(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(54)【発明の名称】導電率を検出するための装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0537 20210101AFI20230901BHJP
A61N 1/36 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
A61B5/0537 200
A61N1/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511930
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(85)【翻訳文提出日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 GB2021052061
(87)【国際公開番号】W WO2022038336
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522440968
【氏名又は名称】アクテジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】コチェ, アノ ジェイコブ
【テーマコード(参考)】
4C053
4C127
【Fターム(参考)】
4C053JJ02
4C053JJ18
4C053JJ24
4C127AA06
4C127DD03
4C127GG15
4C127JJ03
(57)【要約】
対象者(41)と、対象者(41)の電気刺激のためのデバイス(1)との間の導電率を検出するための装置(30)が、説明される。装置(30)は、第1の場所(42)において、対象者(41)の皮膚と接触するように適合されている第1の電気接触部(51)と、第2の場所(43)において、対象者(41)の皮膚と接触するように適合されている第2の電気接触部(52)とを備える。また、第1の電気接触部(51)に結合されている出力と第2の電気接触部(52)に結合されている入力とを有するプロセッサ(21)と、プロセッサ(21)に結合されている出力デバイス(26)とが、存在する。プロセッサ(21)は、交流電圧信号(40)を第1の電気接触部(51)に出力し、第2の電気接触部(52)から応答信号を受信するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者と、前記対象者の電気刺激のためのデバイスとの間の導電率を検出するための装置であって、前記装置は、
(i)使用時、第1の場所において対象者の皮膚と接触するように適合されている第1の電気接触部と、
(ii)使用時、第2の場所において前記対象者の前記皮膚と接触するように適合されている第2の電気接触部と、
(iii)前記第1の電気接触部に結合されている出力と前記第2の電気接触部に結合されている入力とを有するプロセッサと、
(iv)前記プロセッサに結合されている出力デバイスと
を備え、前記プロセッサは、交流電圧信号を前記第1の電気接触部に出力し、前記第2の電気接触部から応答信号を受信するように構成され、前記プロセッサは、(a)使用時、前記受信された応答信号に応答して出力信号を前記出力デバイスに送信することであって、前記出力信号は、前記受信された応答信号に対応し、前記デバイスと前記対象者との間の前記導電率を示す、こと、または(b)前記プロセッサによって受信された前記応答信号の電圧振幅が閾値を下回っている場合に出力信号を前記出力デバイスに送信することであって、前記出力信号は、前記対象者と前記デバイスとの間の前記導電率が前記閾値を下回っていることを示す、ことのいずれかを行うようにさらに構成されている、装置。
【請求項2】
前記装置は、アナログ/デジタル(A/D)変換器手段をさらに備え、前記A/D変換器手段は、前記応答信号を前記第2の電気接触部から受信し、前記応答信号をデジタル信号に変換し、前記デジタル信号を前記プロセッサに送信する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記交流電圧信号は、10V未満の振幅を有する、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記振幅は、約5V未満であるかまたは約5Vに等しく、好ましくは、1V~5Vである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記交流電圧信号は、矩形波信号を含む、前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記交流電圧信号は、500Hz~100kHzの周波数を有する、前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記出力デバイスは、視覚的表示デバイス、可聴信号出力デバイス、触覚信号出力デバイス、およびワイヤレスデータ信号出力デバイスのうちの少なくとも1つを備える、前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記出力デバイスは、ワイヤレスデータ信号出力デバイスを備え、前記ワイヤレスデータ信号出力デバイスは、Bluetooth(登録商標)伝送機を備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記プロセッサによって受信された前記応答信号の前記電圧振幅が閾値を下回る場合、前記出力信号を前記出力デバイスに送信し、前記閾値は、前記出力交流電圧信号の50%未満である前記応答信号の振幅に対応する、前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記閾値は、前記出力交流電圧信号の20%~30%である前記応答信号の振幅に対応する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1および第2の電気接触部は、前記第1および第2の場所が前記対象者の異なる手足上にあるように前記対象者の前記皮膚と接触するように適合されている、前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記第1および第2の場所は、前記対象者の異なる下腿上にある、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
