(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(54)【発明の名称】電極ループを有するENTアブレーション器具
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20230901BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512125
(86)(22)【出願日】2021-08-16
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 IB2021057534
(87)【国際公開番号】W WO2022038494
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】パルシ・ジェットミア
(72)【発明者】
【氏名】サラザール・ヘンリー・エフ
(72)【発明者】
【氏名】アブデルワヘド・ハニー
(72)【発明者】
【氏名】ゴバリ・アサフ
(72)【発明者】
【氏名】グリナー・バディム
(72)【発明者】
【氏名】アルトマン・アンドレス・シー
(72)【発明者】
【氏名】ビークラー・クリストファー・ティー
(72)【発明者】
【氏名】バス・シュバユ
(72)【発明者】
【氏名】バノスドール・マディソン・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ライト・アリソン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】アルガウィ・イェフダ
(72)【発明者】
【氏名】アミン・ビーナム
(72)【発明者】
【氏名】ディーン・マルク
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK39
4C160KL03
4C160NN01
(57)【要約】
装置は、シャフトアセンブリと、シャフトアセンブリの遠位端にある電極アセンブリと、を含む。電極アセンブリは、シャフトアセンブリの遠位端において第1の角度範囲に沿って延在する第1の導電性セグメントを含む。第1の導電性セグメントは、第1の極性においてRFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。電極アセンブリは、第1の導電性セグメントから角度的に離間された第2の導電性セグメントを更に含む。第2の導電性セグメントは、シャフトアセンブリの遠位端において第2の角度範囲に沿って延在している。第2の導電性セグメントは、第1の導電性セグメント及び第2の導電性セグメントが双極RFエネルギーを組織に印加するように、第2の極性においてRFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)遠位端を有するシャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリの前記遠位端にある電極アセンブリであって、前記電極アセンブリは、
(i)前記シャフトアセンブリの前記遠位端において第1の角度範囲に沿って延在する第1の導電性セグメントであって、前記第1の導電性セグメントは、第1の極性においてRFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第1の導電性セグメントと、
(ii)前記第1の導電性セグメントから角度的に離間された第2の導電性セグメントであって、前記第2の導電性セグメントは、前記シャフトアセンブリの前記遠位端において第2の角度範囲に沿って延在し、前記第2の導電性セグメントは、前記第1の導電性セグメント及び前記第2の導電性セグメントが双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能であるように、第2の極性においてRFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第2の導電性セグメントと、を含む、電極アセンブリと、を備える、装置。
【請求項2】
前記シャフトの前記遠位端において視覚化アセンブリを更に備え、前記視覚化アセンブリは、カメラを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記視覚化アセンブリ及び前記シャフトアセンブリは、前記視覚化アセンブリと前記シャフトアセンブリとの間の相対的な長手方向の並進を可能にするように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記視覚化アセンブリ及び前記電極アセンブリは、前記視覚化アセンブリと前記電極アセンブリとの間の相対的な長手方向の並進を可能にするように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
流体導管を更に備え、前記流体導管は、
(i)前記カメラからデブリを洗い流すこと、又は
(ii)前記第1の導電性セグメント及び前記第2の導電性セグメントと前記組織との間の連続性を促進すること、のうちの一方又は両方のために、液体を排出するように位置付けられ、かつそのように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記視覚化アセンブリは、前記流体導管を介して排出された液体を前記カメラに向けて迂回させるように位置付けられ、かつそのように構成された液体迂回部材を更に含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記流体導管は、前記シャフトアセンブリの前記遠位端において吸引を適用するように更に構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記視覚化アセンブリは、前記カメラの視野を照明するように構成された照明要素を更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記シャフトアセンブリは、剛性近位部分及び可撓性遠位部分を含み、前記可撓性遠位部分は、前記剛性近位部分によって画定された長手方向軸線から離れる、又はそれに向かう前記遠位端の側方偏向を可能にするように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記電極アセンブリは、前記シャフトアセンブリの前記遠位端に固定された遠位先端部材を更に含み、前記第1の導電性セグメント及び前記第2の導電性セグメントは、前記遠位先端部材に固定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記遠位先端部材は、非導電性材料を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の導電性セグメントは、弓形状を有し、前記第2の導電性セグメントは、弓形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記電極アセンブリは、前記第1の導電性セグメントと前記第2の導電性セグメントとの間に第1の角度間隙を画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記シャフトアセンブリの前記遠位端は、遠位に面する円形縁部を画定し、前記第1の導電性セグメントは、前記遠位に面する円形縁部に沿って前記第1の角度範囲にわたって延在し、前記第2の導電性セグメントは、前記遠位に面する円形縁部に沿って前記第2の角度範囲にわたって延在している、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の導電性セグメントは、第1の遠位に面する部分を含み、前記第2の導電性セグメントは、第2の遠位に面する部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の導電性セグメントは、第1の半径方向外向きに面する部分を含み、前記第2の導電性セグメントは、第2の半径方向外向きに面する部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の導電性セグメントは、第1の半径方向内向きに面する部分を含み、前記第2の導電性セグメントは、第2の半径方向内向きに面する部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記シャフトアセンブリは、作業チャネルを画定し、前記作業チャネルは、前記シャフトアセンブリの前記遠位端を越えて遠位に、かつ前記電極アセンブリを越えて遠位に、作業要素の前進を可能にするようにサイズ決定され、かつそのように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
装置であって、
(a)遠位端を有し、長手方向軸線を画定するシャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端にある第1の電極アセンブリであって、前記第1の電極アセンブリは、ループ形状を形成する第1の部材を含み、前記第1の電極アセンブリの前記第1の部材は、RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第1の電極アセンブリと、
(c)前記シャフトの前記遠位端にある第2の電極アセンブリであって、前記第2の電極アセンブリは、鋭利な先端部を有する第1の針を含み、前記第1の針は、組織を貫通するように動作可能であり、前記第1の針は、RFエネルギーを組織に印加するように更に動作可能であり、前記第1の針は、前記第1の電極アセンブリの前記第1の部材を越えて遠位に、又は前記第1の電極アセンブリの前記第1の部材に対して横方向に突出するように更に構成されている、第2の電極アセンブリと、を備える、装置。
【請求項20】
装置であって、
(a)遠位端を有し、長手方向軸線を画定するシャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端にある第1の電極アセンブリであって、前記第1の電極アセンブリは、RFエネルギーを組織に印加するように動作可能な部材を含む、第1の電極アセンブリと、
(c)前記シャフトの前記遠位端にある第2の電極アセンブリであって、前記第2の電極アセンブリは、鋭利な先端部を有する第1の針を含み、前記第1の針は、組織を貫通するように動作可能であり、前記第1の針は、RFエネルギーを組織に印加するように更に動作可能であり、前記第1の針は、近位後退位置と、前記第1の針が前記第1の電極アセンブリの前記部材を越えて遠位に突出する遠位伸長位置との間で、前記シャフトに対して選択的に長手方向に並進可能である、第2の電極アセンブリと、を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2020年8月19日に出願の「ENT Ablation Instrument with Electrode Loop」と題された米国特許仮出願第63/067,495号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2020年10月16日に出願の「ENT Instrument with Ablation Loop and Ablation Needles」と題された米国特許仮出願第63/092,751号、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2021年1月27日に出願の「ENT Instrument with Ablation Loop and Ablation Needles」と題された米国特許仮出願第63/142,098号に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
鼻炎は、鼻腔内の粘膜の刺激作用及び炎症として呈する医学的状態である。炎症は、過剰な量の粘液の生成をもたらし、これは鼻汁、鼻詰まり、くしゃみ、及び/又は後鼻漏を引き起こす可能性がある。アレルギー性鼻炎は、空中のアレルゲンなどの環境要因に対するアレルギー反応であり、非アレルギー性(又は「血管運動性」)鼻炎は、環境要因とは独立して呈する慢性疾患である。鼻炎の従来の治療としては、例えば、抗ヒスタミン剤、局所又は全身コルチコステロイド、及び局所抗コリン薬が挙げられる。
【0003】
症状が重度かつ持続的である難治性鼻炎の場合、更なる治療の選択肢は、翼突管(又は「翼突筋」)神経の一部分の外科的除去であり、ヴィディアン神経切除術として知られる処置である。ヴィディアン神経切除術の理論的な基礎は、鼻炎が鼻腔の副交感神経支配と交感神経支配との間の不均衡、及び結果として生じる粘膜の粘液腺の過剰刺激によって引き起こされるということである。ヴィディアン神経切除術は、この不均衡をかき乱し、ヴィディアン神経の外科的治療を介して鼻粘膜分泌物を減少させることを目的とする。しかしながら、場合によっては、ヴィディアン神経切除術は、涙腺に付帯的損傷を引き起こす可能性があり、その涙腺は、ヴィディアン神経によって刺激される。涙腺へのそのような損傷は、慢性ドライアイなどの、患者にとって長期の健康上の合併症をもたらし得る。後方鼻神経切除、又は後方鼻神経の一部分の外科的除去は、難治性鼻炎を治療するためのヴィディアン神経切除術の有効な代替方法であり得る。
【0004】
図1は、鼻腔(10)、前頭洞(12)、蝶形骨洞(14)、及び蝶形骨(16)を示す、患者の頭部の一部分の左矢状面の図を示す。鼻腔(10)は、鼻甲介(20)と、中鼻甲介(22)と、上鼻甲介(24)と、を含む鼻部の壁(18)によって横方向に画定される。ヴィディアン神経(32)は、蝶形骨(16)によって部分的に画定され、中鼻甲介(22)と概ね整列して蝶形骨洞(14)の後方に位置するヴィディアン(すなわち「翼突」)管(30)の内部に存在する。ヴィディアン神経(32)は、大錐体神経(34)と深錐体神経(36)との接合部によってその後方端に形成され、その前方端で翼口蓋神経節(38)と接合し、その翼口蓋神経節(38)は、鼻粘膜への血流の調節に関与する。後鼻神経(40)は、翼口蓋神経節(38)と接合し、下鼻甲介(20)を取り囲む領域を通って延在する。
【0005】
ヴィディアン神経切除術を実行するための器具及び方法、後鼻神経切除術、並びに鼻甲介整復は知られているが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載された本発明を行い、又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】特定の副鼻腔及び神経の詳細を示し、ヴィディアン神経及び後鼻神経が含まれる、患者の頭部の一部分の左矢状面の図である。
【
図2】鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の一例の斜視図である。
【
図3】遠位針電極が後退位置にあり、斜め針電極のセットが後退位置にあり、シースが前進位置にある、
図2の器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図4】遠位針電極が前進位置にあり、斜め針電極のセットが後退位置にあり、シースが前進位置にある、
図3のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図5】遠位針電極が後退位置にあり、斜め針電極のセットが前進位置にあり、シースが前進位置にある、
図3のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図6】遠位針電極が前進位置にあり、斜め針電極のセットが前進位置にあり、シースが前進位置にある、
図3のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図7】遠位針電極が後退位置にあり、斜め針電極のセットが後退位置にあり、シースが後退位置にある、
図3のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図8A】ループ電極が後退位置にあり、付属品が後退位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例の斜視図である。
【
図8B】ループ電極が前進位置にあり、付属品が後退位置にある、
図8Aの器具の斜視図である。
【
図8C】ループ電極が前進位置にあり、付属品が前進位置にある、
図8Aの器具の斜視図である。
【
図9】ループ電極が前進位置にある、
図8Aの器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図10A】ループ電極が後退位置にある、
図8Aの器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図10B】ループ電極が部分的に前進位置にある、
図8Aの器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図10C】ループ電極が前進位置にある、
図8Aの器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図11】ループ電極が前進位置にあり、カニューレの形態の付属品が前進位置にある、
図8Aの器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図12】ループ電極が前進位置にあり、針電極セットの形態の付属品が前進位置にある、
図8Aの器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図13A】一対のループ電極を有し、針電極が後退位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例の遠位部分の斜視図である。
【
図14】針電極が前進位置にある、
図13Aの器具の遠位部分の平面図である。
【
図15】針電極が前進位置にある、
図13Aの器具の遠位部分の側方立面図である。
【
図16A】ループ電極を有し、一対の針電極が後退位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例の遠位部分の斜視図である。
【
図17】針電極が前進位置にある、
図16Aの器具の遠位部分の平面図である。
【
図18】針電極が前進位置にある、
図16Aの器具の遠位部分の側方立面図である。
【
図19A】一対の横断ループ形成電極を有し、一対の針電極が後退位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例の遠位部分の斜視図である。
【
図20A】一対の横断ループ形成電極を有し、針電極及びリング電極が後退位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例の遠位部分の斜視図である。
【
図20B】針電極及びリング電極が前進位置にある、
図20Aの器具の遠位部分の斜視図である。
【
図21】器具のループ電極アセンブリが器具のシャフトアセンブリに対して近位後退位置にあり、器具の一対の針電極がシャフトアセンブリに対して近位後退位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の一例の斜視図である。
【
図22A】ループ電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して近位後退位置にあり、一対の針電極がシャフトアセンブリに対して近位後退位置にある、
図21の器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図22B】ループ電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して近位後退位置にあり、一対の針電極がシャフトアセンブリに対して遠位伸長位置にある、
図21の器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図22C】ループ電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して遠位伸長位置にあり、一対の針電極がシャフトアセンブリに対して遠位伸長位置にある、
図21の器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図23A】器具のループ電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して近位後退位置にあり、器具の針電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して近位後退位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図23B】ループ電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して近位後退位置にあり、針電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して遠位伸長位置にある、
図23Aの器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図23C】ループ電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して遠位伸長位置にあり、針電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して遠位伸長位置にある、
図23Aの器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図24A】器具のループ電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して近位後退位置にあり、器具の針電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して近位後退位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図24B】ループ電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して近位後退位置にあり、針電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して遠位伸長位置にある、
図24Aの器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図24C】ループ電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して遠位伸長位置にあり、針電極アセンブリがシャフトアセンブリに対して遠位伸長位置にある、
図24Aの器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図25A】器具が一対の遠位先端電極を有し、器具の一対の針電極がシャフトアセンブリに対して近位後退位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図25B】一対の針電極がシャフトアセンブリに対して遠位伸長位置にある、
図25Aの器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図26】鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図27】
図26の器具の視覚化及び潅注アセンブリの側方立面図である。
【
図28】
図27の視覚化及び潅注アセンブリの正面立面図である。
【
図29】
図27の視覚化及び潅注アセンブリの分解斜視図である。
【
図30】
図27の視覚化及び潅注アセンブリがシャフトアセンブリの遠位端に対して近位位置にある、
図26の器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図31】
図27の視覚化及び潅注アセンブリがシャフトアセンブリの遠位端に対して遠位位置にある、
図26の器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図32】器具が一対の遠位先端電極を有し、器具の非導電性針がシャフトアセンブリの遠位端に対して遠位伸長位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図33】器具が一対の遠位先端電極を有し、器具の複数の導電性針がシャフトアセンブリの遠位端に対して遠位伸長位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図34】器具が一対の遠位先端電極並びに視覚化及び潅注アセンブリを有し、器具の複数の導電性針がシャフトアセンブリの遠位端に対して遠位伸長位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図35】器具が一対の遠位先端電極並びに視覚化及び潅注アセンブリを有し、器具の膨張可能なバルーンがシャフトアセンブリの遠位端に対して遠位伸長位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図36】器具が一対の遠位先端電極を有し、器具の膨張可能なバルーンがシャフトアセンブリの遠位端に対して遠位伸長位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図37】器具が一対の遠位先端電極並びに視覚化及び潅注アセンブリを有し、器具の一対の遠位生検ジョーがシャフトアセンブリの遠位端に対して遠位伸長位置にある、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の別の例のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図38A】ループ電極及び一対の針電極がシャフトアセンブリに対してそれぞれの近位後退位置にある、
図21の器具の遠位部分の、後鼻神経の領域における患者の鼻腔内への挿入を示す、患者の頭部の一部分の左矢状面の図である。
【
図38B】
図21の器具の遠位部分が患者の鼻腔内の後鼻神経の領域に挿入され、ループ電極及び一対の針電極は、針電極が鼻壁を貫通して、鼻壁の表面を越えて後鼻神経にRFエネルギーを送達して後鼻神経の深い組織内アブレーションを提供するように、かつループ電極が、針電極の進入点に隣接する鼻壁の表面に押し付けられて、鼻壁の表面から後鼻神経にRFエネルギーを送達して後鼻神経の浅い表面アブレーションを提供するように、シャフトアセンブリに対してそれぞれの遠位伸長位置にある、患者の頭部の一部分の左矢状面の図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例示として本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものとしてみなされるべきである。
【0008】
本開示を明確にするために、本明細書において、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を握持する外科医又は他の操作者に対して定義される。「近位」という用語は、外科医のより近くに配置された要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタのより近くにかつ外科医からより遠くに配置された要素の位置を指す。更に、図面を参照して「上部」、「下部」、「垂直」、「水平」などの空間的用語が本明細書で使用される限り、このような用語は、例示的な記述目的にのみ使用されて、限定も絶対も意図していないことが理解されるであろう。その点において、本明細書に開示されるものなどの外科用器具を、本明細書で図示及び記載するものに限定されない様々な向き及び位置で使用してもよいことが理解されよう。
【0009】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲の「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は集合が、本明細書で記載されているその本来の目的のために機能することを可能とするような好適な寸法の許容範囲を示すものである。
【0010】
I.浅いアブレーション、深いアブレーション、及び体積アブレーション
いくつかの臨床シナリオでは、高周波(radiofrequency、RF)エネルギーを組織に印加して、組織をアブレーションすることが望ましい場合がある。これは、組織の表面を1つ以上の電極と接触させることと、次いで、1つ以上の電極を作動させて、RFエネルギーを組織に印加することと、を含んでもよい。1つの電極が使用される場合、接地パッドは、患者の皮膚と接触して配置されてもよく、標的組織表面と接触するその1つの電極は、単極RFエネルギーを標的組織表面に印加してもよい。2つ以上の電極が使用される場合、その2つ以上の電極は、標的組織表面と接触して配置されてもよく、これらの電極を作動させて双極RFエネルギーを標的組織表面に印加してもよい。いずれの場合も、RFエネルギーは、所望の治療効果を提供するために組織をアブレーションしてもよい。
【0011】
RFアブレーション電極はまた、組織を貫通する針の形態であってもよく、針が組織に挿入されると、RFアブレーション電極を作動させてRFエネルギーを印加する。組織表面接触RFアブレーション電極とは異なり、針電極は、組織の表面をはるかに越えたアブレーションを容易にし得る。場合によっては、針電極は、組織表面を通した針電極の貫通にもかかわらず、組織表面のアブレーションを回避し得、表面下組織のみがアブレーションされる。
【0012】
いくつかの耳、鼻、及び喉(ear, nose, and throat、ENT)アブレーション処置の文脈では、電極に接触する組織表面のみが使用されるように、比較的浅いRFアブレーションを提供することが望ましい場合がある。いくつかの他のENTシナリオでは、組織貫通針電極が使用されるように、比較的深いRFアブレーションを提供することが望ましい場合がある。なお他のENTシナリオでは、浅いアブレーションと深いアブレーションとの組み合わせを提供することが望ましい場合があり、それにより、組織表面接触電極と組織貫通針電極との併用を通して、体積アブレーションをもたらす。
【0013】
上記を考慮すると、2つ以上の器具の使用を必要とすることなく、比較的浅いRFアブレーション、比較的深いRFアブレーション、又は体積アブレーション(すなわち、浅いアブレーションと深いアブレーションとの組み合わせ)を実行するように動作可能なアブレーション器具を提供することが望ましい場合がある。換言すれば、器具操作者の選択に従って、浅いアブレーションモダリティ、深いアブレーションモダリティ、及び体積アブレーションモダリティの間で移行するように動作可能な単一のRFアブレーション器具を提供することが望ましい場合がある。以下は、これらのモダリティ間の選択可能性を可能にするRFアブレーション器具のいくつかの例を提供する。これらの例は、ENT処置という文脈において説明されるが、以下に説明される器具は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであるように、患者の解剖学的構造の他の領域における他の処置において使用されてもよい。
【0014】
II.軸線方向針電極及び斜め針電極を有するアブレーション器具
図1は、鼻腔内の組織又は患者の頭部内の他の場所にRFエネルギーを送達するために使用され得る器具(100)の一例を示す。例えば、器具(100)は、神経(例えば、後鼻神経(40))をアブレーションするため、鼻甲介(例えば、鼻甲介(20、22、24)のいずれか)をアブレーションするため、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造をアブレーションするために使用されてもよい。この例の器具(100)は、ハンドルアセンブリ(110)、シャフトアセンブリ(120)、及びエンドエフェクタ(130)を含む。器具(100)は、RF発生器(102)と連結されており、RF発生器(102)は、以下でより詳細に説明するように、電極(140、150)を介して組織に送達するためのRF電気外科用エネルギーを生成するように動作可能である。
【0015】
この例のハンドルアセンブリ(110)は、本体(112)、第1のスライダ(114)、及び第2のスライダ(116)を含む。本体(112)は、パワーグリップ、ペンシルグリップ、又は任意の他の好適な種類のグリップなどを介して、操作者の片手で握持されて操作されるようにサイズ決定され、かつそのように構成されている。各スライダ(114、116)は、本体(112)に対して長手方向に並進するように動作可能である。スライダ(114、116)は、いくつかの変形形態では、互いに対して独立して並進するように動作可能である。スライダ(114)は、電極(140)と連結されており、したがって、以下でより詳細に説明するように、電極(140)を長手方向に並進させるように動作可能である。スライダ(116)は、電極(150)と連結されており、したがって、以下でより詳細に説明するように、電極(150)を長手方向に並進させるように動作可能である。
【0016】
スライダ(114、116)は、本実施例のハンドルアセンブリ(110)におけるユーザ入力の形態であるが、ハンドルアセンブリ(110)は、スライダ(114、116)に加えて、又はその代わりに、様々な他の種類のユーザ入力を含んでもよい。いくつかの変形形態では、ハンドルアセンブリ(110)はまた、1つ以上のボタン又は他の電極作動機構を含む。ハンドルアセンブリ(110)に組み込まれ得る他の好適な種類のユーザ入力機構は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。ハンドルアセンブリ(110)の外側のユーザ入力機構は、1つ以上のフットスイッチ、RF発生器(102)上の1つ以上のユーザ入力機構などを含んでもよいが、これらに限定される必要はない。
【0017】
