(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(54)【発明の名称】気分を高めるための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/20 20060101AFI20230901BHJP
A23L 33/12 20160101ALI20230901BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20230901BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20230901BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20230901BHJP
A23K 20/158 20160101ALI20230901BHJP
A23K 50/40 20160101ALI20230901BHJP
【FI】
A61K31/20
A23L33/12
A23L2/52
A23L2/00 F
A61P25/24
A61P25/18
A23K20/158
A23K50/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512165
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(85)【翻訳文提出日】2023-04-12
(86)【国際出願番号】 US2021046556
(87)【国際公開番号】W WO2022040346
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520137235
【氏名又は名称】エピトラッカー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】EPITRACKER, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベン-ワトソン、ステファニー
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
4B018
4B117
4C206
【Fターム(参考)】
2B005AA06
2B150AA01
2B150AA06
2B150AB03
2B150AB10
2B150DA54
4B018LB08
4B018LB09
4B018MD10
4B018ME14
4B117LC04
4B117LK09
4C206AA01
4C206DA03
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZA12
4C206ZA18
(57)【要約】
奇数鎖飽和脂肪酸、及びその塩並びにそれらの誘導体を含む組成物、ならびに気分を高める及び/又は増強し、不安及び/又は疼痛を低下させ、うつ病を治療し、大うつ病性障害を治療し、又は季節性感情障害を治療するための方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気分を高める及び/又は増強する、不安及び/又は疼痛を低下させる、うつ病を治療する、大うつ病性障害を治療する、又は季節性感情障害を治療する方法であって:
C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩の有効量を、それを必要とする患者に、医薬組成物、栄養補助食品、又は食品中で投与することを含む、方法。
【請求項2】
投与することは、食品の成分として投与することである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
投与することは、栄養補助食品として投与することである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
C15:0脂肪酸の血清、血漿、又は赤血球膜濃度は、2.2μM超かつ30μM未満の濃度に増加される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
C15:0脂肪酸は、ペンタデカン酸である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む単位剤形中の医薬組成物として提供される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
単位剤形は、0.01mg~10000mgのC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
単位剤形は、100mg~200mgのC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
医薬組成物は、偶数鎖飽和脂肪酸を実質的に含まない、請求項6~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
医薬組成物は、多価不飽和脂肪酸を実質的に含まない、請求項6~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
医薬組成物は、C17:0脂肪酸を実質的に含まない、請求項6~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、1日1回患者に投与される、請求項6~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
患者は、ヒトである、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
患者は、哺乳動物である、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
患者は、家畜である、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
家畜は、イヌ又はネコである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
家畜はウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、シチメンチョウ、アヒル、又はニワトリである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
薬学的組成物中のC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩の有効量は、0.2~20mg/kg体重である、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
C15:0脂肪酸の有効量は、約5mg/kg体重である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
気分を高める及び/又は増強するため、不安及び/又は疼痛を低下させるため、うつ病を治療するため、大うつ病性障害を治療するため、又は季節性感情障害を治療するための組成物であって:
C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩;及び、
薬学的に許容される担体
を含む組成物。
【請求項21】
組成物は、単位剤形である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
組成物は、栄養補助食品の形態である、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
栄養補助食品は、単位剤形である、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
栄養補助食品は、食品、飲料、又は他の食料品と組み合わされるか、又はそれらに添加されるように適合された形態である、請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
組成物は、食品又は他の食料品である、請求項22に記載の組成物。
【請求項26】
C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩の血清、血漿、又は赤血球膜濃度は、2.2μM超かつ30μM未満の濃度に増加させるように適合された、請求項20~25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、ペンタデカン酸である、請求項20~26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
単位剤形は、0.01mg~10000mgのC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項29】
単位剤形は、100mg~200mgのC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
医薬組成物は、偶数鎖飽和脂肪酸を実質的に含まない、請求項20~29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
医薬組成物は、多価不飽和脂肪酸を実質的に含まない、請求項20~30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
医薬組成物は、C17:0脂肪酸を実質的に含まない、請求項20~31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
1日当たり0.2~20mg/kg体重のC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、それを必要とする患者に投与するために適合された、請求項20~31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
単位剤形は、1日1回の患者への投与に適合される、請求項23に記載の組成物。
【請求項35】
気分を高める及び/又は増強するため、不安及び/又は疼痛を低下させるため、うつ病を治療するため、大うつ病性障害を治療するため、又は季節性感情障害を治療するための組成物の使用であって:
C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩;及び、
薬学的に許容される担体
を含む組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照による組み込み)
本出願は、2020年8月20日に出願された米国仮出願第63/068,263号の優先権を主張する。前述の出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、ここに明示的に本明細書の一部とされる。
【0002】
(技術分野)
奇数鎖飽和脂肪酸、及びその塩並びにそれらの誘導体を含む組成物、ならびに気分を高める及び/又は増強し、不安及び/又は疼痛を低下させ、うつ病を治療し、大うつ病性障害を治療し、又は季節性感情障害を治療するための方法が提供される。
【背景技術】
【0003】
気分障害又は疼痛は、生活の質及び寿命を低下させ得る健康状態のリスクを増大させる。気分障害又は疼痛に罹患している個体は、心臓血管疾患、脂肪肝疾患、炎症促進状態、及び血栓形成促進状態を含む一連の状態を発症するリスクがより高い。気分障害及び疼痛はこれらの状態の原因因子又は寄与因子として同定されており、従って、気分障害及び疼痛の治療はこれらの状態を治療又は予防し、それによって健康及びクオリティオブライフを改善するための手段として提案されている。
【発明の概要】
【0004】
気分を高める及び/又は増強し、不安及び/又は疼痛を低下させ、うつ病を治療し、大うつ病性障害を治療し、又は季節性感情障害を治療するための組成物及び方法が提供される。これらの組成物は、1つ又は複数の奇数鎖飽和脂肪酸、奇数鎖飽和脂肪酸の誘導体、又はそれらの塩を含み、これらは、他の薬剤又はサプリメントと組み合わせて、又は本明細書に記載されるような様々な治療レジメンの一部として投与され得る。
【0005】
したがって、一般的に適用可能な第1の態様(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能)において、気分を高める及び/又は増強し、不安及び/又は疼痛を低下させ、うつ病を治療し、大うつ病性障害を治療し、又は季節性情動障害を治療する方法であって、それを必要とする患者に、有効量のC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を、医薬組成物、栄養補助食品、又は食品中に投与することを含む方法が提供される。
【0006】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、方法は、気分を高める及び/又は増強するためのものである。
【0007】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、方法は、不安を低下させるためのものである。
【0008】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、方法は、疼痛を低減するためのものである。
【0009】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、方法は、うつ病を治療するためのものである。
【0010】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、方法は、大うつ病性障害を治療するためのものである。
【0011】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、方法は、季節性感情障害を治療するためのものである。
【0012】
第1の態様(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)の一実施形態において、C15:0脂肪酸の血清、血漿、又は赤血球膜濃度は、2. 2μM超かつ30μM未満の濃度に増加される。
【0013】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、C15:0脂肪酸は、ペンタデカン酸である。
【0014】
第1の態様(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)の一実施形態において、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む単位剤形の医薬組成物として提供される。
【0015】
第1の態様(すなわち、本明細書で特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)の一実施形態では、単位剤形は、0.01mg~10000mgのC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0016】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書で特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)では、医薬組成物は、偶数鎖飽和脂肪酸を実質的に含まない。
【0017】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、多価不飽和脂肪酸を実質的に含まない。
【0018】
第1の態様(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)の一実施形態において、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、1日1回患者に投与される。
【0019】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、患者は、ヒトである。
【0020】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、患者は、哺乳動物である。
【0021】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、患者は、家畜である。
【0022】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、家畜は、イヌ又はネコである。
【0023】
第1の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、家畜は、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、シチメンチョウ、アヒル、又はニワトリである。