対象者の電気刺激のためのデバイスであって、前記デバイスは、請求項1~12のいずれかに記載の装置と、使用時、対象者の身体部分の筋肉に電気刺激電圧を印加するように適合されている電気刺激手段とを備える、デバイス。
【請求項14】
前記電気刺激手段は、第1および第2の電気刺激接触表面を備え、前記第1の電気接触部および前記第1の電気刺激接触表面の一方は、前記第1の電気接触部および前記第1の電気刺激接触表面の他方内に位置し、前記第2の電気接触部および前記第2の電気刺激接触表面の一方は、前記第2の電気接触部および前記第2の電気刺激接触表面の他方内に位置している、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第1の電気接触部は、前記第1の電気刺激接触表面内に位置し、前記第2の電気接触部は、前記第2の電気刺激接触表面内に位置している、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第1の電気接触部は、前記第1の電気刺激接触表面から電気的に絶縁されており、前記第2の電気接触部は、前記第2の電気刺激接触表面から電気的に絶縁されている。請求項14または請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第1および第2の電気接触部の少なくとも一部は、それぞれの前記第1および第2の電気刺激接触表面の上方に広がっている、請求項14~16のいずれかに記載のデバイス。
【請求項18】
前記デバイスは、使用時、電気刺激を対象者の足に印加するように適合されている、請求項13~17のいずれかに記載のデバイス。
【請求項19】
前記第1および第2の電気刺激接触表面は、各々、使用時、前記対象者の足のそれぞれの足底面と接触するように適合されている、請求項14または請求項17のいずれかに従属するときの請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記デバイスは、筐体をさらに備え、前記電気刺激手段および前記第1および第2の電気接触部は、前記筐体の外側部分上に位置している、請求項13~19のいずれかに記載のデバイス。
【請求項21】
前記電気刺激手段は、前記対象者の手足の筋肉を刺激するように適合されている、請求項13~20のいずれかに記載のデバイス。
【請求項22】
前記電気刺激手段は、前記対象者の脚部および足の筋肉のうちの少なくとも1つを刺激するように適合されている、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
システムであって、前記システムは、(i)請求項1に記載の装置または(ii)請求項30に記載のデバイスのいずれかと、遠隔デバイスとを備え、前記遠隔デバイスは、遠隔ワイヤレスデータ入力デバイス、遠隔プロセッサ、および遠隔出力デバイスを備え、前記プロセッサは、前記受信された応答信号に応答して前記出力信号を前記出力デバイスに送信し、前記出力デバイスは、ワイヤレスデータ出力デバイスを備え、前記出力信号は、前記ワイヤレスデータ出力デバイスによって発されるワイヤレスデータ信号を備え、前記遠隔ワイヤレスデータ入力デバイスは、前記ワイヤレスデータ信号を受信し、前記受信された信号を前記遠隔プロセッサに送信するように適合されており、前記受信された信号が閾値より小さい場合、前記遠隔プロセッサは、遠隔出力信号を前記遠隔出力デバイスに出力し、前記遠隔出力信号は、前記対象者と前記デバイスとの間の導電率が低すぎることを示す、システム。
【請求項24】
前記遠隔出力信号に応答して、前記遠隔出力デバイスは、前記対象者と前記デバイスとの間の前記導電率が前記閾値を下回っていることの遠隔ユーザ出力信号を生成する、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
対象者と、前記対象者の電気刺激のためのデバイスとの間の導電率を検出するための方法であって、前記方法は、
(i)第1の場所において、第1の電気接触部を対象者の皮膚に接触させることと、
(ii)第2の場所において、第2の電気接触部を前記対象者の前記皮膚に接触させることと、
(iii)交流電圧信号を前記第1の電気接触部に印加することと、
(iv)前記第2の電気接触部において応答信号を受信することと、
(V)前記応答信号をプロセッサに伝送することと
を含み、前記プロセッサは、交流電圧信号を前記第1の電気接触部に出力し、前記第2の電気接触部から応答信号を受信するように構成され、前記プロセッサは、(a)使用時、前記受信された応答信号に応答して出力信号を前記出力デバイスに送信することであって、前記出力信号は、前記受信された応答信号に対応し、前記デバイスと前記対象者との間の前記導電率を示す、こと、または(b)前記プロセッサによって受信された前記応答信号の電圧振幅が閾値を下回っている場合に出力信号を前記出力デバイスに送信することであって、前記出力信号は、前記対象者と前記デバイスとの間の前記導電率が前記閾値を下回っていることを示す、ことのいずれかを行うようにさらに構成されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電率を検出するための装置に関し、具体的には、対象者と、対象者の電気刺激のためのデバイスとの間の導電率を検出するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
