つの互いに垂直に交差する円柱形の単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図12】本発明の単一軸方向誘電体共振器のシミュレーションデータ線の概略図である。
【
図13】本発明の2つの垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器のシミュレーションデータ線の概略図である。
【
図14】本発明の3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器のシミュレーションデータ線の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確、且つ完全に説明するが、明らかな点として、説明される実施例は本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく取得した全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0025】
本発明の説明において、理解すべきこととして、「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「内」、「外」等の用語が指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を説明しやすくし、説明を簡略化するためのものに過ぎず、対象の装置や素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され及び操作されるべきであることを指示又は暗示するものではなく、従って本発明を限定するものと理解すべきではない。
【0026】
さらに、「第1」、「第2」という用語は、説明する目的で用いられるに過ぎず、相対的な重要性を示すまたは暗示するもの、または示される技術的特徴の数を暗示するものとして解釈されるべきではない。したがって、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つまたは複数の該特徴を明示的または暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、「複数」の意味は、具体的に限定しない限り2つ又は2つ以上である。
【0027】
図1から
図11に示すように、本発明の実施例は、キャビティ10と、支持フレーム(図示せず)と、誘電体共振器20と、カバープレート(図示せず)と、を含む高調波の遠近(harmonic distance)を制御する誘電体共振構造を提供し、前記キャビティ10は密封された空間で構成され、キャビティ10の1つの面がカバープレートであり、前記誘電体共振器20は誘電体で構成され、前記誘電体共振器20はキャビティ10内に取り付けられ、キャビティ10の内壁と接触せず、前記支持フレームは誘電体共振器20とキャビティ10の内壁との間の任意の位置に取り付けられ、且つ誘電体共振器20とキャビティ10の任意の形状に合わせ、且つ該誘電体共振器20を接続して固定支持する。前記キャビティ10内に1つの単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びそれを固定する支持フレームが設けられて、キャビティ10と共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成する。前記誘電体共振器20の局所にブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22が設けられ又はその表面に突起25が設けられる。又はその軸方向に対称に溝、孔又は突起25が開けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられる。又はその表面に突起25が設けられ、前記誘電体共振器20の局所にブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22が開けられ又は表面に突起25が設けられて、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0028】
キャビティ10内に2つの垂直に交差する円柱体又は多角体の単一軸方向誘電体共振器20及びそれを固定する支持フレームが設けられて、キャビティ10と共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成する場合、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上である。ここでY軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のY軸寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。前記誘電体共振器20の局所にブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22が設けられ又はその表面に突起25が設けられる。又はその軸方向に対称に溝、孔又は突起25が開けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられる。又はその表面に突起25が設けられ、前記誘電体共振器20の局所にブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22が開けられ又は表面に突起25が設けられて、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0029】
キャビティ10内に3つの互いに垂直に交差する円柱体又は多角体の単一軸方向誘電体共振器20及びそれを固定する支持フレームが設けられて、キャビティ10と共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成する場合、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のX軸方向寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つX軸方向と平行な寸法以上である。ここでY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のY軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。ここでZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のZ軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つZ軸方向に平行な寸法以上である。前記誘電体共振器20の局所にブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22が設けられ又はその表面に突起25が設けられる。又はその軸方向に対称に溝、孔又は突起25が開けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられる。又はその表面に突起25が設けられ、前記誘電体共振器20の局所にブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22が開けられ又は表面に突起25が設けられて、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0030】
ここで、誘電体共振構造は単一軸方向誘電体共振器20、垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20、又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20であり、前記誘電体共振器20の角、エッジ、表面又は内部に溝又は孔が開けられ、その異なる角、エッジ及び面に、複数の溝又は孔が対称に設けられる。又はその同一面に複数の溝又は孔が設けられ、又はその内部に溝又は孔が開けられ、又はその異なる軸方向に、溝又は孔が対称に開けられる。
【0031】
誘電体共振器20に設けられる溝又は孔はブラインド溝24、ブラインド孔23又は貫通溝21、貫通孔22として設けられ、基本モードの周波数を一定に維持する場合、溝及び孔を設けることで該誘電体共振器20の寸法が変化し、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0032】
さらに、誘電体共振器20のいずれか一面の任意の位置に突起25を設けてもよく、該突起25は直方体、円柱体又は不規則な形状であり、基本モードの周波数を一定に維持する場合、突起25を設けることで該誘電体共振器20の寸法が変化し、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0033】
誘電体共振構造が単一軸方向誘電体共振器20、垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20である場合、その誘電体共振器20の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ10内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器20の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、その基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。前記誘電体共振構造が垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20である場合、そのうちいずれか1つの軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20が、他の1つ又は2つの軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つ軸方向に平行な寸法よりも小さい場合、それに対応する基本モード及び複数の高次モードの周波数及び対応するマルチモード数及びQ値はいずれも対応して変化し、基本モード周波数を一定に維持する場合、異なる誘電率の誘電体共振器20とキャビティ10、支持フレームで構成された高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、基本モード及び複数の高次モード周波数に対応するマルチモード及びQ値の大きさに変化が生じ、誘電率が異なる誘電体共振器20のQ値の変化は異なり、同時に高次モードの周波数も変化する。
【0034】
キャビティ10内に1つの単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びそれを固定する支持フレームが設けられて、キャビティ10と共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器20の端面中心とキャビティ10に対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、その誘電体共振器20の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ10内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器20の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。キャビティ10内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、少なくとも1つの必要な周波数が一定に維持する場合、前記キャビティ10内壁に対応する誘電体共振器20のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する。前記キャビティ10内に2つの垂直に交差する単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びそれを固定する支持フレームが設けられて、キャビティ10と共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器20の端面中心とキャビティ10に対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上である。ここでY軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のY軸寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。その誘電体共振器20の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ10内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器20の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。キャビティ10内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、必要な周波数が一定に維持すれば、前記キャビティ10内壁に対応する誘電体共振器20のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する。前記キャビティ10内に3つの互いに垂直に交差する単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びそれを固定する支持フレームが設けられて、キャビティ10と共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器20の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上である。ここでY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のY軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。ここでZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のZ軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つZ軸方向に平行な寸法より大きい。その誘電体共振器20の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ10内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器20の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。キャビティ10内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、必要な周波数が一定に維持すれば、前記キャビティ10内壁に対応する誘電体共振器20のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する。
