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特表2023-538764速度場を推定するための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-11
(54)【発明の名称】速度場を推定するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/06 20060101AFI20230904BHJP
【FI】
A61B8/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513367
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(85)【翻訳文提出日】2023-04-24
(86)【国際出願番号】 EP2021073794
(87)【国際公開番号】W WO2022043524
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】63/071,044
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522243510
【氏名又は名称】イー―スコピクス
【氏名又は名称原語表記】E-SCOPICS
(74)【代理人】
【識別番号】100094640
【弁理士】
【氏名又は名称】紺野 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100103447
【弁理士】
【氏名又は名称】井波 実
(74)【代理人】
【識別番号】100111730
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 武泰
(74)【代理人】
【識別番号】100180873
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 慶政
(72)【発明者】
【氏名】ベッソン、アドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ウィンゼンリート、フレデリク
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601BB06
4C601BB23
4C601DD03
4C601DE03
4C601HH13
4C601HH21
4C601JB01
4C601JB34
(57)【要約】
本発明は、媒体内の少なくとも1つの散乱体の速度を推定するための装置に関し、この装置は、
- 励起信号を生成する生成器、
- 前記励起信号をアルキメデスの螺旋波に変換する仮想トランスデューサ(T~T)の湾曲アレイであって、
・ 音波放射角(α)のセットによって定められる複数の所定の伝播方向に上記アルキメデスの螺旋波を放射し、仮想トランスデューサの湾曲アレイの曲率は、基準中心(O)および曲率半径(r)を定め、
・ 上記少なくとも1つの散乱体から、仮想トランスデューサの湾曲アレイから放射されるアルキメデスの螺旋波の散乱によって生成される散乱信号を受信する、湾曲アレイ、ならびに
- 前記少なくとも1つの散乱体の速度を推定する駆動および処理ユニット(U)を備え、
軸方向および横方向の速度成分は、音波放射角(α)の初期のセット、トランスデューサの湾曲アレイの外形、および基準中心(O)までの距離(r)の関数としてのアルキメデスの螺旋波の局所的な波面方向のセット(αeq,i)を使用して推定され、各々の局所的な波面方向は、以下の式を満たす。
【数1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体内の少なくとも1つの散乱体の速度を推定するための装置であって、当該装置は、
- 励起信号を生成する生成器、
- 前記励起信号をアルキメデスの螺旋波に変換する仮想トランスデューサ(T~T)の湾曲アレイであって、
・ 音波放射角(α)のセットによって定められる複数の所定の伝播方向に前記アルキメデスの螺旋波を放射し、仮想トランスデューサの湾曲アレイの曲率は、基準中心(O)および曲率半径(r)を定め、
・ 前記少なくとも1つの散乱体から、仮想トランスデューサの湾曲アレイから放射されるアルキメデスの螺旋波の散乱によって生成される散乱信号を受信する、湾曲アレイ、ならびに
- 前記生成器および仮想トランスデューサの湾曲アレイを駆動し、前記少なくとも1つの散乱体の速度を推定する、駆動および処理ユニット(U)を備え、
軸方向および横方向の速度成分は、音波放射角(α)の初期のセット、仮想トランスデューサの湾曲アレイの外形、および前記基準中心(O)までの距離(r)の関数としての前記アルキメデスの螺旋波の局所的な波面方向のセット(αeq,i)を使用して推定され、各々の局所的な波面方向は、以下の式
【数1】
を満たすことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記駆動および処理ユニット(U)は、
・ 散乱信号の第1の集合の取得を可能にする第1の一連の励起信号、および
・ 散乱信号の第2の集合の取得を可能にする第2の一連の励起信号、
の少なくとも2つの一連の励起信号を一定の繰り返し間隔Tで生成するために前記生成器を駆動し、かつ少なくとも2つの一連の励起信号をアルキメデスの螺旋波に変換する仮想トランスデューサの湾曲アレイを駆動する、コントローラを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記駆動および処理ユニット(U)は、
・ アルキメデスの螺旋波の散乱によって生成される散乱信号の第1および第2の集合を受信し、
・ 受信ビームの各群が音波放射角(α)にそれぞれ対応する、受信角(β)をそれぞれ有する受信ビームの第1の群を生成するために散乱信号の第1の集合を遅延させ合計し、
・ 受信ビームの各群が音波放射角(α)にそれぞれ対応する、受信角(β)をそれぞれ有する受信ビームの第2の群を生成するために散乱信号の第2の集合を遅延させ合計する、ビームフォーマを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
受信ビームの第1および第2の群の各々は、複数の画像を含み、各画像は、音波放射角(α)および受信角(β)のペアとそれぞれ関連付けられ、前記駆動および処理ユニット(U)は、速度場が、異なる螺旋方向および受信ビーム方向の各ペアについて推定されるように、音波放射角(α)および受信角(β)の同じペアを有する受信ビームの第1および第2の群の画像の任意の所与のペアについて、受信ビームの第1および第2の群をドップラー処理するプロセッサをさらに備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、音波放射角(α)および受信角(β)の同じペアを有する受信ビームの第1および第2の群の画像の各ペアについて以下の工程、
・ 画像の所与のペアの前記画像間の対応する各ピクセルについて変位場を推定する工程、
・ 前記変位場から、画像の前記所与のペアについてピクセルごとにドップラー周波数シフトを推定する工程