循環を向上させるための対象者の電気刺激が、公知である。特に、静脈内血流を向上させるための対象者の足および脚部の電気刺激が、公知であり、当技術分野において報告されている。例えば、Kaplan,R.E.et al.「Electrical foot stimulation and implications for the prevention of venous thromboembolic disease」(Thrombosis and haemostasis, 2002年, vol. 88, no2, 頁200~204)は、対象者に対して行われた実験の結果を説明しており、その中では、弱い電気刺激が、対象者のふくらはぎまたは足底筋に印加された。分析は、非刺激側と比較して、電気刺激が印加された側の対象者の静脈内大腿部および膝窩血流の増加を示した。
【0003】
さらに、W Man,I.O.,et al.「Effect of neuromuscular electrical stimulation on foot/ankle volume during standing」(Med Sci Sports Exerc., 2003年4月, 35(4), 頁630~634)は、対象者の下腿筋肉の神経筋電気刺激が、長時間立っていた後に一般的に経験される足および足関節の体積の増加を阻止したことを報告している。神経筋電気刺激は、筋静脈内ポンプを完全に活性化する能力のない対象者の下肢の膨張を低減させるための手段を提供すると結論付けられた。
【0004】
Faghri,P.D.,et al.「Electrical stimulation-induced contraction to reduce blood stasis during arthroplasty」(IEEE Trans Rehabil Eng., 1997年3月,5(1),頁62~69)は、生理的筋肉ポンプを引き出すことによって連続電気刺激誘発性収縮が対象者内の下腿循環を向上させ得ることを示唆するデータを報告している。これは、ひいては、例えば、人工股関節および/または膝の手術中の静脈内循環の向上および鬱血の低減につながる。筆者は、この技法が、手術中、深部静脈血栓症(DVT)および肺動脈塞栓症(PE)に対して、一般的に使用される順次圧縮デバイスおよび技法より優れた保護を提供し得ることを提言する。
【0005】
Faghri,P.D.,et al.「Venous hemodynamics of the lower extremities in response to electrical stimulation」(Arch Phys Med Rehabil., 1998年7月,79(7),頁842~848)は、行われた実験から、周期的単一電気刺激誘発性のふくらはぎの筋肉収縮が有意な筋肉ポンプ機能を生み出し、静脈内血流を向上させ、下腿の鬱血を低減させるために使用され得る一方、連続電気刺激誘発性収縮は生理的静脈内筋肉ポンプを引き出しながら下腿の周囲灌流を向上させ得ると結論付けた。
【0006】
Anderson,S.I.,et al.「Chronic transcutaneous electrical stimulation of calf muscles improves functional capacity without inducing systemic inflammation in claudicants」(Eur J Vasc Endovasc Surg.,2004年2月,27(2),頁201~209)は、慢性電気筋肉刺激が間欠性跛行を弛緩するための有効な処置であると報告している。わずかな筋肉質量の標的活性化によるその技法は、重大な全身性炎症反応を引き起こさない。
【0007】
静脈内血栓症および肺動脈塞栓症の予防のための神経筋刺激の方法が、米国第5,358,513号(特許文献1)に開示されている。その方法は、総腓骨神経の直接近位にある対象者の膝の前方部分に取り付けられた電極を用いて対象者に電気刺激を印加することを含む。電気刺激は、ひと続きのパルス変調正弦波として印加される。
【0008】
さらに最近では、米国第6,615,080号(特許文献2)が、深部静脈血栓症(DVT)、肺動脈塞栓症(PE)、および下肢の浮腫の予防のための対象者の足筋の神経電気刺激を開示している。その方法は、特に、可変周波数、持続時間、強度、ランプタイム、およびオン-オフサイクルの短形波パターンにおいて足の筋肉に電気パルスを印加することを含む。電気刺激は、対象者の足の裏に印加され、ヒラメ筋静脈内の血液貯留を低減させる。
【0009】
対象者の電気刺激のためのデバイスは、公知であり、市販されている。特に、対象者の足に、(とりわけ、足底筋に)電気刺激を印加するためのデバイスが、公知であり、市販されている。そのようなデバイスの一例は、英国にあるActegy Limitedから入手可能であるREVITIVE(登録商標) Circulation BoosterTMであり、英国特許出願第2493904号に説明されている。
【0010】
第GB2493904A号(特許文献3)に開示されているデバイスは、ディスクの片側上に電気接触パッドの対を伴い、反対側上にロッカー(rocker)要素を伴う円形ディスクを備える。使用時、ユーザ(または対象者)は、その足をパッド上に置き、ロッカー要素は、床または地面に接触しており、それによって、デバイスは、ロッカー要素に対して前後に揺動する。可変強度の電気刺激が、次いで、パッドを通してユーザの足の足底筋に提供され、ユーザの脚筋の反復的収縮および弛緩を引き起こす。ロッカー要素の利点は、ディスクが、前後に揺動する(または枢動する)ことを可能にし、それによって、ユーザの足が電気刺激サイクル中に足関節まわりに移動することを可能にすることである。
【0011】
