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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(54)【発明の名称】自転車ラック
(51)【国際特許分類】
   B62H 3/04 20060101AFI20230901BHJP
【FI】
B62H3/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512052
(86)(22)【出願日】2021-08-17
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 US2021046263
(87)【国際公開番号】W WO2022040158
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】63/066,458
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/192,825
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523055640
【氏名又は名称】トライバイク トランスポート エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】TRIBIKE TRANSPORT,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ローゾン、マーク
(57)【要約】
自転車を保持するための自転車ラックシステムは、構造部材と、スイングアームと、複数の車輪受け台とを含む。スイングアームは、構造部材に回動式に(pivotally)結合される。複数の車輪受け台の各々は、自転車の車輪の形状に適応する形状を有しており、第1の車輪受け台と、第2の車輪受け台とを含む。第1の車輪受け台はスイングアームの遠位端に固定されており、第2の車輪受け台は構造部材に結合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車を保持するための自転車ラックシステムであって、
構造部材と、
構造部材に回動式に結合されたスイングアームと、
複数の車輪受け台であって、各車輪受け台が自転車の車輪の形状に適応する形状を有しており、複数の車輪受け台は第1の車輪受け台および第2の車輪受け台を有しており、第1の車輪受け台がスイングアームの遠位端に固定されるとともに、第2の車輪受け台が構造部材に結合されている、複数の車輪受け台と、を備えている、自転車ラックシステム。
【請求項2】
第1の車輪受け台および第2の車輪受け台が、自転車の車輪の円弧に沿って互いに位置決めされるように配置されており、円弧が車輪の外周の半分未満である、請求項1に記載の自転車ラックシステム。
【請求項3】
円弧が自転車のフレームに向かう方向に位置している、請求項2に記載の自転車ラックシステム。
【請求項4】
スイングアームが、自転車が自転車ラックシステムに差し込まれていくにつれて車輪が第1の車輪受け台に接触すると、上方に回動するように構成されている、請求項1に記載の自転車ラックシステム。
【請求項5】
車輪が第2の車輪受け台に収まると、第1の車輪受け台が、車輪が第1の車輪受け台にさらに収まるように車輪の外面に沿って下方に回動する、請求項4に記載の自転車ラックシステム。
【請求項6】
スイングアームが、自転車を持ち上げるときに上方に回動するようにさらに構成されており、それによって車輪を第2の車輪受け台から係合解除し、次いで、車輪が自転車ラックシステムから外側へ取り外されると、スイングアームが下方に回動する、請求項5に記載の自転車ラックシステム。
【請求項7】
スイングアームの下方への移動を制限するためにスイングアームに結合される保持機構をさらに備えている、請求項1に記載の自転車ラックシステム。
【請求項8】
スイングアームが、車輪の片側または両側に沿って構造部材から延在している、請求項1に記載の自転車ラックシステム。
【請求項9】
スイングアームが、第1の車輪受け台がスイングアームの遠位端の内側部分に取り付けられた状態で対称的に成形されている、請求項7に記載の自転車ラックシステム。
【請求項10】
複数の車輪受け台が、第3の車輪受け台をさらに有しており、第3の車輪受け台が構造部材に接続されており、第2の車輪受け台が、外側に突出する前記構造部材の一部に接続されている、請求項1に記載の自転車ラックシステム。
