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特表2023-538712電池セル、電池、電気設備および電池セルの製造方法、製造設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-11
(54)【発明の名称】電池セル、電池、電気設備および電池セルの製造方法、製造設備
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/609 20210101AFI20230904BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20230904BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20230904BHJP
   H01M 50/627 20210101ALI20230904BHJP
   H01M 50/545 20210101ALI20230904BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20230904BHJP
   H01M 50/559 20210101ALI20230904BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
H01M50/609
H01M50/107
H01M50/152
H01M50/627
H01M50/545
H01M50/531
H01M50/559
H01M10/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554353
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(85)【翻訳文提出日】2022-09-08
(86)【国際出願番号】 CN2021109911
(87)【国際公開番号】W WO2023004825
(87)【国際公開日】2023-02-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蘇華聖
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼承友
(72)【発明者】
【氏名】張静
(72)【発明者】
【氏名】李全坤
(72)【発明者】
【氏名】王鵬
(72)【発明者】
【氏名】金海族
【テーマコード(参考)】
5H011
5H023
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011BB04
5H011EE04
5H011FF03
5H023AA09
5H023AS03
5H028AA07
5H028BB01
5H028BB03
5H028CC05
5H028CC07
5H028CC12
5H043AA11
5H043AA13
5H043AA19
5H043BA07
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA05
5H043DA03
5H043JA01E
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池セル、電池、電気設備および電池セルの製造方法、製造設備を提供し、電池の技術分野に属する。電池セルは、電極アッセンブリー、ハウジングおよびエンドカバーを含む。電極アッセンブリーは第1タブを有する。ハウジングは、開口を有し、電極アッセンブリーを収容するように構成される。エンドカバーは、カバー本体および第1凸部を含み、カバー本体がハウジングと接続して開口を閉蓋するように構成され、第1凸部がカバー本体の内面から電極アッセンブリーに向かう方向へ突出して第1タブと当接する。エンドカバーに液注入孔が設けられ、液注入孔が第1凸部の外周面の内側に位置する。第1凸部に整流通路が設けられ、整流通路が、液注入孔と連通するとともに外周面を貫通し、少なくとも一部の電解液を外周面の外まで流すように構成される。液注入孔を介して電池セルの内部に電解液を注入する過程において、電解液が整流通路により側方向に流れて第1凸部の外周面の外まで流れることができ、液注入の効率を効果的に向上させることができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アッセンブリーと、ハウジングと、エンドカバーとを備えた電池セルであって、
前記電極アッセンブリーは、第1タブを含み、
前記ハウジングは、開口を有し、前記電極アッセンブリーを収容するように構成され、
前記エンドカバーは、カバー本体および第1凸部を含み、前記カバー本体が前記ハウジングと接続して前記開口を閉蓋するように構成され、前記第1凸部が、前記カバー本体の内面から前記電極アッセンブリーに向かう方向へ突出し、前記第1タブと当接するように構成され、前記エンドカバーに液注入孔が設けられ、前記液注入孔が、電解液を前記電池セルの外部から前記電池セルの内部まで進入させるように構成されるとともに前記第1凸部の外周面の内側に位置しており、
前記第1凸部に整流通路が設けられ、前記整流通路が、前記液注入孔と連通するとともに前記外周面を貫通し、少なくとも一部の電解液を前記外周面の外まで流すように構成される
ことを特徴とする電池セル。
【請求項2】
前記第1凸部の前記カバー本体から離間する端に当接面が形成され、前記当接面が前記第1タブと当接するように構成され、
前記エンドカバーに、前記当接面から前記電極アッセンブリーを離れる方向へ凹む第1凹部が設けられ、前記液注入孔と前記整流通路とが前記第1凹部を介して連通する
ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記整流通路の両端はそれぞれ前記外周面および前記第1凹部の内周面を貫通する
ことを特徴とする請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記エンドカバーは液流出面を有し、前記液注入孔の一端が前記液流出面を貫通し、前記液流出面が前記第1凹部内に位置し、
前記エンドカバーの厚み方向において、前記液流出面が前記当接面よりも前記電極アッセンブリーに遠く設けられる
ことを特徴とする請求項2または3に記載の電池セル。
【請求項5】
前記エンドカバーの厚み方向において、前記整流通路全体は前記液流出面よりも前記電極アッセンブリーに近く設けられる
ことを特徴とする請求項4に記載の電池セル。
【請求項6】
前記エンドカバーは第2凸部をさらに含み、
第2凸部が、前記第1凹部内に位置するとともに前記第1凹部の底面から前記電極アッセンブリーに向かう方向へ突出して設けられ、前記液流出面が前記第2凸部の前記電極アッセンブリーに向かう端に形成される
ことを特徴とする請求項4または5に記載の電池セル。
【請求項7】
前記整流通路は、前記第1凸部の前記カバー本体から離間する端に設けられる整流溝である
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項8】
前記第1凸部に、前記液注入孔を中心として周方向に間隔をあける複数の前記整流通路が設けられる
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項9】
前記整流通路は前記液注入孔の径方向に沿って延在する
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項10】