しかしながら、電気刺激の有効性は、ユーザの足と電気接触パッドとの間の導電率に有意に影響を受け得ることが、認識されている。極端な場合では、導電率が低い場合、電気刺激の有効性は最小限であるか、または存在さえしないかもしれないことが、見出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5358513号明細書
【特許文献2】米国特許第6615080号明細書
【特許文献3】英国特許出願公開第2493904号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の局面による、対象者と、対象者の電気刺激のためのデバイスとの間の導電率を検出するための装置が、提供され、装置は、
(i)使用時、第1の場所において対象者の皮膚と接触するように適合されている第1の電気接触部と、
(ii)使用時、第2の場所において対象者の皮膚と接触するように適合されている第2の電気接触部と、
(iii)第1の電気接触部に結合されている出力と第2の電気接触部に結合されている入力とを有するプロセッサと、
(iv)プロセッサに結合されている出力デバイスと
を備え、プロセッサは、交流電圧信号を第1の電気接触部に出力し、第2の電気接触部から応答信号を受信するように構成され、プロセッサは、(a)使用時、受信された応答信号に応答して出力信号を出力デバイスに送信することであって、出力信号は、受信された応答信号に対応し、デバイスと対象者との間の導電率を示す、こと、または(b)プロセッサによって受信された応答信号の電圧振幅が閾値を下回っている場合に出力信号を出力デバイスに送信することであって、出力信号は、対象者とデバイスとの間の導電率が閾値を下回っていることを示す、ことのいずれかを行うようにさらに構成されている。
【0014】
本発明の第2の局面による、対象者と、対象者の電気刺激のためのデバイスとの間の導電率を検出する方法が、提供され、方法は、
(i)第1の場所において、第1の電気接触部を対象者の皮膚に接触させることと、
(ii)第2の場所において、第2の電気接触部を対象者の皮膚に接触させることと、
(iii)交流電圧信号を第1の電気接触部に印加することと、
(iv)第2の電気接触部において応答信号を受信することと
を含み、プロセッサは、交流電圧信号を第1の電気接触部に出力し、第2の電気接触部から応答信号を受信するように構成され、プロセッサは、(a)使用時、受信された応答信号に応答して出力信号を出力デバイスに送信することであって、出力信号は、受信された応答信号に対応し、デバイスと対象者との間の導電率を示す、こと、または(b)プロセッサによって受信された応答信号の電圧振幅が閾値を下回っている場合に出力信号を出力デバイスに送信することであって、出力信号は、対象者とデバイスとの間の導電率が閾値を下回っていることを示す、ことのいずれかを行うようにさらに構成されている。
【0015】
出力デバイスは、視覚的表示デバイス、可聴信号出力デバイス、触覚信号出力デバイス、およびワイヤレスデータ信号出力デバイスのうちの少なくとも1つを備えてもよい。ワイヤレスデータ信号出力デバイスは、IEEE802.11ファミリ規格に基づいて、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi等の1つまたはそれより多くの無線ネットワークプロトコル上で動作し得る。例えば、ワイヤレスデータ信号出力デバイスは、Bluetooth(登録商標)伝送機を備え得る。
【0016】
本発明の一実施例では、出力デバイスは、ワイヤレスデータ信号出力デバイスを備え、ワイヤレスデータ信号出力デバイスは、使用時、ワイヤレス伝送リンクによってスマートフォンまたはタブレット等のモバイルデバイスに結合されているように適合されてもよい。
【0017】
好ましくは、モバイルデバイスは、視覚的表示デバイス、可聴信号出力デバイス、および触覚信号出力デバイスのうちの少なくとも1つを備える。視覚的表示デバイス、可聴信号出力デバイス、および触覚信号出力デバイスのうちの少なくとも1つは、ワイヤレスデータ信号出力デバイスを介して、プロセッサからモバイルデバイスによって受信される出力信号に応答してユーザ出力信号を生成するように適合されている。
【0018】
典型的には、交流電圧信号は、矩形波信号を含んでもよい。
【0019】
好ましくは、交流電圧信号は、約20V未満の振幅、より好ましくは、約10V未満の振幅、さらにより好ましくは、約5V未満であるかまたはそれに等しい振幅、最も好ましくは、1V~5Vの振幅を有する。
【0020】
典型的には、閾値は、出力交流電圧信号の50%未満、好ましくは、出力交流電圧信号の35%未満、より好ましくは、出力交流電圧信号の30%未満である応答信号の振幅に対応する。最も好ましくは、閾値は、出力交流電圧信号の20%~30%である応答信号の振幅に対応する。一実施例では、閾値は、出力交流電圧信号の23%~26%である応答信号の振幅に対応し得る。
【0021】
本発明の一実施例では、出力交流電圧信号の振幅は、実質的に3Vであり、閾値は、約0.7V~0.8Vの範囲に内にある応答信号の振幅に対応する。
【0022】
好ましくは、装置は、第1および第2の電気接触部が第1および第2の場所が対象者の異なる手足上にあるように対象者の皮膚と接触するように適合されるように適合されている。より好ましくは、第1および第2の場所は、対象者の異なる下肢上にあり、さらにより好ましくは、第1および第2の場所は、対象者の異なる下腿上にあり得、最も好ましくは、対象者の異なる足の上にあり得る。本発明の一実施例では、第1および第2の場所は、対象者の異なる足の足底面上にあり得る。
【0023】
本発明の第3の局面による対象者の電気刺激のためのデバイスが、提供され、デバイスは、第1の局面および随意に第1の局面の任意の特徴による装置と、使用時、対象者の身体部分の筋肉に電気刺激電圧を印加するように適合されている電気刺激手段とを備える。
【0024】
