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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(54)【発明の名称】毛髪生長の刺激のための装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20230901BHJP
   A61N 1/04 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511997
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(85)【翻訳文提出日】2023-03-28
(86)【国際出願番号】 IB2021057585
(87)【国際公開番号】W WO2022038529
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】102020121715.3
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523053691
【氏名又は名称】メイン・バイオテク・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ジェラード・サミュエル・クリストファー・ジャック
(72)【発明者】
【氏名】チャコン・マルティネス・カルロス・アンドレス
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB02
4C053BB13
4C053JJ02
4C053JJ03
4C053JJ04
4C053JJ06
4C053JJ15
4C053JJ21
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、毛髪生長の刺激のための装置100、200に関し、この装置が、皮膚の電気的な刺激のための少なくとも1つの電極101を有し、少なくとも1つの前記電極101と接続された制御装置102が、電気的なパルスを発生させる。本発明に従い、前記制御装置102が、検知された毛髪喪失状態、または、検知された毛の発生に依存して、電気的な刺激を連続的に変化させ、及び/または、検知された毛髪喪失状態に依存して、皮膚の電気的な刺激のための予調節された刺激プログラムP1、P2、P3、P4,P5、P6を実施することは意図される。その際、前記電極101は、円形の尖端部を有する多数のスパイクまたはピンを備え付けられており、または、山および谷形状において形成されており、前記スパイクが未だに存在する毛髪を通って突出し、且つ、皮膚を貫通せず、むしろこの皮膚の上に接触している。本発明が、キャップ、帽子、Tシャツ、シャツ、プルオーバー、ジャケット、スラックス、包帯、または、ショールとして構成されていることは可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪生長の刺激のための装置(100、200)であって、この装置が、
- 皮膚の電気的な刺激のための少なくとも1つの電極(101)を有し、少なくとも1つの前記電極(101)と接続された制御装置(102)が、電気的なパルスを発生させる、上記装置において、
前記制御装置(102)が、少なくとも1つの検知装置(103)と接続されており、この検知装置を介して、存在する毛髪喪失状態の程度、または、毛の発生の程度が検知可能であり、
前記制御装置(102)が、
- 検知された毛髪喪失状態、または、検知された毛の発生に依存して、電気的な刺激を連続的に変化させ、及び/または、
- 検知された毛髪喪失状態に依存して、皮膚の電気的な刺激のための予調節された刺激プログラム(P1、P2、P3、P4,P5、P6)を実施し、
少なくとも1つの前記電極(101)が、円形の尖端部を有する多数のスパイクまたはピンを備え付けられており、または、山および谷形状において形成されており、
前記スパイクが、未だに存在する毛髪を通って突出し、且つ、皮膚を貫通せず、この皮膚の上に接触していることを特徴とする装置(100、200)。
【請求項2】
前記制御装置(102)は、複数の検知装置(103)と接続されており、
個々のそれぞれの検知装置(103)が、前記皮膚の予め定められた領域を覆うことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御装置(102)は、更に、湿度センサー(104)と接続されており、この湿度センサーを介して、頭髪の電気的な伝導率が推測可能であり、
