(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(54)【発明の名称】食品用物品のための抗微生物生分解性組成物
(51)【国際特許分類】
B65D 65/46 20060101AFI20230901BHJP
C09D 5/14 20060101ALI20230901BHJP
C09D 7/63 20180101ALI20230901BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20230901BHJP
C09D 167/04 20060101ALI20230901BHJP
C09D 167/02 20060101ALI20230901BHJP
C09D 101/08 20060101ALI20230901BHJP
C09D 103/02 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
B65D65/46
C09D5/14
C09D7/63
C09D201/00
C09D167/04
C09D167/02
C09D101/08
C09D103/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512673
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-04-14
(86)【国際出願番号】 US2021021894
(87)【国際公開番号】W WO2022039789
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521514831
【氏名又は名称】メレディアン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レゲット,キャロル・ジー
(72)【発明者】
【氏名】バン・トランプ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】レゲット,トーマス・ケイ,ザサード
(72)【発明者】
【氏名】マリンズ,ラッセル
【テーマコード(参考)】
3E086
4J038
【Fターム(参考)】
3E086AB01
3E086AD06
3E086BA14
3E086BA15
3E086BA24
3E086BA25
3E086BA35
3E086BB63
3E086BB81
3E086BB85
3E086CA01
4J038BA021
4J038BA111
4J038DD011
4J038DD041
4J038KA02
4J038KA08
4J038KA10
4J038NA02
4J038NA27
4J038PB04
4J038PC08
4J038PC10
(57)【要約】
本開示は、食品接触物品を提供する。一態様によれば、食品接触物品は、少なくとも1つの食品接触面を含む。この少なくとも1つの食品接触面は、少なくとも50重量%の少なくとも1つの生分解性ポリマー、例えばポリヒドロキシアルカノエート、及び約0.1重量%~約1.0重量%の少なくとも1つの抗微生物剤から構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの食品接触面を有する食品接触物品であって、前記少なくとも1つの食品接触面が、少なくとも50重量%の少なくとも1つの生分解性ポリマー及び約0.1重量%~約1.0重量%の少なくとも1つの抗微生物剤を含む、食品接触物品。
【請求項2】
食品接触物品が、食品容器、カップ、食器、又は食品包装フィルムを含む、請求項1に記載の食品接触物品。
【請求項3】
前記食品接触物品が生分解性基材を含み、前記食品接触面が、前記基材上に形成されたコーティングを含み、前記コーティングは、少なくとも50重量%の少なくとも1つの生分解性ポリマー及び約0.1重量%~約1.0重量%の少なくとも1つの抗微生物剤を含む、請求項1に記載の食品接触物品。
【請求項4】
前記生分解性基材が板紙を含む、請求項1に記載の食品接触物品。
【請求項5】
前記食品接触面が、約80~約99.9重量%重量%の少なくとも1つの生分解性ポリマーを含む、請求項1に記載の食品接触物品。
【請求項6】
前記抗微生物剤が、抗菌剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、抗藻剤、抗プリオン剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の食品接触物品。
【請求項7】
前記抗微生物剤が、食品接触物品の約0.1~約1.0重量%の量のリゾチームを含む、請求項1に記載の食品接触物品。
【請求項8】
