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特表2023-538771後鼻神経アブレーションのための器具及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-11
(54)【発明の名称】後鼻神経アブレーションのための器具及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230904BHJP
   A61B 17/24 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B17/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513384
(86)(22)【出願日】2021-08-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 IB2021057511
(87)【国際公開番号】W WO2022043819
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】63/069,770
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/384,855
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(71)【出願人】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ファング・イツァーク
(72)【発明者】
【氏名】パルシ・ジェットミア
(72)【発明者】
【氏名】シャメリ・エーサン
(72)【発明者】
【氏名】エブラヒミ・ババク
(72)【発明者】
【氏名】ボルジャン・ルーズベ
(72)【発明者】
【氏名】アミン・ビーナム
(72)【発明者】
【氏名】バスタン・イタマル
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフソン・ヘレン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK13
4C160KK36
4C160MM06
(57)【要約】
アブレーション器具は、グリップ部分から延在するシャフトを含む。シャフトの湾曲部分は、患者の頭部への挿入を可能にし、シャフトの遠位先端部から延在するアブレーション先端部を、後鼻神経などのアブレーションターゲットに近接して位置付けるように成形される。起動されると、アブレーション先端部は、無線周波数エネルギーを投射し、近傍組織をアブレートする。画像誘導手術ナビゲーションシステムのアブレーション支援機能は、術前画像のセット内のアブレーションターゲットをセグメント化し、識別するように構成される。位置追跡アブレーション器具が使用のために構成されるとき、システムは、アブレーションターゲットへのアブレーション先端部の近接を監視し始める。先端部がアブレーションのためのターゲットの有効距離内にあるとき、システムは、アラートを提供し、RFエネルギーが投射され得るように器具を起動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像誘導手術システムであって、
(a)アブレーション器具であって、
(i)本体、
(ii)前記本体から延在するシャフト、及び
(iii)前記シャフトの遠位端にあるアブレーション先端部であって、無線周波数(RF)エネルギーを組織に印加するように動作可能である、アブレーション先端部、を備える、アブレーション器具と、
(b)位置センサであって、前記シャフトに結合され、追跡領域内の前記位置センサの位置に基づいて、信号を生成するように構成された、位置センサと、
(c)プロセッサであって、
(i)患者に関連付けられた術前画像のセット内のアブレーションターゲットを識別すること、
(ii)前記位置センサからの位置信号のセットに基づいて、前記追跡領域内の前記アブレーション先端部の現在位置を決定すること、及び
(iii)アブレーション標的監視モードが起動している間に、前記アブレーション先端部の前記現在位置が前記アブレーションターゲットにあることを決定し、それに応じて、前記アブレーション器具のユーザに近接指示を提供すること、を行うように構成された、プロセッサと、を備える、画像誘導手術システム。
【請求項2】
前記シャフトが、前記遠位端に湾曲部分を備え、前記湾曲部分の形状が、前記シャフトが前記患者の頭部に挿入されると、前記アブレーションターゲットに前記アブレーション先端部を位置付けるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記湾曲部分の形状が、剛性である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記湾曲部分が、前記湾曲部分の形状が前記ユーザによって決定されることを可能にする可撓性特徴を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記アブレーション器具が、前記アブレーション先端部からのRFエネルギーの伝達を選択的に制御するように構成されたボタンを前記本体上に更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ボタンが、信号をエネルギー源に選択的に伝達するように構成され、前記信号が、前記エネルギー源がRFエネルギーを前記アブレーション先端部に伝達させるように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記アブレーション器具が、前記シャフトの周りに位置付けられた絶縁層を更に備え、前記絶縁層が、前記シャフトから周囲環境へのRFエネルギーの伝達を軽減するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記アブレーションターゲットを識別するときに、
(i)セグメンテーションアルゴリズムを使用して前記術前画像のセットをセグメント化して、解剖学的構造のセットの位置を識別すること、並びに
(ii)前記解剖学的構造のセット及び前記患者に対して実行されている処置を記述するデータに基づいて、前記アブレーションターゲットを選択すること、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記セグメンテーションアルゴリズムが、トレーニングデータセットに基づいて、解剖学的構造をセグメント化及び識別するように構成された機械学習プロセスを備え、前記トレーニングデータセットが、複数の術前画像及び複数の過去のセグメンテーション結果から生成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記プロセッサが、前記解剖学的構造のセット内で識別された後鼻神経に基づいて、前記アブレーションターゲットを選択するように更に構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサが、
(i)前記解剖学的構造のセット内で識別された中鼻甲介接続と、
(ii)前記解剖学的構造のセット内で識別された蝶口蓋孔と、に基づいて前記アブレーションターゲットを選択するように更に構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記プロセッサが、
(i)前記術前画像のセットに基づく画像を含むインターフェースをディスプレイ上に表示すること、及び
(ii)前記現在位置に基づいて、前記画像上に器具インジケータをオーバーレイすること、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサが、
