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特表2023-538658超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスの追跡
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(54)【発明の名称】超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスの追跡
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20230901BHJP
   H02J 50/15 20160101ALI20230901BHJP
   A61N 1/378 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
A61B8/14
H02J50/15
A61N1/378
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512799
(86)(22)【出願日】2021-08-24
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 US2021047353
(87)【国際公開番号】W WO2022046770
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】63/069,522
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520404344
【氏名又は名称】イオタ バイオサイエンシズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IOTA BIOSCIENCES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カイ, ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】ゴウダ, スラジュ
(72)【発明者】
【氏名】マハルビズ, マイケル エム.
(72)【発明者】
【氏名】カルメーナ, ホセ エム
【テーマコード(参考)】
4C053
4C601
【Fターム(参考)】
4C053KK10
4C601EE09
4C601GA20
4C601GA21
4C601GB03
4C601HH29
4C601HH31
(57)【要約】
超音波を使用して対象体内の埋め込み型デバイスを発見又は追跡するための方法及びシステムの実施形態が説明される。埋め込み型デバイスを追跡するための方法は、埋め込み型デバイスとの同期状態を確立することと、埋め込み型デバイスの位置を推定することと、超音波信号強度に基づいて、超音波ビームが合焦している場所を維持するか調整するかを判定することとを含みうる。超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを発見するための方法は、複数の焦点に逐次的に合焦するように超音波ビームを放射することと、焦点に合焦した超音波ビームに対応する超音波後方散乱を受波することと、超音波後方散乱が所定のパターンを含む可能性がどの程度であるかを示すスコアを生成するために、受波された超音波後方散乱を、発見されるべき埋め込み型デバイスに関連付けられた所定のパターンと比較することと、スコアに基づいて埋め込み型デバイスの位置を決定することと、を含みうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを、前記埋め込み型デバイスに供給される電力を維持するために追跡するための方法であって、
前記埋め込み型デバイスとの同期状態を確立することであって、
第1の焦点に超音波ビームを放射し、前記放射された超音波ビームに対応する第1の超音波後方散乱を受波することと、
前記第1の超音波後方散乱に基づいて第1の信号強度を決定することと、
前記第1の信号強度が所定の閾値以上であるとの判定に応じて、前記埋め込み型デバイスとの前記同期状態を確立することと、を含む、ことと、
前記埋め込み型デバイスの位置を推定することと、
前記推定された位置に前記第1の焦点よりも近い第2の焦点に前記超音波ビームを放射し、前記放射された超音波ビームに対応する第2の超音波後方散乱を受波することと、
前記第2の超音波後方散乱に基づいて第2の信号強度を決定することと、
前記決定された第2の信号強度を前記第1の信号強度と比較することに基づいて、前記放射された超音波ビームが合焦している場所を維持するか又は調整するかを判定することと、を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記同期状態を確立することは、前記第1の信号強度が前記所定の閾値を満たす前記第1の焦点を決定するために、探索領域内の複数の焦点に逐次的に合焦するように前記超音波ビームを制御することを含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記超音波ビームを制御することは、前記第1の超音波後方散乱から決定された前記第1の信号強度が前記所定の閾値を上回ると判定されるまで、前記複数の焦点に逐次的に合焦するように前記超音波ビームを第1の方向に向かわせることを含む、方法。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法であって、前記超音波ビームの前記決定された焦点を前記第2の焦点に維持すると判定したことに応じて、
前記決定された第2の焦点に合焦するように前記超音波ビームを維持することと、
前記超音波ビームが前記決定された第2の焦点に合焦している間に受波された超音波後方散乱から決定された信号強度を監視することと、を有する、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記監視される信号強度は、インタロゲータにおいて受波される超音波後方散乱に情報を符号化するために前記埋め込み型デバイスによって生成される変調信号に対応する、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記符号化された情報は、前記埋め込み型デバイスを一意的に識別する、方法。
【請求項7】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法であって、前記超音波ビームの前記第2の焦点を調整すると判定したことに応じて、受波された超音波後方散乱に基づいて前記埋め込み型デバイスの前記位置を反復的に推定することと、前記超音波ビームの焦点を更新することであって、前記更新された焦点について受波された超音波後方散乱から決定された信号強度がもはや増加しなくなるまで、前記推定された位置の前記方向に前記超音波ビームの焦点を更新することと、を有する、方法。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法であって、前記第1の超音波後方散乱に基づいて前記第1の信号強度を決定することは、
前記第1の超音波後方散乱から、前記埋め込み型デバイスに関連付けられたインプラント信号を抽出することと、
前記抽出されたインプラント信号に基づいて前記第1の信号強度を決定することと、を含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記インプラント信号を抽出することは、前記インプラント信号を抽出するために、前記後方散乱超音波から信号干渉を相殺することを含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記抽出されたインプラント信号に基づいて、追跡されている前記埋め込み型デバイスを識別することを有する、方法。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の方法であって、前記第1の超音波後方散乱は、前記埋め込み型デバイスによって前記第1の超音波後方散乱に符号化されたインプラント信号を含む第1の部分と、前記インプラント信号を含まない第2の部分とを含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記第1の超音波後方散乱の前記第1の部分と前記第2の部分とを比較することに基づいて、前記インプラント信号の前記第1の信号強度を決定することを有する、方法。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載の方法であって、前記埋め込み型デバイスの前記位置は、前記同期状態を確立した後に推定される、方法。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の方法であって、前記埋め込み型デバイスの前記位置は、受信ビームフォーミングに基づいて推定される、方法。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか1項に記載の方法であって、極大値信号強度に関連付けられた焦点を決定することであって、
前記埋め込み型デバイスの前記位置を推定することと、
現在の焦点に対する前記埋め込み型デバイスの前記推定された位置の方向に基づいて、前記現在の焦点からテスト焦点に前記超音波ビームを向かわせることであって、前記現在の焦点は、以前の焦点になる、ことと、
前記超音波ビームが前記テスト焦点に放射される場合の超音波後方散乱に基づいて信号強度を決定することと、
前記超音波ビームが前記テスト焦点に放射された場合の前記信号強度を、前記超音波ビームが前記以前の焦点に放射された場合の前記信号強度と比較することと、
を反復的に行うことを含む、ことを有する、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記極大値に関連付けられた前記焦点を決定したことに応じて、前記埋め込み型デバイスとの定常状態を確立することを有し、前記信号強度が第2の所定の閾値未満に減少するならば、前記極大値信号に関連付けられた前記焦点が再決定される、方法。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れか1項に記載の方法であって、前記放射された超音波ビームが合焦している場所を維持するかどうかを判定することは、
インタロゲータの動きを監視することと、
前記監視された動きに基づいて、前記超音波ビームの焦点に対する調整を決定することと、を含む、方法。
【請求項18】
請求項1乃至17の何れか1項に記載の方法であって、前記埋め込み型デバイスを追跡するための前記方法は、インタロゲータ・デバイスにおいて実行される、方法。
【請求項19】
超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを追跡するためのシステムであって、
複数のトランスデューサを備えるトランスデューサ・アレイと、
コントローラであって、
前記埋め込み型デバイスとの同期状態を確立することであって、
第1の焦点に超音波ビームを放射し、前記放射された超音波ビームに対応する第1の超音波後方散乱を受波するように前記トランスデューサ・アレイを制御することと、
前記第1の超音波後方散乱に基づいて第1の信号強度を決定することと、
前記第1の信号強度が所定の閾値以上であるとの判定に応じて、前記埋め込み型デバイスとの前記同期状態を確立することと、を含む、ことと、
前記埋め込み型デバイスの位置を推定することと、
前記推定された位置に前記第1の焦点よりも近い第2の焦点に前記超音波ビームを放射し、前記放射された超音波ビームに対応する第2の超音波後方散乱を受波するように前記トランスデューサ・アレイを制御することと、
前記第2の超音波後方散乱に基づいて第2の信号強度を決定することと、
前記決定された第2の信号強度を前記第1の信号強度と比較することに基づいて、前記放射された超音波ビームが合焦している場所を維持するか又は調整するかを判定することと、を行うように構成されたコントローラと、を備えるシステム。
【請求項20】
超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを発見するための方法であって、
複数の焦点に逐次的に合焦するように超音波ビームを放射することと、
前記複数の焦点の各焦点において、
前記焦点に位置するならば、前記埋め込み型デバイスが、前記超音波ビームの超音波からのエネルギーを、電源オフ状態から電源オン状態になるための電気エネルギーに変換することを可能にする持続時間の間、前記合焦している超音波ビームを前記焦点に保持することと、
前記焦点に合焦された前記超音波ビームに対応する超音波後方散乱を受波することと、
前記受波された超音波後方散乱を、発見されるべき前記埋め込み型デバイスに関連付けられた所定のパターンと比較して、前記超音波後方散乱が前記所定のパターンを含む可能性がどの程度であるかを示すスコアを生成することと、
前記複数の焦点内の各焦点について生成された複数のスコアに基づいて、前記複数の焦点から前記埋め込み型デバイスの位置を決定することと、を有する方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、前記埋め込み型デバイスを前記電源オン状態にならせることを有する、方法。
【請求項22】
請求項20又は21に記載の方法であって、前記埋め込み型デバイスの前記決定された位置に対応する前記焦点に合焦された前記インタロゲータによって放射された超音波を使用して、前記埋め込み型デバイスとの超音波通信リンクを確立することをさらに有する、方法。
【請求項23】
請求項20乃至22の何れか1項に記載の方法であって、前記複数の焦点は、前記超音波ビームの操向可能範囲に対応する、方法。
【請求項24】
請求項20乃至23の何れか1項に記載の方法であって、前記所定のパターンは、1つ以上の方形波を含む、方法。
【請求項25】
請求項20乃至24の何れか1項に記載の方法であって、前記所定のパターンは、前記埋め込み型デバイスを一意的に識別する、方法。
【請求項26】
請求項20乃至25の何れか1項に記載の方法であって、前記所定のパターンは、前記埋め込み型デバイスによって前記超音波後方散乱に符号化される情報を含む、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、前記埋め込み型デバイスは、前記放射された超音波ビームから前記超音波を受波し、前記埋め込み型デバイスにおいて受波された前記超音波に基づいて生成された電気信号を変調することによって、前記情報を前記超音波後方散乱に符号化する、方法。
【請求項28】
請求項20乃至27の何れか1項に記載の方法であって、前記埋め込み型デバイスの前記位置を決定することは、前記複数の焦点内の焦点の部分集合から焦点を選択することであって、焦点の前記部分集合内の各焦点に対応する前記スコアは、所定の閾値を上回る、ことを含む、方法。
【請求項29】
請求項20乃至27の何れか1項に記載の方法であって、前記埋め込み型デバイスの前記位置を決定することは、前記複数のスコアに基づいて、前記埋め込み型デバイスの最も可能性の高い位置であるとして、前記複数の焦点から焦点を選択することを含む、方法。
【請求項30】
請求項28又は29に記載の方法であって、前記埋め込み可能デバイスの前記位置を確認することであって、
所定の期間の間、前記選択された焦点に合焦するように前記超音波ビームを放射することと、
前記選択された焦点に前記埋め込み型デバイスが位置することを確認するために、前記超音波ビームが前記選択された焦点に合焦している間に受波された超音波後方散乱を分析することと、を含むことを有する、方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法であって、前記選択された焦点に前記埋め込み型デバイスが位置することを確認したことに応じて、前記超音波ビームを前記選択された焦点に維持することを有する、方法。
【請求項32】
請求項20乃至31の何れか1項に記載の方法であって、前記埋め込み型デバイスを発見するための前記方法は、インタロゲータ・デバイスにおいて実行される、方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であって、前記インタロゲータは、トランスデューサ・アレイ内の複数のトランスデューサを備え、前記複数の焦点に逐次的に合焦するように前記超音波ビームを放射することは、前記複数の焦点に逐次的に合焦するように前記超音波ビーム内の超音波を送波するように前記複数のトランスデューサを制御することを含む、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、前記超音波ビームを放射することは、前記トランスデューサ・アレイの操向可能な角度範囲内の前記複数の焦点の各焦点に前記合焦された超音波ビームを逐次的に向かわせることを含む、方法。
【請求項35】
請求項33に記載の方法であって、前記超音波ビームを放射することは、前記複数の焦点の各焦点に前記合焦された超音波ビームを逐次的に向かわせるために、前記トランスデューサ・アレイを機械的に移動することを含む、方法。
【請求項36】
請求項33乃至35の何れか1項に記載の方法であって、前記超音波ビームを放射することは、前記複数の焦点の各焦点に前記合焦された超音波ビームを逐次的に向かわせるために、前記トランスデューサ・アレイ内の各トランスデューサに電力がいつ供給されるかを制御することを含む、方法。
【請求項37】
請求項20乃至36の何れか1項に記載の方法であって、前記埋め込み型デバイスは、前記電力オフ状態から前記電力オン状態になるために、前記超音波ビームの前記超音波から変換された前記電気エネルギーを蓄積する1つ以上のキャパシタを備える、方法。
【請求項38】
請求項1乃至18及び20乃至37の何れか1項に記載の方法であって、前記超音波ビームは、10mm未満のスポット・サイズを有する、方法。
【請求項39】
超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを発見するためのシステムであって、
複数のトランスデューサを備えるトランスデューサ・アレイと、
コントローラであって、
複数の焦点に逐次的に合焦される超音波ビームを放射するように前記トランスデューサ・アレイを制御することと、
前記複数の焦点の各焦点において、
前記焦点に位置するならば、前記埋め込み型デバイスが、前記超音波ビームの超音波からのエネルギーを電気エネルギーに変換し、電源オフ状態から電源オン状態になることを可能にする持続時間の間、前記合焦している超音波ビームを前記焦点に保持することと、
前記放射された超音波ビームに対応する超音波後方散乱を受波することと、
前記受波された超音波後方散乱を、発見されるべき前記埋め込み型デバイスに関連付けられた所定のパターンと比較して、前記超音波後方散乱が前記所定のパターンを含む可能性がどの程度であるかを示すスコアを生成することと、
前記複数の対応する焦点について生成された複数のスコアに基づいて、前記複数の焦点から前記埋め込み型デバイスの位置を決定することと、を行うように構成されたコントローラと、を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月24日に出願された米国仮出願第63/069,522号に対する優先権の利益を主張し、この出願は、参照により本書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、総括的に、超音波を使用して埋め込み型デバイスに給電することに関し、より具体的に、埋め込み型デバイスに電力を効率的に送達するために超音波を使用して埋め込み型デバイスを追跡することに関する。
【背景技術】
【0003】
患者の様々な医療状態を治療するための方法が開発されている。これらの方法は、心臓又は神経バイオインプラントのような埋め込み型医療デバイスを患者の体内に挿入することを含みうる。このような埋め込み型デバイスを無線方式で動作させることは、多くの生物医学的用途にとって技術的課題であり続けている。これは、一部には、無線周波数(RF)を使用して無線デバイスを制御する従来のアプローチが生物医学的文脈において多くの制限を有し、患者に健康上の危険をもたらす可能性があるためである。例えば、RFを処理するために必要なRFアンテナは大きなフォーム・ファクタを有することがあり、体内の多くの場所でRFアンテナを使用する埋め込み型デバイスを安全かつ快適に配置するには大きすぎるものにしうる。生体組織はまた、RFキャリア周波数から容易にエネルギーを吸収する傾向があり、これは、埋め込み型デバイスの埋め込み可能な深さを制限しうる。加えて、RFエネルギーの高い吸収率に起因して、生体組織は、より過熱しやすく、患者に健康上の危険をもたらす可能性がある。
【0004】
RFを使用することの1つの代替は、患者内の小さな埋め込み型デバイスを動作させ給電するための超音波を放射する外部超音波インタロゲータを使用することである。しかし、使用中に、インタロゲータと目標の埋め込み型デバイスとは、インタロゲータと埋め込み型デバイスとの間の動きに起因して、位置合わせされていないことが多い。例えば、身体運動又は患者の呼吸に起因して、埋め込み型デバイスの位置がシフトしうる。同様に、インタロゲータの操作者の動き(例えば、手の揺れや身体の動き)に起因して、インタロゲータの位置がシフトしうる。いずれの場合も、インタロゲータは、位置ずれに起因して、埋め込み型デバイスに効率的に給電していない可能性がある。インタロゲータによって送達される電力は、位置ずれを補償するために増加されうるが、超音波電力は、規制ガイドライン内に留まり、患者の身体を傷つけることを防止する程度に増加されうるだけである。埋め込み型デバイスが効率的に追跡されないならば、埋め込み型デバイスが十分に給電されず、その動作が信頼性できない可能性がある。
【0005】
本書で参照されるすべての刊行物、特許及び特許出願の開示はそれぞれ、その全体が参照により本書に組み込まれる。参照により組み込まれる任意の参照が本開示と矛盾する限りにおいて、本開示が優先するものとする。
【発明の概要】
【0006】
生体組織はRF波のような他のタイプの波よりも超音波の吸収率が著しく低いので、埋め込み型デバイスを動作させ給電するために超音波を使用することは他のアプローチよりも有利でありうる。超音波のこの特性は、対象者のより深くにデバイスが埋め込み可能になること、ならびに組織によって吸収されるエネルギーに起因する組織加熱を低減することを可能にしうる。例えば、埋め込み型デバイスは、インタロゲータによって放射された超音波を受波し、受波された超音波の機械的エネルギーを、埋め込み型デバイスに給電するための電気的エネルギーに変換することができる超音波トランスデューサを含みうる。しかし、超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスをインタロゲータが効率的に追跡することを可能にする必要性が残っている。
【0007】
いくつかの実施形態において、超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを、前記埋め込み型デバイスに供給される電力を維持するために追跡するための方法は、前記埋め込み型デバイスとの同期状態を確立することであって、第1の焦点に超音波ビームを放射し、前記放射された超音波ビームに対応する第1の超音波後方散乱を受波することと、前記第1の超音波後方散乱に基づいて第1の信号強度を決定することと、前記第1の信号強度が所定の閾値以上であるとの判定に応じて、前記埋め込み型デバイスとの前記同期状態を確立することと、を含む、ことと、前記埋め込み型デバイスの位置を推定することと、前記推定された位置に前記第1の焦点よりも近い第2の焦点に前記超音波ビームを放射し、前記放射された超音波ビームに対応する第2の超音波後方散乱を受波することと、前記第2の超音波後方散乱に基づいて第2の信号強度を決定することと、前記決定された第2の信号強度を前記第1の信号強度と比較することに基づいて、前記放射された超音波ビームが合焦している場所を維持するか又は調整するかを判定することと、を有する。