抗菌剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、抗藻剤、抗プリオン剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第2の抗微生物剤をさらに含む、請求項7に記載の食品接触物品。
【請求項9】
前記抗微生物剤(antimicrobial)が、前記少なくとも1つの食品接触面上にスプレーとして適用される、請求項1に記載の食品接触物品。
【請求項10】
前記少なくとも1つの生分解性ポリマーが、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ(ブチレンスクシネート)、ポリ(ブチレンスクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(乳酸)、セルロースエステル、熱可塑性デンプン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の食品接触物品。
【請求項11】
前記少なくとも1つの生分解性ポリマーがポリヒドロキシアルカノエートを含む、請求項1に記載の食品接触物品。
【請求項12】
前記ポリヒドロキシアルカノエートが、約75~約99.9モル%の3-ヒドロキシブチレートのモノマー残基及び約0.1~約25モル%の5~12個の炭素原子を有する第2のヒドロキシアルカノエートのモノマー残基から構成されるコポリマーを含む、請求項11に記載の食品接触物品。
【請求項13】
前記ポリヒドロキシアルカノエートが、約75~約99.9モル%の3-ヒドロキシブチレートのモノマー残基及び約0.1~約25モル%の3-ヒドロキシヘキサノエートのモノマー残基、及び約0.1~約25モル%の5~12個の炭素原子を有する第3のヒドロキシアルカノエートのモノマー残基から構成されるターポリマーを含む、請求項11に記載の食品接触物品。
【請求項14】
前記ポリヒドロキシアルカノエートが、約100,000~約3,000,000ダルトンの初期重量平均分子量を有する、請求項11に記載の食品接触物品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願に対する相互参照】
【0001】
本願は、2020年8月21日に出願された米国仮特許出願第63/068,401号の先の出願日による利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、生分解性ポリマー組成物に関する。より詳細には、本開示は、生分解性であり、かつ抗微生物特性も有する食品接触用途のためのポリマー組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
食品媒介疾患は、最も一般的には経口経路を介して伝染する。従って、摂取される細菌の数を減らすことは、胃腸細菌感染を減らすために最も重要である。この点で、食品容器は、食品取扱者から細菌及び他の病原体を拡散させる際のキャリア材料として作用し得、又は、温かい食品上の細菌増殖を促進する際の培養器として機能し得る。
【0004】
従って、食品の安全性を改善するために、使用時に容器内に導入される場合がある細菌若しくは他の病原体を殺傷し、又は少なくともその増殖を阻害することができる食品容器を提供することが望ましいであろう。さらに、生分解性及び/又は堆肥化可能な材料から形成されたそのような食品容器を提供することが特に望ましいであろう。
【発明の概要】
【0005】
第1の局面において、本開示は、食品接触物品を提供する。一態様によれば、食品接触物品は、少なくとも1つの食品接触面を含む。この少なくとも1つの食品接触面は、少なくとも50重量%の少なくとも1つの生分解性ポリマー及び約0.1重量%~約1.0重量%の少なくとも1つの抗微生物剤(antimicrobial agent)から構成されている。
【0006】
いくつかの態様では、食品接触物品は、好ましくは食品容器、カップ、食器、又は食品包装フィルムである。
【0007】
特定の態様によれば、食品接触物品は、好ましくは、その上にコーティングが形成された生分解性基材から構成されている。このコーティングは、食品接触面を構成し、好ましくは少なくとも50重量%の少なくとも1つの生分解性ポリマー及び約0.1重量%~約1.0重量%の少なくとも1つの抗微生物剤から構成されている。より好ましくは、生分解性基材は、板紙から構成されている。
【0008】
特定の態様では、食品接触面は、好ましくは、少なくとも75重量%の少なくとも1つの生分解性ポリマー、より好ましくは約80~約99.9重量%重量%の少なくとも1つの生分解性ポリマーから構成されている。
【0009】
場合により、抗微生物剤は、好ましくは、抗菌剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、抗藻剤、抗プリオン剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0010】