【0035】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造である場合、誘電体共振器20の局所に溝又は孔が設けられ、ここで、その隣接する高次モードの電界分散領域に溝又は孔が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界集中領域に溝又は孔が設けられた場合の周波数間隔よりも小さい。その隣接する高次モードの電界集中領域に溝又は孔が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界分散領域に溝又は孔が設けられた場合の周波数間隔よりも大きい。誘電体共振器20の局所位置に溝又は孔が開けられ、前記溝又は孔が占める体積が小さければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記溝又は孔の占める体積が大きければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい。前記溝又は孔の数が少なければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記溝又は孔の数が多ければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい。
【0036】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造である場合、誘電体共振器20の局所位置に突起があり、その高次モードの電界分散領域に突起25が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界集中領域に突起25が設けられた場合の周波数間隔よりも大きい。その高次モードの電界集中領域に突起25が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界分散領域に突起25が設けられた場合の周波数間隔よりも小さい。前記誘電体共振器20の局所位置に突起25が追加され、前記突起25領域が占める体積が小さければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さい。前記突起25領域が占める体積が大きければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい。
【0037】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造であって、そのキャビティ10内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器20の寸法が変化するか、又は水平、垂直方向での寸法が変化する場合、基本モード及び複数の高次モード周波数に対応するマルチモード及びQ値の大きさに変化が生じ、誘電率が異なる誘電体共振器20のQ値の変化が異なり、その基本モード周波数を一定に維持する場合、高次モード周波数と基本モード周波数、高次モードとさらなる高次モード周波数との間の間隔は複数回変化し、誘電率が異なる誘電体共振器20の周波数間隔の変化も異なる。ここでQ値の大きさは、キャビティ10の内壁寸法とその3つの軸方向に対応する誘電体共振器20の寸法との比に応じて変化するか、又は水平、垂直方向での寸法が一定の比率である場合、Q値の大きさと寸法比の大きさの変化は正比例するか、又はQ値の大きさと寸法比の大きさの変化は正比例し及びQ値はある複数の具体的な比の付近で大きく変化し、異なる周波数に対応するマルチモードQ値は、ある複数の具体的な比の付近で変化が異なる。キャビティ10のサイズ及び基本モード周波数が変化せず維持される場合、単一軸方向誘電体共振器20の3つの軸方向サイズのうちの水平、垂直方向でのサイズを任意に組み合わせて変化させると、単一軸方向誘電体共振構造の基本モードは1~3個の周波数が同一であるか又は周波数が近接するマルチモードを形成することができ、複数の異なる周波数の高次モードは複数の同一周波数における1~N個のマルチモードを形成する。垂直に交差する二軸誘電体共振構造と三軸で交差する誘電体共振構造の基本モードは1~6個の周波数が同一であるか又は周波数が近接するマルチモードを形成することができ、複数の異なる周波数の高次モードは複数の同一周波数における1~N個のマルチモードを形成する。ここで、1つの軸方向誘電体共振器20の、他の1つ、2つ又は3つの軸方向誘電体共振器20のサイズに対応するキャビティのサイズが変化する場合、それに対応する基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔、Q値、モード数も対応して変化する。
【0038】
誘電体共振器20及び/又はキャビティ10のエッジ又は鋭角をトリミングして隣接結合を形成し、キャビティ10及び誘電体共振器20を三角体又は四角体に切断し、又はキャビティ10又は誘電体共振器20のエッジを局所的又は全て切除し、キャビティ10及び誘電体共振器20を同時にトリミングするか又は単独でトリミングし、トリミングにより隣接結合を形成することで周波数及びQ値が対応して変化し、隣接結合はその交差結合を変化させる。単一軸方向誘電体共振器20又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20に対応するキャビティ10の3面の交差箇所の鋭角位置でコーナーカットを行い、及び/又はキャビティ10にコーナーカットを行い且つ密閉して交差結合を形成し、且つ対応する周波数及びQ値も対応して変化し、同時に隣接結合を変化させ、前記誘電体共振器20の角、エッジに溝又は孔を開け又は突起25を設けると、隣接結合及び交差結合の強弱が変化する。
【0039】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造に対応するキャビティ10の形状は直方体、立方体、多角体を含むがこれらに限定されず、キャビティ10の内壁表面又は内部領域の局所にくぼみ、突起25、コーナーカット又は溝を設けることができ、誘電体共振器20の電界強度が集中する位置に少なくとも1つの同調装置が設けられ、キャビティ10に取り付けられ、キャビティ10の材料は金属又は非金属であり、該キャビティの表面に銅又は銀が電気めっきされる。
【0040】
単一軸方向誘電体共振器20又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20の断面形状は円柱体、楕円体、多角体を含むがこれらに限定されず、前記誘電体共振器20の角、エッジ、表面に溝又は孔が開けられる。又はその異なる角、エッジ及び面に、複数の溝又は孔が対称に設けられる。又はその同一面に複数の溝又は孔が設けられ、又はその内部に溝又は孔が開けられる。又はその異なる軸方向に、溝又は孔が対称に開けられ、又はその同一面に複数の溝又は孔が開けられ、又はその表面に突起25が設けられる。又はその任意の面の任意の位置に異なる数の突起25がある円柱体、多角体であり、単一軸方向誘電体共振器20又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20は中実又は中空であり、誘電体共振器20の材料はセラミック、複合誘電体材料、誘電率が1よりも大きい誘電体材料であり、誘電体共振器20の形状の違い、材料の違い、誘電率の違いも、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔に影響を与える。
【0041】
支持フレームは誘電体共振器20の端面、エッジ、鋭角又はキャビティの鋭角箇所に位置し、誘電体共振器20とキャビティの間に配置され、前記誘電体共振器20は支持フレームによって該キャビティ内に支持され、支持フレームと前記誘電体共振器20又はキャビティ10を組み合わせて一体型構造又は分離型構造を形成し、支持フレームは誘電体材料で製造され、支持フレームの材料は空気、プラスチック、又はセラミック、複合誘電体材料であり、支持フレームが誘電体共振器20の異なる位置に取り付けられる場合、それに対応する基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔も異なり、異なる支持フレームの材料、誘電率、構造の違いも、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔に影響を与える。
【0042】
支持フレームは圧着、接着、接合、溶接、バックル又はネジ接続の方式を用いて誘電体共振器20及びキャビティ10に接続され、支持フレームは単一軸方向誘電体共振器20又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20における1つの端面又は複数の端面に接続され、前記誘電体又は金属連結ブロックは圧着、接着、接合、溶接、バックル又はネジ接続の方式を用いて切断後の小さな誘電体共振ブロックを固定し、連結ブロックは複数の任意の形状の小さな誘電体共振ブロックに接続されて誘電体共振器20を形成し、支持フレームは誘電体共振器20とキャビティ10の内壁任意の位置に取り付けられ、且つ誘電体共振器20とキャビティ10の任意の形状に合わせ且つ接続して固定され、支持フレームは両面が平行な中実であるか又は中間が貫通した構造を含み、且つ誘電体共振器20の同一端面又は異なる端面、エッジ、鋭角の支持フレームの数は1つ又は複数の異なる組み合わせであり、支持フレームの数の違いにより、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔が異なる。誘電体共振器20の支持フレームはキャビティ10の内壁と接触して熱伝導を形成する。
【0043】
本発明の実施例の誘電体フィルタであって、ここで、単一軸方向誘電体が高調波の遠近を制御する誘電体共振構造、垂直に交差する二軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造又は互いに垂直な三軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、1~N個の異なる周波数のシングルパスバンドフィルタを構成して、異なる周波数のシングルパスバンドフィルタはマルチパスバンドフィルタ、デュプレクサ又はマルチプレクサの任意の組み合わせを構成可能である。対応する高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、さらに、金属又は誘電体のシングルモード共振キャビティ10、デュアルモード共振キャビティ10及びトリプルモード共振キャビティ10と共に、異なる形式の任意の配列で組み合わせて、必要な異なる寸法の複数のシングルパスバンド又はマルチパスバンドフィルタ、又はデュプレクサ又はマルチプレクサ又は任意の組み合わせを形成可能である。
【0044】
さらに、単一軸方向誘電体が高調波の遠近を制御する誘電体共振構造、垂直に交差する二軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造又は互いに垂直な三軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造に対応するキャビティ10と金属共振器シングルモード又はマルチモードキャビティ10と、誘電体共振器20シングルモード又はマルチモードキャビティ10は、任意の隣接結合又は交差結合の組み合わせを行うことができるように設けられる。
【0045】