を実行するように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記速度場のいくつかの射影および当該いくつかの射影の既知の方向が、前記速度場の動径方向および方位角の成分を推定するために使用される代数逆変換工程を実行するのに適合している、請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記速度場の動径方向および方位角の成分から軸方向および横方向の速度成分を推定するのに適合している、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
媒体内の少なくとも1つの散乱体の速度を推定するための方法であって、当該方法は、
- 励起信号を生成する工程と、
- 前記励起信号をアルキメデスの螺旋波に変換する工程と、
- 音波放射角(α)のセットによって定められる複数の所定の伝播方向に前記アルキメデスの螺旋波を放射する工程(110)であって、仮想トランスデューサの湾曲アレイの曲率は、基準中心(O)および曲率半径(r)を定める、工程と、
- 仮想トランスデューサの前記湾曲アレイから放射される前記アルキメデスの螺旋波の散乱によって生成される散乱信号を受信する工程(120)と、
- 少なくとも1つの散乱体の速度を推定する工程とを含み、
軸方向および横方向の速度成分は、音波放射角(α)の初期のセット、トランスデューサの湾曲アレイの外形、および前記基準中心(O)までの距離(r)の関数としての前記アルキメデスの螺旋波の局所的な波面方向のセット(αeq,i)を使用して推定され、各々の局所的な波面方向は、以下の式
【数2】
を満たすことを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、
- 励起信号を生成する工程は、
・ 散乱信号の第1の集合の取得を可能にする第1の一連の励起信号、および
・ 散乱信号の第2の集合の取得を可能にする第2の一連の励起信号、
の少なくとも2つの一連の励起信号を一定の繰り返し間隔Tで生成することを含み、
- 変換する前記工程は、前記少なくとも2つの一連の励起信号をアルキメデスの螺旋波に変換することを含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
少なくとも1つの散乱体の速度を推定する工程は、
・ アルキメデスの螺旋波の散乱によって生成される散乱信号の第1および第2の集合を受信すること、
・ 受信ビームの各群が音波放射角(α)にそれぞれ対応する、受信角(β)をそれぞれ有する受信ビームの第1の群を生成するために散乱信号の第1の集合を遅延させ合計すること、ならびに
・ 受信ビームの各群が音波放射角(α)にそれぞれ対応する、受信角(β)をそれぞれ有する受信ビームの第2の群を生成するために散乱信号の第2の集合を遅延させ合計すること、を含むビームフォーミングサブ工程(130)を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
受信ビームの第1および第2の群の各々は、複数の画像を含み、各画像は、音波放射角(α)および受信角(β)のペアとそれぞれ関連付けられ、少なくとも1つの散乱体の速度を推定する工程は、
- 速度場が、異なる螺旋方向および受信ビーム方向の各ペアについて推定されるように、音波放射角(α)および受信角(β)の同じペアを有する受信ビームの第1および第2の群の画像の任意の所与のペアについて、受信ビームの第1および第2の群をドップラー処理する工程(20)をさらに含む、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、
少なくとも1つの散乱体の速度を推定する工程は、音波放射角(α)および受信角(β)の前記同じペアを有する受信ビームの第1および第2の群の画像の各ペアについて以下のサブ工程、
・ 画像の所与のペアの前記画像間の対応する各ピクセルについて変位場を推定するサブ工程、
・ 前記変位場から、画像の前記所与のペアについてピクセルごとにドップラー周波数シフトを推定するサブ工程
をさらに含む、方法。
【請求項13】
請求項10または11に記載の方法であって、
少なくとも1つの散乱体の速度を推定する工程は、速度場のいくつかの射影および当該いくつかの射影の既知の方向が、速度場の動径方向および方位角の成分を推定するために使用される代数逆変換工程をさらに含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
少なくとも1つの散乱体の速度を推定する工程は、速度場の動径方向および方位角の成分から軸方向および横方向の速度成分を計算することをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音(特に超音波)または電磁放射線のいずれかを使用して、媒体内の少なくとも1つの散乱体(遠隔で検知される物体または物体の群)の速度ベクトルを推定するための方法および装置に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、角度に依存しないフロー推定を実行する有用な診断ツールであり、かつ軸方向および横方向の速度成分を臨床医に提供するベクトルフローイメージング(VFI)法および装置に関する。
【0003】
散乱体の動きは、トランスデューサのアレイを用いてパルス波動場を放射および受信することによって決定される。複数のパルス放射を使用することによって、中間パルスの動きを推定することができ、推定された動きおよびパルス間の時間から速度が分かる。
【背景技術】
【0004】
超音波(US)を使用したフロー動態の非侵襲可視化および測定は、例えば、異常な脈管状態を強調するために、主に臨床的に重要であるとみなされる。
【0005】
標準的な手法、例えば、カラーフローイメージング、連続波ドップラーおよびパルス波ドップラーは、超音波ビームの方向に沿ったフローの1次元図および測定を提供する。当該方法は、フローの方向とUSビームの方向との間の角度に当該方法が依存することにより、本質的な方法論的欠点を有する。
【0006】
これは、例えば、頸動脈分岐部で蛇行脈管構造を生じ得る場合に問題となり得る。それはまた、極視野、例えば、腹部の臨床用途のコンベックスプローブ外形の場合、直観的な速度場を妨げることにつながり得る。
【0007】
ベクトルフローイメージング(VFI)法は、速度フローの軸方向および横方向の両方の成分を提供することによって、この問題を解決する。マルチビームドップラー、フレーム間スペックル追跡または横振動などの様々な手法が文献に記載されている。
【0008】
一般社会における超高速USイメージングの広範囲の採用に伴い、近年、マルチビーム法は大きな関心を集めている。実際、このアイディアは、高い指向性および平面波の無指向性の態様の両方の利点があって、高いフレームレートの送信ビームの方向に沿った射影からベクトルフロー情報を導出し、したがって、エイリアシングの可能性を低減する。
【0009】
VFI法は、患者の脈管系内の複雑なフローの挙動の詳細な描写および視覚的な定量化を概説することができるため、大規模に研究されているが、深部脈管イメージング、例えば、門静脈イメージングにより適した新しいVFI法が必要である。ここで、イメージングは、通常、トランスデューサの湾曲アレイを用いて実行される。
【0010】
本発明の目的は、セクターイメージングに適した装置および方法を提供することである。
【発明の概要】
【0011】
このために、本発明は、媒体内の少なくとも1つの散乱体の速度を推定するための装置を提案し、この装置は、
- 励起信号を生成する生成器、
- 上記励起信号をアルキメデスの螺旋波に変換する仮想トランスデューサの湾曲アレイであって、