前記液注入孔と前記第1凸部とは同軸に設けられる
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項11】
前記電極アッセンブリーは中心孔を有し、前記エンドカバーの厚み方向において、前記中心孔と前記液注入孔とが対向して設けられる
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の電池セルと、
前記電池セルを収容する筐体と
を備える電池。
【請求項13】
請求項12に記載の電池を備える電気設備。
【請求項14】
電池セルの製造方法であって、
第1タブを含む電極アッセンブリーを提供するステップと、
開口を有するハウジングを提供するステップと、
エンドカバーを提供するステップと、
前記電極アッセンブリーを前記ハウジング内に収容するステップと、
前記エンドカバーを前記開口を覆うように覆設するステップと、を含み、
前記エンドカバーがカバー本体および第1凸部を含み、前記カバー本体が前記ハウジングと接続して前記開口を閉蓋するように構成され、前記第1凸部が、前記カバー本体の内面から前記電極アッセンブリーに向かう方向へ突出し、前記第1タブとの当接に用いられ、前記エンドカバーに液注入孔が設けられ、前記液注入孔が、電解液を前記電池セルの外部から前記電池セルの内部まで進入させるように構成されるとともに前記第1凸部の外周面の内側に位置しており、前記第1凸部に整流通路が設けられ、前記整流通路が、前記液注入孔と連通するとともに前記外周面を貫通し、前記液注入孔内に進入した電解液を前記外周面の外まで流すように構成される
ことを特徴とする、電池セルの製造方法。
【請求項15】
電池セルの製造設備であって、
第1タブを含む電極アッセンブリーを提供する第1提供装置と、
開口を有するハウジングを提供する第2提供装置と、
エンドカバーを提供する第3提供装置と、
前記電極アッセンブリーを前記ハウジング内に収容するとともに、前記エンドカバーを前記開口を覆うように覆設する組立装置と、を備え、
前記エンドカバーがカバー本体および第1凸部を含み、前記カバー本体が前記ハウジングと接続して前記開口を閉蓋するように構成され、前記第1凸部が、前記カバー本体の内面から前記電極アッセンブリーに向かう方向へ突出し、前記第1タブとの当接に用いられ、前記エンドカバーに液注入孔が設けられ、前記液注入孔が、電解液を前記電池セルの外部から前記電池セルの内部まで進入させるように構成されるとともに前記第1凸部の外周面の内側に位置しており、前記第1凸部に整流通路が設けられ、前記整流通路が、前記液注入孔と連通するとともに前記外周面を貫通し、前記液注入孔内に進入した電解液を前記外周面の外まで流すように構成される
ことを特徴とする、電池セルの製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池の技術分野に属し、具体的に、電池セル、電池、電気設備および電池セルの製造方法、製造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、例えば携帯電話、ノートパソコン、電気自動車、電動車、電動飛行機、電動船、電動車玩具、電動船玩具、電動飛行機玩具、電動工具などの電子設備に広く応用されている。
【0003】
電池セルは、一般的に、ハウジングおよび電極アッセンブリーを含み、ハウジングが電極アッセンブリーおよび電解液を収容するものであり、電極アッセンブリーが正極板および負極板を含み、金属イオン(例えばリチウムイオン)の正極板と負極板との間での移動により電気エネルギーを発生する。
【0004】
一般的な電池セルは、液注入孔により電池セルの内部に電解液を注入する過程が比較的に困難であり、液注入の効率が比較的に低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の実施例は、液注入の効率を効果的に向上させることができる電池セル、電池、電気設備および電池セルの製造方法、製造設備を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1局面において、本出願の実施例は、電池セルを提供する。電池セルは、電極アッセンブリーと、ハウジングと、エンドカバーとを備え、前記電極アッセンブリーは、第1タブを含み、ハウジングは、開口を有し、前記電極アッセンブリーを収容するように構成され、前記エンドカバーは、カバー本体および第1凸部を含み、前記カバー本体が前記ハウジングと接続して前記開口を閉蓋するように構成され、前記第1凸部が、前記カバー本体の内面から前記電極アッセンブリーに向かう方向へ突出し、前記第1タブと当接するように構成され、前記エンドカバーに液注入孔が設けられ、前記液注入孔が、電解液を前記電池セルの外部から前記電池セルの内部まで進入させるように構成されるとともに前記第1凸部の外周面の内側に位置しており、前記第1凸部に整流通路が設けられ、前記整流通路が、前記液注入孔と連通するとともに前記外周面を貫通し、少なくとも一部の電解液を前記外周面の外まで流すように構成される。
【0007】
上記の技術案において、第1凸部に整流通路が設けられ、整流通路が、液注入孔と連通するとともに第1凸部の外周面を貫通しているため、液注入孔を介して電池セルの内部に電解液を注入する過程において、電解液が整流通路により側方向に流れて第1凸部の外周面の外まで流れることができ、そして電解液が電極アッセンブリーの外周へ速く流れ、これによって、電解液の流れの順調性が向上し、液注入の効率を効果的に向上させることができるとともに、電解液が電極アッセンブリーに十分浸潤できる。
【0008】
いくつかの実施例において、前記第1凸部の前記カバー本体から離間する端に当接面が形成され、前記当接面が前記第1タブと当接するように構成され、前記エンドカバーに、前記当接面から前記電極アッセンブリーを離れる方向へ凹む第1凹部が設けられ、前記液注入孔と前記整流通路とが前記第1凹部を介して連通する。
【0009】
上記の技術案において、エンドカバーに、第1凸部の当接面から電極アッセンブリーを離れる方向へ凹む第1凹部が設けられ、液注入孔と整流通路とが第1凹部を介して連通する。このような構成によれば、電解液が液注入孔を介して第1凹部に進入したあと、一部の電解液が第1凹部により直接電極アッセンブリーの内部に進入して極板に浸潤することができ、一部の電解液が第1凹部により整流通路に進入して第1凸部の外周面の外まで流れることができ、これによって、電解液の電極アッセンブリーに対する浸潤効果を向上させるとともに、液注入の効率を向上させることができる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記整流通路の両端はそれぞれ前記外周面および前記第1凹部の内周面を貫通する。
【0011】
上記の技術案において、整流通路の両端はそれぞれ外周面および第1凹部の内周面を貫通し、これによって、電解液が第1凹部により整流通路内に進入することに有利であり、電解液により側方向に流れて第1凸部の外周面の外まで流れることに寄与する。
【0012】
いくつかの実施例において、前記エンドカバーは液流出面を有し、前記液注入孔の一端が前記液流出面を貫通し、前記液流出面が前記第1凹部内に位置し、前記エンドカバーの厚み方向において、前記液流出面が前記当接面よりも前記電極アッセンブリーに遠く設けられる。
【0013】
上記の技術案において、液流出面がエンドカバーの厚み方向において当接面よりも電極アッセンブリーに遠く設けられ、これによって液流出面と電極アッセンブリーとが離間しており、電解液が液注入孔を介して第1凹部内に進入することに寄与し、電解液の電極アッセンブリーに対する浸潤および電解液の側方向での流れに有利である。