前記誘電体共振器20の長さ、幅、高さ及び中空又は中実であるか、及び位置の設計により(ここで前記長さ、幅、高さ及び中空又は中実であるか、及び位置は誘電体共振器20を設計する過程において変更又は調整が可能なパラメータであり、これらのパラメータは同時に変更してもよく、そのうちの1つのパラメータを単独で変更してもよく、又はそのうちの一部のパラメータを変更してもよい)、誘電体共振器20を異なる周波数範囲にマッチングさせることができ、同じ体積の誘電体共振器20であれば、誘電体共振ブロックの体積が小さいほど、誘電体共振器20の周波数を高くすることができる。誘電体共振器20は多くの異なる周波数を含み、周波数が異なるため、誘電体共振器20のブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22又はその表面に突起25を設ける設計により感度も異なることから、本願はブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22又はその表面に突起25を設ける設計により、必要な周波数を敏感でない周波数として設計し、不要な周波数(すなわち高調波)を遠ざけ、高調波は一般的に高周波帯域の周波数を指し、遠ざけるとは高調波を誘電体共振器20の正常な動作周波数からできるだけ遠ざける(高周波抑制とも呼ばれる)ことを意味し、従って、本願の誘電体共振器20は高調波を遠ざけやすく、高周波抑制の実現に役立つ。
図12から
図14の線に示されることから分かるように、単一軸方向誘電体共振器20又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20おけるブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22又はその表面に突起25を設け、共振器のキャビティ10内における体積変化が小さいほど高調波が押される距離は遠くなり、誘電体共振器20におけるブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22又はその表面に突起25を設け、電界が近いほど高調波が押される距離は遠くなる。
【0046】
以上説明した装置の実施例は例示的なものに過ぎず、分離部材として説明されたユニットは物理的に分離してもよく又は分離しなくてもよく、ユニットとして示された部材は物理的ユニットであってもよく又はそうでなくてもよく、すなわち一箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布していてもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部又は全てのモジュールを選択して本実施例の解決手段の目的を達成することができる。当業者は創造的な労力を要することなく、理解して実施することができる。
【0047】
最後に説明すべきことは、以上の各実施例は本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではない。前記各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は以下のことを理解すべきである。それは依然として前記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、あるいはそのうち一部の技術的特徴を等価置換することができる。これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の主旨及び範囲から逸脱させるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の実施例における誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が設けられ又はその表面に突起が設けられる。又はその軸方向に対称に溝、孔が開けられ又は突起が設けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられ、又はその表面に突起が設けられる。誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が開けられ又は表面に突起が設けられることで、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させ、誘電体共振器により高調波を遠ざけることができ、動作周波数の特性に対する高調波の影響を減少させる。本願の誘導体共振構造は、設定されたキャビティ、誘電体共振器、支持フレームの材料及び寸法が変化しない場合、大部分のフィルタには、高次モードの周波数を通過帯域からできるだけ離して、主通過帯域への干渉を減少させることが求められる。少数の特殊な要件は、マルチパスバンドフィルタを形成するために高次モードの周波数を通過帯域に近づけることである。本願の誘電体共振器はフィルタの高調波の遠近を制御しやすく、通過帯域外の抑制を柔軟に変更できる性能を有する。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は通信技術分野に関し、特に高調波の遠近を制御する共振構造及び誘電体フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波パッシブデバイスは現代のマイクロ波、ミリ波通信システムにおける極めて重要な構成部分であり、マイクロ波フィルタはこれらのマイクロ波パッシブデバイスにおける不可欠なデバイスの1つである。通信事業の急速な発展や、無線周波数スペクトルのリソースがますますひっ迫する状況に伴って、パッシブフィルタの性能指標に対して、挿入損失がより低く、体積がより小さく、帯域外抑制をより厳格にするというより高い要件が提示されている。近年出現した新型機能性セラミック材料は、高誘電率、高Q、低温バイアスの特性を有しておりパッシブフィルタに応用されるが、セラミック材料で構成されたフィルタのものは従来のキャビティフィルタの高調波に近い。設定されたキャビティ、誘電体共振器、支持フレームの材料及び寸法が変化しない場合、大部分のフィルタには、高次モードの周波数を通過帯域からできるだけ離して、主通過帯域への干渉を減少させることが求められる。少数の特殊な要件は、マルチパスバンドフィルタを形成するために高次モードの周波数を通過帯域に近づけることであり、したがって、必要な基本モードと高次モードの周波数間隔をどのように制御するかは、誘電体共振構造における課題である。
【0003】
したがって、基本モードと高次モードとの間の周波数間隔を改善する新たな誘電体共振構造を設計する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の実施例は、基本モードと高次モードとの間の周波数間隔の問題を解決することができる高調波の遠近を制御する誘電体共振構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、キャビティと、支持フレームと、誘電体共振器と、カバープレートと、を含む高調波の遠近を制御する誘電体共振構造であって、キャビティは密封された空間で構成され、キャビティの1つの面がカバープレートであり、前記誘電体共振器は誘電体で構成され、前記誘電体共振器はキャビティ内に取り付けられ、キャビティの内壁と接触せず、前記支持フレームは誘電体共振器とキャビティの内壁との間の任意の位置に取り付けられ、且つ誘電体共振器とキャビティの任意の形状に合わせ、且つ該誘電体共振器を接続して固定支持する。前記キャビティ内に1つの単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、又は、前記キャビティ内に2つの垂直に交差する円柱体又は多角体の単一軸方向誘電体共振器及び該単一軸方向誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上である。ここでY軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。又は、キャビティ内に3つの互いに垂直に交差する円柱体又は多角体の単一軸方向誘電体共振器及び該単一軸方向誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向と平行な寸法以上である。ここでY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。ここでZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のZ軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つZ軸方向に平行な寸法以上である。前記誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が設けられ又はその表面に突起が設けられる。又はその軸方向に対称に溝、孔又は突起が開けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられる。又はその表面に突起が設けられ、前記誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が開けられ又は表面に突起が設けられて、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0006】
好ましくは、誘電体共振構造は単一軸方向誘電体共振器、垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器、又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器であり、前記誘電体共振器の角、エッジ、表面又は内部に溝又は孔が開けられ、その異なる角、エッジ及び面に、複数の溝又は孔が対称に設けられる。又はその同一面に複数の溝又は孔が設けられ、又はその内部に溝又は孔が開けられ、又はその異なる軸方向に、溝又は孔が対称に開けられる。
【0007】
好ましくは、誘電体共振器に設けられる溝又は孔はブラインド溝、ブラインド孔又は貫通溝、貫通孔として設けられ、基本モードの周波数を一定に維持する場合、溝及び孔を設けることで該誘電体共振器の寸法が変化し、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0008】
好ましくは、誘電体共振器のいずれか一面の任意の位置に突起が設けられ、該突起は直方体、円柱体又は不規則な形状であり、基本モードの周波数を一定に維持する場合、突起を設けることで該誘電体共振器の寸法が変化し、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0009】
好ましくは、誘電体共振構造が単一軸方向誘電体共振器、垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器である場合、その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、その基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。前記誘電体共振構造が垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器である場合、そのうちいずれか1つの軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の寸法が、他の1つ又は2つの軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つ軸方向に平行な寸法よりも小さい場合、それに対応する基本モード及び複数の高次モードの周波数及び対応するマルチモード数及びQ値はいずれも対応して変化し、基本モード周波数を一定に維持する場合、異なる誘電率の誘電体共振器とキャビティ、支持フレームで構成された高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、基本モード及び複数の高次モード周波数に対応するマルチモード数及びQ値の大きさに変化が生じ、誘電率が異なる誘電体共振器のQ値の変化は異なり、同時に高次モードの周波数も変化する。
【0010】
好ましくは、キャビティ内に1つの単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。キャビティ内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、少なくとも1つの必要な周波数が一定に維持する場合、前記キャビティ内壁に対応する誘電体共振器のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する。前記キャビティ内に2つの垂直に交差する単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上である。ここでY軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。キャビティ内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、前記必要な周波数が一定に維持すれば、前記キャビティ内壁に対応する誘電体共振器のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する。前記キャビティ内に3つの互いに垂直に交差する単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上である。ここでY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。ここでZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のZ軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つZ軸方向に平行な寸法より大きい。その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。キャビティ内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、前記必要な周波数が一定に維持すれば、前記キャビティ内壁に対応する誘電体共振器のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する。
