(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(54)【発明の名称】電気道路軌道モジュール
(51)【国際特許分類】
B60M 7/00 20060101AFI20230901BHJP
B60L 5/36 20060101ALI20230901BHJP
B60M 3/04 20060101ALI20230901BHJP
B60M 1/08 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
B60M7/00 U
B60L5/36
B60M3/04 Z
B60M1/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512251
(86)(22)【出願日】2021-08-17
(85)【翻訳文提出日】2023-02-17
(86)【国際出願番号】 EP2021072807
(87)【国際公開番号】W WO2022038119
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521543163
【氏名又は名称】エロンロード、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】ELONROAD AB
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】ダン、ゼスラエウス
【テーマコード(参考)】
5H105
【Fターム(参考)】
5H105BA01
5H105BB05
5H105CC04
5H105DD07
5H105EE15
(57)【要約】
電気道路軌道モジュール(100)が開示される。電気道路軌道モジュール(100)は、車両(12)に電力を供給するように構成された複数のセグメント(30a、30b)であって、絶縁部材(17)によって電気軌道モジュール(100)に沿って分離されている、複数のセグメント(30a、30b)と、電気道路軌道モジュール(100)に沿って配置されている複数のレーダセンサ(102a、102b)と、を備える。また、そのような電気道路軌道モジュールを制御する方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気道路軌道モジュールであって、
車両(12)に電力を供給するように構成された複数のセグメント(30a、30b)であって、絶縁部材(17)によって前記電気道路軌道モジュール(100)に沿って分離されている、複数のセグメント(30a、30b)と、
前記電気道路軌道モジュール(100)に沿って配置された複数のレーダセンサ(102a、102b)と、
前記複数のレーダセンサ(102a、102b)からレーダ感知信号を受信し、前記複数のレーダセンサ(102a、102b)からの前記レーダ感知信号に基いて、前記電気道路軌道モジュール(100)の前記セグメント(30a、30b)を作動および/または停止させるように構成された制御回路(202)と、
を備える電気道路軌道モジュール(100)。
【請求項2】
前記複数のレーダセンサ(102a、102b)はペアに配置され、前記ペアにおける第1レーダセンサ(102a)は、前記電気道路軌道モジュール(100)の長手方向(13)に対して、右側の感知方向(DZa)を有し、前記ペアにおける第2レーダセンサ(102b)は、前記電気道路軌道モジュール(100)の前記長手方向(13)に対して、左側の感知方向(DZb)を有する
請求項1に記載の電気道路軌道モジュール(100)。
【請求項3】
前記ペアにおける前記第1レーダセンサ(102a)は、前記電気道路軌道モジュール(100)の前記長手方向(13)に対して、前方または後方の感知方向(DZa)を有し、前記ペアにおける前記第2レーダセンサ(102b)は、前記電気道路軌道モジュール(100)の前記長手方向(13)に対して後方または前方の感知方向(DZb)を有する
請求項2に記載の電気道路軌道モジュール(100)。
【請求項4】
前記複数のレーダセンサ(102a、102b)は、前記絶縁部材(17)内に配置されている
請求項1~3のいずれか一項に記載の電気道路軌道モジュール(100)。
【請求項5】
前記複数のレーダセンサ(102a、102b)からのレーダ感知信号に基いて制御されるように構成された複数の光インジケータ(104a、104b)をさらに備える
請求項1~4のいずれか一項に記載の電気道路軌道モジュール(100)。
【請求項6】
道路(11)に沿って配置された複数の電気道路軌道モジュール(100)であって、それぞれの電気道路軌道モジュール(100)は、
車両(12)に電力を供給するように構成された複数のセグメント(30a、30b)であって、絶縁部材(17)によって電気道路軌道モジュール(100)に沿って分離されている、複数のセグメント(30a、30b)と、
前記電気道路軌道モジュール(100)に沿って配置された複数のレーダセンサ(102a、102b)と、
を備える複数の電気道路軌道モジュール(100)と、
前記複数のレーダセンサ(102a、102b)からレーダ感知信号を受信し、前記複数のレーダセンサ(102a、102b)からの前記レーダ感知信号に基いて、前記電気道路軌道モジュール(100)の前記セグメント(30a、30b)を作動および/または停止させるように構成された制御回路(202)を備える制御サーバ(200)と、
を備える電気道路軌道システム(300)。
【請求項7】
前記制御回路(202)は、前記受信されたレーダ感知信号に基いて、前記複数の電気道路軌道モジュール(100)が前記道路(11)に沿って配置された前記道路(11)に沿って走行する車両(12)の統計情報を蓄積するように構成された交通流機能(210)を実行するようにさらに構成される、請求項6に記載の電気道路軌道システム(300)。
【請求項8】
前記制御回路(202)は、前記受信されたレーダ感知信号に基いて天候状態を判断するように構成された天候監視機能(212)を実行するようにさらに構成される、請求項6または7に記載の電気道路軌道システム(300)。
【請求項9】
前記制御回路(202)は、前記受信されたレーダ感知信号に基いてアラーム信号を生成するように構成されたアラーム機能(214)を実行するようにさらに構成される、請求項6~8のいずれか一項に記載の電気道路軌道システム(300)。
【請求項10】
前記制御回路(202)は、前記受信されたレーダ感知信号を分析して、前記レーダ感知信号をもたらすオブジェクトのタイプを決定するように構成される、請求項9に記載の電気道路軌道システム(300)。