【0024】
第1の態様の一実施形態では(すなわち、本明細書で同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせることができる)、0.1mg又はそれ以下から500mg又はそれ以上、例えば、0.2mgから20mg、2.5mgから50mg、例えば、1.0から5.0mg、例えば、20から500mg、例えば、20から200mg、例えば、100mgの、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、1kg体重あたり、1日あたり、患者に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩の有効量は、0. 2~20mg/kg体重である。
【0025】
一般的に適用可能な第2の態様(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩;及び薬学的に許容される担体を含む、気分を高める及び/又は増強するため、不安及び/又は疼痛を低下させるため、うつ病を治療するため、大うつ病性障害を治療するため、又は季節性感情障害を治療するための組成物が提供される。
【0026】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、単位剤形の医薬組成物である。
【0027】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、栄養補助食品である。
【0028】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、栄養補助食品は、単位剤形である。
【0029】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書で特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)では、栄養補助食品は、食品、飲料、又は他の食料品と組み合わせられるか、又はそれらに添加されるように適合された形態である。
【0030】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、食品又は他の食料品である。
【0031】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、気分を高める及び/又は増強するためのものである。
【0032】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、不安を低下させるためのものである。
【0033】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、疼痛を低減するためのものである。
【0034】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、うつ病を治療するためのものである。
【0035】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、大うつ病性障害を治療するためのものである。
【0036】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、季節性感情障害を治療するためのものである。
【0037】
第2の態様(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)の一実施形態では、組成物は、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩の血清、血漿、又は赤血球膜濃度は、2.2μM超かつ30μM未満の濃度に増加させるように適合される。
【0038】
第2の態様(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)の一実施形態において、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、ペンタデカン酸である。
【0039】
第2の態様(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)の一実施形態では、単位剤形は、0.01mg~10000mgのC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0040】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書で特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)では、医薬組成物は、偶数鎖飽和脂肪酸を実質的に含まない。
【0041】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、多価不飽和脂肪酸を実質的に含まない。
【0042】
第2の態様(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)の一実施形態では、組成物は、それを必要とする患者に、体重1kgあたり、1mg以下~500mg以上、例えば、0.2mg~20mg、2.5mg~50mg、例えば、1.0~5.0mg、例えば、20~500mg、例えば、20~200mg、例えば、100mgの、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を投与するために適合される。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩の有効量は、0.2~20mg/kg体重である。
【0043】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、単位剤形は、1日1回の患者への投与に適合される。
【0044】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、患者は、ヒトである。
【0045】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、患者は、哺乳動物である。
【0046】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、患者は、家畜である。
【0047】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、家畜は、イヌ又はネコである。
【0048】
第2の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、家畜は、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、シチメンチョウ、アヒル、又はニワトリである。
【0049】
一般的に適用可能な第3の態様(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、気分を高める及び/又は増強するため、不安及び/又は疼痛を低下させるため、うつ病を治療するため、大うつ病性障害を治療するため、又は季節性感情障害を治療するための組成物の使用が提供され、上記組成物は、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩;及び薬学的に許容される担体を含む。
【0050】
第3の態様の実施形態(すなわち、本明細書で特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)では、使用は、気分を高める及び/又は増強するためである。
【0051】
第3の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、使用は、不安及び/又は疼痛を低下させるためのものである。
【0052】
第3の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、使用は、うつ病を治療するためのものである
【0053】
第3の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、使用は、大うつ病性障害のためのものである。
【0054】
第3の態様の実施形態(すなわち、本明細書で特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)では、使用は、季節性感情障害を治療するためのものである。
【0055】
第3の態様(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)の一実施形態において、C15:0脂肪酸の血清、血漿、又は赤血球膜濃度は、2. 2μM超かつ30μM未満の濃度に増加される。
【0056】
第3の態様の実施形態(すなわち、本明細書で特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)では、C15:0脂肪酸は、ペンタデカン酸である。
【0057】
第3の態様(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能)の一実施形態において、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む単位剤形の医薬組成物として提供される。
【0058】
第3の態様(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)の一実施形態では、単位剤形は、0.01mg~10000mgのC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0059】
第3の態様の実施形態(すなわち、本明細書で特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)では、医薬組成物は、偶数鎖飽和脂肪酸を実質的に含まない。
【0060】
第3の態様の実施形態(すなわち、本明細書において特定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、多価不飽和脂肪酸を実質的に含まない。
【0061】
第3の態様(すなわち、本明細書で同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)の一実施形態では、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、1日1回患者に投与される。
【0062】
第3の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、患者は、ヒトである。
【0063】
第3の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、患者は、哺乳動物である。
【0064】
第3の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、患者は、家畜である。
【0065】
第3の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、家畜は、イヌ又はネコである。
【0066】
第3の態様の実施形態(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、家畜は、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、シチメンチョウ、アヒル、又はニワトリである。
【0067】
第3の態様の一実施形態では(すなわち、本明細書で同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせることができる)、1mg又はそれ以下から500mg又はそれ以上、例えば、0.2mgから20mg、2.5mgから50mg、例えば、1.0から5.0mg、例えば、20から500mg、例えば、20から200mg、例えば、100mgの、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、1kg体重あたり、1日当たり、患者に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩の有効量は、0.2~20mg/kg体重である。
【0068】
第3の態様(すなわち、本明細書において同定される態様又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)の一実施形態において、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、食物の成分として投与される。
【0069】
第1~第6の態様の実施形態の特徴のいずれも、本明細書で特定されるすべての態様及び実施形態に適用可能である。さらに、第1~第6の態様の実施形態の特徴のいずれも、本明細書に記載される他の実施形態と部分的に又は全体的に独立して組み合わせ可能であり、例えば、1つ、2つ、又は3つ以上の実施形態は、全体的に又は部分的に組み合わせ可能であり得る。さらに、第1~第6の態様の実施形態の特徴のいずれも、他の態様又は実施形態に対して任意になされてもよい。方法又は使用の任意の態様又は実施形態は別の態様又は実施形態の組成物を使用して実施することができ、組成物の任意の態様又は実施形態は、別の態様又は実施形態の方法又は使用に適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】
図1は、増加濃度におけるペンタデカン酸の標的CB1及びCB2アゴニスト活性の棒グラフを示す。
【0071】
【
図2】
図2は、ペンタデカン酸及びブプロピオンHClの表現型プロファイル(the phenotypic profiles)の線グラフを示す。
【詳細な説明】
【0072】
気分を高める及び/又は増強し、不安及び/又は疼痛を低下させ、うつ病を治療し、大うつ病性障害を治療し、又は季節性感情障害を治療するための組成物及び方法が提供される。これらの組成物は、1つ又は複数の奇数鎖飽和脂肪酸、奇数鎖飽和脂肪酸の誘導体、又はそれらの塩を含み、これらは、他の薬剤又はサプリメントと組み合わせて、又は本明細書に記載されるような様々な治療レジメンの一部として投与され得る。
【0073】
(定義)
用語「アルコール」は、本明細書で使用される場合、広義の用語であり、当業者にその通常の慣用的な意味が与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されるものではない)、1つ又は複数のヒドロキシ基を組み込むか、又は1つ又は複数のヒドロキシ基を含むように置換又は官能化されている、本明細書に記載の任意の化合物を指すが、これらに限定されない。
【0074】
本明細書で使用される用語「誘導体」は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されるものではない)、1つ又は複数の誘導体基を組み込むか、又は1つ又は複数の誘導体基を含むように置換又は官能化されている、本明細書に記載の任意の化合物を指すが、これらに限定されない。誘導体としては、エステル、アミド、無水物、酸ハロゲン化物、チオエステル、リン酸塩、三リン酸塩、及びβ-スルフェニル誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
用語「炭化水素」は、は本明細書で使用される場合、広義の用語であり、当業者にその通常の慣例的な意味が与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されるものではない)、炭素及び水素原子のみを含む任意の部分を指すが、これらに限定されない。官能化又は置換された炭化水素部分は、本明細書の他の箇所に記載されるような1つ以上の置換基を有する。
【0076】
用語「脂質」は、本明細書で使用される場合、広義の用語であり、当業者にその通常の通例の意味が与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されない)、とりわけ、飽和及び不飽和の油及びワックス、誘導体、アミド、グリセリド、脂肪酸、脂肪アルコール、ステロール及びステロール誘導体、リン脂質、セラミド、スフィンゴ脂質、トコフェロール、ならびにカロテノイドを指すが、これらに限定されない。