【0011】
好ましくは、単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造である場合、誘電体共振器の局所に溝又は孔が設けられ、ここで、その隣接する高次モードの電界分散領域に溝又は孔が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界集中領域に溝又は孔が設けられた場合の周波数間隔よりも小さい。その隣接する高次モードの電界集中領域に溝又は孔が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界分散領域に溝又は孔が設けられた場合の周波数間隔よりも大きい。誘電体共振器の局所位置に溝又は孔が開けられ、前記溝又は孔が占める体積が小さければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記溝又は孔の占める体積が大きければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい。前記溝又は孔の数が少なければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記溝又は孔の数が多ければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい。
【0012】
好ましくは、単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造である場合、誘電体共振器の局所位置に突起があり、その高次モードの電界分散領域に突起が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界集中領域に突起が設けられた場合の周波数間隔よりも大きい。その高次モードの電界集中領域に突起が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界分散領域に突起が設けられた場合の周波数間隔よりも小さい。前記誘電体共振器の局所位置に突起が追加され、前記突起領域が占める体積が小さければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さい。前記突起領域が占める体積が大きければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい。
【0013】
好ましくは、単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造であって、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法が変化するか、又は水平、垂直方向での寸法が変化する場合、基本モード及び複数の高次モード周波数に対応するマルチモード数及びQ値の大きさに変化が生じ、誘電率が異なる誘電体共振器のQ値の変化が異なり、その基本モード周波数を一定に維持する場合、高次モード周波数と基本モード周波数、高次モードとさらなる高次モード周波数との間の間隔は複数回変化し、誘電率が異なる誘電体共振器の周波数間隔の変化も異なる。ここでQ値の大きさは、キャビティの内壁寸法とその3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法との比に応じて変化するか、又は水平、垂直方向での寸法が一定の比率である場合、Q値の大きさと寸法比の大きさの変化は正比例するか、又はQ値の大きさと寸法比の大きさの変化は正比例し及びQ値はある複数の具体的な比の付近で大きく変化し、異なる周波数に対応するマルチモードQ値は、ある複数の具体的な比の付近で変化が異なる。キャビティのサイズ及び基本モード周波数が変化せず維持される場合、単一軸方向誘電体共振器の3つの軸方向サイズのうちの水平、垂直方向でのサイズを任意に組み合わせて変化させると、単一軸方向誘電体共振構造の基本モードは1~3個の周波数が同一であるか又は周波数が近接するマルチモードを形成することができ、複数の異なる周波数の高次モードは複数の同一周波数における1~N個のマルチモードを形成する。垂直に交差する二軸誘電体共振構造と三軸で垂直に交差する誘電体共振構造の基本モードは1~6個の周波数が同一であるか又は周波数が近接するマルチモードを形成することができ、複数の異なる周波数の高次モードは複数の同一周波数における1~N個のマルチモードを形成する。ここで、1つの軸方向誘電体共振器の、他の1つ、2つ又は3つの軸方向誘電体共振器のサイズに対応するキャビティのサイズが変化する場合、それに対応する基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔、Q値、モード数も対応して変化する。
【0014】
好ましくは、誘電体共振器及び/又はキャビティのエッジ又は鋭角をトリミングして隣接結合を形成し、キャビティ及び誘電体共振器を三角体又は四角体に切断し、又はキャビティ又は誘電体共振器のエッジを局所的又は全て切除し、キャビティ及び誘電体共振器を同時にトリミングするか又は単独でトリミングし、トリミングにより隣接結合を形成することで周波数及びQ値が対応して変化し、隣接結合はその交差結合を変化させる。単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器に対応するキャビティの3面の交差箇所の鋭角位置でコーナーカットを行い、及び/又はキャビティにコーナーカットを行い且つ密閉して交差結合を形成し、且つ対応する周波数及びQ値も対応して変化し、同時に隣接結合を変化させ、前記誘電体共振器の角、エッジに溝又は孔を開け又は突起を設けると、隣接結合及び交差結合の強弱が変化する。
【0015】
好ましくは、単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造に対応するキャビティ形状は直方体、立方体、多角体を含むがこれらに限定されず、キャビティの内壁表面又は内部領域の局所にくぼみ又は突起又はコーナーカット又は溝を設けることができ、誘電体共振器の電界強度が集中する位置に少なくとも1つの同調装置が設けられ、キャビティに取り付けられ、キャビティ材料は金属又は非金属であり、該キャビティの表面に銅又は銀が電気めっきされる。
【0016】
好ましくは、単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器の断面形状は円柱体、楕円体、多角体を含むがこれらに限定されず、前記誘電体共振器の角、エッジ、表面に溝又は孔が開けられる。又はその異なる角、エッジ及び面に、複数の溝又は孔が対称に設けられる。又はその同一面に複数の溝又は孔が設けられ、又はその内部に溝又は孔が開けられる。又はその異なる軸方向に、溝又は孔が対称に開けられ、又はその同一面に複数の溝又は孔が開けられ、又はその表面に突起が設けられる。又はその任意の面の任意の位置に異なる数の突起がある円柱体、多角体であり、単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器は中実又は中空であり、誘電体共振器の材料はセラミック、複合誘電体材料、誘電率が1よりも大きい誘電体材料であり、誘電体共振器の形状の違い、材料の違い、誘電率の違いも、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔に影響を与える。
【0017】
好ましくは、支持フレームは誘電体共振器の端面、エッジ、鋭角又はキャビティの鋭角箇所に位置し、誘電体共振器とキャビティの間に配置され、前記誘電体共振器は支持フレームによって該キャビティ内に支持され、支持フレームと前記誘電体共振器又はキャビティを組み合わせて一体型構造又は分離型構造を形成し、支持フレームは誘電体材料で製造され、支持フレームの材料は空気、プラスチック、又はセラミック、複合誘電体材料であり、支持フレームが誘電体共振器の異なる位置に取り付けられる場合、それに対応する基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔も異なり、異なる支持フレームの材料、誘電率、構造の違いも、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔に影響を与える。
【0018】
好ましくは、支持フレームは圧着、接着、接合、溶接、バックル又はネジ接続の方式を用いて誘電体共振器及びキャビティに接続され、支持フレームは単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器における1つの端面又は複数の端面に接続され、前記誘電体又は金属連結ブロックは圧着、接着、接合、溶接、バックル又はネジ接続の方式を用いて切断後の小さな誘電体共振ブロックを固定し、連結ブロックは複数の任意の形状の小さな誘電体共振ブロックに接続されて誘電体共振器を形成し、支持フレームは誘電体共振器とキャビティの内壁の間の任意の位置に取り付けられ、且つ誘電体共振器とキャビティの任意の形状に合わせ且つ接続して固定され、支持フレームは両面が平行な中実であるか又は中間が貫通した構造を含み、且つ誘電体共振器の同一端面又は異なる端面、エッジ、鋭角の支持フレームの数は1つ又は複数の異なる組み合わせであり、支持フレームの数の違いにより、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔が異なる。
【0019】
好ましくは、誘電体共振器の支持フレームはキャビティの内壁と接触して熱伝導を形成する。
【0020】
本発明の実施例の誘電体フィルタであって、ここで、単一軸方向誘電体が高調波の遠近を制御する誘電体共振構造、垂直に交差する二軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造又は互いに垂直な三軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、1~N個の異なる周波数のシングルパスバンドフィルタを構成して、異なる周波数のシングルパスバンドフィルタはマルチパスバンドフィルタ、デュプレクサ又はマルチプレクサの任意の組み合わせを構成可能である。対応する高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、さらに、金属又は誘電体のシングルモード共振キャビティ、デュアルモード共振キャビティ及びトリプルモード共振キャビティと共に、異なる形式の任意の配列で組み合わせて、必要な異なる寸法の複数のシングルパスバンド又はマルチパスバンドフィルタ、又はデュプレクサ又はマルチプレクサ又は任意の組み合わせを形成可能である。
【0021】
好ましくは、単一軸方向誘電体が高調波の遠近を制御する誘電体共振構造、垂直に交差する二軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造又は互いに垂直な三軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造に対応するキャビティと金属共振器シングルモード又はマルチモードキャビティ、誘電体共振器シングルモード又はマルチモードキャビティは、任意の隣接結合又は交差結合の組み合わせを行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
従来技術と比較して、本発明の実施例における誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が設けられ又はその表面に突起が設けられる。又はその軸方向に対称に溝、孔が開けられ又は突起が設けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられ、又はその表面に突起が設けられる。誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が開けられ又は表面に突起が設けられることで、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させ、誘電体共振器により高調波を遠ざけることができ、動作周波数の特性に対する高調波の影響を減少させる。本願の誘導体共振構造は、設定されたキャビティ、誘電体共振器、支持フレームの材料及び寸法が変化しない場合、大部分のフィルタには、高次モードの周波数を通過帯域からできるだけ離して、主通過帯域への干渉を減少させることが求められる。少数の特殊な要件は、マルチパスバンドフィルタを形成するために高次モードの周波数を通過帯域に近づけることである。本願の誘電体共振器はフィルタの高調波の遠近を制御しやすく、通過帯域外の抑制を柔軟に変更できる性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施例又は関連技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例又は関連技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、理解すべきことは、以下に示された図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の関連する図面を取得することができる。
【