【0008】
埋め込み型デバイスを追跡するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記同期状態を確立することは、前記第1の信号強度が前記所定の閾値を満たす前記第1の焦点を決定するために、探索領域内の複数の焦点に逐次的に合焦するように前記超音波ビームを制御することを含む。いくつかの実施形態において、前記超音波ビームを制御することは、前記第1の超音波後方散乱から決定された前記第1の信号強度が前記所定の閾値を上回ると判定されるまで、前記複数の焦点に逐次的に合焦するように前記超音波ビームを第1の方向に向かわせることを含む。
【0009】
埋め込み型デバイスを追跡するためのいくつかの実施形態において、前記方法は、前記超音波ビームの前記決定された焦点を前記第2の焦点に維持すると判定したことに応じて、前記決定された第2の焦点に合焦するように前記超音波ビームを維持することと、前記超音波ビームが前記決定された第2の焦点に合焦している間に受波された超音波後方散乱から決定された信号強度を監視することと、を有する。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記監視される信号強度は、インタロゲータにおいて受波される超音波後方散乱に情報を符号化するために前記埋め込み型デバイスによって生成される変調信号に対応する。いくつかの実施形態において、前記符号化された情報は、前記埋め込み型デバイスを一意的に識別する。
【0011】
埋め込み型デバイスを追跡するためのいくつかの実施形態において、前記方法は、前記超音波ビームの前記第2の焦点を調整すると判定したことに応じて、受波された超音波後方散乱に基づいて前記埋め込み型デバイスの前記位置を反復的に推定することと、前記超音波ビームの焦点を更新することであって、前記更新された焦点について受波された超音波後方散乱から決定された信号強度がもはや増加しなくなるまで、前記推定された位置の前記方向に前記超音波ビームの焦点を更新することと、を有する。
【0012】
埋め込み型デバイスを追跡するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記第1の超音波後方散乱に基づいて前記第1の信号強度を決定することは、前記第1の超音波後方散乱から、前記埋め込み型デバイスに関連付けられたインプラント信号を抽出することと、前記抽出されたインプラント信号に基づいて前記第1の信号強度を決定することと、を含む。いくつかの実施形態において、前記インプラント信号を抽出することは、前記インプラント信号を抽出するために、前記後方散乱超音波から信号干渉を相殺することを含む。いくつかの実施形態において、前記抽出されたインプラント信号に基づいて、追跡されている前記埋め込み型デバイスを識別することを有する。
【0013】
埋め込み型デバイスを追跡するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記第1の超音波後方散乱は、前記埋め込み型デバイスによって前記第1の超音波後方散乱に符号化されたインプラント信号を含む第1の部分と、前記インプラント信号を含まない第2の部分とを含む。いくつかの実施形態において、前記第1の超音波後方散乱の前記第1の部分と前記第2の部分とを比較することに基づいて、前記インプラント信号の前記第1の信号強度を決定することを有する。
【0014】
埋め込み型デバイスを追跡するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記埋め込み型デバイスの前記位置は、前記同期状態を確立した後に推定される。
【0015】
埋め込み型デバイスを追跡するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記埋め込み型デバイスの前記位置は、受信ビームフォーミングに基づいて推定される。
【0016】
埋め込み型デバイスを追跡するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記方法は、極大値信号強度に関連付けられた焦点を決定することであって、前記埋め込み型デバイスの前記位置を推定することと、現在の焦点に対する前記埋め込み型デバイスの前記推定された位置の方向に基づいて、前記現在の焦点からテスト焦点に前記超音波ビームを向かわせることであって、前記現在の焦点は、以前の焦点になる、ことと、前記超音波ビームが前記テスト焦点に放射される場合の超音波後方散乱に基づいて信号強度を決定することと、前記超音波ビームが前記テスト焦点に放射された場合の前記信号強度を、前記超音波ビームが前記以前の焦点に放射された場合の前記信号強度と比較することと、を反復的に行うことを含む、ことを有する。いくつかの実施形態において、前記方法は、前記極大値に関連付けられた前記焦点を決定したことに応じて、前記埋め込み型デバイスとの定常状態を確立することを有し、前記信号強度が第2の所定の閾値未満に減少するならば、前記極大値信号に関連付けられた前記焦点が再決定される。
【0017】
埋め込み型デバイスを追跡するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記放射された超音波ビームが合焦している場所を維持するかどうかを判定することは、インタロゲータの動きを監視することと、前記監視された動きに基づいて、前記超音波ビームの焦点に対する調整を決定することと、を含む。
【0018】
埋め込み型デバイスを追跡するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記方法は、インタロゲータ・デバイスにおいて実行される。
【0019】
超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを追跡するためのシステムのいくつかの実施形態において、前記システムは、複数のトランスデューサを備えるトランスデューサ・アレイと、コントローラであって、前記埋め込み型デバイスとの同期状態を確立することであって、第1の焦点に超音波ビームを放射し、前記放射された超音波ビームに対応する第1の超音波後方散乱を受波するように前記トランスデューサ・アレイを制御することと、前記第1の超音波後方散乱に基づいて第1の信号強度を決定することと、前記第1の信号強度が所定の閾値以上であるとの判定に応じて、前記埋め込み型デバイスとの前記同期状態を確立することと、を含む、ことと、前記埋め込み型デバイスの位置を推定することと、前記推定された位置に前記第1の焦点よりも近い第2の焦点に前記超音波ビームを放射し、前記放射された超音波ビームに対応する第2の超音波後方散乱を受波するように前記トランスデューサ・アレイを制御することと、前記第2の超音波後方散乱に基づいて第2の信号強度を決定することと、前記決定された第2の信号強度を前記第1の信号強度と比較することに基づいて、前記放射された超音波ビームが合焦している場所を維持するか又は調整するかを判定することと、を行うように構成されたコントローラと、を備える。
【0020】
超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを発見するための方法のいくつかの実施形態において、前記方法は、複数の焦点に逐次的に合焦するように超音波ビームを放射することと、前記複数の焦点の各焦点において、前記焦点に位置するならば、前記埋め込み型デバイスが、前記超音波ビームの超音波からのエネルギーを、電源オフ状態から電源オン状態になるための電気エネルギーに変換することを可能にする持続時間の間、前記合焦している超音波ビームを前記焦点に保持することと、前記焦点に合焦された前記超音波ビームに対応する超音波後方散乱を受波することと、前記受波された超音波後方散乱を、発見されるべき前記埋め込み型デバイスに関連付けられた所定のパターンと比較して、前記超音波後方散乱が前記所定のパターンを含む可能性がどの程度であるかを示すスコアを生成することと、前記複数の焦点内の各焦点について生成された複数のスコアに基づいて、前記複数の焦点から前記埋め込み型デバイスの位置を決定することと、を有する。
【0021】
前記埋め込み型デバイスを発見するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記方法は、前記埋め込み型デバイスを前記電源オン状態にならせることを有する。
【0022】
前記埋め込み型デバイスを発見するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記方法は、前記埋め込み型デバイスの前記決定された位置に対応する前記焦点に合焦された前記インタロゲータによって放射された超音波を使用して、前記埋め込み型デバイスとの超音波通信リンクを確立することをさらに有する。
【0023】
前記埋め込み型デバイスを発見するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記複数の焦点は、前記超音波ビームの操向可能範囲に対応する。
【0024】
前記埋め込み型デバイスを発見するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記所定のパターンは、1つ以上の方形波を含む。
【0025】
前記埋め込み型デバイスを発見するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記所定のパターンは、前記埋め込み型デバイスを一意的に識別する。
【0026】
前記埋め込み型デバイスを発見するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記所定のパターンは、前記埋め込み型デバイスによって前記超音波後方散乱に符号化される情報を含む。いくつかの実施形態において、前記埋め込み型デバイスは、前記放射された超音波ビームから前記超音波を受波し、前記埋め込み型デバイスにおいて受波された前記超音波に基づいて生成された電気信号を変調することによって、前記情報を前記超音波後方散乱に符号化する。
【0027】
前記埋め込み型デバイスを発見するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記埋め込み型デバイスの前記位置を決定することは、前記複数の焦点内の焦点の部分集合から焦点を選択することであって、焦点の前記部分集合内の各焦点に対応する前記スコアは、所定の閾値を上回る、ことを含む。
【0028】
前記埋め込み型デバイスを発見するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記埋め込み型デバイスの前記位置を決定することは、前記複数のスコアに基づいて、前記埋め込み型デバイスの最も可能性の高い位置であるとして、前記複数の焦点から焦点を選択することを含む。
【0029】
前記埋め込み型デバイスを発見するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記方法は、前記埋め込み可能デバイスの前記位置を確認することであって、所定の期間の間、前記選択された焦点に合焦するように前記超音波ビームを放射することと、前記選択された焦点に前記埋め込み型デバイスが位置することを確認するために、前記超音波ビームが前記選択された焦点に合焦している間に受波された超音波後方散乱を分析することと、を含むことを有する。いくつかの実施形態において、前記選択された焦点に前記埋め込み型デバイスが位置することを確認したことに応じて、前記超音波ビームを前記選択された焦点に維持することを有する。
【0030】
いくつかの実施形態において、前記埋め込み型デバイスを発見するための前記方法は、インタロゲータ・デバイスにおいて実行される。いくつかの実施形態において、前記インタロゲータは、トランスデューサ・アレイ内の複数のトランスデューサを備え、前記複数の焦点に逐次的に合焦するように前記超音波ビームを放射することは、前記複数の焦点に逐次的に合焦するように前記超音波ビーム内の超音波を送波するように前記複数のトランスデューサを制御することを含む。いくつかの実施形態において、前記超音波ビームを放射することは、前記トランスデューサ・アレイの操向可能な角度範囲内の前記複数の焦点の各焦点に前記合焦された超音波ビームを逐次的に向かわせることを含む。いくつかの実施形態において、前記超音波ビームを放射することは、前記複数の焦点の各焦点に前記合焦された超音波ビームを逐次的に向かわせるために、前記トランスデューサ・アレイを機械的に移動することを含む。いくつかの実施形態において、前記超音波ビームを放射することは、前記複数の焦点の各焦点に前記合焦された超音波ビームを逐次的に向かわせるために、前記トランスデューサ・アレイ内の各トランスデューサに電力がいつ供給されるかを制御することを含む。
【0031】
前記埋め込み型デバイスを発見するための前記方法のいくつかの実施形態において、前記埋め込み型デバイスは、前記電力オフ状態から前記電力オン状態になるために、前記超音波ビームの前記超音波から変換された前記電気エネルギーを蓄積する1つ以上のキャパシタを備える。
【0032】
上述の方法のいくつかの実施形態において、前記超音波ビームは、10mm未満のスポット・サイズを有する。
【0033】
いくつかの実施形態において、超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを発見するためのインタロゲータ・デバイスであって、複数のトランスデューサを備えるトランスデューサ・アレイと、コントローラであって、複数の焦点に逐次的に合焦される超音波ビームを放射するように前記トランスデューサ・アレイを制御することと、前記複数の焦点の各焦点において、前記焦点に位置するならば、前記埋め込み型デバイスが、前記超音波ビームの超音波からのエネルギーを電気エネルギーに変換し、電源オフ状態から電源オン状態になることを可能にする持続時間の間、前記合焦している超音波ビームを前記焦点に保持することと、前記放射された超音波ビームに対応する超音波後方散乱を受波することと、前記受波された超音波後方散乱を、発見されるべき前記埋め込み型デバイスに関連付けられた所定のパターンと比較して、前記超音波後方散乱が前記所定のパターンを含む可能性がどの程度であるかを示すスコアを生成することと、前記複数の対応する焦点について生成された複数のスコアに基づいて、前記複数の焦点から前記埋め込み型デバイスの位置を決定することと、を行うように構成されたコントローラと、を備えるインタロゲータ・デバイス。
【0034】
前述の方法の実施形態のいずれかによる、超音波を使用して埋め込み型デバイスを動作させるための様々なシステムの実施形態が本書においてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
前述の発明の概要、ならびに以下の実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとより良く理解される。本開示を説明するために、図面は、本開示の例示的な実施形態を示すが、本開示は開示される特定の方法及び手段に限定されない。
【0036】
図1】いくつかの実施形態による、インタロゲータによって放射される超音波を使用して埋め込み型デバイスに給電するためのシステムを説明する。
【0037】
図2】いくつかの実施形態による、埋め込み型デバイスに給電するための放射された超音波の部分を示すパネルを説明する。
【0038】
図3】いくつかの実施形態による、インタロゲータがインタロゲータにおいて受波された超音波後方散乱をどのように処理するかを示すパネルを説明する。
【0039】
図4A】いくつかの実施形態による、埋め込み型デバイスを発見し給電するために、超音波(US)ビームが合焦している場所をインタロゲータがどのように制御するか示す例示的な図を説明する。
【0040】
図4B】いくつかの実施形態による、埋め込み型デバイスに効率的に給電するためにUSビームが合焦している場所をインタロゲータがどのように制御するかを示す例示的な図を説明する。
【0041】
図5】いくつかの実施形態による、超音波を使用して1つ以上の埋め込み型デバイスに給電するように構成されたインタロゲータを説明する。
【0042】
図6】いくつかの実施形態による、超音波を使用して給電され動作される埋め込み型デバイスを説明する。
【0043】
図7】いくつかの実施形態による、超音波を使用して埋め込み型デバイスを発見するための方法を説明する。
【0044】
図8】いくつかの実施形態による、超音波を使用して埋め込み型デバイスに効率的に給電するためのインタロゲータの例示的な動作ロジックを示す図を説明する。
【0045】
図9】いくつかの実施形態による、超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを追跡するための方法を説明する。
【0046】
図10】いくつかの実施形態による、埋め込み型デバイスに供給される電力を効率的に維持するために超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを追跡するための方法を説明する。
【0047】
図11】いくつかの実施形態による、埋め込み型デバイスに供給される電力を効率的に維持するために超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを追跡するための方法を説明する。
【0048】
図12】いくつかの実施形態による、インタロゲータによって受波される超音波後方散乱へ埋め込み型デバイスによって符号化されるパターンを示す例示的な図を説明する。
【0049】
図13】いくつかの実施形態による、発見モードにおいて埋め込み型デバイスの位置をインタロゲータがどのように正確に推定するかを示す例示的なチャートを説明する。
【0050】
図14】いくつかの実施形態による、対象者の神経と相互作用するように構成された埋め込み型デバイスの図を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0051】
インタロゲータによって放射される超音波を使用して、対象者内に埋め込み可能なデバイスを発見及び追跡するためのシステム及び方法が本書において説明される。埋め込み型デバイスは、インタロゲータによって放射された超音波を受波し、受波された超音波の機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換するように構成された超音波トランスデューサを含みうる。埋め込み型デバイスは超音波によって送波された電力を受け取るため、インタロゲータからの電力送達は効率的かつ信頼性があるべきである。いくつかの実施形態において、これらの機能を提供するために、インタロゲータは、放射された超音波によって埋め込み型デバイスに電力が効率的に伝達されているかどうかを評価するために、埋め込み型デバイスと通信することが可能である必要がある。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイスは、インタロゲータによって放射された超音波に対応する超音波後方散乱内にインプラント信号を埋め込むために、埋め込み型デバイス上の超音波トランスデューサで電気信号を変調するように構成されうる。例えば、埋め込まれた信号は、埋め込み型デバイスによって生成された情報を含んでもよく、又は埋め込み型デバイスに関連付けられる。
【0052】
このメカニズムを通して、インタロゲータは、受波された超音波後方散乱から抽出されたインプラント信号の信号強度を導出し、導出された信号強度を、超音波電力が埋め込み型デバイスにどのように効率的に伝達されているかの指標として使用するように構成されうる。例えば、患者又はインタロゲータ・操作者の動きによって引き起こされうる、インタロゲータの放射された超音波(US)ビームと埋め込み型デバイスとの間の位置ずれに起因して、導出された信号強度は、低くなる又は減少する。したがって、インタロゲータは、位置合わせを向上し、したがって、埋め込み型デバイスの超音波トランスデューサに入射する電力を最大化するようにUSビームのビーム焦点を制御するように構成されうる。さらに、インタロゲータは、埋め込み型デバイスとの位置合わせ及び埋め込み型デバイスへの効率的な電力送達を維持するために、位置がシフトする際に埋め込み型デバイスを追跡するために、超音波後方散乱から決定された信号強度を監視するように構成されうる。
【0053】
図1は、いくつかの実施形態による、インタロゲータ106によって放射された超音波を使用して埋め込み型デバイス120に給電するためのシステム100を示す。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス120は、患者のような対象者内に埋め込まれることができ、インタロゲータ106は、対象者の外部にある(すなわち、埋め込まれていない)又は完全に埋め込まれた別個のデバイスでありうる。システム100に示されるように、埋め込み型デバイス120は、領域102(例えば、対象者の皮膚の領域)に配置され、対象者内に埋め込まれうる。
【0054】
いくつかの実施形態において、インタロゲータ106は、埋め込み型デバイス120に給電するための超音波(US)ビーム110に狭められた超音波を放射するように複数の超音波トランスデューサ108を制御するように構成されうる。例えば、図5に関して以下でさらに説明されるように、超音波トランスデューサ108は、トランスデューサ・アレイとして設けされることができ、インタロゲータ106は、電子ビームフォーミングとして知られる技術でUSビーム110を生成するように超音波トランスデューサ108を個別に制御しうる。この技術の結果として、複数の超音波トランスデューサ108によって放射される超音波の波面は、焦点112で交差し、焦点112は、最も高いビーム強度を有するUSビーム110の特定の部分に対応する。焦点112はまた、USビーム110のビーム直径の最も狭い部分に対応する。したがって、インタロゲータ106は、USビーム110の超音波電力を限られた領域、すなわち焦点112に伝達しうる。さらに、インタロゲータ106は、焦点112の位置を変更するように超音波トランスデューサ108を個別に制御するように構成されうる。いくつかの実施形態において、インタロゲータ106は、約1mm以下、約2mm以下、約3mm以下、約5mm以下、約7mm以下、又は約10mm以下のスポット・サイズを有するUSビーム110を生成しうる。いくつかの実施形態において、インタロゲータ106は、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、又は少なくとも7mmのスポット・サイズを有するUSビーム110を生成しうる。いくつかの実施形態において、スポット・サイズは、約2~8mm、2~5mm、又は2~4mmでありうる。
【0055】