特定の好ましい態様では、抗微生物剤は、食品接触物品の約0.1~約1.0重量%のリゾチームから構成されている。さらに、特定の態様では、食品接触物品は、抗菌剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、抗藻剤、抗プリオン剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第2の抗微生物剤も含む。
【0011】
特定の態様によれば、抗微生物剤は、好ましくは、少なくとも1つの食品接触面上にスプレーとして適用される。他の態様では、抗微生物剤は、コーティングとして適用される場合がある。さらなる他の態様では、抗微生物剤は、食品接触物品を抗微生物剤の混合物中に浸漬し、食品接触面に抗微生物剤を吸収させることによって適用される場合がある。
【0012】
特定の態様では、少なくとも1つの生分解性ポリマーは、好ましくは、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ(ブチレンスクシネート)、ポリ(ブチレンスクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(乳酸)、セルロースエステル、熱可塑性デンプン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、少なくとも1つの生分解性ポリマーは、ポリヒドロキシアルカノエートを含む。
【0013】
特定の態様によれば、ポリヒドロキシアルカノエートは、好ましくは、約75~約99.9モル%の3-ヒドロキシブチレートのモノマー残基及び約0.1~約25モル%の5~12個の炭素原子を有する第2のヒドロキシアルカノエートモノマー残基から構成されるコポリマーから構成されている。
【0014】
特定の他の態様では、ポリヒドロキシアルカノエートは、好ましくは、約75~約99.9モル%の3-ヒドロキシブチレートのモノマー残基及び約0.1~約25モル%の3-ヒドロキシヘキサノエートのモノマー残基、及び約0.1~約25モル%の5~12個の炭素原子を有する第3のヒドロキシアルカノエートのモノマー残基から構成されるターポリマーから構成されている。
【0015】
場合により、ポリヒドロキシアルカノエートは、好ましくは、約50,000~約4,000,000ダルトン、より好ましくは約100,000~約3,000,000ダルトン、最も好ましくは約100,000~約2,000,000ダルトンの初期重量平均分子量を有する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
一局面において、本開示は、食品接触物品を提供する。この食品接触物品は、少なくとも1つの食品接触面を含む。多くの場合、物品は、複数の食品接触面を含む場合がある。特定の態様では、例えば、食品接触物品は、食品容器、カップ、食器、又は食品包装フィルムの形態をとる場合がある。
【0017】
場合により、食品接触物品は、その上にコーティングが形成された生分解性基材から構成されている。そのような場合、コーティングは食品接触面として機能する。好ましくは、この生分解性基材は、板紙から構成されている。しかしながら、代替的に、この生分解性基材は、フィルム、シート、ボール紙、又は紙から構成されている場合がある。
【0018】
本開示によれば、食品接触物品は、好ましくは生分解性及び/又は堆肥化可能である。より詳細には、食品接触物品は、生分解性及び堆肥化可能の両方である。
【0019】
本明細書で使用される場合、用語「生分解性」は、嫌気性及び好気性環境内で(ASTM D5511により決定される)、土壌環境内で(ASTM 5988により決定される)、淡水環境内で(ASTM D5271(EN 29408)により決定される)、又は海洋環境内で(ASTM D6691により決定される)、生物(微生物)によって生分解を受けるであろうプラスチック又はポリマー材料を指す。生分解性プラスチックの生分解性はまた、ASTM D6868及びEuropean EN 13432を用いて決定することができる。
【0020】
本明細書で使用される場合、用語「堆肥化可能」は、ASTM D6400に従って構成された工業用又は家庭用のいずれかの場合があるプラスチック又はポリマー材料を指す。
【0021】
一般に、食品接触面は、ポリヒドロキシアルカノエート、及び少なくとも1つの抗微生物剤から構成される。
【0022】