本実施例のシャフトアセンブリ(120)は、ハンドルアセンブリ(110)から遠位に延在しており、ハンドルアセンブリ(110)に対して長手方向に並進するように動作可能な外側シース(122)を含む。いくつかの変形形態では、ハンドルアセンブリ(110)は、外側シース(122)の並進を駆動するように動作可能なアクチュエータ(例えば、スライダなど)を含む。いくつかの他の変形形態では、グリップ又は他のアクチュエータが、外側シース(122)の外部に固定されており、操作者が操作して、外側シース(122)をハンドルアセンブリ(110)に対して並進させるように構成されている。
図2~
図7で最もよく分かるように、シャフトアセンブリ(120)はまた、内側シャフト(126)を含み、複数のリング電極(128)が、シャフトアセンブリ(120)の遠位部分(124)において内側シャフト(126)の周りに位置付けられている。外側シース(122)は、ハンドルアセンブリ(110)に対する外側シース(122)の長手方向位置に基づいて、リング電極(128)を選択的に覆うか又は露わにするように動作可能である。リング電極(128)は、以下でより詳細に説明するように、組織のRFアブレーションを提供するように動作可能である。
【0018】
いくつかの変形形態では、シャフトアセンブリ(120)は、その全長に沿って剛性である。いくつかの他の変形形態では、シャフトアセンブリ(120)の少なくとも一部分は、屈曲可能である。例えば、シャフトアセンブリ(120)のいくつかの変形形態は、遠位部分(124)に沿って可鍛性であってもよい。別の例として、シャフトアセンブリ(120)のいくつかの変形形態は、遠位部分(124)に沿って操縦性能を提供してもよい。例えば、1つ以上のプルワイヤを作動させて遠位部分(124)を屈曲させ、それにより、遠位部分(124)を中心長手方向軸線から横方向に離れて偏向させてもよい。シャフトアセンブリ(120)が可鍛性、操縦性、又は他の屈曲性を組み込み得る様々な好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。遠位部分(124)又はシャフトアセンブリ(120)内の他の場所に可鍛性、操縦性、又は他の屈曲性を提供する変形形態では、シャフトアセンブリ(120)は、シャフトアセンブリ(120)の屈曲可能領域が屈曲状態にあるときであっても、針電極(140、150)がシャフトアセンブリ(120)に沿って自由に長手方向に並進し得るように、シャフトアセンブリ(120)の屈曲可能セクションが針電極(140、150)をねじるか又は別様に詰まらせることを防止する機構を含んでもよい。このようなねじれ防止機構は、環状本体の長手方向に離間されたアレイを含んでもよい。いくつかの変形形態では、以下でより詳細に説明するリング電極(128)は、RFエネルギー送達能力を提供することに加えて、シャフトアセンブリ(120)内にねじれ防止機能を提供してもよい。
【0019】
エンドエフェクタ(130)は、シャフトアセンブリ(120)の遠位部分(124)に位置付けられている。エンドエフェクタ(130)は、内側シャフト(126)の遠位端に確実に固定されたドーム状先端部(132)を含む。先端部(132)は、シャフトアセンブリ(120)の長手方向軸線と位置合わせされた中央開口部(134)を画定する。側方開口部(136)のアレイは、先端部(132)のすぐ近位にある内側シャフト(126)の遠位端に形成されている。本実施例では、内側シャフト(126)は、シャフトアセンブリ(120)の中心長手方向軸線の周りに等距離で互いから角度的に離間された4つの側方開口部(136)を含む。他の変形形態では、4つよりも多い又は少ない側方開口部(136)が設けられてもよい。開口部(136)は、本実施例では内側シャフト(126)の外面において横方向に提示されているが、内側シャフト(126)は、開口部(136)につながる内部ガイド機構(図示せず)を含んでもよく、このような内部ガイド機構は、シャフトアセンブリ(120)の中心長手方向軸線に対して斜めに、又は別様に非垂直に配向される。このような内部ガイド機構は、以下でより詳細に説明するように、針電極(150)を、開口部(136)を通って斜め出口経路に沿って案内するのを支援し得る。本明細書で使用されるとき、「斜めの」及び「斜めに」という用語は、構造要素が直線軸と非平行である直線経路に沿って延在する関係を含むことに加えて、構造要素が直線軸線から離れて屈曲する曲線に沿って延在する関係を含むように解釈されるものとする。
【0020】
いくつかのシナリオでは、
図4に示すように、エンドエフェクタ(130)は、遠位針電極(140)を更に含む。単に例として、針電極(140)は、スライダ(114)がハンドルアセンブリ(110)の本体(112)に沿って遠位に前進するときに、針電極(140)が
図4に示す位置まで遠位に前進するように、スライダ(114)と連結されてもよい。針電極(140)は、開口部(134)を介して先端部(132)から出るように位置付けられ、かつ構成されている。針電極(140)は、針電極(140)が遠位に前進するときに組織を貫通するように構成された鋭利な先端部(142)を含む。本実施例では、針電極(140)はまた、管腔(144)を画定するが、管腔(144)は、いくつかの変形形態では省略されてもよい。管腔(144)が含まれるいくつかの変形形態では、針電極(140)は、流体(例えば、潅注流体、治療物質など)を組織に送達するために使用されてもよい。
【0021】
針電極(140)は、針電極(140)がRFエネルギーを組織に送達するように動作可能であるように、(例えば、1つ以上のワイヤなどを介して)RF発生器(102)と連結されている。いくつかのシナリオでは、接地パッドが患者の皮膚と接触して配置され、針電極(140)を作動させて単極RFエネルギーを組織に印加する。いくつかの他のシナリオでは、針電極(140)は、器具(100)の1つ以上の他の電極(128、150)と協働して、双極RFエネルギーを組織に印加する。
【0022】
別の変形形態として、先端部(132)は、先端部(132)と針電極(140)とが協働して双極RFエネルギーを組織に印加し得るように、電極として機能するように構成されてもよい。例えば、針電極(140)は、活性電極として機能してもよく、先端部(132)は、戻り電極として機能する。先端部(132)が電極として機能することを可能にする導電性材料を先端部(132)が含む変形形態では、針電極(140)の少なくとも近位部分は、針電極(140)と先端部(132)との間の短絡を防止するために、電気絶縁性被膜又はシースなどを含んでもよい。加えて、又は代替として、先端部(132)の一部分は、針電極(140)と先端部(132)との間の短絡を防止するために、電気絶縁性被膜又はシースなどを含んでもよい。針電極(140)及び/又は先端部(132)を使用して単極RFエネルギー又は双極RFエネルギーを組織に印加し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。RFエネルギーを介して組織のアブレーションを提供するために使用されることに加えて、又はその代わりに、針電極(140)及び/又は先端部(132)は、組織のエレクトロポレーションを提供するために使用されてもよい。このような電気穿孔は、組織への治療物質などの送達を容易にするために提供され得る。
【0023】
いくつかのシナリオでは、
図5に示すように、エンドエフェクタ(130)は、複数の斜め針電極(150)を更に含む。本実施例では4つの針電極(150)が示されているが、器具(100)は、代わりに、4つよりも多い又は少ない針電極(150)を含んでもよい。単に例として、針電極(150)は、スライダ(116)がハンドルアセンブリ(110)の本体(112)に沿って遠位に前進するときに、針電極(150)が
図5に示す位置まで遠位に同時に前進するように、スライダ(116)と連結されてもよい。本実施例では、スライダ(116)が遠位に前進するときに、針電極(150)が遠位に同時に前進するように、全ての針電極(150)がスライダ(116)と連結されているが、他の変形形態は、針電極(150)用の別個のアクチュエータを含んでもよい(例えば、各針電極(150)が他の針電極(150)に対して個々に独立して前進するように構成されるように)。針電極(150)は、それぞれの開口部(136)を介して、内側シャフト(126)に位置付けられ、かつ構成されている。各針電極(150)は、針電極(150)が遠位に前進するときに組織を貫通するように構成された鋭利な先端部(152)を含む。いくつかの変形形態では、各針電極(150)はまた、管腔(図示せず)を画定するが、このような管腔は、いくつかの変形形態では省略されてもよい。各針電極(150)が管腔を含むいくつかの変形形態では、針電極(150)は、流体(例えば、潅注流体、治療物質など)を組織に送達するために使用されてもよい。
【0024】
各針電極(150)は、針電極(150)がRFエネルギーを組織に送達するように動作可能であるように、(例えば、1つ以上のワイヤなどを介して)RF発生器(102)と連結されている。いくつかのシナリオでは、接地パッドが患者の皮膚と接触して配置され、各針電極(150)を作動させて単極RFエネルギーを組織に印加してもよい。したがって、全ての針電極(150)は、同じ極性を有し得る。いくつかの他のシナリオでは、針電極(150)は、互いに協働して、双極RFエネルギーを組織に印加する。例えば、2つの針電極(150)は、活性電極として機能してもよく、他の2つの針電極(150)は、戻り電極として機能してもよい。このような変形形態では、2つの活性針電極(150)は、180度だけ互いから角度的に離間されてもよいか、又は90度だけ互いから離間されてもよい。更に別の例として、先端部(132)がRF電極として機能するように構成されている変形形態では、針電極(150)のうちの1つ以上が先端部(132)と協働して、双極RFエネルギーを組織に印加してもよい。
【0025】
本実施例の針電極(150)は、針電極(150)が開口部(136)を通って外に出るときに、
図5に示すように外向きに湾曲するように弾性的に付勢される。上述したように、内側シャフト(126)は、針電極(150)が遠位に前進するときに、針電極(150)を開口部(136)を通して外に案内する内部ガイド機構を含んでもよい。このようなガイド機構は、針電極(150)が遠位位置に前進するときに、針電極(150)が
図5に示す外向きに広がった構成を達成することを更に支援してもよい。単に例として、針電極(150)は、付勢を付与して、
図5に示す湾曲構成をとるために、ニチノール又は任意の他の好適な弾性材料を含んでもよい。
【0026】
いくつかの変形形態では、針電極(150)は、針電極(150)が遠位に前進するときに、双曲線に沿って延在するように付勢される。いくつかの他の変形形態では、針電極(150)は、針電極(150)が遠位に前進するときに、単一半径の湾曲に沿って延在するように付勢される。更に別の例として、針電極(150)は、直線構成をとるように弾性的に付勢されてもよく、内側シャフト(126)内の内部ガイド機構は、針電極(150)が遠位に前進するときに、針電極(150)を直線斜め経路に沿って延在するように付勢してもよい。針電極(150)が湾曲構成又は直線構成をとるように弾性的に付勢されるかどうかにかかわらず、針電極(150)は、針電極(150)が遠位に前進するときに、シャフトアセンブリ(120)の長手方向軸線に対して斜め外向きに延在するとみなされてもよい。他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。いくつかの変形形態はまた、針電極(150)が、組織貫通の所望の深さに応じて、
図5に示す位置よりも更に遠位に、又はより遠位でなく前進され得るように、任意の好適な位置で針電極(150)の前進の停止を可能にしてもよい。
【0027】
針電極(140)と同様に、針電極(150)は、隣接する導電性構成要素との短絡を防止するために、電極(150)の少なくとも一部分に沿って、絶縁性被膜又はシースなどを含んでもよい。また、針電極(140)と同様に、針電極(150)は、RFエネルギー、組織の電気穿孔、又は他の電気的に誘導される組織効果を介して、組織のアブレーションを提供するために使用されてもよい。
【0028】
いくつかのシナリオでは、操作者は、
図6に示すように、針電極(150)及び針電極(140)が同時に展開された状態でエンドエフェクタ(130)を構成することを望む場合がある。この配置は、両方のスライダ(114、116)を本体(112)に沿って遠位に前進させることによって達成され得る。エンドエフェクタ(130)が
図6に示すように構成されるとき、針電極(140、150)は、先端部(132)が電極として機能するように構成される変形形態では、RFエネルギーを組織に印加するために、先端部(132)の有無にかかわらず、任意の好適な様式で協働してもよい。
【0029】
図7は、器具(100)の動作状態の別の例を示す。この状態で、シース(122)を近位に後退させて、リング電極(128)を露出させる。シース(122)は、導電性でない材料から形成されてもよい。いくつかの変形形態では、いくつかのリング電極(128)は、リング電極(128)が双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能であるように、活性電極として機能するように構成され、他のリング電極(128)は、戻り電極として機能するように構成されている。いくつかの他の変形形態では、リング電極(128)は、患者の皮膚と接触している接地パッド(図示せず)と協働して、単極RFエネルギーを組織に印加する。先端部(132)が電極として機能するように構成されている変形形態では、リング電極(128)は、先端部(132)と協働して、双極RFエネルギーを組織に印加する。この例では、針電極(140、150)は全て後退位置にあるが、シース(122)が
図7に示す後退位置にある間に、1つ以上の針電極(140、150)が遠位に前進する使用シナリオがあってもよい。このようなシナリオでは、リング電極(128)は、1つ以上の前進した針電極(140、150)と協働して、双極RFエネルギーを組織に印加してもよい。
【0030】
針電極(140、150)がRFエネルギーを組織に送達するために使用されるとき、針電極(140、150)は、針電極(140、150)が組織を貫通するように組織内に前進してもよく、次いで、針電極(140、150)を作動させて、RFエネルギーを貫通された組織に印加してもよい。先端部(132)又はリング電極(128)がRFエネルギーを組織に送達するために使用されるとき、先端部(132)又はリング電極(128)は、先端部(132)又はリング電極(128)が組織に係合するように、組織に対して押し付けられてもよく、次いで、先端部(132)又はリング電極(128)を作動させて、RFエネルギーを係合された組織に印加してもよい。
【0031】
上述したように、器具(100)は、操作者がRFエネルギーを、(例えば、先端部(132)及び/若しくはリング電極(128)を介して)組織の表面に印加すること、並びに/又は(例えば、針電極(140)及び/若しくは針電極(140、150)を介して)貫通された組織内に印加することの間で、選択することを可能にする。したがって、器具(100)は、比較的浅いアブレーション(例えば、先端部(132)及び/若しくはリング電極(128)を介して)、比較的深いアブレーション(例えば、針電極(140)及び/若しくは針電極(140、150)を介して)、又は体積アブレーション(例えば、針電極(140)及び/若しくは針電極(140、150)と組み合わせた先端部(132)及び/若しくはリング電極(128)を介して)を実行するために使用され得る。単に更なる例として、器具(100)は、ヴィディアン神経切断術、後鼻神経切除術、鼻甲介整復、又は任意の他の好適な処置を実行するために使用されてもよい。場合によっては、遠位針電極(140)と先端部(132)との組み合わせを使用して、鼻甲介整復を実行してもよい。
【0032】
いくつかの代替的使用では、シャフトアセンブリ(120)は、先端部(132)が組織を特定の深さまで貫通するように、組織内に押し込まれてもよい。例えば、先端部(132)は、別の器具を使用して形成された切開部を通して挿入されてもよく、又は先端部(132)は、鈍的切開を提供するのに十分な力で押し込まれてもよい。いずれの場合も、先端部(132)及び少なくとも1つのリング電極(128)が組織に貫入したときに、先端部(132)及び/又はリング電極(128)を作動させて、RFエネルギーを組織に印加してもよい。同様に、針電極(140)及び/又は針電極(150)は、先端部(132)が組織に貫入した後に展開されてもよく、次いで、針電極(140)及び/又は針電極(150)を作動させて、RFエネルギーを組織に印加してもよい。針電極(140、150)、先端部(132)、及び/又はリング電極(128)を使用してRFエネルギーを組織に印加し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0033】
図示されていないが、器具(100)はまた、3次元空間におけるエンドエフェクタ(130)の位置を示す信号を生成するように動作可能な1つ以上の位置センサを含んでもよい。このような位置センサは、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ以上のコイルの形態をとってもよい。このような位置信号によって生成された位置データは、エンドエフェクタ(130)が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、操作者に視覚的表示を提供するシステムによって処理されてもよい。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に取得された1つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。このような位置感知及びナビゲーション能力は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2014年12月11日に公開され現在は放棄されている「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」と題された米国特許出願公開第2014/0364725号、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2010年5月18日に発行の「Methods and Devices for Performing Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」と題された米国特許第7,720,521号、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年11月5日に発行の「Guidewire Navigation for Sinuplasty」と題された米国特許第10,463,242号、及び/又はその開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2020年2月18日に発行の「Apparatus to Secure Field Generating Device to Chair」と題された米国特許第10,561,370号の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0034】
III.横断ループ電極及び針電極を有するアブレーション器具
図8A~
図12は、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(200)の別の例を示す。例えば、器具(200)は、神経(例えば、後鼻神経(40))をアブレーションするため、鼻甲介(例えば、鼻甲介(20、22、24)のいずれか)をアブレーションするため、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造をアブレーションするために使用されてもよい。この例の器具(200)は、ハンドルアセンブリ(210)、シャフトアセンブリ(230)、ループ電極アセンブリ(240)、及び付属品(250)を含む。器具(200)は、RF発生器(202)と連結されており、これは、以下でより詳細に説明するように、電極(242、244、270)を介して組織に送達するためのRF電気外科用エネルギーを生成するように動作可能である。器具(200)はまた、付属品(250)の形態に基づいて付属品(250)を駆動し得る付属品ドライバ(204)と任意選択的に連結されてもよい。付属品(250)がとり得る様々な形態の例を、以下により詳細に説明するが、他の形態も本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0035】
この例のハンドルアセンブリ(210)は、本体(212)、第1のスライダ(220)、及び第2のスライダ(222)を含む。本体(212)は、パワーグリップ、ペンシルグリップ、又は任意の他の好適な種類のグリップなどを介して、操作者の片手で握持して操作されるようにサイズ決定され、かつそのように構成されている。各スライダ(220、222)は、本体(212)に対して長手方向に並進するように動作可能である。スライダ(220、222)は、いくつかの変形形態では、互いに対して独立して並進するように動作可能である。スライダ(220)は、ループ電極アセンブリ(240)と連結されており、したがって、以下でより詳細に説明するように、ループ電極アセンブリ(240)を長手方向に並進させるように動作可能である。
図8Aから
図8Bへの移行は、スライダ(220)がループ電極アセンブリ(240)を近位位置から遠位位置へ駆動することを示す。スライダ(222)は、付属品(250)と連結されており、したがって、以下でより詳細に説明するように、付属品(250)を長手方向に並進させるように動作可能である。
図8Bから
図8Cへの移行は、スライダ(222)が付属品(250)を近位位置から遠位位置へ駆動することを示す。
【0036】
本実施例のシャフトアセンブリ(230)は、剛性部分(232)、剛性部分(232)の遠位にある可撓性部分(234)、及び開口遠位端(236)を含む。プルワイヤ(図示せず)は、可撓性部分(234)と連結され、かつハンドルアセンブリ(210)の偏向制御ノブ(216)と連結されている。偏向制御ノブ(216)は、プルワイヤを近位に選択的に後退させるために、シャフトアセンブリ(230)の長手方向軸線に垂直な軸を中心として、本体(212)に対して回転可能である。プルワイヤが近位に後退すると、可撓性部分(234)が屈曲し、それにより、遠位端(236)を剛性部分(232)の長手方向軸線から横方向に離れて偏向させる。したがって、偏向制御ノブ(216)、プルワイヤ、及び可撓性部分(234)が協働して、シャフトアセンブリ(230)に操縦性を付与する。単に例として、シャフトアセンブリ(230)のこのような操縦性は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2020年5月22日に出願の「Shaft Deflection Control Assembly for ENT Guide Instrument」と題された米国特許出願第63/028,609号の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。他の変形形態は、偏向制御ノブ(216)の代わりに、可撓性部分(234)の操縦を駆動するためのいくつかの他の種類のユーザ入力機構を提供してもよい。いくつかの代替の変形形態では、偏向制御ノブ(216)は省略され、可撓性部分(234)は、可鍛性である。なお他の変形形態では、シャフトアセンブリ(230)の全長は、剛性である。
【0037】
シャフトアセンブリ(230)はまた、剛性部分(232)の長手方向軸線を中心として、ハンドルアセンブリ(210)に対して回転可能である。このような回転は、ハンドルアセンブリ(210)の本体(212)と回転可能に連結された回転制御ノブ(214)を介して駆動され得る。あるいは、シャフトアセンブリ(230)は、いくつかの他の形態のユーザ入力を介して回転されてもよいか、又は、ハンドルアセンブリ(210)に対して回転不可能であってもよい。
【0038】
図9で最もよく分かるように、本実施例のループ電極アセンブリ(240)は、一対の弓状アーム(242、244)を含む。弓状アーム(242)の一端は、展開アーム(243)に固定され、弓状アーム(242)の他端は、接合部(246)に固定されている。同様に、弓状アーム(244)の一端は、展開アーム(245)に固定され、弓状アーム(244)の他端は、接合部(246)に固定されている。いくつかの変形形態では、弓状アーム(242)及び展開アーム(243)は、同じ第1の金属ワイヤから一体的に形成され、弓状アーム(244)及び展開アーム(245)は、同じ第2の金属ワイヤから一体的に形成されている。展開アーム(243、245)は、シャフトアセンブリ(230)の長さに沿って延在し、第1のスライダ(220)と連結される。各展開アーム(243、245)は、シャフトアセンブリ(230)内での短絡を防止するために、電気絶縁性被膜又はシースを含んでもよく、弓状アーム(242、244)は、電極として機能するように露出されたままである。各弓状アーム(242、244)は、弓状アーム(242、244)をRF発生器(202)と電気的に連結する、対応する1つ以上のワイヤ(複数可)と連結されている。弓状アーム(242)は、第1の極性においてRFエネルギーを印加するように構成され、弓状アーム(244)は、第2の極性においてRFエネルギーを印加するように構成されている。したがって、弓状アーム(242、244)は、弓状アーム(242、244)に接触している組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能な電極として機能する。接合部(246)は、弓状アーム(242、244)の対応する端部を一緒に機械的に固定しながら、弓状アーム(242、244)間の短絡を防止する電気絶縁性材料から形成されている。
【0039】
図9に示すように、弓状アーム(242、244)は、弓状アーム(242、244)がシャフトアセンブリ(230)の遠位端(236)に対して露出されているときに、弓状構成を画定するように弾性的に付勢される。単に例として、弓状アーム(242、244)は、ニチノールから形成されてもよい。本実施例では、弓状アーム(242、244)は、単一の半径によって画定された曲線に沿って延在している。したがって、弓状アーム(242、244)と接合部(246)とが協働して、略円形状を画定する。いくつかの他の変形形態では、弓状アーム(242、244)と接合部(246)とが協働して、楕円形、卵形、正方形、三角形、又は別様に非円形である形状を画定する。本実施例では、弓状アーム(242、244)及び接合部(246)によって画定された略円形状は、シャフトアセンブリ(230)の長手方向軸線に垂直な平面に沿って延在している。いくつかの他の変形形態では、弓状アーム(242、244)及び接合部(246)によって画定された略円形状(又は他の非円形状)は、シャフトアセンブリ(230)の長手方向軸線に対して斜めに配向されるか、又は別様にこれを横断する平面に沿って延在している。
【0040】
ループ電極アセンブリ(240)の使用中、
図9に示すように、ループ電極アセンブリ(240)がシャフトアセンブリ(230)の遠位端(236)から完全に展開されたとき、操作者は、スタンピングタイプの動きを使用して、ループ電極アセンブリ(240)を、操作者がアブレーションしたい(又は別様にRFエネルギーを印加したい)組織に対して押し付けてもよい。組織が弓状アーム(242、244)によって適切に係合された状態で、操作者は、次に、RF発生器(202)を作動させてもよく、弓状アーム(242、244)は、ループ電極アセンブリ(240)が押し付けられている組織に双極RFエネルギーを印加する電極として機能する。これは、上述した針電極(140、150)(又は後述する針電極(270))を介して提供されるアブレーションと比較して、比較的浅いアブレーションを提供し得る。
【0041】
場合によっては、操作者は、ループ電極アセンブリ(240)をシャフトアセンブリ(230)の遠位端(236)から部分的にのみ展開することを望む場合がある。
図10Aに示すように、第1のスライダ(220)が最近位位置にある状態で、ループ電極アセンブリ(240)は、シャフトアセンブリ(230)内に完全に収容され得る。第1のスライダ(220)が中間長手方向位置まで遠位に部分的に前進したとき、ループ電極アセンブリ(240)は、
図10Bに示すように、シャフトアセンブリ(230)の遠位端(236)から遠位に部分的に延在し得る。この状態では、ループ電極アセンブリ(240)の弾性は、弓状アーム(242、244)が略円形状を画定することなく、弓状アーム(242、244)のある程度の外向きの曲がりを提供し得る。それにもかかわらず、操作者は、ループ電極アセンブリ(240)が、
図10Bに示す状態などの部分的に展開された状態にあるときに、弓状アーム(242、244)を組織に対して押し付け、次いで、弓状アーム(242、244)を作動させてRFエネルギーを組織に印加してもよい。ループ電極アセンブリ(240)が
図10Bに示す部分的に展開された状態にある間に、RFエネルギーを組織に印加することに加えて、又はその代わりに、操作者がループ電極アセンブリ(240)を完全に展開することを選択した場合、操作者は、第1のスライダ(220)を遠位位置まで前進させ続けてもよい。第1のスライダ(220)が遠位位置にある状態で、ループ電極アセンブリ(240)は完全に展開され、それにより、
図10Cに示す略円形状を画定してもよい。
【0042】
上述したように、器具(200)は、第2のスライダ(222)と連結され、シャフトアセンブリ(230)及びループ電極アセンブリ(240)に対して並進するように動作可能である付属品(250)を含んでもよい。
図11は、付属品(250)がとり得る形態の一例を示す。この実施例では、付属品(250)は、開口遠位端(264)を備えたシャフト(262)を有するカニューレ(260)を含む。
図11に示す実施例では、カニューレ(260)は、カニューレ(260)の遠位端(264)がループ電極アセンブリ(240)とほぼ同じ長手方向位置に位置する点まで遠位に前進可能である。いくつかの他の変形形態では、カニューレ(260)は、カニューレ(260)の遠位端(264)がループ電極アセンブリ(240)の長手方向位置の近位又は遠位に位置する点まで前進可能である。
【0043】
付属品(250)がカニューレ(260)を含むいくつかの変形形態では、付属品ドライバ(204)は、カニューレ(260)を使用してループ電極アセンブリ(240)が展開される部位に潅注を提供し得るように、生理食塩水の供給源を含んでもよい。付属品(250)がカニューレ(260)を含むいくつかの他の変形形態では、付属品ドライバ(204)は、カニューレ(260)を使用してループ電極アセンブリ(240)が展開される部位に治療薬を提供し得るように、治療薬の供給源を含んでもよい。カニューレ(260)を使用して治療薬を送達する変形形態では、ループ電極アセンブリ(240)は、組織の電気穿孔を提供し、それにより、カニューレ(260)から組織への治療物質などの送達を容易にするために使用され得る。付属品(250)がカニューレ(260)を含むなお他の変形形態では、付属品ドライバ(204)は、カニューレ(260)を使用してループ電極アセンブリ(240)が展開される部位に吸引を提供し得るように、吸引の供給源を含んでもよい。更に別の単なる例示的な例として、ガイドワイヤ又は他の要素は、カニューレ(260)を介して、ループ電極アセンブリ(240)が展開される部位に導入されてもよい。カニューレ(260)が使用され得る他の好適な方法は、当業者には明らかであろう。
【0044】
図12は、付属品(250)がとり得る形態の別の例を示す。この例では、付属品(250)は、針電極(270)の束を含む。4つの針電極(270)が示されているが、任意の他の好適な数の針電極(270)が設けられてもよい。この例の各針電極(270)は、絶縁された近位部分(272)、露出した遠位部分(274)、及び鋭利な先端部(276)を含む。本実施例の針電極(270)は、管腔を欠いているが、針電極(270)の他の変形形態は、針電極(270)が流体(例えば、潅注流体、治療薬など)を組織に送達することを可能にする管腔を含んでもよい。第2のスライダ(222)が遠位に前進したとき、針電極(270)は、
図12に示すように、ループ電極アセンブリ(240)によって画定された横断面を越えて遠位に延在するように駆動される。操作者は、第2のスライダ(222)の遠位前進をハンドルアセンブリ(210)の本体(212)の長さに沿った任意の好適な位置で停止させて、針電極(270)の組織内への任意の好適な貫通深さを達成してもよい。付属品(250)が針電極(270)の形態である変形形態では、付属品ドライバ(204)は、RF発生器を含む。したがって、針電極(270)は、露出した遠位部分(274)が配設されている組織にRFエネルギーを印加するように動作可能である。
【0045】
本実施例では、針電極(270)は、
図12に示すように針電極(270)が遠位に位置付けられたときに、シャフトアセンブリ(230)の長手方向軸線に対して外向きに広がるように弾性的に付勢される。いくつかの変形形態では、針電極(270)は、針電極(270)が遠位に前進するときに、双曲線に沿って延在するように付勢される。いくつかの他の変形形態では、針電極(270)は、針電極(270)が遠位に前進するときに、単一半径の湾曲に沿って延在するように付勢される。針電極(270)が外向きに広がるように弾性的に付勢されることに加えて、又は針電極(270)が外向きに広がるように弾性的に付勢されることの代替として、シャフトアセンブリ(230)の遠位部分は、針電極(270)が遠位端(236)を通って遠位に前進するときに、針電極(270)の外向きの広がりを促進するガイド機構を更に含む。
【0046】