超音波トランスデューサ108が2Dトランスデューサ・アレイの要素であるいくつかの実施形態において、インタロゲータ106は、直交軸114A及び114Bによって表されるような平面内のUSビーム110の焦点112の位置を変更しうる。言い換えれば、インタロゲータ106は、例えば領域102を包含しうる超音波トランスデューサ108の操向可能な範囲内の複数の位置に焦点112を向かわせうる。いくつかの実施形態において、以下でさらに説明されるように、インタロゲータ106は、USビーム110と埋め込み型デバイス120との間の位置合わせを向上するように、USビーム110が合焦している場所を制御しうる。位置合わせの向上は、超音波電力が埋め込み型デバイス120により効率的に伝達されることを可能にするだけでなく、超音波電力が安全でないレベルを超えて増加される必要がないため、より高いデバイス信頼性及び安全性を増加させる。図示されるように、インタロゲータ106は、USビーム110の形態のキャリア信号を含む超音波を送波してもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス120は、図5図6に関して以下でさらに説明されるように、インタロゲータ106から放射される超音波によって無線給電され動作されうる。例えば、埋め込み型デバイス120は、USビーム110の超音波を受波し、超音波の機械的エネルギーを、埋め込み型デバイス120に給電し動作させるための電気的エネルギーに変換するように構成された1つ以上の超音波トランスデューサ122を含みうる。例えば、埋め込み型デバイス120は、患者の生理学的状態を検出又は測定するように制御されうる1つ以上のセンサ124を含みうる。USビーム110が埋め込み型デバイス120により良く位置合わせされるほど、すなわち、焦点112が埋め込み型デバイス120により近くなるほど、埋め込み型デバイス120の1つ以上の超音波トランスデューサ122は、USビーム110の超音波からより多くの機械的エネルギーを抽出しうる。
【0057】
いくつかの実施形態において、インタロゲータ106が超音波を使用して埋込型デバイス120を追跡又は発見することを可能にするために、埋込型デバイス120は、超音波通信を通じてインタロゲータ106と無線通信するように構成されうる。具体的に、図6に関して以下でさらに説明されるように、埋め込み型デバイス120は、超音波後方散乱124内にインプラント信号を埋め込むように超音波トランスデューサ122の電気信号を変調するように構成されうる。いくつかの実施形態において、インプラント信号は、埋め込み型デバイス120によって導出又は生成された情報を含みうる。例えば、埋め込み型デバイス120は、センサ124によって生成された測定値を含む情報を埋め込みうる。他の実施形態において、インプラント信号は、埋め込み型デバイス120に関連付けられた所定のパターンを含みうる。
【0058】
いくつかの実施形態において、インタロゲータ106は、超音波を放射するための送波モードと、超音波を受波するための受波モードとの間で切り替わるように構成されうる。送波モードにおいて、インタロゲータ106は、USビーム110を放射しうる。受波モードにおいて、インタロゲータ106は、超音波後方散乱124を受波し、これを分析するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、以下でさらに説明されるように、インタロゲータ106は、USビーム110と埋め込み型デバイス120との間の位置合わせを向上するために、焦点112の位置を調整するかどうか及びどのように調整するかを判定するために、受波された超音波後方散乱124からインプラント信号を抽出しうる。例えば、インタロゲータ106は、焦点112の位置をどのように調整するかを判定するために、抽出されたインプラント信号の信号強度を決定及び監視してもよい。いくつかの実施形態において、インタロゲータ106は、受信ビームフォーミングを通じて超音波後方散乱124を受波しうる。受波された超音波後方散乱124に基づいて、インタロゲータ106は、埋め込み型デバイス102の位置を推定し、推定された位置に向かう方向に焦点112を向かわせうる。
【0059】
いくつかの実施形態において、インタロゲータ106は、インプラント信号が超音波後方散乱124において受波されるかどうかを分析することによって、埋め込み型デバイス120を発見するように構成されうる。例えば、埋め込み型デバイス120は、最初は電源オフ状態であってもよい。いくつかの実施形態において、インタロゲータ106は、埋め込み型デバイス120を電源オフ状態から電源オン状態に変化させるのに十分な超音波電力を供給するために、そのUSビーム110を領域102内の複数の焦点にわたって掃引するように構成されうる。いくつかの実施形態において、スタートアップ段階中に、埋め込み型デバイス120は、超音波後方散乱124内に、埋め込み型デバイス120を識別するインプラント信号を埋め込むように構成されうる。いくつかの実施形態において、インタロゲータ106は、位置を推定し、したがって、最初に電源オフされた埋め込み型デバイスを発見するために、複数の焦点において、受波された超音波後方散乱にインプラント信号が存在する可能性がどの程度であるかを評価しうる。
【0060】
図2は、いくつかの実施形態による、埋め込み型デバイスに給電するための放射された超音波の部分を示すパネル210A~Cを説明する。例えば、パネル210A~Cに示される超音波は、USビーム110内で、図1のインタロゲータ106(又は図5のインタロゲータ502)によって放射されてもよい。
【0061】
パネル210Aは、放射された超音波が超音波コマンド202A及び202Bのような一連の超音波コマンドを含むことを示す。いくつかの実施形態において、超音波コマンドは、埋め込み型デバイスの動作を制御するために、超音波を受波する埋め込み型デバイスによって受波され復号されてもよい。例えば、超音波コマンドは、埋め込み型デバイスを電源オフ状態から電源オン状態に給電するためのコマンドを含んでもよい。他の例示的な超音波コマンドは、対象者の生理学的状態を検出すること、及び/又は検出された状態を、放射された超音波後方散乱を介してインタロゲータに送り返すことを、埋め込み型デバイスに要求するためのコマンドを含んでもよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、超音波コマンドのそれぞれは、超音波の1つ以上のパルス(すなわち、超音波パルスとしても知られる)の所定のパターンを含んでもよい。例えば、パネル210Bは、3つの超音波パルス(例えば、パルス204A~B)のシーケンスを含んでもよい超音波コマンド202Bの拡大図を示す。説明のみを目的として、超音波コマンド202Bにおける各パルスの振幅(すなわち、圧力振幅)及びパルス幅(すなわち、パルス長又はパルス持続時間とも呼ばれる)が異なるものとして示されているが、これはそうでなくてもよい。いくつかの実施形態において、各超音波パルスの振幅又はパルス幅は、インタロゲータによって実施される超音波プロトコルによって指図されてもよい。したがって、パルスの振幅及びパルス幅は、超音波プロトコルに依存して同じであってもよいし、異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、各固有の超音波コマンドが、超音波コマンドを一意に識別する所定のパターンを含んでもよい。所定のパターンは、それぞれが固有の特性(例えば、振幅及びパルス幅)を有する複数のパルスを含んでもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、超音波パルスのそれぞれは、1つ以上のキャリア・サイクル(すなわち、振動又は振動サイクル又はキャリア波としても知られる)を含んでもよい。本書の本開示で使用されるように、キャリア・サイクルは、超音波の単一の振動に対応してもよい。例えば、パネル210Cは、超音波パルス204Aのパルス持続時間208を含む5つのキャリア・サイクル(例えば、超音波サイクル206A~B)を含む超音波パルス204Aの拡大図を示す。いくつかの実施形態において、単一の超音波パルスは、特定の超音波コマンドのような特定の情報を符号化するために複数のキャリア・サイクルを含む波パターンを含んでもよい。例えば、波パターンは、少なくとも2つのキャリア・サイクルが異なる波長又は異なる振幅を有する複数のキャリア・サイクルを含んでもよい。上述のように、超音波パルス204A内の複数のキャリア・サイクルの信号特性は、特定の超音波コマンドを表すために超音波プロトコルによって指図されてもよい。いくつかの実施形態において、超音波パルス204Aのキャリア・サイクルが不均一であることを可能にすることによって、埋め込み型デバイスと通信するために、より多くのタイプの超音波コマンドが符号化されうる。
【0064】
図3は、いくつかの実施形態による、インタロゲータ(例えば、インタロゲータ106)が、インタロゲータにおいて受波された超音波後方散乱をどのように処理するかを示すパネルを説明する。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス(例えば、図1の埋め込み型デバイス120又は図6の埋め込み型デバイス602)は、図2のパネル210Aに関して上述されたもののような超音波を受波したことに応じて、パネル306に示されるように、超音波後方散乱を放射するように構成されうる。図1に関して上述されたように、埋め込み型デバイスは、放射される超音波後方散乱内にインプラント・データを符号化するために、そのトランスデューサのうちの1つ以上の電気信号を変調するように構成されうる。図6に関して以下でさらに説明されるように、インプラント・データは、超音波コマンドに対する応答を含んでもよい。例えば、インプラント・データは、埋め込み型デバイスで測定されたセンサ・データを含んでもよい。別の例において、インプラント・データは、埋め込み型デバイスの一意の識別子(例えば、シリアル番号)を含んでもよい。
【0065】
パネル306は、インタロゲータにおいて埋め込み型デバイスから受波された超音波後方散乱を示す。いくつかの実施形態において、超音波後方散乱は、図2のパネル210Aに示されるように、埋め込み型デバイスに送波された超音波の後方散乱に対応しうる。パネル306に示されるように、超音波後方散乱は、パネル210Aの送波された超音波の動作モード・コマンド部分の後方散乱に対応する後方散乱部分302A~Bを含みうる。いくつかの実施形態において、送波サイクルの終端において、インタロゲータは、送波モジュールを切断し、超音波後方散乱を受波するために受波モジュールを接続するように、スイッチ(例えば、図5のスイッチ529)を制御するように構成されうる。
【0066】
パネル308は、単一の超音波パルス304の後方散乱の拡大図を示しており、これは、埋め込み型デバイスによって後方散乱304に符号化されたデータを抽出するために分析されうる。いくつかの実施形態において、後方散乱304は、アナログ信号処理310を通じて分析されうる。いくつかの実施形態において、後方散乱304は、デジタル信号処理312を通じて分析されうる。
【0067】
いくつかの実施形態において、アナログ信号処理310は、パネル310A~Cに示される一連のステップを含む。例えば、パネル310Aに示されるように、超音波後方散乱304は、フィルタリングされうる。いくつかの実施形態において、インタロゲータによって送波された超音波は、埋め込み型デバイスの超音波トランスデューサの表面のような埋め込み型デバイスから反射される。トランスデューサの表面から反射された後方散乱波の振幅は、超音波トランスデューサに戻る電流のインピーダンスの変化の関数として変化することができ、この後方散乱が埋め込み型デバイスで生成された情報を符号化するため「応答後方散乱」と呼ばれうる。例えば、パネル310Aに示される超音波後方散乱の部分の振幅特性は、埋め込み型デバイスが超音波トランスデューサの電気信号をどのように変調するかに依存してもよい。これらの変化は、以下でさらに説明されるように、給電効率ならびに超音波通信信頼性を高めるために、インタロゲータがUSビームを埋め込み型デバイスとより良く位置合わせすることを可能にしうる。フィルタリングされた後方散乱のさらなる分析は、パネル310Bに示されるように、超音波後方散乱を整流することと、パネル310Cに示されるように、データを復号するために、整流された信号を積分することとを含んでもよい。
【0068】
いくつかの実施形態において、デジタル信号処理312は、パネル312A~Bに示される一連のステップを含む。パネル310Aと同様に、パネル312Aは、フィルタリングされた後方散乱304の拡大図を示す。図1に関して上述され、図6に関して以下でさらに説明されるように、埋め込み型デバイスは、高レベルが開構成に対応し、低レベルが閉構成に対応する、デジタル制御スイッチにわたってその圧電超音波トランスデューサを分路することによって、その音響インピーダンスを変調しうる。パネル312Aは、埋め込み型デバイスのトランスデューサが短絡/閉構成にあるか開構成にあるかに依存して、後方散乱304のフィルタリングされた信号の振幅の差を示す。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイスは、後方散乱内にインプラント・データを埋め込むために、短絡構成及び開構成になるように超音波トランスデューサの電極を制御しうる。スイッチ動作に起因するインピーダンスの変化は、閉スイッチ構成と比較して、開スイッチ構成において11.5 mV大きい後方散乱ピーク振幅をもたらす(変調深さ6.45%)。
【0069】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイスは、デジタル・データを埋め込むように超音波トランスデューサ・スイッチ動作を制御するためのライン・コードを実装するように構成されうる。例えば、ライン・コードは、ユニポーラ、ポーラ、バイポーラ、又はマンチェスタ・コードを含んでもよい。インタロゲータは、デジタル・データを復号するために埋め込み型デバイスによって使用されるライン・コードを復号する能力を有するように構成されうる。例えば、パネル312Bは、トランスデューサ上の変調値と、埋め込み型デバイスのトランスデューサの対応する抽出された変調値とを示す。抽出された信号値の絶対値及び雑音マージンは、埋め込み型デバイスの距離、向き、及びサイズのような様々な要因に依存する。しかし、抽出された波形は、埋め込み型デバイスの変調信号を表したままであり、線形倍率によって変化する。例えば、埋め込み型デバイスは、パルス振幅変調されたゼロ・レベルへの非復帰コードを実装してもよく、それを通じて、11文字ASCIIメッセージ(「hello world」)がインタロゲータに通信されてもよい。特に、パネル312Bに示されるように、インタロゲータは、抽出された後方散乱変調電圧に基づいて、閉構成又は開構成の2つのトランスデューサ状態を区別しうる。これらの抽出されたトランスデューサ状態は、デジタル・データを符号化するために、0及び1のバイナリ値にマッピングされてもよい。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイスによって実装されるライン符号化プロトコルが埋め込み型デバイスとインタロゲータとの間の超音波通信信頼性を増加させうるため、デジタル信号処理312は、アナログ信号処理310アプローチよりも有利でありうる。
【0070】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイスによって通信される情報であって、放射される超音波後方散乱内に埋め込まれる情報は、デジタル化されてもよい様々なデータを含みうる。いくつかの実施形態において、情報は、埋め込み型デバイスによって収集又は生成されたデータを含みうる。例えば、情報は、温度、圧力、pH、ひずみ、分析物の存在もしくは量、又はネバー活動電位のような電気生理学的信号のようなセンサ・データを含んでもよい。
【0071】
図4Aは、いくつかの実施形態による、埋め込み型デバイス402を発見し給電するために超音波(US)ビームが合焦している場所をインタロゲータ(例えば、図1のインタロゲータ106)がどのように制御するかを示す例示的な図400Aを説明する。例えば、図400Aは、埋め込み型デバイス402が対象者又は患者に埋め込まれる領域(例えば、領域102)を示す。
【0072】
いくつかの実施形態において、発見モードにおいて、インタロゲータは、範囲404内の複数の焦点404A~Dに合焦するようにUSビームを向かわせるように構成されうる。例えば、インタロゲータは、焦点404Aから焦点404Dに向かう直線方向にUSビームを掃引してもよい。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、埋め込み型デバイス402が焦点の閾値距離内に位置するならば電源オフ状態から電源オンすることを可能にする持続時間の間、USビームを各焦点に保持しうる。
【0073】
いくつかの実施形態において、インタロゲータは、406及び408を含む複数の範囲でUSビームを掃引するように構成されうる。例えば、各範囲において、インタロゲータは、範囲406に示されるように、直線方向の複数の焦点(例えば、焦点406A~406D)に合焦するように、USビームを逐次的に向かわせてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス402がUSビームから十分なエネルギーを受け取ると、埋め込み型デバイス402は、その存在を報知するために、放射される超音波後方散乱内に所定のパターンを含む信号を埋め込むように構成されうる。例えば、所定のパターンは、いくつかの実施形態によれば、埋め込み型デバイス402に関連付けられてもよく、埋め込み型デバイスを一意に識別してもよい。
【0075】
埋め込み型デバイス402とUSビームの焦点との間の距離に依存して、インタロゲータによって受信される埋め込まれた信号の信号強度は変化する。距離が大きすぎるならば、埋め込まれた信号は、ノイズと容易に区別されないかもしれない。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、埋め込み型デバイス402に関連付けられた所定のパターンが超音波後方散乱のそれぞれにおいて見出される可能性を決定するために、焦点404A~404D、406A~406D、及び408A~408Cのそれぞれについて受波された超音波後方散乱を検査するように構成されうる。その後、インタロゲータは、以下でさらに説明されるように、埋め込み型デバイスの可能性のある位置を統計的に決定するように構成されうる。
【0076】
例えば、インタロゲータは、焦点404B及び404Cについて受波された超音波後方散乱に所定のパターンが存在する可能性が最も高いと判定してもよい。この判定に基づいて、インタロゲータは、埋め込み型デバイス402の位置を焦点404B及び404Cに近いと推定してもよい。
【0077】
図4Bは、いくつかの実施形態による、埋め込み型デバイス410を効率的に追跡するためにUSビームが合焦している場所をインタロゲータ(例えば、図1のインタロゲータ106)がどのように制御するかを示す例示的な図400Bを説明する。例えば、図400Bは、埋め込み型デバイス411が対象者又は患者内に埋め込まれる領域(例えば、領域102)を示す。
【0078】
いくつかの実施形態において、インタロゲータは、放射されたUSビームのビーム焦点の位置を直線方向412に増分してもよい。例えば、インタロゲータは、範囲412内の複数の焦点412A~Cに合焦するようにUSビームを逐次的に向かわせてもよい。焦点412A~Cのそれぞれにおいて、インタロゲータは、対応する超音波後方散乱を受波してもよい。上述のように、埋め込み型デバイス410は、超音波後方散乱内で、埋め込み型デバイス410に関連付けられたインプラント信号を符号化するように構成されてもよい。例えば、インプラント信号は、埋め込み型デバイス110に関連付けられた所定のパターンであってもよい。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、超音波後方散乱からインプラント信号を抽出し、抽出された信号の信号強度を決定するように構成されうる。
【0079】
いくつかの実施形態において、信号強度は、超音波後方散乱から決定される信号対雑音比を表す。いくつかの実施形態において、各焦点において、インタロゲータは、複数の超音波パルスを送るように構成されることができ、埋め込み型デバイスは、それらの超音波パルスの一部に対応する超音波後方散乱に情報を符号化するように構成されてもよい。したがって、インタロゲータは、信号強度を決定するために、抽出された信号を、抽出された信号を含まない超音波後方散乱と比較しうる。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイスは、信号変調が発生しない受動モードと、変調が発生する能動モードとを切り替えるように構成されうる。両方の実施形態において、インタロゲータは、環境干渉又は雑音を相殺するために、信号変調なしに対応する第1の後方散乱信号と、信号変調に対応する第2の後方散乱信号とを比較するように構成されうる。例えば、インタロゲータは、環境雑音が相殺されうるように、第2の後方散乱信号から第1の後方散乱信号(すなわち、変調が発生しない受動反射率)を減算するように構成されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、インタロゲータは、後方散乱信号の変調深度又は振幅変動を決定することによって、フィルタリングされた後方散乱信号の信号強度を決定するように構成されうる。例えば、インタロゲータは、信号強度を決定するために、後方散乱信号の振幅変動の割合を決定してもよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、インタロゲータが焦点、例えば焦点412Cの信号強度が所定の閾値を超えると判定すると、インタロゲータは、焦点が埋め込み型デバイス410の「近い」距離内にあると判定する。したがって、インタロゲータは、埋め込み型デバイス410の位置に近づくようにインタロゲータがビーム焦点の位置を漸増的に調整する信号最適化状態になりうる。
【0082】
いくつかの実施形態において、インタロゲータは、受信ビームフォーミングに基づいて埋め込み型デバイス410の位置を推定しうる。この位置に基づいて、インタロゲータは、焦点414Aにおける方向416Aに向かって焦点412Cの位置を増分しうる。その後、インタロゲータは、信号強度が増加しているかどうか、すなわち、以前の焦点で決定されたものよりも高いかどうかを判定するために、更新された焦点で受波された超音波後方散乱の信号強度を同様に決定しうる。したがって、インタロゲータは、抽出された信号強度もはや増加していないとインタロゲータが判定するまで、焦点414Aから414Eまでそれぞれの方向416B~414Eに焦点を漸進的に調整しうる。この時点で、インタロゲータは、抽出された信号強度が極大値にあるため、焦点414Eが埋め込み型デバイス410の真の位置に密接に位置合わせされていると判定してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、この焦点414Eが決定されると、インタロゲータは、埋め込み型デバイス410がインタロゲータから位置ずれされるまで、USビームのビーム焦点を焦点414Eに維持するように構成されうる。例えば、インタロゲータの操作者の動きと、埋め込み型デバイス410が埋め込まれる対象者の動きとに起因して、埋め込み型デバイス410と焦点414Eとの間の距離は、許容可能な距離を表す閾値距離を超えるかもしれない。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、USビームが焦点414Eを目標としている間に、超音波後方散乱から抽出された信号強度を監視することによって、このような位置ずれが発生するかどうかを判定しうる。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、位置ずれが検出されると、ビーム焦点を調整するために再び追跡モードになりうる。
【0084】
図5は、いくつかの実施形態による、超音波を使用して1つ以上の埋め込み型デバイス540に給電するように構成されたインタロゲータ502を含むシステム500を説明する。いくつかの実施形態において、インタロゲータ502は、図1に関して上述されたインタロゲータ106の一例でありうる。
【0085】