・ 音波放射角αのセットによって定められる複数の所定の伝播方向に上記アルキメデスの螺旋波を放射し、仮想トランスデューサの上記湾曲アレイの曲率は、基準中心Oおよび曲率半径rを定め、
・ 上記少なくとも1つの散乱体から、仮想トランスデューサの上記湾曲アレイから放射される上記アルキメデスの螺旋波の散乱によって生成される散乱信号を受信する、湾曲アレイ、ならびに
- 生成器および仮想トランスデューサの湾曲アレイを駆動し、少なくとも1つの散乱体の速度を推定する駆動および処理ユニットを備え、
(ビームの)軸方向および横方向の速度成分は、音波放射角αの初期のセット、仮想トランスデューサの湾曲アレイの外形、および基準中心Oまでの距離rの関数としてのアルキメデスの螺旋波の局所的な波面方向のセットαeq,iを使用して推定され、各々の局所的な波面方向は、以下の式を満たす。
【数1】
【0012】
本発明の文脈において、「仮想トランスデューサアレイ」という用語は、セットのポイントが螺旋波面を放射するように、トランスデューサのリアルアレイに適用される遅延則の関数として選択される幾何形状を定める上記ポイントのセットを意味することが理解される。
【0013】
トランスデューサの仮想アレイは、円弧に沿って配置された媒体内のポイントのセットである。螺旋波面の特性(特に、初期の放射角)は、仮想トランスデューサのこのアレイに関して選択される。その後、リアルトランスデューサアレイに適用される遅延則が導出される。波面近似の枠組において、すべてのことが、トランスデューサの仮想アレイによって波が放射されたかのように生じる。
【0014】
本発明に係る装置の、好ましいが非限定的な態様は、以下のとおりである。
- 駆動および処理ユニットは、
・ 散乱信号の第1の集合の取得を可能にする第1の一連の励起信号、および
・ 散乱信号の第2の集合の取得を可能にする第2の一連の励起信号、
の少なくとも2つの一連の励起信号を一定の繰り返し間隔Tで生成するために生成器を駆動し、かつ上記少なくとも2つの一連の励起信号をアルキメデスの螺旋波に変換する仮想トランスデューサの湾曲アレイを駆動するコントローラを備え得る。
- 駆動および処理ユニットは、
・ 上記アルキメデスの螺旋波の散乱によって生成される散乱信号の上記第1および第2の集合を受信し、
・ 受信ビームの各群が音波放射角αにそれぞれ対応する、受信角βをそれぞれ有する受信ビームの第1の群を生成するために散乱信号の上記第1の集合を遅延させ合計し、
・ 受信ビームの各群が音波放射角αにそれぞれ対応する、受信角βをそれぞれ有する受信ビームの第2の群を生成するために散乱信号の上記第2の集合を遅延させ合計する、ビームフォーマをさらに備え得る。
- 受信ビームの第1および第2の群の各々は、複数の画像を含み得、各画像は、音波放射角αおよび受信角βのペアとそれぞれ関連付けられ、駆動および処理ユニットは、速度場が、異なる螺旋方向および受信ビーム方向の各ペアについて推定されるように、音波放射角αおよび受信角βの同じペアを有する受信ビームの第1および第2の群の画像の任意の所与のペアについて、受信ビームの上記第1および第2の群をドップラー処理するプロセッサをさらに備える。
- プロセッサは、音波放射角αおよび受信角βの同じペアを有する受信ビームの第1および第2の群の画像の各ペアについて以下の工程、
・ 画像の所与のペアの画像間の対応する各ピクセルについて変位場を推定する工程、
・ 変位場から、画像の上記所与のペアについてピクセルごとにドップラー周波数シフトを推定する工程
を実行するように構成され得る。
- プロセッサは、速度場のいくつかの射影およびいくつかの射影の既知の方向が、速度場の動径方向および方位角の成分を推定するために使用される代数逆変換工程を実行するのに適合し得る。
- プロセッサは、速度場の動径方向および方位角の成分から軸方向および横方向の速度成分を推定するのに適合し得る。
【0015】
本発明はさらに、媒体内の少なくとも1つの散乱体の速度を推定するための方法に関し、方法は、
- 励起信号を生成すること、
- 上記励起信号をアルキメデスの螺旋波に変換すること、
- 音波放射角(α)のセットによって定められる複数の所定の伝播方向に上記アルキメデスの螺旋波を放射することであって、仮想トランスデューサの上記湾曲アレイの曲率は、基準中心(O)および曲率半径(r)を定める、こと、
- 仮想トランスデューサの上記湾曲アレイから放射される上記アルキメデスの螺旋波の散乱によって生成される散乱信号を受信すること、ならびに
- 少なくとも1つの散乱体の速度を推定することを含み、
(推定工程中に)(ビームの)軸方向および横方向の速度成分は、音波放射角(α)の初期のセット、トランスデューサの湾曲アレイの外形、および基準中心(O)までの距離(r)の関数としてのアルキメデスの螺旋波の局所的な波面方向のセット(αeq,i)を使用して推定され、各々の局所的な波面方向は、以下の式を満たす。
【数2】
【0016】
本発明に係る方法の、好ましいが非限定的な態様は、以下のとおりである。
- 有利なことに、
・ 励起信号を生成する工程は、
・ (上記第1の一連の励起信号を放射し、散乱信号の上記第1の集合を受信することによって)散乱信号の第1の集合の取得を可能にする第1の一連の励起信号、および
・ (上記第2の一連の励起信号を放射し、散乱信号の上記第2の集合を受信することによって)散乱信号の第2の集合の取得を可能にする第2の一連の励起信号、
の少なくとも2つの一連の励起信号を一定の繰り返し間隔Tで生成することを含み得、
・ 変換する工程は、上記少なくとも2つの一連の励起信号をアルキメデスの螺旋波に変換することを含み得る。
- 少なくとも1つの散乱体の速度を推定する工程は、
・ 上記アルキメデスの螺旋波の散乱によって生成される散乱信号の上記第1および第2の集合を受信すること、
・ 受信ビームの各群が音波放射角αにそれぞれ対応する、受信角βをそれぞれ有する受信ビームの第1の群を生成するために散乱信号の上記第1の集合を遅延させ合計すること、ならびに
・ 受信ビームの各群が音波放射角αにそれぞれ対応する、受信角βをそれぞれ有する受信ビームの第2の群を生成するために散乱信号の上記第2の集合を遅延させ合計することを含み得る。
- 受信ビームの第1および第2の群の各々は、複数の画像を含み得、各画像は、音波放射角αおよび受信角βのペアとそれぞれ関連付けられ、少なくとも1つの散乱体の速度を推定する工程は、
・ 速度場が、異なる螺旋方向および受信ビーム方向の各ペアについて推定されるように、音波放射角αおよび受信角βの同じペアを有する受信ビームの第1および第2の群の画像の任意の所与のペアについて、受信ビームの上記第1および第2の群をドップラー処理することをさらに含む。
- 少なくとも1つの散乱体の速度を推定する工程は、音波放射角αおよび受信角βの同じペアを有する受信ビームの第1および第2の群の画像の各ペアについて以下のサブ工程、
・ 画像の所与のペアの画像間の対応する各ピクセルについて変位場を推定するサブ工程、
・ 変位場から、画像の上記所与のペアについてピクセルごとにドップラー周波数シフトを推定するサブ工程
をさらに含み得る。
- 少なくとも1つの散乱体の速度を推定する工程は、速度場のいくつかの射影およびいくつかの射影の既知の方向が、速度場の動径方向および方位角の成分を推定するために使用される代数逆変換サブ工程をさらに含み得る。
- 少なくとも1つの散乱体の速度を推定する工程は、速度場の動径方向および方位角の成分から軸方向および横方向の速度成分を計算することで構成された計算サブ工程をさらに含み得る。
【0017】