【請求項11】
前記制御サーバ(200)は、前記複数の電気道路軌道モジュール(100)が前記道路(11)に沿って配置された前記道路(11)に沿って走行する車両(12)にアラーム信号を送信するようにさらに構成される、請求項9または10に記載の電気道路軌道システム(300)。
【請求項12】
前記それぞれの電気道路軌道モジュール(100)は、複数の光インジケータ(104a、104b)を備え、前記制御サーバ(200)は、アラーム信号に基いて前記光インジケータ(104a、104b)を制御するようにさらに構成される、請求項9~11のいずれか一項に記載の電気道路軌道システム(300)。
【請求項13】
電気道路軌道モジュール(100)を制御する方法(1000)であって、
前記電気道路軌道モジュール(100)は、車両(12)に電力を供給するように構成された複数のセグメント(30a、30b)と、前記電気道路軌道モジュール(100)に沿って配置された複数のレーダセンサ(102a、102b)と、を備え、
前記レーダセンサからのレーダ信号を分析すること(1002)によって、前記電気道路軌道モジュール(100)に沿ったオブジェクトの存在を感知すること(1001)と、
前記電気道路軌道モジュール(100)に沿ったオブジェクトの存在(1001)に基いて、前記電気道路軌道モジュール(100)のセグメント(30a、30b)を作動および/または停止すること(1005)と、
を備える方法(1000)。
【請求項14】
車両の形態のオブジェクトをフィルタリングするために、前記レーダ信号を分析すること(1002)と、前記電気道路軌道モジュール(100)に沿って走行する前記車両(12)の統計情報を蓄積することと、をさらに備える、請求項13に記載の方法(1000)。
【請求項15】
前記レーダ信号に基いてアラーム信号を生成すること(1003)と、前記生成されたアラーム信号に基いて、前記電気道路軌道モジュール(100)が道路(11)に沿って配置された前記道路(11)に沿って走行する車両(12)を警告することと、をさらに備える、請求項13または14に記載の方法(1000)。
【請求項16】
前記警告することは、前記電気道路軌道モジュール(100)が前記道路(11)に沿って配置された前記道路(11)に沿って配置された1つ以上の電気道路軌道モジュール(100)の光インジケータ(104a、104b)を作動させることを備える、請求項15に記載の方法(1000)。
【請求項17】
天候関連オブジェクトの形態のオブジェクトをフィルタリングするために前記レーダ信号を分析すること(1002)と、前記複数のレーダセンサからのレーダ信号を分析すること(1002)によって前記電気道路軌道モジュール(100)における天候状態を監視することと、をさらに備える、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に電力を供給するための電気道路軌道およびそのシステムの安全性に関し、より具体的には、電気道路軌道モジュール、電気道路軌道システム、オブジェクト検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
完全に、または部分的に電気的に駆動される車両は、そのような車両を支えるインフラとともに技術が向上するにつれて、ますます一般的になっている。電動車両は、化石燃料の使用を減らし、かつ、従来の代替案と比較して環境への影響を減らしつつ、物および人の輸送を可能にする。
【0003】
これらの完全な、または部分的な電気車両を支える道路網に沿うインフラが整備されつつあり、充電スタンドも数多く設置され、電気車両は必要に応じて停車して電気車両のバッテリを充電できるようになった。しかし、充電ステーションで車両用バッテリを充電することは、未だ比較的時間がかかり、これは大容量のバッテリを有する大型車両に特に真実である。
【0004】
そこで、車両に電力を電気的に供給するための新興技術である、電気道路軌道が登場した。電気道路軌道は、走行中の車両に充電する、または直接電力を供給する可能性を提供することができる。電気道路軌道は、道路上に配置され、または道路に組み込まれ、道路に沿って走行する車両に、様々な方法で伝送可能な電力を伝送する。
【0005】
電気道路軌道を介して車両に電力を供給することは新技術であり、電気車両のバッテリを充電するために停車する必要性を減らすことができる。したがって、バッテリの小型化を促進するだけでなく、バッテリを充電するために長時間停車する必要がないため、貨物自動車等の重い輸送車両をより容易に電動化することを促進する。
【0006】
電気道路軌道はまた、貨物輸送であれ個人輸送であれ、従来技術の電気道路軌道では看過されてきた輸送の安全性を改善する大きな可能性を提供する。
【発明の概要】
【0007】
上述のことを考慮して、本発明の目的は、走行の安全性を改善し、電気道路軌道によって車両に電気を供給する手法を提供することである。この目的はまた、上記の従来技術の解決策を改善することでもある。
【0008】
上記の目的のうち少なくとも1つを達成し、また、以下の説明から明らかになる他の目的を達成するために、第1の態様に係る電気道路軌道モジュールが提供される。電気道路軌道モジュールは、
車両に電力を供給するように構成された複数のセグメントであって、絶縁部材によって前記電気道路軌道モジュールに沿って分離されている、複数のセグメントと、
前記電気道路軌道モジュールに沿って配置された複数のレーダセンサと、を備える。
【0009】
レーダセンサは、電気道路軌道モジュールに沿ったオブジェクトのロバストな検出を提供するが、例えばセンサに汚れがある場合では、レーダセンサによる検出は劣化し、感度は低くなる。レーダセンサは、車両、雨や雪などの天候関連オブジェクト、道路を移動する動物など、多数のオブジェクトの検出および判別を提供する。この情報は、道路状態を監視し、必要に応じて道路上の車両に警告するのに役立つ。
【0010】
前記複数のレーダセンサはペアに配置されてもよく、前記ペアにおける第1レーダセンサは、前記電気道路軌道モジュールの長手方向に対して右側の感知方向を有し、前記ペアにおける第2レーダセンサは、前記電気道路軌道モジュールの前記長手方向に対して左側の感知方向を有する。このようにして、レーダセンサによって検知されたオブジェクトが電気道路の左側にあるか右側にあるかに関する情報を決定することができる。
【0011】
前記ペアにおける前記第1レーダセンサは、前記電気道路軌道モジュールの前記長手方向に対して前方または後方の感知方向を有してもよく、前記ペアにおける前記第2レーダセンサは、前記電気道路軌道モジュールの前記長手方向に対して後方または前方の感知方向を有してもよい。