前記制御装置(102)が、検知された湿度に依存して、予調節された刺激プログラム(P1、P2、P3、P4,P5、P6)を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記制御装置(102)は、更に、例えばブルートゥース(登録商標)-モジュールまたはWLAN-モジュールのような、無線式のデータ伝送のための装置(105)と接続されており、
このデータ伝送のための装置を介して、現在の前記制御装置(102)の状態が読み取り可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
前記制御装置(102)は、更に、例えばブルートゥース(登録商標)-モジュールまたはWLAN-モジュールのような、無線式のデータ伝送のための装置(105)と接続されており、
この無線式のデータ伝送のための装置を介して、前記制御装置(102)の状態が変更可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
前記装置(100、200)は、帽子またはキャップの形態において構成されており、
少なくとも1つの前記電極(101)と、少なくとも1つの前記検知装置(103)とが、この帽子の内側またはこのキャップの内側に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の装置。
【請求項7】
前記帽子の内側または前記キャップの内側に、電流供給のための蓄電池(110)が配置されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記帽子または前記キャップは、前記蓄電池(110)の充電のために、電流供給ケーブル(111)を有していること、または、
この帽子またはこのキャップ内において、前記蓄電池(110)の誘導的な充電のためのコイル(112)が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の装置。
【請求項9】
前記制御装置(102)は、前記皮膚の刺激を、以下の電気的なパラメータ:即ち、1Vから160Vまで、1nCから1μCまで、1Hzから100Hzまでのパルスでもって実施することを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の装置。
【請求項10】
前記制御装置(102)の電気的な前記パルスは、前記皮膚の電気的な消極でもって開始し、且つ、直接的に引き続いての前記皮膚の分極でもって続行することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪生長の刺激のための装置に関し、この装置が、
皮膚の電気的な刺激のための少なくとも1つの電極を有し、その際、少なくとも1つの前記電極と接続された制御装置が、電気的なパルスを発生させる。
【背景技術】
【0002】
頭皮の電気的な刺激が、開始する毛髪喪失の際に、毛嚢に新しい毛髪成長のために活気を与える可能性があることは公知である。頭皮の刺激のために、電極をこの頭皮の上に設置することは必要である。これら電極を通って電流が流れ、この電流がこれら電極を介して頭皮内へと流れる。
治療用の試みのために、この方法は、従来、適当ではない。何故ならば、この電気的な刺激が、所望される効果を達成するために、部分的に、1日当たり数時間行われる必要があるからである。
【0003】
特許文献1内において、1つのフードが開示されており、毛髪生長を刺激するために、このフード内において電極が設けられている。このフードは、水泳帽と類似して着用され、且つ、例えば、職業生活の状態にある人員の日々の使用のために適していない。
【0004】
特許文献2内において、ヘルメット状の装置が教示されており、この装置内において、頭皮刺激のためのコントロール装置と電極が設けられている。
【0005】
最後に述べれば、特許文献3内において、野球帽の内側における磁石配置が教示されており、この磁石配置が、毛髪生長を刺激するべきである。
【0006】
先に言及された全ての装置は、電気的な刺激が実際の毛髪喪失に対して適合される必要があるという欠点を有している。
円形の毛髪損失の際に、刺激は、有利にはただ毛髪損失の位置においてのみ行われるべきである。従って、電極の連続的な適合が必要である。フードの形態における、または、ヘルメットの形態における毛髪生長刺激装置は、従って、ただ唯一の位置においてだけ着用され得る。