いくつかの実施形態において、インタロゲータ502は、電源503、計算回路510、信号生成回路520、及び超音波トランスデューサ回路504を含む。図示されるように、電源503は、計算回路510及び信号生成回路520に給電するように構成されうる。いくつかの実施形態において、電源503は、1.8Vを提供しうるが、任意の適切な電圧が使用されうる。例えば、電源503は、1.8Vを供給するための1つ以上のバッテリを含んでもよい。
【0086】
いくつかの実施形態において、信号生成回路520は、1つ以上のチャネル524に給電するように構成されたチャージ・ポンプ522を含む。いくつかの実施形態において、チャージ・ポンプ522は、電源503によって提供される電圧を増加させるように構成されうる。例えば、チャージ・ポンプ522は、電源503によって供給される1.8Vを32Vに増加させてもよい。いくつかの実施形態において、以下でさらに説明されるように、信号生成回路520は、超音波が焦点(例えば、図1に示されるUSビーム110の焦点112)に狭められたUSビームを生成し放射するように、トランスデューサ・アレイ504の各超音波トランスデューサ508に個別に給電し制御しうる。
【0087】
いくつかの実施形態において、各チャネル524は、トランスデューサ回路504の対応する超音波トランスデューサ508に結合され、その動作を制御する。いくつかの実施形態において、チャネル524に接続された超音波トランスデューサ508は、超音波を受波するためだけに又は送波するためだけに構成されることができ、その場合、スイッチ529は、オンションで、チャネル524から省略されうる。いくつかの実施形態において、各チャネル524は、以下の電子構成要素、すなわち遅延制御526、レベル・シフタ528、及びスイッチ529を含みうる。
【0088】
いくつかの実施形態において、遅延制御526は、超音波トランスデューサ508によって送波される超音波の波形及び/又は信号を制御するように構成されうる。いくつかの実施形態において、遅延制御526は、送波波形を生成するために、コントローラ回路512からのコマンドに基づいて、例えば、位相シフト、時間遅延、パルス周波数、(振幅及び波長を含む)波形、又はそれらの組合せを制御しうる。いくつかの実施形態において、各チャネルについての波形及び周波数を表すデータは、遅延制御526又はメモリ516に記憶された「波形テーブル」に記憶されうる。これは、各チャネル524上の送波波形が異なることを可能にしうる。
【0089】
いくつかの実施形態において、遅延制御526は、超音波を走破するために、遅延制御526からの入力パルスを、超音波トランスデューサ508によって使用されるより高い電圧にシフトするように構成されたレベル・シフタ528に接続されうる。いくつかの実施形態において、遅延制御526及びレベル・シフタ528は、トランスデューサ・アレイ506への実際の送信信号にデータをストリームするために使用されるように構成されうる。いくつかの実施形態において、トランスデューサ・アレイ506は、超音波トランスデューサの線形アレイでありうる。他の実施形態において、トランスデューサ・アレイ506は、超音波トランスデューサの2Dアレイでありうる。いくつかの実施形態において、トランスデューサ・アレイ506は、線形超音波トランスデューサのフェーズド・アレイを含みうる。他の実施形態において、トランスデューサ・アレイ506は、超音波トランスデューサの線形湾曲アレイ又は曲線アレイを含んでもよい。いくつかの実施形態において、各チャネル524の送波波形は、マイクロコントローラ又は他のデジタル・システムの高速シリアル出力によって直接生成され、レベル・シフタ528又は高電圧増幅器を通じてトランスデューサ要素(例えば、超音波トランスデューサ508)に送られうる。
【0090】
いくつかの実施形態において、チャネル524のスイッチ529は、超音波後方散乱のような超音波を受波するように、対応する超音波トランスデューサ508を構成しうる。いくつかの実施形態において、受波された超音波は、(受波モードに設定されている)超音波トランスデューサ508によって電流に変換され、データ・プロセッサ511に送られて、受波された超音波でキャプチャされたデータを処理する。例えば、データ・プロセッサ511は、インタロゲータ502が埋め込み型デバイス540の位置を推定し決定することを可能にするように、受信ビームフォーミングを実装するように構成されうる。いくつかの実施形態において、受波された超音波を処理するために、増幅器、アナログ・デジタル変換器(ADC)、可変利得増幅器、又は組織損失を補償する時間利得制御の可変利得増幅器、及び/又は帯域通過フィルタが含まれうる。
【0091】
いくつかの実施形態において、上述されたチャネル524は、T/Rxスイッチ529を含まず、代わりに、良好な飽和回復を伴う低雑音増幅器の形態の高電圧Rx(受波機回路)を伴う独立したTx(送波)及びRx(受波)を含む。いくつかの実施形態において、T/Rx回路は、サーキュレータを含む。いくつかの実施形態において、トランスデューサ・アレイ506は、処理チャネル524よりも多くのトランスデューサ要素(例えば、超音波トランスデューサ508)を含み、インタロゲータ502は、各パルスに対して送信要素の異なる集合を選択するためのマルチプレクサを含むように構成されうる。例えば、64個の送波/受波チャネルは、3:1マルチプレクサを介して192個の物理トランスデューサ要素に接続されてもよく、64個のトランスデューサ要素のみが所与のパルス上でアクティブである。
【0092】
いくつかの実施形態において、インタロゲータ502は、1つ以上の動きセンサを含んでもよい動きセンサ530を含みうる。いくつかの実施形態において、動きセンサ530は、インタロゲータ502の動きを検出し測定するように構成されうる。例えば、インタロゲータ502は、インタロゲータ502の操作者の動き又は他のジッタに起因して動くかもしれない。いくつかの実施形態において、動きセンサ530は、加速度計、ジャイロスコープ、又は慣性運動ユニット(IMU)のうちの1つ以上を含みうる。
【0093】
いくつかの実施形態において、計算回路510は、デジタル回路、アナログ回路、又は混合信号集積回路でありうる。計算回路510の例は、マイクロプロセッサ、有限状態マシン(FSM)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、及びマイクロコントローラを含んでもよい。いくつかの実施形態において、インタロゲータ502は、計算回路510によってアクセスされうる不揮発性メモリを含みうる。
【0094】
いくつかの実施形態において、計算回路510は、コントローラ回路512と、データ・プロセッサ511と、ユーザ・インタフェース513とを含む。いくつかの実施形態において、コントローラ回路512は、コマンド生成器514と、インプラント追跡器517と、超音波設定518を記憶するメモリ516とを含む。
【0095】
いくつかの実施形態において、コマンド生成器514は、1つ以上の埋め込み型デバイス540を動作させるために1つ以上の埋め込み型デバイス540に1つ以上の動作モード・コマンドを送信するために、遅延制御526の動作を制御する命令を生成するように構成されうる。例えば、動作モード・コマンドは、動作モード・コマンドを受信する埋め込み型デバイス(例えば、埋め込み型デバイス542)に、特定のデバイス・データをアップロードするように、又は動作モード・コマンドにおいて符号化されたデータをダウンロードするように命令しうる。
【0096】
いくつかの実施形態において、インプラント追跡器517は、埋め込み型デバイス540を追跡するために複数のモードで動作するように構成されうる。いくつかの実施形態において、インプラント追跡器517は、図7に関して以下でさらに説明されるように、最初に電源オフにされた埋め込み型デバイス542を検出するために発見モードで動作しうる。いくつかの実施形態において、インプラント追跡器517は、図8図11に関して以下でさらに説明されるように、埋め込み型デバイス542の位置を追跡するために追跡モードで動作しうる。いくつかの実施形態において、インプラント追跡器517は、操作者によって引き起こされたインタロゲータ502の動きを打ち消すためにUSビームのビーム焦点を調整するかどうか、及びどのように調整するかを判定するために、動きセンサ530によって生成された動きデータを分析するように構成されうる。両方のモードにおいて、インプラント追跡器517は、放射されたUSビームの焦点を変更するように超音波トランスデューサ回路504を制御するように構成されうる。
【0097】
いくつかの実施形態において、データ・プロセッサ511によって受信され処理されたデバイス・データは、受波された超音波後方散乱内に埋め込み型デバイス542によって埋め込まれた情報を含みうる。これらの実施形態において、コマンド発生器514は、放射されたUSビームの焦点を変更又は維持するようにトランスデューサ・アレイ504の超音波トランスデューサを制御するための超音波設定を設定又は選択するように構成されうる。
【0098】
いくつかの実施形態において、トランスデューサ回路504は、埋め込み型デバイス542のような埋め込み型デバイス540に給電するために超音波を送波するように構成された1つ以上の超音波トランスデューサ508を含む。いくつかの実施形態において、図5に示されるように、トランスデューサ回路504は、複数の超音波トランスデューサ508を有するトランスデューサ・アレイ506を含む。いくつかの実施形態において、トランスデューサ・アレイ506は、1以上、2以上、3以上、5以上、7以上、10以上、15以上、20以上、25以上、50以上、100以上、250以上、500以上、1000以上、2500以上、5000以上、又は10,000以上の超音波トランスデューサを含む。いくつかの実施形態において、トランスデューサ・アレイ206は、100,000個以下、50,000個以下、25,000個以下、10,000個以下、5000個以下、2500個以下、1000個以下、500個以下、200個以下、150個以下、100個以下、90個以下、80個以下、70個以下、60個以下、50個以下、40個以下、30個以下、25個以下、20個以下、15個以下、10個以下、7個以下、5個以下の超音波トランスデューサを含む。トランスデューサ・アレイ506は例えば、50個以上の超音波トランスデューサ画素を含むチップであってもよい。
【0099】
図5に示されるように、トランスデューサ回路504は、単一のトランスデューサ・アレイ506を含む。しかし、トランスデューサ回路504は、いくつかの実施形態によれば、1つ以上、2つ以上、又は3つ以上の別個のトランスデューサ・アレイを含みうる。いくつかの実施形態において、トランスデューサ回路504は、10個以下のトランスデューサ・アレイ(例えば、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、又は1個のトランスデューサ・アレイ)を含む。いくつかの実施形態において、別個のトランスデューサ・アレイは、対象者の異なる点に配置されることができ、同じ又は異なる埋め込み型デバイス540と通信しうる。いくつかの実施形態において、トランスデューサ・アレイは、埋め込み型デバイス542のような埋め込み型デバイスの両側に配置されうる。
【0100】
いくつかの実施形態において、インタロゲータ502のトランスデューサ・アレイ506の特定の設計は、トランスデューサ・アレイ506内の個々の超音波トランスデューサ508の所望の侵入深さ、開口サイズ、及びサイズに依存する。トランスデューサ・アレイ506のレイリー距離Rは、以下のように計算される。
ここで、Dは開口のサイズであり、λは伝搬媒体(すなわち、組織)における超音波の波長である。当技術分野で理解されるように、レイリー距離は、トランスデューサ・アレイ506によって放射されるビームが完全に形成される距離である。すなわち、圧力場は、受信電力を最大にするために、レイリー距離で自然な焦点に収束する。したがって、いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス540は、トランスデューサ・アレイ506からレイリー距離とほぼ同じ距離でありうる。
【0101】
トランスデューサ・アレイ506内の個々の超音波トランスデューサ508は、ビームフォーミング又はビームステアリングの処理を通じてトランスデューサ・アレイ506によって放射される超音波のビームのレイリー距離及び位置を制御するように変調されうる。外部超音波送受波器を有する複数の埋め込み型デバイス540(例えば、埋め込み型デバイス542)と通信するために、線形制約最小分散(LCMV)ビームフォーミングのような技術が使用されうる。例えば、バートランド、他、「Beamforming Approaches for Untethered, Ultrasonic Neural Dust Motes for Cortical Recording: a Simulation Study」IEEE EMBC(2014年8月)を参照されたい。いくつかの実施形態において、トランスデューサ・アレイ506内の超音波トランスデューサ508によって放射される超音波の電力又は位相を調整することによってビームステアリングが実行される。
【0102】
いくつかの実施形態において、インタロゲータ502(例えば、計算回路510)は、1つ以上の超音波トランスデューサ508を使用して超音波をビームステアリングするための命令と、1つ以上の埋め込み型デバイス540の相対位置を決定するための命令と、1つ以上の埋め込み型デバイス540の相対移動を監視するための命令と、1つ以上の埋め込み型デバイス540の相対移動を記録するための命令と、複数の埋め込み型デバイス540から後方散乱をデコンボリューションするための命令と、のうちの1つ以上を含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、ユーザ・インタフェース513は、埋め込み型デバイス540に給電又は動作させるように又は埋め込み型デバイス540と通信するように、ユーザ(例えば、医師又は患者)がインタロゲータ502の動作を制御することを可能にするように構成されうる。いくつかの実施形態において、ユーザ・インタフェース513は、タッチ・スクリーン又はモニタ、キーボード、マウス、又は音声認識デバイスのような入力をインタロゲータ502に提供する入力デバイスを含みうる。いくつかの実施形態において、ユーザ・インタフェース513は、タッチ・スクリーン、モニタ、プリンタ、ディスク・ドライブ、又はスピーカのような出力を提供する任意の適切なデバイスのような出力デバイスを含みうる。
【0104】
いくつかの実施形態において、インタロゲータ502は、モバイル・デバイス(例えば、スマートフォン又はタブレット)のような別個のコンピュータ・システム(図示せず)を使用して制御されうる。コンピュータ・システムは例えば、ネットワーク接続、無線周波数(RF)接続、又はBluetooth(登録商標)を介して、インタロゲータ502と無線で通信しうる。コンピュータ・システムは例えば、インタロゲータ502をオン又はオフにするか、又はインタロゲータ502によって受波された超音波に符号化された情報を分析してもよい。
【0105】
いくつかの実施形態において、インタロゲータ502は、複数の埋め込み型デバイス540と通信する。これは、例えば、多入力多出力(MIMO)システム理論を使用して実行されうる。例えば、インタロゲータ502と複数の埋め込み型デバイス540との間の通信は、時分割多重化、空間多重化、又は周波数多重化を使用して実行されてもよい。インタロゲータ502は、デコンボリューションされうる複数の埋め込み型デバイス540からの合成超音波後方散乱を受波することができ、それによって各埋め込み型デバイス542から情報を抽出する。いくつかの実施形態において、インタロゲータ502は、トランスデューサ・アレイ506から送波される超音波を、ビームステアリングを通じて特定の埋め込み型デバイスに合焦するように構成されうる。例えば、インタロゲータ502は、送波される超音波を第1の埋め込み型デバイス(例えば、埋め込み型デバイス542)に合焦し、第1の埋め込み型デバイスから後方散乱を受波し、送波される超音波を第2の埋め込み型デバイスに合焦し、第2の埋め込み型デバイスから後方散乱を受波してもよい。いくつかの実施形態において、インタロゲータ502は、超音波を複数の埋め込み型デバイス540に送波し、その後、複数の埋め込み型デバイス540から超音波後方散乱を受波する。
【0106】
いくつかの実施形態において、インタロゲータ502、又は超音波トランスデューサ508のうちの1つ以上は装着可能である。例えば、インタロゲータ502、又は超音波トランスデューサ508のうちの1つ以上は、ストラップ又は接着剤によって対象者の身体に固定されてもよい。別の例において、インタロゲータ502は、(医療専門家のような)ユーザによって保持されてもよいワンドでありうる。いくつかの実施形態において、インタロゲータ502は、縫合糸、単純な表面張力、布ラップ、スリーブ、弾性バンドのような衣類ベースの固定デバイスを介して、又は皮下固定によって身体に保持されうる。いくつかの実施形態において、インタロゲータ502の1つ以上の超音波トランスデューサ508又はトランスデューサ・アレイ506は、インタロゲータ502の残りの部分とは別個に配置されてもよい。例えば、トランスデューサ・アレイ206は、(例えば、1つ以上の埋め込みデバイスの近位にある)第1の位置で対象者の皮膚に固定されてもよく、インタロゲータ502の残りは、第2の位置に配置され、インタロゲータ502の残りに超音波トランスデューサ508又はトランスデューサ・アレイ506がワイヤでつながれてもよい。
【0107】
図6は、いくつかの実施形態による、超音波を使用して給電され動作される埋め込み型デバイス604を説明する。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604は、図5に関して上述されたように、インタロゲータ602から送波された超音波によって無線給電され、動作しうる。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604は、超音波通信を通じてインタロゲータ602と無線通信するように構成されうる。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604は、超音波通信を通じて1つ以上の他の埋め込み型デバイスと無線通信するように構成されうる。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604は、患者のような対象者内に埋め込まれることができ、インタロゲータ602は、対象者の外部にある(すなわち、埋め込まれていない)又は完全に埋め込まれた別個のデバイスでありうる。
【0108】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604が超音波を使用して給電され動作することを可能にするために、埋め込み型デバイス604は、以下のデバイス構成要素、すなわち、超音波トランスデューサ回路606と、変調及び復調回路612と、刺激回路614と、検出回路616と、コントローラ回路620と、電力回路630とを含みうる。いくつかの実施形態において、これらのデバイス構成要素のうちの1つ以上は、それらの動作に依存して、デジタル回路、アナログ回路、又は混合信号集積回路として実装されうる。例えば、コントローラ回路620は、マイクロプロセッサ、有限状態マシン(FSM)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はマイクロコントローラを含んでもよい。
【0109】
いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサ回路606は、整合ネットワーク610に結合された超音波トランスデューサ608を含む。いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサ回路606は、整合ネットワーク610を含まない。いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサ608は、インタロゲータ602から超音波を受波し、受波された超音波からのエネルギーを、埋め込み型デバイス604の1つ以上のデバイス構成要素に給電するための電気信号に変換するように構成されうる。いくつかの実施形態において、受波された超音波によって引き起こされる超音波トランスデューサ608の振動が、超音波トランスデューサ608の電気端子にわたる電圧を誘導し、これが電流を流させるため、電気信号は超音波トランスデューサ608によって生成されうる。
【0110】
いくつかの実施形態において、上述のように、受波された超音波からの電力は、埋め込み型デバイス604によって、そのデバイス構成要素に給電するために使用されることができ、したがって、これらの超音波は、超音波に給電することと本書で呼ばれることがある。いくつかの実施形態において、受波された超音波は、埋め込み型デバイスを動作させるための動作モード・コマンドを含む情報を符号化することができ、したがって、これらの超音波は、通信超音波と本書で呼ばれることがある。いくつかの実施形態において、超音波への給電がどのように処理されうるかと同様に、超音波トランスデューサ608を通って流れる電流を有する電気信号を生成するために、通信超音波は、超音波トランスデューサ608によって受波されうる。いくつかの実施形態において、生成された電気信号は、電流に動作モード・コマンドを符号化する。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604に給電することと、埋め込み型デバイス604に送信するための情報を符号化することとの両方を同じ超音波が行うように構成されうる。いくつかの実施形態において、図2に関して以下で説明されるように、各動作モード・コマンドは、1つ以上の超音波パルスを含むことができ、各超音波パルスは、超音波の1つ以上のキャリア・サイクルを含んでもよい。
【0111】
いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサ回路606は、複数の対応する整合ネットワークに結合された複数の超音波トランスデューサを含む。少なくとも2つの超音波トランスデューサを含むことによって、埋め込み型デバイス604は、いくつかの実施形態によれば、インタロゲータ602によって提供される電力をより効率的かつ一貫して抽出するように、少なくとも2つの超音波トランスデューサによって生成される電気信号によって給電されるように構成されうる。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604は、複数の超音波トランスデューサから選択された1つ以上の超音波トランスデューサから電力を収集するように構成されうる。例えば、埋め込み型デバイス604は、最大の電力又は最も一貫した電力を提供する超音波トランスデューサを選択してもよい。
【0112】
例えば、超音波トランスデューサ608と超音波源インタロゲータ602との間の超音波トランスデューサ又は介在生物学的材料の向きのような多くの要因は、超音波トランスデューサ608において受け取り可能な電力を著しく低減するかもしれない。1つ以上の追加の超音波トランスデューサを追加することによって、単一の超音波トランスデューサ(例えば、超音波トランスデューサ608)において受け取り可能な低減された電力は、埋め込み型デバイス604の動作に悪影響を及ぼす可能性が低くなりうる。
【0113】