本発明は、添付の図面と関連して様々な実施形態の以下の詳細な説明を考慮すると、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】媒体内の少なくとも1つの散乱体の速度ベクトルを推定するための装置の概略図である。
図2】媒体内の少なくとも1つの散乱体の速度ベクトルを推定するための方法において実行される工程の概略図である。
図3】ドップラー超音波シーケンスの取得を示す概略図である。
図4】ドップラー超音波シーケンスのサンプルの処理を示す概略図である。
図5】コンベックスアレイイメージング構成を示す概略図である。
図6】アルキメデスの螺旋の波面を示す概略図である。
図7】コンベックスアレイ構成の概略図である。
図8】様々な空間におけるアルキメデスの螺旋波の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、図を参照して、本発明に係る方法および装置の様々な例を説明する。様々な当該図において、同等の要素は、同じ参照数字で指定されている。
【0020】
1.媒体内の少なくとも1つの散乱体の動径方向および方位角の速度を推定するための装置
本発明に係る装置の一例を図1に示す。
【0021】
当該装置は、媒体内の少なくとも1つの散乱体の動径方向および方位角の速度を推定するのに適合している。特に、この装置は、後述の方法の工程のうちの1つ以上を実行するプログラムを備えて構成されている。
【0022】
当該装置は、
- 励起信号を生成する生成器、
- 仮想トランスデューサT~Tの湾曲アレイであって、
・ 上記励起信号をアルキメデスの螺旋波に変換し、各方向がそれぞれの音波放射角(α)によって定められる複数の所定の伝播方向に上記アルキメデスの螺旋波を放射し、
・ 少なくとも1つの散乱体におけるアルキメデスの螺旋波の散乱によるエコーを受信し、上記エコーを散乱信号の集合に変換するように構成された湾曲アレイ、
- 駆動および処理ユニットであって、
・ 生成器および仮想トランスデューサの湾曲アレイを駆動するコントローラ、
・ 散乱信号の集合をビームフォーミングするビームフォーマ、
・ 各散乱体の動径方向および方位角の速度を決定するために、ビームフォーミングされた散乱信号の集合を処理するプロセッサ、を含む、駆動および処理ユニットを備える。
【0023】
1.1.仮想トランスデューサの湾曲アレイ
仮想トランスデューサT~Tの湾曲アレイは、<<n>>個の超音波トランスデューサのセットを備える(<<n>>は、1以上の整数である)。各超音波トランスデューサは、圧電材料(例えば、セラミック、シリコン、...)で作られ得、当該圧電材料は、電極によって両側をさらに覆われ、整合層およびレンズなどのいくつかの補助層によって片側をさらに覆われる。超音波トランスデューサは、線形または湾曲構成であり得る。
【0024】
直線的に配置される場合、所望の外形に従う超音波の生成を可能にするために遅延則がトランスデューサに適用される。以下では、上記所望の外形は、「仮想トランスデューサT~Tの湾曲アレイ」と定められる。
【0025】
仮想トランスデューサT~Tの湾曲アレイは、分析される媒体(脈管系など)を通る(以下でより詳細に定められる)アルキメデスの螺旋波を放射し、かつ音響エコー(すなわち、媒体内に含まれる散乱体によって反射される超音波)を受信するのに適合している。
【0026】
1.2.駆動および処理ユニット
駆動および処理ユニットUは、トランスデューサと(有線または無線で)通信する。駆動および処理ユニットは、
- 生成器および仮想トランスデューサT~Tの湾曲アレイを駆動すること、および
- 仮想トランスデューサT~Tの湾曲アレイによって取得されるデータを処理すること、を可能にする。
【0027】
駆動および処理ユニットUは、仮想トランスデューサの湾曲アレイを含む筐体に統合され得るか、または仮想トランスデューサの湾曲アレイから離れて配置され得る1つの物理エンティティ(または様々な物理エンティティ)で構成され得る。
【0028】
例えば、駆動および処理ユニットUは、
- スマートフォンおよび/もしくは(IPAD(登録商標)などの)電子タブレットおよび/もしくはパーソナルデジタルアシスタント(PDA)など、または当業者に既知の任意の他のタイプであり得る1つの(またはいくつかの)コントローラ11
- パーソナルコンピュータおよび/またはワークステーションなどの1つの(またはいくつかの)コンピュータ12(ビームフォーマ、プロセッサなど)
- ランダムアクセスメモリ(RAM)および/またはリードオンリーメモリ(ROM)および/またはUSBキーなどの少なくとも1つのメモリを含む1つの(またはいくつかの)ストレージユニット13
で構成され得る。
【0029】
取得/処理されたデータの記憶に加えて、ストレージユニットは、後述の動径方向および方位角の速度を推定するための方法の工程を実行することを意図したプログラミングコード命令を記憶することを可能にする。
【0030】
2.媒体内の少なくとも1つの散乱体の動径方向および方位角の速度を推定するための方法
図2に示すように、媒体内の少なくとも1つの散乱体の速度を推定するための方法は、以下の工程を含む。
- 少なくとも2つのパルス-エコーブロックが生成され、上記少なくとも2つのパルス-エコーブロックは、一定の繰り返し間隔Tで作動する、ドップラー超音波シーケンス生成工程10。ここで、シーケンス生成工程は、パルス-エコーブロックごとに以下のサブ工程を含む。
・ 各方向がそれぞれの音波放射角(α)によって定められる複数の所定の伝播方向に放射される110アルキメデスの螺旋波に上記励起信号を変換する仮想トランスデューサの湾曲アレイに、励起信号を適用するサブ工程、
・ 仮想トランスデューサの湾曲アレイに戻る、少なくとも1つの散乱体による上記アルキメデスの螺旋波の散乱によって生成されるエコーを受信するサブ工程120であって、当該仮想トランスデューサの湾曲アレイは、上記エコーを後方散乱信号の集合に変換する、サブ工程120、
・ 受信角(β)をそれぞれ有する受信ビームの群を生成するために後方散乱信号の集合をビームフォーミングするサブ工程130であって、受信ビームの上記群は、各画像が、音波放射角(α)および受信角(β)のペアとそれぞれ関連付けられた複数の画像を含む、サブ工程130、
- 少なくとも2つのパルス-エコーブロックが、ドップラー周波数シフトを抽出するために、音波放射角(α)および受信角(β)の同じペアを有する受信ビームの群の画像の任意の所与のペアについて処理される、ドップラー処理工程20、
- 動径方向および方位角の速度場が、ドップラー周波数シフトの全セットを使用することによって、異なる螺旋方向および受信ビーム方向のペアの全セットから計算される、計算工程30。
【0031】
2.1.全般的な説明
2.1.1.ドップラー超音波シーケンス生成工程:遅い時間/走査時間/速い時間サンプル
方法の第1の工程は、ドップラーシーケンスを生成することで構成されている。
【0032】
ベクトルドップラーシーケンスの文脈において、形式的に考えられ得る3つの関連する時間スケールが存在する:
- 速い時間は、既定の視野についての、パルスの帯域幅、ならびに合成波面および飛行時間としても知られているエコー伝播時間の記録に適合したフロントエンドサンプリング時間スケールである。