【請求項11】
構造部材が壁に取り付けられるように構成されている、請求項10に記載の自転車ラックシステム。
【請求項12】
略水平な表面上に位置するように構成されているフレームワークであって、構造部材を支持するフレームワークと、
フレームに結合されている支持ブラケットであって、自転車のフレームを支持するように形成されている支持ブラケットと、をさらに備えている、請求項10に記載の自転車ラックシステム。
【請求項13】
支持ブラケットが、自転車のクランクに近接して自転車のフレームを支持するように配置されている、請求項12に記載の自転車ラックシステム。
【請求項14】
支持ブラケットが、自転車のフレームの非対称性に対応するように非対称的に成形されている、請求項12に記載の自転車ラックシステム。
【請求項15】
支持ブラケットが、自転車のクランクの一部を含む自転車のフレームの一部が当接する延長部を有している、請求項12に記載の自転車ラックシステム。
【請求項16】
自転車ラックシステムにおいて自転車を保持する方法であって、
スイングアームの第1の車輪受け台に対して自転車の車輪を移動させるステップであって、車輪を移動させることによって、スイングアームが構造部材に対して回動方向に移動する、ステップと、
第1の車輪受け台およびスイングアームが回動方向とは反対方向に移動する間に、車輪の一部を第2の車輪受け台に係合させ、それによって車輪を第1および第2の車輪受け台に係合させる、ステップと、を含む方法。
【請求項17】
第1の車輪受け台および第2の車輪受け台が、自転車の車輪の円弧に沿って互いに位置するように配置されており、円弧が、車輪の外周の半分未満である、請求項16に記載の自転車ラックシステムにおいて自転車を保持する方法。
【請求項18】
円弧が自転車のフレームに向かう方向に位置している、請求項17に記載の自転車ラックシステムにおいて自転車を保持する方法。
【請求項19】
略水平な表面上に位置するように構成されているフレームワークで構造部材を支持するステップと、
自転車のフレームを、フレームワークに結合された支持ブラケット上に支持するステップと、をさらに含む、請求項16に記載の自転車ラックシステムにおいて自転車を保持する方法。
【請求項20】
支持ブラケットが、自転車のフレームの非対称性に適応するように非対称に成形される、請求項19に記載の自転車ラックシステムにおいて自転車を保持する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自転車に関し、より詳細には、自転車を保持するための適応型自転車ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
オフロードバイクやマウンテンバイクに至るまで、自転車に対する関心は尽きることがない。自転車愛好家が自動車で自転車を運搬する光景は、当たり前のように見られる。自転車の所有者には、自転車を保管する必要もある。一戸建て住宅に住む人の中には、ガレージ、カーポートまたは地下室に自転車を保管する人もいる。共同住宅の居住者や大学生は、共同住宅や寮の部屋で自転車を保管することが多い。一般的に自転車の所有者には、住まいの種類に関係なく、自転車を収納するために数フィート(約2メートル)の連続した水平収納スペースが必要である。また、複数の自転車を保管する場合は、自転車の収納がさらに課題となる。
【0003】
多くの場合、自転車の所有者は、自転車を単にキックスタンドにもたせかけるのではなく、自転車が泥または汚れを床に残すのを防止するとともに、ハンドルバーで壁を傷つけるのを防止するために、壁に取り付けたフックまたはスタンドで自転車を保管することを好む。従来の自転車スタンドは、少なくとも自転車の長さ分の収納スペースを必要とする乗車位置、すなわち略水平な向きで自転車を支持する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当該技術分野において必要とされるものは、自転車との係脱が容易な効率のよい自転車保管システムである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、自転車の車輪に係合する自転車ラックシステムを提供する。