いくつかの実施形態において、少なくとも2つの超音波トランスデューサを含むことにより、超音波を使用して埋め込み型デバイス602をより確実に制御することが可能になりうる。例えば、埋め込み型デバイス602は、少なくとも2つの超音波トランスデューサの信号強度を比較し、埋め込み型デバイス602を動作させるために最も高い信号強度を有する信号を選択するように構成されうる。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス602は、通信を受信するため(すなわち、ダウンリンク中)に、及び情報を後方散乱するため(すなわち、アップリンク中)に、選択された超音波トランスデューサを使用しうる。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス602は、ダウンリンク超音波通信のための超音波通信を受信するために、少なくとも2つの超音波トランスデューサから第1の超音波トランスデューサを選択し、アップリンク超音波通信のための情報を後方散乱符号化するために、少なくとも2つの超音波トランスデューサから第2の超音波トランスデューサを選択しうる。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス602は、アップリンク及びダウンリンク超音波通信の信号対雑音比を改善するために、少なくとも2つの超音波トランスデューサでビームフォーミングを実行するように構成されうる。いくつかの実施形態において、これらの超音波トランスデューサのうちの1つ以上は、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)又は圧電性微細加工超音波トランスデューサ(PMUT)のような微細加工超音波トランスデューサであることができ、又はバルク圧電トランスデューサでありうる。さらに、超音波トランスデューサ608の実装が図14に関して以下に説明される。
【0114】
いくつかの実施形態において、整合ネットワーク610は、信号反射を低減するために、超音波トランスデューサ608の電気インピーダンスと埋め込み型デバイス604(例えば、電力回路630)の電気インピーダンスとの間のインピーダンス整合を選択するように構成された電子回路でありうる。いくつかの実施形態において、整合ネットワーク610は、インダクタ、キャパシタ、抵抗器、ダイオード、トランジスタ、又はこれらの任意の組合せのような、1つ以上の回路要素の様々な構成で実装されうる。例えば、整合ネットワーク610は、並列に接続され、複数の対応するスイッチに結合された複数のキャパシタとして実装されうる。スイッチのいずれが開閉するかを制御することによって、整合ネットワーク610は、インピーダンスを選択するために、複数のキャパシタがどのように充電されるかを制御してもよい。いくつかの実施形態において、整合ネットワーク610は、超音波トランスデューサ608によって生成された電気信号が、スイッチによって制御される別個のワイヤを介して複数のコンデンサをバイパスすることを可能にするように構成されうる。
【0115】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604が超音波を使用して給電されることを可能にするために、電力回路630は、調整回路638に電気的に結合された電力回収回路632を含みうる。いくつかの実施形態において、電力回収回路632は、超音波トランスデューサ回路606によって生成された電気信号を受信し処理するように構成されうる。いくつかの実施形態において、電力回収回路632は、AC形態の電気信号をDC形態に変換するための整流回路(例えば、能動整流器)を含むことができ、変換された電気信号は第1の電圧(すなわち、受波された超音波の供給電圧)に関連付けられうる。
【0116】
いくつかの実施形態において、対象者の生体組織を通じて高電力波を伝播させる際の健康上の危険性に起因して、行政規則は、インタロゲータ602によって送波される超音波によって提供される電力の大きさ(例えば、720mW/cm2)を制限するかもしれない。したがって、受波された超音波から導出される第1の電圧は、埋め込み型デバイス104の電子構成要素を動作させるのに十分に高くないかもしれない。例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)技術で使用されるトランジスタは、トランジスタを動作させるために最小で約2ボルトを必要とするかもしれない。
【0117】
いくつかの実施形態において、電子構成要素埋め込み型デバイス602を動作させるためのより高い第1の電圧を提供するために、給電超音波は、パルス幅変調(PWM)信号として送信されうる。いくつかの実施形態において、給電超音波をPWM信号として送信することによって、インタロゲータ602は、平均強度が調節限界内に留まるように、短い高強度パルスを提供し、より高い第1の電圧を生成するために、より高い瞬間電力を提供するように構成されうる。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、給電超音波によって提供される電力を制御するために、PWM信号の瞬間強度及び/又はパルス幅(例えば、例示の超音波設定)を制御するように構成されうる。
【0118】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604がこれらの超音波によって給電されることを可能にするために、電力コンベヤ回路634は、第1の電圧を、第1の電圧よりも大きい第2の電圧に変換するように構成されたチャージ・ポンプを含みうる。いくつかの実施形態において、チャージ・ポンプは、第2の電圧を生成するために1つ以上のスイッチによって制御される複数の結合キャパシタを含みうる。いくつかの実施形態において、チャージ・ポンプは、少なくとも1倍、2倍、3倍、又は4倍の変換利得を達成しうる。いくつかの実施形態において、第2の電圧の大きさは、1つ以上のスイッチのスイッチング周波数に基づいて制御されうる。
【0119】
上述のように、受波された超音波によって提供される電力は例えば、埋め込み型デバイス604のインプラント深さ、又は超音波トランスデューサ608と超音波源、例えばインタロゲータ602との間の介在生物学的材料を含む多くの要因に起因して一貫性がない可能性がある。したがって、いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604により一貫した電力を提供するために、電力回収回路632は、電力コンベヤ回路634に結合されたエネルギー蓄積デバイス636を含みうる。いくつかの実施形態において、エネルギー蓄積デバイスは、電池又は蓄積キャパシタを含む。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604の小さなフォーム・ファクタを保つために、エネルギー蓄積デバイスは、蓄積キャパシタとして構成されうる。
【0120】
いくつかの実施形態において、蓄積キャパシタは、少なくとも0.1μF、少なくとも0.25μF、少なくとも0.5μF、少なくとも1μF、少なくとも2μF、少なくとも4μF、又は少なくとも8である静電容量を有しうる。いくつかの実施形態において、蓄積キャパシタは、10μF未満、8μF未満、4μF未満、2μF未満、1μF未満、0.5μF未満、又は0.25μF未満の静電容量を有しうる。例えば、蓄積キャパシタは、0.5~2μFの範囲のような0.1~10μFの範囲の静電容量を有してもよい。いくつかの実施形態において、蓄積キャパシタは、約1μFである静電容量を有しうる。
【0121】
いくつかの実施形態において、エネルギー蓄積デバイス636は、少なくとも2つの電力モードで動作して、埋め込み型デバイス604が、受波された超音波の電力をより効率的に利用し、より一貫した電力を提供することを可能にするように構成されうる。いくつかの実施形態において、電力モードは、受波された超音波の電力の一部が、エネルギーを蓄積できるエネルギー蓄積デバイス636に伝達されうる充電モードを含む。いくつかの実施形態において、電力コンベヤ回路634は、生成された第1の電圧に基づいてエネルギー蓄積デバイス636を充電するように構成されうる。いくつかの実施形態において、電力モードは、エネルギー蓄積デバイス636に蓄積されたエネルギーの一部が放電されて、エネルギー蓄積デバイス636から電力を伝達し、埋め込み型デバイス604の他のデバイス構成要素(例えば、刺激回路614、検出回路616、又はコントローラ回路620など)に追加の電力を提供する放電モードを含む。いくつかの実施形態において、エネルギー蓄積デバイス636への及びこれからの電力フローは、電力コンベヤ回路634を通してルーティングされうる。
【0122】
いくつかの実施形態において、調整回路638は、埋め込み型デバイス604の1つ以上の回路負荷に調整された電圧を提供するために、電力コンベヤ回路634によって生成される出力電圧(例えば、第2の電圧)を調整するように構成されうる。電力コンベヤ回路634がチャージ・ポンプを含むいくつかの実施形態において、調整回路638は、チャージ・ポンプのスイッチを動作することによって引き起こされる電位リップルを除去又は低減するように構成されうる。いくつかの実施形態において、調整回路638は、埋め込み型デバイス604のデジタル回路負荷に供給される電圧を調整するためのDC電圧レギュレータ(例えば、低ドロップアウト(LDO)レギュレータ)を含む。いくつかの実施形態において、調整回路638は、埋め込み型デバイス604のデジタル回路負荷に供給される電圧を調整するためのDC電圧レギュレータ(例えば、低ドロップアウト(LDO)レギュレータ)を含む。いくつかの実施形態において、調整回路638は、埋め込み型デバイス604のアナログ回路負荷に供給される電圧を調整するためのAC電圧レギュレータ(例えば、低ドロップアウト(LDO)レギュレータ)を含む。
【0123】
いくつかの実施形態において、変調及び復調回路612は、受波された超音波に符号化された情報を抽出するために、超音波トランスデューサ回路606によって生成された電気信号を復調するように構成された復調回路を含みうる。いくつかの実施形態において、復調回路は、命令を含む抽出された情報を、命令に基づいて埋め込み型デバイス604がどのように動作するかを制御するように構成されたコントローラ回路620に送信しうる。
【0124】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604がインタロゲータ602と無線通信することを可能にするために、変調及び復調回路612は、超音波後方散乱を使用して情報を符号化するように構成された変調回路を含みうる。この情報は埋め込み型デバイス604によって生成され、説明を容易にするために、以下の説明ではデバイス情報と呼ばれることがある。
【0125】
一般に、埋め込み型デバイス604が対象者内に埋め込まれる場合に、インタロゲータ602の超音波送受波器によって放射される超音波(搬送波を含む)は、埋め込み型デバイス604の超音波トランスデューサ回路606によって受波される前に、生体組織を通過する。上述のように、搬送波は、超音波トランスデューサ608(例えば、バルク圧電トランスデューサ)に機械的振動を生じさせて、超音波トランスデューサ608にわたる電圧を生成し、その後、これは、埋め込み型デバイス604の残りの部分に電流を流す。いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサ608を通って流れる電流は、超音波トランスデューサ回路606に、受波された超音波に対応する後方散乱超音波を放射させる。
【0126】
いくつかの実施形態において、変調回路612は、デバイス情報を符号化するために、超音波トランスデューサ608を通って流れる電流を変調するように構成されることができ、これにより、結果として得られる超音波後方散乱波もデバイス情報を符号化する。したがって、埋め込み型デバイス604から放射される超音波後方散乱は、埋め込み型デバイス604に関連するデバイス情報を符号化しうる。いくつかの実施形態において、変調回路は、オン/オフ・スイッチ又は電界効果トランジスタ(FET)のような1つ以上のスイッチを含みうる。埋め込み型デバイス604のいくつかの実施形態とともに使用されてもよい例示的なFETは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を含む。いくつかの実施形態において、変調回路は、超音波トランスデューサ608を通って流れる電流のインピーダンスを変更するように構成されることができ、流れる電流の変化が情報を符号化する。
【0127】
上述のように、インタロゲータ602によって提供される超音波電力は、それほど増加させることができず、規制機関によって安全とみなされる閾値を下回る必要がある。しかし、超音波トランスデューサ608とインタロゲータ602によって放射されるUSビームとの間の位置ずれに起因して、インタロゲータ602によって供給される電力は、効率的に受け取られず、超音波トランスデューサ608によって受け取られないかもしれない。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604は、インタロゲータ602が埋め込み型デバイス604をより良好に追跡することを可能にするために、超音波後方散乱内にインプラント信号又は情報を埋め込むことによって超音波通信を利用しうる。例えば、図5に関して上述されたように、超音波後方散乱は、インタロゲータ602によって受波され、超音波後方散乱に符号化されたデバイス情報を抽出するために解読されうる。その後、インタロゲータ602は、いくつかの実施形態によれば、抽出された情報を、埋め込み型デバイス604に関連付けられた所定のパターンと比較でき、及び/又は放射されたUSビームのビーム焦点を変更して埋め込み型デバイス604の超音波トランスデューサ608との位置合わせを向上するために、抽出された情報から信号強度を決定しうる。いくつかの実施形態において、超音波後方散乱は、超音波トランスデューサ608によって受波された超音波を送波したインタロゲータ602と同じであっても異なっていてもよいインタロゲータによって受波されうる。
【0128】
いくつかの実施形態において、検出回路616は、対象者の1つ以上の生理学的状態を測定又は検出するために、1つ以上のセンサ640A~Cとやりとりするように構成されうる。いくつかの実施形態において、検出回路616は、1つ以上のセンサ640A~Cに電流を提供し、1つ以上のセンサ640A~Cから生成された信号を受信するように構成されたドライバを含みうる。いくつかの実施形態において、受信された信号は、検出された生理学的状態を表す、又は測定された生理学的状態を表す情報を含みうる。いくつかの実施形態において、検出回路616は、コントローラ回路620に情報を送信するように構成されうる。
【0129】
いくつかの実施形態において、センサ640A~Cのうちの1つ以上は、埋め込み可能デバイス604の内部に配置されうるか、又は埋め込み可能デバイス604の外部に結合されうる。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604は、少なくとも2つのセンサ640A~Cを含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の生理学的状態は、温度、pH、圧力、心拍数、歪み、酸素圧、被分析物の存在、又は被分析物の量を含みうる。例えば、被分析物は酸素又はグルコースであってもよい。
【0130】
いくつかの実施形態において、センサ640A~Cは、光学センサを含みうる。いくつかの実施形態において、光学センサは、光源及び光学検出器を備える。いくつかの実施形態において、光学センサは、血圧又は脈拍を検出する。いくつかの実施形態において、光学センサは、フルオロフォア又は発光プローブを含む母材を含み、フルオロフォア強度又はフルオロフォア寿命は被分析物の量に依存する。いくつかの実施形態において、光学センサは、近赤外分光法を実行するように構成される。いくつかの実施形態において、光学センサは、グルコースを検出する。
【0131】
いくつかの実施形態において、センサ640A~Cは、電位差化学センサ又は電流測定化学センサを含みうる。いくつかの実施形態において、センサは、酸素、pH、又はグルコースを検出する。いくつかの実施形態において、センサ640A~Cは、温度センサを含みうる。いくつかの実施形態において、温度センサは、サーミスタ、熱電対、又は絶対温度に比例する(PTAT)回路である。いくつかの実施形態において、センサ640A~Cは、圧力センサを含みうる。いくつかの実施形態において、圧力センサは、微小電気機械システム(MEMS)センサである。いくつかの実施形態において、検出回路616は、血圧又は脈拍を測定するように構成される。いくつかの実施形態において、センサ640A~Cは、歪みセンサを含みうる。
【0132】
いくつかの実施形態において、検出回路616は、図14に関して以下でさらに説明されるように、神経又は神経内の神経線維の目標の部分集合からの電気生理学的信号を検出するために、例えばセンサ640Cとやり取りするように構成されうる。いくつかの実施形態において、センサ6140Cは、刺激回路614によって動作される電極パッド642と同じであっても異なっていてもよい電極パッドを含みうる。いくつかの実施形態において、検出回路616は、検出された電気生理学的信号に基づいて、神経又は神経線維の目標の部分集合の神経活動を記録するように構成されうる。
【0133】
いくつかの実施形態において、神経線維の部分集合を選択的に目標にするために、計算モデリング(例えば、有限要素モデル)、逆ソース推定、多極(例えば、三極)神経記録、速度選択的記録、又はビームフォーミングのような1つ以上の技術が検出回路116によって(単独で、又はコントローラ回路120と併せて)実装されうる。例えば、タイラー、他、「Multiple-electrode nerve cuffs for low-velocity and velocity selective neural recording」、Medical & Biological Engineering & Computing、42巻、634~642頁(2004年)、及びウォドリンガー、他、「Localization and Recovery of Peripheral Neural Sources with Beamforming Algorithms」、IEEE Transactions on Neural Systems and Rehabilitation Engineering、17巻5号、461~468頁(2009年)を参照されたい。
【0134】
いくつかの実施形態において、検出回路616は、電気生理学的信号の目標の検出のために、センサ640Cの複数の電極を動作させるように構成されうる。例えば、センサ640Cは、図14に関して以下でさらに説明されるように、埋め込み型デバイス604から延びる曲がった部材であってもよい。いくつかの実施形態において、検出回路616は、電気生理学的信号を送信している神経内の神経線維の部分集合を決定するために、電極パッドのすべて又は部分集合によって検出された電気生理学的信号を分析しうる。特定の神経は、神経線維の2つ以上の異なる部分集合によって同時に伝達される電気生理学的信号(又は活動電位)の合計である複合電気生理学的信号(又は複合活動電位)を伝達してもよい。複数の電極パッドによって検出された電気生理学的信号に基づいて、検出回路616は、神経線維のどの部分集合がどの電気生理学的信号を送信するかを決定することができてもよい。いくつかの実施形態において、インタロゲータ602から受信された(温度データ、又は非分析物濃度もしくは他の生理学的状態に関連するデータのような)データは、神経線維のどの部分集合が電気生理学的信号を送信するかを決定するためにさらに使用される。
【0135】
例えば、いくつかの実施形態において、検出回路616は、速度選択的記録を使用して、神経線維の目標の部分集合から電気生理学的信号を選択的に検出するように構成されてもよく、これは、(1つ以上の曲がった部材上の複数の電極内の任意の数のトリポールを含みうる)多極(例えば、三極)記録と組み合わせられてもよい。
【0136】
追加的に又は代替的に、神経線維の目標の部分集合からの電気生理学的信号を検出するためにビームフォーミングが使用されうる。1つ以上の曲がった部材の電極パッドの一部又はすべては、神経からの電気生理学的信号を検出でき、検出回路616は、1つ以上の曲がった部材の電極パッドの一部又はすべてによって検出された電気生理学的信号の差に基づいて、神経内の伝達信号の断面位置を決定しうる。
【0137】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604の位置から離れた位置での1つ以上の神経の刺激は、埋め込み型デバイス604の位置での電気生理学的信号の変調をもたらしうる。埋め込み型デバイス604の電極パッド(例えば、電極パッド642)と電気通信している神経内の神経線維の異なる部分集合において検出される電気生理学的信号の変調は、異なる遠位神経における刺激の結果でありうる。例えば、脾臓神経の刺激は、迷走神経内の神経線維の第1の部分集合から検出される電気生理学的信号の変調をもたらすことができ、腎臓神経の刺激は、迷走神経内の神経線維の第2の部分集合から検出される電気生理学的信号の変調をもたらすことができる。したがって、迷走神経上に配置された埋め込み型デバイスは、脾臓神経の刺激を監視するために神経線維の第1の部分集合からの電気生理学的信号を検出することができ、腎臓神経の刺激を監視するために神経線維の第2の部分集合からの電気生理学的信号を検出することができる。
【0138】
いくつかの実施形態において、刺激回路614は、神経線維の部分集合に接続された1つ以上の電極パッド642を選択的にアクティブ化することによって、神経内の神経線維の部分集合に目標の電気パルスを放射するように構成されうる。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604は、図14に関して以下でさらに説明されるように、刺激回路614を電極パッド642に電気的に接続する1つ以上の曲がった部材を含みうる。
【0139】
いくつかの実施形態において、刺激回路614は、電極パッド642を動作させるか、又は電極パッド642を選択的にアクティブ化するように、コントローラ回路620によって制御されうる。選択的アクティブ化は例えば、1つ以上の曲がった部材の複数の電極パッド642内の電極パッドの一部をアクティブ化すること、及び/又は1つ以上の曲がった部材の複数の電極パッド642内の電極パッドの全部又は一部を差動的にアクティブ化することを含みうる。したがって、複数の電極は、複数の電極パッド642によって放射された電気パルスを神経線維の目標の部分集合に操向するように動作されうる。いくつかの実施形態によれば、神経内の神経線維の部分集合を電気パルスで目標にするために、電場干渉又は多極刺激(例えば、三極刺激)のような技術が使用されうる。例えば、グロスマン、他、「Noninvasive Deep Brain Stimulation via Temporally Interfering Electrical Fields」、セル、169巻、1029~1041頁(2017年)を参照されたい。1つ以上の曲がった部材内の電極パッド142は、放射された電気パルスで神経線維の部分集合を目標とするために、コントローラ回路120によって選択的にアクティブ化されうる。
【0140】
放射された電気パルスによって目標にされる神経線維の部分集合は、電気生理学的信号が検出回路616によって検出される神経線維の部分集合と同じであってもよいし、異なっていてもよい。目標の電気パルスを放射するように構成された1つ以上の曲がった部材は、電気生理学的信号を検出するように構成された埋め込み型デバイス604上の1つ以上の曲がった部材と同じであってもよく、又は異なっていてもよい。放射された目標の電気パルスは、埋め込み型デバイス604の位置で神経を刺激しうる。電気パルスによって目標にされる神経線維の部分集合は、電気生理学的信号が選択的に検出される神経線維の同じ又は異なる部分集合でありうる。