いくつかの変形形態では、全ての針電極(270)は、同じ極性を有する。このような変形形態では、針電極(270)は、単極RFエネルギーを提供するために、患者の皮膚と接触する電極パッドと協働してもよい。いくつかの他のこのような変形形態では、針電極(270)は、活性電極(又は戻り電極)として機能してもよく、ループ電極アセンブリ(240)は、双極RFエネルギーを組織に提供するための戻り電極(又は活性電極)として機能する。別の変形形態として、針電極(270)は、互いに協働して、双極RFエネルギーを組織に印加してもよい。例えば、2つの針電極(270)は、活性電極として機能してもよく、他の2つの針電極(270)は、戻り電極として機能してもよい。このような変形形態では、2つの活性針電極(270)は、180度だけ互いから角度的に離間されてもよいか、又は90度だけ互いから離間されてもよい。
【0047】
針電極(270)がRFエネルギーを組織に送達するために使用されるとき、針電極(270)は、針電極(270)が組織を貫通するように組織内に前進してもよく、次いで、針電極(270)を作動させて、RFエネルギーを貫通された組織に印加してもよい。ループ電極アセンブリ(240)がRFエネルギーを組織に送達するために使用されるとき、ループ電極アセンブリ(240)は、ループ電極アセンブリ(240)が組織にかみ合うように組織に対して押し付けられてもよく、次いで、ループ電極アセンブリ(240)を作動させて、RFエネルギーをかみ合った組織に印加してもよい。
【0048】
上述したように、器具(200)は、操作者がRFエネルギーを、(例えば、ループ電極アセンブリ(240)を介して)組織の表面に印加すること、及び/又は(例えば、針電極(270)を介して)貫通された組織内に印加することの間で、選択することを可能にする。したがって、器具(200)は、比較的浅いアブレーション(例えば、ループ電極アセンブリ(240)を介して)、比較的深いアブレーション(例えば、針電極(270)を介して)、又は体積アブレーション(例えば、針電極(270)と組み合わせたループ電極アセンブリ(240))を実行するために使用され得る。単に更なる例として、器具(200)は、ヴィディアン神経切断術、後鼻神経切除術、鼻甲介整復、又は任意の他の好適な処置を実行するために使用されてもよい。場合によっては、ループ電極アセンブリ(240)と針電極(270)との組み合わせを使用して、鼻甲介整復を実行してもよい。針電極(270)及び/又はループ電極アセンブリ(240)を使用してRFエネルギーを組織に印加し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0049】
図示されていないが、器具(200)はまた、3次元空間における器具(200)の遠位端(236)又はいくつかの他の構成要素の位置を示す信号を生成するように動作可能な1つ以上の位置センサを含んでもよい。このような位置センサは、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ以上のコイルの形態をとってもよい。このような位置信号によって生成された位置データは、器具(200)の遠位端(236)又はいくつかの他の構成要素が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、視覚的表示を操作者に提供するシステムによって処理されてもよい。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に取得された1つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。このような位置感知及びナビゲーション能力は、本明細書に引用される様々な参考文献の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0050】
IV.二重軸ループ電極アセンブリ及び単一針電極を有するアブレーション器具
図13~
図15は、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(300)の別の例の遠位部分を示す。例えば、器具(300)は、神経(例えば、後鼻神経(40))をアブレーションするため、鼻甲介(例えば、鼻甲介(20、22、24)のいずれか)をアブレーションするため、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造をアブレーションするために使用されてもよい。この実施例の器具(300)は、シャフト(310)、第1のループ電極アセンブリ(320)、第2のループ電極アセンブリ(340)、及び針電極(360)を含む。器具(300)のこれらの機構は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるように、器具(100)又は器具(200)に容易に組み込まれ得る。
【0051】
ループ電極アセンブリ(320、340)は、互いに同一平面上にあり、シャフト(310)の長手方向軸線と位置合わせされ、これに垂直な寸法に沿って延在する平面に沿って延在している。第1のループ電極アセンブリ(320)は、第2のループ電極アセンブリ(340)よりも大きく、第2のループ電極アセンブリ(340)を取り囲んでいる。第1のループ電極アセンブリ(320)は、シャフト(310)の遠位端から遠位に延在する第1の長手方向に延在するセグメント(322)と、第1の長手方向に延在するセグメント(322)から遠位に延在し、第1の長手方向に延在するセグメント(322)から横方向にオフセットされた第2の長手方向に延在するセグメント(324)と、遠位に位置付けられた横方向に延在するセグメント(326)と、横方向に延在するセグメント(326)から近位に延在する第3の長手方向に延在するセグメント(328)と、第3の長手方向に延在するセグメント(328)からシャフト(310)内に延在し、第3の長手方向に延在するセグメント(328)から横方向にオフセットされた第4の長手方向に延在するセグメント(330)と、を含む。
【0052】
本実施例では、第1のループ電極アセンブリ(320)は、略長方形状を画定し、セグメント(324、326、328)は、実質的に直線状である。あるいは、第1のループ電極アセンブリ(320)は、他の変形形態では異なる形状を画定してもよい。更に、第1のループ電極アセンブリ(320)は、シャフト(310)の長手方向軸線を中心として対称であるが、所望であれば、第1のループ電極アセンブリ(320)は、非対称であってもよい。本実施例の第1のループ電極アセンブリ(320)はまた、弾性材料(例えば、ニチノールなど)から形成されており、その結果、第1のループ電極アセンブリ(320)は、弾性的に付勢されて略長方形状を形成するが、第1のループ電極アセンブリ(320)は、横方向に、内向きに、かつ別様に変形するように構成されている。例えば、第1のループ電極アセンブリ(320)は、第1のループ電極アセンブリ(320)が組織に対して押し付けられたとき、第1のループ電極アセンブリ(320)がシース内に収容されたときなどに変形し得る。
【0053】
第2のループ電極アセンブリ(340)は、第1の電極アセンブリ(320)によって画定された外周内に入れ子になっている。第2の電極アセンブリ(340)は、シャフト(310)の遠位端から遠位に延在する第1の長手方向に延在するセグメント(342)と、第1の長手方向に延在するセグメント(342)から遠位に延在し、第1の長手方向に延在するセグメント(342)から横方向にオフセットされた第2の長手方向に延在するセグメント(344)と、遠位に位置付けられた横方向に延在するセグメント(346)と、横方向に延在するセグメント(346)から近位に延在する第3の長手方向に延在するセグメント(348)と、第3の長手方向に延在するセグメント(348)からシャフト(310)内に延在し、第3の長手方向に延在するセグメント(348)から横方向にオフセットされた第4の長手方向に延在するセグメント(350)と、を含む。
【0054】
本実施例では、第2のループ電極アセンブリ(340)は、略長方形状を画定し、セグメント(344、346、348)は、実質的に直線状である。あるいは、第2のループ電極アセンブリ(340)は、他の変形形態では異なる形状を画定してもよい。更に、第2のループ電極アセンブリ(340)は、シャフト(310)の長手方向軸線を中心として対称であるが、所望であれば、第2のループ電極アセンブリ(340)は、非対称であってもよい。本実施例の第2のループ電極アセンブリ(340)はまた、弾性材料(例えば、ニチノールなど)から形成されており、その結果、第2のループ電極アセンブリ(340)は、弾性的に付勢されて略長方形状を形成するが、第2のループ電極アセンブリ(340)は、横方向に、内向きに、かつ別様に変形するように構成されている。例えば、第2のループ電極アセンブリ(340)は、第2のループ電極アセンブリ(340)が組織に対して押し付けられたとき、第2のループ電極アセンブリ(340)がシース内に収容されたときなどに変形し得る。
【0055】
針電極(360)は、第2の電極アセンブリ(340)によって画定された外周内に入れ子になっている。針電極(360)は、直線近位部分(362)、湾曲遠位部分(364)、及び鋭利な遠位先端部(366)を含む。針電極(360)は、組織を貫通するように構成されている。いくつかの変形形態では、針電極(360)は、針電極(360)が流体(例えば、潅注流体、治療薬など)を組織に送達するために使用され得るように、遠位先端部(366)に管腔及び開口部を更に含む。本実施例では、針電極(360)は、弾性材料(例えば、ニチノールなど)から形成されており、その結果、針電極(360)は、弾性的に付勢されて、湾曲遠位部分(364)において曲線を形成する。
【0056】
図13A~
図13Bに示すように、針電極(360)は、シャフト(310)に対して選択的に前進され、かつ後退され得る。このような前進及び後退は、上述のスライダ(114、116、220、222)のような摺動アクチュエータによって、又は任意の他の好適なユーザ入力機構を介して制御されてもよい。いくつかの変形形態では、ループ電極アセンブリ(320、340)の一方又は両方はまた、アクチュエータによってシャフト(310)に対して選択的に前進され、かつ後退され得る。あるいは、針電極(360)及び/又はループ電極アセンブリ(320、340)は、シャフト(310)に対して長手方向に固着されてもよい。このような変形形態では、針電極(360)及び/又はループ電極アセンブリ(320、340)は、シャフト(310)に対して摺動可能に配設された外側シース(図示せず)内に選択的に収容されてもよいか、又は外側シースによって露出されてもよい。例えば、針電極(360)及び/又はループ電極アセンブリ(320、340)を選択的に収容又は露出するために、シャフト(310)がこのような外側シースに対して長手方向に摺動してもよいか、又は外側シースがシャフト(310)に対して長手方向に摺動してもよい。針電極(360)及び/又はループ電極アセンブリ(320、340)がどのように前進し、後退し、収容され、又は露出されるかにかかわらず、前進、後退、収容、又は露出の程度は、
図10A~
図10Cを参照して上述したものと同様の様式で選択されて調整され、それにより、組織接触の程度を変化させてもよい。
【0057】
ループ電極アセンブリ(320、340)及び針電極(360)は、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。いくつかの変形形態では、第1のループ電極アセンブリ(320)は、第1の極性のRFエネルギーを提供し、第2のループ電極アセンブリ(340)は、第2の極性のRFエネルギーを提供する。針電極(360)はまた、第1の極性のRFエネルギー又は第2の極性のRFエネルギーのいずれかを提供してもよい。別の例として、第1のループ電極アセンブリ(320)は、それ自体が、双極RFエネルギーを組織に印加するように構成されてもよい。例えば、セグメント(324、328)は、第1の極性のRFエネルギーを提供するように構成されてもよく、セグメント(326)は、第2の極性のRFエネルギーを提供するように構成されてもよい。このような変形形態では、第1のループ電極アセンブリ(320)は、複数のセグメント(324、326、328)間に電気絶縁を提供する電気絶縁性材料を含んでもよい。同様に、第2のループ電極アセンブリ(340)は、それ自体が、双極RFエネルギーを組織に印加するように構成されてもよい。例えば、セグメント(344、348)は、第1の極性のRFエネルギーを提供するように構成されてもよく、セグメント(346)は、第2の極性のRFエネルギーを提供するように構成されてもよい。このような変形形態では、第2のループ電極アセンブリ(340)は、複数のセグメント(344、346、348)間に電気絶縁を提供する電気絶縁性材料を含んでもよい。ループ電極アセンブリ(320、340)が各々、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能であるいくつかの変形形態では、セグメント(324、328、346)は、第1の極性のRFエネルギーを印加するように動作可能であってもよく、セグメント(326、344、348)は、第2の極性のRFエネルギーを印加するように動作可能である。
【0058】
針電極(360)のいくつかの変形形態はまた、それ自体が、双極RFエネルギーを組織に印加するように構成されてもよい。例えば、針電極(360)の異なる領域は、互いに電気絶縁されてもよく、異なる極性のRFエネルギーを提供するように動作可能であってもよい。ループ電極アセンブリ(320、340)と針電極(360)との間で極性が割り当てられ得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0059】
図15に示すように、針電極(360)は、ループ電極アセンブリ(320、340)の上方の第1の領域(370)内に突出している。第2の領域(380)は、ループ電極アセンブリ(320、340)の反対側に画定される。いくつかの変形形態では、第2の領域(380)に面するループ電極アセンブリ(320、340)及び針電極(360)の一部分は、電気絶縁性材料で覆われており、第1の領域(370)に面するループ電極アセンブリ(320、340)及び針電極(360)の一部分は、露出されたままである。このような変形形態では、ループ電極アセンブリ(320、340)及び針電極(360)は、第1の領域(370)内に位置する組織にのみRFエネルギーを印加してもよい。単に例として、第2の領域(380)に面するループ電極アセンブリ(320、340)及び針電極(360)の表面のおよそ30%~およそ60%は、絶縁材料で覆われてもよい。他の変形形態では、第2の領域(380)に面するループ電極アセンブリ(320、340)及び針電極(360)の一部分は、ループ電極アセンブリ(320、340)及び針電極(360)が第2の領域(380)内に位置する組織にRFエネルギーを印加し得るように、露出されたままである。
【0060】
器具(300)の使用中、操作者は、スタンピングタイプの動きを使用して、ループ電極アセンブリ(320、340)を、操作者がアブレーションしたい(又は別様にRFエネルギーを印加したい)組織に対して押し付けてもよい。組織がループ電極アセンブリ(320、340)によって適切に係合された状態で、操作者は、次に、RF発生器(202)を作動させてもよく、ループ電極アセンブリ(320、340)は、ループ電極アセンブリ(320、340)が押し付けられている組織に双極RFエネルギーを印加する電極として機能する。これは、比較的浅いアブレーションを提供し得る。操作者が比較的深いアブレーションを提供することを望むシナリオでは、操作者は、針電極(360)を組織内に前進させ、針電極(360)を作動させて、針電極(360)が配設されている組織にRFエネルギーを印加してもよい。操作者が体積アブレーションを適用することを望むシナリオでは、操作者は、少なくとも1つのループ電極アセンブリ(320、340)と同時に針電極(360)を作動させてもよい。単に更なる例として、器具(300)は、ヴィディアン神経切断術、後鼻神経切除術、鼻甲介整復、又は任意の他の好適な処置を実行するために使用されてもよい。場合によっては、ループ電極アセンブリ(320、340)と針電極(360)との組み合わせを使用して、鼻甲介整復を実行してもよい。ループ電極アセンブリ(320、340)及び/又は針電極(360)を使用してRFエネルギーを組織に印加し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0061】
図示されていないが、器具(300)はまた、3次元空間におけるループ電極アセンブリ(320、340)及び/若しくは針電極(360)、又は器具(300)のいくつかの他の構成要素の位置を示す信号を生成するように動作可能な1つ以上の位置センサを含んでもよい。このような位置センサは、針電極(360)の配向を更に示してもよく、それにより、操作者がループ電極アセンブリ(320、340)及び針電極(360)に対する領域(370、380)の位置を決定するのを支援する。このような位置センサは、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ以上のコイルの形態をとってもよい。このような位置信号によって生成された位置データは、ループ電極アセンブリ(320、340)及び/若しくは針電極(360)、又は器具(300)のいくつかの他の構成要素が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、視覚的表示を操作者に提供するシステムによって処理されてもよい。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に取得された1つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。このような位置感知及びナビゲーション能力は、本明細書に引用される様々な参考文献の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0062】
V.単一軸ループ電極アセンブリ及び二重針電極を有するアブレーション器具
図16A~
図18は、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(400)の別の例の遠位部分を示す。例えば、器具(400)は、神経(例えば、後鼻神経(40))をアブレーションするため、鼻甲介(例えば、鼻甲介(20、22、24)のいずれか)をアブレーションするため、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造をアブレーションするために使用されてもよい。この実施例の器具(400)は、シャフト(410)、ループ電極アセンブリ(420)、第1の針電極(460)、及び第2の針電極(470)を含む。器具(400)のこれらの機構は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるように、器具(100)又は器具(200)に容易に組み込まれ得る。
【0063】
ループ電極アセンブリ(420)は、シャフト(410)の長手方向軸線と位置合わせされ、これに垂直な寸法に沿って延在する平面に沿って延在している。ループ電極アセンブリ(420)は、シャフト(410)の遠位端から遠位に延在する第1の長手方向に延在するセグメント(422)と、第1の長手方向に延在するセグメント(422)から遠位に延在する第1の弓状セグメント(424)と、遠位に位置付けられた横方向に延在するセグメント(426)と、横方向に延在するセグメント(426)から近位に延在する第2の弓状セグメント(428)と、第2の弓状セグメント(428)からシャフト(410)内に延在する第4の長手方向に延在するセグメント(430)と、を含む。
【0064】
本実施例では、ループ電極アセンブリ(420)は、略楕円形状を画定する。あるいは、ループ電極アセンブリ(420)は、他の変形形態では異なる形状を画定してもよい。更に、ループ電極アセンブリ(420)は、シャフト(410)の長手方向軸線を中心として対称であるが、所望であれば、ループ電極アセンブリ(420)は、非対称であってもよい。本実施例のループ電極アセンブリ(420)はまた、弾性材料(例えば、ニチノールなど)から形成されており、その結果、ループ電極アセンブリ(420)は、弾性的に付勢されて略楕円形状を形成するが、ループ電極アセンブリ(420)は、横方向に、内向きに、かつ別様に変形するように構成されている。例えば、ループ電極アセンブリ(420)は、ループ電極アセンブリ(420)が組織に対して押し付けられたとき、ループ電極アセンブリ(420)がシース内に収容されたときなどに変形し得る。
【0065】
針電極(460、470)は、ループ電極アセンブリ(420)によって画定された外周内に入れ子になっている。第1の針電極(460)は、直線近位部分(462)、湾曲遠位部分(464)、及び鋭利な遠位先端部(466)を含む。第1の針電極(460)は、組織を貫通するように構成されている。いくつかの変形形態では、第1の針電極(460)は、第1の針電極(460)が流体(例えば、潅注流体、治療薬など)を組織に送達するために使用され得るように、遠位先端部(466)に管腔及び開口部を更に含む。本実施例では、第1の針電極(460)は、弾性材料(例えば、ニチノールなど)から形成されており、その結果、第1の針電極(460)は、弾性的に付勢されて、湾曲遠位部分(464)において曲線を形成する。
【0066】
第2の針電極(470)は、直線近位部分(472)、湾曲遠位部分(474)、及び鋭利な遠位先端部(476)を含む。いくつかの変形形態では、直線近位部分(472)は、第1の針電極(460)の直線近位部分(462)又は湾曲遠位部分(464)から一体的に延在している。いくつかの他の変形形態では、直線近位部分(472)は、シャフト(410)の遠位端から直接延在している。別の変形形態として、管状要素又は他のフレーム部材が、シャフト(410)の遠位端から延在してもよく、針電極(460、470)を支持してもよい。このような管状要素又は他のフレーム部材は、針電極(460、470)がそこからシャフト(410)の長手方向軸線に対して横方向に突出し得る側方開口部又は他の通路を有し得る。針電極(460、470)を支持する、ガイドする、又は別様に係合し得る他の方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0067】
第1の針電極(460)と同様に、第2の針電極(470)は、組織を貫通するように構成されている。いくつかの変形形態では、第2の針電極(470)は、第2の針電極(470)が流体(例えば、潅注流体、治療薬など)を組織に送達するために使用され得るように、遠位先端部(476)に管腔及び開口部を更に含む。本実施例では、第2の針電極(470)は、弾性材料(例えば、ニチノールなど)から形成されており、その結果、第1の針電極(470)は、弾性的に付勢されて湾曲遠位部分(474)において曲線を形成する。
【0068】
図136A~
図16Bに示すように、針電極(460、470)は、シャフト(410)内に形成された通路(412)を通ってシャフト(410)に対して選択的に前進され、かつ後退され得る。このような前進及び後退は、上述のスライダ(114、116、220、222)のような摺動アクチュエータによって、又は任意の他の好適なユーザ入力機構を介して制御されてもよい。いくつかの変形形態では、ループ電極アセンブリ(420)はまた、アクチュエータによってシャフト(410)に対して選択的に前進され、かつ後退され得る。あるいは、針電極(460、470)及び/又はループ電極アセンブリ(420)は、シャフト(410)に対して長手方向に固着されてもよい。このような変形形態では、針電極(460、470)及び/又はループ電極アセンブリ(420)は、シャフト(410)に対して摺動可能に配設された外側シース(図示せず)内に選択的に収容されてもよいか、又は外側シースによって露出されてもよい。例えば、針電極(460、470)及び/又はループ電極アセンブリ(420)を選択的に収容又は露出するために、シャフト(410)がこのような外側シースに対して長手方向に摺動してもよいか、又は外側シースがシャフト(410)に対して長手方向に摺動してもよい。針電極(460、470)及び/又はループ電極アセンブリ(420)がどのように前進し、後退し、収容され、又は露出されるかにかかわらず、前進、後退、収容、又は露出の程度は、
図10A~
図10Cを参照して上述したものと同様の様式で選択されて調整され、それにより、組織接触の程度を変化させてもよい。
【0069】
ループ電極アセンブリ(420)及び針電極(460、470)は、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。いくつかの変形形態では、第1の弓状セグメント(424)は、第1の極性のRFエネルギーを提供し、弓状セグメント(428)は、第2の極性のRFエネルギーを提供する。このような変形形態では、横方向に延在するセグメント(426)は、横方向に延在するセグメント(426)が、弓状セグメント(424、428)間の短絡のための経路を提供することなく、弓状セグメント(424、428)間に構造的支持体を提供するように、電気絶縁性材料を含んでもよい。針電極(460)はまた、第1の極性のRFエネルギー又は第2の極性のRFエネルギーのいずれかを提供してもよく、針電極(470)は、第1の極性のRFエネルギー又は第2の極性のRFエネルギーのいずれかを提供してもよい。別の例として、第1の弓状セグメント(424)及び第1の針電極(460)は、第1の極性のRFエネルギーを提供してもよく、第2の弓状セグメント(428)及び第2の針電極(470)は、第2の極性のRFエネルギーを提供する。ループ電極アセンブリ(420)と針電極(460、470)との間で極性が割り当てられ得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0070】
図18に示すように、針電極(460、470)は、ループ電極アセンブリ(420)の上方の第1の領域(480)内に突出している。第2の領域(490)は、ループ電極アセンブリ(420)の反対側に画定される。いくつかの変形形態では、第2の領域(490)に面するループ電極アセンブリ(420)及び針電極(460、470)の一部分は、電気絶縁性材料で覆われており、第1の領域(480)に面するループ電極アセンブリ(420)及び針電極(460、470)の一部分は、露出されたままである。このような変形形態では、ループ電極アセンブリ(420)及び針電極(460、470)は、第1の領域(480)内に位置する組織にのみRFエネルギーを印加してもよい。単に例として、第2の領域(490)に面するループ電極アセンブリ(420)及び針電極(460、470)の表面のおよそ30%~およそ60%は、絶縁材料で覆われてもよい。他の変形形態では、第2の領域(490)に面するループ電極アセンブリ(420)及び針電極(460、470)の一部分は、ループ電極アセンブリ(420)及び針電極(460、470)が第2の領域(490)内に位置する組織にRFエネルギーを印加し得るように、露出されたままである。
【0071】
器具(400)の使用中、操作者は、スタンピングタイプの動きを使用して、ループ電極アセンブリ(420)を、操作者がアブレーションしたい(又は別様にRFエネルギーを印加したい)組織に対して押し付けてもよい。組織がループ電極アセンブリ(420)によって適切に係合された状態で、操作者は、次に、RF発生器(202)を作動させてもよく、弓状セグメント(424、428)は、弓状セグメント(424、428)が押し付けられている組織に双極RFエネルギーを印加する電極として機能する。これは、比較的浅いアブレーションを提供し得る。操作者が比較的深いアブレーションを提供することを望むシナリオでは、操作者は、針電極(460、470)を組織内に前進させ、針電極(460、470)を作動させて、針電極(460、470)が配設されている組織にRFエネルギーを印加してもよい。操作者が体積アブレーションを適用することを望むシナリオでは、操作者は、ループ電極アセンブリ(420)と同時に針電極(460、470)を作動させてもよい。単に更なる例として、器具(400)は、ヴィディアン神経切断術、後鼻神経切除術、鼻甲介整復、又は任意の他の好適な処置を実行するために使用されてもよい。場合によっては、針電極(460、470)とループ電極アセンブリ(420)との組み合わせを使用して、鼻甲介整復を実行してもよい。ループ電極アセンブリ(420)及び/又は針電極(460、470)を使用してRFエネルギーを組織に印加し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0072】
図示されていないが、器具(400)はまた、3次元空間におけるループ電極アセンブリ(420)及び/若しくは針電極(460、470)、又は器具(300)のいくつかの他の構成要素の位置を示す信号を生成するように動作可能な1つ以上の位置センサを含んでもよい。このような位置センサは、針電極(460、470)の配向を更に示してもよく、それにより、操作者がループ電極アセンブリ(420)及び針電極(460、470)に対する領域(480、490)の位置を決定するのを支援する。このような位置センサは、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ以上のコイルの形態をとってもよい。このような位置信号によって生成された位置データは、ループ電極アセンブリ(420)及び/若しくは針電極(460、470)、又は器具(400)のいくつかの他の構成要素が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、視覚的表示を操作者に提供するシステムによって処理されてもよい。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に取得された1つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。このような位置感知及びナビゲーション能力は、本明細書に引用される様々な参考文献の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る
【0073】
VI.横方向ループ電極及び横方向にオフセットされた針電極を有するアブレーション器具
図19A~
図19Bは、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(500)の別の例の遠位部分を示す。例えば、器具(500)は、神経(例えば、後鼻神経(40))をアブレーションするため、鼻甲介(例えば、鼻甲介(20、22、24)のいずれか)をアブレーションするため、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造をアブレーションするために使用されてもよい。この実施例の器具(500)は、外側シース(512)、内側シャフト(514)、第1のループ電極セグメント(520)、第2のループ電極セグメント(530)、第1の針電極(540)、及び第2の針電極(550)を含む。器具(500)のこれらの機構は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるように、器具(100)又は器具(200)に容易に組み込まれ得る。
【0074】
ループ電極セグメント(520、530)は、互いに同一平面上にあり、シース(512)及びシャフト(514)によって共有される長手方向軸線に垂直な平面に沿って延在している。ループ電極セグメント(520)は、展開アーム(522)、弓状アーム(524)、及び鋭利な先端部(526)を含む。展開アーム(522)は、シース(512)とシャフト(514)との間の空間に沿って延在している。弓状アーム(524)は、弓状アーム(524)がシャフト(514)の遠位端に対して効果的に遠位に離間されるように、シャフト(514)の遠位端に対して遠位の平面に沿って延在している。同様に、ループ電極セグメント(530)は、展開アーム(532)、弓状アーム(534)、及び鋭利な先端部(536)を含む。展開アーム(532)は、シース(512)とシャフト(514)との間の空間に沿って延在している。弓状アーム(534)は、弓状アーム(534)がシャフト(514)の遠位端に対して効果的に遠位に離間されるように、シャフト(514)の遠位端に対して遠位の平面に沿って延在している。
【0075】
本実施例では、ループ電極セグメント(520、530)は、略円形状を画定しているが、ループ電極セグメント(520、530)は、互いに接触しない。換言すれば、先端部(526)と弓状アーム(534)との間、及び先端部(536)と弓状アーム(524)との間に、わずかな間隙が存在する。あるいは、ループ電極セグメント(520、530)は、任意の他の好適な形状を画定してもよい。更に、本実施例では、ループ電極セグメント(520、530)は、互いに対称であるが、他の変形形態では、ループ電極セグメント(520、530)は、非対称であってもよい。本実施例の各ループ電極セグメント(520、530)は、弓状アーム(524、534)が弾性的に付勢されて略円形状を形成するように、弾性材料(例えば、ニチノールなど)から形成されている。それにもかかわらず、弓状アーム(524、534)は、シース(512)がシャフト(514)に対して遠位に位置付けられたとき(例えば、鼻腔を通って標的アブレーション部位に向かって移行する間)、シース(512)とシャフト(514)との間の空間内で寸法が合うように変形するように構成されている。更に、弓状アーム(524、534)は、弓状アーム(524、534)が組織に対して押し付けられたときに変形し得る。
【0076】
いくつかの変形形態では、各ループ電極セグメント(520、530)は、ループ電極セグメント(520、530)が流体(例えば、潅注流体、治療薬など)を組織に送達するために使用され得るように、先端部(526、536)に開口部を有する管腔を更に画定する。先端部(526、536)は、本実施例では鋭利であるが、先端部(526、536)は、代わりに、他の変形形態では、鈍端であるか又は別様に非外傷性であってもよい。
【0077】