【0014】
いくつかの実施例において、前記エンドカバーの厚み方向において、前記整流通路全体は前記液流出面よりも前記電極アッセンブリーに近く設けられる。
【0015】
上記の技術案において、エンドカバーの厚み方向において、整流通路全体は液流出面よりも電極アッセンブリーに近く設けられ、これによって、液流出面と電極アッセンブリーとが比較的に大きい距離で離間しており、電解液がより容易に整流通路内に進入できる。
【0016】
いくつかの実施例において、前記エンドカバーは第2凸部をさらに含み、第2凸部が、前記第1凹部内に位置するとともに前記第1凹部の底面から前記電極アッセンブリーに向かう方向へ突出して設けられ、前記液流出面が前記第2凸部の前記電極アッセンブリーに向かう端に形成される。
【0017】
上記の技術案において、第1凹部の内に位置する第2凸部は、エンドカバーの、液注入孔が設けられる位置を補強し、エンドカバーの、液注入孔が設けられる位置の強度を高めることができる。
【0018】
いくつかの実施例において、整流通路は、前記第1凸部の前記カバー本体から離間する端に設けられる整流溝である。
【0019】
上記の技術案において、整流通路は、第1凸部のカバー本体から離間する端に設けられる整流溝であり、これによって、整流通路の成形が容易である。また、整流溝の電極アッセンブリーに向かう側が開放しているため、整流通路内で流れている電解液の一部が直接電極アッセンブリーの内部へ流れることができ、電極アッセンブリーに対する浸潤効果を向上させることができる。
【0020】
いくつかの実施例において、前記第1凸部に、前記液注入孔を中心として周方向に間隔をあける複数の前記整流通路が設けられる。
【0021】
上記の技術案において、第1凸部に、液注入孔を中心として周方向に間隔をあける複数の整流通路が設けられ、電解液が複数の整流通路により複数の異なる方向へ流れることができ、液注入の効率をさらに向上させることができる。
【0022】
いくつかの実施例において、前記整流通路は前記液注入孔の径方向に沿って延在する。
【0023】
上記の技術案において、整流通路は液注入孔の径方向に沿って延在し、これによって、電解液の整流通路内に進入することに寄与し、液注入の効率が上がる。
【0024】
いくつかの実施例において、前記液注入孔と前記第1凸部とは同軸に設けられる。
【0025】
いくつかの実施例において、前記電極アッセンブリーは中心孔を有し、前記エンドカバーの厚み方向において、前記中心孔と前記液注入孔とが対向して設けられる。
【0026】
上記の技術案において、エンドカバーの厚み方向において、中心孔と液注入孔とが対向して設けられ、液注入孔を介して電池セルの内部に電解液を注入する過程において、液注入孔内に進入した電解液が中心孔内に速く流れて、電極アッセンブリーにおける極板に浸潤することができる。
【0027】
第2局面において、本出願の実施例は、第1局面におけるいずれか1つの実施例による電池セルと、前記電池セルを収容する筐体とを備える電池を提供する。
【0028】
第3局面において、本出願の実施例は、第2局面におけるいずれか1つの実施例による電池を備える電気設備を提供する。
【0029】
第4局面において、本出願の実施例は、電池セルの製造方法を提供する。前記方法は、第1タブを含む電極アッセンブリーを提供するステップと、開口を有するハウジングを提供するステップと、エンドカバーを提供するステップと、前記電極アッセンブリーを前記ハウジング内に収容するステップと、前記エンドカバーを前記開口を覆うように覆設するステップと、を含み、前記エンドカバーがカバー本体および第1凸部を含み、前記カバー本体が前記ハウジングと接続して前記開口を閉蓋するように構成され、前記第1凸部が、前記カバー本体の内面から前記電極アッセンブリーに向かう方向へ突出し、前記第1タブとの当接に用いられ、前記エンドカバーに液注入孔が設けられ、前記液注入孔が、電解液を前記電池セルの外部から前記電池セルの内部まで進入させるように構成されるとともに前記第1凸部の外周面の内側に位置しており、前記第1凸部に整流通路が設けられ、前記整流通路が、前記液注入孔と連通するとともに前記外周面を貫通し、前記液注入孔内に進入した電解液を前記外周面の外まで流すように構成される。
【0030】
第5局面において、本出願の実施例は、電池セルの製造設備を提供する。前記製造設備は、第1タブを含む電極アッセンブリーを提供する第1提供装置と、開口を有するハウジングを提供する第2提供装置と、エンドカバーを提供する第3提供装置と、前記電極アッセンブリーを前記ハウジング内に収容するとともに、前記エンドカバーを前記開口を覆うように覆設する組立装置と、を備え、前記エンドカバーがカバー本体および第1凸部を含み、前記カバー本体が前記ハウジングと接続して前記開口を閉蓋するように構成され、前記第1凸部が、前記カバー本体の内面から前記電極アッセンブリーに向かう方向へ突出し、前記第1タブとの当接に用いられ、前記エンドカバーに液注入孔が設けられ、前記液注入孔が、電解液を前記電池セルの外部から前記電池セルの内部まで進入させるように構成されるとともに前記第1凸部の外周面の内側に位置しており、前記第1凸部に整流通路が設けられ、前記整流通路が、前記液注入孔と連通するとともに前記外周面を貫通し、前記液注入孔内に進入した電解液を前記外周面の外まで流すように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するため、以下、実施例に必要な図面を簡単に説明する。図面は、本出願のいくつかの実施例を示すものにすぎず、範囲を限定するものではない。当業者であれば、発明能力を使用しなくても、これらの図面をもとに他の関係図面を得ることも可能である。
図1】本出願のいくつかの実施例による車両の模式的構成図である。
図2】本出願のいくつかの実施例による電池の模式的構成図である。
図3】本出願のいくつかの実施例による電池セルの分解図である。
図4図3に示す電池セルの断面図である。
図5図4に示す電池セルの一部を示す図面である。
図6図5に示すエンドカバーの模式的構成図である。
図7図4に示す電池セルのA箇所の部分拡大図である。
図8】本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造方法のフローチャートである。
図9】本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造設備の模式的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本出願の実施例の目的、技術案および利点をより明瞭にするため、以下、本出願の実施例を示す図面を参照しながら、本出願の実施例における技術案を明瞭に説明する。説明する実施例は、本出願の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。本出願の実施例をもとに、当業者が発明能力を使用せずに得たすべて他の実施例も本出願の保護範囲に該当する。
【0033】
特に断りがない限り、本出願に使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者が通常理解する意味を有する。本出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものにすぎず、本出願を限定するものではない。本出願の明細書、特許請求の範囲および上記の図面に対する説明における用語の「含む」、「有する」およびその任意の変形は、非排除的包含を意味する。本出願の明細書および特許請求の範囲または図面における用語の「第1」、「第2」などは、異なる要素を区別するためのものにすぎず、特定の順序や主要なものと副次的なものを規定するものではない。