【0141】
埋め込み型デバイス604によって放射される電気パルスによって目標にされる神経線維の部分集合は例えば、神経内の1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上)の束、又は1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上)の束の一部でありうる。いくつかの実施形態において、神経線維の部分集合は、神経内の求心性神経線維、又は神経内の求心性神経線維の部分集合を含むか、又はそれらからなる。いくつかの実施形態において、神経線維の部分集合は、神経内の遠心性神経線維、又は神経内の遠心性神経線維の部分集合を含むか、又はそれらからなる。いくつかの実施形態において、神経線維の部分集合は、神経内の2つ以上の束内の遠心性神経線維、又は神経内の2つ以上の束内の求心性神経線維を含むか、又はそれらからなる。
【0142】
神経線維の部分集合に目標の電気パルスを放射することによる神経線維の部分集合の目標の刺激は、神経の位置から離れた位置で神経の刺激をもたらしうる。埋め込み型デバイス604によって刺激される遠位神経は、デバイスによって放射される電気パルスによって目標にされる埋め込み型デバイス604の位置における神経の部分集合に依存する。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス604は、第1の神経軌跡に配置され、第2の神経軌跡に関連付けられた第1の神経軌跡内の神経線維の部分集合に目標の電気パルスを放射することによって、第2の神経軌跡を刺激するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の神経軌跡及び第2の神経軌跡は、1つ以上の神経分岐点又は1つ以上のシナプスによって分離される。いくつかの実施形態において、第2の神経軌跡は、第1の神経軌跡よりも脳の近位にあり、いくつかの実施形態において、第2の神経軌跡は、第1の神経軌跡よりも脳から遠位にある。いくつかの実施形態において、神経線維の目標の部分集合は、求心性神経線維を含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態において、神経線維の目標の部分集合は、遠心性神経線維を含むか、又はそれからなる。
【0143】
いくつかの実施形態において、コントローラ回路620は、コマンド・プロセッサ622と、モード検出器626と、メモリ650とを含む。いくつかの実施形態において、メモリ650は、レジスタ・メモリ、プロセッサ・キャッシュ、又はランダム・アクセス・メモリ(RAM)のような非一時的記憶メモリを含む。いくつかの実施形態において、コントローラ回路620は、デジタル回路、アナログ回路、又は混合信号集積回路でありうる。コントローラ回路120の例は、マイクロプロセッサ、有限状態マシン(FSM)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、及びマイクロコントローラを含みうる。
【0144】
いくつかの実施形態において、モード検出器626は、超音波トランスデューサ608によって受波された超音波から動作モード・コマンドを決定するように構成されうる。いくつかの実施形態において、モード検出器626は、メモリ650に記憶された複数の所定のパターン656からのパターンへの対応を決定すると、動作モード・コマンドを決定しうる。例えば、パターンは、超音波パルス持続時間のような特定の超音波特性を有する1つ以上のパルスのシーケンスであってもよい。この例において、モード検出器626は、一致パターンを決定するために、動作モード・コマンドの一部を所定のパターン656のうちの1つ以上に一致させうる。別の例において、パターンは、パルス持続時間、振幅、又は位相もしくは周波数変化のような超音波特性に対応してもよい。この例において、モード検出器626は、パターンへの対応を決定するために、一部分の超音波特性(例えば、パルス持続時間)を分析してもよい。いくつかの実施形態において、動作モード・コマンドの一部は、動作モード・コマンドの開始を示す単一パルスでありうる。他の実施形態において、一部分は、超音波パルスのシーケンスでありうる。
【0145】
いくつかの実施形態において、モード検出器626は、超音波トランスデューサ回路606において受波された超音波に基づいて、変調及び復調回路612によって生成された(例えば、復調された)電気信号として超音波を受波しうる。いくつかの実施形態において、モード検出器626は、電気信号から1つ以上の超音波特性を検出するように構成された1つ以上の検出回路を含みうる。いくつかの実施形態において、これらの検出回路のうちの1つは、動作モード・コマンドにおける各超音波パルスのパルス持続時間を決定するように構成されたゼロ交差回路を含みうる。例えば、ゼロ交差回路は、パルス持続時間を決定するために、電気信号の第1の部分が所定のクロック・サイクル数内の所定の電圧レベルに交差するインスタンスの数をカウントし、記憶するように構成されうる。いくつかの実施形態において、所定の電圧レベルは、0Vに近い電圧(例えば、10mV未満、50mV未満、100 mV未満、又は200mV未満)である。
【0146】
いくつかの実施形態において、コマンド・プロセッサ622は、モード検出器626によって決定された動作モード・コマンドに基づいて、埋め込み型デバイス604の動作モードを、複数の所定の動作モード652からの1つの動作モードに設定するように構成されうる。いくつかの実施形態において、コマンド・プロセッサ622は、受信された動作モード・コマンド及び関連する命令を、命令レジスタのようなメモリ650に記憶しうる。いくつかの実施形態において、コマンド・プロセッサ622は、記憶された動作モード・コマンドに基づいて、動作モードに対応する動作状態になるように埋め込み型デバイス604を制御するように構成されうる。例えば、コマンド・プロセッサ622は、現在の動作状態と、1つ以上の受け取られた動作モード・コマンド、1つ以上のセンサ値、又はそれらの組合せのような1つ以上の検出された入力とに基づいて、埋め込み可能デバイス604の動作状態を制御するFSM又はプログラムとしてマイクロコントローラ内に埋め込まれてもよい。
【0147】
いくつかの実施形態において、コマンド・プロセッサ622は、様々なパラメータを構成するために、又は動作モードを選択するために、動作モード・コマンドの一部から情報を抽出するように構成されうる。インタロゲータによって放射され、閉ループ埋め込み型デバイスによって受波される超音波に符号化される情報は例えば、神経変調を開始又は停止するための命令、1つ以上の較正命令、動作ソフトウェアに対する1つ以上の更新、及び/又は(テンプレート電気生理学的信号、1つ以上のテンプレート電気生理学的信号、及び/又は1つ以上のテンプレート刺激信号のような)1つ以上のテンプレートを含みうる。いくつかの実施形態において、コマンド・プロセッサ622は、受信された命令を処理し、メモリ650に格納するように構成されうる。いくつかの実施形態において、コマンド・プロセッサ622は、1つ以上の受信された動作モード・コマンドに基づいて、複数の動作モードからの動作モードになりうる。いくつかの実施形態において、複数の動作モードが例えば、神経を刺激するモード、神経活動を記録するモード、又は1つ以上の生理学的状態を決定するモードを含みうる。例えば、埋め込み型デバイス604が神経刺激モードになるべきであることを動作モード・コマンドが示すならば、コントローラ回路620は、特定の神経線維又は神経の一部分を刺激するように刺激回路614を制御するように構成されうる。
【0148】
いくつかの実施形態において、コマンド・プロセッサ622が、神経活動記録モード、すなわち1つ以上の生理学的状態を決定するためのモードになるように埋め込み型デバイス104を制御する場合に、コマンド・プロセッサ622は、デバイス情報(例えば、神経記録又は検出/測定された生理学的状態)を読み出すように検出回路616を制御してもよい。いくつかの実施形態において、コマンド・プロセッサ622は、埋め込み型デバイス604の動作を制御するために、現在の動作モード652に関連付けられたコマンド654を読み出すように構成されうる。例えば、神経活動記録モードにおいて、コマンド・プロセッサ622は、神経活動記録モードに対応するコマンド654を受信し、神経の神経活動(例えば、デバイス情報の例)をサンプリングするように検出回路616を制御するコマンド654を発行しうる。いくつかの実施形態において、デバイス情報を読み出すと、コマンド・プロセッサ622は、上述のように、超音波後方散乱においてデバイス情報を符号化するためにコマンド654に基づいて変調及び復調回路612を制御するように構成されうる。
【0149】
図7は、いくつかの実施形態による、超音波を使用して埋め込み型デバイスを発見するための方法700を説明する。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイスは、図1に関して上述された埋め込み型デバイス120の一例であってもよい。いくつかの実施形態において、方法700の1つ以上のステップは、図1及び図5に関してそれぞれ上述されたインタロゲータ106又は502のようなインタロゲータによって実行されうる。例えば、方法700の1つ以上のステップは、インプラント追跡器517によって実行されてもよい。説明を容易にするために、方法700の以下の様々なステップは、インタロゲータ502の構成要素を参照してもよい。いくつかの実施形態において、方法700は、1つ以上のコンピューティング・デバイスと通信するインタロゲータを含むシステムによって実行されうる。例えば、計算集約的ステップのいくつかは、計算速度及び効率を高めるために、インタロゲータから1つ以上のコンピューティング・デバイスにオフロードされうる。
【0150】
ステップ702において、インタロゲータは、複数の焦点に逐次的に合焦するように超音波(US)ビームを放射する。例えば、インタロゲータのインプラント追跡器(例えば、インプラント追跡器517)は、USビームがコマンド生成器(例えば、コマンド生成器514)を通じてどのように放射されるかを制御してもよい。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、特定の焦点にUSビームを合焦するための電子ビームフォーミングを通じてインタロゲータによって制御されうる複数のトランスデューサを含むトランスデューサ・アレイを含む。例えば、コマンド生成器は、図5に関して上述されたように、トランスデューサ・アレイを制御するための命令を生成してもよい。いくつかの実施形態において、複数の焦点は、USビームの操向可能範囲を表す。いくつかの実施形態において、操向可能範囲は、線形範囲を含んでもよい。トランスデューサ・アレイがトランスデューサの2Dアレイを含みうる他の実施形態において、操向可能範囲は、2D領域を含んでもよい。
【0151】
ステップ704において、複数の焦点の各焦点において、インタロゲータは、埋め込み型デバイスが焦点に位置する可能性がどの程度であるかを決定する。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、複数の焦点の各焦点においてステップ704A~Cを実行しうる。
【0152】
ステップ704Aにおいて、インタロゲータは、焦点に位置するならば、埋め込み型デバイスがUSビームの超音波からのエネルギーを、電源オフ状態から電源オン状態になるための電気エネルギーに変換することを可能にする持続時間の間、焦点に合焦USビームを保持する。いくつかの実施形態において、持続時間は、USビームの強度、埋め込み型デバイスの電力要件、埋め込み型デバイスのエネルギー蓄積容量、又はインタロゲータと埋め込み型デバイスとの間の平均又は推定最大距離のうちの1つ以上を含む様々な要因に基づいて事前に決定された所定の期間でありうる。
【0153】
ステップ704Bにおいて、インタロゲータは、焦点に合焦されたUSビームに対応する後方散乱超音波を受波する。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、USビームを送波することと超音波後方散乱を受波することとを切り替えるスイッチを動作させうる。いくつかの実施形態において、USビームの超音波を受波する埋め込み型デバイスは、埋め込み型デバイスによって放射される超音波後方散乱内の情報を符号化するように構成されうる。例えば、埋め込み型デバイスは、情報を符号化するために超音波トランスデューサを短絡するようにスイッチをデジタル制御することによって、電気信号を変調してもよい。いくつかの実施形態において、情報は、埋め込み型デバイスを識別する所定のパターンを含んでもよい。いくつかの実施形態において、所定のパターンは方形波振動であってもよく、それによって、埋め込み型デバイスは、所定の期間の間、その1つ以上のトランスデューサの圧電端子を周期的に短絡させる。いくつかの実施形態において、所定のパターンは、図3のデジタル・データ処理312に関して上述されたように、インタロゲータによって復号されたデジタル・データのシーケンスであってもよい。
【0154】
ステップ704Cにおいて、インタロゲータは、後方散乱超音波が所定のパターンを含む可能性がどの程度であるかを示すスコアを生成するために、受波された後方散乱超音波を、発見されるべき埋め込み型デバイスに関連付けられちゃ所定のパターンと比較する。例えば、インプラント追跡器は、所定のパターンをメモリに記憶し、所定のパターンを後方散乱超音波と比較してもよい。いくつかの実施形態において、インプラント追跡器は、所定のパターンに対応するデジタル・データのシーケンスを記憶し、所定のパターンが後方散乱超音波内に存在するかどうかを判定するために、後方散乱超音波を復号してもよい。いくつかの実施形態において、スコアは、埋め込み型デバイスの所定のパターンが超音波後方散乱から検出されるかどうかを示しうる。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、スコアを生成するために、1つ以上のコンピューティング・デバイスと(例えば、有線接続又は無線接続を通じて)通信しうる。
【0155】
ステップ706において、インタロゲータは、複数の対応する焦点について生成された複数のスコアに基づいて、複数の焦点から埋め込み型デバイスの位置を決定する。いくつかの実施形態において、インタロゲータのインプラント追跡器は、複数の焦点のうちのどの焦点が少なくとも所定の閾値又は信頼レベルであるスコアを有するかに基づいて、埋め込み型デバイスの位置を推定しうる。例えば、インタロゲータは、スコアが所定の閾値(例えば、80%、90%、95%など)以上である焦点の中央値、モード、又は平均のような中心傾向の1つ以上の尺度を算出することによって、位置を決定してもよい。いくつかの実施形態において、インプラント追跡器は、複数の焦点にわたるスコアのスペクトル重心(すなわち、質量中心)を算出するように構成されうる。言い換えれば、インプラント追跡器は、複数の対応するスコアに対する複数の焦点の「質量中心」を表す「平均」焦点値を識別するために、複数の焦点にわたるスコアの加重平均を算出してもよい。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、埋め込み型デバイスの位置を表すものとして、複数の焦点から焦点を選択しうる。
【0156】
いくつかの実施形態において、インタロゲータが埋め込み型デバイスの推定位置を決定すると、インタロゲータは、埋め込み型デバイスがその焦点に位置することを確認するために、USビームを推定位置に最も近い焦点に向かわせるように構成されうる。例えば、インタロゲータは、ステップ706において推定位置を決定する際に、複数の焦点から選択された焦点にUSビームを合焦する。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、埋め込み型デバイスが選択された焦点に位置することを確認するために、USビームが選択された焦点に合焦している間に受波された超音波後方散乱を分析しうる。例えば、インタロゲータは、超音波後方散乱から抽出された信号強度を所定の閾値と比較してもよい。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、埋め込み型デバイスが選択された焦点に位置することを確認したことに応じて、USビームを選択された焦点に維持しうる。そうでなければ、インタロゲータは、いくつかの実施形態によれば、埋め込み型デバイスが選択された焦点に位置しないことを確認したことに応じて、第2の複数の焦点から1つ以上の焦点に再合焦するようにUSビームを操向しうる。例えば、1つ以上の焦点は、ステップ702の複数の焦点から選択されてもよい。
【0157】
いくつかの実施形態において、インタロゲータが埋め込み型デバイスを発見し、埋め込み型デバイスの位置を決定すると、インタロゲータは、図8図11に関して以下でさらに説明されるように、インタロゲータは、USビームと埋め込み型デバイスとの間の位置合わせを決定及び維持する追跡モードになりうる。
【0158】
図8は、いくつかの実施形態による、超音波を使用して埋め込み型デバイスを効率的に追跡し給電するためのインタロゲータ(例えば、図1のインタロゲータ106又は図5のインタロゲータ502)の例示的な動作ロジックを示す図800を説明する。上述のように、インタロゲータのコントローラ回路(例えば、コントローラ回路512)は、インタロゲータの動作を制御するために有限状態マシン(FSM)を実装するように構成されうる。例えば、インタロゲータのインプラント追跡器(例えば、インプラント追跡器517)は、FSMを実装してもよい。例えば、図800は、ムーア状態マシンを示す。図800に示されるように、FSMは、埋め込み型デバイスを追跡するための複数の動作状態802~806を含んでもよい。FSMがムーア・マシンとして示されているが、インタロゲータは、他のタイプのFSMに従ってその動作ロジックを制御するように構成されうる。例えば、ムーア・マシンの代わりに、FSMは、ミーリ状態マシン、ハレル状態マシン、又は統一モデリング言語(UML)状態マシンとして実装されてもよい。
【0159】
動作状態802において、インタロゲータは、埋め込み型デバイスとの同期状態を確立するように構成されうる。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、受波された超音波後方散乱から決定された信号強度が所定の同期閾値を上回る焦点を決定するために、複数の焦点に合焦するようにそのUSビームを操向する。示されるように、決定された信号強度が所定の閾値を下回るならば、インタロゲータは、動作状態802を保つ。信号強度が所定の閾値を満たすか又は超えると、インタロゲータは、動作状態804になる。
【0160】
動作状態804において、インタロゲータは、埋め込み型デバイスの位置を追跡するように構成されうる。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、受波された超音波後方散乱から抽出された信号の信号強度を最大化するために、USビームが合焦されている場所を調整する。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、対応する信号強度もはや増加しなくなるまで、すなわち、極大値が見つかるまで、動作状態804に留まり、焦点の位置を調整するように構成されうる。信号強度が最大化されると、インタロゲータは、動作状態806になる。
【0161】
動作状態806において、インタロゲータは、動作状態804において最大信号強度をもたらした焦点に合焦するようにUSビームを維持する。いくつかの実施形態において、この最大信号強度は、定常状態閾値を表しうる。インタロゲータと埋め込み型デバイスとの間に一貫した電力及び信頼性のある超音波通信を提供するために、インタロゲータは、超音波後方散乱で受信された信号の信号強度を監視するように構成される。監視された信号強度が定常状態閾値の所定の範囲内にあると判定されたならば、インタロゲータは、USビーム焦点を維持する。そうではなく、監視された信号強度が定常状態閾値の範囲外にあるならば、インタロゲータは、埋め込み型デバイスの位置を追跡するために、再び動作状態804になる。
【0162】
図9は、いくつかの実施形態による、埋め込み型デバイスに供給される電力を維持するために超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを追跡するための方法900を説明する。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイスは、図1に関して上述した埋め込み型デバイス120の一例であってもよい。いくつかの実施形態において、方法900の1つ以上のステップは、図1及び図5に関してそれぞれ上述されたインタロゲータ106及び502のようなインタロゲータによって実行されうる。例えば、方法900の1つ以上のステップは、図5に関して上述されたように、埋め込み型デバイス502の埋め込み追跡器517によって実行されうる。いくつかの実施形態において、方法900は、1つ以上のコンピューティング・デバイスと通信するインタロゲータを含む追跡システムによって実行されうる。例えば、計算集約的ステップのいくつかは、計算速度及び効率を高めるために、インタロゲータから1つ以上のコンピューティング・デバイスにオフロードされうる。説明を容易にするために、方法900の以下の様々なステップは、インタロゲータ502の構成要素を参照してもよい。
【0163】
ステップ902において、インタロゲータは、埋め込み型デバイスとの同期状態を確立する。いくつかの実施形態において、ステップ902は、ステップ904~908を含む。
【0164】
ステップ904において、インタロゲータは、超音波(US)ビームを第1の焦点に放射し、放射されたUSビームに対応する第1の超音波後方散乱を受波する。上述のように、USビームの超音波が埋め込み型デバイスに接触すると、超音波が散乱され、そのエネルギーの一部が、インタロゲータに向かって戻ることを含むすべての空間方向に放射される。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイスは、超音波後方散乱内の情報を符号化するために電気信号を変調するように構成されうる。
【0165】
ステップ906において、インタロゲータは、第1の超音波後方散乱に基づいて第1の信号強度を決定する。いくつかの実施形態において、インタロゲータのインプラント追跡器は、超音波後方散乱からインプラント信号を抽出し、その信号強度を決定するように構成されうる。図3に関して上述されたように、インプラント信号は、インプラント・データを符号化するために埋め込み型デバイスによって実行される信号変調に対応してもよい。
【0166】
いくつかの実施形態において、インプラント追跡器は、インプラント信号を抽出するために、受波された後方散乱超音波から信号干渉又は環境雑音を相殺しうる。いくつかの実施形態において、インプラント追跡器は、インプラント信号を抽出するために、インプラント信号を含む超音波後方散乱の第1の部分を、インプラント信号を含まない超音波後方散乱の第2の部分と比較することによって、干渉相殺を実行しうる。例えば、インプラント信号は、環境雑音又は干渉を相殺するために、(インプラント変調を伴う能動後方散乱に対応する)第1の部分から(インプラント変調を伴わない受動後方散乱に対応する)第2の部分を減算してもよい。
【0167】
いくつかの実施形態において、インプラント追跡器は、超音波後方散乱から抽出されたインプラント信号から信号強度を決定するように構成されうる。いくつかの実施形態において、インプラント追跡器は、抽出された信号の変調深さ又は振幅変動を決定することによって、信号強度を決定しうる。例えば、インプラント追跡器は、振幅変動のパーセンテージとして振幅変動を決定してもよい。