針電極(540)は、シャフト(542)及び鋭利な遠位先端部(544)を含む。
図19A~
図19Bに示すように、針電極(540)は、シャフト(514)内の通路(518)の中へ近位に後退するか、又はこれに対して遠位に前進するように動作可能である。針電極(550)は、シャフト(552)及び鋭利な遠位先端部(554)を含む。針電極(550)は、シャフト(516)内の通路(518)の中へ近位に後退するか、又はこれに対して遠位に前進するように動作可能である。針電極(540、550)が完全に遠位に前進したとき、先端部(544、554)は、弓状アーム(524、534)によって画定された横断面(すなわち、円形状)に対して遠位に位置付けられる。いくつかの変形形態では、各針電極(540、550)は、針電極(540、550)が流体(例えば、潅注流体、治療薬など)を組織に送達するために使用され得るように、先端部(544、554)に開口部を有する管腔を更に画定する。針電極(540、550)は、この実施例では直線状であるように示されているが、針電極(540、550)のいくつかの変形形態では、外向きに広がるように弾性的に付勢されてもよいか、又は任意の他の好適な構成を提供してもよい。
【0078】
上述したように、器具(500)のいくつかの変形形態は、シャフト(514)に対するシース(512)の長手方向の前進及び後退を提供する。あるいは、シャフト(514)は、シース(512)に対して長手方向に前進し、かつ後退するように動作可能であってもよい。いずれの場合も、このような長手方向の移動は、上述のスライダ(114、116、220、222)のような摺動アクチュエータによって、又は任意の他の好適なユーザ入力機構を介して駆動されてもよい。同様に、シャフト(514)に対する針電極(540、550)の長手方向の移動は、上述のスライダ(114、116、220、222)のような摺動アクチュエータによって、又は任意の他の好適なユーザ入力機構を介して駆動されてもよい。いくつかの変形形態では、針電極(540、550)は、シャフト(514)に対して同時に並進し、他の変形形態では、針電極(540、550)は、シャフト(514)に対して互いに独立して並進する。更に別の変形形態として、器具(500)のいくつかの変形形態は、シャフト(514)に対する針電極(540、550)の固着された長手方向の位置付けを提供してもよい。
【0079】
ループ電極セグメント(520、530)及び針電極(540、550)は、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。いくつかの変形形態では、第1のループ電極セグメント(520)は、第1の極性のRFエネルギーを提供し、第2のループ電極セグメント(530)は、第2の極性のRFエネルギーを提供する。針電極(540)はまた、第1の極性のRFエネルギー又は第2の極性のRFエネルギーのいずれかを提供してもよく、針電極(550)は、第1の極性のRFエネルギー又は第2の極性のRFエネルギーのいずれかを提供してもよい。別の例として、第1のループ電極セグメント(520)及び針電極(550)は、第1の極性のRFエネルギーを提供してもよく、第2の電極セグメント(530)及び針電極(540)は、第2の極性のRFエネルギーを提供する。ループ電極セグメント(520、530)と針電極(540、550)との間で極性が割り当てられ得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0080】
器具(500)の使用中、操作者は、スタンピングタイプの動きを使用して、弓状アーム(524、534)を、操作者がアブレーションしたい(又は別様にRFエネルギーを印加したい)組織に対して押し付けてもよい。組織が弓状アーム(524、534)によって適切に係合された状態で、操作者は、次に、RF発生器(202)を作動させてもよく、弓状アーム(524、534)は、弓状アーム(524、534)が押し付けられている組織に双極RFエネルギーを印加する電極として機能する。これは、比較的浅いアブレーションを提供し得る。操作者が比較的深いアブレーションを提供することを望むシナリオでは、操作者は、針電極(540、550)を組織内に前進させ、針電極(540、550)を作動させて、針電極(540、550)が配設されている組織にRFエネルギーを印加してもよい。操作者が体積アブレーションを適用することを望むシナリオでは、操作者は、少なくとも1つの弓状アーム(524、534)と同時に針電極(540、550)を作動させてもよい。単に更なる例として、器具(500)は、ヴィディアン神経切断術、後鼻神経切除術、鼻甲介整復、又は任意の他の好適な処置を実行するために使用されてもよい。場合によっては、弓状アーム(524、534)と針電極(540、550)との組み合わせを使用して、鼻甲介整復を実行してもよい。弓状アーム(524、534)及び/又は針電極(540、550)を使用してRFエネルギーを組織に印加し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0081】
図示されていないが、器具(500)はまた、3次元空間における弓状アーム(524、534)及び/若しくは針電極(540、550)、又は器具(500)のいくつかの他の構成要素の位置を示す信号を生成するように動作可能な1つ以上の位置センサを含んでもよい。このような位置センサは、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ以上のコイルの形態をとってもよい。このような位置信号によって生成された位置データは、弓状アーム(524、534)及び/若しくは針電極(540、550)、又は器具(500)のいくつかの他の構成要素が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、視覚的表示を操作者に提供するシステムによって処理されてもよい。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に取得された1つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。このような位置感知及びナビゲーション能力は、本明細書に引用される様々な参考文献の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0082】
VII.横方向ループ電極及び長手方向にオフセットされた針電極を有するアブレーション器具
図20A~
図20Bは、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(600)の別の例の遠位部分を示す。例えば、器具(600)は、神経(例えば、後鼻神経(40))をアブレーションするため、鼻甲介(例えば、鼻甲介(20、22、24)のいずれか)をアブレーションするため、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造をアブレーションするために使用されてもよい。この実施例の器具(600)は、外側シース(612)、内側シャフト(614)、第1のループ電極セグメント(620)、第2のループ電極セグメント(630)、及び針電極アセンブリ(640)を含む。器具(300)のこれらの機構は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるように、器具(100)又は器具(200)に容易に組み込まれ得る。
【0083】
ループ電極セグメント(620、630)は、互いに同一平面上にあり、シース(612)及びシャフト(614)によって共有される長手方向軸線に垂直な平面に沿って延在している。ループ電極セグメント(620)は、展開アーム(622)、弓状アーム(624)、及び鋭利な先端部(626)を含む。展開アーム(622)は、シース(612)とシャフト(614)との間の空間に沿って延在している。弓状アーム(624)は、弓状アーム(624)がシャフト(614)の遠位端に対して効果的に遠位に離間されるように、シャフト(614)の遠位端に対して遠位の平面に沿って延在している。同様に、ループ電極セグメント(630)は、展開アーム(632)、弓状アーム(634)、及び鋭利な先端部(636)を含む。展開アーム(632)は、シース(612)とシャフト(614)との間の空間に沿って延在している。弓状アーム(634)は、弓状アーム(634)がシャフト(614)の遠位端に対して効果的に遠位に離間されるように、シャフト(614)の遠位端に対して遠位の平面に沿って延在している。
【0084】
本実施例では、ループ電極セグメント(620、630)は、略円形状を画定しているが、ループ電極セグメント(620、630)は、互いに接触しない。換言すれば、先端部(626)と弓状アーム(634)との間、及び先端部(636)と弓状アーム(624)との間に、わずかな間隙が存在する。あるいは、ループ電極セグメント(620、630)は、任意の他の好適な形状を画定してもよい。更に、本実施例では、ループ電極セグメント(620、630)は、互いに対称であるが、他の変形形態では、ループ電極セグメント(620、630)は、非対称であってもよい。本実施例の各ループ電極セグメント(620、630)は、弓状アーム(624、634)が弾性的に付勢されて略円形状を形成するように、弾性材料(例えば、ニチノールなど)から形成されている。それにもかかわらず、弓状アーム(624、634)は、シース(612)がシャフト(614)に対して遠位に位置付けられたとき(例えば、鼻腔を通って標的アブレーション部位に向かって移行する間)、シース(612)とシャフト(614)との間の空間内で寸法が合うように変形するように構成されている。更に、弓状アーム(624、634)は、弓状アーム(624、634)が組織に対して押し付けられたときに変形し得る。
【0085】
いくつかの変形形態では、各ループ電極セグメント(620、630)は、ループ電極セグメント(620、630)が流体(例えば、潅注流体、治療薬など)を組織に送達するために使用され得るように、先端部(626、636)に開口部を有する管腔を更に画定する。先端部(626、636)は、本実施例では鋭利であるが、先端部(626、636)は、代わりに、他の変形形態では、鈍端であるか又は別様に非外傷性であってもよい。
【0086】
針電極アセンブリ(640)は、シャフト(642)に同軸に固定されたリング電極(644)を有するシャフト(642)を含み、針電極(650)は、シャフト(642)から遠位に延在している。針電極(650)は、鋭利な遠位先端部(654)を有する針シャフト(652)、及び先端部(654)にある開口部まで延在する管腔(656)を含む。針電極(650)は、管腔(656)を介して組織に流体(例えば、潅注流体、治療物質など)を送達するために使用され得る。あるいは、管腔(656)は、いくつかの変形形態では省略されてもよい。
図20A~
図20Bに示すように、針電極アセンブリ(640)は、シャフト(614)内の通路(616)の中へ近位に後退するか、又はこれに対して遠位に前進するように動作可能である。針電極アセンブリ(640)が完全に遠位に前進したとき、電極(644、650)は、弓状アーム(624、634)によって画定された横断面(すなわち、円形状)に対して遠位に位置付けられる。針電極アセンブリ(640)は、この実施例では直線状であるように示されているが、針電極アセンブリ(640)のいくつかの変形形態では、横方向外向きに偏向するように弾性的に付勢されてもよいか、又は任意の他の好適な構成を提供してもよい。
【0087】
上述したように、器具(600)のいくつかの変形形態は、シャフト(614)に対するシース(612)の長手方向の前進及び後退を提供する。あるいは、シャフト(614)は、シース(612)に対して長手方向に前進し、かつ後退するように動作可能であってもよい。いずれの場合も、このような長手方向の移動は、上述のスライダ(114、116、220、222)のような摺動アクチュエータによって、又は任意の他の好適なユーザ入力機構を介して駆動されてもよい。同様に、シャフト(614)に対する針電極アセンブリ(640)の長手方向の移動は、上述のスライダ(114、116、220、222)のような摺動アクチュエータによって、又は任意の他の好適なユーザ入力機構を介して駆動されてもよい。いくつかの変形形態では、シャフト(642、652)は、シャフト(614)に対して同時に並進し、他の変形形態では、シャフト(642、652)は、シャフト(614)に対して互いに独立して並進する。更に別の変形形態として、器具(600)のいくつかの変形形態は、シャフト(614)に対する針電極アセンブリ(640)の固着された長手方向の位置付けを提供してもよい。
【0088】
ループ電極セグメント(620、630)及び電極(644、650)は、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。いくつかの変形形態では、第1のループ電極セグメント(620)は、第1の極性のRFエネルギーを提供し、第2のループ電極セグメント(630)は、第2の極性のRFエネルギーを提供する。リング電極(644)はまた、第1の極性のRFエネルギー又は第2の極性のRFエネルギーのいずれかを提供してもよく、針電極(650)は、第1の極性のRFエネルギー又は第2の極性のRFエネルギーのいずれかを提供してもよい。別の例として、第1のループ電極セグメント(620)及びリング電極(644)は、第1の極性のRFエネルギーを提供してもよく、第2の電極セグメント(630)及び針電極(650)は、第2の極性のRFエネルギーを提供する。ループ電極セグメント(620、630)と電極(644、650)との間で極性が割り当てられ得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0089】
器具(600)の使用中、操作者は、スタンピングタイプの動きを使用して、弓状アーム(624、634)を、操作者がアブレーションしたい(又は別様にRFエネルギーを印加したい)組織に対して押し付けてもよい。組織が弓状アーム(624、634)によって適切に係合された状態で、操作者は、次に、RF発生器(202)を作動させてもよく、弓状アーム(624、634)は、弓状アーム(624、634)が押し付けられている組織に双極RFエネルギーを印加する電極として機能する。これは、比較的浅いアブレーションを提供し得る。操作者が比較的深いアブレーションを提供することを望むシナリオでは、操作者は、針電極アセンブリ(640)を組織内に前進させ、電極(644、650)を作動させて、針電極アセンブリ(640)が配設されている組織にRFエネルギーを印加してもよい。操作者が体積アブレーションを適用することを望むシナリオでは、操作者は、少なくとも1つの弓状アーム(624、634)と同時に電極(644、650)を作動させてもよい。単に更なる例として、器具(600)は、ヴィディアン神経切断術、後鼻神経切除術、鼻甲介整復、又は任意の他の好適な処置を実行するために使用されてもよい。場合によっては、弓状アーム(624、634)と電極(644、650)との組み合わせを使用して、鼻甲介整復を実行してもよい。弓状アーム(624、634)及び/又は針電極アセンブリ(640)を使用してRFエネルギーを組織に印加し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0090】
図示されていないが、器具(600)はまた、3次元空間における弓状アーム(624、634)及び/若しくは針電極アセンブリ(640)、又は器具(600)のいくつかの他の構成要素の位置を示す信号を生成するように動作可能な1つ以上の位置センサを含んでもよい。このような位置センサは、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ以上のコイルの形態をとってもよい。このような位置信号によって生成された位置データは、弓状アーム(624、634)及び/若しくは針電極アセンブリ(640)、又は器具(600)のいくつかの他の構成要素が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、視覚的表示を操作者に提供するシステムによって処理されてもよい。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に取得された1つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。このような位置感知及びナビゲーション能力は、本明細書に引用される様々な参考文献の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る
【0091】
VIII.ループ電極アセンブリ及び針電極を有するRFアブレーション器具の例
図21~
図22Cは、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(1100)の一例を示す。例えば、器具(1100)は、神経(例えば、後鼻神経(40))をアブレーションするため、鼻甲介(例えば、鼻甲介(20、22、24)のいずれか)をアブレーションするため、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造をアブレーションする、電気穿孔する(例えば、治療薬の吸収を促進するためなど)、若しくは抵抗加熱を適用するために使用されてもよい。この実施例の器具(1100)は、ハンドルアセンブリ(1110)、シャフトアセンブリ(1130)、ループ電極アセンブリ(1140)、及び針電極アセンブリ(1150)を含む。器具(1100)は、RF発生器(1102)と連結されており、これは、以下でより詳細に説明するように、電極(1142、1144、1170、1172)を介して組織に送達するためのRF電気外科用エネルギーを生成するように動作可能である。
【0092】
この実施例のハンドルアセンブリ(1110)は、本体(1112)、第1のスライダ(1120)、及び第2のスライダ(1122)を含む。本体(1112)は、パワーグリップ、ペンシルグリップ、又は任意の他の好適な種類のグリップなどを介して、操作者の片手で握持して操作されるようにサイズ決定され、かつそのように構成されている。各スライダ(1120、1122)は、本体(1112)に対して長手方向に並進するように動作可能である。スライダ(1120、1122)は、いくつかの変形形態では、互いに対して独立して並進するように動作可能である。スライダ(1120)は、ループ電極アセンブリ(1140)と連結されており、したがって、以下でより詳細に説明するように、ループ電極アセンブリ(1140)を長手方向に並進させるように動作可能である。
図22Bから
図22Cへの移行は、ループ電極アセンブリ(1140)がスライダ(1120)によって近位位置から遠位位置へ駆動されていることを示す。スライダ(1122)は、針電極アセンブリ(1150)と連結されており、したがって、以下でより詳細に説明するように、針電極アセンブリ(1150)を長手方向に並進させるように動作可能である。
図22Aから
図22Bへの移行は、針電極アセンブリ(1150)がスライダ(1122)によって近位位置から遠位位置へ駆動されていることを示す。
【0093】
本実施例のシャフトアセンブリ(1130)は、剛性部分(1132)、剛性部分(1132)の遠位にある可撓性部分(1134)、及び開口遠位端(1136)を含む。プルワイヤ(図示せず)は、可撓性部分(1134)と連結され、かつハンドルアセンブリ(1110)の偏向制御ノブ(1116)と連結されている。偏向制御ノブ(1116)は、プルワイヤを近位に選択的に後退させるために、シャフトアセンブリ(1130)の長手方向軸線に垂直な軸を中心として、本体(1112)に対して回転可能である。プルワイヤが近位に後退すると、可撓性部分(1134)が屈曲し、それにより、遠位端(1136)を剛性部分(1132)の長手方向軸線から横方向に離れて偏向させる。したがって、偏向制御ノブ(1116)、プルワイヤ、及び可撓性部分(1134)が協働して、シャフトアセンブリ(1130)に操縦性を付与する。単に例として、シャフトアセンブリ(1130)のこのような操縦性は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2020年5月22日に出願の「Shaft Deflection Control Assembly for ENT Guide Instrument」と題された米国特許出願第63/028,609号の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。他の変形形態は、偏向制御ノブ(1116)の代わりに、可撓性部分(1134)の操縦を駆動するためのいくつかの他の種類のユーザ入力機構を提供してもよい。いくつかの代替の変形形態では、偏向制御ノブ(1116)は省略され、可撓性部分(1134)は、可鍛性である。なお他の変形形態では、シャフトアセンブリ(1130)の全長は、剛性である。
【0094】
シャフトアセンブリ(1130)はまた、剛性部分(1132)の長手方向軸線を中心として、ハンドルアセンブリ(1110)に対して回転可能である。このような回転は、ハンドルアセンブリ(1110)の本体(1112)と回転可能に連結された回転制御ノブ(1114)を介して駆動され得る。あるいは、シャフトアセンブリ(1130)は、いくつかの他の形態のユーザ入力を介して回転されてもよいか、又は、ハンドルアセンブリ(1110)に対して回転不可能であってもよい。また、本明細書に記載されるハンドルアセンブリ(1110)の例は、単に例示的な例であることを理解されたい。シャフトアセンブリ(1130)は、代わりに、任意の他の好適な種類のハンドルアセンブリ又は他の支持体と連結されてもよい。
【0095】
図22Cで最もよく分かるように、本実施例のループ電極アセンブリ(1140)は、一対の弓状アーム(1142、1144)を含む。弓状アーム(1142)の一端は、展開アーム(1143)に固定され、弓状アーム(1142)の他端は、接合部(1146)に固定されている。同様に、弓状アーム(1144)の一端は、展開アーム(1145)に固定され、弓状アーム(1144)の他端は、接合部(1146)に固定されている。いくつかの変形形態では、弓状アーム(1142)及び展開アーム(1143)は、同じ第1の金属ワイヤから一体的に形成され、弓状アーム(1144)及び展開アーム(1145)は、同じ第2の金属ワイヤから一体的に形成されている。展開アーム(1143、1145)は、シャフトアセンブリ(1130)の長さに沿って延在し、第1のスライダ(1120)と連結される。各展開アーム(1143、1145)は、シャフトアセンブリ(1130)内での短絡を防止するために、電気絶縁性被膜又はシースを含んでもよく、弓状アーム(1142、1144)は、電極として機能するように露出されたままである。各弓状アーム(1142、1144)は、弓状アーム(1142、1144)をRF発生器(1102)と電気的に連結する、対応する1つ以上のワイヤ(複数可)、トレース(複数可)、及び/又は他の導電素子(複数可)と連結されている。弓状アーム(1142)は、第1の極性においてRFエネルギーを印加するように構成され、弓状アーム(1144)は、第2の極性においてRFエネルギーを印加するように構成されている。したがって、弓状アーム(1142、1144)は、弓状アーム(1142、1144)に接触している組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能な電極として機能する。接合部(1146)は、弓状アーム(1142、1144)の対応する端部を一緒に機械的に固定しながら、弓状アーム(1142、1144)間の短絡を防止する電気絶縁性材料から形成されている。
【0096】
図22Cに示すように、弓状アーム(1142、1144)は、弓状アーム(1142、1144)がシャフトアセンブリ(1130)の遠位端(1136)に対して露出されているときに、弓状構成を画定するように弾性的に付勢される。単に例として、弓状アーム(1142、1144)は、ニチノールから形成されてもよい。本実施例では、弓状アーム(1142、1144)は、単一の半径によって画定された曲線に沿って延在している。したがって、弓状アーム(1142、1144)と接合部(1146)とが協働して、略円形状を画定する。いくつかの他の変形形態では、弓状アーム(1142、1144)と接合部(1146)とが協働して、楕円形、卵形、正方形、三角形、又は別様に非円形である形状を画定する。本実施例では、弓状アーム(1142、1144)及び接合部(1146)によって画定された略円形状は、シャフトアセンブリ(1130)の長手方向軸線に垂直な平面に沿って延在している。いくつかの他の変形形態では、弓状アーム(1142、1144)及び接合部(1146)によって画定された略円形状(又は他の非円形状)は、シャフトアセンブリ(1130)の長手方向軸線に対して斜めに配向されるか、又は別様にこれを横断する平面に沿って延在している。
【0097】
ループ電極アセンブリ(1140)の使用中、
図22Cに示すように、ループ電極アセンブリ(1140)がシャフトアセンブリ(1130)の遠位端(1136)から完全に展開されたとき、操作者は、スタンピングタイプの動きを使用して、ループ電極アセンブリ(1140)を、操作者がアブレーションしたい(又は別様にRFエネルギーを印加したい)組織に対して押し付けてもよい。組織が弓状アーム(1142、1144)によって適切に係合された状態で、操作者は、次に、RF発生器(1102)を作動させてもよく、弓状アーム(1142、1144)は、ループ電極アセンブリ(1140)が押し付けられている組織に双極RFエネルギーを印加する電極として機能する。これは、以下に説明される針電極(1170、1172)を介して提供されるアブレーションと比較して、比較的浅いアブレーションを提供し得る。いくつかのシナリオでは、RFエネルギーが電極アセンブリ(1140)を介して組織に印加されている間に、生理食塩水又は他の潅注流体がシャフトアセンブリ(1130)を通して排出されてもよく、それにより、電気的連続性が促進される。加えて、又は代替的に、アブレーション処置中に生成される煙、蒸気などを排出するために、シャフトアセンブリ(1130)を介して吸引が適用されてもよい。
【0098】
場合によっては、操作者は、ループ電極アセンブリ(1140)をシャフトアセンブリ(1130)の遠位端(1136)から部分的にのみ展開することを望む場合がある。
図22Bに示すように、第1のスライダ(1120)が最近位位置にある状態で、ループ電極アセンブリ(1140)は、シャフトアセンブリ(1130)内に完全に収容され得る。第1のスライダ(1120)が中間長手方向位置(図示せず)まで遠位に部分的に前進したとき、ループ電極アセンブリ(1140)は、シャフトアセンブリ(1130)(図示せず)の遠位端(1136)から遠位に部分的に延在し得る。この状態では、ループ電極アセンブリ(1140)の弾性は、弓状アーム(1142、1144)が略円形状を画定することなく、弓状アーム(1142、1144)のある程度の外向きの曲がりを提供し得る。それにもかかわらず、操作者は、ループ電極アセンブリ(1140)が部分的に展開された状態にあるときに、弓状アーム(1142、1144)を組織に対して押し付け、次いで、弓状アーム(1142、1144)を作動させてRFエネルギーを組織に印加してもよい。ループ電極アセンブリ(1140)が部分的に展開された状態にある間に、RFエネルギーを組織に印加することに加えて、又はその代わりに、操作者がループ電極アセンブリ(1140)を完全に展開することを選択した場合、操作者は、第1のスライダ(1120)を遠位位置まで前進させ続けてもよい。第1のスライダ(1120)が遠位位置にある状態で、ループ電極アセンブリ(1140)は完全に展開され、それにより、
図22Cに示す略円形状を画定してもよい。単に例として、ループ電極アセンブリ(1140)のこのような部分的な展開及び/又は完全な展開は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2020年8月19日に出願の「ENT Ablation Instrument with Electrode Loop」と題された米国特許出願第63/067,495号の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0099】
図22B及び
図22Cで最もよく分かるように、本実施例の針電極アセンブリ(1150)は、障壁(1173)によって互いに対して長手方向に固着された一対の針電極(1170、1172)を含む。2つの針電極(1170、1172)が示されているが、任意の他の好適な数の針電極(1170、1172)が設けられてもよい。この実施例の各針電極(1170、1172)は、鋭利な遠位先端部(1176)を有する針シャフト(1174)、及び先端部(1176)にある開口部まで延在する管腔(1178)を含む。針電極(1170、1172)は、管腔(1178)を介して組織に流体(例えば、潅注流体、治療薬など)を送達するために使用され得る。あるいは、管腔(1178)は、いくつかの変形形態では省略されてもよい。
【0100】
第2のスライダ(1122)が遠位に前進したとき、針電極(1170、1172)は、
図22Cに示すように、ループ電極アセンブリ(1140)によって画定された横断面を越えて遠位に延在するように駆動される。操作者は、第2のスライダ(1122)の遠位前進をハンドルアセンブリ(1110)の本体(1112)の長さに沿った任意の好適な位置で停止させて、針電極(1170、1172)の組織内への任意の好適な貫通深さを達成してもよい。各針電極(1170、1172)は、シャフトアセンブリ(1130)内での短絡を防止するために、電気絶縁性被膜又はシースを含んでもよく、それぞれの針シャフト(1174)の遠位部分は、電極として機能するように露出されたままである。各針シャフト(1174)は、針シャフト(1174)をRF発生器(1102)と電気的に連結する、対応する1つ以上のワイヤ(複数可)、トレース(複数可)、及び/又は他の導電素子(複数可)と連結されている。したがって、針電極(1170、1172)は、針電極アセンブリ(1150)が配設されている組織にRFエネルギーを印加するように動作可能である。障壁(1173)は、複数の針シャフト(1174)間の短絡を防止する電気絶縁性材料(例えば、プラスチックなど)から形成されており(例えば、後述するように、複数の針シャフト(1174)が互いに異なる極性でRFエネルギーを印加するように構成されている場合)、針シャフト(1174)の対応する側面を一緒に機械的に固定する。いくつかの変形形態では、障壁(1173)は、剛性部分(1132)の長手方向軸線から横方向に離れてなど、針電極(1170、1172)の屈曲又は他の偏向に適応するような可撓性材料から形成されている。障壁(1173)はまた、RFエネルギーを印加している間に針電極(1170、1172)が熱くなった場合に、障壁(1173)の溶融又は他の変形を回避するために、耐熱材料を含んでもよい。
【0101】
本実施例では、針電極(1170、1172)は、直線状であり、針電極(1170、1172)が
図22Bに示すように遠位に位置付けられたときに、シャフトアセンブリ(1130)の長手方向軸線に沿って、又はこれと平行に延在するように構成されている。いくつかの変形形態では、針電極(1170、1172)は、針電極(1170、1172)が遠位に位置付けられたときに、シャフトアセンブリ(1130)の長手方向軸線に対して外向きに広がるように弾性的に付勢されてもよい。単に例として、針電極(1170、1172)のこのような付勢及び/又は外向きの広がりは、2020年8月19日に出願の「ENT Ablation Instrument with Electrode Loop」と題された米国特許出願第63/067,495号の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0102】
いくつかの変形形態では、両方の針電極(1170、1172)は、同じ極性を有する。このような変形形態では、針電極(1170、1172)は、単極RFエネルギーを提供するために、患者の皮膚と接触する電極パッドと協働してもよい。いくつかの他のこのような変形形態では、針電極(1170、1172)は、活性電極(又は戻り電極)として機能してもよく、ループ電極アセンブリ(1140)は、双極RFエネルギーを組織に提供するための戻り電極(又は活性電極)として機能する。別の変形形態として、針電極(1170、1172)は、互いに協働して、双極RFエネルギーを組織に印加してもよい。例えば、針電極(1170)は、活性電極として機能してもよく、針電極(1172)は、戻り電極として機能してもよい。このような変形形態では、弓状アーム(1142)は、戻り電極として機能してもよく、弓状アーム(1144)は、活性電極として機能してもよい。このようにして、障壁(1173)に対して第1の側面上に各々概ね位置付けられた針電極(1170)及び弓状アーム(1142)は、互いに協働して、針電極(1170)と弓状アーム(1142)との間の組織に双極RFエネルギーを提供し得る。同様に、障壁(1173)に対して第2の側面上に各々概ね位置付けられた針電極(1172)及び弓状アーム(1144)は、互いに協働して、針電極(1172)と弓状アーム(1144)との間の組織に双極RFエネルギーを提供し得る。
【0103】
針電極(1170、1172)がRFエネルギーを組織に送達するために使用されるとき、針電極(1170、1172)は、針電極(1170、1172)が組織を貫通するように組織内に前進してもよく、次いで、針電極(1170、1172)を作動させて、RFエネルギーを貫通された組織に印加してもよい。ループ電極アセンブリ(1140)がRFエネルギーを組織に送達するために使用されるとき、ループ電極アセンブリ(1140)は、ループ電極アセンブリ(1140)が組織に係合するように組織に対して押し付けられてもよく、次いで、ループ電極アセンブリ(1140)を作動させて、RFエネルギーを係合された組織に印加してもよい。
【0104】