【0077】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される」は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されるものではない)、妥当なリスク/利益比に相応する過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題の合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織との接触及び/又はヒト及び動物による消費に適した、健全な医学的判断の範囲内にある化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指すが、これらに限定されない。
【0078】
用語「薬学的に許容される塩」及び「薬学的に許容されるその塩」は、本明細書で使用される場合、広義の用語であり、それらの通常の及び慣例的な意味を当業者に与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されない)、薬学的に許容される非毒性の酸又は塩基から調製される塩を指すが、これらに限定されない。適切な薬学的に許容される塩としては、金属塩、例えば、アルミニウムの塩、亜鉛の塩、アルカリ金属塩、例えば、リチウム、ナトリウム、及びカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム及びマグネシウム塩;有機塩、例えば、リジン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、プロカイン、及びトリスの塩;遊離酸及び遊離塩基の塩;無機塩、例えば、硫酸塩、塩酸塩、及び臭化水素酸塩;ならびに現在広く薬学的に使用されており、当業者に周知の供給源、例えば、The Merck Indexに列挙されている他の塩が挙げられる。任意の適切な構成成分は非毒性であり、所望の活性を実質的に妨害しないという条件で、本明細書で論じられる治療剤の塩を作製するように選択することができる。塩に加えて、化合物の薬学的に許容される前駆体及び誘導体を用いることができる。薬学的に許容されるアミド、低級アルキル誘導体、及び保護誘導体もまた、好ましい実施形態の組成物及び方法における使用に好適であり得る。薬学的に許容される塩の形態で好ましい実施形態の化合物を投与することが可能であり得るが、中性形態で化合物を投与することが一般に好ましい。
【0079】
用語「医薬組成物」は、本明細書で使用される場合、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されない)、本明細書で開示される1つ又は複数の化合物と、希釈剤又は担体などの他の化学成分との混合物を指すが、これらに限定されない。医薬組成物は、生物への化合物の投与を容易にする。医薬組成物は、化合物を無機又は有機の酸又は塩基と反応させることによっても得ることができる。医薬組成物は一般に、特定の意図される投与経路に合わせて調整される。
【0080】
本明細書で使用される「担体」は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣例的な意味を与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されない)、細胞又は組織への化合物の組み込みを容易にする化合物を指すが、これらに限定されない。例えば、限定するものではないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)は対象の細胞又は組織への多くの有機化合物の取り込みを容易にする、一般的に利用される担体である。水、生理食塩水溶液、エタノール、及び鉱油も、特定の医薬組成物において使用される担体である。
【0081】
本明細書で使用される「希釈剤」は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されるものではない)、薬理学的活性を欠くが、薬学的に必要又は望ましい場合がある医薬組成物中の成分を指すが、これらに限定されない。例えば、希釈剤は、その質量が製造及び/又は投与には小さすぎる強力な薬物のバルクを増加させるために使用され得る。それはまた、注射、摂取又は吸入によって投与される薬物の溶解のための液体であってもよい。当技術分野における希釈剤の一般的な形態はヒト血液の組成を模倣するリン酸緩衝生理食塩水などの緩衝水溶液であるが、これらに限定されない。
【0082】
本明細書で使用するとき、「賦形剤」は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣例的な意味を与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されない)、限定されないが、バルク、コンシステンシー、安定性、結合能力、潤滑、崩壊能力などを組成物に提供するために医薬組成物に添加される物質を指す。「希釈剤」は、賦形剤の一種である。
【0083】
本明細書で使用するとき、「対象」は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されない)、治療、観察又は実験の対象である動物を指すが、これらに限定されない。「動物」は、冷血脊椎動物及び温血脊椎動物、ならびに魚類、貝類、爬虫類などの無脊椎動物、及び特に哺乳動物を含む。「哺乳動物」としては限定されないが、イルカ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、霊長類、例えば、サル、チンパンジー、及び類人猿、特にヒトが挙げられる。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0084】
本明細書で使用される場合、用語「治療すること」、「治療」、「治療的」、又は「治療」は、広義の用語であり、それらの通常の慣習的な意味を与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されるものではない)、限定されるものではないが、必ずしも疾患又は状態の完全な治癒又は廃止を意味するものではない。疾患又は状態の任意の望ましくないマーカー、徴候又は症状の任意の緩和は、任意の程度で、治療及び/又は治療とみなすことができる。さらに、治療は、患者の全体的な幸福感又は外観を悪化させ得る行為を含み得る。
【0085】
用語「治療有効量」及び「有効量」は、本明細書で使用される場合、広義の用語であり、当業者にその通常の及び慣習的な意味を与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されない)、示される生物学的又は薬学的応答を誘発する活性化合物又は薬学的作用物質の量を示すために限定されずに使用される。例えば、治療有効量の化合物は、状態のマーカー又は症状を予防、軽減又は改善するために必要な量、又は治療される対象の生存を延長するために必要な量であり得る。この応答は、組織、系、動物又はヒトにおいて起こり得、治療される疾患の徴候又は症状の緩和を含む。治療有効量の決定は、本明細書に提供される開示を考慮して、十分に当業者の能力の範囲内である。用量として必要とされる本明細書に開示される化合物の治療有効量は、投与経路、処置されるヒトを含む動物の種類、及び考慮される特定の動物の身体的特徴に依存する。用量は、所望の効果を達成するように調整することができるが、体重、食事、併用薬物療法、及び医学分野の当業者が認識する他の因子などの因子に依存する。
【0086】
用語「溶媒」は、本明細書で使用される場合、広義の用語であり、当業者にその通常の慣例的な意味が与えられるべきであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されない)、極性又は非極性、直鎖又は分枝鎖、環状又は脂肪族、芳香族、ナフテン系であり得、とりわけ、アルコール、誘導体、ジエステル、ケトン、アセテート、テルペン、スルホキシド、グリコール、パラフィン、炭化水素、無水物、複素環式化合物を含むが、これらに限定されない、他の化合物又は手段に対する溶解性のいくつかの特徴を有する化合物を指すが、これらに限定されない。
【0087】
本明細書で使用するとき、用語「実質的に含まない」は、15重量%以下、10重量%以下、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下の別の脂肪酸を含むことを意味する。
【0088】
用語「約」は、本明細書で使用される場合、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1%ほど変動する、参照量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量、又は長さを意味する。値の前に約という用語がある場合、構成要素は、その値に厳密に限定されるものではなく、値から変化する量を含むものとする。
【0089】
本明細書で言及される任意のパーセンテージ、比率又は他の量は、特に明記しない限り、重量基準である。
【0090】
(奇数鎖脂肪酸)
脂肪酸としては、本明細書で提供されるような飽和及び不飽和脂肪酸が挙げられ、脂肪酸は、当業者によって使用されるような従来の命名法を使用して言及され、記載される。飽和脂肪酸は、炭素-炭素二重結合を含まない。不飽和脂肪酸は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む。一不飽和脂肪酸は、1つの炭素-炭素二重結合のみを含む。多価不飽和脂肪酸は、2つ以上の炭素-炭素二重結合を含む。脂肪酸中の二重結合は一般にシスであるが、トランス二重結合も可能である。二重結合の位置はΔnによって示すことができ、ここで、nは、二重結合炭素原子の各対のより低い番号の炭素を示す。全#個の炭素:#個の二重結合、Δ二重結合位置の形式の簡略表記を使用することができる。例えば、20:4Δ5,8,11,14は20個の炭素原子及び4個の二重結合を有し、二重結合は、5~6個の炭素原子、8~9個の炭素原子、11~12個の炭素原子、及び14~15個の炭素原子の間に位置し、炭素原子1がカルボン酸基の炭素である脂肪酸を指す。ステアリン酸(オクタデカノエート)は飽和脂肪酸である。オレエート(シス-Δ9-オクタデセノエート)は一不飽和脂肪酸であり、リノレン酸(全シス-Δ9,12,15-オクタデカトリエノエート)は多価不飽和脂肪酸である。炭素の総数は「C」に先行することができ、二重結合位置は特定されなくてもよく、例えば、C20:4は、20個の炭素原子及び4個の二重結合を有する脂肪酸を指す。
【0091】
脂肪酸は、様々な名称で称され得、例えば、ヘプタデカン酸は、ヘプタデシル酸、マルガリン酸、及びn-ヘプタデシル酸、又はC17:0と称され得る。脂肪酸は、当技術分野で知られているように、脂質番号によって言及され得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、脂肪酸は、奇数鎖飽和脂肪酸であり得る。さらなる実施形態では、1つ以上の脂肪酸は、少なくとも1つの奇数鎖飽和脂肪酸を含むことができる。
【0093】
奇数鎖脂肪酸の例は、マーガリン酸(ヘプタデカン酸、C17:0)、ペラルゴナート(ノナン酸、C9:0)、ウンデカン酸(C11:0)、ノナデカン酸(C19:0)、ペンタデカン酸(C15:0)、アラキドナート((5Z,8Z,11Z,14Z)-イコサ-5,8,11,14-テトラエン酸)、アドレナート(オールシス-7,10,13,16-ドコサテトラエン酸)、オスボンド酸(オールシス-4,7,10,13,16-ドコサペンタエン酸)である。一般に、1つ又は複数の奇数鎖脂肪酸は、9個の炭素原子~31個の炭素原子(9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、又は31個の炭素原子)、例えば、15個~21個の炭素原子、例えば、17個の炭素原子を有するが、特定の実施形態では、より高い又はより低い奇数の炭素原子が許容され得る。一般に、1つ又は複数の奇数鎖脂肪酸は、飽和であるが、特定の実施形態では、一価又は多価不飽和奇数鎖脂肪酸が許容され得る。
【0094】
奇数鎖脂肪酸は、飽和又は不飽和炭化水素鎖を含み得る。奇数鎖脂肪酸は、カルボン酸誘導体として存在し得る。奇数鎖脂肪酸は、塩として、例えば、カルボキシル基に存在し得る。いくつかの実施形態では、1つの奇数鎖脂肪酸は、存在してもよく、2つの奇数鎖脂肪酸は、存在してもよく、3つの奇数鎖脂肪酸は、存在してもよく、又はそれ以上であってもよい。いくつかの実施形態では、複数の奇数鎖脂肪酸を含む混合物中の奇数鎖脂肪酸は、不飽和の量、炭化水素鎖の長さ、誘導体化の様々な状態によって、又は他の構造的特徴によって区別され得る。
【0095】
奇数鎖脂肪酸はバター(例えば、Mansson HL(2008)、Fatty acids in bovine milk fat,Food Nutr.Res.52:4参照)を含むいくつかの乳製品において微量に見出される。複数の研究により、奇数鎖脂肪酸を含む食品の毎日の食事摂取量の増加は血清又は、血漿レベルを成功裏に増加させることが実証されている(例えば、Benatar J.R.,Stewart R.A.H.(2014)、乳製品摂取量の変化がトランス及び飽和脂肪酸レベルに及ぼす影響-ランダム化比較研究からの結果。Nutr.。J.13:32を参照))。
【0096】
一般に、奇数鎖脂肪酸などの脂肪酸は、遊離脂肪酸又はそれらの誘導体として提供することができる。このような誘導体としては、アシルグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。アシルグリセリドは、3つまでのアシル脂肪酸エステルで置換されていてもよい。したがって、アシルグリセリドは、モノアシルグリセリド(MAG)、ジアシルグリセリド(DAG)、又はトリアシルグリセリド(TAG)であり得る。グリセリドは、2種類以上の脂肪酸エステルを含むことができる。例えば、グリセリドは、ヘプタデカノエート及びドコサノエートを含むことができる。グリセリドは、構造化トリアシルグリセリド(STAG)、プラスマローゲン、又はリン脂質であってもよい。脂肪酸エステルは、sn1位又はsn2位、又は両方の位置にあり得る。sn1位及びsn2位は、同じ又は異なる脂肪酸エステルによって置換され得る。非限定的な例として、構造化トリアシルグリセリドは、sn-1,3-C17-sn-2-オレオイルであり得る。
【0097】
いくつかの実施形態において、脂肪酸は、遊離脂肪酸、コレステロールエステル、グリセロールエステル(モノアシルグリセリド(MAG)、ジアシルグリセリド(DAG)、又はトリアシルグリセリド(TAG)を含むが、これらに限定されない)、リン脂質(ホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルエタノールアミン、又はホスファチジルセリンを含むが、これらに限定されない)、セラミド(ヘキソシルセラミドを含むがこれに限定されない)、又はスフィンゴ脂質として提供され得る。ホスファチジルコリンの非限定例は、2,3-ジ-C17:0-ホスファチジルコリンである。リゾホスファチジルコリンの非限定的な例は、2-リゾ-3-C17:0-ホスファチジルコリンである。いくつかの実施形態において、脂肪酸の誘導体は、β-スルフェニル誘導体であり得る。β-スルフェニル誘導体、例えば、酸又はエステルは、体内でのβ-酸化に対して耐性であり得ると考えられる。非限定的な例として、ヘプタデカン酸のβ-スルフェニル誘導体は、テトラデシルチオ酢酸である。誘導体は、当業者に公知の標準的な方法によって合成することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、脂肪酸は、特定の種類の脂質、例えば、セラミド、リン脂質、スフィンゴ脂質、膜脂質、糖脂質、又はトリグリセリドの構成成分として提供され得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、超長偶数鎖脂肪酸などの脂肪酸は、生物学的に利用可能な形態で提供される。用語「バイオアベイラビリティ」は、薬物の主要な薬物動態学的特性の1つで全身循環に達する未変化の薬物の投与用量の割合を指す。定義により、薬剤が静脈内投与される場合、そのバイオアベイラビリティは100%である。本明細書で使用される場合、用語「生物学的に利用可能である」は静脈内以外の投与方法、例えば、経口治療剤を使用する場合に、体によってうまく吸収される脂肪酸の形態を指す。いくつかの実施形態では、超長鎖脂肪酸ベースの組成物は、吸収を最適化する適応を含み得る。いくつかの実施形態では、超長鎖偶数鎖脂肪酸を、構造化トリアシルグリセリドとして提供することができる。さらなる実施形態では、脂肪酸は、構造化トリアシルグリセリドのsn-2位にある。
【0100】