一般に、少なくとも1つの食品接触面は、少なくとも50重量%の少なくとも1つの生分解性ポリマーから構成される。好ましくは、少なくとも1つの食品接触面は、少なくとも75重量%の少なくとも1つの生分解性ポリマーから構成される。より好ましくは、少なくとも1つの食品接触面は、少なくとも80重量(weigh)%のポリヒドロキシアルカノエート、さらにより好ましくは約85~約99.9重量%の少なくとも1つの生分解性ポリマーから構成される。
【0023】
特定の態様では、少なくとも1つの生分解性ポリマーは、好ましくは、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ(ブチレンスクシネート)、ポリ(ブチレンスクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(乳酸)、セルロースエステル、熱可塑性デンプン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0024】
より好ましくは、少なくとも1つの生分解性ポリマーは、ポリヒドロキシアルカノエート、及び任意的にさらなる生分解性ポリマーも含む。場合により、食品接触面のポリヒドロキシアルカノエートは、ポリヒドロキシブチレートなどのホモポリマーから構成される場合がある。しかしながら、より典型的には、食品接触面のポリヒドロキシアルカノエートは、異なるヒドロキシアルカノエートモノマーから形成されたコポリマー又はさらにはターポリマーである。
【0025】
例えば、いくつかの態様では、ポリヒドロキシアルカノエートは、約75~約99.9モル%の3-ヒドロキシブチレートのモノマー残基及び約0.1~約25モル%の5~12個の炭素原子を有する第2のヒドロキシアルカノエートのモノマー残基から構成されたコポリマーから構成されている。より好ましくは、第2のヒドロキシアルカノエートは、3-ヒドロキシヘキサノエートである。
【0026】
他の態様では、ポリヒドロキシアルカノエートは、好ましくは、約75~約99.9モル%の3-ヒドロキシブチレートのモノマー残基及び約0.1~約25モル%の3-ヒドロキシヘキサノエートのモノマー残基、及び約0.1~約25モル%の5~12個の炭素原子を有する第3の3-ヒドロキシアルカノエートのモノマー残基から構成されたターポリマーから構成されている。
【0027】
一般に、食品接触面で使用されるポリヒドロキシアルカノエートは、約50,000~約4,000,000ダルトンの初期重量平均分子量を有する。より好ましくは、食品接触面で使用されるポリヒドロキシアルカノエートは、約100,000~約3,000,000ダルトン、最も好ましくは約100,000~約2,000,000ダルトンの初期重量平均分子量を有する。
【0028】
上述したように、食品接触面は、少なくとも1つの抗微生物剤を含む。例えば、食品接触面は、抗菌剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、抗藻剤、抗プリオン剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの抗微生物剤を含む場合がある。
【0029】
食品接触面に含まれる場合がある適切な抗菌剤の例は、亜鉛ピリチオン、銀系化合物、
第4級アンモニア化合物、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、及びリゾチームを含む。
【0030】
食品接触面に含まれる場合がある適切な抗真菌剤の例は、イソチアオリノン及びチアベンダゾール、キトサンを有する又は有さない乳酸菌(Lactobacilli)縣濁液、サリチル酸溶液、及びナタマイシンを含む。
【0031】
食品接触面に含まれる場合がある適切な抗寄生虫剤の例は、アトバコン、ピレスロイド、銀ナノ粒子、ペルメトリン、S-ビオアレトリン、ピペロニルブトキシドペルメトリン、ピリプロキシフェン、安息香酸ベンジル、ルフェノクスロン、及びアバメクチンを含む。
【0032】
食品接触面に含まれる場合がある適切な抗藻剤の例は、ストレプトミセテス種(Streptomycetes sp.)により生成されるいくつかの生化学的生成物、又はリン脱酸銅(Cu-DHP)を含む。食品接触面に含まれる場合がある適切な抗プリオン剤の例は、ペントサンポリスルフェート、スラミン、アンホテリシンB、コンゴ-レッド(congo red)、樹状ポリアミン、ビスアクリジン、ポリフェノール、フェノチアジン、抗ヒスタミン、スタチン、及びキナクリンを含む。
【0033】
好ましくは、食品接触面は、少なくとも抗菌剤を含む。特に好ましい抗微生物剤は、食品接触物品の約0.1%~約1.0%重量%の量のリゾチームから構成される。
【0034】
リゾチームは、動物により生成される酵素であり、抗菌活性を示す。特に、リゾチームは、グラム陽性菌の細胞壁を分解し、最終的には細菌の溶解をもたらす加水分解反応を触媒する。
【0035】