(i)RFエネルギーが前記アブレーション先端部から伝達されるときに、前記アブレーション先端部からのRFエネルギーの場所及び伝達を記述するパラメータのセットを記憶すること、及び
(ii)前記パラメータのセットに基づいて、前記画像上にアブレーションインジケータをオーバーレイすること、を行うように更に構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記近接指示が、
(i)サウンドデバイスからの可聴アラート、
(ii)ディスプレイからの視覚的アラート、又は
(iii)前記アブレーション器具からの触覚アラート、のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記アブレーション器具が使用中であるときを検出し、それに応じて、前記アブレーションターゲット監視モードを起動するように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
方法であって、
(a)湾曲部分を有するシャフト及び前記湾曲部分の遠位端にあるアブレーション先端部を含むアブレーション器具を選択することと、
(b)前記シャフトに結合され、追跡領域内の位置に基づいて信号を生成するように構成された位置センサを追跡するように画像誘導手術システムを構成することと、
(c)プロセッサを用いて、患者に関連付けられた術前画像のセット内のアブレーションターゲットを識別することと、
(d)前記位置センサからの位置信号のセットに基づいて、前記追跡領域内の前記アブレーション先端部の現在位置を決定することと、
(e)前記アブレーション先端部の前記現在位置が前記アブレーションターゲットにあることを決定し、それに応じて、前記アブレーション器具のユーザに近接指示を提供することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記シャフトが前記患者の頭部に挿入されたときに前記アブレーション先端部を前記アブレーションターゲットに位置付ける形状を有する前記湾曲部分に基づいて、前記アブレーション器具を選択することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記術前画像のセット内の前記後鼻神経の識別された位置に基づいて、前記アブレーションターゲットを識別することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記術前画像のセット内の中鼻甲介接続及び蝶口蓋孔の識別された位置に基づいて、前記アブレーションターゲットを識別することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
画像誘導手術システムであって、
(i)患者に関連付けられた術前画像のセット内のアブレーションターゲットを識別すること、
(ii)アブレーション器具が使用中であるときを検出し、それに応じて、アブレーションターゲット監視モードを有効にすること、
(iii)前記アブレーション器具の位置センサから受信された位置信号のセットに基づいて、前記追跡領域内の前記アブレーション器具のアブレーション先端部の現在位置を決定すること、
(iv)前記アブレーション先端部の前記現在位置が前記アブレーションターゲットにあることを決定し、それに応じて、前記アブレーション器具のユーザに近接指示を提供すること、及び
(v)前記近接指示を提供した後に、エネルギー源から前記アブレーション先端部への無線周波数(RF)エネルギーの伝達を可能にすること、を行うように構成された1つ以上のプロセッサを備える、画像誘導手術システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2020年8月25日に出願された、「Apparatus and Method for Posterior Nasal Nerve Ablation」と題する米国仮特許出願第63/069,770号について優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
鼻炎は、鼻腔内の粘膜の刺激作用及び炎症として呈する医学的状態である。炎症は、過剰な量の粘液の生成をもたらし、これは鼻汁、鼻詰まり、くしゃみ、及び/又は後鼻漏を引き起こす可能性がある。アレルギー性鼻炎は、空中のアレルゲンなどの環境因子に対するアレルギー反応であり、非アレルギー性(又は「血管運動性の」)鼻炎は、環境要因とは独立して呈する慢性的な状態である。鼻炎の従来の治療としては、例えば、抗ヒスタミン剤、局所又は全身コルチコステロイド、及び局所抗コリン薬が挙げられる。
【0003】
症状が重度かつ持続的である難治性鼻炎の場合、更なる治療の選択肢は、翼突管(又は「翼状の」)神経の一部分の外科的除去であり、ヴィディアン神経切除術として知られる処置である。ヴィディアン神経切除術の理論的な基礎は、鼻炎が鼻腔の副交感神経と交感神経の神経支配間の不均衡、及び結果として生じる粘膜の粘液腺の過剰刺激によって引き起こされるということである。ヴィディアン神経切除術は、この不均衡をかき乱し、ヴィディアン神経の外科的治療を介して鼻粘膜分泌物を減少させることを目的とする。しかしながら、場合によっては、ヴィディアン神経切除術は、涙腺に付帯的損傷を引き起こす可能性があり、その涙腺は、ヴィディアン神経によって刺激される。涙腺へのそのような損傷は、慢性ドライアイなどの、患者にとって長期の健康合併症をもたらし得る。後鼻神経切除、又は後鼻神経の一部分の外科的除去は、難治性鼻炎を治療するためのヴィディアン神経切除術の有効な代替方法であり得る。
【0004】
図1は、鼻腔(10)、前頭洞(12)、蝶形骨洞(14)、及び蝶形骨(16)を示す、患者の頭部の一部分の左矢状面の図を示す。鼻腔(10)は、鼻甲介(20)と、中部鼻甲介(22)と、上部鼻甲介(24)とを含む鼻部の壁(18)によって横方向に画定される。ヴィディアン神経(32)は、蝶形骨(16)によって部分的に画定され、中部鼻甲介(22)と概ね整列して蝶形骨洞(14)の後方に位置するヴィディアン(すなわち「翼状の」)管(30)の内部に存在する。蝶口蓋孔(39)は、側壁への中鼻甲介(22)接続の後端部に近接して位置する。ヴィディアン神経(32)は、より大きい錐体神経(34)と深錐体神経(36)との接合部によってその後方端に形成され、その前方端で翼突口蓋神経節(38)と接合し、その翼突口蓋神経節は、鼻粘膜への血流の調節に関与する。後鼻神経(40)は、翼突口蓋神経節(38)と接合し、下鼻甲介(20)を取り囲む領域を通って延在する。
【0005】
ヴィディアン神経切除術を実行するための器具及び方法、並びに後鼻神経は知られているが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に説明された発明を行い、又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
図1】患者の頭部の一部分の左矢状面の図を示しており、特定の副鼻腔及び神経の詳細を示し、ヴィディアン神経及び後鼻神経が含まれる。
図2】アブレーションを支援するように構成された画像誘導手術システムの概略図である。
図3A図2のシステムと共に使用可能なアブレーション器具の斜視図である。
図3B図3Aのアブレーション器具の側面図である。
図4A】成形可能なシャフトを含み、図2のシステムと共に使用可能である、代替アブレーション器具の斜視図である。
図4B図4Aのアブレーション器具の側面図である。
図5】アブレーション処置中にナビゲーション支援を提供するために実行できるステップのセットのフローチャートである。
図6図5のいくつかのステップの間に表示されてもよい例示的なインターフェースを示す図である。
図7A】追跡アブレーション器具を示すために、図5のステップのうちのいくつかの間に表示されてもよい例示的なインターフェースを示す図である。