【0012】
前記複数のレーダセンサは、絶縁部材内に配置されてもよい。
【0013】
前記電気道路軌道モジュールは、前記複数のレーダセンサからレーダ感知信号を受信するように構成された制御回路をさらに備えてもよい。制御回路は、レーダセンサ信号からのデータ、即ち、交通流情報および/または天候状態データの形態のデータの処理および管理を容易にする。
【0014】
前記制御回路は、前記複数のレーダセンサからの前記レーダ感知信号に基いて、前記電気道路軌道モジュールの前記セグメントを作動および/または停止させるように構成されていてもよい。
【0015】
前記電気道路軌道モジュールは、前記複数のレーダセンサからのレーダ感知信号に基いて制御されるように構成された複数の光インジケータをさらに備えてもよい。光インジケータは、道路を走行する車両に、レーダセンサからの情報、例えば、前方で往来(traffic)が停止している、または動物/人が道路上を移動している等の情報を提供することを容易にする。
【0016】
第2の態様では、電気道路軌道システムが提供される。電気道路軌道システムは、道路に沿って配置された、第1の態様に係る複数の電気道路軌道モジュールと、
前記複数のレーダセンサからレーダ感知信号を受信するように構成された制御回路(202)を備える制御サーバと、を備える。
【0017】
したがって、電気道路軌道システムは、交通、道路上の障害物、天候等に関する情報を監視、中継し、広範囲からデータを収集できるため、電気道路軌道システムおよび一般的な走行の安全性を向上させることが容易となる。
【0018】
前記制御回路は、前記複数のレーダセンサからの前記レーダ感知信号に基いて、前記電気道路軌道モジュールの前記セグメントを作動および/または停止させるように構成されてもよい。
【0019】
前記制御回路は、前記受信されたレーダ感知信号に基いて、前記複数の電気道路軌道モジュールが前記道路に沿って配置された前記道路に沿って走行する車両の統計情報を蓄積するように構成された交通流機能を実行するようにさらに構成されてもよい。
【0020】
前記制御回路は、前記受信されたレーダ感知信号に基いて天候状態を判断するように構成された天候監視機能を実行するようにさらに構成されてもよい。
【0021】
前記制御回路は、前記受信されたレーダ感知信号に基いてアラーム信号を生成するように構成されたアラーム機能を実行するようにさらに構成されてもよい。例えば、往来の停滞が検出された場合、動物/人が検出された場合、および/または悪天候が検出された場合に、道路上の車両の運転者に前方の危険を通告するためにアラームが生成されてもよい。さらに、アラーム信号は、モバイルデバイス、例えばその専用アプリケーション、クラウドベースのサーバ、緊急サービスによって送信されてもよいし、および/または光インジケータによって送信されてもよい。
【0022】
前記制御回路は、前記受信されたレーダ感知信号を分析して、前記レーダ感知信号をもたらすオブジェクトのタイプを決定するように構成されてもよく、これにより往来および/または天候に関する状況および/または、道路上を移動する動物/人等のレーダセンサによって検出された他のオブジェクトを監視するための正確な情報を提供することが容易となる。
【0023】
前記制御サーバは、前記複数の電気道路軌道モジュールが前記道路に沿って配置された前記道路に沿って走行する車両にアラーム信号を送信するようにさらに構成されてもよい。
【0024】
前記それぞれの電気道路軌道モジュールは、複数の光インジケータを備えてもよく、前記制御サーバは、アラーム信号に基いて前記光インジケータを制御するようにさらに構成されてもよい。このように、アラーム信号は、単純かつ信頼性の高い方法で送信され、道路上の車両の運転者に、前方に検出されたオブジェクトによってアラームが生成されたことを通告できる。
【0025】
第3の態様では、電気道路軌道モジュールを制御する方法が提供される。前記電気道路軌道モジュールは、車両に電力を供給するように構成された複数のセグメントと、電気道路軌道モジュールに沿って配置された複数のレーダセンサと、を備える。本方法は、前記レーダセンサからのレーダ信号を分析することによって、前記電気道路軌道モジュールに沿ったオブジェクトの存在を感知することと、前記電気道路軌道モジュールに沿ったオブジェクトの存在に基いて、前記電気道路軌道モジュールのセグメントを作動および/または停止することと、を備える。
【0026】
前記方法によって、電気道路軌道モジュールの安全性、および電気道路軌道モジュールが設けられた道路を走行する際の安全性を向上できる。さらに、交通流や天候に関する統計情報が生成されてもよく、これは、例えば、渋滞がよく発生する場所、ある道路の往来密度、道路の上を動物が通過しやすい場所などの情報を提供することを容易にする。
【0027】
前記方法は、車両の形態のオブジェクトをフィルタリングするために、前記レーダ信号を分析することと、前記電気道路軌道モジュールに沿って走行する前記車両の統計情報を蓄積することと、をさらに備えてもよい。
【0028】
前記方法は、前記レーダ信号に基いてアラーム信号を生成することと、前記生成されたアラーム信号に基いて、前記電気道路軌道モジュールが前記道路に沿って配置された道路に沿って走行する車両を警告することと、をさらに備えてもよい。警告は、警告に値するほど重大な往来の状態および/または天候状態が検出された場合に生成されてもよい。例えば、往来が低速で移動しているまたは静止している場合、厳しい天候状態が検出された場合等である。
【0029】
前記警告することは、前記電気道路軌道モジュールが前記道路に沿って配置された前記道路に沿って配置された1つ以上の電気道路軌道モジュールの光インジケータを作動させることを備えてもよい。
【0030】
前記方法は、天候関連オブジェクトの形態のオブジェクトをフィルタリングするために前記レーダ信号を分析することと、前記複数のレーダセンサからのレーダ信号を分析することによって前記電気道路軌道モジュールにおける前記天候状態を監視することと、をさらに備えてもよい。
【0031】