刺激装置のより長い着用時間の際に、装置を頭部の上の予め規定された位置において着用すること、または、圧力を受ける位置の理由で着用可能でないことの、いわゆる応諾、即ち人員の意欲は低下する。
毛髪喪失が、同様におよび正に移行領域内において、繁茂状態から間引かれた状態へと、毛髪の無い状態に至るまで刺激されることは、同様に可能である。これら領域を合目的に刺激するために、刺激装置が、これら領域を、同様に自動的に見出すことも必要である。
【0007】
毛嚢の電気的な刺激を達成するために、従来技術において、電気的なパルスが、皮膚内へと、針形状の電極を介して導入されることが提案される。この目的のために使用される針は、ほぼ鍼灸針ほどに極めて細く、且つ、これら針が上側の皮膚層内へと刺さっている場合、痛みが従ってほとんどない。
電極の差し込みは、しかしながら、処置の際に、可能な痛みに関しての高い克服を必要とする。皮膚内において差し込まれた針または電極は、応諾を、なお更に減少する。皮膚内において差し込まれた針は、更に位置固定状態である。
例えば、一日にわたって皮膚の刺激のための装置が、キャップと類似して利用者によって頭の上で滑って位置がずらされる場合、電気的な刺激の継続的な適合は可能ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国特許第100 671 943B1公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0217369A1号明細書
【特許文献3】国際公開第01/02051A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明に従う課題は、向上された着用快適性を有する毛髪生長の刺激のための装置を提供することであり、この装置が、それに加えて、自動的にこの刺激を毛髪状態に対して適合する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この本発明に従う課題は、
前記制御装置が、少なくとも1つの検知装置と接続されており、この検知装置を介して、存在する毛髪喪失状態の程度、または、毛の発生の程度が検知可能であり、
その際、前記制御装置が、検知された毛髪喪失状態に依存して、皮膚の電気的な刺激のための予調節された刺激プログラムを実施することによって解決される。
毛髪生長の刺激のための本発明に従う装置の更に有利な実施形態は、請求項1に対して下位の請求項内において提示されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の思想により、従って、制御装置および検知装置を設けることが意図されており、この制御装置および検知装置が、常に、実際の毛髪喪失状態、または、実際の毛髪の発生を測定および検知可能である。この制御装置は、検知された毛髪喪失状態、または、検知された毛髪の発生に依存して、1つの刺激プログラムを実施する。
この制御装置および検知装置が、その際、温度センサー、頭皮の上での装置の位置を検知するための位置決めセンサー、皮膚とのこの装置の適当な接触を検知するための接触及び/または近接センサー、頭皮の導電率の変化を検知するためおよび治療をそれに基づいて相応して適合させるための導電率センサー、を備えていることは可能である。
この装置が、いわゆる禿げ上がったこめかみにおいて、例えば毛髪の喪失を検知した場合、電極は、有利にはこの領域内において電気的な刺激パルスによって印加される。
毛髪喪失状態または毛髪の発生の、絶え間ない測定の特に優れた利点は、特に、この装置が、頭部の上でのまたは当該の身体位置における、刺激装置の現在の位置に対して適合することにある。これに伴って、例えば知覚された圧力感覚、または、着用位置における頭皮または皮膚の痒みによる着用快適性が、反射的に着用者および利用者による装置の置き換えでもって応答される場合、この装置を他の場所に動かすことは可能である。
【0012】
信頼できる検知のために、フィルム電極が使用され得、これらフィルム電極が、面積検知を可能にする。
前記制御装置は、複数の検知装置と接続されており、その際、個々のそれぞれの検知装置が、頭皮または当該の前記皮膚の予め定められた領域を覆うことが意図されていることは、しかしながら同様に可能である。
その際、検知装置は、それぞれに、局部的な毛髪喪失状態、または局部的な毛髪の発生を、インピーダンス測定を介して検知可能である。毛髪が、一方では電気的に絶縁性に作用し、且つ、同様に電極が皮膚から離間されているので、この毛髪は、導電性の皮膚と電極との間の誘電体のように作用する。