図7B】追跡アブレーション器具のナビゲーションを示すために、図5のステップのうちのいくつかの間に表示されてもよい例示的なインターフェースを示す図である。
図7C】追跡アブレーション器具の継続したナビゲーションを示すために、図5のステップのうちのいくつかの間に表示されてもよい、例示的なインターフェースを示す図である。
図7D】追跡アブレーション器具のターゲットへの到達を示すために、図5のステップのうちのいくつかの間に表示されてもよい、例示的なインターフェースを示す図である。
図7E】アブレーション器具のオーバーレイと共に図5のステップのうちのいくつかの間に表示されてもよい、例示的なインターフェースを示す図である。
図8】追跡アブレーション器具のターゲットへの到達を示すために、図5のステップのうちのいくつかの間に表示されてもよい、別の例示的なインターフェースを示す図である。
図9】アブレーション処置の完了を示すために、図5のステップのうちのいくつかの間に表示されてもよい、例示的なインターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明者らは、例示目的として、外科的治療のためのデバイス及び方法の文脈で適用されるものとして本明細書に開示される新規技術を考案した。本発明者らの技術の開示された用途は、外科的治療のためのデバイス及び方法の技術分野において長年、感じられていたものの満たされていなかったニーズを満たしているが、本発明者らの技術は、本明細書に記載されている正確な方法で実施されることに限定されるものでなく、当業者が本開示に照らし合わせて、過度の実験を行うことなく、他の方法で実施可能であることが理解されるべきである。したがって、本明細書に記載される実施例は、単なる例示であると理解されるべきであり、限定的なものとして扱われるべきではない。
【0008】
I.後鼻神経アブレーションのための例示的なシステム
医療処置を実行するとき、特に器具の作動要素の内視鏡像を得ることが困難又は不可能な場所にあるときに、患者内の器具の位置に関する情報を有することが望ましい場合がある。図2は、画像誘導を使用して、後鼻神経切除などのENT処置を実行することを可能にする例示的なIGSナビゲーションシステム(100)を示す。本明細書に記載されている構成要素及び動作性を有することに加えて、あるいはそれに代えて、IGSナビゲーションシステム(100)は、以下の文献の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能であってもよい。すなわち、米国特許第7,720,521号、発明の名称「Methods and Devices for Performing Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2010年5月18日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)、米国特許出願公開第2014/0364725号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2014年12月11日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)。
【0009】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(100)は、IGSナビゲーションシステム(100)が座標系を関連付ける追跡領域を生成するために、患者の周りに異なる周波数の交番磁場を発生するように動作可能な磁場発生器アセンブリ(102)を備える。この例では、アブレーション器具(200)が患者の頭部に挿入される。器具(200)の特徴及び操作性の例は、以下により詳細に記載される。いくつかの実装形態では、患者は、椅子に座っていてもよく、これは、米国特許第10,561,370号、発明の名称「Apparatus to Secure Field Generating Device to Chair」(2020年2月18日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能であり得る。
【0010】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(100)は、プロセッサ(110)を更に備え、これは、IGSナビゲーションシステム(100)の磁場発生器アセンブリ(102)及び他の要素を制御する。例えば、プロセッサ(110)は、磁場発生器アセンブリ(102)の磁場発生器を駆動して交流電磁場を発生させ、アブレーション器具(200)のセンサ(例えば、図3A及び図3Bに示される位置センサ(106)によって示されるように、患者の中へ前進させられるアブレーション器具(200)の遠位先端部に位置付けられることがある)から受信された信号を処理して、患者の頭部内のセンサの場所を決定するように動作可能である。プロセッサ(110)は、1つ以上のメモリと通信する1つ以上の処理ユニット(例えば、組み合わせ論理回路又は他の類似の回路を使用してソフトウェア命令を評価及び実行するように構成された電子回路のセット)を備える。本実施例のプロセッサ(110)は、キーパッド及び/又はマウス若しくはトラックボールなどのポインティングデバイスを含む操作制御部(112)を備えるコンソール(108)中に装着されている。医師は、外科手技を実行しながら、操作制御部(112)を使用して、プロセッサ(110)と相互作用する。
【0011】
アブレーション器具(200)の位置センサ(106)は、磁場内のセンサの位置を決定するために使用可能なデータを発生させるために、磁場発生器によって発生された交流磁場内の位置決めに応答する。ほんの一例として、位置センサ(106)は、1つ以上のコイルを含んでもよい。位置センサ(106)によって生成される信号は、無線で、又はアブレーション器具(200)をプロセッサ(110)に結合する追跡ケーブル(216)などの電気接続によって(例えば、アブレーションのための電力を提供し、それ自体がデータ接続(120)を介してプロセッサ(110)と通信するエネルギー源(118)などの別のデバイスを通して直接的又は間接的のいずれか)、プロセッサ(110)に通信されてもよい。
【0012】
プロセッサ(110)は、プロセッサ(110)のメモリに記憶されたソフトウェアを使用して、IGSナビゲーションシステム(100)を較正し、動作させる。そのような操作は、磁場発生器を駆動することと、位置センサ(106)からのデータを処理することと、操作制御部(112)からのデータを処理することと、ディスプレイスクリーン(114)を駆動することと、を含む。プロセッサ(110)は、ディスプレイスクリーン(114)を介してビデオをリアルタイムで提供するように更に動作可能であり、アブレーション器具(200)の遠位端の位置を、患者の頭部のビデオカメラ画像、患者の頭部のCTスキャン画像、並びに/又は患者の鼻腔内の及び患者の鼻腔に隣接するコンピュータで生成された解剖学的構造の三次元モデルとの関連で示す。ディスプレイスクリーン(114)は、外科手技中にそのような画像を同時に及び/又は互いに重ね合わせて表示されてもよい。そのような表示された画像はまた、アブレーション器具(200)などの患者の頭部に挿入された器具のグラフィック表示をやはり含んでもよく、それにより、オペレータは、器具のバーチャルレンダリングをその実際の場所でリアルタイムに見ることができる。単に一例として、ディスプレイスクリーン(114)は、米国特許第10,463,242号、発明の名称「Guidewire Navigation for Sinuplasty」(2019年11月5日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って画像を提供してもよい。オペレータが内視鏡も使用している場合には、内視鏡画像もディスプレイスクリーン(114)に提供してもよい。