プロセッサは、プロセッサが電気刺激電圧を制御することを可能にするために、電気刺激手段に結合されている出力を有し得る。代替として、デバイスは、電気刺激電圧を制御するために、電気刺激手段に結合されている別のプロセッサをさらに備えてもよい。
【0025】
典型的には、電気刺激手段は、対象者の手足の筋肉を刺激するように適合されている。好ましくは、電気刺激手段は、対象者の脚部および足の筋肉のうちの少なくとも1つ等、対象者の下肢の筋肉を刺激するように適合されている。
【0026】
典型的には、電気刺激手段は、第1の電気刺激接触部表面と、第2の電気刺激接触部表面とを備える。典型的には、第1および第2の電気刺激接触部表面は、相互から電気的に絶縁されている。好ましくは、第1および第2の電気刺激接触部表面は、使用時、対象者の第1および第2の手足とそれぞれ接触するように適合されている。本発明の一実施例では、第1および第2の電気刺激接触部表面は、使用時、対象者の第1の足および第2の足とそれぞれ接触するように適合されている。
【0027】
デバイスは、筐体を備えてもよい。第1および第2の電気刺激接触表面は、筐体の外部部分上に位置してもよい。
【0028】
好ましくは、第1および第2の電気接触部は、デバイスの外部表面上に位置している。より好ましくは、第1の電気接触部は、第1の電気刺激接触表面上に位置し、第2の電気接触部は、第2の電気刺激接触表面上に位置している。さらにより好ましくは、第1および第2の電気接触部は、それぞれの第1および第2の電気刺激接触表面内に位置しているか、またはその中に挿入されている。
【0029】
好ましくは、第1および第2の電気接触部の接触表面の少なくとも一部は、それぞれの第1および第2の電気刺激接触表面によって画定された平面から外方向に突出している。故に、第1および第2の電気接触部の接触表面の少なくとも一部は、それぞれの第1および第2の電気刺激接触表面のレベルの上方に隆起している。
【0030】
典型的には、第1および第2の電気接触部は、それぞれの第1および第2の電気刺激接触表面から電気的に絶縁されている。第1および第2の電気接触部は、それぞれの第1および第2の電気刺激接触表面からそれらを電気的に絶縁するために電気絶縁材料によって取り囲まれてもよい。
【0031】
典型的には、電気刺激手段は、第1および第2の電気刺激接触部表面に電気的に結合されている、第1および第2の電気刺激接触部表面を横切って電圧を印加するように適合されている電圧供給源デバイスをさらに備える。
【0032】
好ましくは、電圧供給源デバイスは、第1および第2の電気刺激接触部表面を横切って交流電圧波形を出力する。さらに好ましくは、電圧供給源デバイスによって第1および第2の電気刺激接触部表面を横切って印加される電圧は、複数の電圧パルスを備える。
【0033】
好ましくは、デバイスは、枢動部材をさらに備え、枢動部材は、身体部分の運動に応答してデバイスが枢動部材まわりに枢動することを可能にするように適合されている。
【0034】
本発明の第4の局面による、(i)第1の局面による装置または(ii)第3の局面によるデバイスのいずれかと、遠隔デバイスとを備えるシステムが、提供され、遠隔デバイスは、遠隔ワイヤレスデータ入力デバイスおよび遠隔出力デバイスを備え、出力デバイスは、ワイヤレスデータ出力デバイスを備え、第1の出力信号は、ワイヤレスデータ出力デバイスによって発されるワイヤレスデータ信号を備え、遠隔ワイヤレスデータ入力デバイスは、ワイヤレスデータ信号を受信するように適合されており、遠隔出力デバイスは、受信されたワイヤレスデータ信号に応答して遠隔ユーザ出力信号を生成する。
【0035】
遠隔ワイヤレスデータ信号入力デバイスは、IEEE802.11ファミリ規格に基づいて、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi等の1つまたはそれより多くの無線ネットワークプロトコル上で動作し得る。例えば、ワイヤレスデータ出力デバイスが、Bluetooth(登録商標)伝送機を備える場合、遠隔ワイヤレスデータ入力デバイスは、Bluetooth(登録商標)受信機を備え得る。
【0036】
遠隔デバイスによって生成される遠隔ユーザ出力信号は、視覚的出力信号、可聴出力信号、および触覚出力信号のうちの少なくとも1つであり得る。
【0037】
典型的には、遠隔デバイスは、ワイヤレスデータ入力デバイスおよび遠隔出力デバイスに結合されている遠隔デバイスプロセッサを備え、プロセッサは、受信されたワイヤレスデータ信号に応答して遠隔デバイスプロセッサ出力信号を生成し、遠隔出力デバイスは、遠隔デバイスプロセッサ出力信号を受信し、遠隔デバイスプロセッサ出力信号に応答して遠隔ユーザ出力信号を生成する。
【0038】
典型的には、遠隔デバイスは、モバイルデバイスであり、モバイルデバイスによって生成された遠隔ユーザ出力信号は、モバイルデバイス上のアプリケーションソフトウェアによって、モバイルデバイスのユーザインターフェース上に生成および表示される。
【0039】
本明細書内で使用される場合、用語「モバイルデバイス」は、ワイヤレス受信機と、ディスプレイを含むユーザインターフェースとを有する任意のポータブル電子デバイスを意味し、(限定ではないが)スマートフォン、タブレット、およびノート型パソコンを含む。
【0040】
好ましくは、遠隔デバイスは、ユーザから入力を受信するように適合されている遠隔ユーザ入力デバイスと、遠隔ワイヤレスデータ出力デバイスとを備え、遠隔ユーザ入力デバイス上でのユーザからの受信された入力に応答して、遠隔デバイスは、遠隔ユーザ入力信号を装置に伝送するように適合されており、装置は、遠隔ワイヤレスデータ出力デバイスによって伝送される遠隔ユーザ入力信号を受信するように適合されているワイヤレスデータ入力デバイスを備え、プロセッサおよび/または他のプロセッサは、ワイヤレスデータ入力デバイスから遠隔ユーザ入力信号を受信するように適合されている。
【0041】