本発明は、一形態において、構造部材と、スイングアームと、複数の車輪受け台(wheel cradle)とを含む、自転車を保持するための自転車ラックシステムに関する。スイングアームは、構造部材に回動式に(pivotally)結合される。複数の車輪受け台は各々が、自転車の車輪の形状に適応する形状を有しており、また、第1の車輪受け台と、第2の車輪受け台と、第3の車輪受け台とを含む。第1の車輪受け台はスイングアームの遠位端に固定されており、第2の車輪受け台は構造部材に結合されている。
【0006】
本発明は、別の形態において、自転車ラックシステムにおいて自転車を保持する方法に関し、この方法は、自転車の車輪をスイングアームの第1の車輪受け台に対して移動させるステップであって、車輪を移動させることによってスイングアームを構造部材に対して回動方向に移動(traverse)させるステップと、第1の車輪受け台およびスイングアームが回動方向とは反対方向に移動(traverse)する間に、車輪の一部を第2の車輪受け台に係合させ、それによって車輪を第1および第2の車輪受け台に係合させるステップとを含む。
【0007】
本発明の自転車ラックの利点は、ラックがオーバーセンター方式で自転車の車輪に係合することである。
本発明の自転車ラックの別の利点は、自転車に別個に適用されなければならないストラップ、締結具、または任意の係合アイテムを使用することなく、自転車をラックシステムに対して係合および係合解除させることである。
【0008】
さらに別の利点は、ラックを係合させると、ラックが自転車のフレームのどの部分にも接触することなく、自転車に確実に取り付けられることである。
本発明の上記および他の特徴および利点、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図面と併せて本発明の実施形態の以下の説明を参照することによって、より明らかになり、そして、本発明をより良く理解することになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】壁に設置された本発明の自転車ラックシステムの実施形態の側面斜視図である。
図2】自転車の前輪が自転車ラックに配置された状態である、図1の自転車ラックの別の側面斜視図である。
図3】自転車の前輪が自転車ラックで固定された状態である、図1および2の自転車ラックの別の側面斜視図である。
図4図2および3の自転車の後輪が自転車ラックで固定された状態である、図1~3の自転車ラックの別の側面斜視図である。
図5】自転車ラックの詳細を示す、図1~4の自転車ラックの側面図である。
図6A】本発明のスイングアームの一実施形態を用いた自転車の車輪の拘束を示す、図1~5の自転車ラックの上面図である。
図6B】本発明のスイングアームの別の実施形態を用いた自転車の車輪の拘束を示す、図1~5の自転車ラックの上面図である。
図7】自転車が配置されている、自転車ラック作業台の形態の本発明の自転車ラックシステムの別の実施形態の側面図である。
図8】自転車が配置されていない、図7の自転車ラック作業台の側面図である。
図9図7および8の自転車ラック作業台とともに使用する支持ブラケットの斜視図である。
図10】自転車を支持している状態である、図9の支持ブラケットの別の斜視図である。
図11図9および10の支持ブラケットのさらに別の斜視図である。
図12】自転車のフレームのレールと相互作用するブラケットの非対称形態を示す、図9~11の支持ブラケットを自転車の前方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
対応する参照符号は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。本明細書に記載される例証は、本発明の実施形態を例示するものであり、そのような例証は、いかなる形でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0011】
ここで図面、より具体的には図1~6Bを参照すると、自転車12を取り付けるかまたは他の方法で保持するための自己関節式自転車ラック10が示されている。自転車ラック10は、任意の所望の自転車を取り付けるために使用することができ、自転車ラックシステム10と見なすことができる。自転車ラック10は、自転車12を垂直に取り付けて、自転車を下に向けた状態で後輪から(図4)、または自転車を上に向けた状態で前輪から(図3)、車輪の一方によって吊り下げられるように、壁に取り付けることができる。また、自転車ラック10は、ルーフトップまたはヒッチに取り付けられた自転車キャリアとして使用できるように、水平方向に向けることもできる。例えば、自転車ラック10は、車両の壁または他の外部もしくは内部の部材に接続することができる。