【0034】
本出願で「実施例」と記載するとき、実施例を用いて説明した特定の特徴、構成または特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。明細書の各部分にこの用語が使用された場合、同一の実施例を指しているとは限られず、他の実施例と互いに排斥する独立的な実施例または選択可能な実施例でもない。
【0035】
本出願の説明において、明確な定義や限定がない限り、用語の「取付」、「連係」、「接続」、「付設」を、広義に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本出願における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0036】
本出願に使用される用語の「および/または」は、関連対象の関係を説明するためのものにすぎず、3種の関係を表しており、例えば、「Aおよび/またはB」は、Aが単独で存在すること、AとBが同時に存在すること、Bが単独で存在することの3種の状況を表すことができる。また、本出願の記号の「/」は、一般的に前後の関連対象が「または」で示す関係を表している。
【0037】
本出願の実施例において、同様の記号は同様の部品を示し、そして、簡単にするため、異なる実施例では、同様の部品に対する詳細の説明を省略する。図面に示した本出願の実施例における各種の部品の厚さ、長さなどの寸法、および集積装置全体の厚さ、長さなどの寸法は、例示的に説明するためのものにすぎず、本出願を限定するものにならない。
【0038】
本出願に記載の「複数」は、2つ以上(2つを含む)のことを指している。
【0039】
本出願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池またはマグネシウムイオン電池などを含み、本出願の実施例においてこれに対して限定しない。電池セルは、円筒型、ラミネート型、角型または他の形状を呈し、本出願の実施例においてこれに対しても限定しない。電池セルは、パッケージング方式によって、一般的に円筒型電池セル、角型電池セルおよびソフトパック電池セルの3種に分けられており、本出願の実施例においてこれに対しても限定しない。
【0040】
本出願の実施例で記載の電池は、より高い電圧および容量を提供するように1つまたは複数の電池セルを含む単一の物理的なモジュールを指している。例えば、本出願で記載の電池は、電池モジュールまたは電池パックなどを含む。電池は、一般的に、1つまたは複数の電池セルをパッケージするための筐体を備える。筐体は、液体または他の異物で電池セルの充放電が影響されることを防ぐことができる。
【0041】
電池セルは、電極アッセンブリーおよび電解液を含み、電極アッセンブリーが正極板、負極板およびセパレータにより構成される。電池セルは、主に金属イオンの正極板と負極板の間での移動により機能する。正極板は正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層が正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層の未塗布の正極集電体が正極活物質層の塗布されている正極集電体に対して突出し、正極活物質層の未塗布の正極集電体が正極タブとされる。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料がアルミニウムであり、正極活物質がコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウムまたはマンガン酸リチウムなどである。負極板は負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層が負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層の未塗布の負極集電体が負極活物質層の塗布されている負極集電体に対して突出し、負極活物質層の未塗布の負極集電体が負極タブとされる。負極集電体の材料が銅であり得、負極活物質が炭素系または珪素系などであり得る。大電流が流れる際に溶かないことを確保するため、正極タブは複数で積層したものであり、負極タブは複数で積層したものである。セパレータの材質としてPP(polypropylene、ポリプロピレン)またはPE(polyethylene、ポリエチレン)などである。また、電極アッセンブリーは、捲回型構造であってもよく、積層型構造であってもよく、本出願の実施例がこれに限定されない。
【0042】
一般的な電池セルは、液注入孔により電池セルの内部に電解液を注入する過程が比較的に困難であり、液注入の効率が比較的に低い。
【0043】
電池セルにおいて、エンドカバーと電極アッセンブリーのタブと電気接続している場合、エンドカバーの内面とタブとが当接し、エンドカバーにおける液注入孔を介して電池セルの内部に電解液を注入する過程において、電解液がエンドカバーの内面とタブとの間で側方向に流れにくく、液注入の効率が低い問題があることが発明者により判明されている。
【0044】
これに鑑みて、本出願の実施例による技術案において、電池セルのエンドカバーはカバー本体と第1凸部とを含み、第1凸部がカバー本体の内面から電極アッセンブリーに向かう方向へ突出して第1タブと当接し、第1凸部に整流通路が設けられ、整流通路がエンドカバーにおける液注入孔と連通するとともに第1凸部の外周面を貫通し、これによって、電解液が整流通路により側方向に流れて第1凸部の外周面の外まで流れ、液注入の効率を向上させることができる。
【0045】
本出願の実施例で説明する技術案は電池セル、電池および電池を使用する電気設備に適用できる。
【0046】
電気設備は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、船、航空機、電動玩具および電動工具などが挙げられる。車両には、燃料車両、天然ガス自動車または新エネルギー車が含まれ、新エネルギー車には、電気自動車、ハイブリッド車またはレンジエクステンダー式電気自動車などが含まれる。航空機には、飛行機、ロケット、スペースシャトルおよび宇宙船などが含まれる。電動玩具には、固定式または移動式のものが含まれ、例えば、ゲーム機、電動車玩具、電動船玩具および電動飛行機玩具などが挙げられる。電動工具には、金属切削電動工具、研磨電動工具、組立用電動工具および鉄道用電動工具が含まれ、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマー、インパクト電動ドリル、コンクリートバイブレーターおよび電動カンナなどが挙げられる。本出願の実施例では、上記の電気設備に対して特に限定しない。
【0047】
以下の実施例で説明を簡単にするため、電気設備が車両である例を説明する。
【0048】
図1を参照し、図1は、本出願のいくつかの実施例による車両1000の模式的構成図である。車両1000の内部に電池100が配置されており、電池100が車両1000の底部または前方または後方に配置される。電池100は、例えば車両1000の操縦用電源として車両1000の給電に使用することができる。
【0049】