一般に、特許請求の範囲において使用される全ての用語は、本明細書において別途定義されていない限り、技術分野における通常の意味にしたがって解釈されるべきである。特に別途明記されていない限り、1つの(a/an)/前記(the)[要素(element)、デバイス(device)、部分(component)、手段(means)、ステップ(step)等]への全ての言及は、前記(said)要素、前記(said)デバイス、前記(said)部分、前記(said)手段、前記(said)ステップ等のうち少なくとも1つの例を言及するものとして、公然と解釈されるべきである。本明細書に開示される任意の方法のステップは、明記されていない限り、開示された正確な順序で実行される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の上記および追加の観点、特徴並びに利点が、添付図面を参照した、本発明の好ましい実施形態の以下の例示的且つ非限定的な、詳細な説明を通して、よりよく理解され、同じ参照番号は、同様の要素について使用されるであろう。
【
図1】
図1は、電気道路軌道モジュールの上面図を開示する。
【
図2】
図2は、電気道路軌道モジュールの側面図を開示する。
【
図3】
図3は、電気道路軌道モジュールの上面図を開示する。
【
図4】
図4は、電気道路軌道モジュールの上面図を開示する。
【
図5】
図5は、電気道路軌道システムの上面図を開示する。
【
図6】
図6は、制御サーバの概略ブロック図を開示する。
【
図7】
図7は、電気道路軌道モジュールに沿ってオブジェクトを検出する方法の概略フローチャートを示す。
【図面の詳細な説明】
【0033】
ここで、本発明の現在の好ましい実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明は以下でより十分に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。寧ろ、これらの実施形態は、徹底さ、および完全性のために提供され、且つ本発明の範囲を当業者に十分に伝える。
【0034】
図1は、電気道路軌道モジュール100を上面図で示している。電気道路軌道モジュール100は、車両12に電力を供給するためのものである(
図5参照)。電気道路軌道モジュール100は、
図5に示されるように電気道路軌道システム300の一部を形成してもよいし、例えば駐車場で車両12に定置型の充電を例えば提供するための独立したユニットであってもよい。
【0035】
電気道路軌道モジュール100の一般的な機能は、電気車両12に電力を供給することである。つまり、電気車両12が道路を走行している間、または電気道路軌道モジュール100の上方に駐車している間に、電気車両12のバッテリを充電することができる。代替的に、または組み合わせて、電気車両12のモータは、電気によって連続的に電力を供給され得る。電気車両12に電力を供給および/または充電するために、電気車両12は、電気道路軌道モジュール100から電力を引き出す集電器14a、14b、14c(
図5参照)を備えていてもよい。
【0036】
電気道路軌道モジュール100は、複数のセグメント30a、30b、少なくとも2つのセグメント30a、30bを備える。セグメント30a、30bは、電気道路軌道モジュール100から車両12への軌道線30の電力伝送を形成してもよい。
【0037】
セグメント30a、30bは、絶縁部材17によって電気道路軌道モジュール100に沿って分離されている。セグメント30a、30bおよび絶縁部材17は、筐体20内に配置されてもよい。全ての第2セグメント30aは、パワーステーション15によって電力が供給されるように構成されてもよい。電力供給されるように構成されたセグメント30aは、セグメント30aの第1セットを形成する。パワーステーション15は、例えば、道路の側面に配置されてもよい。パワーステーション15は、導電体15a、15bを介して電気道路軌道モジュール100に接続されてもよい。
【0038】
正電位によって電力供給されると、セグメント30aの第1セットからの1つのセグメント30aが正極を形成する。他のセグメント30bは、電力が供給されていないセグメント30bの第2セットを形成する。電力供給されていないセグメント30bは、接地と同じ電位を有するように設定されてもよい。あるいは、セグメント30aの第1セットのセグメントは、負電位によって電力供給されてもよく、したがって、負極を形成する。セグメントの第1セットのセグメント30aの1つに電力を供給すると、電力供給されたセグメント30aと電力供給されていないセグメント30bとの間に電圧差が生じる。したがって、電気道路軌道モジュール100は、交流電位を提供するように配置された複数のセグメント30a、30bにセグメント化される。
【0039】
セグメント30a、30bは、走行中の任意の瞬間に、集電器14a、14b、14cの少なくとも1つがセグメント30aの第1セットのセグメント30aに接続され、集電器14a、14b、14cの少なくとも他の1つがセグメント30bの第2セットのセグメント30bに接続されるように配置されている。したがって、電気道路軌道モジュール100からの電力の連続的な収集は、セグメント30aの第1セットのセグメント30aが電力供給されると、達成され得る。
【0040】
電気道路軌道モジュール100は、好ましくは、少なくとも1つの第1タイプのセグメント30aおよび少なくとも1つの第2タイプのセグメント30bを備えるが、電気道路軌道モジュール100は、複数の第1タイプのセグメント30aおよび複数の第2タイプのセグメント30bを備えてもよい。
【0041】
セグメント30a、30bは、車両の走行方向(長手方向)13における伸長方向に沿って、車両12の長さよりも短い長さを有する。非限定的な例に係るセグメント30a、30bの長さは、1m程度である。絶縁部材17は、約10~30cmの長さであってもよい。複数の電気道路軌道モジュール100は、
図5に関してさらに説明されるように、かわるがわる配置され得る。
【0042】
電気道路軌道モジュール100は、制御サーバ200をさらに備えてもよい。制御サーバ200は、パワーステーション15内、および/または電気道路軌道モジュール100内、および/またはクラウドベースのサーバ等のリモートサーバとして配置されてもよい。制御サーバ200は、単一のユニットによって形成されてもよいし、複数のユニットに跨る分散型ユニットとして形成されてもよく、1つまたは複数の電気道路軌道モジュール100の機能および動作の全体的な制御を実行するように構成されている。制御サーバ200は、
図5に関してさらに説明される。
【0043】
前述したことによれば、本明細書の教示は、導電性電力伝送のために構成された電気道路軌道モジュール100に特に有益である。しかしながら、本明細書の教示は、それにもかかわらず、例えば、誘電性電力伝送、または他の電力伝送方法を用いる電気道路軌道にも、同様に適用可能である。
【0044】