純粋な又は精製された脂肪酸は、様々な物理的状態で存在し得る。例えば、ヘプタデカン酸は、室温で安定なオフホワイトの粉末として存在し、この化合物は、いくつかの商業的供給業者(例えば、ミズーリ州セントルイスのSigma-Aldrich社から)から少量の研究目的に適した形態で購入することができる。他の脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体は、油、固体、結晶性固体、又は気体として存在し得る。
【0101】
奇数鎖脂肪酸又はその薬学的に許容される塩又はそれらの誘導体は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、又は実質的に純粋な純度(例えば、バルク形態の脂肪酸、又はその薬学的に許容される塩又はそれらの誘導体のパーセンテージ)で提供され得、ここで、実質的に純粋は、不純物の存在からの生理学的効果が検出可能でないようなレベルの不純物を有する生成物を含み得るが、これに限定されるものではない。脂肪酸、例えば、奇数鎖脂肪酸及び/又は超長鎖偶数鎖脂肪酸、又はその薬学的に許容される塩又はそれらの誘導体の混合物は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、又は実質的に純粋な純度で存在し得る。脂肪酸、又はその混合物、又はその薬学的に許容される塩又はそれらの誘導体は、他の脂肪酸又は脂肪酸誘導体を含まなくてもよく、トリグリセリドを含まなくてもよく、又はリン脂質を含まなくてもよい。限定されるものではないが、本明細書で提供されるような奇数鎖脂肪酸は、偶数鎖脂肪酸を単独で又は基として実質的に含まなくてもよく;偶数鎖脂肪酸としては、例えば、ミリスチン酸(C14:0)、パルミチン酸(C16:0)、又はステアリン酸(C18:0)が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるような奇数鎖脂肪酸は、短鎖脂肪酸(SCFA、例えば、2~6個の炭素原子を有する脂肪酸)、中鎖脂肪酸(MCFA、例えば、7~12個の炭素原子を有する脂肪酸)、長鎖脂肪酸(LCFA、例えば、13~22個の炭素原子を有する脂肪酸)、又は超長鎖脂肪酸(VLCFA、例えば、23個以上の炭素原子を有する脂肪酸)を実質的に含まなくてもよい。
【0102】
奇数鎖脂肪酸又はその薬学的に許容される塩又はそれらの誘導体などの脂肪酸は、任意の供給源に由来し得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸、又はその薬学的に許容される塩又はそれらの誘導体は、天然源中に存在してもよく、天然源から単離されてもよく、半合成であってもよく、合成であってもよく、又はこれらの1つ以上の混合物であってもよい。脂肪酸、又はその薬学的に許容される塩又はそれらの誘導体は、実験室で生産されてもよく、天然で生産されてもよく、酵素的プロセスによって生産されてもよく、野生微生物によって生産されてもよく、遺伝的に改変された微生物によって生産されてもよく、動物組織から単離されてもよく、化学合成によって生産されてもよく、又は複数のこれらのプロセスによって生産されてもよい
【0103】
脂肪酸は、天然供給源、例えば、魚油に由来してもよく、又は当技術分野で公知の方法によって合成することができる。いくつかの実施形態では、脂肪酸は、未精製又は未精製天然産物中に存在する望ましくない成分で汚染されていてもよい。そのような状況では、望ましくない成分を除去するか、又は既知の分離又は精製技術を用いて所望の成分の濃度を増加させることが望ましい場合がある。
【0104】
記載される任意の化合物において、全ての互変異性体も含まれることが意図される。限定されないが、カルボキシル基の全ての互変異性体が含まれることが意図される。
【0105】
E又はZとして定義することができる幾何異性体を生成する1つ以上の二重結合を有する本明細書に記載の任意の化合物において、各二重結合は、独立して、E又はZ、又はそれらの混合物であってもよい。
【0106】
本明細書に開示される化合物が充填されていない原子価を有する場合、原子価は水素又はその同位体、例えば、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)で充たされるべきである。
【0107】
本明細書に記載されるように、奇数鎖脂肪酸などの脂肪酸は、結晶形態(多形体としても知られ、化合物の同じ元素組成の異なる結晶充填配列を含む)、非晶質相、塩、溶媒和物、及び水和物を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在する。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、非溶媒和形態で存在する。溶媒和物は化学量論量又は非化学量論量のいずれかの溶媒を含有し、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒を用いた結晶化のプロセス中に形成され得る。水和物は、溶媒が水である場合に形成され、又はアルコラートは溶媒がアルコールである場合に形成される。さらに、本明細書で提供される化合物は、非溶媒和形態ならびに溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は本明細書で提供される化合物及び方法の目的のために、非溶媒和形態と同等であると考えられる
【0108】
本明細書に記載の化合物は、同位体標識することができる。いくつかの状況では、重水素などの同位体での置換は、例えば、増加したインビボ半減期又は減少した用量要件など、より大きな代謝安定性に起因する特定の治療上の利点を与え得る。同位体置換は、例えば、化合物中の原子の運命をモニタリングする機会を提供することによって、化合物の投与に対する対象の応答をモニタリングする際に有益であり得る。化合物構造において表されるような各化学元素は、前記元素の任意の同位体を含み得る。例えば、化合物構造において、水素原子は、化合物中に存在すると明示的に開示又は理解され得る。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)を含むがこれらに限定されない、水素の任意の同位体であり得る。したがって、本明細書における化合物への言及は文脈が明らかに別段の指示をしない限り、すべての潜在的な同位体形態を包含する。
【0109】
食事中の様々な脂肪酸の有病率は、対象におけるメタボリックシンドロームの発生と相関している(例えば、Forouhi N,Koulman A,Sharp S,Imamura F,Kroger J,Schulze Mら.(2014),Differences in the prospective association between individual plasma phospholipid saturated fatty acids and incident type 2 diabetes: the EPIC-InterAct case-cohort study. Lancet Diabetes Endocrinol.2:810-8)。
実際、全脂肪乳製品摂取は、メタボリックシンドロームマーカーの低下したリスクと相関している(例えば、Kratz M,Marcovina S,Nelson JE,Yeh MM,Kowdley KV,Callahan HSら(2014), Dairy fat intake is associated with glucose tolerance, hepatic and systemic insulin sensitivity, and liver fat but not beta-cell function in humans,Am.J.Clin.Nutr.,99:1385-96を参照)。
【0110】
奇数鎖飽和脂肪酸が有益な効果を有するメカニズムは、十分に理解されていない。理論によって制限されることを望むものではないが、脂肪酸又はそれらの誘導体は、体内での代謝プロセスによって伸長(鎖長の増加)又は鎖短縮されて、異なる脂肪酸又はそれらの誘導体を形成し得ると考えられる。特定の脂肪酸の過酸化は、体内でシグナル伝達特性を有する産物を生成し得る。特定の鎖長の脂肪酸は、本明細書で提供される1つ以上の条件に実質的に寄与するシグナル伝達産物を生成すると考えられる。いくつかの実施形態では、奇数鎖脂肪酸は伸長して、超長鎖偶数鎖脂肪酸などの超長鎖脂肪酸を形成する。さらなる実施形態において、超長鎖偶数鎖脂肪酸は、奇数鎖脂肪酸に鎖短縮され得る。体内の超長鎖偶数鎖脂肪酸のレベルは、1つ以上の奇数鎖脂肪酸の投与後に増加し得る。体内の奇数鎖脂肪酸のレベルは、1つ以上の超長鎖偶数鎖脂肪酸の投与後に増加し得る。
【0111】
(1つ以上の脂肪酸を含む医薬組成物)
奇数鎖脂肪酸又は超長鎖偶数脂肪酸などの脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体、及び少なくとも1つの賦形剤を含む製剤が提供される。経口製剤において、実施形態の化合物を投与することが一般に好ましいが、他の投与経路も企図される。
【0112】
本明細書に記載の医薬組成物は、それ自体で対象に投与することができ、又はそれらが他の活性剤と、併用療法として、又は担体、希釈剤、賦形剤又はそれらの組み合わせと混合される組成物中に投与することができる。製剤は、選択される投与経路に依存する。本明細書に記載の化合物の製剤化及び投与のための技術は、当業者に公知である(例えば、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」,Lippincott Williams&Wilkins;第20版(June1,2003)及び「Remington’s Pharmaceut、(株)第18版、第19版(1985年12月、1990年6月)。
【0113】
本明細書に開示される医薬組成物は、それ自身公知の方法によって、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、レビゲーション、乳化、カプセル化、封入、錠剤化、又は抽出方法の手段によって製造することができる。本明細書に開示される薬学的組合せにおいて使用される化合物の多くは、薬学的に許容される対イオンとの塩として提供され得る。
【0114】
化合物を投与する複数の技術が当技術分野において存在し、これにはこれらに限定されないが、経口、直腸、局所、エアロゾル、注射、及び筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、髄腔内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内及び眼内注射を含む非経口送達が含まれる。本明細書では、当業者に知られている前述の方法、又は他の方法の任意の組み合わせが企図される(例えば、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」、Lippincott Williams & Wilkins;第20版(June1,2003)及び「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Pub.(株)第18版、第19版(1985年12月、1990年6月)。
【0115】
実際には、奇数鎖飽和脂肪酸又はその塩又はそれらの誘導体などの脂肪酸は、従来の医薬品配合技術に従って、医薬品担体との緊密な混合物中で活性成分として組み合わせられ得る。担体は、投与に望ましい調製物の形態に応じて、多種多様な形態をとることができる。したがって、本明細書で提供される医薬組成物は、それぞれが所定量の活性成分を含有するカプセル剤、カシェ剤又は錠剤などの経口投与に適した個別の単位として提供することができる。さらに、組成物は、油、粉末、顆粒、溶液、水性液体中の懸濁液、非水性液体、水中油型エマルジョン、又は油中水型液体エマルジョンとして提供することができる。上記の一般的な剤形に加えて、本明細書に提供される化合物、又はその薬学的に許容される塩類又はそれらの誘導体は、制御放出手段及び/又は送達装置によって投与することもできる。組成物は、薬学の方法のいずれかによって調製することができる。一般に、そのような方法は、活性成分を、1つ以上の必要な成分を構成する担体と会合させる工程を含む。一般に、組成物は、活性成分を液体担体又は微粉化固体担体又はその両方と均一かつ密接に混合することによって調製される。次いで、生成物は、好都合には所望のプレゼンテーションに成形することができる。
【0116】
製剤はまた、全身的な方法ではなく局所的な方法で、例えば、感染領域への化合物の直接注射を介して、多くの場合、デポー又は持続放出製剤で投与され得る。さらに、標的化薬物送達システムは、例えば、組織特異的抗体でコーティングされたリポソームにおいて使用され得る。
【0117】
薬学的組成物は、所望の治療効果に有効な量で、奇数鎖脂肪酸などの脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体を含有し得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は単位剤形であり、単位剤形あたり約1mg以下~約5000mg以上を含む。さらなる実施形態では、医薬組成物は、単位剤形あたり約1~約500mg又は単位剤形あたり約500~5000mgを含む。そのような剤形は、固体、半固体、液体、エマルジョンであってもよく、又は吸入投与のためのエアロゾルなどを介した送達に適合されていてもよい。
【0118】
使用される薬学的担体は、例えば、固体、液体、又は気体であり得る。固体担体の例としては、ラクトース、白土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸が挙げられる。液体担体の例は、糖シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、低級アルコール、及び水である。ガス状担体の例としては、二酸化炭素及び窒素が挙げられる。
【0119】
本明細書で提供される医薬組成物は、水中の活性化合物の溶液又は懸濁液として調製することができる。適切な界面活性剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースを含めることができる。分散液剤も、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及び油中のそれらの混合物において調製することができる。さらに、例えば、微生物の有害な増殖を防止するために、保存剤を含めることができる。
【0120】
注射用途に適した本明細書で提供される医薬組成物は、滅菌水溶液又は分散液を含む。さらに、組成物は、そのような滅菌注射用溶液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末の形態であり得る。医薬組成物は製造及び貯蔵の条件下で安定でなければならず;したがって、好ましくは細菌及び真菌などの微生物の汚染作用から保護されるべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、植物油、及びそれらの適切な混合物を含有する溶媒又は分散媒であり得る。
【0121】
上述の担体成分に加えて、上述の医薬製剤は、必要に応じて、希釈剤、緩衝剤、香味剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑沢剤、防腐剤(抗酸化剤を含む)などの1つ以上の追加の担体成分を含むことができる。さらに、製剤を意図するレシピエントの血液と等張にするために、他のアジュバントを含めることができる。本明細書で提供される化合物、又はその薬学的に許容される塩又は誘導体を含有する組成物は、希釈のために粉末又は液体濃縮物の形態で調製することもできる。
【0122】
脂肪酸、例えば、奇数鎖飽和脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体は、リポソームとして製剤化することができる。脂肪酸は、リポソームの脂質部分の成分であり得るか、又はリポソームの水性部分に封入され得る。奇数鎖脂肪酸などの脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体も、シクロデキストリンと共製剤化することができる。シクロデキストリンは例えば、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン又はスルホブチルエーテルシクロデキストリンであり得る。
【0123】