- 走査時間は、所与の視野の射影のセットを完了するために使用される時間スケールであり、集束イメージングの文脈において、走査時間はまた、イメージングビームの左右スイープが実行されるときの時間スケールであり、合成イメージングの文脈において、走査時間は、全合成開口データセットの取得に対応し、ベクトルドップラーの文脈において、走査時間はまた、追加の指向性サンプルの取得時間スケールに対応する。
- 遅い時間は、選択されるパルス繰り返し周波数(PRF)でのパルス繰り返しの時間スケールであり、遅い時間サンプルは、位相(または等価周波数)シフト計算を可能にし、指向性ビームの各々についてドップラー速度場推定を達成することが必要とされる統計アンサンブルを構成し得、ドップラー推定のために使用される遅い時間サンプルの総数は、典型的にアンサンブル長(NEL)と称され、典型的には、最低2つの遅い時間サンプルが必要とされる。
【0033】
上述の時間スケールは、散乱体が、2つの走査時間サンプルの、そして当然ながら2つの速い時間サンプルの連続する取得間で移動しないように、散乱体の典型的な速度に従って選択される。
【0034】
最後の2つの前述の時間スケールは、補間スキームまたはスライディングウィンドウを使用するときに(例えば、走査時間サンプルの均一な再区分の場合)、より連続的な様式で考えられ得る。
【0035】
図3に関して、ベクトルドップラーシーケンスは、パルス繰り返し間隔Tで周期的に生成される複数(少なくとも2つ)の遅い時間サンプル101、102、103(すなわち、パルス-エコーブロック)で構成されている。
【0036】
より詳細には、ベクトルドップラーシーケンスは、パルス繰り返し間隔Tで時間間隔が空いたNEL(下付き文字「EL」は「アンサンブル長」を意味する)個の遅い時間サンプル101、102、103で構成されている。
【0037】
各遅い時間サンプル101、102、103は、音波放射角α(i=1、...、N)で傾斜したアルキメデスの螺旋波に対応して、トランスデューサ素子によって順次記録される素子生データに対応する走査時間サンプルのセット(すなわち、散乱信号の集合)を含む。特に、各遅い時間サンプル101、102、103は、画像のセットを含み、各画像は、所与の音波放射角α(i=1、...、N)について得られる。
【0038】
上述のように、ドップラー超音波シーケンス生成工程は、パルス繰り返し間隔Tで周期的に繰り返される以下のサブ工程を含む。
- 各方向がそれぞれの音波放射角(α)によって定められる複数の所定の伝播方向にアルキメデスの螺旋波を放射するサブ工程110、
- N個の走査時間サンプルのセット(すなわち、散乱信号の集合)を受信し記録するサブ工程120、および
- 走査時間無線周波数またはビームフォーミングされた同相直交データのセット(すなわち、受信角をそれぞれ有する受信ビームの群)を形成するために、受信角(β)で各走査時間サンプルをビームフォーミングするサブ工程130。
【0039】
図4に示すように、受信角β(j=1~M)での(各々、音波放射角α(i=1~N)とそれぞれ関連付けられた)N個の走査時間サンプル101のビームフォーミングは、i=1~NかつJ=1~Mである各放射および受信角ペア(α、β)についてM×N個のビームフォーミングされたIQデータ101a、101b、101cのセットを得ることを可能にする。
【0040】
2.1.2.ドップラー処理工程
方法の第2の工程は、遅い時間サンプル101、102、103(すなわち、パルス-エコーブロック)のドップラー処理で構成されている。
【0041】
特に、上記少なくとも1つの散乱体は、2つの連続する遅い時間サンプルの取得間で移動している。
【0042】
ドップラー処理工程中、移動している各散乱体のピクセルごとの変位は、放射/受信角の同じ角度ペア(α、β)から遅い時間サンプルにわたって抽出される。当該抽出は、任意の最先端手法を使用して実行され、ポイント2.2.4に記載される。これにより、ドップラー超音波シーケンス中に、移動している各散乱体の変位場を得ることが可能になる。
【0043】
放射および受信角(α、β)の各ペアについてのピクセルごとのドップラー周波数シフトは、変位場から推定される。
【0044】
2.1.3.計算工程
方法の第3の工程は、ドップラー周波数シフトを使用することによって、(放射および受信角(α、β)のペアを使用して)各散乱体の動径方向および方位角の速度場を計算することで構成されている。
【0045】
より詳細には、計算工程は、以下のサブ工程を含む。
- 動径座標ごとに、演算子が、送信される各アルキメデスの螺旋波の局所的な波面角に依存するようにドップラー周波数シフトを動径方向および方位角の速度場に関連付けるドップラー線形演算子を形成するサブ工程、ならびに
- 動径座標ごとに、標準的な線形代数法を使用して、対応する線形方程式系を解き、動径方向および方位角の速度成分を取り出すサブ工程。
【0046】
2.1.4.提案された方法の利点
提案された方法の主な寄与は、放射の指向性を保証するために、アルキメデスの螺旋波を使用することにある。
【0047】
実際、特定の放射角で放射されるアルキメデスの螺旋波は、局所的な角度が対象のピクセルの動径座標の関数として表現され得る波面を定めることが以下で証明されるであろう。換言すれば、アルキメデスの螺旋は、カーテシアン座標における平面波と同様に、極座標において高指向性であり、当該指向性は、動径方向および方位角の速度成分を推定するためにVFIで利用され得る。
【0048】
当該動径方向および方位角の成分は、極座標系で表現される。
【0049】
最後の工程において、横方向および軸方向の速度成分を得るために、極成分からカーテシアン成分への変換が実行され得る。次いで、極座標からカーテシアン座標への走査変換は、カーテシアン座標系で当該成分を表現することができる。
【0050】
本質的に、別の利点は、コンベックスプローブ構成における(平面波を含む)他の発散音波放射と比較して、アルキメデスの螺旋音波放射を使用することにある。トランスデューサのリアルアレイと整合するトランスデューサの仮想アレイの場合、アルキメデスの螺旋は、トランスデューサアレイ全体にわたる単一のトランスデューサ素子指向性の観点で最善の選択である。結果として、全コンベックス視野を利用することができる。
【0051】
2.2.詳細な説明
ここで、本発明に係る方法の異なる態様をより詳細に説明する。
【0052】
以下では、仮想トランスデューサT1~Tnの湾曲アレイは、(通常、プローブのコンベックス半径と表される)半径rの円弧に沿って分配された仮想トランスデューサのセットで構成されたものとしてみなされる。2つの隣接する仮想トランスデューサ間の空間は、ピッチと呼ばれるpと表される。
【0053】
2.2.1.アルキメデスの螺旋波面の放射
仮想トランスデューサT1~Tnの湾曲アレイによるアルキメデスの螺旋波面の放射は、線形遅延則プロファイルを仮想トランスデューサに適用することによって実行される。
【0054】
より正確には、仮想トランスデューサT1~Tnの湾曲アレイが、ピッチ(素子間距離)pおよび音速cで半径rの円弧に沿って離れたn個の仮想トランスデューサで構成されていると仮定される場合、線形遅延プロファイルは、以下のように定められる:
【数3】
【0055】
角度αは、ステアリング角として作られる。したがって、湾曲アレイの各仮想トランスデューサは、上記の方程式によって与えられる遅延の後、短い超音波を放射する。
【0056】
2.2.2.アルキメデスの螺旋ベースのビームフォーミング
波面は、一旦放射されると、媒体内を伝播し、音響インピーダンス、すなわち、密度および音速(散乱体)の局所的な変化を生ずると反射状態になる。当該変化は、組織内の検討される目標位置r=[r,θ]での組織反射率関数γ(r)を通じてモデル化される。