【0013】
アブレーション器具(200)は、後鼻神経(40)などの鼻腔(10)内の組織をアブレーションするか、又は別の方法でそれに影響を与えるために、外科手技中に使用可能であってもよい。アブレーション技術の例としては、エネルギーが無線周波数を介してターゲットに送達される無線周波数(RF)アブレーション、及び凍結物質がターゲットに送達される冷凍アブレーションが挙げられる。アブレーション器具(200)が組織のRFアブレーションのために構成される場合、それは、例えば、RF発生器又は他のRF源であってもよいエネルギー源(118)に結合されてもよい。エネルギー源(118)によって生成されるRFエネルギーは、エネルギーケーブル(218)を介してアブレーション器具(200)に伝達され、近くの組織をアブレートするためにアブレーション器具(200)の遠位先端部で放出される。エネルギー源(118)は、例えば、無線又は有線データ接続(例えば、Wi-Fi、イーサネット)であってもよいデータ接続(120)を介してプロセッサ(110)と通信する。データ接続(120)を介して交換される情報としては、例えば、アブレーション器具(200)及び他の追跡対象についての座標系及び場所追跡情報、エネルギー源(118)及び/又はアブレーション器具(200)の操作を有効化、無効化、又は別様に再構成するための信号、並びに手術器具の使用に関する情報(例えば、電力出力、起動のインスタンス及び期間などを記述するパラメータ)が挙げられ得る。
【0014】
II.例示的なアブレーション器具
図3A及び図3Bは各々、システム(100)と共に使用されてもよいアブレーション器具(200)の例を示す。アブレーション器具(200)は、器具(200)を把持して方向付けるのを補助する形状、表面材料、及び表面特徴を有してもよいプローブグリップ(202)を含む。いくつかの実装形態では、プローブグリップ(202)は、アブレーション器具(200)からのRFエネルギーの出力を起動及び/又は停止するためにユーザによって作動されてもよい、ボタン(204)を含んでもよい。いくつかの他の変形例では、フットスイッチ(図示せず)が、RFエネルギーの選択的活性化を提供するために使用される。シャフト(206)は、プローブグリップ(202)から延在し、線形部分(208)及び湾曲部分(210)を含む。アブレーション先端部(212)は、シャフトの湾曲部分(210)から出現し、エネルギー源(118)及び/又はアブレーション器具(200)が起動されると、RFエネルギーを組織に印加するように構成される。いくつかの変形例では、アブレーション先端部(212)は、単一の電極を含み、単極RFエネルギーを組織に印加するために患者の皮膚と接触している接地パッドと協働するように構成される。いくつかの他の変形例では、アブレーション先端部(212)は、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能な2つ以上の電極を含む。
【0015】
位置センサ(106)は、シャフト(206)内に埋め込まれるか、又はそれに結合されてもよく、例えば、アブレーション先端部(212)に近接するシャフト(206)の遠位端(214)に位置してもよい。説明したように、位置センサ(106)は、追跡領域内に存在する磁場又は他の特性若しくは信号と相互作用して、遠位端(214)の位置を示す信号を生成し、その結果、磁場内のアブレーション先端部(212)及びアブレーション器具(200)の他の部分の位置を示す信号を生成してもよい。
【0016】
追跡ケーブル(216)は、プローブグリップ(202)から延在し、エネルギー源(118)、プロセッサ(110)、又は両方に(例えば、無線で若しくはケーブルを介して)結合されてもよく、結合されたデバイスと電気信号及びデータを交換するように構成されてもよい。追跡ケーブル(216)を介して伝達されるデータは、例えば、位置センサ(106)によって生成されるデータ又は信号、エネルギー源(118)にアブレーション先端部(212)からのRFエネルギーの伝達を起動及び/又は停止かつ制御させるように構成される制御信号、並びにアブレーション器具(200)の外科的特徴の起動及び使用に関連する使用パラメータを含んでもよい。
【0017】
エネルギーケーブル(218)はまた、プローブグリップ(202)から延在し、エネルギー源(118)に結合され、受信されたRFエネルギーをアブレーション先端部(212)に伝達するように構成されてもよい。エネルギーケーブル(218)は、シャフト(206)の近位端、又はそれ自体がシャフト(206)の近位端に結合される別のケーブルと結合されてもよく、それにより、受信されたRFエネルギーがプローブグリップ(202)内のチャネルに沿って移動する。プローブグリップ(202)並びにシャフト(206)の線形部分(208)及び湾曲部分(210)は各々、RFエネルギーの望ましくない伝達を防止又は軽減するように構成された1つ以上の絶縁層を含んでもよく、それにより、受信されたRFエネルギーの全て又は実質的に全てが、シャフト(206)又はプローブグリップ(202)から投射されるのではなく、アブレーション先端部(212)に方向付けられる。いくつかの実装形態では、絶縁層は、1つ以上の非伝導性又は遮蔽材料を含んでもよく、シャフト(206)及びプローブグリップ(202)の材料は、アブレーション先端部(212)をエネルギーケーブル(218)に接続する埋込チャネルを除いて、それ自体が非伝導性であってもよい。
【0018】
シャフト(206)の1つ以上の特徴は、患者の頭部への挿入、後鼻神経(40)若しくは他の手術部位におけるアブレーション先端部(212)の位置付け、又はその両方を補助するように選択されてもよい。例えば、線形部分(208)及び湾曲部分(210)の長さは各々、シャフト(206)がアブレーション処置に必要とされる深さまで挿入されることを可能にするように選択されてもよく、湾曲部分(210)の曲率は、アブレーション処置中に人工チャネル又は通路が作成される必要がないように、後鼻神経(40)へのナビゲーション中に横断される周囲解剖学的構造に基づいて選択されてもよい。シャフト(206)のこれらの1つ以上の特性は、全ての患者にわたる平均解剖学的特性に基づいて選択されてもよく、又は、シャフト(206)が患者及び/又は処置ごとの特定の特性を伴って生成され得るようにカスタマイズされてもよい。そのようなカスタマイズされた特性を有するシャフト(206)は、線形として生成されてもよく、後に所望の湾曲に可鍛的に形成されてもよく、又は(例えば、RF送信回路が挿入されてもよいチャネルを含む非導電性筐体を生成するために)付加製造技法を使用して生成されてもよく、又は他の方法で生成されてもよい。
【0019】
図4A及び4Bは各々、プローブグリップ(302)、ボタン(304)、シャフト(306)、シャフト(306)の遠位端(314)における位置センサ(106)、アブレーション先端部(312)、追跡ケーブル(316)、及びエネルギーケーブル(318)を含む、アブレーション器具(200)と同様の構成要素及び特徴を有する代替的なアブレーション器具(300)の例を示し、各々は図3A及び3Bの文脈において前述されている。アブレーション器具(300)は、シャフト(306)中に予め形成された屈曲部を含まず、代わりに、線形部分(308)及びアブレーション先端部(312)が出現する調節可能部分(310)を含む。前述の線形部分(208)及び湾曲部分(210)と同様に、シャフト(306)の部分は、受信されたRFエネルギーの全て又は実質的に全てがアブレーション先端部(312)に方向付けられることを確実にするために、絶縁層、非伝導性材料、及び遮蔽層を含んでもよい。
【0020】