遠隔デバイスがユーザインターフェースを備える場合、ユーザインターフェースは、遠隔ユーザ出力信号を表示し、ユーザ入力を受信するように適合されてもよい。
【0042】
典型的には、プロセッサまたは他のプロセッサは、使用時、受信された遠隔ユーザ入力信号に応答して電気刺激電圧を制御する。
【0043】
好ましくは、ワイヤレスデータ出力デバイスおよびワイヤレスデータ入力デバイスは、各々、ワイヤレス送受信機等の単一のデバイスに統合されている。例えば、送受信機は、Bluetooth(登録商標)送受信機を備えてもよい。
【0044】
システムが第2の局面によるデバイスを備える場合、プロセッサ出力信号は、プロセッサによって出力デバイスおよびデバイス上の別の出力デバイスに送信され得、他の出力デバイスは、視覚的表示デバイス、可聴信号出力デバイス、および触覚信号出力デバイスのうちの少なくとも1つを備える。
【0045】
発明者らが認識している本発明の利点は、受信される電圧信号の振幅が閾値を上回っていること、または下回っていることに応じて、対象者と第1および電気接触部との間の導電率のレベルが電気刺激のために十分であるかどうかをユーザに示すことが可能であることである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
ここで、付属の図面を参照して、導電率を検出するための装置および方法のある実施例が、説明される。
【0047】
【
図1】
図1は、導電率を検出するための装置を組み込んだ、対象者の電気刺激のためのデバイスの平面図である。
【
図3】
図3は、導電率を検出するための装置の構成要素を図示しているブロック図である。
【
図4】
図4は、装置との使用のためのソフトウェアアプリケーションの初期化を図示しているフロー図である。
【
図5】
図5は、ソフトウェアアプリケーションの更新を図示しているフロー図である。
【
図6】
図6は、装置の動作を図示しているフロー図である。
【
図7】
図7は、装置との使用のための表示デバイスからの第1の出力の実施例を示している。
【
図8】
図8は、装置との使用のための表示デバイスからの第2の出力の実施例を示している。
【
図9】
図9は、使用時の装置の動作を示している概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、対象者またはユーザの足の足底面の電気刺激のためのデバイス1の平面図である。デバイス1は、概して円形ディスクの形態である筐体2を備える。筐体2は、デバイス1がユーザによって容易に移動させられることを可能にするハンドル15を組み込んでいる。
図2は、デバイス1の側面図であり、筐体1は概凸曲面の上側表面3および概凸面の下側表面4を有することが、見られることができる。電力アダプタソケット(または電力ジャック)18が、筐体の側面区分16上に位置しており、筐体2内に位置している電力供給源ユニット25に電力を提供するために、電力アダプタが、それに差し込まれ得る(
図3を参照)。PSU25は、再充電可能バッテリ等の再充電可能電力供給源を組み込み得る。脚筋上等の身体の他の部分上に位置付けられる外部接触パッドの接続のためのソケット17も、側面区分16上に位置している。
【0049】
下側表面4は、安置位置止め具5および最大位置止め具6を含む。2つのロッカー要素7が、止め具5、6の間に位置している(1つのみ示されている)。
【0050】
上側表面3は、中央ディスプレイおよび制御パネル10によって分離されている2つの電気接触パッド8、9を含む。電気接触パッド8、9は、想像線においてパッド8、9上に示されているように、それらの上に形成される畝織模様を有し、パッド8、9の両方は、金属等の導電性材料から形成される。例えば、パッド8、9は、アルミニウムから形成されてもよい。
【0051】
電気接触部51、52が、それぞれ、各パッド8、9内に搭載されている(またはそれらの中に挿入されている)。電気接触部51、52の各々は、電気的絶縁体53、54によって、それぞれ、それぞれのパッド8、9から電気的に絶縁されている。電気的絶縁体53、54は、プラスチック材料等の電気絶縁材料から形成されてもよい。電気接触部51、52は、各々、それぞれのパッド8、9の表面の上方に突出している接触表面を有する。本実施例では、電気接触部51、52は、半球状等の部分的に球状の表面を備え、部分的に球状の表面は、接触パッド8、9の表面の上方に広がっている。
【0052】
しかしながら、電気接触部51、52は、少なくとも部分的に、球状または楕円形表面の一部等の任意の湾曲表面の形態であってもよい。代替として、または加えて、電気接触部51、52は、接触パッド8、9の表面の上方に突出している少なくとも部分的に平面状の表面を備えてもよい。例えば、部分的に球状であることの代替として、電気接触部51、52は、少なくとも部分的に球状、楕円形、円筒形、円錐形、または円錐台形状であり得る。
【0053】
ディスプレイおよび制御パネル10は、電源ボタン11と、上下制御ボタン12、13と、ディスプレイ14とを含む。電源ボタン11、上下制御ボタン12、13、ディスプレイ14は、通常、照明されたときにのみ可視となるため、想像線において示されている。電源ボタン11および上下制御ボタン12、13は、区域10のタッチセンサエリアであり、同様に、想像線において示されている。
【0054】
図2に示されているように、デバイス1が床または地面等の支持表面50上に位置付けられるとき、それは、止め具5およびロッカー要素7が支持表面に接触している安置位置から、(
図2に示されているように)ロッカー要素7のみが支持表面に接触している中間枢動位置を通して、ロッカー要素7および最大位置止め具6が支持表面50に接触している最大枢動位置まで、枢動軸19まわりに枢動可能である。
【0055】
図3は、電気刺激サイクル電圧を制御し、フットパッド8、9に送給するための、および、電気接触部51、52における導電率を検出するための、デバイス1内に位置している装置30のブロック図である。