【0013】
電気的な刺激の伝達のために、スパイクが、電極の上に設けられていることは可能であり、これらスパイクが、円形の尖端部を有しており、且つ、未だに存在する毛髪を通って突出するが、しかしながら皮膚の上に接触しており、且つ、皮膚を貫通しない。表面の上の円形のスパイクは、非侵入性の電極である。
【0014】
湿度と汗は、皮膚の伝導率に強度に影響を及ぼす可能性がある。
本発明に従う装置の有利な実施形態において、従って、
前記制御装置が、更に、湿度センサーと接続されており、この湿度センサーを介して、毛髪の電気的な伝導率が推測可能であり、
その際、前記制御装置が、検知された湿度に依存して、予調節された刺激プログラムを変化させることが意図されていることは可能である。
利用者に快適でない苦痛を与えるに至るまでの電気的なパルスでもって不快感を与えないために、汗で湿った頭部または汗で湿った皮膚の検知の際に、この皮膚の刺激のための電圧の高さを低下させることは可能である。
【0015】
毛髪生長の刺激のための本発明に従う装置の、更に別の有利な実施形態において、
前記制御装置が、更に、例えばブルートゥース(登録商標)-モジュールまたはWLAN-モジュールのような、無線式のデータ伝送のための装置と接続されており、
このデータ伝送のための装置を介して、現在の前記制御装置の状態が読み取り可能であることが意図されていることは可能である。
刺激プログラムが、利用者の着用習慣に対して応動するというやり方で、制御装置をインテリジェンス化することは可能である。このインテリジェンス化が、離間されたコンピューター内におけるプログラムから、または、十分な計算性能を有するモバイルフォンから、由来することは可能である。
更に、治療する医者に対するデータ遠距離伝送が行われることは可能であり、この医者が、毛髪生長のための治療をコントロールおよび監視する。
毛髪生長の刺激のための本発明に従う装置からのデータが外部へと出力されることが可能であるだけでなく、外部からのデータフローが制御装置に対して向けられているというやり方で、制御装置の特性が外部からコントロール可能であることも可能である。
従って、前記制御装置が、更に、例えばブルートゥース(登録商標)-モジュールまたはWLAN-モジュールのような、無線式のデータ伝送のための装置と接続されており、
この無線式のデータ伝送のための装置を介して、前記制御装置の状態が変更可能であることが意図されていることは可能である。
この状態の変化は、作動状態にされた電極が適合されること、刺激に値する領域の認識するためのパラメータが外部から適合されること、または、同様に予め規定された刺激のためのプログラムが適合されること、を可能にする。
【0016】
この装置の特に有利な実施形態において、
前記装置が、帽子またはキャップの形態において構成されており、
その際、少なくとも1つの前記電極と、少なくとも1つの前記検知装置とが、この帽子の内側またはこのキャップの内側に配置されていることが意図されていることは可能である。
その際、電極の場所および少なくとも1つの検知装置の場所として、帽子裏地またはキャップ裏地は、考慮に値する。
【0017】
特に問題の無い且つ多面的な使用のために、前記帽子の内側または前記キャップの内側に、電流供給のための蓄電池が配置されていることが意図されている場合、有利であることは判明した。
このことによって、着用者は、電流供給装置に依存せず、および、同様に場合によっては身体において携帯される電流源をへと通じているケーブルにも依存しない。
蓄電池を充電するために、前記帽子または前記キャップが、前記蓄電池の充電のために、電流供給ケーブルを有していること、または、
この帽子またはこのキャップ内において、前記蓄電池の誘導的な充電のためのコイルが設けられていることが意図されていることは可能である。
帽子の形態またはキャップの形態における、毛髪生長の刺激のための装置は、保持装置の上で、かつらスタンドと同じように、誘導的に充電され得る。
【0018】
毛髪生長の刺激のために、前記制御装置が、前記皮膚の刺激を、以下の電気的なパラメータ:即ち、1Vから160Vまで、1nCから1μCまで、1Hzから100Hzまでのパルスでもって実施することが意図されていることは可能である。
従って、1Vと160Vとの間の電圧でもっての短いパルスが皮膚に対して誘導される。その際、1つのパルス内において、1Hzと100Hzとの間の周波数でもって、1nCから1μCまでの電荷が皮膚の上で放電される。皮膚の電気的な刺激が、利用者が如何なる電気的な衝撃も被ることの無いように実施されることは、自明のことである。