図1】本発明の第1実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図2】本発明の第2実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図3】本発明の第3実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図4】本発明の第4実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図5】本発明の第5実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図6】本発明の第6実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図7】本発明の第7実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図8】本発明の第8実施形態に係わる単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図9】本発明の円柱形の単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図10】本発明の2つの垂直に交差する円柱形の単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図11】本発明の3つの互いに垂直に交差する円柱形の単一軸方向誘電体共振器の構造概略図である。
【
図12】本発明の単一軸方向誘電体共振器のシミュレーションデータ線の概略図である。
【
図13】本発明の2つの垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器のシミュレーションデータ線の概略図である。
【
図14】本発明の3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器のシミュレーションデータ線の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確、且つ完全に説明するが、明らかな点として、説明される実施例は本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく取得した全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0025】
本発明の説明において、理解すべきこととして、「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「内」、「外」等の用語が指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を説明しやすくし、説明を簡略化するためのものに過ぎず、対象の装置や素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され及び操作されるべきであることを指示又は暗示するものではなく、従って本発明を限定するものと理解すべきではない。
【0026】
さらに、「第1」、「第2」という用語は、説明する目的で用いられるに過ぎず、相対的な重要性を示すまたは暗示するもの、または示される技術的特徴の数を暗示するものとして解釈されるべきではない。したがって、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つまたは複数の該特徴を明示的または暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、「複数」の意味は、具体的に限定しない限り2つ又は2つ以上である。
【0027】
図1から
図11に示すように、本発明の実施例は、キャビティ10と、支持フレーム(図示せず)と、誘電体共振器20と、カバープレート(図示せず)と、を含む高調波の遠近(harmonic distance)を制御する誘電体共振構造を提供し、前記キャビティ10は密封された空間で構成され、キャビティ10の1つの面がカバープレートであり、前記誘電体共振器20は誘電体で構成され、前記誘電体共振器20はキャビティ10内に取り付けられ、キャビティ10の内壁と接触せず、前記支持フレームは誘電体共振器20とキャビティ10の内壁との間の任意の位置に取り付けられ、且つ誘電体共振器20とキャビティ10の任意の形状に合わせ、且つ該誘電体共振器20を接続して固定支持する。前記キャビティ10内に1つの単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びそれを固定する支持フレームが設けられて、キャビティ10と共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成する。前記誘電体共振器20の局所にブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22が設けられ又はその表面に突起25が設けられる。又はその軸方向に対称に溝、孔又は突起25が開けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられる。又はその表面に突起25が設けられ、前記誘電体共振器20の局所にブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22が開けられ又は表面に突起25が設けられて、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0028】
キャビティ10内に2つの垂直に交差する円柱体又は多角体の単一軸方向誘電体共振器20及びそれを固定する支持フレームが設けられて、キャビティ10と共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成する場合、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上である。ここでY軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のY軸寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。前記誘電体共振器20の局所にブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22が設けられ又はその表面に突起25が設けられる。又はその軸方向に対称に溝、孔又は突起25が開けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられる。又はその表面に突起25が設けられ、前記誘電体共振器20の局所にブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22が開けられ又は表面に突起25が設けられて、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0029】
キャビティ10内に3つの互いに垂直に交差する円柱体又は多角体の単一軸方向誘電体共振器20及びそれを固定する支持フレームが設けられて、キャビティ10と共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成する場合、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のX軸方向寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つX軸方向と平行な寸法以上である。ここでY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のY軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。ここでZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のZ軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つZ軸方向に平行な寸法以上である。前記誘電体共振器20の局所にブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22が設けられ又はその表面に突起25が設けられる。又はその軸方向に対称に溝、孔又は突起25が開けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられる。又はその表面に突起25が設けられ、前記誘電体共振器20の局所にブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22が開けられ又は表面に突起25が設けられて、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0030】
ここで、誘電体共振構造は単一軸方向誘電体共振器20、垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20、又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20であり、前記誘電体共振器20の角、エッジ、表面又は内部に溝又は孔が開けられ、その異なる角、エッジ及び面に、複数の溝又は孔が対称に設けられる。又はその同一面に複数の溝又は孔が設けられ、又はその内部に溝又は孔が開けられ、又はその異なる軸方向に、溝又は孔が対称に開けられる。
【0031】
誘電体共振器20に設けられる溝又は孔はブラインド溝24、ブラインド孔23又は貫通溝21、貫通孔22として設けられ、基本モードの周波数を一定に維持する場合、溝及び孔を設けることで該誘電体共振器20の寸法が変化し、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0032】
さらに、誘電体共振器20のいずれか一面の任意の位置に突起25を設けてもよく、該突起25は直方体、円柱体又は不規則な形状であり、基本モードの周波数を一定に維持する場合、突起25を設けることで該誘電体共振器20の寸法が変化し、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる。
【0033】
誘電体共振構造が単一軸方向誘電体共振器20、垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20である場合、その誘電体共振器20の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ10内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器20の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、その基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。前記誘電体共振構造が垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20である場合、そのうちいずれか1つの軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の寸法が、他の1つ又は2つの軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つ軸方向に平行な寸法よりも小さい場合、それに対応する基本モード及び複数の高次モードの周波数及び対応するマルチモード数及びQ値はいずれも対応して変化し、基本モード周波数を一定に維持する場合、異なる誘電率の誘電体共振器20とキャビティ10、支持フレームで構成された高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、基本モード及び複数の高次モード周波数に対応するマルチモード数及びQ値の大きさに変化が生じ、誘電率が異なる誘電体共振器20のQ値の変化は異なり、同時に高次モードの周波数も変化する。
【0034】