本開示は、電気道路軌道システムおよび電気道路軌道モジュールが、情報を収集し、車両および緊急サービス等の他者に提供するための大きな可能性を提供するという認識に基いている。さらになお、電気道路軌道はまだ比較的新しい技術であるため、先行技術の電気道路軌道の安全性は、持続的に改善される分野である。
【0045】
この文脈で、本開示における電気道路軌道モジュール100には、電気道路軌道モジュール100に沿って配置される複数のレーダセンサ102a、102bが設けられている。レーダセンサ102a、102bは、パルスレーダセンサ、コヒーレントレーダセンサ、または好ましくはパルスコヒーレントレーダ等の小型のレーダセンサであってもよい。他のタイプのレーダセンサ102a、102bも同様に適用可能であり、本明細書の教示は、上述のタイプのレーダセンサに限定されるものではない。
【0046】
しかし、所望の精度を得るためには、レーダセンサ102a、102bは、好ましくは短波長帯域を有するべきであり、好ましくはmmレンジの波長帯域を有するべきである。これにより、レーダセンサ102a、102bは、雨滴、および、車両12または集電器14a、14b、14cに損傷を与える可能性のある岩等の微小なデブリほどの小さなオブジェクトを検出できるようになる。
【0047】
レーダセンサ102a、120bは、好ましくは、1mから5mの間の最大範囲を有するが、より長い最大範囲とより短い最大範囲との両方を有してもよい。
【0048】
第1レーダセンサ102aおよび第2レーダセンサ102bの検出ゾーンDZa、DZbは、
図1に示されている。しかしながら、
図1から
図3に示された検出ゾーンDZa、DZbは、限定的なものではなく、主に説明のためのものであり、それぞれの検出ゾーンDZa、DZbは、用途に応じて、異なってもよいし、例えば重なり合ったり、他の方向や範囲を有してもよい。
【0049】
しかしながら、
図1に示されるように、第1レーダセンサ102a、または複数の第1レーダセンサ102aは、電気道路軌道モジュール100の長手方向13に対してデクスター、即ち右側の感知方向を有するように配置されてもよい。長手方向13は、電気道路軌道モジュール100に沿った、意図された進行方向と見做されてもよい。第2レーダセンサ102b、または複数の第2レーダセンサ102bは、電気道路軌道モジュール100の長手方向13に対して、シニスター、即ち左側の感知方向を有していてもよい。各センサ102a、102bは、電気道路軌道モジュール100の長手方向13に対して0°および90°の横方向検出角度を有するそれぞれの検出ゾーンDZa、DZb内のオブジェクトを検出するように構成されていてもよい。
【0050】
さらに、
図1の電気道路軌道モジュール100の側面図を示す
図2に示されているように、さらに本明細書の全ての実施形態に適用可能であるが、第1および第2レーダセンサ102a、102bは、電気道路軌道モジュール100の面に対して上向きに角度付けられているような感知方向を有してもよい。即ち、各センサ102a、102bが、電気道路軌道モジュール100の長手方向13に対して0°および90°の垂直検出角度を有するそれぞれの検出ゾーンDZa、DZb内のオブジェクトを検出するように構成されてもよい。垂直検出角度は、180°と同じくらい大きくてもよい。
【0051】
さらに、
図1に示されるように、第1レーダセンサ102aは、電気道路軌道モジュール100の長手方向13に対して、後方の感知方向を有するように配置されてもよい。第2レーダセンサ102bは、電気道路軌道モジュール100の長手方向13に対して、反対の前方の感知方向を有するように配置されてもよい。当然ながらしかし、逆の配置も可能である。さらに、第1および第2センサ102a、102bの両方は、前方または後方の感知方向に面して配置されてもよい。
【0052】
検出されたオブジェクトに関して角度情報が望まれる特定の用途では、第1センサ102aのそれぞれからのデータおよび/または第2センサ102bのそれぞれからのデータは、例えば制御サーバ200において、マルチラテレーションおよび/またはトリラテレーション目的のために結合されてもよい。
【0053】
各レーダセンサ102a、102bは、電気道路軌道モジュール筐体20内に配置されてもよい。特定の用途では、各レーダセンサ102a、102bは、レーダセンサ102a、102bからのレーダ信号を、レーダ信号の乱れまたは歪みを引き起こすことなく、効果的に透過できるプラスチックカバーの後ろに配置されてもよい。電気道路軌道モジュール100が道路に組み込まれるように、即ち路面と本質的に面一に構成される実施形態については、プラスチックカバーは、電気道路軌道モジュール100から僅かな突出を形成してもよいし、および/または、レーダセンサ102a、102bが電気道路軌道モジュール100の長手方向13に対して横方向および/または長手方向に有効に検出できるように角度を付けて配置されてもよい。当然ながら、レーダセンサ102a、102bのこのような配置は、電気道路軌道モジュール100が路面の上に固定されて配置される場合等、電気道路軌道モジュール100の他の実施形態についても可能である。
【0054】
電気道路軌道モジュール100の上面図を示す
図3に示されるように、複数のレーダセンサ102a、102bは、ペアに配置されてもよい。好ましくは、ペアを形成する1つの第1レーダセンサ102aおよび1つの第2レーダセンサ102bが、共に電気道路軌道モジュール100のいずれかの側面で、電気道路軌道モジュール100の長手方向13に沿った同じ長手方向位置に配置される。
【0055】
図4は、レーダセンサ102a、102bが電気道路軌道モジュール100の絶縁部材17内に配置された電気道路軌道モジュール100の一実施形態の上面図を示す。
【0056】
電気道路軌道モジュール100は、複数のレーダセンサ102a、102からのレーダ信号に基いて制御されるように構成された複数の光インジケータ104a、104bを更に備えてもよい。光インジケータ104a、104bは、電気道路軌道モジュール100が配置された道路を走行する車両12の運転者に、前方に障害物または悪天候等が予測されることを示してもよい。光インジケータ104a、104bは、任意のレーダセンサ102a、102bによって起動されてもよく、必ずしも最も近いレーダセンサ102a、102bである必要はない。したがって、光インジケータ104a、104bは、制御サーバ200を介して制御されてもよい。
【0057】
さらに、レーダセンサ102a、102b、またはレーダセンサ102a、102bからの信号を解読する制御サーバ200は、オブジェクトの大きさ、静止しているか動いているか、雨または雪が降っているか、または水溜り/積雪があるか、前方に渋滞/静止した往来(traffic)があるか、それぞれのセンサ102a、102b上を通過する往来がどの程度か等、異なる検出オブジェクトを区別するように構成されてもよい。