上述したように、器具(1100)は、操作者がRFエネルギーを、(例えば、ループ電極アセンブリ(1140)を介して)組織の表面に印加すること、及び/又は(例えば、針電極(1170、1172)を介して)貫通された組織内に印加することの間で、選択することを可能にする。したがって、器具(1100)は、比較的浅いアブレーション(例えば、ループ電極アセンブリ(1140)を介して)、比較的深いアブレーション(例えば、針電極(1170、1172)を介して)、又は体積アブレーション(例えば、針電極(1170、1172)と組み合わせたループ電極アセンブリ(1140)を介して)を実行するために使用され得る。単に更なる例として、器具(1100)は、ヴィディアン神経切断術、後鼻神経切除術、鼻甲介整復、又は任意の他の好適な処置を実行するために使用されてもよい。場合によっては、ループ電極アセンブリ(1140)と針電極(1170、1172)との組み合わせを使用して、鼻甲介整復を実行してもよい。針電極(1170、1172)及び/又はループ電極アセンブリ(1140)を使用してRFエネルギーを組織に印加し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0105】
図示されていないが、器具(1100)はまた、3次元空間における器具(1100)の遠位端(1136)又はいくつかの他の構成要素の位置を示す信号を生成するように動作可能な1つ以上の位置センサを含んでもよい。このような位置センサは、シャフトアセンブリ(1130)に直接組み込まれてもよいか、又は他の場所で器具に組み込まれてもよい。加えて、又は代替的に、このような位置センサは、シャフトアセンブリ(1130)内に配設されたガイドワイヤ又は他の構成要素に組み込まれてもよい。このような位置センサは、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ以上のコイルの形態をとってもよい。このような位置信号によって生成された位置データは、器具(1100)の遠位端(1136)又はいくつかの他の構成要素が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、視覚的表示を操作者に提供するシステムによって処理されてもよい。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に取得された1つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。このような位置感知及びナビゲーション能力は、本明細書に引用される様々な参考文献の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0106】
図22A~
図22Cに示すように、ループ電極アセンブリ(1140)及び針電極アセンブリ(1150)は、スライダ(1120、1122)を介してシャフトアセンブリ(1130)に対して選択的に前進され、かつ後退され得る。あるいは、ループ電極アセンブリ(1140)及び/又は針電極アセンブリ(1150)は、シャフトアセンブリ(1130)に対して長手方向に固着されてもよい。このような変形形態では、ループ電極アセンブリ(1140)及び/又は針電極アセンブリ(1150)は、シャフトアセンブリ(1130)に対して摺動可能に配設された外側シース(図示せず)内に選択的に収容されてもよいか、又は外側シースによって露出されてもよい。例えば、ループ電極アセンブリ(1140)及び/又は針電極アセンブリ(1150)を選択的に収容又は露出するために、シャフトアセンブリ(1130)がこのような外側シースに対して長手方向に摺動してもよいか、又は外側シースがシャフトアセンブリ(1130)に対して長手方向に摺動してもよい。ループ電極アセンブリ(1140)及び針電極アセンブリ(1150)がどのように前進し、後退し、収容され、又は露出されるかにかかわらず、前進、後退、収容、又は露出の程度は、上述したものと同様の様式で選択されて調整され、それにより、組織接触の程度を変化させてもよい。
【0107】
IX.複数の極性を有するループ電極アセンブリ及び針電極アセンブリを有するRFアブレーション器具の例
図23A~
図23Cは、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(1200)の別の例の遠位部分を示す。例えば、器具(1200)は、神経(例えば、後鼻神経(40))をアブレーションするため、鼻甲介(例えば、鼻甲介(20、22、24)のいずれか)をアブレーションするため、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造をアブレーションする、電気穿孔する(例えば、治療薬の吸収を促進するためなど)、若しくは抵抗加熱を適用するために使用されてもよい。本明細書に別段の説明がない限り、器具(1200)は、器具(1100)と実質的に同様である。この実施例の器具(1200)は、ハンドルアセンブリ(1110)、シャフトアセンブリ(1130)、ループ電極アセンブリ(1140)、及び針電極アセンブリ(1270)を含む。器具(1200)は、RF発生器(1102)と連結されており、これは、以下でより詳細に説明するように、電極(1142、1144、1282、1286)を介して組織に送達するためのRF電気外科用エネルギーを生成するように動作可能である。
図23Aから
図23Bへの移行は、針電極アセンブリ(1270)がスライダ(1122)によって近位位置から遠位位置へ駆動されていることを示す。
図23Bから
図23Cへの移行は、ループ電極アセンブリ(1140)がスライダ(1120)によって近位位置から遠位位置へ駆動されていることを示す。当然のことながら、ハンドルアセンブリ(1110)は、単に例示的な例であり、スライダ(1120、1122)は、ループ電極アセンブリ(1140)及び針電極アセンブリ(1270)の並進を駆動するための任意の他の好適な種類の構造で置き換えられてもよい。
【0108】
図23B及び
図23Cに最もよく示されるように、この実施例の針電極アセンブリ(1270)は、鋭利な遠位先端部(1276)を有する針シャフト(1274)、及び先端部(1276)にある開口部まで延在する管腔(1278)を含む。針電極アセンブリ(1270)は、管腔(1278)を介して組織に流体(例えば、潅注流体、治療薬など)を送達するために使用され得る。あるいは、管腔(1278)は、いくつかの変形形態では省略されてもよい。第2のスライダ(1122)が遠位に前進したとき、針電極アセンブリ(1270)は、
図23Cに示すように、ループ電極アセンブリ(1140)によって画定された横断面を越えて遠位に延在するように駆動される。操作者は、第2のスライダ(1122)の遠位前進をハンドルアセンブリ(1110)の本体(1112)の長さに沿った任意の好適な位置で停止させて、針電極アセンブリ(1270)の組織内への任意の好適な貫通深さを達成してもよい。
【0109】
針シャフト(1274)は、近位絶縁性セグメント(1280)と、近位絶縁性セグメント(1280)の遠位に位置付けられた近位導電性セグメント(1282)と、近位導電性セグメント(1282)の遠位に位置付けられた遠位絶縁性セグメント(1284)と、遠位絶縁性セグメント(1284)の遠位に位置付けられた遠位導電性セグメント(1286)と、を含む。2つの導電性セグメント(1282、1286)が示されているが、任意の他の好適な数の導電性セグメント(1282、1286)が設けられてもよい。いくつかの変形形態では、近位絶縁性セグメント(1280)及び遠位絶縁性セグメント(1284)は、同じ第1の絶縁性本体(例えば、円筒管)から一体的に形成されており、近位導電性セグメント(1282)は、近位絶縁性セグメント(1280)及び遠位絶縁性セグメント(1284)より大きな直径を有して、遠位絶縁性セグメント(1284)が近位導電性セグメント(1282)を遠位導電性セグメント(1286)から電気絶縁することを可能にし得る。各導電性セグメント(1282、1286)は、導電性セグメント(1282、1286)が対応するRF電極として機能するように動作可能であるように、導電性セグメント(1282、1286)をRF発生器(1102)と電気的に連結する、対応する1つ以上のワイヤ(複数可)、トレース(複数可)、及び/又は他の導電素子(複数可)と連結されている。したがって、針電極アセンブリ(1270)は、針電極アセンブリ(1270)が配設されている組織にRFエネルギーを印加するように動作可能である。遠位絶縁性セグメント(1284)は、導電性セグメント(1282、1286)間の短絡を防止する電気絶縁性材料から形成されている(例えば、後述するように、導電性セグメント(1282、1286)が互いに異なる極性においてRFエネルギーを印加するように構成されている場合)。
【0110】
ループ電極アセンブリ(1140)及び針電極アセンブリ(1270)は、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。いくつかの変形形態では、ループ電極アセンブリ(1140)は、第1の極性のRFエネルギーを提供し、針電極アセンブリ(1270)は、第2の極性のRFエネルギーを提供する。別の例として、ループ電極アセンブリ(1140)は、それ自体が双極RFエネルギーを組織に印加するように構成されてもよい。例えば、弓状アーム(1142)は、第1の極性のRFエネルギーを提供するように構成されてもよく、弓状アーム(1144)は、第2の極性のRFエネルギーを提供するように構成されてもよい。針電極アセンブリ(1270)のいくつかの変形形態はまた、それ自体が、双極RFエネルギーを組織に印加するように構成されてもよい。例えば、近位導電性セグメント(1282)は、第1の極性のRFエネルギーを提供するように構成されてもよく、遠位導電性セグメント(1286)は、第2の極性のRFエネルギーを提供するように構成されてもよい。いくつかの変形形態では、遠位導電性セグメント(1286)は、活性電極として機能してもよく、近位導電性セグメント(1282)は、戻り電極として機能してもよい。他の変形形態では、近位導電性セグメント(1282)は、活性電極として機能してもよく、遠位導電性セグメント(1286)は、戻り電極として機能してもよい。ループ電極アセンブリ(1140)と針電極アセンブリ(1270)との間で極性が割り当てられ得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0111】
器具(1200)の使用中、操作者は、スタンピングタイプの動きを使用して、ループ電極アセンブリ(1140)を、操作者がアブレーションしたい(又は別様にRFエネルギーを印加したい)組織に対して押し付けてもよい。組織がループ電極アセンブリ(1140)によって適切に係合された状態で、操作者は、次に、RF発生器(1102)を作動させてもよく、ループ電極アセンブリ(1140)の弓状アーム(1142、1144)は、ループ電極アセンブリ(1140)が押し付けられている組織に双極RFエネルギーを印加する電極として機能する。これは、比較的浅いアブレーションを提供し得る。操作者が比較的深いアブレーションを提供することを望むシナリオでは、操作者は、針電極アセンブリ(1270)を組織内に前進させ、針電極アセンブリ(1270)を作動させて、針電極アセンブリ(1270)が配設されている組織にRFエネルギーを印加してもよい。操作者が体積アブレーションを適用することを望むシナリオでは、操作者は、針電極アセンブリ(1270)の少なくとも1つの導電性セグメント(1282、1286)を、ループ電極アセンブリ(1140)の少なくとも1つの弓状アーム(1142、1144)と同時に作動させてもよい。単に更なる例として、器具(1200)は、ヴィディアン神経切断術、後鼻神経切除術、鼻甲介整復、又は任意の他の好適な処置を実行するために使用されてもよい。場合によっては、ループ電極アセンブリ(1140)と針電極アセンブリ(1270)との組み合わせを使用して、鼻甲介整復を実行してもよい。ループ電極アセンブリ(1140)及び/又は針電極(1270)を使用してRFエネルギーを組織に印加し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0112】
図示されていないが、器具(1200)はまた、3次元空間におけるループ電極アセンブリ(1140)及び/若しくは針電極(1270)、又は器具(1200)のいくつかの他の構成要素の位置を示す信号を生成するように動作可能な1つ以上の位置センサを含んでもよい。このような位置センサは、シャフトアセンブリ(1130)に直接組み込まれてもよいか、又は他の場所で器具に組み込まれてもよい。加えて、又は代替的に、このような位置センサは、シャフトアセンブリ(1130)内に配設されたガイドワイヤ又は他の構成要素に組み込まれてもよい。このような位置センサは、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ以上のコイルの形態をとってもよい。このような位置信号によって生成された位置データは、ループ電極アセンブリ(1140)及び/若しくは針電極アセンブリ(1270)、又は器具(1200)のいくつかの他の構成要素が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、視覚的表示を操作者に提供するシステムによって処理されてもよい。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に取得された1つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。このような位置感知及びナビゲーション能力は、本明細書に引用される様々な参考文献の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0113】
X.ループ電極アセンブリ、並びに絶縁性針シャフト及び導電性リングを有する針電極アセンブリを有するRFアブレーション器具の例
図24A~
図24Cは、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(1300)の別の例の遠位部分を示す。例えば、器具(1300)は、神経(例えば、後鼻神経(40))をアブレーションするため、鼻甲介(例えば、鼻甲介(20、22、24)のいずれか)をアブレーションするため、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造をアブレーションする、電気穿孔する(例えば、治療薬の吸収を促進するためなど)、若しくは抵抗加熱を適用するために使用されてもよい。本明細書に別段の説明がない限り、器具(1300)は、器具(1100)と実質的に同様である。この実施例の器具(1300)は、ハンドルアセンブリ(1110)、シャフトアセンブリ(1130)、ループ電極アセンブリ(1140)、及び針電極アセンブリ(1370)を含む。器具(1300)は、RF発生器(1102)と連結されており、これは、以下でより詳細に説明するように、電極(1142、1144、1380、1382、1384、1386)を介して組織に送達するためのRF電気外科用エネルギーを生成するように動作可能である。
図24Aから
図24Bへの移行は、針電極アセンブリ(1370)がスライダ(1122)によって近位位置から遠位位置へ駆動されていることを示す。
図24Bから
図24Cへの移行は、ループ電極アセンブリ(1140)がスライダ(1120)によって近位位置から遠位位置へ駆動されていることを示す。当然のことながら、ハンドルアセンブリ(1110)は、単に例示的な例であり、スライダ(1120、1122)は、ループ電極アセンブリ(1140)及び針電極アセンブリ(1370)の並進を駆動するための任意の他の好適な種類の構造で置き換えられてもよい。
【0114】
図24B及び
図24Cに最もよく示されるように、この実施例の針電極アセンブリ(1370)は、鋭利な遠位先端部(1376)を有する針シャフト(1374)、及び先端部(1376)にある開口部まで延在する管腔(1378)を含む。針電極アセンブリ(1370)は、管腔(1278)を介して組織に流体(例えば、潅注流体、治療薬など)を送達するために使用され得る。あるいは、管腔(1378)は、いくつかの変形形態では省略されてもよい。第2のスライダ(1122)が遠位に前進したとき、針電極アセンブリ(1370)は、
図24Cに示すように、ループ電極アセンブリ(1140)によって画定された横断面を越えて遠位に延在するように駆動される。操作者は、第2のスライダ(1122)の遠位前進をハンドルアセンブリ(1110)の本体(1112)の長さに沿った任意の好適な位置で停止させて、針電極アセンブリ(1370)の組織内への任意の好適な貫通深さを達成してもよい。この実施例の針電極アセンブリ(1370)は、シャフト(1374)の周りに円周方向に位置付けられ、それに沿って互いに軸線方向に離間された複数の導電性リング(1380、1382、1384、1386)を更に含む。より具体的には、針電極アセンブリ(1370)は、第1の導電性リング(1380)と、第1の導電性リング(1380)の遠位に位置付けられた第2の導電性リング(1382)と、第2の導電性リング(1382)の遠位に位置付けられた第3の導電性リング(1384)と、第3の導電性リング(1384)の遠位に位置付けられた第4の導電性リング(1386)と、を含む。4つの導電性リング(1380、1382、1384、1386)が示されているが、任意の他の好適な数の導電性リング(1380、1382、1384、1386)が設けられてもよい。各導電性リング(1380、1382、1384、1386)は、導電性リング(1380、1382、1384、1386)が対応するRF電極として機能するように動作可能であるように、導電性リング(1380、1382、1384、1386)をRF発生器(1102)と電気的に連結する、対応する1つ以上のワイヤ(複数可)、トレース(複数可)、及び/又は他の導電素子(複数可)と連結されている。したがって、針電極アセンブリ(1370)は、針電極アセンブリ(1370)が配設されている組織にRFエネルギーを印加するように動作可能である。針シャフト(1374)は、導電性リング(1380、1382、1384、1386)間の短絡を防止する電気絶縁性材料から形成されてもよい(例えば、後述するように、導電性リング(1380、1382、1384、1386)が互いに異なる極性においてRFエネルギーを印加するように構成されている場合)。
【0115】
ループ電極アセンブリ(1140)及び針電極アセンブリ(1370)は、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。いくつかの変形形態では、ループ電極アセンブリ(1140)は、第1の極性のRFエネルギーを提供し、針電極アセンブリ(1370)は、第2の極性のRFエネルギーを提供する。別の例として、ループ電極アセンブリ(1140)は、それ自体が双極RFエネルギーを組織に印加するように構成されてもよい。例えば、弓状アーム(1142)は、第1の極性のRFエネルギーを提供するように構成されてもよく、弓状アーム(1144)は、第2の極性のRFエネルギーを提供するように構成されてもよい。針電極アセンブリ(1370)のいくつかの変形形態はまた、それ自体が、双極RFエネルギーを組織に印加するように構成されてもよい。例えば、第1の導電性リング(1380)及び第3の導電性リング(1384)は、第1の極性のRFエネルギーを提供するように構成されてもよく、第2の導電性リング(1382)及び第4の導電性リング(1386)は、第2の極性のRFエネルギーを提供して、針シャフト(1374)に沿って軸線方向に交互の極性を提供するように構成されてもよい。いくつかの変形形態では、第2の導電性リング(1382)及び第4の導電性リング(1386)は、活性電極として機能してもよく、第1の導電性リング(1380)及び第3の導電性リング(1384)は、戻り電極として機能してもよい。ループ電極アセンブリ(1140)と針電極アセンブリ(1370)との間で極性が割り当てられ得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0116】
器具(1300)の使用中、操作者は、スタンピングタイプの動きを使用して、ループ電極アセンブリ(1140)を、操作者がアブレーションしたい(又は別様にRFエネルギーを印加したい)組織に対して押し付けてもよい。組織がループ電極アセンブリ(1140)によって適切に係合された状態で、操作者は、次に、RF発生器(1102)を作動させてもよく、ループ電極アセンブリ(1140)の弓状アーム(1142、1144)は、ループ電極アセンブリ(1140)が押し付けられている組織に双極RFエネルギーを印加する電極として機能する。これは、比較的浅いアブレーションを提供し得る。操作者が比較的深いアブレーションを提供することを望むシナリオでは、操作者は、針電極アセンブリ(1370)を組織内に前進させ、針電極アセンブリ(1370)の少なくとも2つの導電性リング(1380、1382、1384、1386)を作動させて、針電極アセンブリ(1370)が配設されている組織にRFエネルギーを印加してもよい。操作者が体積アブレーションを適用することを望むシナリオでは、操作者は、針電極アセンブリ(1370)の少なくとも1つの導電性リング(1380、1382、1384、1386)を、ループ電極アセンブリ(1140)の少なくとも1つの弓状アーム(1142、1144)と同時に作動させてもよい。単に更なる例として、器具(1300)は、ヴィディアン神経切断術、後鼻神経切除術、鼻甲介整復、又は任意の他の好適な処置を実行するために使用されてもよい。場合によっては、ループ電極アセンブリ(1140)と針電極アセンブリ(1370)との組み合わせを使用して、鼻甲介整復を実行してもよい。ループ電極アセンブリ(1140)及び/又は針電極(1370)を使用してRFエネルギーを組織に印加し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0117】
図示されていないが、器具(1300)はまた、3次元空間におけるループ電極アセンブリ(1140)及び/若しくは針電極アセンブリ(1370)、又は器具(1300)のいくつかの他の構成要素の位置を示す信号を生成するように動作可能な1つ以上の位置センサを含んでもよい。このような位置センサは、シャフトアセンブリ(1130)に直接組み込まれてもよいか、又は他の場所で器具に組み込まれてもよい。加えて、又は代替的に、このような位置センサは、シャフトアセンブリ(1130)内に配設されたガイドワイヤ又は他の構成要素に組み込まれてもよい。このような位置センサは、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ以上のコイルの形態をとってもよい。このような位置信号によって生成された位置データは、ループ電極アセンブリ(1140)及び/若しくは針電極アセンブリ(1370)、又は器具(1300)のいくつかの他の構成要素が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、視覚的表示を操作者に提供するシステムによって処理されてもよい。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に取得された1つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。このような位置感知及びナビゲーション能力は、本明細書に引用される様々な参考文献の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0118】
XI.鈍端遠位先端電極及び針電極を有するRFアブレーション器具の例
図25A~
図25Bは、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(1400)の別の例の遠位部分を示す。例えば、器具(1400)は、神経(例えば、後鼻神経(40))をアブレーションするため、鼻甲介(例えば、鼻甲介(20、22、24)のいずれか)をアブレーションするため、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造をアブレーションする、電気穿孔する(例えば、治療薬の吸収を促進するためなど)、若しくは抵抗加熱を適用するために使用されてもよい。本明細書に別段の説明がない限り、器具(1400)は、器具(1100)と実質的に同様である。この実施例の器具(1400)は、ハンドルアセンブリ(1110)、シャフトアセンブリ(1430)、及び針電極アセンブリ(1150)を含む。本実施例では、針電極アセンブリ(1150)が示されているが、器具(1400)は、代替的に、上で考察された針電極アセンブリ(1270)又は針電極アセンブリ(1370)などの任意の他の好適なタイプの針電極又は針電極アセンブリを含んでもよい。器具(1400)は、RF発生器(1102)と連結されており、これは、以下でより詳細に説明するように、電極(1170、1172、1464、1466)を介して組織に送達するためのRF電気外科用エネルギーを生成するように動作可能である。
図25Aから
図25Bへの移行は、針電極アセンブリ(1150)がスライダ(1122)によって近位位置から遠位位置へ駆動されていることを示す。当然のことながら、ハンドルアセンブリ(1110)は、単に例示的な例であり、スライダ(1122)は、針電極アセンブリ(1150)の並進を駆動するための任意の他の好適な種類の構造で置き換えられてもよい。
【0119】
本実施例のシャフトアセンブリ(1430)は、剛性部分(1432)、剛性部分(1432)の遠位にある可撓性部分(1434)、及び開口遠位端(1436)を含む。プルワイヤ(図示せず)は、シャフトアセンブリ(1130)に関して上述したように、シャフトアセンブリ(1430)に操縦性を付与するために、ハンドルアセンブリ(1110)の可撓性部分(1434)と連結され、かつ偏向制御ノブ(1116)と連結されている。シャフトアセンブリ(1430)はまた、シャフトアセンブリ(1130)に関して上述したように、剛性部分(1432)の長手方向軸線を中心として、ハンドルアセンブリ(1110)に対して回転可能であってもよい。
【0120】
この実施例のシャフトアセンブリ(1430)は、開口遠位端(1436)に位置付けられた略リング形状の鈍端遠位先端電極アセンブリ(1460)を更に含む。遠位先端電極アセンブリ(1460)は、開口遠位端(1436)において可撓性部分(1434)にしっかりと固定された環状先端部本体(1462)を含む。いくつかの変形形態では、先端部本体(1462)は、プラスチック及び/又はいくつかの他の電気絶縁性材料を含み、可撓性部分(1434)は、金属材料を含む。この実施例の遠位先端電極アセンブリ(1460)は、先端部本体(1462)の遠位に面する表面上で互いに角度的に離間された一対の弓状導電素子(1464、1466)を更に含む。本実施例では、導電素子(1464、1466)は、単一の半径によって画定された曲線に沿って延在している。したがって、導電素子(1464、1466)と先端部本体(1462)とが協働して、略円形状を画定する。いくつかの他の変形形態では、導電素子(1464、1466)と先端部本体(1462)とが協働して、楕円形、卵形、正方形、三角形、又は別様に非円形である形状を画定する。本実施例では、導電素子(1464、1466)及び先端部本体(1462)によって画定された略円形状は、シャフトアセンブリ(1430)の長手方向軸線に垂直な平面に沿って延在している。いくつかの他の変形形態では、導電素子(1464、1466)及び先端部本体(1462)によって画定された略円形状(又は他の非円形状)は、シャフトアセンブリ(1430)の長手方向軸線に対して斜めに配向されるか、又は別様にこれを横断する平面に沿って延在している。
【0121】
いくつかの変形形態では、導電素子(1464、1466)は各々、導電性ワイヤ、プレート、フィルム、及び/又はコーティングのうちの任意の1つ以上を含んでもよく、銅、金、鋼、アルミニウム、銀、ニチノールなどの金属導電性材料、及び/又は、導電性ポリマー、シリサイド、グラファイトなどの非金属導電性材料を含むが、これらに限定されない任意の好適な材料又は材料の組み合わせから形成されてもよい。導電素子(1464、1466)は、接着剤、蒸着、又は他の方法を介して固定されることを含むが、これらに限定されない任意の好適な様式で先端部本体(1462)に固定されてもよい。2つの導電素子(1464、1466)が示されているが、任意の他の好適な数の導電素子(1464、1466)が設けられてもよい。各導電素子(1464、1466)は、導電素子(1464、1466)をRF発生器(1102)と電気的に連結する、対応する1つ以上のワイヤ(複数可)、トレース(複数可)、及び/又は他の導電素子(複数可)と連結されている。
【0122】
本実施例では、導電素子(1464)は、第1の極性においてRFエネルギーを印加するように構成され、導電素子(1466)は、第2の極性においてRFエネルギーを印加するように構成されている。したがって、導電素子(1464、1466)は、導電素子(1464、1466)に接している組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能な電極として機能する。先端部本体(1462)は、導電素子(1464、1466)を互いに対して離間した関係で機械的に固定しながら、導電素子(1464、1466)間の短絡を防止する、プラスチック材料などの電気絶縁性材料から形成されてもよい。
【0123】
遠位先端電極アセンブリ(1460)及び針電極アセンブリ(1150)は、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。例えば、導電素子(1466)は、活性電極として機能してもよく、導電素子(1464)は、戻り電極として機能してもよい。このような変形形態では、針電極(1172)は、戻り電極として機能してもよく、針電極(1170)は、活性電極として機能してもよい。このようにして、障壁(1173)に対して第1の側面上に各々概ね位置付けられた針電極(1170)及び導電素子(1464)は、互いに協働して、針電極(1170)と導電素子(1464)との間の組織に双極RFエネルギーを提供し得る。同様に、障壁(1173)に対して第2の側面上に各々概ね位置付けられた針電極(1172)及び導電素子(1466)は、互いに協働して、針電極(1172)と導電素子(1466)との間の組織に双極RFエネルギーを提供し得る。
【0124】
器具(1400)の使用中、操作者は、スタンピングタイプの動きを使用して、遠位先端電極アセンブリ(1460)を、操作者がアブレーションしたい(又は別様にRFエネルギーを印加したい)組織に対して押し付けてもよい。組織が遠位先端電極アセンブリ(1460)によって適切に係合された状態で、操作者は、次に、RF発生器(1102)を作動させてもよく、遠位先端電極アセンブリ(1460)の導電素子(1464、1466)は、遠位先端電極アセンブリ(1460)が押し付けられている組織に双極RFエネルギーを印加する電極として機能する。これは、比較的浅いアブレーションを提供し得る。操作者が比較的深いアブレーションを提供することを望むシナリオでは、操作者は、針電極アセンブリ(1150)を組織内に前進させ、針電極アセンブリ(1150)を作動させて、針電極アセンブリ(1150)が配設されている組織にRFエネルギーを印加してもよい。操作者が体積アブレーションを適用することを望むシナリオでは、操作者は、針電極アセンブリ(1150)の少なくとも1つの針電極(1170、1172)を、遠位先端電極アセンブリ(1460)の少なくとも1つの導電素子(1464、1466)と同時に作動させてもよい。単に更なる例として、器具(1400)は、ヴィディアン神経切断術、後鼻神経切除術、鼻甲介整復、又は任意の他の好適な処置を実行するために使用されてもよい。場合によっては、遠位先端電極アセンブリ(1460)と針電極アセンブリ(1150)との組み合わせを使用して、鼻甲介整復を実行してもよい。遠位先端電極アセンブリ(1460)及び/又は針電極アセンブリ(1150)を使用してRFエネルギーを組織に印加し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0125】
図示されていないが、器具(1400)はまた、3次元空間における遠位先端電極アセンブリ(1460)及び/若しくは針電極アセンブリ(1150)、又は器具(1400)のいくつかの他の構成要素の位置を示す信号を生成するように動作可能な1つ以上の位置センサを含んでもよい。このような位置センサは、シャフトアセンブリ(1130)に直接組み込まれてもよいか、又は他の場所で器具に組み込まれてもよい。加えて、又は代替的に、このような位置センサは、シャフトアセンブリ(1130)内に配設されたガイドワイヤ又は他の構成要素に組み込まれてもよい。このような位置センサは、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ以上のコイルの形態をとってもよい。このような位置信号によって生成された位置データは、遠位先端電極アセンブリ(1460)及び/若しくは針電極アセンブリ(1150)、又は器具(1400)のいくつかの他の構成要素が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、視覚的表示を操作者に提供するシステムによって処理されてもよい。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に取得された1つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。このような位置感知及びナビゲーション能力は、本明細書に引用される様々な参考文献の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0126】
XII.鈍端遠位先端電極及び針電極並びに視覚化及び潅注アセンブリを有するRFアブレーション器具の例
図26~