160Vのパルスでもっての刺激の際に、電荷は、高い電圧にもかかわらず、如何なる電気的な衝撃も知覚可能でないほどに、例えば数nCほどに低い。一桁の電圧範囲内におけるより低い電圧において、電荷は、既に著しくより高い可能性がある。単位面積当たり高い電圧か、または、より大きな電流が、電気的な刺激として適していることは、一般的に言えることである。
極めて短いパルスにおいて、電流によって規定することは有意義ではない。何故ならば、皮膚の上での断面積が強度に拡張し、且つ、電極によって異なる接触が存在し、点接触が、しかしながら同様に面接触である可能性もあるからである。
電気的な刺激の作用効果を改善するために、前記制御装置の電気的な前記パルスは、前記皮膚の電気的な消極でもって開始し、且つ、直接的に引き続いての前記皮膚の分極でもって続行することが意図されている場合、有利であることが判明した。
後続の分極を有する一時的な消極によって、電気的なパルスの効果作用は、皮膚の刺激に対して増強される。
【0019】
本発明を、以下の図に基づいて、詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】電流供給ケーブルを有する、キャップの形態における、頭皮の電気的な刺激のための本発明に従う装置の第1の変形例の図である。
図2】蓄電池と無線式のデータ伝送のための装置とを有する、キャップの形態における、頭皮の電気的な刺激のための本発明に従う装置の第2の変形例の図である。
図3】キャップ裏地内への見通しでもっての、図1の装置の図である。
図4】キャップ裏地内への見通しでもっての、図2の装置の図である。
図5図1内における装置の刺激電極の図である。
図6図2内における装置の刺激電極の図である。
図7図1による装置のための接触尖端部を有する、刺激電極の第2の変形例の図である。
図8図2による装置のための接触尖端部を有する、刺激電極の第2の変形例の図である。
図9図1または図2による装置のための接触尖端部を有する、刺激電極の第3の変形例の図である。の図である。
図10】男性の典型的な毛髪喪失段階の図である。
図11】どのように刺激電極がキャップ裏地内において位置し、且つ、頭部の表面と接触状態になるかの、明確化のための略図である。
図12】どのように検知器がキャップ裏地内において位置し、且つ、頭部の表面と接触状態になるかの、明確化のための略図である。
図13】例示的な電気的な刺激パターンの組み合わせの図である。
図14】非接触の充電装置を有するスタンドの上の、装置の保管部の明確化のための略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1内において、電流供給ケーブル111を有する、キャップKの形態における、頭皮の電気的な刺激のための本発明に従う装置100の第1の変形例が図示されている。
電流供給ケーブル111は、電流供給装置と接続されており、この電流供給装置が、身体において、例えば、ジャケット内側ポケット内において携帯される。その際、この電流供給装置は、その電気的なバッテリーがモバイルフォンのための「パワーバンク(Powerbanks)」として入手可能であるような、市場において使用可能で再充電可能な、電気的なバッテリーから成っている。
この装置は、比較的に高い電流消費でもっての長時間刺激プログラムを満たすために、適合されている。
【0022】
図2内において、それに反して、蓄電池110と無線式のデータ伝送のための装置105とを有する、キャップKの形態における、頭皮の電気的な刺激のための本発明に従う装置200の第2の変形例が図示されている。
無線式のデータ伝送のための装置105と、頭皮の電気的な刺激のために種々のプログラムを実施可能な制御装置102とが統合されており、その際、この制御装置102が、これらプログラムの選択のために、データの助力を求めることは可能であり、これらデータが、毛髪喪失状態の検知のための少なくとも1つの検知装置103に由来する。
制御装置102からのデータは、無線式のデータ伝送のための装置105へと与えられ、且つ、そこから、モバイルフォンMへと評価のために導かれ得る。同様に、モバイルフォンMでもって、制御装置102の機能パラメータを調節することも可能である。
【0023】
図3内において、図1の装置が、キャップ裏地内への見通しでもって略図として示されている。この下面眺望内において、電極101が目視可能であり、この電極101が、ここで、フィルム電極として構成されており、且つ、ほぼキャップ裏地の全領域を占めている。