シャフトの調節可能部分(310)は、シャフト(306)がアブレーション処置の一部として挿入されるとき、ターゲット部位(例えば、後鼻神経(40))にアブレーション先端部(312)を位置付けることを補助するように、所望の曲率に成形されるように構成される。調節可能部分(310)の調節は、様々な方法で達成されてもよい。いくつかの実装形態では、調節可能部分(310)は、所望の形状を生成するために、手又はツールを使用して(例えば、室温で、若しくは熱処理を用いてのいずれか)形成されてもよい、可鍛性材料を含んでもよい。いくつかの実装形態では、調節可能部分(310)は、制御ワイヤ(例えば、ワイヤの後退がシャフト部分を屈曲させるように、シャフトに沿って延び、遠位端付近の位置に結合されるワイヤ)又は電気活性材料(例えば、電気入力に応答して形状を変化させるポリマー若しくは金属)を使用して、アクティブステアリングを介して、変動する形状及び曲率が生成されることを可能にする、可撓性材料又は多関節セグメンテーションを含んでもよい。調節可能部分(310)を調節するための他のデバイス及び技法が存在し、本開示に照らして、当業者に明白となるであろう。
【0021】
III.ナビゲーション支援アブレーションのための例示的な方法
図5は、アブレーション処置中にナビゲーション支援を提供するために実行することができ、上述のシステム(100)及びアブレーション器具(200、300)を用いて実行されてもよいステップのセットのフローチャートを示す。画像スライス(例えば、CT画像)、三次元モデル、又は患者の解剖学的構造の他の計算画像を含む術前画像のセットが受信されてもよい(400)。これらの画像は、IGSナビゲーションシステム(100)の座標系に位置合わせされ、患者及び任意の追跡器具又はデバイスと相関されてもよい。
【0022】
画像はまた、画像スライス及び/又は三次元モデル内で、外科手技に関連する1つ以上の患者の解剖学的構造を識別するためにセグメント化されてもよい(402)。これは、例えば、RFエネルギーを後鼻神経(40)に伝達するためにアブレーション先端部(例えば、アブレーション先端部(212、312))がナビゲートされてもよい後鼻神経(40)及び/又は後鼻神経(40)に近接する他の患者の解剖学的構造を識別することを含んでもよい。一例として、これは、後鼻神経(40)を識別する代わりに、又はそれに加えて、蝶口蓋孔を識別すること、又は蝶口蓋孔に可能な限り近い、側壁への中鼻甲介(22)接続の後端における場所を識別することを含んでもよい。術前画像のセグメンテーションは、セグメンテーションアルゴリズムを使用して実行されてもよい。いくつかの実装形態では、セグメンテーションアルゴリズムは、システム(100)を使用して複数の処置部位から受信される画像セット及び医師フィードバック(例えば、患者解剖学的構造の手動セグメンテーション、自動的にセグメンテーション及び識別された解剖学的構造の確認)を使用して、経時的にトレーニングされるように構成される機械学習プロセスを利用してもよい。
【0023】
アブレーションターゲットは、セグメント化され(402)、識別された解剖学的構造のうちの1つ以上に設定されてもよい(404)。これは、後鼻神経(40)、蝶口蓋孔(39)、又は後鼻神経(40)にRFエネルギーを伝達するために好適であってもよい一方若しくは両方の近傍の場所上にターゲットを設定すること(404)を含んでもよい。セット(404)ターゲットのサイズ及び形状は、アブレーション器具(200、300)の能力及び周囲の患者の解剖学的構造の特性に基づいて変動してもよい。例えば、アブレーションターゲットは、座標系内の単一座標であってもよく、又は、様々なサイズ、形状、及び対称性を有する二次元又は三次元形状であってもよい。一実施例では、アブレーションターゲットは、アブレーション先端部によって伝達されるRFエネルギーが後鼻神経(40)においてそこから受信される、患者の解剖学的構造の複数の点を含む、球状ゾーンであってもよい。アブレーションターゲットは、ユーザによる1つ以上の解剖学的構造の手動選択(例えば、リストからのセグメント化され識別された解剖学的構造の選択)に基づいて設定されてもよく(404)、又は実行される処置のタイプを記述する構成又は記録に基づいて自動的に設定されてもよい(404)(例えば、システム(100)は、後鼻神経アブレーション処置が実行されていることを示す入力をユーザ又は別のシステムから受信してもよく、それに応じて後鼻神経(40)上にアブレーションターゲットを自動的に設定してもよい(404))。
【0024】
次いで、システム(100)は、設定された(404)アブレーションターゲットに関連付けられた処置中に、追跡アブレーションデバイスの存在、構成、又は使用を監視してもよい(406)。追跡アブレーションデバイスの使用は、ユーザからの手動入力(例えば、操作制御部(112)又はボタン(204)と相互作用する)によって決定されてもよく、又はアブレーション器具(200、300)、エネルギー源(118)、若しくは両方から受信される情報に基づいて自動的に決定されてもよい。いくつかの実装形態では、アブレーション器具(200、300)は、プローブグリップ(202)内にあり、追跡ケーブル(216)に通信可能に結合されたメモリ(例えば、EEPROM又は他のROM/RAM)を含んでもよい。メモリに記憶された情報は、アブレーション器具(200、300)を一意に識別してもよく(例えば、シリアル番号)、器具のタイプ及び能力を記述又は示してもよい(例えば、モデル番号)。この識別情報は、追跡ケーブル(216)又は他のデータ接続を介してプロセッサ(110)及び/又はエネルギー源(118)に提供されてもよく、関連付けられたデバイスが追跡アブレーションデバイスであることを決定するために使用されてもよい(例えば、ローカル若しくは遠隔データベースの検索、又はシリアル番号及び/若しくはモデル番号の特性の分析を介して)。
【0025】
システム(100)と共に使用するように構成された追跡アブレーションデバイスが取り付けられると(408)、IGSナビゲーションソフトウェアは、そのデバイスのアブレーションターゲット監視を可能にし(410)、実行し始めてもよい。図6は、アブレーションターゲット監視中にディスプレイスクリーン(114)又は別のディスプレイを介してIGSナビゲーションソフトウェアによって提供されてもよいインターフェース(500)の例を示す。画像ビュー(502)は、第1の視点からの術前画像スライス又はモデルを表示してもよく、他の画像ビュー(504)は、異なる視点からの画像スライス又はモデルを示してもよい。画像ビュー(502)は、示された患者の解剖学的構造に対する追跡された器具の場所を示す情報及びアイコンでオーバーレイされてもよい。制御部(506)のセットは、画像スライス及びモデルをナビゲートするために使用可能である。ステータスペイン(508)は、システム(100)のステータス情報を表示するように構成され、インターフェースの静的部分、又は動的要素(例えば、ステータスの変化をユーザに警告するように見えるポップアップウィンドウ又は他の動的グラフィック)として構成されてもよい。
【0026】