キャビティ10内に1つの単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びそれを固定する支持フレームが設けられて、キャビティ10と共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器20の端面中心とキャビティ10に対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、その誘電体共振器20の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ10内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器20の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。キャビティ10内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、少なくとも1つの必要な周波数が一定に維持する場合、前記キャビティ10内壁に対応する誘電体共振器20のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する。前記キャビティ10内に2つの垂直に交差する単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びそれを固定する支持フレームが設けられて、キャビティ10と共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器20の端面中心とキャビティ10に対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上である。ここでY軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のY軸寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。その誘電体共振器20の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ10内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器20の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。キャビティ10内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、前記必要な周波数が一定に維持すれば、前記キャビティ10内壁に対応する誘電体共振器20のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する。前記キャビティ10内に3つの互いに垂直に交差する単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びそれを固定する支持フレームが設けられて、キャビティ10と共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器20の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上である。ここでY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のY軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上である。ここでZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20のZ軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器20及びY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器20の垂直方向で且つZ軸方向に平行な寸法より大きい。その誘電体共振器20の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ10内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器20の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させる。キャビティ10内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、前記必要な周波数が一定に維持すれば、前記キャビティ10内壁に対応する誘電体共振器20のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する。
【0035】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造である場合、誘電体共振器20の局所に溝又は孔が設けられ、ここで、その隣接する高次モードの電界分散領域に溝又は孔が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界集中領域に溝又は孔が設けられた場合の周波数間隔よりも小さい。その隣接する高次モードの電界集中領域に溝又は孔が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界分散領域に溝又は孔が設けられた場合の周波数間隔よりも大きい。誘電体共振器20の局所位置に溝又は孔が開けられ、前記溝又は孔が占める体積が小さければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記溝又は孔の占める体積が大きければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい。前記溝又は孔の数が少なければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記溝又は孔の数が多ければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい。
【0036】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造である場合、誘電体共振器20の局所位置に突起があり、その高次モードの電界分散領域に突起25が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界集中領域に突起25が設けられた場合の周波数間隔よりも大きい。その高次モードの電界集中領域に突起25が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界分散領域に突起25が設けられた場合の周波数間隔よりも小さい。前記誘電体共振器20の局所位置に突起25が追加され、前記突起25領域が占める体積が小さければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さい。前記突起25領域が占める体積が大きければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい。
【0037】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造であって、そのキャビティ10内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器20の寸法が変化するか、又は水平、垂直方向での寸法が変化する場合、基本モード及び複数の高次モード周波数に対応するマルチモード数及びQ値の大きさに変化が生じ、誘電率が異なる誘電体共振器20のQ値の変化が異なり、その基本モード周波数を一定に維持する場合、高次モード周波数と基本モード周波数、高次モードとさらなる高次モード周波数との間の間隔は複数回変化し、誘電率が異なる誘電体共振器20の周波数間隔の変化も異なる。ここでQ値の大きさは、キャビティ10の内壁寸法とその3つの軸方向に対応する誘電体共振器20の寸法との比に応じて変化するか、又は水平、垂直方向での寸法が一定の比率である場合、Q値の大きさと寸法比の大きさの変化は正比例するか、又はQ値の大きさと寸法比の大きさの変化は正比例し及びQ値はある複数の具体的な比の付近で大きく変化し、異なる周波数に対応するマルチモードQ値は、ある複数の具体的な比の付近で変化が異なる。キャビティ10のサイズ及び基本モード周波数が変化せず維持される場合、単一軸方向誘電体共振器20の3つの軸方向サイズのうちの水平、垂直方向でのサイズを任意に組み合わせて変化させると、単一軸方向誘電体共振構造の基本モードは1~3個の周波数が同一であるか又は周波数が近接するマルチモードを形成することができ、複数の異なる周波数の高次モードは複数の同一周波数における1~N個のマルチモードを形成する。垂直に交差する二軸誘電体共振構造と三軸で交差する誘電体共振構造の基本モードは1~6個の周波数が同一であるか又は周波数が近接するマルチモードを形成することができ、複数の異なる周波数の高次モードは複数の同一周波数における1~N個のマルチモードを形成する。ここで、1つの軸方向誘電体共振器20の、他の1つ、2つ又は3つの軸方向誘電体共振器20のサイズに対応するキャビティのサイズが変化する場合、それに対応する基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔、Q値、モード数も対応して変化する。
【0038】
誘電体共振器20及び/又はキャビティ10のエッジ又は鋭角をトリミングして隣接結合を形成し、キャビティ10及び誘電体共振器20を三角体又は四角体に切断し、又はキャビティ10及び誘電体共振器20のエッジを局所的又は全て切除し、キャビティ10及び誘電体共振器20を同時にトリミングするか又は単独でトリミングし、トリミングにより隣接結合を形成することで周波数及びQ値が対応して変化し、隣接結合はその交差結合を変化させる。単一軸方向誘電体共振器20又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20に対応するキャビティ10の3面の交差箇所の鋭角位置でコーナーカットを行い、及び/又はキャビティ10にコーナーカットを行い且つ密閉して交差結合を形成し、且つ対応する周波数及びQ値も対応して変化し、同時に隣接結合を変化させ、前記誘電体共振器20の角、エッジに溝又は孔を開け又は突起25を設けると、隣接結合及び交差結合の強弱が変化する。
【0039】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造に対応するキャビティ10の形状は直方体、立方体、多角体を含むがこれらに限定されず、キャビティ10の内壁表面又は内部領域の局所にくぼみ、突起25、コーナーカット又は溝を設けることができ、誘電体共振器20の電界強度が集中する位置に少なくとも1つの同調装置が設けられ、キャビティ10に取り付けられ、キャビティ10の材料は金属又は非金属であり、該キャビティの表面に銅又は銀が電気めっきされる。
【0040】
単一軸方向誘電体共振器20又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20の断面形状は円柱体、楕円体、多角体を含むがこれらに限定されず、前記誘電体共振器20の角、エッジ、表面に溝又は孔が開けられる。又はその異なる角、エッジ及び面に、複数の溝又は孔が対称に設けられる。又はその同一面に複数の溝又は孔が設けられ、又はその内部に溝又は孔が開けられる。又はその異なる軸方向に、溝又は孔が対称に開けられ、又はその同一面に複数の溝又は孔が開けられ、又はその表面に突起25が設けられる。又はその任意の面の任意の位置に異なる数の突起25がある円柱体、多角体であり、単一軸方向誘電体共振器20又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20は中実又は中空であり、誘電体共振器20の材料はセラミック、複合誘電体材料、誘電率が1よりも大きい誘電体材料であり、誘電体共振器20の形状の違い、材料の違い、誘電率の違いも、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔に影響を与える。
【0041】
支持フレームは誘電体共振器20の端面、エッジ、鋭角又はキャビティの鋭角箇所に位置し、誘電体共振器20とキャビティの間に配置され、前記誘電体共振器20は支持フレームによって該キャビティ内に支持され、支持フレームと前記誘電体共振器20又はキャビティ10を組み合わせて一体型構造又は分離型構造を形成し、支持フレームは誘電体材料で製造され、支持フレームの材料は空気、プラスチック、又はセラミック、複合誘電体材料であり、支持フレームが誘電体共振器20の異なる位置に取り付けられる場合、それに対応する基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔も異なり、異なる支持フレームの材料、誘電率、構造の違いも、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔に影響を与える。
【0042】
支持フレームは圧着、接着、接合、溶接、バックル又はネジ接続の方式を用いて誘電体共振器20及びキャビティ10に接続され、支持フレームは単一軸方向誘電体共振器20又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20における1つの端面又は複数の端面に接続され、前記誘電体又は金属連結ブロックは圧着、接着、接合、溶接、バックル又はネジ接続の方式を用いて切断後の小さな誘電体共振ブロックを固定し、連結ブロックは複数の任意の形状の小さな誘電体共振ブロックに接続されて誘電体共振器20を形成し、支持フレームは誘電体共振器20とキャビティ10の内壁の間の任意の位置に取り付けられ、且つ誘電体共振器20とキャビティ10の任意の形状に合わせ且つ接続して固定され、支持フレームは両面が平行な中実であるか又は中間が貫通した構造を含み、且つ誘電体共振器20の同一端面又は異なる端面、エッジ、鋭角の支持フレームの数は1つ又は複数の異なる組み合わせであり、支持フレームの数の違いにより、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔が異なる。誘電体共振器20の支持フレームはキャビティ10の内壁と接触して熱伝導を形成する。
【0043】
本発明の実施例の誘電体フィルタであって、ここで、単一軸方向誘電体が高調波の遠近を制御する誘電体共振構造、垂直に交差する二軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造又は互いに垂直な三軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、1~N個の異なる周波数のシングルパスバンドフィルタを構成して、異なる周波数のシングルパスバンドフィルタはマルチパスバンドフィルタ、デュプレクサ又はマルチプレクサの任意の組み合わせを構成可能である。対応する高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、さらに、金属又は誘電体のシングルモード共振キャビティ10、デュアルモード共振キャビティ10及びトリプルモード共振キャビティ10と共に、異なる形式の任意の配列で組み合わせて、必要な異なる寸法の複数のシングルパスバンド又はマルチパスバンドフィルタ、又はデュプレクサ又はマルチプレクサ又は任意の組み合わせを形成可能である。