加水分解による分解反応を触媒するリゾチームの能力を考えると、リゾチームの使用は、ポリヒドロキシアルカノエートなどの生分解性ポリマーと不適合であろうことが従来予想されていた。しかしながら、驚くべきことに、本発明者らは、リゾチームをポリヒドロキシアルカノエートに包含させることは、ポリヒドロキシアルカノエートの有意な分解をもたらさないことを観察した。
【0036】
いくつかの態様では、食品接触面は、組み合わせて使用される2つ以上の抗微生物剤を含む場合がある。例えば、食品接触面は、上記に論じたリゾチームを抗菌剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、抗藻剤、抗プリオン剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第2の抗微生物剤と共に含む場合がある。
【0037】
特定の態様によれば、抗微生物剤は、好ましくは、少なくとも1つの食品接触面上にスプレーとして適用される。他の態様では、抗微生物剤は、水性コーティング、輪転グラビア、アラロックス(aralox)、処方成形(formulative molding)により適用される場合がある。さらなる態様では、抗微生物剤は、薬剤が食品接触面上に吸収されるように、食品接触物品を抗微生物剤の浴に浸漬することによって適用される場合がある。さらなる他の態様では、抗微生物剤は、食品接触面を形成する前に、ポリヒドロキシアルカノエートと混合される場合がある。
【0038】
いくつかの態様において、食品接触面は、生分解性ポリマー及び抗微生物剤に加えて他の成分も含む場合がある。例えば、食品接触面は、核剤、可塑剤、充填剤、及び/又は耐衝撃性改良剤も含む場合がある。
【0039】
食品接触面で使用される適切な核剤は、例えば、エリトリトール、ペンタエリトリトー
ル、ジペンタエリトリトール、人工甘味剤、ステアレート、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、ポリエステルワックス、ナノ粘土、ベヘナミド、エルカミド、ステアラミド、オレアミド、ポリヒドロキシブチレート、及びそれらの混合物からなる群から選択される場合がある。
【0040】
食品接触面で使用される適切な可塑剤は、例えば、セバケート、シトレート、アジピン酸の脂肪エステル、コハク酸、及びグルカル酸、ラクテート、アルキルジエステル、シトレート、アルキルメチルエステル、ジベンゾエート、炭酸プロピレン、200~10,000g/molの数平均分子量を有するカプロラクトンジオール、400~10,000g/molの数平均分子量を有するポリ(エチレン)グリコール、植物油のエステル、長鎖アルキル酸、アジペート、グリセロール、イソソルビド誘導体又はそれらの混合物、HALLGREEN IM-8830エステル、HALLGREEN R-8010エステル、少なくとも18モル%のヒドロキシブチレート以外のヒドロキシアルカノエートのモノマー残基を含むポリヒドロキシアルカノエートコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される場合がある。
【0041】
食品接触面で使用される適切な充填剤は、例えば、炭酸カルシウム、タルク、ナノ粘土、ナノセルロース、ヘンプ繊維、カオリン、カーボンブラック、珪灰石、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、雲母、シリカ、ドロマイト、硫酸バリウム、磁鉄鉱、ハロイサイト、酸化亜鉛、二酸化チタン、モンモリロナイト、長石、アスベスト、ホウ素、鋼、カーボンナノチューブ、セルロース繊維、亜麻、綿、デンプン、多糖類、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、キチン、及びそれらの混合物からなる群から選択される場合がある。
【0042】
食品接触面で使用される適切な耐衝撃性改良剤は、例えば、有機ペルオキシ酸、無機ペルオキシ酸、イソソルビド誘導体、又はそれらの混合物からなる群から選択される場合がある。
【0043】
本発明のための好ましい態様の前述の記載は、説明及び記述を目的として提示されている。それらは、網羅的であること、又は、本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして明らかな修正又は改変が可能である。態様は、本発明の原理及びその実際の適用の最良の説明を提供し、それにより本発明を様々な態様で及び意図される特定の使用に適した様々な修正を加えて使用することを当業者に可能とする試みにおいて選択及び記載されている。そのような修正及び改変の全ては、それらが公正に、法的に、かつ公正に権利を与えられている範囲に従って解釈される場合、添付の特許請求の範囲により決定される本発明の範囲内に含まれる。
【国際調査報告】