【0057】
散乱波は、伝播して仮想トランスデューサに戻り、したがって、対応するエコーが記録される。第i番目の仮想トランスデューサによって記録される信号をmi(t)と表す。
【0058】
ビームフォーミングのプロセスは、記録された信号mからの媒体の反射率の推定γ(^)(r)の再構築と等しい。
【0059】
通常の遅延和(DAS)推定は、以下のように構築される:
【数4】
ここで、tTxおよびtRxは、それぞれ、グローバルの送信および受信遅延に相当し、(ai=1,...,nは、アポダイゼーション重みである。
【0060】
極座標系が採用される。ここで、原点Oは、仮想トランスデューサT1~Tnの湾曲アレイの中心に配置されており、その結果、仮想トランスデューサは、r=[r,θ]に配置される。ここで、図5に示すように、rは、仮想トランスデューサT1~Tnの湾曲アレイのコンベックス半径を表す。当該座標系を用いて、遅延プロファイルは、トランスデューサ素子座標の関数として表現され得る:
【数5】
【0061】
受信遅延は、簡単な飛行時間計算に対応し、以下のように、図5に示すように、rに配置されたトランスデューサ素子および検討される目標位置rについて非常に明確に表現される:
【数6】
【0062】
グローバル送信遅延は、検討される目標位置が、アレイの放射トランスデューサ素子のいずれかによって放射されるパルス波による第1の衝突であるときにインスタント(instant)であると定められる。換言すれば、それは、送信遅延、および媒体内の検討される目標位置までの送信飛行時間の両方の最小化から導出される。
【数7】
【0063】
項を展開し、一定の遅延を新しい時間原点でオフセットすることによって、最小化方程式は、次のように書き換えられ得る:
【数8】
【0064】
後者の最小化の解答は、当業者に任せる。方法に関する追加の詳細は、理論セクション(3.2.1)で提示される。結果として、r=[r,θ]に配置されたポイントまでのグローバル送信遅延は、次のように表現され得る:
【数9】
【0065】
波面近似において、この方程式は、送信波面のパラメトリック方程式として見られ得る。
【0066】
極座標においてベクトルフローイメージングを実行する方法を導出するために、本発明者らのアイディアは、カーテシアン空間における平面波と同様に極空間において高指向性である波を識別することである。以下の証明は、アルキメデスの螺旋波が極空間においてウェル・ディファインドの方向の当該特性を有することを示す。
【0067】
波面の方向は、グローバル送信遅延が最大で増加する方向(すなわち、それが一定である方向に対して垂直)である。極座標に対する送信遅延勾配を計算することによって、この方向が明確に決定され得る。グローバル送信遅延勾配は、極勾配式を使用して計算される:
【数10】
【0068】
単純化の後の得られた勾配式は、次のようになる:
【数11】
【0069】
形式的に、等価ステアリング角の概念は、以下の方程式を用いて導入され得る:
【数12】
その結果、
【数13】
その結果、グローバル送信遅延勾配式における代入により、以下が得られる。
【数14】
【0070】
したがって、グローバル送信遅延勾配の式は、局所的な極座標に対する特定のステアリング方向αeqを示す。
【0071】
図6に示すように、アルキメデスの螺旋波面Wは、カーテシアン座標における平面波と同様に、極座標において高指向性である。
【0072】
本発明者らのアイディアは、以下で説明するように、動径方向および方位角の速度成分を、波面に沿ったそれらの射影から抽出するために当該指向性を利用することである。
【0073】
2.2.3.所与の受信角でのアルキメデスの螺旋ベースのビームフォーミング
前のセクションは、送信指向性が、傾斜したアルキメデスの螺旋波によって達成されることを示す。
【0074】
受信における指向性を達成するために、本発明者らは、文献で既知であり、かつ線形アレイを用いたベクトルフローイメージングについて開発された手法に依拠する。
【0075】
一実施形態において、本発明者らは、M.Tanter、J.Bercoff、L.SandrinおよびM.Fink、2002年10月、タイトル「2Dモーションベクトル推定のための超高速合成イメージング:一過性エラストグラフィへの応用(Ultrafast compound imaging for 2-D motion vector estimation: application to transient elastography)」、IEEE Trans.Ultrason.Ferroelectr.Freq.Control、vol.49、no.10、pp.1363-1374の文書に記載されるように、所望の受信角を有する別々のサブ開口の使用を提案する。
【0076】
別の実施形態において、前のセクションに記載されるようにデータをビームフォーミングし、その後、Stahliらによって提案されるように所望の角度に応じて、ビームフォーミングされたデータの2Dスペクトルをフィルタリングし得る。(P.Stahli、M.Kuriakose、M.FrenzおよびM.Jaeger、2020年12月、タイトル「定量的パルス-エコー音速イメージングのための改善された順モデル(Improved forward model for quantitative pulse-echo speed-of-sound imaging)」、Ultrasonics、vol.108、p.106168の文書参照)。
【0077】
ここで、受信角であるβを有するγ(^)(r,αeq,β)があるため、当該ビームフォーミング法は、ビームフォーミングデータキューブのサイズの増加を可能にする。
【0078】
2.2.4.変位抽出およびドップラー周波数シフト推定
USイメージングにおいて、変位抽出は、遅い時間に沿ったIQまたはRF画像内の変化を分析することによって実行される。
【0079】
したがって、すべての手法はまず、遅い時間サンプルとして表されるIQ画像のセットの送信/受信およびビームフォーミングから始まる。当該画像は、通常、パルス繰り返し周波数として表される一定のレートで取得され、遅い時間サンプルと呼ばれる。
【0080】
RFまたはIQ画像の遅い時間サンプル(γi∈NELからドップラー周波数シフトを抽出するために、多くの手法が文献で展開されている。それでも、様々な手法は共に、連続するパルス間の記録された後方散乱信号の並進を追跡するという共通のアイディアを有する。
【0081】
様々な方法は、主に、受信された後方散乱エコーの性質(RFかIQ、ナローバンドかブロードバンド)に依拠する。
【0082】