本明細書では、少なくとも1つの追加の活性剤と組み合わせて、奇数鎖飽和脂肪酸などの脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体を含む組成物が企図される。脂肪酸、例えば、奇数鎖飽和脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体、及び少なくとも1つの追加の活性剤は単一の製剤中に、又は一緒に提供される複数の製剤中に存在してもよく、又は製剤化されていなくてもよい(例えば、賦形剤及び担体を含まない)。いくつかの実施形態では、奇数鎖飽和脂肪酸などの脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体は単一の組成物中で1つ又は複数の追加の薬剤と一緒に投与され得る。例えば、奇数鎖飽和脂肪酸などの脂肪酸の化合物、又はその塩又はそれらの誘導体は1つの組成物で投与することができ、追加の薬剤の少なくとも1つは、第2の組成物で投与することができる。さらなる実施形態では、奇数鎖飽和脂肪酸などの脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体、及び少なくとも1つの追加の活性剤(複数可)はキットに同時包装される。例えば、薬物製造業者、薬物再販業者、医師、配合店、又は薬剤師は、開示された化合物又は製品と、患者への送達のための別の構成要素とを含むキットを提供することができる。
【0124】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、治療有効量の本明細書に記載される1つ以上の化合物(例えば、奇数鎖飽和脂肪酸又はその薬学的に許容される塩又はそれらの誘導体などの脂肪酸)と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤又はそれらの組み合わせとを含み得る薬学的組成物に関する。医薬組成物は、例えば、組成物の>1%、≧2%、≧3%、≧4%、≧5%、≧6%、≧7%、≧8%、≧9%、≧10%、≧20%、≧30%、≧40%、≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%、≧95%、又は≧98%に、奇数鎖飽和脂肪酸などの脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体を含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、複数の脂肪酸、例えば、組成物の1つ以上の奇数鎖飽和脂肪酸及び/又は超長鎖偶数鎖脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体を、例えば、>1%、≧2%、≧3%、≧4%、≧5%、≧6%、≧7%、≧8%、≧9%、≧10%、≧20%、≧30%、≧40%、≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%、≧95%、又は≧98%含むことができる。
【0125】
(食品)
食品、栄養補助食品、及び脂肪酸を含む他の食料品、例えば、奇数鎖飽和脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体が提供され、食品中の脂肪酸の量が強化されている(例えば、濃縮又は濃縮されている)。本明細書で提供される脂肪酸、例えば、奇数鎖飽和脂肪酸は、対象による消費のために食品に添加され得る。奇数鎖飽和脂肪酸などの脂肪酸は、食品の1つ又は複数の成分に組み込まれ得る。奇数鎖飽和脂肪酸などの脂肪酸は、成分として調製されてもよく、又は調製されなくてもよい。化合物又は化合物を含む調製物は、調製前、調製中、又は調製後に添加することができる。調製は限定するものではないが、調理、混合、香味料、調味料、ブレンド、煮沸、フライ、ベーキング、又は当技術分野で公知の他のプロセスを含むことができる。強化は、好ましくは本明細書の他の箇所に記載されるような脂肪酸の治療的1日用量を提供するようなレベルである;しかしながら、有益な効果はまた、そのような用量未満の量で得ることができる。
【0126】
本明細書で提供されるような脂肪酸、例えば、奇数鎖飽和脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体は例えば、植物、動物、細菌、又は真菌の代謝プロセスを変化させることによって、本来知られているプロセスを操作することによって、食品中に構成要素として存在し得る。奇数鎖飽和脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体などの脂肪酸の濃度を増加させるための植物、動物、細菌、又は真菌の遺伝的改変が企図される。例として、脂肪酸は少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、以上、例えば、1%~2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%又は50%の濃度で食材中に存在することができる。
【0127】
(適応症)
健康な体重を支持し、ボディマスインデックス(body mass index)の維持を支援し、ボディマスインデックスの低減を促進し、満腹感を促進し、カロリー消費の低減を促進し、及び/又は効率的な脂肪代謝を促進するための組成物及び方法が提供される。これらの組成物は、1つ又は複数の奇数鎖飽和脂肪酸、奇数鎖飽和脂肪酸の誘導体、又はそれらの塩を含み、これらは、他の薬剤又はサプリメントと組み合わせて、又は本明細書に記載されるような様々な治療レジメンの一部として投与され得る。ペンタデカン酸は、1mg/日以下から500mg/日以上、例えば、0.2mg/日から20mg/日、1.0mg/日から5.0mg/日、5mg/日から50mg/日、20mg/日から200mg/日、例えば、100mg/日などの、日常的な経口摂取量で、ヒトにおけるこれらの活動を有している。
【0128】
理論によって制限されることを望むものではないが、血清、血漿、及び標的濃度への細胞における奇数鎖飽和脂肪酸遊離脂肪酸又はリン脂質レベルの増加は、気分を高める及び/又は増強し、不安及び/又は疼痛を低下させ、うつ病を治療し、大うつ病性障害を治療し、又は季節性感情障害を治療し得ると考えられる。
【0129】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、血清、血漿、又は赤血球膜の奇数鎖脂肪酸のレベルを増加させる。
【0130】
いくつかの実施形態では、血清、血漿、又は赤血球膜の超長鎖偶数鎖脂肪酸のレベルは1つ以上の奇数鎖脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体の投与後に増加し得る。
【0131】
本明細書で提供されるのは、ある用量の脂肪酸、例えば、奇数鎖脂肪酸又は超長鎖偶数鎖脂肪酸を、所定の間隔で、又は対象の裁量に残された間隔で投与する工程を含む、治療方法である。
【0132】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法は、それぞれ、すべての血清、血漿、又は赤血球膜脂肪酸に対する奇数鎖脂肪酸の閾値血清、血漿、又は赤血球膜パーセンテージを提供し得る。例えば、閾値は、約0.05%以下~90%以上の値、例えば、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なくとも約1.0%、少なくとも約1.1%、少なくとも約1.2%、少なくとも約1.3%、少なくとも約1.4%、少なくとも約1.5%、少なくとも約1.6%、少なくとも約1.7%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2.0%、少なくとも約2.1%、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.3%、少なくとも約2.4%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.6%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3.0%、少なくとも約3.5%、少なくとも約4.0%、少なくとも約4.5%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80% 約90%、又は90%超、であり得る。
【0133】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法は、奇数鎖脂肪酸の血清又は血漿濃度、又は奇数鎖脂肪酸の赤血球膜濃度において、ベースライン値(例えば、処置されている患者における前処置値、又は特定の患者集団において観察される一般的な値)を上回る増加を提供し得る。例えば、奇数鎖脂肪酸の血清又は血漿奇数鎖脂肪酸又は赤血球膜濃度は、少なくとも約1μg/ml、少なくとも約2μg/ml、少なくとも約3μg/ml、少なくとも約4μg/ml、少なくとも約5μg/ml、少なくとも約6μg/ml、少なくとも約7μg/ml、少なくとも約8μg/ml、少なくとも約9μg/ml、少なくとも約10μg/ml、少なくとも約15μg/ml、少なくとも約20μg/ml、少なくとも約25μg/ml、少なくとも約30μg/ml、少なくとも約35μg/ml、少なくとも約40μg/ml、少なくとも約45μg/ml、少なくとも約50μg/ml、又は50μg/ml超増加し得る。いくつかの実施形態では、奇数鎖脂肪酸の血清中濃度、又は奇数鎖脂肪酸の赤血球膜中濃度は、ベースライン値(例えば、治療中の患者における治療前の値、又は特定の患者集団において観察される一般的な値)よりも、少なくとも約0.01x10-4M、少なくとも約0.05x10-4M、少なくとも約0.1x10-4M、少なくとも約0.2x10-4M、少なくとも約0.3x10-4M、少なくとも約0.4x10-4M、少なくとも約0.5x10-4M、少なくとも約0.6x10-4M、少なくとも約0.7x10-4M、少なくとも約0.8x10-4M、少なくとも約0.9x10-4M、少なくとも約1x10-4M、少なくとも約2x10-4M、又は少なくとも約3x10-4M、増加し得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法は、血清又は血漿総奇数鎖脂肪酸、又は赤血球膜総奇数鎖脂肪酸の増加を提供し得る。例えば、血清総奇数鎖脂肪酸、又は赤血球膜総奇数鎖脂肪酸は、ベースライン値(例えば、治療中の患者における治療前の値、又は特定の患者集団において観察される一般的な値)よりも、少なくとも約5μg/ml、少なくとも約6μg/ml、少なくとも約7μg/ml、少なくとも約8μg/ml、少なくとも約9μg/ml、少なくとも約10μg/ml、少なくとも約15μg/ml、少なくとも約20μg/ml、少なくとも約25μg/ml、少なくとも約30μg/ml、少なくとも約35μg/ml、少なくとも約40μg/ml、少なくとも約45μg/ml、少なくとも約50μg/ml、少なくとも約60μg/ml、少なくとも約70μg/ml、少なくとも約80μg/ml、少なくとも約90μg/ml、少なくとも100μg/ml、少なくとも約150μg/ml、少なくとも約200μg/ml、少なくとも約250μg/ml、少なくとも約300μg/ml、少なくとも約350μg/ml、少なくとも約400μg/ml、少なくとも約450μg/ml、少なくとも約500μg/ml、又は500μg/ml超、増加し得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法は、血清、血漿、又は赤血球膜奇数鎖脂肪酸におけるベースライン値(例えば、処置されている患者における前処置値、又は特定の患者集団において観察される一般的な値)を上回る増加を、それぞれ、すべての血清又は赤血球膜脂肪酸と比較して提供し得る。例えば、血清、形質、又は赤血球膜奇数鎖脂肪酸は、ベースライン値(例えば、治療中の患者における治療前の値、又は特定の患者集団において観察される一般的な値)よりも、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なくとも約1%、少なくとも約1.1%、少なくとも約1.2%、少なくとも約1.3%、少なくとも約1.4%、少なくとも約1.5%、少なくとも約1.6%、少なくとも約1.7%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2%、少なくとも約2.1%、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.3%、少なくとも約2.4%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.6%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3%、少なくとも約3.5%、少なくとも約4%、少なくとも約4.5%、又は少なくとも約5%又は5%超、増加し得る。
【0136】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される化合物及び方法は、上昇した赤血球沈降速度の減少を提供し得る。
【0137】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される化合物及び方法は、上昇したアルカリホスファターゼの減少を提供し得る。
【0138】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される化合物及び方法は、血清フェリチンの減少を提供し得る。例えば、血清フェリチンは、ベースライン値(例えば、治療中の患者における治療前の値、又は特定の患者集団において観察される一般的な値)よりも、少なくとも約10ng/ml、少なくとも約100ng/ml、少なくとも約200ng/ml、少なくとも約300ng/ml、少なくとも約400ng/ml、少なくとも約500ng/ml、少なくとも約600ng/ml、少なくとも約700ng/ml、少なくとも約800ng/ml、少なくとも約900ng/ml、少なくとも約1000ng/ml、少なくとも約1100ng/ml、少なくとも約1200ng/ml、少なくとも約1300ng/ml、少なくとも約1400g/ml、少なくとも約1500g/ml、少なくとも約2000g/ml、少なくとも約2500g/ml、少なくとも約3000g/ml、少なくとも約3500g/ml、4000ng/ml、少なくとも約4500ng/ml、少なくとも約5000ng/ml、少なくとも約6000ng/ml、少なくとも約7000ng/ml、少なくとも約8000ng/ml、少なくとも約9000ng/ml、少なくとも約10000ng/ml、又は10000ng/ml超、減少し得る。
【0139】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される化合物及び方法は、特定のレベル未満の血清フェリチンの減少を提供し得る。例えば、血清フェリチンは、約20000ng/ml、約15000ng/ml、約12000ng/ml、約10000ng/ml、約8000ng/ml、約5000ng/ml、約2000ng/ml、約1000ng/ml、又は約500ng未満に減少し得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、奇数鎖脂肪酸(例えば、飽和奇数鎖脂肪酸)を投与して、奇数鎖脂肪酸又は全ての奇数鎖脂肪酸の血清又は血漿総パーセントを所定の閾値より上に維持する。これらの実施形態の変形では、奇数鎖脂肪酸はヘプタデカン酸である。さらなる変形において、奇数鎖脂肪酸、又は全ての奇数鎖脂肪酸の血清リン脂質パーセント、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.2%、約1.4%、約1.6%、約1.8%、約2%、約2.2%、約2.4%、又は約2.6%、を維持するように投与される。