その際、フィルム電極の上に、ここで図示されていない円形の尖端部を有するスパイクが配置されており、これらスパイクが、存在する毛髪を貫通し、且つ、これらスパイクの円形の尖端部でもって、頭皮の上で接触している。その際、これらスパイクは、頭皮を貫通せず、従って、多数の接触点を有する非侵入性の電極101が存在する。
【0024】
図4内において、図2の装置が、キャップ裏地内への見通しでもって略図として示されている。
この下面眺望内において、同様に、電極101が目視可能であり、この電極101が、同様に、ここで、頭皮の上への電気的な刺激の伝達のための接触点としての、円形の尖端部を有するスパイクを備えるフィルム電極として構成されており、且つ、ほぼキャップ裏地の全領域を占めている。この図示内において、同様に、蓄電池110と統合された制御装置102も、ほぼキャップの前面領域内において目視可能である。
【0025】
図1内における装置の刺激電極101は、図5内において、個別化されて図示されている。ほぼ楕円体の頭部形状に対して適合させるために、円形の尖端部を有するスパイクを備えるフィルム電極が、この実施形態において、凹状に構成されていることは明確に見て取れる。
この凹状の形態によって、頭部の局部的な表面に対する、フィルム電極として構成された刺激電極101の間隔は、常にほぼ同じ大きさである。毛髪生長の刺激のための装置のこの実施形態において、電極101は、直接的に電流供給ケーブル111と接続されている。
図6内において、しかしながら、外部の電流供給ケーブル無しの補完物が示されている。この電極は、図2内において、蓄電池110および制御装置102と接続されている。
【0026】
図5および図6内における円形の尖端部を有するスパイクを備えるフィルム電極として構成された電極101に対する別の実施形態は、図7および図8内において示されている。これら電極101は、個別化されたピンとして構成されており、頭髪を通って、直接的に頭皮に達し、従って頭表面との直接的な接触を形成する。同様にこれらピンも、頭皮を貫通せず、且つ、非侵入性の頭皮電極を形成する。このことによって、減少する接触抵抗によって、より低い電圧を有する刺激パルスでもって作動することは可能である。
図7内において、ピン電極として構成された個々の電極101は、電流供給ケーブル111と接続されている。図8における右側の図示内において、同じ電極101が図示されており、これら電極は、電極101と接続されているのではなく、むしろ、これら電極101が、図2内における蓄電池110および制御装置102と接続されている。
【0027】
図9内において、極めて特別の電極配置の1つの形態における刺激電極101の第3の変形例が図示されている。これら電極101は、山および谷形状において配置されている。これら電極101の傾斜面の上に、検知装置103が配置されており、これら検知装置103は、これら検知装置に間に位置する毛髪Hの密度を、インピーダンス測定を介して検出する。
電極101は、制御装置102によって、測定された毛髪密度に依存して変化させられる。電極101の配置が、図9内において図示されているように、周囲に延在する電極として構成されていることは可能である。しかしながら、検知装置103が、図5および6内において図示されている電極101のピンの側面において附設されていることも同様に可能である。
【0028】
図10内において、典型的な毛髪喪失段階のマトリックスが示されている。それぞれの当該の人員の生理的な体質に応じて、毛髪喪失は、これら段階は左側から右側へと進行する。
十分な毛髪(陰影を付けられている)における左側で開始して、毛髪喪失に係らされた人員は、常により大きくなる額に進行するか(第1列目)、または、円形の毛髪損失を被り(第2列目)、その際、この円形が常に拡大する。
その際、毛髪喪失の進行する段階は、いくつかの段階において、上側の額の領域内において円形の冠毛が残っている(第3列目)ことによって相違する。毛髪喪失段階の更に別の変形例は、第4列目内において示されている。
これらの段階において、いわゆる「禿げ上がったこめかみ」が、同様にここで禿頭に至るまで生じ、この禿頭は、全ての経過において、一種の剃髪した頭へと成長する。これら種々の毛髪喪失段階を確認すること、および、刺激をただ当該の頭皮領域内においてだけ実施することは、ここで提示された毛髪生長の刺激のための装置の作用効果である。
【0029】
図11および図12内において、どのように電極101(図11)と検知装置103とが、層の状態で、直接的に積み重なっているかが示されている。