【0058】
LED光源であってもよい光インジケータ104a、104bは、したがって、例えば制御サーバ200によって、前方の交通障害または危険のタイプを示すために、例えば、対応する色に変化することによって、または異なるパターンで点滅することによって、等、適宜制御され得る。光インジケータ104a、104bはさらに、障害物が検出された道路11に沿って、車両12がレーダセンサ102a、102bによって検出された場合にのみ作動するように制御されてもよい。
【0059】
レーダセンサ102a、102bは、好ましくは、電気道路軌道モジュール100の長手方向13に分布している。長手方向13における、2つの第1レーダセンサ102aの間および2つの第2レーダセンサ102bの間の距離は、それぞれ0.5mから5mの間であってもよい。レーダセンサ102a、102bが、例えば筐体20内および/または絶縁部材17内にペアに配置される場合、レーダセンサ102a、102bの2ペア間の長手方向13における距離は0.5mから5m、好ましくは4mであってもよい。当然ながら、レーダセンサ102a、102b間の距離は同様に短くとも長くともよい。
【0060】
電気道路軌道システム300が示されている
図5を参照する。電気道路軌道システム300は、道路11に沿って配置された複数の電気道路軌道モジュール100を備える。電気道路軌道モジュール100は、道路11上に配置されてもよいし、例えばそこに形成された溝に配置され道路11と一体化されてもよい。
【0061】
電気道路軌道システム300は、複数のレーダセンサ102a、102bからレーダ信号、即ち、レーダセンサ102a、102bによって検出されたオブジェクトを示すレーダ信号を受信するように構成された制御回路202を含む制御サーバ200をさらに備える。
【0062】
制御サーバ200は、電気道路軌道システム300における電気道路軌道モジュール100の各々に接続された物理的なユニットによって形成されてもよい。また、制御サーバ200は、さらに、1つまたは複数の電気道路軌道モジュール100の制御サーバ200に接続されてもよい。さらに、制御サーバ200は、例えば電気道路軌道モジュール100の制御サーバ200によって、または、例えば無線ネットワークを介してアクセスされるクラウドコンピューティングによって遠隔制御サーバ200として、分散型ユニットとして形成されてもよい。
【0063】
電気道路軌道システム300の電気道路軌道モジュール100は、互いに物理的に接続される必要はなく、電気道路軌道システム300は、したがって、電気道路軌道モジュール100が互いに関連して地理的に離れた位置に配置され、制御サーバ200の、
図6に示される通信ユニット206によって互いに無線で接続されることによって形成され得ることが理解されよう。
【0064】
制御サーバ200は、
図5に示されるように、パワーステーション15内に配置されてもよい。パワーステーション15は、例えば
図1に関連して説明した導電体15a、15bを介して、電気道路軌道システム300の電気道路軌道モジュール100の1つまたは複数に電力を供給するために配置されてもよい。
【0065】
図5および
図6を同時に参照する。ここで、
図6は、電気道路軌道モジュール100および/または電気道路軌道システム300の制御サーバ200の概略ブロック図である。
【0066】
制御回路202は、複数のレーダセンサ102a、102bから受信されたレーダ感知信号に基いて、複数の電気道路軌道モジュール100が道路11に沿って配置された道路11に沿って走行する車両12に関する統計情報を蓄積するように構成された交通流機能210を実行するように構成されてもよい。したがって、統計データは、例えば、道路11上に静止した、または低速で移動する往来があるかを判断するために使用され得る。車両に関する統計情報は、電気道路軌道システム300の任意のレーダセンサ102a、102bから受信され、電気道路軌道システム300が道路11上に配置された道路11に沿った往来に関するリアルタイムの統計情報を収集してもよい。
【0067】
さらに、交通流機能210は、車両12が存在するセグメント30a、30bが、車両12がそこから電力を引き出すことができるように作動するように、セグメント30a、30bを作動/停止することを備えてもよい。車両12が存在しないセグメント30a、30bは、それに対応して作動されない。
【0068】
交通流機能210は、例えば、道路11上を走行する車両の数、往来が移動する速度、道路11上の車両12間の距離、および速度の変化を監視できるように、通信ユニット206によって交通流統計データを送信することを備えてもよい。情報は、データの発信源であるレーダセンサ102a、102bの位置を示す測位データを備えてもよい。したがって、交通流データは、正確にトレースされ、交通流のパターン等を示すデジタルマップ上に図示されてもよい。
【0069】
測位データは、位置が既知である各電気道路軌道モジュール100および電気道路軌道システム300における各レーダセンサ102a、102bの位置として取得されてもよく、レーダセンサ102a、102bによって検出されたオブジェクトの実際の位置を決定するために用いられてもよい。
【0070】
制御サーバ200は、電気道路軌道システム300内の各電気道路軌道モジュール100の位置および各個別レーダセンサ102a、102bの位置を決定する目的で、GPS測位ユニット216または他のタイプの測位ユニット216からなる測位ユニット216を備えてもよい。この測位ユニット216により、各レーダセンサ102a、102bおよび/または各電気道路軌道モジュール100の実際の位置を決定することができる。
【0071】
制御回路202は、複数のレーダセンサ102a、102bから受信されたレーダ感知信号に基いて天候状態を決定するように構成された、天候監視機能212を実行するようにさらに構成されてもよい。レーダセンサ102a、102bは、したがって、例えば、雨、雪、水溜りが存在するかどうか、および天候状態の厳しさを決定できる手段によって、制御サーバ200に信号を中継できる。さらに、上述のように、レーダセンサ102a、102および/または電気道路軌道モジュール100の位置は、決定された天候状態の位置を決定するために使用され得る。天候監視機能212は、通信ユニット206によって、降水があるかどうか、およびそのタイプ等を示す天候データを送信することを備えてもよい。情報は、データの発信源であるレーダセンサ102a、102bの位置を示す測位データを備えてもよい。このようにして、天候データは、正確にトレースされ、例えばデジタルマップ上において、降水が予想されるかをユーザにリアルタイムで示すことができる。