【0141】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法は、それぞれ、全ての血清又は赤血球膜脂肪酸と比較して、超長鎖偶数鎖脂肪酸の閾値血清、血漿、又は赤血球膜パーセンテージを提供し得る。例えば、閾値は約0.05%以下~90%以上の値、例えば、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なくとも約1.0%、少なくとも約1.1%、少なくとも約1.2%、少なくとも約1.3%、少なくとも約1.4%、少なくとも約1.5%、少なくとも約1.6%、少なくとも約1.7%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2.1%、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.3%、少なくとも約2.4%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.6%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3.0%、少なくとも約3.5%、少なくとも約4.0%、少なくとも約4.5%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は90%超、であり得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法は、超長鎖偶数鎖脂肪酸の血清又は血漿濃度、又は超長鎖偶数鎖脂肪酸の赤血球膜濃度において、ベースライン値(例えば、処置されている患者における前処置値、又は特定の患者集団において観察される一般的な値)を上回る増加を提供し得る。例えば、超長鎖鎖の脂肪酸又は赤血球膜の超長鎖脂肪酸又は赤血球膜の濃度は、少なくとも約0.01μg/ml、少なくとも約0.05μg/ml、少なくとも約0.1μg/ml、少なくとも約0.4μg/ml、1μg/ml、少なくとも約2μg/ml、少なくとも約3μg/ml、少なくとも約4μg/ml、少なくとも約5μg/ml、少なくとも約6μg/ml、少なくとも約7μg/ml、少なくとも約8μg/ml、少なくとも約9μg/ml、少なくとも約10μg/ml、少なくとも約15μg/ml、少なくとも約20μg/ml、少なくとも約25μg/ml、少なくとも約30μg/ml、少なくとも約35μg/ml、少なくとも約40μg/ml、少なくとも約45μg/ml、少なくとも約50μg/ml、又は50μg/ml超、増加し得る。いくつかの実施形態では、超長鎖偶数鎖脂肪酸の血清濃度、又は超長鎖偶数鎖脂肪酸の赤血球膜濃度は、ベースライン値(例えば、治療中の患者における治療前の値、又は特定の患者集団において観察される一般的な値)より、少なくとも約0.001×10-4M、少なくとも約0.005×10-4M、少なくとも約0.01×10-4M、少なくとも約0.05×10-4M、少なくとも約0.1×10-4M、少なくとも約0.2×10-4M、少なくとも約0.3×10-4M、少なくとも約0.4×10-4M、少なくとも約0.5×10-4M、少なくとも約0.6×10-4M、少なくとも約0.7×10-4M、少なくとも約0.8×10-4M、少なくとも約0.9×10-4M、少なくとも約1×10-4M、少なくとも約2×10-4M、又は、少なくとも約3×10-4M、増加し得る。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法は、血清又は血漿の総超長鎖偶数脂肪酸、又は赤血球膜の総超長鎖偶数脂肪酸の増加を提供し得る。例えば、血清総超長鎖偶数脂肪酸、又は赤血球全長膜超長鎖偶数脂肪酸は、ベースライン値(例えば、治療中の患者における治療前の値、又は特定の患者集団において観察される一般的な値)よりも、少なくとも約0.05μg/ml、少なくとも約0.1μg/ml、少なくとも約0.5μg/ml、少なくとも約1μg/ml、少なくとも約5μg/ml、少なくとも約6μg/ml、少なくとも約7μg/ml、少なくとも約8μg/ml、少なくとも約9μg/ml、少なくとも約10μg/ml、少なくとも約15μg/ml、少なくとも約20μg/ml、少なくとも約25μg/ml、少なくとも約30μg/ml、少なくとも約35μg/ml、少なくとも約40μg/ml、少なくとも約45μg/ml、少なくとも約50μg/ml、少なくとも約60μg/ml、少なくとも約70μg/ml、少なくとも約80μg/ml、少なくとも約90μg/ml、少なくとも約100μg/ml、少なくとも約150μg/ml、少なくとも約200μg/ml、少なくとも約250μg/ml、少なくとも約300μg/ml、少なくとも約350μg/ml、少なくとも約400μg/ml、少なくとも約450μg/ml、少なくとも約500μg/ml、又は500μg/ml超、増加し得る。
【0144】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される組成物又は方法は、赤血球数の増加を提供し得る。例えば、赤血球数レベルは、ベースライン値(例えば、治療中の患者における治療前の値、又は特定の患者集団において観察される一般的な値)よりも、少なくとも約0.1細胞/μL、少なくとも約0.2細胞/μL、少なくとも約0.3細胞/μL、少なくとも約0.4細胞/μL、少なくとも約0.5細胞/μL、少なくとも約0.6細胞/μL、少なくとも約0.7細胞/μL、少なくとも約0.8細胞/μL、少なくとも約0.9細胞/μL、少なくとも約1細胞/μL、少なくとも約1.2細胞/μL、少なくとも約1.4細胞/μL、少なくとも約1.6細胞/μL、又は少なくとも約2細胞/μL、増加し得る。
【0145】
(併用療法)
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物、例えば、奇数鎖脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体、又は超長鎖偶数鎖脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体、又は本明細書に記載される化合物、又はその塩又はそれらの誘導体を含む医薬組成物は、1つ以上のさらなる活性剤と組み合わせて使用され得る。奇数鎖脂肪酸の化合物、又はその塩又はそれらの誘導体、又は奇数鎖脂肪酸の化合物、又はその塩又はそれらの誘導体を含む組成物と組み合わせて使用することができる追加の活性剤の例としては、本明細書に提供される状態を治療するために現在使用されている薬剤、及び医学に知られている他の薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0146】
いくつかの実施形態において、奇数鎖脂肪酸の化合物、又はその塩又はそれらの誘導体、又は奇数鎖脂肪酸の化合物、又はその塩又はそれらの誘導体を含む組成物は、本明細書に記載される1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の追加の活性剤とともに使用され得る。そのような薬剤には、奇数鎖脂肪酸又は超長鎖偶数鎖脂肪酸などの第2の脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの奇数鎖脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体、及び少なくとも1つの超長鎖偶数鎖脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体を含むことができる。
【0147】
いくつかの実施形態において、奇数鎖脂肪酸の化合物、又はその塩又はそれらの誘導体、又は奇数鎖脂肪酸の化合物、又はその塩又はそれらの誘導体を含む組成物は気分を高める及び/又は増強するため、不安及び/又は疼痛を低下させるため、うつ病を処置するため、大うつ病性障害を処置するため、又は季節性情動障害を処置するための別の薬剤と組み合わせて使用(例えば、投与又は摂取)することができる。
【0148】
例えば、本明細書に開示される奇数鎖脂肪酸などの脂肪酸の化合物は、刺激剤(例えば、カフェイン)、スタチン系薬剤(例えば、アトルバスタチン(Lipitor)、フルバスタチン(Lescol)、ロバスタチン(Altoprev)、ピタバスタチン(Livalo)、プラバスタチン(Pravachol)、ロスバスタチン(Crestor)、シンバスタチン(Zocor))、コレステロール吸収剤(例えば、エゼチミブ(Zetia))、胆汁酸分泌抑制剤(例えば、胆汁酸分泌抑制剤(例えば、コレスチラミン(Prevalite)、コレセベラム(Welchol)、コレスチポール(Colestid))、エゼチミブ-シンバスタチン(Vytorin)、アリロクマブ(Praluent)、エボロクマブ(Repatha)、PKSK9阻害剤、フィブラート系薬剤(例えば、フェノフィブラート(Tricor)、ゲムフィブロジル(gemfibrozil))、ナイアシン、フィトステロールズ、魚油/オメガ3脂肪酸、減量剤(オルリスタット(Xenical)、ロルカセリン(Belviq)、フェンテルミン及びトピラマート(Qsymia)、ブプロプリオン及びナルトレキソン(Contrave)、リラグルチド(Saxenda)、フェンテルミン、アジペックス-P、トパマックス、デソキシン、アリィ、ゼニカル、フェンジメトラジン、Tenuate、Fastin、Qsymia、ブプロピオン、ジエチルプロピオン、HCG、メタンフェタミン、Bontril Slow Release、Didrex、lorcaserin、Saxenda、lonamin、Pregnyl、Bontril PDM、絨毛性ゴナドトロピン、フェンテルミン/トピラマート、タガメット、トピラゲン、ザントリル、リラグルチド、T-ダイエット、トパマックススプリンクル、アンフェタミン、ベンズフェタミン、ブプロピオン/ナルトレキソン、シメチジン、イブキオ、メチルフェニデート、スプレンザ、テヌート・ドスパン、アディポスト、アティープレックスP、ベルビックXR、デスベンラファキシン、ロメイラ、オビキャップ、フェンディート、フェンターコット、フェントライド、プレリュ-2、タガメットHB、エクアリン酸還元剤、メルフィア、オベジーン、Phendiet-105、Recede、レジメックス、Tepanil,Garcinia,ガラナ、Hoodia、エフェドラ、抗凝固剤(ヘパリン、ワルファリン、アピキサバン、ダビガトラン、ダルテパリン、エドキサバン、エノキサパリン、フォンダパリヌクス、リバーロキサバン、ベトリキサバン)、Xa阻害剤、抗線維症薬(ニンテダニブ、ピルフェニドン、エピネフリン、NSAID、抗ヒスタミン薬、副腎皮質ホルモン剤(コルチゾン、プレジンソン)、シクロホスファミド、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル、N-アセチルシステイン、プロトンポンプ阻害剤(プリロセイン、ネキシウム)、気管支拡張薬(アルブテロール、テオフィリン、イプラトロピウム)、粘液溶解剤(グアイフェネシン、Dnase、N-アセチルシステイン、高張食塩水)、抗炎症薬(トリアムシノロン、フルニソリド、フルチカゾン、ベクロメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾン、イブプロフェン、モンテルカスト、クロモリン、N-アセチルシステイン)、抗生物質(シプロフロキサシン、コトリモキサゾール、トブラマイシン、セファレキシン、コリスチン、ジクロキサクシリン、アジスロマイシン、アモキシシリン、シプロ、レボフロキサシン、ピペラシリン、セフトジジム、メロペネム、アモキシシリン/クラヴ、ピペラシリン、メロペネム)、ビタミン類(ADEK、Fer-in-Sol、Polyviflor drops、Aquasol-A、Aquasol-E、膵臓酵素(pancrelipase、pancreatin)、便軟化剤(ドクセート、カサントラノール、ポリエチレングリコール)、消化器系薬剤(オメプラゾール、ラニチジン、メトクロプラミド)、抗ヒスタミン剤(ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン)、点鼻薬(バンセナーゼ/バンAQ、ベコナーゼ/ベックAQ、サイナスリンス)、スルファジアジン銀、サンチル、尿素、ヒビクレン、シルバデン、ビアファイン、サルナ、ベネレックス、レセド、リアLO、ルクサメンド、ビオネクト、ヌベール、レビシン、ウメタ、ダーマソルブXM、アクティコート、ケラゲルト、硝酸銀、マフェニド、スルファミロン、ポリスポリン、Xビエイト、ウメクタPD、ウラマキシン、レメブン、ケラトリティクス、ネオスポリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシン、ベンサルHP、アトラプロ、グラニュレックス、バソレックス、ジンクペースト、カラミン、コールタール、イクタモール、ペントキシフィリン、イロプロスト、三硝酸グリセリル、カルシウム拮抗薬、副腎皮質ホルモン、プソラレン、フェニトイン、レチノイド、鎮痛剤、コルヒチン、抗血小板薬(アスピリン)、血管収縮薬(ニコチン、コカイン、アドレナリン)から選択される1つ以上の薬剤と組み合わせて使用することができる。
【0149】
本明細書に開示される脂肪酸の化合物は、1つ以上の医療デバイス、医療処置、又は外科的処置、例えば、肥満症のための外科的処置(例えば、胃バイパス手術、腹腔鏡による調節可能な胃バンド、十二指腸スイッチを伴う胆膵臓の迂回、胃スリーブ、迷走神経遮断)、カテーテル指向性血栓溶解、大静脈フィルター、静脈血栓除去、圧迫包帯、真空補助閉鎖、間欠的空気圧迫デバイス、デブリードマン(鋭利、機械的、自己溶解性(蜂蜜)、酵素的、又は生物学的手術(マゴット)など)、紫外線療法、高圧酸素、放射熱ドレッシング、超音波療法、レーザー、水療法、電気療法、電磁療法、及び免疫グロブリン補充療法と組み合わせて使用することができる。
【0150】
(投与量)
当業者には容易に明らかであるように、投与される有用なインビボ用量及び特定の投与様式は、年齢、体重、状態の重症度、及び処置される哺乳動物種、使用される化合物の特定の形態、ならびにこれらの化合物が使用される具体的な使用に応じて変化する。有効用量レベル、すなわち所望の結果を達成するために必要な用量レベルの決定は当業者によって、日常的な方法、例えば、インビボ研究を用いて達成され得る。例えば、「Estimating Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers」、米国食品医薬品局、July2005を参照されたい。
【0151】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される方法は、本明細書に提供される組成物の治療有効量を投与することを含み得る。いくつかの実施形態において、治療有効量は、気分障害又は疼痛に関連する状態のマーカーの調節を参照することによって決定され得る。いくつかの実施形態では、治療有効量は、本明細書で提供される状態の症状の調節を参照することによって決定され得る。さらに他の実施形態では、気分障害又は疼痛を含む本明細書に提供される状態の治療のためのガイドラインを含むが、これらに限定されない、本明細書に記載される状態のための確立されたガイドラインを参照することができる。
【0152】
用量は、所望の効果及びマーカー値などの治療適応症に応じて、広く変動し得る。あるいは、用量は、当業者によって理解されるように、患者の表面積又は重量に基づいて計算されてもよい。正確な投薬量は、ケースバイケースで決定されるか、又は場合によっては対象の情報を得た裁量に任される。成人ヒト患者のための1日投与レジメンは、例えば、脂肪酸、例えば、奇数鎖脂肪酸又は超長鎖偶数鎖脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体、又は複数の脂肪酸の混合物、又はその塩又はそれらの誘導体、約0.01mg~約10000mg、約1mg~約5000mg、約5mg~約2000mg、約10mg~約1000mg、又は約50mg~約500mgの経口用量であり得る。単回用量は、約0.01mg、約0.1mg、約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約2000mg、約5000mg、又はそれ以上の脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体を含み得る。投与量は対象の体質量に応じて、例えば、約0.001mg/kg、約0.01mg/kg、約0.1mg/kg、約0.2mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg又はそれ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩の有効量は、0.2~20mg/kg体重である。投薬量は個々の対象に適切であるように、1日又は複数日の過程で与えられる単一の1つ又は一連の2つ以上であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物は、連続療法の期間、例えば、約1週間以上(例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、又はそれ以上)、数週間、約1ヶ月以上(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれ以上)、約1年以上、又は複数の年の間である。いくつかの実施形態では、奇数鎖脂肪酸又は超長鎖偶数鎖脂肪酸などの脂肪酸、又はその塩又はそれらの誘導体は1日1回、1日2回、1日3回、又はそれ以上投与又は摂取することができる。
【0153】
当業者によって理解されるように、特定の状況において、対象を効果的に治療するために、本明細書に開示される化合物を、上記の好ましい投与量範囲を超える量で投与することが必要であり得る。
【0154】