図6に見られるように、ステータスペイン(508)は、デバイスが検出されたこと、及びアブレーションターゲット監視が有効化されたこと(410)を示すメッセージを表示している。図5に戻って参照すると、有効化されている(410)間、システム(100)は、追跡アブレーションデバイスのアブレーションターゲットへの近接性を定期的に決定し、アブレーション先端部(212、312)が、RFエネルギーが標的解剖学的構造(例えば、後鼻神経(40))に効果的に伝達されることを可能にするであろうアブレーションターゲットの構成された近接(412)内にあるかどうかを決定してもよい。これは、説明されたように、1つ以上の位置センサ(106)からのフィードバックに基づいて、アブレーション先端部(212、312)の位置を定期的に決定することと、現在位置を示すために、画像ビュー(502、504)のうちの1つ以上の上にアイコンをオーバーレイすることと、を含んでもよい。図7Aは、インターフェース(500)を介して表示されてもよいような画像ビュー(502)の例を示す。アブレーションターゲットゾーン(510)は、処置を実行するためにアブレーション器具がナビゲートされなければならない領域上にオーバーレイされており、器具インジケータ(512)は、器具の現在位置を示すためにオーバーレイされている。図7B及び図7Cは、画像ビュー(502)の追加の例を示しており、各々、アブレーション先端部(212、312)がアブレーションターゲットゾーン(510)に向かってナビゲートされる際に、器具インジケータ(512)の位置がリアルタイムで更新される。
【0027】
図7Dに示されるように、アブレーション先端部(212、312)がターゲットの近接(412)内にあると決定されると、システムは、図5に示されるように、近接指示を提供してもよい(414)。近接指示は、アブレーション器具(200、300)のユーザに、アブレーション処置が実行されてもよい位置にアブレーション先端部(212、312)が到達したことを警告して示すための、視覚、聴覚、触覚、又は他の形態のフィードバックであってもよい。図7Eは、患者の解剖学的構造及びアブレーションターゲットゾーン(510)に対するアブレーション器具(200)のおおよその位置を示す。いくつかの実装形態では、画像ビュー(502)は、グラフィックインジケータ(512)などのインジケータの代わりに、又はそれに加えて、図7Eに示されるように、仮想アブレーション器具(200)のオーバーレイを表示してもよい。いくつかの実装形態では、提供される(414)指示は、図8に示されるように、アラート、通知、又はインターフェース(500)のステータスの変化であってもよく、ステータスペイン(508)は、ここで、ターゲット近接アラートを示す。
【0028】
図5に示されるように、アブレーション器具(200、300)のアブレーション特徴は、次いで、起動され(416)、RFエネルギーをアブレーション先端部(212、312)によってアブレーションターゲットに印加させてもよい。アブレーション特徴の起動(416)は、ユーザによる手動入力、プロセッサ(110)若しくはエネルギー源(118)からの自動入力、又は両方に基づいてもよい。一例として、いくつかの実装形態では、アブレーション器具(200、300)のRF特徴は、安全特徴として完全に動作不能であってもよく、アブレーション先端部(212、312)が標的ゾーンの近接(412)内にあると決定されたときにのみ使用可能になってもよい。いくつかの実装形態では、アブレーション特徴は、動作可能になり、追跡された近接(412)に基づいて自動的に起動してもよい。いくつかの実装形態では、アブレーション特徴は、追跡された近接(412)に基づいて自動的に動作可能になってもよく、次いで、エネルギー源(118)との相互作用又はボタン(204、304)との相互作用を介して、ユーザによって手動で起動されてもよい。
【0029】
アブレーション処置(例えば、単一アブレーション又は複数アブレーション)の起動(416)及び実行後、アブレーションの結果は、ログされ(418)、保存されてもよい。これは、使用時のアブレーション器具の追跡位置、使用期間、使用中のRFエネルギー出力レベル、使用中のアブレーション器具(200、300)の識別情報、及び他の情報などの記録パラメータを含んでもよい。ログされた(418)情報は、アブレーション器具(200、300)から受信されてもよく、メモリに記憶されてもよく、プロセッサによって生成されてもよく、又はエネルギー源(118)から受信されてもよく、使用中にアブレーション器具(200、300)に引き出され、生成され、送信されたエネルギーに基づいて、メモリに記憶されてもよく、プロセッサによって生成されてもよい。そのような情報をログに記憶することに加えて、それは、インターフェース(500)を更新するために使用されてもよい。
【0030】
図9は、アブレーションの結果がログされた(418)後のインターフェース(500)の例を示す。黒丸として示されるアブレーションインジケータ(514)は、アブレーション特徴(例えば、アブレーション先端部(212)からのRFエネルギーの投射)が使用された場所において、画像ビュー(502)上に位置付けられる。アブレーションインジケータ(514)は、使用のパラメータに基づいて、変動する形状、サイズ、色、又は他の特性を有してもよい。例えば、緑色の円は、以前のRFエネルギー投射が安全な閾値未満であり、更なるアブレーションが可能であることを示してもよく、赤色の円は、閾値を超えており、その場所で更なるアブレーションが実行されるべきではないことを示してもよい。以前のアブレーションの使用はまた、ポップアップウィンドウ又は他の画面に現れてもよい、インジケータ(514)に関連付けられたテキストと共に示され、説明されてもよく、又はステータスペイン(508)を介して表示されてもよい。
【0031】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、一部の変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略し得ることも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものとみなされるべきではない。
【実施例1】
【0032】
画像誘導手術システムであって、(a)アブレーション器具であって、(i)本体、(ii)本体から延在するシャフト、(iii)シャフトの遠位端にあるアブレーション先端部であって、無線周波数(RF)エネルギーを組織に印加するように動作可能である、アブレーション先端部、を備える、アブレーション器具と、(b)位置センサであって、シャフトに結合され、追跡領域内の位置センサの位置に基づいて、信号を生成するように構成された、位置センサと、(c)プロセッサであって、(i)患者に関連付けられた術前画像のセット内のアブレーションターゲットを識別すること、(ii)位置センサからの位置信号のセットに基づいて、追跡領域内のアブレーション先端部の現在位置を決定すること、及び(iii)アブレーション標的監視モードが起動している間に、アブレーション先端部の現在位置がアブレーションターゲットにあることを決定し、それに応じて、アブレーション器具のユーザに近接指示を提供すること、を行うように構成された、プロセッサと、を備える、画像誘導手術システム。
【実施例2】
【0033】
シャフトが、遠位端に湾曲部分を備え、湾曲部分の形状が、シャフトが患者の頭部に挿入されると、アブレーションターゲットにアブレーション先端部を位置付けるように構成されている、実施例1に記載のシステム。
【実施例3】
【0034】
湾曲部分の形状が、剛性である、実施例2に記載のシステム。
【実施例4】
【0035】
湾曲部分が、湾曲部分の形状がユーザによって決定されることを可能にする可撓性特徴を備える、実施例2又は3に記載のシステム。
【実施例5】
【0036】
アブレーション器具が、アブレーション先端部からのRFエネルギーの伝達を選択的に制御するように構成されたボタンを本体上に更に備える、実施例1~4のいずれか1つ以上に記載のシステム。
【実施例6】
【0037】
ボタンが、信号をエネルギー源に選択的に伝達するように構成され、信号が、エネルギー源がRFエネルギーをアブレーション先端部に伝達させるように構成されている、実施例5に記載のシステム。
【実施例7】
【0038】
アブレーション器具が、シャフトの周りに位置付けられた絶縁層を更に備え、絶縁層が、シャフトから周囲環境へのRFエネルギーの伝達を軽減するように構成されている、実施例1~6のいずれか1つ以上に記載のシステム。