【0044】
さらに、単一軸方向誘電体が高調波の遠近を制御する誘電体共振構造、垂直に交差する二軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造又は互いに垂直な三軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造に対応するキャビティ10と金属共振器シングルモード又はマルチモードキャビティ10と、誘電体共振器20シングルモード又はマルチモードキャビティ10は、任意の隣接結合又は交差結合の組み合わせを行うことができるように設けられる。
【0045】
前記誘電体共振器20の長さ、幅、高さ及び中空又は中実であるか、及び位置の設計により(ここで前記長さ、幅、高さ及び中空又は中実であるか、及び位置は誘電体共振器20を設計する過程において変更又は調整が可能なパラメータであり、これらのパラメータは同時に変更してもよく、そのうちの1つのパラメータを単独で変更してもよく、又はそのうちの一部のパラメータを変更してもよい)、誘電体共振器20を異なる周波数範囲にマッチングさせることができ、同じ体積の誘電体共振器20であれば、誘電体共振ブロックの体積が小さいほど、誘電体共振器20の周波数を高くすることができる。誘電体共振器20は多くの異なる周波数を含み、周波数が異なるため、誘電体共振器20のブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22又はその表面に突起25を設ける設計により感度も異なることから、本願はブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22又はその表面に突起25を設ける設計により、必要な周波数を敏感でない周波数として設計し、不要な周波数(すなわち高調波)を遠ざけ、高調波は一般的に高周波帯域の周波数を指し、遠ざけるとは高調波を誘電体共振器20の正常な動作周波数からできるだけ遠ざける(高周波抑制とも呼ばれる)ことを意味し、従って、本願の誘電体共振器20は高調波を遠ざけやすく、高周波抑制の実現に役立つ。
図12から
図14の線に示されることから分かるように、単一軸方向誘電体共振器20又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器20おけるブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22又はその表面に突起25を設け、共振器のキャビティ10内における体積変化が小さいほど高調波が押される距離は遠くなり、誘電体共振器20におけるブラインド溝24、貫通溝21、ブラインド孔23、貫通孔22又はその表面に突起25を設け、電界が近いほど高調波が押される距離は遠くなる。
【0046】
以上説明した装置の実施例は例示的なものに過ぎず、分離部材として説明されたユニットは物理的に分離してもよく又は分離しなくてもよく、ユニットとして示された部材は物理的ユニットであってもよく又はそうでなくてもよく、すなわち一箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布していてもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部又は全てのモジュールを選択して本実施例の解決手段の目的を達成することができる。当業者は創造的な労力を要することなく、理解して実施することができる。
【0047】
最後に説明すべきことは、以上の各実施例は本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではない。前記各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は以下のことを理解すべきである。それは依然として前記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、あるいはそのうち一部の技術的特徴を等価置換することができる。これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の主旨及び範囲から逸脱させるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の実施例における誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が設けられ又はその表面に突起が設けられる。又はその軸方向に対称に溝、孔が開けられ又は突起が設けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられ、又はその表面に突起が設けられる。誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が開けられ又は表面に突起が設けられることで、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させ、誘電体共振器により高調波を遠ざけることができ、動作周波数の特性に対する高調波の影響を減少させる。本願の誘導体共振構造は、設定されたキャビティ、誘電体共振器、支持フレームの材料及び寸法が変化しない場合、大部分のフィルタには、高次モードの周波数を通過帯域からできるだけ離して、主通過帯域への干渉を減少させることが求められる。少数の特殊な要件は、マルチパスバンドフィルタを形成するために高次モードの周波数を通過帯域に近づけることである。本願の誘電体共振器はフィルタの高調波の遠近を制御しやすく、通過帯域外の抑制を柔軟に変更できる性能を有する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティと、支持フレームと、誘電体共振器と、カバープレートと、を含む高調波の遠近を制御する誘電体共振構造であって、
前記キャビティは密封された空間で構成され、キャビティの1つの面がカバープレートであり、前記誘電体共振器は誘電体で構成され、前記誘電体共振器はキャビティ内に取り付けられ、キャビティ内壁と接触せず、前記支持フレームは誘電体共振器とキャビティの内壁との間の任意の位置に取り付けられ、且つ誘電体共振器とキャビティの任意の形状に合わせ、且つ該誘電体共振器を接続して固定支持し、
前記キャビティ内に1つの単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、
又は、前記キャビティ内に2つの垂直に交差する円柱体又は多角体の単一軸方向誘電体共振器及び該単一軸方向誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、X軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上であり、ここでY軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上であり、
又は、前記キャビティ内に3つの互いに垂直に交差する円柱体又は多角体の単一軸方向誘電体共振器及び該単一軸方向誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、X軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向と平行な寸法以上であり、Y軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上であり、Z軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のZ軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つZ軸方向に平行な寸法以上であり、
前記誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が設けられ又はその表面に突起が設けられ、又はその軸方向に対称に溝、孔又は突起が開けられ、又はその任意の面、エッジ、角に溝又は孔が開けられ、又はその表面に突起が設けられ、前記誘電体共振器の局所にブラインド溝、貫通溝、ブラインド孔、貫通孔が開けられ又は表面に突起が設けられて、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる、高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項2】
前記誘電体共振構造は単一軸方向誘電体共振器、垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器、又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器であり、前記誘電体共振器の角、エッジ、表面又は内部に溝又は孔が開けられ、その異なる角、エッジ及び面に、複数の溝又は孔が対称に設けられ、又はその同一面に複数の溝又は孔が設けられ、又はその内部に溝又は孔が開けられ、又はその異なる軸方向に、溝又は孔が対称に開けられる、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項3】
前記溝又は孔はブラインド溝、ブラインド孔又は貫通溝、貫通孔として設けられ、基本モードの周波数を一定に維持する場合、溝及び孔を設けることで該誘電体共振器の寸法が変化し、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる、請求項2に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項4】
前記誘電体共振器のいずれか一面の任意の位置に突起が設けられ、該突起は直方体、円柱体又は不規則な形状であり、基本モードの周波数を一定に維持する場合、突起を設けることで該誘電体共振器の寸法が変化し、その基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔を変化させる、請求項2に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項5】
前記誘電体共振構造が単一軸方向誘電体共振器、垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器である場合、その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、その基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させ、
前記誘電体共振構造が垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器である場合、そのうちいずれか1つの軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器
の寸法が、他の1つ又は2つの軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つ軸方向に平行な寸法よりも小さい場合、それに対応する基本モード及び複数の高次モードの周波数及び対応するマルチモード数及びQ値はいずれも対応して変化し、
基本モード周波数を一定に維持する場合、異なる誘電率の誘電体共振器とキャビティ、支持フレームで構成された高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、基本モード及び複数の高次モード周波数に対応するマルチモード
数及びQ値の大きさに変化が生じ、誘電率が異なる誘電体共振器のQ値の変化は異なり、同時に高次モードの周波数も変化する、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項6】
前記キャビティ内に1つの単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させ、キャビティ内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、少なくとも1つの必要な周波数が一定に維持する場合、前記キャビティ内壁に対応する誘電体共振器のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化し、
前記キャビティ内に2つの垂直に交差する単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、X軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上であり、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上であり、その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させ、キャビティ内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、
前記必要な周波数が一定に維持すれば、前記キャビティ内壁に対応する誘電体共振器のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化し、