【0168】
ステップ908において、インタロゲータは、第1の信号強度が所定の閾値を満たすと判定したことに応じて、埋め込み型デバイスとの同期状態を確立する。例えば、所定の閾値は、最小振幅閾値であってもよい。
【0169】
ステップ910において、同期状態が確立されると、インタロゲータは、USビームが合焦されている場所を調整することによって、埋め込み型デバイスを追跡する。言い換えれば、インタロゲータは、USビームの焦点が埋め込み型デバイスの位置と位置合わせされるように、埋め込み型デバイスの位置を追跡する。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイスを追跡することは、USビームによって埋め込み型デバイスに提供される十分な電力を維持し、インタロゲータと埋め込み型デバイスとの間の信頼できる双方向超音波通信を実現するために重要である。埋め込み型デバイスを追跡することによって、インタロゲータは、体内デバイスに向けられる最大許容電力の規制ガイドラインに従って動作するように構成されうる。いくつかの実施形態において、ステップ910は、ステップ912~918を含む。
【0170】
ステップ912において、インタロゲータは、埋め込み型デバイスの位置を推定する。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、第1の超音波後方散乱に基づいて位置を推定するように構成されうる。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、受信ビームフォーミングに基づいて第1の焦点の位置を調整する方向を決定する。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、第1の超音波後方散乱の1つ以上の所定の部分に基づいて推定位置を決定しうる。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、第1の超音波後方散乱の後に受波された1つ以上の超音波後方散乱に基づいて推定位置を決定しうる。
【0171】
ステップ914において、インタロゲータは、第1の焦点よりも推定位置に近い第2の焦点にUSビームを放射し、放射されたUSビームに対応する第2の超音波後方散乱を受波する。
【0172】
ステップ916において、インタロゲータは、ステップ914において受波された第2の超音波後方散乱に基づいて第2の信号強度を決定する。例えば、ステップ906において第1の信号強度が第1の超音波後方散乱からどのように決定されてもよいかと同様に、インタロゲータのインプラント追跡器は、第2の超音波後方散乱から第2のインプラント信号を抽出し、第2の抽出されたインプラント信号から第2の信号強度を決定してもよい。
【0173】
ステップ918において、インタロゲータは、埋め込み型デバイスを追跡するために、第2の信号強度を、以前に決定された信号強度と比較することに基づいて、放射されたUSビームが合焦されている場所を維持するか調整するかを判定する。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、USビームの焦点を維持するか調整するかを判定するために、第2の信号強度を、以前に決定された第1の信号強度と比較しうる。例えば、第2の信号強度が第1の信号強度よりも大きいならば、インタロゲータは、第2の焦点の方向に焦点を調整しうる。別の例において、第2の信号強度が、以前に決定された信号強度よりも小さいならば、インタロゲータは、USビームと埋め込み型デバイスとの間の同期又は位置合わせの許容可能なレベルを維持するために、第1の焦点に焦点を維持しうる。
【0174】
図10は、いくつかの実施形態による、埋め込み型デバイスに供給される電力を効率的に維持するために、超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを追跡するための方法1000を説明する。いくつかの実施形態において、方法1000は、図9に関して上述されたように、ステップ910で拡張する追加の詳細を説明する。いくつかの実施形態において、方法1000の1つ以上のステップは、図5に関して上述されたようなインタロゲータ502のインプラント追跡器(例えば、インプラント追跡器517)によって実行されうる。
【0175】
ステップ1002において、インタロゲータは、図9のステップ902に関して上述されたように、埋め込み型デバイスとの同期状態を確立した。特に、ステップ1002は、現在の超音波後方散乱から決定された現在の信号強度が所定の閾値を満たすとインタロゲータが判定するステップ1004を含む。図9に関して上述されたように、インタロゲータのインプラント追跡器は、超音波後方散乱からインプラント信号を抽出し、抽出されたインプラント信号の信号強度を決定することによって、受波された超音波後方散乱から信号強度を決定するように構成されてもよい。
【0176】
ステップ1010において、インタロゲータは、USビームが合焦されている場所を調整することによって、埋め込み型デバイスを追跡する。いくつかの実施形態において、ステップ1010は、ステップ1012~1020を含む。
【0177】
ステップ1012において、インタロゲータは、現在の焦点に合焦しているUSビームに対応する現在の超音波後方散乱に基づいて、埋め込み型デバイスの位置を推定する。例えば、インタロゲータのインプラント追跡器は、受信ビームフォーミングを使用して位置を推定しうる。いくつかの実施形態において、推定位置は、USビームが合焦している場所を調整するための推定角度によって表されうる。いくつかの実施形態において、推定位置は、インタロゲータのトランスデューサ・アレイに対するUSビームの推定角度によって表されうる。いくつかの実施形態において、インプラント追跡器は、受信ビームフォーミングを使用することに基づいて、位置の推定値を表す推定角度を決定しうる。例えば、USビーム及びその個別の焦点を推定角度によって示される方向に向かわせることによって、埋め込み型デバイスの真の位置とUSビームの焦点との間の距離が低減されうる。
【0178】
ステップ1014において、インタロゲータは、現在の焦点の位置を推定位置に向けて増分し、それによって、現在の焦点が以前の焦点になり、増分された位置が現在の焦点になる。いくつかの実施形態において、位置は、所定の量だけ増分されうる。例えば、この量は、少なくとも0.1mm、0.2mm、0.25mm、0.5mm、0.6mmであってもよい。例えば、この量は、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.25mm、又は0.2mm未満であってもよい。推定位置が推定角度によって表されるいくつかの実施形態において、インタロゲータは、推定角度によって示される方向に現在の焦点の位置を増分するように構成されうる。したがって、埋め込み型デバイスの位置を推定し、USビームが合焦している場所を制御することによって、インタロゲータは、探索される必要がある焦点の数を減らすことができ、探索速度及び効率を高めることができる。
【0179】
ステップ1016において、インタロゲータは、増分位置に対応する現在の焦点にUSビームを放射し、放射されたUSビームに対応する超音波後方散乱を受波する。
【0180】
ステップ1018において、インタロゲータは、増分位置に対応する受波された超音波後方散乱に基づいて現在の信号強度を決定する。いくつかの実施形態において、図9のステップ906に関して上述されたように、インタロゲータは、後方散乱からインプラント信号(すなわち、埋め込み型デバイスによって超音波後方散乱に埋め込まれた信号)を抽出し、抽出されたインプラント信号の信号強度を決定しうる。
【0181】
ステップ1020において、インタロゲータは、現在の信号強度が以前の信号強度よりも高いかどうかを判定するために、現在の信号強度を以前の信号強度と比較する。言い換えれば、インタロゲータは、以前の焦点から現在の焦点へビーム焦点の位置を増分することが信号強度を増加させ、それゆえインタロゲータと埋め込み型デバイスとの間の位置合わせを向上するかどうかを判定しうる。
【0182】
いくつかの実施形態において、現在の信号強度が増加するならば、方法1000はステップ1012に戻り、インタロゲータは焦点の位置を調整し続ける。いくつかの実施形態において、現在の信号強度もはや増加又は減少しないと判定されると、インタロゲータは、極大信号強度が決定されたこと、及び関連付けられた焦点が埋め込み型デバイスの位置に最も近いことを判定する。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、オンションでステップ1022を実行し、現在の焦点の位置が調整される。例えば、インタロゲータは、離散的な増分量を考慮するために、現在の焦点の増分位置を増分の半分だけ戻してもよい。
【0183】
ステップ1024において、インタロゲータは、現在の焦点に合焦するようにUSビームを維持することによって、埋め込み型デバイスとの信号定常状態を確立した。
【0184】
図11は、いくつかの実施形態による、埋め込み型デバイスに供給される電力を効率的に維持するために、超音波を使用して給電される埋め込み型デバイスを追跡するための方法1100を説明する。いくつかの実施形態において、方法1100は、図10に関して上述されたように、ステップ1024で拡張する追加の詳細を説明する。いくつかの実施形態において、方法1100の1つ以上のステップは、図5に関して上述されたようなインタロゲータ502のインプラント追跡器(例えば、インプラント追跡器517)によって実行されうる。
【0185】
ステップ1102において、インタロゲータは、埋め込み型デバイスとの信号定常状態を確立する。いくつかの実施形態において、ステップ1102は、ステップ1104~1106を含む。
【0186】
ステップ1104において、インタロゲータは、確立された信号定常状態で受波された超音波後方散乱から決定された信号強度を記憶する。言い換えれば、インタロゲータは、図10に関して上述されたように、埋め込み型デバイスを追跡している間に決定された最大信号強度を記憶するように構成されうる。
【0187】
ステップ1106において、インタロゲータは、ステップ1104において信号強度が決定された焦点を記憶する。いくつかの実施形態において、焦点は、インタロゲータによって放射されたUSビームが目標とする場所に対応する。
【0188】
ステップ1108において、インタロゲータは、信号定常状態で決定された焦点に合焦するように、放射されたUSビームを維持する。
【0189】
ステップ1110において、インタロゲータは、USビームが焦点で放射されている間に受波された超音波後方散乱から抽出された信号の信号強度を監視する。例えば、図9のステップ906と同様に、インタロゲータのインプラント追跡器は、超音波後方散乱からインプラント信号を抽出することに基づいて、信号強度を決定するように構成されてもよい。
【0190】
ステップ1112において、インタロゲータは、監視された信号強度を記憶された信号強度と比較することに基づいて、放射されたUSビームの焦点を調整すべきかどうかを判定する。いくつかの実施形態において、監視された信号強度が記憶された信号強度の所定の閾値を下回らないとインタロゲータが判定したならば、方法1100はステップ1108に戻り、放射されたUSビームの焦点が維持される。そうでなければ、方法1100はステップ1114に進む。いくつかの実施形態において、インタロゲータは、監視された信号強度が記憶された信号強度のパーセンテージを下回って減少するかどうかに基づいて、焦点が調整されるべきかどうかを判定しうる。上述のように、記憶された信号強度は、以前に識別された極大値を表す。したがって、インタロゲータは、埋め込み型デバイスの位置を変化させる対象体の動きを打ち消すようにインタロゲータと埋め込み型デバイスとの間の位置合わせを調整しうる。
【0191】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイスの動きを打ち消すために信号強度を監視することに加えて、インタロゲータは、インタロゲータの動きを打ち消すために、放射されたUSビームの焦点を調整するかどうか、及びどのように調整するかを判定するために、インタロゲータの動きを監視するように構成されうる。例えば、インタロゲータは、インタロゲータの動きを検出及び測定するために、慣性運動ユニット(IMU)、加速度計、又はジャイロスコープのうちの1つ以上を含んでもよい。これらの実施形態において、インタロゲータは、測定された動きに対抗する焦点の位置への調整を算出しうる。例えば、この調整を算出及び適用することによって、インタロゲータは、焦点の絶対位置の正味の変化がゼロに近いままであるように超音波ビームを電子的に操向することによって、インタロゲータ操作者の手の小さな動きを補償しうる。
【0192】
ステップ1114において、インタロゲータは、放射されたUSビームと埋め込み型デバイスとの位置合わせを向上するために、信号追跡状態になる。いくつかの実施形態において、ステップ1114は、図9のステップ910及び図10のステップ1010に対応する。いくつかの実施形態において、ステップ1114は、ステップ1116~1118を含む。
【0193】
ステップ1116において、インタロゲータは、受波された超音波後方散乱に基づいて、埋め込み型デバイスの位置を推定する。
【0194】
ステップ1118において、インタロゲータは、推定位置により近い焦点に合焦するようにUSビームを放射する。上述のように、インタロゲータは、焦点を調整する方向を決定し、決定された方向に焦点を増分するために、受信ビームフォーミングを使用しうる。図9図10に関して上述されたように、埋め込み型デバイスが追跡されると、インタロゲータは、埋め込み型デバイスとの信号定常状態を再確立しうる。
【0195】
図12は、いくつかの実施形態による、インタロゲータによって受波された超音波後方散乱1202に埋め込み型デバイスによって符号化された所定のパターンを示す例示的な図1200を説明する。図1200に示されるように、超音波後方散乱器1202は、(25MHzでサンプリングされた)経時的に変化する振幅を有する。
【0196】
上述のように、インタロゲータが埋め込み型デバイスにUSビームを放射すると、USビーム内の超音波は、超音波後方散乱の形式で反射される。超音波後方散乱器1202は、超音波のインプラント反射を示す部分1204と、超音波後方散乱1202に埋め込み型デバイスによって埋め込まれた波形パターンを示す部分1206とを含みうる。いくつかの実施形態において、図7に関して上述されたように、インタロゲータは、超音波後方散乱1202を、埋め込み型デバイスに関連付けられた所定のパターンと比較して、それが、電源オンされている埋め込み型デバイスの予想される所定のパターンと一致するかどうかを判定しうる。
【0197】
図13は、いくつかの実施形態による、インタロゲータが発見モードにおいて埋め込み型デバイスの位置をどのように正確に推定するかを示す例示的なチャート1302~1308を説明する。4つの実験セットアップにおいて、インタロゲータは、図7の方法700を実行するように構成された。チャート1302~1308に示されるように、横方向の焦点として示される複数の焦点にわたる超音波後方散乱において埋め込み型デバイスの所定のパターンが検出されるかどうかについてインタロゲータによって判定される信頼レベルは、0.0から1.0までの範囲である。
【0198】
いくつかの実施形態において、インタロゲータは、埋め込み型デバイスの推定位置を決定するために、埋め込み型デバイスの所定のパターンが閾値(例えば、80%、90%、95%など)を超える信頼度で検出される焦点に統計的測定を適用するように構成されうる。例示的なチャート1302~1308において、インタロゲータは、焦点の横方向焦点範囲にわたる信頼性レベル(「スコア」とも呼ばれる)のスペクトル重心(すなわち、質量中心)を算出するように構成された。図13に示されるように、4つの実験セットアップのそれぞれにおけるインタロゲータの推定位置は、埋め込み型デバイスの真の位置に近かった。
【0199】
図14は、いくつかの実施形態による、対象体の神経1414とやり取りするように構成された埋め込み型デバイス1411の図1400を説明する。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス1411は、図1及び図6に関してそれぞれ上述した埋め込み型デバイス120又は604の例示的な実装でありうる。図1400に示されるように、埋め込み型デバイス1411は、神経1414上に埋め込まれることができ、本体1412から延びる曲がった部材1402のような1つ以上の曲がった部材を含みうる。埋め込み型デバイス1411の本体1412は、(例えば、変調及び復調回路612、刺激回路614、検出回路616、又はコントローラ回路620を含む)集積回路1424、非一時的メモリ1426(例えば、メモリ680)、電力回路1428(例えば、電力回路630)、及び超音波トランスデューサ1430(例えば、超音波トランスデューサ608又は超音波トランスデューサ回路606)を含みうる。いくつかの実施形態において、本体1412は、超音波トランスデューサ1430を含む複数の超音波トランスデューサを含む。したがって、超音波トランスデューサ1430は、図800に示されるように、複数の超音波トランスデューサを表してもよいことが理解されよう。
【0200】
いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサ1430は、インタロゲータ(例えば、図1のインタロゲータ106又は図5のインタロゲータ502)によって送波された超音波を受波し、超音波の機械的エネルギーを、電気エネルギーを有する電気信号に変換するように構成されうる。いくつかの実施形態において、超音波は、埋め込み型デバイス1411の動作モードを複数の動作モードからの1つの動作モードに設定するために集積回路1424によって検出される1つ以上の動作モード・コマンドを含みうる。いくつかの実施形態において、電気信号は、1つ以上の動作モード・コマンドの電気的表現を含む。
【0201】
いくつかの実施形態において、電気信号の一部は、埋め込み型デバイス1411の構成要素に給電するために、電力回路1428によって処理されうる。いくつかの実施形態において、電力回路1428は、集積回路1424の様々な構成要素に給電するために、第1の電圧を有する電気信号を第2の電圧を有する第2の信号に変換するように構成された電力コンベヤ回路(例えば、電力コンベヤ回路634)を含みうる。いくつかの実施形態において、電力回路1428は、AC形態の電気信号をDC形態に変換するための整流回路(例えば、能動整流器)を含むことができ、変換された電気信号は第1の電圧に関連付けられてもよい。いくつかの実施形態において、電力コンベヤ回路は、第1の電圧よりも大きい第2の電圧を生成するためのチャージ・ポンプを含みうる。いくつかの実施形態において、電力回路1428は、電気信号によって提供される過剰エネルギーを蓄積し、インタロゲータによって供給される電力が不十分であるならば二次電源として動作するように構成されたエネルギー蓄積デバイス(例えば、エネルギー蓄積デバイス636)を含みうる。いくつかの実施形態において、電力コンベヤ回路は、エネルギー蓄積デバイスに又はエネルギー蓄積デバイスから電力が搬送されるべきかどうかを制御するように構成されることができ、これはそれぞれ、エネルギー蓄積デバイスを効率的に充電又は放電する。いくつかの実施形態において、電力コンベヤ回路は、電力フローの方向(例えば、順方向フロー又は逆方向フローで)に加えて電力が搬送される時間量(例えば、クロック・サイクル数)を制御するように構成されうる。
【0202】
いくつかの実施形態において、集積回路1424は、超音波において受信された動作モード・コマンドに基づいて、埋め込み型デバイス1411の動作モードを設定するように構成されたコントローラ回路(例えば、コントローラ回路620)を含む。
【0203】
いくつかの実施形態において、動作モード・コマンドは、コントローラ回路が埋め込み型デバイス1411を示す情報を生成しうる電力同期モードになるように、埋め込み型デバイス1411に命令しうる。例えば、集積回路1424は、埋め込み型デバイス1411によって放射される超音波後方散乱内に所定のパターンを埋め込むように電気信号を変調するように構成されうる。図1図13に関して上述されたように、超音波後方散乱を受波するインタロゲータは、埋め込み型デバイス1411の位置を発見又は追跡するために所定のパターンを抽出しうる。放射されたUSビームのビーム焦点を調整することによって、インタロゲータは、埋め込み型デバイス1411に供給される十分な電力を維持するために、埋め込み型デバイス1411とUSビームをより効率的に位置合わせしうる。さらに、インタロゲータによって放射されたUSビームが埋め込み型デバイス1411に給電し、それと通信するために使用されるため、十分な電力を維持することは、インタロゲータと埋め込み型デバイス1411との間の超音波通信も改善する。
【0204】
いくつかの実施形態において、動作モード・コマンドは、神経刺激モード又は検出モードになるように埋め込み型デバイス1411に命令でき、そのそれぞれは曲がった部材1402上の電極パッド1418を動作させてもよい。いくつかの実施形態において、検出モードは、インタロゲータのような他のデバイスにデバイス・データを送信することに関連付けられたアップリンク・モードの一例でありうる。いくつかの実施形態において、検出モードにおいて、電極パッド1418は、電気生理学的信号を検出するように構成され、電気生理学的信号に基づく検出信号は、集積回路1424によって受信される。集積回路1424によって受信された検出信号は、コントローラ回路によって受信される前に、検出回路によって(例えば、検出回路616によって)処理(例えば、増幅、デジタル化、及び/又はフィルタリング)されてもよい。いくつかの実施形態において、コントローラ回路は、検出された電気生理学的信号に関連するデータを記憶するために、非一時的メモリ(例えば、メモリ680)にアクセスしうる。いくつかの実施形態において、検出モードにおいて、コントローラ回路は、受波された超音波の後方散乱を放射するように超音波トランスデューサ1430を動作させるように構成されることができ、これにおいて、後方散乱超音波は、検出された電気生理学的信号に関連するデータを符号化する。
【0205】
いくつかの実施形態において、動作モード・コマンドは、神経刺激モードになるように埋め込み型デバイス1411に命令しうる。刺激モードにおいて、コントローラ回路は、検出信号に基づいて刺激信号を生成し、刺激信号に基づいて神経1414に電気パルスを放射するように1つ以上の電極パッド1418を動作させうる。いくつかの実施形態において、コントローラ回路は、神経1414に放射された刺激信号又は電気パルスに関するデータを記憶するために、非一時的メモリ(例えば、メモリ680)にアクセスしうる。いくつかの実施形態において、刺激モードにおいて、コントローラ回路は、受波された超音波の後方散乱を放射するように超音波トランスデューサ1430を動作させるように構成されることができ、これにおいて、後方散乱超音波は、刺激の状態に関連するデータを符号化する。
【0206】
非一時的メモリに記憶されたデータは、超音波トランスデューサ1430によって放射される超音波後方散乱波を通じて無線で送信されうる。図6に関して上述されたように、超音波後方散乱を使用してデータを送信するために、超音波トランスデューサ1430はまず、超音波を受波し、変調回路を通って流れる電流を生成しうる。その後、コントローラ回路は、メモリにアクセスし、データを符号化するために、変調回路を通って流れる電流を変調するように変調回路を動作させてもよい。このような処理を通じて、超音波トランスデューサ1430が放射する超音波後方散乱波は、データを符号化しうる。