【実施例8】
【0039】
プロセッサが、アブレーションターゲットを識別するときに、(i)セグメンテーションアルゴリズムを使用して術前画像のセットをセグメント化して、解剖学的構造のセットの位置を識別すること、並びに(ii)解剖学的構造のセット及び患者に対して実行されている処置を記述するデータに基づいて、アブレーションターゲットを選択すること、を行うように更に構成されている、実施例1~7のいずれか1つ以上に記載のシステム。
【実施例9】
【0040】
セグメンテーションアルゴリズムが、トレーニングデータセットに基づいて、解剖学的構造をセグメント化及び識別するように構成された機械学習プロセスを備え、トレーニングデータセットが、複数の術前画像及び複数の過去のセグメンテーション結果から生成されている、実施例8に記載のシステム。
【実施例10】
【0041】
プロセッサが、解剖学的構造のセット内で識別された後鼻神経に基づいて、アブレーションターゲットを選択するように更に構成されている、実施例9に記載のシステム。
【実施例11】
【0042】
プロセッサが、(i)解剖学的構造のセット内で識別された中鼻甲介接続と、(ii)解剖学的構造のセット内で識別された蝶口蓋孔と、に基づいてアブレーションターゲットを選択するように更に構成されている、実施例9又は10に記載のシステム。
【実施例12】
【0043】
プロセッサが、(i)術前画像のセットに基づく画像を含むインターフェースをディスプレイ上に表示すること、及び(ii)現在位置に基づいて、画像上に器具インジケータをオーバーレイすること、を行うように更に構成されている、実施例1~11のいずれか1つ以上に記載のシステム。
【実施例13】
【0044】
プロセッサが、(i)RFエネルギーがアブレーション先端部から伝達されるときに、アブレーション先端部からのRFエネルギーの場所及び伝達を記述するパラメータのセットを記憶すること、及び(ii)パラメータのセットに基づいて、画像上にアブレーションインジケータをオーバーレイすること、を行うように更に構成されている、実施例12に記載のシステム。
【実施例14】
【0045】
近接指示が、(i)サウンドデバイスからの可聴アラート、(ii)ディスプレイからの視覚的アラート、又は(iii)アブレーション器具からの触覚アラート、のうちの1つ以上を含む、実施例1~13のいずれか1つ以上に記載のシステム。
【実施例15】
【0046】
プロセッサが、アブレーション器具が使用中であるときを検出し、それに応じて、アブレーションターゲット監視モードを起動するように更に構成されている、実施例1~14のいずれか1つ以上に記載のシステム。
【実施例16】
【0047】
方法であって、(a)湾曲部分を有するシャフト及び湾曲部分の遠位端にあるアブレーション先端部を含むアブレーション器具を選択することと、(b)シャフトに結合され、追跡領域内の位置に基づいて信号を生成するように構成された位置センサを追跡するように画像誘導手術システムを構成することと、(c)プロセッサを用いて、患者に関連付けられた術前画像のセット内のアブレーションターゲットを識別することと、(d)位置センサからの位置信号のセットに基づいて、追跡領域内のアブレーション先端部の現在位置を決定することと、(e)アブレーション先端部の現在位置がアブレーションターゲットにあることを決定し、それに応じて、アブレーション器具のユーザに近接指示を提供することと、を含む、方法。
【実施例17】
【0048】
シャフトが患者の頭部に挿入されたときに、アブレーション先端部をアブレーションターゲットに位置付ける形状を有する湾曲部分に基づいて、アブレーション器具を選択することを更に含む、実施例16に記載の方法。
【実施例18】
【0049】
術前画像のセット内の後鼻神経の識別された位置に基づいて、アブレーションターゲットを識別することを更に含む、実施例16又は17に記載の方法。
【実施例19】
【0050】
術前画像のセット内の中鼻甲介接続及び蝶口蓋孔の識別された位置に基づいて、アブレーションターゲットを識別することを更に含む、実施例16~18のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例20】
【0051】
画像誘導手術システムであって、(i)患者に関連付けられた術前画像のセット内のアブレーションターゲットを識別すること、(ii)アブレーション器具が使用中であるときを検出し、それに応じて、アブレーションターゲット監視モードを有効にすること、(iii)アブレーション器具の位置センサから受信された位置信号のセットに基づいて、追跡領域内のアブレーション器具のアブレーション先端部の現在位置を決定すること、(iv)アブレーション先端部の現在位置がアブレーションターゲットにあることを決定し、それに応じて、アブレーション器具のユーザに近接指示を提供すること、及び(v)近接指示を提供した後に、エネルギー源からアブレーション先端部への無線周波数(RF)エネルギーの伝達を可能にすること、を行うように構成された1つ以上のプロセッサを備える、画像誘導手術システム。
【0052】
V.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0053】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又は他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている既存の定義、見解、又は他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0054】
本明細書に開示されるデバイスの変形例は、1回の使用後に処分されるように設計するか又は複数回使用されるように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスの変形例は、分解することができ、かつ、装置の任意の数の特定の部品若しくは部分を、任意の組み合わせにおいて選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部分を洗浄時及び/又は交換時に、デバイスの変形例は、再調整用の施設において、又は外科手技の直前に外科チームによってのどちらかで、その後の使用のために再組立することができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0055】
単に一例として、本明細書に記載の変形例は、手術前に処理することができる。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子などの容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、手術設備で開封されるまで器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意の他の技術を用いて滅菌することができる。
【0056】
本発明の様々な変形例について図示し説明してきたが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適応は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成することができる。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上述の実施例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0057】
〔実施の態様〕
(1) 画像誘導手術システムであって、
(a)アブレーション器具であって、
(i)本体、
(ii)前記本体から延在するシャフト、及び