図3は、筐体2内に位置している、装置30を含むデバイス1内の全ての電気部品に電力を提供する電力供給源ユニット(PSU)25も示している。Bluetooth(登録商標)インターフェース26は、デバイス1とスマートフォン27との間のデータ通信のために、装置30とスマートフォン27との間にワイヤレス通信インターフェースを提供する。インターネット31上のクラウド内に位置しているデータ記憶サーバ28も、示されている。スマートフォン27は、インターネット接続を介してサーバ28に接続され得る。Bluetooth(登録商標)インターフェース26は、デバイス1内に位置しているBluetooth(登録商標)送受信機と、スマートフォン27上に位置しているBluetooth(登録商標)送受信機とを備える。Bluetooth(登録商標)インターフェース26は、装置30がユーザのスマートフォンと通信することを可能にするために使用される。これは、プロセッサ21がスマートフォン上で起動しているソフトウェアアプリケーションを使用して、スマートフォン上で表示されることになる情報をスマートフォン27に送信することを可能にするために使用され得、および/または、装置30の動作を制御するために制御信号がスマートフォンからプロセッサに送信されることを可能にするために使用され得る。
【0056】
データ記憶サーバ28は、スマートフォン7を介して更新情報をデバイス1にダウンロードするために使用され得る。例えば、これは、ソフトウェア更新情報、構成更新情報、またはデータ更新情報のうちの1つまたはそれより多くを含み得る。
【0057】
PSU25は、電力ジャック18に結合されている。故に、デバイス1は、ジャック18を介して、外部電力供給源または内部再充電可能バッテリのいずれかによって動力を与えられ得る。しかしながら、デバイス1が内部バッテリを含まず、ジャック18を介して外部電源によって単独で動力を与えられることも、可能である。例えば、外部電源は、典型的には、110Vまたは240Vの主電力供給源に接続される5Vの電力アダプタである。電力アダプタは、110Vまたは240VのAC外部主電力供給源を取り込み、これを5VのDC出力電圧に変換し、これは、次いで、電力ジャック18に給送される。
【0058】
装置30は、プロセッサ21を含む。典型的には、プロセッサ21は、マイクロコントローラユニット(MCU)である。プロセッサ21は、波発生器22およびパルス制御ユニット23を制御し、デバイス1および制御パネル10上のBluetooth(登録商標)送受信機にも結合されている。加えて、プロセッサ21は、電気接触部51に結合されている出力と、電気接触部52から出力信号を受信するアナログ/デジタル(A/D)変換器20から信号を受信する入力とを有する。
【0059】
波発生器22は、PSU25からの5V DC入力から交流波形を作り出す。この交流波形は、次いで、プロセッサ21の制御の下で所望の電圧パルスの形状および持続時間を生成するパルス制御ユニット23に送給される前に、変圧器29によって昇圧される。パルス制御ユニット23からの電圧出力は、次いで、要求される電気刺激を足に提供するために、フットパッド8、9を横切って送達される。
【0060】
プロセッサ21は、3Vの振幅を伴う1.7kHzの矩形波交流電圧信号を電気接触部51に出力するように構成されている。A/D変換器は、電圧信号を電気接触部52から受信し、これをアナログ信号から0~1024の値を伴うデジタル信号に変換する。変換は、接触部52から受信される、アナログ電圧信号に正比例し、3V信号は、値1024に変換され、0V信号は、値0(ゼロ)に変換される。このデジタル変換信号は、ひいては、A/D変換器20から出力され、プロセッサ21による入力のように受信される。
【0061】
デバイス1の最初の使用に先立って、ユーザは、ユーザのスマートフォン27、またはタブレット等の他のモバイルデバイスにソフトウェアアプリケーションをダウンロードする。ダウンロードされたソフトウェアアプリケーションは、ソフトウェアアプリケーションが、最初に開かれるとき、デフォルトの導電率閾値を有する。ソフトウェアアプリケーションを最初に開くことは、ソフトウェアアプリケーションを初期化し、デフォルトの導電率閾値を設定する(
図4を参照)。
【0062】
ソフトウェアアプリケーションの初期化後、クラウドサーバ28からインターネット31を経由したクラウド更新65(
図5を参照)が、ソフトウェアアプリケーションを更新するために使用され得る(導電率閾値の更新66を含む)。例えば、検査データが、異なる閾値がより適切であると示した場合、導電率閾値に対する更新が、必要であり得る。
【0063】
使用時、ユーザは、ユーザが着座する予定の椅子の正面の床等の支持表面50上にデバイスを位置付ける。デバイス1が内部バッテリを有しない場合、ユーザは、電力入力18を外部電力供給源に接続することも行う。デバイス1が内部バッテリを有する場合、ユーザは、内部バッテリを使用すること(この場合、電力入力18を外部電力供給源に接続する必要はない)、または外部電力供給源を使用することのいずれかを選ぶことができる。
【0064】
ユーザは、次いで、スイッチ11を使用してデバイス1のスイッチをオンにする。これは、制御パネル10を照明させる。ユーザは、次いで、スマートフォン27上のアプリケーションソフトウェアを開くことも行い、スマートフォン27上のアプリケーションソフトウェアは、Bluetooth(登録商標)インターフェース26を通してデバイス1と接続する。
【0065】
デバイス1が開始し、ソフトウェアアプリケーションが接続されているとき、ユーザは、次いで、制御パネル10またはスマートフォン27上のソフトウェアアプリケーションを使用して所望の波形を選択することができる。
【0066】
波形が選択された後、スマートフォン27上のアプリケーションは、スマートフォン27のタッチスクリーン上にユーザインターフェース80(