単位剤形、例えば、所定のスケジュールでの投与のために構成された、予め測定された量の組成物を含む個々のパッケージを提供することもできる。1日に1~3回投与するように構成された単位剤形が好ましいが、特定の実施形態では1日に3回を超える、又は1日に1回未満の投与のために単位剤形を構成することが望ましい場合がある。
【0155】
投薬量及び投薬間隔は、所定のパラメーター、指標、又はマーカー値、又は最小有効濃度(MEC)を維持するのに十分な活性部分の血漿レベルを提供するように個々の対象に調整され得る。所望の結果を達成するために必要な投薬量は、個々の特徴及び投与経路に依存する。しかしながら、アッセイ、例えば、HPLCアッセイ又はバイオアッセイを使用して、血清濃度を決定することができる。
【0156】
いくつかの態様において、本明細書に提供される化合物及び方法は、例えば、米国特許第7,651,845号。米国特許第8,251,904号。米国特許第8,251,904号。米国特許第4,985,015号。米国特許第8,827,957号。米国特許第4,252,159号。米国特許第5,318,521号。米国特許第4,718,430号。米国特許第9,713,600号。米国特許第9,707,199号。米国特許第9,687,461号。米国特許第9,662,306号。米国特許出願公開第9,561,206号。米国特許出願公開第2011/0190702号明細書。米国特許出願公開第2017/0266144号。米国特許出願公開第2016/0324814号。米国特許出願公開第2016/0195559号。米国特許出願公開第2016/0195558号。米国特許出願公開第2016/0193172号、2、米国特許出願公開第2016/0193171号、米国特許出願公開第2016/0193170、WO2016/111843、DE2615061;及び診断装置との組み合わせ、例えば、米国公報2012/0072236号に記載されているような、デバイス及びデバイスを使用する方法と組み合わせて使用されてもよい。
【0157】
(診断とモニタリング)
本明細書では、気分を高める及び/又は増強する、不安及び/又は疼痛を低下させる、うつ病を治療する、大うつ病性障害を治療する、又は季節性感情障害を治療するための方法が提供される。
【0158】
いくつかの実施形態では、診断又はモニタリングの方法は、体液中の奇数鎖脂肪酸又は超長鎖偶数鎖脂肪酸などの脂肪酸のパーセンテージを測定するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、診断又はモニタリングの方法は、対象における気分障害又は疼痛に関連する状態を含む、本明細書で提供される状態のマーカーを測定するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、診断又はモニタリングの方法は、気分障害又は疼痛に関連する状態のマーカーを測定するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つのマーカーと別のマーカーとの間の相関が有益であることが証明され得る。いくつかの実施形態では、気分障害又は疼痛に関連する状態は、例えば、赤血球沈降速度の閾値レベル、又は血清奇数鎖脂肪酸又は血清超長偶数鎖脂肪酸を参照することによって診断され得る。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される気分障害又は疼痛に関連する状態は、状態のマーカーの閾値レベル、例えば、血清奇数鎖脂肪酸百分率、奇数鎖脂肪酸の血清濃度、血清総奇数鎖脂肪酸、血清超長偶数鎖脂肪酸、血清総超長偶数鎖脂肪酸、又は2つの血清脂肪酸間の比を参照することによって診断され得る。例えば、閾値は、気分障害又は疼痛に関連する状態の症状又はマーカーを参照することによって決定され得る。
【0159】
対象における、奇数鎖脂肪酸又は超長鎖偶数鎖脂肪酸などの脂肪酸のパーセンテージ、又は気分障害又は疼痛に関連する状態のマーカーは、任意の手段によってモニターされ得る。分析のための試料は、対象の任意の流体又は組織に由来し得る。例えば、血清、血漿、赤血球膜、尿、及び糞便から。
【実施例】
【0160】
(実施例1)
ペンタデカン酸及びその塩及び誘導体を含む組成物、ならびに気分障害及び慢性疼痛治療及び予防のための方法が提供され、気分を高める及び増強し、不安及び慢性疼痛を低下させ、うつ病、大うつ病性障害、及び季節性感情障害を治療するための組成物及び方法が含まれる。ペンタデカン酸は本明細書に記載されるように、1mg/日以下~200mg/日以上/日、例えば、1.0mg/日~5.0mg/日、5mg/日~50mg/日、20mg/日~200mg/日などの範囲の1日経口用量でヒトにおいてこれらの活性を有する。
【0161】
(方法)
本研究では、ペンタデカン酸の潜在的な薬理学的標的を評価した。具体的には、本研究は、SAFETYscan E/IC50 ELECT(DiscoverX/Eurofins、Fremont、California)を用いて、78のアッセイにわたる合成ペンタデカン酸のアゴニスト及びアンタゴニスト活性を調べた。簡潔には、ペンタデカン酸共役受容体(ADORA2A、ADRA2A、ADRB1、ADRB2、CB1、CCK1、D2S、ETA、H1、M2、M3、OPRD1、OPRK1、OPRM1、5HTR1B、5HTR1B、5HTR2B、AVPR1A)、キナーゼ(LCK、INSR、VEGFR2、ROCK1)、トランスポーター(DAT、NET、SERT)、イオンチャネル(GABAA、5-HT3、CA1.2、HERG、KVLQT1/MINK、NA1.5、NMDAR1/2B、NACHR)、核内受容体(AR、GR)、及び非キナーゼ酵素(COX1、COX2、ACHE、MAOA、PDE3A、PDE4D2)を含む、様々な標準化及び最適化された機能的アッセイを用いた。アゴニスト(EC50)及びアンタゴニスト(IC50)活性の両方に関する10点濃度曲線を、各標的について確立した。最大活性(%)も、100%活性を割り当てられた内部陽性対照との比較に基づいて決定した。CB1及びCB2受容体アゴニスト活性の両方の陽性対照は、CP 55940(EC50=0.06nm)であった。
【0162】
(結果)
ペンタデカン酸は、2.2~20μMの二重部分CB1-及びCB2-アゴニスト活性を有した(CB1=20μMで24.5%アゴニスト活性、CB2=20μMで18.2%アゴニスト活性)。
図1は、漸増濃度におけるペンタデカン酸の標的CB1及びCB2アゴニスト活性を示す。
【0163】
この研究は、ペンタデカン酸が二重の部分的CB1/CB2アゴニストであることを支持する。これらの活性に基づいて、ペンタデカン酸は、気分を高める及び/又は増強し、不安及び疼痛を低下させ、うつ病、大うつ病性障害、及び季節性感情障害を治療するために、体内で少なくとも2.2μMを達成するために、1日用量で使用され得る。
【0164】
(実施例2)
(方法)
本研究では、既知の活性化合物との機構的類似性を同定するために、ペンタデカン酸のヒト細胞表現型プロファイルを評価した。
【0165】
多様性PLUS BioMAPパネルは、様々なヒト疾患状態をモデリングする広範なシステムセットにわたって、偏りのない方法で試験薬剤の特性評価を可能にする。これらのシステムは、血管系、皮膚、肺、及び炎症組織の複雑なヒト組織及び疾患生物学をモデル化するように設計されている。この広範なパネルにわたる148のバイオマーカー活性の定量的測定を、既知の生物活性剤からの生物活性の比較分析と共に用いて、0.74~50μMの範囲の8つの濃度におけるペンタデカン酸の有効性及び機能を予測及び比較した。
【0166】
各試験薬剤は、個々のシステム環境内のタンパク質バイオマーカーリーダアウトの変化から作成されるシグネチャーBioMAPプロファイルを生成した。バイオマーカーのリードアウト(システムあたり7~17)を、治療的及び生物学的関連性のために選択し、疾患の転帰又は特定の薬物効果を予測し、既知の作用機序(MoA)を有する薬剤を用いて検証した。各読み取りは、増殖及び生存率を測定するタンパク質(例えば、ELISA)又は機能アッセイを検出する免疫に基づく方法によって定量的に測定した。BioMAPリードアウトは多様であり、細胞表面受容体、サイトカイン、ケモカイン、マトリックス分子及び酵素を含む。全体として、ダイバーシティPLUSパネルは、特定のBioMAPシステムの生理学的状況内で起こる生物学的変化を捕捉する148のバイオマーカー読み取りを含んだ。特定のBioMAP活性はインビボ生物学と相関しており、多パラメーターBioMAPプロフィールは、多様な生理学的系にわたってMoA及び標的選択性に基づいて化合物を区別するために使用されている。
【0167】
活性化BioMAP系を各化合物と共に24~72時間インキュベートした。活性化細胞系由来のタンパク質ベースのバイオマーカーを測定し、未処理対照系と比較した。バイオマーカー活性は少なくとも1つの化合物濃度が有意エンベロープの外にあり、効果サイズが>20%(log10比)>0.1であった場合、「有意」であることが認められた。
【0168】
類似性検索分析を行って、ペンタデカン酸の細胞ベースの表現型プロファイルとBioMAPデータベース中の他の生化学物質との間のトップマッチを同定した。BioMAPデータベースには、生物製剤、承認された薬物及び実験化合物を含む4,500を超える参照試験薬剤が含まれていた。簡潔に述べると、ピアソンの相関係数(r)を最初に生成して、関係の方向及び大きさの類似性に基づく2つのプロファイル間の線形相関を測定した。ピアソンの相関は、任意のバイオマーカー活性の大きさによって影響され得るので、システムごとの加重平均タニモトメトリックを、堅牢性の低いシステムの過少表示を説明するフィルターとして使用された。Tanimotoメトリックは、バイオマーカー活性の振幅を考慮しないが、それはリードアウトの同一性及び数がシステムごとに、重み付けされた基準で共通しているかどうかに対処する。注釈付きプロファイルはr≧0.7であり、かつ両プロファイルのリードアウトが同じ方向に20%以上の効果量(|log10比|>0.1)を持つ有意差の範囲外である場合、メカニズム的に類似していると識別された。
【0169】
(結果)
BioMAP Reference Databaseからの数学的に同様の化合物プロファイルの教師なし検索において、1.9μMのペンタデカン酸はCP 55,940(1.1μM)(Pearsonの相関係数、r=0.753)に同様し、20μMのペンタデカン酸はブプロピオンHCl(30μM)に最も同様していた(Pearsonの相関係数、r=0.823)。ピアソンの相関係数はr=0.7の決定された閾値を上回り、ペンタデカン酸は、CP 55,940及びブプロピオンHClの両方と機械的に関連する類似性を有することを示した。
【0170】
CP 55,940は、天然に存在するテトラヒドロカンナビノールの効果を模倣する完全なCB1及びCB2受容体アゴニストならびに合成カンナビノイドである。ブプロプリオンHClは、抗うつ薬及び禁煙補助剤として使用するためにFDAによって承認されたノルエピネフリン・ドパミン再取り込み阻害剤、すなわちNDRIである。
図2に見られるように、ペンタデカン酸(20μM)及びブプロピオンHClの表現型プロファイルは類似している。
【0171】
要約すると、本研究はペンタデカン酸とCB1/CB2アゴニスト、ならびにNDRI阻害剤との間の直接的な機構的類似性を実証し、気分を高める及び増強し、不安及び慢性疼痛を低下させ、うつ病、大うつ病性障害、及び季節性感情障害を治療するために少なくとも1.9 uMのペンタデカン酸濃度を達成するためのペンタデカン酸の使用をさらに支持する。
【表1】
【0172】
図2には、ペンタデカン酸(20μM)についての上位データベース検索結果が塩酸ブプロピオン(30μM)である。ペンタデカン酸(SRP_ETI-101-AVA)を用いた>4,500剤のBioMAP参照データベースの参照なし検索からのトップ類似性一致のオーバーレイ。共通のバイオマーカーの読み出しは、両方のプロファイルの読み出しが、同じ方向の効果量>20%(|log10比|>0.1)で有意差の範囲外にある場合に注釈が付けられる。類似性検索結果は、付録Aに記載されるようにフィルタリングされ、ランク付けされる。プロファイルはピアソンの相関係数が0.7以上である場合、機械的に関連する類似性を有するものとして識別される。
【0173】
(実施例3)
【0174】
カプセル化された純粋な(>98%)遊離脂肪酸C15:0粉末を含み、fatty15(登録商標)と呼ばれる、奇数鎖飽和脂肪酸栄養補助食品が、消費者向け医薬品として入手可能であった。推奨される用量は、1日1回、単回、100mgカプセルを経口投与することである。C15:0を部分的CB-1アゴニストとして、ブプロピオンと同様のヒト細胞表現型プロファイルを用いて実証した本研究に基づいて、本発明者らは毎日の経口C15:0補給がストレスを低減し、気分を増強すると仮定した。
【0175】
C15:0サプリメント「fatty15」を受け取ってから約6週間後、顧客には、短期的な効果を評価するために、以下の質問を含む任意の電子アンケートを提供した:「全体として、次の文言にどの程度同意しますか?fatty15を飲み始めてから、私はより落ち着いていて、ストレスが少ないと感じています」及び「全体として、次の記述にどの程度同意しますか?を始めてから、私は一般的に幸せを感じ、及び/又は以前は私を動揺させていた物事に悩まされなくなった。」。
【0176】
調査回答者には、1=強く反対、10=強く賛成という意味で、1~10までの数字を選択してもらった。7以上の回答は、その文言に同意しているとみなされた。また、「fatty15が毎日の健康習慣になったか?の質問もされた。
【0177】
計135名が6週間の調査に回答した。ほとんどすべての患者(97%)が、fatty15が日常の健康管理の一部となったと報告した。100mgのC15:0の毎日の経口補給の6週間後、135人の顧客の41%は落ち着いている及び/又はそれほどストレスを感じていないと報告し、37%は彼らを動揺させるために使用されていたものによって、一般に、より幸福であり、及び/又は悩まされていないと報告した。
【0178】
これらのデータは、奇数鎖飽和脂肪酸、特にC15:0を100mg/日で6週間毎日経口補給することにより、落ち着いた、ストレスの少ない、より幸せな気分をサポートできることを支持する。
【0179】
(実施例2)
【0180】
純粋な(98%以上)遊離脂肪酸C15:0粉末をカプセル化した奇数鎖飽和脂肪酸栄養補助食品で、fatty15TMと呼ばれるものが、消費者向け健康食品として販売されている。推奨される服用方法は、1日1回、100mgのカプセルを経口摂取することである。顧客には、自主的なアンケートや顧客評価プログラムなど、経験を共有する機会が提供された。
【0181】
表2は、ストレスと気分に関するfatty15TM顧客からの意見をまとめたものである。
【表2】
【0182】
これらの証言は、奇数鎖飽和脂肪酸、具体的には100mg/日のC15:0を毎日経口補給することにより、ストレスを軽減し、穏やかにし、気分を高めることができることを支持する。
【0183】
(例示的な実施形態)
方法1:気分を高める及び/又は増強する、不安及び/又は疼痛を低下させる、うつ病を治療する、大うつ病性障害を治療する、又は季節性情動障害を治療する方法であって、それを必要とする患者に、有効量のC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を医薬組成物、栄養補助食品、又は食品中に投与することを含む方法。
【0184】
方法2:投与することが、食品の成分として投与することである、方法1。
【0185】
方法3:投与することが、栄養補助食品として投与することである、方法2。
【0186】
方法4:気分を高める及び/又は増強するための、方法1。
【0187】
方法5:疼痛を低下させるための、方法1。
【0188】
方法6:不安を低下させるための、方法1。
【0189】
方法7:うつ病を治療するための、方法1。
【0190】
方法8:大うつ病性障害を治療するための、方法1。
【0191】
方法9:季節性感情障害を治療するための、方法1。
【0192】
方法10:C15:0脂肪酸の血清、血漿、又は赤血球膜濃度が、2.2μM超かつ30μM未満の濃度に増加される、方法1~9のいずれか1つ。
【0193】
方法11:C15:0脂肪酸がペンタデカン酸である、方法1~10のいずれか1つ。
【0194】
方法12:C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む単位剤形中の医薬組成物として提供される、方法1~11のいずれか1つ。
【0195】
方法13:単位剤形は、0.01mg~10000mgのC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を含む、方法12。
【0196】