周知の手法は、通常、Angelsen(B.A.J.Angelsen、1981年、タイトル「超音波血流速度ドップラー信号についての瞬時周波数、平均周波数および平均周波数の分散の推定器(Instantaneous Frequency, Mean Frequency, and Variance of Mean Frequency Estimators for Ultrasonic Blood Velocity Doppler Signals)」、IEEE Transactions on Biomedical Engineering、vol.BME-28、no.11.pp.733-741、doi:10.1109/tbme.1981.324853の文書参照)ならびにKasaiら(C.KasaiおよびK.Namekawa、1985年、タイトル「自己相関法を用いたリアルタイムニ次元血流映像法(Real-Time Two-Dimensional Blood Flow Imaging Using an Autocorrelation Technique)」、IEEE1985 Ultrasonics Symposium、doi:10.1109/ultsym.1985.198654の文書参照)によって記載されるKasai自己相関(または1D自己相関)として表されるラグ-1の時間的自己相関Rを使用した位相シフトの計算で構成されている。しかしながら、例えば、(現在、Loupas推定器としてよく知られている)2D自己相関器または相互相関器(T.Loupas、J.T.PowersおよびR.W.Gill、1995年、タイトル「2次元自己相関アプローチによるドップラー方程式の全評価に基づく超音波血流イメージングのための軸方向の速度推定器(An axial velocity estimator for ultrasound blood flow imaging, based on a full evaluation of the Doppler equation by means of a two-dimensional autocorrelation approach)」、IEEE Transactions on Ultrasonics、Ferroelectrics and Frequency Control、vol.42、no.4、pp.672-688、doi:10.1109/58.393110の文書参照)のように、当業者に既知の他のドップラー推定器も同等に検討され得る。
【0083】
以降、Kasaiらによって記載される位相ベースの推定法を詳述する。
【0084】
形式的に、T=1/fで、時間間隔T、パルス繰り返し期間に取得されるNEL(アンサンブル長)個の連続する遅い時間サンプルが利用されることを検討する。ここで、fは、パルス繰り返し周波数(PRF)であり、ドップラー位相シフトΔΦ∈RNr×Nθ
は、以下の式から推定される:
【数15】
【0085】
アンサンブル長は、2つの連続するフレームになり得ることに留意されたい。推定された位相シフトおよびドップラー周波数シフトδfは、以下の方程式によって関連付けられる:
【数16】
【0086】
加えて、超音波ビームの伝播に沿って射影される速度のモジュールは、次のドップラー周波数シフトに関連し得る:
【数17】
【0087】
したがって、次のように、上記の方程式から導出され得る連続する信号間の±πの最大位相シフトに対応する所与のPRFと関連付けられる最大速度が存在する。
【数18】
【0088】
当業者は、可能な限り高いvmaxを有するように、上記の式から高いPRFを有する重要度を差し引くことができる。
【0089】
2.2.5.動径方向および方位角の速度の推定
簡単な幾何射影を使用して、平面波イメージングと同様の関係は、極座標において、以下のようにピクセルごとに表現され得る:
【数19】
ここで、vrklおよびvθklは、動径方向および方位角の速度を表し、αeqklおよびβは、同等の送信および受信角であり、NおよびNθは、動径方向および方位角の次元のピクセル数に相当する。
【0090】
放射α、i=1,...,NにおけるN個の角度および受信β、j=1,...,MにおけるM個の角度のセットを検討し、以下の線形方程式系を構築することができる。
【数20】
ここで、vkl∈Rは、速度のベクトルであり、ukl∈RNMは、送信および受信角ごとにドップラー周波数成分を含み、ANM×2は、以下のような等価ステアリング角の行列である。
【数21】
【0091】
NM≧2について、当該線形系は、良設定であり得、標準最小二乗法が速度成分を取り出すために利用され得る:
【数22】
【0092】
行列Aがすべての深度について定められ、したがって、平面波イメージングのように固有でないことに気付き得る。したがって、より多くの逆変換が必要とされ、これは、アルゴリズムの計算コストをより大きくする。
【0093】
次いで、軸方向および横方向の速度は、以下で与えられる標準的な変換式を使用して動径方向および偏角の速度から導き出される。
【数23】
【0094】
当業者は、v∈RNr×Nθおよびv∈RNr×Nθは依然、極グリッド上で表現されていることに気付くであろう。
【0095】
方法の最後の工程は、均一な極グリッドから均一なカーテシアングリッドへの走査変換を実行することで構成され得る。
【数24】
ここで、ΩおよびΩは、極グリッドおよびカーテシアングリッドを表し、fは、走査変換を実行する。
【0096】
標準的な手法は、不規則なグリッド上の値から規則的なグリッド上の値を評価するために、2D補間法、例えば、バイリニアまたはバイキュービック補間を利用する。
【0097】
2.3.結論
上述のベクトルフローイメージング法は、セクターイメージングに適合している。提案された方法は、動径方向および方位角の速度成分を、送信および受信ビームの方向に沿ったそれらの射影から抽出するために、極空間におけるステアリングされたアルキメデスの螺旋波面の指向性を利用する。
【0098】
媒体には順次、ステアリングされた様々なアルキメデスの螺旋波面が音波放射される。角度ごとの変位場が計算され、速度フローの動径方向および方位角の成分に当該場を関連付ける線形方程式系が構築される。当該系を解くことにより、2次元フローを取り出すことが可能になる。
【0099】
提案された方法は、コンベックスアレイ構成における超高速ベクトルフローイメージングにつながる。蛇行フローが深部の腹部臓器で生じるいくつかの臨床用途、例えば、硬変患者の門静脈フローイメージングまたは腹部大動脈瘤のキャラクタリゼーションについて大きな関心があり得る。
【0100】
3.本発明に対する理論
3.1.導入
超音波(US)を使用したフロー動態の非侵襲可視化および測定は、例えば、異常な脈管状態を強調するために、主に臨床的に重要であるとみなされる。
【0101】
標準的な手法、例えば、カラーフローイメージング、連続波ドップラーおよびパルス波ドップラーは、軸方向の次元に沿ったフローの1次元図および測定を提供する。当該方法は、フローの方向とUSビームの方向との間の角度に当該方法が依存することにより、固有の方法の欠点を有する。これは、例えば、頸動脈分岐部で蛇行脈管構造を生じ得る場合に問題となり得る。
【0102】
ベクトルフローイメージング(VFI)法は、速度フローの軸方向および横方向の両方の成分を提供することによって、この問題を解決する。
【0103】
マルチビームドップラー[1]、フレーム間スペックル追跡[2]または横振動[3]などの様々な手法が文献に記載されている。網羅的な検討について[4]、[5]を参照。一般社会における超高速USイメージングの広範囲の採用に伴い、近年、マルチビーム法は大きな関心を集めている。実際、このアイディアは、高い指向性および平面波の無指向性の態様の両方の利点があって、高いフレームレートの送信ビームの方向に沿った射影からベクトルフロー情報を導出し、したがって、エイリアシングの可能性を低減する[6]。
【0104】