前記キャビティ内に3つの互いに垂直に交差する単一軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器及び該誘電体共振器を固定する支持フレームが設けられて、キャビティと共に1つのマルチモード誘電体共振構造を形成し、誘電体共振器の端面中心とキャビティに対応する内壁面の中心位置は近接又は重なり合い、ここでX軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のX軸方向の寸法は、Y軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つX軸方向に平行な寸法以上であり、Y軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のY軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びZ軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つY軸方向に平行な寸法以上であり、Z軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器のZ軸方向の寸法は、X軸の円柱体又は多角体の誘電体共振器及びY軸方向の円柱体又は多角体の誘電体共振器の垂直方向で且つZ軸方向に平行な寸法よりも大きく、その誘電体共振器の水平及び垂直方向の寸法がトリミング、溝開け、コーナーカットされることによる、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法の変化又は水平、垂直方向での寸法の変化は、基本モード及び複数の高次モード周波数並びに対応するマルチモード数及びQ値を変化させ、キャビティ内壁のX、Y、Z軸の寸法が変化する場合、
前記必要な周波数が一定に維持すれば、前記キャビティ内壁に対応する誘電体共振器のX、Y、Z軸の寸法も対応して変化する、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項7】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造である場合、誘電体共振器の局所に溝又は孔が設けられ、その隣接する高次モードの電界分散領域に溝又は孔が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界集中領域に溝又は孔が設けられた場合の周波数間隔よりも小さく、その隣接する高次モードの電界集中領域に溝又は孔が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界分散領域に溝又は孔が設けられた場合の周波数間隔よりも大きく、
誘電体共振器の局所位置に溝又は孔が開けられ、前記溝又は孔が占める体積が小さければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記溝又は孔の占める体積が大きければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きく、前記溝又は孔の数が少なければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記溝又は孔の数が多ければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項8】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造である場合、誘電体共振器の局所位置に突起があり、その高次モードの電界分散領域に突起が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界集中領域に突起が設けられた場合の周波数間隔よりも大きく、その高次モードの電界集中領域に突起が設けられると、その基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数は、電界分散領域に突起が設けられた場合の周波数間隔よりも小さく、
前記誘電体共振器の局所位置に突起が追加され、前記突起領域が占める体積が小さければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は小さく、前記突起領域が占める体積が大きければ、基本モードと隣接する高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔は大きい、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項9】
単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造であって、そのキャビティ内壁の寸法と3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法が変化するか、又は水平、垂直方向での寸法が変化する場合、基本モード及び複数の高次モード周波数に対応するマルチモード
数及びQ値の大きさに変化が生じ、誘電率が異なる誘電体共振器のQ値の変化が異なり、その基本モード周波数を一定に維持する場合、高次モード周波数と基本モード周波数、高次モードとさらなる高次モード周波数との間の間隔は複数回変化し、誘電率が異なる誘電体共振器の周波数間隔の変化も異なり、
Q値の大きさは、キャビティの内壁寸法とその3つの軸方向に対応する誘電体共振器の寸法との比に応じて変化するか、又は水平、垂直方向での寸法が一定の比率である場合、Q値の大きさと寸法比の大きさの変化は正比例するか、又はQ値の大きさと寸法比の大きさの変化は正比例し及びQ値はある複数の具体的な比の付近で大きく変化し、異なる周波数に対応するマルチモードQ値は、ある複数の具体的な比の付近で変化が異なり、
キャビティのサイズ及び基本モード周波数が変化せず維持される場合、単一軸方向誘電体共振器の3つの軸方向サイズのうちの水平、垂直方向のサイズを任意に組み合わせて変化させると、単一軸方向誘電体共振構造の基本モードは1~3個の周波数が同一であるか又は周波数が近接するマルチモードを形成することができ、複数の異なる周波数の高次モードは複数の同一周波数における1~N個のマルチモードを形成し、垂直に交差する二軸誘電体共振構造と三軸で交差する誘電体共振構造の基本モードは1~6個の周波数が同一であるか又は周波数が近接するマルチモードを形成することができ、複数の異なる周波数の高次モードは複数の同一周波数における1~N個のマルチモードを形成し、
1つの軸方向誘電体共振器の、他の1つ、2つ又は3つの軸方向誘電体共振器のサイズに対応するキャビティのサイズが変化する場合、それに対応する基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔、Q値、モード数も対応して変化する、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項10】
前記誘電体共振器及び/又はキャビティのエッジ又は鋭角をトリミングして隣接結合を形成し、キャビティ及び誘電体共振器を三角体又は四角体に切断し、又はキャビティ又は誘電体共振器のエッジを局所的又は全て切除し、キャビティ及び誘電体共振器を同時にトリミングするか又は単独でトリミングし、トリミングにより隣接結合を形成することで周波数及びQ値が対応して変化し、隣接結合はその交差結合を変化させ、
単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器に対応するキャビティの3面の交差箇所の鋭角位置でコーナーカットを行い、及び/又はキャビティにコーナーカットを行い且つ密閉して交差結合を形成し、且つ対応する周波数及びQ値も対応して変化し、同時に隣接結合を変化させ、
前記誘電体共振器の角、エッジに溝又は孔を開け又は突起を設けると、隣接結合及び交差結合の強弱が変化する、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項11】
前記単一軸方向誘電体共振構造又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振構造に対応するキャビティ形状は直方体、立方体、多角体を含むがこれらに限定されず、キャビティの内壁表面又は内部領域の局所にくぼみ又は突起又はコーナーカット又は溝を設けることができ、誘電体共振器の電界強度が集中する位置に少なくとも1つの同調装置が設けられ、キャビティに取り付けられ、キャビティ材料は金属又は非金属であり、該キャビティの表面に銅又は銀が電気めっきされる、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項12】
単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器の断面形状は円柱体、楕円体、多角体を含むがこれらに限定されず、
前記誘電体共振器の角、エッジ、表面に溝又は孔が開けられ、又はその異なる角、エッジ及び面に、複数の溝又は孔が対称に設けられ、又はその同一面に複数の溝又は孔が設けられ、又はその内部に溝又は孔が開けられ、又はその異なる軸方向に、溝又は孔が対称に開けられ、又はその同一面に複数の溝又は孔が開けられ、又はその表面に突起が設けられ、又はその任意の面の任意の位置に異なる数の突起がある円柱体、多角体であり、
単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器は中実又は中空であり、
誘電体共振器の材料はセラミック、複合誘電体材料、誘電率が1よりも大きい誘電体材料であり、
誘電体共振器の形状の違い、材料の違い、誘電率の違いも、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔に影響を与える、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項13】
支持フレームは誘電体共振器の端面、エッジ、鋭角又はキャビティの鋭角箇所に位置し、誘電体共振器とキャビティの間に配置され、前記誘電体共振器は支持フレームによって該キャビティ内に支持され、
支持フレームと前記誘電体共振器又はキャビティを組み合わせて一体型構造又は分離型構造を形成し、
支持フレームは誘電体材料で製造され、支持フレームの材料は空気、プラスチック、又はセラミック、複合誘電体材料であり、
支持フレームが誘電体共振器の異なる位置に取り付けられる場合、それに対応する基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔も異なり、
異なる支持フレームの材料、誘電率、構造の違いも、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードの周波数間隔に影響を与える、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項14】
前記支持フレームは圧着、接着、接合、溶接、バックル又はネジ接続の方式を用いて誘電体共振器及びキャビティに接続され、支持フレームは単一軸方向誘電体共振器又は垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器又は3つの互いに垂直に交差する単一軸方向誘電体共振器における1つの端面又は複数の端面に接続され、
前記誘電体又は金属連結ブロックは圧着、接着、接合、溶接、バックル又はネジ接続の方式を用いて切断後の小さな誘電体共振ブロックを固定し、連結ブロックは複数の任意の形状の小さな誘電体共振ブロックに接続されて誘電体共振器を形成し、
支持フレームは誘電体共振器とキャビティの内壁
の間の任意の位置に取り付けられ、且つ誘電体共振器とキャビティの任意の形状に合わせ且つ接続して固定され、支持フレームは両面が平行な中実であるか又は中間が貫通した構造を含み、且つ誘電体共振器の同一端面又は異なる端面、エッジ、鋭角の支持フレームの数は1つ又は複数の異なる組み合わせであり、支持フレームの数の違いにより、基本モードと高次モード、又は高次モードとさらなる高次モードとの間の周波数間隔が異なる、請求項13に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項15】
誘電体共振器の支持フレームはキャビティの内壁と接触して熱伝導を形成する、請求項1に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造。
【請求項16】
単一軸方向誘電体が高調波の遠近を制御する誘電体共振構造、垂直に交差する二軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造又は互いに垂直な三軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、1~N個の異なる周波数のシングルパスバンドフィルタを構成して、異なる周波数のシングルパスバンドフィルタはマルチパスバンドフィルタ、デュプレクサ又はマルチプレクサの任意の組み合わせを構成可能で、対応する高調波の遠近を制御する誘電体共振構造は、さらに、金属又は誘電体のシングルモード共振キャビティ、デュアルモード共振キャビティ及びトリプルモード共振キャビティと共に、異なる形式の任意の配列で組み合わせて、必要な異なる寸法の複数のシングルパスバンド又はマルチパスバンドフィルタ、又はデュプレクサ又はマルチプレクサ又は任意の組み合わせを形成可能である、請求項1~15のいずれか一項に記載の高調波の遠近を制御する誘電体共振構造を含む誘電体フィルタ。
【請求項17】
単一軸方向誘電体が高調波の遠近を制御する誘電体共振構造、垂直に交差する二軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造又は互いに垂直な三軸により高調波の遠近を制御する誘電体共振構造に対応するキャビティと金属共振器シングルモード又はマルチモードキャビティ、誘電体共振器シングルモード又はマルチモードキャビティは、任意の隣接結合又は交差結合の組み合わせを行うことができる、ことを特徴とする、請求項16に記載の誘電体フィルタ。
【国際調査報告】