【0012】
自転車ラック10は、一般に、取付けプレート14と、スイングアーム16と、自転車12の車輪の外側を保持するための少なくとも2つの受け台(cradle)とを含む。例えば、自転車ラック10は、少なくとも3つの受け台18、20、22を含んでもよい。自転車ラック10は、自転車12が自転車ラック10内に配置されると、自転車12の車輪がスイングアーム16を自動的に移動させるような自己関節式(self-articulating)である。これにより、自転車12を上方に持ち上げることで、車輪の外側がスイングアーム16を上方に移動させることができるため、車輪が自転車ラック10内に配置され、車輪の外側が各受け台18、20、22と係合する。その後、自転車12を下方に移動させることで、スイングアーム16が自動的に下方に移動して、車輪を受け台18、20、22内にロックまたは他の方法で固定することができる。
【0013】
取付けプレート14は、表面、例えば、車両取付けブラケットの壁または部材の表面に取り付け可能(affixable)であり、取付けプレート14は本明細書では構造部材14とも称される。取付けプレート14は、第1の受け台18を取り付けるための第1の部分と、第2の受け台20を取り付けるための第2の部分とを有することができる。第2の部分は、第1の部分から遠ざかる方向に外側に延在してもよい。それによって、取付けプレート14は、第1および第2の受け台18、20をそれぞれ第1および第2の角度に向けることができる。例えば、取付けプレート14は、第1の受け台18を取付けプレート14の長手方向軸線に対して90度または平行に配向することができる。さらに、例えば、取付けプレート14は、第2の受け台20を取付けプレート14の長手方向軸線に対して約45度に向けることができる。
【0014】
スイングアーム16は、取付けプレート14および/または取付けプレート14が取り付けられる表面に対して回動可能(pivotably)に取り付けることができる。例えば、スイングアーム16は、スイングアーム16を壁に回動式に取り付けるスイングアーム取付けプレート(符号なし)のそれぞれのセットを含んでもよい。さらに、例えば、スイングアーム16は、取付けプレート14のそれぞれの受け部材に回動式に接続されてもよい。スイングアーム16は第3の受け台22を取り付けることができる。スイングアーム16は、取付けプレート14に対して、例えば30~200度回動することができ、図6Bに示すように、自転車12の車輪の側方に配置された単一の部材を有することができる。スイングアーム16は、車輪を受け入れるための第1の開位置と、車輪を自転車ラック10内にロックするための第2の閉位置と、スイングアーム16が使用されていないときに取付けプレート14に略平行になるように下げられる第3の位置とを有することができる。スイングアーム16は、1つ以上の構成要素を備えていてもよい。例えば、スイングアーム16は、一端が回動式に取り付けられるとともに、他端が互いに接合された一対のロッドを備えていてもよい。上面から見ると、スイングアーム16の部材は三角形を形成し、車輪の外縁に接触する受け台22に対して壁面で2つのヒンジ点を有する。したがって、スイングアーム16は、車輪の両側に一部分を有する三角形の形状を有することができる。しかしながら、スイングアーム16は任意の所望の形状を有してもよい。さらに、例えば、スイングアーム16は、取付けプレート14に対して関節接合する単一の部材を備えてもよい。スイングアーム16は任意の所望の材料を含むことができる。スイングアーム16は、スイングアーム16の動きを維持するかまたは他の方法で制限および/または付勢する(bias)保持部材を含むことができる。
【0015】
各受け台またはホルダ18、20、22は、表面、取付けプレート14、および/またはスイングアーム16に固定してあるいは移動可能に取り付けられてもよい。受け台18、20、22はそれぞれ、保持部分と、保持部分よりも幅が広い受け部分とを有することができる。各受け台18、20、22は任意の所望の形状を有することができる。例えば、各受け台18、20、22は直線形状または湾曲形状を有してもよい。受け台18、20、22は、同一の形状であっても、固有の形状であってもよい。受け台18、20、22のうちの1つ以上は、車輪を受け入れるためにその端部が開いている略「U」字型を有することができる。スイングアーム16に取り付けられた(affixed)受け台22は、他の受け台18、20より長くてもよい。自転車ラック10はまた、受け台18、20、22(図5)によって保持されない、自転車の反対側の車輪を保持するための別の任意選択の下方の受け台26を有していてもよい。各受け台18、20、22、26は任意の所望の材料を含むことができる。