上から、図11内における個々の略図は、接触点としての、円形の尖端部を有するスパイクを備える、目視可能なフィルム電極を有する、キャップの裏地内への眺望を示している(図4参照)。キャップは、中央の図において、サンバイザーでもって、紙平面から外に向かって前方へと傾倒している。
この位置におけるフィルム電極を示すために、この中央の図示内において、キャップはフェードアウトされており、従って、フィルム電極が側方から見て取れ得、このフィルム電極がキャップKの裏地において位置している。この位置において、凹状のフィルム電極(図5および図6)、または、ここの電極の凹状の配置(図7および図8)は、頭部の当該の表面の上に横たえて置かれている。
図12内において、検知装置103が示されており、この検知装置は、直接的にフィルム電極、または、個々の電極の配置と接続されている。この検知装置103は、複数の扁平コイルを有しており、これら扁平コイルを用いて、頭部の典型的な位置における局部的なインピーダンス測定を介して、毛髪喪失の状態が検知され得る。
この実施形態において、検知器は、泉門(フォンタネル、Fontanelle)の左側および右側に位置している。しかしながら、同様に、毛髪喪失の典型的な段階を検知可能とするために、電極を、他の方法で分配することも可能である。
【0030】
図13内において、種々の電気的な刺激パターンが、例示的なプログラムP1、P2、P3、P4,P5、および、P6として示されている。例えば、頭皮を1Hzから4Hzまでの周波数を有する短いパルスでもって刺激することは可能である。刺激の効果を向上するために、例示的なプログラムP1およびP2においてのように、先ず第一に消極を行うことは、意図され得る。
この消極に対して、プログラムP1においてのような1度のパルスでもっての分極、または、プログラムP2においてのような2重のパルス列が引き続いて行われる。例示的なプログラムP3は、事前の消極無しの、均等なパルスを有する、幾分より迅速なパルス列から成っている。
例示的なプログラムP4においてのように、これらパルスがパルス群において生起することも可能である。例示的なプログラムP5において、約25Hzを有する1つのパルス列が示されている。更に、他のパルス列は、低電圧パルスを有するプログラムP6において示されており、これら低電圧パルス内において、約1Hzの周波数でもって、高い電圧を有するパルスが挿入されている。
総じて、パルスの周波数が、1Hzと100Hzとの間にあること、および、その際、種々の消極パターン/分極パターンを示すことは可能である。
【0031】
図14内において、要するに、頭髪生長の刺激のための装置100のためのスタンドが図示されており、このスタンドは、かつらスタンドを想起させる。
スタンドSの上側の表面内にコイル112が挿入されており、このコイルは、電流供給ケーブルVと接続されている。このコイル112を介して、頭髪生長の刺激のための装置の蓄電池110が、無線式に充電可能である。その際、充電プロトコルとして、Qiプロトコルが使用され得、このQiプロトコルは、同様にモバイルフォンにおいても使用される。
【0032】
ここで提示された発明は、帽子またはキャップの形態における実施形態に関わる問題である場合に、頭髪生長の非侵入性の電気刺激のために適合されており、且つ、同様に、他のアンダーウエアーの形態における実施形態に関わる問題である場合に、例えば胸部または背中部の毛の発生、わきの下の毛の発生、しかしながら同様に恥部の毛の発生のような、他の身体部分の毛の発生の非侵入性の電気刺激のため、または、髭生長の刺激のためにも適合されている。
この目的のために、この装置が、いわゆる「ウェアラブル(Wearable)」としての衣類の形態における、例えば、下着、Tシャツ、シャツ、プルオーバー、ジャケット、ズボン下、スポーツスラックス、例えば背筋肉ための包帯のような弾性的な包帯、のような衣服の形態における、身に着けることができる装置として、または、ショールまたは整髭帯として構成されていることは可能である。
【符号の説明】
【0033】
100 刺激のための装置
101 電極
102 制御装置
103 検知装置
104 湿度センサー
105 無線式のデータ伝送のための装置
110 蓄電池
111 電流供給ケーブル
112 コイル
200 刺激のための装置
K キャップ
M モバイルフォン
P1 プログラム
P2 プログラム
P3 プログラム
P4 プログラム
P5 プログラム
P6 プログラム
S スタンド
V 電流供給ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】