車両1000は、制御装置200とエンジン300をさらに備え、制御装置200が、電池100によるエンジン300への給電を制御し、例えば、車両1000の始動、ナビゲーションおよび走行時の仕事電気要求を満たすために使用される。
【0050】
本出願のいくつかの実施例において、電池100は、車両1000の操縦用電源として使用されるだけではなく、ガソリンまたは天然ガスに代わってまたは部分的に代わって車両1000に駆動動力を提供する車両1000の駆動電源として使用されることも可能である。
【0051】
いくつかの実施例において、図2を参照し、図2は、本出願のいくつかの実施例による電池100の模式的構成図である。電池100は、筐体10と電池セル20を備え、筐体10が電池セル20を収容するものである。
【0052】
筐体10は、第1部分11と第2部分12を含み、第1部分11と第2部分12とを合わせると電池セル20を収容する収容空間13が形成される。第1部分11および第2部分12は、例えば、直方体、円筒形などのさまざまな形状のものであり得る。第1部分11が一側の開放した中空構造であり、第2部分12も一側の開放した中空構造であり、第2部分12の開放側が第1部分11の開放側を覆うように覆設されると、収容室を有する筐体10が形成される。図2に示すように、第1部分11が一側の開放した中空構造であり、第2部分12が板状構造であるように構成されてもよく、第2部分12が第1部分11の開放側を覆うように覆設されると、収容室を有する筐体10が形成される。例示的に、図2において、第1部分11および第2部分12は、いずれも直方体構造である。
【0053】
ここで、第1部分11と第2部分12との間は、シーリング部材で密封を実現し、シーリング部材が、シールリング、シール接着剤などである。
【0054】
電池100において、電池セル20は、1つ有してもよく、複数有してもよい。電池セル20は、複数有する場合、複数の電池セル20同士が直列接続してもよく並列接続してもよくその両方を含む方式で接続してもよく、その両方を含む方式で接続とは、複数の電池セル20のうち、直列接続するものがあれば並列接続するものもあることを指している。先に複数の電池セル20を直列接続しまたは並列接続しまたはその両方を含む方式で接続して電池モジュールをなし、そして複数の電池モジュールをさらに直列接続しまたは並列接続しまたはその両方を含む方式で接続して一体に形成させ、筐体10内に収容するようにしてもよく、直接にすべての電池セル20同士を直列接続しまたは並列接続しまたはその両方を含む方式で接続して、すべての電池セル20からなる一体にしたものを筐体10内に収容するようにしてもよい。
【0055】
いくつかの実施例において、電池100はバスバー部材をさらに備えてもよく、この場合、複数の電池セル20同士がバスバー部材を介して電気接続することにより、複数の電池セル20の直列接続または並列接続またはその両方を含む方式での接続を実現する。バスバー部材は、例えば銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属導体であり得る。
【0056】
図3および図4を参照し、図3は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の分解図であり、図4は、図3に示す電池セル20の断面図である。電池セル20は、電極アッセンブリー21と、ハウジング22と、エンドカバー23とを備える。電極アッセンブリー21は第1タブ211を含み、ハウジング22は、開口を有し、電極アッセンブリー21を収容するように構成され、エンドカバー23は、ハウジング22と接続してハウジング22の開口を閉蓋するように構成される。
【0057】
ここで、エンドカバー23はカバー本体231と第1凸部232とを含み、カバー本体231が、ハウジング22と接続して開口を閉蓋するように構成され、第1凸部232が、カバー本体231の内面から電極アッセンブリー21に向かう方向へ突出して、第1タブ211と当接する。エンドカバー23に液注入孔233が設けられ、液注入孔233が、電解液を電池セル20の外部から電池セル20の内部に進入させるように構成されるとともに第1凸部232の外周面の内側に位置する。第1凸部232に整流通路234が設けられ、整流通路234が、液注入孔233と連通するとともに第1凸部232の外周面を貫通し、整流通路234が、少なくとも一部の電解液を第1凸部232の外周面の外まで流すように構成される。
【0058】
第1凸部232に整流通路234が設けられ、整流通路234が、液注入孔233と連通するとともに第1凸部232の外周面を貫通しているため、液注入孔233を介して電池セル20の内部に電解液を注入する過程において、電解液が整流通路234により側方向に流れて第1凸部232の外周面の外まで流れることができ、そして電解液が電極アッセンブリー21の外周へ速く流れ、これによって、電解液の流れの順調性が向上し、液注入の効率を効果的に向上させることができるとともに、電解液が電極アッセンブリー21に十分浸潤できる。上記構成の電池セル20は、大きい液注入圧力がなくても液注入を実現することもでき、液注入圧力が過大で電極アッセンブリー21におけるセパレータが損壊されることに起因して正極板と負極板とが直接に接触して短絡になるリスクを効果的に低減させることができる。
【0059】
エンドカバー23の第1凸部232が第1タブ211と当接し、エンドカバー23と第1タブ211との電気接続を実現できる。第1タブ211とエンドカバー23との良好な接触を保証するため、エンドカバー23の第1凸部232と第1タブ211とを固定してもよく、例えば、第1凸部232と第1タブ211とを溶接する。
【0060】
なお、液注入孔233は第1凸部232の外周面の内側に位置し、即ち、第1凸部232の外周面が液注入孔233の外周側に位置する。液注入孔233は、第1凸部232の中心位置に位置してもよく、第1凸部232の中心位置に対してずれて設けてもよい。例示的に、液注入孔233と第1凸部232とは同軸に設置され、即ち、液注入孔233の軸線と第1凸部232の外周面の軸線とが同軸であり、液注入孔233が第1凸部232の中心位置に位置する。
【0061】
いくつかの実施例において、電極アッセンブリー21は本体部212と第2タブ213とをさらに含み、第1タブ211および第2タブ213がいずれも本体部212に対して突出し、第1タブ211と第2タブ213とは極性が互いに逆である。第1タブ211が正極タブである場合、第2タブ213が負極タブであり、第1タブ211が負極タブである場合、第2タブ213が正極タブである。第1タブ211はエンドカバー23と電気接続するように構成され、第2タブ213はハウジング22と電気接続するように構成される。
【0062】
例示的に、第1タブ211および第2タブ213は、それぞれ本体部212の、エンドカバー23の厚み方向Zにおける対向する両端から突出して設置される。
【0063】
本体部212は、正極板、負極板およびセパレータを含む。本体部212は、正極板、セパレータおよび負極板により捲回して形成した捲回型構造であってもよく、正極板、セパレータおよび負極板により積層して形成した積層型構造であってもよい。
【0064】
正極板は、正極集電体と、正極集電体の対向する両側に塗布された正極活物質層とを含む。負極板は、負極集電体と、負極集電体の対向する両側に塗布された負極活物質層とを含む。本体部212は、電極アッセンブリー21の、極板の活物質層の塗布されている領域に対応する部分であり、タブは、電極アッセンブリー21の、極板の活物質層の未塗布の領域に対応する部分である。正極タブは、正極板における、正極活物質層の未塗布の領域であり、負極タブは、負極板における、負極活物質層の未塗布の領域である。