(iii)前記シャフトの遠位端にあるアブレーション先端部であって、無線周波数(RF)エネルギーを組織に印加するように動作可能である、アブレーション先端部、を備える、アブレーション器具と、
(b)位置センサであって、前記シャフトに結合され、追跡領域内の前記位置センサの位置に基づいて、信号を生成するように構成された、位置センサと、
(c)プロセッサであって、
(i)患者に関連付けられた術前画像のセット内のアブレーションターゲットを識別すること、
(ii)前記位置センサからの位置信号のセットに基づいて、前記追跡領域内の前記アブレーション先端部の現在位置を決定すること、及び
(iii)アブレーション標的監視モードが起動している間に、前記アブレーション先端部の前記現在位置が前記アブレーションターゲットにあることを決定し、それに応じて、前記アブレーション器具のユーザに近接指示を提供すること、を行うように構成された、プロセッサと、を備える、画像誘導手術システム。
(2) 前記シャフトが、前記遠位端に湾曲部分を備え、前記湾曲部分の形状が、前記シャフトが前記患者の頭部に挿入されると、前記アブレーションターゲットに前記アブレーション先端部を位置付けるように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記湾曲部分の形状が、剛性である、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記湾曲部分が、前記湾曲部分の形状が前記ユーザによって決定されることを可能にする可撓性特徴を備える、実施態様2に記載のシステム。
(5) 前記アブレーション器具が、前記アブレーション先端部からのRFエネルギーの伝達を選択的に制御するように構成されたボタンを前記本体上に更に備える、実施態様1に記載のシステム。
【0058】
(6) 前記ボタンが、信号をエネルギー源に選択的に伝達するように構成され、前記信号が、前記エネルギー源がRFエネルギーを前記アブレーション先端部に伝達させるように構成されている、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記アブレーション器具が、前記シャフトの周りに位置付けられた絶縁層を更に備え、前記絶縁層が、前記シャフトから周囲環境へのRFエネルギーの伝達を軽減するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記プロセッサが、前記アブレーションターゲットを識別するときに、
(i)セグメンテーションアルゴリズムを使用して前記術前画像のセットをセグメント化して、解剖学的構造のセットの位置を識別すること、並びに
(ii)前記解剖学的構造のセット及び前記患者に対して実行されている処置を記述するデータに基づいて、前記アブレーションターゲットを選択すること、を行うように更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(9) 前記セグメンテーションアルゴリズムが、トレーニングデータセットに基づいて、解剖学的構造をセグメント化及び識別するように構成された機械学習プロセスを備え、前記トレーニングデータセットが、複数の術前画像及び複数の過去のセグメンテーション結果から生成されている、実施態様8に記載のシステム。
(10) 前記プロセッサが、前記解剖学的構造のセット内で識別された後鼻神経に基づいて、前記アブレーションターゲットを選択するように更に構成されている、実施態様9に記載のシステム。
【0059】
(11) 前記プロセッサが、
(i)前記解剖学的構造のセット内で識別された中鼻甲介接続と、
(ii)前記解剖学的構造のセット内で識別された蝶口蓋孔と、に基づいて前記アブレーションターゲットを選択するように更に構成されている、実施態様9に記載のシステム。
(12) 前記プロセッサが、
(i)前記術前画像のセットに基づく画像を含むインターフェースをディスプレイ上に表示すること、及び
(ii)前記現在位置に基づいて、前記画像上に器具インジケータをオーバーレイすること、を行うように更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(13) 前記プロセッサが、
(i)RFエネルギーが前記アブレーション先端部から伝達されるときに、前記アブレーション先端部からのRFエネルギーの場所及び伝達を記述するパラメータのセットを記憶すること、及び
(ii)前記パラメータのセットに基づいて、前記画像上にアブレーションインジケータをオーバーレイすること、を行うように更に構成されている、実施態様12に記載のシステム。
(14) 前記近接指示が、
(i)サウンドデバイスからの可聴アラート、
(ii)ディスプレイからの視覚的アラート、又は
(iii)前記アブレーション器具からの触覚アラート、のうちの1つ以上を含む、実施態様1に記載のシステム。
(15) 前記プロセッサが、前記アブレーション器具が使用中であるときを検出し、それに応じて、前記アブレーションターゲット監視モードを起動するように更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0060】
(16) 方法であって、
(a)湾曲部分を有するシャフト及び前記湾曲部分の遠位端にあるアブレーション先端部を含むアブレーション器具を選択することと、
(b)前記シャフトに結合され、追跡領域内の位置に基づいて信号を生成するように構成された位置センサを追跡するように画像誘導手術システムを構成することと、
(c)プロセッサを用いて、患者に関連付けられた術前画像のセット内のアブレーションターゲットを識別することと、
(d)前記位置センサからの位置信号のセットに基づいて、前記追跡領域内の前記アブレーション先端部の現在位置を決定することと、
(e)前記アブレーション先端部の前記現在位置が前記アブレーションターゲットにあることを決定し、それに応じて、前記アブレーション器具のユーザに近接指示を提供することと、を含む、方法。
(17) 前記シャフトが前記患者の頭部に挿入されたときに前記アブレーション先端部を前記アブレーションターゲットに位置付ける形状を有する前記湾曲部分に基づいて、前記アブレーション器具を選択することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記術前画像のセット内の前記後鼻神経の識別された位置に基づいて、前記アブレーションターゲットを識別することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 前記術前画像のセット内の中鼻甲介接続及び蝶口蓋孔の識別された位置に基づいて、前記アブレーションターゲットを識別することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(20) 画像誘導手術システムであって、
(i)患者に関連付けられた術前画像のセット内のアブレーションターゲットを識別すること、
(ii)アブレーション器具が使用中であるときを検出し、それに応じて、アブレーションターゲット監視モードを有効にすること、
(iii)前記アブレーション器具の位置センサから受信された位置信号のセットに基づいて、前記追跡領域内の前記アブレーション器具のアブレーション先端部の現在位置を決定すること、
(iv)前記アブレーション先端部の前記現在位置が前記アブレーションターゲットにあることを決定し、それに応じて、前記アブレーション器具のユーザに近接指示を提供すること、及び
(v)前記近接指示を提供した後に、エネルギー源から前記アブレーション先端部への無線周波数(RF)エネルギーの伝達を可能にすること、を行うように構成された1つ以上のプロセッサを備える、画像誘導手術システム。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9
【国際調査報告】