図31は、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(1500)の別の例の遠位部分を示す。例えば、器具(1500)は、神経(例えば、後鼻神経(40))をアブレーションするため、鼻甲介(例えば、鼻甲介(20、22、24)のいずれか)をアブレーションするため、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造をアブレーションする、電気穿孔する(例えば、治療薬の吸収を促進するためなど)、若しくは抵抗加熱を適用するために使用されてもよい。本明細書に別段の説明がない限り、器具(1500)は、器具(1100)と実質的に同様である。この実施例の器具(1500)は、ハンドルアセンブリ(1110)、シャフトアセンブリ(1510)、遠位先端電極アセンブリ(1530)、並びに視覚化及び潅注アセンブリ(1700)を含む。器具(1500)は、RF発生器(1102)と連結されており、これは、以下でより詳細に説明するように、電極(1540、1550)を介して組織に送達するためのRF電気外科用エネルギーを生成するように動作可能である。この実施例では、器具(1500)は、ハンドルアセンブリ(1110)を含むものとして説明されているが、ハンドルアセンブリ(1110)は、単なる例示的な例であり、シャフトアセンブリ(1510)は、任意の他の好適な種類の本体から延在してもよい。
【0127】
本実施例のシャフトアセンブリ(1510)は、剛性近位部分(1512)、剛性近位部分(1512)の遠位にある可撓性部分(1514)、可撓性部分(1514)の遠位にある剛性遠位部分(1516)、及び開口遠位端(1518)を含む。プルワイヤ(図示せず)は、シャフトアセンブリ(1130)に関して上述したように、シャフトアセンブリ(1510)に操縦性を付与するために、ハンドルアセンブリ(1110)の可撓性部分(1514)と連結され、かつ偏向制御ノブ(1116)と連結されている。シャフトアセンブリ(1510)はまた、シャフトアセンブリ(1130)に関して上述したように、剛性近位部分(1512)の長手方向軸線を中心として、ハンドルアセンブリ(1110)に対して回転可能であってもよい。
【0128】
この実施例のシャフトアセンブリ(1510)は、開口遠位端(1518)に位置付けられた略リング形状の鈍端遠位先端電極アセンブリ(1530)を更に含む。遠位先端電極アセンブリ(1530)は、開口遠位端(1518)において剛性遠位部分(1516)に確実に固定された環状先端部本体(1520)を含む。いくつかの変形形態では、先端部本体(1520)は、プラスチック及び/又はいくつかの他の電気絶縁性材料を含み、剛性遠位部分(1516)は、金属材料を含む。この実施例の遠位先端電極アセンブリ(1530)は、先端部本体(1520)の遠位に面する表面上で互いに角度的に離間された一対の弓状導電素子(1540、1550)を更に含む。本実施例では、導電素子(1540、1550)は、単一の半径によって画定された曲線に沿って延在している。したがって、導電素子(1540、1550)と先端部本体(1520)とが協働して、略円形状を画定する。いくつかの他の変形形態では、導電素子(1540、1550)と先端部本体(1520)とが協働して、楕円形、卵形、正方形、三角形、又は別様に非円形である形状を画定する。本実施例では、導電素子(1540、1550)及び先端部本体(1520)によって画定された略円形状は、シャフトアセンブリ(1510)の長手方向軸線に垂直な平面に沿って延在している。いくつかの他の変形形態では、導電素子(1540、1550)及び先端部本体(1520)によって画定された略円形状(又は他の非円形状)は、シャフトアセンブリ(1510)の長手方向軸線に対して斜めに配向されるか、又は別様にこれを横断する平面に沿って延在している。
【0129】
いくつかの変形形態では、導電素子(1540、1550)は各々、導電性ワイヤ、プレート、フィルム、及び/又はコーティングのうちの任意の1つ以上を含んでもよく、銅、金、鋼、アルミニウム、銀、ニチノールなどの金属導電性材料、及び/又は、導電性ポリマー、シリサイド、グラファイトなどの非金属導電性材料を含むが、これらに限定されない任意の好適な材料又は材料の組み合わせから形成されてもよい。導電素子(1540、1550)は、接着剤、蒸着、又は他の方法を介して固定されることを含むが、これらに限定されない任意の好適な様式で先端部本体(1520)に固定されてもよい。本実施例の導電素子(1540)は、遠位に面する円周方向に延在する部分(1542)、内向きに面する円周方向に延在する部分(1544)、及び外向きに面する円周方向に延在する部分(1546)を含む。同様に、本実施例の導電素子(1550)は、遠位に面する円周方向に延在する部分(1552)、内向きに面する円周方向に延在する部分(1554)、及び外向きに面する円周方向に延在する部分(1556)を含む。2つの導電素子(1540、1550)が示されているが、任意の他の好適な数の導電素子(1540、1550)が設けられてもよい。各導電素子(1540、1550)は、導電素子(1540、1550)をRF発生器(1102)と電気的に連結する、対応する1つ以上のワイヤ(複数可)、トレース(複数可)、及び/又は他の導電素子(複数可)と連結されている。
【0130】
いくつかの変形形態では、導電素子(1540、1550)は、先端部本体(1520)の外面と実質的に同一平面上にある。いくつかの他の変形形態では、導電素子(1540、1550)は、先端部本体(1520)の外面に対して突出している。いくつかの他の変形形態では、導電素子(1540、1550)は、先端部本体(1520)の外面に対して窪んでいる。
【0131】
本実施例では、導電素子(1540)は、第1の極性においてRFエネルギーを印加するように構成され、導電素子(1550)は、第2の極性においてRFエネルギーを印加するように構成されている。したがって、導電素子(1540、1550)は、導電素子(1540、1550)に接触している組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能な電極として機能する。単に例として、導電素子(1540)は、活性電極として機能してもよく、導電素子(1550)は、戻り電極として機能してもよい。先端部本体(1520)は、導電素子(1540、1550)を互いに対して離間した関係で機械的に固定しながら、導電素子(1540、1550)間の短絡を防止する、プラスチック材料などの電気絶縁性材料から形成されてもよい。先端部本体(1520)によってこの間隔が維持された状態で、第1の角度間隙(1532)は、導電素子(1540、1550)のそれぞれの第1の自由端の間に画定され、第2の角度間隙(1534)は、導電素子(1540、1550)のそれぞれの第2の自由端の間に画定される。間隙(1532、1534)は、本実施例では、およそ180度だけ互いから角度的にオフセットされている。
【0132】
本実施例では、遠位先端電極アセンブリ(1530)は、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能であるが、他の器具類を器具(1500)と組み合わせて使用して、組織をアブレーションしてもよい。単に例として、本明細書に記載の様々な針電極及び/又は他の電極アセンブリのいずれかを、シャフトアセンブリ(1510)によって画定された作業チャネル(1560)に沿って前進させて、組織をアブレーションしてもよい。このような補助アブレーション器具類は、遠位先端電極アセンブリ(1530)と組み合わせて、又はその代わりに使用されてもよい。
【0133】
器具(1500)の使用中、操作者は、スタンピングタイプの動きを使用して、遠位先端電極アセンブリ(1530)を、操作者がアブレーションしたい(又は別様にRFエネルギーを印加したい)組織に対して押し付けてもよい。組織が遠位先端電極アセンブリ(1530)によって適切に係合された状態で、操作者は、次に、RF発生器(1102)を作動させてもよく、遠位先端電極アセンブリ(1530)の導電素子(1540、1550)は、遠位先端電極アセンブリ(1530)が押し付けられている組織に双極RFエネルギーを印加する電極として機能する。これは、比較的浅いアブレーションを提供し得る。操作者が比較的深いアブレーションを提供することを望むシナリオでは、操作者は、作業チャネル(1560)を介して針電極アセンブリを組織内に前進させ、針電極アセンブリを作動させて、針電極アセンブリが配設されている組織にRFエネルギーを印加してもよい。操作者が体積アブレーションを適用することを望むシナリオでは、操作者は、少なくとも1つの針電極(例えば、作業チャネル(1560)から遠位に延在する少なくとも1つの針電極など)を、遠位先端電極アセンブリ(1530)の少なくとも1つの導電素子(1540、1550)と同時に作動させてもよい。単に更なる例として、器具(1500)は、ヴィディアン神経切断術、後鼻神経切除術、鼻甲介整復、又は任意の他の好適な処置を実行するために使用されてもよい。場合によっては、遠位先端電極アセンブリ(1530)といくつかの他の電極アセンブリ(例えば、作業チャネル(1560)内に配設された電極アセンブリなど)との組み合わせを使用して、鼻甲介整復を実行してもよい。遠位先端電極アセンブリ(1530)を使用してRFエネルギーを組織に印加し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0134】
上述したように、本実施例の器具(1500)は、シャフトアセンブリ(1510)内に配設された視覚化及び潅注アセンブリ(1700)を更に含む。視覚化及び潅注アセンブリ(1700)は、シャフトアセンブリ(1510)の遠位端(1518)の遠位にある標的組織部位において、視覚化及び潅注を提供するように動作可能である。
図27~
図29で最もよく分かるように、この実施例の視覚化及び潅注アセンブリ(1700)は、プレート部材(1710)、カメラ(1740)、一対の照明要素(1720、1722)、及び一対の流体導管(1730、1750)を含む。カメラ(1740)は、作業チャネル(1560)がシャフトアセンブリ(1510)に沿って延在するための空間を依然として可能にしながら、シャフトアセンブリ(1510)内で寸法が合うように好適にサイズ決定されるカメラの形態であってもよく、それにより、追加の器具類、吸引、流体などが、カメラ(1740)に隣接する開口遠位端(1518)を通過することを可能にする。
【0135】
照明要素(1720、1722)は、カメラ(1740)の視野を照明するように構成され、かつそのように動作可能である。
図28で最もよく分かるように、照明要素(1720)は、カメラ(1740)の一方の側面に位置付けられ、照明要素(1722)は、カメラ(1740)の他方の側面に位置付けられている。本実施例では、2つの照明要素(1720、1722)が使用されているが、他の変形形態では、1つの照明要素(1720、1722)のみ、又は3つ以上の照明要素(1720、1722)を使用してもよい。本実施例では、照明要素(1720、1722)は、LEDを含む。いくつかの他の変形形態では、照明要素(1720、1722)は、光ファイバ構成要素を含む。例えば、各照明要素(1720、1722)は、1つ以上のそれぞれの光ファイバ又は光ファイバ束と光学的に連結されたレンズを含んでもよい。このような光ファイバ又は光ファイバ束は、シャフトアセンブリ(1510)に沿って延在してもよく、ハンドルアセンブリ(1110)(又はシャフトアセンブリ(1510)がそこから延在するいくつかの他の本体)に組み込まれるか、又は別様に提供される光源と光学的に連結されてもよい。
【0136】
照明要素(1720、1722)によってとられる形態にかかわらず、いくつかの変形形態では、照明要素(1720、1722)は、組織状態の視覚化を容易にするように選択された1つ以上の波長で光を放出するように駆動される。例えば、照明要素(1720、1722)の一方又は両方は、十分にアブレーションされた組織の色と関連付けられた波長で光を放出するように駆動されてもよい。いくつかのこのような変形形態では、光は、アブレーションが完了したことを操作者が視覚的に確認するのを支援するために、操作者に視覚的強調を提供してもよい。加えて、又は代替として、照明要素(1720、1722)の一方又は両方は、アブレーションされる組織の色と関連付けられた波長で光を放出するように駆動されてもよい。別の例として、いくつかの変形形態では、照明要素(1720、1722)の一方又は両方によって放出された光の波長の選択可能な変化を提供してもよく、その結果、波長は、操作者の選択に基づいて、かつ/又は処置の段階に基づいて変化してもよい。例えば、1つ以上のセンサ(例えば、組織インピーダンス検出器、サーミスタなど)は、標的組織の状態に関するリアルタイムのフィードバックを提供してもよく、このフィードバックは、照明要素(1720、1722)の一方又は両方によって放出された光の波長を自動的に変化させるために使用されてもよい。あるいは、照明要素(1720、1722)の一方又は両方によって放出された光は、任意の他の好適な特性を有してもよい。
【0137】
導管(1730、1750)は、この実施例ではカメラ(1740)の横方向に位置している。具体的には、導管(1730)は、カメラ(1740)に対して外側に位置付けられている一方で、照明要素(1720)に対して内側に位置付けられている。導管(1750)は、カメラ(1740)に対して外側に位置付けられている一方で、照明要素(1722)に対して内側に位置付けられている。いくつかの変形形態では、両方の導管(1730、1750)は、液体(例えば、生理食塩水など)の供給源と流体連通している。いくつかの他の変形形態では、両方の導管(1730、1750)は、吸引の供給源と流体連通している。いくつかの他の変形形態では、一方の導管(1730又は1750)は、液体の供給源と流体連通し、他方の導管(1750又は1730)は、吸引の供給源と流体連通している。なお他の変形形態では、導管(1730、1750)の一方又は両方は、弁アセンブリと流体連通してもよく、弁アセンブリは、液体の供給源及び吸引の供給源と連結されている。このような変形形態では、弁アセンブリは、導管(1730、1750)の一方又は両方を液体の供給源又は吸引の供給源と選択的に連結するために使用されてもよい。導管(1730、1750)のいずれか又は両方を液体の供給源及び/又は吸引の供給源と連結してもよい様々な好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0138】
導管(1730、1750)のうちの少なくとも一方が液体の供給源と連通している変形形態では、このような導管(複数可)(1730、1750)は、このような液体をカメラ(1740)の遠位端(1742)に送達するために使用されてもよい。遠位端(1742)を液体で洗い流すことによって、導管(1730、1750)は、遠位端(1742)がデブリに近づかないようにし、それにより、カメラ(1740)を介して適切な視覚化を維持するために使用され得る。遠位先端電極アセンブリ(1530)がRFエネルギーを組織に印加するために使用されているとき、導管(1730、1750)の一方又は両方を介して排出された液体はまた、電気的連続性の促進を支援し、標的アブレーション部位におけるインピーダンスを低減してもよく、それにより、好適なアブレーションを促進する。したがって、導管(1730、1750)の一方又は両方を介して排出された液体は、視覚化及びアブレーションを同時に又は順次に促進してもよい。
【0139】
導管(1730、1750)のうちの少なくとも一方が吸引の供給源と連通している変形形態では、このような導管(複数可)(1730、1750)は、過剰な液体(例えば、他方の導管(1730)を介して排出された液体など)を引き出すために使用されてもよい。加えて、又は代替として、吸引は、導管(1730、1750)の一方又は両方を介して適用され、煙、蒸気、及び/又は組織アブレーションプロセスからの他の吸引可能な結果を吸引してもよい。このような吸引は、カメラ(1740)の視野をクリアにするのに役立つことによって、アブレーションプロセス中及びその後の視覚化を更に促進し得る。
【0140】
この実施例のプレート部材(1710)は、プレート(1712)、及び一対の横方向に延在するタブ(1714、1718)を含む。プレート(1712)は、カメラ(1740)の上方に位置付けられ、したがって、作業チャネル(1560)に沿って前進する他の器具によってカメラ(1740)が引っかかり、場合によっては損傷を受けることを避けるように機能し得る。タブ(1714、1718)は、導管(1730、1750)のそれぞれの遠位端(1732、1752)の位置に対応するように位置付けられている。具体的には、
図28で最もよく分かるように、タブ(1714)は、導管(1730)の遠位端(1732)のすぐ遠位に位置付けられ、タブ(1718)は、導管(1750)の遠位端(1752)のすぐ遠位に位置付けられている。
図27で最もよく分かるように、タブ(1714)は、タブ(1714)の近位面と導管(1730)の遠位端(1732)との間に間隙(1716)を残すように更に位置付けられている。図示されていないが、同様の間隙が、タブ(1718)の近位面と導管(1750)の遠位端(1752)との間に残されてもよい。これらの間隙(1716)は、液体が遠位端(1732、1752)から逃げることを可能にするようにサイズ決定され、遠位端(1732、1752)を介して吸引が適用されることを可能にしてもよい。しかしながら、タブ(1714、1718)の存在は、遠位端(1732、1752)を介して排出された液体をカメラ(1740)の遠位端(1742)に向かって迂回させるのを支援してもよい。換言すれば、液体が導管(1730、1750)のいずれか又は両方に沿って搬送され、このような液体がこのような導管(複数可)(1730、1750)の遠位端(複数可)(1732、1752)から出るとき、対応するタブ(複数可)(1714、1718)は、排出された液体をカメラ(1740)の遠位端(1742)に向けて迂回させ、それにより、カメラ(1740)からデブリを洗い流すのを支援してもよい。いくつかの他の変形形態では、タブ(1714、1718)は省略される。プレート部材(1710)は、単に任意選択であるに過ぎない。
【0141】
上記に加えて、視覚化及び潅注アセンブリ(1700)の少なくとも一部、及び/又は器具(1500)の他の構成要素は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2020年6月11日に出願の「ENT Guide with Advanceable Instrument and Advanceable Endoscope Shaft」と題された米国特許仮出願第63/037,640号の教示の少なくともいくつかに従って構成され、かつ動作可能であってもよい。
【0142】
いくつかの変形形態では、器具(1500)は、シャフトアセンブリ(1510)の遠位端(1518)と視覚化及び潅注アセンブリ(1700)との間の相対的な並進を提供するように動作可能である。いくつかのこのような変形形態では、シャフトアセンブリ(1510)の遠位端(1518)は、ハンドルアセンブリ(1110)、又はシャフトアセンブリ(1510)がそこから延在するいくつかの他の本体に対して長手方向に並進するように動作可能であり、視覚化及び潅注アセンブリ(1700)は、ハンドルアセンブリ(1110)、又はシャフトアセンブリ(1510)がそこから延在するいくつかの他の本体に対して長手方向に静止したままである。いくつかの他の変形形態では、視覚化及び潅注アセンブリ(1700)は、ハンドルアセンブリ(1110)、又はシャフトアセンブリ(1510)がそこから延在するいくつかの他の本体に対して長手方向に並進するように動作可能であり、シャフトアセンブリ(1510)の遠位端(1518)は、ハンドルアセンブリ(1110)、又はシャフトアセンブリ(1510)がそこから延在するいくつかの他の本体に対して長手方向に静止したままである。いずれの場合も、シャフトアセンブリ(1510)の遠位端(1518)と視覚化及び潅注アセンブリ(1700)との間の相対的な長手方向の移動は、アブレーションが起こる前にアブレーションの標的となる組織領域を操作者がより容易に視覚化すること、アブレーション中に標的組織領域を視覚化すること、及び/又はアブレーション後に標的組織領域を視覚化することを可能にし得る。
【0143】
シャフトアセンブリ(1510)の遠位端(1518)と視覚化及び潅注アセンブリ(1700)との間の相対的な長手方向の移動を可能にする変形形態では、操作者は、
図26に示すように、シャフトアセンブリ(1510)の遠位端(1518)と視覚化及び潅注アセンブリ(1700)とを実質的に同じ長手方向位置に有することを望む場合があり、その間、操作者は、遠位端(1518)を標的組織領域に向かって操作する。操作者が標的組織領域に到達し、標的組織に対して遠位先端電極アセンブリ(1530)を押し付けると、操作者は、遠位先端電極アセンブリ(1530)を介してRFエネルギーを組織に印加しながら、
図30に示すように、視覚化及び潅注アセンブリ(1700)をシャフトアセンブリ(1510)の遠位端(1518)に対して近位に後退させることを望む場合がある。アブレーションが完了したと操作者が考えると、操作者は、アブレーションされた組織をより良好に視覚化して、アブレーションに満足していることを確認するために、
図31に示すように、視覚化及び潅注アセンブリ(1700)をシャフトアセンブリ(1510)の遠位端(1518)に対して遠位に前進させることを望む場合がある。操作者が、シャフトアセンブリ(1510)の遠位端(1518)に対して異なる長手方向位置にある視覚化及び潅注アセンブリ(1700)を有する器具(1500)を利用することを望む場合がある他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。同様に、シャフトアセンブリ(1510)の遠位端(1518)と視覚化及び潅注アセンブリ(1700)との間の相対的な長手方向の移動を提供するために使用され得る様々な好適なアクチュエータ及び機構などは、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0144】
別の単なる例示的な例として、器具(1500)は、導電素子(1540、1550)が先端部本体(1520)に対して長手方向に並進するように動作可能であるように、構成され、かつ動作可能であってもよい。
【0145】
ハンドルアセンブリ(1110)に対して(又はシャフトアセンブリ(1510)がそこから延在するあらゆる本体に対して)視覚化及び潅注アセンブリ(1700)の長手方向の移動を提供する変形形態では、カメラ(1740)を、ハンドルアセンブリ(1110)(又はシャフトアセンブリ(1510)がそこから延在するいくつかの他の本体)にも連結された画像プロセッサと連結するワイヤ、トレース、又は他の導電性経路内の、又はこれらに対するこのような移動を考慮する必要があり得る。照明要素(1720、1722)がLEDを含む変形形態では、照明要素(1720、1722)のLEDを、ハンドルアセンブリ(1110)(又はシャフトアセンブリ(1510)がそこから延在するいくつかの他の本体)にも連結された電源と連結するワイヤ、トレース、又は他の導電性経路内の、又はこれらに対する長手方向の移動を考慮することも必要であり得る。視覚化及び潅注アセンブリ(1700)がシャフトアセンブリ(1510)内に長手方向に固着されるシナリオであっても、視覚化及び潅注アセンブリ(1700)の電気構成要素を、ハンドルアセンブリ(1110)(又はシャフトアセンブリ(1510)がそこから延在するいくつかの他の本体)と連結された他の構成要素と連結するワイヤ、トレース、又は他の導電性経路内の、又はこれらに対する長手方向の移動を考慮する必要性が依然として存在し得る。例えば、このような長手方向の移動は、可撓性部分(1514)が剛性部分(1512)の長手方向軸線に対して横方向に偏向されたときに、このような偏向が視覚化及び潅注アセンブリ(1700)とハンドルアセンブリ(1110)(又はシャフトアセンブリ(1510)がそこから延在するいくつかの他の本体)との間の有効長さを長くし得るか又は短くし得るので、生じる場合がある。単に例として、視覚化及び潅注アセンブリ(1700)の電気構成要素と、ハンドルアセンブリ(1110)(又はシャフトアセンブリ(1510)がそこから延在するいくつかの他の本体)と連結された他の構成要素との間の電気経路(複数可)は、摺動スリップカップリング、サービスループ、伸長可能な機構、又は回路の構成要素間の相対的な長手方向の移動を可能にしながら電気的連続性を維持するように構成された他の機構を含んでもよい。単に更なる例として、伸張可能な回路構成要素は、1つ以上のトレースが形成された伸張可能なフレックス回路基板を含んでもよく、1つ以上のトレースは、伸張可能なフレックス回路基板が長手方向に伸張するにつれて、トレースが効果的に拡張することを可能にするジグザグ形状又は波形を有する。
【0146】
図示されていないが、器具(1500)はまた、3次元空間における遠位先端電極アセンブリ(1530)並びに/若しくは視覚化及び潅注アセンブリ(1700)、又は器具(1500)のいくつかの他の構成要素の位置を示す信号を生成するように動作可能な1つ以上の位置センサを含んでもよい。このような位置センサは、シャフトアセンブリ(1510)に直接組み込まれてもよいか、又は他の場所で器具に組み込まれてもよい。加えて、又は代替的に、このような位置センサは、シャフトアセンブリ(1510)内に配設されたガイドワイヤ又は他の構成要素に組み込まれてもよい。このような位置センサは、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ以上のコイルの形態をとってもよい。このような位置信号によって生成された位置データは、遠位先端電極アセンブリ(1530)及び/若しくは視覚化及び潅注アセンブリ(1700)、又は器具(1500)のいくつかの他の構成要素が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、視覚的表示を操作者に提供するシステムによって処理されてもよい。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に取得された1つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。このような位置感知及びナビゲーション能力は、本明細書に引用される様々な参考文献の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0147】
XIII.鈍端遠位先端電極及び非導電性針を有するRFアブレーション器具の例
図32は、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(1800)の別の例の遠位部分を示す。本明細書に別段の説明がない限り、器具(1800)は、器具(1100)と実質的に同様である。この実施例の器具(1800)は、ハンドルアセンブリ(1110)、シャフトアセンブリ(1830)、及び非導電性(例えば、絶縁性)針(1870)を含む。
図32は、針(1870)がスライダ(1122)によって近位位置から遠位位置に駆動されていることを示す。単に例として、針(1870)は、コア生検を実行するため、治療薬を送達するため、又は本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう任意の他の好適な機能を実行するために使用され得る。針(1870)は、針(1870)による組織の貫通を促進するために、鋭利な遠位先端部(例えば、環状ブレード)(1872)を含んでもよい。
【0148】
本実施例のシャフトアセンブリ(1830)は、剛性部分(1832)、剛性部分(1832)の遠位にある可撓性部分(1834)、及び開口遠位端(1836)を含む。この実施例のシャフトアセンブリ(1830)は、開口遠位端(1836)に位置付けられた略リング形状の鈍端遠位先端電極アセンブリ(1860)を更に含む。遠位先端電極アセンブリ(1860)は、開口遠位端(1836)において可撓性部分(1834)に確実に固定された環状先端部本体(1862)を含む。この実施例の遠位先端電極アセンブリ(1860)は、先端部本体(1862)の遠位に面する表面上で互いに角度的に離間された一対の弓状導電素子(1864、1866)を更に含む。いくつかの変形形態では、導電素子(1864、1866)は、導電素子(1864、1866)に接触する組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能な電極として機能するために、それぞれ、第1の極性及び第2の極性においてRFエネルギーを印加するように構成されている。
【0149】
XIV.鈍端遠位先端電極及び広がった針電極を有するRFアブレーション器具の例
図33は、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(1900)の別の例の遠位部分を示す。本明細書に別段の説明がない限り、器具(1900)は、器具(1100)と実質的に同様である。この実施例の器具(1900)は、ハンドルアセンブリ(1110)、シャフトアセンブリ(1830)、及び非導電性針(1870)から伸長可能かつその中に後退可能な針電極アセンブリ(1950)を含む。
図33は、針電極アセンブリ(1950)がスライダ(1122)によって近位位置から遠位位置に駆動されていることを示す。本実施例の針電極アセンブリ(1950)は、一対の直線針電極(1970、1972)を含み、一対の直線針電極(1970、1972)は、障壁(1973)によって互いに対して長手方向に固着され、直線針電極(1970、1972)が
図33に示すように遠位に位置付けられたときに、シャフトアセンブリ(1830)の長手方向軸線に沿って、又はこれと平行に延在するように構成されている。本実施例の針電極アセンブリ(1950)は、複数の斜め針電極(1981、1983、1985、1987)を更に含み、これらは、斜め針電極(1981、1983、1985、1987)が
図33に示すように遠位に位置付けられたときに、シャフトアセンブリ(1830)の長手方向軸線に対して外向きに広がるように弾性的に付勢される。単に例として、斜め針電極(1981、1983、1985、1987)のこのような付勢及び/又は外向きの広がりは、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2020年8月19日に出願の「ENT Ablation Instrument with Electrode Loop」と題された米国特許出願第63/067,495号の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0150】
図示される実施例では、針電極(1970、1972、1981、1983、1985、1987)の近位部分は、カラー(1989)内で互いに固定されている。いくつかの変形形態では、針電極(1970、1972、1981、1983、1985、1987)によって(例えば、互いにかつ/又は導電素子(1864、1866)と協働することによって)貫通された組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能な電極として機能するために、針電極(1970、1981、1983)は、第1の極性においてRFエネルギーを印加するように構成され、針電極(1972、1985、1987)は、第2の極性においてRFエネルギーを印加するように構成されている。
【0151】
XV.鈍端遠位先端電極、広がった針電極、並びに視覚化及び潅注アセンブリを有するRFアブレーション器具の例
図34は、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(2000))の別の例の遠位部分を示す。本明細書に別段の説明がない限り、器具(2000))は、器具(1100)と実質的に同様である。この実施例の器具(2000))は、ハンドルアセンブリ(1110)、シャフトアセンブリ(1830)、非導電性針(1870)から伸長可能かつその中に後退可能な針電極アセンブリ(1950)、並びに視覚化及び潅注アセンブリ(1700)を含む。
図34は、針電極アセンブリ(1950)がスライダ(1122)によって近位位置から遠位位置に駆動されていることを示す。
図34に示す針電極アセンブリ(1950)は、
図33に示し、上述した針電極アセンブリ(1950)と同様に構成され、かつ動作可能であってもよい。
図34に示す視覚化及び潅注アセンブリ(1700)は、
図26~
図31に示し、上述した視覚化及び潅注アセンブリ(1700)と同様に構成され、かつ動作可能であってもよい。視覚化及び潅注アセンブリ(1700)がシャフトアセンブリ(1830)の残りの部分に対して並進可能である変形形態では、視覚化及び潅注アセンブリ(1700)は、針電極アセンブリ(1950)がシャフトアセンブリ(1830)の残りの部分に対して並進することとは独立して、シャフトアセンブリ(1830)の残りの部分に対して並進可能であってもよい。
【0152】
XVI.鈍端遠位先端電極、拡張アセンブリ、並びに視覚化及び潅注アセンブリを有するRFアブレーション器具の例
図35は、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(2100))の別の例の遠位部分を示す。本明細書に別段の説明がない限り、器具(2100))は、器具(1100)と実質的に同様である。この例の器具(2100))は、ハンドルアセンブリ(1110)、シャフトアセンブリ(1830)、拡張アセンブリ(2200)、並びに視覚化及び潅注アセンブリ(1700)を含む。