方法14:医薬組成物は、偶数鎖飽和脂肪酸を実質的に含まない、方法12~13のいずれか1つ。
【0197】
方法15:医薬組成物は、多価不飽和脂肪酸を実質的に含まない、方法12~14のいずれか1つ。
【0198】
方法16:C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、1日1回患者に投与される、方法12~15のいずれか1つ。
【0199】
方法17:患者は、ヒトである、方法1~16のいずれか1つ。
【0200】
方法18:患者は、哺乳動物である、方法1~16のいずれか1つ。
【0201】
方法19:患者は、家畜である、方法1~16のいずれか1つ。
【0202】
方法20:家畜は、イヌ又はネコである、方法19。
【0203】
方法21:家畜は、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、シチメンチョウ、アヒル又はニワトリである、方法9。
【0204】
方法22:1日当たり20~200mg/kg体重のC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される、方法1~21のいずれか1つ。
【0205】
組成物23:C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む、気分を高める及び/又は増強し、不安及び/又は疼痛を低下させ、うつ病を治療し、大うつ病性障害を治療し、又は季節性感情障害を治療するための組成物。
【0206】
組成物24:単位剤形の医薬組成物である、組成物23。
【0207】
組成物25:栄養補助食品である、組成物23。
【0208】
組成物26:栄養補助食品は、単位剤形である、組成物23。
【0209】
組成物27:栄養補助食品は、食品、飲料、又は他の食料品と組み合わされるか、又はそれらに添加されるように適合された形態である、組成物23。
【0210】
組成物28:組成物23であって、食品又は他の食料品である、組成物。
【0211】
組成物29:組成物23~28のいずれか1つ、又は気分の高める及び/又は増強。
【0212】
組成物30:気分を高めるための、組成物29。
【0213】
組成物31:気分を高めるための、組成物29。
【0214】
組成物32:不安を低下させるための、組成物23~28のいずれか1つ。
【0215】
組成物33:疼痛を低下させるための、組成物23~28のいずれか1つ。
【0216】
組成物34:うつ病を治療するための、組成物23~28のいずれか1つ。
【0217】
組成物35:大うつ病性障害を治療するための、組成物23~28のいずれか1つ。
【0218】
組成物36:季節性感情障害を治療するための、組成物23~28のいずれか1つ。
【0219】
組成物37:C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩の血清、血漿又は赤血球膜濃度を2.2μM超かつ30μM未満の濃度に増加させるように適合された、組成物23~36のいずれか1つ。
【0220】
組成物38:C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、ペンタデカン酸である、組成物23~37のいずれか1つ。
【0221】
組成物39:単位剤形は、0.01mg~10000mgのC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を含む、組成物26。
【0222】
組成物40:医薬組成物は、数鎖飽和脂肪酸を実質的に含まない、組成物23~39のいずれか1つ。
【0223】
組成物41:医薬組成物は、多価不飽和脂肪酸を実質的に含まない、組成物23~40のいずれか1つ。
【0224】
組成物42:組成物23~41のいずれか1つであって、1日当たり0.2~20mg/kg体重のC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与するために適合される、組成物。
【0225】
組成物43:単位剤形は、1日1回の患者への投与に適合している、組成物26。
【0226】
組成物44:患者は、ヒトである、組成物23~43のいずれか1つ。
【0227】
組成物45:患者は、哺乳動物である、組成物23~43のいずれか1つ。
【0228】
組成物46:患者は、家畜である、組成物23~43のいずれか1つ。
【0229】
組成物47:家畜は、イヌ又はネコである、組成物。
【0230】
組成物48:家畜化された動物は、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、シチメンチョウ、アヒル、又はニワトリである、組成物。
【0231】
使用49:気分を高める及び/又は増強するため、不安及び/又は疼痛を低下させるため、うつ病を治療するため、大うつ病性障害を治療するため、又は季節性情動障害を治療するための組成物の使用であって、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩;及び薬学的に許容される担体を含む、使用。
【0232】
使用50:気分を高めたり、増強するための、49の使用。
【0233】
使用51:気分を上げるための、50の使用。
【0234】
使用52:気分を良くするための、50の使用。
【0235】
使用53:不安を軽減するための、49の使用。
【0236】
使用54:痛みを軽減するための、49の使用。
【0237】
使用55:うつ病の治療のための、49の使用。
【0238】
使用56:大うつ病性障害の治療のための、49の使用。
【0239】
使用57:季節性感情障害の治療のための、49の使用。
【0240】
使用58:C15:0脂肪酸の血清、血漿、又は赤血球膜濃度は、2.2μM超かつ30μM未満の濃度に増加される、使用49~57のいずれか1つ。
【0241】
使用59:C15:0脂肪酸は、ペンタデカン酸である、使用49~58のいずれか1つ。
【0242】
使用60:C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む単位剤形中の薬学的組成物として提供される、使用49~59のいずれか1つ。
【0243】
使用61:単位剤形は、0.01mg~10000mgのC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を含む、使用60。
【0244】
使用62:医薬組成物は、偶数鎖飽和脂肪酸を実質的に含まない、使用60~61のいずれか1つ。
【0245】
使用63:医薬組成物は、価不飽和脂肪酸を実質的に含まない、使用60~62のいずれか1つ。
【0246】
使用64:C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、1日1回患者に投与される、使用60~63のいずれか1つ。
【0247】
使用65:患者は、ヒトである、使用49~64のいずれか1つ。
【0248】
使用66:患者は、哺乳動物である、使用49~64のいずれか1つ。
【0249】
使用67:患者は、家畜である、使用49~64のいずれか1つ。
【0250】
使用68:家畜は、イヌ又はネコである、使用67。
【0251】
使用69:家畜は、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、シチメンチョウ、アヒル、又はニワトリである、使用67。
【0252】
使用70:0.2~20mg/kg体重のC15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、1日当たり患者に投与される、使用49~69のいずれか1つ。
【0253】
使用71:C15:0脂肪酸又はその薬学的に許容される塩は、食品の成分として投与される、使用49~70のいずれか1つ。
【0254】
上記の説明は、本発明を実施するために企図される最良の形態、ならびに本発明を作製及び使用する方法及びプロセスを、それが関連する当業者が本発明を作製及び使用することを可能にするような全幅、明瞭、簡潔、及び正確な用語で提示する。しかしながら、本発明は、完全に同等である上記のものからの修正及び代替の構成の影響を受けやすい。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されない。それどころか、本発明は本発明の主題を特に指摘し、明確に請求する以下の特許請求の範囲によって一般的に表現される本発明の精神及び範囲内に入るすべての修正形態及び代替構成を包含する。本開示は図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されているが、そのような図示及び説明は例示的又は例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。
【0255】
本明細書に引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる刊行物及び特許又は、特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する限り、本明細書は、そのような矛盾する材料に優先する、及び/又は優先することが意図される。
【0256】
別途定義されない限り、すべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は当業者にそれらの通常の及び慣習的な意味を与えられるべきであり、本明細書において明示的に定義されない限り、特別な又はカスタマイズされた意味に限定されない。本開示のいくつかの特徴又は態様を説明するときの特定の用語の使用は、その用語が関連する本開示の特徴又は態様の任意の特定の特徴を含むように本明細書で用語が再定義されることを暗示するものと解釈されるべきではないことに留意されたい。本出願において使用される用語及び語句、ならびに特に添付の特許請求の範囲におけるその変形は別段の明示的記載がない限り、限定ではなく、オープンエンドであると解釈されるべきである。前述の例として、用語「含む」は、「包含する」又は「等を含むがこれらに限定されない」を含み、「包含する」又は「包含する」と同義であり、包括的又は開放的な要素又は方法ステップを含まず、用語「有する」は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、用語「包含する」は「包含する」と解釈されるべきであり、用語「包含する」は「包含する」と解釈されるべきであるが、「限定されない」と解釈されるべきである。「例」という用語は議論の中の項目の例示的な例示を提供するために使用され、「周知」、「通常」、「標準」等の形容詞、及び類似の意味の用語は所定の期間又は所定の期間において利用可能な項目に限定されるものと解釈されるべきではなく、代わりに、利用可能な既知、通常又は標準的な技術を包含するものと解釈されるべきである 現在又は将来の任意の時点で、特定の特徴が本発明の構造又は機能にとって極めて重要であるか、必須であるか、又は重要であることを意味するものとして理解されるべきではなく、単に、本発明の特定の実施形態において利用することができる、又は利用することができない代替又は追加の特徴を強調することを意図するものとして、「好ましい」、「好ましい」、「望ましい」、「望ましい」、又は「望ましい」、又は「望ましい」、及び類似の意味の言葉のような使用用語が理解されるべきで。同様に、連結「及び」と連結されたアイテムのグループはそれらのアイテムのそれぞれ及びすべてがグループ内に存在することを必要とするものとして解釈されるべきではなく、むしろ、別段の明示的な記載がない限り、「及び/又は」と解釈されるべきである。同様に、連結「又は」と連結されたアイテムのグループはそのグループ間の相互排他性を必要とするものとして解釈されるべきではなく、別段の明示的な記載がない限り、「及び/又は」と解釈されるべきである。
【0257】
値の範囲が提供される場合、上限及び下限、ならびに範囲の上限と下限との間の各介在値は、実施形態内に包含されることが理解される。
【0258】
本明細書における実質的に任意の複数及び/又は単数の用語の使用に関して、当業者は文脈及び/又は用途に適切であるように、複数から単数に、及び/又は単数から複数に翻訳することができる。様々な単数/複数の置換は、明確にするために本明細書に明示的に記載され得る。不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0259】
導入された請求項の特定の数が意図される場合、そのような意図は請求項に明示的に列挙され、そのような列挙がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者によってさらに理解されるのであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲の記載を導入するための導入句「少なくとも1つ」及び「1つ又は複数」の使用を含むことができる。しかしながら、そのような語句の使用は、不定冠詞「a」又は「an」によるクレームの引用の導入が同じクレームが導入語「1つ以上」又は「少なくとも1つ」及び「a」又は「an」などの不定冠詞(例えば、「a」及び/又は「an」は典型的には「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合であっても、そのような引用を含む特定のクレームの引用を含むいずれかの特定のクレームがそのような引用を1つだけ含む実施形態に限定されることを意味すると解釈されるべきではない。加えて、導入されたクレームの具体的な数が明示的に列挙されている場合であっても、当業者は、そのような列挙が少なくとも列挙された数(例えば、典型的には少なくとも2つの列挙を意味する、他の修飾因子を含まない「2つの列挙」、又は2つ以上の列挙)を意味するように典型的に解釈されるべきであることを認識するのであろう。さらに、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する慣例が使用される場合、一般に、そのような構成は当業者には理解されるのであろう(たとえば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」はAのみ、Bのみ、Cのみ、AとBとが一緒に、AとCとが一緒に、BとCとが一緒に、ならびに/又はA、B、及びCとが一緒になどを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する慣例が使用される場合、一般に、そのような構成は当業者には理解されるのであろう(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」はAのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBとともに、A及びCとともに、B及びCとともに、ならびに/又はA、B、及びCとともになどを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。本明細書、特許請求の範囲、又は図面のいずれにおいても、2つ以上の代替用語を提示する実質的に任意の選言語及び/又は句が、用語のうちの1つ、用語のうちのいずれか、又は両方の用語を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者によってさらに理解されるのであろう。例えば、用語「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解される。
【0260】
本明細書において使用される成分の量、反応条件などを表す全ての数は全ての場合において、用語「約」によって修飾されるものと理解されるべきである。したがって、反対のことが示されない限り、本明細書に記載される数値パラメータは、得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を、本出願に対する優先権を主張するいずれかの出願におけるいずれかの請求項の範囲に限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、有効数字の数及び通常の丸め手法に照らして解釈されるべきである。
【0261】
さらに、上記は明瞭さ及び理解の目的のために、例示及び実施例によっていくらか詳細に記載されているが、特定の変更及び修正が実施され得ることが当業者には明らかである。したがって、説明及び実施例は、本明細書に記載される特定の実施形態及び実施例に本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、本発明の真の範囲及び精神を伴うすべての修正及び代替をも包含するものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】