【0207】
いくつかの実施形態において、図1400に示されるように、曲がった部材1402は、ポイント1416において本体1412によって架橋された第1の部分1402a及び第2の部分1402bを含みうる。いくつかの実施形態において、第1の部分1402a及び第2の部分1402bは直接接続され、曲がった部材1402は接続部材を通じて本体1412に取り付けられる。曲がった部材1402は、曲がった部材1402の内面上に複数の電極パッド1418を含むことができ、電極パッド1418は、神経1414の長さに平行な軸の周りに半径方向に配置されうる。第1の部分1402aと第2の部分1402bとの間の分離1420は、曲がった部材1402に沿って存在する(これは、埋め込み型デバイス1411の他の曲がった部材に同様に存在してもよい)。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス411は、曲がった部材1402の第1の部分1402a及び第2の部分1402bを外側に曲げることによって埋め込まれてもよく、それによって、分離のサイズを拡大し、神経1414又は他の繊維状組織が分離1420を通過し、曲がった部材1402によって形成された円筒形空間内に嵌合することを可能にする。曲がった部材1402の第1の部分1402a及び第2の部分1402bは、解放されてもよく、曲がった部材1402が神経1414又は他の繊維状組織の周りに巻き付くことを可能にする。
【0208】
図14に示すような複数の電極パッド1418は神経1414の外側にあるが、神経1414の神経上膜と直接接触している。神経1414は、いくつかの束1422を含みうる。いくつかの実施形態において、曲がった部材1402内の電極パッド1418は、神経束1422のうちの1つ以上又は神経線維の他の部分集合への電気パルスの目標の放射のために動作させることができ、及び/又は神経束1422のうちの1つ以上又は神経線維の他の部分集合によって送信される電気生理学的信号の目標の検出のために動作させることができる。例えば、電極パッド1418は、本体1412内に収容された集積回路1424内のコントローラ回路によって選択的にアクティブ化され、1つ以上の束1422を対象とする電気パルスを放射しうる。別の例において、電極パッド418は、神経1414内の束1422のうちの1つ以上によって送信された電気生理学的信号を検出するために、コントローラ回路によって動作される。いくつかの実施形態において、曲がった部材1402は、神経1414又は神経線維の部分集合によって送信された電気生理学的信号を検出し、神経1414への又は神経線維の部分集合を目標とする電気パルスを放射し、又は神経1414又は神経線維の部分集合によって送信された電気生理学的信号を検出することと、神経1414への又は神経線維の部分集合を対象とする電気パルスを放射することとの両方を行うように構成されうる。例えば、埋め込み型デバイス1411は、(曲がった部材1402を含む)複数の曲がった部材を含んでもよく、第1の曲がった部材は神経1414又は神経線維の部分集合によって送信される電気生理学的信号を検出するように構成されることができ、第2の曲がった部材は神経1414への又は神経線維の部分集合を目標とする電気パルスを放射するように構成されうる。
【0209】
いくつかの実施形態において、曲がった部材1402は、選択された神経1414又は神経1414を含む線維組織と係合するようにサイズ決定されうる。神経1414は、脊髄又は末梢神経でありうる。いくつかの実施形態において、神経414は、自律神経又は体性神経である。いくつかの実施形態において、神経414は、交感神経又は副交感神経である。いくつかの実施形態において、神経1414は、迷走神経、腸間膜神経、脾臓神経、坐骨神経、脛骨神経、陰部神経、腹腔神経節、仙骨神経、又はそれらの任意の分枝である。
【0210】
埋め込み型デバイス1411上の曲がった部材1402のサイズ、形状、及び間隔は、埋め込み型デバイス1411が係合する組織のタイプ及びサイズに依存しうる。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス1411の2つ以上の曲がった部材は、約0.25mm以上(例えば、約0.5mm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、約6mm以上、又は約7mm以上)、隔てられる。いくつかの実施形態において、2つ以上の曲がった部材は、約8mm以下(例えば、約7mm以下、約6mm以下、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、又は約0.5mm以下)、隔てられる。例として、2つ以上の曲がった部材は、約0.25mm~約0.5mm、約0.5mm~約1mm、約1mm~約2mm、約2mm~約3mm、約3mm~約4mm、約4mm~約5mm、約5mm~約6mm、約5mm~約7mm、又は約7mm~約8mm離れて隔てられる。曲がった部材1402の幅はまた、埋め込み型デバイス1411の用途又は埋め込み型デバイス1411によって係合される組織に応じて異なりうる。いくつかの実施形態において、曲がった部材1402の幅は、約100μm以上(例えば、約150μm以上、約250μm以上、約500μm以上、約1mm以上、又は約1.5mm以上)である。いくつかの実施形態において、曲がった部材1402の幅は、約2mm以下(例えば、約1.5mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約250μm以下、又は約150μm以下)である。いくつかの実施形態において、曲がった部材1402の幅は、約100μm~約2mm(例えば、約100μm~約150μm、約150μm~約250μm、約250μm~約500μm、約500μm~約1mm、約1mm~約1.5mm、又は約1.5mm~約2mm)である。曲がった部材1402の内面は、神経414及び/又は糸状組織が通過する円筒形空間を形成する。曲がった部材402によって形成される円筒空間の直径は、埋め込み型デバイス1411が係合する対象神経及び/又は線維状組織に依存する。いくつかの実施形態において、曲がった部材1402は、約50μm~約15mm(例えば、約50μm~約100μm、約100μm~約250μm、約250μm~約500μm、約500μm~約1mm、約1mm~約1.5mm、約1.5mm~約2.5mm、約2.5mm~約5mm、約5mm~約10mm、又は約10mm~約15mm)の直径を有する円筒空間を形成する。
【0211】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス1411は、埋め込み型デバイス1411を繊維状組織に固定するように構成された1つ以上の追加の固定部材を含む。このような固定部材は例えば、埋め込み型デバイスを(繊維状組織もしくは神経、又は繊維状組織もしくは神経を囲む他の組織のような)解剖学的構造、ピン、又はクランプに縫合するためのループを含みうる。例えば、埋め込み型デバイス1411は、一旦埋め込まれると、埋め込み型デバイス411の動きを制限するために、糸状組織もしくは神経1414、又は糸状組織もしくは神経を囲む組織に縫合されうる。
【0212】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス1411の曲がった部材1402は、金属、金属合金、セラミック、シリコン、又は非ポリマー材料を含みうる。曲がった部材1402は、可撓性を有してもよく、好ましくは、曲がった部材1402が神経1414及び/又は線維状組織の周囲に配置されうるように、ばね止めされる。いくつかの実施形態において、曲がった部材1402又は曲がった部材402の一部は、好ましくは生体不活性であるエラストマー・コーティング又は非エラストマー・コーティング、例えば、ポリジメチルシオロキサン(PDMS)、シリコーン、ウレタン・ポリマー、ポリ(p-キシリレン)ポリマー(例えば、PARYLENE(登録商標)の商品名で販売されているポリ(p-キシリレン)ポリマー)、又はポリイミドで被覆される。曲がった部材1402は、内面上に複数の電極パッド1418を含みうる。いくつかの実施形態において、曲がった部材1402の内面上の電極パッド1418は、エラストマー・コーティング又は非エラストマー・ポリマー・コーティングで被覆されないが、内面は、導電性材料で被覆されてもよい(例えば、電極パッドの電気特性を改善するために、PEDOTポリマー又は金属で電気めっきされてもよい)。したがって、いくつかの実施形態において、曲がった部材402の外面のみがコーティングで被覆される。オプションで、コーティングは、本体1412のハウジングをさらに被覆する。
【0213】
いくつかの実施形態において、複数の電極パッド1418は、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、又はそれ以上の電極パッド、例えば、約3個~約50個の電極パッド、約3個~約5個の電極パッド、約5個~約10個の電極パッド、約10個~約25個の電極パッド、又は約25個~約50個の電極パッドを含みうる。いくつかの実施形態において、複数の電極パッド1418内の電極パッドは、本書でさらに説明されるように、目標とする電気パルス放射を可能にするコントローラ回路によって選択的にアクティブ化させうる。
【0214】
いくつかの実施形態において、電極パッド1418は、タングステン、白金、パラジウム、金、イリジウム、ニオブ、タンタル、又はチタンのうちの1つ以上(又は1つ以上の合金)のような任意の適切な導電性材料を含みうる。検出電極パッド及び刺激電極パッドの材料は同じであってもよいし、異なっていてもよい。電極パッド1418のサイズ及び形状は同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、所与の曲がった部材1402上の電極パッド1418は同じサイズであっても異なるサイズであってもよく、異なる曲がった部材上の電極パッドは同じサイズであっても異なるサイズであってもよい。
【0215】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス1411の電極パッド1418は、神経1414と電気的に連通するように曲がった部材1402によって位置決めされる。いくつかの実施形態において、電極パッド1418は、神経1414と直接接触しておらず(例えば、神経1414の外側であって間接的に接触していない)、神経1414と電気的に連通している。いくつかの実施形態において、電極パッド1418は、神経1414の約2mm以内(例えば、約1.8mm以内、約1.6mm以内、約1.4mm以内、約1.2mm以内、約1.0mm以内、約0.8mm以内、約0.6mm以内、約0.4mm以内、又は約0.2mm以内)に配置される。いくつかの実施形態において、電極パッド1418は、1つ以上の位置で神経1414の神経上膜を貫通するように構成される。例えば、電極パッド1418は、神経上膜の貫通を可能にする針状でありうる。いくつかの実施形態において、電極パッド818は、神経1414、例えば、神経1414の神経上膜に直接接触する。
【0216】
いくつかの実施形態において、本体1412は、ベース、1つ以上の側壁、及び上部を含みうるハウジングを含む。ハウジングは、超音波トランスデューサ1430及び集積回路1424を囲みうる。ハウジングは、間質流体が超音波トランスデューサ1430又は集積回路1424と接触するのを防ぐために、(例えば、はんだ付け又はレーザ溶接によって)密閉されてもよい。ハウジングは、好ましくは生体不活性金属(例えば、鋼又はチタン)又は生体不活性セラミック(例えば、チタニア又はアルミナ)のような生体不活性材料から作られる。ハウジング(又はハウジングの上部)は、超音波がハウジングを貫通することを可能にするように薄くてもよい。いくつかの実施形態において、ハウジングの厚さは、約75μm以下、約50μm以下、約25μm以下、又は約10μm以下のように、約100マイクロメートル(μm)以下の厚さである。いくつかの実施形態において、ハウジングの厚さは、約5μm~約10μm、約10μm~約25μm、約25μm~約50μm、約50μm~約75μm、又は約75μm~約100μmの厚さである。
【0217】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス1411の本体1412は比較的小さく、これは、埋め込み型医療デバイスにしばしば関連付けられる組織炎症を制限しながら、快適かつ長期の埋め込みを可能にする。いくつかの実施形態において、本体1412の最長寸法は約10mm以下、例えば、約5mm~約9mm、又は約6mm~約8mmである。例えば、最長寸法は、埋め込み型デバイス1411の本体1412の長さ又は高さであってもよい。いくつかの実施形態において、本体1412の最長幅は、約2mm~5mm、又は約3mm~4mmのように、約5mm以下である。
【0218】
いくつかの実施形態において、本体1412は、ハウジング内にポリマーのような材料を含む。材料は、ハウジングの外側の組織とハウジング内の組織との間の音響インピーダンス不整合を低減するために、ハウジング内の空の空間を満たしうる。したがって、いくつかの実施形態によれば、本体1412は、好ましくは空気又は真空を有しない。
【0219】
いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサ1430は、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)又は圧電性微細加工超音波トランスデューサ(PMUT)のような微細加工超音波トランスデューサを含むことができ、又はバルク圧電トランスデューサを含みうる。バルク圧電トランスデューサは、結晶、セラミック、又はポリマーのような任意の天然又は合成材料でありうる。例示的なバルク圧電トランスデューサ材料は、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZO)、窒化アルミニウム(AlN)、石英、ベルリナイト(AlPO4)、トパーズ、ランガサイト(La3Ga5SiO14)、オルトリン酸ガリウム(GaPO4)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、タングステン酸ナトリウム(Na2WO3)、フェライトビスマス(BiFeO3)、(次)ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、及びニオブ酸マグネシウム-チタン酸鉛(PMN-PT)を含みうる。
【0220】
いくつかの実施形態において、バルク圧電トランスデューサは、略立方体(すなわち、約1:1:1(長さ:幅:高さ)のアスペクト比)である。いくつかの実施形態において、圧電トランスデューサは、長さ又は幅のいずれかのアスペクトにおいて約5:5:1以上、例えば約7:5:1以上、又は約10:10:1以上のアスペクト比を有する板状である。いくつかの実施形態において、バルク圧電トランスデューサは、約3:1:1以上のアスペクト比を有し、最長寸法が超音波後方散乱波の方向(すなわち、偏光軸)に位置合わせされるように、長くて狭い。いくつかの実施形態において、バルク圧電トランスデューサの1つの寸法は、トランスデューサの駆動周波数又は共振周波数に対応する波長(λ)の半分に等しい。共振周波数において、トランスデューサのいずれかの面に衝突する超音波は180°の位相シフトを受け、反対の位相に達し、2つの面の間に最大の変位を生じさせる。いくつかの実施形態において、圧電トランスデューサの高さは、約10μm~約1000μm(例えば、約40μm~約400μm、約100μm~約250μm、約250μm~約500μm、又は約500μm~約1000μm)である。いくつかの実施形態において、圧電トランスデューサの高さは、約5mm以下(例えば、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約400μm以下、250μm以下、約100μm以下、又は約40μm以下)である。いくつかの実施形態において、圧電トランスデューサの高さは、約20μm以上(例えば、約40μm以上、約100μm以上、約250μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、又は約4mm以上)の長さである。
【0221】
いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサ1430は、最長寸法において約5mm以下(例えば、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約400μm以下、250μm以下、約100μm以下、又は約40μm以下)の長さを有する。いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサ1430は、最長寸法において約20μm以上(例えば、約40μm以上、約100μm以上、約250μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、又は約4mm以上)の長さを有する。
【0222】
いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサ1430は、集積回路1424との電気通信を可能にするために2つの電極に接続される。第1の電極は、超音波トランスデューサ1430の第1の面に取り付けられ、第2の電極は、超音波トランスデューサ1430の第2の面に取り付けられ、第1の面及び第2の面は1つの次元に沿って超音波トランスデューサ1430の反対側にある。いくつかの実施形態において、電極は、銀、金、白金、白金黒、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT))、(導電性PDMS又はポリイミドのような)導電性ポリマー、又はニッケルを含む。いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサ1430の電極間の軸は、超音波トランスデューサ1430の動きに直交する。
【0223】
前述の説明は、例示的な方法、パラメータなどを説明する。しかし、このような説明は、本開示の範囲に対する限定として意図されず、代わりに、例示的な実施形態の説明として提供されることを認識されたい。上述の例示的な実施形態は、網羅的であること、又は開示された正確な形態に本開示を限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正及び変形が可能である。実施形態は、開示された技術の原理及びそれらの実用的な用途を最も良く説明するために選択され、説明された。それによって、当業者は、企図される特定の使用に適しているように、様々な修正を伴う技術及び様々な実施形態を最良に利用することが可能になる。
【0224】
本開示及び実施例は添付の図面を参照して十分に記載されているが、様々な変更及び修正が当業者に明らかになることに留意されたい。このような変更及び修正は、特許請求の範囲によって規定される本開示及び実施例の範囲内に含まれるものと理解されるべきである。本開示及び実施形態の前述の説明において、実例として、実施することができる特定の実施形態が示されている添付の図面を参照する。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び例を実施でき、変更できることを理解されたい。
【0225】
前述の説明では様々な要素を説明するために第1、第2のような用語を使用しているが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。
【0226】
「約」又は「略」の値又はパラメータへの言及は、その値又はパラメータ自体を対象とする変動を含む(及び記載する)。例えば、「約X」に言及する説明は、「X」の説明を含む。
【0227】
本書に記載される本発明の態様及び変形は、態様及び変形「からなる」及び/又は「から本質的になる」ことを含むことが理解されよう。
【0228】
「埋め込み型」及び「埋め込まれた」との用語は、物体のいかなる部分も対象体の表面を破らないように、対象体に完全に埋め込み可能であるか又は完全に埋め込まれている物体を指す。
【0229】
「実質的に」という用語は、90%以上を指す。例えば、神経の断面を実質的に取り囲む曲がった部材とは、神経の断面の90%以上を取り囲む曲がった部材を指す。
【0230】
「対象体」及び「患者」という用語は、ヒトのような脊椎動物を指すために本書で互換的に使用される。
【0231】
「治療する」、「治療すること」、及び「治療」という用語は、本書では少なくとも1つの症状の軽減、阻害、抑制、もしくは排除、疾患もしくは状態の進行の遅延、疾患もしくは状態の再発の遅延、又は疾患もしくは状態の阻害による状態の改善を含む、疾患状態(state)又は状態(condition)に罹患した対象体に利益をもたらす任意のアクションを指すために同義的に使用される。
【0232】
値の範囲が提供される場合に、その範囲の上限と下限との間の各介在値、及びその記載された範囲における任意の他の記載された又は介在値は、本開示の範囲内に包含されることを理解されたい。記載された範囲が上限又は下限を含む場合に、含まれる限界のいずれかを除外する範囲も本開示に含まれる。
【0233】
さらに、前述の説明で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図されることも理解されよう。本書で使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意の及びすべての可能な組合せを指し、それらを包含することも理解されたい。「含む(includes)」、「含む(comprises)」、及び/又は「備える(comprising)」という用語は、本書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はユニットの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、ユニット、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しない。
【0234】
「ならば(if)」という用語は、文脈に応じて、「場合」又は「際に」又は「判定に応じて」又は「検出に応じて」を意味すると解釈されうる。同様に、「判定されたならば」又は「[記載された条件又はイベント]が検出されたならば」という語句は、文脈に応じて、「判定すると」又は「判定したことに応じて」又は「[記載された条件又はイベント]を検出すると」又は「[記載された条件又はイベント]を検出したことに応じて」を意味すると解釈されうる。
【0235】
「実施形態」に関連して上述された特徴及び選好は別個選好であり、その特定の実施形態のみに限定されない。それらは、技術的に実現可能である他の実施形態からの特徴と自由に組み合わせることができ、特徴の好ましい組み合わせを形成してもよい。説明は、当業者が本発明を実施及び使用することを可能にするために提示され、特許出願及びその要件の文脈において提供される。記載された実施形態に対する種々の変形は当業者には容易に明らかであり、本書の一般原理は、他の実施形態に適用されてもよい。よって、本発明は、図示の実施形態に限定されることを意図されるものではなく、本書に記載の原理及び特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
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【国際調査報告】