【0065】
本出願の実施例において、ハウジング22は電極アッセンブリー21を収容するものである。ハウジング22は、例えば円筒形、直方体などのさまざまな形状のものであり得る。ハウジング22の形状は電極アッセンブリー21の具体的な形状に応じて決めればよい。例えば、電極アッセンブリー21は円筒形構造である場合、ハウジング22も円筒形構造にする。電極アッセンブリー21は直方体構造である場合、ハウジング22も直方体構造にする。例示的に、図3および図4では、ハウジング22は中空の円筒形構造である。
【0066】
ハウジング22は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、鋼、アルミニウム合金などの金属材質のものであり得る。
【0067】
いくつかの実施例において、ハウジング22は、端壁221と、端壁221のエッジに沿って設けられる周壁222とを含み、端壁221が周壁222の一端に位置し、周壁222の他端に開口が形成され、エンドカバー23は、電極アッセンブリー21および電解液を収容する密閉空間を形成するように、周壁222と接続して開口を閉蓋するように構成される。
【0068】
例示的に、第2タブ213とハウジング22の端壁221とが溶接することにより、第2タブ213とハウジング22との電気接続を実現する。
【0069】
なお、端壁221と周壁222は、一体成形の構造であってもよく、互いに別体の構造であってもよい。端壁221と周壁222が互いに別体の構造である場合、端壁221と周壁222とを組み立てればハウジング22が形成される。
【0070】
いくつかの実施例において、ハウジング22の周壁222に第1位置制限部223および第2位置制限部224が形成され、第1位置制限部223が、カバー本体231の電極アッセンブリー21に向かう側に位置し、第2位置制限部224が、カバー本体231の電極アッセンブリー21から離間する側に位置する。エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、第1位置制限部223は、カバー本体231の、電極アッセンブリー21に向かう方向へのハウジング22に対する移動を制限するように構成され、これによって、エンドカバー23に力がかけられて電極アッセンブリー21が押圧されることにより電極アッセンブリー21が損壊するリスクを低減させる。第2位置制限部224は、カバー本体231の電極アッセンブリー21から離間する方向へのハウジング22に対する移動を制限するように構成され、これによって、エンドカバー23のハウジング22から抜けることを制限する。つまり、第1位置制限部223および第2位置制限部224は、協働してカバー本体231のハウジング22に対するエンドカバー23の厚み方向Zにおける移動を制限する役割を果たしている。
【0071】
第1位置制限部223および第2位置制限部224はいずれも環状構造であり得る。
【0072】
例示的に、ハウジング22の周壁222に、周壁222の外周面から内に凹むロールプレス溝225が設けられ、周壁222の内周面の、ロールプレス溝225に対応する位置で第1位置制限部223が形成され、これによって、ハウジング22の、第1位置制限部223が形成される位置で縮径構造が形成される。
【0073】
例示的に、第2位置制限部224は、ハウジング22の周壁222の一部が内に折り曲がって開口の位置に形成された折り曲がり構造である。
【0074】
電池セル20を組み立てる過程において、先に電極アッセンブリー21をハウジング22内に収容し、そして、エンドカバー23が第1位置制限部223の制限下でハウジング22の内部へ移動できないように、エンドカバー23を、周壁222の端壁221から離間する端に覆設し、最後に、エンドカバー23に対する固定を実現するように、ハウジング22の周壁222の一部を内に折り曲げて第2位置制限部224を形成する。
【0075】
本出願の実施例において、整流通路234と液注入孔233との連通は、例えば整流通路234の一端が直接液注入孔233の孔壁を貫通するような、整流通路234と液注入孔233との直接の連通であってもよく、整流通路234と液注入孔233との間接的な連通であってもよい。
【0076】
いくつかの実施例において、図5を参照し、図5は、図4に示す電池セル20を部分的に示す図である。整流通路234と液注入孔233とは間接的に連通する。具体的に、第1凸部232のカバー本体231から離間する端に当接面2321が形成され、当接面2321が第1タブ211との当接に用いられる。エンドカバー23に、当接面2321から電極アッセンブリー21を離れる方向へ凹む第1凹部235が設けられ、液注入孔233と整流通路234とが第1凹部235を介して連通する。このような構成によれば、電解液が液注入孔233を介して第1凹部235に進入したあと、一部の電解液が第1凹部235により直接電極アッセンブリー21の内部に進入して極板に浸潤することができ、一部の電解液が第1凹部235により整流通路234に進入して第1凸部232の外周面の外まで流れることができ、これによって、電解液の電極アッセンブリー21に対する浸潤効果を向上させるとともに、液注入の効率を向上させることができる。
【0077】
例示的に、第1凹部235と液注入孔233とは同軸に設けられる。
【0078】
なお、第1凹部235は、全部が第1凸部232内にあるように設けられてもよく、一部がカバー本体231内まで凹むように設けられてもよい。第1凹部235が完全に第1凸部232内にある場合、エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、第1凹部235の底面から第1凸部232の当接面2321までの距離がカバー本体231の内面から第1凸部232の当接面2321までの距離以下である。図5に示すように、第1凹部235の一部がカバー本体231内まで凹む場合、エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、第1凹部235の底面から第1凸部232の当接面2321までの距離がカバー本体231の内面から第1凸部232の当接面2321までの距離よりも大きく、これによって、第1凹部235がより深く設けられ、より多くの電解液を受けることができる。
【0079】
いくつかの実施例において、整流通路234の両端はそれぞれ第1凸部232の外周面および第1凹部235の内周面を貫通し、これによって、電解液が第1凹部235から整流通路234内に進入することに寄与し、電解液が側方向に流れて第1凸部232の外周面の外まで流れることができる。
【0080】
整流通路234は直線に延伸する。整流通路234の延在方向は液注入孔233の軸線に垂直であり、即ち、整流通路234が液注入孔233の径方向において延在する。整流通路234の延在方向は液注入孔233の軸線と鋭角をなしてもよく、例えば、エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、整流通路234の第1凸部232の外周面を貫通する端は整流通路234の第1凹部235の内周面を貫通する端よりも電極アッセンブリー21に近く、即ち、整流通路234の第1凸部232の外周面を貫通する端は整流通路234の第1凹部235の内周面を貫通する端よりも低くて、整流通路234が傾斜して設けられており、これによって、電解液の整流通路234内での流れに有利である。図5において、整流通路234は液注入孔233の径方向において延在する。