【0072】
制御回路202は、複数のレーダセンサ102a、102bから受信されたレーダ感知信号に基いてアラーム信号を生成するように構成された、アラーム機能214を実行するようにさらに構成されてもよい。アラーム信号は、1つまたは複数の光インジケータ104a、104bを作動させる手段によって、道路11上の車両12の運転者に信号を提供することを備えてもよい。アラーム信号は、追加的または代替的に、通信ユニット206によって提供されてもよく、障害物のタイプに関する情報、例えば、人または動物が検出された場合、低速で移動しているまたは静止している車両が検出された場合、厳しい天候状態が検出された場合等、を含んでもよい。したがって、アラーム機能214は、レーダセンサ102a、102bによって検出された、オブジェクトの決定されたタイプおよび/または天候状態の厳しさに基いて開始されてもよい。
【0073】
アラーム機能214は、通信ユニット206によってアラーム信号を無線で送信することを備えてもよい。
【0074】
さらに、アラーム信号は、アラーム信号の発信源である、レーダセンサ102a、102bおよび/または電気道路軌道モジュール100の、例えば、電気道路軌道システム300の制御サーバ200のGPSユニットからの位置を示す、位置を含んでもよい。
【0075】
図6に示されるように、制御サーバ200は、電気道路軌道モジュール100および/または複数の電気道路軌道モジュール100を備える電気道路軌道システム300の一部であってもよい。制御サーバ200は、メモリ208と関連付けられた制御回路202を備えてもよい。制御回路202は、CPU(central processing unit)、マイクロコントローラ、またはマイクロプロセッサ等の関連するプロセッサ204を備える。プロセッサ204は、機能210、212、214および制御サーバ200の動作を実行するために、メモリ208に格納されたプログラムコードを実行するように構成される。
【0076】
メモリ208は、バッファ、フラッシュメモリ、ハードディスク、リムーバブルメディア、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、RAM(random access memory)、または別の適切なデバイスのうちの1つまたは複数であってもよい。典型的な構成では、メモリ208は、長期データ記憶用の不揮発性メモリと、制御サーバ200のシステムメモリとして機能する揮発性メモリとを備えてもよい。メモリ208は、データバスを介して制御回路202とデータを交換してもよい。メモリ208と制御回路202との間の、付随する制御線およびアドレスバスもまた、存在してもよい。
【0077】
制御サーバ200は、既述のように、制御回路202に接続され、電気道路軌道モジュール100と別の電気道路軌道モジュール100、例えば別の通信ユニット206、との間、電気道路軌道モジュール100とモバイルデバイスまたはモバイルデバイス用アプリケーション等の他のユニットとの間の、通信を、例えばクラウドサービス、車両12のナビゲーションシステム、緊急サービス等を介して、可能にするように構成された通信ユニット206をさらに備えてもよい。通信ユニット206は、例えば電気道路軌道モジュール100の間で有線通信を提供してもよい。さらに、通信ユニット206によって、無線通信も可能である。また、既述のように、制御サーバ200は、GPS測位ユニット216または他の測位ユニット216等の測位ユニット216を含んでいてもよい。
【0078】
通信ユニット206による通信は、データ転送等を含んでもよい。データ転送は、レーダセンサ102a、102bからの信号等のデータのダウンロードおよび/またはアップロード、並びにメッセージの受信または送信を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。データは、制御サーバ200によって処理されてもよい。処理は、データを、例えば制御サーバ200のメモリ208等のメモリに格納すること、操作または機能を実行すること、等を含んでもよい。
【0079】
制御サーバ200の機能および操作210、212、214は、制御サーバ200の非一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、メモリ208)上に格納され、制御回路202によって(例えば、プロセッサ204を用いて)実行される、実行可能論理ルーチン(例えば、コードライン、ソフトウェアプログラム等)の形態で具現化されてもよい。さらに、制御サーバ200の機能および操作210、212、214は、独立したソフトウェアアプリケーションであってもよいし、制御サーバ200に関連する追加のタスクを実行するソフトウェアアプリケーションの一部を形成してもよい。
【0080】
既述の機能および操作210、212、214は、関連デバイスが実行するように構成された方法1000と見なされてもよい。また、既述の機能および操作210、212、214はソフトウェアで実装されてもよいが、そのような機能は、専用のハードウェア若しくはファームウェア、または、ハードウェア、ファームウェアおよび/若しくはソフトウェアの何らかの組み合わせを介して同様に実行されてもよい。
【0081】
図6を参照すると、車両12に電力を供給するように構成された複数のセグメント30a、30bと、電気道路軌道モジュール100に沿って配置された複数のレーダセンサ102a、102bと、を備える電気道路軌道モジュール100に沿ってオブジェクトを検出する方法1000の概略フローチャートが示されている。本方法は、レーダセンサ102a、102bからのレーダ信号を分析すること1002によって、電気道路軌道モジュール100に沿ったオブジェクトの存在を感知すること1001を備える。レーダ信号は、方法1000が実行される電気道路軌道モジュール100上のレーダセンサ102a、102bから、または方法1000が実行される電気道路軌道システム300の一部を形成する別の関連する電気道路軌道モジュール100から、生じてもよい。
【0082】