図35は、スライダ(1122)によって近位位置から遠位位置に駆動された拡張アセンブリ(2200)を示す。本実施例の拡張アセンブリ(2200)は、細長いシャフト(2202)、膨張可能なバルーン(2204)の形態の拡張可能な拡張器、及び鈍端遠位先端電極(2206)を含む。バルーン(2204)は、収縮状態で示されているが、バルーン(2204)は、耳、鼻、又は喉内の様々な解剖学的通路(例えば、耳管、副鼻腔口など)を拡張するために膨張されてもよい。いくつかの変形形態では、遠位先端電極(2206)は、(例えば、導電素子(1864、1866)と協働することによって)遠位先端電極(2206)に接触する組織に単極RFエネルギーを印加するように動作可能な、かつ/又は遠位先端電極(2206)に接触する組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能な電極として機能するように、第1の極性においてRFエネルギーを印加するように構成されている。視覚化及び潅注アセンブリ(1700)がシャフトアセンブリ(1830)の残りの部分に対して並進可能である変形形態では、視覚化及び潅注アセンブリ(1700)は、拡張アセンブリ(2200)がシャフトアセンブリ(1830)の残りの部分に対して並進することとは独立して、シャフトアセンブリ(1830)の残りの部分に対して並進可能であってもよい。
【0153】
XVII.鈍端遠位先端電極及び拡張アセンブリを有するRFアブレーション器具の例
図36は、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(2300)の別の例の遠位部分を示す。本明細書に別段の説明がない限り、器具(1300)は、器具(1100)と実質的に同様である。この実施例の器具(2300)は、ハンドルアセンブリ(1110)、シャフトアセンブリ(1830)、及び拡張アセンブリ(2200)を含む。
図36は、スライダ(1122)によって近位位置から遠位位置に駆動された拡張アセンブリ(2200)を示す。
図36に示す器具(2300)は、視覚化及び潅注アセンブリ(1700)が
図36の器具(2300)から省略されていることを除いて、
図35に示し、上述した器具(2100))と同様に構成され、かつ動作可能であってもよい。
【0154】
XVIII.鈍端遠位先端電極、生検アセンブリ、並びに視覚化及び潅注アセンブリを有するRFアブレーション器具の例
図37は、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(2400)の別の例の遠位部分を示す。本明細書に別段の説明がない限り、器具(2400)は、器具(1100)と実質的に同様である。この実施例の器具(2400)は、ハンドルアセンブリ(1110)、シャフトアセンブリ(1830)、生検アセンブリ(2500)、並びに視覚化及び潅注アセンブリ(1700)を含む。
図37は、スライダ(1122)によって近位位置から遠位位置に駆動された生検アセンブリ(2500)を示す。本実施例の生検アセンブリ(2500)は、細長いシャフト(2502)、及びその間で組織を選択的に切り取って捕捉するためにシャフト(2502)に枢動可能に連結された対向する一対の遠位生検ジョー(2504、2506)を含む。視覚化及び潅注アセンブリ(1700)がシャフトアセンブリ(1830)の残りの部分に対して並進可能である変形形態では、視覚化及び潅注アセンブリ(1700)は、生検アセンブリ(2500)がシャフトアセンブリ(1830)の残りの部分に対して並進することとは独立して、シャフトアセンブリ(1830)の残りの部分に対して並進可能であってもよい。
【0155】
XIX.後鼻神経をアブレーションする例示的な方法
器具(1100、1200、1300、1400、1500、1800、1900、2000、2100、2300、2400)の例示的な特徴を上で説明してきたが、器具(1100)を用いて患者の後鼻神経(40)上でアブレーションを実行する例示的な方法を、
図38A~
図38Bに関連して説明する。例示的な方法は、器具(1100)を用いて実行されることを示しているが、器具(1200、1300、1400、1500、1800、1900、2000、2100、2300、2400)を使用して同様の方法が実行されてもよいことが理解されよう。加えて、後鼻神経を治療するための器具(1100)を示して説明しているが、器具(1100)は、鼻腔(10)内の他の神経若しくは解剖学的構造をアブレーションするために、又は、患者の様々な他の解剖学的領域の組織をアブレーションするために、様々な他の外科手術用途に使用され得ることが理解されよう。例えば、本明細書の教示は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年12月12日公開の「Apparatus and Method for Performing Vidian Neurectomy Procedure」と題された米国特許出願公開第2019/0374280号の教示の少なくともいくつか、及び/又はその開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2020年9月18日に出願の「ENT Instrument with Expandable Ablation Feature」と題された米国特許出願第63/080,066号の教示の少なくともいくつかと組み合わせてもよい。
【0156】
図38Aに示すように、器具(1100)の遠位端は、鼻腔(10)に挿入され、下鼻甲介(20)及び中鼻甲介(22)の後端に向かっており、これは、例えば、内視鏡(図示せず)によって提供される視覚化の下で実行されてもよい。後鼻神経(40)の標的部分が存在する鼻壁(18)の標的部位に到達すると、操作者は、弓状アーム(1142、1144)を鼻壁(18)の表面に対して付勢し、弓状アーム(1142、1144)の接触点の間の鼻壁(18)の表面を通して針電極(1170、1172)を挿入し、それにより、弓状アーム(1142、1144)及び針電極(1170、1172)を後鼻神経(40)の標的部分と電気接触させるために、スライダ(1120、1122)を遠位に前進させ、それにより、
図38Bに示すように、ループ電極アセンブリ(1140)及び針電極アセンブリ(1150)を伸長させる。次いで、ループ電極アセンブリ(1140)及び針電極アセンブリ(1150)は、双極RFエネルギーを用いて個々に又は一緒に通電され、それにより、浅いアブレーション、深いアブレーション、及び/又は体積アブレーションを介して、後鼻神経(40)の標的部分をアブレーションする。
【0157】
XX.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、一部の変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略し得ることも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものとみなされるべきではない。
【実施例1】
【0158】
装置であって、(a)遠位端を有し、長手方向軸線を画定するシャフトと、(b)シャフトの遠位端にある第1の電極アセンブリであって、第1の電極アセンブリは、ループ形状を形成する第1の部材を含み、第1の電極アセンブリの第1の部材は、RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第1の電極アセンブリと、(c)シャフトの遠位端にある第2の電極アセンブリであって、第2の電極アセンブリは、鋭利な先端部を有する第1の針を含み、第1の針は、組織を貫通するように動作可能であり、第1の針は、RFエネルギーを組織に印加するように更に動作可能であり、第1の針は、第1の電極アセンブリの第1の部材を越えて遠位に、又は第1の電極アセンブリの第1の部材に対して横方向に突出するように更に構成されている、第2の電極アセンブリと、を備える、装置。
【実施例2】
【0159】
第1の電極アセンブリの第1の部材と、第1の針とは、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0160】
第1の電極アセンブリは、ループ形状を形成する第2の部材を更に含み、第1の電極アセンブリの第2の部材は、RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、実施例1~2のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例4】
【0161】
第1の電極アセンブリの第1の部材及び第2の部材は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例3に記載の装置。
【実施例5】
【0162】
第2の電極アセンブリは、鋭利な先端部を有する第2の針を更に含み、第2の針は、組織を貫通するように動作可能であり、第2の針は、RFエネルギーを組織に印加するように更に動作可能であり、第2の針は、第1の電極アセンブリの第1の部材を越えて遠位に、又は第1の電極アセンブリの第1の部材に対して横方向に突出するように更に構成されている、実施例1~4のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例6】
【0163】
第2の電極アセンブリの第1の針及び第2の針は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例5に記載の装置。
【実施例7】
【0164】
第1の針は、シャフトの長手方向軸線と位置合わせされた直針を含み、第2の針は、シャフトの長手方向軸線に対して斜めに延在している、実施例5~6のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例8】
【0165】
第2の針は、シャフトの長手方向軸線から離れて分岐する曲線上に延在している、実施例7に記載の装置。
【実施例9】
【0166】
第2の針は、曲線に沿って延在するように弾性的に付勢されている、実施例8に記載の装置。
【実施例10】
【0167】
第2の電極アセンブリは、シャフトの長手方向軸線に対して斜めに延在している複数の斜め針を更に含み、複数の斜め針は、シャフトの長手方向軸線を中心として互いに角度的に離間している、実施例7~9のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例11】
【0168】
シャフトは、遠位開口部及び複数の側方開口部を画定し、第1の針は、遠位開口部を通過するように構成され、複数の針は、側方開口部を通過するように構成されている、実施例10に記載の装置。
【実施例12】
【0169】
第2の電極アセンブリは、シャフトの長手方向軸線に対して斜めに延在している複数の斜め針を更に含み、複数の斜め針は、シャフトの長手方向軸線を中心として互いに角度的に離間しており、シャフトは、遠位開口部を画定し、第1の針及び複数の斜め針は、遠位開口部を通過するように構成されている、実施例1~9のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例13】
【0170】
シャフトに対して並進するように動作可能なシースを更に備える、実施例1~12のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例14】
【0171】
シースは、第1の電極アセンブリの少なくとも一部分を選択的に覆うか又は露わにするように動作可能である、実施例13に記載の装置。
【実施例15】
【0172】
シースは、第2の電極アセンブリの少なくとも一部分を選択的に覆うか又は露わにするように動作可能である、実施例11~14のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例16】
【0173】
第1の針は、シャフトに対して摺動可能に配設されている、実施例1~15のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例17】
【0174】
第1の針は、近位位置と遠位位置との間で選択的に移行するように動作可能であり、第1の針は、近位位置においてシャフト内に後退し、第1の針は、遠位位置においてシャフトに対して遠位に前進する、実施例16に記載の装置。
【実施例18】
【0175】
針アクチュエータを含むハンドルアセンブリを更に備え、針アクチュエータは、第1の針の並進をシャフトに対して駆動するように動作可能である、実施例14~17のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例19】
【0176】
シャフトは、屈曲可能セクションを含む、実施例1~18のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例20】
【0177】
屈曲可能セクションは、可鍛性である、実施例19に記載の装置。
【実施例21】
【0178】
屈曲可能セクションは、操縦可能である、実施例19に記載の装置。
【実施例22】
【0179】
ハンドルアセンブリを更に備え、ハンドルアセンブリは、シャフトの屈曲可能セクションの操縦を駆動するように動作可能な操縦アクチュエータを含む、実施例21に記載の装置。
【実施例23】
【0180】
第1の電極アセンブリの第1の部材は、シャフトの長手方向軸線と同軸に位置合わせされている、実施例1~22のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例24】
【0181】
第1の電極アセンブリの第1の部材は、シャフトの長手方向軸線を中心として同軸に配設されたリング電極を含む、実施例23に記載の装置。
【実施例25】
【0182】
第1の電極アセンブリは、シャフトの長手方向軸線を中心として同軸に配設された複数のリング電極を更に含む、実施例24に記載の装置。
【実施例26】
【0183】
リング電極は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例25に記載の装置。
【実施例27】
【0184】
第2の電極アセンブリは、更に含む、実施例1~26のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例28】
【0185】
シャフトの遠位端に鈍端先端電極を更に備える、実施例1~27のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例29】
【0186】
鈍端先端電極と、第1の電極アセンブリの第1の部材とは、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例28に記載の装置。
【実施例30】
【0187】
鈍端先端電極及び第1の針は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例28~29のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例31】
【0188】
鈍端先端電極は、開口部を画定し、第1の針は、鈍端先端電極の開口部を通過するように構成されている、実施例28~30のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例32】
【0189】
シャフトは、遠位先端部で終端し、第1の電極アセンブリの第1の部材は、シャフトの遠位先端部の近位に位置付けられている、実施例1~31のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例33】
【0190】
シャフトは、遠位先端部で終端し、第1の電極アセンブリの第1の部材は、シャフトの遠位先端部の遠位に位置付けられている、実施例1~31のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例34】
【0191】
ループ形状は、平面に沿って延在し、ループ形状の平面は、シャフトの長手方向軸線に対して横方向に配向されている、実施例1~33のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例35】
【0192】
ループ形状の平面は、シャフトの長手方向軸線に対して垂直に配向されている、実施例34に記載の装置。
【実施例36】
【0193】
ループ形状は、平面に沿って延在し、ループ形状の平面は、シャフトの長手方向軸線と平行に配向されている、実施例1~33のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例37】
【0194】
第1の電極アセンブリの第1の部材は、ループ形状を形成するように弾性的に付勢されている、実施例1~36のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例38】
【0195】
第1の電極アセンブリの第1の部材は、(i)第1の弓状セグメントと、(ii)第2の弓状セグメントと、を含み、第2の弓状セグメントは、第1の弓状セグメントから角度的に離間している、実施例1~37のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例39】
【0196】
第1の電極アセンブリの第1の部材は、第1の弓状セグメントと第2の弓状セグメントとの間に角度をつけて挿入される絶縁部材を更に含む、実施例38に記載の装置。
【実施例40】
【0197】
第1の弓状セグメント及び第2の弓状セグメントは、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例38~39のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例41】
【0198】
ループ形状は、略円形ループを画定する、実施例1~40のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例42】
【0199】
ループ形状は、略長方形ループを画定する、実施例1~40のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例43】
【0200】
ループ形状は、略楕円形ループを画定する、実施例1~40のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例44】
【0201】
第1の電極アセンブリは、ループ形状を形成する第2の部材を更に含む、実施例1~43のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例45】
【0202】
第2の部材のループ形状は、第1の部材のループ形状よりも小さい、実施例44に記載の装置。
【実施例46】
【0203】
第2の部材のループ形状は、第1の部材のループ形状内に入れ子にされている、実施例45に記載の装置。
【実施例47】
【0204】
第1の電極アセンブリの第1の部材及び第2の部材は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例44~46のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例48】
【0205】
第1の針は、第2の部材のループ形状内から、シャフトの長手方向軸線に対して斜め外向きに延在している、実施例44~47のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例49】
【0206】
第1の針は、第1の電極アセンブリに対して横方向に位置付けられた第1の領域内に斜めに延在しており、第2の領域は、第1の領域とは反対側の第1の電極アセンブリの側面に画定され、第1の電極アセンブリの一部分は、電気絶縁性材料を含む第2の領域に面している、実施例48に記載の装置。
【実施例50】
【0207】
ループ形状は、シャフトの長手方向軸線と平行な平面に沿って延在し、第1の針は、ループ形状の平面に対して斜めに延在している、実施例1~49のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例51】
【0208】
第1の針は、ループ形状によって画定された内部領域内から斜めに延在している、実施例50に記載の装置。
【実施例52】
【0209】
第2の電極アセンブリは、第2の針を更に含み、第2の針は、ループ形状によって画定された内部領域内から斜めに延在している、実施例51に記載の装置。
【実施例53】
【0210】
第2の針は、第1の針に対して遠位に位置付けられている、実施例52に記載の装置。
【実施例54】
【0211】
第1の針及び第2の針は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例52~53のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例55】
【0212】
第1の電極アセンブリの第1の部材のループ形状は、シャフトの長手方向軸線に対して横方向に配向された平面に沿って延在しており、第1の針は、平面を通過する、実施例1~54のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例56】
【0213】
第2の電極アセンブリは、第2の針を更に含み、第2の針は、平面を通過する、実施例55に記載の装置。
【実施例57】
【0214】
第1の針及び第2の針は、互いに横方向に離間している、実施例56に記載の装置。
【実施例58】
【0215】
第1の針及び第2の針は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例55~57のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例59】
【0216】
第2の電極アセンブリは、(i)第1の針を中心として同軸に配設された電極シャフトと、(ii)電極シャフト上に位置付けられたリング電極と、を更に含み、リング電極は、シャフトの遠位端に対して遠位に位置付けられている、実施例1~58のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例60】
【0217】
リング電極は、第1の電極アセンブリに対して遠位に更に位置付けられている、実施例59に記載の装置。
【実施例61】
【0218】
第1の針及びリング電極は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例59~60のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例62】
【0219】
第1の針は、管腔を画定し、第1の針は、管腔を介して流体を遠位に分注するように動作可能である、実施例1~61のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例63】
【0220】
位置センサを更に備え、位置センサは、3次元空間における第1の電極アセンブリ又は第2の電極アセンブリのうちの一方又は両方の位置を示す信号を生成するように構成されている、実施例1~62のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例64】
【0221】
シャフト、第1の電極アセンブリ、及び第2の電極アセンブリは、患者の鼻腔内で寸法が合うように構成されている、実施例1~63のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例65】
【0222】
装置であって、(a)遠位端を有し、長手方向軸線を画定するシャフトと、(b)シャフト上に位置付けられた第1のリング電極であって、第1のリング電極は、長手方向軸線を中心として同軸に位置付けられ、第1のリング電極は、シャフトの遠位端の近位にある、第1のリング電極と、(c)シャフトの遠位端にある第1の針電極であって、第1の針電極は、鋭利な先端部を有し、第1の針電極は、組織を貫通するように動作可能であり、第1のリング電極及び第1の針電極は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、第1の針電極と、を備える、装置。
【実施例66】
【0223】
第1の針電極は、長手方向軸線に沿って遠位に延在している、実施例65に記載の装置。
【実施例67】
【0224】
第2のリング電極を更に備え、第2のリング電極は、長手方向軸線を中心として同軸に位置付けられ、第2のリング電極は、シャフトの遠位端の近位にある、実施例65~66のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例68】
【0225】
第1のリング電極及び第2のリング電極は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例67に記載の装置。
【実施例69】
【0226】
第1の針電極は、長手方向軸線に対して斜めに延在している、実施例65~68のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例70】
【0227】
第2の針電極を更に含み、第2の針電極は、長手方向軸線に対して斜めに延在している、実施例65~69のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例71】
【0228】
シャフトの周りに摺動可能に配設されたシースを更に備える、実施例65~70のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例72】
【0229】
シースは、第1のリング電極を選択的に覆うか及び露わにするように動作可能である、実施例71に記載の装置。
【実施例73】
【0230】
第1の針電極は、シャフトに対して摺動可能に配設されている、実施例65~72のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例74】
【0231】
第1の針電極を駆動してシャフトに対して並進させるように動作可能なアクチュエータを更に備える、実施例73に記載の装置。
【実施例75】
【0232】
シャフトの遠位端に位置する先端電極を更に備える、実施例65~72のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例76】
【0233】
第1のリング電極及び先端電極は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例75に記載の装置。
【実施例77】
【0234】
第1の針電極及び先端電極は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例75~76のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例78】
【0235】
装置であって、(a)遠位端を有し、長手方向軸線を画定するシャフトであって、遠位端は、遠位先端部で終端する、シャフトと、(b)シャフトの遠位端にあるループ電極アセンブリであって、ループ電極は、シャフトの長手方向軸線に対して横方向に配向された平面に沿って延在するループ形状を形成し、ループ電極アセンブリは、シャフトの遠位先端部に対して遠位に位置付けられている、ループ電極アセンブリと、(c)シャフトの遠位端にある第1の針電極であって、第1の針電極は、鋭利な先端部を有し、第1の針電極は、組織を貫通するように動作可能であり、ループ電極アセンブリ及び第1の針電極は各々、RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第1の針電極と、を備える、装置。
【実施例79】
【0236】
ループ電極アセンブリ及び第1の針電極は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例78に記載の装置。
【実施例80】
【0237】
ループ電極アセンブリは、(i)第1の弓状セグメントと、(ii)第2の弓状セグメントと、を備え、第2の弓状セグメントは、第1の弓状セグメントから角度的に離間している、実施例78~79のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例81】
【0238】
ループ電極アセンブリは、第1の弓状セグメントと第2の弓状セグメントとの間に角度的をつけて挿入される絶縁部材を更に含む、実施例80に記載の装置。
【実施例82】
【0239】
第1の弓状セグメント及び第2の弓状セグメントは、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例80~81のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例83】
【0240】
ループ形状は、略円形ループを画定する、実施例78~82のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例84】
【0241】
第1の針電極は、鋭利な先端部がループ形状に対して遠位に位置付けられるように、ループ形状の平面を通過するように構成されている、実施例78~83のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例85】
【0242】
シャフトの遠位端に複数の針電極を更に備え、複数の針電極は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例78~84のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例86】
【0243】
複数の針電極のうちの針電極の少なくともいくつかは、シャフトの長手方向軸線に対して斜めに延在するように構成されている、実施例85に記載の装置。
【実施例87】
【0244】
シャフトの遠位端に第2の針電極を更に備え、第2の針は、鋭利な先端部を有し、第2の針電極は、組織を貫通するように動作可能である、実施例78~86のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例88】
【0245】
第1の針電極及び第2の針電極は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例87に記載の装置。
【実施例89】
【0246】
第1の針電極及び第2の針電極は、互いに横方向に離間している、実施例87~88のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例90】
【0247】
第1の針電極及び第2の針電極は、互いに平行である、実施例87~89のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例91】
【0248】
第1の針電極及び第2の針電極は、シャフトの長手方向軸線と平行である、実施例90に記載の装置。
【実施例92】
【0249】
(i)第1の針電極を中心として同軸に配設された電極シャフトと、(ii)電極シャフト上に位置付けられたリング電極と、を更に備え、リング電極は、シャフトの遠位端に対して遠位に位置付けられている、実施例78~91のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例93】
【0250】
リング電極は、ループ電極アセンブリに対して遠位に更に位置付けられている、実施例92に記載の装置。
【実施例94】
【0251】
第1の針電極及びリング電極は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例92~93のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例95】
【0252】
装置であって、(a)遠位端を有し、長手方向軸線を画定するシャフトであって、遠位端は、遠位先端部で終端する、シャフトと、(b)シャフトの遠位端にあるループ電極アセンブリであって、ループ電極アセンブリは、シャフトの長手方向軸線と平行な平面に沿って延在する第1のループ形状を形成する第1の部材を含み、ループ電極アセンブリは、シャフトの遠位先端部に対して遠位に位置付けられる、ループ電極アセンブリと、(c)シャフトの遠位端にある第1の針電極であって、第1の針は、鋭利な先端部を有し、第1の針は、組織を貫通するように動作可能であり、ループ電極アセンブリ及び第1の針電極は各々、RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第1の針電極と、を備える、装置。
【実施例96】
【0253】
ループ電極アセンブリ及び第1の針電極は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例95に記載の装置。
【実施例97】
【0254】
ループ電極アセンブリは、シャフトの長手方向軸線と平行な平面に沿って延在する第2のループ形状を形成する第2の部材を含む、実施例95~96のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例98】
【0255】
第2のループ形状は、第1のループ形状内に入れ子にされている、実施例97に記載の装置。
【実施例99】
【0256】
第1の部材及び第2の部材は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例89~90のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例100】
【0257】
第1の針電極は、第1のループ形状と関連付けられた平面に対して斜めに延在している、実施例95~96のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例101】
【0258】
第1の針電極は、湾曲経路に沿って斜めに延在している、実施例100に記載の装置。
【実施例102】
【0259】
第1のループ形状は、略長方形である、実施例95~101のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例103】
【0260】
第1のループ形状は、略楕円形である、実施例95~101のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例104】
【0261】