【0081】
他のいくつかの実施例において、整流通路234の両端はそれぞれ第1凸部232の外周面および第1凹部235の底面を貫通する。本実施例において、整流通路234はエンドカバー23の内部に形成される折り曲がり通路である。
【0082】
いくつかの実施例において、図5に示すように、エンドカバー23は液流出面236を有し、液注入孔233の一端が液流出面236を貫通し、液流出面236が第1凹部235内に位置する。エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、液流出面236が当接面2321よりも電極アッセンブリー21に遠く設けられ、これによって、液流出面236と電極アッセンブリー21とが離間しており、電解液が液注入孔233を介して第1凹部235内に進入することに寄与し、電解液の電極アッセンブリー21への浸潤、および電解液の側方向への流れに有利である。
【0083】
任意で、エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、整流通路234全体が液流出面236よりも電極アッセンブリー21に近く設けられ、これによって、液流出面236と電極アッセンブリー21とが比較的に大きい距離で離間しており、電解液がより容易に整流通路234内に進入できる。
【0084】
任意で、エンドカバー23は第2凸部237をさらに含み、第2凸部237が、第1凹部235内に位置し、第1凹部235の底面から電極アッセンブリー21に向かう方向へ突出して設けられ、液流出面236が第2凸部237の電極アッセンブリー21に向かう端に形成される。第2凸部237がエンドカバー23の、液注入孔233が設けられる位置を補強し、エンドカバー23の、液注入孔233が設けられる位置の強度を高めることができる。
【0085】
いくつかの実施例において、電極アッセンブリー21は中心孔214を有し、エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、中心孔214と液注入孔233とが対向して設けられ、液注入孔233を介して電池セル20の内部に電解液を注入する過程において、液注入孔233内に進入した電解液が中心孔214内に速く流れて、電極アッセンブリー21における極板に浸潤することができる。
【0086】
なお、エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、中心孔214と液注入孔233とが対向して設けられ、即ち、エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、液注入孔233の孔壁の投影の少なくとも一部が中心孔214内に位置する。
【0087】
例示的に、中心孔214と液注入孔233とは同軸に設けられ、液注入孔233の孔径が中心孔214の孔径より小さく、これによって液注入孔233の孔壁の、エンドカバー23の厚み方向Zにおける投影が完全に中心孔214内に位置し、電解液がより容易に液注入孔233を介して中心孔214内に進入して極板に浸潤する。
【0088】
いくつかの実施例において、エンドカバー23は第3凸部238をさらに含み、第3凸部238が、カバー本体231の外面から電極アッセンブリー21を離れる方向へ突出して設けられ、エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、第3凸部238の投影が第1凹部235を完全に覆っている。第3凸部238がエンドカバー23の、第1凹部235が設けられる位置を補強して、エンドカバー23の、第1凹部235が設けられる位置の強度を高めることができる。
【0089】
例示的に、第3凸部238は円筒状構造である。
【0090】
いくつかの実施例において、ハウジング22の第2位置制限部224が第3凸部238の外周側に位置し、即ち、第3凸部238が第2位置制限部224の内周面の内側に位置し、第2位置制限部224および第3凸部238が電池セル20の2つの出力電極である。出力電極は、電池セル20の、他の部品と接続して電気エネルギを出力する部分である。第2位置制限部224が電池セル20の正出力電極であり、第3凸部238が電池セル20の負出力電極であるようにしてもよく、第2位置制限部224が電池セル20の負出力電極であり、第3凸部238が電池セル20の正出力電極であるようにしてもよい。2つの電池セル20がバスバー部材により電気接続されて2つの電池セル20の直列接続を実現する例において、1つの電池セル20の第2位置制限部224およびもう1つの電池セル20の第3凸部238が同一のバスバー部材と接続し、例えば溶接で接続する。
【0091】
任意で、第2位置制限部224の外面(第2位置制限部224の、エンドカバー23の厚み方向Zにおいてカバー本体231から離間する表面)と第3凸部238の外面(第3凸部238の、エンドカバー23の厚み方向Zにおいてカバー本体231から離間する表面)とが揃えられており、これによって、第2位置制限部224および第3凸部238とバスバー部材との接続に寄与できる。
【0092】
いくつかの実施例において、電池セル20は、液注入孔233を閉塞する閉塞部材24をさらに備える。エンドカバー23に第2凹部239が設けられ、第2凹部239が、第3凸部238の外面から電極アッセンブリー21に向かう方向へ凹み、閉塞部材24を収容するように構成され、これによって、閉塞部材24が隠され、閉塞部材24が第3凸部238とバスバー部材との接続を影響しない。
【0093】
例示的に、液注入孔233の両端はそれぞれ液流出面236および第2凹部239の底面を貫通する。
【0094】
いくつかの実施例において、図6を参照し、図6は、図5に示すエンドカバー23の模式的構成図である。整流通路234は、第1凸部232のカバー本体231から離間する端に設けられる整流溝であり、これによって、整流通路234の成形が容易である。実際の生産過程において、直接当接面2321において整流溝を加工し得る。
【0095】
また、整流溝の電極アッセンブリー21に向かう側が開放しているため、整流通路234内で流れている電解液の一部が直接電極アッセンブリー21の内部へ流れることができ、電解液が電極アッセンブリー21の内部に進入して極板に浸潤することに寄与し、電極アッセンブリー21に対する浸潤効果を効果的に向上させることができる。
【0096】
例示的に、整流溝は第1凸部232の当接面2321に設けられる。
【0097】
いくつかの実施例において、整流通路234は液注入孔233の径方向に沿って延在し、これによって、電解液の整流通路234内に進入することに寄与し、液注入の効率が上がる。
【0098】
エンドカバー23に第1凹部235が形成される例において、整流通路234は液注入孔233の径方向における両端において第1凸部232の外周面および第1凹部235の内周面を貫通する。
【0099】
本出願の実施例において、第1凸部232における整流通路234は、1つ有してもよく、複数有してもよい。
【0100】
いくつかの実施例において、図6に示すように、第1凸部232に、液注入孔233を中心として周方向に間隔をあける複数の整流通路234が設けられ、これによって、電解液が複数の整流通路234により複数の異なる方向へ流れることができ、液注入の効率をさらに向上させることができる。
【0101】
例示的に、図6において、第1凸部232に、液注入孔233を中心として周方向に間隔をあける4つの整流通路234が設けられる。任意の隣接する2つの整流通路234によりなした角が90度である。