【0016】
より詳細には、3つの受け台18、20、22は、三角形を形成するために3つの異なる位置に配置されてもよい。第1および第2の受け台18、20は、一方が壁に、他方が車輪の周囲に沿って約45度下方に固定して取り付けられてもよい。第3の受け台22は、壁の支点から回転する、スイングアーム16の端部に取り付けることができる。スイングアーム16の下降した閉位置では、第3の受け台22は車輪の外周に接触することができる。したがって、車輪は、スイングアーム16上の第3の受け台22を介して反対側の他の2つの固定された受け台18、20にしっかりと保持される。理解できるように、スイングアーム16の重量によって、自転車12が自転車ラック10の内外で望ましくない動きをしないように、受け台18、20、22内に車輪を確実に保持することができる。各車輪受け台18、20、22は自転車12の車輪の外形に適応する形状を有しており、車輪受け台22はスイングアーム16の遠位端に固定されている。車輪受け台18、20は構造部材14に結合されており、より具体的には、受け台20は構造部材14の突出部に接続される。また、ラック10の移動用途では、ロック機構(図示せず)を使用してスイングアーム16を固定位置に固定することも考えられる。
【0017】
車輪受け台18、20、22は、自転車12の車輪の円弧Aに沿って互いに離間して配置されている。受け台18と受け台20との間の円弧Aは、車輪の外周の半分未満であり、車輪の外周の4分の1未満であってもよい。この構成は、タイヤの受け台18、20、22に対する摩擦とともに、自転車12をラック10に固定するものであり、自転車12の重量が下向きの力を発揮して、スイングアーム16を自転車12に向かってさらに下向きに引っ張り、誰かが自転車12を持ち上げて、ラック10の固定機能を中断させるまで,円弧Aの距離が外側に開くことを防止する。円弧は自転車12のフレームに向かって位置している。図1~6に示すラック10の位置決めは、スイングアーム16が重力によって自転車12に向かって付勢されるようなものであるが、ラック10を異なる向きで使用する場合には、ばねの付勢を使用することもできる。
【0018】
スイングアーム16は、自転車12がラックシステム10に差し込まれる(inserted into)と上方に回動(swing)するように構成されており、車輪が受け台22に接触するとスイングアーム16が上方に回動する。車輪が車輪受け台20に収まると、車輪受け台22は、車輪がさらに車輪受け台18に収まるように、車輪の外面に沿ってスイングアーム16とともに下方に回動する(swing)。スイングアーム16は、自転車12を持ち上げると回動し、それによって車輪を車輪受け台18、20、22から係合解除し、次に、スイングアーム16は、車輪がラックシステム10から外側へ取り外されると下方に回動する。スイングアーム16は対称的な形状であり、車輪受け台18がスイングアーム16の遠位端の内側部分に取り付けられている(affixed)。スイングアーム16は、図6Bに示すように単一のアームであってもよい。
【0019】
本発明の別の態様によれば、複数の自転車ラック10がカートアセンブリ上に一緒に組み立てられてもよい。カートアセンブリは、いくつかの自転車を単一のユニットとして一度に取り扱い、移動させ、または保管することを容易に行うことができる。カートアセンブリは、各コーナーにキャスター車輪を備えた車輪付き水平フレームと、複数のラック10が取り付けられる垂直フレームとで構成されることになる。ラック10は並んで互いに隣接して取り付けられてもよい。追加的または代替的に、ラック10は互い違いに取り付けられてもよい。さらに、自転車は、建物内に保管するために、またはトラックの効率的な積み込みまたは積み降ろしのために、単一のユニットとして輪行できるように、各ラック10に取り付けることができる。トラックに搭載されると、カートアセンブリをトラックの内壁の1つまたは壁に取り付けられたレールに固定して、目的地または仕分け施設まで輸送し、そこで、自転車を別のトラックに移し替えて、最終目的地まで輸送することもできる。