VFI法は、線形アレイ構成において大規模に研究されているが、文献は、コンベックスアレイ外形に関して不足している。コンベックスアレイ構成におけるVFI法は、門静脈イメージングなどの様々な用途に大きな関心があり得る。本文書において、ステアリングされたアルキメデスの螺旋波面の送信に基づくコンベックスアレイ構成の新しいVFI法が提案される。アルキメデスの螺旋は、擬極空間において高指向性であり、これにより、波面の伝播方向に沿った射影から動径方向および方位角の速度成分を抽出することが可能になることが証明される。加えて、当該波面の使用は、平面波イメージングで開発されたVFI法との明らかな類似性を得ることを可能にすることが示される。したがって、主に[6]で導出されたものからもたらされる、提案されたアルゴリズムは、ステアリングされたいくつかのアルキメデスの螺旋波面の連続した送信に基づく。各ステアリング角と関連付けられた変位場が導き出され、動径方向および方位角の速度成分の対応する射影に当該場を関連付ける線形方程式系が構築される。
【0105】
簡単な線形代数を使用して当該系を解くことにより、必要があれば動径方向および方位角の速度成分に容易に変換され得る両方の速度成分のピクセルごとの推定を得ることが可能になる。
【0106】
3.2.理論の検討
3.2.1.アルキメデスの螺旋ベースのイメージング
図7に表示されるイメージング構成を検討する。ここで、コンベックスプローブが極座標系でそのコンベックス半径rによって定められ、その角度ピッチθおよびトランスデューサ素子の数N=2N+1が媒体Ωを音波放射するために使用される。各トランスデューサ素子πは、-NとNとの間のiについて(r;i θ)に配置されており、プローブの角度スパンは、Δθ=Nθと定められる。一定の音速cで均質であると仮定される対象の媒体Ωは、次によって特徴付けられる:
【数25】
【0107】
アルキメデスの螺旋ベースのイメージングは、詳細な説明(セクション2.2)に記載されるように実行される。媒体には、ステアリング角αによって特徴付けられるアルキメデスの螺旋波面が音波放射される。下記方程式を最小化することによって当該波面についてグローバル送信遅延が導き出される。
【数26】
【0108】
この最小化問題を解くことは、θそれぞれに対する導関数をゼロにすることを含み、以下の恒等式につながる2次多項式を解くことを必要とする。
【数27】
ここで、θ* は、最小化問題に対する引数解であり、αeqは、次のように定められる等価角である。
【数28】
【0109】
視野内の半径rは、プローブ半径rよりも常に大きいため、等価角αeqの絶対値は、初期の遅延角αよりも常に小さく、以下が成り立つことに留意されたい。
【数29】
【0110】
図5に示す構成を見ると、θがθよりも大きいとき、αは負であり、以下が成り立つことに気付き得る。
【数30】
【0111】
最小化方程式に恒等式を代入することによって、単純化の後に、グローバル送信遅延についての以下の式が得られ得る。
【数31】
ここで、M=(r,θ)である。
【0112】
その式でαeqを置換することで、詳細な説明(セクション2.2)に書かれたグローバル送信遅延式を得ることができる。
【数32】
【0113】
グローバル送信遅延式のαの1次テイラー展開により、以下が得られる。
【数33】
【0114】
グローバル送信遅延を固定すると、形状のアルキメデスの螺旋方程式r=a+bθに対応する波面についてのパラメトリック方程式が得られる。
【数34】
【0115】
1とNとの間のkについてのステアリング角α(すべて異なっていると仮定)でN個のアルキメデスの螺旋を放射することを検討する。ステアリング角ごとに、媒体組織反射率関数の遅延和(DAS)推定Γ∈CNrXNθを再構築する。ここで、N∈lNおよびNθ∈lNは、動径方向および方位角それぞれの方向のピクセル数に相当する。
【0116】
DAS推定Γkluは、次によって与えられる。
【数35】
ここで、m(t)は、トランスデューサπによって記録される後方散乱エコーであり、Mluは、対象のピクセルに対応するポイントであり、a(Mlu)は、受信アポダイゼーション重みであり、(τ(Mlu,Π,α)は、次のように表現されるMluとπとの間の往復飛行時間である。
【数36】
ここで、||-||は、ユークリッド距離を表す。
【0117】
3.2.2.ベクトルフローイメージング
物理的に言えば、波面の方向は、等位相面に対する法線方向として定められるか、または波数ベクトルとしても知られている波動場位相勾配の方向として同等に定められる。送信飛行時間が明確に既知であるため、送信位相勾配は、任意の所与のポイントで明確に導出され得る。送信位相勾配は、極勾配式を使用して計算される。
【数37】
ここで、波面位相は、送信飛行時間に関連付けられる。簡略化のために、単色波を仮定すると、両方が以下の方程式によって関連付けられる。
【数38】
【0118】
単純化の後の得られた勾配式は、次のようになる。
【数39】
【0119】
形式的に、等価ステアリング角の概念は、以下の方程式を用いて導入され得る。
【数40】
その結果、
【数41】
その結果、位相勾配式における代入により、以下が得られる。
【数42】
【0120】
したがって、波数ベクトルの式は、局所的な極座標に対する特定のステアリング方向αeqを示す。
【0121】
圧力場(6)は、角度αeqによってステアリングされる波面のものに対応する。当該波面は、図8に示す深度で平坦化される。
【0122】
アルキメデスの螺旋波面は、カーテシアン座標における平面波と同様に、極座標において高指向性である。したがって、アイディアは、以下で説明するように、動径方向および方位角の成分を、波面に沿ったそれらの射影から抽出するために当該指向性を利用することである。
【0123】
パルス繰り返し期間TPRにN角のN個の連続するセットを取得し、そこから、1とNとの間のkおよび1とNとの間のeについてDAS推定Γekを計算することを検討する。次のように、Kasai自己相関アルゴリズム[9]を使用して変位を計算する。
【数43】
ここで、Nは、アンサンブル長に相当し、eは、1とN-Nとの間で変化し、*は、複素共役を表し、
は、角度演算に相当する。ピクセルごとに推定された位相シフトΔΦekluおよび対応するドップラー周波数シフトΔfpekluは、次によって関連付けられる。
【数44】
これにより、最終的に、次のように、ドップラー周波数シフトをUSビームの方向における速度の射影に関連付けることが可能になる。
【数45】
ここで、簡略化のために、受信ビームは、ゼロ度のステアリング方向を有すると仮定する。したがって、媒体内の変位によってもたらされる、1とNとの間のk、1とNθとの間のl、および1とNとの間のuについてのドップラー周波数シフトΔfpekluは次のように表現される。
【数46】
ここで、fは、送信周波数を表し、vreluおよびvθeluは、極グリッド上のピクセル(l,u)で時間インスタントe*TPRFでの動径方向および方位角の速度である。
【0124】
方程式(11)により、以下の線形方程式系を表現することが可能になる。
【数47】
ここで、
【数48】
【数49】
は、以下のように定められる。
【数50】
【0125】
≧2について、線形系(12)は、良設定であり、例えば、ムーア擬似逆行列を計算することによって標準的な線形代数法を使用して解かれ得る。
【0126】
最後の工程において、以下のように、軸方向および横方向の速度成分は、動径方向および方位角の速度から導き出され得る。
【数51】
【0127】
ここに記載される新しい教示および利点から実質的に逸脱することなく、多くの改変が前述の本発明に対して提供され得ることを当業者は理解するであろう。したがって、このタイプのすべての改変は、添付の特許請求の範囲内に組み込まれるように意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】