【0102】
いくつかの実施例において、図7を参照し、図7は、図4に示す電池セル20の部分拡大図である。電池セル20は絶縁部材25を備え、絶縁部材25が、エンドカバー23とハウジング22とを隔てて、エンドカバー23とハウジング22との絶縁的な接続を実現し、これによって、エンドカバー23とハウジング22との接触による短絡のリスクを低減させる。
【0103】
絶縁部材25は、例えばプラスチック、ゴムなどの絶縁材質のものであり得る。
【0104】
例示的に、カバー本体231とハウジング22の周壁222とを隔ててエンドカバー23とハウジング22との絶縁的な接続を実現するように、絶縁部材25はハウジング22の周壁222とエンドカバー23のカバー本体231との間に設置される。
【0105】
なお、エンドカバー23とハウジング22との間に位置する絶縁部材25は、絶縁の役割だけを果たさせてもよく、絶縁の役割を果たすとともに、エンドカバー23とハウジング22との密封を実現するように密封の役割も果たしてもよい。
【0106】
いくつかの実施例において、絶縁部材25は、順に接続される第1接続部251、第2接続部252、第3接続部253および第4接続部254を含む。エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、第1接続部251および第3接続部253がそれぞれカバー本体231の両側に位置し、カバー本体231が第3接続部253を第1位置制限部223に押し付け、第2位置制限部224が第1接続部251をカバー本体231に押し付ける。第2接続部252はカバー本体231の外周面とハウジング22の内周面との間に位置する。第4接続部254は、第1凸部232の外周面と第1位置制限部223の内周面との間に位置し、第1凸部232と第1位置制限部223とを隔てるように構成され、これによって、第1凸部232と第1位置制限部223との接触による短絡のリスクを低減させる。
【0107】
第1接続部251、第2接続部252、第3接続部253および第4接続部254はいずれも環状構造であり得る。
【0108】
本出願の実施例は、電池セル20の製造方法を提供する。図8を参照し、図8は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の製造方法のフローチャートである。製造方法は下記のステップを含む。
【0109】
S100は、第1タブ211を含む電極アッセンブリー21を提供する。
【0110】
S200は、開口を有するハウジング22を提供する。
【0111】
S300は、エンドカバー23を提供する。
【0112】
S400は、電極アッセンブリー21をハウジング22内に収容する。
【0113】
S500は、エンドカバー23を、ハウジング22の開口を覆うように覆設する。
【0114】
エンドカバー23はカバー本体231および第1凸部232を含み、カバー本体231がハウジング22と接続して開口を閉蓋するように構成され、第1凸部232が、カバー本体231の内面から電極アッセンブリー21に向かう方向へ突出し、第1タブ211と当接するように構成される。エンドカバー23に液注入孔233が設けられ、液注入孔233が、電解液を電池セル20の外部から電池セル20の内部に進入させるように構成されるとともに第1凸部232の外周面の内側に位置する。第1凸部232に整流通路234が設けられ、整流通路234が、液注入孔233と連通するとともに外周面を貫通し、液注入孔233内に進入した電解液を外周面の外まで流すように構成される。
【0115】
上記の方法では、ステップS100、ステップS200およびステップS300の順序は制限されず、例えば、ステップS300、ステップS200、ステップS100の順で実行してもよい。
【0116】
なお、上記の各実施例による製造方法で製造できた電池セル20の構成について、上記の各実施例による電池セル20を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0117】
また、本出願の実施例は、電池セル20の製造設備2000をさらに提供する。図9を参照し、図9は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の製造設備2000の例示的なブロック図である。製造設備2000は、第1提供装置2100と、第2提供装置2200と、第3提供装置2300と、組立装置2400とを備える。
【0118】
第1提供装置2100は、第1タブ211を含む電極アッセンブリー21を提供するように構成される。第2提供装置2200は、開口を有するハウジング22を提供するように構成される。第3提供装置2300は、エンドカバー23を提供するように構成される。組立装置2400は、電極アッセンブリー21をハウジング22に収容するとともにエンドカバー23を、開口を覆うように覆設するように構成される。
【0119】
エンドカバー23はカバー本体231および第1凸部232を含み、カバー本体231がハウジング22と接続して開口を閉蓋するように構成され、第1凸部232が、カバー本体231の内面から電極アッセンブリー21に向かう方向へ突出し、第1タブ211と当接するように構成される。エンドカバー23に液注入孔233が設けられ、液注入孔233が、電解液を電池セル20の外部から電池セル20の内部に進入させるように構成されるとともに第1凸部232の外周面の内側に位置する。第1凸部232に整流通路234が設けられ、整流通路234が、液注入孔233と連通するとともに外周面を貫通し、液注入孔233内に進入した電解液を外周面の外まで流すように構成される。
【0120】
なお、上記の実施例による製造設備2000で製造できた電池セル20の構成について、上記の各実施例による電池セル20を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0121】
なお、矛盾がない限り、本出願における実施例および実施例における特徴は互いに組み合わせることが可能である。
【0122】
上記の実施例は、本出願の技術案を説明するものにすぎず、本出願を限定するものではない。当業者にとって、本出願はさまざまな変更および変化を有し得る。本出願の精神および主旨から逸脱しない限り、行われるすべての変更、均等置換、改良などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0123】
100 電池
10 筐体
11 第1部分
12 第2部分
13 収容空間
20 電池セル
21 電極アッセンブリー
211 第1タブ
212 本体部
213 第2タブ
214 中心孔
22 ハウジング
221 端壁
222 周壁
223 第1位置制限部
224 第2位置制限部
225 ロールプレス溝
23 エンドカバー
231 カバー本体
232 第1凸部
2321 当接面
233 液注入孔
234 整流通路
235 第1凹部
236 液流出面
237 第2凸部
238 第3凸部
239 第2凹部
24 閉塞部材
25 絶縁部材
251 第1接続部
252 第2接続部
253 第3接続部
254 第4接続部
200 制御装置
300 エンジン
1000 車両
2000 製造設備
2100 第1提供装置
2200 第2提供装置
2300 第3提供装置
2400 組立装置
Z 厚み方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】