方法1000は、車両12の形態のオブジェクトをフィルタリングするためにレーダ感知信号を分析すること1002と、電気道路軌道モジュール100に沿って走行する車両12に関する統計情報を蓄積することと、をさらに備えてもよい。交通流データ、即ち統計情報は、したがって、情報提供の目的のため、および、電気道路軌道モジュール100および/または電気道路軌道システム300が道路11に沿って配置された道路11に沿って交通状況がどのようになっているかを監視するために、蓄積することができる。方法1000は、通信ユニット206によって交通流データを送信すること1004を含んでいてもよい。データは、交通流データの発信源である、レーダセンサ102a、102bおよび/または電気道路軌道モジュール100の位置データをさらに含んでもよい。交通流データは、ある時間間隔で断続的に送信されてもよいし、連続的に送信されてもよい。
【0083】
方法1000は、雨滴、降雪、水溜りおよび/または積雪等の天候関連オブジェクトの形態のオブジェクトをフィルタリングするためにレーダ信号を分析すること1002をさらに備えてもよい。したがって、複数のレーダセンサ102a、102bからのレーダ信号を分析すること1002によって、天候状態を電気道路軌道モジュール100によって監視することができる。
【0084】
したがって、方法1000は、検出された天候状態、即ち天候データに関する情報を、例えば通信ユニット206によって、車両12、モバイルデバイス、または天候監視サービス等の受信者に蓄積および/または送信すること1004を含み得る。したがって、天候状態は、雨/雪/雹が検出されたか否か、水溜り/積雪/積雹(standing water/snow/hail)が存在するか否か、および検出された天候状態の位置を含み得る。天候状態の厳しさもまた、決定され、含まれ得る。
【0085】
即ち、方法1000は、したがって、電気道路軌道システム300の電気道路軌道モジュール100のレーダセンサ102a、102bによって検出され、フィルタリングされた、例えば、天候状態、往来が移動している速度、および/または、通過する車両12の数等の交通状況を示す信号、即ちデータを連続的または断続的に送信すること1004を備えてもよい。方法1000は、信号を送信1004する際に、情報提供の目的で、送信された信号の受信者が、信号がどこから発信されたかを判断でき、したがって信号の解読を容易にするためにそれに応じて情報を提示できるように、レーダセンサ102a、102bによって検出される天候状態および/または交通状況がどこで発生しているのかに関する位置情報を組み込んでもよい。送信された信号の受信者は、例えば車両12、モバイルデバイス、別の電気道路軌道モジュール100、緊急サービスプロバイダ等である。
【0086】
方法1000は、レーダ信号に基いてアラームを生成すること1003と、生成されたアラーム信号に基いて、電気道路軌道モジュール100が道路11に沿って配置された道路11を走行する車両12に警告することと、をさらに備えてもよい。例えば、レーダセンサ102a、102bによって静止した車両や動物の形態のオブジェクトが検出された場合、警告信号を道路11を走行する車両12に送信1004してもよいし、上述のように他の装置に直接または間接的に送信してもよい。
【0087】
道路11上の状況が、事故および/または交通状況の悪化を回避するために車両12に通知する必要があると判断された場合に、アラームが生成される1003。例えば、レーダセンサ102a、102bによって、動物が道路11に沿って移動していることが検出された場合、動物が検出された方向に道路11を走行している車両12に対して、警告を生成1003し、送信1004してもよい。警告は、光インジケータ104a、104bを作動させることによって、および/または、通信ユニット206によって車両12の無線レシーバまたは車両12内の人が携帯するモバイルデバイスのいずれかによって直接受信され得る警告信号を送信すること1004によって、および/または道路11を走行している車両12および/またはモバイルデバイスに警告信号を中継するクラウドベースサーバ等のリモートサーバを介して、受信されてもよい。警告信号はさらに、前述のように、例えば緊急サービスへ送信1004されてもよい。
【0088】
例えば、交通状況および/または天候状態を示す送信アラーム信号および/または送信データ信号を受信した車両12のナビゲーションシステムまたはモバイルデバイスは、そのデジタルナビゲーションマップにその情報を統合して、道路11上の状況を車両12および/またはモバイルデバイスのユーザにリアルタイムでアドバイスまたは通知できる。また、上記情報は、交通渋滞等を回避するための代替経路を生成するために使用され得る。
【0089】
方法1000は、レーダセンサ102a、102bからの検出されたレーダ信号に基いて、電気道路軌道モジュール100のセグメント30a、30bを、例えば、車両12が存在するセグメント30a、30bのみが作動されるように、作動および/または停止すること1005をさらに含み得る。さらに、レーダセンサ102a、102bは、オブジェクトの存在を感知1001してもよいし、レーダ信号を分析すること1002によって、上記オブジェクトが、動物、または作動中の電気道路軌道モジュール100の近くにあるべきではない他のオブジェクトであると判断してもよい。したがって、方法1000は、動物/人への傷害、および/または電気道路軌道モジュール100および/または車両12への損傷を防止するために、セグメント30a、30bを停止すること1005を備えてもよい。
【0090】
さらに、方法1000は、アラーム信号が生成1003されない場合でも、道路11を走行する車両12に交通状況を示すための信号を送信1004する手段として、1つまたは複数の電気道路軌道モジュール100の光インジケータを作動させることを備えてもよい。光インジケータ104a、104bは、上述のように、レーダセンサ102a、102bによって検出されたオブジェクトのタイプに応じて制御され得る。したがって、オブジェクトが、静止している往来、低速で移動する往来、通常の/制限なく移動する往来、動物、倒木および/または水溜り等である場合、異なる表示が光インジケータ104a、104bによって提供され得る。したがって、信号の送信1004および/またはアラームの生成1003は、光インジケータ104a、104bを作動させることを備えてもよい。
【0091】
当業者は、本発明が上記の好ましい実施形態に決して限定されないことを理解する。それどころか、添付の特許請求の範囲内で多くの修正および変更が可能である。加えて、開示された実施形態の変形は、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の検討から、請求項に係る発明を実施する当業者によって理解され、且つ、もたらされ得る。
【国際調査報告】