第1の部材は、第1のセグメント及び第2のセグメントを含み、第1の部材の第1のセグメント及び第2のセグメントは、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例95~103のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例105】
【0262】
第1の針電極は、第1のループ形状によって画定された内部領域内に位置付けられている、実施例95~103のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例106】
【0263】
第2の針電極を更に備え、第2の針電極は、第1のループ形状によって画定された内部領域内に位置付けられている、実施例95~105のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例107】
【0264】
第2の針電極は、第1の針電極に対して遠位に位置付けられている、実施例106に記載の装置。
【実施例108】
【0265】
第1の針電極及び第2の針電極は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例106~107のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例109】
【0266】
第2の針電極は、第1のループ形状と関連付けられた平面に対して斜めに延在している、実施例98~108のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例110】
【0267】
第1の針電極は、ループ電極アセンブリに対して横方向に位置付けられた第1の領域内に斜めに延在しており、第2の領域は、第1の領域とは反対側のループ電極アセンブリの側面に画定され、ループ電極アセンブリの一部分は、電気絶縁性材料を含む第2の領域に面している、実施例95~109のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例111】
【0268】
方法であって、(a)ループ電極アセンブリを患者の鼻腔内の組織に対して押し付けることと、(b)患者の鼻腔内の組織を通して針電極を駆動することと、(c)双極RFエネルギーを、ループ電極アセンブリ及び針電極を介して患者の鼻腔内の組織に印加することと、を含む、方法。
【実施例112】
【0269】
装置であって、(a)遠位端を有し、長手方向軸線を画定するシャフトと、(b)シャフトの遠位端にある第1の電極アセンブリであって、第1の電極アセンブリは、RFエネルギーを組織に印加するように動作可能な部材を含む、第1の電極アセンブリと、(c)シャフトの遠位端にある第2の電極アセンブリであって、第2の電極アセンブリは、鋭利な先端部を有する第1の針を含み、第1の針は、組織を貫通するように動作可能であり、第1の針は、RFエネルギーを組織に印加するように更に動作可能であり、第1の針は、近位後退位置と、第1の針が第1の電極アセンブリの部材を越えて遠位に突出する遠位伸長位置との間で、シャフトに対して選択的に長手方向に並進可能である、第2の電極アセンブリと、を備える、装置。
【実施例113】
【0270】
第1の電極アセンブリの部材と、第1の針とは、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例112に記載の装置。
【実施例114】
【0271】
第1の電極アセンブリの部材は、(i)第1の弓状セグメントと、(ii)第2の弓状セグメントと、を含み、第2の弓状セグメントは、第1の弓状セグメントから角度的に離間している、実施例112~113のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例115】
【0272】
第1の電極アセンブリの部材は、第1の弓状セグメントと第2の弓状セグメントとの間に角度をつけて挿入される絶縁部材を更に含む、実施例114に記載の装置。
【実施例116】
【0273】
第1の弓状セグメント及び第2の弓状セグメントは、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例114~115のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例117】
【0274】
第1の電極アセンブリの部材は、シャフトの遠位端にしっかりと固定された鈍端先端電極を含む、実施例112~116のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例118】
【0275】
鈍端先端電極は、リング形状を形成し、開口部を画定し、第1の針は、鈍端先端電極の開口部を通過するように構成されている、実施例117に記載の装置。
【実施例119】
【0276】
リング形状は、平面に沿って延在し、リング形状の平面は、シャフトの長手方向軸線に対して横方向に配向されている、実施例118に記載の装置。
【実施例120】
【0277】
リング形状の平面は、シャフトの長手方向軸線に対して垂直に配向されている、実施例119に記載の装置。
【実施例121】
【0278】
第1の電極アセンブリの部材は、シャフトに対して選択的に長手方向に並進可能である、実施例112~116のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例122】
【0279】
第1の電極アセンブリの部材は、ループ形状を形成する、実施例121に記載の装置。
【実施例123】
【0280】
ループ形状は、平面に沿って延在し、ループ形状の平面は、シャフトの長手方向軸線に対して横方向に配向されている、実施例122に記載の装置。
【実施例124】
【0281】
ループ形状の平面は、シャフトの長手方向軸線に対して垂直に配向されている、実施例123に記載の装置。
【実施例125】
【0282】
第1の電極アセンブリの部材は、ループ形状を形成するように弾性的に付勢されている、実施例122~124のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例126】
【0283】
ループ形状は、略円形ループを画定する、実施例122~125のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例127】
【0284】
第2の電極アセンブリは、鋭利な先端部を有する第2の針を更に含み、第2の針は、組織を貫通するように動作可能であり、第2の針は、RFエネルギーを組織に印加するように更に動作可能であり、第2の針は、近位後退位置と、第2の針が第1の電極アセンブリの部材を越えて遠位に突出する遠位伸長位置との間で、シャフトに対して選択的に長手方向に並進可能である、実施例112~126のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例128】
【0285】
第1の針及び第2の針は、互いに横方向に離間している、実施例127に記載の装置。
【実施例129】
【0286】
第2の電極アセンブリは、第1の針と第2の針との間に横方向に介入される絶縁部材を更に含む、実施例128に記載の装置。
【実施例130】
【0287】
第2の電極アセンブリの第1の針及び第2の針は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例127~129のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例131】
【0288】
第1の針は、第1の絶縁性セグメントと、RFエネルギーを組織に印加するように動作可能な第1の導電性セグメントと、を含む針シャフトを更に含む、実施例112~126のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例132】
【0289】
針シャフトは、RFエネルギーを組織に印加するように動作可能であり、第1の導電性セグメントから軸線方向に離間された第2の導電性セグメントを更に含み、第1の絶縁性セグメントは、第1の導電性セグメントと第2の導電性セグメントとの間に軸線方向に挿入される、実施例131に記載の装置。
【実施例133】
【0290】
針シャフトの第1の導電性セグメント及び第2の導電性セグメントは、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例132に記載の装置。
【実施例134】
【0291】
第1の導電性セグメントは、第1の針が遠位伸長位置にあるときに、第1の電極アセンブリの部材を越えて遠位に突出するように構成されている、実施例131~133のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例135】
【0292】
第1の導電性セグメントは、第1の針の鋭利な先端部を含む、実施例131~134のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例136】
【0293】
第1の針は、絶縁性針シャフトと、絶縁性針シャフトの周りに位置付けられた少なくとも1つの導電性リングと、を更に含む、実施例112~126のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例137】
【0294】
少なくとも1つの導電性リングは、絶縁性針シャフトに沿って互いに軸線方向に離間された第1の導電性リング及び第2の導電性リングを含む、実施例136に記載の装置。
【実施例138】
【0295】
第1の針の第1の導電性リング及び第2の導電性リングは、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、実施例137に記載の装置。
【実施例139】
【0296】
少なくとも1つの導電性リングは、第1の針が遠位伸長位置にあるときに、第1の電極アセンブリの部材を越えて遠位に突出するように構成されている、実施例136~138のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例140】
【0297】
第1の針は、管腔を画定し、第1の針は、管腔を介して流体を遠位に分注するように動作可能である、実施例112~139のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例141】
【0298】
位置センサを更に備え、位置センサは、3次元空間における第1の電極アセンブリ又は第2の電極アセンブリのうちの一方又は両方の位置を示す信号を生成するように構成されている、実施例112~140のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例142】
【0299】
装置であって、(a)遠位端を有し、長手方向軸線を画定するシャフトと、(b)シャフトの遠位端にある第1の電極アセンブリであって、第1の電極アセンブリは、(i)第1の導電性セグメントであって、第1の導電性セグメントは、第1の極性においてRFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第1の導電性セグメントと、(ii)第1の導電性セグメントから角度的に離間された第2の導電性セグメントであって、第2の導電性セグメントは、第2の極性においてRFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第2の導電性セグメントと、を含む、第1の電極アセンブリと、(c)シャフトの遠位端にある第2の電極アセンブリであって、第2の電極アセンブリは、(i)組織を貫通するように動作可能な鋭利な先端部を有する第1の針と、(ii)第1の針によって提示された第1の導電性部分であって、第1の導電性部分は、第2の極性においてRFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第1の導電性部分と、(iii)第2の導電性部分であって、第2の導電性部分は、第1の極性においてRFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第2の導電性部分と、を含む、第2の電極アセンブリと、を備え、第1の導電性セグメント及び第2の導電性セグメントは、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能であり、第1の導電性部分及び第2の導電性部分は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能であり、第1の導電性セグメント及び第1の導電性部分は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能であり、第2の導電性セグメント及び第2の導電性部分は、双極RFエネルギーを組織に協働して印加するように動作可能である、装置。
【実施例143】
【0300】
第2の導電性部分は、第1の針によって提示されている、実施例142に記載の装置。
【実施例144】
【0301】
第1の針は、針シャフトを含み、第1の導電性部分及び第2の導電性部分は各々、針シャフトによって提示され、針シャフトは、第1の導電性部分と第2の導電性部分との間に絶縁性部分を含む、実施例143に記載の装置。
【実施例145】
【0302】
第1の針は、絶縁性針シャフトを含み、第1の導電性部分及び第2の導電性部分は、それぞれ、絶縁性針シャフトの周りに位置付けられた第1の導電性リング及び第2の導電性リングを含む、実施例143に記載の装置。
【実施例146】
【0303】
組織を貫通するように動作可能な鋭利な先端部を有する第2の針を更に備え、第2の導電性部分は、第2の針によって提示される、実施例142に記載の装置。
【実施例147】
【0304】
第1の導電性セグメントは、シャフトの長手方向軸線に対して第1の側面に位置付けられ、第2の導電性セグメントは、シャフトの長手方向軸線に対して第2の側面に位置付けられている、実施例142~146のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例148】
【0305】
第1の導電性部分は、シャフトの長手方向軸線に対して第1の側面に位置付けられ、第2の導電性部分は、シャフトの長手方向軸線に対して第2の側面に位置付けられている、実施例147に記載の装置。
【実施例149】
【0306】
第1の針は、近位後退位置と、第1の針が第1の電極アセンブリの第1の導電性セグメント及び第2の導電性セグメントを越えて遠位に突出する遠位伸長位置との間で、シャフトに対して選択的に長手方向に並進可能である、実施例142~148のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例150】
【0307】
第1の電極アセンブリの第1の導電性セグメント及び第2の導電性セグメントは、シャフトの遠位端に確実に固定されている、実施例142~149のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例151】
【0308】
第1の電極アセンブリの第1の導電性セグメント及び第2の導電性セグメントは、シャフトに対して選択的に長手方向に並進可能である、実施例142~149のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例152】
【0309】
第1の電極アセンブリは、シャフトの長手方向軸線に対して横方向に配向された平面に沿って延在するループ形状を形成する、実施例151に記載の装置。
【実施例153】
【0310】
ループ形状は、略円形ループを画定する、実施例152に記載の装置。
【実施例154】
【0311】
第1の電極アセンブリは、ループ形状を形成するように弾性的に付勢されている、実施例152~153のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例155】
【0312】
第1の電極アセンブリは、開口部を画定し、第1の針は、第1の電極アセンブリの開口部を通過するように構成されている、実施例142~154のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例156】
【0313】
方法であって、(a)電極アセンブリを患者の鼻腔内の組織に対して押し付けることと、(b)患者の鼻腔内の組織を通して針電極を駆動することと、(c)複数の双極RFエネルギー印加モードから、ある双極RFエネルギー印加モードを選択することであって、複数の双極RFエネルギー印加モードは、浅い双極RFエネルギー印加モード、深い双極RFエネルギー印加モード、及び体積双極RFエネルギー印加モードを含む、選択することと、(d)双極RFエネルギーを、選択された双極RFエネルギー印加モードにおいて、電極アセンブリ又は針電極のうちの少なくとも1つを介して、患者の鼻腔内の組織に印加することと、を含む、方法。
【実施例157】
【0314】
装置であって、(a)遠位端を有するシャフトアセンブリと、(b)シャフトアセンブリの遠位端にある電極アセンブリであって、電極アセンブリは、(i)シャフトアセンブリの遠位端において第1の角度範囲に沿って延在する第1の導電性セグメントであって、第1の導電性セグメントは、第1の極性においてRFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第1の導電性セグメントと、(ii)第1の導電性セグメントから角度的に離間された第2の導電性セグメントであって、第2の導電性セグメントは、シャフトアセンブリの遠位端において第2の角度範囲に沿って延在しており、第2の導電性セグメントは、第1の導電性セグメント及び第2の導電性セグメントが双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能であるように、第2の極性においてRFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第2の導電性セグメントと、を含む、電極アセンブリと、を備える、装置。
【実施例158】
【0315】
シャフトの遠位端において視覚化アセンブリを更に備え、視覚化アセンブリは、カメラを含む、実施例157に記載の装置。
【実施例159】
【0316】
視覚化アセンブリは、シャフトアセンブリに対して長手方向に固着されている、実施例158に記載の装置。
【実施例160】
【0317】
視覚化アセンブリ及びシャフトアセンブリは、視覚化アセンブリとシャフトアセンブリとの間の相対的な長手方向の並進を可能にするように構成されている、実施例158に記載の装置。
【実施例161】
【0318】
視覚化アセンブリ及び電極アセンブリは、視覚化アセンブリと電極アセンブリとの間の相対的な長手方向の並進を可能にするように構成されている、実施例158~160のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例162】
【0319】
流体導管を更に備え、流体導管は、(i)カメラからデブリを洗い流すこと、又は(ii)第1の導電性セグメント及び第2の導電性セグメントと組織との間の連続性を促進すること、のうちの一方又は両方のために、排出するように位置付けられ、かつそのように構成されている、実施例158~161のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例163】
【0320】
視覚化アセンブリは、流体導管を介して排出された液体をカメラに向けて迂回させるように位置付けられ、かつそのように構成された液体迂回部材を更に含む、実施例162に記載の装置。
【実施例164】
【0321】
流体導管は、シャフトアセンブリの遠位端において吸引を適用するように更に構成されている、実施例162~163のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例165】
【0322】
視覚化アセンブリは、カメラの視野を照明するように構成された照明要素を更に含む、実施例158~164のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例166】
【0323】
照明要素は、LEDを含む、実施例165に記載の装置。
【実施例167】
【0324】
シャフトアセンブリは、剛性近位部分及び可撓性遠位部分を含み、可撓性遠位部分は、剛性近位部分によって画定された長手方向軸線から離れる、又はそれに向かう遠位端の側方偏向を可能にするように構成されている、実施例157~166のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例168】
【0325】
シャフトアセンブリは、遠位端を画定する剛性遠位部分を更に含み、可撓性遠位部分は、剛性近位部分と剛性遠位部分との間に長手方向に挿入される、実施例167に記載の装置。
【実施例169】
【0326】
電極アセンブリは、シャフトアセンブリの遠位端に固定された遠位先端部材を更に含み、第1の導電性セグメント及び第2の導電性セグメントは、遠位先端部材に固定されている、実施例157~168のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例170】
【0327】
遠位先端部材は、非導電性材料を含む、実施例169に記載の装置。
【実施例171】
【0328】
第1の導電性セグメントは、弓形状を有し、第2の導電性セグメントは、弓形状を有する、実施例157~170のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例172】
【0329】
第1の導電性セグメント及び第2の導電性セグメントは、略円形状を共に画定する、実施例171に記載の装置。
【実施例173】
【0330】
電極アセンブリは、第1の導電性セグメントと第2の導電性セグメントとの間に第1の角度間隙を画定する、実施例157~172のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例174】
【0331】
電極アセンブリは、第1の導電性セグメントと第2の導電性セグメントとの間に第2の角度間隙を更に画定する、実施例173に記載の装置。
【実施例175】
【0332】
第2の角度間隙は、第1の角度間隙から180度離れて角度的に離間されている、実施例174に記載の装置。
【実施例176】
【0333】
シャフトアセンブリの遠位端は、遠位に面する円形縁部を画定し、第1の導電性セグメントは、遠位に面する円形縁部に沿って第1の角度範囲にわたって延在し、第2の導電性セグメントは、遠位に面する円形縁部に沿って第2の角度範囲にわたって延在している、実施例157~175のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例177】
【0334】
第1の導電性セグメントは、第1の遠位に面する部分を含み、第2の導電性セグメントは、第2の遠位に面する部分を含む、実施例157~176のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例178】
【0335】
第1の導電性セグメントは、第1の半径方向外向きに面する部分を含み、第2の導電性セグメントは、第2の半径方向外向きに面する部分を含む、実施例157~177のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例179】
【0336】
第1の導電性セグメントは、第1の半径方向内向きに面する部分を含み、第2の導電性セグメントは、第2の半径方向内向きに面する部分を含む、実施例157~178のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例180】
【0337】
シャフトアセンブリは、作業チャネルを画定する、実施例157~179のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例181】
【0338】
作業チャネルは、シャフトアセンブリの遠位端を越えて遠位に、かつ電極アセンブリを越えて遠位に、作業要素の前進を可能にするようにサイズ決定され、かつそのように構成されている、実施例180に記載の装置。
【0339】
XXI.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0340】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又は他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている既存の定義、見解、又は他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0341】
上述のデバイスの変形形態は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスのいくつかの変形形態は分解することができ、また、デバイスの任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は除去することができる。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、デバイスのいくつかの変形形態を、再調整用の施設において、又は処置の直前にユーザによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0342】
単に例として、本明細書に記載される変形形態は、処置の前及び/又は後に滅菌され得る。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックのような密閉及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスは、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線場に配置され得る。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスは、後の使用のために、滅菌容器内に保管され得る。デバイスはまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意の他の技術を用いて滅菌することができる。
【0343】
本発明の様々な実施形態を示し記載したが、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであり、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0344】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)遠位端を有するシャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリの前記遠位端にある電極アセンブリであって、前記電極アセンブリは、
(i)前記シャフトアセンブリの前記遠位端において第1の角度範囲に沿って延在する第1の導電性セグメントであって、前記第1の導電性セグメントは、第1の極性においてRFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第1の導電性セグメントと、
(ii)前記第1の導電性セグメントから角度的に離間された第2の導電性セグメントであって、前記第2の導電性セグメントは、前記シャフトアセンブリの前記遠位端において第2の角度範囲に沿って延在し、前記第2の導電性セグメントは、前記第1の導電性セグメント及び前記第2の導電性セグメントが双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能であるように、第2の極性においてRFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第2の導電性セグメントと、を含む、電極アセンブリと、を備える、装置。
(2) 前記シャフトの前記遠位端において視覚化アセンブリを更に備え、前記視覚化アセンブリは、カメラを含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記視覚化アセンブリ及び前記シャフトアセンブリは、前記視覚化アセンブリと前記シャフトアセンブリとの間の相対的な長手方向の並進を可能にするように構成されている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記視覚化アセンブリ及び前記電極アセンブリは、前記視覚化アセンブリと前記電極アセンブリとの間の相対的な長手方向の並進を可能にするように構成されている、実施態様2に記載の装置。
(5) 流体導管を更に備え、前記流体導管は、
(i)前記カメラからデブリを洗い流すこと、又は
(ii)前記第1の導電性セグメント及び前記第2の導電性セグメントと前記組織との間の連続性を促進すること、のうちの一方又は両方のために、液体を排出するように位置付けられ、かつそのように構成されている、実施態様2に記載の装置。
【0345】
(6) 前記視覚化アセンブリは、前記流体導管を介して排出された液体を前記カメラに向けて迂回させるように位置付けられ、かつそのように構成された液体迂回部材を更に含む、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記流体導管は、前記シャフトアセンブリの前記遠位端において吸引を適用するように更に構成されている、実施態様5に記載の装置。
(8) 前記視覚化アセンブリは、前記カメラの視野を照明するように構成された照明要素を更に含む、実施態様2に記載の装置。
(9) 前記シャフトアセンブリは、剛性近位部分及び可撓性遠位部分を含み、前記可撓性遠位部分は、前記剛性近位部分によって画定された長手方向軸線から離れる、又はそれに向かう前記遠位端の側方偏向を可能にするように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記電極アセンブリは、前記シャフトアセンブリの前記遠位端に固定された遠位先端部材を更に含み、前記第1の導電性セグメント及び前記第2の導電性セグメントは、前記遠位先端部材に固定されている、実施態様1に記載の装置。
【0346】
(11) 前記遠位先端部材は、非導電性材料を含む、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記第1の導電性セグメントは、弓形状を有し、前記第2の導電性セグメントは、弓形状を有する、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記電極アセンブリは、前記第1の導電性セグメントと前記第2の導電性セグメントとの間に第1の角度間隙を画定する、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記シャフトアセンブリの前記遠位端は、遠位に面する円形縁部を画定し、前記第1の導電性セグメントは、前記遠位に面する円形縁部に沿って前記第1の角度範囲にわたって延在し、前記第2の導電性セグメントは、前記遠位に面する円形縁部に沿って前記第2の角度範囲にわたって延在している、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記第1の導電性セグメントは、第1の遠位に面する部分を含み、前記第2の導電性セグメントは、第2の遠位に面する部分を含む、実施態様1に記載の装置。
【0347】
(16) 前記第1の導電性セグメントは、第1の半径方向外向きに面する部分を含み、前記第2の導電性セグメントは、第2の半径方向外向きに面する部分を含む、実施態様1に記載の装置。
(17) 前記第1の導電性セグメントは、第1の半径方向内向きに面する部分を含み、前記第2の導電性セグメントは、第2の半径方向内向きに面する部分を含む、実施態様1に記載の装置。
(18) 前記シャフトアセンブリは、作業チャネルを画定し、前記作業チャネルは、前記シャフトアセンブリの前記遠位端を越えて遠位に、かつ前記電極アセンブリを越えて遠位に、作業要素の前進を可能にするようにサイズ決定され、かつそのように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(19) 装置であって、
(a)遠位端を有し、長手方向軸線を画定するシャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端にある第1の電極アセンブリであって、前記第1の電極アセンブリは、ループ形状を形成する第1の部材を含み、前記第1の電極アセンブリの前記第1の部材は、RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である、第1の電極アセンブリと、
(c)前記シャフトの前記遠位端にある第2の電極アセンブリであって、前記第2の電極アセンブリは、鋭利な先端部を有する第1の針を含み、前記第1の針は、組織を貫通するように動作可能であり、前記第1の針は、RFエネルギーを組織に印加するように更に動作可能であり、前記第1の針は、前記第1の電極アセンブリの前記第1の部材を越えて遠位に、又は前記第1の電極アセンブリの前記第1の部材に対して横方向に突出するように更に構成されている、第2の電極アセンブリと、を備える、装置。
(20) 装置であって、
(a)遠位端を有し、長手方向軸線を画定するシャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端にある第1の電極アセンブリであって、前記第1の電極アセンブリは、RFエネルギーを組織に印加するように動作可能な部材を含む、第1の電極アセンブリと、
(c)前記シャフトの前記遠位端にある第2の電極アセンブリであって、前記第2の電極アセンブリは、鋭利な先端部を有する第1の針を含み、前記第1の針は、組織を貫通するように動作可能であり、前記第1の針は、RFエネルギーを組織に印加するように更に動作可能であり、前記第1の針は、近位後退位置と、前記第1の針が前記第1の電極アセンブリの前記部材を越えて遠位に突出する遠位伸長位置との間で、前記シャフトに対して選択的に長手方向に並進可能である、第2の電極アセンブリと、を備える、装置。
【国際調査報告】