【0020】
次に、図7~12をさらに参照すると、本発明の別の実施形態を示しており、この実施形態では、自転車ラック10は、自転車12に対してメンテナンスを行うことができるように、自転車12を取り付けるかまたは他の方法で保持するための自転車ラック作業台110の一部である。自転車ラック作業台110は、任意の所望の自転車を搭載/保持するために使用されてもよく、自転車ラックシステム110と見なすことができる。自転車作業台110は、自転車12が上昇して垂直に取り付けられるように床面に支持されており、自転車12の前輪と支持ブラケット114とによって支持される。フレームワーク116は、ブラケット114と、前輪受け台18を有するラック10とに結合される。
【0021】
支持ブラケット114は、締結具を使用して支持ブラケット114をフレームワーク116に接続することができるように、水平床に沿ってボルト穴を有する。支持ブラケット114は、2つのサイドレール118、120と、安定化タブ122とを有する。サイドレール118、120は、自転車12のフレームを載せることができる湾曲した傾斜形状を有する。レール118、120の傾斜形状は、自転車12のフレームを安定化タブ122に向かって移動させ、それによって、自転車12のクランクの領域にある自転車12のフレーム部分がレール118、120上に、かつ安定化タブ122に対して静止するようになる。支持ブラケット114の上部の収容形状は、自転車12の要素へのアクセスを可能にする方法で自転車12を保持し安定させる役割を果たし、自転車12にアクセスするために支持システムの要素をずらす必要なくメンテナンスを行うことができるようにする。
【0022】
支持ブラケット114は、本明細書に例示する三次元形状を形成するように、成形され、次に曲げられて、溶接される、平らな金属の単一片から形成されてもよい。支持ブラケット114はまた、プラスチック材料から作ることも可能である。自転車12のフレームを収容するためにある程度の非対称な形状が用いられており、様々なブランドや構成の自転車に対応できるような形状になっている。さらに、ブラケット114の位置は、様々な自転車のサイズ/ホイールベースに適応できるように、フレーム116に沿って調整可能である。
【0023】
図7では、自転車12が作業台110に配置されており、自転車12の全ての部分へのアクセスが可能であることが分かる。図8では、フレーム116に結合されたブラケット114の第1の実施形態を示している。図9では、フレーム116の一部に固定されたブラケット114を示す。レール118、120の湾曲し傾斜した上面が自転車12を安定化タブ122に対して安定させることになることが容易に理解できる。
【0024】
図10において、ブラケット114は、自転車12の前輪を前方に見たときに自転車12と係合している。ブラケット114は、自転車12のクランクハウジングを収容するように形成されている。ブラケット114の別の図が図11に示されており、自転車12の後輪が示されている状態で後方を見ると、レール118、120の傾斜面がクランクハウジングを安定化タブ122(図5ではクランクハウジングによって隠れている)に向けて摺動させる様子が分かる。図12は、ブラケット114を真後ろから見た図であり、自転車12の長手方向軸線に概ね沿っている。
【0025】
支持ブラケット114は、自転車12のクランクに近接して自転車12のフレームを支持するように配置される。支持ブラケット114は、自転車12のフレームの非対称性に対応するように非対称に形成されている。支持ブラケット114は、自転車12のクランクの一部を含む自転車フレームの一部が当接する安定化タブ122の形態の延長部122を有する。
【0026】
本発明の自転車ラックシステム10、110のいずれの実施形態においても、自転車12を保持または支持する方法は、スイングアーム16の車輪受け台22に対して自転車12の車輪を移動させることによって達成される。車輪の移動により、スイングアーム16は構造部材14に対して回動方向に移動(traverse)する。システム10、110は車輪受け台20の車輪の一部に係合し、一方、車輪受け台22およびスイングアーム16は、スイングアーム16が最初に移動する回動方向と反対方向に移動し(traverse)、それによって車輪受け台18、20、22の車輪に係合する。
【0027】