図7を参照)を表示する。ユーザインターフェースは、開始ボタン81と、刺激の持続時間のインジケーション82と、デバイス1とのBluetooth(登録商標)接続の強度を示すアイコン83と含む。ユーザインターフェース80は、刺激の強度を増加させるためのボタン84および刺激の強度を減少させるためのボタン85も含む。円弧状のグラフィック86上の点87は、刺激の相対的強度を示しており、刺激の数値が、数字88によって示されている。
【0067】
接触パッド8、9上にその足を置くようにユーザに命令するメッセージ89も、ユーザインターフェース80上に表示される。
【0068】
ユーザが接触パッド8、9の各々の上に一方の足を置き、開始ボタン81を押すこと70(
図6を参照)を行った後、スマートフォン27上のアプリケーションは、ユーザの水分状態を測定するようにプロセッサ21に命令するメッセージをそれに送信すること71を行う。それに応答して、プロセッサ21は、3Vの振幅を伴う1.7kHzの矩形波交流電圧40(
図9を参照)を電気接触部51に出力する。ユーザの足がパッド8、9上にあると、矩形波電圧が、パッド8と接触しているユーザ41の足42に印加される。接触部51は、電気接触部51とユーザの足42の足底面との間に緊密接触があることを確実にすることを支援するために、パッド8の表面の上方に突出している。矩形波電圧は、ユーザの身体を通過し、ユーザの他方の足43における他の電気接触部52において拾われる。電気接触部52において受信された電圧信号は、電気接触部52から、受信された電圧信号を数値0~1024に変換するA/D変換器20に出力される。変換は、受信された電圧信号の振幅に正比例する。したがって、3Vの受信された電圧信号は、1024の値に変換され、0Vの受信された電圧信号は、0(ゼロ)の値に変換され、1.5Vの受信された電圧信号は、512の値に変換される。
【0069】
受信された電圧が3Vである場合、これは、事実上、接触部51、52間に短絡が存在することを意味し、受信された電圧が0Vである場合、これは、事実上、ユーザがパッド8、9上に両足を置いていないことを意味する。
【0070】
A/D変換器20によって生み出されたデジタル値は、次いで、プロセッサ21に出力され、スマートフォン27上のアプリケーションは、Bluetooth(登録商標)ワイヤレス接続を介して、プロセッサ21からその値を受信すること72を行う。スマートフォン27上のアプリケーションは、受信された値を閾値と比較すること73を行い、電気接触部51、52間に十分に高い導電率が存在するかどうかを決定し、パッド8、9に印加される電気刺激電圧波形を有効にする。事実上、これは、電気接触部51、52間のユーザの身体の導電率の測定値である。発明者らは、電気接触部51、52間の導電率と、ユーザの水分状態との間に相関が存在し、そのため、電気接触部51、52間のユーザの身体の導電率はユーザの水分状態のインジケーションであることを見出している。
【0071】
典型的には、530またはそれより大きい、A/D変換器から変換された値は、良好な導電率を示し、したがって、ユーザの良好な水分状態を示す。200またはそれより小さい変換された値は、低導電率を示し、したがって、ユーザの水分状態が芳しくないことを示す。故に、プロセッサによって使用される典型的な閾値は、約250である。
【0072】
アプリケーションソフトウェアによって受信されること72を行われた変換された値が閾値(本実施例では、250未満であるかまたはそれに等しい)より大きい場合、アプリケーションソフトウェアは、次いで、刺激を開始すること76に進む。
【0073】
アプリケーションソフトウェアによって受信された変換された値が閾値未満であるかまたはそれに等しい(本実施例では、250未満であるかまたはそれに等しい)場合、アプリケーションソフトウェアは、メッセージ90をユーザインターフェース80上に表示させ、ユーザの足が乾燥しすぎていることを知らせ、ユーザの足に潤いを与えること、および/または水を少し飲むことをユーザに勧める。メッセージ90は、セッションを継続することを望むかどうかをユーザに尋ねることも行う。ユーザが「はい」91を選択した場合、刺激が開始されること76が、行われる。ユーザが「いいえ」92を選択した場合、スマートフォン27上のアプリケーションソフトウェアは、導電率を測定するために、別の要求をプロセッサ21に送信すること71を行う。アプリケーションソフトウェアは、デジタル化された測定された値をプロセッサから受信すること72を行い、その新しい値を閾値と比較すること73を行う。それが依然として低すぎる場合、アプリケーションソフトウェアは、再び、メッセージ90を表示すること74を行う。
【0074】
アプリケーションソフトウェアは、(i)測定された値が、閾値と比較されること73が行われたときに閾値より大きいこと、または(ii)ユーザがセッションを続けるために「はい」91を選択することのいずれかになるまで、電気接触部51、52間の導電率を再測定してそれを閾値と比較するこのループを継続する。(i)または(ii)のいずれの場合にも、次いで、電気刺激が、開始される76。
【0075】
発明者は、いくつかの事例では、対象者の水分状態が低すぎるかもしれないときに対象者の電気刺激が有効ではないことがあることを理解している。発明者は、対象者の水分状態が、電気刺激が印加される身体上の点の間の対象者の身体の導電率に相関し得ることを認識している。電気刺激が対象者の足の足底面に印加される場合、対象者の水分状態、および電気刺激が測定された導電率に基づいて有効である可能性が高いかどうかのインジケーションを与えるために、対象者の両足の間の導電率が、測定され得る。
【0076】
本発明は、電気接触部51、52間のユーザの身体の導電率が、有効な電気刺激が生じるためには低すぎるかどうかを検出し、ユーザの足に潤いを与えること、および/または自身に水分を与えるために水を飲むことをユーザに勧めることも行うという利点を有する。
【国際調査報告】