本発明を少なくとも1つの実施形態に関して説明してきたが、本発明は、本開示の趣旨および範囲内でさらに変更することができる。したがって、本出願は、その一般原理を使用する本発明の任意の変形、使用、または適合を包含することが意図される。さらに、本出願は、本発明が関連するとともに、添付の特許請求の範囲の制限内に入る当技術分野における公知または慣習的な実施の範囲内に入る本開示からの逸脱を包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-02-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車を保持するための自転車ラックシステムであって、
構造部材と、
構造部材に回動式に結合されたスイングアームと、
複数の車輪受け台であって、各車輪受け台が自転車の車輪の形状に適応する形状を有しており、複数の車輪受け台は第1の車輪受け台および第2の車輪受け台を有しており、第1の車輪受け台がスイングアームの遠位端に固定されるとともに、第2の車輪受け台が構造部材に結合されている、複数の車輪受け台と、を備えており、
スイングアームは、自転車が自転車ラックシステムに差し込まれていくにつれて車輪が第1の車輪受け台に接触すると、上方に回動するように構成されており、
車輪が第2の車輪受け台に収まると、第1の車輪受け台は、車輪が第1の車輪受け台にさらに収まって自転車を自転車ラックシステムに固定するように、車輪の外面に沿って下方に回動し、
スイングアームは、自転車を持ち上げて、自転車ラックシステムへの自転車の固定を中断することによって、自転車の車輪から係合解除させられる、自転車ラックシステム。
【請求項2】
第1の車輪受け台および第2の車輪受け台が、自転車の車輪の円弧に沿って互いに位置決めされるように配置されており、円弧が車輪の外周の半分未満である、請求項1に記載の自転車ラックシステム。
【請求項3】
円弧が自転車のフレームに向かう方向に位置している、請求項2に記載の自転車ラックシステム。
【請求項4】
スイングアームが、自転車を持ち上げるときに上方に回動するようにさらに構成されており、それによって車輪を第2の車輪受け台から係合解除し、次いで、車輪が自転車ラックシステムから外側へ取り外されると、スイングアームが下方に回動する、請求項に記載の自転車ラックシステム。
【請求項5】
スイングアームの下方への移動を制限するためにスイングアームに結合される保持機構をさらに備えている、請求項1に記載の自転車ラックシステム。
【請求項6】
スイングアームが、車輪の片側または両側に沿って構造部材から延在している、請求項1に記載の自転車ラックシステム。
【請求項7】
スイングアームが、第1の車輪受け台がスイングアームの遠位端の内側部分に取り付けられた状態で対称的に成形されている、請求項に記載の自転車ラックシステム。
【請求項8】
自転車ラックシステムにおいて自転車を保持する方法であって、
スイングアームの第1の車輪受け台に対して自転車の車輪を移動させるステップであって、車輪を移動させることによって、スイングアームが構造部材に対して回動方向に移動する、ステップと、
第1の車輪受け台およびスイングアームが回動方向とは反対方向に移動する間に、車輪の一部を第2の車輪受け台に係合させ、それによって車輪を第1および第2の車輪受け台に係合させ、それによって自転車を自転車ラックシステムに固定する、ステップと、
自転車を持ち上げて、自転車ラックシステムへの自転車の固定を中断することによって、スイングアームを自転車の車輪から係合解除させるステップと、を含む方法。
【請求項9】
第1の車輪受け台および第2の車輪受け台が、自転車の車輪の円弧に沿って互いに位置するように配置されており、円弧が、車輪の外周の半分未満である、請求項に記載の自転車ラックシステムにおいて自転車を保持する方法。
【請求項10】
円弧が自転車のフレームに向かう方向に位置している、請求項に記載の自転車ラックシステムにおいて自転車を保持する方法。
【請求項11】
略水平な表面上に位置するように構成されているフレームワークで構造部材を支持するステップと、
自転車のフレームを、フレームワークに結合された支持ブラケット上に支持するステップと、をさらに含む、請求項に記載の自転車ラックシステムにおいて自転車を保持する方法。
【請求項12】
支持ブラケットが、自転車のフレームの非対称性に適応するように非対称に成形される、請求項11に記載の自転車ラックシステムにおいて自転車を保持する方法。
【国際調査報告】